P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
63回国会衆議院1970/03/31

内閣委員会 第8号

発言数
43
登壇者
4
会派数
1
開催日
1970/03/31

会議録

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員長代理 これより会議を開きます。  ただいま委員長は、引揚者等に対する特別交付金の支給に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由の説明のため、参議院大蔵委員会へ出席されておりますので、委員長の指名により、暫時私が委員長の職務を行ないます。  農林省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。中山利生君。

中山利生自由民主党

○中山(利)委員 農林省設置法の一部を改正する法律案に関連いたしまして、きわめて素朴な質問をしたいと思います。  現在農業が直面している問題は非常に深刻なものがございます。しかし、幸いにして最近総合農政というようなことがおくればせながら言われ出したということでございます。きょうは大臣、次官、局長さんたちがお見えになりませんのでたいへん残念でございますけれども、まあ幸か不幸かと申しますか、事務当局としての率直な御意見をお聞かせいただけたらと考えております。  私どもが農村を回っておりましても、現在の農政——農林省の指導を含めたそういう農政というものに対する不信感というようなものが非常に強いわけでございまして、いろいろな御指導がありましても、農林省の指導の逆をやればもうかるんだというような極端な言い方をする人がかなり多いわけでございます。今後総合農政を実施し、これからほんとうに真剣になって近代農業というものを仕上げていくというのには、やはり第一に信頼性の回復というようなことが必要ではないかと考えております。  そこで一番初めに、農林省当局が、自民党の農政とかそういうことにとらわれずに、事務当局としてこうしたらいいのじゃないかというようなお考え、それから、現在までこういう総合農政の施策をやってきた、今後どういうことをやっていくのかというようなことで、率直なお考えをお聞かせいただけたら幸いだと思います。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○大河原説明員 お答えいたします。  先生の御質問は、農業は内外ともにきびしい環境のもとにあり、その末端の農家も行く方向についていろいろ模索しておる、したがって確固たる農政の方針を示して進むべきである、農林省事務当局もこれについて鋭意検討し進むべきであるというようなお話であるかと思いますけれども、本件につきましては、御案内のように、昨年農政審議会の答申を得まして、それに基づきまして本年の二月に「総合農政の推進について」、これは閣議の決定をいたしたわけでございます。それに基づきまして今後の施策を推し進めるという基本方針を樹立したわけでございます。  柱といたしましてはおよそ六点に分かれておりまして、農業の近代化を実現するためには、必須条件として、規模が大きく生産性の高い農業を確立する、産業としての農業を確立するということが第一点。  第二点は、御案内のような米の需給でございますので、緊急に米の生産調整を行ないまして、またそれと並行して地域の特性に応じた需要に見合った農業生産を推進し、需要の強い農産物につきまして効率的な生産を行ない、農業の責任でございます国民に対して良質な食料を豊富に提供いたすという点が、第二点でございます。  第三点といたしましては、言うまでもなくこの過程において農産物の価格の安定をはかり、さらに今日問題になっております流通加工の面においても近代化をはかる。  第四点は、農業によって自立しようとするような農家に対しては、農業所得により、それからそれ以外の農家については、農外所得の安定的増大ということによりまして、他産業に従事している方々と均衡のとれた所得や生活水準を確保するように進んでいくということでございます。  第五点は、就業構造の改善という視点から、離農を希望する方々に対して円滑に離農できるような条件を整備する、援助をいたすという点でございます。  もう一つは、農村地域の生産基盤とおくれた生活環境とを総合的に一体的に整備いたしていくという視点を取り入れて、新しい農村の建設というようなことについて鋭意努力いたす。  この点がただいま申し上げました総合農政の中心の六つの柱になっておるわけでございます。

中山利生自由民主党

○中山(利)委員 ただいま基本的な方針をお伺いしたわけでございますが、たいへんけっこうだと思いますが、大体いまいろいろな方面から聞かされていた程度にとどまったようでございますので、後ほどいろいろな質問の中で、ひとつ事務当局の方の本音というようなものをちらりと聞かせていただければ幸いでございます。  ただいまお話の中で、現在昭和四十四年度まで、多少でもどういう施策を進めてこられ、また昭和四十五年度はどのようなことをやっていかれるのか、その点を御説明願いたい。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○大河原説明員 施策万般にわたりましては詳しくなりますので、その大筋について先生の御質問に答えさせていただきます。   〔伊能委員長代理退席、委員長着席〕  ただいま申し上げましたような総合農政の推進について、四十五年からいよいよ具体的に可能なものから早急に手をつけて進むことは当然でございます。  ただいま申し上げました基本方針に即した施策の重点というものについて御説明申し上げますと、まず御案内のように、農地法、農業協同組合法の構造改善にかかわる法制の整備、それから農業生産基盤あるいは第二次構造改善事業の本格的な実施と農業者年金制度の創設というような構造対策と申しますか、構造政策関係の整備を何よりもまず取り上げるという点が、第一点でございます。  それから第二点といたしましては、農産物需給の点、特に米の需給ギャップという点から、緊急にその均衡を回復するという視点から、米の需要の拡大という一方の施策と並行いたしまして、百五十万トン以上の米についての生産調整の措置を講じるという点が第二点。  さらに成長部門でございます畜産、園芸等の生産の振興については、各般の施策を——こまかくは申し上げませんが、各般の施策を一そう充実して農業生産を推進いたすという点が第三点でございます。  それから第四点は、農産物価格の安定については、各種施策は先生の御案内のとおりでございますが、特に四十五年度においては、肉用牛なり野菜等について一そうその施策を強化して、農産物価格政策の整備充実をはかるという点を意図しておるわけでございます。  それから以上のほか、先ほど農村環境の整備なり、基盤整備と一体になった農村環境の整備等を申し上げましたが、新たに農村道路など、都市に比べて立ちおくれています道路の整備予算を本格的に計上いたし、生活環境の整備をいたすというような点で、特に基本方針に即しまして予算としても重点を置いたところでございます。  しさいに申し上げるべきかと思いますけれども、おもな点についてだけ御説明さしていただきました。

中山利生自由民主党

○中山(利)委員 先ほどのお話、またただいまのお話を含めた、将来の農家はこうあるべきだ、農業はこうあるべきだというようなことをはっきりと農業者によく理解のできるような、納得のできるような形で、方針といいますか、ビジョンといいますか、そういうものをお示しになる御用意はあるわけでございますか。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○大河原説明員 この点につきましては、まず長期の見通しに立ちました農産物の需給の見通し、地域農民がいかなる農産物を選び、それによってその経営を発展さしていくかという点では、やはり農産物の長期の見通しに立った誘導の指針というものが必要であろうかと思います。これにつきましては、後刻またいろいろ御意見があるかと思いますけれども、非常にむずかしい問題ではございますが、今回の米の生産調整等を契機といたしまして、長期にわたってその地域の特性を生かした農業生産を誘導するという、まあわれわれはこれを農業生産の地域的分担と申しておりますが、その作業を現在われわれのほうとしては開始しておるところでございます。  それからまた、農業によって自立しようとする農業経営の類型につきましては、現在その地域と作目に応じました作業を行なっておるわけでございます。そのほか農業生産集団と申しますか、それらの類型につきましても検討を行なって、できるだけ早い機会にその結論を得たいということを考えておるわけでございます。

中山利生自由民主党

○中山(利)委員 ただいまの地域分担の作成、それから農産物の、これはもちろん需要と供給の計画、流通機構、そういうものを含めた計画だと思いますが、現在作業はどの程度進んでおるか、いつごろまでに大体の成案ができるかということを……。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○大河原説明員 ただいまお答え申し上げましたように、農業生産の地域的分担については、ただいま作業中でございますが、御案内のように、大体その結論としては、都道府県単位あるいは地方農政局単位に農業生産の地域分担を明らかにいたしまして、今後の町村段階の計画等の樹立に資するまでのものをぜひつくりたいということになっておるわけでございます。そのためには、実は現在地方農政局段階におきまして、各県の協力を得まして、主要な作物につきまして、膨大な各種の生産条件、経営条件に関するデータを収集中でございます。これらのものを早急に地方農政局単位でまとめていただきまして、本省段階にかけて、理論的な計数等を駆使いたしまして、一つの理論的な形のものを出して、それを現実の条件、もろもろの角度から行政判断をいたし、政策判断をいたすというような取り進め方になると考えられるわけでございます。ただいま申し上げましたようなことで御推測かと思いますが、相当な作業でございまして、何月何日までというようなことは申し上げかねる段階でございますが、各方面の強い要請もございますので、事務当局といたしましては、全力をあげて進めたいという考えでございます。

中山利生自由民主党

○中山(利)委員 その計画の作成にあたっては、地域の生産者あるいは農業協同組合、そういうものとの打ち合わせといいますか、そういうことはやっておられるのですか。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○大河原説明員 先生御指摘のとおり、これは単に国の一方的な作業なり方針ではなくて、最後は地域の農民なり、あるいは農業団体、あるいは地方公共団体というものの皆さん方みずからの、生産に当たられる方あるいは生産を指導される方の指針になるかと思います。したがいまして、ある程度の作業段階で一つの理論的な形がまとまった段階で、十分農業団体なり地方公共団体とお話し合を進めた上で、現実的な実行可能性のあるものにすべきことは当然だと思いますし、御指摘のような配慮はいたしたいと思います。

中山利生自由民主党

○中山(利)委員 ただいまの作業は、今度の総合農政の一つの基本になろうかと思いますので、拙速ということではなくて、早いほうがいいことはいいのですが、慎重にひとつりっぱな成案をつくっていただきたい。  それからもとへ戻りますけれども、昭和六十年には、日本の人口が一億二千万ぐらいに達するのじゃないかといわれております。そうして人口の都市への集中化というのはますます激しくなってくる。過疎と過密地帯というものがますます激しくなってくるわけです。そういう時代において、日本の国民の食糧の自給ということは、将来非常に大きな問題になってくると思いますけれども、政府としては、将来の食糧自給率といいますか、自給の問題についてはどういうお考えでしょうか。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○大河原説明員 ただいまの御質問の点につきましては、農林大臣以下農林省としてあらゆる機会に考えを申し上げておるところでございますが、何といっても、消費人口が一億をこえるような膨大な消費需要を持っておりますわが国におきましては、国民の必要といたします食糧を大幅に海外に依存するということは適当ではないというふうな基本的な認識でございます。したがいまして、国内の農業資源を最大限に活用して、なるべく国内でまかなうという基本方針は、農林省のあらゆる施策の基調になっておるわけでございます。ただ、これも申すまでもないことでございますけれども、各種の作目の生産条件とか、あるいは今日では、国内だけではなくて、国際的な需給事情も考えたものでなければならないという点も一つの側面でございますので、月並みのことばでございますけれども、すべての農産物を機械的に増産をしていくということではなくて、効率的な生産という立場に立って取り進めたいということでございまして、相当程度の自給率を維持するという点をただいま農政の一つの基調として進めていっておるわけでございます。

中山利生自由民主党

○中山(利)委員 これは総合農政の完成と大きな関係があると思いますが、農産物の自由化の問題というのも非常に大きな当面の問題になっておりますが、それと関連した食料品の自給、それについて御説明いただきたい。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○大河原説明員 今日わが国経済の一つの課題であります国際化の問題は、貿易の側面あるいは資本の側面、資本、貿易の自由化という点は、これは一連の国是でございますので、これについては最大限の努力を政府としては払っておる。農林省としてもこれらについて努力しておることは御案内のとおりでございますが、先生御指摘のような総合農政の展開という重要な段階に農業は当面しておるわけでございます。したがって、今後のわが国農業の発展の死命を制せられるような部門についての自由化の問題については最大限の慎重な配慮を払う。これは単に自由化を延ばすということだけではなくて、関税なりあるいは課徴金制度とか、いろいろな一種の調整措置というものについても進んだ施策を展開いたしまして、それらとの関係で一方の課題である自由化というものについてわが国農業に悪影響を及ぼさないような措置を講じていくというような点を配慮しておるわけでございまして、自由化を推し進めるということが即自給率の維持の後退ということにはわれわれ考えておらないわけでございます。

中山利生自由民主党

○中山(利)委員 現在日本の農家が当面しております米の生産調整の問題でございますが、現在の全国的な進行状況はどのようになっておりますか。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○大河原説明員 米の生産調整につきましては、ただいま御案内のように、農林省はもちろんでございますが、地方公共団体、県、市町村、農家をあげてこれについての御理解を願い、推し進めておるわけでございますが、大体全体の現在の進行状況といたしましては、生産目標数量の数字が市町村から個々の農家の方にほぼ届きまして、実施計画を農家の皆さんにおつくりになっていただくという段階かと大勢としては判断しておりますが、ただこれについては、いよいよ時期も相当進みましたので、ただいま地方農政局を通じまして、末端の実施状況について詳細に報告を求めておるという段階でございます。

中山利生自由民主党

○中山(利)委員 私などが入手した情報によりますと、かなり順調に進んでいて、あるいは百万トンをオーバーするような可能性も出てくるんじゃないかというようなおそれもあるわけでありますが、この場合には、奨励金の支払いその他をそれ以上のものに対しても支払うとすれば、その財政措置、そういうものをどうお考えになっておるか。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○大河原説明員 ただいま御質問の点につきましては、予算審議の過程等において、大蔵大臣なり農林大臣が御答弁申し上げておるところでございますが、本生産調整の趣旨にかんがみまして、百万トンをこえた場合においても当然奨励金の交付はいたす、そのための所要の財源措置を講ずるということに政府の方針がきまっておるということをお伝え申し上げたいと思います。

中山利生自由民主党

○中山(利)委員 この生産調整が本年度一年で終わってしまうのか、また来年度、再来年度まで、米がたくさんできそうな場合には続けていくのかどうかというようなことも、農業者の非常な関、心事だと思うのですが、その点について御説明願いたい。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○大河原説明員 ただいま御質問の点についても、各方面からしばしば御指摘なり御疑問が出されておるところでございますが、これは農林、大蔵含めまして政府としての考え方といたしましては、もう米の需給の困難な事態というものはなかなかそう簡単にはないであろうけれども、今回の生産調整措置というのは実に緊急な、かつて例のない措置でございますので、明年度以降の問題につきましては、本年度の生産調整の措置等の効果なり実施状況を見きわめまして、その辺の措置を講じていくということだけ申し上げ得るかと思います。

中山利生自由民主党

○中山(利)委員 現在のそういう調整の状態を見ますと、理想的に言えば、水田を米でなくてほかの作物に転換をすることが一番いい形だと思うのですが、現在の場合は休耕あるいは休耕と称してほかの目的に使用してしまう、農地をつぶしてしまうというような状況がほとんどだと思うわけです。これについての指導といいますか、そういうことはどのようになされておりますか。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○大河原説明員 百万トン分の米の生産調整を行ないます場合においては、農産物の需給事情とか土地条件を見まして、他作物へ転換して生産調整に協力していただくという点が、やはり本来の筋であるかと思うわけでございまして、その点については御意見のとおりでございます。したがって、土地条件その他やむを得ざる事情の場合の休耕もまた米の減産に通ずるということで、今回奨励の措置をとったわけでございますが、われわれとしては、転作と申しますか、他作物への転換に重点を置くという姿勢で、先般御審議を願いました四十四年度の補正予算におきましても、生産調整対策特別事業費二十億円を計上いたしまして、転作に必要な小規模の土地改良なり種苗、種子等の購入あるいは転換作物に必要な機械施設というようなものについて助成をいたすということの緊急措置をとったわけでございまして、お話のように転作を中心にして進めていくというのが基本的な考え方でございます。

中山利生自由民主党

○中山(利)委員 これにつきましては、従来の増産型のいろいろな補助なり施設なりが依然として続けられ、片一方では減反、米の産出を少なくしようという矛盾した施策が並行して行なわれておるような感じがいたしますが、それはどういうことですか。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○大河原説明員 先生御案内のように、今日の米に関する施策につきましては、土地改良を重点とした基盤整備事業あるいはその他の生産対策と両面があるわけでございますが、基盤整備事業におきましても、開田、干拓等、この点についての思い切った抑制措置を四十五年度から講じておるわけでございますし、重点は圃場整備その他、要するに労働力の不足に対応して農業生産を維持する大型機械の導入というような点の圃場条件の整備なり、あるいは先ほども申し上げました農道の整備という点に逐次重点を移行しておりますし、またそのほかの生産対策につきましても、米生産の能率化、機械化というようなことの生産対策という点に重点を置きまして、過去におきます単なる増産主義というようなことについては予算としてはとっておらないつもりでございます。

中山利生自由民主党

○中山(利)委員 その問題につきましては、先ほどの地域分担というようなものは一日も早く明確にして、これを強力に指導していただくということが必要だと思います。それと同時に農産物の価格対策、流通機構の整備等も必要だと思いますが、私の茨城県などでは、東京都心からわずか一時間くらいなところで、野菜、大根その他のものを畑で腐らせてしまっておるような状況でございます。片一方では消費者には非常に高い野菜が出回っておる。その価格の差があるということは、農業者にとっては考えようによっては有望なことではないかと思いますけれども、この差をなるべく少なくして生産者の価格をもっと安定させるということが、今度の減反というような緊急措置をとらなくても需給のバランスがとれるような方法になるんじゃないかと思いますが、農産物の価格安定対策ということにつきましては現在どのような……。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○大河原説明員 米のように直接管理をしているものと違いまして、お話しのような生鮮食料品等につきましては、その需給なり価格に対する非常な敏感な変動が多いわけでございまして、そのために生産者なり消費者等におきましてそれぞれ大きな影響があるという点は御指摘のとおりでございます。特に成長部門の作目を伸ばしていくというたてまえからいたしますと、価格安定についての対策を一そう整備いたすという点が必要かと思いますが、生鮮食料品の価格安定は基本的にはやはり需給の安定ということで、主産地を中心といたしました計画生産、計画出荷と申しますか、生産、流通の組織化ということにつきまして国も努力をいたし、あるいは生産者団体も努力をして体制を整備していく。またそれに必要な情報の提供、需要情報の提供等につきましてはあとうる限りの施策を整備いたすという点が一つかと思いますが、そのほか各段階におきます物的流通なり取引の合理化という点もやはり価格安定に通ずる施策かと思うわけでございます。その点については、市場の施設そのものの整備なりあるいは取引制度の整備ということで、今回も市場法の改正等を御審議願うことになっておりますし、またその安定対策自体につきましても、先ほどちょっと触れましたが、肉用牛及び野菜等につきまして、今回肉用牛等については子牛価格の安定基金制度を設ける、野菜等につきましても、その対象野菜の作目をさらに増加するなり、あるいはその内容を充実するということで、価格対策については十二分とはいかないまでも、逐次可能な側面から整備していきたいというふうに考えておるわけでございます。

中山利生自由民主党

○中山(利)委員 ただいままでのお話の総合農政の推進あるいはその中で農業の経営規模の拡大、大型農業の実現というようなことを考えてまいりますと、一番ネックになろうと思われるのは農地の問題だと思います。この農地の取得ですか、この問題についてはどのような方針でこれから取り組んでいかれますか。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○大河原説明員 お答えいたします。  ただいま先生の御質問につきましては、基本的には今回の農地法の改正等の考え方に制度の面としては尽きておるわけでございまして、従来ややもすれば農地の流動化について硬直的であったということが規模拡大に対する阻害要因になったという点につきまして検討を加えまして、制度としての農地の規模拡大への筋道を開くという点が第一点でございます。  第二点といたしましては、先生御案内のように、農林漁業金融公庫におきます長期低利の農地取得資金、これを大幅にワクを拡大いたしまして、これらについて農業者の規模拡大の援助を全からしめるというような施策を講じまして、制度面あるいは財政援助面、両面にわたりましてその努力を続けていきたいというふうに考えておるわけであります。

中山利生自由民主党

○中山(利)委員 制度面といまの財政面だけの施策でこの土地問題が解決するというふうにお考えですか。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○大河原説明員 なかなかむずかしい問題でございまして、今日の農地の流動化を阻害している要因は高い経済成長、これは一方では非常にいい影響をもたらしておりますけれども、逆に地価水準の上昇というようなことももたらしている面もございまして、農地としての移動をなかなか困難にしている面があるというような基本問題もあるわけでございます。したがってわれわれは、先生御指摘のように、農地法の改正あるいは金融制度だけをもって、完全に直ちに所期の規模拡大を達成するのはなかなか困難であり、相当の時日を要するという点は考えておるわけでございます。いずれにいたしましても、農業政策面で可能なものについては逐次これに手をつけまして、やはり農業らしい農業と申しますか、農家らしい農家が中核となったわが国農業の確立という点について努力しなければならないというふうに考えておるわけであります。

中山利生自由民主党

○中山(利)委員 そうなってまいりますと、農地の取得による規模の拡大、大型農業の展開ということになりますと、いろいろ機械力その他の導入というようなものが必要だと思いますが、現在農業者にそれだけの資力とか、そういうものが少ないわけで、これも長期低利資金とか有利な融資というようなことで解決をしていくということでございますが、それだけでは解決できないような問題がある。というのは、農業者の土地に対する異常な愛着といいますか、それから現在の農家が、ただいまお話しのような土地価格の高騰によって、農業者というよりも地主というか、土地ブローカーみたいな性格がかなり強くなっているということで、この土地の取得ということが適正に行なわれない場合には、今度の総合農政というのも必ずしも円滑にいかないのじゃないかというふうに考えますが、この農地の取得というものがうまくいかなかった場合には、さらに何らかの手段をお考えになっているかどうか。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○大河原説明員 先生の御質問のとおりなかなかむずかしい問題を含んでおるわけでございまして、今度の農地法の改正をごらんになっておわかりのように、単に自作地の形態の移動というようなものだけではなくて、むしろ貸し借りと申しますか、賃貸借関係、借地による規模拡大という点についてもそれを円滑にするような最大限の配慮を払うということで、農民の土地保有的性向というものを踏んまえた流動化の措置も考えておるわけでございます。また農地法の中に、農地保有合理化法人というような地方公共団体段階における規模拡大を専一にいたします組織も予定いたしまして、これをもって規模拡大を推し進めるというようなことも考えておるわけでございまして、とにかく、とりあえずできるこれらの施策について全力をあげて進めてまいりたいというふうに考えておるわけであります。

中山利生自由民主党

○中山(利)委員 この総合農政の展開の中で、また一つ問題になるのは離農者の問題だと思うのですが、それに対する対策はどのようにお考えか。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○大河原説明員 強制的に農業からリタイアしていただくというわけではなくて、高い経済成長の中で生まれた雇用機会というようなものについて、農業よりも他の部門で所得を得て、それに依存されることを希望なさる方々については、あとうる限りの条件を整備するということが農業政策としても無視できないわけでございまして、またそれが農業そのものの就業構造の拡大にも資するということはお話のとおりでございます。したがいまして、これにつきましては、中高年齢層の皆さんの安心した農業からのリタイアを可能にする制度、あるいは転職を希望する方々の農外就業のための訓練制度とかあっせん制度とかいうような点については、まさに今回の総合農政の施策の一つの重点——単に農林省の所管にとどまらず政府あげての施策という意味で労働省とも御協力を願っておるところでございまして、農林省プロパーの制度といたしましては農業者年金制度の創設ということで、必要な法案の提出をいたしまして、その足がかりとしたいと考えているわけでございます。

中山利生自由民主党

○中山(利)委員 政府の新経済社会発展計画によりますと、農林漁業の社会資本の政府の投資額については三兆二千五百億というようなあれが出ておりますが、先ほどからお話しの総合農政がある程度軌道に乗るというところまで持っていくには、総合的にどのくらい、三兆二千億ぐらいで足りるのかどうかというようなことを、もしおわかりになりましたらひとつ……。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○大河原説明員 ただいま先生からお示しになりました三兆二千五百億という数字は、経済社会発展計画を検討しております経済審議会の投資配分の関係の委員会におきまして、何と申しますか、委員会としての内定した数字だというふうに承知しておりますが、この数字は、御案内のように単に農業だけではなくて林業、水産業も入っておりますし、しかもいわゆる公共事業費の一部でございます。したがいまして、総合農政の展開ということで、かりに財政計画と申しますか、その一つの投融資の裏づけを考えます場合には、単なるその基盤整備と申しますか、公共事業関係だけではなく、先ほど先生の御指摘のございました規模拡大なりあるいは資本装備の高度化には巨額の投融資を要する。そういうものがあるわけでございまして、われわれといたしましては、総合農家の本格的な推進については、これらの資金の裏付けについても早急に検討いたしたいというわけでございまして、三兆二千五百億という審議会内部の委員会の数字が即総合農政の関係の数字ではない、その関係はそうだということを申し述べさしていただきます。

中山利生自由民主党

○中山(利)委員 非常に大ざっぱな質問でたいへん申しわけなかったのですが、ただいまの農業者は、先ほど申し上げたような農政に対する不信というようなものを非常に強く持っていながら、なおかつ政府の強力な指導というものを真剣に考えているわけでございます。新しい農業というものに真剣に考えて取り組んでいこうとする農民がいま大ぜいいるわけでございます。その人たちに対して失望をさせないような強力な計画と指導というものを今後お願いしたいと思います。  それから、現在の農業がこういうふうに行き詰まってしまったのには、政治家のほうにも多少の責任があるのではないかと私は考えますが、一年生議員でもございますので、事務当局から見た政治家の反省すべき点というようなものがありましたら、ひとつ率直にお話をいただきたいと思います。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○大河原説明員 われわれは行政事務を担当いたしまして、農業の現実の実態についてもろもろのデータのもとに施策を用意し、政策判断を願っておるわけでございまして、そういう点についてはこれ以上申し上げることは差し控えたいと思います。

中山利生自由民主党

○中山(利)委員 ぜひ遠慮なしにやっていただきたいと思ったのですが、この場で御回答いただくのは無理かと思いますので、後ほど内緒でお話を願いたいと思います。  以上をもって質問を終わります。

天野公義自由民主党

○天野委員長 伊能繁次郎君。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員 実はいま中山君の質問をずっと一時間あまり伺っておったのですが、農林省設置法については前回一応審議は尽くしましたが、農林関係については、一年といわず情勢が非常に変転をして、皆さんに御苦労を願っておると思うのですが、さっきの米の問題、蔬菜、畜産の需給の問題、価格の問題、農地の問題等についても、中山君は遠慮されて、あなたの答弁にさらに突っ込んだ質問をしなかった。いずれ大臣、関係局長が見えると、もっと突っ込んだ質問がいろいろあるだろうと思います。一方において中山君は、最後にわれわれ側に対する反省、われわれ側の考え方の誤謬等についても遠慮なく指摘してほしいという端的な意見の開陳があったのですが、きょうの御回答では、失礼なお話ですが上っつらをなでただけで、次回に大臣、関係責任者の来たときにはもう少し明快な御答弁を願わないとちょっとぐあいが悪いんじゃないか、これは私の老婆心ですけれども、実は私も聞きたいとは思ったのですが、大臣その他が見えた際に、場合によれば関連質問で聞きたいと思いますが、いずれもいま主として取り上げた三つの問題、これは当面の総合農政の中においても重要な問題ですが、当面いまどうするかということについても非常に重要な問題を含んでいると思います。ことに米の転作、休耕の問題は一体どうするんだということはお答えにくいと思います。お答えにくいと思いますが、来年の問題を考えずにいまだけをやっているというのでは、私は農業政策ではないと思う。したがって、その辺のところをもう少しはっきりされないと、どうも米の問題自体も解決しないように思いますので、次回は大河原さんだけでなく責任者も見えるだろうと思いますが、もう少し総合農政だけでなく、現実の当面の措置についても明確にしていただきたい。たとえば、実はわが党において市場法の改正——私自身も相当いろいろ突っ込んで聞きましたが、あの市場法の改正要綱の中には、生産者をどうして保護するかということ、これは農産物だけでなく水産物についてもですが、一方消費者に対して適正な価格で売るのにどうしたらいいかという、この二つが抜けて、市場法の整備だけ——私、率直に言います。市場法の整備に重点が置かれ過ぎているということがわが党内においても論議になったわけです。そしてあの冊子には、生産者の保護の問題、消費者への適正価格での配分の問題は、その法律の内容に書いてない。これは欠けているのではないかということを経済局長にも私は申し上げたのですが、その辺のところがどうも非常に苦しい。当面一番重大な内容を含んだ日本の農業について、もうちょっと消費者並びに生産者がどうやらこれならがまんができる。たとえば私の選挙区の銚子では先般来サンマは八円だ。東京へ来ると百二十円。そんなばかな話はない。こういうような問題の解明というものが十分に尽くされていない。こういう点がもう少し市場の問題等において解明さるべきだと思うのですが、残念ながら蔬菜についても、いま中山君が指摘されたように、中山君と私は隣合った選挙区で、農業特に行商——あの付近、中山君の選挙区と私の選挙区は行商の産地というとおかしいけれども、主たる出かせぎの地域です。そういう連中が、かつてと違って非常に値幅が少なくなっている。自分で生産してそのまま東京へ持ってきて売る連中はいいのですが、中間であるものを買って東京へ持っていくということになると、一番大きな問題は国鉄運賃がパッパパッパ上がる。そうすると、かつてはしょっていったものはただだったのだが、いまは月に千円ずつ行商が荷物賃を取られるようになる。そういうような問題。一方消費者のアパートや団地へ直接持っていくのが値幅が非常に少ない。この辺の問題についても生産者の保護と消費者の適正な価格——これは生鮮食料品というものはロスが出る。これは日がたてば必然的に品が悪くなる。ここにフェータルな問題もあろうと思うのですが、銚子で八円のサンマが東京にきて百二十円というのはどうしたって理解できないのです。市場法の改正はいいのですが、市場の中の手数料だの市場の連中の特権だけを保護する形になる市場法については、私は考え直していただきたいということを申し上げたいのです。  いずれ各党から、この辺のところをもっと突っ込んだ質問があるだろうと思いますので、一番大事な農業問題について、ぜひ明快な御答弁を次回に私は期待して、希望だけを申し述べておきます。

天野公義自由民主党

○天野委員長 次回は、来たる四月二日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午前十一時三十二分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗