内閣委員会 第7号
- 発言数
- 55 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1970/03/26
会議録
○天野委員長 これより会議を開きます。 農林省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。笠岡喬君。
○笠岡委員 私は、今回の草地試験場の新設、農業者大学校の新設及び地方農政局へ統計調査事務所を吸収統合するという三点について、きわめて常識的なことを二、三お尋ねをいたしたいと存じます。 これらは大体機構改革に伴うものであると思いますが、まず私が冒頭に申し上げたいことは、こういうふうな機構改革は当然必要であり、やらなければならないと思いますが、この草地試験場にいたしましても、あるいは統計調査事務所を吸収統合するという点にいたしましても、いまさらこんなことをという感が私はいたすのでございます。農業試験場の草地部を発展的に独立の草地試験場にするということはいいと思いますが、日本で酪農を本格的に取り上げてからもうすでに相当の年月が経過をいたしておるわけでございまして、なぜもっと早くやらなかったかというような感をいたしておるのであります。 そこで農林省においても、今後新しい世代、新しい時代に対応してこういうような機構改革をひとつばりばりやってもらわなくてはいけない問題がいろいろうっ積しておるのではないか。たとえば、いままで農林省は生産者の場に立っての機構であったものが、現在では生産者、同時に消費者の両者を踏まえた、いわゆる農林省というものを一大改革しなければいけないのじゃないかというような点も現在お考えになっておられるか。これは草地試験場とは非常に飛躍をする機関があるかとも存じますが、こういう試験場の新設、発展的に独立の試験場をつくるという機会に、ひとつ農林省内部にそういうお考えがあるのかどうかという点もあわせて、せっかく官房長がお見えになっておりますのでお聞かせをいただければありがたいと思うものであります。 そこで、草地試験場について、あるいは農業者大学校の新設について、それぞれお尋ねをいたしてみたいと思うのでございます。 まず、草地試験場でございますが、栃木県におつくりになるということを承っておりますが、この栃木県に選定された理由は一体どこにあるのか、そういうことをひとつつまびらかにしていただければありがたいと思います。 それから第二点として、これは非常に言いにくいことでございますが、従来官公署の試験機関というものは、民間の試験機関なんかと比べまして、非常に形ばかりであって、内容の点においていささか劣るきらいがあるという点が往々にしてあるわけでございます。ここに新しく草地試験場の予算書もあわせて提出をされておるわけでございますが、その内容を見ますと、これで将来の基盤固めとして相当期待するものができるのかどうか。 さらに第三点として、いままでの農業試験場の草地部を発展的にそういうふうにされるのですが、いままで草地部があったのを、各地に分散をしておるのをもっと強化したほうがより効果的ではないのかどうか。あくまでもこういう独立したものをつくることが専門的な立場からお考えになっていいのかどうか、こういう点をひとつつまびらかにしていただきたいと思います。 次に、農業者大学校の問題に移らせていただきますが、こういうような農業に従事しておる者を、しかもその中で将来農業をやるのだという者を全国から集めて一カ所で濃密教育をするということは、非常にいいことに変わりはございません。しかしながら、まず第一に、その学校の場所が東京都のどこか三多摩のほうとか承っておりますが、これだけ都市は過密化し、農村は過疎化してきておる今日、農業者大学校までも東京都に集中することがいいのかどうか、どういう点でそういう点をきめられる根拠があるのか、こういう点もひとつつまびらかにしていただきたいと思います。 さらに内容のことでございますが、三年間という年限が課せられておるわけでございますが、この三年間というものは、かなり実際に農業をやっている方にとっては長年月であろうと思います。そこでこの三年間というのはどういう内容のものであるかということをひとつ伺っておきたいと思います。 そこで、三年間ということにきまっておりますが、私たちが地方におったときのことを考え合わせますと、各府県とも、こういう種のものはどこの県も一つや二つは持っておるわけでございます。そこで三カ月とかあるいは半年とかいうような短期間、かなりの人を集めてそういうふうないろいろな教育をしておるようでございますが、こういうものをもっと強化するようなことをやったほうが効果があるんではないかということも考えるわけでございますが、そういうことをもお考えになってこういうようなことを提案されておるかどうかということをあわせてお伺いしたいと思います。 それから、末端の国民にとりまして、こういうふうな農業であるとか、そのほか社会教育の場面としていろいろな成人教育というものが現在行なわれておるのでございますが、これがどうも中途はんぱになり、農林省は農林省、あるいは文部省は文部省、それぞれの役所において、こういうふうな教育が至るところでいろいろな機会において行なわれておるが、どうもぱっとした効果があがらない。反面その成人教育と申しますか、社会教育というものは、私は非常に大切であると思うのですが、農林省は、この農業後継者のための農業者大学校を新設される点において、この点とはいささかねらいは違うかもしれませんけれども、そういうふうな各官庁と提携をされて、そして普及所あたりの部面を生かして、そして社会教育、農業者の教育をするというようなことにどのような気持ちでおられるか、普及所の存在なんかについてどういうふうにお考えになっておるか、それらのことについてあわせて承れればありがたいと思います。 最後に、統計調査事務所を地方農政局に吸収統合するという件でございますが、私たち地方におりまして、数年といわず、もっと長い年月、この統計調査事務所というものは、まあじみな機関でございますのでとかくそういうふうになりがちかもしれませんけれども、この業務目的というか、そういうものが非常に薄れて、地方民にとっては、一体あの役所はどんなことをするんだろうというような感じがなきにしもあらずというような存在であったと思うのです。そこで、いまいろいろ物価の問題、先般もタマネギが一個五十円、ジャガイモが五十円というような、農産物のことについてもそういうような問題が社会問題として取り上げられておったのをごらんになったと思いますが、こういうような相当数の職員、また相当の力を持ったああいう機関を、もう数年もああいうふうな灰色の役所のままで放置しておかないで、もっと早くこの流通機構なんかのために役立つような手をなぜ打てなかったか。農林省においては、そういうようなことをもっと真剣にお考えになって、あれだけの人員、あれだけの機構というものをそういうようなものに活用されるような案はなかったものであるかどうか。また今度の改革によってそういう面をも取り入れて統計調査事務所というものを活用せられる意思があるのかないのか、あるいはそれを統合して今後従来のままの業務を続けていくのか、どういうような内容にするのかということをひとつ承っておきたいと思います。 以上、私は三点についてお伺いをし、またお答えによっていろいろお尋ねをいたしたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
○亀長政府委員 最初に御指摘になりました農林省全体の機構の考え方の問題につきまして私からお答えを申し上げます。 いろいろお話がございましたように、農林省の施策を推進するための組織、機構につきましては、農林省はどちらかといえば生産者団体中心の行政であるというふうにいわれてきておりまして、事実そういう面が多分にあったことも私ども否定するわけにもいかないと思います。しかしながら、御承知のように最近の経済の発展に伴いまして、国民の生活面、消費者の問題が非常に盛んに議論されるようになりまして、私どもとしましても、もちろんその点に十分な注意を払いながら行政をやっていかなければならぬということは当然でございまして、本年二月「総合農政の推進について」という閣議報告を農林大臣がなされまして、総合農政の考え方を表明をいたしました文書の中におきましても、消費者の保護、流通機構の近代化というような面が特に強調されておるわけでございます。組織面で私ども具体的にこれをどうこなしていくかという問題が一つの大きな問題でございまして、御承知のように、農林省の機構は野菜なら野菜、くだものならくだもの、魚なら魚というふうに、大体生産を担当する部局が流通問題もあわせ兼ねておるというのが本来の姿でございまして、その上にこれを統括する市場課であるとかあるいは消費経済課というようなものが若干あったにすぎなかったわけでございます。これを一挙に生産者の行政と離れて流通なり消費者保護というものをどううまく組織的に分類できるかという点が私どもの悩みでございますが、御承知のように、昨年来農林省では企業流通部というのを一つ新しく設けまして、その中に市場課、消費経済課というふうな部門を設けまして、一つの統括的な部局ではございますけれども、従来よりも流通部門、消費者保護に力を入れる、こういう姿勢を明らかにいたしまして、人員、その他予算等もここ一年ばかり従来に比べますと一段と拡充をいたしておるという段階でございます。さらにこの企業流通部以外にそれぞれの物資を持っております部局におきましても、単に生産のための予算だけでなくて、加工のための予算あるいは処理施設、保蔵施設等を建設するための予算、これもそれぞれ園芸、畜産あるいは水産というような部局でかなり大幅に増加をいたしておるわけでございます。 さらにこの国会にも、新しい流通関係の市場法案あるいは農林物資規格法の改正法案というふうな法案の提出も考えておるわけでございまして、逐次流通あるいは消費者保護という施策を進めてまいるという段階でございます。今回提出いたしております設置法の改正案には、必ずしも流通の分野ということが含まれているわけではございませんけれども、御指摘の流通、消費という問題を農林省の立場といたしまして生産行政とどういうふうに結びつけてやっていくかというのが組織上の一番の悩みでございまして、単に生産と離れて消費の面だけをとらえる、あるいは流通の面だけをとらえるとかというふうな、経済企画庁が食品なり農産物の流通という面を見る目と、あるいは公正取引委員会とか通産省が見る目とは異なった見方、異なった行政のやり方で対処して、生産と流通、消費というのを一貫して総合的にどういうふうに実施し得る方向を考えるかという点が、率直に申しまして私どもの悩みでございます。 御承知のように、農林省の行政は、生産面におきましては非常に技術面が多いのでございまして、技術面となりますと、どうしてもこれは特化する、分化するということでございます。同じくだものでも、たとえばブドウの技術者とナシの技術者はまるっきり違う、さらにそれが畜産物とか、あるいは水産物となれば、そういう面が非常に違っております。ところが、流通、加工とかという部門でございますと、そういうものは非常に共通した分野が多い。その分野だけをとらえて流通行政、消費者保護行政ということをやってみても、なかなか生産面とうまくかみ合わないと思います。そのかみ合わないところをどういうふうに力を入れた組織につくり上げることができるかということが実は非常な悩みでございまして、その点につきましても、私ども現在できておる流通組織にはもちろん満足しない、もう一歩進めたような形で何らかの組織を検討してまいりたい、かように考えております。 全体の機構につきましては、もちろん地方も含めまして私ども現段階で結論が出ておりますことにつきましては、今回の設置法の改正案に盛り込んでおるつもりでございますけれども、将来の問題といたしましては、よくいわれますように、林食糧省という考え方にしたらどうかというようなお話もございます。これも名前を変えるだけではいまと同じことでございますから、実態をどう考えてこれをどう運営していくかという問題でございます。 さらに、これは民間のいろいろな研究機関でも、価格安定局、価格流通局というのを設けたらどうかという御意見もございます。これも、先ほどの話に返りますけれども、価格につきましても、たとえば米の価格あるいは生糸、豚の価格、なたね、大豆の価格、いろいろな政府の価格の支持のあり方についても、同じ価格とはいいながらやり方が非常に違っておるわけであります。趣旨も違っておるわけであります。そういうものを、生産と分離した価格局というのを考えてみましても、これが一体どういうように生産行政とのうまい関連のある局になり得るかという点が同じように問題でございます。 そういうふうに組織が改正になりまして大幅な改革を加えるとしても、生産行政と流通行政、生産行政と価格行政、こういうところの組織上の分界点というところに、まだ私ども十分な結論を見出し得ない。行政のことでございますから、非常に入り組んでおりますから、ある程度検討が進めば、これは割り切ってその後は相互の協議なり連絡で円滑に事を処理していくということにならざるを得ないと思いますが、いずれにしても、私ども御指摘のような問題につきましては常時検討を加えまして、結論の出たところからできるだけ改善措置をとってまいる、かような考えで対処をしていきたいと思っております。
○笠岡委員 官房長、非常にお忙しいようでございますので、官房長に対してはこの程度でけっこうでございます。 いま官房長がお立ちになってのことばの中にも、価格局であるとか、あるいは農林食糧者であるとか、そういう新しいいろいろなことばが飛び出してくるので、将来農林省というものも大きな改革ができるんではなかろうかというような気持ちもありますが、たとえば草地試験場をつくるとか、あるいは農業者大学校をつくるとかというようなことを今回提案になっておるが、こういうものでは、いわゆる総合農政を唱える時代にしては、何か新しい息吹きというようなものも感じられないのが私たちの受け方でございます。 そこで、そういうふうな農林省の新しい機構改革、いま何と申しましても組織で動く時代でございますので、何といっても機構が一番だと私は思うので、ひとつ大いに新しい機構に改革をして総合農政に対処してやっていただきたいということをお願いをしてこの点の質問を終わります。 それでは、あとをひとつお願いいたします。
○横尾政府委員 草地試験場に関しましてお尋ねのございました幾つかの点にお答えを申し上げたいと思います。 まず第一点の、なぜ栃木県に草地試験場を置くかというお尋ねの点でございますが、私ども考えております草地試験場は、全国の草地にかかわります試験研究の中核組織といたしまして、主として全国共通の試験研究問題、あるいはやや基礎的な試験研究問題、これを総合的、効率的にやりたい、そのための組織として設けたい、こういうことでございます。そういうふうに考えてまいります場合、その条件を満たすための一定の要件が必要でございます。たとえば御承知のように、牧草につきましては北方型、南方型というようなものがございますが、これをあわせて試験研究の対象にし得る自然的立地条件というものがまず必要でございます。それから試験研究を進めてまいります場合に、当然ほかの関連いたします試験研究機関と連携を密にしてやってまいるということが便利なところでなければいかぬということも一つの要件でございます。さらにまた、これはあとで、別の御質問に対するお答えにも関連をいたしますけれども、草地試験場だけで全部の試験研究を首尾一貫してやりおおせるわけでもございません。たとえば地域の農業試験場との連携等も合理的にとり得るような場所等々を考えまして、その設置の場所も選定いたさなければならないというように考えるわけでありますが、先生御承知かと思いますが、畜産試験場の草地関係部門が現在那須にございまして、ここは相当規模の土地も持っておりますし、先ほど来申し上げておりますような要件にもかないますので、それを拠点にいたしまして草地試験場を設けたいというのが、なぜ栃木県に草地試験場を置くかという御質問の第一点についてのお答えでございます。 それから第二点の問題でございますが、予算にからめて草地試験場をつくって、はたしてこれで十分行き撮るのかどうか、実のある草地研究をやらなければならないのではないかといった御趣旨の御質問かと拝聴いたしましたが、予算といたしまして四億二千五百万円を計上いたしております。これは草地試験場に関します直接の経費でございます。草地試験場の人件費を含めます運営費でございますとか、機械を整備いたす経費でございますとか、あるいはせっかく試験場をつくりますので、圃場を整備する施設等を設けなければならない、そういう施設整備の経費でございます。直接草地試験場に関する経費でございます。これもさらにまた関係方面とも協議をいたしまして、拡充し、充実をしてまいりたいと思っておりますが、その第一年度、初年度でございます。草地関係に関する試験研究の経費は、もちろんこれだけに尽きるものではございません。別途総合的、組織的研究を展開いたしますためのいわゆる別ワク研究とか、特別研究でありますとか、あるいはまた県に対する助成でございますとか、あるいはまた地域の農業試験場等の関係組織でございますとか、そういうものが総体として草地に関します試験研究をささえるベースになっております。これはおよそで申しますと、私どもにかかわります農業関係の試験研究の経費百億余りでございますけれども、その二五%、約四分の一というものは草地を含めて畜産関係に投入をしていこうということで、そのシェアもだんだんふやしてまいっておるわけでございます。したがいまして、直接の経費は四億二千五百万でございますけれども、こうした経費を含めまして、その中核の役割りを草地試験場に持たせまして、そしてできるだけ現実の農業の動向に即応し、かつそれをささえる効果のあるような試験研究をこうした経費の裏づけによって展開をしてまいりたい、その中核の組織体制を整備する必要があるということで草地試験場を設けた次第でございます。 それから第三点の御質問でございますが、草地試験場をつくるだけで——地域地域の問題がいろいろあるではないか、十分対応できるかどうか、実のある研究をいたさなければならぬではないかという御趣旨の御質問かと拝聴いたしましたが、先ほどもちょっと申し上げましたが、草地試験場は全国の試験研究の中核組織としての役割りをつとめますが、同時に、それに対応いたしまして、地域の草地関係の研究部門も拡充をし充実をしてまいらなければなりません。そこで私どもといたしましては、中央に、先ほど来申し上げておりますような草地試験場を設けますと同時に、それと対応いたしまして、今後草地関係の試験研究を充実さすべき地域につきましては、たとえば北海道の農業試験場でございますとか、あるいは九州の農業試験場でございますとか、地域農業試験場につきまして草地関係部門を拡充をいたしまして、そうして中央の草地試験場と十分に連携をとって、全体としての試験研究の充実を——先ほど申し上げましたような実態に即応し、かつ今後の方向に役立つような意味での試験研究を展開をいたしたい、全体的な組織の体制整備をはかり、その中核として草地試験場を考えておる、こういう次第でございますので、御質問のございました趣旨も体しまして、今後十分に配慮して効果のあるように運用してまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
○池田政府委員 農業者大学校につきまして、三点ほどお尋ねがございましたが、いずれも非常にごもっともな御質問と思います。 まず第一に場所の問題でございますが、東京に置かなくてむしろもっと農村に近いようなところにやったらいいではないか、こういう御質問でございますが、実は私どもがこの農業者大学校を運営いたします場合に、先生の問題がございます。これは私どもは、各界の最高の権威者の方に講師をお願いをする、こういうことにいたしておるわけでございまして、そういう点から申しますと、やはり東京に近くございませんとなかなかいい人が得られない、こういうことがございますので、そういう点が実は非常に大きな原因になりまして、東京の郊外に、三多摩地区でございますが、設置をいたしたい、こういうことになったわけでございます。 それから、農業者、実際に農業をやっている人にとって三年間はちょっと長いではないかという御質問、これもまことにごもっともな問題だと思うわけでございます。ただ私どもは、やはり今回の農業者大学校の教育をやるにつきましては、かなり徹底した教育をやりたい。これは将来の農業の実際の経営に当たる人の指導者みたいな立場になる人でございますから、初めは基礎から始まりまして、それから応用といいますか、実際の農業の経営に対応できるような教育をいたすわけでございますので、そういたしますと、どうしても三年程度はかかる。ただ、他の学校とやや違いますのは、最初の二年は基礎教育をやりまして、あとの一年は、派遣実習でございますとか、あるいは在宅実習ということで、三年まるまる東京にいるわけではないわけでございます。 それから、それに関連いたしまして、むしろ地方のそういう施設を強化したらどうかということですが、これも私ども全く同感でございまして、実は来年度におきましても、高等学校を卒業しました人たらを教育するような施設、それから高等農業研修施設と申しておりますけれども、これを新しくつくる。これは一年程度でございます。そういうことで、そういう面はこれと並行いたしまして強化をしてまいりたいと思っております。 それから、社会教育といいますか、学校教育を終わった人たちに対する教育が何か中途はんぱではないか、こういう御質問で、確かにそういう面も若干あるように私どもも思います。実は今回の農業者大学校をつくるということになりましたのも、そういうことじゃなくて、ひとつ徹底した教育をやりたい、こういうことであるわけでございますが、数も限られておりますし、大部分の方はやはり地方におきまして比較的短期の教育で強化してやらざるを得ない、こういうことがあるわけでございます。そういう点につきましては、私どもも、先ほど御指摘のございました、たとえば普及所というようなものを活用する、そうして同時に、若干の施設を整備いたしまして、普及組織とタイアップしながら、あるいは農業高校等も各地方にあるわけでございますから、そういうところとも十分連絡をとりながら教育をやっていくという必要があるわけでございまして、確かに従来十分でなかった点がございますので、そういう点は特に留意してまいりたいと考えております。
○岩本説明員 統計調査事務所の将来をどういうふうに考えるかという御質問に対してお答え申し上げます。 先生の御指摘のとおり、統計というのは非常に大事な仕事でございまして、将来の農業の動きを洞察いたしますためには、統計がなくてはかなわないものだろうと思うのであります。御指摘のように統計というものは非常にじみな仕事でありますので、運営のしかたをうまくいたしませんと、職員の士気を阻喪させたり、とかく投げやりになりがちなものであると思うのであります。したがいまして、そういう点を改善しますために、常に新しい農政の動きに即応して統計のやり方を変え、またそれに即して職員の士気を鼓舞するということが絶対に必要であると思います。御承知のとおり、この組織は戦後食糧不足の時代にできまして、できました当時は九割以上が米の生産量をつかまえる、あるいは米の作付け面積をつかまえる仕事でございましたけれども、現在では仕事を転換しておりまして、農家経済やあるいは流通関係や、あるいは就業人口といったような各般の仕事をやっております。特に昭和三十六年の農業基本法成立以来、基本法農政の運営という点に即してそういう方面に仕事を転換しておりますので、現存では米の生産の関係の仕事というものは二〇数%に下がってきております。その他の仕事はいま申し上げましたようなところに重点を変えておるわけでございます。さらに最近におきましては、総合農政という問題が出てまいりまして、これは日本の農業の将来を左右する大問題でございますので、この総合農政の方向に即するように統計のとり方あるいは職員の活動のしかたを変えていく必要が出てまいりまして、これが今回この法律案を提案した理由でございますが、先生御指摘のような流通関係につきましても、農業基本法以来力を注いでおりますが、今後ますますその点は充実強化していきたいと考えております。特に昭和三十九年以来、生鮮食料品の流通関係の統計をとることにいたしまして、さらに四十二年度からは、生鮮食料品流通情報サービス事業を開始しております。青果物、畜産物につきましても、市場の入荷量、価格及び産地の出荷情報を電波で集めまして、これを編さんして地方へ流すという仕事をやっておりまして、今後この仕事にはますます力を入れていきたいということでこの法律案を提案しております。地方農政局への組織の移行と相まって、仕事の内容につきましても、より一そう総合農政の方向に即するように努力をしてまいりたい、かように考えております。
○塩谷委員 関連して。ただいまの御答弁で、その方向ははっきりしたように思いますけれども、実態はどうでしょうか。食糧統計というもの、統計事務所の存在はそういう認識をされていない。現状は、三十九年以来の生産者統計から、今日でいう総合農政的な、消費者に対しての生鮮食料品等の相場その他に対して統計によって非常に貢献しておるようになったとお話しでありますけれども、事実はそうだろうと思うのです。思いますが、外部での印象というものは決してそうではなくて、まことにもったいない存在で、相当な人数がおって活用されてないというふうに印象づけられておると思います。今回のこういう機会に、ほんとうに積極的にそういうことが望ましいわけでありますが、人員、機能その他において可能ですか。そういう点は本格的な総合農政の指導体系の中に入るわけですから、そういう指導的な立場として、いままでの職員がそういうかまえでやっていくことが可能かどうか、その点はどうですか。
○岩本説明員 統計が重要なことは先ほどお答えしたとおりでございますが、仕事が非常にじみでありますために、世間から見ますと、何をやっておるのかよくわからないという面があったと思います。こういうことになりました原因を考えてみますと、終戦後この組織ができまして以来、国の農政を進めるために必要な資料をとるということを大義名分にしまして、ナショナルベースの全国単位の統計をとることに重点を置いていた、そのための活動を全組織をあげてしておったわけでございまして、特に、調査の方法としては、少数標本調査という方法をとっておりますために、そのとりました統計の結果が市町村とか郡とかいったような小地域の役にはあまり立たないんじゃないか。また、そういう小地域関係の統計がとれないというところに、地方庁との結びつきが薄れていく原因があったと思います。そこで、今回の改正法律案によりまして、地方農政局の傘下に入れますことによって、その辺を少し是正していきたい。いわば、地域統計といいますか、中央の統計と別の概念の地域統計という、この新しい分野を開きまして、そちらに活動の重点をある程度振り向けることによりまして、市町村別なり、あるいはもう少し県内を幾つかに割ったような小地域単位の統計をとることによりまして、地域の農政に役立つような統計組織にしたいというのが、今回の改正案の提案理由でございます。 そういうふうに、組織としてやり方を変えますとともに、統計活動のしかたも新しい時代に即して近代化をしてまいりたい。機動力の充実なりあるいはコンピューターの活用等によりまして、集計の機械化を進めるといったようなことで、より少ない人員でその所期の目的が達するようなことを考えてまいりたい、こういうふうに考えております。したがいまして、現在、一万二千名近くの人員がおりますけれども、これを多少減らしましても、そういう所期の目的が達成できるような運営にしてまいりたいと考えて研究中でございます。現在、行政改革三カ年計画のもとで、ある程度人を減らすことが要請されておりますので、その統計の使命に支障のない範囲内において、そういう人員の削減にも協力をしたいというふうに考えております。 ただ、さきに行政監理委員会の民間の委員の方々が勧告を出されましたような、統計組織は年間九十日しか働いていないとか、要らないんじゃないか、地方に移したらどうかといったような考え方は、私は反対でございまして、そういう実態でもないし、また、そういうことは認識が十分でないような点から出た御意見じゃないかというふうに考えておりますので、先生の御指摘のとおり、多少人は減りましても、合理化を進めることによって地域統計の作成という任務に邁進をしたいというふうに考えております。
○塩谷委員 私の申し上げたいのは、実は、食糧統計はたいへんな功績はあったとは思うのです。そして全国統計という基本的な作業にも長年従事して、統計調査なくしてすべてはないわけですから、相当な貢献はしてきたと思いますが、その認識というものは、これは民度が低いから統計なんというものは要らぬというような感覚もあるかもしれませんが、目に見えないじみな仕事として非常に貢献はしてきたとは思う。しかし、どうしても全国統計であり、また、官庁統計というものは正確を期するとともに全くタイミングをはずしてしまう。非常に激変する経済の中で、いまごろこんな統計を見たところで何の役に立つかというようなことが間々あったわけです。そういう点等、それから、いまお話しがあったように、地方官庁あるいは農協等との合同作業というようなもので、もっと——統計職員というものは訓練されておりますから、相当な事務能力を持っております。おりますが、それがどうもタイムリーに活用されていない。今度地方農政局へ入ったことによって、総合農政のこの難局にあたって、思い切って脱皮させて、そうしてかなり訓練された能力というものを生かすということにしないと、統計職員というものは、まことにじみにできていると同時に、比較的優遇をされていないと思うのです、能力としては。そういう点などももっと活用するということに重点を置いて、せっかくの統合でありますから、そういう点をよく見て活用していただきたい。というのは、惰性でただ統合されたんだとか、あるいは一万二千名ですか、この職員をかかえただけにすぎないということでないように、この機会にこの能力を生かすということにしていただかないと、何ら意味がないと思うのです。地方によっては、所長さんの能力によって、非常に活発に現場の指導までしていく。大体農業においてはもう技術指導というのは多過ぎるぐらい指導は多いのです。それよりも経営指導がほしいということをみな農村で言っております。そういう面では、統計事務所の方のほうが従来の農政の指導よりもいいという評判も聞いておりますので、いままでの静かな作業から、この激変する中にあっては、将来の見通しをつけるくせのついておった統計マンが本格的にこの農政に取り組むというのには、いいチャンスじゃないかと思う。どうか思い切って活用してもらいたいということであります。それを要望しておきます。
○笠岡委員 農政局長さんにもう一回農業者大学校についてお尋ねいたしたいと思いますが、将来の農業の指導者を養成するために農業者大学校をつくっていくんだというお考えでございますが、実際にそういう全国で五十名の生徒を三カ年間——お百姓をやっておる人を引っぱって、まるまる三年学校に縛りつけておくということではないようでございますが、そういうことで優秀な人がほんとうに集まるかどうか。これは自信がおありなんでございましょうか。 それから、ほんとうにそういうようなねらいならば、いろいろな農業関係の大学に委託生のようなことで教育するようなこともお考えになってみたかどうか。私が言いたいのは、そういうような新しい農業者大学校というようなこともけっこうなことであるけれども、もっと農林省としては、従来の普及所の強化とか、あるいはそのほかいろいろな従来あるものをもっとフルに活用し、それを充実することに力を入れられることがより効果があがるんではないかということを懸念してそういうことを申し上げるのですが、こういう従来のそういうものをも考えて、その上に立ってそういうことをお考えになっておるかということをもう一度お伺いしたいと思います。
○池田政府委員 私どもは、比較的短期間、せいぜい長くても一年程度の研修を従来やってきておるわけでございますが、そういうものにつきましては、これはさらに充実させる必要があるということ、全く同じような意見を持っておるわけでございますが、ただ、ほんとうの農業の自立経営というものを今後農政の目標としては極力育成していくということが必要だと思うわけでございますが、そういうような自立経営のほんとうのにない手になるような、あるいは、地域農業の中心になるような人を育成していくということが、農業をほんとうにレベルアップしていく上から必要だと思うわけでございますが、そういう点からいたしますと、どうしても一年程度の教育では十分でない。あるいは、大学に委託をしたらという御意見もあるわけでございますが、私どもは、実際の農業経営の場合に起きてきます問題に対応できるような人を養成したい。単に知識面だけで非常に高度の知識を持つだけではなしに、実際の経営にあたってそういう知識を活用できるような人たちを養成したいという気持ちでございますが、そういう点からいたしますと、やはり従来の大学教育にそのままはめるというわけにはいかないのではないだろうか。はたしてそういう人が得られるかという御懸念があるわけでございますが、実は御存じのように、これにつきましては正式に農業者大学校ではございませんが、中央研修施設というものでほぼ内容の同じようなものをここ二年ほどやってまいったわけでございますが、そこに集まってきます人は、非常に意欲的な青年が多いわけでございます。この農業者大学校は別段資格を与えないわけでございます。その大学校を卒業したらどうだということはないんで、むしろそういう農業経営に役立つような人をつくるということでございますので、そういう点だけに、希望を持った青年が集まってくる。私どもはむしろそういう点からいうと、ほんとうに純粋な教育ができるのではないかというふうに考えておるわけでございまして、地方におきますさらに範囲の広い人を相手にした教育ももちろん充実しなきゃなりませんが、同時にやはりこういうものもあわせて充実を期していく必要がある、こういうふうに実は考えているわけでございます。
○笠岡委員 もう一点だけお願いします。 それじゃ、中央研修所というものは廃止するわけですか。それも続け、農業者大学校も新設をし、両方するわけですかということと、さらに大体これはいつごろ開校になる予定ですかということをひとつお尋ねをいたします。
○池田政府委員 法案が成立をいたしましたならば、私どもはできるだけ早く、四十五年度の早い時期に開校いたしたいわけでございますが、従来の中央研修施設は並存をするというわけではございませんで、農業者大学校に編成がえをする、こういう考え方でございます。
○笠岡委員 それじゃ、農業者大学校はけっこうでございます。 いま一つ、統計事務所について塩谷先生からいま関連質問をしていただいたんで、それに尽きておるわけでございますが、新しい時代に即応した統計調査というものと積極的に取り組んでいくんだ、それについて、現在あるものをある程度は改革をしたり、あるいは足したり、引いたりするわけでしょうが、そのまま看板を変えるというだけではないと思うんですが、そういう点はいま少し詳しくお話しいただければありがたいと思います。
○岩本説明員 今度の法律案を出しているということと関連をいたしまして、今後の農林統計をどういうふうに組み立てていくかということにつきまして、私どもの部内に研究会と申しますか、委員会をつくりまして、関係者を集めて鋭意検討いたしまして、統計整備の計画というものを目下立案中でございます。いままで惰性でやってまいりました統計を、新しい総合農政の展開という政策視点に立って洗い直してみて、今後の新しい方向に即した統計体系にするように努力検討しておる最中でございます。その基本的方向は、一つはナショナルベースの全国統計にばかり従来力を入れておりましたのを多少改めまして、少しそちらのやり方を合理化することによりまして、ブロック単位といいますか、あるいはその下の県単位なり、できれば市町村単位というような小地域の統計がとれるような統計のとり方をやってみたいということで研究中でございます。そのためには、従来やっておりましたサンプル調査と申しますか、少数標本調査だけではだめでございまして、もっとほかの調査方法も導入する必要がありますので、そういう調査方法の改正も加えまして検討中でございます。それで、仕事をやっていきます中心は、やはり総合農政でございますから、米の生産調整を中心としまして、畜産なり果樹なり、その他の部門の振興ということを頭に置きまして、それらの政策の参考になるような統計活動に重点を置き、特に流通関係におきましては力を入れるという方向で整備案を検討中でございまして、多少人は減りましてもそういうことが確実にできるような統計体系を打ち立ててまいりたい、かように考えております。
○笠岡委員 委員長ありがとうございました。 ————◇—————
○天野委員長 行政管理庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。山口敏夫君。
○山口(敏)委員 佐藤総理に対するわが党の水田政調会長の質疑の中でも、行政改革の問題は何本かの柱の一つになっておるわけであります。これは、非常に国力、民力というものが充実し、ますます高度化社会になるに従って、国民生活の中における行政問題というものは、あらゆる角度から検討、また合理化をされていかなければならないわけでありますし、特に政府といたしましては、過般の総選挙の中におきましても、ことしは内政を充実するのだ、こういうことをいっておるわけでありますし、われわれの立場からいたしましても、国民生活を優先した政府、国民生活を優先した政治というものを積極的に押し進めていくためには、やはり福祉の増進、こういったものに伴う行政運営の効率的な推進が必要ではなかろうかというふうに思うわけであります。ところが、よく新聞の活字にもありますように、官僚天国とかあるいは官僚日本という極端な表現で出されているように、わが国の長年の歴史的な、あるいは伝統的な社会の中において、どうも国民生活の中における行政じゃなくて、行政機構の中における国民生活というような面も出てくるような点もあるわけでありますけれども、そういう点において、特に今回は、政務次官も長官もともども長い間役所におられたわけでありますけれども、そういう中における経験を今度はプラス面に生かされて行政改革等に対して真剣に取り組んでいただいておるわけでありますが、その基本的な姿勢からまずお伺いをしておきたいというふうに思います。
○黒木政府委員 ただいま山口委員から御質問がございましたが、私も長年行政に関係をしておりましたけれども、今般新たなる立場から政府の行政に参与するようになりまして感ずるところが多いのでありますが、行政はやはり国民のためにあるのであります。国民の奉仕に徹するのが行政の本旨であろうと思います。したがいまして、先ほど御意見にありましたように、官僚の独善とかあるいは官僚主義とか、そういうことを厳に慎まなくてはならぬということは全く同じ考えでございます。 そこで、行政はいつでも簡素で能率的でなくちゃならぬ、国民の負担の軽減に資さなくてはならぬ、と同時に国民の奉仕に徹しなくちゃならぬということが一番肝要なことではないかと思います。また、このことが最近では国民各階層から強く期待されておるようであります。先般の衆議院の本会議におきましての行革につきましてのいろいろな御論議も、そういう趣旨からの御質問であったと思うのでありますが、政府におきましても、この行政改革につきましては、五年ほど前に臨時行政調査会の答申がございまして、この答申を尊重いたしながら国民の奉仕に徹する行政の実現を期して、その簡素、能率化につとめてまいったわけでございますが、ただ、御意見にありました行政改革というのは、戦後の歴代の内閣がたびたび試みましたけれども、常に多くの困難にぶつかりまして、なかなか期待に沿うような成果をあげ得ないという実情でございます。また臨時行政調査会の答申も、この内容が非常に広範、多岐にわたりまするし、また現行制度の根本に触れる問題が多いために、短兵急にその実現はむずかしいのでありますけれども、しかし現在各界、各層の強い要望もあり、また行政の本質からして、政府としても、重要な政策の一つとしてこの行政改革あるいは行政の能率化に取っ組んでまいったわけでございまして、昭和四十四年度に行政事務及び行政機構の簡素合理化を主眼とする行政改革の三カ年計画というものを立てまして、目下計画的にこれが実現に邁進しておる次第でございます。 また、この行政改革の手始めと申しますか、最初の仕事としては、行政事務の簡素化という問題がございますが、これにつきましては、今国会に御提案申し上げております許可、認可等の整理に関する法律案を提案いたしておるのであります。また行政改革の一つの柱でございまする公務員の定員管理につきましては、先般の六十一国会で成立を見ましたいわゆる総定員法の運用というものを、先ほど申しました趣旨にのっとって、新しい行政需要もございますから、弾力的にこれを運営してまいる。と同時に、三カ年五%の定員削減措置によりまして公務員の数を減らして、少数精鋭主義でまいりますとともに、新しい行政需要に応ずる、こういうようなことを考えておる次第でございます。
○山口(敏)委員 非常に多岐にわたるといいますか、新しい一つの社会形態の中で、いろいろな法律の面からいっても、また行政需要の面からいっても、問題が提起されるということはわかりますけれども、いま政務次官がおっしゃられたように、非常に多岐にわたる一つの具体的な例としてよくいわれているわけですけれども、公務員の人件費だけでも三兆円ということは、わが国の国家予算の、これは半分まではいきませんけれども非常に膨大な数字でありますし、法律件数等においても三千数百件というような法律が、逐次出されて審議され採決されている。これは実際の話が、われわれがたとえば国会が終わってくにへ帰って報告会をするという形においても、われわれ自身も、国会の会期中に通ったすべての法案を熟知し、それをまた国民の方々に報告するということは非常に困難というか、たいへんな仕事なんです。こういうような数がどうして——必要であるということをいえばそれまでですけれども、何となく法律をつくるために法律をつくっているというような印象も、われわれはぬぐいされないわけです。ですから、やはり行政改革の中において、新しい法律がどんどんできることに対して、他方時代の中において必要がなくなった法律とか、また公団等の問題も当然あると思うのですけれども、そういうほうは一向に減っていない。その辺の調整といいますか、バランスといいますかは、行管庁としてはどういう形で処理をなさっておるのか。
○黒木政府委員 山口委員のおっしゃるように、確かに国家公務員の数が戦後激増を見ております。また法令も戦前と比べますと膨大な立法の結果をもたらしておりますが、戦前は、法律というのは、立法事項というのは、国民の権利義務に関係することを主として規定をする、また公務員というものも国民の権利義務に関係のあるものを所掌するために任命されるというようなたてまえでございましたが、戦後英米流の行政の思想が入り込んでまいりまして、立法事項というものが範囲が非常に拡大いたしまして、国民に対するサービスにつきましても、特に国会が最高機関でありますから、国会でおきめになるということが法律事項になってまいる。また公務員というものも、権利義務の関係のみならず、いろいろ国民に対するサービス、あるいは簡易な、単純な事務を担当するものも公務員になってしまう。従来嘱託制度とかいうようなものがございましたけれども、最近では全部任命制度、公務員にみんなしてしまう。こういうような英米流の行政の仕組みが採用された結果の一つだと思いますが、公務員の数が非常に膨大にふえてまいりました。本年度、昭和四十五年度も、私も実際に体験をしてびっくりしたのでありますが、各省の国家公務員の増員要求が一万九千名ぐらいでございます。これは例年そういうような、一万名をこす国家公務員の増員の要求があったのだそうでありますが、それに対しまして、いわゆる総定員法が制定される以前におきましては、一万名ぐらい増員を認めざるを得ないというようなかっこうだったようでございます。そこで六十一国会で成立をさせていただきましたこの総定員法ができました機会に、三カ年間で国家公務員を五%削減をするというようなことで、この増員の審査をいたしました結果、ことしは一万九千名の増員に対して、増員は一切認めないで逆に結果的には千名余りの減員になった。これは私は、実質的な行政改革の功を奏したのではないかというふうに考えておるわけでございます。今後、行政改革のじみちな方法として、こういうやり方をひとつ推進をしてまいりたいと考えております。 それから、御意見にありました法令の数が多いのは、先ほど申しましたような英米流の考えの行政でございますから、法令の数が多いだけ国民に対するサービスがよくなっていくのだ、ただ、国民の生活を、あるいは経済面において、あるいは生活面においていろいろな規制をするような、これは具体的には、いろいろな許可事項とか認可事項を多くするということでございますが、そういうことを極力制限をしていく、抑制をしていくことが、こういう英米流の行政の仕組みに対する国民の負担の軽減というような意味のやり方ではないかというようなことで、先ほど申しましたような許認可の整理に関する法律案を提案申し、また、現実に今日まで、許可事項あるいは認可事項の整理、廃止あるいは規制の緩和というようなことをやってまいったのでございますが、こういうようなことを今後も強力に続けてまいりたい、かように考えております。
○山口(敏)委員 いま行政改革の一環としての許可あるいは認可等の、そういった整理の中の意義づけというものはおっしゃるとおりだと思うのですけれども、そういった問題と同時に、一方においては、やはり行政問題の一つの柱は、国民の方々に対する行政サービスというか行政相談というものに対して、十分、民間あるいはコマーシャルベースぐらいのつもりで、そういった悩みや相談ごとに対して前向きに答えていくという、一つの機構といいますか場所といいますか、そういうものをより強化していかなければならないのじゃないかというふうに思うわけです。特に行政相談というのは、各市町村あるいは地域においてそれぞれがやっていますし、また官庁ごとにも、そういうものを設けるような、あるいは強化しているような傾向は十分われわれにも受け取ることができるわけですけれども、ただ、まだまだ官庁の中における行政相談とかあるいは行政サービスというものについては、自己満足的な印象をわれわれ受けるわけです。新しい法律やあるいは制度を進めていくと同時に、やはりほんとうの意味における国民の方々に対するアフターケアというものがまだまだ十分とはいえないのじゃないか。そういった面に対する監視といいますか、あるいは注意といいますか、それを具体的に行政管理庁としては、各地方、中央を問わず、どういうような形でやっておられるかということをお伺いしたいと思います。
○黒木政府委員 御説のように、官僚主義と申しますか、行政が官僚の独善あるいは官僚の専制になっていくことは、この民主行政において、民主政治において最も慎まなくてはならぬ、注意をしなくてはならぬ点だと思います。まさに御意見のとおりでございます。 そこで、官僚のそういう官僚主義なりあるいは官僚の独善なりを予防して行政の民主化をはかることが必要だということで、実は行政管理庁には行政相談員制度というものがあるわけでございます。ただ、現在各町村に一名ないし二名というようなことで、非常に数も少ないのでございますが、苦情の処理と申しますか、あるいは苦情の解決のあっせんに当たらしておるわけでございます。しかし、この行政相談員だけでは不十分でございますので、各省庁、あるいはその出先機関、あるいは地方行政機関等に、こういうような行政相談の窓口と申しますか、仕組みを広げる必要があるということで、最近では、各省あるいは自治体、各市町村に行政相談の窓口を設けまして、国民の苦情の受け付けをいたしておるわけでありますが、今後は、各省あるいは自治体と協力をいたしまして、お説のように行政の民主化、特に行政の苦情の処理に当たりたい。この苦情と申しますか、その根底には、やはり行政に対する、あるいは官僚に対する不快な国民の気分というものがあるわけでありますが、そういうことが重なりますと、政治不信、行政不信ということになるわけでございますから、今日特にこういう政治不信、行政不信というものを予防するためにも、行政相談の制度というものを大いに活用してまいりたいと考えております。
○山口(敏)委員 そういった一つの国民の声といいますか、要望に対して、行政監理委員会等からも、行政機構等の整理縮小に関する問題に対して、当面のなすべき仕事に対して意見を出しておるわけですけれども、やはりこういうものに対する行管庁のほうの積極的な姿勢といいますか、取り組む姿勢をこの際また明らかにしておいていただきたいと思います。
○黒木政府委員 先般、行政監理委員会の六名の委員の方々から、総理大臣あてにきびしい意見書が提出をされまして、政府の行政改革三カ年計画がはかばかしくないようだから、もっと内閣自体が所信を示して行政改革の三カ年計画の実現に取っ組んでほしい、こういうようなことでございました。まことにそのとおりでございまして、行政管理庁におきましても、この行政改革の三カ年計画の実現に邁進をいたしておるような次第でございます。ただ、国会におきまして、たびたび、出血整理といいますか、首切りをしないで、配置転換によって行政改革あるいは行政の簡素化を実現をせよというような御意向がございまして、いわば手足を縛って踊れというようなかっこうではございますが、しかし行政の簡素化ということは、先ほど申しましたように、政府の重要な政策でもあり、また国民の世論でもございますから、いろいろいま知恵をしぼっておるところでございます。 そこで、出血をしないで整理するにはどうしたらいいかというような、やはり具体的な方法がなければ、ただかげ声だけでは実現をいたさないために、いまその具体的な方法につきまして検討を進めておるところであります。 なお、この行政監理委員会の六名の方々の意見の中には、具体的に、特殊法人につきましても、こういうものを廃止すべきだというような提案、御意見がございますから、その具体的な個々の事例につきましても、いま検討を続けておるところでございます。 と同時に、こういう問題を解決するには、やはり基礎的な条件と申しますか、たとえば、出血はまかりならぬというわけでございますから、本人が自発的に、ではやめてもよろしい、転換してもよろしいというような条件をつくる。たとえば退職金を大幅に引き上げるとか、あるいは戦前やっておりましたような待命制度を考えるとか、こういう公務員制度の基本に触れるような問題に取り組みまして、退職しやすいような、あるいは配置転換がしやすいような環境づくりもやはりやらなくてはならぬのではないか。そういうことで、いま検討を具体的に進めておるところでございます。
○山口(敏)委員 あるいはたいへん誠実な形になると思いますけれども、むしろ配置転換されにくい、また退職しにくい環境を求めて入る人も、役所の中にはこれは非常に大ぜいいると思うのです。 といいますのは、たとえばわれわれの仲間を見ても、役所に行く人のタイプというものは非常に堅実な人が多いわけですね。そういうような中において行管庁のほうで一生懸命配置転換やあるいは退職金等の問題も含めて合理化を進めていくということなんですけれども、実際上非常に困難な問題が伴うわけですね。やはり定員をふやさないで必要な機構に必要な人を送り出すということですね。たとえば特許庁の問題一つを見ましても、これは申請をすればあすにも検討しなければならない、あるいはきょうにも検討しなければならないというような事例がたくさんあるわけです。それがたとえば三年もあるいは五年もかかる。特にこういった情報化社会とかあるいは創造性を尊重する社会の中において、ああいった行政事務というものが事務的に非能率なために、非常に国家的な損失もある面においては多分にあるわけでありますし、たとえば、すでに国民の足ともいうべきタクシーの問題にしても、乗車拒否であるとかあるいはタクシー料金の値上げであるとか、いろいろいわれておるわけでありますけれども、われわれからいわせれば、個人タクシー等もどんどん大幅にふやして、良心的な運営あるいは営業というものを拡大することによって、悪いほうの事例を押し包んでいくという形をとらなければならない。しかしそういう面においても、行政事務が円滑に行なわれてないゆえのしわ寄せを国民生活の中にずいぶん及ぼしておると思うのですね。この辺の努力は具体的にどういう形でなされておるのかということもひとつお話し願いたいと思います。
○黒木政府委員 行政の簡素化あるいは配置転換等につきましては、単純な業務に関係をしておる公務員につきましては、住宅問題とかあるいは子女の教育の利便の問題とか、そういうことで案外困難性は少ないかとは思うのでありますが、これは各省庁の内部において、現に例の三カ年、五%削減ということで、新規需要に対しては不急不要のところから配置転換をしていくことを現にやり、われわれもそれを進めておるわけです。特に、増員の必要ももちろんあるわけなんでございますが、そういう場合には必ず実質上の増員にならぬように配置転換でそれを補っていくというたてまえでございますし、また、本年度の国家公務員の増員要求の審査につきましても、閣議決定でそういう方針で臨みまして、これは成功いたしておると思うのでございますが、ただ、御発言にありました特許庁のような専門業務といいますか、これはそう単純に右から左に転換するわけにもまいりませんし、相当な訓練なりあるいは本人の経歴なり素質なりの問題もございまして、これは非常に困難な問題に属する問題ではないかと私思うのであります。しかし、それとても各省庁におきまして、いまは三年、五%でございますけれども、これがたとえばアメリカ式に三年、一〇%というようなことになりますと、各省は真剣に部内の配置転換を考えなくちゃならぬということになると思いますが、そういうやり方は今後続けていかなくちゃならぬわけであります。 そこで、三カ年で五%の定員削減ということで現在実施中でありますが、これが済みましたあとでどうするかということで、これは各省庁の機関別調査と申しますか、三カ年、五%削限後の各省庁の仕事が一体どうなっておるのか、あるいは人員の配置がどうなっておるのかというようなことを調査をいたしまして、それに基づいて新しい方針を立ててまいりたいと思っておるわけでございます。 それともう一つは、先ほど行政改革はやはり公務員制度の基本に触れなければならぬではないかということを申しましたのは、たとえば先ほど申しました権利義務に関係することはやはり公務員の必要があるが、たとえば自動車の運転をするとかあるいは単なる事務的なものに従事をする役人さんまでほんとうに公務員にしておかなければならぬかという問題がございまして、これは臨時行政調査会の答申にもありましたように、民間事務委託と申しますか、そういうことの運用によりまして解決をしたらどうかということで、いま検討しておるところでございます。
○山口(敏)委員 時間の関係があるものですから、アジア統計研修所が今回東京に設置されることになった設置目的等の質問を先にしておきたいと思うのですけれども、このアジア統計研修所の設置の目的と、それから、エカフェの中において日本になぜこれが持ってこられたか、その辺の経緯を御説明願いたいと思います。
○黒木政府委員 実は行政管理庁が今度設置法の改正の御審議をお願いいたしておりますのは、御質問にありましたアジア統計研修所を今回行管が所管するようになったからでございます。実はエカフェと申します国際連合アジア極東経済委員会というのがございますが、ここでたびたび会議をおやりになりまして、このエカフェの域内の諸国の社会開発計画というものがどうもうまくいかぬ、はかばかしくいかぬ、その原因の一つがやはり統計の不備にあるのではないかという結論になりまして、統計職員の極度の不足というものをカバーしなければならぬ、そのためには、実はわが国の統計というのが世界に冠たるものでございまして、こういうような統計職員の養成なり研修というものは日本にお願いするのがよかろうというようなことで、エカフェで日本にアジア統計研修所というものの設置をいたしたいという申し出があったわけでございます。また日本といたしましても、国際経済協力といいますか、その基礎になる国際的な技術協力を進める必要があるというような見地から、この研修所の設置というか、わが国への招致を意思表明をいたしまして、昭和四十二年の四月に東京で第二十三回のエカフェの総会がございましたが、ここでこの統計研修所を日本に設置ということが決定をされた、こういういきさつでございます。
○山口(敏)委員 これは外務省と行政管理庁のどっちが——やはり行政管理庁のほうでやるわけですか。
○黒木政府委員 実は行政管理庁の所掌事務の中に「国際統計事務の統轄」を所掌するというところがございます。それともう一つは、国内の統計に関する総合調整機能というものを行政管理庁で所掌いたしておるわけでございます。 そこで、このアジア統計研修所をどこで所掌したら適当かという場合に、先ほど申しましたような行政管理庁の所掌事務から行政管理庁が適当ではないかということで、各省と話し合いを終わったわけでございます。外務省との関係は、こういうような外国との協定をやりますとか、そういうような準備事務的なことは主として外務省を通じてやりまして、実際に行政管理庁としては、このアジア統計研修所の設置なりあるいは運営の協力等につきまして権限を持たされる、こういう設置法の改正の内容でございます。
○山口(敏)委員 これは直接的にアジア統計研修所と関係ないのですけれども、ひとつ参考までにお伺いしたいと思いますのは、最近情報公害とかいろいろな新しいことばも出ておりますけれども、統計技術というものが日本は相当進んでおる、それゆえにエカフェの諸国から、日本に設置して研修したいという要請が出ておるわけですが、民間、政府を問わず、一つの統計の中から生まれた資料とか、いろいろなデータとか、国民の動向とか、志向とかいうものが発表されるわけですけれども、われわれが見ていて、同じような意識調査をしていながら、結果は、全く逆ということはないですけれども、相当な違いがあるような問題が出てくるときが多分にあるのですね。統計の専門家に聞きますと、問題の出し方、たとえば一問と五問とを逆に入れて出すと、出てくる結果が多少違ってくる、こういう統計をとるためのテクニックの中における操作というものが多少できるような話もわれわれ聞くことがあるのです。これは直接行管庁の問題ということでないけれども、情報公害とかいろいろな面から考えてみた場合に、これから、そういったデータからくる説得、啓発というものがあらゆる機会を通じて出てくると思うのです。それに対するチェックというと語弊がありますけれども、一つの適切な統計、適切なデータというものに対するコントロール的な作用というか、その辺は、たとえばこういった研修やなんかをする中においても、こまかい問題ですけれども、どういう形で対処していくのか。また、いわゆる全般的な日本の国民生活の中におけるそういった統計、国民生活と統計という問題に対して、日本の統計技術が世界に名だたるものだという政務次官のことばからして、どういう姿勢でこれと取り組むのか。その辺の基本的なことをちょっと伺いたいと思うのです。
○黒木政府委員 実は私も統計をつくり、統計を使うことでめしを食ってきた役人を経験いたしましたが、統計というのは、御承知のように英語でいえばスタティスティクスというのですが、これは国を治める、経国という意味だそうでございます。私は、今後わが国が科学国家と申しますか、科学的な政治を取り入れるということを目標にいたしておるからには、統計というものを非常に重視しなくちゃならぬと考えておるわけでございます。 そこで、行政管理庁には、一省一局削減以前には統計基準局というのがございまして、現在はみずから局を削除いたしまして統計主幹というものに変わっておりますけれども、わが国の国内の統計の基準をつくるとか、あるいは各省がばらばらにやっております統計の総合調整をするというような権限を持たされておるわけでございます。山口委員のおっしゃるように、確かに各省庁の統計のやり方も、あるいは調査のしかたもばらばらでございまして、これは確かに、今後いろいろ電子計算機を利用しなければならぬという情報化時代には、基礎になる統計のデータあるいは統計のやり方がばらばらでは各省が利用することも不可能になります。そこで、今回の昭和四十五年度の予算でも、行政情報のシステム化といいますか、これは統計資料等を電子計算機にかける場合に、各省庁ができるだけ共同化ができるように、電子計算機同士の利用をコンバーターをつけてやろうというような予算措置もいたしまして、いま御審議を願っておる最中でございます。そういうことで、御説のように各省庁のばらばらな統計調査をできるだけ総合調整をし、あるいは統計基準というようなものをつくりまして、御趣旨に沿うように今後とも努力を続けてまいりたいと思います。
○山口(敏)委員 このアジア統計研修所、これはエカフェの加盟国といいますかが、全部参加して、いわゆる民族イデオロギー的なトラブルとかそういったものは一切ないわけですか。
○黒木政府委員 これは、エカフェに加盟しておる国は、この研修所をおそらく全面的に各国とも御利用なさるということを期待をいたしておるのでありますが、またエカフェの域内諸国も積極的にここを活用したいというようなことで、いまのところ、宗教とかいろいろな民族、風習等の差異にかかわらず、各国協力してうまくいくのではなかろうか。わが国といたしましても、こういうことが経済協力のむしろ基礎でございまするし、国際親善の基礎でございますから、確かにそういう懸念もございますけれども、そういうような宗教なり習慣なり——アジアは一つとはいいましても、歴史的にもあるいは民族的にも宗教的にもいろいろ違いがございますから、アジアのエカフェ加盟の域内の国々の特殊事情を十分に私のほうでも把握しながら、各国の研修所を利用する人たちに不快な気持ちを持たさないように、喜んで研修なりあるいは養成に参加してもらうように、運営に心してまいりたいと思っております。
○山口(敏)委員 そういった統計研修所等の問題も含めて、わが国がアジアの地域諸国に対するお手伝いをするということは、たいへんけっこうなことだと思うのでありますけれども、これはその目的をどんどん進めていただいて、有効な効果をあげていただくことをお願いしたいと思うわけであります。 また行政改革の問題に戻るわけでありますが、ことしの予算の中にも、特殊法人あるいは公団等の設置が何点か見られたわけです。一応政府としては、そういうものは一切認めないという形でやっておるわけですけれども、それがしばしば破られるというような形になっているわけです。これはそれがどうしても必要なんだという形よりも、政治的な面においてその均衡が破られるということが感じられるわけです。たとえば今度の四国に橋をかける問題にしても、率直な話が、一本やそこらは、本土と四国を結ぶことによって経済圏の拡大につながるからあれですけれども、四国と本土との間に三本も橋をかけるということは、実際の話が気違いざたみたいな感じを——その地区選出の代議士さんからはしかられるかもしれませんけれども、もっとやるべき仕事がたくさんあるのではないかというふうに思うわけです。しかし、これはまたそれぞれの所管の官庁の仕事でありますけれども、私が申し上げたいのは、いわばそういった事務的なベースにおける行管庁の方々の、大臣を中心とした政府の閣僚とかあるいは党幹部の方々がみずからその均衡を破るというようなことに対する無力感、自分たちはそういう形で一生懸命行政の拡大あるいは特殊法人の申請許可等に対する問題に対しても取り組んではいるけれども、しかし実際は、最終的には政治的圧力で解決を余儀なくさせられる、こういうことに対する不信感あるいは無力感というものが行管庁の中に出てくるということは、私は、行政改革を推し進める上においてもきわめて遺憾な現象ではないかというふうに思うわけです。これは、はっきりと行管庁の中にも、もう政治的な解決でしかたがなかった、また大臣みずからも、自分の政治力でこの公団を新設させたんだということをPRする人もいるわけでありますけれども、こういうことに対して、国民の側から問題を受け取った場合には、やはり公団の必要性あるいは価値感という以前に、何か不明朗な力関係というものの中に、非常に誤解を生みやすいと思うのですね、その点に対する——これは政務次官の役所のあれにとらわれない、また行管庁長官も含めて、どういう形で政治的な責任といいますか、処理といいますか、そういうものを感じられ、また解決していこうとしているのか、そこら辺の姿勢をお伺いしたいと思うのです。
○黒木政府委員 特殊法人の昭和四十五年度の審査につきましては、閣議に基づきまして審査方針がきめられたのでありますが、これによりますると、新設は厳に抑制するということでございました。行管としては、この閣議決定の線に沿った審査方針をきめ、それに基づいて事務的に処理をしたのでありますが、ほとんど新設は認めずに済んだわけだと私たち思っておりますが、ただ御発言にございましたようなものも確かにありました。しかし、新しく認めたというよりも、いわゆるスクラップ・アンド・ビルドといいますか、何か一つつぶして身がわりを持ってこなければ認めないという原則は、ほとんど貫けたと私は思うのであります。ただ・そういう見返りのものがない、スクラップするものがないという省がございまして、その省の申請につきましては、実は、たとえば農業者年金の基金、これは農林省の関係でありますが、あるいは厚生省の心身の障害者の協会、こういうものは強制設立と申しますか、法律に基づきまして設立をして、強制的に加入をせしめなければ目的が達成できない、あるいは公務員と民間人との人事の交流をやらなければ、この施設が運営できない、こういうことで、どうしてもやはり特殊法人の強制設立、強制加入というような方式をとらざるを得ないというもので、身がわりのないものは、これはやむを得ず認めざるを得ない。これは新しい必要な行政需要でございますから認めたわけでございます。 それから、本州四国連絡架橋公団の問題でございますが、これも従来たびたび、どこにかけるか、いろいろ技術的なことで関係省が協力をしてきたのでありますが、いよいよ実現の段階になりますと、単に各省の、あるいは各特殊法人間の連絡調整では不可能になった、もっと責任体制をしっかりしなくては、この世紀の大事業が成功しそうにないというような判断の結果、行管としても認めざるを得なかったわけでございまして、決して政治的な圧力で認めざるを得なかったということではない。われわれ事務当局としても、これはやはり現在の段階では責任体制を明らかにし、調査が一応済んだ段階では、関係特殊法人がお互い協力をするということだけでは、この大事業をやるにはふさわしくない、こういうような判断に基づいて認めたわけでございます。
○山口(敏)委員 四国に橋をかける公団がそうだということではなくて、要するに、しばしばそういった問題が一つの話題となって、政治的なベースによって新設をされたというようなことが出てくるわけでありますから、その点特に行管庁においては、やはり行政改革という一つのにしきの御旗のもとに断固として取り組んでもらいたい。そういう強い姿勢を特にお願いしておきたいわけであります。 行政改革というものは、これは国民の方々の一つの悲願でもありますし、能率化あるいは効率化、サービス化という点において、行政に対する不満というものは、実際の話絶えないわけであります。政府も、中央地方を問わず、それぞれ各関係団体が一生懸命やっているし、また行管庁としても、こういった困難な問題に取り組んでいるということも、よく理解できる面もあるわけでありますけれども、この中において、国民の側からすると、なかなかそれが進んでいないような印象も非常にあるわけです。これは具体的な問題ですけれども、この二十数年かの間において、特に国の、あるいは地方の行政運営の中において、こういった行管庁としての一つの指導理念といいますか、それに基づいて国民生活の中にこういうメリットがあったというような話も多少聞いておきたいと思うのです。
○黒木政府委員 行政管理庁設立以来何をやったか、いかような成果をあげたかということが御質問にありましたが、これは国民にもお知らせし、御了解を願わなくてはならない大事な点だと思いますから、いままで行政管理庁が行政制度なり、この運営の改善につきましてもたらしました成果について御報告申し上げます。 第一は、行政機構あるいは国家公務員の定員及び特殊法人の管理の面でございますが、中央省庁の内部部局につきましては、昭和四十年度には二百十二ございましたが、四十四年度には二百七に減じました。それから審議会等につきましては、四十年度には二百七十八でございましたが、四十四年度にはそれが二百四十一に減じました。それから特殊法人につきましては、三十八年度から設置及び制度の改正等について審査を行なって、増加を抑制するということを先ほど申し上げましたが、その実績としては、四十二年度には九法人の整理をきめております。そして現在までに五つの法人の廃止統合を行ない、一つの法人の財務の再建整備を実施中でございます。それから定員につきましては、三十七年度までは、自衛官等を除きまして、おおむね先ほど申しましたように、毎年度一万人余りの増員を見ておりましたけれども、三十七年以降欠員の不補充という措置をとりました。それから既定の定員につきましては、三カ年間五%の削減を実施してきたのでありますが、昨年はいわゆる総定員法の制定によりまして、総定員の縮減に努力してまいりました。その結果、前年度に比しまして、四十四年度は千百七人の減少、四十五年度は九百二十一名の減少を見る予定でございます。 次に、行政管理庁としては、行政監察ということをやっておりますが、これも行政改革の推進に資するということが一つの目的でございまして、各省あるいは特殊法人の監察を行ないまして、行政運営の改善あるいは行政改革に資しております。たとえば特殊法人の調査の結果に基づきまして、愛知用水公団など五つの特殊法人を整理統合いたしました。それから補助金行政の監察を行ないまして、各省に勧告を出しまして、補助金の廃止が九件、約五億九千万円の国費の節減を行なうなどの効果をあげております。 それから、先ほど申し上げました行政相談は、この数年間毎年十二万件を受け付けております。また各省に窓口を設けさして、民主化及び行政運営の改善に努力をいたしておるところでございます。
○山口(敏)委員 私は、いま行管庁のPRの手伝いをしたいということではなくて、やはり行政の問題というものは、何度やっても、要望しても、あるいは臨時行政調査会とかあるいは行政監理委員会とか、あるいはそれぞれにおける行政サービスの問題にしても、非常にのれんに腕押し的な形で、もう、一つの機構、組織の中に人も埋没してしまうし、法律もその中に埋もれてしまうし、非常に血の通った行政とか国民の望むところの能率化あるいは合理化、配置転換等も含む迅速な行政機構というものが期待できないのではないかという一つの絶望的、マンネリ的な雰囲気というものが非常にあると思うのです。そういう中において、非常に困難な問題であるという形での解決ではなくて、あるいは回答ではなくて、やはり困難であるけれどもやっておるんだということの一つの期待感の中から、われわれも行政改革というものをさらに進めていかなければならぬというふうな気持ちを持つという意味において、いままで一つの事例というものを御報告いただいたわけであります。 私は、資料の中で一つ非常におもしろいと思ったのは——主流にあらざる立場から言うわけではありませんけれども、佐藤内閣の功績は、沖繩返還ただ一つだけであって、あとは何もないじゃないかと思っておったところが、特殊法人や何かの設置、承認数を調べてみますと、一番少なくはないわけでありますけれども、一応ほかの内閣に比べますと、非常に頭を押えているという感じがあるわけですね。一番多いのは、おられませんけれども、荒木長官のもとおられた池田内閣のときが、新設三十五というようなことで改組一、佐藤内閣は、新設が十八、改組は八、廃止が四という形になっておるわけでありますけれども、廃止四は、もっと廃止する予定だったのじゃなかったですか。
○黒木政府委員 これは、先ほど御報告に申し上げましたように、廃止はいままで五法人の廃止をし、これから予定しておりますのが三法人でございます。
○山口(敏)委員 そういうことで、やはり蛮勇をふるってもらって、これは具体的に一つ一つ行政のマンモス化に対して立ち向かってもらわなければならないと思うわけであります。そういうふうな意味合いにおいて、日本のこういった新しい一つの発展的な段階の中においての行管庁の使命といいますか、立場というものは、きわめて国民生活の中においても重大な位置づけをされておるわけでありますから、ひとつそういう面における——政府の当然の義務でもありますし、やはりそれを執行する上において行管庁の御努力をさらに要請し、困難な中においても前向きの姿勢をお願いし、また最終的な、基本的な今後の方針をお伺いして、時間でございますので質問を終りたいと思います。
○黒木政府委員 行政改革はなかなか困難でございますが、先ほどおほめを賜わりましたが、特殊法人の新設なり廃止の問題も、歴代内閣中佐藤内閣が最も廃止、整理の成績をあげているという御指摘で、たいへんありがたく思いましたが、と同時に、実は国家公務員のいわゆる総定員法の成立と三カ年五%の削減というものは、行政改革のじみちな方法でありますけれども、歴代内閣にない非常な成果ではないか。いままで一万九千名も増員の要求があって、一万名もふやしておりました国家公務員を、全然ふやさないで、かえって千名程度削減に成功し始めたということは、私もこれは大いに評価をしていただきたい点だと思うのであります。そういうふうに行政管理庁としては、じみではございますが着実に、はなばなしくはございませんけれども、行政改革の実はあげつつある。現在の行政改革のやり方では——やはり立法府の行政府に対する優越性というのが、現在の憲法では保障されているわけでございますから、立法府の方々の御協力なりあるいは御指示によりまして行政府のほうを督励いただきまして、国民のための簡素な、能率的な政府ができますように今後とも御協力を賜わればしあわせでございます。
○天野委員長 いま行政管理庁長官がすぐお見えになりますので、そのままお待ちください。
○伊能委員 それでは、その間私からちょっと関連して。 いま同僚山口委員から、最近の政府の行政の簡素合理化の経緯と成果について、いろいろお尋ねがあったようですが、実はわが党では、先般本会議で水田政調会長が、行政機構の簡素合理化について質問をされ、総理大臣みずから賛意を表され、今後も努力をする、こういうような力強いお話があったわけですが、いま簡素合理化の成果を大いにアプリシエートしてくれという政務次官のお話でありましたが、遺憾ながら来年度の予算はどうもアプリシエートしかねるような——ことに特殊法人乱設とまではいかなくても、従来に比較して多く設けられているかっこうになっているということは、私ども自身努力の足らない点も遺憾とし、政府だけの問題ではないと思うのです。実は先般の行政監理委員会で、最近の行政監理委員会としての方向を出され、これについては、従来の臨調の調査に関連をさせ、今後の行政監理委員会としての方向も出されたと思うのですが、政府は政府として、あるいは行政監理委員会の意向であろうと思いますが、今後政府としては——ちょうど大臣お見えになりましたが、行政の簡素合理化の方向を、人間、組織両面においてできるだけテープアドミニストレーションというかっこうに進めていかなければならぬ。これにはもちろん国民の協力がまず第一に必要であろうと思いますが、私どもは、いま政務次官から言われた、行政の簡素合理化について現内閣は最大の努力をしておるということもよくわかりますが、さらに一そうこの問題に大きく拍車をかけていただくのには、組織と人——人は、いま政務次官からふやさないで、千人程度削減の実績をあげるに至ったというわけですが、いま行政も食管問題やらその他いろいろの問題で転機に向かっておることもかなりあろうと思いますので、今後の行政管理庁としての行政の簡素合理化の基本的な考え方をひとつ大臣からこの際明らかにしていただければ非常にありがたいし、われわれもまたそれに向かって協力を申し上げたい、かように思います。
○荒木国務大臣 不意に伺いまして、御質問の内容が十分聞き取れなかった点もありますが、行政の改革と申しますのは、一言にしていえば、簡素合理化ということに尽きるかと思います。その意味におきましては、総定員法を活用しまして定員の増加を極力抑制し、また、機構等につきましても、その線に沿って、あくまでも行政サービスを低下させないで、しかも行政を合理化していくという線に立って極力簡素合理化の線を貫いていくということに尽きるかと存じます。
○伊能委員 これは長官にお尋ねすることが適当かどうかと思うのですが、せんだっての行政監理委員会における意見の発表等を見ても、どうも行政監理委員会は、長官が委員長であるという形が適当であるのかどうか。これは私も外から見ておるとわかりませんが、現実にその責任の衝に当たっておられる長官並びに事務当局においては、かつての臨時行政調査会のような形で、長官は監理委員会の外にあって、監理委員会の適切な意見を取捨選択するほうが適当なのかどうか。最近の行政監理委員会の組織について私どももはっきりした意見を出しかねておりますが、行政管理庁としての感触は、失礼ですがどういうものでしょうか。
○荒木国務大臣 せんだって行政監理委員会の委員の方々が委員長を抜きにして意見を発表されました。これは民間有識者としての立場に立っての認識を披露されたことだと思います。さりとて、監理委員会の委員長を兼ねております行政管理庁長官が、その外にあったからといって、これを等閑視すべきことではなくて、民間の有識者の識見に基づく意見としてこれを受けとめ、これを一々執行部としていかに考えるべきかを検討し、その適切なものは取り上げて実行に移してみせるという覚悟を秘めて受けとめておるわけでありまして、外にいようと内にいようと、結果的には同じようにあしらっていくべき課題と心得えております。
○山口(敏)委員 さっきちょっと聞き漏らしたのですが、たとえば統計事務とかあるいはコンピューターとか、いろいろそういった電算機における資料収集について、道路工事や電話工事や水道工事と同じように、それぞれの官庁でそれぞれが自分の一つの行政的なPRの面に使ったり、あるいは行政を進めていく上の資料として使うために、ばく大な金をかけてやっているわけですね。ああいう面において、たとえば電算機一つにしても、数十億にわたる各省庁における設置というような形になると、非常に国家予算の面からいってもあるいは世論調査等においても、——これは民間と各省庁とは違いますけれども、少なくとも各省におけるそういったデータ等は、行政管理庁のほうである程度一括して運営するわけにはいかないわけですか。
○河合政府委員 電算機がたいへんな勢いで官庁に入っておりまして、昭和四十四年度現在で約百五十セット、さらに四十五年度予算が実現いたしますと百七十セット台にのぼるかと思います。そういう点から申しまして、電算機を集中的に管理して、政府でどこか一カ所で一元的に利用したらどうかというお考えが出てきておりますし、また、そういうお考えはまことにごもっともな点が多いかと思います。ただ、現在の状況におきましては、それぞれ各省庁は、所管の事務につきましてかなりそれぞれの特徴ある仕事のいたし方をいたしておりまして、正直に申しまして、これが各省庁ともそれぞれ一〇〇%利用されているとは思っておりませんが、しかし近い将来にはこれはだんだんそういうことになっていく、さらに、そういう分を上回っていくような、しかも臨時的な仕事が出るようになってまいりますと、その分につきましては、どこか一カ所にまとめるということはまことに合理的だと思いますが、各省庁それぞれが恒常的な業務があります限りは、これはやはりそれぞれが持っておりますのが便利であるというふうに考えております。ただその際に各省庁の間の互いのデータを共同に利用するということが可能になるようにいたしますためには、やはりそれぞれ各省庁でデータを分類したりいたします際のコードの統一がございませんと不可能でございますので、そういう意味でできるだけ共同利用ができるようにコードを統一するという方向は現在からも研究しております。 ————◇—————
○天野委員長 許可、認可等の整理に関する法律案を議題といたします。
○天野委員長 趣旨の説明を求めます。荒木行政管理庁長官。
○荒木国務大臣 ただいま議題となりました許可、認可等の整理に関する法律案について、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。 政府は、行政の簡素化及び合理化を促進するために許可、認可等の整理をはかってまいりましたが、さらにその推進をはかるため、さきに政府において決定いたしました行政改革三カ年計画に基づき、計画的に許認可及び報告等の整理を行なうこととし、この法律案を提出することとした次第であります。 法律案の内容について御説明申し上げますと、第一に、許可、認可等による規制を継続する必要性が認められないものにつきましてはこれを廃止し、第二に、規制の方法または手続の簡素化をはかることが適当と認められるものにつきましては規制を緩和し、第三に、下部機関等において迅速かつ能率的に処理することを要するものにつきましては処分権限を地方支分部局の長または都道府県知事等に委譲し、第四に、統一的に処理することが適当と認められるものにつきましてはこれを統合することとしております。 以上により廃止するもの三十一、規制を緩和するもの二十九、権限を委譲するもの二十二、統合をはかるもの二、合計八十四について、四十九法律にわたり所要の改正を行なうことといたしました。 以上が、この法律案の提案の理由及び概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○天野委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、来たる三十一日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十一分散会