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63回国会衆議院1970/04/02

逓信委員会 第9号

発言数
137
登壇者
13
会派数
5
開催日
1970/04/02

会議録

金子岩三自由民主党

○金子委員長 これより会議を開きます。  簡易郵便局法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。古川喜一君。

古川喜一日本社会党

○古川(喜)委員 この簡易郵便局法の一部を改正する法律案は、過去四回にわたって審議未了もしくは廃案になっておるわけでございますが、そのことはそれなりの反対意見等がございまして、そういう経過を経てきたのだと思うわけでありますが、郵政省のほうでは、そういう反対もしくは運営に関する意見等が過去においてずいぶん述べられておるにもかかわらず、一字一句も修正することなくそのまま法案を出されてきておるということは、これはまことに官僚独善といわざるを得ないと思うのであります。  その反対意見に対して、何らそれもそうだというふうに考えることがなかったのかどうかということが、まず問題でありますし、と同時に、この法案に対して、私はこの二十五日から行なわれました審議の過程もいろいろ承っておりますが、まだ明快な、今後の形態や今後の運営というものに対して回答がなされておらないような気がするわけであります。もちろん、あなた方のほうは提案者ですから十分理解をしておられるつもりでしょうけれども、理解というものは自分だけがわかっておってもだめなんで、やはり質問する人などが十分に納得をする説明でなければ、ほんとうの理解とは言えないと思うのであります。  そういう点では、時間の制限とい5点もあってのことかと思いますが、どうも中途はんぱで、完全にわれわれがああそうか、あのほうはこうなるのだなという理解が行なわれないままに進められてきておると思うのであります。このことに対して、省側のほうではどのように考えておられるのか、伺いたいと思うのであります。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 四年前に提出いたしました法案でございますが、内容の変更の必要はございませんので、同じものを提案いたした次第でございます。また、昨年は衆議院におきまして可決を見ておるという経緯もございますし、そのままのものを提出いたしました。  さらに、私どもの説明が不十分でございまして、御理解をいただきかねておる個所があるかと思いますが、なお本日の御質問等によりまして、その点ははっきりしたことを申し上げたいと思います。

古川喜一日本社会党

○古川(喜)委員 提案理由の説明資料の中に、いわゆる簡易郵便局を必要とする個所が約二千カ所もあるというふうにいわれておりまするし、これらの大半は、地方公共団体や協同組合の施設が存在しないところであります、と書いてありますが、大半とはどのくらいの数字なのか、伺いたい。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 要設置の個所が二千百あります中で、七割見当のものが、その地域に地方公共団体あるいは協同組合等の施設がないところでございます。

古川喜一日本社会党

○古川(喜)委員 そういたしますならば、約三割は、まだその地方公共団体や協同組合の存在しておるところということになるわけですね。そうすると、三割なら約六百三十くらいですか、それが国民から広く窓口をと要求されておるというにもかかわらず、なぜその施設が開設されておらないのか、その理由を……。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 これは私どもの想像でございますけれども、簡易局を委託しますにつきましては、局舎もつくらなくてはいけませんし、取り扱い者として組合なり役場から職員をさかなければならない、こういうことに相なるわけでございますが、内部的にいろいろ御事情がありまして、まあ主として経済的な事情がございまして、簡易局の委託を受ける意思がないところのようにうかがわれます。

古川喜一日本社会党

○古川(喜)委員 まあそういう理由かもしれませんが、その公共団体にいたしましても、経済的な理由ということでありますが、自分の区域内に居住する住民がほんとうに窓口サービスの拡張を望んでおるとするならば、多少の経済的な──個人じゃないのですから、公共団体なり組合ですから、自分の区域住民の利益のためには開設すべきであると思う。  そうすると、逆に考えると、さほど国民が望んでおらないのに、あなた方だけが、ひとしく国民が望んでおる、したがって、個人委託でも簡易郵便局というものを広げていかなくちゃならないというふうにてまえがってに思い込んでおられるのか、あるいは、皆さんのほうで積極的にそういう施設を設けることになっておるのに、働きかけがなされておらないのかどうか、それはどうなんですか。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 この三割見当の場所につきましては、積極的には働きかけをいたしておりません。お申し出があれば、簡易局の委託契約を取り結ぶということにいたしております。  相当簡易郵便局の窓口も今日までに開設してまいりまして、いま御指摘になりました六百カ所ばかりのところは、いわば地況といたしましては、その窓口開設の必要性という点から見ますると、もうそう強くなくなったのではないかというような想像もいたしておるわけでございます。残りの七割の場所につきましては、これはそういう市町村等の施設がございませんので、これにつきましては、窓口の必要性の高いところが相当あるのではなかろうかと思っております。

古川喜一日本社会党

○古川(喜)委員 そうすると、ちょっとおかしいじゃないですか。この提案理由の説明では、いまなお簡易郵便局の設置を必要とする地区が全国で二千百カ所ある。いま質問いたしておりますと、そのうちの三割、地方公共団体、組合の存在するところは、さほど窓口が必要ではないのじゃないかと思われますということになりますね。そうすると、全国で簡易郵便局の窓口を望んでおるところは、約七割の一千四百七十ということですか。そういうことになるという意味ですか。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 三割の六百カ所の部分につきましては、先ほど申し上げましたように、従来の窓口に対する要望の度合いというものに比べますと若干低いのではなかろうか、こういうふうに考えるわけでございますけれども、簡易郵便局を置く基準にかなっておりますし、設置いたしましても決しておかしくないし、住民に対するサービスになる場所でございます。

古川喜一日本社会党

○古川(喜)委員 そうすると、ここに書かれております「必要とする地区」という意味は、皆さん方のいわゆる基準に従って出てきたものであって、実際に区域住民から、こことこことここをぜひ簡易郵便局の窓口を設けてもらいたいという住民の要望ではないのですね。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 地方の郵政局におきまして、地図の上で、設置基準に照らして、要設置数を求めたものでございます。その中には、すでに窓口を置いてもらいたいという要望の出ておりますところもございますし、出ていないところもございます。

古川喜一日本社会党

○古川(喜)委員 私が、地方公共団体や協同組合で、設置する基準に合致したところに、なぜ簡易郵便局がまだ開設されておらないのかということを聞いたかと申しますと、四十三年度の予算、さらには四十四年度の予算で、三百ずつの簡易郵便局の設置予算が計上されているにもかかわらず、先日来の御説明によりますと、四十三年では百五十五、四十四年では八十一という開設しかなされておらない。このことがどうしてだろうということから、この質問をいたしたわけでございますが、この三百カ所というのは、簡易郵便局法が改正された場合のことを考えて三百という予算が組まれておったのかどうか、そのことを承ります。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 この法律の成立を予想いたしまして、予算上のその年度の設置数をきめるわけでございます。

古川喜一日本社会党

○古川(喜)委員 そういたしますと、かりにこの法律が通過いたした場合は、年間三百ずつの簡易郵便局の開設、こういうことになるわけですか、予算上。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 四十五年度予算におきましては、ひとまず三百局にいたしたわけでございますが、この法律の実施を見て、その後の実情等を勘案いたしまして、来年度におきましては、あるいは変わった数字を出すことになるかもしれません。

古川喜一日本社会党

○古川(喜)委員 この簡易郵便局は、実施されてから約三千二百の局が開設されているというふうに説明がされておるわけでありますが、簡易郵便局の赤字はどういう状態になっておるのかということを、この間から聞かれました。やや具体的になったのはきのうの質問でございますが、局長は、平均一局六千円というふうにきのうお答えになったと思うのであります。簡易郵便局が開設されると、平均六千円というのは、年六千円ですから、赤字としては私は少ないんじゃないかと思うのです。どういう計算でその六千円というのは出てきているのか。私の考え方では、基本額一万五千円とかというふうにも聞いておりまするし、どうも六千円というのは少な過ぎるのじゃないか。もっともっと赤字があるんじゃないかというふうに考えられるのですが、その点についての御説明を願いたい。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 簡易郵便局の収支の状況ですが、四十三年度におきましては、御指摘のように、一局当たり総平均で年間六千円の赤字であるということでございますが、これは、三年ばかり前までは七万円の赤字であったわけです。最近、郵便貯金の伸びが非常に好調でございまして、簡易郵便局でも郵便貯金契約を非常に受け付ける、そういう実績のために収入状況が非常に向上いたしまして赤字が大幅に減少した、こういうわけでございます。  数字を申し上げますと、収入が四十万二千円、費用が四十万八千円、その差額が六千円、こういうことに相なっております。

古川喜一日本社会党

○古川(喜)委員 この簡易郵便局は委託ですから、取り扱い件数によって手数料は出されておるのだと思いますが、それ以外には一切出されてはおらないのですか。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 費用は、おっしゃいましたように手数料という形で出ておりまして、それ以外には出ておりません。

古川喜一日本社会党

○古川(喜)委員 その手数料ですが、たとえば専売公社が小売り店でたばこを販売させる場合は、あれは八%とか七%とか利益がある。そうすると、あなた方の手数料というのは、普通郵便局で取り扱った利益というものをそのまま渡しているのか、あるいは委託であるから、普通郵便局で扱えばこれだけの利益であるが、簡易郵便局の委託の場合は、それに何割増しかの手数料を与えるということになっているのか、どういうことなんです。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 事務の取り扱いに要する実費部分、俗に手間賃といいますか、世間並みの一つの取り扱いに対する利潤的なものを含めた手数料、それと、物件費といたしましては局舎料相当部分、これにはその建物の償却それから金利部分、そういったものも見込みまして算出しております。

古川喜一日本社会党

○古川(喜)委員 ちょっとわからないんですが、そうすると、建物の償却、建物の借り賃なども含めて、その手数料というものは一件幾らというふうに割り当てられておるという説明ですか。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 手数料の中で基本額と申します部分は、先ほど申しましたように、簡易郵便局という局を経営していくに必要なる固定的な経費を基本額で見ておるわけでございます。先ほど申しました人件費部分、それから局舎の借料部分、こういったものは固定的性格のものでございまして、基本額という形で見ております。それからもう一つ、実際の取り扱いの数量に応じて手数料を出すことにいたしておりますが、これは局によってその額は違ってくるわけでございます。  先ほどの固定費部分は、取り扱いの事務量のいかんにかかわらず、全部の簡易局に一律に支払う部分でございます。それから、二番目の取り扱い手数料は、取り扱い事務量の幅に応じて伸縮がございます。

古川喜一日本社会党

○古川(喜)委員 ますますわからなくなったのです。ちょっと頭が悪いのかもしれませんが……。なぜそれを承っておるのかといいますると、たとえば普通郵便局で手紙を扱う、書留郵便を扱う、かりにそれが十三円の利益があるものとするならば、それと同じ利益額を手数料としてやっているのか、あるいは、委託だからというので十五円やっているとするならば、一通扱うごとに二円ずつ郵政省は損をしておる、赤字になっておるということになるわけですね。そういう計算をしないことには、ほんとうに簡易郵便局が赤字なのかどうかということは出てこないと思うのですよ。基本額の意味はわかりました。基本額以外に取り扱い件数というものは、普通郵便局で扱った分の利益分だけしかやっていないのなら、赤字の計算は簡単に出てくるわけですよ。そうでなく、それ以上の手当をやっているとするならば、一通扱うごとにどんどんあなた方のほうは赤字になっていくということになるわけです。そういう計算はどうなっているのかという質問をしておるわけです。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 御質問が非常にむずかしくなってまいりましたので、経理局の専門家のほうと交代させていただきます。

西谷馨郵政省経理局審議官

○西谷説明員 補足的な説明をさせていただきます。実は私もあまり専門家じゃございませんけれども……。  先ほど先生のおっしゃいました、一局置けば六千円の赤字だということの意味を説明いたしたいと思いますが、これは収入の想定というものを一応やりまして——その前に、六千円といいますのは、昭和四十三年度に、簡易郵便局三千局余りのうちで百九十五局につきまして、抽出調査をした結果の実は数字でございます。そのときの調査方法といたしましては、簡易郵便局で扱います郵便の、書留でありますとかあるいは小包でありますとか、そういうものを扱うのには幾らの収入があったであろうかということを、原価的な一つの計算をしたわけです。  一つの例を申し上げますと、書留通常一通扱いますのには、この調査の結果によりますと、一応十六円二十九銭の収入が想定される。書留料といいますのは、もともと六十円の基本料、十五円ですから、七十五円の中で、簡易郵便局の窓口で取り扱ったために、そのための収入と目されるものは十六円二十九銭だ、そういうことが収入になっております。それから支出といたしましては、先ほど郵務局長がお話しのとおりに、基本料それから取り扱いに比例するところの付加料、そういうもので簡易郵便局の手数料が支払われるわけで、そういうものを相殺した結果が、郵便については一応四万六千円、それから貯金のほうは、そういう計算をしまして若干のもうけがある。そういうことを相殺いたしますと、簡易郵便局一局で六千円の赤字ということになる、そういうことでございます。

古川喜一日本社会党

○古川(喜)委員 まだわかりません。では、よくわからなくてもいいから、簡単に答えていただいて進みたいと思いますが、要は、普通郵便局で取り扱いをする利潤以上のものは手数料としてはやっておらないということなのか、いやそうじゃなく、普通郵便局以上のものを取り扱い件数としてやっておるのか、これだけを承りましょう。

西谷馨郵政省経理局審議官

○西谷説明員 お答えいたします。  これは、結論的に申し上げますと、結局、普通郵便局と同じような勘定で収入は見ますけれども、それに対して赤字ということは、手数料について、収入よりも若干多目な手数料を払っておるということになると思います。

古川喜一日本社会党

○古川(喜)委員 そうすると、やはり基準額以上多目に——もちろん、それは住民のサービスということに重点が置かれてそうなっているのでしょうが、多目にやっているとすれば、取り扱い件数がふえるごとに赤字がふえていくということになるわけでしょう。

西谷馨郵政省経理局審議官

○西谷説明員 お答えいたします。  郵便につきましては、現段階におきましてはそういうことになると思います。ただし、問題は、総合的にものをやっておりますから、貯金のほうではだんだん取り扱い数がふえてもうけも多くなるということになりまして、今後におきましては、全体では赤字は出なくなるのではないかというふうに想定できると思います。

古川喜一日本社会党

○古川(喜)委員 三月二十五日の水野委員の質問に対して答えておられるわけでありますが、事務室の態様でありますね。私は、水野委員の質問に答えられたのを聞いておりまして、雑貨店なりあるいは商店の店の一部に、雑貨を扱うと同じように、あるいは切手の販売と同じような、簡単な程度で簡易郵便局が設けられていくような印象を受けたわけであります。六十一国会では、大体五坪程度のもので仕切って、一目りょう然簡易郵便局が存在していることがわかるような曾山次官の答弁であったと思うのですが、ちょっとニュアンスが違うような印象を受けたわけですが、その点はどうなんですか。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 事務量がきわめて少のうございますので、局舎もそれにふさわしい面積、容積でいいわけでございます。手数料算出の基礎といたしましては、五坪ということにいたしておりますが、実際の簡易郵便局の実態を見ますと、総平均で三・三坪ばかりになっておるようでございます。  しかし、場所はたいへん小さくて小ぢんまりしておりまして、また、そのあります場所は、御指摘のように、何か商店をやっているところに置かれます場合には、その一角、あるいは農家の一角、そういったケースも少なくございません。ただ、公共の仕事を扱うわけでございますので、はっきりと簡易郵便局という標識を人目にわかるところに掲げ、かつ、大事な郵便あるいは大事な現金を扱う場所でございますので、周囲と画然と区別をして、郵便局であるということがよくわかるような様子にして、ていさいを整えてやっていただいておるのが実情でございます。

古川喜一日本社会党

○古川(喜)委員 よくわかりました。  そこで、簡易郵便局を受け持つ集配局というものがあるわけでしょうが、その局の監査あるいは業務の指導など、特別の事務負担がかかってくると思うのです。そうすると、そういう集配局は自分の区域内に簡易郵便局がふえるごとに、先ほど申し上げましたような業務監査や業務指導などの人員というものが特別配置されるというのかどうか、その監査というものがどのように行なわれていくのか、お知らせ願いたいと思うのです。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 実態を見ますと、簡易局と受け持ちの集配特定局との間は、ひんぱんに電話連絡等でもって事務の打ち合わせをしておるようでございます。わからないところがございましたらば問い合わせをして、いろいろと教えてもらっておるというのが実情でございます。さらに、集配特定局長は年に、これはきめられた回数がございますのですが、区内を巡視するという義務がございまして、そのための所要経費も見てやるということで、区内にあります簡易郵便局の指導、監督については、でき得る体制になっております。

古川喜一日本社会党

○古川(喜)委員 さらに、これは各委員ともいろいろ質問をされていたわけでありますが、いわゆるこの法の一部改正の重点である第三条の一項の五号であります。「十分な社会的信用を有し、かつ、郵政窓口事務を適正に行なうために必要な能力を有する個人」この問題についてずいぶん論議をされましたが、まだはっきりわれわれは理解をしておりません。いずれこういうことは、省令か何かではっきりとした基準というものがきめられるのかどうか。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 省令あるいは通達という形におきまして、細部は規定をいたしたいと存じます。個人委託をする個人の選考の基準、あるいは連帯保証人の選考の基準等々につきましては、これは規則あるいは通達に相なりますが、法律の精神を逸脱しないようにやってまいりたいと思います。

古川喜一日本社会党

○古川(喜)委員 私は、前国会は商工委員会におったのでありますが、商工委員会でも問題になったのですが、われわれが一生懸命に法案を審議をする、そして、どうにかその法案が通ったあと、省令で細部にわたって行なわれていく。本来ならば、省令をわれわれに示すべきでないか。もしくは、そういう省令は審議の段階ではないんだとするならば、そういうはっきりしたものをわれわれに具体的に示すべきじゃないのか。一生懸命法案を審議しているけれども、そういう省令や通達の部分に対する質問というものには、常に答えがあいまいである。法案を提案してから何年かたっているわけですから、そういう省令もしくは通達にまかすべき内容というものは、もうあなた方のところまで固まっていていいはずじゃないかと思うのですが、それはどうなんですか。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 簡易郵便局規則というのがすでにございまして、これで実施をいたしております。  それから、これからの法律実施後の規則、通達につきましては、これはもとより必要なわけでございますけれども、これは実はいま作業中でございます。これは勉強していないというわけではございませんで、当委員会でいろいろ出ました御意見、御趣旨等をも組み入れることを予想いたしまして、ただいま通達等の作成につきましては作業中でございます。

古川喜一日本社会党

○古川(喜)委員 きのうの島本委員との質疑の中で出てきたと思いますが、過去約十年間の郵便物の増加と、さらにこれからの十五年後の郵便物の増加ということの質疑の中で、局長は、今後は過密都市の対策というものが大切だというふうに言われたと思うのです。広く国民にサービスをするということで、主として過疎地帯もしくはへんぴなところに簡易郵便局を設けようと執念を燃やしておられるわけでありますが、その都市の対策というものはどうなっているのか。これは三十一日の夕刊で郵政省が発表されているわけでありますが、もう大都会では滞留郵便が百七十万通というふうに発表されておるわけでありますが、これらの対策を今後どのように考えておられるのか、承りたいと思うわけであります。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 昨今の滞留百七十万通と申しますのは、これは異常なる事態がございまして、それに基因してそのような滞留が出てきたわけでございまして、平常状態においてはそういうことはないわけでございます。ただ、東京をはじめといたしまして大きい都会におきましては、物数の異常なる増加がございまして、それに対して労働力の確保がむずかしいといったようないろいろな条件が重なりまして、郵便の運行は非常にむずかしくなってきておるということは申せます。それに対しまして、私どもはいろいろの手を打ちまして対処いたしておるわけでございます。

古川喜一日本社会党

○古川(喜)委員 異常なる状態であるということを言われましたが、異常なる状態というものはいかなるものかも幾らか私は理解しております。ただ、なぜそういう異常なる状態が起きるのかということの問題でありますが、われわれのところではよく、けんかは一人ではできないということがいわれるわけであります。きょうだいげんかをする。私は長男ですが、弟のやつが乱暴でどうとか言っても、親は、けんかは一人ではできないんだと言って、常に長男である私がおこられるという立場になるわけですが、いまのような異常の状態も、何かというと労働者のほうへ郵政局のほうが目を向けておられるようでありますが、けんかは一人ではできない。やはり私は、郵政省自体がいろいろ反省すべき問題を提起しておるのじゃなかろうかというふうにも考えられる。また私は、けんかは一人でできないという立場上、労働者側にも何らか反省しなければならない点があるのだろうということも加えてはおきますけれども、要は、対外的に責任を負う主体は官側ですから、皆さんのほうが責任をもってその異常状態を解決してもらいたい。あまねく国民にサービスをするということで、簡易郵便局法の改正に執念を燃やしておられますけれども、そういう異常な状態であろうと、とにかくいまは、郵便の遅配だ何だで郵政省に対して国民のいろいろの批判が出ておるわけですから、対外的に責任を持つ官側として、もっともっと労使対策というものを慎重にやってもらいたい。  きょうはその問題が主体ではございませんから、多くは申しませんが、むしろ官側のほうが挑発をしているという感なきにしもあらずでございますので、いわゆる国民にサービスをするという面からも、すみやかにその異常状態というものを、あなた方の責任によって組合と話し合いを進め、円満に解決をして、そして国民のサービスの向上につとめてもらわないことには、片手落ちだと思うのです。反対しておるほうだけを全力をあげて通そうという執念を燃やして、片一方では、過密都市対策というものが完全に行なわれていないということでは、片手落ちだと思います。  そういうことをも十分考慮していただきたい、これだけ申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。

金子岩三自由民主党

○金子委員長 武部文君。

武部文日本社会党

○武部委員 数回にわたりまして、この簡易局法案について質疑が行なわれまして、昨年の国会でも、この問題は相当の時間をかけて論議されたところであります。したがいまして、私はこの機会に、わが党の委員がいろいろ疑問を持って郵政省に質問をいたしました具体的な問題について、最終的に郵政省の態度をお聞きいたしたい、このように思います。  まず第一は、三月二十五日に自民党の水野委員から、現行の無集配特定局の問題と簡易郵便局との関係について質疑が行なわれました。その際に、現行の無集配特定局は、いかなることが起ころうとも、これを簡易郵便局に格下げするようなことは考えていない、こういうような意味の答弁がございました。さらに昨年、当委員会でこの法案が採決をされましたあとの附帯決議の中の第一項にも、そのような趣旨が盛られております。昨日の質疑の中で、集配局あるいは無集配局の中間に簡易郵便局が置かれる、あるいは無集配同士の局間の中に簡易局が置かれる。その場合の距離から見て、その設置局数は大体二局程度置くことが可能のようでございます。  そうなってきますと、簡易郵便局の職員は、あるいは局長は、あとでも申し上げますが、夜間の集金なりあるいは保険の募集をするかもしらぬ。一週間に三十時間以上、あるいは休日、祭日を除いてなお五日以内を休日にすることができるというような条文がございますが、成績をあげたり収入をふやすためにそういうような行為が行なわれることは、これは当然考えなければならない。  そうなってくると、もよりの無集配特定局の取り扱い件数が減ってくることは当然であります。一人局、局長を含めて二名局、これの分計定員から算定いたしますと、それに対する影響というものは相当あらわれてくることが予想できるのであります。こういう点で、かねてから小局運営の問題等について、長い間論議がなされてきたところであります。  第一点は、冒頭申し上げるように、この無集配特定局は、この制度によって簡易郵便局に格下げをする、こういうようなことはない、このように考えてよろしいか、この点をまず最初にお伺いいたしたい。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 当委員会で再三繰り返してまいりましたとおりでございます。このことによりまして、無集配特定局が格下げになるということは全然ございません。

武部文日本社会党

○武部委員 参考までに、それじゃお聞きをいたしておきますが、四十四年末でもけっこうですが、一番新しい二名局、局長一名局員一名、この無集配局の数は幾らでしょうか。三名局は幾らでしょう。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 二名の無集配特定局の数は九百七十局でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 三名局はわかりませんか。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 ちょっと手元に用意してございません。

武部文日本社会党

○武部委員 けっこうです。  同僚議員からもお話があったと思うのですが、私は、この質疑の中で郵務局長が述べられた、商売のかたわらでやる兼業だと、あの当時お述べになったことをここに書いてありますが、たばこ屋、荒物屋、農家の片すみでやるんだ、こういうような意味の発言がございました。前国会で問題になったのは、何かそうしたたばこを売っておる片すみで切手を売るような、そういう簡単なことで国民の大事な信書が取り扱われたり、大事な金が出し入れされたりするようなことは、これは重大問題だという点を指摘したことを私は記憶いたしておりますが、今回の答弁の中でも、兼業である、したがって、そういうほんの片すみでそういうことをやるんだというような意味の答弁がなされました。また前国会のときに、簡易郵便局というのは一定の看板をかけて、そうしてある特定な局舎を設けて、そうしてその坪数というのは大体五坪ということでしたね、それで取り扱い件数が何千件あればどうだというようなことも、そういうことも御回答にあったようです。  私は、少なくとも簡易郵便局として存在するからには、一定の規格のもとに看板をしっかりかけて、そうして公務員に準ずる人がそうした仕事をするんだというふうに考えておったんですが、これはことばのあやかもしれませんが、そういう何か農家の片すみのところにちょこっと一人おってやる、たばこ屋の片すみのところでやっておるんだというような、そういう意味の簡易郵便局を皆さんは想定されておるのか。われわれは、少なくともいまある簡易郵便局というのは、ほとんど一戸をかまえ、二戸といっても片すみですけれども、具体的に坪数をある程度持って、そうしてカウンターを持ってやっておる、そういう簡易郵便局を知っておるわけですが、何かそれと変わったような簡易郵便局ができ上がるのでしょうか。それはどうでしょう。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 事務量の多い簡易郵便局では単独局舎をつくりまして、取り扱い者がつき切りで郵政の仕事に携わる、こういうところもあろうかと思います。ただし、その比率はむしろ少のうございまして、正確なる数字を持ち合わせがございませんけれども、いま申したような単独局舎をつくってやるというところは、おそらく二割か三割見当ではなかろうか。それ以外のところは、やはり事務量が少のうございますから、単独局舎をつくるというほどまで至りませんで、何か、先ほど申したような、商店であれば商店の一角あるいは農家の一角、そういったところで、ほかの仕事と兼業をしてこの局の運営をやるわけでございますから、そういう形のものが多かろうかと存じます。  ただし、私が申し上げましたように、片すみにまことに貧弱なかっこうでやるということは、そういう印象を与えましたとすれば、私の説明がたいへんまずかったわけでございまして、坪数は小さい、狭い局ではございますけれども、大事な仕事を扱う場所でございますから、簡易郵便局という標識も人目につくところにはっきりと掲げてもらう、それから郵便局の事務を取り扱うところには、周囲とはっきりとした区別がつく仕切りをしてもらうとか、あるいは金庫はりっぱなものを備えつけてもらう、窓口事務をとるにふさわしいていさいを整えてもらう、そういうことは、当然私どもとしては期待いたしておる次第でございます。  それから、実績としては、局舎の実際の坪数でございますけれども、全国総平均として三・三坪ばかしの坪数になっておるようでございます。手数料の算出といたしましては五坪を予定しておりますけれども、実際はそうなっておるようでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 いまの郵務局長のお話によりますと、二割ないし三割というものがそういう程度のものをつくっておるのではないか、それ以外のものは、ほんの片すみでやっておるのではないだろうかというお話でございましたが、私もたくさんの簡易郵便局を知っておりますが、まず全部が全部と言っていいほど、簡易郵便局の看板をかけ、出入り口は全く別、そうして仕切りもきちんとして、そして簡易郵便局としてのていさいをある程度、大小の違いはあっても、整えてやっておるのです。あなたがお述べになったような、たばこ屋の片すみで、たばこを売っておるところのすぐそばで簡易郵便局をやっておる、隣でですね、ここではたばこ、ここのところには簡易郵便局の金庫があって、こことここは自由に、なんというのは、私の知るところではないのです。また、そういうことを許すとすれば、私がしょっちゅう言っておるように、ここで事故が起きる可能性が非常に強いのです。ですから、いつかも水野委員から話があったように、行ってみたところが、うしろのほうで鶏の、えさをやっておってだれもおらなかった、それで事故が起きるじゃないかというようなお話がありました。そういうようなことのないようにしなければならぬのじゃないか。ましてや、農協団体なりあるいは市役所の支所なり、そういうところに簡易局があるとするならば、周囲の目も非常にあるわけですから、犯罪の可能性も少ないでしょう。ところが、純然たる個人の家で、何か隣にたばこがあったり、八百屋の店先と並んでおったりするならば、これはたいへん問題があるんだ、個人にすればなおさら犯罪が起きるんじゃないかということを、私は前々から指摘をしておったわけです。  ですから、私どもは反対だけれども、簡易郵便局を個人委託にまで切りかえるとするならば、少なくとも犯罪を防止する意味においても、かりに五坪という——あなたは平均三・三坪とおっしゃるが、三・三坪でもけっこうでしょう。そういうきちんとした間取りをし、仕切りをし、これは簡易郵便局でございますということが一目りょう然にわかり、そこで仕事ができるということでなければ、私は犯罪なり事故件数というものは、減るどころかふえていくと思うのです。それはどういう通達ができるか知りませんが、そういう基本的な考え方で簡易郵便局を運営していかなければならぬ、このように思うのですが、どうでしょう。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 おっしゃるとおりでございます。  私が申し上げましたのは、事務量が少ないわけですから、特に独立の局舎を設けるまでのことはないようである、こういうふうに申しておるわけでございますが、同じ屋根の下に、その一角を利用して局舎をつくるにいたしましても、お話しのように、周囲とはっきりと区別がつくような設備をいたしまして、公共的な仕事をやるに恥ずかしくない、ふさわしい設備をつくってもらうようにする、こういうことは御説のとおりでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 それでは引き続きまして、現在の簡易郵便局の人員配置についてお伺いいたします。  これも前国会で、四人の職員をかかえておる簡易郵便局がある、こういうことを私は指摘をいたしたわけでありますが、お聞きいたしますと、昨日、この四人かかえておるところのうち一局は、無集配特定局に昇格したそうであります。そのほか四人職員をかかえておる局数、三人の職員をかかえておる局数、あるいは二人かかえておるところの局数、この数はわかりますか。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 四人でやっております簡易局が一局でございます。三人でやっておりますのは五局、二名局は数字の上では二百四十二になっておりますが、これはちょっと説明を要します。農協あるいは役場等におきまして、二人の人が簡易郵便局の仕事に従事いたしますけれども、四六時中かかりっきりというわけでございませんで、役場の仕事もするし郵便局の仕事もするといった形でやっておる、そういう形の二名局でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 内容はよくわかりましたが、結局、二人の職員が交互にやっておるとか、そういうような意味の説明のようですね。  そこで、私がこれからお聞きしたいのは、分計定員というものが出ますね。その分計定員上一人局以下のものが簡易郵便局だ、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。ですから、私が去年言ったのは、四名職員をかかえておるようなところは、分計定員にそれをはじき出すと、当然二名ないし二・何名という分計定員が出てくるはずだ、それを、なぜ簡易郵便局として存置をしておるのかということを言ったわけですよ。だから、近畿大学構内の簡易郵便局を昇格したのは、基準に当てはまれば、当然それは無集配特定局として設置しなければならぬからだと思う。そういう点が分計定員上から出てきた場合は、当然それは無集配特定局に昇格さすべきものだ、このように理解してよろしゅうございますか。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 簡易局の大部分の局は、一名以下のいわゆる分計定員の局でございます。中には一名の事務量を越すところがあろうかと思いますが、御指摘のように、そういう場合には無集配特定局に切りかえるということをやらなければいけないかと思いますし、現実にも、毎年相当数のものを無集配局といたしております。

武部文日本社会党

○武部委員 そういたしますと、二人でやっているところの事務量と、それから現在の無集配特定局の最低基準、これは定員一名に局長一名ですね、それとの事務量を比較してみたことがありますか。たとえば、簡易郵便局で二名の職員を使っておる、あるいは三名の職員を使っておる、無集配局の最低の一名、局長と二名、それとの事務量というものを比較してみたことがありますか。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 詳細にやったというわけにはまいらないかと思いますが、一応やった結果を持っております。

武部文日本社会党

○武部委員 それをちょっと報告してください。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 お尋ねのことに直接答えることには相ならないかと思いますが、私どもやりまして持っております資料は、次のようなものでございます。  簡易郵便局の一局平均の事務量、まず郵便から申し上げますが、郵便の年間の一局平均の事務量に達しない二名の無集配特定局が、四百局ばかりございます。九百七十の中の四百ばかりですから、かなりの数ということに相なります。それから、貯金の事務について申し上げますと、簡易局の一年間の平均事務量に達しない二名の無集配特定局は、三百五十局ばかりあるようでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 それでは、先ほど私が質問したことについてもう一回念を押しておきますが、分計定員上一名以上の算出根拠が生じた簡易郵便局は、無集配特定局に昇格させることが妥当だ、このようなお考えでしたか。これは間違いありませんですね。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 事務量が大きくなるという要件が一つあろうかと思います。それから、そういうところはおそらく無集配特定局の設置基準というものにも適合した場合に相なろうかと思うのですが、無集配の置局につきましては、別個の基準がございますので、そのほうの縛りを受けるということでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 次に、今度は個人に委託する場合の個人の資格の問題について。これも何回か論争してきたところですが、もう一回念を押しておきますが、この順番というのは、提案の理由にもありますように、公共団体、協同組合、それに個人を加える、こういう順番ですね。この順番について、この間は強い意味はないとかいうような発言があってみたり、前回の会議録を読んでみると、全くそのとおりだ、その順番のとおり、こういうような答弁があるのですが、私どもとしては当然、個人を加えるのは、あくまでも公共団体、協同組合、それでどうしてもない場合には個人にこれを受託させるんだ、こういう前回の郵政省の答弁をそのまま了解したいわけですが、それでよろしゅうございますね。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 そのとおりでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 そこで、個人が受託する場合に、個人の資格についていろいろ論議があったところでございます。その場合に、個人がどのような資格を持っておるかということが論議になったわけです。それと同時に、犯罪が起きた場合に、その個人の弁済能力をどう見ておるか。いままで、簡易郵便局が創設以来、約二百の犯罪、五千万円の損失金があると私どもは聞いておるわけであります。前回の委員会でも論議になりましたが、この保証人の固定資産の問題についてであります。一名について五十万円、こういうことが論議をされたわけですが、犯罪件数や犯罪の金額からして、これは純然たる欠損を国に与え、それを弁償させなければならぬ、こういうときに、五十万円では足らぬのじゃないか。郵政省としては、この五十万円というものにあくまでも固執され、変更される意思がないのか。これをひとつお聞きしたい。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 今日までに発生しました事故、犯罪を調べましたところ、事故の場合、百万円をこすというようなことはほとんどございません。そういうことで、連帯保証人の資産能力は五十万円というふうに算出をいたしたわけでございますが、これは、もちろん今後の情勢、経済情勢等をながめて、修正していかなければならない流動的なものだと考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 修正をする意思がおありのようですから、これはそれでけっこうであります。  そこで、個人の資格について、民生委員であるとか、保護司であるとかいうような名前が前回のときに出ておりました。それで当委員会でも、何も知名度の高い人たちだけが、有能な事務屋ではないという意見もございました。われわれから見ると、現在の無集配特定局と簡易郵便局の取り扱い事務の範囲、無集配特定局がやっておる仕事と簡易郵便局がやっておるところの取り扱いの事務の範囲というものに、どんな差があるだろうか、こう考えるのですが、何か差がありますか。どうでしょう。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 郵便の引き受けあるいは貯金の預払い、こういったものが事務としては多いと思います。無集配特定局がやっております中でも、そういったものが件数が多いわけでございまして、一番需要の高いところは、簡易郵便局においても、これはどうしてもやっていかなくちゃいけないという考え方でございます。  ただ、少しく取り扱い事務が複雑になってくる。たとえば、簡易保険の仕事は契約の引き受けだけはやりますけれども、その後の維持につきましては、簡易局においてはやらないというふうになっておりますけれども、これはやはり仕事が少しむずかしくなってきまして、一人局では処理がむずかしいということの考慮からでございます。しかしながら、簡易郵便局がだんだん仕事にもなれてくるということ、さらに、地元の利用者の方々の需要が非常に高まってくるという事態に相なりますれば、今度の法改正でやりましたように、老齢福祉年金事務を新しくつけ加えていくとか、そういったようなことで弾力的に取り扱いたいと思います。

武部文日本社会党

○武部委員 そういたしますと、貯金も取り扱っておるところの簡易郵便局と、それから無集配特定局との間に、取り扱いの事務範囲で差があるとするならば、国庫金の取り扱い、こういう程度のものではないかと思うのです。それで、この国庫金の取り扱いも、三十三年の特定郵便局制度調査会の答申によると、簡易郵便局でも国庫金の取り扱いをすべきではないか、こういう答申があったようであります。そういう意味では、無集配特定局と簡易郵便局との間に、取り扱い業務の内容については大差はないはずです。たとえば、保険にしても、郵便にしても、貯金にしても、これから範囲を拡大しようとする問題にしても、取り扱いについてはそう大きな差はない。あるとするならば、事務量についてはあると思うのです。件数、数量、そういう点については差があることはわかりますが、やっておる仕事は、簡易郵便局と無集配特定局とほとんど差がない、このように理解してよろしゅうございますか。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 事務量を広げるにつきましては、その事務の取り扱いについて、やはり十分内容も知り、扱い方をよくマスターしていなければならないということでございますので、扱い件数が非常に少ないということが予想されます事務につきましては、これは大きいところで判断をいたしまして扱わせない、こういう割り切り方に相なろうかと思います。そういう考慮をもって、この取り扱い事務の範囲というものをいまのところきめておるわけでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 そういたしますと、簡易郵便局というものの委託範囲を個人まで広げるということは、国民にそうしたサービスをあまねく公平に提供するというたてまえからいうならば、窓口を開いておる郵便局には、どこの郵便局に行っても郵政業務は取り扱ってもらえるのだ、そういう気持ちを持つ国民の意思とは異なった方向に向くことになると思うのです。なるほどあなたがおっしゃるように、窓口に来る者がある局においては十人、ある局においては百人とか、そういう差はあるでしょう。しかし、国民の側からすれば、どこの簡易局に行ってもどのような仕事も取り扱ってもらえるのだ、そういう期待を持っておると私は思うのです。  いま私が申し上げたのは、無集配特定郵便局とそれから簡易郵便局との取り扱い業務の内容には、国庫金を除いてほとんど差はないじゃないか、同じような内容のものをやっておるのではないかというふうに言ったわけですが、将来も、同じようなものを窓口で取り扱わせるという意思がおありなのか、それとも、そういうものは縮小していって、簡易局では件数が少ないから、そういうものはどんどん取り上げてしまう、そしてごく限られたものだけしかそこでは扱わせないようにするという意思がおありなのか、その点は、非常に重要なのでお聞きをしたいわけです。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 たいへんむずかしい、微妙なところのお尋ねでございますが、大きいところの判断といたしましては、簡易郵便局と申すわけでございますので、全部の事務は扱わない。その地域住民の方々の一番求めておられる仕事、事務に限って行なう。理想といたしましては、いろいろなことをやればいいのかもしれませんが、そうなりますと、人数がよけいにかかるとか、そのためにいろいろな勉強もしていただかなければならぬとか、取り扱いの事務量が非常に僅少であるのに対しまして、それに対する投下資本は非常に大きくなるとかいうようなことでは、実際的でもございませんので、あくまでも、地方において最も求められております仕事に限って、それに専念していただく、こういう姿が今後とも続くのではなかろうか、続けざるを得ない、かように考えておる次第でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 一体、地方において最も望んでおるものは何か。これは、税金は、簡単に簡易郵便局の窓口へ持っていけば取り扱ってもらえる、役場から遠く離れたところとか、そういうところでは、簡易郵便局に行けばいいんだとか、できるならば、郵便局はどこも同じようなものを取り扱うということが、さっきから言うように、あまねく公平にサービスを提供するという郵政省の義務でなければならぬはずです。そういう意味から言うならば、確かに三十時間以上とか、あるいは勤務日数が非常に短いとかいうことの特例はあるでしょう。あるでしょうが、少なくとも簡易郵便局という窓口を開くとするならば、簡易ということは、いま言った時間とか日数とか、こういうことに当てはめるにしても、仕事の面では、ほとんど同じものが取り扱われるということが、私は正当な方法ではないかと思うのです。いまのあなた方のお考えでは、件数の少ないものはできるならばやめていこうとするならば、国民の郵政事業に対する期待と異なった方向に向くように思うのですが、どうでしょうか。これは非常に大事なことなんで、簡易郵便局が将来どのようになっていくかということに非常に大きな関係を持つのですが、もう一回お聞かせいただきたい。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 簡易郵便局の仕事は、今日までの実情を申し上げますと、やるべき仕事をだんだん少なくしていっておるということではございませんで、逆に、最初は非常に狭い範囲の仕事に限定いたしておりましたものを、だんだん地元の御要望に応じまして広げていっておるというのが実情でございます。  ですから、今後のやり方でございますが、簡易局の事務の取り扱い者の方々がだんだん仕事になれてくる度合いに応じまして、また地元の御要望、業務の御要望の度合というか、御要望の実態というか、そういうものも勘案いたしまして、今後は、これを新しくつけ加えていくという方向に行こうかと存じます。

武部文日本社会党

○武部委員 それならば、貯金の窓口会計機を簡易局にも入れるように考えておられるようですが、貯金の窓口会計機の配備対象になる簡易局は、何局ぐらいございますか。

山本博郵政省貯金局長

○山本(博)政府委員 現在、窓口会計機を配備しようと思っておりますのは、年間の扱いが三千件以上で、現在約八百局、こういうところに置いております。

武部文日本社会党

○武部委員 現在の簡易局で、一、千件以上の取り扱いの対象局はどのくらいですか。

山本博郵政省貯金局長

○山本(博)政府委員 残り五百局でございますから、トータルで千三百局ということになります。

武部文日本社会党

○武部委員 この貯金窓口会計機は、地方貯金局のEDPSに直結するわけですね。この取り扱いというのは相当むずかしいのです、私どもしろうとでわかりませんが、聞いてみると。全然しろうとの、わけのわからぬと言ってはしかられますが、そういう人が取り扱って、間違いを起こすということは当然考えられますね。私ども部内出身者ですが、窓口業務がわかって一人前になるには、優に三年はかかるというのです。そういうことを聞いておる。窓口に全然しろうとがぽんとやってきて、そういうものでEDPSに直結するような、一体そういう機械の操作ができましょうか。どう考えておられますか。

山本博郵政省貯金局長

○山本(博)政府委員 窓口会計機の操作そのものは、御指摘のようにそうむずかしいものではございません。普通のタイプを打つのとそう大きな作業上の差がございませんで、これは、単なるなれの問題でございます。問題はむしろ、そこで打ちましたテープが、どういう形で地方貯金局のEDPSと結びつくかという問題でございまして、これは、窓口におる職員の能力の問題とは関係がございませんので、この点についての御心配はないと思います。

武部文日本社会党

○武部委員 そうであればけっこうですが、なれの問題だとおっしゃる。あとで簡易郵便局の局長の人選問題について私は触れるので、このことをお聞きしたわけですが、そういう点で、たとえば、いなかの知名度の高いお年寄りが簡易郵便局をやって、EDPSと直結する会計機というものに、そう簡単になれてできるとは私は考えないのです。そういう点で、貯金窓口会計機というのはさほど簡単なものでしょうか、もう一回お聞かせをいただきたい。

山本博郵政省貯金局長

○山本(博)政府委員 先ほど申し上げましたように、この機械の操作というものはきわめて簡単なものでございまして、プラスになるとかマイナスになるとか、トータルの計算はどうであるとか、定額貯金の場合はどうであるとか、きわめてわかりやすい表示になっておりまして、そこの部分を押しますと、機械のほうが自動的に数字を出していくという、きわめて簡単な操作で済む機械でございます。普通郵便局の場合におきましても、大体二日くらいの訓練をいたしますと、職員はそれに習熟をする。いわば、書くかわりにボタンを押すというだけのことでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 なるほど、普通局の窓口におる職員ならばそういうこともできるでしょう。簡易郵便局というのは、その人がいなかったときには、子供がやってみたり、店員がやってみたり、だれかが事務につくというような説明もあったわけです。そういうようなことで、簡易郵便局ではたして間違いなくできるだろうかという点に、私は疑問を持ったのでお尋ねしたわけですが、しごく操作が簡単で、だれでもできるということですから、それならけっこうだと思うのです。  いま一つお伺いをいたしますが、個人委託の取り扱い上の問題で、たとえば簡易局が廃局になる。これはいろいろ理由があるようですが、この改正案の第十九条によりますと、委託契約の解除は直ちに廃局につながり、即刻その簡易郵便局の廃局ということになるのか。その場合郵政省として、窓口機関というものを確保することについて一体どういうふうにお考えになるのか。それはどうでしょうか。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 簡易郵便局の利用の実態を見まして、取り扱い件数がきわめて少ない、ほとんど利用の実態がない、こう見ました場合には、廃局にするのもやむを得ない措置だと考えます。

武部文日本社会党

○武部委員 そうすると、それは当然のことながら、取り扱い件数その他を勘案してやるということですね。したがって、十九条の法改正は、委託契約の解除が直ちにそこにある簡易郵便局を廃局にするということではなしに、取り扱い件数なり、そういう問題を考えながら、廃局にするか存置をするか、さらに新しい人と契約をするかということは当然のことですが、そういうことですね。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 そういうことでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 いま一つ、昭和三十三年一月十四日に出されました大臣の諮問機関、当時の郵政大臣の諮問機関である特定郵便局制度調査会、この答申の中に、小局運営についていろいろと答申がなされました。この小局運営については、ここで詳細申し上げることは、時間の関係でできないのですが、この小局運営の中には、当然のことながら簡易郵便局についていろいろ意見が出ておるのです。きのうも私どもの同僚委員が、この答申書について、簡易郵便局の具体的な賛成、反対の意見の中の、反対の項を読み上げたということを聞いたわけであります。この小局運営については、非常に長い時間をかけて論争のなされたところであります。  特に、新しく郵政の公社化案というようなものも出てきた。これは昭和三十三年の答申ですから、十年以上たっておるのですが、そこへもってきて公社化問題が出てきた。公社化ということについては、当然のことながら、われわれはこの簡易郵便局もひっくるめて、抜本的に郵政の機構が変わるんだと考える。貯金、保険、郵便委託業務、こうした点についても、当時の小林郵政大臣は、公社化問題にあたっては組合の賛成が必要だということも述べて、いろいろ意見も聞きたいということもお述べになった。また、かつて労使の間における慣行というものも非常に多いのですが、私どもここにたくさんの事例を持っております。種別改定、特別職、あるいは制度調査会の答申、簡易保険の転貸債の問題、こうしたことで大臣と組合側との間に、特に特定局問題に対して、労使の間に非常に多くの話し合いが持たれておるのです。この小局の今後の運営のあり方について、簡易郵便局もひっくるめて、皆さんとしてはお話し合いになる意思がおありかどうか、これを聞きたい。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 従来から小規模郵便局のあり方、運営、あるいは近代化、そういったようなことで、労働組合等からいろいろな意見あるいは要望が出されておりますが、省といたしましては、小局の運営はきわめて大事なことであるとも考えておりますので、そういった御希望、御意見につきましては、十分耳を傾けて参考としてまいりたい、こういう姿勢でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 そういたしますと、いまの小局運営と若干関連をいたしますのでもう一つお伺いしておきますが、簡易郵便局が個人受託になることによって、これはことばが悪いのですけれども、事業が私物化されるのではないか、こういうことを私どもは懸念をするわけです。これは昔、請負制  の時代がありました。答申書の中にも、この調査会の少数意見の中に、これは昔の請負制度に返ることになりはしないかということが載っておりますが、そういう点で、今回初めて郵便局というものが純然たる個人に委託をされる。そこで、これはたいしたことではないかもしれぬが、地位の売買とか、そういうようなことが起こり得ると考えられるようなことはありませんか。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 戦後相当時間もたっておりますし、当時問題になっておりましたような請負制に伴う弊害については、今日はもはや心配する要はないと考えております。  なお、おっしゃいましたようなことが個人受託につきましてもしあるとすれば、たいへん遺憾なことでございますので、そういうことがないように、今後十分気をつけて運営してまいりたいと思います。

武部文日本社会党

○武部委員 そういたしますと、私はこれからある一つの事例を申し上げたいと思うのです。いま、簡易郵便局の個人受託をめぐって、権利と申しましょうか、地位と申しましょうか、そうしたものの売買が行なわれるのじゃないかという懸念を私は持ったと言ったわけですが、そういう懸念は、もう長い時間たったからないということです。あってはならぬことでありますが、次のような事例を、大臣もひとつお聞きをいただきたいのです。これははっきり名前を申し上げますから、お聞きをいただきたいのです。  これは昨年判明をいたした事件でありますが、三重県飯南郡の飯南郵便局舎譲渡契約書というものを私はここに持っております。この譲渡契約は、ある特定の人と局長との間に、局舎の売買と、表現は管理権ですが、これは局長の地位です。局長の資格を、金でもって売買するという契約書であります。こういうことが実は歴然とあるのです。私はこれを読み上げてみますが、ここにちゃんと収入印紙を張った契約書であります。物件は、鉄筋コンクリートづくり二階建てで、そのほかに、二むねの物置きと住宅がついております。局長杉本俊三、これと山本某——これは個人の名誉のために私は某と申します。その二男山本忠生、この山本忠生というのは局員ではなかった。四日市につとめておったつとめ人です。それを、この契約をするにあたって局員として採用いたしました。それとの間に、「前記物件並に管理権と共に左記契約条項に依り譲渡成立し双方相違なく履行することを誓約する」とあって、譲渡の価格は一千百万円です。時間の関係ではしょってお話しいたしますが、そして具体的に、昭和三十八年に契約をした際に、五百万円を局長にしてもらう人が払っております。そして同じく三月三十一日、内金として三百万円を払って、計八百万円を払ったわけです。そして局長は、その金を払った男を局長に推薦するという約束を取りかわしたわけであります。これがこの契約書の中にはっきり書いてある。  結果は、そういうふうにならなかったのであります。これがだんだん問題になりまして、はたして局長が局舎と局長の権利、地位を売るについて、契約したことを実行したかどうかということでいろいろ調査した結果、郵政局あるいは特定局の局長会にも、こうしたことを何ら連絡もしてなかったということがはっきりわかりました。そして問題になったので、この局長は、この金を二回に分けて弁済をいたしました。それは四十四年八月と本年一月三十日、四百万円ずつ弁済をいたしました。  そしてこの局長は、四十五年三月三十一日ですからおとついのことですが、高齢者退職で二号俸昇給、五割増しの退職金で退職しておる。この問題が発覚をした端緒は、局長の勤務成績不良、局舎の老朽等の改善を求める、こういうような動きの中からこうしたことがわかった。こういう人が高齢者退職——この人は五十六歳ですか六十五歳ですか、それで二号俸昇給して五割増しの高齢者退職にかかってやめたわけですね。こういうことを一体郵政省は御存じか。  この問題をずっと調べてみますと、局長が局舎と局長の権利を金でもって売買をして、はっきりとここに保証人まで立てているわけです。結果としては、なかなかうまくいかぬものだから、やかましくなったので金を返すという方法をとったわけですね。こういう事実が実は三重県であるのです。この高齢者退職というのは、その年齢に達していなければ、あなたのほうではチェックをして中に入れますね。希望したって全部入れるわけじゃないのですから……。  こういうような点について、この時代に、いま私が申し上げたようなことはないとおっしゃった。簡易郵便局は個人なんです。それですらあなたのほうはないとおっしゃるけれども、厳然として無集配特定局の中にこういう事実があるんです。これは問題になっておるのです。一体、監察局はこういうことを知っておるのか。調べた形跡があるように思いますが、これを知っておられるかどうか、私はこれをお伺いしたい。  いま一つ、だいぶ時間をせかれますので、もう一つ同じようなことを申し上げておきたい。これは局名を伏せますが、滋賀県です。滋賀県のある局で、局舎をめぐって、局舎の貸借に関する覚え書きを、局長とそれから局舎の所有者との間に取りかわしまして、それを付近の特定局長二名が保証人としてきちんと判を押しておるんですが、ここにこういうことが書いてある。局舎借料は、郵政省から支払われる借料金額を、何のだれ兵衛は、借りた者は、家主に払うものとする。局舎使用の電力料金は、参考メーターに表示された使用キロワット数に五キロワットを加算したものを料金換算して、局長は局渡し切り経費をもって局舎の所有者に支払うものとする。局長は、退職または辞職する際、後任の局長として、この局舎を提供した者の子息が志願したときは、誠意をもってこれが推薦をする。これは余分なことです。余分なことですが、二番目の、局舎使用の電力料金は、参考メーターに五キロワットを加算したものを料金換算して、局の渡し切り経費をもって局長は局舎を提供した者に払えという覚え書きです。こういうことを取りかわしておる。全くこれは言語道断なやり方ですね。  一体、こういうやり方を郵政省はどのようにお考えになるか。このあとのことは、よく耳にすることです。渡し切り費の中からそういう操作をして、局舎料にプラスをして払っておるということはよく耳にすることですが、最初の、局長と局舎を一千百万円で取引をする、こういうやり方はまことに言語道断と思うんですが、一体どうお考えでしょう。私は大臣のお考えを聞きたい。

中根敬一郵政大臣官房首席監察官

○中根説明員 お話の件は、三重県の関係であるようでございますが、企図のように成功しなかったというお話でございますが、それらの状況につきましては聞いておりませんので、そのとおり申し上げます。聞いておりません。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 いまの三重県のお話は、これはおっしゃいますとおり事実であろうかと思いますが、局舎の譲渡に関して、局長の身分まで譲渡契約をするというのは、まことにけしからぬことでございまして、郵政局も当然これを取り上げることはないわけで、無視したわけでございますね。あくまでもいまの局長と、その局長の局舎と局長を譲り受けたいという民間の人二人だけの間のことで終わったわけでございます。郵政局は、全然これを取り上げていないわけでございます。  二番目の渡し切り費のことにつきましては、経理局より申し上げます。

溝呂木繁郵政省経理局長

○溝呂木政府委員 ただいまのお話は、局舎料にプラスして渡し切り費から払っているという事例のようでございますが、それは当然もう渡し切り費の中からそういうものを公的に支払うべきものではなく、もしそういう関係があれば、個人的にプラスすべきである。その収入から支払うということが通例かと思いますが、いずれにせよ、渡し切り費の中からやってはいけないことだと考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 私が申し上げましたのは、これはなるほど簡易郵便局とは何か関係のないように思われますが、小局運営のあり方と関係があると思うからこれを指摘したわけです。少なくとも特定局制度の封建制というものは、前々から私どもは指摘をしてきたところです。それと、私有局舎の欠陥がこういう形になって、いまの時代でも堂々と取引をされる。これは郵務局長は、郵政局はそういうようなことに関係なく選ばなかったと言われたが、知っておって選ばなかったんじゃないんですよ。知っておって選ばなかったのならまだ話がわかる。知らない。たまたまいまの段階で実現をしないものだから、金を払った者が文句を言って、おまえは契約不履行じゃないかと言ったから、しかたがなしに金を戻して、金が足らぬものだから、土地を担保にして金を払っておるんです。そういう問題が発生したから、これはたいへんだというので箝口令をしいて金を出した、こういうことなんです。  ですから、こういう私有局舎等々と非常に関係の深い、根の深い事例が、今日ただいまこういう具体的な事例として私は指摘することができると思うのです。ですから、個人になった場合にそういうようなことが、簡易郵便局というほんの小さなことかもしれませんが、その権利を売買するというようなことがもしあったとすれば、これはたいへんなことなんです。そういうことがあってはならぬから、私は個人受託というものに反対をしてきたんです。この点を十分ひとつお考えをいただかなければならぬ、こう思うのです。  そこで、あともう一つ、二つで終わりにいたしたいと思いますが、前々回からここでいろいろ話があった中で、どうしても私、納得できにくい、ちょっとわかりにくい点があるので、ひとつお伺いをいたしたいのでありますが、簡易郵便局が約三千ある、それで簡易郵便局の赤字は年間六千円だ。これはきのうも何か話があったようですし、だれも質問するんですね、そういうことがわからぬから。年間六千円ということは、月に五百円ということなんだ。年間六千円の赤字とすれば、三千局で一千八百万円の赤字だ。簡易郵便は三千カ所窓口を広げておって、年間に一千八百万円くらいな赤字で経営されておるのかということに、だれもが不審に思うのです。  ですから、あの六千円というものは、どういう根拠で何と比較をしてお出しになったのか、それを聞かないと、六千円くらい、月に五百円くらいの赤字で郵便局が経営されるなら、もっと、五百でも六百でも一万でもつくったらいいじゃないかという議論になるので、その点をひとつ明快に、どうしてそういう金額になるのか、それをお聞きしたい。

溝呂木繁郵政省経理局長

○溝呂木政府委員 簡易郵便局の収支の問題でございますが、いままで説明が不十分だったために、だいぶ誤解を招いておったようでございますので、ここでやや詳しく御説明さしていただきたいと思います。  実はこの資料は、もし郵便局の窓口を置くとしたならば、簡易郵便局と二人の無集配特定局とどちらが経済的であるかということに着目しましてつくった表でございます。簡易郵便局は約百九十五局を抽出しておりますし、二人の特定郵便局については四十八局をたまたま抽出して調査したものでございます。  それで、その経営比較をする方法としましては、まず、収入をある程度擬制しております。と申しますのは、たとえば、ある簡易郵便局で書留というものを引き受けておった場合に、普通ですと、当然書留料の六十円に、それが一種定形であれば十五円で、七十五円の収入ということになりますが、そうしますと、配達をしている分野とかそういう方面の収入はゼロということになりますので、私どもで使っております配付収入、要するに全体の郵便の流れの中で、たとえば、いま申し上げましたように書留関係六十円とすれば、それが窓口の引き受けでもってどのくらいの配分を受けるべきか、配達分野でどのくらいの配分を受けるべきかということを予想しまして、この場合ですと窓口の引き受けでございますので、その書留に私どもでは、この資料では十六円二十九銭になっておりますが、その収入があったものとして、書留通常一通あれば、これは十六円二十九銭収入があったものという擬制をいたしまして、それでもって集計をいたしまして、一応その局の受け持ちの配付収入といいますか、受け持つべき収入というふうにまず予定いたします。同じように簡易郵便局につきましても、二つの局の比較でございますので、同じく書留について何通あるかを見て、それに同じ額をかけて収入を見るということで、それぞれの収入を集計いたしました。  それから支出のほうは、簡易郵便局のほうは、私どものほうから支出しておりますのは簡易郵便局の手数料でございますので、これはそのまま直接の支出として計上いたします。ただし、簡易郵便局を経営するのは簡易郵便局だけでございませんので、それを監督するいわゆる管理共通的な費用がございますので、それの割り掛け分をかけます。それから無集配特定局のほうにつきましては、これは局員が二人おりますので、その人件費等をそのまま費用とし、それに郵政局、本省等の管理費用をやはり同じようにかけて、それぞれの支出とするわけであります。  そうした上で、それぞれの収入、支出を推計いたしましたところ、一局平均につきまして、簡易局については六千円の赤字、それから二人局の無集配特定局については、百二十七万一千円の赤字の数字が一応計算上出てきたということでございまして、これはあくまでも窓口を置くのに、無集配特定局を置いたほうがいいか、簡易局を置いたほうがいいかということを経営比較的に見るために算出した資料、こういうことでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 そうすると、管理費とかそういうようなものについては、これの計算の中に入っていないということになりますか。

溝呂木繁郵政省経理局長

○溝呂木政府委員 一応直接費に管理費を割り掛けてあります。

武部文日本社会党

○武部委員 ちょっとわかったのですが、やはりまだはっきりわからぬです。ですから、簡易郵便局というものは大体どの程度赤字を持っておるのか、端的に言えば、経営するのにどのくらいかかるのですか、そのことなんですよ。一年間に簡易郵便局に十二億何ぼ金を使うでしょう。予算を盛っておるでしょう。ところが、それによって入ってくる収入というものはわかりますね。そうなってくると、簡易郵便局というものは、あなた方は郵政省の犠牲において窓口を開いて、赤字だけれども、国民に対するサービスの面で、公共的な立場でやるんだ、こうおっしゃっているのだが、そういう点では、簡易郵便局は赤字の対象になっておるということは間違いありませんね、ある一部のものを除いては。たとえば、平均二万何千円か金が出ておりますね。それだけの収入はないはずなんですよ。前国会でも、一カ月にたったの二件しか取り扱いがなかったという答弁がありましたよ。郵便が二件、貯金が三件、一カ月に五件ですね。そういうのでは、極端に言えばたいへんな赤字の簡易郵便局だということはいえるんじゃないですか。

溝呂木繁郵政省経理局長

○溝呂木政府委員 先ほど申し上げましたように、一応収入のほうは、その取り扱い件数にそれぞれの単位当たりの配付収入をかけております。したがいまして、私のほうでもって調査しましたのは四十三年度でございますが、簡易局の一局平均の収入というものを見てまいりますと、先ほど申しましたように、書留通常四百一千四通、普通速達百五十三通、書留小包三十八個、普通小包二百六十七個、窓口交付が十一通、一応平均してこれだけのものが、私どもの調べた簡易局においては取り扱われております。したがいまして、当然この分は郵政省のほうに収入として入ってまいりますので、それを、先ほど言いました配付収入によって出します。それに、切手売りさばきも簡易局でやっておりますので、それによる収入を総計しますと、郵便関係だけでございますが、一応七万三千円というものがその収入の基礎になっております。  それから、貯金につきましては、一応簡易郵便局でもって貯金を扱っておりますと、当然そこに現在高というものが出てまいります。その現在高を、私どもでもってたまたま調査したその局の一局平均で見ますと、一千四百九十六万八千円という貯金残高が一応簡易局一局であります。したがいまして、それだけの残高があれば当然運用収入を生むわけでございますので、それにいわゆる利子を引いた事務費に配分すべき率というものをかけて出しますと、やはり貯金関係についても約三十万の収入がある。そのほかに、為替、振替につきましても、それぞれの口数ごとに、先ほど申しましたような単金収入的なものをかけまして、全体で、為替、貯金についても三十二万八千円という収入がございます。そういった意味でもって、それぞれ私どもの調べました簡易局については、それ相当の収入がございます。  それに対しまして、先ほど申しましたように、私のほうから支出しておりますのは簡易郵便局の手数料でございますので、その手数料にさらに間接費というものをかけまして、手数料だけですと約三十万で済んでおるわけでございますが、それに十万の間接費を足しまして、そして四十万八千円という数字が出ております。先ほど言いました郵便の収入、貯金の収入、それに保険が若干ございますが、そういうものの収入が四十万二千円、そして費用が、ただいま申しましたように直接費に間接費を足しまして四十万八千円、その差額が六千円ということでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 これは、抽出調査でやられたことですね。そして無集配局との経済的な比較を出したとおっしゃったわけで、あなたのほうの資料によると、簡易局は、百九十五局のうち四十局は採算がとれておるということになれば、あとは採算がとれておらぬというような計算のしかたでお出しになったということでございますな。

溝呂木繁郵政省経理局長

○溝呂木政府委員 そのとおりでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 それでは最後に、私は次の点をはっきり確認をしておきたいと思うのですが、個人受託になった場合に、一体個人の能力をどのように判断をするかというような点が相当論議をされました。読み書きそろばんの話まで飛んで出たのですが、それは別にしましても、現実に公共団体、協同組合、個人、この三つが競合した場合は、順位として公共団体、それから協同組合、個人という順番をとる、まずこれは間違いないね。これでよろしゅうございますね。最初に一点。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 三者競合の場合は、おっしゃるとおりの順位になります。

武部文日本社会党

○武部委員 次に、個人が競合した場合には、簡単な試験をやるというような話があったのですが、個人が競合した場合に、あなたのほうでどれこれと判定できない場合には、簡単な試験をやってきめる、これはそのとおりおやりになりますか。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 試験のやり方、あるいは試験をやるかどうかへやったがいいか悪いかといったようなことにつきましては、まだ最終的にきめておりません。

武部文日本社会党

○武部委員 前国会では、曾山政府委員のほうから、私がいま言ったような答弁があったのです。競合した場合には、簡単な試験をやるのだというお話がありました。おそらくそういうふうなことでもやらなければ、競合した場合には困るじゃないかという判断で、そういう答弁があったと思うのです。われわれは大体そういうふうに理解をしておったので、これからそういう通達を具体的にお出しになる場合には、十分考慮してもらわなければならぬ。  それから、最後の一点は、「十分な社会的信用を有し、かつ、郵政窓口事務を適正に行なうために必要な能力を有する個人」を加えるということで、前回いろいろやりとりした中で、最終的にはこういう答弁がありました。郵政省の職員として数十年つとめたような方は、当然事務能力はあろうと思いますので、そういった方は、やはり優先的に扱いたいというぐあいに考えておる、こういう答弁がありました。これは事務能力という点についての答弁であります。そういう点は間違いございませんか。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 やはり国の仕事の一部をやるということでございますので、利用される地域社会において信用を得ておる人ということが、一番大事な要件ではなかろうかと思います。地域社会で絶対信頼がある人、これは第一条件であろうと思います。事務能力につきましては、その次くらいに来ていい要件ではなかろうかと思います。

武部文日本社会党

○武部委員 あなたがそう言われると、私はまた言わなければならぬようになってくるのですが、信用ということの判定は、民生委員とか保護司とか、これは信用の度合いをはかる一つのバロメーターかもしれませんよ。しかし、信用がはたしてそれではかれるかどうか。民生委員だって、回り番で順番にやっておるところもあるのですよ。だから、あなたがおっしゃるように、信用が第一で、その次にはるか下がって事務能力だ、そういうものの考え方は前回の答弁と違うのですよ。私が何回かあなたに申し上げたように、簡易郵便局の取り扱っておる事務というのは、少なくとも三年ぐらいかからなければできない。これは一々例をあげて言わなくてもわかっておるように、そういう点の事務能力がなければ、窓口の応対なんかできませんよ。また事故も起きますよ。それだから、いなかの五十戸や百戸のところでたいへんな信用ということをおっしゃるが、私はその判定がわからぬ。ですから、信用も大事だが、事務能力も精通しておらなければ、公衆はほんとうに安心して金を預けたり、郵便を持っていくことはできないと思うのですよ。いま言った点をもう一回言ってください。そういうふうにはっきりと曾山さんは言っているのですよ。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 大事な郵便を取り扱い、また大事なお金を扱うわけでございますから、やはり絶対信頼を得ておる人物を選考するということが、第一番目だと思います。それから、事務能力のことですが、これも大事な要件でございまして、はるか下がっての要件ではなくして、その次くらいに来る大事な要件かと思います。

武部文日本社会党

○武部委員 その次ならまだ話はわかるのですが、ずっと下がってのようなことをあなたがおっしゃるから、それでは話が違うのです。ですから、われわれが言うのは、簡易郵便局の仕事というのは、ほんのしろうとでは、だんだんこれから出し入れも多くなってくるし、仕事も多くなってくるのですから、事務の能力がなければ、これはサービスの提供ができないのです。そういうことで何回かやりとりして、曾山政府委員から具体的にそういう答弁があったわけですから、そういう点を十分考慮してやってもらわなければならぬ。たとえば、無集配局の局長の任用を調べてみますと、四十二年度の無集配局の局長の任用は、自由任用制であるけれども、部内の経験を持っておる人が七四%、部外が二六%、七四対二六です。無集配特定局長の自由任用の中でもそういうことがあるのですから、そういうことも考えて、局長の任命は、前国会の討議、今国会の討議を通じて、誤りのない任命のしかたをしてもらわなければ困る。これを申し上げておきたいと思います。

竹下一記郵政省郵務局長

○竹下政府委員 御趣旨を尊重したいと思います。

武部文日本社会党

○武部委員 終わります。

金子岩三自由民主党

○金子委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。  午後一時二十分再開することとし、この際休憩いたします。     午後零時四十四分休憩      ————◇—————     午後一時二十五分開議

金子岩三自由民主党

○金子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  簡易郵便局法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案に対する質疑は終了しております。  これより討論に入ります。討論の申し出がありますので、順次これを許します。本名武君。

本名武自由民主党

○本名委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました簡易郵便局法の一部を改正する法律案に対し、賛成の意を表するものであります。  御承知のとおり、簡易郵便局は僻地に適した郵政窓口機関として大いに歓迎され、郵政サービスの普及に大いに貢献しているのでありますが、最近の設置状況を見ますると、要設置地区が全国になお二千カ所以上もありながら、これらの地区に受託団体の施設が存在しない等の事情によって、その設置が進まないという状況になっております。  今回の改正案は、かかる地方の実情にかんがみ、簡易局の増置を促進するため、受託者の範囲に個人を加える等の改正を行なおうとするものであります。郵政事業の持つ公共性と企業性との均衡をはかりながら窓口機関を増置していくためには、取り扱い数の少ない地域においては、特定局に比べて一段と経済的な簡易郵便局を充て、少ない経費で一局でも多くつくるようにつとめることはしごく当然のことでありまして、今回の改正案は、まことに時宜に適したものというべきであります。  このほかの改正としては、簡易局の委託事務の範囲を広げ、老齢福祉年金等の支払い事務を簡易局においても取り扱えることとするものでありますが、この改正も、高齢の受給者等に対する適切な心づかいであろうと存じます。  以上、改正内容に即して賛成の事由を表明いたしましたが、政府においては、さきの審査の過程で指摘されました運用上の問題点、すなわち、個人受託者の選定の方法、手数料算出の基準、あるいは簡易局の指導監督等については、今後さらに十分な検討を重ね、法改正の趣旨をよりよく生かしていくようつとめられたいのであります。  以上、希望を付言して私の賛成討論を終わります。

金子岩三自由民主党

○金子委員長 武部文君。

武部文日本社会党

○武部委員 私は、日本社会党を代表して、簡易郵便局法の一部を改正する法律案に反対の意を表するものであります。  今回の改正案に対するわが党の反対理由は、先般来の質疑においてすでに明らかにされてきたところでありますが、以下これを数点にしぼって申し上げます。  その第一は、個人委託はかつての請負制度の悪弊復活につながるおそれがあるということであります。  申すまでもなく、郵政事業は国民の日常生活に密着したきわめて公共性の強い事業でありまして、その役務は国が責任をもって直接提供するのが事業本来のあるべき姿であります。わが党は、かかる観点から、簡易郵便局については、たとえその受託者が地方公共団体、農協等であっても、国民に対する国の責任をあいまいにするものとして、制度そのものに反対する立場をとってきたのであります。  しかるに、今回の改正案は、この簡易郵便局についてさらに個人委託の道を開こうとするものでありまして、郵政事業の本来の姿を離れ、時代に逆行する施策であるといわざるを得ません。  第二は、業務の個人委託は、利用者に不安や不便をもたらすものであろうということであります。  改正案によりますと、個人受託者は、「十分な社会的信用を有し、かつ、郵政窓口事務を適正に行なうために必要な能力を有する個人」になっておりますが、その具体的内容はきわめてあいまいで、質疑を通じても一向明らかにされておりません。  言うまでもなく、郵政事業に対する国民の信頼は、直接利用者に接する従事員いかんにかかるものでありまして、この改正案のように受託者の資格があやふやなものであっては、国民は、とうてい安心して利用することができないのであります。憲法でも保障されている通信の秘密ははたして守られるのかどうか、貯金や保険等の現金の取り扱いを安心してまかせられるものかどうか、そういう不安がぬぐえないと思うのであります。  さらに、個人受託の場合、窓口の取り扱い時間についても、受託者の恣意が働くおそれがあり、かようなことがあっては、利用者の利便も確保できないという結果になるのであります。  第三は、個人委託は、事故、犯罪の増加を来たすおそれが多分にあるという点であります。  制度創設以来の簡易郵便局の犯罪件数は約二百件、その被害総金額は約五千万円近くになっておりますが、これは受託者が地方公共団体等に限られていた場合の数でありますから、受託者に個人が加わることになれば、犯罪は勢い増加を免れないと見られるのであります。  一方、簡易郵便局に対する監督は、制度の丘でも運用の面でも決して万全ではなく、個人受託の場合に備える犯罪防止の体制は、はなはだ不十分であるといわざるを得ません。  第四は、いわゆる再委託の問題であります。  事務再委託は法律違反でありながら、今日すでに事実上の再委託が相当数にのぼっていることは、質疑の中でもすでに明らかになったところでありますが、この改正案は、再委託を合法化するばかりでなく、これをさらに助長するおそれがあるのであります。個人委託における再委託は、一種の利権化を生ずることさえも考えられるのでありまして、最も警戒を要するところであります。  以上、申し上げましたとおり、今回の簡易郵便局法の改正案は、簡易局制度だけではなく、郵政事業の全般にわたって悪い影響をもたらすものであり、わが党としては、この改正案に対しては強く反対せざるを得ません。  以上、本改正案に対するわが党の見解を明らかにして、私の反対討論を終わります。

金子岩三自由民主党

○金子委員長 中野明君。

中野明公明党

○中野(明)委員 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました簡易郵便局法の一部を改正する法律案に対して、賛成の討論を行ないます。  本改正案は、郵政事業の役務を公平に提供し、公共の福祉を増進するという各事業法の精神を受けて、郵政事業の役務をへんぴな地方にまで広め、国民が簡便にこれを利用できるようにするとの目的に沿って提案されたものであります。  すなわち、受託者の範囲を広げて個人を加えることによって、窓口機関の増設を促進するとともに、かねて要望の強い老齢福祉年金等の支払いの事務を加えることによって、住民へのサービス向上と、さらにその利便を増強しようとするものでありますので、現在のわが国のそれぞれの地域の実情から見て、適切妥当な措置であると考え、本改正案に賛成するものであります。  なお、本改正案実施にあたっては、審議の過程で議論が出ました各種手数料の抜本的な合理化、個人受託の場合のための公正な委託基準の決定、窓口業務の重要性から人選にあたっての十分なる配慮及び事故防止のための指導監督の強化等々の意見も、十二分に尊重していただきたいことを申し添えて、私の賛成討論といたします。

金子岩三自由民主党

○金子委員長 栗山礼行君。

栗山礼行民社党

○栗山委員 ただいま議題になっております簡易郵便局法の一部を改正する法律案に対しまして、民社党を代表いたしまして賛成の意を表明するものでございます。  この法案は、前回の国会で非常な審議の対象になりまして、再度同一案を提出されまして、十分なる審議の結果、論点が明らかになったのでありますけれども、本来的には、昭和二十四年からこの法律が施行されまして、その実績及び実情にかんがみ、新たに受益者サービスを拡大するという観点に立ちまして、個人受託への道を開こうとするものであり、あるいはまた、老人の福祉年金の窓口を設定する等の問題を含む法案の内容でございます。  これらの観点から申し上げまして、私は、制度的にはおおむね、郵政の財政事情及び僻地におきまする国民サービスの拡大の方向への観点に立ちまして、賛成をいたすのでございますけれども、いろいろ審査の経過を顧みまする場合において、必ずしもこれが完ぺきのものとは言いがたい審査の経過でございます。  したがいまして、私はこの施行にあたりまして、いわゆる国民の福祉拡大に沿うていく方向への厳粛なる実施、あるいは運営の問題につきまして、適切なる指導と方向に深く留意をいたしまして進めてまいらなくちゃならぬと考えておる次第でございます。  これらの点につきまして、いま多くの討論をされたのでありますけれども、基本的には、窓口の拡大を通じて僻地におきまする受益者のサービスの拡大をはかるという本旨に立ち返りまして、これに十分なる対処をされて、運用の妙味を強く要望いたしまして、私の賛成の討論を終わるものであります。

金子岩三自由民主党

○金子委員長 土橋一吉君。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております簡易郵便局法の一部改正案に対し、反対する立場でその趣旨を簡単に説明したいと思います。  そもそも郵政業務は、いずれも憲法で保障された通信の秘密保持を中心に、国民の金銭等を取り扱う重要な国家業務の一つであります。したがって、郵便局を主体とし、国民のため郵政業務の迅速、正確が要求されるので、他団体や個人との安易な委託契約などによって行なわれるべきものではありません。その弊害につきましては、すでに経験済み、試験済みであり、反対であります。  かつて、全逓労働者が特定郵便局制度に反対し、その封建遺制をきびしく指摘し、その撤廃を掲げて戦った事実を見ましても、このことは明らかであります。  まず第一に、本法一部改正により追加される個人受託者契約については、第三条一項の五号に、十分な社会的信用と郵政窓口事務を適正に行なう能力云々と規定しておりますが、なお先国会における逓信委員会での政府答弁によれば、固定資産税三十万円以上の納付者であり、かつ、固定資産五十万円を有する連帯保証人を具備せる条件を内示しております。  これでは、一地方局長の恣意的判断のもとに、僻地での有力者などが容易に委託の認可が決定されることになります。国民生活にとって非常に大切な書留や速達などの重要郵便物、または、郵便法あるいは郵便為替法、簡易生命保険法などの規定に基づく金銭が、一私人によって取り扱われることになり、このことにより、現在自民党政府によって推し進められている、いわゆる高度経済成長政策の農漁村僻地における零細な農業、漁業などの破壊政策に対する宣撫工作の一環を推し進め、また高度経済成長を推進する役割りを果たさせ、かつ、選挙時に際して、近年における保守勢力の得票率の低下に対する、地方有力者などに保守勢力の温存、培養の基盤をつくらせるおそれが多分に存在すると思われます。  反対の第二として、受託者順位についてでありますが、第一位に地方公共団体、第二位に農協などの地方公益地域法人のあとに個人を規定し、郵政大臣の委託契約対象を一応ランクしておりますが、もし、実際に第一位、第二位のランクされた者が、その同じ事務所内におきまして郵政窓口事務を実施するということならばともかくも、これが実際には、私の最近の調査でも明らかですが、現行法のもとで第三者個人を嘱託という形式でその再契約が行なわれ、個別のところ、すなわち自己の宅地に簡易郵便局の看板を掲げるなどして、第三の無集配特定局、すなわち本法の脱法的措置が往々とられており、その現実を法文化していく必要悪を公然化する傾向が、巷間に多く見られるようになっております。  さらに、嘱託者が業務を実行するのではなく、息子、嫁などの近親者が実際の事務を行なっているというありさまで、まさに責任者の所在がいずれにあるか、まことに不明瞭な状態が見受けられています。ましてや、自民党政府によって加えられている郵政労働者に対する人減らし、合理化と低賃金政策を押しつけられている現在の状況のもとにおいては、絶対に容認できることではありません。  次に、本法改正案の中で老齢年金の支払いを、僻地の老齢受給者などが、わざわざ特定郵便局や普通局の窓口にまで出向かなくても、その部落で受領できるという一定の前進面は認めることができますが、冒頭述べましたごとく、あくまで郵便業務は国家業務として貫き、安易に経営採算上の安上がりなどから合理化されるべきものではありません。  今日の道路事情の発展と自動車などの車両の改善と相まって、正規の郵便局員が農山漁村へ、分局または派出所、あるいは移動郵便局、市場郵便局等の確立により、容易に出張が可能であり、窓口事務が能率的に行なわれるのであります。すでに他の分野では、可動診療所や自動車図書館などの定期出張が現に行なわれ、僻地住民の生活に密着する施策が講じられております。郵政事務におきましても、これが不可能であるという根拠は見当たりません。  そもそも政府は、経営採算上の安上がり政策において請負制度を採用し、簡易局一局当たり年間約七万円、最近は六千円、無集配特定局一局当たり年間約百二十七万円の損失補てんをしている現状は考慮すべきであります。この損失補てん金を予算定員化し、弾力的に活用することにより、僻地住民の立場と要望に即した分局制度とか、派出所制度などの合理的な対策をすることができるし、目下検討中の公社化問題もあるので、共産党は政府の猛反省を促し、直ちに撤回されるよう強く主張し、私の反対討論を終わります。

金子岩三自由民主党

○金子委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。  簡易郵便局法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

金子岩三自由民主党

○金子委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。(拍手)

金子岩三自由民主党

○金子委員長 この際、栗山礼行君外一名より、本案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  趣旨説明を求めます。栗山礼行君。

栗山礼行民社党

○栗山委員 それでは私から、民社党提案にかかる附帯決議案の趣旨を御説明いたします。  まず、附帯決議案の案文を申し上げます。     附帯決議(案)   本法の実施については、政府は次の各項を尊重すべきである。  一、受託者の範囲拡大を機に、郵便局設置標準を改訂する等によって、特定局の縮小をはからないこと。  二、簡易郵便局の事務量は、ほぼ一人を標準とすること。  三、個人に委託するときは、つとめて十分な社会的信用を有し、郵政窓口事務を適正に行なうため必要な実務能力を有する者を選ぶようにすること。    右決議する。  ただいま朗読いたしましたとおり、この附帯決議案は、本法の実施に関し、政府に三項の要望を行なおうとするものでありまして、その要望の第一は、今回の受託者の範囲拡大が、特定局整理の布石になるのではないかと懸念する向きがあることなどを勘案いたしまして、この機に、政府が郵便局設置標準を改定する等によって、特定局の縮小をはかることがないよう望んでおこうというのであります。第二は、簡易郵便局の事務量に関する要望でありまして、簡易局の役割りからして、その事務量は、特別の場合を除いてほぼ一人が望ましいので、これを標準として運用せられたいというのであります。第三は、今回の法改正によって、新たに個人委託の道が開かれることになりますが、この個人委前を行なう場合には、つとめて十分な社会的信用を有し、かつ、郵政窓口事務を行なうために必要な実務能力を有する者を選び、その信用と能力を大いに活用するようにされたいというのであります。  以上、三項の要望は、先日来の審査の動向等を参酌して起草いたしたものでありまして、その趣意については、委員各位の御了解をいただけるところであろうと存じますので、何とぞ全会一致御賛成くださいますようお願い申し上げます。

金子岩三自由民主党

○金子委員長 これにて趣旨説明は終わりました。  採決いたします。  栗山礼行君外一名提出の動議のとおり、本案に附帯決議を付するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

金子岩三自由民主党

○金子委員長 起立多数。よって、附帯決議を付するに決しました。     —————————————

金子岩三自由民主党

○金子委員長 なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子岩三自由民主党

○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

金子岩三自由民主党

○金子委員長 この際、井出郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。井出郵政大臣。

井出一太郎自由民主党郵政大臣・運輸大臣臨時代理

○井出国務大臣 本件に関しましては、慎重なる御審議の上御可決いただきましたことを厚くお礼を申し上げます。  ただいまの附帯決議につきましては、政府といたしましても、今後の郵政事業を進めていく上におきまして、御趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。

金子岩三自由民主党

○金子委員長 次回は来たる八日午前十時二十分理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後一時四十八分散会

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