逓信委員会 第3号
- 発言数
- 141 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1970/03/11
会議録
○金子委員長 これより会議を開きます。 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。内海英男君。
○内海(英)委員 先般の委員会におきまして、ただいま議題となりました問題につきまして、郵政大臣並びにNHKの前田会長より御説明を承ったわけでございますが、郵政大臣の意見書がここに付せられておりますけれども、まず大臣に、その意見書の骨子につきまして、さらに具体的な御説明をお願いいたしたいと思います。
○井出国務大臣 お答えを申し上げます。 昭和四十五年度NHK収支予算等に対する意見書といたしましては、予算全体はおおむね適当である、かように認めました上で、NHKの事業運営にあたりましては、公共放送事業体としての社会的使命の自覚を促しますとともに、国民の受信料を基盤としていることをあらためて認識をし、事業能率の向上、経費の効率的使用及び節減につとめるべきものであるとしておるのでございます。 なお、特にテレビジョン難視聴地域の早期解消については、中継局の建設の促進に一そう努力すべきであるとし、さらに、収入が予定以上に増加した場合には、難視聴地域解消のためにこれを振り向けるようにすべきであること、また、放送センターの総合整備計画の着手にあたっては、経営の近代化と事業運営の効率化という所期の目的が十分に達成されるように配慮してもらいたい、こういう趣旨を強調して述べておるわけでございます。
○内海(英)委員 なお、意見書の中に、「事業計画中、UHFテレビジョン放送局の建設については、UHFテレビジョン放送の免許方針との関連において、変更の必要が生ずる場合もあると考える。」というふうにございますけれども、このことにつきましては、具体的に変更の必要が生ずる場合もあるということはどういうことをさしておられるのですか。
○井出国務大臣 これは、若干技術的な問題にもわたりますので、電監局長からお答えいたさせます。
○藤木政府委員 お答え申し上げます。 このNHKの予算におきましては、いわゆる広域圏内の県域として、四十五年度には三局を建設するという予定になっているわけでございますが、広域圏内におきまするNHKの県域局といったものにつきましては、現時点では、いわゆる周波数の割り当てというものは行なわれておりませず、チャンネルプランといったものができてないわけでございまして、今後の問題として残されているという状態でございます。したがいまして、チャンネルプランの修正の段階におきまして、NHKが予定している地域に、必ずUHFの県域局を設置できるという保証は現在ではございません。そういう意味でこの「免許方針との関連において、変更の必要が生ずる場合もあると考える。」という旨の意見を付したものでございますけれども、しかし、私どもといたしましては、広域圏内の県域ということは認める方向で検討したい、そういうふうに考えております。
○内海(英)委員 次に、最近新聞をにぎわした問題でございますけれども、今度の国会は何せ言論・出版の自由という憲法上の問題から、いろいろ論議がかわされる事件が多いわけでございますが、三月四日に福岡地裁が、NHKその他四局のフィルムを差し押えた。つまり一昨年ですか、博多駅事件の当時のフィルムを差し押える事態が出た。こういうことについて、いろいろ新聞協会あるいは報道関係から、新聞等に意見が出ておるわけでございます。憲法第二十一条の表現の自由というものに違反するというような解釈のもとに、いろいろと意見が出されておるようでございますが、報道取材の自由といった観点から、こういう事件がどういう方向に向かっていくにいたしましても、これに直接関係を持たれておるNHKの会長さんの御意見も承りたいと思いまするし、また、それを役所の立場で見ておられる大臣の、今度の博多駅事件のフィルム押収問題についての御見解も承りたいと思うわけでございます。
○井出国務大臣 博多駅の事件なるものが話題に相なっておること、御指摘のとおりでございます。 そこで、放送法の第三条によりますと、「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」こういう規定があることは御案内のとおりでございまして、この規定が、放送事業者の放送番組編集の自由を保障しておるわけでございます。今回博多駅事件に関連して、放映済みのテレビフィルムが裁判所によって差し押えられたこの事件は、番組編集の自由の問題とは直接関連はないものだと考えております。 一方、今回の事件の発端となっております放送番組の素材たるテレビフィルムを提出するかどうかにつきましは、あくまで放送事業者が自主的に判断すべき問題であろう、かように考えます。そうして報道の自由と裁判の公正の調和、これを那辺に求めるかという、これは非常に本質的な問題になりますが、これは郵政大臣の所管を越えた事項である、かように考えておりますので、私からは、この際答弁はいたしかねる、かように思っております。
○前田参考人 放送法を中心にする御理解は、ただいま郵政大臣から御説明があった限りにおいて、その限度は私どもも妥当であると考えております。 ただ、言論の自由ということをわれわれ放送事業者の見地で考えますと、それは同時に側面として取材の自由ということが必要になってまいります。この取材の自由というものは、取材をする側の積極的自由ばかりではなくて、いまの社会における言論の自由は、その取材面から見ますと、これはやはり大衆の協力に待たなければ、自由ということばの中身の実質を把握し、確立することは困難であると考えます。そういう意味で、今度の事件は根本的な問題、取材の態度との直接関連において、新しい問題を法律の場に提起したということになると私は理解するわけであります。 したがってこの面が、法律制度あるいは民主主義社会における法の尊重という面との関連を、今後どのように打開していくかということが、これは私どもにとっても、またその取材との関連で協力していく、それが意思に基づくか、あるいはそのときの態様の中で協力するという現実が招来されるかは別として、私どもとしては、やはり本質的に大きな問題であると考えております。
○内海(英)委員 ただいま前田会長からも、今後法律上の問題として云々というようなおことばも出たようでございますが、今後こういった問題がいろいろと起こってくる可能性も十分考えられるわけでございますが、報道の自由を確保するという意味合いにおきまして、立法措置を講ずべきであるというような御意見もあるやに聞いておりますけれども、この点について、大臣並びにNHKの会長さんはどうお考えになっておるか、大臣から承りたいと思います。
○井出国務大臣 おっしゃる点は、放送法改正というふうな問題にもわたるのかと思いますが、先ほど申しましたように、番組編成の自由というふうな点から、一応は現段階における保障というものはあると思うのですけれども、さらにその上にもう少し明確化したいという御意思だと思いますが、これらは十分に慎重検討いたしたい、こういうつもりでおります。
○前田参考人 立法技術あるいは法律そのものについては、私どもはこれをどうすべきかという立場にはないわけでございますが、われわれの期待としては、二段階に分かれてこれを考える必要があるのではないか。憲法を中心とし、これと関連するあらゆる法律規制の中で、ただいま申し上げたような面をもとらえての法律の立法が可能であるかどうか、これは実際問題として、観念的に立法するということはかなりの難事業かと考えるのであります。 問題はすでに発生しているわけであり、今後も発生する可能性があるわけで、この点についてわれわれが、民放三社と共同行為として最高裁判所に急遽提訴した場合の判決は、やはり含みとして、この問題の合理的な取り扱いに新しい注意を喚起しながら、現在の法律制度の上でこれをどう調和させていくかという一つの問題点をあの判決は提起していると思います。この提起せられた問題点を、立法技術のみによって解決することは、社会が発展すればするほど、明快にそれによってすべてが解決できるということも、われわれの立場からいえば、あるいは経験と今後の展望からいえば、かなり困難な問題があるのではないかと思いますが、要は、私たちの期待したいのは、言論の自由、その上に立って成り立っているわれわれの活動が、大衆の共感のうちにあるというこの事実を考えながら、現行法律の解釈の上でも、あるいは運用上も、一体いい知恵があり得るのかどうか、私どもとしてはその知恵を出していただきたいということに主たる願望を持っているということでございます。
○内海(英)委員 この博多駅事件を契機といたしまして、ただいま大臣並びに会長から御所見が述べられたわけでございますが、今後こういった問題が続発しないことを、私どもは期待をいたすわけでございます。 次に、事業計画につきましてお伺い申し上げるわけですが、昭和四十五年度の事業計画は、昭和四十三年度を初年度とする第三次計画の長期構想のもとにおける第三年度分としてちょうど中間に当たるわけでございますが、その長期構想の概要を承るとともに、この長期構想のうちで、ある意味においては当初の想定とだいぶ違ってきておる、あるいは当初の想定よりおくれたもの、早いもの、いろいろあると思いますけれども、こういった点を、ちょうど中間の三年目に当たる時期にあたりまして、そういったものを比較しながら御説明をいただきたいと思います。
○前田参考人 私からは基本的な考え方を申し上げ、御質問に応じてそれぞれの担当から答えさせたいと思います。 御承知のように、昭和四十二年に二つの新しいたてまえを基礎として、いわゆる第三次五カ年構想というものをつくりました。その二つの基礎とは、それまで有料であったすべてのラジオ料金を廃止すること、それからまた、それまで三百三十円であったすべての白黒のテレビ料金を十五円値下げすることというこの二つの原則でございます。このことは、少なくとも第一次五カ年計画、第二次六カ年計画を通じて築き上げてきた私どもの立場から申し上げさせていただけば、NHKの経営の基礎が根本的に変更されるという事実に直面したわけであります。したがいまして、これを基礎として、かつて二回の長期計画においてなかった構想を打ち出しながら、同時に放送法上のNHKの責任を完全に遂行し、並びにその後に起こる社会経済の変化、技術の進展に応じた体制を整えるという意味のものが、この第三次五カ年構想であります。 これを発足するにあたって、四十三年度予算においては四十二年の構想に基づいて、繰り返すようですが、ラジオ料金をゼロ、白黒テレビの料金十五円値下げ、ただし将来の経常上の見地と将来の技術の発展の上に立って、カラーテレビについては百五十円の上乗せ料金をいただきたいという方向を打ち出したわけであります。これでおおよそ昭和四十三年度、また現行四十四年度の予算と事業計画を立てて今日に至ったわけでありますが、この五カ年構想は、当面する激変した社会情勢の中で、これを手直しする必要を感じたわけであります。 その第一点は、当時五カ年構想を立てたときの経済企画庁その他の資料を中心とするいわゆる生産の上昇と申しますか、生産力のパーセンテージを考えますと、大体当時の方針としては年間平均八・五%という数字が示されました。しかしここ三年間の実績、ことに四十三年度、四十四年度の今日においてこの実績を基本的な考え方と比較してみますと、少なくとも五%以上の格差が出てきているわけでございます。簡単にいって、十三%を上回るというのが実情でございます。したがいまして、この点からいっても、生産性の向上と申しますか、八・五%という基礎に立つ五カ年構想は、今日においてはノミナルになっているということがきわめて明瞭であります。それから一方、物価の上昇率にいたしましても、当時五カ年構想を策定するにあたってわれわれが採用した経済企画庁その他関係方面の基礎数字は、年間平均三・八%という数字が出ております。これが今日では、ことにここ一、二カ月の実情は御承知のとおりであり、六%を上回るという実情にございます。 したがいまして、少なくともこの二点についてだけでも、私どもとしては残り三年間、いわゆる長期五カ年構想の後半期を再検討する必要があると考えたわけでありまして、したがって、後半期の構想は、生産性においては平均八・五%、物価の上昇傾向については平均四・八%という線は修正して、その後の技術的な開発の速度、それから聴視者大衆の御要望、社会生活の中身の変化、これに応じて詳細にわたって構想を変更する、修正するということにいたしたわけであります。 その修正の中の最も大きな問題は、カラー契約が四十七年度末までにどれだけの数字になるかという点でございます。四十二年に五カ年構想を固めた当時のカラーテレビの普及の可能性、あるいはメーカーの製造能力、あるいは一般聴視者のカラー受像機の購買の可能性というものを計算したときには、大体その当時の時点に立って四十七年度末までのカラー契約の総数は、一番確実なところが六百五十万という想定があったわけでございます。しかしその後、本質的には幾つかの問題が内在するかもしれませんが、総体的に消費力というものはかなり向上してまいっております。これに呼応して各メーカーのカラー受像機の大量生産方針切りかえによって、コストも、また値段も下がりつつある状況にある。しかも、過去二年間のカラー放送の充実によって、聴視者の嗜好が白黒よりカラーに転換しつつあるという実情は、きわめて明瞭になりました。この点に立って、ただいま申し上げた五カ年間の最終年度末のカラー契約の数字を、約二倍弱に書き改めたわけであります。すなわち、六百五十万世帯を一千二百六万と書き改めたわけであります。先ほど申し上げた一般生産性と物価上昇率、これとカラー契約の可能性、この三つを柱にして、それを現実に即した修正を行ないまして今後三カ年間の収支見通しを立てる、その上に立ってわれわれは今日何をなすべきか、また今後三年間、変動はいたしておりますけれども社会生活の厚みを加えてくる、それは内外にわたって厚みを加えてくる、この実情に即応してわれわれのなすべきことは何であるかということを、あらためて新しい情勢に即応しながら検討し、その中身を盛ったものが、ただいま御質問の第三次五カ年構想後期の経営構想の書き直しであるということが言えるかと思います。 この書き直しと申しますか、この方向の上に立って、その初年度分として、私どもはただいま御審議いただいている昭和四十五年度収支予算並びに事業計画を立てたわけでございます。
○内海(英)委員 それでは、来年度の事業計画を拝見いたしますと、大体大きな柱が三つ立てられると思うのであります。一つは、テレビの難視聴地域の解消、これに積極的に取り組む姿勢が出ておると思います。もう一つは、放送センターの総合整備の着手にかかる。いま一つは、社会保障的な意味も含めましての受信料の免除の範囲を拡大した、こういった三点が大体事業計画の特色をなしておると思うのであります。 第一の難視聴地域の救済については、中継局の建設、共同受信設備の設置とどう組み合わせていくお考えであるか、あるいはこういった難視聴地域の救済対策の基本的なお考え方をお伺いいたしたいわけでございます。
○前田参考人 詳細な御質問に関しましては、後ほど担当技師長から答えさせたいと思いますが、基本的な考え方について申し上げますと、私どもの考え方、これは放送法第七条に明瞭なごとく、全国的に難視聴を解消すべしという最高責任を負わされているわけでございます。これについて、従来ですと、要するに電波の延長と関連して地方を中心にして開拓していけば、このことはきわめて簡単に成就できたわけでありますが、今日の社会情勢においては、難視聴はただに辺地のみならず、この東京都内においても新しい形の難視聴の状態が発生しつつあるわけであります。 そこで、私どもは、明年度予算の第一の柱として、すべての意味での難視聴対策を積極的に実行するという考え方を明らかにしたわけで、四十五年度予算においては、置局においても共同聴視においても、その他都市の難視聴対策としても、新しい方針を打ち出しております。 その第一点の置局につきましては、四十四年度までは大体年度内の完成局を、総合テレビジョン百八十局、教育テレビジョン百八十局という数字を基礎としておりますが、ただいま御審議をいただいております明年度予算においては、六十局おのおのふやして、総合、教育ともそれぞれ二百四十局を完成する、着工については、従来どおりの数字を着工するというたてまえでございます。これはおおよそ四〇%の置局強化でございます。 さらに共同聴視につきましては、昭和四十三年までの考え方は、NHKが主導性をとらず、聴視者の御要望に応じて一定の形式のもとに、それに要する費用の三分の一を補助するというたてまえを長くとってきたわけでありますが、今年度から新たにこの考え方を放てきしまして、聴視者御自身と関連のある部分を除いて、施設そのものは、NHKが全額を出して施設を提供するという方向に切りかえたわけであります。こういう考え方に立って、今年度はその施設はおおよそ六百を予定したわけでございますが、明年度はさらに三分のをふやしまして、合計八百の施設に対してこの方針を積極化していくということを考えております。 さらに都市難視聴その他いろいろな意味での難視聴に対しましては、私どもは二つの態度を決定いたしております。その一つは、最近東京都において設立されたいわゆるCATVとの関係において、これと協力して都市難視聴の解消に当たるという考え方、CATVの及ばない空間に対しても、われわれは積極的に難視聴対策を実施していくという考え方でございます。 したがいまして、こまかに分けますと四つの対策を、四十五年度以降積極化することによって、できるだけ急速に難視聴地域の解消をはかってまいりたいというわけで、先ほど御質問にありました五カ年構想の後期構想の最終数字は、四十七年度末までには、置局によるカバレージが九八%、さらにいま申し上げた方式による共聴のカバレージは〇・一%、したがって九八・一%という計算に書きかえております。当初の五カ年構想においては、四十七年度末のカバレージは九七%を想定いたしたわけでございます。
○内海(英)委員 ただいま会長の御答弁にもありましたけれども、最近都市の高層化による電波障害は非常な著しいものがあり、こういうことでCATVという新しい形の財団法人東京ケーブルビジョン、こういうものが設立をされた、こういうことを承っておるのでございますが、先日の郵政大臣の所管事項の説明によりましても、郵政省の行政指導によって、東京地区に有線テレビジョン事業を営む財団法人、つまり東京ケーブルビジョンというものが設立されて、この法人にNHKも参加しておるということでございますが、この法人はどういうものであるか、その目的、事業、資産、役員等について、概略御説明を願いたいと思うのであります。 さらに、もう一つつけ加えてお尋ねいたしますと、昨年の通常国会におきまして成立直前に、大学法案等との関係におきまして有線テレビ規正法案、こういうものが廃案になっておりますけれども、これをこの機会に、今度の国会に提案されるかどうか。その内容等についてはいろいろ御意見があるようでございまして、伝えられるところでは、憲法にも示されている言論、職業の選択の自由を侵すおそれがある、あるいは情報産業の発展をも阻害する重大問題も考えられる、こういうようなことを巷間伝えられておりますけれども、この有線テレビ規正法案を再提案されるかどうか、この二点につきまして、大臣並びにNHKのほうからお答えをいただきたいと思います。
○井出国務大臣 御質問は二点にわたっておると思いますが、最初の大都市における有線テレビジョン再送信業務の問題でございますが、これは関係者によるところの公益法人、これをつくるという方向のもとに、東京では財団法人東京ケーブルビジョンという機関が設立、発足をいたしておるのでございます。これには日本放送協会、一般放送事業者、電電公社等の関係者が構成員になっておることは御承知のとおりでございます。そして東京都を主たる区域といたしまして受信障害を解消しよう、こういう目標のもとに動き出しておるのでございますが、これには向こう三カ年にわたりまして約二万五千世帯の加入を見込みまして、資産としては三億八千八百万円を予定をしております。役員の構成は九名でございまして、理事長には、経団連副会長の堀越禎三さんがなっておるわけであります。 それから第二点の、いわゆるCATV法案をいかように扱うかという御質問でありますが、これは御指摘のように、昨年の国会におけるいきさつもあるわけであります。そこで、ただいま準備を進めておる段階でございますが、法制局等とも調整をしつつありまして、近く当委員会において御審議を願うべく提案をいたす、こういう方向で進んでおるわけであります。
○前田参考人 私どもがCATVに関心を持ち、同時にこれに積極的に参加した理由は二つございます。 第一は、先ほどの御質問でも指摘されましたように、私どもとしてはまず難視聴解消が放送法上の最高の命題であるという見地から、現実に都市の構造の変化によって難視聴地域があらわれたとすれば、これはCATVの存在いかんを問わず、われわれがその解消に努力すべきである。たまたまCATVという一つの組織ができまして、それに参加してこの目標を達成することがより経済的であるということであれば、われわれは、ただいまの原則の一つの方法としてこれに参加すべきであるという考え方を持つわけでございます。したがいまして、今度の財団に対しては、私どもは全力をあげて、その目的を追求するためにこれに参加するという態度を表明したわけでございます。 第二の点は、しかしこれができることによって、NHKの経営のただ一つの基礎である聴視料に問題点を残さないようにという考え方も、当然われわれとしては持たなければならないわけで、したがって、このCATVの経営自体が聴視料にいかなる影響を与えるかということを、われわれとしては関心を持たざるを得ないわけでございますので、その意味では、われわれは役員としても積極的にこれに参加するというたてまえをとったわけでございます。 その他の問題につきましては、われわれの立場から申しますと、非常に関心が薄いということを率直に申しておきたいと思います。
○内海(英)委員 今後こういったCATVという形の有線テレビというものが、他の都市におきましても、東京をモデルとしたこういう公益法人的なものがどしどし設立されていく可能性も十分あると思うわけでございますが、ここに東京ケーブルビジョンの概要といいますか、ちょっと書いたものがありますが、日本ケーブルビジョンというのもこの出損予定者の中に入っているようでございます。これはどういう性格の団体か、ちょっとお尋ね申し上げたいのですが……。
○藤木政府委員 日本ケーブルビジョンと申しますのは、一昨年の十月ごろでございましたけれども、新宿を中心といたしまして、いわゆるCATVというものを企業として行なおうということで発足いたしました会社でございますが、その後郵政省の指導によりまして、先ほどの東京ケーブルビジョンという財団法人と一緒になりまして、今後ともCATVを発展させていこうという性質のものでございます。
○内海(英)委員 ただいま申し上げましたとおり、各都市でこれからこういうものが、積極的に取り組む形で出てくるということになった場合に、ただいまお話が出ましたように、できそうと思うところにちょんちょんとつくっておいて、それが絶えず発言権を持って新しくできるものに入る、こういう形で、あるいはこの放送の公益性というものが阻害される危険性があるかないか。そういうことで有線テレビ規正法案を大臣は準備されておられるということでございますが、こういうものに対しての取り組み方をちょっと承りたいと思います。
○井出国務大臣 われわれも、御指摘のような配慮、懸念をしておるわけでございまして、現在、東京に続いて大阪あるいは福岡、名古屋等々に公益法人をもって同じような仕組みのものをつくろう、こういう機運がだんだん高まっておるわけであります。そういう際にあまりにも恣意な、あるいはかってな、もっと言えば、いいかげんなというふうなものが乱立をするというようなこととは、これは放送の秩序にもたいへん支障がございますから、そういう点を配慮いたしましてただいまの規正法案を準備しておる、こういうところでございます。
○内海(英)委員 東京のケーブルビジョンをモデルにして、各都市で将来積極的に指導をして公益法人をつくっていこうということでございますが、NHKはこの東京ケーブルビジョンについてどのくらい出捐しておられるか。今後設立を予定されるであろう他の都市におけるこういうものができた場合に、当然支出をされると思うのですけれども、四十五年度の予算の中でこういうものをどのくらい見込んで御計画になっておられるか、ちょっと承りたいと思います。
○前田参考人 四十五年度予算においては、当面東京に設立された分でございますので、出捐金として一億円を予定いたしております。
○松浦参考人 ただいま御質問のございました東京ケーブルビジョンに対しましては、本年度におきましては四千八百五十万円、基本財産において百万円、運用財産において四千七百五十万円を出捐する予定でございます。これは、放送法第九条第二項十号によりまして、郵政大臣の認可を申請しておりまして、本年度内に出捐する予定でございます。 なお、その他の地区につきましては、四十五年度について一億円の事業支出を予定しております。
○内海(英)委員 次に、事業計画の二本目の柱になっております放送センター総合整備のことについてお尋ねをいたします。 これは、現在代々木と内幸町、大体二つに分かれておるように承っておりますけれども、これを一本にして能率的に効率的な運営をはかる、こういうような御趣旨だと思いますけれども、この総合整備計画について、さらに具体的に御説明いただきたいと思います。
○前田参考人 御指摘のとおり、現在は田村町に本部を置き、さらにテレビセンターとして代々木に新しい建物をつくっているわけでございます。現在の田村町に本部を置いた当時から今日まで、少なくともおおよそ四十五年を経過しておりますが、その後の東京都の体質の変化、都市の構造の変化、交通実情の変化、あるいは地下開発の将来の計画というものを勘案しても、田村町に旧来どおりの感覚でその本拠を置くことは、およそその面からも大体それほどの意味を持たなくなってくる。また運営上から申しますと、代々木には御承知のように二万五千坪の土地を持っておりまして、したがって、われわれはこれからの最終段階における経営の近代化と合理化のためにも、ただいま申し上げたような環境から抜け出すべきであるという考え方で、これを総合計画の新しい一つの柱として、明年度予算からその頭を出していくという方式をとったわけであります。 もう少し、簡単に具体的に申し上げますと、現在代々木の放送センターには、教育局あるいは芸能局等が主となってあの建物を使用しておりますが、同時に機械化がかなり進んだ今日、代々木と田村町を結ぶ特殊の接続措置も講じているわけでございます。それからまた管理面から申しましても、管理が一本化されずに、同じ場所において二つの管理系統ができるということも、事実上きわめて不便を感じておるということもございます。 総じて、第一次五カ年計画から発足したNHKの最終近代化計画の事業として、今後三カ年間で田村町を引き払い、放送センターに集中するという意味のものでございまして、しかも、それは同時に、その後発展した都市構造の現実に対応し、技術の進展に備え、今後予想される幾つかの技術上の問題あるいは経営上の問題をひっくるめて、この高室台として解決してまいりたい、こういう考え方に立つものでございます。
○内海(英)委員 ただいまの放送センターの整備の財源につきましては、主として内幸町にある施設、建物を売却をしてこれをまかなう、こういうふうに承っておりますけれども、大体その売却を予定しておるおもな施設、どんなものがあるか、あるいは内幸町の施設を売却するだけで新しい放送センターの整備に間に合う財源が確保されるかどうか、またさらに、いろいろと御交渉なさっておると思うんですけれども、大体売却先の見通しというものもおありなのかどうか、こういうことを承りたいと思います。
○前田参考人 御指摘の、三カ年計画の中でわれわれが総合的に考えている放送センターへの集中の経費としては、三カ年に鉄塔をも含めておおよそ百六十七億円と計算いたしております。この財源は、すべて田村町並びに霞ケ関並びに赤坂に一部ございます送信所、これを整理することによって充当いたしたいという考え方であります。 この総予算のうち、鉄塔分はおおよそ六十五億円でありまして、これについては、内外の関係が解決の最終段階に近づいてはおりますけれども、まだ事務的にこれを取り上げる段階にはございませんので、一応鉄塔を明年度予算からははずしてあります。ただ、その建設調査費として二千万円を計上いたしております。 こういう形で考えますと、放送センターの建築そのものについては、約百二億円を考えているわけでありますが、この百二億円によって三年間に何を完成するかと申しますと、放送センターの本館部分二十四階建て、塔屋を入れておよそ二十六階の建物と、これと付属して、今日田村町にございます番組公開のためのホール——現在のホールは定席およそ六百名で、補助席を合わせて八百くらいを目標として建設したものでございますが、われわれが放送センターで考えているホールの席数は四千席でございます。これによって首都圏、東京都の聴視者の要望にこたえると同時に、全国的な催し等については、全国の聴視者の御要望にできるだけ沿える席をつくりたいというのが私どもの考え方で、この二つの総額は、繰り返すようですが百二億円を予定いたしております。そのうち、初年度分として、御審議いただいておる予算書では二十六億円を計上しておりますが、この財源は、とりあえず二十五年度においては、霞ケ関の分館の売却を考えております。この霞ケ関の分館につきましては、かなり各方面の大企業その他から問い合わせがきておりますが、これについてはまだ方針は決定しておりませんけれども、もちろん、公開競売という形をとる原則はきまっております。ただ、それに予定される金は、初年度分は、この霞ケ関の分館の売却によって十分まかない得るという自信を持っております。
○金子委員長 ただいまの発言の中に、二十五年という発言がありましたが、これは四十五年の間違いと思われますので、速記を訂正願います。
○内海(英)委員 この放送センターに関連をいたしまして、ただいま会長のお話しにもありましたように、鉄塔の問題があるということで、本年度調査費は二千万計上されておられる、こういうお話でございますが、私どもの耳に入っておりますところでは、日本テレビ放送網といいますか、正力さんのおやりになっておったNTVと連携をとられて日本一高いタワーを建てる、こういうようなお話も耳にいたしておるのですけれども、このNTVとの関係はどういうふうにお話を進められておるのですか、その点、お話しいただければ承りたいと思います。
○前田参考人 NTVとの関係は、昨年十一月の初め、総選挙直前でございますが、前郵政大臣河本さんのお立ち会いの上で、NTVの社長とこの問題の原則的な話し合いをしたことは事実であります。 この話し合いの内容については、相手方もあることでありますから、こういう席で申し上げることはひとつお許しを願いたいと思いますが、共同で建てるというような意味合いは盛られておりません。NHKとNTVの関係はきわめて順調に、また良好な関係にあるということを申し上げたいし思います。
○内海(英)委員 非常にばく然とした含みのある御答弁でございますけれども、NTVは、正力さんがおなくなりになる前に、東京タワーを凌駕するようなものをつくりたいというのが正力さんの念願であったというように私ども聞いておったわけでございます。ところが、正力さんがおなくなりになった直後、たまたま粉飾決算というような問題も出まして、NTVとしては内部にいろいろとむずかしい事情も生じてきた。こういうことから、NHKが新しくタワーをやるということであるなら、それに正力さんの気持ちを乗り移らせて一緒にやるようなことにして、ある意味においては目的を達成できるのではないか、こういうようなことも巷間いろいろ伝えられておるわけですけれども、ただいま会長さんの含みのあるデリケートなお答えでございましたが、そういうような含みのあることもあるということで御了解してよろしゅうございますか。
○前田参考人 NTV関係の問題については、そういう報道を耳にしておりますけれども、鉄塔に関する限り、そのような意味での含みはございません。きわめて事務的な話し合いをいたしたわけでございます。
○内海(英)委員 それでは、会長のおことばをそのまま承ることにしまして、具体的になりました際にまたお尋ねをいたすことにいたします。 次に、この事業計画の第三点の大きな柱になっております受信料の免除の範囲を拡大されたことでございます。 これは、社会福祉関係あるいは社会教育施設、こういった社会政策上の問題からいって、また営利を目的としないという放送法に基づくNHKの性格からいきましても、非常にいいことだと私どもは考えておるわけでございいます。 〔委員長退席、加藤(常)委員長代理着席〕 当委員会の四十四年度予算に対する附帯決議の中で、計画以上の増収があった場合は、受信者への利益還元をはかるようにという要望等がありましたけれども、これらの点を配慮して、母子寮、老人ホーム、こういった社会保障の範囲内にある方々にこういう措置をとられたのかどうか、こういう点について承りたいと思います。
○前田参考人 これは附帯決議との関連ではございません。収入が予定より上回ったからこの措置をとるというものではございません。私ども聴視者は全国民を対象としておりまして、まず聞いていただくこと、見ていただくことが主眼であります。それでときどき私どもは、はなはだ不遜でありますが、NHKは国民のものであるということを申し上げるわけでございます。 こういう見地に立って、いろいろな経済上の理由、あるいはまたいろいろな社会的貧困、あるいは肉体的不可能性というような者は、当然NHKが積極的に考慮すべきものであるという考え方でございます。したがいまして、私どもは、最近の公私にわたる社会の質の進化と関連しまして、従来もとっていたこの方針を、四十五年度においては、御指摘の限度で拡大するという考え方を明らかにしたわけでありまして、これはNHKの発意に基づいて、放送法上郵政大臣の認可をいただいて実行するという方針のものでございます。 あらためてつけ加える必要はございませんと思いますが、ただ一つ、これは議決に基づく要望事項に応ずるためではないということは申し上げておきたいと思います。
○内海(英)委員 次に、今回の措置でさらに、基地周辺の電波障害等を受ける居住者に対する免除の範囲が拡大されたということは、非常に注目に値する問題でございますが、その内容等についてはどのようになっておるか。また、これを二分の一免除するというふうに承っておるのですが、あとは結局免除しっぱなしか、あるいは国がそれを出すのか、それからまた、国が出すとすればどこが出すのか、こういうことについても承りたいと思います。
○小野参考人 基地周辺の免除の関係につきましては、在来、飛行場の滑走路に向かいまして横に一キロ、縦に二キロ、こういった範囲の居住者に対しまして半額免除の措置をとっております。 この基本的な考え方といたしましては、NHKといたしましては、そういう面は加害者補償が原則であろうと思います。NHKはどちらかと申しますと被害者の立場でありまして、放送は完全に出しておるわけでございます。これを技術的に解決する方法があれば、そういう技術的方法がとれるわけでございますけれども、飛行機の騒音でございますので、そういった面はなかなかとりにくうございます。そういった面から、受信者の側からはいろいろな強い要望が、国に対してもまたNHKに対してもあったわけでありますけれども、NHKとしては、ただいま申し上げましたような加害者補償の原則、こういうものを念頭に持っておりましたので、単純に現在の放送法にきめられております免除基準の問題としては片づけなかったわけでありますが、国といたしましてもそういう面も十分に考慮されまして、いろいろ関係各省の関係官が集まられて、立法上、行政上、運用上これを措置し得るかどうか、慎重な検討が遂げられたようでございます。しかしながら、立法上もなかなかいい方法がない、行政上においてもそうであるし、財政上も措置しかねる。と申しますことは、基地関係の公害というものは、ひとりテレビ、ラジオに対する騒音ばかりではございませんで、非常に広範にわたっておりますので、その一部の関係については公害措置をとっておられますが、ラジオ、テレビの関係にとるといたしますと、この限度ではとどまらないでいろいろな問題が出てまいります。 そういうことで、NHKの基本的な考え方とは違うのでありますけれども、何とか措置してもらえないかという要望もあり、かたがた受信者の面から申しますと、そういうようなNHKの基本的な考え方は十分に御理解いただきながらも、やはり実際に現実にそういうことがあるので、理屈はそうであっても、実際の運用上としてはNHKの一考を要したい、こういうことで現状の免除をいたしております。 その後飛行機の性能も非常に高まっております。性能が高まるに従いまして騒音公害の度合いも高くなっております。そういう面から、非常に強い要望が毎年あるわけでございますし、国会にもそういう請願等も数多く出ておると思います。そういう面から、今回横の一キロはそのままでございますけれども、滑走路に沿いました縦の方向二キロのそれは五キロまで拡大をしよう、そういうことで免除範囲の拡大を考えております。その対象世帯が、拡張分がおよそ七万四千世帯でございます。これに要します金額は約一億四千七百万円でございますけれども、国といたしましても、この面につきましてはその後いろいろと検討を重ねられ、明年度の予算に対しましては、防衛施設庁もその関係の経費を大蔵省に要求されまして、終局的には七千二百万円ばかり計上しております。と申しますことは、在来NHKが実施いたしております一キロ、二キロの範囲のそれは、NHKが全額持つわけでありますけれども、拡大分につきましては、その半額見当は国が補てんしようということに相なっておりまして、その金額が七千二百万円ばかり計上されておるわけでございます。
○内海(英)委員 基地周辺のことは、大体いまのことで理解するわけでありますが、それでは、何分間隔でいま盛んに発着をいたしております羽田国際空港、成田ができれば成田もむろんそういうことになると思いますが、伊丹、こういったような国際空港については、どういう措置がとられておりますか、その点も承りたいと思います。
○小野参考人 お答え申し上げます。 ただいまお尋ねの民間国際空港につきましては、基地の問題とはやや性格を異にしておろうと思います。そういった面から、現在とっておりますそれは、むしろこれはNHKの先ほど申しました加害者補償、こういう思想に立ちまして、NHK単独で減免の措置をとることはいたしておりません。関係航空会社、並びにNHKにも、やはり全然手を尽くさないでは済まない問題でありますので、この共同によりまして航空公害防止協会というものをつくりまして、それによりまして措置をいたしておるわけでございますけれども、この点につきましても直接の減免ではございませんで、その協会が受信者に対して、現在NHKが基地に対して免除いたしておりますと同様、一キロ、二キロの範囲にわたります世帯についてはそれだけの経費を見ておる、いわゆる助成をしておるというような関係になっておりまして、現在のところはその補償分の約半額近く、明年度予算では、おそらくNHKの出捐分は四割見当になろうかと思いますが、そういう見当で措置をいたしてまいっております。
○内海(英)委員 次に、要員と給与の関係等について若干お尋ねをいたしたいのであります。 今度のこの事業計画及び資金計画を拝見いたしますと、若干の増員と給与の改善が行なわれるようになっておりますけれども、その具体的な内容について承りたいと思います。
○大村参考人 来年度の要員につきましては、二百名増の一万六千十名をもちまして事業計画を遂行いたしたいと存じております。 二百名の内訳は、大まかに申しまして約半分が、今度大電力下のFMの基幹放送をさしていかだくことになったわけでございますが、その放送技術の要員がそれに当たります。さらに残りは、カラー番組の充実、宇宙中継の増、国際番組の交流、さらには県庁所在地局のローカルニュースをカラー化することも考えておりますが、そのような仕事に当たります。さらに来年度、四十五年度には、難視聴解消のために相当の建設をいたしますが、その保守管理要員、それから受信契約の維持開発、カラーの増で八十一万の契約増と、二百四十万のカラーの新しい獲得を考えておりますが、残りの百名はそれらの事業に当たるということでございます。 給与に関しましては、昭和四十五年度は、一般職員のベースで七千百八十円、一〇・九%の底上げを考えております。人件費の総額は二百六十九億八千二百万でございまして、昨年より三十九億四千八百万円の増でございます。給与の内訳は、基準賃金、基準外賃金、諸手当、賞与等全部含んでおりまして、受信料八百九十五億に対しましては三〇・一%に当たるものでございます。
○内海(英)委員 そこで、さらにお尋ねいたしたいことは、NHKの給与ベースの改定というのが予算総則によって、他の項と流用することができないと第四条ただし書きに書いてある関係もあり、当然、予算編成の時期にすでにベース改定を織り込んだ予算をつくられると思うのでありますけれども、大臣の意見書を見ますと、「おおむね適当と認める。」こうお書きになっておられますけれども、一般の公務員の方々の給与につきましては、毎年八月に人事院の勧告がございまして、それを五月にする、六月にするというようなことで、絶えず国会で論議の対象になっております。私どもは、物価とのかね合いからいって、上げなくても済むものなら上げなくてもいいし、また物価が国民生活を圧迫しておる、こういう観点に立てば、当然、公務員といえども給与は適正なる給与を与えなければならない、こういうように判断をいたしておるのですけれども、NHKの場合には、予算提出のときにすでに四月から実施するように、平たいことばで言えば、お手盛りでこれはできておりますけれども、こういうようなことでいきますと、公務員の給与の実施の時期と非常にズレが出ておる。それからまた、ある意味におきましては、総評等が毎年打ち出しております春闘のベースづくりをNHKはやっているのじゃないか。すでにそこに、大臣が意見書の中で「おおむね適当と認める。」というふうに書いておる、こういうことになりますと、ある意味においては、ここに非常に矛盾が生ずると思いますけれども、こういうことにつきまして、大臣及び会長から御所見を承りたいと思います。
○井出国務大臣 御承知のとおり、NHKの給与の額につきましては、予算の提出以前にNHK内部で労使間の団交によって一応その改善額を話し合いまして、妥結した結果をもって予算上の給与総額を組んでおるわけであります。これは、賃金については企業内の労使の自主性にゆだねる、こういうことが望ましいという考えから、特に問題はないというふうに考えておるのでございます。 確かに、時期的に見ますと春闘のはしりであるというようなただいまの御指摘のような見方もできるかと思いますが、公務員給与の実施時期とも食い違いが現にあるわけでございまして、NHK予算ば、政府及び政府関係機関予算とは切り離して、単独の予算を放送法に基づいて独自に国会において御審議を願う、こういうのがたてまえでございましょうから、ひとつ当委員会において十二分に御審議をいただければけっこうか、かように考えます。
○前田参考人 外からごらんになりますと、御質問のような御意見がかなり普遍化されているという印象を私も持っております。しかし、NHKは国家の機関ではございませんし、まあ国民の機関ですから、その予算は当然、郵政大臣を通じて、閣議を経て国会の審議をしていただくというたてまえと私は解釈しておりますが、事業体そのものから見ますと、 〔加藤(常)委員長代理退席、委員長着席〕 これは一種の独立企業体であり、したがって、私どもは当事者責任を完全に実施する義務を持っているわけでございます。ただし、NHK予算は、いま申し述べましたように国会において審議され、単年度、全体的に御承認をいただくわけでありますから、人件費だけが含まれない予算の提出ということは、およそ意味をなさなくなります。 そういう意味で、私どもは当事者責任を痛感いたしまして、職員の組合である日放労と数次にわたり交渉を重ねまして、明年度予算の限度で妥結した金額をここに盛ったわけでございます。その点では、時期的には、ただいま郵政大臣からも御発言がありましたように、NHKの組合は総評の傘下に入っておりますので、その賃上げ要求、総評の方針の、まあ形の上では第一のスタートということになると世間がお考えになることも、あながち私から見ても特別の御印象ではないかと思いますが、中身はきわめて自主的に決定されたものであるということを御理解いただきたいと思います。
○内海(英)委員 大体、総評等の今度の春闘の目標は五けたというようにいろいろ新聞等でも書いてあります。それを七千百八十円で押えたんだからいいじゃないかというようなふうにもとれるのでありますけれども、今後こういうような問題につきまして、物価の上昇その他公務員のベース改定、春闘の成りに行き等を見て、NHKの性格からいって、この第四条のただし書きを改正して、予備費によって給与の改定をするというようなお考えがあるかどうか、承りたいと思います。
○前田参考人 私としては、当面持っておりません。予備費というものはそういうものに充当するものでなく、ことに賃金については、私どもは完全な当事者責任を持っておるわけでございますから、やはり組合との団交によってその金額を決定いたしたい。 それから、NHKの賃金等に関連していろいろな世間的な御印象があるようですが、先ほど人事担当の大村理事から申し上げましたように、明年度はいわゆる聴視料収入総額の三〇・一%でありまして、私は、この限度が国民の機関であるNHKの職員に対する給与としては、経営最高責任者としてはほぼ妥当な点ではないかというように考えております。しかし私としては、理想的に言えば、言論報道の機関であると同時に、その中でもことに高い責任と義務感を持たなければならないNHKの職員としては、可能であれば、できるだけ待遇を改善してまいりたいという方向にむしろ積極的な関心を持っております。
○内海(英)委員 次に、話題を変えまして、放送番組センターの問題について承りたいと思います。 一昨年スタートいたしました財団法人放送番組センターは、その後どんな事業をされてこられたのか、あるいはこのセンター制作の番組やライブラリーの利用はどの程度にいっておるか、番組センターの近況について承りたいと思います。
○藤木政府委員 お答え申し上げます。 御案内のように、放送番組センターは去る四十三年に発足を見たものでございますけれども、四十三年度におきましてはその基礎を確立することに重点を置きまして、今年度におきましては番組の制作、協賛、ライブラリーの運営等各方面に本格的な活動を行なってきたという状態でございます。 まず、番組の制作面におきましては、その第一号といたしまして、昨年の九月から熊本大学の海外調査団といったものに同行いたしまして、アフリカ、地中海沿岸で取材を行ないましてドキュメンタリー番組といったものを作成いたしまして、これが大体二十六本、シリーズでこの四月から東京放送、いわゆるTBSをキー局として放送されるという予定になっております。 また、民間放送各社が制作いたします教育、教養番組といったものに対しまして協賛を行なっておりまして、現在民間放送五十五社というものにおきまして、毎週一本以上の協賛番組の放送が行なわれているという状態でございます。 さらに、NHKや民間放送各社からすでに放送されました番組の拠出を受けたものを貸し出しする、いわゆる番組ライブラリーというものは、この二月現在三百六十七本の在庫を有しておりまして、すでに本年度は七百二十本の番組の貸し出しが行なわれている、そういった状況でございます。
○内海(英)委員 放送番組センターに対しまして、NHKがこれまでどれだけ出捐をされておられたか、また、今後の出捐計画予定というものがありましたら承りたいと思います。NHK以外のところも、どのような協力をしておるかというところもあわせて伺います。
○前田参考人 番組センターがはっきりと構成された時点において、四十四年度、今年度予算でNHKは三億円の出捐を準備いたしております。し かし、これに対しては今日まで一億円の支出にとどまっております。昭和四十二年度は五千万円、昭和四十三年度も五千万円でございました。 民放関係につきましては、四十四年度一億一千万円を拠出しているようでございます。
○内海(英)委員 最後にお尋ねを申し上げるのでありますけれども、過般の衆議院総選挙から、テレビによる選挙放送というものが実施されることになりました。有権者のこれに対する関心の度合いというものは、いろいろの資料によりましても非常な関心を持っておると思うのでありますけれども、この選挙放送につきまして大電力局区内、つまり東京、大阪、名古屋方面、こういったところでは県域放送がない地域がたくさんあるわけでございます。関東の場合には、東京以外は全部地方の放送ができないというような状態になっておりまして、聞くところによりますと、県庁へテレビの車が出向いて、そこでみんな録画をとって放送した。しかも、NHKの中央放送局から一本で流す関係上、東北その他の地域におきましては、県域放送が逆に非常に充実をいたしておりまして、放送回数等におきましてもNHKが二回、民放が二回、こういうふうになっておりますが、関東の場合には東京にみんな集約をされまして、NHKは一回、民放が何回ですかになって、非常に公平を欠いておる。しかも、よその県の候補者の放送も全部聞いていなければならない。日にちは違うにいたしましても、非常にむだがあるように思うわけでございます。 こういった選挙の公正を期する意味からいたしまして、同一選挙区内の候補者が同じような回数、同じような時間にやるのですから、公平は期しておられると思いますけれども、よその地域と比べまして非常に回数が少ないとか、あるいは有権者自身も毎日毎日自分の選挙区じゃない人の放送も聞かなければならない。こういったことについて、今後どういうふうに取り組まれていかれるか、こういう点についても承りたいと思います。 さらに、選挙放送につきましてはNHKでだいぶ方々から資料をとられまして、コンピューターによって予想をとっておられた。こういうことによりますと、やはりコンピューターという機械力をたよりにいたしましても、それに差し込むデータというものはやはり人間が足で調べてきたデータに基づいてコンピューターに合わせてやっておると思うのでありますけれども、だいぶ予想が違ってきた、こういうような点も皆さん方からいろいろとお話が出るわけでございます。こういうことについての所感を、ひとつNHKの会長から承りたいと思います。
○井出国務大臣 私のほうからちょっと概略申し上げます。 先般の総選挙にあたってテレビ放送を採用したということは、これはまさに画期的なことで、非常な評価を受けておることは内海さん御承知のとおりであります。しかし、最初のことでございますから、あるいはふなれな点も多々あったと思うのであります。いま御指摘になったような、地域によっては他の地域より回数が少ない、そのために他に比べては不公平である——その地域だけでは機会の均等は期せられたと思うのでございますが、県域放送というふうなものも着々と県ごとに進められるというふうなこともございますから、そういう点、今回の経験を一つの教訓といたしましてさらに完ぺきを期したい、かように考えておるわけでありまして、なお具体的なことは、前田会長のほうから申し上げることになると思います。
○前田参考人 選挙がテレビ時代に変わったという点から申しますと、私どもは選挙民の立場、選挙区の関係、そしてそれが同時にNHKの聴視者であるという点から申しますと、NHKに関する限り、私といたしましては、大電力下においても地方別放送ができる局がほしいと心から熱望いたしております。 第二点につきましては、なかなかデリケートでございますが、機械は鉄でできておりまして、これには感情がございません。しかし、御指摘のとおり、機械を動かすものは人間であります。人間は、御存じのとおり神さまではございませんので、その限りにおいて誤差が出ることは大目に見ていただきたいというような感じを持っております。ただ、そういう誤差が縮まっていくという方向にわれわれとしては努力すべきである、このように感じております。
○内海(英)委員 最後に、NHKの本来の使命である社会公共の向上のため、文化生活の向上のために大いに、会長をはじめNHKの幹部の方にも今後とも一そうの御努力を期待いたしまして、私の質問を終わります。
○金子委員長 この際、午後一時まで休憩いたします。 午後零時十分休憩 ————◇————— 午後一時十四分開議
○金子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。武部文君。
○武部委員 NHKの会長が、中途で所用のために中座をされるようでありますから、順番を変えまして、最初に放送大学の問題について質問をいたしたいと思います。 大臣の所管事項の説明資料の中にも、この放送大学の問題に触れて述べておられます。昨年の当委員会で私は、文部省に対する答申について、NHKは市民大学構想を持っておられるが、一体いまの答申についてどういう見解を持っておられるか、こういうことをお尋ねいたしたわけであります。社会教育審議会の教育放送分科会、この答申の趣旨についてNHKの会長は、数点にわたって疑問があるということをお述べになりました。自来、この教育審議会の答申に基づいて放送大学問題懇談会が開かれ、それが意見書を出しております。この意見書十項目、これに基づいて、現在文部省のほうで具体的に論議がかわされておるようでありますが、私はこの機会にその後における放送大学の推移、さらには将来の展望について、郵政大臣、文部省、それからNHKから具体的にお伺いをいたしたいと思います。 先日、アメリカの有力紙タイムス、これがかつて特集をして、二十一世紀は日本の世紀である、こういうことをいった。そのあとを受けてNHKのスタジオ一〇二で、ある有名な経済学者がこの問題に触れて、二十一世紀は日本の世紀となり得る、そう信じておる、こういうことを述べておったようであります。この二十一世紀が日本の世紀となり得るという根拠に四つの点をあげておったわけですが、日本の国民総生産が十年後において、さらにその後において飛躍的に伸びる、こういうことがその根拠になっておるようでありますが、その四つの中の第二番目に知識革命、これはその大要は高等教育革命をさしておるわけでありますが、特にわが国における大学の入学率が一〇%に達しておる。このことは世界でアメリカ、ソ連、日本だけであって、ヨーロッパの教育水準は日本に比較したらきわめて低い。また新聞、放送等によるところのマスコミ教育が非常に盛んで、一〇二で放送しておるこういうようなむずかしい問題についても二千万人もの人が見ておる。四十五年末のテレビの普及率は、御提出の資料によりますれば二千二百七十万件、こういうことになっておるわけですが、こういった教育の普及で、いま日本の国民の知的好奇心は世界のどの国民よりも旺盛であり、これはまさに二十一世紀を日本の世紀にする大きな要因となり得る、こういうことを述べておったわけであります。 私は、この指摘はきわめて大きな意味を持っておると思うのですが、教育をただ単に学園の構内、そういうものだけにとどめることなく、放送によって大学程度の教育を行なう、いわゆる公開大学といいますか、社会に開かれた大学をつくる、これはまさに七〇年代の要請に沿ったものだというふうに思えるわけです。そこで、いま問題になっておる放送大学について、以下十数点についてお伺いをいたしたいのであります。 そのまず第一は、現在政府で検討中の放送大学の構想は一体どのようなものか、現在までその放送大学についてどのような討議がなされてきたのか、この点について、最初に文部省にお伺いをいたしたい。
○福原政府委員 お答え申し上げます。 ただいま武部委員から放送大学の構想について御質問がございました。御承知のように、昨年の十月から十一月にかけまして放送大学問題懇談会が、文部大臣、郵政大臣の諮問機関として開催されまして、そこで意見書が提出されました。放送大学について、政府として今後こういった方向で検討したらどうかということについて御意見を承ったわけでございます。それに基づきましてさっそく十一月十一日以降、私ども文部省といたしまして放送大学準備調査会というものを設置いたしまして、実はその後その小委員会まで含めまして十数回にわたりまして、現在放送大学の構想についての審議を進めている次第でございます。政府といたしまして、この放送大学準備調査会の御意見のまとまるのを待ちまして、それに基づいて放送大学の構想というものをまとめたいと存じている次第でございます。したがいまして、いまの段階では政府の構想というよりは、むしろその放送大学準備調査会でどういう審議がなされているかということで、ある意味で確定したものではございませんで、御意見をいま承っている最中でございますが、どういう順序でその審議が行なわれ、その審議の方向といいますか、内容の概略につきまして、お許しをいただきますれば御説明申し上げたいと存じます。 放送大学の問題はいろいろな問題が出てまいりますが、一番初めにこの準備調査会で、放送大学の対象と申しますか、国民のどういう層を対象にしてこの放送大学を開設すべきだろうか。これはある意味で、イギリスの場合でございますと、大学教育が普及していないというために、大学教育を受けたくて大学に行けなかった勤労青少年というものを対象に、オープンユニバーシティーというものが開設される運びになっておりますけれども、わが国の場合は、武部委員の御指摘のように、すでに大学教育そのものが相当普及しております。もちろん大学に行きたいという意欲があり、能力がありながら、大学教育を受けなかったという勤労青少年の層もございます。その層ももちろん対象にしなければなりませんけれども、さらにそれだけでなくて、もっと広い大学教育に対する国民の受けたいという要望を、この放送大学で受けとめるべきではないかということがございます。 それには、一つは、ここで大学卒業の資格が与えられるということももちろんでございますけれども、資格だけではなくて、最近の技術革新に伴いまして相当高度な学習をしたい、勉強をしたいという国民の層にもこたえたらいいではないか、これは懇談会の御意見にもあったわけでございます。その他、これから高等学校を出て既設の大学に参ります者の中から、この放送大学へ進む者もあるいは出てくるであろう、こういったいろいろな要素をこの放送大学でどういうふうに受けとめたらいいか。現在郵政省のほうでお考えいただいておりますのが、テレビ全国一系列、ラジオ一系列という限られた電波の中でいたしますので、すべてにこたえるわけにいきませんけれども、どこに重点を置いて放送大学の対象をとらえたらよいかというところから、実は議論に入ったわけでございます。 この問題は、相当いろいろな御意見がございまして、なるべく広くやはりこたえるべきであろう、その中の一つということに限定しないで、できるだけ、波の許す限り対象を広くとらえるべきであろうということで、その方法、内容についてもう少し詰めた上で、この対象論議をもう一回詰めてまいろうというようなことで、この問題につきましてはその程度進みまして、そのあと実は教育方法の問題に入っている次第でございます。 教育方法と申しますと、これを通信教育と放送による教育とをどう併用するかという問題が一つあるわけでございます。これもイギリスのオープンユニバーシティーの場合でございますと、相当通信教育というものに重みをかけておりまして、通信教育と放送教育の、ある意味で併用というような形で進んでおりますけれども、現在この準備調査会で、わが国の場合にはむしろ放送を主体として、できるだけその放送による講義で進めていけないだろうかということに、議論としては傾いておりまして、もちろんそれに加えまして実験、実習、あるいは演習その他スクーリングというものをどの程度に位置づけるかということもございますけれども、講義そのものにつきましては、通信教育的な方法をなるべく少なく、できれば通信教育的なテキストをなくして、テレビ、ラジオの講義で、現在教室でやっております講義をすべて代替するくらいのことができないだろうかというような考え方で進んでいるわけでございます。当然、この問題になりますとスクーリングの問題が重点になってまいりまして、実験、実習あるいは演習等をどのくらいやらねばならぬかという問題が出てまいりますと、これはどういうコースをこの放送大学として持つかということにつながってまいるわけでございまして、これからそうした、放送大学においてどういう学科を設置するか、どういうコースを置くかということに入るわけでございます。 その内容をきめますにつきましても、大体現在教室でやっております講義を放送でやりました場合、一時間の講義を放送でもやはり一時間でやるべきか、あるいは放送の場合にはもっと短縮してこれがやれるのではないかというような議論もありまして、これにつきましては実は現在のところでは、放送という方法を使いますと、いろいろな実験の結果が出ているわけでございますけれども、教室による講義の半分ないし三分の一くらいの時間で同じ内容を伝え得るというような研究も出ているようでございますけれども、普通の、現在までの大学の講義を時間を短くいたしました場合に、何か安直にこれを進めていくというような印象を与えやしないか、世間であるいは放送大学というものに対して、従来夜間大学あるいは通信制大学というような形で、一般の全日制大学よりも低く評価されるということがあってはならない、むしろ放送大学がこれからの大学の一つの指標となるくらいの充実した内容を盛るべきではないか、そのためには、むしろ教室講義の一時間を放送講義の一時間ということで受けとめて、それによって内容を充実させる方向にこれは考えたほうがよろしいのではないか、こういう方向に現在進んでいるのでございます。その内容が充実いたしました場合には、あるいはこれが、既設の大学においてもその一部分を、放送大学の放送を利用するというような効果もあらわれてくるのではないか、そこから大学全体の教育方法についても、改善の糸口が出てきはしないかというような議論もなされている次第でございます。 現在、そういった方法問題につきましていろいろ審議を重ねておりまして、これからどういうコースを置くかという問題に入るところでございまして、さらにその後に放送大学の組織、運営あるいは実施主体、設立主体の問題——私ども順序からいいますと、中身を固めてまいりまして、それを取り扱う形と申しますか、それを後ほど審議を進めてまいる、こういう形で、この準備調査会の検討を進めてまいりたいと考えている次第でございます。それを受けまして——まあできるだけ早くという御要望がございますが、早くということでこれが拙速になっても、非常に大事な問題でございますので、私どもとしては慎重に、ただいま申し上げたような検討を重ねながら、しかもなるべく早い機会に、この準備調査会の結論を待ちまして、文部省としては郵政省その他関係省と協議の上、この放送大学の構想をまとめたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○武部委員 ただいまの説明によりますと、調査会では卒業後の資格、受講者の対象、教育方法、スクーリング、こうした点について審議を重ねておる、こういうお話でありました。私は、去年の十月に佐藤総理が、受講者には大学卒の資格を与えるべきだということを言われたということを聞きました。確かにイギリスの公開大学では、この資格の問題について、一般学位の上に若干の単位を積み重ねたものを優等学位だとする方法をとろうとしておる、こういうふうに私は聞いておるわけです。しかし、学位の取得課程を完全に終えるという人が比較的少ないと見て、一部の課程を修了した者でも中間的な資格を与えようとしておる。こうしたイギリスの公開大学の具体的な内容を承知しておるわけですが、この学位を与えるということについて、実はわが国においては、必ずしもそういう点すべてに賛成ではないわけです。いまの準備調査会でのこの学位の問題は、簡単にお触れになったけれども、私は、大学の数が非常にイギリスと違う日本で、同じように論ずるということには問題があると思う。特にわが国においては学歴偏重ということについて、そうした結果を是正していこうというような風潮があることは御案内のとおりであります。すでに高等学校卒業生の中でも、全日制と定時制、これは企業においてもはっきりと区別をしておる。もしこの場合に、大学卒でも、全日あるいは夜間、放送大学、こういうふうに新しいケースが差別として生まれてくることも私は当然考えられると思う。こういう点について一体——資格問題は、いまあなたは簡単にお述べになったが、イギリスのように、これは大学卒というような形で資格を、佐藤総理のおっしゃるように与えようと、これはしごく簡単に、この調査会ではそのように論議になっておるのかどうか、これをひとつ伺いたい。 それから、いまのあなたの御説明の中では、単位取得の問題について何らお触れになっておらない。また、授業料は一体どのくらい取るか。イギリスでは、年間一万三千円から一万五千六百五十円程度の授業料を取り、そのほかに、夏休みは二週間程度全寄宿制をとって、経費は二万六千円程度を徴収する、こういう具体的な構想があるようですね。こういう点について、準備調査会は何らの審議もなされていないのかどうか、これをひとつ伺いたい。
○福原政府委員 御質問の問題がたいへん広範でございましたので、私の答弁が十分でございませんで、補足をしてただいまの御質問にお答え申し上げたいと存じます。 学位取得につきましては、やはりこの大事な電波を使って大学をここにつくるということになりました場合、やはり国民の気持ちからいって、それによって学位が取れるという、そのことはどうしても基礎に置くべきだということで、このコースをつくります場合にも、これをきちんと修得をした場合には、できれば四年でほかの大学と同じようにここで大学を卒業できるという形のものを、現在準備調査会では構想しているわけでございます。それに合わせまして、ただ放送による勉強ということになりますと相当の根気を要します。必ずしも全部が全部これで四年の学習を耐え得るということも考えられないわけでございます。その場合には、自分の勉強したい部分というものを修得することによって、そこの単位修得証明書のようなものは出せないか。またあるいは、それを相当長年にわたって積み重ねることによって、その大学卒業というようなことも考えられます。あるいは、必ずしも大学卒業ということには関係なしに、自分に必要な部分の単位を修得する、それを放送大学の構想においては、いままでの日本の大学にはあまりなかった構想でございますけれども、そういう形のものを何とか実現をしたいというふうに、審議としては進めている次第でございます。 それから、授業料の御質問がございましたけれども、これは実はその前に、放送大学を何人ぐらいの定員で開設するのかという問題にからんでくるわけでございますが、この何人程度の定員とするかということは、どういうコースを開設するかということにつながってくるわけでございます。まあ私ども順序といたしましては、現在やっておりますのは、その放送、テレビ、ラジオ一系統ずつの電波限りの中でどの程度のコースがやれるかということをまず詰めて、そのコースの中で何をやったらいいか、人文、社会、経済あるいは理工系等につきまして、どういうコースが現在国民から要望されており、あるいは社会として必要なのかという点をその中に当てはめまして、しかも、時間帯の問題がございまして、まあ勤労者にとっては夕方から夜の時間がいいわけでございますけれども、イギリスの場合には、夕方から夜にかけての時間ということで、イギリスの公開大学当局とBBCと契約ができておりますけれども、日本の場合一つの時間をちょうだいすると、昼間の時間帯というものが出てまいります。この昼間の時間帯によって勉強するという層は、一体どういうコースを希望しておるかというような関連もありまして、それによりまして大体の、また、あるいは来年度私ども予算として、ある程度構想が固まった時点において世論調査をいたしまして、この放送大学をどのくらい国民の中から期待しているか、これを開設した場合に、どのくらいの人がこの放送大学に入ってくるかというような見込みもとりたいと存じておりますが、そういったものとの関連で授業料というようなものも出てこようかと思いますので、いまのところ、いままでの論議では授業料等の問題は、まだ出ていないというような状態でございます。
○武部委員 そういたしますと、この準備調査会はいつごろまでに結論を出して答申をする予定か、これを聞きたいのでありますが、いまお聞きいたしますと、来年度に世論調査をして、その対象をどのくらいにするかというようなことに関連して、授業料というようなこともきまるのだというようなお話でありますが、私どもが承知しておったのでは、少なくとも本年の七月ごろまでには答申をするのだというようなことを聞いておったのですが、それはどうなんですか。
○福原政府委員 この準備調査会といたしましては、できればいま御指摘のように七月、八月ごろまでに意見をまとめたいという目標で、御審議を願っている次第でございます。 〔委員長退席、加藤(常)委員長代理着席〕 開設の時期との関連になりますけれども、この準備調査会の結論だけですぐ開設に結びつくというまでには参らない。まだいろいろな手続がそれから出てまいるわけでありますけれども、いままで公にされております来年の四月開設目標ということにつきましては、まあある意味で、きちんとした大学が四月から開設できるということは非常にむずかしい、何かの実験的な形で四月開校というような形になればということを、それを目標に私どもとしては検討を続けたい、こう考えている次第でございます。
○武部委員 話はわかりましたが、それならば前郵政大臣は、文部大臣と一緒に非常に熱心にこの問題に取り組んでおられたというように私ども承知をいたしておりますが、この準備調査会に郵政省はどのような形で関連を持っておられるか、これをひとつお伺いしたい。
○井出国務大臣 いま社会教育局長から、大体の準備調査会の模様は報告がありましたが、当然郵政省としましても、関係者をこの調査会に参加をさせなければなりません。そういう意味で、電波行政並びに放送事業の経験者を追加いたしまして、放送の実施面に支障のないように、こういう配慮をいたしておるわけでございます。 なお、詳しいことは電監局長から申し上げます。
○藤木政府委員 お答え申し上げます。 電波関係といたしましては、放送体制といったもの及び放送の実施上の問題といったものにつきまして検討しているわけでございますが、特に、先ほど来お話があります周波数の電波の割り当ての問題、それから放送局自体の免許の問題、あるいは放送施設の建設であるとか、運用であるとか、そういったような問題、あるいはまた、既設の放送局を利用するといったような問題等が考えられますが、いずれにいたしましても、この教育機関としての放送大学の設立あるいは教育方法、いま文部省のほうからお話がありました、そういったものに関する方針の確立といったようなものが前提になるものでありますので、文部省とも密接に連絡をとりながら検討を進めておるという状態でございます。
○武部委員 先を急ぎますが、放送大学に対する四十五年度の予算の中で、郵政省に三百万円という予算がついておるのですが、三百万の予算で、一体何をしようとするのですか。
○藤木政府委員 お答え申し上げます。 放送大学関係の来年度の予算につきましては、調査費としましてついておるわけでございまして、これの内訳といたしましては、諸外国、特に米国、イギリス、フランス、西ドイツといったところの大学の教育放送の実情の調査費というものでございます。そのほかに、放送実施上のいろいろな電波技術上の問題がございますので、それを検討するために電波技術審議会というのがございますが、そこに必要な調査費というものが含まれているという状態でございます。
○武部委員 特に、来年の一月開校の予定であるイギリスの公開大学を調査したい、そういう点について、たった三百万円がどのくらいのことになるかわかりませんが、そういうような意向を持っておられるようです。 この機会にお伺いをいたしたいのは、イギリスの公開大学は一体どのような性格のものであるか、一体日本のこれから開設するであろう放送大学の参考になるのか、こういう点について私はたいへん疑問を持っておるのです。昨年、NHKの前田会長が私の質問にお答えになってお述べになったことを、ここに会議録を持っておりますが、その後のイギリスの公開大学の構想等についてのいろいろな資料を見ても、イギリスのものは放送を利用した通信制の大学であって、いまNHKがやっておる、私どもすでに御説明を受けたわけですが、NHK学園通信高等学校、これにチューター制度を取り入れた程度のものではないか。そういうものが、日本の放送大学で一体何の参考になるのかという点について、非常に疑問に思います。 NHKの会長は中座されますから、この機会に私はお伺いをいたしたいのですが、このイギリスの公開大学、これについてあなたがお述べになったような、すでにNHKのやっている通信高等学校、こういうものとほとんど大差がないのだというようなお話も昨年ございましたが、イギリスのいわゆるBBCとの連携によってやるこの公開大学、これとあなたがお述べになった市民大学、この構想と一体どう違うのか、私はその点について非常に疑問に思っておるのですが、この機会にNHKの会長から、イギリスのBBCが提携をしてやる公開大学、これと放送大学、この関連についてひとつお伺いをいたしたい。具体的に言うと、英国の公開大学の性格の特色は一体何だろうか、それと同時に市民放送大学とどう違うのか、こういう点についてひとつ御見解を承りたい。
○前田参考人 最近の具体的な問題は、川上総局長から御説明申し上げたほうがいいかと思いますが、私は、昭和三十七年にイギリスの科学教育協会から呼ばれまして、ギルドホールにおいて「放送による教育」という講演をしたことがございます。それはちょうどNHKの通信高等学校、NHK学園を開設する前年でございまして、すでに準備に入っていた時代でございますが、そのときは保守党内閣でございました。しかし、野党の党首として現在のウィルソン首相も出席されておりまして、この構想がウィルソン首相の、いわゆるユニバーシティー・オン・ジ・エア、放送大学という考え方に固まったということを、私は個人的には確信いたしております。この講演会のあとの晩さん会においても、ウィルソン氏からきわめて詳細な質問をいただいたわけです。ウィルソン氏が政権を取った直後、グラスゴーにおける施政方針の基礎演説の中で、その一番重点事項として、この放送大学が発表されたわけであります。 したがいまして、そういう関連において、私はNHK通信高等学校、いわゆる放送による通信高等学校、学区を全国とするNHK学園の新しい構想を基礎とされたものであるというように私は了解しているわけです。その中でどのような処置をされるかは、専門的に検討されまして、その基礎となる大学を設置されたわけでありますが、その後著作権であるとか、そういう問題でBBCとの間で具体的な協定ができて、いよいよ近く発足するという段階に至っておると私は考えております。 私の考えております放送市民大学と申しますのは、昨今私が、あるいはNHKが考え出したものではございません。御承知かと思いますが、昭和二十六年に高等学校講座というものを開設し、昭和三十五年に大学講座を開設いたしております。この大学講座は、現在十六の私立大学、これは通信大学講座を持っているわけでありますが、このうち十一の私立大学がNHKの放送を通じて、学生に対して資格の基礎となる学習時間数の中に入れているというのが実情であり、昭和三十八年に通信高等学校を開設するにあたっての予算の審議に際しましても、衆参両院の各委員の方の御質問に答えまして、私は当時、この次に考えるべきもの、通信高等学校の次に来たる問題は、すなわち放送大学であるということを明らかにいたしております。 こういう見地からいたしますと、私の考えております放送大学は、単なる最近の大学問題とか、あるいは大学教育を大学以外でやるということだけを目的としているものではございません。したがって、私はこれを市民大学と私自身名づけたわけでございますが、それはどういうものかといいますと、大体最近は国連も、いわゆる生涯教育のための国連の大学というようなことを考えているわけでありますが、私は、日本の人たちが生涯教育の最終目標に向って、その欲する方向の学習を続けていくということは絶対に必要だと確信いたしております。そういう意味で私はこの放送大学を考えたわけでありまして、この大学で勉強することによって、現在のような大学制度の中で勉強して、それがそれぞれの資格をとり得るというものを内包するというたてまえでございます。したがって、大学そのものはもっと広範なものであり、その中で、資格をとりたい人には資格をとり得る制度と措置を講ずるというのが、市民大学の構想であります。 NHKは昨年七月の二日に、この問題について全国的な世論調査をいたしました。これは十六歳から六十九歳約二千百四十四名について、いわゆる抽出サンプルの原則的な方式で全国世論調査をいたしたわけでありますが、この中で、放送大学に直接に関心を持つという数は約五二%に達しております。その中で、実力とそれからまた資格と両方を目標として関心を持つという数字は一九%強であります。この一九%強は、十六歳以上の現在大学で勉強している人々を加え、さらにいわゆる企業の中で働いているホワイトカラー、事務系統の方々、それからブルーカラー、いわゆる現実に労働を基礎として働いている方々のすべてを平均的に包含しているというところに、私は非常な関心を持っております。 したがいまして、結論的に申し上げますと、イギリスの公開放送大学は、現在のNHKの通信学園を基礎として発想され、発足されつつあるものである。これに対して私どもが考えている市民大学は、さらに全国民的な機構の中、制度の中で、資格をとりたい人のためにも完全に利用できる大学ということを考えているわけでございます。
○川上参考人 ただいま会長が申し上げました点について、一、二補足させていただきたいと思います。 私たちNHKが考えております大前提は、いま大体会長の申し上げたようなことでありますけれども、それを裏づけます根拠と申しますのは、日本は義務教育は中学校まででございますが、実は日本における高等学校に対する進学率が、昭和三十五年度の五七%から昭和四十四年度は七六%に達しております。いまや高等学校はほとんど全体が入学するという形になっている。それから大学のほうにつきましては、昭和三十五年度で一〇・五%、昭和四十四年度は二一・四%というように倍増いたしております。先ほど先生が御引用になりました坂本二郎氏の著書におきましても、日本の高等教育に対するあこがれといいますか、あるいは熱意といいますか、それは非常なものであって、今後大学に行く進学率というものは、さらにこの十年間に顕著に進むであろう。日本の教育あるいは国民の全体の動向が、欧州型よりもアメリカ型をとっている。それは、たとえばアメリカにおける進学率なんかを見ましても、アメリカは現在、大学進学率が、昭和四十年度しか数字がございませんが、四五・六%になっております。そういうような形で、日本の大学進学率というものは、このアメリカ的な数字を追って顕著に伸びていくだろうと思います。 そう考えてまいりますと、放送という広く一般に開放された手段を使っての大学というものは、特定のエリートのための通信手段を強化するという意味ではなくして、広く国民全般に知識を提供する、あるいは国民全体のレベルを高めるという観点からやはり考えなくちゃいけないじゃないかと思うわけであります。その意味におきまして、いま先生が直接御質問ございましたイギリスのオープンユニバーシティー、それからNHKが考えております市民大学との違いは、およそ二点、大きな問題点であると思います。 一つは、イギリスのオープンユニバーシティー全体のつくり方を見ておりますと、あくまでも大学に入ったその学生たちに対する一種の特定通信である。かりに生徒が一万であれ、二万であれ、特定通信であるという考え方をぬぐい切っておりません。これは、イギリスにおける大学制度そのものにおける性格にもよろうかと思います。それに反しまして、NHKの考えております構想というものは広く国民一般に提供する。それであればこそ、放送という広く市民に開放された手段を使う意味があるんじゃないかという観点に立っておるということ。 それから第二点は、いま申し上げましたように通信制であるということ。ですから、放送は全体の手段の中の補助手段であるということ。それに反しましてNHKの市民大学というのは、この二十年来ラジオあるいはテレビで築き上げてきました視聴覚的方法というものを一〇〇%利用することによって、ほかの手段は使わなくとも、放送だけで容易に一般市民に高い知識を持ってもらう、それが同時に、大学程度の知識を広く国民にも普及し得るのだという観点に立っておると思います。
○武部委員 いま二つの相違点があるというお話がありましたが、イギリスでこの公開大学の放送を受け持つBBCが、七一年の放送を前にして、BBC放送でわずか七〇年十五億円、七一年では三十二億円程度の予算しか計上しないという、そういうことを承知いたしておりますが、これは間違いない数字でしょうか。 さらに、この公開大学の学生の対象は二万人程度というようなことを聞いておるわけですが、この数字で間違いないか。 それから、チューターを導入するわけですが、このチューター制度で二十人なり二十五人に一人のチューターをつけるという場合に、相当大量なチューターが必要になるわけですが、こういう点でBBCで非常に困っておるというようなことも資料の中でうかがわれるわけですが、間違いない数字でしょうか。 それから、イギリスでBBC放送が予算に組んでおる十五億とか三十二億とかいうものは、教育科学省からの交付金だというようなことも聞いておるわけですが、間違いございませんか。御承知ならばひとつお伺いしたい。
○福原政府委員 ただいま御質問の中で、BBCの予算というふうに承りましたけれども、これはオープンユニバーシティーの予算ではないかと思います。オープンユニバーシティーの予算は、お説のように、七〇年予算十五億というふうに私どもも承知しております。 それから、定員は二万人ということも、私どもそのように承知しております。 チューター制度につきまして、確かにイギリスの伝統によりましてチューターという制度をこの放送大学の中にも取り入れるということは、イギリスとしては野心的な考え方で、実施すれば——実際私ども聞いておりますのは、困っているというふうには聞いておりませんけれども、あるいはこれは、先生のほうがそういう情報を手に入れていらっしゃるのかもわかりません。私どもそういうふうに聞いておりません。
○武部委員 それならば、この機会にお伺いいたしますが、イギリスでは二万人が対象という計画だという。これは文部省が主管をしておるこの調査会で、一体わが国においては何名くらいを対象に一応論議がされておるのか、ちょっとお知りならばお伺いしたい。
○福原政府委員 これが、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、コースがどのくらい置けるかということによって、たとえば一時間の教室講義を三十分でやるということになりますと、倍コースが置ける。そうすると、定員もある意味で相当多くなる。それがいまのところ、一時間の教室講義は一時間でやろうということになりますと、非常に詰まってまいります。それで、どのくらいのコースが置けるかという検討を近く始めることになっております。それから逆に、大体そういう数字が出てくるのではないかというふうに考えております。
○武部委員 これは新聞報道によると、二十万人というようなことがいわれているわけです。 いま、イギリスの公開大学の内容をいろいろお聞きしたわけですが、きわめて保守的なイギリスの教育制度の中で、公開大学はそれなりにりっぱな構想だということはできると思うのです。しかし調べてみると、一九七三年に大学の学生を三十九万人にしたい、これから十年先の一九八〇年には五十六万人にしたい、こういうような定員を確保することが将来の希望だというようなイギリスと、わが国のように、すでに百五十万人も高等教育の機関に在学者数がおるということと比べた場合、また社会の構造の異なるわが国において、イギリスのこの公開大学というようなものが、何らこれからの日本の放送大学に参考になるようなものはないじゃないかというような気がいたしますし、いまのNHKの会長の話を聞いてみても、市民大学の構想とは相当大きな開きがあるようです。したがって、イギリスが確かに来年の四月ですか、すでに女王の許可も得たようですが、そういうようなもので発足するからといって、何も急いでまねをして、さっきの文部省の局長ではありませんが、何とかの形で来年の四月からひとつ発足したいというようなことについては、私は若干問題があるように思うのです。 それはそれなりに私の意見として申し上げておきたいと思うのですが、先ほどからいろいろ文部省の説明を聞いておりますと、審議状況の中でまだ非常に不明の点がある。単位の問題にしても、資格の問題にしても、スクーリングの問題にしても、あるいは時間の問題にしてもそうです。こういうような段階で四十六年から四十七年に開校したい、その気持ちはわかるのですが、何も急いでいいかげんなものをつくる必要はない、こういうふうに思うのですが、文部省の見解をひとつ承りたい。
○福原政府委員 イギリスのオープンユニバーシティーが参考にならないというお話でございますが、私ども、その国情が違いますし、わが国で放送大学を始めるにあたっては、わが国に一番ふさわしい形でこれを発足させたいということで、慎重に論議を積み重ねてまいりたいと思っております。イギリスの例はあくまでも参考ということで、そのまねをするとかなんとかいうことではなくて、中からいろいろ学び取る点は学び取っていきたいというつもりでございます。 それで、開校の時期でございますけれども、これは何が何でも来年の四月ということではなくて、積み上げていったものが欠陥のままで開校するというような形では、もちろん私どもそういうことはしないつもりでございまして、十分重ねた上で、できればというふうに先ほど申し上げましたけれども、その程度の気持ちで、あくまでも拙速は避けたいというふうに考えております。
○武部委員 イギリスでは六年間の準備期間で、ようやく来年発足というようなことにこぎつけたわけですね。あとでまた申し上げますが、そういう点はぜひひとつ考慮してもらわなければならぬ、こう思うのです。 郵政省にお伺いをいたしますが、この放送大学用の電波、波、これはテレビ、ラジオとも確保されている、こういうふうに思っていいのですか、どうなっておりましょうか。
○井出国務大臣 この点は、河本前大臣以来私にもこれは引き継がれておりますが、テレビジョンで一つ、それからラジオで一つ、こういう波の非常に困難な中ではございますけれども、これは確保して全国的なネットワークが組めるようにと、こういう配慮をいたしておるわけであります。
○武部委員 波のことはわかりました。 それでは文部省に再度お伺いいたしますが、これからの放送大学の性格にもよるとは思いますが、この開校には大体どのくらいの資金が必要であるというふうに見ておられるか。文部省でそういうことを試算をしたことが——当然試算をされておられると思うのですが、どのくらいの資金が必要だというふうにお考えでしょうか。
○福原政府委員 これは、先ほど定員の関係についても申し上げましたように、中身のほうを積み上げてまいりまして、その上で定員等についても考えるということでございます。それがきまっておりませんので、一体どの程度このためにスクーリングの施設が必要かというようなことも出てまいります。先ほどのチューター的なものも日本で置くといたしますれば、相当な職員数を置かなければならない。そういう問題をどうするかということを、現在審議している最中でございますので、これは予算的に、いまのところ要素が十分に出尽くしておりませんので、今後そういうような要素が出た段階で私ども試算をいたしたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○武部委員 そうするとこの段階では、この性格について論議が煮詰まっていない、対象その他をどうするかということによって規模が異なってくるわけですから、資金がどのくらい必要かということがよくわからないというお話でございましたが、すでに新聞あたりでは金額が出ておりますね。いろいろな、これは憶測かもしれませんけれども出ておる。 この懇談会の意見書の八項目に、「放送の実施にあたっては既存の放送事業者の施設等を利用できる場合は、これらの事業者に対してできる限り協力を求めるよう配慮することが望ましい。」これは、かりにイギリスでBBCがああいう形でやられるということになる場合、日本においてもNHKの施設を利用したらいいだろう、どうだろうという論議があったことも承知をいたしております。もしかりに、全国で放送のネットを全く新しくつくる場合にはどのくらいの資金が要るか、これが一つ。それから、NHKのいまの施設を利用する場合には、大体どのくらいの金が要るのかという点について、おわかりならばひとつ説明を願いたい、こう思います。
○藤木政府委員 お答え申し上げます。 全国的に一系統、テレビとラジオと両方あるわけでございますけれども、私どもの非常に簡単な試算では、テレビとラジオ合わせまして、約二百億から三百億くらいになるかと思っております。 それから、いまのNHKの施設を利用するというお話でございますけれども、NHKの施設と申しましても、現在あるものをそのまま利用するというわけにはいかないわけでございまして、やはり新しい施設をつくらなければできないというわけでございます。もちろん、運用はNHKにまかせていくという方法はあると思いますけれども、施設そのものは新しくつくらざるを得ないということでございます。
○武部委員 そうすると、かりにNHKにまかせるにしても、新しく施設をつくらなければならない。そのための費用は二百億ないし三百億、このように見るのですか。
○藤木政府委員 場合によっては現在のNHKの建物を利用する、あるいは鉄塔を利用するということも考えられますので、多少は安くなるかもしれませんけれども、しかし、いずれにしましても送信機あるいは必要なスタジオといったものを考えますと、やはり相当程度の資金が必要になるのじゃないかと考えております。
○武部委員 いろいろ金の面のことについて承ったわけですが、金のことは一応このくらいにいたしますが、事放送大学、これは教育問題であります。したがって教育問題である以上、放送番組を作成する人が非常に重要な要素を占めることは言うまでもないわけです。 私がいろいろBBCの資料等を検討してみますと、イギリスにおいても公開大学の準備状況の中で、学者のほかにBBCからプロデューサーやあるいは技術者等が参加をして、企画の段階からすでに具体的なサゼスチョンをBBCでやっておる、こういうことがこの資料の中にございます。そういう点について、そうした優秀なスタッフというものが必要じゃないか。さっき冒頭に文部省の局長は、一時間の教室におけるところの教授のやり方を、三十分くらいに縮めて放送するのだというような話もございました。私は、教室の中にテレビを入れて、教師の授業をそのまま中継して流すというような放送大学であってはならないと思うのです。これはスタジオの中に教授がやってきて、いろいろな資料のもとにそこから放送する、あるいは世界の、たとえばNHKならNHKの出先機関を利用して、権威のある著名な科学者とか、そういう者からいろいろなサゼスチョンを受けてそれを放送する、こういうような形でなければならぬと思うのです。 そういう点について、いまのスタッフがどのくらい必要かという点について、私は相当な数が必要じゃないかと思うのです。BBCはテレビで百名、ラジオで二十名程度のプロデューサーしかない、これでは非常にやりくりが困難だということをいっておるようですね。イギリスのBBCが、ここが公開大学の泣きどころだといっておる。そういう場合に、はたしてスタッフが確保できるかどうか。こういう点については、NHKがいままで相当な努力をしておられるようですが、現在のNHKの体制で、もしかりに放送大学がNHKを利用してやるという場合に、その体制でやれるかどうか、この点についてはどうでしょう。
○川上参考人 放送大学が、もしテレビジョン一チャンネル全国系統、それからラジオ一系統を使いまして、一日におよそ十八時間程度放送するということになりますと、やはりテレビ関係で要員三百名、ラジオ関係で七十名くらい必要になろうかと思います。 いまお話がありましたような、現体制でやれるかとおっしゃった意味が、現在の人員の中でやれるか、あるいは現在の組織の姿でやれるかという意味ではなくして、それに十分耐え得るだけの供給する余力、あるいは至急に、早急に養成できるかという意味に理解させていただければ、これは十分自信を持っておこたえできる、このようなつもりでおります。
○武部委員 以上で、大体の放送大学の経過等についてわかりました。わかましたが、文部省の説明ではどうもまだはっきりいたしません。相当回数この調査会で論議をされておるようでありますが、まだ固まってもいない。したがって、先ほど申し上げるように、何も急いで無理をして、その形のままいいかげんな大学を発足してもらっては因る。この点は私は同感だと思うのです。特に、今後設立されるところの放送大学、これは特定のイデオロギーやあるいは宗教によるところの大学ではないわけですから、その点についてはあくまでも政治的には中立、不偏不党、自主自立、こういうことが守られるべきことは当然だと思うのです。対立する意見あるいは学説があったならばこれを取り上げる、そういう大学でなければならぬと思うのです。 そうなると、当然これは放送大学の番組については、現行の放送法が適用されなければならぬ、こう思うのですが、大臣の所見をひとつお伺いしたい。
○井出国務大臣 武部委員の、教育は百年の大計であるから十分慎重に、こういう御所見でございまして、われわれの場合におきましても、準備を急ぐことはしなければなりませんが、そのために一拙速であっていいというふうには考えておりません。 それから、後段におっしゃいました放送大学というものは、あくまでも自主自立、不偏不党でなければならぬ、これはまさに放送法の精神がそれでございますから、その点はお説のとおりのように考えております。
○武部委員 私は最後に、この問題について大臣並びに政府の関係者の皆さんに御要望申し上げたいと思うわけです。 この放送大学が論議をされましてから、これは新構想大学だというようなことがいわれまして、ちまたでは大学紛争の中で生まれた、いわば紛争の落とし子だ、こういうようなことさえいわれておる。あるいは新幹線大学。新幹線大学というのはどういうことかと思っていろいろ聞いてみましたら、旧東海道線の現大学の改善よりも、新線建設の放送大学のほうが効果的だ、こういうことで新幹線大学というのだそうですが、そういうようなことが一説にはいわれておった。いわゆる大学紛争の落とし子だ、あるいは副産物だというような不純な動機や発想で放送大学をつくってはならぬ、われわれはそう思うのです。学校に通えない人たちに政府が教育の機会を与えてやるのだ、今回行なわれた選挙の際に、そういう選挙スローガンのようなことさえいわれておった。これは、私は政治勢力というものが放送大学を前面に押し出したのではないかと思うのですが、そういうことさえいわれたきらいがあるのです。さっき、教育は国家百年の大計だと大臣もおっしゃった。そういう点から見るならば、放送大学という一つの学問の府をつくるというような大所高所の上に立って、私はもっともっと時間をかけて、さっきからBBCのことを言ったわけですが、しっかり研究してりっぱなものをつくらなければならぬ、このように思うのですが、ひとつ最後に大臣の決意をもう一回お伺いしたい、こう思います。
○井出国務大臣 おっしゃるように、いろいろな用語がはんらんしたように思うのでございます。しかし、放送大学はイギリスにおいても相当な沿革がある。あるいはまた、それとこれとすぐに同一視はできないにしても、NHKでは一つの実績のようなものがあるようであります。したがって、これは相当に歴史というものも考えなければならぬのであって、決して目前の現象によって突如としてあらわれたというふうなものであってはならない、こういう基本的なかまえ方のもとに、御趣旨のような線を体して、しかし、のんびりかまえておるというわけにもまいらない。国民が非常に求めておるということも考慮しつつ、これからやってまいりたいと思います。
○武部委員 放送大学のことはそれだけにいたしまして、いま一つ、四十五年度の事業計画の問題についてお伺いをいたしたいと思うのであります。 建設計画の本年度の総額は二百二十七億円であります。昨年はたしか百五十四億で、約七十億ふえておるわけです。収入の面を見ますと若干ふえてはおりますが、長期の展望に立つと、投資が収入計画を上回るんじゃないだろうかというような気持ちさえ持つのですが、そういう結果、将来の事業計画についてこれを確保することが困難ではないだろうか、こういうような疑念も持つわけで、これは非常に困ったことなんです。たとえば、カラーテレビの伸びも二百四十万件と見ておりますが、本年度のカラーテレビの国内総生産は、たしか六百五万台という話も聞いておるわけです。一応収入も頭打ちに来るような段階で、この建設費の総額がどんどんふえていく、こういう点について心配はないものかどうか、これが一つ。 それから二つ目は、タワーとセンターの関係で内海委員からも午前中に質問がございましたが、このセンターに二十六億金を出す、それは、霞ケ関の例のかまぼこ形の庁舎を充てるというような話もございました。そこで、タワーとセンターと合わせますと大体百六十五億ないし百六十七億円くらいの金が要るんだということでありますが、一体NHKが持っておる資産の充当で、きっちりとこれだけのものが充当できるかどうか、こういう点についてひとつお伺いをいたしたい。 なおもう一点、これも内海委員からもお話がございました例の基地障害の問題ですが、防衛庁から七千二百万円ですか金がきたようですが、その性格は一体何なのか。どういう名前のものなのか。 それからもう一つは、不払いの聴視料は年間全国で一体どれぐらいあるのか、その解消は一体どういうふうにしようとしておるのか、これだけをお伺いしたいと思います。あとはまた同僚委員から質問があろうと思いますから、私はこれだけお聞きしたい。
○小野参考人 お答え申し上げます。 まず、第一点の長期の財政の見通しの問題でございます。四十五年度予算に盛られました建設関係の経費は、従来から比べて非常に大きくなっておる。もちろん長期の構想におきましても、この点は非常に重点的に考えております。それに対して収入の面につきましては、いろいろカラーの契約増を考えましても、これはやはりいろんな面で追っつかぬのじゃないか、こういう御懸念のようでございます。通常の状態でいきますとまさにそのような傾向をたどるだろうと思います。 現在持っております長期構想で見ましても、四十三年度から発足しましたそれは四十二年度に構想を立てたわけでございますけれども、その当時からは非常な事情変更もございます。そういうような時点で見ましても収支の不足は大体二百二億、こういう状況に相なっておったわけでございます。決して収支償うというような計画、構想ではございませんでした。 その後カラー契約関係につきましては、いろいろ当時の状況と非常に変わってまいっております。四十二年に策定をいたしました当時におきましては、四十七年度末に六百五十万件の契約が獲得できるであろうと算定をいたしておりました。これは昭和四十二年の三月ごろでございましたが、閣議決定で経済社会発展計画を御決定になっておりますが、当時のそれでは、日本の経済成長率は八・二%に見ておられたわけでございます。それは四十二年度から四十三年度以降の実績で見ますと、この八・二%のそれは大幅に上がっておりまして、一一・八%ぐらいに上がっております。それほど異常な高度成長を続けておるわけでございます。また当時におきましては、生産計画におきましても、メーカー筋では大体二百五十万台ぐらいの出荷計画を持っておったわけでございますが、現在ではこれを四百万台に改定をしてふやしておられます。そういうような状況から見てまいりますと、NHKにおきましても、カラー契約の増加の六百五十万は低いということでこの見直しをいたしまして、けさほど会長からお答えをいたしましたように、四十七年度末には千二百六万件の契約獲得を目ざしております。これによりまして百四十四億の増収は得られるわけでございます。 しかし、計画内容からいえば、建設計画の拡充、あるいは事業運営の経費にいたしましても、物価の上昇率の見直し、人件費関係の見直し等諸般の関係を考慮いたしますと、二百二億の収支不足は百五十億のやはり収支不足になる。これは何でまかなうかと申しますと、借り入れ金に依存せざるを得ないと思います。在来の方式における放送債券は七年で完全に返してしまうというような方式では、とてもやっていけないわけでございます。それが四十五年度の予算にもあらわれておるわけでございまして、四十四年度では外部の資金、いわゆる借り入れ金に依存いたしましたものはおおよそ五十一億ぐらいでございましたが、今回は九十三億でございます。建設関係には六十三億余りの外部資金の導入になるわけでありますけれども、その他放送債券償還のために、法律上の義務に基づきまして積み立てなければならない、いわゆる前年度末の債券の未償還残高の十分の一を積み立てなければならぬ、こうなっておりますが、これは受信料で積み立てることは不可能でございます。そういうようなことから借り入れ金で積み立てるというような結果になるわけでございまして、安易に推移をいたしますと、御心配のとおりになろうかと思いますけれども、この点につきましてはいろんな努力をいたしまして、受信者に御迷惑のかからないような努力を続けてまいらなければならないと思います。他面、NHKが果たしてまいらなければならない責務はどこまでもこれを完遂していこうというような体制で臨んでおるわけでございます。 第二点の放送センターの建設の関係でございますが、御説のとおり建物の本体、ホール、タワー、これを総括して入れますと百六十七億の経費を要するわけでございます。タワーの問題はまだ調整不十分でございますので、調整には向きつつありますけれども、四十五年度まだ予算化する段階になっておりません。そういう段階で、調査費二千万円をあげておるにとどまるわけでございますが、タワー部分を除きました建物の本体とホールにつきましては、合わせて百二億でございますけれども、そのうち二十六億分を四十五年度予算に計上いたしております。建物本体分が十七億、ホール分が九億というようなことで計上をいたしまして、ざっと三カ年の継続工事で完成を見るわけでございます。 この二十六億の明年度あげましたものの経費の財源は、受信料に仰ぐのではないのでございまして、現在不用になっております土地、建物の処分によって計上するそういう経費が二十六億、建設勘定の中には計上してございます。 第三点の不払いの関係でございますが、大体NHKの徴収の実態から見ますと、受信者の方々から非常に十分な協力を得ておると考えております。収納率は実に九九・八%、非常に高いわけでございます。 大体、不払いといたしましては、その中に二通りございます。いわゆる支払い遅延、当年度中には取れませんけれども、明年度われわれ努力いたしますと取れますものと、そうでないものがあるわけでございます。不払いに相当いたしますもの、これはいろいろな理由がございますけれども、貧困によるもの、産炭地、貧農関係、そういうような面から出るもの、あるいはまだ十分NHKの事業について御理解をいただいておりません向きとか、あるいは不在とかといったような要素のものがございますけれども、それが総体ひっくるめまして件数にいたしますと、ざっと十五万件くらいになりましょうか。大体そういうような概況になっております。 それから、基地周辺免除に対して政府から出ます七千二百万円でございますけれども、これは、NHKが拡大をいたしまして免除をいたします額の約半分に相当するわけでございます。政府の支出の名目は、予算科目では補助金になっております。実質はNHKの負担をいたします減収分の半額を補てんしよう、こういうものでございまして、問題はどこにそういう責任があるか、こういう問題だろうと思います。 現在、拡大いたします前も、ここ六、七年くらいになりましょうか、一キロ、二キロにわたりまして、基地の受信料減額をいたしておりますけれども、この当時から今日に至りましても、やはりその責任は加害者補償の原則を私どもは捨てておりません。そういう面で、全額政府で出していただけば非常に筋が通ると思いますけれども、そういう面で政府もいろいろ御検討になったこともあるのでございますが、立法上も行政上も財政上も、いろいろな面に難点がございまして、なかなか手がつきにくいということで、NHK独自でそのような面を実施してまいりましたが、以来政府関係にも、国会等でいろいろな質疑がございました。受信者からも、政府に向けての非常な要望もございます。そういうことを総合勘案せられまして、政府でもやはりこれは一部持つべきだということで、それが四十五年度予算では、NHKの拡大減免分の半分を補てんしよう、こういう筋合いになっておるわけでございます。
○武部委員 それならば、あなたのほうとしては全額政府が補償すべきだということをずっと要求してこられましたか、これからもずっとされますか、それだけちょっと伺っておきます。
○小野参考人 当初はそのような要求を出してまいったわけでございますけれども、政府としてもいろいろな御事情もあろうかと思います。そういうことで受信者の方面では、政府へはもちろんのこと、NHKとしても何もしてくれないのはつれないじゃないか、こういうような話もありまして、NHK独自でやってきたわけでございますけれども、現在それにつきまして、政府から全額もらわなければNHKは減免措置をしない、こういうような意図は持っておりません。
○武部委員 終わります。
○加藤(常)委員長代理 八百板正君。
○八百板委員 郵政大臣に申し上げながらお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、りっぱな井出国務大臣を迎えまして、広い国政の立場で郵政行政、放送、電波に取り組んでいただけるということは、たいへんありがたく、けっこうなことでありまして、この良心豊かな新大臣によってよい筋をひとつ放送、電波の上に出していただきまして、ひとつ方向づけをしていただきたいと大いに期待を申し上げる次第であります。 先ほど委員長が、井出農林大臣とこうお呼びになりましたが、何となく農林大臣のような印象をどなたも受けておることだろうと思うのでありまして、そういう意味では、まさにずぶのしろうとの大臣であります。そういう意味では、私もまたこういう方面は、顔は出しておりますけれどもずぶのしろうとでございまして、井出さんと農業問題で話し合うんなら、お互いにこれ専門的な、かなり問題の核心に触れた話し合いができるかと思うのでありまするが、電波の問題、こういう問題になりますとしろうとでありますから、そういう意味で、しろうとにわかるようなお答えを願いたいと思うのであります。それは、私はやはりしろうとの国民の代表でありまするから、それでいいんじゃないかと思うのでありまして、ひとつ今後よろしくお願いを申し上げます。 まず、新大臣は新しい感覚で、放送法とか電波法とかいうような問題につきましても、それぞれある程度の御検討はなさっておられると思うのでありまするが、これは改正するとか、そういうふうな点について簡単でいいですから、ひとつお考えをお述べいただきたいと思うのであります。
○井出国務大臣 八百板先生とは長い間農政でおつき合いをしてまいりました。ただいま、まことに御懇篤な前置きを付しての御質問で恐縮をいたしております。 そこで、放送法なり電波法なりを改正ないしはなぶる意思があるかというお尋ねでございますが、私もいまよりより勉強中なんでございますが、いきさつから申しますと、これら両法案に手をつけて、改正案を当委員会に二、三年前にお示しをしたようでございます。これはまさに電波行政の根幹にかかわる問題でございまして、まあ現行のように改められましてすでに年久しいのでございますから、現状を捕捉しまして、やはり少し時代にそぐわないようになっておるということは確かに言えるだろうと思うのでございます。しかし、その改正ということになりますと、まさにこれは大法案でありますから、十分に慎重を期さなければなるまいか、こう思います。そういう心がまえでこれから臨んでまいりたい、とりあえずこのようにお答えいたします。
○八百板委員 一緒にお答えいただいてけっこうだったのでありまするが、三十七年の十月に諮問をしまして三十九年の答申というのが出ております。諮問の中にも、古くなったから何とかしなくちゃいかぬということが書いてありますが、この出た諮問も、時間がたってこれまた古くなった、こういう現状だろうと思うのでありますが、このほうも含めて、いまのようなお考えを当然お持ちでございましょうか。
○井出国務大臣 そのように御理解いただいてけっこうでございます。
○八百板委員 そこでNHK、日本放送協会の今回の収支予算、事業計画及び資金計画につきまして大臣の意見がつけられておるのでありますが、この中でお尋ねいたしたい点は、「なお、事業計画中、UHFテレビジョン放送局の建設については、UHFテレビジョン放送の免許方針との関連において、変更の必要が生ずる場合もあると考える。」こういうふうに出されておるわけでありまするが、どういう場合にどうなるという意味を含んでおるのか、これを少し具体的にお聞かせをいただきたいと存じます。
○井出国務大臣 本来でしたならば、チャンネルプランというものが確立をしまして、それに沿って予算が組まれるのが常識であろうと思います。しかし、実際問題といたしましては必ずしもそういきがたい場合がございまして、従来の前例等を調べましても、予算を策定願う当初にそれがきまらないで進んだという例もあるようであります。しかし、これは技術的、専門的な問題でございますから、さらに念を入れて、電波監理局長から補足答弁をいたさせます。
○藤木政府委員 お答え申し上げます。 いま大臣からお答え申し上げましたように、いわゆるUHFテレビ局の置局計画、いわゆるチャンネルプランと申しておりますけれども、これがすでに決定しておりまして、それに沿いましてNHKの予算というものが組まれれば一番理想的でございますけれども、置局計画自体は、NHKだけではなくてほかの民放各局もあるわけでございますので、一般的には間々予算と時期がずれるというかっこうでございます。ただいま御指摘になりました大臣の意見書にあります点は、そのようなことを申し上げているわけであります。 具体的には、けさほども申し上げましたけれども、NHKの広域圏内におきます県域、神戸外三局というようなのが載っておりますけれども、それにつきましては、まだ現在のところ置局計画が郵政省として決定しておりません。そういったことで、そういう事柄をおつけしたということになっております。
○八百板委員 まだきまってないけれども、とにかくチャンネルプランを立てる前にとりあえず承認した、こういうふうに理解していいのでしょうか。私もあまりしろうと、しろうとと繰り返すようですけれども、ほんとによくわからないのでありまして、正直のところを言うと、まことに申しわけないのですが、UとVの区別なんというのはいまでもわかりませんけれども、ははあこんなものかなということがわかったのが、ようやく四、五日前からであります。しかし、これは大かたそんなところじゃないかと思うのです。でありますから、そういう意味であまり前例にとらわれないで、いいことはいい、よくないことはよくない、こういうふうに判断するところに新大臣のいいところが出てくると思うのでありまして、いままでの前例というのはあまりよくないのでありますから、よくない例を、前例もあることだしというふうに考えるのは、あまり好ましい方向ではないのじゃないか、こう思うのであります。そういう意味で、まず基本的なチャンネルプランを立てて、そうしてあれはこうする、これはああする、こういうふうに行くべきものではなかろうか、こんなふうに思うのです。何か既成事実の上に次のものを乗せていく——今度の場合をどうこうと言うわけじゃないのですけれども、そういう形で電波というものが扱われていくということは、ちょっと困ることじゃないかと思うのであります。 大体この波というのは、現に一体幾ら使われておって幾らぐらい残っており、また、現在の技術の可能性においてどのぐらいの数があるのだというふうなことを、ひとつお聞かせいただきたいと思うのです。これは大臣で無理だったら、専門家の方でけっこうです。
○藤木政府委員 お答え申し上げます。 波の数というのは実は非常にむずかしゅうございまして、現在電波と名がつくものは、専門的なことばで申し上げますと三百メガサイクル以下ということになっておりまして、一つずつというふうには勘定できないものでございます。いわば幅があるわけでございます。技術の進歩によりまして、電波の幅をだんだん狭めて使うということになっているわけでございますが、そういたしますと波の数がふえるということになるわけでございます。 それで、いまの放送関係で申し上げますと、現在いわゆるVHFという波がございますけれども、これにはテレビとFMの波がございます。たとえばFMでありますと七十四メガサイクルから九十メガサイクルという十六メガサイクルの幅がございます。これを幾つかに分けまして一つのチャンネルということで使っているわけでございます。VHFにおきましても、現在テレビの受像機をごらんになりますとおわかりのように、十二のチャンネルがございます。これが九十メガサイクルから、途中抜けておりますけれども、大体二百メガ、二百二十四メガでございましたか、このぐらいまでをテレビの電波として使っているというわけでございます。 それからUHFというところにまいりますと、これは少し高くなりまして、大体いまのところ四百七十メガサイクルから七百七十メガサイクル、三百メガサイクルという幅がございます。それを大体六メガずつに分けまして使っていくということになっておりまして、しかも電波というものは、少し地域的に離せばまた同じチャンネルが使えるということでございますので、たとえばいまの四百七十から七百七十、三百メガサイクルありまして、それを六メガの幅で使いますと約五十チャンネル使えるわけでございますけれども、五十チャンネルを全部一緒に使いますと、これまた混信といったものが生じますので、少しずつずらして、波のほうもずらすし、あるいはまた地域的にもずらすということで使っているわけでございます。 現在のところ、それでは一体何波の波が残っているかという御質問のようでございますけれども、これはまたどこに置くかということによって変わってまいりますので、的確に何波残っているというふうにはちょっとお答えしにくいというわけでございます。 そういうようなことでございますが、おわかり願いましたてしょうか。——必要かあれば、さらに補足説明さしていただきたいと思います。
○八百板委員 よくわからないのですが、たとえばNHKが計画として立てておるようなもの、そういうものを想定いたしまして、たとえばそういうものとしてとった場合に、これがまた関東のほうにも同じような形で伸びてくるという計画もおありのようですが、そういうふうに見てきた場合に、大体いまNHKが計画しておるような程度の波としてとった場合に、一体幾らぐらいとれるか、そしてそういうものが現にもうどれくらい使われておるか、したがってどのくらい残るか、こういう計算は、一応の単位を定めれば、しろうとだってできるんじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。
○藤木政府委員 お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたように、電波は一つの地域を定めまして、たとえば大阪なら大阪というところでどのくらい使えるかということになりますると、ある程度その答えが出てくると思いますけれども、ただその場合、やはり大阪の周辺でどのくらい使うかということが決定いたしませんと、その幾ら使えるかという答えが出てこないわけでございまして、非常にその間入り組んでおりまして、単なる算術計算で出てくるという問題ではございません。そういったわけで、いまの御質問でございますけれども、一がいに幾ら残っているということは、いまの段階では非常にむずかしいと思います。 と申し上げますのは、波はNHKだけのためにあるわけではございませんで、ほかの民放各社もございますし、あるいはまた、先ほど来お話しになっております放送大学用としてもとらなければならないというわけでございまして、いま幾つ残っているかということは、ちょっとお答えしか ねると思います。
○八百板委員 そういうふうになりますというと、なお一そうこれはやっぱり一つのプランを立てて、そして総合的に、こういうふうにとればこういうふうになるから、この辺にこのくらいの余裕があってこうなると、こういうふうな一つの総合的なプランというものを立ててやっていかなかったら、何かそのつど虫食いみたいにとっていって、そして非常に能率の悪いものになっていくという心配があるのじゃないかという感じがするのです。そういうふうな点を考えながら、いずれはこの問題は、おそらくある時期にはチャンネルプランを立てるんだという一つの展望の上に承認された事項だと思うのですが、だとすると、その辺のところ、いつごろまでにチャンネルプランを立てる、そういう構想の上にこのNHKの計画を、条付づきといいますか承認する、こういうことになっておるんでしょうかね。その辺のチャンネルプランのプログラム……。
○藤木政府委員 先生のおっしゃることは全くそのとおりでございまして、私どももその全国的なチャンネルプランというものを初め立てて、それに基づきまして個々の免許ということをやっていきたいというふうに考えておるわけでございます。 ただ、いまのNHKの問題でございますけれども、先ほども申し上げましたように、現在置局すべきと申しますか、私どもが考えている置局につきましては、NHKだけではなくて民間放送の問題もございます。それからもう一つは、先ほど申し上げましたいわゆる放送大学の問題があるわけでございまして、そういったものをからみ合わせてチャンネルプランというものをつくらなければならないという立場にあるわけでございますので、私どもとしましては、なるべく早くというふうに考えておりますけれども、放送大学の進捗ともにらみ合わせまして、いま何月ということはちょっとはっきり申し上げられませんけれども、できるだけ早くNHKもできるように検討したい、そういうふうに考えております。
○八百板委員 NHKの予算が四十五年度の予算ですから、それに基づく計画ですから、そうすると何月とは言えないと言うが、少なくとも四十五年度の計画が何らかの形で実行着手、具体化し得るそういう時期においてプランを立てる、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。たとえば、夏じゅうぐらいにやるとか、二、三カ月のうちにやるとか。いかがでしょうか。
○藤木政府委員 そのようにやりたいと思います。
○八百板委員 NHKの会長さんにお聞きいたしますけれども、区域別に波をとってやがてこれは関東にも広げていく、こういう一つの展望と計画の構想の上にお考えになっておられますか。簡単でいいですから……。
○前田参考人 社会生活が非常に厚くなってまいりまして、同時に、地域の利害とその地域の人々の生活の中身とが非常に直結しているという現実から考えまして、私としては、ただ数学上のカバレージということでなくて、できれば人間とのつながりにおけるカバレージというものを、放送の点では考えるべきだと思います。 そういう意味で、特にテレビが選挙放送に役立つという段階において、従来の大電力の周辺には局を置かないという考え方を修正していただきたいという強い期待を持っており、したがって、明年度予算でUHFの大電力下の三局、これはお手元にございますように神戸、和歌山、大津とを考えているわけでありますが、その他まだ十局以上そういうところに置局する必要があるという考え方を持っておりますので、引き続き当局にも御検討をお願い申し上げてまいりたい、このように考えております。
○八百板委員 VをUに移す、こういう方針が出ているようですが、それが十年計画といいますか、十年ぐらいにわたってそういうふうに移行していく、こういうことのように私おぼろげに理解いたしておりまするが、そうだとしますと、それが十年もかかるその間に、いま会長のお話のような局が十幾つかできていくと、こういうことになるわけですが、その場合に、VがUに移る時期は、十年という計画でもあるいはもっとかかるかもしれないでしょうし、あるいはまた、いまのテンポの早い時代ですから早いかもしれませんが、そういうことになりますと、具体的に言って、NHKがいま持っている第一、第二という一つの波のほかに、ここにいわば第三の放送というべきものがそういう形でできるというふうな理解に立ってよいのでしょうか。その辺どういうふうに考えているのでしょうか。
○藤木政府委員 お答え申し上げます。 いま第三というおことばでございましたけれども、私どもとしては、いまのところ第三の波ということは考えておりません。
○八百板委員 お考えになっておらなくとも、そこに、たとえば大学放送なんかとの関連もあるのでしょうけれども、NHKでもない民放でもない、何か特別の別のものがまたつくられるというふうな一つの方向もある、あるいはあり得るというふうな考えで理解していいんでしょうかね。その辺のところ……。
○藤木政府委員 御質問の意味がちょっとわからないのでございますけれども、いまのところ放送といたしましては、まあNHK以外はいわゆる民間放送ということになるわけでございますけれども、先生のおっしゃる意味が、先ほど来問題になっております放送大学のための波ということで第三の波ということでございますれば、そのとおりでございます。
○八百板委員 まあよくわかるわけでもないが、また一緒に勉強さしてもらうことにして、次に移りたいと思うのですが、いずれにいたしましても無計画なまま新しい——新しいというか、どんどん開発されていく波が、奪い合いされるという状態になるということはあまり好ましい傾向じゃないのでありまして、また、事実の上に立って引きずられて、その結果として、あとでその部分を既成事実として次の計画を立てていく、こういうふうなこともまたけっこうでない電波行政の方向だろうと思うのでありまして、そういうふうな点はひとつ大臣、新しい感覚でやってもらいたい。さっき前例ということもございましたけれども、あまりいい前例じゃないのですから、まあ直観的にいいと思ったことはどんどんやる、こういう身がまえでひとつお願いしたいと思うのです。御期待申し上げたいと思うのです。
○井出国務大臣 筋論としては、八百板さんおっしゃるとおりだと思います。その辺を今後十分気をつけたいと思います。
○八百板委員 筋を立てる大臣の態度に、大いに期待を申し上げるわけであります。 この間の総選挙で、候補者の政見放送を初めてやりまして、先ほど同僚議員からもこの問題について質問がございましたから、まあ私もその放送を利用さしていただいた候補者の一人として一言だけ申し上げておきますが、候補者としての私が見ました限りにおいて、このテレビの活用というものは、第一回のものとしてはたいへん成功だったというふうに私は評価をいたしております。これは私だけという意味ではなくて、全体としてそういうふうに私は評価をいたしております。それから四分三十秒という時間は、準備をしたり原稿を書いたりやるほう、候補者であった私のほうから見ると、これはとても短くて困ったという実感でございまして、実際そうでありました。短過ぎると思いましたが、たまたま人の話を聞いてみますと、早く終わらないかと思うせいかどうか知りませんが、とにかくかなり長いという感じがいたしまして、やはり聞く身になってみると、大体あの辺のところがまあまあというところじゃないかなという感じがいたしましたわけであります。 したがいまして、このテレビ放送の結果についての私の希望を申し上げますと、まあ四分三十秒が一分や二分延びるという可能性があるならそのほうがいいでしょうけれども、やはり回数をもうちょっとふやしていただくというふうな方向が望ましいんではないか、時間を長くするよりも、できるなら回数をいまの倍ぐらいにするという方向が効果的ではないかという一つの感じをいたしました。これは私の、放送をやっていただきましたお礼と感想であります。 なお、これに関連しまして、NHKの会長として何か気づいた、改善すべき点などもしございましたら、いままでの話でもけっこうなんですが、特にございましたら承りたいと思います。特になければけっこうです。
○前田参考人 はなはだ虚心たんかいで御迷惑をかけるかもしれませんが、長さについては私も八百板先生と同じような感じ方を持っております。 特別の感じ方はございませんが、私どもが実施した選挙放送の世論調査は、全国的に歓迎されている。そして、全国平均でも六〇%以上の人がやはりあれを聞いて投票している。地域によっては七〇%をこえているという実績が出ておりますので、私はやはりこれは大事にしていかなければならぬ問題だというように考えております。
○八百板委員 それで、NHKの予算との関連において、この問題をちょっとお伺いしたいと思うのであります。 国際放送と選挙の放送についてのお金は政府からもらう、こういう形で、これを予算の中で交付金として収入項目の中に入れてあるようでございます。これは実は不勉強で申しわけないのだけれども、郵政省のほうではこれはとういう名目で——郵政省の予算ではなくて、自治省関係の予算として出ているのでしょうね、おそらく。だと思うのですが、これは私が聞くのはちょっと的はずれかもしらぬが、ただ問題として私、申し上げたい点は、これをNHKの収入予算の中に交付金として入れたという点が、私ちょっと取り上げたいのです。 交付金というものは、大体において上級団体が下級団体に対して金を渡すという形式の場合が多いのでありまして、NHKは、そういう上級団体としての政府から下級団体としての日本放送協会が交付金を受ける、こういう筋合いのものではないのではないか。政府はどういう名目で出しているか知りませんが、実質的には、やはりNHKの国際放送にいたしましても選挙放送にいたしましても、ある意味では政府から頼まれたものだと思うのです。だとすれば、これは委託された——自治体なんかの場合には、御承知のように地方の委任事務がございまして、そしていろいろ交付金なんかの関係も起こってくるわけでございますけれども、この場合はちょっと違うので、それをあえて交付金という形で収入の中に入れる。しかも、収入というものは何もないのですからね。何もないといってはおかしいですけれども、受信料しかないのですから。あとは雑収入といったって、受信料の取り残りがあとで入ってくるのが雑収入に入るかもしらぬし、まあ大きくいって受信料しかないのでありますから。そこに大きな項目として交付金というものが入ってきている、たとえ金額は少なくても。ということは、NHKの性格上ちょっと考えてみるべき問題ではないか。何か交付金というと上納金に対する——交付金の対のことばはどういうことばか知りませんけれども、何か下から出す金と上から出す金、こういうふうな印象があるのです。 先ほどもちょっと話が出たようですけれども、国際放送と選挙の放送にどのくらいのお金がかかって、どのくらいもらっておるのか、それを実費弁済というふうな形には出せないので、交付金として出さなければならぬというような関連がその辺にあるのかどうか、この辺のところ、これは会長さんからのほうがいいと思うのですが……。
○前田参考人 御趣旨は、私も根本的には同感でございます。交付金という呼び方は、おそらくこれは実に長い歴史の中でそういう呼び方がきまっていると思います。私は、現在国語審議会の会長もしているわけですが、そういうことば全体の問題については、また別の分野で検討することになると思いますが、私どもの受け取り方は、海外放送につきましては放送法に従って、しかも、三十四年の放送法の一部改正によって、国際放送もNHKの本来業務ということに大筋が変わっております。ただその中で、一部政府の命令によって行なう放送があるわけで、その政府の命令によって行なう部分についての、まあ私どもの受け取り方は、実費補償という考え方を持っております。それから、選挙放送も主務官庁としては自治省でございますが、これは公職選挙法に基づく行為をNHKが行なうという意味で、その限界においても、用語は同じことばでございますけれども、NHKがその業務を行なうにあたって、公職選挙法が規定している範囲の仕事は、本来の業務プラスアルファになるという考え方で、私どもはその点の実費もちょうだいするという意味で、二種類それぞれ性格が違いますし、根拠になる法律も違いますけれども、私どもの受け取り方としてはそのような気持ちで、これは当然聴視者のためにも取るべき金であるという気持ちでいただいております。 用語そのものについては、今後のいろいろな社会感覚の発展によって、自然に是正せられる機会もあり得るかというように、私としてはひそかに考えているわけでございます。
○八百板委員 先ほど大臣は、筋を重んずるお話をされましたけれども、大臣、これは筋として、放送協会に対するそういう実費弁償的なものを交付金という形で出すというのは、ちょっと筋がおかしいんじゃないかと思うのですが、その辺のところどうお考えになりますか。ただ名前だけだと言うけれども、やはり性格上かなり重要な問題だと私は思うのです。
○井出国務大臣 また筋論になってまいりましたが、交付金という呼び方が、八百板先生はあまりふさわしくないとおっしゃる、前田会長はこれは歴史があると、こういうふうに言われるのですが、いまここで決着をつけるわけにもいくまいと思いますので、これはひとつ法制局あたりに聞いてみたり、研究題目にさせていただきたい、かように思います。
○八百板委員 法制局あたりの意見なんか聞いてもそう足しにならないと思うのですが、やはり国民のNHKですから、国民的感覚において取り上げるべきものだろうと私は思います。会長は、私は国語審議会のメンバーであるというお話がございましたが、NHKの性格上やはりことばとか表現というようなものはニュアンスを非常に大事にして使っていただきたいと思うのでありまして、そういう意味で、NHKのわずか二つか三つしかない収入の中に交付金なんという名前で、金額はともかくとしてどかっと出てくるということは、やはりNHKの基本性格に関する非常に重大な問題でありまして、こういう問題は、それがあたりまえだというような考えになりますと、そういうところからも性格上のくずれというものがあり得ないとは保証し得ないのでありまして、そういう意味で、大臣も研究するということでございますが、すなおに弁償という意味合いにこれを改めるという方向で御検討願いたいと思います。 それから、NHKのほかの予算の中でも使っておりますことばの中で、ほかの外郭団体に対する助成金とか補助金とか出しておりますが、それにも、やはりある団体に対する予算の中では、たしか受託交付金というふうな名前を使っておる団体があるようであります。まあ受託とくっつけば、幾らかちょっとしたやわらかみは出てくるかと思うのでありますが、ただ交付金とぽかりと出ますと、いま申し上げましたような点がちょっと私、気になる点でございますので、これは取り上げましたわけであります。 私、申しわけないのですけれども、テレビというのはあまり好きじゃございませんで、あまり見ないのですが、見る場合には、どちらかというとNHKをよけいに見るわけでありまして、そういう意味でNHKを、何と申しましょうか、よけい見る層になっておるわけであります。おそらくNHKでもいろいろな調査があると思うのでありますが、私のうちなんかでは、どちらかというと、私がちょっとぶつかる場面では、たいていNHK以外の場面を出しております。そういう意味で、NHKを愛好する層というものがやはりそこにおのずからあるんじゃないかと思うんです。これは民放の調査なんかもあるでしょうけれども、NHKは大体どのくらいの年齢層が一番よけいに聞く、見る、こういうふうにいままでつかんでおられるでしょうか、ちょっと伺いたいと思うのです。
○川上参考人 番組の種類によりまして多少相違があるかと思いますが、ニュースにつきましては、やはり若い二十以上の青年、それからそれ以上の層が非常に多いかと思います。 それから教育番組につきましては、NHKがほとんどやっておるだけでございますので、たとえば、子供向けの番組あるいは幼児向けの番組、こういうようなものは、そういう層に非常に多く見られておる。それから、同じ教育番組の中でも教養的なものは、これは層がかなり広がっておりますが、やはり会社とかあるいは官庁とかのサラリーマンの中堅以上の方々に、たとえば、教育テレビの教養特集というものは非常に見ていただいていると思います。それから、そのほかに教育番組としては、特殊対象としての再教育的な番組を放送いたしております。たとえば、英語会話とかそういう一連の語学関係、あるいは職場に入った人の再教育としてのコンピューター講座、そういうようなものは、それぞれねらいました層に応じてほほ目的を達しておると思います。 ただ娯楽番組につきましては、NHKはできるだけ健全なということを考えておりますので、必ずしも都会の、何と申しますか、ヒッピー族というと失礼かもわかりませんけれども、非常にモダンを好むいまの若い層には、あるいは多少敬遠されておるところもあろうかと思いますけれども、しかし、私たちはやはり次代をになう国民という意味において、若い層にも健全な意味においての娯楽を提供したいという意味で、目下その方面に対する開拓をはかっておりますので、それらの点を決して無視しているわけではございません。 そういうような意味で、番組の種類によりまして、幾つかの対象があるということを御了承をいただきたいと思います。
○八百板委員 人口層もございますし、番組によって見る層も違ってくるとか、いろいろございますでしょうが、いずれにいたしましても、かなり若い層に移っているということは明らかだと思うのであります。 その場合に、NHKの根本的な意思決定機関としての経営委員が、少し年をとり過ぎている人が多いんじゃないかという感じがするんですが、これは、いまの経営委員は平均年齢何歳ぐらいでしょうか。大臣、郵政省のほうでおわかりでしたらひとつ……。
○井出国務大臣 経営委員というものは非常に重大な職責を持っておりますから、分別をよく備えた御年配者になるのはやむを得ないと思います。しかし、平均年齢が幾らかというのは、ちょっといま資料を持ち合わせておりません。
○八百板委員 別に年をとったからといって、意地悪の批判をするわけではないのでございます。そういうことになると、私のほうもだんだんかかってまいりますから、年齢をどうこうと言うわけではございませんが、やはり国民の相当層が若い層になっておるということ、それからテレビを見る層もかなり若いということ、もちろん特殊な教育、教養、そういうものに一つの指導性を持ったNHKの方向性というものがおのずからあるでしょうから、そういう意味では、老練なる経験者がおるということがいけないということではありませんが、やはり若い者の意見も直接に反映するようなくふうがあったほうがいいんじゃないかと思うのです。有名人だから国民を代表するということにはならないと思うのでありまして、また、年が若いから新しい時代を代表するとも言い切れない面があるかもしれませんけれども、やはり幾らかはあると思うのでありまして、これは今後の問題ですけれども、大臣、この機会に御意見をひとつ述べておいていただきたいと思うのであります。
○井出国務大臣 テレビを愛好する層が若い面に多かろう、しかも、影響を顕著に受けるのもそういう若い層であろう、これは私、同感でございます。したがいまして、いまの御所見は速記にもとどまることでございますから、十分今後の参考資料にいたしたいと考えておるわけであります。 なお、NHKは法律に基づいて世論調査なども行なわなければならないという仕組みになっておりますから、そういう方式を通じて世論をくみ取るということも、おそらく心がけておられるというふうに考えておるのでございますが、御意見のほどは十分に尊重をいたすつもりでございます。
○八百板委員 経営委員のもとに監事を三名置いて、事務局をつけたというのが現状でございますが、監事の常勤というのは何人おられて、また、事務局の事務職員はどのくらいの人が何人おられるか、これはちょっとNHKのほうからお聞かせ願いたいと思うのです。
○前田参考人 現行監事は三名おります。これは経営委員会の直接任命でありまして、その三名のうち一人が常勤でございます。この監事には監事事務局がございますが、この事務局の局長は、局長の一番エキスパートの、非常に経験豊かな人が局長に任命されております。その下に三名の技術、あるいは経営、あるいは番組、部長級の主任がおるわけでございます。 元来、放送法上の精神からいいますと、私ども執行機関が経営委員会の事務局であり、同時に、われわれも監査機構を自主的に幾つか持っているわけでありますので、そういう意味では、私どもの考え方としては、きわめて端的に申しますと、膨大な二重機構を持つということについては、経営委員会の御意向としても、また経営委員会によって任命されたわれわれ執行機関としても一つの疑義がございますので、監事事務局は、ただいま申し上げたようにきわめて簡素化されたものでありますけれども、資料等の収集については、われわれ執行事務局が万全の御協力を申し上げるという方式になっております。
○八百板委員 監事が常勤一人で、事務局員数名ということで、内部の人事に局長のたんのうな方がということでございますが、そうなりますと、これは会長の直接のスタッフとしての監査ですか監事ですか、名前は監査室ですか、というのと、おっしゃるように二重の同じものになってしまうのでありまして、これは、経営委員会というものが執行者たる会長はじめ理事の執行に対して意思決定のいわば立案、そういう経営委員会として独自の立場から、やや第三者的な立場を幾らか加味した意味合いにおいて監事機能を果たさせるというところに意味があったのではないか、こんなふうに常識上思われるわけでありますが、それが、人事的にも内部のすぐれた者をそこに出す、こういうことになりますと、結局これは同じものになってしまうわけでありまして、二重の機構である意味では機能しない、こういうことにもなるのではないかと思うのであります。 〔加藤(常)委員長代理退席、委員長着席〕 そういうことになりますと、NHKが国民のものであり、公共性の強いものであり——やはりこれだけの大企業、一千億の企業ということになりますと、普通の営利企業でありますならば、その結果が必ずそろばんの上にあらわれてまいりまして、まずければつぶれるということになるし、借金がふえるということになるのでしょうが、そういうふうないわゆる経済原則の作用しない一つの機関でございますから、そういう意味合いにおいて、国民のものであるからには何かここに——なるほど世論調査を義務づけられて、世論の声に耳を傾ける、こう申しましても、そこに第三者的な別の監督というと大げさだけれども、何かこれを見る一つのものがあったほうがいいのではないかという感じがいたすのであります。これはもちろん一つの感じ程度のものでありまして、確たる構想を持ってお話し申し上げているわけではないのでありますが、そういう点について何か考える必要があるかないか、これはNHKというよりも大臣として、ひとつその辺のお考えをお述べいただきたいと思うのであります。
○井出国務大臣 経営委員会が非常に大きな権限を持っておりますことは、ただいま御指摘のとおりであり、特に会長と監事は経営委員会の任命でございますから、これはたてまえ論としては、NHKの経理その他を監査、監督をする機能は十分に満たされておると思うのであります。 いま御指摘の面は、たとえば事務局等に、NHKでずっと育ったような人が配属されておって、何かその辺がごっちゃになっているのではないかという御懸念だろうと思いますが、これは、行政府と立法府がさい然と区分をされておるというような場合とは確かに違うと思いますが、それにしても大体大かたの団体等を見ましても、理事と監事がそれぞれ別な形で選び出されるというたてまえはとっておりまするし、本日のような、その上に国会という最高の機関が、予算その他を十分に御審議いただくという仕組みにも相なっておるのでございますから、当面はこれでいいのではないか、かように考えております。
○八百板委員 形の上では、機械的に考えればそういうことになっておるのでありまするが、しかし、国会といっても専門常任委員の私がこの程度にしかわからないという状態でありますから、とてもとても一千億の企業の実態なり業務の内容について、適切な判断や意見を出せるという状態では現実にないのでありまして、そういう点が、だからどうだというわけではございませんが、やはり一つの問題として、少なくともそれが機構的にできない、やるべきでないというのであるならば、監事の機能をアクセサリー的なものでなくて、もっと独立した一つの機能を果たせるような方向をくふうすべきではないかという気がいたすわけであります。 それから、話が飛んでまいりますが、NHKのいろいろな機械化やくふうによりまして、当然にその生産性が向上いたしてまいるわけであります。一般論としては、生産性の向上の結果は料金を安くするという形であらわれなければならない筋合いのものだろうと思うのであります。しかし、現実にはこの節人件費は上がる、物価は上がる、とてもとても下げるどころじゃなくて、ますます上げていかなければまかなっていけない、こういうふうなのがおそらくどの団体の場合も実態だろうと思うのであります。 ところが、そういうふうな問題を考えながらNHKの経理をしろうとなりに見てまいりますというと、何かその辺のところがなかなかわからないのであります。たとえば、建設計画をいたすにいたしましても、本来大規模な建設というようなものは、もちろん受信料の中から支払われるという筋合いのものではなかろうと思うのであります。受信料が何であろうかという問題も、いろいろあろうと思います。ある意味では対価だといい、ある意味では負担だといい、いろいろあるようでありますけれども、いずれにいたしましても受信料というものは、刻々に発展していく新たなる建設をやらなければならないNHKという一つの企業の、その建設の費用を受信料でまかなっていくという筋合いのものではちょっとないのではないか、こういうふうに私は思うのであります。 そういうふうな点は、私も結論を持っている話ではございませんので、いろいろかじりかけの話になって恐縮なんでございますが、たとえば、コストというふうな考え方からしましても、この経理の中からはコンピューターを入れたりして、人件費の上に労力を省く面がたくさんあらわれておるでありましょう。といっても、NHKの事業の中には人間の働く面が非常に多いわけであります。やはり一つのものをつくってこれを送り届けるという事業でありますから、そのつくる面では機械器材の費用、そういう物財的な費用と、それから現実に働く人間の働き、あるいはそれを提供する演出者、芸能人なり、あるいはそれぞれの協力者の働き、そういうようなものもやはりわかるような経理になっておりませんことには、人間の働きに対する支払いというものはそう下げるわけにいかないのでありますが、ほかのほうは企業の努力や合理化によってかなり下げていくことができるのだろうと思うのでありまして、そういうふうな関係がちょっとわからない。たとえば、出演者に対してどのくらいのお金がNHK全体としては払われておるのであろうかという問題は、しろうととしてこれはだれでもすぐ頭に浮かんでくる事柄であります。 ところが、そういうふうな問題は、どうも予算経理の中ではちょっとわからないのでありますし、一面においては、NHKは固定した料金みたいなものが国会の予算承認によってきめられて、そして刻々上がっていく物価の上昇や、いろいろな費用がかさばっていくことに追いついていけないという一面はあるだろうと思うのであります。そういう意味では、きまった収入の中からそういう物価上昇や人件費の高まりなどにこたえるような弾力を、一体どこにつくっておいたらいいか。予備費ではとてもまかなっていけない。いろいろな問題があるだろうと思うのでありまして、そういうふうな面もあるわけでありますが、またそういうふうな面が認められますと同時に、企業の近代化、合理化によってどれだけのコストダウンをはかったかというふうな面も、あわせてわかるようなものでなければ、何かこうわからないという感じがいたすのであります。そういうふうな点について、これは会長から明確なお答えをいただくというものではございませんが、そういうふうな点どんなふうに気を配っておられるか、その辺ひとつ会長のお答えをいただきたい、こういうふうに考えます。
○前田参考人 経営機構、経営の内容について、どうもわからないというお考えについては、私は、必ずしもわかるはずであるとは申し上げる気持ちはございません。しかし、放送法によりますと、経営委員会というものは基本的政策を議決するところであります。この経営委員会が会長を任命しまして、放送法上その議決した基本計画の実施について、一切の全権をゆだねることになっております。したがって、日本放送協会を代表するものは会長でありまして、経営委員長ではございません。同時に、経営委員会は直接監事を任命いたしますが、監事の主たる業務は、会長以下理事の職務の執行を監査するということに明文上はっきりでき上がっております。 経営委員会はなぜできたかという点につきましては、法律の条文だけでは御理解いただきかねるかと思いますが、経営委員会をつくった法の源泉となるべき考え方は、NHKは国民の機関であり、したがって、聴視者の代表者が会議形態をとって、そして執行機関が提出する基本計画その他の計画を、必要に応じて議決して意思決定をするというものでございます。会計上の面については、NHKは放送法に基づく一種独得の法人でございますが、同時に国会でこれを審議するというたえまえに基づいて、郵政大臣は意見を付してNHKの予算と事業計画を国会に提出する。したがって、これはおそらく閣議でも承認されて提出されるわけでありますが、これは、純粋に法解釈をいたしますと手続上の問題でございます。NHKは直接国会に何らの関係を持っておりません。しかし、NHKの予算が国会で審議されるためには、国会に到着する手段についての一つの原則がなければなりません。そういう意味で、この放送法はそういうコースを法定いたしております。同時に、これと関連して、国民の聴視料というたてまえから、その使途については会計検査院がこれを検査するということになっているわけでございます。 ただ、ここ十数年の私の経験と感じ方を申し上げますと、そういうはっきりした筋が通っている制度でございますが、第三者あるいは外観のフィーリングからいえば、NHKは独善ではないかという潜在的意識が、ことにここ十年来充満しておりまして、NHKはでたらめをやっているのではないかという意味で、経営委員会の法的性格は、放送法に規定されているままではなくなってきている。したがって、同時に経営委員会が任命する監事の職務についても、実質上国会等の御審議によって根本的に変わりつつある。ただいま御質問の中にもありましたように、事務局をつくるべしという御意見も、実は先生ばかりでなく、その事務局は第三者的なものでなければならないという御意見は、ここ十年来出ております。私はこれに対して、別にそれを拒否する考え方は毛頭持っておりません。 ただ、私がNHKの会長であるから申し上げるわけではありませんが、現在の放送法がそういう意味で全く骨抜きだとお考えになるならば、むしろ放送法の改正案をお考えいただきたいというように私は感ずるものでございます。同時に、経営委員会は会長を罷免することもできるわけでありますから、経営委員会が任命した監事の職務監査によって、会長がこれにふさわしくないとすれば、これは別に私自身の個人的な問題でなくて、制度としてはいつでも、疑問があれば会長を罷免できることにもなっております。そういうように放送法というのはかなり厳格、緻密に、基本的協会運営のあらゆる部門にわたっての責任体系、事業の運営方法というものを規定しているわけであります。 予算案につきましても、予算書の作成は、この放送法とその付属諸規定、これを運用される当局である郵政省の諸規定に基づく形式に従ってこれを提出しております。したがいまして、この形式的に提出された数字の羅列をもってのみでは御理解がいかないという場合には、御質問に答えて詳細に御説明申し上げることができるわけでございます。したがいまして、御疑問のある点は、詳細な御質問に対して詳細に御説明申し上げるという準備を私どもは整えております。 さらに、一般的に申しまして、かつて放送というものが言論、報道の機関であるかどうかということについては、ごく最近まで論ぜられたことがございません。しかし、放送法の中身は、放送の主たる骨格は、明らかに言論、報道の機関であるということで、表現の自由及び言論の自由をその前提としてつくっており、また、ニュースその他番組の編集について基本方針を示している点で、明らかに放送は言論、報道の機関であるということにもなるわけかと私は解釈いたしております。 こういう解釈から申しまして、政府が資金を出して運営しておられる各種公共団体と同じように理解されることに、私はむしろ疑問を感ずるものでございます。たとえば、国鉄とかあるいは電電公社等は、その資金の大部分は国家予算から支出されております。私どもが国家とまた国民に対して責任を感じなければならないという点は、実は放送事業の中では、ただ一つ聴視料を取ってもいいということを与えられているという点の違いでございます。 同時に、先ほど建設費については、聴視料から払わぬでもいいではないかというお話でございますが、単年度予算においてはお説のとおりであります。現実の聴視者に対して、将来の施設の負担をその単年度において負担させることの可否は御議論のとおりであります。したがって、建設費のたてまえはこれを外部資金にたよる、そのために経済の消長を勘案しながら、この放送法は、特にNHKに対しては放送債券の発行を認めております。その点についても、私は、基本的に八百板先生に反論する気持ちはございません。しかし、おそかれ早かれこの借金は返さなければならないものであります、何年後にせよ。たとえば放送債券は、現在七年据え置きになっており、八年目から返すことになっておりますが、この返す資金は、これは明らかに聴視料から出てくるということはお認めいただけると思います。かりに借金が幾らできても、年度は別として、最終的にはNHKが聴視料から返すものであるということは否定できないと思います。なぜかといえば、収入は聴視料以外にないからであります。 そういう意味で、個々の問題についていろいろ御意見があると思いますが、しかし、御意見に対しては率直に耳を傾けるにやぶさかでないばかりでなく、耳を傾ける義務があるとさえ私は思っております。しかし、それにしても放送法のたてまえは、私としては、放送法上NHKの最高責任者であると規定されている限度において、私は放送法を守っていかなければならないという考え方も持っているわけでございます。 さらに、蛇足でございますが、経営委員の年齢——NHKの現在の平均年齢は、大体三十六歳に近づいてまいりました。私ども執行機関の平均年齢も、ほかの諸機関と比べますとわりあいに低いほうですが、やっぱり子供はおとなになりますし、若者は年寄りになりますから、だんだん平均年齢が上がってくることはやむを得ないと思います。しかし、この平均年齢と感覚という問題はまた別の問題でありまして、この感覚を補う方法として、私どもは、局内の人事異動においてもその方針を明らかにしておりますが、聴視者との関係においては、一年三百回をこえる各地における聴視者の懇談会というものを実施してまいっております。これは、学生から百貨店のセールスお嬢さんから、あるいは銀行の中堅幹部から、あるいはその土地の財界、労働界の巨頭に至るまで、平均三十数名を御委嘱して、全国的に懇談会を開いて今日に至ってきております。この意味で私は、商業放送の実情は全く存じ上げませんが、NHKは番組の制作にあたっても全国民的見地に立って、年齢のいかんを問わず、やはりその年齢の人々にこたえ得る番組、またはその年齢の人々に役立ち得る番組を制作していくべきであるという考え方を持っているわけでございます。 大体、以上のような点でございますが、最後に出演料の問題につきましては、御検討いただいております、御審議をお願い申し上げました事業計画並びに収支予算書の中で、放送費の項において御質問があれば、いかなる御質問にもお答え申し上げる準備ができております。 以上でございます。
○八百板委員 NHKが他人資本に依存しないで、自主独立の立場をとって報道の自由を守っていくという点は、非常に重要な点でありまして、この特性を強調するという点では、私も人後に落ちない気持ちでおります。私が気にいたしておりまする点は、疑問があるというのではなくて、予算などもだれにもわかるようなくふうと解説の努力が足りないのではないか、こういう意味合いであります。 一般的に申しまして、予算とか決算とか経理というものは、これはNHKを言うのではございませんが、一般的にわかりにくくするというのが特徴であります。いわゆる支配者的な立場からわからないようにして、言ってみれば煙に巻くような形でえてして経理、予算というふうなものは出しがちな傾向が一般的にあるのであります。そういうふうなよくない特徴と申しましょうか、傾向というものが現にわれわれの身辺にあるという、こういう場合には、NHKは表現を根本にする企業でありますから、ことばも文字もすぐにわかる、こういうたてまえに立った努力を目標にすべきではないか、そういう点がやや足りないのではないかという点を私は指摘をいたしたいのであります。 たとえば、NHKの経理くらい簡単なものはないのでありまして、入る金は一本、あとはほんのわずかしか入らないのでありまするから、入る金はどう使って、これだけ余って、これをどこにどういうふうに回した、こういうふうなことになるわけでありまするから、言ってみればばっと見て三分か五分でも、ははあなるほどこうなっているのだなということをのみ込んで、その上でもし詳しく見たければ詳しく資料や何も検討する、こういうふうな筋合いにいくのが望ましい経理の状態ではなかろうか。そういう意味で、会長言われるように、放送法やいろんな規制を受けて条件を備えた経理方式をとらなくちゃいかぬということは、まさにそのとおりでございまして、だからといって、何かわからないような形になっている場合には、わからせるような親切がわれわれとしては望ましい、こういう意味合いであります。 私がわからないのは、私が知識が足りないからわからないのである、確かにそのとおりであります。私は経理の専門家でもないし、会計の基礎知識を備えたものでもない。しかしながら、先ほども申し上げますように、国民のNHKは、やはりその程度のものでも、短い時間にわかるというような親切な解説と解明を努力するという、そういう立場がNHKの大事な立場ではないか、こういうふうな点を私は言いたいわけであります。 今度の予算にいたしましても、私は、申しわけないけれども、丁寧に幾らか努力して見ましたのは今回が初めてでありまして、このとおりたくさんの付せんがついております。ずいぶん気をつけて見ました。見ましたけれども、しろうとの悲しさに、ああなるほどこうなっているのだなというのみ込みがなかなかできないのであります。私ができないということは、私の会計や経理上の無能を表明するものでもありまするが、しかしやはり、繰り返すように、経理や会計についての理解水準というものは、大体において私ぐらいのものが国民の中には多いのだということをまず頭に置いて、そういう意味で、すぐにわかるようなそういう親切なあれがあったほうが、このNHKの、国民のNHKとしての発展の上に望ましいのではないか、こういうふうに考えるのであります。 では、私だけわからないのかと思って、実は私は専門の公認会計士にも、私のいただきました資料を全部提供いたしまして検討してもらいました。ところが、いろいろな意見は出ましたけれども、結論としては、わからないという結論でありました。これは、わからないといってもいろいろな意味があるでしょうけれども、ある意味では、われわれ専門家としてこれを検討するには、少なくともこれだけの企業であったならば二百日はかかる、国会議員が三日や四日で、膨大な資料や計画を出されてそれがわかるはずがない、こういうことにもなるだろうと思うのでありますが、しかし、私は何もそういうものを、NHKの経理をつぶさに、ここがああでここがどうだということを理解しようとは思いません。そんな努力をわれわれはすべきものではないと思う。もっとやらなければならないものがわれわれにはたくさんあると思うのです。だから、私はそんなこまかい、経理をどうこうというような考えは毛頭ございませんが、大まかに、とにかくこれはこうなってああなって、こういうふうにこう流れているのだ、そしてこういう傾向を持っているのだなというふうな、そういう理解をする程度で大まかな方針を審議し合う、話し合うというのが、国会議員の私どもの立場だろうと思うのでありまして、こまかい具体的な点は、会長を中心にNHKの責任においてこれを執行し、やるべきであって、こまかいところまでわれわれはどうこうなんということは考えておらないわけであります。 要は、繰り返すようでございますけれども、ぱっとわかるというふうなそういう配慮を、表現のNHKであるならばやはり気を使ってもらえないだろうか、こういうことを申し上げておるわけであります。何ものにも拘束されないで、支配されないで、新聞ならば広告主の支配を受けがちである、あるいは資本の支配を受ける、あるいはいろいろと泣かなければならぬ面が、それぞれの報道機関の中にもないとはいえないわけでありますが、そういう意味合いにおいては、NHKがそういう拘束を受けずに、独立の支配されない立場で報道の自由を守っていけるということは、これは報道機関として非常に貴重な特殊性でありまして、この独自性を持っているということ、自主性を持っているということは、非常に貴重なものだろうと思います。 しかし、この独立性、独得な特殊性というものがあるといっても、これはもちろん公共性を持ったものでありまするから、当然にそこには、言うまでもなく、一つの特殊性、何ものの支配も受けないという立場を強調いたしますると同時に、そこに当然にうらはらのものとして、みずから律する自律性が伴っていくべき筋合いのものだろうと思うのであります。 そういう意味合いにおきまして、いろいろ批判があるといたしましても、これに対してNHKの特殊性というふうなものをたてにして振り回すということにはならぬかもしれませんが、その特殊性というものを主張して、それによってこれをのがれるというような立場があってはならないと思うのでありまして、そういうふうな点は、会長を中心に十分にりっぱなNHKの運営を行なわれておるとわれわれは信じて疑わないわけでありますけれども、そういう点が、やはり常に繰り返して考えていかなければならない点だろう、私はそういうふうに思うのであります。特殊な自主的なワクの中に安住、といってはなんでありまするけれども、いたしますと、そこにはやはり一つの、いい意味では特色でありますけれども、悪い意味では、一つのにおいというものも出てくるだろうと思います。 NHKの現状の持っておりまするカラーと申しましょうか、においというものを、私はよくないと言うわけではございませんが、たとえばテレビの場面を、チャンネルをばっとひねっただけでも、何秒か聞きますと、ああこれはNHKだなということはわかります。私でもわかるんだから、もちろん専門家もわかるんだろうと思うのでありますが、そういうふうに、やはりNHKの特色というものが今日でき上がっております。それはよい面もある、悪い面も伴うものでございまするから、そういうふうな点はやはり会長を中心に、NHK自身の努力によってその特色をよいものにしていくという、そういう立場が非常に重要だろうと思うのであります。 余談になりますけれども、われわれも長く国会におりますと、議員の歩くかっこうを見て、あるいは話しっぷりを見て、最近よくいわれます派閥というもの、あれは何の系統だということがわかります。そういうふうに一つの色合いというものが何とはなしに出るものでありまして、たとえばNHKの解説とか、あるいはアナウンスとか、いろいろなのを聞きましても、そこに何かしら一つの共通性というものを私は感ずるわけでありまして、何かあの表情、あの顔はだれかに似ているなと思うと、その先輩のアナウンスのよいところというよりも、悪いくせをまねるような表情のゆがみや何かを顔の動かし方の中に感じ取るような場合があるわけでございまして、先輩のいいところを学んでいく、と同時に、やっているうちには当然に先輩の悪いくせもうつってくる。こういうことになるのは当然でありまして、そういうふうな意味合いにおいて、われわれ議員の仲間がやはり一つのくせや歩くかっこうまで、派閥の中で似てくるというようなものでありまして、そういうような点をやはり一つの——われわれの場合は党なり派でありますけれども、そういうところにNHKをなぞらえるわけではございませんが、やはりNHKという一つの特色があるという座におりますと、その特色は、同時に一つの悪い意味では、くせとかにおいとかいうふうなものになっていく面があるだろうと思うのでありまして、そういう意味で、世論に聞くということもちろんでございますけれども、広い意味の運営管理に、会長は配慮をしていただくことが望ましいように考えられるのであります。 あるとき、ちらっとNHKの番組をいつかの機会に見ましたところ、だれかがちょっと悪ふざけをいたしましたところが、仲間が、「殿中であるぞ」と言ったことを私ちょっと耳にいたしましたけれども、演出者の間にもやはりそういう、NHKというものは殿中であるというふうな、何か一つのものを感じておることは言い得ると思うのでありまして、それがよいとか悪いとかいうことを私は言っているのではないのでありまして、国民のNHKであるからには、なるたけ広い、ワクをつくらない、隔てをつくらない、そういうなだらかな国民的な解け合いの中にNHKが伸びていく、こういう方向がNHKの方向として望ましいのではないかというふうなことを私、考えるわけであります。 会長のお話しにも、理事、監事、いろいろ機構的な点もございましたけれども、機構的な点もさることながら、私の言いたいのは実態でございまして、先ほども申し上げましたように会計検査院も検査する、あるいは監事も見る、あるいは国会も見るといったところで、とてもとてもそれは業務上のことを見るわけにもいかず、経理上の問題を見るわけにもいかず、まあ大まかな点でああだこうだと、ときに批判をしたり意見を述べたりするという程度のことで、それ以上のものにはならないだろうと思うのでありまして、やはり要は、会長中心のNHKのそういう幅広い努力に期待する点が一番重要な点ではないか、こんなふうに私は考えております。 いろいろお尋ねしたい点もたくさん用意をいたしてまいりましたが、時間も来ておるようでございますから、以上私の意見も申し上げまして、ひとつよろしくお願いしたいと思います。 終わります。
○金子委員長 次回は明十二日午前十時二十分理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時八分散会