地方行政委員会 第27号
- 発言数
- 147 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1970/06/10
会議録
○菅委員長 これより会議を開きます。 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山口鶴男君。
○山口(鶴)委員 去る五月十二日開かれました地方行政委員会で、岡山県奈義町の自治体運営、議会運営のことが問題になりました。その後調査をして実情を報告していただきたいということになっておったと思います。自治省のほうから、この件に関して、その後の調査の結果を御報告いただきたいと思います。
○宮澤説明員 日本原の演習場問題に関します奈義町の議会の議決の状況を調査いたしました結果を御報告申し上げます。 奈義町におきましては四月の八日、九日、二日間議会を開催いたしております。これに付議されました案件は専決処分——予算でございますが、それの専決処分の報告をいたしまして承認を求めます案件、もう一つは、問題になっておりました日本原の演習場問題の処理についての案件、二件でございます。四月八日、まず、ただいま申し上げました第一の案件を上程いたしまして、審議、承認になっております。それから引き続きまして同日、日本原の演習場問題についての審議に入っております。さらに翌九日、もっぱらこの日本原の演習場問題の審議をいたしております。 そこで、過日、当委員会におきましても、議会の審議にあたって警察力を導入してやったのではないか、こういうお話がございました。それにつきまして調査をして御報告を申し上げるということをお約束いたしたわけでございますが、その辺の事情について申し上げますと、ただいま申し上げましたように、八日、九日、ともに日本原の演習場問題の議題について審議が行なわれております。八日は警察官は役場——議場は役場の中にございますが、役場に派遣されておりません。九日でございますが、傍聴者等が多数参りまして、地元民のほかの人たちも多数来ていたようでございますが、町当局といたしましては、庁舎警備のため万一のことがあってはいけないということで、町当局から警察署に警察官の警備の要請が出ております。それに従いまして警察署から警察官が五名、役場に出向いております。出向いておりますが、警察官は議場の中には入っておりません。議場外に待機をいたしております。結論といたしましては、多少いろいろ議論があったようでございますけれども、警察官が議場に入ることなく案件が議決された、こういう状況でございます。
○山口(鶴)委員 この点は、わが党の同僚議員が岡山に調査に参りまして、町長その他からあるいは地元民から当時の状況についていろいろお話を聞いておるわけでございまして、ただいまの報告と事実認定の相違の問題もあるようでありますが、その点はまた井岡委員のほうから具体的にお尋ねがあると思いますので、私のほうからはその件についてはこれ以上お尋ねすることは控えたいと思います。とにかく警備のためという事情はあったにいたしましても、警察官を待機させ、そういう中で、本来地方自治体としては、地方自治法の第二条によって住民の生命と安全を守ることがまず第一になされなければならない、そういうことになっておるにかかわらず、過般問題になりましたような宮内部落を中心とする住民の人たちの生命に大きな危害を加えられるというような点を放置することは、これは許せぬ行為だと思います。 そこで、次の問題をお尋ねしたいと思うのですが、建設省参っておりますか——来ておらなければ、それじゃあとで聞きましょう。 各地域で自治体の議会運営についていろいろ問題があるわけであります。私も五月十二日に群馬県議会の例についてお尋ねをいたしました。議員の提案いたしました議案に対して、当然可とするか否とするか明確な答えを出すのが、宮澤行政局長の御答弁によりましても、通常の運営であり、それが常識であろう、こう答えているわけであります。 ところが、その後またその群馬県議会で次のような問題が起きました。議員の発議については一名でもよいという会議規則だったのでありますが、これを賛成者三名、具体的に言えば、四名の賛同がなければ議案を提案できない、こういう形に修正をすることを強行いたしたのでありますが、私の県会は公明党さん一人、共産党さん一人おるので、こうなると、共産党並びに公明党の側では議案の発議ができなくなるということで、県会でいろいろ問題になりまして、社会党の場合は差しつかえないわけでありますが、しかし、少数党の発言を守ろうという意味から、わが党も反対をいたしました。そこで、そのこと自体、この会議規則を改正することは私は不当だと思うのですけれども、ただ、そのやりとりの中で野党側が議長不信任案を提案したわけです。私は議運をやっておりますが、国会の運営を考えましても、議長不信任、これは可決をすれば院の構成にかかわるわけであります。ですから、国会におきましても、議長不信任というのは先議案件であって、他の案件が事前に提案されておりましても、これはまず第一番に付議しなければならぬという形で運営をいたしております。副議長不信任案についても同様であります。地方自治法によりますと、議長の任期は、議員の任期によるということになっておりまして、県議会あるいは市議会で議長不信任案が成立いたしましても、議長が地方自治法をたてにとってがんばれば、これはやめぬでもいいというようなことになっております。これはやめぬでもいい、しかし、その場合、議長さんが良識に従って、議長不信任が通ったならば、辞職をするという場合も数多くあり得るわけですね。となりますと、県議会、市議会におきましても、これは議会の構成に関する問題であります。これは国会と同じように、先議案件として取り上げてくるのが当然だと思うのです。各議会でもそうやっております。ところが、群馬県議会は、そのような先議案件である議長不信任をこれまた議決不要という形で賛否を明らかにしない。行政局長の御答弁によれば、通常の議会運営では考えられない非常識なことをやったわけです。前の案件と議長不信任案とは私は違うと思うのです。議会の構成に関する議長不信任案について可とするか否とするかをきめないで、議決不要という扱いはまさにこれは違法だと思う。この点はいかがでしょうか。
○宮澤説明員 ただいまお示しの具体例でございますけれども、私も全部具体的な事情を知っているわけではございませんので、ただいま御質問になりました範囲でお答えを申し上げますが、御承知のように、これは国会でも同様かと思いますけれども、地方議会の運営につきましては、基本的な事項は地方自治法に定めてあるわけでございますが、基本的な事項以外につきましては、各地方議会が自主的にその運営をはかっていく、あるいは会議規則の形で、あるいはその他先例なり何なりを積み重ねて自主的な運営をはかっていく、こういうことになっているわけでございます。 そこで、ただいまの議長不信任の案件が、これが先議案件であるかないか、こういうお尋ねでございますけれども、私どものほうの従来からの解釈は、一定の事件が先議案件であるかないか、先議案件にするかどうかということは、もっぱら地方議会自身が決定をすべきことである、こういう解釈でいままで一貫をいたしてきているわけでございます。国会におきましては、なるほどただいまお示しのように、院の構成に関する問題ということで、先議案件の取り扱いをしておられるようでございます。これが先例であり、慣例だろうと思うのでございますけれども、地方議会につきましては、私どものほうの一貫した解釈は、何を先議案件にするか、先議案件であるかないかという判断自身議会にまかせていく、こういう解釈をとっているわけでございます。
○山口(鶴)委員 多くの議会もそうだろうと思いますが、私もかって所属しておりました群馬県議会でも、私がおりましたころは、いまのような解釈を、私が申し上げたような解釈をとっておった。先議案件として処理をいたしてまいりました。それが群馬県議会でも慣例だったわけであります。今回その慣例を破って、しかもただいま申し上げたような議決不要というような形で処理するということは、これは群馬県議会の慣例にもなかったことであります。そうなれば、問題じゃありませんか。
○宮澤説明員 群馬県議会の運営は山口委員のほうがよく御存じかもしれません。そういうものが慣例であったかどうかということは私は存じませんけれども、あるいは今度の議決にあたってそういう慣例なり先例なり、また違った先例をつくったのかもしれないわけでして、私どもはどうも具体的な、議会がどういう判断でそういうことをいたしたのかよく知悉をいたしておりませんものでございますから、はたして従前そういう慣例があったのかなかったのか、あるいはそういう慣例があったとして、その慣例を今度変えたとすれば、どういう理由であったのか、ちょっと私どもとしてはただいまここではお答えをいたしかねるわけでございます。
○山口(鶴)委員 だから、慣例があったとすればいかがかというふうに聞き直してもけっこうだと思います。とにかく議会の構成に関係する案件として、従来当該議会がそういう慣例で処理してきた先議案件であるかどうかということが問題でありますが、同時にそういった議会の構成に関することを議決しようとすることについては、前回私が指摘した案件を議決不要にした以上に問題じゃないかと思うのです。そのことについては一体どうなのか。前に局長は、当然可とするか否とするかをきめるのが常識的な議会運営であるというふうに答えておるわけでございまして、より以上今度のケースは問題じゃないかと思いますが、その点はどうですか。
○宮澤説明員 ただいまの件につきまして私どもも多少地元の様子は聞いておりますけれども、いまの不信任の案件は、その当日の議事日程にのせなかった、こういうふうに私どもは聞いておりますが、いま山口委員のお話でございますと、可とも否ともしないというような議決をしたのではないかという御質問でございましたけれども、私どもが多少聞いておりますところでは、当日の議事日程に結局のらなかった、こういう取り扱いになったというふうに聞いております。
○山口(鶴)委員 ですから、日程にのせないということは、可とも否ともしない議決の一つの形態ですよね。ですから、そういうことが適切かどうかということなんです。
○宮澤説明員 過日、御質問がありました件は、これは一応日程にのぼりまして、それで何か保留的な議決をしたように私は考えておりましたものでございますから、ちょっとその点で、ただいま御指摘の問題と過日の問題とは少し形が違うのじゃないか、こういうことを申し上げたわけでございます。 で、もう一度もとの問題に返るわけでございますけれども、結局いかなる案件をどういう順序で審議をしていくかということは、先ほども、私、申しましたように、地方議会自身の判断にまかしているわけでございますから、それが私どもは、いまとったような措置が違法な措置である、こういうふうには考えておりません。ただ、お示しのように、たとえば国会では院の構成に関することということで先議案件というふうにしているという事実などを考えますと、やはりそれは先議案件にすべきではないかという議論が出てくるのも私はこれはあり得るのじゃないか、こういうふうに考えております。
○山口(鶴)委員 どうも行政局長らしくなく歯切れが悪いのでありますが、国会だって与党多数なんです、三百おるのですからね。慣例を破った運営をすれば、強引に議運でやろうとすればできないことはない。ないけれども、しかし、国権の最高機関として、国会はそういうめちゃな議会運営はしないということで、従来までの院の構成に関する案件は先議案件だということで、ずっと処理しているわけですね。そういうことが私はやはり議会制民主主義というものを発展さしていく基本だと思うのです。ですから、地方議会だって同じじゃありませんか。従来そういうものは先議案件とするというルールが確立をしておった。おったにかかわらず、たまたまその議長を出している会派が多数だからといって、いままでのルールを無視して、そうして日程にものせないというような議決をして押し切るということは、私は、やはり地方議会もこれは当然議会制民主主義というものを守っていかなければならぬものなんですから、そういう点では問題じゃないか、こう思うのです。そういった意味ではお考えはどうですか。
○宮澤説明員 群馬県議会においてルールが確立をしていた、こういうお話でございますので、そういう前提でお答え申し上げますけれども、ルールが確立していたといたしますならば、今度はそのルールを変更いたした、それはどういう理由で変更したのか、その辺を私ども聞いてみる必要があると思いますけれども、しかし、一般的にはいままでのルールを特に変えるような格別な事情がなければ、やはりそういう取り扱いをしたこと自身は適当ではないという感じがいたします。
○山口(鶴)委員 それでは、建設省も来たようですから、お尋ねしたいと思いますが、どうも建設省は地方自治というものをあまり尊重されない。私の県で前々からダムの建設が問題になっています。一カ所じゃなくて数カ所問題になっておるわけですが、まず最初に聞きますが、群馬県内の八ツ場ダム、これは自治省さんお組みになったようですが、幾らの予算を組んだか。それから本庄ダム、跡倉ダム、山口ダムというのがあります。これは予備調査の段階だそうですが、幾らの調査費をお組みになっておられますか。また沼田ダムは一体どうですか。それを先にお答えをいただきます。
○川崎説明員 八ツ場ダムにつきましては、四十五年度五億程度計上いたしております。それからその他につきましては、岩本ダムをはじめといたしまして利根川水系全体の中でいろいろ予備調査をいたしておりますので、個々に必ずしも数字が明らかでございませんが、五、六千万円じゃないかと存じます。
○山口(鶴)委員 全部でですか。
○川崎説明員 はい、全部でございます。
○山口(鶴)委員 そういう形でいまこのダム計画を進めておられる。で、建設省は、これは経済企画庁が主管のようですが、利根川水系における水資源開発基本計画というものの原案をまとめて関係一都大県との最終調査の段階に入っておるそうであります。この点については建設省も当然事情は十分承知しておられると思いますが、いかがですか。
○川崎説明員 事務的な段階でいろいろと協議はいたしております。
○山口(鶴)委員 各県からの反応はどうですか。直ちにオーケーだという答えが入っておりますか。また水源県である群馬県等では一体どういう意向であるか、御存じですか。
○川崎説明員 経済企画庁のほうが主管をされておりますので、直接私どものほうでは個々の県の反響は聞いておりませんが、大体政府関係の各省は協議をいたしまして、ほぼ合意に達したというふうに聞いております。
○山口(鶴)委員 群馬県では以前から、水源地域開発促進法というような水源地域を開発する法案をつくるべきである、そうでなくて水源地域のみに犠牲を負わせるような現在の法体系では協力しがたいという趣旨を、知事がそれぞれの官庁に向かって発言し要望していることは、建設省も御存じだろうと思うのです。そういう意味で、もちろんこれは他の官庁とも関係する問題であって、建設省が直ちにどうということは言えないにしても、とにかく現状の法体系ではなかなか水源地域の住民また水源地域の自治体としても賛同しがたい状況があるということは、建設省も知っていると思います。具体的に八ツ場の場合は、当該の長野原町議会というのが数度にわたって絶対反対の議決をしているということも承知していると思うのですが、その点はどうですか。
○川崎説明員 群馬県からも、いろいろ八ツ場ダムにつきましては関連の地域開発の概要と申しますか、そういったものが提示されているのはよく承知いたしております。なお、一般的に水源地域の開発を当然行なうべきだということで、全国の知事会からも御要望がございました。ただ、この点は先生ただいまお話しのございましたように、ダムの事情その他もいろいろ多岐にわたっておりますし、それからそれぞれのダムの持っております目的とかその地域の特性というようなものも非常に千差万別でございますので、必ずしもそういったことが直ちに実現できるかどうかという点では今後相当検討の余地があろうかと思いますが、私どもといたしましては、個々のダムにつきましてそれぞれの事情を踏まえて、できるだけ地域の開発、そういったことを考慮して進めていきたい、そういうふうに思っております。
○山口(鶴)委員 建設省は昨年の八月七日だったと思いますが、土地収用法第十一条に基づく立ち入りの通告を群馬県にいたしましたね。そして群馬県はそれを認めて期間を一カ年という形で告示したと思いますが、そのとおりですね。
○川崎説明員 そのとおりでございます。
○山口(鶴)委員 そうしますと、一年の期限がぼつぼつ来るわけですね。この一年以内に建設省とすればあくまでも準備のための立ち入りを強行するつもりですか。地元の議会は絶対反対という議決をしている。住民の意向というものを尊重するならば、当然私は、一年の期間がやがて来る、強行する、というようなことは避けるべきだと思うのです。この点は一体どうでしょうか。
○川崎説明員 先生おっしゃいましたように、約一年になるわけでございますが、今後どうするかはまだ具体的にはきめておりませんが、やはり水資源開発といたしまして大事な事業でございますので、建設省とすれば、積極的に進めていく必要のある事業だ、こういうふうに思っております。ただ、いろいろトラブルがございますと、円滑な事業の進捗というわけにまいりませんので、なるべく話し合いの上で進めるということを基本的な方針として今後とも進めていきたいと思っております。
○山口(鶴)委員 そうしますと、地元の町当局あるいは町議会、住民という方々と話し合いをすることを原則にするのだ、一年の期間が切れるから、この際向こうが納得せぬでも強行するというようなことは避けるということですな。
○川崎説明員 一般にダム事業というのは、進める当初におきましては、いろいろこちらのほうの徹底といいますか、PRが非常に不十分でございましたり、住民の方の認識がいろいろ濃淡がございますので、当初におきましては問題がたくさんございますが、なるべくそういう方々に対しましていろいろ誠意を持って当たって徐々に解決をしていきたい、こういうふうに思っております。現在八ツ場ダムにつきましては、やはり一部には協力をしようという向きの方々もすでにございます。そういった方々の協力も得まして、できるだけトラブルのないところから基礎的な調査を始めていきたいというふうに考えております。
○山口(鶴)委員 自治省にお尋ねいたしましょう。 この地域は関係住民の七割五分が絶対反対をいたしております。町議会も十三対八で数回にわたって絶対反対の議決をしております。したがって、住民の意思、住民を代表する議会の意思というのは明確に出ているのですね。そういう自治体のいわば住民意思というものが明らかな場合に、自治省以外の官庁が住民の意思に反していろいろなことを進めるということについて、住民自治というものを守ろうとする自治省としてはいかなるお考えでおりますか。全般的な問題として、一般的な問題としてお尋ねしたいと思います。
○宮澤説明員 一般的な問題としてお答えを申し上げますならば、やはり私どもは地元住民の納得の上で問題を片づけてもらいたい。ダムの建設のようなことにつきましては、いろいろ利害が錯綜いたしますので、簡単に問題が進まないのかと思いますけれども、やはり説得と納得の過程を通じて問題が円満に解決するように私どもは期待をいたしておるわけでございます。
○山口(鶴)委員 行政局長から自治省としての一般的な考え方が述べられました。 大臣がおられますからお尋ねしたいのですが、各省それぞれ利害あるいは基本的な考え方の違う問題があると思いますが、そういうものを調整するのは閣議だと思います。閣議として取り扱うのは、具体的な案件について議論するのだろうと思いますが、しかし、いま行政局長の答弁がありましたような方針を自治省としては堅持すべきだと思うのです。したがって、一般的な問題として地方自治体それから地方住民、そういうものの意思を尊重して国は仕事をすべきである、これを強行して住民の意思を無視するというようなことは避けるべきだという趣旨のことは、やはり大臣として各省の大臣によくお話しをしていただく必要があると思うのですが、この点、自治大臣、いかがですか。
○秋田国務大臣 ただいまお話しのとおりだと思います。また建設省もその考え方であるように伺っておりますし、わが自治省もその考えでございますので、必要に応じましては閣議でそのことを申すつもりでございます。
○山口(鶴)委員 建設省は自治省ほどはっきり言わないのですよ。そこが問題なのですから、よく建設大臣にも言うておいていただきたいと思います。 時間もありませんから、次に文化庁にお尋ねしたいと思いますが、文化庁としては、かねてからあそこに天然記念物及び名勝がある、得がたい文化財である、したがって、ダムをつくる位置を変更することができないかという意向で、建設省にいろいろ折衝しておられるということを聞いております。しかし、とりあえずこのボーリング調査を当該地域ですることについてはこれは認めざるを得ないだろうというので、ボーリング調査については、現状変更の一つだと思いますが、これは認めたということですね。その後文化財保護委員会としても当該地域を見る必要があるということも御決定いただいておるようです。そういった文化財保護の観点から、文化庁としては今日までどういう態度をとり、現在の段階ではどうなっておるのか、ひとつお答えをいただきます。
○内山説明員 八ツ場地区に建設されますダムに関連いたしましては、吾妻峡と天然記念物の川原湯岩脈の文化財がございます。それらにつきましては、いま山口先生もおっしゃいましたように、できるだけこの地域を避けていただきたいということで、なおボーリング調査を実施することにつきましても、初め予定をされました場所よりもさらに上流サイトでできるだけ被害の少ない地域でまずボーリング調査を実施していただきたいということで、現状変更の協議に応じたわけでございます。その結果、昨年の十二月に上流サイトの地質調査が行なわれたようでございまして、その結果が本年の三月の初めに文化庁に提出されました。 その結果によりますと、概要を申し上げますと、その地点は地質が非常に熱水変質を受けておる部分が多い。地表でもそれが数カ所見られるし、またボーリングをいたしました地下の深いところでも二カ所ほど見られるということでございまして、このことは川原湯温泉に続くいわゆる熱変質をした地質がずっと続いているものと考えられるということで、ダムの基礎地盤としてはきわめて不安定であるということでございます。それからもう一点は、かりにダムをつくりました場合の一番力のかかります下流端と申しますか、その付近に河床を横断する三メートル幅の岩の断層があるということで、これもダムの一番力のかかる部分にそういう断層があるということはダムが非常に不安定である、不安であるということであります。それから全体としまして岩盤に節理が非常に多いということで、これもダム建設、しかも大型ダムの建設場所としてはきわめて不安な状況であるということで、総じましてこの上流サイトに実地調査をいたしました結果については、この種のダムを建設する場所としては非常に不安な地形であるということがわかったということでございまして、その結果は、建設省からさらに最初予定しました地区についてのボーリング地質調査を実施さしてほしいという協議がございました。 これにつきましては、三月の二十六日、二十七日の二日間にわたりまして開催しました文化財保護審議会の第三専門調査会の名勝部会並びに天然記念物部会で専門委員と協議をいたしまして、その結果、この下流サイトのボーリング調査につきましては、上流サイトとの比較検討ということもあるので、その地質調査だけは現状変更として認めてもよかろう、しかし、なおここに本式にダムを建設するかどうかについては、この専門委員も現地を視察した上で、またこのダムの効用その他との比較検討というようなことも十分に慎重に検討した上で、最終判断を下したいということでございます。その後はまだ実はこの専門委員等の現地調査をいろいろな都合がございまして実施をいたしておりません。近く実施いたしたいと考えております。
○山口(鶴)委員 そうすると、大体文化財保護委員会として地質調査をする日にちは、おおむねいつごろになりますか。 それから上流部面をボーリング調査した結果をいろいろ御報告がありましたが、そこは何という地点でございますか。
○内山説明員 最初予定されました地点から六百メートル上流の地点でございます。
○山口(鶴)委員 そうすると、岩脈よりも上流ということですね。
○内山説明員 ちょうど岩脈の付近でございます。 それから専門委員の調査の日程等につきましては、なお委員の都合もございますので、できるだけ早い機会にと考えておりますが、いま大体の予定も申し上げかねるわけであります。
○山口(鶴)委員 これは得がたい名勝であり、天然記念物でありますから、あくまでも文化財保護の立場を貫いて文化庁としては対処いただきたいと思います、今日までもそういう立場で対処してきたのでしょうが。 そうなりますと、建設省おられるから、お尋ねしたいと思うのですが、文化庁もそういうことで非常に慎重です。文化財保護の観点に立つならば、当初建設省が御予定になっている地域にダムをつくるということは不可能に近いだろうと思うのです。これは仮定の問題になりますが、文化庁があかぬと言う場合は、これは法律によってどうにもならぬ。そういった場合どうするかということについては、建設省は当然想定してお考えをしなければならぬことだと思うのですが、それらの点については一体どうお考えですか。
○川崎説明員 ダムサイト関係の調査につきましては、先ほどのお話のとおりでございます。私どもといたしましても、やはりできるだけ文化財を保護する立場から、なおさらに入念な調査をいたしまして、位置の可能性等をもう少し確かめたいと思っております。その上でよく文化庁とも協議をいたしまして、今後の進め方を考えていきたい。先生のお話のような仮定のことになりますと、ちょっとお答えいたしかねるわけでございますが、姿勢といたしましては、文化財を保護するというような基本方針に従って私どもも進めていきたい、こういうふうに考えております。
○山口(鶴)委員 これでやめますが、そうしますと、文化財を保護するという観点でやはり配慮しなければならぬということは建設省も認めておる。文化庁も当該地域を許可するということについてはきわめて慎重である。また自治省もあくまでも住民意思、自治体の意思を尊重することで対処すべきだ、こう言っておられるわけです。そういう中で昭和四十五年度予算に、実施調査費ならまだいいですけれども、建設費まで組むというのは行き過ぎじゃありませんか。そうでしょう。ダムサイトだって、いまの建設省の御答弁ではまだはっきりしておらぬわけでしょう。関係の文化庁もそうだし、自治省の御意向もそうだ。建設費なんか組むのは行き過ぎですよ。せいぜいことしは実施調査費くらいにとどめておくべきだと思うのですが、その御見解だけ聞いて、質問を終わっておきましょう。
○川崎説明員 私どもとしますと、当初予算が大体きまります時点においては、もう少し事態も円満に進むのじゃなかろうかというようなことで、非常に重要な事業でもございますので、事業の促進も考慮いたしまして、そういう配慮をしたわけでございます。実質的にはやはり実施調査的な内容を含んだものもございますので、そういうものも含めた予算の使い方をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○菅委員長 井岡大治君。
○井岡委員 先ほど宮澤さんおっしゃられたのは、現地に行ってお調べになったのか、町長の御報告をお聞きになったのか、その点、お伺いしたいと思います。
○宮澤説明員 現地に行って調査をいたしたわけではございません。私どもはこういう案件は県を通じて調査をすることになっております。県といたしましては、町当局それから岡山県警、岡山県の警察本部でございます。その両者を通じて調べました結果が、先ほど御報告をいたしたとおりでございます。
○井岡委員 私はこの死者のあった翌々日行ったわけです。そのときに町長は、みずから二十名の警官を入れた、こういうことを言っているわけです。そうして、機動隊は二百名を要請した、こう言っておるわけです。したがって、先ほどの五名しか入れなかった、これは少し間違いでございますから、この点だけは訂正をしていただきたいと思います。
○宮澤説明員 私どもも先ほど申しましたように、県を通じまして、県自身も町当局と岡山県の警察の責任者を通じて調べておりますので、私どものほうも間違いではないと思いますけれども、しかし、ただいま井岡委員のおっしゃいましたようなことがもし事実であるといたしますと、だいぶ事実の間に相違がございます。いまここで訂正をするしないという返事を申し上げるあれはございませんけれども、ただいま井岡委員がおっしゃいましたことは、もう一度頭の中に入れまして、再度それは聞いてみることにいたしたいと思います。
○井岡委員 この問題は宮澤さん、そういうように言うが、町長もそう言っております。機動隊を二百名要請したということを言っておるし、それから防衛庁の向こうの司令も同じことを言っているわけですから、別にこれは私はとがめようとは思いませんけれども、そういう虚偽の報告を見のがすわけにはいかないと思うのです。したがって、十分お調べをいただきたい。このことだけを申し上げて、この問題は終わりたいと思います。 そこで、都市交通の問題を若干、佐々木さんお見えになっておられますから、佐々木さんにお伺いをいたしたいと思うのですが、最近の都市交通の現状は、当初政府がお考えになった、いわゆる再建方策というものがスムーズにいっておらないのではないか。それは当初の計画の、私はあえて見込み違いというような考え方は持ちませんけれども、しかし、その後におけるいわゆる都市交通の状態等々を考えてみますと、やはり大きく修正をしなければいかぬのじゃないか、こういうように考えるのですが、これらの問題についてひとつお伺いをいたしたいと思います。
○佐々木説明員 再建の対象になっております大都市における交通事業の事業収支の状況を見ますと、当初見込みました、まず路面電車の状況は、大体計画どおりの撤去計画が進められておるというふうに考えております。まだ一部におきましては若干のおくれを見ているところもありますけれども、大体計画どおりに総体的にはいっておるというふうに考えていいかと思います。 次に、バス事業の関係におきましては、御承知のような最近の路面交通の状況でございまして、当初見込んでおりました乗客数等につきまして、だいぶ見込みよりも下回っておるというような現状にございます。特にこうした事情が昨年あたりから私どもが、また各都市が見込んでおりましたものよりは相当下回る状況にございまして、そういう意味におきましては、バス事業の経営収支は当初再建計画で見込みましたものよりは悪化しておるということが言えるかと思います。 また再建計画の実施の過程におきまして行なっておりますいろいろな合理化対策というものは、各都市当局者並びに各組合の協力も得ておおむね順調な合理化計画が進められておるというふうに考えておりますけれども、何ぶんにも基本的な営業収入の面が非常に予想よりも悪くなっておるということで、非常に私どもは憂慮しておる状況にございます。
○井岡委員 路面電車のほうは計画どおりにいっておるというお話でございますが、私はそれはちょっと理解ができないのです。というのは、路面電車をだんだんに少なくするという方向で計画どおりいっておるのか、その収支のバランスの上で計画どおりにいっておるのか、その点がちょっとわからないのですが、この点はどうなんですか。
○佐々木説明員 再建計画におきましては、路面電車の撤去計画、さらにそれに伴うところの営業収支もそれに応じた収支計画を見込んでおります。この路面電車の撤去計画は、一部の都市におきまして若干おくれている面もございますけれども、大体撤去計画は順調に推移しておるというふうに言えるかと思います。 また、路面電車の撤去に伴いまして、営業収入は当然にまた収入減という問題が出てまいりますけれども、その収入減の見通しも、計画よりはやや収入は悪くなっておりますけれども、大体見込んだとおりくらいの収入減ということが現在の状況であるというふうに考えております。
○井岡委員 よくわかりました。結局路面電車の撤去に伴ういわゆる合理化計画と申しますか、そういうものはいわゆる計画どおりにいっている。ところが、一方バスのほうにおいては、当初見込んだ計画よりはダウンをしておる。このダウンは一時的なものではなくて、将来ともさらに大きくダウンをするのではないか、こういうように考えられるのですが、自治省のお考えはいかがですか。
○佐々木説明員 現在の道路交通のいわば交通需要の増加状況から見ますと、バスの表定速度というものは次第に低下をしてきております。現在の道路交通の容量を急速に大きくする、増加するということはとうてい不可能なことでございますので、いままでどおりの路線で運行する限りにおきましては、どうしても乗客数の減少ということは免れない状況にあるのではないだろうか。こういう意味におきましては、やはり各都市の地下鉄の建設状況その他の国鉄との連絡といったようなものを考慮しながら、バス路線の再編成というものを進めていかなければ、現在のバス事業というものはもう悪化する一方であるというふうに考えられると思います。
○井岡委員 ここでちょっと大臣にひとつお伺いをし、決意をしていただかなければいけないと思いますのは、いま参事官がおっしゃったように、都市交通経営というものは、私はますます困難になってくるだろうと思う。同時に、バスの路線というものは、これはあくまで培養線であって、その主たる交通機関ではない、大衆輸送機関ではない。ある一定のところまではバスで運んで、そこからはいわゆる電車、地下鉄、こういうものに編成がえをせざるを得ない状況になってくると思うのであります。 そこで、問題になるのは、いわゆる地下鉄問題が起こってくるわけですが、地下鉄問題は、幸い自治省なり運輸省、政府の御理解ある態度で、今年から思い切った措置を講じられたわけです。しかし、これを促進するために各部会を持たれております。たとえば東京の場合は東京部会、関西の場合はいわゆる大阪部会、横浜部会、こういうように部会を持たれておるわけですが、将来の計画として、単に部会ごとに問題を処理するのでなくて、大阪と神戸あるいは京都、これらをいかにしてつなぐかということを考えないと、地下鉄経営、いわゆる大衆輸送計画というものは成り立たないのじゃないか、しかもこれはここ一、二年のうちにその計画を策定し、実施に移していかなければならないのではないか、私はこういうように考えるわけですが、この点について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○秋田国務大臣 各近接の大都市間を地下鉄で結ぶべきであるということは、地上の既設の連絡鉄道輸送機関との関連もございましょうし、同時に非常に示唆に富む御提案でございまして、時期を失せず検討をし、かつその検討の次第によっては実施に移すべきものであろうと存じておりますので、至急検討をいたしてみたいと思っております。
○井岡委員 そこで、これは大臣の御所見をお伺いいたしたわけですが、いわゆる都市の構造の変化に伴って、この前は、神戸の部会を早くやってもらいたい、そうでないと神戸はたちまち困ってしまう、同時に、これは京都それ自体も同じことが言えるわけだ、こういうように私は申し上げたわけです。これが、二、三日前の新聞を見て知ったわけですが、大阪部会が開かれるときになって、そしてその中で神戸それから京都、大阪を含めたなにをやる、こういうようになっておるわけです。しかし、現実にいま当面している問題は、神戸なら神戸の問題は、これは先にかかってやらないと、その答申を待ってそれからかかっておったのではたいへんなことになると私は思うのです。したがって、先行のものは先にやらなければならない、やるということにして、そしてそれと、いま開かれておる部会と——神戸の場合はもう答申が出ておるわけですから、それをどう結ぶかということについて、かようにひとつ御処置をお願いいたしたい、こういうように思うのですが、この点いかがでございますか。
○秋田国務大臣 個々の都市における計画、答申が出ているものは実施をすべきものである、急速にその促進をはかりたいと思います。それと並列いたしまして、ただいまの御所見については検討いたします。もちろん当面の問題をも迅速に処置をしたい、こういうように考えております。
○井岡委員 非常に明快な御答弁をいただきましてどうもありがとうございました。 ただ、次に問題が起こるのは、これは主として運輸省の問題ですけれども、自治省が指導してあげなければいけない問題になるわけです。というのは、国が二五%出す、こういうことになっておりますが、あとの二五%は地方公共団体がこれを負担する、こういうことになっているわけです。地方公共団体とは必ずしも当該都市が負担をするということにはなっていない。そういうようには書いてないわけなんです。いわゆる地方公共団体というように書いてあるわけです。そうだとすると、都市の構造の変化に伴って、たとえば極端な例を申し上げますと、実は私の選挙区において、私がつとめておりました大阪市の交通局の職員が四千人おったわけですが、それが全部外に出て、いま千人しかおりません。全部郊外に出てしまったわけですよ。大阪市内でなくて郊外に出ていった。したがって、昼間人口は非常に多うございますけれども、夜間人口というのはだんだん少なくなっている。この外に出た人たちをやはり市内に運んでこなければいけないわけです。そのためには自治省が十分これらの問題について協力でき得るような指導、こういうものの必要があると思うのですが、この点はいかがですか。
○長野説明員 お話の問題は、結局先ほどのお話の中にもございましたように、地下鉄というものが、電車とかバスといういわゆる都市交通の一つの機関として、市民の足を確保するということでありますけれども、現状において大都市圏といわれるものが行政区域を異にする近郊都市に非常に発展をして、結局は昼間人口の足の確保という実質もだんだん備えるようになるし、現実の必要としては当該市域内だけの交通事業ということでは十分その目的が達せられないうらみがある。こういう問題が現実の問題として識者の間でずいぶん議論をされています。同時に、そういうことで都市間を結ぶという面もお話にありましたような考え方から出てくるものと思っております。この点につきまして、これからの都市交通というものの現在及び将来のあり方については、私どももこれから十分検討しながら、その実際の需要あるいは将来の需要に即応するような、そういうものとして考えていくべきだと抽象的には考えておりますが、何さまこの問題は、非常に従来の沿革もあますし、関係の団体の特殊なそれぞれの事情もございますし、そういうこともございますので、本年から実は公営企業、特に交通事業等につきましての研究会も開いてまいりたい。そしてそういう中におきまして企業のあり方、特に経営形態をも含めまして、それから関係の地方団体との調節はいかにあるべきであるかというような問題も含めまして、検討をことしから始めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○井岡委員 ことしから始める、こういうことですが、私は、ことしから始めていただくことはけっこうでございますけれども、早急に結論を出していただかないと、住宅問題等から考えて——だんだん住宅は外のほうに建っていくわけですね。いわゆる市内の坪何百万円というようなところに家を建てようと考えてみたって、これは建つものじゃないのです。ですから、どうしたって土地の安いところに住宅を建てていく、こういうことになるわけです。その場合、家はできた、人は入った、結局運ぶものがないわけなんです。ここにいま問題が大きく出ているわけですから、研究なさる上において、いわゆる住宅政策と密接な連係を持ちながらひとつやっていただきたい。そうでないと、実効があがらないのではないか。いままでいろいろ住宅の問題がやかましく言われるから、住宅の問題だ住宅の問題だと、こういうことでやるが、やって、それを運ぶのはだれが一体運ぶのかといったら、だれも運ぶものがおらない、こういうかっこうですね。 〔委員長退席、砂田委員長代理着席〕 こういうかっこうでは、どうも政治としての姿ではないと私は思うのです。政治というものは、あくまで立体的なものでなければいけないし、立体的なものにするために、いわゆる各官庁間における連絡機関というものがあるのだろう、こう思います。こういう意味で、ぜひひとつその点を考えていただきたい。もう一度その点をお伺いしておきたいと思います。
○長野説明員 お話のとおりだと私どもも思っております。そういう現実の必要はもう御指摘のとおりでございますが、ただ、こういう事態に対応しまして、都市交通事業というものの考え方は、従来の考え方のままでは、まだ十分時代の要請に適応しないと思っております。それをどういう形で適応させるのが一番適当であるかということにつきましては、いろいろな問題もございますから、慎重に検討を加えながら、関係者の意見も十分調整をして、新しい経営形態までを含めての検討をぜひ続けてまいりたい。早急にできれば結論を得たいと思っております。ほんとうに御趣旨のとおりの気持ちで、私どもこの問題にこれからまっ正面から取り組んでまいりたい、こう思っております。
○井岡委員 そこで、佐々木参事官に一つだけお伺いしておきたいのでございますが、こういうような都市交通の状態でございますから、どうしてもいわゆる給与の問題等が一般の公務員と違った——違ったというよりはおくれてまいっておることは事実なのでございます。そこで、これらの問題についてどういう構想をお持ちか、この際明らかにしていただきたい。こう思うのであります。
○佐々木説明員 御指摘のように、大都市を中心にいたしまして交通事業の再建企業につきまして、昨年の八月の人事院勧告によります給与改定がまだ未実施でございます。先ほどもお話がございましたように、この際給与改定を実施するということに伴いまして、当然に給与改定財源が必要になりますが、先ほど申しましたように、経営収支がそれ以外の要因で相当悪化いたしております。したがいまして、現在各都市の経営状況の分析を行なっておるわけでありますが、問題は、この単年度限りで見ますならば、給与改定財源よりは、むしろ減収対策のほうが非常に大きな問題になってきているというような状況にもあるわけでございます。そうした財源措置の問題について、非常にむずかしい段階にきておるというふうに考えております。しかしながら、その都市の職員間における給与の格差ということは、やはりその都市から見ますならば、大きな問題になるわけでありますので、できる限りその給与の格差の生じないように努力をしてまいらなければならないというふうに考えております。 なおまた、こうした経営の過程を通じまして、最近におきましては、新しい職員の補充というものが、他の民間企業との関係におきましても、非常にむずかしい状況も出てきているというようなこともかね合わせまして、いろいろ各都市との連絡をとりながら作業を進めておりますけれども、私どもとしましては、できる限り早い時期に給与改定の実現をしたいというふうに考えております。 なお、いろいろ問題がございますが、早急に話し合いを詰めまして実施にかかりたい、かように考えております。
○井岡委員 早い機会に改定をしたい、こういうことでございますから、あえて私はそれをいつやるのだなどというようなやぼな質問をしようとは思いませんけれども、ただ問題は、交通事業の悪化は、単に人為的なものではなくて、いわゆる都市の構造の変化に伴った自然的なものによる経営の悪化というように認識をすることのほうが私は妥当だろうと思うのです。そうだとすると、それに対応した措置を早急に考えていかなければならないし、同時に、そのためにそこに働いている者だけが犠牲をこうむるということでは、私はやはり経営の改善ということの思い切った措置を講ずることはできないと思うのです。同時に、たとえば人事の交流などをやろうとしても、人事の交流ができない。市のほうに行けば給料はいいわけですが、もう改定が済んでいる。ところが、交通局に来ればまだ改定がされてない。そうすると、どうしたってマンネリにおちいってしまって、いわゆる従来の考え方から抜け出すことができない。ここに私はやはり交通の悪化の一つの要因があろうかと思うわけです。したがって、斬新的な考え方からするならば、どちらに行ったって同じなんだというようなかっこうをとるために、ではどういう措置が必要か、これらの問題について、もう少し詰めて考えてやっていただきたい、こういうふうに考えるわけです。この点特にお願いをすると同時に、大臣の御所見を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○秋田国務大臣 いわゆる再建交通公営企業につきまして、人事院勧告の実施は、いろいろその企業の財政上問題があるわけでございますが、今日の情勢上、ただいま井岡先生お話しのとおりに……。(井岡委員「気持ちが出ていない」と呼ぶ)そこで人事院勧告を実施いたすべく前向きに各都市ともひとつ協議をいたしまして、なるべく早くこれが実現を見るようにしたい、こういう考えで検討をいたしております。
○井岡委員 それでは、もうやめようと思ったのですが、最後に佐々木さんのほうから、これは大臣が一々おやりになるわけにいきませんでしょうから、大臣もそういう御趣旨でございますから、積極的に働きかけていただきたい、こういうふうに私はお願いしておきます。 同時に、私自身もまた、関係の諸君にもこのことを率直に申し述べて、自治省自体も十分今後の交通それ自体のあり方、それから今後の交通をどう経営をしていくか、形態をどうするか、こういうようなことをも含めて検討しておるということを率直に私のほうからも、彼らの会議の席上に出て申し上げることにいたしますが、いずれにしても、佐々木さんのほうからも積極的に働きかけをやっていただかないと、どうも左前になったときには大きな口をあいたら損だというような顔をしておりますから、ひとつそういうことのないようにぜひお願いしておきたいと思います。
○砂田委員長代理 細谷治嘉君。
○細谷委員 最近自治省から出ました通達等を中心として、若干質問をしたいと思います。 最初に大臣に御質問したいのでありますが、来年は統一地方選挙がございます。この十月に国勢調査が行なわれるわけでございますが、相当人口の移動というものが想像されます。そうなってまいりますと、都道府県の議会の議員の定数というものがかなり大きく変動するのではないかということが予想されまして、新聞等で仄聞いたしますと、自治省では四十五年の十月から行なわれる国勢調査では、時間的にもかなり押し詰まっておるし、また激変を避ける意味において、三十五年国調に基づいて、定数は大体現状維持でいったほうがよろしいのではないか、こういうようなことが自治省で考えられておるやに新聞で拝見しております。 申すまでもなく、都道府県会の議員は、公職選挙法十五条に基づいて、郡市の単位で行なう、そして議員の配分は人口によって配分される、こういうことなのでありますけれども、郡市という選挙区単位がかなり条例によって乱れておることも御承知のとおりであります。そこで、来年に迫っておる問題でございますので、ひとつ大臣の率直なお考えをお聞かせいただきたい、こう思います。
○秋田国務大臣 統一選挙に際しまして、ことしの十月に行なわれる国調との関係が、たいへん関係者並びに世間の注目を集めておるわけであります。法律のたてまえは、国調の結果による確定数によらなければならない。 そこで、その確定がいつできるかということが問題であります。過般国会におきましても、統計局のほうから、最終的には来年の五月になるのではなかろうかというような答弁もあった次第であります。こうなりますと、そのころには統一選挙が終わってしまう。しかし、全部が全部五月を待たなければならぬということでもないということもございます。そうなりますと、ところによりまして、あるものは新しい人口でやる、あるものはできない、こういうことになりまして、選挙を行なう確定の人口の条件が全国同一ではない。かりに確定したものについてやるということになれば、そういういろいろなアンバランス、ある意味における不合理があるのではないか。これによってまた施行されるのではないかという議論も出てくる。 それでは概数によったらどうか。概数はもう少しく早く出るであろうという想像がされるわけであります。しかし、概数によるのには現在の法律制度を改めなければならない、また概数によることがいいかどうか。概数と確定数との間には、従来の経験によれば、大差はなかろうということもいわれておりますが、相当違った部分も大きな都市においては出てくるという点を考えると、ここにまた問題がある。また概数自体によることが現在の法のほんとうの精神から見てどうであろうかということも議論が出るわけでございます。 そういう点もございますが、技術的に一体統計の結果は大体いつ発表されるであろうかという観点が一番大きな問題でございまして、こういう点を含めまして技術的にただいま自治省で検討をいたしております。しかしながら、この問題は、来年の統一選挙に大きな関連がもちろんあり、選挙をされる方、選挙をする方にとりましても、そのせつなまではっきりしないということではいろいろ不都合もあろうかと存じます。前広くどの方針によるかということを確定しておくことは当然必要であろう、これは常識上考えられるところでございます。前広くこの点は確定をしておく必要もある、措置をする必要がある。その意味におきまして、まず技術的な検討を急ぎまして前広く確定をされておかなければならぬ、こう考えております。 現状の見通しといたしましては、率直に申し上げまして、新人口によるべきことが理論的に考えられますけれども、実際上技術的にはなかなかその点はいろいろの困難があるのではなかろうか、大体こういうふうに考えております。
○細谷委員 国勢調査は五年ごと、選挙は四年ごとということでありますから、ことし行なわれる国勢調査の結果というものは、次の次の選挙の基数にもなってまいるわけです。いずれにいたしましても時間のズレがあるわけなんですが、今年はかりに人口だけでも早く確定をさす、こういうことになりましても、都道府県の条例がきまるのは二月なり三月の定例会。そうしますと、直ちに選挙、しかも今度は、人口の激変で定数異動がかなり起こると考えられますので、どうも安定した選挙という面からいきますと、問題があるのではないか、こう思われる。いま大臣は、できるだけ早くしっかりとした確定した方針を示さなければならぬ、こういうおことばでありますが、大体いつごろまでにこの方針を発表されるか、これを承っておきたいと思います。
○宮澤説明員 ただいま大臣が申しましたように、なるべく早く方針をきめなければいけないわけでございますが、現在私どものほうで、事務的に統計局のほうと、一体どういうテンポで事務が進められて、いつごろどういう形で発表になるかというようなことについて打ち合わせをいたしているわけでございまして、おそらくもう一、二カ月のうちには、その辺、統計局のほうもはっきりいたすと思いますので、それをまって政府として方針を出してもらいたい、事務当局としてはこういうふうに考えております。
○細谷委員 できるだけ早く、こういうことであります。私は、おそくも十二月の定例会では、やはり条例できめる態勢が必要ではないか、こう思っておりますので、一、二カ月のうちに統計局との話し合いも済んで、確定した方針を出されるそうでありますから、それに沿うてひとつ自治省としての最終的な方針を出していただきたい、こう思います。 これに関連して御質問したい点は、前回の選挙、もう三年半ばかし前の選挙でありますが、その際に、市郡単位という原則がくずれていくので、そうすると、郡と市を合併した一つの選挙区にしなければならぬ。こういうことでは、どうもその地域住民の意向というものを議会に反映するのにまずいのではないか。したがって、法律の例外として、議員一人当たり人口が〇・五以下であっても、条例できめた場合には、独立の選挙区にすることができると、こういう特例を当時、長野選挙局長のときにつくったと思うのであります。これが前回、どの程度生かされたのか。今度の選挙ではどの程度、そういう事態が予想されてくるのか。いわゆる市郡単位という原則が破れてくるのが、どの程度起こってくるのか、これをひとつ伺っておきたいと思います。
○宮澤説明員 せっかくの御質問でございますが、ちょっと私どものほうにいま具体的なデータがございませんので、追って、調べまして御報告を申し上げたいと思います。
○細谷委員 せっかく法律をつくって、原則としては、〇・五以下の場合には、郡市合併選挙区にしなければならぬということでありますけれども、門戸を開いたと私は思うのですが、それが生かされなかったのではないか。当時、私の伺っているのでは、全国に八つばかし例があると聞いておりました。しかし、その八つも、ほとんど条例では、法律改正の趣旨が生かされておらなかったと、こういうふうに承っておるのであります。今度は、人口の移動が前回よりも激しくなっておりますから、そういう事態がかなり起こると思います。いますぐという資料はないそうでありますから、後ほど、ひとつどうなるのか、その辺もはっきりとしてお教えいただきたいと、こう思います。 これに関連して、これは大臣の御答弁だと思うのでありますけれども、後ほど若干触れたいと思うのでありますけれども、いま広域市町村圏、こういうのが、昨年五十五、今年七十、そして行く行くは三百五十程度を全国的に張りめぐらすという構想でございます。言ってみますと、この広域市町村圏にかなりの事業が移るようである。そうなってまいりますと、一つの行政区的な性格を持ってまいるわけでありますが、こういう広域市町村圏というものと都道府県議会議員の配分等について、どういうふうにお考えになっておるのか、これをひとつ大臣からお聞きしたいと思います。
○宮澤説明員 まず、私から申し上げまして、後ほど大臣からも申し上げると思うのでございますが、広域市町村圏自身は、細谷委員御承知のように、おのおのの市町村というものを前提にいたしまして、広域的に処理する事務を円滑に行なうための仕組みをつくっていこう、こういうものでございます。したがいまして、選挙区のほうは、ただいまもお話ございましたように、郡市の区域による、こういうことになっております。たとえば、広域市町村圏の関係市町村が全部合併をして市になるということでありますれば、そこで変化が出てまいりますけれども、とりあえずは、広域市町村圏の措置と都道府県議会議員の選挙区というものとの関係は、直接には出てこないと思うわけでございます。ただ、将来、広域市町村圏というものが、全国的にかなり根をおろしてまいりました場合に、現在、郡市の区域による選挙区ということ自身につきましても、各方面からいろいろ議論があるところでございます。将来の広域市町村圏の育ち方いかんによりましては、あるいはその段階で考慮をすべき事態が生じてくると思いますけれども、現在のところは、直接、広域市町村圏と都道府県議会の議員の選挙区とは関連がないと申しますか、すぐに法において措置をすべき問題はない、こういうふうに私は考えます。
○細谷委員 時間がありませんから、これについてはあまり——深く立ち入って論議いたさなければならぬと思います。かなりの行政的な問題というのがこの圏に移っていく、こういうことになってまいりますと、当然、都道府県の議会の議員等の問題が密接な関係として考えられなければならぬのではないか、こういう問題点がありますので、お聞きしたわけです。 そこで、次に進みたいと思うのでありますが、六月一日に事務次官の通知で「水質汚濁に係る環境基準の設定について」という通達が地方団体に出されております。その内容を見ますと、閣議決定に基づいて、都道府県知事はもっと積極的に公害行政を進めなければならぬ。そこで、環境基準に準じた行政目標値を経済企画庁長官と協議してきめてほしい。さらに、公害防止条例においていまだ排出基準を定めていない都道府県においては、たとえば富山県のごときにおいては、早めに排出基準を定めなさいと、こういうことが書かれてございます。この解説として、ある新聞に「公害規制、自治体の権限強化」「基準の弾力的運用も」ということで、この解説が出ております。私は、この通達と解説を読みまして、いろいろと質問したい点があるのでありますけれども、今日、非常に重要な問題は、法令と条例との関係、こういうのが大きな問題になっております。ところで、この通達は、たとえば河川法に基づく指定水域以外は、現在、条例で規制しているところがあるのでありますけれども、建設省は、そういうものは一本としてひとつ建設省が河川管理者の立場で管理していこうという、河川法施行令の改正をねらっておるのでありますが、これと自治省の通達とは対立するものである、こういうふうに書いてある新聞もあります。確かに対立すると思うのでありますけれども、そういうふうに書いてあるところがあります。それから地方団体が、そこの公害を防除する意味において、どうしても国の法令よりもきびしい規制基準を設けなければ公害を防止することができないというせっぱ詰まった段階においては、やれ国の基準を上回っておるからそれは憲法違反だ、地方自治法違反だ、こういう形で物議をかもしておることでは決して公害行政は進まないので、ひとつ地方団体は積極的にそこの地方の実情に即応する目標値をきめてやれ、こういうことなのであります。私は自治省の考えにたいへん賛同いたしておるのでありますけれども、そうしますと、建設省が違反じゃないか、企画庁が違反じゃないかとすぐ法律論争が起こってくるのが今日までの例であります。 〔砂田委員長代理退席、委員長着席〕 こういう問題についてどういうことをこの通達はねらっておるのか、その辺の問題についてひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
○鎌田説明員 お答えいたします。 先般六月一日付をもちまして通達を出しましたのは、ただいま御指摘に相なりましたように、国の指定水域につきましては、公害対策基本法第九条の規定に基づきまする水質汚濁にかかる環境基準をこれからきめてまいるわけであります。その環境基準というものを達成維持するための水の排出基準というものをきめてまいる。ところが、御案内のとおり、指定水域は全国三千ある河川の中の四十幾らだったと思いますが、そういうものでございまして、大部分の公共水域というものにつきましては、そういった国の直接の規制というものは及んでおらない。これは釈迦に説法でございますけれども、よごれてしまってから大騒ぎしても何にもならないわけでございますし、また現に汚染を始めておるところ、こういったものに対しまして、やはり地方団体といたしましても、御案内のとおり、公害対策基本法第五条に「公害の防止に関する施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。」というふうに定められておるわけでございますので、当然この指定水域以外の全公共水域について、環境基準に準じた行政目標値というものを協議して定めてほしい。現在公害防止条例は三十九県でつくっておるわけでございますが、その中で水の排出基準というものを定めておりますのが十八県の条例でございます。したがいまして、この十八県の条例におきましては、現在の基準というものを再検討していただく。残りの二十県につきましては、行政目標値に基づいた排出基準というものを早急につくっていただく、こういう考え方でございます。 そこで、御指摘のありました建設省の河川法施行令との関係でございますが、この点につきましては、私どもはやはり公害対策基本法というものに基づきまする地方団体の責務に基づいて、このような規制をするという行政の行き方として当然であろうというふうに考えておる次第でございます。建設省のほうとの意見の調整は続けて進めてまいりたいと思っております。 それから、この条例と法律との関係、これは非常に大きな問題でございまして、軽々に私どもの意見を申し上げることは差し控えたいと思いますが、基本的な気持ちといたしましては、公害という非常に地域性のある問題につきましては、むしろ最近はやりの水平思考でございますか、国が基準をきめて・むしろその上に地方団体がその地域の特殊事情に応じて付加できる、こういう法制のほうがいいのではないかという感じを持っております。そういった観点から、国と地方団体との間の意見の調整ということにつきましては、自治省といたしましても及ばずながら前へ出てまいりたい、こういう気持ちを持っておるところでございます。
○細谷委員 たいへん積極的な姿勢をお聞かせをいただいておるわけでありますが、いまおことばにございましたとおり、公害防止基準が国の法律で画一的にきめられておる。地方団体が条例で国の基準よりもきびしい規制を設けるのは、憲法あるいは自治法十四条違反だ、あるいは公害のプロパーの法律の中にもそれとおぼしい条項が書かれてあります。 そこで「自治省は、この建て前は変えないまでも、運用面で弾力的な措置がとれるよう各省庁に求める考えである。」鎌田さんの考えは、この解説記事よりもやや進んで、国のほうは基準を設ければいいんだ、それが標準なのであって、あるいは最低基準なのであって、地方の実情が必要とするならば、それよりも高い基準をやらなければ公害防止ができないのだ、こういう考えに立っておる。非常に積極的な考えである。私も同感であります。たとえば東京都の条例が、国の基準は煙突の一本一本から出てくる排気についてしか基準を設けていないけれども、その煙突が十本あるところと一本あるところでは、大気の汚染というのは全く違うわけでありますから、東京都が、一本一本については国の基準以下であるけれども、十本あるところについては、全体としてやはり規制するというのは、これは法律が及んでいないんだから、憲法にも自治法にも抵触しないんだということでありますけれども、政府のほうからは、それは法律違反だということで、物議をかもした例があります。 〔委員長退席、砂田委員長代理着席〕 ですから、私は、国が示した基準は最高基準ではなくて最低の基準あるいは標準のものなんだ、こういう示し方で、そして地方団体が独自の実情に基づいた適正な基準を設けていくというやり方が正しいのではないか、こういうふうに思っております。 もう一つ、これに書いてありますけれども、そういう公害対策というのが、この自治省の調べでもばく大な金を、この間の調べでも確かに百億ぐらいの単独の公害対策事業費というのをつぎ込んでおるわけでありますけれども、そういうものは、企業側の責任がここまで、自治体がやるものはこういうものだ、こういう境目もいまのところはっきりしておりませんので、交付税等の措置もなかなか適正を期しがたいといういろいろな問題がございます。そういう点で、ひとつこの点をはっきりしなければ、今日の公害行政を全うすることはできないのではないか、こう思うのであります。 いろいろ申し上げたい点がありますけれども、この問題についてはこの一つにしぼって、ひとつ最終的な大臣の御決意のほどを承っておきたいと思います。
○秋田国務大臣 その点につきましても、ある程度自治省として、私は私の考えをまとめて検討を事務当局に命じてございます。その点事務当局からお答えいたさせまして、またその次第によりまして私からも申し添えることにいたします。
○鎌田説明員 お答え申し上げます。 公害防止事業の企業負担の問題につきましては、御案内のとおり、関係各省庁との協議という問題がございます。関係各省庁と協議をいたしまして、企業負担を行なうよう法令の検討を進めてまいりたい。そのために私どもも試案をつくってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○細谷委員 この点について一つ申し上げておきたいのであります。自治省はかなり正しい姿勢でおりますけれども、きのう公害対策特別委員会が開かれました。この席で、この自治省次官通牒というものをどのように理解しているかという質問が行なわれた際に、ある省の政府委員の人が、こういうふうに答弁いたしました。国のほうでそういう基準をきめるのには相当時間がかかるので、その間じんぜんと日を過ごすわけにはいかぬので、そこで企画庁長官と打ち合わせて暫定的な目標値をつくる、それにすぎないのでございます。そういうことになりますと、何のことはない、国がその基準をつくるのが間に合わないので、その間は間に合わせのやつをいいかげんにやっておくか、こういうことになるわけでありまして、自治省の姿勢とはだいぶ違うわけですね。大臣、そういう答弁がなされました。私は公害行政の一元化ということが非常に必要であろうと思うのでありますけれども、その一元化は何も機構上一元化する必要はないのでありますけれども、総理大臣が言うように、打って一丸となって一九七〇年代の行政目標の重要な柱というのは公害問題である。きのうも申し上げたのでありますけれども、GNPは自由世界の第二位。ところが、世界で第一位のものがある。GNPが世界第一位だ。そのGNPはグロス・ナショナル・プロダクトではなくて、グロス・ナショナル・ポリュージョンだ、こういうことをある新聞が書いている。ポリュージョンだ、こういっているのです。なるほどPだからね。そういうことでありますだけに、いま私が申し上げたような態度では、単に国が基準を示すまでの暫定的なもので、企画庁と相談しなさい、こんなばかげたことでは、とても公害対策というのはできないんじゃないかと思うのですが、大臣の所見、いかがですか。
○秋田国務大臣 何もほんの間に合わせのものをつくりなさいというつもりは毛頭ございません。法律と条例との公害問題に関する矛盾あるいは乖離の問題につきましては、形式的に、平面的に議論をいたしますと、もちろん条例は法律に反するわけにはいかぬ、その範囲において無効であるという議論が成り立つでありましょう。しかし、問題は、国民の健康の保全、環境の健全な状態の保全、また自然の保全に関係し、住民福祉そのものに具体的に関係いたしておるわけでございますから、その限りにおきましてはその見地が優先をさるべきでございます。しかし、現在のところ、法制上そういう矛盾が生じておりますから、ここはひとつ調整をしなければいかぬ。それにつきましては、国の法律は大体の基準あるいは最低限あるいは平均値をきめる。したがって、実際にあたりましては、その標準、最低値を基準にいたしまして、実情に即した処置がとられることが許さるべきである。その意味において条例が法律と矛盾なく存在し得る、並立し得るという形がとられなければならないと思います。 そこで、この問題は、実際上やはり処置を要する点でございまして、その間にいまのようないろいろな発言上妙なことが起こると思いますから、私といたしましては、いろいろその法律と条例との公害に関する矛盾につきましては、抽象的にいわれておりますが、実際こうこうであるという実例をしっかり自治省で把握をいたしまして、これが解決は当然国民の健康、福祉増進維持のためにやらなければならないわけでありますから、関係権限を持っておると称せられる官庁とこの点を技術的に意見を詰めまして、ただいま申したような、国は大体の基準にきめるのだというようなものにするか、あるいはその問は国もある程度基準を上げたものを掲げて、そして条例はその実施要綱にいくというふうなものにするか、ここいらを矛盾のないような行政になるように調整措置を講ずべきものである、その場をつくりたい、こう考えておりまして、いませっかく資料等の整備をいたしまして、それを持ってひとつ閣議に持ち出し、また各省間とも連絡協議をいたしまして、この公害の問題の積極的解決に資したい、こう考えております。
○細谷委員 大臣から所信のほどを伺ったのでありますが、私は公害問題にはどれほど積極的に取り組んでも過ぎておるということはないと思っております。各省庁の中でも、地方自治体を守らなければならぬという意味において、しばしば自治省は関東軍だといわれております。だから、住民の生命を守る意味においても、ひとつこれは関東軍の気持ちでがんばっていただきたい、こういうふうに思います。 そこで、ことしの四月十日に広域市町村圏設定についての事務次官通達というのが出されておりますね。昨年の通達と今年の通達ではどこが違っておりますか。
○宮澤説明員 全般といたしまして基本的にさして違っている点はないのでございますが、幾つかの点を申し上げますと、第一点は、広域市町村圏を各都道府県が市町村と相談をしながら設定をいたします場合に、やはりなるべく全県的な考慮で設定をするようにしてほしい。つまり来年、再来年だんだん仕事を進めてまいります際に、どこか漏れるようなところ、そういうようなところがないような、そういう全県的な配置の構想というものを一応頭に置いてやってほしい、こういうことが一点でございます。それから第二点は、昨年一年の経験によりましても、都道府県の境界にわたって一つの住民の生活圏が現にできている、こういうところもあるようでございますので、そういうところにつきましては、都道府県の境界にわたって、事実そういう基礎があるならば、広域市町村圏というものを設定することを考えるべきであるという点でございます。それから第三番目に、広域市町村圏が設定をされまして、その後関係市町村が合併をするといった場合にも、広域市町村圏につきまして国などが協力、援助をする措置というものは継続をしていく、こういうことでございます。それから第四点は、関係市町村が仕事を共同してやっていきますための仕組みと申しますか、機構でございますが、従前から一部事務組合なり協議会なりいろいろな共同の処理の方式があったわけでございますけれども、そういうものをできる限りまとめるように配意をしてほしい。大体以上の点でございます。
○細谷委員 私もいま行政局長が説明したとおり四月十日の事務次官の通達を読んでおります。その中で非常な大きな変わりは、何といいましても幾つかの県にまたがって広域市町村圏を設定できるということが、今度の通達の昨年になかった重要な一つの点ではないか、こう思っております。それを踏まえまして若干質問をしてみたいと思うのであります。 これは自治日報という新聞に秋田県の「湯沢雄勝広域市町村圏計画の概要」というものがあります。すでに自治省のほうには、昨年指定いたしました五十五のものについて、総額五百七十億円程度かかるんだ、こういうことがいわれておるわけでありますが、この計画は秋田県の地方課長が書いたのでございますけれども、たいへん重要な点があります。時間がありませんからそれを申し上げてみますと、一つは、かなりばく大な費用というものがかかるということであります。一体これが全総計画とどういう関係を持ってくるのか、あるいはせんだって閣議決定されました新経済社会発展計画とどういう関係を持ってくるのか、いろいろと検討しなければならぬのでありますけれども、時間がありませんからその辺は申し上げません。 ところで、この秋田県の計画の中にこういうことが書いてございます。ちょっと読んでみます。先ほどおっしゃった特徴の中で、合併した場合にも暫定的に広域市町村圏と同じような財政措置をするというのはさか立ちしておるのではないか、こういう指摘を秋田県の地方課長の松本という人がしております。そして重要なことは、今度は幾つかの県にわたっても広域市町村圏が設定されるのでありますから、「府県については、当面、広域的行政体制の充実強化につとめるとともに気運の熟したところについては自主的な合併を進めることとし、府県制度の根本的な改革は、さきに述べた広域市町村圏の育成強化による市町村の基盤強化という「前提作業」が完了した時点にゆずるべきものと考える。」こういうふうに書いてあります。これは結論のほうは、広域市町村圏育成の方向は、いまの県全体におおよそ行き渡ってくるときには県は必要なくなってくる、府県廃止の前提作業としてこの広域市町村圏が取り上げられておるんだ、こういうふうに書いてございます。そうしてそういうものが道州制への条件つくりになるんだ、こいうふうに説明してあります。これは地方課長が書いたのですから、秋田県といいますと小畑知事、地方制度調査会で長年この問題について取り組んでおる知事のもとの地方課長でありますから、かなりこれは広域市町村圏の位置づけというものを地方制度の問題と密接な関連を持たして描かれておる、こういうふうに申さなければならぬ。この辺についてひとつ大臣なり行政局長、どういうふうにお考えになっているのか、あっさりとひとつ御説明いただきたいと思います。
○宮澤説明員 なかなかあっさりとは御説明しにくいのでございますが、ただいまお読みになりましたのは、地方課長個人の見解だと思います。ただ、いまも御指摘のように、小畑知事は広域市町村圏には非常に関心を持っておられます。小畑知事の従来からのお考え、私どもも地方制度調査会その他で拝聴いたしておりますけれども、小畑さんは、なるべくいま県がやっております仕事を市町村におろすべきだ、こういうお考えを非常に強く持っておられます。 〔砂田委員長代理退席、委員長着席〕 そのためには広域市町村圏を整備充実をして仕事を移していく、こういうことを常にはっきり言っておられます。しかし、同時に、小畑知事は、ただいま財界等が提案をしております道州制につきましては、むしろ反対の御意向のように私は考えているわけであります。したがって、その間に論理的なつながりがあるというふうには必ずしも私は考えておりません。いまの松本地方課長が書きました解説でございますか、論文でございますか、細谷委員お読みになりましたけれども、私はそういう感想を持っています。
○細谷委員 これはいろいろ重要な問題点でありますし、ほかのほうの計画も持ってきておりますけれども、時間がありませんから、約束の時間が経過しましたので御協力願いますということでありますから、まだありますけれども、きょうはこの程度で終わっておきます。
○菅委員長 和田一郎君。
○和田(一)委員 公害の問題がいま一番騒がれております。それからGNP、国民総生産が世界第二位といわれる、そういうすばらしい発展の陰に隠れて、公共施設の整備が非常におくれておる。前の自治大臣の話の中にも、これからの七〇年代というのは社会資本の充実が急務であるということが言われております。その発言の内容を見ましても、まっ先に取り上げられるのは道路それから公共下水、こういった問題になってくるわけでありますけれども、私は、こういう陰に隠れて、じみな話かもわかりませんけれども、義務教育諸学校、これは非常に進展がおそい、このように感じる。四十五年度の予算がきまってしまいましたけれども、今後の問題もありますので、ひとつここで自治省の考え方と、それから文部省からおいでになっていると思いますが、その方の考え、具体的なことについてきょうはひとつ質問していきたい、このように思います。 まず一つお聞きしたいのですが、文部省のほうは助成課長さんだそうですけれども、地方公共団体が責任を持っている学校は、小学校、中学校、これはもう大いに自治省も関係があると思うので、ひとつ御見解をお聞きしたいと思いますけれども、大学校、それから高等学校、高等専門学校それから幼稚園には設置基準というのがあるのですが、小学校、中学校に対して設置基準がない。これはどういうふうに考えていらっしゃるか。小中学校の責任は地方自治団体にありますので、まず自治省側からひとつ御見解をお願いしたいと思います。
○長野説明員 小中学校の設置基準等の関係につきましては、これは教育の基本的な事項でございます。私どもは文部省の所管と心得ておりますので、そちらからお答えを願いたいと思います。
○和田(一)委員 確かに文部省かもわかりませんけれども、地方自治団体がもう全責任を持っておるわけですよ、小中学校は。それだけ設置基準がないのですけれども、文部行政だから文部省かもわかりませんが、自治省としての御見解を聞いているのです。これはお考えはあると思うんですね。——それじゃ、いいです。文部省のほうからひとつ御説明願います。
○松浦説明員 これにつきましては、先生のお話のありましたように、学校教育法によりまして各学校ごとの編制、設備等の基準を別に定めるというようなことになっております。いまお話のありましたように、大学、高等学校、幼稚園等につきましては、それぞれの学校の設置基準という名前のついたものが定められておるのでございますが、小学校、中学校につきましてはそういったまとまった形のものは現在のところまだございません。ただ、学校教育法の施行令あるいは施行規則等におきまして、小学校、中学校等に関する基本的な定めが若干ございます。これは先生のお話しのように、全国義務設置のものでございますし、また長い伝統を有する学校でございまして、地域的な事情が非常に多いという面があるのでございますが、そういう学校教育法施行規則にありますような基本的な定めを受けまして、あとはいろいろな補助の基準あるいはその他の指導的な通達等によりまして運営をされてまいっているという状況でございます。 以上でございます。
○和田(一)委員 高等学校はすばらしくりっぱになりました。どこへ行っても鉄筋コンクリートづくりで、一つの例をあげれば、校長室なんというのは大臣室よりもいいかもしれぬ。ところが、小中学校へ行きますと、実にむざんな姿が多いのですね。それはいいところもあります。りっぱにできているところもあります。私はこの間二、三行ってまいりましたけれども、最近の子供たちは体格が大きくなって、中学校でも八十キロぐらいのがいるそうです。そういう子供たちが階段をどんどんとかけおりる。ですから階段が両側へ開いてしまう。それから廊下で継ぎの当たっていない廊下はおそらくないのじゃないか。フローリングでちゃんとはめ込んでありましても、全部はがれてしまう。ですから、力がそこだけにかかるものですから、どこでも直している。これが実態です。新しくつくった校舎はまた別でありますけれども、特に木造校舎だけを見ましても、かえって明治、大正年間につくった校舎のほうががんじょうなんです。終戦直後につくった、昭和二十四、五年ごろ急増対策でつくったのでしょうけれども、これはなま木でつくってありますから、ものすごい、床板の継ぎ目が全部おっかけてしまうのです。ですから、継ぎ目の用をなしていないというのが現状です。天井を見ますと、ひびだらけのもありますし、下がっているのもある。それから廊下は長いですから、廊下の一番先端から見ますと、うねっている。ほとんどの木造校舎がそういう実情です。これはまず私は、そういう問題の中から、この七〇年代のいわゆる社会資本の充実の面から考えて、道路も大事です、それから公共下水道も大事です。さらに一番問題の公害の問題、これはどうしてもやっていかなければなりませんけれども、次のわが国を背負っていく大事な小学生または中学生、あまりにもみじめな存在が多過ぎる、そのように私は痛切に感じるわけなんです。その面についてこれから具体的にお願いいたしますけれども、どう考えていらっしゃるか、大臣ひとつお願いいたします。
○秋田国務大臣 和田先生の御指摘のとおり、義務教育は大事であり、その施設の充実も一日もおろそかにできないところでございます。自治省といたしましても、これが整備には財政的にまた行政的にもいろいろ考慮をいたしておるところでございますが、相当よくなったところもございますけれども、かえって都市等におきましては、ただいま和田先生御指摘のとおり、戦後の資材不足、財政窮乏時代に建てましたものは、非常に危険校舎としてまだ使っておるところを見るわけであります。また人口急増地帯におきましては、横浜における例のごとく、プレハブ校舎等を指摘されておるところでございまして、これらの義務教育校舎並びに施設の充実強化につきましては、社会資本の充実の一環といたしまして、道路、下水道と相並びまして、決してこれに差等をつけておるつもりは自治省としてございません。今後財政的にあるいは地方債の割り当て、交付税の基準財政需要額における考慮等、文部省とも十分打ち合わせの上充実を期してまいりたいという基本的考えを持っております。
○和田(一)委員 一つ一つお聞きしたいのですけれども、これは小学教の校舎ですが、町を見ますと、どこへ行っても、みんなすばらしいビルが建ち並んでいる。それから住宅街に行きましても、近代的な文化住宅が建ち並んでおります。ですから、理想とすれば、小学校、中学校も当然鉄筋校舎にしなければならないと思うのですけれども、その鉄筋校舎と木造の割合は全国的に非常にアンバランスです。子供たちにそういう差をつけるということは私はよくないと思うのです。これは小学校、中学校の義務教育の場合はその市町村の財政力がものをいう。それに対して交付税をやっているということになりますけれども、それについても非常に差があり過ぎる。北海道なんか木造が七二%です。それから青森は八一%、最高が長野の八八%という数字になっております。ところが、最低は、一番いいところはやはり東京で三〇%。やはり地域地域の財政事情がものをいっているわけでありますけれども、こういうことについてはどうでしょうか。どういう考えでいらっしゃいますか、まず文部省の課長さんからその点について……。
○松浦説明員 いま御指摘のありましたように、都道府県によりましてかなりの開きがございますが、全国平均からいたしますと、小学校の校舎で申しますと、鉄筋が三四%、鉄骨が二・七%、それから木造が六三・二%というような状況でございます。中学校校舎のほうにつきましては、鉄筋が三七・八%、鉄骨が四・〇%、木造が五八・二%というような状況でございます。全国平均でいきますとおおむね六〇%くらいがなお木造であるというような状況でございます。それから木造建物につきましても、先ほど先生からお話のございましたように、戦前の古い建物で非常に骨組みがしっかりしておるというふうなものは、現在もまだ健全なものがかなりあるのでございます。 そのようないろいろな沿革的な事情もございまして、都道府県によりましてまちまちな状況でございます。私どもといたしましても、このような時勢になりますと、木造の校舎ができるだけ改まりまして鉄筋化されていくほうが望ましいというようなことで努力しておるのでございますが、なおこの木造建物の改築につきましては、これを一気に全面的にやるというようなわけにもまいりませんので、一定の基準によりまして耐力度を調査いたしまして、一定範囲内のものにつきましてそれを国庫補助の対象に取り上げていこうというようなことで進めておるわけでございます。現在は四十四年度を初年度とします第三次の五カ年計画を立てまして、漸次その改善に努力しておるというような状況でございます。
○和田(一)委員 義務教育の施設については国庫補助金と地方債の二つの財源で——とても自己財源だけではできない。それで各市町村がこぞっていろいろな申請を出すわけでありますけれども、今度は文部省のほうから補助金のついたもの、それだけが大体各市町村の改造の対象になっておる。補助金のつかないものはどうしようもないというのが現状なんです。今度は地方債のワクですが、補助金のついたものだけをワクをおきめになって起債されるのかどうか。これは自治省のほうにひとつ……。
○佐々木説明員 四十五年度の数字で申し上げますと、義務教育の施設整備事業につきましては、原則として補助対象分について起債を用意しておる場合と、そのほかに防音対策分として十二億、単独事業分として四十二億、それから用地取得分として八十億というものが用意されておるわけでありまして、大部分は国庫補助対象分について起債を許しているということでございます。
○和田(一)委員 じゃ、国庫対象以外でも、希望があれば、許可されるということでしょうか。
○佐々木説明員 学校の建築費は相当多額な経費を必要とするわけであります。したがいまして、小さい町村等におきまして単独の事業として実施をするというためには、その財政に与える影響は非常に大きいわけであります。したがいまして、私どもは文部省の計画に従いまして、できる限り補助対象事業として採択をしてもらう。それによって学校建築をしてもらう。それに対する地方負担分については起債並びに交付税措置によって財源の措置をしていく、こういう方針でおるわけでございます。
○和田(一)委員 それでは先を急ぎまして、危険校舎なんですけれども、満点が一万点で、だんだん減点をしていって四千五百点からが大体危険校舎の対象になる、こういうわけなんですけれども、大体どこの学校でも骨組みはがっちりしているんですね。大体どこでもそうです。傾いたのはやむを得ませんけれども、外見がものすごく悪い。廊下もぼろぼろというところでも、なかなか四千五百点にならないのですけれども、この四千五百点というのはぎりぎり一ぱいの線なんですか、どうでしょうか。また、どういう基準でもって四千五百点から危険校舎とおきめになったのか。財政的な予算のゆとりの面からおきめになったのか。現実的かどうか。ひとつ助成課長から……。
○松浦説明員 この点につきましては、先生お話しございましたように、新しく建物ができ上がりました状態できちんとつくられたものを計算いたしますと、一万点満点になるようになっているわけでございます。それにつきまして、どの程度から国庫補助の対象にしていくかという問題もあるのでございますが、現在のところでは四千五百点以下になりますと、これを改築の対象に取り上げていくという方向でやってまいっておるわけでございます。私もしろうとでございますが、専門家に聞きますと、ほんとうに危険になるのは、三千点を割るということになりますと、いわゆる通俗な意味での危険というふうに考えるべきだということでございますが、四千五百点以下が直ちに危険というわけではございませんが、国庫補助としてはその程度以下のものを取り上げておるという状況でございます。なお、これで最終的にいいというように考えているわけではないのでありますが、いろいろな事情からそういうようになっています。私どもできれば、こういう時勢でございますので、その点をさらに改善していくよう検討してまいらなければならぬというふうに思っているわけです。 なお、建物につきまして、先ほどお話しございました外壁とかあるいは床のようなものでございますが、私ども危険点数につきましては、建築学会のほうにお願いしまして、建築学会のほうで十分検討していただいて定まったものでございまして、やはり全体の骨組みといいますか、基本がしっかりしているかどうかという点が中心でございます。そういう外壁の関係とかあるいは廊下のようなところは、その設置者のほうで当然維持補修すべきものもあるというふうに考えております。そういう点につきましては、できるだけ設置者のほうでも気を配っていただきまして、廊下が波を打ったり、まして子供がけがをしたりするというようなことのないように十分に補修する面もあわせてお願いしたいというようなことを申しておるわけです。
○和田(一)委員 いまの危険面積は全国でどれくらいになっておりますか。
○松浦説明員 四十四年五月一日の調査でございますが、木造のほうで申しまして、小学校で三千五百六十一万平米、中学校で千八百十五万平米でございます。合わせて五千三百七十六万平米でございますが、そのうち危険面積となっておりますのが、四千五百点以下でございますが、小学校で八百十四万平米、中学校で二百十三万平米、合わせまして千二十八万平米でございます。この割合をパーセントで申しますと、小学校が二二・九%、中学校が二・八%、平均一九・一%という状況でございます。 なお、この危険面積は補助の基準からいきますと、かなりオーバーしたものも含まれておりますので、そのうち補助基準からいきまして改築を要する基準の範囲内にはまりますものは、小学校で五百四十二万平米、中学校で百四十九万平米、合計六百九十二万平米でございまして、危険面積のうち平均六七・四%が該当しておるという状況でございます。
○和田(一)委員 それで、自治省もほんとうはこれに大いに関係あるのですけれども、文部省の方にお聞きしますが、危険校舎はいまどういう計画でやっていらっしゃいますか。
○松浦説明員 これにつきましては、従来から改築を進めてまいっておるのでございますが、先ほど申し上げましたとおり、四十四年度を初年度としまして第三次公立文教施設整備の五カ年計画が定められておりまして、それに従って現在進めておる次第でございます。根本的な考えとしましては、四十三年度の公立学校の小中学校の危険面積を把握しまして、それに基づきまして、過疎・過密等の現象もある程度考慮に入れまして、四十八年度の要改築面積というものを推計いたしまして、それを五カ年間に達成するという計画でやっておるわけでございます。四十四年度は九十二万平米ほど小中学校の危険改築面積を予定、予算化したわけでございますが、その状況から見まして実際の申請状況は、これをかなり上回っておる状況でございます。そのようなことから四十五年度予算におきましては、八万平米ふやしまして百万平米の予算をいたしております。しかし、最近の状況から見ますと、やはり市町村の改築計画が非常にたくさんになっておるような状況でございますので、今後とも、私どもこの点は最大の努力を払っていかなければならないというように考えております。
○和田(一)委員 何回も御答弁に立っていただいて恐縮ですけれども、危険面積を全部課長さんのほうで補助された場合、補助の金額としてどのくらいの財源が要りますか。何年間かかるかですね。補助が一年間約百億見当でしょう。
○松浦説明員 ことしの予算で申しますと、予算額に計上しておりますのが約百万平米、百十億くらいでございまして、今後三年間には三百万平米あるいはこれをこえるような改築をやらなければならぬと思うのでございます。
○和田(一)委員 何年くらいでございますか。
○松浦説明員 五年計画でいまやっております。
○和田(一)委員 全部五年で解消できますか。
○松浦説明員 それは四十三年の資料によりまして四十八年度の面積でございます。その後古くなってまいりますものは入っていないのですが、これをさらに今後加えましてやっていかなければならぬというふうに思っております。従来の四十三年現在から四十八年を推計いたしたものですと、あと約三百億余りかかるのじゃないかというふうに見積もられるわけです。
○和田(一)委員 大体いまのお話でおわかりになったと思いますけれども、これは市町村の財政の事情もあるわけなんですねですから、そのほうでいろいろ申告してきたものも額は大体いまおっしゃったとおり。このことについて自治省はどうでしょうか、何らかの手をお打ちになるような具体策はございませんか。どんどんこれから危険校舎がふえる。さらに超過負担の問題があります。超過負担だって、鉄筋コンクリートで一平米大体五千円くらいの負担ですよ。ひとつお考えを聞かしていただきたい。もしなければ、ひとつ何らかの方法を講じてもらわなければどうしようもない。子供たちがかわいそうですよ。学校からひけてうちへ帰ってくる道すがら、すばらしいビルディングが建っている。国会の向こう側の小学校なんかごらんなさいよ。ほんとうに小さなかわいそうなものです。ひとつお答え願いたいと思います。
○長野説明員 危険校舎等につきまして中心にお話しのございました義務教育の施設の整備につきましては、人口急増地域の整備の必要あるいは危険校舎の改築、いろいろ問題があるわけでございます。先ほども文部省からお話がありましたように、一応年次計画を立ててそれの整備に当たっておる。今後またその上で、さらにふえてきますものにつきましてもそれを加えながらやっていくということ、これは当然のことであります。また、私どもといたしましても、一日もすみやかにそういう整備が完了するということを、もちろん一つの基本の考え方として持っております。それをなるべく実現するようにしてまいりたい、こういう気持ちでおるわけでございます。財政的な問題における制約も確かにございますけれども、現在までのところ、先ほどからのお話がありました状況を数字的にまとめて申し上げてみますと、四十五年度の予算におきまして国庫補助金は約三百九十六億ということに相なります。それに対しまして——(和田(一)委員「百億でしょう」と呼ぶ)義務教育施設全体としては三百九十六億です。地方負担が、それに対応いたしますものが約六百三十七億、全体といたしまして千三十三億ということに相なるわけでございますが、これに対しまして地方債で約五百六十五億という用意ができておるわけでございます。そのほか、交付税におきまして二百六十三億。なおそのほかに一般的な財政需要としまして、投資的な需要もこれに加算をいたしますと、地方負担金につきましては財政措置というものは一応とれておるというふうに考えておりますが、それと同時に、実際問題といたしましては、いわば超過負担という問題もあるわけでございます。こういう問題につきましては、年々解消を続けておりまして、現在までのところ二百七十九億の解消措置をいたしております。そういうことをあわせまして、地方負担は大体義務教育施設整備につきまして、現在の計画のベースでは一応支障がなく私どもは実行ができるものと考えておりますが、御指摘のありましたような状況でございますから、その整備の円滑を期するために今後とも努力を続けてまいりたいと思っております。
○和田(一)委員 いま財政局長からお話がありましたこれは、地方の財政事情が一番大きなウエートを占めております。とにかくそういった義務教育の施設を充実しようと思えば、いままでの制度よりも何らかまた強力な制度を国のほうで考えてもらわなければ、地方のほうとしてはどうしようもないという状態なんですね。そういう意味で、予算は国会がきめるようなもんですけれども、今後何か新しいアイデアを考えていただいて、これは助成課長さんのほうもそうでありますけれども、もう少しその助成をふやすとかなんとかしていかないと、地方の財政も追っついてごない。起債ももらえないような状態ですから、そういう面でひとつ強力にお願いをしたいと思うのです。 時間がありません。もう一つだけ自治大臣に聞きたいのですが、いま各市町村で、父兄負担の軽減分としまして、一般会計の中からたとえば一千万であるとか五百万であるとか、ぽんぽんと出してくるわけですね。この父兄負担、いわゆる税外負担といいますか、またはPTAの会費でなくて寄付という面もあると思いますけれども、小中学校の生徒たちが使う教材教具またはいろいろな問題があると思いますが、それは非常に多い。そして地方議会ではいつもこの問題が問題になっておる。そういうことについて市町村が四、五年前あたりから負担軽減分としてだいぶ出すようになってまいりました。たとえばいままで寄付を毎月五十円とっておったところが、今回から四十円に下げましたとか、または値上げ分を押えましたとかというふうな分がはね返ってきているわけです。これは傾向としては非常にいいのでございますけれども、それだけやはり地方財政を圧迫するということにもなりかねない。そういったことは、今後何かやはり考えなければならないと思うのですけれども、その点についてどうでしょうか、何か御意見ございますか。
○長野説明員 税外負担の解消につきましても、全体といたしまして、年々いわゆる財政秩序の確立と申しますか、そういう観点から措置をしてまいっておりますが、四十五年度におきましては地方財政計画の上でも百億、そのための措置をいたしておりまして、そういう意味で、税外負担の解消ということは逐次実現に乗せてまいりたいという指導を数年しておるわけでございます。地方団体の場合におきましても、年々そういう方向での是正措置が講ぜられております。しかし、なおまだ個々の団体によりますと、十分でない場合ももちろんございます。自治省としましては、そういう措置が実際に地方団体の中で実現をしてまいりますように、今後ともつとめてまいりたいと思います。
○和田(一)委員 それは、たとえばころんでけがをしたところにメンソレータムを塗るような、そういう行政でなくて、一体どうしてそのような——税外負担の解消分なんという出費なんて思いも寄らなかったと思うのですけれども、そうしてそのような税外負担ができるかという問題を考えなければならない。子供たちが満足に勉強をできるだけの資材がないのですよ。そのほうもひとつこれから文部省のほうでも大いに検討していただいて——相当単価も安いそうです。子供たちが買わなければならぬ教材に対しても、単価も安いし、数量も少ない。必然とこれは税外負担に走ってしまう。これは憲法にありますとおり、義務教育はあくまでも無償でありますから、こういうことは何回もお聞きになっていると思いますけれども、ひとつ七〇年代の最初にあたりまして、社会資本の充実と同時に、こういう教育施設の整備につきましても、強力に改善されんことを要望して、私の質問を終わります。
○菅委員長 青柳盛雄君。
○青柳委員 自治省にお尋ねをいたしたいと思いますが、ここ数年来公害の問題が非常に大きな論議を呼ぶようになってまいりました。都市問題、公害問題の重大化、これが人間と自然との間の正常な循環関係を破壊いたしまして、人間的な生活と人間の生存そのもの、基本的な条件が失なわれつつある、こういう状況が出ております。これは従来災害といわれたようなものとは異なって、全く国の政治のあり方の結果として生まれてきている問題でございます。いわゆる高度経済成長というものが推し進められる中で、この公害問題が激化しているということは、もう何人も認めざるを得ないところでございます。この問題は、七〇年代の最大の問題の一つになるであろうということは世論も一致しているところでございますが、これに対して、被害をこうむるところの国民は、すべて地方自治体の住民でもあるわけです。地方自治体は、このためにいろいろと施策を行なっておりますが、まだ大きな成果をあげるには至っておりません。この問題について、自治省では公害を最重点施策にするという方針をきめられて、先ほど話がありましたような通達もお出しになれば、また六月の八日には、全国の都道府県の企画開発主管部長会議というものを開いて、この方針を示されたようでございますが、これはもっぱら水質の保全と大気汚染を防止するという観点からやられたようでございまして、当面これは非常に重要なことではございますが、しかし、水質保全あるいは大気汚染ばかりでなくて、たとえば騒音防止というような措置もあるのでございます。その他地盤の沈下の問題、いろいろありますけれども、こういう公害防止に関する権限を大幅に自治体に移し、そして住民の意思が反映した公害行政が実施されるようにするという考え方を自治省としてお持ちになっているかどうか。先ほども基準の設定などについて論議がありましたが、そういうことも含めてでございますけれども、要するに、自治体が十分に権限を持ってこれに当たるというような条件をつくってやるということが大事だと思いますけれども、この点についてお尋ねをいたしたいと思います。
○鎌田説明員 公害に関します規制権限の一元化をはかるとともに、公害対策におきまする地方の自主性を尊重してまいりたいというのが、先ほど来大臣をはじめ私どもが答弁をいたしている基本的な考え方でございます。現在、工場排水等の規制に関する法律等に基づきまする排水規制権限につきまして、国に留保されているものをできるだけ知事におろしてまいる、権限の委譲を行なってまいるように関係各省庁に働きかけてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○青柳委員 続いてお尋ねをいたしますが、現在、地方自治体におきましては、公害対策審議会などというようなものを設けて、いろいろと施策のあり方を研究しているようでありますけれども、さらに進んで、特別必要と認められる地方自治体に対しては、公選制の公害委員会というようなもの——地方行政委員でございますが、こういうものを設けて、これに必要な権限を与え、公害の調査とかあるいは自治体長等への勧告、さらには住民との間の紛争の解決などに当たらせるといような新しい制度を考えられないかどうか、検討しておられるかどうか、お尋ねいたしたいと思います。
○鎌田説明員 現在、都道府県並びに市町村におきまして、かなりの団体におきまして、公害対策審議会というものを持ちまして、知事あるいは市町村長の諮問にこたえて公害防止のために、あるいは紛争の処理のために機能を果たしていることは御指摘のとおりでございます。 さらに、また先般の国会におきまして成立をいたしました公害紛争処理法におきまして、中央に中央公害審査委員会でございますか、都道府県段階におきましては、条例で定めるところによりまして、都道府県公害審査会というものを置いて「公害に係る紛争について、和解の仲介、調停及び仲裁を行なう」こういうことになっているようでございます。せっかくこういった制度が現在ございますので、そういったものの活用をはかってまいる、その運営上の支障になりまする点につきましては、私ども先ほど大臣からお答え申し上げましたように、常時緊密な情報の提供を受けまして、政府部内での統一をはかってまいりたい、こういうように考えているところでございます。
○青柳委員 もちろん、それはけっこうだと思いますけれども、私が申し上げたのは、さらに進んで地方住民の意思が十分に反映する、しかもそれが一つの権限を持ったもの、単なる諮問委員会みたいなものではなくて、いまある選挙管理委員会とか、あるいは教育委員会とかいったようなもの、あれはいま公選制になっておりませんけれども、公選制の公害委員会といったようなものを設けて、これはすべての地方団体とは申しませんけれども、大都市、公害の非常に多く起こっているうな場所においては、そういう制度を新しく設けるというようなことについて検討する余地はないかどうか、そのことをお尋ねしているわけであります。
○鎌田説明員 いまの公害審査委員会的なものに払えまして、公選制のものを設けるということにつきましては、現在のところは考えておりません。と申しますのは、現在の各県が設置いたしておりますものが、一応知事が住民の代表の立場といたしまして、住民の生命、身体の安全をはかってまいる、こういうことで公害対策を進めてまいりますための学識経験者からなりますところの審議会の機能というものはやはり高く評価されていいのではないだろうか。それではどうしても住民の切実な要求というものが反映されない、こういった段階に相なりましたならば、御指摘のようなことも考えられていいのではないだろうかというふうに考えるのでございますけれども、現在の審議会でやはり十分機能を果たしているのではないか、これはあるいは私の認識が足りないのかもしれませんけれども、そういうふうに考えております。引き続いて検討いたすことはもちろん当然でございますけれども、現在そういった形での制度改正ということまでは考えておりません。
○青柳委員 次に、地方自治体が公害の問題について財政上の負担を相当程度行なっております。たとえば四十三年度の決算によって見ましても、府県、指定都市、特別区等が百二十一億円、市町村が七十五億円、合計百九十六億円というものがいわゆる公害対策費として出ております。それから公害防除事業費という形では、府県、指定都市、特別区で六十九億円、市町村で六十五億円、計百三十四億円、この対策費と防除事業費と合わせますと、総計三百三十億円という負担を地方自治体は行なっているわけでありますが、この負担がどういう財源によって来るかということについて研究されたことがあるかどうかお尋ねするとともに、こういう負担を国としてどういう配慮をすべきであるか、補助金の形にするか、あるいは地方交付税の配分を行なうことによって援助するか——援助するといいますか、地方交付税は当然地方の財源でございますから、これを配慮する。これは自治省の考え方で公害防止のための企業の財政負担を明確にするという関係もございましょうけれども、企業だけに負担をさせることを研究しているという段階ではなくて、すでに四十三年度でも三百三十億円も負担をしているわけでありますし、また四十四年度さらに本年度というようにこの額は増加していっているに違いないのであります。だから、この点について自治省としては財政負担をどう考えていくべきか、研究されておられるならば、お知らせ願いたいと思う。
○長野説明員 先ほどお話がありました四十三年度の公害対策の経費の全体を通じた額は、私どものところでは百九十六億円ということで決算を見ておるのでございますが、その中には、先ほども御指摘がございましたように、対策事業費というようなものが、いろいろな種類のものが実は入っておるわけであります。たとえば水の関係で申しますと、河川の改修でありますとか、あるいは下水道の整備でありますとか、あるいはまた公園の緑地整備でありますとかいうようなものもたまたま入っておるわけであります。そういうものにつきましては、従来からの一つの助成措置あるいは財源の負担区分というものもあるわけでございますが、ただ、そういうものを含めまして公害によってそういう事業をさらに進めていく、あるいはさらに規模を拡大していくというような問題が現実に起こってくるわけでございますから、そういう点につきましてのいろいろな助成措置なり財政負担区分なりというものにつきましては、私どもも地方団体の責任が全くないとは申しませんけれども、地方団体のみがこれをかぶるというような形は、これまた実際問題としても社会的な構造の観点からいいましても、はなはだしく適切を欠く場合も多いわけでございます。したがいまして、これらの行政の個々につきましては、なお新しい行政といいますか、完熟しない点がたくさんあり、企業その他の関係との面がたくさんございますので、従来からの仕事についてのある程度の処理をもってまかなえるものもございますが、新しいものにつきましては、いろいろな対策が具体化していくその中で考えていくということが出てくるわけでございます。 現在、たとえば通産省を中心にいたしまして産業構造審議会というようなものも、公害防止事業に対する事業者の費用負担についての考え方というものについての審議を進めておる段階であります。また厚生省におきましては、公害防止のための費用の研究会というものがありまして、これらもそれぞれの国なり企業なり地方団体なりというようなものの費用負担というか、責任というものをどういうふうに考えていくべきかという研究を進めておりますが、自治省といたしましても、これらに直接あるいは間接的に参画をいたしまして、地方団体の実態というものに徴して、私どもなるべく公平な、公正と考えられる制度を打ち立てるべく、現在そういうものの中でもいろいろと論議をかわしておるところでございます。 市町村、府県の責任は全くないとも申しません。しかしながら、考えようによりますと、企業の誘致をいたしましても、公害まで誘致したわけではございませんので、その点になりますと、やはり企業としての考え方、国としての考え方、いろいろ考えてまいって、地方の住民の福祉増進というものとの均衡を考えながら、具体化の方向で検討を進めておる、こういう状況でございます。
○青柳委員 いろいろ長々と御説明もありましたけれども、私が先ほど質問した中に地方交付税のことがあったのですが、これは全然検討の余地がないのかどうかですね。これを大幅に実情に合ったようにして配付するということを研究しておられるかどうか、その点もちょっと……。
○長野説明員 先ほども申し上げましたように、公害の関係は公共事業なりいろいろな事業の中に含まれておるものと、直接、たとえばばい煙の濃度を測定するとか、あるいは水質の汚濁の状況を監視いたしますとかいう、いわゆる公害の状況の監視、測定という、公害そのものといいますか、公害対策の一番の中心になるような人なり設備なり機械なり器材なりというものと、両方があるわけでありまして、自治省として、直接その二つの問題につきまして、前者のほうはいわゆる公共事業費その他に関連をいたしますところの地方負担としての問題につきまして、交付税措置、起債措置その他を考えておるわけであります。それからあとの、いわゆる公害の監視的な人の配置、機械、器材の問題といたしましては、交付税措置としては、四十五年度におきまして三十億円のものを一応公害関係として措置をいたしております。
○青柳委員 時間もありませんので、別な問題をお尋ねいたしたいと思いますけれども、安保体制を堅持するというような政府の方針で、米軍の基地が依然として日本には存続しているわけでありますが、しかし、これを実情に合ったように整備するというようなことで、部分的には返還という問題が出つつあります。この米軍基地が返還された場合に、これをどう処理するかということが、地方住民にとっては大きな関心事でございます。東京におきましてはグラントハイツというのが、百八十万平方メートルもあるものでございますけれども、これが、聞くところによりますと、四、五年の計画で返還される予定であるということで、本年度の予算でも、一般会計で五十億円が計上されたというような事実があるのでありますが、それについて大蔵省にお尋ねをいたしたいのでありますけれども、こういう米軍の基地、施設、そういうものが返還されるにあたって、六十一国会で改正を見ました国有財産特殊整理資金特別会計法、こういう長い名前の法律がありますけれども、これとの関連をお尋ねいたしたいと思うのであります。 国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法によりますと、第五条で、特定国有財産整備計画をつくるということになっておりまして、その対象になるものはどういうものかということは政令によってきめられるようになっております。部分的には政令によって除外される場合もあり得るようでありますけれども、施行令によりますと、米軍の基地というようなものは除外をされるようになっております。こういう規定から見ますと、この特別会計法の対象にはなっていないように思いますけれども、この点はいかがですか。
○市川説明員 国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法の第五条におきまして、「公共用財産その他政令で定める国有財産を除く。」こう書いてございます。その除かれる財産が同法律の施行令の第四条で規定されております。施行令の第四条に該当する財産は除かれてしまうわけでございますが、施行令の第四条の中にカッコ書きがございまして、普通財産は除く、ただしカッコの中のものは除外をすると書いてございます。したがいまして、施行令第四条のカッコ書きの中に入っている部分は除かれないことになります。
○青柳委員 わかりました。それで、当然この解釈上グラントハイツのようなものは、この特別会計法の対象であるということでございますが、それではこの法律に規定されておりますいわゆる整備計画というものは、グラントハイツについてはどのようになっておりますか、それをお聞きしたいと思います。
○市川説明員 整備計画は、予算のつきました範囲について逐次立てていくという方針でございます。先ほど先生御指摘の五十億円の予算がついております。これは一般会計ではございませんで、特定国有財産整備特別会計という特別会計におきます歳出予算として、四十五年度五十億円ついているわけでございます。その五十億円の部分につきまして、整備計画を樹立いたしているわけでございます。 その整備計画の内容は、現在ございます施設を処分いたす、これが第一の部分でございます。第二の部分は、処分いたしました財源をもちまして新しい代替施設を取得する、これが第二の部分でございます。新しい施設の取得につきまして若干具体的に申し上げますと、米軍の家族住宅を三百戸、これを別の米軍の提供地区内に建設をする、同時にその家族住宅に付帯いたしますところの各種の建物、それが二十七棟ございますが、そういうものも同時に建設いたす、それに関連する所要経費が五十億円であるという内容になっております。
○青柳委員 これは、特別会計にした理由が、一般会計での建築交換というものの不都合を取り除くためであるという説明が行なわれておるのでありますが、いま説明された計画は、建築交換に類するようなものであるのかどうか、すなわち五十億円で新しいものをつくって、そうしてそれとグラントハイツの一部とを交換をするというような形態をとるのかどうかですね。その点をお尋ねしたいと思うのです。
○市川説明員 建築交換方式で契約いたす方針でございます。それは、一般会計におきます建築交換方式の不都合を取り除くんだといま先生おっしゃいましたけれども、実はそういうことではございませんで、特別会計におきまして——本件はリロケーションといっておりますが、リロケーションの事業を実施いたしたい。一般会計で実施いたします場合に比べまして、特別会計で実施いたしまする場合には財源の手当てがしやすい。したがって、返還を促進することが可能であるという見地から、特別会計の事業ということで実施することになっているわけでございます。それで、特別会計で契約いたします場合には、建築交換で契約いたしますることもありますし、通常の処分、通常の売り払い、この二つの行為を別に切り離して契約いたす方法もあるわけでございます。私どもの運用のしかたといたしましては、建築交換はなるべく制限的に行ないたいということで実施しております。本件につきましては、五十億円の財源といいますか、取得経費の支出がすぐさま必要になるわけでございますが、当面、私どもの特別会計にはそれだけの資金がございません。したがいまして、資金繰りを可能ならしめるために、建築交換という方式をとって整備計画を進めるということにいたしたわけでございます。
○青柳委員 資金繰りのために建築交換をやるということでございますが、それでは、新しい代替の建物などをつくる仕事を国自身がやるのか、それとも他の団体に行なわせ、そうして等価交換の形でグラントハイツの一部をそのほうに譲渡する、そういうことなんでしょうか。そうだとすれば、その相手は何であるかということも知りたいのであります。
○市川説明員 建築交換方式でいきます場合には、国が直接取得の事業を行なうわけではございませんで、契約の相手方に新しい施設をつくらせます。そのような、できたものを国が取得いたしまして、そこで所有権が国に移る。同じ時点で、国の別の売り払い物件の所有権が相手方に移るという形になりますので、実質的には交換という形になります。 建築交換の相手はだれかということでございますが、私ども四カ年程度の計画でこの事業を実施しようと考えておりますが、第一年度分の五十億円につきましては、すでに国有財産地方審議会の議を経た上で、住宅公団を相手方として契約いたすことにきめております。現在手続中でございます。
○青柳委員 実は、先ほど指摘しました法律がつくられた際に、衆議院におきましてもまた参議院におきましても、附帯決議がついているのであります。衆議院の附帯決議の第三項では「庁舎その他の施設の用に供する国有財産の処分については、都市の健全な発展と秩序ある整備に資するため、これらの適正かつ効率的な活用に留意すること。」それから、参議院の附帯決議の第一項は「国有財産の管理及び処分については、その適正を期するため、一般会計及び特別会計を通じ、これを統一的に行なうよう努めること。」第二項は「都市開発、土地対策問題の解決のため、未利用国有財産をできるだけ活用し得るよう留意すること。」この附帯決議の内容につきまして、参議院で、わが党の渡辺議員が質問をいたしました。その第一項目の分としては、これは原則として一般会計で処理するということが正しいのではないか、そういう趣旨が含まれているかという質問に対しまして、附帯決議を提案された委員の戸田菊雄氏から、大体そういう趣旨が含まれているという答弁があり、第二項の、都市開発あるいは土地対策問題の解決のために活用するという意味は、住民の利益のために活用し得るという意味かという質問に対しましても、そのようだと言っているわけであります。だから、地方住民の利益と都市の健全な発展をはかるということ、そういうことにこの財産の処分は留意しなければならないという附帯決議があるわけであります。 そうだといたしますと、いま住宅公団に新しい施設の建築をまかせるとすれば、勢い、住宅公団は、交換されたグラントハイツの一部を、住宅公団の本来の目的の事業のために利用するということになってくるわけであります。それがいま言った附帯決議の趣旨に沿うようなものであるかどうかということを大蔵省として考えられたかどうかということも知りたいのでありますし、また同時に、建設省のほうでは、この住宅公団の運営についていろいろと指導をし、監督をしておられるわけでありますから、建設省のほうではどう考えられてこれを引き受けられたのか、それをお尋ねしたいと思います。
○市川説明員 あの提供地域は米軍の住宅地区として使われていたわけでございまして、土地のほとんど全部は国有地でございます。その国有地を、米軍施設を移転することによって返還してもらう。返還してもらったあと、現下の、非常に緊要とされております住宅問題の解決のために使用いたす。しかも、土地の高度利用が可能であるということでございますので、国有財産の積極的な活用をはかるという意味におきます附帯決議の趣旨に十分に沿うものであると私どもは考えております。 それから、住宅公団が住宅を建設いたします場合には、先生御承知のとおりでございまして、地方公共団体が中心になってあの地域に妥当いたします道路、学校、あるいは一部公園等もお考えになると思いますし、地下鉄の用地等も確保いたすことになろうかと思いますが、詳細な都市計画が今後樹立されるはずでございます。その都市計画の線のワク内におきまして住宅公団が住宅を建設するという形になりますので、公共の福祉の増進には非常に役立つ有意義な事業であると考えておる次第でございます。
○青柳委員 実は練馬も相当人口がふえてまいりまして、いわゆるベッドタウンでございますから、相当住宅も建てられるようになり、いわゆるあき地というものはだんだん少なくなってきつつあるわけであります。その際、五十五万坪の土地が手に入るわけでありますから、これを住宅公団などに全部使わせるあるいは大部分を使わせるというような形で処理されるということになれば、このあき地がほとんどなくなってしまうということになるわけであります。もう時間がありませんから簡単にいたしますけれども、六十九年地震説というような、消防審議会の答申が出ておりますので、東京がいつ何どきこの地震に見舞われるかわからないというおそろしいことが予想されるのであります。そういう場合のことも考えるならば、これを住宅だけに使わせるというようなことでは、地域住民としては不安であるし、そればかりでなく、緑地帯としてこれをいろいろに活用したいという住民の要求があるわけであります。こういうことを十分に考慮の中に入れて計画を立てておられるかどうか、これをお尋ねいたしたいと思います。
○市川説明員 五十五万坪の全部を住宅にするということまでは考えていないわけでございます。先ほど先生が御指摘になりましたように、代替施設をまずつくらなければ返還にならない。したがって、返還の前提として代替施設はつくらないわけにはいかない。それをつくるためには約三百五十億円という膨大な経費が必要である。その経費を捻出するために特別会計といたしましては処分せざるを得ないということになります。たとえば全部を森林公園とかそういうものにするということになりますと、これは国有財産法の別の規定によりまして、処分ということではございませんで、無償貸し付けということになります。したがって、財源が獲得できないということになります。したがいまして、私どもとしましては、代替施設をつくるための財源を取得するという範囲内におきまして処分しなければならないということになるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、当地の利用計画をどのようにするかということにつきましては、建設省はじめ関係各省におきまして現在慎重に検討をされているのでございまして、その線に従いまして私どもも処分していくという形になります。とりあえず第一年次分の五十億円分につきましては、相手方を住宅公団にいたす。その住宅公団の建設の事業というものも、これからつくられるであろうその都市計画のワク内において実施するという形になるわけでございますので、先生御心配のようなことはないんじゃなかろうかと考えております。
○青柳委員 もう時間がありませんから、一点だけ短くお尋ねいたします。防衛施設庁の方にお尋ねするわけでありますが、このグラントハイツが返還されるという方向が出てきておるのは非常にいいことなんでありますけれども、もうすでに長く汚水処理の問題で周囲の住民が非常に苦しんでいるわけであります。昨年参議院でこのことが取り上げられましてある措置がとられたのでありますが、依然として解決をしていないということが現状でございます。周期的に発生するウンカというものが周囲の住民の食事の中にまで影響を及ぼすというようなこととか、臭気がはなはだしいとか、とにかく現状はひどいものであります。これは一週間に一度浄化槽——昨年度新設されたようでありますけれども、それに水を満タンにいたしまして、そしてこのウジ虫を流せば被害は幾らか減るようでありますけれども、最近基地内の労働者が八名から四名ぐらいに減員をされてしまったために、この一週間一度の措置もやらないようである、それが非常な苦しみになっているようであります。臭気のこともさることながら、このウンカにはもうほとほと周囲の住民は参っているのでありますが、この点について防衛施設庁としては当面すぐ何らかの手を打つことは考えていないのかどうか、これだけお尋ねしたいと思います。
○銅崎説明員 汚水処理場の問題につきましては、先生御指摘のように、周辺の住民の方々に御迷惑をおかけしておるわけでございますが、この抜本的な解決をはかるということで、実は新しい汚水処理場を建設しようという計画を立てまして、実施に移ろうとしておりましたところ、たまたま先ほどからお話が出ておりますようなグラントハイツそのものの移転それから返還という問題が起こりまして、今年度から五十億円の予算で実際に返還の移転の作業を実施するということになっておりますので、返還までの間は殺虫剤等の薬品による処理を完全にいたしまして、御迷惑がかからないような手だてをするように米軍にも交渉し、米軍もそういうことを十分配慮するという約束を得ておるわけでございます。
○青柳委員 人員を減らして、一週間に一ぺんやればある程度防げるというのが、現実には行なわれていないという点についても、十分関心を払ってもらうように私は要請したいのであります。
○銅崎説明員 そういう点につきまして十分配慮するようにいたしたいと思います。
○青柳委員 終わります。
○菅委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後二時七分散会