地方行政委員会 第9号
- 発言数
- 147 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1970/03/24
会議録
○菅委員長 これより会議を開きます。 内閣提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案、及び阪上安太郎君外五名提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案の両案を一括議題とし、審査を進めます。 ————————————— 地方税法の一部を改正する法律案(阪上安太郎 君外五名提出) 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○菅委員長 理事会の協議に基づき、本日付託になりました阪上安太郎君外五名提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案について、提出者から提案理由の説明を聴取いたします。山本弥之助君。
○山本(弥)議員 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案について、提案者を代表して、その提案の理由と内容の大要を御説明申し上げます。 地方税源とりわけ市町村の税源の充実強化ということは、シャウプ税制以来の課題でありますが、残念ながら今日においては、この問題の解決どころか逆の方向にあるといっても過言ではありません。 すなわち、市町村税について見ますと、市町村歳入中に占める税収入の割合は昭和二十六年度の四六%から四十二年度には三七%に低下している状況にあります。これは主として、市町村税制が税収入の安定に重点が置かれたため、今日の都市化現象に伴う動態的な財政需要に対応し得ないという税体系の仕組みに基因するものであります。 日本社会党は、最近における社会経済の発展に即応する税体系を確立するため、国、都道府県、市町村を通ずる税制のあり方について根本的に再検討を加え、早急に結論を出すべきであると主張し続けてきているのでありますが、今回の政府提案の地方税法の改正案では、何ら解決の糸口さえ見えないのであります。 他方、現在のような物価高のもとにおける税負担の現状にかんがみ、国民の生活を守るためには、大幅な地方税の負担軽減につとめる必要があると考えております。昭和四十五年度の財政措置として、前年度に引き続き巨額の財源を国に貸し付けることになっておりますが、このような余裕があるならば、個人の住民税等を中心とした地方税負担の軽減合理化をはかるべきであると思うのであります。 したがいまして、この際、わが党は、憲法に保障する地方自治と住民福祉を守る立場から基礎的地方団体である市町村の税源の充実をはかるとともに、大衆負担の軽減を行なうため、当面、社会経済の現状に照らし、特に緊急と認められる事項について所要の改正を行なうこととしたのであります。 以下順を追って地方税制の改正の概要について御説明申し上げます。 まず、地方税法の改正に関する事項について申し上げます。 第一は、道府県民税及び市町村民税についてであります。 その一は個人についてでありまして、まず、住民税の課税最低限につきましては、今回の政府案では約十万五千円引き上げられておりますが、所得税における課税最低限との差は依然として相当大きいのであります。かりに住民税と所得税とではその性格上の相違もあり、課税最低限については必ずしも一致すべきものでないという論があるにしても、できる限り両税の格差を縮減するよう、具体的な計画のもとにその引き上げをはかる必要があると思うのであります。 したがいまして、昭和四十五年度以降三年間にわたって住民税の課税最低限を引き上げるため、四十五年度において、基礎控除、配偶者控除の額をそれぞれ二万円、扶養控除の額を三万円引き上げることとしております。なお、四十六年度及び四十七年度においてもそれぞれ二万円、三万円引き上げることを予定いたしておりまして、その結果、四十七年度における課税最低限は百十二万円となる見込みであります。 また、障害者控除、老年者控除、寡婦控除及び勤労学生控除の額については現行の七万円を十万円に引き上げることといたしております。 このほか、障害者、末成年者、老年者及び寡婦についての非課税の範囲を、年所得三十五万円まで拡大することといたしております。 さらに、中小事業者の負担の軽減合理化をはかるため、白色申告者の専従者控除額を現行の十五万円から二十七万円に引き上げることといたしました。 次に、現行の道府県民税所得割りの税率は、課税所得百五十万円以下二%、百五十万円以上四%という二段階の比例税率的制度となっておりますが、低額所得者との負担の均衡をはかる見地から、税率を五段階に区分する超過累進税率制に改めることといたしております。 その二は、法人についてであります。 最近における企業の発展は、都市特に大都市における公共施設の充実に負う面が少なくないのみならず、公害その他の問題について、都市に多大の負担を及ぼしている実情にあるため、その負担をある程度企業に求めることは当然であると考えるのでありまして、住民税の法人税割りを、道府県民税にあっては現行の五・八%を八%に、市町村民税にあっては現行の八・九%を一五%といたしております。 第二は、事業税についてであります。 事業税は本来二重課税的な性格をもつものであり、特に零細な個人事業者についてはその負担の過重に著しいものがあるのであります。したがいまして、将来、個人事業税は撤廃の方向で検討を加える必要があるのでありますが、当面、所得税を納付するに至らない者に対する個人事業税の解消をはかるため、事業主控除を現行二十七万円から五十万円に引き上げることといたしております。 また、中小事業者の負担の軽減合理化をはかるため、白色申告者の専従者控除額を現行の十五万円から二十七万円に引き上げることといたしました。 第三は、料理飲食等消費税についてであります。 都市あるいは観光地等における市町村の行政負担は年々急増を示している反面、観光関係地の財政収入は、市町村一に対し、府県二、国四という実情にかんがみ、その財源に充てるため、この際府県税である本税を市町村税とすることにいたしております。 なお、料理飲食等消費税の市町村移譲につきましては、課税事務を考慮して昭和四十六年度より適用することといたしております。 第四は、都市計画税についてであります。 都市計画税の課税客体は土地及び家屋となっておりますが、都市計画事業に伴う受益の度合は、償却資産についても土地及び家屋と同様でありますので、都市計画税の課税客体に償却資産を加えることといたしております。 なお、都市計画税の賦課期日は一月一日となっておりますので、この改正規定は昭和四十六年度分より適用することといたしております。 以上の改正により、昭和四十五年度においては、個人住民税におきましては差し引き千五十三億円、個人事業税におきまして二百十九億円の減税となりますが、一方、法人税割りの改正に伴い、二千二十四億円の増収が見込まれますので、差し引き七百五十二億円の増収となります。 以上が地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその大要であります。 なにとぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○菅委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。 ——————————————
○菅委員長 次に、両案について質疑を行ないます。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。豊永光君。
○豊委員 先ほど陳情があり、ただいままた提案理由の御説明がありましたが、その中でお話しになりましたようなことと重複いたしますけれども、十項目ばかりにわたりまして質問をしていきたいと思っております。 第一は、地方税制の基本的な考え方についてであります。社会経済情勢の著しい変化に伴いまして、最近地方税制について抜本的な改正を行なうべきであるという意見があります。また、その際には、独立税の制度をやめて、地方税を国税の付加税とすべきであるといった意見がありますが、今後の地方税制の基本的なあり方について、地方自治を尊重する立場から、どのようにお考えになっておられますか、お伺いいたします。
○大石政府委員 お答えいたしたいと思いますが、いまお触れになりました国税の付加税にしろという地方税についての意見もあると私は承知しておりますけれども、しかし、その考え方は必ずしも一般的にまだ私はなっているものではないというふうに考えますし、シャウプ勧告以来いまの税制ができたわけでありますが、やはり独立税ということを貫いていくことが地方税制度の基本であろうというふうに考えておりますので、今後ともそういう制度の根幹というものは失わないようにやっていきたいと思っております。 ただ、徴税事務のいろいろ簡素化というような問題もありますので、現在は住民税と事業税等では所得税の資料をそのまま、何といいますか、使うというようなやり方をいたしまして、税制事務の簡素化もはかっているわけでありますから、いろいろその付加税制度という趣旨も、必ずしも付加税がいいからということでなしに言っておられるのではないかというふうに思いますので、そういう点も考慮したいまの制度であろうと思います。 ただ、前段お話しのありました、全体的に地方税制というものを社会環境の変化に応じて直すべきだという議論につきましては、私ども同感であります。特に地方税制のうちでも、市町村の税制というものが要求に応じ得ない体制にあるということも否定できない感じでありまして、そういう点では、地方制度調査会その他等で検討を加えてもらっているところであります。そういう結論に基づき、われわれも前向きにこの問題の是正をはかっていくように努力をいたしたいと思っております。
○豊委員 その次は、地方税負担の大幅な軽減をはかるべきではないかということでございますが、昭和四十五年度の地方財政につきましては、御承知のように、地方交付税を三百億円国に貸し付けることとなりましたが、このような措置をとる地方税の余裕があるならば、住民税、事業税等の減税をはかって、もっと大幅な地方負担の軽減をはかるべきであるという意見がございます。これについてどのようにお考えになっておられましょうか。
○大石政府委員 貸し借りの話が出てくるので、たいへんつらいわけでありますけれども、四十五年度で三百億の貸しをするという事実はもう明らかでありますけれども、四十四年度の交付税の中で四十五年度に繰り越す額があるわけであります。その点で大体来年の交付税総額等においてはあまり問題ではないだろうというところから、三百億の貸しという形をとったわけでございまして、お話しのとおり、貸せるくらいならと言われると、非常につらいところがあるわけでありますけれども、実質上、来年の交付税総額においては差はないという観点から実はやった行為であります。しかし、今度の住民税の改正でも、六百億以上の減税になるわけでありまして、地方団体の財政にも相当影響があり得るという程度の減税をいたしたのではないかというふうに考えているわけであります。
○菅委員長 関連質疑の申し出がありますので、この際、これを許します。砂田重民君。
○砂田委員 四十五年度のこの改正案で、府県民税、市町村民税の法人税割りの税率をそれぞれ改正しようとしておられますね。都市財源の充実をはかるための一つの措置として妥当な措置であると私は思うのです。いろいろ抵抗があったことだろうとは思いますけれども、ことしの改正案に盛り込み得たことは自治省の御努力のたまものと、まずひとつ敬意を表しておきます。しかし、残念ながら、最近における都市の財政需要の増大等から見て、この措置で十分とは、まことに残念ですが、言えない。 そこで、少しこの点を自治省に伺っておきたいと思うのですが、二十六年当時のシャウプ勧告で府県税、市町村税がそれぞれ構成されて、その制度が根幹的にはそのまま今日まで続いてきているわけですね。住民と最も密着した行政を行なう市町村税が、最も安定した税収を予測できる税制制度を持つこと、こういうふうにしたシャウプの思想というものは、今日もなお少しも修正する必要はない、こういうふうに私は考えているのです。では、その安定している税収を予測できる、安定しているというのは、どういうことかというと、府県税、市町村税が持っている各税目がそれぞれ同じような伸びを示していくこと、また国税に対しても同様な伸びを見せていくことが、安定という意味の一番重要な要因でなければならないはずである。 ところが、三十年代後半の経済成長の過程で、各税の伸びはバランスを失ってきました。経済成長と歯車がかみ合った税目は伸びるけれでも、経済成長と歯車のかみ合わない税目は伸びていかない。さらに固定資産税等は、急激な激変を避けるために負担調整を行なってこなければならない。それはそれだけの理由があったと思うんですけれども、現実問題としては、市町村税の根幹である固定資産税が伸びてこない。府県税、市町村税のバランスはもうすっかりくずれてしまっている。シャウプの思想が今日なお生きているのだから、昭和二十六年現在の、税体系が発足したときの府県と市町村のそれぞれの税収入額の比率が、昭和四十五年度の税収見込みに見込まれて、初めてバランスのとれた税制ということがいえるはずなんです。実態は全く違ってきております。大都市所在府県と大都市の関係において特に顕著にこの現象があらわれてきている。ちなみに、時間がありませんから、私のほうから申し上げますけれども、三十九年を一〇〇として、府県は、四十三年の決算額は一九六%になっている。指定市は、同様に三十九年を一〇〇とすると、四十三年の決算額は一六五%しか伸びていない。三十数%、四〇%近いような、あるいは四十五年ではそれ以上になっているのかもしれない。これほどバランスがくずれてきているわけでございます。一方わが国の経済成長というものは、今後まだまだ続くことはいまやだれも疑わない。政府もまたこの観点から、四十五年、五十年という新経済社会発展計画をいま作業しておられる最中です。この新しい社会経済発展計画の中では、都市の人口集中力が現在よりもまだ一五%近くも伸びるということを見込んでおられる。そこで、大都市税源の充実をはかる必要のあることは、自治省に対しては釈迦に説法ですから、このことはもう議論はいたしませんが、地方制度調査会でもいま取り組んでいる大都市問題の中で、当然税源問題にも触れてくることになると思うのです。何らかの答申が出るでありましょう。 そこで、自治省は、いまのバランスのくずれを是正する御決意をどういうふうに深刻に持っておられるのかというのが一点。さらに、都市財源として流通税、消費税のより大きい導入をはかる御意図があるのかどうなのか、これをひとつ伺っておきたいと思います。
○大石政府委員 第一点は、御指摘のありましたとおりの考え方を私どももしておるわけであります。特にいま砂田委員は、府県と指定市の場合の問題をお話しになりましたけれども、私どもは、実はそれはもう一つ国と府県、市町村という問題もあわせて考えなければならない。市町村の税目の種類は、お話しのとおりやや弾力性に欠けている税目が多いわけであります。ことに市町村の場合は多い。それが逆にある意味では安定性という問題を含んでおったと思うのですけれども、しかし、好景気というもの、上昇経済というものの続いている中でいうと、いまお話しのようなことが出てきたわけであります。ことに佐藤総理の一九七〇年代は内政の時代だということばがあるとすれば、内政という問題で担当しなければならない地方自治体の第一線である市町村が、この担当者であるという考え方から、そこでいわゆる行政上の不満が出てくることは、政治全体としてもやはり考えなければならないことであるという意味で、市町村税制というものを強化するということは、どうしてもしていかなければならないというふうに考えておりまして、いま税調その他にもおはかりをしておるわけでありますし、またそこらもそういう雰囲気で作業をしていただいておりますので、その結果は、当然われわれの考える方向の答申を得ることだろうと思っております。地方道路譲与税の指定都市への分割の基準を直すとか、それから今度は、四十五年で法人税割りの部分をそっくりそのまま市町村に与えるというような努力もいたしたわけでありますけれども、指定市の場合の問題は、いまこういう十六項目ですか、それに対する財源というのは交付税措置でやっておるわけでありますが、しかし、原則的に考えれば、何らかの税制でそういうものは埋めるべきことのほうが当然であろうというふうに私どもも考えておりますし、その実現をなるべく早い機会にやりたいという気持ちでおるわけであります。 それから第二の、流通税その他消費税的なものをやるという問題につきましては、いまの直接税に対して間接税を加えるべきであろう、いわゆる先進国はそういう傾向にあるので、いまの日本の直接税重点主義から間接税に入るべきであるという思想も出始めております。したがいまして、地方税がその中でどういうところを占めるかという問題は、慎重にもちろん検討しなければならないことであろうというふうに考えております。ただ、私ども問題になりますのは、居住地と職場との関係というものがありまして、居住地は、たとえば砂田先生のほうでいえば、芦屋だが、通うところは大阪だあるいは神戸だというような問題で、神戸市なり大阪市なりからいろいろ問題が出てきておるわけです。しかし、同時にまた逆に、芦屋のほうの居住地の人たちは、市長の顔も知らないで、下水だ何だというほうは、おれのほうに全部やらせるという問題も出ております。したがいまして、どっちに軍配をあげていいかという問題も、私どももなお慎重に検討いたしたい。しかし、いずれにしろ、市町村の税制の強化ということは、私ども、七十年代の地方行政の中では重点の事項であろうというふうに考えております。
○砂田委員 政務次官よくわかっておられますので、ひとつ慎重に急いで御検討をいただきたいと思うのですが、法人税割りの手直しによる税収の変化の試算を自治省はしておられますが、市町村法人税割り改正による増収額は、初年度八十二億、平年度百四十四億と資料をいただいておりますが、税務局長、このうちの指定都市分はいかほどになりますか。
○降矢政府委員 法人税割りの帰属は、指定都市分初年度で十七億三千万円、平年度で約三十一億でございます。
○砂田委員 この数字を伺いますと、努力は認めますけれども、バランス是正に大きく貢献したとは言えない。与党質問でございますから、言い方を逆にして、バランス是正に大きく貢献したとは言えないが、御努力は認めますと申し上げたほうがいいかと思います。 指定都市は、その法の定めるところによって事務配分の特例を持っております。十六項目の事務を行なっているわけですけれども、このために特別の財政需要を要するので、これを交付税で見てきております。しかし、これは当然税源措置をしてあげるのがほんとうじゃないかと思う。十六項目の事務委譲があってから、もうすでにずいぶんの年月を経過しているわけでございます。四十四年度で基準財政需要額の計算でも五十七億になるというふうな先ほど御陳情があったわけですが、一案として、府県、政令指定都市の住民税の税率をわずかずつ改定することによっても指定都市の十六項目の特例事務に対する所要の税源というものは与えられる、そういうふうに考えるのですが、こういうやり方について税務局長はどう考えられるか。できるだけ早い機会に、一昨年の当委員会の附帯決議も、明年度において大都市への税源措置を具体化しろということで、四十三年のことでありますから、四十六年にこれをおやりになるとしても、翌年ではなくて二、三年待つわけなんですが、税務局長のこの点についてのお考えを聞かしていただきたい。
○降矢政府委員 大都市の特別の財政需要というものを頭に置いて、それに対する税源措置をどういう方法でやるかという考え方につきましては、先ほど砂田先生もおっしゃったように、いろいろな税目があると思います。ただいまお話のありました、道府県民税の所得割りの一部を移譲するというやり方も、私は一つの方法ではなかろうかと思っております。ただ、いずれにいたしましても、どういう方法で税源措置をするかということは、結局事務の配分と、それから府県、市町村の関係から考えなければいけませんし、また、市町村税制と府県税制という問題とも関連いたしますので、いまの御示唆は、一つの示唆として今後検討さしていただきたい、こう思っております。
○砂田委員 最後に、政務次官に伺っておきたいと思いますが、指定都市所在の不交付団体の府県は、四十五年度において三寸億近い超過財源が予測されるのですね。ところが、その府県にあるところのその指定市というものは、年々交付税ばかりが伸びていっている。税収は一向伸びていかない。これが常態とは私は絶対に言えないと思うのです。府県行政と市行政の住民へのサービスは大きな格差が出てきてしまう。きわめて好ましくない市民感情が、国も含めて、政治全体への非常に好ましくない市民感情が生まれかけているのが、大都市出身者の私としても、選挙区に帰ればよくわかることなんです。これが現況でございます。 自治省は、四十五年度予算編成のときに、地下鉄建設の新しい補助の仕組みについて、大蔵省を説得をされました。みごと説得をされたわけでございますけれども、そのときに、大都市市民の足を確保する問題は、従来のように、地方問題という考え方は、社会の変化によってもう時代おくれで間違っているのだ、いまや大都市市民は日本全体の世論構成のリーダーになったのだから、この大都市市民の足を確保する問題は、地方問題ではなくて、まさに国の問題だといって、自治省は大蔵省を説得されたわけです。かくして国も大幅な責任分担を伴う新しい地下鉄の建設方式というものが確立したわけですね。 大都市市民への指定都市による行政サービスの水準がなかなか高まってこないこの現状からして、税制の問題もまさに地方問題ではなくて国の問題、こういうふうに自治省もこれはお考えになっていることだと思うのです。この税制のいまのアンバランス、これをどうしても是正をなさらなければ、バランスのとれた税制の調整ができなくては、地方交付税の自主的な調整を自治省が主張なさっても、その自治省の能力を疑われることに政府部内でもなるのじゃないだろうか。そういう重大な問題をこの税のバランスは含んでいると私は考える。 そこで、自治省は、勇気をもってこの問題と取り組んでもらいたいのですけれども、政務次官の御見解をひとつ伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○大石政府委員 常識的にいった場合に、大都市は不交付団体だろうという想像をすることも、おかしくないわけなんですが、実際はもう大都市というのは、全部交付団体になってしまっているという現状が事実あるわけでありまして、その点は私ども、税制上の、いまの市町村と府県間における税目の分け方なりあるいは比率なりに問題があると一面思います。しかし、それと同時に、いわゆる大都市というものが、いま日本のこういう経済の上昇の中で、まあこれが永久のものかどうかは別としまして、持たされている役割りというものが、非常に大きいという二つの事実の中にあると思います。その現象というのは、国全体の中で出てくる現象であろうというふうに思いますので、御指摘のとおり、これを府県間だけあるいは府県と市町村の間の配分だけで解決できる問題かどうか。そこらはまだ慎重に検討しなければなりませんし、おそらく国との関係という問題でやらなければならない点がある。それを単に税制だけで一体処理し得るのかどうか。そこらも含めて急速に検討をいたさせていただきたいと考えておるわけであります。
○豊委員 個人の住民税につきまして、五つばかりお尋ね申し上げたいと思いますが、一つは、減税額の総額の規模でございますけれども、今回の個人の住民税の減税は六百五十四億円となっておりますが、この減税額は、昨年度の減税額が七百億円余りであったことを考えますと、低過ぎると思われるのでありますが、いかがお考えでございましょうか。また、この減税額は、個人の住民税の収入見込み額に比較いたしまして、どの程度のものになるか。さらにまた、その自然増収額に比較してどの程度になりましょうか、教えていただきたいと思います。
○降矢政府委員 四十五年度の住民税の減税は、課税最低限の引き上げその他を行ないまして、ただいまお話ありましたとおり、総額六百五十四億円でございます。これは前年は七百十四億円でございましたが、課税最低限の引き上げの部分を比較いたしますと、本年は六百四十四億円でありまして、昨年の六百十四億円を上回っているわけでございます。昨年は、御案内のとおり、専従者控除を加えまして七百十四億円でございましたので、ことしとの比較では、課税最低限の引き上げのところを中心に考えれば、去年よりも上回っておるというふうに考えております。ただ、自然増収額に対する減税額の割合——自然増収額はお手元の資料を拝見願いたいのでございますが、住民税四十五年度千七百四十億でありますが、それに対しまして六百五十四億円、三七・六%になっております。また今度の住民税の全体の収入見込み額は六千七百六億円でありますが、これに対しましては一〇%、こういうふうになっております。
○豊委員 次は、課税最低限についてでございますけれども、今回の個人の住民税の減税によって、課税最低限を引き上げるために所得控除の改正が三年間引き続き行なわれることになりましたが、所得税については、今年度の課税最低限は、給与所得者の夫婦と子供三人の標準世帯で百三万円に引き上げられることになっておりますが、住民税の課税最低限は、御承知のように、七十二万九千円余りに引き上げられることになっております。住民税の課税最低限をもっと引き上げるべきだと考えますが、どのようにお考えでございましょうか。
○大石政府委員 今後も引き上げるかどうかという意味の御質問ではないかというふうに考えますが、それは私は引き上げる方向に行かなければならないだろうというふうに思っております。というのは、所得税のほうで一応税調の答申を今年度でのみ切ったということになっておりますけれども、それでとどまるのかということになれば、とどまらない。当然来年、どの程度かはまだつまびらかにできませんけれども、いわゆる最低限の引き上げはあり得るだろうと思うのです。それは物価上昇の問題等も含めて、ここでとどまるわけのものではないわけでありますから、したがって、所得税と最低限を私は同じにするということは、住民税の性格からいって、そのとおりであるとは思いませんけれども、所得税との差があまりできていくということは、住民としての負担感というものに大きな重圧になってくるわけでありますから、当然地方税でも上げていくという努力を続けなければならないものと考えております。
○豊委員 その次は、サラリーマン、勤労者の減税のことでありますが、今回の所得税及び住民税の減税は、いわゆるサラリーマン、勤労者のための減税に重点を置いたといわれておりますが、その減税の総額の中で、サラリーマン、勤労者に対する減税額はどの程度のものになっているか、お伺いします。
○降矢政府委員 今回、先ほど申し上げましたとおり、住民税の減税額は六百五十四億であります。そのうちサラリーマンに対するものとしては、給与所得控除の引き上げ分がございまして、それが百六十七億であります。それから基礎控除その他の諸控除の引き上げによる分が三百九十二億と推定されます。したがって、合計で五百五十九億円、住民税の減税額六百五十四億円の八五%くらいと推定されます。
○豊委員 その次は、税率の緩和についてでございますが、昭和四十五年度の所得税の減税では、昨年度に引き続いて税率は緩和されております。このような所得税の改正に関連いたしまして、住民税についても、税率の緩和をはかることが必要であると思いますが、そのような考え方はないでしょうか。また住民税の税率のあり方についてどのように考えておられますか、お伺いいたします。
○降矢政府委員 住民税の税率のあり方につきましては、税制調査会でしばしば議論になりまして、住民税の性格にかんがみて累進税率の累進度をある程度緩和するという意見が、従来とも答申として出されております。ただ、いま御質問のような反面、ある程度累進度を高めるべきであるという意見もないわけではございませんけれども、住民税の性格からいえば、累進構造を高めるということは、国の所得税において所得再配分的な機能を持つようなしかけでやっていただくほうが適当じゃなかろうか、こう考えております。ただ、住民税につきましては、累進度をある程度緩和するといたしましても、さしあたってわれわれとしては、なお諸控除の引き上げあるいは課税最低限の引き上げというものが現状においては急務ではなかろうか、こういうふうに考えておりまして、将来の問題としまして、もとより税率の問題に全然触れないというようなことはこれは考えられないと思いますけれども、さしあたっては課税最低限の引き上げを中心に住民税の問題を考えていくべきではなかろうか、こういうふうに考えております。
○豊委員 その次は、市町村財政に対する施策でありますが、今回の個人の住民税の減税については、課税最低限の引き上げによってその減税額が六百五十億にのぼりますことは、先ほどお話のあったとおりでありますが、その減収が市町村の財政に及ぼす影響はかなり大きなものと考えられますが、どのようにお考えでございましょうか。また課税最低限の引き上げの幅は、給与所得者の標準世帯で、先ほどもお話もありましたが、十万五千三百円となっておりますが、過疎地帯の市町村では、この減税によって納税義務者が減少するところが相当出てくることと思われます。住民税の負担分任の性格にかんがみまして、このような状態にはどのように対処なさいますか。さらに、課税最低限を今後も相当大幅に引き上げるとすれば、財政が貧弱になってくる市町村に対しては、何らかの財源補てんの方策を考えなければならないと思いますが、その処置をどのような方法で行なっていかれますか、お伺いいたします。
○降矢政府委員 住民税の減税の問題につきましては、御指摘のように、市町村の間における規模、人口その他の相違により、また同時に、住民の所得のバランスのばらつきがございますので、いまお話がありましたように、住民税の立場から考えますと、やはり納税義務者の減少という問題、特に町村におけるその問題が深刻でございます。同時にまた、財政的に見ましても、御指摘のような過疎を中心にした町村における影響というものが相当にございます。御案内のとおり、いま人口に対しまして住民税の課説しておる割合は大体二五%前後でございますが、町村になりますと、それが御案内のとおり二〇%を割りまして、過疎地帯に行けば一〇%前後になっておるところもあるわけでございます。そういうことを勘案しながら、住民税の課税最低限を中心にした減税というものを将来進めていかなければならぬと思いますけれども、この際、特別の財源補てん措置を講ずるかどうかということにつきましては、かなりむずかしい問題があるかと存じます。以前におきましては、減税補てんということも繰り返してやってまいりましたが、ここ数年間はいわゆる自前減税といいますか、持ち出し減税というかっこうでやっているわけでございます。したがいまして、いま直ちに断定はもちろんいたしかねますけれども、いままでの問題としての考え方としては、やはり交付税の傾斜配分というものを通じて、過疎その他の市町村の一般財源の充実というものを考えながら、同時に納税義務者の激変をある程度避けながらこの問題に対処しなければいかぬ、こういうふうに考えておる次第でございます。
○豊委員 住民税の超過課税についてでございますが、住民税については、標準税率を越えて超過課税を行なっている市町村が少なくないようでありますが、住民相互の間に税負担の著しい相違が生じないよう、超過課税は廃止すべきであると思われますが、どのようにお考えでございましょうか。
○大石政府委員 全然それができないという制度は、私はどうかと思うのです。市町村がその市町村の固有の事務に応じてやりたいということのできる道が全然ふさがれているというふうに考えることは、少し固定し過ぎているんではないだろうかというふうに考えています。ただ、一度収入になると、その原因が薄くなっても、そのままマンネリズムになっていくという点は、指導的に気をつけなければならぬことだろうと思います。しかし、超過負担ができる制度を廃止してしまうというところまでいくのは、多少行き過ぎではないだろうかというふうに考えます。
○降矢政府委員 超過課税の解消の問題につきましては、当委員会でも盛んに論議がございました。われわれといたしましても、指導をしてまいりまして、四十四年度におきまして百二十一団体が標準税率になりまして、超過団体は八百九十九でございます。それが四十五年度におきますいまの状況を調査いたしますと、さらに標準団体に近づくものは三百と想定されております。もとより、御案内のとおり、これは市町村のそれぞれの事情によって一挙にいかないものがございますし、また財源の問題もございますので、一応この超過課税の解消による分につきましては、特別交付税によってある程度の財源を見ながら逐次やっていただくことにしておりまして、いまの状態でまいりますれば、かなりの団体が標準税率を採用するようになるだろう、こういうふうに予想しております。
○豊委員 その次は、個人事業税についてでございますが、今回の減税で、事業主控除が三十二万円に引き上げられることで、かなり大幅な負担軽減がはかられておりますが、所得税の控除失格者に対しては事業税を課すべきではないという意見もあるようでございますが、今後の個人の事業税の負担のあり方についてどのようにお・考えでいらっしゃるか、伺いたい。
○大石政府委員 あと税務局長からお答えをさせますけれども、所得税がなくなったら、事業税は直ちに自動的にといいますか、かけないという考え方にいくことまでは、どうも私ども事業税の性格その他からいって、直ちにそのとおりだというふうには考えにくい点があります。しかし、事業税それ自体につきましては、負担軽減の方向というものをたどっていかなければならぬということは私も同感でございます。ただ、所得税控除資格と同時に事業税対象からはずれるというところまでは、事業税等の性格からいって、行きにくいと現在の段階ではお答えをしなければならぬじゃないかと思います。
○降矢政府委員 事業税につきましては、これに対して負担を求めていくということは、結局事業の収益活動というものと、地方団体の施設その他サービスとの関係に着目して、課税をするという考え方でございます。したがって、これらのサービスあるいは施設の設置、管理に要する必要な経費というものは、事業の経営の際の経費の一つとして考えてもらうということが基本になっておるわけでございます。したがって、御案内のとおり、事業税につきましては、所得の計算上経費として考え、固定資産税その他のものと同じような考え方でございます。そういう意味からいたしまして、事業をやっている以上ある程度負担をしてもらうということは前提としております。ただ、いま政務次官がお答え申し上げましたように、零細な個人事業者の負担軽減ということにつきましては、今後もその方向で検討していくべきもの、こういうように考えております。
○豊委員 次は、固定資産税につきまして二つばかりお伺いしたいと思います。 市町村の毎年度の歳入の中で、市町村の税収入の占める割合は逐年低下しつつありますが、その低下の要因の一つは、土地に対する固定資産税の伸び率が低いからだといわれております。したがって、土地に対する固定資産税について、土地価格の上昇に見合った税負担を求め、その充実をはかることが必要であると考えられますが、どのようにお考えございましょうか。昭和四十五年度の固定資産税の評価がえの結果、土地価格の上昇の割合は、昭和三十九年に比較しましてどのように見込まれておりましょうか。また、今回の評価がえにあたって、これまでの調整措置を継続して実施することとなりましたが、土地に対する固定資産税の税負担の基本的なあり方について、どのようにお考えでいらっしゃいましょうか。
○降矢政府委員 今回一月一日現在で評価がえをいたしました。その評価の倍率は昭和三十九年つまり四十四年度の評価に対しまして、田は一・〇七倍、畑は一・〇六倍、宅地は二・三三倍及び山林が一・二八倍、こういうことになる見込みでございます。固定資産税、特に土地に対する固定資産税の負担の求め方でございますが、これは法律によりましても、適正な時価を課税標準としてやる、こういうことになっております。 ただ前回、三十九年に評価がえいたしまして、当時宅地でありますと六・三三倍にのぼったわけでございます。したがって、一挙にこれを評価額そのものを課税標準にして負担を求めるということは適当じゃないということで、負担の激変緩和措置というものを今日まで続けてまいりました。今回評価がえをいたしますにつきましても、宅地は二・三三倍ということに相なりましたので、やはりわれわれとしては負担調整措置というものを現行のベースを基本にして続けることが、税負担の激変を緩和する意味において最も適当であろう、こういう結論に達したわけでございます。しかしながら、土地によりましては、非常な上がり方をしております。土地の値上がりは需要と供給の関係もございましょうが、その前提として、土地を中心にしたいろいろな施策がそれに反映するということは避けがたいわけでございます。そういう施策は主として地方団体の手によって行なわれております。したがって、そういう非常な値上がりの激しいところにつきましては、ある程度負担の激変を緩和しつつ均衡を求めていくべきであろう、こういう前提に立ちまして、今回、前回の三十八年の評価に対しまして二十五倍以上の土地につきましては、毎年四割増しという負担を求めていくというふうにいたしまして、新たにその分だけ前回の調整措置に加えて漸次均衡化をはかっていく、こういう考え方で、今回立案いたしたわけでございます。
○豊委員 その次は、土地に対する固定資産税について、新しい評価額を基礎にして課税をすることにいたしまして、税負担については税率の引き下げ、さらに一般の個人の住宅地等に対して基礎控除、住宅地控除などの制度を創設して、調整措置をとるという考え方がありますが、これについてはどのようにお考えになっていらっしゃいましょうか。
○降矢政府委員 今回、土地、特に宅地を中心にして評価がえをいたしました。それが三十九年、つまり現在は、四十四年の評価額に対しまして平均二・三三倍でございます。しかしながら、それは平均でありまして、ものによっては五倍、十倍、こういうことでありまして、評価の上がり方は非常なばらつきを示しております。したがって、今回新評価額を基礎にして税率のみによって、税率を引き下げて調整するということになりましても、結局四十四年の税負担との対比におきましては、非常な激変を生ずることになるわけでございまして、したがって、それは固定資産税の負担の求め方、特に現在のように地価の上昇の激しい際には、決して適当な方法ではあるまいということで、先ほど申し上げましたように、いままでありました負担調整措置に若干の手直しを加えたものによって、負担を加えるという考え方を踏襲したわけでございます。 なお、住宅用地を中心にいわゆる需要地につきまして、一定の控除を考えたらどうかというようなお考えもあるわけでございますが、この点につきましては、先回もいろいろ当委員会でも御議論になったようでありまして、たとえば一定の面積に相当する金額というものを控除するといたしましても、そういたしますと、単位当たりの評価額の非常に高いところについては大きな金額が控除されるし、単位当たりの低い評価額のところではわずかしか控除されないというような問題も出てくるわけでございます。また、かたがた税の性質からいたしまして、資産価値に着目して低い比例税率で求めていくという考え方からいたしまして、またこの税は、御案内のとおりに、同一人に全部総合して課税するわけではございませんで、市町村ごとにそれぞれ所在する地域を単位として課税するというような性格でもございますので、したがって、そういう面からも、一定の控除を考えるということもかなり困難でございます。また実際問題といたしまして、いわゆる併用住宅の問題とかあるいは一筆の土地に——固定資産税は、土地は一筆ごとに評価いたしますが、一筆の土地に数戸の家屋が所在しておるとか、あるいはいわゆるアパートというようなものになりますと、これをどういうふうに取り扱うかということは、課税の実際の面から非常にむずかしい問題がございます。御案内のとおり、現在土地及び家屋につきましては、それぞれ不動産登記簿における土地台帳、家屋台帳を基準にしてやっておりますが、その間に何ら連絡がないわけでございまして、土地は土地、家屋は家屋ということになっておりまして、しかも一人分としてとらえてやるということは、実際問題としてもほとんど困難、不可能に近いといってもいいくらいでございます。そういう意味におきまして、税の面からも、運用の面からも、実際の面からも、そのことは困難である、こういうふうに考えている次第でございます。
○豊委員 その次は、市街化区域内の農地のことでございますけれども、土地に対する固定資産税については、土地政策の観点から、税負担を多くせよとの意見が一ぱいありますが、特に市街化区域内にあって、市街地として環境が整備された地域の中にある農地については、近傍の宅地との税負担の均衡をはかるべきであるという一方、農地であるがためにその特性を考えて課税をすべきである、こういう考え方があります。この異なった考え方に対して、今後どのような考え方に立って取り扱われる方針であるか、お伺いをいたします。
○大石政府委員 いまぶつかっている実はかなり具体的な問題であります、御指摘のとおり、農地であっても、市街化区域内で都市条件の整備されたところは、宅地並みの考え方をすればいいのではないかという答申も実は出ているわけであります。私どもも、いわゆる宅地政策、そういうところからいうと、その答申というのは現在都市がかかえている一つの大きな問題の解決策の一点ではあろうというふうに考えます。ただ、農地であればどんなに値打ちが高くなっても農地並みだということについては、最近社会的な理解というものは、やはりそれが都市化区域の中であれば問題であろうという雰囲気も出てきているわけです。したがいまして、私どもその点はいま前向きにこの問題を取り上げていっていいのではないかという気持ちになっておりますけれども、その答申の中でいうところの、都市条件が整備された区域ということばを、一体具体的にどういうふうにつかむか、どういう客観条件があるのかというふうに考えてみますと、税制ですから、あまり税金をとる人の主観で問題を処理してはいけないわけで、そこの都市化条件が整備されているという、その条件をどういうふうに客観的につかみ得るのだろうか。これも、都市化区域というものに対する市町村の、いわゆる線引きの思想も統一していないと思う。あるところでは非常に限定しようと思うし、ある地域では都市化区域になれば高く売れるという気持ちもあって、土地所有者がここまで都市化区域にしろという気持ちもあって、それに多少応じた考え方も出るでしょうし、しかし、都市化区域にすれば、自治体のほうはそういうところにいろいろ整備をするという義務も出てくるという点から、あまり都市化区域を広げたくない、しかも十年のうちにということばもあるわけで、そこにいわゆる新都市計画の実施について、自治体の思想についても必ずしも統一されていない。しかも条件が整備された区域という表現、これは確かに表現としてはあり得ると思うのですが、それを実行面でどういうふうにとらえるか、その条件というのは客観的にどれだというようなことで、いま模索をしているというところが実態ではないかと思うのです。しかし、この御意見は四、五年前よりかなり動いてきております。農地であればどんなものであっても農地並みだという単純な割り切り方では、土地政策の上からも、そのままは通用しないのではないか。しかし、私どもは、この地方税の固定資産税の取り方だけで土地政策を切り開こうということは行き過ぎであろう。ほかの前提条件もそろって、そして税制もそれに身を寄せていくということでやっていかなければならない。地方税制だけが先に飛び出して、持っていることにたえられないということで売り出させるというふうに、地方税制を牽引車にしていくということまでしなくていいのじゃないかという考え方であります。
○豊委員 次は、都市計画税についてであります。最近の急速な人口の都市集中に伴いまして、都市施設の整備は緊急の課題であることは、先ほどお話のありましたとおりであります。市町村におる都市計画事業費は著しく増加いたしておりますが、都市計画税の税収入の伸びがそれに見合ってない。都市計画事業の財源の中における都市計画税の構成比率が低下しておりますが、このような実態にかんがみまして、都市計画税の充実をはかるべきだと思いますが、どのようにお考えでございましょうか。
○降矢政府委員 ただいまお話がございましたように、都市計画事業による財政需要の増大というものは、かなり著しいものがあるわけでございます。これに対しまして、特定財源としての都市計画税の充当率というものは、三十三年に三割二分でありましたが、漸次低下してまいりまして、最近では一二、三%ということになっております。これは都市を中心とした都市計画事業の遂行という面から見れば、必ずしも適当ではなかろう、もう少し負担を求めてもいいのじゃないかというふうに考えております。 そこで、今回の改正におきましても、四十四年度の評価額に対する倍率、二倍、それから二倍から四倍、四倍以上という区分に応じましてある程度負担を求めつつ、しかし、いきなり評価額そのものを課税標準にするということは激変を伴いますので、それをある程度ゆるめながら都市計画税の負担を求めていくということにして、二年間で負担調整措置をやりまして、三年度目には評価額によって課税をするということによりまして、この都市計画税の充実をはかるというふうに考えております。あわせてこれは、主として御案内のとおり、都市財源の充実にも資する、こういうふうに考えております。
○豊委員 その次は、この前の当地方行政委員会で附帯決議がありました電気ガス税、料飲税、自動車取得税についてであります。それぞれの免税点を引き上げろという決議に対しましては、電気ガス税について本年度処置されましたが、あとの二つについては御処置がなかったようであります。これはどのような理由によるものでございましょうか。それから、電気ガス税につきましては、生活必需品に対する課税であり、消費者物価対策の上からも税率の引き下げを考えるべきではないかと思いますが、どのようにお考えでございましょうか。
○大石政府委員 附帯決議をそのまま実行しないということで、申しわけないように思う点もございますが、実は料理飲食税のほうは、たしか去年の十月から施行になったわけでありまして、まだ五カ月というところでございますので、この時点でさらに改正するということはどうかという考え方で、このたびは改正を見送りました。しかし、このままで今後もいくというふうに固定的に考え手いるわけではありませんので、適当な機会に是正をいたしたいと思っております。 それから、自動車取得税のほうの免税点の問題点でありますが、数字は必要ならまた局長からお示しいたしますが、あの免税点のところをまた上げるようになりますと、いまでも九〇%くらいになりますので、ほとんどもう小さいものはかからなくなってしまう。相場は下がっているという現象もありまして、今度は見送りをいたした次第でございます。 なお、電気ガスの税率につきましては、局長からお話しいたします。
○降矢政府委員 電気ガス税につきましては、いまお話がありましたような考え方があるわけでございますが、われわれといたしましては、電気の消費とそれに伴う担税力の関係というものを勘案いたしまして、電気ガス税の課税を考えておるわけでございます。ただ、毎年消費も伸びてまいります。したがいまして、そういうことから零細負担を排除するということをまず考えておるわけでございます。それから同時に、電気ガス税の税率の引き下げは、個々の市町村にとりましても相当な影響がありまして、一%引き下げて全体で約百三十億と想定されますが、こういう財源の問題もあります。したがって、今回の電気ガス税の免税点の引き上げで、免税世帯というものにつきまして、電気では約一七%、四百七十万世帯くらいが免税になります。またガスにつきましては、五百八十万世帯、約六二%程度免税になるわけでございます。ガスのほうにつきましては、プロパンとの関係もありまして、免税点もかなり高いわけでございます。そういうことでありまして、電気ガス税につきましては、われわれは零細負担の排除ということを中心に、免税点を引き上げることによって、この問題に対処した考えでございます。
○豊委員 最後に、新道路整備五カ年計画に伴う特定財源のことでございます。新道路整備五カ年計画が先般閣議了解が得られましたが、その計画の実施のための地方単独事業費の規模は著しく増大しております。この新しい五カ年計画のもとでは、地方道路の事業費の中の特定財源の国と地方との割合はどのようになる見込みでございましょうか。現在地方の特定財源の比率は、国に比較して相当低いようでございますが、それを充実する必要があると思います。特に市町村道の整備を促進するため、市町村の道路目的財源をふやすべきであると考えておりますが、どのようにお考えでございましょうか。
○降矢政府委員 今回新道路整備五カ年計画というものが閣議決定を見たわけでございますが、地方の事業費の総額は四兆一千三十億、前回の五カ年計画の約一・九倍になっております。現在のままの特定財源で計算いたしますと、その事業費に対しまして特定財源の総額は二兆一千五百億程度でありまして、充当率にいたしまして五二・六%程度になります。いままでありました五カ年計画におきます特定財源の比率は六丁三%でありまして、いまお話ありましたようにかなり低下することになります。私たちはいまお話ありましたような地方の道路、特に市町村道を中心にした整備を緊急に行なわなければならぬという気持ちは変わりはございません。したがって、この新道路整備五カ年計画の財源をどうするかという問題につきましては、おそらくことし一ぱいかかるだろうとは思いますが、その際は、特に市町村道の目的税源の充実ということを頭に置きまして、この財源の確保に努力をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○豊委員 質問を終わります。
○菅委員長 山本弥之助君。
○山本(弥)委員 地方税制の改正につきましては、地方住民の負担の軽減という問題と、もう一つは、税源の充実ということがいつも問題になるわけでありますが、先ほど来お話がございましたように、本委員会におきましては、五十八国会におきましても、先般の六十一国会におきましても、地方税源の充実ということにつきましては、自治省で早期に解決をつけるということについての要請をしておるわけであります。五十八国会におきましては、最も困っております大都市税源の確保ということを強く要請したわけであります。本四十四年度におきましては、大都市税源としてはほとんどめぼしい改正に相なったというふうには考えられないわけでございます。道路譲与税も多少傾斜配分をいたしました。あるいは、これは大都市とは関係ございませんけれども、宅地開発、これはおそらく大都市周辺都市の緊急的な税として新しく創設されたというふうに考えるわけです。したがって、昨年六十一国会におきましても、従来から私どもの主張しておりました国、都道府県、市町村を通ずる税制のあり方についての根本的な再検討をして、それに関連をいたしまして大都市が、先ほども大都市からの陳情もございましたように、交付団体になり、さらに今後の行政需要を処理してまいります上にも非常に財源が欠乏しておる。そういった情勢にかんがみまして、その税源の充実について昭和四十五年度は配慮すべきであるという附帯決議がなされておるわけであります。今回におきましては、それらについての配慮が十分になされていないという感じがするわけであります。 昨年野田前自治大臣は、これらのことにつきましては相当熱意を持って対処されるというふうな本委員会におきます答弁がなされておるわけであります。そのことは大石政務次官もお聞きになっておられるところである。大臣はお見えになっておらぬわけでありますが、新しい大臣の意図も十分そんたくをしておられると思います政務次官から、本年度の地方税法改正と、昨年あるいは一昨年の本委員会における要望、決議との関連等に関連いたしまして、御所見を承りたいと思います。
○大石政府委員 画期的な税源充実ということがいわれているわけでありますけれども、お説の考え方に対しては、私どもがそれまでこたえ得たかどうかということになりますれば、まだそこまでこたえ切っていない。しかし、今年度は例の法人税割りのはね返りを全部市町村に移そう。これはいま法人税の上げ方が一・七五でしたか、これは暫定措置でありますけれども、国税としての法人税の問題は、暫定措置ではあるけれども、地方税法における県と市町村の割り前のやり方は、この暫定の二年間でなしに、恒久法として市町村にやろうということで、初年度八十何億くらいだろうと思いますが、平年度百四十四億くらいになろうかと思います。この部分についてもう少しはっきりするということが問題かと思うのでありますけれども、国税のほうとの関係において今後も検討を続けたいと思っております。 また同時に、先ほどから御要望等もありました大都市税制の問題というものにつきましては、私ども今度も実は検討したわけですけれども、一挙に二つの問題を解決するというところまでいかなかったことはたいへん残念でありますが、この問題は、先ほどお答えしましたとおり、今後ほんとうに前向きに検討すべきことであろうという決意を持っておるわけであります。
○山本(弥)委員 国と地方税との配分につきましても、その基本からいいますと、事務の配分ということが前提に立たなければならぬこと、これは当然のことでありますが、事務の配分につきましても、いままで時の自治大臣によりましては、熱意を持って取り組む姿勢を見せたのでありますが、これらにつきましては、ほとんど具体的な状態にならず今日に推移しておるわけです。このことが国と地方税との関係、それから先ほど豊委員からも御指摘がございましたように、府県と市町村との関係のいわば税の性格にもよるわけであります。経済の伸展に伴う税の性格から来る伸長度が非常に変わってきておる。本来私どもの過去の考え方からいいますと、府県は交付税で調整をとる、市町村は、ことに大都市をはじめといたしまして、都市は自主財源でその行政需要をまかなっていくという体制であったのが、社会、経済の激動といいますか、そういう関係で非常に変わってきておるにもかかわらず、その対応性をなくしてきておるということが、今日、地方税、あるいは地方税の府県、市町村の関連におきましても非常に大きな矛盾を持ってきておる。それをその年その年の、小規模といいますか、部分的な改正によりまして糊塗してきておるということで、どうにもならない状態に相なっておると私は思うのであります。 しかも、基本的に考えますと、今日、国の財政の硬直化ということがいわれてきて以来、いかにも地方財政が好転しておるという、たとえば財政計画を見ますと、四〇%が税の収入になり二〇%が交付金。そうなりますと、ほとんど六〇%は各団体がいわゆる交付税を含めまして自主財源でまかなっている、財政が非常に楽になったというような、一応の外観になっておるわけであります。それらを強く国庫財政当局からの宣伝によりまして、この際苦しいのは国庫だ、地方財政は苦しくないのだというような印象が、各方面に行き渡りつつあるような感じが私はするわけであります。 したがって、地方自治体にとりましての二つの大きな柱でありますところの自主財源と交付税につきまして、まず、本来地方公共団体の財源である交付税に対しまして、国が交付税の税率の引き下げ、あるいはいままで過去三年間とられておりますような貸し借りの問題というようなことによりまして、いわゆる交付税を国が吸い上げるという傾向が強い。すでに御質問をしたのでありますが、いわば本来地方公共団体の立場に立っての交付税という考え方が、国の財政の都合というか、国庫財政の立場によって交付税を考えていくというふうな傾向になっておると思うのです。 また一方、地方税につきましても、本年度の予算編成過程においてどういうことになったのかわかりませんが、たとえば減税、ことにサラリーマン減税ということ。これは重税感を持っております国民にとりまして、どうしても減税をしなければならぬ大勢にあるわけであります。それに関連いたしまして、不況時代にその税率を引き下げました法人税等につきましては、今日、それをある程度まで景気調整という関連から引き上げるというようなときにおきましても、これは当初の二%あるいは三%というような考えが大きく後退をしておる、しかも暫定措置で処理しておる。こういうふうな国の財政の状況で、地方税に対するはね返り、あるいはそういった法人税の——地方に景気調整を都合のいいときには協力を要請するが、ある程度まで法人税の増徴をはかるということに対しましては、むしろ今日の経済情勢に即応すべき伸びを示す法人税といいますか、地方の住民税の法人税割りのほうの税率を高めるということについては非常に消極的な、ある程度まで牽制するような情勢にあったわけでございます。 こういうことを考え合わせますと、私は、将来の地方財源の配分という問題におきまして、ことに市町村におきましては、いろいろな行政需要、今後増高してまいりまする行政需要を処理するという上に立ちまして考えるときに、自治省におかれましては、あらかじめすでに検討も要求しておるわけでありますが、そういう国の立場を考えますと、交付税がすでにそうでありますけれども、地方税につきましても受け身になるような感じがするわけであります。もし今後税の配分、税制の改正というような大きな改正が行なわれます際には、現在自治省でどういうふうなお考えに立っておりますか。重要な段階にきていると私は思いますので、もう少し基本的なお考えをお聞かせ願いたい。
○大石政府委員 原則的にいって、自治省について御批判もあるわけでありますけれども、私は政務次官になってみての感触で言いますれば、自治省が地方税源の増強というものに対して熱意が足りないといいますか、そういう感じがあるんではないかという御批評に対しては、私はそうではない、非常に熱意を持ってこの問題の処理に当たっているということを申し上げていいと思うのです。ただ問題は、予算編成という過程を考えますときに、いわゆる財務当局である大蔵省というのは、自分たちと同じところにある各省、建設省なりその他各省の要求というものをまともにかぶるところにあるわけです。片方地方団体という四十六都道府県、三千市町村という問題をかかえている自治省というものがあるわけなんであります。この場合に、各省のほうは一応その全体的な事業計画なり予算計画というものを持ってこれに当たるということになる。しかもダイレクトに各省というものは大蔵省に当たる。自治省のほうは全体的な地方財政という問題の中でこれに当たるというあの状態で、どうしても大蔵財務当局というものが数が多い各省のバランスにおいて自治省のところにぶつかってくるので、そういう形になりやすい。しかし、御指摘はありますけれども、私ども自治省の当事者としては非常によくがんばって、地方自治体の財政力というものを維持健全化するということに努力をしているということは、お認めを願いたいと思うわけであります。 一体将来の地方財政と国の財政の問題をどうするかというときに、予算編成の過程が違うという点に私は問題があると思う。それで、地方のほうは、市町村なり府県が、来年はこれだけおれたちは要求があるのだという数字を必ずしも——積み重ねの方式というものは、そのほかの現業省である農林、建設というものとは違うわけなんであります。どうもそこらに予算編成という問題について技術的には問題があるなというふうには私も感じているわけであります。 なるほどことしも貸し借りの問題もありましたけれども、しかし、全体の社会的な動きというものは、今後の問題というのは、地方自治体の行政行為というものが非常に大事だ。国の政策それ自体も大事であるけれども、地方、第一線の自治体である市町村というものが、どれだけ市民なりの要求に応じて自分を対応し得るかどうかというところに、政治、行政の基底もあるのだという理解がだんだん実は深まってきているのじゃないか、そういう深まり、それは結局は全体の大衆の理解ということだろう。世論の理解、そういうものの上に自治省の主張、従来から考えているものをもっと強烈にしっかりしていかなければならぬ、またそれがわれわれの任務であろう、というふうに考えているわけであります。
○山本(弥)委員 税務局長にお聞きいたしますが、法人割りの配分といいますか、大都市、都市あるいはその他の町村、それはどういうふうになっておりましょうか。
○降矢政府委員 法人に対する課税といたしまして、法人税と法人住民税と法人事業税がございますが、本年の四十五年の予算及び地方財政計画をベースにいたしますと、国は六七%、それから府県が二六・七%、市町村が六・三%、こういうことになっております。なお、地方交付税まで入れますと、つまり交付税の法人分を入れた比率で申し上げますと、四十五年度国は四五・六%、府県は三八・九%、市町村は一五・五%でございます。
○山本(弥)委員 いまの法人課税の配分からいいましても、市町村の配分はわずかに六%にすぎないわけなんですが、その六%の地域別配分といいますか、何大都市になりますか、大都市にはどのくらいの配分になるか、あるいはその他の都市あるいは市町村で。
○降矢政府委員 これは、四十三年の決算がございますので、四十三年の割合で申し上げますと、いわゆる六大都市で二一・一%でございます。それから特別区の分が、都でとっておりますが、その分が二二・六%、残りが都市と町村でございます。
○山本(弥)委員 ただいまの経済の上昇に伴いまして財源を確保するという場合に、御答弁のございましたように、法人課税の配分というのは、市町村にきわめて悪い。税の根本的な改正が行なわれないといたしましても、今回の法人税の五%を暫定的に二年間引き上げたという問題、これはサラリーマンの減税に伴う国の税収の減をある程度まで法人税の臨時的な増税によってカバーするという、いわば予算のつじつまを合わせるという面からもあったと思うのであります。もう一つは、今日の景気の過熱に対しましてある程度まで、それだけの役割りを果たすかどうかということは一応おくといたしましても、ある程度まで不況のときに引き下、げた法人の税率を好況の際には引き上げるという考え方に立ったと思うのであります。そういたしますと、いろいろ大蔵省の折衝におきまして、いわば景気調整機能といいますか、フィスカルポリシー等につきましても、すでに四十三年度におきましてそれらの話し合いというものは解決がついておると思っておったのが、四十四年で蒸し返される。さらに地方制度調査会と大蔵省系統の財政審議会ですかとの間におきまして、やはりこの景気調整問題というのが蒸し返されるという。大蔵政務次官は地方制度調査会の委員でありますが、大蔵省の意見を代弁するような、いわば景気調整に協力をしなければならない、してもらわなければならないのだというような意見を述べておる。そういうふうに、解決をしないままに景気調整問題等も大蔵省のほうから要請があるとするならば、いま最も困っております大都市の財源あるいはその他の中都市法人税の関係、法人割りの関係は、ほとんど町村の方面には問題にならない、どういう率の変更をいたしましても、たいして影響はないわけであります。大都市及び中都市に大きく財源としては影響するものだと存じておるわけであります。しかも六%に押えられている。正面切っての国と地方との協力という体制からいいまするならば、いわば配分関係において六%にすぎない。しかもそれが大都市、中都市に税源としては、半分じゃなくて、おそらく七、八分はそれらの都市に集中しておるのじゃないかと思うのです。それらの率をいじるということによりましても、いわゆる今日困っておる——本日陳情書をいただきましたような四カ年間に一兆九千億というような投資必要額があるが、財源不足が四千四百億というような陳情がなされておるわけであります。早急に解決しなければならぬ。しかもこれらの都市に交付税で配分するということになりますと、どういう税制改正をいたしましても、本来自主財源というものを十分確保できない町村をカバーしなければならない交付税が、大都市に配分されている。そういうことから考えましても、なぜ自治省は、四十三年五十八国会、あるいは六十一国会における委員会の決議を尊重せられまして、今回の改正におきましてそういう主張を強力になさらないのか。しかもその法人税の増徴に関連する法人割りの問題につきましても、府県と市町村の間で調整せざるを得ない。一四・七では、それらを動かさぬで府県と町村との間で調整して、比較的困っておる市町村に配分するということしかなし得ない。いわば早晩国と地方公共団体との間に税源の配分をしなければならないその前提に立っておる今日、そういった主張すらもなし得なかったのか、あるいはせられなかったのか、あるいは折衝したけれども実現しなかったのか。私どもといたしましては、どうしてもそういう強力な推進を、むしろ自治省側から、大都市のために今日法人負担を少しふやしても一向差しつかえないのにという主張をなさらなかったのかと思うのであります。大石政務次官はそういう折衝をしていただけなかったのですか。
○降矢政府委員 大都市税源の充実につきまして、法人税割りを考えるべきだというお考えは、全く同感でございまして、実は去年の五月に政府の税制調査会が始まりましたときに、われわれは都市、特に大都市の税源の充実をはかるという面から、法人税割りをことにメンションいたしまして問題を提起したわけでございます。したがいまして、姿勢としては、いま御指摘のような考え方でこの問題に対処したわけでございます。しかし、その後の経過におきまして、国のほうにおいて法人税率の引き上げという問題が提起されました際にも、なおわれわれとしては、さらに地方団体の法人税割りの増収というものをあわせて主張したわけでございます。しかしながら、結果といたしましては、いま御提案になっておるようなかっこうになったわけでございます。ただこの際、府県、市町村との間だけで全体の一四・七%を動かさずにやりとりをやったということにつきましては、御案内のように、府県におきましても現在四団体を除いてすべて交付税の交付団体でございます。したがいまして、現在の状況では、増加のときの財源を使ってこれをやるということが一番適当じゃなかろうか。その間事務の移動等がありますれば、もちろん考えられるわけでございますけれども、そういうことがない事態において特に税源の充実を考えるとすれば、いま申し上げたような方法でやらざるを得ない、こういう結論であったわけでございます。したがいまして、この姿勢としては、絶えず御主張のような考え方でまいりましたが、結論として必ずしも十分でないという御批判はあろうかと思いますが、政務次官のお答えのように、法人のほうは少なくとも二年間の暫定措置でございます。私たちのほうは暫定措置でございませんで、恒久措置としてやったわけでございまして、その点が多少われわれの姿勢として貫いたところであろう、こう思っております。
○山本(弥)委員 私どもは、ただいま税務局長の御答弁によりますと、法人税の増徴については二年間の暫定措置である、法人割りについては恒久的な改正にしたということにつきまして、御努力を多といたします。私どもはむしろ法人税率を暫定措置にしたということに対しても大きな不満を持っておるわけであります。しかも税率にいたしましても五%、しかも配当分を除いた留保分に対する五%。これはどうも内輪の話になりますけれども、阪上委員や私ども党を代表いたしまして大蔵大臣に会いまして、交付税の問題をはじめといたしまして、その他の陳情をいたしたときに、年度間調整というものが解決つかないので、ある程度まで国の財源確保に協力をしてもらうために、国保の負担割合を交付税で補てんすることによって府県で持ってもらうというようなことは、府県もマイナスにならないのだ、なおかつある程度まで法人税割りの地方公共団体へのはね返り等もわれわれ考慮しているのだという内輪話を聞かされたわけであります。いわば常に地方税が不合理なまま据え置かれており、事務の再配分ということを基本にして、そして税源配分をやらなければどうにもならなくなっておるというときに、いわば国の税率を上げたのは暫定的である、地方税については恒久的な税制改正をしたのだということにつきましては、全く不満なわけであります。強く将来に問題がこれも残ると思うのでありますが、なぜ四十五年度の予算に、将来に備えてこういう法人税割りはある程度まで市町村のほうの税率を高める、あるいは法人課税を市町村に配分するという糸口といいますか、今後のきっかけというものを四十五年度予算では、地方税を改正する際に確保できなかったか、これが私は必要でなかったかと思うのであります。その点、政務次官どうお考えになりますか。
○大石政府委員 直接お答えになるかわかりませんけれども、法人税一・七五という問題につきまして、暫定的だということについての解釈はいろいろあると思うのです。中には、いや、それは二年間で、二年たてばまたもとに戻すんだという想定もあるようでありますが、私どもはそういう問題として暫定ではない。つまり二%上げたかったという問題でありますけれども、一・七五になったんだ。ですから、財政当局としても、いわゆる景気問題ということをかねたり、前に不況のときに下げたということの経緯もあわせて、さらに二年間たった先においてこの問題をもう一回考え直すという態度であろうというふうに解釈しております。 それから、法人税割りそれ自体の合算した比率につきましても、私どもとしては、これを上げてもらおうという考え方で、税調に出したわけでありますけれども、まだ税調もそのところまでの機運醸成なしで実は見送られた。それは不当であるという考え方で見送られてはおりませんので、続けてこの問題の実現に努力を続ける、こう考えております。
○山本(弥)委員 私、この四十五年の地方税改正につきまして、いまのいわゆる企業課税についての市町村の配分について、自治省はなぜ御努力なさらなかったのかということを強く責めますることは、第六十一国会の決議につきましても、「国、都道府県、市町村を通ずる税制の在り方について根本的に再検討を加えるとともに、都市とくに大都市」こういうふうな五十八回と同じような附帯決議になっておるわけであります。こういう決議に私ども賛成はいたしたわけでありますが、御承知のとおり、長期税制のあり方についての答申というのは、四十三年の七月だったと思いますが、なされたわけでありまして、いわばサラリーマン減税を中心とする答申でありますので、四十四年度、四十五年度で、今日重税感を持っております個人所得税の減税をどう行なうかということが大きな柱になり、これが一段落つかなければ、おそらく自治省だけでこの私どものつけました根本的な税制改正ということは実現できないということを、私ども決議をつけました際に十分考えておったことであります。しかし、予算編成に関連してあるいは税制調査会の答申等に関連して、おそらく次の段階が出てくる。その段階で、いかに地方自治体の財政状態の認識を深め、あるいは税源の配分の必要であるかということを認識してもらうという意味におきましても、いわば何らかの将来の根本的な改正に際しての橋頭堡をつくるといいますか、そういうことをやってもらいたいということを考えておったわけでありますが、たまたま法人税の問題が出てまいりましたときに、私どもは、これはいいきっかけだ、この際とりあえずある程度、ここにございますように、大都市の問題でも、市町村民税法人割りの税率を百分の二十程度にしなければ解決つかぬのだ、こういうふうな説明文書もありますように、——一挙に百分の二十というわけにはいかぬでありましょうが、少なくとも府県と二%程度の相違にするということではなくて、そこにくさびを打ち込むというような体制にしなければならぬ、こういうふうな考えを持っておったわけであります。おそらく国といたしましては、四十五度でサラリーマン減税ということも一応五%実現したわけでありますので、将来の国の需要との関連におきまして、さらに根本的な国税としての改正も行なうのではないか。すでに大蔵大臣の、新聞に出ております記事等を見ますと、あるいは自動車の新税あるいは直接税から間接税にある程度まで重点を向けられなければならぬというふうな、こういった考え方も出ておるわけであります。それら国の税制の改正が、私どもは、交付税と同じように国の財政の立場で、国、府県、市町村という根本的な問題を解決するのではなくて、今後のほんとうの需要に応じたところの税源を確保するという考え方で税制の改正を行なってもらわなければならぬ、こういうふうに考えるわけであります。 そういう意味におきましても、本年度の税制改正は、重要な年であり、また今後も所得税といえども、このまま百二万円の課税最低限度で打ち切りにするということではなくて、依然として重税感を持っておりますサラリーマン階層の課税最低限の引き上げという要望は強いものであろうと思うのであります。したがって、所得税の減税ということもこのまま済ますわけにはいかぬと思う。いずれにいたしましても、おそらく来年度、昭和四十六年度あたりからは基本的な税制問題が大きくさらに取り上げられるという時期になろうかと思うのであります。その際に私どもが心配しておりますのが、いまの交付税と同じように、国庫財政を中心に税制が見られるという心配であるわけであります。ですから、地方財源の問題をお考えになっておられる自治省とせられましては、その辺のことを十分腹をきめて、早期に検討を加えていただかなければならぬじゃないか、私はかように考えるわけであります。 国の長期税制のあり方が一応解決いたしました今日、さらに新しい立場に立っての税制問題が論議せられる段階において、地方税との関連において問題が出てまいりました際に、自治省としてはどういうふうなことを主張するのだ、どういう新税を設けるのだ、現行の税制はどう変えていきたいのだ、あるいは個人住民税と法人割りとの関連あるいは事業税の問題をどう取り扱うか、それらの点について何かすでに検討を加え、お考えになっておりますことがございましたら、この機会にお聞かせ願いたいと思います。
○大石政府委員 なお具体的には税務局長からお答えをさせますけれども、私、お話を聞いていても、実は府県税制、市町村税制、国の税制という問題について、一番初めはいわゆる事務の再配分という問題にからめて税制の改正をする、またしなければならぬという話題があるわけです。そのことはそのこととして依然として残っておるわけです。事務の再配分というものがなかなか自治省の思うような方向に国全体が向かないというところで、税制自体もやや膠着状態になっている。ところが、もう一つは、実は御承知のとおり、大蔵省自体で、いわゆる直接税から間接税へ移行しているのが先進国の形態だという問題から、わが国においてもこれだけダイレクトな税金から、もう少しそういう間接税へいく必要があるのではないかという気持ちが出されて、これは来年そうなるかどうかは別としましても、一つの方向には違いないという感じも実はございます。そういう中で一体地方税制は、これは各種の税目それ自体と、交付税制度の問題、いまは法人税、所得税、酒税でしょうけれども、交付税の対象は、この三税が将来にわたっても永劫にいいのか、もっとたくさん含めて何%という問題でいくのかという問題も私は出てくるのだろうと思いますし、それからたとえば、先ほど御質問にもちょっとあったわけですけれども、新しい道路五カ年計画で十兆何千億という問題も出てきています。そのときに、いま一体目的税としての道路税というものはどういうふうになっているかといえば、この間私も調べさしたわけですけれども、地方税の軽油引取税、自動車取得税、地方道路譲与税、石油ガス譲与税、全体で三千二百十四億のうち府県が二千五百十三億、指定都市が二百七十億、そして自動車取得税をこの間市町村に与えることになりました。それが一発四百三十一億、それだけなんです。そういう形の中で、今度の十兆円の中の地方道路分というものを、一体地方はどういうふうにそれを消化するために財源措置ができるんだろうか。いまうわさされている問題は、トラック税なり自動車新税なんというようないろいろなことばで実はやっておるでしょうけれども、これ自体は、簡単に言って、国税として問題を考えているわけです。その国税というものを上げるときに、地方税分も含めてそういう国税を考えて、ばりっと譲与税的にやるのか、それともどうかという問題が——これはもう整備計画ができれば、その財源措置をどういうふうにするんだということは考えざるを得ない。その段階で一体地方分の手当というものは、財源の措置の中で税制なら税制としてどうするんだという等のことを私たちはぶつからなければならぬと思うのです。 多少その事務の再配分の問題と別口に、税制自体に、直接税オンリーという問題から、やや流動的なところが出ているわけであります。そういう流動性にかまえて、われわれがあまり固着してしまって、そういう流動的な中で自分のほうは動かないという形に入っていくことは気をつけなければならぬという問題もあわせて実は問題が私たちの前にあるのではないだろうかというふうに考えて、これはお話も聞いておりまして、相当柔軟な考え方で、将来の展望の中で、もちろん具体的に来年はこれをひとつやるという問題もありますけれども、全体の中で、税の体系が流れる方向という中で、一体地方税をどういうふうにするか。流動的な、消費税とか何かいろいろな形は、これはどんなことを言ったって市町村の税金でないだろうということは当然考えられる。これは国税に違いないわけです。そういう国全体の流れの中で取る税金ですから、そういうものがだんだん出てくるときに、一体地方税制というものはどういうことの捕捉をするのかという問題は、私は実は新しい展開がわれわれの目の前にあるという感じ方で、慎重といいますか、相当鋭い目でこれに対応する準備というものを自治省自体がしなければならぬという感じが、いましているわけであります。
○山本(弥)委員 今後の税制改正におきましては、あくまで私どもの主張しております事務の再配分といいますか、行政局等におきましても、当面の日常生活に関連のある道路、下水道その他の福祉施設について、長期計画でどの程度までの水準に引き上げるか、どう財源を確保すべきかという問題も検討しておられると思います。しかし、現状からいいますと、地方制度調査会の大都市問題の答申も出ると思うのでありますが、事務の再配分というような基本的な問題を考えて、国と地方との税の配分というふうな段階にいくのかどうか。いまの事務の再配分の実態といいますか、そういうものについての調査がまだ十分でないときに、おそらく国の財政といいますか、財源確保という見地からの国税はどうあるべきかという問題が先行してくるのではないか。そういたしますと、その際に、地方税との関連を、余裕のない期間ではなくて、早くそれに対応するということを、去年の決議は私どもは、先ほど申しましたように、そういうふうに理解しておりましたが、本年度からは十分それに真剣に取り組んでいただかなければならぬのじゃないか。先ほどの自動車新税にしましても、すでに市町村側から要求しておる道路目的税の配分をどうするのか、ことしもわずかでも解決がついておらぬわけですね、そういう問題は。これをそういう新税に関連してどう考えるのか。あるいは間接税等につきましても、たとえば付加価値税だとか、あるいは売り上げ税というふうな、そういった問題が論議になったときに、それは地方税になるのか、あるいは物品税その他で大部分国税になるのか。それらに対応する考え方をお考えおき願いたい。聞くところによりますと、付加価値税その他について税務局でもお考えになっておる、検討を加えつつあるというようなことを聞いておるのでありますが、それらはどういうふうに準備を進めておられますか。
○降矢政府委員 付加価値税につきましては、御案内のとおり、シャウプ勧告以来何回か話題にのぼりました。ごく近いところでは、四十一年だったと思いますが、事業税の課税標準というものにつきまして、いまの所得というものを外形的なものに変えたらよかろうということで、所得のほかに一つの付加価値要素を導入するという試案を考えたことがございます。しかしながら、この問題につきましては、御案内のとおり、負担の変動がどうなるあるいは権衡の問題がどうなるといういろいろな問題がありまして、税制調査会としても実らずにしまったわけでございます。また同時に、その際この付加価値税は、ある意味では一般売り上げ税的な要素を持っておりまして、したがって、将来の国の社会保障費の充実というものを考える場合に、こういう一般売り上げ税的なものあるいはそれに類する付加価値税的なものを国として考えるというような考え方も一部にありました。いずれにいたしましても、これは将来の問題として税制調査会としては結論を出さずに、今後の検討事項ということで今日まできておるわけでございます。先ほどからお話がございましたとおり、基本的には地方税制の問題は、あるいは事務の配分と関連がございますけれども、御案内のとおり、もう一つは国民の負担、概括的にいえば、国民所得に対する税の負担というものを、どの辺をめどに置くのか。ことしは一八・八%で地方税は六%でありますが、この辺の議論が必ず一つありまして、したがって、そういうワクを破っていくのかあるいはその中で考えるのかということが、地方税の財源の充実にとってもかなり重要な問題であります。その点になりますと、必ずしも定まった意見はございませんで、いつでもある程度予算の編成期になりますと、増減税の問題が出てくるわけでございます。 しかしながら、先ほどからの御議論のように、将来の地方の事業計画というものについて、そのおもなものについての計画的な指向というものが大事な問題でございます。したがって、そういうものを前提に置いてわれわれも部内でいろいろ検討しておりますが、さしあたって先ほど申し上げましたとおり、新しい道路五カ年計画に対応する道路財源問題は緊急の要務でございますので、これに対しましては、御指摘がありましたように、国だけの問題ではない。むしろ地方の事業費としてはいままでの事業費の約二倍程度になるわけでございまして、ことに市町村道の整備というものが緊急の要務であることは、どなたにもほとんど認められておるわけでございますので、この点を頭に置きながら財源の充実をさしあたって検討してまいりたい、こういう気持ちでおります。
○阪上委員 関連、いまのあるべき税制改正の基本的な問題で山本委員が質問しておったのでありますが、これに関連して私二点だけ伺っておきたいと思います。 なるほどシャウプ勧告以来国、地方を通ずる租税の再配分ということがずっと問題になって今日に至っておるわけでありますけれども、これが一向に、先ほど大石政務次官もおっしゃっていたとおりに、うまくいっていないわけであります。何か魚をとるのに池のまわりをぐるぐる回っているような感じがするわけであります。私はその点で、なるほど事務の再配分が先行しなければならぬということはわかるが、それ以前にもっと大切なことは、事務の再配分をやるための何らかの基準というものをわれわれは持たなければいけない。それを持たずに、口頭禅で、漫然とただ抽象的に事務の再配分、こう言ったって何の役にも立たない、こういうことだと思うわけであります。そこでお伺いしたいのは、その基準を持つ努力を自治省はしておるかどうか。このことだと思うわけであります。 関連でありますから、私の考え方を申し述べてみたいと思うのですが、それはすべてではありませんけれども、いまやかましくいわれておるナショナルミニマムであるとかあるいはシビルミニマムとか、こういったものをわれわれは知恵をしぼってつくらなければいけない。それを持たずに、あるべき行政水準というものを少なくとも今世紀末ぐらいを計量して、それを求める努力をしないで、事務の再配分などと言ったって、それはくその役にも立たない。経済企画庁も努力いたしておりますが、なかなかでき上がらぬようであります。社会的にも非常にむずかしい問題になっているようでありますけれども、これは努力しなければいかぬ。そして今世紀末には地方公共団体のあるべき行政水準というものはこういうものである、その内容は、こういう基準がなくてはならぬ、これをまずつくって、それに要する所要財源、財政需要というものはどの程度のものであるか、そういうものを引き出して、それに基づいて国と地方の事務配分というものと関連しながら、かつ税負担のあり方というようなものを考えながら、税制改正と取り組んでいかなければ一いままで同じことばかり繰り返している。そこで、私は地方制度調査会でもやかましくこの点を言っているわけでありますけれども、大蔵省やその他の各省でできないでも、自治省としてはぜひこれをやっていただかぬと、国税と地方税の配分なんというものはできるはずがないと私は思うのです。どうでしょうか。前々からやかましく言っている問題でありますけれども、抜本的な国、地方を通ずる税の再配分をやるためには、まずナショナルミニマム、シビルミニマム、そういったものを作業するということだと思うのでありますが、政務次官どうですか。これもぜひやっていただきたいと思うのです。それをやらなければこれはできませんよ。
○大石政府委員 私、阪上先生の本を実は読ませていただいているわけでありますが、私もその御指摘の点は全くそうだと思うのです。逆にいま、市町村合併、広域市町村圏ということで、いわゆる自治体という問題の広がりを大きくしようということをいっているわけであります。そのこと自体は確かに一つの合理性があるし、そういう要望があって合併なり広域圏という問題が展開されつつある。しかし、それが展開されつつあるときに、実は阪上さんの言うシビルミニマムというか、そういうものがもう少し定着していかなければ、行政を受ける人民は疎外感を受けるということになり得る。したがって、それを一体どういうふうにするのか。阪上さんの本でいえば、かなり行政単位的なものに見えるんですが、私はそれはまだはっきりわかりませんが、それが行政単位のような、執行をする一つの単位になっていいのかどうか。それとも民主主義というか、直接民主制というような、住民の声がそこの範囲の中で取り上げられる体系、つまり事務それ自体はようしないが、国民の、市民の考え方をそのところで取り上げる、しかもそれは合法的な体系というものをつくって、それが市政なり町政に反映する合理的なルートというふうにしていくかどうか。いずれにしろ、実は私も町村合併なり市の合併なりというふうなことを進めていることがあるので、それと同時にそういうもの、もっとインパクトに自分たちの感じ方を表現する体系というものにしていかなければならないというふうに考えて、私も大きな関心を持っているわけで、国会中というわけにもまいりませんと思いますが、そういう問題を私も行政当局にも話して、それは一体どういうふうに考えられるものか、させたいというふうに思っておりまするし、また事務的にも検討を多少始めているようなところもあります。 と同時にもう一つ、私、先ほど予算要求の問題を話した場合に、われわれの場合はばく然としている。こういう内容ですというのじゃなくて、数多のいろいろな要望が一ばい人民、国民からあるのだ、それに追いつけないんだというふうな表現で、問題が展開していますけれども、それはたとえば環境整備五カ年計画あるいは十カ年計画という問題があるとすれば、それを地方で、われわれの市はどういうふうに年次別に受けとめてやろうとするとか、いろいろそういう環境の問題というものを考えていって、市町村はもちろん自分の財源だけではできないわけですが、そういう計画的なものを持っていくということの上に、たとえば地方自治体の事業計画、それに伴う予算計画、したがってそれに必要な財源という問題も考えていかなければならないのじゃないか。何となくばく然と金が足りなくて不満があるんだという形だけのやり方で、これからいつまでも耐えていけるかどうか。そういう点は私もお説のとおりではないかというふうに考えまして、やはり新しいくふうをすべき問題であろうというふうに感じております。
○阪上委員 私の本を読んで、私よりよく知っておられるので驚いたのでありますが、私の言いたいことは、やはり今世紀末あたりを十二分に受け入れをして、そして国民生活の最低基準というふうなもの、いわゆるナショナルミニマムといっていいのですが、そういったものはどうしてもやっていただきたい。自治省でもこれを手がけられておることは私は知っております。できるだけひとつ集中してそういうものをつくってもらいたい。それによって国がやるべき仕事はここまでだ、こういうふうにきまってくると思うわけです。同時に、それは全く全国の都道府県、市町村、こういった現行の地方公共団体のやるべき最低のものである。しかしながら、都道府県、市町村各地方公共団体によって、それぞれやはり持ち味というものが出てくるはずでありますが、したがって、これが何かプラスアルファの形でシビルミニマムというような選択基準、その選択基準のほうは、これは行政指導なんかで研究しながらやっていっていいが、少なくともナショナルミニマムをどうしてもこの際つくらぬと、税の配分というようなことを言ってみたって空理空論にすぎない、こういうことであります。幸い手がけておられて——私は激励ばかりするくせがあるのですが、ひとつ激励いたしますから、思い切って自治省の役人ももっとふやして、そして大々的にこの世界的な、日本的な問題と取り組んでもらいたい。このことをやらないと税制改正はできない。ことに大蔵省あたりはいつもさいふを握っているものですから、できるだけ出さぬようにばかり考えておるし、国のほうは持ち出さないようにばかり考えております。それではだめであります。たとえば大都市の税財源を確保しろと言ってみたって、やはり大都市行政が今後二十年、三十年の間に必要とするところの所要財源というものを計量して持ち出さないと、これは対抗できないと思うのです。あるべき行政水準も考えないで、ただ漫然と現在の状態の中で先のことを考えずに、その場その場をごまかそうとすれば、地方交付税等の貸し借りの問題まで実は出てくる、こういうことになるのではないかと思います。その点だけぜひひとつ努力していただきたい、こういうふうに思うわけであります。 それからもう一つ、よくわからぬのですが、先ほどから自民党さんの同僚議員も質問しておられましたが、何か大蔵省筋あたりで直税、間税の関係が出てきておるというようなことであります。いま私は直接税、間接税の割合というものは十分にわかりません。たしか七対三か、六対四になっているか私知りませんけれども、地方公共団体のいわゆる地方税として一体好ましい税の種目は何であるかということを考える場合に、いたずらに間税によるという考え方あるいはウエートをそこへ持っていくという考え方は、私はいけないと思う。住民が地方の予算を直接に見ながら、それがいかに使われているかということを身をもって知るのは、やはり税種目としては地方税だろうと思う。そうして、その中でも特に直税に対して非常に敏感に反映するのじゃないかと思うのです。英国あたりでどの程度になっておるか、大体私知っておりますけれども、やはり地方税としての直税を重要視するということを考えないと、地方自治の本旨というものは守れない、住民自治というものの考え方が生きてこない。間税にたよっていきますと、とかく物価との関連から、ばく然と圧迫感を感ずるという程度であって、地方自治を守っていくという考え方の税としては、あまり簡単にそういうものを導入していく、あるいはそういうもののウエートを増していくという考え方は適当じゃないと思う。ひとつこの機会に、大石先生から御所見を伺っておきたいと思います。
○大石政府委員 私も実はその点同感でございます。ですから、その間接税的なものは、また徴収する技術的な体制的なことを考えていっても、やはり国税であろうと地方税でそういうものをとるというのは実際問題としてあり得るのかどうか、まだ私もよくつまびらかにいたしませんが、自治という問題の体系から、自分の税金がどこに動いていくのかということを見詰めるという点からいっても、いわゆる独立財源として直接税的なものが当然地方税の主体にならなければならぬというふうに考えます。そういう点は同感です。私は実はまだそういう問題の間接税移行というものがどういう展開のスピードをするのかわかりませんし、また間接税の場合は、多少貧富の区別なく、ちょうどたばこで税金がかかるように、貧富の区別はないという問題からも、一応議論のあるところです。どういう品目をどの程度とらえていくのかという問題もありますので、そういうことを見て、実は私自身が非常に先走ったようですけれども、交付税の対象項目が、いわゆる所得税なり法人税なり酒税だけでいいのかどうか。個人所得税というものをもっと下げていく方向だという問題を考えていく場合には、その対象が減ってくれば、その三二%は減るという等の問題もありまして、全体的にはいわゆる安定した財源というものを持つ場合に、ただいまの三税だけで将来永久にわたっていいのかどうかという問題もあり得るのではないだろうかというふうに感じているわけです。たしかきのうの財政審議会で、これからの問題を取り上げているようでありますけれども、景気の問題はどう考えるか、いろいろ成長率をどう考えるかということでありますけれども、同時に、福祉行政を大きく取り上げなければならぬということもいわれております。と同時に、高福祉、高負担ということばも多少ちらっと出ているようであります。そこらも私どもは、地方ではそれは一体どう受けとめるのかという問題等も考えていかなければならぬということをいま思っているところでございます。お説のいわゆる市町村財源というものは、やはり直接税的なものが主流をなし得るだろうというふうには、当然考えます。
○山本(弥)委員 基本な問題につきましては打ち切りますが、先ほどから申し上げておりますように、国税の改正に関連いたしまして、地方税はどうあるべきかという問題については、早い姿勢で対応するということについての御配慮をいまから十分御検討おき願いたい、特に政務次官にお願い申し上げておきます。 なお、時間がございませんのでこまかい問題につきまして二、三お尋ねいたしますが、個人住民税の課税最低限の問題につきましては、先ほど御質問いたしましたけれども、その税の性格が違うということもありますけれども、今日住民税の受け取り方は、税が重いという受け取り方をしておるわけでありまして、税の性格その他ということよりも、やはり住民の要望にこたえるということが必要ではないか。依然としてこの課税最低限が約三十万円の開きでずっときておるわけであります。昨年御質問いたしましたときには、野田自治大臣はすでに、何年間ということはともかくとして、これを近づけるという腹案があるんだ、しばらくお待ちを願いたい、こういうふうな御答弁があったわけであります。 〔委員長退席、砂田委員長代理着席〕 そして多少差を縮めるというような配慮がなされなかったのか。とっぴな考え方でありますけれども、私は住民税といえども、やはり生活費には課税しないということ、これらを住民税においてもむしろ考えなければいかぬのじゃないか、そして課税最低限を近づけるといったことは必要ではないか、かように考えておるわけであります。 それから次の点は、府県税の個人住民税でありますけれども、ことしは所得税の税率をいじりました際に、自民党の要請で馬瀬所得者の税率をいじられて、約五十億減税になったという。これは新聞ですが、真相はわかりません。しかし、私は、五十億という金額は相当大きい額ではないか。先ほど、府県から市町村に譲る額、これは三十億ぐらいなものだと思うのでありますけれども、そういうふうに高額所得者の税率を緩和するということでありまするならば、当然ある程度まで、今日府県の住民税の二段階の税率というものは、所得税とそれから府県税であるところの住民税との相互の税源配分というような関連からいいましても、府県税はやはり五段階ぐらいにすべきではないか、こういうふうな感じがするわけでありますが、将来そういうことをお考えになるなり検討されるかどうかということをお聞きいたしたいと思います。 それから次に、宅地開発税ですが、昨年のときもこれは相当こまかく論議した問題でありますけれども、はたして税にふさわしいかどうか。今日の宅地開発は、当然先進諸国と同じように、宅地というものは道路がつき、そして水道が引けるようになり、そして下水道を通せるようになって、それがほんとうの宅地である。そういう宅地造成を、いわゆる業者もやるべきであるという考え方になって、多少それが地価にはね返るということでも、むしろ安いものになりはしないか。ただ、それが大きくはね返ることは不当であります。そういう拘束を開発業者に課すべきである。都市計画事業でも、遂行しないようなものは開発税で取って、そうしてどういう税率をかけていいのかわからぬ、一応事業の総量を見て税率をきめるというような税は、ちょっと疑問を持っておったわけです。 今日、宅地開発税を実施しておる市町村の数、それと昨年は一億五千万ぐらいの税収があるだろうといわれていたのですけれども、本年度ちょっと見ましたら、七千万そこそこしか見込んでおらぬようですけれども、実施しておられる市町村、これは地方都市でもうまくいっておれば参考になると思うのでありますけれども、面積において税金をかけているようでありますが、どのくらいの税金になっておるか、その点をお尋ねいたしたいと思います。 時間の関係でまとめて御質問申し上げます。それから電気ガス税につきましては、これは私どもの党の意見とちょっと食い違ってぐあいが悪いのですけれども、私は、電気ガス税というものは、消費能力に応じて課税すべきものであって、市町村にとりましては重要な税金だと考えているわけです。ただ、今回二割両方とも免税点を上げたようであります。ガス税につきましては、先ほどの御質問に対する御答弁では六十何%はこれで救われるということでありますので、ほとんど低所得者層にはかからなくなってきておるような気がします。電気のほうはどうなっておるかわかりませんけれども、電気ガス税のほうはこれは引き上げるべきだというふうに考えておるわけです。今後の生活水準にかんがみまして、電気ガス税につきましては免税点を引き上げるということが私は必要だと思います。しかし、相当余裕のあるものが電気ガスを相当消費するわけであります。消費課税といたしましては、普遍的な市町村の税金であるということからいいましても、いわゆる地方財政の見地からも当然担税力のあるところには課税すべきであるという考え方からいいますると、これは今後十分検討すべきである。昨年も申し上げましたが、これを廃止するということである。総理が、悪税であるとか適当でないとかいったような本会議の議論も、今回の六十三国会における本会議においても、そういう質疑が行なわれたと記憶しておりますけれども、これは慎重にお取り扱いを願いたいということと、非課税範囲というものは相当の範囲になっておるわけであります。いわゆる産業政策上の非課税範囲、これはばかにならない。相当の額になっておると思う。これはいままでの五%、いわゆる原料課税というたてまえで、電気の消費量が原料の五%を占めた場合は非課税にするとか、あるいは税率を軽減するとかいうようなことで相当複雑になって、私は非課税の額も相当なものじゃないかと思うのです。これらは外国にも例がないということで、盛んに財界方面からは強く廃止を要望されておるようでありますけれども、しかし、それにもかかわらず相当の収益をあげ増益、増配をしておるというのが実態のわけなんです。ですから、もし法人税の臨時増税がなくなるようなときには、それらと歩調を合わせて、多少考え方は違うかもわかりませんが、非課税の範囲を再検討する必要があるのではないか、整理をしていく必要があるのではないか。五%以上、さらに一〇%高めるとか、あるいは何らかの、これは一つの産業政策であるわけでありますから、その検討が必要ではないか、かように考えますので、御見解を承りたい。また個人消費につきましては、やはりその生活水準なりその他に関連いたしまして引き上げていくということは当然だと存じております。 それから固定資産税についてでありますけれども、実際はもう何年となく時価に課税をするということが、一応急激に変化するのを緩和するという措置、そのこと自体につきましては、私ども要望を申し上げているてまえ、当然そうあるべきだというふうに考えております。しかし、これはもう一度税率その他と関連して、できるだけ法のたてまえを貫くような考え方にできないものかどうか。もう一つは、免税点の範囲を高める必要があるのではないか。数字も、いただきました資料にあったようでありますが、非常に低いのではなかろうか、こういう感じがいたしますが、免税点を高めるというようなお考えがあるかどうか。そしていつの段階に−地価の安定というようなことと関連する問題だと思いますけれども、法のたてまえの時価に従って課税をするという体制ができるのか。 負担の軽減ということに関連いたしまして、私どもは、先ほどちょっと要望申し上げました課税最低限との関連で、住民税の課税最低限を所得税並みにするということは、応益の原則に反するというような税の性格だということであります。今日均等割りというような問題についても、もうすでにああいうわずかな金を応益負担という意味で取ること自体が、私は徴税事務の点からいっても、どうも意味がないような感じがしておるわけであります。そういう応益の原則に基づいて均等割りを取ること自体もおかしいと思っておりますけれども、ある程度までこういう所得に応ずる税につきましては、負担の軽減をはかる。固定資産税のように、そのところに所在することによってある程度まで収益を上げ、そこにその地域の行政の水準の向上をはかっていくというようなことに関連いたしまして、固定資産税につきましての考え方は、住民税との関連におきまして著しく負担過重にならない範囲において将来どうあるべきかを検討する必要があるのではないか。いわゆる免税点の引き上げと関連させながら検討する必要があるのではないか、かように考えておるわけであります。 時間の関係がございますので、以上数点につきまして御答弁願いたいと思います。
○大石政府委員 住民税のことについて最初お問い合わせがあったのですが、これはちょっと私見で、まだ自治省というところまでいっていないのですが、私は実は、府県税の住民税と市町村の住民税という全く性格も名称も同じ税金が両団体にあるという問題が、検討すべき課題ではないかという感じを持っているわけであります。で、第一線の市町村という問題のときには、いまお話がありましたけれども、市町村民が税金を負担して、自分の市町村税を見張っていくという意味で、なるべく多くという表現も不正確でありますが、まあ人数は少なくしてしまうというよりは、ある程度負担をしてもらうということは、必ずしも悪いことではないのじゃないか、それは負担額なんだというふうに思うのです。それの調整という問題を、一体府県住民税との間の問題で検討する対象にならないだろうか。全く同種の性格の同種の税金が同じようなやり方で行なわれているというのは、ちょっと珍しいのじゃないだろうか。だから、全体の税額においての調整ができるなら、第一線の市町村民税の問題についてはもう少し考え得るところがあるのじゃないだろうか。それは必ずしも重くするという意味で言うわけではありませんけれども、そこらが私は今後検討をしていくだけの題目ではないだろうかというふうに考えているわけであります。 それから電気ガス税につきましては、悪税であるとかいう人もありますし、いろいろありますけれども、いま御指摘のとおり、たしか電気ガスは九百億くらいだったと思いますので、非常に大事な市町村の税金であり、しかも普遍的な税金であるというふうに考えておりますので、いま自治省としてはこれを悪税として廃止するということは考えられませんし、また、確かに所得に応じて消費量もふえているという事実がありますから、私どもはこの税制を廃止するという考え方なしでいきたいと思っております。まあ免税点をどこらにするかということは、また今後もくふうすべきところであろうかと思いますが、税自体を直ちに廃止するということは、ここのところすぐ取り得ないというふうに考えています。 非課税の問題につきましては、従来からいろいろお説も拝聴しておるところでありますが、まあ材料課税である、たとえば石炭を使えばかからないが、電気ガスでかかっているという意味で、産業政策的な立場もあると同時に、いわゆる物価問題のことも関連がありまして、いまは続けているわけであります。ただ、なかなかむずかしい問題でありますが、今度も五%というところに該当しないものもできてきましたので整理をしているわけでありますが、五%が決定的に動き得ないものかということではないというふうに考えますけれども、成立の経過等から、いまそういう比率のところでやっているということであります。
○降矢政府委員 一つは均等割りの点でございますが、ことしの収入見込みで二百七億見込んでおります。これにつきましては、いま御議論もありましたが、われわれとしてはこの税は残しておきたい、こう思っております。ことしの税制調査会の答申では、二十六年からこの税率が据え置かれて今日まできておりますので、検討すべきではないかという答申もございましたけれども、われわれは、住民税の課税最低限に重点を置いて、この問題については今回も触れずにまいったわけでございまして、いま直ちにこれを廃止するという考え方は持っておりません。 それから、その次の国税についての給与所得控除の引き上げでございますが、最終段階で、いわゆる給与所得控除の段階刻みがずっとございまして、五%控除という段階が三百万のところにございましたのを、四百万に直したわけでございます。そのための減税額が三十一億になっておりますが、これはいわゆるサラリーマン減税ということからの主張のように承っております。 これに関連しまして税率のお話がございましたが、われわれは、先ほども御答弁申し上げましたような考え方で、やはり累進的なものはあまりとるべきではなかろう、こういう考え方を持っております。 それから宅地開発税でございますが、宅地開発税については、まだ実施をしている市町村はございません。御案内のように、宅地開発税につきましては、市街化区域内においてこれを実施するということになっておりまして、いまだ線引きが行なわれていない状況でありますから、市町村におきましてはまだ実施に踏み切っているところはないわけでございますが、いま考慮中のところは、われわれ承っておるところでは二十二カ町村というふうに聞いております。税率につきましては、国会の御審議の過程におきましてもいろいろ御議論がございまして、条例で一平米五百円を限度にするというふうなことで、われわれも指導をしておるところでございます。 それから、電気ガス税の免税点の免税世帯の問題でありますが、電気につきましては、四十四年度三百三十五万世帯、全世帯の一二%でありますが、四十五年度におきましては、免税点二割引き上げによりまして、四百七十二万世帯というふうに想定して、大体一七%程度になる見込みでございます。 最後に、固定資産税について時価評価の問題であります。これはお話にもございましたとおり、現在地価が十何%か、二割ぐらいの程度で上がっておりまして、なかなか安定をいたしません。したがって、いまのままで時価評価にすぐ移るということは、かえって負担の激変を個人ごとに与えることになりまして、私たちはいまの段階では適当ではなかろう。しかし、いずれにいたしましても、この時価評価、時価課税ということは法のたてまえでございますので、われわれといたしましては、地価の動向等をにらみながら、できるだけ早い機会にこれに近づきたい、こう思っているわけでございます。今回の負担調整措置におきましても、大体課税標準は時価評価額に対しまして今年度二三%ということでありますが、三年で四割程度になる見込みでございます。これは前回の評価の際には、三十九年から四十四年にかけまして五年間で約四割になったところを、ある程度スピードを早めるというかっこうで、できるだけ近づきたいとは思っておりますが、しかし、時価課税に直ちに踏み切るということにつきましては、もう少し地価の動向を見なければならぬだろう、こう思っております。 最後に、免税点の問題でありますが、土地につきましては、前回の国会修正によりまして、八万円になっております。八万円は都市計画税に当てはまるわけでありまして、これを税額にいたしますと千二百円ぐらいになるわけでありますが、現在、ことしの見込みにおきましても、八万円の免税点におきまして、納税義務者は大体八百十三万人ぐらい落ちるかっこうになります。全体で三九%程度になるわけでございます。したがって、われわれはこの程度の免税点であれば、さしあたって十分だというふうに考えております。 なお、具体の例について私調べたのを参考までに申し上げますと、最近宅地の分譲が盛んに行なわれておりまして、たとえば船橋市あたりの実例あるいは仙台の実例を見ましても、初めて固定資産税がかかりますのは四十六年ないし四十七年くらいでありまして、その坪数は大体六十から八十五坪くらいのところでございます。結局それはどういうことかといいますと、評価額は高いのでございますが、負担調整をしておる関係から、新しい分譲宅地の実例を数カ所について調べましたが、いま申し上げた八万円でありますれば、なお課税が四十六年ないし四十七年ごろから始まるということでありますので、そういう都市におきましても、そういう状態でありますから、われわれはこの八万円を今回動かさない、こういう考え方を持ったわけでございます。
○山本(弥)委員 実はまだ十分検討していないのでありますが、日本コーレス協会なるものから膨大な陳情書をもらっているのでございますが、これは今度の、私は化学の知識がございませんが、炭化水素油の範囲に「炭化水素とその他の物との混合物又は単一の炭化水素」を含めるものとする七百条の三の改正ですね。これに関連しているのではないでしょうか。いままで該当しないものを、このコーレス協会なるものの、何といいますか、一酸化炭素の少ない燃料を使うものに対しても、軽油引取税を課税する、同一に課税する、そういう意味のものでしょうか。その点をちょっとお聞かせ願います。いずれ十分に検討してからでないと、私どもも意見を述べられませんので、その点をちょっと。
○大石政府委員 詳しくは税務局長からお答えしていいと思うのですが、私も詳しい陳情書は読んでおりませんが、そういう優秀な燃料だから税金を減税してもらったらどうだろうかという陳情のように思います。これは工業試験所か何かでいろいろ調べてもらったと思うのですが、課税をするほうの考え方は、それが自動車を走らせるものである、そうして、軽油引取税なりガソリン税というものは目的税でありますから、自動車を走らせるいわゆるエネルギーであるということで、税金はちょうだいいたしますという態度にきまったわけであろうと思います。中身がいいか悪いかということは別なんです。そうして、もしそういうことに対して何か税制上の問題があるとすれば、そういうものをつくる機械なり、それに対する、いわゆるよくある特別償却なり、そういう問題が考えられることであって、燃料自体の税金をまけるというのは、税制の措置からいえば、少し筋がはずれるんじゃないかという意味で、このたびそういうことをお願いしたわけであります。
○降矢政府委員 現在、軽油引取税が課税される場合は、大別して三つありまして、御案内のとおり、特約あるいは元売り業者から軽油の引き取りが行なわれる場合、もう一つは、販売業者、いわゆる小売り店でありますが、これが混和軽油というものをつくって、たとえば灯油にスピンドル油をまぜて、それを販売する場合、もう一つは、自動車の保有者が灯油とか重油等の炭化水素油を道路を運行する自動車の燃料として使う場合、三つあるわけでございまして、今回考えましたのは、自動車の保有者におきまして、いわゆる安全燃料あるいはコーレスなるものを使って自動車を走らせる場合において、その自動車の保有者に課税しようとするわけでございます。結局、保有者課税というのは、軽油あるいは揮発油というものは課税されておりますので、それとの均衡でありますと同時に、脱税を予防するというような意味から、補完的な措置として自動車の保有者課税という制度があるわけでございます。今回、この安全燃料あるいはコーレスといわれるものは、全体として見ると必ずしも油状、油の状態、炭化水素沖というわけにはまいらぬわけでございます。これはいろいろ試験をした結果、そういうことであります。しかしながら、ある特定の気化装置を使いまして、自動車の内燃機関に用いられるということで、若干普及してきたようでございます。いま次官から御答弁がありましたように、この税は、結局道路の目的財源でございますから、したがって、同じようなものにおいて自動車を運行する燃料課税ということであれば、やはり同じように課税すべきものであるということに踏み切ったわけでございます。 なお、御参考までに、安全燃料につきましては、四十二年夏ごろから出回りましたが、ことしの十一月まで、いろいろ試験その他の関係がありまして課税を見送ってきた経緯がございます。それが今度は、同じ気化装置を使いましてコーレス、まあ通産省や厚生省の話でも、一酸化炭素は揮発油、ガソリンに比べまして少ないそうでございますが、そういうものにかわってきたわけでございます。そこで、やはり税制の立場からいたしますれば、また特に道路の目的財源から考えますと、同じ油課税という中で特にそういうものを自動車の保有者が使う場合だけ課税するということで、今回改正案を提案したわけでございます。
○山本(弥)委員 これは私ども検討していませんので、内容もわかっておりません。十分検討した結果、また御質問する機会もあろうかと思いますので、この程度にしておきます。
○砂田委員長代理 午後二時に再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後一時三十五分休憩 ————◇————— 午後二時十七分開議
○菅委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑を続行いたします。斎藤実君。
○斎藤(実)委員 地方税法の一部を改正する法律案に関連した問題も含めて、若干お尋ねをいたしたいと存じます。 先ほどから、同僚議員から地方財政のあり方についての考え方、あるいは財源の配分、事務配分等について、いろいろと御質問がございました。七〇年代は内政の年といわれておりますし、その中で地方行政が最も注目を浴びるようになりました。したがいまして、それに伴って地方財政の充実強化ということ、これもやはりいなめない事実でございます。したがって、地域住民の政治に対する要望もまた非常に強くなってきております。地方自治体としての行政の充実もしなければならないし、また一方において住民税の減税という要望も強い。こういったことを踏まえながら、特にこれからの地方財政をどのようにしていくかということはこれは大きな課題だろうと存じます。 そういう状態の中で、総理の諮問機関であります経済審議会の報告の中でも、やはりいま申し上げましたような報告をしているわけです。この中で、今後の重点施策は、従来生産優先から経済成長政策がとられてまいりました、これを今度は生活環境等生活基盤の整備を優先すべきである、こういう報告もしております。地方行政の中で、やはり道路とかあるいは下水、清掃施設、住宅、こういった社会資本のおくれに対する住民の不満を解消しなければならないということで、この経済審議会の報告もやはり同じことを言っているわけです。そういったことで自治大臣もこれは四十五年の一月十二日ですか、「立ち遅れている公共施設の整備と七〇年代の地方財政」というビジョンを出しております。この中でもいま私が申し上げましたようなことをうたっております。それで、この中でこういうことを言っておるのです。 ちょっと読んでみますと、「地方自治体が地域の実情と住民の要請に応じて実施する投資的事業(単独事業)に投入される昭和四十五年度から五十五年度までの総事業費は、おおむね三十兆円」と考えられる、こういうふうに言っておるわけです。三十兆というと、十年間で三十兆ですから年間三兆、膨大な資金の要ることになるわけです。このビジョンの中で、十年間で三十兆というと単独事業費としては相当な額になるわけであります。こういう膨大な財源をどうするのか。率直な疑問が出るわけですけれども、この点について、大臣がいらっしゃいませんので、大石政務次官から御所見を伺いたいと存じます。
○大石政府委員 あとで資料が来ると思っておるわけですけれども、あの三十兆というのは、いままでの趨勢というものを、景気上昇と一緒にやっていけば大体いけるのではないかという推定の数字の中で、たしかはじいたものだと思います。したがって、一般の税金なり交付税の総額なりその他の関係で、大体いけるということで出ていると思います。数字についてはあとでまた……。
○斎藤(実)委員 今年度の地財計画の中で、全体計画は約七兆九千億、その中で投資的経費が約三兆、約四〇%弱になるわけですが、この中に道路、下水、住宅、公園等の住民の日常生活に直結する事業費は大体幾らになっていましたか。
○首藤説明員 ただいま総計を取りまとめたものを持っておりませんが、四十五年度の財政計画の中で、いわゆる単独事業の長期計画事業としておも立ったものを取り上げましたものについて申し上げますと、道路関係が約四千三百億、それから清掃関係が二百億余り、それから人口急増対策が九百二十六億、それからいわゆる過疎対策と申しますものが六百四十億余り、その他交通安全対策等に二百六十億余り、このようなものでございます。
○斎藤(実)委員 先ほどの十年間で三十兆の件で、資料がないという御答弁でございますので、資料が参ってからまた御質問申し上げたいと思います。 いま道路が四千三百億というお話がございました。やはり道路については、市町村道路の舗装率あるいは改良率が非常に低い。これは統計にも出ております。この統計によりますと、市町村道の改良率が一三・五%、舗装率が五%、こうなっています。この改良率を一%上げるためにはどれくらい費用がかかるのか、あるいは舗装率を一%上げる場合にどれくらいかかるか、積算した資料はございますか。
○首藤説明員 ただいまその資料を持ってまいっておりませんので、後ほど正確に申し上げたいと思いますが、約千三百億見当ではなかったかと思います。
○斎藤(実)委員 道路整備事業の財源については、現在の道路目的財源の配分が非常に国に片寄っているということでございます。したがって最もおくれている市町村道の整備を促進するための財源の充実、強化ということが緊急の課題ではないか。このおくれております市町村道路の整備についての財源対策は一体どうするのか。いまのような財源の充当ではたしてこの急速な市町村道路の整備ができるかどうか、非常にこれは不安になるわけですが、この点についてどうですか。
○大石政府委員 それが実は先ほど御質問にも出た問題でありまして、例の十兆円の整備計画という中には、今度は地方道整備が相当大きくなるわけであります。この計画の財政裏打ちというものが、まだ国道その他を通じて未定稿になっているわけであります。国道のほうをどういうふうにするのだ、地方道はどういうふうにするのだという財源の問題は、これからの段階であります。先ほど申し上げましたとおり、この財源を措置するときに、われわれは同時に地方道整備の問題の財源措置というものをこの機会に確立しなければいかぬじゃないかということで、これに当たりたいということを申し上げたわけで、そのとおりに考えているわけであります。
○斎藤(実)委員 また資料が出ましてから逐次御質問申し上げたいと存じます。 今後の税制の基本的な方向についてまずお伺いをしたいと思います。 四十年の八月に出されました税調の長期答申は、本年度の税制改正で公約が完全に実施されたわけです。完全実施といえば非常に聞こえがいいのですが、実際には給与の急騰あるいは物価の上昇を見ますると、むしろ税制改正の進展は合っていない、こういうふうにわれわれは考えられる。そこで、今後の税制の基本方針として、大蔵大臣も予算委員会で新たな長期の展望にわたる税制の改正が必要であるというふうなことを言っておるわけです。新たな新規構想に基づいて検討を重ねていると答弁しているわけですけれども、この地方税に関する長期の見通しについて、具体的な構想を自治省としてお持ちであるのかどうか、ひとつお伺いしたいと思います。税調の答申を待ってしかる後に考えるのか、先ほども政務次官の御答弁で税調の答申を待ってから考えたいという御答弁があったと思いますが、この点はどうですか。
○大石政府委員 税調と役所の関係はいろいろあろうと思いますが、税調の考え方が出てから初めてそれを受け取るということだけには行かないというふうに思います。それも先ほど申し上げたとおり、新しい税制をどういうふうにするのかということについて、われわれは原則的に地方財源という問題をもっとしっかりしなければならぬ。またそういう要請が高まって、当然そういう市町村財政、税源という問題は拡充していかなければならぬことでありますから、そういうことと全体の税体系というものを、おそらく今度は税調等でも検討することになろうと思うわけです。そういう中で地方財政の強化という問題を、特に市町村財源でやるというわれわれの側の立場というものは白紙にしておいて、出てきたらそこでということでなしに、税調にわれわれがおはかりする考え方というものは、当然そういう方向でおはかりするということにしていかなければならぬと思っております。
○斎藤(実)委員 先ほど政務次官から税調の答申を待ってから考えたいという御答弁があったものですから、それでは地方税全般についての答申を受けてから実施するまでは相当期間がある。それでは長期間にわたって国民が実質減税の恩恵を受けられないということで、ちょっと私は御質問したわけですが、自治省自体としても、この点は積極的に検討されていると、こういうふうに受け取ってよろしいですね。
○大石政府委員 はい、いいです。
○斎藤(実)委員 もう一つ、大蔵大臣が現在の直接税と間接税の比率は六五対三五だ、直接税中心であり、今後は間接税をふやしていく方向に持っていきたい、まあこういったことを言っておるわけですね。その場合、この直税にかわる新構想として、いろいろ新聞紙上でいわれております新税、こういったことを一体自治省としてどういうふうに考えているのか、まず基本的な考え方を伺いたいと思います。
○降矢政府委員 大蔵大臣の御答弁に関連しての御質問でありますが、直間比率につきましては、先ほども御質問ありましたとおり、地方税特に市町村税におきましては、やはり住民の直接の負担感というものが伴う、そういうことによって、地方自治に対する自治意識ないしは監視の気持ちを持つという方向がよくはないかというふうな考え方でございます。ただ国全体として、いまトラック税とか、あるいは自動車新税とかいろいろことばがございますが、中身については必ずしも一致したような見解でもございませんし、したがって、われわれとしては、当面は先ほども御質問ありましたような道路財源の充実ということを第一の目標としながら、全体としての構想、考え方というものは、いわゆる長期のビジョンの中で地方税源の充実、特に最近の事情に即しますと、市町村税の充実ということについて検討してまいりたい。その際、どういう税種でどういうふうにするかということについて、全国的な流通税あるいは消費税がいいのか、あるいはもう少し直接税のほうがいいのかというようなことがあろうかと思います。問題は、やはり全体の負担の問題も考えなければいけませんので、一がいには申し上げませんが、少なくとも市町村税については、いま程度の直接税の——七八と二二の比率でありますが、その辺を一つのめどにして考えていったらどうかというような気持ちを持っております。
○斎藤(実)委員 この現在の税体系、いろいろ論議があります。この税収の伸びがずっと上回ってきておりますし、その反面住民の減税の要望もこれまた強い。住民の立場から申しますと、税金は安くしてくれ、また生活環境も改善してくれ、こういう要望も強い。それには当然今度は資金が必要になってくるわけです。こういう二面性を地方財政の中で一体どういうふうに調整させていくのか、何か基準があるのか、こういった論議になるわけですが、この基準といいますか、調整といいますか、こういった考え方について、ひとつ基本的な考えをまず伺いたい。
○降矢政府委員 いまお話がありましたとおり、住民の側からいえば、一方負担の軽減の要望があり、反面行政サービスの向上を求める要求が非常に強うございます。それを地方財政の中で受けとめて、どういうふうに両方を満足させていくかということは常にぶつかる問題でありまして、とてもむずかしい問題であります。ただ地方財政の立場からいいますと、結局自主財源としての地方税のウエートを高めていくというのが、少なくとも行政運営に責任を持つ地方団体にとって一番望ましいことだと思います。しかし、それだけでは全国三千の市町村が仕事をやっていくに必ずしも十分な財源になりません。したがって、やはり交付税制度というものを活用して、要するに自分の判断で自主的に使える、いわゆる一般財源を増強するという方向で、いまいわれているような問題に対処していくのが基本的な姿勢であろうと思います。
○斎藤(実)委員 いま交付税にたよっていく以外にないのではないかという御答弁がございました。そこで政務次官に伺いたいのですが、交付税にたよる以外にないということですが、いまの住民のいろいろな問題に対する要求を満たすためには、地方交付税が一体このままでいいのか、三税の三二%でいいのか、あるいはこれにかわる何か財源が考えられるのか、あるいは三二%に多少でも上のせするということが必要なのか、この点をひとつ政務次官から伺いたいと思います。
○大石政府委員 先ほど御質問があった中で、地方団体の、つまりシビルミニマムというか、最低限の環境整備をするという問題を、一つの体制としてわれわれが持つということになったときに、全般的にいって地方財政でそういう要求に応じ得る税の種目というものを共通に求めることは非常に困難だと思います。それは都市、農村という問題もありまして、法人関係というものは、町村という名のつくようなところは、期待しようにもほとんど実は出てこないという問題がありますから、交付税制度という問題はどうしても残り得る制度だというふうに思うわけで、しかし、それだからといって交付税だけでいいということを私ども考えるわけでなしに、先ほどから議論のあるような、国と地方との間の税目の移譲というか調整等もあり得るのではないだろうか、あるいは市町村と府県との間にもあり得るのではないだろうかというふうな、税制全体の体系を考えていく時期に今度はなる。同時に交付税も、私見ですけれども、いまの三税だけで、これが一体恒久的な対象なのか、三二%が恒久的なものなのか。税制の体系によれば、そのもとが変わってくれば三二%から出てくる数字も変わるわけですから、税制全体をどういうふうに体系づけるかという中で、おのずからその比率も変わってまいりましょうし、また対象とする税目自体も、私は来年あたりすぐ変わるなどと考えているわけではありませんけれども、そのくらいの配慮をして安定的にやっていかなければならぬじゃないだろうかというふうに考えます。しかしどうしても交付税という問題は、私もいろいろと考えてみますけれども、交付税という問題を日本のこういう変化の激しい中で考えると、交付税を少なくして全体的に交付税にたよらなくてもいいというような税制は、市町村を通じてなかなかあり得ない。やはり交付税という制度はいろいろの意味で今後もしっかりしていかなければならぬだろうというふうに考えております。
○斎藤(実)委員 いま非常に積極的な御答弁をいただきました。いま政務次官から、国と市町村との税目も考えなければならぬし、また国と地方との財源の配分等も検討していかなければならぬというお話がございました。それで、具体的に検討の対象となると考えられる税目、検討事項となるようなものがもしあれば伺いたいと思いますけれども、この点どうでしょうか。
○降矢政府委員 政務次官はまことに大きな姿勢を述べられたわけでありますが、さしあたっていま問題にしたいと思っているものは、いわゆる道路整備五カ年計画に関連した道路財源の充実の問題であります。そのほか具体の税目にどういうものがあるかということは、いまどれをどうするというわけには少なくともまいりませんし、ここで申し上げる段階に至っておりませんが、道路の問題につきましては、何回か御答弁しておりますように、何らかの意味で市町村の道路財源の充実ということについてぜひ考えてまいりたい、こう思っております。
○斎藤(実)委員 料飲税あるいは不動産取得税等の市町村への移譲についてはどうお考えですか。
○降矢政府委員 いま御指摘のような主張があることは承知しております。これはいずれも市町村税源を充実するという考え方から出た一つの具体の税目としてあげられたものと思います。この問題につきましては、そのほかにいろいろなものがあると思いますが、要するにいまの府県の税目をそのまま移譲するということでありまして、私はそう簡単にいくとは思っておりません。したがって、先ほどから政務次官のお話にありましたような、全体の構想の中で市町村税制、府県税制の組み立て方を変える、あるいは一つの行政施策の目標としての、いわばシビルミニマム的なものの前提に立った全体の中で考えていくべきものであって、いまの体系の中で特定の税目を直ちにやりくりをするということはむずかしい、私はこう考えております。
○斎藤(実)委員 この高度経済成長政策の影響で、税の伸びが総体的に伸びてきているわけですね。府県と市町村に分けて考えれば、市町村の伸びでは非常に鈍化をしてきている。歳入に占める税収の割合を見てみましても、これは統計上明らかです。この市町村の税の伸びの鈍化については、市町村としては非常に問題なんです。これは自治省として、どういうところに原因があるか、見解をまず伺いたいと思います。
○降矢政府委員 ただいまの税制は、シャウプ税制を基本にいたしまして二十九年に府県と市町村の間の税制の改正をやりました。それが基本になっています。それを前提にして考えますと、一つは、市町村税制は安定税制、安定する税制ということを主眼に置いた税の構成になっておりまして、たとえば、いわゆる財産課税、財産に対する課税としての固定資産税、都市計画税等のウエートが四割ちょっとになっております。ところが御案内のとおり、固定資産税、特に土地に対する固定資産税の伸びが非常に悪いのでございます。これはいろいろな原因があることは御案内のとおりであります。したがって、たとえばその点は、この二十五年には土地の固定資産税が一六%でありましたのが、しかし四十三年には約半分程度になっているというようなことであります。それが一つであります。それだけにまた安定した税制になっていることはいなめません。 それからその次は、伸びる税制としては、経済成長の際には所得に対する課税でありますが、その点が府県税制に比べましてウエートが低いわけでございます。その中で特に法人税割りは先ほどからお話がありましたが、なお住民税の所得に対する課税の問題であります。これは特に三十九年からいわゆる課税方式の統一ということをやりまして、市町村税制の所得割りの減税がかなり大きかったわけでございます。この点はわざわざ国でも補てんをしてきたことでございます。そういうことでありまして、所得課税全体がウエートが低い上にまた減税の影響をかなり受けておりますので、その点でやはり府県税制に比べますと伸びが少ない。所得課税のウエートが少ない上に減税のウエートを大きくこうむっておる、こういうことでございまして、この二つが重なって府県税制に比べますと税収全体としての伸びがかなり劣るという結果になってきているものと考えております。
○斎藤(実)委員 伸びのある税目が市町村にはない。で、景気の伸びている変動ある社会、経済活動にマッチしない。ですから、結局は大都市には過密現象、農山村には過疎現象、こういう社会構造の変化に対して、現行の画一的な地方税では対処できない。こういった伸びのある税目が市町村にないという画一的な現在の地方制度では、もう現行の税制それ自体に無理がある、こういうふうに考えるのですが、それでよろしゅうございますか。
○降矢政府委員 無理があるかどうかという判断でございますが、要するに税制の伸びという面におきましては、この府県税制のほうがすぐれている。しかし安定性という面におきましては、市町村税制がすぐれている、こういうことでございます。ただ、御指摘のように、都市を中心にした社会生活の変貌というものに対して行政が対応していくためには、やはり需要が伸びるに従って歳入も伸びていく。特に自主財源としての税収入が伸びていくということが、これは当然好ましい姿であろうと考えております。
○斎藤(実)委員 それでは、また次に移ります。 昭和四十四年度の地方税の自然増収と、住民税所得割りの減税、それから昭和四十五年度の地方税の自然増収と昭和四十五年度、同じ年度の住民税の所得割りの減税について考えてみますと、この比率は、昭和四十四年度では約一二%、昭和四十五年度では約九%と、こういうふうに見られるのですが、四十四年度から見ますと、非常に地方税の自然増収も伸びてきておる。住民税については、これは非常に昨年よりも低いわけです。この点についてどうお考えですか。どういう基準でこういった数字になったのか、承りたいと思います。
○降矢政府委員 住民税につきましては、本年は課税最低限の引き上げを中心に六百五十四億という規模の減税を考えたわけでありますが、その割合は、住民税の自然増収に対しましては、三七・六%でございます。この割合は、なるほど昨年に比べまして低いのでございますが、昨年は、課税最低限の引き上げによって六百十四億でございますので、したがいまして、そのほかに専従者控除をやったわけでございますが、そういう専従者控除を除きまして、課税最低限の基準だけを考えますと、引き上げ率は高うございます。 なお、従来自然増収に対します税の減収につきましては、かなり変動がございまして、二割台のところもありますし、六割のときもありますし、また四割台もありますし、いま申しましたような、三七、八%程度もございますので、そういうことと関連いたしまして、また財政計画全体の伸び、こういう歳出面との関連におきまして、いま申し上げたような減税の規模を考えたわけでございます。
○斎藤(実)委員 住民税については、所得税との差が約三十万ございます。所得税が百万ちょっと、地方税との差が三十万ある。やはり住民感情として、この住民税の最低限度額を引き上げてもらいたいというのは、非常に強いわけですね。われわれも前から、最低限度額を年収百万円にすべきではないかと言ってきているわけですが、将来所得税との差を何年か計画的に詰めていく、こういうことなのか、この点どういうふうにお考えになっているのか、ひとつお尋ねしたいと思います。
○大石政府委員 詰め方の問題があると思うのです。一番詰まったときは、ほとんど差がないということになると思うのですが、国税としての所得税の最低限を、どういうふうに考えるかということにも関係があると思うのです。あると思うのですが、私どもの感じとしては、所得税が百五十万になったから、住民税も百五十万というふうに並んでさしてしまうということは、住民税の性格からいって、そこまで行き切れるか行き切れないかという問題もありますが、そこまで詰めなくてもいいんじゃないだろうかという思想が、一つ残っております。 それからもう一つは、そのときの地方財政の状態という問題があります。住民税自体のほうからいえば、軽いほうがいいというふうに考えますが、地方財政計画その他全体の中で、どこらまで最低限を上げようかというような両方の配慮を、私どもどうしてもせざるを得ません。ただ最低限を、時代の推移、経済界の情勢というものに応じて引き上げるという努力は、今後も続けたいと思っております。
○斎藤(実)委員 住民税の課税最低限をどうするかという問題ですけれども、やはり基準があろうと思うのです。政策的な判断もあろうと思いますけれども、課税最低限をどの程度にするかということは、やはり論議もされたでしょうし、基準というものがなくてはならないと存じますので、何を基準にされたのか、その基準をひとつお示し願いたいと思います。
○降矢政府委員 住民税の課税最低限の考え方につきましては、一つは、要するに去年の納税義務者程度の所得割りの納税義務者に押える。つまり納税義務者の絶対数がある程度ふえていく、黙っておれば所得が伸びていくから。そこを課税最低限の引き上げによって納税義務者の推移を考える、こういうことでございます。黙っておれば、大体二千九百万人くらいの所得割りの納税義務者になるところを、約二百九十万人くらい減る、それで大体二千六百万人程度、これは四十四年度の実績と大体似たような納税義務者の推移ということを一つどうしても考えざるを得ない。これも税制調査会のかねがねの答申でございます。 それからもう一つは、もちろん地方財政の状況というものも、これは無視できないわけでございます。 それからもう一つは、所得税の課税最低限との関連でございます。これは、かねがねから当委員会でも御議論があるところでございまして、ことしも所得税が百一万何がしでありますが、その差は若干縮まっておりまして、昨年でありますと、その比率が九十一万に対する六十二万で六八%でありますが、本年度は七二%という程度になっておりまして、ある程度この所得税の課税最低限の推移というものも見ながら、いま申し上げたような、かねがね申し上げておりますような給与所得者で、夫婦子供三人の世帯におきます課税最低限を十万五千何がし引き上げることにいたしたわけでございます。
○斎藤(実)委員 基準生計費については、一つの基準にはなりませんか。
○降矢政府委員 基準生計費につきましては、一つの考え方だろうと思います。これにつきましては、四十一年以来国のほうがこういう計算のやり方をやめていることは御案内のとおりでございますが、これを、消費者物価の伸びで延ばして考えますと、昭和四十四年で七十万七千百三十四円になります。この伸びは、三十七年を一〇〇にしますと、一六五・九になります。住民税は、前年度所得課税でございますので、そこを基準にして考えますと、いまの夫婦子供三人世帯の課税最低限は七十二万九千七十一円でありまして、昨年は確かに基準生計費を下回っておったわけでございますが、本年は、いま申し上げたように、二万何がし上回るという結果になっております。
○斎藤(実)委員 いまの七十何万何がしというのは、これは人事院勧告ですか、それとも大蔵省で計算された基準ですか。
○降矢政府委員 大蔵省で四十一年までは、確かに基準生計費という考え方で計算しておったわけでございますが、それ以後やめております。そこで、それを消費者物価の伸び率でずっと延ばしてまいりました数字が、一つのモデル、参考として計算してみますと、四十四年七十万七千百三十四円という数字になるわけでございます。
○斎藤(実)委員 昭和四十一年の大蔵省の計算を延ばしてきたというお話がいまございましたけれども、この人事院勧告では九十万六千三百六十円、これは毎年毎年計算しているわけですね、ベースアップ等によって。こういった毎年毎年人事院勧告の計算しております九十万六千三百六十円、これから考えてみますとだいぶ問題が出てくるわけです。最低限度の生活に対しては課税をしないというのは原則になっておるのですけれども、こういった人事院勧告の基準生計費と今度の課税最低限をどう見るか、これはいかがですか。
○降矢政府委員 人事院の調査はたぶん標準世帯について調べたものだろうと思っております。どれと比較をするかということでありますが、先ほどから申し上げているようなわれわれの考え方で、今回七十二万何がしという課税最低限をきめたわけでありますが、御説のとおり、いま申された数字であれば、今回きめました課税最低限七十二万九千七十一円というのは確かに低いと思いますが、一つの考え方として、基準生計費なりあるいは生活保護世帯なりというものの支給基準と比べますとまた高いということでありますし、これは地方財政の状況とかその他の関係もございますので、一がいにこれで人事院と比較してどうというわけにはまいらぬと思います。
○斎藤(実)委員 次に、電気ガス税の問題についてお尋ねしたい。 この免税点を、電気のほうは五百円から六百円、それからガスについては千円から千二百円、二割程度の免税点を引き上げたわけですが、この電気ガス税の考え方でございますけれども、かつて総理は、これは悪税である、将来これは撤廃の方向に持っていく、こういう国会答弁があった。家庭用については生活必需品課税である、これは再三言われておるのです。総理大臣が、悪税である、これは撤廃の方向に持っていくんだ、しかし一挙にはなかなか無理だ、漸次そういう方向に持っていくという答弁があったのですが、政務次官からこの電気ガス税に対する基本的な考え方をひとつお伺いしたい。
○大石政府委員 電気ガス税は、通常家庭が使っている電気なりガスなりに税金がかかっているということだけで悪税というなら、私どもも悪税という表現になるのであろうかとも思うのですが、現状を考えた場合に、全市町村を通じてこのくらいやはり普遍的な財源、税源として持っているものはないように思いますし、しかも、いまの実際かけている量というものを考えた場合に、そんなに過酷な税金ではないのではないか。しかも、消費量というものはその人の経済力に並行しておるわけであります。そうでない人が非常に使うというふうにもなっておりませんので、経済負担力と消費量がかなりパラレルであるというような観点から、税金として非常に悪い税金ではないのではないか、そうしてしかもかなりの税源であるということから、現状これを廃止にするというふうには、いまちょっと着想しておらないわけです。しかし、われわれの詰める方向というものは、経済情勢の変化もありますから、やはり最低限のことをその時代に合わせていくということで、最低限の問題を、毎年でもありませんけれども調整をしつつ今回まで来たわけでありますので、ぜひひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
○斎藤(実)委員 市町村の税収との関係もあるわけで、なかなかこれはいまの政務次官の答弁のように問題があろうと思いますけれども、やはりこういった電気ガス税については将来撤廃すべきである、したがってこれにかわる何らかの財源措置というものがやはり考えられなくてはならぬ。自治省でもこの点について考え方があれば承っておきたいと思います。
○降矢政府委員 電気ガス税を単に廃止をして、これにかわる財源ということになりますと、そこまで、ざっくばらんに言いまして、実は考えておらないわけでございます。消費税として、特にいま次官の申し上げましたとおり、やはりある人がカラーテレビを使う、そうすると白黒テレビの三倍の電力が要るということで、したがいまして、所得と非常にパラレルなものでありまして、主食とかそういうものと消費性向が非常に違うわけでございます。したがって、ある程度零細負担の排除というものを頭に置きながら、やはりこの税を維持していきたいというふうに考えております。
○斎藤(実)委員 先ほど申し上げましたように、地域住民の要望というものは、政治に対する要望が非常に強い。社会経済の変動によってこういった傾向はますますこれから強くなってくると思うわけです。さりとて現在の地方財政の中ではこれもまた困難だ。やはり国と地方との財源配分なり事務配分等、大きな立場からこれは解決していかなければならぬ問題です。こういったこともあわせて、ひとつ地域住民の要望にこたえるような財政施策というものを早急に確立をしてもらいたいということを強く御要望申し上げて、私の質問を終わります。
○菅委員長 門司亮君。
○門司委員 きわめて簡単に二、三の問題について御質問をしておきたいと思います。 ことしの税法改正にはあらわれてまいりませんが、いずれごく近いうちにあらわれてくるであろうと考えるいわゆる新都市計画法に基づく調整区域と、それから市街化区域における固定資産税の関係であります。これは非常にむずかしい問題でありまして、どういうことになるのか、かなり自治省でもお困りになっていることだと思いますが、もし自治省のほうでこれに対してのアウトラインでもおわかりになり、また検討されていることだろうと思いますので、この際一応発表しておいていただきたいと思います。
○大石政府委員 御質問の点は、私は例の都市計画区域、特に市街化区域の農地のことに関連をした御質問ではないかというふうに思うのですが、いまずばり言って、われわれも苦慮をしているところであります。いままでどんな場所にあっても農地は農地だということでやってきているわけでありますけれども、もちろん多少部分的に農地の形になっても、届け出をしたものはもう宅地並みのやり方もやっておるわけでありますが、だんだんいわゆる宅地問題というものが出てきまして、それが深刻になるに従って、いわゆる今度の新都市計画法の中の市街化区域の農地について、どういうふうにわれわれは対処すべきかというところにいまぶつかっているわけであります。先ほどお答えをしたわけですけれども、単に市街化区域内にあるというだけで、宅地並みの課税というようなことをするかどうかということは、私どものいまの見解では、宅地並みにすべきであるというふうには、いま答える段階ではないわけであります。それは都市化区域というものをつくろうとしている自治体の考え方にも、必ずしも同じペースではないという問題もあります。したがって、いま税調あたりから出ている答申は、市街化区域としての条件を整備したものということを言われて、そこらについては配慮を加えてもいいんではないかというふうに言われておりますので、私どももそこは考えどころであろう。それが宅地になることに力になるなら、ひとつその点は配慮をいたしたいと考えているわけでありますけれども、その客観的条件として、市街化条件が整備されておるという基準を一体どういうふうなところに置けば、第三者なり、あるいはその対象になる地主からみて、特別に問題にはならないし、また比較検討——つまりいまは農地だというだけで、すく横の宅地に非常に高い税金があるのにそうでないという、非常な不平等感があります。そういう問題も解消しなければなりませんので、この問題は、私どもの基準とすれば前向きの考え方がいいんではないかというふうに思っておりますが、しかしその場合でも、ただ市街化区域というものに入っているというだけで直ちにその中の一切を宅地並みの税金ということにはいかないじゃないか。税金は、この場合の固定資産税というものが、宅地ができやすいためのいわゆるトップバッターとなるべきかどうか。税制は、全体の行政の姿勢の中に自分たちも入っていくという立場でこの問題に当たっていったらいいではないか、という考え方のところにいまいるというふうにお答え申し上げる以外にないわけで、さらにそれをこまかく検討していく段階ではないかと思っております。
○門司委員 それで、これは大体いつごろきまりますか。もう都市では線引きを御承知のようにやらなければならぬことになっておる。法律ではいやおうなしにやらなければならぬ。それがなかなかできません。できないというのは、そういうところにひっかかっておるのだ。それからもう一つは、これと並行して一これは建設省にでも来ていただかなければならないと思いますが、いわゆる区画整理の問題もそれと同じように、線引きと並行して出てくるわけです。それともう一つは、その区域から、線からはずれたところは一体どうなるかということなんです。この境界から先になると実態はほとんど同じようなんです、ある距離までは。三年先になるか五年先になるかの違いだけであって、実態はほとんど同じだということになると、実際非常にむずかしい問題が出てくる。簡単に言えば、東京都の二十三区の中にまだ畑がかなりたくさんありますが、ああいうものは畑だからといって、これを農地として見ることができるかどうかということについては、私も疑問があろうかと思います。しかし少なくとも線引きが行なわれた当時において、全体の五〇%以上がまだ農地だ、あるいは山林だというような場合に、税金をかける場合の問題が当然出てくる。それからさっき言いました接触点のようなところに一つの問題が出てくる。これがかなり大きな将来のいろいろな問題に支障を来たすのではないかと考えておりますけれども、これをここで申し上げても切りがないことだと思いますが、一体これはいつごろきまりますか。地方の市町村では弱っているのです。こういう問題を、線引きをするにしても農民のほうから質問されても、市町村ではだれも答えるわけにいかない。ただ何とかなるだろうということでは、なかなか農民も承知をしません。大体いつごろできそうですが、あなた方の案というものは。
○降矢政府委員 この問題は、税制調査会から答申をいただいておりますし、また建設委員会における附帯決議もございます。一年間研究いたしましたが、結論を得ずに今日まで来たわけでございまして、結局税制としては、ほかの施策と相まって補完的な役割りをしなければいかぬし、また土地の利用計画というような問題もございますので、われわれとしては、ことし一ぱいぐらいの間、この問題について検討を重ねていかなければならぬ、こう思っております。
○門司委員 実に心細い話です。一方では施策がどんどん進んできておる。それが一体どうなることかという、住民に不安を与えるようなことは、あまりいいことじゃないと私は思うのです。この点が明確になっていないと、住民の協力がなかなか得られないのじゃないかと思いますが、これはできなければしようがないです、これ以上小言を言っても始まらぬと思いますから。 その次に、ひとつ聞いておきたいと思いますことは、いま固定資産税の問題がございましたが、固定資産税についての考え方を一体どうするかということです。これは、私は、昭和二十五年の税制改正、いわゆるシャウプ勧告以来の日本の税制というものは、もうそろそろ変えなければならぬ時期が来ているのじゃないかと考えておるのです。先ほどの局長の答弁の中にもありましたように、市町村税はわりあいに固定化したものにしようというのがシャウプの一つの大きな考え方でありまして、その次に県、国は流動性を持ったものにする。税制のたてまえからいえば、行政との関連性からそういう理論が当然成り立つと思うのです。しかし何といっても、世の中の景気の流動のほうが激しい今日においては、なかなかそういうことだけでものが済まされない。固定財源のほうが市町村にはよろしいのだという、理論上はそういうことは言えますが、実際はそれと全くマッチしておらない。この辺でやはり税制の改正を行なう必要があると思うのです。それをやっていただきまして、国、地方の全体の調整をやっていただく必要があろうかと思います。固定資産税については、この辺でもう少し考えなければならぬ時期が来ておる。この税金は非常に不公正であります。この税制の不公正は一体どういうところにあるのかということは、これは物件税として取られておる。財産税でないということです。財産税としてこれを定義していけば、これは当然国税になってまいります。地方税というわけにはいかないと私は思う。そこに一つの大きな問題がありはしないか。だから固定資産税で一番過酷な税金を納めているのは、だれかといえば、はっきり言えば勤労者です。いま持ち家政策を政府は一生懸命進めておりますが、これらの諸君は、小さな五十坪や三十坪の中に無理をして自分の家を建てる。しかしこれは千分の十四は千分の十四である。百万坪持っていようと五百万坪持っていようとこれも千分の十四は千分の十四だ。これは物件であるから、たとえ五十坪の家でも二十五坪の家でも担保物件になるのだから、物件には間違いがない。そうした意味から税金をかけるのだといえば、これは一つの意味があるかもしれません。だとすれば、ここはやはり財産税的の性格を帯びることのほうが正しいのじゃないか。今日勤労者は一生懸命で、さつき言いましたように、政府が持ち家政策なんておだてるものだから、なけなしの金を出し、借金をして家を建てれば、税金は当然大きな大地主さんとも同じ税率で納めなければならない、こういう形になっておる。だから、私は非常に大きな税の不公正であると考える。この点は一体どうお考えになりますかね。単なる、さっき言いましたように、担保物件になるからとか財産だというものの考え方でかけられるのか。ところがそこには収益は一つもない。片方はかなり大きな収益がある。大地主さんは何も自分が固定資産税をお納めになっているわけではございません。これは必ず地代に転嫁されている。これは事実です。しかもこれからかなり大きな利潤を得られていることも事実である。こういう矛盾がだんだん強くなってくる。この辺に対する税制の改正が、私はもうこの時期に来ては必要だと考えておるのだが、一体どういうことになりますかね。
○大石政府委員 私は実は固定資産税の、特に土地に対する税金で、いまのお説のようなのは実は初めてというか、深刻に聞いたのは初めてであります。ちょっとまだとてもその返事のできないところでありますので、あるいはそういう経緯について税務局長が知っているなら、一応局長としてお答えさせます。
○降矢政府委員 いま門司先生のおっしゃったとおり、固定資産税はやはり一般財産税的なものとして、つまり財産マイナス負債というかっこうで、所得にかわるものとして課税しているわけじゃございません。御指摘のとおりでございます。反面、したがってその資産の持つ資産価値に着目して、市町村ごとに一定の低い比例税率で課税をする。したがってその資産自体の持つ価値というものを把握するために、一つは時価ということを用いているわけでございますが、その資産が現に何に利用されておるか、このためにどれだけの収益を上げておるかというような観点からは、税金を課税していないわけでございます。そういう意味合いにおきまして、地方団体の応益性といいますか、市町村の応益性というものとの関連をとらえて課税しているもの、こういうふうに理解しているわけでございます。ただ冒頭に御指摘にありましたとおり、いまのシャウプ税制におきましては、住民税と固定資産税を二大の柱にして組み立てて今日まで来たわけでございますが、何といいましても、土地の評価、それに追いつく税制というものが安定性にかたよって伸長性がないということは御指摘のとおりでありまして、そういう意味におきまして、先ほど申し上げましたとおり、われわれの今後の課題としては、やはり現行の市町村税制の伸びを上回るような伸長性のある税について検討していかなければならぬ、こういうふうに考えている次第でございます。
○門司委員 私はこの問題は非常に複雑な問題で、端的に割り切れない問題であることは実は承知いたしております。しかし、形からいえばそういう形になっておって、大きな地主さんが固定資産税を納めていない——と言うとおこられるかもしれませんよ、徴税令書が来ればそれに従って払っておいでになるから、その面ではお納めになっておるが、実質上は納めていないと言っても差しつかえないのではないか。ごく小さな土地と建物を持っておる諸君が非常に過酷な割り高な税金を納めさせられていることは事実であります。この点の調整をもうすべきじゃないかということであります。シャウプの税制勧告当時における日本の土地というものは、いろいろな問題はございましたけれども、一応の農地の改革が行なわれて、そして大地主というものが農村では一応なくなったという観念があったことは事実であります。したがって、土地に対するものの見方というものも、そういまのように大きな格差はなかったということが私は言えようかと思います。しかし、現実では都会でかなり大きな土地をお持ちになっている方は、ほんとうに土地によって十分な利潤を上げられ、十分ないろいろな資金集めができる。繰り返して申し上げますけれども、今日の勤労者がわずかな退職金を当てにして土地を求め、家を建てれば目一ぱいの税金を取られるというような、税の負担の均衡の上から申し上げてもあまりいい税金ではないと考えておる。元来日本が長い間土地と建物に税金をかけて——産業の発達しなかった当時においてはそれ以外に税金をかけようがなかったものですから、そういうなごりが実はまだ残っているのじゃないかと考えられる。今日のような時代になってまいりますと、やはり何といっても担税能力の多いところに税金をかけていくという、いわゆる税に対しまする考え方をかえる必要がありはしないかということであります。 それからその次にもう一、二伺っておきたいと思いますことは、したがって、今日のこの地方税の中で先ほどもお話がございましたが、いろいろ是正すべき点がたくさんあろうかと思います。その中で私はこの際特に聞いておきたいと思いますことの一つに、これはあとでこの議論をする余地も多少あろうかと思いますけれども、最近の都市の火災の状況から来る地方の財政負担の割合であります。たとえばこの間川崎に火事があって、そうしてこの実況の報告を、消防関係の資料をいただいたのであります。特に頼んでこしらえてくれということでいただいたのでありますが、これを見てみますと、かなり大きな資金をかけて、たとえば科学消防に対する設備をするとかあるいは石油コンビナートのようなものが火災にあった場合にどうするかということについては、一応化学剤を備蓄しておくとかというような、かなり大きな財的な負担が必要になってきはしないかということ。それから同時に、これらの施設は横浜にもありますし川崎にもありますが、しかし地方に参りますと、主として石油コンビナートのあるのは大きな都市ではございません。したがってそういう化学消火剤みたいなものを集めろといいましても、財的には非常に困難性がある、あるいは消防の施設にも非常に大きな困難性があるというようなことを考えてまいりますと、単にこれは消防だけだというものの見方でなくしてこの消防に対する資金の調達をどこに求めるかということであります。これについてなお突っ込んだ話をすれば、御承知のように石油コンビナートというようなものは、広い土地に対して施設が行なわれておって、人間もきわめてわずかな人間で操作しているということで、したがって市町村に納めている固定資産税は他の産業から見ればかなり少ないわけであります。固定資産税を納めているのは少ないが、しかし消防施設についてはたくさんの費用を要求するという、こういう矛盾が出てきております。これらに対して一体税制上の措置は何かできないものであろうかということであります。一つはこれと関連したもので従来長い間問題になっておりましたいわゆる消防施設であります。これも最近の火事を見ればほとんど焼死者を出さないことはないといっていいくらいに、少し大きな火事があれば必ず焼死者が出てくる。昨年度の焼死者の総数は千八百人と聞いております。約千九百人と記憶しております。負傷者は大体八十万といわれておる。八十万という数字はどうかと思いますが、非常に大きな数字になっていることは統計の示すとおりであります。これに対して一体どれだけの設備の費用を要するかということになってまいりますと、非常に大きな費用がかかってくる。ところがこの火事を相手にしている——火事を相手にするというとおこられるかもしれませんが、火災を一つの相手としてやっている損保協会がある。火事が一件少なくなればその保険会社はそれだけもうかるはずである。施設は市がしなければならない。しかしそれには財源が非常に乏しい。そして一たび火事があれば死傷者を出すような状態、これらの問題の社会不安からくるそういう問題をどう解決していくかということ、これも税制改正の中の一つの大きな考え方だと思う。私はなぜこういうことを言うかといいますと、これについては従来消防施設税をとるべきだという当委員会での長い間の議論があったことは御承知のとおりであります。自治省でもかつて立案をしたこともあるはずである。しかしこれはある方面というか、むしろ大蔵省の銀行局でありますか、それからさらに損保協会等からの圧力でとうとうものにならなかった。私は今日地方財政をずっと見てまいります場合に、こういう税財源の問題をもう少し検討する必要がありはしないか。限られた税財源の中で、限りなく発展していく今日の発展途上にある都市の形、あるいは産業の種類の変化というようなものに対応する消防力というものはやはり持たなければならない。それにはお金が要ることは当然だ。したがって私は、従来からの税制だけで単に行政事務を行えばよろしいというようなものの考え方で税制を見るわけにはもういかないんじゃないかという気がするのでありますが、この辺に対する自治省のお考えをひとつ承っておきたいと思います。
○降矢政府委員 いまの地方税制を考える場合に、全体として行政の動き、その実態としての住民生活の変動というものに対応するような税制を考えていくべきだということは、全く同感でございまして、先ほどから都市税源の充実を中心とした一つの考え方を述べているのはそういうところに基因するわけでございます。その一つの例として、都市の火災に対する消防の充実という問題をとらえられまして、かつての消防施設税のような考え方を一例に引かれたわけでございますが、消防施設税については御指摘のような問題がございまして、なかなか結論を得ないのでございますが、全体としての考え方、税制の仕組みの中における考え方としては全く同感でございますので、先ほども御議論がありましたような全体の行政の計画的な執行というようなものとあわせ考えまして、今後地方税制の改正に対処していきたい、こう思っております。
○門司委員 抽象的な答弁では困ります。 いま私は消防のことだけを申し上げましたが、ここに写しですが、行政管理庁からの勧告があります。これを読んでみますと、「過密、過疎地域における義務教育に関する行政監察」こう書いてありますが、これもいまの消防におけると同じような議論が出てくるのです。過密の都市は過密の都市として学校を非常に建てなければならない。これは名前をはっきり言ってもよろしいのであります。勧告文の中にははっきり名前が書いてありますが、ある市町村にまいりますと、市の財政、一年の予算が六億ぐらいだ。しかし、これから十年先の市の教育の状態を見てみると、いまのとおりにずっとふえていくということになると、それをカバーするのに六十億くらいの金が要る、こう書いてあるのです。そうすると、市の一般予算を全部かき集めて六億の市町村財政の中で、教育だけに十年先に六十億使うということになると、何にもできないということですね。こういう実態があらわれてきておるのです。これは勧告にそう書いてあるから間違いないと思う。過疎のほうは過疎のほうで、学校を統合しなければならぬとかいうようないろいろな問題が出てきている。教育だけをとりましても今日の税制について、私はいまのような状態ではよくないと考えている。この辺で根本的に税制を改革するという腹をきめていただきませんと、地方はどうにもならなくなってくる。これを起債にするということになっておりまするが、起債で見るのもよろしいが、今日の起債の状況を見てごらんなさい。どういうことになっておるか、学校建築に対する起債というのは大体縁故債が多いのです。国からの分よりも利息の高い縁故債のほうがかなり率が高くなっていることは統計が事実を示している。そういうものをずっと考え合わせてみますと、もはや税制改正が、小手先だけの税制改正で地方行政が満足にやっていけると考えたら、私は大きな間違いじゃないかと考える。この辺は国、地方を通ずる税制の一大改正が行なわれる時期が来ているのではないかというふうに考えますが、その点に関してもしお考えがあるならお聞かせ願っておきたいと思います。
○大石政府委員 いま、例として義務教育の問題が出てまいりました。私は、実は義務教育の問題というのは、その他諸般の情勢を見て地方税制というものを新しく確立するという必要があると思いますけれども、実は義務教育の問題につきましては、教育は無償であるという前提から見れば、ほかのものならがまんをしてもよろしいわけですけれども、義務教育をがまんするというわけにはいかない制度なんです。ですから、これは文部属の態度として当然国がみるという補助金の問題等も一もちろんそこの子弟が利益を受けることではありますけれども、しかし、ほかのものなら待ってということがありますけれども、待ち得る問題ではない。市は何としてもやらざるを得ない問題である。それがいまお話しのように、その市町村の財政を徹底的に圧迫するということが明白な事態というものに対して、そこの税金というものはそれにふさわしいものはあり得ないわけなんです。全体の問題としては、先ほどからお話ししているとおり、私は地方財源の充実をはかるべきだと思うのですけれども、こういう義務教育を急速にいわゆる過密地帯に対してやるというような問題を含めても、義務教育制度というものについては、建物、土地についてもっと国自体が本格的な責任を持ってやるべきものである。それを、補助金の問題及び起債の充当率、起債の質の問題を同時にやらなければ、それをしないで地方財政にまかせるということは、ほかのものなら、一年下水を待ってくださいとか何かいうことでありましょうけれども、小学校に上がってくる子供に一年待てなどということはあり得ないわけです。こういうまるきり地方団体の負担になるということについては、私どもは地方団体を守る側の意味で、文教当局というものに対してもう一度考え直しをしていただきたいというふうに思っているところであります。
○門司委員 私の聞いた聞き方が少し悪かったかもしれませんけれども、私はそういう意味で聞いているわけではありません。 国の補助金が小学校の場合に三分の一で中学校は二分の一だ、あるいは補助単価が非常に安いことも大体承知をいたしております。教室などは大体二万六千かそこらくらいしか見ていないようであります。文部省のものをこの間とってみますと、ばかばかしい単価が出ておりますので、議論をするだけの価値がないと考えているくらいに不当性を持っております。しかし、それはそれとして、何といっても義務教育だから小学校の建築費はみんな国が出すというなら別の話です。しかし、二分の一であろうと三分の一であろうと、地方の自治体が持たなければならぬということは事実でありまして、それをやはり税財源にできるだけ求めていくという態度、国から補助金を取るということ——国が全部やるということも一つの方法かもしれませんけれども、いまの日本のたてまえからいけば、教育は地方の自治体の一つの大きな固有の仕事でありまして、この辺の税財源をほしいからいま申し上げたのでありまして、税財源についての国の基本的な考え方をひとつ変えていただかないと、どんなにしてもどうにもならない。かりに国と地方との今度の予算を見れば、どういう形になっているか。国の七兆幾らという予算の大体九二、三%、あるいは九五%くらいが大体税でまかなっておる。地方の自治体が税でまかなっておるのはどれだけか。交付税を入れて、あるいは譲与税を入れて約六四、五%になりますか、地方税だけの分をとってみればごくわずかであります。三〇何%にしか当たらぬと私は思いますが、せいぜい入れて四二、三%くらいにしかならないのじゃないかということが大体考えられる。こういう実態の中でこの地方税を論議しておること自体、さっき言ったように考えさせられる。どうしてもこの辺で基本的に改正をする必要がある。 そこで具体的に申し上げて、はなはだ恐縮ですけれども、いまの過密都市と学校の問題、あるいはいろいろな消防の問題等を考えて、税の不均衡の中で——税の不均衡というよりもむしろ税制の不均衡の中でひとつ変え得るものがあるとするならば、これは府県税として取っておる例の建物や土地の取得に関する税金、これはやはり市町村におろす必要がありはしないかということです。ことに大都市の中で府県が行なう仕事というものはきわめてわずかであります。ところが今日の大都市の不動産の動きというものは非常に大きいのでありまして、価格も高いし、かなり大きな数にのぼっておることは事実であります。そうして、固定資産税はさっきから御説明があったように、また説明書に書いてありますように、急激な変動を避けることのために、できるだけ傾斜していこうというものの考え方。ところが一方の府県税になっておりまする税金、不動産の取得税は、御承知のように、一ぺん限りではありますが、そのときの時価で税金がかけられておるということ。したがって、私はこの辺に非常に大きな矛盾がありはしないかと考えておる。だから、せめて六大都市くらい——全部税の譲与ができないというならば、非常に急激に伸びて、そうしてきわめて大きなアンバランスになっておる大都市あるいは大都市周辺の限られた地域だけくらいには、やはりこういう特別の税制をしく必要がありはしないかということです。そうしませんと、安い固定資産税だけを市町村がもらって、高い地価の宅地の造成であるとかいうものからあがってくる税金は府県が取る。そして府県のその地域における施設というものはきわめてわずかである。小学校を建てるわけでもありませんし、中学校を建てるわけでもありませんし、道路、下水をやるわけでもないということです。県がやるとすれば、他の市町村から一貫した県道くらいはあるいは多少やるかもしれない。しかしほとんど全部の施設というものは、当該市町村が行なわなければならぬということは御存じのとおりであります。したがってこれらの問題はやろうと思えばそうむずかしい問題ではないと思う。なおこれを下におろしてきて——下におろしてと言うと悪いのでありますが、市町村に持ってきたところで、都道府県の財政にそれほど大きな響きはないのではないかと考えられる。今日の税制の伸びから考えてまいりますと、都道府県税はかなり大幅に伸びておりまするし、市町村税は非常に伸びが悪い現実から考えてまいりましても、たいして無理な話ではないと考えています。せめてこれ一つぐらいは市町村財政を豊かにするということで、理屈の通った税制を、ここに一つ考えて改正する必要がありはしないかと考えるのですが、これをどうお考えですか。
○降矢政府委員 いまの市町村税源、特に都市の税源充実の一つの方策として、不動産取得税の市町村への移譲、あるいはその他消費税の移譲というような主張がございます。一つの考え方とは思いますが、府県につきましても御指摘のように仕事をあまりやっていないというようなお話がありますが、必ずしも私たちはそうとは考えておりませんし、府県と市町村の税源配分ということになりますので、今回の法人税割りの税率の変更につきましても、かなり議論があったところでございます。したがいまして全体として充実するという方向で検討をしていくことについては、先ほどから御答弁申し上げたとおりでございますが、いま御指摘の具体の税目を譲るかどうかということについては、いまそうしますというお答えをするわけにはまいらないわけでございます。
○門司委員 これも自治省の答弁としては私はどうかと思うのですよ。地方自治法の二条には明らかに、地方の公共団体の基礎的団体は市町村である、県はこれの補完行政を行なうのだということが法律にちゃんと書いてあるのですよ。そうするならば、地方の行政というものはあくまでも市町村が主体となる行政機関でなければならないと私は思う。したがって、その第二条の一号から二十号くらいまでずっと書いてある非常にたくさんの仕事が、市町村の行なうべき仕事ということになっておるのであります。それ以外のものについて県がこれだけ行なうということは、その先に少し書いてありますけれども、そう考えてまいりますと、やはり地方行政を論ずる場合には、少なくとも市町村が独立してやっていける、ほんとうの法律の趣旨に従って行政の行なえる税制をとっていくということが、私は正しいのではないかと考える。あくまでも補完行政のほうがたくさんお金を持っておって、基礎的団体のほうがお金が少なくて、そうして上から下にお金をくれてやるというようなものの見方で行政を行なわせるということは、いいことではないと思うのですよ。私はできるだけ法律の趣旨に従って行政を行なうのが正しいのだと考える。そういう意味で私は申し上げたのであります。それはなるほどトラブルが起こることは知っておりますよ。しかしその点は勇断をもって自治省は行なうべきだ。事なかれ主義で、消防施設をこしらえようとすれば、どうも外郭団体でうるさいやつがいる、大蔵省が言うことを聞かないから遠慮するのだというようなこと、またこういう税金を市町村に譲ってはどうかと言えば、これは県庁が反対するだろうなんということで、県庁に縁の近いのは自治省のほうが市町村よりも縁が近いですね。だからそういうことをお考えになっておるかもしれませんが、しかし多少のトラブルがあろうと何があろうと、今日の日本の地方行政の中で最も大事なことは、市町村の財政充実だということ、そこから来れば、具体的にいま一つだけを申し上げましたけれども、税制改正がどうしても行なわれなければならない。消防の施設、消防の制度というものは全部市町村にまかされておる。そして限りなく発展している今日の化学工場に対する設備についてどれだけの財源が必要か。川崎の例をとってまいりましても、あそこでは第一次にあわで一号を防ぐことができましたから、よかったようなものの、あれだけの川崎のあわの設備といいますか、貯蔵がなかったならば、一体あの火事はどうなっておったか。私はそういうことを考えるとぞっとするのですよ。実際はこれでよろしいのかということです。したがって単にこれが消防というものの見方だけでなくて、やはり財政がそこに裏づけされなければ、法律を幾らこしらえてもどうにもならぬのであるから、この辺でひとつ税制の大改革を行なうということを自治省あたりから火の手を上げてみたらどうかと思うのですよ。大蔵省はなかなか言うことを聞かぬかもしれぬ。あなた、どんなことを言ったって、世の中はお金がなければどうにもならぬでしょう。そうしてそれには、学校などは公債でといっておりますけれども、公債はさっき言いましたように国から出るものは少ない。しかも公債も公営企業とそれから一般を入れますと、借金の高は五兆二千億でしょう。これに払いますお金は一体どのくらいかというと、税収の九%をちょっとこえておりましょう。去年は大体九・一%くらいでしたが、これがことしは二くらいになっておりませんか。私はこまかい計算はしておりませんけれども、ことに地方の借金は市町村が多いのでありますから、市町村としてはだんだん借金がふえてきて、税金がそこにだんだんとられていく。来年はおそらく税収の一〇%が償還財源に当てられるようになりはしないかと思います。そうして最近の過密都市などは急速に公債費がふえておりますから、いよいよ市町村というものはどうにもならぬ段階に追い込まれると思うわけであります。税制の改正が一つの大きなささえでありまして、これをもし自治省が怠るとするならば、私は自治省の仕事というのはどうかと思うのですね。何のために一体自治省があるのかということになろうかと思う。この辺を配慮すると、いま申し上げましたことはきわめて抽象的ですが、きょうは長く議論するわけにはいきませんから私はこれ以上申し上げることを避けますけれども、第一の市街化区域に対する税の調整なんというものは早くきめていただきませんと、線引きが地方ではなかなかできません。それから区画整理の問題等もなかなか進みません。一体そういうことをやっていいのか悪いのか、税金はどうなのかということで、いつまでたっても不安で仕事が進まない。だからこれについては今のような答弁ではなくて、早く、どのくらいまでにきめるということをこの機会に私は聞きたかったのでありますけれども、どうも考えておるという話でありまして、下世話にいう下手な考え休むに似たりということもありますから、休まないで話を進めてもらいたい。そうして住民にもひとつ安心を与えてもらいたい。同時に市町村の行政のやりいいようにしてもらいたい。それから税制改正等につきましては、さっき申し上げましたように、新税は悪税ということばもありますが、しかし新税にしても、理屈の通ったものは新税として財政能力のあるところに税負担をお願いするということは、必ずしも私は悪税とは言い切れないと思う。 それからもう一つ最後に聞いておきますことは、先ほどからいろいろお話がございましたので、これ以上聞く必要はないかと思いますが、事業税の問題であります。事業主控除を今後いままでの二十七万円を三十二万円まで上げたいということが書いてありますが、個人事業税について一体どうお考えになっているかということであります。純農村には御承知のように事業税はございません。都会の小さな仕事をしておる人、これは資金が回転するから、おまえさんのほうは事業だ、農村はそうじゃないのだ、あれは家業だという妙な理屈をつけてはおりますけれども、家業と事業がどのくらい違うかということはわからぬのであります。しかしいずれにしても事業の実態は似たようなものですね。農村もある場合には家族総出でやらなければなりませんし、また小さな八百屋さんや洗濯屋さん、魚屋さんなど、これもやはり家族総出でやらなければならぬ。なるほど資金が回転しておることは認めないわけにはまいりませんが、事業の実態はそう違わぬのですね。にもかかわらず、結局農村には事業税をかけない。そうして営業をやられておる人はどんなに小さくても、免税点等はあるにいたしましても事業税がかかってくる。このことをどうお考えになりますか。やはりさっき言ったようにおまえのほうは事業なんだ、物を仕入れてきて、あるいは設備をして、そうして収益を得るのだから、おまえのほうは明らかな事業だから事業税をかける、片っ方は労力によって土地を耕して種をまいて肥培管理をして初めて収益があがるのだから、これは家業だという、こういうふうに割り切ったものの考え方でよろしいというようなお考えですかどうか、その点をひとつ聞いておきたいと思います。
○降矢政府委員 先生御案内のとおり、事業税のうちで農業をはずしております沿革は、農業のうちで土地の部分につきまして固定資産税がかかりますということから、同じ事業でありましても、農業につきましては事業税を除いておるという沿革的なものがございます。したがって、農村地帯を見ると、農業を家業と見るかどうかは別といたしまして、同じ事業におきましても、農業については、事業税において特別な考え方によって非課税にしているという考え方だろうと思います。したがって、かつて米の生産県からは特に事業に対する課税としての農業の扱い方についてある意見が出されたこともございましたが、しかし基本的には、やはり同じ事業であっても、課税の扱い方としては、いま申し上げたようなことで、農業について事業税は、事業であるけれどもはずしておるという考え方であろうと考えております。
○門司委員 一向わからぬですがね。取り扱いは、そう変わらぬ取り扱いを実はしているわけなんです、税法におきましても。固定資産税の場合でも、やはり動いておる資産に対する免税点等についても、たとえば洗たく屋さんの機械は、一つあれは十万円ですか、ぐらいまで固定資産税をかけない。いわゆる流動のものに対してはそういう処置をとっておる。農村においても、かつては農機具全体に税金をかけたことがございます。総合的に価格をきめて、そうしてかけたこともあるけれども、いまはそんなことをしていないはずであります。そうすると、だんだん似通った形を実はとってきておるのですね、実際の問題として。そして、先ほどから申し上げますように、私は何も農村に事業税をかけろというのではなくて、農村に事業税がないなら、農村と同じような実態を持っておる個人の、きわめて零細な業者に事業税をかけるというのはいささか酷ではないかということであって、同時に、事業税の本質は、純益課税であることに間違いはございません。私はそう判断しておる。それを営業課税のような形で所得税のあとを追っているということは事実であります。だから、税の本質論から申し上げましても、いささかこれは違っていはしないか。純益課税といっても、純益を抽出するのは非常に困難であって、めんどうだから、おまえのところは去年の所得がこれだけなんだからこの所得の二割が課税対象になるのだ、三割が課税対象になるのだということで、大まかにいえばそういう理屈が純益として出てきょうかと私は思います。しかし少なくとも片っ方事業税は純益課税であり、所得税とは全然性格を異にしているのが、ちょうど所得税を追ってくるということになれば、所得税の付加税みたいな形になって、はなはだおもしろくない現象を来たしておる。だからといって、それを、さっき言いましたように純益課税として捕捉するということは非常に困難だと私は思う。だからやむを得ぬからいまのような取り方をしているのだといわれれば、それは税の問題としての一つの考え方だ。 最後に、私はもう一つだけ聞いておきたいと思いますことは、徴税費の問題であります。地方税の各種目別に一応徴税費の割合を出していただきたいと思います。これは、市町村あるいは都道府県で調べればすぐわかるのでありますけれども、自治省が総括されておるのでありますから、ひとつ各税種目別に徴税費がどのくらいかかっておるのか。このことを私が聞いておりますのは、徴税費と税収というのは、非常に大きな、密接な関係を持っております。どんないい税金であっても、徴税費がばかばかしくかかり過ぎたのでは実益は非常に少ない。だから、少なくとも、徴税費が比較的かからないで、そして理屈の通った税金にしなければならない。いま徴税費の問題を私が申し上げましたのは、電気ガス税に関係があるからであります。電気ガス税は、御承知のようにほとんど徴税費はかからぬでしょう。これは所得税のちょうど源泉徴収と同じでありまして、こういう問題を一応私は——きょうはそれ以上聞きませんけれども、電気ガス税等もこれはやめたほうがいいのであって、やめるべき性格を持っているし、池田内閣総理大臣とはここでそういう約束をしたはずであります。やめようと池田さん言ったのでありますけれども、佐藤さんになったらそれを引き継がなかったらしい。池田さんは早く死んじゃったものですからぐあい悪いのですが、いずれにいたしましても、その内容をできるだけ早くひとつ表にして出してくれませんか。そうすると、その中からまたいろいろの税制に対する問題もあろうかと思います。
○降矢政府委員 ただいま御要求がございました徴税費を税目ごとにというのは困難でありまして、おそらく不可能であろうと思います。全体の課税事務あるいは徴税事務、管理事務というように分けました資料はございますから、それを整えて、府県、市町村別に提出させていただきたいと思います。
○門司委員 これはせっかくですけれども、出ないと言われるけれども、出るはずなんですよ。これは市町村に聞けばすぐわかってくるのですよ。例の町村会館に聞いてもよろしいでしょうし、市のセンターで、後藤君のところに聞いても、大体の数字は出てくると私は思いますよ。どうも自治省は、その点を、何だか変に遠回しのようなことを言って困るのだけれども、府県の事務所に行けば、府県の徴税費くらいは大体わかっているはずなんですよ。これがわからなければどうかしているのだから。だから、市町村の団体あるいは府県の団体にお聞きになればわかるわけであります。これは私が聞いたっていいのだけれども、せっかく自治省があるのだから、自治省で少し調べてもらったほうが、これから先の論議をするのに都合がいいと思って実は聞いているのでありますけれども、ひとつできるだけ早くそれを出してくれませんか。そうしませんと、税全体の議論をする場合に、私は、さっき申し上げましたように、もうこの辺でほんとうに国、地方を通ずる税の大改革をする時期だと考えておる。こういう時期に改革を行なわぬと、世の中がこれ以上変動してくると、なかなか困難な時期になりはしないかということで、いま私は最もこの税の改革をするのにいい時期だ。そうしてこれが、市町村に対する税の確保のためには、国税を考えれば悪いかもしれませんけれども、これだけ地方の税制が逼迫しておるときに、やはり改革をすることのほうが地方の自治体のためにはよろしいのではないかと考えますので、以上のことを申し上げまして、私の質問を一応終わります。
○菅委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○菅委員長 速記を始めて。
○降矢政府委員 いま先生の、税目別にというお話で、資料があるようなお話でございますが、それは町村会や市長会に当たってみますが、われわれいままでもこういう資料をとろうといたしましたが、結局ある程度人間が割り振られたり経費が混在しておりますので、結局府県といたしまして各税日ごとに徴税費を出すというのは非常に無理な作業ではなかろうかと思います。しかし、いずれにいたしましても、一回当たりまして、その上で資料を提出させていただきたいと思います。
○門司委員 私がそういうことを聞いておりますのは、いまいろいろ各政党の間にも議論がございまして、たとえば土地に対する課税をどうするかという問題がある。そうすると、これに空閑地税をかけるとかあるいは庭園税をかけるとか、いろいろ問題がございます。しかし過去においても庭園税をかけた事実は鎌倉でございます。ところが、これは、徴税費が非常にかかって、理屈はよろしいのだけれども、税金を取るのに徴税費のほうがかかって、一年か二年でやめちゃったですね。だから、われわれが税制を議論する場合にも、そういうものを見ないわけにはいかないのです。たとえば空閑地税を取るとして、それについて、どのくらいの金がかかる、どうするか……。ことに、今日の税制の中で最も大きな問題は、私は山林の税金だと思います。これは、いま日本で一番大きな金持ちは山林地主だと思う。ここには固定資産税は非常に安いのである。したがって、農村、ことに過疎地帯等に対しては、立木税を取るべきだという意見はずっと前からもある。しかし、この立木税を取ろうとすれば、理屈はわかるのだが、その立木がどのくらいあるかということを町村役場で調べるには非常にたくさんの金がかかって、理屈は理屈でよろしいのだが、さて徴税費がかかり過ぎてどうだかという二の足を踏むようなことがあるわけであります。したがって私はいまのようなことを聞いているわけであります。できるだけやはり徴税費との割合をひとつ調べておいていただきたい。これだけをひとつ要望いたしておきます。
○菅委員長 それでは、自治省のほうで、そういうことをできるかどうかやってみる、その結果でよろしゅうございますね。
○門司委員 やってみていただきたいと思います。
○菅委員長 次回は明後二十六日木曜日午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時散会 ————◇—————