大蔵委員会財政制度に関する小委員会 第2号
- 発言数
- 155 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1970/10/13
会議録
○村上小委員長 これより会議を開きます。 財政制度に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。広瀬委員。
○広瀬(秀)小委員 国鉄の財政再建の問題で若干お伺いをいたしたいわけです。 最初にまず国鉄の副総裁にお伺いいたしたいと思いますが、去年の九月、国鉄財政再建基本方針が閣議で決定をされ、それに従ってことしの二月に国鉄財政の再建に関する経営の基本的計画というものが出されたわけでありますが、その後、状況の変化というものがかなりあると思うわけであります。たとえばことしの春闘における賃金の上昇の問題、これなども、その基本計画によりますと財政再建期間のこの十年間、大体九%というような非常に度はずれた計画の内容であったわけでありますが、おそらく一六%をこえた賃上げも現実に、これはやむを得ないけれども、実現をしているということで、この再建計画というものの内容がかなり変わってきているのではないか。あの再建計画どおりにいくものかどうか。また最近財政制度審議会にもこの問題がかかっておるということを聞いておるわけでありますが、その後の状況の変化に対してその基本計画はどういうように変わらざるを得ないのか。どういうふうに変えていこうとされておるか。昨年の基本計画を出した時点と今日の時点に立って、どういう点がどういうように変わるというお考えなのか。その辺のところからまずお伺いをしたいと思うわけです。
○山田説明員 いま御指摘のございましたように、国鉄の再建計画はこの前の国会で成立させていただきました国鉄の再建促進特別措置法に基づきまして発足したものでございます。それに基づいて政府から基本方針が示され、それに基づく基本計画を出しまして、政府の承認を受けて四十四年度から実施に入ったわけでございます。したがいまして四十五年度のことしは二年目に当たるわけであります。それで、御指摘のように四十四年度が初年度でございまして、ただいま四十四年度の決算が出た時点でございますが、また最初つくりました再建計画、これは十カ年計画でございますが、その初年度の四十四年度と比べましても相当なそごを生じておるのが事実でございます。それについて若干数字をまじえて御説明させていただきたいと思います。 まず四十四年度でございますが、最初に予算と対比して申し上げますと、予算の上で収入を見ておりましたが、収入の実績が予算の数字を下回りまして、結局五百十八億円の減収になっております。それから経費のほうでございますが、何と申しましても経費の一番大きなものが人件費でございまして、これも御指摘のように、予算の数字と比べますと人件費の決算が四百三十二億円の増加になってまいります。したがいまして、損益の収支じりで見ますと、予算の上では約六百十三億円が償却後の赤であると見込んでおりました。その赤がふえまして、約千三百億円にふえた状況で四十四年度の決算を終了いたしております。これを再建計画の当時の数字と比べますと、収入では大体百二十億の減少でございます。再建計画の予定と四十四年度の決算でございます。収入では百二十億の減でございまして、支出では、これは人件費や何かを含めますが、大体五十億の減で一応四十四年度の決算は終了いたしました。したがいまして、大体再建計画で見込んでおりました償却後の赤の数字と四十四年度の決算の償却後の赤では五十億円程度の違いになっております。 それで、なぜこのようにそごを来たしたか、内容を分析いたしてみますと、第一に収入がこのように減ったのが端的なあらわれでございまして、これは予算におきましても再建計画におきましても、旅客収入、貨物収入とも相当意欲的に見込んでいたわけでございます。 ところが収入の中で、まず旅客収入でございますけれども、このうち普通旅客、いわゆる通勤、通学の定期以外の普通旅客が非常に減りました。この減りました原因は、私どもは正確な計量的な数字は持っておりませんが、多分に自動車による影響であろうと考えておる次第でございまして、これは予定に対しまして二%の減少となっております。自家用車が非常にふえたと申しますのは、四十四年度中に東名道路の開通もございました。私どもとしては東名道路の開通に伴う旅客の減も相当見込んでいたつもりでございますけれども、それ以上に四十四年度としては落ち込んだという状況が出ております。それから定期旅客につきましても、都市では地下鉄網の整備、それから、残念ながら国鉄は定期の値上げをいたしましたが、私鉄の値上げがずっと据え置かれておりました。その運賃格差等もございまして、定期客も同様に減っております。これは普通客の減りよりも割合が多くて、予定に対しまして一八%の減少になっております。旅客収入につきましてはそのように、普通旅客と定期旅客がいずれも予定よりも落ちたのが直ちに収入の減少に結びついているわけでございます。 また貨物につきましても、これも残念ながら、私ども相当意欲的に輸送量を想定したのでございますが、予定に対しましてやはり八%の輸送量の減となっておりまして、これがやはり直ちに収入減に結びついたわけでございます。貨物のうちで特に石炭は、これは石炭産業自体が予定よりも減産になっております。それと同じ歩調で鉄道輸送につきましても減少しております。それから木材とか生鮮食料品というような、私ども第一次産品と申しておりますが、これも予定よりも減っております。そういうことで収入が減りました。 それから、四十四年度は運賃値上げをお願いいたしたわけでございますけれども、これが予定よりも四十日間実施がおくれまして、それの減少がさっき申しました五百十八億円の減の中に入っているわけでございます。 以上が収入の減少でございますが、今度は経費の増加、その中で最も大きなのは先ほど申しました人件費でございますが、これも御指摘のございましたように、四十四年度は仲裁裁定が出まして、八%プラス千円という、率で申しますと一三・四%のベースアップが行なわれまして、これに対しまして大体五百億円の経費が予算以上にかかったわけでございます。 そのほかこまごましたものはございますけれども、端的に申しまして収入の減と人件費の増加、これで予定が狂った結果になったわけでございます。 以上が四十四年度でございまして、四十五年度は現在まだ年度途中でございますけれども、いままでのところでは、やはり収入と支出に分けて考えますと、収入ではことしは万博というものがございまして、これで相当収入がふえるであろうという、旅客収入につきましてはこれも相当意欲的な増収を見込んで予算を立てておったわけでございます。幸いにしてただいままでのところ、旅客収入につきましては大体、若干でございますが予算を上回る収入をあげております。今後それがどういうふうになるか。私ども増収には努力いたしたいと思います。 それから貨物収入につきましては、これも四十四年度と同じように相当意欲的な収入を確保するように努力する数字を予算の中に盛り込んだのでございますけれども、年度当初から予算よりもずっと下回っておりまして、この傾向はどうも残念ながら下半期に入りましても続くのではないか。そうしますと、この四十五年度一ぱいの貨物収入としましては、残念ながら予算まで達する見込みが非常に薄いというように考えられるわけでございます。旅客収入、貨物収入合わせまして、いまの見込みではどうも予算まで達しないのではないかという危惧を持っている次第でございます。 それから経費のほうの増加の一番大きな問題は人件費でございまして、これもすでに御承知のように昨年を上回る仲裁裁定がこの春出まして、それが一五・一七%というアップ率でございます。これに対しまして手当てをしなければならない金が予算以外に、人件費の予算としては七百一億円必要になろうかと考えておる次第でございまして、したがいまして、四十五年度では予算の上で大体千二百五十億円の償却後の赤字が一応予定されておりますが、決算の見通しといたしましては、先ほどの収入の減少と人件費の増加によりまして、どうも残念ながらこれも二千億円程度の償却後の赤、まあ償却費と大体見合うものが完全な赤になるのではないか。現在そういうような見通しでございます。
○広瀬(秀)小委員 そこで、いろいろ国鉄当局もこういう収入はかなり努力しても、旅客収入でもせいぜい横ばい程度、貨物収入はどんどん減る。特に四十五年度は万博輸送ということで国鉄は大いにかせいだはずだと思っておったけれども、やや上回る程度という旅客収入の状況。人件費等を含めて、また新しい工事経費等もどんどんふえていくというようなこともあって、償却後の赤字がふえるばかりでなくて、償却前赤字まで出るのも近いというようにいわれておるわけであります。 そういう中でいろいろなことが新聞等にも出て、財政再建の方策についていろいろな構想が出されておるわけであります。たとえば赤字線区等について、八十三線区二千六百キロを廃止したらいいだろうというようなことも、諮問委員会等において答申を出されておるということもあるわけでありますが、しかし現実にこういうものを整理する、八十三線区二千六百キロの赤字線路を全部廃止をしてしまうというようなことにしても、これで浮く赤字の減少分というのはそうたいしたことじゃない。ことしの予算の分科会で総裁がお答えになったところを見ても、百五十億程度の赤字が減るだけだ。こういうようなことでは、そのことだって財政再建のきめ手にはならぬし、しかも地元の反対——やはり過疎地帯に赤字線が多いわけでありますが、そういうところでは何十年となく続いた国鉄というものがなくなったら、過疎は一そう進行してどうにも手のつかぬ状態になる、地域の発展というようなことはもはや絶望的になるということから非常に反対が強い。これは与野党を問わずそういう状況にもなっているというようなことも考えますと、これとても国鉄財政再建の問題の有力な手段とはいえない、そういうような状況であるわけです。 赤字線については国と地方公共団体と国鉄と、三者負担で何とかやっていこうというような構想などもあるようでございます。また運賃法の改正によって線区別運賃というような問題、あるいは区間別運賃だとか、貨物では重量別運賃など、運賃のあり方等についても考えていきたいとか、あるいは石油パイプラインなどを含む新しい国鉄の事業分野の拡大というような問題、あるいはターミナルを設置していくというようなこととか、小駅などの整理、それからそういう意味での事業の縮小といいますか、さらに人員をかなり大幅に削減するという問題も考えられているようであります。 こういういろいろなことを考えておられるようですが、財政制度審議会に対してあるいは大蔵省に対して、国鉄としての再建計画——昨年きまった再建基本計画には、何とか五十三年度には大体収支とんとんにいくような状態を目標にして計画がずっと立てられておったわけだけれども、こういうようなことをやることによって初年度及び第二年度においてもう再建計画が全然狂ってしまっておる。大きなそごを来たしておる。そういう現状を踏まえて、どうやったらこの国鉄の財政というのは再建されるのか。あの基本計画ではもう全然問題にならないのではないか、こういうような気がするわけです。したがって、国鉄の財政をほんとうに再建して健全なものにしていくために、国鉄として当面国に対して要求すべきものは何なのか。そしてまた自体で合理化なり何なりというような努力をする。こういう両面あろうと思うのですが、とりあえず国に対して何を要求すべきか、こういうような問題について考えておられるところをひとつ率直に——まあ大蔵省もおりますけれども、これは国民に向かって国鉄の考えを、こうしなければ国鉄財政は再建されぬのだというあなた方の気持ちを大胆率直にこの際ひとつ聞かしてもらいたいと思います。
○山田説明員 ちょうど現在の時点が四十六年度の予算の編成期、私どもとしては要求時期でございます。それと同時に、いま御指摘になりましたように四十六年度が再建計画の三年目でございまして、初年度、二年度の実績が最初の計画からだいぶん離れてきている、それがどうなっていくかという二つの問題をかかえているわけでございます。 それで私ども基本的に考えておりますのは、再建計画の先ほど申しました特別措置法の精神がいわゆる三方一両損と申しますか、政府からも援助をしていただく、それから国民からも援助をしていただく、国鉄はもちろん努力をするというたてまえでできておりますので、このたてまえはくずす必要はないと申しますか、そのたてまえはりっぱに守っていけるものと考えております。 それをやや詳しく申しますと、国鉄の努力でございますが、これは何といいましてもいわゆる合理化によりまして一つは経費の増加を防ぐ。その中の一番大きな柱であります人件費を、いま以上に減らすということは至難でございますけれども、全体的にふえるのを極力押えていくという努力、これをやらなければならないと考えております。 それから当時、この措置法の御審議の経過でもたびたび申したはずでございますけれども、国民の御協力という点では、適時適切なときに物価水準に合う運賃値上げを認めていただきたい。この十年の間にでございますね。それによって、いわゆる国鉄を利用される受益者としての協力を仰ぎたい。 それから政府の援助でございますけれども、これにつきましては、四十四年度予算から大体二つのルールができまして、簡単に申しますと、工事経費で借りた借金に対する利子の一部を政府から補助をしていただく。それからもう一つは、借金を返すために支払わなければならない金はさらに借金をしまして、その借金に対する当年度分の利子を政府から援助していただく。 こういうような三本柱で出たわけでございますが、私ども今後再建計画をどういうふうに実情に合うように変えていくか、それの考え方にやはりその三本の柱は必要な柱だと考えておる次第でございます。 ただ、差し迫った四十六年度、来年度の予算につきましては、先ほども広瀬先生ちょっとお触れになりましたけれども、四十四年度、四十五年度の先ほど御説明しました収入の伸び悩みと、人件費を含めました経費の増加傾向を延ばしてまいりますと、四十六年度の見通しとしまして、まことに遺憾ながら償却前の赤字が出る。つまりその日の支払いにも困るというような状況になりかねないいまの見通しでございます。いわゆる償却前の赤字が八百六十億円ぐらい出るんじゃないかという見通しでございます。したがいまして、本来ならばいまの時期で正式に予算要求として大蔵省へ提出しているべき国鉄予算がまだ編成されていないという状況でございます。 それにつきましては、私ども各方面の御意見も伺って、それから収入につきましても、ちょっとこまかくなりますが、万博までは先ほど申しましたように旅客収入も非常に好調でございました。ところが万博が過ぎました九月の十四日から、まことに正確にがたっと落ちております。ところがこの二、三日前の連休ではまたちょっと盛り返したというように、もう危篤の患者がちょっと息を吹き返したとか、あるいは死にそうだというような状況を続けておりまして、それが十二月ごろまでにどういう状況になるか。私ども大いにまた努力はいたしますけれども、その推移を見て正式な来年度の数字固めをしてまいりたいと思います。そういうわけで、四十六年度予算としてはまだ流動的な状況でございます。ただ、四十六年度予算ができますその考え方は、やはり再建計画十年間の考え方に延びていくべきものと考えておりますので、それとこれとをあわせ考えつついまいろいろ検討している段階でございます。
○広瀬(秀)小委員 まだ国鉄の予算要求案そのものが流動的な状態にあって、本来ならば八月段階でもうきちんとできて要求されているべきものなんですが、それがまだできてないという状況でございます。そこで、この十月一日の各新聞に一斉に出ておりますが、国鉄としては千三十六億の援助を大蔵省に要求をしている。これは、いまおっしゃったように孫利子といわれるものの拡充、一そう増額をしてもらいたいということ、それから工事経費に対する利子の補給をもっとやってもらいたい、それから赤字線区に対する援助をふやしてもらいたい、新しくつけてもらいたい、こういうようなことが柱になっているということで総額千三十六億、そういうものがなければ四十六年度は八百六十四億の償却前赤字というたいへんな事態になるだろう、こういうことが報道されておるわけでございます。 そこで、今度は大蔵省に聞きたいのですが、今日の国鉄の企業内における努力というようなことも、これはずいぶん国鉄も続けておるし、労使のあれだけの紛争の中で労働者側もかなりこの合理化問題については協力の姿勢を示して、ことしの賃金交渉等も合理化問題とからんで妥結をしておるというような面もあるわけでございます。そういうようなことを考えて、しかも国鉄というのは二百四十何線のうちわずか九線ぐらいしか黒字の出る線区はないので、あとは全部赤字線区なんだ。そういうものをかかえて、しかも国民のニードに、需要にこたえてやらざるを得ない。国鉄の本来の使命は、赤字が出ようが出まいが全国民に広く輸送サービスを提供する、こういうところにやはり国鉄としての本来の使命があるだろうと思うのです。赤字だからといってこれをすげなく非常にびしびしと切っていくというようなことは、営利企業なら許されるかもしれないが、国鉄が国鉄である限りにおいてやっぱり許されないのだとするならば、財政当局において、国の責任においてこれを何とかしなければならない、そういうところに今日来ているのではないかと思うのです。延ばせば延ばすだけ事態は悪化するだけであって、しかもこれから国鉄が生きていくために、そして国民の需要にこたえていくためには、やはり新しく国鉄の幹線網の整備であるとか新幹線構想というようなものも、与党、自民党でも提案をしておるというようなこともあるわけでありまして、そういう点を考えて、この辺でやはり思い切った財政措置というものによって、国鉄財政の再建というものを、はっきりしためどをつけていかなければならない時期に来ていると私は思うわけであります。 そういう点で、こういう国鉄の要求というものは、これは国民的な立場に立って国鉄の本来の機能をよりよく発揮させていく。しかも、一九七〇年代というのは国民生活優先の時代だということがいわれておるわけであります。それは単に太平洋ベルト地帯だけに国民生活優先が働くのではなくて、過疎地帯といわれるような、赤字線区を多くかかえておるような地帯の国民にもひとしく国民生活優先の大原則のもとに財政運営がなされなければならぬ、そういう立場のものであろうと思うわけであります。そういうことを考えれば、この辺で思い切った国鉄財政再建のための財政支出というものがあってしかるべきだ、そういうところに踏み切ってしかるべきだ、こういうように考えるわけでありますが、その点についての大蔵省の立場、考え方、こういうものについて伺いたいと思います。
○竹内説明員 ただいま副総裁のほうからお話がございましたように、四十六年度の予算要求につきましては運輸省当局のほうからまだ正式には出ておらないというような状況でございますけれども、お話しのように、いろいろ新聞等では運輸当局あるいは国鉄の考え方の一部が報道されておるというような状況でございます。 お話しのように国鉄の再建問題まさに来年度の予算といたしましてたいへん重要な大きな問題でございます。国鉄という企業がいろいろ公共的な目的を持って、国民の交通の需要にこたえておるということはそのとおりでございますけれども、同時にやはり、これも副総裁からお話がありましたように、だんだん世の中が変わってくるのに従って交通の需要というものの形がいろいろ変わってきておる。道路やあるいは飛行機というようなものの発達によって、交通体系の中に占める国鉄の地位というようなものもおのずから違ってきておると思うわけであります。国鉄の再建問題を考えまするときに、来年度だけの単年度の問題でなくて、長期的な視野に立って今後の国鉄の再建をどうするかという問題を考えていかなければならないと思うのでありますが、その場合に、基本的には国鉄の新しい地位というものを考えながら、国鉄の経営体質というものを基本的に改善していくということを頭に置きながら再建問題というものを考えていかなければならないと思っておるわけでございます。具体的には、最初申し上げましたようにまだ正式な要求が出ておらないという段階でありますので、どのような措置を具体的に考えているかということはまだ申し上げられない段階でございますけれども、基本的なさような考えを持って対処してまいりたいというふうに思っております。
○広瀬(秀)小委員 非常に抽象的な答えをされておるのですが、国全体を通ずる輸送体系の中で国鉄というものがどういう役割りを分担して、どういう輸送需要に対応して今後生かしていくべきかということについての抜本的な、交通体系の中での国鉄の役割りというものが確立しなければ、いまいろんな財政支出をしてもそれがやがて不用の投資になるというようなことになりかねない、こういうような点は、政策当局として考慮すべき点はなるほどそうであろうと思うのです。 しかしながらもうすでに、国鉄の将来のあり方というものは再建基本計画の中で、都市間の旅客輸送と、それから中長距離の貨物輸送というようなこと、それから大都市内における通勤・通学輸送の確保というようなものが重点であるということは、一応これは閣議でも決定をして、政府の政策としてもそういう国鉄の将来の重点的なあり方というものはきめられておるわけなんですね。そういうことではっきりしている。しかも、それではそういう観点からいけば、新幹線網というようなものはそれにこたえる道なのかどうかという点は若干の疑問があるにしても、そういう問題も出てきているし、しかも赤字線区などは全く要らない、こんなものはどんどん消してしまえばいいんだ、切ってしまえばいいんだ。理論的に発展さしていけば当然こういうようなことになっていくわけです。しかし、それは現実の問題として、いまある線路を取りはずして廃線をしてしまうというようなことがなかなかできない。これは与野党を通じて政治的な立場において。しかも先ほど申し上げたように、国民生活優先ということは、過疎地帯の赤字線の沿線の人たちにも、線路がなくなってもちっとも不便がない、あるいはよけいな経済的負担がその沿線の住民にかからない、そういう代替輸送機関というようなものが早急に整備され、住民にそれだけのかわるべき、より一そうサービスのいいものが取ってかわれるというような状態をつくるということが一体いつになったらできるのか。そういうものとの見合いなしには、赤字線廃止というようなことにはやはりなかなかまいらぬ。 そういう中にも国鉄の危機というものは一年ごとに深化して手のつけられない状態になっていくということを考えれば、これはやはり、償却前に赤字に落ち込むというような差し迫った状態に追い込まれているときに、大蔵当局がそういう抽象的なことだけでこの問題をほったらかしにするということはもう許されない時代だ。たとえばこういう新聞に伝えられているもの、この内容は大体——これは副総裁に聞きますが、千三十六億の援助を要求したことは事実でありますか。その答えをいただいて、それが事実だとするならば、大蔵当局はこの問題についてどう考えるのか。この点は、たとえば赤字路線に対する援助というようなものについてはどうなのか。孫利子をもっとふやせということについてもどうなんだという一つ一つについても、なぜそういうものができないのか、あるいはどこまでならやれる気持ちがあるのか、こういう点について伺いたいわけです。
○山田説明員 いま御指摘の千数十億という数字は正式に国鉄から出したものではございません。これは形式的なお答えになりますが……。ただ、その中身につきましては、どういう考え方でやったらそうなったかということは承知いたしております。それで、御承知のように正式な予算成立までには、国鉄が運輸省を経由して大蔵省に予算を要求いたします。その過程におきまして運輸省が国鉄予算を調整するということになっておりまして、そうして大蔵省の手元で正式に予算が成立するわけでございますが、まだその調整を受ける国鉄予算としてまとまったものは提出いたしておらない状況でございます。ただ、漫然と日を延ばしているわけではございませんで、来年の八百六十億という償却前の赤字をどういうふうにして消したらいいかというようないろいろな考え方で、こういう考え方で試算したらこういうことになる、こういう考え方ならこうなるというような、そういう試算はいろいろいたしております。その中で出てきたものがいま御指摘の数字であるわけでございまして、これは正式なものではございません。 その考え方といたしましては、先ほど私が申しましたように三つの柱、そのうちの、来年度は私どもとしては運賃値上げは考えておりません。これは一応はっきり申し上げておきます。結局残る二つの柱で、国鉄の合理化の問題と、それでどうしても出てくるものについては政府援助をいただきたいということで一応考え出しましたものが、先ほど御指摘になりました数字の基礎になっている考え方でございます。 国鉄の合理化の問題につきましては、時間もあまりありませんし、内部的な問題でございますので長々御説明はいたしませんけれども、国民の皆さん方には、昨年の六月から十月、それからことしも九月の十二日、二十五日という、私どもとしてはまことに遺憾な、いわゆるストライキというような状況を踏まえての徹底的な合理化をやっておるわけでございまして、これは来年度以降につきましても、さらにできる限りの合理化はいたしたいと考えております。 それから合理化の、ほかの一つの方法といたしましては、国鉄の中だけでは解決できません問題、これも先生が先ほど御指摘になりました駅の整理とか、あるいは駅での貨物扱いなり旅客扱いを職員の手でやることをやめるという、いわゆる駅を停留所にしてしまう、汽車はとまりますけれどもそこには駅員がいないというような、そういうような合理化、これは国民の協力を得る合理化でございます。 それからさらに徹底いたしたものとしましては、将来もう自動車にまかせたほうが地元の人も便利であるし、国民経済的にもそのほうが効率がいいと思われるようなところからは、残念ながらやはり国鉄は撤収していくような、これも徹底した合理化の一つの考え方だと思います。それは、一応いままでは八十三線区、二千六百キロという、一応のたたき台になる案を国民の前に示しまして、一線一線について地元と協議はいたしておりますが、これも現在までのところ二線、キロ数でいいますと約二十五キロでございます。二千六百キロに対しまして一%しか地元の同意を得ておりません。私どもこれは、一たん言い出したからはしゃにむにやるというような考えでもございません。逆にまた八十三線だけで済むかどうか。今後十年間の間には同じような状況になる新しい線も出てくるのではないかということも考えられるわけでございまして、これらにつきましては今後も相当弾力的に考えていきたいと思いますが、そういうように国鉄の内部でできます徹底的な合理化、それと国民の協力を得てやります合理化、これをやはり四十六年度予算の中にも反映し、これからの再建計画にも取り入れていかなければならないと考えております。 それで考えましても、先ほど申されたような二万一千キロの現在の営業キロから発生する赤字はなかなか退治できない状況でございます。赤字が発生するといって仕事をやめるわけにはもちろんまいりません。公共的な輸送義務が国鉄としてあるわけでございますので、したがいまして、それから発生する赤字については、どうしてもやはり大きな目でめんどうを見ていただかなくてはできないのじゃないかというところで次の、政府から援助をいただきたいということが出てくるわけでございます。 それで、これもまだ運輸省、国鉄として決定的にこれだというきめ手がないわけでございますけれども、新聞等にも出ておりますように、そういう赤字が出てくる大きな線がいわゆる二百四十六線、二万一千キロの営業キロの大部分でございます。それで、政府からも援助をいただくと同時に、私どもしろうとでございますけれども、国全体の財政を考えますと国の財政と地方の財政とあるんじゃないか。それで国の財政からも援助をいただけないか。それから同時にいわゆる地方財政からも援助をいただけないかというような考えも、いま現実に検討しているところでございます。それと同時に、従来いただいております孫利子なりそれから工事費の利子の補助、これも考え方をもう少し幅を広げる考え方ができないだろうか。そういうような考え方をいろいろ組み合わせた一つの結論が、先ほど御指摘になりましたような、いわゆる国鉄以外からの援助の額が千数十億となるような一つの試算が出たわけでございます。
○広瀬(秀)小委員 いま主として、国ないし地方公共団体からの援助もいただきたいということなんですが、大蔵省としてそういうものについて具体的にどういうように受けとめられようとしておるんですか。先ほどの抽象的なお答えではちっともわからぬわけなんです。そういう点で大蔵省の考え方をこの際はっきり聞きたいと思います。
○竹内説明員 申すまでもなく、現在概算要求が各省から出まして、予算の編成作業に取りかかっておるという最中でございますので、国鉄の問題もやはり予算全体の中の一環の問題でございますし、現在ここで個々の問題について、たとえば孫利子方式について金を出すつもりか出さないのかというような問題についてお答えさしていただくのはごかんべん願いたいと思うのでございます。したがいまして、そういった予算全体の中の問題といたしまして国鉄の再建問題というのは、先ほども申し上げましたように、国鉄自身の経営体質改善の努力というものと、将来の再建見通しというものとをかみ合わせながら、どうしてやっていったらばいいかということでございまして、さらに国鉄、運輸省からもいずれ正式の要求となって予算要求が出てくるはずでございますし、十分考えてまいりたいということでございます。
○広瀬(秀)小委員 次官もお見えになっていますから、次官は事務当局ではなくて政治家としての立場で、今日の国鉄財政問題——最近では三K問題ということで、来年の予算編成にとって、米、国鉄、健保というようなことなんですが、その中でも一番大きい国鉄財政の深刻な今日の危機的状況というものに対して、政治家として、副大臣として、これについて大蔵省としてどう対処すべきかというその姿勢について、そしてより具体策があったならばその具体策を含めてこの際お聞きいたしたいと思うわけです。
○中川説明員 広瀬委員から御指摘の国鉄問題は、これはもうたいへんなことじゃなかろうか。現状もたいへんでありますが、将来を展望するとなお問題が深刻である。これはいま御指摘のように、米の問題あるいは健保の問題もあわせて考えるとなおやりにくい。一つだけですと政府としてはやりやすいわけですが、その上に米や健保が重なり、さらにまた公害等が出てくるということになり、また公務員のベースアップその他Kのつくものはずいぶんあるわけであります。交付税の問題もあり、私たちで数えてみますと十ほど実はKのつくやっかいな問題が重なっておる。そういった背景の中で国鉄を処理しなければならぬわけでありますので、まじめな意味で、党においても、またわれわれ政務次官の立場においても、大蔵省においても、いろいろな機関でもってありとあらゆる機会を通じて、財源を一体どうするのか、あるいは赤字線を切っていくにしてもそこに過疎過密の御指摘の問題もあります。なかなかやりにくい問題ばかりがあります。ありますが、この際はやはり、政治家として聞かれるならば、国民の皆さんにもあるいは国鉄の皆さんにも十分御協力をいただき、財政当局も出すものは思い切って出すという形で国鉄の長期的なあり方をこの際立てるべきだということで、いま具体的にそれじゃどうするんだと言われましてもなかなかこれはむずかしいことばかりでありますから、一部分を申し上げてかえって波乱を起こし御迷惑にもなりますので、ちょっと申し上げることができない段階でありますが、非常に重大な時期に来ており、真剣に検討いたしております。大蔵としてもいま、孫利子を出すとか、赤字線の、建設線の、どうのこうのという具体的なことはないにしても、財政当局もこの際はやはり従来と変わった姿勢で臨むべきであろう、このように考えるわけであります。
○広瀬(秀)小委員 この問題は、いまKの問題がいろいろほかにもあって、そのからみでもたいへんなことだということなんですが、いずれにしても国鉄というものがきわめて国民の生活にとって大事な国民の足という問題、特に通勤、通学というような問題、直接これが国全体の生産活動等に対して果たしてきた役割りというのははかりしれないほど大きい問題だし、そういう意味でKの中でもこれは最大のKであるということで、大蔵当局としても思い切った施策というものを考えていただきたいということを強く要望して、ほかにその他のKの問題もやることになっていますので、きょうのところはこの程度にしておきます。 次に、健保の問題について御質問をいたします。主として政管健保の問題なんですが、厚生省からいただいた数字によりますと、四十年以降の財政状況の資料をいただいたわけですが、単年度赤字が四十年以来ずっと、四百九十七億、二百六十六億、五十八億、二十四億、五十六億、こう出ておりますが、四十五年度は三百八十億ぐらいになるだろう、四百億に近いだろうというようなことがいわれて、したがって累積赤字もそろそろ千七、八百億、二千億に近づく、こういうようなことがいわれておるわけなんですが、この財政状況を見ましても、これも非常に深刻な問題になってきていると思うわけであります。 そこで、この健保財政を健全にしていくために考えられることは、一つは組合員の保険料率を引き上げるという一番安易な方法があるわけですが、これはもう過去二回にわたってこの問題は国会でもたいへんな紛糾を見た問題であるし、しかも七〇年代、日本の社会保障がより一そう充実し、軽い負担でより多くの給付が得られるような、そういう社会保障制度、医療制度というようなものが望まれるにもかかわらず、保険料を上げて給付は逆に減らすという、こういう方向にどうもきておるところにあれだけ国民的な抵抗が行なわれざるを得ない背景があったと思うのであります。この財政の問題について現在厚生省で考えられていることがいろいろ伝わっておりますが、そういう、たとえば保険料を七十から七十五に千分の五上げるというようなこととか、あるいは逆に入院料を、かつて四十二年に三十円を六十円に、倍にしたわけでありますが、それを今度は一挙に三百円にするというようなこともちらほら新聞に出ている。こういうような方向でこの問題を解決されようとしておるのかどうか。厚生省はこの問題についての財政上の問題をどう解決されようとしているのか。いまのところ主管省として考えておられる考え方をまずただしておきたいと思うのです。
○金田説明員 ただいまの御質問でございますが、沿革的にちょっと申し上げてみますと、昨年の八月に厚生大臣から医療保険の抜本改正ということで諮問をいたしまして、ただいまその諮問内容につきまして、厚生大臣の諮問機関でございます社会保険審議会、並びに総理大臣の諮問機関である社会保障制度審議会でこれが検討されているわけでございます。わが国の医療保険制度につきましては、今後の諸条件の変化に対応いたしまして根本的にこの制度を改変する必要があるということで諮問がなされたわけでございます。第一に、国民の健康管理体制に密着した医療保険制度を確立する。第二に、社会保険方式を今後とも医療保障諸施策の中核とする。第三に、保険料負担の均衡をはかる。第四に、給付の漸進的合理的改善とその格差是正をはかる。第五に、財政の長期的安定をはかる。なお、医療給付の適正化をはかる措置を講ずる。こういった五点を中心といたしまして諮問がなされたわけでございます。しかしながら、この医療保険の制度は非常に複雑多岐でございますので、とりあえずこの問題の緊急性と実現可能性を考慮いたしまして、この制度を慎重かつ段階的に実施していく必要があるということで、この諮問も中身が概要二つに分かれておりまして、将来にわたっての基本構想と、さしあたり実施すべき事項とに分かれているわけでございます。 この諮問に基づきまして、両審議会においてすでに数十回の検討が行なわれておりまして、社会保障制度審議会におきましては二十九回、社会保険審議会におきましては三十九回の検討が行なわれているわけでございますが、社会保険審議会におきましては最近に至り、ようやく抜本制度の周辺問題につきましておおよその結論が得られる見通しがついたわけでございます。厚生省といたしましては明年度予算に何とか間に合うように制度の改革につきまして御答申をいただき、この御答申の線に沿って慎重に対処してまいりたいというようにただいま考えているわけでございます。
○広瀬(秀)小委員 抜本改正をこの前の段階で二年間の時限立法にしたということで、二年間には抜本改正案が出るだろうということだったのですが、それがもう四年にもなろうとしているというようなことなんですが、抜本改正の問題がこれほどおくれている理由というのは一体どこにあるのですか。
○金田説明員 先生も御承知のとおり、この医療保険制度は非常に利害が相反している面もございまして、保険者、被保険者、診療担当者、それぞれの各側の利害が対立いたしておりますために、関係の審議会におきましてもなかなか結論が出ない等の理由があるわけでございます。そうした点がございますためにどうしても審議が遅延する。また国会におきましても、二度にわたり特例法があのように混乱した事情も御承知と存じますが、そこらの事情のあることは御承知いただきたいと思います。
○広瀬(秀)小委員 やはりいまの答弁はまことにおかしい答弁であって、ちっともそれは答えになっていない。そういう不謹慎な答弁はやめてもらいたいです。抜本改正、とにかくこれは厚生省が本気になってやる気がないところに一番大きい原因があるだろうと思います。 そこで、保険料を千分の七十から七十五に〇・五%上げるという。それから再診料も今度は百円ずつ毎回取るというようなこととか、入院料を一挙に三百円までもってくるとか、大蔵省としてはこの問題の抜本改正を待たないで、来年、というよりも次の通常国会あたりにこういうような抜本改正以前の一部改正をやる決意を固めているのかどうか。この点、端的にひとつ伺っておきたいと思います。
○佐藤説明員 お答え申します。 政府管掌健康保険の赤字問題につきましては、その事柄がきわめて重大でございまして、その赤字の額につきましてもまたたいへんな大きさになっているのは先生の御指摘のとおりでございます。したがいまして、これについての対策は要望されているわけでございます。ただその場合に、先ほどから議論がありましたように、この制度の抜本策との関連がございましてなかなか複雑になっております。そこで厚生省のほうでは、現在抜本策とからめましてこの問題についての何らかの対策をいたしたいということで、目下関係審議会、社会保険審議会、社会保障制度審議会で成案を得べく努力されておる状態でございます。私どもといたしましてはその結果を待っておる次第でございまして、その成案ができましたならばすみやかに厚生省と協議をしたい、こういうふうに考えております。
○広瀬(秀)小委員 どうもあなたの答弁というのは、固まった後——部内であるいは閣議で固まらないうちは実に口がかたいというか、抽象的ないいかげんな答弁ばかりしておってたいへん不満なんですが、政府管掌健保の赤字対策ということで、九月二十九日の日経に「料率、千分の五上げ 患者から再診料百円」という大きな見出しで、先ほど私が申し上げたようなことを大蔵省では厚生省に対して強く求めておるというような新聞記事が出ているわけです。厚生省は一体抜本改正以前に、前と同じように一部改正ということでこういう改悪を提案されるつもりがあるかどうか。この点を伺っておきたい。
○金田説明員 厚生省といたしましては、ただいま関係審議会に御諮問いたしましてその審議を願っているわけでございますので、できるだけ早くこの答申をいただくように努力いたしているわけでございます。なお、私どもといたしましても、先般七月ごろでございましたか、両審議会に厚生大臣も出席されて、早急に答申をいただくよう特にお願いもされております。厚生省といたしましても審議会の、審議促進についてはあらゆる面から努力いたしているわけでございますので、審議会の御答申をいただきます前にどうこうするということを申し上げる段階ではないと思いますので、その点は御容赦いただきたいと思います。
○広瀬(秀)小委員 社会保障制度審議会と社会保険審議会と両方に諮問をして答申を求めておる。それは抜本改正の問題が主なんでしょう。いま申し上げたような部分的な、保険料、それから給付の一部引き下げというような当面の問題も同時に——この保険料を幾らか引き上げさるを得ない財政状況にあるのだ、これについてどう考えるか、あるいは入院料なんかも六十円では安過ぎるからもっと高くしたいんだというような、そういうものを抜本改正の前段階における措置として改正をやるんだ、そういうことでの諮問をやっておるわけですか。その辺はどうなっておるのです。
○金田説明員 先ほどから申し上げましたように、抜本改正についての諮問をいたしましてお願いしているわけでございまして、抜本改正の周辺のいろいろな、医療機関とか薬剤とか公費負担という問題につきましては約一年間審議がなされたわけでございますが、これは内容といたしましては審議会の権限のいわば周辺問題でございますのでかなり時間もかかったわけでございますけれども、制度の実際の中身につきましては、各審議会の委員さん、各側のほうでも内容については問題点もよく御了解されているわけでございますので、私どもといたしましては、いよいよこれから本格審議に入るわけでございますから一十月、十一月、十二月と、予算まで間に合うように極力努力をいたしまして答申をいただくようにということで、現に努力いたしているわけでございます。
○広瀬(秀)小委員 抜本改正の審議であって、周辺の問題も同時に審議しているということなんですが、そういうようなことで端的にもう少し答えてもらいたいのは、大蔵省、厚生省でいずれ協議して次の国会に一部改正を提案することになるのかならないのか。抜本改正が行なわれる、その提案が出るまでは、この九月二十九日の新聞記事にあるようなこういうような内容の、そのものずばりでないにしてもそれと同じような考え方の一部改正というものをやる気があるのかないのか。この点をひとつ両方から答えてください。
○金田説明員 先ほどからも繰り返し申し上げておりますように、ただいま審議会のほうへ御諮問いたしておりますので、厚生省といたしましては、ただいまそういった案でどうこうするということを決定したといった事実は特にただいまのところはございません。
○佐藤説明員 大蔵省といたしましてはこの問題の重要性を深刻に認識しておるわけでございます。現在出血状況でございまして、先ほど数字の御指摘がございましたが、当初予算では国庫負担二百二十五億をいたしましたあとで三百七十八億円、一日一億円の赤字ということでございましたが、それが最近の医療費の増高によりまして、収入保険料も上がっておるようでございますが、その差が拡大いたしまして、結局一日に二億円近い赤字になってきているのじゃなかろうか。二億円は数字が若干オーバーであろうと思いますが、相当の増勢を示しているようでございます。したがいまして、このような出血の状態をそのまま放置するということはやはりできないのじゃなかろうか。しかし、これにつきましては問題の根が非常に深く、関係するところも多うございまして、幾らあせりましても、所要の手続を踏んでやりませんと問題が具体的に解決されない、こういうことでございますので、先ほど申し上げましたように、まずそのスタートが厚生省でおやりになっている審議会答申という手続でございますので、その辺からの審議が一日も早く促進されるということを希望しておるわけでございます。
○広瀬(秀)小委員 赤字が出ている、だんだん増大しているということでありますが、そこで医療費が非常にかさんできている。そういう問題点の中で乱診乱療というような問題があるんじゃないかというようなこと、それから薬を使い過ぎるんじゃないか。日本の医療保険というのは薬剤メーカーに巨大な利益を与えて赤字を生み出しているのだ、こういうような批判も国民全体の中に最近出ておるわけなんです。 これは新聞記事ですが、厚生省にちょっとお聞きしたいのですが、「府下のある開業医が、ことし一月から七月にかけ外来患者一件当たり最高三千五百八十五点(三万五千八百五十円)、」これは一点単価十円ということでそうなるわけですが、「平均二千点(同二万円)を越す異常な請求をしてきた」、こういう記事があるわけです。それでさらに、「全国の開業医の外来一件当たり診療報酬平均点数は三百八十六点(ことし五月、社会保険診療報酬支払基金月報)。カゼでへんとうせん炎をこじらせた患者が三日通院、注射や薬をもらったとき、開業医に払われる額は厚生省平均モデルで約千円だ。「いくらなんでもひどい」と組合が問いただしたところ、その医者は「検査やレントゲンなど医者の良心で完全な診療をしたのにどこが悪い」と開き直ったという。」こういうようなことなんかがあります。それから、ある「病院から支払基金に出された請求明細書」で、「注射一カ月に千百二十八本(一日約三十六本)、血圧測定千三百八十五回(同四十六回)、レントゲン特大判三十三枚」、こういう請求書が出たという実例がある。これは事実でございますか。
○金田説明員 ただいま先生御指摘の事実につきましては、私残念ながら存じません。しかしながら、こういった診療報酬の請求につきましては社会保険の支払基金という制度がございまして、各県の事務所でこれを審査いたしております。大家の先生が審査委員になりまして審査いたしておりますので、もし適当でないものにつきましては審査の結果これに対処するということになっております。その点は、私もただいまの事実につきましてはまた調査いたしまして後ほど別途先生のほうへ御連絡申し上げたいと思いますが、その事実につきましては私残念ながら存じません。
○広瀬(秀)小委員 いま読み上げたこの数字を知らないとおっしゃるのですが、これはあとで調べていただきます。九月二十四日の日経に出ております。特集記事で「重症の健保」の2になっております。この数字の真実性について調べた上で、後刻私のほうに回答をしていただきたいと思います。これはまさに常識外なんです。一日に血圧を四十六回はかるとか、注射を三十六本打つとか、それでこの患者は一カ月後に死んでいるというのですね。重症だからそういう看護をやったのかもしれないけれども、こういうような事実、これは最善を尽くすという医療の基本精神に照らしてそういうことも可能ではあるでしょうけれども、どうもこの辺のところにも水増しの可能性というようなものがあるのではないかというような気もいたすわけでありまして、それらの実態を含めてお調べをいただきたいと思うわけであります。 そういうようなことで、保険給付の中で医療給付として、そのうち薬剤が相当なパーセントを占めている。最近では昭和四十年三八・二%、四十一年三八・九%、四十二年四二%、四十三年三九・六%、若干下がりましたが、四十四年五月四一・九%というように、毎年四〇%というような高い率を、薬剤費が医療給付の中で占めている。こういうような状態になって、しかもこの健康保険にかかった一人一人の患者に聞いてみましても、薬をたくさんもらっても、飲み切れなくて余してしまって捨てるというような例なんかも非常に多いというようなことも聞いておるわけであります。そういうような問題について、医師会の問題もあり、あるいは薬剤メーカーもあるし、あるいは薬剤師関係もあるだろうし、病院、開業医、それぞれの立場の違いなどもあるし、被保険者、保険者、そういういろいろな関係はあるにしても、そういう点の乱診というよりも乱療のほうですね、そういうことで薬が不必要によけい使われたり、役にも立たないような注射をよけいやったりというようなこと、そういうようなものなどをもっと有効にチェックする方法について十分考えなければならない問題が多いのじゃないかと思うのですが、そういう問題点についてどのような改善策を講ぜられる考えがあるのか。 それから、そのレセプトについてチェックをするというようなことで審査委員もいるのだが、そういう審査委員の人たちもほとんどがお医者さんばかりだ。言うなら、悪いことばですけれども同業のよしみ、同じ穴のムジナというようなことばもありますけれども、そういうようなこともあるわけでありまして、そういう問題点などについて十分考えられる余地があるのじゃないかと思うのです。その点について伺っておきたいと思います。
○金田説明員 ただいま御指摘の薬等の問題につきましては、一面そういった問題もございまして、医学、薬学が進歩いたしますと、どうしても薬が質的、量的に増加するということはやむを得ないことだろうと思います。また一面におきまして日本人は非常に注射を好むとか、あるいは薬を好むという傾向があることも事実でございます。もっとも、先ほどお答え申し上げましたように、不適正なケースにつきましては、各県の社会保険診療報酬支払基金におきましてお医者さんがチェックしているわけでございますが、個々の審査につきましては、私どもといたしましてはたくさんの先生方にお願いいたしておりますので、適正な審査が行なわれているものと確信いたしておるわけでございます。 なお、投薬されました薬を十分飲まない、使わないといったようなことにつきましては、患者サイドにも若干問題があるということも私ども聞いております。したがいまして、こういったことをすべて合わせまして、患者の指導も合わせまして、今後医療費の適正化に十分つとめてまいりたいと思っております。
○広瀬(秀)小委員 そういうこまかい問題をもっとやりたいのですが、時間もございませんのでこの程度にしておきますが、大蔵省は、一般会計からの健保に対する繰り入れが昭和四十二年度から二百二十五億、これで大幅にやったといって当時の坊厚生大臣も大みえを切ったわけですが、それ以来ずっと四十二年、四十三年、四十四年、ことしも同じだと思いますが、これでストップしてちっとも増額されていない。それで、昭和四十四年度あたりで単年度赤字五十六億程度である。ことしはどういう関係か知らないけれども三百七十億とか三百八十億とかいわれておりますけれども、こういうものに対して単年度で——たとえばことしあたりもおそらく三千五百億ぐらい税の自然増収もあるだろうというようなことで、これは公務員等のベースアップ、その他災害だ、公害だというようなものに新しく追加してもなお余りあるくらいの財源はあるわけなんですから、こういうものに支出して、単年度赤字を単年度で消すぐらいのことをやってもちっとも妙なことじゃないし、むしろ国民全体が喜ぶことなんです。まあこれはいろいろな保険があるということがあるかもしれない。こればかりが赤字じゃないということもあるだろうけれども、そういう点でなるべく単年度に、財政の許す限りはその年その年でこの単年度赤字は消すというぐらいのことをやってもちっともおかしくないし、そういうことがほんとうに国民生活優先の政治だと思うわけなんです。そういう点で、この問題についてやはりそういう気持ちで抜本改正というものを早く出す、こういうような形に持っていっていただくように強く要望しておきます。 ちょうど次の堀さんが国鉄の問題をやられる、また公職選挙の関係のほうに行かれるというものですから、国鉄関係を堀さんにやってもらって、健保のほうはこれで私は終わりますが、堀さんのあと、今度は米の関係をちょっとやりたいと思います。
○村上小委員長 堀君。
○堀小委員 本日は国鉄財政問題について、いま広瀬委員のお話がありましたが、私は、確かに国鉄に対するいろいろな取り扱いについて考え方を少し変えなければならない問題もあると思うのでありますが、国鉄自身ももう少し姿勢を改めるべき問題が一つあるということをきょう指摘をしたいと思います。 私は、国鉄も企業でありますから、企業会計というものが少なくとも収益になるためには投資をするということでなければならないし、その投資源については国なり地方自治体なりもおのおのある程度協力をして、投資を促進しながら収益をあげさせるということにならなければならない、こう思っておるのです。その投資のあり方は、少なくとも収益が確実にあがる、ある程度ペイできるというものを優先するというのが私は当然であると思う。いま国鉄の新線計画はあっちこっちにあるようですけれども、どうも私が拝見をしておる新線計画の中で、幹線は別でありますが、一体これでペイできるかと思われるようなところに新線をつけようというような問題があります。たとえば、私が住んでおります近畿地方で、大津から琵琶湖の北回りのほうに何か国鉄が線をつけるという計画があるようです。私、この前あそこを自動車で走っていたら、ここに新線計画があるのですというようなことですが、一体琵琶湖の北側に国鉄をつけてあれがペイできるのかという点について、滋賀選出の代議士はいろいろ問題があろうけれども、これを国家的経済から見て、一体こんなことが国鉄に持ち込まれていいのかという気がす仰るのですよ。 また反面、今日私が問題にしようとしております事案は、現在国鉄福知山線の宝塚−塚口の複線電化問題というのがあるのです。これなどは、この周辺はいま猛烈に住宅地帯ができて、主たる交通は、大阪に向けて出ますものは阪急電車でこれをまかなっておるわけですが、もう限界に来ておる状態であります。これを複線電化をすればもう非常にペイをする路線であるのは間違いがない。 こういうような経済路線について、それじゃ一体国鉄はどういうかまえ方でいるのか。昭和三十八年四月四日に大阪鉄道管理局長から、これらの関連地方自治体に対して、四十二年中に着工して宝塚−塚口間の複線電化をやるので、利用債八億円を引き受けてもらいたいという申し入れがあり、これを受けて関係市はその八億円についての分担をきめて、四十三年一月二十三日にこれについての契約をして、四十三年、四十四年と二億円、三億円——これはちょっと引き受けの発行価額が切れていますから端数は少ないわけですが、約五億円を払い込んでおるという事実があるわけですね。四十二年に着工するということになっておったけれども、一体今日どうなっているかといいますと、今度はこの間五億円の金を取っておきながら用地の買収も十分に行なわないでほったらかしてある。そして四十四年になって、四十四年度にさらに三億円払い込むというのを、工事あるいは買収が進んでいないということで四十五年に三億円払い込むということにしてもらいたいと国鉄から一方的に通告があって、各市は予算措置をしておりながら、四十四年度分の支払いをしないで四十五年度また予算措置をしておる、こういうことになっておるわけですね。 ところが、これは時間がありませんから私のほうから申し上げますけれども、私のほうで調査をしておる資料では、現在この区間の買収面積は六万一千平米になっておるのでありますけれども、今日、四十五年度ですよ、よろしいですか、四十二年、四十三年に五億円金を取っておきながら、四十五年の八月現在で購入済みの面積はわずか千八百四十八平米、三%にすぎないというのが現在国鉄がやっておることだ。地方自治体に利用債を四十二年度、四十三年度に五億円持たしておいて、四十五年度に三%しか購入が終わっていない。これではいつになったら購入が完了し工事に着手できるのか見通しも立たない。まことに国鉄の経営者のずさんな計画、能力、これで一体国鉄の財政再建ができるかどうか。私は一つの問題を取り上げておりますけれども、こんなかまえで仕事をしておる会社が民間会社であったらとうにつぶれておると私は思うのです。やはり国鉄が国の企業であるという甘えから、やるべきことをきちんと処理をするというビジネスに徹していないということが今日国鉄の大きな一つの背景になっておる、こう私は思うのでありますが、まず経営のかまえについてひとつ副総裁から、一体このようなだらしのない経営をやっておって、あなた方幹部としてどう考えておられるのかお答えいただきたい。
○山田説明員 一般的な問題の御質問でございますので抽象的になるかとも思いますが、先ほどの広瀬先生の御質問にお答えいたしましたように、現在非常に経営状態が悪化しておる状況でございます。いま先生が御指摘になりましたのは、特にその中の投資態度の問題かと思いますが、これにつきましては、再建計画ができました時点において大体十年間のいろいろな工事を取捨いたしまして、十年間大体三兆七千億程度の投資規模でいろいろな工事をやろうという計画を立てたわけでございます。その中には、人件費の節約に必要な省力的な設備、それから部内の合理化に資する設備、それらに関する投資もございます。それから全体的に斜陽だといわれておりますけれども、広瀬先生も御指摘になりましたように、国鉄の受け持つ分野であるというふうに基本計画でも指摘されております、たとえば都市間の旅客輸送でございますとか、あるいは中長距離の貨物輸送あるいは大都市近郊の通勤輸送、これらは先ほど申しました全体的な輸送の伸び悩みにもかかわらず毎年着々とふえてまいっております。将来もふえるということは私ども確信を持って申し上げられるわけでございまして、それらに対しましては依然として輸送難の声を聞くわけでございます。サービスの面もございますし、これからの増収につながる輸送力増強という点もございますので、それらに対する投資ももちろん三兆七千億の中の主要な部分を占めておるわけでございます。そのほかに、一応ある程度私どもやったとは考えておりますが、安全対策でございます。これも自動車の発達によって踏切の立体化をやらなければいかぬとか、あるいはいろいろな防護設備をやらなければいけないというようなものもございまして、そういう点で大体十年間に三兆七千億、本年度四十五年度の予算でお認め願いましたのは工事経費三千九百億でございまして、その中にいま申しましたような合理化対策あるいは輸送力増強対策あるいは電化等の近代化対策あるいは安全対策等が入っているわけでございます。全部が全部利を生む工事ではございませんけれども、私ども、投資順序といたしましても、その緊急度を判定する要素といたしましても、投資効果を発揮できるということは常に考えているわけでございます。 ところで、最近の工事の模様が、他の官公署との設計協議とか土地の買収等で、私どもの考えているようなスケジュールにのらないような工事がだんだんふえてまいりまして、それで御指摘になりましたような事例が間々出てくるわけでございまして、この点は私どもさらに努力を重ねまして、投資効果が一日も早く発揮できるように努力してまいるつもりでございます。
○堀小委員 いま私の伺ったことに必ずしも御答弁は沿ってないのですけれども……。大体用地買収のために利用債を持ってほしいということなんですね。昭和四十二年に二億円、四十三年に三億円が支払われておるとすれば、そのときどきにこの都市近郊で二億円で土地を買い、三億円で土地を買っておればかなり買えるものが、今日四十五年までたってもまだ買われていないということになれば、いまの貨幣価値の効率から見て非常に効率の悪い処置を国鉄がやっておるということを私は指摘したいわけなんです。要するに、現在の日本の諸情勢というのは、物価の上昇、特に都市近郊の地価の上昇というのはたいへん大きなものになっておるわけですから、金が入ったら少なくとも、それを他に利用するのでなく、まずそれをもって早急に土地を買う。利用債は国鉄の金じゃない、借金です。借金までして利子を払っておる金を、土地も買わずにほうっておいたのでは、いまの国鉄のかまえがおかしいじゃないか、こういうことを言いたいわけです。一事が万事、もっと経営にきびしくなるということならば、もう少し問題を進捗させるべきであるにもかかわらず、今日未測量のものが面積として二〇%残っておる。測量中というのが二二%、協議が中断されておるものが一一%、こういうことで半分はまだ手がついていない、こういう形になっています。協議中が三九・七%、購入済みが三%、こういうことですから、たいへん経済効率が悪い状態に置かれておる。 そして国鉄の契約書を見ますと——運輸省入っていますか。運輸省のほうで少し頭に置いておいてもらいたいのですが、国鉄の「福知山線、塚口−宝塚間線路増設に必要な用地取得の施行に伴う鉄道債券引受けに関する契約書」というものの中身は大体国鉄側にきわめて有利——もちろん一項だけは入っています。第九条に「乙は、第五条に定める利用債引受金の払込後、甲が正当な事由なく工事に着手しない場合は、この契約の全部または一部を解除することができる。」と書いてあるから、これは着手してないのだから解除できるのだけれども、払わなくなってしまえばもちろんあなたのほうが線をつけるかどうかということに対して不安があるから、地方自治体側は契約書のとおり履行できないような条件に置かれておるきわめて一方的な契約書がつくってある。この中には、時間がないから読みませんけれども、払わなかったらどうだとか、いろいろ書いてあるわけですね。地方自治体としては線を引いてほしいから払わないということはあり得ない。国鉄側の義務は一つも書いてない。ここには第六条に、「甲は、乙から第二条第一項の定めによる利用債引受保証金の払込み、若しくは第三条に定める銀行の連帯保証書または第四条に定める利用債引受けを確認するに足りる書類の提出があったのちに工事に着手する。」と、こう書いてある。「のちに着手する。」というんだから、金が払われたら工事に着手されていなければこの契約書に意味がない。さらに契約が履行されなければ解除ができると書いてあるけれども、これは地方自治体側に対して何ら権利を認めた契約書になっていない。運輸省は、こういう契約書を国鉄側がつくっておることをフェアと考えますか。運輸省の答弁を求めます。
○秋富説明員 ただいま堀先生のお話しの契約書の件でございますが、いま具体的な福知山線の電化に関します契約書は私存じませんが、国鉄の財政状況にからめて極力地元に利用債を引き受けていただくということにつきまして、総ワクにつきましては私どもも承知しておるわけでございますが、いまお話しの、きわめて資金の効率が悪い。特に、御指摘のとおり地価というものは年々上昇しているわけでございまして、極力有効に投資すべきが当然でございますが、まだよく事情も存じておりませんから、その点は私のほうも調べたい、こう思っているわけでございます。
○堀小委員 まず一点、おそらく力が国鉄のほうがあって地方にないわけですが、私は契約というものは本来的に対等、平等の原則でなければいけないと思います。ですからそういう場合には、契約をするときには、契約を履行するというかまえなしに契約するのは間違いだと思うのですよ。やはり契約をする以上は、少なくとも国鉄と地方自治体が契約したら、その契約どおりに金も下さいよ、そのかわりにもらった金では土地を買います、これが契約の原則でしょうね。だから、それについては監督官庁である運輸省も、こういう契約を地方自治体とやった以上、契約が正確に履行されるかどうかは、監督官庁としてもう少しきびしい態度で処置してほしいと思います。それでなければ、いま申し上げたような経済的効率を含めてむだな費用を地方自治団体が負担させられることになる。実際には効率はだんだん悪くなるわけですから、その点について今後運輸省としてはきびしく——全般的に、これはただ一つでありますが、全国にかなりこの利用債については問題があろうかと思いますので、この一点を伺っておきたいと思います。 そこで、国鉄に伺うのですが、いま利用債の金を全国の地方自治体から取っていてこのような形で履行されてない残高といいますか、要するに利用債を持たせて実際に工事に着手ができていない地域はここだけじゃないと思うのですが、全体でどのくらいあるでしょうか。ちょっとお答えをいただきたい。
○山田説明員 正確に何件で何億というのはちょっと手元に材料がございませんけれども、御指摘のように金を受け取っていて満額それを消化していない例は確かにございます。
○堀小委員 その問題について、会計検査院に入っていただいておりますから……。これは国の企業ですから、いま私が申し上げたように正式な契約書があって、契約が履行されていないで、金だけが地方自治体から国鉄に入っていて、そのままになっておるというのは、会計上はこれはどうなりますか。会計検査院としては少し問題があるというふうに考えられるべきではないかと思うのですが、これは国の企業ですから。この点はいかがでしょう。
○石川会計検査院説明員 国鉄は御承知のとおりの状況でございますので、会計検査院といたしましては個々の会計経理の当、不当を論ずるにとどまりませんで、予算が効率的に使用されているかどうか、すなわち、ただいま先生お話しのございましたように、資金が効率的に運用されているかどうか、この点につきましても十分な配慮を持ちまして検討している次第でございます。 そこで、この利用債の件でございますが、利用債の発行につきましても、適時に工事に見合う相当な額が調達されているかどうかにつきまして絶えず関心を払っている次第でございます。ただいまのお示しの事態につきましても、大阪鉄道管理局検査の際に、こういった事態は望ましくないということで、今後十分留意するように意見を申し述べている次第でございます。ただ土地買収というものにつきましては、事柄が非常に困難な事情もございまして、これをいま直ちに不当な事態であるといって批判をすることもちょっとできかねると思います。同種事態につきまして今後十分な調査をいたしまして何らかの意見を取りまとめたい、かように考えております。
○堀小委員 大蔵省にお伺いをいたします。 国鉄の利用債の問題について、主計のほうですが、あなた方のほうで国鉄予算を検討するときに、縁故債というか利用債、これはあなた方の予算計画の中に一応入っておると私は思いますが、来年度予算は工事計画はこうなっている、この工事計画に基づいて利用債はこれだけと、毎年毎年、国鉄だけでなく各公社は縁故債、利用債を発行しているわけですから、そのワクについてはあなた方が予算とのにらみで見ているということではないでしょうか。どうでしょうか。
○竹内説明員 予算書の中には毎年国鉄が発行し得る債券の額が掲記されておりますので、それは国鉄の全体の歳入とあわせまして、当該年度の国鉄の工事計画その他に必要な金として見ているわけであります。
○堀小委員 やはりいまの国鉄は予算上も、いま次長がお答えになったように年度年度になっておるわけですから、年度年度になっておって、実質的には払い込みが四十三年一月、四十四年一月と、年度の終わりごろに払われておるわけです。要するに四十二年度、四十三年度に払ってあって、今日四十五年度になっておるわけですね。その中でも、五億円のうちのごくわずかしか使用できないということで、国鉄はおそらく三億円を四十五年にしてくれということになったのだと思うのです。そういうように単年度に見ていれば多少わかるんじゃないですか。要するに、全国でかなりあり得ると思うのだけれども、金だけ取って実質的にはそれが他に流用されているのだろうと思うんですね、いまの国鉄の赤字の状態ですから。それが土地買収費にいってないのは、入った分は横へ流用、入った分は横へ流用、これでは、赤字の利子を払うために借り入れをしなければならぬということもわかるけれども、地方自治体の側にしたらたいへん問題があるのではないかと思うんですね。 ついては、これは単に私の地元の問題だけではありませんので、国鉄または主計局のほうで、この現実化されてない利用債の年度別の最近の状態ですね、というのは年度年度でないと、実行しているから多少その分は落ちてきたということになるでしょうから、これらについての資料をひとつ当小委員会に提出をしてもらいたいと思う。これはやはり地方自治体としても国鉄の要請に応じてまじめにその金を払っているわけですから、片方は義務を完全に履行して片方は義務を履行してないということでは、国としても監督上問題があるし、国鉄としても反省してもらわなければならぬ問題です。そこで国鉄に資料をお願いいたします。 国鉄副総裁に伺いますが、それでは、いまのは利用債の話ですが、ここの電化はどうするつもりですか。やるのですか、やらないのですか。やるとすれば、私に言わせれば測量ぐらいはやっていいのじゃないかと思うのです。四十二年度から工事に着手するというのに四十五年度になって未測量が二〇%も残っているというのは、いかにも私はかまえが不十分だということをあらわしていると思うのですが、とにかく測量をちゃんとして全部協議に入る。それは買えるか買えないかは、いま会計検査院のお話のように、こういう土地柄ですからあるいは買えないためにたいへんおくれた。これは私どもはやむを得ないと思うのです。しかし測量もしないでほったらかしてあるところもあるというようなことでは、これは誠意のほども疑われるということですから、早急に測量もし着工もしてもらいたいのですが、いま国鉄財政全体の考えでは、大体いつ土地取得を完了し、いつから工事を始めて、いつから開通ができるというめどなのか。今日時点における国鉄側の見解を伺っておきたいと思います。
○山田説明員 いま御指摘になりました、測量もしていないじゃないかというお話でございますが、これは地元の人がさせない状態だからできないのでございます。先ほども年次別に申されまして、この福知山線の複線電化、もう先生御承知だと思いますので詳しく申し上げませんが、四十三年九月に利用債の問題で地元の期成同盟会と折衝を始めております。それでその当時、私ども、これは全部地元の市が参加されておりますので、それだけ全員そろって期成同盟会をおつくりになったのだから、土地買収からあとの測量とか工事は順調にいくと考えてスタートいたしました。それで初年度に二億円程度の土地は十分買えるという見通しでスタートしたわけでございます。ところがその後、土地を買収する前の手続といたしましては、とにかく用地幅、どの部分を買わなければいけないという測量が必要でございます。それには立ち入り測量していいという地元の承諾が要るわけでございます。これは市ではございませんで、もう御承知だろうと思いますが、個々の地主でございます。それで個々の地主と折衝を始めましたのが四十三年度でございまして、その後非常に何回もそういう折衝をいたしまして、現在、測量が完了いたしましたのが尼崎市内、伊丹市内でございまして、川西、宝塚市内につきましては完全にまだできておらない状況でございます。これは私どもも決してあきらめてはおりませんで、ぜひ立ち入り測量をさせていただきたい。まあ測量いたしましても、売る、売らないという交渉はまた次の問題でございますけれども、とにかくこれだけの土地が要るんだというその測量だけでもさせていただきたいということを現在折衝いたしているわけでございます。その間、まあ万博の関係で土地の値上がりもありまして、御指摘のとおりに、その当時買えていたならば安かったであろう値段もいま上がっていることは事実でございます。 それから、その測量に立ち入るのについてもいろいろな条件が最近出てまいっております。たとえば新幹線の駅をその近所につくってくれとか、あるいは宝塚地区内では高架化にしてもらいたい、あるいは駅に貨物設備をつくるのは反対だというような、これは個々の方々の利害でございますので大小いろいろあると存じますが、そういうような条件が解決されればまあ測量させてもいいというのがいままでの状況でございましたけれども、できるものとできないものがございますので、そういう点はまた市のほうをも通じまして了解を求めるようにいたしております。 それで、この部分、先生もうすでに御承知だと思いますけれども、複線で大体三十七億円の予定でございます。それから電化には六億円の計画でございまして、先ほど申しましたような再建十カ年計画の投資規模の中には入れてまいっておりますし、それから四十四年度以降毎年一応予算には計上しておりますが、利用債をいただきながらその予算が完全に施行されていない状況でございます。技術的に見まするならば、用地が買えますと大体三年でできる問題でございます。ことに新しい事態は、最近大阪付近の通勤対策が主だと思いますが、阪神地帯の交通網の整備の問題が出ておりまして、福知山線をどこへどういうふうに結んだら一番効果的かというような議論も出てまいっております。そういうものを考えまして、私ども一日も早く複線電化をいたしたいと考えておるわけでございます。 それから、これは蛇足でございますけれども、利用債は全国的に相当いただいておりますが、大体駅舎の改築とかいうようなものは非常に順調に進んでおります。それから電化も、あまり用地買収の問題がございませんので、これも順調に進んでおります。土地買収を伴うようなものが一番難航をいたしておりまして、先ほど御指摘になりました、契約上は一応金をいただいた上でなければ工事に踏み切らないというような、まあそういうことになっておるものでございますので、その当年度いただいた金が完全に消化できない例も出てまいっておるわけでございます。
○堀小委員 用地買収は確かに非常に困難でもありますし、お話しのようにあそこは万博の関係で用地も上がりました。ただ、片や新幹線のほうは御承知のようにもう用地買収も済んで工事にかかっているのですね。だからあなた方のほうは、幹線のほうは非常にもうかるし、いろいろな要請もあるからというので非常に高い費用で買い上げる。それででも要するに測量もし、買い上げる。ずいぶん問題がありましたけれども、私は長年、磯崎さんとの間に側道問題でやってきた。側道問題は皆さんのほうもそれについて考えをきめられて、今日通ることになってたいへんよかったと思うのですが、この路線は採算路線ですから、不採算ではなくて、これをつければ採算する路線ならば、やはりいまの三十何億くらいのものはこれを出してもたちまち私はペイできると思うのです。この路線はペイできる路線だ。だからそういうペイできる路線ならば、多少用地買収のときに問題があっても——新幹線をつけられるあの地域はもっと複雑な地域です。線のないところにつけるわけです。しかしこれは線のあるところを広げるわけですから、言うならばだいぶ私は次元が低いと思うのです。新幹線の、何もないところを、市街地のまん中をぶち抜くことを思えば違うのですから。 私が最初から申し上げているのはかまえの問題です。やるときめたらやるということにしないと、やるときめてもだらだらやっているということでは、結局経済効率を非常に悪くするということではいかぬじゃないかということで、国鉄幹部の経営のかまえをひとつしゃんとしてもらいたいということです。あわせて運輸省の側もそれについて、契約をしたものは守るのだということにしてもらわないと、国鉄のほうはちっとも守らない、地方だけに義務を強制しておる契約書をつくらせるということはまずいですから、その点十分配慮して、それらの工事の促進に努力をしてもらいたいということです。 そこで最後に、これは理財局長にお伺いをしたいのですが、こういうことで地方自治体に、私は国鉄だけに限らないと思うのですが、いろいろな角度で利用債というような式のものを持たされる場合が多いと思うのです。持たされるけれども、実はこれがあまり効率化されてないというようなことでは、地方自治体はそうでなくてもたいへん負担が大きいときに、いろいろなところにしわが寄るのじゃないか。ですから、私はあとで資料を拝見してから議論をしたほうがいいと思うのですが、全体として地方自治体がその他の要因、地方自治体プロパーの問題以外の要因で財政負担がかかっておるときは、その自治体における本来やれる事業が相対的に圧縮をされておるわけだと私は思います。その点については何らか地方債を発行するワクを多少見るなりなんなりして、ある程度地方としての行政がそういう他のものとの関係であまり影響を受けないような配慮もあってしかるべきではないか。それは全額見ろとかそういう意味ではありませんけれども。やはり何がしかについてはこういう問題で負担をさせられる。負担をすることは、そこに問題が出てくれば——それだけ市民のためになることだからいいことですから、そのことについて私は利用債を持つことに反対しているわけじゃないのです。反対しているわけじゃないけれども、それだけ地方財政を圧縮されることは間違いありませんから、これらの問題については多少地方財政計画の中で考えてやる余地があるのではないか、こう思いますが、理財局長どうでしょうか。
○相澤説明員 国鉄の福知山線の利用債に関しまして、実は私けさほど先生から御質問があるということで初めて事情を知った次第でございますので、話を聞いてみまして、利用債を発行しておきながら工事が行なわれていないという点につきましては、どうも利用債の性格からいたしまして適当ではないというふうに感じておりまして、その理由をいろいろ国鉄にも聞いてみようと思っていたところでございます。まあ副総裁のお話で大体のことは了解できましたのですが、ただ利用債を地方団体が引き受けているわけでありますが、実情は地方団体の引き受け後かなりまた金融機関等が、何と申しますか、引き受けているという状況でありまして、手元に、確かな線ではございませんが、現在利用債で地方団体が実質的に持っているものは数%であるというふうに聞いております。したがいまして、そういうやり方が適当かどうかということはひとつまた検討しなければならないと思いますけれども、実情においては地方団体の実質的な負担にはあまりなっていないように聞いております。 なお、地方団体が本来の団体の事業以外に資金を必要とする場合、たとえば貸し付け金の財源に充てるというような場合においては、これは地方自治法上の適債事業として起債を認めている例がございます。たとえば奄美の振興資金、織布の構造改善事業の資金、綿布の構造改善事業の資金あるいは中小企業の高度化資金等については、これらの資金の財源に対しまして起債を認めておりますが、これはごく対象をしぼって従来見ております。もしお話のような利用債等について、それが地方団体の負担になる場合に起債を認めるかどうかという問題でございますが、それは政府資金にゆとりがあってそういう地方債をめんどう見るということになれば、これは実際に意味があると思いますが、もともとそういう利用債というものを認める趣旨は、政府資金の原資に限度があるというようなことも一つの原因になっているわけでございますから、そうなりますと、かりに地方債を認めましてもその原資機関等にあがるということになって、同じようなことになるのではないかという感じがいたします。なおよく検討いたします。
○堀小委員 これで終わりますけれども、どうか国鉄、運輸省は今後とも、この問題に限りません、これは私たまたま地元にありましたから気がついたわけでありますけれども、少なくともこれだけ赤字の時期ですから、経済の効率化といいますか、経営の効率化に資するために積極的な姿勢で取り組んでいただきたいということを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○村上小委員長 広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)小委員 簡単に食管制度の問題、米の問題についてお伺いをいたしたいと思います。——農林省、来ておりますか。 ことしの米の問題、御承知のように過剰米をかかえているということが食管の問題で一番大きい問題になっておるわけです。そこでことしから自主流通米、それから生産調整という段階まで迎えておるわけですが、この生産調整の問題で、当初百五十万トンを減らそうということで、そのうち五十万トン分は農地の買い上げというような形でやろうということで、百万トン生産調整がなされたわけであります。この結末、実績はどういうように数字でなっておりますか。まずその点をお聞きします。
○内藤説明員 お答え申し上げます。 生産調整の本年度の実績数量は、いま先生お話しのように一応百万トンを一般の生産調整で実施したわけでございますが、現在までの中間といいますか、一応最終的に把握しております数字では百三十九万トンというようなことになっておりまして、面積にいたしますると三十三万八千ヘクタールということでございます。 なお、その実施面積三十三万八千ヘクタールの内訳でございますが、休耕が六六%の二十二万二千ヘクタールでございまして、次いで転作の七万一千ヘクタール、これが二一%に当たります。それから土地改良の夏期施行といいますか、いわゆる通年施行と申しておりますのが四万二千ヘクタールで一二%。それから林地等への転換が四千ヘクタール、これは一%くらいでございますが、そういうような概況でございます。
○広瀬(秀)小委員 百万トンの予定に対して百三十九万トン達成した。そこで、この生産調整のねらいの、千四百万トンくらい生産があるだろう、そのうち百万トンは減らしたいということなんですが、この天候その他による増産の問題とからめてどのくらいの効果があったのかということについて数字で示していただきたい。
○内藤説明員 ただいま先生の御質問の趣旨が必ずしもよくわからなかったわけでございますが、先生御指摘のように、今年の稲作につきましては、非常に好天候に恵まれましたこともございまして、現在の統計調査部の調査等によりますと相当の豊作が見込まれておりますが、休耕といいますか、生産調整自体につきましては、先ほど申し上げましたとおり百万トンという数量を目標にいたしまして実施した結果、三十三万八千ヘクタールというものの生産調整を見たわけでございまして、この百三十九万トンというのは共済の基準収量でございますから、本年度の好天候等を考えますと、本年度の実収に引き直せば相当量の収穫になったろうというふうにも考えられますので、御案内のような食管の過剰状態というようなことから考えまして、生産調整の実施そのものにつきましては相当の効果をあげたというふうに農林省としては考えております。
○広瀬(秀)小委員 そこで、現在大体五百数十万トン、新米がとれる前にその程度の過剰米を持っておったというように伺っておりますが、それにさらにことしこの過剰米としての積み増しが二百四、五十万トンあるんじゃないかということで、ことしの十月、今月末で七百三十五万トンくらいになるんではないかということがいわれておるわけでありますが、そういう状況でございますか。その辺の数字を聞かしてください。
○内藤説明員 そのとおりでございます。
○広瀬(秀)小委員 減産奨励金はどの程度出されましたか。そうして十アール当たり、一反歩当たりどのくらいの平均についておりますか。
○内藤説明員 本年度の生産調整を実施いたしました結果、奨励補助金の支払い金額といたしましては、現在までのところ千百二十六億三千五百七十五万円でございまして、実施面積でかりに反当計算してみますると三万三千三百三十九円、こういうことに相なります。
○広瀬(秀)小委員 ところで、この十月末で七百三十五万トンというような、これは膨大なものでございますが、大体月平均五十五万トンくらいの配給量だと仮定しますと、もう一年分というようなことにもなるわけであります。こういうことで非常に問題は一そう深刻化するわけでありますが、明年度以降これはやはり生産調整——これは、農業問題についても計画的な生産体制というものを考えていかなければならぬということをわれわれ社会党は前々から指摘してきたところであります。そういう点で実に計画性のないことをやって食管をこういう状態に追い込んできた政府の責任は非常に重大だと思うのですが、そういうようなことを踏まえて、ようやく何かこの需給均衡をはかる七カ年計画というようなものが出たようであります。そういう中での生産調整は、来年度以降ことしと違った形が出てくるようでありますが、その構想について御説明をいただきたいと思います。
○内藤説明員 いま先生のお話でございますが、農林省といたしましては明年度以降の米の生産調整をどういうふうに実施してまいるかというようなことを省内で検討中の段階でございまして、先生が御指摘のような七カ年計画その他の細目について決定したものはございませんが、ただ省内で検討中の点で先生の御指摘に触れる点といたしましては、確かに四十五年度、本年度の生産調整につきましては、異常緊急の事態であるというようなことで、省の長期の展望と申しますか、計画を持たないで実施したというようなことについてはいろいろ問題がございますし、それから水田の余剰というようなものも、将来の米の需要の減退に伴いまして相当発生するという見通しもはっきりしてきておりますので、それらの余剰水田の管理、利用というような点も含めまして、若干計画的な生産調整を明年度以降実施してまいるというような方向で、目下省内で検討中でございます。
○広瀬(秀)小委員 新聞の報ずるところによると、来年からは大体三百万トンの減産ということを目標にして生産調整をはかっていきたいという。それから質的な問題では、いわゆる休廃耕というようなものには生産調整の奨励補助金のようなものはもう出さない、あるいは格差をつける、転作したものだけそういうことし並みのものを出すというようなことなどが報ぜられておるわけですが、その辺のところはどういう検討がなされておりますか。
○内藤説明員 ただいま先生の御指摘の点につきましては、明年度以降の米の若干長期の需給というものを省内で検討しておりまして、それに基づきますと、いま先生の御指摘のように、明年度以降需要は毎年減退する傾向にございます。最近三カ年で各年二十万トンずつ米の全体需要というのは減少してきておるというような状況もございますので、少なくとも二百五十万トン以上、それから安定した生産調整を実施するためには、その二百五十万トン以上のどの程度の生産調整を実施すべきかということについて検討していることは御指摘のとおりでございますが、これにつきましても、本年度の生産調整の実施過程におきましても地方公共団体等で非常にむずかしい仕事でございましたので、その規模等、そういう点も考え合わせながら目下検討中でございます。 また奨励補助金の点でございますが、これにつきましても、休耕、転作の間に奨励補助金の額の差を設けるべきであるというような意見は昨年からございまして、明年度以降本格的に生産調整を実施します場合の実施細目の一つといたしまして、そういう点についても検討中でございます。
○広瀬(秀)小委員 時間がありませんから私の意見は申し述べないで、聞くだけお聞きしたいと思うのですが、来年度以降二百五十万トン以上の生産調整をやりたい、新聞では三百万トンというようなことも出ておるわけでありますが、まだ奨励金の出し方自体について固まったものはないわけですね。
○内藤説明員 さようでございます。
○広瀬(秀)小委員 そこで、農林省で過剰米処理の問題、これについて、最近政務次官の渡辺君が古々米の処理方針というような私案をつくって倉石農林大臣に建言をしているというようなことも新聞等に出ておるわけであります。この十月末の七百三十五万トンを数えるだろうといわれる膨大な過剰米の処理の方針についてお聞きをいたしたいわけですが、それと同時に、米の消費というものは、新聞に出たところによると、七年後に大体千五十万トンくらいだろうというような需要の見通しも立てておられる、こういうことなんですが、その分はおそらく小麦等の輸入、パン食というようなものが考えられているんだと思うのですが、米の消費を拡大する方策というようなものについて農林省としてどういうように考えておるのか。消費の拡大の問題と、それから過剰米の処理の問題、この二つを答えていただきたいと思います。
○内村説明員 お答え申し上げます。 最初に過剰米の処理の問題でございますが、この問題につきましては、食糧庁は、これは非公式の結論でございますが、五月に過剰米処理に関する検討会というものをつくりまして、消費者の代表、生産者の代表、学識経験者、それから栄養学の学者の方々にお集まりいただきまして、過剰米の処理をどうしたらいいだろうかということについていろいろ御検討をいただいたわけでございます。その検討の結果が十月七日に過剰米処理に関する検討の報告ということでまとまりまして、それをこの検討会の会長さんをされました団野さんという農政評論家の方から新聞発表をいたしたわけでございます。 この過剰米処理の方向といたしましては、実はいろいろな方面に米を使えないかということで、この検討会が一々各業界の関係者等を呼びましてこまかく詰めたわけでございますが、大体のところを申し上げますと、まず第一に、やはり主食として米をもう少し消費拡大をはかるべきではないかということ。それから第二に、その他の用途に使うとすればやはり飼料用あるいはその他の加工用あるいは輸出というところで、数字を申し上げますと、大体加工用では年間百七十万トン前後が使えるのではないか。輸出用につきましては、これは買い手もあることでございますのではっきりしたことは申し上げられませんが、われわれの感じといたしましては年間四十万トンくらいは輸出できるのじゃないか。 それ以外に、それではどうして飯用をふやしたらいいか。これにつきまして食糧庁といたしましては、学校給食で何とかもっと米を使うようにしてほしいということで、文部省に申し入れをしておるところでございます。その他の一般の消費宣伝につきましては、食糧庁でも本年度テレビ等を使いまして米食の普及ということをやっておりますが、われわれといたしましては米の消費の拡大についてはそういった方策でやりたい。 その場合、一つ問題になりますのは、この報告書にもございますが、消費者団体のほうから、古米を安い価格で加工用等に処理するならば主食にも少し安く売ったらどうか、こういう御意見が出まして、そのことは過剰米処理委員会の報告の中にも入っております。ところがこの問題、非常にむずかしい問題でございまして、人間の胃袋が一定だといたしますと、古米が入ってくるとそれだけ新米が売れなくなるのではないかという問題がございます。そこで過剰米処理という観点だけから考えてみるとあまり効果がないのではないかというようなことも考えられます。いずれにいたしましても、米の消費がどんどん減ってきますのは、やはり所得の上昇につれてたん白質食料の消費がふえているということで、最近はパン、めん等もやや需要が横ばいというような状況になっておりますので、要するに、もっとよりたん白質の高い食料の消費がふえております。そういうところにどうやって米を押し込んでいくかという問題として、われわれも消費拡大については日夜いろいろ悩んでおるところでございます。
○広瀬(秀)小委員 ところで、この過剰米の処理の一環として備蓄ということを、私どもも前からこれをやったらどうか。特にもみ貯蔵というようなことで、そう品質ががた落ちにならないようなもみ貯蔵というようなことで、年々切りかえていくという形で相当数量、少なくとも五カ月分ぐらいはそういうもので持っておるということになれば、これはもう永遠にといっていいくらい日本には食糧の不安というものが起きないであろう。少なくとも二百五十万トンか三百万トンくらいはという提案も前からいたしておるのでありますが、最近皆さんのほうでも備蓄米というものをようやく認めて、政策課題にしてこれを考えようということが出てきたようだけれども、これはどの程度の数量を考えておられますか。
○内村説明員 もみ貯蔵の問題でございますが、昭和の初めにやはり米が非常に余った時代がございます。そのときにはもみ貯蔵に対して補助金等を出しまして、大いにもみ貯蔵を奨励したという時代がございます。ところが最近はやや状況が変わっておりまして、御承知のとおり低温、準低温という、非常に保管上いい倉庫ができております。もみで貯蔵するということになりますと倉庫の収容力が非常に要る。それに比べて玄米で低温倉庫なりないしは準低温倉庫に入れておきますと、コスト的にも安く保持できる。そこで、大体低温、準低温の倉庫の能力は現在百七十万トンぐらいでございます。これをもっとつくっていくかどうするかということは問題がありますが、いずれにせよ、もみ貯蔵よりも最近のいろいろな技術の発展ということで、そのほうがいいのではないか。ただ、もみ貯蔵についてもいろいろ研究すべき点もございますので、食糧庁としては必ずしも低温倉庫あるいは準低温倉庫一本ということじゃなしに、もみ貯蔵についても研究してみたいと思っておりますが、現在のところは大体準低温あるいは低温倉庫に収容しておるわけでございます。 そこで、ランニングストックがどれくらい要るんだというお話でございますが、われわれといたしましては大体百万トンくらいのランニングストックを持っておれば、あとはどんどん新米が出てまいりますので実質的に配給操作に困ることは全くないというふうに考えております。
○広瀬(秀)小委員 時間がありませんのでこの辺で終わりますが、とにかく過剰米問題というものが今日の農政における最大の問題点になっておるし、常に過剰米の圧迫というものが農民の上にのしかかっているということでは総合農政への大胆なアプローチということも、なかなか圧力の中では展開がむずかしいというような状況にもあるので、やはり過剰米をいち早く処理をして——一日ほっておけば一日ほっておくだけ問題はもう深刻になるし、米そのものももはや使用にたえないような、どんなところに使おうとしてもだめになってくる。しかも捨てるにしてもトン当たり三千何百円もかかるというようなことで、ちっとも得にならない。これは国民経済的にもたいへんな損失にもなる問題でありますから、できるだけ早い時期に、家畜のえさにするならするということで、思い切った低廉な価格で幾らでも買いたい人、希望者に売るという思い切った施策というものをやはりやって、この米過剰の圧迫というものをまず取り去った上で、新しい農業の進むべき道を的確に農民に指し示せるような状態というものをすみやかにつくっていただかないと困るわけである。食管制度の将来の問題というのも最近では、二段米価をつくるとかあるいは買い入れ制限をやっても、これは食管法違反ではないのだというようなことをやっておるけれども、日本の食糧というものが今日まで高度経済成長をささえてきた、食糧が安定しておったということがこれは非常に大きな目に見えない貢献をしてきたというように私どもは評価をするわけですが、これはやはり一種の政策の間違いであったと思うのですね。余っていることがわかりながら、なおかつ去年あたりまでどんどん土地改良、開田に対する補助金なんかを出して誘導してきたというようなことで、一つ一つ打つ手が後手後手、しかもいつまでたってもこの過剰米の処理について何の踏み切りもできないというようなことが事態をより一そう深刻にし、新しい総合農政の展開というようなものも妨げられておるわけであります。しかも農民は、われわれはどうなるんだという、全く希望のないような状態におとしいれられているわけですから、こういうものについて勇断をふるう時期に来ていると思うわけです。この過剰米の処理というようなものについてもそういうようなことをやって、早く米過剰の圧迫を抜くように、これは強く要望しておきたいと思います。 以上で質問を終わります。
○村上小委員長 美濃委員。
○美濃小委員 せっかく企画室おいでになりますから、総合農政のうちで専業の経営構造はどのくらいが目標か。予算委員会の分科会で農林大臣は私の質問に対してある程度の目標を言っておりますが、それがどのように煮詰まってきておるか、ちょっとお伺いいたします。
○内藤説明員 いまの先生の御指摘の点でございますが、農林省のほうで従来調査しておりましたものは、自立経営農家というような概念で農業以外の部門の所得と均衡がはかられるような農家の調査等を実施してまいりましたが、いわゆる専兼別に分けました農家経済調査の組みかえ、集計その他につきましては相当手間を要しますし、特に累年統計というようなことになりますので、現在統計調査部を中心にいたしまして、前回予算委員会等で御質問のございました農家階層による経営構造、それからそれに伴います所得形成といいますか、そういうものの分析調査を明年度の年次報告にかけて現在検討中でございます。
○美濃小委員 それがきまっていなければ確たる問題が出ませんが、私は、現在の経営構造で日本の農業を位置づけしようとする場合は現在の金融制度でもいいと思うのですが、あのときの農林大臣構想というものは、内地において水稲自立経営目標が四ヘクタール、あるいは酪農飼養は搾乳牛二十頭というような表現をされておる。いわゆるいまの専業経営構造の倍以上の経営構造にするということになれば、それに伴う農業金融というものは相当思い切った金融をやらなければ——実際に農業も企業であるから経営拡大するには相当の資金が要るわけであります。その資金について、これは大蔵省にお聞きしますが、どういうふうにしなければならぬという考えを持っておりますか。
○竹内説明員 私から申し上げるまでもなく先生のほうがお詳しいかと思うのでありますけれども、御承知のように、大きく分けまして、農業金融といたしましては農林公庫の資金とそれから農協系統の資金と二つあるわけでございますが、系統資金につきましては農業近代化資金について利子補給しておるというような状況でございます。農林公庫の資金もかなり低利融資をしておりますけれども、ことに近代化資金は相当の低利融資をしております。ことに構造改善あるいは基盤整備というような問題につきましては三分五厘というような非常な低利の公庫資金の貸し出しがなされておるということでございますが、金利の問題もさることながら、やはりどちらかといえば、将来の経営規模拡大をしていくには資金の量の問題のほうがより大きな問題ではないだろうかというふうに思っております。現在の段階では、近代化資金につきましても毎年三千億というようなものを見ておりますし、系統資金そのものにもまだ余裕がない状況ではないと思っております。将来の問題としてはまたいろいろ考えていく問題があるかと存じますが、系統資金につきましては現段階では多少まだ余裕があるように感じております。
○美濃小委員 お話しのように、量と質の問題が出てくるわけなんです。そこでこれからの問題ですが、ちょっと具体的に申し上げておきますが、たとえば、その他の問題もいろいろありますけれども、一例を酪農にたとえて申し上げますと、大体牛一頭、搾乳牛一頭を経営拡大する資金というものは、土地の高い条件のところだと百万かかるわけですね。ある程度北海道のように土地の安いところでも八十万。ですから、全国的に見て八十万ないし百万というものが、草地を買って、粗飼料を買って、畜舎を建てて、牛、搾乳牛一頭ふやすという装備にかかる。安い条件のところで八十万。百万以上ということは、都市近郊の市乳地帯であれば百万以上かかるところがあるが、これは別として、通例の表現としては八十万ないし百万ということがいえるわけです。百万で一応計算いたしますと、現在の総合資金、五年据え置きで五分、二十五年の資金で計算をいたしますと、大体当初の償還金利は年利五%ですから五万円。それからこれは元金償還が五万円ですね。合計十万円ですよ。現在の保証乳価の中で一時所得が十二万ですね。地代、資本利子と家族労働賃金、合わせた一時所得は現在の保証乳価の中で十二万です。十二万の一時所得で十万。十二万というのは、四千キロ一頭から搾乳して、それしか保証乳価で保証してないし、現実にそれくらいにしかならぬわけですから、そのうち十万償還していくということになったら、二十頭飼って四十万ですよ。四十万で生計ができるかというと、できないわけです。そこでこういう問題が前段に申し上げたように、集約労働の現在の経営構造維持の農政と経営拡大農政というものが根本的に違ってこなきゃならぬわけですね。 制度金融という問題、そういう問題に対して他の国の一例をちょっと申し上げますが、いまEEC共同体でもマンスホルト・プランで、経営を倍の拡大の畑作、酪農に対して——果樹園芸農家は、農政は別に全部分かれておりますから、EECでは。その中で西ドイツではどういう金融政策をとっておるか。これは払えないということがはっきりしておるわけですから、経営拡大をやり、西ドイツは金利一分ですよ、元金三%、融資条件は三十三年です。三十三年で四%ずつ払えば元利償還ができるようになっている。そうすると、四%ですから、百万円で四万円ですね。日本の現行の総合資金であれば、十万払わなければならぬ。十二万の一時所得に対して十万を償還していかなければならぬ。西ドイツは四万円払っていけばいいわけです。そのうちの保証乳価でいえば、これは米にも地代というのがありますから、田を増反して四ヘクタールの農家をつくるにも、地代というものは認めているわけだ。あらゆる農産物の政府買い上げ価格、支持価格には地代、資本利子というものは計算されておるわけです。それで計算すると酪農は牛一頭当たり二万円ですね、地代、資本利子というのは……。四千キロ搾乳して一頭から得られる地代、資本利子二万円です。で、それに一%の三%償還して四%であれば、これは資産増加にもなるわけですから、所得の十万の中から二万円払っていくというのだったら、これはちょっと消費生活を切り詰めれば可能ということになるわけですね。 一時所得十二万についてはこれは十万償還する、こういう金融ではもうとてもやれないから、ある程度大型農業を希望しても、あるいは大型資金を導入してやってみても、借りてやった者が倒産のうき目にあっておる。結局合わない。そこでEECあたりの政策はこれはもう農業の保護政策というのじゃなくて、いわゆる経営を拡大して農産物のコストを下げて、そうして需給を確保するということと、安定的に農産物を社会、いわゆる消費に供給するということは、これは全体政策であります。当然の政策として金利一分です。それが日本でやれぬのだったら、一体日本の政治は何たるものかという問題が私は起きてくると思うのですね。他の国で当然の政策として現実に六カ国がやっておる政策が、日本ではそれは行なえないのだ、ああでもない、こうでもないということは、私は言いわけだと思うのですね。それなくして、総合農政で規模拡大だとか自立目標の増大だとかと言ったって、それはもうそれなりに終わっちまって、いままでどうですか。三十六年農業基本法をつくってきて、ああでもない、こうでもないと言ってきておるけれども、いま現在どうなったのだ。構造改善事業もやってみた、あれもやってみたと言うけれども、基本的な対策が抜けておるために結局は兼業農家の増大であった。専業体系の著しい拡大と構造改革というものができていないでしょう。どうですか。そういう点についての考え方を企画室長と大蔵省と両方からひとつ、どういうふうに考えるか。そういうことができるのかできないのか。そんなことをやっておる政策は間違いないのかどうなのか。ひとつここでちょっと考え方を言っておいてもらいたい。
○内藤説明員 手元にちょっと資料を持ってまいりませんでしたので、若干抽象的になって恐縮でございますが、先生御指摘のように、いま酪農、水田ともに、わが国の場合におきましては非常に地価が高いというような点もございまして、いわゆる所有権の移動による規模の拡大というようなことにつきましては、相当の困難が伴っておりますことは御指摘のとおりでございます。 また、資金制度につきまして、現在の条件ですべていいかどうか、まあ西ドイツの例をお引きになりましたけれども、検討を要する点があるのではないかというような点につきましても、一般金利体系の中で農業金融につきましての金利のあり方というような点も含めまして、私どもも十分検討いたさなければならないと思いますが、一つ、規模拡大の点につきましての考え方と申しますか、私ども現在部内で検討しておりますのは、地価につきましては先ほど申し上げたような条件でございますので、一つは、これは主として近郊なり、条件の恵まれた地帯という点はございまするけれども、やはり非常に機械の償却費というようなものが現在農業のコストの中で圧迫要因になっておりますように、また労賃水準の上昇が非常にテンポが早いというようなこともございまして機械化する方向、そうしてその機械の効率をよくするというような経営のあり方、それは必然的に規模の拡大になるわけでございまするけれども、その場合に機械の効率化ということを中心に置きまして、作業規模といいますか、そういうものを、たとえばその一つの手法でございまするけれども、経営の相互請負と申しますか、そういうような形での近郊型といいますか、関東以西というようなところにおきまするそういう規模の拡大の方向というものにつきまして、第二次構造改善事業なり、改良普及事業なりのあり方を反省しながら、そういう面の経営政策というものをもう少し重点を置いて進めてまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。 また、東北のような水田単作地帯につきまして、そういう蔬菜と水稲というような経営の単純化といいますか、作目の単純化と申しますか、そういう効率化ということが困難な地域等におきましては、これは先生も十分御案内のように非常にむずかしいことではございますが、生産法人というようなものをもう少し有効に組織化する手段というようなものを、法制的にも実体的にも指導していく方向を農地局を中心にして検討しておるわけでございます。 北海道におきましては、これまた先生十分御案内のように、道東地区から北にかけまして、相当西欧水準を上回るような酪農経営の創出というようなものにつきまして、草地改良等の成果を中心にいたしまして経営的に発展してまいってきておりますけれども、これとても、非常に所得の上昇に対する誘引が強いという日本の経済全体の水準を考えます場合に、将来ともああいう五十頭規模の酪農というようなことが——それはもちろん第一歩としては私ども非常に成功だと思っておりますけれども、将来ともそれでいいかどうか。しからばそういう場合の酪農の経営のあり方というのはどういうことになるだろうかというような点につきまして、先生御指摘のとおり将来にわたって十分検討してまいらなければならない、こういうふうに考えまして、農林省といたしましては、経営対策を各作物につきまして、各種経営類型の設定と、それの経済条件の変化に伴います対応のしかたといいますか、試算といいますか、そういうものを目下勉強中でございます。
○美濃小委員 時間の関係で、そういう話は農水に入って農水でやればいいのですから、そういう話でなしに、金融の問題、ここは大蔵ですから、明年度の予算で財政と関連がありますから、金融一本にしぼってください。
○竹内説明員 たいへん専門的な御意見を承って、いろいろ教えていただいたわけでございますけれども、金融の問題、外国の制度のお話もございましたけれども、必ずしも金融だけの問題じゃなくて、酪農なら酪農事業に対する補助政策あるいは他の助成政策がどうなっているかというような関連、あるいは平均農家としての現在の所得水準、あるいは自己資金というようなものはどの程度あるかという問題との関連もあろうかと思うのであります。農林省のほうでも、総合農政を進めるにあたって地域分担計画思想というようなものをもって、それに基づいて将来の農業のビジョンを描いていこうというときでありますので、そこら辺は国の他の助成政策あるいは金融の問題、総合的にこれから考えていく必要があろうかと思います。現段階で私どもまだ、具体的に酪農事業に対してどうしたらよろしいかという御返事をここで申し上げるまでに至っておりません。
○美濃小委員 きょう確答を得ようとは思いませんが、私の聞いておるのは、もちろん地域分担とかその経営の機械の効率化とか、それは当然だと思うのです。それはお話があったこと、私は別にそういう構想が悪いとは考えておりません。言うなら賛成です。そういうこともやらなければならぬ。けれども、私のいま聞いておるのは、きょうは財政委員会ですから、やっぱり明年の融資との関連がありますから、そういう政策について、前段で言ったように、既存経営を維持する金融であれば現在の金融制度で大きな矛盾はないと思いますけれども、大型化するという——いや、しないのですか。そこがまだ検討中だというのだから。現在の経営規模で推移する、そういう生産対策やあるいは機械の合理化や、もう一つはそれに伴う価格の支持政策というものあるいは政府の買い上げ制度というものを、現行の構造維持政策をとっていこうというのですか。それであれば私はそうしつこく金融政策を言わなくてもいいのです。検討がまだ煮詰まってなくて、どれだけの規模ということにはならぬでも、かなり大型化をねらうのでしょう。今度の総合農政という中の自立経営規模というものは現行維持ではないのでしょう。なければそれに伴う金融というものは現行の金融ではだめですよ。思い切って拡大して、理論的に実際的に償還でき得るようにむしろバックをしてやらなければ、経営規模拡大に対して政府が力んでも農民はしんからやりませんよ。そういうことをやってくれなければやらぬほうが安全でいいのですから。そこを聞いているのです。どうなんですか。
○内藤説明員 いまの先生の御質問の点につきまして、規模拡大の方向で将来の経営対策を考えるという点については、そういう方向で農林省として考えたいと思っております。 それから、それに伴います融資について、しからば現行の融資体系でいいかどうかという点につきましては、これも先ほど申し上げましたとおり、北海道、それから内地等を通ずる経営の実態を見ますと、特に酪農等につきまして、経営内容と申しますか生活水準というようなことも含めまして、非常に容易な条件でないということは調査の結果はっきりしておりますが、しからば現行の農林金融の融資体系をどういうふうにしたらいいかというふうなことについては、いまここで結論的に申し上げる段階にはございません。
○美濃小委員 矛盾は認めておるわけですね。大蔵省はどうですか、矛盾があるということ。私が指摘したように米にもあるわけです。米は地代五千円ですから、農民はそれで償還していくわけですから、そういうものに対して全然理論が合っていないのです。精神分裂なんですよ。保証しておる価格、その保証しておる価格政策だけではだめですね。私もそう考えておるわけです。価格政策だけで農業の安定をしていくとだんだん農産物は高くなっていくから、経営規模を拡大してコストダウンをやって安定供給するという政策をとるということには異議はないわけです。それを絶対にやるなと言っておるのではない。そういう政策をとるなら、それに伴う実際に合う政策を立てなければ、できない条件の金融でそれを推進するというところに問題がある、こう私は言っておるのでありますから。結論をどうするということは言わぬでも、矛盾をはっきり認めて、それを検討するなら検討するでいいのです、きょうの段階では。 もう一つ聞きたいのは、そういうことを当然の政策としてやっておるわけです。畑作、酪農については、日本の条件と大よそ似ておる西欧諸国がその政策を確立してどんどん進めておるわけです。それは間違いなのかどうなのか。そういう方向でなければならぬとは考えるのか。きょうどれだけのことを、たとえば金利何分にして年限をどうするという答弁は要らないわけです。そこまではきょう答弁してもらえないということもわかっております。まだきまってないのだから、きょうの段階でそういう具体的な答弁は要らぬが、それは矛盾はそのとおりだから、そういう政策の方向で検討しなければならぬとお考えになるか。それともそういう金融制度をとっておるところは間違いなのですか。それで、EECの本部では保護政策なんと言っていないのです。当然の政策としてやっておるわけですから、保護だなどという表現は使っていないのです。EECでは保護政策はないと言うのですよ。農業の保護政策はありません。他の産業にも保護政策はとってない。社会均衡発展のあれをしておるのだ。 いまの金融条件でいけばこういう問題が起きるわけですね。それは当然いまの金融条件で払っておる農家もおるわけです。その農家がどういうことをしておるかといったら、たとえば夫婦二人だったら年間五千時間です。毎日夫婦共かせぎで十時間労働ですよ。酪農になると年間五千時間働いて、もう三十過ぎたらよぼよぼになっちゃうわけだ。極端な重労働ですよ。しわが寄って腰が曲がりかかっている。嫁に来手がないわけで、北海道の中では三十歳過ぎて嫁の来手がないというのが何百人とおるのだ。もう嫁さんがもらえぬからやめようかというのが出てきている。ですからEECでは二千三百時間ですよ。女子労働は男子労働の七〇%換算です。二千三百時間の労働でやり得る体系をいまやっておるわけです。労働時間を二千三百時間でやり得る体系をとっている。だからどうしても金利を一分にしなければ理論計算が合わないわけですね。それは高くすればいいんですね、牛乳でも何でも払える条件といえば。地代、資本利子で五%、二十年償還で払い得る条件の価格政策をとればいいわけです。それには、金を借りていない人もおるし、すでにそういう経営構造になって余裕金を持っておる農家もおるわけです。ですからそんなに高くしてしまったのでは、これは消費価格の問題が出てきますから、どうしてもそういうことがやり得る体系をつくって進めていくわけですね。時間の関係で労働条件の問題や何かはあとにしますけれども、どうですか、そういうことを検討する用意はあるかどうか。検討でいいのです。それは全然検討に値しないというお考えなのか、検討する用意があるかどうか。
○竹内説明員 現在の制度金融でございますけれども、これとても基本的にはやはり農業の規模拡大あるいは所得の増大ということを考えてつくられておる制度でございますので、したがって将来の規模拡大というものがどのようなテンポで進んでいくか、どういうものを目標にしていくかということとも関連して将来の金融問題を考えていかなければいけないのじゃないかと思うのであります。御指摘のようなお話の点も十分考えまして、将来の金融問題を考えてまいりたいというふうに存じております。
○村上小委員長 永末君の質疑に対し、日本道路公団理事高橋末吉君が参考人として出席いたしております。永末委員。
○永末小委員 日本道路公団が昨年の七月十八日、業第一一〇号をもって高速道路通行料金別納規則第二条に規定する別納の取り扱いを受ける対象者を、それまで個人または会社を主体にして扱ってきたのでありますけれども、これに中小企業等協同組合を新たな対象者として取り上げた、こういう通達を出しました。これに関連して私はひとつ関係各省の意見を伺っておきたいと思います。 第一に中小企業庁に伺いたいのでありますが、中小企業等協同組合法第三条第一号にございます事業協同組合、その三号にございます協同組合連合会、この二つは、法律の性格上、質的に異なっているものであるかどうか、御見解を承りたい。
○小斎説明員 先生の御質問でございますが、いまの御指摘の、協同組合及び協同組合連合会は、いずれも三条に規定されております中小企業等協同組合の一種でございまして、基本的には変わりがございません。
○永末小委員 日本道路公団は政府関係機関でございまして、これが料金別納について去年から新しく事業協同組合をつけ加えたことはいいことだと思います。中小企業庁の角度から、事業協同組合は対象者になったけれども協同組合連合会は対象者にならぬということを政府関係機関の一つである道路公団がやっておるとするならば、これは協同組合法の精神に合致している趣旨だと思いますか。
○小斎説明員 先生のいまの御趣旨の、共同事業を行なうという点でとらえますと、これは法律的に、両方を区別する理由はないというふうに存じております。
○永末小委員 中小企業庁も御検討なすったと思いますけれども、この中小企業等協同組合——一括しますと事業協同組合も協同組合連合会も同一の法律的性格、すなわち中小企業等協同組合ですね。この中小企業等協同組合が道路公団との間に料金の別納の契約をやるというのは、共同事業ですね。したがって、この中小企業等協同組合法という法律の精神からいくならば、事業協同組合がなし得ることは協同組合連合会もなし得ると解釈すべきが至当だと私は思いますが、中小企業庁はどう思いますか。
○小斎説明員 先生のお話しの料金のことになりますと、これは建設省、道路公団、運輸省の所管でございまして、私どものあまり申し上げることじゃございませんが、私ども申し上げられますのは法律的に区別する理由がないということでございます。
○永末小委員 それではひとつ今度は運輸省に伺います。 いまの問題に関連してでございますが、運輸省はこれまで、中小企業近代化促進法ができまして以来、具体的に問題をしぼりますが、トラック業者の協同組合結成について行政指導してこられたと思いますが、その間の考え方を承りたいと思います。
○荒尾説明員 運輸省におきましては、貨物自動車運送事業者に対しまして、その事業の健全な育成をはかるために、昭和四十年に中小企業近代化促進法の事業指定を受けるようにいたしまして、事業の近代化対策として協同組合の結成、事業の共同化ないしは協業化、こういうものを積極的に推進してまいっております。
○永末小委員 そうやって全国に事業協同組合が結成されてくる。事業協同組合が結成されてくれば、当然にその連合体である協同組合連合会を結成したいと業者も思い、また運輸省のほうも、協同組合連合会を結成するほうが、運輸行政をやりあるいはまた業者が経営をやっていくために利益がある、こういう判断をされると思うのですが、あなたのほうはこの協同組合連合会結成についてどういう行政指導をされたか、伺いたい。
○荒尾説明員 事業協同組合の結成を推進しておりますが、それと相まって、必要に応じて行なわれます事業者の協同組合の連合会の結成につきましても、同様に推進いたしております。
○永末小委員 この協同組合連合会は、あなたのほうへ認可申請があって、運輸省が認可するんですね。
○荒尾説明員 はい。中小企業近代化促進法の施行令によりまして、全国的な規模のものを除きまして、地方機関の陸運局長が認可いたしております。
○永末小委員 そこで、その連合会が、ある府県単位の連合会でございますけれども、その定款の中に有料道路通行料金チケット共同購入というような項目をうたって認可申請をする。あなたのほうはこれに対して認可しておられるわけです。したがって運輸省とされましては、陸運であろうとどこであろうとこれは運輸省でありますから、協同組合連合会の一つの事業として、その中に有料道路の通行料金についてチケットを共同購入する共同事業をやる、そういうことがうたわれていることは承知の上で認可をされたと私は思うのですが、いかがですか。
○荒尾説明員 認可にあたりましては種々の観点から検討いたしておりますが、いまの点につきましては詳細に承知いたしておりません。
○永末小委員 詳細に承知してもらわぬと話が合わぬので……。それは、いろいろな共同設備をつくるとか共同配車を行なうとか、あるいはまた共同受注を行なう、いろいろな共同事業がございますね。いわゆる事業協同組合的な単位ではなし得ないこと、これはやはり連合会でやらざるを得ない大きな問題だと思うのです。そのうちの一つにいま申し上げましたような、有料道路の通行料金についてひとつ連合会の事業として道路公団と折衝して共同購入をしよう、こういうことは当然考えると思うのです。先ほど申し上げましたように、昨年の八月以降、事業協同組合単位としては対象になっておるわけだけれども、あなたのほうではそういうことを承知して連合会の結成を示唆されたことはございませんか。
○荒尾説明員 お尋ねの趣旨が、そういう定款に入っているように示唆して指導したかという御趣旨に承りますが、特段にはないものと考えております。
○永末小委員 それでは、連合会が自分の連合会の事業としていまのようなことをひとつ自分の定款の中にちゃんとした内容として掲げて道路公団と交渉することは、運輸行政上望ましいと思いますか。
○荒尾説明員 高速自動車国道の料金の別納あるいは割引の制度と関連することと思いますけれども、利用回数の多い同一利用者にその割引制度の恩恵といいますか、それを与えることを割引の制度は趣旨といたしておる、こういうふうに考えておりますので、貨物運送事業の協同組合をその対象とすることにつきましては、関係の省庁とも十分協議いたしまして検討していきたい、こういうふうに考えております。
○永末小委員 中小企業庁に伺いたいのでありますが、いま運輸省のほうから、たとえば料金の割引という問題を考えた場合に、利用回数の多い同一業者ということが出たわけですね。協同組合法というのは、そもそも経営規模が小さいために、一業者がたとえばあることを利用したいにも回数が少ないのだ、だから協同組合をつくって、協同組合一単位として考えるならば利用回数は多くなる、こういう意味での、いわゆる小規模事業者を酷烈なる経済社会で大きな規模の経済単位ともやはり平等で競争し得るような、そういう条件を与えるための法律ですね。いかがですか。
○小斎説明員 お説のとおりでございまして、小規模企業が一社ではそれぞれの活動範囲が小さいものでございますから、これが多数集まりまして共同行為として大きいものに対抗しようというのが協同組合法の趣旨でございます。
○永末小委員 中小企業庁に重ねて伺いますが、現在高速道路の使用について、大きな企業者はその道路使用の回数が多いために割引を受けておるのです。そこで零細な企業者のほうが、自分らが集まってこれが同じような制度の取り扱いを受けようと決意するのは私は当然のことだと思う。それが事業協同組合という形かあるいは協同組合連合会という形かは私は問うところではない。法律上同じことであります。したがって、問題がそこまでいきましたので中小企業庁の見解を伺いたいのだが、いまの問題に関して中小企業庁の立場から、事業協同組合と協同組合連合会とが差別されておる待遇を受けるということは望ましいか望ましくないか、お答え願いたいと思います。
○小斎説明員 先ほど申し上げましたように、所管外のことであまり詳しいことは申し上げるのに不十分でございますが、中小企業庁としては、いまのお話しのように、小規模企業が大企業に差別されるということは極力避けたいというふうに考えております。
○永末小委員 建設省はこの道路公団の監督官庁でございます。いま運輸省と、それから協同組合法を一番守ってもらう官庁でございます中小企業庁にこの点に関する見解を伺いました。さて、監督官庁としての建設省は、あなたの監督している公団が事業協同組合と協同組合連合会との取り扱いを差別しておるのが事実でありますが、この差別しておることについて当然であるとお考えになるか、考えなくてはならぬと考えますか。考えをひとつ伺いたい。
○北川説明員 確かに、いま中小企業庁からもお話がありましたように、連合会と協同組合というものは法的には同じであるということを伺っております。ただ、本来この料金は個人あるいは企業単一のものを対象といたしまして原則的に行なってきたわけでございますが、しかしながら中小企業等協同組合法という法律があって、いわば中小企業の育成ということを考えておられる。その点、大企業との関連におきまして力が弱い、こういったことから考えましても、ある程度中小企業に対してはそれなりの政策があってよかろうということから、去年、たしか八月だと思いますけれども、道路公団は中小企業協同組合に対して特にこれを認めたいということで料金の特典を与えたということでございました。ただ、これは単位組合ということを考えておりまして、これが連合会という形になりますと相当規模が大きくなる、全国的な問題まで及ぶのではなかろうかということがございます。そうしますと、御承知のとおりこの料金制度は別納という一つの特典、別納といいますか、大体後納でございます。少なくとも一カ月後に支払ってもいいようなことになっているということと、それから割引率が額によりまして相当段差がある。最高は二〇%になるという大きな二つの利点がございます。そういう意味で、こういう特別な扱いは極力限定すべきであるということが土台になっております。もちろん道路公団は政府関係機関ではございますけれども、一個の企業体的組織でございます。いわば独立採算を行なわなければならぬ。もちろん税金とそれから預金部資金、それから国民の皆さんのお金から成り立っている道路でございます。そしてそれは借金で、預金部資金から相当部分を借金でまかなう。これは料金という形でお返ししてもらわなければならぬという制度の上に成り立っておるわけでございます。そういう観点から、乗った人にはだれかれ差別なくいただこうということにしておるわけでございます。ただし、いま申しましたように、中小企業等協同組合法の精神にのっとりまして、単位組合についてはそういうように特例をこの際考えたわけでございます。それがますます広がりまして組織団体が大きくなるということになりますと、非常に特典であります別納制度が大きく範囲が広がってしまう。やはり取るべきところから取るということから申しましても、こういう範囲は限定的であるべきであろうと思います。料金の性質から申し上げましても限定的であるべきであろう。そういう観点からいたしまして、一応中小企業協同組合、要するに単位組合にまで範囲を限定したということは目下のところ妥当な考えであろう、こう考えております。
○永末小委員 あなたのいまのお話で、単位組合以外、連合会はだめだ、こうおっしゃった理由の中でいろいろなことを言われましたけれども、二つしかないと思うのです。つまり、全国規模に大きくなったのでは困るということ、それから別納である。これは無関係だと思いますが、大きくなれば二〇%も割引率が上がってくるので困る。困るというのは、もともと料金を取るべきが道路公団の仕事だ、また道路の性質上そうなっている、こういう話ですね。 それなら伺いたいのですが、これはどっちへ伺うのかわからぬけれども、全国規模の会社で二〇%の割引率を実施しているところをあげてください。
○北川説明員 ただいまの点については道路公団からお答えいたします。
○永末小委員 この際、道路公団に質問しておきます。参考人として御出席いただきましたので……。 公団に御質問申し上げたいのは、料金別納の現状、これをひとつ明らかにしていただきたい。特にそのポイントは、割引率の高いもの、それは一体どういうものが対象なのか、この辺を明らかにしていただきたい。それから、現在貨物運送をやっておりますものでこの別納料金の対象になっております事業協同組合をつくっているもの、これは全体の料金の中でどれくらいの分量を占めるのか。この二点の現状をひとつ公団から明らかにしていただきたいと思います。
○高橋参考人 全国的な規模の事業者のようなものにはどういうふうなものがあるかというお尋ねに対しましては、日本通運あるいは西濃運輸のようなトラック事業者がございます。それから、昨年夏から対象として私どものほうの御契約いただいております協同組合は、現在のところ十一になっております。小さいのから、ただいま申し上げましたような大きいのもございますが、全体で四百ばかりいま別納契約を行なっておりますが、組合の数といたしましては十一でございますので、割合は、実施いたしまして日も浅いわけでございますし、まだ少ない。こういうことでございます。
○永末小委員 参考人に伺いますが、全国規模の会社名をあげられたのですが、私があなたの御相談しておられるときに御質問申し上げたのは、割引率の最高を受けているもの、これをひとつお知らせを願いたい。
○高橋参考人 手元にちょっとございませんけれども、ただいま申し上げました十一の協同組合のほうのごく近い実績は持ってございます。七月分でございますけれども、この十一のうち六つが月額二百万円というところを突破してございます。その中で一番利用願っておりますのが、協同組合として静岡県のほうの組合でございますけれども、七月分だけで千八百万円利用いただいております。
○永末小委員 私が知りたいのは、先ほど別納契約をしている組合の数をあげられましたけれども、建設省のほうで、何かこの金額によって別納の範囲が広がるならば公団の経理はまかない切れぬかのごとき話があったので、私が参考人に明らかにしていただきたいのは、別納契約でやっておる金額は全部で幾らなんだ、その中で事業協同組合でやっておる分量はどのくらいなんだ、これを知らしてほしいのです。建設省のほうの見解は、もし連合会に認めるならば公団のこの料金体系が総くずれになって経営困難になるかのごとき印象を与えられた。ぼくはそんなことはないと思う。だからいまの分量を明らかにしてもらわなければ議論にならぬ。つまり、別納契約を四百と言われましたが、金額にして幾らなんだ。それから昨年八月から実施せられておる事業協同組合でやっておる金額は月額幾らなんだ、それをひとつ知らしていただきたい。
○高橋参考人 先ほどの全体の高速道路の利用の中でというお尋ね——あるいは先生のお尋ねにぴったりしないお答えかもしれませんけれども、昨年度は協同組合のほうは八月ごろからで、まだ非常にあれでしたけれども、四十四年度の高速道路の料金収入が四百億ございました。四百三億になっておりますが、その中で割引額としてお返しといいますか、たくさん利用していただくので割引率が設けられておるわけでございますが、この金額が二十八億ございます。七%ぐらいが割引額になってございます。
○永末小委員 私が伺いたいのは、これは月額にいたしますと、料金収入三十三億、割引額が二億三千万円程度ですね。その中で事業協同組合というものは月額幾らくらいなんですか。年額にしますと少ないですからね。昨年八月ですから。計算はありませんか。
○高橋参考人 昨年度の内訳というのはちょっと持ってございませんので、先ほど申し上げましたことしの七月の実績の中で四千二百万の利用をいただいておるわけでございますが、割引額が七月で六百四十万でございます。
○永末小委員 いま明らかになりましたように、全体の公団の収入から見た場合、貨物の事業協同組合が支払っている分も、またしたがって割引額も微々たるものです。建設省の方、あなたはこの数字を見て、あなたが先ほど言うたように、連合会を認めるならばえらいことになって、公団がひっくり返ることになりますか。たいしたことじゃないじゃないですか。
○北川説明員 まさにこれによって公団がひっくり返るというようなことはもちろん申し上げているわけではございません。これはいわば制度的な問題と申しますか、そういうものの一つの考え方でございます。単位組合ということを考えておるわけであります。一企業、もちろん大企業もございますけれども、大企業の中でもいま申し上げた運輸業者、大運輸業者もございますが、同時にそれほどでもない運輸業者もある。いわば組合の力というもの、それから企業等の力、このバランスというような問題、そういうことも考え合わせなければいかぬ。現に静岡等にも県を単位とした協同組合というものもございます。それなども相当の力を持っておるということを聞いております。そういう意味で、道路公団がこれによってつぶれるとかいうことよりも、一つの公団の姿勢という意味で実は申し上げたにとどまっておるわけでございます。
○永末小委員 あなたもひっくり返るとは思っておられぬようですが、問題は、あなたにお考えを願いたい。あなたというより、あなたを通して建設省にお考えを願いたい。というのは、一番当初、だから中小企業庁の見解を聞いたのであって、協同組合法に基づいておる中小企業協同組合とは何であるか。あなたは単位組合と連合会と別ものに取り扱っておられるようだが、それはこの協同組合法においては二つとも同じ事業をし得るものとして考えられておるわけです。したがって、われわれ中小企業者の側に立つならば、そのつくり方が、あなた、はしなくも言われたが、静岡等においては事業協同組合という形でこれが対象者になっているようでありますが、そういう形でいくのなら、それはそういうことをまた零細業者が考えるでしょうね。そうでなくて、いままですでに五年の経過の中で、それぞれ府県では小さな事業協同組合ができてきた。だからそれを連合会の形にまとめ、その連合会の中で、その事業の一つとしていまのような料金別納の対象者になろうとしてつくる。どっちをとるか、私はここに問題点があると思うのです。それをもし、府県単位程度で事業協同組合として大きなものができて、そしてその中でいまの料金別納ということをするなら受けるが、連合会をつくってくるなら受けぬというなら、私は問題だと思うのです。どうですか。
○北川説明員 もちろん府県の連合会もございましょうし、あるいは府県を単位とした協同組合もあると思います。ただその形が、そこまでふくらみ得るものとできないものとあるという意味で、小さいのと大きいのと、それぞれつくり方によって差異は出てくるとは思います。ただ、いま中小企業庁からのお話しのように、法律上の性格としてはあまり差異がないというお話でございますし、永末先生のおっしゃる御趣旨もわかります。ただ、こういった問題といたしまして、どこかに限界があるであろう。その限界をどこに置くかということが問題だろうと思います。したがって、県単位の連合会もございましょうが、しかし国単位の連合会も可能であろうと思います。あり方によっては、つくろうと思えばつくり得る体制だと思います。そういう意味で、これが全般に及んでしまうということになるとやはり若干そこに問題があるのではなかろうか、こう判断して申し上げたわけでございます。
○永末小委員 いまあなたの、県単位ならばだいぶプラスになると考えられるというような話でありますから、それはけっこうだと思います。ただ本質的に、この協同組合法というものは何を一体つくろうとしておるか。これはあなたのほうでも真剣に考えてもらわなくちゃならぬ。そうでないと、一企業の経済能力という問題ではないのであって、これがもし連合会が相手方になったというような場合、それに参加している単位協同組合、その協同組合に参加しているそれぞれの業者がございますが、それをやはり協同組合法が望んでいるような形で統制をとるということ、きちっと団結をとってやっていく新たな仕事が生まれるわけです。一企業でやっている運輸会社とは違うわけです。その辺、あなたのほうもしっかり思い定めて、ただしあなたのほうの省だけでできぬ問題だと思いますから、運輸省とも中小企業庁ともこの問題についてさっそくよく協議をして、そうして協同組合法が目ざしている方向に、一道路公団の料金別納の問題といえども解決すべきが政府の連帯責任だと思います。 そういう大きな立場から、大蔵省のこの関係で、別に大蔵省が直接に関与しておるわけじゃないけれども、全体としては財政制度の中で、問題をシェーマティッシュにいえば、政府が同じくつくっておるのを——国会がつくったんだが、法律でできておる同質の機関を、差別をして扱うというようなことが一体好ましいかどうかという問題です。大蔵省の見解を承っておきたいと思います。
○竹内説明員 この料金割引の制度の問題でございますけれども、私もきのうの夜からようやく勉強したところでありますけれども、どうも感じといたしまして、最初はバスだけやっておった。これは料金の徴収事務が、毎日通るバスに毎回もらうのもめんどうなんで、徴収手続の面から簡素化しようというような考えもあったのかと思います。それから私の記憶しておるところでは、たしか名神にちっともトラックが乗らないではないか、産業道路としての効果を発揮しておらないというような批判があった時代もあったかと思います。そういうことで、なるべくトラックに乗ってもらおうというようなことでトラックにそれが及んでおる。やってみるとなかなか効果があるので、それじゃ全車両に及ぼして割引率を適用しようかというようなことで、だんだんに制度が発展してきたというようなものかと思うのであります。 私どもの立場としては、やはり道路公団の収入があがりますれば、結局それだけ財源的に楽になるわけでありますから、そういう意味ではなるべく道路に車が乗っかってもらって、たくさん料金が入るということが一番望ましいと思うのであります。ところで、現行の割引率が非常に多ければいくら乗ってもかえって収入が減るという問題もございますし、それから、一体特定のものだけが割引を受けてほかのものが割引を受けないということになると、やはり道路公団の持っておる道路は一つの公器でありますから、そこら辺は一体どの程度まで割引の適用を受けるものの範囲を拡大していったらいいかという問題もあろうかと思います。そういう意味では、たしか昭和三十八年くらいから始まった制度であると思いますけれども、だんだん道路の利用率も高くなっておりますし、そういうことも考えまして、私どもとしてはやはり、割引の適用を受ける対象の範囲をどの程度まで広げていったらいいだろうかというような問題、それから現在の割引率が、これはおしかりを受けるかもしれませんけれども、いまのままでいいんだろうか。最高二割引きで、しかもあと払いであるというような制度はかなり優遇ではないか。そこら辺の問題もあわせて、だんだんこういった道路事情の発展に応じてこの制度をどうしたらいいんだということを、もう少し広くいろんな角度から考えてみる必要があるんじゃないかというふうに思っております。
○永末小委員 これで終わりますが、いま大蔵省から言われたように、私はきょうは道路の料金そのものは問題にしておりません。それも問題ですね。すでに何年かの実績が出ておるわけですから、大体ねらえる状態になっている。それからもう一つの問題は、なるほどそこにおける道路の使用料金や割引率の問題ですが、あなたが言われたように、最初名神なんかトラックは走っていなかったですよ。どこを走っていたかというと、金がかからない道路を走っている。これは交通事情にきわめて大きな悪影響を及ぼす事件ですね。その見合いで、単に財政上の見地のみならず、日本の道路事情というものを考えながら、道路公団が管理しておる道路の使用というものもこれを考えなきゃならぬ、そういう問題だろうと思う。 ただ、その中できょうの問題は、昨年の八月以来実施されている事業協同組合と、協同組合連合会を差別している問題を取り上げたわけですが、そこで最後にひとつお約束をしていただきたいのだけれども、この問題、いまのような問題ですから、一ぺん再検討をするという気がまえでこの問題に臨むということを、ひとつまず建設省さん、あなた約束してください。
○北川説明員 ただいまの問題につきましては、いま大蔵省からもお話がありましたように、料金制度全般の観点からもあわせ検討してはどうか、こう思います。
○永末小委員 やらないつもりだったけれども、あなたそんなことを言っちゃだめだよ。料金制度にも問題があるということは私も言っております。しかし、料金制度全般とにらみ合わせながら検討すると言われたら、料金制度が変わらぬうちはいまの方針を貫くということになってくる。そんなことは承知できないですよ。舞台をあらためて大臣に来てもらって、とことん、通産大臣とそれから建設大臣とが一体中小企業等協同組合をどう見ておるかという本質の問題——われわれがそういうことを言っちゃおかしいけれども、この法律ができたときからの因縁があるので、協同組合法に基づく協同組合を無視したようなことを言われては私どもは黙っておるわけにはいかぬ。したがって、そんな妙な答弁ではなくて、この問題は、いまの料金問題もありますよ、ありますけれども、主たる問題は協同組合法に基づいてつくられている中小企業等協同組合というもの、その中の一つが事業協同組合であり、一つが協同組合連合会なんです。それをあなたのほうは、差別して公団がやっていることを監督官庁として認めている。これはいかぬ。というのは、こっちは法律問題をやっているのです。あなたはお金の問題を言っているが、お金の問題は別の問題です。別に考えてよろしい。法律問題を譲らぬというならやめるわけにはいきませんよ。だから、再検討をするというなら従いますが……。再検討を待ちますけれども、もう一ぺん御答弁を願います。
○北川説明員 再検討いたします。
○永末小委員 けっこうです。 ついでに中小企業庁も運輸省も……。いまのような問題なんだが、運輸省はそれをやはり認可しておられるわけですから、あなたは研究されて——協同組合連合会の定款の中にいまのような料金の問題、別納料金の問題がぼくはあると思うんですよ。それを認可されておったら、あなたのほうもそれを認可した責任上、やはり協議して、いまの筋が通るように御努力を願いたい。二つお答え願いたい。中小企業庁と運輸省。
○荒尾説明員 永末先生からいろいろ御指摘がございましたので、その御指摘の趣旨を十分踏まえまして、関係の省庁と寄り寄り協議いたしまして検討していきたい、こういうふうに考えます。
○小斎説明員 中小企業庁は中小企業の立場から御協力を申し上げます。
○村上小委員長 小林委員。
○小林(政)小委員 児童手当の実施の問題について、財政的な観点から二、三お伺いをいたしたいと思います。 わが国の社会保障給付費は、西欧諸国の資本主義国に比べてもきわめてその水準が低いということがいわれております。たとえば社会保障給付費のGNPに占めます比率は、イギリスやフランスや西ドイツなどがもうすでに一九五〇年代に一〇%台に達しているというふうにいわれているにもかかわらず、わが国の場合には、一九六六年の統計資料を見ましても五・八%と、その水準の低さは極端に目立っているわけでございます。私は、その主要な原因の一つは、社会保障の大きな側面であります所得保障というものが、たとえば児童手当をまだいままで実施をしていなかった、あるいはまた年金給付というものが極端に低い、こういったような劣悪な状態によるものだというふうに考えております。特にこの社会保障の充実等について、財政計画の中でやはり今後保障していくということがきわめて緊急な課題ではないだろうか、このように考えますけれども、まず最初に、この現状の社会保障に対する認識の問題、それと同時に、社会保障の財政的な保障の問題等について具体的な見解をお伺いいたしたいと思います。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。 わが国の社会保障につきましては、ただいま御指摘がありましたように、西欧の先進諸国に比べまして立ちおくれておるわけでございます。これはわが国のスタートがおそかったということで、それが主として原因しておる。戦後たいへん急速に制度を整備いたしまして、内容的にも急速な充実を見ておるという現状であろうと思います。財政計画といたしましても、この社会保障の充実ということにつきましては、経済社会発展計画、それからあとはこれを受けまして、毎年度の予算編成方針の中で特に重点的に取り扱っておるわけでございます。
○小林(政)小委員 社会保障の水準がきわめて低い、しかし現状ではその充実ということが相当されてきておるのだというようなことでございますけれども、私は、わが国の社会保障というのはどちらかというと相互扶助的なそういう制度、あるいはまた公的扶助というようなことでは一応のそういうものが感じられますけれども、社会保障制度として考えましたときに、まだまだ西欧の先進諸国に比べてすらやはり相当低い水準にあるのではないかということを痛感いたしております。 今回、九月の十六日に児童手当審議会の中間答申が出されたわけでございます。この内容等については、私は具体的に実施局である厚生省からは、きょうは審議ではございませんので、その内容の具体的な問題については省きたいと思いますけれども、この内容自体きわめて不十分なものであって、たとえば対象児童の範囲の問題だとかあるいは年齢制限の問題だとか、あるいはまた家族構成その他から考えまして妥当な内容であるかどうか、いろいろな問題点が含まれておりますし、非常に不十分な内容であるということが、これは審議会自身も中間答申の中で文書によって認められておるところでもございます。私ども、このような不十分な内容ということは別にいたしましても、この問題についていま厚生省が、四十六年度からこれを実施するという方向で、必要な法案だとか財源の検討等も進めているというふうにお聞きをいたしておりますが、特に財政問題を伴う問題でもございますので、財政当局として財源措置あるいはまた財政規模その他についての立場から、四十六年度実施の問題についての具体的な見解をまずお伺いをいたしたいと思います。
○佐藤説明員 御指摘のように、この児童手当審議会が厚生大臣に対しまして答申をいたしましたのが九月十六日でございます。この内容につきまして検討してみますと、長い間にわたりましての懸案でございまして、それだけに非常に意見が分かれている。その分かれている意見をなるべく一致させたい、こういう御努力がございまして、その結果は全会一致の答申でございますが、その反面に、内容的には合意の達し得るところを合意した、こういうことになっておりまして、幾多の問題が、今後政府側で実施する場合に検討しろということで残されておるわけでございます。厚生省は責任当局といたしまして、その残された問題を含めまして早急に検討して、四十六年度中に予算措置が講ぜられるような順序でぜひ始めたい、こういうことで努力中である、こういうふうに聞いております。私どもといたしましては、厚生省の検討をまちまして、これについて相談をしていきたい、こういうふうに思っております。
○小林(政)小委員 いま述べられた経過については私どもも了承いたしております。したがって、厚生省が具体的な案を検討し、あるいはまたそれを提出された段階で検討したいということでございますけれども、私どもは、厚生省が四十六年度から実施したい、予算化したいということについて、いまの御意見を聞いておりますと、厚生省から具体的な案が出てきた段階で、大蔵省としての財源措置等も含めて四十六年に実施ということと受け取ってよろしゅうございますか。
○佐藤説明員 まだ厚生省から要求も出ていない状況でございまして、その要求を見ませんとこちらも何とも言えない、こういうことでございます。
○小林(政)小委員 要求の内容を見なければ云々ということでございますけれども、この問題についてはきのうきょう始まった問題ではなくて、これはもう御承知のとおり、そもそも国会で取り上げられてから十年も経過をしているわけですし、特にこの問題については首相がはっきりと施政方針演説の中でも毎年のようにこれを実施するということを公約をいたしている問題でもございます。これがいろいろと問題があるというようなことで一年延ばしに延ばされてきたわけでございますけれども、むしろ私はおそきに失しているこの問題等については、わが国の社会保障の劣悪な状態等から考えましても、万難を排して四十六年度実施することが前提であろうかというふうに考えます。もちろん厚生省から具体的な案が出てまいりますので、その内容を検討することは当然でございますけれども、問題は何といっても財政保障の問題ということが非常に大きなウエートを占めるというふうに考えますけれども、その点についてはっきりとしたお考えを——これは中身としては前からもずっと引き継がれている内容の問題でもございますので、それらの点についてはっきりとした御答弁をいただきたいと思います。
○佐藤説明員 大蔵省といたしましてはまだ公式には、先ほど御説明いたしましたように厚生省から要求が出てきていない段階でございますので、いまここで明確なことはお答えできないのでございます。ただ私どもの気持ちといたしましては、御指摘のように長い間の懸案でございますし、せっかくの答申も出た、難産の末、苦しみのあと出たというようなことでございますので、できるだけこれを前向きに考えていきたい、こういう気持ちを持っております。ただ問題が非常に他の諸制度にもかかわるというような複雑な問題でございまして、それがために今日まで長い間叫ばれていながら時間がかかってきたという問題でございまして、その状況は現在においても変わっておりません。したがいまして、その間に解決しておかなければならない問題が多々あるということもまた事実でございます。
○小林(政)小委員 勤労者の家族が普通の生活を続けていくために、安心して子供を養育をすることができる家族手当を、私どもは前から大臣に対してもこれを実施してほしいということを申し入れもいたしてございますけれども、しかし今回私どもどうしてもそのことの実施を、家族手当制度の一部ではございますけれども、この際児童手当制度を実施していく必要があるというふうに考えております。特に厚生省の調査資料等によりましても、義務教育終了前の子供二人を持っております四人家族の場合には、家計支出の約三〇%近くが子供の養育費にかかるという、こういう統計の資料等も出ておりますし、その上お年寄りをかかえたり、あるいはまた身体障害者をかかえている家庭の負担というものは、これはもう非常に大きな負担になってきておりますので、ぜひともこの際これを実施をしたいというふうに私ども強く要望をいたしております。従来、児童手当創設について大蔵省当局は、ただいまも諸制度との関係もあるというようなことで、その他の理由も述べられまして、非常に態度としては消極的であったというふうに私ども新聞報道などによっても周知いたしておりますけれども、その消極的な態度をとられたということが事実なのかどうなのか。あるいはまた消極的な態度をおとりになったとすれば、そのおもな理由というのはどんなものであったのか。その点についてお伺いをいたしたいと思います。
○佐藤説明員 私どもは財政のそろばん勘定をやらしてもらっておりますので、何といっても金がたくさん出ることは頭が痛くなるわけでございます。この児童手当も非常に大きなプロジェクトでございますので、一たん始めますと途中で回れ右をすることはできないということでございますから、先々のところまでよく見通しておかなければ安心できないんじゃないだろうか、こういうことでございます。したがいまして、厚生省と比べますと、厚生省がまず言い出して大蔵省があとからついていく、こういう関係になろうかと思います。
○小林(政)小委員 財政当局でございますから、お金の問題について一番先にお考えになるということもわからないわけではございませんけれども、わが国の社会保障制度というものが先進諸国の資本主義の国に比べてもきわめて低いという、こういう条件の中でそれを底上げをしていくということは緊急の課題だと私は先ほど意見を申し上げましたけれども、そういう立場からこの問題は取り扱っていかなければ、先ほど来お話しのように金が出るからということでまた延ばされるということになってはたいへんな問題だというふうに考えます。いろいろといままで私どもが伺っておりました理由の中にも、ただいまの財政の問題等もございますし、あるいはまたいろいろの諸制度との関係とか、あるいはその他、新聞の報道等によれば、児童手当よりも老人だとか住宅の問題が先じゃないかとか、いろいろな理由が述べられておりますけれども、私はこれらの理由については具体的に何ら理由らしい理由にはなっていないんじゃないか、こういうふうに考えます。 たとえば税制との関係一つを取り上げてみましても、いわゆる扶養控除との関係だということがいわれておりますけれども、この扶養控除の関係等も、所得税を払っていないほどの所得の人ですね、この人たちにとってはこれは何らの恩典もないわけでございますし、あるいはまた、いま所得税が、課税最低限が約百万になりましたけれども、この百万の所得の人というものを例にとって百万台を見てみましても、児童一人分の減税額は結局、扶養控除で見ますと一月当たり千二十九円、これは子供一人の場合です。したがって、子供たちが三人おります場合にはこれは逆に一人九百五十二円になっていく。これでもって十分ないまの児童の養育費というようなものがこれによって充てられているなどということはとうてい考えられませんし、またこの扶養控除の制度は、一千万円の所得の人を比べますと、この場合には扶養控除、子供一人について四千七百九十一円になります。したがって、むしろ所得の低いほど子供に対する扶養控除額が逆に減額をしていくというような結果になるので、いままで大蔵省当局あるいはその他からいわれておりました税制との関係、扶養控除との関係というものは、私は実際には理由にならないんじゃないだろうか、このように考えますし、あるいはまた一般の被用者の場合の家族給との関係等も調べてみますと、非常に給与の中に占める比率というものが年々低下をいたしておりまして、昭和二十五年当時、賃金総額の中で占める家族給の割合は一四・一%でございましたけれども、これも昭和四十二年ではわずか一・八と大きく低下をしてきているというのが現状でございます。このような中で家族の十分な生活の保障あるいは子供の養育というようなものができないことは、額の面から見ても明らかでございますし、また賃金の中に占める比率というものが年々少なくなってきていることから見ても、この点についても、大きな弊害になるとか、諸制度との関係で問題になるというような、そういう額ではないというふうに考えます。 以上の点等から考えても、私は、児童手当の実施の必要性というものがますます強まっておりこそすれ、これが理由になって、諸制度との関係ということでむずかしい問題になっているということは理解できませんが、これらの点についてお伺いをいたしたいと思います。
○佐藤説明員 税制の問題、それから給与構造につきまして詳細な御指摘がございました。たいへん参考になったわけでございます。 税制の問題、現在の児童手当との調整すべき問題、そうたいした問題はないじゃないか、こういう御指摘でございます。どの程度の問題であるか、必ずしもはっきりいたしませんが、しかしこれを全然避けて通るということもまたできないのではないだろうか。やはり現状のまま併存するのか、あるいは若干の変改を加えるのか、その点について十分な検討が必要であるという状態でございます。 それから給与制度につきましてもいろいろな意見がございます。あの案にございますように、事業主として三番目の子供につきまして家族手当を払っていく。給与で払っている上にさらにその第三番目の子供について、事業主として保険料といいますか、負担金を負担させられる、二重負担ではないのか、何らかの調整をしてほしい、こういうふうな意見もございます。それについて、するかしないか。するとすればどの程度であるかというような問題がございます。したがいまして、これらは、結論はどうであれ、当然詰めなければならぬ問題であろうかと思っております。
○小林(政)小委員 私は、いままで何回も審議会やそれぞれの段階からこの児童手当の早期実現の要請というものがされたにもかかわらず実施に移されなかった一番大きな理由は、いわゆるこの財源の負担を企業側が拒否してきた、これがやはり大きな一つの実施に移せなかった理由ではないかというふうに思いますが、この問題について、今回の児童手当を創設するについて、財政当局として具体的にどのような基本的な考え方を持っていらっしゃるのか。この点についてまずお伺いをいたしたいと思います。
○佐藤説明員 児童手当審議会の答申を拝見いたしますと、時間がかかりますので繰り返しませんが、御承知のように被用者と被用者以外というふうに分けまして費用負担を定めております。これにつきまして、自営業主のある一定部分所得のある方について自己負担をしろ、こういう案になっておることにつきましていろいろ意見があるということも聞いております。私ども財政当局といたしましては、この児童手当はいずれにしても何らかの形で拠出制でなければ、このプロジェクトの大きさから見まして税負担のみではたえがたいものじゃなかろうか、こういうふうに思っております。その意味で、児童手当審議会がそういう負担制度を打ち出したということについては、基本的には同感しておるわけでございます。
○小林(政)小委員 今回の審議会の中間答申にも、ただいま御答弁にございましたとおり、企業と国の負担でやるということが被用者分について明記されておりますが、私どもはむしろ被用者分については全額企業負担ということで実施すべきだということをいままでも主張をいたしてまいりました。特に私は、財政当局として、この高度経済成長、いわゆる世界の中でも非常に速度の早い高度成長を遂げてまいりました日本の経済、しかもこの長期繁栄をささえてきた労働生産性が、実際にはその速度に賃金の上昇というものが追いついていけないくらい非常に早い速度で経済の成長が伸びてきた、この問題についてのバランスを是正するということが何といっても一番重要な問題だということを指摘すると同時に、特に生産点である企業に蓄積された所得の利益分についての再分配といいますか、これをどうしてもやはりやっていかなければならないのではないかというふうに考えますけれども、これらの財政的な立場からの企業負担についてもう一度お伺いをいたしたいと思います。
○佐藤説明員 児童手当の企業負担につきまして、どういうものの考え方で負担をするのかということにつきましては、いろいろむずかしい考え方もあろうかと思います。私どもといたしましては、必ずしもその考え方について十分専門的に考えているわけではございません。ただ、この制度をやります場合に、やはり国庫負担のみならず、企業負担がなければこの児童手当のような制度は他の社会保険と同様なかなか実施できないであろう、こういうふうに考えております。
○小林(政)小委員 この児童手当あるいは家族手当の問題等については、もうすでに六十二カ国が世界の中でも実施をしておりますけれども、このうち、厚生省の資料等を見ますと、四十カ国が被用者分のほとんど全額を事業主負担で実施をしているという数字が報告をされております。ましてGNPに占める負担率というものを見ましても、すでに実施をしております西ドイツの場合には〇・五%、イギリスの場合には〇・九%、フランスの場合では四・一%と、ヨーロッパ大陸の諸国でも大体がGNPの二%から三%というふうなものが児童手当の給付費として使われておりますけれども、GNP世界第二位といわれておりますわが国が事業主と国の負担で児童手当を実施するということは、私は全く当然のことだというふうに考えます。何かいまの御答弁では、まだ負担金等についても全然検討されていない、厚生省の案を待ってというような態度が見られるわけですけれども、この問題について、私はむしろ財政当局のほうではっきりとした見解を持たれるべきではないだろうかというふうに思いますので、もう一度この点についてお伺いをいたしたいと思います。
○佐藤説明員 この児童手当制度の経費負担の問題が一番こじれまして、そのために答申案そのものもなかなかできなかったということは先ほど御指摘のあったとおりでございます。一応その児童手当審議会の答申といたしましては、事業主負担と国庫負担ということで被用者についてはやっていこうという答申になっております。この答申に対しまして、審議会におきましては一致した答申ということであったのだろうと思いますが、これが具体的に政府案としてまとまるというまでに、関係者の間、関係各界の間でスムーズに合意が得られるかどうかということにつきましては、私どもも確たる見通しを持ってないわけでございます。いずれにいたしましても、お金の負担の問題でございますので、負担するほうの御納得を得ませんとうまくいかないということがあろうかと思います。
○小林(政)小委員 企業主との了解が、この企業負担の場合には確たる確信をまだお持ちになっていらっしゃらないということでございますけれども、またおっしゃられたとおり、企業の場合にはどんな場合にも自分の利潤を少なくするというようなことに対して、みずからそれを積極的に進んで望むというようなことはきわめて困難だというふうに私も考えております。もしそうだとすれば、児童手当の問題についてはまたまたいままでと同じような暗礁に乗り上げて、実際には四十六年度も実施をすることができないというような事態が起こること、これはもう防がなければならないというふうに思います。私は、やはりこのような場合には当然政府が企業主に対して、はっきりとした法的な規制をつくってでもこの制度については実施する。話し合いがつかなければいつまでもずるずると引き延ばしていくのだという態度ではなくて、やはり法的な規制を設けてでも実施に移していくという強い、かたい決心がなければ実施に踏み切ることは困難であろうというふうに思われますけれども、その点について見解をお伺いいたしたいと思います。
○佐藤説明員 この児童手当の問題につきましては、従来から国会におきまして総理大臣から非常に意欲的な答弁が何度もございました。おそらくその方向は現在も変わっていないのではないだろうか、こういうふうに私は御推察しておるわけでございます。したがいまして、そういう方向のもとに努力をしていきたいと思います。
○小林(政)小委員 現在、この児童手当については国が実施をすることが当然でございますけれども、その実施がおくれたということで、地域の地方自治体等では、この問題について相当数の自治体がすでに実施をいたしているわけでございます。今回、国会あるいは政府がこの児童手当制度を創設する場合には、自治体負担というような問題等について財政当局として一体どのように考えているのか。本来の社会保障制度という立場から考えれば、当然これは国の事務であるというふうに考えられますけれども、この点について御見解を伺いたいと思います。
○佐藤説明員 児童手当審議会の答申を見ますと、御案内のように、自営業主につきましては、被用者以外の者につきましては公費負担ということをいっております。その説明といたしましては、公費負担というのは国もしくは地方公共団体の負担の意味である、こういうふうにいわれております。現状を見ますと、各地方公共団体におきまして児童手当制度を、名称はいろいろあるようでございますが、単独で実施しているところがいろいろございます。御指摘のとおりでございます。しかもこれが、おそらく来年度の統一地方選挙を終わりますとまたふえるのではなかろうか、こういう想像もできるわけでございます。すでに相当の広がりを見せて熟してきた制度ということになりますと、これは非常に強い制度でございまして、それを国が統一的な見地で肩がわりしていくということは非常に時宜に適しているのじゃなかろうか。児童手当の創設につきましてもいろいろ意見がございまして、その中の一つとしては、もう少し地方公共団体に広まってから国が受け継いだらどうか、それまで待ったらどうか、こういうふうな意見すらあったわけでございます。地方でそういうふうに行なわれているものを国で引き継ぐといいましたときに、せっかくいままで地方でやっておられたことを、今度は国と一緒になってやっていくということは非常に実際に適したやり方ではなかろうかと思うのです。その意味で、これは地方が手をつけたら全部地方でなければならない、あるいは国が手をつけたら全部国でなければならないということでなくて、両者車の両輪で手を携えていくべきじゃなかろうか、こういうふうに思っております。
○小林(政)小委員 私が申し上げたのは、特に公費負担のこの財源の問題等については、いま国が実施をしていないために、地方自治体が相当苦しい財源措置をいろいろとくめんをしながら、住民のもう待っていられないという立場から、やむを得ずこれを次々と各自治体が実施をしてきたということが経過措置だろうというふうに思います。したがって、希望してやっているという見方もありますでしょうけれども、私どもは、むしろ当然国がやるべき措置がいまだにやられていない、しかし児童に対するりっぱな教育、養育というようなものについては放置できないというところから、非常にその内容等はさまざまでございますけれども、しかしこの制度を地方公共団体が取り入れて、そして年々これが広がってきたということがいえると思いますし、公的負担という点について、地方自治体に財源負担を持たせるということではなく、実施の方法についてはさまざまあると思いますけれども、しかし社会保障の立場というものを貫いて、この経費負担というものは、公的負担は国の負担ということが当然であろうというふうに私は考えますが、この点についてもう一点お伺いをして私の質問を終わりたいと思います。
○佐藤説明員 国で負担すべきであるという御意見でございます。確かに各方面の意見の中でそういう意見も非常に有力にございます。ただ、答申でも公費と、こういうふうにいっております。私どももそれと同じような方向で検討していきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
○小林(政)小委員 私はいまの問題について強く要望をいたしたいと思いますけれども、公費負担の分については、ぜひこれは国費でもって実施をしていくべきだということを強く申し上げたいと思います。たとえば、今回国の実施をしようとする児童手当の制度のこの内容等につきましても、まだはっきりときまったものではないにしても、非常に不十分なものでございまして、事実地方自治体等においてはまだまだ、老人の問題あるいはまた身体障害者の問題等についてもいろいろと解決しなければならないという、こういう問題等で、すでに東京都などにおいても実施をいたしているわけです。国が今回やろうとするこの児童手当制度は、ただ児童一人、義務教育終了前の第三子三千円ということであって、身体障害者その他の問題等についても何らこれでは触れられていない、きわめて不完全、不十分なものであると私どもいわざるを得ないと思います。ぜひそういう点で、当然これは国の費用によって社会保障の筋を通して実施をしていくということと、また四十六年度に法的な規制措置を講じてでも、必ずこれを早期に実現するということを強く要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。
○村上小委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後二時四十分散会