大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第2号
- 発言数
- 61 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1970/06/11
会議録
○藤井小委員長 これより会議を開きます。 金融及び証券に関する件について調査を進めます。 まず、歩積み・両建てについて政府より説明を求めます。近藤銀行局長。
○近藤説明員 歩積み・両建て預金の問題につきまして、その経緯と現状の概略を初めに申し上げます。 大蔵省はかねてから過当な歩積み・両建て預金を自粛整理するように金融機関を指導し、また金融機関におきましてもこれにこたえてその自粛申し合わせを行なってきたのでございますが、御承知のようにその是正はなかなか行なわれない実情でございました。 昭和三十八年になりまして、衆議院大蔵委員会を中心といたしまして歩積み・両建て預金問題が大きく取り上げられたわけでございますが、種々の議論を経た後、昭和三十九年六月二十五日に同委員会におかれまして「大蔵省は新たなる指導基準を金融機関に示達し、一年間を目途として不当な歩積・両建が完全に解消するよう行政指導を強化する」こと等につきまして決議されたのでございます。 この決議を受けまして、同日付で大蔵省は各金融団体あてに、歩積み・両建て預金整理指導方針並びに自粛基準を示しました。これがいわゆる第一ラウンドの措置と呼ばれるものでございます。すなわち、この自粛基準におきましては、第一に、自粛整理されるべき過当な歩積み・両建て預金の範囲を明確にする基準を示しました。第二に、この自粛対象預金を、銀行は昭和四十年五月末までの一年間に、相互銀行及び信用金庫は昭和四十一年五月末までの二年間に、それぞれゼロにすることを目途として整理すべき旨を指示いたしております。第三に、全金融機関から各営業店ごとに毎年五月末及び十一月末現在で歩積み・両建て預金等に関する報告を徴求することを指示いたしております。これは今日まで継続して行なわれているところでございます。 各金融団体はこの銀行局長通達に従ってそれぞれ自粛措置を申し合わせ、実行したのでありますが、金融機関から毎年五月、十一月現在で徴しております報告によりますれば、各金融機関とも所定の期間にその整理を完了いたしたこととされております。 なお、大蔵省は歩積み・両建て預金の自粛整理を一そう促進するため、昭和四十年十月に歩積み両建て預金苦情相談所を設け、各財務局、財務部所在地の商工会議所におきまして週一回これを開設いたしております。昭和四十一年五月からはこの相談所を全国約百二十カ所に拡張いたしました。 第一ラウンドの措置は一応所期の成果をあげたのでありますが、昭和四十一年十月三十一日に至りまして、大蔵省は各金融団体に対し、貸し出し金に対する拘束性預金の比率の引き下げ、拘束性預金に対応する貸し出し金の金利の引き下げを内容とする自粛措置の強化を指示いたしました。これがいわゆる第二ラウンドの措置であります。各金融団体はこの通達に従ってそれぞれ自粛措置の強化を申し合わせております。 この規制措置は、銀行については昭和四十三年十一月、相互銀行については昭和四十四年十一月、信用金庫については昭和四十五年十一月がそれぞれ目標期限になっておりますが、各金融機関からの報告では、銀行、相互銀行においては所定の期限内に目標を達成しております。また信用金庫についてもおおむね予定どおりに自粛措置が進められております。 このように、第一、第二ラウンドの措置の目標が達成され、歩積み・両建て預金の自粛整理が次第に進められてきましたものの、なお拘束性預金に関する世の非難にはきびしいものがあり、その自粛整理の一そうの徹底が必要と認められるに至りましたので、昨年九月、金利表示の年利建て移行を機会に、大蔵省はあらためて各金融団体に対し、拘束性預金比率の一そうの引き下げ、拘束性預金に対応する貸し出し金の金利の一そうの引き下げ、債務者に対してその預金の拘束の有無の通知の励行等を内容とする自粛措置の徹底についての通達を発したのであります。 歩積み・両建て預金の自粛整理につきましては以上のほか、銀行検査におきまして常時、検査の重点項目の一つとして取り上げてきております。 次に現状でございますが、以上の結果、歩積み・両建て預金の自粛整理につきましては、昭和三十八年当時から見れば全般的にはかなりの改善が行なわれたのであります。すなわち、第一に、自粛対象預金のみならず、広く拘束性預金一般につきまして一定基準に従いその対応する貸し出し金の金利が引き下げられております。第二に、拘束性預金の貸し出し金に対する割合、いわゆる拘束性預金比率はかなり大幅に低下いたしました。都銀につきまして申し上げますと、昭和三十九年五月末で一二・二%でありましたものが、昨年十一月末には四・八%にまで下がっております。他の金融機関につきましてもほぼ同様であります。 また公正取引委員会におかれましても、独自の立場から毎年二回中小企業者を対象に拘束預金の実態についてアンケート調査を行なっておられますが、その調査結果も大勢としては大蔵省調査とほぼ同様の傾向を示しております。その調査結果を都銀について見ますと、拘束性預金比率が三十九年三月末で三二・一%であったものが、四十四年十一月末では八・一%と、かなりの低下を見ております。他の金融機関もほぼ同様であります。 次に、今後の方針でございますが、このように歩積み・両建て預金の整理のための措置につきましては一応その形は整ったのでございますが、事柄の性質上その根はなかなかに深いものがございます。したがって、今後はその整えられた規制の方式をより実効あらしめるために、実施面において一段のくふうと努力を重ねてまいりたいと存じております。 その具体的な手段といたしましては、第一に、金融機関検査の際に重点項目として検査、指導することであります。第二に、公正取引委員会と密接な連絡をはかりつつ実効ある指導を進めることでございます。第三に、歩積み・両建てが行なわれる根本的な原因の一つとして、預金獲得の際の過当競争があると考えられます。金融機関の経営態度がいたずらに表面的な預金残高の誇示等の過当競争に走らない、量より質の競争に向かうよう指導、くふうしてまいりたいと考えております。第四に、歩積み・両建ての整理にあたっては、債務者の側においても泣き寝入りをしないような慣行をつくり上げることが重要であります。不満があれば苦情相談所等を大いに活用していただきたいと存じます。またそのためには、金融機関の債務者に対する預金の拘束の有無の通知の励行を特に重視して指導していく必要があろうかと存じます。 以上、歩積み・両建ての預金規制についての経緯と現状と今後の方針について、簡単に申し上げた次第でございます。
○藤井小委員長 次に、谷村公正取引委員会委員長。
○谷村説明員 拘束預金に関する公正取引委員会の検討並びに実態調査の実施の経緯について申し上げます。 いわゆる不当な両建て・歩積み預金の問題は、金融機関がその取引上優越した地位を利用して貸し出し先企業に不当な拘束預金をさせているという形において、独占禁止法で規定しております不公正な取引方法の一類型に該当するものと考えられ、公正取引委員会としても昭和三十年代の初期ごろに具体的な違反の案件というようなものも取り上げまして調査し、また処理した事例もあったわけでございます。また大蔵省は、ただいまお話がありましたように、従来ともしばしば不当な歩積み・両建て預金の解消のための指導を行なってまいったわけでありますが、いま説明がありましたように、必ずしもそれは十分に実効をあげるわけにはいかなかったようでございました。 そこで公正取引委員会といたしましても、従来のように当事者の申告を待って事案を処理するという消極的な態度をもってしては事態の改善に十分の効果をあげることができないという判断をいたしまして、積極的にこれと取り組むことといたしました。それは、ちょうど先ほど説明がありましたように、昭和三十八年の大蔵委員会でいろいろ問題が起こり、脚光を浴びたころからのことでございます。 そこで第一段階といたしまして、全国銀行協会連合会あるいは相互銀行協会、信用金庫協会等を通じまして、その傘下にある主要金融機関に対し文書をもって、不当な両建て・歩積み預金の解消についての自粛を促し、事態が改善されない場合には必要な措置をとる旨警告を行なったわけであります。また全国労働金庫協会、全国信用組合中央協会、商工組合中央金庫、農林中央金庫に対しても右警告の趣旨を通知するとともに、関係官庁、各都道府県知事及び日本銀行にも連絡をいたしまして、その協力を求めたということでございます。 その後、公正取引委員会といたしましてはしばらく事態の推移を見守っておったわけでございますが、大蔵省のほうでも監督を一段と強化し、金融機関も自粛の措置を実施する方向をとったわけでございますが、なかなか十分な効果が必ずしも期待したとおりには出てこないということで、昭和三十九年の秋ごろからいわゆる特殊指定問題というのが検討されたわけでございます。これは、公正取引委員会のほうとしていわば金融業における不公正な取引方法としてはこういうのが該当するという形でもって、一つの特殊の指定を法に基ついてしよう、そういう考え方も出てきたわけでございます。と同時に、不当な両建て・歩積み預金についての実情把握ということ、金融機関の自粛状況をできれば広範に知るために、いわゆる中小企業者のうちからある程度抽出いたしました調査対象に、アンケート調査という形でもっていろいろと実情を調べるというのを、昭和三十九年三月末現在で第一回の実施をやったわけでございます。 その後、先ほど話が出ましたように、衆議院の大蔵委員会で決議が行なわれまして、その際に、公取のほうも不公正な取引方法と認められるいわば具体的な基準について検討を進める、そしてまた金融機関の自粛状況も常時監視すべきである、かようなご決議をいただいたわけでございます。それを受けまして公取の内部におきましては、特殊指定の問題について検討を継続するといたしますとともに、アンケート調査について年二回やっていこうということにいたしまして、そのときから始めまして計十二回のアンケート調査をやっているわけでございます。 アンケート調査につきましては、お手元にたしか参考資料として差し上げてあるかと思うのでございますが、回収率というのはこれはなかなか思うようにいかないのでございますが、それでも対象になる中小企業者の数もかなりふやしております。そして集まってきました数字で大体見ておりますと、これは狭義の拘束預金で見ますと、いわゆる拘束預金額の総借り入れ額に対する割合は、第一回に調査しましたときには二九・三%という高い数字であったのでございまが、それからだんだんに漸減する傾向をたどってまいりまして、去年の十一月三十日現在でいたしました十二回の調査では、狭義の拘束預金率が八・四%という率になっております。しかし中小企業者のほうの調査で見ますと、この狭義の拘束預金だけというのではいけないのでありまして、もっと広く、広義の拘束預金と申しますか、それで見てみる必要があるわけでございます。それで見ますと、昭和四十年三月末現在で見ましたときが大体三二・八%という数字になっていますが、ある程度減ってまいっておりますけれども、去年の十一月調査では二〇・二%という数字になっておりました。自粛と申しますか、その傾向が、先ほど説明のありましたように、進んでおることは認められるのでございますが、なおそれでいいかということになれば、それはもう少しやってもらわなければならないというふうに思われるわけでございます。 さような次第でございまして、現在もいろいろの意味で、特に金融問題が中小企業者との関係において、また中小企業者と限らず、一般にその金融の対象になっておる事業者との間において問題がある時期でございますし、公正取引委員会といたしましては今後ともかような調査を継続してやってまいりますとともに、拘束預金の自粛のあり方を私どもの立場から警戒しながら見守っていくようにいたしたい。かような状況でございます。 —————————————
○藤井小委員長 それでは次に進ましていただきます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。堀昌雄君。
○堀小委員 ただいま御報告がありましたように、歩積み・両建て預金の問題は当金融小委員会においていろいろと論議をいたしまして、決議が出まして以来大幅に改善をされてまいりまして、当初の状態に比べますと中小企業の負担はかなり軽減をされてきたということは、大蔵省及び公正取引委員会の努力にまつところもあり、その点については正しく評価をしていきたいと思います。 ただこの問題については、それでは一体拘束預金というのはどこまで下げられるのかどうかという問題が実は一つあろうかと思います。そこで一つこれを例示として現在の大蔵省の資料によりますと、この拘束預金の問題は特に中小企業の問題が大きいわけでありますから、都市銀行で見ますと、この拘束預金比率は昨年の十一月で一二・八%、地方銀行で一二・四%、ここまで下がってきたわけでありますが、さらに私はこれはもう少し下げられるのではないだろうか。そのことは、実はこの第二ランウドをやりましたときの基本的な考え方の中には、実は地方銀行なり都市銀行なり相互銀行、信用金庫のグループにおいて、グループ内でこの拘束預金比率の分布が変わっているわけであります。拘束預金比率の非常に低い金融機関と、そのグループの中でも高い金融機関とがある。本来、そのグループの中で低い金融機関があるということは、やればできるということを示しているのだから、そこで高いほうのものは大幅にシフトをさせて低いほうに近づける、現在低いものも、現在より少しでもより低くしようというジャンル別シフト方式というのが実は第二ラウンドの発想の根底に立っているわけであります。そういう意味では私は、現在の時点における各ジャンルの都市銀行、地方銀行、相互銀行、信用金庫の最も低い拘束預金比率というところまでは、全体がそこまでいけてもいいのではないか、そういうふうに現状で判断をしておるわけです。 そこで最初にお伺いをしたいのは、いまの都市銀行、地方銀行、相互銀行、信用金庫の中小企業向けの部分についての拘束預金の最低比率は一体幾らになっておるか、ちょっとこれをいまのジャンル別に答えていただきたいと思います。
○近藤説明員 まず相互銀行の場合で申し上げますと、最低の拘束性預金比率が五・〇から七・四までの間のものが一行ございます。それから信用金庫につきましては二・四が一行ございます。相銀、信金につきましては大体以上のとおりでございます。
○堀小委員 都市銀行、地方銀行はないようでありますが、いまのお話の相互銀行で見て大体どのくらいになりますか——六%くらいでしょうか。六%くらいということになりますと、相互銀行の現在の平均というのが一八・一%でありますから、まず三分の一程度のところが下限にある。それから信用金庫についていいますと、二・四%というのはちょっと低過ぎるくらい低いのでありますが、要するに五%程度というものが少しあるわけですから、これも二四・七という平均値から見ますと、これはやはりかなりまだ下げ得る余地はあるのではないか。もちろん、拘束預金比率が非常に小さいということの中には各種のいろんな条件がその銀行、金融機関にあるかもわかりませんから、ただ機械的にすぐこれをもって基準とすることの当否は別でありますけれども、おそらく、相銀、信金でこの程度のものがある以上は、地銀、都銀におきましても、当然、平均が一二・四ということは信金の場合の二分の一、それから相銀の場合の三分の二ということでありますから、いずれもそれから見て下限がさらに低いものがあるだろうことは予想される。ですから、拘束預金比率をだんだん下げていくといういまの考え方、特に第二ラウンドの発想というものはどこかで区切る必要はないのであって、継続的に——私が最初に申し上げたようにある程度低いものをそれ以下にすることはなかなか困難であります。金融機関単位として五%程度というところまできておれば、これはそれ以上に下げることはやや現在の全体のバランスから見て無理があろうかと思いますが、その他のものは要するに非常に高いところ、おそらく平均値から見ますと三五なり四〇ぐらいのものも入っておる、下が五%程度くらいですから。そういう分布になっているわけですから、それをだんだん、大きいものはより大幅に、中位のものはやや小幅にということで、やはりもう少しこれを年々シフトをさせていくという方針は、私は全金融機関の分布の状況に応じてなお行ない得るものではないのか、こういうふうに考えますが、その点についての銀行局の見解を承りたいと思います。
○近藤説明員 ただいま御指摘のとおりでございまして、実は従来から、たとえば四十四年の五月末現在と比較いたしますと、先ほど申し上げました相互銀行の最低の五%ないし七・四%という刻みのものは一つもなかったわけでございまして、七・五ないし九・九というところが三行ございました。それが次第に低くなりまして、現在先ほど申し上げたような数字になっております。 それから高いほうにつきましてもただいまお示しのとおりでございまして、現在三五ないし三七・四というようなところが一行ございますが、これは四十四年の五月末には四〇ないし四二・四というようなところに位置をいたしておりました。それが次第にシフトをいたしてまいったということでございますが、信用金庫につきましてもほぼ同様でございまして、ただいまやはりお示しのように四五ないし四七・四というようなところが昨年の五月末現在には一つございましたが、それが次第にシフトいたしまして、現在は最高が三七・五ないし三九・九というようなところまでシフトいたしてまいっております。このような調子で、まあ将来も次第にシフトをしていく、そのスピードもできるだけ速いほうがいいというふうに考えております。
○堀小委員 そこで、こういう分布を見て感じますことは、これは特に相互銀行、信用金庫というのは地域性があるわけです。この歩積み・両建て比率が依然として非常に高いのは一体どういう地域にあるのか、低いのは一体どういう地域にあるのか。これと地域性の関係は調査ができておりましょうか。
○近藤説明員 ただいままで特に地域についてどういう地域が高いかということよりも、どうもやはり経営のしぶりというようなほうによりウエートがあるような感じをいたしてはおりますが、まだ必ずしもその分析は明確ではございません。
○堀小委員 この歩積み・両建て問題はきょうを皮切りに自後何回かずっと続けてやっていただきますが、歩積み・両建ての問題が非常に分布の幅が広いということ、この分布の幅が金融機関によって広いということは一体何に基因しているのかということですね。たとえば相互銀行である分布が出ている。それから信用金庫にも出ている。そうすると、私がいま伺ったのは地域性の問題として、ある地域は、まあほかも歩積み・両建てがあるからまあまあこっちもやっておるというか、その地域性の中にそういう条件があるのか。本来競争が原則としてあるわけですから、もしそういう地域の中にいろいろアンバランスの問題がかなりあるとすれば、これはおそらくその選択の時期にはかなりそれも変わってくるのではないだろうか。ですから、きょうは初めてでありますから、まず私はこれをひとつ都銀、地銀、相銀、信金すべてについてその分布についての分析、それは地域性の問題もあるだろうと思います、あるいは経営のあり方、たとえばそれを単純な言い方で言いますと、大きいものか小さいものか、預金量なりあるいは統一経理基準による何らかの標準、計数によってこれを分析してみるとどういうことになるのか。要するに、私どもはこの問題をやってまいりますときには、全体の水準を下げることも確か非常に意味があります。しかし同時に、借り入れをしておるのは全体の平均値で実は借り入れをしておるのではなくて、個々の金融機関で借り入れをしておる。そうすると、さっきお話のありましたように、三五%もの拘束預金比率を行なっておる金融機関が現状依然としてある。片方には五%程度のものもある。たいへんな金利負担の相違がこの二つの金融機関の中にはあるわけで、それを対象とする中小企業はこれはたいへんな負担の相違があるわけでありますから、まずやはりこの問題を解明する一つの方向としては、なぜこのような分布に差があるかというところからひとつ分析を少し本格的に始めてもらいたいと思うのであります。その分析の中から、私どもはいまの機械的なシフト方式だけでなしに、要するにそういう歩積み・両建てが許されておる背景は一体何かというところにメスを入れるならばより効果的なシフトを行なわせることも実は可能なのではないであろうか、こういうふうな感じがするわけでありますので、これらについてはひとつ次回の金融小委員会までにこの分布の中身の分析を十分銀行局として検討をしていただいて、資料として提出をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○近藤説明員 次回までにその点の分析をいたしまして、資料として提出させていただきます。
○堀小委員 そこで、この大蔵省のほうの資料はそういうことでありますが、ちょっと資料的に見ておりますと、相互銀行、信用金庫の間にもまだ依然として、平均値だけで見ましても六%の差がある。相互銀行と地方銀行との間にも実は六%の差がある。六%ずつ、こうなっておるわけでありますけれども、これはやはり金融機関というものの強弱といいますか、力の量によって実は時間を延ばして、信用金庫が一番終わりに来ておるわけでありますけれども、もうそろそろ、実はこれだけの時間をかけてきたのでありますから、もう少し私は相互銀行、信用金庫もそれなりの努力をさせる必要が生じておるのではないかと思いますので、ひとつその点を特につけ加えておきたいと思います。 次に、公正取引委員会のほうの資料から拝見をして感じることでありますけれども、いま大蔵省のほうで出しておられる拘束預金というものと、それから公正取引委員会の狭義の拘束預金、広義の拘束預金、こう二通りあるわけです。そこでこの関係ですね。要するに大蔵省の拘束預金というのは分母が貸し出し額と、こうなっているわけですね。そうして公取のほうの分母は借り入れ金プラス手形割引限度額、こういうふうな計数のとり方になっておりますが、まずこの分母は大体同じなのか、やや差があるのかどうか。ちょっと私ここのところは取り扱い上よくわからないので、これはどちらか答えられるほうから、このとり方というのは、どこかに差ができるのかどうか、分母のほうは。ちょっとそれを最初に伺いたい。
○近藤説明員 一番大きな相違点は、分母におきまして手形割引限度額というものがございますが、これと実績との間に食い違いがあるかと存じます。大蔵省調査のほうは、その点は実績の数字をとっておりますので、その点で少し食い違いが出てこようかと思います。
○堀小委員 公取のほうに伺いますが、公取のほうでは限度額をこえた実績額もあるようですから、その場合にはそれを実績をもって限度額のところに置いた、こういうふうに書いてあるのですが、限度額と実績額の差というものは、大体公取の調査ではどの程度の差があるのでしょうか。
○谷村説明員 ちょっと担当者からお答えいたさせます。
○坂本説明員 ちょっとその辺のところはつまびらかにしておりませんが……。
○堀小委員 これはやはり出ているデータがきちんとした数で出ておりますから、二つ並べて出ているものを比較をするときにはやはりベースは一体どうだということが少しある程度共通しておりませんと、ただ一つ一つとってみてそのトレンドを見るのはいいのですが、どうしてもわれわれはそのトレンドだけではなくて、ちょっと重ねて見たいというふうな感じがしますと、そのベースのところがある程度共通していないと非常に問題があるので、これは次回でけっこうですから、公取のほうで十二回調査については、大体いまの限度額と実績との間はどのくらいの乖離があるのか、それを一つ。それで、もしその乖離を実績額で置きかえてみたら、そうしたら計数はどういうふうになるんだということになれば、少なくとも分母だけはこれは共通だ、こういうことになりますから、そういうまず乖離の状態、それから実績額に置きかえた場合における計数等、それをひとつ次回までに準備をしていただきたいと思います。 その次に今度こっちのほう……
○谷村説明員 お話し中、中断して恐縮でございますが、大蔵省のほうでやっております調査は金融機関を相手にいたしまして、悉皆調査で現場もうんと握れるところでやっております。私どものところは中小企業者にアンケート調査をしておりまして、いまのような形で限度額ならわかっているけれども、ある時点における実績額はどのくらいであるかということまで、出入りのあるものをうまくつかめるかどうかについて、私必ずしも自信がありませんので、その御要望は承っておきますけれども、お答えすることができるかどうかについてはちょっと留保させていただきます。
○堀小委員 わかりました。確かにおっしゃるとおりのことだと思います。そこで今度は、この五月にもうすでに調査がございましたから、この次、十一月になりますか、ひとつ今後の調査ワクの中にいまの限度額と、ある時点における実績額をもう一つ入れてもらうような調査方式にしていただければ、少し先のほうではいまの問題の処理ができるかと思いますから。現在のところ、いまは委員長のおっしゃったようにそういう調査がしてないものは、これはちょっと資料でお出しいただくことは無理かもしれませんが、もし何らかの推計方法か何か出せるならばともかく、出せなければ十一月調査からベースがそろうようなかっこうで考えていただきたいと思います。 その次は、今度は分子のほうなんですが、大蔵省で拘束預金といっておるものと、それから公取委員会の狭義の拘束預金というものとは大体共通するのかどうか。これは大蔵省のほうでもわかっておることだと思いますから、ちょっとその点で答えていただきたいと思います。
○近藤説明員 分子のほうの拘束預金は大体共通するものと考えております。
○堀小委員 そうすると分子のほうは、狭義の拘束預金と大蔵省の拘束預金が共通をしておる、こういうふうに理解をしてよろしいわけですね。——わかりました。 そこで、実はこの資料を拝見しておって一つ問題点がありますのは、公取の調査では、広義の拘束預金というのは第三回目の四十年の三月の調査以後続けられているわけでありますが、確かに広義の拘束預金のほうも減ってはまいりました。当初、四十年三月三十一日には三二・八%であったものが、今日では二〇・二%まで下がっております。下がってはきていますが、ところが、これはどういうことでこうなったかよくわかりませんけれども、第六回の四十一年十一月三十日の調査のときに一九・六%になってからは、二一・六、二〇・三、一九・七、二五・三、二二・一、二〇・二と、広義の拘束預金は、少なくともこのアンケート調査による限りは昭和四十一年の五月以来、多少の出入りはありますが、二〇%台でずっときている。狭義のほうは順次下がってきて、八・四%のところまで下がってきておるけれども、広義のほうは下がらない。ここに私は現在の歩積み・両建て問題の第二の問題点があると思うのです。 公正取引委員会の資料を拝見いたしますと、いろいろな形で的確に分析をしていただいておりますけれども、その中で広義の拘束預金について感じられますことは、銀行の差というものが比較的少ない。狭義のほうは、これは公取の資料でありますが、都市銀行は八・一まで下がってきておるのに、広義のほうは二一・三にとどまっている。地方銀行は六・九が一八・五、相互銀行は一一・八が二三・〇、信用金庫は一五・四が二六・〇ということで、今度は年次別に変化がないだけではなくて、金融機関別の中にもあまり差がない。やはり二〇%台前後にあるということは、これは何といいますか、全体として共通した条件の中にあるということを認めないわけにいかないと思うわけであります。その広義の拘束預金というものについて、いろいろとここで出されておるわけでありますけれども、その中で、当座預金を残しておいてくれとか、いろいろな間接手段でありますが、それによって、表向き銀行局の調査では出てこないような拘束預金、それから時期をずらして預金をとるとか、なかなか金融機関側として巧みな拘束方法を次々と発想をしておるという感じがしてならないわけであります。 そこで第二の問題は、私がいまの前段で申し上げております狭義の拘束預金、この問題についてまず全体を減らすこと、これはもちろん当然重要でありますけれども、二段目に広義の拘束預金も減らさなければ、これは金融機関側としては表向きは拘束預金を減らしました、しかし実質は依然として二〇%台でカバーをしておりますということでは、これは借り入れをする側にすれば何だかたいへんもどかしい問題として残ってくるのではないか、こういう感じがしておるわけであります。これのもとになるのは、私はやはり現在の金融機関が預金獲得を非常に熱心にやりますために、預金をとる場合の一番簡単な方法は何といっても借り入れをしておるもの、取引上の弱い立場にあるものから預金をさせることが最も手っとり早くて効果的であることは間違いありません。ですからどうしても、預金獲得競争が強く行なわれておればこういう形になる一つの客観的な情勢はあると思いますけれども、この問題については大蔵省のほうでは調査がありませんから、中身が私どもにはよくわかりません。さっき申し上げたような分布の問題、ここが実は調査がないのですからよくわからないわけでありますが、もし実際に行なわれておるとすると、平均値として出ているものでありますから、幅はともかくとして、やはりこれも少し分布はあるんじゃないだろうか、こういう感じがするわけであります。 そこで、この点については公取のほうは基礎資料があるでしょうから、この広義の拘束預金の分布については資料が出していただけるだろうと思うのですが、どうでしょうか。
○坂本説明員 ただいまの点はいま検討しておりますので、また次回のときにどういう御返事を申し上げられるか、その辺少し時間をかしていただきたいと存じます。 それから先ほどの御質問、手形割引の限度額と実際額を区別して書かせるべきではないかという堀先生の御質問がございまして、ちょっと私間違って、つまびらかにしないというようにお答え申し上げましたが、若干この資料の中にもその点を区別したものがございます。お手元に資料がございますと思いますが、八ページから九ページというところに第5表、それから5表の2というのがございます。これによりますと、第5表の左から四番目の位置に3というのが書いてございますが、これが手形割引限度額ということでございます。それから第5表の2の3というのが手形割引の実際額という資料でございまして、計を見ますとだいぶ金額に違いがございますが、一応実際額のほうで見ますれば、先ほどの大蔵省の御説明にもありましたように、より両者の差が縮まるのではないかというふうに考えております。
○堀小委員 わかりました。 時間がありませんからいまのところまで伺うことにして、あとひとつ銀行局のほうに、現在行なわれておることの中で、公取の資料を拝見して気がついたことが一つありますが、現在金融機関は債務者に対して年二回、拘束預金があなたは幾らありますよということを通知することになっておるようでありますね。ところがこの調査を見ると、通知をされておるものもあるけれども、どうも通知をしていないものがあるということが公正取引委員会のほうの調査で明らかになっておるわけですね。そこで、このことは実はそんなにむずかしくないと思うのですね。これはやり方の指導方針で、何といいますか、複写方式か何かにしておいて、出したものだけはちゃんとあとへ残るというかっこうにしておけばいい。本来の預金者、貸し出しをしておるものに対しては拘束預金がない人というのは例外でしょうから、みんなあるんでしょうから、それは全部当然出されていいものではないのか、こう思います。手続、方法をせっかく指導しておりながら、企業側のアンケートで三〇%程度落ちているということのようでありますから、これは何とか全部が行なわれることにすることは非常にいいことではないかと思いますので、その点を直ちにひとつぜひやっていただきたいと思います。 それから、ここに書いてあります広義の拘束預金、これに対する対策について次回までに銀行局側として考えられるもの、ここに公正取引委員会が例示しておられるものもありますが、皆さんのほうで考えられる広義の拘束預金のパターンといいますか、そういうものを書き出していただいて、それに対する適切な処理方針といいますか、そういうものを検討して次回の委員会でひとつ報告していただきたい、かように思いますがどうでしょうか。
○近藤説明員 ただいま問題になりました広義と狭義の差というのが実は一番歩積み・両建て預金の問題の核心でもあろうかと存じます。そこで先ほど冒頭に申し上げました今後の方針というところでございますが、一応形は整ったけれども、事柄の性質上、根が非常に深い。したがって、今後こういう方法でやってまいりたいと申し上げました一番の気持ちも、実はその広義と狭義の差のところをどうやってつくかというところにあるわけでございまして、基本的な手段として、第一に金融機関検査でできるだけ具体的にトレースするという問題。それから第二に、やはり公正取引委員会でいろいろ資料をとっておられますので、これをできるだけ活用させていただきまして個別にも当たってみるということ。それから第三に、ただいま堀委員から御指摘がございましたように、まさに預金獲得の際の競争が根本原因と考えられますので、この点につきましていわゆる効率化行政というのがそれを修正するという方向に大きく向いておることは事実でございますが、さらにこの預金獲得競争をどういう方向からチェックをしてまいったらよろしいか、この辺が根本的な一つの問題点であろうかと思います。それから最後には、やはりただいまおっしゃいました債務者に対する通知、これが当面一番手っとり早い、しかも有効な方法であろうかと思いますので、この励行を特に重視して指導してまいるということを考えておるわけでございます。なお次回までにさらにこまかい分析などをさせていただきます。
○堀小委員 あとの質問者の時間もありますから、歩積み・両建てにつきましては本日はこの程度にさしていただき、次回引き続き質問さしていただくことにして、私の質問を一応ここで終わります。 —————————————
○藤井小委員長 次に、証券行政の現状について政府より説明を求めます。志場証券局長。
○志場説明員 それではお求めによりまして、証券行政の現状についておもな点、簡単に申し上げたいと思います。 まず、最近の株式市況及びこれに関連する問題という点について申し上げたいと思います。 御承知のとおり、株式価格は四月の下旬に相当の値下がりをいたしました。本年に入りましてからの最高の株価水準に対しまして、五月にいわゆるボトム的なところまで落ち込んだわけですが、約二〇%の下落率を示したわけであります。ごく最近では一四%程度の下落率というところまで回復しております。この間、主要諸外国におきましても異常な下落を示しておりまして、たとえばアメリカでございますと二二%程度の下落、イギリスで二五%程度の下落、西独で二七%程度の下落、フランスで一七%程度の下落、イタリアで一四%程度の下落というふうに、かなりの下落を示しておるわけでございます。いずれもその後、現在若干の持ち直しと申しますか、上昇を見ておりますけれども、今日でも二〇%程度から一三%程度というような、本年の高値に対しましての下落を示した段階におるわけでございます。 その原因につきましてはいろいろといわれておりますし、分析もできるかと思いますが、ただいま申し上げました主要諸外国の下落でもおわかりになりますように、その大きな要因は、やはりアメリカの経済を中心としまして、インフレと企業収益との関係ということから、株価の基本的な基礎でありますところの個々の企業の収益の動向につきまして、収益減退の現実ないしはそのおそれというようなところから、投資者間あるいは機関投資家に危惧の念を生じまして、これが一部の国際的な投資信託の解約ないしはそれに基づく換金売りというような気配が出てまいりましたことと相まちまして、大きな心理的動揺を来たしたということがやはり大きな比重を持っているのではないかと思われます。その後、各国その点についていろいろと関心を持たれまして、国際的な投信の健全化等につきましても関係者間でいろいろと協議なり交渉が行なわれている段階でございますし、漸次そういう心理上の不安も除去されつつある段階でございまして、それに伴って先ほど申したような回復過程をたどっておるということでございます。 わが国の場合は、外人投資が一昨年及び昨年の二年間だけでも売り買い差し引き十億ドルに達する買い越しということになっておりまして、その外人投資の売買の動向というものがかなりの影響をもたらすところから、その行き先に対する、あるいはビヘービアに対する心理的な不安なり予想というものがかなりの影響を及ぼしたということはいなめないと思うのでありますが、ほかに、これも外人買いにも関係しますが、昨年の秋以降いわゆる値がさ株という問題が生じたというふうに、それに関連して信用取引の膨張もあったというようなところから、その株価が、まあ結果論になる面もございましょうけれども、若干行き過ぎと見られる程度まで過熱ぎみではなかったか。それが今回、各国に比較いたしましても、わが国の企業収益の動向だけから見た場合よりも、それを上回る下落をもたらしたのではなかろうかというふうに分析されるわけでございます。しかし、そういうふうに海外の動揺というようなものが現に静まってまいりますると、今後はわが国の経済、各企業の収益の動向という、この基本的な点に目を向けました投資判断、価値判断というものが漸次回復してまいると思うわけでございまして、すでにその萌芽も見えつつあるわけでございます。今後はそれらを中心にして、しかし、国際化しております証券取引の段階におきましては、あるいは今後におきましては海外要因も決して無視できませんが、今回の経験を貴重な経験といたしまして、今後冷静な判断なりそういうものが望まれると思うわけでございます。 これらの状況にかんがみまして、今後の問題といたしましてまず考えられますることは、何と申しましても外人投資というものが、現在ストックで申しますと約二十億ドルに達していやしないか、邦貨で七、八千億円と思いますけれども、わが国のような、企業ごとに見ました場合に株式資本の割合が総資産のうちの八%程度である、内部留保を含めましていわゆる自己資本の割合が一六、七%である、こういう、いわゆる過小資本、過小株式という中におきまして、一銘柄をとりましても二〇%あるいは三〇%に及ぶというような部分を外人によって取得される、こういうことになりますると、やはり外国関係というものが大きな問題でございまして、しかし、この要因をできるだけモダレートなものにしますためには、根本的にはただいま申しましたわが国の企業の株式資本の過小性というもの、これの是正という問題が基本的な問題でございます。 それに関連しまして、浮動株の割合というものがかなり低い。東京証券取引所第一部でも約二〇%でございまして、ほかは金融機関あるいは関係先の企業にいわゆる持ち合い株あるいは安定株主ということで持たれておるわけでありますが、そういう浮動株の割合を、もう少しやはり株主の層を広くし厚くするということでありませんと、乱高下的な現象はある程度避けられないという気もいたすわけでございまして、この辺の二面の是正ということが基本的な問題でございますが、しかしこれは従来からいわれておりますことあるいは危惧されておりましたことが今日の現象面で出ましたということであります。この是正につきましてはなかなか日時を要する。しかし、今後はこの問題にいよいよ本格的に取り組んで、あらゆる施策をもってこれを是正するということが、かかる暴騰、暴落とでも言うべきような乱高下に対処する基本的なあり方ではなかろうか、かように思っておるわけでございます。 同時に証券取引の内部の問題といたしまして、そういうふうに現物というものが海外の投資家によって多く持たれるというようなことを考えますと、流通の範囲を広くする、そうして公正な、なだらかな価格形成にするという見地から、やはりわが国の現状におきましてはある程度の信用取引の量というものが存在しなければならないというふうにも思うわけでございますが、同時に、信用取引はえてして過当に過熱ぎみになる、ないしはその反動として萎縮し過ぎるという要素を絶えず持っておるわけでございまして、信用取引にはそういう投機的ないしは思惑的要素のからむことは避けられませんが、あまりにも過熱化しあるいは鎮静化し過ぎるということをどういうふうにすればなだらかな程度でとどめることができるであろうかという、つまり信用取引に関連する諸制度につきまして、ただいま申しましたような観点から改善を加える必要があるのではあるまいかという問題意識が出てきておる次第でございます。 それから同時に、今日でもそうでございますが、外人が売ってくるといいます場合に、たとえばわが国の証券会社が在外の子会社ないしは支店におきましてドルその他の外貨を適宜保持しているということがあると仮定いたしますと、海外の投資家が日本の株を換金のためその他、売りたい買いたいといったような場合に、その現地におきまして外貨による売買取引が行なわれるという可能性も出てまいるわけでございます。今日その事態がございませんので、ダイレクトに日本の市場に対して売買の注文を発してくる。会員といたしましてはそれを市場集中いたさなければなりませんので、もろに売買として出てくる。それがやはり、いろいろな海外の情勢というものは一般投資家その他におきまして十分な情報というものがございませんので、心理的な要因として非常に過大な期待を持ったりあるいは過大な不安を持ったりということにつながりやすいわけでございまして、その点から証券会社が海外におきましてしかるべき外貨を保有するというようなことも必要ではあるまいかということで、それぞれ折衝してまいりたいと思っておる次第でございます。 と同時に、これにも関連いたしますけれども、本邦証券会社の在外の営業所、子会社等を通ずる活動につきまして、漸次その拡大とか充実ということをはかっておりますけれども、いよいよその必要性が強いのではないかというふうに考えまして、そういった意味で証券会社に対し、海外要員の養成というような面につきましても鋭意努力をするように指導してまいりたいと思っておるわけでございます。 それから、ただいま申しましたように証券取引は次第に国際化しつつあり、そのわが国の市場にもたらす影響も無視できないほどになりつつある重要な問題でございますが、同時に、証券業務の資本自由化という問題も起こってまいっておるわけでございまして、いずれこの問題は避けて通ることができない、こういうふうに感ずるわけでございますので、これに対処いたしまして、わが国の市場の秩序というものを適正に保持しながら、前向きに健全に業務の自由化がこなされてまいりますように、今後の証券会社の免許の与え方の問題、ないしは外国の証券会社が今日ではわが国に支店を持つ、開設するということは現行法では許されておりませんが、やはりこれにつきましても所要の立法を準備いたしまして、支店がわが国及び外国の投資家ないしは発行会社等の需要に適切に呼応できますような立法準備をしなければなるまい。同時に免許の方針も考えていかなければなるまいかという問題も考えておる次第でございます。 同時に、かような証券業務の自由化、資本自由化ないしは証券取引の内外における交流の活発化ということになってまいりますと、産業界のほうで、例の企業経営の乗っ取りという観点から、その乗っ取り防止について何らかの措置が必要ではないかという問題が提起されておるわけでございます。 この問題につきましては、すでに昭和四十二年五月に、第一次の資本自由化のおり行なわれました外資審議会の専門委員会におきまして若干の報告がなされてございまして、これは単に証券部門に限りませず、その他の法律の分野に広く及んでおるわけでございますが、その中から乗っ取り防止ということで提案されている自由化対策として三つばかり掲げられておるわけでございます。 一つは、事業会社の定款におきまして、株式の譲渡について取締役会の承認を要する、いわゆる譲渡制限は商法上できるわけでございますが、この制限がついた株式でも取引所に上場を認めたらどうかという問題がございます。今日ではその上場は認めておりませんが、そういう問題。それから、あらゆる取引は相対取引を許さないですべて市場を経由するという市場集中制度ということはどうかというような問題とか、ないしは企業経営の乗っ取りを意図しましたテークオーバービッドにつきまして所要の規制を設けることはどうかというような、おおよそ三点についての問題提起がなされておるわけでございます。 しかし私ども考えました場合に、この最初の譲渡制限された株式の上場というものにつきましては、その後取引所関係におきましても検討されましたけれども、適当でないということで、現に諸外国でもそういうことは許しておりませんし、自由な取引ということになりますとこれは適当でないということを私どもも考えております。また市場集中につきましても、フランスにおきまして取引仲買い人は政府の公務員であるという特殊な市場制度もあるぜいもありましてこの集中制度を行なったようでありますが、これは本質的に何ら乗っ取り防止ということに役立たないということでありますのみならず、外国人だけの取引についてかようなことを差別待遇することはできませんので、あらゆる国内取引についてすべて市場に集中すべしという義務を課することになるわけでございまして、これはとうてい立法の実際といたしましてもできない、かように感ずるわけでございます。 残るところはいわゆるテークオーバービッドの規制の問題でございます。これはすでに主要国でもございますが、これすらも本質的に乗っ取りを禁止するということではございませんで、テークオーバーする場合のその中身というものにつきましていわゆるディスクローズさせるという制度でございます。しかしながらこれもやはり、一つの秩序ある取引という観点から見ますと適当でないという判断もございまして、私どもこの点についての立法化につきましては検討してまいりたい、かように存じておるわけでございます。と同時に、ただいまわが国の企業が国内あるいは国外でいろいろと各種の証券を発行していくということは考えられますが、市場というものが国際化してまいりますと、外国で発行した証券でございましても流通面において日本の市場に舞い戻ってくるというような、相互に交流いたしますので、この発行市場のコントロールの問題、なかんづくディスクローズの問題といたしまして、国外で発行するものについても所要の規制を投資者保護の観点からもする必要があるのではないかということが、今後の証券取引法の国際化に対処する改正の一環として検討せられるべきであるというふうに感じておるわけでございます。 その他種々ございますが、時間もございませんので、証券会社の現況について若干触れておきますと、一昨年の四月、全面的に免許制度に移行したわけでございます。その後、幸い市況の好転ということもございますが、免許制度につきまして、ぜい肉を取り除いた、資産的にも人的にも一応きれいな、むだのない姿で発足いたしたこともございまして、一昨年の九月、昨年の九月、いずれもそれまでの各年度の収益に比べて新記録をつくるというような高収益に恵まれましたわけでございますが、昨年の十月以降本年の三月までの半年間の仮決算の状況を見ましても、全国の証券会社合計いたしまして、税引き後の利益で四百十六億円の利益をあげておりまして、これは昨年の九月分までの税引き後の利益四百十二億円に匹敵するほどでありまして、いえば、昨年未曽有の高収益でありました年間分の利益を本年度は上半期で得たということでございます。その後、四月の暴落もございまして、取引数量も減ってまいりまして、五月におきましては、月別の決算をいたしますればおそらく若干の赤字ではないかと思いますけれども、現在までのところさような健全な経理、財務内容になっておりまして、内部留保も全国で約二千百三十五億円ばかりになっておりまして、資本金に対する純資産も約二・三三倍というふうに、財務体質的にも強化されてまいっております。今回暴落もありましたけれども、比較的証券業界といたしましては落ちついており、企業経営的にいわゆる取りつけ騒ぎのような不安な状態が起こってないと申しますことも、このような証券会社の個々の財務体質の改善強化ということが根底にあるということであろうと思いまして、今後とも自由化のためにも一そう財務内容の充実、企業経営の健全化、合理化につきまして、極力私どものほうといたしましても指導をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。 はなはだ尽くすべき点を尽くさないおそれもありますが、一応御説明申し上げたわけでございます。 —————————————
○藤井小委員長 質疑の通告がありますので、順次これを許します。松本十郎君。
○松本(十)小委員 証券業界が証券会社の免許制移行後二年余り、この春先までは少なくとも健全な立ち直りから発展という道をたどったわけでありまして、免許制移行前後からの業界なり行政当局の御努力に対しては敬意を表します。ただ、四月三十日の暴落に端を発しまして、ただいま局長からいろいろ説明がありましたように、何となく日本の証券市場の脆弱性といいますか、問題点が数多く露呈され始めた、こういう感じで、影がさしておるのではないかという感触を持つわけであります。 きょうは時間もありませんので、そういう問題点の中で気のつきました点三つ、四つにしぼりまして質問をしたいと思います。できるだけ簡明にお答えいただきたいと思います。 一番簡単なところからまいりたいと思いますが、第一点は、証券取引法第六十五条の関係でございます。これは最近新聞等をにぎわしております金融機関を中心としたいわゆる海外投資会社の設立の問題、そこで問題になりましたり、あるいはまた、仄聞するところによれば、金融制度調査会の席上で、長期信用銀行に資本市場を育成するような立場で新しい機能を考えてもいいのじゃないか、こういう発言があったやに聞いておりまして、これをめぐっていろいろ議論されたようであります。海外の問題につきましてはいろいろむずかしい問題もあって、簡明直截にずばりときめかねるかと思いますが、証券取引法六十五条というものにつきまして、局長としてはどういう考えで今後進んでいかれるか、まず伺いたいと思います。
○志場説明員 証券取引法第六十五条は、いわゆる金融機関の金融業務と証券会社の証券業務の分離ということを規定した法律でございまして、これは証券取引法全体がそうでございますけれども、アメリカの一九三三年なり三四年の証券法ないし証券取引法というものに範をとって、戦後制定された現行証券取引法の一環としてあるわけでございます。アメリカにおきましては、例の一九二九年に始まる証券恐慌、これは世界に及んだわけでごいますが、その苦い経験に照らしまして、一九三三年、三四年の立法が抜本的に講ぜられたわけでありますが、一九二九年に至る過程の分析といたしまして、証券業務と金融業務の癒着とでも申しますか、それが大きな原因であったという認識のもとに、三三年法、三四年法が制定されたと思うのでございます。わが国におきましては、過去においてそういったことから生ずる弊害、苦い経験というものがどの程度ございましたか、私今日つまびらかにもいたしませんけれども、やはり資本主義が進み、また国際的な取引が進む、その先端を行っておりますアメリカにおけるさような貴重な経験というものは十分に尊重してまいるということが望ましいのではないかと思うわけでありまして、さような意味で六十五条という問題は理解しておるわけでございます。 ただいまのお尋ねの中の金融制度調査会における議論は、銀行局長からの御答弁と思いますが、私の関知しております限り、金融制度調査会の場におきましては、民間金融機関の相互の業務のあり方ということを中心にして論議が行なわれたと理解しておりまして、六十五条といったような証券業務との制度上の問題は論議されてないというふうに承知しておる次第でございます。 国際投資銀行の問題でございますが、六十五条のような証券、金融業務の分離制度は欧州におきましてはございませんわけで、これはいわば環境がアメリカあるいは日本と非常に違っておりますわけで、それは単にそういった環境が違うばかりではございません、証券取引所自体のあり方なり、あるいは投資勧誘のあり方といったものがすべて欧州と日米とは違っておるわけでございまして、いわば金融機関の店舗において、店舗に訪れたお客を相手にする。取引するのは機関投資家が中心である。個人の資産家は銀行窓口において、行ったときにいろいろする。いわゆる証券セールスマンのようなものは存在しないで、ドア・ツー・ドア、そういった投資勧誘といいますか、さような営業活動は単に証券のみならずほかの物品でもそのようにあるということを伺っております。全く環境が違うという土壌においてのことでありますが、いずれにいたしましてもこういうところにおいてわが国の金融業務を伸ばしていこうということのためには、国際投資銀行といったようなものも合理性はあろうかと思います。しかし、これは国外において設立される法人でございますが、その場合に国内と国外という問題は法律上いろいろややこしい問題もあると思うわけですし、私どもはこういった国際投資銀行が、いわゆるダミー的に全く名目的で中身がないということでは全く困るわけでございます。さようなことなく、実体的に活動するというようなことを前提として国際金融局の外貨送金の認可も行なわれると思うのでありますが、内外の業務というものにつきましては明確に区分するということもなかなかむずかしい点もございますし、さような点について両業界が無用の混乱、摩擦とかということがあっては、行政当局といたしまして適当でないのではないかというところから、両業界が協調と協力の精神の上に立ちまして、適切に運営が行なわれてまいりますように指導してまいるべきではなかろうか、かように考えておるわけでございます。
○松本(十)小委員 この問題は経緯、沿革その他から見ても大事な問題ですので、慎重にお願いしたいと思います。ちょうど銀行局長も見えておりますから、それでは銀行局長の見解を伺います。
○近藤説明員 六十五条に関しましての制度調査会の論議その他についての考え方は、ただいま証券局長から申し上げましたとおりでございます。
○松本(十)小委員 次は問題を証券金融のほうに移しまして、証券市場が健全に発達を遂げますためには、何と申しましても証券に関する金融が円滑であり、また量的に確保されるということが必要だろうと思うのであります。いまのところ、日本の証券市場は一応制度金融としての証券金融会社というものが大事な一翼をになっておるわけでございますが、諸外国の証券金融と比べましても、あるいはまた戦前の日本の姿と比べましても、必ずしも十分でない。外国投資家の売り買いでかなり撹乱をされるというふうなことを考えましても、もっと証券金融というものを拡充強化する必要があるのではないか、こう考えるわけであります。それについての局長の見解を伺いたい。
○志場説明員 証券金融と申しました場合にいろいろな面があるのでございまして、最も端的にはいわゆる証券金融会社、これは東京、大阪、名古屋にございますが、この三つの金融会社を通ずる金融という道がございます。その中で東京が圧倒的に多いわけであります。証券会社を通じて証券金融が行なわれるわけでありますが、その三社を合計しましても、その金額は今日現在で、東京で昨日あたりで九百六十五億円ばかりでございますし、大阪はその約半分と御理解願っていいと思います。名古屋は微々たるものである。こういうことを考えますと、千五百億から二千億までの間というのが現状ではなかろうかと思います。今日東京証券取引所第一部に上場されておる銘柄だけをとりましても、いわゆる時価総額は十五兆数千億円というわけでございまして、それに比べましては一%程度といったような額であります。もちろん、時価総額の計算されておりますもとになっておりますすべての株式が毎日取引されておるということでもございませんし、この取引量というものは毎日といたしまして一億株台から二億株台といったようなわけで、単純平均の株価を二百円程度までと考えましても、二百億円から多少それを上回る程度という取引でありますが、ただその比較はなかなかむずかしいのです。要するに、そういうパイプが細いのじゃないかという点とか、あるいは証券会社が自己金融をいたすわけでございますが、これは何と申しましても、証券会社自体の内部留保あるいは投資者の提供し得る担保の程度ということによるわけでございまして、先ほど内部留保の状態を申しましたけれども、この一、二年でようやく証券会社の内部留保も充実してまいりかけておりますけれども、従来は非常に乏しかったということ、並びに投資家のサイドにおきましても、金融資産の中での株式その他有価証券の保有の度合いが非常に少ないというような現状がございますわけで、かたがたこの金融環境を見ましても、やはりともすれば銀行からのオーバーローンになりがちのような、そういう資金の需給関係というものが基本的にございますわけで、その中にあって証券金融というもののパイプを太くすることは諸種の制約もあるわけでございます。 しかし、先ほど申しましたように、信用取引を適切な割合で保持するということは、公正な価格形成並びにそれと密着いたします発行市場の健全な育成という点からも必要でありますので、われわれといたしましては、信用取引制度の改善によって過当な投機取引というものをできるだけ制度的に防止するという検討と同時に、証券金融につきましても、これが健全に、またバランスのとれた姿として、成長していくことができるように関連して検討してまいりたい。その具体的な案につきましてはこれからの問題でございますけれども、基本的にはさような認識で各種の検討を続けてまいりたい、また各方面の理解も得たい、かように思っておるわけでございます。
○松本(十)小委員 日本の金融構造というのは特殊なものであって、なかなか金利のメカニズムが働かないとかあるいは量的にいろいろ問題もあって、言うべくして証券金融だけをよくすることはむずかしいと思うのですが、しかし何としても金融があって初めて証券市場の健全な発展というものが望めるわけですから、そういう意味で一部で証券の専門銀行でもつくったらどうか、こういう議論もあるようであります。これは、いまの金融の姿というものを背景にとった場合になかなかそう簡単にいかないと思いますが、しかし方向としては、やはりバランスのとれた証券市場といいますか、マネーマーケット、ボンドマーケット、ストックマーケット、これらが金利なりあるいは金融の法則などで結ばれて、もう少し円滑にいくような理想像——実現まではなかなかかかると思うのでありますが、それに向かって進む過程において、過渡的にそういう証券の専門銀行という構想について実現の可能性はあるかどうか、また証券局としてはどういう考えか、伺いたいと思います。
○志場説明員 お尋ねの御趣旨は先ほど申しましたようにわかるのでございますが、にわかに具体的に証券銀行の設立問題、こういうことで尋ねられますとまことに困るのでございまして、先ほどの繰り返しになりますが、日証金といった証券金融会社を一つの制度的な問題として、ほかの自己金融あるいは投資者からの担保の提供のしかたということがからんでまいりますので、それらをあわせて検討してまいりたいと思います。 その際に、そういった既存のあり方ではどうにもならない、妥当なあるべき水準に比べてどうにもならぬということになりますかどうか。そのときにおきましてはいまお尋ねのような議論も議論としては起こってくるかとも思いますけれども、私どもとしては初めからその設立を目ざしてといったようなスタンスではなしに、既存の諸制度の改正、改善というものを通じまして、この妥当な金融が成り立つように極力くふうをし、検討してみたいという考え方でございます。
○松本(十)小委員 なかなかむずかしい問題かと思いますが、将来のために、ブローカー金融あるいはディーラー金融あるいはアンダーライター金融といいますか、そういう目的別にいろいろ検討されまして、証券金融の整備拡充といいますか、この方向で今後一段の御努力を願いたいと思います。 問題を移しまして、証券税制について一、二お伺いしたいと思います。 まず第一に、最近クローズアップされましたのに勤労者の財産形成政策、こういうことが出てまいりまして、ドイツその他でもやっておる。日本でも、賃金、物価のスパイラル的な悪循環を避ける意味においても、余剰購買力を吸収して、それによって勤労者の財産づくりに励んだらどうか、こういう考え方が出てきたわけであります。貯蓄万般についての税制につきましては、過般の特別国会で特別措置法がきまったわけでありまして、これからの五年間一応あれで落ちついたわけでございますから、税というのは軽々しく変えるべきでない、朝令暮改は避けるべきである、こういうことからいえばこの段階で議論するのはまだ早い面もあるかと思いますが、今後の長期税制ということを検討されるところにきておるわけでありますので、そういう長期的な視点に立って、特にきょうは証券貯蓄に関する税制について、もう少し金融資産を個人個人に持てるようにといいますか、そういうことで何か前向きにやるべきではないか、こういう感じもしますので、まず証券局長からお考えを伺いたいと思います。
○志場説明員 今後のわが国経済との関連におきました場合に、毎年のいわゆるフローとしましての国民総生産、しかもこれをマクロで見ました場合に目ざましいばかりの成長を遂げておるということでございますが、ミクロ、しかも各個人、あらゆる経済活動なり国力の基礎になります各個人ということにおろしまして、しかもそのストックという状態も考え合わせました経済力というものを考えてみますと、まだまだまことに貧弱な状態であるということもいなめないと思うのでありまして、今後は、全体の経済成長は基本でありますけれども、それをささえる各個人の家計なり経済力を豊かにするということをますます推し進めなければならないという点は全く同感でございますし、かたがた物価問題ということを考えますと、やはり長期的な貯蓄ということを基本にする必要もございましょうし、また証券市場ないし発行市場という面から見まして、冒頭の御説明の中で申し上げましたように、株式資本その他の自己資本を充実するということが今後の国際競争下における、国際交流下における企業の体質強化の基礎であるということを考えますと、やはりそれに大きな影響を持ちますところの個人段階での課税及び企業段階での課税につきまして、さような今後のあるべき、またもたらすべきビジョンというものを想定いたしまして、十分深く検討されることが必要であるし、望ましい、かように私どもといたしましては考えております。
○松本(十)小委員 これについて主税局はどういうお考えですか。
○高木説明員 現在貯蓄優遇に関するいろいろな税制があるわけでございますが、しかしなお最近におきますいろいろ物価の問題とかあるいは給与のベースアップ率が非常に高いということとの関係で、さらに何か貯蓄優遇税制としていい方法があるかどうかということについては、従来もそうでございますが、現在またあらためて何かいい方法はないかということを考えてはおります。それと課税の公平との関係をどこにバランスを求めるかというのは非常にむずかしい問題でございますけれども、しかし必ずしも現行の諸制度だけでもういいのだということではなしに、何かいい方法があればということで考えているのでございますが、現在まだ非常にいい案が見つかったというわけにいかないという段階でございます。
○松本(十)小委員 いろいろ問題あろうかと思いますが、ひとつ前向きで御検討願いたいと思います。 証券から質問がそれますが、せっかく主税局の審議官が見えておるので、貯蓄の関係でもう一つだけ伺いたいと思います。 最近宅地建物の割賦販売というものがだいぶ盛んになっておりまして、建設省で宅地建物割賦販売法というのを目下検討中と聞いておりますが、こういうものが成立しまして、業者の監督と申しますか、あるいは購買しようとする者からの積み立て金その他の保全措置というものが確実にやり得るようなことになりました場合には、住宅貯蓄としてのインセンチブを税の上で与えてみたらどうかという感じもしますが、この辺についても御見解を伺っておきたいと思います。
○高木説明員 宅地建物の割賦販売につきましては、ただいまお尋ねがございましたように、昨年の七月に住宅宅地審議会から答申が出ておりまして、この制度を整備することについて建設省のほうで研究をしておるというふうに聞いております。その段階で、きわめて非公式な形でございますけれども、ただいまお話がありましたような、制度のつくり方のいかんによってではあるが、住宅貯蓄控除制度に乗せる方法があり得るかということについてのお尋ねが事務方のほうからまいっておるという段階でございます。私どもはそれにつきましては、現在の宅地建物の割賦販売制度は率直に申しましてやや混乱の状態にあり、一部の善良な市民が被害を受けるというような事態も起こっておるというときでもございますので、いずれにしましても、まずそちらの制度がどういうふうに整備されてくるかということを拝見してからお答えさしていただきたいというふうに事務の間では話し合いをしておるようなことでございまして、そちらのほうでいい制度ができてきました場合には、御指摘のように住宅貯蓄控除制度に乗せていくということも考えられ得る問題だとは思っておりますが、これまた基本のほうがまだ固まっておりませんので、いまの段階でどうということを申し上げるのはやや時期が早いのではないかというふうに思うわけでございます。これからよく検討を続けてまいりたいと思います。
○松本(十)小委員 持ち家奨励ということはこれから勤労者の財産づくりに大事だと思いますので、できるだけ前向きで検討願いたいと思います。 それから証券税制に問題を戻しまして、公開株式の譲渡所得課税、いわゆるキャピタルゲインに対する課税で伺いたいと思います。これは特別国会中の大蔵委員会でかなり白熱した論議が展開されまして、平林委員から公平の原則から見てもおかしいのじゃないか、福田大蔵大臣もやや前向きで検討しましょう、こういう答えがあったと思うのですが、主税局長からはむしろやや消極的な意味で答えがあったように私は受け取ったのであります。 公平の原則はもちろん大事でございまして、このキャピタルゲイン、銘柄によってはかなり大きな額も出ておりますから、いろいろ論議を呼ぶこともあり得るかと思いますが、しかしまた同時に、日本の経済をここまで押し上げてくる過程において、あるいは将来さらにまた発展させる道のりにおいて、中堅企業というものが大事でありまして、こういったものができるだけ広く資金を得て、またその創業者の創意その他による資産というものをできるだけ多くの投資者に分散させる、こういうことからもやはり上場するほうが望ましい。しかし、変にキャピタルゲインをつかまえるという形で税の面で出ていけば、かなり混乱を起こすと申しますか、むしろ公開を忌避したり、あるいはまた場外取引で、正当な適正な価格形成の手続を経ないで売買されたりするおそれもないわけではないのでありまして、そういう意味ではプラス面、マイナス面、いろいろあろうかと思うのですが、私はむしろこういう問題は慎重にやるべきであり、大体ここまで二十何年、キャピタルゲインは課税しないということで定着しているわけでありますから、これをただ公平の原則という理論だけでいじくるということはむしろ混乱のほうが多いのじゃないかと懸念するものでありますが、これらについて証券局としてはどういうお考えか、伺いたいと思います。
○志場説明員 税につきましての証券局としての考え方は、いまお述べになった御意見と全く同感という気持ちを持っております。と申しますことは、上場の公開の必要性という見地を、証券市場ないしは中小企業、中堅企業の財務体質の強化という見地からも重要視すべきであるという観点からでございます。ただ公開の際におきまして、あのときに問題になりましたのは、公開価格が結果的に取引されました市場価格に比べていかにも不合理なところではないか、したがいまして、いわば創業者利潤的なものがばかにたくさんあったではないかというような点も関連しておったかと思いますので、私どものほうはその価格自体が適正であるようにということで、価格決定のしかた、あるいは公開の割合、株数のうちからどれくらいの割合のものを公開していくかということにつきまして、目下取引所並びに業界と成案を詰めつつある段階でございまして、まず価格面において、世の中のおかしいといったような感触をなくすということで、私どものサイドとしましては改善したい。近くこれは実施できると思っております。それから後におきまして、公開なり新規上場ということにつきましては、最近中堅企業におきましてやはり合理化投資とか省力投資とか、そういうような資金繰り、そういう配慮から、あるいは企業の財務体質その他の競争力を強化するという見地から、単に個人が支配して同族関係だけで保持する段階ではないということを大局的に判断をして、決意をして公開しようということに踏み切るわけなんですが、その事例がかなり出てまいっております。それが大きな打撃なり、また、その芽をつんでしまうようなことにならないようにしたいものだというのが私どもの見地でございます。
○松本(十)小委員 主税局のほうはいかがですか。
○高木説明員 新しい中堅企業が上場を通じて発展をしていこうということを、税のほうでつみ取ってしまってはいけないという点につきましてはまさにそのとおりだと思うのですが、ただ現実に、たとえば十億とか二十億とかという大きな所得が一挙に一人なり二人なりの創業者のところに実現をするという場合に、それは全く非課税であるということが、課税の公平の上からいって、いかに新しい企業育成が重要であるにしましても、なかなか一般庶民の納得を得にくいという事実もあるわけでございます。問題は、要するにそこの調和点をどこに求めるかということになってくると思います。私どもの気持ちといたしましては、前回の委員会での御質疑、答弁を通じても出ておると思うのでございますけれども、とにかく今日のままではいかぬのではないか。何か検討はしてみなければならぬのではないか。さてそれをどこへ落ちつけるかということは非常にむずかしいわけでございますが、しかしどうもこのままではちょっとぐあいが悪いのではないかというところでございまして、まだ、それから進んで検討して、こういうふうに進んでおりますということを申し上げるところまでいっておりません。ただいま証券局長のほうから答弁がございましたように、公開につきましていろいろ証券局のほうで検討しておられますので、その推移を見守りながら、私どもも私どもの立場で証券局と折衝していきたい。しかしいずれにしましても、先ほどの御質問のように軽々にはなかなかやるべきでない。軽々というのは、軽率にはやるべきでないということでございますので、両面から慎重に検討することをお約束いたしたいと思います。
○松本(十)小委員 なかなかむずかしい問題だと思いますが、これは影響するところが、単に公開株だけじゃなくして証券市場全体にも及ぶかと思いますので、慎重の上にも慎重を期していただきたいと思います。 最後に、それでは外人投資の問題でございます。先ほど局長から現況説明がございましたが、一昨年来からの上げ、またこの四月三十日からの暴落といいますか、下げ、その後、上下動を続けておるようでございます。国内的な要因ももちろんあったでありましょうが、単純にわれわれがしろうと風に見れば、外人買いによる上げと、それにちょうちんをつけるといいますか、買った日本の投資家がわっしょわっしょやったのでありまして、また、外人売りがもとになって、これはいかぬということで投資家が追随をして売ったために株が下がった、こう言っていいかと思うのであります。そういう意味では、先ほどの局長の説明にありましたように、やはり外人による証券市場の擬乱を、何かの形でバッファーを設けてできるだけインパクトを緩和する、こういうことをやるべきではないか、こう感ずるわけでございます。そういう意味で、一つは証券取引法百二十七条というのがありまして、大蔵省でもやることになっておるようでありますが、これについての証券局のお考え方、そして、これは国内的なものについて発動するということはむしろ行政としていいのかどうか、いろいろ議論もありましょうが、少なくとも外人の買い売りに対して何かこれが役立つ可能性があるのかどうか、これが一つの質問点であります。 もう一つは、先ほど話が出ましたように、ディーラーズポジションというのですか、海外の支店なりあるいは日系の海外法人というものに、いまかなり外貨もたまっておりますから少し持たしておいて、これが平準化作用を外国の地においてやっていく。国内へまっすぐ衝撃がこないように現地で片づけられるものは片づける。これによって少しは証券市場への激しいインパクトをやわらげられる余地があるのではないか、こういうふうに考えるのですが、これについても証券局のお考えを伺いたいと思います。 いま、外国為替市場で円に対するアタックなりスペキュレーションというものが起これば、特にこれから国際化が進んで円為替というものが世界の経済に登場してくるでありましょうが、当然オペレーションというのをやることになるだろうと思うのでありますが、長期の金と申しますか、証券市場についてもそれに準じた手だてをいまから考えておく必要がある。国際化の過程においてもう少し前向きでやったらどうかという感じがいたしますが、どういう見解を持っておられますか。
○志場説明員 百二十七条のお尋ねでございますが、この位置づけはなかなかむずかしい問題でございますが、証券取引法を通じまして市場の秩序を保つということが大きな眼目になっておるわけであります。そのための方策はいろいろございますわけで、一つは、証券取引所の機能といたしまして、自主規制とでも申しますか、その面のサイドがございます。現在それにつきましては理事長権限といたしまして、価格の、個々の銘柄の価格でございますが、値幅制限でありますとか、あるいは委託保証金を増徴するとか、現金ないしは現株を即時提供させるとか、信用取引の制限または禁止ができるとか、売買取引の一時停止をとり得るとか、そういったような取引所の規制に基づきますところの市場秩序の維持、公正な連続的な価格形成のための配慮というものが一方においてございます。現にこれは規則を制定し、必要なときは発動できる、こういう体制にあるわけであります。 他方、極端な場合といたしまして、百五十五条というのがございます。これは、大蔵大臣は、十日間の期間におきまして市場における売買取引の全部ないしは一部の停止を命ずることができる、あるいは閣議を経まして、三カ月以内の期間を定めて取引所の業務の全部または一部の停止を命ずることができる、こういう規定であります。 お尋ねの百二十七条というのは、別の条文で固有に規定されておりまして、停止にも至らず、さればといって取引所の個々の自主規制に基づく先ほど申しました措置では不十分であるという、非常に微妙な段階を把握した規定であります。規定を読み上げますと、「大蔵大臣は、」以下途中は省略いたしますが、「会員のなす過当な数量の売買取引であって有価証券市場の秩序を害すると認められるものを制限するため、公益又は投資者保護のため必要且つ適当であると認める事項を大蔵省令で定めることができる。」大蔵省に対しましてこういう目的を持った定めをしろという授権的なことを法律が与えておる、こういうわけでございます。実はこの規定に基づく大蔵省令は、証取法施行後二十何年たちますけれども、制定されておりません。しかし、この立法の書かれてある内容、ねらいとするところ、今後国際化におきまして、投資者保護あるいは公益のために必要であるという議論はこれを消すことができない、いよいよこれからこそ必要な場面があり得るのではないかという問題意識は、私どももこの際持つわけでございます。ただこの中身につきましては、先ほどの一方における全面的な停止と他方におきまする取引所の自主規制というものとの中におきまして、この条文の趣旨をどういうふうに生かして、それを、省令に基づき、まただれがいかなる判断に基ついて発動をするかという点について、目下慎重に検討しつつあるところでございます。 お尋ねのように、国内でございますと、いろんな取引というものは、やはり情報にいたしましても国内のことですからある程度はだ合いで感ずることもできましょうし、また発行企業及び投資家にとりまして日本の市場というものは最大の関心事でございますから、その秩序を破壊しようというようなことはおのずから各人の利益のためにもブレーキがかかる次第でございまして、これはどうなってもいいといったようなことを考えている人はいないと思いますが、ただ外国との取引となってまいりますと、外国の投資家というものは、日本の市場は数ある取引所の中の一つにすぎないわけでありまして、日本の取引所の秩序を維持しなければ自分たちの利益にならないということでもないわけであります。さような観点からいたしまして、しかも海外からの情報というものは、今日情報化の時代と申しますけれども、非常に消化されない。したがって、何だかわからないがある事実的な報道、ニュースだけが飛び込んでくる。これによって非常に不安もあり、またそれを契機といたしまして過当なから売りだとか信用買いだとかいったような信用取引が、それを投機材料として跳梁するということもあり得るというふうに思われるわけであります。ですから、純然たる国外からだけのものを規制するということでありますかどうかはなお検討の余地があろうかと思いますが、主とした観点はお尋ねのような趣旨の、海外からの影響で市場秩序を破壊されることがないように守るという点に、実際上のねらいとしましては重点を置きまして、さような観点から省令を定めるというふうな方向で極力検討してみたいと思っております。 ただ、これはよけいなことかも存じませんが、アメリカの証券法におきましても規定がありまして、いえばこれを見習ったという現在の証取法でございますけれども、アメリカにおきましてもさすがにむずかしいと見えまして、SECの規則はまだもって定められておりませず、業界の自主規制にまかされておるというようなことでありますので、なかなかなるほどといったような省令はつくりにくいという感じもないでもありませんが、そこら辺のことは、あらかじめ弁解するわけではございませんが、十分御理解いただきますとともに、しかし私どもは、そういうふうな法律の請託にこたえまして何らかの省令をつくるというのが、行政当局としまして私らとしましての責任ではあるまいか、かような形で受け取っておるわけでございます。 それから、次のわが国証券会社の海外における業務の充実でございますが、これは全く同感でございます。今後外国の投資家との間の接触を保ち理解を深め合い、またいまの市場秩序とも関連しますが、やはりその間にありまして売買上の適切なアドバイスをするということのためにも、日常の海外の業務活動につきまして、いよいよ相互理解のために活動をしてもらわなければならぬということであります。現在のところ、急速に国際化が進んでまいりましたので、金の点ももちろんでございますけれども、何と申しましても人間の養成ということが非常に不十分でございますので、鋭意これを増強といいますか、充実いたしますと同時に、必要な経費の送金につきまして、ないしはお申し出のありました、御要望のありました外貨ポジションの保有ということにつきましても、国際金融局とも十分に接触いたしまして、わが国の市場秩序を健全に守るという見地からそういう方向へなるべくすみやかに実現がされますように要請してまいりたい、かように考えております。
○松本(十)小委員 国際化の過程で外人の売り買いがふえるということは必然的なことでありましょうし、また望ましいことだと思いますが、これによって撹乱され過ぎないように、公正な価格が形成されますように、そうしてともすればうまみを外人に持っていかれる、あとかぶるのはまじめな日本の投資家である、こういう結果にならないように、ひとつ万全の措置を講ぜられたいことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○藤井小委員長 堀君。
○堀小委員 時間がありませんから、きょうは質問というよりも少し資料要求をして、次回から質問をさせていただきたいと思います。 今度の問題の中で、証券局長のほうで、あの混乱の際に信用取引のあり方について何らかの改善方法があっていいのではないかという発言がありました。そこで、資料としてお願いしたいのは、いまの日本の信用取引の制度はおおむねアメリカの制度をもとにしてつくられておるわけでありますから、現在のアメリカの信用取引の制度、それがどういうふうになっておるかということと日本の制度と対比をした一覧表を出してもらいたい。要するに、証拠金は向こうはどうなっておるか、証拠金率は一体どうなっておるかという、個別的な信用取引の仕組みをアメリカと日本と対比をして、いまアメリカの制度と日本の制度はどういうところに違いがあるのか、共通しておるのはどういうところか、あるいはかなり証拠金は向こうが高いのか、日本のほうが低いのか、そういうようなもとになっておるアメリカの信用取引の現行の制度と日本の現状と併記をして、そこに必要なコメントをつけた信用取引に関する資料をひとつつくっていただきたいと思います。できれば、それを次回の委員会で論議をいたしますので、次回の委員会の予定された一週間前にひとつ小委員のところに届くように配慮していただきたい、これが第一点であります。 それで第二点目は、これは資料ではないのですが、いま松本さんから証取法百二十七条に触れてお話があったのですが、私は、いまの証券局長の答弁にありましたように、実はアメリカでも処置ができない、日本でもこれまでつくってないのは、この法律は確かに法律としてはあるのですが、これは非常に条件がむずかしいということになっておるわけですね。これは、「又は会員のなす過当な数量」、一体この「過当」とは何ぞやということは非常に問題である。「過当な数量の売買取引であつて有価証券市場の秩序を害すると認められる」と、こうくるのですね。一体どこからが秩序を害するのであるかという限度の問題、または「公益又は投資者保護のため必要且つ適当であると認める事項」、これですね、三段がまえに実に判断のむずかしい問題が並んでいるわけです。私はやはり考え方としては、取引所の自主性をより拡大をさせる、言うなれば、アメリカが現在とっておるように取引所の旧主的規制で処理ができる道を開くということのほうがより適切であって、これはどうもいまから省令をつくることはいろいろと問題を残すおそれがある。要するにその判断をするものが大蔵省ですからね。ですから、そこにその判断が間違えば、これは市場秩序を害すると認めてやったことが逆に市場秩序を害するということになるおそれもあるわけです。これは両刃のやいばのような性格を持っておる点で、この証取法百二十七条の省令問題は、いま証券局長が答えられたように、これは軽々に処理すべき性格のものではない、私はこういう判断を持っておりますので、これはちょっと意見にわたりますけれども、ひとつその点を申し上げておきたいと思います。 少し準備をしておりましたけれども、あと田村さんの質問もありますので、本日は私の質問は以上の資料要求にとどめて、次回にひとつ発言をさせていただくということで、本日の質問をこれで終わらしていただきます。
○藤井小委員長 田村元君。
○田村(元)小委員 いま堀委員から資料要求がありました。私はきょう少し具体的な問題をお尋ねしようと思ったのでありますが、信用取引の問題その他資料提出を待ってあらためてお尋ねをいたしたいと思います。きょうはごく現実的な問題を二、三取り上げてお尋ねをいたしたいと思うのです。 かつて、そうたいして以前でもないときに、大蔵省は証券取引市場の姿を、大衆投資家が参加してまことに好ましい姿になってきたということを言っておられました。日本の経済の姿を、大衆が参加した証券市場ということで礼賛をされたことがあります。ところが、そのような考え方の上に立っておられるはずの大蔵省が、先般の暴落について、株式が高過ぎたんだから少々の反動はしようがないという、大衆投資家がたくさん参加しておるということを口に出されないで、ただ現象面だけでそういうふうに簡単にきめつけられ、打つべき手を打たなかったような感じがいたすのであります。もちろん、相場そのものが若干持ち直ってまいりましたから、いまあえてそれをあげつらう気持ちもありませんけれども、以前高過ぎたんだということと、たとえどうあれ暴落をして、いわゆる大衆投資家が非常に苦しんでおるということを救う、やはりそれはけじめをつけて救済策は打たなければならないんじゃないか、私はこのように思うのです。そういう点で、おくればせではあっても、もちろん証券取引の適正化あるいは秩序化というものも十分考えながら、また証券会社の姿も是正を求めながら、大衆投資家の救済ということを考えるべきじゃないかと私は思います。そういう問題についてはこれからあらためて次回にでもいろいろと御質問申し上げたいと思いますが、特に私が非常に不審に思っておる問題を含めて、若干の御質問をしたいと思うのです。 それは、まず第一に時価発行についてであります。私はダウの平均が幾らになったとか、幾らに下がったということにはあまり興味を持っていないのです。それよりも、時価発行額を上回っておるか、あるいはその水準を保っておるか、あるいは大幅に下回っておるかということが大きな社会問題であろうかと思うのであります。いま、時価発行を最近いたした会社の株式は大幅に下落いたしております。時価発行ももちろん公募と優先募入に分けて考えなければなりませんけれども、特に優先募入ということを考えれば、時価に対して割り引きをして出すのでありますから、それは応募する者に対する安心感を与えるということと応募する者に対するサービスというものがなければならないし、事実割り引いて公募するということは、これは応募希望者からいえば当然ここまでならだいじょうぶだという安心感と、またこれだけ安くてというサービスを受け入れる気持ちがあると思うのです。歓迎する気持ちがあると思うのです。ところが、いざ買ってみたら、応じてみたら大幅に下落した、まるきりペテンではないか、詐欺ではないかという声がちまたにあふれておるのも、これまたわれわれは否定できないことだと思います。 先般、これは時価発行をしたある大会社の社長でありますが、つい最近この人が私のところにやってきて、時価発行というものについてのいろいろと説明をしておりました。ところがそのときに彼は、場合によったら私が証人に立ってもよろしゅうございます、委員会へ場合によったら私をお呼び願いたい、私は宣誓をして証言するつもりでありますからということで、彼がいわく、自分は実は時価発行はあまりいたしたくなかった、ところがいろんな事情で証券会社にあおられて時価発行に踏み切らざるを得なくなった。それは一つは株価の動向もありましたでしょう。そしてなお、時価発行の価格をうんと安くしようと思ったら、大蔵省から反対を食らって価格についての干渉を受けた。私はそれを聞いて、いや大蔵省は時価発行の価格については一切干渉してないはずだが、と言ったら、どうぞ委員会へお呼び願いたい、私はその事実を証言いたします、こういうことであったわけです。 そうなると、時価発行を大幅に下回っておる今日の姿というものは、大蔵省自体にもやはり責任があるような感じがいたすのであります。特に先般の松下電器の時価発行はあれはまことにひどいもので、日にちは幾日であったか覚えはありませんが、締め切りの当日までとにかく系列会社や銀行にどんどんと買いささえをさして、六百三十円をぎりぎりで守って、それが済んだらがたんと暴落した。これは私は明らかに道義的な背任行為じゃないかと思うのです。時価発行額が六百三十円である。取引所において、場において六百二十九円であれば、六百三十円を引き受けることはこれは株主に対する背任行為になる。とにかく六百三十円を無理につくった、そしてあとはがたんといった。これは私は非常な社会問題だと実は思っておるのです。ところがそれに対して何らの見解も出されていない。私は時価発行の価格を少なくとも維持するくらいまでは保っていいんじゃないか、またそうあるべきではなかろうか。少なくとも道義的にはそうあるべきではなかろうかと思いますが、時価発行についての大蔵省側の見解をひとつお尋ねいたしたいと思います。
○志場説明員 今回の株価下落に関連しまして、時価発行を含めた増資が過大ではないか、いわゆるオーバーイシューに基づく株価下落の要因が大きいんじゃないかということもいわれておりますが、私どもは全体としてはさようには実は見ておりません。昭和三十六年にオーバーイシューと見られる事態がございました。そのときの払い込み金は、いわゆる増資額は六千六百七十億円ばかりでございまして、その後の株価暴落にこれがつながっていったという事実はございます。ですけれども、その年における支払い配当金というものを見ますと二千九百億円でありました。支払い配当金の総額を倍以上上回るようなオーバーイシューが行なわれたわけであります。もちろん支払い配当金の範囲内であればオーバーイシューでないというような方程式もどれほど成り立つかどうかわかりませんが、一応の世間の常識といいますか、認識といたしましてさようなこともいわれております。そういうことで、本年度の支払い配当額を予想いたしますと七千四、五百億円になります。また株式がふえますと、やはり株価というものは株式一株当たりの企業の利益というものを基本にいたしますので、したがいまして株式がふえる割合と利益のふえる割合というものを対比いたしました場合に、利益のふえる割合よりも株式のふえる割合が多い、こういうことになりますと、そこに株価的にはこれを下押しするというたてまえになるわけでございます。さような観点から、本年の増資見込み額は、時価発行によるプレミアム分、その他公募によるプレミアム分を含めまして六千億円程度と見込まれておりますが、その六千億円程度の株式資本の増加割合と、片や利益の昨年に対することしの伸び率の予想というものを置いてみますと、利益のふえる割合に応じて株式がふえてもいいという額であればその両者の関係は比率は一でありまして、株価を下押しするということはないということになりますけれども、それでふえる割合の限度を置いてみますと、これは六千数百億円という数字が出てまいります。さような点から考えて、年間全体としました場合に六千億円と見込まれている増資額の総量というものがオーバーイシューということにはならないというふうに、まあ大局的には判断がされるんじゃないかと思うわけです。 なお、四月、五月の二カ月にわたってソニーですとか松下電産ですとか、あるいは大和ハウスとかいったような大型の時価発行が続いて、これが大きなオーバーイシューになっておるんじゃないか、こういうこともございますが、ことしの実は四月、五月と昨年の増資払い込み金額と比較いたしますと、昨年は四月は五百三十三億円、五月は二百八十七億円でありまして、両月合わせて約八百二十億円であったわけですが、本年の四月は四百八十三億円、五月は三百九十三億円でございまして、合計八百七十億円でございまして、この間の経済の成長ということを織り込みましても、四月、五月が特に昨年に比較しても大きな払い込みが行なわれたというふうにも見られないわけであります。 ただ問題は、それはマクロと申しますか、全体の需給というような中での大まかな議論でありまして、個別の企業の際にはどうだという問題は依然として残るわけであります。これにつきましては、ただいまお尋ねにもございましたけれども、実は増資の決意をするというのは発行企業のほうでありまして、それに関連して証券会社が過当競争、幹事競争ということを通じまして、いわば無理無理企業を増資のほうにかり立てる、ないしは時価発行のほうにかり立てているということがあるのではないかということでございますが、私どもはさようなことがあってはならぬということで、昨年の日本テレビの粉飾決算のあと、証券会社は過当な競争を慎んで、発行企業体に対してよいアドバイザーとして十分な審理機能を働かせて、同時に適正にアンダーライター業務を行なうべきであるということで厳重に注意いたしております。けれども会社間のことでありますから、ある程度の競争ということもあろうじゃないかと思うのでありますが、お尋ねのように、発行企業体はほんとうは増資したくないのだけれども、あるいは時価発行したくないんだけれども、無理無理時価発行による増資をすることになったということは、これは考えられないというふうに私は思うわけであります。 ただ問題は、株価操作的なこととの関連で言われましたけれども、私は基本は、時価発行というもの、つまり増資というものに対する認識のしかたであろう、こう思います。増資によって払い込みを受けました資金というものは、これから資本設備に投入されるわけであります。それが早くて一年とか一年半とか二年とかいったような、資本の懐妊期間を通じまして生産力となり収益を生む働きを示すわけであります。その増資払い込みというものが従来の株式額面による割り当てでありますと、時価がそれだけ、つまり新株が増加する分だけいわば権利落ち的に下がっているということでありますけれども、しかし五十円という額面を上回っているということからさほどのことも感じなかったかもしれませんが、時価発行では、毎日存在します当該銘柄の時価というものが出まして、それに関連した値段をきめますもので、それがやはり変動いたしますとすぐ公募価格を割ったとか云々ということで、あたかも当日の株を一日にして買って売ってもうけるというような意味にとらえられがちであるということはございます。しかしこれは本来的には適当でないわけでありまして、その増資払い込みということを考えますと、これはある程度の資本の懐妊期間というものを置きまして、その収益力、生産力というものがやがて、あるいは配当でありますとかあるいは増資でありますとか無償の割り当てでありますとかいうものを通じまして株主に還元してくる、こういう筋合いのものでございまして、さような点から申して、短期間にそれが変動したからといって、その価格自体が安過ぎたのではないかとか高過ぎたのではないかとか、あるいは損したとか得したとかいうことはもともと論ぜらるべき性格のものではない、かように思うわけでございます。 ただその場合におきましても私どもとしましては、証券会社のビヘービアといたしまして、投資家に増資払い込みをすすめる際に、本日のたとえば六百六十円なら六百六十円という株価と比較しまして六百三十円で安いですよ、だからこれをお持ちになれば、直ちに右から左へ売れば三十円もうかりますよ、こういったようないわばその日商いのようなことですすめることがありますとしますれば、それはまあしろうとと申しますか大衆といたしましては一見まとものように見えまして、その結果が六百三十円という値段を下回るような株価になりますと、うそついてだましたじゃないかというふうに受け取られがちになってまいりましょう。したがいまして、その間、時価発行について払い込みを勧誘する、応募を勧誘するという際の証券会社のビヘービアというものにつきましては、十分にこれは注意させるようにしなければならぬということは考えます。 もう一つは、先ほど価格決定に際して大蔵省は差し出がましいことをするのではないか、こういうふうなお尋ねでありますが、実は増資につきましては、法律的に申しますと大蔵省は全く口を出す余地はないわけでございます。有価証券届出書を出してくるのは発行会社の発意だけで、それを受理しました場合に、形式的要件も整っており、また特別に粉飾決算といったような疑いが濃厚でない限りは、一カ月後におきましてはその有価証券届出書の効力が出るわけでございます。そこに盛られました価格につきましては、これについて高過ぎるとか安過ぎるとか判断をすることはできないたてまえであります。ましてやその増資を延期させるとか一時差しとめするという権限は与えられておりません。ただ私どもが申しておりますことは、時価発行におきましていろいろ方式がございます。たとえば西独方式のような時価と額面との中間的なものをねらっていくといったようなあり方もございますし、アメリカ流に時価に非常に密着した——アメリカはたとえばディスカウントレートも数%というふうな、ほんとうにその日の、しかも直前の、極端なことをいえばきょうの払い込みのときにきょうの時価を基準にして数%のディスカウントをきめていくという方式と、二つあるわけでございます。日本の場合におきましては、いやしくも公募というたてまえにする限りアメリカ方式が適当であるという判断で従来も指導してまいっております。さようなことから、そういう秩序を持たせますために、極端な、ないしは従来の例とは違ったような考え方を導入するにつきましては、私どもの行政指導といたしまして適当とは思わないという指導をしておるということは事実でございますけれども、今後の時価発行というものがこの公募を中心にして健全に育っていくためには、やはり基本的たてまえは必要であるという配慮からでありまして、そのための証券会社のアンダーライターの機能の発揮、あるいは払い込みに応ずるという株主の勧誘のための態度につきまして、従来までが十分であるという認識ではございません。これにつきましては十分に反省を求め、指導してまいらなければなりませんけれども、基本的に時価発行というものはさようなことであるべきであるという認識もあわせて発行会社及び投資家に広く認識をしてもらいたい。かようなことで、十分理解につとめてまいらなければならぬと思っております。 はなはだ不十分なご答弁かも存じませんが、大体さようなことです。
○田村(元)小委員 実は私はきょうは非常に簡単に御質問申し上げようと思っておったのですが、いまのような御答弁でありますと若干やはりひっかかるものがあるわけです。おっしゃるとおりだと思うのですよ。おっしゃるとおりだと思いますけれども、だからといって一般投資家に一々その原理を説明するわけにもまいりますまい。そうして株式は多分に投機的なものだということも認めざるを得ません。ところが現在大衆投資家が参加しておるということの大きな理由の一つは、銀行へ定期預金で入れておけば物価の値上がりのほうが利率を上回ってくるものだから金が減っていくということで、それともう一つは証券会社のPR等もあって、株を買うということになっておると思うのですよ。ですから、たとえば学校の先生をしておって退職して、その退職金で株を買った人だってたくさんあると思うのです。ところが現実に時価発行をやった会社の株は大幅に下落しておることは事実なんですね。ところが一般大衆の投資家から見れば、いまおっしゃったようなことで長い目でこれを見ようというような考え方はなかなかできるものじゃないのですよ。やはり目先株価が下がれば、あるいは特に暴落すれば周章ろうばいして、ろうばい投げが起こることもこれまた相場じゃないでしょうか。私はそういうことを言っておるわけです。 特に松下電産の場合は株価操作がひど過ぎますよ。私はきょうそこまで追及する気はなかったけれども、いまのようなお答えであれば残念ながらこれを言わざるを得ないのです。あれはひど過ぎる。だれが見たってひど過ぎます。大蔵省のお役人の一人一人に私がプライベートにものを言えば、あれはひどかったと言うし、また時価発行に対する批判もあるわけだ。ところがこういう席に出るとそれを正当化されてしまう。俗にいう国会答弁ですね。それじゃ私は大衆投資家はほんとうにお手上げだと思うのですよ。投資家という、家がつけばまだいいけれども、ほんのわずかの株をなけなしのへそくりで買っておるような人たちのことをやはり考えてやらなければいけないのじゃないか、このように思うのです。 いまもお話があったようなことでありますが、現実に私は知りません、私は内容は知りませんけれども、時価発行の価格をそれじゃ安過ぎるといって大蔵から注意を受けて、泣く泣くしかたなく高くしました、場合によったら国会に喚問してくださいという社長までいるのです。超一流会社の社長です。私はそれはどういうことであったかと、別に喚問しようとは思いません、私も与党でありますからそこまでのことをしようとは思いません。ですから、時価発行について答弁として、ああこれは誤りであったとおっしゃりにくければ、私は、やはり反省はなされていいのじゃないかと思うのです。時価発行そのものをぼくは否定しているわけじゃないのです。時価発行のやり方の問題だと思う。価格のきめ方の問題だと思う。それから時期の問題だと思う。いろんなことが今度は最悪の条件で重なってしまったような感じがします。私は証券局長の責任だとは言いません。証券局長は非常にまじめな方だから別に苦しめる気持ちはありませんけれども、ただ、いまのような政府答弁をされてしまうと、残念ながら私は、さようでございますか、よくわかりましたと言ってすわるわけにはいかない、こういうことなんです。だけれども、これに対して特に私はここであらためて答弁を求めて、それについてまた私がひっかかるということは避けておきたいと思います。あなた方とも内々で私はお話を申し上げて御意見も承っておるのです。だからそれで私はがまんしておきますけれども、政府答弁は政府答弁として、あなた方が個人的に考えておられるようなことを政策に移してもらいたいということを特に申し上げておきたいと思うのです。 それから二番目は、アメリカがくしゃみをすれば日本はかぜを引く、特に相場においてはアメリカがくしゃみをすれば日本は肺炎を起こすといわれております。IOSの問題も同じことが言えるわけですが、これは非常に困ったことです。アメリカの景気に日本の貿易が支配を受けて、影響を受けて、それが株価に影響するならこれはしようがないと思うのですよ。これはあり得ることだけれども、外人がわずかの株をぽんと売っただけでそれで大きな変動がある。日本人が二十万株売ったって別にびくともしないのに外人が十万株売ってくるとがたんといくということは、これは日本の証券市場なんというものはたいしたものじゃないなと実は思っておるのですがね。 そこで、先般私は新聞を読んでおって、大蔵省でも考えておられるやに、たしか日経だったと思いますが、拝見したのでありますが、これは一つのいい方法だなと思ったのであります。その問題は、外人売りに対して場外でこれを売買できるようにしたらどうだというような趣旨であったと思いますが、具体的に、外人売りに対しては、その注文を受けた証券会社が、特に生保や銀行やあるいは投信に対して相対で若干の割引をしてでも売るような方途を講じたらどうかと思うのですよ。そうすれば場に流れる前に相当の株数が消化されるのじゃなかろうか。これは志場さんのほうでお考えになっておられるようでありますが、それについて若干の御意見をひとつ承りたいと思うのです。
○志場説明員 時価発行につきましては、私ども答弁が至らなかった点はあろうかと思いますが、今回の苦い経験にかんがみまして、個々の証券会社、また発行会社の指導監督の面について改善と申しますか、今回の経験を反省の材料として慎重に指導してまいりたいということを否定する気持ちは毛頭ございません。ただ、いろいろと結果的なことから、時価発行というわが国の将来の証券市場のために基本的に必要であると思われることが、その芽をつまれてしまうということは残念であるというところから、あえて基本的な、少し迂遠なことを申し上げたようなわけで、ただいま先生の御心配になっておりますような一般投資家の現実の心情ということは十分理解しなければなりませんし、十分に今回のことも反省を加えまして、指導を一段と慎重にしてまいりたいという気持ちは全く同様に持っておりますので、その点はひとつよろしく御理解を願いたいと思っております。 それから、後のほうの外人売りの問題でございますが、少ない数量であるにかかわらずこんなに大きく動くというのはおかしいじゃないかということはごもっともでございまして、私どももいまさらのように、わが国市場の層の薄さと申しますか、あるいは自主的な判断、冷静な判断の欠除とでも申しますか、あるいは付和雷同的な心理状態と申しますかにつきましても、非常に残念に思うわけでございます。ただ何ぶんにも、去年の値がさ株の出現も、実は外人が現物でかなりの割合を引き上げていった、これにやはり雷同的な信用買いというようなものが付加されたということからいったということのように示されておりますので、今後ともさようなことは十分に警戒しながら対処してまいりたいと思うわけでありますが、これに関連しましても、いま先生の御提案の、場内にストレートに持ち込むからという問題は、確かにその点があろうかと思います。ただ、これを国内で執行するとなりますと、現在は証券会社会員たる者は市場に集中すべしという規則になっておりますし、またそれを場外でと申しましても、やはり外人の売買というものが、しかもあるときには、その量が大きいというのが前提でありますから、かなりの量の売買が行なわれたということは、あの社会のことでございますのですぐ知れわたるわけであります。ですから、先ほど松本委員の御質問でもお答えしましたが、これを何とか国内に持ち込まないで、国外におきましてまずこなしていく、そうして国内の本邦証券会社が、一応向こうで手持ちになりましたものを、日本の市場の状況等も見ながら、適宜これを日本のほうにつないでくるというようなことが望ましい方法ではなかろうかという段階の検討をしておりまして、これにつきましても、国際金融局のほうの外貨を持たせるということにもからんでまいりますけれども、とりあえずはさような方法があると考えておるわけでありますが、なお国内においても何とかそういうことはできるんじゃなかろうかというお尋ねに対しましても、以上にからめまして検討してまいりたいと思います。
○田村(元)小委員 時価発行については、局長が言外のお気持ちを吐露されたものとして、ひとつこれから大いに操作において御注意を願いたいと思います。 いまの外人の問題ですけれども、実は松本君もさっき御質問になったが、それを承っておって、私のは、松本君の御提案、そうしてという意味で、アンド国内の問題という意味なんですよ。そういうことでありますが、国外においてまず防波堤をつくるといいますか、そこで薄めるというか、そうしてなお国内においても、その注文を受けた証券会社が相対で機関に入れることができるというようなことは、これは特に株価において非常に変動の大きいときでなくても、平素でも私はこれをやっていいのじゃないかと思うのです。これはひとつ局長、真剣に御検討願いたいと思うのです。これは第一、そういうことになりますと、いわゆる勢いというものがつく下落がなくなりますから、外人売りという心理的な要素はあっても、それが相対で売り買いになりますと少なくともそこの価格で持ちこたえるということができるわけですし、特に外人売りなんていうものの要素によって株価が大きく変わるということは、これは全くふざけたことでありますから、これはひとつ十分御検討を願いたいと思うのです。 なおその他いろいろと御質問申し上げたいのですが、時間も時間ですからこの程度にいたしておきたいと思いますが、若干資料を要求しておきたいと思います。先ほど堀君から資料要求があったので、ついでのことでありますからひとつお願いしたいのですが、まず手数料について外国はどういうようなことになっているのか。いわゆる株価の変動が大きければ困るということの反面、手数料というものを、ペイラインを抜こうと思うことによっていましばらくと思っているうちにがたがたと下がっていくということも多いと思うのですが、手数料の問題で外国の事例をお出し願いたい。 それからもう一つは、売買の回数、株数、これは証券局には直接の関係はないと思います、税のほうですから。ところが五十回以上にして、かつ二十万株以上でしたか、これはいまの御時勢ではいかにももうおかしいと思うのです。特に株価が値がさ株と低位株であれだけ違ってしまっている以上、ソニーの二十万株といえばたいへんなことかもしれないが、新日本製鐵ですか、これの二十万株といえば何でもない金ですから……。それから回数だってそうで、やはり証券取引がある程度投機性を持っていることはいなめないのだから、そうすれば五十回といったって二十五回買うということですから、これだってやはり何らかの改善をしてやっていいのではないか。現実的な意味においてそういう感じがするのですが、それの是非はとにかくとして、外国の場合、そういう税制はどういうことになっているのかということを知りたいと思うのです。これについて資料をお願い申し上げたい。以上二つの資料をお願い申し上げたいと思います。 それから最後に、これはもう非常に簡単でけっこうなんですが、今日の日証金、大証金、中証金の問題でありますが、非常に残が減りましたね。先ほど御説明にあったように、九百六十億くらいですか、たしか貸借の倍率が十を割っておりますね。もちろん私は自己融資の内容がわかりませんから、自己融資がどういうふうになっているかを調べなければものは言えませんけれども、そういうことで非常に健全な姿になってきたというような実は感じで見ているのです。まあ新聞で見る程度の知識ですからそうたいした知識ではないかもしれないが、局長どうですか、証券金融の面から見て非常に改善されたというふうにお考えですか。それだけちょっとお答え願って私の質問を終わります。
○志場説明員 結論的にはさようにお考えになって間違いではございません。五月九日現在で見ますと、いわゆる証券会社の自己融資が残高で七百四十一億円になっておりまして、それに日証金の貸し残千百七十一億円を加えますと、千九百十億円ばかりになっておりますが、この水準は、実は昨年の自己融資の面で見ますと、昨年の大体九月から十月にかけての水準になっておりますし、日証金の残高といたしてましては——いま申しましたのは、九月と申しましたのは四十三年のでした。四十三年の九月から十月の水準に落ち込んでおりますし、日証金の残におきましては昨年の四月ごろの水準に落ち込んでおりまして、この点から申しまして、去年の秋からことしの初めごろかなりふくらんだわけでございますけれども、と申しますのは、たとえばことしの四月二十日をとりますと、証券会社の自己融資が千二十三億円ございましたし、日証金の残高が千三百二十億円ございまして、合計で二千三百四十億円あったわけですが、これは実は半減のようなことに整理と申しますか、縮小しておるということでございまして、平常の水準にその残高は戻っておる、こういうようにお考え願っていいのじゃないかと思います。
○藤井小委員長 次回は、七月六日月曜日午前十時三十分から開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時二十二分散会