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63回国会衆議院1970/10/27

大蔵委員会 第37号

発言数
155
登壇者
16
会派数
5
開催日
1970/10/27

会議録

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 これより会議を開きます。  税制に関する件について調査を進めます。  本日は、ビール価格等の問題について、参考人として麒麟麦酒株式会社社長高橋朝次郎君、サッポロビール株式会社社長野々山広三郎君、朝日麦酒株式会社社長中島正義君及びサントリー株式会社社長佐治敬三君の各位が出席いたしております。  参考人各位には、御多用のところ御出席をいただき、ありがとうございます。  本件につきましては忌のない御意見をお述べいただきますよう、お願い申し上げます。  なお、各位の御意見は、委員からの質疑により承ることといたします。  これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。平林剛君。

平林剛日本社会党

○平林委員 本日、ビール四社の責任者の方をお招きいたしましたのは、ただいま委員長からお話しになったような趣旨でございます。時間の制約もありますから端的にお尋ねをしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  朝日麦酒の値上げに始まって、サッポロ、サントリー、続いて麒麟麦酒と、相次いでビールの値上げを強行されましたことに、消費者の怒りと世論の批判の強いということは、御出席の皆さんも御承知のことと思います。国税庁が説得したこともはね返し、経済企画庁からも値上げの理由はないという批判があったのもけ飛ばし、公正取引委員会からも値上げの追随はすべきでないという警告がありましても、すべて無視をして値上げを強行されたわけであります。私は、これでは行政も政治もあったものじゃない、物価対策もヘチマもありはしない、こう思うのでございます。今回のビールの値上げはその意味で、ビール業界の社会的な責任をあらためて問わなければならないという重大な問題と考えておるわけでございます。  特に麒麟麦酒では五五%のシェアを占め、昭和四十五年の上半期だけで七十四億円の経常利益と、税引き後の純利益でも三十四億六千万円をこえて、一五%の高率配当をなさっておるわけでありまして、その業績のよい麒麟麦酒まで値上げに追随をした、これは私どもなかなか理解に苦しむところなんであります。他の三社と経理内容はそれぞれ違うのにかかわらず、同じように十円の値上げをしたということは一体どういうことなのか。このことをまず最初にお聞かせをいただきたいと思います。

高橋朝次郎麒麟麦酒株式会社社長

○高橋参考人 ただいま御質問の点について御返事申し上げたいと存じます。  御承知のように、ビールというものは同じ原料を使い、同じ設備で、同じ製造工程を経てできる品物でございまして、また賃金につきましても、組合の要求によりビール三社は同一賃金ベースになっております。運賃、諸掛かりはもちろん、原材料の値上がり、賃金の異常な高騰ということは各社とも同じ実情にございますので、製造原価の上がりというものもしたがって同じでございますので、他社が適当と思って値上げした額については私どもも上げさしていただいた次第でございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 それでは重ねてお尋ねいたしますけれども、もし朝日麦酒が十円の価格の値上げをせなかったならば、またサッポロ、サントリーもこの値上げ追随をせなかったならば、麒麟麦酒では値上げをしませんでしたか。それともいまお話しになったような理由であなたのほうは値上げをいたしましたか。その点はいかがでございましょうか。

高橋朝次郎麒麟麦酒株式会社社長

○高橋参考人 ビールに限らず、一般の値上がりは進んでおります。ことに今度ビールにつきましての問題は、卸業者、小売り業者が人件費、運送費の高騰で非常に困窮いたしておりましたので、いずれの会社といりことでなく、その突き上げもございますので、またその救済もございますので、どこかで値上げはしなければならない情勢にあったと考えております。

平林剛日本社会党

○平林委員 この場合はその小売り・卸のマージンを考えてのお話と承ってよろしゅうございますか。つまり十円ではなくて、これにかわるべきもの、たとえばこの三月あたりは業界でも一時大体小売り価格で五円くらいの値上げになるだろうというような観測が報ぜられたこともあったわけなんであります。もし麒麟だけであったならば、いまお話しのようなことで済んでおった、こうお考えになっておられるのでしょうか。

高橋朝次郎麒麟麦酒株式会社社長

○高橋参考人 ただいま申し上げましたことは、ちょっとことばがたりませんでございましたが、主として卸と小売りの要望が強かったということを申し上げたつもりでございまして、生産会社もいろいろのコストアップがございまして、値上げに迫られておった実情でございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 ただいまの参考人の御意見でありますが、私は、それは一般の国民が容易に理解できるところではないと思っております。特に麒麟友酒の場合は、先ほど申し上げましたように高い利益をあげておるわけでありますし、高い配当をつけているのですから、それでもなお値上げをする——しかも、国税庁や経済企画庁や公正取引委員会のいろいろな警告を無視してまで上げる理由はないというのが、専門家でなくても、一般の国民がはだで感じておる考え方だと私は思うのでありまして、どうも率直な御意見として承るわけにはまいらないと思うのであります。  第一、今度のビールの値上げについて、わずか十円ばかりだから、これをやたら騒ぐのはおかしいと、政府、与党の一部でも経済企画庁をあべこべに突き上げておるような向きもございますけれども、ビールを十円値上げをするということは国民経済にどういう影響を与えるか。私ども試算をしてみますと、昭和四十五年のビール四社の売り上げをビール大びんに換算をいたしまして、約四百六十億円に推定をされるわけであります。つまり、四百六十億円から五百億円に相当するお金が国民のふところに響く勘定になるわけでありまして、物価抑制にとっても無視することができませんし、消費者が重大な関心を寄せてビールの値上げに疑問と、それから不満と怒りを感じるのはむしろ当然ではないかと考えておるわけなんであります。ところが、新聞に報ぜられるところによりますと、き麟麦酒の会社の首脳部は、今度の値上げに関連をして、値上げに反対を叫んでおるというのは特殊な団体なんだ、消費者はビールは安いと言っておるというようなことを値上げの弁の一部として語っておると伝えられておるわけなんでありますけれども、これは一体どういうお考えなんでしょうか。これについてどういうお考えか。ひとつ麒麟麦酒の高橋さんに、最高首脳部としてお伺いをいたしたいと思うのであります。

高橋朝次郎麒麟麦酒株式会社社長

○高橋参考人 諸般の経済情勢の結果とは申せ、値上げをせざるを得ないところへ追い込まれたことは、消費者に対してはまことに申しわけないことだと存じております。ただ、金額だけ四百何十億というふうな考え方でなく、私どもといたしましては、値上げの率が小売り価格に対して八%に満たない額であって、世間で一般に値上げが行なわれてあるものの値上がり率よりもはるかに低いものである。そこまで私どもは努力をいたしてきたというふうに考えておる次第でございます。  また、麒麟麦酒の者が、値上げ反対は特殊の団体であるとかなんとかいうことを言ったようなお話でございますが、私はその場におりませんので何とも御返事申し上げることができませんけれども、何かことばの行き違いか、受け取り方の行き違いか、何か誤解があったように聞いております。決して私ども、消費者の御意向を無視するような不遜な考えは持っておりませんので、そういう誤解がございましたら、よく十分話のわかるように話し合ってみたいと存じております。

平林剛日本社会党

○平林委員 いずれにいたしましてもビールの業界はわずか四社という寡占支配に置かれておるわけでありますし、同時に免許制という一種の保護のもとに実際の仕事をやっておられるわけであります。自由価格、自由価格と言われますけれども、実際に今度の経緯を見ますと、はたしてどこに自由競争があるのか。業界にうらまれるということが困るからというので、消費者に対してそれを転嫁していく、弱い者のほうに対して値上げを押しつけていくというようなやり方は、どうも私は寡占支配にあぐらをかいておるというような批判しか申し上げることができないのじゃないかと思うのであります。特に、私の承知しておるところでは、この七月などはビールは史上最高の売れ行きを示したじゃありませんか。当時伝えられたところによりますというと、七月のビールの売り上げは約四十万キロリットル、東京銀座の三愛ビルをジョッキにたとえれば七十六ぱいも売れた。大びんに換算すると地球を一回り回り切って、なお行き過ぎるくらい売れた。ビール会社のほうでも、対前年比は大体一五%くらいに見ていたやつが一七%まで売れて見込み違いだった。生産が間に合わないから、そこで酒の卸、小売りに対しては割り当て制をしくというような騒ぎまでするくらい、売れて売れてしかたがなかった業界じゃありませんか。私はそれが今度のような値上げ措置になったというのは、やはり、いま話をして誤解を解くということばだけの問題ではなくて、今度の値上げ全般の姿勢について、あらためて私どもは皆さんに対してお考えをいただかなければならぬと考えておるわけなんであります。  ところで、今度は朝日麦酒の中島さんにお尋ねをいたします。今度の値上げの火つけ役になられたわけでありまして、業界からいうとどういうことになるか、先陣を承ったことになるのでしょうか、いずれにいたしましても今度の原動力になったことは間違いありません。  そこでお尋ねをいたしたいのでありますけれども、私の承知しておる値上げの理由は、一つは、人件費など諸経費の値上がり、二つは、卸、小売りからの手数料アップの要求、三つ目は収益が悪くなっておると、これがあげられておるようなんでありますけれども、今日まで私どもがいろいろな角度から資料を検討いたしますと、この値上げの理由が何としても納得できないわけであります。大体ビールメーカーの大びん一本のコストは四十三円六銭であります。そのうち人件費はどのくらいになっておるかといえば、醸造費、びん詰め、販売、各部門におきましておおよそ三円七十銭から四円に満たない状態になっております。幾ら組合の賃金の要求があってアップいたしましてもどれだけの違いがあるというのか。ですから、私は人件費の値上がりという点につきましてはどうも理解ができないわけであります。私のあげた数字がもし違うならばおっしゃっていただきたいと思います。  収益が悪くなっておるという理由をあげておりますけれども、これも昭和四十五年上半期の利益状況は、経常利益で十三億五千万円、税引き後の純利益でも九億一千万円、配当も一三%の高率でございます。市場に占めるシェアは確かに最近は一七・五%と落ち込んできました。三十五年当時の二七%に比較をいたしますとかなり大幅な落ち込みであることは事実であります。一体これはどういう理由によるのか。もしこの理由が企業側の責任であるとするならば、それを直ちに消費者に値上げとしてしわ寄せするというのは経営者の態度としていかがなものであろうか。こういう点について実は疑問に感じておるわけでございまして、これらの私の意見に対しまして率直な御見解を承りたいと思うのであります。

中島正義朝日麦酒株式会社社長

○中島参考人 ただいまの平林先生からの御質問にお答えしたいと思います。  何か私が先陣の張本人のようなことではなはだ恐縮でございますが、決してそういうことでないということをまず一番先にお許しをいただきたいと思います。  私は、朝日麦酒が何か旗を振ったとか抜き打ちにやったというような一般の誤解がおありになるように存じますが、私は企業の姿勢といたしまして、いいものを安くつくって、そうして一般消費者に喜んでいただく、これは当然だと思いますけれども、その考え方を終始いたしておるつもりでございます。ただ残念なことには非常に税金が高いということでございまして、これはどうも一般の世論で別もののようにされておりますけれども、あらゆる問題がこの問題を根底として論ぜられなければならない問題だろうということを私は一つ申し上げたいのでありますが、御承知のように税率は一〇〇%でありまして、小売り価格の五二%を占めておる。六十七円九銭が税金でぐざいます。そのために免許という問題もあるし、あるいはいわゆる酒団法と申しますか、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律というものがございまして、卸は組合をつくる、もちろん生産者も組合をつくっておりますが、小売りも組合をつくる。おのずから売るところに秩序と申しますか、免許下において売らなければならないということもございます。  さて御質問の人件費でございますが、製造の人件費につきましては、私は極力これを吸収するように技術の進歩あるいは設備の改良等によりまして努力いたしているつもりでございます。しかし、御承知のように、昨年、本年と相当の賃上げをいたしております。それが一年間約二十億の賃上げの総額になると思います。単に、それは賃金だけではなくて、残業へのはねかわり、賞与に対するはねかわりをいたしますと、そのような金額になると存じますが、しかしこれは、直接人件費、製造原価に対しましては、極力吸収いたしておるつもりでございます。しかし販売費とかあるいはその他の間接に使う人間の人件費というものは、なかなか吸収できないのが私は実情だと思います。そのようなことで、私はいま数字を持っておりませんが、ただいま先生がおっしゃいましたのはおそらく製造の直接人件費のお話であっただろうと思うのでございますが、その点あるいはいろいろなところに人件費が入っておりますので、その点については私はいまここで直接御返答申し上げる数字を持っておりません。  次に卸、小売りのマージンの問題でございますけれども、先ほど御説明いたしましたように、卸には卸の組合がございます。小売りには小売りの組合がございまして、それぞれの立場において生産者に強く、やはり酒税確保のための業界の安定ということを基礎にいたしまして、われわれに要求いたしておることは御承知のとおりでありまして、特に卸の組合におきましては、本年は全国大会を開きまして、われわれも呼ばれまして、実情を説明されまして、強い要望とともにわれわれへの要求が出ておるわけでありまして、それは組合からそれぞれの社長あてに要望が出ております。それはマージンを一本三円上げろということと、運賃補助の三十円を、一箱でございますが、七十円にしろという要求がございます。小売りは、組合といたしましてはただ上げろということで数字的な説明はございませんが、一部の組合では一本十円上げろという要求もございます。しかしわれわれは従来の長い間のしきたりからいきまして、卸一、小売り三というのが酒類業界の手数料の常識でございますので、まずそのくらいのところを要望しているなというふうに考えておったわけでありまして、私どもは商売といたしまして、売っていただき、あるいは徴税確保に御協力いただく卸、小売りの方の要求もむげにできない。特に朝日麦酒が——あとで申し上げなければなりませんが、業界としては弱くなっておる朝日麦酒がこれをむげに断わることのできない立場にあったことも御了承いただきたいと思うのであります。  三番目に、約十年間でこれだけシェアが下がったじゃないか、これは経営者の責任じやないか、そうだったらばこれを消費者に転嫁するのはけしからぬという御意見と存じますが、私は、もちろん経営者並びに従業員の責めに帰すべきものもあると思いますが、しかしやはりこれは客観的な条件もあると思います。一つには、私は大きくいいまして、終戦後のいわゆる経済力集中排除法によりまして、大日本麦酒というものが二つに分けられたということでありまして、これが——いままでそんなことがまだ続いているのかという御意見があると思いますが、やはり二つに分けたものは競争しなければならないようなシチュエーションに置かれておるのでございまして、その点はやはりいまでも市場におきましては、その二つに分けたときの傷が残っているんだということも私は実情だと思います。もう一つは、アサヒビールは御承知のように関西で育ったビールでございます。昭和二十四年になるまでは、関東ではアサヒビールというものは一本もなかったのでございます。それから以後アサヒビールが関東に参ったわけでありますが、最近におきます東京の経済的な強さ、地方に及ぼす影響、それと、これはやはり率直に申しまして関西地盤の低下というもの、これも無視できないと思うのであります。あれやこれやのことによりまして低下いたしておった事実は私は率直に認めなくてはならないと思いますが、決してそれだけに転嫁いたそうとは思いません。私は、いかにしてこの悪い現況を打破していくかということが経営者に与えられた課題であり、従業員とともにこの問題をいかに克服していくかということに対して努力しているつもりでございまして、それが朝日麦酒の企業の社会的使命でございます。いいものを安く飲んでいただいて、国民生活の潤いにしていただくということに対する経営者の社会的な責任だろうというふうに私は考えておるわけでございまして、その点どうぞ御了承いただきたいと思います。

平林剛日本社会党

○平林委員 先ほどお話がありました人件費は、ビールを大体百三十円と仮定いたしまして、メーカーの取り分が四十三円六銭、おっしゃるとおり税金は六十七円九銭、これに対して卸、小売り手数料が八円五十銭、小売りのマージンが十八円二十銭。そのビールメーカー四十三円六銭の中で人件費は、醸造、びん詰め、販売、合わせて三円七十銭から四円、こういうことになっておるわけです。総額は二十億円かもしりませんけれども、今度の小売り手数料の引き上げによって与える影響は百何十億円ですから、比較にならぬのです。ですから、私は人件費が理由であるというお話は受け取りがたいということを数字で申し上げておるわけなんです。  ただ、いまお話しになりました卸、小売りのマージンについて、その業界から強い要求があったということが今度の直接の動機、また伝えられておる理由の主たるものであるというふうに理解をいたしておるわけなんでありますけれども、ただこの小売りマージンの場合は、今度は十四円二十銭から四円上げたわけでありますから、アップ率は約三〇%ですね。これに対して卸の手数料はいままで五円六十五銭に対して二円八十五銭上げたのですが、これだけで見ると率はこれではそう高くないように見えますけれども、これを分類をして、運賃補助がいままで一円二十五銭であったのが、これに一円二十五銭プラスいたしましたかち、運賃の補助は一〇〇%、つまり倍額に上げたということになるわけですよ。そして卸手数料は約三六%のアップで、小売りの手数料三〇%アップに比較して六%の違いがある。  こまかく調べていきますとこのようにいろいろな問題点が出てくる。それを一体どういう根拠で上げたのか、どういう合理的な判断の結果なのか、一般にわかりはしないのですよ。しかも、あなたはいま、私が張本人じゃない、旗振りは私たちだと思っているけれどもそうじゃないというお話があったのですけれども、表から見ますと、朝日麦酒がこの中間の流通マージンをきめた、そういう結果になるわけですね。あなたのほうがそういうことをきめるには相当の社会的責任もなければならないし、それが合理的であるという納得も得られなければならぬ。それをあなたのほうはきめた。あなたのほうがきめたら、それは他の業界にどういう影響を与えるかを考えねばなるまい。考えないできめたということになるのか。こういう点は私ら非常に疑問に思っておるわけなんであります。  お尋ねをいたしますけれども、こういう中間流通マージンについては一体どういう形できめられたのか、どういう合理性があったと信じておられますか。また、これをきめることによって他社にどういう影響を与えるかということを考えられての末のきめ方をなさったのでしょうか。この点をお承りしたいと思います。

中島正義朝日麦酒株式会社社長

○中島参考人 流通のマージンをどういう根拠できめたかという御質問だと思います。私どもはなるたけ合理的な数字でありたいということは、これは先ほど申し上げたとおりでありますが、ビールというものは、長い間最高販売価格を押えられた一番長い商品だと私は思います。そのために、流通の経費というものが他の品物に比べて低いんじゃないかと私は思っております。お扱いになります酒屋さんは、ビールだけをお扱いになるのではございませんで、清酒もお扱いになる。あるいはみそ、しょうゆもお扱いになる。やはりそれとのバランスがないとビールの御拡売というものもやっていただけないし、酒税の確保についても御協力していただけないというのが、私の放れない、念頭にあるものでございます。  さて、小売りのマージンが今度上がりまして十八円二十銭になったのでありますが、これは売り値に対しますと一二%でございます。この一三%というものが、酒屋さんでお売りになっておりますものの小売りのマージンとの比較というものが、これは私非常に大事なものだと思います。やはり清酒はどのくらいで——私はここで数字を申し上げませんが、高いと思うのであります。やはり競争品との小売りにおけるマージンというものを考慮に置かなければならない。これは商売でございますので、そういう点を念頭に置かなければならないと考えます。  それからその次に卸でございますけれども、この卸のマージンというものは——卸の機能論はたくさんあると思います。なぜ卸をとっているのか、これは別問題といたしまして、現在の免許下においては卸を経なければ売れないものでございます。そういう卸というもののマージンが現在でいいかどうかという問題でございます。やはり過去におきます長い、数十年の歴史を考えまして、三対一というものがおおむねの、いままでのお役所がおきめになった時代でもそうだったのでありますが、約三分の一弱になると思います。六円と十八円二十銭でございますので、約三分の一になる。一応私どもといたしましては、いつでも価格をきめます場合に、卸と小売りとのバランスというものが非常に問題になるのでございまして、それを考慮いたしたつもりでございます。  それから運賃補助が非常に高いではないか、倍にもなったじゃないか、こういう御意見でございますが、あの二十四本をお運びいただきますのは、最近運送屋その他の運賃が非常に高くなりました。交通事情の悪化もございます。非常に一日の能率が悪くなりまして、おそらくこの都会において、混雑下において、自動車も一人では運搬ができませんので、助手もつけていくという実態を見ましても、いまの三十円ではできないということは現実に示されているわけでありまして、それでは六十円が高いか安いかという問題になりますが、これは、私は二十四本のビールの箱を運ぶのが、倍率ではなくて、六十円が高いか安いか、こういうふうなことにならなければならないと思うのでありますが、私はいろいろと特約店の方にお会いいたします。全国の特約店、地域によって違うと思います。遠くまでお運びになるお店もございましょうし、あるいは都会もございましょう。それぞれの事情はございましょうが、卸の組合としてはおそらくその平均としての御要求だと思うのでありますが、それについて六十円というものが高いということについて、私どもは腰だめではございますけれども、この辺が非常に適当なものではないだろうかと確信したわけでありまして、その確信のもとに私は決定いたしました。その責任はもちろん私が負わなければなりません。しかし、そういたしますと、卸組合なり小売り組合の要求が非常に高いものである——要求に対して約半分でございますので、それでもなお高いということになりますと、これは話はいろいろと立場によって違うと思いますけれども、そう存じます。  それから他社がどうなるか。これは、他社もまた同じように卸組合、小売り組合と立ち向かっておるわけであります。個々の立場において立ち向かっておりますが、やはり同じようにならざるを得ないだろうとは存じますが、それがおまえの責任だと言われますと、私といたしましては非常に恐縮いたしますが、そのようなことで、腰だめではございますが、客観的な数字を考慮してきめたんだということを御了承いただきたい、このように存じます。

平林剛日本社会党

○平林委員 今度の流通価格のきめ方を、一社がきめてそれがビールの最終的な小売り価格に形成をされるという過程、それは私は、寡占支配をしておる業界であるだけに、今後検討しなければならぬテーマだと考えておりまして、御意見は承っておきますが、次に進みたいと思います。  最終的に、これはどなたでもよろしい、今度ビールの値上げをしなければならぬというときに、いまいみじくも中島さんがおっしゃったように、ビールの税金が高いことは事実です。五二%もビール税が占めるというのは高い。それならばなぜ政府に対して、あるいは行政府に対して、この点を改善するような声をあげなかったのか。そういうことを政府にお願いをして、そして物価対策の必要もあるからこういう点はいかがであろうか、というようなモーションをなぜ起こさなかったのか。  それからもう一つ、ビール会社は従来においても高い蓄積があるはずなんであります。時間がありませんから、国税庁から直接お尋ねすることはできませんが、私がかわって申し上げます。大体麒麟一社だけとってみても、容器の引当金として約九億円の蓄積がある。それから価格変動準備金として九億円ある。退職引当金として六十六億円ある。固定資産の引当金として三億円ある。万博の出展引当金として約一億円。その他を合わせましても八十八億四千万円からの過去の蓄積があるわけなんです。これは朝日の場合でも、今度その蓄積の一部を取りくずして決算上の収益をあげておるわけなんでありますが、サッポロでも、あるいはサントリーはわかりませんけれども、いずれにしても蓄積がある。この蓄積を取りくずすことによってビールの値上げを最少限に押えるような努力がなぜ払われなかったか。  私はこの二つの点がどうも不満なんであります。そういう努力を尽くして、そしてなお値上げやむを得ないというなら、あるいは国民も納得するかもしれません。しかし、高い収益をあげ、かつこれだけの蓄積がありながら、またビール税について高いというのは国民も承知しておるわけでありますから、そういう問題についての努力を払って後、なぜ値上げやむを得ないという訴え方をしないか。私はこの点が今度はどうしても理解ができない点なんであります。この点について、どなたでもいいが、お答えをいただきたい。同時に、このままでビールの十円、四百億円、これを国民のふところから収奪して、それは一部の反対なのだ——これは誤解を解くと言いましたけれども、いずれにことばを直しても、そのまま値上げを押しつけるということだけで済むかどうか。どういう形で、こうした国民世論あるいは消費者に対して何かの改善措置を考えるべきか。私はあらためてビール業界としてこの問題は国民に直接話をしてもらいたい、こう思っておるわけなんであります。——どなたといってもちょっとあれかもしれませんから、どなたにしましょうか。——では、サッポロビールからひとつお答えをいただきましょうか。

野々山広三郎サッポロビール株式会社社長

○野々山参考人 ただいまの御質問は、ビール税金が世界で一番高い、なぜその高いのを安くしてもらうように運動しなかったかということが第一点だと思います。これは、私ども製販三層を通じまして絶えず減税運動をやっておるのは事実でございます。ここではっきり申し上げます。  それから、ただいまの引当金の問題でありますけれども、税法に定められた引当金がありまして、これは会社永遠の繁栄のためにはぜひやっていくのが当然じゃないかと私は考えております。そういう意味で申し上げたいと思います。

平林剛日本社会党

○平林委員 まあお答えは不十分でこざいましたけれども、一応時間が参りましたから私はこれで質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 堀君。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 最初に麒麟麦酒の高橋社長にお伺いをいたします。  麒麟麦酒が二十四日に値上げをされましたときには、生産者蔵出し価格だけの引き上げを行なっておられます。朝日麦酒及びあとの二社はいずれも末端価格までを公表しておられるわけであります。値上げの様態が異なっておりますが、こういう様態の異なる値上げ方針をとられたのはどういう理由によるのか、お答えをいただきたいと思います。

高橋朝次郎麒麟麦酒株式会社社長

○高橋参考人 他社が発表いたしました条項を詳しく精細には私は見ておりませんけれども、あの場合、末端価格というものはこれこれであるという発表ではなかったと思います。これくらいになるだろう、これくらいに売るのが適当であろうというような表現のしかたであったのじゃないかと存じます。私どもでそれを指定いたしませんでしたのは、従来からビールの価格というものは各社とも同じようになっておりますので、わざわざ私どもから言わなくても当然行くところへ行くであろうという考え方でございます。それともう一つは、私どもは、たびたび先ほどから繰り返されておりますように、業界の五〇%以上のシェアを占めているのではないかというお話がございますが、何か私どもが意思表示いたしますと、全部の価格を統制するのだろう、管理価格をやっているじゃないかという誤解を一番最初に受ける会社だと存じますので、私どもはしいて小売り価格には触れなかった次第でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 国税庁にちょっとお伺いをいたしますけれども、いまのお話ですと、他の三社は末端価格を明示しなかったということでありますが、届け出がされた実態は、末端価格は明示されておりましたかどうですか、簡単にお答えください。

塚本石五郎国税庁間税部長

○塚本説明員 末端価格の説明はございましたが、これはいま社長が答弁いたしましたように、希望販売価格という性質のものであります。そういうように了解しております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 希望販売価格ということばがいま出てきましたけれども、希望販売価格でも金額は明示でありましょう、百三十円というのが。私は金額明示かどうかを聞いたわけでありますから。  実は私どもこの問題について問題点があると思いますのは、ビールはいま自由価格だということになっておるわけであります。三十九年十月以来でありますから、自由価格になっておるはずでありますが、自由価格であるならば、本来生産者が価格をきめられ得るものは生産者蔵出し価格だけではないのか。要するに小売り価格まで明示をすることは明らかにやみ再販売価格維持の疑いがある、こういう感じがいたしておるわけでありますが、この点について公正取引委員会はどういう見解をもっておりますか、ちょっと簡単に答えてください。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田説明員 お答え申し上げます。  ビール業界に限りませず、生産者が新製品を発売したり、あるいは製品の販売価格を改定するような場合に、最終販売価格を一般に公表するというような方法がとられております。最終販売価格の公表は、それが単に生産者の希望を表明する、まあなるべくならばこの価格で売っていただきたいという希望を表明する限りにおきましては、それが直ちに独禁法の問題とはなりませんけれども、契約等によりまして公表した価格を販売業者に守らせるとか、あるいはリベート操作、たとえば価格を守らないものはリベートをカットするというような方法によりまして、実質的にその価格を守らせるというような方法がとられていれば、これは不当な拘束条件つき取引になるというふうに考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 時間がございませんから次に進みます。  先ほど高橋社長は、いまのビールの価格の問題でありますけれども、原料、生産の様態、すべて同じだから原価は同じになるのが当然だというお話でありますが、近代経済学はやはり規模の利益ということを申しておりますので、今日麒麟麦酒が他社に比べて収益が高いのは明らかに近代経済学の示すところの規模の利益がここに働いておる。規模の利益が働くときには、そのメーカーにおける厳格な原価計算が行なわれるならば、やはり規模の小さいものよりは規模の大きいものが原価が安くなるというのが経済学の示すところではないか、私はこう思うのでありますが、その意味ではしかし、麒麟麦酒も同じように生産者価格としては六円の引き上げをなすったことは、私どもはこれから見ますとやはり管理価格的要素があるという感じがいたしてならないのであります。たとえば、サッポロビールと朝日麦酒が同じ価格というのならば、これは様態が大体似ておりますから、原価計算上からもある程度近似値が出るのは私はやむを得ないと思いますが、麒麟麦酒の場合には、そのシェアにおきましても両者のおのおのに対しても倍以上のシェアを持っておるわけでありますから、当然そこで原価計算上の考え方から申しますならば、社長はさっき、これらの原料、賃金、製造法その他が同一だとおっしゃいましても、規模の利益がここに働いて当然安いことになるのが普通なのではないか。それを同一価格にしたというのは管理価格的な傾向を持つものではないかと私は思いますが、その点だけちょっとお答えいただきたい。

高橋朝次郎麒麟麦酒株式会社社長

○高橋参考人 規模の利益ということは確かにございます。しかし、ビール会社は全部大企業でございまして、相当大きな規模の工場をみな持っておられます。特に私どもがたくさんつくっておるからといって大きな設備を持っておるということではなく、似たような設備のものを数多く持っておるということでございまして、規模の利益がないことはないと存じますが、お互いに大規模の設備を持っておりますので、その差はあまり出てこないのではないかというふうに考えております。  それからもう一つは、私どもは戦後、工場を次々と増設いたしております。戦後は、御承知のようにすべて物価が上がっておりますので、同じ百万石の工場でございましても、戦前の工場と戦後の工場では価格の上に大きな差がございまして、したがって、戦後、新設工場をたくさん持っておるところは、原価は逆に高くなるという事情もございますので、規模の利益というものの影響は私  はあまりないだろうと考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 それでは、サッポロビールの社長にお伺いをいたしますが、いまのお話からいきますと、私は規模の利益が、たとえば四十五年の上期決算で経常利益が、麒麟麦酒が七十四億円、サッポロビールが十三億二千万円でございますか、こうなっておりますが、まあ大体全体の規模が、資本金にしてもあるいは生産量にしても、一対二よりちょっと大きいわけでありますから、それで割ってみましても麒麟麦酒の経常利益のほうが非常に大きいわけです。そうしますと、私どもは常識的には、皆さんおのおの経営者として精一ぱい努力をしておられると思いますから、その限りにおいてそういう経営上の誤差が非常に大きいとはどうも考えられないので、やはりこの経常利益の差というのは規模の利益に関係がある。そのことはおたくだけではなく、おたくと朝日麦酒がいろいろな条件でほとんど似ておるということは、その点で私は規模の利益がこうなっておると思うのでありますが、高橋さんは規模の利益はたいしてないとおっしゃるのですが、この格差は一体何によるのでございましょうか、ちょっとお答えをいただきたいと思います。

野々山広三郎サッポロビール株式会社社長

○野々山参考人 ビールの製造に関しましては、比例費とそれから固定費があるのでございます。比例費は、要するに数量がふえればそれに比例して金額がふえていく。固定費というものは数量の増減にはあまり関係がないものである。たとえば、おかしな話でありますが、私の報酬が月十万円としますと、倍売れれば単位当たりがその半分になるということでありまして、おそらく固定費と売り上げ数量との関係がそういう一部の格差を生んでおる原因じゃないかというふうに考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いまお話しになりましたことが要するに経済学的な規模の利益だと私は思うのであります。ですから、私はその点では率直に伺いたいのでありますが、朝日麦酒の中島社長に伺いますが、厳密に原価を求めてみれば、私は朝日麦酒と麒麟麦酒の間には原価には格差がある。いま野々山社長のお答えになりましたように、比例費が膨大になればなるほど、相対的に固定費は安くなる、こういうことでありますから、原価計算上厳密にいえば、原価計算では格差があるはずだと私は思うのでありますが、いかがでありましょうか。

中島正義朝日麦酒株式会社社長

○中島参考人 いま先生の原価というのはちょっと意見が相違しているんじゃないかと思います。いわゆる製造原価か、いわゆる会社の全部の原価か、その点が違うと思いますが、高橋社長のおっしゃったのは、製造原価はそれほど違わないんじゃないか——比例経費でございますね——じゃないかという御意見だと思います。それからいま野々山さんのおっしゃったのは、固定経費は分母が多くなるのだから安くなるのではないかという御意見だと思います。私は、固定経費が安くなるということは否定できないと思うのでございます。それは分母が多いのでございますから。それに応じてお使いになれば別でございますが、そういうことではないのでございますから、固定経費が安くなるということは私は否定できないと思います。それがために私は非常な競争があるのだろうと思います。販売競争、シェア競争というものもそこにある。特に私が申し上げたいのは寡占競争の激しさということであります。これはなぜかというと、固定経費をいかに安くするかということじゃないだろうか。と同時に、私が最初に申しあげましたように、いいものを安くつくる、これは根本的な問題でございますけれども、その固定経費をいかに安くするかということが私は競争だと思うのでございます。その点に若干私は負けているのではないかというふうに考えております。  何かちょっと寸足らずで恐縮でございますが、そのように考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ちょっと表現がまずかったんでありますが、私が原価と申し上げましたのは、生産原価というよりも、蔵出しができるところでは全体のコストの問題になっておるわけでありますから、要するにコストですね。生産原価という表現はちょっとまずうございました。私はコストは差があるはずだ、こういうことでありまして、コストが差があるのなら何も同一にする必要はないではないかというのが私の考えでありますから、要するにコストに差があるのならば、もう少し安くてもできるのではないか。もちろん自分のところのは高くしても売れるんだから高くしたいというのならこれもわかります。ただ、同一であるというのは非常にわれわれひっかかるわけであります。それも端数がついて、——要するに、いまのビールの外売りはまるくなっているわけであります。今度は百十五円八十銭を百二十一円八十銭に値上げをする。これはまるくなって百二十二円にしますというお話なら、これはまた話がわかりますが、現在の通貨上、八十銭というところまで同一にするということは、私どもはどうもこれは管理価格として見る以外に手がないのではないか。これだけ格差があり、いまのコストの違いの差で、そこまで同一にする必要はないのではないか、こう思うのでありますが、その点について重ねてもう一回伺っておきたいと思います。

高橋朝次郎麒麟麦酒株式会社社長

○高橋参考人 ただいまのお話しの、数字が同じではないかという御質問でございますが、御承知のように、ビールは同じ価格でおかしいではないかということはかねがねいわれておることでございますが、これは歴史のしからしむるところでございまして、もう御承知とは存じまするが、昭和十四年か五年に公定価格というものができまして、そのとき以来、各社の各同種同等のビールが全部一本値段でまいっております。そうして、形は変わりましたけれども、価格の統制が続いておりまして、昭和三十九年六月に初めて自由になったわけでございます。そういう次第でございますので、先ほどから、原価もあまり違わない、それから同種同等の品物である、容量もみな同じようなものであるということになりますと、最初のスタートで同じ値段であったものは、よほどの変化がないと同じ値段でいく、これが現在の状態になっておる次第でございます。それで、卸価格が一円未満まで同じではないかというお話でございますが、従来の慣習がそういうふうな慣習で来ておりますので、よほどの理由がない限り変わったものにはなり得ないんじゃないかというふうに考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いまの点で、確かにそういうことで同じだとおっしゃるのですが、実態は違いますね。実態は、この前国税庁で私資料をここで公表してもらいましたけれども、メーカーから卸に対するリベートというのが平均二円五十二銭でありますか、ということで報告を受けました。この中には運賃補助が月払いで一円二十五銭、それから年末に四十銭ということで一円六十五銭の運賃補助があるということでありますから、実際のリベートはちょっと違うようでありますが、これだけでなくて、さらに応量リベートがございますね。一万箱までだったら、幾らだとか、三万箱こえたら幾らだとかということで応量リベートがある。この応量リベートでは明らかに、私が卸から伺っておる範囲では、麒麟、サッポロ、サントリーの間には格差がある。要するに、皆さんが表向けには価格は同一だとおっしゃりながら、閉鎖社会の中ではリベートという形で実は明らかに価格差がある、これが現実の姿だと思うのであります。私どもが納得ができないのは、その問題を実は正常な価格の上に乗せてもらいたいということなんであります。私は、この価格問題は、きょうここではビールを申し上げておりますけれども、これはカラーテレビでありましても自動車でありましても、今日、日本の流通の中で一番問題になっておりますのは、日本の流通機構は非常に複雑で、消費者に対してきわめて閉鎖的な社会をつくって、同じ価格で売って、実は激しい価格競争が閉鎖社会の中で行なわれておるというところに、きわめて前近代的な姿があると考えておるわけであります。ですから、いまお話しになったことは、表向け同一価格、実質はおのおの実勢価格でかなりのリベートが出ておるという現実だと思うのでありますが、この点についてはひとつサントリーの佐治社長のほうで、これが私は現実だと思いますが、いかがでございましょうか。

佐治敬三サントリー株式会社社長

○佐治参考人 ただいま御質問の件は、確かにそのとおりでございまして、私どもはその応量リベートをなるべく少なくて済むように努力をしたいと思っております。力の弱いメーカーはどうしても応量リベートをたくさん出さなければならない。しかも、それが末端価格に反映しないのはおかしいじゃないかという御質問の御趣旨でもあろうかと思います。末端価格は、たとえばサントリーはほかのビールより安いということになりますと、ビールそのものとしての一種のイメージと申しますか、そういったものが、次ぎものといいますか、安もののイメージをちょうだいしなければなりません。先ほど麒麟の社長からお話しございましたとおり、各社のビールはそれぞれ世界的に見ましても最高の水準にあるビールでございまして、品質的にその間に格差をつけることはできないという、そういうビールを売らしていただいておりますので、私どもといたしましては、末端価格はどうかほかのビールと差がないところで販売をしていただきたいという、そういう希望を申し述べざるを得ない、そういう状況でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 実は、この前新聞で拝見をしましたが、高橋さんでございましたか、ビールというのは自由価格なんで、国税庁その他が行政的に介入するのは少しおかしいんじゃないかというふうな趣の御発言を拝見をしたのでありますが、私は、自由価格というのならば、末端の価格に差があるのが自由価格だと思うのです。自由価格だといいながら末端の価格が同一になっておるものを、われわれはどう考えても自由価格だとは考えられないのであります。ですからこの際、いま佐治社長がおっしゃいましたように——よくビールのいろいろな問題で、目隠しをしてビールを飲んでいただくと、必ずしもビールがどのビールだということが正確になかなか当たらないということが報道されておるわけでありますが、私どもごくちびちび飲むものならともかくも、日本ではビールというのは何かアルコールのようでありますが、外国へ行ったらこれは清涼飲料水並みにがばっと飲むもので、それほど神経質になるものでもないと思いますので、いま佐治さんがおっしゃったようにそんなに品質に差がないのならば、その際には少し値段に差をつけて売ることが自由価格であり、今日の物価高の現象の中ではそのことを消費者が求めているのではないか。  これは、私は清酒についても長年この問題をやってきておりますけれども、酒類業界の一番の問題は、確かに生産者の側にも問題がありますけれども、流通の中に非常に問題がある。完全にソリッドな閉鎖社会の中で、メーカーが出されたリベートは、清酒であれビールであれ、全部流通がふところへ入れてしまって消費者には渡さない。じゃあ全然渡さないかというとそうではないのであります。現在ホテルや料飲店に対しては膨大な値引きで実は販売をされておる。ちょうどアメリカに安いカラーテレビを売って、日本の国内の消費者に高い値段でテレビを売りつけておると同じように、皆さん方は善良な消費者である国民に高いビールを売りつけて、そして業務用のホテルや料飲店には値引きをした安いビールを売りつける。その安いビールは実は安く国民に消費されるのではなくて、百三十円のビールはやがて二百円、二百五十円、三百円、五百円になって消費者に渡るということでありますならば、現在の酒類全体の問題について、皆さん方生産者としても考えていただかなければならぬ問題があるのではないか。すべての点で消費者が大きな負担をさせられて、そして一部の流通業界なり料飲業界なりホテル業界だけは値引きをして安いもので処理をしておる。これでは、国民が今度の値上げについて大きな反発をしておるのは当然ではないか、こういう感じが私はするわけであります。  そこで一つお伺いをしておきたいのは、朝日麦酒が今度最初に値上げをなすったのでありますが、さっきも人件費その他の上昇についてお触れになりました。人件費は今日、企業のいろいろな条件もさることながら、日本の現在の情勢では、全体の平均賃金の上昇に見合って上げなければこれは人手がなくなるわけでありますから、私はそういう形で今後も人件費の上昇はかなり大幅に進むものだと考えております。その際、今度値上げをされて、流通の問題は離していただいて、生産者としての朝日麦酒は次回は一体いつに値上げになるのか。現在のいろんな諸情勢、これはシェアがいまから急激に減るとかふえるとかいうことでなくて、少なくともこれは横ばいとお考えをいただいて、いまの賃金上昇その他の諸物価の上昇をにらんで、一体何年先にもう一ぺん値上げになるのか。たいへん酷なことを伺うようでありますが、お答えをいただきたいと思います。

中島正義朝日麦酒株式会社社長

○中島参考人 どうも将来のことで私もはっきりわかりませんが、ただ朝日麦酒といたしましてはもう最近数期間、自分の居食いをしてやってきておるわけでありまして、この点はいけないといえばいけない。経営者として責められるべきかもしれませんが、私はその点非常に悩みでありまして、この際物価の問題に協力すべきか、それとも健全な経営というものを考えるべきか、これは私が考えなければならない問題でございますし、これは徴税物資の価格と自由価格であるべき国民の飲み物との接点をどこに求めるかということが問題点だと私は思うのでございます。それはわれわれがこの接点を求めることは無理でございまして、私は、できればお役所かあるいは公正な第三者に接点を見ていただかないと、まだぬぐものがあるじゃないか、まだ売るものがあるじゃないか、食っていけるじゃないかということだと、私どもはどうにもならなくなるわけでございます。  ただ、その場合にいつも御質問がありますのは、一割三分配当しているじゃないかということです。しかし、経営をいたしていきます場合に、これから伸びていきます場合に、やはり証券市場において資金を調達しなければなりません。一つの工場をつくりますのに、やはり現在の資本の六割は要するのでございまして、それを借り入れ金だけでまかなっていくことはとうていできないと思います。やはりその場合の配当率というものも、将来の増資の場合にも考えなければならぬ。あるいは、現在二倍半の借り入れ金をいたしておりまして、金融からの借り入れ金によってやっておりますが、これもある程度の会社の株価の市場価値がなければ信用されないということもあると思うのであります。身をはいでいけばまだもつじゃないかという見方もございますが、私は、今度の値上げをしていただいてもまだ四十一年の姿に戻らないのだということをひとつ御了承いただきたいのでございまして、将来わかりませんが、そういうことでございます。御了承いただきたいと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 四十一年の姿に戻っていない。同時に、四十一年から今日まで、いまおっしゃるように不動産その他の売却益、いろいろなものをお出しになっておるということでございますから、いつだということはちょっとわかりにくいことでありますが、人件費の上昇等で、最近のおたくの状態を見ますと、売り上げが五百十億くらいでずっと横ばいになっておるということでございますと、まあ長くて三年、私は二年半くらいでもう一ぺんまたこういうように値上げ問題というのが起こるのではないか。それを伺っておりますのは、われわれとしてはその二年半の間にともかく流通の問題、各種の問題をひとつ整備をして、少なくとも次回の値上げは国民の納得の上に値上げが行なわれるようにしたい。いま物価が上昇しておるわけでありますから、ビールだけ値上げをしてはならぬとは言わないのであります。今度の一番問題は、値上げのやり方に国民が一つも納得をしない形で問題がぶっつけられておるところに大きな問題があるわけであります。流通についても合理化をすべきことがされないで、そしてただ価格を上げることだけで皆さんが流通を過保護をしていくことで、一体流通の近代化ができるのかどうか、ここに問題があるわけでありますから、少なくとも私どもはその時間の間にこの問題の処理をしていかなければならない。これはわれわれ国会の任務でもあると同時に、行政府の任務であり、皆さんの任務であると思うのであります。ですからその点について、いまの状態のままならば一体期間はどのくらいだろうか。私はどうも三年くらいということではないだろうかと思うのでありますが、重ねて、たいへん恐縮でありますがちょっとお答えをいただきたいと思います。

中島正義朝日麦酒株式会社社長

○中島参考人 流通機構につきましては、私は生産者といたしまして、卸の方、小売り業の方にも、流通変革期にあるということは声を大にしてやっておるつもりでございます。いかにしてこれを近代化させるかということについては、生産者の責任としても、私は声を大にしていると思いますが、残念ながら、先ほども申しましたように徴税物資であるということと、それからビールがビールだけで売られてないという現在の流通機構からいってなかなかむずかしいのでございまして、私は朝日麦酒の社長といたしまして、流通機構が近代化されるということに対して力も合わせなければならないし、また先生方、行政関係のお力も得なければ、これは立場が違うのでございまして、売るほうと買うほうと立場が違う人間にそれを無理にしろとおっしゃっても、それは酷だと思うのであります。どうぞその点につきましてお力添えを賜わりたい。私は近代化に賛成でありまして、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。それから、それまでに流通機構をやりたい、これは私がやるものでございませんが、私もそういうことを希望いたします。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 最後に佐治さんにお伺いをいたしたいのでありますが、実は残念ながらビール業界というのはだんだんと、かつては麒麟、朝日、サッポロが同じようなシェアでございましたものが、麒麟だけがいま格段にシェアがふえてまいりまして、サントリーを拝見いたしましても、今日のところシェアはやや足踏み状態ということになっておると思います。そこで、一体このビールの今後は——いまのような条件、特に私はこれは流通の中に非常に問題があると思います。流通が非常にソリッドであるということの中に実は問題がある。その中ではやはりメーカーと流通の系列といいますか、そこらの問題、いろいろあると思うのでありますが、これをわれわれ改善していかなければならぬと思うのでありますが、今後のビール業界というのは一体どうなっていくのだろうか。ますますこの寡占が独占の方向へいき、あとのほうがだんだんこうずれてくるということになると、これは私どもは、単なる自由競争の価格ということではない新しい観点の処置もしなければならぬのではないか。これは皆さんのお望みにならないことだと思うのでありますが、将来のビール業界の見通しと、いまのそういうきわめてソリッドな流通にもし多少メスを加えればこの問題は道が多少開けるのかどうか。そこらの点について御意見を承って私は質問を終わりたいと思います。

佐治敬三サントリー株式会社社長

○佐治参考人 現在の諸般の制度を改革すれば麒麟の独走が防げるだろうかということだと拝聴いたしたのでありますが、流通問題にもいろいろの問題をかかえておると思いますけれども、率直なところ、そういった現在の制度を改変することによっては、現在の麒麟麦酒さんの強さはびくともなさらないだろうというのが私どもの率直な意見でございます。ただやはり、本来こうした嗜好飲料でございます。日本人が一種類のビールを飲んでおればそれで済むじゃないかというような状態は好ましいことではなかろう。各社がそれぞれに特徴のあるビールをお売りになって、消費者がそうした多様なる選択の自由を持たれるという状況が好ましいと私は考えております。私どもサントリーとしては、微力ながらそういったビールの多様化の方向に私どもの企業努力を傾注いたしておるところであります。諸般の制度上の問題に関しましては、一得一失、たいへん微妙な影響を及ぼす可能性がございます。これは十分ひとつ関係御当局の御検討をちょうだいしてしかるべき問題ではないかと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 終わります。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 広瀬君。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 時間がわずかしかありませんので、せっかく参考人としてビール四社の社長さんおいでいただいておりますので、私は端的にお伺いいたしますから、ひとつ端的にお答えをいただきたいと思うのですが、ビール大びん一本当たりのコストは各社一体どれくらいになっていますか。これを麒麟さんから順にお答えいただきたいと思います。

高橋朝次郎麒麟麦酒株式会社社長

○高橋参考人 まことに申しわけございませんが、適切な資料を持っておりませんので………。申しわけありません。

野々山広三郎サッポロビール株式会社社長

○野々山参考人 生産者の手取りが、先ほどお話ししたとおり四十三円二十銭なのでありまして、それから卸のあれを引きまして、それよりかも——それと同じ程度じゃないかと思うのであります。大体こまかい数字を持ってまいりませんで、申しわけありません。

中島正義朝日麦酒株式会社社長

○中島参考人 これは、私のところ、いまちょっとわかりませんが、国税庁でお調べになりましたので、国税庁の手元におありになると思いますが、私は四十三円五十銭くらいじゃなかったかと記憶いたしておりますが、そのくらいの数字だと了承いたしております。ちょっとわからないのでありますが、四十三円五十銭くらいの数字になっております。

佐治敬三サントリー株式会社社長

○佐治参考人 私どものほうはまだビールが赤字でございますので、この席で公表をいたしますことはお許しを賜わりたいと存じます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 その程度のお答えはこの委員会ではいただけるのではないかと思ったのでありますが、一番大手の五五%のシェアを占めておられる麒麟がわからないということは、何かやはり特定の意図があるような気もしないではないのですけれども、国税庁では調べておるというのですから、国税庁でわかっておったら、各社の原価をこの際発表していただきたいと思います。

塚本石五郎国税庁間税部長

○塚本説明員 現在のところ手元にございませんので、御了承いただきたいと思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 あとで出しますか、国税庁。手元にはないけれども、調べたものはあるのですね。出すことを約束してください。

塚本石五郎国税庁間税部長

○塚本説明員 ある社の企業秘密といいますか、それにわたる事項でもございますので、私ども現在手元にはございませんが、また調べましても、こういう席では御発表するのはいかがかと思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 ビールの値上げ問題をめぐって、先ほどから各社の社長も、六十七円九銭という今日のビール大びん一本の中に占める税金分というものに対していろいろ御批判もあったわけでございますが、そういうものを私どもこの委員会を通じて審議し決定をしていく立場にある者といたしましては、各社とも一斉にビール大びんを今日十円値上げされて、そして国民大衆から総反撃を食っている、こういう事態の中で十分それらの問題を含めて審議をしていくのに、この原価が一体幾らかというようなことがわからないで論議をするということは国民に対して相済まぬことで、そういうような立場で聞いているわけでありますから、国税庁では、ここで言えないならば、少なくとも大蔵委員のわれわれに対して、その原価を、調査の結果に基づいて報告されるよう委員長に善処を求めておきます。  ところで、時間もないので次の質問に移りたいと思いますが、各社の社長さんたち、今回のビール値上げ前までは、九州へ行っても北海道へ行っても、札幌へ行っても東京へ来ても、全部百三十円で小売り末端価格が行なわれている。そういう価格が実現して、全部どこの小売り店でもそういうことをやっている。こういう実情にあることは御存じだと思うのですが、そのとおり皆さんも御承知しておりますか。麒麟さんから……。

高橋朝次郎麒麟麦酒株式会社社長

○高橋参考人 ただいま値上げ前の値段が百三十円だというお話でございましたが、これは何度も繰り返しますように、百三十円に指定された価格ではございませんので、大体百三十円前後だろうということでありまして、小売り屋の実態が、一律に百三十円で売っておるとは考えておりません。ただ標準的に、常識的に、いままでは百三十円前後であったというふうな考え方をいたしております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 公取の事務局長たいへん忙しいようですから、ここでちょっとお伺いしたいのですが、先ほど堀委員からも、ビールは昭和四十四年で四十三億本、国民一億といたしまして四十三本平均飲んでおる。おとなの数が半分だとすれば八十六本。ことしあたりは空前の売れ行きだというのでありますから、おそらく五十億本近くになる、こういうことであります。こういうように国民に非常に大量の消費が行なわれているこのビールの価格、しかもこれが酒税物資であるということで、前には、三十五年までは公定価格が行なわれて、それ以来基準価格が三十九年まで続いた。こういうような実情を踏まえて、その公定価格と同じような考え方というものが、われわれが常に言っております管理価格である。これはどこへ行っても百三十円なんですね、酒屋さんでちゃんとわれわれ消費大衆が買えば。これはもちろんリベートやその他の問題があるにしても、そういう状態である。これを管理価格といわずして何というのでありましょうかと考えざるを得ないわけですが、こういうものについて管理価格が行なわれていると公取は認められましょうか、いかがでございますか。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田説明員 お答えを申し上げます。  管理価格がビール業界にあるのではないかというお尋ねでございますが、管理価格というのは一体何をいうのかという確定された定義はまだございません。一応われわれが考えておりますのは、市場が寡占状態にあることを原因として生じてきます需要やコストの変動に対して下方硬直的な価格、これを管理価格というふうにわれわれは理解をしておるわけでございます。それで、ビール業界においてはたしてこのような管理価格があるかどうか、まだ現在調査を始めたばっかりでございまして、本年の八月に管理価格調査の一環といたしまして、ビール産業における価格形成につきまして調査に着手をいたしまして、明年早々にも発表するという予定でございます。目下実態把握につとめている段階でございまして、この調査結果に基づきまして、もし独占禁止法違反として処置し得るものがございますれば、それによって処置をしてまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 それらの問題点を十分公取としては、公正な取引の確保という独禁法の精神というものに従って厳格な監視、監督を一そう強化をしていただくようにお願いをしておきたいと思います。  時間がありませんので質問を移しますが、先ほどお答えはなかったのでありますが、私どもの見解をもってすれば——サントリーさんはまだビーールだけの分について公開されておりませんが、ビール三社の経営状況を示す表を私どもいただいておるわけでございます。この数字を見ましても、先ほど比例経費、固定経費をめぐってコスト論がありましたけれども、これには必ず一本当たりのコストというものの格差というものが相当大きくあるはずだと私どもは承知をいたしておるわけであります。そういうものが今日の自由価格制度のもとでは当然小売り末端価格に反映してしかるべきだ、これが私どもの主張なのでありますが、そうだとするならば、たとえば国税庁も麒麟に対して、非常に営業成績もいいし、シェアも五五%をこえる大きなシェアを持っているというようなことで、他社が十円上げても、これに対して、たとえば半分でもあるいは七円でもというような要請もだいぶしたようであります。これについて、一体麒麟の最高責任者として、国税庁のそういう要請が実際に具体的にあったのか。それに対して、それをけって他社に歩調を合わせたその理由というものをこの際国民に明らかにしていただきたいと思うわけであります。

高橋朝次郎麒麟麦酒株式会社社長

○高橋参考人 麒麟麦酒は業績がいいので値上げを遠慮しろという議論があったことは事実でございますし、それから国税庁からも再三にわたって、よく考えろという強い慫慂を受けたことも事実でございます。ただ、先ほども申し上げましたように、現時点におけるビールのいろいろな要点からのコストアップという点では各社とも同じことでございまして、業績に格差があるということは、それ以外の私どもの長年の、六十数年にわたっての経営努力の結果できた蓄積その他が影響しておることだろうと考えますし、それから、大体ものの値段をきめる場合に、ただいまは原価原価というお話ばっかりでございますが、原価も価格をきめる一つの要素でございますが、ものの値打ちというものも値段をきめる要素の一つであると考えておりますので、業績に余裕があるから値上げを遠慮しろといわれることは、いまの経済体制では私どもはちょっと納得いたしかねる次第でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 いまのお話ですと、まあ原価原価だけではなしに確かにキリンはうまいというようなことを巷間いわれております。私はあまり酒をたしなまぬほうですからよくわかりませんけれども、そういううわさがあることは承知をいたしておる。そういうものがあるんだから、ほかが自分のところよりもまずいビールを売っておって十円上げたんだから、おれのところは成績がよくても、経営状況はうんとよくてもなおかつ上げてもいいんだ、こういうお考え、それと、まあいいものが割り安になっているという末端価格が実現したならば他社に対して申しわけない、こういう配慮、それが実際の姿ではなかったかと思うわけでありますが、そういうお気持ちでございましたか。それとも、私のところは品物がいいんだから、それについて利益があるのは当然なんだ。だから、ほかがコストの上がった分を上げたというならば、その分についてはあまりたいした違いはないんだからその分は上げたんだ、こういうことが本音なのか。一体どっちでございますか。

高橋朝次郎麒麟麦酒株式会社社長

○高橋参考人 いろいろの考え方もあると思います。またいろいろの批判もあると思います。私ども、業界の第一人者として慎重にいろいろ考えておりますけれども、その結論として今回の行動になった次第でございます。商売のことでございますから、いろいろ考え方がございます。おっしゃるように、いいものが安いということはおかしいじゃないか、そういう考え方もございましょう。また逆に、いいものをしかも安く売る、たくさん売れて生産性が上がるだろうという考え方もございましょう。いろいろ人によって考え方は違うと思いますが、われわれは慎重に考えまして、結局、結論は今回の事態になった次第でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 公取に伺いますが、かりに今度の場合に、麒麟が今日、四十四年で五五%のシェアを占めている。それがさらにことし、昭和四十五年度におきましてはこのシェアは増大する傾向にあると見て、いいんじゃないかと思います。そういうことでほかのシェアが、サッポロは二三%、朝日が一七・五%、サントリーが四・四%というような数字が一応ありまするけれども、こういう場合に、たとえば麒麟が経営状況に照らし、上げる積極的な理由というものはない。もう他社への追随というようなことで、いまのお答えではどうも私ども国民の一人として納得できる答えではないわけなんです。しかし、かりに五円しか上げなかった、あるいは全然値上げをしなかったということになれば、これはうまくて安いビールということでさらにシェアは拡大して、六〇%にもあるいは七〇%以上もこえるかもしれない、やがては八〇%にもなるかもしれぬ、こういうようなことになってくる。そうすると、これだけ巨大な、国民大当たり百本近くも消費するというような、そういう物資を一社で七〇%、八〇%というようなところになることはまずいんだ、もっと他社、朝日とか、サッポロとか、サントリーなどがシェアをふやして、それで同じような規模でいくような形態のほうが、公取の立場においていいと考えるのか。それとも今度の価格の問題でそういうことをやって、自由価格というものを、原則を貫くという立場、そういう方向でシェアが伸びていくのはこれはもういいことであり、やむを得ないことである。そういう点では公即の姿勢というものはどういうお気持ちでありますか。その点をちょっと聞かせていただきたいと思います。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田説明員 公取と申しますか、独占禁止法の立場は、自由でかつ公正な競争の維持促進ということにございます。したがいまして、自由な競争の結果、ある特定の企業が伸びていくということ自体に対しては、独禁法上とやかく言うあれはございません。しかしながら、大きくなるということが、ほかの企業を支配しあるいは排除して大きくなるということであれば、これは私的独占ということでございますので、独禁法によって規制をしなければいけない。これは現行独禁法の立場でございますが、ただ独占禁止政策という観点から申しますと、やはり特定の企業だけが七〇%、八〇%というふうに大きくなって、価格をその企業だけで支配できるような状態になるということは好ましくない、かように考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 次に、企画庁来ておりますね。経済企画庁は、今度のビールの値上げに対しても、物価関係の総本山として非常に不愉快に思い、また物価政策上からいっても、少なくとも各社に対し、あるいはまた特に麒麟に対して、値上げをしないようにという強い気持ちを持っておられた。ところが全部やってしまった。こういう結果になったわけでありますが、このことについて、今回の値上げの理由が、先ほどから語られておりますように、卸、小売り段階における人件費高騰を中心にした、そういう面でのコストアップといいますか、そういうものの上昇圧力に押されてということが強い理由になっておったわけでありますが、今日その小売り、卸、製造、すべてがこれ免許制であるというようなことで、自由な価格形成というものが行なわれない体制になっていることは御承知のとおりであります。これに対して、やはり流通段階において自由な制度というものを導入しなければならぬということを強く決意をされて、その中から価格引き下げの、真の意味での自由価格の方向に持っていくべきだということで、免許制度を廃止することを国税庁にも申し入れたということに新聞は報道しておるわけでありますが、この点についてどこまで経済企画庁は腹をくくってそのことを推進しようとされておるか、物価の関係において。そしてまた、それを受けた国税庁がそういう方向に一歩踏み出すという気持ちがあるのかどうか。この際経済企画庁と国税庁、両者からその点についての見解をお聞きいたしたいと思うわけです。

山下一郎経済企画庁国民生活局参事官

○山下説明員 今回のビールの値上げ問題に関連いたしまして、経済企画庁といたしましては、ただいま先生御指摘のございましたように、現在ビールについてとられておりまする卸、小売りに対する免許制度につきまして、これがいろいろ流通段階の合理化を妨げている実情にかんがみまして、これらの点の改善について強く国税庁に申し入れをいたしております。  申し入れの内容を具体的に申し上げますと、まず、小売り業者につきまして、免許要件を大幅に緩和をして、スーパー、生協等の大型の小売り店等に積極的に免許を付与するようにしてほしいということが第一点。第二点といたしまして、卸売り業につきましては、特に厳格なビール特約店制度を弾力化するように指導をしてほしい。第三点といたしまして、販売免許につきまして、卸、小売りの別、販売する酒類の制限等の条件を撤廃して一本化をしてほしい。第四といたしまして、関連いたしまして酒類の価格は自由価格であることを周知徹底させてほしい。このような趣旨の申し入れを国税庁にいたしておりまして、私どもといたしましては、国税庁がこの方向に沿いましてビールの流通制度の合理化について積極的に改善をはかられることを強く要望いたしておる次第でございます。

塚本石五郎国税庁間税部長

○塚本説明員 今回のビールの値上げ、さらにその前の清酒の値上げに伴いまして、私どもの考え方は終始、流通関係の合理化をぜひはかる必要がある、それが大前提である、そういうことで対処してまいりまして、値上げの動きに対しましてもまずそのほうを検討すべきであるということで、自来その方面の流通関係の近代化、合理化につきまして、業界に対しまして種々の指導をしてまいったわけでございます。今回のビールの値上げに伴いまして、先ほど経済企画庁から答弁がありましたような申し入れがございました。私どもといたしましてもごもっともな点でございまして、そういう方向でひとつ検討を進めておる。今後も進めてまいりたいというふうに回答はいたしておるわけでございます。  ただ、その中で小売りの免許につきまして最初に第一点としてあげられておりましたが、この問題につきましては、本年の六月に経済関係の閣僚協議会におきまして、人口急増地等におきましては、大型小売り店を含めまして新規参入を容易にする方向で、いろいろな免許条件をひとつ弾力的に運用してもらいたいというふうな趣旨の了解事項が盛られました。私どもその線に沿いまして、スーパーあるいは生協といえども、一般の小売り業者に対しまして優先してやるということではありません、小売り店と同様に——中小企業が大部分でございますから、そういう中小企業でございます小売り店と同様の線で、同列に考えまして免許基準を当てはめていく。特に生協等につきましては、員外利用を認めておらないそういう生協につきましては論外でございますが、そうでないものにつきましては、員外の利用ができるそういうものは小売り店と同じだ、そういうふうに考えまして、同列に見て免許基準を弾力的に運用していく、そういうふうなことで現在対処してまいっております。今後もそういう方向で、同列に置きまして、いまの小売り免許につきましても弾力的な考え方をもって対処してまいりたいと思っております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 時間がありませんので、これで終わります。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 松尾君。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 いま物価問題が大きな社会問題となっている、この点は御承知のとおりでありますが、こういう時期に追い打ちをかけるように今般ビールの値上げが行なわれた。これについて先ほど来のやりとりで、国民が納得できない値上げだということでいまいろいろなきびしい批判が行なわれておるわけですが、その値上げの理由として、人件費、運賃あるいは流通コスト、原料等の値上がりによるのだ、これがために経営が苦しい、こういうことであります。     〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕 この点は先ほど来指摘をされて、その答えの中に、麒麟麦酒の高橋社長から、同じ原料、同じ設備、同じ経費等であるから同一の上げ幅になるのだ、こういうお答えがございました。しかしもう一方、高橋さんは、企業にはいろいろな考え方がある。このお答えには相当矛盾があるのではないかというふうに考えます。堀委員も先ほど、近代経済学においては規模等によって占める価値というものは変わってくる、こういうことが指摘されたわけですが、いわゆるビール会社はこれらの上昇のために経営が苦しいとはいわれておりますけれども、最近の業績を見てみますと、ことしの上半期だけでも、麒麟が三十四億、朝日九億、サッポロ十億、こういうふうに税引き後の利益をあげておるわけです。さらに昨年の同期に比べてみると、朝日、サッポロは多少の減収は見ておりますけれども、麒麟麦酒の場合は収益が伸びておる。配当の面を見ても、麒麟の一五%、朝日、サッポロの一三%、こういうふうに利益があがっている。減配にはなっていない。こういう中で、しかも宣伝費等を見ましても相当はでに膨大な経費が注がれているということが考えられます。  こういうことを総合してみまして、今度の値上げが、かりに一歩譲って、先ほどお話しのありましたようにサントリービールが赤字をかかえております、この赤字に対処するためにという点ならばまあ納得できないことはないと思うのですけれども、こういうふうに格差のある、その中で伸び率が一番大きいこの麒麟麦酒の場合も同一率で値上げしたという点については、先ほど来のお答えではどうも納得ができない。むしろこれには、独禁法の精神も先ほど論じられましたけれども、そういう立場から考えると正当性を欠くのではないか、こういう疑義さえ生まれるわけですが、この点について、五〇%以上のシェアを占める高橋社長からもう一度ひとつお伺いしたいと思います。

高橋朝次郎麒麟麦酒株式会社社長

○高橋参考人 先ほど申し上げたことでございますが、原価のコストアップの圧力というものは、同じ条件でやっておるから同じことになるということを申し上げましたので、いろいろ考え方があるということは、経営についてはいろいろ人によって考え方が違う、いろいろのものがあるのじゃないかということを申し上げただけでございます。  それと、余裕のある会社ではないかというお話もございますが、これは現在ことし、この上半期なら上半期につくったビールだけでそれだけの余裕が出てくるわけじゃございませんので、長年の努力で蓄積したその貯金が影響してああいう決算の数字になっておりますので、決算の数字は何月何日となっておりますけれども、われわれの仕事は六十何年やってきておりますので、その間のいろいろな影響が出てきておるわけでございますから、いま楽だから値上げしなくてもいいじゃないかという理屈は通らないような気がいたします。  それともう一つ、先ほど申し上げましたように、ものの値段は原価だけできまるものではなく、値打ちでもきまるものじゃないかというふうにも考えております。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 これは時間の関係でとうてい納得するところまでは無理と周りのですが、ただもう一点高橋社長にお伺いしたい点は、麒麟麦酒が一番最終に値上げを発表いたしました。この際に一つの理由として、うちで上げなければ業界が混乱をする、現に混乱をしている、こういうことがいわれております。ということは、いまいろいろ先ほど来お話しのあったような物価、原料その他いろいろな状況で上げたんだということとそごするように考えられる。これがただ一般のうわさであればよろしいのですけれども、この場でその点をはっきりしていただきたい、こう思います。

高橋朝次郎麒麟麦酒株式会社社長

○高橋参考人 麒麟麦酒が上げなければ業界全般が困る、混乱するじゃないかということを言ったというお話でございますが、その面も確かにございます。消費者に対して値上げということはまことに申しわけないことであることはよく承知いたしておりますが、事情がやむを得ないところまで追い込まれておれば、やむを得ず値上げもいたします。  もう一つ、私どもの態度がきまらないために、十四万軒の小売り業者、二千数百軒の卸業者がどういうふうにどの道で行ったらいいのかということで混乱しておる。その混乱がだんだん激しくなってきた。ですからこれも、値上げをするならばいつまでもそういう混乱を続けさせないでいいのではないかというふうに考えたわけでございます。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 消費者には申しわけないけれども、業界の混乱というお話ですが、企業の姿勢として、むしろ、株主も利益を受ける、従業員も利益を受ける、あわせて国民一般の消費者が利益を受けていく、この三つはどちらに片寄ってもいけない。むしろ現状では、寡占企業云々といわれている立場では、業績を堅持している立場では、消費者に目を向けていくべきじゃないか。ところが、いまの高橋社長のお答えですと、うちが上げないで販売店が困っている、業界が混乱している、こういうお話ですけれども、いまの状態を解決していくためには、先ほど来向か協約的なもの、管理価格の疑いというお話しがありましたけれども、ここではほんとうに原価計算をし、収益をもって国民にこたえようとするのであれば、こういう事情でうちは上げないということを五五%以上のシェアを占める麒麟麦酒で発表することは、むしろ今後に大きなプラスになるのではないかというふうに消費者の立場では考えるわけです。  こういう点を総合しますと、どうしても、先ほど来管理価格の疑い云々というお話がありましたけれども、こればかりで、あるいは消費者に申しわけないということばだけで、消費者に目をかけていないんではないかという感じを受ける。先ほどちょっと触れましたように広告費等も相当目立っておりますし、広範な販売経路を持ち、その販売経費等も相当上昇するのは、これはよく納得できます。けれども、この広告費あるいは販売経費等について各社がほんとうに自主規制をする、企業努力をする、研究をする、こういう節約によって、この体制の中ではむしろ一律に十円という値上げをしないで、これだけで押えられるんだという、そこに差が生まれるのは当然であろう。しろうと考えではこう思うわけです。ところが、赤字をかかえているものも、それから黒字で、大きなシェアを持っているところも一律であるという点については、どうしても国民として納得できない。こういう企業努力、経費の節約等については十分お考えになっておられるとは思いますけれども、この点について、前回よりも利益の減少を見たサッポロの社長さんから、どういうような具体的な企業努力をなさったか。その点をひとつお伺いしたいと思います。

野々山広三郎サッポロビール株式会社社長

○野々山参考人 企業でありますから売り上げの増大をはかっていくのは当然で、それに企業努力を傾けるのは当然だと思います。その反面、非常に諸物価が高騰いたしまして、それをいかにして吸収するかということが私どもに課せられた最も大きな問題でありまして、企業の合理化あるいは省力投資、それに現在も懸命な努力を払っております。  それから、先ほど広告宣伝のお話がありましたが、私のほうがほかの社に比べて昨年は少し多いと思いますが、これはサッポロライトという新製品を出しまして、その新製品に対する宣伝広告が多かったということでありまして、昨年の多かったのはそういう新製品に対する特別の配慮からだということであります。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 次に、朝日麦酒の社長にお尋ねしたいのですが、今回の値上げの先陣を朝日麦酒が切った。そうじゃないというお話でありましたけれども……。ここでお尋ねしたい点は、話し合いはない、協定も何もない、こうおっしゃるのですけれども、もし今回の値上げの場合に、麒麟麦酒あるいはサントリー、他社が値上げを全然しなかった場合にもはたして値上げを敢行できたか。すでに御承知と思いますけれども、家電関係で不買問題等起きております。ビールにおいてもすでにこの問題が起きているということについては御承知と思いますが、こういう状況の中で、何らかお互いの意向打診等がなければ、おそらく値上げには独断で踏み切れないのではないか、こういうことを強く感ずるわけでありますけれども、この点については社長さんいかがでしょう。

中島正義朝日麦酒株式会社社長

○中島参考人 何か、いかにもやったんじゃないかというようなことですが、そうじゃございませんと申すほかございません。率直に申しまして、私どもが上げまして、麒麟さんがお上げになることはわれわれとして非常に不利なのであります。利益がよけいになることなんで、それも私どもは考えます。これも商売ですから当然でございます。そういうことも念頭に置いております。また十円のうち七円が流通経費でございますから、麒麟麦酒がこれを全部背負えるかどうかということも、これももちろん私の頭の中を走った考え方でございます。おそらく七円というものを値上げなさらないで、麒麟麦酒が自分で負担できるとは思われない、客観的に見た場合。そうしますと三円の問題だと思うのです。特に交渉の相手方が同じでありますから、卸組合であり小売り組合でございますから、三円だと思うのです。しかし実はこの三円につきましても、合理性をどこに認めるかということで、私はお役所に調べていただいたのであります。そうして調べた結果が、おおむねこのくらいというものは、四十一年に比べてもっと上がっているのだということも、御了解いただけていると私は思うのでありますが、しかしそれはわかりません。しかし、何しろ生きなければ競争にならないのでありまして、競争するために、やはりこれだけの値上げはどうしてもやっていただいて、そして競争してシェアを上げるのだというのが私の今回の値上げを決心いたしました根拠でございます。どうぞその点御了承いただきたいと思います。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 いま全然約束も何もないということでありますけれども、いまのような状況の中で、まことに失礼ではありますけれども、朝日さんシェアがわずか一七・五%だ、こういう中で、ほかでそれじゃ一切うちは有利に導こう。企業を営むからには利益を考えない企業はない。したがって、むしろあなたのところで上げてもらわなければ不利だ、こういうお話がございましたけれども、ほんとうに、サッポロさんなりあるいは麒麟さんなり、ここで国民のための競争をするのであったならば、そういう手は打たれるはずであります、と思います。これが、今回の値上げだけでは論じられませんけれども、四十一年あるいは四十三年と今回引き続いて——四十一年の場合には二十七日、一日で全部時間を境にして上げております。次回も一日おきで上げている。今回の場合には、若干上げる日にちがあって、半月の間に値上げを発表した。こういうことで、これらを考えますと、どうしても何かここにはあるのではないか、こういうことを感ずるわけです。  そこで、公取委員長はおりませんが、公取に伺いますけれども、独禁法の二条六項に「契約、協定その他何らの名義を以てするかを問わず、他の事業者と共同して対価を決定し、」こういうことがありますけれども、この点に関しては公取ではどう考えているのか。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田説明員 お答えを申し上げます。  これはおっしゃいましたとおり、いわゆる共同行為、カルテルについての構成要件が書いてあるわけでございますが、われわれとしましては、協定——はっきりした文書による協定があろうとあるいは口頭、口約束、これによる合意があろうと、いやしくもそこに共同行為があれば、それによって値上げ協定が認められれば、これは独禁法違反として処置するという態度でございます。今回の場合、いままで調べましたところではまだそういう事実はつかめておりません。ただ、疑いがないということは言えないと思いますけれども、現在までのところ協定があったという事実は出てきておりません。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 時間がなくなっちゃいましたので詰められないのはまことに残念ですけれども、最後に国税庁に……。  先ほど税のお話がございました。税についてはいままで企業そろって減税運動を何回もやってきた、こういうお話がございまして、このたびの値上げを考えてみても、前回四十三年に税率を上げておりますが、この税率をもとに引き戻せば、それにもう一歩企業努力を加えれば、今回の値上げはなしに済んだ、こういうこともいえると思うのです。これだけ物価の高い中で国民が納得のできない値上げということで、非常に大きな苦痛を感じている。国民のふところには約五百億近いものがしわ寄せされるわけです。したがって、このビール税について非常に高いということが何回も論議されておりますけれども、この税金については、この際国民の消費生活、これらを考えてどういう方向で臨むか。この点についてだけ一点お願いしたいと思うのです。  それから先ほどの免許制度ですね、免許制度については緩和したい、こういう話でありましたけれども、あの一つ一つに相当きびしい条項があるが、許せる範囲でその条項についても検討するのかどうか。特にスーパー等については非常に業界でも希望が強い、国民の希望も強い、こういうことでありますが、これらについても積極的に取り組むのかどうか。この点について最後にお答えをいただきたい。

塚本石五郎国税庁間税部長

○塚本説明員 税の問題につきましては、私からお答え申し上げるのはちょっと筋違いかと思いまして、あれは大蔵省の主税局の問題でございますのでいかがかと思いますけれども、ちょっと私の感想だけを申し上げれば、これはむずかしい問題でございまして、前回酒税の税率の引き上げが四十三年に行なわれたわけでございますが、酒の価格の中に占める税金の割合がだんだんと下がってまいりまして、当時の昭和の二十年代あるいは三十年代と比べましてそのウエートは非常に低くなってまいりまして、やはり酒を飲む万に相応の酒税の負担をしていただく、そういう意味でバランスを直す意味もあったやに私も理解しているわけでございますが、今回のビールあるいは清酒の値上げに伴いまして、また小売り価格に占める税金の割合が下がってまいったわけでございます。これをどうするかという問題、これはまた国の財政全体あるいは税制全体の仕組みの中でどう考えたらいいか。またこれは致酔飲料と申しますか、酔って、これは酒を飲んで決していいことはないわけでございますが、そういうふうなものを国民に奨励することもいかがかと思うような問題でもあろうかと思います。そういうふうなことで、あるいはこれは私、もっと広い意味で国会の場で検討していただく問題じゃなかろうかと思います。  それからもう一つ、免許の問題につきましては、先ほど私申し上げたのでございますが、現在の免許基準、距離基準あるいは酒の需給基準その他のいろいろな基準がございますが、こういうものを弾力的に解釈しまして前向きに運用してまいりたい。こういうことは本年の六月の経済閣僚協議会で了承された線がございまして、その線に沿いまして私ども着実に前向きにやってまいりたいと思っております。     〔山下(元)委員長代理退席、委員長着席〕  ただ、これは先ほども申し上げたのでございますが、スーパー等につきましても、これは現在相当前向きにやっております。過去、たとえば五年なり七年をとってごらんになっていただきましても、一般の小売り店の免許に比べましてスーパーなり生協の免許の割合は相当ふえております。現在もすでに小売り店が全国で十四万軒ございまして、数としては相当多うございます。これは菓子屋なりパン屋の二十万軒に次ぐ大きな数でございます。魚屋なり八百屋でとりましてもせいぜい全国で五万軒ぐらい、酒の場合は全国で十四万軒もございます。そういう点も考えまして、もちろん弾力的に前向きにやってまいりたいと思います。ただ、いまのスーパー等を特別扱いをすることは、これはいかがかと思っております。小売り店と同様に判断いたしまして、免許基準を弾力的に運用して前向きにやってまいりたい、かように考えておりますので御了承いただきたいと思います。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 貝沼君。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 先ほどからずっとビールの値上げが問題となって、こうして各党から質問が出ておるわけでありますが、その答弁をずっと聞いておりますと、あたかも気の抜けたビールのような感じがしないでもないわけであります。そこで私もずっと先ほどからの事項については尋ねなければならない点ばかりでありますけれども、時間が非常に微々たる時間でありますので、二、三点ここでお尋ねをしたいと思います。  そこでまず、初めに朝日麦酒の社長さんにお尋ねするわけでありますが、ただいまも質問がありましたように、朝日麦酒だけが値上げをしても、はたしてその値上げというものが実現できる可能性があったのかどうか。この点は、いま非常に不利だという点の答弁はありましたけれども、その実現の可能性があったのかどうか。その辺のところをひとつお伺いしたいと思います。

中島正義朝日麦酒株式会社社長

○中島参考人 値上げを実施いたす場合には、どうしてでも値上げしなければならないという決心のもとに私は実施いたしました。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 ただいまは、その決心でやった。しかし先ほどの答弁では、お役所と相談して、麒麟も上げるだろうという推定があって、そういうことがあったというふうに聞いております。その辺は間違いありませんか。

中島正義朝日麦酒株式会社社長

○中島参考人 それはたいへんな誤解でございまして、麒麟麦酒がどうのこうのということは絶対ございません。それは私がここではっきり申し上げておきます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 それでは、他の三社が上げるか上げないかというその予想は、どのような予想をしてやられたわけですか。

中島正義朝日麦酒株式会社社長

○中島参考人 私どもは他社がどういうふうに出るか見当はつきません。過去において、私どもが上げました品物で他社が上げなかった例もあるのでございますからわかりませんが、しかし流通機構から強い要望があるわけでございまして、その点については他社も追従せざるを得ないであろうという予想はいたしました。しかしあくまでも予想でございまして、そういう決心のもとに私は実施いたしました。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 さらに、非常に収入が減ってきた、あるいは流通機構の問題がある、こういういろいろなことがあるわけでありますけれども、それならば、流通機構あるいはその他の経営の改善によってどれだけ実際は安くできるんだ、しかしながら事情によってさらにふやさなければならない点がこれぐらいあるために十円値上げを踏み切らなければならない。いままで何回も、経営とかあるいは流通機構に努力をしてきたというけれども、その辺はどれくらい効果があったのか。その辺ちょっと伺いたいと思います。

中島正義朝日麦酒株式会社社長

○中島参考人 私どもは努力してきたために——従来において三円四、五十銭を値上げしておいたのを何とか値上げをしないでそのままで来たのは、私はそこに努力があって、その努力とともに、やはり居食いをしておりますと申しますか、身をはいできたということでございまして、そのほか全従業員が力を合わせまして、経営者をはじめ何とかしてこれを克服しなければならないということで、組合員の皆さんも、私はそれも了承されていると思います。それを何とかしてやろうという気になっているわけなんでありますが、ただ私がここで残念なのは、私どもが一番先にやりましたために——苦しいからやったんでありますが、そのためにこれだけ世の中に、朝日麦酒が苦しいということを言うつらさを、ひとつどうぞ御了承いただきたいと思うのであります。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 朝日麦酒が非常につらいという、いまそういうお話がありましたが、それに比べて麒麟のほうはそうつらくはないと私は思うのです。ところが他社の関係とか、そういうようなことをいろいろ理由はあがっておりますが、ただやはり、先ほどから何回も話が出ておりますように、同じ金額の十円、十円でなければならないというところですね、ここはどうしても先ほどから納得がいきません。もう一回そこのところの説明をお願いいたします。

高橋朝次郎麒麟麦酒株式会社社長

○高橋参考人 十円ぴたりということは考えておりませんので、卸がこれくらい、それから生産者もこれくらい取らなくちゃやっていけないということになれば、まああと十円にはこれくらい残っているな、それでは妥当な数字であろう、それで合計で十円くらいになるんじゃないかということでございまして、新聞記事などは逆に十円という金額をまずきめて逆算しておるような記事が多うございましたが、これは記事の書き方が悪いので、われわれの考えとは違っておると考えております。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 それは麒麟麦酒の社長としては、私はそういうふうに言うと思うのです。しかしながら、実際買う人はやはりこれは十円上がると見て差しつかえないわけです。現実の問題として五五・一%のシェアを持っている麒麟麦酒、この価格いかんによって日本経済は大きく変わってくる。昭和三十九年ごろのあの議事録を見ましても、国税庁長官のあの答弁にしましても、麒麟麦酒さえ値上げしなければ値上げはしないだろうとか、ことごとくそういう答弁があるわけです。したがって、現在麒麟麦酒の値段というものが大きな関心事になっておるわけであります。したがって、そういう消費者の立場ということをどれほど考えて経営の面をやっておられるのか、この辺が私は非常に疑問に思う。ただもうければいいという会社は、それはシェアの面でやはり五五%も占めるようなものではないと思うのです。五五%も占めるようなところになったら、やはり物価指数の上昇であるとか、そういうことをよく検討した上で、他社とはやはり幾らか違った形のものが私はあらわれてもいいのではないかと思うのです。その点について、もう一度その見解を承りたいと思います。

高橋朝次郎麒麟麦酒株式会社社長

○高橋参考人 私どもの会社が業界第一位であり、いろいろ行動をするのに重大な影響を一般に及ぼすことはよく承知いたしております。自粛自戒して行動いたしておるつもりでございますが、ただ今回の値上げにつきましては、卸業者及び小売り業者の窮状はほうっておけないところへ来ているので、これは値上げをせざるを得ないところへ追い込まれておる情勢であったということはいえるわけでございまして、これについては、他社が値上げすればわれわれがやはり——同じような卸業者、小売り業者でございますから、麒麟麦酒は値上げしないからおまえたちのマージンは上げられない、では済まない状態でございます。さりとて、これを全部麒麟麦酒会社が負担して出すほどの、それほどの余裕は全然ございません。その点においては、卸、小売りに対する点においては追随せざるを得ない状態でございます。その他の生産者の値上げについても、これも先ほどから申し上げておりますように、生産者としてのいろいろなコストアップの圧迫は同じことでございますので、自然同じような値上げになってくるということでございます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 あと一、二分だそうでございますけれども、どうしても聞いておきたいことがありますので次に移ります。  経済企画庁のほうで、流通機構の改善をはじめとして経営の合理化をはかることはなまけたままで、流通経費が上がったからといって簡単に消費者に負わせることがまかり通るならば、他の業界に示しがつかない、これから同じような値上げが続出して日本の物価政策は有名無実になる、こういうふうな記事が出ておるわけでありますが、現在もう上がってしまったわけであります。したがって、経済企画庁としては今後このような上げ方をしに場合はどういうふうに対処されるのか。それについて伺っておきたいと思います。

山下一郎経済企画庁国民生活局参事官

○山下説明員 今回ビールの値上げが実施をされた次第でございますけれども、このビールの値上げの問題につきましては、先ほども申し上げましたように、私どもの立場といたしましては、ビールの流通業界に、免許制度に基づく——他の商品、完全に自由な商品の場合と違いまして、完全に自由な競争が行なわれていない、免許制度のあることによる、いろいろ今後改善する余地が多々あると考えまして、国税庁にその面での改善方を強く要望いたしておりまして、今後国税庁におきまして、このビールの流通部面での合理化をはかることによりまして、将来このような事態が再び起こらないような改善をしていただくことを強く要望してまいりたい、このように考えております。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 次に、国税庁のほうにお尋ねしたいわけでありますが、国税庁は何回かにわたって行政指導を行なった、しかしその結果上がってしまった。さらに、先ほどビールの原価については、そこにお並びの社長さんに打ち合わせをして発表しておる。どうしてそう一々そういう行動をとらなければならないのか。国税庁としての主体性というものはほんとうにあるのかどうか、その辺を伺っておきたいと思います。

塚本石五郎国税庁間税部長

○塚本説明員 御存じのとおり、ビールの価格は自由価格でございまして、戦争中に統制時代を経まして、三十五年から基準価格、三十九年から自由価格、こういうふうに現在なってまいったわけでございます。したがって、これをまたもとに戻すというようなことはいかがかと思いますが、少なくとも現在に関する限り、そういうふうな自由な企業活動、それに基づく自由価格というものに対しまして、国税庁の権限というものはまことにない。法的権限がまことにない。ただ事実上の説得といいますか、いわゆる行政指導だけがあるわけでございまして、私ども懸命の努力をいたしたのでございますけれども、まことに残念なことでございますけれども、四社とも値上げを実現したというようなことに相なったわけでございまして、残念に思っているわけでございます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 私は非常に弱腰ではないかと思うわけであります。  最後に、公取のほうにお伺いしたいのでありますけれども、管理価格という定義あるいはやみ再販のことについても、幾らそれにもうほとんどマッチしたようなことが現実にあっても、これが現在のところどうしようもできませんというふうなことで、実際何のための法律なのか私たちは非常に理解に苦しむ点があります。そこで公取としては今後どういう方向、またどうしなければならないのか。その辺の御見解を承っておきたいと思います。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田説明員 お答えを申し上げます。  やみ再販あるいは管理価格——管理価格の問題についてはことしの八月から調査を始めたばかりでございまして、結果がはっきりいたしまして、独禁法違反の事実があれば、これはぴしぴし処置をしていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。  また、やみ再販につきましては、業界のほうではこれは希望価格である、必ずしもその価格で売れということを拘束しているわけではない、現在までの調査ではそういうことになっておりますけれども、もしこれが拘束している事実があるということであれば、不公正な取引方法の不当な拘束条件つき取引ということで処置できるわけでございまして、ただいまそういう事実があるかどうか厳重に監視をしている段階でございます。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 永末君。

永末英一民社党

○永末委員 経済企画庁に伺います。  現在の法律のもとでは、あなたのほうは、ビール価格の値上げをビール四社がやろうと企てた場合には、全然これを押える力はないということを確認なさいますか。

山下一郎経済企画庁国民生活局参事官

○山下説明員 お答えを申し上げます。  現在の法律制度のもとにおきましては、ビール四社がビールの値上げを実施いたします場合に、経済企画庁といたしましてこれを抑制をいたします法律的な権限を持っておりません。

永末英一民社党

○永末委員 先ほど国税庁は、このビール価格の値上げについては力はないということを告白された。  そこで、政治家として、政務次官おられますが、現在の佐藤内閣というのは、ビールに関する限り、物価引き下げの能力はないとわれわれは判断します。あなたはどう判断しますか。

中川一郎自由民主党大蔵政務次官

○中川説明員 先ほどから答えておりますように、法律的には自由競争、自由価格になっておるものですから、法的にこれを押えようとしても押えることができない。これは佐藤内閣であろうと、法治国家ではしかたがないんではないか。ただし、姿勢としては、大衆的な物資でありますし、相当の量でもありますから、何とか上がらないように指導といいますか、勧告、協議といいますか、一生懸命の努力をやってきたことだけは事実でありますし、今後もそのようにやってまいりたいと存じます。

永末英一民社党

○永末委員 指導とか勧告とか、いろいろことばはございますが、ひとり言というのがございまして、ぶつぶつ言っているというのもあるわけです。  そこで、四社の社長さんに伺いたいのですが、ビール四社は、社長さんの会合とか、あるいはあなたのほうのおも立った人々が四社が集まって、私的にも公的にも、あるいは定期、不定期に会合を持っておられますか、伺いたい。

高橋朝次郎麒麟麦酒株式会社社長

○高橋参考人 ビール事業につきましては、酒団法によりまして、生産者はビール酒造組合というものをつくってもいいことになっておりまして、ビール酒造組合というものが現在つくられております。それの役員としては会合することはございます。

永末英一民社党

○永末委員 酒団法による酒類製造業者のほうも組合である。これに対して販売業者である卸売りも小売りも、それぞれこれは組合をつくっているわけですね。     〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕 したがって、今回の件については、最初朝日麦酒株式会社といまのような相手方の流通過程にある組合と話をなさったのか。それとも酒類製造のほうの組合がという資格で、何らかの形でですよ、相手方の流通関係の組合と話をなさったのか、伺いたい。

中島正義朝日麦酒株式会社社長

○中島参考人 卸組合、小売り組合と酒造組合という立場で話をいたしたことはございません。朝日麦酒の社長としてでございます。

永末英一民社党

○永末委員 四社の社長に伺いたいのですが、自由競争、こういうのでございますね。ところが、先ほどから伺っておると、価格はどうもあんまり変わりそうにないのでございますが、これはあとで伺いますが、それならば自由競争というのは、いまのような姿の中では一体どういうことが自由競争なのか。自由に宣伝をすることなのか。それともそれぞれの製品が価格を異にして価格競争をやることなのか。どのように考えておられますか、その自由競争ということを。

高橋朝次郎麒麟麦酒株式会社社長

○高橋参考人 自由競争でございますから、値段の違うことも、値段の同じことも、自由競争でございます。また取引の実態から申しますと必ずしも一致いたしておりません。各社が出しております、先ほどお話のありました卸業者に対するリベートというものも同じ額ではございません。各社それぞれの判断で出しておりますので、何もかもみんな同じようになっているということではございません。その点御了承いただきたいと思います。

永末英一民社党

○永末委員 あとのお三方、同じ意見ですか。——沈黙は同意なりというわけですから、お三万同じ意見だとみなして進めます。  佐治さんに伺いたいのですが、あなたは何もビールだけお売りになっているわけではないのであって、ウイスキーもお売りである。ウイスキーの場合には価格表示をされて競争をいどんでおられますね。幾らだ、今度は九百円だ、千円だ、六百五十円だというふうに。ところがビールについては、各社ともに宣伝をやっておられますが、ついぞ一度たりとも価格表示で競争が行なわれたことがない。だから、ほかの社はちょっと条件が違いましょうが、あなたはいろいろな酒類の製造販売をしておられる立場から、ビールというものは一体価格表示をして競争をし得ない商品だとお考えかどうか。

佐治敬三サントリー株式会社社長

○佐治参考人 日本のビールということに限定をいたしますと、現状では、日本のビールに関しましては、価格を表示した競争というのは非常にむずかしい。あるいは、価格を表示した競争ということになりますと、たとえば価格に格差が生じる場合もあるわけでございます。そういった場合には、ただいまの競争状況とは著しく違った競争状況になる可能性があるのではないだろうか。まあこれは日本のビールの八十年にわたる歴史が今日の日本のビールを形づくっておりますので、一朝一夕にはなかなか改め得ない体質ではなかろうか。そういうぐあいな感じを持っております。

永末英一民社党

○永末委員 私は、酒類の場合に、特に戦争時代につくられたあの統制機構、それが、自由価格とは言い条、似たような姿で推移しておって、思わず知らず、言うならば、もうすでに三十年の歴史を持っておりますから、そういうものが酒類の流通機構だというぐあいに——法律の基礎は変わっておりますよ。しかし実態はそれをオーソライズする形で法律がつくられておる。いろいろ法律の目的とするところは違いますけれども。だからそれに乗っかっておるんじゃないかと思われる節がある。  ところで、たとえば関税が非常に少なくなりまして、これは関税政策の問題ですが、外国の酒類が入ってくる。まあウィスキーやそういう酒類のことはこの場の議題ではございませんが、たとえば安いビールがずっと入ってきたという場合に、——価格でそういう外国のビールが勝負をいどんでくるということがあり得ると思いますね、そういう場合には、いま四社でとっておられるような、いまのような価格に対する配慮というものは私は変わってこざるを得ないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。ひとつ順番に……。だれかお答え願って、同意であれば黙っておられてけっこうです。

中島正義朝日麦酒株式会社社長

○中島参考人 いま外国のビールが入ってくるんじゃないか、その場合にわれわれよりも高いのか安いのか、どういうふうに御想定になるのかわかりませんが、私は現在までのビール企業、特に朝日麦酒の企業努力によって、天下において他社に負けない価格であると信じております。ただ現下の大麦については、御承知のように食管価格でございますので、その点についての問題を別にいたすならば、私は値段において決して外国のビールに負けない。高くやってくるのをどうするかという問題であるならこれは別問題でございます。現実に高いのでございますが、まさか外国から入ってくるビールをわれわれのビールの税金よりも安くすることはないだろうと思いますので、同じ条件であるならば必ず高くて、われわれには十分それに対応できるという自信を私は持っております。

永末英一民社党

○永末委員 最初に今回の値上げについて朝日麦酒側のお考えを承ったのでございますが、その朝日の発表を見てサッポロはどう受け取られたのです。

野々山広三郎サッポロビール株式会社社長

○野々山参考人 会社の経営状況はほとんど朝日麦酒さんと同じでありまして、コストアップは企業努力の限界にきておるということは実情でありまして、それにやはり流通段階の突き上げもあったということで踏み切ったわけでございます。

永末英一民社党

○永末委員 流通段階のことを私伺いたいと思うのです。ほかの条件は、もし緊急な問題と考えておられるなら、朝日が先に声を出さなくても、サッポロも声をあげられるべきであったと思うのですが、男は黙って待っておられたかどうか知りませんが……。流通段階のことをちょっと聞きたいのです。  流通というのは、先ほどから話になっておりますように、卸も小売りもそれぞれ酒団法に基づく組合をつくり、言うならば一体となってメーカーに対処しておる。そして従来までの商慣習では、いわゆるマージンにしろリベートにしろ、ほとんど詳しいことをいわれないから知りませんよね。ほとんど同じようなことでお返しがいっておるというようなもの——相手は一つですよね。それに対して朝日があることをお約束になった。そうすると、サッポロとしてはのがれられない運命だ。これは黙って従わざるを得ないとお考えになったかどうか。

野々山広三郎サッポロビール株式会社社長

○野々山参考人 ビール企業で、経費のうちで一番大きいのは運搬費なんでございますが、その次が人件費なんでございまして、会社自体の運搬費の実情を調べてみますと、一割から一割二、三分アップしております。その事情から流通段階における運搬費の問題もほぼ推測できると思います。その判断からやはり値上げに踏み切ったということであります。

永末英一民社党

○永末委員 もう少し詰めて申しますと、朝日は酒団法に基づく酒類製造業者の組合という立場では何もしてない。しかし朝日一社としては相手万組合とネゴシエートしたわけですね。違いますか。

中島正義朝日麦酒株式会社社長

○中島参考人 ネゴシエーションいたしません。要求が出ておるわけでございます。

永末英一民社党

○永末委員 そうしますと、同じ状況で、ネゴシエートすることなく、サッポロも判断されて発表された、こういうことですか。

野々山広三郎サッポロビール株式会社社長

○野々山参考人 そうなんです。

永末英一民社党

○永末委員 サントリーも同じですか。

佐治敬三サントリー株式会社社長

○佐治参考人 同じでございます。

永末英一民社党

○永末委員 サントリーの場合に伺いたいのでありますけれども、先ほど黙っておられたのでそのまま同意だとみなしてやったのですけれども、あなたのほうはビールに関してはシェアがきわめて少ないわけですね。だれだって企業の責任者とすれば、同等の商品、同様の商品を扱っておる場合に、そのシェアを拡大したいと思うのは当然のことだと思います。他三社に比べてきわめて少ないビールの業界におけるシェアを大きくしたいと思う場合に、いまのような現状のもとにおいては宣伝以外に方法はない。宣伝をするためには自分の品種に対する何らかの特殊性がなくてはならぬと思いますが、それ以外に方法はないとお考えでしょうか。

佐治敬三サントリー株式会社社長

○佐治参考人 営業活動すべてにわたって、やはり他社以上の努力を傾けなければならぬと思うわけであります。その中にいまお話のございました製品の品質、私どもは他社のビールにないような特色を何とか打ち出したいという努力を続けてまいったつもりでございます。また宣伝広告に関しましては、ことに八十年という歴史をお持ちでございます三社と対抗する新製品の立場として、これに大きな期待をかけておることも事実でございます。また販売面に関しましても、私ども社内では新撰組というような名前で呼んでおりますが、流通段階あるいは料飲店、そういったところへの売り込みに懸命の努力を続けておりまして、そうした総合的ないわゆるマーケッティング活動といいますか、そういったものの成果を私ども期待をいたしておるわけでございます。

永末英一民社党

○永末委員 さて、朝日からサッポロ、サントリーときたのでありますけれども、先ほど麒麟のお話を伺っておりますと、やはり流通方面からくる圧力というものが相当強いように私は承りました。そこで、あなたのほうは少し時間があったわけですから、この間、卸や小売りから、麒麟さんも上げてもらわなければ困るという交渉、ございましたか。

高橋朝次郎麒麟麦酒株式会社社長

○高橋参考人 私ども十分いろいろ検討しております間にも、卸、小売りからの突き上げは相当ございました。

永末英一民社党

○永末委員 公取の事務局長に伺いたいのでございますけれども、この酒類関係の業者は、製造業者も販売業者も全部これは免許でございますね。そこにもってきて、これは国会がつくったことでありますけれども、酒団法という法律をつくりまして、それぞれが組合をつくれということをいっておるわけですね。別の角度から見ますと、これは独占みたいな形になるわけですね、ほかのものは入れないわけですから。それの一つの一番大きな理由が酒税保全という名前で、つまり税金を取りたいという国家のいやらしい性格から出ているわけです。そうしますと、現在の独占禁止法等の運営を考えるにあたって、先ほど私が質問いたしましたところでは、明らかに何らかの話し合いがなされたとかいうことは何も言っておられませんよ。しかし、ここではっきりしていることは、製造業者も四社で話し合える機会があるわけである組合つくっておりますからね。それから流通過程を受け持っておる二つの卸と小売り段階も、それぞれ全部が集まって一つの意思をつくる、そういう機会を持っておるわけであります。しかもこの話、きょうの審議過程で明らかになったように、一応表面上は製造業者はぼちぼちとこの値上げに歩調を合わしてきた形になっている。そうしますと、一貫してこれを流れる一番の原動力はどこであったかというと、卸と小売りが一つになって、大体これくらいのものをということを要求したのではないかと私は思うわけですね。もしそういうことが事実であるならば、いまの法律体系に照らして、一つのこれは管理価格を促進せしめる行為、すなわち一種のこれは寡占状態であり、価格に下方硬直性を持たしておる、そこに該当するのじゃないかと思いますが、どうですか。     〔山下(元)委員長代理退席、委員長着席〕

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田説明員 確かに先生おっしゃるとおり、ビール業界は、これは酒団法という法律がございまして、酒団法の規定による生産制限協定あるいは価格協定、これは大蔵大臣の認可が要るわけでございますが、そういうものに対しては独占禁止法の適用は除外をされております。しかしそれ以外において、あるいはメーカー同士、または販売業者同士が話し合いをして値上げをするということであれば、もちろんこれは独占禁止法違反として規制をしなければならないと思いますが、いまおっしゃいましたように、かりに販売業者の話し合いがあって、その話し合いに基づいてメーカーを突き上げて管理価格的な価格を出さしたということであれば、これは独禁法上問題になり得るのじゃないかというふうに考えます。いま何条に違反するかということは、検討いたしませんと申し上げられません。

永末英一民社党

○永末委員 公取には十分ひとつその辺のところを御調査を願っておきたいと思います。  さて、もう一ぺん四社の社長に伺いたいのでございますが、私は先ほど、流通体系の現状においてということを前提にしながら御質問を申し上げました。つまり、それを前提にしつつ、自由競争というのをどう受け取っておられるかという質問を申し上げました。ところで、先ほどから官庁側は、経企庁であれ国税庁であれ、現在の免許制度というものをそのままかたくなに固守していくことは、結果的に消費者の利益を阻害することになる、こういう意見が出ておることはお聞きのとおりであります。さて、四社の社長は、いまの卸売り、小売りの免許制度はよろしいとお考えかどうか、これをひとつ承りたい。

高橋朝次郎麒麟麦酒株式会社社長

○高橋参考人 先ほどもどなたかちょっとお触れになったように、ビールは多額の税金をしょっております。私どものほうで直接税金は払っておりますが、それは卸業者、小売り業者のほうには品代金として売って回収しなければなりません。非常に大きな回収の責任をしょわされておりまして、国税庁も相当関心を持たれるでしょうが、われわれとしてもこれが倒産するということはたいへんな影響がございますので、できるだけ業界が安定した状態でちゃんと税金を含んだ品代を払ってくれることが望ましいと考えております。

永末英一民社党

○永末委員 あとの三社は、以下同じでございますか。

野々山広三郎サッポロビール株式会社社長

○野々山参考人 いま高橋社長の申しあげたとおりであります。

中島正義朝日麦酒株式会社社長

○中島参考人 高橋社長の言われたとおりでありますが、ちょっとつけ加えさせていただきますが、いかにも免許あるいは酒団法がいけないようにおっしゃいますけれども、事の起こりはやはり税金が高いことから起こる問題でございまして、税金が高いからこそそういう問題が私は起きているのだろうと思うのであります。それが、いかにもそういう流通機構はけしからぬじゃないかというおしかりを受けると私どもはちょっと困るのでございますが、これは税金が下がったならばというサブジャンクティブであるならばいろいろ考えられると思います。アメリカではビールのコンペティターはコーラ飲料でございます。御承知のとおりでございます。先ほど間税部長さんが、いかにもビールが致酔飲料のように言われたのは、私は社長として反対でありまして、これはリフレッシュメントドリンクでありまして、これはシャウプさんがこの前来たときに、ビールというものはそういう性質のものだと言ったので、これは日本で言うのではなくて、インターナショナルに、ビールは世界的にこれはリフレッシュメントドリンクでありまして、なぜそれから税金を取るかということすら私はわからないのでありますが、そのコーラ飲料は税金がほとんどないと思うのでありますが、という状態になるならばおのずから流通機構も変わってくるだろう。ただ、ビールのように半分以上税金を背負って、生産者は義務があるのでありますから、蔵出しと同時に義務を負わされたものを、野方図にして何とかしろと言われるのだと、私は生産者としてはちょっと困るのでありまして、先ほど申しましたように、徴税物資ということと自由競争ということの接点をどこに求めるかということがこの問題のポイントじゃないだろうか。それは先ほど申し上げたとおりでありますが、そうじゃないかと思います。

佐治敬三サントリー株式会社社長

○佐治参考人 特別な意見はございません。ただ卸に関していえば、現在免許制度ではございますけれども、むしろその数におきましては過当競争と申しましょうか、きわめて経営の困難な状況を来たすほどに数が多いということが事実ではなかろうかと思います。

永末英一民社党

○永末委員 なるほど、朝日の社長が言われましたように、ビールというのはよその国も、英語でいえばベヴァリッジの中に入れているぐらいなことであって、致酔飲料というのはしょうちゅうのことを国税庁でもそう呼んでいるんじゃないかと思いますが、これは間税部長どう言われるか知らぬが……。ビールを飲んですぐ酔っぱらったというのは特殊な体質の人ではないかと思うわけですが、たくさん飲んだら酔っぱらいますよね、ビールでも。  佐治さんに伺いたいんですが、いま朝日の社長は、ビールの税金が高い——なるほど高いですよね。従量税としてきわめて高い。高いからと、こう言われたが、あなたはいろいろなお酒をつくっておられるわけだ。だからいろいろな形で税金を払っておられるが、ビールは特に高いと思われますか、意識として。

佐治敬三サントリー株式会社社長

○佐治参考人 高いと思います。ウイスキーも高いと思います。

永末英一民社党

○永末委員 税金を払うほうはみんな高いと思うんですよ。ここにおられる給料生活者は、ビールやウイスキーはおろか、おれの源泉徴収は一番高い。社長さんでも半分くらい思っておられますね。源泉徴収、いけませんね。サラリーマンの課税というのはいかぬ。そのサラリーマンがビールを飲むとき、またビールが高いのはけしからぬ話でございますが、相対的に考えられる。なるほど、ほかのウイスキーだってだいぶん寡占状況になってまいりました。これは関税の問題が一番よく響く問題だと思いますけれども、普通、一物一価の法則、自由市場があり、自由競争が行なわれるならば、そこで、需給の接点である点に価格が定まる。一物一価の法則というのは経済原論でわれわれ教わったのでありますが、このビール市場については、自由競争だといわれていながら、自由競争が実はないのである。なるほど、高橋さんのお話では、価格がたがおうと一致しようと自由競争の結果出てくることは、それはそうでしょうね。しかし消費者として考えるならば、自由競争ならばただ単に——たくさん銘柄ございますよ、ただしかし、四つの銘柄を同じ価格で選ばされるのではなくて、価格的にもやはりもっと選びたいという欲求が私はあると思うのですね。その欲求をメーカーもまたかなえさせてやろうというのが、やはりこれからの大衆社会における、言うなれば公共性を受け持っておる企業家の立場ではないか、私はこう思う。だから、おかしい感じは、自由競争だといい消費者が選ばれるなんといいながら、なぜばっとこう、あたかも公取委員会にひっかかるかもしれないような形で一斉に値上げが出てくるのか。この辺のからくりをやはり消費者としては知りたい、こう思うわけですね。そこでこの質問を申しあげているわけです。  つまり、先ほど一つのポイントとして出ましたのは、税金がもうちょっと安ければいまの免許制度も……。つまり、酒税保全というのは、今度は国税庁ではなくて、蔵出しで払っておられるメーカーのほうがあとの回収をしたい、こういうことが酒税保全になろうと思いますけれども、どの程度に下がったら……。安ければそれでいいですよ。しかし、いまの免許というものが、私は酒団法が悪いとは何んとも言っておりません。あの当時の酒類行政の変革を見つつ、あの酒団法をつくったにはつくったの理由がある。ただ、消費者の側からして、どんどん物価の値上がりをやっておるときに、いかにも非常に、堀さんのことばですかな、封鎖された社会に、閉鎖サークルにおいてぼんぼんと値上げされることになぜ消費者としては一矢もむくいられないのか。なぜわれわれの声が取り入れられないのか。そのために官庁である経済企画庁が免許制度に触れられる。ところがあなたのほうは税金だと言われる。税金はどの程度下がったらもう少し価格に対しても消費者が選択できるようになると思われるか。その辺の御意見をひとつ最後に承りたい。朝日あたりから、あなたが言われたんだから……。

中島正義朝日麦酒株式会社社長

○中島参考人 どういうふうになるかということは、全然税金がなくなれば、可能性としてはコカ・コーラのような、あのような流通機構も成り立つと思うのであります。しかし、それならいま二割にしたらどうか、三割にしたらどうかということになりますと、なかなかできませんが、少なくとも一般先進国並みの税金になるならば、あるいはやはりそういう取り扱いのしかたになるんじゃないだろうか。アメリカでは御承知のように最低価格をきめておりますが、それはそれなりの考え方があると私は思うのでありますが、なってみなくちゃわかりませんが、私はそれに応じた、やはり一本ではなくて、零の場合、二〇の場合、それぞれ違った流通の段階、機構になるんではないだろうか、このように考えております。あまり詳しいことは勉強いたしておりませんので、恐縮でございます。

永末英一民社党

○永末委員 私は、税金の量によっていまの免許制度をオーソライズされているというよりは、むしろこの三十年間の経過的な意味合いが多かろう。大体商売というのは信用の問題ですから保守的にならざるを得ない。変わった状況というのはみなこわいわけであります。むしろそういうのが多いと思う。したがって、いまの場合、税金にかこつけられずに、やはりもう少し——税金をなぶってはいかぬとは申しませんが、税金が安くならなければ考えられないのだということではなくて、むしろやはり品種にも価格にもバラエティー序持たせるような——もしあなた方が四人で何と思われようとも、流通過程のほうの一致してきた力には抗しきれない。なるほどそれぞれがいろんな価格でくれば流通はごたごたになりましょうね。おかしいと思いますよ。思いますけれども、消費者がいま一番心配し、危惧の念々抱いているのは、われわれの知らぬところでばさっときめられる。そのために官庁が出したのは、まん中の流通過程のところが、いま単数だけれども、複数になり、多数になるようなことを考えよ。何も免許数をふやしたからいいのじゃありませんよ。それは、国税庁そんなことを言ったが、うそだと思う。しかし、そういうことやあなた方のほうも考えて、やはりこの価格には処置をしていただきたいと思います。  時間が参りましたので、質問を終わります。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 小林君。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 お伺いをいたします。  メーカー出しの価格が百二十一円八十銭に今回値上げが決定いたしまして、この価格が即小売り商の仕入れ価格になっておりますけれども、メーカーの出し値価格の中に卸の手数料等が含まれておりますが、卸には御承知のとおり、いままでの論議の中でも明らかなとおり、免許制度がございますし、明らかにメーカーとこれは独立した企業でございます。したがって、卸の段階での自主性というようなものは全くなく、メーカーが卸に対して百二十一円八十銭で小売りに売れというようなことを、これは強制をされておるわけでございますか。麒麟麦酒さんにお伺いをいたしたいと思います。

高橋朝次郎麒麟麦酒株式会社社長

○高橋参考人 ビールの価格の立て方は生産者と卸は一体でございまして、これこれの価格で、生産者の価格で売っていただいて、あとで手数料をお返しするという形になっておりますので、生産者価格と卸価格とは同じものになるわけで、あとで手数料をお返ししておるわけでございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 そうしますと、今回の値上げにつきましても、小売りの利益幅と申しますか、こういうものは十八円二十銭と、ごく限られた範囲でございまして、具体的に小売り値の差をつけるということになれば、その小売値段の中で小売り業者が占める利益というものをどう減らしていくかというようなことにもかかわってくるわけでございますし、私は、このような制度が、事実上全国どこへ行ってもビールはいま百四十円だというような、全国的にこのようなことを決定させている制度になっているのではないか、このように考えますが、この点について、私は明らかにこれはやみ販の体制する維持するものではないかというふうに考えますが、国民に納得のいくように御説明を願いたいと思います。麒麟麦酒さんにお伺いいたします。

高橋朝次郎麒麟麦酒株式会社社長

○高橋参考人 先ほどから申し上げておりますとおりに、小売り価格を百四十円と指定いたしてはおりません。ただいろいろな計算上、百四十円くらいで売られるのが妥当なマージンになるであろうという想定はいたしておりますが、百四十円で売れという指定はいたしておりません。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 希望価格であるということでございますけれども、このような制度のたてまえ、いわゆる小売りの幅というものはもうごく限られた幅の少ないものである、こういうことになってくれば、希望価格である、あるいは自由競争であるから価格は幾らで売れということはきめられていないのだということをおっしゃっても、実際上そのような体制がすでにしかれている、このように受け取らざるを得ないわけでございます。このような体制というものは、一つには値くずれというものを防ごうとしていることなのかどうなのか。この点も含めてお伺いをいたしたいと思いますし、またさらに、自由価格というふうにおっしゃっておりますけれども、実質的には規制をされてきている。この実態の中で、今後具体的にどのような内容に変えていくべきだと、小売りの利益等もふやし、その中でどのような体制を検討されているのか。検討している事実があればそれもお知らせ願いたいと思います。

高橋朝次郎麒麟麦酒株式会社社長

○高橋参考人 小売り業者のマージンが幾らが適当であるかということは、私どもは判断はできません。大体においてこうであろうという常識的な数字は出てまいりますけれども、幾ら幾らなりという判断は出てまいりませんし、また、私どもが小売り業者のマージンを上げようとか下げようとかいうことはできません。また事実やっておりません。ただ、小売り業者の販売価格が百四十円を中心に動いておるということを申し上げましたのは、売り方にもよりますし、数量にもよりまして値段が変わるのが常識じゃないか。たとえば、大量に売る人に三本五本と売る人と同じ値段ということは常識的にないのじゃないだろうか。また店頭で現金で売るのと、それからこのごろはやりのアパートなんかで、五階まではエレベーターがないそうでありますが、そういうところへ一々届けるものと、それが同じ値段であっていいのかどうか。差がどうつくのかということは、私どもにははっきり判定できません。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 私は、今回のビールの値上げについて消費者の方々からもたくさんの意見が出ておりますけれども、特に先ほど来から討議をされておりますので具体的な内容には触れませんけれども、膨大な売り上げ高を伸ばし、そして半期に、これは麒麟麦酒さんの場合にも膨大な巨額な純利益を上げている。このような中で値上げが行なわれておりますけれども、この点に対して消費者としては非常に納得できない、不満である、こういう意向が強いわけでございます。今回の値上げについても、もっと具体的に、いわゆる国民を納得させるためには、原価が幾らであるのか、あるいはまたそれに要する労賃というものが幾らで、したがってマージンが幾らで、原料高がこうなっているという内容を国民に明らかにしなければ納得することができないと思いますけれども、そのようなことを公明正大におやりになられるという意思がおありでしょうか。その点についてお伺いをいたしたいと思います。麒麟麦酒さんにお伺いします。

高橋朝次郎麒麟麦酒株式会社社長

○高橋参考人 麒麟麦酒が巨額な利益を上げておるというおことばでございますが、これは数字の問題でございまして、資本金が大きければ、仕事が大きければ数字も大きくなります。半分の規模でやれば半分くらいの利益が出るかもしれません。そういう意味で申しますと、私どもは他のサッポロ、朝日に比べまして倍額以上の資本金を持っております。仕事もしたがって倍以上になっておりますので、ただ幾ら幾らもうけているから大き過ぎるということは当たらないというふうに考えております。いろいろな条件を想定、判定いたしまして初めてそういう結論が出ることだろうと思っております。  それから、いまのいろいろな数字を公表しろ、公表するかというお話でございますが、公表できる数字もございます。公表できない企業の秘密もございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 公取にお伺いをいたしたいと思いますけれども、現在の四社の大企業が実質的にその市場を独占しているという状態のもとで先ほど来からお話の出ております、文書、会合、あるいは契約等については、形式にとらわれることなく、協定が行なわれる可能性というものについて、公取はどのような見解をお持ちになっているのか、具体的にお伺いをいたしたいと思います。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田説明員 お答え申し上げます。  おっしゃるとおり、ビール業界は寡占的な業界でございまして、寡占の中には非常に協調的な寡占と競争的な寡占とございますが、まだこれは、ビール業界における寡占に対する、管理価格に対する調査の結果を待ってみないと判断ができませんけれども、非常に話し合いが行なわれやすいという業態でございまして、われわれとしてはあらゆる情報、あるいは手がかりがあれが——もし話し合いをしたと疑われるに足るだけの手がかりがあれば、これはもう価格協定、違反の疑いありということで、さっそく調査をいたしたいという心がまえをもちまして、現在情報の収集につとめ、厳重に監視をしている状態でございます。いままでの調査ではそこまでの事実は出てきておらないということでございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 いまお話を伺いますと、形式ににとらわれずそのような可能性というものがたいへん強い、このことについては認められているわけでございますけれども、形式的な、具体的な事実がなければこれはおやりにならないということでございますが。

吉田文剛公正取引委員会事務局長

○吉田説明員 いわゆる共同行為につきましては、これ違反であるというためにはかなりの証拠をこちらで握りませんと、違反ありとして勧告あるいは審判をやっても、それが維持できません。さらには、審決に不服があれば高等裁判所、東京高裁につながるわけでございます。その確実な証拠という点で問題がございますし、まだそこまでの段階には至っていないということでございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 時間がございませんので、あと一点だけお伺いをいたしまして質問を終わりたいと思いますけれども、最後に国税庁にお伺いをいたしたいと思います。  午後からの各委員の討議等も伺っておりましたけれども、このような中でこの値上げを規制するというようなものは、いまの状態では具体的に何一つない、こういうのが実態でございました。私は大蔵省が、業界の有価証券の報告書、これの報告義務だけであって、具体的にこれを規制するという権限というものを何らかの形で持つべきだというふうに考えますが、この点についてお考えをお述べいただいて私の質問を終わりたいと思います。

塚本石五郎国税庁間税部長

○塚本説明員 有価証券報告書は国税庁へは出てまいりません。私どもとしては前々から申しておりますように、ただ説得と行政指導によりまして、消費者の立場からひとつ考えてほしいということを申しあげてまいっておるわけでございます。そういうわけでございますが……。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 行政指導ということで勧告をされたということでございますけれども、その勧告以外は何もできない。私は、このことはやはり今後、そうであれば、管理価格等についても、一方的な値上げが行なわれた場合にも、どこもチェックできない、何も規制できない。特にビール業界の問題等については、酒団法と直接関係のあります国税庁がやはり何らかの権限を持つべきだということを強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人各位には、御多用のところ貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。どうぞ御退席くださってけっこうでございます。  次回は、来たる十一月十二日木曜日午前十時理事会、十時三十分より委員会を開くこととして、本日は、これにて散会いたします。    午後四時三十六分散会

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