大蔵委員会 第21号
- 発言数
- 188 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1970/04/07
会議録
○毛利委員長 これより会議を開きます。 参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。 所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法案律について、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○毛利委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○毛利委員長 物品税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案、関税定率法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)委員 ただいま議題になりました二法について、主として大蔵大臣に御質問をいたしたいと思います。 物品税につきましてまず御質問をいたしたいと思いますが、この委員会でも、今日の物品税の問題について、課税物品の中にも税率のアンバランスというような問題があり、また非課税物品の中にも、かなり今日の時代にそぐわない実情を、どこまでほんとうに大蔵当局が把握しておるのか疑わしいような問題点もあるわけでありまして、当然にこれは非課税物品からはずすべきだというようなものが依然として非課税物品になっておるというような問題などもあって、その相互の矛盾というものが鋭く指摘をされて、大蔵事務当局もかなり、そういう問題については近いうちに何とかしたい、そういう方向で改正をはかりたいというようなことも答弁をされておるわけであります。 そこで、大臣にお伺いをいたしたいわけでありますが、間接税の中でかなり重要な比重をこの物品税が占めておるわけでありますが、大臣は予算委員会等におきまして、また本委員会におきましても、この間接税を将来かなり増徴の方向といいますか、そういう方向でいきたいというようなこともたびたび表明されておるわけでありますが、これらの問題を踏まえて、どういうようなことでこの間接税を増徴の方向に持っていくのだということを実現されようといたしておるのか、この点まず大臣のお考えを——ここはほかの予算委員会よりもどこよりも専門的な委員会でございますから、大づかみなものでなしに、あなたの頭の中に描いておられるいままで言明された問題をやや詳しく具体的に構想としてお示しをいただきたい、こういうように思うわけであります。
○福田国務大臣 今日の段階では、物品税問題を論ずるというにあたりましては、税体系全体の中の物品税ということを考えなければならぬ、こういうふうに思います。そこで私は、今日の日本におきまする国民の租税負担、これは必ずしも高くない、こういう認識を持っております。つまり、いわゆる負担率は一八%程度である。ところが先進諸国、これを見ますれば、三〇%をこえるというような状態の国が多いわけであります。国際的水準から見ると、かなりわが国の国民の租税負担というものは低い状態にある。ところが、それにもかかわらずわが国におきましては重税感を訴える人が多いのでございますが、それは一体なぜかといいますると、そういう低い租税負担の状態であるにかわらず、その租税負担のやり方というものが直接税に非常に比重がかかってきておる。申し上げるまでもございませんが、戦前では三分の二が間接税であり、三分の一が直接税であった。今日は逆転をいたしまして、六五%が直接税であり、間接税は三五%だ、こういうことになってきており、今後、今日の税体系のもとにおいて経済成長ということを考える場合におきましては、この六五%という直接税比率が、これがさらにふくれ上がっていくということが想像されるわけであります。 そういうことを考えると、これからの税制を一体どうするかということを考える場合におきまして、一方におきましては財政需要はどんどんふえていく、それにも対処しなければならぬ、が同時に、ただいま申し上げましたような問題も処理しなければならぬ、こういうことになるので、そこで私は、今後におきましての直接税の負担というものはそれを軽減をするという基本方向、これは堅持していきたいというふうに考えるのであります。したがってそれに対する財源、また社会開発投資、社会保障、そういうものに対する新しい需要に応ずる財源、そういうものを間接税に求むべきか、かように考えておるのであります。そういう方向の中の一環として物品税問題も基本的にはとらえていく必要がある、こういうふうに考えておる。 で、さあそれじゃ具体的な物品税を一体どうするかということになりますと、何か物品税対象として適切なものがあるかどうか。つまり世の中は日進月歩で変ってきておる。その変化の状況に応じていろんな検討の余地があると思う。それから同時に、その反面におきましては、その物品に課税をすることによって、当面の重大問題である物価政策にどういう影響があるかという配慮もしなければならぬ問題だと思いまするが、ともかく以上のような考え方のもとにおきまして、物品税においても何かそういう考え方のもとにおいて適切な対象が求め得られるならばこれの増徴を考えていきたい、これが基本的な考え方でございます。
○広瀬(秀)委員 いまの大臣の御答弁によりますと、最初に租税負担率の国際比較という点を持ち出されました。これは確かに数字で見る限りにおいて、イギリス等においてはもうかなり三〇%をこえるというような状況にもあるというようなところから見れば、この昭和四十五年度、皆さんの提出した資料を見ましても一八・八%というようなことでありますから、確かにまあ低いということになっておるわけです。しかし重税感というものが依然としてあるというところにやはり一つの問題点があるだろうと思うんですね。 この数字の見方の問題にいたしましても、その数字を見るスタンドポイントにおいてやはりそういう問題点があるだろう。ということは、やはりまだまだ生活水準そのものがかなり格差があるということと、その税として取ったものが身近な生活基盤整備というような、なるほどこれが、重い税金を納めたけれども、われわれのところに返ったんだという、そういうものがひしひしと国民に感じ得られるというような状態にあれば、これはその重税感というものもわりあい薄らぐ傾向にある、いわゆる高福祉高負担ということも受け入れられる面が非常に多いと思うんですね。ところがそういう面が日本においては、特に社会保障等においても、このいわゆる国の社会保障に対する予算としての支出が国民所得に対して六・四%ぐらいの給付率でしかない。西欧諸国は軒並み、高いところは二〇%、スタンダードには大体一五%程度ということになっておるわけです。そういうようなことなんかも原因になって、重税感というものがまだまだ日本には非常に——生活のレベルそのものが、まだ蓄積のない、ゆとりのない生活というもので、そういうものとかみ合わさってこの重税感というものは日本の場合に非常に強いものがあるだろうと思うんです。まあこの点は意見として聞いておいていただきたいと思うわけであります。 直接税につきましてはこれからも軽減をされる、そうだとすればやはり間接税を幾らかでも増徴していくという課題が出てくると、こうおっしゃるわけであります。そこでこの物品税の場合に、将来ともこのいまの個別物品税というお考えをそのまま、そういう個別物品税制度、個別消費税制度、こういうものの今日のスタイルを続けていかれる気持ちであるのか、こういう点についてもかなり、たとえば新規の課税物品をさがす、どんどん取り入れてくるというようなことについてはもう国民の側からの抵抗が非常にあって、事務レベルではなかなかむずかしいということがいわれている。そういう中で大臣が、物品税を含めてそういう増徴の方向というものを示唆されている。大臣のお考えとしては、いまの個別物品税制度というものをいまの形で、将来も新規物品を取り入れながら存続をさせていくのか、あるいは別な課税方式、特に売り上げ税であるとか、あるいはかつて取引高税ということで、昭和二十三年ごろでしたか一度やったことがありますが、これは一年にして終わった、そういう苦い経験もあるわけであります。そういう中から、付加価値税制度のほうがよりすぐれているというような——外国等におきましては売り上げ税をやって、ある程度失敗をして付加価値税というところにきた、こういうような経緯もあるようでありますが、そういうような問題について、どういうお考えなのか。いまの個別物品税の体系の中で新規課税物品を取り入れていく方式をとるのか、そういう付加価値税方式というような、売り上げ税よりはすぐれた形だと今日通説になっておるわけでありますが、そういう方向にいかれるおつもりなのか、その辺のところは、大臣の率直な気持ちは一体どういうところにございますか。
○福田国務大臣 長い目の問題としましては、総合的な付加価値税、あるいは取引高税、あるいは売り上げ税、こういうようなものも検討しておかなければならぬ問題である、そう考えますが、これはいま広瀬さんから御指摘がありましたが、物価政策との関係が非常にむずかしゅうございます。現に去年あたりはベルギーで消費者物価が九%も暴騰した、こういうようなことがありまして、その原因は一体何なんだろう。調べてみると、これは付加価値税制度を採用した、これがそのまま物価にはね返ってきた結果である、こういうことになっております。そういうふうに物価の問題の非常にデリケートな今日におきまして、総合的な物品税課税方式、これは私はなかなかむずかしいと思います。検討はしておかなければならぬ、しかしむずかしい。当面具体的な政治課題として考えられるものは、個別物品税ということになろうかと思うのであります。その個別物品税は、先ほど申し上げたような趣旨において、どういう対象が考えられるか、これをひとつ模索してみたいというのがただいま私の気持ちであります。
○広瀬(秀)委員 そのお考えはまあ長期的にはそういうことも検討されるべきだ、売り上げ税なり取引高税なり、あるいは付加価値税なりという、そういうものについても検討しなくてはならないだろう、当面は物価対策の問題もこれあり、個別物品税の新規物品を模索したい、こういうことなんでありますが、そうなりますと、先ほども申し上げたのですが、事務当局としては、新規物品を取り入れるということについてはかなりむずかしい、困難な面が非常に多いということでございます。 そういうことを考え合わせますと、大臣の考え方というものは、物品税以外にも砂糖消費税あり、あるいは入場税あり、関税あり、ガソリン税あり、酒税あり、またたばこの問題も一種の税金でありまして、いろいろな間接税があるわけでありますが、大体酒、たばこの類はもうほぼ限界にきているのじゃないかということを考えますと、新規物品というものは、言うべくして現実の政治状況、国民感情の中で取り入れるのが非常にむずかしい。しかも大臣は、入場税の問題等につきましては、これを前向きに軽減する方向で検討されるということも参議院予算委員会で木村禧八郎委員に対してお答えになっておられる。そうしますと、直接税は依然として減税していきたい、その財源をこっちに求めたいというお考え、いま物品税についてはそういうお答えがあったわけですけれども、それもかなり困難があるということになれば、大臣の頭の中にいまどういうところに——これは物価値上がりに直接結びつくような形では当然いかぬわけですね。この間接税の引き上げがそのまま転嫁されて物価の値上がりになるということになると、これはかなり大きい政府の責任にもなりますから、物価対策の問題にもそれほど響かぬ間接税の増徴の方向をどういうところに求められるか。ほかの税目にも言及をいたしまして、たとえばたまたま降ってわいたような自動車新税の構想、こういうようなものに大きな期待をかけて、そういう方向に踏み切るつもりなのかどうか、そこらの点を含めて、ほかの間接税のどの税目に対してそういう可能性が当面見出されるのか、こういう展望についてお伺いしたい。
○福田国務大臣 どういうものを新しい物品税の対象にするか、あるいは現在ある物品税のどれを税率引き上げの対象にするかということにつきましては、結論を申し上げますと、今日の段階でまだ公に申し上げるところまできていない。これからいろいろな問題が出てきますが、一つは道路整備五カ年計画という問題があります。それからさらに新しく新幹線網整備計画というような問題も出てきておるわけです。そういうような財政需要が一方においてあるということを考えながら、さてその財源対策をどうするかということをこれからいろいろと検討しなければならぬ。まあ昭和四十六年度の予算編成時を一つの目標として考えなければいけないというのが今日の段階でありまして、それをさらに掘り下げて、どういう物品に物品税を増徴するのだとか、そこまではまだきておらぬ、率直に申し上げましてそういう状況でございます。
○広瀬(秀)委員 たいへん用心深い御答弁をされているわけでありますが、しかしこの物品税につきましても、冒頭に申し上げましたように、かなり問題点が出てきているということで、細見主税局長の答弁も、私もその矛盾に気がついておりますので近いうちにこの改正をしたいと思うというようなことも実は表明をされておるわけです。そういうことで、ことしの税制調査会には物品税改正の問題を審議していただいて、来年度には——大体、この前大幅な抜本改正をやられたのが三十七年ということでございます。その後日本の経済も急テンポに、また生活の様式、様態、さらに若干のレベルアップというようなこともあり、消費体系というようなものもかなり変わっている。さらに先ほど大臣が答弁されたような将来の総合課税といいますか、取引高税というような方向に検討を進めるという政策的な判断も出てきている。そういう中で、ことしの税制調査会に、これらの問題をある程度大蔵省としての考えをまとめて諮問をされ、来年度は三十七年以来もう九年目になるわけですから、来年は物品税の大幅な改正、こういうようなものが当然なされてしかるべきだと考える。物品税の大幅な改正ということ、見直し的な大幅改正、こういうようなものが当然考えられるべきだ、そういう時期に来ていると私ども判断しているわけでありますが、その点についてはどうお考えですか。
○福田国務大臣 傾向といたしましては、まさに広瀬さんのおっしゃるとおりだと思います。来年は物品税問題が私どもの重要な課題である、かように考えております。
○広瀬(秀)委員 来年は大幅な改正案を出されるというお考えと受け取っておきたいと思います。 そこで、今度の措置におきまして、いままでの暫定的軽減税率を漸進的に引き上げるというようなことが、特に電気製品などについて、トランジスターテレビ受像機、電子楽器、ステレオ電圧増幅機、複合型スピーカーシステム、温蔵庫などがあるわけですが、これは現行の非課税を本則に三年計画で大体もっていこうというわけでありまして、こういうふうに五%ずつ三年間で上げていく、そして本則に戻していくというようなこと、大臣としてはこういう案を出された際に、これは企業の合理化と努力というようなことで、全部値上げに転嫁されないという確信をもってなされた措置でございますか。そしてそういう問題については業界に対しても、これをやられる際において現行の価格を、今度物品税が五%上がったから、せめて二%でも三%でも上げるというようなことではなしに、それが全部企業努力の中で吸収され得るものだ、こういう確信がございますか。またそういうことでしっかりした監視をされるかどうか、この辺のところは物価との関係においてどうなっておりますか。
○福田国務大臣 でありまするから、物価との関係ということは慎重に考えなければならぬと思います。しかし物価と申しましても、生活水準の維持ということを含めての物価という問題であろうと思います。いわゆる奢侈品というものについて、かりにこれが物品税を増徴した結果値上がりをした、そういうようなことをもって私は必ずしも不適正であるというふうには考えておりません。ですから、物品税を課する、これは間接税でありまするから、租税の原理からいいましても、どうしても価格に転嫁されるという傾向を持つわけです。しかしそれが企業努力によって吸収される——いま生産性もかなり向上している時期でありますので、そういう他の一面もあると思いますが、なるべくこれが企業努力によって吸収されるということを私は期待しますが、それにいたしましても、物品税が販売価格の上昇ということの圧力となることはあり得るわけでありまするから、その圧力をどこまで企業努力によって吸収し得るか、こういう問題、しかもその結果、国民生活にそう大きな影響を及ばさない、こういうような、その対象ですね、その選択、そういうことが今後われわれが特に検討しなければならぬ点であろう、さように考えておるわけであります。
○広瀬(秀)委員 たいへんいろいろ言われたわけでありますが、今回の暫定非課税物品を漸進的に税率引き上げをやるという場合に、これが物価に完全にはね返らないんだという確信を持ってやられたわけではない、そこら辺のところは確信を持ってお答えになっておられない。トランジスターテレビ受像機を上げたからといって、これがどれだけ物価にはね返るのかということについては、確かに比重としては小さいだろうと思います。こういうものが全部の世帯に入るわけでもないですから。したがって比重としては小さいにしても、やはり物品税を上げるということが、いわゆるインフレマインド、こういうようなものに対して、業界がこれを奇貨として値上げをするようなことがあってはならないと思うのです。そういう点については企業努力というようなものとも十分にらみ合わせて、もう少し確信のある答えを私は期待しておったわけですが、物価に対するはね返りというものは、やはりある程度は避けられない、こういうことに了解してよろしゅうございますか。ある程度のはね返りはやむを得ないんだと……。
○福田国務大臣 いま私は一般論で申し上げたわけですが、いま問題になるカラーテレビというようなことになりますと、これは各社競争でいまその生産を上げるということに努力しているわけです。競争原理というようなものもかなり働いてくる、こういうふうに考えますので、五%程度の物品税、これが商品価格にそう影響があるというふうな見方はいたしておりません。
○広瀬(秀)委員 これは細見局長も前に他の委員の質問に答弁されたと思うのですが、それに間違いございませんか。
○細見政府委員 いま大臣がお答え申し上げましたように、たとえばテレビで申し上げますと、トランジスターテレビは真空管テレビという競争製品があるわけであります。しかも生産がふえて生産性の上がるまで、いわば暫定軽減をいたしておったわけであります。それが生産がふえてコストも下がったということを見ながら漸次引き上げていくわけでありますから、私どもといたしましては、競争商品の競争原理と、それから生産量の拡大に伴う生産性の中にこれらの物品税は吸収されるものだと考えておるわけであります。
○広瀬(秀)委員 答弁を一応信頼をいたしますが、今回これが五%、とにかくこれが全体的な物価にどれほどの影響があるかは別として、消費者物価算定の物品の中に入っているとすれば、若干でも値上げ要因に——これが五%が転嫁されるとすれば値上げ要因になるわけでありますから、そういうようなことが企業の合理化なりコストダウンという努力の中で吸収されるように、今度やられた五つの品目、これについては主税当局としても、その点を十分監視をし、注意をしていただきたいと思うわけであります。 そこで物品税とは直接関係がございませんが、いつでも間接税ということになりますと問題になるのは砂糖の消費税だと思うのですね。これが関税で三五%、消費税では一二・三%、一種、二種によって若干違いますけれども、一種、二種は、これは国内産、沖繩産ということで無税でございますが、合わせますと、大体平均で四五・九%という非常に高率な、百三十円の中で両方合わせますと六十三円五十銭というような、——大体いま一キロ百三十円くらいが市場で小売りされている相場でありますが、この中で六十三円五十銭は大体税金だということになるわけであります。この問題について、関税、消費税両面で物価対策を本気になってやるとするならば、やはりこういう面では砂糖なんというのは、これこそまさに国民の生活必需品であるわけですね。しかもこの砂糖の一世帯当たり、あるいは一人当たりの消費量というものが、いわゆる文明の尺度をはかる、文明の高い低いをはかる尺度にもなるという、そういう性格だといわれている商品でありますが、全くの必需品だ、これなしにはもう今日の生活が成り立たぬ状況になっている。こういうものに対して、これほど高額な税金を国民に課しているということについては、私どもとしては重大な疑問を提起せざるを得ないわけです。 で、間接税は増徴の方向だと言われるわけでありますが、物価対策の問題でこれを下げるということ、砂糖の販売価格を下げていくということは、かなりこれは物価に対する国民の眼というものも——国民も協力してほしいというからには、この程度のことは何とか政策努力によって、これを引き下げの方向に持っていくことはできないのかどうか。この点についての大臣の率直な、物価問題ともからめて、そして国民に対するあたたかい政策の配慮というようなものが、こういうものをやることによって、たいへんなこれは善政だと思うのですね。この点についてどうお考えになるか。
○福田国務大臣 ただいまの広瀬さんの御意見ですね、これは皆さんからそう言われるのです。私どももそういう御意見に対して理解を持たないわけではないのです。ただ、いま一キログラム当たり日本の砂糖価格は百三十円程度でありますが、大体各国においても砂糖はかなり高いです。イタリアではさらに高く、百三十六円、フランス、西ドイツあたりが百四円、百八円というふうになっており、アメリカはやや低くて九十五円ということになっておるわけでありますから、そう日本の砂糖がべらぼうに高いんだというような状態ではないのでありますが、考え方としては、広瀬さんのおっしゃるような問題は伏在しておると思います。ただ、これは日本の場合は一キログラム当たり百三十円の小売り価格、その中で約半分が租税公課、そういうことになっておる。それをさらに分析いたしますと、関税が非常に多いのです。消費税だけをとってみますると一二%くらいなところになってくるわけでありますが、あと残りは関税による負担ということになるわけでございます。 何ゆえにそういう高い関税制度をとっておるか、これは国内糖の育成政策、これと非常に関係があるわけであります。国内糖の自給化計画というものを数年前立てたわけでありますが、この自給化政策は、当初目標としたその目標に達しておりませんけれども、その自給化政策を推進した結果、かなりいま自給度は上がってきておるわけでありまして、効果をあげた、こういうふうに見ておるのですが、この自給化政策、さらにこれを維持し、かつ、むしろこれをできればさらに進めなければならぬ、こういう立場にあるのが日本のてん菜糖、ブドウ糖の農業政策の角度から見た問題じゃないか、そういうふうに考えておるわけでありますが、そういう自給化政策をどういうふうに今度は持っていくかという、その問題とひっからまった広範な問題になってくる。ひとり物価政策の問題ばかりじゃない。物価政策の見地から見れば、あなたのおっしゃるようなことも、非常に割り切った考え方もできるのですが、そういう問題がありまするので、この問題、考え方はひとつ変えましょうというふうに、この段階でまだ、残念ながら申し上げかねるのであります。なお、これはよく検討してみます。
○広瀬(秀)委員 関税が三五%だということは、これはかなり高い。諸外国でもしかしかなりの税率を課しているのだということですが、国内産業を保護するためにということは、消費税の場合にはちょっとどうかと思うわけですね。この砂糖消費税の税率はまだ一二・三%ということになっている。これは国内産業保護という問題との関連だけでは、なかなか説明のつかない問題だろうと思うのです。しかも生活必需品だ。この種の生活必需品、これは直接物品税ではない、消費税法というものが特に設けられている。その考え方というもので、物品税はいわゆる生活必需品には課税しないのを原則として、便益品なり奢侈品、ぜいたく品なりに課税するという体系をとっているわけですが、これと直接関係のないものだとはいうものの、やはり生活物資、完全な生活物資、すべての人間がこれを使う、こういうものに対して、砂糖は甘いわけだけれども、まさに政策はからい政策をこの問題についてはやっているわけですね。なぜ一体そこまでかけなければならないのか。関税が国内産業保護という立場でかなり高率であるということについては、ある程度理解できるにしても、せめてこの面で、完全な生活物資なんですから、これを半減するくらいの措置はとってどうなのだ、こういうことを考えるわけですがね。
○細見政府委員 輸入される砂糖との関係、輸入糖と国内産の砂糖との関係では、広瀬委員のおっしゃるように関税の問題であるわけでありますが、日本の甘味資源全体として考えますと、そのほかに北海道とか、あるいは鹿児島にできますでん粉からつくったブドウ糖、これが菓子その他の原料としてかなり大きなウエートを占めており、そうした地方の農産物としてのカンでん、あるいは馬でん、バレイショというふうなものの生産が非常に大きなその地方の農作物になっていることは御案内のとおりであります。さらに、最近になりますと、沖繩から入ってきます黒糖の問題がございまして、黒糖と白い砂糖との間の格差をどの辺でつけておけば黒糖が沖繩において産業として成り立つかというような問題もございまして、その辺、甘味資源全体とのからみがございますので、大臣が申し上げておりますように、甘味資源全体をどう持っていくかという政策の、いわば砂糖消費税なり関税なりはその政策のささえとして用いられておる。むしろ消費税というよりも、そういう産業政策的な要素も多いということもひとつ申し上げておきたいと思いますし、それからいま一つは、砂糖なり、でん粉からつくったブドウ糖なりの使用は、家庭の使用ももちろんございますが、いわば大部分が、六割ないし七割のものは菓子その他の原料になっておるわけであります。菓子その他の原料の中で砂糖なり砂糖消費税なりの占めます割合というものはかなり小さくなりまして、若干の砂糖消費税の引き下げというのが、先ほどのテレビの話の逆でございまして、下げたからそれが菓子の価格にどれだけ響くかということは、今後検討を要する問題じゃないか、かように考えておる次第でございます。
○広瀬(秀)委員 この問題で長い時間とることは、時間の余裕がないわけなんですが、もちろんこれは業務用、営業用という面での消費量が非常に多いということでありますが、しかしこの問題についてはさらに国内産業等におきましても、盛岡あたりにまでこのてん菜糖の栽培を政府の施策によって農民にやってもらっておった。これが二、三年前からほとんどもう全部だめになる。ほんとうの北海道の適地ぐらいのところに来てしまうというようなことなどもあるわけですね。それらの問題なども十分考えながら、これはやはり小売り価格の半分に近いものが税金である、しかもそれが全く生活必需品であるということを考えれば、これを幾らかでも安くする方向というものを、産業政策との兼ね合いの中で絶えず追及をしていくという、そういうかまえだけは大臣、これはぜひとってもらわなければいけない、かように思うわけです。 それから間接税の問題で、入場税の問題、これは本委員会でもしばしばやってきた問題でありますが、この問題についても軽減の方向で前向きに検討をします、実現をしますということを大臣は表明をされております。これはまあいろいろ軽減の方法というものはあろうと思うのですが、大臣のいまの、前向きで検討されるという中身でありますが、免税点を引き上げていくという形をとられるおつもりなのか、それとも質的な問題、たとえば純芸術的なものであるとか、非常に奢侈的、娯楽的、遊興的というような、そういう質的な面で差別を設けて、ほんとうに大衆が教養なり、あるいは芸術性なりというものを享受するための入場、こういうようなものについては安くしていく、あるいは無税にしていくというような、すなわち減免を考えているのか、あるいはまた特に価格が、最近一般の興行場等については非常に入場料も高くなっております。そういう高価なものをとらえていく考えなのか、その辺のところで、大臣の考えがどういうところにあってあのような答弁になっておるのか、この辺のところを少し、一歩進んだ具体化の方向というものについてお示しをいただきたい、かように考えます。
○福田国務大臣 入場税につきましては、いま三十円という免税点を設けておりますが、これはいかにも今日低過ぎる、こういう感じを持っております。これが免税点問題に対して私が発言しておる主たる内容でございます。つまり三十円という免税点の引き上げを行なう、こういうことであります。ただこの引き上げにつきましても、一がいに全部この引き上げを行なうということでなくて、競輪、競馬でありますとか、ああいうような種類のものにつきましてはいかがであろうかというような考え方を持っております。 なお、質的の問題について、一体どういうふうにするかということにつきましては、今後なお検討をしていきたい、そういうふうに考えております。
○広瀬(秀)委員 あとあまり時間がないのでありますが、大臣にもう一つ伺いたいのは、私ども、物品税の問題あるいはその他の消費税の問題等について議論をいたします際に、常に逆進性——所得税における超過の累進課税というものと逆な作用を持っておる。したがって、低所得の人たちに対して非常に重い、負担能力にそぐわない重税を課する結果になる、こういうような問題点について、私ども前々から触れてきたわけであります。もちろん逆進性というものが強度に働くというのは、非常に生活水準というものが低い、こういうような場合にそのことが特に強く意識されるわけでありますが、まあ若干でも高度成長の中で国民大衆の生活水準というものが上がっておるというような状態においては、ある程度はそういう問題も意識しなくなる、国民自身がもう意識しなくなるというような面も、それはあると思うわけでありますが、今日の段階において、まだ私どもはいわゆる物品税、間接税というものが大衆課税であり、逆進性を持っておるということから、日本の生活水準がそんなものをもう意識しないほど高まっているとは考えられないわけなんですが、この問題について、最初の質問に戻したような形になるわけですが、間接税増徴という方向と逆進性に、租税の原則からいって問題がまだありはしないか。にもかかわらず大臣がそういう方向を出されたということについては、どのようにこの問題を整理をされておられるのか。そのところをひとつお聞きをいたしたいと思います。
○福田国務大臣 私は、かねて申し上げておるのですが、税制は一面において公平でなければならぬ、また同時に負担能力などに応じたものであることの要請、それから第三には、国民との摩擦感をなるべく少なくするということも配慮しなければならぬ、こういうふうに申し上げておるわけですが、それを日本の税制全体について適用してみますると、いまどうも直接税が重いということについての国民の不満というものがあるように見受けられる。広瀬さん、どういうふうな感じかどうか知らぬが、私どもはそういうふうに考えます。 そこで今後の財政需要を考えると、どうも所得税を下げていくという行き方、これはもう限界に来ておるのじゃないか、こういうふうに思うのです。むしろ所得税は、これは増税さえも考えなければならぬような状態ではないか。そうすると、増高する財政需要、また所得税減税による財源欠陥というものをどういうふうにまかなうのかという問題になるわけでありまするが、これは今日六五%まで来た直接税、しかもこれがさらにさらにふえようとしておる。この所得税ではなくて、間接税にこれを依存するという考え方、これを基本的にとっていいのじゃあるまいか。私は、もとより間接税中心主義という考え方はとっておりません。しかし、あまりにも直接税がウエートが大き過ぎるのが今日の実情ではないか。これを間接税の増徴によって緩和するという考え方、これをとるべきではないか、そういう考え方が妥当ではあるまいか、そういう考え方に立っておるのであります。
○広瀬(秀)委員 大臣の考え方の中にも、私どもも、単に逆進性という問題だけをことさらに強調して、時代の進展というものを無視しようという気持ちも別にあるわけじゃない。しかしながら、まだ今日の段階では、そういう逆進性がなお日本の生活においては間接税増徴ということについて強く意識される生活状況にあるのではないかということをまだまだ考えるわけなんです。しかし直接税についても、ある程度減税をかなりやってきたと大臣は言われるわけでありますが、物価との関係においては、私どもはもう百三万円の課税最低限だって、実質価値としては、四年前に百万円四十五年にやりますと言った当時から見れば、その間における物価の事情も二〇%近くも上がるというような状況もあって、これはもう百万円が百万円ではないというように見ざるを得ないわけであって、そういうものを考えて、両方をうまいぐあいに調和をさして不公平な税制にならないように、そういうものも十分考えながらやっていくとするならば、これは一つにはやはり新しい課税方式というようなことにも踏み切っていかざるを得ないのじゃないか。その際にも、いわゆる間接税がかけられるということを国民が鋭く意識をして、大衆課税だといわれないような配慮というものが当然必要になってくるということを考え合わせてみれば、しかもまだまだ直接税の減税というものもやらなければ今日おさまるような状況でもない。サラリーマン等を中心にして重税感というものは非常にまだまだきびしい状況でありますから、そういうほうもやらなければならない、財源の問題についても壁にぶち当たるということになれば、これは一つの方向としては、非常に薄く広いといいますか、そういう間接税のかけ方、国民がそれほど抵抗しなくて済むような薄く、広い、低いかけ方をする。それと同時に、やはりこの物品税が沿革的に持ってきた奢侈品に対する課税、高価なものを購買するということに対してかなり高率な課税をするというような、そういう方向というものは一応考えられるわけですね。その辺のところについての大臣の考えを最後に伺って、時間の関係もありますので、これで私の質問を終わります。
○福田国務大臣 物品税といえども、全部これがあなたのおっしゃるような逆進性という性格じゃないと思うのです。まあ消費税全体について言えると思います。たとえば砂糖のようなものにつきましては、大衆課税というか一律平等でございますが、免税点がいろいろあるものもあるわけです。そういうようなものにつきましては負担能力とか、そういうものも考慮してやっておる、こういうことでございまするから、とにかく私が申し上げました三つの考え方を総合いたしまして、どういう形が今後とらるべき物品税、消費税について妥当するかということをよく考えて、あまり極端に走ってはいかぬ、これは政治的に見まして妥当なところできめていかなければならぬ、こういうふうに考えております。
○広瀬(秀)委員 残余の質問は午後に回します。
○毛利委員長 堀君。
○堀委員 実は前回の質問でかなり具体的に現在の物品税のあり方を順次洗ってきたわけでありますけれども、きょうは引き続きその問題の処理をいたしたいのですが、いまとりあえず大臣の時間が約十八分くらいだということですから、少しやって、残余はその後、あしたの午前中にでも引き続きやらしていただくということにさしていただこうと思うのでありますが、非常に象徴的な点だけ少し問題提起をしておきたいのであります。 現在の物品税を、ずっとここを全部調べてみますと、非課税物品という中に、物品税を課税する基本的なものの考え方、要するに一般的な消費物品、まあ便益的なもの、さらに奢侈的なものと、こういうふうな段階に分けたりいろいろしてみましたときに、かなり奢侈的なものでありながら、そしてその奢侈的なものを購入する人に担税能力があるということがはっきりわかっておる物品でありながら、非課税になっておるものも実はかなりあります。またある面では、免税点が非常に引き上げられておるがために、一般の少なくとも消費物資あるいは便益的という程度のものに比べてかなり奢侈的だと見られるようなものまでも、いま免税点の中に含まれておるというものが実はかなりたくさんあるわけです。 ちょっと簡単にこの前の続きのところで一つ問題を提起しておきたいのですけれども、今後の、これから先の日本の経済を考えていきます場合に、非常にこれからそれが一般に購買をされるであろうし、同時にその傾向がややともすれば高級化を追うであろうというものの一つに、私は家具類があると思うのです。御承知のように、これからは国民の生活のレベルアップとともに住宅はかなり多くなってくるでありましょうし、その住宅がふえるにつれて、それの内部に装置する家具類というものも、最近はどんどん高級化しておるというのは大臣の御承知のとおりだと思います。そういう高級化していく、要するにある意味では担税能力のある物品について、家具類のところで「たんす類及びたな物類」というものの免税点が、衣服用のたんす一個または一組四万円。これは製造者価格でありますから、主税局長、小売り価格は大体幾らと見ていますか。この四万円の製造価格のたんすは。
○細見政府委員 七万円前後になっておると思います。
○堀委員 現在私ども百貨店で一般的にたんすを見ておりますが、まあ総理府が調べておるところのいろいろなCPIその他に使う基準は少し低いと思いますけれども、大体衣服のたんす三万円なら、これは通常たんすとして十分役に立つ。やや私どもの目から見れば高級に近いほうだと思うのですね、三万円くらいのところでも。いまの話のように七万円ということなら、実はほとんどのたんすというものはいま免税点のために非課税になっておるということが、私は現在の実情だと思うのであります。さらにその次のところに、茶だんすその他のたんす、一個または一組につき三万円。これもおそらく小売り価格は五万円ですか、五万円の茶だんすなどというものは全くいまの物価情勢から見ても奢侈品であることに私は間違いがないと思うのであります。その次は、たな物類一個または一組につき三万円。これもやはり五、六万のものになるでございましょう。私はこれらのものは免税点が非常に高過ぎる、現在のその他の諸物品に比べて高過ぎると思う。最も驚くべきものは寝台なんですね。その次にあります。この家具類から寝台、みな二〇%なんですね。寝台はダブルベッドにつき四万三千円。あとはセミダブルかシングルでしょうね、ダブル以外とあるから。これは小売り価格に換算してどうなりますか、ダブルベッド幾ら、シングル幾ら。
○細見政府委員 およその感じで申しますと四万三千円といっていますのが大体七万五千円くらいになり、三万円といっていますのが五万円前後になるのじゃないか、そういう感じでございます。
○堀委員 実はわれわれの生活もなるほど洋式なものが導入されてけっこうであります。しかし少なくとも五万円の七万円のというベッドは、私は今日の日本人の生活水準から見るとやや高級品ではないのか、こういう感じがいたします。そこで、これらのものはここまで免税になっていますから、そこから上はいきなり二〇%以上の課税になるわけですから、非常に免税点が高いということは、免税されたものと課税されたものの間が非常に大きくなるわけですね。いきなり一万円以上の格差がそこにぽっと出るかっこうになる可能性がここではあるわけです。 そこで、私はこのような状態を見て、過去いろいろと物品税についてずっと免税点を調べてみました。たとえば時計とハンドバッグを並べてみましても、時計などというのは非常に日常の用に供せられるものでありますが、これが三千五百円ですか、ハンドバッグは八千円なんですね。製造者価格八千円のハンドバッグ、これは一体小売り価格幾らになるのですか。
○細見政府委員 一万四千円くらいになろうかと思います。
○堀委員 大臣はあまりハンドバッグをお買いになったことはないかどうかよくわかりませんが、私ときどき女房に年に一ぺんくらいは誕生日祝いにハンドバッグを買ってやろうと思って行きますが、国産品で一万円以上というハンドバッグを買ったことはない。外国の品ならばやむを得ません。これは関税も入っていましょうし、奢侈的なものだから高いですが、まあまあ国内の製品ならば五、六千円というところで、けっこう日常に使えるハンドバッグがあるというのがいまの実情でございますね。大体一般的には三千円くらいのが普及品だろうと思いますが、ハンドバッグについては一万四千円まで免税にしているということは、私は明らかに奢侈的だと思うのです。小売り価格で八千円くらいから上は、もうけっこう担税能力のある者が買っておる。それくらい以下はまあまあとしても、八千円以上はハンドバッグの場合も奢侈品じゃないか。時計の場合の三千五百円はおそらく七千円くらいということですから、時計の場合はどちらかというと奢侈的に使うというよりも日常的な用務の便益のほうが多いのじゃないかと思いますと、そこらのバランスは必ずしもうまくいってないのじゃないか。象徴的なものをちょっと取り上げたわけですが、こういう問題を私は見ておりまして、物品税の課税のあり方ですね、非課税品目をつくったり免税点を引き上げたりする仕組みに実は問題が少しあると思っているのです。 そこで、この際私が大臣に伺いたいことは、一ぺん物品税——これはこの間伺いましたけれども、大臣も個別物品税といいますか、間接税の増徴の問題もお考えのようでありますから、ひとつ現時点における非課税、免税点を含めて、あるべき物品税の体系、これをこの際税制調査会に諮問をしていただいて、一ぺん具体的な答申を求めていただきたいと思うのです。そうすれば、非課税品目が現在こうなっているけれどもこれは適当でないのじゃないか、あるいは非課税になっているものであるけれどもこれは課税すべきではないか、これまで課税されておったけれども非課税になったものがある、しかしそれについては必要があるものがあるのではないか、こういうふうに物品税全体をひとつこの際洗い直して、非課税品目、課税品目、免税点のあり方、これを少し具体的に一ぺん税制調査会に答申を求めていただく。そうして大臣の考えられておる間接税の増徴の問題についても、あわせてその中で全体のバランスのとれた形のもので問題を処理していくということにすべき段階に来ているのじゃないか。まことに跛行的で、個々の物品についてずっといろいろな操作をしてきた結果、ゆがみにゆがんだ形がいま物品税の体系の中にある、こういうふうに感じておるわけでありますが、大臣はそれについていかがでございますか。
○福田国務大臣 たいへん貴重な御意見をお伺いいたしましてありがとうございました。御意見のほどはよく考えてみます。
○堀委員 考えてみるとおっしゃることは、私の方向で一ぺんおやりいただく、こういうことですね。ちょっともう一ぺん……。
○福田国務大臣 そういう方向で考えてみます。 〔発言する者あり〕
○堀委員 特に私はこの問題の中で、物品税もないほうがいいだろうと思いますが、ある以上はやはり合理的な課税でなければいけないと思うのです。私はこの中では、物品税というものについての過去の沿革その他から見て、やはり物品税を払う者は担税能力のある者が払うということでないと、もうただ広く取ればいい、要するに税収を上げるための手段だという考え方は、私はやはり物品税については誤りだと思うのです。ですから物品税というものに対する一つの思想といいますか、そこが整理され、確立をされることが、私は国民が納税をする場合に一番納得しやいことではないか、こういうふうに考えておるわけでありますから、いまいろいろ雑音がありましたけれども、ひとつ雑音は雑音として、十分御検討をいただきたいと思うのであります。 その次に、今度は物品税のもう一つの観点は、さっき広瀬委員も取り上げておりましたけれども、非常に問題があるのは電気製品の物品税の問題だと私は思うのです。というのは、私、商工委員会にもおりましたりして、電気製品の価格の問題をしばしば取り上げてきたのでありますけれども、かつて平林君が、昭和四十年でありましたか、当委員会で取り上げた例のカラーテレビの問題、当時現金定価十九万八千円がアメリカには六万五千円で輸出をされておる。これは五万五千円の製品価格であります。自動車についても、私が一昨年商工委員会で議論をいたしましたときに、当時小売り価格で七十二万円の千五百ccの車は輸出価格が三十三万円ということを通産省は明らかにしておるわけです。要するに国内で売っておる価格の二分の一以下で——その三十三万円も当時千九百ccのエンジンを積んで輸出した、それが三十三万円ということであったわけですから、実際に換算すれば、国内で当時の価格で見れば、国内価格はおそらく七十五万円以上になったであろうというものが三十三万円、半分以下の価格で実は輸出をされておる。いまこれらについて最近の状態を見ると、大体扇風機が小売り価格二万一千七百円でありますが、輸出価格は五千二百円くらいで輸出をされておる。洗たく機が二万三千円のものが一万三千円、冷蔵庫五万六千円が二万八千円、大体半分ないしそれ以下で実は輸出をされているというのがいまの実情なんですね。 そうしてみると、これだけ大きなマージンを取っておるものに対するいまの物品税の課税上の問題というのは、これは一体いかにあるべきか。いま広瀬委員は、物品税を上げることが消費者に転嫁されるという点についての問題を提起されておったわけでありますが、物品税というものの置かれておる趣旨からして、ともかく大衆が一般的な消費をする商品については、もちろんできるだけ課税しないということが私はたてまえだと思いますけれども、その時限時限で、実は奢侈的な性格を持っておるものが製品数が少ないからといって免税されておる、それがようやく大衆性を持つころになったら税金をかけるという発想になっておるわけです。これは企業側に対するフェーバーを与えるということが先に立って、物品税の体系から見ると私は問題があるんじゃないかと思うのです。要するに新しい製品ができて非常に価格が高い。その非常に価格の高いものを買える者は担税能力のある者である。ところがだんだん少しずつ価格が下がってくるし、国民の生活レベルが上がって広がってきて、国民の消費につながるころになると、これの物品税が課税になるということは、私はどうもいまの物品税の問題の考え方からしても少し問題があるような気がする。ですから、この物品税のものの考え方の中に、私はあまりその製品、特にたとえばいまの電気製品のメーカーというのはこういう形で巨額の利益をあげておるので、初めからそういうものにそういう形のフェーバーを与える必要はないと思うのです。逆に、要するに大衆商品になってきたときには税率を下げるというなら話はわかりますけれども、どうもそこらが私は少し逆になっておるような感じがするのですが、大臣はこれをどうお考えでしょうか。
○福田国務大臣 物品税の政策的意図というものを全然排除する、こういうことはあり得ないと思うのです。やはり電気製品がその初期においてまだ開発段階で非常に高い。これを育成いたしますれば国内も大きなマーケットができる、また国外にもマーケットができる。これは育成というような考え方、そういうことを考えること、これはまた物品税としてもときにあり得ることだろうと思うのです。いまのカラーテレビのごときはそうなんじゃないかと思います。いま非常にこれが普及してきた、そこで大衆化してきた、こういう結果、コストも非常に下がった。かつわが国の国際収支というか、そういう観点から見れば輸出商品としてもたいへん大事な役割りを演じておる。そういうようなことで極端にものを一律に割り切るというのもいかがかと思うのであります。御指摘のカラーテレビのことを顧みてみますと、物品税だけがああいうふうな今日のカラーテレビ隆盛に役立ったその原因であるとも考えておりませんが、いささかそれもそういう役割りをしている、いい結果をもたらしておる、そういうふうに考えております。
○堀委員 私も、ごく少数のときから課税をしろというわけではありませんけれども、実は課税をするときのスタートが一般的にちょっとおそいと思うのです。実は、今回の課税物品の中の品数を少し拝見をしたわけでありますけれども、要するに、非課税にしたり、あるいはあと一〇%にしたり一五%にしておるところにあまり実はそれほど顕著な出荷数の相違が見られないわけです。パッケージ型ルームクーラーを例にとってみますと、非課税であった三十七年に二万二千台出ていた。そうして一〇%の課税をすることになったときに、昭和三十九年が同じく二万二千台であって、その次に、さらに一年半一〇%、二年半一〇%ということで、今度一五%になるのでしょうけれども、この間の数の変化というものも、ずっと二万一千台ぐらいが四万二千台になるというようなことでありまして、ですから、一体二万台と四万台が、課税上の問題としてそんなに一〇%であったり一五%であったりしなければならないのか。個々の品目は時間がありませんから申しませんけれども、どうも何か非常に物品税のこういう処理が恣意的判断といいますか、あまり私はっきりしないような感じがしてしかたがないわけです。 ですからここらについては、課税するならする。あまりそういう小刻みの、五%を上げたりすることが、何か消費者に対してのフェーバーのように見えますけれども、私は消費者に対するフェーバーという問題は、逆に競争がもっときちんと行なわれておるならば、さっき申し上げたようにこれだけマージンが取られておるわけですから、製造価格の倍以上で国民はみんな買っておるのに、それだけのマージンの中で吸収できないはずはないというふうに考えるものでありますから、ここらについてはあんまりこまかな処置をするよりも、課税するかしないかというような原則で処理していくということのほうが——私は国民がこれを見れば何だかどうも、どうしてこんなことになっているんだろうかなという疑問が起きる余地が十分にあるんじゃないかと思いますので、そこを含めての物品税のあり方の検討をお願いしておきたいと思いますが、それのお答えを伺って私の質問を終わります。
○福田国務大臣 御意見を承わりましたから、私どもも検討の重要な資料にさしていただきます。
○毛利委員長 貝沼君。
○貝沼委員 物品税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案について質問をいたします。 まず初めに、物品税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案の要綱の中で、「物品税の暫定的軽減」等と書いてありますが、二行目のところに、これらの物品の「生産及び取引の状況等にかえりみ、」こういう条件がついておるわけでありますが、この段を読みますと、かなりの調査がなされたのではないかと思うわけであります。たとえば年度別に生産が、下に書いてある品目についてどれくらい伸びたとか、あるいは普及がどれくらいの度合いでなされているとか、それから量に比べて価格がそれぞれ変動した、いろいろ調べたと思うのですね。諸外国への輸出の伸び、国内の供給の関係とか、また部品の開発の問題とかあるいはこれはテレビでありますけれども、新しい利用分野の関係とか、そういった面でかなり詳細に調査した上でこのように改めたい、こういうように私は受け取ったわけでありますが、この点、どの辺をどのように調査してこういう判断をなさったのか、そのところを初め主税局長のほうにお尋ねします。
○細見政府委員 こまかい生産台数は読み上げてもよろしゅうございますし、あるいはお手元に資料として差し上げてもありますので、代表的なものをひとつ申し上げてみたいと思います。 たとえばトランジスターテレビのカラーというのでありますが、これは四十三年には一万台程度が国内向けで生産されたわけであります。それが四十四年には五十五万台になり、輸出も六万台できるようになり、四十五年の見込みといたしましては、この五十五万台がおそらく百万台を上回るのではなかろうか。御承知のようにカラーテレビの中の真空管を用いたものはすでに相当生産されておるわけでありますが、トランジスターテレビの品物としての有利さ、たとえば像がすぐ出てくるとかというような面もありますので、従来はコストが真空管に比べて若干高かったというような難点もあったわけでありますが、これが大量生産化される過程でコストの軽減を見るというようなことで、今後はこれはかなり伸びるのではなかろうかと考えております。白黒のトランジスターテレビにつきましては、現在すでに百十万台も生産されておる状況でありまして、これは当初目標は六十万台くらい生産すればいいというようなことであったのでありますが、それが国内で百六十万台に近い出荷が行なわれており、輸出も九十八万台というような状況になっております。 そういうようなことで、ほかの品物につきましても、先ほど堀委員の御指摘のパッケージ型ルームクーラーのようなものは確かに目立って生産は伸びておりませんが、これは品物の種類として、一般的に冷房が行なわれるようになればパッケージ型ルームクーラーは要らぬわけでありますし、また普通の家庭におきましてはパッケージ型というよりもウインドー型のほうが普及するというようなことがありまして、生産台数は伸びておりませんが、いま申し上げましたウインドー型などとのバランスあるいは価格の激変というようなことを考えまして、漸次税率を引き上げておるというようなものもございますが、概して申し上げますと、生産が大体経済的なベースまで到達して、物品税の課税というのがむしろ吸収される方向になってきたという段階に少なくとも近づきつつある。したがって、それに応じて税率も段階的に引き上げていく、そういう段階的な税率の引き上げをあらかじめ明らかにしておくことによりまして、生産者に対しましては経済上の採算をそれに応じて考えてもらえるという意味で、一年限りでなくて二年、三年先までを明らかにするという意味で、合理的な生産計画というものを可能にするということを考えたわけであります。
○貝沼委員 私は今回の、特に印刷してあるものについて、特にテレビでありますけれども、それについて話を進めたいと思いますが、テレビが現在日本の国では、生産台数や何かいまずっと聞きましたけれども、普及のほうは何%くらい普及していますか。
○細見政府委員 四十四年の企画庁の消費者動向予測調査というものによりますと、テレビの普及率が、四十四年二月末現在でありますが九五・三%、カラーテレビが一二・三%となっておりました。おそらくそれ以後さらに普及率は上がっておると考えております。
○貝沼委員 私もその後の普及率は、これはもうずっと上がっておると思いますアポロの実験やらあるいはその他の問題で、テレビが買うのがなくなるほど売れたわけでありますから、それは相当上がっておると思います。しかしこの改正を見ますと、本法は二〇%、一五%というふうになっておりまして、いままでは暫定的に非課税、今回は五%、こういうふうになっておるわけでありますが、この五%に上げる上げ方ですけれども、何となく時が来たので五%くらいはいいんじゃないか、こういうふうな気がするわけですね。この五%でなければならないという、こういうような根拠、これはどういうところにあるのか、大臣にお聞きします。
○細見政府委員 五%でなければならぬ、四%であってはなぜいかぬかという御議論でありますと、これは非常にむずかしいと思いますが、段階的に本則へいくのには区切りのいい税率であったという以上には、四%がなぜいかぬかと言われても、これはむずかしいと思います。
○貝沼委員 大体五%としたというその意味はわかりました。 そこで大臣にお伺いしたいわけでありますけれども、このようにテレビがどんどん普及したのは、これは先ほども言ったわけでありますが、たとえばアポロであるとか、あるいは見のがしてはならない要素としては、最近核家族が非常にふえた、あるいは老人の問題とか、こういう構成的な問題が社会的にある。子供のかぎっ子の問題、実際私の家などでも、子供は帰ったらテレビでも見なければおれないという状態です。こういう意味もあると思うのです。また、ちょっと考えると、何となく大衆一般の景気がよくなったからテレビがずっと出るような気がするわけですけれども、私は決してそうとばかりは言えない要素が多い、こういうふうに思うわけでありますが、この点大臣はどのようにお考えでしょうか。
○福田国務大臣 景気がよくなってきたということも一つの理由であろうというふうには思いますが、同時にこの世の中が非常に進歩してくる。だから、進歩発展してくるその環境に応じた生活態勢を整える、こういう国民の願望、まあとにかくテレビを見ておりますれば新聞をそうこまかく読まぬでもというような一面もありまするし、われわれの生活にテレビというものが今日この段階におきまして欠くことのできないものになってきておる、これがテレビを普及さしておる、かように見ております。
○貝沼委員 われわれの生活にテレビが欠くことのできないものになってきた、こういう考え方については私も実は賛成であります。確かに、今度の「よど号」事件なんかを見ましても、テレビの影響がかなりあって世論を形成したために、ある程度よくなったんじゃないかとも思われる節もあるわけなんでありますから、それはよろしいわけでありますが、そこでこの五%上げたことによって物価に与える影響は、全体では一般的にはたいしたことはないかもしれません。しかしながら一応伺っておきたいのですけれども、財政上のどれだけのプラスの面があるのか、ふえる面、その金額を一度御紹介願いたいと思います。
○細見政府委員 全体で五十三億でございます。
○貝沼委員 そこで、物価の上昇と関係するわけでありますけれども、わが国の財政規模から見ればたいした大きな数字ではないと思うのですね。しかしながら私たちの家庭、個人という立場から考えますと、テレビ一個、たとえばカラーテレビ一個が五%上がりますと、ざっと四千円とか三千円上がるわけであります。そうするとこれは決して安い金額ではないわけであります。そこで、政府は今回所得税の減税をやりまして非常に大衆を安心させるような傾向もあるわけでありますけれども、しかしながら百万円台の所得の人を見ますと軽減額がざっと四千七百八十四円となっておりますので、所得税が安くなったけれども、物品税が上がることによってあまり影響しなくなってしまう、こういうような、喜んでいいのか喜ばないほうがいいのかわからないような結果が出てくると思うのです。この点について、感情的にも何となく間接税の上がるということはちょっと心配だ、こういうことがあると思います。この点について大臣の所見をお伺いいたします。
○福田国務大臣 テレビ課税ですね、物品税がテレビに課税されまして、そのテレビの価格を上げるという傾向を持つということは理論的にはいえますが、これはもうテレビ業界も競争してその販売に努力しておりますので、現実にどういう価格になるか。ましてこれだけの大量生産ですから、生産性を上げてくるという状態を考えますと、そういう物品税が小売り価格にどういう影響があるかということは、必ずしも五%上がる、こういうような状態ではなかろう、こういうふうに見ております。一面において、わが国においては国民全体の所得水準も大きな勢いで上がっていく。そこへもっていって所得税減税も行なわれるというのでありまするから、その大勢の中におきまして、物品税がテレビにつきまして五%上がりましたというのは、これは私はもうほとんど無視していいくらいな影響しかあるまい、こういうふうに考えております。これを、物品税をテレビについて五%上げましたから所得税減税の効果がなくなりました、そういうふうに結びつける見方というものは妥当でない、こういうふうに考えます。
○貝沼委員 それは全体で見れば私はそういうふうになると思うのですけれども、しかし個人個人が見ると、所得が少ないから小さなテレビを買うということではないわけですね。やはり同じ金額出るわけでありますから、そこで心配しておるわけであります。そこで先ほどからも話が出ておりますように、かてて加えて大臣の間接税増徴の方針というようなものも聞いておりますので、いよいよこの辺が皮切りになって間接税のほうがどんどんふえていくんじゃないかというような心配をするわけであります。この点について、心配ないなら心配ないということをお答え願いたいと思います。
○福田国務大臣 今後の日本の国の政治のあり方を展望してみますと、経済は発展する。それに対しまして、いろいろな社会資本の整備をはからなければならぬという要請があるわけであります。同時に、経済が発展しますから、その経済の発展の余恵に浴しない階層に対する諸施策つまり社会保障政策、これも強化しなければならぬ、こういうふうに考えますと、国の財政がになう任務というものはますますこれは強化されなければならぬ、こういうふうに見るわけです。その強化される財源を一体どこに求めるかということになると、私は今日この段階では、直接税でなくて間接税という方向にこれを求めるというふうにすべきである、こういうふうに考えておるわけなんです。そういう考え方に従いまして当面の財政運営をやっていく。これは貝沼さんのほうでも所得税についてはずいぶんきびしい御意見があるわけなんでありまして、もっともっと所得税を増すべしという皆さんの御意見であれば、そういう方法も考えられないことはございません。しかし私はそれは妥当ではない。直接税、あまりこれに片寄り過ぎておる今日の税体系というものを多少ここで是正しておく必要がある。むしろ、直接税は増徴じゃなくして軽減という方向のことも考えなければならぬというふうに考えておるのであります。
○貝沼委員 そこで、これは蛇足かもしれませんけれども、先日当大蔵委員会で細見主税局長が、物品税のあり方について、一般売り上げ税と付加価値税では、理論的には付加価値税のほうがすぐれているというような意味の答弁をなされたと思いますが、大蔵大臣の見解はこの点についていかがでしょうか。
○福田国務大臣 これは一利一害、利害得失あるところかと思いますが、一がいにどっちがどうというふうには言えないと思います。そのときの置かれておる経済情勢でどっちを採用するのが妥当かということかと思いますが、今日私どもは、当面付加価値税なり売り上げ税なりそういう一般的、総合的間接税というものを考えておりません。もう当面は、考えるにいたしましても個別消費税、こういうことになろうか、かように考えております。
○貝沼委員 時間があまりありませんので急ぎますけれども、その次に、やはりこれにのっとってやるわけでありますが、五%の引き上げということは、先ほどから聞いておりますように、全体の金額としてはたいしたことはありませんが、しかしながら五月一日前後、日本の国内で生産あるいは流通、消費という面でかなりの撹乱要因となり得るのではないかという心配があるわけであります。このような性格を持つ間接税の増徴を、大臣は今後の方向として望ましいと考えているかどうか、この点をお答え願いたいと思います。
○福田国務大臣 物品税を動かすという際におきましては、これはもういつもいろいろな摩擦が経過的期間においては起きます。新物品税を創設する場合においてもそうでありまするし、あるいは既存の物品税を廃止するという場合においてもそうです。その間、業者は税がどうなるかということを見計らって取引の動きをきめますから、そういう影響はありますけれども、必ずしも物品税ばかりではないのです。その他の諸税についてみな影響がある。でありますが、これが非常に大きな税の変化であるという際には、それに応じてこの業界の動きも大きいと思いまするけれども、まあ五%程度の物品税の課税ということにつきましては、私どもはさして業界の動きについては心配しておりません。
○貝沼委員 それでは、次は物品税をかける基本的な考え方でありますけれども、これは先ほどから堀先生からも出ておりましたけれども、やはり基本的な基準ですね、これはどう考えていくのか、そうしてまたその考え方を今後忠実に守っていくのかどうか、この点について一度伺っておきたいと思います。
○福田国務大臣 物品税はいわゆる間接税でございます。直接税じゃない。直接税の典型的なのは所得税、法人税ですね。これは一度法人なり個人の所得になったものですね、これを税としていただくというものであるに反し、間接税のほうは商品の流通の過程においてこれを徴収するというような観点で、私から前々から申し上げておりまするように、租税において重要視さるべき国民との摩擦、負担という見地からは、非常に大きなメリットを持っておると思います。しかし、これはややもすれば一律に課税ということになり、国民の負担能力に応ずるということがなかなかこの物品税方式ではむずかしい。そこでくふうをこらして、物品税あるいはその他の消費税を徴収する場合におきましても、国民の負担能力ということもまたあわせ考えなければならない、こういうふうに考えておりますが、その辺を一体どういうふうに調整するか、それが税制のむずかしいところだろう、かように考えております。
○貝沼委員 そこで、またこの表を見るわけでありますけれども、カラーテレビ、白黒テレビ、ずっと五%、そうして三十二センチメートル以下のブラウン管を使用したもの、これが一〇%、かなり小さいものでありますけれども、一〇%になっておるわけであります。ところが各家庭をずっと回ってみますと、大きなテレビというのはわりとみんなでながめる場合が多いわけでありますけれども、小さなテレビは、たとえば高校生であるとか、あるいは子供がけんかするから別々にするとか、いろいろな要素はあるわけでありますが、その中でも特に大事なのは、やはり子供の勉強、視聴覚教育面における影響ですね、こういうものはかなりあると思うわけであります。一軒の家で何もぜいたくに考えて二台を持つわけじゃなくて、これはむしろ必要に迫られて二台使っている家庭が多いわけです。それにもかかわらず今回これだけが一〇%に上がるということは、むしろ社会の動向から考えると私は何か逆行するような気配さえするわけであります。ただどんどんテレビが出ているからもうこれくらいかけていいのじゃないかというような考えじゃなしに、その内容等もよく検討されて、どういうところで使用されているかということを考えるならば、これだけを一〇%にするということについては非常にひっかかるところがあるわけであります。この点について大蔵大臣どのようにお考えでしょうか。
○細見政府委員 御指摘の教育用のものにつきましては、学校その他のしかるべき施設で購入されるテレビについては免税措置がとられておるわけであります。いまの御指摘の小型のテレビと大型のテレビとの話でありますが、おっしゃるような一面もあろうかと思いますが、一般的に各部屋にテレビを持つほうが大ぜいで見るよりはというような論議もありますので、その辺はこれからのテレビの普及状況その他を見て、物品税を考えるときの問題にいたしたい。やはり多数の台数、一軒のうちに何台も買える人のほうが一台の人よりも担税力としてはあるのではないかというのがごく一般的な議論ではないかと、私どもはかように考えております。
○貝沼委員 そういう議論になりますと私は異議があるのです。というのは、これは中央からざっとながめればそういうことになるかと思いますが、実際一軒一軒の家庭というのはそう簡単に割り切れるものではないということですね。お金があるからテレビを買うか。そうではないのですね。たとえば、これにまつわる問題は先ほどから言っておりますが、いろんな構成的な問題あるいは住宅の問題、幾ら金があっても大きなテレビを置くところのない人は、これは買えないわけであります。ところが最近はテレビによる家庭教育というものがかなりのウエートを占めていること、それは間違いないと思うのですね。親が家庭教師を頼むにもお金がない、あるいは子供を保育所に預けるにもお金がない、こういうようなところから、せめて子供に安いテレビでも、白黒の小さいものだけでも買ってあげたほうがという、こういう考え方がかなりあるわけであります。そういうようなところから、もっとその実態というものもひとつ当局のほうでよく調査していただいて、物品税の率というものをきめる方向はないのか、こういうことをお尋ねしているわけでありますが、この点はいかがでしょうか。
○細見政府委員 同様の問題はたとえばテープレコーダーとか、いろいろなものにもあるわけでありますが、税制として一般的にきめますときには、このテレビにつきましても大型のものは二〇%、小型のものは一五%が本筋でありまして、その上に大型のものに比べて小型のものは価格も安いわけでありますし、そういう点総合的に考えれば、私どもとしては現行の税率の区分くらいが大体妥当なものではないかと思っておりますが、用途の違い、あるいは社会生活の違いというようなものについて、絶えず検討いたしてまいらなければならないのはおっしゃるとおりだと考えております。
○貝沼委員 話は変わりますけれども、これは初め経済企画庁の方にちょっとお尋ねしたいのでありますが、きょうの新聞にも出ているわけでありますが、この二月の全国消費者物価は前年同月に比べ八・五%高と、統計始まって以来最高の上昇を示している、こういうような記事が出ております。これは三月二十九日の新聞でありますが、野菜の値上がりを中心に上昇を続ける消費者物価が急速に上げ足を早めている。二十七日発表による二月の全国消費者物価指数は対前年同月比で八・五%上昇と、全国ベースの調査で三十八年以降の最高となった。この日同時に発表された東京都区部の四十四年度の指数は、対前年度比六・六%の大幅上昇となった。全国指数でも四十四年度の対前年度比物価上昇率は、政府が二カ月前に変えたばかりの見通し五・七%——当初見通しは五・〇%、を大幅に上回り六・四%くらいになる見込み。こういう記事が出ているわけでありますが、こういうふうにこれを直しているわけですね。ところが二カ月後においてまたこのように変わってしまう。こんなに見通しがどんどん変わったのでは、私たちとしては非常に心配になるわけでございます。日本の最も頭脳明晰なる方々がやっているこの見通しが二カ月くらいでどんどん変わられる。しかもこれが物価の上昇の問題である。こうなったのでは日本の経済というのは将来どこへ行ってしまうのか、こういうことが非常に心配であります。そこでこういう見通しというのは何をもとにしてやっているのか、この点についてお伺いしたいと思います。経済企画庁の方にお願いいたします。
○矢野政府委員 物価の見通しを立てます場合には、経済全般の状況等いろいろ広範な観点から立てております。いま御指摘の点は、確かに四十四年度の消費者物価指数は当初五%を目標にしておりましたが、その後いま御指摘のように五・七%に、昨年の末、さらに正式にはことしの一月でありますが改定いたしまして、現在の見込みではどうもそれも突破して六・三%あるいは四%ぐらいになりそうなことはそのとおりであります。 どこが狂ったかと申しますと、何と言いましても一番大きな原因は生鮮食品の上昇が予想外に大きくなったことであります。大体、当初物価の見通しを立てます場合には、生鮮食品は非常に天候事情に左右されますので、特別に天候がいいとか悪いとか、そういうことはあらかじめ見込みにくいものでして、大体過去の平均のペース、それに若干の努力目標を織り込んで立てておるわけであります。ところが昨年来、特に野菜でありますが、非常に値上がりがきびしくなりまして、さらに、ことしになりましてから数十年ぶりという異常乾燥、干ばつの影響が加わりまして、生鮮食品全体の上昇が対前年度で二〇%ちょっとを上回るという状態になっております。四十三年度は逆に前年よりもやや下がるということでありましたが、四十四年度になりましてから逆に非常に今度は通常のペースを大幅に上回るようになっております。特にこの二、三月は、昨年が暖冬異変で、野菜の価格はその一年前に比べて二、三割は下がるという状況でありました。それを今度は分母にいたしまして計算されることになりますので、通常の状態でもかなりこの二、三月は上がりますが、その上に先ほど申し上げました干ばつの影響で非常に上がったわけであります。この野菜を中心にして、生鮮食料品は見通しが、そういった天候事情に短期的には左右されますので、非常にむずかしいわけであります。見通しを再度立てますときには、特に天候事情がいいとか悪いということでなくて織り込んでおりますので、そこに大きく狂った原因がございます。季節商品を除きますと、最初五%ぐらいに見込んでおりましたのに比べて、最近ちょっと強くなっておりますが、それでも五・二%ぐらいのところに一応おさまっております。これでもちろん十分ではありませんが、そう大きな狂いはしておりません。結局季節商品が非常に短期的には天候事情によって思わぬ値上がりをしたということであったわけであります。
○貝沼委員 いまの説明は四十四年度が狂ったという理由でありますけれども、四十五年度が私たちにとっては最も関心のある問題であります。この四十五年度についてもこれくらいの誤差を認められるのかどうか。そうするとこれはたいへんなことになるわけでありますが、この辺の見通しをちょっとお伺いしておきたいと思うのです。
○矢野政府委員 四十五年度につきましては、御承知のように四・八%を目標にしております。もちろんこれは自然にほっておいてそうおさまるというものではありませんで、若干の努力目標をもちろん置いております。この場合の根拠、もちろん個々の商品を全部積み上げたわけではございませんが、一つの根拠といたしましては、季節商品につきましては、これも先ほど申しました見通しを一般的に立てますときの考え方と同じでありますが、四十五年度において天候事情が特別にいいとも、あるいは特別に悪いとも、それはお天気まかせというわけにはまいりませんが、そうしたことは見込んでおりませんで、大体最近数年間における季節商品の値上がり、それも若干の期間をとりますと少しずつ上がり方が弱まっておりますが、そうした点、一年では急にそう動きが変わるわけでもありませんので、最近数年の動きをほぼ織り込んであります。それを具体的に申しますと大体五、六%程度が季節商品の通常の上がり方、それを一応見込んでおります。それだけですと四・七%にはなりませんが、そのほかたとえば消費者米価を据え置くとか、公共料金の抑制、そのほかの対策によって、これは正確に計算できませんが、〇・二、三%なり〇・三、四%を政策努力で下げる。つまり本年度の六%ぐらいと来年度の目標の四・八%がすべて政策努力ではありません。もちろんそれだけできればそれにこしたことはありませんが、そう一年で簡単にまいりませんので、野菜、魚等の季節商品は通常のペースで織り込む、それに政策努力を加えて四・八%の目標を何とか達成しようということでございます。
○貝沼委員 時間がありませんので急ぎますが、こういう立て方が、羅針盤であるなら船はとっくの昔にどこかに乗り上げておりますね。非常に危険だと思います。そこでさらに間接税の増徴という方針が述べられたりしたのでは物価はどんどん上がってくる。それに間接税がかかってパーセンテージがそれできめられていくということになれば、これは非常に心配の念がつのるばかりでございます。 そこで大臣にお伺いしたいわけでありますが、物価の見通しがこんなに簡単に変わっていいのかどうか。四十五年度予算は参議院のほうでは通っていないわけでございますけれども、しかしながらこんなに二カ月でどんどん変わられたのじゃ、私は国民一般が、政治のこういう企画性というものに対してまことに不信感がつのるのじゃないかという心配をするわけであります。この点大蔵大臣にお伺いしたいと思います。
○福田国務大臣 まあ物価の見通しが違うというのは非常に困ることなので、何とかそう変わることのないように、安定した動きになってもらいたいということを念願しております。やはりいま当面差し迫って一番問題になるのは、これは生鮮食料品でありますが、これは天候のかげん等でどうも不作である、こういう際にこれをすぐ生産するわけにもいかぬ。やはり私はそういう状況判断で、輸入政策ですね、これを非常に機敏濶達にやっていく、こういうことが大事になってきているというふうな感じもしますが、いま企画庁当局では思いを新たにして、物価問題というものをどういうふうに進めていくか、まあ四・八%という四十五年の目標をぜひ達成したいという、悲願というような気持ちで努力をいたしておりますから、ひとつ御期待のほどをお願いします。
○貝沼委員 もう時間があと数分しかありませんので詳しいことを質問できませんが、最後に特恵関税について大臣の所信を二、三伺っておきたいと思うのです。 それは、わが国はシーリング方式を主張しているというふうに伝わっておるわけであります。これはエスケープ・クローズ方式を途中でやめたわけですね。変えたように聞いているわけですが、このシーリング方式でなければならないというメリット、この点と、さらに今後シーリング方式でいく方針であるのかどうか、この点。さらに農業、農産加工品の問題でありますが、需要は硬直的であるので特恵の意味が薄い、こういうような関連でケース・バイ・ケースのポジチブリストとしているようでありますけれども、これは今後どういうふうにしていくのか、この点と、それからもう一つは特恵の受益国についてでありますが、ABCDとある中でDについては将来どう考えるのか。これは東欧諸国のようでありますけれども、Dグループについてどう考えるのか、この点の見通しを伺っておきたいと思うのです。
○福田国務大臣 開発途上国に対する特恵関税方式、これにつきましてはわが国はかねてから積極的に参加をする、こういう姿勢でありますが、その参加の方式といたしましてはいま御指摘のようにシーリング方式、これを採用しよう、こういう考えであります。先進諸国の間で二つの主張がありまして、一つはエスケープ・クローズ方式、これは英米でそういう考え方です。それからシーリング方式は、わが国のほかはEEC諸国であります。まあシーリング方式をとりますと、とにかくある一定の限度を設けて、そしてその限度内においては自由な輸入にしよう、こういうことでございまするから、わが国といたしましても、また相手国といたしましても安定した見通しを立て得る、こういうメリットがある、こういうふうに考えておりまして、英米では原則は自由だ、自由輸入だ、それを置いて例外を設けるという方式よりはすぐれた面を持っておるから、英米でそういう考え方をとるにいたしましても、わが国としては今後シーリング方式をしていきたい、こういう考えでございます。 その際におきまして農産物をどうするか。この特恵関税方式というものはそもそもが、その考えられた趣旨が、開発途上国にも工業化を促進しようということで、それらの国の工業製品を先進諸国に輸出する場合に関税負担を軽くしよう、こういうことなんであります。でありますので、工業製品が主たるねらいであって、農作物につきましては例外的な扱いをするわけであります。お話しのように、わが国におきましては農業が非常に大事な問題でありまするが、農業の扱いにつきましては、今日のわが国の農業の現状と照らし合わせまして、慎重にこれを扱っていきたいという考えであります。また第三には、共産圏の扱いをどうするかということでございまするが、共産圏との関係につきましては、これは国交がないという関係で特別な配慮をしなければなりませんが、いままでケネディラウンドにつきましては、これに順応していろいろな権衡をとるという施策を進めてきております。大体権衡をとっておるというふうに考えておりますが、特恵関税制度におきましてもそういう方向で考えなければならぬか、いかように考えますか、まだこれは確固たる方針をきめておりません。
○貝沼委員 この特恵関税につきましても、わが国の中小企業の擁護ということに特に留意されるようお願いしたいと思います。 以上で終わります。
○毛利委員長 春日一幸君。
○春日委員 ここ十年間の物品税改正の足取りを振り返ってみますると、さきには昭和三十四年に免税点の引き上げが行なわれ、三十七年に全文の改正がなされて合理化がはかられまして、その後四年たって、去る四十一年度に免税点がわが国経済情勢に即応して引き上げられました。かくて本年度はちょうど四年を経過いたしました。このように三年目、四年目ごとに免税点が引き上げられるとかあるいは法の改正がなされてきたということは、言うならば、一方所得税において年々減税がなされておるという、それに見合う措置として、かつはまたわが国の経済の情勢が変わってくる、物価の値上がりもある、こういうようなことに対応する措置として、すなわち三年目、四年目ごとに手直しをするということは、言うならば不文律としてこれが実行されてまいったことでございました。したがいまして、本年度は四年目なんだから、特に物価の値上がり、経済情勢の変化というものも大きなものがあるのでございますから、当然本昭和四十五年度の物品税措置として、この際、法の改正なり、少なくとも免税点の引き上げなどのごときは、本年度においてなされなければならないものと考えるが、ここに福田大蔵大臣があえてそのことを怠っておる理由は何か、お示しを願いたい。
○福田国務大臣 ことしというか、昭和四十五年度におきましては、御承知のようにこの予算を編成する直前におきまして総選挙が行なわれたわけであります。総選挙直後、特別国会に総予算を提出しなければならない、それに伴い税法の改正案を出さなければならぬ、こういう立場に置かれまして、いろいろな問題の改革というようなことをそう大幅に実現する環境に置かれなかった、こういうことかと思います。税法につきましては、やむを得ない所得税の減税、それから企業課税の増徴、それに特別措置の改廃、こういうようなことをするにとどめる、こういうことにいたした次第であります。
○春日委員 なるほど総選挙によって政治的なエネルギーがそのほうにさかれたという物理的な関係は、われわれもこれを認めざるを得ないのだが、さりとて物品税、特に免税点の引き上げのごときは、やろうと思えばやれないことはないと思うのです。現に直接税においてはあのような相当意味の深い改正がなされておるのでございまするから、また物品税免税点の操作についてはすでに歴年しばしば論ぜられ、資料も完備しておることでございますから、これが総選挙等のことによってその作業を行なう時間的スペースがなかったというようなことは、国民にとって納得ができないと思います。 私が強調いたしたいことは、この数年間、わけて昭和四十一年から消費者物価が平均五%上がっておる。その中には農水産物あるいはサービス業、中小企業等、こういうような商品が含まれておると思うのですけれども、わけてもその中で中小企業関係産品の物価高寄与率は三〇%になんなんといたしておる。このことはすなわち、中小企業関係の生産が、その人件費もまた原材料費も高まってきておるということの実証である。そういう意味でこの物品税というものは、四年前に設定された免税点を現在の経済情勢に見合って手直しをするということは必要不可欠の要件であると思う。私は当然このことをなさねばならぬと思うし、またこの問題は政令事項で足りることでございますから、国会はなおこの五月の中ごろまで会期がございますが、この間において少なくとも免税点を引き上げる意思はないか。物価高になって、そうしてまた現実には国民の生活水準も高まってきておるのだし、三年、四年目ごとに物品税の免税点も引き上げてきておるのだ。一方、直接税は年々減税がなされてきておるのだ。こういう背景、環境の中において、物品税の免税点は政令を改正して、この際そのような必要な措置をとるべきであると思うが、所見はいかがでありますか。
○福田国務大臣 物品税の問題はなかなか簡単な問題じゃない。これは一つの品目の問題じゃないのです。当委員会においても先ほど堀委員は、免税点を引き下げたらどうだというものも見受けられるじゃないかというような議論であります。またここに自由民主党の税制調査会長、坊委員もおられますが、坊委員は、選挙後物品税に手がつくというようなことになれば、とても今回の税制はまとめられないというような御意見でもあったわけであります。これは一つのところに手がつくと一波が万波を呼びまして、全体の手直しをしなければならぬ、こういうふうに考えておるのでありまして、これは残されたわずかな会期中にこの問題を処理するというわけにはとうていまいらないということを、はっきり申し上げておきます。
○春日委員 私は、福田大臣は理論的であり、特にソフトムードで何かなよなよした感じがするのだけれども、私はあえて混乱を避けるという態度——後日あなたがわが国の宰相たらんと欲するならば、火中のクリをも拾うだけの勇気を持たなければだめですぞ。物品税のごときものを処理することができなくて、しかも福田派の謀将、坊君の助けをかりてこの問題を糊塗せんとするがごときは陋劣なものといわなければならぬ。私は、過去三年、四年ごとになし得てきたことが本年度なし得ないというはずはない。過去もそのように困難であった。けれども、物品税全文改正のときにはあなたのコンペティターであります田中角榮君がやった。それから四年前はあなたみずからが困難をあえて乗り越えてやってきた。かつてそのようになされたことが今時点において——あなたの政治力もバイタリティーもボリュームも昔日のそれから比べねば数倍強くなってきておると思う、これがなし得ないというはずは断じてない。 いま堀君が免税点を引き下げるべしというようなことは、これはそういうことを言っておるのではない。ともにわれわれは大蔵委員会においてこの十数年来、坊君も一緒になって、免税点引き上げのためにひたすら努力をしてきた仲間同士である。われわれがそれを指摘しておるのは、由来この物品税なるものは六十何種類が対象になっておるけれども、これは昭和十二年の北支事変特別税として、戦争目的、すなわち戦費調達の手段としてこれが新しく制定されたものであり、戦後物品税として概念は変わってきたけれども、結果的に見るならばこれは戦争の落とし子である。凡百ありまするところの商品の中のわずか六十何品目に対してのみ白羽の矢が立てられて、そのものだけが年間三千数百億でありまするか、そのような税金を負担しておるということはいかがなものであろうか、さらにこれを高度の視野に立って全般的に洗い直す必要があるであろうという、そのような総論の中の部分的な理論として、堀君はそういう矛盾を突いておられるのであって、引き下げるべしというような暴論を、聡明なる堀君がそんなたわけたことを口ばしるはずがない。悪い点だけを取り上げてこれを質疑応答の武器に使うごときは、真にこれまた陋劣といわなければならない。 そこで私は申し上げまするが、ことしはこの時点において非常に困難だと言われておる。困難だと言われておることをぼくが罵倒しておっても問題の解決にはならない。その心底にどうしようかと、あなたに秘められておる方針というものが具体的に固まりつつあるであろうと思うが、一体これは近き将来においてどうされるのか。近き将来の時点はどこか。これをひとつ国民にわかるようにお述べを願いたい。
○福田国務大臣 当面物品税が問題になっておりますが、物品税といわず、物品税的な消費税、この全般について検討いたしたいと思います。それからその中におきまして、物品税につきましてはこの課税対象をどうするかという問題があるわけです。それから税率をどうするかという問題もあります。それからいまあなたが触れられておる免税点の問題、こういうものもある。それらを総合的に検討してみたい、こういうふうに考えております。昭和四十六年度予算編成、その前に前広にそういう問題の検討に取りかかる、こういう考えであります。
○春日委員 それでは物品税の免税、その税率の引き下げあるいは免税点の引き上げ、あるいは課税対象の新規捕捉、こういうようなことも含めて、少なくとも来年度予算にはこれが間に合うようにその検討を行ない、成案をする、こういうぐあいに理解すべきでありますか。
○福田国務大臣 大体そういう方向で諸般の検討をしていきたい、そういうふうに考えております。
○春日委員 ここで、先般来大臣との質疑応答の中で示されておりますることで非常に気にかかりますことは、現在の直接税、間接税の対比率が何となく直接税に片寄り過ぎておる。だから、将来はその重点、ウエートを間接税の方向に向かって強めていこうという方向を述べられておる向きがあると思うが、私はこれは重大なことであると思う。私は、租税制度の理想的なあり方というものは、これはもとより他の諸制度と同じように国民福祉の増大をはかるところにあるが、特に租税制度においては所得再配分というような機能をこの税制にになわせていく、そこに第一義的な使命というものがあってよいのではないかと思うのでございます。なぜかなれば、それぞれの所得というものは、結局は国家とか社会の組織、構成、こういうようなものが寄与し、すなわち事業者なりその所得者なりは、そういうものを利用することによってその所得を得ておるのでございますから、したがって、所得を再配分することによって全体としての国民福祉をはかっていくという、私はこれが第一義の要請であろうと思う、現実の問題として。さればこそ、租税公平の原則であるとかあるいは担税力応能の原則というようなものをあなたが強調されておるゆえんもそこにあると思う。 だといたしますれば、租税制度の中心はあくまで直接税にあるべきである。所得ある者に課税をなす。多くもうけた者が多く税金を払う。多くもうけた者は、個人の努力によることはもとよりであるけれども、結局は国家、国民ぐるみの協力がそのような成果をもたらしたものと断ずべきである。だからその所得を国家と国民に向かって再配分するという租税制度の理想的な第一義的なあり方というものは、容易にこれをくずすべきものではないと思う。そういう意味で、いま直接税が多過ぎる多過ぎると言っておりまするけれども、それは給与所得者においては負担感が非常に重圧を与えておるものなしとはしないけれども、租税制度の理想像、また本来的なあり方というものは、所得再配分というこの立場というものを忘れるべきものではないと思うが、この点はいかがでありますか。
○福田国務大臣 全く同感であります。
○春日委員 だといたしますれば、たとえば給与所得者において重圧感がありとすれば、その重圧感の部分を排除していくという、こういうところに重点を置くべきであって、それをなすからといってそれだけの税収源を間接税に転嫁していく、あるいはさらに進んで間接税によって相当の財源を確保することに重点を置いて、そうしてそれからよって来たるところのいろいろな弊害を無視する、こういうことであってはならぬと思う。 私は、間接税というものはある意味においてこれは悪平等であると思う、端的に言うならば。たとえば福田大臣のごとき人もたばこを吸う。ビール、酒を飲む。同じ酒税であり、たばこ消費税、専売益金ということになって、そうして山谷のドヤ街、釜ケ崎のドヤ街におるルンペンの連中も同じような国税を負担するというようなことは、これは徴税行政という基本的なあり方からすれば邪道であると思う。大蔵大臣福田赳夫が大きな顔をして日本じゅうわがもの顔にのさばり歩いておる。それと山谷、釜ケ崎のドヤ街のルンペン、プロレタリアとが同じような割り勘で消費税を負担しておるようなことは許されてはならぬと思う。所得のある者には課税をなす、大いなる所得ある者は大いなる税金を払う、その制度を根幹にして、なお補完措置として間接税、消費税というようなものがあり得ていいと思う。けれども、あなたのこの間のうちの御答弁を聞いておると、直接税の負担が重きに過ぎるようであるから、したがって、今後は間接税に向かってそのウエート、重点を置きかえていこうというようなたわけた答弁をなされておるけれども、国民はこれによって非常な恐怖を感じております。あるいは、言われたような付加価値税が創設されるのではないか、売り上げ高税が創設されるではないか、あるいは高級品に向かって一斉課税がされるのではないか、あるいは自動車新税などというものが課税されるのではないかと恐怖におののいておる。この点、徴税行政の第一義的な立場に立ってあるべき姿というものについてあなたの見解をお述べいただきたい。そして今後どうしていく方針であるのか。
○福田国務大臣 しばしば申し上げておるとおり、私は、租税、税制は公平でなければならぬ、また同時にその負担が負担能力に応じてかかっていくようなものでなければならない、さらに同時に負担感がなるべく少ないものという配慮をしていかなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。どうも春日さんは私の言っておることを聞き違えておるんじゃないか。私は直接税中心主義、これを堅持すべきものであるというふうに申し上げておるのです。ただ今日の直接税体系というものを見ておると、経済の発展、進歩を考えますときに、ますます所得税の比重というものが多くなっていって、補完的な役割りをする消費税の影がますます薄くなってくる。これを是正しておく必要があるんじゃないか。そういう際におきましても、消費税を強化する、直接税の軽減を行なうという際におきましても、その強化する消費税において、これは負担能力という問題を全然無視しておるわけじゃないのですから、すでに免税点というような制度もあります。それから品物によりましてそういうことを考えて、税率ということにも十分慎重な配慮を加えられておるわけなんです。それから税目の選定にあたりましてもそういう配意は加えられておるわけであります。まあ非常に例外的な砂糖でありますとか、あるいは酒でありますとか、たばこでございますとか、それに一々区分をつけるということは非常に困難でありますけれども、しかし、そういう配意が総体的に加えられておる。また今後間接税を増徴するというふうにいたしましても、そういう配意を全然無視してやるんじゃありませんから、その辺はひとつ誤解のないように御了承おき願いたいと思います。
○春日委員 主税局長、ことしの年度末における租税の自然増収見込み額はどのくらいに固まりましたか。
○細見政府委員 補正後、三百億くらいはふえるのではないかと考えております。(春日委員「補正を含めて」と呼ぶ)補正を含めますと二千二百六十億でございます。
○春日委員 いずれにいたしましても、わが国の経済のかっぷくがだんだん大きくなりつつある。それに伴うて国民所得がふえております。したがって、この所得税、直接税一本やりでいくというわけじゃありませんが、直接税それ自体においても相当の税収は確保できる体制の中にあります。間違えてはならぬことは、基本政策は何か、補完政策は何か。補完ということはまさにそれを補う便宜の手段である。したがいまして、その便宜の手段が基本的な手段に置きかえられることのあらざるよう、この点は十分配慮願わなければならぬと思う。ただ便宜的に、こうなったからああするこうするというようなことで手あかをつけていきますと、その画面がよごれてしまって、一体重点は、中心はどこだかわからなくなってしまうんでございますね。私は、そういうような意味において、間接税というようなものに対する追求は、これは手控えられるだけ手控えなければならぬと思う。 そこで、時間がないようで残念ですけれども、端的に具体的な問題、三点伺っておきますが、付加価値税あるいは売り上げ高税とか取引税とかいうようなものを来年度制定するような意思があるかどうか、これが第一点。 第二点は、自動車新税を創設すべしとの世論もあり、自民党内部に一部意見があるようでございますし、かつは近日中に新幹線鉄道網促進法というような法律が、各党共同提案で来たる二十四日ごろあたりに提出されるようである。したがって、その膨大なる建設費の裏づけとなるべきものは、結局はどこかに財源調達を求めなければならないが、それはしょせん自動車新税のごときものが念頭に置かれ、それが含蓄になっておると聞いておる。この際そのような自動車新税を創設するような意思は大蔵大臣としてあるかないか。これが第二点です。 それから第三点は、物品税を洗い直すと言っておられる。客観的に達観するならば、前に申し上げたように、この六十何品目の物品税課税対象はまさしく昭和十二年の北支事変特別税創設当時、その当時の政府がそのような政策理念の中で選び出したところの商品である。それがそのまま——ラムネだとかマッチだとか、部分的に改廃されたものがあるけれども、そのままそれが今日に向かって踏襲されておる。 しきりに時計を見るのは無礼ですぞ。ぼくは時間をはなはだしく省略してやっておるのですから。こういう重大政策についてやっておるのに、時計などを打ちながめるということは無礼千万である。 そういう状態ですから、この機会に課税対象を新しく設定するような意思はあるのかどうか。 この三点について具体的な御答弁を願いたい。
○福田国務大臣 これはいずれも税制調査会という問題がありますので、それの意見を聞かなければならぬという立場にありますから、そういう前提でお聞き取り願いたいと思います。 第一の、一般的な付加価値税、そういうようなものにつきましては、私ども大蔵省としては勉強はしておきます。しかし来年の時点においてこれを実施するというような気持ちは持っておりません。 それから第二の自動車新税、これにつきましては巷間いろいろな議論がある。バス、トラックがいま物品税がかかってないが、そういうものにはかけたらどうだろうというような意見もある。あるいは国土総合開発、つまり道路、国鉄新幹線、そういうものに関連して新税を設ける場合に、これはやはり交通燃料やあるいは交通器具、そういうものについて課税ということを考える必要があるのではないかというような意見とか、あるいは車検税というような別なことを言う人もあります。あるいは自動車保有者に対しまして公債を保有させるというようなことを考えたらどうかというようなことを言う人もある。いろいろな意見がありますが、これはまだ私どもは、具体的な道路計画が詳細に立っておりません。デッサンの程度。また新幹線の問題につきましてはこれからと、こういう問題でありますので、そういうようなものとの成り行きを照らし合わせまして、総合的にひとつ考えてまいりたい。これからの検討問題だ、こういうことに御了承願います。 それから第三の、これから新しい物品税対象が加えられることがあるかどうかということにつきましては、これはある公算が大きい、こういうふうに御了承願います。
○春日委員 時間がありませんが、ある公算が大きいということになりますと、大体新しい対象とはどのようなものであるのか、抽象的でもよろしゅうございますからその範疇についてこの際お示しを願いたい。
○福田国務大臣 これはいわゆる物価にそう大きな影響がないこと、それからその課税が、私が常に申し上げておる負担能力に応ずるという原則からそう大きく離れるというようなことがないこと、またそれによって財政収入を確実に確保し得る性格のものであること等々、いろいろなことを考えてやっていきたいと思います。
○春日委員 これで終わります。 いずれにいたしましても方向はわかりましたが、なお、委曲を尽くしておりません。最後の問題につきましては、自動車新税のごときは、もうすでに六千何百億円自動車関係で、間接のLPG税から石油消費税から、たいへんなことになっておりますね。自動車関係だけで六千何百億の税金が中央、地方で納められて、この上さらに自動車を目して新課税をはかろうとするがごときは、これはあまりにまま子いじめというのか、いずれにしても、文化の象徴がこの自動車の使用率にあるといわれるていのことでございまして、こういうものにそのような負担をかければ結局は物価高にはね返ってくるということでございますから、慎重な上にも慎重を期せられたい。 それから新しいものに税金をかけると言われましても、かつての歴史はあなたも知っておるように、織物消費税、高級織物消費税、みんなそのような新税は悪税なりとして、提案されたけれどもこれは全部はね飛ばされて審議未了、廃案になっておる。だから、あなたのような聡明な大蔵大臣がそのような愚劣な前車の轍を踏まざるよう、そういう新課税のごときは十分慎まれて、そして国民の負担の軽減がなされるように、そして物価高ということに対してさまつたりといえども刺激要因になるような政策はこの際慎重を期せられますように、強く要望いたしまして質問を終わります。
○毛利委員長 本会議散会後再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時十三分休憩 ————◇————— 午後四時四十四分開議
○毛利委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)委員 午前中に引き続いて質問をいたします。 平林委員も取り上げた問題なんですが、第一種物品の貴石、貴金属製品の課税方式の問題でございますが、小売り業者の団体が一致して、私の自宅まで、宇都宮にやってまいりまして、るるその陳情を私は受けておるわけです。聞くところによれば、非常に同情すべき問題もあるし、われわれとしても配慮しなければならぬ問題もあるなと思いながら、なおかつ若干でも税のあり方という問題を審議する立場にあります私どもとしては、かなり慎重な態度をとってきたわけであります。どうしても小売り課税でなければならぬという、税務当局が私どもを納得させる理由があるならば、われわれにも理解できると思うのでありますが、第一種物品の貴石類を取り扱っている第一線の業者の人たちが非常に苦しんでいるということだけは、手に取るように私どもに伝わるわけです。 まず第一に、この関係事務が非常にたいへんだということ、特にこれが月ごとに申告をしなければならぬ、一つ一つにチェックをして詳細に記録にとどめておかなければならぬということ、これらの問題点を考えますと、どうして製造段階なりあるいは卸段階なりというところに課税のやり方をもっていけないのかということについては、これはもちろん扱う品物がダイヤモンドとかその他の貴石類でございますから、密輸の問題であるとか、あるいは密売の問題であるとか、いろいろな問題があろうとは考えられるわけでありますが、この問題について何とかこの課税方式を変えられないものかどうか。変えても、もし心配になるところがある、こういう結果になるだろう、いわゆるデメリットがどうしてもこれを排除することができないのだというものがどこまであるのか、この際しっかりお聞きをいたしたい、まずそういうように思います。
○細見政府委員 その問題はわりあい根の深いと申しますか、長い間議論がされてまいった問題でありまして、昭和二十八年に課税を現行の小売り課税にいたしましたときの理由は、あるいは御記憶かと思いますが、中小企業対策ということで、従来の戦後二十八年まで続けておりました製造者段階での課税ということが、むしろ中小、いまの小売り業者よりもさらに零細な普通の業者に、いろいろいまお話が出ましたような税法上の手続その他を繁雑にする結果になりまして、それが中小企業のあまり記帳の能力もないし、いわば職人的な者に対して非常に負担をかけているものである。したがって、いまの課税方式については、むしろ中小企業のそういう零細な業者を救済すべきであるということで現在の課税方法になったわけであります。そういう意味におきまして、もちろん時計屋さん、あるいは宝石屋さんの中にも千差万別であることは認めますが、概して申しまして、小売り業者である時計屋、宝石屋のほうが資力あるいは店のかまえあるいは記帳能力と申しますか事務能力、そういうようなものにおいてすぐれておるということは言えるわけでありまして、そういう意味で、およそ物品税をどこの段階でかけましても、先般この委員会でもお話がございましたように、その課税になる段階の方々は負担がたいへんだということでお話しになりますが、これはやむを得ないところであります。 二十八年に改正いたしましたときに、そういう零細業者で非常に貴重な品物を扱っておる、あるいは非常に高率な課税をするものであったものにいたしましても、これは脱税が非常に多くて、二十八年、小売り課税にいたしましたときに、税額にいたしまして二十五倍くらいの税収になったわけです。もちろん製造課税から小売り課税になったわけでありますから価格がちがってくるというような点がありまして、二十五倍がそっくり脱税の捕捉であったということではございませんが、やはり十数倍は、これによって納税秩序というものが確保されることになったことは事実であります。かつて同様な事例として、ちょっと例は違いますが、戦時中はダイヤモンドの輸入ということにつきまして、非常に高率の税を関税としてかけておった時期があるわけでありますが、それが、一〇〇%の税率を一〇%にしたら、何と輸入申告が十数倍になったというような事例もございまして、一つ一つ非常に貴重な品物であるだけに、倫理的と申しますかあるいは道義的と申しますか、そういう角度で申し上げますと、高い税を課してしっかり課税するというのがまさに筋でありますが、製造段階でもしいまのままの税率をやるといたしますと四〇%になる。小売り段階二〇%でございますから製造段階四〇%ということになりまして、その高い税率というのは先ほどの関税について申し上げましたものの逆で、非常に高い税率を課すということになりますと、そういう意味で、脱税ということはあまり言いたくないことでありますが、そういうことになることは当然予想されるわけです。それは、先ほど申しましたように、小売りになったときに課税標準で二十五倍になったというのの裏側に出てくると考えるのが常識的ではないかと思うのであります。 そのように四〇%の税率がかかりましたのを卸、小売りと転々としていくわけでありますから、資金量としても、いまよりもよけいの資金量が要るというような問題もございます。しかし、いろいろのこまかいことは別といたしまして、現在の物品税の構成、販路の流通形態を見ます限り、小売り段階が大きな業者が比較的そろっておって、記帳並びにその他物品税の納税義務者としての資格という点において一番整っておるというのが私どもの判断でございます。この間、その製造場の人員の話が出ましたが、私どもは製造をやっておる零細な人たちが二千人は少なくともおられるのじゃなかろうか。また、それがもし製造課税ということになりますと、いまの脱税と言うとことばは適当でありませんが、税を何かというようなかっこうで、メーカーがふえてくる、分散するというような問題も起こりまして、その点でも執行が困難になって、現在のように店舗をかまえて、それもかなりりっぱな店舗をかまえてやっておられる小売り段階で課税するのが、こういう非常に高価な貴重なものについてはむしろ課税の方式としては適しておるのではないかと私どもはいまでも考えておるわけであります。
○広瀬(秀)委員 この前の答弁でも、課税対象が二万三千件ある。こういう数、それを製造段階で押えれば二千件かそこらだ。十分の一で済むわけです。税率の問題も製造段階で押えるということになれば四〇%ということになる。こういうことで、中小企業対策的な一面とそれから脱税のおそれという徴税の側からの問題こういう二つだと説明があったわけでありますが、しかし、この対象が十倍以上にもふえるということで、この面での脱税の問題というものは、やはり数少ない課税対象というところで押えるほうがよりすぐれているのではないかという気もするわけであります。中小企業段階で資金量の問題などもあるけれども、中小企業そのものが実は税を負担するものではないのです。これは転嫁をしていけばいいのだし、買えるものがそれを買うわけでありますから、それでこの百八十六億というところまできている。しかもこの伸び率は非常に大きい。こういうわけでありますが、この高度成長以来の国民のこういうものに対する選好意欲も非常に高まり、消費もそういういう面では、むしろこういうものは非常に弾力性のある商品ですから、だからもっと可処分所得がふえればその分だけどんどんこういうものも買うという、そういう特殊な事情にもあったし、いままで日本人というものは、そういうものについてはきわめて選好意欲がなかったというような特殊な事情もあったから、新しくこういうものが伸びるということであって、それは脱税があったからだときめてかかるのは、むしろこれは徴税当局の正しい能力発揮がなかった。徴税強化をやれということではありませんけれども、正しくそういうものを押えていけば取れないものではないし、中小企業対策というものとのかかわり合いというものは、そういう業者もその後の事情によってかなり力もつけているだろうと思うわけです。そういうたくさんの人たちを対象にしてこの税を捕捉するというようなことよりも、やはり数少ないものに対して協力を求めて正しい納税意欲を出してもらう。これは店員の問題あるいは事務員の問題なども、大きな第一種物品を扱うところ、余裕のあるところもあるかもしれぬけれども、地方の中都市程度のところなどのこういうような店に行きましても、事務員が何人もいるとかあるいは店員が何人もいるとかいうところはない。おやじさん御夫婦が大体やっているというような程度のものが非常に多いですね。まあいても一人くらいという程度です。そうなれば、こういうたくさんのものに、こういう本来税務当局がやるような仕事の半分以上手伝わせるというようなやり方は、やはりかなり考えていかなければならないのではないか、こういうように考えるのですが、そういう点でのお考えはありますか。やはりここまで伸びたのは脱税があったから、したがって、こういう店頭課税に切りかえたほうが脱税を押えたからこれだけふえたんだというお考えでございますか。
○細見政府委員 脱税がたまたまあったからと一がいに言うのもあるいは適当でないかと思いますが、しかし、二十八年一年に課税方式を切り変えただけで二十五倍になっておることは、やはりただ選好が変わったというのにしては少し大き過ぎるので、とにかく把握がより完全になってきたということは言えるだろうと思います。そして、先ほども申し上げましたように、製造課税にいたしますと四〇%の税率になる。まあ常識的に考えまして高い税率ほど脱税の誘惑は強くなる。これも常識であろうかと思います。もしその段階で課税をいたしますと、零細な製造業者はその税額を立てかえて、いわば卸、小売りで売っていかなければならぬわけです。もちろん売る過程で代金は入ってくると思いますが、その力関係なども必ずしも製造者が強いというわけにもまいらぬわけでありまして、いろいろな点を考えれば、私どもとしてはやはり現在の課税のほうが、非常に紆余曲折、多方面の検討をなされた結果、今日の課税方式になってきておる。具体的に申せば、戦前は小売り課税であり、戦後一度製造課税をやってみて、やはり小売り課税のほうがいいという形になってきておりますので、そういう意味で私どもは、課税の方式は、宝石、貴石課税としては一番適当であって、むしろそういう小売り店の方々に迷惑をかけておる事柄で、簡素化して迷惑のかからぬような方法を考えるのが筋であって、その方向で絶えず検討をいたし、なお課税方式につきましても弾力的に、いずれがいいか、一方の方法にこだわることなく検討はいたしてまいりたいと思いますが、いますぐ課税方式を変えなければならないほどの弊害が起こっているというよりも、むしろ税務面における負担をより軽減していただく方向で検討するのが当面の課題ではないか、かように考えておるわけであります。
○広瀬(秀)委員 まだ完全に納得できる説明は与えられてないと思うんですが、きょうは国税庁おりますか。——確かに非常にきびしく店頭において一品一品当たるというようなことをやられると、商売にならないというようなこともあるようです。そういうなまなましい経験も二、三私も聞かされましたけれども、いま主税局長が最後のところでそういう点を言われましたけれども、そういう調査の方法やら、あるいは帳簿、書類などをびしびし出さしたり、調査したりというようなことをやられるということは、納税者としてはきわめて煩にたえないし、また疑われているという被疑者のような立場に立たされてやられるということによって、営業活動にも支障を来たしておるというようなことを訴えておるわけですから、こういう方法等について、いま主税局長が最後のところで触れたわけですけれども、納税者としての負担、事務的な負担というようなものをもう少し緩和する方法というようなものは国税当局としては考えておりますか。具体策があったらそれも同時に示していただけるならば、きみたちもまあまあある程度納得しなさいというようなことにもなると思います。その点お聞きいたします。
○中橋説明員 貴石等の第一種の物品税の検査にあたりましては、おっしゃいますように、非常に零細な時計屋さん等を含んでおるものでございますから、私どもの税務署にいたしましても、その点の検査についてはかなり慎重な配慮を加えておるつもりでございます。 第一には、記帳をいたしてもらって、その記帳によりまして業者間の取引であるとか、あるいは課税に当たりますところの小売りの事績があったのかというようなことを分別するわけでございます。この記帳をできるだけ簡素化するという方法があるわけでございまして、小売り屋さんが仕入れたものにつきましては、どこから仕入れたか一どういうものを仕入れたかというようなことを記帳してもらいますけれども、実際にどこに売ったかというようなことまでは非常に煩瑣でございますので、記帳事務としてはそこまでは考えてないという配慮も加えておるわけであります。 しかし、何しろ小売りの課税でございますので、業者と業者の間の取引というのは課税になりませんけれども、品物が流れていく、あとづけをすることによりまして、課税の充実をはからなければならないという種のものでございます。したがいまして、どうしましても帳簿をかなりつけていただいて、その帳簿でもって品物のあとづけをして、検査の紛議をできるだけ避けたいというのが第二の配慮でございます。 ところで、この品物のあとづけをする際に、卸業者間の取引とか、卸業者と小売り業者の間の取引とかいうことをずっとトレースしてまいりますと、途中でもって行く先が消えるという場合があります。これを何とかできないのかということ、かねて業界のほうから脱税品の横行ということを避けようではないかという声も出てまいりまして、四十三年度くらいから一部の局で、四十四年度からは全部の局でもって、一種物品の販売業者の証明書制度というものを業界の協力のもとにやっております。これは全国それぞれの販売業者の方々は税務署に届けてもらいまして、そしてどこどこの税務署に販売所を持っておる、これはれつきとした販売をやっておる人であるという証明書を出したわけであります。そうしますと、そういう方々が業者の間で取引をするときには、どこどこの税務署という全国一貫番号を付しました証明書を提示させるのですから、先ほど申しましたような業者の帳簿におきましても、その番号で、どこどこに、どういう人に売ったということの事績が明らかになるわけであります。そういうことによりまして、私どものほうでも検査をします際には、これは卸売りであって小売りでないというような分別をやる制度を採用いたしまして、脱税品横行ということを避けていくことに努力し始めた段階でございまして、最近の事績を見ますと、この制度は業界の協力のもとにかなり成果をあげておりますので、私どもも今後ともなおそういう制度を十分活用をしまして、できるだけ脱税品が世の中に横行するということを業界の取引の中からもなくしてもらって、そうすることによりまして、私どもの検査もできるだけ手を省くことができるということを期待しておる段階でございます。
○広瀬(秀)委員 時間もあまりありませんから、この問題はこのくらいにしておきますが、全業者がこの問題、非常に煩にたえないということで、われわれのところにも訴えてきている問題でありますから、十分ひとつ国税当局の徴税のあり方、立ち入り検査も含めて、調査や検査等のあり方、そういうものなどもからんで、もう一ぺんひとつ慎重に検討をしていただきたいということを申し上げておきます。 それで大臣もお見えになりましたので、若干関税の問題関税定率法関係の問題を質問をいたしたいと思います。 大臣、世界的な傾向として自由化ということは、もうしっかりした路線も敷かれておるし、特に関税の問題ではケネディラウンド、そのあとまた資本の自由化というような問題をめぐって、自由化の趨勢というものはもはやなかなか防ぎ得ない、ナショナリズム的な立場で問題を対処すべきでなく、全世界的な経済の発展という立場から積極的に見ていくというような立場もあるわけであります。そういうような中で、ケネディラウンドの実施が、日本の場合にも二年分を一年でやるというようなこともして、七二年にはもう五〇%引き下げのケネディラウンドを達成しようとされておるわけであります。そうしますと、今度は逆にいわゆる非関税障壁の問題が、これは通商白書の中にも非関税障壁の台頭という見出しがついているくらいにいろいろの問題が起きてきている、こういうような問題について、一体どうこれからこの問題の解決というものを考えられていくのか。さらに、関税は、大体ケネディラウンドが七二年におよそ各国で行なわれるということになって、それから先はこの関税問題というのは一体どういう推移をたどっていくのだろうかという問題その二つに触れてお答えをいただきたいと思います。
○福田国務大臣 関税障壁は、私はこれはだんだん世界的に下がっていく、これが世界のためにもいいし、またわが国のためにもいい、こういうふうに考えておりまして、ケネディラウンドの実施にはわが国としても積極的に取り組んでいくわけです。いままでの実績、また今後の見通し等につきましても、順調にかつ着実にこれが実施されつつあり、また今後もされる、こういうふうに見ております。今後ケネディラウンドが一段落したあとにおきましても、なお私は諸外国が関税障壁を撤廃して、自由貿易を盛り上げていくという必要があると思いまするし、またわが国の国益から見ましてもそれがいいと思いますので、基本路線はそういう方向で進んでいきたい。ただ、関税障壁と申しましても、わが国自体とすると、これを未準備で撤廃する、あるいは引き下げるというわけにはまいりませんから、撤廃するについてはそのための、あるいは軽減するためにはその対策を、それぞれとって、十分のかまえをとりながら進んでいかなければならない、こういうふうに考えておる。もちろん経過的にはいろいろなことがありまして、一方貿易の自由化が行なわれ、それに対しまして、逆に関税を引き上げなければならぬというようなちぐはぐな事態もあります。ありますが、大勢としては、関税障壁をなるべく世界的に引き下げるという方向へ行かなければならないと思います。 それから非関税障壁につきましても同じでございまして、何としてもわが国は資源の乏しい国でありまするから、外国からいろいろな資源を求める、それにわれわれの頭脳を加えて価値の高いものとして他国に売り出す、こういう方式をとる、これが基本的な考え方でなければならぬと思いますので、大筋としてそういう方向でこれらの問題に対処していきたいという考えであります。
○広瀬(秀)委員 関税の問題はさらにすぐれて、同じような国力、同じような経済発展段階にある国同士としては、きわめて相互主義的な立場が強いと思うのですね。それで、現在一種の非関税障壁だといわれている残存輸入制限、数量制限を日本でもやっている。しかもこの品目が多過ぎるということで、OECD諸国側からもだいぶたたかれておるわけでありますけれども、これはこれで大体減らしていく方向というものを大臣も本委員会でも答弁をされておるわけです。 そこで、主要国の対日差別輸入制限品目表というのがあるわけなんですが、たとえばフランスでは六九年で対日差別を六十一品目、西ドイツでは二十三品目、イタリアは六十四、ベルギー、ルクセンブルグが二十七品目、イギリスが四十八、オーストリアが百十六品目、こういうように、特にオーストリアなどとは貿易量も非常に少ないけれどもこういう状態にもなっているわけですね。この西ドイツなりフランスなりイタリアなりイギリスなり、こういうようなものに対して、いま申し上げたような品目を向こうでは差別待遇をやっているが、われわれはこういう国々に対して、いま申し上げた数字に対応する差別品目はどういう対応関係になっているのですか。
○上林政府委員 わが国は原則としていかなる国に対しましても無差別に取り扱っております。いまおっしゃいました欧州諸国等におきまして、対日差別制限、特に国際的な運営といたしましては、輸出自主規制というかっこうでそれを強制されているという形態が、いまおっしゃいました品目に多いわけであります。この中には非常に日本の輸出が伸びまして、そういうようなことを自主的に処理をしてまいりませんと、かえって日本の輸出が伸びなくなるというようなものもございまして、やっている品目もあるわけでございます。ただこういうものは、いずれにいたしましても日本だけが差別的に扱われることでございますので、機会あるごとに相手国に対しましてそれを撤廃するように話もいたしておりますし、ガットその他におきましてもこういう問題を取り上げて、できるだけすみやかにそういう対日差別がなくなるような努力をしていくつもりであります。
○広瀬(秀)委員 そこで特恵関税の問題ですが、日本の貿易が、特に輸出の面で東南アジアに約三〇%というような比重を持っている、こういうことから見まして、しかも東南アジア諸国においてはほとんど大部分が開発途上国である。大体日本から、これは六七年までの数字だと思いましたが、十五億ドルぐらいの向こうからの輸入に対して、われわれのほうは約三十億、ちょうど倍、輸出と輸入のバランスが、完全にわが国の出超が倍になっている、こういうことになっている。こういうようなところからこの特恵問題がやかましく言われているし、またそういうものも当然先進諸国としては問題を解決していかないと、出超額が倍だというような形で、これがどこまでも正常な形で発展に結びつかない、これは必ず頭打ちになるというようなこともあるわけでありまして、後進諸国がやはり特恵関税を与えろということにも、かなりわが国自身の国益を将来に向かって確保するというような面からも、当然この特恵問題についてはかなり前向きに処理をしていかなければならないだろうということもあるわけであります。しかし、これが大体第一次産品というものが中心になるというようなことで、国内産業保護等の問題と鋭く対立をするという面もあるわけでありますが、しかもわが国のいま考えているシーリング方式というようなものと、EEC諸国が考えている特恵に対する対処のしかた、さらに開発途上国の要求というものはかなりの開きがあると思うのですね。その後のこの特恵問題はいつごろ妥結できるのかというようなことについて、これは国内における中小企業等への影響を鋭くあびる業種、こういうようなものに対する配慮などの政策も樹立をするというような関係もあって、この特恵関税がどういう見通しになっているか、この見通しを、これは関税局長でけっこうですから、お答えをいただきたい。
○上林政府委員 この特恵制度の早期実施につきましては、ことに開発途上国側では非常に熱望をいたしております。開発途上国側の決議では、一九七〇年のできるだけ早い初めのころにやってほしいということを述べております。先進国側もその趣旨に従いまして、ことにOECDの場におきまして討議を続けてまいったわけでございますけれども、御承知のように、まだ最終的な結論に達しておらないわけでございます。ただ、ただいま、御存じのようにジュネーブで国連開発会議の特恵特別委員会が開催されております。その場におきます開発途上国の意見も十分聞きまして、この五月にはOECDの閣僚理事会が開かれる予定になっております。そこでその先進国側の思想統一と申しますか、開発途上国側の、いま開かれております特恵特別委員会におきます意見も十分参酌して、先進国側の意思統一をはかろうという計画を立てられておる状況でございます。そういうような状況でございますので、時期はいつごろきまるかということはまだ申し上げられない段階ではございますけれども、先進国、後進国とも、この早期実施に向かいまして一生懸命努力をしておる、こういう状況でございます。
○広瀬(秀)委員 後進国から要求されている問題について、いろいろな対処のしかたが先進国同士の中でもかなりの食い違いがある。その中で日本の態度というものはどの程度のものであり、さらに、EECあたりはむしろより多くの特恵に踏み切ろうという態度もあるのじゃないだろうかと思うのですが、そこの辺のところのぐあいはどうなっておりますか。
○上林政府委員 御存じのように、ただいま議論になっておりますのは、EEC、日本が提案をいたしておりますシーリング方式と、それからアメリカその他の国々が提唱しておりますセーフガード方式でございますが、このどちらがより後進国に有利であるかという点は、率直に申し上げますといずれも利害得失がございまして、実際の運用を見てみないとわからない点がございます。たとえて申しますと、シーリング方式につきましては、一定の限度までは原則として必ず無税の特恵供与が与えられるわけでございます。ところが、たとえばエスケープ・クローズ方式でございますと、一応原則としては青天井ではございますが、国内産業に影響があるということで、いついかなる事態のときにでも特恵供与がなくなってしまうということは、そういう点におきましてはむしろシーリング方式よりは不安定ではないかという議論がございます。あるいは、やはりシーリング方式におきましては一定の限度を設けておりますので、例外品目というものが非常にしぼられる、たとえばEECでございますと非常に少ない例外品目である。わが国の場合でございますと、全く特恵が受けられない品目はございませんで、ただわが国産業に非常に影響がありますものは、ごく限られたものにつきましては五〇%にとどめる、その他のものは原則として無税にする、こういうようなことはございますけれども、いずれにしてもある限度までは特恵輸入ができるということになっております。しかしセーフガード方式でございますと、やはりワクがありませんので、どうしても例外品目というものを入れざるを得ないという実情になるわけでございます。したがって、どちらがより後進国にリベラルであるかということはなかなか判断がつきにくい。したがって、おのおのの国の事情もございますので、私どもは国連開発会議その他で、方式の統一よりもむしろ早期に実施したほうがいいではないかという主張をしておる、こういう状況でございます。
○広瀬(秀)委員 時間がありませんから……。 通産省来ていますね。——この特恵関税ももうずいぶん問題が提起され、しばしばの会議にもかかわらずかなり長期にわたっておるわけですが、もうそろそろその特恵関税が実施される段階を近いうちに迎えるだろう。そこで特に日本の場合、やはり中小企業が非常に多い、先進諸国から比べて中小企業の占める比重、軽工業の分野等において非常に比重が高いわけです。したがって、影響を受ける業種というものは非常に広範多岐にわたると思うが、代表的な一番影響を受けやすいものを五つばかりあげてみてください。それから、それに対して、やはりこれは必ずくるだろうということで、通産当局としてどういう対処のしかたをこの問題についてなさるのか、この点について見解をはっきり述べていただきたいと思います。
○山口説明員 特恵関税の実施の時期につきましては、先ほどからお話がございましたように、先進国、後進国間の協議によりまして、順調に進めばこの夏ごろまでに大体の構想が固まってくるという状況になっております。日本の場合、これを実施するということになりますと、国会に法案を提出いたしまして、特恵関係の特別の関税制度を設けるということになるわけでございます。したがいまして、いずれ国会におきまして、この法案を提出して御承認をいただいた上で実施に入るということになろうと思います。 特恵を実施いたしました場合の影響につきましては、先ほど関税局長から御説明がございましたように、日本案を作成いたします段階で、できるだけ国内産業への影響、特に中小企業関係への影響を少なくするという配慮も十分いたしまして、先ほどのように、一部の品目につきましては関税率の引き下げの幅を五〇%にとどめるというような案を作成してあるわけでございます。そういういろいろな配慮をいたしまして現在の案を作成していっておるわけでございまして、全体の影響としては極力国内産業への影響を少なくするというように配慮しております。 ただ、やはり特定の一部の品目につきましては、特恵関税の供与によります影響が一部に出てくるということも十分予想されるわけでございます。特に問題が出そうな品目という点につきましては、現在のところ繊維関係が一番多い。そのほか雑貨あるいは農産加工品等の一部が予想される次第でございます。そういうことで、一部の品目につきましては影響を十分考慮する必要がある。これにつきましては、従来から構造改善対策業種というようなものの指定をいたしまして計画的に構造改善を実施していく、あるいは中小企業近代化促進法の指定をいたしまして、中小企業近代化促進法による優遇措置ないし計画の実施をはかっていくということをやってきておる業種が多いわけでございます。さらにそれらの品目を十分検討いたしまして、できるだけの対策を今後実施していく必要があるということで、通産省の中におきましてもこれに対する対応策について、いろいろ研究会を設けまして検討を進めている段階でございます。いずれにいたしましても来年度実施するということになりますと、それらに対する対策を考慮して特恵実施に入っていくということにいたしたいと思っております。
○広瀬(秀)委員 非常に抽象的なお答えなんで、この点は十分さらに積極的に具体化して、そういう特恵関税に脅やかされておる力の弱い小零細業者というようなものに対する万全の対策を講じておくように要望しておきたいと思います。 それから関税の問題でいつも問題になるトウモロコシの輸入、これはもう穀物の一種として、飼料用は日本の国内生産というものは一%程度だということが通産白書にも書いてあるし’ほとんど全量輸入にたよらざるを得ない状況だということなんです。そうだとすると、その面では少なくとも国内産業保護というものもそうきびしいものにはならない。ただ、甘味資源との競合という問題はあろうかと思いますが、それを遮断して、やはりもっと安くて安定的な供給が、特に東南アジアあたりから得られるような方策というものについて十分配慮をして、いわゆる飼料用というものについては、これは甘味資源との競合に立つ部分とは区別をして、遮断をしてこの取り扱いができないかどうか。これはもう飼料用についてはむしろ無税にしてもいいのではないか。そういうようなことでないとなかなか畜産振興というような大目的にもかなわない面があるのじゃないか、こういうように考えるのですが、その辺のところを通産及び関税局長はどうお考えになりますか。
○上林政府委員 えさ用のトウモロコシは無税でございます。いまお願いをいたしておりますトウモロコシはえさ用以外の部分のトウモロコシでございます。
○広瀬(秀)委員 ではこれで終わります。
○毛利委員長 美濃君。
○美濃委員 最初に大臣に一、二お尋ねいたしたいと思うのですが、過般の本会議でも、農業白書に伴う本会議質問の中で、総理大臣は、これからの農業の農産物の価格対策について、関税のほか課徴金等について言及されておるわけですが、聞くところによりますと、これはまあうわさですから確証ではないのですけれども、大臣は財政運用の一元化から、課徴金制度にある程度反対的な感覚を持たれておるというふうに陰からうわさで聞いたのですけれども、大臣自身、これからの輸入農産物と国内農業の保護との見地に立って、関税暫定措置と課徴金についてどういう比率で今後お考えになっておるか、承りたいと思います。
○福田国務大臣 それは単なるうわさではなくて、そのとおりほんとうなんです。私は、課徴金というのは財政運営上非常に窮屈な制度でありまして、いま砂糖についてあるわけですが、これはもう唯一の例外にしていきたい、こういうふうに考えております。 つまり私は、いまの日本の農業は保護しなければならぬ、そして保護の過程を通じまして国際競争力をたくわえるような農業に仕立てていかなければならぬ、こういうふうに考えますが、保護するために国家資金が必要だということであれば、国家資金を一般財源から出します。これは必要であるという場合においてこれをちびるというような考えはとりません。また関税が当該農産物を保護するために必要であるというならば、関税をかけるということもやぶさかではございません。しかしそれをひっくるめるというところに問題があるだろうと思うのです。つまり特定の財源をもって特定の支出に充てる、こういうことを考えていったら、これは幅広い財政の運営というものは非常に困難になってくるわけです。そういうような趣旨から課徴金制度——つまり課徴金制度は課徴金を徴収するばかりじゃないのです。これを財源としてそのまま保護支出に結びつけよう、こういう考え方でありまするから、そういうかたくなな考え方をとる必要はない。必要なものは必要なものとして出す。また必要な農業防衛の関税は、必要があればこれはかける。しかしその間を結びつけて財政を縛る必要はこれはないし、またそれは財政の弾力性を阻害するゆえんである、こういう考えです。
○美濃委員 そういたしますと、過般の本会議で佐藤総理大臣が、課徴金をやるとは言ってないけれども、課徴金制度も考えなければならぬという内容の答弁をしておったと私は思います。大蔵大臣のただいまの答弁と若干食い違うのじゃないか、こう思うのですが、いかがですか、その点。
○福田国務大臣 総理大臣は美濃さんが申されているような趣旨のお答えではない、私はそう読むのですが、「いわゆる関税あるいは課徴金追加等の制度、どういう制度が適当であるかということは、その際に具体的品目についての自由化の進捗度に応じて、物価並びに国際的観点から考慮して、慎重に検討してまいる考えでございます。この点も御了承願っておきます。」とこう言って、政府が慎重と言うときはあまり積極的な考えじゃないのです。
○美濃委員 どうですかな。いま読まれたとおりでも、慎重でも検討すると表現しておるし、いまの大蔵大臣のあなたの答弁では、慎重な検討にも値しないようなお考えなんですかね。その間に食い違いがあるのじゃないですか。「慎重」という字句が入っていたとしても検討に値するという答弁をしておるわけですが、どうですか。
○福田国務大臣 まあ課徴金という制度は、これはもう絶対とり得ない制度だ、いかなる場合にも課徴金はあり得ないなどという考え方は行き過ぎだと私は思いますが、私の基本的な考え方といたしましては、課徴金は、財政運営の責任のある私としては大体において反対だ。総理大臣からいろいろ意見を求められても、おそらく反対意見を述べる場合が多かろう、かように思います。
○美濃委員 次に、これに関連して外務省の小林課長にお伺いしておきたいと思いますが、これは課徴金制度にしても準関税的なようなことになると思うわけですが、こういう政策、関税の暫定措置と課徴金制度、これは対ガットの国際環境の中では対外的に与える影響はどうですか。
○小林説明員 課徴金は、ガット上譲許しております品目につきまして新たに課徴金をかけますのは、おっしゃるとおり関税に準ずるものとして、これは譲許品目についてはそのままではガット違反ということになります。それ以外の品目につきまして、要するにガット上関税率を譲許してない品目につきましても、次のような三つないし四つくらいの理由から国際的に問題にされる可能性があるということを申し上げられると思います。 一つは、この二月の第二十六回ガット総会で、今後各加盟国は、関税その他を含めての貿易障害をできるだけ新たにつくらないようにしていくということがその結論の中に盛り込まれております。一九六五年に新たにガットの規定に加えられましたガット第四部がございます。これは後進国のための規定でございますけれども、第三十七条というところで、後進国の関心ある品目につきましては、新たな貿易障害というものを設けないようにつとめるという趣旨の規定がやはりここにもございます。それから第三点としましては、いまガットの農業委員会などでは、この課徴金の問題も含めまして非関税貿易障害ということでいろいろ検討しておる段階でございます。それから第四点といたしましては、わが国が農産物の自由化をするということが新聞紙上でいろいろ書かれた際に課徴金も検討しておるという情報のあったときに、アメリカや豪州それからカナダなどから公式、非公式に、自由化というものを無効化するような課徴金の制度の導入については非常な関心を持って見ておるということで、慎重にしてもらいたいという趣旨の申し入れがございました。そういうようなことで国際的に問題にされるという可能性はあるかと考えております。
○美濃委員 次に、今回提案されております暫定措置の中で、時間の関係もありまして、ナチュラルチーズの関係一つについてしぼって質問したいと思います。 この制度はたしか昨年のいまごろ、前国会末においては課徴金制度で、いわゆる外資系合弁会社の認可等もありまして、国産化率を維持し、さらに需要の伸びについては国産化率を高めていくというような構想であったわけですが、今回それが急速、昨年十一月ごろですか、すりかわって、今回は関税暫定措置で見ておるという経過をたどっておるわけです。なぜこうなったか、ひとつこれは太田畜産局長からお伺いしたいのですが。
○太田政府委員 エムケーチーズの認可申請が一昨年の十二月に出まして、その際国産化育成のためのいろいろな措置を検討いたしたのでございますが、農林省は当初は関税割り当て制度を検討いたしておったのでございますが、その検討の過程におきまして課徴金制度がとれないかというような検討をいたしたことも事実でございます。その政府部内におきますいろいろな話し合いの過程におきまして、ただいま大蔵大臣からも御答弁がございましたように、関税につきましては財政運営の一元化というような見地から、課徴金はなかなか取りにくいというようなお話もございましたし、御承知のとおりナチュラルチーズにつきましてはすでにAA品目になっておるわけでございまして、新しく輸入を自由化するということでもない、したがって新しい形での措置をここで講ずるということもこれまたなかなか困難ではないか。それからもう一つ、もっとも関税割り当て制度をとるに至った理由にもつながるわけでございますが、現在の各チーズメーカーによりまして製造、製品価格に大きな格差があるわけでございまして、もし課徴金方式によりまして国内のプロセスチーズの原料の水準を同一にするということになりますと、特定の企業に対しましてたいへん恩恵的な措置を講ずることにもなるというようなことで、今回提案いたしておりますような関税割り当て制度によって当面国産化の育成をはかってまいりたい、かような経過でございます。
○美濃委員 この外資系合弁会社の設立を認可するにあたって念書が入っておるわけですが、その概要を承っておきたい。
○太田政府委員 念書でございまして、一応企業の秘密にもわたることがあるわけでございますので、概要を申し上げますと、まず役員比率、役員の比率でございますが、一対一、これを変更する場合には農林省の承認を受ける。それからエムケーチーズKKの生産の初年度には一〇%以上の国産ナチュラルチーズを使用し、以後逐年その比率を高めて、めどとして数年後には国産ナチュラルチーズを三分の一以上使用するようにする。それからエムケーチーズKKは昭和四十五年四月から活動を開始し得るが、当面国内のシェアを、一〇%を上回らないというようなこと。それからエムケーチーズKKの企業活動はチーズの部門に限る。それから国内の同種企業との協調を保つようにするというようなことを、エムケーチーズKKから念書としてとっておるのでございます。
○美濃委員 いまその念書の内容を承りましたが、こういう念書は通例法律根拠を持たないわけです。念書に基づいて行政指導というのがあると思うのですが、この場合一体念書について、最初から念書を無視するということはないと私も思いますけれども、通例商道徳——こういう念書は商法に該当することになっておりますが、行政措置ですからその法律には該当しないと思うんですが、いわゆる商道徳からいって何年くらいのものなんですか。おそらくそう長年拘束することは不可能だと思う。あるいは道徳を無視して、近い年限、たとえば一年か二年である程度——全面無視はしないでしょうけれども、ある程度無視して出てきても、それは法律根拠はないですから、それを規制する何ものもないと思うのですが、しかし通例そう長い年限をこういう念書で拘束するものじゃないと思うのです。その見解はどうですか。
○太田政府委員 実は外国系の会社のこういう認可にあたりまして念書の提出を求めておるわけでございますが、いままでの例でございますと非常によく守っておる、むしろ一種の契約みたいな観念を持っておられるようでございまして、よく守っておるというのが従来の実情であろうかと思うのでございます。われわれとしては、特別の事情の変更のない限り、この念書は念書として拘束力を持つというふうに考えております。
○美濃委員 次に、いまお話を承っておってどうもちょっと私の判断をしづらい面があるわけです、いまのお話の中で。それは今回設立されるエムケーチーズは、世界屈指の食品会社が合弁によって企業進出をしてくるわけですね。そうすると起こるであろうと予測される条件は、いままで国内の乳業メーカーの体質の中で、先ほどお話があったように、ある程度シェア、あるいはチーズに対するシェア、それから商標によって販売実力の差があるということは私も認めるわけですけれども、それが即国際的な大食品メーカーがチーズ専業として進出してくるにあたって、既存のいまのあれを意識しておるということについて大きい問題があると思う。これが何か国際的な外交圧迫でもあってそうせなければならなかったのか。クラフトコ社といえば国際的な大メーカーですから、もう日本の国内の乳業メーカー全部合わせてもそれを上回るくらいの実力のあれですから、全量以上のものでしょう。そういう巨大なものが進出するにあたって、たとえば国内産抱き合わせ比率を国産メーカーには三〇%行政指導上の義務づけをして——行政だけではないですね、二次関税で義務づけをするわけでしょう。三〇%国産抱き合わせでやらぬものには一次関税は適用しないんでしょう。これは法律根拠で、関税暫定措置で義務づけするわけですね。そうすると巨大な合弁会社にはその義務づけは当初から一〇%だ。私は当初から三〇%、対等でいいと思うのです。これはゆゆしき問題だと思うのですが、あわせて外務省から見た場合どうなるか。国際的な何か圧力があってこういう立ち上がりに差をつけなければならぬのか。もう一つは、今後自動車とかあるいはあらゆる合弁会社が企画されておりますが、その場合でも国内メーカーと外資会社とのこういう措置について、こういうハンディをつけて、そして切り込んできた企業が有利に展開できるような措置をとっていくのかどうか。これは私は大きな問題だと思うのです。簡単な問題じゃないですよ。こういう格差をつけて合弁会社を有利に立ち回らすということは、いかなる魂胆をもってこういうことが行なわれるか、これは明確に答弁してもらわなければ、答弁のいかんによっては私はこういうことは許せぬと思うのです。
○太田政府委員 御承知のとおり、今回の関税割り当て制度は、先ほど申し上げましたように企業によりましてその製品価格に格差がある、こういう実態に注目いたしまして関税割り当て制度の導入をいたしたわけでございます。その際の考え方といたしまして、できる限り国産の育成をはかってまいりたい。そこでプロセスチーズの製造のために、その原料として国産ナチュラルチーズを使用したものに対しましては、その使用数量の二倍に相当する数量分は低率の関税、いわゆる一次税率の一〇%の関税を適用することとするということでございまして、国産原料を使用すればそれだけ有利な条件で外国産原料が入手できるということになるわけでございます。そこでわれわれのほうの指導方針といたしましては、エムケーチーズにつきましては当面一〇%以上国産化をやってくれ、国産のナチュラルチーズを使用してくれ、しかしできる限り早い将来三〇%以上に持っていってもらいたい。それから他の国産メーカーにつきましても、われわれは行政指導として、エムケーにつけた条件と同じような指導をいたしたいと考えておるわけでございまして、先生のおっしゃるようにあくまで誘導措置でございまして、強制をいたしておるというものではないわけでございます。
○美濃委員 しかしこの関税定率法の運用は、三分の一国産ナチュラルチーズを使わないものは二次関税でしょう。そうすると関税の上で規制していくわけでしょう。関税率で規制しておるでしょう。それは二次関税オンリーでやりますといえばそれでやれるのですけれども、関税措置ですから、使わなければならないというのじゃない。しかし二次関税と一次関税では、三分の一国内産ナチュラルチーズを使用する会社について一次関税が適用される、そう判断して間違いないですか。
○太田政府委員 それは先ほど申し上げたとおり、国産を使った方に対しまして一対二の比率で一次関税率を適用する、こういうことでございます。
○美濃委員 私の言っておるのは、エムケーに当初、率は一〇%。当初は国産ナチュラルチーズの使用比率一〇%ですね。ですからこの場合の関税の一〇%で一次関税の適用はどうなるのですか。やはり一〇%使って、そして当初の営業、国産シェア一〇%というものは一次関税を適用するのだ。抱き合わせ比率が一〇%だから一次関税は適用しないのか。一次関税を適用しないんであれば私はそれで了解できるわけです。一次関税を適用して、そして国内産抱き合わせを一〇%で当初立ち上がらすのだということは、世界に名前の売れておる巨大な食品会社なんですから、国内企業とそういう大きい企業に格差をつけた立ち上がりは許されぬ、こういうのですが、その中身をもうちょっと話してください。そのいかんによっては私も了解します。
○太田政府委員 こういうことでございます。エムケーチーズが一〇%国産を使いますれば、その倍の二〇%までの分は一次税率を適用して、残りの七〇%は三五%の二次税率、こういうことになるわけでございます。
○美濃委員 それは間違いないですか。一〇%使用する量に対して二〇%の一次関税率を適用するから差別はないのだ、間違いありませんか。
○太田政府委員 そのとおりでございます。
○美濃委員 それにしても、国産化からいくと、近い年限でも使用比率の差があるわけですね。これは国内酪農振興の見地からいうと好ましくないわけです。そういう運用であるといえば、経済的な格差はないということがわかりましたからこれは了解できます。しかし国産化比率からいくと、なぜそういう特権を与えなければならぬのか。やはり三〇%で最初からいくべきだと思う。それはどうですか。
○太田政府委員 今回の措置でございますと、まさに三三%国産化し、残りの六六%を輸入ものにたよった場合が最も企業にとってはバランスのとれたかっこうになるわけでございますけれども、すべてのメーカーに対しまして同様に、われわれはこの関税割り当て制度によりまして国産化育成をはかってまいりたいと考えておるわけでございまして、当面エムケーチーズに対しましては一〇%の国産化をまずおやりいただく。したがいましてその場合には、それの倍の二〇%に相当する部分が一〇%の関税をかけられ、残りの七〇%につきましては先ほど来申し上げておりますように三五%の従来どおりの関税がかかる、こういうことになるわけでございます。
○美濃委員 ちょっとこの機会に外務省から見た見解を承っておきたいと思いますが、大きな格差はないと、いまのお話であれできますけれども、これからの合弁会社はこのように、若干でも国内企業よりも有利な体形で立ち上がりを促進するのですか、どうなんです。これは何か外交上の圧迫でもあってこういうことをしなければならぬのか。そういう巨大な企業が合弁会社で日本経済に進出してくるときに、若干でも有利な立ち上がり条件で認めるということは私はおかしいと思うのです。国内産から見るとおかしいと私は思うのです。これは全部そうなる可能性があるのですか。今後の資本自由化後の合弁会社というものはこういうシステムでいく何か外交上の圧迫でもあるのかどうか、外務省の窓口から見た見解を承っておきたい。
○太田政府委員 ちょっと私の答弁が不足いたしておりましたので、あるいは先生誤解がおありになるのではないかということで補足して説明させていただきたいと思います。 実は現在の国内におきます価格と輸入価格とを見ますと、かなりの格差があるわけでございます。したがいまして、企業といたしましてはどちらかといえば輸入ものだけで、関税三五%払いましてもプロセスチーズをつくったほうが一応有利なかっこうになるわけでございます。しかし一方におきまして、将来の酪農振興のためにチーズの需要というものは非常に伸びるわけでございますから、少なくともその国産化をはかってまいりたいということで今回の国産育成化の措置をとったわけでございまして、エムケーチーズにつきましても、近い将来におきましては三割以上まで国産化をやってくれということでむしろ縛っておるわけでございまして、今回の念書におきましても、当面初年度におきましては少なくとも一〇%以上は国産化をやってくれということで、国産のナチュラルチーズを使用してくれということで、むしろ強制をしてワクをはめておるというように御理解をいただきたいと思うのでございます。
○小林説明員 実は資本自由化自体の問題は、私、国際機関第一課長でございますので私の所管外でございますけれども、いまのエムケーチーズとの関連で申し上げますと、純粋の国内企業とそれからエムケーチーズとの扱い方について、国内法的には、公法的には差別がないと了解しております。通商航海条約等の関連におきましても、最恵国待遇、内国民待遇が保証されていると了解しております。
○美濃委員 次に、時間の関係でできるだけ簡単にイエスかノーかという答弁でお願いしたいと思うのですが、将来の需要の伸びに対して——現在すぐとは私は申しません。将来の需要の伸びは、チーズは伸びておりますから、国内酪農の振興にあわせた将来のチーズの需要の伸びは国産化率でまかなっていく。そうすると私の計算では、現在の需要の伸びが、予想される年限では、大体七年くらいで国産化率五〇、輸入五〇。そして輸入量は減りませんね、消費の伸びをもっていくわけですから。この政策の基本に向かってチーズの政策を進めていく意思があるかどうか、これを承りたい。
○太田政府委員 私のほうは、そういうことを目標にやってまいりたい、かように考えております。
○美濃委員 そうすると、国産化率五〇%を達成するには、この制度はその五〇%に向かって——たとえば財政の一元運用から課徴金はできるだけ避けたいという大臣のお考えですが、この制度はその方向に向かって、一次関税、二次関税の調整をしていかなければならぬのですが、これはすでに政策として、関税局としては農林省の意見をいま了解しておるのですか。それに向かって改正していくんだということで了解ができておりますか。
○上林政府委員 基本的には、国産ナチュラルチーズの使用率といいますか、国産チーズをできるだけ使っていくという方向は私どももけっこうではないかと思っております。もちろんその過程におきましては、チーズ業界の合理化その他の御努力を願わなければならないと思いますし、また、何が何でも、消費者の立場をも無視していろいろなことをやれといわれてもなかなか問題があると思いますけれども、そういうようないろいろな御努力と相まちまして、また農林省からいろいろ御相談があると思いますけれども、そういう場合にはよく御相談して善処してまいりたい、そう思っております。
○美濃委員 最後に、過去においてたとえば豊年リーバなどという、いわゆるマーガリン中心の合弁会社ができて、一時的にダンピングをやりましたね。これにもそれが懸念されるわけですね。いわゆる国際的にも非常にチーズあたりはダンピングで売ってくるものがありますから、そういうものを外資系会社が買って、国内に重大な影響が起きるようなダンピングをやらないとはいえないわけです。過去にそういう実績があるわけです。やらないかもしれません。やると断定はしませんけれども、過去にそういうダンピングをやった実績があるわけですから、そういう事態が起きた場合に、これは相殺関税とか不当廉売関税とか緊急関税で調整する用意があるかどうか、これを承っておきたい。
○上林政府委員 酪農品につきましては、確かにいろいろな保護措置が各国にございます。ただ、わが国におきましても、酪農品につきましてのいろいろの保護措置もあるわけでございまして、ことに先ほどから御議論がありますように、チーズにつきましては、たとえば原料乳につきましての保証価格制度もございますし、あるいは先ほどから御議論がございますような、ナチュラルチーズのすべてが国産品ではございませんで、むしろ外国産のナチュラルチーズをどの業者も使って生産しておるというような状況でございまして、ナチュラルチーズ自体が、外国から入ってまいりますものが安いという面もかえって利益になる点もあるわけでございます。したがいまして、現状のところ、特にこれが大きな弊害を来たしていると思っておりませんし、また国際的にも、酪農品につきましてはそういうものを慎もうという動きもあるわけでございます。したがいまして、ダンピング関税その他の特殊関税制度の問題につきましても、直ちにこれを発動するという情勢にないと思っておりますが、今後情勢の変化によりまして、酪農品業界に対して被害が及ぶ、あるいはそういうおそれがありますような場合には、毎々申し上げておりますように、緊急関税その他の特殊関税制度を弾力的に運用いたしまして、国内産の保護に支障のないようにいたしたい、こういうふうに考えております。
○美濃委員 それでは時間になりましたので、最後に大臣に、御答弁は要りませんから……。 財政運用はわかります。一元運用というものはわかりますけれども、これからの経済動向なり貿易関係を見ておりますと、いわゆる対外的条件が許すのであれば、課徴金制度に基づく体制を確立することが生産者、農民は一番安心できるわけです。関税よりもきちっといく。わりかた砂糖が——いまてん菜価格をきめる段階にありますが、決定する価格は別といたしまして、制度としてはてん菜耕作者に一番安心ができておるわけです。そういう経過を見て、財政運用の所管大臣としての考え方はわかりますけれども、それだけにこだわらず、十分ひとつ検討していただきたい。 以上で私の質問を終わります。
○福田国務大臣 ちょっと一言。御注文の点はなお勉強しますが、いまのエムケーチーズにつきまして、美濃さんがエムケーチーズに不当に利益を与えておるんじゃないかという印象をお持ちでいろいろ御発言されておるようですが、今回の関税割り当て制度はそういう考え方はないのです。これは、外国のナチュラルチーズと国産のナチュラルチーズに非常な格差があるわけです。そこで、チーズ製造業者は関税が三五%もかかっても安い外国のものを使いたいという傾向を持つわけです。それじゃわが国のナチュラルチーズは育ちません。そこで、エムケー会社ができるこの際にひとつ条件をつけて、なるべく国産のナチュラルチーズを使ってくださいよ、そのかわり国産を使う量に応じて関税のほうを下げますよ、こういうことなんで、この制度自体が全体といたしまして国産の奨励だ、こういうことでありまして、外国の圧迫がどうの何とかいうことはいささかもありませんから、その点はひとつ最後に申し上げさせていただきます。
○美濃委員 ちょっと一言だけ。いま私が言ったのは、抱き合わせ比率が当初の出発からやはり三〇の抱き合わせ比率でやっていくべきじゃないか。一〇%ですから、それだけ格差があるんじゃないか、こう申しておるわけなんです。
○毛利委員長 堀君。
○堀委員 関税定率の問題でありますけれども、御承知のように、いま日本は幸いにして国際収支が非常に望ましい状態になってきて、外貨が蓄積をされるという、かつて非常に困難な国際収支の状況から脱皮をしてきたことはけっこうなことでありますけれども、しかしこの際重要なのは、あまりにもその他諸国に比べまして異常な外貨の蓄積が行なわれることは、必ずしも諸般の経済情勢から見て望ましくない、適正な状態にあるべきであるということは、大臣も当然そういうことをお考えになると思います。 そこで、前回暫定措置法をやりましたときに、少し一般的に各種の関税に対する問題の議論をしたわけでありますけれども、そのときは大臣御出席をいただいておりませんからあれでありますけれども、基本的な考え方として、いまのような確かに国内産品との関係、あるいは国内産業保護という問題がありますけれども、それらを見ながらしかしなるべく関税を下げるということが、この際わが国の基本的な国際収支対策の一つの重要なポイントになってきておる、私はこういうように考えておりますけれども、大臣いかがでしょうか。
○福田国務大臣 そのとおりと思っております。
○堀委員 そこで、きょうは特に二点だけと、あと一つ法律の問題をやっておきたいわけですが、先に法律のほうをやりましょうか。 ちょっと伺いますが、「輸入される米、もみ、大麦又は小麦について左の各号の一に該当するときは、」云々というような、主要食糧品の減税または免税に関する条項があって、そこに今度は、これまでであると「前項の規定は、輸入される豚肉について準用する。この場合において、同項第一号中「高価であるとき」とあるのは、「高価であり、かつ、政令で定める規格の豚肉の国内卸売価格が畜産物の価格安定等に関する法律(昭和三十六年法律第百八十三号)第三条第一項の規定により当該豚肉について定められている同項第三号の安定上位価格をこえて騰貴しているとき」」とあるのを、「騰貴し、又は騰貴するおそれがあると認められるとき」と、拡大解釈することに法律の改正がなっておるわけですね。そこで、豚肉の現在の関税率というのは幾らですか。
○上林政府委員 一〇%でございます。
○堀委員 そうすると、いまここで書かれておるのは軽減または免税なんですが、これはこれまでの例で見ると、こえて騰貴しているときは五%に軽減するというようなことなのか、いきなり一〇%にすぽっと免税にするのか、どういう処置をしようとお考えになっておりますか。
○上林政府委員 軽減または免税でございまして、安定上位価格の計算におきまして、それをこえている部分を大体免税する、したがって非常にこえておりますときは免税、わずかにこえておりますときは軽減、こういうかっこうになるわけでございます。
○堀委員 実はここにちょっと一つ問題があるのは、租税法定主義との関係でひっかかってくるわけです。それは何にひっかかるかといいますと、緊急関税の問題、この前だいぶやりましたけれども、緊急関税の場合であっても、要するにある一定の量以上に急激に入ってきた、これを国内産業保護のためにしようというのなら、定率の関税でこれに対抗しようということだと私は思うのですよ。だから、タリフクォータの場合でも、ここをこえたら定率の関税があって、裁量の範囲というのは要するに、その判断によって自動的に関税のどこかに位置づけられるということになるのが、本来タリフクォータなり緊急関税等における、私ども国会側として政府の行政的措置にゆだねている判断の範囲だと思うのですね。ところがこれによりますと、価格が動いてくる、価格が動いてくるのにつれていまのように関税の率が恣意的に動かせるということになると、これはちょっと私は問題があると思うのですよ。だから、免税にするということになっているのならこれはまだわかるわけですよ。いきなり一〇%をはずすということで、その判断だけを行政当局にゆだねるというのならばまだわかりますが、要するにこえるおそれがあるということで、こえていないのですからね。こえるおそれがあるときにそれを軽減するという、軽減の率はどうなるのかというところが、これは租税法定主義との関係で重大な問題がある。
○上林政府委員 ただいまこの改正前の規定でやっておりますことは、この条文におきましても「安定上位価格をこえて騰貴しているとき」という発動条件を定めております。その趣旨から申しまして、安定上位価格をこえた部分につきまして軽減をする、こういう思想が中に入っているのではなかろうかということで、これは具体的には政令で定めておりますけれども、そのときどきのCIF価格プラス関税の価格を基準にいたしまして、免除の価格をきめております。今後、このおそれがあるときという改正をお認めいただきましたときに、具体的にどうするかというのは、政令をどう書くかという問題でございますけれども、いま申しましたような運営をいたしております趣旨にかんがみまして、安定上位価格をこえております部分につきまして、そういうものをあらかじめ予想をしておいて、その部分について発動をしていく、こういう考え方をとりたいと思っております。
○堀委員 私が言っているのは、要するに価格が動いてくるにつれて関税率を動かすということですよ。いいですか、一〇%あるのですからね。二%軽減して八%、また値段が上がってきた、六%、また上がった、四%なんということは、私は行政当局として行き過ぎだということを言っているわけですよ。要するに、いまの関税に対するわれわれの考え方は、免除と軽減があるのなら、軽減税率は五%です、免除はゼロですということになるのなら、あなた方の許されておる裁量の範囲及び判断なんですよ。それをどこで発動するかという判断については、緊急性のあるものについてはまかせようというのが、この前の緊急関税における私たちの考え方ですから、それを関税率を含めて、それによって自動的に動かすなどということは、これははっきり言うと租税法定主義に反しているわけです。だから、いまのこえているときというのと、こえようとするときというのは裁量の範囲だけれども、こえておるときにこえた分だけというのならわかるけれども、こえていないときにおそれがあるといって、先に一体幾らの関税率を軽減するのかということは、これは重大な問題じゃないですか、租税法定主義から見て。こえているならこえていた額について、そのときに五%なら五%ということになるのならまだわかるけれども、こえていないのに、一体幾らこえるかわからないのに対して、あなた方が恣意的に関税率を変えるというのは重大な租税法定主義違反ですよ。この点については率直に言ってちょっと問題がある。この法律の書き方は問題がある。もしどうしてもこうしたいというのなら、少なくとも五%をこえるおそれがあると見るときは、先に五%落としますということをここできめるか、ゼロにするということをきめるか。要するに発動できる体制が固定されておるものだということをここで確認されなかったら、これは承認するわけにいかぬですよ。そんなに恣意的に、こえるかどうかわかりもしないのに行政当局がかってに動かすなんということは、租税法定主義の原則から見て全然問題にならない。
○上林政府委員 説明がへたでございましたが、私どものいま考えておりますのは、発動の時期は政令で弾力的に、こえるおそれがありますときにもうすでに発動をしておる、現実にこえましたときに、こえた部分について免税をする、こういう運用をしたいと思っております。と申しますのは、過去におきまして、現実には相当期間こえておった、しかし手続その他のために時間が要ったというような事例もございます。そういうことでございますので、こえるおそれがありますときはまず発動をしておいて、その場合にこえた部分についての関税を免除するという手続をとっておきまして、現実にこえてきた場合には、そのときそのとき入ってまいりました値段とCI翼関税を足したものが上位安定価格をこえた場合には自動的に軽減措置が講ぜられるように、そういう措置をとりたいと思っておるわけでございます。 なお、御議論といたしましては、そういう場合にもこの政令の定めるところにより、上位安定価格を下回った部分については免税してもいいではないかという御議論もあり得るかと思います。これにつきましては、かってと申しますか、現行の法律の政令を書きますときには、やはり豚肉価格の国産保護の問題もございまして、上位安定価格をこえる部分について減税をするのが適当だろう。かつまた、この法律の書き方から言いましても、その上位安定価格をこえて騰貴しておるときに発動しろ、こういう御趣旨でございましたので、こえている部分についての軽減措置を講ずる、そういう措置をいままでもとってきたわけでございまして、今後につきましては、あらかじめそういうおそれがあるときにまず発動し得る体制をしいておきまして、現実に入ってきた場合に、そのこえる部分についての軽減措置を講じよう、こういう制度でございます。
○堀委員 そうすると、あなたのほうの発動というのといまの免除することが同時じゃないのですか。関税定率法というのは、要するに準備をするだけのことなら何もこんなことを書かなくても、いつでも準備はできるのじゃないですか。要するにこえたときになるということに、この現行法でもなっておるのじゃないか。こえたときにできる。事務的な手続だけのことで、要するに事務的な手続が、どんどん上がってくるという情勢ならおそらく農林省のほうから、上がってくるからひとつ関税がこえたらお願いします——だから、関税がこえたときはいまのだって発動できるのじゃないですか。いまの書き方では発動できないのですか。
○上林政府委員 現在の法令でございますと、現にこえたということをまず確認をしなければなりません。したがって、こえたということを確認をして、その確認の後に政令によりそうすることができるということになっておりまして、政令によってその発動の要件を定めていく、こういうかっこうになるわけでございます。したがって、時宜に適して迅速にやり得るようにいたしますためには、こえるおそれが生じてきた、見通しとしてはどうもこえそうであるという場合にはあらかじめ政令を出しておきまして、現実に入ってきたものがこえた場合にはその政令を適用していく、そういうシステムをつくりたい、こういうことでございます。
○堀委員 それではわかりました。 そうすると、あとの問題は、こえるにつれていまの関税率が動くということになるのですか。これはやはり問題があると思うのです。関税というものの性格なら、多少それはいまの一〇%、三段階に区切るなり、あるいはゼロにするなり、こういうときにはこれを適用、こういうときにはこれを適用と、やはり税率は少なくとも法律によって確認をされておる税率でなければおかしいのじゃないですか。現在の関税定率の中の税率というものはすべてが、ともかくいまのタリフクォータにしろ何にしろ法できまって、ここでわれわれが審議をしておる。ところが一〇%の幅の中では自動的にどこまでも上がったり下がったりするなんということでは、これは租税法定主義からいって法律上の要件として問題がある。なるほど経済要件から見れば、こえた部分だけ自動調整をすればいいかもしれませんけれども、そういうことは本来の関税定率法の中にはどこにもないでしょう。自動的に動く関税定率法の中の税率というものはほかにありますか。
○上林政府委員 過去の経験にかんがみて申し上げますと、豚肉の価格の騰貴といいますものは非常に足が速うございますので、現実には上がり始めますと大体一〇%以上になってしまうという例が多うございます。したがいまして、過去の例では免税の希望が多いということをまず申し上げておきたいと思います。 第二点の租税法定主義の問題でございますが、これは法律に定める要件に従って課税をする、こういう原則がうたわれておりますので、したがって、法律に明確な要件が定まっておれば、その範囲内におきまして政府が運用し得るというふうに私どもは思っておるわけでございます。この場合におきましても、その上位安定価格をこえて騰貴をしておる、あるいはおそれがある、そういう場合にはその限度までまける、そういう運用につきましては、これは租税法定主義の要件に合致しておるであろうと私は思います。
○堀委員 これは重大なところへ来ておるのでちょっと簡単にいかないのですが、この問題はあしたもう一ぺんやらしてもらいたいのだ。なぜかといいますと、大臣、こういうことなんですよ。いまあらゆる税制の中で、要するに他の客観的条件というか、その他の条件に応じて税率が自動的に動いていくというものは実はないのです。所得税法であれ、法人税法であれ、関税法であれ、すべて税率は幾ら幾らと書いてあるのです。それを発動するについてはその裁量権を政府にまかせておるということは、行政上いまの経済情勢、運営についてあり得ることだ。だが、私がいま言っておるのは、一〇%というのを幾つかの刻みに分けておく、二%刻みでもいいから分けておく。分けておいて、要するに二%をこえてきたときには幾らだ、四%をこえたら幾ら、六%をこえたら幾ら——幾らあってもいいのです。要するに、少なくとも国会で承認をした税率というものを固定をしておいて、その税率に見合っていまの発動をしていくというのなら、私はこの問題について異議を申し立てる意思はないのですが、価格が動いてくるたびに税率が二%、三%、四%、五%と動いたりするということは、いまの税法の体系の中にはない思想なんですよ。だから私はそれは間違いだと思うのです。そういう取り扱い方をもしこの政令にゆだねてやるとすれば間違いだ。だからすぽっとゼロにすることはちっとも反対ではないし、それを六%と三%とゼロにするのでもいい。やり方はどうでもいいけれども、そのやり方の基本になる税率については、国会に出して承認を得ておくということが当然ではないか。これだけたくさんの限税定率の全部を一々ずらっと毎回ここで書いて出すということは、やはり租税法定主義というものが少なくとも関税定率法の中で守られておるということが明らかだから、いまのタリフクォータの場合でも、一次は幾らで、二次になってどうなったということをこまかく規定しておいて、その一次から二次に動くそのやり方、緊急関税その他のやり方については、その発動をどれにするかという客観的判断についてだけは行政当局にまかすというのが少なくとも現在の関税のあり方ではないか、私はこう思うわけです。 要するにわれわれとしては、租税法定主義の原則は重大な問題ですからどうしても譲るわけにいかないわけです。やり方についてはいま私が提起をしたように、一〇%を二%刻みにしたものが提案されて、二%をこえれば二%とか、そのこえた段階においてそれが自動的に次々に動いていってもちっともかまわない。ただ恣意的に、上がったり下がったりすることが行政当局に、一方的に一〇%の範囲内で認められておるということはどうしても納得できない。大臣、どうでしょう、その政治的判断を——上林さんちょっと待って、あなたの意見はだいぶ聞いたから、大臣、私は政治家としてあなたに伺っておるのだから、ひとつ政治家として答えてください。
○上林政府委員 恣意的に関税率を上げ下げするのだとおっしゃいましたけれども、この上位安定価格といいますものは、御存じのように畜産物価格安定法によりましてきめられている客観的な価格でございます。その安定価格まで価格を安定させようという思想があるわけでございます。したがいまして、それ以上にもCIF価格プラス関税額がこえておる、そういう場合には輸入によって豚肉の価格を冷やそう、そういう場合にはむしろ入れたほうが高くなりますので入れられないわけでございます。片方におきまして、やはり豚肉の価格も安定させたい、こういう趣旨と両方相兼ねますと、その上位安定価格のところで入ってくるように関税額をまける。これは恣意的ではなくして、客観的な要件に基づいて減税をしておると私どもは思っておりますので、したがいまして、租税法定主義の要件にも合致しておると私どもは信じておるわけでございます。
○堀委員 大臣、私は経済効果の中身のことをいま言っているわけじゃないんです。よろしゅうございますか。要するに、豚肉の価格というのは、客観的と言いながら、多分にこれはスペキュレーションもあるし、いろいろあるわけです。だから、これがこう動いてくることは一つの経済現象としてやむを得ないわけですね。動いてくるにつれて税率が——上限をこえるまではいいんですが、どこだって価格は初めから自由価格なんで、安定帯というものをきめたのは、豚肉の供給というか、価格を安定させるための一つの手段なんです。だから、価格の動き方というものはかってに自由に動くわけですから、その自由に動くにつれて税率が自由に動いていくということは、私は租税法定主義というたいへんかたくなな言い方をしますけれども、それから見ると私はどうしても問題がある。だから、固定税率がきめられておって、私が言うように二%刻みでもいい、場合によったら一%刻みでもいい、とにかく固定税率をきめておいて、その固定税率のどれにするかは、いまの価格との関係で随時判断しながら、自動的にすみやかに動かしていくということを妨げるわけではないけれども、一〇%の幅が一つあって、その中をこうこう動くという、そんな税法はその他にはないわけですよ。要するに、物の価格に連動して税率が動くなんというようなものはほかにはない。だから、全部一〇%まけてしまったってちっともかまわないし、国内産を圧迫するというならもう少し小刻みなものをつけてもいいし、やはりそこは法律に書かれたものに準拠して税率を変更するということであるべきだと私は言っているわけです。だからこれは租税法定主義という思想の上の問題を言っているので、経済効果を阻害しようということを言っているわけではないのです。私は、少なくともその点は法律に書くべきだ。そうしてその判断については行政当局にまかせることにやぶさかでないわけですから、どうですか、私が租税法定主義を守りたいということをここに書くということは何もたいしたことはないと思う。何段階かのものを書いておくということはちっとも問題はない。
○福田国務大臣 あなたのお話しになられることはよくわかります。わかりますが、経済政策のねらいからいいますと、ただいま私が聞いておるところでは、関税局長の説明に準拠してやったほうがより効果的である、こういうふうに考えるんです。そういう行き方まで法律論的に租税法定主義に反するからどうかとか、こういう問題、これは立法論の問題でありますが、私は今日のような国内の物価情勢、また国外の流動する経済情勢、そういう情勢下においてきわめて妙味ある制度となるのではあるまいか、そういうふうに考えます。
○堀委員 経済原則からいっても、それなら私は逆だと思うんです。政策的効果から見るならば、非常にどんどん上がりかけているときは、しょっぱなに一〇%全部はずしちゃって、安いのを供給するほうがいいのですから、同じ額で動くということでは実際はあまり意味がないんです。だから、要するに豚肉の上がってくるのを防ぎたいということに問題があるというのならば、全部根っこから免税にしてしまって、安い豚肉をどっと入れれば上がってくるのが防げるのであって、上がってくるのと同じだけにともかく安定帯を維持するという、言うなれば消極的な方策なら私はこれは政策的にだって問題がある。だから私がさっきから言っているように、最初から一〇%取っ払ってしまえばいいんですよ。ある一定段階をこえてきたら、安い豚肉をどっと入れることによって、どんどん上がってくるのを調整するということのほうがより合理的じゃないのですか。その場合は、多少場合によっては安定帯の中に食い込むかもしれないけれども、さっきのお話しのように相当なスピードで上がっているものを、いまのような程度の処置をしたってあまり価格を食いとめるだけの力にはならないのではないか。輸入手続、いろいろありますから、輸入したものがすぐそのあくる日から市場に出るわけではないから、当然タイムラグが出てくる。それならば免税にするというほうがもっと合理的で、だから考え方を整理してもらいたい。要するにこれは政令で書くのだろうから、この書くときには、軽減もこういう場合にはやめてしまって免税にしてしまう。ここからこえたら免税であるということなら話はよくわかるのです。だから、要するに私が言っていることは、自動的にこう上がったり下がったり、上がったり下がったりということは問題がある。そんな自動的に動く税法がありますか。
○細見政府委員 私はそれはそれなりに税率ができておるのだろうと思います。相殺関税というものは、内国税のような一定の課税要件をつかまえてそれに税率をかけるというのではなくて、その差額に関税をかける、その差額が関税だというふうに書いてあるわけですから、いまのような場合その差額、しかも無際限にそれをまかしてはいけないというので一〇%というシーリングが置いてあるのだから、私は関税の性質上それが一つの税率だ、かように考えます。
○堀委員 あなたに何も関税率の話まで言ってもらう必要はない。国内法にあるかと聞いたのです。国内法に、自動的にその他の要件で動くものはあるかと聞いたのです。それを答えてください。
○細見政府委員 それはございません。
○堀委員 それならあなたは余分なことを言わぬでもいい。関税だから必要だという話がありますが、関税といえどもこれはみな実は書いてあるのです。タリフクォータの問題一つにしても、量がどうなるかということは別にして、要するに第二次税率を発動するときは、第二次税率は幾らと、こうちゃんと書いてあるわけです。これを自動的にどんどん上げたり下げたりしていないわけです。大体税率はここに全部書いてあるのではないのですか。書いてない税率がありますか。
○上林政府委員 原則としておっしゃいますように税率を明記しておりますし、それからたとえば緊急関税その他の場合におきましては、法律的に要件を明示いたしまして行政府におまかせをいただいておる場合もございます。また、たとえば各種の免税制度その他の場合におきましては、政令により具体的な要件をまかしていただいている場合もございます。その限度はやはり客観的にある程度国会の御意思によって定められたものがなければならない、こう思っております。これがいわゆる租税法定主義であろうと思っておりますが、しかしこの程度の、いま申し上げました政令委任というものは、事柄は違いまするけれども、弾力的にやるということにつきまして、私はいまちょっと思い浮かびませんが、ある程度の政令委任、これと同じ程度のものの政令委任を受けました例は相当あるような気がいたします。ことにいまのこの税率につきましては、先ほど主税局長からお話しがありましたように、上位安定価格との差額をまける、これはきちっと明確に、入ってまいりまするCIF価格に応じて、それがきまってまいりますれば必然的に確定をいたします額でございます。これも一定の税率であるというふうに私は思っておりまするから、租税法定主義の観点からも問題はないと私は思っております。
○堀委員 実はまだ時間が少しかかりますし、この問題は法定ということが一体どういうことかという問題があると思うのですね。要するに政令その他に書いてさえあればそれで法定だという問題——しかし実際にそういうことなら私どもは、いろいろな関税の問題については書かなくたって、どんどん政令で幾らでもいけるのだということになりかねないと思う。やはり私どもはこれまで書いてきた過去の実績、いろいろの問題については、次はこの税率になります、この税率になりますと、書いてきたいろいろの過去の実績から見て、私はそういうことのほうが少なくとも租税法定主義を守れるので、それが経済効果を阻害するなら困るけれども、経済効果を阻害しない範囲の措置がとれるなら当然私はそれをとっていいじゃないか。特にいまのように五%、一〇%くらいにして、もし高くなりそうならばあらかじめまず五%を免税にして、どうしてもいけなければ次は一〇%落としてしまうというように、少し早目というか、物価を下げることがこの目的の主体なんですから、それに役に立つようにするためならばもっと大刻みであってもいいと私は思うわけです。ですから、そういう意味でちょっと議論が残りますけれども、ここまでにして……。
○中川政府委員 しろうとでありますが、私から補足して……。 第一番目は、いま御指摘の点は、従来からもそれをやってきたということです。今度変えましたのは、さっきの発動の時期についてでありまして、こえるおそれがある場合を加えたということが変わっている点であるということが、まず申し上げたい第一点です。 それから、率は一〇%以上はかけられないわけですから、一〇%が限度。現在の価格は四百二十二円が限度になっているわけです。輸入価格が四百二十三円になったとすれば、かりに五%まけたとすれば、四百二十二円よりずっと安い値段になる。あるいは一%まけても安くなる。ですから、こえた分の一円を税金でまけて四百二十二円になるように、上位安定価格が支持できるような税率を免除していきます。こういうことですから、好きかってにやって、五%とか一〇%とかきめられない性質のものじゃないか、こういうわけです。事務的に絶対これは詰められないのですから、何%ときめられないのです。たとえば、こえた場合に一〇%まける、五%まけるといったら、上限価格より下回ってしまいます。
○堀委員 ですから、安いものを入れればいい。それが政策効果だ。
○中川政府委員 それはちょっと問題ではないかと思います。
○堀委員 ですから、これはあと引き続きやります。あとは保留させていただきます。 ————◇—————
○毛利委員長 福田大蔵大臣から発言の申し出があります。この際これを許します。福田大蔵大臣。
○福田国務大臣 きょう午後、日本銀行の政策委員会において、公定歩合のうち輸出貿手の金利を一%引き上げることを中心といたしまして、輸出金融につきまして若干の修正をした、こういうことがありましたので、この際御報告申し上げます。 けさ日銀当局から連絡がありまして、総裁それから通産大臣、私と三人で話し合いをいたしました。そういうお話がありましたので、政府側からは、第一は経過措置について少し考えてもらいたい。金融引き締め下でもありますので、これがあまり唐突であってもいかがかと思うので、若干の調整期間を置いてもらいたい。それからもう一つは、中小輸出業者、この立場を考えて何か特殊なことはできないかということも検討せられたい。また、いま輸入金融につきましては制度的な金利体制というものはないわけであります。ないわけでありますが、制度的にどうするかどうかは別といたしまして、輸入金融について何か考えることはできないか。この三点の意見を総裁に対して申し入れたわけです。 総裁は、その点は十分考慮してみよう、こういうことでありますので、いま外貨が急増しつつある、そういう際に、国際社会においては、日本の輸出金利優遇政策、これは先進国の中におきましてわが日本がただひとりああいう措置をとっておるのでありますが、この措置を漸進的にさや寄せをすることを考えることは適当なものであるというふうに考えまして、私どもも賛意を表した次第であります。 以上御報告申し上げます。
○毛利委員長 次回は、明八日水曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時四十五分散会