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63回国会衆議院1970/04/03

大蔵委員会 第20号

発言数
303
登壇者
17
会派数
5
開催日
1970/04/03

会議録

金子一平自由民主党

○金子(一)委員長代理 これより会議を開きます。  委員長所用のため、その指名により私が委員長の職務を行ないます。  物品税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案、関税定率法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。平林剛君。

平林剛日本社会党

○平林委員 物品税の現行課税方式につきまして若干これを改正する必要を認めまして、この点についてきょうは問題を提起いたしたいと思っております。  私の見解に入る前に、いろいろと政府のほうからこれを取り巻く客観的な情勢につきまして、資料を中心に御説明をいただいておいたほうがよいかと思いますから、前提として若干の質問をいたしたいと思います。  物品税の最近の実情についてまずお伺いをいたします。第一種、第二種の区分は必要ございませんので、ここ二、三年物品税はどんな推移をたどっておるか、まず総括的に御説明をいただきたいと思います。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 物品税の主要な税収のもとになります品目は、一貫いたしまして大体電気製品あるいはそれに類似したようなものが中心になってまいり、あるいはまた自動車とかオートバイといったような生活の向上に見合って必要になる、いわゆる便益品というようなものが中心になって税収の中の主要な割合を占め、またその伸びも一番大きい。沿革的に物品税が始められましたころの奢侈品課税というような意味合いは、税収の上では漸次消えてきておるというのが実情でございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 税額についてちょっと御説明をいただきたい。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 四十一年から便宜申し上げてみたいと思います。億円で申し上げます。四十一年の収入額が千三百六十九億、それから四十二年が千八百二十三億、それから四十三年が二千四百四十九億、四十四年が二千九百四十二億、四十五年度予算といたしましては三千四百四十三億と、四十五年の伸びは対前年で約一七%程度の伸びを見ております。いまの数字は四捨五入して収入額で申し上げておりますので、したがいまして、課税額は別途大きくなっておるわけであります。  ただこの中のウエートでありますが、現在では小型自動車が一番大きくなりまして三七%、それから小型テレビが一八%というのが主要なもので、あとぐっと落ちまして、小型冷蔵庫などが三・八%、ルームクーラーが三二%、貴石、半貴石の類が三・九%、ステレオなどが三・九%というのがおもなものであります。それらのうち構成比で大きくなっておるものが伸び率においてもやはり全体をリードするような形で、たとえば小型乗用車でありますと二〇%の伸びであるとか、小型テレビでありますと一五・五%の伸びというような形で、ウェートの大きいものが伸びも大きいというような形になっております。したがいまして、これを上位十品目と申しますか、十グループに分けて税収を見ますと、それで八〇%をカバーするというような結果になって、先ほども申し上げましたように、いわゆる便益品を中心とした課税という形になっておるわけであります。

平林剛日本社会党

○平林委員 物品税のいま累年の比較をお尋ねしたのでありますけれども、ここ三、四年非常に税収の伸びがふえておりまして、四十一年から比較をいたしますと、もう二倍をこえておるくらい異常な伸びであるということがわかると思うのであります。昭和四十五年は三千四百四十三億ですけれども、これを現行の第一種、第二種、第三種、こういうふうに分類いたしますと、どんなような状況になっておりますか。   〔金子(一)委員長代理退席、委員長着席〕

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 正確な計算は後ほどいたしますが、達観で申し上げまして五%を若干切るようなことになるのじゃないかと思います。第一種を申し上げますと百八十六億、二種が三千二百九十四億というような数字になっておりまして、第三種が二億——約三億円というような、合わせて課税額三千四百八十三億というようなことになっております。

平林剛日本社会党

○平林委員 物品税昭和四十五年度の税収見込み三千四百四十三億円を第一種、第二種、第三種と分類をいたしますと、第一種は百八十六億、第二種が三千二百九十四億、三種というのはマッチが主体でありましてわずか二億円、こういう分類がされるわけでございますが、課税の対象の納税者数といいますか、物品税の対象納税者数、これは製造とそれから小売り、合わせましてどのくらいになるか。そしてまたそれが小売りと製造というふうの状況はどうなるか。この実情はいかがでしょうか。

中橋敬次郎国税庁間税部長

○中橋説明員 ただいま主税局長から御説明がございました物品税の課税高につきましての納税者数でございますが、第一種の物品税の納税者数は、四十二年度末におきまして、本来そういう物品を扱っておる業者数が約四万五千ございます。そのうち第一種課税の事績がございましたのが約二万三千でございます。二万三千が御質問の納税者数ということになります。それから第二種物品の納税者数は約一万九千でございますが、そのうちで課税事績のございましたのが約九千でございます。それから第三種の納税者といたしましては、課税事績のございましたのが約百でございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 ただいまのお話によりますと、小売りまたは製造業者合わせまして、対象者が四十三年度で六万四千ありまして、そのうち実際の納税者数のお話がありました。これで第一種の税額百八十六億に対し納税者二万三千人、第二種は三千二百九十四億円に対し納税者九千人、こういうことをお示しになったわけであります。  さて次にお尋ねをいたしたいと思いますのは、業種別所得階級の分析なのであります。実はこの間大蔵委員会で東京国税局管内の税務署を視察いたしましたときに、たいへんおもしろい資料を私入手いたしましたので御紹介をしておきます。  大体業種別、所得別分析を芝の税務署がやっておりましたのを私ちょっと見たのでありますけれども、いろいろこまかい業種で、たとえて言いますと大工工事——大工さんというのはこのころ値段が高くなったから、家を建てるときにみな手間賃が上がって困るなんというような感じだと思ってながめていたのですけれども、申告など見ますと大体年間所得百万円以下という人が一〇〇%なんですね。芝あたりあまり大きな大工さんがいないと見えると感じたわけでありますけれども、一〇〇%が百万円以下なんです。大どころで言いますと、洋服をつくる洋服製造という商売、これは百万円以下の所得の人が九〇%程度を占めておる。その次にお菓子の小売りをやっているお店、これが百万円以下の人が九四%を占めている。その次が日用品の雑貨小売り、これが百万円以下が九六%、第二位を占めるわけです。それから食品の小売りが百万円以下九〇%、食堂が百万円以下の階級に属しておるのが八九%、それから喫茶店が同じく八九%、あまりデラックスな喫茶店がこの管内にないと見える。中華そば屋が百万円以下が八三%、そば屋もあまりもうからない。食肉の内臓小売りが八九%、もう各業種別の所得階級別の分類がありまして、非常に興味深い資料なんであります。  そこで、私がこれから取り上げようといたします時計商ですね。店によっては貴石、半貴石、貴金属製品などの販売もやっておりますけれども、主として時計商、これは残念ながら芝税務署管内のデータの中に入っていないものですから、どのくらいの階層に、所得別階級に属するだろうかという点を知りたいと思うので、国税局でけっこうですから、具体的資料があればあれですが、なければ感触をちょっと聞かしていただきたいと思います。

佐藤健司国税庁直税部長

○佐藤説明員 いまお話しになりましたのは、おそらく個人の営業者の課税状況だろうと思います。実は全体としましては、法人、個人両方に分かれておるわけでございまして、その業種によりまして法人形態の相当多いものもございます。そういう点で、全体の営業の所得把握状況というようなものがそれだけではわからないわけでございますけれども、いまお尋ねは時計の小売りの関係だろうと思いますが、これにつきましては、芝税務署におきましては業種別管理をやっておりますので、もし時間的な余裕をお与えくださいますれば、調べましてお手元に御報告申し上げたいというふうに思います。

平林剛日本社会党

○平林委員 具体的な資料でなくとも、感じでいいのです。

佐藤健司国税庁直税部長

○佐藤説明員 どうも最近の状況としましては法人になっておるのが相当ございまして、全体の感触を申し上げるだけの資料を持ち合わせておりませんので、御了承願いたいと思います。

平林剛日本社会党

○平林委員 最近、新聞の報ずるところでは、時計の小売り商の斜陽化が伝えられておる。経済記事にもなっておることは御承知のとおりです。あなた方もごらんになっておると思います。全国の時計小売り商の実情は、私はある程度斜陽化の傾向がある、こういうふうに見ておるわけでございます。したがって、先ほど私が個人別の例をあげましたけれども、特殊なものは除きまして、大体いまあげた青果物小売りあるいは食料品小売り、日用品小売りなどの業態とほぼ似たような感じがするのですけれども、非常にかけ離れた認識だとお考えになりますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 いま芝の税務署の所得税の納税階層についていろいろお話があったわけでありますが、もう御承知のように、これは所得税の納税者でありますので、現状におきましては、所得が年百万とかあるいは二百万くらいになりますと法人になったほうが現実的に有利だということで、こういうふうに数字が出てくるというのは、むしろ百万円以下の人たちだけが所得税の納税者であるということを端的にあらわしておるわけでありまして、特に洋服などにいたしましても、御承知のようにあそこは下請職人的な洋服屋が集まるようなところであるわけであります。したがいまして、もちろん商売でありますから非常に隆盛になる人、それからうまくいかない人もあると思いますが、私ども感覚だけで申し上げれば、むしろ店舗が表に並んでおってわりあいりっぱなのは時計屋じゃないかという感じがいたすわけでありますが、その辺は感覚の問題でございますので、必ずしもそうだとは申し上げられないと思います。

平林剛日本社会党

○平林委員 これは具体的な資料を持って争うべき問題であると思いますし、またこれから私が議論をしようとするところに、やや私も誘導的だが、あなたも防御的な姿勢が見られる、こういうふうな感じでございますね。しかし、私がこれから取り上げようといたしますのは、まさしく現行物品税の中で第一種の物品税を課せられておる対象者、特に時計商、若干の貴石、貴金属、金属製品の取り扱いをしておりますけれども、私の感じからするならばそれほど大きな法人ではない。そしてまたその所得階級を考えてみたならば、大きな資本家に属する階層でもない。この問題であります。  第一種の物品税は、先ほどのお話のように百八十六億円、これに対する対象納税者は二万三千人、すなわちわずかな物品税収を追いかけて二万三千人の人が課税対象に置かれているということは、税務署もそれだけ手がかかるということを意味いたします。これは第二種物品税納税額三千二百九十四億に対して納税者が九千件ということから考えてみますと、第二種、すなわち製造場課税が徴税の面においても比較的コストも安くつくし、それから税務行政の簡素化という点から見ましても、比較の上におきましては第二種の課税方式が有効であるというのが私の常識的な結論なんです。この点について、争いがありますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 争いは申し上げたくないのでありますが、考え方として申し上げたいと思いますのは、物品税は、課税物品が消費される、その消費に示される担税力に応じて課税するというのであります。したがって、消費に一番近い段階で課税するのが、理屈で言えば消費税の理屈であろうかと思います。ただ現実問題として、いまお話しのように小売り段階になれば取り扱い業者あるいは納税義務者が非常にふえる、製造段階であればそれがより少数であるということで、特に大量生産に適するようなものにつきましては製造の段階で課税するということ、しかもその製造がある程度の規模の業者でなければ製造ができないというようなものについては、製造課税のほうが少なくともより便宜である。それから脱税の問題もないということでありますが、非常に多数の業者によって生産され、だれでもが比較的簡単に製造できるというようなものにつきましては、小売りの段階で課税するというのが、消費税の理論として——反対申し上げるのではなくて、理論として筋ではなかろうかと思っております。

平林剛日本社会党

○平林委員 ちょっと苦しいあれで、理論は別にいたしまして現実の場合、もし貴石、半貴石、貴金属製品等を製造場で課税する場合には、どのくらい対象になるとお考えですか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 現在の課税よりもおそらく十分の一近くにも減るのではなかろうかと思います。

平林剛日本社会党

○平林委員 十分の一というのは非常に抽象的な数字でございまして、先ほどお話がありました第一種の対象人員二万三千、このうちの相当部分は時計、いま言いましたものに該当する。これに対して十分の一ということは二千三百ですが、そんなにありますか。私の調査では大体百四十から二百を欠けるというふうに見ておるわけなんでありますけれども、いかがでしょうか。そうすると百分の一ということになって、ゼロが一つ違いやしないか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 いま課税になっておりませんので、税務当局としては直接、納税者と課税当局という形で把握いたしておらない、その意味で若干の不正確さは残ろうかと思いますが、私どもは約三千件近いものがあるのではなかろうか、こういうふうに踏んでおるわけであります。

平林剛日本社会党

○平林委員 国税庁、どうでしょうか。私のほうの調査では大体二百件程度にとどまる、こう見ておりますが、二百件と三千件では十倍も違う。大体こういうことを調査しておらないというのも——事務のほうの関係でありますから、あなたはこれはやむを得ないでしょう。国税庁さんのほうでひとつ具体的に……。

中橋敬次郎国税庁間税部長

○中橋説明員 国税庁といたしましては、現在貴石関係の製造場が何件あるかということは遺憾ながら調査いたしておりませんので、数字を持っておりません。

平林剛日本社会党

○平林委員 大体こんなに話が食い違うというのは困るね。至急調べてくださいよ。三千件と私の言う二百件を割るというのでは十倍違うのだ。私は、これを要するに税務行政の簡素化の観点、徴税コストの点から考えてみましても、もっと真剣になってもらわなければ困る。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 いま私どもと平林先生と、このように同じ事実について件数が違うぐらいこの業態は非常に複雑でございまして、数えようによって三千件にもなりますし、それから非常に大きな、独立して宝石製造業としてやっておられる人たちをとらまえれば確かに少数になろうと思いますが、およそ製造した人に課税ということで、それが製造場と観念すれば、私どもの数字でも、もし製造場課税になればもっとふえるというのが実情ではないかと思います。

平林剛日本社会党

○平林委員 いまのお話でもわかりますように、実際の製造場は二百件ぐらい。あなたの言われるのは、もしそうなった場合には、たとえば発注者の中に住居の移動がはなはだしくあったりするような、そういうようなことも予想されるということが言外にあると私は思うのです。いわゆるもぐりといいますかね、そういう意味であなたは三千件というふうにおっしゃったのですか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 私どもが関係の業界の方々から聞いておる意見でありますが、少なくとも東京だけでも三百件ぐらいはあるのじゃなかろうか。全国の一割ぐらいは東京にあるというようなことから、業界のいわゆる消息通の話として聞いておる話であります。

平林剛日本社会党

○平林委員 私も消息通から聞きますところでは二百件ぐらいである。私がこれを取り上げているのは、税務行政の簡素化、いずれが効率的であるか、また合理的であるかという観点からですから、私は真剣に実態調査を要求したいと思うのです。もしこれを店頭課税から源泉課税という形に移す場合はどうなのか、私はその問題をきょうは提起をしておるわけなんでありますから、もう少し厳粛なる問題として、税務行政の簡素化という観点から取り上げるべきである。何しろ百八十六億円の税収を得るために二万三千を対象とすることが妥当であるかどうか。私のあげた数字は製造課税にすれば二百件——それはやみだとかもぐり業者、こんなものを数に入れたら議論にはなりません。それは店頭課税にしようと製造課税にしようと、もぐり業者の発生はいついかなる時代においても、どんな経済のもとにおいても起こり得ることなんですから、それは議論の対象にならぬと私は思うのです。むしろそれでは、いま時計や貴金属、宝石その他にもぐり業者があるならば、それを退治するにはどちらが効果的かということを考えれば、現在国税庁あるいは税務署が小売り課税をやってかけている手間ひま、二万数千件を対象にしてやることを、製造課税ということでごく限られたところに焦点を向けたならば、その余力をもってもぐりなりその他の退治をすることができる。こういうことを考えますと、いずれが税務行政の効率があるか、合理性があるかという問題なんです。したがってこの問題は、私はただいまのような抽象議論は許されないと思うのです。もっと真剣にこの問題について取り組んでほしいと考えるわけでございますけれども、その具体的調査に乗り出してもらいたいということについてのお考えを承りたい。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 沿革的には小売り課税が非常に長い間、戦前から続いてまいりまして、戦後一時製造課税があり、その製造課税が必ずしもうまくいかないというので、またいわば旧に復するような形で現在の小売り課税になっておるわけであります。しかし小売り課税にいたしましても、執行上いろいろな問題のあることはまさに御指摘のとおり事実でございます。そういう意味で私どもも、新しい事態の推移というものがございますれば、やはりそれに適応した最も効果的な、税務行政として効率的な行政を行ない得るような課税方式が何であるかということについて検討いたすのはわれわれの責務であると思っておりますので、この問題につきまして各方面でいろいろな議論も出ておりますから、十分検討してまいらなければならない問題である、かように考えております。

平林剛日本社会党

○平林委員 そこで実は私、去年同じく大蔵委員会で関西のほうへ視察に参りました。向こうの国税局幹部と懇談を持ちまして、同僚議員もおられて、そのときに懇談の中で、最近の密輸の問題あるいはいわゆるもぐりのかばん屋と称する問題、いろいろな話題が出まして、どうも先生、これはむしろ店頭課税よりは製造課税に移したほうがこうした行為をなくすためには有利でないかと思いますというような意見が、税務行政を担当する方方からの意見でもあったわけであります。これは私は御紹介をしておきたいと思うのです。  最近また京都の府議会におきまして、  「現在、貴石・貴金属等に課せられている第一種物品税(小売店頭課税)は、モグリ業者やヤミ取引の激化ならびに密輸入の増大を招き、反面正業な中小企業者には物心両面に亘る過大の負担を強い、公正な営業を著しく阻害している。   しかも物品税総額の九五%が源泉課税であるにも拘らず、第一種物品のみが小売店頭課税であり、わずか五%にすぎない税の徴収に当たり多大の人件費や行政事務費を要することは、財政上の損失まことに大なるものがある。   よって政府は、これらの実情を直視し、中小業者の悲願である小売店頭課税を廃止するとともに、課税方式を源泉課税に改められるよう強く要望する。   以上、地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出する。」 これが内閣総理大臣はじめ大蔵大臣、各関係大臣に対しまして意見書として提出される、こういう動きもあるわけでございます。  私はそういうことを考えますと、常識的には、いま真剣に取り組むべき課題であるとお答えがありましたように、この際、この課税方式を検討すべき時期ではないだろうかと考えておるわけであります。今日ここに至るまでの経緯を私はある程度承知はいたしております。承知をしておりますが、どうも理論的にも合理的にも納得ができませんものですから、あえて持ち出したわけでありますが、もし現在の店頭課税が妥当なりという御意見があるならば、ひとつ理由をあげてお答えをいただきたい。私はそれに一々具体的に、これはこういうものでありますということを逆に御返事を申し上げてもよいと思います。少し討論してもいいと思っております。その製造課税が妥当であるというような積極的な御意見があれば聞かしてください。私は、その理由に一々また再質問して、どういう御認識であるかということについて議論を続けてもよろしいと思います。もしなければ、ひとつこの問題は真剣に政府当局で検討をして、しかるべき措置をとることを希望いたしたいと思います。それで質問はやめますけれども、もしありますならば一つ一つ質疑応答をいたしたいと思います。いかがでしょう。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 いま平林先生に言われたようなサイドの要望もたくさん出ております。同時にまた現行の制度のほうがいいという要望も、数から申せばほぼ同数ほどございます。そういう意味で放置できない問題ではありますが、検討いたしまして適正な判断をしなければならないと思っております。

平林剛日本社会党

○平林委員 両方の意見が同数あると言うけれども、絶対数におきましてはあべこべですよ。中小企業者二万三千と、製造者数、私の数でいえば二百件近いところでありまして、それは資金力その他から見て発言のウエートはあるかもしれませんけれども、私はその実際の状況から考えてみて、ぜひこれは源泉課税にしてほしいという声は圧倒的に多いということ、これはうんと声を大きくして申し上げてよいと思うのです。しかも合理的、理論的にです。  特に御紹介しておきますけれども、地金に課税するのは、課税品以外の用にも供されて不当ではないかという議論もありますけれども、私はそうは考えておらないわけであります。地金は、装身用具に限らず、工業用や学術用、医療用にも使用され、また免税点未満の装身具用にも使用されているのでありまして、つまりこれら課税品以外の用に供される場合には、課税済みの地金に対して戻し税をするとか、引き取り時に特殊用途免税の手続をすればよいわけでありまして、こういう議論から発する反対というのは当たらないと思っております。  また、原石を輸入した場合に、研摩加工後の価格変動がさまざまであるから輸入の価格に課税するのは不適当ではないかというような議論もありますけれども、貴石及び半貴石の輸入総額に比較をいたしまして、原石の輸入額はきわめて少額なんであります。具体的数字を申し上げてみますと、昭和四十三年度に貴石、半貴石の輸入総額は二百七十七億四千六百万円に対し、原石の輸入はわずかに十二億五千三百万円であります。だから、この理論は私は実際上の問題として当てはまらないのではないかと考えておりますし、原石については、研摩加工後の製品に課税をすれば捕捉するのに容易であります。また小規模な零細加工業者に納税義務が課せられて、かえって弱い者いじめにならないかという議論がえてして行なわれがちであります。しかしそうではありません。物品税法の第七条第一項によって、製造課税は下請加工業者が納税義務者になるのではなくて、その加工を発注した者が製造業者とみなされて納税義務者にすることもできるわけでありますから、小規模な零細加工業者に納税義務が課せられるということは当たらない。むしろ輸入、卸、こういうところを対象にいたしましたならば、税はかえって公正に捕捉されていく、こういうふうに見るわけでございます。  私はいろいろな観点から、もしこの小売り店課税が妥当なりという御意見があれば、一つ一つかくのごとくいろいろな問題につきまして理論を用意してまいりました。実情も調べての上の質問でございますから、どうかひとつ政府におきましても真剣に検討し、しかるべき措置をせられるように要求しまして、このくらいでやめておきましょうか。——政務次官、あなたひとつ身がわりに何か言っていただきたいと思います。

中川一郎自由民主党大蔵政務次官

○中川政府委員 この議論は自民党の中にもあるようでありますし、先ほど来お聞きしておりまして、非常に自信を持って言われておられる、何といいますか、貴重な意見であろうと思います。また、こちらのほうでも経緯的なこともありますし、急に変えるといっても支障があろうかと存じます。そういった点についてこれからさらに実態を調べ、推移を見て善処するように、前向きで検討いたしたいと思っております。

平林剛日本社会党

○平林委員 物品税はこの辺にいたしまして、次に関税の問題について若干お尋ねいたします。  関税定率法の一部を改正する法律案の中に、トウモロコシの関税割り当て制度のうち、二種税率の引き上げというような改正点がございまして、私は、この問題に直接の質問ではないのでありますけれども、これに関連をいたしまして農林省のほうにちょっとお尋ねをしておきたいと思うのであります。  最近、飼料価格——だいぶ今度は方面が離れますけれども、今度はえさです。飼料価格が値上がりをいたしておることは御承知のとおりでございます。トウモロコシ、それからマイロ、いろいろ国際的な事情もあるようでありまして、ことしの二月から飼料価格がかなり大幅に値上がりを示しておるわけであります。農林省の方は専門家だからこまかいことを申し上げなくてもおわかりだと思うのでありますけれども、こういう状況になっておるわけであります。  そこで、現在わが国農業は米のほうが壁にぶつかりまして、従来の選択的拡大というようなことで、畜産業についてかなり力を入れなければならぬということで、政府も努力をなさっておると承知いたしておるわけでありますけれども、この飼料価格の値上がりというものは、今後の畜産農業に対してどういうような影響を与えるだろうか、また、こういうことに対して政府のとりあえずとるべき措置、どういうことがありますか、これをひとつお聞かせいただきたいと思うのであります。

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 先生ただいま御指摘のとおり、最近配合飼料の価格が値上がりをしておるということでございます。これのおもなる原因と申しますか、いま御指摘のございましたトウモロコシ、コウリャン、こういったものが全量輸入というかっこうで、その大宗がやはりアメリカに依存しておるというようなことで、今回いわゆるミシシッピー川の凍結というような非常に異常な事態が生じまして、このために買いつけしたものが入ってまいらないという事情になっております。そのほかフレートのかなりの増大というようなことがございまして、そうしたことでやはり飼料のある程度の値上げということがやむを得ないという形になったわけでございます。しかし、ミシシッピー川の凍結も解けましてこれは旧に復し、これから常態に戻るという先行きの見通しがあるわけでございますが、フレート等々の値上がりがどのくらい構造的な変化であるかというようなこと等もございますし、まあ当面われわれとしましては推移を見まして、そういう原因が解消するというきざしが出てまいりますれば強力に指導して値下げの方向へ持っていく、こういうことで考えているわけでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 いまお話がありましたように飼料価格の値上がり、特に輸入の価格につきましてはミシシッピー川で起きたことがわが国の畜産に影響するのですからね。世界というのはなかなかたいへんですよね。私もこの飼料価格の値上がりの傾向をずっと累年で見てみますと、あの港湾ストが起きるとそれによって飼料価格がぐっと上がる。中東戦争が起きても上がっていますね。ソ連が穀物の大量買いつけをやるとそれでも飼料価格は上がるわけですね。こういうふうに世界の動き一つ一つがはね返りまして飼料価格が上がったりまた下がったりするわけでございまして、なかなか日本の畜産農業というのは容易じゃないですね。  私はそういうことを考えますと、やはりわが国の畜産の振興という問題が、飼料の自給化の基礎がなくて進められているというところに大きな問題があるんじゃないか。大蔵委員でありますからそちらのほうはあまり専門じゃございませんけれども、大体そんな感じがするわけであります。世界のどこを見ても、飼料の供給を、主として外国にたよりながら畜産をやろうというような国はあまりないんじゃないだろうかと思うのですよ。この点はいかがなんでしょう。

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 確かにただいま先生御指摘の点、われわれ畜産に携わっております者は重大視してまいっている点でございまして、根本の議論であるわけでございます。畜産の基礎的生産資材といたしましての飼料、これについてはやはり国内で、できるだけ良質かつ低廉なものを供給してまいるということでなければならないわけでございます。ただ御承知のとおり、トウモロコシ、コウリャンといったような飼料用の穀物につきましては、わが国におきましてのこれらの生産性の面からいいまして、非常に国際競争力の弱いものでございまして、さらに農家所得の点から見ましてもこれは非常に収益性が乏しいというようなことで、こういうものを国内的に大増産をはかっていくということがなかなかつらい面がございます。しかしながら当面やむを得ない面でございますので、輸入に仰ぐということにならざるを得ないわけでございますので、これはすべて輸入を自由化いたしまして、関税を免除するといったような措置で安定的な供給につとめたいというのが現在のところでございます。  しかしながら、先生御指摘のとおり、やはり国内的の自給度を高めるということは当然考えなければならないところでございまして、飼料生産の増大と安定的な供給がどうしても必要だという意味で、草地の開発、それから既墾地におきます飼料作物の作付の拡大といったようなことを強力に推進いたしてまいりますとともに、ただいまのように飼料穀物についてむずかしいむずかしいということではなしに、今後試験研究の点で一そう強化をいたしまして、何とか合理的な国内生産が可能にならないかというような点を極力検討、追求をしてまいりたいという現状でございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 私それできのうも、昭和四十四年度の「農業の動向に関する年次報告」と「昭和四十五年度において講じようとする農業施策」というのを大体一晩がかりで読んでみたのですけれども、悪いけれどもろくなこと書いてないですね。いまおっしゃったような——あなたは大臣じゃないからあれですけれども、ろくなこと書いてないですよ。特にいま根本的な畜産振興の基本になる問題について何も書いてないですね。何ぼぜに使っているかと思って一生懸命調べたけれども、ろくなぜに使ってないですね。百年河清を待つがごとき思いを私はしました。これじゃ日本の農業の選択的拡大とかなんとかと言わないほうがいいんじゃないかと思うくらいですね。私、別に専門家じゃありませんからあまりいじめるつもりはないのですが、一応読んでみたけれども何も書いてないから、何をやっているんだろうという気持ちを私は抱いたわけでございます。きょうはこれが主題じゃありませんけれども、どうもいまちょっと力を入れてもらわなければ困ると思うのです。  ちょっとお尋ねしておきますけれども、飼料の輸入量はいまどのくらいの実情になっておるのでしょうか。

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 輸入の合計でまいりますと、昭和四十一年度が八百一万三千トン、四十二年度が八百八万九千トン、四十三年度が九百十九万トンという数字になっております。

平林剛日本社会党

○平林委員 これはトウモロコシその他全部含めての総体的なトン数でしょう。品目別、それから金額ですね。つまり、私は貴重な外貨がいかにこういうものに使われているかということをちょっと知りたいのです。

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 まず品目別に申し上げますと、トウモロコシが四十一年度が三百十万トン、四十二年度が三百三十二万五千トン、四十三年度が四百十二万八千トンでございます。それからコウリャン、これが同一の年度で申し上げてまいりますと、二百四十一万五千トン、二百五十四万一千トン、二百二十七万七千トン、それから小麦、これが九十四万三千トン、百二十三万三千トン、百十万一千トン、大麦は四十三万六千トン、五十七万三千トン、六十三万四千トンでございます。金額的に申し上げますと……

平林剛日本社会党

○平林委員 総体でいいです。

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 総体で言いますと、ちょうどこれと見合います四十一年度が二千三十七億、四十二年度が二千百七十六億、四十三年度が二千百九十億でございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 これからの計画としては……。

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 四十五年度の輸入見込みといたしましては……

平林剛日本社会党

○平林委員 全部言ってください。

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 種類別でございますか。

平林剛日本社会党

○平林委員 はい。

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 トウモロコシとコウリャンは込みになっておりますのですが、トウモロコシまたはコウリャンということで八百四十六万四千トンでございます。小麦が百二十三万トン、それから大麦が七十二万トン、その他八万五千トン、穀類としましては合計九百三十六万九千トンでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 金額はどのくらいになっておりますか、見込みは。

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 これは先物でございますので、金額的に幾らという推計はいまのところちょっとしかねるわけでございます。  それから続きまして、糟糠類のフスマの輸入が九十二万九千トン、その他が十四万五千トン、合わせまして百七万四千トンということでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 いまあげられました数字から見まして、昭和四十三年で二千百九十億円。昭和四十五年はわかりませんけれども、九百三十六万トンの輸入ということになりますと、おそらく二千五百億から六百億円に達するのじゃないでしょうか、少なくとも。あるいはそれをこえるかもしれない。私はこれは国際収支の面から見ても非常に大きな問題だと思うのであります。大体入れている国はアメリカとかタイとかアルゼンチンだとかあると思うのでありますけれども、日本の飼料の供給国に日本の畜産の生殺与奪権というのが握られているような感じですね。こうした実態につきまして、私ども専門家以外の者でも心配なのでありますから、日夜農林省は苦労なさっておると思うのでありますけれども、何かもう少しいい手はないでしょうかね。抜本的なことを講ずる必要があるのじゃないでしょうか。これはほんとう言うと場所をかえてもう少しやらなければならぬ問題だと思いますけれども、せっかくおいでになったのだから、こういうことをやらなければいけないというようなことをひとつお聞かせいただきたいと思うのです。

佐藤健司国税庁直税部長

○佐藤説明員 いま先生から御激励を賜わったわけでございますが、なおトウモロコシ、大麦、マイロといったようなものにつきましては、現在海外では市況がわりあい軟調でございます。その面から、非常に来年度経費がかさむのではないかということは、これから先行きわかりませんでございますけれども、大体の基調としては軟調だということで、ある程度その辺のところは状況が悪いということはないのではないかというぐあいに思っております。しかし、全体的にやはりそういうことで買い手市場でございますので、その面での節約ということには努力して、適期にいいものを買いつけていくという形で進めていきたい、かように考えます。  それから、そうは言っても全体的にやはり外国にたよっている以上、日本の畜産というのは単なる加工畜産に終わってしまうのではないかという御指摘だろうと思うわけでございます。その点につきましては、私どももそういうことでないようにということで、先ほど若干申し上げました国内での増産といいますか、そういったものへの努力を講じようとする施策は、何もやっていないではないかと先生おっしゃいますけれども、それなりの努力をしているつもりでございます。さらにいわゆる多元的な輸入といいますか、輸入ソースを少しふやすということの努力で、あるいは後進未開発地域と申しますか、その辺の開発輸入というようなこともこれからは検討してまいりたい、かように思っております。

平林剛日本社会党

○平林委員 いまの点は私大事だと思うのですよ。一国にたよるということになるとやはり問題がありますし、先ほど申し上げたように、世界のどこかで何か一つ起きただけでそれがすぐ畜産に影響してくるわけでありますから、そういう波動を防ぐ意味でも、やはり飼料の買い付けという問題については幅を持つという考え方をぜひひとつ実行してもらいたいと考えておるわけであります。これはこのくらいにしておきます。  もう一つ、実は、沖繩の返還の問題と関連したかしないかよくわかりませんけれども、グレープフルーツというものが今度入ってくることになりまして、このごろデパートで売っていますね。えらい高い金額でありますからあれですけれども、グレープフルーツの自由化についての現状の輸入量、今後の見通しについてちょっとお話をいただきたいと思います。

千野知長農林省蚕糸園芸局果樹課長

○千野説明員 グレープフルーツにつきましては、これは暦年でございますが、四十四年に千八百十四トン輸入されております。前年の四十三年が千二百十三トンでございますので、約六百トンばかりよけいにふえておるわけでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 すみませんが価格でもちょっと言ってください。トン数だけではどうも興味がわかない。

千野知長農林省蚕糸園芸局果樹課長

○千野説明員 価格で申し上げますと、四十三年がラウンドしまして一億五千五百万円、四十四年が二億二千九百万円、こういうことになっております。

平林剛日本社会党

○平林委員 四十五年の見込みはどうですか。

千野知長農林省蚕糸園芸局果樹課長

○千野説明員 四十五年は、従来の輸入量の漸増方式ということからいたしまして、やはり若干の増加を見込んでおるわけでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 漸増方式というと、四十三年から四十四年までに約六百万トンふえたのであるから、大体ことしも六百万トンくらいふえる、こういうふうなのが漸増ですか。大体の方向はどのくらいということをおっしゃってください。

千野知長農林省蚕糸園芸局果樹課長

○千野説明員 グレープフルーツにつきましてはオレンジと一緒にしまして、一つのものとして輸入量の割り当てを行なっておるわけでございます。したがいまして、同じ割り当てをいたしましても、そのときの輸入業者の考えからオレンジを主体にするとか、あるいはあるときはグレープフルーツを主体に入れる、その辺は輸入業者の考え方にかかってくるわけでございます。近く通産のほうから上期の輸入割り当てが発表されるわけでございますが、現在上期の数量をどのくらいにするかということにつきまして、通産、農林の間で検討を行なっておる段階でございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 グレープフルーツの自由化につきましては、私ども実は政治的な意味でも異常な関心を呼んでおったわけであります。同時に国内産果樹に対する影響、これもいまお話しのように漸増方式でもってまいりますと、初めのうちはあれですけれども、次第に国内産果樹に対していろいろな影響を与えてくるのじゃないだろうかという不安があるわけであります。そういう点から考えますと、政府のほうとしてはこうしたくだものの輸入に伴う国内産の生産者に対してどういうようなことを考えておられますか、その措置について具体的にはどういうことがあるかということをひとつお話しいただきたいと思うのです。

千野知長農林省蚕糸園芸局果樹課長

○千野説明員 グレープフルーツにつきましては、先ほど御説明申し上げましたように、ここ数年若干ずつ輸入量が増加しておるわけでございます。四十五年におきましてもある程度これはふやしていかざるを得ないという立場でございます。これは昨年の十月の経済閣僚会議におきまして、アメリカが日本の温州ミカンの輸入量、輸入地域を実質的に拡大する、そういう了解のもとに、わが国といたしましては四十六年末をめどにグレープフルーツを自由化いたすという話し合いが行なわれました。その結果十月十七日の閣僚会議でそういった方針が決定されておるわけでございます。  グレープフルーツが自由化された場合に、主としてわが国のかんきつでございますが、どういう影響が来るかということにつきましては、主たる影響はナツカン等のいわゆる雑かん類だろう、こう見られておりますので、一体自由化した場合にどのくらいの価格関係になるかということにつきましては非常に予測のむずかしいところでございますが、業界筋の見るところですと、現在のところ大体小売り二百円から三百円くらいいたしておりますが、それが自由化後は百三十円から百五十円くらいにはなるのじゃなかろうか、こういうように業界筋では見ているわけでございます。いずれにいたしましても、そういった輸入自由化によりましてわが国の果樹生産者に与える影響というものは出てまいります。それをできるだけ緩和し、最小限にとどめるということがあるわけでございます。  そういうことで、輸入にあたりましては、わが国のナツカン等の主要出回り期には季節関税をかけるということも申し入れてありまして、なお国内的には向こうのものと太刀打ちできる力をつけなければならないということで、四十五年度予算でナツカン等の再開発について、つまり生産性の低いようなナツカン園を、今後需要の伸びる種類、系統に植えかえると同時に、基盤整備をやりまして、高性能な農業機械を導入して、高い生産性の向こうと太刀打ちできるような生産性を確保するような体制も考える。またそのほか品種更新事業あるいは今後新しい需要を確保する、果汁の面の消費の拡大をはかっていくということで、冷凍、濃縮、これはアメリカあたりでは一般に普及しているわけでありますが、わが国といたしましては初めてであります。そういう工場の建設、そういったものについての補助をいたしたいということで、ただいま予算をお願いしておる段階でございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 もう一つは、今回の法律の改正の中に、四十六年度に果実全般の関税率の体系を再検討するというような考え方があるのですけれども、これはどういうことなんでしょうか。バナナの関税率の問題でだいぶ議論したことがあるのでありますけれども、国内産果樹はやはり農業の選択的拡大、畜産とともに重要視すべき段階でありますのにかかわらず、関税率の関係から果実全般の体系を再検討するなんということになりますと穏やかじゃないものでありますから、どんな腹を持っておられるのでしょうかということをちょっと聞いておきたいと思いまして、政府の考え方をひとつ御説明いただきたいと思います。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 ただいまお話がありましたのは、来年度の関税率改正に伴いまして、関税率審議会におきます附帯決議でございます。その経緯を申し上げますと、いまお話がございましたバナナにつきまして相当いろいろな議論が出たわけでございます。バナナの関税はただいま六〇%でございます。これはわが国の関税体系から見ると高過ぎるのではないか、これをできるだけ引き下げるように努力をしろ、こういう御議論が非常に強うございました。しかしまた一方バナナを取り巻きまする環境を見ますると、バナナが自由化をいたしましてから非常に輸入も伸びておりますし、価格もむしろ下がっておる、そういうような状況でもございまするし、そのほかいまお話がありましたようないろいろな問題がある。そこで来年度の改正におきましてはこの六〇%の関税を据え置いてよろしいが、それもやむを得ないものと認めるけれども、今後そういうような努力を続けるべきである。なお、たまたまいまお話がありましたようなグレープフルーツを四十六年末に自由化をする、そういうことになりますと季節関税ということの対策なども考えねばならない、そういうような環境にございまするので、いわば果実について、果実関税がどうあるべきかということももう一ぺん、バナナ関税とも関連をしていろいろと検討をしなさい、そういうような御趣旨の決議が関税率審議会で行なわれた、こういうことでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 これはいずれにいたしましても国内産果樹育成のためには無視し得ない動きでありまして、私ども慎重に取り計らってもらいたいと思います。  きょうはこの程度にいたしておきますが、いずれにしても、今日わが国農業の現状から考えまして進むべき方向から考えてみますと、関税の問題もそうそう人のいいことばかり言っていられないわけでございます。国内産業育成のためにも果たすべき役割りもなおありますから、ただ自由化自由化というようなことだけで押しまくられるということも適当でない。こういういろいろな点は十分御配慮をいただきたいということを希望いたしまして質問を終わります。どうもありがとうございました。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 堀君。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 実は私は、これまで当委員会において、物品税の基本問題、いろいろな税の中における不均衡、不公平の問題等がつまびらかにされる機会が非常に少なかったというふうに感じておるのであります。そこで、今回物品税の改正がありますので、原則から各項目にわたってひとつ精細なる物品税についての論議を行なっておきたいと思います。ついては大体四時間の質疑時間が必要なんでありますけれども、本日、承るところによりますと、本会議もあり、民社党の竹本委員の御都合もあるので、私はいまから一時間半、とりあえず一時半までやらせていただいて、自余は七日の日に残りの物品税をやり、関税定率法の改正をやらしていただくということで、ひとつ委員長の御了解を得たいと思いますが、いかがでしょうか。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 とりあえず一時半までやってもらって、あとは理事会で……。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 それでは理事会において、ひとつ審議に支障を来たさないように、十分御配慮いただくことを委員長に特に重ねて要望いたしまして、質問を始めます。  最初に、今日物品税を課税いたします場合に、その物品税の課税対象を決定しておる原則というのは一体何か、これから承っていきたいと思います。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 あらゆる税がそうでありますように、税にはやはり沿革的なものがあるわけであります。したがいまして、遠くそれぞれ淵源をさかのぼれば、支那事変当時の奢侈品重課という考え方、それが戦後の新しい事態になりまして便益品的なものが課税の対象に取り入れられてきている、こういうことになろうかと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、現在物品税の対象になっておるものは沿革的にある。沿革的にあるということは、今日はその課税対象としてのものの考え方から特別に必要ではないけれども、沿革的にあったからやっておるという便宜的な処置のものが含まれておるということなのか。私は、やはり税を課する以上は、今日の時点において税を課するに足るだけの理論的根拠と背景がないものに、単に沿革的な経緯をもって税を課するということは税法の原則からいって不適当である、こう考えておるわけです。ですから、まず課税というものは、その時代のその時点においてそれを課税するに足る必要がある、あるいは理論的な背景といいますか経済的な諸条件といいますか、何らかのそういう背景なくして、沿革的に課税してきたから今日も課税をいたしますということでは、これはちょっと問題がある。ですから、私がいま皆さんのほうに資料を求めておりますのは、昭和十二年の物品税、要するに北支事変特別税のところから全部つまびらかにしていこうという考えでありますけれども、実はまだ資料をいただいておりませんから、その分は七日に回しますが、少なくとも今回、この物品に課税をするについてはこれこれの理由があるという積極的な理由がなければ、国民の重大な権利をある程度税金という形で拘束をするわけでありますから、それだけの法的根拠というものが明らかにならなければ、課税が適正であるということにはならないのではないか、こう考えるわけであります。  あとで物品ことごとくについて一項目ずつ伺いますが、まず原則的にその点が非常に重要でありますので、たとえば奢侈品に課税をするということが一つあると思います。そうすると、奢侈品とは一体何か。奢侈品というものは質と価格、あるいはその物品の使用の形態、いろいろなものに関係があると思うのです。そこらを含めて、これから私が数時間にわたってやりますことは、少なくとも日本国民が物品税というものを理解するために、これらの会議録を読んでみるならば、なるほど政府は何を考えて物品税を課税しているのか、その課税根拠は一体どこにあるのか、その税率なり、非課税にしておる理由は何か、免税点は何によってここにもたらされているかということが、一目りょう然で明らかになるような質疑をここで行ないたいということで、私は四時間余りを予定している。物品税の論議の基本的なかまえでありますから、そういう意味でひとつことばについても正確に、そして定義等が必要であれば正確な定義をもって、言うなれば大学の講義ぐらいに思ってやってもらいたいと思います。よろしく願います。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 沿革的に課税が行なわれておるということを申し上げましたのは、沿革的なものがありまして、むしろ新しい物品税の考え方からすれば課税されるべきものが、たとえば高級織物について再度にわたって法案を提出いたしましたが成立しておらないとか、そういうものがある。そういう意味で、現在課税できておるものは沿革的なものである。物品税の考え方からすれば新規の物品をむしろ拾うべきでありますが、なかなかその新規の物品の課税が困難であったのが事実であります。そういう意味で沿革的だと申しているわけであります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そのところはわかりましたが、いまの物品税を課税しているのは実は沿革だけではないのです。いま、たとえば新しい製品ができてくる。その場合に、その新しい製品に課税をするというときはやはり何らかの課税に対する考え方があるわけでしょう。あとでずっとやっていけば結果がわかるわけでありますが、要するにいまの物品税を課税をしているものの考え方をちょっと原則的に聞いておきたいわけです。  そういう言い方をするとなかなか答えが出てこないから、私から問題を出せば、私が全体をながめて感じていることは、まず個人的な消費財にかけておるということが一つの原則になっておるように思います。これは営業用のものは、かかっておるものもあるけれども、かけていないものもある。しかし一般的に見ると個人的な消費財にかけておるということが一つの原則だと思いますが、その点はどうですか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 個人的な消費財にかかっておる、したがってその性質を裏から見れば、一般的に若干奢侈的であるとか、あるいは趣味、娯楽的な便益的な消費という形になるわけであります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで、その奢侈的というのは一体何か、ここから少し伺っていきたいと思います。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 奢侈的ということば——ことばとしては定義はできますが、何が奢侈的であるかということについては、そのときその時代の社会感覚によってきまらざるを得ない、かように思っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ことばはどういうことでしょうか、それではことばの定義は。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 なかなかむずかしい御質問でありますが、おそらく、一般の消費、生活に必要な消費というものを上回り、しかもそれについて、金額的に見ましても質的に見ましても、一般的な消費を上回っておるというようなものが奢侈的であろうかと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私もいまの点同感でありまして、一般的な普通の、われわれが日常使っておることばでいえば、われわれがぜいたくだと考えておる——ぜいたくという表現は、そのときの消費水準によって、かつてはぜいたくだと考えられておるものが今日はぜいたくではないと国民が考えるという、一般的国民常識というものがこの奢侈的なものの一つのものさしになっておる。その点はさっきあなたが御指摘のとおりでありますが、まず第一点としては、そういうぜいたく品といいますか奢侈的なものに課税をする、私は、これは当然さようであっていいと思います。ところが、これらの中に、さっきお話のあった便益的なもの、こういうのがありましたけれども、この便益的なものというのは、そうするとどういうふうに規定すればいいのでしょうか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 奢侈的とまでは至らないのでありますが、通常の消費よりもより高度と申しますか、質的によりよいサービスなりあるいはよりよい消費者に対する満足を与えるもの、かように考えるべきだと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、日常使用する日用品といいますか、そういうものがまずある、その上にいまの概念でいくと便益的なものが一応ある、その上に奢侈的なものがある、こういうふうにいまの消費を一応概括的に区分をすることができる、こういうことになりますね。  そこで、ここらでひとつ抽象論議をさておいて、いまの問題を具体的に少し考えてみたいと思うのであります。  その具体的にものを考える場合に、さっき私がちょっと触れた原則の中で、この間ちょっと私が乗用自動車について発言をいたしましたときに、主税局長の答弁は、乗用自動車に乗ることは奢侈的であるという表現が実はあったわけです。私はあの日は時間がありませんでしたからそこまでにしたわけですが、いまタクシーに乗って歩くというのは日常必要の行為なのか。要するに、それよりはぜいたくな便益的な行為なのか、あるいは奢侈的な行為なのか。いま主税局は、タクシーに乗って歩くというのはいまの三つのカテゴリーのどれに当たるのかをちょっとお答え願いたい。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 私はたしか便益的と答えたつもりであったのですが……。現在もう一度答えろとおっしゃれば、便益的だと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 それでは、いまたいへんレクリエーションが盛んになってきまして、そこでたくさんの人がいまレクリエーションに行きますけれども、レクリエーションにライトバンに乗っていくのは、いまの三つの中のどれになるのでしょうか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 レクリエーションというものをどう考えるか、一週間の緊張をほぐすために絶対に必要なものであるというふうに観念すれば、レクリエーションそのものは一種の生活必需品であろうと思います。ただその場合に、電車に乗っていくかライトバンで行くかというお話になれば、ライトバンのほうがより便益的であることは間違いないと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ですから、私は、いまの便益的という問題も、スタンダードの置き方によるのではないか、こういうことだと思います。電車に乗っていくのに比べるとライトバンで行くのは便益的である。しかし、その便益的なものであるけれども、ライトバンは物品税としては非課税である、こういうことですね。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 ライトバンの本来の役割りと申しますのは、むしろ衣料品とかなんとかの物を輸送する、いわばトラックにより近いものというふうに観念して、現在の物品税体系は構成しておるわけであります。ただ用途が用途外に使われることは、もちろんトラックでまとまってレクリエーションに行くようなことだってできるわけでありますから、そういう意味の用途外の用途はございますけれども、一般的には貨物輸送により近いものだというふうに考えます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私は、いまタクシーに乗っていろいろな用事を果たすことが、今日のいまの水準——いまから十年前の水準は別でありましようけれども、今日の水準では、場合によって便益的なものもあるけれども、場合によっては相当日常的なもの、必要欠くべからざる日常的なものがあるという判断をしておるわけです。  そこで、いまのは一応その前段でありますけれども、この考え方、要するにいまの物品税の場合は、考え方としてはどうも営業用に関するものは非課税という考え方が、非常に原則的に流れておると思うのであります。そこで、物品税を項目別にちょっと分類をしながら、時間が少しかかりますけれども伺っていきたいと思うのは、まず最初に、非課税物品というものが定められておる原則を個別的に少し伺っておきたいと思うのです。「第一種の物品」、「1 貴石及び半貴石のうち、」云々という項目の下に、「品目欄に掲げる物品のうち、理化学用、機械の軸受け用又は蓄音機針の用に供するために形作つたもの」は非課税物品になっています。「水晶のうち、印材用に供するために形作つたもの」が非課税になっています。この前段のほうと後段のほうは、非課税品目を規定する上におけるものの考え方としてはちょっと違いがあるように思います。この(一)のほうの非課税物品とした理由、(二)のほうを非課税物品とした理由について、ちょっとお答えをいただきたい。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 いろいろな考え方がございますが、(一)のほうのものにつきましては、いわゆる装飾用というようなものでなくて、文字どおり理化学用として必要なものという意味ではずしておるわけでありますし、水晶のほうは、いわば水晶の印鑑というのは大衆消費財だという考え方であります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで、さっき平林君がいろいろ議論しておりました中で、そのことはあとに触れるわけでありますけれども、確かに貴石その他は、これはだれが見ても一番奢侈的な品目ですから、これに課税することは適当であるし、いまのような形のものが非課税になるということについては、非常にはっきりしておると思いますね。  その次に、第一種の物品の番号三で、「貴金属製品及び金又は白金を用いた製品並びに貴金属をめっきし、又は張つた製品」というのの中で、「照明器具のうち、神仏用に供されるものとして特殊な性状、構造又は機能を有するもの」、これはあとずっと調べてみますと、神仏用に供するものというのは全部ほとんど非課税になっているのですね。一体この神仏用を非課税にするという理由は何なのか、です。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 人間の物質生活と申すよりはむしろ精神生活につながるもので、奢侈とかあるいは消費とかいう概念になじまないものだ、かように考えます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 これは一体いつごろから課税品外になったのでしょうか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 神仏用、礼拝用のいまの照明器具は二十六年から非課税になっております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いまあなたは照明品のほうでお話しになったのですけれども、いま私はまだ照明品までいかないのです。貴金属のほうを言っておるわけですが、全部そうなっているから、おそらく同一のときに非課税にしたことは間違いでしょう。そこで、貴金属を使って一万五千円以上のものは、神仏用であろうとも奢侈品じゃないかと私は思うのです。要するに、神仏用というものだって国民の所得の階層によっていろいろあるわけですからね。私ども仏壇屋に行ってみますと、何十万円という仏壇が現実にあるわけですね。たいへん高額な仏壇です。普通の家庭ではそんな何十万という仏壇は置いておられない。一般的にわれわれが見るところでは、貴金属を使用したものというのは普通あまりないのですが、おそらく神仏用といえども奢侈品とみなされるものとそうでない便益品、日常品とあろうと私は思うのです。これが昭和二十六年、たいへん古いことでありますが、なぜそういうことになったのか。  もう同じことですから照明のところへいきますが、照明のところにいきますと、「卓上用の電気スタンド 一個につき二、四〇〇円」、「その他の電気スタンド 一個につき五、五〇〇円」、これは製造者価格において実は免税点があるわけですね。ということは、大体製造者価格と小売り価格で考えてみればほぼ倍近いのじゃないか。わかりませんけれども、ほぼ倍としてみると、卓上用電気スタンドが約五千円くらい、それからその他の電気スタンドが一万円をこえる、それが免税点があって、なおかつ神仏用は貴金属を使っておっても非課税になる。これはやはり思想的には私はここらで一ぺん——昭和二十六年に非課税品にしたからといえども、奢侈的な消費を抑制したほうがいいということは、私は今日といえども何ら変わっていないと思うのです。それらの物品が生産に合理的に使われるということならともかくも、そういう特殊なことの目的に使うためには、やはり神仏用といえども多少問題があるのじゃないか、私はこういう気持ちがするわけですが、あとからこれは政務次官にも伺いますが、主税局は一体どう考えますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 先ほど申し上げましたように、現在の物品税のかかっておりますものというのはどちらかといえば個人の消費、しかもその消費は普通の消費よりも若干高度なものだということにしぼって考えている。その過程で、この立案をいたしました当時並びに現在われわれが同じように考えておりますのは、人間の神仏崇拝というような、精神的な部門につきましてまで物品税の問題を持ち込むのはいかがなものかという配慮はやはりそれなりに要るのではないか、かように考えておるわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 現在の日本の憲法というのは、大体宗教にはニュートラルになっているのですよ。本来的にニュートラルです。だから憲法の定めるところに従えば、私も便益品までかけろと言うのじゃないのですけれども、少なくとも国民常識として、そういう貴金属によって異常な高価格のものまで免税点を設けるとか非課税品にするという発想は、これは国民が日常に消費をしておるものにすらも税がかかっておるという思想的背景から見れば、やはり課税上の不均衡の問題として、これは国民は知らないからそれで済んでおると思いますが、これは多少問題があるのではないだろうか、私はこういう気がするわけです。政務次官どうですかね。課税上の不均衡、公平の原則——私は何も宗教自身を否定するわけでも何でもありません。しかし、少なくとも現在の憲法は、政府は宗教については中立的だということが規定されておるわけでありますから、その限りにおいては、あなたはこれをどう考えるかですね。

中川一郎自由民主党大蔵政務次官

○中川政府委員 確かに憲法問題からいっても、特定の宗教に国が、何と書いてありますか、便益を与えてはならないという趣旨からいっても若干、「神仏用に供されるもの」という書き方はいかがかという気がいたします。またこれに税金をかけないという問題については、当時の情勢とは若干変わってきておりますし、やはり検討の時期ではないか。特にスタンドの比較の話がありましたが、なるほど同じ照明であっても、勉強するに必要なスタンドにかかり、仏さまの照明にはかからぬ、しかもぜいたく品が見受けられるということになると、若干考えなければいけないのではないか。しかし素朴な気持ちでいうと、仏さまに使うぐらいのものは——日本の歴史的な仏さま、神さま、公明党の人であるならば何かがあるんだろうと思いますが、いろいろのそういった信ずる宗教ぐらいのものには——これは神仏に限ったことではないわけですが、そういう国民的感情もあるんじゃないかという気もいたします。なかなかむずかしい問題だと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いま政務次官が言われたように「神仏」と書いてあるんですよ。これはすでに憲法上ちょっと問題があると私は思うのです。宗教用と書いてあるんなら話は別ですよ。要するに神と仏はいいけれども、その他の宗教に関するものはこれは課税されることになるんだ。それではどうしますかこの際、まず宗教と書き改めますか。大体これはキリスト教の者がもし使っていたら、これは神仏にならぬのでしょう。どうです。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 神仏と申しますのは、キリスト教の神あるいは回教の神を含めて、すべてが神は神、仏は仏でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 何にしても、要するに私は、税というものはある程度そういう配慮が必要な点を認めますけれども、しかし本来的に、課税するというのはこれは経済的行為なんです。経済的行為ですから、経済的側面と国民の日常生活との関係、だから私も便益的段階にまで課税しろとは言いませんが、少なくとも明らかに奢侈的なものがそういうことに名をかりて非課税になっていることについては、これは問題がある。ひとつ問題点として指摘をいたしておきます。  たくさんありますが、少し先へいきまして五番の毛皮製品では、非課税物品は「品目欄に掲げる物品のうち、うさぎ又は羊(ペルシャ羊、アストラカン羊その他これらに類する羊を除く。以下この表において同じ。)の毛皮で作ったもの」、こうなっていますね。そこでこのウサギというのは、これは確かに毛皮というにしてはいささか問題があろうと思うのですが、羊の皮は非課税にする。そうするとあとは、たとえば豚の皮は課税になる。ここらの問題、なぜ羊が非課税になっておるのか、これをちょっと伺っておきたいのです。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 消費の態様が変わって、豚の毛皮でコートができれば、おそらくそのときは課税の問題が出ましょうが、いまは豚の毛皮のコートというのを私は知らないのでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いやいや、私が聞いているのは豚のことを聞いているのじゃないのです。なぜ羊が非課税になっているのかということを聞いている。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 これは大衆消費財であり、農家の副業を保護するという態度の両方——羊の飼育を奨励する措置などが、ちょうどこの改正のころ、三十七年でございますが、このときにいわれておりまして、そういうことでウサギ、羊という、主として日本の農家でも飼育できるものであり、しかもその消費は大衆消費的なものである、そういう両サイド、産業政策的なものと大衆課税をはずす、両方のものが入っておるということでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 羊の皮というのはいまやずいぶんコート類に使われておるのです。あなたもそれはもう品目的に御承知だと思う。いま国内で羊を飼ってその毛をとったりいろいろしているというのは、  一体何頭ぐらい飼育されていますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 質問を予期しておりませんので、後ほど調査いたして……。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私の承知しておるところでは、今日羊を飼育しているものは、あるとすれば例外だと思うのです。昭和三十七年のときそんなことがあったのかもしれませんけれども、今日の農村はそういう情勢にないと私は思っております。また逆に、羊の皮というものが今日衣類用に非常に広範囲に実は使われている。そうして価格も相当高額なものがあることは、もう皆さん御承知だと思うのです。最近日本の被服の様態もだいぶ変わってきて、大体皮なり皮製品を潜るということは日本人は過去においてはあまりしなかったわけでありますけれども、最近は諸外国の影響を受けて、皮製品を被服に使うことは非常にふえてきておる現状にかんがみ、私は羊が課税品目外にされておることは今日の情勢では必ずしも適当でないのではないか、こういうふうに考えるわけであります。  少し先へいきまして、今度は番号の七、問題の自動車です。自動車の非課税になっておる一つの理由の中に、これは「乗用自動車」という表現がとられておりますから、乗用以外は全部非課税だということですから、さっきから議論しておりますように、バス、トラック等営業用に使っておるものは非課税になる、乗用のものは営業用であっても課税をしておる、こういうことになります。これはあとでちょっと議論しますが、その非課税の中に、「(一) 自動車用の冷房装置のうち、冷房能力(大蔵省令で定めるところにより算定した冷房能力をいう。以下この表において同じ。)が毎時八、〇〇〇キロカロリー以上のもの」、「(二) 圧縮機、蒸発器及び凝縮器のうち、(一)に掲げる自動車用の冷房装置に用いられるものとして特殊な性状等を有するもの」。冷房装置の問題については、普通の家庭用の冷房装置は大体課税をしておるけれども、大型のもの、営業用のもの——いまここに掲げられたものはおそらく遊覧バス用のものということに該当するのじゃないかと思うのですが、いまの番号七の第二種の物品のうち、「4 自動車用の冷房装置並びにその圧縮機、蒸発器及び凝縮器」云々というところにある、いま私の指摘した「八、〇〇〇キロカロリー以上のもの」というのは、これは私がいま言うように遊覧バス用の冷房じゃないですか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 一部は遊覧バスにも使われておると思いますが、道路が未舗装で窓を締め切ってバスが走らなければならない、その場合にやはり中が蒸してくる、そういうことでバス用のクーラー、それからそのほかにあげておりますのは、同じような規格のものが列車用に使われたりあるいは工場作業用に使われたりいたすものですから、規格としてはこういうものを非課税にいたしておるわけであります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 しかし前段のほうは自動車用ですからね。  ちょっといま主税局長に伺いますが、ほこりが立って、舗装もできていないバス路線に、冷房がついてて走っておる社線があったら一ぺん例示してもらいたい。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 そういう事態があるということでこの規定は入ったと承知いたしております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、そういう例がもしなかったらこの規定は除外されますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 この規格と同じようなものが列車用とかそのほかのものに使われるわけでありますが、それとの関連等を見まして、適当な区分の方法があれば検討いたさなければならない問題かもしれません。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ものが違うのじゃないですか。自動車用に使う冷房装置は、あなたのほうではここにはっきり(一)として「自動車用の冷房装置のうち、冷房能力が毎時八、〇〇〇キロカロリー以上のもの」、こう「(一)自動車用」と置いて、(二)のほうに「圧縮機、蒸発器及び凝縮器のうち、(一)に掲げる自動車用の冷房装置に用いられるものとして特殊な性状等を有するもの」、いずれもこれは自動車用ということが限定されておるのです。列車用とはちっとも書いてないですね。全部自動車用と書いてあるところから見ると、もしあなたの指摘がなければ、これは非課税品目からはずすことになりますね。その点はいいですね。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 この「自動車用」と書いてありますのは、要するに動力を何に求めるかというところで、自動車に持っていったときは自動車用になり、それから列車に持っていったときには列車用になる、そういうことで、御承知のように製造課税でございますから、製造課税の段階ではっきりはずすものは自動車用のこれだということにいたしておりますが、規格としては同様のものがあるわけであります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いや、私が言っているのは、あなたがさっき、これが設けられたのは、ほこりっぽい道を走るのにドアを締めなければ走れない、その走れないものに、暑いから冷房装置をつけるのだというのが理由だ、こうなったわけです。だから、それが理由で設けられていると言うが、おそらく自動車が走っている路線で、ほこりまみれで乗客が迷惑するから、そういうところについては冷房をつけようなんというバス会社があろうとは私は思わないのです。この前ここでどなたかがたしかバスの運行上の問題を議論したと思うのです。これは何のときだったかちょっといま記憶にないのですが、どんどんバス路線が撤収されてきて、いまバス事業というのは過疎現象のためにほんとうにいい道路しか走らない。過疎地帯を走っているところは会社がだんだん縮小して困っている。それほど困っているところが冷房装置なんかつけようはずがないわけです。だから私が言うのは、そういうことが主体ならばそういうものはやはりはずすべきじゃないのか。要するに、自動車がある程度遊覧というか、そういうところを目的としておるのなら、これならあなたの言うやや便益的なものであって、十分担税力のあるものだというふうに私は考えるので、この点をひとつ提起をしておきたいと思う。  その次は、今度はモーターボート、「舟艇類及びその関連製品並びに娯楽用品、スポーツ用品及び遊戯具類」こうありまして、「大型モーターボートのうち、次に掲げるもの(この号の品目欄8に掲げる舟艇用の船外機関を使用しないものに限る。)」「イ 船舶安全法(昭和八年法律第十一号)第二条第一項第六号(船舶の施設)の規定により船舶に施設されるものとして特殊な性状等を有するもの」、これはおそらくライフボートというか、救助用のために船に積んでおるものをさしておると思うのですが、「口 漁船法(昭和二十五年法律第百七十八号)第二条第二項(定義)に規定する動力漁船に該当するものとして特殊な性状等を有するもの」、「ハ 消防、船舶若しくはいかだのえい航又は貨物の運送の用に供されるものとして特殊な性状等を有するもの」、「(二)大型モーターボートの艇体のうち、(一)に規定する特殊な性状等を有するもの」ということで、このボートの規定の中からはずされておるのはもっぱら、漁業用であるとか、貨物輸送用であるとか、あるいはいまの大型船舶が救助用に積んでおる船であるとか、あるいは消防用であるとか、これは、私はきわめてボートとしては適切な例外規定というものが設けられておると思うのです。  そこで伺いたいのは、ポートはこういうことになって、ある規格があるわけですが、遊覧船、ボートが少し大きくなって今度は遊覧船になると——遊覧船といってもこのボートの規格よりも少し大きい船、もっぱら遊覧を目的とするものというような場合には、これは課税されていないですね。一体物品税のどこにいまのボートの限界を設けたのか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 この辺、まさに若干沿革的なものがございまして、船はいわば公共用に使われておるのだというような、頭から観念をきめてかかっておった。したがって、モーターボートとして課税をしなければならないと考えるのは、外国などで新しく起こってきた、ああいう遊戯用に使われるモーターボートを取り上げよう、そういうわけでここで規格をはずした、そういうわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ですから、ここでは明らかに遊覧用という問題ではなくて、目的は個人用の問題ということに限ったのです。私はいまここで聞いておりますのは、抽象論でいまの課税品目というものの議論をするよりは、具体的なものの中で議論したほうがけじめの概念がはっきりするので、たいへん個別的になって時間がかかりますけれども、取り上げているのですから、その点はそういうふうに理解しておいてもらいたいと思います。  その次に、「猟銃及び空気銃並びにこれらの銃身及び銃尾機関部」というところの中に、いろいろあるのですが時間もあれですから、一つまん中だけ抜きますが、「空気銃のうち、もつぱら射撃競技の用に供されるものとして特殊な性状等を有するもの」というものが実は非課税になっているわけですね。そこで競技用というものは非課税にするという考え方があるのか。要するに、こういう銃の中で猟銃はみな課税されると思うのですね。ここにちょっと書いてある「猟銃のうち、銃身の長さが七六〇ミリメートル以上の単身単発銃で銃腔に旋条がないもの」は非課税になりますね。ところが、あとはみな猟銃は課税されておる。猟銃は確かに遊ぶためにというか、娯楽としての猟銃もあると思うのですが、しかし、今日では非常に減ったでありましょうけれども、やはりある程度はこれを業とするといいますか、生活のささえにしておる業種も私はまだ猟銃の中にはあるのではないか、そういう感じがしておるのでありますが、ここにいまの猟銃の問題、つまり七百六十ミリメートル以上の単発銃というのは一体何をいうのか、それらとあわせて競技用は非課税にする基本的な考え方があるのか、この二つをお聞きしたいと思います。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 第一のほうはイルカを撃つ漁業用のものであります。  それから第二の空気銃の問題でありますが、スキーとか、あるいはそのほかの運動用具というのはおおむね非課税になっておりまして、運動用具の中で課税になっておるものはゴルフ用具であります。これは国民感情といいますか、社会感情上、奢侈品的な遊戯だということでゴルフだけが例外になっております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、いまのイルカを撃つのはなんだけれども、たとえばイノシシだとか、さっきのウサギだとか、いろいろなものを撃つ——東北地方にはまだ猟銃をもってなりわいにしている者があり得るのではないかと私は思いますが、こういう者の銃器は何ら配慮はしないのでしょうか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 多分に沿革的な点がありまして、配慮がなされておりません。ただたとえば、オルガンだとか楽器などの、音楽学生用具が非課税になっているというような配慮があるいは要るのかもしれません。ただ、これはかなり古い改正、三十年の改正でありますので、そこまでの配慮が行き届かないまま今日に来ておるというわけであります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私も、猟銃をもってなりわいの助けとしておる人が一体どのくらいいるのかつまびらかにしておりませんけれども、ここらは一ぺん調査をして、それをもって生活の助けにしておる、娯楽ではないという人の銃器等については、これはやはり配慮があってしかるべきではないかというふうに思いますので、問題をひとつ提供しておきたいと思います。  その次に、小型ボートがありましたが、これは前段と同じですから省略いたします。  電気器具のところにいきまして、ルームクーラー等の中で課税品目外のものが、またかなりたくさんあるのであります。これは一々読みませんけれども、いまあなたの指摘された「鉄道車両に取り付けるための特殊な性状等を有するもの」というのは、ここにあがっているのです。自動車のところにあがらないで、ここにあがっている。「二」の「物品の低温貯蔵(室内の温度を常時一五度以下として貯蔵することをいう。)の用に供されるものとして特殊な性状等を有するもの」というものがいろいろあるのですが、これは主として営業用とそうでないというものとを区別してここに掲げておるということですか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 シャウプのころは営業用非課税という形で、かなりそういう概念整理をはっきりいたしておりましたが、その後の物品税法の改正の過程では、むしろ単に営業用ということよりも、そういうものが、たとえばいまの冷蔵庫でありますとか、米の低温貯蔵庫でありますとか、それがなければどうにもならない、あるいは電子計算機のオペレーションのために室内を恒温に保たなければならない、そういう文字どおり事業遂行上必要な、いわば不可決な用具というふうに概念を漸次移しかえてまいっておるのが事実でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、いまのはルームクーラーでありますけれども、産業用は非課税、しかし営業用では課税物品と非課税物品がある。冷蔵庫のところでいうとこういうことになりますか。要するに販売ケースのような冷蔵庫は、これは非課税になっているわけです。実はそうなってくるとそこらのところの区切りですね。これは私がさっきから言うように原則ですからね。そうすると営業用の中に、さらに商業用と産業用と区別をして、産業用のものは非課税にするけれども、商業用のものは課税をする場合もあるということになりますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 漸次その方向へ概念を整理していかなければならないなという感じで検討いたしております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 次へいきましょう。今度は大型冷蔵庫、これもずいぶんいろいろなことが書いてあるわけです。その中に「電子冷蔵庫」というのがここに一項目あるのですが、電子冷蔵庫というのは現実にあるのでしょうか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 私よりも堀先生のほうが御存じかもしれませんが、試作品が幾らか出ておりますが、いわゆる市販品はまだ出ておりません。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 この非課税品目というのは、普通市販品が出てからここで非課税品目となるのが常識だろうと思っておったのですが、ずっと見ていったら、どうも市販品でないものまでたいへん手っとり早く非課税品目に指定してある。たいへん手回しがいいのですね。ほかのものに比べるとどうも電子関係の商品は手回しがいい。これは私どもちょっと疑問に感ずるのですが、一体、電子冷蔵庫をここへ掲げたのはいつですか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 電子冷蔵庫は三十七年四月で、これはたまたま非課税のほうへ手回しがいいとおほめをいただいたのですが、課税のほうも手回しよくいたしまして、試作のものはかなり課税になって、今回提出いたしておるような形で税率の引き上げと申しますか、課税としては早々と取り上げておるというような面もありますから、あわせて……。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 三十七年に電子冷蔵庫などというものを非課税品目にして、今日四十五年になってもまだ製品が販売されていないなどという点は、どうも税法上ちょっとこれは問題があるような気がいたします。いま課税品目にしろというわけではありませんけれども、どうもそこらは少しあれであります。  そのうしろには「商品の陳列用に供されるものとして特殊な性状等を有するもの」、こうあるのですよ。その「商品の陳列用に供されるもの」という表現が非常に抽象的で問題があると思うのですが、たとえば最近牛乳等がガラス容器のようなものに入って置いてある。あるいはまた、各種のアイスクリームなどもそういうものに入って置いてある。それはいまのここに該当するのですか、「特殊な性状等を有するもの」に。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 そのとおりであります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、ここでは、冷蔵庫の場合には商業用のものが一般的に規格外になる、こういうことになると思います。  それからその次に「湯沸かし器のうち、次に掲げるもの」、こうありまして、「胴部の前面の幅が二五センチメートル以上の先止め式のもの」、「湯槽の容量が一〇リットル以上の貯蔵式のもの」、こういうふうになって、あとずっといろいろなものがありますが、一体これはどういうところで規格を切ったということでしょうか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 床屋で使われておるものを当初の規格として考えたのでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、家庭用に、最近は浴用にかなり大型のものを使う家庭もだんだん出ておるわけですが、こういうものはこの規格からいけば非課税品目になる。要するに、ふろを瞬間湯わかしのようなもので入る人のほうが有利で、顔を洗ったり茶わんを洗うものは課税されるという原則になる、こういうことですね。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 そういう現象が出てまいりましたので、これは検討しなければならない項目であると私どもも気がついておるわけであります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 その次に、レンジ、天火、ミキサー、アイスクリーム製造器、果汁しぼり器、ずいぶんいろいろありますが、これを一つ一つじゃたいへんだけれども、ここらの概念はどうなっているのですか。最近、例の電子レンジというのが出てきましたね。どうも電子レンジというのは課税品目のほうにないのですよ。これも相当、高周波の問題を起こしながらたいへんな勢いでいま売り出している。私は、電気メーカーがお売りになるのはけっこうだけれども、スタートから高価なもので、われわれから見れば奢侈的な便益的なものが製品になって出てきたら、遠慮することはないから全部これは課税すべきだというふうに考えているけれども、今回の税制改正にも取り入れられていない。取り入れられないで、あとのこまかいものが非課税に並んでいるわけですね。天火、ミキサー、アイスクリーム製造器、果汁しぼり器等の限界を設けた理由をちょっと伺いたい。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 どちらかと申せば産業用的な、つまり事業遂行上、合理化投資あるいはその事業の合理的な経営に役立つもの、その意味で不可欠な物品というようなものを大体配慮いたしているわけであります。  それからいま電子レンジのお話で、せっかくの堀委員の御意見でございますし、私どももそういう問題があると考えておりますので、今度の改正のときにはせっかくの御意見を尊重して入れていきたいと考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いまのは大体産業用というか商業用というかの限界でしょう、かなり容量が大きいですからね。  その次に、今度は電気掃除機ですが、「電気掃除機のうち、使用動力が七五〇ワット以上のもの」、「電気洗たく機のうち、」「合計使用動力が一五〇ワット以下」か「三五〇ワット以上」、こういうふうになってきているわけですね。そこでいま普遍的に販売されているものは、この百五十ワット以上で三百五十ワット以下の中に全部すぽっと入っているのでしょうか。このカバレージから下へ行くことはないと思うのですが、御承知のように、大型になって脱水機やいろいろなものがついている、これはどういう形で処理しているのか、そこのところを伺っておきたい。これは二つに分かれていて、「電気脱水機のうち、使用動力」というふうになっているのですが、いまそういう脱水機と電気洗たく機と一つになっているものは一体どういう取り扱いにしているのか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 脱水機と一緒になっているものは洗たく機として扱っております。その洗たく機でありますが、家庭用の洗たく機は百五十ワット以下ということで、いまのところほとんど非課税になっております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、課税になっているのは何でしょうか。営業用ですか。ここで設けた百五十ワット以下と三百五十ワット以上を非課税にして、まん中の百五十ワットから三百五十ワットまでのものだけが課税になるようなふうにここには出てくるのですが、これは何でしょう。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 営業用というのの規格を三百五十ワット以上というふうにいたしましたので、規格で切った結果こういう形にはなっておりますが、現実にはこの間に入る電気洗たく機は現在はございません。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、結局非課税品目の規格を定めたために、製品のほうがこれに合わせて非課税品目をつくるということになっているのじゃないかと思うのです。そうするとこれは意味がない。上のほうが意味がなくなるわけですね。電気掃除機はいいけれども、電気洗たく機、電気脱水機並びに芝生刈込機——これはあとで言いますが、要するに現実に課税されていないにもかかわらず上下の中間のものをここに設けたということは、非課税品目の制定の考え方からいったらあまり常識的でないという感じがしますけれども、どうでしょう。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 御承知のように、最初のころは電気洗たく機も大部分が一種の便益品というような観念を持っておったわけでございますが、その後の経済あるいは家庭の経済力等からしまして、電気洗たく機というものはごく普通品になったということで、ここで普通の型で普通に使われる程度の電気洗たく機は非課税ということにいたしているわけでありますが、先ほど全然ないと申しましたけれども、一、二試作的に出てきております例の全自動洗たく機、洗たく機が何もかも全部やってくれるというようなものがどんどん出てまいりますと、この間の品目になる。これはやはり普通の電気洗たく機よりはやや高度なものではなかろうか、かように考えます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 この中でちょっと気がつかないのは、最近さら洗い機というのが出てきておりますね。いまのあなたの言われた全自動のものにも非常に似通ったもので、電気さら洗い機というものがありますが、これはいま課税されているのでしょうか、どうなっているのでしょうか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 項目としましては、「食器洗器」として、九の電気器具の中の5のところの「湯沸かし器、冷水器、」云々とあるおしまいのほうに「食器洗器」というものがございます。そのうち非課税のものは、先ほど申し上げておりますような三百五十ワット以上のものが非課税になる。現実にはこの三百五十ワット以上のものがたくさん出ておる。だんだん一般家庭用にこのワット以下のものが近ごろ出回るというようなことを聞いております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 わかりました。ちょっと私が見落としていました。  その次に、さっきの「照明器具及び電気スタンド」でありますけれども、これは、こまかいことがずいぶんいろいろと書いてあるのですけれども、この電気スタンドというのは、製造者価格でありますから、二千四百円という免税点は、小売り価格では大体幾らまでが免税になっていますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 これは店によって若干違いますが、大体倍近くという感じでお考えいただけばいいと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 少し先へ行きまして、「扇風機のうち、次に掲げるもの」として、「天井扇風機」で、要するに「羽根の描く円の直径が六〇センチメートル以上のものに限る。」、こういうふうに書いてあるわけですね。今日冷房が出てきたおりから、天井の扇風機というものがどういうふうになるか、あまりよくわかりませんけれども、私はこれは今日冷房がこれだけ普及をしてきた場合には、扇風機というのはこれはそろそろもう課税品目からはずしたらどうなのか。いまや冷房のほうが便益的なものになりつつあるのじゃないかと思うときに、扇風機で風に当たろうというのはまさに私は日本のような高温多湿の国では日常的なものになっておるのではないか、こう思いますが、まだここには天井扇風機で六十センチ以上のものでなければ、あとは全部課税する、こうなっておるが、扇風機というのは、まだやはり便益的——奢侈的だとはだれも思わないでしょうが、便益的でしょうか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 その辺になりますと、かなりそれぞれの方々で御意見の分かれるところで、私どもは、税法に載っておりますからなお課税すべきものだと考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ちょっといまのあなたの答弁、おかしいですよ。税法に載っておるから課税するのが適当だ、主税局長がそんなことを言ったらおかしいじゃないですか。税法が適当であるかどうかを判断するのが主税局長であるのに、税法に載っておるから課税するのが適当だなんというのは、これは主税局長の権威に関する。ちょっと訂正しておいたほうがいいですよ。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 ほかの電話とかいろいろなものとのバランスで総合的に考えるべきものでありまして、おっしゃるように生活水準全体が上がって、冷房というようなものがむしろ一般化し、扇風機というようなものがそういう普通の便益的な消費よりも下の消費のように考えられるようになりますれば、おっしゃるとおりだと思いますが、ただ農村とかそのほかのところを考えますれば、やはりまだ扇風機も若干うちわよりは便益的であると思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ちょっといまの発言は、少し農村の方に失礼だという気がいたします。いまあなたはそうおっしゃったけれども、車の普及状態は、最近の場合なら、都市部における比率と農村部における比率は、人口比率に対して、逆に農村部の比率のほうが少し高いのではないか。電気製品その他においてもしかりでありまして、もしいまのように、農村はいまでも扇風機だということを言ったら、農民の方にしかられると思われますので、そこらはもうちょっと慎重な発言が必要じゃないかと思います。ここらは、もうそろそろ考慮されてもいいものではないかと思っております。  その次にやはり問題なのは、テレビジョン関係であります。そこでテレビジョンの問題の中で、ここにあるものは、大型なもので放送電波を受けないものというのは、これは業務用というか、内部的用具のものが主でございましょう。ですから、あまりここの中では課税品目の問題はありませんけれども、これはあとで、いまの税率と消費の関係で別途にお伺いしたい、こういうふうに思っております。  その次に来ておりますのは、レコードがありますが、レコードに書かれておることはおおむね問題がないので、8にいきまして、「テープ式又は円盤式の磁気録音再生機」というところの中に、「テープ式の磁気録音再生機のうち、次に掲げるもの」「イ 磁気録画機能を有するもの」、これがはずされるわけですね。ビデオテープというものは開発の当初の製品だからということで物品税から除外をしたのかもしれませんけれども、ビデオテープというのは非常に高額な商品であって、もしこれが一般的に考えられるならば、これはもう今日の状態で明らかに奢侈的な要素がきわめて高いにもかかわらず、なぜこの磁気録画ビデオテープをはずしたのか。これはいつはずされたのか。これをちょっとお伺いしたい。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 三十七年四月の改正で、はずしております。おっしゃるように、当初は新規産業育成ということで非課税にしておったわけであります。新しい事態に応じてはそれなりの検討が要る品目の一つだろうと思っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いま私はここで問題提起をしておる中で、非課税品目からはずせというのは、私は今次物品税法の改正の中でできることだと思っておるわけです。今日ビデオテープはたいへんな勢いで出てきて、これはカセット・ビデオテープといいますか、新しい商品の分野に進出をするところまで実は来ておるわけですね。今日こういう情勢の中で、これを非課税物品の中に放置しておくことはこれは重大な問題がある。その他の物品の課税との権衡上非常に重要な問題がある、こう考えておるわけですから、これについてはひとつ最近の販売数量、価格等について、七日までに資料を提出をしてもらいたいと思います。最近における販売数量及び販売価格等のあり方について資料を提出していただきたいと思います。  「電話機に取り付けるためのものとして特殊な性状等を有するもの」というのがありますね。まあこれは最近かなり普及をして使われておると思うのですが、これもやはりまだ非課税物品にしなければなりませんか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 そういう議論をぼつぼつ承るようになりましたが、これは御承知のように、電話機とのバランスで、新規開拓製品でもあったので、どれくらい普及するかということもあわせ検討して今後の課税の要否を検討すべき品目の一つだと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 その次はマイクロホン、ラジオ受信機等ずっとたくさん書いてあります。これはまた、ここにはずいぶんいろいろな形で除外例がたくさん書いてあります。これは一々やっておったのではかないませんが、ここに書かれておるものの考え方ですが、船舶用とかそういうものはよろしいから、一般的に書かれておるものはどういうことをもって非課税にしようとしたのかをちょっとお答えをいただきたいと思います。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 大きく分けまして一般産業用といいますか、産業上必要なもの、特に一般通信機器というようなものが一つのケース、それから列車用というような保安用ないしは公衆放送用といったような系統のもの、それから教育器材であるとかいったようなもの、そういう形でこの非課税は構成されております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 この分の区切りだけをきょうつけておきたいと思いますので、少し急ぎまして、家具類のところまでちょっと飛ぶことにします。  家具類は「たな物類のうち、次に掲げるもの」「衣服だな(幅又は高さが九〇センチメートル以上で、かつ、一人当たりの使用部分の高さが九〇センチメートル以下又は当該使用部分の幅が三〇センチメートル以下の三人以上用のものに限る。)」「書だな(金属製のものに限る。)」金属製の書だなは全部非課税になる。「商品の陳列用に供されるものとして特殊な性状等を有するもの」も非課税。「幅が一五〇センチメートル以上で高さが一七〇センチメートル以上のもの」になるとこれが非課税。「品目欄に掲げる物品のうち、桐(きり)製又はうるし塗りのもの」、これは全部非課税、こういうふうになっておるわけです。  そこで、非常に複雑なことが書いてある「イ」の「三人以上用のもの」というのはどういうことですか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 工場などに使いますいわゆる大衆的なものでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 その次の金属製書だなというのは全部非課税だ。木製なら課税するけれども金属製なら非課税。最近金属製の書だなというのはうんとあるわけです。これは一体どうして木製なら課税されて、金属製なら非課税なんですか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 この家具を課税いたしております思想には、調度品という概念がかなりあるわけです。ところが金属製のものにつきましてはいわゆる備品であって、調度品というカテゴリーに入るかなというのがこの免税を考えておったころでありますが、金属製でも非常に豪華なものが出てくるということになれば、それは先ほど来申し上げておりますように、新しい経済事情に応じて考え直す事柄であろうかと思っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 その中で特にキリ製品とウルシ製品——ウルシ製品は特にその他のものにもずいぶん関係があるのですが、これは非課税になっておりますね。何年からキリとウルシが一緒だったか私も記憶ありませんが、何年から非課税になったのか、これを非課税にした理由は何ですか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 四十一年の四月の改正で取り上げておりまして、この考え方は中小企業対策ということで、当初は免税点で処置しておったわけですが、最終的には非課税になった、こういうわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 しかし、ちょっと私いまそこで感じますのは、家具類全部おおむね中小企業じゃないかと思うのです。キリのたんすだけが中小企業なんでしょうか。ほかのたんす、たとえばカキのたんす、クスノキのたんすとか、たんすもいろいろある。特殊なたんすが少しあると思うのですが、キリは非課税でカキの木のたんすなら課税するとかいうことになっているのは、どこに理由があるのでしょうか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 一般の家具でございますとある程度機械化できる部面もございまして、ある程度の企業規模の業者の数も多いわけでありますが、キリにつきましては御承知のように手工業的な要素が非常に濃いわけでありまして、ウルシにいたしましても同様であります。そういう、中小企業の中でも特に大量生産的な形で企業合理化ができにくい業態ということで取り上げられたのでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私、ちょっとはっきり記憶がないわけでありますが、何か早々のうちに法律が審議をされて、あまり詳しい議論がなかったのじゃないかという気がちょっとするのであります。ウルシの場合でもそうでありますけれども、キリの場合でも、今日キリのたんすというのは大体奢侈品のほうなんですね。決して一般的用途のものだと私は思っていないし、ましてやウルシ塗りとなれば、実はたいへん奢侈的なものだと思うのです。ですから、いまの中小企業的だということで問題にするのなら、これは非常に問題がある性格のことであって、いまの発想が、税制のいまの思想、奢侈品を課税するという思想からするならば、私は少し問題があるのじゃないか。現実には、これに課税したところで、キリのたんすを買い、ウルシ塗りの家具を買える人というのは担税力のある者でありますから、当然これは、奢侈的なものは担税能力のある者に転嫁をさせるというのが原則であります。これを業者が負担をするという場合には、かなり競争が激しくて、その価格においても競争の範囲の中に置かれておるものについては、それが製造業者の負担になる場合もありましょうけれども、キリのたんすやウルシ製品の戸だなやその他のような、きわめて高額のものが製造業者に課税がはね返ったりすることは、いまの課税原則の常識から見てあり得ないという判断をしておるわけですが、これについてはあなたはどう考えますか。ちょっと申し上げておきたいけれども、これは必ずしも主税事務当局の発想ではなかったかもしれません。多分にその他の要素があることをあなたに答弁させる点においてはやや問題があるかもしれないけれども、しかしあえて質問をいたします。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 消費の態様をとらまえて、高級なものほど課税するということは、消費税の課税理論としてはそのとおりだと思うのでありますが、一方日本で中小企業問題というのがございまして、その場合、物品税との関係で起こりますことは、高級なものほど手が込んでおる。そういうものに限って中小企業製品が多い。したがいまして、先ほど来も申し上げましたように、たとえば高級織物あるいは高級帯といったようなものについて課税するのが消費税理論としては出てくることでありますが、それが零細企業のものであるということで、何回も提案をしたけれども日の目を見なかったというような事情、そういう中小企業問題という非常にむずかしい問題と、物品税の理論といいますか理屈というものとどう調和さすかというのが、この辺に出てきておる具体的な解決だと思います。

平林剛日本社会党

○平林委員 ちょっとそのことに関連してお尋ねしたいのですけれども、私もいまあげられたものは、四十一年の物品税の改正のときに加えられたものだというふうに記憶しておるのです。あのときはたしか羽毛製のふとん——このころふとんというのは羽根が入っているふとんがありますね。これもそのときにたしか課税からはずされたんですね。それから飾りものとか、茶道の用具だとか、それから室内装飾用品などについては、たしかすべて課税が廃止をされたというふうに記憶をしておるわけなんです。さっき、きょうの問題をやっているうちに研究してみまして、そのときはいまお話しのように、小規模な零細加工業者に納税義務が課せられるということは、かえって弱い者いじめといいますか、中小企業者の対策を考えてという御説明で、私はそのときはなるほどそうかなと実は思った。けれどもその後いろいろ研究してみますと、物品税法の第七条第一項に、製造課税の場合は、下請加工業者が納税義務者になるのでなくて、その加工を発注した者が製造業者とみなされて課税することができるという規定があるのに実は気がついたんです。そうすると羽根製のふとんだとか、いまあげられましたキリ製のものも、発注者があるものはむしろそこに課税をするというような形をとれば、理論的にも合致してくるのじゃないかなという感じがする。きょうは一点にしぼったので実はそこまで発展しなかったのですが、いま堀委員の質問に関連いたしまして、何かそういう点は抜けているところがあるのじゃないかなという感じがするんですが、その点はいかがなんですか。つまり弱い者いじめだけでもっていままで逃げて、課税の対象からはずしたことが私はちょっと間違いがあるんじゃないかなという感じがするんですけれども、いかがです。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 その規定にからみ、そうした問題についても課税方式を変えたらどうかという議論がいろいろ出たわけでありますが、いまのように発注した人が課税をされるということにいたしますと、その発注した人々が材料その他を提供したというのが入っております。そういう材料の提供などを行なわなくなるというようなことがあるということで、課税方法をどうするかというのでかなり慎重な御議論を願った結果、やはり課税方法は非常にむずかしかろうということになり、この四十一年の全体の物品税の改正は、あのときのほかの税法もそうでありましたように、全体として不況対策的な要素で、特に一番不況のしわが寄りやすい中小企業について何らかの措置をとるべきじゃないかというのが物品税法にも取り入れられてこういう措置が出たわけでございまして、そういう意味で、それが政治的であったといえば政治的でございますが、それ以外の要素はなかったというふうに聞いております。

平林剛日本社会党

○平林委員 ただ、いま堀委員が各課税品目ごとにあげたが、いずれ私は全般的に物品税については検討しなければならぬ時期が来ておると思う。これは品目で当たるのか、総体的なものの考え方を検討するのか、これは議論は別にいたしまして、ただ言い得ることは、いまお話があったキリのたんすあるいは羽根製のふとん、あるいは室内装飾品、茶道用具なども、発注者のことから見たりいたしますと注文しなくなるおそれがあるというけれども、こういう品物はやっぱり経済の発展や家庭生活の上昇によりまして、需要はこれからも弱まるのではなくて強くなってくるという意味では、私はそういう傾向は強くなるのじゃないかと見ておるわけですね。ですからそのことの理由で課税対象からはずすということは、どうも社会合理性からちょっと疑問が出てきておるように思いますから、あわせて検討すべき課題として頭に入れておいてもらいたいということをつけ加えておきます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 もう時間がありませんから私はきょうはここまでにしておきますが、最近の傾向というのは、今後の日本の中で——これまではたとえば三種の神器とかいうようなことがいわれてきたいろいろなものがあります。クーラー、テレビ、カーですか、こういう時代もあった。これはまさに物品税の非常に伸び率の高い商品であります。ところが今後に考えられるものの中に一番大きいのは、これは一般的にいえば住宅産業でありますから、その住宅産業の中のインテリアの問題というのは、今後の消費形態の中では非常に大きな消費を伸ばしていく物品消費財であります。その消費財が依然としてやはり高級化を迎えつつあるということも実は既定の事実なんです。そうなってまいりますと、私はやはり物品税の課税対策上の問題からするならば、必要最小限度、日用品的なものを国民が使用されることはちっともかまいません、あるいは多少便益的なものはかまいませんけれども、ややもすれば奢侈的傾向に流れやすいという今日の趨勢から見るならば、家具やその他の問題についての課税の問題というのは、今後の物品税の対策の中の重要な一つの問題点だと考えておるわけなんです。その問題点が、実はいずれもきわめて高い免税点に置かれておる。もうこれは課税にならないようなことになっておる。これらはまた次回にあらためてゆっくり議論をいたしますが、物品税の問題は、いまいろいろ議論をしてきたことを整理をすれば、やはり今日の非課税品目が、今日から将来を見通した場合における情勢に必ずしもマッチしていないものがかなりある。同時にまた非課税にすべきものもあるし、当然非課税品目からはずすべきものもあるということが、非常に私は問題点としてあると思うのであります。  本日はここまでにして、残余は七日の日に継続させていただきます。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 本会議終了後再開することとし、暫時休憩いたします。    午後一時二十七分休憩      ————◇—————    午後三時五十二分開議

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。竹本孫一君。

竹本孫一民社党

○竹本委員 最初に、最近世界の保護貿易の風潮というのが非常に台頭してきておると思うのですけれども、大蔵省としてはそうした流れを具体的にどういうふうにつかんでおられるか、まずそれを伺いたいと思います。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 おっしゃいますように、アメリカの議会あるいは業界の一部にはそういう動きと申しますか、声が比較的高まっているような感じもございまするけれども、ヨーロッパ諸国におきましては、これは率直に申し上げますと、一昨々年あたりにおきましてヨーロッパのたとえばフランスとかイギリスとかいうような国におきまする国際収支の状況が悪うございましたので、それに伴いまして国際収支の保護上のためのいろいろな制限なり障壁なりを設けられたこともございますが、これは昨年来の通貨の価値調整というような点で、たとえばフランスにおきましてはその当時とりましたものを全部廃止いたしておりまするし、そういうようなことで、世界全体といたしましては、特にいま申されましたような保護主義的な動きが非常に高まっておるとは言い切れないというような感じがいたしております。ただ、これは先走ったお答えになるかもしれませんが、わが国の置かれました環境からいいましても、貿易の拡大をはかってまいらなければならないと思っておりますので、こういうような保護主義的な傾向が高まることは極力防止したい、そういうふうに考えておるわけでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 いまの御答弁の中でもうかがわれるように、特にアメリカの議会、業界のほうが非常に保護主義的な動きをしておるというふうに私も受け取っておるわけですけれども、アメリカは繊維の自主規制の問題でもわかりますようにいろいろな手を打って、さきにピアノの問題についてもそういう手を打ってまいりましたけれども、アメリカは、たとえば日本の品物がどんどん出ていくという場合に、それを防ぐ法的な措置といったものはどういうものを持っておるのか。法的なかまえはどういうものができておるか。アメリカは何と何という法律によって日本の飛躍的なアメリカ市場への進出を押え得るのであるか、法的なメカニズムを聞きたい。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 アメリカの制度自体は、原則的には自由貿易というものを主張しておりまする国でございますので、それほど大きな規制措置というものはないように思っております。ただ御質問の点につきましては、たとえて申しますと、通商拡大法の中に、国内産業がガット譲許のために被害をこうむるというような場合にはエスケープ・クローズを発動できるというような規定がありまするし、あるいは同じような通商拡大法の中に国防条項、これは石油でございますが、そういうものによって輸入制限、あるいは農事調整法等によりまする酪農品、綿花、小麦等の輸入制限、そのほかそれに類するものが若干あるというふうに承知いたしております。

竹本孫一民社党

○竹本委員 農事調整法といったか農業法といったか、ちょっと記憶がはっきりしないのですけれども、その二百四条、今度の繊維の自主規制なんかもそれにひっかけてやろうということのようですけれども、その間の事情はおわかりですか。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 おっしゃいますことは、おそらく農事調整法の中に、輸入のうちの相当部分について何らかの措置が行なわれた場合に、他の部分についても同じようなことができるというような趣旨の規定があったように承知いたしておりますが、それで具体的にいまの繊維の問題を処理するかどうかというような問題につきましては、実は承知をいたしておりません。

竹本孫一民社党

○竹本委員 いまの法律は何という法律ですか。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 ただいまの法律は農業法の第二百四条でございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 そこでガットの関係、またいろいろありますけれども、こういう場合にアメリカがやるのは、自分の国の産業が非常に被害を受けるだろうというおそれあるときにもやれるということになっておると思うのだけれども、その点はそうであるかどうか。またそのおそれがあるかないかということはだれがどこで判断するか。  それからもう一つ、時間がありませんからまとめて聞くが、それに対してそんなおそれはないじゃないかという反論は、たとえば日本であったらどこでやるつもりであるか。この三つを伺いたい。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 第一点のおそれがある場合も含むかどうかという点につきましては、そのとおりでございます。これはたとえば通商拡大法によります場合にもそのとおりでございますし、このような原則は、たとえばガットにおきましてもそういう立て方になっておるわけでございます。  これに対して、そういう被害がないではないかという議論でございますが、たとえて申しますと、いま申しましたエスケープ・クローズの発動の適否の判断は、御存じのようにアメリカにおきます関税委員会で行なうことになっております。その場合に関税委員会では、公聴会等を開きまして審査をすることになっておりますし、この席におきましては日本の関係業者等の意見も表明をされる、こういうことになろうかと思いますし、必要に応じまして、私どもも外交ルートを通じてそういうようなものが過激に行なわれないように、あるいはそれに対する意見も外交ルートでもって申し述べるというような道もあるわけでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 たとえばピアノの関税が一一・五%に今度ケネディラウンドで下がっていかなければならぬやつを、ことしの一月だったか、急に一三・五%に返したというか、上げました。その場合に関税委員会にかかりまして公聴会も開かれたと思うのだけれども、日本の政府はどういう手を使って反論をしたか、その努力の経過を聞きたい。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 私のほうからお答えするのが適当かどうかわかりませんが、このピアノの問題につきましては、いま申されました公聴会の席上におきましても、日本の業界からしかるべき弁護士等を立てまして、そこで意見を述べた、こういう事実を私どもは承知をいたしております。

竹本孫一民社党

○竹本委員 そこで問題があるんです。これは私予算委員会でも言ったんだけれども、アメリカが最近においては地盤沈下をしておる、そしてそのために日本の輸入を、自分のほうの自主的な企業努力によって消化しようとはしないで、政治的な圧力で押えていこうというような立場で出てくる。したがって、おそれありということになれば、きわめて簡単にいえばどんなものでもみんなおそれあるわけですから、アメリカのように衰退的な傾向を持っている場合においては、それぞれの業界はなおさらそういう感情を持つでしょうから、事実そうではないんだというような反論をするのに、ただ業界が、あるいは一部のだれかの弁護士がやっておるらしいということ以上に、日本政府は外交ルートなり、あるいは大蔵省、通産省は、それぞれのルートを通じてそれに反撃を加えるというか、反駁をするルートは持たないのか、持っておるのか、その辺を聞きたいのです。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 ただいまのお話につきましては、業界ベースでいろいろとお話しをしておりますのは、通産省の指導のもとに、業界におきましても生懸命やっておると私は思っております。なお先ほども申しましたように、本件のピアノにつきましては、そういうような決定が出ました際に、外交ルートを通じまして、このようなピアノ関税の譲許の、ある意味で撤回でございますが、それは反対であるというようなこともアメリカ政府に対して申し入れを行なったようなわけでございまして、そういうような機会を通じまして努力をしてまいっておるつもりでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 ちょっと聞き漏らしましたけれども、ピアノの場合なんかも反対の申し入れを政府としてもしたんですか。いつやったかそれをひとつ。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 ピアノの問題につきまして、関税委員会が昨年の十二月に被害のおそれがあるという決定をいたしたわけでございますが、これに対しまして、今年の二月六日に、わが国としては米国政府がエスケープ・クローズを発動しないように希望するとともに、万一米国がKRに基づく関税引き下げの停止ないし引き上げを行なったときには、わが国としてはこれに見合う代償を要求するつもりとの申し入れを行なっております。

竹本孫一民社党

○竹本委員 そこで、それに見合う賠償の要求というものはしたのか、するのか。これからやるとすればどういう構想でやろうとしておるのか、その辺を聞きたい。  もう一つは、ケネディラウンドをたしか三年間ストップしたでしょう。その三年間というものはずいぶんむちゃなやり方だと思うけれども、それに対しては、たとえば一年間やるというのならまだわかるけれども、三年間もケネディラウンドはぽんとたな上げだというようなことをやれば、全くケネディラウンドとか自由化というものがめちゃくちゃになってしまう。それに対して政府はどういう抗議をしたのか、しようとするのか、その辺もあわせてお伺いしたい。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 このピアノの譲許繰り延べと申しますか、これをやりますことに対しましては、ガットの手続によりまして相手国に協議を申し入れ、相手国はこれを受けて協議をする義務がございます。したがいまして、わが国といたしましては米国に対しまして協議の申し入れをいたしております。その協議においてどういう話をするか、必要な場合におきます代償措置等につきましては、目下関係各省で検討中でございまして、まだ申し上げられる段階に至っておりません。できるだけ御趣旨のような線で米国政府と協議をしたい、こういうふうに考えているわけでございます。  それから、ただいまのKRの譲許の繰り延べ、こういうものにつきましては、御指摘のように三年間米国としては決定したわけでございます。これをどの程度に繰り延べるか、こういうことはもちろんアメリカ政府が決定するところでございますが、その内容につきましては、先ほどから申しておりますように、できれば直ちにでもやめてもらうというのが望ましいわけでございますが、そういうような線で交渉もする。また、相手国政府がどうしても三年間でなければならないということでありますと、それに見合っていろいろな代償等の協議に入る、こういうかっこうになるのではなかろうかと思っております。

竹本孫一民社党

○竹本委員 これはあとでまとまった段階で、関係各省でどういうように、打ち合わせられた結果、抗議を申し込まれることになったか、これはまた一度教えていただきたいという希望を申し上げておきます。  それから、そういうような、私どもから言うと今度の繊維の場合でもピアノの場合でも全部同じだと思うのだけれども、アメリカが強引なやり方をやるといった場合に、申し入れとか抗議ということは一応わかりましたが、今度は現在の関税定率法か暫定措置法か、あるいはその他の法律に、日本のそういうことに対する予防の手段としてどういう法的なメカニズムがあるか。それから報復をしようという場合には、報復の措置として法的にはいかなる制度があるのか、その辺をひとつ伺ってみたいと思います。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 まず第一点の予防の点でございますが、日本の産業で、ある産品の輸入が急増してまいります、また、そのおそれがあります場合に、予防的な措置としていかなる措置があるかと申しますと、関税定率法の中に「緊急関税」という制度がございまして、これによりまして対処し得るようになっておるわけでございます。それから、第二に対抗措置でございますが、同様に関税定率法の中に対抗措置の規定も規定されておる、こういう状況でございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 対抗関税といいますか、対抗措置としてとり得る法的な手段は何と何、もう少し具体的に言ってください。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 対抗措置につきましては、関税定率法九条の二、第二項におきまして、先ほど申しておりますような事態が生じました場合におきましては、その輸入される貨物につきましては、そのものの関税率のほかに、当該輸入される貨物の課税価格と同額以下の関税を課することができるようになっております。

竹本孫一民社党

○竹本委員 その対抗関税を過去にかけた経験、例がありますか。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 ございません。

竹本孫一民社党

○竹本委員 それから、これはちょっと関連するのだけれども、輸入のほうは緊急の場合は緊急の手段があるとしても、輸出の場合に、いまの繊維の場合なんかの関係を言うのですけれども、貿易管理令でこれを押え得るというような法的な手段があるのか。また、それには前提条件はどんなものか。輸出を押えるという場合ですね。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 輸出につきましては、原則的に自由であるというたてまえをとっておりますけれども、特定の物品につきましては、御存じのように輸出管理令で、たとえば通産大臣の承認を要するというような品物も置いておるわけでございます。それに、そういうようなものとして規定をいたします場合には、これは所要の手続がないと輸出ができない、こういうことになるわけでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 ちょっともう一度聞きたいのですけれども、輸出を押えるという場合には大臣の承認が要る。どういう場合にその承認を得て輸出を押えるという形になるのかという点を、もう少し具体的にお聞きしたいと思います。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 輸出貿易管理令の場合は、実は通産省の所管でございますので的確にお答えできるかどうかあれでございますが、私の記憶いたしておりますところでは、外国為替及び外国貿易管理法四十八条の中に「特定の種類の若しくは特定の地域を仕向地とする貨物を輸出しようとする者又は特定の取引若しくは支払の方法により貨物を輸出しようとする者は、政令で定めるところにより、通商産業大臣の承認を受ける義務を課せられることがある。」という規定がございます。これに基づきまして輸出貿易管理令の中にそういう品物が明示をされておる。あるいはこれは告示か何かで出されているかとも思いますけれども、それによって措置をされておる、こういうことでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 もう一つだけ伺いたいが、残存輸入制限品目というのは、ガットのたてまえで認めているような認めていないようなことになっておるようだけれども、いまの政府の解釈ではこれはどういう取り扱い、位置づけになっておるかということ、基本的な考え方を伺いたい。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 御存じのように、ガットの規定によりますと、ガット締約国は、国際収支上の困難がありまする場合を除きまして輸入制限を行なってはならないという——若干の例外はございます、公衆衛生その他そういうものを除きましては、してはいけない、こういうことになっておるわけでございます。しかし、この規定にもかかわりませず自由化できない場合には、ガットは一九六〇年の総会におきまして残存輸入制限手続を定めております。それによりますと、輸入制限品目がございますとそれをガットに通報をする、そしてその品目につきましては相手国の要請があれば協議をしていく、そういうような義務がございまするけれども、それに基づいて、わが国の場合におきましても残存輸入制限品目をガットに通報をして存続をしておる、こういう状態でございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 そこで今度は、今回の法の改正に少し関連して一、二伺いたいのですけれども、一つは重油の脱硫減税の新設をしておる、こういうことですね。関税政策というのは財政収入が一つのねらいであるか、あるいは産業政策が一つのねらいであるかと思うのだけれども、これは一つの公害対策だと思うのですけれども、関税政策にそういう他の政策目的を加えていくということは、いままでもそういう例は幾つかあったかもしれぬが、今後はそういう形をますますふやしていかれるつもりなのか、あるいはどういう政策意図のものであるかという点について説明を願いたいと思います。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 関税は、私どもは原則としてわが国の場合保護関税であると考えております。したがいまして、産業の保護を第一義的に考えておるわけでございます。もちろん実際問題といたしましては、たとえばいま御指摘がありました石油関係原重油関税は、石炭対策の費用に充てるための財政関税でございます。それから実質的には相当巨額の税収入になっておるものもございまするので、財政的な意味も無視できないというものもございますけれども、基本的には産業政策の一環として国内産業保護のためにこれを設定し運用していくという気持ちでございます。御指摘のいまの脱硫還付の問題につきましては、一方におきまして石炭対策のための費用に充てまするために比較的高率の原重油関税が課せられております。したがいまして、この石炭対策がだんだんと縮小いたしてまいるにつれまして、原重油関税の軽減あるいはそういうようなものを考えていかなければならないと思っておるわけでございまするけれども、さしあたりはこの重油関税を存続せざるを得ない状況でございます。一方におきまして、御指摘のような公害対策の緊要性も十分考えられるところでございまするので、その間の調和をはかります意味におきまして今度の法律改正をお願いいたしまして、脱硫装置を通します重油につきましては一キロリットルにつき三百円に相当する金額を還付いたしまして公害対策に資しよう、こういうことで法律案の御審議を願っておるわけでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 私が言う意味は、保護関税というような考え方の従来の小さなワクを乗り越えて、公害対策といったような新しい政策目的のためにもこれからは関税を使うというか、関税政策を大いに活用するということになるのでありますかと聞いておるのであります。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 むずかしい御質問でございますが、基本的には、私どもも関税率の果たしまする役割りを、そのときそのときの経済情勢に応じ弾力的に実施をしてまいりたい。といいますことは、関税政策を弾力的に実施いたしまして諸般の経済政策の一貫として運用してまいりたい、こういう気持ちに変わりはございません。ただやり方におきましては、たとえば関税は財政収入でございますし、一たん入りました収入を必要な予算の配分として歳出で計上する、これもまた一つのたてまえでございます。そういうような線をも勘案しながら、この方向としては、おっしゃいまするように、関税政策といたしましても、一般論といたしましては弾力的に運用をしてまいりたい、こういう気持ちには変わりはございません。

竹本孫一民社党

○竹本委員 私が言うのは、関税政策に多面的な政策目的を一つ加味していくということを意識してこれをやられたのか、あるいは偶然そういうことになったのか。もし前者であれば、これはこれからの関税政策を論ずる場合にいろいろむずかしいところもあるし、おもしろいところもあるので、そういう問題意識を持ってやっておられるのか、偶然踏みはずしてそういうことになっておるのか、その辺のところを突っ込んで聞きたい、こういうことです。何かありますか。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 同じお答えになるかもわかりませんが、私どもといたしましては、関税政策に与えられました任務というものが、経済諸情勢の変転あるいは国際情勢の流動性というものにかんがみまして非常に大きくなっておると思っております。そのような観点から従来のような固定的な関税政策ではなくして、弾力的な関税政策をやってまいりたい、そういう気持ちを持っております。

竹本孫一民社党

○竹本委員 固定的ではなくて弾力的ということでけっこうです。これからのいろいろな政策目的が考えられますから、ぜひひとつそういう新しい視野に立った、その第一のスタートだというふうに、私は善意に理解したいんです。まあ希望を申し上げておきます。  それから、今度の加工再輸入品に対する減税制度の適用対象品目にこれこれ三つばかりのものを加えるということになっておりますが、これもやはり政策的な長期展望でいいますと大きな要素を持っていると思うのですね。ある意味からいえば、労働力が足らないんだから向こうへ、安いチープレーバーのところへ加工をさせて、それをこちらへ持ってくる、そういう形でやれば、労働力の不足なり、あるいはベースアップの行き過ぎなりというようなものがありとすれば、そういうものを押えるということからいえば一つの役割りがある。しかし同時に、それをめちゃくちゃにやっておれば、今度は逆に、そういう形で資本家はプラスになるかもしらぬけれども、その業界に働いている労働者はたいへんな脅威を受けるということになる。これも、だからどういう政策的意図、政策的展望の中で取り上げられたのか、あるいはそんなものはなくて偶然そういうふうになったのか、その辺はどちらですか。のみならず、今後はこういう問題について、加工再輸入品というものはいろいろと考えられると思うのだけれども、どういうお考えを持っておられるか、その二つ。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 仰せられますように、日本の労働力もだんだんと窮屈になってまいるわけでございますが、また近隣諸国には比較的低廉な労働力がある、しかもその国との貿易におきましては日本の出超になって、貿易不均衡の是正をしてくれ、こういう要請が高いわけでございます。そういうような観点から、この加工再輸入品の関税の軽減措置につきましても、適当な品目があればこれを前向き的に処理していきたいという気持ちでございます。ただ、おっしゃいましたように、あるいはまた前回の当委員会におきましても附帯決議をいただいておりますが、それを実施するにあたっては、国内の中小企業あるいは勤労者に不当な圧迫を加えないように配慮をしなさいということの附帯決議をいただいております。したがいまして、そういう御趣旨に沿った品目につきましては、これが出てまいりますれば前向きにこの関税の軽減措置につけ加えていきたい、こういう気持ちで今回も適当な品目をさがしましたところ、いまお願いをいたしておりまするような三品目を掲上すると、こういうことになったわけでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 要するにこの加工再輸入品というのは、大蔵省のお考えとしてはこれからふえるという見通しでありますか、あるいはふやそうという意図でありますか。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 いま申し上げましたように、こういう品目の選定につきましては、主として通産省の関係におきまする国内産業への配慮その他があるわけでございます。国内産業に支障のない限りにおきましては、これを前向きにふやしていく、そういうような考え方でございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 最後にひとつ、中共の関係のことを一言伺いたいのですけれども、最初にまずこういうことはどうですかね。イタリアやオーストラリアやカナダといったような国は、中共に対してケネディラウンドを適用国にしておるかどうかという事実関係をおわかりですか。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 いま仰せられました国におきましては、関税率の立て方がわが国と違っておりまして、わが国の場合には御存じのように国定税率と協定税率の二本立てになっておりますけれども、いま仰せられました国につきましては一本税率で規定をされておりまするので、その結果といたしましては、KRの税率がそういうような国にも均てんするということになっていると承知いたしております。

竹本孫一民社党

○竹本委員 ちょっと最後のほうがよくわからなかったが、一本税制だから、こちらへ適用するものも中共品にも適用する、こういうことですね。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 そういうことでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 そうすると、日本の場合にも、条約を結んでいるとか結んでないとかいう、承認国、未承認国という問題がありますけれども、それらの例にならうことが法律的に不可能なものという条件があるのですか。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 これは関税率体系の問題でございますので、法律的にはそういうような改正をすれば可能でございます。  ただ、私どもといたしましては、御存じのように国定税率、これはどこの国でも原則としては適用するという税率を設けてございます。ただし協定税率、と申しましても主としてガットの関係でお互いに譲許をした税率でございます。このガットの場合におきましては、自分の国も関税率を下げるから相手の国にも下げさすということで、相互に関税率を下げ合うという交渉の結果生まれたものでございます。したがいまして、そういう関税交渉をいたしました国に原則として適用する。なお通商航海条約等によりまして最恵国待遇を与えるのだという約束をいたしました国には、いまの低い協定税率も適用する、こういう立て方にいたしておるわけでございます。  もちろん、どういう制度がよろしいかという問題はいろいろあろうかと思いまするけれども、私どもがいま採用いたしておりますこういう関税率表の体系と申しまするものは、いま申しましたような思想に基づいておるものでございますので、これも一つの方法である、また正しい方法ではなかろうか、こういうふうに考えているわけでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 方向としては、カナダの場合もオーストラリアの場合もイタリアの場合も、やっぱり大体そういう方向であるんじゃないでしょうかね。違いますか、方向としては、協定というものは。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 関税率を一本にして協定税率を下げれば、おのずからほかの国にも適用させるというやり方、これが私は間違っているとは思いませんけれども、私どものやっておりまする国定税率というものを定めておいて、お互いに関税率を下げ合った国、これは義務として下げ合っている国でございます、そういう国にその協定税率を均てんさせるというやり方も、これは私は一つのやり方であり、間違っていないと思っております。ほかの国におきましても、最高税率と最低税率、あるいは二本税率というようなものを使って、それによって最恵国待遇なりを与えている国には最低税率を適用する、そういうような国もあるわけでございまして、たとえば中共におきましては関税率の制度が、私ども正確な知識といいますか情報は得られないわけでございますけれども、ジェトロ等で調査をいたしました資料によりましても、中共におきましても、最恵国待遇といいますか、協定がありまする国と、そうでない国との税率が異なっているというような条文もあるというようなことを承知いたしておるわけでございまして、どのような税体系がいいか、こういう問題につきましては、先ほどから申し上げておりまするように、私どもがとっております税体系というものも一つの行き方であり、間違っていないと私は思っております。

竹本孫一民社党

○竹本委員 じゃ私具体的に申しますと、いままで、まあ今度もですが、昭和四十三年度の改正で大豆、銑鉄、それからずっときて今回もやられて、その関税の格差解消のための非常な努力をされるわけですね。非常な努力をされるけれども、それは向こうさんと話し合いの上で、両方で二本立てにして、そして特別に協定によって下げていくという形のものか、あるいは大体こちらのほうで、むしろ一方的といいますかあるいは先手を打ってというか、日本側から下げていこうというのか、その辺のことを考えてみると、むしろ中共が二本立てであるならばなおさらのことだ、こちらも下げるがおまえのほうも下げろという話し合いをするのがいいのじゃないか。それから、いままで格差解消のためにしてこられた努力というものは、中共側におけるいかなる努力あるいは政策の動きというものを前提にして考えておられるのか、それを……。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 中共と関税交渉をしろというお話ではないかと思いますけれども、御存じのような状態でございますので関税交渉ができないわけでございます。ただ、この問題につきまして、前回、前々回、いろいろ国会で御議論がございました。そのときに、ことにKRの進展に伴いまして、国定税率と協定税率の格差がだんだん広がっていく、それによって協定税率の適用国でない国に対しての格差がひどくなってはいけないのではないか、したがって、そういうものについてもできるだけケネディラウンドの関税一括引き下げが均てんされるようにすべきである、こういうような附帯決議もいただいているわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、品目によりましては、ケネディラウンドの協定税率をそのまま適用いたしますと、国内産業に影響を及ぼすものもございますので、そういうものを除きましては、原則として、協定税率の適用国でない国につきましてもケネディラウンドの一括引き下げの税率の引き下げを均てんいたしますように、国会におきまして法律案を提出をいたしておるわけでございまして、今後もそういうような附帯決議の御趣旨に沿いまして、同様に努力を続けたいというふうに考えているわけでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 きょうは時間がもうなくなりましたので、ただ私の気持ちを少し申し上げておいてみると、格差が広がっては困るから今度は少し縮めるように努力しよう、こうおっしゃるのだったら、初めから出し惜しみしないで、大体同じような線でいくように考えられないかという点が一つ。もう一つは、そうやれば日本の中小企業や農業に大きな打撃を与えるではないかというなら、これは中共の場合だけでなくて、韓国だって台湾だって香港だって与えるんだから、その辺のことは全部公平でなければおかしいじゃないか。そういうことから、中共の側に必要以上に日本に対する不信感を招くようなことになっては非常に残念ではないかと思うのです。そういう意味で私はいま質問をしたのですけれども。これはもう少し論議をしたい点がありますけれども、時間がありませんのでやめて、最後に一つだけ。  三百九十四品目といいますか、いままで三百五十一品目あったとか、今度五品目加えたとか、また三十五品目加わったとかいうのと数字がちょっと合わない気がするが、この三百九十四というのは、内容はどういうことですか。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 三百九十四品目の中に、中共産品との格差の解消をいたしますものが三百五十三品目あるわけでございます。その差の約四十一品目につきましては、たとえて申しますと、ある品目につきまして関税の引き下げを行なう、その場合に、その品目と非常に似ておりまして、しかし税番としては違っておる。そういうような、いわゆる税関を通関いたしまするときに、税関実務上の観点から非常にまぎらわしいようなものが入って問題を起こすような場合があるわけでございます。そういうような、税関実務に合わせまして措置を要するというようなものが出てまいっておるものがございます。そういうものも含めますと、いま申しました三百九十四品目になる、こういうことでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 ありがとうございました。これで終わります。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 二見君。

二見伸明公明党

○二見委員 最初に、物品税に関連いたしまして、間接税について基本的なことを二、三お尋ねしたいと思います。  税調の長期税制についての答申によると、間税の比重は低下している、こういう指摘があるわけです。大蔵大臣も間接税の増徴を予算委員会等で示唆しておりますけれども、大蔵省当局としては、直接税と間接税との国税に占める割合はどの程度が適当であると思っているのか、どういうふうにその点は考えていらっしゃるのか、まずその点をお尋ねしたいと思います。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 直接税といい間接税といいましても、それは概括的な名称でありまして、税は具体的にどういう税負担を納税者に求めるかというのは、それぞれの税がそれぞれの性格を持って税負担を求めておるわけであります。したがいまして、そういう直接税とか間接税とかいう名前で概括的に締めくくりました概念でそれぞれが何%がいいというようなことは、税制として申し上げることではなくて、むしろそれぞれの国民生活に対してそれぞれの税が与える影響あるいは国民経済に対して税制が占める役割りというようなものを総合的に勘案いたしまして、最もその時代に適した税制を選び、その結果が直接税何%あるいは間接税何%ということになるわけでありますが、しかしそういうことで各税を組み立てたといたしましても、やはり直接税のウエートというものが経済成長に従いまして非常に大きくなってまいりますので、やはりいずれの国を見ましても、直接税、間接税というのは、ある程度の割合で税制を構成しておるというのが現実でございます。そういう点を考えれば、やはり、直接税に片寄った税制に、放置しておけばなっていくわけでありますので、その辺について、やはり歯どめのような考えを持ってもう少し間接税を考えてみたらどうかというのが、大臣が申し上げておる真意でございます。

二見伸明公明党

○二見委員 確かに財源を全部直接税でもってまかなうということは、これは国民にとってはたいへんな負担感になります。理論的には直接税がいいという理論があることはありますけれども、国民に対する税負担感が非常に強くなるということは当然だと思います。と同時に、では間接税にすれば、間接税は逆進的という批判もありまして、間接税は書き方によっては大衆課税になるおそれも十分あるわけです。  いま主税局長は、その割合は言えないというような意味の御答弁でございましたけれども、これは二月二十六日の予算委員会で福田大蔵大臣はこういうふうに言っているのです。「昭和四十五年の見通しといたしましては全く逆で、今度は間接税のほうが三五で、直接税のほうが六五だ。国民の負担感という点から見ますと、どうも直接税が少し強過ぎるのじゃないか、そういうふうに考えておるのです。」こういうふうに大蔵大臣は答弁しておるわけです。直接税対間接税の割合が六五対三五では、これは国民の負担感が強いから、もう少し間接税の比率を上げなければならない、こういう意味の大蔵大臣の答弁なんです。ということになると、大蔵省としても、たとえば六〇対四〇とか六二対三八とか、おおよそのめどを持っておらなければ、低過ぎるとか高過ぎるとかいう大蔵大臣の答弁は私は出てこないと思うわけです。そういう点はいかがでしょうか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 先ほど申し上げましたように、六〇対四〇になればいいとか、あるいは五五対四五になればいいとかいうようなものを、目標として掲げるというようなことは考えておりません。ただ大臣が申し上げておりますように、間接税に比して直接税のウエートが非常に大きくなっておる。まして戦前の日本の税制を考えますと、いまの六五、三五という直接税、間接税の割合が戦前は全く逆であった。やはり税制というのは国民になじみがあるといいますか、その国その国が独特な歴史的な背景を持って生み出してきておる社会制度でありますから、そういう意味で間接税にもっとウエートを置いた税制というのが、少なくとも戦前の日本の国にはなじみがあった。そういうことを考えれば、もう少し間接税にウエートを置いた税制というものを考えてもいいのじゃないか、そういうことを大臣は申しておるわけであります。

二見伸明公明党

○二見委員 間接税については国民生活をいろいろ勘案しなければならないという先ほどの御答弁でございました。私もそのとおりだと思います。ただ間接税の性格といいますか、特に物品税みたいなものですね、これは直接税に対する補完的な役割りである、こう聞いています。その補完的な役割りというのはどういうことかというと、直接税、特に所得税の場合ですと収入に応じて課税されるわけです。収入でもって担税力を見ていく。間接税は、特に物品税なんかの場合ですと、今度は個人の消費の面でもって担税力を見ていくのだ、こういう意味があるのだというふうに聞いておりますけれども、それはそのとおりでしょうか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 所得税は、収入と申しますか、所得と申しますか、要するに個人の自由に処分できる所得の大きさに比例して税をかける。ただその場合に概括的な人的控除として、扶養控除でありますとかあるいは配偶者控除というようなものを設けまして、概括的な生活費の負担というようなものを控除いたしておるわけであります。  それに対しまして間接税等は、そういう人的な要素あるいは個人的な事情というものをしんしゃくする余裕というのは、税のたてまえからできていない。そういう意味で間接税は逆進的だという御議論もありますが、しかし世の中に間接税だけがあるわけじゃありませんので、いま申し上げましたように、日本の場合などは所得税の構成が非常に大きくて間接税がそれに対して非常に低くなっておる、そこに問題があるといわれるように、国民の納税者の一人一人の方にとりましては、直接税と間接税と合わせた負担で総合的な負担をお考え願う、またそれを一つの基準として考えるのもいまの段階における新しい税制の考え方として取り入れていかなければならない面が出てまいったのではないか、かようなことを考えておるわけでありますが、それらの点を、大蔵大臣も間接税について何か適当ないい税はないかということで、そういう気持ちをたびたび表明しておるわけであります。

二見伸明公明党

○二見委員 国の予算の財源確保という面からいって、たとえば直接税でもって七割、間接税でもって三割、それは六〇対四〇でもかまいませんけれども、そういう割合で財源を求めていかなければならないという実情にあることは私もよくわかります。ただその間接税というものに対する大蔵省の考えの中に、——たとえば所得税は、その人の年間の所得に応じて課税をするのが所得税のたてまえだと思います。間接税の場合、たとえば物品税なんかの場合は、そういう収入の面で見るのじゃなくて、ある品物を買うことができるかどうか、いわばそういう消費能力といいますか、そういう面でもって担税力を見ていくのだ、こういう考え方でもって間接税を見ていくのだということを聞いているわけです。その点はどうなんですか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 消費を通じましてその裏にある担税力を見出し、その担税力を課税の対象にしておるわけであります。

二見伸明公明党

○二見委員 それでひとつお考え願いたいのですが、消費を通じて担税力を見るというこの見方ですけれども、たとえばその品物を買えるのはそれだけ担税力があるからだ、だから物品税がかかってもかまわないのだ。逆にいえば、消費を通して担税力を見るというのはそういう考え方になると思うのです。たとえて言うと、ルームクーラーがありますね。もう夏は暑いからルームクーラーを買いたい、それでもどうしても買えないからやむを得ず扇風機を買わざるを得ない。ルームクーラーを買える人にはそれだけの消費能力があるのですから担税力があるという見方が成り立つかもしれませんけれども、ルームクーラーは買えないからやむを得ず扇風機を買うという場合、扇風機にも五%の税金がかかっているわけです。そうすると、消費を通して担税力を見るという考え方が、ともすれば、個人にとってみれば、自分の能力以上でもやむを得ず買わされるのだ、そういう事態も起こってくるのじゃないだろうか。そういう点はどうでしょうか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 物品税の課税品目を絶えず見直さなければならないということは御指摘のとおりだと思いますが、私ども、いま課税になっておる物品につきましては、けさほど来いろいろ御議論もございましたが、一応はやはり便益品というようなカテゴリーで課税の対象にしてしかるべきものが課税になっておる、かように考えております。その場合に、それじゃ税率などで大いに差等を設けるかということになりますと、これはまた、ルームクーラーと扇風機というように比較的はっきりしたようなものもありますが、同じような系統の品物との間にこまかい税率の差等を設けるというのもなかなかむずかしいので、そういう意味で、御承知のことでありますが、製造課税の場合につきましては二〇%ないし一五%というのを基本的な税率にいたしまして、その前後に軽減税率ないし加重税率を設けて一応の物品税体系を構成しておるわけであります。

二見伸明公明党

○二見委員 それから話は変わりますけれども、長期税制の答申の中に、「消費者の趣味、し好が千差万別で広範にわたる消費選択の余地があることを考えれば、この種消費税の課税対象が少数の特定の物品に限定されるということは、しゃし品、娯楽用品、便益品等の消費に係る消費者の担税力を反映した適正な負担を求めるという観点から、なお検討の余地が残された問題であろう。」こういう指摘があります。物品税は現在のような個別消費的な個別消費税という形がいいのか、あるいは将来の方向としては一般売り上げ税あるいは付加価値税的なものに大蔵省としては考えていくのか、あるいは現在の方式をこのまま踏襲していくのか、その点はいかがでしょうか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 その辺が非常にむずかしい問題でございまして、近く政府の税制調査会にもおはかりいたしまして、日本の間接税体系というのをどういうふうに構成していけばいいか、基本的な御勉強をお願いし、基本的なことについての指針なり答申なりをいただきたい、かように考えておるわけであります。

二見伸明公明党

○二見委員 もう一度、物品税の国税に占める割合と間接税に占める割合はどの程度でございますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 税収の中で物品税が占めます割合は五%でございます。これは最近数年間ほぼ定着して五%になっております。  なお、その税額は、先般申し上げましたように、三千四百四十三億円くらいの税収になる見込みとして、四十五年度の予算に計上いたしております。

二見伸明公明党

○二見委員 たしかけさ四・五%という御答弁だったと思うのですけれども、四・七ですか、こまかいことはいずれにいたしましても、大蔵大臣は間接税の増徴をこれから考えていくと答弁されていますね。具体的に何を新たに設けるのか、それは大蔵大臣もまだ答弁しておりませんし、検討の段階であるという御答弁があります。自動車税とかトラック税とか、そういうものもうわさにのぼっておりますけれども、大蔵省としては、新税を設けると同時に、物品税の比重もふやす方向で間接税の増徴は考えていくのですか。それとも物品税の増徴ということは、物品税の割合をふやすということは考えないで、新規の税金でもって間接税の増徴を考えていこうとしているのか。その点はどうでしょうか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 その辺を含めまして——基本的な間接税に対する考え方を踏まえてでなければ処置できない問題でありますので、その辺を含めまして税制調査会によくはかりたい、かように考えておるわけであります。

二見伸明公明党

○二見委員 話はちょっと戻りますけれども、先ほど、現在の個別消費税がいいのか、一般売り上げ税がいいのか、付加価値税がいいのか、それに対して、これは非常にむずかしい問題なのでこれから検討しなければならないというお話でございましたけれども、主税局長、いままでの深い学識の上からお考えになって——一般売り上げ税はたしかフランスがやっていてやめましたね。ヨーロッパのほうでは付加価値税に現在移行しつつあるという話を聞いておりますけれども、主税局長としては、この三つのうちどの方式が一番望ましいと考えられますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 一般売り上げ税というものにつきましては、御承知のように、それが各段階で課税される結果、企業活動に対して不当な干渉をする。つまり段階が多い取引ほど税に税がかかるという形になる。したがって、いまのヨーロッパ諸国が統一的にとろうとしております付加価値税のほうが、前段階の付加価値税を控除いたします控除方式でありますので、これのほうが企業活動に対してより中立であるということで、制度としてはより進んだものであるということでいわれておるわけであります。ただ日本のような国におきまして、そういうかなり歴史的な沿革、つまり一般売り上げ税というものが根っこにありまして、その改正として出てきた付加価値税でありますし、したがって、日本において付加価値税がいいか、あるいは一般売り上げ税がいいか、風土としてどちらが適しておるのかということはなかなか、総合的に判断しない限りそう軽々に予断できないむずかしい問題であろうかと思います。

二見伸明公明党

○二見委員 非常に素朴な質問になりますけれども、日本の間接税はいろいろあります。そのうち、それの対小売り価格負担率というものを比較しますと、たとえばお酒とダイヤ、酒の場合はたしか五割くらいの税金がついておりますし、ダイヤの場合は一六・七%だったと記憶しておりますけれども、税率が違うわけですね。むずかしい税金のことをわからない国民から見ると、えらく不満なわけです。われわれは酒となれば嗜好品というより生活必需品だ。ダイヤなんというものはわれわれ庶民には関係ないんだ。関係のないダイヤの税率が安くて酒のほうが高いというのは何ごとであるかという素朴な質問があるわけです。そういう点から考えて、これは一体どういう基準でこういうふうにきているのか。お酒の場合は大蔵省としては重要な財源でありますから、政策的な意図もあって五割近い、あるいは五割何分という、そういう税金を取っているのだろうと思いますけれども、どういう基準でやっていくのか。また先ほど物品税の洗い直しという話もありましたけれども、間接税全体についてもそういう点の再検討はこれからされる意思があるのかどうか、そういう点はいかがでしょうか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 日本の間接税の特徴は、まず酒、たばことかいうような嗜好品に税収を多く依存しておるというのが一つの特徴でありますし、いま一つは物品税、しかも個別物品税という形で、特定の品目をとらえまして物品税負担を課しておるというふうに、個別物品税制度をとっておる。この二つが日本の間接税制度の特徴であります。ところで、その嗜好品課税のほうは、これは国民の生活水準あるいは国民全体の所得水準というようなものが上がってまいります過程で、所得が倍になったから酒を倍飲むというわけではございませんので、むしろ今日間接税のウエートが国税全体の中で非常に低滞しておる。物品税のようなものは横ばいでありますが、酒は低下いたしておる、というのは、つまりそういう嗜好品課税というものに大きく片寄った間接税体系というものは、国民生活の新しい実態に即応した税制になりにくいという意味で、これのそういう形での見直しということも方で必要であろうと思います。  また個別物品税につきましては、けさほど来の御議論もございましたように、国民生活が多様化し、新製品がどんどん出てまいります過程におきまして新たに課税するということは、それなりの抵抗があるわけでありまして、税制が必ずしも国民生活の実態に合わない、あるいはさらに端的には、担税力の実際を表示するものに必ずしも物品税課税がマッチしないというような問題が出てくる。そういう意味で、先般の調査会の答申は、課税物品について絶えず見直して、要すれば新規課税のようなものもちゅうちょすべきではないということも申しておるわけでありますが、それが言うべくして、実際に新規課税ということになりますとなかなか抵抗が多くて、たびたび申し上げておりますように、高級品、奢侈品という感触からすれば高級衣料、これが課税されておらないのはまさに物品税体系の中では一つの問題であるのでありますが、これが現実にはなかなか課税できない。そういうような問題もありまして、これらの点全般的に含めまして、間接税により依存した税制を考えるとすればどういう間接税を考えたらいいかということは、これは先ほど来申し上げておりますように、かなり根本的な検討を要する、影響するところも非常に大きいむずかしい問題で、この後の調査会におはかりして、何とか大きな方向でも成案を得て、今後の間接税の問題の基本方針にいたしたい、かように考えておるわけであります。

二見伸明公明党

○二見委員 物品税の場合ですと、現在は嗜好品とそれから娯楽用品と便益品ですね。午前中にも議論がありましたけれども、便益品として課税されている中には、生活の向上によりましてすでに生活必需品となっているものもあるわけですね。私は、おそらく物品税の課税の原則というのは、そういう生活必需品、大衆の必需品というものには課税をしないというのが物品税のたてまえじゃないかと思うのです。またそうなってもらわなければこれは国民生活にとってはたいへんな問題になりますので、その点は当然大蔵省としても、いままでもそういう方針でしょうし、これからもそういう方針は続けていただけると思います。  見直しの話もございましたけれども、物品税の見直しというのはきのうきょう議論されたのじゃなくて、税調の答申にもありますし、それ以前からもこれは絶えず言われてきているわけです。本来ならば、今回の法改正の中に見直したものでもって提出されてもよかったのじゃないだろうか。今回はそういう見直しはされてない、いわば個別的な修正ですけれども、来年、四十六年度のときには、物品税を全部洗い直して物品税法の改正案をお出しになるのかどうか。これは税調のほうのいろいろな問題もあるでしょうけれども、大蔵省としては、四十六年度には見直して新しい物品税体系でもって国会の審議を得ようという決意がおありなのでしょうか、その点はいかがでしょうか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 物品税の問題はいろいろな御批判もありますから、今年度の課題として物品税のあり方についていろいろ勉強をしなければならない、これは私どももそういうふうに考えております。

二見伸明公明党

○二見委員 それから今度の改正の中で、カラーテレビが非課税が五%に上がりましたね。トランジスターテレビのカラーが五%上がって、四十六年度に一〇%、四十七年度には本則に戻って二〇%になる。二十インチ以下のものは五%、一〇%、四十七年度には一五%、こういう改正でございますけれども、物品税と物価との関係ですね。これは経済の教科書を見れば、消費税率が上がるということはそれだけ実質消費支出を減少させる効果がある、だからインフレのときには物品税を上げろ、デフレのときには下げろという経済理論もあるわけですけれども、大蔵省の今回のこの税率の引き上げはそういう観点から引き上げに踏み切ったのか、あるいはそういう観点は全然持たずに、国際競争力がついたからというような観点で引き上げをしたのか、その点はどうでしょうか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 今回御審議願うものは後者の、製品としての国際競争力もできた、あるいは需要がかなり普及をしてまいって、もう担税力もある、そういうところから改正をお願いしているわけでございます。

二見伸明公明党

○二見委員 五%上げるということが——ことしは消費者物価が六・何%ということでかなりものすごい上昇でありますけれども、そういう上昇のときに物品税を上げるということが消費者物価との関係から見て妥当であったのかどうか。物品税を五%上げればその製品も単純にいけば五%アップするわけです。そういう点の配慮はどうなっておりますか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 先ほども申し上げておりますように、これらの製品はおおむね大量生産の段階、あるいは大量消費の段階に入ってきておるわけでありますし、特にトランジスターテレビにつきましては、御承知のように真空管テレビとの競合関係があるわけでありまして、そういうことを考えますと、この税率の引き上げというものが即価格の引き上げにつながると断ずる必要もないのではないかと思います。かりにこれらのものの引き上げがその小売り値段の引き上げというようなことになりましても、これらの物品が消費者物価といいますか、消費者の物価指数の中に占めておる割合というものは万分の一くらいの非常に軽度のものでございまして、私どもはそういう軽度のものであるからいいということではなくて、むしろそういうものであるから引き上げのようなことは行なわれず、吸収されていくのがしかるべきではないか、かように考えておるわけであります。

二見伸明公明党

○二見委員 それからもう一点、物品税の免税点の引き上げの問題がありますね。引き上げたほうがいいのだ、引き上げてもらいたいという業界からの要望もあります。あるいは物価の関係からいって据え置いたほうがいいんだという議論もあります。大蔵省はこの免税点の引き上げは現在はどういうふうにお考えですか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 免税点の引き上げ問題、なかなかむずかしい問題であります。いまお話がありましたように、免税点があるためにそれを越えれば課税になる、したがって、その免税点というのが免税点のある物品についての価格の引き上げを下方に押えておるという要素は現実にあるようであります。ただしかし、適正な免税点を設けました当時の、いわゆる大衆的に消費されるようなものにまで物品税をかけるのはいかがかという思想からいたせば、その後の原料あるいは人件費の騰貴を考えると見直すべきだというのも理ある御議論でありますし、その辺を含めまして今後も検討いたしたいと考えます。

二見伸明公明党

○二見委員 確かに免税点の引き上げにはいろいろな問題があると私は思います。局長の御答弁のように、免税点を上げれば、いままで企業努力で何とか押えていたのが、免税点が上がったおかげでその品物が上がるという場合もあります。それは物価の観点から考えれば物価上昇に拍車をかけるということになる。その点からいくと免税点は上げるべきじゃない、こうなるわけです。逆に免税点を押えておくと、その企業努力の限界に来ている場合には、今度は製品の質を落とさなければならない、いままでどおりの品質の製品を売る場合には、今度は企業としては税金を覚悟の上で値段を上げなければならない、こういう問題があるわけですね。それで免税点の引き上げをこれから大蔵省で御検討なさる場合には、個別の商品についてそこまで検討して、免税点の引き上げあるいは据え置きを考えていただきたいと私は思うのです。一律にやられた場合にはたいへんなことになりますので、その辺の検討だけはどうかしていただきたい。そして、むしろいまではもう免税点を上げたほうが消費者の立場からいってもベターだというものに関しては上げていただきたいし、企業努力でもってまだまだ押えられるという商品については押えてもらいたいと思います。  それからもう一つ、これに関連いたしますけれども、免税点というのは普通の所得税の課税最低限と考え方が違うわけですね。普通の所得税の場合は課税最低限がありまして、課税最低限を越えた部分にだけ課税されるというのがたてまえになっております。物品税の場合はそうじゃないです。免税点を越えたものは根っこから課税されるというシステムになっています。おたくのほうとすれば、それは値段できめたのは便宜的なものであって、品物が違うのだという解釈でもってそういうふうにされているのだと聞いておりますけれども、その辺は所得税みたいなやり方ですね、価格と免税点との差額に課税をするというようなことは技術的には不可能なんでしょうか。そういうことは考えられるのかどうか、その点はどうでしょう。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 それはやってやれないということではないと思いますが、免税点といいますか、基礎控除的に引いた残りに課税するということになれば、いまの税制を確保するためにはそれに必要な税率を盛る、そうすればいまやっております免税点であとは一律に課税するのと結果は同じことになるわけでありまして、物品税の一〇%なり五%というのが零細な者にきつ過ぎるという御議論であろうかと思いますが、むしろそれは税率全体として考えることで、個々の物品に累進的に税率を考えるというのは、物品税のようなものになじまないのじゃないか。といたしますと、そういうやり方をいたしましてもいたさなくても、結局税率の盛り方ということに尽きるのではないかと思います。

二見伸明公明党

○二見委員 農林省にお尋ねしますけれども、三月二十七日に自由化関係閣僚協議会で、四十五年十二月末までに自由化決定品目の三分の二の自由化を実施する、こういう閣議決定がされておりますね。たしか四十六年末までに日本は六十品目の自由化を決定しているわけでありますけれども、そのうちの三分の二ということになると、ことしの十二月末までに四十品目ということです。その中には農林水産物もかなり含まれているのじゃないかと思いますけれども、十二月末までに具体的に農林省としてはどういうものを自由化するのか、その内容を教えていただきたいと思います。

平林義男農林省農林経済局国際部貿易関税課長

○平林説明員 輸入農林水産物の自由化問題につきましては、一昨年の閣議決定、その後の関係閣僚協議会の決定によりまして、四十六年末までに農林水産物につきましては三十一品目自由化することの方針を決定しております。すでに二月十四日に三品目、それから四月一日に七品目いたしまして、今後本年度末までには通産、農林等、合わせまして全体で三分の二ということになっております。具体的な品目につきましては、これから関連産業への影響というものを考えて検討してまいりたいと思っております。

二見伸明公明党

○二見委員 平林さんもあまり思い切ったことは言えないと思います、あとで省へ帰って大臣からおこられてもたまらないという御配慮もあるかと思いますけれども、遠慮しないで言っていただきたいと思うのです。  要するに、あと何品目、農林省としては十二月末までに自由化するのですか。

平林義男農林省農林経済局国際部貿易関税課長

○平林説明員 現在これから検討してまいるところでございまして、これは通産省等とのかね合いもございますし、そういう点で検討してまいりたいと思っております。

二見伸明公明党

○二見委員 時間がありませんからこの点はあまり触れませんけれども、二月二十八日の日本経済新聞に、アメリカはかんきつ類とトマトの加工品、それから牛や豚肉、これの自由化を日本に強く要望している。一日も早く自由化をせよという要望をしているという記事が出ていたわけですけれども、この点は聞いておりますか。

平林義男農林省農林経済局国際部貿易関税課長

○平林説明員 これは各種の従来の日米残存輸入制限協議その他の機会を通じまして要求があったことは事実でございます。

二見伸明公明党

○二見委員 具体的にいつまでというあれはないわけですね。

平林義男農林省農林経済局国際部貿易関税課長

○平林説明員 ございません。

二見伸明公明党

○二見委員 平林さんにお尋ねするのはあるいはちょっと見当違いかもしれませんけれども、農産物の自由化というのは日本の農業にとって大問題なわけですね。農林省の農業の基本的動向ですか、これによると、農林省としては農産物の自由化を進めるという方向で農業政策を立てているわけです。これは三月二十六日出た農業の基本的動向というのをごらんになればよくわかります。そう響いてあります。一方、現在作付転換の問題がありまして、農林省としては果樹だとか野菜だとか飼料だとか、これを一生懸命推奨しているわけです。一方ではくだものをつくれ、これは一つの農業の基本的な方向として打ち出されている。と同時に一方ではそういうものの輸入の自由化も今後行なわれるという。こうなりますと、たとえば前はサンキストですか、あれがきたために日本のレモン農家は大打撃を受けた。いまグレープフルーツでもって日本の甘ナツミカンというのが非常な脅威を受けている。今後かんきつ類だとかトマトの加工品だとか牛や豚肉の輸入が自由化されてくる。どんどん入ってくるということになると、日本の農業にとってこれは大問題なわけです。いまはくだものもつくれ、畜産を振興せよ、こういっている反面、そういうものが輸入された場合には、ぼくはおそらく時間の問題だろうと思うのです。一年や二年では、ならないかもしれないけれども、三年や五年では、なるだろう。くだものなんかは三年か五年たたなければ、ならないのです。やっとこれからくだものがとれるというときにきて、こういうかんきつ類の自由化が断行された場合の日本の農業の痛手というのは私ははかり知れないものがあろうと思うのです。そういう点についてどういうふうに長期の見通しに立って対策を考えているのか、そういう点はどうでしょう。

平林義男農林省農林経済局国際部貿易関税課長

○平林説明員 非常にむずかしい問題でございまして、基本的には対外競争力を強化するということでございますが、総合農政の展開、こういう問題もございますし、総合農政の展開に悪影響を及ぼさないように、十分に配慮してまいりたいと思っております。

二見伸明公明党

○二見委員 平林さんはたしか貿易関税課長さんですね。まるきり管轄違いなわけですね。非常にお答えにくかったと思いますけれども、どうか本省にお帰りになりましたら、そういう質問があって私はいじめられたと、大臣のほうによくお伝え願いたいと思うのです。  またおりがありましたらこの問題でお尋ねしますけれども、きょうは時間もありませんので、この程度で終わりたいと思います。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 小林政子君。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 最初に関税定率法の問題からお伺いをいたしたいと思います。  今回重油の脱硫減税を新設をいたしておりますけれども、最初に石油開発の現状の問題等に関連して、私は石油開発の問題、特に石油の消費見通しの問題についてお伺いをいたしたいと思います。  石油の消費量は年々増大をいたしておりますし、四十二年の総合エネルギー調査会が答申いたしました第一次エネルギーの供給見通しによりますと、四十五年度は一億七千二百万キロリットル、六十年度は四億七千六百二十万キロリットルに達するということが予想されております。去る三月に石油供給計画が発表されましたけれども、その資料によりますと、四十五年度の供給量は一億九千二百五十六万一千キロリットル、そして当初計画、調査会の見通しをはるかに上回っているわけでございます。したがって、六十年の石油供給量四億七千六百二十万キロリットルというこの見通しも、おそらく大幅に修正をしなければならないものだというふうに考えられますけれども、通産省ではどのような見通しをお持ちになっていらっしゃるのかお伺いをいたしたいと思います。

成田寿治通商産業大臣官房審議官

○成田説明員 石油の消費見通しについてでございますが、先生のおっしゃいましたように、現行計画は、昭和六十年度において四億七千六百万キロリットルでございますが、最近の実勢の伸びは非常に大きいのでございます。そしておそらく、新しい経済社会発展計画の改正が行なわれますので、これに伴いましてエネルギー計画も年内には修正する必要が出てきたわけでございます。それで通産省にエネルギー調査会という機関がありますので、そこへはかりまして、年内に新しい経済計画に基づいた、最近の石油の需要の非常に高い実勢を反映した計画をつくり直したいというふうに考えております。われわれの単なる試算によりますと、おそらく六十年度は六億キロリットル以上になるのではないかというふうに考えておりますが、正確にはエネルギー調査会の検討を待ってつくりたいと思っております。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 石油の消費量は、いまお話を伺っても非常にこれから大きくなっていく。この増加をする石油というのはおそらく輸入をしていくのだろうというふうに考えられますけれども、私どもいまの石油の状況等を考えてみますときに世界の石油生産の六〇%以上がいわゆるエッソとかあるいはモービルとかカルテックスなどといわれている、アメリカを中心とする七大国際石油資本に握られているのが現状でございますし、また日本に輸入されている石油の約七〇%以上ということがいわれておりますけれども、これもアメリカ石油会社から金を借りたその代償として買っている、いわゆるひもつき石油であるということを聞いております。このような状況のもとで原油の輸入がどんどんこれからふえていく。こういうことになるということは、アメリカの石油会社のいわゆる利益というようなものを相当これからもますます増大させていく、こういったようなことになるんではないか、このように考えますけれども、通産省としてはこの点についてどのような見解をお持ちでしょうか。

成田寿治通商産業大臣官房審議官

○成田説明員 確かにいま世界の原油生産量の六割以上は米英のメージャー石油資本によって生産されておりまして、日本の石油の生産量は、新潟県、秋田県で若干昔からやっておりますが、百万キロリットルに足らない非常に少量にとどまっております。  そうして、こういう状態でいいのかという問題で、これはさっき言いましたようなエネルギー調査会におきましても、いろいろ石油政策の問題として検討しまして、将来日本の国内、これは大陸だな等でかなりまた見込みがある様子も出てまいりましたが、結局は海外の資源開発をやらぬといかぬのじゃないかというので、日本人の手によって海外の石油開発を大いにやるべきである。現在アラビア石油あるいは北スマトラ石油、二つの計画が成功して、油を日本に持ってきておりますが、ああいう形の日本人の手による石油開発を進めたい。そして、将来大体石油消費量の三割くらいは日本人の手による、民族資本による石油の開発に持っていきたい、いくべきであるという答申が昭和四十三年におきましてエネルギー調査会から出されておりまして、これに基づきまして政府は石油開発公団という、石油の海外開発に対して融資あるいは出資を行なう政府機関をつくって、現在海外石油の開発促進ということに積極的に取り組んでおります。現在海外石油の開発のプロジェクトは大体十五くらいに達しておりますが、まだ基礎調査あるいは探鉱段階でありまして、実際に油が出ておりますのはさっき言いましたアラビア石油、北スマトラの二つだけでございますが、将来極力消費量の三割は民族資本によって開発した油で充当したいという政策をとっております。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 いま一応、アメリカ石油の支配というようなものをされないためといいますか、国産原油の三割程度、これを今後ふやしていきたい、あるいは石油の日本人の手による開発を積極的に今後進めていきたい、こういったようなお話でございますけれども、このアラビア石油のカフジ原油ですね。これは準国産原油というふうにいわれて扱われておりますけれども、このことは相当日本政府も力をいろいろ入れているようでございますけれども、これは先般の政府の政策から出ているものだというふうに考えられます。通産省は、このカフジの原油については行政指導というのでしょうか、プロラタ方式というようなものを取り入れて、そうしてその配分等については、いろいろと半強制的な方法で国内で売られているというふうにいわれていますけれども、この原油は私のほうでもいろいろと調べてみましたところが、硫黄の含有率というものが二・八%から二・九%含まれているというふうに数字が出ております。輸入をしている石油の中でも非常に硫黄の多い原油だ、こういうことが言えると思いますけれども、私は石油による公害対策、こういったような問題との関連で考えてみますときに、一方ではそういうものをプロラタ方式というようなものを取り入れながら助成をしていく、そうしてそれによって一方では公害を助長させる、こういう結果が出てきているわけでございますけれども、私はこの点について大きな矛盾が出てきているのじゃないだろうか、こういうふうに考えておりますが、この点についてお伺いいたします。

成田寿治通商産業大臣官房審議官

○成田説明員 確かに御指摘のように、アラビア石油のカフジ原油は二・九%という、いまの日本に入っている原油の中では最もサルファの高い原油の一つになっております。したがって、公害問題が現在ほど非常に強く叫ばれなかった昭和三十七年ごろから、プロラタ方式というかっこうで、これは民族資本の手によって日本人が開発した油であるから、政府の要請によって——要請がなければ外資系の石油会社は引き取れないという事情もありましたので、通産省の要請によって、各石油会社の処理量に比例していわゆるプロラタ方式で引き取ってもらってまいったのでありますが、そうして十年近くになってきたわけでございます。最近非常に公害問題が、石油の開発促進という必要は当然強まっておるのでございますが、それにも増して公害対策ということが非常に強い国家的な要請になってまいりまして、高いサルファのカフジ原油を各石油会社にプロラタ方式で強制割り当てする方法がいいのかどうかという問題、これはわれわれも去年からいろいろ検討してまいりまして、それで再検討しようということになっております。  それで、アラビア石油も公害対策という見地から、二・九%のカフジ油層だけでなくて、もっとサルファの低い油層も開発をやっておりまして、一・四%のフートという油層の油の開発もやって、これもかなり入って、これをまぜて現在使ってもらっておりますが、将来はそういう意味で、公害対策の面からアラビアカフジ原油をそのままプロラタ方式によって割り当てる方法は再検討する方針になっております。それで、せっかくアラビア民族会社が非常に苦境に立つようになってはいけませんので、なるたけカフジの油を第三国に輸出するとか、あるいはどこかで脱硫の設備をつくって、そうして二・九をうんと半分以下にサルファを低めたかっこうで日本に持ってくる方法がとれないか、そういう検討を会社と一緒にやっておるところであります。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 私はこの低硫黄の原油をできるだけ入れるということは非常に重要な問題だというふうに思いますし、特にその中で私は硫黄分の高い原油の輸入というものは当然規制すべきじゃないだろうか。しかし御承知のとおり低硫黄分といわれておりますミナス石油なぞは、実際は東南アジア地域の原油の輸入量等を統計資料等で見てみましても、きわめてこれは少ないようになっております。私は、石油開発公団が、石油開発という月刊誌に載っておりました資料を見まして、その中で、特に四十三年に輸入された原油約一億五千万トン、これの中で平均して一・七九%の硫黄が含まれている。こういう統計の数字がございました。この中に含まれておる硫黄を計算してみますと、トンで計算しますと実に二百六十万トン以上になるわけでございまして、これが亜硫酸ガスになって日本全国にばらまかれている、こういうのがいまの現状ではないだろうか。こういうふうに考えましていろいろと調べてみましたところが、二百六十万トンという膨大な硫黄が降っているわけでございますけれども、わが国の土地の面積は、新全国総合開発計画、この資料によって見ますと三十七万平方キロ、こういうふうになっておりますから、この膨大な硫黄が日本全国に降り注いでいる。これを全国平均でもって平均的に計算してみますと、年間一平方キロ当たり七トンの硫黄が機械的に計算すれば降ってくるというような、そういうひどい状況になっておりますし、また森林とか原野だとかあるいは水面だとか河川だとか、そういったものは新全国総合開発計画の中では二十七万平方キロというふうに数字で出ておりますので、これらの地域を一応取り除いて、市街地だとかあるいはまた道路用地だとか農地だとか、こういったもの十万平方キロについて計算してみますと、硫黄の散布というのは実際には二十六トンという、これはやはり相当大きな硫黄が一平方キロに降り注いでいる、こういうように、まさに公害問題は深刻というような状態からもっと、もう生命の危険というようなところにまで立ち至っているんではないだろうか。特にその中でも大きなウエートを占めているのがいわゆる重油の中から出てまいります亜硫酸ガスであります。この問題等について、私はやはり抜本的な対策をいま緊急に立てなければならないんじゃないかというふうに考えておりますが、これらの問題等について、公害に対して具体的にどのように対処されていこうとしているのか、お伺いをいたしたいと思います。

成田寿治通商産業大臣官房審議官

○成田説明員 確かに現在、昭和四十三年度の原油の平均サルファ分が一・七%となっております。ただこれが全部重油となって硫黄がばらまかれているということではなくて、相当な分はアスファルトになったりその他のものにもなって、燃料用だけに全部が集中するということはありませんが、まあ相当な硫黄が重油の消費によって排出されているということは確かでございます。それで去年の二月に、五年先、十年先の亜硫酸ガス等に関連する環境基準が閣議決定になりまして、これをどうやって実施していくかという大きな問題が出てまいったのであります。それに基づきまして、通産省ではエネルギー調査会で低硫黄化対策部会という部会をつくりまして、各界の専門家、学識経験者が集まって環境基準達成のための燃料低硫黄化対策について検討を行なったのでございます。そしてその結果として、ことしの一月に部会の報告書が出て、これを中心にいろんな施策を今後やることになっております。  それで大きな考え方としましては、当面は、低硫黄化対策の大部分は、重油を脱硫装置にかけまして、高いサルファの重油から硫黄をとって、そして燃料として出る場合には非常に低い硫黄の燃料にするという重油の脱硫の実施が一つでございます。  それからもう一つは、外国からサルファの低いローサル原油の形で入れることを大いに促進しようというので、現在サルファ分が一%未満の原油を低硫黄原油といっておりますが、これが四十二年度におきましては千六百万キロリットル入っております。これは全体の一一%でございますが、これを将来、昭和四十八年度においては大体五千四百万キロリットルにする必要があるという答申も出ておりまして、そういう一方ではローサル原油の輸入をどんどんふやしていく。そのためには西アフリカとかあるいはアラスカのノースロープの開発とか、あるいは外国の石油会社から世界各地のローサル原油を集めるという努力をいまやっておるのでございまして、またそれを見込みまして、将来四十八年度は五千四百万キロリットルぐらいは入れる。  それからもう一つは、さっき言いました重油の脱硫をやるということで、現在重油の脱硫装置には直脱、間脱という二つの方法がありますが、四十四年度の末におきまして三十二万バーレルの重油の脱硫が——これは石油業法の運用等において、石油会社が設備の許可をもらう際にいろいろ原油計画を調べまして、脱硫装置をつくってもらいたいというような要請を行なって、現在すでに三十二万バーレルできておりますが、これを昭和四十八年度においては倍の六十四万バーレルにする計画になっております。  そのほかに天然ガスを、天然ガスはサルファがほとんどありませんので、外国からLNGといいますか、液化した天然ガスを輸入する。これもアラスカから入っておりますが、ブルネイとかいろいろな計画がいま進められておりまして、そういう形で、閣議決定になった環境基準の達成のためにいろんな施策を進めていくという答申がことしの一月に出されまして、それに基づいてわれわれもいろんな施策を進めておるところでございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 対策としてのお話でございますけれども、私どもしろうとで、専門家ではないので、バーレルとか言われても単位がどういうものかというのはよくわかりません。しかも天然ガスの問題等についてもいろいろ言われているようでございますけれども、これはまだきわめて少量で、その量において、各国の中でも問題になっているようですけれども、実際には使用を直ちに開始して大きなウェートを占めるというようなことはきわめて困難だというふうなことがいわれておりますが、そのバーレルというのはよくわかりませんけれども、私、関税の今度の問題とそこで関連してお伺いをいたしたいわけです。  四十五年度の重油供給量の一体何%がこの際減免の対象になっているのか。これは五十一億ということが書かれておりますけれども、具体的には四十五年度の重油供給量全体の中でそれは何%になるのか、ひとつお伺いをいたしたいと思います。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 四十五年度におきまするC重油の需要量は八千百万キロリットルと見込まれております。そのうち脱硫装置にかけまして脱硫をいたしましたC重油は二千四百万キロリットル——率直に申し上げますと、脱硫いたしまして、それをさらにアスファルトその他とまぜたりいたしますと、脱硫、通油をいたしまして脱硫いたしますその量は千七百万キロリットルでございますが、それをもとにいたしましてサルファ度の低い重油をつくりますが、その量は二千四百万キロリットルでございます。したがいまして、八千百万キロリットルのうち二千四百万キロリットル、率にいたしますと三〇%のC重油が脱硫されて低硫黄化される、こういうことになります。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 今回具体的な減免、輸入関税の面で減免になるのは五十一億といわれる。これに相当するのはどのくらいになるのですか。

上林英男大蔵省関税局長

○上林政府委員 いま申し上げましたのは、四十五年度全体の数字でございます。したがいまして、五十一億に相当いたしまする通油量が、先ほど申しましたように千七百万キロリットルでございます。ただ御承知のように、この制度は実施期日を七月一日と考えておりますので、それによりますると、通油量は千三百万キロリットルということに相なるわけでございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 七月から実施するというお話ですけれども、やはりこれでは非常に量の上でも、脱硫したとはいっても、先ほどの私が申し上げました硫黄が降ってくるというような状態から考えますと、全く気休めにすぎないというふうなことが一つは言えると考えます。  それからもう一つお伺いいたしたいのは、重油の脱硫では具体的には現在一・四%まで引き下げるというようなことがいわれておりますけれども、これは具体的にはどういうことなのでしょうか、今回の場合は。

成田寿治通商産業大臣官房審議官

○成田説明員 重油の脱硫の場合に、直脱法によりますと、技術的には一・二%くらいまでは下がると思います。ただこれは日本が一番多くやっておりまして、まだ技術的に十分確立されていない面もありまして、実際は一・四か五くらいの実績になっておりますが、これは遠からず一・二%くらいになると思います。  それから間脱の場合でございますが、これは理論的にはアスファルトが出て、サルファ分をアスファルトに十分含ませますと一%以下のサルファになるのでありますが、ただアスファルトの需要、その他輸出等から見まして、了スファルトがどんどん売れるというのなら、残った間脱の重油が非常に下がるのでありますが、アスファルトの需給から見まして、これが直脱の一・四よりは若干高いところにならざるを得ない状態でありますが、ただアスファルトにつきましても、いろいろ道路の、農道等で使う方法を考えるとか、それから輸出会社をつくりまして、輸出の調査団をことしの一月に派遣しまして、東南アジア等にアスファルトの需要開拓のいま努力をやっておりますが、これが輸出というかっこうで東南アジアにどんどん出るというようになると、間脱のサルファ分はだんだん下がっていく、そういうことになっております。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 直接重油から脱硫を行なう直脱の場合には、一・四から五くらいに、間脱の場合には若干もう少し高いのではないかというようなお話ですけれども、私この直脱でやる一・四%の問題を取り上げてみましても、亜硫酸ガスが依然として燃やしたときに排出されるということは、これはもう当然でございますが、このことによって、公害問題としてはこれで対策が立っているんだということにはならないのではないかと考えます。特に重油の脱硫については非常に負担がかかるということは、私は一応認めるわけですけれども、重油の硫黄分をほんとうに下げていく。しかもいま言われている一・四%、あるいは一・五%、この程度のことは、私は当然公害の原因をつくっている石油の会社だとか、あるいはまた重油を大口に消費している電力だとか鉄鋼だとか、そういった大企業が当然これは負担をすべきものだというふうに考えております。したがって、いまおっしゃった石油がまについての脱硫というような装置だけではなくて、たとえば大口消費者である電力だとか鉄鋼に対して、排煙脱硫などの装置についても、むしろ強制的にこれを取り扱って行なわせていくような方法をとらなければ、公害対策としては全くざる法になってしまうといいますか、こういうことが言われてもしかたがないというふうに考えますけれども、この点についていかがなものでしょうか。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 ただいま御指摘の点御説明いたしますと、成田審議官からの説明にもありましたように、すでに環境基準というものが一応の行政上の目的として定められております。それに見合うものといたしまして、SO2に関する指定地域というものが大気汚染防止法に基づいて指定されておりまして、その指定地域をそれぞれ段階に応じて分けまして、その分けた指定地域の中で、それぞれ指定排出基準というものが設けられておりまして、個々の工場の施設ごとの排出についての一応の許容基準というものが設定されておるわけでございます。この許容基準というものは、もちろん強制的なものでございまして、個々の工場はその指定地域に定められた許可基準の範囲内でしかSO2は排出され得ないというような仕組みになっておるわけでございますが、現実問題といたしまして、ある地域にあります電力会社がその発電を行ないます場合に、必ずその排出基準を守らなければならない。その場合に、非常に汚染度の高いところでは、排出基準そのものがシビアにきめられておりますので、電力会社としては排煙脱硫装置をつけるとか、あるいは低硫黄の重油を使うとか、あるいは極端な場合にはLNGを使うとか、そういう形で燃料の低硫黄化をはかると同時に、幾分S分が含まれておりますものは、これは拡散効果をねらうということで集中煙突をつくりまして、高煙突化するというような、それぞれの対策を法律上強制されたわけでございます。したがいまして、そういう公害防除施設に対する費用というものは、すでにそれぞれの企業の固有の負担といたしまして、企業が設備投資でそれをまかなっていくという形になっておりますので、先生御指摘の点は、すでに現在のからくりの中で十分達成されておるのではないか、かように考えます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 脱硫装置の問題等については、法的な規制といいますか、そういうものでやられているわけですが、行政指導の面では、望ましいという、そのようなことが前からいわれておりますけれども、必ず設置しなければならない。でなければ操業が開始できないというような、そのような基準はできているのかどうか。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 ただいま私が申し上げました法的な強制力というのは、排出基準を守るというところでございまして、その排出基準を守るにつきましていろいろの方法があるわけでございます。この方法の組み合わせばもちろん各企業の自由にまかされておりまして、各企業が持っております技術あるいはその生産量、生産活動の状況、そういったものに合わせまして、各企業が、それぞれの最も合理的な形でその基準を守る体制をつくるという意味でございまして、その中には排煙脱硫装置もございますし、あるいは高煙突化もございます。あるいはLNGを輸入してやるとか、いろいろな方法もあるという意味でございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 環境基準あるいはまた排出基準等が設置されておりますけれども、それも前にきめられているものよりも応また基準を改正してやられたということも承知いたしておりますけれども、しかし私はやはり実際に東京都の公害の状況を見てみましても、数ある煙突から出されている煙そのもの、一本一本については排出基準を上回っていない。わずかに、上回っているものは何本もない。しかし実際には数多くのところから出ていく煙が、具体的には環境基準等を見てみても、実際にはもう許容量をはるかに上回るというような事態が起こってきているわけですし、それらの点について、私は特に大口消費をいたしている電力あるいはまた鉄鋼とか、そういった大企業に対してはこの脱硫の完全な装置、こういったようなものはむしろ法的に強制をしてでもやらせていかなければ、いまの深刻な公害問題というものを防ぐということはできないのじゃないか、このように考えております。予定の時間もだいぶ来て、もう一つ質問の項目がございますので若干はしょりますけれども、私はやはりこの公害の問題等につきましては、いま申し述べたことを徹底的にこれを法制化し、強制化し、特に大企業に対しては責任をもってこれをやらしていくというようなことがきわめて必要だと思いますし、現在のこのような環境基準やあるいはまた排出基準等についてもこれをもっと——私ども党としてもこの問題については重大な関心を持って、そして許容量としてはどこまでが妥当であるかという点も具体的に明らかにして、私ども大きく運動を起こしておりますけれども、政府のそのようなきびしい規制を大企業に対して行なうべきだという点を強調いたしたいと思います。  それから一つだけ、これはちょっといまの問題に関連してお伺いいたしますけれども、私は、最後に国内のエネルギー源という問題についてもろと石炭の利用というものを——いままあ石炭は斜陽産業、そしてすべて石油化の方向というものが強まっていますけれども、石炭の利用というものを一そうもっと拡大をしていく。そして特に火力発電等に対しては石炭の消費、こういったものをもっとふやしていくという、そういうことが非常に重要だというふうに考えます。特に日本の産業のもとであるエネルギー源、この石炭産業を復興し、それと同時にある程度いまの深刻な公害問題等も規制していくことにも貢献をすることができるというふうに考えますし、従属的なエネルギー政策というようなものはこの際抜本的に改めていく必要があるのではないかということを強く要望いたしまして、この問題についての質問を終わって、次に物品税の問題について簡潔に一、二お伺いをいたしたいと思います。  関税の問題については、脱硫問題ではなくて、実はどうしてもお聞きをしたい問題が何点かございますが、きょうは何か委員会の理事会のほうからいろいろな御都合があって、予定の時間よりもできるだけ短くしてもらえないか、こういうようなお申し入れがございまして、やむを得ない御事情でもあるので、私のほうでも御協力しなければならないということで、何点か残っておりますけれども、できればこの問題については私どうしても質問いたしたいので、後日にそういう発言の機会を与えていただくということを御了承願って、物品税に一、二入りたいというふうに思いますけれどもいかがでしょうか。——それではますます時間がなくなりましたので、ごく簡潔に物品税の問題をお伺いします。  この物品税の問題等については、すでに各委員からも質問ございますのでダブらないようにしたいと思いますけれども、若干ダブるところが出てくるかもしれませんし、また物品税の定義の問題等についても、きょう午前中相当詳しくやられておりましたので、そういう点を省いて一、二質問をいたしたいと思います。  カラーテレビなどはいままで非課税措置をとっておりましたけれども、今回これに対して物品税をかけていく、こういうことでございますけれども、大衆課税、いわゆる生活必需品、こういったものには物品税をかけるべきではない、こういうことを前提にして質問をいたしたいと思います。特にカラーテレビは、すでに一定程度普及しておりまして、国民の生活必需品というふうに現在なっております。日本放送協会の第三次長期経営構想の後期見通しの資料によりましても、カラーの契約数は四十三年度末で百六十九万件、四十四年度末で三百五十六万件であったものが、四十五年度のこれにさらに増加というものは二百四十万件ふえるであろう。そして四十七年には千二百万件に普及するのではないか、こういったような計画がすでに発表されていることを見ましても、このカラーテレビなどが相当広範な層に普及をすると同時に、生活必需品になってきているというふうに考えます。このような一般家庭に普及しているあるいは日常生活の中での必需品になってきている、こういったようなものに対して物品税をかけるということは、これは大衆課税になるんじゃないか、そういう性格を非常に持つものじゃないか。本来、こういうものは避けるべきが当然じゃないかというふうに考えますけれども、この点についてお伺いをいたしたいと思います。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 私どもとだいぶ見解が違いまして、私は、カラーテレビは日本でまだ非常にだれもが持ちたがっておる段階のものであろうかと思います。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 カラーの場合は黒白よりも若干普及度は落ちてはおりますけれども、しかし今回の場合は、大型の白黒テレビも同じようなことが言われるわけでございますし、明らかに大衆課税というふうに考えられるのではないか、このように思いますが、いかがでしょう。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 私どもは、残念ながらそのようには思えないわけでございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 なぜでしょうか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 私なども現にカラーテレビは持っておりませんし、大半の方はやはりカラーテレビを買いたいと思っておられるのじゃないかと私は思います。それから、普及台数が多くなっておるとかあるいは人数が多いということで判断するということは、物品税の場合は必ずしも当てはまらないのでありまして、もしそういう議論をいたしますとすれば、所得税はすでに二千数百万の納税者がありますので、先生の言をもってすれば一番の大衆課税ということにもなるわけでございまして、その辺はおのずからやはり物品税には物品税の理屈があってしかるべきではないかと考えております。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 テレビなども、今回——物品税の考え方の点についてもきょうの質疑の中でも明らかになっておりますけれども、いわゆる戦前の奢侈的な性格のものというようなことよりも、むしろ、税制調査会等でもいわれている個人の担税力というようなもの、個人消費の担税力というようなものが基準になるのだというふうなことがいわれていますけれども、今回、物品税をかけるということは、この担税力がきわめて高いという点からかけていくのだろうというふうに考えられますが、いかがでしょうか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 今回の改正は、基本的にほかの物品とのバランスで、トランジスターテレビその他につきまして基本税率がきまっておったわけでございますが、それらのものがまだ普及開発の段階であってコスト的にもいろいろ問題があり、また十分に普及しておらない、あるいは輸出国際商品としての発達がいまだしというような点を考えまして暫定的に軽減しておったものでございまして、その企業の競争力、商品としての需要が十分開拓された段階で順次本来の税率に戻していくということでありまして、そのような、新たに課税するというような問題にはならないわけであります。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 それでは、物品税の性格等については一応さっき私定義のようなものを申し上げたわけですけれども、テレビ、特にカラーテレビ、こういったようなものも物品税の対象になっているわけです。物品税というものは、個人の消費に対するその担税能力というものが高まったというようなことが一つの基準になるということがいわれておりますけれども、先ほど局長も言われたとおり、確かにいまカラーテレビが相当普及はいたしておりますけれども、一般の人たちがこれを購入する場合というのは、月賦であるとかあるいは生活費を計画的に切り詰めるとか、あるいは何らかの形で生活に無理をして買っているというのが現状でございます。私はこのような中で行なわれているこの普及問題を考えますときに、このような大衆的な課税に対しては、これを行なうべきではないという点を強く主張をいたしておきます。  それから、特に物品税の性格等から考えましても、電子計算機などは事務用機具だというようなことで、日常生活用品としての性格を持たないとして物品税がかけられていないということも、したがってこの物品税の性格というものが大衆課税的な性格を持っているということが、このことによっても一つ明らかにされているのじゃないか、このように考えますが、いかがでしょう。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 物品税は、けさほども議論がございましたように個人の消費、しかもその消費が便益であり、あるいは奢侈的でありあるいは趣味、嗜好にわたっておるというような消費をとらえまして課税の対象にいたしておるわけでありますから、趣味、嗜好とかあるいは価値判断の入らない全くの事業用のものであるとか、あるいは事務用、産業用の機具というようなものについては別の観点で物品税がかけられておらない。むしろ、物品税は個人のそうした特殊な消費を中心に構成されておるということが大衆課税であるとおっしゃるのなら、それは大衆課税かもしれませんが、それは個人の消費が問題であって、生活の向上とともに消費数量が非常にふえてきて、あるいは消費人口がふえてきておるということであって、一面からいえばこうした物品税のかかるような品物が多数消費されてきたというのは、国民生活の全体のレベルが上がったということにもなろうかと思います。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 時間がないので、議論をしているとますます時間がなくなりますので次に進みたいと思います。  先ほどもお話が出ておりましたが、物品税と物価の関係でございますけれども、物品税を課していくということになれば、したがってこれが物価との関連において物価そのものを押し上げていく役割りを果たすというふうに考えられますが、この点について先ほど御答弁もありましたけれども、もう一度お聞きしておきたいと思います。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 理屈から申せば、物品税は税であり、物価は製造価格に利潤が加わったものでありまして、別のものであるのが理屈であります。ただしかし、物価の騰勢が強いような状態におきましては、物品税あるいはそのほかの売り上げ税が課せられたことを契機にしまして物価水準が上がるというような事例が西欧諸国にも見られたことは事実でございますが、物品税はあくまでも税でございまして、そこは物価とはけじめをつけるべきものではないか、かように理屈としては考えます。実際問題としては、いろいろな批評があることも承知いたしております。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 今回テレビ等に適用されますけれども、それによっていわゆる価格が上がるというようなことはありませんか。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 テレビの場合、トランジスターテレビでございまして、トランジスターテレビは確かに真空管テレビに比べまして早く像が映るとか、いろいろ利点がございます。しかし基本的には真空管テレビとの間に競争関係があるわけでありますから、私どもはこの程度の物品税引き上げ額が即値上げに転嫁されるというようなことは万ないものと考えております。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 いま物品税、特にテレビをあげてのお話でございますけれども、物品税がかけられることによってその価格あるいはまた物価に対する影響はないものというような答弁ですけれども、私どもは明らかに物価を引き上げていく、押し上げていく原因になるというふうに考えております。これについても御承知のとおり、物価引き上げの主要な問題の一つに大企業のこのような生産、特に大量生産をされるものについて、これが大量生産によって当然コストが下がることは明らかですけれども、しかし実際には協定価格等を取り結んで価格を下げていない。こういったようなことが具体的には物価を引き上げていく一つの主要な大きな原因ということがいわれております。このような明らかな点から考えましても、このように物品税を課すということは一般の物価そのものを引き上げていくことになるのだろうというふうに考えます。  それでは次に、物品税の収入は四十五年度三千四百四十三億という巨額な額を見込んでおります。これは昨年度の予算に比して一七%もふえているわけでございます。特に物品税の間接税の中に占める割合は昭和三十年からずっと五・九%、三十五年一〇%、四十年一〇・三%、四十三年一一・四%と、ずっと一貫してふえ続けて、間接税全体を重くする一つの要因にもなってきておりますけれども、特に四十五年度の四十四年度に対する間接税全体の増加率も一〇・九%で、物品税の間接税の増収に占める比重というものが非常に大きくなっているということが言えるというふうに考えます。このことは、直接税の増加等とも相関連して、大衆課税であるところの間接税の増加というものを明らかに示しているというふうに言えると思います。  私はここで、この間接税の問題について一点だけ伺って私の質問を終わりたいというふうに考えますけれども、御承知のとおり、この間接税は小売りの価格とかあるいはまた料金等の中に当然含まれるものでございますので、したがって、生活保護世帯だとかあるいはボーダーライン層だとか、あるいはまた低所得階層全体に非常に税負担を強く負わせるものでございます。しかも、所得の低い者ほど間接税の負担割合というものは高く、一般に間接税は逆進的な性格を持っているというふうにいわれておりますけれども、このことは租税の民主的な原則である応能負担という立場から考えてこれに反するのじゃないだろうか、私はこういうふうに考えますけれども、お伺いをいたしたいと思います。

細見卓大蔵省主税局長

○細見政府委員 けさほど来申し上げておりましたように、所得税ないしは法人税によりまする直接税の税収全体の中に占めます割合が非常にふえてまいっておる。ということは、即所得能力に応じて払っていただいておる税収が、わが国の税収の中のだんだん基本的な地位を占めてきておる。その意味で、日本の税制において間接税が大きくなって、それがおっしゃるような逆進的な効果を果たしておるということではなくて、税制全体として見ますと、所得に応じた、負担能力に応じた課税である直接税の地位が非常に大きくなり、むしろ大きくなり過ぎて、重税感とか負担感とかいう問題がいつまでたっても残るという心配をいたしておるようなわけでございます。  それから、先ほど物品税が間接税の中にだんだん位置を大きく占めてくるようになったとおっしゃいましたことがまさに物品税が大衆課税でないわけでありまして、所得水準が高くなってみんなが豊かになったときにふえてくる税というのが物品税である。その意味で、これがもし大衆課税でありましたならば、所得水準が高くなってくればくるほどウエートが下がらなければならない。その意味で私はいま申し上げたことが、日本の税制は民主的な税制であろうとかたく信じておるわけでございます。

小林政子日本共産党

○小林(政)委員 ただいま、物品税が年々ふえてきている、しかも間接税の増徴傾向というものも明らかになってきている。しかもまた先般来税制調査会の答申等あるいはまた大臣の委員会における発言等を見ますと、先ほどの質問にもございましたとおり、今後何らかの形で一そう間接税への比重を強めていく方向を考えているというようなことがいわれておりますけれども、私は、このような動きというものは、先ほど問題にもなりましたけれども、付加価値税を新設していく方向を示しているのではないだろうか。このことは私だけではございませんで、一般の中小企業の方々の中でも、この問題に対する不安というものは非常に強まっているのが現状でございます。特に、聞くところによりますと、この付加価値税というようなものは、一%税率をかけるだけで一兆数千億というような非常に大きな税を確保できるというふうなことがいわれておりますけれども、このことに対して町の業者の人たちの不安というものは非常にいま強く、この問題について反応を示しております。私どもはこういう中で、生活必需品に新たな物品税をかけることに反対すると同時に、もっと生活必需品に対しては、すでにかかっている物品税も大幅にむしろ減税すべきではないか、このように考えております。そしてまた、外国から入っております高級乗用自動車など、こういった高級消費財にかかる物品税の税率を引き上げるべきではないだろうか、このように私どもは考えておりますが、これらの問題等については、時間がありませんので意見を述べまして、そうして強くこの方向を要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

毛利松平自由民主党

○毛利委員長 次回は、来たる七日火曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後六時十六分散会

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