大蔵委員会 第10号
- 発言数
- 73 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1970/03/10
会議録
○毛利委員長 これより会議を開きます。 昭和四十五年度の税制改正に関する暫定措置法案を議題といたします。 質疑の通告がありますので、これを許します。堀昌雄君。
○堀委員 最初に主税局長に伺いますけれども、今度の暫定措置法案をずっとこう見てみますと、主税局の提案をしておる部分についてはおおむね、四月三十日に延期をしても国民としてはその暫定措置法によって法律が延期をされたことによる実害といいますか、課税上の損失というものはないように感じておるのですが、その点について、もし多少国民の側に実損を与えるようなものが残っておるかどうか、ちょっと主税局側として最初にお答えをいただきたいと思います。
○細見政府委員 おおむね現行を延長いたしまして、たとえば物品税のようなものあるいはそのほかの課税関係というのが、ある行為を対象として発生するようなものにつきましては現行の状況を延期いたしておりますので、その意味で、暫定法がなかりし場合、つまり暫定法以前の、この三月三十一日以前の状況が侵害されるというようなことは原則としてないようにいたしております。そのほかの事柄は、先般も御説明申し上げましたように、事業年度で締めくくればいいようなものについては今後の御審議にまつように特別措置法のほうへ移していく、そういうわけでございます。
○堀委員 ですから、言うなれば暫定措置によって一カ月間現行法を引き延ばし、さらに新法を、今度は改正案を出してくる。改正案のほうがおおむね減税になるものが多い。物品税については増税のものもありますけれども、減税になるものが多い。法人税も増税になりますが、しかしそれはおのおのの見合いにおいては国側の収入が減るという問題はあるけれども、国民の側とすれば、要するに増税になるものは一カ月間延びれば、国民のほうはそれだけ損をしない。それから減税になるものは四月一日にさかのぼって処理をするということで、この面から見ても実は国民の側は損をしない。大体、おおむねこういうふうに税法のほうは調整をした、こういうことですね。ちょっとその点もう一回……。
○細見政府委員 そういうふうにいたしました。その結果、所得税にこういう暫定措置を入れたのはけしからぬというおしかりを受けておるわけでございます。
○堀委員 そこでちょっともう一回伺っておきたいのは、税というのは、私はかねがね言うようにある程度筋道が立っていなければいけない。思想がなければいけないというか、筋道が立っていなければいけない、こう私は考えるわけです。その点については主税局長はどうですか。
○細見政府委員 やはり国民の納得を得るという意味で、税には筋が通っておることは大事だと思います。
○堀委員 そこで、これはあとの物品税の問題になりますけれども、ちょっと最初に簡単に一言だけ触れておきたいのは、私いろいろとものを調べておる中でちょっと問題があるのですが、一つひっかかったわけであります。そこでちょっとお伺いをしたいのですけれども、トラックですね。貨物運送にもっぱら使うトラックというのは物品税がかかっておりませんね。
○細見政府委員 トラックはかかっておりません。と申しますのは、もう釈迦に説法ですが、大体事業用に供されるものというのは沿革的に物品税はかかっておらない。ほかにも同様なものがあろうかと思います。
○堀委員 いまあなたの御答弁で、事業用に供しておる物品については物品税を課していない、こういうことのようでありますが、いま一般にそこを走っておりますタクシーですね、これには物品税はかかっていないのでしょうか。事業用の対象ですけれども……。
○細見政府委員 事業用ではございますが、一面乗用車は一般的に奢侈的な要素もあるという従来の物品税のかけ方からしまして、タクシーにも物品税はかかっております。ただしバスにはかかっておりません。
○堀委員 そこでこれは政務次官にちょっと伺いますが、事業用になぜ課税をしないのか。事業用の物品に課税をしないのか。それは事業用の物品に課税をすることは、できてくる商品に転嫁をされるということでプラスでないという判断だと私は理解をしておるわけですね。そうすると、たとえばトラックのようなもの、これはしかし、トラックの運送賃その他については別に公共料金として定められておるわけではないわけです。ところがタクシーのほうは、御承知のように、いま主税局長は奢侈的なニュアンスがある、こう答えたわけですね。今日このタクシーに乗る者が奢侈的にタクシーに乗っておるかどうか。公共料金としてあれだけきびしい規制をしておる。言うなれば国民のいまの足の中では比較的低廉なほうなんですね、タクシーというのは。御承知のようにいまバスだって三十円ぐらいのバスはたくさんあります。五人乗れば大体百五十円だ。しかしタクシーならば、場合によれば、現在値上げをしても百三十円で乗れるわけですから、五人乗ればバスより安いタクシーと、こうなっておるわけですね。おまけに奢侈的性格などというものが現在のタクシーにあろうなどということは、われわれ常識で考えられない。現在自家用車がこれだけはんらんしておれば、いま車に乗っておるのは、要するに所得階層として高いほうがタクシーに乗るのではなくて、安いほうがタクシーに乗っておるわけですね。そう考えてくると、いまの主税局長の答弁は非常にアナクロニズム的発想のような感じがするのですが、政務次官、どうですか。
○細見政府委員 アナクロニズムの前に一言弁解しておきたいと思います。 タクシーがなぜ課税になるかと申しますと、タクシーで提供する便益というのは自家用車で提供する便益と同じものである、こういうことでございますね。そういう意味では、そういうサービスをとらまえまして、少なくとも沿革的に自家用車に課税されており、自家用車を持てない人はタクシーに乗るというようなそのサービスの同質性といいますか、自家用車で受けるサービス、それからタクシーで受けるサービスの同質性をつかまえて課税する。その意味でバスまでいけばいいじゃないかということがあったかと思いますが、これはまあより大衆的なものがあるということで、沿革的に課税されておりません。 それに比べましてトラックと申しますのは、トラックによってサービスを受けるというものは、むしろ産業の基本的な活動であって、いわゆる入場税がかかったサービスでありますとか遊興飲食税のサービスでありますとか、そういうふうにサービスに対して課税するという感覚のないものであった、ものの運搬というようなものは。これは産業の基盤というような点で、先ほど申し上げましたように事業用のものは沿革的に非課税にしておった。その事業というのはダイレクトに、競合関係なしに産業に役立っておる。タクシーのほうは若干そこが自家用車とのサービスの競合というものが考えられる、そういうことでございます。
○堀委員 沿革の話はいいですがね、この物品税ば古い時代から取っているわけだから、一体自動車、普通乗用車に物品税を取ったときからタクシーのだって区別をしなかったというだけでしょう。現実には自家用乗用車と同じ比率の税率をかけておるわけだから、きわめて沿革は古いわけですよね。今日タクシーが置かれておる条件というのは、あなたがいま言うような論議を発展させていったら非常にいろいろ問題が出てくる。観光用のバスというのがあるのですよ。本来の輸送用の業務ではない観光用のバスといえどもバスは課税してないのじゃないですか。
○細見政府委員 そのとおりでございます。ただこの場合も一人で乗るのと違って大ぜいの人たちというので、より大衆性があろうということで、非課税になっております。
○堀委員 そうするとあなたの発言からいうと、タクシーは大衆性がないということですね。大衆性がよりないものを、なぜ料金をあんなに長く固定しておったか。ここでLPGガスの問題をやったときもあるわけですけれども、大衆性があるから公共料金で押えておる。この大衆性は、観光バスで旅行するものよりははるかに大衆性があるのじゃないですか。観光バスの料金に公定料金がありますか。主税局長、どうですか。
○細見政府委員 私どももそういう意味では、いまの物品税体系の中にバスのようなものを取り入れる、あるいはライトバンのようなものを取り入れる方向で解決すべき問題で、タクシーとバランスをそっちへとりたいと考えておるわけでございます。
○堀委員 私は、いま公共料金に関する部分として議論をしておるわけですね。公共料金でものが押えられておる。要するに収入の側が押えられておる。公益性のあるものについては、やはり私は第一点として、国としてその公共性に見合ったものの対価をどこかで考えてやるべきではないかと思うのですがね。だから、たとえばLPガスの問題にしても、私、ここで三段階方式をとったのも、あなた方のほうが出してきたけれども、一挙にやればそれはタクシー料金のほうにはね返るわけですから、できるだけ緩徐しながら生産性の中で吸収するためには三段階にすべきであるというのが当時の私の提案であり、それが国会で全会一致で認められたということになるわけですね。 だから、私は、きょうは、まだ物品税の時間がありますからあとで触れますけれども、ちょっと政務次官、私が出しておる問題提起は、常識的に考えると別に特別のことを言っておるわけではない。ただし、私はこういう提案をしたわけです。実は、いま小型乗用車については一五%の物品税、大型については三〇%の物品税なんです。ところが、タクシーといえどもハイヤーといえども、大型は据え置いたらよろしいと私は思うのです。これはきわめて奢侈的な要素が依然としてあるわけです。何もあんな大きな外車に乗っていくことはない。これはたいてい社用族が会社の金を使って払うのだから、社用族が使うものはしっかり三〇%取ればいい。しかし、国内の小型のもの、二千CCまでですか、これは今日奢侈的要素があるとか、大衆的でないとか、いまバスに乗るのとタクシーに乗るのとで、バスに乗ったら大衆的でタクシーに乗ったらぜいたくだとか、そういう概念は大蔵省は幾ら何でも持っていない、政務次官も持っていないと思うのですが、この点は次の物品税の質問をする前にひとつ省内的に意見を統一しておいてもらいたい、こう思いますが、それについての政務次官の答弁をひとつお願いいたします。
○中川政府委員 沿革的なものがあって、なかなか複雑ではあろうと思いますが、社会情勢も非常に変わってきたことであり、特に堀委員御指摘のように、タクシーが大衆の足と化しておることも事実ではないか。そういうことを勘案すれば、バスとの関係において考慮すべしという御意見も確かに傾聴に値するものだと思います。ですが、いま言いましたように沿革的なものもあり、また一般の乗用車との関連その他もありますので、これからひとつ慎重に検討してみるべき課題ではないか、このように思います。
○堀委員 おっしゃったことでけっこうですから、慎重にやってもらいたいですが、つけ加えて、いまライトバンは無税なんですか。
○細見政府委員 ライトバンは無税です。
○堀委員 いまライトバンといいましても、五人くらい乗ろうと思えば乗れるのです。ここも一つ問題が出てきておると思うのです。私はライトバンを税金を取れというのではないのです。ライトバンすら無税になっておるときに乗用のタクシーが有税だということは、どう考えても税の均衡から見て問題があろうということを問題提起をしておきまして、主税局長けっこうです。 そこで、今度は関税局でありますが、いろいろ懸案のものがあるのですが、先にちょっと話の続きでいま議論をしておきたいのは、いま主税局は、今度の暫定措置法については国民の側の損失を招かざるように配慮をした、両面で配慮した。両面で配慮したということは、たまたまそうなったということかもしれないけれども、私もずっとながめてみて、どうも国民の側に損失がないような感じがしておる。 そこで関税について少しお伺いしたいのでありますけれども、この関税、昭和四十四年度に大豆が二億八千百万ドル輸入をされておるわけですが、これは大体キログラムでいくとどのくらいになるのですか。
○上林政府委員 大体二百四十万トンくらい――ただいまのは四十三年のトン数で申し上げてしまいましたので、四十四年は二百六十万トンくらい。
○堀委員 私がなぜいま大豆を問題提起をしたかといいますと、今度の関税暫定措置法によって、大豆は本来なら四月一日から関税が下がるべきものですね。それが暫定措置によって一カ月おくらされるわけですね。そうすると国民の側にすれば、今度はそれだけ高い関税を払った大豆を一カ月間については消費しなければならぬ、こういうことになりますね。そうじゃないですか。
○上林政府委員 ただいま私どもの予定しております本改正におきましては、御存じのようにこの大豆の関税につきましては、一挙にKRの最終まで下げるつもりであります。したがいまして、それがもし四月一日から実施されることになりますと、御指摘のように関税が下がりますので、その分が価格にはね返ることと思います。ただ、私どもといたしましては、そういう私どもの提案いたしております中には、ほとんど大部分が関税据え置きまたは引き下げるという提案をいたしておりますけれども、こういうような問題につきましては、基本的にいろいろと御審議をいただかねばならないと思いましたので、とりあえず暫定措置法におきましては現行のままをそのまま延ばす、そういう方針のもとに御審議を願っておるわけであります。
○堀委員 私がさっき主税局長に質問をしたのも、大蔵省といえども一つの役所ですから、そうすると国民に対してその負担の軽減をはかろうというときには、実は一般的に遡及して処理がされておるわけです。ところが関税というものは、入ってしまうと遡及する処理はなかなかむずかしいと思いますから、確かにそこに問題はありますね。問題はありますけれども、これがごくわずかな額ならあまり触れないのですが、ちょっとお伺いをしたいのは、あなたのほうが今後税収見積もりとして三千四百八十四億円の関税の税収見積もりを出しましたね。これはこの一カ月分における減収が差し引かれておるのでしょうか、どうなっておるのでしょうか。この収入見積もりというものは四月一日実施になっておるのかそうでなかったのか、その点をちょっとお答え願いたいと思います。
○上林政府委員 この税収見積もりにつきましては、五月一日から私どもの提案しております本法が成立するという見通しのもとに、つまり四月分につきましては現状のままという前提で歳入の見積もりを立てております。
○堀委員 そうすると、私がいま言う具体的なこの一カ月間における関税額の差額について、四月一日実施であった場合と今月分であった場合との実態的な差額の中から大きいものだけ――私は一番大きいものは大豆だと思うのですが、今度の税法でキログラム当たり一円弱関税は下がるわけですから、トン当たり千円下がる。いまのあなたの二百六十万トンということは相当な額に達しますね。一カ月分ですからあれですが。そこでおも立った差額をちょっとお答えいただきたい。大豆、紅茶その他主要な品目について、暫定措置法を行なったことによって、この一カ月分で国民が受ける損失をお答えいただきたいと思います。
○上林政府委員 今度の改正で減税をいたしております一番大きな問題は、公害対策のために低硫黄化をはかります目的をもちまして脱硫施設、これに投じます原油一キロリットルに三百円の税の軽減を予定いたしておりますが、それが七月実施を予定いたしておりますけれども、これは関係ございませんが、これが三十九億を予定いたしております。そのほか、いまおっしゃいました大豆でございますが、これにおきまして十三億八千五百万の、一挙に関税定率を引き下げますことによります減収を予定いたしております。紅茶につきましては約四億程度の減収を見込んでおります。そういうようなものを全体として合計いたしますと、先ほどの脱硫を含めまして、約九十億の減収を考えております。
○堀委員 それは年間の減収でしょう。だから私が言うのは、暫定措置法を出したことによってこの一カ月間に、これは推計になりますけれども――いま主税局はそれを調整をして出してきた。関税のほうはとりっぱなして出してきているわけだ。全然調整も何にもしていない。そうすると国民は、この関税を暫定措置で一カ月減らしたことによって幾ら損をしたのかということですね。
○上林政府委員 一カ月分がどの程度輸入があるかという見通しによるものでございまするが、きわめて不確定でございますが、大体四、五億程度と考えております。
○堀委員 かなり大きな金額が実はここで国民の側は損をする、こういうことになるわけですね。ですから、所得税法でも一つ問題があったようですけれども、所得税法のほうはそれでも要するに源泉徴収表は今度の新法と同じものをくっつける、さかのぼる、いろいろな操作がしてあるから、まだ問題が少ないと思うのですが、このように何ら操作もしないで――主税のほうとしては非常に手の込んだ処置がしてある。私はそれで暫定措置法の意味があると思う。ところが関税のほうは、ただ通せばいいという感覚がやや前へ出て、あまりどうも調整をしたあとが見られないという感じがするのですね。それはものの性格上調整ができにくいということであれば、これこそ関税定率法の改正だけを一番最初に持ってきて、ともかく一カ月間の審議期間があったわけでありますから、一カ月間の審議期間の中にぜひひとつ通してもらいたいということで処理されてよかったのではないかと私は思う。それでどうにもいかない情勢のときに、関税だけはまた――要するにその他は別ですよ、関税だけについてもう一ぺん暫定措置法を出すということもあるんじゃないか。われわれはもしそういう形で出されてきておるならば、国民の利益につながるものについて反対をする意思はないわけですね。するとしても、国民がいまの物価上昇の中で安くものが買えるようになる道を開くのですから、できるだけ早く、この一カ月間に衆参を通そうと思えば一本の法律くらい――すでに国税通則法も通っているわけですね。もう間もなく向こうも通るでしょう、まだきょうが十日ですから。だから、今度のこの問題のあり方の中に、ややどうも大蔵省として少し安易な点がある。特にそういう問題について、さっき私が触れたように、国民にできるだけ損をさせないというのがやはり税としての基本的な考えではないか、私はこういうふうに考えますと、この取り扱いについてはやや瑕疵があるという感じが私はしてしかたがない、こう思いますが、政務次官、その点はどうですか。
○上林政府委員 後刻政務次官から御答弁いただくことにいたしまして、私どもの考え方を申し上げさせていただきたいと思います。 おっしゃいますような御議論、ごもっともだと思いますけれども、一つはこの税法自体の考え方におきましても、たとえば今度の問題になっております所得税の問題につきましては、期間計算もいたします関係その他いろいろございますので、ああいうような措置をとりましたわけでございますが、私どもの関税と同じ性格を有します物品税につきましては、同様単純に引き延ばすというようなこともやっておるわけでございます。また、確かに国民、一般の消費者の方々になるべく利益を与えますように、私どもはできるだけ関税を引き下げるという方向で今回の本改正法案におきましてもその努力をいたしたわけでございますが、率直に申し上げますと、関税は御承知のように下げるというだけではなくして、産業保護という観点から、逆にむしろ上げろという御議論も相当あるのでございます。したがいまして、個々の品物につきまして上げるか下げるか。むしろ下げることにつきましても、相当の御議論がある部分も多いわけでございます。そういうようなことから申しますと、この関税率を相当下げますことについてはいろいろと御議論をいただかなければならないのであろう、そのための期間も要るのではないか。ことに従前のやり方を見てみましても、すべてこういうような事態のときにおきましては、漸次暫定措置法をお願い申し上げ、その間に本改正法案の御審議を願ってきた、こういうのが過去何回かの実績でもございますし、そういうふうなやり方をするのが今回も適当であろうというふうに考えたわけでございます。
○中川政府委員 堀委員の御指摘も、この問題についてわからぬわけではございませんけれども、国民の側ということばを使っておられますが、関税について特別の課税をいたすというのは、これはまた別の生産者という立場を保護する意味が大きな問題となって、こういった関税制度ができておるのだろうと思う一わけです。ですから、これをがっちり四月から関税の措置を講じてしまうと、生産をしておる国民の側からは非常な不安、不満が出てくる。そこでいま関税局長が答弁申し上げましたように、賛成の者もあるし、反対の者もある。消費者からいえば下げてもらいたいのは当然です。相対立した意見がございますわけで、この点については大蔵省も一つの考え方を持っておりますが、国会において十分御審議をしていただいた上で最終の結論を得たい。一カ月間だけは従来の制度そのものによっていくという考え方が当然ではなかろうかという気が私はいたすわけでございます。
○堀委員 ちょっと委員長に伺いますが、要するに最近――私は二年間留守をいたしましたけれども、関税定率法の改正が当委員会で審議を始めてから参議院で成立するまで、過去一体何日かかっておったのか、ちょっと二、三の例について委員長から、過去の実績についてお答えをいただきたい。私は関税定率法が二カ月もかかったような記憶はこれまでないのです。大体関税定率の問題は、わりあい議論はいたしましても、国内法と違いましてそんなに時間をかけないで成立をさしてきたという記憶が私はありますので、正確を期するためひとつ調べておいていただきます、時間がかかりますから。 そこで、いまのお話は、私はちょっと納得できないのです。なぜ納得できないかというと、確かに関税というものが国内産業保護のためにあることは私も承知しております。しかし下げようという方針を立てたわけです。大体、下げようという方針を立てたならば――立てないんならいいんですよ、立てたということは、政府側の下げようという一つの見解をきめたわけですね。それは産業、たとえば大豆についていえば、大豆生産者に対してはあるいはマイナスになるかもしれないけれども、しかしこれは国民全体の利益、国家的利益というものを考えれば下げようというのが大蔵省の判断だと思うのです。そうすると、そこのところの判断をきめた以上、いまのようなことは弁解にならないと思うのです。生産者がどうだ、国民がどうだということは、それをきめる以前の問題であって、きめた以後はきめた方針のとおりくるんでなかった問題になるんじゃないですか。 だから、あなたのいまの言われるようなことを言われれば、それじゃわれわれは生産者側に立って、今度は本法のほうはゆっくりひとつ審議をして、場合によっては廃案にしようとか、そんなことになりかねないと私は思うのです。だからそうではなくて、私は、現在のいろいろな諸立法は、企業側についてはいろいろ問題があろうけれども、最も利益を受ける全般的国民大衆というところに焦点が合わされておるのが政治の眼目じゃないかと思うのです。企業さえ保護されれば国民はどうなってもいいという政治ならばこれは別ですけれども、自民党といえどもそこまではっきりと割り切っておられるわけではない。やはり皆さんも票をもらって選挙に出てきている以上、国民の利益を守るということがやはり最大の政治の眼目だろうと思います。そうなると、いまの議論の中で、今度のものの中には主として関税を下げるほうの問題がたくさんある。私はたいへんいいことだと思う。特に大豆についてはKRの最終条件まで一挙にいこうということは、私はいまの国際的な諸条件、この間から少し議論しましたが、残存輸入制限も取りやめて、できるだけ前向きにして、関税も下げて輸入を自由化をして、そのことによって国内の物価を安定させながら、同時に対外的ないろんな諸問題の解決をはかるべきだ、こういう基本的な考え方を述べておるわけですから、その限りでは、私はやはりこういう問題は大いに了解を得た上で、国民の側として少なくとも四、五億円も違いますから、早く通していただきたいという話があれば、私は野党側といえども国民の利益になることですから、論議はしますよ、審議はするけれども、いま少なくとも一カ月間に衆参両院が通らない、それも法案があまり詰まってない時期ですから、通らないという問題ではないだろう、私はこういう感じがするわけです。ですから、その点は私は、いま特に関税局長が先例だという話だけれども、こんな先例ならやめなきゃいかぬですよ。だから本日限りそういう先例にはとらわれない、国民の立場を考えてやりますということにならないと、悪い先例でも先例なら幾らでもやるんだということになったら、私はこれまた問題がある、こう思うのですね。政務次官どうですか。
○中川政府委員 お説ごもっともの点もありますが、一カ月間の暫定措置でございます、御承知のように。大豆についても、その他の関税についても、数年来、何年から始まったかよくわかりませんが、少なくとも相当期間この制度がよろしいといってやってきた制度でございます。そして今年度から改正に踏み切って御提案申し上げておるわけでありますが、それにはやはり相当審議すべきではないか。しかもこれは即物性というか、その場できまってしまったら取り返しのつかないものでありますので、一カ月間くらいは数年やっておったこの制度でやっておいて、その後ひとつじっくり御検討をいただくのがたてまえではないか、私はそのように思うわけでございます。ただ、こういった出し方がいいかどうかについては御議論のあるところでありまして、きょうまで採決を延ばしましたのも、そういった点も納得できるところから延ばしたということであり、今後この出し方については、(「採決は政府は関係ないぞ」と呼ぶ者あり)それはそのとおりですが、それくらい御議論のあるところではないか。政府ではありませんが、国民の側、国会側において議論のあるところじゃないか。出し方については今後また政府としても検討してまいりたい。 それから所得税のほうの改正につきましては、下げればよろしいという声が圧倒的であって、しかもやっておいて、かりに将来違った決定が出ましても年末調整でもって調整できるというところから、そういった前向きの配慮をした、こういうことでございますので、御了承をいただきたいと存じます。
○堀委員 いまの答弁は了承しません。要するに役所は役所の立場がありますけれども、政務次官というのはやはりより国民的立場に立たないと、役所の代弁だけするのならあなたの答弁を求める必要はないわけだ。だからもう少しやはり国民側に立った答弁をしてもらわなければ、今後私どもは事務当局の答弁だけで、あと大臣だけにしますから。そこのところあなた、もう少しお考えいただいて、あなたは、政務次官というのは事務次官じゃないのですから、要するに国民の側に立った――政党から入った次官でしょう。もう少しいい答弁をもらうのでなければ、いまのなら上林君の答弁とちっとも変わらない。だからそれじゃ、関税局長心得の答弁みたいなことでは私は納得できない。 ではもう一つだけ聞きますが、これまでのこういうことは、暫定措置の場合については内容のいかんを十分判断をして、先例としないという答弁だけひとつしてください、私のいまの前段の話を踏まえて。
○中川政府委員 それは前例としないことははっきり申し上げていいのではないか。 もう一つ弁解をさしていただきますと、大豆について、私は大蔵におりますから踏み切らざるを得ないのですが、御承知のように北海道は大豆の生産地でありまして、こうされると困ったなという議論も相当出てくる背景があるものですから、議論はこの点だけは尽くさしてもらいたいという気持ちで申し上げたので、関税局長事務取扱にはなっておらぬつもりでありますので、御了承願いたいと思います。
○堀委員 あなたの置かれておる立場はわかりましたから、さっきの心得は取り消しますが、あなたが先例としないという答弁をしたことについてはひとつ確認をいたしておきますから。やはり問題別によって、それは暫定で処理をしなければならぬ場合もありましょう。ただ、非常に時間が切迫しておるなら別だけれども、今度はそうではなかったという前段の状態がありますから、あとでいま事務当局に調べさしておる過去における関税定率法の審議期間を見れば、このことは非常に明らかになる。一カ月以内に衆参を通っておるならば何もこんなことをする必要はなかったというわけになる。ですから、過去の実績の上でものを考えるというのは必要なことですから、安易な暫定措置によるようなやり方をすることは、私は国会審議に対しても国民の利益を守る問題についても問題があろう、こういうことでありますので、その点はひとつ早急に事務当局は処置をしてもらいたいと思うのです。 次は、この間ちょっと問題にしておるガス事業に関する戻し関税の問題であります。そこで最初に、この前お調べを願った特別ガス事業者がガス製造用揮発油にかかわる関税の還付を受けるため必要な国産石炭の購入数量告示量、これについて特別ガス事業者の計でけっこうですから、四十一年度から四十四年度までお答えを願いたいと思います。
○上林政府委員 申し上げます。 四十一年度は百四十二万五百トンでございます。四十二年度が百二十二万四千トン、四十三年度が百四万三千四百トン、四十四年度が九十六万四千九百トンでございます。
○堀委員 そこで四十一年に百四十万トン以上使いなさいと言っていたのが、四十四年度には九十六万トン使えば戻し関税をやりましょう、こういうことになったということは、要するに国内炭の消費量というものをだんだん減らしてきておるわけですね。少なくとも四〇%くらいですか、三〇%になるかな、九十六万トンですから四十万トン分くらいを使わなくても戻し税をやりましょうということでどんどん減らしてきておる。 そこで私は、はたしてこういう制度は今日もなお必要かどうかという点について少し議論をしておきたいのであります。通産省のほうにお伺いをいたしますけれども、昭和四十二年の特別事業者が扱った石炭の中で、国内炭が何トンで輸入炭が何トンであったか。これは関税局では答えられないでしょうね。だから、通産省のほうでちょっと答えておいてください。
○高木説明員 お答えいたします。 四十二年度におきまして特別事業者が消費いたしました国内炭の量は二百十四万三千トンでございます。輸入炭でございますが、輸入炭は二百八十六万九千トンでございます。四十四年度は、国内炭は百七十六万二千トンで、輸入炭は四百二十六万三千トンでございます。
○堀委員 ありがとうございました。 いまお聞きになったように、昭和四十二年には国内炭を二百十四万三千トンも特別事業者が使っていたけれども、これが百七十六万二千トンに実は減ってきている。なぜ減ってきているかということは、国内炭の原料炭に対する需要がその他の部分であるから、ガス事業に回そうにも回すものがないということだと私は理解をしておるわけです。この点についてちょっと――鉱山石炭局、来ておりますね。ちょっとその経過を少し答えてください。
○織田説明員 私のほうで年度初めに石炭の需給計画を毎年つくっているわけでございますが、つくりましたものを四月の審議会にかけまして各業種ごとにきめておりますが、需要者といたしましては、御承知のように製鉄とガスとコークスとございまして、大ざっぱに申し上げまして原料炭の国内生産はここのところ千二百万トンから三百万トンくらいでございまして、製鉄が大体千万トンから千五、六十万トンくらい、あとガス、コークスが百万トン余り、ちょっとこえますが、というようなことでまいっております。この需給計画をきめるにあたりましては、販売業者の売る販売計画と申しますか、それからガス事業者の購入希望額とか、あるいはまた外国炭の輸入可能性のことなどもしんしゃくいたしまして年度初めにきめております。ただ御承知のように、この需給計画というのは強制的なものではございませんので、きめた結果は必ずしもこのとおりになりませんで、これをオーバーするものもあり、また下回るものもありまして、実績と計画は必ずしも一致しておりません。また最近は石炭側の生産不如意というようなこともありまして、計画が未達に終わっている場合もあります。
○堀委員 そこで、私がなぜこの問題をいま言っているかというと、昭和四十四年度について見れば、特別事業者は百七十六万二千トン実は使っている。ところが、この還付のための基準は九十六万四千九百トンしかなっていない。もう二分の一近いところに条件が置いてあるようなものを毎年下げてきているわけですね。いま関税局長が答えたように、かつて昭和四十一年が百四十二万トン、四十二年百二十二万トン、そのときから、国内炭は二百十四万トンですから、おおむね二分の一以下のところに線が引いてある。そんなところにわざわざ線を引いて、これをこえたら三百二十円還付してもらうなんということは、私は実情に沿わないと思うのですよ。これが、このアローアンスの範囲でここまでやっておかなければ使わないんだぞというおそれがあるような条件であるならば、私はいまの制度は必要があると思うのですね。もう今日この需要と現実の姿を見るならばはたして――私に言わせると、大蔵省が毎年こんなものを告示をして三百二十円の戻し税をしなくても、大体手数をかけるだけ意味がないのじゃないか。だからこの際は、こういう行政事務をできるだけ簡素化しろというのがいまの国民の声であるならば――これがいまの百七十六万トンのときに百五十万トン以上使いなさいという指示をしているということなら、私はそんなことを言いませんよ。しかし百七十六万トンも実際使っているときに九十六万トン以上使えばどうするとかこうする。だんだんこれがまた減ると思うのですよ。なおかつ減っていくんじゃないか。なおかつ減っていくためにまた基準をつくっていくのだというようなことは、片や実際問題としては、もちろん特別事業者のガス石炭使用量も減るでしょうけれども、絶対量がないわけですね。製鉄が使っておるんだから絶対量がない。そういう意味ではこの制度はあまり意味がないような気がするので、この際ガス事業なんというものは――私も商工にいてわかったけれども、通産省として比較的行政事務がしやすいのは公益事業局が持っておる電力とガスくらいで、その他のところは、二年間いたけれども、通産省の言うことを聞きそうなところはほとんどないわけです、このごろは民間主導型になって。だからこの際、大蔵省も手間がかかるだろうから、とにかく通産省として必要と思う範囲についての取りきめだけを大蔵省との間になされて、そうして通産省として適当でないというときには免税をしません。しかし通産省として適当と認める限りはひとついまのガス原料用揮発油は三百二十円――この額の問題はあとから議論するわけですが、ひとつ還付してくれということで、何らかの役所間の取りきめだけでいいんじゃないか。私は、非常にむだな行政事務をやっておるような気がしてしかたがないのですが、これはどっちにあれがあるのかよくわからないから、どちら側からでもこういうことはもうやめて、もっとスムーズな行政処置をしたらどうかというのが私の提案なんですが、どうでしょうか。
○上林政府委員 まずお断わりをいたしますのは、あるいは御存じかと思いますが、いま通産省で申し上げました百七十六万トンと申しますのは、ガス事業者の原料炭のみではございませんので、製鉄から委託を受けて使います製鉄用の原料炭が七十四万七千トンございます。したがいまして、還付の対象になりますガス事業者特有の原料炭は百一万五千トンの消費が見込まれておるわけでございます。したがいまして大体九十何万トンという数字、約百万トン近い告示量と大体同じくらいの数字でございます。 なおこの問題につきましては、確かに通産省の指導というような問題もあるわけでございましょうけれども、現実の経済的なベースを申しますと、やはり国内産の原料炭と輸入炭との価格差が相当ございまするので、やはり通産省の指導にもおのずから限界がある。また制度といたしましても、こういうようなことで石炭対策の一環としてそれが円滑にできまするように、一つのてこといたしましてこういうものが必要ではなかろうか、こう私どもは考えておるわけでございます。 なおもし補足がございましたら通産省から答弁していただきたいと思います。
○堀委員 いまの話を聞くと――私はここにある石炭という原料になっておるものは、これは本来ガス発生用のためのものだ、こう理解をしておったのだけれども、いまの話だと、百七十六万トンのうち七十四万トン余りというのは製鉄用の何とかだという話をしておるのだけれども、それは一体どういうことですか。そこのところをはっきりしてもらわぬと、私の説明を聞いたことがちょっとわけがわからなくなる。ガス発生量その他についても違うのかな。
○織田説明員 先ほどガス課の高木が御説明申し上げました数字は、製鉄用と一般用と合わせた数字でございまして、ガス事業者のほうに、たとえば製鉄会社でコークス炉を持っていない製鉄会社があるものですから、こういうところはたとえば東京瓦斯とかあるいは大阪瓦斯とか、こういうところにコークスを委託してつくってもらっておりまして、その数字を差し引きました数字が百万トンくらい。私先ほど、ガス、コークスは百万トンぐらいと申し上げましたが、この製鉄委託分を差し引きました数字でございまして、もう一度正確に申し上げますと、四十四年度で申し上げますと、国内炭がトータルで百七十六万二千トン、そのうち製鉄用が七十四万七千トンでございまして、それを差し引きましたものがいわゆるガス用でございまして百一万五千トン、輸入炭につきましてもトータルで四百二十六万三千トンのうち、製鉄用として三百十九万一千トンが除かれまして、ガス用といたしましては百七万二千トンでございます。
○堀委員 いまの話はわかりますが、製鉄用であろうとなかろうと――しかし、かすはコークスになってしまうのだから、それはとれるんじゃないですか。製鉄用原料炭からガスはとれないんですか。製鉄用コークスをつくるためには、当然私は、ガスがそこからある程度とれるんじゃないかと思うのだけれども、そこはどうなんですか。
○高木説明員 先ほど申し上げました数字は、ガス事業全体として特別事業者が使っている数字でございます。石炭を使いますと必ずコークスが生産されるのでございまして、たまたまその生産されたコークスを製鉄会社に売るかあるいはその他の鋳物用に売るかの違いで、一応製鉄用とその他に分けているわけでございます。製鉄用につきましては、いろいろ国内炭の需給その他の計画をつくる上から、便宜製鉄用と一般用に分けて分類しているわけでございます。いずれにいたしましても、これはガス会社が両方ともガス用として使うものでございます。
○堀委員 その製鉄用という話は、国内炭を使わせることが目的なんだから、そのために九十万トンというのは、いま関税局長の答えたように、製鉄用に行こうが行くまいが、ガス会社にしてみれば国内炭を使ったことに変わりはないのです。製鉄用を除外するということは、ここには何も書いてないのです、法律や告示の中には。ただ、国内原料炭の使用についてと省令のところには書いてあるだけで、そうなると、製鉄用を除くなんということは書いてないのに、そんなところまでこまかくいろいろ規制をしなければならない問題なのかどうか。コークスになる点については同じですし、ガスをとる点についても同じなのだから、私は特別事業者が国内炭を使うという限度においては、製鉄用であろうとなかろうと関係はないと思うのです、事実は。その点はどうですか。関税局長のほうからお答え願いたい。どこかに書いてあるなら読んでください。省令に製鉄用と一般用に分けてあるのかどうか。
○上林政府委員 こういうたてまえになっているわけでございます。都市ガス用につきましては、御指摘の関税定率法の規定によりまして還付をいたすわけでございますが、いまの製鉄用の原料炭につきましては、かつては同じように関税定率法の暫定措置法によりまして、電力及び鉄鋼に対しまする原料炭の引き取りにつきましては、その引き取りに応じまして還付いたしておりました。ただいまではそれが石炭あるいは電力の交付金というかっこうで、石炭特会で処理いたしております。したがいまして、鉄鉱用の原料炭を引き取りましたことによりまする負担増につきましては、ただいまの制度におきましては関税の分野から離れまして、石炭特会におきまして石炭に対する交付金というかっこうで処理をされておるわけでございます。したがいまして、製鉄用の原料炭につきましてはそちらの分野で処理をして、都市ガス用の原油につきましては、いま御指摘の関税暫定措置法で処理をしておる、こういう体系になっておるわけでございます。
○堀委員 非常に複雑でわかりにくいのだけれども、そうすると、特別ガス事業者というのは、製鉄用といわれておる原料炭は自分のところが買わないのですか。製鉄会社が全部買って、ただで持ってきて、それをただでガスをとって、そのかわり残ったコークスだけはただでやる、こういうことですか、それでは。
○織田説明員 われわれはことばとしては委託ということばを使っておりますが、ただ、現実の会計の処理といたしましては、買って売るようなかっこうになっております。しかし、いま先生御指摘の、基準量に達したではないかあるいは達しないという話の場合は、委託分は除きまして、一般用プロパーの基準量に達したかどうかで判断しておるのでございます。したがいまして、先ほどの九十万トンという数字は、ここでいいますと百一万五千トンという数字に比較される数字ではないかと思うのでございます。
○堀委員 そうすると、もしこれがなくなったら、国内の百一万トンを特別ガス事業者が使わないという条件があるわけですね。あなたのほうが九十六万四千九百トン以上使わなければ三百二十円還付しませんよというルールになっているのだから、これがもしなくなったら、特別ガス事業者は国内炭の原料炭は、百万トンは使わないということになるわけですか。
○織田説明員 これは外国炭の値段あるいは量の問題とも関係するわけでございます。現在でも、外国炭が非常に高くなったということが言われているわけでございますが、一部のスポットものとか、あるいは米炭の強粘結炭については値上がりもあるわけでございますが、日本の国内炭と似たような炭としてわれわれが比較しております豪州の弱粘結炭につきましては、まだ千円余り安いというふうに見られますので、もし豪州の炭が今後まだソースとして潤沢であるということになれば、先生の御指摘のようなことになる可能性もあるわけでございます。
○堀委員 いまのところはないということですか。
○織田説明員 現在でも豪州炭のほうが安うございまして、それで現在割り当て制をしいているわけでございますが、これで割り当て制がなくなれば入ってくる可能性はございます。
○毛利委員長 さっきの堀君にお答え申し上げます。 先ほどの関税定率法等改正案の委員会質疑の日程は、日数は四十二年三日、四十三年五日、四十四年一日、以上のとおりであります。
○堀委員 いまおっしゃったのは、三日と五日と一日ですね。これは衆議院の審議日数でしょう。参議院は調べなかったのですか。国会を何日で終わったかということなんだが、ここで審議を始めて参議院で成立をしたまでの期間をちょっともう一ぺん調べてもらいたい。それが必要なんだ。それが一カ月以内ならこんなことをやる必要はないのだけれども、毎年の実績があるわけだから、その点を調べて、一体ここで審議を始めてから、お経読みはだめだが、法律が成立をした参議院本会議の日にちまでは一体何日であったのか、それをひとつ調べてちょうだい。おそらく、私は過去の認識で、一カ月以上も関税定率法をかけた記憶がないから。 それでは引き続き……。この間も少し議論をしたのだけれども、いまの三百二十円の還付とか、この還付の額の問題なんですけれども、この前関税局長は、特別ガス事業者は原油が無税で入っているから、ここは三百二十円でその他の一般ガス事業者との均衡がとれるのだという答弁でしたね。そこから確認をいたします。
○上林政府委員 そういう趣旨の御答弁を申し上げましたが、もう少しくだいて申し上げますと、都市ガスの石油関係の関税を、大手、中小ごとにおのおのの特徴によりましていろいろなソース別の原料を使っておりますが、そういう関税の負担を計算いたしまして、おのおののバランスがとれるように、そういう配慮のもとに関税率をきめたという経緯がございます。
○堀委員 ちょっと抽象的でよくわかりませんので、私ここに少しこまかく、一体原油ではどのくらいのガスがとれる、揮発油ではどうなっているというこまかい資料を持っているわけですが、そこでガスのできる根拠をちょっと具体的に段を追って説明してもらいたいわけです。一般ガス事業者には五百三十円還付している。それはこの前は十二分の十だと言われたけれども、十二分の十にしたのは、これはその他のもの、がどれだけになってどうなっておるのか、それを基準にしていまの原油と揮発油を使っておるシェアなりいろいろなものがあるわけですから、その関係からしたら一般ガス事業者と権衡をとるためには三百二十円にこの数式でなりますというふうに、ちょっと具体的な説明をしてもらいたい。ただバランスをとったなんという抽象論では、数の問題ですから正確を期したいのです。
○上林政府委員 数字を申し上げますと非常に長いことになりますが、考え方を申し上げますと、まず原料の使用量を大手、中小に分けまして、たとえば大手でございますと原油を、これは四十三年度の数字でございますが、百九万四千キロリットル使っておる。それの関税は無税でございます。それから、たとえばいまの大手の国産ナフサは六十六万二千キロリットル使っておりますけれども、そのうち燃料部分に、要するにガスにならない部分を差し引きますと五十六万三千キロリットル使っておる、あるいは輸入ナフサは四万九千キロリットル使っておるというような、いろいろな原料がございます。それをおのおのきめております関税額ではじきますと、十三億一千三百万関税額を負担することになるわけでございます。いま十三億一千三百万と申しましたのは、本来のかかるべき関税額でございます。 それに対しまして、ただいまの制度によりますと、原油はまるまるまけられる。国産ナフサにつきましては一億七千二百万円まける。輸入ナフサについては九千三百万円まけます。原油に使うのは七億でございますから、合わせますと九億六千五百万円減税することになります。したがいまして、その還付率と申しますか減税率が七三・五%ということに相なります。同じような計算を中小にいたしますと、その還付率と申しますのは七四・五%になる、大体こういうようなところでバランスがとれておる。毎年の傾向でございますが、そういうようなところからきめられている、こういうことでございます。
○堀委員 三百二十円にきめたのはいつきめたのですか。
○上林政府委員 四十一年度に設定しております。
○堀委員 実はこれはまだ四十二年から四十六年だし、中身がいろいろ、揮発油の輸入のものもあるし国産のものもあるからちょっとはっきりしない点がありますけれども、シェアがだんだん変わってきておりますね。原油の占めておったシェアと揮発油ガスの占めるシェアというのは、四十二年で原油ガスが二一・六%あって、揮発油ガスが一四・二%あったものが、四十四年に来ると原油ガスが一八・四%になって、揮発油ガスが一五%ということで、特別事業者だけを見てもシェアが変わってきておる。特に原油ガスはだんだん逆に今度は減ってきておる。四十二年から四十四年に減ってきておるというように、これは中身が相当変わってきているのではないかと思うのです。 ですから、おそらくいまの計算というのは、四十三年度でされたということであるけれども、これは一ぺん再検討が少し必要なのではないかという感じがするのと、もう一つ、結局ネットで見ると石油化学のほうは百二十五円の関税負担で済んでおるけれども、ガスのほうは、結局二百五十円関税を払わされておるということに、輸入揮発油の問題はなっておるようですね。 そこで、これはさっきの話ではないけれども、石油化学というのにそれだけメリットを与えていたのは、おそらく、石油化学が国際競争力も十分なかったしすることで、インセンティブを与える意味でこういうような制度になっていたのではないかと思うのでありますけれども、今日日本の石油化学というものは十分国際競争力を持つに至っておるし、きわめて大規模な力を持つに至った。ガス事業のほうは、御承知のように、やはりさっき申し上げた公共料金に関係するところの、ともかく一般国民がストレートに消費するものだから、これの原料については国の側としても相当配慮があってしかるべきではないか。そう考えてみると、どうも石油ガスのほうが安過ぎるのか、ガスのほうが少し高いのかが、ちょっとつまびらかでないけれども、こんなのはもう少し権衡をとるようにしてみたらどうかと思うのですが、関税局長としてはどうでしょう。
○上林政府委員 一つには、この原重油関係、石油関係に関しますいろいろの減税制度については、いろいろないきさつもございまして、確かにおっしゃいますように、まず石油化学につきましては、当時の石油化学の状況にかんがみまして、これの還付制度、減免税制度が一番先につくられております。その後アンモニア、都市ガスという分野につきましての減税制度などがつくられたという経緯がございます。一時的にはこれらのものが歩調を合わせておった時代もあるわけでございますが、特に石油化学につきましては現在のナフサの輸入状況が非常に激増をしてまいりまして、国際的な価格も値上がりをしておるというような情勢でございますので、昨年と申しますか、今年度における改正におきまして、石油化学用のナフサにつきましては、外熱と申しますか、本来の熱源に使ってしまうというようなものを除きましてこれを減税をする、こういう考え方に立ちまして実は百二十五円の税引きにしたわけでございます。 一方アンモニアにつきましては、従来から工業用のアンモニアにつきましてはこういう軽減措置を講じない、医療用のアンモニアだけに軽減措置を講じてきておるものでございます。したがいまして、アンモニア用のナフサにつきましては、本来の熱源に使う部分と工業用のアンモニアに使う部分につきましては減税措置を適用しない、ただし農業用の、肥料用のアンモニアに使う部分につきましては減税をする、こういうたてまえで減税額をはじきますと二百五十円になる。 それから都市ガスにつきましては、率直に申し上げますと、ナフサを輸入いたして使っておりますのは大手ガスだけでございますけれども、大手ガスにつきましては、先ほどからの御議論のあります三百二十円を軽減するということでございますので、したがって三百二十円、半分でございますから同じ額になりますが、ほんとうからいいますと、そこまで高めてもいいという議論がバランスからいいますとあるわけでございましょうけれども、従来の経緯からいたしまして、大体都市ガス用につきましては、アンモニア用ナフサと同じような取り扱いをしてまいっておるということもございまして、ここで増税をするということもいかがかというようなこともございますし、総じてみますと、先ほど申し上げましたように、大手、中小のバランスからいってもこの二百五十円で適当であろう、こういうようないろいろな経過を経たものでございます。 確かにこれは、いろいろ検討いたしますときにどういう考え方でやるかというのは、またそのときのいろいろな資料の考え方その他によってきめられておるわけでございますけれども、率直に申しますと、原重油関税はなかなか複雑でございますし、また石炭対策費の漸減いたしております見込みのときでもございますので、将来の問題としては、そういうようなあるべき原油関税の姿というようなものを考えながら、こういうものもできるだけ簡素なわかりやすいものにしていきたい、こういう気持ちでおるのでございます。
○堀委員 いろいろ経緯があり、関税は特に非常に複雑でございますから、私も一ぺんにどうこう言うわけではありませんけれども、私は本日初めから議論しておるように、大衆に直接使用されるもの、それが公共料金的なものになるものについては、やはり国として十分配慮をして、いますぐ還付金をふやせというのではないのですけれども、要するに公共料金が上げられるようなことになるおそれのあるときには、できるだけ国として行なえることをやるというのがいまの物価政策の一つの重要なポイントではないだろうか、こう考えておりますので、そういう意味では、やはり物価と関税という問題ですね。これはこの次に私は、本法が審議になりますときに物価と関税というものを、企画庁を呼んでひとつ根本的に少し、関税を下げた場合にはたしてそれが物価にどういうふうにはね返っておるのか、これはやはり少し詰めておきませんと、せっかくわれわれが大豆の関税を下げるあるいは紅茶の関税を下げる、消費者は同じものを同じような価格で受け取るということになれば、これは中間的なところに吸収されてしまって本来の国の意思が働かないということになるわけですから・これらについてはこの次の関税暫定法の本法のときに討議をいたしますけれども、やはり考え方としては、いま私が言っておるようなことば関税定率の中で、特に関税率の場合には外国との関係の問題もありましょうけれども、戻し税のようなものは比較的そうでない国内的要素でどこでもやっておるように思いますから、それらはその条件、その時期における物価等の諸条件を勘案して検討してきめるということを少し頭に置いておいてもらいたいということを、この問題を通じて少し申し上げておきたいと思うのです。それについての政務次官の見解をちょっとお伺いいたしておきます。
○中川政府委員 お説ごもっともだと、この点については思います。関税と物価、特に最近は物価が大きな問題でありますから、関税も物価の面からながめることは大事であろう、このように考えます。
○堀委員 資料、できましたか。
○毛利委員長 堀君の先ほどのお尋ねにつきましては、四十二年は四月二十八日に委員会の質疑に入り、参議院の本会議で五月二十七日に議決しております。この間三十日を要しております。四十三年は、三月十二日から三月三十日まで十九日間、四十四年は三月三十一日の一日で衆参を通過しております。以上でございます。
○堀委員 それではこれで質問を終わりますけれども、いまお話を聞いてみますと、四十二年が三十日、四十三年十九日、四十四年はちょっと例外でしょうからこれは数に入れませんけれども、過去のこの実績から見るならば、努力をすれば私は衆参は通し得る可能性が十分にある、こう判断をしますので、今後は、さっき先例としないという御答弁もありましたからけっこうですけれども、十分ひとつ国民の負担軽減になるようなものについては、安易に暫定措置で行なうことなく、やはり本法を出して、もしそれがうまくいかない際に――ちょうどいま予算委員会にまだ暫定予算が出ていないのですよ。なぜ暫定予算が出ないのか、大蔵省の諸君と話をしてみると、やはり国会審議を尊重して、成立をしないという見きわめを政府が早くきめることはいかがかということで、いよいよこのままでは無理だという段階で暫定をお願いしたいというのが主計局の考えのようですから、主計局はそこまで予算案について配慮をするならば、他の各局も、大蔵省の局であるならば国会審議をまず重点と考えて審議をしてきて、そしてどうもいろいろな条件でむずかしいというときに、いまのような、暫定予算と同じように暫定法を出しても筋が通るのではないのか。だからこの点については、今後暫定措置法の暫定措置――関税はややこしいが、暫定措置がすでにあるんだからそれの暫定ですね、というようなものの取り扱いについては、より慎重に国会審議を中心に、そして国民の利益を配慮をして取り扱うように、それを強く要望して私の質問を終わります。
○毛利委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 次回は、来たる三月十二日木曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時五分散会