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63回国会衆議院1970/11/19

商工委員会 第38号

発言数
165
登壇者
19
会派数
4
開催日
1970/11/19

会議録

八田貞義自由民主党

○八田委員長 これより会議を開きます。  通商産業の基本施策に関する件、経済総合計画に関する件、商業に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出があります。これを許します。八木昇君。

八木昇日本社会党

○八木(昇)委員 私は、先月の二十四日に長崎の三菱重工業の造船所で発生をいたしました、組み立て工場A棟における災害について若干の御質問をいたしたいと思います。  御承知のように、これは、ヒーターボックステスト中のスペイン向け三十三万キロワットタービン低圧ローターが爆発をした、かつて見ないような非常に珍しい大事故でございます。その事故が発生しましてからおおよそ一か月近くを経過いたしましたので、この事故の原因について、おおよその方向というものがほぼ見出されておるのではないか、こういうふうに考えられますので、その点について、時間がございませんので端的に御説明をいただきたいと思うのですが、これは大臣、おわかりでございましょうか。局長でもいいのですが……。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川説明員 お答えいたします。  労働災害でございますので、先生御指摘の長崎の造船所の事故が発生しました当夜に、直ちに本省からは主任安全専門官を派遣いたしました。長崎基準局の専門官とあわせまして対策本部を設置して、一か月前から調査に取りかかっておるわけでございます。ただ、いままで産業災害の実態を調べてみますと、こういう災害が起きましたのが初めての事例でございまして、直ちに即断するわけにまいりませんで、御承知のように、労働省としましては、現地の長崎大学の工学部長を団長にいたしまして、八名の先生方による科学調査団を組織いたしまして、いまその原因について究明中でございます。その結論が出ませんのでまだ何とも申しかねますけれども、いまのところ、やはりタービンの材質、それから設計、加工の方法、設備、テストの状況、こういうところに重点を置きまして調査団の先生方が調査を進めておられるという実態でございます。

八木昇日本社会党

○八木(昇)委員 私も現地に行きまして、いろいろと事情を調査し、会社側の説明等も実は聞いたのでありますけれども、会社側の説明によりますと、十三時四十三分現在、すなわちその時刻に爆発事故が起こったのでありますけれども、その時点での両振り幅は、軸受けにおきましても、軸におきましても、きわめて正常であった。その振り幅は百分の一・六ミリメートル、アメリカのウエスチングハウスでは百分の七・五までベリーグッドということになっておる。だからこれは、このタービンの振動テストをやっていたのだけれども、振動が原因ではないということを会社側は実は断言をしております。そうして、ローター及びすべての部分のでき上がりについての検査の結果、欠陥は全くなかったのであるからして、結局するところ、このローターの材質に問題がある、ほとんど断定的にそういうような会社側の説明なのでありますけれども、ほぼそういうように考えていいのでしょうか。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川説明員 私も、発生現場の実態を写しました写真等を見ましたところ、たとえば六トン余りのものが一キロも離れたところまで飛んでいっておる、あるいは軸が縦にまっ二つに削れておるというような点から見ますと、材質にかなり問題があったというような印象を受けますけれども、この点につきましては、やはり先ほど申し上げましたように、科学的な調査、その結論を見ませんと、推測だけで断定するわけにはまいらない、こう存じます。

八木昇日本社会党

○八木(昇)委員 まあ推測だけで断定するわけにはいかないと思うのですけれども、これはもう、タービンそのものの製造技術というものはいまに始まったことでなくて、発電用のタービンというのはもう百年——まあ日本の場合は何年か知りませんが、ずっと昔からつくっておることなんですから、結局私も、どうも材質に問題があったのじゃないか、そういう感じがします。もしそうだとすれば、これは非常に重大問題ですね。材質に原因があるとするなら、いかにタービンの製造技術が完ぺきであっても、こういった事故が起こるということになりますね。そうしますと、現に発電所で稼働をしておりますところのタービンも、特に三十三万キロや三十五万キロというような大型タービンというものは、製造を開始してからまだ三年ぐらいにしかならぬわけですから、これは現に発電所で稼働しておるタービンでも、いつどこでどんな大事故が起こらないとも限らない、こういうようなことになるわけでございます。  その前にちょっと聞いておきたいと思いますが、この材質は、ニッケル・クロム・モリブデン・バナジウム鋼という特殊の合金鋼だそうでございますけれども、この発電用タービンの素材となります合金鋼そのものは、全部どこの工場で製造するタービンでも日本製鋼の室蘭製作所製である、こういう話ですが、そうでしょうか。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川説明員 御指摘のように、材質につきましては、いまのところ日本製鋼の室蘭製作所でもっぱらつくっておるというように聞いております。

八木昇日本社会党

○八木(昇)委員 そこで大臣にお伺いしたいのですが、いま私が質疑応答をしましたような事情でございまして、結局そういうような大事故がもう現実に発生をしたわけですね。ところが、同じようにタービンをつくっておりますところの三菱では、ほかに高砂工場というところでもつくっておるそうです。それから石川島造船所でもつくっておる。あるいは非常に大型のものではないかもしれませんが、日立や東芝でも製造をしておる。そうしてそのテストのやり方は、どこも大体同じやり方でそういうテストをしておるというふうに私は聞いております。そうしますと、三菱でこういう大爆発事故があったということで、いま三菱の長崎造船所は一応作業を全部停止しておりますけれども、ほかの工場では同じやり方で今日でもなおそういったテストが行なわれておると私は思いますが、そういう状況のままにしておいていいものかどうか。これについて何らかの適切なる、可及的すみやかなる措置を講じなければならぬじゃないか。いついかなるときに似たような事故の発生の危険を持ちながら、ほかの工場でそのまま今日も行なわれておるという状況について、いかが考えておられますか。

赤沢璋一通商産業省重工業局長

○赤沢説明員 事故がございましたローターは、ウエスチングハウスの標準設計に基づくものでございまして、日本では五つこれがつくられることになっております。現在まですでに、東電の鹿島二号機に使いますローターが二つ、これはこの十月二日及び九日に試験を終わりまして納入することになっております。それ以外、さらにもう二つ、それから今回のスペイン向けのローター、計三つがあるわけでございまして、全部これは日本製鋼所で鍛造いたしまして、三菱長崎において製作をするというものでございます。  なお、御参考まででございますが、同じようなウエスチングハウスの標準設計に基づきますローターがイタリアで製作中であるというふうに聞いております。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川説明員 いまの、今後の発生に備えての措置でございますが、直ちに、先生おっしゃいましたように、東芝、日立、三菱、富士電機等、同じようなタービンローターを製作しております会社の所管の基準局を通じまして、今回の事故につきまして連絡をするとともに、会社側に万全の対策の要望をいたしております。私どもが聞いておりますのでは、ほぼ大体これらの工場はしばらく操業を自粛いただいておるというふうに伺っております。  なお、十一月十二日、私のほうの労働基準局長名をもちまして、同じような工作物をつくっております電機工業会、産業機械工業会、造船工業会、日本電気協会、この四団体に対しまして、当面次の四つの措置について安全上留意をしていただきたいという要望をいたしました。  手短かに申し上げますと、一つは、高速回転体についての検査基準を再検討するとともに、独立の検査部門において検査を実施すること。それから第二に、高速回転体の回転試験にあたりましては、その場所を地下に設けるとか、その周辺に破損に備えて防護壁を設ける、そういうことによって危害がほかへ及ばないような措置をしていただく。それからできる限り遠隔制御装置方式をとるということ。それから第三点としましては、ボイラーその他——今回の場合ボイラーに破損を及ぼしておりますので、そういう危険設備につきましては、高速回転体が破裂いたしましてもそれによって損傷を受けることのないような場所に設置をすること。それから安全管理体制につきましても、今回の場合やはり若干問題があったのではないかというような感じもいたしますので、それの責任体制を確立する。以上の四点を、先ほど申し上げました四団体に要望をいたしております。

八木昇日本社会党

○八木(昇)委員 その点なんですけれども、非常に私は不十分だと思うのですが、しばらく操業を自粛をしてもらっているといったって、そんなに製造を長期間どこの工場もストップしておくわけにはいかぬ。だからといって一方、原因の究明というものが最終的に断定の段階に至るまでには、それは専門家のいろいろな調査が必要ですから、相当期間を要する。原因のいかんにかかわらず、あのような大爆発事故が起こったということは現実の事実なんですから、そうすれば当面、爆発が起こり得るという想定のもとに——事実起こったんですから、そういう想定のもとに、応急の何らかの防護措置は可及的すみやかに命じなければならぬ。それは当然行政当局のやるべき措置である、こう考えるのですけれども、いまのようなことではどうも納得いきませんね。  三菱の会社の説明によりますと、真空にしてテストする、このやり方はアメリカでやっている。それでアメリカでも、ローターそのものがまるごと吹っ飛んだという大事故があったということをいっております。アメリカでもそういう事故が過去においてあった。私、電力会社出身ですけれども、電力会社の労働組合がソ連の電力会社の労働組合の招待で向こうへ二年くらい前に行った人の話をちょっと聞きましたところ、ソ連の場合には、非常に厳重なコンクリート壁というものが周囲に設けられており、それからテストそのもののあれにも、トーチカみたいな厳重な掩蓋が設けられてあるそうです。今回のような、まるごと吹っ飛ぶというような大事故は、ソ連ではかつてはなかったそうですが、それでも、部分的なタービンの羽根の部分が吹っ飛ぶとか、いろいろなそういう事故はときとしてあったそうです。そういう措置をしてやっているという話でございました。そういう当面する応急の具体的措置、こういうものをどうするおつもりでしょうか。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川説明員 行政官庁が命令をもって、民間会社にこういう防護壁を設けろというようなことにいたしますには、やはり規則あるいは法令の根拠がなければできません。今回の場合に、いろいろ私のほうの安全衛生規則を検討いたしましたけれども、そういう事故の発生についての備えという点がやや不備でございました。したがいまして、今回につきましては、先ほど申し上げましたように、さっそくそういう回転体の試験を行なう場合には、防護壁を設けてもらいたいという行政官庁からの要望という形で出しておりますが、原因究明が終わりました段階で、御指摘のように、いままでこういう事例は世界でも非常に少ないようでございまして、アメリカで四件、それからイギリスで一件起きたというのが実態のようでございます。その例等も考えまして、規則の不備な点につきましては、結論の出次第、早急に措置をいたしたい、こういうふうに考えております。

八木昇日本社会党

○八木(昇)委員 そこで、私の持ち時間はわずかだものですから、もっと具体的にいろいろ聞きたいのですが、あと中村代議士も質問されるそうですから先へ進みたいと思うのですが、実は今回のヒーターボックステストのやり方そのものに幾つかの重大な問題点がございます。  私は、そのうちのおもなもの五つぐらいをちょっとここで申し上げてみたいのですが、ヒーターボックスのある位置そのものが適切でないのですね。普通の組み立て工場、あたりまえの簡単な工場の中にある。そういう位置がまず適切でなかったこと。それからもう一つは、そのヒーターボックスのもうすぐ裏側が通りなんですね。その通りの向こうにずっと一般市民の住宅、商店がある。そういう位置でこういうテストが行なわれておる。これも位置が適切でないということ。それから今度は、同じ工場の中のヒーターボックスのあるすぐ隣にボイラーのナンバーワンがあり、その隣にナンバーツーのボイラーがある。ちょっと離れてナンバースリー、ナンバーフォー、それらのボイラーがそれに隣接して四つもある。そうしてこのローターが爆発して、鉄片がすぐ隣のボイラーを突き破って、ローターの爆発の二、三秒後にボイラーが爆発した。そうしてこのことが今回の災害をさらに悲惨なものにしているということ、これなどはなっておらぬと思うのです。それから、ヒーターボックスそのものの囲いがわずか三十二ミリ、約三センチの厚さの鉄板でおおわれておるだけで、これは今度のような大爆発というものはめったにないかもわからないけれども、小爆発というものは常時予想されることです。そういうことを考えますと、これまたたいへんな問題です。  それから今度は、作業をやる際の従業員の安全の問題について。その工場内の付近の作業員を全部退避させているけれども、テストそのものをやる要員、メンバー、そのメーターを見る者、それからそのテストをやっておる技師、主任、こういう者は、完全にその位置に無防備状態で作業に従事しなければならぬということにしておる。ですから、私どもしろうと考えからしましても、メーターそのものが、回っておる、テストしておるタービンのその横の、それよりも上の位置にあるのです。そこに、ただ安全帽をかぶっているだけでメーターを見ている。そうすると、ローターが回っておる位置が地上だとすれば、その地上の下に、——戦争中のことを考えてみればわかる。そこの下にちょっと穴を掘って、そこの部分にメーターを据えているというだけでも、ほとんど九〇数%被害は防止できるでしょう。ところが、そうでなくて、ローターの横の高い位置におって、爆発の直撃でメーターを読んでいた作業員が即死しているでしょう。そうして、このテストをやっておる主任でしたか、技師でしたかが、重傷を負うているでしょう。  こういうような、ちょっと指摘しただけでも、全く初歩的な欠陥があるのですね。こういうことについて、通産当局なり労働当局なりは、適切に指導するなり一つの命令を与えて、こういう措置をやれということは現行法上できないのですか。現行法上ではどういうやり方があるのか。そうしてそれを一体過去においてやったのか。これは労働省にも聞きたいのですが、長崎の労働基準局長は、事件の発生するまで、ヒーターボックスの試験場の位置すらも知らなかったという事実が明らかになっておる。これは局長並びに大臣から、そのようなあり方についていまどういう反省をしておるか、今後どうしようと思っているか、これはぜひ大臣から答弁してください。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川説明員 いま先生がおあげになりました五点の問題点につきましては、私たちもそのとおりと認めております。ただ現行法規につきまして、これについてどういう規定があって、それに基づいてどういうことをやったかという御指摘でございますが、先ほど申し上げましたように、労働基準法に基づきます安全衛生規則あるいはボイラー規則によりますと、ボイラー等につきましては、専用の建物の中に入れておくとか、あるいは障壁を設けるというだけの規定でございまして、今度のような、非常に大きな破裂、爆発等がありましたときの防護措置というものが非常に不完全でございました。したがいまして、これにつきましては、先ほどから申し上げておりますように、一応まずそういう危険な試験を行なう場合には、破裂してもその破片が飛び散らないような完全な防壁を設けてほしいという要望をいたしましたが、結論が出ました場合には、そういうことを法令に根拠を持たして今後指導してまいりたい、こう考えております。  なお、現地の基準局云々についての御指摘がございまして、実は長崎造船所につきましては、われわれの基準行政上は、安全の重点指導事業場ということで、従来の監督指導というものは、ほかの事業場に比べますと相当数多くやっておりますし、特にヒーターボックスにつきましては安全衛生規則に規定がございませんので、これをどうしたらいいかというような点は、長崎の労働基準局と三菱重工の会社側と十分相談をいたしまして、その明細その他、作業のしかたというようなものを指導はいたしておりましたが、ただ、そういう点にもかかわらず、まだ指導その他不十分でこういう事故が起きたのだろうと非常に深く反省をいたしております。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 何ぶんにも例のきわめてまれな事故であったわけでございますが、しかし、それだけに私どもも非常にショックを受け、かつ申しわけないことだと思っております。  先ほどから労働省から御説明のありましたように、現在これを強制的に律する法規がない、それを必要とするかと思うというお考えでございましたら、私どもも、それは当然そういうことで協力をして、法的な根拠を持つようにしなければならないと思います。しかし、それに当面時間がかかりますので、通産行政としましては、たとえば今回の試験施設のあり方が適当であったか、試験方法が適正であったか、リモートコントロールによることはできないであろうか、あるいは防護壁を設けておるかといったようなことは、当面行政指導でチェックをしてまいるということにいたしたいと考えておるわけであります。

八木昇日本社会党

○八木(昇)委員 これは労働大臣にも当然強く要望したいところなのでありますけれども、通産大臣も非常に深いかかわりあいがございますので、現行法規が不備だとするならば、これをやはりあらためて法をもっと整備してもらいたい。  それからまた、現行法規のもとにおきましても、いまの労働省の御説明では、ボイラーについては規定があるというお話でしたね。そして防護壁を設けろということになっておる。しかし、その防護壁の強度その他そういうようなものについては、しっかりした基準というものはないという、そういうことのようなのでありますけれども、しかし防護壁も何もなかったのですよ、あの現場には。完全な防護壁があったが役割りを果たさなかったのならばまだわかるけれども、何にもない。完全な無防備状態なのですね。それで、他の工場でも全く同じ状況だと判断されますから、そういう点は、当局として非常に手抜かりがあったといわざるを得ない。むろんそれは第一義的には会社側の責任ですけれども。そういう点はぜひ今後抜かりなくやっていただきたいと思います。  それから、これは主として通産関係になるのじゃないかと思うのですけれども、実際のテストのやり方、こういうものについては何らかの規定、それから、こういう大きな、科学技術とすればまだ試みてあまり間もないような大型タービンというようなものを製造し、テストをするという場合に、監督官庁としてそのテストに立ち会うとかなんとかというようなことはないのですか。たとえば振動のテストをした、何をどうしたといっても、それはごまかしがないとは言い切れません。そうして、かりにそれが不完全なまま発電所へ据えつけてから大爆発があったということになると、たいへんなわけですね。それは自動車なんかのように、年産百万台もつくっておるようなものの製品を、一つ一つテストに立ち会うなんということはできないかもしれませんが、こういう現実に危険性のあるような超大型タービンというようなものは、テストのやり方についても規定があり、それについて一定の監督があってしかるべきだと思うのですが……。

赤沢璋一通商産業省重工業局長

○赤沢説明員 いまお話が出ておりますような大型タービンのローター材につきましては、それぞれ受け入れにつきまして、化学試験あるいは物理試験等をやることはもちろんであります。それぞれ試験の項目はきまっておりまして、受け入れ会社におきまして、あるいは化学成分の分析でありますとか、あるいは超音波、あるいは磁気探傷でもって試験をするということはもちろんやっております。  いまの試験方法の問題でございますが、こういった大型タービンにつきましては、現在日本では、御承知かと思いますが、ウエスチングハウスからの技術導入でこれを行なっております。この技術導入の中には、当該技術、これはもちろんすでに確定された技術ということで導入をされるわけでありまして、アメリカでも、あるいはヨーロッパでも、この方法で製造され、かつ試験がされているということで、私どもとしては、こういった試験そのものが、いわば確定された一つの科学技術に基づく試験方法ということで受け入れられておるために現に製造されておるというふうに承知をしております。したがって、もしいまお話しのごとく、この試験方法そのものには疑義がないかということであれば、もう一度ウエスチングハウスそのものの技術につきましてさかのぼって検討してみるということも必要になってくるかと思います。現状におきましては、まだそこまで会社当局もやっていないようでありますが、こういった事故にかんがみまして、当然こういった試験方法そのものにもさかのぼって、もとになっておる技術そのものの検討も今後加えていくように指導したい、こう考えております。

八木昇日本社会党

○八木(昇)委員 そこで、日本製鋼室蘭工場のでき上がった鋼材の試験ですね。そういうものについてはどうお考えでしょうか。私、聞いたところでは、その鋼材の両端は切り取って、それを詳細に調べることができる。しかしその中央部分というのは、それを使うのだから、それをもってローターをつくるのだから、一部分を切り取って調べるということができない。そうすると、その中央部分の深部のどこかに、うっすらとした傷がもしあったとするならば、これは今度の爆発事故の直接原因になる。そういう中央部分の深部にある傷というようなものを調査する方法というものが科学的に適確なものがないような話でしたが、もしそれが適確な方法があり、適確に行なわれていたとするなら、材質のほかの部分は、それだけの振動に耐えられるという数字が出て製品は納められたはずですから、もしあったとするならば、どこかの部分に傷があったと考えるよりほかにないです。その発見方法ということに問題はないのですか。

赤沢璋一通商産業省重工業局長

○赤沢説明員 今度の事故につきましては、幸か不幸か、爆発しまして飛び散りました破片が、ほとんど全部回収されているというふうに聞いております。現在、九州大学、長崎大学等の関係の学会の方々の御参加を願って、いわゆる事故原因の究明に当たっております。こういった学会を中心にしました事故原因究明調査が完全に行なわれますと、一体これはどの原因であったのか、材質のどこに問題があったのかということが、おのずから明らかになってまいるものと思っております。  現状におきましては、いまお話しのような点でございますが、私も専門家でございませんので、完全なお答えになるかどうかわかりませんが、一応いまのような点につきましては、たとえばまん中部分に何らかの故障があったのではないか、傷があったのではないか、こういったことは、もちろん超音波あるいは磁気によります探傷試験といったことで、全体の材質については試験が当然行なわれております。あと、化学分析、あるいは引っぱり、衝撃の試験、あるいはまた熱の関係の熱安定試験あるいは硬度の試験、こういったことはすべて、製品の納入側においても、受け入れ側におきましても行なわれておるわけであります。したがって、いまのような事故原因の調査の結論におきまして、これ以上何らか特段の試験方法が必要であるかどうか、こういったことも、事故の原因が明らかになるにつれまして当然問題になってくるものと思っております。まだいまの点は究明中でございますので、この段階では判明いたしていないということであろうかと思います。

八木昇日本社会党

○八木(昇)委員 時間がありませんから、あと二つ、三つの質問で終わりたいと思うのですが、いまのように、すでに爆発して四散した材料を集めて原因が突きとめられても、なるほどここの部分あたりに少し亀裂とおぼしきようなあとがあるということがかりにわかったとしても、爆発してからそれがわかってもしょうがないわけですから、もともと材質を検査するときに、そういうものが間違いなしに発見できるという仕組みになっていなければいかぬわけです。ですからそういう意味で日本製鋼側も徹底的に調査してもらいたい。そういった今日までの在来のあり方についても十分の検討をやってもらいたいと思います。  それからもう一つ。いよいよでき上がったタービンあるいは発電機、そういうものを発電所に据えつけて、発電所そのものが本格的な運転に入る場合は、試運転を何度もやるわけですね。そういう場合は非常に厳重なんですよ。たとえばガバナーテストなんか非常に厳重ですね。ですから、三十三万キロのタービンに現実に三十二万キロ荷がかかっている、それをすぱんと一挙に負荷を切りますと、三千回転していたものが、切った瞬間には三千何百回転に回転が上がるわけでしょう。ですからそういう場合のことを考えて——今度も三千以上、三千六百までの回転にしようというテスト中に事故が起こったわけです。そうすると、発電所に据えつけるときのそういうテストは、官庁立ち会いのもとに非常に厳重なんです。ところが、そのタービンそのものを製造しておる工場でのテストは、今度はいまのようにほとんど工場まかせということはおかしいのでありませんか。タービンそのものに欠陥のあるものが発電所へ来ておって据えつけられておったならば、そこでたいへんなことが起こり得るわけだから、そういう点を考えていただいて、製造元におけるところのテストというものについてもう少しく行政当局は介入すべきであると私は思います。その点十分お考えいただきたいと思います。  なお、今後のことについてあと二、三責任問題を伺いたいと思います。  これは労働省の範疇ですか、通産省の範疇ですかよくわかりませんが、こういう災害を発生させた会社側、それは三菱のみならず、事情によっては日本製鋼の会社側の責任問題、これを一体どういう観点からとらえて監督官庁としては対処せられるおつもりであるか。三井鉱山のあの大爆発のときでもそう痛切に私は思ったのですが、何百人の死亡、負傷という大災害を起こしておって、刑事上の責任も追及されないし、社内においてもなお、のうのうとして会社の主要なる位置にすわり続けておるなどということが許されるだろうかということを考えますが、その点。  それからもう一つは、弔慰金の問題、それから民家の被害補償の問題、その他そういった補償措置、こういうような事柄についても、この際、大三菱資本なんでありますから、将来の問題については臨時国会でもいろいろ論議されると思いますが、当面のこの事故に関しては、やはり相当手厚い措置をするように行政面からも指導してもらいたいと思いますが、その点についてどう考えておられるか。  それから、これはほんとうは、どこかの場で山中総理府総務長官に公害関係の担当大臣として聞きたいと思っておったのですけれども、ソ連なんかの場合には、死亡事故を起こした場合には、もう現場長というのは無条件に禁錮二年の刑に付せられることになっております。ですから、そういうことを考えますと、完全に無過失というような事故というものはない。無過失の事故の場合には刑事上の責任は問われないという考え方は、原則論としてはそういうことは成り立ち得るかもわからないけれども、一体、過失の範囲というものをどうとるか。たとえば自動車を運転しておって人をひいたという場合にはばっと子供が飛び出してきたという場合でもやはり前方不注意。それから、自転車に乗っておる者がよろよろっと倒れかかってきた、そこでついにひいたという場合でも、ドライバーはやはり処罰されております。ですから、そういう点からいきますと、やはり法規的にももう少しく厳重に、どう考えても本人の刑事責任を問うのは酷だと考えられる以外は、こういう死亡事故を起こした場合には刑事上の責任も問われるという、そういうペースに法をすべきではないかと私は思うのですけれども、以上三つの点についてお答えをいただきたいと思います。  以上で一応私の質問は終わります。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 いずれにいたしましても、専門家による調査の結果を待ちまして、刑事責任というものがございますれば問われることになりましょうし、それと別に調査の結果、ミスが材質を提供した側にあったのか、あるいは運転をしておる側にあったのか、設計をしたところにあったのか、これはいずれにしても明らかになると思います。したがって、刑事責任のほかにそのような重大なミスがあったといたしますと、当然それなりの道義的な責任をとってもらわなければならない、こう考えております。弔慰等につきましてはもとより当然であります。  ただ、その問題からさらに刑事上の無過失責任を問うべきかどうかということになりますと、現在の刑法との関係もございます。無過失の事故ということはあり得ないと言われますことは、厳密な意味ではそうでありましょうけれども、現在の人間に最大限期待し得る注意と知識というものにおのずから限度がございますので、いかなる場合にも無過失の責任を、それならばだれに取らせるかという問題もございますし、言えるものであるかどうか、これは必要があれば法務当局にお答えをいただきたいと思います。

八木昇日本社会党

○八木(昇)委員 きょうはこれで終わります。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いま最後に八木委員から質問をした点についてお答えがないわけです。なくなられた人の遺族に対し、あるいは負傷者に対し、あるいはまわりの住家が相当程度被害を受けているわけですね。特に、お聞きになっていらっしゃると思うのだけれども、現場から五百メートルくらい離れたところの建物にローターの鉄魂が飛んで落ちた。屋根を破って、それから二階の畳を切って下に落ちて、そしてほかの工場——三菱重工ではないのですが、製鋼所に働いておる労働者、その人は夜勤だった。そして夜勤だから朝帰って寝ていた。その人の頭をくだいて死なした。そしてなお畳、マットを切って下に落ちたのです。たいへんなことなんだ。そういった方々に対する補償の措置というのは、私どもが調査に参りました際には、労働組合との間には、災害の際の死亡事故あるいは負傷事故に対しての補償の協定はあるのです。しかし、今回は特別の災害なんだから、そういったことにとらわれない。下請の場合も、下請の経営者が一切のそういった事故の場合の措置はするのであって、親企業である三菱重工としては関係はないんだけれども、今回は特別なんだ、したがってそういうものにとらわれないという答弁は会社側からあったわけです。具体的に補償交渉等もいろいろ行なわれておるようですけれども、それに対しては政府も重大な関心を持っておられると思うのです。したがって、それらの点に対してどうなっているのかということのお尋ねがあったわけだから、非常に大切な問題ですし、それをまずお答えいただきましょう。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川説明員 災害の補償につきましては、雇用関係にございます従業員につきまして、当然これは労働基準法上無過失責任になっております。ただ三菱重工業につきましては、労災保険法の強制適用事業場でございますので、法に基づきます補償につきましては、労災保険に基づきましてすでに葬祭料は支払い済みでございますし、なくなられた方の遺族の補償につきましては、遺族の方々が一時金でなくてすべて年金にしてほしいという御希望がございますので、この次の支給の期日でございます四十六年の二月に第一回分を支払う予定でございます。それ以外の負傷されました雇用労働者の万四十八名につきましては、迅速な保険の給付ができるようにいたしたいと思っております。  なお、労働基準法、労災保険法に基づきます業務上の補償は以上でございますが、それ以外に、先生御指摘のように、今度の事故の特殊性、あるいは従来の労使関係等から、会社から格段の配慮がなされることをわれわれ期待しておりますし、またいま労使間でその話し合いをしておるというふうに聞いております。私たちも十分その点については留意をいたしてまいりたい、こう考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 直接雇用の労働者であるとか間接雇用の下請け労働者、それに対しては、おっしゃったようなことで、政府側としても、特別の事故、異常な災害なんだから、特に留意するように会社に促すということであろうと思うのです。それだけでなくて、まわりの民家に破片等が飛び散り、あるいは町を歩いている人が負傷しているというような事態も起こっているのですよ。長崎ではまさに原爆に次ぐ大災害であるというようなことで、町工場のそばなんかを歩くのはいつ何が飛んでくるかわからないというような恐怖感すら実はあるわけです。これは決してオーバーではないわけです。ですから、それらの点に対しては特別の留意を政府側もして、会社に対して、十二分の補償をし安全措置を講ずるように慫慂される必要があるであろう、そのように考えます。どうですか大臣、いまお聞きになっただけでも、異常な事故であったのだというふうにお感じになるだろうと思うのです。新聞の撮影しているのを私も全部持ってきているのですが、これはたいへんなことなんです。いまの補償あるいは安全の問題について、先ほど八木委員の質問に対してお答えはしておられましたけれども、どのようにお考えになりますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 まず一般に考えまして、工場の安全ということが、何と申しましても、わが国の場合まだまだ不十分であるというふうに考えております。したがって、これを強化していくために、先ほども労働省からお答えがございましたが、法的な根拠をさらに必要とするということでございますれば、私どもとしては、たとえそれが企業の側に重荷になりましょうとも、いわゆる年産の多少の阻害になりましょうとも、労働省のお考えに協力をしていかなければならない、基本的にはそう考えております。今度の事件ばかりでありませんで、何といってもまだまだわが国の工場全体が、いろいろな意味から生産にかなりのウエートを置く結果、安全ということに必ずしも十分な配慮がなされていないということは事実であると考えますから、労働省のお考えに協力していかなければならないと思います。  それから、ただいまの補償の問題でございますが、先ほどお答えがありましたほか、経営側は十分に負担能力のある企業体でございますから、能力に応じて十分なことをしてもらうのが当然である、私どもも、会社に対してそのような態度で臨んでおります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それでは赤沢局長にお尋ねいたします。  先ほど、日本製鋼でつくっている製品ということになろうと思うのですが、これに対しては、確定された技術であるから、そうした化学試験等から安全であるという考え方の上に立っておられたけれども、今回の事故にかんがみて、試験のあり方そのものにまでさかのぼって何か指示をしているというようにおっしゃったわけです。私は単にその場のがれの御答弁ではないのであろうと思う。それだけの留意をされ、将来の安全を期するというお考え方ではあろうと思うのですが、それは期待をいたします。  この五十トンのローターが三千五百回回転をするのですね。強い重力になるわけです。ところが、それほどの重力を持つということになってくると、おおいがどうかということですね。そのおおいは、それほどの重力に耐え得るものであったのかどうか。これは設備上の問題です。労働省の労働安全衛生規則ということだけで片づく問題ではない。少なくとも工場の設備というものに対しては、通産省に重大な監督指導の権限と責任があろうと思います。これらの点に対してはどのように御調査になっておられますか。  また、時間の関係からあわせてお尋ねいたしますが、その重力は五十トンのローターを三千五百回転させる場合どの程度のものになるのか、その二点についてお答えをいただきます。これは労働省からもお答えください。

赤沢璋一通商産業省重工業局長

○赤沢説明員 あとのほうからでございますが、重力がどのくらいになるかということは、ちょっといま手元に資料がございませんので、後ほど調べてすぐお答えしたいと思います。  それから、この試験の方法等につきましては、先ほどお答えしたように、素材の問題もあるのではないかということから、日本製鋼等に対しましても、従来試験のままでいいのかどうか再検討してもらいたい。もちろんこれは、事故調査の全貌が明らかになりますと、その辺についてもさらに深く検討が行なわれると思いますが、とりあえず、こういった事故がありますので、従来の試験方法で適切であったのかどうか。十分だと会社側は考えておるかもしれないが、さらに十分これは検討してもらいたいということを伝えてございます。  さらに、いまのおおいの問題でございますが、このテスターについてございますのは、従来、各社の状況を聞いてみますと、タービンブレードがこの回転に伴って飛ぶというケースが間々あるようでございますので、タービンブレードの飛散と申しますか、飛ぶのを防ぐという程度のおおいはどのテスターにもあるようでございます。ただ、今回のように五十トンもの大きいものが十以上に分かれてばらばらになって飛び散るというようなことは、従来想像もされていなかったようでございますので、こういったような事故が全く絶無でないということは過去にも例があるわけでありますが、そういったことについてのいわゆる防災設備等については不十分であった、こういわざるを得ないと考えております。こういった点につきましては、今後も、いまの事故原因調査等とも相まってでございますけれども、当然、そういった不測の事故というものに備えて最大限の設備をすべきものと考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 労働省はあとでよろしいです。  赤沢さん、あなたはどの程度の重力になるのかという資料がないということです。少なくとも三菱重工の事故に対する質問があるということは連絡をしてありました。重要なポイントなんです、ここらあたりは。資料がないからあとで資料を見て答えましょうというようなことでは、どうにもなりませんよ。これは六千トンの重量を一秒間に十メートル持ち上げる力が出るのです。今回の事故があったからこれから研究いたしましょうということであってはならない。  いま、あなたがお答えになりましたように、この種の事故が過去になかったわけではない、あったんだということをおっしゃった。であるならば、三十三万キロワット、そこで五十トンのローターを三千五百回——これは四千五百回まで大体やれるのだということを言っているわけですが、その場合に重力計算というものは当然なければならない。とすると、その重力に耐え得るようなおおいというものは当然設備上どうあらねばならぬということを、少なくとも通産省としては特に——私はあとで行政機関の問題について申し上げますから、特にということは申し上げませんが、労働省も労働安全という点から、十分調査をし検討し指示されているのはあたりまえだと思っているのです。これがされていなかったところに、今回の大きな問題点というのがあるわけですよ。ボイラーの問題だと、非常に大きな災害を発生をさしたということについてはまだいろいろありますか——あとで問題を指摘をしお答えも伺ってまいりますけれども、まず、そういうことでよろしいのですか。どの程度のおおいがなければならないとか、また重力はどの程度になるのだというようなこと、これはポイントですから、この質問に対してはここできっぱりとお答えができるような準備があってしかるべしと私は思います。それでは労働省お答えください。   〔委員長退席、武藤委員長代理着席〕

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川説明員 事故が起こりましたあと、私のほうで一応の推定をいたしておりますけれども、今回の事故の破裂エネルギーは、メートル当たり六万トンくらいのエネルギーが出たのではないかと思います。先生のおっしゃいますように、一応ヒーターボックスの中に入れておりますけれども、ヒーターボックスそのものの機能は、回転中に一定の温度を保つというのが本来の役割りでございますので、とうていこのくらいのエネルギーの破裂が起こった場合に防壁になり得なかった。先ほどからたびたび申し上げておりますように、こういう大きなタービンローターが破裂したというのは、わが国の場合には少なくともないというふうに私は聞いております。その点につきましての配慮が足りなかった点は、私は十分反省をいたしております。今回の調査の結果、原因究明の結果が判明いたしました場合には、そういう場合に備えての防護壁、あるいは地下室における作業、そういうようなことについて所要の措置をいたしたいというふうに考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 人を殺してしまってから反省しても間に合わないです。  それから、今回のこれは二回の爆発になっている。第一回はそのタービンの爆発によるものです。二回目は、五十トンのローターがともかく九つにこわれて、それで羽根が飛び散っている。その羽根がボイラーに当たって、ボイラーが今度は破裂を起こしたわけです。そこで二回爆発になった。あなたはさっき、ボイラーに障壁がないということに対する八木委員の指摘に対して、ボイラーには障壁を設ける規定があるということをお答えになりました。それは労働安全衛生規則であろうと思うのですが、それはどこにそうなっているのかということが一つ。  もし事実そうであったとするならば、あなたのほうの重大な職務上の怠慢というのか、これは注意が足りなかったということだけでは済みません、ボイラー障壁がなかったのだから。野原専門官が現地を調査しておられるからよくわかっておられるはずです。私も調査に行ってその場に入って見てきたが、障壁はないですよ。障壁を設けなければならぬという規定があったのにもかかわらず、障壁を設けさせずにおったのはどうするのかという点が一つ起こってまいります。  それからもう一つは、これはあなたのほうに助け舟になるかもしれないが、出先の基準局は、ボイラーの障壁はボイラー室に限りますと言っております。あのような工場には障壁を設ける規定がありません、こう言っている。だから私は、これは法の不備であると考えておった。直ちにその法の不備は補わなければならないということをあなたに指摘をし、通産大臣にも、その点は至急に、とりあえずは行政措置をもってそれをきびしくやらせるというようなことを、これは閣議等において話し合いをしてもらいたい、こういう希望であったはずであります。ところがあなたは規定があると言った。事実規定があるのかどうか。あるのであるならば、なぜに障壁を設けさせなかったのか、その点ひとつお答えください。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川説明員 労働基準法に基づきまして、ボイラ及び圧力容器安全規則というものを制定をいたしております。それの十五条に「ボイラは、専用の建物又は建物の中の障壁で区画された場所に設置しなければならない。」という規定がございます。先ほど私の答えがあるいは不十分であったかと思いますけれども、三菱重工の場合には、ボイラー室は近接はいたしておりましたけれども、専用の建物、ボイラー室に格納されております。そういう意味で、ボイラー規則そのものには違反をしない、こういうことを申し上げたわけでございます。  なお、今回の場合の事故は、やはりボイラーそのものといいますよりも、非常に重量のあるタービンロータしというようなものが十破片にも分かれて飛ぶというような事故に対する障壁、それが大事であったので、ボイラーそのものにつきましては、われわれの規定どおりほかの場所から隔離する、あるいは障壁を設けるということで、ボイラーそのものが破裂した場合の事故は防げるんではないか。なお念のために、今回の場合、ローターの破片がボイラーに突きささりましたけれども、それによる爆発は起きておらないというふうに私たちは承知をいたしております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 どういう報告でそういうことになっているのかな。あなたのほうの現場の基準局から出ている公文書ですよ。これにも書いてあるんです。ローターの破片がボイラーに当たって二回爆発をいたしましたと書いてある。同じものがあなたのほうにも来ているでしょう。あなた方は何という不熱心というか、誠意がないというのかね。  それともう一つ重大なことは、ボイラー室であるというなら防護壁を当然設けなければならないんだ。野原専門官が現地に来て、防護壁が設けてないということを指摘をした。同じ労働省でしょう、それは。そのように防護壁が設けていないわけだ。だから重大災害という形に、二回爆発で発展をしてきているわけですよ。この責任はどうとるんです、あなたのほうは。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川説明員 まず第一点の、主任安全専門官の野原が参りまして調査をいたしました際に、指摘をいたしましたのは、ローターに対する防護壁がないという指摘をいたしておりまして、ボイラーそのものにつきましては、先ほど私が御説明申し上げましたように、専用の建物の中に入っておりますので、規則上特段の違反はない、こういうふうに考えております。  なお、私のほうに長崎の基準局長から参っております報告でも、破片そのものがボイラーに突きささったという報告は聞いておりますれども、ボイラーが爆発を起こして、それで第二次的に被害が起きたというのは、私は報告は受けておりません。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それでは、あとで私が持っている資料をあなたに見せる。  それから、新聞に書いてあるのを読んでもおわかりだが、そうではないのだ。「野原専門官は「タービンの高速運転試験は調子の良し悪しを見るもので、ハネの不均衡やわずかのキズでキ裂や破裂を伴う危険性がある。ところが同試験場は防護壁もなく、しかも組立工場と機械工場は同じ建て物の中にある」と語っている」。これはローターということではないのです。もう全く試験場も組み立て工場、それから機械工場、同じ建物の中にある。そのそばにすぐそのボイラーがある。そうして防護壁が設けてない。そうして、私どもはそのボイラーを見たわけだが、破片が当たってボイラーが破れているのだな。この目で見てきている。それだから、あなたは現場に行っておるわけではないから御存じないわけだ。私のほうは現場に行って見てきている。そうして会社側とも会い、警察本部長とも会い、それからあなたのほうの出先の基準局長とも会い、いろいろ話をしてきているのです。それをあなた方が信用しなくて、東京におって机の前で見た書類でもって、それがあたかも正しいのだというようなことで抗弁されると、これはどうにもならぬ。あなたとやりとりばかりしておったって、時間がないからあまり多く申し上げませんけれども、重大な反省をすると、これにも書いてあるのだ。(八木昇委員「「第一回の破裂音に続き数秒後第二回の破裂音が発生した。第二回の爆発音は飛散物によりボイラーが爆発した際の音と考えられる。」と書いてある」と呼ぶ。)  それからもう一つ、これも赤沢さんにまずお尋ねしましょう。ヒーターボックスですね。これは三万キロワットのタービンの高速のテストに耐え得られる設備であったのかどうか、これも問題なんです。だから、これも御調査になっていらっしゃるでしょうから、そのヒーターボックスはどこから購入をして大体何年くらいになっておるか。何台あるのか。ヒーターボックスがこわれておるのだから、そこらあたりの調査は通産省も労働省もしておるでしょう。いかがですか。

赤沢璋一通商産業省重工業局長

○赤沢説明員 ヒーターボックス自身がどこで製作され、いつ購入されたものであるかということは、実はまだ私は聞いておりません。ただ私が聞いておりますところでは、当然これだけの大きな、三十三万キロというようなタービンの試験をするわけでありますが、その試験をするに十分なる装置であったことは間違いないというふうに聞いております。ただ、いまお話しのように、そういった事故に備えての十分なる防護壁その他、あるいはそういう事故があった場合に当然予想されるべき対策、こういったものについては、先ほど来申し上げておるように、不完全であった、こう言わざるを得ない、こう考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 このヒーターボックスは、ウエスチングハウスから十年前に買い入れている。そうしてこれは一台しかないのです。したがって、十万キロワットのタービンのテストも、それから今回のような三十三万キロワットも、一台のヒーターボックスでやっておるのです。何ぼ機械でも相当無理がくるのではないか。そこらあたりも私は問題があると思うのですよ。これは考えられる原因の一つとして当然俎上に上がってこなければならない問題です。だからそこらも、もう二十四日からですから、相当な日数がたっておるのですよ。もっと真剣に調査に取り組んでもらいたいと思うのですね。  それから、同じく野原専門官が指摘をしておる待避の問題があるのです。この待避は、そのテストをするヒーターボックスから約五十メートルくらいのところに待避をさせておるのです。それから、その組み立て工場の中の工員は工場の両側に待避をさしたというが、通路を隔てたところの第二機械工場におる人たちは待避させておらない。ところが、そこへどんどん飛んでいったものだから、第二機械工場にいた人たちが、相当けがをするとか、あるいは死ぬとかいうことになっておるのです。これが一点問題がある。十万キロワットのタービンのテストの際も、三十三万キロワットのタービンのテストの場合も、待避距離は同じなんです。これでよろしいのかどうかということです。よくないということは今回はっきり明らかかなった。  もう一つ、これは重大なことは、人命軽視という問題について私は重大だと申し上げるのですが、そのテストの係員というのは待避することができないのですよ。これは操縦をしたり計測をせなければならないのですね。これはやむを得ないといえばそれまでなのです。テストをするのにどうなるのかということを絶えず見ておかなければならないということになるのでしょうから。しかし、そのために殺されてよろしいということにはなりません。一人といえども、二人といえども、これは大切な人間の生命に変わりはない。そういった人たちを待避させないのだったら、絶対に生命が保障される安全対策というものが考えられなければならぬと私は思う。にもかかわらずこれが待避させていなかったということ、これは特に労働省にお尋ねいたしますが、それでよろしいのかどうか。また距離は、そういう三十三万キロワワットのタービンのテストの際も、あるいは十万キロワットのテストの際も、同じ五十メートルでよろしかったのかどうか。どのような監督指導をしておられたのか。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川説明員 御指摘のように、事故を発生いたしましたその結果、被災者の被災をしました位置を、私のほうに報告が来ておりますが、見てまいりますと、第一機械工場でテストをやっております中で被災をした者は、先生御指摘のように、そういう試験運転の監視をしておった人たちでございますし、それからそれ以外に、隣の組み立て工場あるいは恒温室でそれぞれ被害を受けておるということは、御指摘のとおりでございます。何度も繰り返すようでございますが、こういう事故につきましていままで経験がございませんでしたので、これに対する防護壁の規定、あるいはそれに対する指導、したがいまして、その避難の場所の距離等につきましても、われわれの配慮が不十分であったという点につきましては認めております。これにつきましても、この辺の事情をよく勘案をいたしまして規則の整備をいたしたい、こう考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 今回の事故を見て、会社の生産第一主義、人命軽視、安全対策が不備であったというようにお考えになりませんか。これは大切な点ですから、通産、労働両省からお答えをいただきます。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川説明員 安全につきましては、先ほど通産大臣から御指摘のように、いまはやはり人間尊重ということが非常に強くいわれておる時代でございますので、われわれ行政としましては、生産の中でもっともっと安全といいますか、作業員の生命と健康が守られるように、経営者の自覚とわれわれに対する協力ということをぜひお願いをしていきたいと思います。今回の事故につきましては、私たち行政機関といたしましても、法的に不備な点があったとか、あるいは予測しておらなかった、そういう点で反省をすべき点がございますし、会社側につきましても、予想をしないような事故ではあったと思いますけれども、安全に対する十分な配慮が完ぺきであったかどうか、その辺については私はやはり反省をすべき点があったのではないか、こういうふうに考えます。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 結論として中村委員の言われる結論になると私は思います。防護壁の問題もそうでございましょうし、全体の工場のレイアウトといったようなことにも、結果としては明らかに問題があったわけでございますので、そういうことはまだまだ不十分であると考えざるを得ないと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 この会社が労働組合との折衝の際に話をしておることがここに書いてありますので、読み上げますからお聞きいただきたいと思います。  計測装置は四個つけているというのです。振動計測、この計測中の森繁夫という人が実は死んだのです。さきに言ったように、計測係員だから待避させられないのです。それが死んだ。振動計測、なくなった森繁夫さんの担当、これだけは近くでやっているが、これは遠くへ引っぱることもできるというのです。いいですか。大切な点です。ところがそれについて、もしもローターが回転中に破損すると想定するなら、膨大な施設が必要となってくると、こう言っているのです。明らかに遠く引っぱることはできるのですよ。高速テストが非常に危険を伴うから、ほかの係員は待避させた。ところがそういう特定の係員だけは待避させなかった。これは待避させたということは、危険が伴うから待避させた。ところがその計測係員といえども、いま言ったように、計測は近くでやらなくたって遠くでやれるのだと言っているのです。しかしそういうことをやるとたいへん金がかかる、こう言っているのです。これは会社が組合との話し合いの中で話している点です。ここで、いかに設備費を節減したか、いかに生産第一でこの安全対策というものに対して熱意を持って取り組んでいなかったかということを、証明し裏書きしていると私は思う。たいへんなことだと考えますが、これは大臣からお答えがありました。しかし、この後の監督指導の面から参考になろうと思いますから指摘をいたしておきます。  それと、これも留意していただきたいと思うのですが、私は病気で入院しておりましたある係員と会いました。それはやはりその組み立て工場の工員なんです。実はあのヒーターボックスを、昨夜テストをしようと思って操作をしましたが、調子が悪かったから実は昨夜やめた——その人はその日休んだ。もし昨夜、私があの機械を運転しておったならば、私が死んだんですと言って、全く複雑な表情でもって私に語っておりました。だから、そんなに前の日に調子が悪かったんだから、あくる日そのテストをやったということだけでも問題があると思う。おそらくそういうことを、もっとずっと上のほうに、工場長であるとか、あるいは副長、所長などというものに連絡をするというような監督体制の面について、私は不備があったのではないかというふうに思います。  もう一つは、所長であるとか工場長が、そこらあたりをずっと、工場を巡視というのか、見にくるわけです。そういう場合は、そこらあたりを掃き清めてきれいにする。天皇陛下とか皇太子殿下が行くときに、道路に砂利をまいたりなにかして、りっぱなものだというように見せるような努力をしますね。同じことなんです。そういうことはどうでもいいはずです。ともかく、機械に何も不備はないか、ナットは十分締まっておるか、そういうことを、所長はじめ係員が関心を持って対処していくというような心がけがなければいかぬ。そういうことをひとつ指導される必要があるだろうと思います。  次に、こういった点を多く指摘してまいりますと切りがないのですが、対策についてお尋ねをいたします。  先ほど四つの通牒を出したというようなお話でございますが、このテスト工場、これは現在地に復旧をいたしますか。あるいはお話がありましたように、地下道であるとか、あるいはどこか安全なところにそのテスト工場を独立してやらせるということにいたしますか、その点をはっきりひとつお答えをいただきます。これは赤沢局長、あなたのほうからもお答えしていただきましょう。労働省もあるけれども、あなたのほうは工場の設備についての監督指導をする省でしょう。

北川俊夫労働省労働基準局安全衛生部長

○北川説明員 先ほど八木先生にお答え申し上げましたように、高速回転の回転試験につきましては、地下に設けるか、そうでなければ、破片が飛んでもだいじょうぶのような防護壁を設けてほしいという要請をいたしております。これは文書の要請をいたしておりますが、なお、どのくらいの防護壁を設けるか等につきましては、いま科学調査団が調査しております結果を待ちまして、規則の制定をいたす考えでございます。  なお、当三菱重工長崎造船所等では、今後のそういう試験につきましては、当面ドック等を利用して、ほかへ破片が飛ばないというような措置を検討しておる、こういうふうに聞いております。

赤沢璋一通商産業省重工業局長

○赤沢説明員 御質問の点につきましては労働省ともよく打ち合わせをしておりますが、いま労働省がお答えになったように、地下あるいは完全な防護壁が必要になると思います。私は工場の配置図も持って見ておりますが、おそらく現在位置で地下にこれを入れるということは、なかなかむずかしいかとも思います。いずれにしても、今後こういう不測の災害が起こった場合にだいじょうぶだということが確認されないと、新しい今後の試験には取り組めない、こう思っております。そういう観点から、会社側に対しましては、いま労働省からお出しになったような通牒に基づいて、現在位置が不可能であるならば、別の位置で十分安全の確認を行なった上でやるようにという指導をいたしておるところであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それは、一片の基準局長の通達ぐらいで事が済む問題じゃありませんよ。私はむしろ、重大問題として閣議等においても議論をする一つの方針を確定をすべき性格のものだと思っています。それからボイラーにいたしましてもそうなんです。ヒーターボックスと直結させる必要はないと私は考える。これは外側から計測もできるのだし、機械の操縦はできるのです、今日の非常に技術の進歩した時代においては。ただ、設備がかかるからやっていないだけのことなんです。そういうこともおやりになる必要がある。  それから行政上の問題点として、これは通産大臣にお尋ねをいたしますが、いまあなたもこの質疑応答をお聞きになっておられてお感じになったのではないかと思いますが、今回の事故に、なるほど通産省が工場の設備という点については関係があるのだろうと思うのですが、実際はこれは労働省ですね。労働省が安全衛生という点から監督指導をやっているだけなんですね。製品の問題等もそうなんです。これはなるほど、確定した技術というものによってやっているのだからだいじょうぶだということだけであって、実際、赤沢局長先ほど、受け入れ側も実はテストをしておるとおっしゃった。テストしてないのです。テストするすべがないのですよ。肉眼で見える傷だけしか発見できないのです。決して局長がお答えになったようなことではございません。したがって、これらの点がそれでよろしいかどうかということは、これはもう現実問題として十分対処してもらわなければならぬ。行政機構上の問題は問題としてお考えにならなければいけないのじゃないのですか。飛行機事故については運輸省か出るでしょう。カネミ事件なんということになってまいりますと、厚生省であるとかその他関係省が取り組むわけですよ。決して基準局とか警察庁にまかしているわけではないのです。それぞれ担当者がやっているのですね。ところが、この種の事件、工場災害というようなことに対しては、労働省まかせという形であるところに問題があるのじゃないでしょうか。責任の所在がはっきりしていません。それからもう一つは、都道府県は全く関係がないのですよ。これでよろしいのかどうか。知事は、どうかひとつ安全操業をやってくださいという要請書を出すだけなんです。何も関係がないです。そういうことであってよろしいとは私は思いません。ですからこれらの点に対して、通産大臣としてはどうあるべきか。私のいまの指摘に対して、先ほど来の質疑応答等を含めてのあなたの感想と申しますか、ひとつそれをお聞かせいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 たとえば材質につきまして、先ほども説明員から申し上げておりましたが、超短波によるチェックあるいは磁気探傷といったようなことは、これはもうやっておるわけでありますから、中に、すがあるかどうかということは、一応わかるということになっておると思います。今回の場合、現実に調査をしてみて、それでも材質に傷があったということでありますと、それはなぜであったかということは、今回は破片がほとんど集まりますので、わかってくるのではないだろうか。従来の探知の方法が不十分であれば、また次のことを考えなければならないわけであります。  それから、こういったローターといったような製品をつくる、そしてこれが実際に使用されますときには、据えつけの場合に試運転等々、相当厳重にやっておるわけでありますから、そこでチェックができるということで、いまの体制ができておると思います。で、工場内における試験ということになれば、これは労働安全ということになるでございましょうから、一応体制としてはできておるということになるわけだと思います。思いますが、しかし、非常に危険を伴いやすい製品をつくっておるというときに、これが労働安全の見地だけでいいものなのか。つくられましたものが外に運び出されて、たまたまこの場合は発電所でございましょうから、公益事業としてチェックがございますけれども、必ずその先でチェックがあるとはきまらない。いろいろな機械ができておると思うのでございますが、そういうときにどうしたものであろうか。私はそこに何か問題があることは、実は先般から感じておるわけです。造船所であれば一応運輸省の所管ということですけれども、造船所は実は最近は陸上の仕事が相当多いわけでもございますから、どうもその辺のところに何か問題があるということを実はこの間から感じておりますけれども、いまそこをどのようにしてあまり煩瑣にならない行政でチェックをすればいいのか、私自身にすぐに成案はございません。しかし、問題があることは私自身せんだってから考えておりますので、検討さしていただきたいと思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 この問題では最後になりますが、労働省にお尋ねしますが、あなたのほうの出先の監督官と技官は幾らおるのか。これは時間の関係もありますから私から言いますが、第一線が二十六名おると思うのですよ。それから技官が第一線が十一名なんですね。ところが工場が三万二千二百三十九あるのです。十年に一回ですよ、一つの事業所の監督をやるのが。ただこの三菱とか問題の佐世保のSSK、これは一年に一回くらい見ておりましたというのです。あの大工場を一年に一回ですよ。ほかは十年に一回ですよ。これではどうにもならないでしょう、こんなに監督官であるとか技官が少ないのでは。実はこれはおざなりです。何にもなりません。それと費用がない。予算の配分がないから、旅費その他の制約を受けてできないのです。この問題は根本的に何とかしなければならぬことなんです。ところが、あなたにそういうことをお尋ねをいたしましても、これはあなたは責任ある答弁ができないでしょう。これはひとつ、国務大臣として通産大臣いかがでありますか。こういうことではいかぬと私は思うのです。十年に一回、大工場で一年に一回。これはもっと技官をふやすとか監督官をふやしていく。これだけ工場災害というもが大きな社会問題となってくる。政府も二十四日から公害国会を開くというかまえなんだ。それならば、これらの問題に対してどうあるべきかということも議論されておるのだろうと私は思いますから、この際ひとつ通産大臣から、このことに対してのお考えをお聞かせいただきたいと思う。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 基本的に考えまして、わが国のGNPが自由世界第二位というふうにいわれるわけですが、そのGNPが生産される体制というものが、どの程度の人命の安全と保護の上に成り立っておるかという点に、私は実は問題があるのだと思います。従来生産、生産ということで、戦後ことにやってまいりましたけれども、GNPがある段階に達したときには、公害問題もそうでありますけれども、それがどのくらいの人命の安全、保護の考慮の上に成り立っておるのかということは考えなければならない問題であります。それはすなわち、先ほど労働省から言われました、工場においての安全、あるいは製品そのものの安全というものについて、もう少しきびしい法的な規制がなければならないのじゃないかという問題がまず第一にあると思う。そういう規制がありましたら、おそらく企業はその規制にまず従うということになるでありましょう。その次に、それをチェックする人間というものになるのではないか。したがって、人間をふやすことも必要でありましょうけれども、その前に安全度のとり方、その規制というものを、やはり法的にもう少し締めていく必要があるのではないか。その上でGNP世界第一位を誇るべきではないかというふうに考えるわけです。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それから、私は次の問題の質問に入りますが、大臣の都合がありまして、横山委員その他同僚委員が、商品取引の問題について大臣に質問をしたいということに、きょう理事会でなっておりましたので、私、次にバナナ問題に入りたいと思いましたけれども、その質問を延ばしまして、大臣にいましばらくおっていただいて、横山委員その他の方から、大臣に対する質問をまず先にやっていただきたい。

武藤嘉文自由民主党

○武藤委員長代理 横山利秋君。

横山利秋日本社会党

○横山委員 商品取引につきまして一ぺん大臣だけとじっくり質疑応答をかわしたいと思うのであります。  最近ある業界の新聞を見ましたら、こういう記事が載っていました。いまの商品取引の現状を評して「一に金詰まり、二に業界不信、三に投資家不在、四に出回り最盛期、五に輸入アズキ圧迫感、六、七がなくて、八にやけっぱちの買い方」、まことに批評し得て妙であります。もう一つの記事があります。それは、「第一に大手専業の営業力の低下、第二に大衆投資家の離散、第三に新規投資家の大幅減少、第四にアズキマニアの相場暴落による大損、第五に当業仲買い店の現物背景による活動」、そしてその五つを総評して、商品取引市場の内部構造が全く変わっていると批評しておるわけであります。これはまあある意味の専門家の批評でありますが、社会的な批評からいいますと、いまや商品取引業界、商品取引所、商品取引というものは一体社会的に存在価値があるのか、そういう原点にさかのぼってまで、社会的な不信を受けておるわけであります。  私がきょう大臣にじっくり話をしたいと思いますのは、この商品取引について大臣が一回もまだ——当面する問題について語られたことはあるけれども、将来の商品取引についてどうあるべきかということについて言及をなさったことがないのです。私の知る限りにおいてはないのであります。もっと酷評いたしますと、大臣の頭の中には、下僚の人たちが、これはどうしたらいいか、これはこうしたいと思いますというときにイエス、ノーをおっしゃるだけであって、商品取引について大臣が直接的に指導をなさっておるということについてはあまり聞いたことがないのであります。私が皮肉を申しますと、いま大臣は繊維の問題で頭が一ぱい、こういう庶民的な、しかも小むずかしい商品取引の問題についてはまあ下僚まかせ、酷評いたしますが、そういうような感じがしてならぬのであります。あなたが直接商品取引について、こうしなければならぬとか、将来はこうせよとか、この問題は法律改正を含むんだがそういうムードをつくっていけとか、こういうような指導をなさったことは寡聞にして聞いたことがないのであります。  短い時間でいろいろとお尋ねをしたいのでありますが、この際ひとつ大臣に、いま最も難局といいますか、社会的批判を受けております商品取引の将来のあり方について率直に所信を語ってもらいたい、これが第一であります。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 これは御指摘ではございますけれども、従来から私は、そういう意味をも含めてお答えを申し上げておったつもりでございます。すなわち商品取引というそのもの自身が、商品の流通の安定と価格の公正な形成のために社会的及び経済的な機能を持っておる、本来正当な機能を持っておりますし、また今後も持ち続けてしかるべきものだというふうに考えます。ただこういう制度が、本来制度の意図したところからかなり逸脱をして、思わざる形でいわば使われておる、しかもそこへ大衆を巻き込んだということが、この制度が本来意図したところでない社会悪を生みつつあるというふうに考えます。したがって私自身は、この制度そのものは必要であると考えておりますけれども、この制度の運用、対象となるところの商品あるいは取引員のあり方等々、この際審議会にかけてもう一ぺんあり方を再検討いたしませんと、ここから生ずる社会悪というものを排除することができない、そういうふうに考えておりますから、制度そのものは私は肯定的に考えておりますけれども、そのあり方について基本的に再検討をする必要がある、そういう時期に来た、こういう判断をしております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 基本的に再検討する方向の例示として、あなたはいま、上場商品の適格性だとか、あるいは外務員制度のあり方を例証に出されました。私はそこにもうすでに、大臣のいまの商品取引に対する見方の片りんがうかがわれると思うのであります。あなたはまだ失礼ながら、悪質セールスマン、悪質外務員、それがなくなればそれでいいと思っていらっしゃるのでありましょうか。その情勢判断の把握がたいへん間違っていると思うのであります。私は累次この商品取引について本委員会で言うたわけであります。なぜ悪質なセールスマンが起こるか、営業姿勢が悪いからである。営業姿勢の悪いものをどうしたら解決できるのか、それは取引所に監督指導の機能が不足しているからである。なぜ取引所の監督指導がうまくできてないのだろうか。究極するところ、これは政府の二元行政で、政府の監督指導が適切でないからである、そこまでこれはさかのぼらなければならない問題なんです。  いまや、一番発端の大衆投資家の問題から、企業と企業の役員、そして商品取引という新しいパターンが出始めました。私が承知しておる限りにおきましても、随所にそれが出ておる。すでに御存じのように、ヤシカの横領事件が出ておる。これは五億二千万円だといわれておる。富士銀行の問題がトムソンと関係して、これが一億五千万円といわれておる。大日本インキが四億ないし五億だといわれておる。ある精機会社が五億だといわれておる。ある石油会社は四億だといわれておる。それからあるゴム会社、ある製薬会社と、まことに枚挙にいとまがない新しいパターンが続出しておる。そのほか少し古いのですが、農業協同組合あるいはパン会社、これは全くどうしたことかといわざるを得ないのであります。したがって、当面しております問題、それだけに限定をすることはもはや意味がないことである。基本的な政府の監督指導のあり方、二元行政までさかのぼってやらなければだめだと思うのでありますが、その御判断を大臣はお持ちなんでしょうか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 商品取引あるいは商品取引所というものがもう社会的に不要であるという判断に立つのならばともかくといたしまして、私はそういう判断には立っておりませんので、このあり方の基本的な改善をすべきときに来たと考えておるわけであります。なお、二元行政云々と言われますことが、もし農林、通産両省の二元行政という意味でございましたら、これは商品の種類によって監督官庁が異なっておるということでございますから、二元行政なるがゆえに悪が発生しておるということであるならばともかく、私は、そうではないのではないか、これは両省の協調ができればそれでいいことなのではないか。もっとも審議会におきましては、これは両省一緒になりまして、事の本質は非常に似ておりますから、一つの審議会においてあり方の再検討をお願いしておるところでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 私は、まだあなたと私の考えがかみ合わないことを、たいへん残念に思います。一つ一つの刑事上の問題を取り上げて、それが解決されれば商品取引業界は健全化される、そういう時代はもうとっくに過ぎ去っておると思うのであります。悪質な仲買い人が解任されればいいという問題でもない。大衆投資家が済んだら今度は企業の問題になる。それが済んだら今度は新しい問題が必ず発生すると思うのであります。  ですから私は、私の意見として二つばかりの戦略的ともいうべきものの考え方に、大臣にぜひ御賛同を願いたいと思うのであります。  一つは、おまえが悪いからおまえやめよというやり方では、ここまできたのでは目的は達成しない。古い皮袋に新しい酒を盛ることはもうできない。いろいろな長い経験と、あるいは勘と、あるいは古いしきたりと、そういうものでやってお見えになっておる方々は、いま非常な変革期にあるこの商品取引業界から一ぺん新旧交替をさせたらどうか、これが私の第一の考えであります。ムードを変えなければならぬ。人をかえなければ決意が明らかになってこない。どうしても、長年の勘と経験と、それから体制の上で仕事をするんだから、うまくできるはずがない、これが第一であります。  第二番目は、少し下がればこれでうまくいく、もうちょっと処置をすればお役所も目をこぼしてくれる、いいも悪いもそういう考え方が横溢しておると思うのであります。この際、戦略的には総退却すべきときだ。総退却というのは適正規模に返れ。仲買い人がここ二、三年来全く爆発的な成長をいたしました。そうしてある者は画廊をやっていらっしゃる。あるいは馬主になっていらっしゃる。キャバレーをやっていらっしゃる。いろいろ副業をなさっておみえになるのですね。御存じだと思いますけれども。そうして支店だとか出張所というものも随所に増設をされる。ここを少しゃめればいい——少しやめればいいという問題よりも、今日の商品取引業界の現状にかんがみて、一ぺん政府の機構も取引所も再編成をし、そうして仲買い人の諸君も一ぺん適正な規模に思い切って返る。そうして適正な規模において機構をきちんとして、健全化をする、そういう決意がなければ、一つ一つの問題を解決したって総合的な展望は生まれてこない。これが私が大臣に言いたい一番基本的な原則だと思います。どうお考えですか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 現状が、従来からの弊風を基本的に打開しなければほんとうにいいものは生まれてこないというふうに考えておられます点では、私も同感です。一つ一つの事件の始末をしたからといって根本的な気分が直るものではないぞと言われる点は、私もそのように思います。しかし、たとえて申しますと、株式取引所というものについても、今日は幸いにしてそういうことはございませんけれども、もう数十年前取引員についてかなりな問題があった時代が実はございます。その場合、取引員を現存の者を全部排除してしまって、新しい者でやらなければだめだというふうには私ども考えませんでした。やはり新しい株式取引所あるいは取引員のあり万というものを指導してまいったわけでありまして、それなりにこの人たちは経験を生かして、今日の株式取引所ができておるわけでございます。同じような意味で、商品取引に当っておる人々は、やはり商品の流通の確保、あるいは価格の公正な形成という意味で経験を持っておるには違いございませんから、そこでこの際警鐘を乱打して、新しいあり方に立ってもらいたいということを申したい。申さなければならないと思いますが、この人たちを排除することによってこれを行なうことが適当であるというふうには、私はそこまで事態を絶望的には考えておらないわけであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 あなたは証券業界のあの当時のことと比較をなさるけれども、あのときとこのときと比べてみれば、基本的に大きな違いがありますよ。このときの問題なのは、業界内部が腐敗しておるということなんだ。あのときは経済状況によって証券界が不振になったわけであります。必ずしもそれは同一に断じられない。同時にもう一つの大きな違いは、あのときは証券業界には、政府はよくもあしくも——私はわざとあしくもということばを使うのですが、よくもあしくも政府が直接乗り出す。あれは池田さんのときでしたか、直接乗り出した。いまあなには何をしていらっしゃる。失礼な言い方でありますが、そうまでおっしゃるならば、繊維の業界を通産省に呼んだように、商品取引の業界に一回でもあなたが直接会って、こうしなければならぬとおっしゃったことがあるでしょうか。もしもあなたがこの健全化を目ざすならば、もう少しやることがあると私は思うのであります。農林省や通産省の課長の諸君が取引所に行って話し込んでおる、あるいは呼びつけておこっておる、そんなようなことでこの今日の課題というものは解決できるだろうか、私はそう思うのであります。声を大にして言いますけれども、いろいろな方法があるだろう、しかしこの際、商品取引の健全化については、大臣はもう少し責任を持ってもらわなければ困る。一体、私どもが予算委員会に取り上げてから今日までどういうことが行なわれたか、どういう改善がなされたか、そして改善の実績はあがったのか、ますます悪化するばかりではないか。一体あなたはその政治的責任をどういうふうにお考えになっているだろうか。むしろ私はふしぎに思うのであります。御意見ございますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 私の見ておりますところでは、横山委員御指摘の現状とは多少異なっておると思います。この問題についての世論の高まりというものは、しばしばの御質問に負うところも多いのでありますけれども、ここのところ非常に高まっておりまして、先ほど申しましたように、私ども自身が、商品取引あるいは取引所のあり方についての本質を再検討するということで審議会に諮問をすることになったわけであります。このことは、場合によりまして、取引所自身の再編成、どのくらいの規模が適正であるか、あるいはどのような上場商品がぜひなければならない、あるいはある必要はないといったようなことになるのか、いわゆる上場商品の再検討、それから先般来しばしば御指摘のあります当業者主義の検討、それから仲買い人の適正の規模がどのくらいあるべきか、営業姿勢の問題等々でありますけれども、これらはすべて、現在までいままでの状態を前提としてものを考えてこられた関係者には、かなりのショックであろうと私は思います。また現実にそのような反響を受けておるのでありますが、そういう基本的な問題に私どもは取り組むに至ったわけでありまして、このことは、従来の弊風はこの際基本的に改めなければならぬという政府の決意として、関係者には十分映っているというふうに考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 いまごろになって審議会に十項目の検討をお尋ねになる、おそいことまことにはなはだしいと私は思っています。これらの問題は、すでにこの春に指摘をし、あなたのほうも検討を約されたことである。半年もかかっておいて、新しいパターンの問題が起こったら、今度はあらためて御依頼になる。審議会の雰囲気を聞いてみますと、私のおか目八目ではありますけれども、審議会というものは本来そういうことをするものか、私のほうはお役所から依頼をされてやることであって、自発的にやるところではない、というような話があるそうでありました。これもまた怠慢きわまるものだと思うのであります。  時間がないそうでありますから、もう一、二になるわけでありますが、一月から許可制移行になります。この許可制移行について。クラスの各社の問題が相当焦点にのぼってまいりました。伝え聞くところによりますと、大衆投資家保護という大義名分のもとに、それらのものについては厳重な処分はいかがなものであろうかというような話が巷間伝わっておるそうであります。私はまことに意外なことを聞くものだと思うのであります。技術的にいろいろと方法はあるはすであって、商品取引業界の健全化を目ざすためには、一罰百戒という意味においても、はっきりした世間に通る処置をしなければならぬ、こう考えますが、大臣はいかがですか。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角説明員 ただいま御指摘の点は、私ども許可制にあたりまして、全く同じ精神をもって対処をしていきたいと考えております。すなわち、許可制移行にあたりましては、その念査の結果の成績のよくないものにつきましては、厳重な審査基準をもちまして、これに対する正当なる取り扱いということで対処をしてまいりたいと考えております。このことは、この前も当委員会で御説明を申し上げたところでありますが、正当なる対処のしかたの中には不許可の処分も含んで、われわれとしては弾力的に対応していきたい、かような方針で現在作業をしておる最中でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 時間がたいへんないようで、あとの人に恐縮でございますから、いまの答弁に含むいろいろな問題につきましては、後刻、参考人のあとで質疑をいたしにいと思います。  結論すれば、大臣と私とは若干ニュアンスが違うようでありますけれども、きょう私が申し上げたことを一ぺんよくお考えを願いたい。そうして一ぺん大臣自身がひとつ先頭に立ってやってもらいたい。大臣はどうも、判こを押すことは押すけれども、この商品取引について直接的に自分が主張し、述べ、展望を明らかにし、そういうふうに車を自分が動かしているのではない、私はこう思われてならぬのです。この際、この繊維になみなみならぬ情熱、というとやや迷惑なような顔をしてみえますが、そのくらいな気持ちがあったら、この危機に瀕する商品取引のいい意味での健全化のためにひとつ大いに力を発揮してもらいたい。  それから恐縮ですが、もう一問だけ伺っておきますが、特恵関税の問題でございます。  特恵関税には、語るところ、質問するところが実に多いのでございますけれども、一体、特恵関税で中国貿易はどうなるのかということでございます。イタリアやカナダと中国との国交回復が始まり、いまや中国問題は世界の重大な変化の焦点となってまいりました。その過程において、特恵関税で中国からの輸入品、中国への輸出品をどうするかということは、大きな政治的判断を必要とする段階だと思います。いまや技術的な問題ではないと思う。大臣の御意見を伺いたい。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 特恵関税は、原則として発展途上国、いわば発展段階のおそい国に対して先方の希望によって与えるものでありますが、大陸中国自身が、みずからそのような国として考えておるのか、そういう希望を持っておるのかということについて、今日私ども何らのインディケーションを持っていないわけでございます。ただ事実問題といたしましては、わが国の考えております特恵のスキームは、生糸でありますとか絹織物でありますとかいうものは、別の事情もあって完全例外にいたしておりますし、また従来、たとえばケネディラウンドによるところの関税譲許等も、事実問題として中国も均てんしてきたというような場合もございますので、かりに先方から特恵の供与を受けたいというような意思表示がございませんでも——今日までのところないと思いますが、事実上、問題はかなりの程度に解決ができるのではないだろうか、そういうふうな考え方をいたしております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 それに関連をしまして、特恵関税が適用される場合の調整援助措置が次の国会に出る模様だと聞いています。それを簡単に私の聞いた範囲で申しますと、中小企業のうち、業種の転換をするならば救済をしようということが骨子になっておる模様であります。  私は端的に伺いますが、繊維の場合、総理大臣のお声がかりで補償をなさると漏れ聞いております、もしも最悪の場合ですね。この間も同僚委員が質問をしました。繊維の場合、補償するという理由は一体何であろうか。これは国策で、繊維関係に実被害を与えるからである、したがって転換しなくても補償をする、こう言う。私は繊維については、あした同僚諸君とともに質問をするわけでありますが、この繊維の補償措置というものは、その理論的根拠に重大な意味があると考えています。したがって特恵関税において、これもやはり国策である、同時にそれも被害が事実あらわれる、そういう場合に、転換をしなければ救済をしない、救済とは金融と税制措置であるというふうに考えると理論的に大きな問題が生ずると思いますが、この点はどうお考えでございますか。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 繊維の場合に、政府は最善を尽くしまして被害の救済に当たりたいと考えておりますけれども、それをどのような法的根拠及びどのような態様によっていたしますかは、現在のところ、私ども具体的に成案を完成しておるわけではございません。これは自主規制そのものの態様が最終的にきまらないからでもございますし、また業界としても、いまそういう問題について論じたくないという気持ちを持っておられるからでもございます。  それで、それと特恵との関連でございますけれども、いずれにしても、たとえば繊維業界において、従来、構造改善というようなことを進めるために政府がいろいろの助成をしておりましたことは御承知のとおりでございますから、基本的には、そういう点では両方の問題に共通なところがあろう。また、これは法律的には相当やっかいなことではございますけれども、特恵と企業の転換あるいは従業員の転職といったようなものの因果関係をどのように判定するかというのは、法律の構成としてはかなりむずかしいことになろうと思いますけれども、しかし、やはりこれも国策の結果生ずることでございますので、それについては特段の法的な、あるいは予算的な措置も必要であろう、こういうふうに考えておるわけであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 私の言うことは御了解なすったのですか。理論的には両方共通点があると先ほどおっしゃったのですが、それはいいですね。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 全部が同じ態様だとは申し上げませんけれども、共通の部分があると思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 わかりました。これはその際にいろいろと質疑をいたしますが、ぜひそういう気持ちで両方検討に当たってもらいたいと思います。  最後は、一言お願いだけしておきますが、先般、本委員会において取り上げましたエッソと全国のマネプラ・スタンドの問題であります。このことについて、政府側のあっせんもございまして、話し合いがきょう行なわれておる模様であります。私の承知しておりますところによりますと、なかなかエッソの譲歩が困難で、交渉はきわめてむずかしい状況に入ると思うのであります。これらは中小企業の問題でございますし、私が指摘いたしました基本的な問題もございますから、政府側として特段に配慮をして、そのあっせんをできる限り時間を見てなさるように要望をいたしたい、こういうことでございますが、よろしければ御返事は要りません。いいですか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田説明員 お答えいたします。  御指摘のように、本日第二回目の話し合いに入っておりまして、その結果を聞いて、できるだけ円満な解決をはかれるように善処したいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 それじゃ、私の質問も中途ですけれども、かわります。

武藤嘉文自由民主党

○武藤委員長代理 岡本君。

岡本富夫公明党

○岡本委員 きょうは午前中大臣がいらっしゃるということでありましたが、何か特別な重大な用事があるらしいから、大臣だけに若干質問をいたします。  大臣は、この商品取引問題について、先ほどは非常に御熱心のようなお話でありましたが、そこで、わが党から十一月四日に通産省に申し入れたことがおわかりであろうか。たとえば商品取引所法で定めているところの不当な勧誘の禁止あるいはまた委託勧誘の制限、のみ行為の禁止、こういうものの監督を厳重にすべきである、商取法の中にもちゃんとこういうようにございますけれども、徹底的にメスを入れて、そうして監督をしたのかどうか、これが一点。  次に、取引所と仲買い人との癒着は紛議を起こす最大の原因である。したがって、学識経験者、法曹人、そういう人たちも入れたところの公正な機能にすべきである。  三つ目が、商品取引所が全国に二十カ所あるが、これでは取り締まりについて監督が非常に不十分である。したがって五カ所ぐらいにすべきである。  それから次は、紛議調停委員会、これは現在の取引所の中にあるものでは解決してない。したがって、第三者の構成するところの紛議調停委員会を設けたらどうか。  こういうように四点を申し入れたわけでありますが、それに対するところの大臣の答弁をいただきたい。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 お申し入れについてはよく承知をいたしておりまして、実は私ども、先ほども横山委員に申し上げましたが、商品取引所審議会に諮問をいたしました事項、すなわち、取引所の再編成の可否、上場商品の検討あるいは当業者主義の検討、営業姿勢の是正、その他現在の取引慣行のうちで適当と思われるもの、不当と思われるもの、これらについて総ぐるみひとつ再検討をして、商品取引所のいわゆる現代化をどうすればはかることができるか、このいう意味の諮問でございますが、この諮問をいたしますに際して、お申し入れのありました四点につきましては、十分私どもも参考にさせていただいたところでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そこで、この四つの申し入れに対して参考にしていただくわけでありますが、これはまた午後各局長からお聞きしたい、こう思っておりますけれども、その中で、現在の不当な勧誘あるいは仲買い人のいろいろな不健全な運営、こういうものをどういうように調査をしたのか。  これについて一つ提案を申し上げますれば、この中でのみ行為——がぶのみというのです。ぼくもびっくりしたのですけれども。これは、委託者のほうに来ている伝票と取引所にある元帳と突き合わすと全部出てくる。ぼくは握っておりますけれども、こういうような調査をなさったのかどうか。大臣は大蔵省出身でありますから、税務署がよく調べているやり方をやれば全部出てくる。そこまでの厳重な監督をなさったのかどうか。しかる後に審議会にいろいろと意見を聞くのかどうか。私は、現在まだ監督不十分である、それで審議会のほうにいろいろなことをお願いしてもこれは非常にぐあいが悪いんじゃないか、こういうように思うのですが、その点について大臣の所信をお伺いしたい。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角説明員 ただいまお尋ねの点につきましては、仲買い人におきまする不当な勧誘行為あるいは不当な営業行為等々につきましては、許可制移行にあたりましての重要な営業姿勢の検討項目でもございまして、当省並びに農林省は、二百社以上の問題のあります仲買い人につきまして、個別に検査並びに調査を詳細に行なった次第でございまして、その調査結果というものを踏まえまして、今後の許可制移行というものを厳正かつ公正に行ないたいと考えております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そういうばかな答弁をしてもらったら困るのですよ。これは時間がありませんから、大臣、午後からの重要な会合を控えているらしいから、提案しておきますけれども、実はこれを一ぺん調査してもらいたいのです。ということは、この被害を受けた人たち——まだ被害を受けたと言っていない人たちもおるかもしれぬ。要するに委託者の人たちのところにこういう伝票がいっておるわけです。この伝票をとって、そうして取引所からこの元帳をとって突き合わせたら、がぶのみは全部出てくる。そうして、すでにそういうことをやっているところの仲買い人に対しては、厳重な六カ月以内の営業停止ということになっておるのです。この商取法を見ると「許可の取消し」となっておる。そこまでの徹底的な調査をしませんと、これは何ぼいろんな機構改革をしたところで、肝心なところが抜けておってはならないと私は思うのです。したがって、大臣にこの点を要求いたしまして——いま局長から答えがありましたけれども、上からこう聞いておるだけなんですよ。仲買人に対して取引所を通じてやっておる。取引所には仲買い人が入っておる。そんなことでほんとうの明るみに出てこない。私はまじめな仲買い人も気の毒だと思うのです。いま取引所無用論が出ておるときです。したがって、やれるところから手をつけて、そしてこの際はっきりとうみを出してきれいにして、初めて今後の取引所の商取というものが価値があるのじゃないか。したがってこの際、英断をもって大臣がそれをひとつやっていただきたい、こういうように私は要求するのですが、大臣の御所見を伺いたい。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 委託者からときどき投書などがありまして、私ども、委託者側の被害の状況などを、そういうことでは断片的には知ることができますけれども、委託者側のそういう御協力があって私どもが資料をちょうだいすることができますれば、これは事件と申しますか、現在の実態をさらにはっきり私どもが掌握することができますので、そういう御協力は歓迎いたします。ただ、私どもの役所自身は、具体的な紛議を解決するというところではございませんので、その点を御承知の上で、こういうことがあるという実情を委託者側から私どもに資料をもって御連絡いただくことは、私どもとして行政上歓迎いたします。

岡本富夫公明党

○岡本委員 大臣、実は通産省のほうに、被害者がこういうものを持っていって話をするのですよ。しかし、それはどうとも言えませんなとにこにこと笑って、しまいなんです。こういう事実を私はつかんでおる。ですから、紛議を調停するところではない、こういう観念をここでお捨てになって、一ぺん洗いざらい全部出して、そして公正取引ができるようにしなければ——聞きますとアメリカなどでは、紛議の起こるようなところに対しては外務員は行っても取引しないというくらい徹底している。それでこそりっぱな商取の精神にのっとっておると思うのです。したがってもう一歩進んで、被害者からいろんな連絡があったから行くというのじゃなくして、取引所二十カ所、仲買い人は二百九十何社ですか、これを調査するくらいは簡単にできると思うのです。そして今後はこういうことを行なってはならないという歯どめに大きくなると思うのです。したがって、それをひとつぜひもう一ぺん検討していただきたいというのが一つ。   〔武藤委員長代理退席、委員長着席〕  それからもう一つは、合同紛議調査会というようにして、何か二つか三つの取引所を合わせてやるということをきめておりますけれども、これも行きますと、まず紛議調停してもらうときに、その紛議調停申し入れ書の用紙が手に入らないのです。その調査官が取引所で渡さない、こういう面もあるのです。だからこれは、通産省あるいは農林省のほうで、紛議調停の申し入れ書くらいは渡してあげるくらいにひとつしていただきたい。  あと基本的な問題は午後にお伺いしたいと思いますが、この二点について大臣の前向きな御答弁をいただきたい、こういうふうに思います。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 私どもにとりまして当面最も大切な課題は、将来そのような紛議が起こらないためにどのように取引所のあり方を改善すればいいかということでございます。またそのことが、全国民的なベースで考えますと、今後紛議をなくするためには一番根本的な方法ではないかと考えております。もとより具体的な紛議を解決することも大切なことでございますから、それはそれとして努力をいたしますが、確かに一方側だけを調査いたしましたのでは十分にわからないケースもございますから、委託者側からいろいろ御協力を得ることは、私どもとして、この問題の基本的な解決をいたします上にきわめて有益であると思います。

岡本富夫公明党

○岡本委員 終わります。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 午後二時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。   午後零時五十一分休憩      ————◇—————   午後二時十分開議

八田貞義自由民主党

○八田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  本日は、商品取引所の問題について、参考人として、商品取引所審議会長近藤止文君及び横浜生糸取引所理事長石黒武重君の両君が出席されております。  参考人には、御多用中のところ御出席いただきまして、まことにありがとうございます。  参考人の御意見は委員との質疑応答の形式で行ないますので、さよう御了承願います。  質疑の申し出があります。これを許します。横山利秋君。

横山利秋日本社会党

○横山委員 参考人のお二人には御多忙のところありがとうございます。本日は短い時間ではございますが、率直にお二人の意見を聞きたいことがたくさんございますので、いささか率直な御質問になるかと存じますが、まずもってお許しを願いたいと思います。  質問に入る前に政府に一言聞いておかなければなりません。商品取引所法第十五章百三十七条において、商品取引所審議会というものの機能が明らかになっています。それは「この法律の施行に関する重要事項を調査審議させるため、」とあるわけであります。つまり「この法律の施行」という限界がここに設けられておるわけであります。今回政府が審議会に検討を依頼しました十項目は、明らかに、先ほどの大臣の答弁にもありますように、これは法律の改正を含むと考えざるを得ません。そういう意味合いにおきまして、現行法の審議会にその権能はあるのかどうなのか、どういうお考えでございますか。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角説明員 お答えをいたします。  御指摘のように、法律によりますると、商品取引所審議会は本法の施行に関する重要事項を調査審議するというたてまえになっております。この「施行に関する重要事項」ということは、先般来、当委員会におかれましていろいろ御検討、御質問を賜わりました諸事項をも広く包括をしておる問題でございまして、私どもは、とりあえずこの審議会におきまして、法の施行に関する重要事項の中にいろいろな取引所に関連する懸案問題というものについての徹底的な御審議をお願いすることが適当であるというふうに考えた次第でございまして、三年前の法律改正の際、すなわち許可制移行に際しましても、やはり同じような趣旨から当審議会に諮問を申し上げまして、その御答申を待って法律改正をいたしたような経緯もこれあり、このたびもさような趣旨でお願いをいたした次第でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 私は若干の問題が残ると判断をしています。少なくともこの法律ていさいは、「この法律の施行に関する」とあります。「施行」とは実施するという意味に限定さるべき解釈が正しいかと思うのであります。しかし、私の希望するところは、審議会が、法の施行という問題に限定しないで、広く法律改正を含んで常にこの商品取引のあり方について検討をお願いしたい、こういう意味でありますから、次の法律改正をなさる場合においては、私の疑義に留意を願っておきたいと思います。  それでは、会長の近藤参考人にお伺いをいたしたいと思うのでありますか、率直に申しまして、私は、昨年以来の今日の商品取引のいろいろな大きな問題の中で、審議会が有機的なまた敏速な活動をしておるとはどうも考えられないのであります。活動が不十分ではないか、一体審議会というのは存在しておるのであるかとまで私どもは疑問を持ちました。なぜそれが有機的な活動ができないのであるか。一体、政府から諮問がなければ審議会は機能的に動けないのであるか。自発的に動かないのであるか。なぜそういう私どものような不満が生じたのか。どうお考えでございましょうか。運営機能の面について率直な御意見を伺いたいと思う。

近藤止文商品取引所審議会会長

○近藤参考人 お答えいたします。  ただいまの御質問は、審議会が最近機動的にあまり動いていない、どちらかと申しますと、問題があるにかかわらず横で見ておるというふうなことではないかという御質問だと思うのでございますが、実は最初に御質問がございましたように、審議会というものの性格の問題と、それから具体的に行政を運営される通産省並びに農林省の行政行為と申しますか、そういうものと審議会との関係——もちろん、先ほど御質問がございましたように、役所から諮問がなければ審議会は何も積極的にはやらないのかというお尋ねでございますが、これは私はそうは思っておりません。役所から諮問がない事項につきましても、審議会としましては、商品取引所法の施行の問題について、重要であると思えば積極的に意見を申しておるのでございます。これは先般の法律改正の場合に、取引員を許可制度にいたしましたのも、実は審議会が強力な発言をいたしましてこういう事態に相なったのでございまして、決して、諮問がなければ審議会としては動かないということではございません。  しかし審議会といたしましては、実は先般の四十二年の法律改正におきまして、委託者保護の立場から相当いろいろな角度から検討いたしまして、最終的には相当多くの条文にわたってまで法律の改正をするという必要が起こるところまできたわけでございまして、その法律の改正をいたしました施行期限が、御承知のように、許可制につきましては三年間という期限がございまして、来年の一月二十六日でございますか、それまでの期限ということに相なっておりますし、また、証拠金の分離保管の問題その他につきましても、この前の法律改正の具体的な施行の問題が通産、農林両省にあるわけでございまして、それらの行政行為の進行状況と相まちまして、審議会としてはいろいろな意見を申しておるのでございますが、審議会としましては、これはあくまで通産、農林両省に対して意見を申し上げておるのでございまして、最近通産省のほうから与えられました十項目につきましても、実は初めての問題ではないのでございまして、毎回いろいろ審議をいたしておりますが、簡単に結論を出せないという問題もございまして、これは横からごらんになりますと、あたかも動かない審議会というふうにお考えのようでございますが、ここに石黒横浜生糸取引所理事長がいらっしゃいますが、この石黒さんが長い間審議会の会長さんをしておられまして、私は一昨年の十二月からそのあと会長をやっておりますが、商品取引所審議会ぐらい——私はほかの委員会の運営の状況をあまり詳しくは存じませんが、商品取引所審議会は、委員の皆さんにも相当勉強していただいて、内容的にも、また開催の回数におきましても、皆さん非常にお忙しい仕事をお持ちの方ばかりでございまして、それの間を何とか縫いまして何回か審議会を開かしていただいて、そして意見をできるだけまとめたい。  しかしながら、なかなか簡単に意見のまとまらない問題がございます。たとえば上場商品の問題のごときはそう簡単に結論が出ませんので、今日までこういった経過でございますが、一つは役所のほうが許可制という問題がございまして、そのほうの行政措置、行政行為、そういったものに時間をとられますと、審議会といたしましては全く手足がないわけでございまして、資料の収集その他全部役所にお願いするわけでございますので、簡単に具体的な結論を出しにくいという点もあるわけでございます。ただし、先ほどお話しがございましたように、決して横を向いておるというつもりはございません。委員の皆さんにも非常に無理をして御出席を願って、できるだけ問題の重点をしぼってまいるということでいままでもやってきておるつもりでございますし、今後もその考えでおります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 御説明を承れば、と思いますけれども、しかし情勢が非常に急激に動いておりますので、私が申しましたような批判というものが社会に存在をしておるということを、ひとつ他の委員の方にもお話しを願いたい。要望でございます。  お二人にこの際、個々の問題に入ります前に、総括的な御意見を伺いたいと思います。  一体、あるべき商品取引とはどんなことが今後理想図であるかということであります。私は、今日の責任は政府に最もある、こういうふうに判断をしております。決して飛躍的なことを申し上げるのでなくて、悪質なセールスマンは、それ自体発生したのでなくて、営業姿勢にある。悪質な営業姿勢は、取引所の監督指導能力が不足するからである。その取引所の監督行政をしておる両省が二元行政である、適時適切な行政措置がうまくいかないからである。こういうふうに今日の状態を判断をしておるわけであります。しかし、あるべき姿としては、政府が一々そうもやらないで、取引所の自主的自立機能というものが、また社会的地位というものが高まることによって、取引所が仲買い人なりいろんな問題の全体的な指導をしていく。決して模範的ではないけれども、今日の証券取引所と比較いたしますときには、社会的にも、自立機能的にも、あらゆる意味において商品取引所が劣っておると感じます。ですから、終局的な理想図としては、取引所を中心にして自立機能を高めさせて、政府はそれを間接的に指導する、チェックをする、こういうのが望ましい姿であり、それに向かって改善の方向を行くべきではないか、これが第一であります。  第二番目に、先ほども大臣にただしたわけでありますが、個々の問題をいろいろ議論をしましても、あそこを押えればこっちへ逃げるという状況が非常に多いのであります。悪質仲買い人にやめろと言っても、何でおれが悪質か、こういうことになる。私が大局的に考えまして、古い皮袋に新しい酒を盛ることはもはやできないのではないか。長年の経験と勘と、それから古い商習慣というものを尊重してやってきて、いま大変革の起こっておるような状況においては、人事を刷新しての新旧交代の時期ではないか。思い切って、新しい感覚、そして情勢に即応した感覚の人々が前へ出るべき時期ではないか。これは法律改正以前の問題である。  第三番目の私の意見は、この際、業界も取引所も、それから役所も、思い切って大改革をしなければならない。大改革の基本的なものの考え方としては、一ぺん総退却をしたらどうだ。半歩しか後退しない。一歩後退したいところを半歩にとどめるという気分が、まだまだ残っておる。そしていろんな副業をしてみえる。取引所にしましても、再編成をして規模を縮小する、整理統合する。それからまた仲買い人の皆さんにしたところで、思い切って適正規模にまで自分の古い着物、夾雑物を払い落とす、そうして一ぺん総退却をして、適正規模にきちんと健全なからだになって、それから再出発をする覚悟がなくてはならぬのではないか。そういう覚悟、そういうムード、そういう感覚というものがありませんと、個々の外務員をどうするか、紛争処理をどうするかという、大局的にいうならばさまつ的なことだけに終始して、それさえできれば商品取引が健全化するというような錯覚におちいらしめるわけではなかろうか、こういうふうに考えているわけであります。  私のこの三つの意見をも含めて、ひとつ率直に、あるべき商品取引のあり方というものについて、お二人からこもごも御意見を伺いたいと思うのです。

近藤止文商品取引所審議会会長

○近藤参考人 ただいま、商品取引所のあるべき姿についてどう考えるか、三点おあげになりまして御質問がございました。  第一にお話のございました、取引所というものが、全く自主独立、役所の干渉を受けなくても円滑、適正に運営される、これが確かに取引所のあるべき理想的な姿であると私も思うのでございます。ただしその場合に、公益的な問題に関連する場合におきましては、役所がいろいろな規制を設けたり、あるいは制限をするということもございましょうが、やはりどこまでも取引所の自主独立した機能でこれが運営されていくということでなければ、こういう経済的な機構というもの、あるいは機能というものは、十分な能力を発揮しないものと考えまして、そういう方向で将来も位置づけていくべきものであるというように考えます。  第二の問題は、しかし、そう申しましてもやはり人の問題が、そうなりますと非常に大きなウエートを占めてまいるのでございまして、取引所によりましては、非常に適切厳正な運営をされておる理事長のおられるようなところ、あるいは理事者もそういった非常にまじめな万たちの寄っておられるところにおきましては、実はあまり見苦しい紛議は起こっておらないのでございます。やはりその間に、いろいろ我利的な、利己的な考えを特った方の間違った考えが入ってまいりますと、取引所全体の運営がゆがんでまいり、またそれに関連した取引員の仕事にもやはり紛議を多発する、こういう問題がございまして、やはり人の問題というのは、ここで非常に大きなウエートを占めてまいるのでございまして、その場合に、公平な第三者というものを取引所の運営の責任者にすべきか、あるいは業界におきましても、人格識見ともにすぐれた方でございますればよろしいと思いますけれども、これらの人の問題につきましては、やはりある一つの基準と申しますか、そうはつきりは出てこないと思いますが、そういうものを設けまして、この人の問題によって初めて取引所自体の自主的な運営ができるということの表裏一体の関係というものをつくる必要があるのじゃないかと思うのでございます。  第三に、総退却いたしまして適正な規模で考え方を出直してこいというお話でございます。これは私も同感でございまして、実は商品取引所法ができましてからちょうど満二十年に相なるわけでございまして、最初の十年ないし十二、三年の間におきましては、全く当業者主義と申しますか、業界の万々がお互いに寄りまして適正価格をつくり、適当ないわゆるヘッジ機能を果たしてくるというような運営が行なわれておったのでございますが、これが最近におきましては、いまお話のございましたように、商品取引所の機能と申しますか、商品取引自体のあり方につきまして、ゆがんだと申しますか、少し行き過ぎた点があるように考えられるのでございまして、これらの点は、やはり長年積み上げられました一つの規模、これは仲買いにつきましても同じでございまして、いわゆるデパート仲買いというものも相当最近ではふえてきておるようでございますし、また、いわゆる第三者と申しましても、零細ないわゆるアパートの奥さん方というような方まで参加するというふうな、実はそういった点におきましては、相当形のおかしな方向に行ってきている点がございますので、これらは一括いたしましてこの際あらためて出直しをする、そういった意味におきまして、今度役所のほうから与えられました十項目の中にも、これに密接に関連する事項が相当ございます。これらは、審議会といたしましても精力的に今後検討いたしまして、適切な答えを出していくようにいたしたい、かように存ずるわけでございます。

石黒武重横浜生糸取引所理事長

○石黒参考人 私は、今日は横浜生糸取引所の理事長として伺いましたので、商品取引業界全般を代表する立場にないことはもちろんでございますが、少なくともその業界の一端をになうものといたしまして、やはり、今日のように社会的ないろいろの悪弊を起こしました商品取引業界のあり方につきましては、本委員会を通じまして、国民の全体に対しておわびを申さなければならないというふうに感じております。  ところで、いまの御質問でございますが、私どもは、政府にたよることよりも、まずもって商品取引業界の健全な更生と、今日はいわざるを得ないかと思いますが、そのためには、まずもって現在の仲買い人——許可後は取引員と申しますか、取引員みずからの営業姿勢を正すことがまず第一である。第二には、この取引員を集めまして取引所夢開設しておる取引所の執行責任者の正しい取引所の運営にまつことか、次に最も必要である。その上になお足らざるところを政府は監督をする。  御案内のように、英国における商品取引所につきましては、ボード・オブ・トレードへ行ったところで何も知らない。つまり当局には何の資料もないのです。完全にそれぞれの取引所がみずからそれを規制し、ちゃんとりっぱにやっておる。紛議を匿いてみますと、会員たる取引員のほうから何か悪いこと存して紛議が起こるなんということは、夢にも考えていない。紛議といえば、みんなお客さんのほうが変なことをやったための粉議なんで、向こうはみんなそういうものだと考えておる。話は初めはかち合わないというくらいでございまして、いや紛議もあります、しかし人の名誉に関するからあまり公にはしません、というようなことを言う。それはなぜかというと、お客さんのほうに紛議がある。紛議を起こす常習者がたまにはおる。日本にもおりますが、そのうちだんだんわかってくると、みんなお互いに警戒律することになりますけれども、業界は、どこそこのどういう人間がどうも変な、悪らつなお客だから気をつけろというようなこと、そんな発表をしたりはしません。しかたがないから、運が悪かったと思って自分のところの損でがまんをします、というようなことを言うわけです。世間でも英国では、ローヤーとバンカーとブローカー、この三つは最も信用ある職業であるというふうにいわれているそうです。ところが日本におきましては、最近はバンカーもちょっと怪しいようでございますが、ブローカーとなると、ことに商品のほうのブローカーについては、ブローカーというだけで名刺を出すのもどうもぐあいが悪いとまで、私どものところのまじめな仲買い人の方も言われるような状態でございます。まことに遺憾千万だと考えるのでございます。  これにつきましては、私ども取引所の執行陣としましても、先ほど申しましたように、商品取引員自体の責任が最も重いとは思いますけれども、取引自体の責任もきわめて重大だと考えております。私どもは、内面的に政府のある種の処分を近ごろ受けたところもございますが、取引所内部におきましては、それは政府の処分の程度ですから、その程度でとどめてはおりますけれども、その中には、呼びまして——私どものところでは、幸いなるかな、実は取引所における処置によって処分を受けた者は最近はございません。私は昨年の三月からこの取引所をお預かりいたしておりますけれども、その後いまだ一つもありません。ただ、よそで何かやったことのために、あるいは脱税したためにというようなことで、いろいろと即題存起こしておる人が、たまたま私どものところの取引員でも同時にあるというような人がございますが、中には、私はなるたけ自分では直接言いませんけれども、常務理事なり何なりを通しまして、きびしく警告をしております。出てもらったほうがいいくらいだというくらいのことを、やかましく言っております。  それからまた、中には、悪事ではございませんけれども、自分みずからが多少相場を張りまして——これはいわゆるお客殺しではありません。自分自身が相場を張るのです。(横山委員「済みませんが、時間がございませんので、簡潔に」と呼ぶ)そういう者に対しましては、やはり、財務状況が悪くなるといかぬからもうやるな、というくらいなことの警告も発するというくらいにいたしまして、必ずしも法の表にあらわれていないくらいなことまでも厳重なる警告を発しまして、みんなの自戒を促しておる。今後もやはりこの姿勢やもっていきたいと思っております。  私どもの取引所は伝統のある取引所でございまして、ことに長い仲買い人は非常にりっぱな仕事をやっております。また、営業姿勢そのほかにつきましても、政府の与えられたる評点によって今回見ますと、私どもの取引所における営業姿勢などにつきましては、いわゆるA、Bはございますけれども、C、Dはありません。ただ、ほかのいろいろなことのために、時と場合によってC、Dに落とさなければならぬというものはありますけれども、横浜自体における取引につきまして、A、B以下のものはありません。  かような状況でございまして、御趣旨のようなふうに、今後許可移行とあわせまして、従来の伝統を守りながら、そう一そうりっぱな取引所にするだけの自信は私どもは持っております。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 参考人の方に申し上げますが、時間の関係で簡略にひとつお願いを申し上げます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 本日の新聞の社説に「商品取引にきびしい規制を」という論説が載っておりますが、きわめて適切な指摘をいたしております。その中で最も私どもが考えさせられました点は、十項目の中にも、外務員制度の可否とそのあり方や、あるいは紛議調停のあり方等に関連をいたしますが、現行法が大衆が参加する問題について明確な姿勢をとっていないと指摘をしておること。そして同時に、この際、健全な制度の発展を期するには、一般大衆の参加について抜本的な態度々確立をしろ。実際問題としては、商品取引から大衆を排除するのが賢明な方法であろう。また、どうしても認めるというならば、無知なしろうとでも安心してできるような安全弁を綿密に設けることが最低の要件となる。こういう指摘があります。私は正しい指摘だと思うのであります。この点についてどういうふうに近藤参考人はお考えでございましょうか。

近藤止文商品取引所審議会会長

○近藤参考人 ただいま御指摘のございましたある新聞の社説、私もけさ読んでまいりましたのですが、この大衆参加ということばが、私はちょっと誤解と申しますか、ことばの使われ方が不適当なかっこうになっているのではないかと思うのでございます。  と申しますのは、元来商品取引所は、法律の制定当時から当業者主義で徹底してまいったのでございます。そして、業界のヘッジ機能と、それから適正価格の形成機能——この適正価格をつくるという場合に、単に当業者のみならず、第三者の介入によりまして、その価格が適正に形成されるという場合もあるわけでございまして、これは諸外国の商品取引所等におきます実際の例を見ましても、そういった意味の第三者の介入、これは悪い場合には株屋さんの仕手というような形で入ってくることもございますけれども、第三者の取引所への介入によりまして、適正価格がむしろできやすくなるんだというような意見も実は相当ございました。したがって、現在の取引所法では当業者主義で発足いたしておりますけれども、第三者が介入するということにつきまして、これを禁止するという形にはなっておらないわけでございます。  ただ、きょうの新聞の記事にもございましたように、大衆参加を抜本的に押える、こう申すのでございますが、これは一体だれの玉であるかということをトレースしてまいりますことは、非常にむずかしいことでございます。ただ、商品取引所自体といたしましては、元来が、いわゆるアパートの奥さんのへそくりを集めてアズキを買わせるというようなことを、実は考えてはおらなかったものでございますので、その点は、商品取引というのは全く先物取引でございますし、特に、当該商品に関して利害関係のある業者が、この商品取引所を通じまして自分たちの仕事の繁栄をはかってまいるということでございまして、賭博に類するようなことになってまいりましたことは、はなはだ間違った行き万と申しますか、行き過ぎた形で、これが実は過当勧誘その他にもつながっておるわけでございます。したがいまして、法制的に大衆参加を抜本的に押えるということは、実際問題としては、実質的にかなり困難な点があると思いますけれども、やはり大衆の、全く商品に関係のない、しかもそういった取引に全く無知な方々を誘い込むということはできるだけないようにする方向におきまして、いろいろな商品取引上における規制措置をやるべきであるというふうに私は考えます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 法律では、現行法のもとにおきましても、個別にうちへ行って勧誘をし、契約し、現金を授受し、あるいは軒並みに電話でじゅうたん爆撃を行なうということは、違法であり、ないしは取引所において禁止をされておることなんであります。それが全く無法地帯のように、燎原の火のように行なわれたがゆえに、昨年初めごろまで爆発的な業界の伸びを見せたということであります。  そうだとしまして、あなたのおっしゃるように、何も知らないサラリーマンの奥さんを勧誘することは法は予定してないとするならば、なぜそういうことが行なわれるかというと、私は、外務員制度がある限りにおいては、それは必然的なものだと思うのであります。外務員とは外のつとめをする人間だ。レギュラーのところに行って、今度はどうしましょう、ああしましょうと言うなら、それは外務員というよりも内務員ですよ。外務員が存在する限りにおいては、それに対して必然的にノルマ、必然的に新規開拓ということになってしまいます。なるほど私は、第三者が介入をし、それによって適正な価格が形成されることを否定するものではありません。しかし、そこにいうところの第三者というのは、少なくともプロないしはセミプロであって、全く無知なしろうとがそれに介入することを予定してない、私はそう考えるわけであります。したがって、外務員制度声検討する場合において、いわゆる庶民的な意味における大衆参加を認めるか認めないかということは、はっきり筋を通してもらわなければいけないのではないか、こう考えます。その意味において、もう一度簡潔に御意見を承りたいと思います。

近藤止文商品取引所審議会会長

○近藤参考人 ただいまのお話、全く同意見でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 先ほど、取引所の機能を充実することがあるべき姿だということについて、両参考人の御意見をいただきました。取引所を充実し、取引所があるべき姿に社会的に向上いたしますためには、私は一つには財政だと思うのであります。一つには、会員制度に少し変革を加えて、公共的色彩を強めなければいかぬのではないか。一つにはやはり人事だと思うのであります。中に、仲買い人の影響力をなるべく排除する、こういうようなことが考えられなければなりません。  私が取引所を重視をいたしますのは、役所が——いま私は役所に一番おこっておりますけれども、これは過渡的な問題でありますから、あるべき姿を形成いたしますためには、人事、財政あるいは運営、そういうものについてはっきりした姿勢を打ち出さなければならぬと思います。当面問題になっておりますのが、紛争処理機構のあり方と、それからもう一つは責任準備金制度のあり方二つが問題の焦点になるかと思います。紛議調停のあり方につきましては、一説に取引所と関係なく紛議調停機能をつくるという説がありますが、私はこれはとらざるところだと思っています。紛議調停も、一種の監督機能や持った組織を兼ね備えなければ、迅速かつ有機的なことができないのではないか。やはり紛議調停機能は取引所の機構の一還としてなさるべきではないか、これが一つであります。  それから、責任準備金制度につきましては、その利息をもって取引所が運営されておる、そのために弊害が起きたということを本委員会で私が指摘をしたことがございます。それは、仲買い人の紛争について取引所の準備金制度を取りくずすとどうもかっこうがつかないから、仲買い人自身でやるから帳面に不正一点と書かないでくれ、というようなことが一、二あったので、私がそれを指摘しました。しかし、巷間伝うるところによりますと、大蔵省や、あるいは関係方面におきまして、この商品取引責任準備金制度、免税措置を伴うこの制度について、廃止するかのごとき雰囲気があるようであります。これはきわめて現状にそぐわない意見だと感ずるわけであります。取引所の財政を健全ならしめるためにも、大衆のためにもこの制度は存続すべきではないか、こう考えますがいかがでございましょう。

近藤止文商品取引所審議会会長

○近藤参考人 ただいまの御質問の中で、第一の点は紛議調停の問題でございます。これはお説のように、独立した第三者的な機構をつくってやれという御意見の方と、取引所の中でできるだけ公平、中立的に運営される機構をつくってやればそれでよろしいのじゃないかという説と、実は二つございまして、審議会の内部におきまして、まだまとまった意見というところまではいっておりませんが、もし私個人の意見を言えというお話でございますならば、先ほど御指摘のございましたように、取引所というものが一つの公的な機関というふうに私は考えますので、その一つの機構として紛議調停の機能を持たせるということでよろしいのではないかというふうに思いますが、この点につきましては、まだ審議会内部で問題が与えられたばかりでございまして、十分な詰めがいたしてございません。いずれ審議会として意見をきめたい、かように存じます。  それから、責任準備金制度につきましていま御質問があったのでございますが、実は御指摘のようなことにつきまして、私まだ詳しく聞いておりません。免税の措置が来年度からだめになるのじゃないかというふうな話は聞いておりますが、通産当局の御意見等を伺ってみますと、まだこれは決着していないので、いま大いに折衝しているのだというお話でございまして、もちろんこの責任準備金制度は、紛議につきましての解決としての重要な財源でございます。私はそういうものが簡単に取りやめになるということはないと思うのでありますが、この問題と、実は例の委託証拠金の中の分離保管の問題、取引所に預託する問題がございまして、どうも性格的にタブっているのじゃないかというような意見もあるようでございます。これは、法律の条文の解釈から申しまして性格的にどうであるかというようなことは、まだ審議会としても十分検討いたしておりませんので、実ははっきり審議会としては意見をきめておりませんが、前段の御指摘のような問題につきましては、私も、責任準備金制度というのは紛議の解決のために重要な財源であるというように考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 他の同僚委員の関係もございますので、あと石黒参考人に、前会長ないしはいま現職という意味において、一、二伺いたいと思います。  一つは取引所の再編成についてであります。取引所が設立をされてから長い歴史をたどって今日に至っておりますが、交通や、あるいは通信の機能が発達し、そして、先ほどから申しましたように、取引所の社会的地位を向上し刷新をいたしますためには、この際、取引所の再編成を断行をしたらどうかということが一つであります。  それからもう一つは、私ども、農林省と通産省との二元行政をずいぶん議論してやまないのであります。けさほど通産大臣は、調整のよろしきを得ればという回答をいたしました。しかし、いまもうしろに両省から並んでいらっしゃるのでありますが、いつも二人いなければ仕事にならないということや、いろいろな行政のあり方を考えてみましても、何としても二元行政であることは事実でございます。流れが二つございます。この二元行政を改善する方法はどういう方法があり得るだろうか。もちろん理想的にいえば一省に機能を集めるということであります。機能の集め方にもまたいろいろ方法があると思うのであります。それから、万やむを得ない場合、両省にやはり現状どおりにいたしましても、運営よろしきを得ればという運営の改善の方法に、いろいろ議論があると思うのであります。その点について、御経験上、二元行政改善の方途はどんな方途が望ましいか、率直に御意見を伺いたいと思います。

石黒武重横浜生糸取引所理事長

○石黒参考人 これは全般の事柄でございまして、あるいは私から御意見申し上げるのはいかがかとは存じますけれども、御質問でございますから、率直に申し上げます。  再編成問題につきましては、ひとつ広い視野から皆さま方のお考えをまたいただきましてけっこうだと存じます。ただ、問題は、やはり商品取引は、一面において現物取引との関係というものを、非常に強く私どもは考えております。その関係から申しまして、これは仮説でございますが、たとえば生糸の商品取引所を東京へ持ってくる。これはやはり、敏速なる取引所の適正な運営の上からいうと、横浜なり神戸なりの現物の取引が行なわれておるというところにおりまして、その需給の関係とか諸般のことを考えます。取引所が法律で書いてあるだけの適正なことをやるということではなくて、取引所は何のためにあるか、最終的には国民経済の健全な発展のためでございますが、今日の経済制度のもとにおきましては、やはりそれぞれの産業関係のためにあるものだ、そのうちのいわば一つの部門であるというふうに私どもは考えております。でございますから、生糸につきまして申しますれば、養蚕から製糸、それから機業、これらの総体の関係々常に私どもは頭に入れながら取引所の運営をいたしておるようなわけでございます。でございますから、これがやはりあまりかけ離れたところにございますことはいかがなものだろうかというふうに考えます。要するに、この実業たる産業のためにある上において差しつかえがなければ、これは再編成なり何なりは大いにけっこうなことだと思うのでございますが、その点はひとつ十分にお考えを広くお願いいたしたい。  それから、二元行政のことにつきましては、私どもの経験上から申しますと、私は審議会をやりましたことは、委員及び会長として十年余りになるのでございますが、その間常に、この両省の間の取りまとめ役も同時にこの審議会にあるということを感じまして、そういう面では相当にやってきたつもりでおるのでございます。それでもなお足らないということであれば、これはまた国の行政全般のことでございますから、皆さま方よく御検討の上におきめになりましても、私のほうからかれこれ申し上げることはないと存じますけれども、いま申しましたように、商品取引はやはりそれぞれの産業と密着した一つの運営をしなければならない。その産業における、御承知の一つの目的から見ましても、ためになるようにするにはどうするのが一番よろしいかということも、また一面の大きな問題であることだけは一応お考えの上で、おきめを願えたらよろしいのではないかというふうに考えます。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 近藤参考人の御意見を伺ってみたいのですが、いまの横山委員の質問は商品取引の核心に触れた質問であったと思うのです。それに対してお答えもまた実は核心をついたお答えであったわけですが、現実問題としてこれをどうするかという問題が残るのだろうと実は考えるわけです。  おっしゃるように、商品取引というのは、当業者間の取引という形で適正価格の形成というものが望ましいことは言うまでもないと思うのであります。本来そうであったと思うのです。ところが、現実にどうかということになってまいりますと、当業者は主として現物取引というものが考えられるわけでありましょうが、いまは投機的な取引が中心になっているように考えられます。何千倍というよりも、穀物等におきましては何万倍といったことだって実はあるのだろうと思うのです、投機的な取引ということになってまいりますと。御意見にもございましたように、結局、大衆がそれに参加をしてまいりますから、過当勧誘という形が出てまいります。いま事実上参加をしておるものは、私は比率はよくわかりませんけれども、相当数大衆の委託者というものがこれに参加をしているのではないかと思います。そこにいろいろ紛議の問題が起こってまいりましょうし、また、企業は多くの外務員をかかえて、中にはたちの悪い、質の悪い外務員も入ってまいりましょうから、そこで諸外国に例のないような紛議という好ましくない現象があらわれてきているのだろうと思うのです。  そこで、この現物取引と先物取引と申しますか、それの比率は大体どの程度あることが望ましいのかという点が一点あるのではなかろうかと思います。それと、仲買い人というものが非常に多くなってまいりましたから、この仲買い人もいま三百程度だというふうにも伺っておるのでありますが、仲買い人が無数にふえてくる。そのことは、外務員がまたふえていくことにもつながってまいりまし上うから、それがどの程度が適当なのか。しかし、現在の仲買い人をどうするかという問題が起こってまいりますと、取引所の再編成ということについて横山委員が触れられたのでありますが、それと同時に、この仲買い人の整理統合というものを考えられなければならない、そのように私は考えるわけであります。まあ紛議の問題から社会的な非常な批判の的となっておりますから、最近は非常に取引が低下をしてきておる。それと、来年の許可制移行を前にいたしまして相当無理をしているのではないか。また、金融機関の金融引き締めとあわせまして、いろいろとその面に対するきびしい規制というものもあるのではないか。だからといって、来年の許可を何といっても受けたいというので相当無理をしておるようにも感じられる。ここでもし弱小な企業は倒産をしたということになってまいりますと、善意の大衆、委託者が大きな損害を受けるということになるのではないか。それらのことを考えてみますと、この権利の譲渡であるとか、合併であるとか、あるいはまたあまりこれがマンモス化してまいりますと、管理体制というのがうまくいかない、したがってこれはまた、あまり大きいのは分割していくということだって考えていかなければならないのではないか。  そのように、いろいろ実は政府自体もお考えになっておられるのだろうと思うのでありますが、私どもも、この商品取引の問題と取り組んでくればくるほど、問題の複雑さというものに対して困ったものだというように考えているわけであります。  それらの点について、商品取引のあり方、それから私がいろいろと指摘いたしましたような問題点に対して、先ほど参考人は、好ましくないんだから何かひとつ取引所でこれを規制をしなければならない、とおっしゃったのでありますが、どのような規制の具体的方策というものがあるのであろうか、それらの点に対して両参考人からひとつ御意見を伺ってみたいと思います。

近藤止文商品取引所審議会会長

○近藤参考人 ただいまの御質問につきまして、役所のほうからお答え願うほうが適当な点もあるかと思うのでございますが、一応審議会といたしまして、その範囲内でお答えを申し上げることにいたします。  最初に、現物と先物との関係につきまして、一体現物の比率はどのくらいが適当と考えるかという御質問であったと思うのでございます。商品取引と申しますのは、元来が先物の取引でございまして、当限になりまして、いよいよ最後になって現物の受け渡しというものが起る場合もございますが、その前に転売、買い戻しによりまして清算されてしまうということもあるわけでございまして、実はこれは役所のほうでお答え願ったほうがいいと思うのでございますが、現実に現物の受け渡しされております比率というのは比較的少ないんじゃないか。商品によりまして、これは非常な違いがあるようでございます。したがいまして、この現物と先物の比率ということにつきましては役所のほうからお答え願うことにいたしまして、ただ元来が、商品取引というのは先物取引である、清算取引である、これが原則でございますので、それらのところを十分考えまして、そのあとで、御指摘のございましたような、仲買い人の取引のしかた——これは先物でございますから幾らでもふえる。そしてお客さんに対して買いなさいと言っては、この次は売りなさい、また買いなさい。それを半年の間に何回か繰り返させるというふうなこともございまして、取引が水ぶくれになるということもございます。  で、第二の仲買い人、現在これは相当の数がございます。約三百近くあるわけでございますが、適正な数はどのくらいかという御質問でございます。これも正確には役所のほろからお答え願ったほうがいいと思うのですが、数の問題のほかに、実は仲買い人の中でいろいろな商品を総合的に扱われる。これは、普通いわれておりますデパート仲買いというのが、最近相当ございます。たしか七十社か七十社以上ぐらいあるんじゃないかと思うのでございますが、これらのいろいろな商品を一緒に扱っておる仲買い人の仕事の内容が、最近非常にふくれたわけでございます。むしろ専業の、ある特定商品だけを扱っておるという方の取り扱いというのは、どちらかと申しますと減少の傾向にあるように思うのでございますが、何でも扱われる、いわゆるデパート仲買い人の方々の扱われている数量が非常にふえてきた。これは、具体的に間違いなくそうであるということを申し上げにくいのでございますが、仲買い人を許可制にいたしまして、来年一月二十六日に取引員ということになるわけでございます。そのときに、やはり許可基準としましては、一定の資産内容を備えていなければならぬということでございまして、資産内容を備えるためには、できるだけそろばんをよくして利益を残さなければいかぬ。そのために過当勧誘ということがあり得たのじゃないかというふうにも思われるのでございまして、その辺が、最近特に営業姿勢ということが問題になってまいりましたのは、逆を申しますと、仲買い人の資産内容をよくするために非常にあくどいことをやる、したがって紛議がよけい出る。しかし資産的な内容はよくなってくる、そのかわり営業姿勢としてはまことに下の下である、こういうようなことがあるように思われるわけでございまして、それらの点で、実はいま通産、農林両省で、各取引所から上がってまいりました許可申請書につきまして検討存行なっておられるようでございますか、その中で成績の非常に悪いというものにつきましては、御指摘のありましたように、役所が整理統合させるということではないと思いますけれども、やはり自然に整理、合併される方もあるようでございますし、あるいは先ほどお話のございました、マンモス化し過ぎてしまってとても統制がとれない、そこでそれは少しばらばらにしようというような動きをしているものもあるやに聞いておるわけでございます。これらの点につきましては、むしろ通産省なり農林省の当局の方からお答え願ったほうが適当かと思いますので、私はこの程度にいたします。

石黒武重横浜生糸取引所理事長

○石黒参考人 ただいまの、どういうような割合であったらよろしいかというような点についての、つまり大衆玉あるいは当業者玉についての割合、あるいは商品取引所の取引のふくれ上がり方はどのくらいの限度がいいのかというような問題、これは私も実は審議会に脚係しておりましたころに、いろいろほかの用事で参りましたときも、アメリカへ参りましたりしていろいろ調べてみたのですが、現在の横浜の生糸関係だけを申し上げますこ、横浜で大体全日本の生糸の消費量——現在、御承知のように、わが国の生産額のほかに若干の外国生糸が入っておりますが、それに対して、われわれのところの一年間の取引額はたいしたことはありませんで、売ったり買ったりが約七倍あるいは七倍弱ぐらいです。これに神戸有合わせまして十何倍ぐらいの取引があるのじゃないかというふうに考えております。この程度のものにつきましては、たとえば、アメリカのシカゴにおけるトウモロコシの売買など、非常に大きなものになっておりまして、もう少し少なくてもけっこうだとはむろん思っておりますが、それほど特にえらい過大で困ったものだというふうには、いまのところ私どものところでは考えておりませんのです。ただ、各商品全般にわたりましては、遺憾ながら私どもいま資料を持っておりませんので、何とも申し上げることができません。  あるいは御質問があったように思いましたのですが、私どもほんの御参考までに申し上げるわけですが、私どものところの玉が、大体どんな種類の玉が入っておるかということについては、これは私ども取引所当局として、やはりいろいろな世話役をする上に考えなければならぬものですから、大ざっぱでありますが観察をしておりますが、当業者のいわゆるヘッジのための玉が三割ぐらいじゃないか。それから相当なプロあるいはセミプロに当たる、生糸そのものはやっていないけれども、経済界全般を見渡して、いまの生糸は買いどころじゃないかとか、あるいは売りどころじゃないかというような判断のできるような人、これがあるいは当業者よりも若干多いぐらいにあるのではないか。しかし、また同時に、いわゆる勧誘によって——どうも商品取引は一元来がギャンブルではないので、いわゆる投機、スペキュレーションであるわけですが、ギャンブルと間違えて入ってくる玉が、私どもの取引所では、わりあいに健全にやっているとはいいながら、われわれ自己反省してみますと、二割五分から三割くらいやはりあるのじゃなかろうか。この辺のところに、今後われわれのところの改善のねらうべき一点があるのではないかということを感じておるのが偽らざるところでございます。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角説明員 お答えいたします。  現物と先物との割合がどのくらいが適正であるかという御質問は、ただいま参考人からむお答えがございましたように、たいへん判定の困難なむずかしい問題かと思いますが、一応手元の資料で見ますと、一年間の取引所におきまする売買総高に対しまして現物の受け渡しがどれだけ行なわれたかという比率は、たとえば、毛糸につきましては三%、綿糸につきまして二・九%という数字が出ております。それ以外の商品は、これより少し現物受け渡しの比承が下がっておるようでございます。したがって、これが実際の現物と取引との割合ということになろうかと思いますけれども、この比率が適正かどうかという判定はなかなか困難な問題ではなかろうかと、かように存じております。(中村(重)委員「それから経営の実態をどうするかということ」と呼ぶ)  次に、仲買い人の適正数につきましては、これは現在、許可制移行を前にいたしまして、各取引所を通じまして許可制への申達が二百六十四件くらいてまえどもに参ってきております。この中には、もちろんその営業姿勢あるいは資産内容等々から見て問題のあるものも含まれておりまして、私どもといたしましては、これからの十分な対応策の検討その他を通じまして、多少これより数が減っていく傾向になるのではなかろうかという一応の見通しを持っております。ただ、その場合に、やはり将来や見越しまして、当該仲買い人が、企業として他の企業と合併をいたしたり、あるいは所要の営業上の分割というようなことを検討される場合もあるわけでありまして、全体の方向に即しましてそれが望ましいと判断されまする場合いは、当方といたしましても十分協力を申し上げたいと思っております。  以上、二点でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 実は、私が問題点と考えておりますのは、取引所の存在そのものの意義が現状のとおりであるのであろうか。むしろこれは、適正な価格の形成存する市場としての役割りというのが果たされていないのではないかというふうに、実は感じているわけですね。砂糖なんかにいたしましても、ロンドンであるとかニューヨークであるとか日本が、まあこれは大体権威ある市場という形に実はなっているわけでしょう。ですから資本主義の社会においては、この取引所というものが——やはり取引が一カ所に集中する。そこで一つの適正な価格が打ち出されてくる。交通不便なところなんかというものは、現物を売りますと、結局これは買い手市場みたいになってしまって、価格がわからないから、買う人が一方的に価格をきめていくといったようなことになってくるわけでありましょうから、そういったところにこの取引所の持つ意義というものがあるのだろうと思うのですけれども、投機的な形というのがあまりはなはだしくなってまいりますと、そこらに、売ったり買ったりして利潤のみを追求していくという形になってくると、私は、この取引所というものは、むしろ悪い現象、そうしてまた、日本の取引所が国際的に信用を低下してくるという形にも発展しかねないというように、実は考えているわけですよ。そこらは、根本的な問題として十分検討していかなければならないし、また取引所の業者も、弱少の業者が、仲買い人が無数に存在するということ自体にも、これはやはりその点問題になってくるのではなかろうか。いろいろその規制の方法も考えなければならないのでしょうが、もういまのような勧誘の方法ですと、大衆委託者がこれに参加してくるということは避けられないわけでありますから、そうなってまいりますと、申しあげたように、倒産なんかになってくると、証拠金なんかを出しているわけですが、その回収すら全くできないという形になってまいりましょうから、大衆に大きな被害を与えていくという結果が生まれてくるわけですね。そこらを根本的な問題として、来年、許可制移行にあたっては配慮していかなければならないのではないかというように思うわけです。  それからいま一つ、外務員の問題も、まあ紛議が非常に多いというので外務員の規制というものがなされておる。やめますとその二分の一だけを補充させるというやり方だそうでありますが、私は、あまりマンモス化していくというような現象等から考えると、ある程度の規制はやむを得ないとは思いながら、結局、外務員がやめた場合、二分の一しか補充ができないということになってまいりますと、質の悪い外務員もやめさせることをちゅうちょするという形になってくる。それらがまた過当勧誘をやって、善意の投資家、委託者に対してまた大きな損害を与えていくという悪循環が生まれてくるような感じもいたします。それらの点も、一時的な、国会でこういった問題が追及されて非常に困るからということで、そういうことにのみとらわれて問題に対処していくのではなくて、取引所のあり万はこうあるべきだという根本的な考え方の上に立った誤らない行政というものをおやりにならなければいけないのだ。同時に審議会の皆さん万の果たす役割りは非常に大きいと思いますから、そういった点において、建設的な答申をやるとか、あるいは進んで一つの考え方を打ち出していくというようなことでやっていただきたいということ等良、私は強く希望したいと思うわけです。  具体的な問題として、この営業部門と管理部門というのが経営の内容に重大な影響序及ぼしてくるであろうと思いますから、営業部門と管理部門の比率というのはどの程度あることが望ましいというふうにお考えになっておられるのか。  これらの点はむしろ政府のほうが適当でございましょうから、お答えをいただきたいということと、参考人としまして、私の申し上げました意見という点についてもし何か御意見がございますならば、それもまたお答えをいただきたい。

近藤止文商品取引所審議会会長

○近藤参考人 ただいまの御質問の中で、役所のほうからお答えを願ったほうが適当な問題がございますから、それはそちらのほうでお答え願うといたしまして、私のほうで関係をいたす問題といたしまして、実は四十二年に法律や改正いたしましたときに、衆議院、参議院両院におきましても附帯決議がございまして、この商品取引所の制度の問題につきまして相当根本的に洗い変えろというお話がございました。特に上場商品の問題等について、また、いまの過当勧誘その他御指摘のような仲買い人の問題でございますが、これらの問題につきましても、できるだけ早期に審議会といたしましても結論を出しまして、政府のほうに答申することに相なっておるわけでございます。  実は許可制の問題等がございまして、延び延びになっておりますが、審議会を開くたびに、いま御指摘のような、相当制度の根本に触れるような問題につきまして、委員の皆さんと討論をしてまいっております。で、最近におきましても、役所のほうから具体的な問題の提示がございました。これにつきましては、精力的に、しかも積極的に審議会としては早期に意見を出しますように努力する考えでおります。  それから取引所そのものが、いまの日本の産業経済の実態からいって必要であるのかどうかという、これまた、もっと根本的な問題でございましたが、これらの点につきましては、政府におかれまして、十分日本の経済の実態を検討された上で意見をおきめ願うのが適当であるというように考えております。

石黒武重横浜生糸取引所理事長

○石黒参考人 現在この取引所というものの産業界に果たすほんとうに必要な役割りは一体あるのかどうかという、これはもうあくまでも基本的な問題でございますが、これは全般的にちょっと私いま申し上げるわけにまいりませんのですが、私どもの現在お引き受けしておる生糸の関係について申しますならば、やはりどうも必要がある。関係業界も大体において、やはり必要があるというふうに考えております。最近、養蚕業界等で建て値制というのも、一口に申しますと、要するに、大体きまった値段で売買ができるようになったらどうだろうかというようなことについて、繭にしましても、生糸にしましても、いま研究をしておるようです。これは十分御研究なさいというふうに、私どももその立場をとっておりますが、これもなかなかむずかしい問題でございまして、たばこの専売制のように、政府が相当な資金も投下する、あるいは食糧管理のように、相当な費用をかけることをあえて辞さないということでやりますれば、これはできますけれども、一般の流通の上にできたものは、おのずから消費面に売られていくというようにする。これは、いわゆる自由経済でやりますと、一般経済事情とか、あるいは一般の国民の消費動向とかいうものによりまして、やはり若干の変動は免れないのでございます。  それで、ことに生糸について申しますると、御承知のように、原料である繭は、春と初秋、晩秋という、大きく分ければ春と秋に養蚕家と製糸家の間に取引が行なわれます。そして買った製糸家は、やがてそれを生糸にして売るわけですけれども、御案内のように、やはり一応、ことしの生産費はこのくらいだ、それ以下になれば損になるというような状態で対処しなければなりません。先物の現物取引というものも実際やっておりますけれども、これはほとんどがいわゆる成り行き取引というものでございまして、たとえばいま二月には幾ら幾らの生糸をあなたに売ろう、買おうというふうに、大体約束はかなり先まで現物についてやります。しかしその場合には、二月の相場で売りましょう、二月の相場で買いましょう、こういうことになるわけです。二月に幾らで売りましょう、幾らで買いましょうということは、現物についてはほとんどやりません。そういたしますと、やはり製糸家といたしましては、まあかりに一キロ八千幾らならば、秋の繭を買った糸はどうにか損をしないで売れる、しかしそれが下がると損になるというような場合に、取引所に幸いにして自分の採算点に当たるところの相場が出た場合には、とりあえずある程度そこに売っておく。もっと高くなるかもしれぬけれども、そんな利益はしばらくもうよろしい、とにかく損をしないで売るようにしようというときには、その相場で売りをかけておくわけです。これがいわゆるヘッジでございます。しかしまた、一般の状況を見まして、いわゆる場違いのプロなり半プロから見ますと、いろんな情勢を見て、もう少しこれは上がりそうだと思えばそれを買いますというようなところでこの取引所が成り立っておるわけでございまして、これは現在の、おそらく製糸家ほとんど一人残らずが、取引所の存在の必要を感じております。また繭の値段やきめるときも、現在のところやはり横浜、神戸の生糸の値段というものが、取引の二カ月間くらいの平均相場というようなものが、いろんな基準のうちの一つの基準になって繭の取引が行なわれておるというようなこともございます。それから、世界じゆうで現在生糸の先物取引のあるのは横浜、神戸だけでございますが、これを見て、たとえば中国のごとき、中国大陸のほうですが、彼らはそれより少し安いところをヨーロッパへ売っておる。こっちが上がってくると、それにつれて少し高くしていくというふうに、相当世界的に生糸の値段の基準が出てきておるわけなんです。  そこで私どもも、その当業者のヘッジのための場であるというこの役目を果たさなければならないとともに、また同時に、適正な値段を出す場でなければならないということについて、私ども取引所当局としましては、常に非常に気をつけてやっております。御承知のように、昨年は棒のように上がってまいりました。これはやはりいろんな情勢を反映してそうなったんですが、この間もちょっとかなり高値に突き上げてまいりまして、様子を見てみますと、一般の企業の状態、消費の状態などから見まして、どうもこれは上げ過ぎじゃないだろうかというふうに私どもは感じました。これは蚕糸業界全般のために決してよくないというふうに考えましたので、あまり表にあらわれておりませんけれども、私はあえてある手段や講じました。それによって相場はやや鎮静したというようなこともございます。取引所当局といたしましては、ただもう売りと買いの間に立って、ちゃんと取引が円滑にいく——買いがあって幾ら上がってもこれはしようがない、下がっても、これが幾らあってもしようがないというふうに決して考えるべきではない。業界のために取引所は、こちらの判断が間違えることもあるかもしれませんが、しかしつとめて判断の誤らないように、諸般のことを研究しまして、適当な値段が、多少こまかいところは別ですけれども、大局的に健全な値段が出るように、取引所当局としましても市場を指導してまいらなければならないというふうに考えて運営をしておるようなわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 これで終わりますが、そこで関連してまいりますのは、業者の向かい玉とか自己玉の問題が私は出てくるんだろうと思うのです。売りと買いということになってまいりますと、当業者は大資本ということになってまいりますと、やはり資本力というものがある。もうかるためにはその売ったり買ったりという点を、専門家がずらっといるわけですから、うまくやるんだろうと思うのです。そこで、業者が向かい玉ということでお客と向かうということは、これは私は許されてはならないと思うんだけれども、自己玉というのが、いまあなたがお答えになったような、いわゆる調整的な役割り存果たし得るものなのかどうか。向かい玉と自己玉ということに対してはどのようにお考えになっておられるか。私は、向かい玉はいけない、こう思っておるのです。自己玉というのは、確かに強い大資本に向かう大衆、一般委託者というようなもので、力関係によって相当支配されてくるのじゃなかろうか。しろうとだからわからないんだけれども、そういう意味で業者の向かい玉というものは、ある程度有効な役割りを果たすこともあり得るのではなかろうか。そこらはわからないのです。ですからひとつお考え方をお聞かせいただきたいと思います。

石黒武重横浜生糸取引所理事長

○石黒参考人 私どものところの仲買い人の約半数は当業者で、現物も扱っております。こういうところは、やはり自分自身の判断で、これはあまり安いと思えばそこを買いますし、高いと思えば売る。製糸家も現にやはり仲買い人にもなっておりまして、そういうところは、これは高いと思えば売ります。聞いてみると、ちゃんと売っております。  同時に、いまのいわゆる専業仲買い人の玉ですけれども、これは御案内のとおり、最近において、その取引額の一〇%以内でやるということに全商品取引所の申し合わせでそういう規制をいたしております。私どもはむろんそれを守らせまするし、私どもの取引所は、特にほかはやっておらないくらいな資料も必ず提出させております。自分の店で売るのでなくて、よそへ回して売るとか、よそのを回して買うというようなものにつきましても、多少目立った玉は、全部届け出を私どものほうはやらしております。  それから、御案内のように取引所法自体が、いわゆる仕手戦、つまり相当な資本力をもって強引に相場をつり上げていくとか、強引に相場を落としていくとかいうこと、あれはいかぬことになっておるのです。あれは何条でしたか、いま覚えておりませんけれども。もしそういうことが起これは、これが、かりにお客のもの夢受けてやっておる仲買い人でありましても、私どもはそれは注意します。やめさせます。そのくらいなことは、私どもの取引所ではやれます。それにつきましても、御案内のように、最近、大企業の重役が不正な金で流用したり、ことにまた金融機関の者がやるとかいうようなことがありましたので、さっそく私どもは、相当まとまった玉の注文を受けたらこれを必ず取引所へ届け出ろ、そのお客さんの住所氏名を必ず届け出ろ、どのくらいの玉が入っているか届け出ろということを、私は理事長権限で私どもの仲買い人には申し渡しております。これはちゃんと出てきております。これによりまして、大体どのくらいまとまった取引をやっている者がおるか、それはどういう人がやっているかということを実は持っております。いまのところはある程度でございますが、これは外へは出さぬ、職員がむし外へ出したら厳罰に処するということで秘密にしておりますけれども、私どもは持っております。それを参考にしまして、取引所の運営が片寄るようなことのないように、場合によったら仲買い人に注意をしますし、やめさせます。この間のあの事故が起こりましたある一部のものにつきましても、私どもは全部調べました。遺憾ながら私どもの取引所へもそういう玉が入っております。あるまじめな仲買い人は、どうもこの人の金の出方はあやしいと思って途中でもうお断わりしたというのもおります。かと思うと、たくさん来るのを平気で受けておるのもおる。これらのことは今後十分注意をさして、ああいうような不祥事の片棒を事実上かつぐようなことになるわけですから、そういうことをさせないようにいたしたいと思っております。  取引の信義則を守る、商業道徳を守るということが、実は商品取引員の法律によって要求されているところなんです。裁判所へ行ってただ法律違反でないというだけではいかぬのでして、違法であるばかりでなしに、不当であればいけないのです。商業道徳に違反してはいけないのです。どうも今日の日本の現状におきましては、全国を見渡しますとそれが行なわれておらない。いまの法律でもすでにそれは要求しておるのですから、私どもは、わかり次第そういう者については、ことに許可移行後におきましては、相当な厳罰を取引所みずからがやるつもりでおります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 政府委員に対する質問は、時間の関係がありますから後日に譲ります。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 岡本富夫君。

岡本富夫公明党

○岡本委員 限られた時間内でありますので、簡単に明確にお答えを願いたい。  最初に近藤さんにお尋ねいたしますけれども、審議会は、現在この商取問題で世間が非常に騒いでおりますが、こういうことが起こってからどこで何回どういうような審議をなされたか。先ほどお聞きしますと、自発的に審議するというお話でありましたが、どういうことがなされたのか、それをひとつ簡単に……。

近藤止文商品取引所審議会会長

○近藤参考人 お答えをいたします。  商品取引所法の改正法律案が昭和四十二年に法律施行に相なりまして、それからもっぱら商品取引所法の改正法律案の施行の問題につきまして審議を重ねてまいっておりますが、同時に、この前の改正におきましては、大体委託者保護の問題を重点にいたしまして、仲買い人の内容充実の問題にも関連いたしまして、いろいろ考えられる改正を全部いたしたわけでございます。ただ、その改正法律によりますと、最終的の施行期限が三年間ということになっておりますので、来年の一月までは、商品取引所審議会におきましても、絶えず、この法律の具体的な施行の問題につきまして、いろいろ内容を調査、審議いたし、通産、農林両省ともいろいろ相談をいたしてまいっております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そこで、そういう審議をなされたと思いますが、私どもの調べによりますと、二十七年ごろから、最初は業者のみが参加して行なったところの商取だったのが、一般の方が参加されて、非常に紛争が起こった。それによって四十三年に法改正があってより、しろうとの方の委託者の保護のため、こういうことで、この法改正を見ますと、まず仲買い人の資産の増加をさせるとか、仲買い人を強くするというような法改正になっておりますけれども、はたしてそれで、一般の委託者の方々が、しろうとの方々が参加して被害がなかったのか。そうなりますと、そうではなくして、先ほどからも話がありましたように、あらゆるところに犯罪が起こっている。昔は犯罪のかげに女あり、こう言ったけれども、いまは犯罪のかげに商取あり。そして、いよいよこういうような、商取は必要ないというような無用論まで出てきておる。したがって、次の審議にあたっては、おそらくはほんとうの一般の委託者の方々を救済していく、被害を、紛争をなくしていくというのが大事ではなかろうか。そういうような観点に立っての論議はなかったのか、それをひとつお聞きしたい。

近藤止文商品取引所審議会会長

○近藤参考人 いまの御指摘のような問題につきまして、実は絶えず議論がございまして、法律改正のときもそうでございますが、その後、改正法律が施行になりました後におきましても、そういった委託者保護のたてまえにおきまして商品取引所法の運用をするということでやってまいっております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そこで、法改正前もこうした被害者が続発して紛議が起こっておる。法改正後もやはり同じように起こっておる。したがって、法改正だけでこの紛議がなくなるということではない。いま当面の問題としてこの法改正も必要でしょう。しかしその前に、どういうところにこういう不備なところがあるのかということをよく調べることが大事ではなかろうか。そしていままじめな仲買い人の皆さんまで迷惑をしておる。したがって、ここで一ぺんうみを出して、全部の監査をして国民に明らかにする、しかる後にこの審議会の皆さんのところでよく審議していただく、これがほんとうの正しいやり方ではないか。そして新しく再出発していくのだということがなければ、また同じことが繰り返されていくと思うのですが、それについての御意見を……。

近藤止文商品取引所審議会会長

○近藤参考人 ただいまの御意見のとおりでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そこで、横浜生糸の石黒さんにお聞きしたいのですが、取引所は仲買い人に対してどういう監督権限があるのか。主務省から仲買い人に対していろいろ調べるときは、取引所を通じてやっておる。したがって、取引所に、仲買い人に対するところの処罰あるいはまた指導、こうした重大な権限がなければならないと思うのですが、どういう権限があるのか。簡単にひとつ。

石黒武重横浜生糸取引所理事長

○石黒参考人 法律におきましては、主務大臣が取引所に命令ができる、あるいは仲買い人に命令ができるというような面がありますけれども、取引所自体といたしましては、特別に権限といたしましては、先ほどもちょっと申し上げましたが、要するに仲買い人が不当なことをやっておる、違法でなくても不当なことをやっておる、あるいは取引の信義に反する——信義とは何ぞやといいますと、取引員としましては、お客のためを考えなきゃならないのです。お客を殺すなんというのはもってのほかなんです。それから商業道徳というものをやはり法律は要求しております。それらのことを踏んまえまして、理事長はこういうことができるということは、遺憾ながら、あまり業務規程に反した場合にはこうするということはありますけれどもばく然としておるのです。私はそれを広義に解釈しております。要するに、取引員が信義に反することをやっちゃいかぬ、不当なことをやってはいけないのだ、商業道徳は守らなきゃならぬものなんだ。それを、取引所を運営する以上は、取引所の執行陣はそうさせるようにしなきゃならぬものなんだというふうに、私は実は解釈をしておるのです。法律には、こうしていいと書いてありませんけれども、私はわかればすぐ注意をさせます。私どもは、いまの法律でも、十分取引所自体が人的に——私どものところは幸いにして、たとえば紛議関係を担当するもの、まだそう年とった者じゃないのがおりますけれども、これがなかなかしっかり者でございまして、紛議問題なんかありますと、相当に根掘り葉掘り、取引員のほうの何か弱点がないかどうかさがし回るようにして尋問をやります。そして、何か多少とも欠点があればある程度の責任を持たせるというふうにやっておりますが、今後ともに、取引所はまずもって政府以前に、取引員の適正な経営についての監督なり指導なりを何とか十分にやっていきたい。それかできないようだったら、私どもの責任であるというふうに考えております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 新聞報道によりますと、東京穀物取引所の鈴木理事長が、業界は自滅寸前だから仲買い人は自粛せよ、こういうように言うておりますが、仲買い業者はそっぽを向いておる、こういうように報道されております。これはあなたの取引所じゃないのですけれども、こうしますとあまり権限がないのじゃないか。これは一流紙でありますから、まるきりうそではないと思うのです。ですから、もしも取引所がほんとうにそうした権限を持つならば、仲買い人の入ってないところの運営をやらなければならないのが一つ。そうでないと、仲買い人同士、自分のところの店を罰したりすることはない。そこで、もしもそうしたあなたの言われるような権限をお持ちであるならばもしも仲買い人に業務上の不正があったならば、取引所もともに連座制をとる。要するに、仲買い人が罰則を受けるならば、それを取り締まっておるところの取引所が一緒に罰せられるというような強力なものがなければならないと私は考えるわけでありますけれども、これは審議会の会長さんから一言お聞きしたい。

近藤止文商品取引所審議会会長

○近藤参考人 ただいまのお話は、精神論としましては私は大体そうあるべきだと思いますが、お話の連帯制と申しますのが具体的にどういうことになりますか。むしろ取引所が第三者的な厳然たる立場におきまして、仲買い人——今後は取引員でございますが、これを十分監督してまいる、こういう立場が第一でございます。しかも、しかしそれが十分いかぬような場合に一体取引所当局の責任はどうじゃ、こういうことに相なろうかと思います。

岡本富夫公明党

○岡本委員 それで会長さん、今後の審議にあたりまして、こういうことがあるのです。先ほども通産大臣に私話しましたのですが、のみ行為、これを調べるのはいとも簡単に調べられる。たとえばAという仲買い人に対して、のみ行為をやっているかいかないかというのを調べるのは、委託者に対してころした伝票がみな行っておるはずですから、それを全部取りまして、そして仲買い人から元帳を取ってきてつき合わしたら、出てないのは全部のみですよ。これをがぶのみというのだそうです。御存じだと思いますがね。そうすると全部わかってくるじゃないですか。取引所が仲買い人に対していろいろものを言えるのであれば、そうして不正をなくしていかなければならない。こういうことも審議の中にあなたは入れて、いろいろと検討なさるお考えはあるかどうか、これをひとつお聞きしたい。

近藤止文商品取引所審議会会長

○近藤参考人 お話のとおりに考えております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 次には、そうした取引所に仲買い人が入っておりますと、これはどうしても仲買い人は自分のところの店ですから、仲買い人の入らないところの取引所の運営が大事ではなかろうか、これが一点。  それから、現在全国に二十カ所という取引所がありまして、たとえば生糸なら生糸、同じものを二カ所でやっておる。こうしたものを一つにまとめて、このごろはもう電算機あるいは情報が情報社会で非常に進んでおりますから、所轄官庁、主務省が非常に取り締まりやすいような状態にもする必要があるのではなかろうか。私どもは、全国を五つか六つに——たとえば農産物、この中にするめが別に入りますから、農林水産というようにしてもよい。また絹糸関係、あるいはまた砂糖関係、ゴム関係、あるいはまた繭、こういうようにしてまとめれば、取り締まりも非常に目がいくのではないか、これが一点。  それから、いま一番大事なのは、紛議が盛んに起きております。これの調停機関を第三者で緊急につくって、そうして全部出して、これは委託者のあなたがまずだめなんだ、これは仲買い人がまずいのだとはっきりして、そうしてきれいにしたところから出発をしていく。先ほどあなたはこれは肯定されたと思うのですが、これが一点。  それからもう一点は、仲買い人の中に外務員がいますが、これが聞いてみますとほとんど能率給になっておる。これはやはり固定給にしてあげないと、いつまでたってもこの紛争は解決しない、こういうように思うのですが、この三点についてひとつお答え願いたい。

近藤止文商品取引所審議会会長

○近藤参考人 御質問の一番最初の点でございますが、仲買人の人の入らない取引所というものを考えたらどうかというお話でございました。これは当然考えられることでございまして、今後早急に、私ども審議会としては、その実体的な問題を検討して結論を出したいと思っております。  それから、第二番目に取引所の統合の問題でございますが、これは先ほど御質問がほかの議員の方からございまして、お答えをいたしたのですが、やはり、現在二十ございます取引所につきましては、再編成の問題を検討せざるを得ないんじゃないか、その時期に来ているというふうに思いますか、お話のような、六つでございますか、五つでございますか、ということが適当かどうか、この辺は、上場商品の適格性の問題もあわせて検討をいたしますので、その辺とあわせまして、審議会としての意見をきめたい、かように存じます。  第三番目の調停機関の整備の問題でございますが、これは先ほどもお答えをしたのでございますか、第三者的なものでこの紛議を調停する。中立的と申しますか、片寄らないものをつくっていく。しかしながら、それを取引所の内部機構として考えるか、全然別個のものとして考えるか、この辺はもう少し検討をいたしたいというように思っておりますが、審議会としては、まだまとまった意見ができておりません。私見としては、取引所の内部機構でも独立的な機能を持たせればよろしいんじゃないかというように思いますけれども、これは審議会で早急に検討したいと思っております。  それから、最後の外務員制度の問題、これは能率給でなしに固定給にせいというお話でございます。これは外務員制度全般につきまして、審議会といたしましても根本的に検討することになっておりますので、これによりましてどういう結論になりますか、審議会としては、重要な検討項目の一つとしてこれを検討することになっております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 時間がありませんから簡潔に……。  理事長さんにお聞きしますが、この仲買い人の取引所に対するところの証拠金、現在七十億余りあると聞いております。この七十億の金利はどうなっておるのかということが一つと、それから、現在被害を受けておる人、これは委託者の不備によってしかたがないと思いますけれども、調停をやって第三者機関によってきれいにして、そしてそれが仲買い人の違反によって起こった場合、これはこの証拠金の中から取りくずして払ってあげるということができるかどうか、この二点をひとつお聞きしたい。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角説明員 責任準備金につきましてのお答えを申し上げますと、現在、責任準備金の積み立ては七十四億円ということになっております。これに対しまして、過去四年間で六億八千万円の取りくずしがございましたが、本年に入りましてからは、その取りくずしがたいへんふえまして、四十五年度では年間約十億円くらいの取りくずしになるのではなかろうか、こう予想されておりますが、これら取りくずしは、ただいまお話がございましたように、仲買い人から委託者に対しまして、事故に対する弁済の支払いに充当いたすことになっております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 政府委員に対するところの質問はあとにいたしますので、最後に審議会の会長さんに、この仲買い人の資本の強化のために外資を導入してもいいじゃないかというような意見があるのですが、その一点をお聞きしたい。  それからもう一つ、警察庁来ておりますね。——あなた何か次の会合があってたいへん忙しいそうですから、あなたにも簡単に……。  先ほど私が言いましたがぶのみ、こういうものがはっきりした場合は、これは間違ってやったのではなくして明らかに犯罪であるとして、したがって、それに対するところの取り締まりをするかどうか、これをひとつお聞きしたい。

近藤止文商品取引所審議会会長

○近藤参考人 仲買い人の資本に外資を入れるという話は、実は私まだ聞いておりませんので、具体的な問題になりました際に検討いたしたいと思います。

関沢正夫警察庁刑事局保安部保安課長

○関沢説明員 お答えいたします。  御指摘のように、明らかに犯罪になるというような場合につきましては、警察としては厳重に取り締まりを進めたい、かように思っております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 それで警察庁、はっきりしたこうした証拠書類かあればあなたのほうで捜査するか、これをひとつ……。

関沢正夫警察庁刑事局保安部保安課長

○関沢説明員 御指摘の点につきましては、それは十分捜査いたしたいと思います。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 川端文夫君。

川端文夫民社党

○川端委員 先ほどから同僚議員からいろいろ御質問がありましたので、数繰り返すことは必要ないと思いますか、ただ一つ、今日このように国会でこの問題にこれほど時間をかけなければならなくなった原因の中には、いわゆる不正仲買い人なり勧誘員のギャンブル的な勧誘行為か原因になっているものと考えなければならぬと思うのです。この点に対して、先ほどからの質問の中にいろいろ御答弁もありましたけれども、どのような自粛と決意を持っておいでであるか。たとえば、仲買い人の外務員を全部なくするわけにはいかぬでも、勧誘員を、勧誘的な仕事をしなければならぬような人の置き万をこの際はやめるというぐらいな御答弁があっていいように思うのですが、審議会長いかがでしょうか。

近藤止文商品取引所審議会会長

○近藤参考人 ただいまの御質問でございますが、外務員そのものにつきまして、実は審議会としてまだ結論が出ておりません。これから早急に検討をする段階でございますが、中には外務員制度を全廃しろという御意見の万もおられるようでございますし、御指摘のように、過当勧誘と申しますか、全く関係のない方を商品取引に引っぱり込んだということが、今日のいろいろ問題を起こしておる実際の原因でございますから、これらについて、今後そういった事態か防げるような施策を、あらゆる面におきまして十分講じる必要がございます。  その点におきまして、いま御指摘の外務員制度の問題につきましても、いわゆるその勧誘のしかた、中には、店へ必ず来て取引をするように、よそへ勧誘に出ることは相ならぬというぐらいにきつい意見を言われる委員の方もございますわけで、これはやはり、商品取引が元来その業界に関係した方々の取引機構でございまして、ギャンブル的に取引をされる筋合いのものでは実はないわけでございますか、その辺の本来の商品取引の趣旨に乗りますような形で、仲買い人、将来は取引員ということになりますが、その事業運営も十分取り締まりをすると申しますか、監督をすると申しますか、また規制すべきものは適切な規制を加える、こういう方向で審議会としては早期に結論を出したい、かように思っております。

川端文夫民社党

○川端委員 まあ、日本の経済の中に、流通機構を確立するための、価格形成に対する役割りの一部が残っておることを、私も認めざるを得ないと思うのです。しかし、先ほどからもお話がありましたように、日本の経済が国際化への歩みをなしているときに、いまお話を聞いておりますと、何としても、現状の中の悪い一部分だけ切り捨ててこのまま残したいという意欲が強いように感ぜられてならないわけです。この点で、先ほどからもお話がありましたけれども、現物と先物の上場されている比率というものは、現物のほうがはるかに低いという事実から考えましても、根本的な問題として、やはりこの商品取引所のあり方をも考え直さなければならぬ時期にきているのではないか。この点、いろいろな問題が起きても、経済機構がこのように拡大していく日本経済の中に、おたくの仲買い人の中だって、めしを食わんならぬから、だんだん商売を拡大していこうという自由主義経済の原則にのっとって拡大されようとする意欲が出てくることは、企業としてはわかると思うのです。しかし、やはり法律に定められた取引所の社会的な使命というものを考えた場合に、特に審議会会長ともなっておいでるあなたとしては、大きな立場でものを見直していただける気持ちがあるかどうかということをもう一ぺん確認の意味でお聞きしておきたいと思うのです。

近藤止文商品取引所審議会会長

○近藤参考人 ただいまの御質問は非常に根本的な問題でございまして、この商工委員会の開会の冒頭に御質問がございまして、商品取引所審議会なるものの性格は一体何だということがございましたわけでございます。これは、法律をお読みいただきますとわかりますように、私は非常に拡大して解釈はいたしておりません。商品取引所法の「施行に関する重要事項を調査審議させる」ということがはっきり法律に書いてあるわけでございます。だから、商品取引所全体、この制度全体を残すべきか。まあ今日の産業経済の実態からいったら、こういうものはやめたほうがいいのか、また新しくかわるべきものを考えるかというような問題になりますと、商品取引所審議会の範囲外の問題でございまして、むしろ政府なり通産大臣、農林大臣のお考えになることだと私は思うのであります。しかし、いまお話しのように、仲買いの方たちに善良なる第三者が、これはまあだまされてということになるか知りませんが、競輪、競馬のたぐいと同じようにこの商品取引に引き込まれるということについては、現行法の範囲内において、あらゆる面でこれを是正する必要がございますし、また、それを是正するために関連して起こる改正法律案については、私どもも通産省の付属機関でございますから、できるだけ役所に御協力申し上げてやってまいりたいというように考えておる次第でございます。

川端文夫民社党

○川端委員 その前にひとつ、ものには原因があるはずですから、石黒さんにちょっとお尋ねしたいんですが、長い歴史の中に、いろんな意味でギャンブル的な性格が、一部あって今日に至っていることは、ある程度必要であった一面もあったかもしれませんが、特に最近ひどくなったという原因の中に、何が原因としてこうなったのであろうかという、何かお気づきの点があったら、原因をひとつお聞かせ願いたいと思うのです。

石黒武重横浜生糸取引所理事長

○石黒参考人 むずかしい御質問でございますが、乏しい私の知識から一応お答えをいたしますが、これはやはり結局、ほんとうに商品取引所というものの使命についての正しい理解のない仲買い人がその業務をやっておるというところにあると私は思っております。必ず、その業界、その品物、生糸なら生糸に関連のある人だけがやるべきだという極端な御意見も世上ございます。ところが、これでは一面において成り立たないのです。またそれほどにする必要がありません。  たとえば、私、ロンドンに参りましたときに、例のポンドの切り下げがあるかもしれぬというようなときに、金を買いたいけれども金は買えないというような一般の人が、たとえば非鉄金属を買う。輸入される非鉄金属の商品市場で非鉄金属を買っておるというような、そういう例もございます。また実際に、業者だけになりますと、ある場合には、みんなが売りたい、売りばかりが来て、どど、どどっと極端に下がってしまう。ところが、そこにいわゆる知識のない人が、ただ何か——馬券を買うにも、馬を多少はいろいろ考えたり騎手を考えたりするのでしょうが、それも何もしないでやみくもに、当たるか当たらないか、一か八かでやってみるというような、そういう取引は全くギャンブルでございまして、そういうことがないようにしなければならない。かりにそういうような人がやりたいというてきたときに、やっぱり仲買い人はよく教えてあげて、そして相当な知識をある程度持たしてから、やるならこういうことも考えておやりなさいと言うてお客を指導をする。というくらいなことでなくてはならない。  私は、シカゴのやはりある仲買い人に聞きましたけれども、日本金にすると三千六百万円ですが、十万ドルの金をどこかの奥さんがぽんと持ってきても、簡単には引き受けない。その人のやはり身元なりなんなりも調査して、確実なお客で、それによってちゃんと損もすれば得もする、しかしここではちょっと買ってみたいとかというようなところで、しかも状況もある程度知っておるというときに初めてお客にするのだ。お客にして、お客にむやみに損させたのでは店の名誉にかかわる、というふうなことを言って大いにいばっておりましたが、まさにそうなくてはならない。それが現在のところ、日本におきましては遺憾ながら、ことに、戦前はとにかくとして、戦後におきましては、ちょっと市場が荒れておるというのが現在の実情ではないかと思います。その点につきましては、取引所当局としましても、事実は事実として十分に承知いたしました上で、それを是正するようにやっていかなければならない。  あまり政府で全部何でもかんでも監督をなさろうとされたならば、相当役人をふやさなければならぬだろうと思うのです。アメリカのたとえば農務省の取引所監督庁なども、私が行きましたときに、百五十両名の役人で、これはどうもまだ足らないというようなことを言っておりました。それが現在は、何か伝え聞くところによると、二百何十名にふやしておるそうですが、二百何十名にふやしましてやりましても、はたして十分な監督ができるかどうか。今日の日本の行政は、なるたけ能率高く、役人の数をむやみにふやさないほうがよろしいのですから、ましてやこういう行政面につきまして、そうむやみに役人の数をふやすことは、おそらく国政全般としては適切ではなかろうと思います。そうしますと、やはり取引所当局の責任がかなり重い。そして、どうしても取引員の姿勢を正していかなければならない。私はその責任を非常に重く感じております。同時に、同業者だけで取引所をやるということは、それは必ずしも適切ではない。しかし、同時にまた、やみくもに、わけもわからずに入ってくる人をどんどん引き入れてくるということもよろしくない。結局どうしたらいいか。やはり相当に取引所が仲買い人ににらみがききまして、それで仲買い人の営業姿勢を正していく。仲買い人みずからも、こんなことをやっていたら、それこそほんとうに——皆さま方に貴重な時間をかけておりますが、まだほかに日本の国政については多くの重要な問題があるのに、こんなつまらぬことにこれから先もむやみに時間をかけるようでは、まことにもったいないことですから、そういうことのないようにひとつやっていかなければならぬというふうに考えております。

川端文夫民社党

○川端委員 石黒さんのお話を聞いておると、全部が仏さんと神さんになってくれれば問題は起きないのだ、こういう話と一致するような気がするわけですが、現実、日本の政府にも責任がありますよ。GNPが世界第二位だとか、三位だとか、統計だけを発表して、いたずらに国民の成長への欲望への刺激を与えておるというところに、やはり国民の中にギャンブルのまねごとをもやりたいという傾向が強まってきておることも、責任が政府にあろうかと存じます。  たくさんいろいろ具体的に聞かれたあとですから、農林省としては、そこに政務次官が見えておりますが、これだけ社会を騒がせた責任をどのようにお考えになり、この問題に対して、今後どう考えるべきかという御意見がありましたら、お聞かせ願いたいと存じます。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺説明員 農林省といたしましても、このような紛議が続発をするということは、もちろん適当でないことでありますから、そのために今回、登録制から許可制に移行させる、そうして仲買い人の資格審査等も厳重にやるということにいたしておりますし、なお、いままでの過当な勧誘等についても、いろいろ通達を出したりいたしまして、規制をするように指導をいたしておるわけであります。したがって、いろいろ起きたことについては、だれにどういう責任があるかというようなことになってまいりますと、もちろん政府の監督上の問題もありましょうし、仕組みがルーズだった点もありましょうし、また先ほどお話があったように、やみくもに飛び込んでいって失敗をしたという人もありましょう。したがって、だれに全部責任があるということを一がいに言うわけにはまいりませんが、これは、みんなでそういうことが起きないように今後ともつとめていくということにしたいと存じます。

川端文夫民社党

○川端委員 時間の関係上、もう一言だけ希望を申し上げて審議会会長さんにお願いしたいのですが、特にこの問題は、どのような法律をつくっても、石黒さんのおっしゃるように、いまのままではどうしても絶えない問題として、今後も繰り返すであろうことを私はおそれるものです。せっかくこれだけの時間をかけて、商工委員会で幾たびか論議した以上は、再び起きないような形——その意味においては、やはり日本の経済規模の中に、商品取引所における社会的な使命というか、公共的使命というもののウェートが減ってきているのだ。したがって、生産増強なり、上向きの考え方を持っておる人々の集まりの中には、やはり繰り返しが出てまいるであろう。縮少するか、仏さんと神さんになった人が集まってくれるか、この二者択一しかないように思うので、審議会においては、十分このことを御考慮願って、再び起きないような審議された意見を出していただいて、りっぱなものをつくって、繰り返しのないようにひとつ御配慮を願いたいことを御希望申し上げて、私の質問を終わりたいと存じます。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 これによって参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人には、長時間にわたり御出席いただき、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。     —————————————

八田貞義自由民主党

○八田委員長 中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 昭和三十八年ころからであったと思いますが、台湾からの輸入バナナが、業者が多くて、過当競争、極端な売り手市場を形成するというような形から混乱状態におちいった。そこで、四十年の五月と記憶いたしますが、当時七百くらいございました業者に企業整備をやらせて、日本バナナ輸入組合を設立したと思いますが、最近また南米からの輸入バナナが非常にふえてきたことと関連をしまして混乱状態におちいって、そうして輸入組合の業者というのは中小企業が非常に多いわけですね。中小企業の方々は、卸売りよりも輸入原価のほうが高いということで、欠損に欠損が相次いでいる。倒産も非常にふえてきたし、年末くらいになると相当倒産が激増という状態にまでなるのではないかと伝えられているわけですが、最近のそうした輸入状況がどうなっているのか。それから、当時と比較をいたしまして、いま台湾と南米から輸入をしておるバナナの比率はどのようになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。

佐々木敏通商産業省通商局次長

○佐々木説明員 ただいま先生の御質問の、まず第一点の最近のバナナの輸入状況でありますが、近年における国民の消費生活の向上によりまして、バナナの全体の輸入数量は、毎年約一五%程度逐年ふえておるわけであります。昨年は全地域から千六百二十八万かご、本年は一−十月におきまして千五百八十六万かごというような状況であります。特に、ただいま先生からお話がございましたように、ここ数カ月の状況は非常に輸入量がふえておるわけであります。  申し上げるまでもなく、台湾における昨年の台風によりまして、台湾の出荷最盛期がずれました関係から、この四月−七月に入るべきものがずれまして、八月以降、予想以上にふえておるわけでありますが、これに対して、台湾以外のエクアドルその他中南米産のバナナが、台湾の輸入減少を見越しまして、依然として従来どおりの水準で入ってきているということで、この八月以降につきましては、昨年同期の大体七割、八割アップというような状況でございます。  もう一つ御質問の輸入バナナの仕入れ先別の比率でありますが、申し上げるまでもなく、従来、昭和四十二年までは、ほぼ全量の八割を台湾バナナが占めておったわけでありますけれども、その後逐次比率は減少いたしまして、昨年度は五割強、本年一−十月におきましては、台湾の台風の影響もございまして、全体に占める比率は二六%というようなことになっております。他方、エクアドル産が、本年一−十月でありますけれども、五割強になっております。いわゆるチキータという中米関係が一割強であります。フィリピンが五%前後というような比率に現在のところ相なっております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いまの御説明でも、台湾バナナの比率が非常に低下しているということがわかるわけですが、そこで、どうして業者がそうした過当競争の状態になるのか。業者の数がふえているのか。また、いわゆる外国商社というのも入ってきているのでしょうし、それから総合商社が相当数バナナ業界に進出をしている。これは三十八年から四十年当時は、そうした現象はあまり見られなかったのですね。ところが最近、非常にそういった現象というものがあらわれてきておる。そういったことがこの過当競争の状態になって、中小企業が経営困難におちいるということになったのだろうと思うのですが、大体どの程度の欠損が記録されているのか、御調査になっておられましたらそれを伺いたいということと、それから、卸価格が下がっていることになりますと、当然小売り価格も下がっているはずなんですが、私も店頭なんかを見まして、小売り価格の表示を見るのですが、ずっと下がっているようには見受けますけれども、私が伺っておりますような卸価格の暴落と比較をいたしますと、そうたいして下がっていないという印象を受けるわけです。そこいらの調査ができておりましたら、あわせてお聞かせいただきたいと思います。

佐々木敏通商産業省通商局次長

○佐々木説明員 ただいま御指摘のように、輸入業者の欠損は非常に多うございます。この八月以降、最近までの状況でありますが、現在輸入業者が輸入いたします税込みの輸入原価、これはたとえば、平均であります台湾のCIF価格二ドル五十セント、エクアドルのFOB一ドル二十八セントで計算いたしますと、税込みの輸入原価はキロ当たりほぼ百円でございます。それに対しまして、輸入業者の販売価格の指標でありますいわゆる浜値につきましては、七月ごろまではほぼ百円をこえておったのであります。五月ごろは百二十円であったかと思いますが、それが八月以降は七、八十円というような状態に下がっております。その結果、私ども自体の調査ではありませんが、業界のお話といたしましては、ここ三カ月ぐらいの間輸入業者の欠損は四十億円であるというふうに承っております。  もう一つ、小売り値でございますが、五月、六月ごろはキロ当りほぼ二百円程度でございましたものが、七月には百八、九十円程度、それが八月以降は百四、五十円程度というふうに、小売り値も非常に下がっておるような次第であります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 まあ小売値が下がることは、これは消費者にとっては好ましい現象ですね。ですけれども、一つ心配になりますのは、小売り値が下がりますと国内の果実に対してどのような影響がくるのだろうか、実はその点が不安になってまいります。それと、いまあなたの御説明によりますと、輸入原価が税込みで百円、ところが販売価格というのは、百円であったのがいま七、八十円になっているということになってくると、私も調査してみたのですが、欠損額が大体四十億、年末ぐらいになってくると八十億ぐらいになるのではないかということをいっていますね。どうしてそんなに欠損までして売らなければならないのだろうかという疑問が一つ出てくるわけです。それなりに私も調査をしておりますけれどもね。ですから、あなたのほうも、中小企業者であるだけに関心もお持ちになっていらっしゃると思うのですが、どうして欠損をするような過当競争の状態になったのか、そのようなことをやらないで安定した経営をするような方策は何か考えられないのか、業界自体はどのような努力をしておるのか、それらの点はいかがでしょうか。

佐々木敏通商産業省通商局次長

○佐々木説明員 ただいまのような非常に膨大な欠損をここ二、三カ月は続けておるわけでありますが、私ども、バナナの秩序ある輸入あるいは節度ある輸入という立場から、かねがね、輸入業界その他輸入組合を通じまして、御指導申し上げておったのであります。特に中期的な需要見通し等につきましても、業界と共同で策定いたしまして、その中期需給見通し等を考えて、それぞれ節度ある輸入をしていただく、かような立場から御指導を申し上げておった次第でありますが、遺憾ながら、業者数も多く、台湾並びに中南米の、先ほど申し上げましたような需要見通しの誤りといいますか、そういったことから過当競争が相当行なわれている。かような事情から現在の状態を引き起こしている、かように考える次第であります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 農林省に伺いますが、バナナの小売り価格が最近百四、五十円ぐらいになったというのですが、国内果実に対しての影響はいかがですか。

大場敏彦農林大臣官房参事官

○大場説明員 国内産果実に与えるバナナの値下がりの影響でございますが、主として従来バナナと競合関係が一番強いといわれておりますものはリンゴでございますけれども、ほかのくだものにつきましては比較的その相対関係が薄い、こういわれております。リンゴは前年に比べまして、いろいろ複雑な要因がからみまして、たとえば作柄は九六%ぐらい、こういうぐあいに下がっておりますし、値段はことしに入りましてから、幸にして前年に比べてはやや高含みで推移してきている、こういう状態になっております。バナナの影響は皆無とは申し上げませんが、その影響をほかの要因で打ち消しているといった状態でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 佐々木次長は、業界に対して秩序ありかつ節度ある輸入を要望した、しかしながら、需要見通しの誤りといったことから今日の状態になったといわれるのですが、私はそう簡単ではないんじゃないかと思います。まあかつては輸入の専門業者といったら、大企業というのはほとんどなかったのです。それは業者の中には大手もありますがね。しかし総合商社ではなかった。バナナの専門業者であったのですよ。そのバナナの専門業者を、しかも七百から二百五十に整理するというのは相当な混乱もあったのです。それはあなたの前任の方々もたいへん苦労された。われわれもずいぶん議論をしたのです。そして現在二百五十程度にしたわけです。それだけにやはりバナナの事業を健全にやっていきたいということは、これは経営の安定、執念だってあるだろう。プライドもあると私は思う。にもかかわらず、最近外国の資本がどんどん入ってくるし、大手業者がこれとタイアップし、総合商社がタイアップしてやっている。また、総合商社自体が資本力にものをいわせて輸入をどんどんやって、そして、あとであなたのほうでその比率をお示しいただけばわかりますけれども、私も調査しておりますが、どんどんと中小企業の分野に進出をしていった。これを、何とかしてみずからのシェアを守っていきたい、そういったような考え方もあると私は思う。それからまた、国内果実の最盛期という関係も出てくるのではないか。あるいは運賃の値上がり。関税は六〇%である。いろいろな要素が積み重ねられてきている。そこらも、シェアを守るために無理をして、何とか将来なるであろうというような期待等も手伝って、今日損をしてでも歯を食いしばってやっておるのが現状ではなかろうか。好き好んで損をしているものはないと私は思う。ですから、あなたのほうで、業者に対して秩序ある節度ある輸入を望んだのだ、だがしかしながら、需要見通しの誤りからこういうことになったと簡単に片づけることについては、私は問題があるような感じがいたします。そうでないと、あなたが反論なされば別ですけれども——反論されるならしていただいてけっこうです。討論会ではありませんが、お答えがあればお答えいただいてけっこうだと思いますが、私の指摘が誤っておるかどうか。いかがですか。

佐々木敏通商産業省通商局次長

○佐々木説明員 ただいまの、業界の過当競争のほかに、業界内部における総合商社あるいは外資系の商社の比率が非常に高まってきた、その結果、中小の商社が非常に圧迫を受けておるであろうというような御指摘でございます。まさにそういった面もあろうかと思いますけれども、ただ、その大手総合商社の比率は、私ども一応調べました限りにおきましては、現在のところはそれほど大きくないように考える次第であります。たとえば台湾につきましては、いわゆる総合商社はございますけれども、それぞれ〇・数%のシェアでございます。また、南米につきましては、先生御承知のように、現在九つのグループで取引をいたしておりますけれども、そのうちのいわゆる大手商社がチャンピオンといいますか、中心を占めております四グループにつきましては、その取扱い量の比率は、現在のところ三、四〇%程度であるというふうに計算されております。なお、全数量のうちで一割程度でありますが、チキータにつきましては、現在のところ二者、外資系の一社が五〇%、いわゆる大手商社が五社ございまして、五〇%というような比率になっております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 私の調査はそうではないのです。台湾ものは、なるほど外国資本も入っていないし、それから総合商社の進出というもの、ほとんど外国の商社との提携なんだから——総合商社自体もあるけれども。ところが、南米ものは相当総合商社のシェアというものが増大しつつある。昨年までは一〇%以下であった。ところが、今年すでに二〇%になって、現在は五〇%程度ということになっているのです。外国資本と総合商社を含めたシェアがですよ。そしてしかも、台湾ものよりも南米ものがずっと比率がふえてきたのだ。この事実は明らかに、専門業者であった中小企業のバナナ輸入業者が圧迫されているという事実を証明するではありませんか。それは数字の面においてあなたの調査と私の調査の食い違いはあるかもしれませんが、私はそう大違いはないと思う。だからして、やはりシェアを守ろうというような考え方の上に立ったということは言えると思うのですよ。  いま一つ私が問題として考え方をお伺いしたいのは、公取も考え方をお聞かせいただきたいのですが、業界の専門業者の方々は、何とかして欠損をしないで安定した経営をやりたい。そのためにはい台湾もかつては自由化であったのだ、ところが受け手市場であるために、秩序ある輸入をしなければならぬというところで、完全な統制ではありませんけれども、いま割り当てということになっていることは御承知のとおりですね。現在、南米ものがそういう状態になったんだから、混乱をしているんだから、今度はひとつ南米ものも台湾と同じように、業者が自助努力という形においてお互いに協定をし合おうじゃないか。そこで安定委員会をつくってずいぶん努力をしてきて、いわゆる一括輸入——お互いに割り当てをやって、そして船も、これは一つのグループごとの輸入をやっているというわけだから、協業化の状態に事実は積み取りのほうはあるわけだから、そういう点を強化していこうという考え方の上に立って案を示したところが、通産省と公取がこれに反対をした。まかりならぬ、こういうことだ。どうしてそのような業界の、何とか安定経営をやりたい、いわゆるあなたが注文されたような、秩序ある、節度ある輸入をやりたいという努力をするのを、まかりならぬとおっしゃるのか。だから中小企業の人たちは、通産省は総合商社と一緒になって反対をしているが、総合商社の立場に立って自分たちを苦しめておるのだ、バナナ業界から追い出そうというような形に実質的になっておるのではないか、という非難の声があがってくるということになるのではないでしょうか。そうではないとおっしゃるならば、それらの点に対して具体的にお伺いをしたいのと、やはり何とかしてやらなければならぬとするならば、そうした業界の努力というもの、おっしゃった、秩序ある、節度ある輸入をやらせる方策としてどのようなことが考えられるのか。その点についてお聞かせいただきたいと思う。

佐々木敏通商産業省通商局次長

○佐々木説明員 業界のほうにおきましても、秩序ある輸入取引等につきまして、非常に真剣にお考えになっておるのであります。現在、輸入組合のうちの南米部会を設置いたしまして、そこで真剣に取引の一元的な態勢を確立すべくいろいろな方策を検討しておるのであります。通産省といたしましても、こういった一元的な取引の安定的確立につきましては、まことにけっこうな方向でございますし、極力推進する立場にございます。  なお、この南米部会につきましては、先ほど申し上げました大手商社関係の四グループにつきましても、これと共同歩調をとって、いま申し上げました一元的な輸入体制確立のために大手商社も協力すべく、私どもといたしましては、いわばあっせんといいますか、お話をいたしております。ただ、先生御指摘のこの具体的万策、たとえば企業の合理化あるいは協業化等々を通じまして一元的な輸入をはかるという基本的万策は非常にけっこうでありまして、たとえば南米関係の輸入量を十分真剣に検討して、その輸入量を公表して、その輸入量に基づいて各人がそれぞれ自粛して輸入していただくというような方策はまことにけっこうであります。  ただ、若干問題でありますのは、参加者各個人の輸入シェアを強制的にきめて、それを守らせるということにつきましては、現段階におきましては、いろいろな独禁法の問題その他ございまして、その点は不当な取引制限にならないように、あるいは一般消費者の利益を害しないようにという立場から、私ども御注意を申し上げておるというような次第であります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 独禁法に触れるようなことはやってはいけない。いまあなたがおっしゃるように、強制的にA社は幾らだ、B社は幾らだとずっと押えていく、そういうことは私もやるべきではないと思う。また、そういうことをやろうったってできない相談じゃありませんか。ともかく、過当競争を何とかしてお互いの自助努力によって、また、あなたのほうの行政指導という形と相まって秩序ある輸入をしていきたい、こういうことから生まれてくるものは、あとはいろいろな技術的な方法になるのじゃないでしょうか。いわゆる輸入組合は組合の総会というものがあるはずです。あるいは理事会というものもあるでしょう。そこで結局輸入を押えなければいけないわけですからね。いままでのお互いの輸入実績があるわけですかちその輸入実績に基づいて、A社はこれだけ抑制する、B社はこうだという形等、いろいろ技術的にお互いに納得できるような数字が出てくるであろう、こう思うのです。だからそういう形は、必ずしも独禁法違反ということにはならないのではないか。できるだけ中小企業を育成をしていきたい、強い力を持っている総合商社であるとか外国資本から圧迫されて、専門業者が追放されるという形にしておきたくないというような考え方の上に立って対策を講じられることは、私は当然であろうと思うのです。中小企業がなくなってしまって大企業だけになってしまえば、結果は相当価格がつり上げられて、消費者には高いバナナを食べさせなければならぬという結果になってくると私は思います。ですから、もっとあたたかい指導というものがあってしかるべきではないでしょうか。できないことはできない、だめなんだとおっしゃらないで、ともかく業界の中に入っていってお互いに納得ずくで、秩序ある、節度ある輸入体制を確立していくという方策を構じられる必要があるのじゃないでしょうか。その用意がありますか。

佐々木敏通商産業省通商局次長

○佐々木説明員 従来とも、できるだけ業界の実情を十分検討いたしまして、業界のお考えになっております具体的万策につきましてもいろいろと御相談にあずかりまして、先生おっしゃいましたように、このバナナ輸入業界の安定的な健全な発展のためには努力してまいったつもりでありますけれども、今後とも、なお一そう先生のおっしゃったような方向で努力、勉強してまいりたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 そういった考え方で指導される、そして健全な経営を確立するというようなことであるならば、それでけっこうだと思います。  現実問題としてそうした過当競争の状態ですから、いままでは金融引き締めの影響といったようなものもあって、なかなか民間金融機関の融資がうまくいかない、手形もワクを減らされるというような形が出ているのだそうですが、何かそれらの点に対しての助成策というか、金融が円滑にいくようなことについての配慮というものが考えられておりますか。

佐々木敏通商産業省通商局次長

○佐々木説明員 その点につきましても、中小企業が大多数を占める業界でございますので、私ども、極力現実の実態に十分関心を持ちまして、適切な方策につきまして早急に検討したいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 大蔵省にお尋ねいたしますが、現在この輸入関税は六〇%ということになるわけですね。ところが、新聞紙上にこの六〇%の輸入関税を下げたいというようなことが報道されておりましたが、それらのことをいま検討しているのでございましょうか。

旦弘昌大蔵省関税局企画課長

○旦説明員 バナナの関税につきましては、三十八年の自由化のときに七〇%にいたしまして、その後二回の改正を経まして、現在はおっしゃるように六〇%になっております。ただ、この六〇%の関税率は、国際的に見ましても、あるいは他のくだもの類に対する関税率から見ましても高いという意見も強うございますし、また関税率審議会におきましては、バナナの関税につきまして、来年度において引き下げの方向で見直しを行なうように要請するという附帯決議もございます。それからまた、ことしの六月の物価対策閣僚協議会におきましても、バナナ関税につきまして、国内産果実に対する影響を考慮しつつ、決定の時期、税率及び出回り期における季節関税の採用等を検討するという決定が出ております。こういうような背景のもとに、現在、私どもといたしましては、季節関税を採用しつつ税率を引き下げる方向で検討いたしております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それから、このバナナの輸入をいたしますと、船内で色がつくわけですね。色がつきますと、今度はそれを荷揚げをいたしましても加工がだめなんです。加工がだめだから荷揚げしないわけですね。そして税関の人たちが行って——私も浜に見にいったのですが、食べられない、そういうことで、そのまま積み帰って海岸に投棄をやるわけです。実にもったいないと思うのです。船賃を払っているでしょう。ただじゃないわけです。途中で色がついたわけですね。そこで捨ててしまうことはもったいない話だ。笑い話のようですけれども、たくさん捨てるわけですから、漁師がそれを拾って加工業のところに売りに行ったという例もあるのだそうです。これはもったいない話と思うのですが、そういうものに限って関税率を下げるとか、何か技術的な方法が考えられないのです。

旦弘昌大蔵省関税局企画課長

○旦説明員 現在のおっしゃるような事態に対しましては、その部分につきましては関税法上は、引き取りが行なわれておりませんので、課税はもちろんされておりませんのでございますが、技術的ないろいろな問題もございましょうが、その点の条項ができますれば、そういう無用なことは避けられ得ると思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 とにかく荷揚げすると関税はかかるわけですよ。揚げないからかからない。私ちょうど検査をしているときに見に行って感心したのですが、ちょっと見ただけで専門家はぽんぽんわきによけているのですね。それはどうするのだといったら、船で行って海へ捨てるのですという。実にもったいない。色をつけないでそのまま食べられるのです。ところがどうにもならないらしいですね。もったいないことですよ。貴重な外貨を支払いしているわけですし、何とかひとつ検討していかれることが必要であろうと思います。  時間も参りましたし、同僚もだいぶくたびれているようですからこれでやめますが、先ほどから申し上げるように、資本主義経済の原則というものは、弱者が強者に敗れるということであるかもしれませんけれども、そういうことではなくて、やはり中小企業の振興というのは大切な問題であるわけです。きょうは中小企業庁からもお見えいただいて考えを聞きたかったのですが、通産省全体がそれらの点に対する配慮は十分ありましょうから、先ほどお答えがありましたように、現状の無秩序な状態、そういうものから脱出をして、健全に経営ができますような十分な指導もする、助成もやるということで、ひとつせっかくの専門業者のシェアを守らせてやるということにされるように一段の努力を要望して、私の質問を終わります。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 次回は、明二十日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十二分散会

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