商工委員会 第34号
- 発言数
- 265 件
- 登壇者
- 35 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1970/08/21
会議録
○八田委員長 これより会議を開きます。 この際、委員長から政府側に一言申し上げます。 閉会中の委員会は、一カ月前に決定してそれぞれ連絡いたしておりますのに、所管大臣の出席が十分でないのは遺憾に存じます。今後、かかることのないよう御注意申し上げます。 通商産業の基本施策に関する件、経済総合計画に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出があります。順次これを許します。橋口隆君。
○橋口委員 経済企画庁の長官にお伺いいたします。 きのうこの委員会で、公害対策について通産大臣に所見をただしたのでございますが、それは現在国民経済の最大課題になっております公害対策でございますが、これと経済の発展との調和、これをどういうふうにするかということが、いま非常に大きな問題になっていることは御承知のとおりでございます。そこで、これにつきまして通産大臣ははっきりと、この第一条第二項の調和条項は修正をして、基本法自体も根本から再検討して見直したい、そういうような御答弁があったのでございます。経済企画庁長官が公害対策関係閣僚会議の提唱もされたはずでございますが、長官としてはこの問題をどういうふうにお考えになりますか、この機会にひとつはっきりさせていただきたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 公害基本法が四十二年にできましてから今日まで、公害問題についての考え方、またその実態、非常に進んできております。世論も、また一般の公害についての意識も、したがって非常な変化を来たしておるわけであります。 そういう際に、やはり公害基本法そのものを基本的にもう書き改めるべき段階に来ているのじゃないか、こういう議論がございます。その際、その当然の一環といたしまして、ただいま御指摘の点につきましても、これはもうそういうものを一切削除する、なくす、こういうことで基本法全体を書き改めよう、こういうことに閣僚会議においても結論が出たわけであります。
○橋口委員 非常に前向きの御方針を伺って安心いたしましたが、どうかひとつ積極的にこれからもこの問題には取り組んでいただきたいと思います。それと同時に、経済企画庁の長官は、日本経済の成長と安定をはかる重大な責任を負うておられるわけでございますから、今後の産業政策につきましては、特に慎重な御配慮をお願い申し上げたいと存ずる次第であります。 そこで本日は、国内的には、日本経済成長の最大の課題はいまや公害対策の成否にかかっておりますが、同時に対外的には、海外資源の開発が最も大きな基礎条件になってきているのではないかと思います。ことにわが国は、申し上げるまでもなく資源が非常に少なくて、石油、鉄鉱あるいは非鉄金属等にいたしましても、もうその大半を海外資源に負うているのでございます。したがって、今後海外資源をどういうふうにして確保するかということが最大の課題になってくると思うのでございます。これにつきましては、通産大臣が直接の所管大臣でございますけれども、しかし、経済全体の成長を促進させ、また調整をする責任を持っておられます企画庁の長官といたしましては、この海外資源の確保という問題についてどういうふうに今後お考えになるか。特に問題は、自主開発をさらに、石油についても、あるいはその他の非鉄金属、鉄鉱石等についても積極的に推進をすべきであるかどうか、またそれについては今後どういうようなお考えでお進めになるか、簡単にひとつお伺いしたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 昭和四十五年に二千億ドルのGNPを実現いたしまして、新しい経済社会発展計画によりますと、昭和五十年度にはそのGNPが四千億ドルに達する見込みでございます。そうして、こうした大型経済というものをささえていきますために、御存じのように日本はたいへん多くのものを海外に資源として仰がなければなりません。新経済社会発展計画は、年々一〇・六%の成長というものを予想いたしておりますけれども、その根底には、いま御指摘になりましたように、膨大な海外資源というものを期待して、それを前提にして成り立っておるわけでございますからして、そうした全体の経済社会発展計画をさらに具体化したところの各産業計画、その資源計画、そういうものは当然世界じゅうの重要な資源に対して、日本がこれをいかにして入手するかということが、また当然その細目になければならないわけでありまして、そういう意味におきまして、この資源問題は、現在でも非常に多くのものを海外から仰いでおる日本経済にとっては、さらにさらに大きな負担になると思います。 そうした大きな重要問題、これを実現しなければならないわけでありまして、御指摘のように、われわれとしてもそういう際でありますから、特にこの問題を重視して考えていかなければならない、こういうふうに考えています。
○橋口委員 そこで、まず石油について、午後から詳しくお聞きいたしますけれども、まず大体の方針を通産省に伺いたいと思いますが、通産省では、単純に輸入方式でこの原油を輸入するだけでなくて、自主開発を進めなくてはならない、そういう方針をかねがね持っておられるわけでございますが、大体のめどを、輸入原油の何割ぐらいを自主開発すればいいとお考えになっていますか。
○本田説明員 お答えいたします。 昭和四十二年におきまして、総合エネルギー調査会の答申におきましては、総所要原油の三割程度を開発原油によってまかなうことが適当であるという答申を受けておりまして、その線に沿って原油の開発を進めたいということで推進しておるわけでございます。
○橋口委員 三割ということであれば、大体ことしの輸入の見通しが一億七、八千万キロリットルになりますね。そうすれば、自主開発はことしは大体五千万キロリットルでなければならないと思う。現在自主開発はどのくらい輸入されておりますか。
○本田説明員 御指摘のように、五千万キロリットル程度が三〇%程度に相当するわけでございますが、本年度開発原油として輸入を期待し穫るものは二千万キロ弱でございます。
○橋口委員 そうすれば非常に大きな開きがあるわけでございまして、これについては通産省としては、特に今後非常な努力を要すると思います。ところが昭和五十年度になりますと、いまの想定では三億一千万キロリットルを輸入することになると思います。そうなった場合には、おそらく一億キロリットル近い自主開発が進められなければならない。ところが、いまのような状況ではたしてそれができるかどうか、その点の見通しを聞かせていただきたいと思います。
○本田説明員 御指摘のように、昭和五十年度におきましては、三億キロリットル以上の原油需要が生ずると存じますが、三割を確保するということになりますと、御指摘のように一億キロリットル前後の原油の開発が必要ということになります。これの見通しにつきましては、現在民間におきまして、中東を中心に北米あるいは東南アジア、アフリカ等に開発の事業を進めつつありますが、御指摘のように、一億キロリットルの確保については必ずしも楽観を許さないというふうに考えております。
○橋口委員 私は、これは非常に重要な課題であって、必ずしも楽観できないという程度のものではなくて、これはなかなか至難な事業ではないかと思うわけでございます。その点について通産省としては、どこに一番大きなネックがあるとお考えになりますか。
○本田説明員 御承知のように、原油の開発について民間が本格的に事業に乗り出しましたのは、アラビア石油等を除きますと昭和四十年でございまして、まだまだ初歩の段階でございます。したがって、石油の資源開発についての進出としてはかなりおくれておったということもあろうと思います。かような点も伴いまして、技術の面あるいは資金の面、利権確保の面、各般につきまして強力に推進する必要があるという事情であると思います。
○橋口委員 私はいろんな要素があると思うのでございますが、ほかの外国に比べて、要するに開発費が非常に少ないということが一番大きな問題になっているのではないかと思います。そういう意味で、今後この財源を確保するために、かねがね問題になっているところでございますが、原油関税をいま石特会計に繰り入れて、あと一般会計に繰り入れているのでございますけれども、これを長期の視野から見て、エネルギー開発の特別会計を創設する必要がないかどうか、これについてひとつ通産省の見解をお聞きしたいと思います。
○本田説明員 御指摘のように、現在の石油開発の事業は実は十二企業で、そのうち八企業が試掘段階でございます。本年はさらに十企業ほどが新たに着手する見込みでございまして、来年度におきましては十二企業が試掘を行なう。したがいまして、資金も飛躍的に増加すると存じます。そういう意味で、十分な資金確保がどうしても必要だというふうに存ずるわけでございまして、この資金の所要量の大幅な増加に対しまして、この資金を極力確保することにつとめてまいりたいという所存でございます。 御指摘の、財源確保のために特別会計を設けるかどうかにつきましては、それも一つの方法であろうと存じますので、検討いたしておる次第でございます。
○橋口委員 大蔵省から見えていると思いますが、大蔵省としてはどういうふうにお考えになりますか。
○平井説明員 特別会計設置の問題、私ども実は直接の所管ではございませんが、一応石油関税の問題について申し上げますならば、石油関税につきましては、現在のところ、大ざっぱに見まして約一二%の関税が課せられておりまして、そのうち十二分の十程度が石炭特会の財源になり、二%程度が一般会計財源になっているわけでございますが、御承知のように、現在の一二%のうちの二%は実は暫定増税という形になっておりまして、来年が期限到来ということになっております。一方では、この暫定増税分については、石炭特会等の財源上の必要その他のバランスから見まして、むしろ減税をすべきだという議論もございます。したがいまして、そういった点、来年度においてどのように考えますか、そういう面も含めまして、ただいまのような御提案がございますれば、大蔵省全体として検討しなければなるまいというふうに考えております。
○橋口委員 いまの特別会計は、エネルギー開発上非常に大きな課題だと思われますが、日本の経済成長を担当されます企画庁の長官として、ぜひともひとつ御尽力を願いたいと思うものでございます。これについて御見解を伺いたいと思います。 なお同時に、この足りない開発資金をまかなうためには、現在非常にばく大な数量にのぼっておる保有外貨を一時的に貸し付けたらどうかという意見も出ているようでございますが、これに対してもひとつ御見解を承りたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 前段の問題は、御指摘のように、今日におけるエネルギーの中においての石炭の問題、それからまた、今後における新たなるエネルギー問題の発展、これらを総合的に考えまして、そしてこの特別会計を設けるかどうか、これらを総合的に検討しなければならぬ、こう思います。いま大蔵省のほうの答弁がありましたが、まあ関税の立場というよりも、産業政策の立場からこれをどうするかということをまずきめるべきだと私は思います。 後段の問題は、最近金融引き締めが相当浸透してきておりますが、一方において、先ほど御指摘の海外資源を何とかしなければならぬという問題が急速に重要化してきております。それだけに焦慮というか、あせりというか、もどかしさというか、産業界でも、何とかいまのうちに海外資源の確保ということを早く長期的に設定しなければいかぬ、こういう機運が高まっていることはよくわかるのであります。そうしてまた、一方において外貨が相当たまってきておりますから、そこで、いま橋口さんが御指摘のような問題が起こってくると思います。 ただ、一方において、日本においてはいわゆる外貨集中制度がございますし、そうしていま申し上げました金融調整の問題もございます。そういうことで、もちろん外貨はたまっておりますけれども、これをいわゆる直接、円というものを除いた活用という問題になると、これは少なくとも今日の制度のたてまえからくると、相当大きな根本問題にも関係する問題でありまして、なかなか軽々に即断をすることを許されない問題であろうと思います。私どもは、もちろん外貨がますますたまってまいりますことも頭に置きながら、いわゆる経済協力基金もしくは輸出入銀行、こういうような既存の機構もあることでありますからして、さらに財政とにらみ合わせながらそっちのほうの拡充もはかってまいる、いわゆるオーソドックスな方法でできるだけ今後の海外資源への要望についても道を講じなければならない、こういうふうな感じを強く持っておりまして、いまのお話にありましたような問題は、検討をすべき問題とは思いますけれども、いま直ちにここでもって結論を申し上げられる段階にはない、こういうふうに考えております。
○橋口委員 いまの問題につきましては、ひとつ十分御検討をお願い申し上げたいと存じます。 時間がありませんので、最後にお聞きしたいと思いますが、日本の海外資源の開発、それに伴って日本の経済成長は一段と促進をされるわけでございますが、ところが最近、公害問題でなかなか企業はもう立地の余地もない。まあ最近の新聞でも報ぜられておりますように、各地で締め出しを食っております。そうなりますと、将来企業立地政策というのは非常に重要な課題になってくるわけで、どうしても新規の工業地帯を政府は計画的に準備をする必要があろうと思います。これにつきましては、経済企画庁がさきに全国総合開発計画でも明らかに大型プロジェクトとして指定をされているところでもございます。ところが、各省間の足並みがそろわないために、この大規模工業基地なるものは一向前進していないようでございます。そうしてまたその内容につきましても、通産省やあるいは運輸省、建設省との間にはかなりの食い違いがあるように見られるのでございますが、それを調整される経済企画庁としては、今後どういう方針でお進めになるか。また非常に研究の課題と思われますが、どれくらいのスピードでこの施策を進められますか。それを最後にお伺いしたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 まあ公害問題等も一つの重要な契機となりまして、いま御指摘のように、いわゆる今後におけるところの日本の産業立地というものについては新しい観点が必要になってきておる。新全国総合開発計画におきましてもそういう見地で、従来のように、たとえばいわゆる太平洋ベルト地帯であるとか、そうしたようなものに集中するというようなことを極力避けながら、一方において輸送手段の整備ということとあわせながら新しい基地の観念が要る、こういうことで、御指摘のように新全総でも、たとえば陸奥の小川原湖でありますとか、あるいは周防灘でありますとか、いろいろと提唱が行なわれているわけであります。 ただ、御存じのように、最近のいわゆる大産業プロジェクトはその規模がたいへんなものでございます。鹿島灘は、もういままでの概念から見ますとずいぶん大きな基地でございますけれども、あの鹿島灘をさらに十倍にもするような大きな産業基地が今後構想されなければならない。それだけに、それの準備、設計というものには、よほど慎重な、十分な基礎的な調査、研究が要ると思います。現在そうした段階でございまして、御指摘のように、各省の間の意見の食い違いというものもあろうかと思いますけれども、これは当然その過程において、まず最初の調査の段階において十分調整をしなければならない。開発審議会に特別の研究委員会を設けまして、そうしてその調整をしようとしておるのもそのためであります。ただ、これだけ大きなプロジェクトでございますから、四年や五年でもってでき上がらない、やはり十年ぐらいを目途にした大きなものになろう、こう思われます。まあ、現在まだ出発したばかりでございますからして、御心配のような点も十分われわれも考えに入れながら、これをできるだけ遺憾のないように進めていく、またそのためにわれわれとしてもできるだけの調整を行ないたい、こういうふうに考えています。
○橋口委員 これにつきましては、どうぞひとつ政府の一そうの御尽力をお願い申し上げます。 時間が参りましたので、詳しい問題はあとでまた各省にお聞きしたいと思います。
○八田委員長 中谷鉄也君。
○中谷委員 昨日、橋口委員が公害対策基本法の経済調和条項の削除について通産大臣に質問をされ、本日もまた企画庁長官に同じ質問をされました。私はその質問は非常に意味のあることだと思いますけれども、その経済調和条項の削除だけで施策が終わるならば、はなはだ意味のないことだと思うわけです。そこで、次のようなことをお尋ねをいたしたいと思います。 まず、最初に長官にお尋ねいたしたいのは、これほど公害に対する国民の関心が高まってくるということは、少なくとも新経済社会発展計画策定当時においては予想できなかったのではないかと思うわけです。同時に、それだけでとどまれば、意味がないことではありませんけれども、公害対策基本法の中から経済調和条項を削除をしていく。さらにまた企業においては、たとえば私の知っているある大企業は、公害防止のために飛躍的だといって、昨年十五億の公害防止の予算を計上いたしましたが、いろいろな住民等の要求の中で、五十億にそれを増額をするということをきめました。しかしさらに、それが今後の推移の中で百億になってくる可能性だってあると思うのです。そういうようなことで、従来の設備投資といわれているものの中で、それを全国的な規模から見ていくと、公害防止のために企業が投ずる金、地方自治団体が措置をする予算、国の予算、それらのものの集積というのは私はかなり大きいと思う。そういうような中で、新経済社会発展計画そのものが、公害防止という観点が非常に重視される中において、修正あるいは修正のための検討を私は要するのではないかと思う。これらの点についてはどのようにお考えになっているでしょうか、この点が質問であります。 さらにまた公害について、これは国民的な課題、何にも増してこれは優先しなければいけない問題です。このようなことが、他の経済的な指標、たとえばコストであるとか、国際競争だとか、そういうものについてどのような影響を及ぼすか。それらの点について、一応考えられる問題について企画庁はどのようにお考えになっているだろうか。 昨日、私のほうの先輩委員の石川委員の質問に対して通産大臣が、ある程度経済成長がスローダウンしても、公害防止のためにはそれはやむを得ないことだというふうなお話があった。それはまあ、スローダウンしてもやむを得ないことではなしに、むしろ計画としては、公害に重点を置く中においては、そういうふうな指標そのものもひとつ修正の検討をすべきではなかろうか。これが私の本日の質問の第一点であります。お答えいただきたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 いまお話がございましたが、新経済社会発展計画は、御存じのように本年の五月に決定いたしまして、ごく最近のものでございます。公害の問題、最近非常に耳目をそばだてておりますけれども、もちろんこれも十分、新経済社会発展計画においてすでにもう予想されておることでございます。 新経済社会発展計画においては、重要政策の項目としていろいろなものをあげておりますけれども、特にその中でも、物価の問題あるいは公害の問題、それから経済協力の問題と、こういう大きな柱を立てておりまして、公害問題は、新経済社会発展計画においても、社会開発の一環として最重要な問題であるというふうにわれわれは考えております。でありますから、別に新経済社会発展計画が、この公害について特に考えを変えるということよりも、むしろその予想せられたところの筋道に従ってできるだけ今後の施策を実現の方向に集中していく、こういうことがやはり私は大事であろうと思っております。 御存じのように、新しい計画は一〇・六%という経済成長率でございまして、これは御存じのように、従来の日本のいわゆる潜在成長力というものから見れば、わりあいやや低目に押えられている、こういうふうに見られております。過去の実績に徴しまして相当低目になっておる、こういうふうにいわれておるわけであります。もちろんこれにはいろいろの理由づけがあっていいのでありますけれども、しかし、全体としてはやはりこの高度成長を少しスローダウンさしていこう、こういう全体の線に沿っておるのでありまして、いま御指摘のように、公害問題等も、これは当然そうしたものに関連づけていいわけであります。 私たちはそういう意味で、特にこの新しい計画というものが、公害問題のためにすぐただいま修正をしなければならない、こういうふうには実は考えておりません。もちろん御存じのように、この新しい計画には従来と違いまして、三年目には再検討をする、こういう条項が入っております。これは公害問題に限らず、全体の経済情勢というものが相当変転の激しい際でございます。したがいまして、従来の計画と実績とのわれわれの経験に徴して、三年目にはこの計画を見直そう、こういう条項を特に入れたようなわけでございます。でありますから、そうした際に全体の中の一環として問題が出るかもわかりませんが、今日では、特にこの問題のために直ちに手を加える、こういう必要はわれわれのほうでは考えておらないわけであります。
○中谷委員 関連をいたしまして、第二の質問をいたしたいと思います。 経済調和条項という言い方がいいかどうかは別といたしまして、それの削除ということは、すでに閣議において決定をされた。そのことは非常に意味があるけれども、それだけでとどまるならば、それはむしろ羊頭を掲げて狗肉を売ることになるだろうというのが、私の昨日からの質問の基本的な姿勢であります。といたしますと、まず次のような点について、ひとつ経済企画庁に私は要望をいたしたいと思うのです。 きょうの新聞報道の中でも、国道の落石事故死について管理者に賠償責任を認めた。要するにそれは、最高裁は無過失責任を認めたことになるが、そういうふうな無過失責任ということについての国民の関心というものも、非常に高まってきているようであります。そういうふうな前提を踏まえまして、要するに企業の公害に対する無過失責任というものが立法化される、これが第一点。いま一つは、公害罪というものが立法せられて、そのことによって企業、しかもそれが立証責任が転換されるという中において、企業の法人、そして企業の責任者個人、それらがどんどん処罰をされていくということは——公害防止のための作用というのは一体何であろうか。それは企業が結局、そういうふうな損害賠償のそれを受ける以前に、自分で合理的に判断をして、公害防止についての努力、そういうふうなものをしていくことに、その二つのものを取り入れるということは非常に有効に作用するだろう、こういうふうに私は考えるわけです。もちろん、その他世論の動向だとか、あるいは市民運動の高まりとか、いろいろな問題があろうかと思いますけれども、そういうようなものが企業に与える影響は非常に大きいと私は思う。 そこで、経済企画庁の発展計画そのものを現在検討、修正するということはないんだ、最重点的な施策として取り上げているのだ。——まあ発展計画の中にそれほど重点的な施策として取り上げているとは、私は思いません。もっともっと取り上げていいと思いますけれども、きょうはそのことを論議するのではないからやめておきますが、無過失責任の論理が導入される、公害罪が立法化される、その他のいろいろなエレメント、ファクターというものも入ってくるでしょうけれども、そのような中で、公害防止のための設備投資、企業の公害防止のために使う費用、そういうようなものが一体どの程度今後ふえてくるだろうか。かりにそういうものが制定された場合に、そういう論理が導入された場合に、経済企画庁の中で、必要なことについては試算をされる意思がありますか。あるいはおおむねの試算をしておられるかどうか。そのことが直ちにイコールで簡単に試算不可能かもしれないけれども、そういうものについての試算をされる意思があるかどうか。その点についてはいかがでしょうか。
○佐藤(一)国務大臣 いまおっしゃいました公害罪の問題でありますが、これにつきましては、私どもも、もちろんその方向でもって検討されるものと、実は閣僚協議会におきましても、そうした検討をいま法務大臣にゆだねているわけであります。 それからまた無過失の問題につきましても、これはいまの刑法といいますか、刑罰制度というものが、いわゆる個人の所有権、財産権を中心にして概念が構成されているものですから、公害のような新しい問題になかなか対処しきれない要素がある。そういうことで、この問題を取り扱うにつきましても、いろいろと法務省も検討をしておるようでありますが、なかなかむずかしい問題もあるようであります。いずれにしましても、無過失の問題は同時にいまお話のありました挙証責任の転換の問題に連なる重要な問題であります。こうした問題もいま法務省において検討を続けておるところであります。それらの専門家の検討の結果を待って、政府としてもはっきりした結論を出すことになろうと思っております。 いずれにしましても、そうしたものによって一体どういう費用が予想されるか、この御趣旨の意味がよくわからないのですが、あるいはそれらの立論の御趣旨によると、そうした罰則というものがきつくなれば、企業側においても公害についての関心が高まる、それを防衛する気持ちが強くなる、したがってその公害を予防するための投資が行なわれるであろう、その経費がどのくらいであるか、そういう御趣旨のように考えました。 これについては、もちろん的確な数字というわけにはまいりませんが、昭和四十四年度の投資の中でもって五%ぐらいのものはこうしたものに考えられるのじゃないだろうか、こういうものをかつて試算したことがあります。もちろん今後の事態の発展に伴いまして、これらのものをわれわれとしても十分検討しなければならぬと思います。したがって、いま的確な数字を持っているわけではありませんけれども、大ざっぱに言いまして全体の投資の五%ぐらい、このぐらいのものが要るんじゃないだろうか、こういうようなことをかつて計算したことがあります。
○中谷委員 やはり全然私の感じとは違うわけなんです。たとえば昭電に対して水俣病で裁判が起こっている。十年裁判といわれている血みどろの裁判ですね。こういうようなものが、立証責任の転換、無過失責任の論理の導入というふうな中では一挙に解決をするだろうし、ばく大な、しかもそれは正当な補償というものを企業は払わなければならないだろう。これは被害者救済に役立つという観点から、これらのことが法務省を中心として政府の中においては問題にされたようでありますけれども、そういうふうな、無過失責任の導入だとか、あるいはまた立証責任の転換というものを嫌悪する、それをきらう側の人がいるとすれば、そういうようなことを予想して、そういうようなことによる補償を支払うならば、公害防止のための費用をあらかじめ予防的に出そうということで、この二つの考え方というものが非常に社会的な圧力になってくる、こういうように私は考えるわけなんです。そういたしますと、単に被害者救済というだけではなしに、現に起こった被害を救済するというだけではなしに、非常に予防的な社会的効果を発揮するだろう。そのことによる試算は、おそらく五%をずっと上回る、あるいは一〇%以上上回っていくというようなことになってくるだろうと私は思うのです。 だから、いまここで長官御答弁になりましたけれども、公害罪あるいは無過失責任の論理というふうなものを認めるか認めないかということについてお答えをいただく以前に、そういうものが導入された場合に、企業の公害防止のための努力、費用支出というものがどれだけふえてくるだろうかというふうなことを、経済企画庁として試算をされて意味のないことではない。私はむしろそのことにこそ施策的な意味があると思うのです。公害罪を立法化したならば、どの程度公害防止のための企業努力が増すだろうかというような点の一つの予測、試算というものはぜひやっていただきたい。私は、この機会にそういう試算をされる意思があるかどうか、ひとつお答えいただきたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 公害の罰則との比較対照によりまして、それだけのばく大な補償を払うくらいならば、予防の措置に相当金をつぎ込んでも損はない、いわばそういうような計算というものはこれからの企業心理に相当働くであろう、これは私も十分予想しなければいかぬと思います。したがって、本来でありますならば、どの程度の救済、どの程度の罰則が考えられるかによってその計算は当然違ってこなければならぬ。そういう意味においては、そうした罰則の中身とか救済条項の中身というものが、むしろ前提になるのじゃないかと私は思います。しかし、これは個々のことでございますし、それから公害の案件そのものも、率直に言って、的確な計算の基礎になるほどまだつかめる段階でもございません。 ですから、全体として達観してわれわれとして考え得ることは、今日の日本の経済力のもとにおいては、いかなるそうした結論のもとにおいても、十分これに耐え、これを支払う能力は十分持っておる。本年あたりの民間設備投資が十四、五兆円になっておりますけれども、その十四、五兆円ということから見ますならば、その中のかりに何%をとりましても相当大きな金額でございます。そういう意味においては、われわれとしては、日本経済がここまで成長いたしたのでございますから、公害のために負担する能力がないということは絶対言えないのでありまして、これは中身をいかようにきめましても、ここから公害のための経費、投資というものを十分にまかなう余地がある、経済企画庁としてはそういう考え方に立っておるわけであります。ですから、要はこれから具体的にそうしたものを一つ一つきめて片づけていく、こういう過程が残っておるのじゃないか、こう思います。
○中井委員 関連して。たいへん思いつきのような質問で佐藤君に恐縮だけれども、先ほど中谷君に対する答弁を聞いておりますと、公害を除去する施設というものについて一ぺん試算をしてみた。そうすると、大体五%程度じゃなかろうか。しかしいまの御答弁の中で、要るものがあれば幾らでも出すのだというふうなお話がありましたが、私、実は五年ほど前から公害関係には首を突っ込んでおりますが、公害に対して一%で済む企業もたくさんあると思います。しかし場合によりましては、五%ではとてもいけない、一〇%、二〇%あるいは五〇%ぐらいのものも出てくるかもしれない。この辺のところを政府としてはもう少し正確に把握をしてもらいたい。特に石油産業、それから化学産業、そういったこれから発展するものについては徹底したものが必要であるし、またそれが、たとえ平均五%というものが一割になり二割になっても、将来の長期的観点をもってすれば十分バランスがとれる。三年ばかりで減価償却とか、そんなことを言っておってはそれはとれないかもしれないけれども……。それからまた場合によりましては、公害施設をしましたためにその年の決算が赤字であったという具体的な大会社もあります。私も知っております。ですからそういう点については、佐藤さんのほうでもう少し具体的に突っ込んだ検討を私はぜひお願いしたい、これをひとつ強く要望をしておきます。そういうことが日本の公害をなくするためにぜひ必要である。パーセンテージのごときはあまり問題でない。長期的な観点でそれをやってもらいたい。これがあなたに対する第一点の要望でございます。 それから第二点は、公害、公害ということで、このごろは毎日、新聞、雑誌を見たら公害のない日はない。私どもが言い出しました五年前には、何ぼ言うても一行も出ておりませんでした。えらいもんだな、新聞の力というものはと思いながら私はいま質問をしておるわけですけれども、その公害除去に対しまして、やはり日本人的なインチキ性がずいぶん出てきておる。こういう公害の施設があります、ああいう公害の施設がありますというので、公害対策の会社か、あるいは小会社か系統会社か、そういうものが非常に出てきまして、その間でやはり十に一つは成功しないやつがある。それから公害業界の間に非常な競争がありまして、そして悪口の言い合いをする。ひどいのになりますと市民に投書をする。自分が請け負いをしたところが、公害対策の施設が自分のほうに落ちなかった。くやしいからデータを書いて、そして市民に配る。あるいはひどいのになると、どこかの大学の助教授か教授ですが、自分の親戚の者の施設がだめになったので何か発表してしまって、それが大きく新聞に出ました。二、三カ月してあれはうそだったということがわかったというふうな事件さえ実はあるわけです。私は具体的なことをこの場で言うのははばかりますけれども、そういうことでありまするから、公害に対する対策とされましては、もう少し思い切って、しかもがっちりとやってもらいたい。おそらく皆さんの官庁の局長あるいはその下の連中は、ぼつぼつそういう話も耳に入っておると私は思います。そのときはやはりはっきりと峻厳にやってもらいたい。 この二つのことを強く要望いたしておきます。
○中谷委員 では時間が超過したようでありますから、あと一点だけ質問をいたしておきます。 昨日も通産大臣にお尋ねをいたしました。先ほど長官の御答弁の中で若干触れられたのですけれども、要するに経済調和条項の削除、これについては、四党会談の中で与党は消極的な態度を示されたということですが、これはもう閣議ではきめられた。ただ問題はやはり、無過失責任の論理の導入であるとか、あるいはまた公害罪、ことに挙証責任を転換した公害罪の立法化、このことが私は国民の期待にこたえるものだと思うのです。そこで、大体経済企画庁長官の御答弁は先ほどお伺いいたしましたけれども、との二つについてどうお考えになりますか、やはり念のためにお聞きしておきます。ただ私は、法務省にはかなり詳しい質問を今後していかなければならないわけですけれども、あえてお聞きしたいというのは、やはり私は、公害に対する一つの基本的な姿勢をお聞きしたいという意味でその質問をするわけです。 念のために申しておきますけれども、きょうの新聞によりますと、何かある新聞の特派員がラルフ・ネーダーと会った。そうしてネーダーが、必要があれば日本に来てもいいと言った。「どんな自動車も安全ではない」という本を書いたアメリカのネーダーですが、私の見るところでは、現在日本で多くの公害に対する住民運動や市民運動が起こっている、またいろいろな公害に対する裁判が日本において行なわれている、そういうふうな水準からいいますと、ネーダーを何か日本のそういう人たちが必要があって呼ぶような段階ではもう全然ない。むしろネーダーがあれだけ有名になったのは、アメリカの公害に対して、あらゆるそういうふうな大企業の悪に対して徹底的に戦う、そういうふうな人がネーダーしかいなかったから彼が有名になったのであって、日本においては、水俣の裁判の非常にじみな努力をしている弁護士だとか、あるいはまた公害について市民運動をやつている大ぜいの学者だとか、日本の公害というものの非常な深刻な中において、ずいぶんそういう人たちが生まれてきていると私は思うのです。だから私の見るところによると、そうして裁判所の判例の中においても、立法化の有無にかかわらず、無過失責任の論理というものがどんどん導入されてきている。だから政府において、無過失責任の論理を導入しない、挙証責任を転換したような公害罪を制定をしないということは、むしろ一そうそのような公害に対するところの市民運動を激化させていくだろう、そういうふうに私は思います。 そういうふうな点で、これはまさに新しい課題である公害に対する経済企画庁としての、そういうものの制定についてはむしろ賛成なんだという御答弁があるかどうか。だから私はそういうふうな点について、前日の通産大臣の御答弁は、法務省にまかしておくのだというふうに非常に消極的な御答弁とお聞きしましたが、かりに政府の姿勢全体がそういうことだとするならば、国民の公害に対する怒りと公害防止のための努力、そうして運動というものは一そう火のように広がっていくだろう、こういうふうに考えます。そういうふうなことを考えながら、この点について最後に御答弁をいただきたい。
○中井委員 私の意見に対する感想も言うてください。
○佐藤(一)国務大臣 それでは順序どおり、まず中井先生のほうから申し上げます。 十分研究、検討をするようにというお話で、私も実はそう考えているのです。実はこれは余談でありますけれども、この方面の研究が世界でもまだほとんど始まったばかりという段階であります。OECDにおきまして最近決定がなされまして、そうしてこの方面の研究を、一国ではとてもできないから各国共同でもって開発しよう、こういう決定がなされました。これは一つには、公害のコストというものを全然計算しないで、そうして輸出ばかり伸ばしている国があるというような非難もだんだん高まってまいりまして、各国がひとしく公害に対して必要、適正な投資を行なう、その上でもって初めて適正な競争というものが実現できるのじゃないかというような国際的な意見も起こりました点もあるのでありますけれども、いまや国際的な関心が高まってまいりまして、したがって、これらについてどういうふうに考えていくか、それらの研究をいま始めたところであります。日本においても当然これをやらなければならない、日本においては特にその点は他国以上に重要な問題になるというふうに考えておりますから、いまの御趣旨は私も賛成であります。それだけお答えしておきたいと思います。 先ほど五%と言いましたのは、もちろん、公害に関連の深い産業、これについては一割近くのものを考えておるわけでありますけれども、総平均で五%ぐらいと申したのであります。いずれにしても、しかしそうした数字も、新しい研究によって再検討が行なわれるもの、こう思われます。 それから、いまの中谷委員の御質問でありますが、われわれとしましては、公害罪というものが設定されなければならない、こういうふうに考えています。そうしてその際には、いわゆる無過失責任と俗称でいわれておりますが、これが私、適当かどうかは必ずしもわからないのですけれども、いわゆる俗称の無過失責任、こうした気持ちのもの、つまり挙証責任というものが従来と転換しなければならぬ、こうしたことを含めて、われわれとしても立法されることを望んでいます。先ほど申し上げましたように、ただ法務大臣から、まだ中間的なもので結論を得るに至っていない、しかしなかなか従来の法理論に照らして困難性があるようだ、専門家もいまそれで悩んでおるようだ、こういうことをちょっと聞いたことがありますけれども、しかしいずれにしても、方向としてそういう方向でもって検討をされている、これは私は間違いない、こういうふうに考えております。
○八田委員長 石川次夫君。
○石川委員 私は、きょうは物価問題全般について聞く時間の余裕がございませんので、独禁法に関連する問題、特に管理価格の問題についてだけ、時間も非常に限られておりますので、質問をしたいと思います。お答えのほうもぜひ簡潔にお願いしたいと思います。 最初に、前々からいわれておることでありますけれども、経済政策というのは三本の柱だという意見が一つあるわけであります。それは独禁政策であり、産業政策であり、そしてまた財政金融政策、この三つが経済政策の三本の柱だという見方が一つあるわけでありまして、特に独禁政策というのは、産業政策の一部というのではなくて、これを独立した権限として相当重視をしていかなければならぬという、資本主義の寡占化の進んだ時代においては、特にその必要性が強調される。特に物価だけについて申し上げますと、これもいろいろ見方があるでありましょうけれども、まず低い生産性のものを高める、いわゆる合理化というのがどれだけ可能であるかどうかということが第一点。それから市場競争原理というものが有効に働き得るかどうか、これが第二点。それからさらに、先ほど申し上げた財政金融政策というもの。この三つが物価政策の上にとっては非常に重要なかなめではないか。特に重視をされるのは、第二点のいわゆる市場競争原理というものが有効に働いておるかどうかということについて、経済企画庁としても相当関心を払ってもらわなければならぬ事態がますます緊迫をしておるのではないか、こう考えておるわけであります。 そこで、公取委員会というのは独禁法の番人として存在しておるわけでありますけれども、新聞などで散見されるように、風にそよぐ独禁法であるという意見が一つある。あるいは、敗退に敗退の歴史を続けておるのが独禁法の運命である、こういうことがいわれておるのでありますが、これでは物価の取り締まりの元締めとしての独禁法というものを守り得ないということであるし、独禁法それ自体にも相当多くの問題があるわけです。 そこで、まず第一点に伺いたいのでありますけれども、たとえば独禁法の第十五条に、よくいわれるように、一定の取引市場における云々ということばが出ておるわけです。ところが、これは庶民の感覚からいえば、一定の取引市場というのは、法律的な解釈ではなくて経済的な概念でこれをとらえようとする。ところが公取のほうでは、あくまでも法律概念としてこれを解釈するという考え方に立つ場合が多いわけです。特に富士鉄・八幡の場合では、粗鋼の市場における寡占率が非常に高い。したがって粗鋼それ自体が相当問題ではないかということをわれわれは考えておるわけでありますけれども、しかしながら、一定の取引市場がないではないかというような非常に狭い見解でこの独禁法というものが解釈をされておるということは、庶民の感覚からすれば、どうしてもズレがあるというような感じを持たざるを得ないわけです。 そこでひとつお伺いをしたいのでありますけれども、第十五条をはじめとして、敗退に敗退を続けておるといわれ、あるいは風にそよぐ独禁法といわれておるこの独禁法を、改正、強化をする意思がおありかどうかということを、公取委員長にまず伺いたいと思います。
○谷村説明員 途中から参りまして全部のお話を伺っていないわけでございますが、いまおことばの中に、風にそよぐ独禁法とか、何か敗退の歴史とかいうふうなおことばがございました。いろいろな各方面からの御批判があるかと存じますけれども、ある意味ではこれは見解が違うかもしれませんが、日本的なものに定着していった面も私はあるかと思います。そういう意味で、独禁政策なり独禁法というものが持っております役割り、意味ということが、日本の中にも現実には私は定着してきていると思いますし、これからもそういった意味で独禁政策の執行はしっかりやっていかなければならないと思います。強化ということばが当たるかどうか知りませんけれども、わが国の経済のために、社会のために一番よく役に立つような独禁政策ができるように、場合によれば、独禁法の十五条とか、そういうような条文を直接に御指摘になりましたけれども、そういう意味ではなくて、いろいろな面でやはり時代に即応して、必要があれば強化という内容になりますかどうかは別といたしましても、国民経済のために必要な改正が絶対にないわけではないというふうに思っております。
○石川委員 いま、改正がどういう方向かとか、内容がどうかということは全然触れておられませんが、ここでは、まだ決定をしたわけではないでしょうから、お答えを求めても御無理だろうと思いますけれども、われわれの感覚からすると、どうも独禁法がだんだん後退をしておるという印象はぬぐい切れないわけで、これは庶民の偽らざる感想であろうと思います。特に富士鉄・八幡の合併につきましては、どう考えてもわれわれは割り切れない気持ちがいまも残っております。 そこで簡単にお答え願いたいのでありますけれども、この審決の執行といいますか、合併後の追跡調査といいますか、そういうものをおやりになっておりますか。
○谷村説明員 同意審決において示されました、こういうふうなことはしないとか、こういうことを必ずするとかいったようなことで、たとえば株の処分でありますとか、技術の提供でありますとか、そういったようなことについて、作為といいますか、積極的にすることを内容としているものについては、かくかくのことが行なわれたということの報告を適時受け取っておりますし、また、その報告の内容が確かであるということを、場合によれば、現場に地方におります職員を派遣いたしまして確認いたす、あるいは登記簿なら登記簿について確認をいたすという措置をとっております。 それから不作為関係、してはならないといったような関係は、たとえば生産が移されまして軌道に乗って、それから先、たとえば具体的にどうなっておるかということを報告を徴し、また必要があれば調査をする、かような体制をただいま考えております。
○石川委員 この問題は、いずれあらためていろいろ質問をしたいことがたくさんあるのでありますけれども、昔の八幡というのは殿さま仕事であって、おれのところから買わなくてもいいという態度であったものが、終戦後、富士鉄、八幡というふうに分割をされましてから、かなり態度が変わった。しかしながら合併になったらまたぞろ昔に戻りつつある。これは純然たる公取の関係ではないかもしれません。しかしながら、われわれがおそれておるような傾向がそろそろ出始めておる。 それからあと一つ、ちょっとこの前も申し上げたのでありますけれども、二年以上の手形が下請に払われておる。しかしこれは絶対に表には出ません。これは、われわれのところにそれを言ってきても、絶対に名前を出してくれるなということになっておるわけでありまして、二年の手形になりますと、これはもうほとんど受け取ったほうではどうにもならないしろものであります。それでだめならやめてもらってもいいということを通じて、合併のメリットの一つを形成しておりますところの、下請の整理ということにもつながってくるという可能性があるわけであります。そういうような形のものが独禁法でどういうふうに解釈されるかわかりませんけれども、こういうような面も含めて、独禁法の番人としての公取は十分追跡調査というものをやってもらいたい。単なる審決の結果だけを見るというのではなくて、その結果もたらされるところの市場の独占性、価格形成ということだけではない、いろいろな面での社会的な影響度を含めてひとつ調査をしてもらわなければならぬ。これを含めて追跡調査をぜひお願いしたい。その結果をまたあらためて伺う機会を得たいと思っております。 それから、先ほど申し上げました市場の競争原理が有効に働くためには、いわゆる管理価格というものがあってはならないということになるわけでありますけれども、管理価格とは一体どういうものかということについて、これは簡単でけっこうであります、公取委員長に御答弁を伺いたいと思うのです。
○谷村説明員 簡単にと申されますが、実は管理価格というものをどう定義しどう見るかということについては、日本だけではなくて欧米各国においても、行政当局も、また学界も、たいへんむずかしい問題として扱っているようで、簡単に申されないのでありますが、先般、独占禁止懇話会が問題を整理する意味において中間的に取りまとめました。その際にどういうふうに定義するかというときには、市場が寡占状態にあることを原因として生ずる需要やコストの変動に対して下方硬直的な価格である、しかもそれは、カルテルとかそういうような形による人為的な価格操作、あるいは政府が何らかの形で価格支持制度をとっているというふうなはっきりしたものが見られないもの、何となく、あるいは裏にあるかもしれないけれども見た目ではそういう人為的にはなっていない、かようなものを一応管理価格として考えてみよう、かような答えが出ております。
○石川委員 まあ、これは非常にむずかしいことでありますから、簡単にということのほうが無理かもしれませんけれども、この管理価格についての中間的取りまとめ、私も拝見いたしております。その定義もほぼ正確なものであるとは思えるのでありますけれども、非常に議論のあった、会社の意思によってきめられる、しかもどの程度企業の意思というものを反映させるかいなかによって管理価格というものがここで問題になるのだというような点が、これに触れておらないわけですね。それが入ってこないと、私は、管理価格の正確な定義にはならないんではないかというふうに、私個人でありますけれども考えておるわけであります。 そこでお伺いいたしますけれども、アルミ地金の価格、フィルムあるいは洗剤、こういうものについてお調べになっておりますね、公取のほうで。その中でたとえばアルミ地金の一つだけを申し上げます。フィルムのほうは、これは完全な二つの社の独占であります。それから洗剤のほうについても、上位七社、特に上位三社が五〇%、七社では九〇%という独占的な市場というものを独占しておる。アルミ地金の価格、なおこれも、この三つの中の一つの例として私も拝見したのでありますけれども、その中でどうも調べ方が、価格形成の過程だけを追及しているんです。非常に形成を調べて、それをまともに発表しているという点の努力は買うのでありますけれども、これは一体管理価格なのかどうなのかというきめ手は、何もここに出てこない。ただ単に、下方硬直があるかどうかという点を中心として価格形成の過程を調べているということだけで、ただ調べたというだけになっているわけですね。われわれには最も管理価格の典型ではないかと思われるこのアルミの地金、これは四社でもって独占であります。しかもこれは地金でありまして、この加工業者というのは、系列ごとに、会社ごとに全部きまっているのです。したがって、そのような系列ごとにとっていけば、完全な独占ということになっておるのであります。しかもこの中でよく見ますと、少数の企業によって生産が支配されており、新規参入が困難である。それから、製錬企業四社で新地金の国内生産の全部を占めておって、新地金と再生地金は品質に差があるために、主たる用途を全部異にしている。加工業者が全部かわっている。ですから一つの業者ごとに系列が全部きまっているのです。その範囲においてはほとんど独占であるというふうな内容を持っておりまして、国内地金についてはいわゆる寡占体制が確立をされておるということが一つ出ておる。 その次に、これが問題になることでありますけれども、生産能力が需要量の下限を越えないように抑制されておる、こういうことになっておるわけであります。こうなりますと、この価格の形成というものは自由自在になる。でありますから、需要の見通しを低目に押えて、生産能力が需要動向の下限を越えないように、すなわち、フル操業しても生産量が需要量を上回ることのないように設備投資に慎重を期する傾向がきわめて強く、こういうことばが出ております。その他いろいろ出ておりますけれども、こういう一点をとらえてみても、これは完全に下方硬直性であり、しかも市場の価格というものを独占をし、しかも企業の意思というものが十分に影響力を持ち得るという性格を持っておるのではないか。これが管理価格の典型ではないか。このほかにも、フィルムのほうにも、中性洗剤のほうにも、そういうことは言えるのでありますけれども、そういう結論が何も出てないで、ただその状況の調査だけがここに出ておるという点が、われわれとしてはちょっともの足りない点なんでありますが、これは典型的な管理価格というふうに御認定になれませんか。
○谷村説明員 まさに、おっしゃるような点をどう考えるかということが、やはりいろいろな議論になるところでございまして、アメリカでもキーフォーバー委員会が何年かかかってそういう調査をいたしましたことは、やはり問題を、実態をいかに把握しておくかという実態把握、それからまず入るべきであって、それからどういう評価をするかということは、これはいろいろまたむずかしい問題がある、かようにいわれていると思います。 いま御指摘になった点で、二点私は申し上げておきたいと思います。 第一は、価格形成の過程なり何なりがどうであるかということの調査に終始しておりますけれども、そういうことを可能というとおかしいのですが、そういう市場の状況になっている背後の条件というものは一体何であるかということから問題というものは解明されていかなければならないという意味で、いろいろ御不満はございましたでしょうが、まだまだ私どもとしては、そういう業界一社、二社、二業界、一業界だけでなくて、いろいろの業界についてそういう実態調査が必要であると考えておるところでございます。 それから第二に、新規参入問題につきましては、これはたしか二、三カ月前の当委員会においてでありましたか、あるいは別の委員会でありましたか、通産大臣から、ある程度そういった能力の限界を画しておくような行政のやり方は考え直さなければならないと思っている、というふうな御答弁があったように私は聞いておりますけれども、これは故意的にそうしたのか、あるいはあまりにも日本経済の成長なり需要なりが激しいためにそういう結果となっているのか、そこの意図を判断することは非常にむずかしいと思いますが、方向としては、生産能力をさらにふやしていく、いつもぎりぎりのところに置いておくということではないようにしたい、かような考え方を所管当局は持っておるように私は伺っております。
○石川委員 実はその件いろいろ議論があるのですけれども、時間が何しろ十二時までということなんで追及できない、非常に残念であります。 最後に一点伺いたいのでありますけれども、この独禁法の問題について、持ち株会社は必要がないということを委員長が新聞紙上で発表されております。その一つは、外資による乗っ取り防衛策としての持ち株会社といっても、現実には、証券投資を通じてではなくて、新設・合弁から出発したものが徐々に乗っ取られるというケースが多い。したがって現実の問題としては、持ち株会社というものは日本では必要ないのではないかということが一つであります。それから一つは、大企業間の競争はきびしいけれども、一方でコスト上昇を容易に転嫁しやすい体質になってきておる、このため大企業の行動をチェックする監視機構というものは第十五条に特に関連をしてぜひ必要である、こういうことを新聞紙上で発表をいたしております。 ところが、一方では経団連のほうでは、合併の弊害は事前届け出制度で規制できるので、第十五条改正は必要はない——第十五条改正のことを直接申し上げようと思っているわけじゃございませんけれども、あらかじめこういうことでブレーキをかけている。ところが、どう考えてもおかしいのは、前には、事後審査でいいんではないか、届け出にしなくても事後審査をやればそれでいいではないかということを財界のほうは言っておったわけです。ところが今度は、事前届け出でいいではないかというふうに豹変をした原因は一体どこにあるかといえば、八幡・富士のような世界にまれな大合併ができたのであるから、もう事後審査なんてうるさいこと言わず事前届け出でスムーズにいくんだ、したがって、こういうふうな結果を見届けた後に経団連のほうでは態度が変わって、事前届け出制でいいではないかというふうに豹変をした。 われわれは何も財界に対して憎しみをもって、社会党なるがゆえに偏狭な意見を持つということではなくて、あくまでも第一条の公正な取引がなければ、公正な競争条件が整わなければ、国民経済としては芳しくないのだというその基本点に立って質問をしておるわけでありますけれども、第一点がそういうふうな経団連の見解であります。第二点が、第九条は時期を見て撤廃すべきである。第三点が、日本のような競争の激しい経済社会では管理価格は存在し得ないから、監視機構などをつくるべきではないということを言っておるわけであります。ところが谷村公取委員長は、監視機構はぜひ設ける必要があるということを言明されておる。われわれは、まことに勇気のある発言として、また妥当な発言としてこれを歓迎するわけでありますけれども、監視機構をつくるという場合に、第十五条を改正するという方向でいくのか、それともまた別な形で法案を提案されようとしておるのか、その点をひとつ御説明を願いたいと思うのです。 あと一つ最後に、経済企画庁長官せっかくおいでになっておりますので、さしみのつまのような質問だとおとりになられてはたいへん恐縮でありますけれども、そうではなくて、これは公取だけでできることではないと思うのであります。したがって、管理価格の形成が現実に証明されるというような努力をされました後においては、経済企画庁がむしろ積極的に公取と提携をしながら、政府全体の姿勢として取り組まなければ、公取だけにまかせておいたのでは、これはなかなか容易な事業ではないというので、ひとつ決意のほどを伺いたいと思います。
○谷村説明員 三つばかり御質問のポイントがあると思います。 第一は持ち株会社の問題でございますが、外資の自由化に関連いたしまして、イコールフッティングでいきたい。純粋に持ち株を制限しているのは日本だけで、そういう意味で、またできるだけイコールフッティングな立場がほしい、かようなお気持ちであろうかと思いますが、企業の乗っ取りといったようなことを防止する目的からはたして持ち株会社が必要であるという御見解として言っておられるのかどうなのか。どうも私は、それだけなら必ずしもそういう必要はないというふうに思うけれども、その辺はどうもわからない、さように私は聞いたわけであります。 第二番目、十五条の問題について、財界が——まあ財界といっていいのかどうか存じませんが、経団連が、事前でいい、事後は自分たちは言わぬ、かように言っておりますけれども、私どもの立場からすれば、一定の取引分野において競争を実質的に制限することになる合併は、当然事前にチェックすべきであり、それがたとえ富士・八幡というものも、それは私どもの法律の考え方からして、これは当然通るものとして通した——条件をつけて通したわけでございますが、そうであるから、もう事前で、安心してそれにまかしておけばいいというふうな考え方をとられては、私どもとしては迷惑でございまして、いけないものはやはりいけないというつもりで今後処理するつもりでございます。 しかし、合併によらなくても、大きくなるものは大きくなる。ある意味で力も強くなります。そういった場合に、われわれは大企業というものに、いかによきビヘービア、よき行動を期待するかという問題になりますと、これは必ずしも十五条とは関係なしに、第三番目の問題としていま御指摘になったような、政府全体としてそういう問題にどう取り組むかという体制が必要になる、かように第三番目の問題を考えておるわけでございます。
○石川委員 監視機構の問題……。
○谷村説明員 私どもは、外国の例等を引いていろいろと申したわけでありますが、従来出ております政府の経済社会発展計画等におきましても、そういった問題が提起されておるということを考えまして、私は私なりに、やはりまず大企業のよき良識と行動に期待はいたしますものの、背後には、政府としてそういうことをよく見守る体制が必要であろう、かように考えております。しかし、それが公取だけでできる問題であるのか、どこが一体主導性をとってやる問題であるのか、そういうことは、これから実際にどういうふうな考え方を持っていったらいいかということを、よくそれぞれの担当のところと御相談をいたしたい、かように考えております。
○佐藤(一)国務大臣 価格政策、非常にむずかしい際でありますが、その際に管理価格の問題が非常に日程にのぼっておるわけであります。きわめて即断的というか、簡単に管理価格の存在というものを前提とした議論が多いのでありますけれども、先ほど石川委員が御指摘になりましたように、公取の調査、一年以上やりましたが、管理価格という断定がなかなか行なわれがたい。そういう状況になっておる今日でありますから、今日政府部内で、別に管理価格についての定義は一定はいたしておりませんけれども、一応たとえばこの間の独禁法の、いま話題になりましたその定義、そうしたものも頭に置きながらにしましても、とにかくまず実態を把握する、こういうことは私は非常に大事だと思います。 そういう意味におきまして、まあ本来の独占禁止法の運用の問題は、これは公取委員会独自の問題として別としましても、価格政策に関する問題につきましては、やはり公取委員会のいわゆる機構を強化する、そして調査能力も十分なものにする、そして一体管理価格というものの存否はどういうふうになっておるのか、そこいらのところも明らかにする。いずれにしても、そうしたことが先決問題であろうと思いますが、そうした点について今後公取委員会を強化していく方向、これは私は当然の方向であろう、こういうふうに考えております。
○石川委員 時間がありませんから、終わります。
○八田委員長 中村重光君。
○中村(重)委員 大臣にしぼってお尋ねをいたしますが、先ほど公害問題について同僚中谷委員と大臣と質疑応答が行なわれた。聞いておったのですが、どうも私は、政府の公害に対する取り組みというものは、非常に積極的な取り組みをやっておるということで高く評価をしておったのですけれど、若干失望を実はしておるわけです。 いま聞いておってメモをしてみたのですが、たとえば公害防止のいろいろ施策をこれから講じていく、施設をやらなければならぬ、それに当然金が伴ってくるわけですね。それに対して必要な予算の算定といったようなものも、まだ手をつけてないというようなことだった。そこで公害対策本部というのをつくって、総理が本部長になって、山中さんが副本部長で担当大臣だ、こういうことです。そこで次から次に、内田厚生大臣を皮切りにいたしまして、企業の無過失賠償責任を確立をする、あるいは公害罪を制定をするとアドバルーンをずっと高くあげた。きのう宮澤さんにいろいろ質疑を公害問題でやってみたのですが、きのう、きょうと、何かことばとしては誠意があるようですけれど、中身としてはどうも抽象的で、ほんとうに真剣に、公害罪の制定であるとか、あるいは無過失賠償責任を追及していく法の制定を強力にこれはやっていくのだ、そしてそういったようなこと等についてアドバルーンをあげたということに、何だか終わってしまうのではないかといった感じすら私は実はするわけです。 公害というものがどんどん発生をしてきた。そこで大切なことは、どうしてその公害が発生をしてきたのか、またどうして発生をするのかという原因の究明というものが当然なされなければならぬ。これが出発点となって、いままで政府が進めてきた経済成長政策というものが公害発生にどのような結果を招いてきたのか。あるいは政府がいろいろといままで許認可等やってきましたが、そのことが公害発生の誘因に実はなっているとすればどういう点なのか。また社会投資というものが非常におくれているわけですから、その社会投資のおくれが公害発生をもたらしたとするならば、その点はどうなのか。これをいろいろ究明をしてその発生源をなくしていくといったような、きわめて計画的な、科学的な公害防止対策を進めていくのでなければならない。そのために当然財政措置というものが必要になってまいりましょうから、その財源の調達はどうするか。先ほど大臣は、日本の経済は非常に発展をしてきた、公害防止の施策を講じていくのに対しては十分な力があるということをお答えになりましたが、それだけでは抽象的であって、財源の調達をそれではどういう方法でやっていくのかというようなことについては考え方がわからないということになる。もちろん私が申し上げているように、一挙にそういうものができるものではないにいたしましても、これほど政府があげて公害対策本部までつくっているわけですから、やはり政府は、こういうことで公害発生の原因を究明し、公害防止対策をやって、そして公害を完全になくしてしまうのだということを、国民の前に、いささかの不安もないような形で、大きな信頼と期待感を持たせていくということでなければならないのではないか。その点がどうも、けちをつけるわけじゃないのですけれども、いささか取り組みが弱いような感じがいたしますが、大臣いかがでしょう。
○佐藤(一)国務大臣 私は先ほどの御質問の趣旨に沿ってお答えしたつもりでありまして、話が非常に一般論でもあったわけでありますから、そういう御答弁を申し上げましたが、もちろん公害問題の解決というものは、具体的な問題の解決にこそ一番の真髄があるわけであります。でありますから、政府も本部をつくりましたのは、抽象論やスローガンを掲げるためのものではございません。ただ出発点にあたりまして、経済条項の問題や公害罪の問題のような、大きな基本的な問題を取り上げようとしただけのことであります。今後の施策というものは、制度の改正、あるいはまたそれに伴う行政の運営という具体的な問題にますますなっていくことは当然でございます。 政府に、現在どの程度のものが数字として考えられるか、試算もできてないという話でありましたが、もちろんこれは私はなかなか簡単でないと思います。企業が負担するという大原則、これは明らかであります。でありますけれども、今後いかなる負担を生ずるかという数字的な検討は、これは今後いろいろな角度から十分にしなければならぬ。そしてまた、それに伴い、必要に応じて財政からするところの補助といいますか、そうしたものについても、今後当然の要求が起こってまいると思いますが、そうしたものは、できるだけ具体的な算定を当然したければならぬわけであります。一般的に今後のものを大まかに予想するという問題よりも、たとえば来年なら来年の予算の問題が迫っておるわけでありますから、予算的な措置については、もちろん現在から考えられておるわけであります。 私、申し上げましたのは、全体としての投資の問題、これは率直に言いまして、先ほども議論が出ましたけれども、今後の情勢というものは、よほど的確につかまないと、なかなか正確なものは出てこないだろう、できるだけ今後これをひとつ検討しなければならぬ。抽象的にお答えして御不満だったかもしれませんが、できるだけひとつそうした検討を進めてまいりたい。個々の原因その他の究明の問題はもう当然のことであります。これは一般的に論ずべき問題でなく、いろいろな公害があるわけでありますから、その事態に応じて究明をしていかなければならない。そういうことで、政府も決して抽象論だけ考えておるわけではございません。どうしたら現在の要求に一番ぴたりとはまるかということをはっきり念頭に置いた公害対策でなければ意味がないわけでありまして、できるだけそういう方向でやってまいる覚悟でおることだけをひとつ御了解願いたい、こう思います。
○中村(重)委員 考え方としてはわかるのです、いまのお答えの中からも。実際問題としてこれをどうするかということになってまいりますと、たとえばいま大臣がお答えになりました公害施設に対しては、あるいはまた公害に対するところの賠償、補償、そういったようなものは企業が負担するのが大原則だ、それもそのとおりだと思うのですよ。ところが、そうなってまいりますと、企業としても、先ほどいろいろと無過失賠償責任の問題等で挙証の問題等も出ましたが、なかなかむずかしい裁判問題になったりしていく。そうならないでも、いまでもたとえばカドミウムによって農地が汚染されて、それで米に許容量の一PPM以上のカドミウムが検出された。農家に対してはだめなんだ、これは買い上げはしないのだ、農民はどうにもならないというようなことで、いつになったら問題の解決ができるのかと血の叫びをあげている。健康をそこなっておる人またしかりですね。だからこれでは国民が気の毒だと思うのです。ですから、企業が負担することは大原則であるけれども、とにかく国民を苦しませてはならないということ。そのためには、やはり国が一応の責任をもって事を処理しておくということもまた大原則として確立をしておかなければならないのではないかという感じがいたします。 それから、公害防止の施設を企業がするということにつきましても、当然これは融資という形でなければなりませんけれども、中小企業等の場合なかなかそうもいかない。そうすると、やはり長期低利あるいは無利子の融資というものもなされなければならないであろう。同時にまた、先ほど私が申し上げました、たとえば川や海が汚染されておる。このことも、工場からの排水ばかりではなくて、家庭からの排水で河川や海が非常に汚染されているということにもなっているのであろうから、やはり社会投資というものを強力に進めていかなければならないだろう。そうすると、相当な経費というものがそこで必要になってまいりましょうから、公害の問題に対しては、その財源の調達というものは、私は端的に言わせていただけば、公害債の発行くらいまで踏み切っていくというかまえがなければならないであろう。 〔委員長退席、武藤委員長代理着席〕 また同時に、公害に対しては、とりあえず無利子であるとかいろいろな助成措置を講ずるけれども、一方、企業に対しては、公害のための税、いわゆる公害税の賦課といったようなものも考えていく必要があるのではなかろうか。そういうことで初めて国民も公害に対するところの認識を十分持ち、いわゆる一億国民というものが一丸となって公害防止に乗り出していくということになっていくのではなかろうか、そのような感じがいたしますが、これは私は単に私案ということで申し上げたのですけれども、いま一度大臣のそこらに対する考え方をお聞かせいただきたい。
○佐藤(一)国務大臣 この公害の経費というものはやはり企業が負担するのだ、これはもう動かしがたい大原則なんだ、こういうことなんでありまして、本来財政でもって負担するというのは、たとえばやはり中小企業の問題であるとか特殊な問題を中心にして、それからまた先ほどいろいろな無過失論等もございましたけれども、今後一体どういう点でもって財政の負担が生ずるか、実はその限界も、率直に言いますと、これから具体的なケースに従って判断いたす以外ないと私は思っているのです。 先般、産業構造審議会の小委員会でいわゆる負担の問題が議論されまして、あれは私たちも読みましたけれども、これは非常に抽象的です。これはおそらくあらゆる種類の産業別ごとにいろいろな形の公害というものが考えられる。そしてまたその際における企業の負担力、地域社会における公害問題の重さ、あるいはまた、いわゆる地方団体、国との関係、こういうようなことで非常に関係が複雑でありますから、これを一律に、おそらく機械的に簡単に規定することが困難であったと思うのですが、やはり抽象論たらざるを得なかったように私は思います。これは、大きな原則を立てて、あと具体的に一つ一つ片づけていく、これ以外に私はないんだろうという感じを持ってあの報告を受け取っていたのですが、企業の負担をどこまでするか、国の財政においてどういうふうなものを考えるか、そういう意味において、そう具体的に最初からこまかく規定するということはなかなかできないのじゃないか。 問題は、やはり政府のそれに対する御指摘になった基本的な態度だと思います。もちろんそういう意味においては、われわれはこれからほんとうに公害問題を片づけていこうとしているのだから、それについて積極的に取り組んでまいりたい。ただ、そのために公害債を発行するとか公害税をつくるということがいいかどうかは、これは私は別問題だと実は思っております。現在公害というものは、何か特別扱いのような感じになっていますが、実はもうそういう段階をいま過ぎ去ろうとしていて、公害というものをほかのものと同じように、とにかく特別扱いしないでわれわれとしてはこれから扱っていかなければならぬくらいに、もう不可欠の問題になってきている段階でありますから、別に特別の税金や特別の公債を発行するまでもなく、もし必要ならば、現在の一般の財政力の中からでも出せるものは当然出さなければならぬ、こういう段階にきているわけなんですから、そうした新しい形のものをとるかどうかは、今後別の財政その他の見地から検討すればいいことでありまして、そう特別に形をつくらないでも、私たちは公害対策本部を中心にして具体的に片づけていくことができる、こういうふうに考えております。 その際に、財政の負担について政府の覚悟のほどを示せ、こういうお気持ちだろうと思うのであります。これはそういう意味では、できるだけひとつ積極的に取り組んでいかなければならぬ。個々の問題については企業の負担がまず先決である。あとは事態に応じてひとつできるだけの積極的な取り組み方をする、こういうことに話は尽きてしまうのじゃないか、こういう感じがいたすものですから、先ほどのようなお答えになったわけでありますが、私はそれでいいのじゃないかと実は考えているのです。いろいろな場合を想定して機械的にきめるということは、必ずしも事態の解決に適切でない場合もあるのじゃないか、こういう感じがいたします。政府が対策本部をつくって積極的に取り組むのは、いま私が申し上げたような意味で具体的に積極的に取り組む、こういうことを示しているのに十分だろう、こう考えております。要は、これから政府が具体的にどういうふうに政策を進めていくか、一にこれにかかっているわけでありますから、ひとつ十分また御批評、叱咤激励をいただければ幸いである、こう思っております。
○中村(重)委員 実は私は、管理価格の問題とか再販問題を大臣にお尋ねしたかったのですが、メモしてあるので公害問題に触れたのですけれども、私も大臣がおっしゃるように、公害を出してはいけない、公害を発生させたらその責任は当然企業に追及をしていく、私はその企業負担の大原則を間違いだとは言わない。いま大臣は、公害の問題を特別のものとして考えていく必要はないではないか、特別なものとして考えていかなくてもいいようなことでなければならぬということですが、何のために政府は公害対策本部をおつくりになったのか。対策本部をつくって特別のものとしていま扱っていかなければならぬという事態を今日招いたのは、私は政府の施策の欠陥ではないのか、こう指摘したいのです。おくれておるから特別のものとして取り扱っていかなければならない、私どもがこう声を大にして言わなければならないくらいに、今日は公害問題が一挙に深刻な問題として出てきているということなんです。そしてまた当然の責任は企業にあるのでありますけれども、実際は、企業だ国だ、何だかんだと言っている間に、国民がどんなに公害のために苦しんでおるのか、泣いておるのか、それをどうするかということについては、当然それらの問題の解決に政府が責任を負わなければならぬということです。企業の間に解決がつかないとするならば、やはり政府が国民を守るという立場に立って、とりあえず国民を守るための必要な財政措置をまずしておいて、そうして企業との間に問題を解決していく、こういうことでなければならないということです。同時に私は、いま発生をしておる公害に対する対症療法的なことではなくて、公害を今後絶対に発生させないことの上に立った抜本策を講じていかなければならないということを強調しているわけです。そのためには、いまの取り組みは、非常に大きくクローズアップされておるけれども、中身は非常に弱いのだ、これではいけないのだということを実は指摘しているわけです。 時間が参りましたから一応これでやめますけれども冒頭に委員長から注意もありましたから、来月は二十二日に委員会を開くことに実はなっておるわけですが、またじっくりと、管理価格の問題あるいは再販の問題、物価対策という点については、大臣が所管大臣であるわけですから、それらの点に対してお尋ねをいたしたい、このように思います。 ただ、一言お答えをいただきたいことは、物価対策上再販の問題をどうするか。また先ほど大臣から、いわゆる管理価格の問題に対して十分な調査等をやらせるために公取の機構を強化する、そういったようなお答えがあったわけでありますが、独禁法の改正という形においていかなければならないということなのか。あるいは、現在の独禁法を改正せずとも、運営を強化する、機構を強化するということにおいてそれらのことが十分に満たされ得るという考え方であるのか。この二点についてお答え願いたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 前段の公害の問題はよくわかりました。中村さんの御趣旨は私も全く同感であります。私ちょっとあるいは誤解していたような点があるかもしれませんが、終局において、政府が時間をぐずぐずしている間に問題は進むわけでありますから、そうした意味での責任を政府がしょわなければならぬ、これは当然であります。そういう意味において全体としての公害の解決を促進していく、こういうことだろうと思います。これはわれわれがなさなければならない問題であります。 管理価格の問題についてお触れになりましたが、私、先ほど申し上げましたのは、どうも管理価格があるのかないのか、そのことからして大体はっきりしない点が非常に多いものですから、私は、ぜひひとつこれは調査機能の拡充が必要である、こういうふうに考えております。独禁法全体のうちのいわゆる本来の独禁の問題については、これは公取委員長の判断にまかせる以外にないのでありますけれども、価格関係に関してはいま言ったような充実をぜひはかってもらいたい。そうしてそれがやはりわれわれが政策を行なっていく上に重要な基礎になる、こういうふうに考えておるものですから、ぜひひとつ強化充実をはかってほしい、こういう気持ちでおります。 再販問題は、現に閣僚協議会等の決定に基づきまして、公取委員会に再検討をお願いいたしております。これはだいぶ古くなっておるものですから、新しい事態に即して、一体再販契約の問題はどうあるべきか、これの御検討を願っておる、これが実情であります。
○武藤委員長代理 松尾君。
○松尾(信)委員 公害と物価という二つで国民は非常に苦しんでおります。真剣に論議がかわされておるわけでありますが、しっかり政府の対策、施策を具体的に早急に一つ一つ実現していただきたい、これをまず前提として申し上げるわけでございます。 私は、いまアメリカで騒がれておりますダンピングの問題でございますが、そのような品物につきまして、わが国における価格、物価、そういうものをどのように調整といいますか、しっかりやっていかなくちゃいけないか、この問題が一つと、流通機構の点で二点、長官にお伺いしたいと思います。 まず、いまアメリカでダンピングだと騒がれておりますカラーテレビの問題でございますけれども、これは二年前からの問題であります。一応火の手がおさまったようでありましたけれども、またアメリカの国内景気の不調とかいろいろの問題から蒸し返されまして、いまアメリカの関税局等で非常にシビアにこれを調査しておりますが、問題は、日本におけるこの値段というものとアメリカへの輸出価格、六万五千円といわれるFOB価格と国内における十八万、十九万といわれる値段の開き、そういうものにつきましてひとつはっきりさせていきたい。なぜそのような大きな値段の差があるのかということでありますけれども、これは広告宣伝費に非常にたくさんの金が要っている。また、アメリカのほうには実用向き一点ばりのカラーテレビが出ておるのであるけれども、日本ではデラックスなものが好まれておりまして、そういう点で日本の国内の品物が高い、アメリカの分は安い、そのような説明のしかたがいまなされておるわけでありますけれども、そのようなことで、二年前から騒がれたこのような品物につきまして、またいまアメリカが一生懸命騒いでおる。何かその間国内において打つ手はなかったのか。 まず、一番金が要るという広告宣伝費の問題でございますけれども、そういうものも全部国民の負担ではないか。もういやになるほどテレビからあらゆるものに宣伝というものがはんらんしております。そうしてそれが全部物の値段に積み重なってわれわれの負担になっておる、そういうことが一点ですね。それからデラックスを好む、実用向きのものがあまり需要がないといいますけれども、ほんとうにそうなのかどうか。実用的なものがどのくらい市場に供給されておるのか。デラックスのものを、利潤の多いものを主として販売しておいて、そうして実用的なものはあまり市場に出回っていないのじゃないかというような点であります。 なおなお、メーカーはそれぞれ系列の販売会社を持っておりまして、そこでいろいろのマージンの取りきめ、最終的な小売り値段まできめておるというようなあり方でなかなか値段が下がらない。他方、系列外の商社におきましては、二割、三割の値引きはゆうゆうとできておる、こういう問題もございます。 値段につきましては個別に実態調査をしていくというお話でございましたけれども、そのような問題。それから系列外の商社の安売りができる問題。広告宣伝費に対するどのような指導を今後されていこうとするかという政府の姿勢。それから、デラックスを好むという、そういうものに対して、実用的な方向へどのような行政指導がなされたものかどうか。どのくらいそのようなものが市場に出回っておるのか。国民というものがそういうデラックスな宣伝につられて、全部そういうものがあたりまえなんだというような気持ちで買っておるんじゃないか。この以上の三点につきましてお答えいただきたいと思うのであります。
○佐藤(一)国務大臣 テレビの問題については、もうすでにいろいろと問題になっておりまして、それについて、ある程度の差が当然ある部分もあります。しかし、なおいろいろといま御指摘になったような問題点があると思います。今日なものですから、実用品の普及ということが、必ずしもはかばかしくいってないと私も思います。ただこれについては、通産省でも現在行政指導を行なっておる、こういう報告を受けております。実際はしかし、実用品といいましても一万円足らずの安さのようでありますけれども、今後さらに、そうした実用品の品目をさらに生産する方向へ業界を指導していってもらいたいと私も考えております。これはまた詳しい点は、通産当局からあるいは説明をしてもらいたいと思うのであります。 広告宣伝費を中心とする流通マージンの問題、これにつきましては、目下特に通産省として調査を行なっております。もちろん、誇大な広告、あるいはそれに類したようなものについては、これは取り締まらなければいけませんが、広告費全体についても現在通産省として調査を行なっておる、こういう状況であります。 なお、その他具体的な点がございましたら、ひとつ通産当局から答弁させたいと思います。
○松尾(信)委員 要するに、三倍も値段が開く、輸出価格と国内販売価格が約三倍開いておる、この点はしっかりとらえられまして、なぜそうなっていくのか——当然として高くなっていくものもありますけれども、そこにはやはりその業界の恣意的な——あまり宣伝費等に、具体的にいえば金をかけ過ぎておいて、そうして値段が上がっておる、こういう点も非常にある。アメリカでもそういう点の調査で、広告宣伝費等の分をどうするかというようなこともいま問題になっておりまするし、しっかりこの点は行政指導を今後ともに強めてやっていただきたいと思うのです。世間ではありますけれども、あまりに日本で高く売ってアメリカへ安く売っているんじゃないか、われわれが全部アメリカの分も負担しておるんじゃないかというような国民感情もあります。でありますから、アメリカに対して日本の値段はフェアなんだということを説明するのもけっこうでありますけれども、全体の被害者は日本におるわれわれでありますから、まずわれわれのほうに、三倍開いておるけれどもそれはあたりまえなんだ、こういう費用でこうなっておるから当然なんだというものがあれば、また、あらなくてはいけないと思うのですけれども、そういうものから検討されまして、今後ともにひとつしっかりやっていただきたい。 そういうことがありませんと、電卓もいま問題になっております。そういうぐっと伸びていく商品につきましては、アメリカが次から次とダンピングの疑いをかけまして、そして日本の商品が伸びなくなっていく。いまでもカラーテレビなんかも相当の影響を受けておりまするし、これがアンチダンピング法の判定でも下されますと、もう通関というものは一挙にとまりまして、大きな問題にもなってまいります。そういうものも国内のほうでうんと行政指導というものがなされていくならば、問題というものは未然に防げていくのもあるのじゃないか。今後ともに出てくるおそれがありまするので、しっかりとこの点はお願いいたします。 それから第二点でありますけれども、先般ハマチとまたエビの販売をなされました。一つのテストケースとしてなされたわけでありますけれども、それによってどのような勉強をされたか。その結果、どのようにして生鮮食料品の値段を下げていこうとされるのか。生鮮食料品の値段というものが物価騰貴の元凶でありまして、もう長官も一生懸命になってその点をいまやっていられると私はわかっております。でありますから、そのようなテストケースも行なわれたのだろうし、それからいろいろ学び取られたものもあったろうし、生鮮食料品の物価安定のために今後どうやっていかれるのか、流通機構というものにどのような反省をなされたかということをお聞きしたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 閣僚協議会で、御存じのように、できるだけ直売方式を進めよう、それによって流通の多様化をはかろう。それからまた、いわゆる売りさばきをする場所に現在問題があるから、学校とか道路とか公園とか、場合によって使えるものを使えるようにしよう、こういうようなことが決定になったわけであります。ところが、現行の法規におきましては、そうしたことを実現するのにいろいろと手続等にも問題があるように思われましたので、はたしてどういう困難、繁雑さというものがあるのか、そうしたことをやはり当局としてもよくわからなければいかぬ、こういうことで、自分でもって、とにかく短い時間でありますけれども、たまたまそういう便宜を得たものですから、構内でもって実験的に行なったようなわけであります。その結果、やはり厚生省、文部省、建設省、警察庁、そうしたところによほどいろいろと協力を求めないと実行がなかなか容易に進まない、こういう点も明らかになりまして、そしてそれらの関係各庁に、先ほどの趣旨をさらに徹底してもらうために、われわれの経験に基づいて通牒を出してもらいまして、そしていわゆる直売方式その他が容易に実現できるように、そういう各省に対する協力要請をその結果として行なうようになったわけであります。
○松尾(信)委員 大いにそのような勉強の結果を生かしていただきたいのでありますが、要は生産者と消費者をつなぐパイプが流通機構でありましょう。でありますから、その流通機構の面において逆にいま値段が高くなっていくような傾向がございます。投機的な要素ももしそこにあれば、これこそ本来の使命にそむく流通機構であると思われますので、いろいろ法律の改正その他ございますけれども、根本的な基本的な姿勢というものは、企画庁におかれまして関係各庁によく指導されて、そして生産者と消費者をつなぐパイプの役目の流通機構というものをしっかりしていただきたい。産地直結というだけではなくて、やはりそこにはいろいろ掘り下げてみれば多くの問題があります。その問題でそれぞれ所管が違っておりまして、特に生鮮食料品は農林関係でございますので、あらためましてこれは論議を進めてまいりますけれども、長官におかれましても、どうぞひとつそういう生鮮食料品の物価の安定、そうして今後ともにそこから物価が上がっていかないように、しっかりお願いいたしたいと思います。一言決意を承りまして、私の質問を終わります。
○佐藤(一)国務大臣 おっしゃいますように、日本の場合においては、価格問題の中で特に農産物関係の占める比重が高いと思います。急速なる工業の成長、重化学工業化ということで、労働人口は都市に集中しますし、それによるところのいわゆる消費財に対する需要というものは急激な増大であります。他方、それを供給するところの農産物を中心とする部門というものの近代化が必ずしも進んでおらないために、どうしても供給が需要に対しておくれがちである。やはり急速な成長のもとにおいては、食糧を中心とする価格というものがむずかしいことになっております。また、特に産業保護政策との関連等もありまして、一そうそれが強まっておるわけでありますから、われわれとしても常々頭を痛めておる問題であります。そういう中で流通問題等にもいろいろ問題があるわけでありますから、今後ひとつお説のとおりに、できるだけその方面にやはり政策を集中していかねばならぬ、これはやはり物価全体の問題として大事な問題だ、こういうふうに感じております。政府もまたひとつ一そう新たな決意でやってまいりたい、こう思います。
○松尾(信)委員 終わります。
○武藤委員長代理 午後一時二十分から再開することとし、この際暫時休憩いたします。 午後零時四十六分休憩 ————◇————— 午後一時二十五分開議
○武藤委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。横山利秋君。
○横山委員 七月二十一日の本委員会におきまして、私は、エッソがマネプラ方式というものを行なっておる。そのマネプラ方式そのものに反対するわけではないけれども、そのマネプラの契約書並びにその状況を見ますと、あらゆる面において問題がある。簡潔に申しますと、それは、先進国が従属国へやってきて思うとおりにやっているような気がしてならぬ。そしてマネプラの諸君は、ほかっておけば何か悪いことでもするんじゃないかという猜疑心、あるいは警戒心で全くがんじがらめの契約書を締結をさせておる。そしてマネプラの諸君は、もう全石連の調整規定も無視せざるを得ないほど、日曜も祭日もあるいは夜間も働いても、なおかつ採算がとれない。まさにこれは独禁法や商法に抵触をし違反をする疑いすらあるし、それ以前に商業道徳上の根本的な問題である。 このメーカーと下請の問題を歴年私どもは問題にしてまいりましたけれども、この流通革命時代において、新しい代理店制度、その制度の一環としてマネプラを見ますときに、きわめて重要な因子が含まれておって、単にそれはマネプラだけの問題ではないような気がする。化粧品会社、メーカーとその代理店、自動車会社とその代理店等々、代理店制度に対して重要なメスを加える必要がある。こういう観点からマネプラの契約に関しますさまざまな問題を提起して、一カ月の予告期間を置いて、政府にひとつエッソと十分に話し合いをして、エッソに反省を促す期間を与えるから、その回答は本日の商工委員会でもってしてもらいたい、こういうふうに要望をいたしたわけであります。 たいへん時間のないところでありますし、ほかにたくさんの質問もございますから、政府側から簡潔に、エッソがどういうことを考え、どういう反省をなさったのであるかどうか、個条的に簡潔でよろしゅうございますから、まず回答をお願いしたいと思います。
○本田説明員 お答えいたします。 御指摘のように、前回の当委員会におきまして、エッソのとっておりますマネージャープラン方式の契約の内容につきまして、当方として調査し指導した改善の方向についての諸点につきまして御報告申し上げます。 エッソは、マネージャープラン制度の健全な発展を期するという見地に立ちまして、次のような点を改正しようという意向をわれわれのほうに説明しております。 第一は、既存の契約の記載事項に関連する点でございますが、マネージャーの権利及びエッソ石油の義務を明確化することにしまして、営業が軌道に乗るまでの間の通常の営業費用、損害保険料の負担その他、エッソ石油の費用負担を増加するという方向で改善を考える。また相互の信頼関係を緊密化するという見地から、あらかじめエッソが掛け売りの限度につきまして引き上げに同意したものにつきましては、マネージャー側が善良な管理者の注意義務を払ってなおかつ回収できないという場合には、売り掛け回収義務を追及しない。またエッソの契約解除の事由も、全然規定がございませんが、この事由を明確化しまして、その事由に該当しない場合には解除を申し入れることをやらない。また給油所以外の兼業の避止義務等についても改める。それから連帯保証人の弁済限度額をきめまして、保証人にもし保証人としての適格性を失うような事情があった場合には、直ちにマネージャーの契約を解除するということをせずに、かわりの保証人を立てる。また御指摘のありました裁判管轄の問題につきましても、東京地方裁判所ということにしておりましたが、給油所の所在地区に改める。 第二に、契約事項の内容以外のものでございますが、マネージャーの地位を安定せしめるという意味で、積み立て金制度あるいは解約時の一時金制度、あるいはマネージャー販売努力に対する販売奨励金制度等々、マネージャーの生活保障面の改善も考慮する。 それから、御指摘がありましたが、第三点として、石油販売業界全体の発展に寄与するという見地から、販売業者の組織する団体に積極的に加入して、その組織の中で協調を促進していくということにしたい。 こういう意見を申し出ておりまして、御指摘のような、石油製品販売の特殊性に基づいて若干問題として考えられる点について、改善を考えるということでございます。
○横山委員 時間の関係でその詳細について一問一答を行なう時間がございませんので、いまあなたのお手元にありますそれらの条項を文書で私のほうへ後刻提出を願いましょうか。
○本田説明員 ただいま御説明申し上げました内容について、文書でお手元へ差し上げるようにいたします。
○横山委員 私が非常に遺憾に存じますのは、いまお話しのようなことは一歩前進であると認めるのにやぶさかではありません。しかし、こういう席上で次のことを申し上げるのは、そういう一歩前進を認めながら、確かに残念なことではありますが、私が先月国会で取り上げまして以来、エッソが一方ではこのような解決の手段をとりながら、他方において何をしたかということであります。本日マネプラの諸君が傍聴しておるようでありますが、一部の地域におきましては、きょうの商工委員会の傍聴をすることを絶対支店長が禁止する、そして行かせないようにエッソの支店の会議を緊急に行なう。もし国会へ行ったならば、入り口で写真をとって報復手段をする。片っ端からそういうことをいたしたようであります。何のためにそういうことを行なうのであろうか。私は全く理解に苦しむのであります。一方でこういう改善措置をするように見せかけながら、他方でそのような圧迫行為を加えておることについて、政府はどうお考えでありましょうか。
○本田説明員 お答えいたします。 ただいま御指摘のありましたような事実につきましては、われわれとしては承知いたしておりません。かりにいま御指摘のような事実があったとすれば、これは適当でない、遺憾なことだと存じます。したがって、さようなことにつきましては、後刻事実を聞き、必要に応じた注意をいたしたいと思います。
○横山委員 私も遺憾だと思うし、そういう改善に努力をしておる政府にとっても、ばかにされたようなことだと私は思います。 これは一例でありますが、第二の例は、国会で問題になる、あるいはいろいろな方面で話題になるということで、エッソの中央部においても多少の反省があったようではありますが、また一方においては、いま問題にしております契約書を、何としても判こを押せといって全国的な動きがあるわけであります。問題になっておる新契約書、その新契約書を改善いたしますと政府側に言いながら、他方では既成事実をつくるために、新契約書を次から次へと個別に切りくずしをして判こを押させようとしておることについて、まことに遺憾だと思いますが、この点についてお調べをなさいましたか。
○本田説明員 お答えいたします。 ただいま御指摘のような事実については、私のほうでは承知いたしておりませんが、先ほど申し上げましたような改善については、現在締結されている新旧契約書の更新期に、十月以降その線に沿った更新をするというふうに、われわれのほうでは説明を受けておる次第であります。
○横山委員 そうしますと、こういうふうに理解してよろしいのでしょうか。あなたが説明を受けられた立場によれば、少なくともいま話題の中心となっておる、恥ずべき契約書だと私は思うのですが、いわゆる新契約書、いまわれわれの爼上で議論をしておる新契約書は、いまお話のあったような線、少なくともそれを最低線にして改善をされるものだ。したがって、いまの話題になっておる新契約書は、エッソはこのマネプラに対して調印を強要しない、また調印をさせない、またストップをして、新々契約書とでもいいましょうか、新々契約書によって行なわれる、こういうふうに私は理解したいと思うし、エッソと話し合われた政府としても理解せられておるものだと思ってよろしゅうございましょうか。
○本田説明員 ただいま、先ほど御説明しました内容を盛り込んだ契約を、おそくとも本年の十月以降におきまして、旧契約書であれ新契約書であれ、更新時期がきた場合に更新するとともに、マネージャーのほうから希望があれば、希望に従った時期に更新しようというふうにわれわれは聞いております。
○横山委員 そうであるならば、いま全国で行なわれておるいわゆる新契約書におけるエッソの強圧的な契約、調印をしろという作業はストップさせられる、こういうふうに理解をしておきます。 公取にお伺いをしたいのですが、先ほど申しましたように、工業メーカーと下請の問題は、歴年話題の中心となり、下請代金遅延防止法というものがあって、それによって幾つかの規制をしてまいりました。しかし私が考えますのに、流通革命時代において、新しく一九七〇年代において考えらるべきことは、流通過程における支配従属関係であります。委員長もこの新契約書をごらんになったと思います。一条一条の問題はもちろんでありますが、全体を通じて非常な従属関係であります。商法の代理商の定義から若干はずれておるといたしましても、これはまさにマネプラをほかっておいたら何をするかわからぬ。どろぼうをするかもしれぬ。ごまかすかもしれぬ。猜疑心に満ちたやり方であります。ひとりスタンドの問題であるばかりでなくて、それは化粧品会社と代理店、自動車メーカーとまたその総代理店、あらゆる代理店において代理店契約が行なわれておるのでありますが、もちろん代理店に対しては特別に援助をする、融資をする、いろいろな方法がございまして、やっております。けれども、そういうような関係を通じて従属関係というものが、一九七〇年代に流通革命が広がれば広がるほどふえていくのではないかと私は思うのであります。工業関係と同じように、商業・流通関係におきましても、工業関係でわれわれが考えたことがいま事実問題としてあり、かつ増大するような感じがしてなりません。 この際、商業関係、流通関係における代理店制度、その支配従属関係、独禁法また商法との関係ということについて、公正取引委員会としては新しい検討をすべきだと思うのですが、どうお考えでありましょうか。
○谷村説明員 独占禁止政策、あるいは公正な競争維持政策、さような考え方から見まして、いわゆる営業の自由というものの限界をどこに画すべきかという非常にむずかしいところでございます。御指摘のように、メーカーによる流通支配という問題も出ておりますし、逆に大流通機構によるまた他のいろいろな影響といったような問題も出てきております。時代はいろいろと変わっておりますので、この問題だけに限らず、公正かつ自由な競争というものをいかにして秩序正しく持っていくかということの勉強は、当然いたさなければならぬものだと思っております。
○横山委員 通産省にお伺いをしますけれども、いろいろ御検討をなさった中で私が主張いたしております点が二つあったことは、先ほど言ったとおりであります。 一つは、信頼関係という問題である。かりにマネプラが百軒のうち、一軒や二軒悪いことをするとしましょうか。それはあらゆる社会において存在するものであって、一軒、二軒がかりに悪いことをしたからといって、全体を律し、全体を新契約書、新々契約書の中でそういうことを精神としてはならぬ。少なくとも相互の信頼関係に立った契約書でなければならぬということが一つであります。また契約書ばかりでなくて、関係がそうでなければならぬというのが第一であります。 第二番目の問題は、マネプラの諸君は資本もない、あるいは社会的経験も乏しいかもしれぬ。けれども、その意気を買って、ひとつ思い切り君の長所、君の創意、努力を生かせということで、進んで喜んでそういうことならということで、契約書の内容がどういう結果を及ぼすかも知らないでやってみる。普通のスタンドよりも全力をあげて働く。調整規程による休日、あるいは祭日、あるいは夜間、そういうことを守っておったのでは成り立たぬから、調整規程に反して夜間も休日も活動をする。それをもってしましても採算が成り立たぬ。地域や条件にもよります。だから一がいに全部が全部だとは言いませんが、大多数のものが採算が合わぬ。そういう点について御検討をなさいましたか。エッソは、一生懸命にやればそれだけの報酬があり、あるいはそれだけの採算がとれるはずだと言っておるに違いないと思うのでありますが、この契約条項を実際に当てはめてみて、一体採算がとれるものであるかどうか。 ここにマネプラの現状についてのある業界紙の座談会がございます。参考のためにちょっと読みますと、 七年間働きづくめだ。だがもうたえ切れなくなって来た。働くのがいやじゃない。いまだって十六時間営業だし、わたしも十二時間はSSにへばりついている。体はまだまだ持つだろう。 私の借金はもう五百万円になった。働けば働くほど赤字になる。その赤字にみんな借金になって残る。それでいて売り掛け金などの債権はみんなエッソだ。いまじゃやめるにやめられない。やめれば、エッソはわれわれの保証人から情容赦もなく金をとりあげる。 契約したころはまだ基本的政策があいまいであったためか、担当者によって考えに幅があった。たとえば契約当時の基準価格は一リットル四十六円二十銭だった。これが税金二十八円七十銭をひいたものの二〇%、一リットル三円七十銭がコミッションだった。そしてそれ以上の価格で売るとこれはわれわれの収入になった。だから一生懸命値段をあげた。 ところが最近ではそれもできない。販売価格がそのまま基準価格になってしまうから、いくら高く売ってもコミッションは知れている。それだから食うためににはいきおい量販に頼ることになる。 いいですか。一円高く売っても二十銭しか収入がふえない。それより一リットルよけいに売ったら、リットル四十八円としても、三円八十銭のコミツションが入る。これでは値上げするバカはいない。 それでも組合の人たちから憎まれたくないから、なんとか値下げはしまい、市況是正に協力しようと思ってやって来た。だがそれでもどうしても調整規程だけは守れない。夜間のわずかな売り上げだってほしい。日曜の売りあげだってほしい。自分の体を痛めつけてでもなんとかなるならなんでもやりたい。そして現に私は自分の体を痛めている。 こういうことを私も具体的にいろいろ聞いてみますと、いまのエッソのマネプラのやり方では基本的に採算がとれない、そういう現状について考えなければなりません。先ほどのお話では、特殊な条件下、つまり積み立て金制度をやるとか、解約の場合とか、あるいは奨励金だとか、そういう特殊な場合を議論をしておられるようでありますが、肝心かなめの通常一般論としてマネプラが採算がとれるというところにならなければ、結局ちりも積もって山となり、保証人に全部かかっていき、やめるにやめられない、そういうような状況が累積していくだけだと思うのですが、通常における採算について御検討なさいましたか。
○本田説明員 お答えいたします。 問題点として指摘を受けたのは、ただいまお話のありましたように、マネージャーとエッソとの間の相互の信頼関係を確立するということが必要であるという点で、今回改善の方向としても、マネージャーの地位の安定を考慮するという改善を行なうことが必要だという点が一点あろうと思います。 それからもう一点は、後半で御指摘になりました、マネージャーが通常の経営によって成り立ち得るような配慮というものが必要ではないかという点であろうと存じます。 われわれのほうで改善について申し出ておる点で考えますと、たとえば損害保険料についてエッソ石油のほうで負担するということによりまして、経常費の一部がエッソの負担になる。また販売促進活動に要する費用の一部もエッソの負担にする。あるいはエッソ石油が貸与しておる施設等の管理費用について、従来不明確でございますが、これらを明確化して管理費の一部をエッソが負担する。こういう改善を行なって、マネージャーとしての経常経費の軽減もはかるということを申し出ておるわけでございまして、これらの内容につきましては、さらに具体的に今後聴取し、適正かどうかの判断をいたしたいと思っておる次第でございます。
○横山委員 一回ひとつそういう新しいやり方、新々契約書の内容に盛られるやり方で——普通のガソリンスタンドとマネプラとは条件が違うことはまあやむを得ないことであります。ある程度やむを得ない。なぜかというならば、土地も建物も商品もエッソが貸してやるのですから、多少利潤が低いのはやむを得ない。けれども、それが採算がとれないということでは、これは過酷なやり方であります。結局エッソは、あらゆる点について自分のところの採算が優先をする、収入のうちで先取り特権を持っておるということでありますから、どんなことになろうとエッソについては損害がないといっても過言ではないのであります。そういう点について、一般的平常努力をした場合において採算が合うか合わないかということが問題の焦点だと私は思います。そういう点でひとつ御検討をわずらわしたいと思います。 その次に私は、一カ月の予告期間の間に、少なくともいまお話しのような点についてエッソの反省点なり改善点が多少あるとは思います。けれども、恒久的に私の言うところの信頼感というものが相互に生まれるか生まれないかということを考えますと、いまエッソは率直にいって上意下達機関であります。私がこもごもあらゆる人に聞きましたところ、アメリカ的な、もうほんとうに合理的といいますか、非人情的といいますか、徹底した合理主義でやっておるようで、マネプラなり、あるいはスタンドの人たちの言う意見というものはほとんど聞かない。先般来ようやく嘆願書を出すということになっても、嘆願書は受け付けない。集団で来た場合、代表で来た場合には受け付けない、個々の意見は聞きましょう、こういうことだそうであります。これは一つの企業としてたいへんやり方のまずいことだと思います。だから、指導の一つの恒久的なあり方というものは、少なくとも一般の代理店なりあるいはマネプラの諸君から民主的に選出された代表者と定期的に話し合うというようなことが、恒久的信頼関係を確立する、保証する方法だと私は思うのであります。そういう点について行政指導をしてもらいたいと思いますが、どうでしょうか。
○本田説明員 御指摘のように、系列の取引関係でございますから、根本的には相互の信頼を基礎としまして相互の利益が享受できるという状態でなければならないと存じます。したがって、かような状態を実現できるような方向で指導いたしたいと存じます。
○横山委員 いま全日本にありますスタンドの数は実にたくさんでございます。年々歳々スタンドがどんどんできていきます。しかし私の承知したところによりますと、石油審議会なりあるいは政府の行政指導でありますか、年間一定の新設のワクをつくって、それを各府県に一定の方法で割り当てをさして、事実上このワク内でスタンドの増設を許可する——いま許可制度ではありませんけれども、事実上許可をする、こういう方式がつくられておるそうでありますが、それは何法によって何の根拠をもってそういうことをおやりでありましょうか。
○本田説明員 われわれといたしましては、ガソリンスタンドの設立につきましては、あまり距離的に近く集中して設置されることが、競争を過当にし業界の秩序が混乱するというおそれがございますので、距離の制限をして、かなりの距離をおいたところで開設するというふうに基本的に指導しているわけでございます、その際、資金等の関係もございますから、数を確定的に制限するということではなくて、需要の増加等との判断から適当な数の増設が望ましいということで指導いたしておるわけでありまして……(横山委員「何法によって」と呼ぶ)特定の法律はございません。
○横山委員 私も過当競争を防止するためにはその必要は認めます。けれども、それは私の考えますところによりますと、法律的根拠がない。政府がそういうことをやらなければならないといったって、自由裁量で政府はそういう権限を与えられておるのではありません。たとえば、ことしは二百カ所ですか、何百カ所ですか、そのくらいの新設を事実上認める方式で行政指導しておられるけれども、どこかのスタンドが、おれはどうしてもやるんだというならば、それをさえぎる権限は政府にはありませんね。 私が言いたいことは、もしそういうことが必要であるならば、政府は一定の法律的根拠を持つべきだ。持たなければならぬではないか。一体、公正取引委員会はそういうことについて御相談を受けたのか、受けなかったのか。受けたとすれば、どうしてそれがいいというふうに公取は同意を与えたのか、その点はどうですか。
○吉田説明員 お答えいたします。 公正取引委員会としては、そういう相談は受けたことはございます。ただ公取としては、あまりそういうことは望ましくないということで、通産に対して返事をいたしております。しかし、過当な競争を防止するためにやむを得ないのではないかということは、同時に申したと思います。
○横山委員 いまの公取としては、政府がそういう行政指導をすることは、行政上はやむを得ないと認めるけれども法律上は適当ではないということは、要するに私も同意見であります。政府の行政指導の必要性があるならば、一定の法律的根拠を持つべきであるということを私は言いたいのであります。 私はそれを何のために言うかといいますと、これは中小企業庁長官にも公取委員長にも聞いてほしいのでありますが、私の立論の趣旨は、新しい流通革命における支配従属関係が始まっておる、そういう過程で、中小企業等協同組合法、石油スタンドでいえば全石連という組織がございます。全石連の組織というものは実体はエッソ、共同石油、日石という企業系列のほうが実は実力を持っておる、こういうようなことであります。したがって、中小企業基本法が目ざす団結、スタンドが団結をして自分たちの共同的な利益を守るということが、事実上失われておるような気がしてならぬ。この際、石油販売業法というものを制定する必要がないかどうかという点であります。 いま石油業法という法律があります。これは主として元売り関係、メーカー関係の法律でありまして、スタンドにつきましては、届け出さえすれば許可されることになっておる。しかし事実上は許可されない。なぜか。政府の行政指導があるから。政府はどういう根拠を持ってそれをやっておるのか、何の根拠もない。こういうあいまいもことしたやり方について是正する必要がある。石油業法のわずか一条で全国数千の石油スタンドが規制されておるということはおかしなことだ。いわんや他の業界をながめてみますと、たとえばプロパンガスにいたしましても、あるいはお酒にいたしましても、それぞれの業法がある。私は一番これに匹敵するものは、お酒の業法ではないかと思う。酒の小売り屋さんもいま許可制度になっておりますけれども、なぜ酒屋さんが許可制度になるのだろうかといいますと、国税収入の確保という点であるといわれておる。国税収入であるならば、ガソリンスタンド、元売りが払っております——蔵出しの関係で国税の場合は元売りでありますが、軽油引取税は地方税である。ガソリン税は国税である。その二つを合計いたしますと、酒税に匹敵するほどの膨大な国税を納めておる。したがって、国税確保の面からいうならば、むしろこの石油関係のほうが大宗を占めるのではあるまいか。社会公共上の必要性からいったらどうだろう。お酒屋さんが、社会公共上の安全であるとか、あるいは危険だとか、そういうことがあるとはだれしも思わない。しかしガソリンスタンドの危険性というものは、実にはかりしれがたいものがある。また過当競争からいってもいま御説明のとおりである。そう考えますと、この際ひとつ石油販売業法というものを制定して、これらの問題にこたえる必要がありはしないか、こう考えるのでありますが、通産省の御意見を伺いたいと思います。
○本田説明員 石油販売につきましては、現在行政指導でやっておることが必ずしも適当ではないのではないかという御指摘でございまして、法律で規制するのがいいのではないかという点でございますが、販売業についての規制については、種々問題も従来からございましたので、御指摘の点についてはよく検討させていただきたいと存じます。
○横山委員 これはもちろんきょうあす法律ができるものではありません。私どもも検討いたしたいと思いますが、政府はいま説明をいたしました諸般の点について十分検討をせられることを望んでやみません。少なくとも、政府が、いまガソリンスタンドに対する規制権限が何もないにもかかわらず、実情がこうだからといってこの新設規制を事実上行なっておりますことにつきましては違法のそしりは免れがたい、強くそれを指摘しておきたいと思います。 次に、具体的な問題でありますが、石油の販売をスタンドが行ないます状況を聞いてみますと、大口工場にはリッター四十三円くらい、一般の販売は四十七円くらい、官庁には四十二円くらいで売っておるのが通例のようであります。私はそれを聞きましたときに、何か錯覚を覚えたわけであります。お役所が四十二円で買う、一般の需要者が四十七円で買うということはどういうことなんだろうか。一般の消費者はお役所へ安く売る分を自分たちが負担しているという感じがするわけであります。なるほど工場だとかあるいは官庁というものは、リスクがないかもしれません。手続が簡単でコストが安くつくかもしれません。けれども工場と役所とは別の問題だろうと思うのであります。いま石油販売価格の安定を考える場合におきまして、役所が四十二円で買い、一般が四十七円で買うということについて、どういうふうに考えたらいいんだろうか。私も自問自答をしておるような質問のしかたでありますけれども、どうも国民側としては納得できないものがある。どうお考えでございましょう。
○本田説明員 お答えいたします。 自動車ガソリンの一般の取引価格につきましては、大口の取引と小口の取引で若干の値開きがあるのは御指摘のとおりでございます。官公庁に納入しておりますガソリン価格につきましては、御指摘でもございますが、一般的に取引の量というものが大きくまとまっておるということ、あるいは支払い条件がいいということ、あるいは貸し倒れがないというようなことと同時に、競争入札という一つの会計規則に基づく購入方法がございますので、これらの点から大口の取引価格という線に近いもので取引されておるというふうに考えるわけでございます。
○横山委員 それをどう思うかと聞いているのです。
○本田説明員 取引価格の形成の条件としては、いま申し上げましたような、取引量、あるいは支払い条件、あるいは貸し倒れの危険の有無等が価格を構成するわけでございますので、大口価格に近いもので取引されるというのは取引の実態に近い形ではなかろうかと思うわけでございます。
○横山委員 そういたしますと、あなたは、役所が買いたたいてなるべく安く買うようになるのはやむを得ぬ、それで一般の消費者に対しては高く売ることになってもやむを得ぬ、これが経済の自然の法則である、こういうことを言いたいわけですか。
○本田説明員 私の申し上げたいのは、官公庁の物品の買い入れにつきましては会計の規則に従って処置するということがございますので、その規則に従った買い方をいたしますと、大口の価格に近い価格に相なるということを申し上げたわけでございます。
○横山委員 つまり、役所の会計規則からいうと、安く買えば安く買ったほうがいい、会計検査院も喜んでくれる、だから安く買うのが何が悪いか、だから役所は思い切って安く買うのが法則である、それが善良なお役所のやることだ、その分は一般の大衆にかかっても結論的にはしかたがないではないか、こう言いたいのですかと言って聞いているのです。それを、まあそうだけれどもそれは言えぬというようなお話のようでございますが、そこのところを石油販売価格の安定ということを担当しておられるあなたとしてはそのまま放置するのがいいのだろうかどうかということを私は聞いておるのです。私の言うことがわかってわからないのですか。やむを得ないならやむを得ないと言ってもらえば次へ移りますよ。
○本田説明員 ただいまお話しの、役所が安く買って、一般の消費者が高く買っておるということでいいのかということでございますが、価格形成の実態からいいますと、価格を構成する前提の諸条件が違いますと価格の値幅も出るということでございますので、その点につきましてはどちらが損得ということではなかろうと思うわけでございます。
○横山委員 私は、それを放置しておけば、スタンド側としてはなるべく役所の仕事をしたい。だから出血受注といいますか、そういう場合もなきにしもあらず、こう考えておるから、経済の自然の法則をどうしても否定はできないけれども、いささか行き過ぎの点があるのではないか、こういうことを私は感ずるのです。 私の一案としては、こういうことを一ぺん検討してほしいと思うのです。それはスタンド側の過当競争も原因があると思うのです。横山石油店が四十二円だとすれば、鈴木のほうは、じゃおれは四十一円で受ける、一ぺん役所を獲得しておけばそれでいいという過当競争感が災いしていると思うのです。だから少なくとも官公庁については、それぞれの全石連の下部組織、一つの県あるいは一つの市と役所との話し合いによる一定価格をもってこれをやったらどうか。いままで取引しているところはチケットをもってやれば、いままでの既得権を侵すことはあるまいと思うのです。少なくとも私は、役所が一番安いということについて何としてもがまんがならぬ点がある。理屈はわからぬではないけれども、その点役所が一番得をしておる。それでもって価格形成の安定ということもないではないか、こういうことを言いたいのであります。あなたの言う立場も、私、大蔵出身の者としてはわかりますけれども、もう少しそこを是正する道がないかどうか、御検討をなさるお気持ちはありませんか。
○本田説明員 ただいま御提案のありました、たとえば全石連のチケットを使うというような問題につきましては、会計の規則等の関係もございますので、研究をさせていだたきたいと存じます。
○横山委員 次に、私は税法をよく見たのでありますが、税法によれば、ガソリン税で元売りからスタンドで発売するまでの間に欠減がある。いま欠減は一・五%であります。欠減分だけ税金を引くということになっておる。少なくとも税法のたてまえからいうならば、欠減は元売り段階においてもあることは言うまでもないが、スタンドに移ってからでも欠減がある。だから税法上は欠減一・五%——これは金額にしては全国的に膨大な数になりますが、欠減一・五%を考えに入れるならば、少なくとも税法上は元売りにも、それからスタンド側にも欠減の恩典を受けさせるべきではないか、これはあたりまえのことだと私は思っておるわけであります。ところがいまの状態は、欠減は元売りのガソリン税の中から全部軽減していただいておる。いささか不公平である。これは歴年問題になってきた。ところが最近それが話題の中心になって、それは、税法上はそうしておくけれども、スタンド側についても若干の恩典をこの機会に受けさせるということになって、先月確定した模様であります。まずその確定した内容を簡潔に報告をしていただきたいと思うのです。
○本田説明員 ガソリン税の欠減につきましては、お話しのとおり一・五%欠減の戻しがあるということになっております。実際は元売り業者が蔵出しする際に、一〇〇の品物を納めた際に九八・五%に相当する量の税額だけを納めるという形になっておりまして、最初から納めずにおるわけでございます。したがって、これを前提にして取引が行なわれるというのが実情であろうと思います。 ところが、欠減の問題につきましては、販売業者の段階においてもいろいろあるし、何らか各社別に取引の条件として欠減の払い戻しといいますか、補助といいますか、そうした形で解決されておったわけでございますが、各社別に非常に差もある。しかも税法との関係でなるべく一律の方法で解決することが望ましいというふうに存じましたので、メーターセールスの場合にはキロリットル当たり百七十円、それからメーターセールス以外のものについては百三十円のものを、一律に欠減分も含めた費用といたしまして各社とも共通で取引の条件を整備する、こういうふうにいたしたわけであります。
○横山委員 念のために。時間がないので細目を尋ねるわけにはいきませんが、それで政府の庶幾するように、欠減分について各スタンドで公正に、元売りがかってなことをしないで公正に、いま言われた数字について実行される保証を政府はお持ちでございますか。間違いなく、それがごまかすことなく行なわれるという確信をお持ちでございますか。その保証はどういう保証をなさいますか。
○本田説明員 これは法的な規制でもございませんから、そういう形の保証というものはございませんが、元売り業界としては、その線で今後の取引の条件を整備するということを確約をいたしておりますので、その線で今後の取引条件が整備されるということを期待いたしておるわけでございます。
○横山委員 そこでもう一ぺんこのエッソのマネプラに移るわけでございますが、少なくともそういうことについて、あなたの計算の数字によって、一般の代理店は若干の年間収入がふえたことになります。ところがマネプラの場合には、スタンドが全部借りものであるから一切それには関係ない、こういうことになりますね。私は理屈はそのとおりだといわざるを得ぬのであります。なるほど理屈は、全部借りものであるということだ。けれども、欠減は実際にマネプラにもあるわけです。ですから私の言いたいのは、実際問題として一般のスタンドはそういうことで増収があるなら、エッソもそれと同じようなマネプラを考えたらどうかと私は言いたいのであります。あなたの言っておられるのは、マネプラも含まれるのか含まれないのか。含まれないなら、それはどういうことを考えたらよろしいのか、こういう点であります。
○本田説明員 先ほど申し上げました数字は、欠減を含んだ数字でございますという点をあらためて申し上げておきまして、マネプラの場合にこれが入るかどうかにつきましては、実は原則をきめて、あと細部についてはさらに詳細に詰めるということになっておりますので、ただいまマネプラが入るかどうかについてはお答えできない状態にありますので、後刻調べさせていただきたいと存じます。
○横山委員 そうだと思うのです。そのように、元売りと全石連との契約の中であなたが納得をさせたという点について、まだまだたくさんの問題があると思うのです。少なくともこの機会に私はマネプラの問題だけは提起しておきたいと思うのです。今後検討なさるとするならば、ぜひマネプラにもその恩恵が与えられるように配慮をしてやっていただきたいと思いますが、お約束できましょうか。
○本田説明員 細目を検討する際に、御指摘の点についてもよく考えて処理さしていただきたいと存じます。
○横山委員 いままでの質疑を聞いていただきまして、中小企業庁長官にお伺いをしたいのであります。 先ほど公取には代理店制度についての御検討をお願いしたのでありますが、これはもっぱら独禁法、商法に関係するかどうかという意味において御検討をお願いをしておるわけであります。しかし中小企業庁としては、私の指摘しております新しい中小企業問題、工業関係と同じような体質を持った新しい従属関係という意味において、中小企業庁として代理店制度ということについて今後検討をしてもらいたい、また一定の規制を何かの形で行なえるような方法を考えてもらいたいと思いますが、この種の問題についての御感想を伺いたいと思います。
○吉光説明員 流通活動の効率化を確保いたしますために、いま御指摘ございましたような諸制度につきまして、この際あらためて検討すべき事項が多々あるのではないかと思うわけでございます。ともすれば、流通機構内部におきましては、従前の不合理な取引慣行がそのまま温存されたり、あるいはまた逆に積極的に合理的な取引慣行を形成すべき要素もまた多々あろうかと思うわけでございます。そういう意味で、総合的に流通全体の近代化をどう進めてまいるかというふうな、そういう角度から御指摘の数々の問題点について検討させていただきたいと考えます。
○横山委員 それでは通産省には、今後私が希望いたしました原則及び具体的な諸点につきまして御検討をわずらわしたい。重ねて言いますが、私はマネプラ方式そのものに反対しているわけではありません。マネプラは、資産も所得も社会的地位もまだ不十分だが、やる気になっている新しい層を伸ばしてやるという意味においては、私は一つの方式だと思うのであります。ただ、その方式がいまのような害を保って、それが改善されないとするならば、私はマネプラ方式そのものについても、やめたらどうだといわざるを得ないのであります。当面としては、エッソ側につきましても若干の御検討、御反省のようでもありますから、ひとつ長期にわたって、相互の信頼関係、平常努力した場合の採算、恒久的な仕組みという点について、引き続き御検討をお願いしたいと思います。 さてマネプラはそれで終わりまして、厚生省おいでを願っておりますね。 先般予算委員会で私がチクロの問題を取り上げました。一つは、チクロそのものも問題であるけれども、チクロによって生じておる新しい問題、つまり一般公害のような問題でなくして、政府がきのうまではいいと言っておったものを、きょうからだめだと言うことによって、政府自身も、責任が中小企業にはない、こう言って言明をしたものについて何らかの補償をすべきではないか、こういう問題を提起いたしましたところ、大蔵大臣は、わかりました、非常にむずかしい問題ではあるけれども一ぺん深く検討したいと思います、こういう趣旨の発言をこの春の予算委員会でなさったわけであります。 二月には清涼飲料業界がそれによる打撃を受け、いよいよ九月でありますか、九月末をもってかん詰め業界はチクロ使用を全面的に禁止されるわけであります。私は、チクロというものがもしもほんとうに害があるということであるならば、これは全面的にもちろん禁止すべきだと思います。問題は、それを知ってつくっておったか、知らずにつくっておったか。あるいはまた、政府がきのうまでいいと言っておったものをきょうからいけないと言った問題について、問題を提起しておるわけであります。 かん詰めの業界は、私が聞いておりますところによりますと、膨大な滞貨をかかえておる、ひとつ九月の末になったら、厚生省と農林省の玄関にトラックを数十台持っていってかん詰めを全部ほかって逃げてこよう、こういうことを、笑い話のようですが言っています。なぜか。捨てるところがないのであります。私が知っている清涼飲料業者におきましても、チクロ入りの濃縮ジュースその他を倉庫の中へ山と積んで、捨てるところがない。ほんとうに捨てるところを教えてくれ。保健所へ行ったって、何とかしてくれ、こう言っているだけであって全く捨てるところがない。まあ海の中へ持っていってどぼんどぼんやってやろうか、というようなことも言っておるのでありますが、これらの問題についての行政指導について若干やはり欠くるところがあるのではないかと思います。 まず第一にお伺いしたいのは、一体大蔵大臣が言いましたことについて、政府はほんとうに責任を持ってなさるおつもりがあるかどうかということであります。厚生省のあなたにお伺いすることが妥当であるかどうかわかりませんが、少なくとも厚生省がチクロ問題の責任者でございますからお伺いをいたします。
○横田説明員 チクロ業界の問題につきましては、私どももたいへん困ったことだと思っております。ただこの問題につきまして、私どもも、生産関係を所管しておられます農林省や、それから通産省、それからまた法律問題がからんでおりますので法制局等とも、かねがねいろいろ相談をいたしておるわけでございますが、損害賠償ないし損失補償の問題につきましては、くどくど理由は申し上げませんけれども、認めました際の当時の学問的な水準ではとうてい予想できなかったような学問的な新しい知見があとから出てまいったという事態でございますので、当時このチクロを認めましたそのことにつきまして、行政上、法律的に云々されるような責任はなかろう。そういうことであれば、不法行為による損害賠償でございますとか、あるいはまた、そういった食品メーカーはいつでも国民に対して健康上全く害のない食品を製造し販売すべき社会的責任がある、そういった観点から考えますと、損失補償の問題につきましても、法律的には別にこれをなす義務はない、法律的な結論といたしましては、そのような見解を、私どもといたしましてもとっております。 ただ、現実問題といたしまして、先生が御指摘のように、このチクロの業界は最初から悪いものと知ってこれをつくっておったわけでもございませんで、いうならば晴天のへきれきのような事態にあったわけでございますので、このことによりまして非常に経営が困りまして、あるいは倒産というようなことになっては困りますので、私どもといたしましても、生産主管の通産、農林の両省にも、これらの業者に対しますいろいろな融資上のお手当て等をいたしていただくようにお願いをいたしておるわけでございます。
○横山委員 時間がございませんので、この私の質問は、多少時間をかけませんと私の真意がわからない、誤解を与えるおそれが若干ありますので、あと一問だけにとどめておきたいと思います。 それは、チクロが禁止をされる導火線となりましたのは、アメリカにおいて発ガン性があるといわれたからであります。アメリカで発ガン性があるといわれたから、電光石火のごとく日本においてもだめだということに政府が決断をいたしました。その後どういうことか知りませんけれども、かん詰めだけが十月に延期をされました。念のために聞いておきますが、アメリカで行なわれた発ガン性がありという研究に対して、電光石火日本も、アメリカでいかぬなら日本でもいかぬといったわけですが、日本国内におきまして、その後このチクロが発ガン性ありという研究をなさったのであるかどうか。一体その結果はどうなったのであるか。日本ではアメリカと同じようなやり方で研究をいたしたところ、どうも発ガン性がない、そういう話が巷間伝えられておりますが、その辺の経緯を明らかにしてもらいたい。簡潔でけっこうです。
○横田説明員 チクロを禁止いたしました契機となりました研究は、御指摘のように、アメリカにおきます研究でございます。ただ、この研究につきましては、厚生省に食品衛生調査会と申します専門家の審議会がございまして、そこでもってこのアメリカで行ないました研究の内容を十分評価いたしました結果、その結果によってチクロは禁止すべきであるという御結論をお出しになりましたので、それによってチクロを禁止いたしたわけでございます。 それから、お尋ねのチクロの発ガン性につきましてのわが国での研究でございますが、これは現在継続中の研究が二つございます。一つは財団法人癌研究会の研究所におきまして、チクロの禁止問題が出る少し以前からやっておりました研究でございます。先生が中間的な結論云々とおっしゃったのはおそらくこの研究のことだろうと思いますが、これは実はきわめて予備的な試験研究でございまして、大体出ております結論と申しますのは、そういった予備的研究の結論で、まだそのことによって云々すべきような結論は出ておりません。それからもう一つのほうの国立衛生試験所において実施中の研究は、このチクロ禁止問題が起こりました以降、さっそく国内の研究所においても同じような追試をしてみることが、学問的な決着をつける意味で非常に必要であろうというようなことで始めたものでございまして、これは大体これから二年くらいの経過を見ませんと結論が出ない、このような状況でございます。
○横山委員 終わります。
○武藤委員長代理 橋口君。
○橋口委員 午前中に引き続いて海外資源の開発についてお伺いしたいと思います。 午前中私は、日本経済成長の最大の条件として、対内的にはこれから公害対策を徹底的に講ずるということ、対外的には海外資源を抜本的に確保する対策を講ずるということ、こう申し上げたのであります。そこで、そのうちで特にエネルギー資源である石油については、自主開発が三割まで予定をされておるけれどもなかなかその目標に達しない、それでは今後の日本の経済成長に重大な影響を来たすのではないか、こう申し上げたのでございます。そこで、今後の海外資源の開発について最大の課題は、どうしてその探鉱開発の資金を確保するかということが一番の大きな課題だろうと思います。それについて、現在石油に課せられている関税から、ひとつ特にエネルギーの特別会計をつくるべきではないか、こういうことを申し上げたのでございます。この問題につきましては、先ほど経済企画庁の長官から伺いましたが、通産省としては今後どういう方策で臨まれるか、まずその問題について承りたいと思います。
○本田説明員 通産省といたしましても、御指摘のように、エネルギー資源、特に原油の開発については、特に重点的に推進していく必要があると考えております。それに伴いまして、資金はきわめて膨大な額を要しまして、その資金につきましても、民間企業だけでは調達が困難だということで、石油開発公団をさきに設置いたしまして、公団から投融資を行なうという形で資金を供給いたしておるわけでございます。今後の石油資源開発に伴う開発所要資金の増額につきまして、資金の確保はきわめて重要であり、われわれとしてはこれを確保するようにいたしたいと考えておる次第でありますが、先ほど御指摘のありました、原油関税に対する一般会計に入っております分につきまして、これを特別会計にいたしましてエネルギー開発の資金とするというのも一つの方法であろうというふうに存ずる次第でございまして、一つの方法として現在検討いたしておるわけでございます。
○橋口委員 これについては、ひとつぜひ強力に推進をしていただきたいと思います。 また、これは通産省よりもむしろ大蔵省にとって非常に大きな問題になると思いますが、非常に保有外貨がふえている昨今、どうしてもそれを今後海外鉱物資源の開発に振り向けるように、これも特に大蔵省とも相談をしていただきたいと思います。これは最近では財界一般の世論にもなっているようでございますから、非常にむずかしい課題であると思いますけれども、特に御研究をお願いしたいと思います。 そこで私、最近海外を視察してまいりまして、非常に痛感していることは、先ほどから申し上げるように、開発資金が非常に少ない。たとえば、経済成長においては日本よりも最近立ちおくれているイギリスのごときは、年間に六百億円くらいをシェル一社で使っているくらいであります。日本では現在、全体合わせて幾らぐらい今年度は予定は使っておられますか。
○本田説明員 お答えいたします。 石油開発につきましては、本年度の予算は百三十五億でございまして、三百数十億の開発に対する公団の資金として考えておる次第でございます。
○橋口委員 それでは財政資金が非常に少ないと思います。明年度におきましては、いまのエネルギー特別会計と合わせて大幅に増額できるように、特にひとつ御研究を願いたいと思います。 そこで次に、わが国に入ってくる石油の九〇%は中近東地区だと思います。これは私は、中東戦争が起こりました直後にも質問をしたことでございます。また政府多年の懸案でもありますけれども、その集中ということは非常にわが国にとっては危険である。これを分散しようということでございますが、一昨年の中東戦争勃発直前と現在とで比率はどうなっておりますか。
○本田説明員 手元にいま正確な数字は持っておりませんが、現在もなお九〇%を上回っておると思います。中東戦争の場合にも、東への航路でございますので、特に原油の買い付けについて支障を生じたという事情はなかったわけでございます。
○橋口委員 どうしてもこれは前々からの政府の課題でもあるのに、一向改善されていないのは非常に残念だと思います。ことに今後、低硫黄原油を入れる必要もあるわけでございますから、この分散買い付けについては特にひとつ政府が全力をあげることを望みたいと思いますが、今後どういう方針で臨まれますか。
○本田説明員 御指摘のように、今後の公害対策等とからみまして、硫黄の少ない原油の獲得が必要になっております。中東の原油は硫黄の多い原油ということになっておりまして、今後は低硫黄原油の確保のためには、中東の分ももちろんございますが、それ以外に、東南アジアあるいはアフリカその他、低硫黄の原油の産出を予想される地域の石油の開発等、その地方の原油の買い付けを促進してまいる必要があるというふうに考えておる次第であります。
○橋口委員 これはぜひとも通産省でも全力をあげて取り組んでいただきたいと思います。 それからもう一つの課題でございますが、世界各地で一つの利権が獲得できる、そういう状態でありながら、なかなか民間企業では手が出ない。そういう場合に、その海外の石油利権を石油開発公団が一時的に保有して取得する、そういうような考え方はできないものですか。
○本田説明員 現在の公団の業務の内容といたしましては、民間が石油の資源を開発するにあたりまして、これに出資あるいは融資、あるいは債務保証を行なうことによって資金的に援助するということに相なっているわけでございます。御指摘のような利権を直接獲得するという問題につきましては、なお検討を要する問題であろうと思いますが、公団の立場といたしましては、石油資源についての情報の収集、あるいは技術的な問題の解明等によりまして民間の開発を支援していくという体制の強化は、現在考えておるところでございまして、御指摘の点についてはさらに検討いたさなければならぬというふうに考える次第であります。
○橋口委員 いまの問題は、ひとつ前向きの姿勢で御検討をお願いしたいと思います。 次に、最近、発展途上国で非常にナショナリズムが勃興しておるために、この利権の条件が悪化しているはずでございます。たとえば利権期間が短縮されるとか、あるいはロイヤリティが非常に引き上げられるとか、そういうような問題が頻発していると思いますが、これについて政府はどういう方針で臨まれますか。
○本田説明員 御指摘のように、発展途上国の産油国におきまして、いま御指摘のあったような傾向が見られるわけでございまして、特に一九六〇年に石油輸出国機構、OPECと称しておりますが、これが創設されまして、加盟国の石油政策の調整統合、あるいは産油国の利益、取り分の増大、あるいは産油国の事業参加の強化等を基本的な方向として推進しておるわけでございまして、OPECに加盟しておらない産油国につきましても、利権の付与の際にはOPECの政策を基調にいたしておるというようなことから、御指摘のような傾向があるわけでございますが、わが国といたしましては、二国間協定あるいは国際機関からの要請による石油の探鉱事業、これにかかわる技術協力等によりまして、経済協力を積極的に進めて相互の理解を深める、また、産油国の国営の石油会社、これとの共同事業を推進するということによって、発展途上の産油国との間で、石油の開発について、あるいは原油の獲得について推進いたしてまいりたいというふうに考えております。
○橋口委員 前の国会で大陸だなの資源開発法案を出そうということでございましたが、水産資源の立場から反対があって、出すことができなかったわけでございます。その後わが国周辺の大陸だなについてはどういう調査をされ、また今後そういう立法化についてはどういう姿勢で臨まれるつもりであるか、ひとつ承りたいと思います。
○本田説明員 お答えいたします。 本年度、政府の事業といたしましては、北海道の南沖、それから常磐の沖の大陸だなの資源の状況について調査をすることにいたしております。また民間の大陸だな開発といたしましては、秋田沖等につきまして具体的なプロジェクトとして手をつけられるように推進いたしたいというふうに考えておる次第でございます。 法案につきましては、水産関係との間の反対というよりも、調整がおくれまして先般の国会に提出がおくれたわけでございますが、今後も水産関係との調整を進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○橋口委員 いまの立法化につきましては、ぜひとも水産資源との関係を調整されて、なるべく迅速に立法化できるように御尽力願いたいと思います。 また、きのうもこの委員会で質問に出たことでございますが、尖閣列島の鉱区の問題につきましては、領有問題もからんでいることでございますから、外務省と御相談の上にひとつ早目に解決ができるように御尽力を願いたいと思います。 それから原油の輸送について伺いたいと思います。日本の石油の需要量というのは、御承知のとおり非常にふえて現在一億七、八千万キロ、それが五年後には三億一千万キロリットルに達する見込みでございます。五年間にそれだけふえるわけでございますが、一体船腹が間に合うか。また、それが足りなければ、造船力がそれだけの力を持っているかどうか。その点についてお伺いしたいと思います。
○原田説明員 ただいまの、船腹が増大する石油需要に間に合うかという御質問でございますが、目下運輸省では、四十四年度から四十九年度の六年間に二千五十万トンの船腹手当てを必要とするという計画を立てまして、実施中でございます。これはわが国の経済成長率を八・五%と見まして貿易物資をはじいたものでございます。しかしながら、最近の経済の急激な成長、ただいま御指摘のございますような石油輸入需要の増加ということを背景にいたしまして、私どもとしては、最近政府で発表いたしました新経済社会発展計画の年率一〇・六%の成長率に合わせまして貿易物資をはじきまして、それに伴います輸送面から、安定輸送を確保するという観点から、いままでの二千五十万トンという造船計画改定の必要に迫られておるわけでございます。で、どの程度のものにするかということは、海運造船合理化審議会を現在開いておりまして、ここに諮問いたしております。そしてその結果を待ちまして、あらためて大幅な船腹拡充計画を実施していきたい、こう考えておる次第でございます。 それから、御質問の第二点の造船能力からしてどうであるかという点でございますが、この点につきましては、わが国の現在の造船能力は、まあいろいろ計算がございますが、大体大まかに年間約一千万トンでございます。で、大体輸出が六割、国内が四割程度の生産をいたしております。しかしながら、増大する世界貿易に伴います船腹需要を、わが国の造船能力をもって、もちろん世界の造船能力を合わせまして勘案いたしまして、これに対処いたしますには、特に大型船の設備につきまして不足いたしております。そこで、超大型の設備を増強する必要がございます反面、同時に、国内の先ほど申し上げました海運造船合理化審議会に諮問いたしておりますが、おそらく相当大幅な造船量の引き上げが答申されるものとわれわれは期待しておりますが、その数量をこなしていくためには、若干国内と輸出の比率を——現在輸出のほうが六割程度になっておりますが、むしろ国内の比率を今後相当引き上げていくというような政策をとる必要があるというように考えております。それによって、大体わが国の貿易物資の安定輸送にこと欠かない船舶を確保することができるんではないか、こういうように考えておる次第でございます。
○橋口委員 いまのお話を伺って非常に心強く思う次第でございますが、そのうち中近東からの石油に大体どれくらいのタンカーを予定されておりますか。何割くらいですか。
○原田説明員 ただいま手持ちの資料でお答えいたしますと、先ほど申し上げました二千五十万トンの六カ年間の造船計画で考えてみますと、約七百七十万トンのタンカーが現在あるわけでございますが、それが千三百四十万トン必要であるという計算になっております。したがって建造量としては、二千五十万トンのうち六百二十万トンのタンカーを建造する計画で進めてきたわけでございます。しかしながら、先ほども申し上げましたように、石油の需要がもっとずっとふえるということになりますので、これをどの程度まで拡大しなければならぬか、かなり六百二十万トンの新造を相当大幅に引き上げる必要があるわけでございます。これについては、海運造船合理化審議会の結論がまだ出ておりませんので、ここでどのくらいになるかということは申し上げられないわけでございますが、いずれにいたしましても、先ほどもお話のございましたように、このうちの大体九割ぐらいが中近東から参りますので、その約九割ぐらいが中近東−日本間である、きわめて大ざっぱに申し上げまして、こうお考えになって差しつかえないんじゃないかと思います。
○橋口委員 そうなりますと、非常に大量のタンカーが中近東から運ぶのに必要になるわけですが、その大半はマラッカ海峡を通ると思われます。ところが、マラッカ海峡は現在でも毎日大体百二、三十隻通過している。まあ年間にすればおそらく四万隻くらいの船が通るはずです。そうなりますと、このマラッカ海峡は、いまでもそれだけ船腹がふくそうしている上に、現在非常に狭くて浅いといわれております。これについて、最近関係四カ国の協定でこれを調査して開発しようという計画がなされているようですが、どういうふうにいま進捗しておりますか。
○原田説明員 マラッカ海峡の問題は、御指摘のように航行安全上非常に問題でございまして、まず一番問題になりますのは、水深が海図に現在表示してあるのと実際はかなり変わってきておりまして、海図でたとえば二十メートルとか二十五メートルと表示のものが、実際は十六メートルしかなかったり、十七メートルしかなかったりするわけでございます。 そこで問題は、水路を精密に測量して、安全に航行できる航路をはっきり設定していくという問題が一つと、それから安全航行をいたします航路を指示いたします航路標識、つまり灯台とかライトブイ、こういったようなものを整備する。これがほとんど未整備な状態、あるいは沿岸国に昔あった灯台が灯が消えてしまって使いものにならない、こういう問題がございまして、その二つの問題、つまり水路を精測する問題と灯台を整備する問題の二つあるわけでございます。 そこでわが国といたしましては、この地域は国際水域でございますし、沿岸三カ国の利権にもからむところでございますので、ロンドンにございます政府間海事協議会、略称IMCOと申しますが、そこに持ち出しまして、安全航行をするために非常に整備を必要とし、しかも航行分離方式といいますか、往航と復航を分離して、つまり対面交通をなくそうというような地域はどこかということを世界的に相談いたしまして、たとえばドーバー海峡とかそのほかの海峡とともに、マラッカ海峡を一応IMCOとして正式にここはそういう航行分離方式を設定して、しかもその前提として、航行分離方式を設定するために水深測量と航行援助施設の整備を必要とする地域であるということをまずやっていただいたわけです。 それから昨年、沿岸三カ国、つまりインドネシア、マレーシア、シンガポールと日本との間でまず予備測量を実施いたしました。これは日本側が全額負担いたしましたが、大体マラッカ海峡と申しましてもかなり広いものですから、どの辺に一番問題があるかという調査をまずいたしたわけです。それから本年に入りまして去る六月に、沿岸三カ国のそれぞれと日本との間で、航路を精密に測量することに関する覚え書き協定のまず原則的な了解を取りつけまして、去る七月二十日から四日までの間にジャカルタにおきまして関係国の技術会議を行ないまして、実施計画をきめたわけでございます。したがいまして、本年の十月四日から十二月十九日までの七十七日間の実施期間におきまして、特に航行安全上問題でございますメーンストリートとフィリップチャンネル及びその西方の接続水域のうちの三分の二の区域、この三つの区域につきまして、沿岸三国と日本と共同で精密測量をいたします。使用する船舶は、インドネシア海軍水路部所属の船舶でございます。これを使用いたします費用は、日本側が主として持つことになっております。これができますと、ほぼマラッカ海峡の水深に関しての一番問題である部分が解決するわけでございますが、さらに残りの区域についてはまた来年度やる必要があるのではないかと考えております。 それから同時に灯台その他航路標識の整備でございますが、これにつきましては現在、利用国と沿岸三国との間で何らかの協定をつくりまして、それに基づいてその整備を進めるという線でぼつぼつ話し合いの準備が進められている段階でございます。なお一方、民間のほうでも、非常にこの点については沿岸国に協力しようということで、マラッカ・シンガポール海峡協議会というのを結成されまして、そこで現在、一部の非常に危険な区域におけるブイの設置につきまして、インドネシア政府にそのブイを寄贈するという形で設置が進められております。
○橋口委員 それでは、通産省もおいでになっておりますのでもう一つ伺いますが、パイプラインの建設の話が両省の間で進められおるようでございますが、現在どの程度進捗しておりますか。
○本田説明員 お答えいたします。 われわれといたしまして、今後の内陸への石油製品の輸送、あるいは特定の港湾における原油の荷揚げ等につきまして、現状のままでは輸送力が行き詰まるのではないか、その際の措置として、パイプラインの布設によって輸送力を増強し、道路あるいは国鉄その他による輸送を補完するという形が必要であろうというふうに考えておりまして、基本的な考え方についてはまだ両省で話し合いをしておるという状況でございます。
○橋口委員 パイプラインの建設はもう世界的傾向でもございますから、ぜひひとつ両省でよくお話し合いになって、なるべく早目にこれが実現できるように、また立法化についても両省でよく御相談の上、円滑にひとつ提案をされるようにお願いをいたします。これは日本の今後の石油開発のためにも非常に重大な問題であり、また製品の確保についても非常に大きな比重を持っているわけでございますから、ぜひともひとつ十分の御努力をお願いいたします。 そこで、石油についてもう一点伺いますが、工業技術院長お見えになっていらっしゃいますね。実はきのうお伺いするはずでございましたが、工業技術院では重油脱硫技術あるいは排煙脱硫技術をもう研究されて大体完成の域に達しておると思いますが、はたしてそれが実用化できるかどうか、それは大体いつごろのめどになるか、その点をひとつお聞かせいただきたい。
○太田説明員 脱硫の技術は二つ大型プロジェクトとして取り上げておりまして、一つのほうは排煙脱硫でございますが、これは昭和四十一年から始めまして、四十四年で一応所期の目的を達しまして、大型プロジェクトとしての研究は完了いたしました。それに基づきまして、今年度十一万キロワットアワー、それから十五万キロワットアワーの発電能力に該当いたします排煙脱硫の装置を電力業界でつくることになっております。その経験を生かしまして、四十七年以降ではもっと大型な排煙脱硫装置がつくられていくものと期待しております。 それから、もう一つの重油の直接脱硫のほうでございますが、これは現在日産五百バーレルの規模のパイロットプラントを建設しておりまして、今年度じゅうにそれが稼働いたします。来年もう一年かけましてその結果を見まして、それが実用化できるかどうかということの判定が正確にはできるかと思いますが、現段階では一応大体順調に進捗していると私どもは解釈しております。
○橋口委員 この脱硫技術は非常に重大な問題でございますが、公害対策上も、今後の石油精製業の発展のためにも非常に大事だと思います。それでOECDあたりでは、これについて国際的な協力をしたいという話があるようでございますが、工業技術院としてはそういう御計画はおありですか。
○太田説明員 いま先生のおっしゃいましたような、OECDからの申し入れその他は、正式にはまだ聞いておりません。
○橋口委員 日本の技術は、脱硫にかけてはおそらく世界の最高水準をいくと思いますけれども、この上とも世界各国の事情も調査されまして、なるべく早く実用化されるようにひとつ御努力を願いたいと思います。 次に、鉱物資源の開発について若干伺いたいと思います。時間がありませんので要点だけ伺いますが、わが国の鉱物資源の探鉱費について、金属探鉱事業団の融資額はたった四億じゃないかと思います。これでは思うような開発はできないのじゃないかと思いますけれども、この点についてはどういうふうにお考えになりますか。
○本田説明員 お答えいたします。 金属鉱物探鉱促進事業団の四十五年度の探鉱融資につきましては、御指摘のように四億円でございます。このほかに、探鉱開発につきまして債務保証をいたしておりまして、これは七億円でございますが、十五倍まで保証できるということになっておりまして、債務保証によっても資金の調達の援助をいたしておるわけでございます。 ただ、御指摘のように、金額としては少ないではないかという点でございますが、われわれといたしましては、四十六年度の計画を見ますと、本年度に比べましてはるかに増大するという集計が出ておりますので、四十六年度予算につきましては、探鉱融資につきましても、債務保証につきましても、本年度よりははるかに大きな金額が必要であると考えております。
○橋口委員 いまの融資また基金の問題、これは海外のほかの国の資源の開発費に比べたらきわめて低いものだと思います。しかも日本の経済成長は自由世界第二位である。そうなれば、もっとこれに見合ったような、思い切った大幅の増額が必要だろうと思いますので、明年度は一段の御尽力をひとつお願いしたいと思います。 それから、特に低開発国、あるいはまた政情不安なところに対して鉱山開発が進められているわけでございますが、そういう海外の資産の保全について、そのリスクについて、どういうような対策を考えておられるか。たとえば海外投資保険制度、これをもう少し範囲を拡充するか、あるいは西ドイツあたりでやっているように、二国間の海外投資の保護協定を結ぶというような構想はないのでございますか。
○本田説明員 御指摘の投資保証協定を活用する考えはあるかという問題でございますが、わが国の投資保険制度におきましては、投資保証協定の締結を付保の前提といたしておりませんので、投資保証協定がなくても付保の問題については実害がないという制度になっております。また投資保証協定がなくとも、通商航海条約がある場合には、相当協定にかわる効果があるという場合も多いわけでありまして、投資保証協定の締結が行なわれた場合でも、政治的な危険、特に収用危険の発生をある程度軽減することはできますけれども、そういう意味で投資保証協定を今後検討する意味があるというふうに考えておる次第でございます。
○橋口委員 金属探鉱事業団は最近非常に活発に活動しておられるわけでございますけれども、まだ全体の鉱物資源をカバーしていないと思います。たとえば水銀、アンチモン、ボーキサイト等もそうでございますが、特に必要なのは鉄鉱石と原料炭ではないかと思いますが、ここまで対象鉱種を拡大するという考えはないのでございますか。
○本田説明員 御指摘のように、従来は、銅、鉛、亜鉛という、いわゆるベースメタルが中心でございましたが、昨年度ニッケルとウランを対象の鉱種に追加いたしております。今後ボーキサイトあるいはレアメタルのようなものが対象鉱種として拡大が必要でないかと考えておりますが、御指摘の鉄鉱石あるいは原料炭等につきましては、現在関係業界のほうでかなり積極的に開発を進めておりまして、特に探鉱事業団に対する御要望というものはまだ聞いておりませんが、その点につきましてはよく検討させていただきたいと存じます。
○橋口委員 最近、新聞の報ずるところによりますと、財界ではあげて、今後鉱物資源開発のために大型投融資会社をつくろうという構想があるようでございます。それはすでにもう現在の金属探鉱事業団だけではまかない切れない。その機能を拡大して、金属探鉱事業団を金属開発事業団にするか、あるいはいまいわれているような投融資会社に拡大する必要があると思いますが、その点について通産省としてはどういうふうにお考えになりますか。
○本田説明員 われわれといたしましても、金属鉱物探鉱促進事業団の現在の業務の中で出資機能というものがございませんので、出資機能を持つことによって、事業団の業務、ひいては日本の海外鉱物資源の開発を推進することができるのではないかと考えておりますが、先般民間からあのような御指摘のような提案があるわけでございますので、総合的に判断をし、よく検討いたしたいと存じます。
○橋口委員 今後海外資源の開発は、ただいまの非鉄金属をはじめ石油に至るまで、どうしてもグローバルに目を配って、そして開発の戦略を立てるべきじゃないかと思います。通産省としても、その点については来年から一つの構想をお持ちのようでございますけれども、これを積極的に具体化して、今後の経済成長に支障のないように格段の御努力をお願いしたいと思います。これは希望でございます。 それでは、これで質問を終わります。
○武藤委員長代理 近江君。
○近江委員 公取の委員長は来られていますか。
○武藤委員長代理 まだですね。
○近江委員 事務局長まだですか。——じゃ、その問題はあとに回します。その間、できるだけ早く出席していただくように、委員長からも御配慮をお願いします。 それでは、いま問題になっております公害の問題をお聞きしたいと思っております。限られた時間でもございますので、問題点をできるだけ簡潔にお聞きしていきたいと思っております。 一つは、まず経企庁にお尋ねをしたいと思うのですが、水質保全法の指定水域、これは四十九カ所であったわけですが、きのうの発表によりますと、東京湾等も入っておりますし、今後そのように拡大されていかれることと思うのですが、今後のそうしたスケジュールについてまずお聞きしたいと思います。
○宮崎説明員 御指摘のとおり、現在指定されておる水域は四十九水域でございますが、かねて水質保全法によります調査基本計画として対象水域約二百水域程度を考えたいということで計画を持っております。このうち調査の一部進んでおるものもございますが、今後こういった形での調査を進めまして、今年度内にもさらに追加をしてまいりたい、こういうふうに考えております。 〔武藤委員長代理退席、橋口委員長代理着席〕
○近江委員 全国二百水域、こうおっしゃつておりますが、私たちの聞いておる範囲では、今後年間十五カ所ないし二十カ所の指定ということもちょっと聞いておるのですが、そのとおりですか。
○宮崎説明員 従来、水域の指定につきまして基本調査を実施いたしまして、さらに指定のための調査を実施するという二面からやっておりますが、毎年の実績は御指摘のとおり二十水域ないし十五水域程度でございます。こういった形でやっておりますので、なかなかこれでは全国的に及んでまいりません。そういうこともございまして、現在この水質保全法並びに工場排水法等、関係法律を全面的に改正をして、こういった問題を至急全国的に及び得るような方向に直したい、こういうことで現在検討いたしております。
○近江委員 いま十五カ所ないし二十カ所とおっしゃったわけですが、いまのベースでいけば少なくとも十年かかってくる。これだけこの公害問題が、われわれのそうした環境をぶっつぶし、そして国民の健康というものに重大な影響を与えておる。そうしたときに、こういうスローテンポでいいかどうかということです。いま、今後その姿勢を改めていきたいというお話があったわけですが、もう少し具体的に、それを進めていく上においてこういうことを考えておるという、その辺をお聞きしたいと思うのです。
○宮崎説明員 御承知のとおり、この水質規制の問題としては、まず公害基本法による環境基準というものをきめる制度になっております。これが、いまお話のございましたように、昨日審議会で御審議を願いました四十九水域、これは指定水域についてでございますが、これをまずきめることになっております。それから、それと関連を持ちまして、公共水域のいわゆる水質基準、これは結局個々の汚染源からの排出を規制する基準をきめるわけでございます。こういったものをきめていくわけでございますが、そうしてこの基準に基づきまして、それぞれ監視並びに測定ということを実施していく。こういうことで水質の保全を保っていく、こういう体系になっております。 そこで、従来のやり方は、個々の水系ごとに調査をし、そして国がこれを審議会等にかけましてきめていく、こういうやり方でやったわけでございますが、もちろんこういうことで予算をつけ、さらに水域をふやしていくという形で相当急速に実施していくということも考えられますが、一方では、こういった基準の問題は非常に地域的な問題でもございますので、これは都道府県知事にむしろまかしたほうがいいのではないかということがかねがね論議になっております。私のほうでもそういった面について現在検討を進めておりまして、できればこの次の国会にそういった意味での全面的な法律改正をお願いをいたしまして、そして、こういった面は大幅に都道府県知事に委任をしていくという方向で問題を解決したい。そういうふうになりますと、ただいまのように逐次調査を国が行なって、やっていくというやり方ではなく、それぞれの府県におきまして必要なところが水域指定になっていく、こういうことになります。 また同時に、そういうことを考えるといたしますと、全国的に一定のシビルミニマムというようなものを確保する必要があるだろうと思いますが、そういうことについて国が一律の基準をきめていく、こういうこともやっていく必要があるのではないか。つまり一律の基準というものは一応国がきめますが、さらにそれを地域の実情に照らして、これよりもきびしいような形での基準をそれぞれの都道府県知事がきめ得るような方向に持っていってはどうだろうか。これはまだ経済企画庁の私ども事務当局における検討段階の問題でございますが、大体そういった方向で制度を改めていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○近江委員 それで、現在のこうした指定水域制になりますと、当然指定水域以外の水域におけるそうした排出規制というものは非常におくれているのではないか。この点は非常に心配であるわけです。そこで全面的に法改正をということをおっしゃっているわけですが、その辺のところはどのように考えておられるか。
○宮崎説明員 その点につきまして、ただいまちょっと申し上げましたように、まず一定の限界と申しますか、全国的に守るべき基準というもの、これは国が全国を対象にして基準をきめてしまう。これは漏れるところはないわけでございます。しかし、この水域の汚染問題というものは、地域的に実情は非常に違いますので、そういった相違をある程度考えに入れて、そして都道府県知事がこういった全国一律の基準によらない、それよりも場合によってきびしくなると思いますが、そういうものをきめ得るような形にする、こういうことで御心配のような漏れたところがないようにしていったらどうだろうか、こういうことを考えている次第でございます。
○近江委員 厚生省もきょうは来られておりますね。厚生省の方にお聞きしたいのは、一つは健康項目というところが八項目になっておるわけですが、御承知のように最近は非常にいろいろな重金属等が出てきておりますし、今後項目を追加しなければならないのではないか。これはだれしも考えておるところですが、厚生省の疫学的なそういう研究が非常におくれておるから、そうした問題もあるけれどもなかなか進まないのだ、こういうことでございますが、その点についての現状をひとつお聞きしたいと思うのです。
○曾根田説明員 現在の健康にかかわる環境基準の項目としては、御指摘のように八つ掲げてあるわけですけれども、これにつきましてはさらに今後いろいろ調査を進めまして、やはりいろいろ問題になっている項目もございますので、適宜追加するよう検討いたしてまいらなければならないと考えております。 それから研究体制等につきまして、前々からいろいろ基礎的な研究調査を、行政調査費あるいは公害の研究委託費で行なっておりますけれども、研究体制の強化についてはなお必ずしも十分でない点もございますし、新しい公害の発生あるいは公害問題の複雑化、広域化等の問題もございますので、でき得れば来年度、相当しっかりした国立の総合的な研究所を設けたい、そのように考えております。
○近江委員 さらに、この環境基準がいま五項目と思うのですが、これについてはどうですか。
○曾根田説明員 これにつきましても、現在、基本法で環境基準を設置すべき項目としては、御指摘の五つに限られておるわけですけれども、たとえば特定有害物質等、最近いろいろな問題が指摘されておりますので、環境基準という形でいくか、あるいはいわば規制基準という形でいくかは別といたしましても、そのような方向で検討すべきものと考えております。
○近江委員 それで、私はきのうも海の問題をお聞きしたわけですが、この海域について、特に油の問題ですが、これが非常に魚などににおいがついてきておる、こういう油についてなぜ入っておらないかということなんです。これについて経企庁としてどのように考えておるか、この点をお聞きしたいと思います。
○宮崎説明員 お答えを申し上げます。 御指摘のように、海水についての油の問題が現在、基準として入っておりません。この点につきましては、環境基準をきめる際にだいぶ議論があったようでございます。要するに、水産等の被害の状況から見て、この程度以下にしなければならないという一つの要請があるわけでございますが、それに対して現在持っておる測定方法の誤差というような問題がございまして、そういった基準を数値的に把握することが技術的になかなかむずかしい、こういう問題もございまして、この問題を一応保留いたしておるような状況のようであります。しかし、この問題は非常に重要でもありますので、そういった数値としてきめられないのであれば、何か定性的な形での表現でこれを基準として加えることができないか、こういった問題を私どものところで目下検討いたしております。水産庁のほうとも御相談をいたしまして、できるだけ早くこの問題を解決したいと考えております。
○近江委員 この油の問題は、非常に私は重要な問題であると思います。それで、指定水域等についてはいろいろなそうした規制等もあるわけですが、特に指定水域以外の海域における油、これはいろいろな原因が考えられるわけですが、特に船舶などは非常に大きな問題であります。この点について、きょうは運輸省も来ておられると思いますが、法的な規制は現在どうなっておるか、それで十分と考えておるかどうか、その辺のところをお聞きしたいと思います。
○田付説明員 現在、船舶から出ます油についての規制法はございまして、その根拠は、国連の機関でありますIMCOで認められました排出防止条約にならいまして、きめた法律でございます。その内容は、ほとんど条約のとおりに規制されておりまして、タンカーにつきましては五百総トン以上、ノータンカーにつきましては百五十総トン以上の船舶について規制が行なわれております。大ざっぱに申し上げますと、原則としては、五十海里以内における排出が一応禁止されているかっこうでございます。 ただ、これからはいろいろな海洋汚染の問題などが非常に問題になりますので、昨年の十月に、先ほどお話し申し上げましたIMCOでいまの条約の改正が出されまして、その内容が一部強化になりました。そのおもな内容は、原則的には全海域の船舶による油の排出を禁止する。ただし特定の技術上の条件に従って排出される場合には除外されますが、原則的に全面禁止になる、こういうことになりますので、私どもとしては現在その条約の批准の準備を進めておるわけですが、その批准に伴いまして、当然先ほど申し上げました国内法の一部改正を行なうわけでございますので、改正条約の寄託と期を一にしてできるだけすみやかに改正したいというふうに考えておる次第でございます。
○近江委員 条約が発効するまで待つという点については、非常に問題があるのじゃないかと思うのですよ。実際にはこれは加盟国の三分の二が批准をしなければならないが、それでは現在一体何カ国が入っているかという問題なんです。そういう国際条約のそうした成立を待ってやっていく、それは非常に隠れみののように私は思うのです。ですからその点、幾らそのように規制しておっても、幾らでも海域で見えないところでほうったり、そうした監視体制の不備とかいろいろなことがあるわけですよ。ですから、私が申し上げているのは、あなたのほうでつかんでおられるそういう法規制はあるけれども、しかし現状はこういうようなことが行なわれている、それに対してはこうしていきたいという、そういう二段、三段のかまえがなければいけないのじゃないか。これだけどんどん毎日汚染されてきているわけですよ。その辺の研究対策というか、その辺のことを私はさらにお聞きしているわけですが、それについてはどうですか。
○田付説明員 ただいま申し上げました条約改正の時期まで便々と待つのかということにつきましては、私どもも毛頭考えておりませんので、加盟国日本としては、恥ずかしくない時期になるべく早く実施に移したいということで検討している次第でございます。 なお、現在の廃油処理施設につきましては、港湾整備計画にあわせまして全国の主要港に廃油処理施設を整備するということを現在進めております。また一方、海上に捨てられます油は、これは監視をして、その防止をしなければなりませんので、海上保安庁が中心になって監視をしておりますが、最近とみにふえてまいりましたいろいろな海上事件もございますので、来年度は、東京湾、伊勢湾、大阪湾等に海上公害監視センターというものを設けて、さらに一そうの監視と識別等の強化をはかりたいということで、目下予算等の作業を進めている次第でございます。
○近江委員 それから、きょうは建設省も来られておりますのでお聞きしますが、いろいろとこれから環境基準等がきめられていくわけですが、それを達成させていこう、こうなってまいりますと、下水道の整備ということが非常に重要な問題になってくるわけです。そこで、この間、第三次の下水道整備計画がたしか発表されたと思いますが、この環境基準達成のための下水道の整備計画について、ただそれをアドバルーン的に打ち上げているだけであってはならぬと思います。具体的に当然予算の問題とかいろいろな問題があるわけですが、どのように今後それを実行していこうと考えているか、その実施計画といいますか、実のある、裏づけのある答弁を聞きたいと思うのです。
○久保説明員 下水道整備五カ年計画のことに関連する問題でございますが、現行の下水道整備五カ年計画は第二次計画でございまして、昭和四十二年度から四十六年度までの五カ年間が計画の期間になっております。したがいまして、あと一年残っているかっこうになっているわけでございますが、建設省といたしましては、ただいま先生御指摘の水質環境基準の設定の問題に対処すると同時に、あわせて新しい都市計画法の施行に伴いまして市街化区域の線引き作業が進んでおりますので、それの情勢に対処して、都市としての基盤施設である下水道の飛躍的な整備促進をはかるために、一年計画を繰り上げまして、昭和四十六年度を初年度とする第三次の五カ年計画を検討いたしている状況でございます。 投資の規模といたしましては、第二次下水道整備五カ年計画が九千億、予備費を入れまして九千三百億円でございますが、第三次の五カ年計画といたしましては、総額二兆六千億円を策定いたしたい、かように考えております。 計画の内容といたしましては、ただいま先生御指摘のございました、水質、環境基準が設定される水域に重点的に下水道整備をはかりまして、閣議で近く決定になるであろう予定の環境、水質基準をできるだけ維持できるように下水道の重点投資をしたいというのが第一でございます。 第二といたしましては、新しい都市計画法の施行によりまして、市街化区域における生活環境の改善をはかることが要請されておりますので、それらの地域に対する下水道の整備を強力に推進したい、かように考えております。 第三の点は、市街地の中で浸水の著しい地域がございますので、それらの市街地の排水問題を解決するために都市下水路の整備事業をもこの五カ年計画の中に盛り込んでまいりたい、かように考えております。 それから、事業の進め方をどうするか、こういう点でございますが、それに対しましては、個々の都市の下水道ももちろん重要でございますけれども、河川の流域全体を一つの総合下水道計画というものを立てまして、その流域総合下水道計画に基づいて重点的に下水道整備をする。特にそのためには、市町村の行政区域を越える広域的な下水道事業、これは予算の費目では、流域下水道事業、こういうふうにいっておりますが、特に流域下水道事業を強力に推進するというのが第一でございます。 第二といたしましては、新しい市街地の下水道事業につきましては、新しい市街地が開発されると同時に、あるいはそれよりも若干先行いたしまして、開発者との調整をはかりながら整備を促進してまいりたいというふうに考えております。 第三の進め方といたしましては、都市下水路の整備にあたりましては、市街化区域の中に農業排水路等もございますので、それらとの調整をも十分はかりながら整備を促進するように考えておる次第でございます。
○近江委員 それで、これを実施していこうと思えば予算の問題が非常に大きな問題ですが、この予算的な裏づけについて大蔵省は一体どう考えているか、その点をお聞きしたいと思います。
○赤羽説明員 理財局よりただいまの御質疑に対しまして全般的にお答えするのがはたして適当かどうか、考えるわけでございますが、ただいま、下水道五カ年計画の第二次計画、それに対して改定をお考えになっているという建設省の御答弁でございます。第二次九千億に対しまして、第二次の改定計画といたしまして二兆六千億という数字をお述べになりましたわけでございますけれども、率直に申し上げまして、実はこの二兆六千億の数字については、いまのところ、まだわれわれといたしましては拝聴いたしておらないわけでございます。いずれにいたしましても、早急にこれが決定されて、大蔵省といたしましても検討に入らなければならないかと存じます。 御案内のとおり、この財源をどうするかということにつきましては、この下水道の第二次計画の改定を論議いたしております下水道の小委員会でございますか、部会でございますか、そこにおきましていろいろと構想が出ておるようでございます。たとえば下水道公債の発行でございますとか、あるいは税について考えろとか、あるいは補助率のかさ上げを考えろとか、いろいろ出ておるように拝承はいたしております。 理財局の窓口といたしまして申し上げたいことは、下水道公債、あるいは公害公債、あるいはまた道路公債といったように、いわゆる目的公債と申しますか、一定の目的に結びつけられまして特定財源を確保するという考え方に対しましては否定的に考えたいと存じております。これは一定の財源を何と申しますか、先取りというのははなはだことばが悪いかと存じますけれども、先取りということをやりますと——現在御存じのとおり財政法第四条によりまして建設公債が発行されているわけでございます。それで集中的に総合的に国債が発行されておるわけでございまして、またこのほかに目的公債的なものを出すということは、税金あるいはこの国債を通ずる資源の効率的な配分を乱すというぐあいに、われわれは考えておるわけでございます。さらにやや実施の段階について考えましても、建設公債と、あるいはこういったような目的公債がダブるというようなことにつきましても、資金の供給源からも支障があるのではないかということで、先ほどの公害特別委員会におきましても公害対策債について御指摘がございまして、それについては同様の御答弁を申し上げた次第でございます。 なお、ただいま建設省より御披露のございました二兆六千億全体の計画が財源の面から見てどうかということにつきましては、単にそういった公債の面のみならず、一般会計あるいは地方負担全体を通じましてよく検討してまいりたいと存じております。
○近江委員 要するにこの裏づけがなければ——それは計画を打ち上げるくらいは幾らでもできるわけです。これだけ公害問題が国民のあらゆる点にたいへんな影響を及ぼしておるという事態を考えれば、大蔵省としても、これを実施できるようさらにひとつ具体的に真剣な検討をやっていただきたい。特にこの点を要望しておきます。 それからさらに、環境基準を達成していくためには、排水の処理技術の開発ということが非常に重大なポイントになってくるわけです。この技術開発で従来取り上げているテーマと研究の成果はどうなっておるかという点が一点と、研究を今後効果的に行なっていくためにはどういう方針をとっていくか。これは通産省、なかんづく工業技術院が来ておられれば、お答えを願いたいと思います。
○太田説明員 お答えいたします。 工業技術院が行なっております産業公害防止に関します研究につきましては、まず最初に、研究をどのように効果的に行なっているかという御質問にお答えいたします。 従来、資源技術試験所といっておりましたものを、今年の七月にまず改組いたしまして、公害に重点を置きまして、公害資源研究所というぐあいにいたしました。そこを工業技術院におきます公害防止の技術研究センター的なものに考えまして、ほかの傘下の研究所約十一カ所で、いろいろな専門分野を分担いたしまして、公害防止の研究をやっておるわけでございます。それを総合してこの防止技術の確立につとめたいと思っておるわけでございます。そしてその計画的な総合的な研究推進を行ないますために、工業技術院の中に、院長を議長といたしまして関係研究所長をおもなるメンバーといたします産業公害研究推進会議というものをつくりまして、今後一そうこの関係の研究に力を入れて成果をあげたいというぐあいに考えております。 それから第二番目の御質問でございますが、水質汚濁の防止に関します研究——現在工業技術院でやっておりますテーマとその成果でございますが、これは御承知のように、汚染物質の種類あるいは量は非常に多種でございます。したがって、これを解決いたします手段もまた非常に多種なものにわたるわけでございますが、現在約九つの試験所あるいは研究所でこの研究を取り上げております。 まず公害資源研究所におきましては、排水の総合的な取り扱いに関します技術の研究を行なっております。それから選炭排水とか窯業排水におきます凝集剤の研究を行なっておりまして、これはすでに民間で製造され、またそれを用いまして窯業排水の汚濁の防止が行なわれております。それから微生物工業技術研究所におきましては、おもに活性汚泥法とかメタン発酵法を用いましていろいろな産業の排水の処理を研究しておりますが、たとえば皮の排水あるいはアルコール製造の排水とか、あるいは食料品関係の排水、その他いろいろなものの排水に適用いたす技術を確立いたしまして、現在二十四工場でその技術が採用されております。それからそのほか北海道の試験所におきましては、汚染水のオゾン処理法の研究を進めておりまして、現在札幌市の浄水池で実用化試験を行なっておりますが、良好な成績が得られております。今後他の浄水池とか用水化にこの技術の適用が期待されております。それから大阪工業技術試験所におきましては、先ほどもお話が出ておりました海上浮遊油をウレタンフォームを使いましてそれを捕集するという技術を確立いたしまして、現在岡山の工業地帯でこれを実用化しようということで計画されつつあります。それからまたパルプの排水に関しましては、四国工業技術試験所と東京工業試験所におきまして、KPパルプ及びSPパルプの廃液の有効利用及び廃液処理という技術が検討されて、おのおの業界におきまして相当に関心を持たれております。現在これは研究中でございます。それからカドミウムとか水銀の重金属含有排水処理につきましては、九州の工業技術試験所、それから公害資源研究所におきまして、それぞれこの処理の技術の独自の方法を開発中でございます。それから少し毛色が違いますけれども、排水の処理をやりますためにはどうしても自動管理システムというものが必要になるわけでございますが、この研究を名古屋の工業技術試験所でやっておりますが、その研究の過程におきまして、いろいろな物質の、たとえばCODとか、あるいはいろいろな物質の自動分析機器の開発に成功いたしまして、これが現在民間の企業のおのおの三十八カ所の排水処理場において利用されております。 大体、簡単でございますが、以上でございます。
○近江委員 いろいろこまかいことを聞いていけば、これはもう幾らでもあるわけですが、この公害問題については、要するに関係各省があらゆる総力を結集して取っ組んでいかなければ解決しない。そういうことで、きょうは関係各省からみな来ていただいておるわけです。たとえば問題になっております田子の浦の問題にしたって、大体、岳南水路をつくったときに、終末処理場もつくらずになぜ流さしたか。一体建設省は何を考えておったかということなんです。流した根本は通産省です。またそれだけ田子の浦港が汚染されていっておる。いままでしゅんせつも、それは県でやっておったか知りませんけれども、自治省だって、どうしてもっとその辺のことを真剣にいままで取り上げなかったか。運輸省にしたって、そうやってどんどん港が汚染されていくのに、いままで一体何をしておったかということです。海上保安庁だって何を監視しておったかということなんです。だれかやるだろうというような、そういう感覚で見ておった。そういうところに今日この問題が発展したのじゃないかと思うのです。私がいま申し上げた田子の浦、これを具体的な一つのケースとして、その問題についてどういう反省をされておるか。関係各省たくさんおられるわけですから、簡単にひとつ率直な反省と感想をお聞きしたいと思うのです。今後どうしていくかということです。簡潔にお願いします。
○久保説明員 先生御指摘のとおりに、建設省では岳南特別都市下水路を田子の浦地域に建設をしてまいりましたが、計画といたしましては、処理場を含めて総額約百五十八億円で計画を持っておるわけでございますが、当面、農業用水、農業関係者に対する水質公害問題を除去するということを目途に事業を実施をいたしましたために、処理場の建設というものがおくれていることに対しましては、現況からいいまして、見通しが甘かったということに対しては反省をいたしておりますが、今後の問題といたしましては、来年度から岳南排水路の処理場を建設をいたしまして、できるだけ早い機会にあの地域の公害問題の除去に対処してまいりたい、かように考えております。
○竹内説明員 運輸省からお答えいたします。 田子の浦港は、昭和三十三年に地域の開発、産業のプラスのためにやったわけでございますが、当時そこからすでに沼川やあるいは潤井川に浮遊物質が相当流下しておりまして、港湾の建設が進みまして昭和三十六年ごろから港の使用が始まったわけでございますが、その間、順次昭和四十年ごろから浮遊物質が沈でんしてまいりまして、それを毎年港湾管理者としては維持してきたわけでございます。同時にこの浮遊物質をバイパスさせてもらいたいということで、港湾のほうといたしましては、岳南排水路の一部に負担金を出しまして、昭和四十六年にはそれを完成してもらう、そういたしますと、港湾の中にはきれいな水だけが入ってくるというような計画を立てて現在に至っておるわけでございますが、このような事態になりまして、この二月にしゅんせつがストップしたという形でございます。 当時といたしましては、港湾側にとりまして、すでにあの沼川や潤井川にパルプの汚泥が投入されていたということは、いたしかたなかったと判断いたしまして、その沈でん物を除去しながら将来はこれをバイパスするというような方向にいたわけでございまして、この点は確かに甘かったと考えます。しかし現在の問題は、このままで放置しておきますと、この港湾が閉塞するだけではなくて、しばらくいたしますと、おそらく全部のごみが海の中へ流入するような形になるのではないかというようなこととか、あるいは港湾の内部にたまっております汚泥の中にいま硫化水素が非常に発生しておるわけでございますが、そのようなものがどんどんと進むというようなことを考えますと、何とかして早くこれを除去するというところに全力をあげたいと思います。 港湾関係者といたしましては、とにかくほんとうならば、そんなところにごみが入ってきてもらいたくない、これが第一番の願いでございますが、直ちにそういうわけにはいかないという状態、そういうことも考えまして、現在のところは、緊急的にはどういたしましてもこれをどこかに処理しなくちゃいかぬ。その処理の方法は、できるだけ漁業の被害の少ない部分に投棄するしか手がないというように判断いたしております。この方法につきましては、非常に遠距離に向かいますので、船の構造の問題、あるいは船員の問題、あるいは硫化水素が出るということから考えますと、これは非常に危険な毒物でもございますし、同時に可燃性でもございますので、そういう点の処置、そういうことに非常に気を使いまして、普通のしゅんせつの方法ではとうてい考えられないようないろいろな費用も、あるいは研究も必要といたしますけれども、とにかく九月になりますと、できるだけ早い機会にまず第一番にそのしゅんせつを始めていきたいというように考えております。恒久的には、できるだけ早くこの港の中に汚泥が入ってこないような措置をとっていただきたいというふうに考えております。
○近江委員 各省に答えてもらえばいいのですが、時間がありませんので……。 要するに、関係各省それぞれに反省があるし、当然これは対策を立てなければならぬ問題です。こまかくいけば、きょう来ていただいておる省だけでは足らぬわけですよ。これはやっていけば一日以上、もっとかかるわけです。ひとつ問題をしぼりたいと思うのですが、ヘドロも大体百万トンといわれておる。私もきのうの質問で通産大臣に申し上げたのですが、要するに外洋であればほうってもいいのか。その点は非常にはずかしいという答弁をされたわけです。米軍の神経ガスの廃棄にしても、非常に国際的に大きな反響を呼んでおりますし、海をみんなで守っていこう、そういう環境保全の精神に世界各国が立たなければ、これは大きく人類の生存の危機にまで落ち込むことは間違いないわけです。酸素一つにしても、やはりプランクトンから発生しておるし、樹木にしたってやはり農薬等の関係で次々に枯れていく、あるいは伐採していく、そういう深刻な問題を考えたときに、ただ処置に困るから、それはほうればいいのだ、重大な問題です。とのことについては私は反対です。運輸省はいまほうるのだ、こんなことをおっしゃっておる。こまかくいけば船だって黒潮の外に出ていくような船は現在ないじゃないですか。いま改造しているとおっしゃるか知らぬけれども、私は何も、ほうったらいいという前提で船のことを申し上げているのと違いますけれども、いずれにしても、これをどうしていくかということを、真剣に関係各省がここで反省して対策をやってもらわなければ、ただ単に海にほうればいいのだ、これはたいへんな問題だと思うのです。これは各省からいろいろお聞きしたらたいへんな時間がかかるわけですが、この処置については関係各省話し合っているのですか。話し合っておられれば、当然皆さんに話がついているはずですから、どなたか代表者に答えてもらいたいと思います。どこの省でもかまいませんから答えてください。
○竹内説明員 私からお答えするのがほんとうであるかどうかちょっとわかりませんが、公害対策本部あるいは企画庁等を中心にいたしまして、これはおりおり話をしております。たとえばどこにヘドロを捨てなくてはいけないか、これは水産庁のほうと私のほうとも十分話し合いながら進めていく、あるいは岳南排水路をできるだけ早くする、あるいは企業の前処理をできるだけ可能にするということは通産省、それぞれ話し合いながら進めております。
○近江委員 それでは先ほどの答弁の繰り返しじゃないですか。きょうは通産大臣も次官も来ておられませんのでしかたがありませんけれども、要するにこの問題については、関係各省は真剣に取り上げてもらいたいと思うのです。ですから私は、ここで皆さんに一応のお約束をしてもらいたいと思うのです。この処置について、どういう形で今後それを考え、やっていくか。たとえばこれは一つの代表的な問題ですが、その処置について、処置特別委員会とか、そういうものの設置を考えておるかどうかということなんです。その点についてはどうなっているのですか。いままでそういうことを一つの大きな問題として取り上げ、その点についてどうやっていくか、具体的にそれをお考えになっておりますか。
○宮崎説明員 この問題につきましては、ただいま御指摘がありましたように、非常に事態が切迫して後に問題を取り上げたかっこうになりましたために、ただいま各省からお話がありましたように、当面緊急の措置としては、港湾にたまっております浮遊物、ヘドロ、あるいは今後若干出てまいりますもの、こういうものを水産の被害ができるだけ少ないような遠海に投棄をしていくということで対処していくことが緊急対策として必要である、こういうふうになっておりますが、さらに今後の問題としますと、まず、発生源である各工場における前処理ということばを使っておられるようでありますが、工場においてこういうものを出さないような方向にといいますか、これを出す量を減らすために投資をしていく。これも今年度においてすでに融資等の措置もきめられまして、着手が行なわれるわけでございます。さらに、こういった工場から出たものにつきましては、先ほど建設省のほうから御説明がありました排水路の処理場によってこれを処理していく、こういうかっこうで、将来においては御指摘のような、海上に投棄をしていくという問題がなくなってくるわけでございますが、全体としてこういった問題を段階的に、しかも計画的に進めていく必要がございます。そういうことで、これを全体として総理府の公害対策本部において取り上げまして、ただいま緊急対策並びに今年度の措置については一応方針で決定されております。今後の問題についても引き続きここにおいて各省力を合わせまして、この問題の解決に進んでいく、こういうことがきめられておるわけでございます。
○近江委員 緊急対策で外洋へほうるしか方法がない、そういう答弁でありますが、これは私は納得できません。ですからさらに、緊急対策としてもほかに解決方法がないかどうか。関係各省の皆さんは、きょうお帰りになったならば、公害対策本部に行かれてそのことをよく伝えてもらい、それをさらに研究していただきたい。いまの方、代表してそのことについて決意を聞かせてください。
○宮崎説明員 御指摘の点につきましては、それぞれ専門の方々の御意見も聞きまして、十分検討いたします。
○近江委員 それから、あともう一つは大気汚染のことでちょっと聞きたいと思うのですが、この前大蔵省は、たしか官庁の公用車の燃料を普通ガソリンに切りかえるという方針で各省に呼びかけられたわけですが、その後実施しておるのはどの官庁で、どの官庁が実施してないか、大蔵省にお聞きしたいと思います。
○金子説明員 お答えいたします。 御指摘のようなことは、会計課長会議というようなもので話し合いをした事実がございまして、そのときすでに各省庁それぞれ独自の立場から、ほとんど全省庁が検討を進めておられましたし、また若干の省は、すでに切りかえることを決定されたところがあったのでございますが、つい最近までの情勢では、その会議後全部早急に切りかえが完了しております。
○近江委員 それから自治省と運輸省だったと思いますが、都道府県、市町村においてもそういう方向が好ましいじゃないかというお話があったと聞いておりますが、その後各都道府県、市町村等においてどれだけ実施しておるか、自治省からお聞きしたいと思います。
○立田説明員 ちょうどこの話が出ました六月の初めに、私たちのほうから地方団体に、緊急にこれを要請をいたしております。現在までの段階で、都道府県は全部実施をいたしております。市町村につきましては、都道府県からさらに要請をいたしておりますので、私らのほうで直接全市町村三千三百については全部つかんではおりませんけれども、実施されておるということを期待いたしております。
○近江委員 これは取り組みの一つの姿勢として皆さんもそうした呼びかけを行なわれたと思うのですが、こんなことは簡単にできるわけです。何もやったからえらいことではないわけです。切りかえくらいすぐできると思う。もっともっと根本的な、たとえば田子の浦の問題一つにしても、もっと総力をあげて取り組んでいかなければならない。ですから、今後公害問題について真剣に取り組んでいただきたい、このことを強く要望しておきます。 それから、公取委員長がお見えになりましたので、管理価格のことについてちょっとお聞きしたいと思います。 きょうの各紙にも、管理価格のことについていろいろな記事が出ておるわけでありますが、四業種特に濃厚である、百三十業種に疑いがある、こうした発表が各紙に出ておるわけですが、私たち公明党としては、御承知のように、物価の問題は国民生活を脅かす最大の問題である、こういうことで、ことしの五月に物価総点検をやりまして、これは公取委員長のほうにもこの資料は行っておると思います。 そこで、管理価格をこのように取り上げられたというのは非常にいいわけですが、御承知のように、カルテルの問題とかやみ再販の問題とか、いろいろな問題があるわけです。そこで私がまず初めにお聞きしたいのは、管理価格というものを公取委員長はどのように把握をされているか、その点を公取委員長お聞きしたいと思うのです。
○谷村説明員 まず最初に、御質問の中に出てまいりましたけさの読売新聞に出ておりました記事につきましては、私どもがまだあの業種について疑いを持っているとかどうとか、そういう趣旨のものではございません。新聞のほうで、どういう資料によりましたものか、さように掲載しているものでございまして、その点は一応釈明申し上げておきます。別に私のほうで発表したものではございません。 それから第二に、けさほどもお話が出たところでございますが、経済がかように高度化し、また情報化し国際化するというふうな環境のもとで、いわば市場に有効な競争条件が働かなくなるような、そういう状況が生まれてくることも、これまた避けられないような姿になってきておりますことは、アメリカでも西欧諸国でも、またわが日本でも一つの傾向であろうかと思います。それは経済社会発展計画がすでに指摘しているところでございますし、現に問題としているところでございます。そして先ほどお答えもいたしましたように、市場の有効な競争条件が働かなくなるような情勢のもとで、いわば市場メカニズム、価格機能が十分に作用しないで、寡占企業等による力が価格形成に大きく影響するといったようなときに、いわゆる管理価格というものがいわれているのだというふうに思います。これをどういう角度からどうとらえてどう評価するかということについては、よく御存じのようにいろいろな問題があると思います。
○近江委員 わが党といたしましては、この物価総点検におきまして、八十四品目、六千九百三十八点を調査対象としたわけです。この総理府の統計局の小売り物価統計調査の三百二品目の中から、消費者の日常生活から見て密着度の高いものをわれわれとしてはとったわけです。そうしまして、この総点検の結果、このカルテル行為ややみ再販というものは大っぴらに行なわれておるということがはっきりとしておるわけです。 公取の委員長に私申し上げたいのは、どうしてこうした問題、カルテルあるいはやみ再販等の問題を徹底的に取り締まっていかないかということなんです。そういう態度は非常に手ぬるいと思うのです。昭和三十八年の秋、当時の渡邊公取委員長は、一般物価水準安定のためには、下がるべきはずの価格が十分に下がらないことを問題にすべきだというような考えが、わが国の政策当局においても認識されるようになった、こういう趣旨の発言をしておられるわけです。そうして昭和三十九年に発表された第一次物価問題懇談会の報告では、一部の大企業製品の価格にも硬直化の傾向が見られるので云々と、価格安定の取り締まりなど独占禁止政策の運用を強化し、自由な価格決定を阻止する要因を除去すること、こういうことを勧告存しておるわけです。以来この管理価格のそうした問題は、物価問題懇談会あるいは物価安定政策会議の提言、経済白書、国民生活白書、旧経済社会発展計画、新経済社会発展計画等で何回となく指摘されてきたわけです。そうして数多くの提言や勧告がされてきたわけですが、どれだけそれが実施に移されて実効をあげてきたかという問題です。ですから、そうしたことを含めてこういう公明党の物価総点検においてもはっきり、いま申し上げたカルテルあるいはやみ再販等のそういう実態というものが浮き彫りされておるのですが、なぜそういうやわらかい姿勢で今日まで公取としてこられたか、その点についてお聞きしたいと思うのです。また今後その問題についてはどうなさっていくか。
○谷村説明員 御指摘のように、いわゆる管理価格問題といいますか、あるいは寡占企業における価格形成の問題ということが各方面から指摘され、生産性向上の成果が必ずしも国民一般に還元されないでコストの上昇、そうしてまた価格への転嫁という形でかえっていわば寡占企業体制というようなところからインフレ的な傾向があらわれるということ、これもわが国のみならず、むしろ先進諸国においてすでに指摘されておったような問題であります。 そこで、独占禁止法の運用に携わっております私どもといたしましては、もしいわれるがごとく明白なカルテル行為があるならば、当然これは規制し排除するのがわれわれの役目でございます。そうしてその場合に明白なカルテル行為があるならば、これは証拠によってそれを立証し、そうしてそれを明らかに相手にも申しましてはっきりとした態度がとれるわけであります。決して手ぬるいことをいたすべきではないと思います。また、やみというふうに言われます問題も、なかなか状況証拠というような形でもって実態を把握することがむずかしいという問題はございますけれども、極力さようなことのないように、私どもの与えられた活動力をできるだけ発揮いたしましてやるということでございます。その点について、私どもは手ぬるいというおしかりは、むしろありがたく激励のことばとして受け取っておきたいと思います。しかし何ぶんにも、そういう問題でない、明々白々たるカルテル行為というようなことでなくて、かような情報化社会の高密度経済社会におけるいろいろな企業の動きというもの、また、御承知のように雇用条件におきましてもたいへん変わってまいりまして、ある程度完全雇用に近い状況になってきたような姿が出ておりますときに、有効な市場の競争条件が、これは人為的に欠いているのではなくて、いわば一つの自然な姿として欠けてくるようになりました場合に、問題がなかなかむずかしい。これは容易に価格に転嫁できるような経済情勢になってまいりますと、経営者のみならず労働者も含めて、すべて安易に価格上昇のほうへとかく傾きがちでございます。 この問題が各国を通じて一番やっかいな問題でありまして、それでありますからこそ私どもは二つの点を申し上げている。一つは、やはり公取だけではとうていこなせない問題でございますから、行政各部全部を通じまして、こういう問題に対する意識を持ち、そして実態を十分に把握するようにつとめなければならないという調査の問題が第一。そして第二に、それは当然社会的な責務を感じておりますところの企業が、まず自主的にその問題について対処されることは期待するところでございますけれども、政府各部を通じまして、こういう問題にいかに対処していくべきかという体制をととのえておくということ、これが第二点。私どもはかように考えておるわけでございます。
○近江委員 明々白々なる事実ということ、これは実態調査を徹底的にやらなければそういうことはやっぱりつかめぬわけです。その辺でいまの公取の陣容では非常にむずかしい。また一般の認識が非常に冷ややかであるというような、そういう思いを込めたいまの公取委員長の御発言であったように、私自身はこのようにとっておるわけです。しかしその中で孤軍奮闘している。その間に国民各位が拍手かっさいをおくり、さらに強化しろというような応援も出てくることは、私は間違いないと思う。公明党のこの私たちがやった物価総点検も、これは地方議員並びに県連職員約三百五十人が担当して、直接会社または各店舗、市場などを訪問して面接調査をして、現実にこれだけの六千九百三十八点を調査したわけです。そしてまあこれだけのものをつくり上げたわけです。私たちのこんな小さな政党であっても、やろうとすればこれだけ——ほんとうにこれはまだまだ氷山の一角です。調査のほんとの一部です。だけれども、一つのこういうものを出しているわけです。いろいろな現在の戦いにくい現況はあろうかと思いますけれども、公取委員長も新しく——新しくというとなんですが、就任をされて、私も非常に期待をしておるわけです。そういう点で、いま申し上げたこの実態調査、またそれに対処していくそうした公取の強い姿勢、私たちとしてはそういうものを特に要望しているわけです。したがって、いろいろな困難の中で、公取委員長としてはこうしたもろもろの問題に対して、さらに全力をあげてかかっていってもらわなければ困るわけです。その辺がいまの御答弁では、もろもろの諸条件がまだととのっていないから非常に無理だというような、非常に失礼ですが、私はそういう弱い感じを受けたわけです。その点あらゆるそういう諸条件を克服してやっていかれるかどうか。私は公取委員長の根本的な姿勢というものをもう一度お聞きしたいと思うのです。
○谷村説明員 たいへん御激励のことばをいただきまして、ありがとうございます。 私が申しましたことは、まず現行法制のもとにおいて、そして私どもが現在持っております陣容によってやれるだけのことは、当然いたしたいと思います。そしてまた、私どもとしてする必要があることは、いろいろまた予算等もお願いいたしまして、さらに活動を強化することができれば幸いだと思っております。 ただしこういう問題は、ちょうど先ほど公害についてまさに御指摘になりましたように、それぞれがそれぞれだけでうまくやろうとか、あるいは自分の手柄にしたいというふうなことでは決してうまくいかない。それぞれのところがみな力を合わせてこの問題を解決しなければならないという意味合いにおいて、公取だけが何か冷ややかな場所におって孤軍奮闘しておる姿というふうにおっしゃいましたことは、実はほんとうはいただけないことなんでありまして、政府全体、行政各部門が、こういう問題にいかにして国民生活なり消費者を守るかという立場にずいぶん立ってきていまして、私は決して冷ややかな目で私どもは見られていると思っておりません。さような意味で、今後とも、みなの目がこういう問題に向き、そしてお互いに猜疑心を持ったり不信感を持ったりするということでなくて、問題の所在というものを見きわめながら、よりよい国民経済、国民生活のためになるようにみなで力を合わせていかなければならない。たいへんお説教めいたようなことを申し上げまして恐縮でございますが、私どもは孤軍奮闘的な考え方を極力とりたくない、かような気持ちでおります。
○近江委員 それで管理価格の問題、非常に複雑な問題でありますが、外国等においてはどういう立法処置をとって規制しておるかということなんです。具体的なことがあれば、公取委員長にそれをお聞きしたいし、今後、独禁法等ではできない、そうした面について特別立法等をお考えになっているかどうか、この点をお聞きしたいと思います。
○谷村説明員 時間の関係等もございますので簡単に申し上げますと、ものの考え方といたしまして、アメリカ等におきましては、できるだけ事前にさような体制ができることを防ごうという考え方から、合併等、人為的に競争を制限するような方向に進むことを現在法律で押えるようにしております。しかし、それにもかかわらず巨大な企業が出現し、現に相当な力を持つようになっております。これに対していかにすべきかということについては、いまのところまだ立法の手を持っておりません。しかし、大統領の諮問委員会におきましては、たとえばさらに企業分割というものを考えたらどうか、集中排除的な考え方をとったらどうかというふうな提案が行なわれておりますが、これはたいへんむずかしい問題を包蔵しておると思います。 第二に、西欧諸国、たとえばイギリス等におきましては、むしろ企業のどういう体制をとる、いわばどういう構造になるかということはあまりやかましく言わない。もちろん合併等について意識的に競争制限になるようなものは、これは許さないという考え方でおりますけれども、しかし大きくなった企業がいかに行動するか、いかなるふるまいをするかということを、場合によれば行政権によってチェックしようという、いわば行政介入による弊害の排除、俗に弊害是正主義という考え方をとっておりまして、イギリスのたとえば独占委員会というのはさような権限を持っております。それからまた、同じくイギリスにおいて物価所得委員会というのがございまして、これがやはり価格の引き上げ等について——これは当然、賃金の引き上げあるいは利潤問題、そういったようなものも全部含めた、いわゆる所得政策等の立場からする物価全体の問題というものを見て、必要に応じて勧告したりする権限を持っております。したがってこれは、ある種の行政的な立場からする行動に対するチェックというような考え方をとっております。それからフランスのようなところでございますと、これはむしろ行政府の権限が非常に強いものでございますから、現に価格統制のための法律——これは法律でありましたか、勅令ということばはおかしいのですが、政令に相当するものでありましたか、とにかく非常大権みたいなものを大統領が持っておりまして、それによる価格統制法みたいなものがたしかあったと思います。さような形による一種の行政による統制をやり、また担当官庁でありますところの財政経済省がいろいろな機関、たとえば税関とか税務署みたいなものまで含めまして、価格等の動き、大企業の行動、そういったようなものを見ておるというふうなことのようでございます。私あまり詳しいことは存じませんが、大きな流れとしてそんなような姿がございます。
○近江委員 特にアメリカなんかの公取は状況証拠があれば押える。そうすれば相手側が立証しなければならない。そういう非常に強い権限というものを持っている。ところがいまの独禁法ではそういうものはないわけですよ、日本では。ですから、いま私が申し上げたように、そうした諸外国の例等を考えて、今後さらにその辺のところを特別立法等をする考えがあるかどうかということを先ほどお聞きしているわけです。
○谷村説明員 アメリカにおきましても、まだいわゆる状況証拠というようなことによる確然とした判例と申しますか、そういうことはまだ確立していないというふうに聞いております。学者の間ではいろいろ議論があり、かつての例として、そういうものをもって、おっしゃるようなことをした例はあると私も聞いております。しかし、法体系あるいは法律に対する考え方というものが、英米法と、たとえば日本のような場合とではかなり違っておりますし、法治国家としての日本において、行政官庁のほうが状況証拠というような形でどの程度までのことがやれるか、これは非常にむずかしい問題でございますが、われわれといたしましても、その問題についてどこまでが、いわばそういった最終的には法廷で争わなければならない問題になりますけれども、できることかという勉強はいたしておりますけれども、これはたいへんどうも御質問がむずかしいところをおっしゃっているというふうに思います。いずれにいたしましても、こういう問題についてはみんなでどういうふうな考え方をしていったらいいかということは、やはり事柄が、具体的ないわば自由主義経済における企業の行動に対する問題でもありますだけに、かなり法治国家としてはいろいろ慎重に考えた上でやはり進めなければならない問題だと思います。
○近江委員 非常に最後のところははっきりおっしゃらなかったわけですが、この問題は幾ら進めても、いま公取委員長から、つくる、つくらないとか、そうした答弁はむずかしいと思うのです。 次にしたいと思いますが、そこでもう時間もありませんので、一つの提案として、公正な監視機構、これはいままでも問題が出てきておりますが、この設置についてはどのようにお考えでございますか。
○谷村説明員 御承知のように、旧経済社会発展計画の中に、そういった思想を盛り込んだ一つの監視機構といったようなものをつくったらどうかという提案がなされております。この問題についていま私は具体的にどう考えているというふうに申し上げるほど、まだ各省各庁とも十分な相談を尽くしておりません。これから各省各庁ともこういう問題についてもう少し時間をかけて、どういうのが一番国民のために、国民経済のために、そしてまた各方面からのいわば衆知を集めた形でできることかというふうに考えてやはり進めてまいりたいと思っております。
○近江委員 もう時間がありませんのでこれでやめますが、いずれにしてもこの物価問題については、これは日本をはじめとして世界各国の共通の悩みでありますが、特に日本の物価上昇というものは、世界に比類のない高い上昇をこの何年も続けておるわけです。少々の給料が上がったって、庶民の生活というものはほんとうに火の車ですよ。ボーナスでやっと息をつく。貯蓄だって、何とかやっていますけれども、実際の生活というものはたいへんな状態です。その根本原因は何か。物価です。その物価を取り締まっておられ、そこにメスを入れていくのが公取であり、経企庁が中心にならなければならぬわけです。各行政各省のそうした協力を得る、これは公取委員長のおっしゃるとおりです。しかし、やはり音頭をとって、真剣に国民の生活を守るという、国民のサイドに立った強力なリーダーがなければならぬ。それがすなわち公取であり経企庁じゃないかと思うのです。なかんずく公取だと思うのです。その点、国民の願いが一身に公取委員長にかかっているのじゃないかと私は思うのです。したがって、そうした管理価格の問題をはじめとして、私が申し上げたそうした問題について、今後さらに真剣な取り組み、またあらゆる体制づくりにひとつあなたの一切をあげてひとつがんばっていただきたい、このように思います。最後に公取委員長の感想をお聞きして終わりたいと思います。
○谷村説明員 たいへんむずかしい問題でございますが、私に与えられた職責は私一生懸命尽くすつもりでおります。どうもいろいろ御激励ありがとうございました。
○近江委員 じゃ終わります。
○橋口委員長代理 松尾信人君。
○松尾(信)委員 私、台風九号の被害状況につきまして全体的なことをお尋ねしたかったのでありますが、十号がいま日本の四国からいろいろ大きな被害を及ぼし、それで総理府の担当機関の方がそちらに釘づけになりましてここに御出席ができない。一瞬にして国民の生命と財産というものをなくなしていく災害に対する基本的な考え方、単に災害復旧というような考え方でなくて、人命尊重の立場からどのようにされるか。たくさんの人が今度死んでおります。また重傷者も多うございます。軽傷者も非常に多い。家屋の全壊、半壊、倒壊というのもたくさんありまして、長崎県一つでも約六万の人々が家をそのような状態の目にあいまして、非常な大きな苦労をなめておる。そういう点について、全体的な被害の状況と、それに対する政府の措置を聞きたかったのでありますけれども、残念ながらきょうはそれが聞けません。で、焦点をいらっしゃる方にしぼりまして、まず中小企業関係につきまして、今回の被害の状況はどうか、その被害につきましていかなる措置をとろうとしておるのか、その点について最初に承りたいと思います。
○吉光説明員 まず台風九号関係の商工関係の被害の状況でございますけれども、私どもが八月二十日現在で各関係の県から得ておる報告によりますと、鹿児島県につきましては三億五千万円、佐賀県につきまして五億一千百万円、長崎県につきましては六千五百万円、熊本県につきましては一億四千八百万円、こういう被害報告が県のほうから届いております。これに対応いたしまして、八月の十六日付をもちまして、政府関係の中小企業金融三機関に対しまして、さらに的確な被害状況を把握いたしますと同時に、この被災中小企業者に対して、いわゆる災害金融と申しておりますけれども、災害金融を開始するようにというふうな、そういう指令を発したわけでございます。これによりまして政府関係の中小企業三機関では、鹿児島、佐賀、長崎及び熊本の各県下にございます支店におきまして、貸し出し額につきまして、これは別ワク、増ワクが認められることになっております。その増ワクの処理と、それから既存の貸し付け分につきまして償還期間の延長措置、その他それぞれの具体的状況に応じました措置をとるようすでに準備を開始いたしておるところでございます。
○松尾(信)委員 大体そのような中小企業の商工関係に対する被害の実態は報告を受けてわかっておる、資金の手当てについても別ワクとして十分できる、なお三機関に対しましても指示をしておる、このようなことでありまして、これはまことに適切な措置であろうと思います。思いますけれども、現実にはほんとうにもうそういうものが困って、そして復旧を急いでおるけれども、なかなか現実の貸し付けがスムーズにいかないということがありましたら非常にたいへんなことになりますので、時期的にもこれを急いで早くやるように、もう少しきめのこまかい配慮をもう一つしてもらいたい。おくれていかないようにひとつもう一回よく指示をしていただきたいと思います。 なお、いま既貸し付けの償還の延長等のお話がございましたけれども、新しく、このようにいたしまして災害復旧のために金を借りるわけでありますけれども、その金利というものはどのようになっていくのでありましょうか。
○吉光説明員 最初に、きめのこまかい指示をいたしますことにつきましては、私も全く同感でございまして、現地でも最大の注意を払っておると思いますけれども、さらにそれが徹底するようにつとめたいと考えます。 それから金利の関係でございますけれども、ただいま指示をいたしておりますのは通利でございまして、現実にさらに被害状況の調査をいたしておるわけでございますけれども、これはその調査結果によりまして、あるいは激甚災あるいは局地激甚災というふうなことがきまりますれば、六分五厘という低利の融資になるわけでございます。現状から判断いたしますと、被害額と中小企業者の総所得額との関係からまいりまして、現状では局地激甚災の指定もやや困難ではないかというふうに考えられますけれども、さらに詳細、県の報告を待ちまして対処いたしたいと考えます。
○松尾(信)委員 そのようにして金利もある程度安いということでありますけれども、金利なんかはむしろただでいいのじゃないか。そのくらいの積極的な行き方というものが、天災というようなものに対してはあたりまえじゃないか。いろいろ実態を調査いたしまして、ほんとうに純然と災害を受けたものであるというような認定のつくものにつきましては、六分五厘とかなんとかじゃなくて、もう取らない、取ってもわずかだというような方向で今後は進んでいきませんと、ほんとうに人命尊重の立場からいういろいろの政府の手厚い施策というものじゃないじゃないか、このように考えますので、これは将来の問題としてお互いにもう少し詰めて研究していきたいと思うのですが、いまのところそれ以下の金利というものはもうだめだと、こういうお考えでしょうか。
○吉光説明員 ただいま激甚災あるいは局地激甚災に指定されました場合の金利についてお答え申し上げたわけでございます。この六分五厘につきまして、従前は三カ年間に限り六分五厘というふうなことになっておったわけでございます。そしてあとは通利に戻るということでございましたけれども、実は昨年運用を一部改めまして、三年間六分五厘、その後通利ではなくて七分というところまで運用の改善をはかってまいったわけでございます。現在六分五厘というのが金融機関のコストぎりぎりでございまして、六分五厘の金をもらってそれを貸しておるというのが政府関係金融機関の現状でございます。したがいまして、六分五厘をさらに下げるということは非常に多くの困難が伴うかと思うわけでございますけれども、さらに一段と努力をいたしたいと考えます。
○松尾(信)委員 ではひとつその問題は、金融ですから、いまやはり商売的な傾向が政府三機関といえどもありますので、そういうところから出ていく金につきましては、なかなか金利の引き下げもできないだろうと思います。これは、そのような営業的な面じゃなくて、やはり政府自体がそういうめんどうは見ていくのだという、そのような観点から、今後お互いに、私も勉強して推進していきたいと思います。よろしくお願いしておきます。 時間もありませんので次は農産関係に移りますけれども、この全国の損害はどのくらいであったろうかということであります。長崎県だけでも三十八億余の農産被害がございます。林産も一億三千万をこえております。畜産関係はやや低うございますけれども、それでも五千万はこえております。水産の被害が約二億近くございまして、そのようにいたしまして、八十一億という全体の被害の中からも農林水産関係がその主要な部分でございますが、今回の全国的な被害の状況というものと、そしてそのような非常に大きな被害を受けておる農水産のほうにつきまして、どのように農林省としてはそれを復旧されていくか、その被害というものをどのように救済されていくかということにつきまして、いろいろ法律もございます、そういう観点からどのようにされていくかということをお尋ねしたいと思います。
○下浦説明員 台風九号の農林水産被害につきましては、御指摘のとおりかなり大きいものがございまして、八月二十日現在で、これは各県の報告を取りまとめましたところ、以下のようになっております。 まず施設関係でございますけれども、これは合計いたしまして全国的に七十六億三千百万余。この内訳といたしましては、漁港関係が十億五千八百万。それから治山施設でございますが、これが一億二千二百万。海岸関係が四億四千六百万。それから農地でございますが、三億九千万。農業用施設が十五億六千万弱。さらに漁船が二億円強。まあ大体以上のようなことになっております。それから農作物等の関係でございますけれども、これは合計をいたしまして三百九億七千六百万ということになっておりまして、その中で一番大きなものは農作物でございまして、二百八十億五千二百万強ということになっております。次は水産物の関係でございまして、二十一億弱。林産物は六億九千万強。以上のようなことで、総計三百八十六億七百万強という状況になっております。 これに対しまして、この被害の報告でございますが、これは先ほど申し上げましたように、まだ十分出そろっておりません。中間的なものでございますので、さらにこの被害の状況を実態把握をする必要がございますが、まず農地、農業用施設、林道、治山施設等の施設災害の復旧につきましては、いわゆる暫定法といっておりますが、災害復旧に対する助成の法律がございますが、これによりまして、さらに漁港関係につきましては、公共土木の国庫負担法、これによりまして万全の措置を講じてまいりたいと思っております。緊急を要するものにつきましては、各県で準備の整い次第、査定を実施するという段取りにいたしております。 次に、農作物あるいは水産物、林産物の関係の被害の対策でございますけれども、これにつきましては天災融資法という法律がございまして、被害農林漁家に対しまする災害資金の貸し付けの制度がございます。これは、私ども農林省の統計調査部の被害統計へそれから各県におきまする資金需要の実態把握を待ちまして、この天災融資法の発動につきましては早急に検討を進めてまいりたい、こういうぐあいに考えております。なお、自作農維持資金というのがございまして、この中には災害ワクもあるわけでございますが、この災害ワクの設定につきましても、ただいま申し上げました天災融資法の発動の関係と同様に、早急に検討を進めたいと考えております。それから被害農家に対しまする各種制度金融による既貸し付け金につきましては、実情に応じまして償還猶予等の措置を検討いたしたい、こういう考えでございます。 以上が助成並びに融資の関係でございますが、さらに農林漁業関係につきましては、各種の共済あるいは保険の制度がございますので、これらにつきましても、必要に応じまして、共済金、保険金の仮渡しあるいは概算払い、そういうような措置をとってまいりたいと考えております。 以上でございます。
○松尾(信)委員 いろいろ速急的なそのような対策を立てられまして、けっこうだと思うのでありますけれども、要は時期的な問題であります。いろいろの法律でああだ、こうだといいますと、ずれていく。その間非常に苦しんでおる人が立ち上がりが困難になってくる。先ほど中小企業庁長官にもお願いしておきましたとおり、時期的な問題を考えられまして、すみやかにそういうものをもう実現していくんだというふうな面で邁進していただきたいということを最後にお願いしておきます。 それから、時間もありませんが、けさほど物価の問題で、特に重要でございます生鮮食料品の点につきまして、企画庁長官にもいろいろお話し申し上げて、そして産地直売の方式等でしっかり流通機構というものを変えていきたい、そのようなお話でありまして、それぞれの所管庁とよく話し合って、そして物価安定、特に生鮮食料品の物価安定について早く措置していく、そのような回答でありましたが、何といいましても、この生鮮食料品は農林省の所管物資が大部分でございます。農林省における生鮮食料品に対する物価安定のための施策、特に生産地における貯蔵の関係、また消費地における卸売り市場の問題、地方市場の問題等につきまして、どのように考えておられて、どのように生鮮食料品の値段を下げていこうとされておるのか。そのような点につきましてお尋ねいたしたいと思います。
○森説明員 お答えいたします。 先生御指摘のとおり、生鮮食料品の価格の安定ということはきわめて重大な問題でございますが、基本はやはり、増大をいたします需要に対しまして供給を安定して、計画的に生産をしてまいるということであろうと思います。その次には、やはり御指摘のとおりに、出荷なり保管なり調整なり、そういうことに努力をするということであろうと思いますが、これにつきまして、従来から産地におきまして、たとえばミカンなりリンゴなり、いろいろな補助事業によりまして、出荷なり保管の機能の強化につとめてまいったわけでございます。 もう一つ、消費地におきましては、たとえば卸売り市場の施設整備、その中にやはり倉庫なり冷蔵庫なり、そういうものが含まれております。それからもう一つ、仲買い人なりあるいは荷受け会社、それらが卸売り市場近代化資金というのが農林漁業公庫資金にございまして、そういうものを通じて倉庫なりそういうものに相当貸し出しをしてまいっております。今後、この前の当面の物価安定対策というところで述べてございますように、産地の段階におきましては、野菜の集送センターというようなもの、あるいは水産物の産地市場、あるいはノリの問題としまして団体によります調整保管施設というようなものの整備をさらに進めてまいるという考え方でございますし、消費地におきます市場の問題につきましては、御承知のとおり、前国会で継続審議になりました卸売市場法案、これの実現を見ますと、いま産地のほうで非常に産地が大型化してまいっております。同時に消費地のほうでもいろいろ大口需要者、スーパーなりあるいは生協というようなお話もございますが、そういう大口需要者というものがまとまって買う。それを一定の期間、産地に対しましては買い付けをする。それからこちらに対しましては、相対で取引をいたしまして、一定の価格で一定の期間、まあ貯蔵なり何なりのきくものにつきまして、そういうものから価格を安定しながら取引させていくということをいろいろやってみたい。そのために、市場側におきましても、なお、さらに冷蔵庫なり倉庫という、そういう保管機能を持つ施設を拡充してまいりたい、こういうのが基本的な考え方でございます。
○松尾(信)委員 基本的な考えはわかりました。それで、ほんとうに豊作貧乏で自殺する人が出てくる。産地においてどうしても貯蔵倉庫的な機能というものは必ずなくては相ならぬと思います。なお産地でつくるか、消費地まで進出してつくるか、これはおのおのの地域における特色によってきまってまいると思いますけれども、いずれにしても、生産物の貯蔵、出荷調整のきくような、そういうものが必ず要るであろう。そういう点についてうんと予算を取り、施策を進めていただきたい。 それから流通機構の問題でございますけれども、これがあくまでも生産者と消費者というものを結びまして、そして需要と供給を調整しマッチさせて、そして物価の安定にも寄与できるような、本来の生産と消費を結んだパイプでなくちゃ相ならぬ。それがややもすれば値段をつり上げていくような機関になっては、これは本来の使命に反するものである、こう強く思います。そういう意味におきまして、卸売り市場等の改正等も当然必要でありましょうけれども、相なるべくは、生産者と消費者というものを直結した、生産者のほうにある部分の流通機構をつける、消費者のほうにもいまの流通機構の残りの部分をつけまして、生産、消費の直結を、ほんとうに両方をつなぐ本来のパイプにしていただきたい。これには五年、十年あるいはかかるかもしれませんけれども、そのような方向で、そして生鮮食料品というものを生産者と消費者と直結させて、価格の安定を第一に、そうして需給の調節を第一にはかられまして、そのような機能を果たしていただきたい。これが私の希望なんです。またそれはどうでしょうか。農林省の考え方でありますけれども、いまの流通機構というものは、何か消費者と生産者の中にありまして、それが一つの影みたいになっては相ならぬと思うのです。あくまでもそれはそうではなくて、まん中につながりまして需給の調整、物価の安定というふうに全体が一丸となってやっていかなくちゃ流通機構の意味もないじゃないかと思います。そういう意味におきまして、今後ともに農林物資で大いに物価安定に役立つわけでございますから、ひとつしっかりがんばっていただきたい。一言あなたのほうの決心を承りまして、私の質問を終わります。
○森説明員 先生御指摘の点につきましては、十分心得て努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○橋口委員長代理 多田時子君。
○多田委員 このところ、お酒あるいはしょうゆ等の値上げの問題が騒がれ始めまして、何かこの秋はまた一斉に諸物価が値上げをされるシーズンではなかろうか、このように心配されるわけでございます。そのトップバッターとして清酒、そして二番バッターとしておしょうゆ、この二つの値上げが各紙に報ぜられまして、私どもはまたあらためてショックを受けていたことでございます。お酒といえば、ほんとうに召し上がるのは男性の方々ですから、ショックはそちらのほうかと思いますけれども、やはりこれは直接台所を預かる私ども主婦の立場のほうが何としても問題でございますし、また加えてそれが因となって大きく諸物価の値上げに反映していくのではないか。今日までの物価の値上がりの情勢を見ておりましても、常にそういうケースをたどっております。そういうことから、このお酒と、そしておしょうゆの値上げの問題について、どのような態度で各関係省庁が臨まれるかということを、ここにあらためて伺っておきたいと思うわけでございます。 前回も同じく、昭和四十三年の清酒値上げのときにも、やはり中小メーカーがトップに立ちまして、そして大手のメーカーがそれに続いた。また今回も同じように、発表になりましたのはまさに中小企業者でありまして、こうしたことが新聞発表になった。ここでまず第一点として国税庁にお伺いしたいと思います点は、この小さな中小メーカーが発表したことが堂々と新聞発表になる、こういう姿を見ましても、これは明らかにやみ価格協定ではないか、このように思うわけでございますけれども、この辺国税庁の係の方の御説明を伺いたいと思います。
○塚本説明員 お答えいたします。 先生の御質問のとおり、清酒値上げは、八月の十二日に地方の中小業者が値上げを発表いたしたわけでございます。その後一昨日までに二十幾社が発表いたしております。価格協定であるかどうか、私どもとしては所管官庁ではございませんので、私からお答えするのはいかがかと思いますから、発言を差し控えたいと思います。
○多田委員 いま御答弁いただきましたのは国税庁の塚本間税部長でいらっしゃいましょうか。
○塚本説明員 はい。
○多田委員 もし価格協定ではないということであれば、その中小メーカーの値上げの届け出というもの、それが新聞発表になり、値上げが大きく諸物価に反映するのではないかというふうに報道されているわけでございますけれども、ほんとうならば大メーカーまで扇動されませんでも、小さな酒造メーカーの値上げの届け出ぐらいのことでしたならば、それはもうほんとうに卸売り業者あるいは小売り業者等にそうした問題は一蹴されて、そうして問題ではない、このように考えられるわけなんでありますが、いま間税部長さん、係ではないというふうにおっしゃいましたけれども、国税庁が係でないとすればどちらが担当省庁でございましょうか、その点をお伺いしたいと思います。
○塚本説明員 お答えいたします。 先ほど申し上げましたとおり、十二日に最初に値上げを発表したメーカーがございまして、続いて二十数社が同じ値上げ幅で値上げを発表しておる。先生はこのことを問題にしていらっしゃるのじゃないかと思うのでございますが、私どもとしては、いろいろ人件費の値上がりあるいは原料米の値上がり、運賃の値上がり、その他いろいろコストアップ要因がございまして、収益に相当響く点はございましょうけれども、それは企業の合理化努力によって吸収するように、値上げは好ましくないという態度で対処してまいったわけでございます。たまたま最初に発表いたしましたメーカーに続きまして、あとが同じ幅で値上げを発表いたした。これは価格協定であるかどうか、私どもとしては、まだ数が非常に少のうございますし、この最初に発表をいたしましたものの値上げの幅はすぐ知れわたるものですから、それを見ましてあとが同じ幅で値上げを発表したのであろうか、このように考えておるわけでございます。現在のところは、私どもといたしましてはその所管官庁ではございませんが、価格協定というものにつきまして疑いを持っておりません。
○多田委員 いまの答弁ですが、だいぶ新聞等のお話とは違うようでございまして、新聞等では、国税庁としても、これはやみ価格協定の疑いがあるとして調査をしよう、こういうふうな積極的な姿勢であるように思われますが、いまの御答弁ですと、若干違うようでございますけれども、おとといの日経新聞ですか、これにも国税庁が強力に厳重に警告をしている、こういうふうな記事がありました。しかし、この厳重な警告だけではこれはおかしいのではないかということで記事になっておりますけれども、国税庁は長官名で値上げを押えるよう酒造業界にきびしく警告をした、さらに大手メーカーなどを呼んで安易な値上げ追随は困る、こういうふうに警告をしたとはっきりございます。これは大阪国税局のことでございます。ところが、そのあとの記者会見で間税部次長さんでいらっしゃる方が、ここ二年間のコスト高から少々の値上げは妥当である、こういうふうに答弁をされた。それを聞かれました塚本間税部長さんが、その妥当ということばはたいへんよくないのではないか、個々のメーカーが原価計算すれば、確かに値上げをしなければならないようなケースがあるかもしれないけれども、物価政策上一斉値上げは適当ではない。大阪の荒木さんとおっしゃる次長さんも、もし妥当ということばを使ったのであれば行き過ぎである、このように間税部長さんが仰せになっている。このようにはっきりしているわけでございます。 もし、それがやみ価格協定であるかないかということが判然としないということであれば、これはもう徹底的に調査をする必要がありましょうし、また、国税庁として、向こう五カ年間、昨年の秋にきめましたいわゆる不況カルテル、こうした問題も、値上げをしないという条件のもとで、いわゆる自由競争の制限をするために結ばれた、このカルテルをさっそく解体すべきではないか、このように考えるわけでございます。その点についてお考えをお伺いしたいと思います。
○塚本説明員 お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたとおり、十二日に最初の発表をした業者が出まして、引き続き二十幾つかの社が出ましたものですから、十七日の午後に酒造組合中央会長を呼びまして厳重な警告をいたしました。これはただいま先生の御指摘になったとおりでございます。 本来、私どもとしては、真に必要なものを、コストアップ分をどうしても合理化で吸収できない、そういうものを値上げによってカバーする、そういうものは個別的な企業が自主的に判断すべきでございます。それを、ほかの業者が値上げをしたからといって、他の業者が安易に追随いたしまして続々と値上げを発表する、したがって、一定期間内に多数の業者が一斉に値上げをした、そういうふうなかっこうになることはもう物価政策上も好ましくございません。 また、先生からいまお話がございましたように、生産カルテルを実施中でもございますので、きわめて望ましくございませんので、中央会長を呼びまして、そのような事態にならないようによく業界を指導するようにということを厳重に申し渡したわけでございます。同時に、地方の国税局におきましても、それぞれの関係者を呼びまして、国税庁の方針に沿いまして値上げの自粛を呼びかけたわけでございます。今後もそのような姿勢で私ども対処してまいりたいと思っているわけでございます。
○多田委員 実はここで一つ実例を申し上げたいと思うのでありますけれども、四十三年ですか、その値上げのときに、ある酒造組合の地方の組合で、この組合の何か集まりがあったときに、その席で組合のリーダーから集まったいろいろな各社の人たちに、あなたのところは何日、あなたの会社は何日、こういうふうにおのおの日取りを発表されまして、さみだれ値上げの下準備の相談がなされた、こういうことがあったそうでございます。そのときに、やはり一社だけはどうしても値上げに反対だということで、最後までがんばったわけでございますけれども、そうしましたら、そのあとで国税局に呼ばれまして、なぜ全体の値上げの案に従わないのだ、もしこれに同調しないならば記帳命令を出すぞ、こんなようなおどかしがありまして、そうしてもう一たまりもなく値上げに賛成させられたということでございます。こういうことになりますと、たまたま聞くことでございますけれども、これでは全く、いまあちこちでリンチなどが行なわれていろいろ世論を浴びておりますけれども、全く関係省庁のリンチにもひとしい、極論すればそういうことになるわけだと思うわけでございます。リンチといいましょうか、しごきといいましょうか、そういう形でやむを得ず上げなければならない、こんなふうな実情になったそうであります。これは名前を出しますとちょっと問題ですので、名前は隠しますけれども、そういう問題があった、こういう事実を否定なさいますか、事実と認められましょうか。また、そうした行動に対してどのようにお考えでしょうか、伺いたいと思います。
○塚本説明員 お答え申し上げます。 いまそのような話を初めて私、先生から耳にいたしました。そういうことがあり得るのだろうか、実はまことに疑問に思うわけでございます。現在の私ども国税庁の値上げ抑制に対する姿勢からいたしまして、とうてい考えられないことではなかろうかと私思っております。
○多田委員 考えられないということですけれども、もしそういうことがあったとしたらどういうふうにお考えかということなんですが……。
○塚本説明員 私、初めて耳にいたしまして、とうてい考えられないことで、何ともお答えしようがないと思うのでございます。もしそういうことがあれば、それはまことにあってはならないことでございまして、私ども初めて耳にしましてびっくりいたしておるわけでございます。
○多田委員 それは全く監督不行き届き、こういうふうに言う以外にないと思います。初めて聞いたということでございますけれども、これは確実にあったことでございますので、一そう調査を進めていただきまして、こうしたことがないように厳重に徹底をしていただきたいと思います。 また、この問題について考えますのに、いま間税部長は、やみ価格協定であるともないとも、何ともおっしゃいませんでしたけれども、こうした問題、陸続とあとを続いて値上げをするという届け出があったということは、これはもう明らかに価格協定であるというふうに思えるわけでございまして、当然それは独禁法違反ということにもなるわけで、公正取引委員会の委員長さんもおいででございますので、公取委員会としてこの問題をどういうふうにお考えか。また昨年の秋の不況カルテルの問題も委員長さんは賛成をしておいででございますので、この辺の問題に対しても、公取委員会としても強い姿勢でそれらに対処していくべきではないか、このように考えますので一言お願いしたいと思います。
○谷村説明員 先ほど国税庁のほうからお話が出ましたように、三千幾らかのたくさんの業者のうちで、二十数社がそういう動きを示しておるという段階でございますので、まだ実際にどういう動きになるかということを私どもも実は見ている状況でございますが、御指摘のように問題が二つあると思います。 一つは、いわゆる一斉に何か同じような値段で出てくるのじゃないか、そこに何かありやしないかというふうな御疑問だろうというふうに思います。さっきお話がありましたが、ほんとうならばいま自由価格なわけでございますから、国税庁が答えましたように、それぞれの企業がそれぞれの判断で、市場でどうするのが一番いいかというふうに考えて行動する分には、私どもといたしましてもこれは何ともできないところでございます。そうして、現実に確かに人件費も上がっており、その他諸経費も上がっているという話も実は聞いております。したがって、そこで価格形成のあり方が、具体的な姿としてそれぞれのものがどういうふうになっているのか、さっきのようなお話で、もしそこに何らかの形で強制があったり、話し合があったりするという実態があれば、それはおっしゃるとおり問題があるだろうと思います。 そして、第二の問題は、私が申し上げているような自由価格というものは、本来は市場で形成されるはずであります。自由な競争市場で形成されるはずでありますが、御承知のように不況カルテルをやっているという御指摘であります。ほんとうなら、小さいものが上げてきても、さっき、問屋が一蹴してしまうじゃないかとおっしゃった。確かに、大きいほうが、小さいやつが上げてきてもどうせ売れない、それなら私どものほうは値を上げないで、この際うんと生産してシェアを広げてやろうというふうな、そういう競争があると一つのチェックになるわけでございますが、全体として不況カルテルをやっておりますというときに、いまのおっしゃったような意味での、小さいものが上げてきてもそれが通るという、そういう姿が実は出ております。そういう意味で私どもは、本来、清酒製造業というものがいま置かれている立場というもの、これはいろいろな角度から考えまして、去年からことしにかけて立法もなされましたし、不況カルテルも形成されましたが、一つの構造転換作戦というものが現に行なわれていると思います。できれば、それをなるべくすみやかにやっていっていただきたい、一挙にいろいろなことをするのは、それはいろいろな意味で混乱が起こると思います。しかし、なるべくそれを早く進めていっていただいて、国民経済のために有効に資源が使われるようになっていただきたい、かような気持ちをこの問題に関連して持っております。
○多田委員 もう一つちょっと伺いますが、いま前半、一般論でお答えをいただいたようでございますけれども、昨年の秋に定められましたこの五年間、値上げはなるべくはしないと、こういう約束のもとに不況カルテルを結んだわけですけれども、それから一年もたっていないわけでございますが、早やもう値上げの気配がただよっているわけでございますけれども、その辺に対するお考えをひとつお聞かせいただきたいと思います。
○谷村説明員 こういう時世でございまして、経済も発展し、そして賃金もまたふえていく。それがあるところだけはふえ、あるところだけはふえないで済ませるというわけにもまいりませんし、いろいろな意味で人件費も上がっていくということは避けられない。さような場合に不況カルテルを結んでおれば、一切価格値上げということはもう認められないというふうに言えるかというと、そこはやはり現実問題としていろいろ考えなければならぬこともあるだろうと思います。それなら、もういっそ不況カルテルなんかやめてしまえ、そこで血みどろになってやるだけのものをやってみたらどうだという話も一つの考え方でございますが、それもまた問題があるだろう。不当な、あるいはは便乗したような、あるいはわれわれの目から見てもよくないやり方で上げるということであれば、それは私はよくないと思いますが、一切値上げをそういう不況カルテル下にあるものはしてはならないと言いたいところでございますけれども、はたしてそこまで言い切れるかどうか。その辺は国会でもこの春ごろ、やはり法律案の御審議にからんでずいぶん御議論があったというふうに承っております。たいへんむずかしい問題であると思いますが、いま国税庁が答えられましたとおり、極力そういう特殊な地位に置かれている業界であるということを業者が自覚されまして、そうしてそういう自覚の上で行動をしていただきたい。そしてまた国税庁も、そういうことがまた国民の声であることを十分に踏まえて指導をしていただきたい、私どもはかように考えております。
○多田委員 いま同じことを国税庁の間税部長さんにお願いしたいと思います。
○塚本説明員 お答えいたします。 いま委員長から御答弁がありましたとおり、一切値上げをいけないということはなかなかむずかしい問題であろうかと思います。先ほど私、申し上げましたように、個別的な企業が自主的な判断でやるべきことなんで、ただ、それに便乗して、あそこが上げたからわしも上げるいうふうな便乗値上げ、あるいはそれに伴う一斉値上げ、これは避けるべきである。特に不況カルテルの生産数量制限をやっております段階におきまして、これらは避けるべきであると考えております。 ちょっと付言いたしますが、現在の生産数量カルテル、不況については確かに不況カルテル、名前はそのとおりでございますが、現実の運用で需要量を大幅に上回る規制数量ワクを設けまして、規制数量が実際の数量を大幅に上回るようなかなりゆったりしたワクをつくりまして、そこで、完全な自由競争とは申しませんけれども、かなりな自由競争をいたしまして、五年後には全く自由な競争の場に追いやられる、そういうふうな過渡的な段階としまして、かなり普通の不況カルテルとは性質の異なるものと思っております。ゆるやかな制限をしながら完全自由化に持っていくというようなふうに考えておりますが、しかしながら、これはやはり生産数量を若干なりとも制限していることは事実でございますので、したがいまして、そういう段階で一斉に値上げが行なわれるということは、これまた問題であろうと思います。 そこで、先ほど申し上げましたのですが、私どもといたしましては、そのような事態にもしなった場合、一斉値上げといいますか、便乗値上げが続々続きまして、もうほとんどの業者が値上げを実施した。これは自由価格でございますので、法的に押える権限もございませんが、そういう事態になった場合は、いまの生産数量カルテルにつきましてこれは再検討せざるを得ない、またそうすべきであろうと私ども考えているわけでございます。
○多田委員 いまの値上げは避けるべきである、こういうお話でございましたけれども、いま個々の値上げの事情はいたし方ない面もあるだろう、だから個々で値上げする分には法的にも何ら規制する権限はない、こういうふうな御答弁であったように思いますが、それでは、この値上げは避けるべきだというときに、避けるためにどんな手を打ち、どんな方法を講じておられるか。去る十二日からぼつぼつ出てきたわけです。出てきたそれらの業者に対してはもちろんのこと、まだ何ら反応を示さない大手の業者等に対しても、何らか事前に手を打つ必要があるのではないか、このように思われますけれども、いかがでございましょうか。
○塚本説明員 先ほど申し上げましたことでまずお断わりいたしたいのですけれども、個々の企業が個々の判断においてやるのはやむを得ないというふうに私、申し上げたとすれば、これは言い過ぎでございまして、そのような場合でも、極力合理化努力によりましてコストアップを阻止すべきであろうと思います。決してやむを得ないというような考え方はとっておりません。極力それは避けるべきだ。もしそういうことでありますれば遺憾なことだと思っております。それが第一点でございます。 それから、いまどういう手を打ったか、あるいはどういう手を打つべきであるかという御質問でございます。先ほど申し上げましたように、去る十七日には酒造組合中央会長を呼びまして、全国の三千六百ほどの業者に対して、そういうふうな便乗値上げが起こらないように、起こさないように誠心誠意指導せよということを厳重に申し渡したわけでございます。同時にその際に、もし中央会長の努力にもかかわらず、そのような便乗一斉値上げですか、そういう事態になった場合には、その際には生産数量カルテルを再検討するぞ、せざるを得ないというふうな私どもの決意を、あわせて中央会長には申し伝えてございます。 なお、それから地方におきましては、それぞれの国税局におきまして、その地方のそれぞれの組織がございます。メーカーの組織でございますが、その組織の長を呼びまして、あるいはそのおもなメーカーを全部集めまして、国税庁の方針に沿って同じような趣旨の申し入れを現実にやっております。特に大阪国税局におきましても、先ほどの先生のお話のとおり数日前に大手のメーカーを呼びましてその趣旨を申し入れ、さらにあわせて、昨日だと思いますが、地方の支部長と申しますか、メーカーの集まりの長でございますね、それに対しまして厳重な警告を発してございます。今後もそのような態度で監視といいますか、注視しながら、事態を見守りながら、その姿勢で対処してまいりたいと思っております。
○多田委員 いま、もっぱら警告にとどまっておるようでございますけれども、いつもこういう場合、厳重な警告でそれでいつの間にか上がってしまう、これが今日までの実情でございます。物価といえば敏感に神経質になっております私どもは、何か一つ上がったらまたぞろと、こういう感じがいたしまして、この点は、いまいろいろお話を伺っておりますと、諸物価値上がりのおりからやむを得ないというこの考え方がある以上は、どんな厳重な警告を行なっても、やはり上がるものは上がってしまうのではないかという心配が私たちの心の中には残ります。政府は物価問題に対しては、徹底的に不信を抱かせております。この辺で、もうこの秋あたりには、ひとつそれこそ大上段に振りかざして、物価問題はこうあったけれども、こうとどめたという姿を、まずトップに出てきました清酒からそれをはっきりとやり遂げていただきたいと思いますけれども、その辺はいかがでございましょうか。
○宮崎説明員 いま国税庁、公取委員長からいろいろ御答弁ございました。私ども経済企画庁で物価の問題を担当する者といたしまして、こういった動きがいろいろと出てくることに対して非常に心配をいたし、またこれを何とかしてできるだけ押えていきたいということで努力をしておるわけでございます。 ただいまの清酒の問題につきましても、新聞等に発表になりました直後に、国税庁のほうにも申し入れをいたしました。そして、ただいま間税部長から御説明のあったような形で清酒業界のほうに強力に指導していただきたいということをお願いをいたしました。そういう線でいま努力をしていただいていることは、御答弁のとおりでございます。今後もいろいろな問題が出ると思いますけれども、それぞれの実情によって、なかなか行政指導というような形では押えられないものもあろうかと思いますが、できるだけいろいろの手段を考えましてこういった動きを押えて、そして全体としての物価の水準というものを、政府が見通しておるようなところにとどめるように努力をしてまいりたいと考えております。
○多田委員 時間がございませんので、おしょうゆの問題をいろいろこまかく伺いたいと思いましたけれども、食糧庁の方がお見えになっていらっしゃると思いますので、おしょうゆの問題一点だけ伺っておきたいと思います。 やはり清酒に続きまして、正田醤油がもうすでに自分の特約店二百軒にいわゆる七%値上げ、これを通告を出したわけであります。こうしたことも、いわゆる自主的な立場から行なったことだとは思いますけれども、公然とこういうことが許されていいものだろうか。そしてそれに続いてまた各しょうゆ業界が、先陣を切ってやってくれたと正田醤油に歓迎の賛辞を送りながら、自分も自分もとばかりに上げていく、こうしたケースは清酒と何ら変わらないわけでございますけれども、この辺のおしょうゆの値上げについて、もしこうしたことが、食糧庁、農林省等でわからないうちにやったということであればまた問題ですし、わかってそういうことが当然行なわれたとすれば、ここにもまた問題がございますから、その点について食糧庁から御答弁をいただきたいと思います。
○中村説明員 お答え申し上げます。 しょうゆにつきましては、最近人件費、運賃等の上昇によりまして、しょうゆの製造、販売経費が大幅に上がっておりますが、しょうゆ企業につきまして、食糧庁といたしましては、従来から中小企業近代化促進法に基づきます近代化を推進する努力を続けてまいっておりますし、なお今後も引き続きまして、企業の近代化、合理化のための構造改善事業を推進する準備をいたしておりまして、コストの上昇は極力企業の合理化努力によって吸収するように指導をいたしてまいっております。 なお、今回のしょうゆの値上げの動きにつきましては、先般食糧庁に醤油協会の副会長を招きまして、政府としての物価対策の見地から、中小企業の人件費等の上昇分の製品へのはね返りにつきましても、極力企業内の努力によって吸収して値上げをやらないようにということの強い要請をいたして、値上げの動きを企業内の吸収によってなるべく押えるようにという指導をやってまいっておる次第でございます。
○多田委員 最後に一つ。先ほどからお話が出ております構造改善の途上にあるということでございますが、清酒にしてもしょうゆにいたしましても、であるから値上げはやむを得ない、いろいろな観点から考えればやむを得ないのだというその考え方、これでいきますと、いつまでも悪循環を続けまして、そしてとほうもないところまで値上がりが続くのではないか、こんなふうに考えるわけでございます。まあ小さい業者等は別といたしまして、個々の事情があるといえばあるかもしれません。それはそれといたしまして、大手のメーカーあたりも当然それに右へならえをする可能性は十分でございます。一軒だけ上がって上がらないなんていうことは、今日まであり得なかったことでございますから、そういうわけで、もう大手のメーカーあたりからは、おしょうゆの値上げはしない、あるいは清酒の値上げもしないという、そのくらいの確約を取る、それを発表する、そういったところまで積極的な強力な対処のしかたがあってもしかるべきじゃなかろうか、こういうふうに考えるわけでありますが、その点いかがでございましょうか。
○中村説明員 私たちといたしましては、できるだけの助成なり指導なりをいたしまして、構造改善を極力推進をして、そういった値上げをしないで済むような体質になるように努力はいたしておりますけれども、御承知のように、人件費、運賃等が非常な値上がりをしてまいっておりますので、権力によってどうしても上げないようにしろというところまでは、われわれとして行政的に押しつけるわけにもまいりません。したがって醤油協会の副会長に、極力そういうことがないように、企業内で吸収できるものはするようにということを強く要請して、値上げが行なわれないことを期待いたしておるような次第でございます。
○多田委員 大体総じて御答弁の趣旨がよくわかりました。 最後に国民生活局長に伺いたいわけですが、構造改善がなされたらどういうメリットがあるでしょうか、その点についてお願いいたします。
○宮崎説明員 これは業界によっていろいろ事情は違うと思いますけれども、たとえば酒の場合でございますと、ただいま間税部長からお話もございましたように、三千数百という業者が現在あるわけでございまして、そういった形で今後とも人件費の上昇その他の問題を生産性の向上でまかなってやっていくということが困難である、こういうことから構造改善というような問題が進められておると思います。これはしょうゆについても、大体同様の趣旨であろうと思います。こういう施策ができるだけ早くその成果をあげていくということになりますれば、結局生産性の向上ということがはかられてくるわけでございますので、いま問題になっておりますような、人件費等の値上がりによってすぐ赤字になって、それが値上げ問題として出てくるということが、大局的にはだいぶ緩和されてくるんじゃないか。私どもとしても、そういったような構造政策が強力に進められるように希望いたしておる次第でございます。
○多田委員 終わりますけれども、ぜひとも強力な調査をし、また厳重な取り締まりをしていただきまして、まずトップにあらわれました清酒の段階から値上げをとどめるように最大の努力を払っていただきたい。続いてパンとかビールとか、おとうふとか、私どもの全く必要欠くべからざるものがどんどんと上がる気配を見せております。強力な取り締まり、また対処をしていただきまして、この秋はもっぱら値上げのシーズンだなどというふうなことになりませんように、よろしくお願いしたいと思います。
○橋口委員長代理 米原昶君。
○米原委員 私は昨日、通産大臣に海外経済協力の問題について、ごく簡単に短時間質問しました。それは、宮澤通産大臣や愛知外務大臣が方々の国際会議で、一九七五年までに国民総生産の一%まで援助をふやすというようなことを非常に安易に約束されている。国会でもその問題十分な審議が行なわれたわけではないのに、どんどんそういうことをやっておられるという点についてただしたわけです。 問題は、私は、国際援助をふやすこと自体、量的にふえること自体に反対しているわけじゃないのです。やはりここらでそういう方向に進むとすれば、いまの援助のあり方でいいかどうか。質的な問題ですね、これは相当吟味してみる必要があるんじゃないか。というのは、いわゆるエコノミックアニマルとか、日本の経済帝国主義というような批判もずいぶん出ております。経済援助は当然相手の国の産業の開発、経済の安定に寄与するという大目的があるはずなんです。結局は相手の国の国民の福祉に役立つものでなくちゃならぬ。それが資源の略奪であるとかいうような批判を受けておるわけです。そういう点でも、単に量的に拡大するのじゃなくて、やはり質をよく吟味する必要があるということが一つです。 もう一つは、そういう相手の国の問題じゃなくて日本の問題です。問題になっておりますような国民総生産の一%、しかもその七〇%までは政府が出すのだ。昨日の通産大臣の回答では、その点は約束はしてないのだという話でありました。しかし、いずれにしても政府が相当の金を出すことにはなると思うのです。そういう意味でも、結局国民の金ですから、それを不当な貸し付けをやったり、いろいろ問題を起こしているのじゃないか。そういう点で援助の質というものを再吟味する必要があるのじゃないかという点を聞きたかったわけです。 具体的な問題をきょうは聞きたいと思うのです。 私は、四月一日に輸出保険法がこの委員会で審議された際に、海外経済協力基金の問題について若干質問しました。その際、回収不能のおそれのある企業の一例としてカリマンタン森林開発協力株式会社の問題、これをあげてお尋ねしました。そのときは担当ではなかったということなんですけれども、通産省の後藤貿易振興局長がおられまして、その答弁では、この会社を全面的にもっと日本からてこ入れをして、全般的な合弁組織に切りかえていくなど、所期の目的に合致したような会社の運営と実績のほうにしていきたい、そういう答弁がありました。従来のインドネシアの国営林業公社との契約によるいわゆるPS方式をやめて合弁方式に切りかえたいということでありましたが、その後聞いた情報によりますと、その合弁方式もどうもうまくいかなかったというようなことを聞いております。実際にはその点がどうなっていったのかという点について説明を承りたいと思います。
○後藤説明員 先般輸出保険法の御審議の際に私からお答えいたしましたように、その後、最初のカリマンタン森林開発株式会社、これをPS方式から合弁方式にしたい、こういう意図を持って、現在もなおそれに伴う事業計画の改正その他を続けておるように聞いております。ただインドネシア側のいろいろな事情もございまして、あのとき申し上げましたように、現在合弁方式というものを全然あきらめてしまったというわけじゃございませんが、四月当時お答えいたしました状態から、具体的にこういう方式、こういうやり方で合弁会社を設立してこれを進めていくということまではっきりまだきまっていない、かように聞いております。
○米原委員 それでは、貿易振興局長でなくて経企庁の調整局長のほうからお答えを伺ったほうがいいかと思うのですが、この会社へのクレジット供与は、いままで総額幾らになっているのか。また、そのうち回収は幾らで残高は幾らか、そして海外経済協力基金からの借り入れ残高は幾らになっているかということをはっきり伺いたいのです。 実は私、ここに去年のを持っています。この会社の第七期営業報告書というのを持っています。これは去年までのことですが、これによると、クレジット供与と回収実績が書いてあります。昭和三十九年から四十四年までの実績ですが、供与したのが一千二十九万ドル余ですね。それで回収されないものが八百八十二万ドル。つまり最初に貸した金の回収されたのが、去年までですが、一四%ですね。八六%が回収されていない。そして海外経済協力基金からの借り入れ残高は二十五億九千三百万円、こういうふうに出ております。先日質問したときの答弁では、全体から見て海外経済協力基金の未回収はかなり低い、非常に成績はいいんだ、平均すると六・八%くらいだ、非常にわずかで大体うまくいっているという印象を与えるような答弁だったのです。しかしこの場合は、はっきり去年までの会社の実績がこれに出ているのですが、八六%が未回収ですね。実際にはこれはもう十年の契約だったはずで、八年たってこういう状態ですね。こういうふうに聞いておりますが、これでも合弁組織に切りかえて何とかするというようなことも、まだ話がまとまっていない。そうしますと、どうもこれは今後も回収できそうにないのじゃないかという印象を受けます。先方のインドネシアの農林大臣の保証があるということを聞いておりますけれども、回収できない場合には一体どういうことをやろうとされているのか。一千万ドルをこえる貸し付けにいつの間にやらなっているわけですが、その八割近くが回収されていない。この点は非常に問題だと思うのです。私はこの会社からの申請書と認可書を資料として提出してもらいたいのです。一体どういうことになっているのか。おそらくまだ債権の額さえ確定していないんじゃないか、そういうふうにも聞いている。利子の計算さえできてない。インドネシアが債務としてはっきりもう認めているのかどうか、非常におかしいのです。こういう状態は一体どういうことなのかということを聞きたいと思う。
○新田説明員 ただいま先生の御指摘になりました点でございますが、経済協力基金のカリマンタン開発協力会社に対する貸し付けは、本年一月末で七百四十五万ドル、回収額が二十一万四千ドル、貸し付け残高として七百二十三万六千ドル、こういう数字になっておりますが、時点の取り方で若干数字の食い違いがあると思いますが、そういった資金源とその他の資金、自己資金その他をもちまして、この日本側のカリマンタン森林開発協力株式会社が相手方のインドネシア林業公社に貸し付けをしている、こういう二段階になっているわけでございますが、御指摘のように、確かに回収の状況は、現在までのところ、事業自体がいろいろな経緯で不振が続いておった関係ではかどっておりませんけれども、先ほど後藤局長からお話がありましたように、会社の形態を切りかえる、あるいは事業のやり方を、日本側の発言力がもっと入るようなかっこうで形態をかえるというふうな方向にいま進みつつありますので、事業が軌道に乗りまする場合に、この回収がもっとスムーズに進んでいくんじゃないかというふうに期待しているわけでございます。
○米原委員 この会社の報告を見まして、これはもう去年からすでに問題になっていて、まだ合弁の問題も解決していないということで驚くのですが、一体いま聞きました債権の額は確定しているのか、利子の計算はできているのか、インドネシアははっきり債務として認めているのかどうか、ここを聞きたいのです。
○新田説明員 債権債務の金額は、相手方とはっきり確認されておるというふうに聞いております。
○米原委員 それでは、前のPS方式もだめだし、いま現実にはこれはどういうふうに進めておられるのかということです。話し合いだけしておられるわけではないでしょう。私が調査したところによりますと、いまこの会社は、ナサラビという香港に住んでいる華僑に請け負わせているということを聞いておりますが、その点どうですか。どんなふうに請け負わせているのか、請け負いの形式を聞きたいのです。また、そのナサラビというのはどんな企業なのか、一体どこの国籍を持った企業なのか、はっきりそのあたりを説明してもらいたいと思います。
○後藤説明員 私からお答えいたします。 この最初のやり方というのは、先生御承知のとおりに、まずインドネシアのプルフタニと申しておりますインドネシア林業公社、それから日本側はFDCと略称いたしておりますが、カリマンタン森林開発協力株式会社、これが払い込み資本金が十二億円で、その株主は商社とか海運会社とか、あるいはまた林業会社とか四十四社、こういうことで、一九六三年に基本協定を締結いたしまして、東カリマンタンにおけるヌヌカン地区、ササヤップ地区、マリナウ地区、この三地区の中で五つのユニット、五十万ヘクタールというものを木材を伐採をいたしまして、そうしてこの伐採をいたしました木材を日本へ持ってくるということで、いわゆるプロダクション・シェアリング・システムという、産物を分ける分与方式と申しますか、そういうやり方でやっていくということで始めたわけでございます。 そこで基金からこのFDC、つまりカリマンタン森林開発協力株式会社に供与した額は、先ほど新田局長からお答えいたしたとおりでございますが、このPS事業がなぜ不振であったか、こう申し上げますと、これは前回もお答え申し上げたと思うのでありますが、地域的に非常に事業地が、インドネシアとマレーシアとの紛争地域に近接をいたしておったということが第一点。政治的に非常に不安定であったということ。第二番目には、インフレの非常に激しい時期でございまして、現地のルピア資金の枯渇が非常にはなはだしかったということ。それから第三番目に、カリマンタン地区における完全なパイオニア事業であった。この話はすでに最初に日本が経済協力という見地から、カリマンタンの森林資源を開発しようということで十年以上前に起こった話でございまして、実は私、当時通産省の経済協力課長をしておりましたので、そのころ各省の間でこの地方を調査してはどうかという話があった。これは非常に古い案件でございますが、とにかくそういった最初の案件であり、前人未踏の地域にそういうことをやるということであったということも一つの原因かと存じます。それから第四番目には、木材の種類が違う。つまり南洋材開発のやり方というものが、これは日本の専門の林業会社といえどもそういった知識が少なかった。そういう経験不足もあった。それから第五番目には、仕事をやっておる地区が非常に奥地で、交通が非常に不便である。通信もまた不便であって、最初の事業地としては、いまから考えても非常におそいのでございますが、あるいは不適当であった。もっと地区的に、これはそんなに奥地でなく海岸線に近いところにすべきではなかったかというような点があげられるのであります。 以上のようなわけで、当初予期したように、五十万ヘクタールというものを五つのユニットで伐採開発をいたしまして持ってくるという計画がうまくまいりません。これは開発地域を一度もう少し規模を狭くして、そうして実際にフィージブルな方向にしたいということ、たとえば五十万ヘクタールを二十万ヘクタール、約半分以下に縮めて、もっと密度の高い伐採計画をつくってはいかがか。それから、これは最初に予期いたしましたPS地区でございますが、合弁事業の地区として百二十万ヘクタールを七十万ヘクタールまでやはり縮める、その他の地区もやはり縮めていくということで、地区的にも、それからやり方等をも変えまして、こういった方向で別会社を一つつくって、インドネシア森林開発株式会社が、プルフタニ、インドネシア側のインドネシア林業公社とで合弁会社をつくろう、同時に、先ほどその一部を申し上げましたような事業計画等をも全面的に一ぺん見直しまして、そしてその会社を設立したい、こういうことをそのころお答えをいたし、現在まだ結論に達していないということでございます。 経営の問題は私、詳細存じませんが、経営委託云々というのも、今度の合弁会社をつくるにあたりましての一つの考慮案件となっておりますのは、これは要するに、日本側が経営権を従来のやり方では全然持っていない——発展途上国一般について言えることでございますが、特に経営管理能力というものが非常に欠けておるということで、今度合弁会社をつくるということについても、経営権を全部インドネシア側に渡すということでなしに合弁ということで、当然、日本側、先方側が十分意思の一致し得る経営能力の十分にある人にという意図からそういうものが出ておるのではないか、かように考えます。ただ私、先生が先ほど御発言になられましたことについての詳細を存じておりませんので、私の承知しておる範囲内においてお答え申し上げました。
○米原委員 非常に困難な事情の説明はわかったのですが、しかし、いまお聞きした点、香港在住の華僑の会社に請け負わせた、この点についてはどうですか。これは資料がございますが、どういうことになっているのか。
○後藤説明員 私の承知いたしておりますところでは、そういった合弁形式をとって、経営そのもの、事業計画そのものを抜本的に全部一ぺんやり直すという前の段階におきまして、その香港在住の云々というほうに下請的にもう少し能率をあげるようにやらせる、現段階においてまずそれを進めたい、そういう意図から出たもののように承知いたしております。
○米原委員 実際にはその合弁の話はまだできていないわけですよ。実際の仕事をやっているのは、いま言った請負形式でやらせているのは進んでいる。これは事実だと思うのですがね。そうしますと、これも聞いているのですが、請負に出した結果、いままで日本から行って働いていた従業員も技術者も要らなくなった。そして全部帰ってきてしまっているわけですね。そういうことになりますと、経営権を握るとかなんとかいっていても、一体これでうまくいくのかどうかという点を考えざるを得ないのですが、一体この基金の返済計画はどうなっているのか。こんなやり方で返済できるのかということまでぶつかってくるわけです。これは政府が出しているだけでなくて、関係の会社が出資金を出しているはずです。五千万円とか一億円とか出しているはずです。そういう出資金はどうするつもりなのかというところまでいかざるを得なくなりますね。私はこの合弁形式の話し合いは一向に進んでいないのじゃないかというふうに思うのですが、どうですか。
○後藤説明員 基金の債務の回収の問題は私どもの守備範囲でございませんので、後ほど企画庁のほうからお答えがあるかと存じますが、ただ、合弁会社をつくるという考え方、あるいはまた現在のPS方式のやり方は非常に不振で、予期した成果を現在までにあげておらないということは事実でございますが、その下請につきましても、いろいろ先生御指摘のような弊害と申しますか、まずい点は出てきたかもしれませんが、とにかくこれをやろうとして現在努力いたしておることは事実でございまして、特に一般にこれは申し上げられると思いますが、経済協力の仕事というのは、全部日本と国情を異にいたし、また発展段階を異にいたしておるいわゆる発展途上国と申しますか、これは国によって程度の差もございますが、能率は近代的な発展の段階に達しておる国とは非常に違っておりますので、これはそう早急に、われわれのいわゆる常識でいっておるようなぐあいに能率よくまいるものではないこととは私どもも考えておるのでございますが、現在努力いたしておることは確かでございます。現に森林資源というものは十分にカリマンタン地区にあるわけでございますので、このやり方によって、当初の計画のとおりに現在までうまくはまいっておりませんが、今後の努力と今後の施策によろしきを得れば、その木材が日本に入ってきさえすれば、それは当初予期した結果が得られるわけでございますので、この点はやはり長い目で見て、両国政府、両国関係者が十分に話し合いと努力、忍耐と寛容と長期的な見通しに立って、こういう資源開発の問題は進めていくべきである、かように私は考えております。
○米原委員 つまりそこが問題なんです。とにかく未開発国で、私もインドネシアに行ったことがありますが、近代的な土地制度も確立していない。ほんとうを言うと、おそらくその森林も近代的な意味の所有権なんてないだろうと思うのです。ですから認可を受けるといっても一カ所だけではだめなんですね。そしていろいろなコミッションをとられておるわけですね。つまりまだ近代的な経済になっていない。封建的な地主制度というか、領主制度というものがあるし、それから、土地というものが一体だれの所有やら、結局権力者が、これはおれの山だ。別の権力者は、こっちはおれの山だ。だけれども、コミッションを中央政府に送ったり州の知事に送ったり、地方の小軍閥にも金をやらなければ伐採できないというようなのがほんとうの姿だろうと思うのです。それだけに、そういうところのいわゆる開発、開発と言いますが、地代そのものはおそらくとんでもない、ただみたいに安いものだろうと思います。しかし、今度香港あたりの業者に請け負わせるこのやり方もおかしいのですが、実際の伐採価格の原価ですが、現地におけるFOB価格の三倍か四倍に日本での値段がなっているというではありませんか。これは中間のところでとるわけですね、香港あたりで。そういうようなやり方では、いつまでたっても基金の返済にも役立たないですよ。そういうやり方で一体いいかどうか。そういう経済援助のやり方でいいかどうか。 つまり香港あたりの業者を援助する趣旨じゃなかったはずなんです。海外経済協力というのは、海外経済協力基金法の第一条にいう目的からしても、やはり相手国の産業の開発、経済の安定、結局その国民の福祉に寄与する大目的があったはずなんです。香港あたりの業者にもうけさせるべき筋合いのものじゃないと思うんです。そういう点でも、つまり経済協力のあり方として、よほどこういう点考えなくちゃならぬじゃないか。経済協力を今後どんどんふやすということになりましても、実際は日本の資本家がどかどかとやってきて、もうどんどん森林はとられてしまったなんという不平が、逆に住民から起こってくるんですね。そしてその地域の権力者は、日本の資本家と手を握ってもうけているんだというようなことが、結局、経済帝国主義とかいうような非難が起こってくるもとになると思うんですよ。 そうい意味で、この点もっと明瞭にしてもらいたいと思うんですがね。いまもお聞きして、一体どこがこの問題では責任を持っている官庁やら私わからなくて困っているのですが、一体どこがこういう問題の責任をとられるのか。基金の取り扱いのほうは経済企画庁でやっておられると思うのですが、これは外務省の経済協力局が監督しているのか、どこが監督しているのか。こういう点も、お話を聞いてどうも明確でないのです。そのあたりもひとつ明確にしてもらいたいと思うのです。
○後藤説明員 先ほどの御説明、お答えに若干補足して申し上げますが、現在下請業者、ナサラビというそうですが、ナサラビは下請を現在まだ実施している段階ではないようでございます。このFDCがナサラビにそれをやらせたらもう少しうまくいくんじゃないか。現在交渉中でまだ実施段階に至っていないということで、先ほど先生、その伐採のコスト等の御発言がございましたけれども、まだそういう心配ではないようであります。その点補足して申し上げます。
○米原委員 それ間違いありませんか。そして実際には、現地に行っていた技術者、従業員の人は帰ってきていますよ。この点はもうはっきり言えますよ。そうすると何もやってないということになる。一体どういう形式でいまやっているのか、これすらわからないじゃちょっと困るですね。
○新田説明員 ちょっと話が重複すると思いますけれども、合弁形態でやろうという話。結局、相手のプルフタニが資金調達力がないとか、あるいは現在までの債務を持っている、それをそのまま持っていって合弁会社をつくろうということは非常に問題があるというふうなインドネシア側の問題がございまして、そういう形態による経営に対する発言を強めるという方法が不可能になりましたので、現在進められておりますのは、FDCがプルフタニの仕事を請負う、そしてその実施は、請負人としてのFDCが下請を使ってそれの実施に当たるという方向で現在検討しているということでございます。 先ほどの返済の問題との関連につきましては、当然下請としての下請代金といいますか、そういったもの、つまりチャージを請負人のFDCがもらう。そのFDCがプルフタニにその権利の請負料といいますか、そのチャージを渡す、その収入からFDCが返済を受けるというふうな仕組みになろうかと思いますが、具体的にどういうふうな条件でこれをやっていくかという点につきましては、まだはっきりした契約としてはまとまっておらない、こういうふうに聞いております。
○米原委員 それじゃいまの答弁のとおり、やはり下請に出しておられるんですよ。そして下請に出して、ナサラビというのがやっているというのが事実なんです。それがどういう条件だかわからないというんじゃちょっと——相当の金額がまだこげついているわけですね。国民の金ですからね。相当これは無責任な話だと思う。一体どこがこれ責任を持って監督されているのか、いままでの経過について一体どういう話、契約になっていたのか、そういう経過について証明する資料を出してもらいたいと思うんです。 私もこれだけにしますが、まあ基金の問題については、そのほか、問題のマレーシアのプライ製鉄合弁事業、あるいはブラジルのミナス製鉄合弁事業、こういうところの状況も必ずしも芳しくないということを聞いております。そういう点についてもはっきりした資料を出してもらいたいのです。何かこう利子支払いのために追加貸し付けをやるというような形で、総計で見るとかなり返済されているという形になっているけれども、実際はとんでもない状態になっているんじゃないか、非常に不安であります。これは国民の金ですから、そういうやり方が一体いいのかどうかというそのあたりをはっきりされないと、今後海外援助を拡大するといっても、そういうあたりの反省が全然なしでやっておられたんじゃ話にならないと思うんです。七五年までに国民総生産の一%に援助をふやすというような、非常に大きなことを約束して既成事実をつくって、そういうものが押しつけられていくと、しかもそういう中には絶対に感心できないような不良貸し付けの例もかなりある。これは、質的な面における反省なくしてこれを広げれば広げるほど問題が大きくなって、取り返しのつかぬような方向にいくと思うんです。 そういう点で、以上申しました点についても明確なひとつ資料を出していただきたいということを要求しまして、私の質問を終わります。
○橋口委員長代理 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時八分散会