商工委員会 第33号
- 発言数
- 258 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1970/08/20
会議録
○八田委員長 これより会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件、経済総合計画に関する件、公益事業に関する件、商業に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出があります。順次これを許します。橋口隆君。
○橋口委員 本日は、公害対策について宮澤通産大臣の御所見を伺いたいと思います。 最近、公害問題は非常に大きくクローズアップされまして、いまや日本経済発展のための最大前提条件になっているところでございます。ところが、公害対策基本法の第一条の第二項のいわゆる経済調和条項、これをめぐりましていろいろと論議がかわされております。それにつきまして、産業行政を主管される宮澤大臣といたしましては、どういうふうにこれをお考えになっているか、この際はっきりさせていただきたいと存じます。
○宮澤国務大臣 現在の法律の第一条におきまして述べられておりますこと、その基本になっております私どもの考えは、国民福祉ということを基本に考えます場合に、健康というものはこれは絶対不可欠の条件でございますから、健康の保持増進のためには何ものをも従属させて差しつかえないという考え方でありますが、同時に、福祉というためには健康のほかにいろいろな要件があるであろう、所得水準が向上をするということも疑いもなく福祉の大切な要因であろう、そういう考え方から現在の第一条が一項、二項というふうに書かれておるわけであります。しかし御承知のように、最近環境の破壊といったようなことが相当激しくなり、またお互いの意識にこれだけのぼってまいりまして、数年前に書かれました公害基本法というもの、あれが書かれました時代と現在における問題の認識は、あるいは問題についての意識は、もう格段の違いを生んでおるわけでございます。したがって、先般、公害対策本部で関係閣僚が集まりましていろいろ協議をいたしたわけでありますけれども、これだけ意識の違いが生まれてまいりますと、いまの公害対策基本法を少しずつ手直ししたのでは事は済むまい、むしろこの際、憲法二十五条との関連において、いわば公害憲章とでも申すべきようなものを基本的に新たに考え直して書くべきではないか、こういう意見がほぼまとまりまして、したがって、そういう観点から第一条からもう書き直すということになろうかと、ただいま政府部内でそういう検討をしておるところでございます。そういたしますと、従来の一条の一項はそのままにして二項だけを落とせばいいというようなものの考え方ではなく、新しい観点から、もう少しいわばものごとの考え方、哲学を含んだ新しい法律を書きたいということになると思いますので、従来いろいろと問題になっておりました調和条項といったようなものは、こういう新しい構想の中に包摂されてしまうであろう、こう考えております。したがって、私ども新しい法律案をつくりまして御審議を願うような段階になりました際に、従来のようないわゆる調和条項といったようなものが姿を消しましても、これは一向に差しつかえのないことである。必要とするものは、こういう新しい段階に立っての新しい基本的な考えを盛った法律案を御審議願いまして、それを法律にいたしたい、こう考えておるところでございます。
○橋口委員 大臣の非常に積極的な御意見を承って、心強く存じておる次第でございます。どうか単なる字句の修正にとどまらず、いまお話しのように、この法の根本精神に立ち返って全面的に見直しをしていただきますように、特にお願いを申し上げる次第でございます。同時に、対策基本法に基づく大気汚染防止法、あるいは水質保全法、また騒音規制法等についても同様な問題があると思われますが、これについてもひとつしかるべくお手配を願いたいと存ずる次第でございます。 それで、次に伺いたいと思いますのは、産業行政を担当される通産省といたしましては、企業側が未然に公害を防止するような、そういう体制を全面的に整備する必要があるのではないかと考えます。ところが、去る七月の通産省の調査発表によりますと、三百人以上の事業所について、公害対策の組織、すなわち部課をつくっている会社がどのくらいあるかというその調査によりますと、四三%余にしかすぎない、こういうふうに出ております。これはどうしても企業体自身がそういう公害防止の気がまえがあることが必要でございますので、通産省としては、法的にも公害防止の組織を企業がつくるというようなことを義務づける必要があるのではないかと思いますが、この点について大臣の御所見を承りたいと思います。
○宮澤国務大臣 かってわが国の企業が明治以後出発をいたしました最初の段階においては、たとえば、いわゆる労務管理でありますとか、労働者の福祉でありますとかということを、責任をもって考える企業内の仕組みというものはなかったわけでございますが、ただいまではそういうものを、ことに大きな企業は持たなければならぬということは常識になってまいりました。それと比喩的な意味で同じように、公害関係というものを主たる責任とする企業の内部の組織というものが、当然でき上がっていかなければならない段階にきておるのではないかと私ども考えております。 そこで、そのような問題について、すでに産業構造審議会の公害部会に諮問をいたしておるところでございまして、私どもとしては、将来企業が公害をもっぱら考えるところの一つの部門を持たなければならないであろうし、またそういう人たちを専門的にいろいろな意味で養成もしなければならない。その養成については、あるいは国も何らかの意味で力をかさなければならないのではないかとすら考えております。法制化するかいなかということは、いずれにいたしましても産業構造審議会の部会の答申を待って考えたいと思っております。
○橋口委員 いまの問題につきましても、どうか前向きの姿勢で取り組んでいただきたいと思います。 次に、基本法の第二十四条では、企業が公害防止施設をする場合には、必要な金融上及び税制上の措置を講ずるようにつとめなければならない、こういう規定がございます。ところが、これに基づく現況というものは非常に貧弱でございます。特に問題点は、最近一番災害を起こしている鉱山あるいは製錬所に対して、公害防止事業団からの融資が認められていないということでございますが、これは明年度においてはどういうふうに措置されるおつもりでございますか。
○宮澤国務大臣 鉱山、鉱業関係の多くのものは、おそらく公害防止事業団の事業の指定の地域に三分の二くらいは入っておるのではないかと思いますので、融資を受け得る状態にあると考えております。そうでないものも数はございますけれども、大体はそういう体制になっておるかと思っております。 これからどう考えるかというお尋ねでございますけれども、一般的に申しまして、従来、水域にしてもそうでございますが、指定地域というものを考えておったわけでございます。そういう指定地域という考え方を、あるいはシビルミニマムのような考え方に変えなければならないのではないかという問題がございます。その中でも、しかし汚染の危険のはなはだしい地域についてさらにもう一つワクをはめるということは必要であろうと思いますが、いずれにしても、シビルミニマムということを考えなければならないということになってまいりますと、それが守られないような企業あるいは鉱業における公害防除施設をどうするかということは、おそらく当然にやはり、公害防止事業団あるいはその他の金融機関もございますけれども、事業の範囲になってこざるを得ないのではないか。現状でも鉱山、鉱業所においては、三分の二程度は救われるような体制になっておると思いますけれども、まだ十全とは申しがたい点がございます。採来の方向としては、ただいま申し上げたようなことになっていかなければならないのではないかと思っております。
○橋口委員 なお、石油関係の業種が非常に公害を起こしておることは御承知のとおりでございますが、これは脱硫装置をつくらせるため、ことしから脱硫重油に対する関税の一部軽減の措置が講ぜられたのでありますが、明年度はもっと大幅に関税を軽減して、そしてそれを脱硫装置に振り向けるように措置していただきたいと思いますが、これについて大臣はどういうふうにお考えになっておりますか。
○宮澤国務大臣 脱硫の場合と低硫黄の原油を輸入いたしました場合と、両方のことを今年度やりたいと考えておりましたが、片っ方がある程度実現したにとどまりました。来年度の予算編成に関しましては、ただいま言われましたような範囲で、今年果たせませんでしたことをもう少し進んでやってみたい、こういう心がまえでおります。
○橋口委員 時間がございませんので先を急ぎますが、公害防止計画の基本方針の指示が近く東京、神奈川、大阪の地区に対してなされるはずであります。ところが昨年、千葉県、それから水島あるいは四日市等に対してなされた公害対策のこの防止計画は、各府県の具体計画はまだ出てきていないような実情でございます。そうなりますと、今度指示をされるこういう重要地区についても、まだあるいは一年、二年というふうに非常に時間がかかるのではないかと思いますが、これではなかなか公害対策が間に合わないと思います。しかもその目標地区の設定は大体十年とされているようでございますが、これをもっと推進をしていただくようにお願いをしたいと思いますけれども、それについて特に大臣のお考えを承りたいと思います。
○宮澤国務大臣 年内にそのような指示をいたすつもりでございます。
○橋口委員 これは各省にまたがる問題でございますが、ぜひとも強力に御推進をお願い申し上げます。 なお最近、公害等で企業立地について非常に大きな問題を起こしておることは、周知のとおりでございます。昭和電工が広島県に進出を断わられ、また東電が千葉県の銚子に発電所をつくるのも暗礁に乗り上げているような状況でございます。今後企業立地というのは、そういう意味でも非常に困難になると思われます。 そこで通産省としては、過密地域からの分散を非常に推進されているような方針でございますけれども、なかなか実績があがらない。そこで、今後これを推進するためにも、また新しい企業の立地を求めて、しかもそれが公害を起こさない、そのためには、現在通産省あるいは運輸省で企画されております大規模工業基地の開発を促進することが、一番必要ではないかと思われます。これこそは新しい公害を起こさない工業基地である、そういう意味で通産省としては、これをもっと積極的に推進をしていただいて、そして公害を起こさないで、しかも日本の経済成長が阻害をされない、そういうような方向で取り組んでいただきたいと思いますが、これについて大臣はどういうふうにお考えになっておりますか。今後の御方針を承りたいと存じます。
○宮澤国務大臣 いわゆる大規模工業基地につきましては、現在の新全国総合開発計画である程度の考え方が示されておったわけでございます。ただあの計画では、わが国のどの地点にそのような大規模工業基地が可能であるかということを申しておりますわけで、そのための政策手段というものについて具体的にはこれは述べておりません。したがって私どもとしては、すでに産業構造審議会に対して、大規模工業基地を確保、開発するための政策手段はどういうものであるかということを諮問いたしております。答申を間もなく得ることになりますので、これを具体的にどのような政策手段で確保していくか。あるいは立法事項が入ってまいることがあるかと思いますが、御指摘のような方向でこれを積極的に進めてまいるために、ただいま答申が出るのを待っておるところで、間もなく具体的な政策手段を考えなければならない段階に入ってまいります。
○橋口委員 大規模工業基地につきましては、答申を待ってぜひともひとつ強力に御推進をお願い申し上げたいと思います。 なお最後に、農村工業化の問題でございます。米の生産調整に伴って農地の減反をやる、そして同時に農村の振興をはかるという、いわゆる農村工業化の問題はこれから非常に大きな課題でございます。しかし、それが国土総工場化につながっては、また公害問題上非常に大きな問題を起こすわけでございます。そういう意味で、公害を起こさないように、しかも工場の分散を行ない農村の振興をはかる、そういう意味の新しい農村工業化を推進していただきたいと思いますが、これについて最後に大臣の御意見を承りたいと思います。
○宮澤国務大臣 この問題につきましては、ただいま農林省におかれましても、私どもにおきましても、おのおの研究し、また緊密な連絡をいたしまして、共同研究をいたしておるわけでございます。ことに総合農政の展開でいろいろ問題がございます。いわゆる虫食い状態で農村に工場が出ていくということは好ましいことではございません。のみならず公害の問題も生じますので、全体を総合的に、どういう地域にどのように虫食いでない工業化を進めていくか。それと総合農政の展開とどのように調和させるかということで、両省で研究をいたしております。公害関係につきましては、少なくとも共同排水施設であるとか、あるいはその他の公害防除施設であるとかいうものは、当然計画の中に取り入れてまいらなければならないということで、ただいま両省で研究をいたしておるわけでございます。
○橋口委員 これで質問を終わります。
○八田委員長 武藤嘉文君。
○武藤委員 私は、まず繊維の問題から御質問を申し上げたいと思います。 繊維の問題につきましては、宮澤通産大臣、愛知外務大臣とともにたいへん御努力をいただいて、一応日本の主張が通ったといいますか、日本の主張を貫いていただいたわけでございます。しかしながら、最近のアメリカの動きを見ておりますと、御承知のとおり七〇年通商法案が下院の歳入委員会を一応パスをいたしまして——私もアメリカを回ってまいりましたけれども、実際にアメリカから受けた感じでは、少なくとも議会筋の人たちの感じでは、この法案については下院、上院とも通過させよう、こういう動きが非常に強い。ニクソン自身も、これに対してはたぶん拒否権を使わないだろう。もちろん日本の国内においては、まだまだその成立はフィフティー・フィフティーである、こういわれておりますけれども、私は、フィフティー・フィフティーよりはもっと成立の可能性が強い、こう判断をしておるわけでございます。しかもその内容は御承知のとおり、日米繊維交渉で出た案よりもまだきびしい内容のものになっております。そうなりますと、せっかくがんばっていただいて日本の主張が通っても、あの法案が成立をした暁においては、結果において日本の繊維業界にも非常に大きな影響を与えるのではなかろうか。先方の国内の問題でございますから、直接にこれを阻止するという動きはできないかと思いますけれども、何らかの手を打って、日本がこの法案を少なくとも阻止をする最大限の努力を払うべきだと私は思うのでございますが、その辺についての大臣の御所信をまず承りたいと思います。
○宮澤国務大臣 ミルズ法案の行くえにつきましては、私も武藤委員と同じような見方をしておりまして、憂いを同じくしているわけでございます。そこで先般、愛知外務大臣と私とが訪米いたしましたのも、わが国としてなし得るぎりぎりのことを業界の同意を得てやってみたいと考えたわけでございますけれども、不幸にして話し合いが不調に終わりました。またその以前の段階でガットの事務総長ともいろいろ話し合いをいたしましたことも、その努力の一環でございます。 そこで、先般ガットにおきまして先進四カ国——EECも入っておりますけれども、で話をいたしました際にも、やはりただいま御指摘のようなことが主たる話題になったわけでございます。ただ主権国家がいたしますことは、なかなかそれに対応する有効な方法は必ずしも見つからないということで、さらに九月の終わりごろにもう一度その四者が集まりまして、協議を進めたいと考えておりますわけでありまして、そのような努力がどれだけ米国の議会に影響を与え得るかということがこれからの問題であろうと考えております。
○武藤委員 いまお話のございましたように、たとえば先進国会議が九月に開かれる予定でございますけれども、私どもは、そういう場というものはひとつ一〇〇%御活用いただきまして、何らかそういうところから一つのほぐれるものをつくり出していただく、こういう努力というのは非常に大事ではなかろうか。私は、私自身いろいろ私の考え方も持っておりますけれども、かえってまた、私がここで申し上げるということはたいへんいろいろの面で影響もあるかと思いますので、具体的な私の考え方を申し上げることは差し控えますけれども、九月のその先進国会議の前にも委員会が開かれると思いますので、またそういうときにでも申し上げたいと思いますけれども、ぜひとも政府におかれましても、こういう先進国会議を活用いたしまして、何らか解決の糸口と申しますか、少なくとも国際的な立場として、アメリカとしてもあの法案を成立させるわけにはいかないような、そういう状況をおつくり出しをいただくという努力というものをぜひとも続けていただきたい、こういうことをお願いをいたします。 それから、きょうは時間がございませんので、それに関連をいたしまして、私は今後の日本の通商政策あるいは経済協力、こういったようなものを、大きな立場からいくと、私は再検討すべきときに来ているのではなかろうか、こういう感じが実はいたしております。いままではどちらかというと、日本の通商政策あるいは経済協力にいたしましても、日本の立場を考え、日本サイドでものを考え過ぎておったのではなかろうか。ですから、今度の繊維の問題を契機といたしまして、世界的に非常に日本の製品に対する、どちらかというと輸入を押えたいという動きが非常に強くなってきておる。アメリカだけでなく、ヨーロッパにおいてさえ、そのような動きが出ておると私は見てまいった次第でございます。そういう観点からいたしますのと、もう一つは、この間ラーマンが日本に参りましたときに、とにかく日本の経済協力というのはがめつい、一方において経済協力はしてくれるけれどもその倍をすぐ持って帰るという表現で、日本の経済協力を非難しておった。こういうことは、世界の少なくとも経済という面において、日本というものは非常に力が強過ぎるという、そういう印象をだんだん相手に植えつけ、そしてそれが脅威になり、結果、日本が孤立してしまう可能性が私は出てきたのではなかろうか。そこで五点ばかり申し上げますので、それに対してお答えだけをいただきたいと思います。 一つは、たとえば先ほども公害問題の話が出ましたけれども、向こうの経済界の連中に言わせれば、日本は公害もほったらかしにしてやっているじゃないか、だからもっと公害の問題をしっかりやれば、コストも上がってそれほど国際競争力がないはずだ、そういう点においてあまりにも日本はがめつ過ぎる、まあ私は向こうからときたまこういう声を聞きました。こういう面において、それは日本がどんどん公害対策をやるわけでございますから、それはやるとして、やはり輸出というものも、たとえばヨーロッパへ七月には何か前年対比九〇%も伸びておる、こういうようなあり方というものは、やはり日本の業界もお考えいただくべきことではなかろうか。そういう点において、もちろん政府が干渉はできませんけれども、輸出体制というものも、やはり年間あるいは三割なら三割、あるいは二割何分なら二割何分というような、まあだれが見ても常識的な線で伸びていく。長い目で見て日本の輸出というものが結果的に伸びればいいのであって、急激に一年でぱっと伸びたがためにかえってそれが押えられるというようなことがないように、これからはそういう秩序ある輸出というものをやはり日本の国自身が考えていくべきではないか、こういうことをひとつ思っております。そういう点に対して何らかの行政的な指導ができないものかどうか。 それから二番目は、開発途上国に対する海外投資、これはいろいろまたその後はねっ返りということもあろうかと思います。私はそういうことを申し上げるわけではございませんが、海外投資をもっと積極的に先進国にできないものであろうか。いままではそういう点を、ただ開発途上国の労賃が安いからということだけで海外投資が考えられておった。私は、もっと進んで日本の頭脳、日本の技術を先進国へ生かしていく、堂々と先進国の国内において日本のそういうものを生かした企業というものを発展させていったらいいんじゃないか。そういう面における海外投資というものをもっと積極的に日本がやるべきではなかろうか。少なくとも三十万ドル以上は大体いまは押えられておるようでございます。最近百万ドルに引き上げようということも聞いているけれども、先進国なんかに対しては百万ドルなんて言わないで、フリーで日本の海外投資を進めるようなことがあっていいんじゃないか、これが二番目の私の考え方でございます。 三番目はジェトロの活用というものが必ずしもまだうまく行っていない。たとえば今度の繊維交渉においても、日本の実際の繊維業界の実情なり、あるいは日本がいろいろな非関税障壁をやっておるという非難をしておる中に、必ずしも日本がやっていないものまで、向こうはやっておるものという誤解をして日本というものを認識しておったという点があったようでございます。そういう点で私は、海外のジェトロならジェトロという機関、あるいは大使館は通産省から行っておられるわけでございますから、そういうところでぜひもっとしっかりした正しいPRをしていただく、こういうことが私は肝要かと思います。 それからその次は、資本の自由化がいよいよ今度発表になりました。その中で、私は前から言っておりますけれども、自動車の自由化というものが意見書に出ておるくらいで、まだはっきりいたしておりません。これは閣議決定では来年の十月ということになっておりますから、それが一つの足かせになっておるかと思いますけれども、ぜひこれに対しては、私は早く閣議で大臣から御了解をとっていただいて、やはり繰り上げる時期を明示をしていただきたい。ここにおいてもし大臣の具体的なお考え方が示していただければ非常に幸いかと思います。また残存輸入制限の問題も、来年末には六十種にするとか四十種にするとかいわれておりますけれども、私はこういう問題もやはり、国内の体制を整備をしなければなりませんけれども、国内の体制を早急に整備をしながらぜひとも積極的に前向きで取り組んでいただきたい、こう考えております。 以上の点について、時間がございませんのでたいへん恐縮でございますが、簡単でけっこうでございますので、御答弁をお願いしたいと思います。
○宮澤国務大臣 ミルズ法案との関連におきまして、これからの先進国間の協議に関して、冒頭にお述べになりました御趣旨につきましては、十分私もそれを考えて進めてまいりたいと思っております。 それから次に、外国から見ましたわが国の貿易、あるいは海外経済協力に関しての姿勢についての基本的なお考えを承りましたが、確かに御指摘のような点が、これはいつかも申し上げたことがあると思いますが、あるように私も感じております。国内にはいろいろな問題がございますことは事実ですが、国外から見たわが国の経済力あるいは輸出力といったようなものは、確かにただいま御指摘のような問題を含んでおりまして、そういう観点から、国会におかれて、わが国の貿易あるいは海外経済協力の姿勢を御検討いただくときに、そういう観点をも含めてひとつ御検討いただくということは、まことに有意義なことだというふうに考えるものでございます。 そこで、具体的に幾つかの点の御指摘がございましたが、輸出について、従来ともしますと、いわゆる市場撹乱と申しますか、マーケットディスラプションといわれるようなことが起こったことは確かでありまして、いろいろな形でもう少し秩序のある輸出をやっていきたい、オーダリーマーケティングの心がまえを持たなければならないと言われることは、私もそのとおりと思います。また、そのために輸出の組合をつくり、あるいはメーカーの間で話し合いをするということは、独禁法に違反するものでもございません。そういうことでございますから、それはやはりこれからの慣行として育てていかなければならないと考えております。その場合に、九〇%、これは論外でございますが、二〇%、三〇%というようなものが、どうしても成長率の関係からいいますと、われわれとしてはまあまあオーダリーなものと考えるわけでございますけれども、先方は先方の成長率から考えると、それすらが非常に大きいというように考える。そういう考え方の食い違いがございますが、その辺のところも、お互いによくわかり合わなければならない問題だというふうに考えております。 それから対外投資の問題でありますが、ただいま御指摘のようなことで、二十万ドル、三十万ドルという区切りをつけておるわけでございますが、これなども、いろいろな観点からもっと天井を上げる必要があるのではないかと言われます点、私もそのように考えております。その点について、ただいま関係各省の間でいろいろ調整をいたしておりまして、できるだけ早く実現をいたしたいと考えております。なおその際に、先進国と後進国との間に差別を設けることができるかということになりますと、法制的に差別を設けるということは事実上むずかしい問題がいろいろ生じてまいると思います。そういうことも考えの中には置きながらただいま調整をいたしておりますから、これは日ならずして御趣旨に沿えるものと考えております。 それから、ジェトロ等々を中心とする広報活動については、確かに私どもいろいろ反省をいたしておりまして、通商産業省自身の内部のいろいろな広報活動、それと緊密な連絡のもとにジェトロに新しい目でいろいろな広報活動をしてもらいたいということで、これも実はただいま具体案を作成をいたしておるわけでございまして、その一部はあるいは明年度予算との関連において御審議を賜わることになるかと思います。 資本の自由化との関連で自動車の問題でございますが、先般の意見書にも、自動車の自由化の時期を繰り上げることは適当ではないかという意見がございました。武藤委員もそのような御意見のようでございます。これはこの点も、従来の閣議決定はございますけれども、客観的に国際情勢も変わってきておりますし、わが国の自動車業界における再編成というものもかなり進んでまいりました。部品等々につきましてはなお問題がございますけれども、この問題は言われ始めてかなりもう時間もたっております。そろそろもう踏み切りをつけなければならない時期ではなかろうかと私自身は実は考えておりますけれども、関係閣僚、閣議等にもはからなければならないことだと実は思っておりまして、近いうちに何かの決心をしなければならないというふうに思っております。 それから残存輸入制限の問題でございますが、これも在来、閣僚懇談会、閣議等で明年末までのスケジュールを一応きめておるわけでございますが、いろいろ考えてまいりますと、どうもこのスケジュールをもう少し繰り上げることができないだろうか。確かに御指摘のように、それに必要な国内体制の整備を伴うことは必要でございましょうけれども、それを伴いつつもう少しテンポを早めることはできないだろうか。これも各省ただいまかなり具体的な協議を進めつつございまして、私としましては、明年、昭和四十六年の末ぐらいには一応西欧並みといえるところまで持っていけないものであろうか、それを考え方の目標にいたしまして、これは通商産業省ばかりでなく、農林省に御承知のようにいろいろむずかしい問題がございますから、各省間でただいま相談をいたしておるところでございまして、私としましては、できましたら、そういう、ただいま御指摘になりましたようないろいろな問題をそろえまして、九月にでもなりましたら、わが国の貿易政策あるいは対外経済協力、自由化等々が新しい一歩を踏み出したと言えるような施策を取りそろえたいという目標で、ただいま努力をいたしておるところでございます。
○八田委員長 中谷鉄也君。
○中谷委員 大臣に、橋口委員の質問と引き続きまして、公害の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 基本法のいわゆる経済調和条項については、先ほど御答弁がありました。そこで私がきょう、通産行政を所管しておられる大臣の御答弁をいただきたいのは、経済調和条項の削除ということは、私は必ずしも公害防止のためにそれほど具体的、有効な措置だとは思われないわけです。やはり私は非常に関心を持ちますのは、常に公害の場合には、企業が加害者であり住民が被害者という関係になるわけでありますけれども、無過失責任の考え方、そういうふうなものが導入されるやに聞いております。 〔委員長退席、橋口委員長代理着席〕 従来から無過失責任の考え方を導入すべきであるということを私たちは強く主張してまいりました。もちろん無過失責任と申しましても、因果関係というものをどのように把握し、理解するかという問題があろうかと思いますが、ひとつ、無過失責任の考え方、論理、法理というものについて大臣どのようにお考えになるか、この点について最初御答弁をいただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 法理のほうに明るくございませんので、あるいは政府委員、しかるべき方がおられましたらお答えを願うことがよろしいかと思いますが、従来、わが国の公法、民法等では、一応過失のある場合をとがめておったように考えるわけでございます。公害の場合には、よって来たるところが非常に複雑でございますので、過失の挙証をするということがしばしば困難である。したがって、無過失責任の問題を法制的に整備できるかどうかということはなかなかむずかしい問題なのではないだろうか。それとの中間点で、ただいま過失の挙証責任はおそらく被害を受けた側にあると思いますが、そうでなくて無過失を挙証できるか、挙証責任の転換ということをちょうどハーフウエーのところで考え得るのではないだろうか、というようなことを私しろうとなりに思いますけれども、しかしこれらは相当むずかしい問題でございますから、法務省当局によく検討をしていただかなければいけないのではないか、こう思っております。
○中谷委員 お尋ねいたしたいのは、それでは次のように整理をしておきたいと思います。 率直に申しまして、無過失責任というものの内容をどのように理解するか。そうしてまた無過失責任の法理と申しますか、論理が認められた場合に、結局因果関係を立証すればいいんだという、その因果関係の立証というものはどの程度にとどまるべきかという問題があろうと思うのです。ただしかし、通産行政を所管されている大臣の御答弁を求めたいのは、要するに無過失責任というものをとるかとらないかというのは、法理的な問題いわゆる法律技術的な問題としてそれが問題になるだけであって、企業の無過失責任に対する嫌悪感だとか、あるいは無過失責任というものに対するそういうふうな法理が貫かれた場合には、企業が容易に負担しなければならないというふうな、被害の弁償をしなければならないというふうなことに対する恐怖感とか、そういうふうなものは大臣の御答弁の中には全然ない。要するに、あくまでそれが法律的な、技術的な問題として、容易に無過失責任というものが実体法の中でつくられるものならば、公害というものが非常な課題になっているときに、無過失責任というものについては、通産行政を担当せられる大臣としても、この問題についてはそれでけっこうだ、こういうふうに御答弁しておられるのかどうか、この点はいかがでしょうか。
○宮澤国務大臣 非常にむずかしい表現をなさいましたが、御質問の意味はわかっておるつもりでございます。私はむしろ、企業が社会の一単位として存在をする限り、社会を汚染しではならないという基本的な市民としての責任を持っておる、こう考えますから、その責任を遂行する上で必要な負担は企業がしなければならない、そういうふうに考えております。
○中谷委員 私、これは新聞で拝見しただけでありまするけれども、率直に申しまして、公害罪を制定するんだという閣議での発言等はもう少し整理をしていただかなくてはならないと思うのです。 そこで、無過失責任と同時に公害罪の制定——この公害罪というのは、いろいろな大気汚染であるとか水質汚濁等の行政法規だけではまかない切れないものがある。したがって公害罪を、法務大臣が言っておられる、要するに九月中に成案を得て通常国会に単独立法、刑法の全面改正という形ではなしに出したいという、このことについては、もう政府の御意向は固まっているのではないかと思うのです。大臣、その点を念のために——私は公害罪というものは当然設けられるべきだと思います。その点についての前提として御答弁あいただきたいわけでありますけれども、私が関心を持ち、そうしてひとつ大臣から御答弁をいただきたいと思うのは、私はこれはかなり画期的なものだと思うのですが、いろいろな総合点をつけて私はそうであるべきだと思いますが、先ほど大臣がおっしゃった、民事的には無過失責任はあくまで貫くべきだ。刑事的な問題としては、公害罪ですから、いわゆる挙証責任を転換をしていく。要するに、処罰の対象となるべき法人、個人において、自分の故意と過失の不存在を証明しなければならないというように、ひとつ挙証責任、立証責任の転換をやっていくんだということであります。この点についてはどのようにお考えになっておられるか、私は御答弁をいただきたいのです。 実はきょうの新聞を見ますと、昨日四党の会談が公害について行なわれた。そうして経済調和条項についても、与党は難色をお示しになったということです。そうなってまいりますると、私が最初に申しましたように、経済調和条項というのは——要するにマグナカルタのようなもの、対策基本法というのはそういうふうなもので、それを削除するかどうかという問題ではなしに、具体的な柱をどうするかということ。そうすると、公害罪についての立証責任の転換というのは、私はかなり画期的なことだと思うのです。このようなことを大臣どのようにお考えになるか。私のきょうの質問はきわめて簡単と申しますか、非常に短い質問ですが、この点についてお答えをいただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 この問題につきましての政府の公の立場を私から申し上げますことは、どうも適当でないように考えます。かなりむずかしい法理、あるいは現在の刑法のものの考え方、故意、過失を前提とするといったようなことと関連をいたしておりますから、法務当局あるいは法制審議会等でもいろいろな議論があるようで、これはあるのが当然であろうと思います。 私が法務大臣から承っておりますところでは、法務大臣御自身、公害に関する刑法と別個の法体系を考えたいという御意思であるようには承知しておりますけれども、しかし、それが現在の法理論とどのように調整し得るものであるのか、具体的にどのような問題が起こるかというようなことになりますと、これは専門家の検討を経なければ結論の出ないことでありまして、法務大臣は私に対しては、実はその辺の問題で非常に悩んでいるということばで表現をしておられましたので、現在どのような段階になっておりますか、またどのようなものの考え方が賛成、反対論としてあるものか、この点は、おそれ入りますが法務当局からお聞きいただきたいと思います。
○中谷委員 したがいまして、この点についても、私は大臣の御所見といいますか、公害罪というものに対する基本的な姿勢だけを承ればいいと思うのです。大臣の御答弁を私なりに整理をさせていただきますと、次のようになるわけでしょうか。 要するに、公害罪というものについての立証責任の転換ということが、純法理的に見て——要するに所管省でいえば法務省、そこの省においてそういうことが正しいんだということになれば、それは産業界だとか、あるいはまた通産行政を所管している省などが口出しすべき問題ではない。たとえば立証責任の転換というようなことが行なわれた場合には、産業界が、企業が混乱するというふうな論議は、通産当局としてはされる意思はない、あくまでそれは刑法に関する、法理に関する問題として限定をしておられるのだという趣旨にお伺いをしたのでありますが、それでよろしいでしょうか。
○宮澤国務大臣 これは先ほど民法と申し上げたつもりでございましたが、立証責任の転換云々は、損害賠償の請求との関連で私が何となく個人的な考えを申し上げたのでありまして、刑事法との関係で申し上げたわけではございません。 それで、もとへ返りまして、この問題は法務省の法理的な観点からお考えをいただくということがまず基礎でなければならないのでありまして、その上で私どもは私どもなりにまた意見を言わせていただきたいと思っております。
○中谷委員 だから私、その点が気にかかると申しますか、お尋ねしたい点なのです。もし通産行政を御所管になっておられる大臣、通産当局として検討されるとするならば、どの点が検討の課題、ポイント、検討の視点になるのか、この点は私やっぱり御答弁をいただきたいと思います。 それから、時間がないようでありますから、もう一点だけつけ加えておきたいと思います。 新聞の報道でありますが、先ほどの無過失責任についての法務大臣の閣議における発言に対して、宮澤通産大臣は、「まだ通産省としての考えが固まっていないが、企業の無過失責任の法理論について、細目を詰めている段階である」、こういうふうにお話があったというふうな報道があるわけです。そうすると、無過失責任の論理について細目を詰めておられるというのは、何か先ほどお話がありましたような挙証責任を転換をしていくということで、無過失責任にかわるべきものを代置されるというふうなことでないと私思う。何かとりあえず現行の行政法規をうんと活用していくというような意味なのか。もし、そういうふうな細目を詰めているんだというおことばが、何らかの重大な意味を持っているようでしたら、この機会に御答弁をいただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 損害賠償請求の際における挙証責任の転換ということが可能であり得るかどうかというようなことは、私自分で自分なりにいろいろ考えておりますけれども、別に役所としてそれを詰めておるわけではございませんで、これはもっぱら法務省のお考えの固まるのを待っておるということでございます。 それから、公害についての罪というものがあり得るかどうか、これはもうなおさら申すまでもなく法務当局の見解を待ちたいと思っておりますわけで、おまえの基本的な考えは何かとお尋ねでございますから、それについては、社会的な存在として企業は社会に対して一定の責任を持つ、こういうことが私の基本でございます。
○中谷委員 大臣に対する質問をきょうは集中することになっていますが、法務省はおいでになっておられるのでしょうか。——おいでになっていないようですね。じゃ、これは先ほどから何べんも御答弁をいただいたことで、しつこいようでありますけれども、念のためにもう一度お聞きをいたしておきます。 そうすると、無過失責任の法理、論理というものを実体法化していくという一つの民事的な課題。いま一つは、公害罪についてはすでに制定されることはもう時の流れだと思いますが、その公害罪の中に挙証責任の転換、要するに故意、過失がないんだということを、処罰の対象となっている法人と、そうして個人が、すなわち被告人が立証しなければならないという問題については、これはあくまで法務省がこの問題を研究し、この問題についての成案を得るべきであって、今後通産省としては、この問題について法務省から意見を求められればともかく、通産省は法務省に対してこの問題について意思の表示をする——公害罪はこういうふうにあるべきだとか、あるいはまた、無過失責任の問題についてはこういうふうにすべきだろうとかいうふうなことの意思の表示はされない、法務省にすべてまかせる、こういう趣旨にお伺いしてよろしいでしょうか。
○宮澤国務大臣 まず問題を幾つか分けなければなりませんけれども、挙証責任の転換ということがあり得るかどうかといことについては、私は、民事法の問題についてそれを自分なりに考えてみられないかということを申し上げたわけでございます。同じようなことが刑法との関連において、刑事法でもあり得るか、つまり公害罪を犯したということについての無過失を被告側が証明せよといったようなことが刑事法でもあり得るであろうかということになりますとよくわかりませんが、少なくともいまの刑法はそのようにはなっておりませんから、そういう結論がはたして出るものであろうかどうであろうか、私つまびらかでありません。そもそもこういう問題について、私が政府の立場を申し上げるのには適当な人間でございませんので、適当な政府当局からお聞き取りを願いたいと思います。 それから最後の問題でございますが、法律的に筋が通ってこれが可能であるということになりましても、それが国の施策として必ずしもすぐに適当だということにはこれはなりません。したがって、かりに法務当局がそういう研究をされて、こういうことが可能であり、かつ可能であるというふうにお考えになりましても、それが適当かどうかということは、私どもは私どもの立場から当然意見を申し上げるべきであると思います。
○中谷委員 時間が来たようですから質問を終わりますが、法務当局は、少なくとも立法というのは、可能だからというふうなことで立法するわけではないと思うのですね。所管省は、すでに可能であり、それが妥当であり適正であるということで立法をするわけだと思うのです。本来そういうものだと思うし、国会の審議も、それが法理的に可能だからその法案をパスさせるというものではないと思うのです。そうするとやはり通産省としては、その公害罪の問題、無過失責任の問題等についても、法理的にかりにそれが可能であったとしても、それが施策的に妥当かどうかについては意見をさしはさむ、意思表示をされる、そういう権利は留保されるということになるのでしょうか。
○宮澤国務大臣 裏を返して申しますと、かりに望ましいと常識的に考えられましても、法理的に一貫しないということになれば、これはおそらく法務省は、そのような法制の整備ということは適当でないという判断をされるでありましょう。その場合には問題は存在しないということになるわけでございます。 次に、法務省が、法理的にはともかく一貫をするという立場、結論になられましたときに、それが国全体の施策として適当であるかどうかということは、これは閣議において決定をせらるべきものでございますから、私どもも、もし発言が必要であれば当然発言をしなければならない、こう考えておるわけでございます。
○中谷委員 終わります。
○橋口委員長代理 横山利秋君。
○横山委員 一般的な公害で企業の社会的責任を追及されておるのでありますが、私がかねて問題にいたしております商品取引は、最も仲買い人の社会的責任が皆無であるというような感じがしてなりません。 きょう私どもに配付をされました「商品取引事故に係る調査総括表」は大臣のお手元へいっておりますか。これはかねてのお約束によりまして、前回のものと、つまり仲買い人が自主申告をいたしましたものと、それから通産省、農林省が調査をいたしましたものとの比較をしてみますと、今回政府の調査による総括表と前回とを比べますと、時間の関係上私のほうから申し上げますが、驚くべき違いが生じています。まさにこれは何だることかと思うのでありますが、件数として二・五倍であります。それから金額として約一・七倍、二十億が三十億になった。一体これはどう考えたらいいのでありましょうか。しかもざっと見ましたところ、共管分を例に引きますと、この統計表によりますと、上位十社で事故件数が約六、七割を占めておる。そして上位十社のうち約七社がいわゆる関門系であります。 この比較をしてみまして私は痛感するのでありますが、これは一体どう考えたらいいのであろうか。仲買い人が、私どもにこういう問題がございましたといって、政府にみずから申告するのは百件のうち四十件にすぎない。あれだけ国会がやかましく言ったから政府が調査をしたら、百件に、二・五倍になる。金額にいたしましても二倍近くになんなんとする。はなはだしきに至りましては、たとえば名前を出して恐縮ですが、この間国会へ来て参考人として、私どものところに絶対間違いはないとたんかを切られた山佐商事は、申告は三十七件、政府の調査によりますと、驚くなかれ四百三十四件のはなはだしきに至っておる。政府がなめられておるのか、仲買い人が政府に対する事故の申告をないがしろに考えておるのか、監督が一体適切に行なわれておるのか、全くの言いなりほうだいになっておるのかということを私は疑わざるを得ないのであります。 また、そのほかの例を引いてみますと、吉原商品は百八十五件が五百八十三件に、協栄は百三十四件が三百七十七件に、北辰は六十七が驚くなかれ二百八十九件、これだけの政府の調査と申告との違いというものは、政府の調査をもっていたしましても、まだまだ潜在的な事故件数があると思うのでありますが、どういうふうに考えたらいいのでありましょう。大臣の御所見を伺いたいのです。
○宮澤国務大臣 具体的なことでございましたら政府委員から申し上げさせていただきたいと思いますが、一般的に考えられますことは、個々に起こりました事案についての認定の問題でありますとか、あるいは事故とは何かという解釈の問題でありますとか、そういったようなことに帰着をするのではなかろうか、両者の食い違いがどこから出たかということになれば、そういうことになろうかと思います。 そこで、ただ考えられますことは、私どもの目からは、お手元にあります資料のような結果になるわけでございますが、それを業界がそう考えていなかったということは、従来の取引の惰性と申しますか、慣行と申しますか、この程度のことはこの程度に処理すればいいと考えておったのではなかろうかという、そういうゆるみが基本にあったということは、疑うことができないのではなかろうかと思っております。
○横山委員 値合い金処理とは、商品仲買い人の聞き違い、思い違い等によって誤った注文を処理したものである——注文を聞き間違い、思い間違いというのは、普通のだましたというのと区別をする気持ちはわからぬではないのでありますが、善意の錯誤と、かりに百歩譲ってそういたしましたにしても、結局投資家に対する打撃を与えたことは同じであります。私は、この解決分なり未解決分がふえて値合い金のほうは減ったというならば、話はわかる。両方ともふえているというのはどういうわけだ。あなたの言うように、大臣は何かかばっていらっしゃるような言い方をなさると思うのでありますが、これはたいへんな数字の激増でありますから、私はそういうかばうということはいかぬと思うのです。この際、今後もそうでありますが、一体申告のあり方についてもっと精査をさせる必要があると思いますが、どうでしょう。
○宮澤国務大臣 値合い金の処理というような、いわゆる善意の錯誤の名において実際は故意が行なわれておったのではないかと疑われるケースは少なくないように思いますし、それにしても、それならばトータルは同じではないか、こっちからこっちへ移るだけの話じゃないかと言われますが、そこへきますとまた、申告漏れというようなこともあるのでございましょうし、私はそういう意味で、かばうという気持ちは別段にございません。従来、業者の側にもゆるみがあった、また取り締まりをしなければならない私どもの取り締まりも十分ではなかったということを率直に認めなければならないと思いますので、こういう経験は、今後に再びないように生かしていかなければならないと思っておるわけでございます。
○横山委員 次は、この表から感じられることは、私の計算をもっていたしますと、概算でありますけれども、さきの業者の自主申告によりますとたしか二十億くらい。それが三十億くらいになっています。一体、個々の業者について調査をされた役所はどういうふうにお考えでありましょうか。自主申告をしたものは、帳簿に明細に、これは紛議、値合い金処理として処理をされておると思うのであります。ところが政府によって、これは紛議である、新しい値合い金処理の問題であるといって、十億になんなんとするお金が紛議として摘発をされた。そうしますと、私の想像するところによりますと、それは一体どこで処理されている金だろうか。仲買い人の帳簿の中で適正に処理をされておるならば、適正に申告がされておるはずだ。適正に処理をされてないものが摘発されたのだろう。そうするとその金は一体どこから出たのだ。裏帳簿から出たのであろうか。それは脱税を発見したということにはなりはしないか。それについて調査に当たった農林省、通産省は、税制についてどうお考えでありますか、承りたい。
○両角説明員 私どもの調査では、そのようなケースは、帳簿上、雑損として処理をされておるというふうに承知しております。
○横山委員 そうすると、雑損として処理しながら、政府に対する届け出はその紛争、紛議でないという届け出をしておる、こういうことでございますか。
○両角説明員 さようでございます。
○横山委員 そうすれば、ますますなめた話だと私は思うのであります。自分のほうの経理処理については、商品取引事故だとしながら、みすみすわかったやり方で、百件あったものを四十件にしか届け出ない、四百三十四件あったものを三十七件しか届け出ない、そんなことが実際問題としてあり得ることでありましょうか。四百件もあるやつを四十件しか届け出ない。四百件は全部帳簿で適正に処理がされておる、あなたはそうおっしゃるつもりでありますか。
○両角説明員 適正に処理をされておるかどうかということは、単に経理操作の観点だけからではなくて、本件紛議の解決の態様として、仲買い人の姿勢が妥当であったかどうかという御趣旨であれば、私は申告漏れなり解釈の相違なりの見地から考えますと、なお改善すべき問題があろうかと考えております。
○横山委員 時間の関係で、きわめて不満な答弁でありますが、次へ進みます。 いよいよ八月一ぱいに取引所から意見を付して、来年一月に迫る免許制への作業が進んでいます。私がこの前、大臣がいらっしゃいません委員会におきまして、最近において業界の内部で、たぶん現在の仲買い人は、なんかかんか言っても全部認可がされるのではあるまいか、されるであろうという雰囲気が、あちらこちらでささやかれておるということを指摘をいたし、その原因について若干の事象をあげてお話したのでありますが、あらためて大臣に伺いたいのでありますが、免許制移行についてどういう方針で臨まれるか。通産、大蔵両省の間にその意思統一が一体できているかどうかということであります。 なぜそれを聞くかといいますと、確かに認可基準はおりました。認可基準はおりたけれども、合格点が明らかにされてないということであります。点数は全部わかってくるようになっている。しかし、どこからどこまでが合格で、どこからどこまでが非合格であるか、それは私の判断するところ、政府の行政に、自由裁量にまかされておるような気がするわけであります。そこでいろいろと憶測が出てくるわけであります。この点について、大臣はどういう方針でおやりになろうとするのか、合格点の問題を含めて御答弁を願いたい。
○宮澤国務大臣 基本的には、過去において、単に経理内容ばかりでなく、その業者の姿勢というものを問題にするということを申し上げましたが、それには変わりがございません。そこで私どもとしましては、両省で相談をしまして、審査基準というものを各取引所に与えまして、そして、言われますように、客観的なデータで減点法をとるということにいたしまして、それにパスしたというものをとりあえず第一次の選定のために取引所が進達をしてくる、こういうことでございまして、おそらく、問題のあるものはそれには出ずに、第二次に残っていくということであろうかと思っております。
○横山委員 私の聞いていますのは、その問題のあるものというのはわかる。問題のあるものの最終的処理のあり方について聞いておるわけです。点数制ですから、何点が満点と考えておられるのか伺いたいのであります。どんなものが満点で、合格、非合格のラインは何点なのか、それをはっきりなさらないところに、ぼくは納得できないものがあると思っているわけです。大臣なりお役人なり、あるいはまた政治家の自由裁量によって点数がきまる、合格点、非合格点がきまる、そこのところが、オーソドックスに、素朴に腹をきめておられないところに政治的なものを感ずるというのであります。よきもあしきも感ずるというのであります。何点が合格点でありますか。満点は何点で、非合格ラインは何点でありますか。
○両角説明員 許可にあたりましての審査基準というものを、客観的に点数が出るような仕組みですでに通達を出しておることはただいま御指摘のとおりでございますが、このような仕組みによりまして、できるだけ取引所側の判断において、公明かつ客観的に、各仲買い人の営業姿勢を含めた、いわゆる新しい会員としての適格性ということが判断をできるように私どもも指導しておるわけでございますが、何点から許可にするかというようなことは、全体の審査の結果を見て判断をすべき問題もございまして、ただいま明言をできないことはたいへん遺憾に存じますが、少なくともこの客観的な点数制によりまして、各仲買い人というものを大体四つぐらいのグループに分けて処理方針をきめるべきかとわれわれは考えております。少なくとも、その中で最も成績のよいグループというものについては、当然これを新しい許可制に移行させる。最も成績の悪いグループ、ごく少数かと思いますが、これの取り扱いにつきましては、今後とも農林省とも十分協議をして、公正、妥当な結論を得たいと考えております。
○横山委員 ちょっとしまいのところがわからぬのですが、最も悪いグループのものは農林省とも相談して公正、妥当な処理をしたい——話が違いやしませんか。最も悪いものは許可しないというならばわかるけれども、どうして農林省とも相談して公正、妥当なという話がそこに出てくるのですか。その意味がわからぬですよ。聞いている人がみんなわからぬですよ。
○両角説明員 成績が悪い場合に対する公正、妥当な判断ということは、それに対する許可を出すことが適当でないという意味も含まれるわけでございます。
○横山委員 回りくねった話をせずにずばりと……。あと時間が三分しかないのでありますから。 次に大臣に伺いたいのでありますが、紛争処理のあり方であります。これだけばく大な紛争があるというものをいかにするかという点について、きょうは渡辺政務次官が来ていないので残念でありますが、何か農林省内部で渡辺政務次官の発案によって、紛争処理の裁判所といいますか、まさか裁判所を本気で言っているとは思いませんが、行政機構としての審判所でもよろしいのでありますが、そういうことをお考えの模様であります。私は反対をします。明白に言っておきます。一体この商品取引の改善の基本的原則は何か。これは私の意見を言って大臣の所見を伺いたいのでありますが、終局的な理想は、農林省も通産省も間接的な監督機能を果たして、商品取引所それ自身が客観的、公共的、社会的地位を向上をして自律作用をするということが最も望ましいことだと思っているわけです。その意味では私は、いまの会員組織を改めろ、一般法人税であるべきではない、これは特殊法人なんだから、商品取引所の税制も改めろ。それから人的構成も改めろ。場合によっては商品取引所も整理統合しろ、商品取引所を充実さして、その自律作用を強め、監督機能を強めるということが最も望ましいあり方だ。いまの証券取引所が理想だとは言わないけれども、少なくとも証券取引所のような社会的地位というものを——一刻も早く失われた信用を回復して、商品取引所が健全に機能運用することだと思っているわけです。ところが渡辺政務次官は、商品取引所は信用があまりないから、それとは別個に、ないしはそれの上部機関として紛争処理機構をつくろう。それは、積み立て金の利子を仲買い人に返すぐらいだったらそれを使え、こういうようなお話の模様であります。いまの商品取引所が十分な機能を果たしていないということは私も同感である。けれども、商品取引全体の方向から考えて、それは邪道である。いまの商品取引所から紛争処理機能を取りはずしたら何が残るか。同時に、私も大蔵畑、渡辺君も大蔵畑でありまして、税金を考えての話だと思うのでありますが、税金問題とは違うのであります。率直に私の体験を言えば、仲買い人と投資家とが裁判でとことんまで争えば、理論的にも証拠書類の上からいっても仲買い人のほうが有利であります。けれども、そういう問題でないから、この問題が社会的な問題になっているわけであります。だからそこには、大衆投資家の立場を十分考えてやるとしたならば、裁判機能、審査機能といいますか、そういう機能で理非曲直を明らかにする。証拠が何かあるということを明らかにするだけで問題は解決しないと私は思う。いわんや、取引所の機能からこういう調停機能、紛争処理機能をとってしまったら、取引所の地位はますます低下すると考えるのでありますが、紛争処理のあり方について大臣はどういうお考えでございますか。
○宮澤国務大臣 現実の取引所というものがいろいろ問題を起こしておりますから、そこにはなかなかまかせておけない、したがって第三者機関というような構想が出てくる。これも一つの考え方かと思いますけれども、基本的には、やはり取引所というものは取引員に対してきびしい監督をする、そして紛議が起こった場合にはその内部において処理をする。取引所というものは本来そういう機能を持つべきものである。そうでなければ、そういう機構というものがあまり意味がないことになるのではないかと私は考えますから、ただいまの現実からはあるいは遠いかと思いますけれども、取引所というものをそのように育成していくのが本筋じゃなかろうか。いずれにしてもこの点は、全部の仕組みを考えますときに、もう一度両省で協議をいたすべきものだと思っております。
○横山委員 時間がなくて恐縮でありますが、最後に一点だけ。 かねてから私は、上場商品をこの際洗い直したらどうか、こう言っているわけであります。これは繊維にいたしましても、穀物にいたしましても、一体これだけ広範な大衆投資家が、これは投資、投機でなくて、ある意味ではばくちであるという批判が起こっております。これだけ銭を出して、それじゃアズキが北海道でたくさん生産されるかとなりますと、それは全然ヘッジの、保険の役割りだけである。しかし、投資家が投資することによってほんとうに保険の役割りをしておるかどうかと考えますと、繊維の一部もそうでありますけれども、この際上場商品の洗い直しを一ぺんやってみるべきではないか、こうお考えにはなりませんか。
○宮澤国務大臣 この取引所が価格の安定と流通の秩序というものに貢献をしておることは、もう申し上げるまでもございませんが、それが別途の目的に使われつつあるということも事実であります。しかし、基本的にはそういう価格と流通秩序の安定ということに寄与しておりますので、少なくともその生産が自然的な条件によって非常に影響を受けるといったようなものについて、ある意味でのヘッジの機能というものは必要であろうと思いますが、さりとて、ただいま上場されておりますものすべてが、今後とも上場物件として適当であるとも申し切れないのではないだろうか。そういう意味では、やはりそういうことも考えていかなければならないのではないかと私は思っております。
○橋口委員長代理 石川次夫君。
○石川委員 先ほど来、公害の問題がだいぶ出ておりますので、一点だけ御質問したいと思うのです。 と申しますのは、最近政府では矢つぎばやに公害の問題に対する態度を明確にいたしまして、非常な信頼感を得ているような印象を受けるわけであります。それは、たとえば無過失賠償責任というものを明確にする、あるいは経済との調和という条項を省く、あるいは公害罪を設定をする、こういうような態度が鮮明にされておったと思うのでありますけれども、ただいまの宮澤大臣の答弁を聞きますと必ずしも明確ではない。いろいろむずかしい事情はあるでしょうけれども、どうもいままでの新聞から受ける印象からすると、だいぶ食い違っておるのではないかという印象を受けることはいなめないと思うのであります。 そこで一つ伺いたいのでありますが、ハーマン・カーンという人が、二十一世紀は日本の世紀である、こういうことを言って、われわれには非常な衝撃というか、そういうものを与えたわけでありますけれども、この中身をつぶさに読みますと、どうもこういうふうな警告、あるいは皮肉ともとれるものが潜在的にあるということをわれわれは認めざるを得ない。それは、日本という国は公害をおそれない。あるいはまた、外人であれば、とかく五時からあとの時間というものは自分たちの人生である、これは決して侵してはならぬというような哲学めいたものがあるわけでありますけれども、日本は、企業が忙しいといえば残業をものともしない、日曜出勤は平気でする、住宅難はあえておそれない、こういうようなことが前提となって、あのような高度成長というふうなものが予想カーブとなってあらわれておるのである、こういう感じがするわけなんです。したがってこういうことは、決してわれわれが底抜けにハーマン・カーンの、二十一世紀は日本の時代であるということをまともに受け取るべき性質のものではないのではないか。そうしたわれわれには反省の材料を提供しておるのではないかというようなことを考えております。 ヨーロッパに行きますと、公害という問題はやはり大きく問題にはなっておりますけれども、ヨーロッパは日本ほど経済成長は高くはないのであります。したがって、絶えず国民の健康と生命という問題との調和がはかられながら経済成長というものが行なわれてきたという歴史から見て、この公害というものに対する態度は日本ほどヒステリックではありません。むしろ公害という問題は、大きく取り上げることを通じて、経済の成長というものを阻害されることをおそれるという態度がちらほら散見されるということが実態ではないかと思うのであります。日本の場合はそうではない。がむしゃらにいまのような経済成長を急いでおるのでありますが、このハーマン・カーンの成長というものに対して、私は手法においていろいろ疑問があると思うのでありますけれども、たとえばそのうちの一つに、エネルギーの問題なんかが全然無視されておる。このエネルギーの問題はあとから質問しようと思っておるのでありますけれども、たとえば昨年度、火力発電所その他を含めて千二百五十万キロワットの発電所をつくるという計画のうちで、三七%というものは公害をおそれるあまりこれはさたやみになっております。こういう点でも、もうすでに経済成長というのは大きくブレーキをかけられるのではなかろうか、こういう感じがするのであります。 さて、最後に質問でありますけれども、いろいろ公害の問題については、われわれは大気汚染の問題、水質汚濁の問題、これは非常に関心を持っておりますが、比較的新聞紙上で問題にされていない問題で、たとえば農薬あるいは有害添加物によるところの食品公害というものは非常におそるべきものであると、私個人は考えておるわけであります。そういう問題も含めて、この公害問題というものにほんとうに真剣に取り組むという気魄を持つならば、日本の経済成長はいま一〇・六%という見通しを持っておりますけれども、これはスローダウンせざるを得ないのではないか。したがって、経済成長オンリー、エコノミックアニマル的な態度というものは、人間の健康と生命を守るという観点、公害を防ぐという観点から、設備投資に重点を置くよりは、公害防止、脱硫装置その他にどうしても振り向けなければならないということでスローダウンせざるを得ないのではないか。これは非常に大ざっぱな観点でありますけれども、こういうふうに見ざるを得ないのでありまして、たとえば経済成長一〇・六%というものを、公害がどうあろうとも断じて守るんだということではなくて、公害というものを防ぐためには、人間の健康と生命を守るためにはスローダウンしてもやむを得ない、こういう決意というものが政府のほうにあるかどうかということ、それだけを伺いたいと思うのです。
○宮澤国務大臣 公害の意識が高くなってまいりますと、公害を防除する、あるいは防止するということは、当然に社会的な費用になってくるはずでございますから、そうしてそれは、いわゆる経済的にはあまり再生産的な投資とは申せないと思いますし、そういう意味では経済の成長をスローダウンする要因になる。また御指摘のありましたように、エネルギーの問題にいたしましても、公害との関連もあり、輸送等との関連もあり、従来のように簡単に確保できるとは限らない。これもその面から経済成長がスローダウンする要因になる。両方とも私は御指摘のとおりであると思います。したがって、公害という問題がわれわれの意識の中に非常に高まりまして、その結果ある程度経済成長がスローダウンすることになってもこれはやむを得ない。それを望むわけではありませんが、これはやむを得ないことだろうというふうに私は考えます。 ただ同時に、申し上げるまでもないことでございますけれども、十分な公害の施設をしていくための資源あるいは資金というものは、これは経済成長の中からのほうが生まれやすいということも事実でございましょう。と思いますから、私どもは、公害を無視して何でも成長すればいいんだというようなことはさらさら考えません。公害に十分な手当てをする結果、ある程度経済成長率がスローダウンする−実際しやすいと思いますが、そうなりましても、それは私ども一向に差しつかえないことだというふうに考えます。
○石川委員 この公害の問題は、私、基本的な問題だけで取りやめておきますけれども、いま申し上げましたように、経済成長は、公害と真剣に取り組むという形になれば、スローダウンせざるを得ない非常に大きな要因になるのではないか。これはやはり覚悟してかからなければならないということと、経済成長を食いとめるあと一つの要因として、私が先ほど申し上げましたように、エネルギー問題があると思うのであります。未来学者の言い分ではありませんけれども、すべての現象というものはエネルギーと物質と情報、この三つで成り立つであろう、こういうことがいわれておりますけれども、その中のエネルギー問題についてだけ、きょうは簡単に本質的な問題だけ伺いたいと思うのであります。 それは、産業構造審議会その他、エネルギー調査会あたりでも言っておりますように、産業構造が高度化をし、あるいは消費生活の水準が向上したために消費パターンがずいぶん変わる、あるいはまた都市化現象が相当進展をするというようなことで、エネルギーの成長率というものは非常に高いものがあるわけでございます。しかしながら、これらのエネルギー資源というものがほんとうに経済成長に見合うだけ十分に確保できるかどうかということについての見通しは、どういうふうにお持ちになっておりますか、一応伺いたいと思うのです。
○宮澤国務大臣 エネルギー供給の見通しにつきましては、先般来各種のエネルギーにつきましての長期見通しを発表いたしたわけでございますが、率直に申しましていろいろな問題がございます。それはもう御承知のように、だんだん質のいい水力の開発地点が少なくなってまいりまして、揚水発電等は別でございますが、水力にどうしても重点が置かれるようになる。その地点の確保がむずかしい。原子力につきましても同様な問題がすでにございます。と同時にまた流体、原油につきまして、低硫黄のものはただいまのところ引っぱりだこになりましてなかなか得にくい。価格も上がっている。同時に、これを運びますための船舶につきまして、ただいまのところフレートが非常に上がっておりまして、なかなか下がらないことは御承知のとおりでありますが、同時に、それらの船舶を確保するための造船能力というものが世界的に限られておりますから、現在かりに二十万トンくらいなタンカーでございましたら、わが国の造船所の受注能力は、一九七五年くらいのデリバリーでないと受けられないといったような各種の要因がございます。したがってエネルギーの供給が、今後三年間あるいは五年間という期間をとってみて、政府に十分自信があるかとお話しになりますと、実はいろいろな問題があるというふうに申し上げることのほうが事実に近かろう。したがって、それにどう対処するかということが、ただいま私どもの持っております問題意識でございます。
○石川委員 重油だけに換算をして、電力関係でもって大体昭和六十年で三億キロリットル、全部合わせると六億キロリットルになるのではないかというようなことがいわれ、それに対する船腹というものが、二十万トンタンカーで五キロとか十キロごとに並べなければならぬということになると、船腹は一体どうなるのか。それだけの資源を一体確保できるのかどうか。あるいはまた、いまのところは、公害というものの対策を十分考えるために、低硫黄分のものだけを海外から買い集めておるわけでありますけれども、低硫黄だけにこだわっているわけにいかぬという問題で、高硫黄のものも買わなければならぬということにならざるを得ないのじゃないか。そうすると、公害もますますひどくなるというような悪循環がございまして、なかなかこのエネルギー問題というのは深刻な問題をはらんでいるのではないかと思います。したがって、エネルギーと物質と情報、この三つに分けて要素が考えられるくらい、エネルギーというものは重要な問題でありますので、これはきょうはとても時間がありませんから、こまかい点について申し上げるわけにはいきませんけれども、よほど心してこのエネルギー資源というものには対処してもらわなければたいへんなことになる。ハーマン・カーンの言うような、二十一世紀は日本の時代だなんということは架空のことばにすぎなくなるということを——それでなくても、私は架空のことばではないかと思っているのですけれども、エネルギーだけについてみても、なおさらそういうことが言えるのではないかという感じがするわけであります。 そこで問題なのは、エネルギーというものを重油だけに依存するわけにいかぬということで、原子力発電所にたよらなければいかぬということになっているわけであります。この問題は、商工委員会で話すよりは、科学技術の分野が多いわけでありますから、いろいろな点で私は科学技術委員会のほうでこの問題を解明をしたいと思っておりますけれども、先般また中央電力協議会の超長期展望というものが発表されました。すべてのエネルギーがいまの経済成長でいけば足りないのだということで、ふえているわけでありますけれども、たとえば原子力などでいいましても、これから十五年くらい、昭和六十年くらいまでの間に、四千万キロワットというような増設が考えられております。四千万キロワットは非常に膨大過ぎるのではないかという気がしておったのでありますけれども、それが飛躍的に五割増しの六千万キロワットということになっておりまして、私もがく然としたのであります。しかもこの原子力発電所というものが、ほとんど軽水炉に依存しております。アメリカの軽水炉であります。しかし御承知のように、世界の現在の原子力発電所の三分の一しか軽水炉というのは占めておらないのです。しかもそのアメリカの軽水炉だけをこの六千万キロワットに全部当てはめるということになっておる。したがって、原子力発電所の放射能というものに対して嫌悪感、警戒心というものが日本人は非常に強い、そういう点で、なかなかこれの設置ということも、火力発電所と同じように、あるいはそれ以上に進捗しないのではなかろうか、こういう懸念があるわけであります。 と同時に、私も思うのでありますけれども、いまのような原子力発電所設置の態度というものに対しては、安全性の観点から非常に大きな疑問がふる。これはなぜかと言うと、御承知のように電力会社というものは営利企業であります。九電力というものがそれぞれの立場で、能力が非常に違いながら競い合って原子力発電所を設置しようとしている。そこで、いま申し上げたように、昭和六十年には軽水炉だけにたよる設置計画というものが六千万キロワットにものぼるということになると、はたして安全性というものが確認できるかどうかという疑問があるわけであります。その点はたとえば公害の問題から言いますと、むしろ重油というものは公害が非常に多い、脱硫装置もそういう完璧なものはできないということで、原子力のほうがいいのだというお考えが強いと思います。その点私も納得できないことはありませんけれども、実をいうと、一たん事故が起こったならば、これはたいへんなことであります。その辺の住民、たとえば東京の近所でありますならば、東京じゅうが全部避難しなければならぬということになりかねない要素をはらんでおるという点で、よほど安全性というものに対して十分な責任を持つという体制が必要であるということになりますと、利潤追求をもとにした現在の電力経営のもとで、この原子力発電所というものを矢つぎばやに設置をされるということについては非常な疑問がある。 たとえば一つ申し上げます。いろいろ申し上げたいことがあるのですけれども。福島県の大熊、あるいは福井県の敦賀、ここには膨大な原子力発電所が集中いたします。しかしながら、五百万キロワットをこすような、あるいは一千万キロワットに近づこうとするようなものが、これだけ一カ所に集中をするということになりますと、国際放射線防護委員会で勧告が出されましたが、しかしそのICRPそれ自体も、科学的な根拠があるものじゃありません。とにかく核の種類が八百種類もございますから、遺伝に対する考え方なんかこれからの検討に待たなければいかぬ。そういう要素がたくさんあるのでありますけれども、このICRPの基準に照らしてみても、こういった一カ所に膨大な発電所ができるということは、これに抵触しないかどうか。その許容量というもの自体も問題がありますけれども、許容量というものはここまではいいのだということでなくて、ここまではやむを得ないという数字であって、ゼロでなければならぬ数字なのでありますから、よしんば許容量まで許すといたしましても、この敦賀、大熊の場合は全体として、たとえばアルゴンに限ってもよろしいのでありますけれども、ICRPの許容量をこさないという保証と確信があるかどうか、この点をまず伺いたいと思うのです。
○馬場説明員 先生のただいまおっしゃいました原子力発電所の安全性の問題でありますが、先生よく御承知のように、原子力発電所につきましては、いわゆる普通の発電所におきます電気事業法の許可をいたします前に、設計段階で原子炉等規制法に基づいて原子力委員会の非常に厳重な安全審査を経ることになっておりまして、それの許可を得たものについて初めて電気事業法の許可をいたすということで、安全性の問題では、放射線の問題その他につきまして非常に厳重にやっていることはもう御承知のとおりでございまして、九電力がやります場合におきましても、いわゆる会社の営利性というようなことから、安全性をないがしろにするということは、たてまえとして絶対にないようになっておるわけでございます。ただいま仰せになりましたように、今後原子力発電所が非常にたくさんつくられていくことになろうかと思うのでありますが、そういう点につきましては一そう厳重にいたしまして、これはもう公害と申しますか、そういうことの絶対に起こらないようにしてまいるということが必要になるかと存じでおります。
○石川委員 時間がないので、これはいずれあらためて質問をしたいと思っておりますけれども、これは各社によっていろいろ見解を異にいたしますが、敦賀、大熊のような膨大な原子力発電所の集中というものについては、非常な疑念を持っておるということを申し添えたいと思うのです。平常の場合でそういうICRPをこすのではなかろうかという懸念があるのにつけ加えて、万一事故があったらどうなるのだということになりますると、これは公害なんという問題じゃございません。非常に大きな災害になることは目に見えております。そういう点で、いまのような恣意的な九電力の利潤追求のその原則にかられて、たとえばいまの原子力発電の値段は一円二十五銭とか一円五十銭だ、わずかに高いだけだというようなことをおっしゃっておりますけれども、実際はそうではないと思うのです。アメリカあたりの実態を見ると、予想の七割くらいしか操業いたしておりません。それはいろいろな故障が出るのです。エアクラックとか容器の破損その他の故障で、思うように操業いたしておりません。日本に売り込むためにはそういう要素が入っておりませんが、そういう点で、必ずしも軽水炉というものが採算ぺ−スに乗るというふうなものではないという実態があるわけであります。 そうなりますと、九電力は利潤追求の精神からいたしまして、どうしてもこういうふうに高上がりにつくのでは困るということで、どこかで手抜き工事をやらざるを得ないというようなことに追い込まれる危険もあるわけでございまして、結論としては、九電力というものが、それぞれの地域でもってそれぞれの経営をやっておるわけでありますけれども、それぞれの地域では全部、国際化とか企業競争というおそれはない、非常に尊大な経営になっております。たとえて言いますと、つまらない商品として売っておりますところの柱上変圧器を一つとってみても、九電力の仕様は全部違うのです。同じものだから、受けるほうの会社としては、どこでも同じものでいいじゃないかといったところで、いなか大名ですから独占力が強い。自分本位でやりますから、九電力が全部仕様が違っておる。同じ容量で同じ役割りを果たすものでありながら違った設計をしなければならぬというようなことで、こういうつまらないことをとってみても、いかに九電力が自分本位になっているかということが如実に出ておると私は思うのです。 したがって、エネルギー産業というものは日本の産業を動かす根幹をなすものでありますし、いま言ったように、重油の確保が一体どうなるかという問題、あるいは原子力発電の保安対策を、ほんとうに利潤、採算というものを度外視して、万一事故があったらたいへんだというような観点でやるということになりますと、やはりエネルギー産業というものは一元化していく必要があるのではなかろうか、こういう考え方を強く持たざるを得ないのです。しかも建設費というものは、火力発電所ならともかく、今度は原子力発電所ということになれば、これよりもさらに膨大な建設費になるわけで、とても現在の九電力の能力ではさばき切れない、こういうふうな問題もあるのではなかろうか。したがって、九電力のばらばらのいまの独占的な経営のしかたということではなくて、むしろ積極的に一元化して国家がこれに介入していくということに将来はならざるを得ないのではないか、こういう点について宮澤大臣はどうお考えになっておりますか。
○宮澤国務大臣 遠い将来を考えてまいりますと、いろいろな問題が確かにあろうかと思います。現在の九電力のあり方につきまして、ただいま規格の統一等のお話もございましたが、私どもできるだけ発電、送電あるいは変電、配電等々、できるものは規格統一をしていくことがいいということで指導しておりますし、ある程度のものはそういう方向で統一されつつあるわけでございます。いろいろ御批判もございます。地域独占でございますから、私ども絶えず注意をしてまいらなければならない点は多々ございますけれども、やはり能率というような観点から申しまして、私企業にしておくことが、私はいまの段階で不適当であるというふうには考えておりません。これを全部公企業にするというようなことのメリット、デメリットを考えますと、ただいまの形態が悪いというふうにはいま考えてはおりません。 それから、原子力発電につきましてのいろいろな厳格な基準を順守するということは、先ほど公益事業局長から申し上げましたとおりで、それが株式会社であるからなまけられておるといったようなことは、現在までのところございませんし、公企業であったらさらにそれがよくなるかということになれば、必ずしもすぐにそういうことは申せないであろう。したがって、ただいま再編成というようなことを考えてはおりません。ただ原子力発電等の中には、またいわゆるテストプラントからしなければならない、たとえばAGRのようなものでありますとか、将来もいろいろ出てまいりましょうし、これらは私企業がやるにはリスクが大き過ぎるということもありますでしょう。また、基幹的な送電線などは公益的にもなりますから、九電力のどれがやるということも適当でないという場合もございましょう。それで電発を持っておるわけでございますが、電発と九電力との関係といったようなものは、私はいま急激に変更しなければならないというふうには考えていないわけでございます。
○石川委員 非常に意見が違うのですが、一時二十分までということになっておりますから、きょうは時間がありませんのでやめますけれども、しかし将来、高速増殖炉あるいは新型転換炉というようなものがある。これになれば相当能率もあがるというような見通しもあるのでありますけれども、いまのところは、世界の三分の一しか占めないアメリカの軽水炉だけを集中的に導入して、そのことに技術者が集中しているということは、私はまことに遺憾だと思う。そういうことも含めて、エネルギー産業というものは根本的に再検討する時期にきているのではないかということを申し上げて、あとで質問し直すことにいたします。
○橋口委員長代理 岡本富夫君。
○岡本委員 時間が非常に短いので、大臣に対してちょっと緊急に最初に質問申し上げたいことは、昨日またハイジャックの問題がありました。よど号の乗っ取り事件のあとでまたこうした問題が起こりましたが、御承知のように、日本航空機製造に対して四十三年度はYSnの分として三億円、また四十四年度は二億円、こういうような補助を出しております。またジェット機に対しては、YS分四十二年度一億円、四十四年度一億五千万円、四十五年度は五億円、こういうような補助をしておるわけでありますが、機体の設計について通産大臣としてどういうようにお考えになっておるか、これをひとつお聞きしたいのです。
○宮澤国務大臣 ただいまのお尋ねは、そのハイジャックとの関係でございますか。おそれ入りますが、ちょっと問題点が聞き取れませんでした。
○岡本委員 あなたもテレビをごらんになり、また日本の国民の皆さんも、生命を気づかっていろいろとテレビもごらんになったと思うのです。それをごらんになっておって、取り締まりについてはいろいろ手を打っていらっしゃるけれども、さらに手を打たなければならぬところが機体にあるのじゃないか。乗った被害者の話を聞きますと、犯人が簡単に操縦席に行けるようになっている。よど号のときにもそういう話があった。したがって、それに対して通産大臣は、こうして補助金も出している関係から、これは意見も言い、また考えなければならぬ、こういうように私は思いますが、あなたの御意見としてはどうか。
○宮澤国務大臣 十分な知識を持っておりませんので、お答えが実はできないのでございますけれども、少なくとも操縦室との間をロックしておくというようなことは、前回厳重に守るように指示されてあったと考えております。 なお、機体の構造等につきましても、これは当然問題があるのでございましょうけれども、まことに申しわけないことでございますが、当面のそういう危険を回避するためにどのようにしたらいいのかということを、私としては専門的な知識がございませんので申し上げられません。しかし、おのおの関係者が当然これは腐心をし、また審議会等で研究されておりますことは間違いないことだと思います。
○岡本委員 こうした補助金を出しているような通産省として、また通産大臣として、今後その点についてどういう意見を入れていかれるか。またどういう行政指導をなさるか、これをひとつ最後にお聞きしたい。
○宮澤国務大臣 この点は運輸省にも大きな関係があることでございますけれども、あのような、人命を危険におとしいれるような可能性の高い構造というものはできるだけ回避をしていくということは、もう当然のことでございまして、今後関係者が十分そのように考えていかれますように、私としても自分の関係のある範囲では指導してまいりたいと考えます。
○岡本委員 それでは本論に入りまして、私も公害問題を若干お聞きいたします。 これは先々月の当委員会におきまして、大臣に対して要求もし、またお話もしておいたわけでありますが、工場排水法施行令第五条、この中に四十業種が指定されておりますが、このうち十一業種の権限が都道府県知事にまだ委任されてない。今度の田子の浦のあの産業廃棄物の姿、あるいはまた、ああしたところの状態を見ましても、どうしてもこれは身近な都道府県知事にこの権限を委任しなければならない、こういうように思いまして、実は先般産業公害委員会でこの発言をしましたときに、都道府県知事に大幅に権限を委譲するというような答弁が公害対策本部からはありましたけれども、何と申しましても、これは通産省の、あなたのほうの関係であります。したがって、大臣はどういうようにお考えになるか、ひとつお聞きしたいと思います。
○宮澤国務大臣 水質汚濁との関係で申しますと、権限を委譲することが適当であろうと考えております。したがって、来年度には全部水質関係の権限は地方に委譲いたすべきものと思って、ただいまそういう方向で進んでおります。
○岡本委員 次に大気汚染防止法の二十七条の適用除外、すなわち電気事業、ガス事業が適用除外されております。私この件につきまして各所を回りましたが、各地方自治体からも特に要望がございまして、都道府県知事に、この立ち入り等、あるいはまた検査ができる、こういうようにしてもらいたい、そうでなければどうしても公害対策がきちっとできない、こういうような要望がありました。そこで実は私、地元の尼崎というところへ参りまして、尼崎市の公害対策室ともよくいろいろと話し合ったのですが、ここは川崎と並んで、また東京都も同じでありますが、大気汚染の警報がたびたび出ております。ところがそれがなかなか守られない。この電気事業法で指定されておるところの火力発電所には立ち入りができないのです、それで非常に困っておるのです、こういうことでありました。そこで私いろいろ調査の結果、火力発電のSO2、この監視の取り締まりを通産省でなさっていることを調べました。ところが予算面から見ましても、四十六年度の要求が約六千万、四十五年度が五千六百万、これは全国の電気事業とガス事業所を全部合わせてであります。そうしますと、たとえば百カ所あったとしますと、これは一カ所について年間五千万円ばかりしかないということになりますと、立ち入り検査というものはなかなかできない。予算面からしてもそうであります。火力発電所の立ち入りの実情を調査してお聞きしたわけでありますけれども、たとえば尼崎に四つの火力発電所がありますけれども、通産省かち直接お調べになったのは年に二日調べておるだけ、こういうようなところもございます。したがって、これではほんとうの公害の防止にならないのではないか、どうしてもこの権限も適用除外から除かなければならぬ、そういう時代がすでに来たのではないか、こういうふうに思うわけでありますが、通産大臣のお答えを願いたい。
○宮澤国務大臣 電気あるいはガス事業につきましては、御承知のように相当広域にそれらのものを供給するということでございますので、この権限を県に委譲することが適当かどうかという、ほかのものと違った種類の問題がございます。そこで、立ち入り検査ということを厳密に考えれば、これは監督の権限に裏づけられなければならないわけでございます。したがって、そういう意味で立ち入り検査は、法律的な厳格な意味ではできないということになろうと思いますが、ただ、現実にその土地、土地で事態が発生してまいりますから、通産局と都道府県が緊密に連絡をしてそういうことを一緒にするということは、これはもう一向に差しつかえないことで、いいことではないかというふうに思っております。ただ事業のそういう性格からいたしまして、これらの権限を地方に委譲するということは適当でないのではないか。 なお、発電所の立ち入り検査等々につきまして御意見もございましたが、お入り用でございましたら、実績もわかっておりますので政府委員から申し上げます。
○岡本委員 そこで、実情を大臣もよく御存じだとは思いますけれども、たとえば今度新しく火力発電所ができる、こういった場合に地元の反対が相当あって、そして取りやめたところがずいぶんあるわけです。こうしたところの地元の調整につきましても、やはり都道府県知事に認可あるいはまた許可、こういうものを与えておきますれば、非常にスムーズにいくのではないか。それを通産省側だけで握っておりますから、地元の各住民の反対も、直接事情をよく知っておる都道府県知事のほうが私は非常にいいのではないか、こういうようにも考えるわけであります。 そこで、いま大臣は、こうした電気事業あるいはガス事業の許認可、あるいはまた特に公害問題の立ち入り検査、こういうものを都道府県知事に委任することは適当でないというようなお話でありましたが、どういう面が適当でないのか、お聞きしたいのです。
○宮澤国務大臣 現実の問題といたしまして、発電の地点を定めますときに都道府県知事の協力が不可欠であるということは、申し上げるまでもございません。実際にまた、府県知事が間に入りまして地元との調整をやってくれて、それによって地点が決定をするということはしばしばございます。また私どもはそれは実際必要なことだというふうに考えております。ただ、そのことと、今度はそのような権限を都道府県知事に与えるということとは、実は問題が別であると思いますのは、たとえばある県において、もう自分の県は電灯もついておるし、工場の電力もあるのだから、新しい発電施設は要らないというようなことから許可を与えないということになりましたら、これは日本全体として電力エネルギーを欠いてしまうことになるわけでございますから、どうしてもそのようなエネルギーは国全体の見地から考えていかなければならない。一県だけの都合でやってもらいましては、これは日本全体が困るわけでございます。したがって、そういう許認可権を都道府県が持つということは、私は適当でないと思います。 それから次の問題として、なぜ公害関係の規制の権限を都道府県知事に与えてはならぬのかということでございますが、これもとことんまで押し詰めて申しますと、この発電所は適当でないからもう操業を停止してしまえというようなことを府県知事が申すようになりますと、これは国民経済的に非常に困ったことになる。広域に供給する義務がございますから、一県だけの都合でこれをとめてしまうというようなことは、国民経済全体としては困る。ガスにつきましても同じことでございまして、全国民に、あるいはかなり広い範囲の人々に供給をするという立場から申しますと、一県だけの都合でそれを停止するというようなことは国民全体の立場からいって適当でない、こう考えておりますので、ただそのことは、いわゆる地元の実情を聞き、あるいは資料を集め、場合によっては改善のためのいろいろ検査をするというようなときに、緊密に都道府県と協力をしながらやらなければならないと、私どもそう思っておりますが、そのことと決して矛盾をするものではないと思うのであります。
○岡本委員 私はそれに対しては非常に不満であり、また国民の声としてもやはり不満であろうと私は思います。この問題についてはまた次の機会にお聞きしたいと思います。 そこで、きょうの新聞を見ますと、通産省は産業廃棄物の実態調査と申しますか、なさいました。約四千万トンですかの産業廃棄物があるという調査を新聞に発表されたように思いますが、この産業廃棄物に対するところの取り締まりの法案というものがまだないわけでありますが、この法案をいつお出しになるか。また、それまでの間、毎日毎日産業廃棄物が出ておるわけでありますが、それに対する行政指導は通産省でできるわけでありますが、それに対する御意見を承りたい。
○宮澤国務大臣 先ほど申し上げました公害基本法を全面的に書き直さなければならないであろうということとの関連におきまして、産業廃棄物の問題をこの公害の対象に入れざるを得ないのではないかというふうにただいま私ども考えまして、対策本部でそれを検討しておるわけでございます。したがって、もし私どもの検討が実りますれば、新しい公害基本法の中には、従来の六つの公害に加えまして、そのようなものを対象にすべきではないかというふうに考えておるわけでございます。そういたしますと、それに従って新しく制度が整備されるということでございますが、他方で、産業廃棄物の中でもプラスチックのようなものは、実は廃棄の方法が技術的に明確になっておりません。工業技術院ですでに研究をしておりますけれども、たとえば明年といったような段階で現実に企業化し得るようなものができるかと申しますと、どうもまだ明年あたりでは十分自信がないというような状態でございますから、この点は技術的な検討、技術的な開発をしなければならないわけでございます。そういう問題を他面で持っております。しかし、そういうものでないものにつきましては、それはもう行政的に通産局が中心になりまして、各工場に対していろいろ注意を促し、いわゆる行政指導をしておるわけでございます。
○岡本委員 最後に、カドミウムによるところの汚染米が各所に出ております。たとえば富山県、あるいはまた群馬県ですね。この間播州にも出た。こういうようにあちらこちらに出ておるわけでありますが、一PPM以上は食糧庁が買い上げない、こうなりますと非常に困るのは農家の方です。それはやはり企業責任でもってこれを何とかしなければならない。そういうものに対するところの行政指導と申しますか、これもまあ工場、企業関係でありますので、通産省の姿勢をどうするかということをお聞きして終わりたいと思います。
○宮澤国務大臣 これは従来なかった問題でありまして、実は非常に困ったむずかしい問題でございますけれども、実際問題としましては、私ども企業側にいろいろ話しをいたしまして、たとえば富山県の場合におけるように、企業の側で農民に対していわば損失補償をするといったようなことをいたしておりますし、安中、群馬県におきましても、そういったような申し出が都道府県知事に対してあるというようなことで、企業も長くその土地ととけ合っていかなければならない立場でございますようなこともありまして、私どもそういうことを企業にすすめ、ただいままでのところは姿勢としては、企業側が損失をかぶっていく、補償していくというような体制になっております。
○岡本委員 じゃ時間がきましたから終わります。
○橋口委員長代理 午後二時十五分から委員会を再開することとし、この際暫時休憩いたします。 午後一時四十六分休憩 ————◇————— 午後二時二十一分開議
○橋口委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 岡田利春君。
○岡田委員 きょうは時間がありませんから、私は、公害関係について、若干問題提起の形で御質問いたしたいと存じます。 政府は、先般、昨今の公害のゆゆしき社会問題、政治問題に対処して、総理を本部長として公害対策本部を発足させたわけです。しかも産業行政を担当しておる通産大臣として、特に公害対策に対する決意と基本方針について、まだ正式に本委員会としては承っていないわけです。したがって、まず冒頭、産業行政の責任者である通産大臣としての公害防止に対する決意とその基本的な方針についてお伺いいたしたいと存じます。
○宮澤国務大臣 ときたま世間では生産か生活かという問題のとられ方がするわけでございますけれども、私は、わが国の場合、その両者を二者択一してとらえることは必要でもないし、適当でもないというふうに基本的に考えております。わが国はまだまだ経済成長力を持ち、そして国民の生活内容を豊かにする力を持っておるわけであります。したがって、その中において公害というものをどうして解決していくかというのが、私どもに与えられた命題であるというふうに考えておるわけであります。 午前中にも申し上げましたが、企業というものは社会の一つの存在として、当然社会に対していろいろの義務を持っておるものでありますが、その義務の程度というものも、ある意味で公害意識が強まるにつれ、またわが国の国民生活がともかくも一応の水準に達したということとも関連をして、時とともにその義務の性格、範囲あるいは内容等はきびしくなっていくことが、これは当然であると考えておるわけでありまして、国民が十分に健康を保持し、しかもいい環境の中で水準の高い生活を送るということについて、これは当然国家の義務でありますが、その義務を国が履行するとともに、また地方公共団体にも、また社会の構成員の一つであるところの企業に対しても、そういう義務を果たし、責任を尽くすために当然の協力をしてもらわなければならない、そういう形で公害というものを現在あるものを減らし、また将来起こり得べきものを防止してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○岡田委員 いま通産大臣が、公害対策とわが国の経済成長というものをいわば両立させて問題の解決をはかり、これからの成長を進めてまいりたい。そうだとすれば、そのために、従来の産業政策に対する政府の基本姿勢についてやはり再検討すべき問題点があるのではなかろうか、このように私は考えるわけです。 特にいまわが国の工場立法を見てまいりますと、工場立地の調査等に関する法律、あるいは工場排水等の規制に関する法律、さらに公共用水域の水質の保全に関する法律、大気汚染防止法、さらに騒音規制法、工業整備特別地域整備促進法、これらの一連の工場関係に対する立法が行なわれているわけです。しかし、私は、七〇年代はいわばエネルギーと基礎物資の時代である、そう見る場合に、特にこれらを総括的に政策として立てる必要があるのではなかろうか、こう実は考えるわけです。たとえば、かつてフランスで、産業経済というものは求心力の強い法則を持っていますから、どうしても過度集中する傾向にある、これを解決するためにいわば工場配置法という法律をつくって、特に首都パリ周辺に集まる工場の分散化をはかる。あるいはイギリスにおいては地方雇用法をつくって、第二次世界大戦後工場の分散化を計画的にはかっていく、しかもそのことが過疎過密の問題を緩和していく。こういう政策が次々ととられているわけです。ところがいわばわが国の工場立法は、昭和三十六年、ようやくにしてある一定の指定の工場については届け出制度というものが初めて採用されたわけです。しかし、七〇年代を迎えるにあたって、もう工場については当然これは許可制度にすべきだ。ヨーロッパではすでに許可制度をとっているわけです。そういう意味において、七〇年代に対処するために、工場適正配置法というような、そういう理念に立った工場関係の立法というものを基本的に樹立することが必要ではないか。そういうところから、初めていわば公害問題を解消しながらある一定の成長を続けていくという政府の基本的姿勢というものが、国民として理解できるのではなかろうか。そういう意味では、非常に私はおくれ過ぎておると思うわけです。国土の狭い、しかも高度な成長を遂げておるわが国の産業経済の実情でありますから、そうすると、一方においては、ある程度の社会的な要請に基づいた規制を加えていく、そうしてある程度計画の原理というものを競争の原理の中に取り入れていく、そういう立場こそ初めて経済合理性の立場である、こう私は理解をするわけです。そういう意味で、特に来年度予算あるいは来年度に向けて工場関係の立法をこの際整備をする、こういうお考えを大臣お持ちかどうか、この機会に承りたいと思うわけです。
○宮澤国務大臣 通産省におきましても、かつて工場立地の適正化に関する法律案というものを起案しようといたしまして、いろいろ研究をしたことがあったわけでございますが、御承知のような事情でこれは法案となるに至らなかったわけであります。そのかわりといいますか、それとの関連で、現在の新都市計画法において市街化地域と市街化調整地域というものの線引きが目下いろいろ行なわれているわけでございますので、ある程度これは一つの立地の規制ということに関連をしてくるわけでございます。それからまた、都市計画といったようなものも、それ自身ある程度立地の規制になっておりますし、また他方で、これは逆の方向からでございますけれども、大規模工業基地の建設であるとか、あるいは農村工業化であるとかいったようなものが、工場立地の一つの誘因になることもあるわけでございます。非常に理想的に白い紙の上に図面をかきますと、いわゆるゾーンを分けまして、ここが何々ゾーン、何々ゾーンということが理想的にはできるはずのものでございましょうけれども、現実にここまで来たわが国として、一挙にそういうことを計画するということはできにくいことでございますから、先ほど申しましたようなことで、徐々に誘導をするというようなことが現実的な政策ではないであろうか。したがって、ただいま言われましたような一つの計画的な手法によるところの法律というものは、理想的には考え得ることでございますけれども、わが国の場合、現実的にはなかなか適用されがたいのではないかというふうに私としては考えております。
○岡田委員 すでに発生している公害対策については、すみやかにその処置をとる、防止施設を改善する、あるいはまた排煙、排水その他規制をするという緊急的な措置をとらなければならぬわけです。しかし、すでに工場地帯であっても、あるいはまた新たな工場地帯であっても、いずれにしても新規に工場が設置をされるという場合には、少なくともこの工場が設置されて公害がさらに拡大をされるおそれがないとか、あるいはまたある一定時期公害というものが発生しないという確信がなければならないと私は思うわけであります。そのために、単に工場の設備のみならず、公害防止施設を含めた一連の施設について基準をきめて、これらについては政府が認可をする、許可をする、これはもうすでに諸外国では進めておるわけです。またわが国におきましても、ある一部分については認可制度を採用いたしておるわけです。そういう面から考えれば、やはりそういう姿勢がまずこの際産業行政を担当する通産省として出てこなければ、結局、公害対策というけれども、工場優先であり、国民の健康に関する公害は第二義的のものである、こういう印象を国民が持つことは、私はきわめて当然だと思うわけです。だから、すでにそういう工場についての認可の部分もほかの立法であるわけですから、これをある一定のものについてははっきりきめて、少なくともその拡大を防止する、こういう決意がなければならぬし、そういうものが政府の制度的なものとして施策にあらわれてこなければならぬのではないか、こう私は思うわけです。ですから、単に大臣が言うように、全部レイアウトをきめて理想的なものをつくるという意味ではなくて、一つ一つの工場、新しくできていく工場、こういうものに対するき然とした態度、施策というものがなければならぬのじゃないかという意味なんです。
○宮澤国務大臣 必ずしもいわゆるゾーニングということでなく、新しく公害を発生するおそれのある新規の工場立地ということでございますと、公害発生の産業の種類をどのように定義するかというような問題はございましょうけれども、それを認可制にするということは、私は考え方としてそれでいいのではないか。公害発生の危険のある工場に対しては、それの防除施設を十分講ずることを確認するというようなことは当然必要でありますから、それ全体を許可にかからせるということは、新しい方向として私もしかるべきことだというふうに考えます。
○岡田委員 わが国の行政力というものは、諸外国に比べて非常に強大なものを持っていると私は思うわけです。しかし、やはり国民の合意を求めるためには、単に行政力にたよるのではなくして、国の施策として公明正大に法律に準拠し、国民全体が理解のできる行政を進めていく、こういう意味で私は、そういう法律体系をぜひ整備をすべくこの機会に検討願いたい、こういう意味で問題を提起しておきたいと思うのです。 それと同時に、その実例として私は一つの問題をさらにお聞きしたいと思うのですが、いまわが国の基礎物資は年々増大をしている。たとえばいまそれぞれの金属物資の製錬所があるわけですが、これは臨海型の製錬所もあれば、国内鉱山に付設している製錬所もあるわけです。あるいはまた周辺の鉱山の鉱石を集める単独の内陸型の製錬所も存在いたしておるわけです。しかも公害防止についていいますと、鉱山に付属している製錬所については、厳格に公害防止施設については認可制度になっているわけです。いわば排水、排煙、鉱滓、騒音、これらの一切の問題については鉱山保安法三十一条によって政府は認可をするということになっている。ところが一方、臨海型の製錬所、各種製錬所がございます。あるいはまた単独の製錬所というのは、この鉱山保安法の認可を受けないわけですから、いわばその工場は届け出をすれば事足りるわけです。何がゆえに、鉱山の製錬所がこういう問題についてまで認可制度になっていて、普通一般の同じ製錬所——しかもいま鉱山製錬所であっても外国鉱石をそこで製錬するところがあるわけですから、法律的にもすでに一方は認可制度で、一方は届け出制度で、排煙問題についても別にその規制がないわけです。それは大気汚染防止法だけの規制なわけです。こういう実例から考えてみても、私は非常に問題があるのではなかろうか。 一方において、人の安全衛生の関係から見れば、鉱山に付属している、同じ敷地内にある製錬所については、これは鉱山保安法、保安規則によってその安全衛生が定められている。行政官庁はそうなっている。ところが一方、ほかの製錬所については、これは労働省所管であって、労働基準法の安全衛生規則の所管になっている。全く同じものが行政的には区別をされているわけです。 ですから、人の問題からいっても、あるいは公害の防止施設の許認可制度についても、こういう差別があるということはまことにおかしいのではないか。少なくとも鉱山保安法で定めている公害防止関係の排煙、排水、騒音、鉱滓処理、これらの問題は、単独製錬所の場合であっても当然鉱山保安法並みに政府が認可制度にすべきだ。先ほどの質問にありましたように、わが国の工場全体を新規の工場については認可制度をとっていくということになれば、また次元が変わってまいりますけれども、この部分を取り上げてもおかしいのではないか。こういう矛盾がすでに法体系、法律の中でもあるではないか。こういうところに、何か伝統的に、保安のやかましいところは公害問題についても認可制度になっている、ほかの同じ製錬所は単に届け出制度である、こういう行政の欠陥というものを、私は先ほど申し上げました問題と関連して早急に見直しをし、整備をはかるべきだ、こう思うのですが、大臣の見解はいかがですか。
○宮澤国務大臣 その点は、私どもも基本的に御指摘の線に沿って考えなければならないと実は思っております。従来、鉱山が鉱業法あるいは鉱山保安法の対象になって、俗にいう独立製錬所でございますが、これが対象になっていなかったということについて、これは沿革的に鉱山あるいは鉱業所からいろいろな金へんの鉱害というものが起こることは、もう長い歴史上わが国でも知られておりましたし、また保安の問題は当然だれでも感じたことでございますから、そこを規制をしておったわけでございますが、実はそれ以外にも独立製錬所というものは確かにあるわけで、せんだっても富山県で問題になったわけでございます。そういう意味で、沿革的にやってきたことが、最近の情勢の公害問題の意識から考えますと、どうも十分でない、独立製錬所はなぜほうっておいていいのかという問題になってまいりまして、そこで、これからどうやってこれを規制していくかということになりますと、先ほど申し上げましたように、公害基本法を書き直しますと同時に、大気汚染防止法あるいは工場排水法等も、いわゆる指定地域という考え方でなく広く適用する、そして重金属などもそれに当然対象として含ましていくということになりますので、その法律改正ができますと、独立製錬所であろうとなかろうと、すべて公害を規制されることになる。こういうやり方で次の国会には法律案の改正を御審議願いたい、こう思っておるわけでございます。
○岡田委員 通産省も組織、機構を整備して、公害保安局という組織もつくったわけですから、いわば産業公害という問題は、鉱山保安や工場保安と同じレベルに引き上げていく、こういう思想でそういう体系の整備をぜひこの機会に要望いたしておきたいと思います。 時間がありませんから、あと二間だけ御質問いたしますが、もう一つの問題は、石炭の場合については、石炭鉱害の復旧法並びに臨鉱法という鉱害関係二法が存在いたしているわけです。ところが、石炭よりも歴史の古いメタルの場合には、これは別に鉱害関係の立法はございません。また行政的に鉱害課の組織もないわけです。そうしてなすがままに歴史とともに流れてきた。そのことが重金属鉱害という新しい問題を今日提起してきている。まさしく制度のないところに、そういう政策のないところに問題が起きてきた、こう私は受けとめざるを得ないと思うのです。そういたしますと、この金へん鉱害は、休廃止の山も非常にたくさんあるわけです。坑口の周辺には鉱滓が非常にたくさん投げてあるわけです。雨が降ると、結局溶けて流れるわけです。ちょっと石炭とは違うわけです。こういう中で、しかもすでに資力のない休廃止鉱あるいは鉱滓が全国相当散在をいたしているわけです。これは一体どう対処をするのか。公害のほうでこの問題を処理できるということはいま考えられないわけです。そうすると、今後の公害基本法を改正するにあたって、これらの問題は、公害で解決するのか、金へん鉱害という面で新しい制度を受けて政府は解決しようとするのか。私は、そのいずれかを政策的にとらざるを得ないし、決断が迫られておると、こう実は判断をするわけです。こういう点について、最近特に公害中の公害といわれる重金属公害の問題に関連してどう対処されようと大臣はお考えになっておるか、見解を承りたいと思います。
○宮澤国務大臣 従来の法制でも、鉱業権者は、いわゆる閉山をいたしましてからあと五年間は、ただいま御指摘のような問題について責任があるということになっておったわけでございますが、その後の責任については規定されておらないというような欠陥がありまして、そこで、全国的に古い廃鉱がいろいろ害毒を流すということの御指摘が国会でもございました。そういうものを従来調査をしておったわけでございますけれども、ほうっておくわけにまいりませんので、明年度私ども施策として考えておりますのは、やはり国がある程度の負担をして都道府県に補助金を出しまして、そうしてそういう廃鉱から生ずるような鉱害の防止に処置をしてもらう、どうもこうしたことしかいい方法がなさそうに思われます。そういうことで対処をしてまいらなければならないと考えまして、実はつい一昨日も、私のところでそういう予算措置等々について協議をいたしたところでございます。そういう方向で解決してまいりたいと思います。
○岡田委員 時間がありませんから、最後にもう 一つだけ。人間が病気になった場合も、医学的には臨床医学あるいは予防医学、二つの分野があるわけです。私は、産業が病んでいるわけですから——公害を出すということはいわば病にかかっておるわけです。そういう意味では、臨床的に対策を立ててまいらなければならない面もありますけれども、やはり基本的には、公害を出さないという公害予防の施策を優先して進めていく、先行させる、こういうものがなければならないと思うのです。それでもやはりなかなか公害問題は簡単に解決できるものではないと思うのです。まして、産業経済が多様化してまいりますと、やはり公害も多様な公害、新しい公害というものも発生してまいるでしょう。しかしながら、やはり先行的には公害予防の施策を積極的に進めるということが一番大切ではないか。そのためには、財政、金融、税制の優遇措置をとらなければならぬことは当然だと思いますけれども、なかんずく大手企業の場合には、工場であろうと鉱山であろうと、いわば設備改善融資を受けてそれらの施設をするということが可能です。しかし中小の場合にはそうはまいらないわけです。まして鉱山のように、資本金五千万円以上であって中小鉱山という。鉱業政策上は中小鉱山であるが、中小企業の法律からいえば中小企業ではない。産業政策では中小であるが、中小企業の概念には入らない、こういう面も鉱山の場合には存在するわけです。そうすると、結局これらの施設に対しては、やはり特別な財政金融の措置、こういうものをとらざるを得ないのではないか、このように私は判断をいたすわけです。 そういう点について、特に大臣として、これだけ公害問題の解決を迫られておる時点に立って、たとえば新しく公害予防の事業団をさらに拡大をしていくのか、あるいはまたもう一歩進めて、公害予防の事業団ではなくして、金庫制度を創設するような積極的な考え方がこの際ないかどうか、見解を承っておきたいと思うのです。
○宮澤国務大臣 確かにそういう問題があるわけでございまして、けさほども申し上げたわけでございますが、公害防止事業団とか中小企業振興事業団の貸し付けといったようなもの、あるいは中小企業金融公庫の貸し付けもあるわけでございますけれども、そういうものの金融の道、それから休廃止鉱山につきましては、先ほど申し上げたと同じでございますが、そういったような措置を、特に中小鉱山だけにということでは必ずしもないかと思いますけれども、そういうことを強化してまいる必要があるのではないかというふうに思っております。
○橋口委員長代理 川端文夫君。
○川端委員 最近、公害の問題が非常に世論を高めておることは、もっともな条件であるし、喜ばしい一面であるとして、私ども歓迎いたしておるわけですけれども、政府もまたこれにこたえて、非常に熱心にやるというような声明をされて、今日まで幾多の試案を発表されてきたわけですけれども、昨日の政策審議会長会議においての自民党さんの態度なり、けさからの大臣の御答弁を聞いておりましても、やはり何となく、単にことばでその場合を逃げようとする、このような感じを受けてならないわけです。国民一人一人が悩んでおる問題でもあるし、次々と公害病が発生しているし、言うなれば一億総ノイローゼぎみ的な条件の中に、いろいろ研究なり調査というこのことばはたくさん出していただけるけれども、このことだけはどうしてもやりたいという決意のほどがちっともうかがわれない。この点をまず大臣の決意のほどを伺っておきたいと思うわけです。
○宮澤国務大臣 この点は、今朝も、先ほども申し上げましたし、私自身就任の当日から、通商産業省の現在最も大きな仕事の一つは公害問題にどのように対処するかということであるということを申した記憶もございまして、そういう心がまえでやってまいっておるわけでございます。 ただ、私の申し上げ方が十分御意に沿うまでのことを申していないという御批判はあろうと思いますけれども、これは企業側にいたしますと、何ぶんにもごく最近まで公害といったような問題には全く無関心でおられたわけでございます。いることができたわけでございますので、ここで相当思い切った転換をしなければならない。転換をするときに、何か非常に、いままで思ってみなかった、しかもなかなか自分の理屈ではのみ込めないような圧力のようなもので転換をしなければならぬというふうに感じますと、転換の姿勢というものは、自発的にかつ十分に行ない得ないというきらいがございますから、それで、できるだけ理性に訴えて、筋道を立てながら企業というものにこの新しい事態に対処してもらいたい、こう私が思いますために、私の申し上げることが、御期待なさるほどどうももう一つ切れがよくない。もっとドラスティックなことを言ってよさそうなものだという御批判はあろうかと思います。これはしかし、私多少意識してやっておりますので、企業に向かっては、よくよく問題の本質を見きわめて、どうしてもこれは新しい気持ちで対処しなければならぬ問題でございますから、いままでの惰性でばかりものを考えてもらっては困る、自分でわかって、自分で対処してもらわなければ困る、こういうふうに持っていきたいと考えておりますために、私の申し上げること自身が多少御意に沿わないという点はあろうかと思いますけれども、私自身が実はそういう気持ちでおるわけでございます。
○川端委員 われわれのかつては予想もしなかった化学的な光化学スモッグのような大気汚染も出てきている。こういう状態で、まだまだ研究の必要なものもあろうかと存じますけれども、現在日本の産業公害というものが目に余るものが出てきておる。この事実は明らかであるわけでありまして、これに対してまずできることからやらなければならぬし、将来の抜本的な問題も検討を必要とするであろうけれども、話を変えて、私は、少なくとも通産省として、考えられる産業公害を阻止するためにはどれくらいの資金が必要だとお考えになって、そういう計算をされた上に立っての問題点を考えられたことがあるかどうか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
○宮澤国務大臣 全体のシステムの面まで高めました費用というものは、これは計算をいたしたこともおそらくなかろうと思います。また事実上むずかしいであろう。具体的に、たとえば田子の浦なら田子の浦の地区で防除施設をするのにどれくらいかかるであろうかというような計算でありますと、これは六十億とか八十億とか推算がつくわけでございますが、全体ということになりますと、これは問題をどの範囲でどうとらえるかということもわかりませんので、おそらくそういうことはいたしていないだろうと思います。ただ申し上げられますことは、これは国民経済にとって全く新しい大きな問題でございますから、それが国の負担であろうと企業の負担であろうと、あるいは地方団体、またある意味では個人の負担にもなり得るわけでございますが、国民総生産の相当大きな部分を相当長い期間さいてまいらなければならない——長い期間と申しますよりは、あるいは今後それが経済の体質の中にビルドインされるまで、いわば従来考えられなかったような余分の費用が要るであろうということは明らかだと思います。
○川端委員 午前中の論議の中にもありましたように、エネルギーの問題一つとらえても、将来いわゆる産業発展計画というものが成長経済の中である程度のスローダウンもやむを得ない、それを犠牲にしてでも人命を保護しなければならぬという御意見もあったので、私はその点に対しては同感であります。しかし、現在起きているこの公害というものに対しても、将来のことではなくで、現在国民がこのように被害意識に立ってノイローゼぎみになっている条件の中に、私は一つ一つの公害除去のためのいろいろ防止策があろうと思います。時間の関係上、後ほど政府委員にまた質問いたしたいと思いますけれども、大臣にお伺いしたいのは、資金の裏づけ処置なしに、はたして公害がかけ声だけで解決できるのかどうか。特に中小企業の場合においてはそれができないのじゃないか、これが一つです。 もう一点は、公害事業団なりいろんな処置のしかたを先ほどからも答弁なさっておるけれども、全体としては、日本の経済全体の資金計画というものは日銀が立てて、いわゆる通貨の発行もいたしておるわけでしょう。したがって、こちらを公害に振り向ければ、現在の資金繰りが詰まっていくことは当然な事情になっていくのではないか。それらに対しては、公害のためにこれだけの予算処置くらいは当面必要だという決意を明らかにされることが、国民に安心感を持たせる大きな要素になるのじゃないかと思うのだが、それらに対しての考え方がおありかどうか、ひとつ承っておきたいと思うのです。
○宮澤国務大臣 国の施策として考えられるものだけでも、おそらく明年度の予算の中には相当膨大なものがあらわれることは避けられないと思いますけれども、それがどれくらいの金額になりますかは、ただいまおそらく各省要求中でございますから、私にはっきりしたことを申し上げる知識がございません。ただ、多少時間がたってまいりますと、おそらく国民経済の中で、あるいはGNPの中で、どれくらいの部分が公害のための支出になっていくかということは、これはやがて計算ができるようになるであろうと思います。現在できておるとは思いませんが、やがてこれは測定ができるのではなかろうか、それは私は相当大きなものにならざるを得ないと思っております。 なお、毎年度の資金計画でございますが、これは事実上国民経済の一年の運営を資金の面でとらえるという計画ではない。収支のつじつまを合わせるような計算はないわけではございませんが、実際問題として資金の面から計画していくという手法はとっておりませんので、そういう面から現在あるいは来年のことをとらえるということはむずかしいのではないかというふうに感じております。
○川端委員 すべてが国家の責任であるというようなやぼな議論をいたしておるわけではないし、企業側においても責任のある面もあるけれども、企業側がだんだんと出てまいる公害基準を守ろうとする場合に、それに対する対策費というか、資金を用意しなければならぬ。それが今日の企業の中でできないものをどういうふうに——おまえできないから商売やめろというのか、できない者に対してはこういう手当てをするという、この手当てのしかたの中に、私は、全体の資金計画のワク外に出すのか、ワク内でやっていこうとするのか、その決意のあらわれ方が国民に大きな影響を与えるのではないか、このことを聞こうとしておるわけですから、もう一ぺんお答え願いたいと思うのです。 もう一つ、俗に世間では、ここまで来ればしょうがないじゃないか、国民が一年に百円ずつ出し合っても百億の金ができるはずだし、公害のために協力しろといってくれるならば出しでもいいよ、これほど思い詰めた国民の感情もあるということを考えて、やはり早急にやらなければならぬことだけはやるという姿が出てこなければ、研究調査で時間をおくらしておる姿はよくないのではないかと考えて、御質問申し上げているわけです。
○宮澤国務大臣 たとえて申し上げますと、アルミの三十万トンなら三十万トンの製錬工場を建てるときに、従来でありましたらこれくらいのコストでできるという計算があった。しかし、これからのアルミの製錬工場というものは、必ずこれだけの公害防止のための施設を設けなければならないということに当然なってくるわけでございますから、それだけのものは企業を創業するときに、従来なかったところの負担として当然これは考えてもらわなければ困る。また、従来ありました工場でも、施設の改善をしていかなければなりませんから、それだけエクストラな資本支出が必要になる。これはどうしてもだんだんそうならざるを得ませんから、それだけ国民経済の負担はふえていくことになると思います。また、そうやってつくられました製品のコストにそれは当然はね返ってくることになりますから、いろいろ合理化をいたしましても、それが消費者の価格に何がしかはかかってくるということ、これも必然だと思うわけでございます。 それからそれと別に、国として直接に手を下すべき公害防除のためのコスト、それから国が融資等によって企業の負担をある程度助けていくというようなこと、これは公害防止事業団とか、あるいは開発銀行とか中小公庫とかいうことになるわけでございますけれども、そういったような資金の需要も必要になる。いろんな面から考えまして、ただいま御指摘のように、ということは、また財政の規模が大きくなることでございますから、それを場合によっては何かの形で国民に負担をしていただくということも、好ましいことと思いませんけれども、あるいは将来そういうこともあるかもしれない。といったようなことをいろいろ考えますと、国民経済の新しい負担であることはもう間違いございませんが、それを資金的に、短期的に、少なくとも明年はどのくらいの国民経済の資金量の増加になるかと言われましても、これはなかなか計算のしようがないのではなかろうかというふうに思うわけでございます。
○川端委員 いろいろ研究が必要な問題もあって、なかなか即答しかねると思いますけれども、たとえば一つの例を申しますと、東京都が公害に対して特別の中小企業に対する貸し付けワクをきめて予算化して出しておるわけです。しかし、これはもう七月で全部出払っちゃって、これからやろうというものに資金がない、こういう姿になって、これから秋の追加予算等で出すかもしれませんけれども、各方面に別な角度で資金を求めようとしても、いろいろ指摘をされても改善する資金の用意のできない中小企業が多いという中に立って、資金の裏づけ処置をしないで、ただかけ声だけでは実際上の効果はないよと、こういうふうに痛切に感じて、大臣にも決意を新たにしていただきたいということをお願いいたしておるわけです。この点は要望申し上げておきますから、いまここで具体的な数字を御答弁いただこうと思わぬけれども、単に従来の役所仕事的な姿だけでは、国民が不安で毎日過ごせないという状況になっている。この気持ちをどこでどう転換してもらうかということも十分お考え願いたいと思うわけです。 もう一つ、大臣がおいでる間に承っておきたいのは、産業廃棄物の問題です。産業廃棄物は、いろいろ調査されている姿を拝見いたしますと、大体産業廃棄物は、いま厚生省でやっておる家庭のごみ等の十七倍ないし二十倍出るという計算が出ておるようです。そこで、これらの問題に対して東京都なり大阪府なりにいろいろ照会いたしまして調べましたけれども、大阪等においては産業廃棄物処理センターを組織いたしまして、いま準備段階に入っておいでるようでありますし、東京都の場合においては準備室を先般設けた程度で、ようやく人が何人かきまった程度で、これから研究してものをやる、こういう姿にしかなっていないという実態になっているわけです。したがって産業廃棄物といえば、かなり大きな問題としてやはり間接的には公害を助成しているような一面が各地にある。たとえば塩化ビニール関係の製品にいたしましても、原油から硫黄を取るための作業をいたす中に、副産物として出てまいりますナフサは安いものですから、それを通じて弁当箱なりいろんなものをつくっておる。これが年々ふえていくわけです。これを焼却すれば、やがてこれが冷えた場合に塩酸として上から降ってくるという実害が出てくるであろうということは、各方面からいわれておるわけですが、産業を指導する、監督するという通産省の立場として、産業廃棄物に対してどういう見通しと計画をお持ちであるか、お答え願いたいと思うわけです。
○宮澤国務大臣 非常にむずかしい問題でありまして、ことにただいま御指摘の高分子の構造の産業廃棄物、グラステックスなどでございますが、これについては適当な廃棄、燃焼の方法すら実は開発されていないというのが現状であります。工業技術院においては、もう昨年からその研究をいたしておるわけでございますけれども、まだ実際に行ない得るようなパイロットプラントを完成するところには至らないということでございますから、ただいまは何となく下水道を通って海に流されておる、そしてプランクトンの発生を妨げておるというのが、憂うべき現状であろうと思います。ですからこの点については、技術開発がきわめて緊急な問題でありながら、完成をしていないというふうに聞いているわけでございます。 その他の産業廃棄物につきましては、これはそれほど技術的に不可能、道が発見されていないというわけではございませんから、たとえば私どものほうでも公害資源研究所でいろいろ研究をいたしたり、大阪、東京等でもセンターを設けるといったような動きが具体化し、あるいはあるといったようなことで、新しいいわば都市公害の一つとして取り組まなければならない問題であります。従来の公害基本法では、産業廃棄物は公害の発生源というふうには考えていなかったわけでありますけれども、これを、おそらく今度新しく御審議を願いたいと考えております公害基本法では、やはりその規制の対象にする、法的にそういうふうにすることが適当ではないかとして、ただいま私どもの間で、公害対策本部で議を進めておるところであります。あれこれ申しまして、この問題についての現在の処理の体制というものは、実はこれからしなければならないことがはなはだ多いというのが実情であろうと思います。
○川端委員 最後に一つだけ申し上げておきたいと思うことは、問題は、量が少なければ、今日たとえば自動車の台数がこれだけ増加しておらなければ、こういう大きな問題にならなかったであろう、こういうことも逆に言えば言えないことはない。しかしながら、日本の産業なり経済の成長を考えた場合に、量的な必要量というものの増大をいたずらに極端な減らし方はできないというところに悩みがあるわけですが、その量的な増加のためにいろいろ問題が出てきている。いま申し上げた科学的な研究の必要なもの以外に、たとえば自動車の整備をし、検査をするための廃油等においても年々ふえてまいって、現在では東京だけでも年平均約三千万トンほど出るそうです。したがって、どう処理しているのかといえば、このうち、三割ぐらいは焼却、ふろや何かに燃やすために出したり、そのほかの三分の一くらいは廃油再製業者にそれを回すということでやってきたけれども、量が多くてどうにもならなくて、このごろ下水等に捨てている者が出てきている。これがやはり海水を汚濁している原因にもなっているので、これらの業者に対していろいろ指摘した場合に——なるほど法律の上では消防法等があって、危険物として油の貯蔵等に対しては監督があるけれども、そういうものを廃棄した場合に、ここに捨てにいけば安全ではないかという指導の方針を何ら示してくれていないではないか。われわれは生きていくためにやむを得なくやっていることであるから、あんたら文句言うんならちゃんと政府と話をして、これをどこに捨てに行けばこういうふうに処理できるではないかという方針を出してくれれば、われわれそれに従います。何ら処理のしかたも教えないで、そこらへ捨ててけしからぬという取り締まりだけやってもらっても、われわれ生きていけないから困る、こういう返事をしているわけです。したがって、産業廃棄物のいろいろ出てまいる問題に対して、問題が起きてからではおそうございます。やはりいろいろな意味で、先取りではないけれども、こういう問題こそ事前に手を打って、こういう問題が起きるであろうということぐらいは、宮澤通産大臣のような頭のいい人は一まあこれはことしはこれで済むけれども、来年になり再来年になればこういう問題になるであろうから、十分その用意をしておこうというぐらいのことは準備をしていただきたいことを申し上げて、何かひとつ新しい決意をお示しいただきたい、こう思うわけです。
○宮澤国務大臣 先ほどもお話がございましたけれども、産業廃棄物というのは、実態的にどういう種類のものがどれぐらい出て、現在企業によってどういうふうに処理されておるかという調査を私どもいたしておったわけであります。今年実態調査をいたしまして、これがわかりませんとどうしても具体的な対策が立てにくいものでございますから、そういう集計をいたしまして、それに従いまして、明年おもな地域にこの処理の基本計画を立て、それを廃棄のための施設へ具体化していこう、こういうふうに実は考えております。したがって、どう申しますか、問題の実態調査から始めなければなりませんでしたために、時間がかかっておりまして残念でありますけれども、少なくとも明年はおもな地区の処理の基本計画を立てるところまではこぎつけたい、こう考えておるわけでございます。これが具体化いたしますと、ただいまのような住民の注文にもこたえることができるようになる、こう考えておるわけであります。
○川端委員 終わります。
○橋口委員長代理 加藤清二君。
○加藤(清)委員 ただいま三時十三分ですね。与えられた時間が二十分しかございません。しかるに、質問の内容は非常にたくさんございます。簡潔に質問しますから、簡にして要を得た御答弁をお願いしたい。 第一番、私はきのう起こりましたハイジャックの問題についてお尋ねすると言うておきました。答弁者来ておりますか。——この時間は質問者のなせるわざではございません。理事とよくはかってこの時間は除外してもらいたい。来るまで待ちます。
○橋口委員長代理 見えております。
○加藤(清)委員 見えておりますか。お答え願いたい。 第一点は、この前よど号事件が起きたのは三月である。そのおりに、二度と再びこのようなことは起こさせませんと当該大臣は答えている。にもかかわらず、あれから半年たつやたたずの間にまた同じような問題が起きている。これは一体どこに責任があるか。
○金井説明員 お答えします。 ただいま御指摘のとおり、三月によど号事件が起こりまして、それ以後起こさせないように努力したのでございますけれども、今回たまたま発生して非常に責任を感じております。 当時一番有効であると思われる武器発見器あるいはその他の機器の開発を急いでおりまして、それが近日ようやく完成して、徐々に各空港に備えつける段階になったわけでありまして、名古屋空港にはまだそれが当日できておりませんでした。今月の二十六日にそれを備えつけるよう準備しておりますけれども、その辺のことも一因かと思われます。
○加藤(清)委員 そのことはゆうべのテレビが各社一斉に報じている。名古屋空港、これはかつては乗降客が少ないためにJALははずされた例がございます。しかし、いまやたいへんな乗降客で、あのエアポートは殺到しているわけなんです。にもかかわらず、行政組織におきましても、人的問題におきましても、いま言うところの凶器発見器、その設備までがない。これは一体どういうことなんです。怠慢と言わざるを得ぬ。これは私が地元なるがゆえに言うわけではない。大阪空港にしたって、東京空港にしたって、ある程度の整備はされているけれども、特に名古屋以下の小さい空港においては、いま名古屋空港以下の設備しかない。二度と再び起こさないと言うた以上は、なぜ直ちにそのことに着手しないか。武器発見器なんというものは何も発明する必要はない。とっくによそにあるんだ。それを購入すればできるはずなんだ。なぜやらないか。怠慢である。
○金井説明員 武器発見器は確かに外国にはありますけれども、それよりもはるかに性能のいいものを開発しておりまして、それが近日開発されたわけです。外国のものに比べて三倍以上の能力のあるものを開発しておったわけでございまして、それがただいま全日空の場合には、便数の多い千歳、福岡、東京、大阪には全部備えておりまして、次に名古屋に、八月二十六日からその開発されたものを備えつけようとしておったわけです。 それから、ただいま組織云々の問題がございましたけれども、名古屋の全日空の組織、人数そのものは、便数に比べて適当な数だというふうに当局は思っております。
○加藤(清)委員 当局が思ったって、私はそう思っていないのだ。あれは支店にもならなければ、出張所のまた端くれになっておるんだ。あんた調べてごらんなさい。ほんとうに調べたのですか。調べたことがあるんですか。 と同時にもう一つ、時間が大切だから。私は、この際、あしたの一万円よりきょうの千円のほうが大事だという論議はしたくない。いかに性能が三倍になろうと四倍になろうと、きょうのどろぼうに間に合わなかったら、そんなことは何にもならぬじゃないか。そういうことを称してどろなわというんだ。そんなことがわからぬで、この場で言いのがれすればいいと思っでおったら大間違いだ。こういう事件が起きたときぐらいはもっと真摯な態度をとって、恭順の意を表する必要はないけれども、前向きの姿勢で、さてどうするかという問題を論じてもらいたいのだ。言いのがれなんか必要ないのだ。言いのがれしていればあなたの首はだいじょうぶかもしれないけれども、乗客の命のほうがなお大切なんです。だから、私は責任ある答弁のできる人を要求しておったはずなんです。それはあんたは技術屋だから大いにけっこうだ。研究は大いにやってください。しかし、あさって、しあさってには間に合ったけれども、きょうのどろぼうに間に合わなければ、これは何にもならぬ。省へお帰りになったら大臣によく御報告いただいて、地元民が安心して飛行機に乗れるような対策を早急に練ってもらいたい。わかりましたか。
○金井説明員 御趣旨はよくわかりました。
○加藤(清)委員 はい、それでけっこうです。実行に移しでください。 次に申し上げます。今度は大臣に直接承ります。 私、けさからじいっとここで聞いておりましてね、錯覚におちいっているんです。はて待てよ、ここは商工委員会のはずだったのに、公害委員会じゃないだろうか。公害委員会ならぼくはあの席へすわらなければいかぬのだが、これはどういうことだろう、そう思って聞いておった。そこで、それほど公害ということが問題にされているし、各議員の皆さんが公害に対して御熱、心でいらっしゃるという何よりの証拠だと思います。裏を返した話はあとにしまして、商工委員会ずばりの問題をお尋ねいたしまするからお答え願いたい。 この九月末、LTAの期限切れでございます。この行く負いかんは、ミルズ法案その他に及ぼす影響は甚大でございます。一体これはどうなさるおつもりですか。
○宮澤国務大臣 その問題はミルズ法案の帰趨にも非常に影響がございますので、実は私どもは、私どもの立場を留保したままの状態にしておるわけでございます。他方で、欧州、EECの国との間では、従来の協定にかえて新しいものをつくる必要があるいはあるかとも思いますけれども、これは今回のLTAのワクの中で必ずしも行なう必要はございませんから、われわれの立場は、LTAそのものについては留保したままでありましても、交渉を行なうことに妨げはない。米国との関係では、ただいまの二国間の協約はまだしばらく期間がございますので、これについて早急に処置をする必要はない、こう考えておりますから、しばらく立場を留保したままで——ミルス法案等々にも関連がございますから、このまま推移していくことがしばらくの間適当ではなかろうか、こういうふうに私としては考えております。
○加藤(清)委員 この九月の末に行なわれるLTAをいかにすべきや、今後継続すべきや、この際打ち切るべきやという問題について、これは事外交に関する問題でございまするから、ここであなたの答弁を強要はいたしません。しかしこれに臨むあなたの覚悟を聞いておきたいわけなんです。 うわさに聞くところによりますと、LTAの参加国の中に、これを継続したいという国がある、ゆえにわがほうもそれにならうんだという考え方があるようでございます。しかし、国益第一ということを考える外交、特に経済問題において、他国がそれの延長を望むから日本がなぜそれをまねなければならぬでしょうか。延長を希望する国は、それによって利益を受けているからなんです。受ける将来性があるからなんです。しかし、LTAが存在するがゆえに、これが法の精神を破って、期限切れ、期限切れと何度も何度も延長したがゆえに、その被害をこうむっている第一の国は日本である。国益を第一と考えられる、私が尊敬してやまない宮澤大臣だったら、これはどうお考えになりますか。
○宮澤国務大臣 綿製品のLTA協定が、発足の当初においてわが国に非常に大きな影響を与えましたことは、もう御指摘のとおりであります。ただ、これはちょっと別の観点になるかと思いますけれども、いまかりに綿製品のLTA協定というようなものが完全になくなってしまったというふうに仮定いたしました場合、相対的にでございますが、それがわが国にとって必ず利益になるかということになりますと、発展途上国との関係からいいますと、御承知のように必ずしも明白でございません。そういう問題が一つございます。しかし他方で、二国間の綿製品協定でございましたら、これはLTAとも関係なく、必要があればEECとの間に、やるつもりならできるわけでございますし、カナダとか英国ということになれば、これはまた両方の貿易協定との関連でできるわけでございますから、問題はアメリカになるわけでございますが、アメリカの場合には、たしか本年度の末までと思いますが、二国間協定が残っておりますから、そこでいまの、先日のLTAに最終的に署名をするかどうかというわが国の立場は、何もこの際急いで決定をする必要はない。むしろミルズ法案等々の帰趨を見ながらわが国の立場を留保しておくことが適策ではないか、こういうふうにいま考えておるわけでございます。
○加藤(清)委員 ミルズ法案は御案内のとおり休会に入っておるようでございます。九月初旬に開かれます下院のいわゆる本会議で審議されるでしょう。その後上院に回され、その結果いかんによって両院協議会に持ち込まれる、最後に大統領の問題、こういうことに相なると存じます。そうすると、これはかりにミルズ法案が実施されるとしても、その時期はアメリカの中間選挙以後だと思いますが、いかがでございますか。
○宮澤国務大臣 しかとはむろんわかりかねますけれども、中間選挙までにミルズ法案が成立する公算よりは、それ以後になる公算のほうが高いのではないかと思います。
○加藤(清)委員 そのとおりです。しかしLTAは中間選挙以前に審議が行なわれますね。同時にまた、先ほど武藤嘉文君の質問に出ておりました先進国会議の第二回目、これも九月の末に行なわれると思いますが、そうなれば、そのミルズ法案の行くえをながめて、それと相対応するということも必要ではございましょうけれども、それ以前にLTAの会議が行なわれるということになりますると、ただにらみ合わしておるだけではいけませんですね。日本の腹はいつごろおきめになりましょうか。
○宮澤国務大臣 それが先ほどから申し上げておる点でありまして、LTAのプロトコルにいつまでにわが国が署名をしなければならないかということは当面ないわけでございますから、署名をしない状態においてミルズ法案の審議の帰趨を見守るということが当面よろしいのではないかというのが私どもの考え方でございます。
○加藤(清)委員 第二回の先進国会議は九月に行なわれる、これはもう確かですね。先回、第一回の場合は、おたくの事務次官をはじめエキスパートが行かれたおかげで、業界もやれやれとほっとしたという結果のようでございまして、私はその功を多とするものでございます。しかし、この九月に行なわれまする今度の第二回先進国会議は、これが引き続いて行なわれるアメリカのミルズ法案に及ぼす影響は甚大だと思います。したがって、いまから準備おさおさ怠りなく、手抜かりのないように、これは長期戦でございまするから、あなたのおっしゃるとおり功を急ぐ必要はございませんけれども、十分準備の上九月会議に臨まれるよう要望しておきます。その際の代表はいまきまっておりますかおりませんか。
○宮澤国務大臣 まだきめておりません。
○加藤(清)委員 いつごろきまりますか。
○宮澤国務大臣 一応会議として予定されておりますのは九月の末でございますので、おそらくその二週間ほど前になりますと、会議をどのようにやっていくのか、どういう問題を討議するのかというようなことが多少明らかになってまいると思います。前回は御承知のようにもう自由討議ということでございましたわけで、ミルズ法案の審議とにらみ合わせながら、どういう会議をするつもりであるか、その時期になると多少わかってまいりますと思いますので、それによりまして日本から出ていってもらう人の人選をきめたいと思っておるわけでございます。
○加藤(清)委員 この際、この道のべテランの大臣ですから、私はもう別に強要はいたしません。信頼をいたしますけれども、ぜひひとつがんばっていただきたいと思います。 それは、ただ単に外交上の問題のみならず、このアメリカの繊維規制が及ぼす影響は、機場の末端すみずみにまで行き渡っております。いまこの法案が悪用されまして、それと金融引き締めの相乗積が倒産を誘発し、繊維構造改善の進行を妨げ、たいへんな工賃の低落を来たして、その結果は転業、廃業、倒産が続出する傾向にございます。私はつぶさに実地を踏査いたしました。夜中の十一時ごろに工場を回ってみました。たいへんな影響です。このことは、時間がございませんから、いずれ時間をいただいたときに論議をするといたしまして、一例をいえば、そのように末端の関係業者に及ぼす影響は甚大でございます。先進国、先進国とはいうものの、産業の中には後進国以下の業種がたくさんにございます。それらに及ぼす影響を十分御考慮に入れていただきまして、慎重にこれと取り組んでいただきたいと要望を申し上げます。 もうあとほんの時間なんですが、公害の問題について一言だけ私も触れさせていただきたいと存じます。 現在の公害問題は、一口にいえば欠陥とするところは、第一は行政がばらばらであるということ、第二は対策が後手後手になっているということなんです。第三は——ここから先が問題なんです。実態を調査に行きますと、ひた隠しに隠すということなんです。現にそのことはここでも行なわれておる。何々省のだれだれさん、きょう私が質問するから来てもらいたいと言って、それで私は五人要請しました。出られたのはあなた一人。こうなってくると、これはもはや、臨時国会を開いて、予算委員会を開いて、大臣をくぎづけにせぬことにはだめだ、こう思うのでございますが、どうなんですか。
○宮澤国務大臣 政府におきましては、すでに公害対策本部を設けまして、その主管の大臣をきめ、私ども一致協力いたしまして事に当たろうということで、ほとんど毎週会議を開いておるような次第でございますので、政府におきましても、十分問題に真剣に対処しておるものと考えております。
○加藤(清)委員 あなたはここで臨時国会賛成ですとは、ちょっと立場上言えないでしょう。言えないが、臨時国会を開いて、ほんとうに国民の要請にこたえたいという野党の意のあるところを認識していただきたいと思うのです。逃げて逃げて逃げまくって、自分の立場だけを守るのが能じゃないです。あなたがそうだとは言っていません。たとえばいまの運輸大臣でもそうなんです。 さてそこで、そのばらばら行政でございまするが、これも臨時国会を開かなければならぬ原因の一つなんです。商工委員会へ行っても、建設委員会へ行っても、社労委員会へ行っても、公害の出ぬ場所はないのです。ところが答えている人が、みんなてんでばらばらのことを言ってみえる。自分の立場を尊重して、自分の立場を逃げることばかり考えている。だから総理の陣頭指揮も、官房長官の、公害を出すような企業はつぶれてもやむを得ないという、そのことすらも実行に移されないわけなんです。 申し合わせの時間がもうあとほんの少々になりましたから結論的に申し上げますが、行政官がそうであるがゆえに企業もまたそのようでございます。責めると反発するだけです。中には木川田さんや松下さんのように、みずから進んで公害対策に巨財を投げている方もみえます。みえますけれども、ほとんどが逃げて逃げて逃げまくる。逃げるだけじゃない。うそを言うのです。 これが最後の質問です。田子の浦のヘドロ、週刊朝日までがもう一冊編集しておる。週刊誌にしてこれを書かぬところはない。にもかかわらず、元凶に会って尋ねてみると、私のところは犯人でないとおっしゃる。みんな、きれいに水を処理して、そうして海へ流しております、こうおっしゃる。じゃ犯人はだれですかと言うと、それは中小企業でしょうとおっしゃる。私のところはこんなにきれいにしてあります、こうおっしゃる。しかし裏手に回ってみると、裏の川からどんどん悪水が出ている。きれいな水じゃない。ほんとうに田子の浦のあの地帯、富士市に、廃水処理機関を持っている、それが完備しているという工場があったらお教え願いたい。 次に尼崎に飛びます。関電を調べました。通産省の指定はSO2の許容量が一・八でございますが、私のところは一・六でございます、こうおっしゃる。つまり許容量以下で勉強していますと言う。それじゃ犯人はあなた以外にありますかと言うと、そうではなさそうなんです。ところが現にもう尼崎では、あそこで尼崎ぜんそくがたくさん発生しておるのです。一・六とおっしゃるならば、じゃ一・六のデータを出してもらいたい、一体どこから油を買ってみえますか、山下さんなら三・七のはずだ、あなたのところはどうやってそれを一・六にしますか。重油専焼のかまが多い。重油にしぼれば、硫黄の含有量は三倍にふえるはずなんです。それがどうして一・六になるのですか。これの調査に行っても、このような報告を額面どおりまともに受けておると、政治家も行政官もやられてしまうわけなんです。したがって、これも参考人をここへ招致して、時間をかけて慎重に討議しないと、おのれみずから、どろぼうしましたと申し出る人は一人もない。こういう問題は、やはり大臣、ここだけで二十分で勝負をつけようというのではあまりにも酷なんです。呑舟の魚はみな逃げてしまう。だから臨時国会で大臣もくぎづけにし、参考人もどしどし呼んで、徹底的にまず調査をし、原因を突きとめて、その原因を除去するという行動に出ることが最も今日緊急な問題だと思いますが、大臣、いかがですか。それでもなお企業の味方ですか。
○宮澤国務大臣 田子の浦の場合、企業が、自分が犯人である、ない——まあ犯人ということばは、あまり厳格な意味でお使いになったのではないと思いますが、沿革的には、おそらくはあそこの岳南排水路とおっしゃいましたか、あれを使ってくれればいいんだ、それを建設省ということで、結果はしかし、工場側にも、また排水路の末端にも、何らの処理施設がないということでございましたからああいう結果になったわけで、これは企業側もそれでいいと思ったのでございましょうから、全体のそういう指導のどこかに間違いがあったということになろうかと思います。しかしいまとして、企業は廃水処理施設をつくらなければならぬと私どもも指導いたしまして、具体的に始めたわけでございますが、同じような意味で、尼崎の場合も規制基準以下であるということであれば、一応現在の行政に照らして違反をしておるとは申せない問題があるとすれば、その規制基準が国民の健康を守るのに十分であったかどうかということになるでありましょうけれども、それ自身がまた、従来の観念では守れないような基準をきめるということは、かえって法が軽んじられるということもございました。しかし、それらのことを全部考えまして、世の中の意識も変わったことでありますから、やはり可能な限りの、守り得る限りのきびしい基準を設け、そして全国的にシビルミニマムのようなことを考え、また企業の側もそれに対応した施設をしてもらう、こういうことにしなければならないと、いましきりに私どもやっておるところでございます。 臨時国会との関連につきましては、何とも申し上げられませんけれども、私ども、とにかく行政の総力をあげまして、この大きな新しい問題に対処をいたしておりまして、それに実は寧日なきありさまでございます。
○加藤(清)委員 時間が来ましたから、一点だけでおしまいにします。 ヘドロの投棄でございますが、これを海洋に投棄するという具体策があるようでございます。いろいろ調査の結果です。しかし、それをやられるというと、漁師は承知をしないと言っているのです。私は漁師の代表にも会いました。漁民の方々とも会いました。実力をもってでも阻止すると言っております。それは自分たちの漁場が荒らされるからでございます。それはいままでの投棄のしかたが、黒潮の向こう、黒潮の向こうと口で言いながら、実質はこちら側に流している例が、伊勢湾の政府のつくった日本合成ゴム会社にもあるからです。したがって、漁民が実力をもってでも阻止すると言っているあのヘドロの投棄はどこへどうなさるか。将来、一日に七千トンずつ出てきて、三千トンずつ蓄積されるそのヘドロはどうなさるか、これについてお尋ねして、これでおしまいにします。
○宮澤国務大臣 それらもいろいろ検討されておるようでございますが、確かに近間に捨てたのでは、これは新しい問題を起こすということで、黒潮の向こうまでということを考えておりまして、ただ、そのための十分な運搬の施設がないということだそうでございます。それを早急につくらなければならないのではないか。いずれにしても、少し先の問題といたしましては、わが国のいろいろな意味での廃棄物、これはかなり遠いところに廃棄をしなければならないと思われますので、いわばわが国と黒潮の向こうとの間にしょっちゅう船による往復が必要なことになるのではないかといったようなことを、私ども公害対策本部で議論し合っておるところでございます。
○加藤(清)委員 漁民対策……。
○宮澤国務大臣 でございますから、漁民に直接障害の起こるような投棄をするというわけにはいかないのではないかと思います。
○橋口委員長代理 近江巳記夫君。
○近江委員 きょうは非常に限られた時間でございますので、ポイントを質問したいと思っております。 まず最近、尖閣列島あるいはまた韓国と日本とのそうした間における鉱区設定の問題です。尖閣列島は国府との問題でございますが、非常にきびしい情勢になってきておるわけでございますが、政府としてもいろいろと交渉をされておると思うのでございますが、現在のその状態、またその交渉の経過等について簡単にお聞きしたいと思います。
○宮澤国務大臣 ちょうど外務省から専門の方がお見えになっておられますので、かわりまして御答弁をお願いいたします。
○金沢説明員 ただいま御質問のございました、韓国及び中華民国による大陸だなに対する鉱区の設定の問題についてお答えを申し上げたいと思います。 先般来、韓国及び中華民国政府は、わが国の関心を持っておるところの大陸だな地域について、それぞれ一方的に鉱区を設定したわけでございます。これに対しまして日本政府といたしましては、韓国及び台湾・中華民国の両国の政府に対しまして、わが国の領土との間に存在する大陸だなに対して一方的な権利を主張するということは国際法上有効なものではないと考えるという旨を、それぞれの政府に申し入れてあるわけでございます。これに対してまだ両国政府から、これに応じて話し合いをしようという回答は得てないわけでございますが、外務省といたしましては、本件の促進方を努力しておるという段階でございまして、本件を話し合いによって円満に解決を見るようにいたしたいと思っているわけでございます。
○近江委員 私も、この件については円満に解決をしてもらいたいと思います。きょうは両角局長も来ておられますが、私もだいぶ前にそのことを申し上げたことがあるわけです。現実の問題となってこうした問題が出てまいりましたそうした点、私も国民の一人といたしまして非常に心配をしておるわけです。しかし、両国とも一方的にそうした鉱区を設定してきておるという、そうした態度から見まして、あくまでも円満に話し合いをしていただきたい、解決してもらいたいと思いますけれども、非常に難航が予想されるわけです。話し合いを進めるけれども、どうしてもなかなか進まないといった場合、永久に平行線をたどって、そのまま押し問答で進むのかどうか、国際的にもいままでそうしたことはなかったかどうか、そうした点を織りまぜて、今後の政府の姿勢というものをお聞きしたいと思うのです。もしなんでしたら、初めに外務省が来ておられますから、そのあと大臣からお聞きしたいと思います。
○金沢説明員 ただいま御質問の点でございますが、国際的には、たとえば昨年の二月に国際司法裁判所の判決のございました、一方オランダ、デンマーク、他方にドイツを訴訟当事者とするところの北海の大陸だなに関する事件の判決というような例もございます。しかしその判決の内容にも、大陸だなに関する境界の設定については話し合いによってきめるということが国際法の原則であるということをうたわれておる次第でございまして、そういう裁判に訴えるということは、われわれとしては当面考えずに、韓国及び中華民国、両国ともわがほうと非常に友好的な政府でございますから、話し合いによりまして、問題の円満な解決をあくまではかるように努力したいというふうに考えております。
○近江委員 私も、大陸だな条約のことについては若干研究をいたしました。日本、そして国府、韓国とも大陸だな条約には入ってはおりませんが、国際慣習としてそれは適用される、その辺のことも聞いております。そういう点で、今後できるだけ円満な話し合いをしていきたい、このようにおっしゃっておりますし、事外交問題でもございますし、この問題については外務省の見解を聞かしていただきましたから、あと大臣から、通産省として、担当大臣としてどういうお考えかお聞きしたいと思うのです。
○宮澤国務大臣 この問題につきましては、私どももかなり前から問題の存在を知っておるわけでございますが、ただいま外務省からお話のございましたように、訴訟というような方法はどうも適当でない、それは事を荒立てるのみならず、そもそも大陸だな条約そのものの規定が必ずしも厳格でございませんから、訴訟をしてお互いに満足な結果が得られるというような、従来の判例の集積がないわけでございます。そこで私どもとしては、外務大臣の御方針のとおり、韓国、台湾とも非常に密接な関係にございますから、またしょっちゅう行き来もございますので、お互いに話し合って、まあまあ両方でお互いにある程度満足だというような答えを出そうではないか、そういう方法が一番よろしい、いわゆる外交ルートに乗っけようということで考えております。 実は、先般日韓閣僚会議がソウルで開かれましたときに、私どもはそのことについては公には一言も申さなかったわけでございます。ただ、個別的な私的な相手方との会談におきましては、私自身も公の席でこのことを一言も申さなかったのは、われわれがこの問題について関心がないからではなくて、むしろ非常に関心を持っておるので、公の席で討論することが、どうも問題の解決のために必ずしもいいことではない、こう思ったからでありますと申しまして、今後私的な場合夢通じて、静かな外交、いわゆる外交ルートを通じて話し合いを詰め合っていこうではないかということを話し合ったような次第でございます。
○近江委員 それから、国府がガルフ社の日本法人パシフィック・ガルフ社に対して石油鉱区権を与えたということは、このガルフ社は、尖閣列島付近は国府の領有権があると見ていたことになるのじゃないか。これは合弁会社で、言うなら日本の法人じゃないかと思うのですが、どうして日本政府の見解に従った行動をとらなかったのかということなんです。この辺は外務省としてはどのようにお考えでございますか。
○金沢説明員 いまの御質問にお答え申し上げたいと存じますが、米国のガルフ社が中華民国政府に対して石油採掘権を申請したというふうにわれわれも承知をいたしておりますが、どういう理由で中華民国政府に対して申請をいたしまして日本政府に申請をしなかったかという点については、私どももはっきりした事情はまだつかんでいないわけでございます。これは外国の一つの民間企業の行為でございますので、これにつきまして政府としてあまり論評することは、適当ではないのではないかというふうに考えております。
○近江委員 それで、大臣から先ほど御答弁があったわけですが、この大陸だな条約自体も不備ではないかというような御発言もあったわけです。私たちもいろいろとあれを検討してみまして、考えるべき点があるんじゃないかという点は、幾つか私たちも感じているわけです。そこで条約を改正するとした場合、ちょうどそういう時期にそれは当てはまるときでございますし、今後わが国政府が、条約改正あるいはこの条約締結の必要性ということを国際的に大きく呼びかけていかれるかどうか、そういうお考えがあるかどうか、その点を外務省と大臣にお聞きしたいと思います。もしなんでしたら大臣……。
○宮澤国務大臣 わが国としては、まずこの条約に加盟すべきかどうかということを実は国内的に解決しなければならないわけでありまして、御承知のように、これは両方からいろいろな議論がございますので、その点をきめるのが先決ではなかろうか。それから、条約があのような、現在のような書かれ方をしてございますのは、御承知のように長いこと非常な議論がございました。学者による議論が、もう何年問とジュネーブで行なわれたわけでございますけれども、結局どうもああいう書き方しかなかったということではなかったのか。そういたしますと、これは話し合いによって解決するのが原則だというようなことに、結局戻らざるを得なかったのではないかと思いますので、新しくうまいものが書けるかどうか、それはなかなかむずかしいのではなかろうか。 いずれにしても、わが国としてはこれに加盟すべきかどうか、とれをきめなければならない、これが先決だろうと思います。
○近江委員 この間、米国の海軍が十八日に、フロリダ州のケープケネディ沖合い四百五十キロ、深さ四千八百メートルと聞いておりますが、大西洋に神経ガス弾一万二千発を投棄したわけです。これは汚染を理由に、米国内あるいは国際的にも非常に反対が出ていた問題です。結果的に見れば、公海というものをごみ捨て場にしたのではないか、きびしく見ればそういう見方があるのじゃないかと思うのです。御承知のように、この廃棄中止の訴訟を環境防衛財団のEDFなんかがやっておりますし、あるいはそういうような生物に対する影響の疑問というもの、あるいは汚染の問題をいろいろと表明しております。あるいは国連の海底平和利用委員会に、セイロンが十八日に、米国の投棄に懸念を表明しているわけです。そしてそれを提出して、委員会はこの決議案を採決するかどうか今後よく検討したい、こうなっておると聞いておるのです。あるいは米下院議員のマッカーシーという人は、コンクリート詰めば不適当である、こういうような表明もしているわけです。私もこの六月に、海洋開発を進めておるおもな国を訪れて現地を見てまいりました。どこでも異口同音に言っていることは、海洋汚染の問題等については、国際的に真剣に取り組んでいかなければだめだ。あるいはラー二世号のヘイエルダール船長の話でも、大西洋のまん中まで汚染されているとか。要するに、これは自然環境の破壊につながってくるたいへんな問題じゃないかと私は思うのです。 そうしましたときに、たとえば田子の浦のヘドロの問題にしても海洋投棄をする。漁業者がものすごく反対している。黒潮の外だったらだいじょうぶというようなニュアンスの発言があったわけです。しかし外洋であれば安全であるというような根拠はどこにもないわけです。各国が真剣に海洋汚染という問題を考えていかなければ——日本は御承知のように四面海です。少なくともこうした環境保全の問題、海洋開発を進めていく上においては、真剣にまじめにそういう呼びかけということを国際的にもしていかなければならない。そうした場合、その汚染の問題あるいは海洋生物に対する影響とか、そういうような研究もせずに黒潮の外だったらいいというようなことについて、私は重大な国際的な論議を呼ぶのではないか、このように思うのです。その点、大臣の御発言は、何か外だったらいいようなお話に聞こえたのですが、この海洋汚染という問題についてはどのようにお考えでありますか。 〔橋口委員長代理退席、委員長着席〕
○宮澤国務大臣 実は、私も黒潮の向こう側と申し上げながら、自分で少し恥ずかしい思いをしておったわけでございまして、黒潮の向こうならいいのかという問題は、やがてはぶっからなければならない問題だと思います。そこで私は、原則は、かりに投棄をするにいたしまして、その前に無害化するという時代が来なければならないのだと思います。それはきょうあすにできるとは思いませんけれども、何を投棄するにいたしましても、それを無害な形にして投棄するということまで技術が進みませんと、実は遠くの海に捨てればいいということは、いまわれわれがその辺の川にものを捨てればいいということとあまり思索において変わりがない、それはおっしゃるとおりだと思いますから、やはり技術の関発、進歩によって、とにかくそのものを無害化するというところにまず持っていかなければならない。その後であれば、あるいはまた投棄することも許されるかと思いますけれども、いまのところ、公海、遠くの海であればしばらくはといったようなことで、恥ずかしいことですが、やむを得なかったと思います。しかし、これでいつまでも済ませられる問題ではなかろうと思います。
○近江委員 率直な御答弁だと思います。たとえばヘドロの問題も、いまおっしゃったように今後は無害化していく、そうなってくれば膨大な終末処理の施設が必要で、これも考えてみれば、ばく大な財源等も考えていかなければなりませんし、大体田子の浦の問題も、ああいう岳南排水路をつくらして、終末処理場もつくらせずにそのまま流しておった建設省にも問題がある。あるいはそれを見ておった海上保安庁も、一体何をしておるのか。あるいは自治省も県自体も、いままで問題になるまで、簡単なしゅんせつをやっておったと思うのですが、その辺のところも非常に何かいいかげんな態度ではないか。通産省はヘドロを出してきた根本なんですからもちろんですが、そういう点で関係各省がほんとうにいまこそ真剣にえりを正して、お互いに各省のセクトを排して、この公害問題の対策を練っていかなければならない、こう思います。きょうは時間もありませんので、私はまたあしたそうした問題についてさらにお聞きをしたいと思っておりますが、そのようにひとつ前向きに、そうした技術開発あるいは財源の裏づけ等、それを出されるのはやはり通産省、所管のところが責任があるんじゃないか。その点ひとつ大臣が中心になられて、通産省が中心となって、どうか真剣な公害対策をやっていただきたい。どれを強く御要望しておきます。 それから、まだちょっと時間ありますので……。前委員会におきまして商品取引の問題について、まだこの表ができてないか、総括の数をそのとき政府に答弁をいただきまして、向こうの自主的な提出の数字と非常に違うじゃないか、被害が拡大ということで、非常に大きな関心をさらにまた集めたわけでありますが、今回このように両省が御調査をされて、提出を前に私も要望しておきましたので、きょうは出していただいております。あとでもう一ぺんゆっくり見さしていただきたいと思いますが、いま当然許可制の段階に来ておりまして、大事な時期を迎えておられるわけですが、こうした実態調査等をもとにして、今後の大臣のそうした商品取引問題に関する姿勢をお聞きして、私の質問を終わらしていただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 すでに取引所にも審査基準でございますか、選考基準を示してございまして、これで客観的な減点法によって評定をしよう、こういうふうに考えまして、その仕事がすでに進んでおります。おそらく取引所からは、そういう評価によりまして一番問題ないものを第一次として認可を求めてまいるものと思いますが、後に残るものの中には、いろいろの問題がやはりございましょうと思います。 そこで、全体をABCDとかいうようなカテゴリーに分けまして、Aというものにはおそらく問題はない、しかしDということになるとこれはどうだろうか、減点法によりまして評価をし、資産の内容ばかりでなく営業に対する基本姿勢というようなものも考えつつ、残しておくことが有害と考えたものは、残念でありますが、許可をしない、こういうことでやっていきたいと思っております。
○近江委員 では時間がありませんので、最後に大臣に要望だけもう一ぺんしておきます。 先ほどの海洋投棄の問題。技術開発あるいはそういう施設をつくるまで、相当時間もかかるんじゃないかと思うのです。その点、それでは処置の方法がないから、ただ現状は納得ができないけれども投棄するのだ、そういうずるずるとした姿勢ではなくして、ひとつ真剣に海洋投棄という問題について早急に対策を立てていただきたい。特にこの点を要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○八田委員長 米原麺君。
○米原委員 私も、緊急な問題としての公害問題についても質問したいと思っていたのですが、時間がありませんし、公害委員会で質問することにしまして、本日は海外経済協力の問題について若干大臣に質問したいと思うのです。 というのは、最近海外援助を増大するというようなことがしきりにいわれております。特に責任ある大臣が、海外におけるさまざまな国際会議で、国民総生産の一%まで援助をふやすというようなことを約束しておられます。五月二十日にパリのOECDの閣僚理事会に出席された宮澤さんが、また五月二十二日に第五回東南アジア開発閣僚会議に出席された愛知外務大臣が、いずれも、一九七五年を目標にGNPの一%までの援助実現を約束されております。新経済社会発展計画によると、七五年のGNPは三千九百六十億ドル、その一%となると約四十億ドル、一兆四千億円となります。たいへんな額です。そういうものを国際会議で約束されているのです。そういうところに海外援助を持っていくのが適当かという配分の問題じゃないのです。問題は、こういう一%の援助というふうなものを、まるで動かしがたい国際義務のように扱っておられるところについて質問したいのです。 この目標は、御存じのように、一昨年の第二回国連貿易開発会議でピアソン委員会の報告、すなわち一九七五年までに先進国はGNPの一%の援助目標の完全達成、そのうち政府援助を七〇%までに引き上げるという報告、この報告を支持しておられるわけでありましょうが、この報告そのものは、何も国際強制力を持っておるものじゃない。先進国の努力目標として提起されたのだと思うのです。ですから、こういう問題を自分の国の国会で何ら審議もしていないし、こんなことを、どこの国の閣僚も国際会議で言っているということを私は知らないのです。そういう例はないと思うのです。それなのに、わが国の閣僚だけは、なぜこういうことをしきりに国際会議で約束されるのか。しかも、七〇%までは政府援助ということになりますと、日本の国会で当然審議されなければならぬ問題だと思うのです。憲法第八十五条の精神からいったって、国会の承認なしでそういう一兆四千億円というような援助が一体できるのかどうか。しかも、こういうことを国際会議で約束のようにどんどんしゃべっていかれる。これは非常に無責任なことになるのじゃないか。そういうのっぴきならない約束を国際的にしてしまって、それを既成事実にして、それを踏み台にして援助を拡大するという方針を貫くためにやっておられるのかどうか、そのあたりの責任を明らかにしてもらいたい。
○宮澤国務大臣 この一%援助問題は、御承知のように、ピアソン報告をはるかにさかのぼりまして、一九六三年でありましたか、四年でありましたか、UNCTADが始まりました当初から実はございました。もっとも当初は国民所得の一%と申しておりましたが、その後それが国民総生産の一%ということになりまして、これは東西両陣営とも入っておりますところのUNCTADの会議において、いろいろ各国とも表現は違いますけれども、努力目標あるいは達成目標、いろいろな形でお互いに国際的な場で、程度の差はございますが、ひとつ真剣に考えてみようということにつとになっておるわけでございまして、今年UNCTADの総会で、おそらく多くの国がそういう意図を表明するものと思われます。この点は、援助というものの内容が非常に幅が広うございますから、それによって国民の負担をふやすという約束を必ずしもするということにはなりませんし、また約束のしかたでございますが、努力目標としたいということについては、別段いわゆる条約といったような性格を持つものとは思いません。 ただ、そこで最後に一言申し上げておきたいことは、確かにピアソン報告は、その中の七割は国の、ガバメントベーシスの援助でなければならぬということが書いてございますが、この点についてはわが国は、そういうことは日本としては実現が可能でないと思う、GNPの一%を努力目標とすることは承諾をするが、その七割を政府援助とするということは日本としては約束ができないということを、先般もOECDの場で私、発言をいたしております。 なお、一%云々を公の国際会議で言っておるのは日本だけじゃないかということにつきましては、これはさようではございませんで、先般のOECDの閣僚理事会におきまして、多くの国から同じような意思表示があったわけでございます。
○米原委員 それでは、この対外経済援助については、問題はどういうふうな援助を進めるかという実体が特に問題だと私は思うのです。前に輸出保険法が審議された際に、私はこの委員会でカリマンタン森林開発協力会社の場合を例にあげて質問した。その問題については、もう大臣には質問しません。明日局長にさらにあらためて詳しく聞きたいと思うのです。 ただ、現在行なわれているいわゆる経済協力といわれる中で、いろいろ問題があると思うのです。たとえば五月二十九日の閣議で、カンボジアに対して、いまあの戦争が行なわれているカンボジアに対して、約二百万ドルの援助を出すということをきめられた。実際にもこの数日前に、その二百万ドル分に相当するものが送られたということも新聞に出ています。あの当時記者会見の新聞を見ますと、愛知外務大臣は、これは軍事援助じゃない、援助物資は医療品、それから衣服、そういう性質のものだということを説明されました。そして軍事につながるものは絶対避けるつむりだというようなことも言っておられる。ところが、実際はそのときにもトラックがかなり入っております。カンボジアのほうの話を聞きますと、実際は軍事作戦上トラックが一番必要なんだ。しかも、今度は第二回目の援助として、トラックなどの運輸手段を中心にした追加援助をやるということを政府がきめられようとしておるということを聞いておりますが、これは事実かどうかひとつ聞きたい。
○宮澤国務大臣 ただいま外務大臣並びに外務省の関係者がおられませんので、私つまびらかにいたしません。
○米原委員 それでは、またこれはあとにしますけれども、最初の言明のような、非軍事的なものだということと全く反するものにすりかえられていこうとしていると思うのです。そういうことをやっていきますと、いまのインドシナの情勢からいいますと、そういう形でどんどん経済援助の名のもとに軍事的な面にまで深入りされると、のっぴきならない事態が私は起こりかねないと思うのです。経済援助については相当慎重にやらないと、やり方によっては日本が不評判をこうむっている事実は幾らでもあります。そういう中で、いま一番国際的に注目の的になっているカンボジア問題、その中の軍事的な方面に片足を突っ込むというようなことがあると、取り返しのつかない事態になりかねないと思う。この点だけ、絶対そういうことをやらせないように、通産大臣としての決意を聞きたいと思うのです。
○宮澤国務大臣 現に戦闘中にある国に対して、いずれかの戦力の増強に役立つような経済援助をするということは差し控えなければならない、これは御指摘のとおりであると思います。従来もそうやってまいりましたつもりで、もっぱら民生安定ということの援助をしてきたつもりでございます。これからもそうあるべきことと思います。 なお、トラックが民生安定に寄与をするということは申し上げるまでもないことでございますが、これが軍事援助であるかどうかということについては、いろいろ議論もございましょう。いずれにいたしましても、いずれかの戦力に積極的に寄与するような形での経済援助はつつしむべきものである、私どもそう考えております。
○米原委員 その点からいいますと、カンボジア方面から来ている情報によると、軍事的には輸送手段が一番足りない。そして南ベトナムの軍隊とかタイ国の軍隊とかいろいろな部隊が入っていく中で、トラックが一番問題になっているんだということをいろいろなところで報道しております。そういう意味では、トラックというのは民生安定の手段というよりも軍事的な必要で行っていることは明らかだと思うのです。そういう点で、一般的に言ったらトラックは何も軍需品ではないと思うのですが、実際にカンボジアの場合はそういうことだといわれております。そういう意味で、そういう援助を広げていくという考え方、これに対しては通産省のほうでもストップをかけてもらいたいと思うのです。これを要望しまして、私は明日ほかの問題で質問することにします。 これで終わります。
○八田委員長 中村重光君。
○中村(重)委員 通産大臣は四時からの御予定があるようですから、そこで二十分後にはお引き取り願ってけっこうでございます。私の質問は続けてまいります。 ただ、この際大臣に要望いたしておきますが、委員会は一カ月前からきょうだということがわかっておったわけです。四時ということになりますと、相当おそい時間でもあるわけです。また、十二人という各委員ともにたいへん熱心に勉強し、質問をいたしておるようでありますから、大臣が四時に引き揚げることはまあまあ非常識だということにはならぬと思います。しかし、まず一カ月前に予定をされている以上は、できるだけ委員会が終わりますまで、所管大臣ですから委員会に詰めていただきますように、この後は御注意をお願いいたしておきたいと思うのです。 当面の重大な問題である第三次自由化の決定もあったわけでありますし、そのことについてもお尋ねをいたしたい。また繊維の問題等に対しましても、お尋ねをいたしたいことがたくさんあるわけでございます。しかし、時間の関係もありますので後日に譲るといたしまして、公害の問題に対して大臣に簡単にお尋ねをしておきたいと思うのです。 申し上げるまでもなく公害は、いまや政治の重大な課題であると私は思います。また通産大臣といたしましても、公害問題に対して非常に意欲的に取り組んでおられるということを私は率直に認めたいと思うのです。先ほど同僚石川君の質問に対しまして、経済成長をダウンしてでも公害の発生を防止していかなければならぬというお答えがあったようであります。私は、そのことは大臣の姿勢のあらわれであるということに評価をいたしたいと思うのです。しかし、ことばではなくて、実際問題としてどうするのかということではないでしょうか。経済成長をダウンする、公害防止をやるのだ、それではどういう方法でやるのか。具体的には政府としてもいろいろ検討し、施策を構じておられることでありましょうし、また、発表されていないことでもいろいろつとめておられる点もあるのだろうと思うのです。やはり設備投資を押えていくという方法も必要でしょう。あるいは生産をダウンさせる、いわゆる操短もやるということだって必要になってくるのではないか。いろいろ先ほどの大臣の重大な答弁でございますから、ある程度具体的な考え方の上に立ったお答えであると私は思いますので、その点に対しましてのお考え方をお示しいただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 先ほど石川委員にも申し上げておりましたように、考え方といたしましては、公害防除あるいは公害防止というような種類の投資は、いわゆる再生産的な投資では本来ございませんから、しかも相当のコストのかかることでございますので、純粋に経済だけを考えますならば、これらが再生産に果たす役割り、投資の効率というものは大きくはない、むしろ非常に小さいと考えなければならないと思います。それだけ国民経済の総生産の資源をそういうほうへさかなければならないわけでございますから、次の国民総生産を考える場合、それらは再投資としての役割りを果たすことはおそらく非常に少ないと考えられます。また、そうしまして生産された生産品のコストは、当然それだけ高くなるわけでございますが、これはいずれかの形で消費者が負担をしなければなりませんから、そういう意味で実質消費は、これも経済的な面だけ申しますと、小さくなってくると考えざるを得ないかと思います。また、この公害防止ないし防除については、国も地方公共団体も相当の出費をしなければならないことが明らかでありますが、これらも、最後のところは何かの形で国民の負担に転嫁されていくと考えられますから、その投資及び国家財政並びに国民消費、いずれの要素から考えましても、公害に対処するということは、将来の経済成長にとっては、それ自身としては、経済面だけ考えますれば重荷になる要素である、こう考えるわけでございます。しかしそれでもなおGNPの大を誇るよりは、むしろ充実されたGNPの、たとえ伸び率は減りましても、そのことのほうが大切である、こういう考え方について申し上げたわけでございます。
○中村(重)委員 時間の関係がありますから、反論はきょうはいたしませんが、たとえばこの無過失責任の問題にいたしましても、内田厚生大臣がたしか参議院の委員会かで、企業の公害に対する無過失責任を追及するのだという発言が実はあったと思うのです。通産大臣もそのような発言をしておられるわけでありますから、いまや政府の姿勢となったと私は思うのです。しかし、無過失責任の追及ということにつきましても、なかなかその限界というものがむずかしくなってくるのではないか。しかしやらなければならない、こう思います。これらの点に対しても、いろいろ詰めてやっているのではないかと思いますが、どのような考え方を具体的に持っているのでございましょうか。
○宮澤国務大臣 これは中谷委員にも先ほど申し上げましたように、法律の専門家でない私がお答えをいたしますことはどうも不適当でございまして、およそ無過失責任というものが、民事及び刑事上、どういう従来の法体系とマッチするものであるかということが、もう一つ政府としてはっきりした結論を得ていないというのが現状ではないかと思います。民事賠償責任について、たとえば挙証責任を転換させるというようなことは、これが考えられることであるかどうかというのが一つでございますし、刑事となりますと、現行刑法との関係で、故意または過失なきものについて刑罰を科し得るかということになりますと、法理論の中では大問題であろうと思います。したがいまして、無過失責任論が民事並びに刑事について、現実の政策、立法政策としていいか悪いかという結論をまだ得ていないというのが現状のように私は承知しておりますけれども、これにつきまして、少し先まで見渡しましたところの答弁を申し上げますことは、どうも私はその衝におりませんので不適当でございまして、法務当局からお聞き取りをいただきたい、こう先ほども申し上げたわけでございます。
○中村(重)委員 無過失責任の問題にいたしましても、たとえば公害罪の問題にいたしましても、委員会等における質問に対して、たいした問題ではないような答弁をよくされるのですよ。しかし、これはきわめて重大な問題でしょう。無過失賠償責任の追及の問題にいたしましても、法律の責任者でなければなかなか答弁はむずかしいのだ、こうおっしゃった。公害罪の問題においではなおさらだと私は思うのです。ですから、少なくとも国民に対して無過失賠償責任を追及する、公害罪を制定をするのだということは、重大な政府としての発言なんです。だから、少なくとも委員会においては、具体的にある程度のその考え方を明らかにしていくということでなければ私はならぬと思う。私は、こういった問題が単に宣伝に流れてはいけないと思います。特に通産大臣としましては、その点に対しては、公害関係の所管大臣と申し上げても差しつかえないと思うのであります。十分配慮し、そして出たん国民の前に明らかにしたものは必ずこれを実現をしていくということでなければならぬと思います。 公害罪の問題にいたしましても、よくいわれることばですが、要いやつほどよく眠るということばがありましょう。炭鉱災害等におきまして、実際にその罪を問われる者は小ものなんです。大ものが追及されるということはほとんどございません。私は公害罪の問題においても、そういったことになる危険性がある、可能性が十分ある。だから、これらの点に対しましても、事公害の問題に対して、これほど真剣に大きな社会悪として取り組まれる以上は、中身のあるものとしてもらいたいということを強く期待をいたしておきたいと思います。決意の問題でございますから、御答弁をいただくのも同じようなことになるのではないかと思いますが、この際ひとつお答えを願っておきたいと思います。
○宮澤国務大臣 公害から確かに賠償の問題、あるいは場合によって公害を罪とする考え方等々、よく理解のできることではありますけれども、これらは、法理論的には非常に複雑な、将来に向かってもあちこちに影響を及ぼすまたそれなりの問題を持っておると思いますので、それで私も、政府を代表しての御答弁を私が申し上げることは適当でないと先ほどから申し上げております。いずれにいたしましても、これについて政府がはっきり所信を申し上げますまでには、十分利害得失を考慮いたしました上でしなければならないことと思います。鋭意結論を急ぎますとともに、得ました上で正式に申し上げるべきことと思います。
○中村(重)委員 鉱山だとか工場のあるところが公害が発生をしているということ。海や川が汚染されておりますが、これも工場から流される排水ということによってのみ汚染されておるのではない。各家庭からの排水というものによって川や海が汚染されておるという面も相当あるわけですね。こうなってみますと、先ほど来大臣が誠意をもってお答えにはなったのでありますけれども、各委員全部といってもいいくらい公害の問題について実は触れたのですが、そのお答えには誠意があるけれども、抜本策と言えるのかどうか。そう考えてみると、私は必ずしも抜本策にはなっていないのではないかというような感じがいたします。やはりこれは抜本的に取り組んでいかなければならない。 そのためには、いろいろな施策を講じていかなければならないのではないかと思います。公害憲章の問題も議論になっておるようでありますが、私は、公害憲章も制定をする、そして一億国民全部がこれに取り組んでいくという姿勢でなければならないのではないかというように思います。やはり行政機関といたしましても、この際公害省の設置ということも、私は真剣に検討される必要があるのではなかろうか。また、国といたしましても、地方といたしましても、公害防止の施設を積極的にやはりみずからやらなければならないだろう。特に、おくれているところのこの社会投資というものを、強力に推し進めていかなければならないのではないか。 そのためには金が要ります。何としても財源を見出さなければなりますまい。この際私は、公害のための公害債、国債を発行するということも検討する時期に来ているのではないかというような感じがいたします。また企業に対し、公害に対するところの施設を義務づけていかなければなりません。むしろ工場、鉱山を開設をするときに、そのことが第一義的というくらいになされなければならないでしょう。また既存の工場や鉱山に対しましても、当然私は公害防止のための施設というものを強力にやらせなければならないと思いますけれども、そのためには金が要りましょう。したがってこれは融資をする。ことばとしてはわかるのですが、しかし、どういうような形でやるのか。私は公害の問題に対しましては、これは私企業であるからといって単に金を貸しつけるという形式論ではなくて、ある場合には、法律の改正すべきものは改正して、助成措置を講じていく必要がある。無利子融資も講じてやらなければならないのではないか。なかんずく中小企業でありますれば、これは無利子の融資その他助成というものが強力に進められていかなければならぬと思います。一方、私は公害税というものを賦課していくということも検討する必要があるのではないか、かように考えます。 だからして、通産大臣ということよりも国務大臣として一応の考え方——政府としての責任ある答弁にはなりますまいが、私がいま申し上げましたようなことが問題にならないのかどうか。やはり検討に値するというようなことでありますならば、それらの点に対しても、ひとつこの際お聞かせいただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 公害防止施設に対して融資をするということ、これは現在もございますが、さらに大いに拡大をしていかなければならないと思います。 現実に起こりそうな非常にむずかしい問題の一つは、およそ融資というものが、それによって企業の能率が上がり利潤が上がって、そうして返済ができる——融資であります以上は返済を考えるわけでございますが、これは民間の融資でございましたらまさにそのとおりでございますが、政府機関の融資でも、いわゆる前向きの融資をしたいというような考え方が常にございます。そういたしますと、この公害施設に対する融資というものは、実はそれ自身が生産増強につながるか、単純に経済だけの面に限って申せば、簡単にそうは申せないといったようなむずかしい問題がございます。また借りる側でも、高い利子を払ってはとうていこれは返せない。生産が上がるわけではございませんのでそういうことにもなろうかと思いますから、公害関係の融資というものは、本来の性格は、普通の企業の生産のための融資とは違った角度からとらえられなければならないのではないか、私は根本の考え方としてはそういう要素を含んでおるというふうに理解をいたしております。 それから、公害のための新しい租税負担、公害防止のための公共事業関係のための国債の発行等々、問題が非常に具体的でございますので、私からはっきりお答え申し上げることはできません。ただ、新経済社会発展計画においては、高福祉は高負担を伴うということは、これは述べられておりますので、公害防止という方策が確かに適確に行なわれつつあるという国民的な支持を得るような実績があらわれてまいりましたら、おのずからそういったような施策についても、国民的な賛同を得られる日があるかもしれません。政府として、高福祉、高負担という線だけは一応経済社会発展計画で打ち出しておりますけれども、さりとて、ただいまいかにも施策が目に見えて国民にまだ納得をされていない段階で、そういう問題が持ち出せるものであろうかどうか、その辺いろいろ検討の余地があろうと思います。
○中村(重)委員 的確なお答えを、通産大臣でなくて国務大臣という形でもされることについては、あなたもちゅうちょされるという点もあるだろうし、また検討の余地があると、そう軽々にはお答えできないということはわかるのです。しかし、おざなりのことではどうにもなりませんよ。これは国債の発行の問題にいたしましても、国債発行というものを、インフレ防止のためにも押えていかなければならぬという考え方もあります。しかし国債の発行は、これはインフレにならないような形に、銀行引き受けではなくて、相当利率を高くして、そうして直接国民にこれを買わせるというようなこと等を、いま考えなければならぬ段階です。社会投資がおくれておるということは、私は公害発生の相当大きい要素だと思うのです。抜本的にこれはやらなければなりません。財源の捻出ということが、何らか重大な措置を講じなければ私はいけないのではないかと思うのです。だから真剣にそれらの点に対しても検討をしてもらわなければならぬと思います。公害防止に対するところの税金を賦課するといったようなことだって考えなければならぬのではないでしょうか。そうして申し上げたように、公害に対しては無利子の融資をやる。しかもこれを償還きせるにしても、相当長期なものでなければならぬというようなことですね。思い切ったことを私はやらなければいけないと思いますよ。時間もございましょうから、もう一度何か大臣として、私がいま申し上げたことに対するお答えだけでなくてもけっこうです。あなたとして公害防止に対していろいろ構想をしておられる点がございましょうから、この際ひとつ考え方をお聞かせいただいて、お引き取りを願いたいと思います。
○宮澤国務大臣 繰り返しになりますようで恐縮でございますけれども、福祉国家の道を歩いていくために、ある程度いろいろな負担が新しく生まれてくるであろうということは、これは容易に想像し得るところでございますが、同時に、現在政府が国民からお預かりした税金を十分有効に使っておるかどうかということについても、私ども自分で反省をしてみなければならない点が事実少なくないのでございますから、そうやってできる限り財源を有効に使ってみてといったようなことも、またその前に考えるべきことではないかと思います。しかし御意見は、これは貴重な御示唆としてよく検討いたさなければならない問題だと思って伺っておりますことには変わりはございません。
○中村(重)委員 自由化の問題については、明日お尋ねをすることにいたします。 両角局長おられますね。この前、私は輸出映画に対する融資の問題についていろいろお尋ねをいたしたわけですが、「戦争と人間」という映画が製作されていま上映されていることは御承知でいらっしゃいますね。この「戦争と人間」、これは日活の製作のようでございますが、これに対しての融資申し込みがあったのではないでしょうか。その経過をひとつお答えいただきたいと思います。
○両角説明員 日活の「戦争と人間」につきましては、三部作ないし四部作という計画で融資をしてもらいたいという申し入れがございました。
○中村(重)委員 融資の希望があって、融資は拒否されたということでございますが、そのとおりでしょうね。だとすると、融資を断わられた理由をお聞かせいただきます。
○両角説明員 この映画は、一部は大体製作費といたしまして三億五千万円、それが三部作ないし四部作ということでございますので、総製作費は十億円から十四億円くらいの巨額な規模になっております。したがいまして、この映画に対する融資の期待額というものも、全体を合わせますと十億円をこえる期待額ということに相なったわけでございます。 そこで、輸出適格映画の審査の委員会におきましてシナリオを検討をさせていただいたわけでございまするが、全体の構想はたいへん大きなものでございまして、第一部だけのシナリオの提出をいただいたのでは判断がつきかねたという点も一つの事情であったようでございます。また日活自体が、過去におきまして輸出適格映画の融資を受けましたけれども、その製作が行なわれなかったといった事例、あるいはその製作が予定の計画に対してたいへんおくれたといったような実績もございまして、それこれ重ね合わせまして、審査委員会としては、とりあえずこの申請については不採択ということにいたした次第でございます。
○中村(重)委員 私の調査いたしたところによりましても、製作費は四億円ということになっていますね。申し込みをしましたのは三億五千万円、八割融資ですから二億八千万円ということになるわけですね。なるほど四部までということになっているようですけれども、一部ごとに一つの完成作と見てもいいんじゃないでしょうか。四部全部そろわなければ完全な完結と見られないということではないんじゃないでしょうか。いかがですか。
○両角説明員 まことにごもっともかと存じますが、日活側のお話では、むしろこれは全体がシリーズであるから、全体として融資を受けないと困るんだというふうな御説明もあったかと伺っております。
○中村(重)委員 四部そろわなければ輸出ができないというものではないのでしょう。一部ができて、もうすでにいま全国で上映をして、大入り超満員というぐらいの人気を博しているんですよ。あなたのほうでは、この映画が輸出できる可能性についても検討されたんではないかと思いますが、その可能性についてはいかがですか。
○両角説明員 現在、たいへん好評を博しているということは私どもも伺っております。したがいまして、輸出の適格性ということもおのずから判断をし得る材料が整ってまいったかと存じまするが、おそらくは第二部以降につきましても、逐次また日活側からの申請もあり得るんではなかろうかと考えております。その際、ただいま御指摘をいただきましたような諸般の実績をも参考にしながら、審査委員会においてあらためて審査をしていくことになろうかと考えております。
○中村(重)委員 一部から四部まであるわけですが、一部から四部まで融資、申し込みをするかどうかわかりませんけれども、あらためて審査をするということですと、融資を一応断わったけれども、また融資をすることもあり得る、こういうように受け取っていいのかどうかということと、それからアメリカのコロンビア社が、一部作の分ですが、百万ドルで共産圏を除いて世界各国に輸出をするということがもう成約されようとしておるようです。これは四部までじゃないでしょう。まだできてもいないし、まだ相当何年もかかるわけですから、それまで見越して百万ドルときめたのではないはずです。してみると、私は、これは相当輸出映画融資の趣旨に沿っておるということになるのではないか、こう思うのです。これらの点に対しては、あなたのほうはそれらの調査をしていらっしゃると思いますが、いかがでございましよう。
○両角説明員 ただいまお話のコロンビア社の件は伺っておりませんけれども、いずれにしましても、第二部以降の問題につきまして、かりに融資の申請が行なわれ得るといたしますならば、いろいろな第一部の実績といったようなものも有力な参考といたしまして、あらためて審査をさしていただくことになろう、かように存じております。
○中村(重)委員 そうすると、一部の実績を参考にしてやる、こうおっしゃると、一応断わったんだけれども、やはり融資を受けたいという意思であることに変わりはないと私は思うのです。いままでのあなたのほうの融資実績を見てみると、輸出をしていないものに対してまで融資をしたという実績があるんですよ。そしてあとで償還をしておるということ、これはあなたのほうで出された資料によって明らかなんです。ですから、一たん断わったのではあるけれども、融資を受ける意思があるとするならば、現にいま上映されておるという事実、それから輸出についての話し合いを進められておる点の調査等々行なって、二部作からではなくて、一部作についても再度融資を受けるという意思があるならば、審査をしてその可否をきめる、いわゆる再審査をするということが当然ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○両角説明員 そういうお考えもあり得るかと思いますが、いずれにせよ第一部につきましては審査委員会としての方針をきめておりますので、お金は別にひもつきでございませんから、第二部以降におきまして、いろんな情勢を検討さしていただくことが適当ではなかろうかと考えております。
○中村(重)委員 私は、適当におやりなさいなんというようなことは言いません。しかし、先ほど私が申し上げましたように、いままでに融資された実績ということをお考えになるならば、もう一たんこれを断わったから再審査をしないのだというようなことは、私はこれのみを特別に取り扱っているような感じがしてなりません。だからして、やったこと、それに間違いがあるということであるならば、それはあらためて再審査をして決定をし直すということだって差しつかえないんじゃないか、そう思います。こう議論をしても、はたして申請人が再申請をするかどうかわからないですから、これ以上この一部作の問題について議論することも無意味であるかもしれません。しかし、少なくともこういった例が、この後幾つか出てこないという保証は私はないと思う。だからして、あまり窮屈にお考えにならないで、前向きで取り組まれる必要があるだろう。ともかく輸出映画に対するところの融資の趣旨そのものが、私は生かされていかなければならぬと思う。残念ながらいままでの実績は、私は十分生かされてきたとは思いません。しかしこの映画は、少なくとも多くの国民に共感を呼んでおる、好評を博しておるという事実、そのことから考えてみましても、あなたのほうとしては再検討の要があるのではないかというように私は感じます。 戦争映画が盛んにありますけれども、戦争を鼓吹する、そういったような映画が戦争映画として多いのです。しかし少なくともこの映画は、戦争を起こしてはならない、戦争を避けなければならぬ、平和を追求する映画であるというように私は伺っているわけです。だからして、もしこれをお断わりになるならば、中身について断わったんだといわれても弁解に苦しむのではないか。その余地がないというほど、私は両角局長には非礼なことは申し上げませんが、少なくとも第一部において——第二部は二・二六事件まで、第三部はノモンハン事件、第四部は太平洋戦争、極東裁判、こういうことが予定をされておるようでございますから、私はやはり民主主義を守っていくために、戦争を避けるために、この種の映画というものは奨励をする、そして外国に対するところの輸出をどんどん推し進めていって、日本の戦争に対するところの反省というものを、平和を追求するという、そうした姿勢というものをこの際大きくアピールしていくことは非常に意義があるのではないか、こう思います。いま一度あなたのお答えを伺って、この問題は打ち切りたいと思います。
○両角説明員 ただいまお話のように、私どもといたしましては、輸出適格映画の審査を何のためにいたすかといえば、これはわが国の映画産業における輸出の振興という目的のためでございますので、当該映画がその実質を備えておるということであるならば、われわれとしては、きわめて前向きに対処していくのが制度の本来の趣旨かと思っておりまして、この「戦争と人間」という映画が、第三部以降はたして審査委員各位のそういう御判断にマッチするかどうかという点につきましては、審査委員会の審査に待ちたいと考えますが、制度の運用の趣旨としましては、お話のとおりかと存じております。
○中村(重)委員 まだ、いまのお答えに反論をし、またお尋ねもしたいところですけれども、あなたが前向きで正しくこの映画を評価して、委員会に対しても進言すべきところを進言していくという態度であると理解をいたしまして、この問題に対しては打ち切りたいと思います。しかしながら、また二部作、三部作についてはあらためてお尋ねをすることもありましょうから、きょうのところはこれで一応やめることにいたします。 次に、大島炭鉱の閉山に伴う問題についてお尋ねしたいのですが、厚生省、自治省、その他関係省お見えでございましょうか。 この大島炭鉱の閉山後の経過というものをお尋ねしたいと思うのですが、それは石特の委員会でするといたしまして、いま閉山に伴って中小企業が非常に資金難に苦しんでおるという問題、並びに炭鉱から給水されておった水が炭鉱閉山に伴って断ち切られるという結果におちいって、実はたいへんな問題になっておりますので、これらの点に対してどのようにお考えになっておるのか、経済企画庁、厚生省等から一応お答えを願いたいと思います。
○国川説明員 お答えいたします。 長崎県大島町の大島鉱業所の閉山に伴います大島鉱業所専用水道のあと始末の問題でございますが、これは一般の閉山炭鉱水道の取り扱いと同じように、大島町がこの専用水道を引き継ぎまして、施設の不十分なところにつきましては改良、更新するということに相なろうかと思います。ただ、今年度、六月でございましたか、急に閉山になりましたために、私どもといたしましては、来年度、四十六年度以降におきまして、この事業を閉山炭鉱水道施設整備事業として改良整備を進めていきたい、このように考えております。
○岡部説明員 ただいま先生のお話のございました問題につきましては、経済企画庁といたしましては、むしろ現段階でどういう措置をするべきであるかという結論を持ちまして、必要あれば進んで措置をしていくという考えに立っております。
○中村(重)委員 これは端的にお尋ねいたします。ともかく、閉山炭鉱に対して産炭地に対する水道施設整備事業でもって給水設備をするということの可能性の問題について、ひとつ端的にお答えをいただきたいのです。厚生省のほうで、水を飲んでおったのは炭鉱の関係者だけではなくて、一般の住民も飲んでおったのだからという考え方もあるやに伺っているわけですけれども、そうではなくて、やはりすべて炭鉱の閉山に関連していろんな問題が起こってきているわけですから、一般の簡易水道ではなくて、水道施設整備事業で給水施設をやらせる、こういうことでなければならないと私は思いますから、そのとおりおやりになるかどうか、これをひとつ厚生省からお答えをいただく。そうなってまいりますと、当然国が三分の一、残り三分の二が地方債ということになってまいりましょうから、この整備事業でやりますと、地方債は翌年から元利ともに特別交付税で措置するというようになって、自治省も関連がございますから、自治省の考え方としてはどうなのか。まず厚生省と自治省からお答えをいただきたいと思います。
○国川説明員 ただいま申し上げましたが、大島鉱業所の専用水道の場合には、実は大島町の町内に四カ所ほど町営の簡易水道がございます。この町営の簡易水道は炭鉱の専用水道から分水を受けている事業でございます。一般的に申し上げますならば、そういう終閉山いたしました炭鉱の専用水道を閉山炭鉱水道施設整備事業という形で取り上げます場合、その専用水道が現に施設され水を配られていた区域、給水区域でございますが、に対して一定の基準を設けまして、必要な施設を改良あるいは更新するということになるわけでございます。 そこで、いわゆる一般簡易水道分の能力と申しますか、これらの取り扱いにつきましてどのような考え方をすればよろしいかということを、私どもとしていま検討いたしておるところでございます。と申しますのは、実はこの四カ所の町営の簡易水道のほかにも、今年度と明年度と二カ年にわたりまして工事の計画を進めております離島簡易水道もございまして、これらとの関連等もあわせて考慮しなければならないだろうと考えております。また、従来のこの町営の簡易水道の専用水道からの分水契約の内容、実態等をいま少しく詳しく把握いたしました上で考えていきたいと考えております。
○森岡説明員 御指摘のように、炭鉱の終閉山がありました場合、従来炭鉱で経営しておられました水道施設を市町村が引き継ぎますが、終閉山に伴う財政負担がいろいろ過重なものでございますから、地方財政の措置といたしましては、終閉山水道整備事業補助金の裏負担、地方負担につきましては、地方債をまず充当いたします。そういたしまして、その後地方債の元利償還費につきましては金額特別交付税で措置する、こういう仕組みをとりまして、財政負担に支障のないように措置をいたしておるわけでございます。
○中村(重)委員 国川さん、あなたのほうでいまお答えになったことはわからぬでもないのです。しかし、一般の離島の給水施設と同一に考えるべきじゃないと思うのです。炭鉱の終閉山に伴って住民税も激減をすることは間違いない。鉱産税が入ってまいりません。その他、地方税あるいはその手数料等、これは収入減ということになってまいります。それから、お答えになりましたように、簡易水道にいたしましても、炭鉱からの分水であったわけです。その肝心かなめの水源である炭鉱がやまってしまったということですよ。それならば、いわゆる一般の離島の給水に対するところの助成措置ではなくて、申し上げましたように整備事業でもってやるべきである。私はこれは議論の余地はないだろうと思う。いろいろ慎重に御検討になることは、その必要はないなんということは私は申し上げませんが、問題はやはり前向きの考え方でもって進めていこうとするのか、あるいはそうではなくて、うしろ向きでやろうとするかということによって扱いが変わってくる。やはりこれは炭鉱の閉山に関連をしていろいろな問題が起こってきているわけだから、いわゆる炭鉱の水道施設整備事業と一般の簡易水道とアロケートしてやるということでなくて、もう申し上げたような方法でやるべきだと思います。いわゆる前向きで対処していこうとするお考え方であるのかどうか。調査はおやりになってけっこうですから、その一応の考え方をこの際明らかにしていただきたいと思います。
○国川説明員 炭鉱の終閉山に伴いました場合、飲用水問題は、特にその地域住民にとりましてはまことに重大な問題で、しかも早急に解決しなければならない問題だと考えておりますし、いま先生御指摘の趣旨に沿える方向で私どもも検討いたしておるわけでございまして、できるだけ地元の負担能力その他等、実情を勘案いたしまして、現在進行中の事業との関連がございますので、いままだ結論は得ておりませんけれども、そういった方向で検討していきたいというふうに考えております。
○中村(重)委員 けっこうです。 次に、同じく炭鉱の伊王島炭鉱の問題についてお尋ねを申しますが、これは経済企画庁に一応お伺いをいたします。 この伊王島炭鉱、これは深刻な水不足におちいっています。いまも制限給水が行なわれております。一週間雨が降らなければ制限給水に追い込まれるという実態なんです。これが今日まで放置されているわけです。離島振興という観点から、これでいいのかどうか、どのようにお考えになっておられるのか、その点ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○岡部説明員 お答え申し上げます。 先生十分御承知のとおり、離島振興の事業の対象といたしましていろいろな事業がございますが、私どもやはり、たとえばただいまお話のございましたような水道の問題、あるいは電気の問題等、こういう離島住民の生活環境の格差是正という問題は相当要重視しているつもりでございます。したがいまして、ただいまのような、たとえば伊王島のお話など、実態がわかりますれば、当然私ども前向きに処置をしていきたいという考え方でございます。ただ、まことに申しわけございませんが、私ども実態を全然存じませんで、まだ県からも実態を聞いておりませんために、ただいまはここでどうという点については申し上げられませんが、この点、県当局あたりからよく聞きまして、処置いたしたいと考えております。
○中村(重)委員 昨日質問通告をいたしまして、あなたのほうへ御連絡を申し上げておりまして、内容についても触れておりますから、御調査になっていらっしゃると思います。昨年の八月九日からことしの四月まで制限給水が行なわれたのです。そして申し上げたように、いまも十五時間、六割給水なんです。そうした実情を御存じなかったということは言えないのではないか。しかし、なかったことはなかったことということでお答えいただいてけっこうですけれども、これほどの深刻な水不足の問題です。離島振興という面から私は重要な問題点ではなかろうか、こう思います。初耳ですか、いかがでしょう。
○岡部説明員 ただいまの件につきまして、先生おっしゃいましたように、昨日お話を伺いました。それ以前に全く私ども存じなかったわけでございます。と申しますのは、実は御承知のように、現在昭和四十六年度予算の編成と申しますか、予算の要求の案の編成時期でございまして、そういう大問題であれば、当然県当局から来年度の予算要求という点で説明を聞くはずでございますが、担当官にも何ら説明がございませんでしたので、さっそく県当局にその点実情を聞いて、その上で処置をさしていただきたいと思います。
○中村(重)委員 率直なお答えでございますから、私はそれを追及はいたしません。ですけれども、申請書がいま出ていると思いますし、そのことについての御調査もなったと思いますから、それに対してのお考え方を聞かしていただきたいということと、それから厚生省はいかがでございますか、このことを厚生省も御存じなかったのでしょうか。
○国川説明員 伊王島の水不足の問題は、実は最近私どものほうにも連絡と申しますか、実態がございまして、県当局におきましても、再々伊王島の町当局に対しまして、水源対策等についていろいろ指導あるいは指示はいたしておったようでございますが、財源問題等におきまして町当局のほうが決心するに至らなかった、というような報告を受けております。私どもといたしましては、制限給水といいますのは、やはりなかなかに重大な問題だと思いますし、私どもといたしましても、県を通じましてすぐに実態も調べますし、事業計画、水源対策等につきましても、十分連絡をとってまいりたいというふうに考えております。
○中村(重)委員 水不足の問題は、離島であろうとも、あるいは本土であろうとも、いずれもこれは重大な、深刻な問題であるわけです。ですけれども、離島においては、これはなおさらどうにもならないたいへんな問題なんです。先ほど岡部局長お答えになりましたように、県もでたらめだと思うのですよ。職務怠慢ということばに尽きるのではないかと思うのです。これほど深刻な問題を対策を講じなかった。いまの厚生省のお答えからいたしましても、これはそのことが言えるのではないか。私の聞いておりますところによりますと、長崎市と、それから高島伊王島炭鉱で施設している海底水道から分けてもらって、その場しのぎをやっていた結果がこういうことになってきている。いま二千トンの貯水槽をつくりますために、バックに二千万円、それから水源に二千万円、計四千万円、その施設をするための申請がなされておると伺っているのであります。このことは経済企画庁も、それから厚生省も御存じないのでございましょうか。県から何かの連絡というものはあっていないのでございましょうか。
○岡部説明員 お答え申し上げます。 経済企画庁といたしましては、先ほども申し上げましたように、まだ具体的などういう問題であるという点についてのあれは伺っておりません。ただ、これから直ちに調査はいたしますけれども。
○国川説明員 県当局から、ただいまの水源対策費といたしまして約四千万円ほど要るという報告、ないしその対策について進めなければならないというお話がありましたのは、ごく最近でございまして、実は私どももその実態をよく把握しておりませんでした。
○中村(重)委員 ローカル的な問題になって非常に恐縮であったわけですが、しかし離島振興という面かち重大な問題であるわけであります。私は離島は大なり小なりこうした実情があるのだろうと思います。ですからこの際、経済企画庁、厚生省ともに、離島振興の問題に対しましてはさらに積極的に対処していただく。具体的に、いま私が申し上げましたこのことに対しましても、お答えのとおり、ひとつ積極的に御調査をしていただきまして、対策を講じていただきますように要請をいたしておきたいと思います。それでけっこうでございます。 通産省。電気工事業の業務の適正化に関する法律は、御承知のとおり議員提案として成立を見たわけでありますが、この政省令についての成案がもうできているのではないかと思いますが、いかがでございましょうか。 ちょっとお待ちになってください。その前に、中小企業庁長官がお見えですから、先ほど大島炭鉱の閉山に伴う水の問題を申し上げたのですが、触れましたように、中小企業者が終閉山に伴って転廃業あるいは移転をやらなければならぬという実態、これは金融難で非常に困っておるという実情でございますが、御調査になっていらっしゃると思います。その実態はどうなのか。またどのように対処しようとお考えになっていらっしゃるのか。端的にひとつお答えをいただきたいと思います。
○吉光説明員 すでに御承知のとおり、産炭地域におきます中小企業者が、終閉山に伴いまして転廃業あるいは移転等をいたします場合、その他売り掛け債権等の関係で経営が著しく困難になるというふうな、そういう企業に対しまして、特別融資の制度が設けられておるわけでございます。私ども調査いたしましたところによりますと、現在までにこの松島炭鉱関係で融資の相談あるいは申請等を受けている件数でございますけれども、中小公庫関係につきまして現在三件の融資相談を受けておるようでございます。現在、中小公庫とそれぞれの相談者との間で、計画その他についての話し合いをやっておるというふうに伺っております。それから国民公庫の関係につきましては、現在融資申し込み件数が五件ございまして、そのうち決定を見ましたものが三件でございまして、国民公庫のほうで内容を調査いたしておりますのが二件でございます。ただ国民公庫の場合には、通常申し込みから最終に決定いたしますまでに、産炭地関係でございますと、大体二十日前後で審査を終わるようでございます。したがいまして、この案件も早晩解決されるのではないかと思っております。 一般的に申しまして、産炭地関係につきましては、特別融資制度を設けまして、これによりまして、先ほどお話ございましたような、転廃業あるいは移転その他についてのめんどうを見ておるわけでございまして、融資申請がございますれば、一般案件に先立ちましてこの関係の案件を処理するというふうなことで徹底いたしておりますので、御相談があれば、おそらく窓口のほうも親切に御相談に応ずるのではないであろうかと思っておりますし、またそういうことを期待いたしておるわけでございます。
○中村(重)委員 私どもは、石炭対策特別委員から現地の調査をいたしまして、深刻な訴えを受けているわけです。いまのように、三件とか五件とかといったような数字だけを聞きますと、たいしたことはないなと感じますね。そういうものじゃありません。窓口としては親切に指導はされるでしょう。ところが、実際にぶつかっておりますものは、形式の面でぶつかっているのではないかと思います。たとえば移転契約をする場合、長年住みなれた大島なら大島、その隣の崎戸なら崎戸、これは先般閉山をしたわけです。そこに生まれて育ち、家もある。だから、そこに住まいだけは置かなければならない。そして現にやっておった商売を縮小して、家族にその店のめんどうを見させる、そして他の地域に営業の本拠を持つということが現に行なわれているわけです。ところが住まいがいままでおったところである。いわゆる閉山された地域である。このために、それにとらわれて、いわゆる経営の本拠というか、生活の本拠というようなものが現に移転をしておるのにかかわらず、住まいがあるゆえをもってこの融資ができないというようなことが現実の問題としてあるわけです。それらの問題が引っかかっているのではないかと私は思います。いつか私はあなたにもそれらのことについてお話を申し上げたこともあると思います。この際この委員会においで正式に、それらの問題に対してはどう取り扱いをされようとされるのか、ひとつお答えを願っておきたいと思います。
○吉光説明員 一部移転の場合でございますので、したがいまして、いまお話のような事実でございますれば、当然にこの特別融資の対象になり得るものであると思っております。したがいまして、この一部移転制度の運用につきまして、そういう手続面でもし申請がおくれ、あるいはまた融資がおくれるというふうなことがあるといたしますれば、せっかくこの制度を設けましたゆえんのものにももとるわけでございます。よく調べまして指導いたしたいと思っております。
○中村(重)委員 いまの御答弁は非常に前向きです。一部移転であってもこの特別措置の対象になり得るということでございます。私はそれが常識的だと思うのです。あまりむずかしいことを言うべきではない。しかしそれは、そのとおり徹底されておりません。ですから、いま長官がお答えになりました、国民金融公庫あるいは中小企業金融公庫に徹底されて、いまそのことが大きな壁にぶつかっておるわけでありますから、すみやかにこれを解消するように措置していただきたいと思います。これはお答えがあったわけでありますから、要望として申し上げておきます。 それでは公益事業局長、先ほどの御質問に対してお答えを願います。
○馬場説明員 ちょっと私、あちらにおりましたので、先生の御質問を正確には承っておりませんが、電気工事業法の施行の政省令の進みぐあいということについての御質問であると思いますので、お答え申し上げます。 電気工事業法は、御承知のように本年の十一月二十一日までに法律施行するというのが、いわゆる法律できめられました限度でございますけれども、私どもでは、大体十一月の初めから施行する体制に入りたいという考え方でおりまして、法律施行しますのに必要な政令、省令関係、あるいはその政省令を運用いたします運用の方針と申しますか、こういうものを現在作業中でございまして、特に政省令の運用の問題——電気工事士の範囲でございますとか、あるいは例の経験年数の認定の問題、いろいろございますから、こういうのをどういうぐあいにやったらばよかろうかということにつきましていろいろ関係の業界とも目下相談をしておる、こういう段階でございまして、まだこれでいこうという成案はございませんが、目下そういう段階で作業中でございます。
○中村(重)委員 関係の業界といろいろ話し合いをしておるということでございますが、それは慎重を期するという上においてけっこうなことだと思います。いまお答えがございましたように、登録その他業務の指定をどうするかという問題がまず出てくる問題である。私どもが法律案の審議の際に議論もしたところであるわけです。それから、法や政令の運用について監視をしていかなければならない。これをどうするのかという問題があるわけです。さらに電気工事士としての資格や経験年数の確認をどうするのか、こういう問題がそのときも議論されて、政省令によってやるべきことであるから慎重に検討しようということになっておった。 さらに問題がいろいろあるわけですね。この二十二条にいうところの「電気工事業者でない者に請け負わせることの禁止」という問題、これをどう解釈をするのかという点があるのではないか。これは強制登録でございますから、電気工事業を営む者は全部登録をしなければならぬというような発想であったことに間違いないわけですが、ところが現実の問題になってまいりますと、無登録建設業者が電気工事を含めて請け負う場合もあり得る。こういう場合の扱いをどうするのか。それから、いま申し上げましたように、「電気工事業者でない者に請け負わせることの禁止」ということについて、これに触れる行為がある、そういう場合の扱いをどうするのかという問題が出てくるでありましょう。それから第二十七条の「危険等防止命令」ということがあるわけでありますから、この危険の判断というものをどうするのか、これは重大な問題なんですね。やはり調査をしなければ判断というものは出てこないでしょう。その調査をどうするのかというような問題、これは慎重に詰めていただかなければならない問題であるわけなんです。 それから電気工事士法の改正がなされなければなりません。これは業界との話し合いとかなんとかいう問題ではございますまい。八条ないし九条の改正、これは当然すみやかに次期国会にお出しにならなければならぬわけでありますから、これらの点についてどのようにお考えになっておられるのか、時間の関係がありますから、あなたの頭に入っていることでございましょうから、まとめてひとつお尋ねをするわけです。 それから、電気工事士の免状、これもこの審議の際に問題になったところでありますが、一度免状を渡しますと、これは永久のもの、更新されておりません。ところが使いまするところの資材も変わってまいります。科学的な材料というものが使われてまいるという形になりましょう。それから、この電気工事をする場所、いわゆる建物というものが、これまた大きな技術の革新というものがなされてきている。にもかかわらず、一たび免状を渡したならば永久的な免状という形でいいのかどうか、更新の必要がないのかどうか。それからまた、あらためて免許の更新もするが、講習等をする必要がないのかどうか。これらの問題は保安の問題として重要な問題点であろうと思います。 まず以上の点について局長の考え方がありますならば、この際お答えをいただいておきたいと思います。
○馬場説明員 前段の電気工事業法の施行に伴いまして、先ほど申し上げました、たとえば経験年数の判断のしかたの問題でございますとか、工事の範囲でございますとか——この法律は、政省令そのものと申しますよりは、政省令の形は比較的簡単であろうかと思いますが、それを施行するについて、ただいま先生御指摘になりましたような、いわゆる運用に伴ういろいろな方針、問題があるわけです。それは先ほど申し上げましたように、原課のほうで、いま一応の考え方というのを業界とも御相談をしながら固めておる、こういう段階でございまして、率直に申し上げますと、登録のしかたあるいは範囲については、原課としてこういうぐあいに考えたいという局としての考え方をきめるところまでまだ行っておりませんし、私自身、個別の問題について、一つ一つこういう問題についてきめなきゃいかぬということでございますけれども、これを原課としてどうしたいというのは、まだ局でも正式に議論をしておりません。したがいまして、一つ一つの問題にどういう方針で対処していきたいという具体的な問題については、いまここで、これはこういうふうに考えたいという局の成案はまだ得ておりませんので、局として成案を得ました段階で、これは御承知のような経緯で議員立法されましたものでございますから、考え方がまとまりました段階で、各党の先生方にも御報告を申し上げましてきめてまいりたい、かように考えておるわけでございます。したがいまして、個別の問題につきまして、いまこれをこうしたいという答えは本日はまだ申し上げる用意がないわけです。 それから次に、これと関連をいたしまして、この法案審議の際にいろいろ電気工事士法との関連、特に工事士法の八条、九条でございましたか、工事士法による開業の届け出とこの電気工事業との問題というのが法律論として一つあったかと思いますし、それから電気工事士のいまのあり方、年齢の制限もなく、かつ一ぺん資格を与えればこれが一生続くというようなことで十分なのかどうか。電気工事士の資格につきましては、もう一ぺん見直しをして、たとえばインターン制でございますとか、あるいは研修制度でありますとか、いろいろなことをもう一ぺん検討すべきであるという御意見も衆参両院で確かにございましたので、これらの問題を含めまして、電気工事士法そのものをどうするかという問題も、工事業法を施行しました後におきまして、特に局内におきまして十分検討いたしまして、法律改正が必要かどうか検討してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○中村(重)委員 最初提案されてから五年目に電気に光がついたわけです。これはそれだけに問題があるわけです。だから私は拙速は適当ではないと思います。慎重に検討されたい。業界の意見というようなものも、いわゆる実務経験者として十分参考にされる必要があるであろう。だがしかし、業界の要望といえども法律そのものを骨抜きになすようなことがあってはならない、また保安の面というものを軽視されるような方向であってはならない、この点は言うまでもないところであります。ひとつ十分真剣に、慎重に対処していただかなければならないと思います。 それから、法案審議の際に問題となりました、特に私が指摘いたしました保安協会の検査のあり方、これは電気事業法との関係になってまいりますが、電気事業者の検査の形式的なあり方、これを再検討し、必要がある点は電気事業法を改正していくということでなければならぬと思います。単に形式的に検査を外からやった、あるいは屋内の配線の検査をやりました、その検査にミスがありましても、その責任は追及されないということになっているわけでありますから、それは形式に終わる形になってくるでありましょう。保安協会が外から何か機械でやってみたところで、これは単なる形式的な検査に終わる可能性もなきにしもあらずと私は思います。したがいまして、このような検査の制度というものは、検査そのものをやったことに対する責任というものが当然−何というか、責任ある検査をするために、おろそかな、誤った検査をやった場合その責任が追及される、そういうことでなければ意味がないのではないか。むしろ危険が伴ってくると私は思います。政省令の問題とは違っておりますけれども、非常に重要な問題でございますから、公益事業局長としてこれらの点に対してどのように対処されるか、考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○馬場説明員 工事業法につきまして業界と相談をしていると申し上げましたが、いま先生の仰せになりましたように、業界の意見、要望はもちろん幅広に聞きたいと思いますけれども、それだけできめようとは思っておりません。 それから申し落としましたが、この法律は御承知のように主として府県に施行権限をおろすわけでございますので、いろいろな命令のかけ方でございますとか、運用のしかたにつきまして、業界のみならず、府県の考え方、府県の能力ということも十分加味いたしまして運用をきめてまいりたい、かように存じております。 それから、ただいま先生のおっしゃいました、いわゆる一般用の電気工作物に対する保安協会の調査義務といいますか、電気事業者の調査義務、それを委託でやっております保安協会のあり方につきましても、電気事業法の際にいろいろ御意見、御質問等いただいておりますので、事法律の問題でございますから、先生のおっしゃいましたように、いまの体制で十分であるかどうか、どういうふうにすればよいかということにつきましても、あわせて十分遺憾なきを期するように考えてまいりたいと思っております。 ただ、現在保安協会の持っておりますいろいろな調査義務でございますけれども、年々需要戸数もふえますし、調査義務を十分に遂行いたしますために、一つは保安協会の人的な体制の問題人手の問題等もございます。そういう各地の保安協会の状況等も十分検討いたしまして、形式だけの検査なり調査なりにならないように考えてまいりたいと思っております。
○中村(重)委員 ガス事業法の政省令案は成案を得たのですか。
○馬場説明員 ガス事業法のほうの政省令関係、特に省令のほかにいろいろな技術基準を非常に詳細にきめますので、ガス事業法関係の政省令は非常に大部になるわけでございます。ガス事業法のほうは、工事業法より一カ月早く十月初めには施行することになっておりますので、目下その政省令関係につきましては、一応省内として草案のようなものができております。なお、政省令に伴います技術基準の非常に詳細な規定につきましては、なおまだ固まっていない部分もございますけれども、大体今月末から来月の初めにかけまして、省令の素案といいますか、通産省案をつくりまして、政令の関係につきましては、関係各省あるいは法制局ともそのころに政令の審議をしてもらいたい、こういう段取りでございます。
○中村(重)委員 十月実施であるということになってくると、地方調整協議会の構成についてはもう人選等が進んでいるのではないかと思いますが、どのような構成を考えていらっしゃいますか。
○馬場説明員 各通産局ごとに置かれます地方調整協議会の人選につきましては、御承知のように法律で大体七名ということになっておりますので、各通産局に対しまして、その七名を大体どういう分野から人選をするかという一応の考え方を流しまして、目下それに基づいて各通産局ごとに人選をやっておる最中でございます。
○中村(重)委員 各通産局ごとに人選をやっている——もちろん人は違ってまいりますけれども、どういった方面からの人たちをもって構成をするかということは、全国大体同一でなければならぬと思います。その点はいかがですか。
○馬場説明員 七人の内訳といいますか、どういうふうにということにつきましては、いわゆる地元の意見を代表されるような意味での方を大体七名のうちの二人くらい、それから消費者の御意見を代表されるような意味合いで選ぶ方をやはり二名程度、それからいわゆる都市問題、あるいはこういう公益事業関係等の学識経験者を残りというような振り合いで、各通産局ごとに具体的な人選を進めるように流してあるわけでございます。
○中村(重)委員 消費者代表ということはわかりますが、たとえば地元の意見を代表する人たちというのは、どういった人たちを考えているわけですか。
○馬場説明員 地元の意見を代表した意味合いでの委員と申しますと、大体地元の市町村あるいは府県がございますので、これは一つの通産局ごとに二人でございますから、全部の知事さんなり市町村長さんにお入りいただくわけにまいりませんが、府県の関係は知事会、それから市町村の関係は市町村長会等々といろいろ御相談をいたしまして、だれかいわゆるその地域における市町村代表あるいは府県代表というような意味合いで地元の意見を代表する方を、合わせて七人のうちの二人というふうに考えているわけでございます。
○中村(重)委員 法の施行前に、いわゆるかけ込み認可を求めるというような動きはございませんか。
○馬場説明員 かけ込みというような現象は私はないと思っておりますが、現行法当時から、そこでガスを新設したいという件で、現在まだ処分をしておりませんものは全国に二、三あろうかと思っております。
○中村(重)委員 法律案を審議中であったから結局許認可について留保しておった、こういうことだろうと思うのですね。そうなってまいりますと、法律はここで成立をした、それから実施が十月だ、こうなる。ところが、いまの地方調整協議会の問題しかり、やはりそれらと関連をする法律案の審議中であったがゆえに許認可を留保をしておったというならば、ここで法律が成立をして実施の直前にある、そういう場合は、あくまでこの法の精神、趣旨を生かしていくという扱いでなければならないと思いますが、いかがでございましょうか。
○馬場説明員 先生御承知のように、現行法におきまして、ガス事業者を新設する許可を与えますのは、通産大臣が判断をいたしまして許可をすることで足りるわけでございますが、新法になりますと、新設のガス事業者を許可するときには、そこのところに公聴会の手続というのが一つ入るわけでございます。そういうように現行法と新法とで内容が変わってまいります事項につきましては、一般的な考え方といたしましては、申請がかなり前からございましたものにつきましては、いろいろタイミング等があろうかと思いますけれども、そういう事情が許せば、新法の精神にのっとってと申しますか、公聴会の手続を踏んでやるということが適当ではなかろうか、かように考えております。
○中村(重)委員 ガス供給にあたって、適正かつ円滑に供給されるという見通しがある場合、これは当然認可をされることになる。そうでない場合、これは当然その許可をしない場合があるし、地方調整協議会の議を経るという形になってくるでしょう。諮問をしなければならない、それは議を経るということになるわけですね。ですから、そうした改正法の精神はあくまで生かしていくということでなければならぬと思う。十月に実施される、それを前にしてかけ込みみたいな形で、いろいろうるさくなるからもう早く認可してしまえ、前からの懸案事項だからというようなことで、問題があるにもかかわらずこれに許認可を与えていくということは、私は法の趣旨を乱すものである、かように考える。公益事業局長のとらざるところであると思いますが、いかがでございます。
○馬場説明員 新設のガス事業者を認めていく、ガス事業をそこにつくることが適当であるかどうかということの考え方の根本につきましては、私は、現行ガス事業法も、あるいは新ガス事業法も、その精神におきましては、ほとんど変わりのないものと思っております。特に、ガスを認めるか認めないかという根本の考え方につきまして、現行法と新法で差異があるとは思っておりません。ただ手続的に申しますと、先ほど申しましたような、若干現行法と新法とで変わる事項がございますから、いろいろ現在懸案になっております事項につきまして、タイミングその他を見まして、もしタイミングが許すものであれば、新法の手続を踏んでやるということは適当ではなかろうかということを、先ほどお答えしたわけでございます。
○中村(重)委員 それでは、あとは明日質問いたします。きょうはこれで終わります。
○八田委員長 岡本富夫君。
○岡本委員 時間がだいぶおそくなりましたから、簡潔に答えてもらいたいと思います。 最初に、経企庁の国民生活局の山下さん、いま国民が一番要望しておりますところの物価を安定させていく、これについて経済企画庁としていろいろと取り組んでいると思いますが、まずその姿勢をお聞きしたいと思います。
○山下説明員 最近の物価問題につきます企画庁の姿勢についての御質問でございますが、この物価の上昇抑制につきましては、御承知のとおり、物価対策閣僚協議会を設けまして、関係各省それぞれの所掌分野におきまして、最近の物価値上げ動向を極力抑制いたしますように努力をいたしておるところでございます。 この具体的なあらわれといたしましては、去る六月九日に物価対策閣僚協議会を開催いたしまして、二十五項目にわたります物価安定政策会議等の提言に関連いたします当面の重要事項につきまして、これを取り上げまして、各省庁におきまして実施できるものから早急にこれを実施いたすことにいたしまして、極力物価の値上がり抑制をはかる、こういう方向での努力を重ねております。 取り上げられております内容につきましては、それぞれその事柄の性質によりまして、具体的に予算措置を必要とするものもございますし、あるいは各省庁の予算と直接関係なしに実施できるものもございますし、これらの問題につきまして、それぞれその事柄の性質により実施の時期の前後はございますけれども、そういう方向でせっかく努力を続けておる現状でございます。
○岡本委員 そこで山下さん、各関係閣僚が入っていると私、聞きましたが、厚生大臣も入っておりますか。
○山下説明員 厚生大臣は入っております。
○岡本委員 入っておりますね。そこで厚生省の加藤薬務局長にお伺いいたしますけれども、よく昔から薬九層倍とかなんとかいいますが、そういう薬の面について、物価の安定あるいは引き下げるということに資するために、いろいろと検討なさったことはありますか。
○加藤説明員 薬の値段の問題でございますが、薬につきましては、二通りございまして、一つはもっぱらお医者さんがお使いになる医療用の医薬品というものと、それから国民一般が薬局等で購入いたします大衆薬というものと、二通りあるわけでございます。それで、第一のほうの医療用医薬品につきましては、その価格は、大体いまほとんどすべての医療用医薬品は医療保険で使われておりますので、これは医療保険における薬価基準というものを厚生大臣が定めておるわけでございます。で、これにつきましては、毎年、年に一回、薬価調査というものをやりまして、薬価の実勢価格というものを調査いたしまして、それによって薬価基準を改定していくという作業をやっておるわけでございます。毎年、多い年には四、五%、少ない年でも三%前後の薬価の引き下げが行なわれておるわけでございます。 それから大衆薬につきましては、これは自由経済のもとにおきまして、医療用医薬品における薬価基準的なものは何らないわけでございまして、一応自由な形で需要と供給の関係で薬価が構成されているというかっこうになっておるわけでございます。ただ問題は再販制度がございますので、そういう再販価格というものが薬の値段の硬直化を来たすという場合には、そういう再販制度が薬価の硬直化を来たすことがないように、公取と連絡をとりながら指導をやっておるというのが現状でございます。
○岡本委員 薬価基準というのは、メーカーから出た金額に対して、今度は医師、あるいはまた病院でどういうように使っておるか、こういうことだと思うのです。 そこで今度は、その間に一手販売会社、こういうものがありますけれども、メーカーから出たこの金額が安くとも、その中間の一手販売会社が大きな利益を取っておるということになりますれば、これは非常に薬代が高くつく。そういう面に、あなたのほうで手をかけたことはありますかどうですか。
○加藤説明員 薬価基準につきましては、先ほども申し上げましたように、その医療用医薬品が実際販売せられております実勢価格を調査して、そして九〇%バルクラインという問題はございますけれども、九〇%のバルクラインを引いて、そして薬価を定めていくということになるわけでございます。問題は、その中間のマージンが非常に過大である場合にどうかという問題があるわけでございますが、薬もいろいろございまして、たとえば同じ種類の薬でありましても、一番最初にその薬をあるメーカーが開発した場合には、非常に研究費がかかるわけでございまして、それをその研究費が一応回収するだけの値段をつける、こういうことになるわけであります。薬価基準におきましても、そういう研究開発を促進するという意味におきましても、その研究開発費というものは十分見込んだ薬価というものを認める必要があろうと思います。ところがそれに対して、そのあとで後発のメーカーがそれに似たような薬をまねてつくるという場合には、研究開発費的なものはないわけでございまして、そういう意味におきましては、そのまねをしたメーカーが相当の利潤が出てくるという問題があります。しかし薬価基準策定は、これは保険局がやっておるわけでございますけれども、その薬価基準を定めます場合には、同種類の医薬品というものについてバランスをとった薬価基準というものを定めておるわけでございまして、ただいま申しましたように、実際に開発したメーカーはわりあいに利潤が少ない。ところがまねをしたメーカーは、その利潤が非常に出るというような不合理が出てくる場合もございます。しかし、それを下げさせますと、せっかく開発したメーカーの値段は高くて、あとからまねたものは比較的安いということになれば、そればかり売れるということになりますと、また開発したメーカーも困るというようないろいろな問題がございますので、その利潤をどういうぐあいに認めていくかということは非常にむずかしい問題でございますが、繰り返すようでございますが、薬価基準の策定にあたりましては、同種類の医薬品というものとバランスをとりながらきめているということでございまして、その間の利潤はいろいろそのメーカーによってまちまちになってくる、こういう状態でございます。
○岡本委員 それでは局長さん、いまあなたが説明されたのはちょっと話が違うと思うのです。綿密に説明しないと会議録に載らないという話ですから、綿密に説明いたしますと、例をとりますと、ネルベンルーホルテ、こういう薬がありますが、工場原価は千五百円で、そのメーカーの利益は千七百円、したがって三千二百円。こういうメーカーに対して、一手販売をする会社が一八〇%の利益をとりまして五千八百円。そしてここに合計九千円というものが出ておるわけでありますが、いま厚生省で押えておるのは、この九千円からの上の、要するに販売価格が一万二百円ですか、この問題ばかりを薬価基準でやいやい言っておりますけれども、こちらに対して、すなわち間の一手販売の会社のこの線を押えませんから値段が下がらない、こういう面をあなたは検討されたことがありますか。
○加藤説明員 先ほども申し上げましたように、薬価基準、たとえばいま先生御指摘のネルベンルーホルテ、これは鎮静剤でございますが、その薬の値段をいかにしてきめたかということでございますが、これは現在薬価基準で一錠十円二十銭という値段がついておるわけでございます。これは昭和四十二年に薬価基準に載せたわけでございますが、それはどうしてきめたかというと、結局それを載せます場合に、すでに薬価基準に登載されておる同種類の医薬品というものと比較いたしまして、それで値段をつけるというやり方をやっておるわけでございます。そのネルベンルーホルテという薬の値段をきめます場合には、大日本製薬でつくっておりますパンガカプセルという薬がございますが、それが鎮静剤として大体同じようなきき目があるということでございまして、それが一錠が十四円であったということで、それよりも低目にきめて、十円二十銭という線が出たというぐあいに私どもは聞いておるわけでございますが、これは保険局のほうで作業いたすわけでございます。したがいまして、先生御指摘のように、中間のマージンがどうなっておるかということは特に分析をしないできめるというのが、従来の薬価基準の定め方になっておるわけでございます。 そういうことで、中間において相当の大きなマージンが出てくる場合もございましょうし、さっき申し上げましたように、研究開発費に相当つぎ込んだという場合には、必ずしもそういう大きなマージンは出てこないという、いろいろなケースが出てくる。しかし薬価基準といたしましては、同種類の医薬品については同じ値段をつけるというやり方をとっておるということのために、いろいろな矛盾も出てきたというぐあいに考えられるわけでございます。
○岡本委員 そうしますと、四十二年に同じような薬があった、それは一錠十四円であった、これは十円二十銭だから安いということできめてそのままになっている。先ほどお話がありましたように、物価問題閣僚懇談会等で、何とかしてこの際物価を下げていこう、こういうような姿勢のときでありますから、ここでひとつ、四十二年度にそうした会社が開発したのでありますから相当研究費も回収されているであろう、そういう面から考えるときに、あなたのほうで再検討する必要があるのではないか、こういうように思うのですが、いかがですか。
○加藤説明員 私どもも、薬というものは一般の商品とは違って人の生命、健康に直接関係があるものでございますし、それから医療保険という制度の中に組み入れられているということからいいまして、やはりその値段というものは、客観的に見て適正な価格であるべきであるという感じは持っておるわけでございますが、問題はその値段をそういう適正なものに持っていくという具体的な方法でございますが、これは自由経済のもとにおきます価格の問題でございますので、役所がかってに引き下げを命令するというわけにもまいらないわけでございます。そこは、メーカーの自由なる競争と、それから資本の自由化とかあるいは外国の安くてよい医薬品をどんどん輸入するというようなことによりまして、なるべく値段を必要以上に高いものはそれで下げていくという努力はいたしたいと思いますが、役所が強権力をもって下げるというわけにはまいらないわけでございます。可能な方法を使いまして、できるだけ薬の値段というものは適正な方向に持っていくように努力は続けたいというぐあいに考えております。
○岡本委員 そこで、健康保険が相当また赤字になっておる。健康保険料を値上げしなければいかぬというようなことまで声が出ておる。そんなときにおいて、厚生省のほうではやはりこうした私がいま説明したようなところにも目をつけて、そして国民に負担をかけないように、一社、二社でもって大きな不当な利益をとってそのあとを国民が全部負担する、こういうようなばかなことをしておってはならない。だから私はきょうは特にこの問題を取り上げたわけであります。 そこで、もう一つだけあなたにお尋ねしたいことは、ここにずっと成分の表示があるわけでありますけれども、その中で、卵黄レシチン、これは一個の中に十八ミリグラム、こういうように成分が出ております。こういう検討はなさったことがありますか。
○加藤説明員 薬の承認をいたしますときには、全部どういう成分がどれだけ含まれているかということを審査をいたしました上でこれを承認しているという現状でございます。ただいまの話題になりましたネルベンルーホルテにつきましては、その表示した成分については、特に承認されているもの以外のものを掲げたりしているような事実はないようでございますが、ただ、効能、効果、そういった面におきまして、若干不当な表示というものがあるように見受けられますので、そういう点については厳重に警告を発したいというぐあいに考えております。
○岡本委員 私はいまこれをやかましく言っているのは、昭和四十二年に広岡薬品というメーカーがこの科研薬化工と契約しておるわけです。契約書も私持っておりますけれども、そのころは大体この表示どおり、卵黄レシチンにしましても十八ミリグラムあったらしい。現在はその経営者がかわった。したがって、この中の成分を衛験で調べると十ミリグラムぐらいしかない。こういうことはもう不当表示である、こういうふうに私は思うのですが、薬事法の六十六条にも、「何人も、医薬品、医薬部外品」等の「虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。」、こういうように出ているわけでありますけれども、あなたのほうの見解はどうですか。
○加藤説明員 確かに申請の際に承認を受けた成分というものがございますが、それで承認を受けておきながら、後になってそれだけの成分を入れていないということになりますと、これは不良医薬品でございます。またその表示が現実のものと違った表示をしているということになりますと、これは薬事法にも違反するわけでございますので、そういう医薬品については、個々に私のほうといたしましては調査をいたしまして、もし実際に表示している成分と実際にその薬が含有している成分とが違っているという場合には、これは厳重に処分をいたしたいと思っております。
○岡本委員 これは昭和四十二年ごろから、あるいはまたその他の薬も相当数たくさん出ておるわけであります。したがって、こうして私がいま指摘したこれ一つじゃなくして、やはり一定の機関を置いて一つ一つやはり厚生省のほうでチェックをする必要があるのじゃないか。いまそうしたチェックをして、そしてこの表示と合っているか合っていないか。一般の国民の方は、これは非常にいい薬なんですと、こう医者に言われると、ああそうですがといって買って帰って飲むわけです。あるいはまた医者のほうも、一々これは中の含有がどうなっているかということを調べずに給付するわけです。そうしたところに大きな問題点があるのではないか。したがって、いまあなたの答弁は、全部そうした薬を一つ一つこれから点検する、こういうふうに理解してよろしいか。
○加藤説明員 ただいま全国に薬事監視員というのが約二千人おるわけでございますが、しかし大多数は、食品衛生監視員とか、あるいは環境衛生監視員とか、ほかの監視員を兼務いたしておりまして、専任は二百名程度でございますが、そういう限られた人員で、現在世の中に販売されております薬は約二万五千種類ぐらいございますので、全部について点検するということは非常に困難でございまするから、私どもといたしましては、この薬事監視員をフルに使いまして、怪しいものについてどんどん調べていくということで、全部ということはお約束できませんけれども、現在の陣容で可能な限りそういう不良医薬品の追放に努力をいたしたいというぐあいに考えております。
○岡本委員 これは委員長もお医者さまでありますが、国民は何も知らずに飲んでおるわけでありまして、ある新聞を見ますと、ある学者は、ただ金を捨てるように飲んでおる、薬の飲み過ぎだというようなことを警告しておる人もいますけれども、これはやはり、この薬を認定した、あるいはまた許可をした厚生省を信頼して国民が使用しておるわけです。したがって、いまのような、できるだけやってみますというようなことでは、ちょっと私は納得できない。したがって、二百人と聞きましたが、衛生研究所あるいはまたそうした各機関があるわけでして、決して二百人だけでやる必要はないわけです。そうしたところの行政を行なおうとすれば、あなたのほうでできるわけですが、非常に消極的なお答えだったので、そこに何かあるのかなと疑われてもしかたがないと私は思うのですが、その辺についてひとつ確たる返事を再度していただきたい。
○加藤説明員 先生御指摘のように、各都道府県には衛生研究所もございます。あるいはまた中央には国立の衛生試験所もございます。そういう機関をフルに使いまして、現在の体制でできる限りの最大限の努力をいたしたいというぐあいに考えております。
○岡本委員 おそくなりましたが、これで終わります。
○八田委員長 次回は、明二十一日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時六分散会