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63回国会衆議院1970/03/27

商工委員会 第12号

発言数
338
登壇者
29
会派数
4
開催日
1970/03/27

会議録

八田貞義自由民主党

○八田委員長 これより会議を開きます。  商業に関する件及び通商に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出があります。順次これを許します。藤尾正行君。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 ただいまこの委員会で取り上げるべき問題といたしまして、緊急の問題といたしましては、繊維の問題でありますとか、自由化の問題でありますとか、いろいろたくさんの問題をかかえておるわけであります。しかしながら現在参議院の予算委員会では総括質問が行なわれております。そういった意味合いで、最重要な問題について大臣の御出席を願って、これに対して質疑をするというようなわけにはまいりませんので、私は私なりにこの事情を考えまして、手近な問題で、ぜひとも緊急にお考えをいただかなければならぬという問題について、御質問といたしたいと思います。  まず、この問題との関連は、私は、農産物輸入の問題、あるいは海外におきまするジェトロの活動の問題、こういった問題について御質問をいたしたいと思うのであります。  この問題を進めますにあたりまして、非常に重要な関連を持っておりますので、まず最初に、まことに恐縮でございますけれども、せっかく農林政務次官がおいでになっておられますから、今日の米の減産問題この問題につきまして、三十六万ヘクタールというものの米の作付けを休耕してもらう、あるいはこれを他の作物に転換をしてもらうという政策を、私どもはいま打ち出しておるわけでありまするが、米にかわってどのようなものに転換をしていくのかという問題について、ごく簡単でけっこうでございますから、お答えをいただきたいと思うのであります。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 米を何に一体転換するのか、こういう御質問でございますが、われわれは米の二の舞いを踏ましては困るということが基本的な考え方であります。つまり、転換することによってそれが生産過剰になり、ひいては関連をして非常な暴落その他の問題が起きるということを、一番心配しておるわけでありまして、したがって一口に申し上げますならば、増産をしても生産過剰にならないような品物、しかも農民所得がそれによって、米ほどはいかないにせよ、相当程度確保されるようなもの、こういうようなものを指導しておるわけであります。全国一律に何がいいということは、農業の特殊性、気候、風土、そういうようなものによって異なりますから、一律にどこでもこれがいいのだということをなかなか申し上げることはできませんが、概して申しますと、普遍的なもの、たとえばトウモロコシにせよ、牧草にせよ、そういうような飼料作物のようなもの、あるいは日本の需要の九二%も輸入しておるような大豆のようなもの、こういうようなもの等を中心として、それぞれの地域の特殊性を考慮して、いま言ったような考え方のもとに転作を進めておるわけであります。これについては、各県の農林部長会議等を数回にわたっていたしておりますし、転作指導要領というような相当分厚なパンフレット等をこしらえて、それぞれ専門的な立場から技術の指導をしておるというような次第でございます。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 ただいまの政務次官の御答弁、まことにけっこうでございまして、私どもは、できるだけそういう方向でお進めいただきたい、かように考えるのでございますが、転換作物もいろいろある、地域によって違う、これを考えていかければならぬ、こういうお話であったかと思います。  これを、非常に高度の政治的な立場にお立ちにななっておられます政務次官にお伺いするのは、はなはだ恐縮でございますから、係の方が来ておられるはずでありますので、どういうものをつくればどういうことになるか。たとえば大豆とか飼料作物とか、いろいろな例をおあげになったと思うのでありますけれども、こういうものといまの輸入との関連——こういうものをいま輸入しておる、だからその輸入品目について、われわれはこれを転換していけるかどうかということを考える  一つの素材といたしたいと思いますので、現在輸入いたしております農産物というものはどういうものがあって、その価格はどういうものであるかということを、ごく概括的に、個条的にここで読み上げてけっこうでございますから、御説明願いたいと思います。

内村良英農林省農林経済局国際部長

○内村説明員 お答え申し上げます。  現在輸入している農産物の量の多いものは、木材、トウモロコシ、大豆、小麦等でございます。なお、詳細につきましては資料を提出いたしたいと思います。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 ただいまお答えになられました飼料、大豆とかなんとかいうものはできますけれども、木材なんというものは、木材になるためには四、五十年かけなければならぬ。でございますから、ただいまの問題といたしましては、これからの農業の一つの転換時期において対象とするには非常にむずかしい問題であろうか、かように考えるのであります。そこで、せっかく畑作に転換をしていこう、しかもそれが成長農産物につながっていったほうがよろしいというのが大体のお考えであろうと思うのであります。これは政務次官のほうが私よりもはるかにお詳しいわけでありますけれども、たとえば転換したところを牧草にするといったようなことになった場合に、一体乳価という問題はどういうことになるのかというようなことを考えてまいりますと、貿易の問題と農業振興あるいは農業の転換の問題といいますものが、きわめて密接な関連にあるということが言い得ると思うのであります。  私はかつてそういう経験をしたことがあるのでありますけれども、たとえばチキン戦争ということばが四、五年前にございました。これはアメリカがアメリカ産のブロイラーを持ってまいりまして、そしてこれをアメリカンフェアで展示をしたことに端を発して、日本の鶏肉というものの品種改良には非常に役立ったわけでありますけれども、同時に非常に市場の混乱を招きまして、そのために非常に農家が被害をこうむったというようなこともあるわけでございます。ただいま例にはおあげになりませんでしたけれども、そういったたぐいのもので、日本の農業としていままであったもので、貿易の自由化という一つの傾向、あるいは国内の農業生産物価格というものとの関連におきまして、非常にその様相が変わってきたものはたくさんあると思います。私どもの選挙区におきましては、たとえば落花生というようなものも特産品の一つでございますけれども、この落花生も、いまや中共やあるいはアメリカその他から輸入している向きも非常に多い。こういったものがたくさんあるわけでございまして、おもだったものはともかくといたしまして、こまかいものをずっとあげてまいりますと、畑作の様相というものが非常に変わってきたということは言えると思います。この点について、私の考え方というものが間違っているかどうか、ひとつ御指摘をいただきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 おっしゃるとおりだと思います。したがいまして、今回の転換につきましては、政府としても非常に慎重に考えておりまして、一時に百万トン分を転換させるというようなことは考えていないわけでございます。したがって、今回は転作、休耕については同じ額で補助金も出すということで、あまり無理をして作目の選定をさし転換をさした結果が、いま言ったような過剰生産の問題等を起こすことをおそれておりますから、それは十分に検討する。そのための検討の期間というものも必要でございますので、ことしは転換、休耕というものは並列をして出しておるわけでございます。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 まことにけっこうな御方針でございまして、ぜひともそのようにお進めをいただきたいと思います。  そこで、いま稲が問題になっておるわけでありますけれども、次に私は、乳価などということで酪農が問題になると思いまするし、また、いまの生産の能率からいきますと、成長度の非常に高いものにくだものがあるわけであります。このくだものにつきましても、ここに持ってきておりますけれども、国内産のミカンあるいはリンゴというようなものを主体といたしまして、非常に大きな生産額をあげ、そうしていまの農業の一つの大きなささえになっておる、こういう事態にあると思うのでありますけれども、これと貿易との問題自由化との問題が、これからさらに大きな波紋を呼ぶのではないかという感じがするのでありますけれども、そこのところは感じだけでけっこうでございますから、ちょっと御答弁いただきたい。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 酪農の問題につきましては、政府が転換を奨励をしておるというような面もございますので、特に生乳が余って困るというようなことが起きないように措置をしなければならない。牛乳が余ると米よりも始末が悪いのは御承知のとおりであります。したがって今回は、学校給食等の供給ワクというようなものも、前年の二百十万石に対して二百七十万石というように、相当思い切ってこれを広げたりして、消費の拡大しいうようなものを一方において進めておるわけであります。それと同時に、要するに不足払い制度の限度額というようなものも百四十五万トンに引き上げるというようなことをして、過剰生産にならないような措置をとっておるわけであります。輸入問題等については、もちろんこれは、そういうようなものの自由化というものは考えておりません。  なお、ミカンのお話がございましたが、これらにつきましても同じようなことがいわれておりますから、慎重に検討して対処しなければならない、かように考えます。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 慎重にひとつ施策をお進めを願いたい。これは私ども共通の願いでございますが、政府もそのようなお考えのようでございますから、非常にけっこうだと思うのであります。  そこで、かんきつの問題について二、三お伺いをいたしたいのでありますけれども、ただいまの貿易の自由化という、私どもが乗り切らなければならない非常に重要な問題がございます。現在でも、外資審議会とか、あるいは政府部内におかれまして、この自由化、特に残存輸入制限品目というものの整理をやって、これをできるだけ自由化をしていかなければならないではないかというのが一つの傾向になってきておって、その中で、非常に自由化しにくいものといたしまして農産物が残っておる、こういうことだと思うのでありますけれども、その間の事情を一般的に通産省の通商局次長から御説明をいただきたい。

楠岡豪通商産業省通商局次長

○楠岡説明員 輸入の自由化につきましては、先生御承知のように、昨年の秋の閣僚協議会におきまして、五十五品目を昭和四十六年末までに自由化するという方針がきまったわけでございますが、それにさらに本月末までに五品目を追加するということでございまして、そのきまりました六十品目につきましても、極力繰り上げをはかって自由化を促進する。それから、六十品目に加えてさらにまたプラスを出すように努力しよう、こういう趣旨の決定がなされておるわけでございます。  農産物につきましては、先ほど来御議論がございますように、非常にセンシチブアイテムでありまして、国内的にいろいろ問題のあることは、私どもも十分承知しております。ただ一方におきまして、農産物に関しましては輸出国側からは非常な要望もございますので、こういう各国の自由化に対する要求、それから国内の産業の調整、そういうものを十分勘案いたしまして、かたがた国内の自由化に対しますいろいろな諸対策というものとにらみ合わせながら、検討していくべきものと私ども考えております。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 国内の産業と同時に、国際的な貿易に対するいろいろな国益というものをあわせ考えながら今後の自由化を進めていきたい、これが通産省の御方針のようでございます。そうなってまいりましたときに、それではいま現実に、この自由化ないしは自由化に近い形で今後急速に取り上げられようとしておる農産物の中には、どういうものがありますか。

楠岡豪通商産業省通商局次長

○楠岡説明員 先ほど申し上げました五十五品目の中に掲げられておりますものを御報告申し上げましたら、先生の御質問に対するお答えになると思います。非常に長うございますが、生きている馬とか、それから乾燥デーツ、グレープフルーツ、ブドウ、リンゴ、冷凍パイナップル、それからコーヒー、これは四百グラム以上の容器に入れたものでございます。紅茶、果実の粉、バレイショの粉、それからグルテン及びその粉、大豆油等の植物油、マーガリン及びショートニング、タラコ及びかずのこ調製品、くん製のホタテガイ、貝柱及びイカ、それからチューインガム、ケーキミックス、マカロニ類、でん粉から製造した食用調製品、パッフドライス、コーンフレーク、冷凍パイナップル、レモンジュース、アルコールを含まない飲料のもと、レモネード等、それからでん粉かす、大豆油かす、なたね油かす及びからし種油かす、それから林産物になると思いますが、木炭、ラミーなどでございます。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 たくさんの品目についておあげをいただいたわけでありますけれども、その中で、私どもが日本の農業というもののいまのあり方等を考えまして、重大な影響を持つのではないかと考えられるものに、グレープフルーツ、レモンジュース、レモネードというようなものが——いま私が聞いておりましても、そのほかにもたくさんあるでしょうけれども、非常に深刻に響いてきたわけでございますけれども、いままでなまのバナナでありますとか、なまのレモンの自由化をせられ、そしてここでまたレモンジュースとかグレープフルーツとかレモネードというものが自由化をされていくということになってまいりましたときに、現実に今日の日本のかんきつを主として栽培をされておられます西国の、関西以西の方々に対しまして、これがどのような影響を持っていくか、この点は農林省はどのようにお考えになっておられるのか、これは農林省の担当官の印象をお聞きいたしたい。

山下一郎農林大臣官房参事官

○山下説明員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘のございましたグレープフルーツにつきましては、御承知のとおり、昨年の十月に開かれました日米の協議の結果もございまして、昨年の十月中旬の閣僚協議会で四十六年末までに自由化いたす方針が定められました。その際に、自由化します際に季節関税を考えるということが一つの条件になっております。  そこで、自由化をされました場合のわが国のかんきつに対します影響でございますけれども、現在は、御承知のとおり割り当て制でやっておりますために、国内におきますグレープフルーツの小売り価格は、時期によりまして、また大きさによりましていろいろございますけれども、おおむね二百円から三百円程度でございます。しかし自由化されました暁には、これが一体どこまで価格が下がるかということでございますけれども、これはなかなか予測は困難でございますが、業界筋の話等を総合いたしますと、百五十円程度になるのではなかろうかということがいわれております。  しかし、そこでわが国のかんきつに対する影響でございますけれども、これに一番近いものと考えられますものはナツミカン、アマナツミカン、このたぐいでございます。かりに自由化されました場合に百五十円程度になりますと、これもまた、時期によりまして、種類によりましていろいろございますけれども、ナツミカン等の価格は大体五十円から百円前後と考えられますので、直接にそれほど深刻な影響はないのではなかろうかと判断されます。しかし、そのように漫然手をこまねいているわけにもまいりませんので、四十五年度予算におきましても、特にグレープフルーツの自由化されました暁に一番影響を受けやすいと考えられますかんきつ類につきまして、たとえばなつかん園等再開発特別対策事業でありますとか、あるいはミカンの出荷貯蔵庫でございますとか、さらに、果汁の新しい技術でございます冷凍濃縮果汁工場の助成でございますとか、果実関係、特にかんきつ類に重点を置きまして、生産の合理化、あるいは加工の合理化、それらのことによります需要の促進等の対策を講じておりまして、自由化が実施されますまでに、十分に競争力を持つような方向で育成をしてまいりたいという方針で考えております。  それから、レモンジュースのお話がございましたが、御承知のように、わが国のレモンの生産はきわめて少のうございます。したがいまして、国内でのレモンジュースの生産はほとんどございませんので、この点につきましては、直接の影響はないというふうに考えております。もちろん他のかんきつ類のジュースとの競合はございますけれども、レモンジュースは、他の温州ミカン等からつくりました、いわゆるオレンジジュースと称して販売されます国産ジュースとの間接的な競合はあるかと存じますけれども、直接の競合は考えられないのではないかというふうに考えております。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 非常によくこれに対する対策をお勉強のようでございますけれども、実はそうじゃない。自由化をしますと、日本の産業でつぶれちまったものはたくさんあります。まずレモンであります。レモンの自由化をいたしまして、日本のレモンは、あなたがいま御指摘になったとおり、もともと少なかったのでございますけれども、いまや完全に立ち行かなくなった。この事実は認めていただかなければならぬ。そういうことがございました。また、バナナを自由化しレモンを自由化するということは——レモンジュースをこれから自由化されていくであろうということによって、他の果汁に対して非常な大きな影響があるのではないかというお話でございますけれども、これはあるにきまっている。と申しますのは、片方にバナナを食って、片方でリンゴを食って、ミカンを食ってというわけにはいかぬ。バナナを食ったときにはリンゴは食わぬ。そこで、一つのものを自由化いたしましたときには、直接それと同じものでなくても、非常な大きな影響を日本の産業というもの、特に農業に与えておるということを、私どもは考えていかなければいけないのであります。たとえば、いま現実に青森あるいは長野というようなところにありますリンゴの中で、紅玉とか国光とかいうもともとの在来種というものが、いまどういう運命にあっておるのか。あるいは、私どものところにもぽつぽつあったわけでありますけれども、ブドウとかなんとかというものが、どんどん引っこ抜かれておる。こういった実情というものは、今日までのバナナの輸入とかなんとかということで非常な大きな影響を受けておる一つの実例ではないだろうかという感じがいたしておるのであります。  でございますので、せっかくのお答えではございましたが、それに十二分の御配慮をいただかなければなりませんけれども、それによってあなた方が御配慮になって、そうしてこれで十二分に対策ができたというようなことにはなかなか相ならぬ、そうはまいりませんということを私は申し上げたいのでございます。もし御異論がございましたら、御反論をいただきたいと思います。

山下一郎農林大臣官房参事官

○山下説明員 ただいまレモンの例をあげて御指摘いただきましたが、レモンにつきましては、御指摘のとおり、自由化いたしましてから生産量は約半分に減少いたしております。私の答弁の申し上げ方が不手ぎわであったかとも存じますが、自由化によりまして全然影響がないというふうには考えておりませんで、やはりそれなりの影響はございます。  それからリンゴにつきましても、バナナの自由化と時期を同じうしまして、御指摘のように、国光、紅玉につきましては、消費の減退あるいは価格の低落ということが生じております。これにつきまして、おっしゃいますように、バナナの自由化の影響ももちろんございます。それからリンゴ自身の消費の嗜好の変化ということもあるかと存じまして、リンゴにつきましては、現在、新しい品種、デリシャスでございますとかフジでございますとか、そういうものに、在来のあまりこのごろ好まれておりません国光、紅玉等の品種転換等を努力をいたしておる次第でございますが、御指摘のような懸念は十分ございますので、私ども今後十分できるだけ万全の措置を講じまして、自由化の影響を軽減するように努力いたしてまいりたいというふうに考えております。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 ぜひそうしていただきたいと思います。  そこで、グレープフルーツがいよいよ自由化をされる日程に上がってきたわけであります。これはアメリカにおきましては、こういったかんきつ類の生産量は昭和四十五年度におきましてレモンは大体千七百七十万箱であります。グレープフルーツが五千二百九十万箱であります。同じ年にオレンジは一億九千十万箱であります。つまり、皆さまが自由化の順番を、そのしりのほうからやってきておられるということに相なっておるわけでありますけれども、その点はお認めになりますかどうですか。これは通産省にお伺いをいたしたい。

楠岡豪通商産業省通商局次長

○楠岡説明員 ただいま藤尾先生おっしゃいますように、サンキスト等、アメリカの生産規模は非常に大きな規模でございます。また、アメリカの生産量あるいは輸出量は非常に大きな量でございまして、非常に力のある競争相手だと私どもも思います。ただ自由化の時期につきましては、まだ私どものほうも農林省と十分な御相談をしておりませんが、私どもさしあたり、四月一日の自由化というようなことは考えておりません。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 何を言っているのかよくわかりませんけれども、実はそのレモンについて申し上げれば、昭和四十五年度産つまり一九七〇年度に予想されるアメリカの生産量が千七百七十万箱でございまして、そのうちの二万箱が日本に入ってくるわけであります。こういうことを考えてみましたときに、このかんきつの輸入というものが、日本の農業というもの、あるいは同じようなこういったものの販売をしておられるそれぞれの業界に対して、非常に大きな影響を持ってくるということをお認めをいただかなければいけないのであります。その点はお認めになりますかどうですか。

楠岡豪通商産業省通商局次長

○楠岡説明員 先生おっしゃるように、非常に多くの数量が入ってまいります。国内流通の部門におきましても大きな数量が流れるということになれば、流通面、輸入面につきまして相当の影響があることは先生おっしゃるとおりだと思います。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 そこで、今度は前からさかのぼりまして、歴史をお聞きをいたしたいと思うのでありますけれども、バナナを自由化をせられました際に、取引上どのようなことが行なわれておったか。われわれ通俗にはバノコン、バナナとノリとコンニャクだということを、かつてからいろいろと聞いたことがあるのでありますけれども、その際の自由化前後の取引の実態について、御存じでありましたならばお聞かせをいただきたい。ごく簡単でけっこうです。

楠岡豪通商産業省通商局次長

○楠岡説明員 バナナは昭和三十八年の春まで割り当て制でございまして、それからあと昭和三十八年四月から昭和四十年六月まで自由化の時代がございました。当時、自由化に伴いまして取り扱い業者数も百三十社から五百社というふうにふえまして、取引市場が混乱してまいりました。そこで、なぜ混乱したかということでございますが、これは台湾側の供給者の窓口が限られておりまして、また当時、中南米バナナ等の輸入も非常に少ないわけでございまして、ほとんど台湾バナナに日本の市場が限られていたということから、輸入競争が非常に激化してまいりました。そこで、再び混乱を来たすことがないように輸入組合を設立するようにいたしますとともに、昭和四十年の七月から割り当て制度を再開したわけでございます。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 大体そういうことだと思いますけれども、国税庁の発表によりますと、昭和四十二年の六月現在で、バナナにおきまする調査件数が六百三十五件、六百三十五のバナナの輸入について調査をいたしましたところが、これは税金の問題でございましょうけれども、申告をし、あるいは所得をしておったと称する所得と実際の所得との間の違いが二十二億円あった。そのうちきわめて不正、悪質であるといわれるものが八億円であるという調査が出ております。そういう事実はあったですね。

楠岡豪通商産業省通商局次長

○楠岡説明員 申しわけありませんが、脱税の事項につきましては、私、存じません。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 あったのです。そこで今度レモンについてお伺いいたしますが、自由化の前につきましては、レモンについてはほとんどカリフォルニアのレモンが入ってきておるわけであります。これはもちろんただいま船積みでございますから、フロリダでも、あるいはその他のところでも、南アフリカ連邦でも、あるいはイスラエルでも、あるいは豪州でもできるのでありますけれども、その輸送日数がカリフォルニアから積んで来るのが非常に早いということによりまして、カリフォルニアの農協のような、出荷組合のようなサンキストのものが圧倒的に強いわけでございましょうけれども、ほとんど独占形態になっておる。これは輸送日数を見ますと、アメリカの太平洋岸からは十日か十二日で参ります。ところが、フロリダでとれたものを運んでこようと思いますと、一カ月以上かかります。南アフリカ共和国、これから入れますと二十二日間かかりますし、イスラエルから入れますと、スエズが封鎖されておりますので、四十日以上かかります。豪州から入れれば二十日くらいかかる。こういうことで、レモンがほとんどサンキストの独占になってきておる、こういうことだと思うのであります。  そこで、自由化前には日本のほうで、レモンにつきましては、サイズもブランドも指定はこちらから自由にできたわけであります。また、季節的な最盛期の生産の品質をこちらから指定をして、こういうものを送ってこいということを注文ができたはずであります。ところが、これが自由化後になりますと、規格はサンキストの売り手の市場になりまして、サンキストは、自分でつくった、これを日本にやろうというものを、自由自在に全部買い取り制で日本に売っておる。そのために、ブランドもサイズも日本側で指定はできなくなった。品質的にも選果が非常に悪くなってきておる。そういう事実があるということでございますけれども、そういう事実はございますか、ありませんか。

楠岡豪通商産業省通商局次長

○楠岡説明員 ただいま先生の御指摘になりましたようなことは、業界のほうからいわばサンキストに対しますコンプレイントとして聞いております。私のほうといたしましては、それが事実であるかどうかという点につきましてサンキスト側の釈明を求めたのでありますけれども、サンキスト側としては必ずしもこれを認めておらないというのが現状でございまして、なおこの辺はいろいろよく調べていきたいと存じます。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 それは業者側のコンプレイントであって、サンキスト側に聞いたら、そんなことはやっておらぬというけれども、それはあなた、悪いものがかりにサンキストであるとすれば、その悪いほうのサンキストに、あなたのほうは、こういう悪いことをしておられますかと言って聞いて、それをしておりますと言って認めるばかが一体ありますか。そういう感覚、そういうところがきわめて官僚的であって、そういうことはきわめておかしいと私は思います。この問題はこれでいいです。  そこで、さらにお伺いをいたしたいのでありますけれども、レモンの場合には、日本の需要が大体十五万箱ということで、これを少しでもこえますと価格は大暴落をいたすのであります。そこで、このレモンの価格の暴落と暴騰ということが始終起こっておるわけでありますけれども、それは御存じでいらっしゃいますか。

楠岡豪通商産業省通商局次長

○楠岡説明員 承知しております。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 通産省でもよく御存じでございますけれども、それが現実に起こっておる。そうして、そのたびに消費者が非常に大きな損失をこうむったり、あるいは輸入する中小商社が非常に損失をこうむったりしておるという事実がございます。  と申しますのは、サンキストというのは、大体アメリカのカリフォルニア、アリゾナの一部をマークします組合でございます。そのサンキストは過大な輸出利益を出しております。と申しますのは、輸出をいたしますときに、これは金を先取りするわけであります。そのあと、その輸出先の価格でどういうようにその輸入商社が損害をこうむろうと、あるいは輸入商店がどのような損害をこうむろうと、おれは知っちゃいないという態度をとっておられますし、またこのサンキストという一つの組合の親方みたいなものは、これで幾らもうけましても、アメリカの国内におきましては、国内に対する国内販売利益も、また日本等に輸出をいたします輸出利潤というものに対しても無税である。つまりアメリカにおける非課税法人であります。したがいまして、このサンキストを相手にいたしまして、日本のかんきつをはじめといたしまして取り扱っておられる業者も、あるいは小売り店も、これは全部課税法人であります。農協もそうでございます。こういったものが一体対等に競争できるかどうか。場合によりますと、これはきょうおいでを願いませんでしたけれども、考えようによっては、独占禁止法にひっかかるのではないかという感じすらいたすのでございますけれども、この点はいかがでございますか。

楠岡豪通商産業省通商局次長

○楠岡説明員 サンキストは、私が申し上げるまでもないと思いますけれども、カリフォルニアにおきます農民の、生産者のいわば協同組合のごときものでございまして、先生おっしゃいますように、いわゆるノン・プロフィット・オーガニゼーション、非営利組織と申しますか、そういうことで課税はされてないようでございます。ただ、利益を配分した場合、生産者、これは八千五百から九千に及ぶそうでございますが、こういう生産者が課税をされるということだそうでございます。したがいまして、課税の点につきまして、非課税法人であるから経済的な非常な力の格差が起こるということは、私は一がいには断定できないのではないかという感じでございます。  それから、先生おっしゃいましたように、サンキストは確かに大きな団体でございます。経済的な力としては非常に強いということは私どもも十分承知しております。ただ、サンキストが国内におきまして、あるいは国際取引におきまして、日本との取引を不当に差別しているかどうかという点につきましては、たとえば日本向けの輸出が、アメリカ国内におきます共同集荷場におきます建て値、運賃諸掛かり、それから運賃には、海上運賃と港まで運び出します運賃が入るわけでございますが、そういうものを加えて出しておるようでございまして、この価格について日本が各国と差をつけられているということはないようでございます。したがいまして、にわかに、日本に対して差別である、独占の弊が非常に強いということを断定することは、ただいまのところ、私どもとしては困難ではないかというふうに考えております。  それから、たとえばクレーム等の点につきましても、業界の一部から苦情がございまして、なかなかクレームに応じてくれないというようなこともございました。これも私どもも、もしそういうようなことがございましたら問題でございますので、この点につきましても改善を要望いたしましたし、最近におきましては若干の改善は見つつあるようでございます。  それから船の問題でございますけれども、船は通常太平洋航路の定期船を利用しておるようでございまして、その定期船の配船のぐあいとからむようでございますので、必ずしも特定のときにものが入るということではないと思います。先着順にやっておるというのが一般の見方のようでございます。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 私が聞いていないことまでずいぶんいろいろとお答えをいただきまして、ほんとうにありがとうございました。  そこで、ひとつあなたにお伺いをいたしたいのでございますが、たとえばレモンにいたしましても、グレープフルーツにいたしましても、アメリカのカリフォルニアだけが産地じゃないわけです。現実に今日、それでは南アフリカ連邦、あるいは豪州、あるいはイスラエル、これは商売になるかならぬかは別にいたしまして、こういったところからの輸入はお認めになっておられるのかどうか。

楠岡豪通商産業省通商局次長

○楠岡説明員 イスラエル、南ア等につきましては貿易管理制度上は全然差別はございません。ただ植物防疫上、イスラエル、南ア等からの輸入を認めていない現況でございます。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 そこで、植物防疫上の問題があるということでございますが、それではサンキストのもの、アメリカのものには、植物防疫上の心配が全然ないのかということになるわけであります。これは農林省からお答えをいただきたいのでございますけれども、そんなことをやっていると手間取りますから簡単に申し上げますが、実はサンキストから入れているものも、アメリカのものも、みんな輸入港のところで青酸ガスの薫蒸をやっております。よろしゅうございますか。そうすると、相手がイスラエルであろうが、南アであろうが、豪州であろうが、そこから入ってくるものとアメリカから入ってくるものとの問の品質上の、あるいは植物防疫上の危険度、これにおいては羊がないということが言えると思うのであります。その点お認めになりますか、いかがですか。

山下一郎農林大臣官房参事官

○山下説明員 ただいま御指摘の植物防疫の問題は、実は農政局の所管でございまして、本来私がお答えいたすのはいかがと思いますけれども、私の承知している範囲で申し上げます。  南ア連邦、イスラエル等のかんきつ類の輸入を禁止しておりますのは、ミカンコミバエの関係でございます。このミカンコミバエにつきましては、アメリカにはないということで、その関係での禁止はいたしておりません。それで、先生のおっしゃいました輸入港での薫蒸のことでございますけれども、これは、他の病害虫等がありました場合の薫蒸をやる場合があるいはあるかもしれませんが、これは私の専門でございませんので、そこは御容赦いただきたいと思います。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 別に私はあなたを責めているわけじゃなくて、青酸ガス薫蒸をやれば、あなたが言っておられるような地中海ミバエというようなハエの小さいやつ、これでもみんな死んでしまうのです。だから、あなたが言っておられるような区別をする理由はない、むしろそう申し上げておいたほうがいいです。  そこで、もう時間がたちまして次の質問者にも非常に迷惑をかけてはいけませんから、話をどんどん進めてまいりますが、バナナを自由化せられたとき、バナナは非常な混乱を起こしまして、一部の台湾の方々と、台湾の日本におきます支社を持っておられる方々との問に、いろいろな問題が先行いたしまして、今日でも台湾バナナに関する限りは、五〇%以上が華商の手に握られておる。これは事実でございます。ところが、非常に政府の御施策よろしきを得て、南米やその他からのバナナの輸入をお認めになったので、そのウエートが非常に低くなって弊害がなくなってきた。また同時に、日本に輸入組合というものができて、そうしていろいろなところからいろいろものを入れてきまずから、それで台湾のバナナに対する横暴というものをかなり押える働きをしてきたことは事実だと思うのでありますけれども、その点はいかがお考えになっておられますか。

楠岡豪通商産業省通商局次長

○楠岡説明員 バナナにつきましては、先生御指摘のとおり、輸入市場が広がったということが、台湾バナナの日本に対します地位を相対的に低くする上におきまして、非常に役立っていると思います。  それから、輸入組合自体のことにつきましては、いま、輸入組合の仕事といたしまして、各国市場に対する調査を行なっておりますが、主たる仕事は、台湾バナナの輸入の交渉あるいはそれの実施ということが実質上主になっております。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 そういうこととも関連いたしまして、これから、レモンだとか、あるいはグレープフルーツだとか、あるいは将来はオレンジだとかいうようなものがだんだん入ってくるんです。たとえてみれば、時間がございませんから私のほうから申し上げてまいりますけれども、オレンジ、グレープフルーツの輸入に関しましては、いま割り当て制をやっておられるわけでありますけれども、昭和三十年から始まりまして、オレンジはその当時は大体百七トンでございます。それが十四年たちました四十四年度におきましては、これが約三千トンになっておるわけであります。グレープフルーツの場合には、これは始まりましたのがおそうございますから、これとは違っておるわけでありますけれども、これまた十四、五倍の輸入のふくらみになっております。グレープフルーツの場合には、三十七年に三百六十二トン入れたものが現在は三千トンになってきておる。これまた非常なふえ方でございます。こういった輸入割り当てをやっておりましてもこれだけふえてきておる、それがいまの実態でございます。  こういうときに、さらにこれからレモンあるいはグレープフルーツというようなものがどんどん自由化されて入ってくる。これを無制限にやたらに入れられたんでは、先ほども申し上げましたように、日本の農業が非常に迷惑をする。また消費者も、これによっていろいろ操作をされると非常に迷惑をするわけであります。  そこで、同じことでございますが、ちょうどバナナの場合に、南米のバナナを入れたり、あるいはフィリピンのバナナを入れたり、それぞれしておられると同じように、このレモンにつきましても、あるいはグレープフルーツにつきましても、オレンジにつきましても、何もカリフォルニアのサンキストだけがわれわれのもらわなければならぬ相手であるというように認定をしてしまう必要はないわけであります。できるだけ多くのところから——これは同じように掲げたところで青酸ガスで薫蒸しておるから、植物防疫上にもたいした問題はないはずです。できるだけこれを広めて、そうして、サンキストがあたかも独占供給者であるかのごとき立場に立って、いろいろなことをやる、操作をやるというようなことを許さないように、ひとつお願いをいたしておきたいものだ、かように考えるのでありますけれども、どうでございますか。

楠岡豪通商産業省通商局次長

○楠岡説明員 ただいまの先生のお話は、かねて先生から私ども伺っておったところでございまして、私どもとしましては、植物防疫の問題はもちろん解決しなければならないと思いますけれども、たとえばアメリカの中でも、カリフォルニアだけでなくてテキサスとかフロリダあたりから入れるとか、あるいは、もしできますればほかの地域からも早く輸入ができるようにやりまして、広い範囲の市場から自由に選択できるという体制に持っていくことが、貿易上は一番望ましいんじゃないかと考えております。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 次に、同じような問題で、輸入ワクというような問題に関連をいたします雑ワクというようなものがございます。これはめんどうくさいから私のほうから申し上げますが、一年間に、鉄であろうと、材木であろうと、肉であろうと、犬であろうと、どんなものでもとにかく輸入をした実績が五方ドル以上あれば、だれにでも平等に割り当てられるということになっております。ただ、その使い方について規制が多少行なわれておるというように承知をいたしておりますが、そのとおりでございますね。

楠岡豪通商産業省通商局次長

○楠岡説明員 雑ワクという制度、確かにございまして、割り当ての方法といたしまして、こまかい話で恐縮でございますが、三種類ございます。  一つは、実績者割り当てでございまして、これは、非常に輸入需要の多いもので、ニューカマーを入れようと思いますと、それが非常に殺倒いたしまして、割り当てのしようもなくなるというような種類のものにつきまして、実績のあるものについて割り当てをいたしております。しかし理想から申せば、割り当てを固定することは、必ずしも好ましくございませんので、実績者に加えましてニューカマーを入れる。ニューカマーを入れます場合に、やはりものによりますと、相当輸入需要が多くて、たとえば、俗に申しますダミー等を使いまして輸入申請をするということによりまして、弊害が生じてまいります。たとえば非常に数が大きくなりますと、きまったワクを割り当てますのに……(藤尾委員「時間があるから簡単にしてください。お次が待っておりますから……」と呼ぶ)割り当てがなくなりますので、五万ドル以上の輸入申請を資格としているケースがございます。  それから第三に、資格制限のないというケースがございます。  以上三種類でございます。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 その雑ワクについて、あなたがいま最後に、何も資格制限のないものと言われましたが、それが一番大事なところでございますけれども、雑ワクを使って、たとえばいま子持ちコンブを輸入しておられる方々、この方々は、輸入したということ自体によって、大体二〇〇%のプレミアムをつけてその雑ワク自体を取引しておられるという実態は、御存じでございますか。これは、知っているとか、知っていないとか、それでけっこうです。

楠岡豪通商産業省通商局次長

○楠岡説明員 子持ちコンブの件については存じません。

藤尾正行自由民主党

○藤尾委員 これには二〇〇%のプレミアムがついているのです。あるいはレモン、あるいはオレンジというようなものにつきましては、二〇%ないし五〇%のプレミアムがついて、そのワクが売買されているのです。そういう実態をお考えになって、こういうことをお考えにならないと、何でもかんでも、何を輸入してもよいというようなものをつけていくというようなことは——結局その売りつなぎができないのですから、その権利を売買するよりしかたがない。それが非常に払底していれば高くなっていくのはしようがない。そういう実態があることを御指摘しておきます。ほんとうは、これでもちょっとやらなければいかぬのですが、時間がありませんからやめます。  それによっていま輸入されておるのが、これたんです。これは何だか知っていますか。(物品を示す。)タンジェリンというのです。(「遠くてわからぬから配給してください」と呼ぶ者あり)配ってはいかぬということでございますので、これはここに置いておきますから、あとで適当におあがりを願いたいと思います。ここに日本の温州ミカンがございます。ところで、この値段は、輸入の費用、それから船賃、関税、諸掛かり、一切を入れまして大体一個が二十円から三十円ぐらいまでの間であります。これは温州ミカンと大体値段はよけい違わぬ。かっこうも同じようなかっこうをしています。ところが食ってみると問題にならないのです。味がこっちのほうがうんといい。これはここへ置いていきますから、ばらばらにひとつあとでおあがりをいただきたい。それが雑ワクというやつで入ってくるのです。そうしてこれに対する輸入割り当てをやっておられる。そうすると、温州ミカンのようなものはだんだんやれなくなってくる時代がやってきやせぬか。私どもは非常にそれをおそれるわけであります。日本の農業、日本のかんきつ類、そういったものが非常に雑ワクで混乱をさせられる、こういう問題について御指摘だけをしておきます。  もっともっと問題はあるわけでありますけれども、さらにあなたに申し上げますが、実は書類であなたから返答が来ておりますけれども、いまアメリカンフェアというものが行なわれている。また万博というものが行なわれている。この万博、アメリカンフェアでこういったものがまた別ワクとして——これはアメリカ大使館の要請によって、特定の輸入業者が直接百貨店に割り当てて、これを輸入して売り出しているわけです。そうですね。あなたはこれについて、その量は全輸入量の一%にすぎませんから影響はございませんということを、私に言ってこられているわけです。ところが、こいつが生鮮食料品であるということを、あなたはお忘れになっておられる。これが売られているのは百貨店であります。あるいは万博の会場であります。そういうことになってくると、人さまがおいでになって、百貨店でこれを三十円で売っておれば、これは三十円のものだ、こう思うでしょう。それがくだもの屋で五十円になっておれば、くだもの屋のやつは非常に悪いやつだ、こう思うでしょう。そこに問題がございます。さらに、この中で実はこのちょっと色の変わったやつは、これは六十日たっている。しかしながら、味はほんとうは悪くなっておりません。片一方の非常に色のいいやつは、まだ三十日くらいしかたっておりません。そういうことですから、アメリカフェアなり、あるいは万博なりで売り出すときには、こういうものを毎日毎日飛行機で積んできて売っているわけですね。売れなかったらどうしますか。横流しをするんですよ。そういうことが行なわれているということをあなた方が御存じなくて、総量が一%だからそれは影響がないのだというような感覚で行政を進められますと、国民にとっては非常に迷惑千万である。そういうのを官僚独善というのです。もっともっと勉強してもらわなければ困る。  そういうことは他にいろいろありますし、ほんとうは、これからじっくりとジェトロの問題についても申し上げたいと思ったのでありますけれども、ただいま連絡がございまして、時間だからやめろということでございますから、ジェトロの問題は、他においてやるか、あるいはやめるかということにいたしまして、私の質問を一応終わらせていただきます。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 横山利秋君。

横山利秋日本社会党

○横山委員 先般来予算委員会並びに当委員会におきまして、私は、商品取引の改善について、いろいろと政府の意向をただしてまいりました。きょうを含めて、また、四月三日には参考人の皆さんにおいでを願いまして、いろいろと商品取引の改善を促すのでありますが、まず政府並びに同僚諸君にお断わりをしておかなければなりませんのは、いささか過酷にわたるかもしれませんけれども、私の庶幾いたしますのは、今日の商品取引の改善は、どうしても行なわなければならぬ。これについては、おそらくどなたも異存はないところだと思うのであります。そのためには、今日存在いたします商品取引のうみを出し尽くさなければならぬ、こう考えております。これから質問をいたします点、あるいは今後の点にいささか過酷にわたる点があるかもしれませんが、私の意のあるところをまず了としていただきたいと思います。  第一の質問は、この間しぶしぶ政府は商品取引における事故の総括表を提出をされました。この総括表を見ましても、実に膨大な紛議というものが商品取引の中にあります。しかしこの総括表は、政府の印刷物の冒頭にございますように、仲買い人が申告をしたもの、取引所が報告をしたものに限られておるわけであります。私が総括表の提出を求める際にも、そのことは承知しておる。したがって、提出されたものが事実であろうとも、そのほかに隠れた多くの事実があるに相違ない、こう言って、それを了承の上、提出を求めたわけであります。いまや、この総括表の膨大な紛議、並びにどの仲買い人が報告によれば紛議が多いかということは、天下周知の事実となりました。しかし私が多少懸念をいたしますのは、これは一応まじめに報告をしたものであって、ふまじめに報告をしないもの、やみからやみに隠しておるもの、そういうものは、これははなはだけしからぬことであります。その意味におきまして、この調査の総括表の取り扱い方について、政府はどのようになさるおつもりであるか、それをまず伺いたいと思います。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 お答えいたします。  先般提出をいたしました事故の一括表は、御指摘のとおり、仲買い人から申告のありましたものだけでございます。これら事故につきましては、現在、仲買い人に対しまする検査を行なっておりまするので、その表に漏れたもの、もしくはそれ以外のものにつきましても、なお検査の結果によりまして明らかになり得ると思います。また、申告をいたさなかった仲買い人等につきましても、今後検査の範囲を拡大をしてまいりまして、十分実態の把握につとめたいと考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 たいへん簡潔でけっこうです。きょうは時間の関係もありますので、なるべく簡潔にお答えを願います。  そこで、第二は、これが国会を通じて天下周知の事実となった。しかし、いま言いましたように、意見が合いますように、これ以外に隠された事実がある、それがけしからぬ。悪いことをした、しかも報告もせずに黙っておるということがけしからぬと思う。だから、これに関連をして、政府が集約をいたしましたものだけでなく、これ以外にあったものを含めて、政府は国会に報告をなさる必要があると思いますが、いかがですか。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 検査の結果によりまして、さような方向で検討いたしたいと考えます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 御報告がいただけるものと了承いたしました。  第三番目の質問は、国会が商品取引の改善を取り上げ、各党ともにその必要を痛感しておるわけでありますが、今日時点において政府が商品取引の改善について行なっておる内容を、項目的に言ってください。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 現在の取引所並びに仲買い人におきます商品取引の受託業務が、はなはだ社会的に問題になってきておるということにかんがみまして……(横山委員「前置きはいい、項目だけ言えばよろしい」と呼ぶ)さような事態にかんがみまして、とりあえず取引所に対する、もしくは仲買い人に対する監督の強化という見地から、去る三月半ばに通牒を発しまして、各取引所より仲買い人の自粛措置の強化並びに法的な面からの監督の強化を示達をいたした次第であります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 二月の十日北海道穀取、二月の十八日東京穀取、三月の四日神戸穀取等を含めて、六つの穀物取引所が商品相場の凍結をいたしました。この点について、ひとつきめのこまかい質問でありますから、簡単にイエス、ノーだけを言っていただけばいいのでありますが、一体、二月十八日の東穀を例にとりまして、この任意解け合いと称されるこの凍結について、仲買い人は理事会を開いて、決議をして実行をいたしましたか。理事会を開いた形跡はございますか。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 お答えをいたします。  東穀の十八日の解け合いにつきまして、私どもが現在まで調査をしたところによれば、前日に仲買い人の臨時総会が開かれておるということがございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 その臨時総会の決議は、二月十八日立ち会い早々より解け合いをすること、並びにその価格を幾らにする等は含まれておりましたか。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 そのときの模様は、一つは今後新規売買は差し控えるということ。それから二番目は、その当時、現在残っておる建て玉の整理は、各仲買い人が客を説得して促進してもらうという内容であったというふうに聞いております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 それでは、私の質問をいたしております、十八日に任意の解け合いを行なうこと、その解け合いの大体の価格はどのくらいにするかということ、その二つは決議されておらないと了承してよろしゅうございますか。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 価格の取りきめがあったというふうには聞いておりません。

横山利秋日本社会党

○横山委員 一体、仲買い人は、いかなる法律上の権限に沿って、そのことを実行いたしたのでありますか。二月十八日の任意の解け合いであります。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 法律上の根拠と申しますと、御承知のように、総解け合いといいますか、強制解け合いというのが各取引所の業務規程に載っております。この形式をとらなかったわけでございますから、それに該当する条文というのが見当たらないということが言えるかと思います。ただ、従来こういう例が……。

横山利秋日本社会党

○横山委員 法律上の問題だよ。——法律上の根拠なく行なわれた、こういうふうに理解をいたします。  しからば、その凍結の価格は、その前日の価格に比べて十円ないし三十円の値幅にとどめたそうでありますが、それは一体だれがきめたのでありましようか。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 ただいままでわかっておるところでは、十七日に価格の取りきめをしなかった、十八日に任意解け合いを行なった、しかしその任意解け合いを行なう過程で、値が、たしか四月限が連日若干動いたというふうに聞いております。その動いたことによりまして解け合いが非常に困難になるという意見が出たまで、われわれの調査ではわかっております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 そうしますと、あなたのほうが調査してもわからない。前日で十円ないし三十円の値幅に解け合いが行なわれた。その値幅をきめた責任者もわからない。だれがそういうことをやったのかわからないわけですね。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 ただ、その十七日の仲協の総会の前日、十六日に定例の理事会がございました。その理事会では、強力な市場の自粛措置が必要である、そういう決定が行なわれた。それに基づいて、おそらく仲買い人協会の総会が十七日に開かれたというふうにわれわれは了解をしております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 あなたは了解しているかしらぬけれども、十七日の会議では、一体値幅はどのくらいにするか、あるいはいつやるかということはきめてない、こういうきめてないのにかかわらず、翌日の早朝それが行なわれた。しかも、それらはすべて法律上の根拠は何もない。一体だれがその金額をきめたのでありますか。本件に関する責任者は一体だれでありますか。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 先生御承知だと思いますが、ちょっと事情を申し上げますと、二月十六日、十七日——その前にも二回ございますが、三回くらいストップ高、ストップ安、ストップ高というのが十六日、十七日に連日続いております。こういう過程で非常に市場が混乱をしておった。そこで理事会なり仲協の協議会が開かれて、先ほど申し上げましたそういう申し合わせが行なわれたものでございますから、仲買い人全員の一応了解のもとにそういう措置がとられたのではあるまいかというふうに、われわれは考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 高台に、東穀の三理事が立ち合い場にいたといわれています。この仲買い人協会の十七日の総会、それから十八日朝の任意解け合いについて、取引所は承知しておったのでありますか、承知していなかったのでありますか。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 もちろん取引所の理事者側は、これを了解をしておったというふうにわれわれは見ております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 十七日の総会の結果を取引所は報告を受け、そして取引所はそれについて了解をしたということでございますね。了解をしたというのは、責任者が了解をしたのでありますか。理事会を開いてこれを了解したのでありますか。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 理事会がその後直ちに開かれたというふうには聞いておりません。もう少しあとで理事会が開かれておるというふうに了解をしております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 そうすると、取引所は理事会も開かずに責任者が報告を受けてそれを了承し、しかも、なおかつ十八日のこの任意解け合いの中に取引所の理事が出てそれを指導した、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 先ほど先生の言われました、高台に三人の理事が出たというお話でございますが、そのうちの二名は、市場管理委員会の委員長が一人と委員が一人でございますが、一人は取引所の理事でございまして、したがいまして、私どもの現在見ておるところでは、市場管理委員会というのは、市場の取り締まりその他に当たるものでありますから、当然高台に上がって十八日の混乱を防止したということは妥当ではなかろうかというふうに考えます。ただ、その他もう一名、管理委員会に属しておらない方はどういう立場であったろうか。これは、取引所側から心配をして、やはり高台に出て市場をながめたというふうなことではあるまいかという理解を持っておるわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 これは三月十日の日本経済新聞でありますが、ながめておる新聞じゃありませんね。紙を持ってこう指示をしておる。あなたの言うながめておるというのと、紙を持って指示しているのとは違いますよ。どうなのですか。あなたは説明をうのみにしているのですか。取引所が指示指導していることをあなたは承認しないのですか。ただながめているというふうに御理解なのですか。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 その写真も私、見たわけでございますが、関係者の話によりますと、当日前場の写真ではない。ただ、かといって当日、そういう手を出したとか、指図をしたとかいうような行為がなかったというふうには申せないのではないか。ただ、これもやはり時間を延ばしまして、折り合う時間を設けておるわけでございますから、もう少し買いがないかということは、東穀でも、高台でそういう声を出すということはあるやに聞いております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 ますますあいまいな話でございますが、次へ進みます。  農林省は、十八日の解け合いがあったその日のあとだという話も聞いておりますが、東穀に某課長が行って会議をしておられるそうでありますが、一体農林省は、この十七、八日の一連の解け合いの事実について、報告を受けておられたのか、受けておらないか、いかがでございますか。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 その十八日の午後に、全国の六穀物取引所の市場管理委員長会議が、同じ場所の二階で開かれております。そこへ私どもの商業課長が、市場対策を強化するようにということで、会合に出席したことは事実でございます。したがいまして、当日午後会議が開かれましたけれども、午前中にそういうできごとが起こったあとで、われわれは当日そういう事実の報告を受けておるわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 そうしますと、農林省は、東穀に関する限り——全国的な問題でありますが、一応問題を明らかにするために東穀に例を引いているわけでありますが、東穀が、仲買い人が任意解け合いといいますか、そういうことをする可能性について、またその必要性について何ら報告を受けていない、ないしはすることを知らなかった、こういうわけでありますか。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 御承知のように、相場が非常に乱高下を続けている事態でございまして、われわれとしましては、会合の席だけでなしに、電話をかけましたりいろいろしまして、方々に手配をしておったわけでございます。任意解け合いを行なえとか、総解け合いを行なえとか、あるいは取引を停止せよとか、そういうような具体的な指示は、農林省としてはいたさなかったわけでございますが、まあ当日の午後、午前中そういうことで解け合いが行なわれ始めたということを知らされたわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 一応事実関係だけ質問を続けておきますが、解け合いというものが、法律上の規定によらず仲買い人の任意解け合いで行なわれる。そして、かなり半強制的な立場において投資家に対して、解け合いをしろしろと言った。その結果どういうことになったのか。自分としては解け合いに応じたくない、つまり解け合いをしたくないと思っている人が、仲買い人の半強制的なやり方によって、解け合いに応ぜざるを得なかった。それでも大衆投資家は仲買い人に手数料を払わなければならぬのでありますか。どうでありますか。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 もう少しその釈明をさしていただきたいと思うのですが、当時すでに十七日の事態では、委託証拠金が大幅に引き上げられました。丸代金といいますか、ほとんど総代金に近い額が引き上げられておりまして、一般の委託者はなかなか参加しにくい事態にあったということが一つございます。いずれにいたしましても、その場合には、相場のことでございますから、損をしておられる方も、もうけておられる方も、もっと続けたかったであろうという方はたくさんおられると思います。  ただ、われわれの立場からいたしますと、また、取引所あるいは仲買い人協会の立場からいたしましても、これほど乱高下を続けて、アズキの需給事情は逼迫し、そのうしろにそういう事情があったわけでありますから、それ以上続けることはかえって委託者なりに損失を与える、また損を大きくする。あるいはもうけが大きくなることがあるかもしれませんけれども、大体もうかる方はおりてしまいますから、結局損が大きくなるということのほうが多かった事態ではなかろうかというふうに、われわれは理解をしております。したがいまして、そこまでの過程におきます取引につきましては、普通の手続に従って処理されるというふうに考えておるわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 損をするかどうかはあなた方の主観的判断です。委託者は、ここで解け合いに応じたくない、待っておりたいと思う人も、半強制的に解け合いに応じろと言う。結果はどうだと言いますと、しろうとさん、大衆投資家は解け合いに応じる。くろうとはそれに対して応じない。市場の事情を知っているから、それは任意だろうと言って応じない。どうしても解け合いに応じてくれ、やむを得ぬと言って、意に反して解け合いに応じた者が、仲買い人に手数料を払わなければならぬものでありましょうか。それを聞いておる。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 納得をする過程におきまして非常にごたごたがあるにいたしましても、もしそれを委託者が御承諾になったということであれば、これはやむを得ないかと思います。ただその場合に、もちろん先生のおっしゃるように、御納得がいただけない、そういうことではわしは下がらぬという方々は、現に残っておられるわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 心臓の強い人、市場状況がわかっている人、その人たちは残っている。心臓の弱い人、市場の状況を知らない人、仲買い人にまるめ込まれる人、そういう人は応じている。そして半強制的な仲買い人の説得に負けて、じゃいたし方がありませんと言ったのを、任意の受諾者と一体と見てよろしいのであろうかどうか、実情からいって。結局、解け合いを、仲買い人が法律の規定にもよらず、総会の決議といっても抽象的で、あと特定の仲買い人がかってにきめて——かってにというのは語弊があるかもしれませんが、まあ、かってだ。かってにきめてばっとやって、一部の仲買い人に至っては、そんなことを知らなんだという人もある。そういうやり方をやって、大衆投資家に半強制的なやり方をして、それでまた手数料は自分のポケットに入れる。そこが私はしろうととして常識上納得できないと言っている。あなたはそれに納得しているのですか。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 法規上は強制解け合いという方法がございます。ございますが、これは業務規程に載っておりまして、確かにこういう場合発動できる規定かと思います。ただ先例としまして、東穀でも三十年にやはり任意解け合いをやろうとしましたけれども、なかなか折り合いがつかずに立ち合いが停止されて、そこで強制解け合いということで解決をしたという例が一件ございます。その後四十年にやはりアズキのこういう問題がございましたときに、強制解け合いという方法を使っておりません。われわれもいろいろ検討をいたしてみましたが、強制解け合いの場合は業務規程に規定がありまして、これが受託契約準則というものに引用されておりまして、その場合には委託者は何らの異議を申し立てることができないことになっております。逆に申しますと、どうもあれは切り捨てごめん的な要素がある。そういたしますと、やはり相場の世界でございますから、お互いに納得づくで解け合いが行なわれたほうが、むしろトラブルがかえって少ないのではなかろうか、われわれ現在もそういう判断をいたしておるわけであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 私の質問に答えていらっしゃらない。私が二回も質問しているのに答えていらっしゃらない。要するに任意の解け合い、しかも、いやいやながらも納得したのだから、手数料を払うのは当然だとでも言わんばかりの雰囲気であります。けれども、残るでしょう、あなたの心の中にも。それでも常識的には納得できないという点が残るでしょう。  それから、過去の例をお引きなさるけれども、いま商品取引をもう一ぺん根本的に改善する場合に、過去にあったからそれでいいでは話が済みませんよ。過去のことも、悪いことなら改めなければならぬ。一体、解け合いをしなければならない条件下にあったかどうかという判断については、私もそういう条件下にあったと見るほうです。しかしながら、商品取引所法では、その七十八条、その九十条において、かかることが必要になった場合は、取引所並びに主務大臣以外しかそれをやることを認めておらないのですよ。あなたの言うように、過去にあった、今回も必要性があったというならば、なぜ商品取引所法ではその任意解け合いのようなものを認めないのですか。認めておらないばかりではない、八十八条の第三号、第四号はあなたも御存じのとおりだ。「何人も、商品市場における売買取引に関し、左に掲げる行為をしてはならない。」その第三号は「自己のする売付と同時期に、それと同価格において、他人が当該商品を買い付けることをあらかじめその者と通謀の上、当該売付をすること。」第四号はそれと逆で、「自己のする買付と同時期に、それと同価格において、他人が当該商品を売り付けることをあらかじめその者と通謀の上、当該買付をすること。」この八十八条の三号及び四号で明白に——私に言わせれば、明白に今回の任意取引は八十八条違反であると断じられるのであります。いかがですか。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 前段のほうの主務大臣なり取引所の権限ということのほうから申し上げますと、やはり御承知のように、当業者主義というのをとっておりまして、監督官庁がもちろん権限を持っておるわけでございますが、事前に取引所自身が自主的に取引を運営されていくというのが、この全体の精神ではあるまいかと思います。そうしますと、取引所が、そういう混乱、乱高下の場合に、何らかの市場規制、手じまいについての考え方を出して、それが仲買い人同士で解け合いが行なわれるということは、実際上取引が円満に、商解け合いが行なわれ得るという一つの慣習があるのではなかろうかと思います。  ただ、それならば先生御指摘のとおり、八十八条の三号なり四号なりの規定との関係はどういうふうに考えるか、こういうことでございますが、これは、やはり特定の者が仮装なりなれ合いということで、市場操作をするということをあらかじめ通謀の上ということで、特定の人間同士が行なうような書き方になっておるのではなかろうか。そういたしますと、こういう市場混乱を避ける場合に、任意解け合いということが公あるいは全員のいろいろ相談の上で行なわれておるわけでございますから、これがまた、先ほど申しましたように、一つの先例ともなっておるわけでございまして、必ずしも法律全体の精神に違反をしていないのではないかというふうに私ども考えておるわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 非常に回りくどい話でございますね。この商取法は、先般、昭和四十二年でありますか、改正をされました。そのときに、もしあなたの言うような、任意解け合いが法律上違法でないとするならば、なぜ一体その余地を残しておかないのか。この法律は、その解け合いのような条件下にあった場合において、その権限を持っておる者は、取引所法の七十八条、九十条の主務大臣以外に何ら認めていないではありませんか。何ら認めていない。仲買い人が適当にやること、もしそれが許されるとするならば、かかる誤解を生じやすい、かかる問題を生じやすい、かかるインチキのやりやすいような解け合いについては、制限をすべきではないか。これが商慣習として妥当であり、あるいは公正なものであるとするならば、なぜ法律上ここに記載されないか。  私は推測するのでありますが、もしそれが農林省なり通産省なりで、このようなやり方がいいというならば、七十八条は空文になる。九十条は空文になる。農林省が責任を転嫁し、取引所が責任を転嫁し、自分のやらなければならない法律上の義務を仲買い人に押しつけて、そうして、やれやれ、責任はおれは知らぬぞと、こういう結果になることは、どうしてあなたはお考えにならぬ。その点はどうなんです。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 われわれは決して、行政上の監督権そういうものを否定をしておるわけではございません。あの場合におきましても、今回の場合におきましても、もし解け合いが行なわれないとすれば、しかるべき行政上の措置をとる用意はあったわけでございます。ただ、それがやはり役所がやるとか、まあ一律にやりますということよりも、話し合いの上で解け合いが行なわれたほうが皆さんの納得がいきやすいというふうに、先ほど申しましたように、そういう利点があるのではないだろうかというふうに思っておるわけでございまして、決してわれわれはそういう責任を回避するというつもりは毛頭ございません。

横山利秋日本社会党

○横山委員 一体、今回の十八日の東穀の問題について、農林省は取引所に示唆を与えたことがあるか。取引所は仲買い人に対して任意解け合いをやれという示唆を与えたことがあるのか。どうなんです。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 農林省が任意解け合いを行なえという示唆を与えたかどうかにつきましては、私は報告を受けておりません。それから、取引所が仲買い人にそういう示唆を与えたかどうかにつきましても、聞いておりません。

横山利秋日本社会党

○横山委員 これは怠慢ではありませんか。仲買い人の責任者の言うことによれば、東穀から示唆を与えられた、東穀からやれと言われたからやってるんだ、こういうことを公言しておる人があるのをあなたは知りませんか。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 確かに十八日の解け合いにつきまして、全員が同じ理解をしておったのではないというような感じがいたします。したがいまして、十七日に、十七日の総会で、完全に十八日に行なわれたこと全部、すべてが皆さんの間で了解をとったという形ではなかったのではなかろうかというふうに思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 私の質問に答えていないですよ。取引所が仲買い人に、任意解け合いをやれといった示唆を与えたことはなかったが、仲買い人のほうから、取引所から示唆を与えられてその指示によってやってるのだと公言しておる人があるが、どうかと、こう言ってる。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 取引所が、公式にそういう決議なり、理事会を開いて行なっておりませんから、公式にそういうことが行なわれたということは申しにくい事態でございます。ただ、その高台に理事が上がっておったわけでございますし、心配して事態の成り行きを見ておるわけでございますから、理事会としてではないけれども、取引所は暗黙にその取引の解け合い状況を当然承知をしておった。また、あとではそれを認めておるわけでございますから、そういう関係にあるのではないかということで、私は理事会として決定をしておらなかったという意味で申し上げたわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 非常に問題の所在があいまいであり、責任の所在があいまいであり、追求いたしますと、結局、仲買い人の諸君は、取引所から指示があった、こう言う。ところが取引所は、理事会を開いた覚えはない。あなたの話によっても明らかなとおり、あとで追認をしておる。そうすると取引所のだれが仲買い人に対して任意解け合いをやれと言ったのであろうか、その人はいかなる権限でやったのであろうか、この間農林省は一体何をしておったのであろうかということになってくる。仲買い人も総会を開いて包括的な決議はしたけれども、このような価格であくる日やるということは、だれも承知をしていなかった。きわめて少ない人間の人が協議をし、あるいは私に言わせれば、八十八条三号、四号の、通謀をして行なったと見るよりしかたがない。一体こういうことが、今回の解け合いが——東穀を例に引いて東穀にはえらい恐縮ですが、私は東穀だけを材料にしているわけではない。全国の六穀物取引所がほぼ同じようなやり方をしたことについて、その手続並びにその運営が妥当なものであると、あなたは断言をしますか。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 ただいままで私どもが聞いておりますところでは、結果的には任意解け合いの形がとられておる、その点は全国共通でございます。したがいまして、まだ残玉が建っておるところもあるわけでございます。そこで、そのやり方なりいまの手続につきまして、理事会を正式に開きまして、仲買い人の総会を開いて、その了承のもとに任意解け合いに入ったところと、仲買い人協会が先に臨時役員総会を開きまして、そこで理事会にこうしてほしいという申し入れを行ないまして、理事会がそれを了承してそういう任意解け合いの手続に入ったところと、いろいろまちまちでございます。それから日にちも前後しております。そういうようなことで、結果的には任意解け合いの形で解け合いが行なわれておるということが共通でございますが、先ほど申しました手続には、若干違いがそれぞれございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 手続に違いがあるとかないとか言っているのではないのです。あなたは問題をそらしておるけれども、今回の一連の事実というものが適切であり適当であり適法であると、農林省としてはそう考えておるのかどうかと、こういって聞いている。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 全般的に申しますと、市場需給状沖その他市場の値動き等からいたしまして、まことにやむを得ない措置ではなかったかというふうに思います。ただ、先ほど先生御指摘のような、私どももすっきりしないといいますか、手続的にいつどうなったということは非常に解明しがたいケースもございますので、もう少しただすべきものがあればただしてみまして、今後、こういう多少でも疑惑の持たれることのないように早急に検討をしてまいりたい、こういうふうに考えます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 あなたは責任者としてそう言わざるを得ないと私は思うのであります。けれども、おそらく同僚諸君並びに傍聴していらっしゃる多くの人が、私とあなたの質疑応答を聞いておって釈然としないことが私はおわかりだと思いますよ。  そこで政務次官にお伺いをします。私は、事事がそうであったかどうかよりも、このようなやり方によってどういう問題が生じやすいかというふうに言ったほうが問題がないですから、このようなやり方によってどういう問題が生じやすいかということを列挙したいと思う。  第一に、理事会の決議は必要ない。取引所も仲買い人も理事会の決議は必要ない。おもだった人が、任意の人が、ボスが適当にやるということであります。第二番目には、その人たちはいつ解け合いをするかを知っている。だから、それを判断して手じまいをしたり、いろいろな操作をすることができるということであります。第三番目は、これによって大衆投資家は屈服する。けれどもくろうとは屈服しない。大衆投資家は屈服をし、自分の本意にあらざる応じ方をして、それで手数料をまた払わなければならぬというおかしなことになる。その次には、これを事前に知った投資家、それはくろうとさん、どういうことをするかということを考える。で、その次には、今度の解け合いにおいて売りは一般投資家、買いは仲買い人が多かったのであります。そのことについても、どう判断すべきか、おわかりだと思うのです。  しかも最後に、取引所は自分に責任のかかることをおそれて——今回は仲買い人のほうから言っているのですから。取引所がやれと言ったからやったのだ、おれの一存ではないと言っている。その取引所が、自分の責任をあいまいにしておるわけですね。今度農林省はどうか。農林省はもうこの解け合いの前に、木暮農林経済局長が農林大臣と相談をしている。状況について話し合っている。はたしてほんとうに農林省が本問題について関知しなかったであろうか、私は疑問を残しています。もしそうだとするならば、農林省もまた責任を転嫁して取引所を内面指導し、取引所はまた責任を転嫁して仲買い人を内面指導しこれをやらせるということがあるならば、七十八条と九十条の取引所の権限、農林大臣の権限は空文になる。しかのみならず、この商品取引所法においては、かかる任意解け合いが行なわれ得る余地はないですよ。今回のような任意解け合いが行なわれる余地が一体この法文の中のどこにある。しかしながら、慣例があるとか、あるいは適当にやった結果がよろしいからというようなことでこの商品取引所法が適当に運用されるならば、もはや商品取引所の七十八条、九十条は意味がない、私はそう思うのであります。政務次官のお考えを伺いたい。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 横山委員の御指摘は、まことにごもっともな点が多いと思います。しかし今回は、御承知のとおり、農林省といたしましても、証拠金の引き上げ等いろいろな手を打ってきて、また、これがどうしても鎮静をしない場合は何かしなければならない、こういう段階であったわけであります。したがいまして、私は、今回のいわゆる任意解け合いというものが、法律に照らしていろいろな御批判があろうかと存じますが、全体としてはまあやむを得ない措置ではなかったか、かように存ずるわけであります。しかし今後とも、いろいろな商品取引所法等の問題につきましても、現在の業界の実態等から見て、さらに先生のような非常に詳しい方の御意見も十分参考にして改善策を早急に立ててまいりたい、かように考える次第であります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 もし私が言っておることを——仲買い人の皆さんもおそらく傍聴していらっしゃると思うのですけれども、私とあなた方の質疑応答を聞けば、仲買い人は、もう任意解け合いはいやだと言うに違いありません。つまらぬ誤解をされる。そうして農林省やあるいは通産省や取引所の責任転嫁をされて、自分たちだけがそれをかぶって、ばかなことはいやだと言うに違いないですよ。私はまたおこるのが当然だと思うのです。現に取引所が指導しているのですから。現に農林省が情勢を把握しているのですから。それでもっていざとなったら、おまえは適当にやれと言わせておいて、そうして、おれは知らぬ、国会で話があったらまあ弁護してやるからというようなことでは、ばかを見るのは仲買い人だけですよ。責任者だけです。しかし私は、今回のやり方がそれで正しいという立場ではありません。この際、この任意解け合いについては、仲買い人の諸君のためにも、かかるやり方はやめなければならぬ。やらなければならない必要があるならば、法規に照らして取引所が責任をもってやるべきだ、農林省が責任をもって九十条を発動すべきだ、こういう観点に立っておるのでありますが、あなたはどうなんですか。法規に照らして取引所は農林省が責任をもってやることに憶病なんですか。今後とも仲買い人にこの種のことをやらせようというお気持ちがあるのですか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 先ほどから再三流通部長からお話しがあったように、これは、事態がどこまでも解決しないというような場合には、強制解け合いということも、それをやらざるをえないと思います。しかし今回は、そこまでしないうちに、法律上はいろいろと御批判の点もあるわけでありますが、一応任意解け合いという形で事態が鎮静をしたということでありまして、別に、これが一つの例として、今後もこういうようにことをどんどんやらしていくというようなわけでは毛頭ございません。

横山利秋日本社会党

○横山委員 はっきり言ってくださいよ。今回はしかたがないけれども、今後もこういうようなやり方をやるという気持ちは毛頭ありません、こういうわけですね。はっきりしてくださいよ。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 今回のことは全体としてやむを得ない措置であったと思います。今後しかし、これが一つの前例として、こういうことが容易にやられることを黙認をしておるというようなことではありません。

横山利秋日本社会党

○横山委員 詰めるようで悪いのですけれども、私はこの種のことはやめなければいかぬと言っておる。もし必要があるならば、法律を改正して法律上の疑いの余地のないようにしろ、どちらをおとりになるかという立場です。どちらもしないで適当に、今回の運営だけが悪いから、運営さえよろしければまたやらせるというのか。どちらかを選んでください。今後はこの種のやり方はやめるというのか。それとも、もし必要があるならば法規を変えて疑いの余地のないようにするというその立場をとるか。どちらかを選んでください。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 これはよくひとつ検討してみたいと思います。法律を変える必要があるか、それとも、こういう問題が起きたときには、九十条の規定その他の点から強制解け合いというものをすぐ打ち出したほうがいいのか、これはよく検討してみたいと思います。  ただ、結論的に申し上げることは、いずれにせよ、ただいまいろいろ御議論のあったような誤解、疑惑を招くような結果にならないようにしなければならない、そう思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 大臣がお見えになったそうでありますから、ちょっと中断をしてやっていただきます。      ————◇—————

八田貞義自由民主党

○八田委員長 この際、機械類賦払信用保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の質疑は、去る三月二十五日終了いたしております。  これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  採決いたします。本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

八田貞義自由民主党

○八田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。     —————————————

八田貞義自由民主党

○八田委員長 次に、本法律案に対し、橋口隆君外三名より、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提出者から趣旨の説明を求めます。橋口隆君。

橋口隆自由民主党

○橋口委員 機械類賦払信用保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、四党を代表して提案の趣旨を御説明申し上げます。  案文は、お手元に配布したとおりでございます。  第一点は、従来から議論されてきたところでありまして、機械保険制度を強化拡充することにより、中小企業の設備近代化を促進せしめようとする趣旨であります。  第二点の、保険制度の積極的な運用は、特に重要な根本問題でありまして、これも従前から要請されていたところであり、今後、より一そうの積極方針を確立すべきことを要望いたします。また、さらに進んで、保険制度全般につきまして、その改善策が早急に検討されるべきものと存ずるのであります。  以上が提案の趣旨でございます。何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。     —————————————  〔参照〕    機械類賦払信用保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)  政府は、本法施行に当たり、中小企業の近代化を促進するため、左の諸点につき特に配慮すべきである。 一、保険対象機種を拡大する方向で常時検討するとともに、必要に応じて保険資本金の増額を図ること。 二、小規模企業の近代化を特に重視して、保険収支の均衡にのみとらわれることなく積極的に保険制度を運用するとともに、この趣旨に基づいて、てん補率の引上げ、保険料率、貸付利率の引下げその他制度全般に関し、早急に検討を加えること。     —————————————

八田貞義自由民主党

○八田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  直ちに採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

八田貞義自由民主党

○八田委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、附帯決議について政府から発言を求められております。これを許します。宮澤通商産業大臣。

宮澤喜一自由民主党通商産業大臣

○宮澤国務大臣 ただいま御決議のございました機械類賦払信用保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、御配付をいただきました案によりまして詳細承知いたしました。政府といたしましては、今後本保険制度を運用するにあたりまして、御決議の内容を十分尊重いたしまして、御趣旨に沿うよう努力をいたす所存でございます。(拍手)      ————◇—————

八田貞義自由民主党

○八田委員長 おはかりいたします。  本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

八田貞義自由民主党

○八田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

八田貞義自由民主党

○八田委員長 引き続き商業に関する件について質疑を続行いたします。横山利秋君。

横山利秋日本社会党

○横山委員 先ほど来、農林省を中心にして議論をしてまいりましたが、東穀の問題ではあるけれども、この一連の事実というものが、仲買い人の、また取引所の運営姿勢の問題、法律上の解釈の問題になっておるわけでありますから、通産省の御意見も総括的にまず伺いたいと思います。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 いわゆる解け合いにつきましては、御指摘がございましたように、取引所の業務規程によりまして、天災、戦争その他やむを得ない事由が起こりましたときに行なわれることになっておりますが、任意解け合いにつきましては、法律の目的に照らしまして、いわゆる価格の公正化あるいは生産、販売の円滑化といったような法律の趣旨に対応する範囲におきまして、やむを得ない解け合いであるかいなかということを、個別にかつ慎重に行なっていくべきものと考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 農林省とやった法律論をもう一回通産省とやるのは時間の関係で避けますが、少なくとも、いまあなたのおっしゃるようなことだけを議論をいたしますと、個別に審査をして、適正であるならばやむを得ない、こういうお話のようであります。個別にという意味は、事前にという意味でありますか。事後という意味でありますか。少なくとも事後で、たとえばこれは八十八条三項、四項違反だとすれば、どういう結果になるか皆さん御存じのとおりであります。事後という問題は、これはなかなか既成事実を回復することはできません。それはもう放置するよりしよう  がないということまで言えると思うのであります。あなたの言う個別にという意味は、事前という意味と理解してよろしいか。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 事前、事後という問題よりは、むしろ、やむを得ない事情に該当するかいないかということは、取引所自体の判断において行なわれることが業務規定で定められておるという趣旨でございます。したがいまして、取引所の理事会の決定によりましてそのようなことが定められましたならば、それによる任意解け合いが行なわれることが望ましいと考えます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 法律論を抜きにすれば私の立場とは百八十度違うわけでありますが、少なくとも今回の議論をするならば、取引所の理事会の決議がなければならぬ。しかし、取引所の決議もなければ、仲買い人の理事会の決議もないと見るのが至当であります。したがってその観点からいうならば、今回の問題は適法ではない。適当ではない。いろんな言い方がありますが、少なくとも、皆さんも御答弁のとおり、ずいぶん議論の残る、問題の残る解け合いであった、総括してこう理解をしてよろしゅうございますか。政務次官に伺います。     〔委員長退席、橋口委員長代理着席〕

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 そのやり方において、理事会が事後承認をするというようなことは、適当であるとは思いません。

横山利秋日本社会党

○横山委員 この際、農林省並びに通産省に伺っておきたいのでありますが、ごらんのとおり、私の手元にこのかん袋二包み手紙があります。これはほんの一部でございます。今回このような問題が発生いたしまして以来、全国的にほうはいとこの商品取引の改善を望む手紙が殺到をしております。承れば、農林省、通産省にも来ているという。私どもの党にも来ておりますが、特に集まっておりますのは、全日本商品取引不正防止協会に千通になんなんとする手紙が集まっておるというのであります。私は、先般そのうち百通くらいを借りまして、熟読をいたしました。この内容が、はたして法律上に照らしていずれが是非であるかについては、私は必ずしも即断をしがたいとは思いますが、しかし、その過程における諸問題、たとえば私が先般申しました八項目にわたる、このセールスの、あるいは仲買い人の違法と見られる項目、これらはこの中にうず高くある、こういうように私は感じておるわけであります。  私はいま、それを言いたいのではなくして、実はこれほどの大きな問題に発展をいたしました基盤になりましたのは、まさに全日本商品取引不正防止協会の努力の結果であり、そしてその努力に対して政党も動かされ、農林省も通産省も、仲旨い人の皆さんも反省し、いまや、商品取引の改善をしなければならぬという声は、天の声であり地の声になっておると私は思うのであります。ところが、先般聞きますところによりますと、あろうことかあるまいことか、農林省や通産省の一部で、この不正防止協会の非難をする人があるやに聞きます。町に、だれがつくったかは知りませんけれども、不正防止協会の悪口を書いたビラがばらまかれておる、こういうことを私は聞きましたし、手元にも入手をいたしました。だれがそういうことをやったのかわかりません。しかし少なくとも、農林省に相談に行った一般投資家が、不正防止協会に対して悪口を言うというような話を聞きまして、いささか私は憤慨をいたしておるのであります。一体そういう人間がおったかどうか知りませんけれども、あなた方に聞いても、おらぬと言うに違いないと思うのでありますが、一体農林省は、この問題の発端、これほど大きな一つの力となり、この商品取引の改善のために最善の努力をしておる不正防止協会を何とお考えでありますか。一回所見を伺っておきたいと思う。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 商品取引に関係していろいろな事件が起きているわけであります。それは、どちらにどういうような原因があるのか、ケース・バイ・ケースによっていずれも違うと思うのでありますが、いずれにしても紛争がたくさんあるということは、決して好ましいことではありません。そういうようなところから、不正防止協会というものが生まれたものと存じますが、私、実は勉強不足で、まだ不正防止協会が、どういうようなことを、どういうふうな形で、どういう組織で、具体的にどうやっているかということを、寡聞にして実は知らなかったわけであります。したがいまして、紛争の調停をどういうふうにするのかよくわかりませんが、不正を防止する協会が悪いと言うはずはないと私は思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 一応政務次官としては、事情を存じないんだから、不正防止協会が悪いことをするはずがないとおっしゃるのですけれども、要するに農林省内部でこの問題が、私の意見から言うならば、行政よろしきを得ていない。そこから始まっていると私は思うのですよ。だから、その行政よろしきを得ていないということが、不正防止協会の発足というものに対して、自分の責任になるので快くなく思っておる人があるのではないか。そういう人たちは、なぜ一体よく思っていないのだろうかということを、私は疑問を持ちました。それで、いろいろと商品取引に関する農林省内部、取引所内部並びに仲買い人内部——きょう言うのは差し控えますけれども、多くの事実を私は知っています。そうすると、この問題が発展をしていくというのを快く思わない人がおるのは当然だという感じがするわけであります。きょうは言いません。しかし、そういうようなことで、お客さんが立ち上がって、そしてマスコミの協力を得て、これほどの大きな運動になったものを、暗に誹謗するがごときデマを役所の中で飛ばすということは言語道断である、そう思いますが、もう一ぺん重ねて政務次官の御意見を伺いたいし、政務次官としては役所の内部の姿勢を正してもらいたいと思いますが、いかがですか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 農林省としては、通産省としても同様でありますが、いろいろな過当競争を排除をするとか、監督を強化するとか、自己玉の制限をきちんと守らせるとか、いろいろな手を尽くして、この商品取引というものが紛争が起きないようにやらせようということで努力をしておるわけでありますから、そいつに対する協力をしてくれるような団体があれば、決してその団体が悪いなどと言うことはおかしいのではないか。しかしながら、不正防止協会というものが、あなたのおっしゃっているものが、どういうふうな形で、どういうふうなことを具体的におやりになっておるか、私は寡聞にして知りません。ちょっと、この固有名詞の不正防止協会に対して、私は、これはいいとか悪いということを個別的に申し上げることはできません。ただ一般論として言うならば、農林省が不正取引をさせないようにやっているのですから、そういうものに御協力してくれる方を誹謗するいわれは何にもなかろう、こう思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 次官、これほど大きな問題になっておるのに、その発火点となった全日本不正防止協会のことを、わしは何も知らぬというのじゃ、あなたは勉強不足じゃありませんか。ここが発端なんですよ。ここへこれだけの手紙が集まっているのですよ。これは新聞やテレビや週刊雑誌に載っているのですよ。ここから運動が巻き起こっているのですよ。だから、ここで御答弁なさるについては、一体どうなっておるという中で、この防止協会に突き当たらなければうそであります。それは念のために申し上げておきます。  次は、先般資料としていただきました東京穀物の商品取引所の小豆建て玉状況について質問をいたします。  これによりますと、二月の十八日以降、資料のその二でありますけれども、自己玉の比率が三〇%をこえておるのであります。十八日には三五・四、十九日には三六・二、二十日には四〇・五、二十一日が四二・三%になっています。自己玉が三〇%をこえてはならないということは、どなたも御存じのとおりであります。なぜ一体こういうことになったのでありますか。どうしてこれが許されるのでありますか。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 お答えいたします。  結局、買い玉のほうは、大体相場が上がっていく過程で解け合いといいますか、手じまいを進めておったわけでございますから、利が乗ったところでおりてしまうということになるわけでございます。そうすると、売り方のほうが、売り玉というのはどうしても残ってくるということでございまして、これを整理をいたしますためには、自然向かい玉といいますか、そういうものが多くならざるを得ないという情勢であったのではなかろうかというふうに判断をしておるわけでございます。  一律に三〇%ということがいわれておりますが、厳密に申しますと全商取、各商品取引所の「向い玉等の規制要綱」によりますと、「当業者等業務の態様から判断して問題がないと認められるものを除き」という限定がついておるわけでございまして、常時そういうことでなければいけないということではなしに、こういう異常事態で残玉を整理していく過程で非常に自己玉比率が高まったということは、これはやむを得なかったのではなかろうかという解釈をいたしておるわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 向かい玉なり自己玉なりが、これは好ましくないということが論争されて久しいのでございます。つまり委託者から何枚買ってくれと言われる。また、買いなさい、買いなさいといってすすめておきながら、仲買い人はそれを売り、自分は売り方に回る。人に、もうかるから買え買えと言っておいて自分は売る。こういうことは、非道徳的であるのみならず、結局は相手がつぶれなければ自分がもうけられないのだから、結局相手をつぶす。いわゆるお客を殺すという結果になるから制限がされておるわけであります。この制限が、私は、初め三〇%以上はいかぬよというように話を聞きまして、そうかと聞いたわけであります。ところがこの規定は、いまもお話しのように、きわめてしりの抜けた規定であります。一人の顧客に対する向かい玉の問題ではなくて、その日の全体が問題なんであります。したがって一人の人に買え買えと言って百万買わしておいて、自分が百万売っても、それに対して向かい玉をやっても、全体のパーセントが変わらなければ、何らこれは違反にはならないという。私は調べてみまして、全くこれは何だ、ばかなことをきめたものだ。これは世間に向かって、テレビや新聞や、あるいはラジオで御説明するときに、いやそれは禁止されております、三〇%だけはいけません、こう言ってさらっと答えるにはたいへん都合のいいやり方だが、事実上は全くのしり抜けで、向かい玉禁止の規定はないのも同然だと判断をしています。この点について一体政府はどうお考えになるのでありますか。現状でよろしいとお考えでありましようか。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 これは非常にむずかしい問題でございまして、御承知のように証券のほうでは、お客さんといいますか、ディーラーとブローカーという別々の許可をもらっておるようでございます。商品取引の場合にそういうことをやったほうがいいのではないかという考え方もあるようでございますが、実際には同一人が同じようなお客さんだけをとる。それから、自分の玉は、自分の玉でやるというふうな区別を、仕分けをしてみたところで、やはり同じ許可をもらって同じ人がやるということになりますと、いまのような経理区分を明確にしましたら、今後われわれが考えておりますように、向かい玉というものがどのくらい毎日やられておるかということ、あるいは一定の期間そういうものを公表をさせるというようなことで、しばらくやってみるほうがいいのではなかろうかという判断で、先般の通達になっておる次第ございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 通達の説明はいいのですけれども、世間に向かっては、三〇%以上の向かい玉をしてはならない、そうなっておりますといつでも言える。けれども調べてみたら、一〇〇%でもできる、二〇〇%でもできる、そんなべらぼうなことがあるか、是正するりもりはないのか、こう言っているわけです。私は向かい玉全面禁止なんだけれども、かりに三〇%ということを言うなら、対応した三〇%に直したらどうだ、三〇%がどうしてもいかぬなら四〇%でもやむを得ない、もっと素朴に、大衆にわかるように、しり抜けでないようなやり方をきちんとしたらどうだ、こう言っているんです。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 非常に技術的な、専門的な問題でもございますから、にわかにここで結論を申し上げるわけにはまいりませんけれども、しかし、確かにお話を聞けば、一般の国民感情からすると、横山さんの御指摘のような印象を受けることも当然だろうと私は思います。したがいまして、これらにつきましては、よく事実の実態の調査を進めると同時に、今後それらについて慎重に検討をしてみたい、かように存じます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 時間がないので、多くの問題がありますが、もうこの辺で終わりたいと思うのでありますが、念査をするために一つ二つ聞いておきます。  今回の任意解け合いについて、取引所は政府に対して報告義務が法律上ありますか、ありませんか。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 法律上、そういう場合にすぐ報告しろとかというような条文はございませんが、むしろ当然にわれわれは報告を求めております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 八十三条の規定は、これは取引所がやったことではある。けれども、仲買い人が任意にやった場合においては、当然行政指導上報告を求めるのだとおっしゃるけれども、報告をしないことによって処罰を受けることはありませんね。そのことについても私はいかがかと思うのですよ。どうですか。どう思いますか。自分たちが任意でやったんだから私どもがどろをかぶるんだ、仲買い人の皆さんはこうおっしゃっておる。そうすると、取引所のほうへも報告の義務はないし、取引所は政府に報告の義務はない。報告をしろと言って報告しなかったからといって、処罰の対象にはならぬ、こう考えてよろしゅうございますね。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 形式的にそうおっしゃられますと……(横山委員「法律論」と呼ぶ)ただわれわれのほうは、商品市場の立ち会いその他につきまして、当然毎日監督の義務があるわけでございますから、われわれのほうから要求をするということならば、もしその場合に報告をしない場合には、所定の手続があろうかと考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 私は今回のことが、八十八条の三号、四号に該当するという説を曲げません。もし八十八条の三号及び四号に違反をいたしたといたしますと、これは八十九条によって、委託をした者が当該売買取引または委託について受けた損害を賠償する責任がありますね。それから百五十二条によって、三年以下の懲役もしくは三十万円以下の罰金ということになりますね。その点はよろしいか。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 当然、八十八条の規定の違反ということならば、そういうことになろうかと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 時間がございませんので、私のいままでの質問を一応これで終わりまして、さらにこの事実問題について農林省のお答えの不十分な点は、参考人がいらっしゃいましたときにお伺いをいたし、その御意見が農林省と食い違いましたときには、また質問を継続させていただきます。  以上をもって終わります。

橋口隆自由民主党

○橋口委員長代理 中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いま横山委員から、商品取引所の問題できわめて専門的に重要な点の質疑が行なわれたわけですが、私は専門的なことはさっぱりわからないのです。横山質問で事の重大さというものを認識をしたということですし、また、マスコミがこの問題を非常に取り上げておりまして、大きな社会問題になっておるというように実は思うわけです。同時に、いま横山委員がいろいろ通産、農林両省に対して質疑を展開をいたしておりましたが、その答弁を伺っておって率直に私が感じることですが、何かいまの商品取引の実態というのは、経済行為として取引所が必要であろうか、実は必要がなくなっているのではないかという感じがしてならないのですが、政務次官、どのようにお考えになりますか。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 取引所の設立の目的から考えまして、私は必要があると思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それは、この商品取引所法の目的のとおりに商品取引所の運営がなされておるならば、私も必要であろうと思うわけです。「商品の価格の形成及び売買その他の取引を公正にするとともに、商品の生産及び流通を円滑にし、もつて国民経済の適切な運営に資することを目的とする。」こうあるわけですね。ところが、いまの商品取引所というのが、市場相場を公正に構成するとか、そういうことで国民の経済の適切な運営に資するという形になっておるであろうか、いまの経営形態からいって。そしてまた、政府から提出されておりますいろいろな資料を見てみましても、実にでたらめな運営がなされてきた。全く私は驚き入っておるということなんですが、そういう実態から考えて、政務次官はどうお考えになるかという意味です。

渡辺美智雄自由民主党農林政務次官

○渡辺政府委員 ここで商品取引所の存在理由というものを、お役人的にあなたに説明をしてみてもしかたがないと思いますが、農産物につきましては、その生産が気象条件に左右されることが非常に多い、しかも生産が多くの場合年に一回に限られているということなどのために、自由経済のもとにおきましては、流通を円滑に行なうためには、出来秋における公正な価格形成、保険つなぎ等のため、先物市場の存在が特に重要な意義を持っておると思います。こういうようなことから商品取引所というものがつくられておるわけでございますが、それが先物買いをめぐっていろいろな問題が起きておるということは中村委員御指摘のとおりであります。  しかしながら、よく考えてみると、これらの多くの紛争というものは、商品取引所本来の性格よりも、むしろ勧誘のしかた等がはたして適正に行なわれているかどうか。そこらに非常に過当勧誘と申しましょうか、問題があるのではないだろうか。したがいまして、そういうこと等のやはり執行面での是正というものをすべき点がたくさんある、かように思っておるわけであります。したがって、商品取引所を廃止するというようなことは、毛頭考えられ良書でございますけれども、もっと疑惑のない、もっと紛争の起きない明知な、しかも設置の目的にそっくりかなうような取引所にするためには、まだまだ改善の余地がある  ことに、今回、許可制への移行というような問題もあるのでありますが、いままでよくいわれるのは、一つの取引所で問題を起こしてもほかの取引所はそのまま通るというのはけしからぬじゃないかというようなこと等もあって、合同検査の強化とか、いろいろなことをやっておるわけであります。したがって、こういうような問題をしょっちゅう起こしておるというような人などについては、許可制の際に、これはいままでの因襲にこだわることなく、決然としてけじめをつける必要があるのじゃないか、私はそう思います。したがって、そういう点について、営業体制というようなものが、一番最後のほうに条件にくっつけるのじゃなくて——財産のことも必要でしょう。知識も必要でしょう。しかし、それ以上に過去の営業の体制というものを重要視をしてチェックする必要がある。だから、そういう方向で今後は担当者に規制をさしたい、こう思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 政務次官はほかの委員会に出席をしなければならぬ、退席をさせていただきたい、こう書いてきておりますから、これはやむを得ないと思います。私は政務次官のいまの見解を支持することにやぶさかではございません。そらあらねばならないと思うわけですね。しかし現実には、現物売買というものが行なわれているわけではない。専門家でありますと間違いも起こらないし、また不当な勧誘というようなことにだまされるということはないだろうと思いますが、しかし、大衆投資家ということになってまいりますと、これはしろうとですから、そうした法に違反しているようなやり方によって不当な勧誘を受けて、それで大きな損害をしておるという状況であろうと思うのです。よほど強い決意と、行政指導、監督というものをきびしくやっていくのでなければ、この商品取引所法の目的というものに沿った役割りを果たしていくことはできないのではないか、そのようにも実は私は考えるわけです。  これからは政府委員にずっと質問してまいりますから、政務次官、お引き取りになってけっこうでございます。  そこで、これは農林、通産両省にお伺いをしなければなりませんが、どうあらねばならないかということは、いまの政務次官のお答えによって、政府委員としても異論のないところであろうと思うのです。ところが、そうあらねばならないのがそうなっていない。最近になっていろいろ通達を出したり、何かばたばたやっていらっしゃるようなんです。しかしこれは、もう相当前からこうした不正というものが行なわれておったのではないか。政府もまた、問題が起こってまいりますと、そのしりを持ち込んでこられましょうから、知っておったんだろう。ところが、にもかかわらず、これに対して耳をおおっておったのではないかというような感じがしてならないのです。  そこで、四十二年の商取法の改正の際に、当委員会として附帯決議をつけているわけですね。取引所のあり方であるとか、上場商品の再検討であるとか、委託者保護の強化というようなことが附帯決議としてつけてあるわけですが、これらに対してどのように対応しておいでになったわけですか。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 御指摘のように、最近の取引所におきます事故の発生の状況にかんがみまして、取引所の運営、仲買い人の業務の姿勢というものを正していただく意味におきまして、法律の運用もしくは取引所におきます自粛措置の強化ということで、改善をはかってまいっておる次第でございます。  具体的に申し上げますと、たとえば、非常な違法行為といたしましての未登録外務員の勧誘行為でありますとか、あるいは利益保証行為、一任売買行為等をして受託しました取引員につきましては、その登録の停止あるいは委託行為の停止等の監督処分を行なっております。また、先ほど申しました自粛行為につきましても、不当勧誘、戸別訪問あるいは電話勧誘等々も、十分これは厳密に自粛をいたすよう、各取引所を通じまして仲買い人の自覚を強く要請しておる次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 取引所で受託をする、そうしたことでありますと、私は問題があまり起こってこないだろうと思うのです。いままでは、お答えがございましたように、家庭勧誘というところにいろいろ紛議の種が生ずるのだろうと実は思うわけです。いま家庭勧誘の自粛というようにおっしゃったのですし、また通達でもそういうことでお出しになっておるようですけれども、第九十四条の「不当な勧誘等の禁止」であるとか、九十一条の「受託場所の制限」、九十一条の二の「委託の勧誘の制限」、四十一条「売買取引の受託の許可」、四十二条「許可の条件」とか、四十六条の「変更の許可」であるとか、いろいろ条文があるわけですね。この法律を読んでみましても、わからない点もあるわけですが、家庭勧誘の問題は、自粛ということで法に触れませんか。実際には受託場所の制限というのは、どういうことになっておるのですか。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 仲買い人がその営業行為といたしまして、新規に顧客を獲得すべく勧誘行為を行なうということは認めざるを得ないと思いますけれども、その勧誘の程度が著しく過度にわたるというようなものは、自粛をしていただきたい、こういう趣旨でございます。場所につきましては、受託場所というのは、契約をかわしまして正規の取引に入ります場所をさしておる次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 その点わかりました。  あなたのほうからいただきました資料を見て感じるのですが、「商品取引事故に係る調査総括表」というのですが、これで一番目につきますのは、「値合金処理分」というのがあって、これが一番件数も多いわけですね。この値合金処理とは、「誤って注文を処理して受託者に損害をかけた場合、商品仲買い人がその損害額を負担して処理することをいう。」というように解説されているのですが、これはどうして聞き違い、思い違いなんていうものがあるのか、どうもこれでははっきりしないのです。聞き違い、思い違い、これは法に触れるのだということになってくるわけでしょうか。だから紛議としてここに出てきておる。これに対して、「値合金処理」というようなことであなたのほうの解説に出ていることは、法的に見てどうお考えになっていらっしゃるのですか。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 聞き違いあるいは思い違いということは、それが善意で行なわれたと仮定いたします限りにおいては、直ちに違法であるというわけにはまいらないと思いますが、悪意の場合というのは、これは明らかに一任売買あるいはさし値に違反した売買を行なうというような行為として違法になり得ると思いますが、その判定は個別の問題かと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 あなたのほうも、この資料をお出しになるからには、相当な調査をなさってのことだろうと思うのですが、聞き違い、思い違いが善意のものである場合には、これは違法ではないということなんですね。そうすると、この値合い処理という形でなされているのは、処理分ですから、いわゆる仲買い人が委託者に対して損害を弁償しておるのであろうと思うのです。この点に対しての御調査の結果はどうなっているのですか。善意のものではない、これはあくまでも法に違反した処理であるというようなお調べをなさっていらっしゃいますか。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 ただいまお手元の表は、各仲買い人から提出されました任意の数字を集計いたしたものでございます。したがいまして、その内容が客観的に事実に合致しておるかどうかということは、これら提出されました各取引所を通じての仲買い人の検査というものによって確認をいたしませんと、ただいまの段階では何とも申しかねる次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いまこうして資料をお出しになって、それに基づいての質疑という形でお答えになるわけですから、また、そのこと自体は矛盾していると私は申しませんけれども、あなたのほうは指導監督の立場にあるわけですよ。いいですか。いろいろな事件というものをいままで把握してこられたと思うのですね。だからそういったような点から、いま、任意にこれを仲買い人が出したんだから、それをこのまま出しただけだから、したがって善意か悪意か、実際どういうものかわからない、そういうお答えでは、これだけによってのお答えとしてはわかりますけれども、いままであなた方がずっと問題点を把握してこられたという立場からどうお考えになるかということは、私は問題点であると思うのですよ。いかがですか。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 御指摘のとおりでございまして、さような見地から、これら提出のリストの中にあがっておりまする紛議の多い仲買い人につきまして、われわれは検査を行なっておる次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それから、委託者が証拠金を出しますね。相場が急激に変動するということがあるであろうと思う。その変動しました場合、いわゆる証拠金以上に損をする場合の処理はどうするのかという問題が私はあると思うのですね。これは何か専門語には、足というようなことを言っているのだそうでございますけれども、いわゆる足が出たという場合の処理はどうなるのか。これは紛議の場合にどれに入ってくるのか。その点いかがですか。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 委託証拠金というもので足りません場合には、さらにこれを新たに積み増しを求めるということで対処をしておるようでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 商慣習としてどうなされているのですか。理論的にはおっしゃるとおりだろうと思うのだけれども、商慣習は。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 商慣習としてさように行なわれておると承知しております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 私が聞き及んでおる商慣習は、当然、仲買い人というのは、委託者からその不足分というものを回収するという権利はある。ところが商慣習としては、そういう場合に、委託者からその不足分を出してもらうのではなくて、いわゆる不良未収金という形でこれを放棄する。ところがこれは、放棄しますと税法上の問題が当然起こってまいります。税法上の問題になりますと、それを損金扱いにされて、だいぶ期間が必要になってくる。したがってその場合、これを紛議という形で雑損処理をしていくのが商慣習の、まあすべてとは言わないのですけれども、そういうことだと伝えられているのですが、あなたのほうの調査は、そうなっていませんか。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 紛議の解決のしかたとしての値合い金処理方式につきまして、ただいまお話のような疑惑が持たれ得るということにつきましては、私も耳にいたしたことがございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 これは当然なことが行なわれない。私が指摘をいたしましたように、いわゆる足が出た場合、それは当然委託者に支払いをしてもらう。これは商品仲買い人としては当然なことだと思うのですね。ところがそれをそうしないで放棄をする。まあそういったようなことの穴埋めというような形から、いろいろ無理な経営をしていくということ、そのことが委託者、投資家に対して大きな損害を与えていくという結果が生まれてきているということですね。だから、こういった問題については、監督官庁である通産、農林両省というものは、もっと実態を把握するという努力があってしかるべしと私は思う。それがなされていないところに、こうしたいろいろな事件が発生をしてきていると私は思うのです。  それに対するお答えも伺いたいのですが、解決分というものよりも未解決というものが、件数としては少ないのですけれども、金額としては相当大きいわけですね。この未解次に対してどのようにお考えになっていらっしゃるのか。また、どのような指導をしておいでになったのか。この二点についてお答えを伺いましょう。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 紛議の内容につきましては、いま先生のおっしゃいましたようなものもあるかと思いますが、やはり委託者側からの紛議のものも相当多く含まれているとわれわれは考えております。したがいまして、これは話し合いで解決をしていくことしか、現段階では、起こってしまったものですから、ないわけでございまして、なるべく早く解決をしていくように努力をしてまいりたいと思いますが、手続的には、先ほどの、先般の通牒でももう少し紛議調停の委員会等も明朗なものにして、なるたけそういうところで公平な第三者の話も聞いてもらって、そういう未解決のものを早く整理するということに努力をしてまいりたい、こういうふうに考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 まあ、とにかく努力をしていこうとおっしゃのですから、私はそれを責めようとは思いません。しかし、あまりにも私は政府としては無責任であったと思います。極端に申し上げるならば、こうした大きな社会問題になった原因というものは、その大半は政府が負わなければならないものだというように、私は極論をしたいぐらいであります。  あとで指摘をいたしますけれども、ただ、商品仲買い人と投資家の関係だけではない。取引所自体の運営というようなものに対しても、いままで問題が多々あったのではなかろうかという感じがいたします。私は、いまここに持っております新聞が正確であるかどうかわかりませんけれども、これを読んでみますと、実にでたらめな運営が取引所の中においても行なわれてきた。取引所の役員の選考の問題等にいたしましても、理事長が理事の問で互選をされるけれども、その理事を選ぶために選考委員的なものを理事長が指名をする、そういう形で取引所の役員の構成がなされてきている。しかも、それはほとんど業者であるというようなこと。だからして、取引所と仲買い人はぐるになっておるのだという不安を投資家が持つようになっておるということだろうと私は思うわけです。  同時に、私がこの新聞を読んでみて意外な感じを受けるわけですが、紛議の起こるのは、損をした客が世論をさか手にとってごて得をねらうものもある、そういったような報道あがるわけです。これらのことは耳にしていらっしゃいますか。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 お答えいたします。  確かに先生のおっしゃるような、そういうケースもないわけではなかろうというふうに考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 最近の風潮として、役所に行けば金になると問題を持ち込んでくるわけです。法に違反したか違反せぬかということは、立証する何ものもないのですよ。先ほどの横山質問に対するお答えの中でも、私はそういう感じ方をしておるわけです。  そこで、両者の間で話がつかない、いわゆる仲買い人と委託者との間では話がつかぬ、役所に行くぞ、役所に行くということになってくると、それは困るのだ。あるいは、マスコミにこのことをぶちまけていくぞ、それは困るのだというようなこと。そこでついに話し合いがつく、いわゆる紛議の解決という形になる。そういうことだから、そこへはびこってまいるものは事件屋だということです。その事件屋の中には暴力団もある。その暴力団によって相当いじめられておる商品仲買い人もあるやに私は伺っておるわけです。いまのお答えで、そういったこともないことはないというようなことでございますから、いま私が指摘いたしましたようなことがあるのかないのか、これに対してどのように対応してこられたのか、ひとつ伺ってみたいと思います。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 これは個別のケースケースをお伺いいたしませんと、なかなか判明しがたいむずかしい問題でございますけれども、私も日が浅うございますが、私のところにじかにいろいろ来られる方もございます。お話を伺いますと、それはどういうことかということは大体お察しがつくわけでございますから、個別に問題を処理していくというはなかろうというふうに考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いまの答弁ではわからないのですよ。政府に対して問題を持ち込んでくる人がないことはないでしょう。そういう場合に、あなた方はどういう対応のしかたをしているのですか。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 私どものところへそういう話が持ち込まれます場合に、何かごね得だというような感じの方も若干ございますけれども——ごね得といいますか、やはりこういう時期ですから、なるたけ粘っていたほうがたくさんお金が取れるのではないかという——もっと極端に申しますと、すでに取引所で調停が成立をして四、五年たって、あのとき私が判こを押したのは、もう少し何とかしてもらえたのではないかというようなのがお見えになります。しかし、そういうことは、この際といえども、あなたが判こをおつきになってこれでよろしいと言われたのだから、それはだめでございましょうということで、これはお断わりをしておるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 話し合いが成立をしたあとで、もう少し金がほしかったと言ってきた、それはあなたが判こを押したのだからしかたがないのじゃないか、そういうケースは私は少ないと思う。話し合いがつかないでそのしりを役所へ持ってくるというケースのほうが多いのじゃないでしょうか。そういう場合にどのような対応のしかたをしているのかと、こう聞いているわけです。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 もちろん先生のおっしゃるようなケースがほとんどでございます。その場合に、事情をよくお伺いいたします。そこでただいまは各取引所のそういう紛議を担当している係官の方に御連絡をして、そこで一応話し合いをしていただく。その結果そこで解決したものについては、至急われわれのところへ御報告をいただく。その報告を見て、われわれが聞いたことと——まあ大体妥当ではなかろうかというものにつきましては、報告をいただきましておしまいにしておりますけれども、やはり納得がいかないと、またわれわれのところに見える方もございます。そういうものについては再度あっせんをするということで仕事を処理しておるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いままであなた方のほうで扱われて、役所へ持ち込んできた、そういう場合に、それは仲買い人は間違っていないということで、委託者のほうを説得というか、委託者のほうによく事情を説明をして解決するというケースと、そうではなくて、これは確かに外務員が法に触れるような勧誘をやっておる、こういうことで損害を負担させて解決したというケースと、そのいずれが多うございますか。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 われわれが個別にお話を伺います限りでは、これは確かにお気の毒だと思うような、むしろ外務員がおかしいのではないかというケースが多いようでございます。ただそれが、両者いろいろ話を詰めてまいりますと、委託者側に非常に不利な点というのが間々出てくるというケースがほとんどではなかろうかというふうに思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 私は不正はどこまでも正さなければならないと思います。そこで、この投資家というものを守っていくという態度をきびしく貫いていただかなければならぬと私は考えます。だが、問題を持ち込まれてきた、これはやっかいだ、もう業者にこれを負担させておけばケリがつくのだ、こういう形で責任回避、早くいえば、役所という高い立場の上に立って業者に一つの圧力感を持たして問題を解決するという形は、私はとるべきではないと考えるわけです。役所というものは、えてしてそういう責任回避事なかれ主義的な扱いをするということがあるのではないかというように私は思うのです。  そういうようなことになってまいりますと、業者はやはり経営を続けていかなければならない、この穴を何とか埋めようという考え方がどうしても強くなってくる。無理な勧誘をさせる悪循環というものが起こってくることを私はおそれるわけです。あなた方はそうした問題の解決に対して、どのような態度で取り組んでおられるのか。それから紛議というものは全体の取引の何%ぐらいか。いま一つは、私が先ほど申し上げました、問題の解決に事件屋がはびこっておる。しかも暴力団が相当いるのだ。そうした調査をされたかどうか、それらに対してどのように対応してこられたのか。先ほどもお答えございましたが、明確でございませんでしたから、あらためてひとつ、いま申し上げた三点についてお答えを願いたいと思います。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 最初に、紛議の解決でございますが、役所といたしましては、先ほど農林省からも御答弁がございましたが、かりにお話を承るという場合には、十分事情を承りまして、これを当該取引所にお回しをする。取引所には、御承知のとおり紛議の調停機関がございますので、その調停機関における公正な問題の解決を期待をいたす、こういうたてまえをとっておるのでございます。私ども自身が責任回避という趣旨ではなくして、われわれは、当事者間の紛争についての調停機関として別個に設けた正式の機関に、その仕事をお願いいたす姿勢でおる次第でございます。  第二に、事故の発生件数が総売買についてどのくらいであるかということでございまするが、これは金額高でとりまするときわめて微少な数字でございまして、おそらく千分の一以下、一万分の一といったような台の数字になるはずでございます。  なお、この問題の紛議の解決にあたりまして、暴力団その他の介入があり得るのではなかろうかという御指摘につきましては、当省といたしましては、そのようなことは関知いたしておらない次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 ここ数日来の動きで私どもの耳には相当なものが入ってまいります。いままで指導、監督の立場にあられた役所において、それらのことが耳に入らないということはないのじゃないでしょうか。いや、全く聞いていないんだとおっしゃるのに、聞いているだろうといって、あなたと水かけ論をやってみてもしようがないのですが、私は聞いておらないはずはないと思うのです。具体的な事実も私は幾つか握っております。きょうは、その情報を漏らした者から、自分の名前だけは何とか言わないでほしいと言われたので、それを尊重しなければなりませんから実は言えないのですが、四十四年の十二月に一千万円の賠償という形で金を出させられたというのですね。その際にはある暴力団——名前をここに私は全部書いておるので、それを読みたいくらいですけれども、伏せなければなりませんから言いませんが、委託者は米山某という人なんですが、暴力団は村上某と言う。一千万円のそういう事件なんです。私がいま調べているところでは五件くらいあります。  そこで、それならば何か不正なことをやっておったのか。そうした不正なことをやった、違法な勧誘をしたということは断じてありません。ところが、その商品仲買い人がたまたま数年前に間違いを起こして、営業停止の行政処分を受けている。また持ち込まれると営業停止を受けるおそれがある。金で済むことなら何とか金で済ましておきたい——これはべらぼうにもうかるのだろうと私は思う。実は商品取引所の中でも、相当もうかっている人、多額納税者になっておられる人がたくさんおられるようですが、これはよくもうかるものだなと思って、私も、何と言うか、うらやましくは感じませんけれども、そんなにもうかるものかなということで首をかしげているのですが、そういったことから、一千万円だなんていうような、私どもが考えると大きい金額ですが、たいした金額だとは考えないのかもしれませんけれども、そういうような解決が、先ほど申し上げたように、どうしても事件屋をはびこらせ、暴力団の資金源みたいな形になりかねない。きょうは刑事局長もお見えでございますから、刑事局長から、私が指摘しましたことがいままで耳に入ったことがないのかどうか、それらの点に対してひとつ伺ってみたいと思います。

高松敬治警察庁刑事局長

○高松政府委員 商品取引の問題に関連して暴力団が介入しておる、それで事件として検挙になったという事例は最近ございません。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 よく聞き取れなかったのですが、そういう例はないというのですか。

高松敬治警察庁刑事局長

○高松政府委員 商品取引に関連して、それに暴力団が介入をして、そしてそういう形での暴力団一の事件は最近ございません。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 あなたは最近ないという断定をなさったのですが、それでは私が申し上げたことは間違いだったということになるのでしょうか。断定なさいますか。

高松敬治警察庁刑事局長

○高松政府委員 ことばが足りませんでした。それで検挙になった事例はございません。そういうことでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 検挙になった事例がないということですが、そうすると、そういうことが耳に入って捜査をお進めになったことはございますか。

高松敬治警察庁刑事局長

○高松政府委員 そういう形の事件で捜査をしたという報告は、いままで受けておりません。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 私の割り当て時間がすでに経過しましたから、残念ながらこれ以上お尋ねすることができないわけですが、ともかくいろいろな事件があることは事実ですよ。ですからあなた方のほうでも、やはり捜査は捜査としておやりになる必要があると思う。私は商品仲買い人を守るという意味で申し上げておるのではないのです。これはもちろん悪い者からいい者がいじめられることは、商品仲買い人であろうとだれであろうと、国民であるからあくまで守っていかなければならない。しかし、不正なことがそのまま何の取り締まりもなく見のがされ、それが横行してまいりますと、結局、善意の第三者というものがその被害を受けるという形になってくるであろうということを心配するわけです。だから刑事局長としても、今後これらの問題について真剣に対処していこうというお考え方があるかどうか、また、通産、農林両省としてどうお考えになるか、伺ってみたいと思います。

高松敬治警察庁刑事局長

○高松政府委員 私どもとしましても、暴力団の犯罪というものがいろいろな形で出てまいります。そういう形で、いわば一つの新しい形として商品取引というふうな問題にからんで暴力犯罪が行なわれているというふうなことになれば、これは非常にゆゆしい問題だと思いますし、大いにその方面の視察あるいは取り締まりも進めてまいりたいと思います。  ただ、もう一つこういう機会にお願いしたいことは、やはり被害を受けた方が勇気を出して届けをしていただく。私どももそういう問題を取り上げて一生懸命にやるつもりでございます。そういう所存でございます。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 通産省といたしましても、委託者保護の見地から、取引所並びに仲買い人に対しまする監督を一そう強化いたしますとともに、この商品取引にまつわります不明朗な空気というものについては、行政上できる限り是正、改善の努力をいたしたいと考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 外務員の雇い入れに対する制限をやっておることを昨日伺ったわけですが、担当課長、そういうことで私のところにお話もあったわけですが、そういうことなんですか。外務員の雇い入れについて規制をしていらっしゃいますが、それはどういうわけで規制をすることになったわけですか。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 登録外務員の数につきましては、各取引所単位で一応定めらてれおりますが、それが欠員等を起こしました場合には、その二分の一しか補充をしないということに一応なっておるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 法的根拠は何かということをお聞かせ願いたいと思います。  それから外務員というのは、明治大学で三カ月の学習をやって三カ月の実務経験を持った者、いわゆる六カ月の講習を受けて外務員の試験が行なわれる。それでこれにパスした者が外務員に登録されるということになってまいりますね。そうすると、それを規制するという法的根拠は何か。  それから、時間がございませんから私は続いて申し上げますが、欠員が生じた場合二分の一の補充しか認めないということになってまいりますと、結局それでは困るから、悪い外務員であるけれどもこれをやめさせないという形になって、その悪い外務員をかかえ込むという結果が生まれてくるのじゃないでしょうか。そのことが善意の大衆投資家にさらに損害を与えていくという結果が生まれてくるのではないでしょうか。ただ問題があるからここを押えておけばいいのだというようなことだけでは、問題の解決にはならない。私が先ほど申し上げましたように、責任回避という形になるわけです。それであってはならない。もっと情熱を持って問題に取り組んで、そうしたいろいろな社会問題が起こってくる根源を断つということ、それでなければ私は問題の解決にはならいと思いますが、そうはお考えになりませんか。

森整治農林省農林経済局企業流通部長

○森説明員 お答えいたします。  新規の外務員を基準時の二五%以内に採用することを制限するということでございまして、例外といたしまして、一定数以上減ったときにはその半分は新しくとるということで指導をしておるわけでございます。先ほど申し上げました法的根拠といいますよりも、指導として通産、農林両省で行なっておるわけでございまして、趣旨はやはり外務員が非常に膨大にわたります場合に、人事管理に問題が起こる。結局それが営業姿勢につながる。そういうことで最近紛議を起こしております。一番最前線部隊は外務員でございますから、この際ともかく——永久にということを申しておるわけではございません。この際はそういう形でお互いに自粛をしていったらどうだろうか、こういう趣旨であろうかと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いまおっしゃったことは私は一応はわかります。また、外務員をたくさんかかえるということは、これはどんどん家庭勧誘なんという形になって、無理な勧誘というものをするだろう。数が多くなってまいりますと、その中には悪い外務員というものもどうしても比率として多く出てくるだろうと私は思います。そのことがやはり、この出していただきました資料でもわかるわけですが、取引、しかも証拠金の額が大きいものが、勧誘員の数も比較的多いという形になっている。そのことがまた紛議も多く起こってきているということになってまいりますから、いまのいわゆる自粛をさせるという意味においてのお考え方は一応わかります。しかし私が申し上げましたような弊害も起こると思います。結局、欠員が出たとき二分の一しか認めない、だから、悪いやつだけれどもこれをやめさせたら認めてもらえぬから困るのだと、そのまま悪い外務員をかかえ込むことになってくるのじゃないでしょうか。それらの問題等についても真剣にお考えになって問題の解決をはかっていくということでなければ、ただ、強い立場にあるから、そういうことで業者をただ押えていけばよろしいというような解決のしかたというものは問題のほんとうの解決にはならないということでございます。同時にまた、法的根拠はないわけですから、それらの点についても、十分理解するように説明をして納得させるという努力も、私は必要であろうというように考えます。  それと、先ほど私はちょっと触れたわけですが、取引所の構成の問題、少なくとも私は近代的、民主的に行なわれていないのではないかというような感じがいたします、役員の選任方法等についても。これらの点についても、この後どのように対処していこうとされるのか。問題は私はたくさんあると思いますから、そういう全般的な解決というものがなされなければならぬと思います。取引所の役員の構成等についてまでいろいろ言うということは、これは役所としては非常にむずかしいことなんだ。そういうことで逃避するという形になりましては、私は、それらのところにこうした大きな問題を起こす根源というものもあるような感じがいたしますから、やはりそこいらもほんとうに民主化していかなければならぬと思いますが、それらの点に対しはどう対処していこうとお考えになりますか。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 ただいま御指摘を賜わりました諸点につきましては、私ども今後の行政運営につきまして十分承った次第でございまするが、基本的には通産大臣が予算委員会で御答弁申し上げ止したように、取引所というものが、本来の会員相互間の取引という姿から大衆のいろいろな形での参加という新しい事態を迎えておりまする時代に入りましたので、このような新しい事態に対応して、行政のあり方あるいは取引所のあり方そのものにつきまして、根本的に検討を加えていく必要がある、こういう通産大臣の趣旨をわれわれも体しまして、今後とも努力をいたしたいと考えます。

橋口隆自由民主党

○橋口委員長代理 この際三十分間休憩いたします。     午後二時六分休憩      ————◇—————     午後二時五十一分開議

八田貞義自由民主党

○八田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  通商産業の基本施策に関する件及び私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出があります。順次これを許します。石川次夫君。

石川次夫日本社会党

○石川委員 私は、実はきょうの質問は、平価切り上げの問題について質問をしたかったわけなんでありますけれども、あいにく参議院の審議の関係で担当大臣がこちらに出席できないということでありますので、平価切り上げの問題はこの次に譲りまして、きょうは最近の新聞紙上ときどき問題になっております公正取引委員会の独禁法の問題について、谷村委員長の出席をわずらわして若干の質疑を行ないたいと思うのであります。谷村さんは大蔵出身の俊英でもあるし、こちらへ来てまだわずかに五カ月だとはいわれても、公正取引委員会の空気はほぼおわかりになってきたころではないか、こう推察をいたしまして、私の質問する要点はきわめて簡単なことでありますので、時間の関係もありますから、簡潔にお答えをいただければ早く質問を切り上げたい。あとの質問者もたくさんあることでありますので、その点をひとつよろしく御配慮を願いたいと思うのです。  最初にお伺いいたしたいのでありますけれども、独禁法は、終戦後、占領軍の背景のもとにつくられまして、非常にはなやかに進展を見た時期があったわけでありますけれども、その後だんだんだんだんと改廃に改廃を重ねまして、いわば独禁法は敗退の歴史である、こういうふうにいわれておるわけであります。あるいはまた、風にゆらぐ独禁法である、こういうふうな批判もちょいちょい新聞などでは散見されるわけであります。この点について、谷村委員長といたしましては、この独禁法の現在置かれておる立場、それから今後どういうふうにこれを持って行かれようとするのか。非常に大ざっぱな質問で恐縮でありますけれども、まず心がまえの問題として最初に伺っておきたいと思うのであります。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 独禁法が制定されてから何べんか改廃されてはおりますが、そのこと自体を私どもは、敗退を重ねたとか、あるいは風にゆらぐというふうなものとしては考えておりません。むしろ日本の経済の風土と申しますか、それにしっかりと定着する、そして国民経済のよりよき発展のために、いわば実情に合うように変えていかれており、また、その上に立ってただいま厳正に執行されておる、かように思っております。

石川次夫日本社会党

○石川委員 それは、私と考えが違う。これを議論すると長くなると思うので、お考えを聞いただけにとどめて、いずれまた機会をあらためて、いろいろこれについてお話をする機会が多いと思いますので、その程度にしておきますけれども、しかし、たとえば独禁法第十五条、よく問題になる十五条の問題にしても、「一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる虞がある場合」ということになっておった。ところが、それが単なる「虞」というのではなくて、「制限することとなる場合」というふうに改変をされておる。これはたいへん重要な改変だと思うのです。したがって、これは単なる可能性の問題ではなくて、合理的蓋然性というものを要求するというようなことになったことは、やはり私は一つの後退というふうに見ている。これは日本の経済情勢というのは大いに目まぐるしく激動し、進展をしているということの情勢に適応させたのだ、こういうふうに考えれば考えられないことはないかもしれませんけれども、独禁法の本来あるべき形からすれば、私どもとしては敗退ではなかったか、こういう判断をしておるわけです。  問題は、この第一条にございます点が一番問題だろうと思うのでありますが、「公正且つ自由な競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇傭及び国民実所得の水準を高め、以て、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的とする。」これが独禁法のいわば基本的な考え方になるものだと思うのです。これをはずれて、ともすると法律解釈に終始するということではなくて、あくまでも第一条の基本精神に立ち戻った形で公正取引委員会というものは任務を遂行すべきではないか、こう私どもは常々考えておるわけでありますが、その点についてはどうお考えでありますか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 法律の執行にあたりましては当然法律の各条章の規定に従ってやることは、もう私ども全くそのとおりであると考えております。そして特に目的としてうたわれております第一条は、各条項を解釈する上において当然前提として考えるべきものである、かように考えております。

石川次夫日本社会党

○石川委員 法律の各条項それ自体は、いろいろ立場によって見方が変わってくると思うのですが、自由な事業活動にどの程度、独禁法の立場で公正取引委員会が、それを背景といたしましてこの規制をすることを通じて、より公正な競争を維持できるかどうか、こういうことの目的のために公正取引委員会は存在をする、こうわれわれは理解をいたしております。  ところで、この経済政策は、この前の山田公取委員長なんかよく言われておって、私も全く同感なんでありますけれども、独禁政策と産業政策と金融政策、これはいわば経済政策の三つの柱である。したがって、この三つの柱の中で独禁政策というものはきわめて重要な位置を占めるものであるという、非常な責任感を披瀝したあいさつをこの委員会でも受けたことがあるわけでありますが、その点は谷村委員長はどうお考えになりますか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 私は、たまたま御指摘のように大蔵省におりまして、財政あるいは金融政策もいたしたわけであります。自由主義あるいは資本主義、そういったことを前提としている経済体制において、公正かつ自由な競争というものがその経済体制のいわば基本にあって、それの上に立って、すべてそれを前提とした上でいろいろな、たとえば政策が行なわれるであろうということは、これも私は確信いたしております。ただ、財政、金融政策と独禁政策と、この三つが基本であるというふうに言えるかどうかについては、私は山田委員長から直接にそういうふうに伺っておりませんので、山田委員長と同じ意見であるというふうに申し上げられるかどうか存じませんけれども、少なくとも、独禁政策あるいは競争維持政策というものが現在の日本国民経済の一番重要な基底になっておるということについては、同じように考えております。

石川次夫日本社会党

○石川委員 実は「東洋経済」で谷村さんがお話になった記事を拝見をしたのでありますけれども、おっしゃるように、産業政策と競争維持政策が対立しておるというふうに考えているとすれば、これは産業界における自殺行為である、この考え方はひとつ堅持してもらわなければならぬと思うのです。  先般のことをいま蒸し返していろいろ申し上げようとは思わないのでありますけれども、富士鉄と八幡の合併は当委員会においては九分九厘つぶれた、こういうふうにわれわれは判断をしておったわけであります。ところがその対応策が出て、対応策がいろいろと検討された結果、結局は合併というものが実現されることになったのは、われわれとしては非常に意外な感じを与えられた。社会党はとかく大企業に対して反対をする立場だというが、そういう教条主義的な立場でわれわれはこの合併に反対をしたものでないことを、はっきり御認識を願いたいと思うのです。  これは御承知のように、USスチールがいろいろな事情で一九〇一年に合併した当初は、七〇%のシエアを占めておった。しかし大きいことはいいことではないのだという例がこのUSスチールに出ている。というのは、最近わずかにシエアは二四%に低落をしておる。富士鉄と八幡が合併左することに対して、ほかの住金や川鉄というものは全然反対をしなかった理由は一体どこにあるか、こういうことを考えたときに、この新鋭設備の寄与率というものが八幡とか富士鉄というものは非常に少ない。日本鋼管、川鉄、住金というものは、新鋭設備の全体の生産高に占める寄与率というものは非常に高い。したがって八幡、富士鉄が合併しても何らおそるるに足りないし、多くのシエアを占めればそこできめた値段に右へなら身をすればいいんだ。いわば鉄鋼戦争にくたびれて、もう独占価格で高い値段できめてくれれば、それに右へならえすればいいんだという機運が強かったのではないか。それでは独禁法のねらうところの公正な競争というものは眠ってしまう。日本の国民経済という立場からして非常に不幸ではないか、こういう考え方でこの富士鉄、八幡の合併というものに対してはわれわれは反対をするということなんであって、いたずらに合併することそれ自体が反対だという一本調子な考え方ではなかったということをひとつ御理解を願いたと思うのです。  そういう点で言いますと、いままで独禁法の立場でいろいろ合併の問題については、雪印とクローバー乳業、これはシエアが七〇%くらい占めてしまうという問題の大きいことではあったのですが、あるいは中央繊維と帝国製麻の問題、あるいは三菱三重工の合併の問題、これはいずれも非常に問題が大きかったのでありますけれども、これは全部公聴会をやっただけで合併というものは認められてしまったというあとに出てきたのが富士鉄と八幡の問題で、財界は、この合併さえできればあとの合併というものは易々たるものである、こういう感覚のもとにこれをこぞって支援をするという立場であったけれども、一方体制内のいわゆるケインズ学者のグループである連中ですら、学者はこぞってこれに反対する。これが決して反体制の学者ではなかったというところに問題があると思うのです。体制内の学者が全部反対をするということは第一条の精神にもとる結果になるのではないか。狭い一定の取引市場におけるところの問題だけを法律的に解釈をして、実質的に競争を制限するんだということなんですけれども、実をいうと、これは蒸し返して言ってもしかたがないのでありますけれども、粗鋼のシエアというのは全然取引市場を持たないわけです。アメリカあたりではベスレヘムスチールとヤングスタウン、この合併、二位と六位の合併であるけれども、これは完全に拒否された。どうもアメリカでは独占というものは罪悪であるという観念が徹底をしておりますけれども、日本人はどうも独占というものに対しては感覚が鈍い。過当競争は罪悪であるという感覚だけが発達をしていると言うと語弊がありますけれども、そういう感覚が多過ぎる。したがって、独占というものが経済というものを鈍らせてしまう、競争というものを維持するためには非常な弊害である、こういう感覚がないと、先ほどのUSスチールではありませんけれども、日本の国民経済というものは健全な意味で発展はしない、こういう点をひとつしっかりと公正取引委員会としては腹に据えてこれから対処してもらわなければならぬと思うのです。  それで申し上げたいのは、富士鉄、八幡の問題をここでお伺いしたいと思っているわけじゃありませんけれども、公正取引委員会の問題の重要な柱として伺いたいのは、八幡と富士鉄の問題について言っているわけではありませんけれども、この「東洋経済」で谷村さんがおっしゃっている座談会の中で、八幡と富士が自分たちの思うようにいかないからけしからぬというような話ではなくてと、こう書いてあります。これはそのとおり。そのとおりだと思うのですが、ところがほんとうはわれわれが言いたいのは、八幡と富士鉄のようなものが合併が実現してしまうというようなことではなしにと、こう書いてもらえば、なおわれわれは納得したわけです。これは財界の意見ですが、いま新聞に盛んにいわれておるのは、財界と公取との密月時代になった。これは誤解が非常にあると思うのですけれども、密月時代になったというふうなことがもてはやされて、非常に公取と財界というものは持ち株会社というものについても柔軟性を持って、話しやすくなった。非常に柔軟な態度になった。私はその額面どおりには受け取っておりませんけれども、そういうふうなことは誤解だと思いますけれども、そういったことであるとすると、非常に私は問題の方向を見間違うのではないかという懸念を持っておるわけです。  この富士鉄と八幡の場合に、いろいろな対応策が出たわけですが、対応策が実際に実現するかどうかということについて、われわれな非常な危惧を持っておるし、そういう点で実はこの点は不確定の問題が多いという点で、私は合併にはならぬ、こういうふうに確信を持っておった。それがいつの問にか合併になってしまったということについて、これでは公正取引委員会の存在の理由はもうほとんどなくなった。これだけ大きな合併というものが、いろいろいきさつがあったにしても、認められてしまうということになれば、あとは合併は全部野放しだ、端的に言うと。そういうふうなことになりはせぬか。しかも第十五条は死文化してしまったのではないか、こういうふうな気持ちすらわれわれは持たざる得ないわけなんです。  念のために伺いますが、八幡と富士の対応策というものは、狭い一定の取引分野におけるという法律解釈だけでは、なるほど法律に対して忠実にやったのかもしれません。しかし、基本的な、経済学的な国民経済の立場からするとどうなんだという点が、大きく抜けた結果になってきているのではないかということを懸念をするのですが、十五条を狭く解釈をしたといたしましても、八幡と富士が対応策を出して、そのあとの実行の経過、それはどういうふうに現在進んでおりますか。念のためにこの機会に伺いたいと思います。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 いろいろたくさんのことをお聞きになりまして、それについて私としてのいろいろの誤解を解くという意味もあり、また私の気持ちをわかっていただくという意味でも申し上げたいと思いますが、最後の御質問だけについてひとつここは答弁いたします。  富士、八幡は四月一日から新日鉄となって発足するに際し、公正取引委員会に対して同意審決によって命ぜられておりますところの諸般の対応策と申しますか、それについて報告をこの二十日に持ってまいりました。もちろん、新日鉄になってからやらなければならないこと、守らなければならないことというのは別といたしまして、合併までにとるべき措置というものについては、その対応策の措置をすべてこういうふうに終了いたしましたというものを、あるものはちゃんとした契約書の写しを添えなどして持ってまいっております。  私どもといたしましては、それが現実にたとえば株の譲渡が行なわれたかどうか、あるいは東田なら東田の高炉の受け渡しの問題ができておるかどうかということを、それぞれ現場において必要があれば確認するという態度をとって、いま現にやっております。

石川次夫日本社会党

○石川委員 それだけの回答でけっこうです。あとはいずれ機会を改めて、きょう時間がありませんから、いろいろな点で伺いたいことがあるのですが、それはまたの機会に譲りたいと思うのでございますけれども、それで富士、八幡の合併をした後、新日鉄としてなさなければならぬということについても、これは厳重にひとつ監視をしてもらわなければならぬということを強く要望しておきたいと思うのです。  われわれとしては非常にこれは残念なんです。この富士、八幡というものが合併して——確かに、昔USスチールが合併した当時と違って、企業というものの設備が非常に大規模になってきているし、それからたとえば電子計算機を使わなければならぬというふうに経営の内容も非常に変わっているというような点で、やはり大きくしたほうがいい——メリットというものはわれわれは認めるにやぶさかではないのでありますけれども、しかしそれかといって、こんな大規模な合併がいいかどうかということとは、これはまた別問題だと思うのです。そういう点でわれわれはいまだにこの合併については釈然としておりません。しかし、きまったことであって、われわれがどうがんばってみたところで、狂瀾を既倒に返すというわけにはいかぬわけでありますから、この点は断念せざるを得ないわけでありますけれども、日本の国の管理価格を阻止するという一面からいっても、これは少し独占価格の可能性がふえてくるということだけはいなめない事実ではないか、こうわれわれは判断をしておるわけで、今後の経過を見守っていきたいと思うのです。  本論に入る前にあと一つ伺っておきたいのでありますが、物価問題の中に占める独禁政策の位置というものを相当高く私は評価をいたしておる一人であります。それは、ただ単に消費者の立場に立って、レッテルと実際の中身が違うのだというようなことを調べるとかなんとかいうような、区区たる問題でなくして、大きく物価問題の対策としては、もちろん賃金と生産性向上とどう見合うかというような問題がありますし、基本的問題がいろいろあると思うのです。しかし、競争価格を維持させるという点に関してこの独禁法を強化していかなければならぬという問題。それから所得政策。これはまたいろいろな議論がありまして、現在の日本にこれを用いることは是か非かといういろいろな問題があるけれども、大体具体的な対策としては、独禁法を強化し、あるいは所得政策を用いるというふうなことが、現在当面物価対策として考えられている二つの柱ではないかという見方があるわけです。その点についてどうお考えになっておりますか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 現在の経済が価格メカニズムを通じて動いており、またその価格メカニズムを通じて最も好ましい資源の最適配分がされる、そうして各企業はその上に立ってそれぞれの努力をする、また消費者も、あるいはその他のいろいろな関係者も、そういう上に立って合理的な判断をしていく、これが基本でございますから、そういう意味では、前提となる競争条件の整備ということは、物価問題ということを考えました場合に確かに一つの大きな要素であるというふうに考えております。

石川次夫日本社会党

○石川委員 物価対策の政策としては、やはり合理化というものを低産業部門に合理的に配置をして合理化をはかっていく。中小企業とか農業の問題はあります。それからまた、完全な競争というものが維持されていくということがどうしても必要な柱であり、一番重要な柱で、その点に関する独禁政策というものの役割りは非常に大きく評価をしなければならぬ。あとはまあ財政政策、金融政策というものも、これに大きくかかわってまいるわけでありますけれども、そういう点で、国民経済という立場もありますけれども、いわゆる消費者の立場に立っての独禁政策の果たす役目、これはきわめて高いものであるということをひとつよくお考えをいただいて、今後の独禁法というものを扱う上について消費者の立場を忘れない、国民経済の立場を忘れないという決意をぜひ持ち続けてもらいたいということを強く要望しておきたいと思います。  それで、たいへん盛りたくさんなことをあわせてしゃべってしまったので、あとでいずれまた、一つ一つほぐしながら質問をする機会もあろうかと思うのでありますけれども、最後にひとつ持ち株会社の問題について、これは憲法第九条と同じように、現在は独禁法第九条が大問題になるのではないかと思っておるわけです。朝日新聞のことしの二月五日に、「公取委 「持株会社」に柔軟姿勢」こういうことが出ております。財界とは共同研究もする、独禁法の改正も含めて柔軟姿勢をとるのだ、通産省も独自に検討するんだというようなことが大きく新聞に出ておったわけであります。谷村委員長がこれを示唆したというようなことが出ておったわけでありますけれども、私どもは何も、財界と共同研究をする、あるいはいろいろ話し合うということ、それ自体を一がいにいかぬということを言うつもりはありません。しかしながら、財界はとにかく合併を推進をし、独禁法というものを財界向け——財界の考え方自体も、企業の立場で考えて、国民経済の立場を離れた立場で、とにかく独禁法というものを何とか改正をしていこうという意欲があることは否定できないと思うのです。財界と共同研究をするとか、柔軟姿勢をとかいうふうなこと自体、私はあながち否定をする気持ちはありません。ありませんけれども、国民経済の立場、先ほど申し上げたような第一条の精神を忘れて、そのほうだけで話をする。たとえば「東洋経済」の座談会でも、先ほど申し上げたように、八幡と富士鉄がすらすらと合併できなかったのはけしからぬ、公取はけしからぬということだけではいかぬのだとおっしゃったけれども、そうじゃなくて、八幡と富士鉄のようなものがすらすらと合併するようなのはけしからぬというのが大半の良識的な人たちの意見だというような声のあることを考えながら、ひとつ、持ち株会社という点についても、これから検討をしていただかなければならぬ重大な点だと思うのです。  日本が独占資本主義の国家であるかどうかという点について、学者なんかいろいろ検討しておるようでありますけれども、日本に独禁法の第九条が、健全に、正しい意味で堅持されたならば、日本は典型的な意味での独占資本主義の国家ではないのだという見方すら学者の中にはあるわけです。第九条が骨抜きになれば、もう日本の独禁法は完全に十五条とともに死滅をするということになって、よってくる結果は一体どういうことになるのだろうか。財界の見方はまた別だろうと思うのでありますけれども、その点を一体どうお考えになっているか、基本的な点でひとつ御回答を願いたいと思うのです。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 法律はやはり一つの目的を持っていること、当然御指摘のとおりだと思います。本来、日本の経済は、企業が自由濶達にその自己の責任において活動してもらうということを前提としておりますけれども、それがより高次の目的のためならば制約を受けてもいたしかたがない、こういうたてまえになっておるわけでございます。そのたてまえからして、ただいまの独占禁止政策、競争維持政策という立場から私どものいわゆる独禁法というものがあって、自由の企業の活動に対して一つの制肘を加えておる、こういう形になっておると思います。  よく御承知のように、いわば独禁法の体制と申しますか、企業の体制のほうの問題と、それから企業の行動と申しますか、ビヘービアと申しますか、その問題と二つございますが、十五条の問題とか九条の問題とかいうのは、いわば企業の体制づくりの問題になると思います。この場合に、ある一定の取引分野において競争を実質的に制限するということが、たいていの場合の、そういうことをしちやいかぬ、そういう体制をつくっちゃいかぬということの条件になっておりますけれども、独禁法では二つだけ、そういう実質的制限と関係なしに規制を加えております。その第一が御指摘のように持ち株会社でございますし、第二番目が金融機関の株式保有の問題でございます。これは、競争ということと無関係に、一つの独占的ないし優越した支配力というものができることを排除しよう、こういう考え方になっておると思います。  御承知のように、なぜ事業持ち株会社、たとえば日立なら日立という事業会社がたくさん出資して子会社を持っておってもいいのかという第十条、これは競争制限になりさえしなければよろしいというのと、第九条のほうの、純粋持ち株会社はこれはよろしくないというふうにしているその法目的、何のためにそういうことを考えておるのかという点を考えてみますと、それはまさに集約されたと申しますか、あるいは節約された資本でもってだんだんに会社を支配し、支配した会社がまたさらに支配していくというような形での、一握りの資本力が多くの企業を支配するということはよろしくない、これはそういう立場から考えられているように私は思います。したがって、九条がそういう独占禁止政策というようなことの基本的な考え方に立ってある限り、私はそれについて、あれは何かアメリカのお仕着せだとかなんとか、そういうふうなことで、つまらぬというふうに考えることは絶対にいけないと思っております。  しかし企業が自由な、さらに新しい時代に即応して何かいろいろやっていきたいというときに、そういった独占禁止政策の基本的な考えから見て別に差しつかえないようなことが、形式的にもし法律に触れるというような問題がかりにあるとすれば、それはよく勉強してみましょう、こういうことも私は実は申しております。行政官といたしましては、やはり情勢に対応して、一たんできた法律はこんりんざい変えないというふうな、かたくなな態度はとるべきでない。しかし、それを柔軟だとか密月だとか、そういうふうなことをおっしゃるならば——これはジャーナリズムのあれでございますが、私は、時代に即応して法律の正しい法目的を達成していくために、一体どういう条文についてどう考えたらいいかということを、第九条のみならずいろいろな面でも検討してまいりたい、かように思っている決第でございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 念のためについでにお伺いしておきますが、第十条の金融機関が持ち株をしてはいかぬという制限がありますね。これは、いまのところ世の中では、大きな問題になるというふうには考えられておらぬわけでありますが、その点はどうなんでしょうか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 御指摘のように、ただいま特に問題になっておるとは聞いておりません。

石川次夫日本社会党

○石川委員 そうなると、やはりこれからの問題の焦点は第九条ということになろうと思うのです。  そこで、通産省の企業局長お見えになっていますね。「通産省も独自に検討」という見出しが大きく出ているのです。もちろん通産省は、独禁法の問題は所管外ではございませんから、絶えず検討はされておるのだろうと思うのですが、特に「検討」ということで、持ち株会社に関連をして何か検討するというふうな記事が出ておるわけです。この点はどうなんですか。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 ただいまお話がございましたように、持ち株会社をめぐりまするいろいろな見解が伝えられておりまする際でもございますし、また当省といたしましても、資本自由化の促進等等、あるいは海外資源開発といったような産業政策上の要請を受けまして、その推進の手段として、伝えられるような持ち株会社という形式がはたして必要であるか、あるいは有効であるかといったような点につきまして、産業政策の立場から勉強をいたしておるという趣旨でございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 きわめて重要な問題で、時間がないと言われてちょっと戸惑っておるんですけれども、これはいずれ機会を改めて、いまの問題もよく検討をしたいと思うのです。  ひとつ端的に伺いたいのでありますが、その後三月の十二日に、「持株会社の必要はない」と、いまおっしゃったような趣旨で谷村さんがおっしゃったことは毎日新聞に出ておるのですけれども、「現在、論議されている持株会社構想のうち、具体性がありそうなのは海外石油開発を目的としたものだけで、その他の構想は、その必要性もはっきりしない」——「はっきりしない」という言い方で、断定的ではないのですけれども、いま言ったように、大会社が自分の中で事業部門をたくさんつくって、独立採算のほうがよいということで分離する。いわば事業するという形における持ち株会社。これは現実の問題として、そう否定できない問題があろうかと思います。ただ問題は、単純な純粋持ち株会社というものを認めるということになって、たとえばアメリカのコングロマリット的なものができる、あるいは外国の資本が自由化された場合に、安直に日本の市場を支配するという可能性が出てくるような危険性もあると思われる。この持ち株会社を認めるということはいろいろな点で問題がたいへん大きくなる。学問的な、大げさな言い方をすれば、そこら辺がはずれれば、そこで日本は初めて典型的な独占資本主義の国家になるというような可能性の道も開かれるというようなことにもなりかねないと思います。  そこで、念のために伺いますけれども、およそわかるのでありますが、海外の石油開発を目的としたいろいろな会社があって、それを何とか持ち株会社で統括をしようという点は、持ち株会社でなくても、何か構想があるような気がする。持ち株会社以外にこれをやっていくような方法は考えられないのか。これについてだけは持ち株会社というのはやむを得ないのではないかという感じでやるとすれば、これは例外になってしまって、これから果てしなく持ち株会社というものの制度の生まれてくる危険性もなくはないのではないかと思う。  そこで、その海外の石油の開発問題だけに限って、なるほどそうかとわれわれわからないわけでもないわけでありますけれども、これがうっかり軌道に乗ったらあとどうなるんだという懸念もないではない。そういう歯どめもしないで、これだけは例外でということで第九条を無視するということになれば、第九条が死文化することにもなりかねない。この石油開発の問題について現在どうお考えになっております。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 実は私は、その具体的構想なり考え方なりというものを、新聞や雑誌で間接的に、そうでもあろうかと思って聞いておるだけでございますので、どこからも具体的にこういう構想で出たいというふうなアプローチは、ただいまのところございません。  実は二つほど新聞の記事をお引きになりましたけれども、新聞に書きますと、私が一方的にしゃべっているように出ておりますが、これは一問一答と申しますか、むしろ新聞の方が自分でケースをあげていろいろ言われて、それに対してこちらが、さあ、どうかねとか、ほかのことはあまり観念論過ぎはせぬかと答えているのが、そういう形の記事になるのでございまして、私が先ほど申しましたような意味で、一握りの資本、節約された資本で多数の事業を支配するというふうな、かつての財閥、そういうもの、あるいは将来それがまたどういう形で出てくるか知りませんが、そういう形でない一たとえは何か事業部門が、それぞれ独立してすぽっと一つ抜けたのがかっこうとして残っておるようなものが、もし石油開発か何かでも、いまいろいろあるのを一つにするという話ならば、そういうのを絶対に歯牙にもかけぬ、耳にも聞きたくないというほどのものでもなさそうだが、そんなような意味で実は答えたのでございまして、これから勉強していきます際に、九条の問題だけでなくて、たとえば十条の、いわゆる事業会社が一体どこまでいろいろなことをしていっていいのか、競争の実質的制限になりさえしなければいいのか。これは、 コングロマリットなんかが将来出てまいります問題として、やっぱり私どもは勉強しておかなければならぬのじゃないか。九条だけが問題だというふうには考えないで、いろいろな角度から、先生も御指摘になったような意味でのいわば経済の大型化というような問題まで含めまして、これからのあり方というものを考えていかなければならぬ、そういうふうに思っておる次第でございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 われわれも非常に公式的に、教条的に、大企業に対してどうのこうのということを言うつもりはないし、経済の発展に伴って柔軟性というものはある程度必要だろうということは認めるにやぶさかではないのです。しかし、いま言ったように、持ち株会社というものについて例外的なものを設けるということになると、これはたいへんなことに発展をしていく可能性がある。親会社が商事会社的なものになって、あるいはコングロマリット的なものに発展をするという可能性もないわけではない。そういうふうなことになってはとんだことになる、それでは非常に将来に禍根を残す問題にもなりかねないので、海外探鉱の会社とか、あるいは海外の石油開発というような問題について、その考え方が一応わからないことはないけれども、持ち株会社でない形で何か考えるというほうがむしろ重要ではないかと思うのです。第九条をくずすような——第九条だけではございませんけれども、これをくずすようなあり方は、当面絶対にまかりならぬとわれわれは考えております。  そういう点で、いまのお答えは、戦前のような、少数がだんだん支配をしていくという形は好ましくないというお考えはよくわかりますから、どうかそういう点で、持ち株会社というものに対して柔軟性があるというふうなことの誤解のないように、きちっとした姿勢で今後第九条には対処してもらわなければならぬということをまず要望いたしまして、時間がございませんので、あとでまたあらためて、いろいろなこまかい点については御質問をしたいと思います。  以上で終わります。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 中谷鉄也君。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 「動く歩道」がたいへんな事故を起こしたというふうなできごとは、非常にやりきれないといいますか、遺憾なできごとだと言わざるを得ません。  そこで建設省に最初お尋ねをいたしたいと思いますが、まず問題の「動く歩道」については、私の聞くところによりますと、昭和四十四年七月十一日に確認を終わられて、昭和四十五年三月に竣工検査を終わられたとのことであります。しかし、こういうふうな事故が発生をした今日の段階において、建設省としては、「動く歩道」を中心とする建築基準法の対象となる諸施設、さらにまた建築基準法の対象とならない施設等についても、建築基準法の精神にのっとって、さらに調査あるいは検査をされる意思があるかどうか。その前に、一体この「動く歩道」というのは、どの部分が建築基準法の適用を受けて、どの部分が建築基準法の適用を受けないのか、これをひとつ、私に与えられた時間が二十分でございますので、簡単にお答えをいただきたいと思います。

前川喜寛建設省住宅局建築指導課長

○前川説明員 お答えいたします。  万博でああいうふうな事故が起こりまして、はなはだ遺憾に存じておる次第でございます。  いまの、どの部分が建築基準法の適用になっているかという点につきましては、いわばトンネル式の建物といいますか、そういうふうなところに相当する部分が基準法の対象になっておりまして、歩道自身は基準法の適用外といいますか、対象外になっている部分でございます。ただ実際問題としまして、ああいうふうな施設に関しましてわれわれも多少の知識がございますので、事故の起こらないようなことで極力指導をしているというふうな形でございます。  それから御指摘の第二点は、ああいうふうな事例にかんがみて、もう一度検査する気持ちがないかという点につきましては、現在当課の専門官ともう一人係長を派遣いたしまして、明日から多少時日をかけて、こちらも含めまして、一斉にそういった体制をもう一度再チェックしたいというふうに考えております。  なお、この施設そのものの建築基準法の審査、そういったものにつきましては、大阪府が直接担当しているところでございます。今後とも、いまの先生のおっしゃるように、建築基準法の対象外であろうと、対象内であろうと、対象内はもちろん責任範囲でございますから、確実にということでございますが、対象外につきましても、われわれのできるだけのことでこういった事故をなくしたいということで臨みたいと考えております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 企業局長か参事官のほうから、お答えになってください。  「動く歩道」に焦点をしぼりますと、竣工検査の終わったのが四十五年の三月でございますね。はなはだ遺憾なことではありますけれども、空中ビュッフェ、それからジェットコースター、さらに「動く歩道」については、人命にかかわるような事故も起こってきた。それから、操作、特に安全な操作のための訓練というのは、いつからどのような体制で始められましたか。ことに「動く歩道」についての関係、操作をしている方というのは、どのような法規に基づく資格を持った方なんですか。

井上保通商産業省企業局参事官

○井上説明員 ホステス等が入りますと、私どもで調べたところによりますと、大体八日か一週間程度の訓練をやっておるようでございますが、特にああいうものの訓練の場合には、机上の訓練がおもでございまして、たとえば、こういうものをとめるときにはこうすればよろしいというようなことは、よく言っておるようでございますが、実際には、それを作動してみるというところまでは、訓練がいっていなかったようでございます。  それで、たとえば今度の「動く歩道」の場合でございますが、ボタンを押せばよろしいということは徹底したようでございますけれども、では実際にボタンを押す場合に、ガラスを破って、ちょうど火災報知機の訓練みたいなものでございますが、それを破って実際に押さしてみるというような訓練は、いままでやっておりませんので、おそまきでございましてはなはだ申しわけないのでございますが、急遽そういう訓練をいまからやろうというふうに考えております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 まあ人類の進歩と調和です。結局、機械的な設備、「動く歩道」という、非常にわれわれが想像もしなかったようなものができた。ところが、それを操作する人が全然訓練を受けていない。ホステスというお話がありましたけれども、そうすると、これはかなりの長さを持ったところの運搬手段でありますけれども、これは全く——そうすると、バイクモーターを運転する場合だって、警察から運転免許をもらわなければいかぬ。この場合は、全然そのような運転免許資格の対象にはなっていないということ。逆に言うと、安全操作をしたために将棋倒しになったそうでございますね。大体そういうように私自身は読めるのです。要するに、急ストップという安全装置をかけたために将棋倒しになったというふうなように読めるというふうなことなんですけれども、訓練をしておられなかったことについては、非常に遺憾だとお認めになりましたけれども、そもそもこういうものについては、そうすると、訓練を受ける対象のホステスの方が、一体、機械的な素質、知識、素養があるのかどうか。こういうことは当初から全然お考えになっていないのかどうか。この点、いかがでしょうか。

井上保通商産業省企業局参事官

○井上説明員 お答えいたします。  ただいまホステスと申し上げましたけれども、ホステスだけではございませんで、ガードマンが対になっておりまして、二人でペアになっていろいろ作業をしていたようでございます。ただ、御指摘のような、ホステスなりガードマンが、それを操作するための特殊な資格というものが必要であるというふうには聞いておりません。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 要するに、「動く歩道」だけに問題をしぼりますけれども、「動く歩道」というのは、出入り口の構築部分、要するに建築基準法の対象になる部分と、そうしてベルトといわれている建築基準法のおそらく対象にならない部分と、それを操作するところの機械部分と、大きく分けてこの三つに分かれますね。そうすると資格者は一体どこにいるのですか。機械については、一体だれが、どんな資格を持った人がこれについての操作をしているのですか。そうして実際にこれを運転している人は、バイクモーターでさえも運転資格が要るのに、これは全く法律的に無資格でいいのだから、無資格者がやっている。時間切れでございました、訓練ができませんでしたということですが、竣工検査を受けられたのは、一体いつでございますか。そうして実地訓練を実際おやりになったのは何日ですか。三月十四日、私自身もこの「動く歩道」に乗せていただきましたけれども、一体いっその実地訓練をおやりになったのですか。

井上保通商産業省企業局参事官

○井上説明員 「動く歩道」のホステスの実地訓練の期間につきましては、確認いたしておりませんけれども、一般に、ホステスがその場所につきます前に、大体一週間程度の訓練をしておるということを聞いております。  それから「動く歩道」の場合には、竣工検査が非常におくれておりますので、どういいますか、おそらくホステスの教育期間が相当に短かったのではないか、こういうふうに推察いたしております。個々には当たっておりません。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 捜査一課長にお尋ねをいたしますが、訓練期間が短かった、そういうことですが、そうすると、これはむしろ、訓練を受けずに、しかも無資格でもいいのだということであるとすると、ホステスあるいは警備員の人に責任の追及ができるのかどうか。操作についての原因探求をしておられるということを、予算の総括でも、国家公安委員長お答えになったそうですけれども、やはり商工委員会ですから、もう少しきめのこまかい質問をいたしたいと思いますが、どの付近、どの程度まで原因にさかのぼって捜査をされますか。これは、全然訓練を受けていない、しかも訓練を受ける機会がなかったというようなことになってくると、どの程度現場の人が責任を持っているのかどうか、これははなはだ疑問な問題になってくる。しかし現実に人命を失われるに近いような人身事故が起こっている。これはひとつ捜査の基本的な方針をお聞きいたしたいと思います。

田村宣明警察庁刑事局捜査第一課長

○田村説明員 ただいま、昨日発生いたしました事故について刑事責任はどうかという御質問でございますが、すでにいままでの御質問の中にも御指摘になりましたように、私ども、業務上過失傷害その他の刑事責任があるかどうか、原因なり責任の所在はどうかということになりますと、現在考えられますことは、機械自体に問題があったのか、あるいはその機械の動かし方、操作に問題があったのか、あるいは観客の誘導、雑踏整理といったような面に問題があったのか、あるいは観客の側にも問題があったのか、そのほか何かそれ以外の問題点はないか、そういうふうな点について今後捜査を進めてまいるということでございまして、現在、大阪府警におきましては、現場の実況見分をやり、引き続き、いま申し上げましたような点につきまして今後捜査を進めてまいる、こういう方針で現在鋭意捜査をいたしておる、こういう状況でございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 政務次官にこの機会にひとつ見解を聞いておいたほうがいいと思います。  捜査一課長の答弁は、警察の答弁としてはそういう御答弁になると私は思うのですが、安全性とか、万博の中でわれわれが、外国の人が楽しむという点からいきますと、事故の原因が雑踏性といいますか、それにおっかぶされてしまっては、これはたまったものじゃないのです。本来、人が集まってくるための万博なんですからね。ですから結局、安全性というものは、そういう雑踏を予想して確保されなければならない。ですから、今後あらゆる安全性については、より高い安全性、そういうものについて各省の協力を求めて抜本的な対策を練る。この点について私は努力をしなければならないと思うのです。警察の捜査というのはあと追いなんですから。またあとで保安課長にお尋ねをいたしますけれども、問題は、防犯関係の面からはまた警察のお仕事もありますけれども、本来捜査というのはあと追いなんですから、私はそういう点からいって、雑踏性を上回る安全性というものを確保する努力ということについて、ひとつ所信だけを簡単に御答弁いただきたい。

小宮山重四郎自由民主党通商産業政務次官

○小宮山政府委員 今度の事故に対しては、監督官庁としてはたいへん残念なことでございます。いま御質問の点については、昨日事務総長あるいは万博の協会の関係者に厳重に注意を申し上げておきましたし、また安全対策委員会を設けて、今後安全についての総点検をやるということをやらしておりますので、これでさっそく各官庁、建設省、もちろん通産も入りますが、各関係官庁全員が、そろって安全対策を今後練っていこうということでございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 建設省にもう一度確認的にお聞きしておきますが、あらためて係官を派遣をされて、大阪府建築部と協力をされて調査をされるというのは、たとえば建築基準法の政令百三十八条等に規定がしてあるもの、たとえばエキスポランドでいえば、ジェットコースターとか、あるいは空中ビュッフェだとか、そういうふうなものも「動く歩道」との関係において総点検をされる、こういう趣旨に伺ってよろしいのでしょうか。その点だけをひとつお答えいただきたい。

前川喜寛建設省住宅局建築指導課長

○前川説明員 そのとおりでございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 運輸省の方に、特に、観光部長さんにわざわざおいでいただきましたので、お尋ねをいたしたいのですけれども、「動く歩道」というのは、かなり長い距離を持ったところの装置でございますね。これは、運輸省にわざわざ来ていただいてこういうことをお聞きするのは、全くおかしいのですけれども、運輸省としては、これについては全く所管外ということになるんだそうですけれども、将来こういうふうなものが発展をしてくる、運搬手段として出てくる。現にこういうふうな事故が起こっているというふうな中で、運輸省自身が全く無関心であっていいのかどうか。たとえば自動車の営業については営業免許をやっておられます。とにかくこの種の「動く歩道」については、その種のものが野放しになっていていいのだろうか、こういう観点からひとつ御見解を承りたい。

渋谷正敏運輸大臣官房観光部長

○渋谷説明員 現行法におきましては、先生御指摘のとおり、運輸省の権限外でございます。しかし、将来、観光政策のあり方といたしまして、たとえば遊園地内の遊戯施設等の安全性などについては、将来の問題としてぜひ検討をさしていただくつもりでおります。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 部長さん、そうすると、将来の問題として検討するけれども、現在、ジェットコースターが故障を起こした、空中ビュッフェが途中でとまった、「動く歩道」で将棋倒しになった。これは、子供を持っている親の気持ちになってみると、万博入場者五千万というんだから、自分の子供も連れていかなければかっこう悪い、けがされてはたまったものじゃないということでは、私は万博としてはたいへん困ると思うのです。私はそういうふうな問題はあると思うのです。運輸省としては所管外だから、将来は検討するけれども、今日の段階においては全然ノータッチなんですか。

渋谷正敏運輸大臣官房観光部長

○渋谷説明員 将来の問題といいますのは、法規制の面の将来の問題でございまして、そのあり方については、現在、鋭意検討を進めているつもりでございます。たとえば、これは万博に対する監督などということではなく、民営の遊園施設について、その遊戯施設が無責任にならないように、たとえば自主規制をするようにとの指導はするつもりでおります。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 警察庁の外勤課長さんにお尋ねをいたします。  防犯的な立場からいいまして、私は、たいへんな雑踏になる、人込みがする、人が押しかける、こういうことは、警らをおやりになっているほうの立場からは、たいへんなことだろうと思いますけれども、万博というものからいくと、それは当然予想されたことであるし、まさに、そういうように大ぜいの人が寄ってくるということは、期待すべきことだったと思うのです。そういう中で、しかし率直に、万博協会の警備体制というものは現在のままでいいのかどうか。こういう状態のままでいけないというのならば、警察としては、今後どういうふうな態度をおとりになるのか。これらの点について、昨日のたいへん遺憾な事故がありましたので、お答えになっていただきたいと思います。

原徹大蔵省主計局主計官

○原説明員 万博協会の警備体制は例の警備隊が行なっておるわけでございますが、大体平日八百人くらい、ピーク時は千人くらいのガードマン等を配置しているようでございます。警察は、応援要請があれば応援するという一応のたてまえになっておりましたので、昨日なども、要請がなかったので、あの場所に警察官を配置していなかったわけでございますが、今後、万博協会とよく連絡いたしまして、万博の警備隊の当日の警備計画とか配置図、こういうものを、警察も参加して一緒に検討して、ここにはやはり警察の応援が必要ではないかというようなことまで検討してまいるようにしたいと思っております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 引き続いて警察庁の保安課長さんにお答えをいただきたいと思いますが、その前に参事官に確認的にお尋ねをしておきたいと思います。  日本万国博覧会の公式ガイド二七〇ページから以下二七三ページまでは、食べ物案内ですということになっておりますが、この点については非常に問題が出ておるようでございますね。このリストの平均値段と書かれてあるものと現実の値段との食い違い、そしてまた、届け出があったであろうところの品質と現実の品質との食い違い等については、いつまでに調査ができますか。

井上保通商産業省企業局参事官

○井上説明員 会場を開催いたしましてから、直ちに食堂関係のプライスが高いではないかという批判がございまして、実は運営本部でも、十五日ぐらいから、すでに食堂のプライスのチェックに乗り出しておりまして、一部プライスが非常に高いといわれるものに対しましては修正を申し込みまして、すでに三十点ぐらいの修正を終わっております。ただ、非常に種類がございまして、大きく分けますと、各パビリオンの中の食堂あるいは名店街的な、どっちかといいますと、少しぜいたくな、お国ぶりを見せるというかっこうのものがございます。そういうもののチェックが非常にむずかしいというような問題もございまして、現在まだ完全にチェックを終わっていない状況でございます。したがいまして、まだしばらく時間がかかるのではないかと思います。  それから、そこに書いてございますのは、一応そのプライスは、協会が営業者等と協議してプライスをきめるということになっておりまして、協議したプライスが載っていると思います。実際のプライスは、協議したプライスよりも中には高いものがあったということで、これは、さっき申し上げましたように、指示をいたして変えておる。それにつきましては、特にいままでのところ、強い抵抗がなくて、どうもすみませんというようなことで、わりあいにスムーズに値段を下げているようでございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 この公式ガイドで私が問題にしたいのは、むしろ、星一つ二百円台以下、星一つ三百円台以下、星一つ四百円台以下といわれている届け出価格と実際の価格とが、ずいぶん食い違うことを問題にしたいのです。と申しますのは、これは全国的な問題であろうと思いまするけれども、特に近畿に住んでいるわれわれの隣県の小中学生というのは、これはほとんど万博へ何日か行くだろうと思うのです。その中には、貧困家庭の子供さん、あるいはさらに、各県によりましては、母子家庭、あるいはまた身寄りのないお年寄り、そういう人を県や市が万博へ招待するということが行なわれると思うのです。そういうようなときに、五千円のお金が惜しくない人と、五百円のお金でもたいへんだという人との、品物の値段が、届け出た値段と、あるいはまた、場外で普通に想像される値段と違ったというときの、受ける衝撃はずいぶん違うだろうと思うのです。そういう点を私はやはりチェックしていただきたいと思います。それは特にリストは求めませんけれども……。  そこで、警察庁の保安課長さんから一言御見解と申しますか、こういう場合にはそういうこともあり得るんだというお話をひとつ承っておきたいと思いまするけれども、かなり古い法律ではありますけれども、物価統制令という法律がございますね。古いと言っても、現にかなり動いているようでありますけれども、この物価統制令の十条とか、あるいはその他の条文等が、万博内においてはなはだしく不当な場合——これはひとつ御説明をいただきたいと思いますけれども、そういう場合に発動する場合もあり得るかどうか。これをひとつお答えになっていただきたいと思います。  それから、私の時間が終わったようでありますので、最後に政務次官にお尋ねをしたいと思います。政務次官のほうからは、御方針等といいますか、お答えをいただくだけでもけっこうです。あるいはまた、参事官のほうからお答えをいただくことになるのかもしれませんけれども、どうでしょうか。  通産省としては、何としてでも国民的なこの万博を成功させたいと、これまで一生懸命やってこられたと思うのです。私もそれはよくわかります。しかし、その成功させるために、現に、特に参事官あるいはまた次官のほうで把握しておられる万博に対するいろいろな問題点ですね。あるいは不満、苦情、こういうものは一体主たるものは何か。これをどう把握しておられるか。この点についてお答えをいただきたい。  それから、政務次官のほうからお答えをいただきたいと思いますけれども、けがをされた方に対する補償でございますけれども——これは、補償でけががなおるわけじゃありませんけれども、これについては早急にひとつ措置をされるべきである。これは、責任の所在を警察が云々される以前に、協会としては、こういうことについての措置は、示談を含めて、補償金を含めてさるべきだと思います。これは当然のことだろうと思いますけれどもお尋ねをしておきたいと思います。  私の質問は以上ですので、ひとつそれぞれ簡単にお答えをいただきたいと思います。

神川誠太郎警察庁刑事局保安部保安課長

○神川説明員 お答えいたします。  ただいま御指摘の物価統制令違反の問題につきましては、警察の考え方といたしまして、これは保安警察全体の一つの基本的な考え方でございますが、違反があればもちろん検挙はいたしますけれども、検挙することによって直ちに行政目的が果たせるともいい切れない面が数多くございます。したがいまして、違法状態を早期に解消する。それから、実害の未然の防止、あるいは被害発生の段階におきましても被害の波及防止というふうな観点で、いろいろ関係省庁あるいは関係当局と連絡をとりながら進めておるわけでございます。  この物価統制令違反につきましては、今日でも警察といたしましては運用いたしております。たとえば昨年一カ年間におきましても、これは主としてダフ屋でございますが、三百二十二件の検挙を見ております。今後もそのような姿勢で臨む考え方は持っております。  ただいま御指摘の万博会場内における食べものの値段の問題でありますが、一般公開日の十五日、地元の大阪府警で食べものが高いではないかという風評を耳にいたしまして、翌日の十六日から三日間にかけまして、係官が会場内でいろいろ実情調査をいたしたわけでございます。その実情調査の問題と並行いたしまして、協会のほうに対しましても、高いという話について安くする手だてがあるのかということについてやはり協会でもアンケートをとったようでありますけれども、引き続いて二十四日の第二回目の実情調査、これにつきましては、第一回目のときに比べて値段が大体一様に下がったということを確認いたしております。ただ御指摘の問題につきまして、物価統制令の不当高価になるか、あるいは暴利になるかということにつきましては、これは個々具体的な問題について非常に慎重に検討しなければならない問題が数多くございます。したがって、この問題につきましても私どもとしては慎重に検討をしてまいりたい。かように考えておるわけでございます。

井上保通商産業省企業局参事官

○井上説明員 万博の運営上の今後の問題点でございますが、何といいましても安全性の確保ということが一番たいへんではないかと思っております。そういうことで協会とも十分打ち合わせまして、今後、関係者の訓練であるとか、あるいはその誘導の問題であるとか、いろいろ問題がございますので、事実上そういうことがないように大いに努力をしていきたいということでございます。  それから、その次には食べものの問題でございますが、これにつきましては、さっき申し上げましたように、プライスは協会との協定でございまして、これにつきましては、協会に指示権がございますし、ファイナルには、指示に従わぬ場合に、営業の停止権であるとか、あるいは営業の取り消し権等もございますので、強力に発動いたしまして、実際上できる限り値段を適正なものにしていきたい、こういうふうに考えております。  それから、その次は交通の問題でございます。あるいは宿舎の問題でございます。それにつきましても、従来からもいろいろと検討いたしておりますけれども、そこがないように十分に措置していきたいというふうに考えております。

小宮山重四郎自由民主党通商産業政務次官

○小宮山政府委員 かかる事故が再度起こらないように注意することはもちろんでございますけれども、今度の不幸な事件に対しては、協会としまして、重傷者にとりあえず三万円のお見舞をいたしております。なお、万博協会では包括賠償責任保険を付保しておりますし、協会の施設によって起こった事故、あるいは協会の業務によって起こるものというような、第三者の人的及び物的損害については協会が責任賠償を負うことが、一事故につき百億円まで損害が補てんされるということでございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 終わります。

八田貞義自由民主党

○八田委員長 近江巳記夫君。

近江巳記夫公明党

○近江委員 万博の、特に事故、今後のそうした安全性の問題点等にしぼって、そのあと商品取引の問題等についてお聞きしたいと思います。  昨日の事故といい、万博は非常に楽しいはずの行事でございますが、国民に非常に大きなショックを与えております。たとえば三月十四日開会式当日には、空中ビュッフェの停止、あるいはモノレールのドアに何かがはさまって一時不通になった。あるいはまた、この十五日にはダイダラザウルスが停止をしておる。あるいは「動く歩道」が停止をしておる。三月の十六日には中国館で公安事件が発生しておる。三月十七日にはタンザニア館の原石が盗難にあっておる。三月十八日には国際バザールで一名けがをしておる。十九日には電気自動車の衝突で一名負傷している。二十一日にはモノレールが急停車して事故が起きておる。二十二日には米国館前で一名転倒しております。あるいはアメリカンパークで二十四日には火災が発生しておる。あるいは昨日のああした「動く歩道」での事故、あるいはまたダイダラザウルスの停止、こういう事故が続発をしておるわけであります。こういうことについて、私は特に万博会場のそばに住んでおりますし、最終の段階になりますと突貫工事が行なわれてきた、そういうような点でいままでいろいろな不備な点を心配しておったわけです。したがって、万博の工事の進捗状況についても、私は絶えず質問をしてきたわけです。しかし、できればいいんでしょうというような空気があったわけです。この間の開会式当日も、どうです、できたでしょう、ある人が胸を張ってそのようにおっしゃっておりました。なるほどできたには違いないけれども、先ほどもそうした事故の原因等いろいろな話が出ましたが、結局、管理の不行き届きとか、そういうようなきめこまかな点にまで配慮がなされておらないということ、余裕がないというような実態も明らかになってきたわけです。そうした点について、担当者として今回の事故等を通してどのように反省をされておるか、まず率直な感想をお聞きしたいと思います。

井上保通商産業省企業局参事官

○井上説明員 先生御指摘のとおり、最終的にはやや突貫工事の観がございました。いろいろ途中で雨が降ったりその他のことがありまして、やや工事を急いだということがございます。それで工事はみごとにでき上がったのでございますけれども、最終的な関係者の末端の訓練というものが必ずしも十分ではなかったのではないかということを反省いたしておるわけでございます。  たとえば、さっきもお話がございましたように、ホステスがいろいろなものの操作を十分に熟知していなかったとか、あるいは、特に、先ほども言われたのですが、ホステスであるとかガードマンにいろいろ聞いてみてもさっぱりわからないことが多いというような苦情がたくさんございまして、開会当初でございまして、非常に広範な会場でございますので、なかなか訓練もたいへんだと思いますけれども、必ずしも十分でなかったという点は、率直に反省いたしております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 そうした管理上のミスということを率直にお認めになったわけでありますが、この構造上の問題にしても、仮設建築物というような点で、その辺の配慮もなされておるとは思うわけですが、しかしその辺の点検も、実際に開会式も迫ってきた時分の状況というのは、要するにそれどころではなかったと関係者はみな言っております。とにかく間に合わす、それ以外には何もなかった。そうしますと、構造上にも大きなミスがあるんじゃないか。たとえばボタンで停止する。だから今回の事故でもあれだけの負傷者を出した。こまかに聞きますけれども、これはどこに原因があるんですか。その辺のところを少し技術的に解明したいと思うのです。

井上保通商産業省企業局参事官

○井上説明員 正確な原因につきましては、現在警察当局で調査中でございますが、われわれが万博協会からいろいろ情報を得ております範囲でお答えいたしますと、大体次のようなことではないかと想像いたしております。これも関係者が警察のほうに出頭いたしておるようでございますので、ある意味では十分ではないと思いますけれども、大体こんなことではないかと思っておるわけであります。  それは、万博会場の北口というのがありますが、北口がわりに団体客のバス駐車場が広いという関係で、北口からの団体客の入場者が多いわけでございます。その北口から土曜広場というほうに入ってくるわけでございます。それからまた、ほかのゲートから入った人々が、非常に人気館でございますソ連館へ急いで行くというかっこうでございますが、そのソ連館というのがやはり土曜広場のほうにございます。そういうことで、問題の「動く歩道」は、スイス館からソ連館のほうへ至る道でございますが、そのスイス館のほうから大ぜいの人が急いでソ連館のほうへ行ったということと、それから北口ゲートから入りてきました団体客が、反対にソ連館のほうからスイス館のほうに行く「動く歩道」に乗ろうとした。要するに、一つのチューブの中に往復二本の歩道が入っておりまして、スイス館からソ連館のほうへ行くほうも、ソ連館からスイス館へ行くほうも、両方とも相当混んでおったということでございます。そういうときに、スイス館のほうから来た子供が一人ころんだということが原因のようでございまして、そこへまた何人かつまずいてころんだ、そういうときに「動く歩道」が停止をした、それで人がころんだというような、大体そういうかっこうになったのではないかと考えております。詳細は警察のほうの結論が出ませんとわからぬわけでございますけれども、大体概要はそういうことではないかというふうに考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 いま何点かおっしゃったわけですが、たとえばこのように人が集中するということは最初から予想されているわけですよ。最初の万博会場全体の計画の上において、やはりそうしたアメリカ館、ソ連館等の大きなところについては当然人が集中する。そうすると、これについてはどういう整理をしなければいけないか、こうしたことも最初から予測された事故じゃないかと私は思うのです。予測できなかった事故じゃない。ここを私は皆さんにはっきりと自覚をしてもらわなければならぬと思うのです。あるいは子供が一人ころんだというのも、はたしてスピードも適切であったかどうかということです。あるいは急停止をしたのでたくさんころんだ、そういう安全性等の問題について、もっと事前に何回も試験もやり、そうしたあらゆる安全性ということを重点に配慮しなければならない。そういう安全性の確認を忘れたところに私は一番大きな問題があるんじゃないかと思うのです。しかも、緊急操作にしても、要するに実際にボタンを押した子が一人もおらない。女の子に責任を転嫁するような説も一説にありますけれども、教えなかったほうが悪いのです。これは決してこまかいことではない。私は、そういう責任の欠除がこういう重大な事故を生み出した、このように思うわけです。  その点、率直に反省されておりますし、今後どういうように改善をされるか、われわれも慎重に見守っていきたいと思っておりますが、そこで、もう一つ私が提起したいことは、協会自体のセクショナリズムである。部門ごとの責任のがれが運営上の大きな欠陥になっておるのじゃないか。たとえば乗り物では、モノレールの運転は東急がやっているし、ロープウエーは近鉄がやっている。電気自動車は、大阪タクシー協会、大阪旅客自動車協会の委託で協会の会場部輸送課の所管になっている。「動く歩道」だけが警備隊の所管になっている。こういうようなばらばらなことをやっておれば、お互いの情報交換がスムーズに行なわれないのじゃないか。この辺の態勢はどうなっているか。この辺はどうですか、配慮されておりますか。

井上保通商産業省企業局参事官

○井上説明員 会場の業務につきましては、おっしゃるとおり、相当縦割りになっておりまして、横の連絡が相当困難であるという事態があるということをおそれまして、現在地域ごとの横割りの組織を考えておりまして、そこでこれに運営本部の調整室が当たっておるわけでございますけれども、そこで地域ごとの総合的な判断をして、その運営が全体的にうまく円滑にいくというような指導をしていくという体制になっております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 だんだん協会の管理運営上の手落ちというものがはっきりしてきたわけです。そういうことが事故の原因という点に近づいてきたわけですが、こういう安全管理の所在があいまいであるという点について、どうなんですか、その辺のところを明確に、こういうことを考えておりますというような、もう少し具体的なことはないんですか。

井上保通商産業省企業局参事官

○井上説明員 現在「動く歩道」の安全管理につきましては、まず、雑踏が相当激しい場合にこれを運転するのかどうかというような問題とか、あるいは雑踏の激しさを避けるために、ある期間あるいはある時間入場制限を考えるとか、あるいは現在ついておりますガードマンとか、あるいはエキスポフラワーという女の子がおりますが、そういう人をもっとふやせないか、そういうような点を検討いたしております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それから、建設省も来られておりますので、先ほどのこうした「動く歩道」のような施設については、要するに仮設建築物ということで建築基準法の対象外となっておるわけです。協会としては、いろいろな構造上、台風にも耐えられるように設計をしてあるというような説明も聞いておるわけですが、今後だんだんレジャー産業というものが発達をしてくる可能性がありますので、やはりこういうことが相当予想されるわけですが、こういう点について建築基準法の改正ということをお考えになっておるわけですか。     〔委員長退席、橋口委員長代理着席〕

前川喜寛建設省住宅局建築指導課長

○前川説明員 お答えいたします。  建築基準法の改正案はいま国会に提出されておりますけれども、具体的な基準そのものは政令にいろいろ出てまいりますが、基本的な考え方といたしましては、あくまでも人命尊重ということで、その点に非常に重点を置きまして、たとえば防火、避難につきましても、特に避難関係の規定というふうなことを重点にするということで考えているわけでございます。  今回の仮設建築物云々の件につきましては、実は仮設であることによって、たとえば永久的な構造にできないものを代替の方法で入れかえるということ、あるいは仮設であるから特に、たとえば冬の雪は心配ないだろうというような緩和はしておりますが、風とかそういったことは緩和していない。特に避難関係につきましては緩和していない。逆に非常にオーバーな、一般のものよりも特に強化したものをいろいろつけていただいている。こういうようなかっこうで考えております。  先ほどの、こういった事故にかんがみてどう考えるかという点でございますが、われわれといたしましては、特に施設を担当しておりますと、何といいましても、ある意味では展示物はどうなっても人だけは助けていきたいということで、人を殺さないということを最重点の目標として対処していきたいというふうに考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 そうしたことを盛り込んだ改正を今後考えるわけですか。

前川喜寛建設省住宅局建築指導課長

○前川説明員 お答えいたします。  従来も実はそういう方針でずっとやってきておりますが、さらにこれからも、現実の運営にいたしましても、先ほど申し上げたようにもう一度チェックするというふうな形でやっていきたい、さらに建築基準法の改正で、政令その他につきましてもそういった点をさらに整備していきたい、こういうように考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それで、この仮設建築物ということが出たわけでありますが、要するに奇抜さをねらっているものが多いし、この堅牢さも、安全性の立場から見てはたしてだいじょうぶか。しろうと目に見ても非常に不安なものが多いわけです。さらに、この建築物をずっと見てみますと、合成樹脂の建材をたくさん使っており、こういう場合には非常にガスが発生する。私も幾つかのパビリオンをずっと回ってみましたが、非常に暗いところもあるし、一人しか通れないところをぐるぐる回されて歩くところもある。そんなところで一たん火災でも起きたらどうするのか。そういう毒ガスの発生、あるいは漏電、失火がなくても、館内における禁煙  これらも平気でたばこを吸っている人もたくさんおりますが、たばこの吸いがらによる発火等もおそろしいわけです。また照明の問題や、迷路になっている通路あるいは非常口、非常階段などの設備はどうか、あるいは消防の点はどうか。現実にモントリオールの場合でも火災が百四十六件も発生しておるから私は言うのです。私はいま数々の問題点を指摘したわけですけれども、この辺のことについてはどのようにお考えですか。

前川喜寛建設省住宅局建築指導課長

○前川説明員 今度の建築物その他の審査にあたりましても、われわれも特にその点を心配したわけでございまして、展示物につきましても、可燃物が非常に多くなるだろうということもあらかじめわかっているということで、実は消防当局とも打ち合わせをして極力その点の配慮をしたつもりでございます。避難関係にしても、非常口その他のいろいろな増設というようなことを相当やっていただいたわけでありますが、これも、やはり先ほども申し上げましたように、どこかに手落ちはないかということもある意味では心配がございますので、さらに再検討をやりたいというように考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それから病人やけが人等の問題ですが、中央診療所があるということは聞いておりますが、実際のところ、医師が四名、看護婦が三人くらいしかおらないということです。一日に三十万人も四十万人も入る万博の中央診療所がこういうような状態でいいかという問題です。モントリオールの場合でも、診療所が扱った患者だけで七万九千四百五十八人というのですが、こういう体制でいいんですか。この点どうなんですか。

井上保通商産業省企業局参事官

○井上説明員 会場内における医療関係の配置でございますが、まず中央診療所というのがございまして、そこには常時所長が一人おりますが、それ以外に常時医師が二人と薬剤師が一人、看護婦が三人、それ以外に放射線の技師が一人というようなことになっております。それ以外に東診療所がございますが、そこには医師が一人、看護婦が一人、事務員等がそれぞれおります。それから西診療所というのがございますが、これには医師が一人、看護婦が一人おります。応急手当所というのが六カ所ございまして、そこにはおのおの医師が一人、看護婦が一人おります。それ以外に日赤ドクターカーというのがございまして、事故現場に直行できるように車の用意がしてありますが、それには医師が一人、看護婦が一人、運転手が二人ということでございます。これが開会中は大体二交代という体制でおるわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 きのうもああいう事故で数十名けがをしておるが、いまのような状態でいいのですか。医療体制等についてもすべての面について総点検をなさるとは思いますけれども、特にこの辺のところをもう一度総点検して万全を期すべきであると思いますが、どうですか。

小宮山重四郎自由民主党通商産業政務次官

○小宮山政府委員 先ほども申しましたように、今回の事故で安全対策委員会等をつくりまして、いままで縦割りだったものを横割りその他各関係官庁との連絡を密接にして、救護あるいはそういう災害に対処していこうということで、昨日それをつくるように命じております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 政務次官も答弁されたわけでありすすが、われわれとしては、万博も始まったところでありますから、再びそういう不幸なケースをつくらないように、どうかひとつ安全管理という点について万全を期していただきたい、このように思います。  それから、先ほど時間があれば聞きたいと思ったのですが、次の問題があるので一点だけお聞きしておきますが、参加した人に聞きますと、中の食費も高いとか、いろいろな意見もあるわけです。私も調べられる範囲でここに調べておりますが、やはり市中よりも価格が非常に高いわけです。これは一例ですけれども、あらゆるきめこまかい点に至るまで——あくまで参加者は大衆である。貴族じゃないのです。大衆なんですから、これは一例ですけれども、あらゆる点にわたってあくまでも大衆本位で万博の運営を今後やっていかれるかどうか、その点を最後に政務次官にお聞きをして、万博についてはこれで終わりたいと思います。

小宮山重四郎自由民主党通商産業政務次官

○小宮山政府委員 食堂その他の点についても問題があるようでございます。来る方も一般大衆でございます。値段、あるいはこれから梅雨時期に入りますと食品衛生等の問題もございますので、今後その点については大いに研究し、またその経営者等にも監督を厳重にするように協会のほうへ申し入れるつもりでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 次に、商品取引のことについてお聞きしたいのですけれども、商品取引のこうした紛議というものが非常に多発しておるわけです。社会問題化してきておりますし、われわれとしても、国民としても、非常に胸をいためておるわけであります。われわれも、時間の許す範囲で被害者の方にもいろいろなお話も聞きましたし、手紙もたくさんいただいております。何としてもこうした被害者というものは出してはならぬ、それについての対策を国会として早急にやっていかなければならない、このように私自身も強く決意しておるわけであります。  これは私のところにも何十通と手紙がありますけれども、これは一例でありますが、簡単に読んでみたいと思うのです。本名は私はここで言いません。頭文字で言っておきます。売買の経過として、  昨年六月頃、R社外務員Iが再三私の家に訪問し、R社に委託すれば絶対に利益になるように取り計らうし、万一損が生じた時には、RKKがすべてを保証するから、他社の仲買店に委託して損害を受けたような事は絶対にないと強引に勧誘されましたが、他社での失敗が有りましたので、私は即答をさけて居りました。  その後、六月十日突然Iから電話が有り、小豆百枚買っておいたからとの連絡を受け、私はびっくりして、注文もしていないのに金もないし困ると云うと「証拠金は何時でもよいから私に任せておきなさい」と、Iは強引に電話を切りました。翌日の十一日午前十一時頃、再び電話で小豆二百枚買っておいたからと連絡が有りましたので、私は、貴方が勝手に買った買ったと云うが、全く、私の意志に基かないものだから、とうてい認める事が出来ないと云うと、Iは「損を取り返したいのでしょう、絶対にもうけるから任せておきなさい。」と、一方的に利益を保証して電話をきりましたので、それから再三再四認められないと申し入れた所、十六日Iとその上司F部長が私の家に来て、今度は決して勝手な事はせず相談の上やり、絶対にもうけさせるようにするから是非証拠金を委託してくれと云うので、誠意ある取り引きを再三確認した上で、証拠金壱阡五百万円を預託致しました。  その後、数回は私と相談の上売買しておりましたが、同月二十五日、Iは私がさきに委託した小豆百枚を手じまって直ちに今度は、百五十枚買い付けたとの連絡が有りましたが、以前、I及びF部長が約束した誠意有る取り引きとは余りにも異なるので、Iを自宅に呼び詰問した所、「この建玉については一切責任を持つから」と再三再四力説し、私の申し出をどうしても聞いてくれませんでした。  私はこんな事では大変な事になると思い、七月十八日現在の建玉を全部手じまって証拠金を返還してくれと、再三申し入れた所、Iは「おれに下駄を預けろ」又、用紙に自動車のえをかき「おれがハンドルを握っているのだ、貴女は文句を云わずにだまって後にのっていればいいんだ」と、どうしても解約及び返還をしてくれず、あげくの果てには、「だまれ、うるさい!!おれが○○○○だ。おれが本人なのに他人は文句を云うな!!」と強迫めいた暴言まで吐き、勝手に取り引きを継続したのですが、結果的には、弐阡五百九拾万六阡円の損害をしてしまいました。  そして紛議調停委員会に持ち込んだわけでありますが、  前項で申し上げた如く、この売買は私の意志に全く基かないもので有り、又利益保証及び元本保証されたもので有りますので、弐阡五百九拾万六阡円の損害金は私の負担すべきものではないと考えられるので、その後I及び会社に証拠金の返還を要求するべく折衝して参りましたが、その都度Iは、「幹部に聞いてくれ、その事は幹部に任せているから」と、言を左右するばかりで、又会社は「貴女は、売買において損をしてしまったのだから」と、証拠金の返還には応ぜず、如何ともなしえず、取引所にいきました所、取引所では、会社と話し合いをしなさいと、とりあってもらえず、やむなく人を介して農林省F課長殿との面識をえて説明しました所、F課長は「解約及び返還を申し入れた時点での証拠金の残額を還してもらいなさい」と助言し、且つ、取引所に斡旋してくれました。  その後、再三話し合いましたが、私は解決の方向へ進むものと期待しておりましたが、私の考えは甘く、別紙の通り全く一方的な紛議調停案が呈示されました。これは非常に低い額になっているわけです。  穀物取引所E課長は、貴女はR社をつぶすつもりか、それとも金が欲しいのかと云うので、要するに証拠金を返還してくれればいいのだと、申しますと、E課長は妥協案を出せと云われ、色々と話し合った末、壱阡九拾参万円迄譲歩しました所、E課長は「始めからその位まで譲歩していたなれば、もうとっくに解決していただろう」等と云い乍ら、明日にでもすぐR社に納得させる事を約束してくれました。それから二、三日後、E課長が電話で足(八百弐拾四万円)だけはかんべんしてやるから、それで手をうたないかと連絡を受けました。それでは到底納得出来ないと云うと、それではこの案も無しだと電話を切りました。  その後、調停に呼び出され、色々話し合いの場を持って戴きましたが、思うような進展もなく、又E課長は、裁判にしないようにと云い、調停委員会で解決してやるからと云われ、数ケ月を経ちました。  二月六日、待望の調停委員会よりの呼び出しを受け、最終的な調停案が別紙の通り呈示されました。当日の状況は、M委員長他数名が列席し、先ずM委員長がニヤリニヤリしながら「Tさん、今日は、何でも云いたい事は何でもいって調停案を受託するよう速決して帰ってくれ」と云われましたが、余り一方的な調停案であるために、帰宅して相談の上、返答する旨を伝えて自宅に帰りました。その後十日に別紙の如く解答書を取引所へ送付致しました。  以上売買経過及び紛議調停委員会迄の経過を申し述べて参りましたが、調停案には、私が他の仲買人との取り引きが以前に有った為、経験者とみなし、一外務員の甘言に左右される筈がないと断定しておりますが、一仲買店で損をしたら、二の仲買店、三の仲買店等が次々と現われて、今度こそは儲けてやる、又絶対に損をとり替えしてやるからと、巧みに策を弄して説得され、ついだまされてしまったというのが偽らざる実態であります。  取引所も調停委員会も、悪質仲買店を援護しているとしか思えない程の一方的な調停案であり、かかる不法行為は、一委託者として、又被害者の一人として断じて許す事は出来ません。非常に長時間になりましたが、これは一例なんです。また私の知っておる人は、奥さんがブロバリンを飲んで自殺をはかったが、一命は取りとめたわけです。そこで初めて奥さんがアズキをやっておるということがわかったわけです。聞いてみますと、一千万近くの現金を渡しておるのだけれどもあと証拠金が足らないということで、その辺は最低、何ぼ安くても十万円する宅地なんですが、六百坪の権利書、十四軒の借家、全部その会社が持っていってしまった。ですから、御主人が話がわかって、それじゃしかたがない、それを返してくれたら土地の一部を売って返すから、そうしたらそれもそのまま会社が取り込んで、裁判で係争中という、このような話が何ぼでもあるんです。ここで初めに私がこの手紙を読んだことについて、どういうような法律違反をしておるか、私は、あなたがいろいろお感じになった点を、ここで述べていただきたいと思うのです。     〔橋口委員長代理退席、前田委員長代理着席〕

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮政府委員 私どものところにも、ただいまお示しになりましたと似たような事柄を、直接持って見える例もございます。  ただいまのお話を承っておりますと、たとえば非常にはっきりいたしておりますのは、利益を確約すると申しますか、利益を保証するということ、これは取引所法では、一つの先物についての清算取引でございますから、こういうものについて利益を保証するということはいけないことになっております。それをやっておるように聞きとれます。それから、売買をいたします際に、客の委託を受けて売買をするたてまえでございます。無断で売買をしたというふうに疑われる部分がございます。そのほかに、まかせろということで、一任売買と申しておりますが、それに類する行為があったのではないかというふうにお聞きしました。なお、そのほかに、証拠金を具体的な取引の実態に照応して逐次確保しておかなければいけないわけですが、そういうものを暫時ほっておいて、あとから問題になるといったような点もあるように存じます。いずれも、商品取引の際に順守すべき事項に違反しておるというふうに考えます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 いまいろいろな法律違反の問題点を率直に指摘をされたわけです。もっとこまかく分析していけば、もっといろいろあると思うのです。こういうような紛議を今後どのように解決をしていくかということについて、あとでいろいろお聞きをしていきたいと思っております。  それから、私の聞いておる範囲では、一部悪徳仲買い人は、客から新規に売買の委託または証拠金の預託を受けた当初から、預託金の全部を損失させるべく社員を強要し、あるいは社員みずから仲買い人の利益をはからなければならないようにしむけられておるといううわさがあるわけですけれども、こういうようなうわさについてどういうように聞いておりますか。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮政府委員 仲買い人の外務員活動におきまして、間々行き過ぎがあるということについては、あらゆる面から指摘されております。しかし、経営者がそういうことを直接指示しておるかどうかというような点になりますと、私ども、そこまで証拠に基づいてそういう事実を確認いたしておるというふうには、申し上げられません。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それから、これは先ほども話が出ておりましたが、この監督官庁の通達によって外務員登録制限ということがされておるわけです。その内容について、仲買い人はこれを逆用し、外務員を不当に束縛し、不法行為を強要しておるというような実例がある。たとえば三カ月、六カ月という点がありますが、これなんかも、その間に新規契約をとってこいとってこい。そして悪い者は、登録するまでの期間があるわけですから、馬力がなかったらどんどん打ち首にしていく。逆用されておる。こういう事例なんです。あるいはその仲買い人の中でも、今度は来年の一月から許可制に移行する。ですから四月からその審査に入るわけですが、どっちみちおれたちはおろされるんだから、いまの間にあらゆることをやれ、そういうような傾向があるんじゃないかといわれている。そうするとこれからますます被害者が出てきますよ。その二点について率直な感想を聞かせてもらいたいと思うのです。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮政府委員 御承知のように、仲買い人が雇用いたしております外務員の資質を向上し、外務員活動におけるあやまちを未然に防止したいという意図から、指導上、外務員の数をある程度制限しまして、これに訓練を加えるようにという指導をいたしておるわけでございますが、御指摘のような逆用の点がございますれば、私どもとしては、その点を今後十分戒めたいというふうに考えます。  なお、許可制移行を機会に、仲買いが荒かせぎをすると申しますか、非常な行き過ぎがあるのじゃないかというふうに指摘される向きもございますが、この際、私どもといたしましてはっきり申し上げておきたいことは、許可制移行の際に審査いたします要点の一つとして資産内容等がございますことは申し上げるまでもございませんけれども、資産内容さえ確かであれば日ごろの営業態度は無視するというつもりは毛頭ございません。日ごろの営業態度についても、あらゆる方法を使って十分審査いたしたいというふうに考えておりますことを、この際申し上げておきたいと思います。

近江巳記夫公明党

○近江委員 今回不正防止協会というものができたそうでありますが、この会長さんにも私、会ったのですが、わずかの問にもう全国から、千人からの人から手紙が来る。あるいは、もう死ななければならぬということで、何とか会わしてもらいたいと言ってくる。会長さんはもう夜も寝てない。そういう人を激励し、何とかしましょうということで努力されておるわけでありますが、そんなのはまだまだ氷山の一角だ。いろいろな事件がたくさん出ておるのです。たとえば日大の横領した課長がおりますね。あの人も相場をやっていた。あるいは住友相互ですか、課長が失踪し、自殺をしておった。これもやっておった、そういううわさがあるのです。どうですか、聞いていますか、その話は。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮政府委員 新聞等の報道については見た記憶がございますが、具体的な事例として役所側で調査はいたしておりません。

近江巳記夫公明党

○近江委員 そういうように、社会的にもそういう背景に追い詰められたいろいろな事件もやはり発生しておる。多くの家庭悲劇がこれによって起きてきておるわけです。いままで楽しかったはずのわが家が、わずか一月——ほとんど一月、二月ですよ、わずか一月、二月の間にもう何千万円やられておる。私がきのう聞いた人の話なんかも、もうあんまりみごとな負けっぷりに、私もびっくりしたわけですけれども、それはみごとなもんです。わずかの間に六百六十何万とか、五百何十万とか、四百万とか、その人なんか一月半で三千五百五十万円の証拠金を渡しておいて、残ったのは十三万円です。それも悪徳セールスマンに同じようなことでやられているわけです。こういうようなことが、言うなら社会悪の根源にもなっているんですよ。何も失敗した人が全部悪いことをするわけじゃない。気の弱い人は自殺をしたり、離婚したり、あるいは何とか借金をつくって、あとはそれこそ一生を奴隷のごとく送らなければならぬ。どれだけ泣いておる人があるかわからない。こういうことをそのままほっておいていいかということです。  そこで、こういう現在起きておる数々の紛議をいかにして解決をしていくか、ここに問題があると思うのです。いろいろな問題がありますけれども、まず私は主務省の基本的な態度というものを伺いたいと思うのです。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 ただいまお話がございましたように、取引所もしくは仲買い人をめぐりまするさような不幸な事例が頻発いたしておるということは、まことにわれわれとしても遺憾な次第でございまして、去る四十二年の法律改正によりまして、いわゆる委託者保護という見地からその後の法律の運用にあたりまして、かような悪質な違反ケースにつきましては、そのつど厳重な処分をいたしてきておる次第でありますが、なおあとを断たない現状にかんがみまして、去る三月中旬に、農林省と共同通牒を発しまして、取引所単位でそれぞれ今後の監督、自粛体制強化を要望いたした次第でありまして、私どもは、その通牒の趣旨が末端まで確実に行なわれまするよう、今後とも十分監督指導体制を強めてまいりたいと考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 その監督指導体制をこの前の法案のときも私もいろいろ聞きましたが、指導体制を強化するとおっしゃるわけですが、その後もこういうような事故が続々出ておるわけです。ですから、幾らこの指導体制を強化するとおっしゃっても、われわれとしては非常に不安があるわけです。で、今後どのように法律を運用されるか。この通達を私も見ました。しかし、この通達自体もどれだけ実行されるかということです。まあ許可制が来年の一月から行なわれるわけですが、現時点では、いまあなたがおっしゃるように、法の運用をきびしくやっていく、こうおっしゃっておるわけです。そうすると、実際に許可制へ移行になったその段階で、それじゃあなたは、今度この商取法の改正を根本的に抜本改正をなさるおつもりがあるわけですか。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 明年の一月から取引員としての許可制に移行いたすわけでございますが、その際、現在の仲買い人の営業姿勢というものにつきまして十分な調査を行ないまして、その結果をもって取引員としての許可の基準として重視をしてまいる方針でございまして、なお法律改正問題というのは、今回の問題に関連してただいま行なっておりまする検査並びに明年の一月の許可移行というものの推移を勘案いたしまして、必要に応じて検討いたしたいと考えます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それで、もう少しこまかく入っていきたいと思いますが、現状においてそのような紛議が非常に多発しておる。そうすると、こういう紛議というものを迅速にかつ公正に解決をするということが、緊急を要する問題であると私は思うわけです。また、このことは、紛争の防止にも役立つものであると私は考えております。しかし、現在の取引所の紛議調停の状態を見ますと、先ほど読んだこの人の手紙にも出ておりますが、遺憾ながら十分その機能を果たしておるとは言いがたい実情にあるわけです。これは同僚の公明党の松本議員が予算委員会においても指摘をしておるところであります。  そこで、第一点として、現在の紛議調停委員会の構成は一体どのような状態になっておるか。仲買い人、仲買い人以外の会員その他に分けて、具体的に例をあげて説明をしてもらいたいと思うのです。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮政府委員 農林省の所管の商品取引所におきまして、紛議調停委員の現在の総数が八十五名でございます。これはたくさんの取引所に分かれての話でございますが、その中で、仲買い人が四十八名でございますから、半分とちょっとが仲買い人になっております。それから学識経験者が二十二名、それから仲買い業務をやっておりません取引所の会員、これが十五名ということに、現状は相なっております。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 通産省所管の七取引所におきましては、専業の仲買い人が十七名、約三割でございます。それから兼業仲買い人が七名、その他の会員が十八名、非会員の第三者が十二名、計五十四名という構成になっております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それぞれ局長からずっとお話があったわけですが、たとえば私が持っておるこのデータを見ますと、東京穀物は仲買い人が三名、会員が二名、学識経験者一名。大阪穀物は仲買い人四名、会員一名、学識経験者二名。東京砂糖が仲買い人三名、会員ゼロ、学識経験者二名。横浜生糸が仲買い人二名、会員四名、学識経験者三名。前橋乾繭が仲買い人五名、会員ゼロ、学識経験者二名。こういうような状態なのです。さばかれなければならぬ仲買い人が調停委員の半数以上を占めておる、こういうようなことで公平な調停ができるかということなのです。この点、私は非常に問題だと思うのです。そういう点で最近、農林、通産とも、この紛議調停委員会の構成を改めるようにという、そういう通達を出したようでありますけれども、具体的にはどういう方針で取引所を指導していくお考えか、この点をお聞きしたいと思うのです。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮政府委員 御承知のように、取引所で実際の商品取引に参加いたします者、外務員活動を通じて一般から委託者を募りました者と仲買い人との紛議、ただいままことに遺憾な事例が多発をいたしておるわけでございますが、ただ本来の取引所のあり方という点から考えますと、やはり十業者あるいは専業の仲買い人といったものが、それぞれの商品につきましていわば専門的な取引を行ないますことと、一般の顧客から委託を受けた資金をもって売買取引をいたしますものと、両者がかみ合っていわば取引が成り立つというのが取引所の姿でございます。したがいまして、紛議の中には、実は専門家同士と申しますか、くろうと同士の紛議も事実ございます。いま世間から非常な非難がございまして、私どもも真剣にその対策に苦慮いたしておりますのは、一般顧客とこの委託を受けた仲買い人との紛議でございますが、それ以外にも、非常に巨額の金額によります専門家同士の紛議もございまして、これまでの取引所の紛議調停委員の構成が、先ほど申しましたような形になっておりますことには、一つの理屈もあったのだろうと思います。  ただ、あまりにも委託者と仲買い人との紛議が多発する。これについて早急に対策を講じなければならないという現実がございます。そこで、私どもといたしましては、紛議の具体的な内容の動向に即して、取引所の紛議調停委員の構成を、この際、一般顧客と仲買い人との紛争処理に的確に動き得るような形に改組することを指導すべきだ、かように考えておるわけでございます。具体的には、仲買い人の比率を調停委員全員の三分の一程度にとどめます。なお、会長と申しますか、これを主宰する者は可能な限り学識経験者と申しますか、そういう人をお願いするような方向にこれを指導いたしたいというふうに考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 最近では、この仲買い人の総合化というものが進んでおりますし、委託者も、たとえば穀物、ゴム、生糸など数種類の商品について取引をしておるという場合が増加しておるわけです。紛議が起きると、委託者は幾つかの取引所を調停のためにたらい回しされておる、そうなりかねないです。たとえば、この乾繭取引所は前橋にあるわけですが、東京在住者で乾繭取引を行なう者がたくさん出てきておるわけです。これらの委託者が紛議の調停のために前橋まで行かなければならないことが非常に大きな負担となるわけです。これらについて、上部のそういう紛議調停機関あるいは主要な地域での出張紛議調停等を行なう、そういうような考えはないかどうか、その辺のところをお聞きしたいと思います。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮政府委員 先日出しました、通産省の企業局と私どものほうの連名の指導通達でも、複数の取引所に関係する紛議につきまして、関係の取引所の間で合同の紛議の調停を行なう体制を早急に整備するようにということを通達いたしております。具体的には経費その他のかかる問題であろうと思いますけれども、この点はできるだけ早くそれぞれの取引所において具体的な案をつくらせるつもりでおります。  ただ、なぜ現在のような形になっておるかという点は、これは申し上げるまでもございませんが、会員組織でそれぞれの商品ごとに取引所が一応開設されておるというたてまえでございますので、それと全く別の形で調停を行なうというふうには、現在の法制ではなかなか考えにくい点がございます。したがいまして、それぞれの取引所においてその取引所にかかわる紛議を調停するというたてまえは、現行法のもとでは必要であろうかと思います。ただ、仲買い人が総合化して、いろいろな取引所に同一のお客さんの委託を受けて売買行為をやるというところから、先ほどの御指摘のような事例が出てくると思います。それらの点は、それぞれの取引所が持っております機能を持ち寄りまして、同一の場所に相集まって、そこで一括して紛議を調停するということを具体的に仕組むことは可能であろうと考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 そうすると、もう一度ちょっと聞き直しますが、この合同紛議の調停とか主要な地域での出張紛議調停はこれから行なうわけですね。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮政府委員 あるいは通産省のほうからもお答えいただくとよろしいかと思いますが、両省相協議いたしまして、その方向に指導いたしたいと考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 通産省、同じ意見だったらけっこうです。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 同意見です。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それから、紛議の最大の原因というのは、悪質な仲買い人の不当な勧誘行為にあることは一番の重点の問題ですが、これは先ほど手紙でも読みました。このような行為が行なわれる背景には、商品取引を安全な投資と考える一般の誤解があると考えられるわけです。商品取引は現物価格のわずか一割程度の証拠金で多額の売買をするわけです。ですからそれ自体きわめて大きな危険を伴うものであるわけです。  そこで、第一番として、通産農林両省において、商品取引の持つこのような性格を一般に十分に周知させることが大事ではないか。さらに悪質な仲買い人の甘いことばたぶらかされて、一般大衆が乗せられないように、この辺のPR活動を強化すべきじゃないか。  それから二番目に、証拠金が非常に安いことが大衆の投機への参加をあおっておる結果になっておる。この証拠金を大幅に増額すべきではないと私は思うのです。  第三点として、有価証券を証拠金に代用できることが、財産の二重投資法などという過当な表現を許す原因となっておる。また委託者に、売買結果のいかんにかかわらず証券の返還を求めることができるという誤解を抱かせるもとになっておるので、この充用有価証券の制度を廃止すべきではないか。私はこの三点を思います。この点についてはどう思いますか。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮政府委員 商品取引は、御承知のように、先物につきましての清算取引でございますから、その取引自体が投機と申しますか、思惑と申しますか、そういう要素を——要素というよりも、それそのものでございます。したがいまして、商品取引についての正確な知識を持たずしてこの取引に参加いたしますことは、これを仲介いたします仲買い人あるいは外務員の資質のいかんにかかわらず、基本的にきわめて危険なことでございます。私どもといたしましては、一般の人たちにこの点を十分周知徹底させるように従来も心がけてまいったつもりでございますが、努力の足らざる点があるというふうにも思います。なお今後その点については特段のくふうをいたしたいというふうに考えております。  ただ、何といいましても、具体的な仕事をやっております仲買い人あるいは外務員が、その気になってやるように誘導いたしませんと、役所が中央から通達を出す、あるいは号令をかけるだけでは、なかなかものごとが末端まで浸透いたさないと思いますので、私どもといたしましては、取引所並びに仲買い人協会等に対して、具体的な案をつくるように現在非常に強く勧告いたしております。たとえばこれまでにも、商品取引というものはこのようなものである、あるいはこれに参加するには基本的にこういう点を注意すべきだ、こういう点についてわかりやすく、わずか三つの項目にいたしましたものを色刷りのパンフレットにいたしたものがあるのです。勧誘に行くには必ずこれを持っていけということに業界でも指導することになっておりますけれども、はたしてそういうものが、実際に勧誘の際に、どの程度の重要性をもって客に提示されておるかどうかという問題もございます。私どもといたしましては、たとえばこれは一案でございますが、契約書のような正式の書類の、表表紙の裏でも、裏表紙の裏でもけっこうでございますが、その証書の不可分の一体として、商品取引についての最も基礎的な注意事項等を刷り込むようなことも業界に検討させたらどうかと思っております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 いま三点聞きましたけれども、証拠金の問題と有価証券……。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 委託証拠金を引き上げてはどうかという御意見でございますが、元来この証拠金は相場差損の担保という性格を持っておりまして、現在の相場の水準をもってするならば、現行証拠金の率は変更する必要はないと私どもは考えます。しかしながら、相場が非常に過熱をいたすといった場合が起こりますならば、臨時にこの証拠金率を引き上げるような措置を考慮することは、当然考えられるところと思います。  それから証拠金としての有価証券の適格性の問題でございますが、これは社会通念として元来現金にかわる効果を持っておりますので、有価証券の使用は今後も認めることが妥当かと思いますけれども、ただ、株式を投資をしながら、他方でその株券を同時に担保といいますか、証拠金に提供できるということで、二重の投機を奨励するという弊害も、御指摘のとおりあり得ると思いますので、それらの点につきましては、十分配慮しながら運用いたしたいと考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 私がこの証拠金を上げろというのは——スライドしてやっていく、それはいまでもやっているわけですが、本証拠金を上げたらどうか、こう聞いている。その点どうですか。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 先ほど申しましたように、相場の水準によって証拠金率は判断されるべきと思いますが、現段階におきましては、その必要はないと考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 この辺はかみ合わぬわけですが、要するに一般大衆というものは、たとえばおとうちゃんが株を買って持っている。奥さんがそれを見つけて、奥さん、この株だけ預けておけばいけるのです、現金じゃないから、それなら預けましょうか、そういう事故が非常に多いわけです。そういうことで一番被害を受けておるのは大衆なんです。一番乗せられやすい。それを防ぐには、こういう有価証券等は証拠金としては使わさない、これが被害を食いとめる最大の方法だと思うのです。その点十分御検討いただきたいと思うのです。強く要望しておきます。これ以上言っても押し問答になりますから。  それから、商品取引というものは、理論的には保険つなぎ、ヘッジですね。公正な価格形成の機能を持っているということは過去のそういうことを見てもわかるわけですが、日本の現状を見ますと、この商品取引の積極的な面よりも弊害のほうが大きく出ておるのです。この商品取引を本来のあるべき姿に戻すためには、当面する諸問題に対する対策を急速に実行することが必要でありますけれども、一方、商品取引制度の基本的な問題について再検討する必要があると私は思います。そこで外国の事例はどうなっているかとか、そういう長所、短所を十分研究する必要があると思うのです。この辺十分やっておりますか。  時間がありませんので、あと項目的に聞きますが、第一点としては、各国における商品取引所の現状はどうなっているか。日本のように小豆や化学繊維、綿糸などは上場されていないのではないかという疑問点。二点は、各国における過当投機の抑制等の法制はどうなっておるか。第三点は、各国の法制のうち、進んだものについてはこれを積極的に取り入れていくべきであると私は考えておるわけです。この辺についての研究はどうなっておるか。簡潔に要点をお願いしたいと思うのです。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 御指摘のとおり、取引所の機能が、最近の大衆参加ということによりまして、当初の会員問の取引というたてまえから大きく変わりつつあるということは事実でございます。したがいまして、通産大臣が予算委員会で申し上げましたように、この新しい事態に対処いたしまして、商品取引所及びこれに関連する行政が十分な機能を発揮できるよう、われわれとしては根本的な再検討を加えるつもりでございます。そのために取引所審議会というのがございまして、この審議会におきまして、ただいまお示しの、諸外国の先例なりあるいは過当投機の抑制方法なり、いろいろ検討しておりまして、参考にすべきものは参考にいたしてまいりたいと考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 その点は各国の実情も十分調査して、その辺の文献等があれば資料として私のほうへ提出願いたいのです。委員長、よろしくお願いします。  仲買い人に対する指導、監督これは当然通産、農林両省にあるわけですが、この検査、指導について通産、農林両省は現在どうなっておるか、何名おるかということです。実情は非常に不十分だということですが……。そこで、予算等もなかなか一ぺんに取れないと思いますし、取引所等もその辺の努力はしなければいかぬと思うのです。取引所として自分の部内のことでありますから、当然積極的に各傘下の仲買い人を指導、監督する必要があると考えるわけです。現在の取引所における指導監督体制はどのようになっておるか、各取引所の職員数とこれに携わる職員数を示してもらいたいと思うのです。  私たちが聞いておるところによりますと、現在取引所における仲買い人の監査というものは大して実施してないようである。また、実施していても効果的なものでないと聞いております。取引所は現状を一そうよく認識してもらわなければならない。これは当然でありますが、ここで前向きの姿勢でこれに対処しなければならないと思うわけです。政府として、この取引所自体の監査体制について今後どのような指導を行なおうとなさっておるのか、この二点についてお聞きしたいと思います。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮政府委員 まず、農林省といたしましての取引所に対する検査、監督関係の職員は、本年度定数としては十四名ございますが、最近の情勢にかんがみまして、先般部内からの兼務職員を発令いたしまして、実員としてはさらに三名ふやしております。明年度予算におきまして、さらに若干名増員すると同時に、地方農政局にも検査関係の職員を新設することといたしました。新年度予算では、定数として十九名に相なることになっております。  なお、取引所でございますが、取引所は役所の指導のもとに、みずから取引所に所属します仲買い人の監査をいたすたてまえになっております。農林省所管の取引所で監査を専門的にいたします職員が現在五十六名でございます。  役所のほうも取引所のほうも、必ずしも職員の数は十全であるというふうには思いませんけれども、しかし、限りなく職員の数をふやすわけにもまいりません。私どもといたしましては、これらの職員を十分活用いたしまして、的確な指導並びに監査を行ないたいというふうに考えております。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 通産省におきましては、取引所関係官が、現在中央、地方を通じまして十八名おります。これは専管の取引所七つを対象にいたしまして、年間百五十回程度の監査を行なっておる次第でございます。  また、取引所側におきまして、仲買い人の監査に当たりまする者は二十七名おりまして、年間約八十回程度の監査を行なっております。約二年に一回というような割合になっております。ただ、専管仲買い人は六十四名ということになっておりますので、その辺から考えますると、今後ともこのような人員をもってさらに効率的な監査体制をしくことによりまして、十分監査の実を上げてまいりたいと考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 通産省なんかは、特に人員をふやすとかいうような話は取引所等についてはあまり言わないですか。効率的にということはおっしゃっていますが、効率的にやることはわかりますが、これで十分なんですか。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 私どもといたしましても、昨今の情勢にかんがみまして、取引所及び仲買い人に対しまする監査体制の強化という見地から、人員の増強等につきましても積極的に取り組んでまいりたいと思っております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 各種の自粛措置あるいは指導が必要なことは当然でありますけれども、そのほか特に悪質な違反行為を行なった仲買い人に対しては、一罰百戒の意味で厳重の処分を行なうことが必要であると思うのです。従来の農林省や通産省の処分というのは、たまたま検査したときのその結果として違反が発見された仲買い人についてのわずか数名程度の停止処分、これでは仲買い人を真に反省せしめることはできないと思うのです。不十分であると思うのです。したがって、一罰百戒の趣旨からほど遠いと思うわけです。特にこの際悪質な仲買い人に対しては断固たる処分をしなければいけないと思っております。地方機関に検査官というものがいないと聞いておりますけれども、特に農林省は本省だけで全国の仲買い人を検査するたてまえになっておりますが、非常に不十分である。したがって、相当の機構と人員をもって当たっていかなければならぬじゃないかと思うのですが、この辺どうですか、上層部のほうできちっと話し合いができているのですか、どうです。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮政府委員 先ほども申し上げましたように、明年度予算では、地方農政局に担当職員を新設することを計画いたしておりますが、本年度は、現在私どもが使用し得る全職員、先ほど申しました部内のほかの課からも兼務職員まで発令いたしまして、それぞれチームを編成して重点的に指導、監査を行なわせております。今後ともこれらの点につきましては、特に慎重な計画のもとにこれを行ないたいというように考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 時間がありませんので、最後一問だけ。  ここで受託禁止行為に違反した事実があった場合の罰則というのが行政処分だけであるということになっておりますが、これは非常に妥当でないと思うのです。したがって、行政処分は当然でありますし、委託者より預託されておる証拠金は、売買損益金に関係なく、そういう違反した事実があった場合は即時返還しなければならないように法制化すべきじゃないかと思うのです。この辺はどう考えておりますか、両省からお聞きしたいと思うのです。

両角良彦通商産業省企業局長

○両角政府委員 ただいま御指摘の点は、法律問題としてきわめて技術的にむずかしい問題があろうかと存じまするが、御趣旨の点は私ども十分体しまして、なお研究をさせていただきたいと存じます。

小暮光美農林省農林経済局長

○小暮政府委員 通産省とよく連絡しながら十分検討いたしたいと考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 これで終わりますが、いずれにしてもこれはたいへんな犠牲者を出しておるわけです。したがって、いまこの国会の席上においていろいろと今後の方針等もお話があったわけですが、いままでのケースを見ておりますと、その場限りの答弁で終わって、実際はそこまで徹底しておらないという場合が多かったわけです。その辺、ほんとうにこうした社会不安というものをなくすためにも、真剣な取り組みを両省でやっていただきたい。これを強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

前田正男自由民主党

○前田委員長代理 次に、吉田泰造君。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 一九七〇年代は、よく海洋開発、住宅産業、防衛産業、これが成長産業であるということがいわれております。私は、きょう特に防衛産業問題について、防衛庁並びに通産省にお伺いを申し上げたいと思います。  全般的な防衛産業に入ります前に、まず、最近次期の輸送機のジェットエンジンCXの決定の問題につきまして、通産省のジェットエンジン行政、これについてお伺いをして、防衛産業全般論に及びたいと思います。時間もあまりありませんので、おそくなっておりますので、できるだけ答弁は簡潔に要点を言っていただいて、私もできるだけ核心に触れた質問でやりとりをしていただいたら非常にけっこうだと思います。  現在、世界各国ともエンジンメーカーの集約化を行なっております。特にわが国の場合、そのことが特に必要であろうと思います。エンジンの集約化と技術開発の底辺を広くということは、矛盾した二つの要素があると思いますので、ここで論議をすることは平行論議になりますので、やめます。  通産省が集約化をどの段階で行なおうとしておりますか、その点について、まず局長から御答弁をお願いいたします。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 世界的にジェットエンジン工業というものが集約化の傾向にあるという点、またジェットエンジンの技術開発、特に底辺の技術を厚くするというような点につきましての御見解は、ただいま御指摘のとおりであります。私ども考えまするに、日本のジェットエンジン工業というものは、まだ始まってから非常に日が浅いというような関係もございまするので、まず関係各社の総力を結集いたしまして、技術水準の一そうの向上をはかるということが先決問題であろうと思います。  そこで、いまお尋ねの生産体制の整備の問題でございますが、これはもちろん私どもも、いずれ将来そういう方向に進んでいかなければならぬというふうに確信をいたしておりまするが、その時期がいつごろかというお尋ねにつきましては、いつごろという時期を限って申し上げることは非常に困難かと思いますが、やはり部品の専門生産体制が確立をする。第二に、各社それぞれの技術開発力が相当程度十分についたというふうに考えられる時期になれば、集約化に向かって一段と踏み出していっていいのではないか、かように考えております。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 次期輸送機CX開発計画のあらましの説明を簡単にしていただきます。これは装備局長にお願いいたします。それとあわせて、これは通産省に関係ございますが、昨年十二月二日に、通産省はCXエンジンの国産化の担当メーカーとして三菱重工を決定しましたが、これは集約化に逆行した形になっていないかどうか、両者から御答弁を願いたいと思います。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 CX、いわゆる中型輸送機の開発は、四十一年度から行なっておりまして、四十一年度に基本設計、四十二年度から四十三年度にかけまして細部設計、四十三年度予算で試作機二機の予算を組みまして、現在その試作機二機、もちろんこれに強度試験機も加わっておりますが、三機の製作を行なっておりまして、大体この秋に第一号が初飛行するという段階になっております。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 いま開発計画の説明のありましたいわゆるCX用のエンジンでございますが、これにつきましては、私ども防衛庁とも十分な意見の交換を行なった上で決定をいたしております。そういった意見交換の過程におきまして、このエンジンの国内需要数が他のエンジンに比べまして少ない。あるいはそういったことからも、また国産化されるといたしましても、その国産化の度合いは比較的少ないものにとどまるのではないか、こういったような考えを持つに至りましたので、いわばこういった程度のエンジンの国産化であれば、三菱重工業にこれを担当させてもしかるべきではなかろうか、こういうことによって三菱重工業のエンジン関係の技術の向上に資することが可能になるのではないか。そういったことは、形式的に見ますと、一見集約化ということばからははずれてまいりますが、やはり集約化をいたしますためにも、先ほど申し上げましたように、各社の技術力が相当程度向上していないと、なかなか実のある集約化はできないという判断をいたしておりますので、そういったような総合的な見地から、CX用エンジンにつきましては、三菱重工業に担当させるのがいいというふうに内定をいたした次第でございます。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 ただいまの御説明のように、開発計画の中で、特に現在エンジン部門につきましては、プラット・アンド・ホイットニーから防衛計画によりまして二機エンジンを購入して、すでにCX計画の開発について石川島播磨でいまやっております。そういう状態のもとに、なお新しい計画として三菱にかえるという意味が、私はまだ十分理解できておりません。このことにつきまして、前の高島メモといわれております、昭和四十一年のいわゆるエンジン行政の調整といいますか、その通達の中の個々のことがありますが、この通達の趣旨からいいますと、第四項であります。「ライカミング社、アリソン社以外のメーカーの開発に係るエンジン生産のプライムについては、石川島播磨重工業株式会社とする。」という通達がありますが、この趣旨が、十二月二日の決定から、通産省は採用解釈だというような発表をなさっておりますけれども、はたしてこの通達が  ほんとうの趣旨を尊重すると、私はどう見てもやはり、せっかくいままで石川島が新しい開発に対して支援体制をとっておるのに、技術底辺を広げる——いまの局長の答弁の中で、国産化部分というのは非常に低い、そういう理解を私はしたのですが、そういう理解の上に立つと、技術底辺を広げるというようなことがはたしてこの際意味があるかどうか。通達がほんとうに生かされるとするならば、あえて新しい方向変換といいますか、そういうことがいま必要かどうか。その点についての考え方、通達の解釈、それと通達の法的な解釈、これは、せっかく「航空機用エンジンの生産に関する申し合わせ」ということで交通整理をしたものを、いまさら変える必要がどこにあるかということについてまずお伺いいたします。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 通達の法的性格という趣旨の御質問でございます。これは通達とか通牒とか普通呼ばれておりますが、お手元に資料を差し出してございますように、これは重工業局長が、従来からの航空機製造事業法の運用といったような面から考え、またエンジン三社間の各種の協議をもとにいたしまして、今後のエンジン行政につきましての原則的あるいは一般的な考え方について、それぞれエンジン三社に対して考え方の通知をした、こういう性格のものであると考えております。  で、この時点、すなわち四十一年の時点でこのいわゆる通知が出されたわけでございますが、御承知のように、この航空エンジンにつきましては、昭和三十四年の十二月に石川島播磨重工業、当時は石川島重工業でございますが、これがJ3というエンジンの国産化をするということで、いわばエンジン製造の第一号の許可を出したのでございます。自来四十一年まで約七年間というものは、エンジンの製造につきましては、石川島一社がいわば独占をした形で続けられてきておりました。こういったようなことを踏まえまして、そして同時にまた、先ほどお話もございましたような世界的な集約化の方向、同時にまた、先生がはっきりと御指摘になりましたような、いわゆる技術底辺の強化、こういったいろんな一見矛盾するような要請を取り入れながら、ここに大きな事情の変化を来たした。つまり他の二社にも、小型ではございますがエンジン製造を認めるという、非常に大きな変化を来たすということになりましたので、こういったような通知を各社に出したということであろうかと思うのでございます。  そこで、こういったような原則的、一般的な考え方を踏まえて今回の問題を考えてみますると、先ほども申し上げましたように、今回のCX用のエンジンと申しますのは、確かに大型のエンジンではございますが、その組み立て製造の機数も少ない。また防衛庁当局からいろいろと話を聞いております問に、予算上の制約その他からいたしまして、他のエンジンに比べまして製造の度合いも比較的低いのではないか。こういうようなことを私ども感じましたので、したがいまして、今回の場合には、むしろ高島通牒といわれておりますものの考え方の延長線上にある一つのものというふうな解釈をして、今回三菱重工業にこれを内定をしたわけであります。  そこで逆に、そういうものならばあまり技術の習得にはならぬじゃないか、こういう御質問でございますが、私どもは、やはり部品の生産あるいは小型機の組み立て製造並びにオーバーホールといったものと、いま世界的に広く使われております多用的なこういった大型エンジンの組み立て生産をするということでは、今後のジェットエンジンにつきまして、新しくこれを開発いたしましたり、また、今後こういったものの設計を進めていくという場合の技術習得には、たとえ国産化の程度が従来のエンジンに比べて少ないとはいえ、やはりその面では相当な進歩があるのではないか、そういった面で相当程度の技術習得ができる、こういうような考え方のもとに内定をいたした、こういう次第でございます。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 これは、いま局長と議論をしても、技術開発の底辺を広げるということと、それから開発に要する費用を国費でまかなう、したがって国費を乱費しないという二つのたてまえからすると、私はできるだけ効率的に金を使わなければならぬという立場でものを申しておりますので、平行論議になってなかなかむずかしいのではないかと思います。  したがって、まず二点ほどとりあえずお伺いをしておきますが、三菱のエンジンの技術導入契約が今月末ごろ行なわれると聞いておりますけれども、その確かな時期とその内容。もう一点は、先ほど局長の御答弁の中にありましたように、CXエンジンの実際の需要というものは非常に少のうございます。そういう意味で五十機程度であろうというようなことがいわれておりますが、これで投資額を回収するためには、技術習得の度合いということは議論になりますけれども、それについては割高な国費を使う結果ならないか。せっかくいままで石川島に設備があるのだから、本格的な技術習得というようなメリットを求めないで、これは非常にむずかしいだろうと思うのですが、そういうことよりか、あまり国費を使わない形の姿がいいのではないかという気が私はいたします。そういう意味で、先ほど申し上げましたような契約の内容、国産化の考え方、どの程度国産化しようとしておるのか。  この点につきまして、私がいま質問をいたしますのは、これはCXエンジン一つをとらえて、ほんとうに開発の名のもとに国産化するという考え方は、私は基本的には賛成なんです。ただ、その時期と、その方法と、そのプロセス、そういうことを慎重に考えないと、いわゆるたいへんな乱費になるおそれがある。そういう意味で私は御質問申し上げたのでございます。いまの二点についてまず御答弁いただきたいと思います。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 まず第一点のCX用のエンジンのライセンスの契約についてでございますが、現在三菱重工業とプラット・アンド・ホイットニー社との問におきまして、このライセンスの導入につきまして交渉中と聞いております。私どもが入手いたしております情報によりますと、来月の上旬ごろには両社間でほぼ固まった契約と申しますか、ほぼ合意に達することになるのではないか、こういうふうに承知をいたしております。  それから、第二点の国費の乱費になるのではないかという点の御質問でございますが、この点は非常にむずかしい問題でございまして、私にも、技術の専門家でございませんので、十分な御答弁もできかねると思いますが、裏返して御説明をいたしますと、かりにどの程度の部品国産化が行なわれ、あるいはどの程度の深度の国産化が行なわれるかということは未定であるといたしましても、ある程度国産化が行なわれるということで考えてみますると、その国産化は、現在の三菱重工の名古屋大江工場で行なわれることになると思います。現在、大江工場では、先生も御承知のように、小型のジェットエンジンの組み立て生産、さらにはJ79といったような石川島が担当いたしておりますジェットエンジンの部品の生産、こういったものもいたしておるわけでありまして、相当程度の設備がここに現存いたしております。したがいまして、私どものほうで、これは先ほど申し上げましたように、ある種の仮定を含んではおりますけれども、ここで国産化をするとした場合、おそらく必要な費用といたしましては、新しく運転場を郊外に設ける必要があるだろうということで、こういった費用。私ども、まだこれは会社から正確に聞いたわけではございませんが、私どものほうの推定でございますと、約三億円余りではなかろうかと思っております。それとやはり専用の工具が要ると思います。これは組み立て生産のためのいわゆる専用工具でございますが、これがやはり一億円前後か、こういったふうな感じで私どもは見ております。あるいは、いわゆる航空機製造事業法上の特定機器の中でのごく一部のものについて、大型のエンジンでございますので、あるいはこれについて若干の機械の導入が要るかとも思っておりますが、こういった点は、実はまだ正式に申請も出てきておりませんので、正確には申し上げかねます。  こういったような投資が、かりにここで国産化をいたしますと要るわけでございますが、こういったものと、先ほど来御説明申し上げましたような、今後の日本のジェットエンジン工業というものをどういうふうに育成強化をしていくか、発展さしていくか、こういうためにどうしても必要な技術の向上ということと、どういうバランスになるか。こういう点は非常にむずかしい問題でございまして、ちょっと私といたしましては、一がいにここでお答えしにくい問題かと存じます。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 航空機製造事業法によりますと、第二条の三に「前条の許可を受けようとする者は、左に掲げる事項を記載した申請書を通商産業大臣に提出しなければならない。」といって、その必要のことを全部書いてありますね。このCX生産プライムを三菱に与えまして、いま局長の答弁では今月末にプラット・アンド・ホイットニー社と技術契約まで結ばれるであろうということですが、その内容は通産省が指導したもので、大体わかっていなければおかしいと私は思うのですね。さきにCXエンジンの生産許可の内示を与えたわけです。現に十二月の二日に。この製造事業法によりますと、航空機を製造しようとする者は、エンジンを製造しようというときには、この申請書を出さなければいけないわけですね。出して、それによって許可をして、それによってかかっていくわけですね。この法律に何にも関係なく内示で許可をする、そうしたらこの法律私は要らないと思うのです。許可を現にしておるわけですね。また変えてもいいわけですか。この許可の申請書は出ていませんね。出ていますか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 製造事業法の許可の関係の点は、先生御指摘のとおりでございます。従来、これは防衛庁用のものにつきましては、ずっと昔のことになりますが、たとえば、T33の練習機でありますとか、あるいはF86戦闘機でありますとか、こういったもの。それからエンジンも同様でございますけれども、これらにつきましては、防衛庁が各種の作業をいろいろいたします関係もございまして、業界からと申しますか、当該企業から正式に航空機製造事業法に基づく許可申請が出てまいります以前におきまして、防衛庁当局と私どもが十分協議をいたしまして、そしてその際、これをどういう企業にどういう体制でやらせるのがよかろうかということを、両者の合意に基づきまして、私どものほうから当該企業に内定の通知をするというよなうことに従前からなっております。こういったような、まず内定をいたしましたあと、当該企業は、もちろんそれに必要な関係資料等を取りそろえまして、防衛当局とも御相談をし、そしていよいよいつからというふうに正式にきまってまいりますと、その時点におきまして必要な特定設備等もございますので、そういったことも全部取りそろえた上で通産大臣あてに許可申請をしてくる、こういうことになっておる次第でございます。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 いまの説明を聞いておりますと、私は、航空機製造事業法というものが、ほんとうの意味で正しく運用はされていないと思うのです。やはり私らは申請を出して許可をしてやってもいいのじゃないか。内示をする、過去そういうふうになっていますという御答弁ですが、それではお伺いをいたしたいのですが、やはり私はこの製造事業法がなくてもいいような印象を受けるのですね。通産省と防衛庁とが相談をして、そして業者を選択をして、許可の内示を与える。それなら許可の申請書なんか要らぬじゃないですか。この法律をつくる必要はないじゃないですか。  それと、もう一つついでに聞いておきます。いま局長の答弁で、CXをつくる場合の技術底辺を広げる国産化といいながら、投資額推定が約三億と工具が一億、四億ですね。私は四億なら試験設備だけだと思うのです。試験設備で四億くらいだと思うのですね。ということは、もともと国産化なんかやる気がないのじゃないか。したがって、それならば現在試験設備も石川島播磨にあるじゃないか。二重投資になるじゃないか。四億ぽっちの金をかけて国産化はできっこない。試験設備と工具にそれだけかかるのだ。それならば、技術底辺を広げるという、いわゆる石川島から高島通牒を変えた通産省の意図が一体どこにあったのか、全然筋が通らないじゃないか。結局生産プライムを上げることによって利益保障をしたにすぎないじゃないか。試験設備だけでそれだけのいわゆる技術底辺を広げるという理解を通産省でなさっておるということですか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 たいへん手きびしい御質問で恐縮でございますが、まず法律の面におきまして、各種の法律の運用から申しましても、やはり法律に規定されました許認可等を行ないます場合、事前にいろんな形でその認可されるであろうものについて、各種の調査もし、検討もし、その上内定するということは、法律の運用と申しますか、そういった面での行政行為として私は通常許されていいのではないかと思います。  法律自身は、御承知のように、この航空機製造事業法で申しますと、事業活動を調整することによって国民経済の健全な運行に寄与する。それから航空機の製造の方法を規律することによって生産技術の向上をはかる。こういう二点が法律の目的となっております。そういった点で、いよいよ許可をいたしますという段階になりますと、その製造なり修理なりをいたしますのに必要な特定機器はもちろん備えておかなければなりませんし、またその方法についてもあらかじめマニュアルをきちっと提出をしてもらい、それを審査をいたしまして、これなら安全な航空機が製造できる、こういう確信を持ったところで認可をするわけでございます。そういったことから、私は、あらかじめメーカーを指定するということも、法の運用上はそう間違った行為であるというふうには考えておりません。また、反面申しますと、法律があるからこそ、またその運用としてそういうこともあり得るのであって、法律の規定がそもそもなければ、そういった内定のしっぱなしということでありまして、何らそういった厳正な許可行為というものがあとに続いてこないということになるわけでございます。  それから第二点の、国産化についてはたしてどうか、こういう御意見でございますが、私ども、先ほど申しましたように、必要な設備等につきましては、試験設備程度あるいは組み立ての専用工具等でありまして、これはほんとに仮定を置いての推定でございますので正確には申し上げられませんが、その程度ではないかと思っております。  では、そういったものだけで国産化ができるのかという御質問でございますが、先ほども申し上げましたように、大江工場におきましては、小型ではございますが、現にジェットエンジンの製造をいたしております。それから配品の生産につきましては、このCXに先立ちますTX、さらにその前のJ79、こういった段階から、各社、それぞれの会社が、やや専門的にその生産に当たっていこう、こういうような体制が確立しておりまして、そこで、この三菱の工場におきましても、相当程度大型ジェットエンジンの部品の生産はいたしております。そういったことから、この部品の生産に必要な各種の製造設備、あるいはそれの検査設備等は、私どもの見る限りにおいては、一通りそろっておると私は思っております。こういった面から、私が申し上げておりますように、試験設備等の追加投資があれば、まず私どもがいま頭に描いておりますような国産化の実行は可能である、こういう考え方を持っておるわけでございます。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 防衛庁にお伺いしたいのですが、防衛庁はCXエンジンの国産化ということはまだ決定しておらないというように承知しておりますが、それでよろしいかどうか。それにもかかわらず十二月二日急いで国産化の生産プライムを三菱にいたした理由、決定を急いだ理由。これは防衛庁が非常に急いだという話を聞いておりますが、その理由。  それともう一つ、これは局長に再度の質問になりますが、いまの御答弁の中で、たいした設備をしなくともいままでの三菱のプロジェクトの中で消化して大型もできるのだという話でございますが、それならば高島通達を守ってもいいことなんですね。別に変えなくともいいことなんです。私はあとで質問したいために、このCXエンジンを一例として、最近起こった事例だから取り上げているんで、ほんとうはこのあと質問したいのです。ということは、そういう処置をしておりますと、すべてが非常に割り高についてくるということなんですね。技術の底辺を広げるといいながら、三菱にできるんじゃないかというなら、私はおかしいと思うんですね。工具も持っておる、設備も大体は持っておる、生産も現にできるんだというならば、そんなことしなくていいじゃないか。国民のために安いほうがいいじゃないか。大蔵省予算を効率的に使うほうがよりいいじゃないか。これはどうですか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 CXエンジンの国産化の方針でありますけれども、防衛庁としましては、現段階では国産をしたいという方針を持っているということでございます。国産の決定ということは、正式には政府がまだ行なっておりません。と申しますのは、第一点としまして、CX自体が現在開発中で、この秋に初フライトをする。その結果によって、もし失敗すれば問題ございませんが、CX自体の国産の問題をきめねばいかぬ。それに乗せるエンジンを国産化するかどうかという問題をきめるという問題が残っております。ただわれわれとしましては、CXのエンジンはぜひ国産をしたいというふうに考えております。  その理由を一、二申し上げますが、防衛という面から見た装備品、それは国内に十分な補給源を持ちたいという一般論は別にしまして、特に航空機につきましては、平時の運用自体が戦時と変わりません。非常に激しい訓練をいたしますので、その国内における支援、サポートはぜひ国内にもしたいという希望は持っております。  もう一つ、特にこのCXにつきましては、別なまた注文がございまして、CXの機体自体が初めて日本が開発する飛行機でございます。ジェットファンということで、この飛行機自体も開発段階、今後の運用で相当な改善があるでしょうし、またふぐあいも出ると思います。その場合にエンジンのほうからの知識がございませんと、全体のふぐあいの改善あるいはその対策というものについていろいろと困難がある。エンジンの技術はぜひマスターしておきたい。外国から持ってきてぐあい悪い場合には、一々外国の技術屋を招くということでは、CX自体の運用あるいはその今後の改善について非常に支障があるということで、ぜひこれは開発し国産をしたいと考えておりますけれども、いま申しましたように、まだCX自体が飛んでおりませんので、決定は今後に待つということであります。  それから第二点の、そういう段階でエンジンのプライムをきめることをなぜ急いだかという問題でございますけれども、実はCX自体が四十一年から開発しまして四十九年には部隊装備をしたい。と申しますのは、現在持っておりますC46という航空機、約四十機ございますけれども、これは第二次大戦中、十八年当時にできました飛行機で、実は思ったよりもいたんでまいっております。     〔前田委員長代理退席、橋口委員長代理着席〕 来年度予算でもやむを得ずYS11を多少買うというようなことで、どうしてもその代替機が要る。で、これが問に合いませんと、四十八年、四十九年以後の輸送業務なりあるいは訓練体制に支障を来たす。それで、途中につなぎの飛行機を買うかという問題も出たのでございますけれども、われわれとしましては、どうしても開発計画を進めたい。その意味で、実は三次防の予定では四十六年度予算で量産の決定をしたいという考えで、われわれは現在四十六年度予算で量産予算を財政当局に出す予定でございます。  御存じのように、予算の概算要求の提出期限が八月でございます。こうしたような相当高価なもの、相当な検討を要するものをわれわれが予算を組む場合には、相当期間を設けて十分な試算をしたい。特に財政当局も非常にこういう問題については関心を持ちますので、そうした意味で、われわれはどうしてもその検討時期としましては、おそくとも五月には関係資料を集めて、私のほうの予算要求責任官庁である航空自衛隊幕僚監部、そこで勉強させまして、それを関係のわれわれ内局で審査をする。そして大蔵省当局に持ち込むというためには、少なくとも五月初旬にはもらわなければ間に合わない。それをさかのぼってみますと、いままでの技術協定の経験からいって、関係企業にできれば半年以上、少なくとも三月ないし四カ月の時間を与えませんと不利な契約になってしまうということなので、しかも、その企業は当然そうした技術の検討というか、契約をしましたあとで検討するには、やはり一カ月や二カ月は当然要ります。そういうことで、われわれがきめていただきました十二月ということは、むしろおそかったというふうに考えておりまして、決して早い時期ではないというふうに考えております。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 私のほうにお尋ねの点だけごく簡単に申し上げますが、先ほど来御説明いたしましたように、三菱重工の工場には設備等はほぼそろっておるわけでございますが、こういったエンジンの組み立て生産についての技術はまだございません。  そこで、先ほど御質問もございましたように、ライセンスの導入をはかる必要があるわけでございまして、こういったライセンスの導入によりまして、いまのような技術の向上をはかられる、こういうことになるわけでございます。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 日本工業新聞の二月十三日の記事ですね。これは防衛庁も通産省もごらんになっておると思うのですが、この記事の信憑性は別としまして、この中に「この国産化に要する設備投資、諸経費との見合いにおいて採算がとれない。また、このために新設する設備が遊休化する恐れもあるなどの理由から、プラット・アンド・ホイットニー社からの導入技術は潜在開発能力として残し、当面は補修用部品についてのみ国産化する方針を固め、防衛庁もこれを了承した。」 こういう記事がありますが、これは防衛庁は御存じですか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 全然まだ三菱から話はございません。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 私はここで開発のことについて、特にCXエンジンをとらえていろいろ御質問申し上げましたのは、先ほど質問の冒頭で申し上げましたように、技術開発の底辺を広げるということと国費を乱費をしないという二つの相矛盾した要素を、将来の航空機製造ということにどういうふうにして生かしていくかということが非常に大事だから質問をしたのです。ところが、最近の業界を見ておりますと、私は必ず三菱という名前を出しますが、三菱重工業のシェアが大きいから申し上げるので、特別どうということはないのです。将来の防衛産業ということで考えてもらわなければならない点が多いということで申し上げておるのでございます。問題は、防衛産業のむさぼり主義といいますか、非常に高くつくのじゃないか、効率的に金を使ってないのじゃないかというような懸念がいたしますので、質問を二、三してみたいと思うのです。  その中で、特に二つの部門で一例をあげますと、防衛庁だけのいわゆる軍用機だけの場合、コストの比較がなかなかできません。元来軍用機というのは性能至上主義でございますので、非常に比較がむずかしい。逃げ手が幾らでもある。したがって、いま、YS11と部品関係について、ちょっと質問をさしてもらいたいと思うのです。  YS11の現在まで納められておる価格、これは日航製から納められておりますが、非常に現実のベーシックな値段とほんとうの販売契約と——大蔵省もおいでになっておられますけれども、大蔵省の予算で支払われた金額と、これは非常に値開きがございますね。ということは、三十九年には販売価格が四億八千七百万円、実際には防衛庁の予算としては五億六千万、四十三年には六億九千六百万。三十九年から四十三年の四年間に約二億百万上がっていますね。実際納められた防衛庁の予算というのは、練習機なんかでは十一億、十二億という値段ですね。このような値開きができるのは、国際価格をいろいろな点から見ると、大体三ないし四%は各国とも上がっているようでございます。日本の場合は、標準価格に比べて販売価格ないし装備のついた実際の予算というのには、非常に開きがございます。これを簡単に、どうしてこういうふうに開くのか、これは防衛庁の装備局長の御答弁を願います。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 YS11の購入でございますけれども、いま先生御指摘のように、YS11には標準価格がございます。それに対しまして実際の防衛庁の調達価格は高くなっておりますが、それは全部、防衛庁の訓練なりあるいは作業の関係で仕様を変えておりまして、その仕様を変えた分だけが高くなっております。  一例を申し上げますと、たとえば一番安いものでありますと、三十九年の四億五千万という標準価格に対しまして純輸送機、これはそうたいした改造はございませんから千三百万円高くなっております。一番高いものは——一番高いというか、特に練習機などのように、非常に特殊な装備をし、特殊な仕様を変えてもらうという関係のものにつきましては、一億円以上高くなっているものもあります。この関係は、実はこれは私がここで言うことは問題ですから、抽象的に申しますけれども、一般の民間の方が買う場合でも、この標準価格に対しまして、仕様を変えまして、大体このままでは買っておりませんので、仕様を変えましてそれぞれ多少高くなっていることは事実でございます。われわれとしましては、この標準価格につきましては、そうとりまして、その上にわれわれが要求します仕様につきましては、当然その価格査定をしまして、この価格をきめて買っているわけでございます。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 商用機とYS11は民間機で売られていますね。コマーシャルプレーンとして売られている。べーシックプライスは同じだというような主張でございますが、実際高いのは部品なんです。たとえていいますと、四十五年の防衛庁に納められた一機を見てみますと、四十五年だけではないのですが、大体二〇%くらい、それからコマーシャルプレーンでも、初度部品として二〇%ぐらいは日航製を通じて売られているらしいですね。ところが、防衛庁の使用度とコマーシャルプレーンの使用度とは違うわけです。民間機のほうがうんとよく使っておるわけです。それでも購入するのは一緒。しかも民間機で売った場合、なかなか部品が高いといってクレームがついてくる。そういう例はありますね。部品が高くて納まらないという例がございましたね。前のアメリカのピートモンド社に納めたオプション部分の部品が高いということで契約破棄を申し出られた。ところが値段は、日航製は全部下請ですから、どうにもならない。  結局、私が言うのは、少なくとも価格というのは、防衛庁は非常に正当な査定をなさっておる、片方でそう言いますね。査定機能を持っておるならば、私は、さきの局長の答弁のように、予算を編成するために決定を急いで早く値段を知る、それほどの必要もたいしてないように思うのです。エンジンなんかは、すでに二基、防衛庁の直接契約でプラット・アンド・ホイットニーから輸入しているのですから、値段の基礎条件でわかるはずなんです。そんなに急ぐ必要はないのじゃないか、正確なる査定能力があるならば。実際比較をするのは、商用機との比較なんです。私は防衛庁のほうが、民間機に比べて部品をよけい持っておると思うのです。もらった防衛庁は、年度内に使わなければ予算を減らされますから、案外、これは邪推をすればたくさん使うと思うのです。与えたものは使っちゃうと思うのです。その必要があるかどうか。使用度も全然違う。民間機とは比較にならない。それでも同じ部品ではないか。ということは、非常に国費の乱費になっておるのじゃないか。また事実、ここであまり時間もございませんので、個々のパーツについてのことは省略します。ただ、われわれ常識的にいろいろなパーツを見ましたけれども、驚くほど高いのです。だから、正確な査定をなさっていると言うけれども、私はどうも信用できないのです。そういう例を言えというなら、具体的に私は例を出したいのです。ただ、防衛庁が部品を購入している値段を、私は一応一覧表を出していただきたいのです。非常に高いのです。それは軍事機密も何もありませんからね。  ただ、われわれが問題にしたいのは、これから防衛産業が起こるだろう。むさぼり主義のいわゆる日の丸的なやり方、こういうものをいまにしてとめておかなければ、たいへんなことになるぞ。かかっただけ取るじゃないか。原価方式じゃないか。たとえば一つの小さい部品を見ると、工程何ぼ、材料何ぼ、おそらく町工場でやれば千円くらいのものが、一万円ぐらいで売られているのですよ。YS11のドアキャッチなんか一例ですが、三万六千円で納められている。どう考えても二千円ぐらいのものです。そこらのところが、正確な査定をなさっておると言うけれども、何が正確なんだ。正確の基礎というのは、会社が出した資料が正確なのか。どうなんですかね。非常に高くて、非常にたくさん買い過ぎておる。したがって国費の乱費になっておる。ベーシックな値段は変わらないけれども、ほんとうはベーシックな値段も変わっていくわけですよ。機体は変わっておりませんが、部品は、現に日航製が納めるときは、現実に値引きされて納めていますね。防衛庁の場合は、まる取りですわ。値引きなし、前金ですわ。四〇%前金、契約ができたときには金利を払う。それほど有利な条件がどこにあるかということです。したがってあげて防衛産業に色目を使い出した。これは装備局長どうですかね。値段、正しいと思いますか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 いまの先生のお話、二つ問題があるかと思いますが、現在のYS11の部品の問題でございますけれども、私たちのほうはいままでの実験値から二〇%の初度部品を組んでおります。大体の実験値から申しますと、そのうちの一六%は初年度に消耗してしまいます。残りの六%は次年度に繰り越します。予算の関係で、毎年毎年予算をもらってすぐ買うというわけにはいきませんものですから、六%はキャリーオーバーしておりまして、これにつきましては実は現実に大蔵省は非常にきびしくて、部品の残った状態で次の補給は考えております。  それで、高いという問題でございますけれども、現在のYS11の部品を買う場合には、やはり部品にも標準価格がございます。その価格で買っております。それに対しまして、防衛庁はいまおっしゃったように、支払い条件もいいし、安心だし、宣伝費も要らぬということで、標準価格の一〇%引きということが防衛庁の入手価格でございます。先生おっしゃいますように、民間のほうではもっとたたいているんじゃないかという問題につきましては、実は私たちもはっきりとわかりませんけれども、われわれとしましては、いまの日航製から買う場合には、標準価格は絶対守っているんだな、防衛庁だけがそういうことになるんではたいへんだということで、必ず一札は入れております。これがいまのYS11の部品問題でございます。  一般的に申しまして、いま先生おっしゃいました、防衛庁の査定がだいじょうぶなのか、力があるのか、甘いんではないかというお話がございます。この点につきましては、実は先生だけでなくて、各方面からそういう批判は受けます。われわれもその批判にこたえるように努力はいたしております。しかしわれわれも、いまアメリカ軍のいろんな原価計算方式を勉強し、教わり、旧陸海軍の様式も勉強しておりますけれども、何といってもまだ十分でないと思っております。現実に計画をつくる段階の勉強、それから予算を組む勉強、あるいは契約する場合の原価方式のあり方一あるいは原価方式といまの契約のあり方、その検査の方法と、どれもこれも実は問題が多いのでございまして、現在勉強しております。特に一例としましては、四十五年度予算では約六十万もらいまして、原価計算方式と適正価格方式につきまして、部内の勉強だけでなく部外の監査を受け、部外からの資料もほしいというので委託調査をお願いするということもいたしております。そういう意味で、ここで申し上げるのも非常に変でございますけれども、われわれは努力しておりますけれども、十分と思っておりません。その努力している範囲でいまやっておりますけれども、今後とも先生の御指摘、御意見のように十分な勉強をしてまいりたいというところでございます。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 いま装備局長の御答弁の中で、標準価格を守っているというお話でしたが、標準価格というのは一体だれがつくったかということを、ちょっと簡単に説明願いたいのです。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 YS11につきましては、日航製がつくっております標準価格表でございます。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 日航製は国策会社で、パーツを入れるときは、大体世界的通例らしいのですが、三菱あるいは川崎が納めてきたパーツに六割をかけて防衛庁に納めておるわけですね。これもいろいろ問題があると思うのですが、これはその利益が開発のために使われるのですから。現に相当赤字も出しておりますからね。しかし、この形を認めるということではないと思うのです。ただ下げようと思っても下がらないわけですね。日航製は下がりませんね。通産省の会社であるけれども、相手の下請会社のほうがはっきりと大きいのですよ。これは力関係ですから、局長がどうおっしゃろうが、日航製の標準価格というのでは私は納得できない。おかしいじゃないか。日航製の標準価格というのはメーカーから出た算定ですよ。あの原価計算書をごらんになってみなさい。何時間かかってどうだということだけですね。企業の合理化なり、安くしようとする努力なり、そういうことは一切行なわれておりませんね。そこらの問題が、私は、防衛庁の考え方がいろんな意味で批判をされるのじゃないか。現実にコマーシャルプレーンの場合は、局長、やはり安いのですよ。その認識をお持ちかどうかということをあとで聞きたい。安くしなければ国際競争は勝てないのです。たまたまYS11でも、商用と軍用ということで比較ができただけなんです。これ一つの。プロジェクトが全部軍用機に納めるものは、比較する対象がないわけですね。これだけかかるからしようがないじゃないか。納めるほうはぶったくり。おれのほうはこれだけかかっているんだ。標準価格を日航製さんが言おうが、日航製さんの言うことを聞くほど会社の力は弱いですか。力は客観品にそんなに弱くないと思いますね。むしろ日航製が突き上げられると私は思いますね。これは、日本の航空機製造事業というものに対して、通産省あたりが抜本的にロングランの形でビジョンを立でなければいかぬと思うのです。ほんとうは力関係において言いなりの値段である。標準価格を日航製がつくるというが、残念ながらその能力はないと私は思うのです。それだけに準拠した防衛庁の考え方、このことも私は信頼できない。ということは、査定能力に欠けるのじゃないか。したがって防衛庁、防衛庁といってみんなが取引を希望しているわけですね。  それともう一つは、私が割り高になって国費の乱費になるということは、一例を言いますと、三菱でもどこでもいいが、ある会社が一つの注文を受けますと、その設備は万全だとして受ける。受けると設備に二十数億かかるでしょう。そういうものが生産機種に全部割り掛けされておるということですね。会社の資産が国費でまかなわれておるということです。開発費なのか、会社の資産をつくるのか、非常にむずかしい限界がありますが、おそらくコスト査定が正しくないと、昔のいわゆる悪い弊害が——これはあとで二、三点だけ質問いたしますが、いわゆるアメリカの産軍複合体といわれるような結果になりはしないか。財界はあげて、工業総生産に対する比率が非常に低いからまだいいじゃないか、たいしたことないじゃないかというような考え方がよくいわれておりますけれども、私はその説にはまっこうから反対なんです。防衛庁の予算というものは、自主防衛の路線でいくと、どうしても近代化になり国産化になり、だんだん予算がふくれていくと思います。そのときにどこかに足どめをしておかないと、むさぼり主義がますます横行していくだろうという気がいたします。  それで、私は大蔵省にちょっとお伺いしたいのですが、主計官お見えになっているようですので。  これは大蔵省は、予算をできるだけ使わないように削っていくと思うのですが、YS11の値段なんかについて、これはちょっと専門外かもしれませんが、われわれは非常に高いと思っておるのですが、大蔵省はどうですか。

原徹大蔵省主計局主計官

○原説明員 YS11はじめ航空機は確かに非常に値段の張るものでございまして、私どもの立場はやはり国費をむだに使わないということでございますから、同じ性能のものであるならば、できるだけ安いほうがいいわけでございます。そういう見地できびしく査定をしておるつもりでございます。実際問題が、なかなか契約ができないということが現在の状況であろうかと思いますが、しかし、ただいま申されましたように、もし部品等で非常に高いものを買わされているとすれば、これは非常に重要な問題でございますから、さらに私どもも、一段ときびしくと申しますから、適正に査定をしたい、こういうふうに考えます。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 もう一つだけ。YS11に続いてこれは赤澤局長にお尋ねしたいのですが、コマーシャルプレーンでもう一つ三菱が納めておりますね、MU2、これを輸出したといいますが、このてんまつをちょっと簡単に聞きたいのです。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 民間の商業機でございます小型のMU2、これはこの三月現在で全体で百五十五機生産されておりまして、そのうち販売されましたものが百四十七機、輸出をいたしましたものが一百三十五機でございます。残りは国内で使われて一おる、こういう状況でございます。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 もうちょっと詳しく。輸出というのは実際商取引が行なわれておりますか。アメリカに置いてあるのと違いますか。ユーザーに渡っていますか。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 失礼いたしました。いまの輸出の百三十五機のうちで、米州に輸出いたしましたものが百二十九機ございます。これは正確な数字ではないかと思いますが、私どもが状況を把握いたしておりますところでは、この百二十九機のうちでエンドユーザーに渡ったもの、これは約五十機程度というふうに承知をいたしております。

吉田泰造民社党

○吉田(泰)委員 結局、百二十九機納めたといいながら、最後のユーザーに渡っていないわけです。ということは、企業体にすれば、三菱の例がいい例なんですが、金はなかなか入らない。長期になる。いまの分なんかほとんど入っていないのですね。ということは、そういう民間機では、コマーシャルプレーンではもうからないから、防衛庁だけでいいのだというような考え方に、業界があえてなっておるわけです。YSHがそうでしょう。MU2がそうでしょう。ということは、私は、価格というものは、標準価格と違った角度で立てるということと、もう一つは、国際競争力を持たすためには国際市場に通る相場でないといけないと思うのです。実際通ってないじゃないですか。ということは、通らない値段で防衛庁は買っておるというわけですね。それも長期的なロングランの形で日本の将来の航空事業ということを考えた抜本的なビジョンがあって、しかも開発という意味があるなら、多少は私はいいと思うのです。ただ経営者そのもののそういう姿勢が、私はなっていないと思うのです。コマーシャルプレーンはもうからない、したがって軍用機一本やりでやるのだ、軍用機の場合はかかっただけ金はくれるじゃないか、しかも前金でくれるじゃないか、何の苦労も要らぬじゃないかというようなことに、現実の航空機事業はなっていると思うのです。そこらに対してチェックがないと思うのです。これは一つの設備を全機種に割り掛けてしまって、国費で会社の設備をしておるようなものですね。やはり私は足どめが要ると思うのです。どこかに歯どめを持っておかないとたいへんなことになる。  あまり時間もございませんので、あと二点だけ私は質問を申し上げたいと思います。  それは、いわゆる防衛生産が、いま個々の会社の名前を出しましたけれども、上位集中の傾向が非常に強くなっているということですね。これは性能至上主義で、金がかかってもいいからいいものをつくりたいという、兵器産業本来の本能的な欲求といいますか、そういうものから私はだんだん自然に連鎖的にそうなっていくと思うのです。したがって上位集中をとめておかなければいけない。いま三菱グループが防衛庁の平均予算の四〇%ほどを納めていますね。その方向に持っていくような——たとえばCX一つをとらえても、技術底辺を広げるという通産省の考え方と同時に、もっと大きな高い次元からそういうことはとめるべきであろうという考え方を私は持った一人なんです。アメリカの場合には、もういわゆる産軍複合体でいろいろな弊害が出て、アメリカにもいろいろな反対世論がいま起こっております。ところが、いままでこの巨大な組織の中に組み込まれたアメリカの産軍複合体というものは、近い将来に解決するということは私は望みはないと思います。したがっていまアメリカの世論がそういうことになっている。しかも集中度は日本と比較にならぬほどアメリカの場合は低いのです。日本の場合と違って非常に低うございます。ところが日本の場合には、上位十社くらいでほとんど生産をして納めておる。これは私は、日米一体の産軍複合体の方向にいくんじゃないかという感じがいたします。そういう要素があるから、特に私は歯どめを何とかしていただきたいと思うのです。  そういう考え方からすると、技術底辺を広げるという、ただそれだけの理由で、しかも、これは議論の余地がありますけれども、たいした技術の底辺は広がらないという前提条件を持って私はものを言っておりますから、これは局長と並行論議になるかもしれませんが、その上にそういうことで変えた、石川島から。私は石川島ときめてかかるのは、覚え書きをそういうふうに理解しておるからです。それを変える理由は何もないじゃないか。国費の乱費、高買い、割り高になる以外の何ものでもないという感じがいたします。  時間もおそくなりますから、最後にもう一点だけで質問をやめさせていただきます。  アメリカの状況を見て、私は、日本の防衛産業の将来と現状ということで、特に最後に装備局長並びに赤澤局長の御意見を伺って質問をやめさせていただきたいと思いますが、防衛産業が工業総生産において占める地位が低いからという、ただそれだけの理由で心配が要るのは早計であるというような考え方は、私はいまの時点で間違っていると思います。ますます防衛産業は自然に連鎖的に集中していきます。そういう形になる産業だと思います。したがって米国と同じ道を進んでいると思います。なお日本の場合、上位集中と産軍複合体形成の可能性の要素をアメリカ以上に含んでいるような気が私はいたします。政府はこのような視点から、防衛産業の抜本的ビジョンを持ち、将来、アメリカの現在の病める現状と同じおろかさを繰り返していただきたくない、そういう気がいたします。このままいくと同じようになるのではないか。したがって、国民の税金で、自主防衛という名のもとに、性能至上主義という隠れみのがありますので、どこかから出されたその値段の言いなりでは航空事業というものは発展しないだろう。国際競争に勝つような——経営者も、ほんとうは経営合理化のために、真剣に、死にもの狂いになってやってもらわないと、かかった値段の査定をして、そのままパーツで請求できる、そういう形では、私は税金を払う国民にとってはこれはたいへんなむだなことだと思うのですね。航空機だけの本年度予算を見ても、債務負担行為を入れて約一千億ございますね。一割違っても百億たんです。工業総生産に占めるウエートが非常に小さいからというような、いわゆるごまかした議論で、まあまあいいじゃないかというようなことがいま平気で論議されておりますけれども、私は、いまのうちに抜本的な方向を持っていないと、CXそのものの一例を見ても、私は正しい行政上の処置であるとは言えないのです。そういう気がいたします。これはお二人に答弁をいただきまして、私の質問を終わります。

赤澤璋一通商産業省重工業局長

○赤澤政府委員 防衛産業の現状並びに将来のビジョンという非常に高い次元の御質問でございますが、私どもは、防衛産業と一がいに申しましても、いま主として問題になりますのは航空機と武器、こういう二つの面であろうと思います。武器につきましては、私どもこれは、自衛隊用の武器を国産化をしていく、そしてその補給に遺憾なからしめる、こういうのが中核の考え方であろうと思います。この根幹をはずれないようにしながら、武器生産の持っております技術の波及度、あるいは非常に精密な工程を要しますための機械設備その他の面からいたしますところの技術の向上面、こういったことをできるだけ一般の産業界に還元をしていくように、私どもも極力指導してまいりたいと思っております。また、そういう観点から武器産業というものを私どもとしては見てまいりたい、こう思っておるわけでございます。  航空機の面でございますが、これはただいま先生からも御指摘のありました点がまさに非常に重要な点でございまして、従来、日本の航空機工業は、防衛庁需要並びに米軍機の修理といったものが全体の九割余りを占めておりまして、民間の需要というものは非常に少なかったわけであります。それが、YS11、あるいは先ほど御指摘もございましたがMU2、あるいは、FA200、こういったような民間用の航空機が出てまいりますにつれて、昨年あたりは、大体防衛庁需要が六〇、その他民間用が四〇、大ざっぱに申しますと、こういった形で漸次民間の航空機の生産あるいは修理といったものが出てまいっております。  私ども通産省の立場からいたしますると、軍用の航空機につきましては、先ほど武器生産の面で申し上げましたと同じような意味で、防衛需要と申しますか、防衛庁の補給、整備に遺憾のないようにしたい、こう思いますが、同時に、やはり航空機工業自体の持っておる性格、その技術の先導性あるいは技術集積性、こういった面からいたしまして、私どもは、航空機工業というものを将来りっぱな輸出産業として、そして機械工業の中に占める先導的な工業分野として育成をしていきたい、こう考えておるわけでございまして、この面から申しますと、確かに過去長年にわたりましていわゆる防衛産業的な特質を持っております航空機工業と、世界の市場の中で外国機と熾烈な競争をして輸出を伸ばしていかなければならない航空機というものとの間には、やはりギャップがあり、非常に苦しんでおる点でございます。これが偽らざる現状であろうかと思います。こういったような面からいたしましても、私どもは、航空機関係の会社に対しましては、いま先生も御指摘をなさいましたように、今後ともあらゆる合理化努力、コストの引き下げ努力、こういったことを絶えず要請もし、また私どもなりにできるだけの指導もしてまいりたい、かように考えております。こういったような全体を踏まえまして、実は先月、航空機工業審議会、しばらくとだえておりましたが、これの再開をいたしまして、なお、関係の学識経験者等にお集まりを願って、なお半年間余り時間をかけまして、十分そういった長期の、しかも基本的な視点に立った航空機工業対策というものを練り上げていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 防衛産業の将来という、非常に問題が大きいのでございますけれども、先生の御質問の御趣旨に沿いまして、狭めて産軍複合体という問題の対策というか、考え方についてだけ申し上げますが、現実に今後とも防衛需要はふえていくと思います。特に現在、防衛庁が持っております資材、装備品は、一次防、二次防では米軍供与品が大部分を占めております。それの更新だけでも相当量になりますし、当然防衛というものの本質からいって国内にその供給源を持つべきだし、また当然日本の防衛に合い、日本の体質に合った装備品が必要であるという面で、われわれは今後とも国産を進めたいと思っておりますので、防衛需要はふえてまいるということだと思います。その際に、先生おっしゃったように、アメリカでも問題になっている、今後とも日本で問題になるのではないかという産軍複合の問題でございます。財界が防衛需要に期待を大きくするという、それだけに危険があるという問題でございます。われわれはこの問題につきましては、十分なる注意を払っていかなくちゃならぬと考えております。  実は、その方策としまして、特にいま考えているという問題ではございませんが、いまわれわれ考えておりますことが逆にその方策になるんじゃないかということで、一、二申し上げますが、いままでの防衛産業というのは、いわゆる終戦後壊滅しまして、特需で興きました企業が、自然発生的に、現在むしろ混乱したかっこうで防衛産業に携わっている。これにつきましては、将来の姿を見通しながらある程度の方向づけをする必要があるんではないかということが一点でございます。  それから、われわれが今後の防衛産業を考える場合に、二点で部内の整備をはかりたい。第一点は技術の面でございますけれども、技術開発をする場合、あるいは生産する場合、現在の非常に進んだ防衛庁外の技術、その能力、それを十分活用してまいりたい。その際に、先生のおっしゃるように、それに引きずられないというためには、自分で生産することはしないけれども、その民間の技術を十分に評価する力、その力を持つほどに防衛庁内の技術陣の内容を持ってまいりたい。必要な教育制度なりいろいろな機構なりというものは、そういう方向でいまの民間にあります技術を活用するための必要な評価力を持つということが、今後の防衛産業を考えるわれわれの技術の方向じゃないか。もう一つは、先ほど申し上げましたように、価格ということが何といっても中心であります。その適正価格を判定できる力を部内に持つ。先ほど申しましたように、計画をつくる段階、あるいは価格を査定する段階、あるいは契約をする段階、それを検査する段階、すべてにつきまして、その適正価格を維持する価格判定能力を持つことに、今後のわれわれの部内の機構整備の重点を持ってまいりたい。もちろんそのために、これはまたほかの面からの話になりますけれども、おっしゃったような少数に集中するという弊害は当然考えなければいかぬと思います。そのためには、いま言ったような、自然発生的にできました力関係につきまして、それに競争原理が加えられるような体制づくりも考えなければいかぬと思います。また、先生の御指摘になられましたように、防衛需要だけで伸びた場合には、肥満児になるんではないか、国際競争力を失うんではないか、この点は、われわれ心配しております。そうした意味では、相手方への合理化努力をどのように要請し、それが実現できるかというような問題についても検討してまいりたい。特に先生のおっしゃった産軍複合体に対する対策ということではございませんが、まだそういう対策は考えておりませんが、いま言ったようなことをじみちに持っていくことが、先生の御疑問にこたえる方法であると思いますし、またそれは結果的に、御心配になっている産軍複合体に対する牽制策、歯どめ策ではないかというふうに考えております。

橋口隆自由民主党

○橋口委員長代理 次回は、来たる三十一日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開催することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後六時二十九分散会

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