商工委員会 第6号
- 発言数
- 128 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1970/03/12
会議録
○八田委員長 これより会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件及び経済総合計画に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出があります。順次これを許します。橋口隆君。
○橋口委員 きょうは、米の生産調整に伴う減反計画について政府側の御意向を承りたいと思います。あわせて、もし時間があれば、政府の立地政策についてお伺いしたいと思います。 初めに、きのうの新聞によりますと、水田の減反計画の細目をきのうの夕方にきめるというような記事が出ておりましたけれども、この減反計画の細目はきまりましたか。それを伺いたいと思います。
○池田政府委員 米の減反の関係で五十万トン相当の、これは面積にいたしますと約十一万八千ヘクタールに当たるわけでございますが、これにつきましては、地方公共団体等による先行取得あるいは民間転用を促進するというようなことで、現在各省のそれぞれの分担に応じまして、具体的な計画といいますか、細目を詰めておるわけでございます。私どものほうでも、いろいろ所管にかかわりますことにつきましては検討いたしておりますが、取りまとめは内閣のほうでおやりになるということで、私どもはまだ実は、最終的にどういう姿できまったか、承知しておらないのでございます。
○橋口委員 その細目はいつごろまでに決定いたしますか、いまの見通しでは。
○池田政府委員 ただいま申し上げましたように、内閣が取りまとめの責任者でございますので、私からお答えいたすのはいかがかと思うわけでございますが、私どもが従来承知しております点では、予算委員会が終わりますまでの間に取りまとめをする、こういう目途でやっておるように承知いたしております。
○橋口委員 それでは、その細目はいずれ伺いますけれども、買い上げをする場合の主体はどういうふうになりますか。国、市町村、民間、こういうふうに聞いておりますけれども、大体でよろしゅうございますが、その割合はどういうようなめどになりますか。
○池田政府委員 これも、まだ全体の具体的な実施計画は私ども承知しておらないのでございますが、私どもが従来承知しております限りでは、やはり民間によります転用が主体を占めるのではなかろうか。そのほかに、地方公共団体によります取得がございますし、それから私どもが関係しておりますところでは、農協が何らかの形でこれを取得をするなり、あるいはリーダーシップをとって宅地なり工場用地なりに振り向けるというようなことに相なっておりますが、主体は民間転用であろうと思います。
○橋口委員 十一万八千ヘクタールの買い上げということになりますと、非常にたくさんの資金を必要とすると思うのですが、大体の総額、それから資金的な裏づけ、そういうものはどういうふうに考えておられるわけですか。
○池田政府委員 これも先ほど申し上げましたように、私どもが全体を取りまとめておりませんので、実はお答えできる立場にないわけでございますけれども、土地を持っております大部分はいわゆる農民でございますので、まあ、私どもの観点で申し上げますならば、たとえば農協資金等を農協自体が取得いたします場合に使うということももちろんございますし、それから若干の制限がございますけれども、可能な限り他のほうにもそれを振り向けるということも実は考えておるわけでございます。 一般の民間転用におきます資金の融通の問題は、実は全く私どもタッチしておりませんので、ちょっとお答えできないわけでございます。
○橋口委員 そうしますと、そういうような資金計画、それから買い上げの主体をきめるのは、やはり内閣の審議室が中心になってきめるわけですか。
○池田政府委員 取りまとめはさようなことであろうと思いますが、各省がそれぞれの所管に応じまして検討いたし、またそれを推進する、こういうことであろうと思います。
○橋口委員 この減反計画を実行するに際して一つ問題があると思いますが、現在、生産調整の奨励金によって交付する場合には、各市町村ごとに一律に来ておるようでございますね。これがあまりにも画一的で、地方の実情に合わないと思うのです。減反計画を遂行する場合には、地域地域の特殊性、また日本全体から見たそういう利点というものを考えて総合的に判定すべきであって、画一的にやるべきではないと思うのですが、この点はどういうふうにお考えになっておりますか。
○池田政府委員 これは実は画一的といえば画一的でございますが、私どもは、収量に応じまして配分をする、こういうことでございます。たとえば四百キロの収量のありますところと五百キロの収量のありますところは、具体的にはヘクタール当たりの金額は相当違ってくるわけでございます。金額はそういうことでございます。 それから、具体的な数字の配分といいますか、目標面積の配分につきましては、これは一応私どもは県ごとに配分をいたしておりますし、それから県も市町村ごとに配分することに相なろうかと思いますが、具体的には、これはそれぞれの地方の実情に応じまして、最も妥当な配分方法をとっていただく、こういうことになっております。そういう点からも、なるべく実情に応じていき得る余地があるわけでございますし、そういうふうにいたしたいと思っております。
○橋口委員 それでは次に、工業用地への転用の場合について通産省にお聞きしたいと思います。 大体いま伝えられるところによりますと、十一万八千ヘクタールのうち二万一千ヘクタールを工業用地に回す、こういうふうに新聞では報じておりますが、通産省としてはどの程度と想定されておりますか。それからまた、四十四年度予算ですでにもう調査が実施されているはずでございますが、その進行状況等について伺いたいと思います。
○小宮山政府委員 お答えいたします。 二万一千ヘクタールという数字は新聞に出たようでございますけれども、通産省といたしましては、工業適地として工業等の農地需要調査を現在補正予算で行なっております。その結果を見まして考えたいと思っております。
○橋口委員 先ほど農林省にもお伺いしたのですが、工業用地に転用する場合には、民間の事業体が主体になって買い上げすることになりますか。
○小宮山政府委員 いま橋口先生のおっしゃった、民間企業の資金ということで、日本開発銀行とか北海道東北開発公庫の設備資金の融資をしていただいて、おっしゃるようにやっていきたいと思っております。
○橋口委員 この買い上げは、大体四十五年度一ぱいに行うというふうに考えられているようでございますが、そうなると、四十五年度の政府予算あるいは財政投融資でもうすでにきまっているはずでございますが、そういう点はどういうふう にこれから運用されますか。
○柴崎説明員 お答えいたします。 開発銀行並びに北海道東北開発公庫では、それぞれ五百二十億の地方開発ワクというものがございまして、一千四十億でございますが、先般きまりました政府の金融機関の融資方針におきましても、これは農村地域の工業化に優先的に使うという点が指示されておりまして、われわれはそういう考け方でこれを運用してまいりたいと考えております。 さらに、地方公共団体が工業用地を造成する制度があるわけでございますが、地方債のワクで百億予算が組んでございまして、この百億の工業用地造成につきましても、現在の総合農政の一環といたしまして、水田の買い上げというようなところに重点的にこれを向けたいというぐあいに考えております。
○橋口委員 一年間でこれだけの土地を買い上げるとなれば、誘致される企業のほうでもその準備がたいへんだと思うのです。そうして特に農地を先行取得する場合には、第一期工事のめどをその年内につけていなければ許可されないと思うのですが、その辺については現行法のワク内でできるのですか。これは通産省でもしお答えができなければ、農林省でもけつこうでございます。
○柴崎説明員 年間の工業用地の需要というものは、いままでの実績によりますと約一万二千ないし一万三千ヘクタールございまして、その中で水田が、昭和四十四年度におきましては約四千六百ヘクタールという実績が出ておるわけでございまして、先生の御指摘のように、水田だけにつきますと非常にその面積が大きくなっておるわけでございますが、全体としての規模から考えますと、数字の設定のしかたいかんによりましては、いろいろの方法を集中的に講すれば、相当程度の工業用地の確保は可能であるというぐあいにわれわれは考えておりますが、詳細につきましては、現在約二万の企業に対しまして、差しあたり四十五年度にどの程度工業用地が必要であるかというアンケート調査をやっておりまして、その結果がぼつぼつ集まってきておる段階でございます。三月末におきましてはその全貌がわかると存じますので、その辺のデータを基本にしかるべく対策を講じたいというぐあいに考えております。
○橋口委員 いまの調査の結果に基づいてなるべく迅速にこれが実現できるように、ひとつ御努力をいただきたいと思います。 そこで、地方の実情を見た場合に、実際この買い上げをする地点というのは、いわゆるバラテン方式であって、まとまった地域はできないと思うのです。それをどうしても交換分合して、そして一つの団地を形成するということが必要じゃないかと思うのですが、これは現在の農地法のワク内でできますか。
○池田政府委員 ちょっと御質問の趣旨がよく理解できなかったのでございますが、農地法の運用の問題に関係いたしますと、私、実は主管しておりませんので、的確なお答えができる立場にないのでございますが、たとえば公共団体が転用を目的にいたしまして先行取得をするということにつきましては、先ほどの御質問にも関係があるかと思うわけでございますが、農地法の運用といたしましても、そういうような方向でできるようにするということになっているはずでございます。
○橋口委員 いまの問題はもう少しよく御検討いただきたいと思いますが、はたして現在の農地法でできるかどうかにはかなり疑問があるんじゃないかと思われます。そういう点、十分御検討をお願いしたいと思います。 それから、今回の買い上げによって工業化を促進するというのは、農業からの離農者をそのまま農村で再雇用する、これが重点になっていると思いますが、今度の総合農政の推進によって将来どれくらいの離職者が出るというふうに考えておられますか。
○池田政府委員 これにつきましては、実は全体の数字でございますが、約一年ほど前に私どもが作業をいたした数字がございます。それによりますと、現在の農業就業人口は約九百万でございますけれども、昭和五十二年にはそれが大体六百万程度になるのではないかという作業をしたものがございます。ただその後、御存じのように米の需給事情等もかなり変わりまして、ただいまいろいろ御議論いただいている農村の工業化の問題等につきましても、政府としても相当積極的に取り組む、こういう態勢になってまいりましたので、前に作業いたしましたものは、大体年率四%くらいの減でございますけれども、それを今後は若干上回ることになるのじゃなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
○橋口委員 それほどたくさんの離農者が出るとすれば、非常にばく大な企業を誘致することが必要だと思います。それを、個々の企業体に土地の買い上げをまかせたり、またその企業が自力で進出するというようなことは、実行上なかなかむずかしいと思います。そのためには、現在過密地域からの分散についていろいろ手を打っておられるようですが、それ以上に、産炭地域の振興事業団がああいう誘致方式をとってかなり成功しておると思いますので、こういうような新しい方式を導入して、そして農村工業化を円滑にすることが必要だと思いますが、それについて通産省としては何か新しい方式をお考えになっておられますか。
○小宮山政府委員 先ほど申し上げましたように、現在調査中でございます。これは産炭地振興事業団のようなものがいいのか、あるいはもっとほかの形式でやるのがいいのか、その点は調査を待って決定いたしたいと思っております。私としては、農村地域振興事業団のようなものをつくってやるほうが適当ではないか。これは私見でございますけれども、そういうふうに考けております。
○橋口委員 この農村工業化の問題は非常に急がれている問題でもございますから、四十六年度予算ではそういうような新しい方式が認められるように、いまから御尽力をいただきたいと思います。私も産炭地域の仕事をしたことがございまして、この事業団の方式というのは非常に有効ではないかと思います。いま政務次官が言われましたように、農村工業化にあたっては、新しい公団あるいは事業団というような方式によって強力に遂行していただくようにお願いを申し上げます。 それから、誘致企業は農村にわざわざ中央からやってくるわけでございますから、特別の税制、金融上の優遇措置が必要だと思いますが、こういう点についてもお考えになっておられますか。
○柴崎説明員 その点につきましては、どういう業種がどの程度の規模でどういう地域に進出するか、その辺の調査を進め、具体的な全体のプランを漸次確立するのと並行いたしまして、具体的なそれの裏づけ措置というような形で対策を考えなければならないというような段階でございまして、現在各省といろいろ相談いたしまして、問題点の指摘、検討はやっておる段階でございますが、いかなる対策がどういう形ででき上がるかにつきましては、いま少し時間の猶予をいただきたいという段階でございます。
○橋口委員 いまのように、税制、金融上の措置あるいは事業体方式を確立するとなれば、どうしても新しい立法化が必要になると思います。そういう点で通産省としては、たとえば農村工業化に関する新しい法案というようなものを御検討になっておられますか。
○小宮山政府委員 いま各省との調整中でございます。この調整がついて、今後農村における工業化をどういうふうに進めるか、基本的な考え方が出たときに立法化を考えようと考えております。
○橋口委員 もういまや周知の常識になっているわけでございますが、農村の救済というのは農業だけではまかなえない。農村の工業化ということが最大のきめ手になってくると思います。そういう意味で、どうか通産省では前向きの姿勢で農林省と協力をされて、どうしてもこの農村工業化が確実に強力に推進されるように特にお願いを申し上げたいと思います。 そこでこれに関連をいたしまして、将来の日本の工業立地の問題について伺いたいと思います。 通産省の工業配置構想、また企画庁の全国総合開発計画によりますというと、昭和六十年には昭和四十年に比べまして、鉄は四倍、石油は五倍、石油化学は十三倍の用地が必要になる、こういわれております。それで実際、臨海性の工業地帯と内陸性の工業地帯との比率は、大体どういうふうに見ておられますか。
○宮崎(仁)政府委員 新全国総合開発計画で昭和六十年度の工業出荷額が四十年度の五倍程度という推定をいたしております。その内容といたしまして、ただいま橋口先生おあげになりましたように、鉄、石油化学等の倍率をあげております。これに必要な用地といたしましては、現在、臨海性、内陸性合わせまして大体約十万ヘクタールの用地を使っておりますが、この二倍程度が増加される、結局三十万ヘクタールくらいの用地が必要になる、こういう想定になっております。
○橋口委員 そうしますというと、臨海性の工業地帯にたとえば大規模工業基地がこれから開発されることが必要になってくると思います。これについて通産省では現在十数カ所考えておられるようでございますが、運輸省でも大体それに近いような新字を考えておられる。ところが両方の候補地について必ずしも意見が一致しないようでございます。この調整については、通産省また経済企画庁は、どういうふうにこれを今後調整しようと考えておられますか。
○小宮山政府委員 通産省は、まず大規模工業基地開発のために必要なコンビナート業種の発展の方向や地域の立地条件などの調査をすみやかに実施することにしており、関係各省においてそれぞれ所要の調査の実施あるいは準備を進めているわけです。その間の調整については、経済企画庁においても国土総合開発事業調整費などにより配慮されておるものと考えますが、通産省といたしましても、関係官庁と十分協調して大規模工業基地の開発促進に今後つとめたいということでございます。
○橋口委員 この大規模工業基地の開発ということは、総合計画でうたわれておる大規模開発プロジェクトの最大のものではないか。また経済効果も一番高いものでございますから、これが非常に大きなウェートを占めると思うのでございます。そういう意味で、こういうような大規模工業基地の開発というのは、今後計画的にこれを取り上げることが必要だと思うのでございますが、経済企画庁の長官としては、今後どういうふうに推進をされるおつもりでございますか。
○佐藤(一)国務大臣 御指摘のように、こうした新しい問題については、どうしても従来のように、港湾は港湾、工業用水は工業用水、道路は道路ということで、それぞれ各官庁が縦割り行政でやっていたんでは間に合わないということでございますから、私たちも、この新全総を実現する過程において、その調整には一番力を入れたいと思っています。御存じのように開発審議会というものがございますが、そこに総合調整部会というものを設けまして、まず基礎調査の段階から各省が連絡調整をしながらやってまいろうということで、現在さっそく発足をいたしまして、いま各省と一緒になって総合的な調査をやる。この夏ごろまでにひとつ中間報告をもらいまして、そうしてさらに具体化を進めてまいるということで、それらに必要な経費は、通産省からもお話がありましたように、企画庁に総合調整費というものがございます。これからひとつ十分な金を出しまして調整をはかっていく、こういう考えでおります。まず基本的な調査の段階から調整をはかっていく、そうして逐次その後の経過も調整をはかりながらやっていく、こういう考えでおります。
○橋口委員 いま長官がお話しのように、具体的にこれをだんだんと準備を進めていただきまして、計画的に、これが公害を起こさないように、また国土の健康的な発展ができるように、慎重な御配慮の上、着実に御推進をいただきたいと思います。 そこで、この問題についてもう一つ伺いたいと思いますのは、いままでのような自然発生的な工業地帯ができ上がるのではなくて、計画的に造成をするんだ。おそらくこれは日本列島で残された最後の工業地帯になると思います。そういう意味で、これから政府がもっとイニシアチブをとって、そして新しい事業体を確立し、また土地が、だんだんもう候補地があちこちで発表されますので、値上がりをしているようでございますから、先行取得等の法的措置も必要かと考えられます。こういう点について、特に事業体、先行取得の問題これについてどういうふうにお考えになっておられますか、承りたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 お話の点は、新全総のプロジェクトの具体化の過程において、必要に応じて十分に検討してまいりたい、こう思っております。
○橋口委員 この大規模工業基地は、ほかの、たとえば新幹線の全国網の計画案がきのうも建設審議会で検討されたようでございますが、これに劣らぬ非常に大きな重要性を持っているわけでございますから、どうしても、先ほど申し上げたように、計画的に遂行することが必要でございますし、また、特に通産省にとっては最大の公共事業になると思うのです。そういう意味で、長期計画を具体化してこれを確立して推進をすることが必要じゃないかと思います。工業地帯建設についての長期計画というものは、まだ通産省あるいは企画庁ではできていないのでございますが、これは通産省としてそういう長期計画を確立される御用意はないのですか。
○小宮山政府委員 いま経済企画庁長官から申されましたように、各省との連絡、あるいは審議会その他を通しましてそういうものをやらなければ——今後日本の経済の中で公害なきコンビナートもつくらなければいけないと思います。そういう策定を早くやって、今後日本の経済活動が発展するようにさせたいと私は思っております。
○橋口委員 日本経済の発展は、この前の経済社会発展計画、初めの計画をオーバーするくらいに成長して、新しい計画が樹立される必要もあるくらいでありますが、特に工業の伸びというのは非常に強いのでございますから、どうしても早急にこの計画を具体化されるようにお願いをしたいと思います。また、先ほど申し上げましたような事業体の問題、あるいは将来先行取得の必要がある、そういう点から考えますと、これについても新しい立法の必要が出てくると思われます。こういう点について、通産省あるいは経済企画庁では何らか準備をしておられますか。
○佐藤(一)国務大臣 いま申し上げましたように、基礎的な調査をいまやっております。この調査の段階において、御趣旨のような点も十分にくんで、必要なものは随時実現し得るように十分調査をしたい、こう思っております。
○橋口委員 企画庁の長官がお見えになっておりますので、新全国総合開発計画に関連をしてちょっとお伺いをしたいと思います。 新全国総合開発計画の中では、新ネットワークの問題であるとか、大規模な食料供給基地、あるいは大規模な流通センター、そういうようなものを構想されております。いわゆる大規模開発プロジェクトを推進力にしてこれからの総合開発を進めよう、こういう構想で、これは日本の将来のためにぜひとも実現しなくてはならない課題だと考えております。ところが、残念ながらこの計画が間々絵にかいたもちみたいになって実行性を持たない、こういう点が考えられるわけでございます。そういう意味で、大規模な開発プロジェクトについて具体的な年次計画を作成をして、通産省はこれをバロメーターにしてずっと指導監督していく、こういうような体制をつくることが必要だと思うのでございますが、これについてはどういうふうに措置されようとしておられますか。
○佐藤(一)国務大臣 御存じのように、新全総計画といいますのは昭和六十年までを目安として考えております。しかも、あそこにあります数字は一応のフレームとしての前提でありまして、むしろ新全総のほんとうの中身というのは、御存知じのように、あのプロジェクトを中心とするところの計画課題にございます。ああいうものをいかにして実現するかということを、これから逐次あの中に充実していくというのが新全総のたてまえでございます。それだけに基礎的な調査の段階から総合調整を十分やらなければならない。そうしていま申し上げましたように、それらの計画の大きさ、進め方、そういうものに応じてそうした体制も考えなければならない。目下のところは、いわゆる民間資金を中心として、それに財政的な資金をどう加えるか、こういうものもまだ具体化が行なわれてないわけでございますから、そうしたものは基礎的な調査によって進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○橋口委員 いまのように強力に推進を願いたいと思いますが、この新全国総合開発計画の作文の中で「財政金融の優先配分」という一項がございます。その中で、将来「経済社会の変化発展の方向に即して、従来の税財政・金融における特別の措置を再編成し、新しい政策意識のもとに開発資金を確保し、財政・金融の優先配分を行なうなどの措置について検討する。」そういうことが何カ所にもうたわれております。これはいまだに実行に移されていないと思うのでございますが、これが全面的に実行されるように特にお願いをしたいと思います。その点について長官はどういうふうにお考えになっているか、ひとつお伺いします。
○佐藤(一)国務大臣 昭和六十年を一応の目安とします新全総はだいぶ先の話でありますけれども、しかしその中で、お聞き及びのように、さらに昭和五十年を目途とする新経済社会発展計画をいまわれわれ策定しております。この新しい計画を策定する際には、いま橋口さんが御指摘になりましたような点を十分考慮いたしまして、そしていわゆる行政投資というようなものに十分な重点を置いてまいる、こういうことでやってまいるつもりでございます。
○橋口委員 新経済社会発展計画ももう策定が間近と思われますが、いま長官の言われましたように、いま要望いたしましたような事項をひとつ十分取り入れて御推進をいただきたいと思います。 最後にもう一点だけ伺いたいと思いますのは、やはりこの総合開発計画の中でも反省をされていることでございますが、地域格差はいよいよ広がる一方でございます。現在でも広がる一方でございます。また特に過密現象というもの、あるいは過疎現象というものがいよいよ複雑になってまいるのでございますが、そういうような関係の法律、政令というものが非常に複雑多岐にわたっております。それで、企画庁としてもたびたび反省をされて、こういうような地域開発関係の法令を一ぺん整理統合して、そうして新しい形態を考えてみよう、こういうことはたびたび言われているのでございますが、この作業はどういうふうに進められておりますか、それを最後に伺いたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 御指摘の点は私たちも十分に承知しております。そこでいま各省でもって会議を開きまして、それをどういうふうに調整していくかということを検討しております。できるだけ早く、できたら夏ごろまでには結論を出したい、こういうふうに思っております。
○橋口委員 いまのお話のように、十分御検討の上、総合的な一貫した開発法制ができ上がるように特にお願いを申し上げる次第でございます。 これで質問を終わります。
○八田委員長 横山利秋君。
○横山委員 きょう新聞を読んでみますと、日銀総裁がたいへんショッキングな発言をされておるようであります。内外情勢調査会主催の講演会で、新聞のタイトルは言で言えば「物価安定は困難」ということなんでありますが、しさいにお話の内容を分析してみますと、結局卸売り物価を下げることは容易なことではないということと、海外要因が非常に働くから困難であるということと、それから新しい経済の実態にふさわしい経済理論の登場が望まれるのであって、完全雇用を日ざしたケインズ理論はすでにその役割りを終えたというべきだという、あらましそういう内容のように考えられます。ほかの経済評論家が言うならばともかくとして、日銀総裁が半ば公式的な会合においてこういう発言をいたしましたことは、事態がきわめて深刻な感じを私は受けるわけであります。政府としては、予算の説明において、消費者物価は四%台にどうしてもとどめるという発言をせられておるのでありますが、ある意味では、日銀総裁のこういう発言は、政府の言っていることは実はできないことだと裏から示唆しておるような感じが私はするわけであります。この佐々木さんの発言に対してどういうふうにお考えになりますか、まず感想を伺いたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 非常に見出しが、いま横山さんの御指摘になりましたようにセンセーショナルに出ておりました。私も直接に伺ったわけではありませんから、そこいらのところは今後またただしてみたいと思っておりますけれども、私たちも、今日まで政策を進めてまいる際に、やはり日銀の考え方というものも十分に承知しておるつもりでございます。でありますから、ああいうふうな書かれ方は私としても多少予想外でございますが、おそらく見出し等がちょっと実際より強いんじゃないかというふうに私は想像していますが、これはいずれ確かめてみたいと思います。しかし、いずれにしましても、今日まで日銀も、九月の引き締めの浸透の状況というものを見守ってやってきております。もともと引き締めの措置をとったこと自身がやはり、卸売り物価というものが、いろいろな原因であるにせよ高騰してきたということが一つの大きな指標になったことは、御存じのとおりでございます。 現在の物価、特に卸売り物価が昨年から急に上がってきましたことにつきましては、いろいろと分析されておりますが、私たちの考えるところでは、非常に大まかに申しまして、物資の需給の逼迫、これによるものが大体五割ぐらい、海外の物価高によるものが三割ぐらい、中小企業等の関係における賃金の上昇等によるものが二割ぐらい、このくらいの感じでもって昨年来の卸売り物価高というものがきておるというふうな感じをいま持っておるのであります。でありますから、もちろん海外の物価高というものが、現在の日本の卸売り物価に相当大きな影響を与えておるということは事実でございますが、しかし、同時にまた、それだけが原因ではないのでございまして、国内の諸事情というものがいろいろと重なって、卸売り物価の上昇をもたらしておることも大きな事実であります。そういうことを考えますと、今後やはり引き締めというものを十分見守りまして、そうして、何といいましても従来から引き締めに対してきわめて敏感であるところのこの卸売り物価の動向というものが、一体落ち着く傾向を見せるかどうか、こういうことは私たちでこれから経済を運営する際における重要な指標でございます。そういう意味におきまして、われわれ、卸売り物価の引き下げが困難であるとか、不可能であるとか、そういうようなことは感じておりませんし、なお経済の動向を十分見守ってまいりたい。また、日銀総裁とも、そこいらのところはよく連絡をとってやっていかなければならない、こういうふうに考えております。
○横山委員 日銀総裁の言っていることは、理論的な立場において実証をあげているということと、もう一つはやはり警告的な意味と両方あると思うのです。しかし、いずれにいたしましても、卸売り物価というものが、かつて池田総理時代においては、卸売り物価が上がらないではないか、だから消費者物価の高騰くらいでそんなにばたばたする必要はないというのが一貫した理論でありました。しかし、いま四%台という卸売り物価が、かりに、佐々木さんの言うように、海外に比較してはまだ低いにいたしましても、これは容易ならぬことであることは大いに認めなければならぬと思う。そうすると、卸売り物価が安定をするということは、政治目標として大体どのくらいならばまあまあと思われるのであるか、その政策指標というものが一体あるのかないのか、その点を伺いたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 横山さんも御存じのように、政府の経済見通しにおきましては、明年度卸売り物価は一・九ぐらいのところに見通しを立てております。これは経済社会発展計画におきましても、やはり一%台というぐらいのところを考えようか。これはまだきまっているわけじゃありませんが、いずれにしましても、二%をこえないようなところに持っていくのが、われわれとしての理想であるというふうには考えております。 現在の情勢は、私はちょっと異常な点があると思います。何といいましても、経済の成長に加速度がついた。四十年の不況から立ち直ったのでありますけれども、その後四十一、四十二、四十三、四十四と四年間にわたって高度の成長が続く、こういうことでありますから、おのずから加速度化しておる。したがってすべての物資について相当需給の逼迫度が感じられる。これはいなめない事実であります。まあ何にしましても、六千九百万トンの鉄が一挙に八千六、七百万トンになるという情勢でございますから、これは何といっても逼迫度が加わってくる。そういうことで、私たちはこの成長の加速度ということを問題にしておりまして、もうちょっと成長のピッチを落とさなければ、いろいろと無理が出るのではないか、こういう感じを強く持っております。そういう意味で、四十五年度も、一一%前後に成長をスローダウンすべきである、こういう感じを持っておることは御承知のとおりであります。全体としてそういうことで、昨年の後半からことしにかけましてのこの情勢というものは、やや異常なものがあります。 また、海外の情勢を見渡しましても、やはりそうした状況が感ぜられます。各国におけるいわゆるインフレ的な加熱状態、各国政府もこれについてはいろいろと腐心しているようであります。まあ海外の物価と申しましても、一方においては非鉄金属、一方においては鉄鋼等が中心になっておるのでありますが、この非鉄金属もどうやら頭打ちで、下がり始めてきておることは御承知のとおりであります。こういうふうなことで、海外の情勢というものも、今後景気の動向とにらみ合わせなければ的確には言いにくいのでありますが、ある程度沈静化してくるであろうということを私たちも思っております。 同時に、何とか金融引き締め基調というものをいまずっと続けまして、そうして経済の動向を十分ににらみながらやってまいりたい。そうして経済の過度な成長をストップする、ピッチをゆるめてまいるということを考えております。そうしたことによって、やはり卸売り物価というものが漸次落ちついてまいるのではないか、こういうふうに期待しております。
○横山委員 おととしの予算委員会でありましたか、私が、政府の経済見通しは別にして、一体、政府として物価の値上がりを、どんなことがあってもこれ以上上げてはならぬという絶対防衛線は何%であるかと言いましたら、大蔵大臣が総理大臣と相談されて、五%です、こういうふうに答えられた。これは政府としてどうしても守らなければならぬ防衛線であります、こう言われたのであります。それは当時の預金金利と相比べて当然なお話だと思うのです。明年度卸売り物価が一・九%、消費者物価が四・八%、この目標に対して、すべての経済評論家も、あるいは金融関係の専門家も、おそらくだれ一人として異存のないことは、このままではとどまらないであろうというふうに見ていることであります。 余談になりますが、私は、政府が経済演説の出で、四%台にとどめたいという言い方はきわめてひきょうな言い方で、四・八%というのを四%台と一体言えるのであるかどうか。五%以内にとどめるというなら話はわかる。しかし、四・八という指標を出しておきながら、世間的には四%台にとどめるということは、非常にひきょうな、ごまかし的な言い方だと思っておりますけれども、これはさておくといたしまして、ほんとうに卸売り物価の一・九、消費者物価の四・八に政府は一体確信があるのかどうか、そこを非常に私どもは疑問に思っておるわけであります。現に予算を見ましても、経済成長率が名目の一五・八、実質の一一・一、それに比較いたしまして一般会計が前年比一八%、財投が一六・三。だから四十五年度は、一般会計予算のほうも、財投のほうも、いずれも政府見通しの経済成長率を大幅に上回っているわけですね、これが一体警戒型と言えるのであろうかというのは、多くの人が指摘しているところです。だから予算上でこのパーセントを守ることは困難ではないか。金融政策上で日銀なり銀行にひとつしぼってくれというのは、政府としてはまたこれひきょうなやり方ではないかと思いますが、しかしともあれ、政府が掲げたこの指標をほんとうに実行するというためには、どういう方法でおやりになるのであるか、これを伺います。
○佐藤(一)国務大臣 予算の伸び率が一七・九ということは、いろいろと議論になっております。ただ、表面の伸び率はそうでありますけれども、横山さんもよく御存じのように、いわゆるGNPの計算におきましては、政府財貨サービスの伸びを一四・八ということで、GNPの名目成長率であります一五・八%の以下にもちろん押えておるのでございます。それから、この財政によるところの調整というものは、もちろん財政の規模だけではございません。一面におきまして、国債、政保債の減額を千二百億、あるいはまた法人税率の引き上げを行なう、こういうようなこと。全体をからめまして、まずまず財政といたしましては、いわれるところの中立警戒型の予算であるというふうに私たちは考えております。 もちろん、金融引き締めを一面において継続いたしておる際でございますから、この金融引き締めの効果というものを十分に見守りながら、情勢に応じてはさらに財政について実行上弾力的な措置をとらなければならない、こういう判断が出てくるような段階も起こり得ると思います。そういうことで、それらについては十分機動的に対処してまいりたい、こういう感じを持っておるわけであります。日本の財政支出というものが、一面において社会資本の充実という大きな役目を背負っておるわけでありますから、そこいらのところが一面において、社会資本の立ちおくれ、また物価のボトルネックになるようなことがあっても困る。かれこれ考慮いたしましてあのような結果になったわけでございます。しかし、いずれにしましても、この四・八%というところにわれわれは目標を置きまして、そしてどうしてもこうしたところに実現したい。私は四%台と言ったのは、別に逃げたつもりで言ったつもりではございませんが、しかしいずれにしても四・八という目標をぜひ実現したい。 率直に申し上げまして、この三月で終わりますところの四十四年度の総合消費者物価指数は、残念ながら非常に高くなりました。これは、当初の見通し五%が五・七になり、現在さらに野菜の高値で六%をこえようということになろうと思います。しかし、この野菜等の季節商品を除いたところでは、こういう情勢でありますからして、強含みではございますけれども、そんなに上昇傾向を続けているというわけではございません。大体五%ぐらいのところに何とか来ているわけであります。でありますから、この季節商品の見通しというものをどう立てるかということが大きく影響するのでありますけれども、ことしの野菜の自然条件、これもまた何年ぶりという異常さでございます。これについては、農林省においてもいろいろと体制の立て直しをいま考えておる際でもございます。 そういうことで、来年は、とにかくほかのものについては、特に、たとえば米麦等の据え置きであるとか、公共料金政策についても十分の配慮を加えまして、そして四・八%を何とか実現したい、こういうふうに考えています。
○横山委員 失礼なことを言いますけれども、経済企画庁というところは何の権限もありません。また、いまあなたの話を聞いておりますと、自分のやることでなくて、あちらこちらでやってくれると思うという経済評論家みたいなことをおっしゃるのですが、あなたは率直な話、総理大臣の異例な抜てきを受けて、参議院の諸君であまりおもしろくない顔色があるそうでありますが、有能だから抜てきを受けられたと思うのですよ。しかし、国会へいらっしゃいまして、わりあいに新しい大臣としてそれだけの政治的力量があって、そして異数の抜てきではあるけれども、それだけの力量をお示しにならなければ私はだめだと思うのです。 いまあなたにかけられているこの種の問題の中で重要な問題は、すべての人が一・九や四・八%ではととまらぬだろうと思っている経済−従来の経済企画庁長官も非常な優秀な政治力を持っていらっしゃる方があって、その人が待ったをかけた以上とてもこの物価は上がらないと思われた人もあるけれども、一般的に言いますと、待ったをかけるけれども、一カ月か二カ月ぐらい待ったをかけただけであって、結局は引っぱられてしまうという実例というものが経済企画庁の実態でありました。今回あなたが経済企画庁長官になられたという意味はどういう意味だか、佐藤さんの心理が私にはよくわからないのですけれども、少なくとも私どもどう考えてもこの数字にとどまらぬだろうと思う。あなた自体もいま、まあまあ何とか四・八%にするように努力したい、まあまあがついておるわけですね。あなた自身が心中にじくじたる思いがあるのではないか。とてもこれはとどまらぬ、努力はするけれどもとてもとどまらぬという気持ちが、あなた自身の心理の中に渦巻いているのじゃないか。できるだけのことはしてみようという程度ではないだろうか、私はそういうふうに判断をせざるを得ないのであります。だから、私どもがあなたに要望したいことは、困難な中ではあるけれども、私がやる以上はここで必ずこの線に防ぎとめてみせる、こういう御返事を伺いたいのです。どうですか、言えますか。
○佐藤(一)国務大臣 いろいろと御激励と御分析をいただいたわけでありますが、私といたしましても、四・八%というこの数字を出すにつきましては、ずいぶん苦労したつもりでございます。これを目標にするからには何とかここに物価をおさめなければいかぬ、こういう気持ちでもって事に当たりたい、こういうことに考えております。
○横山委員 前年度、四十四年度は実績何%になりますか。
○佐藤(一)国務大臣 この二月、三月の全国がまだ出ておりませんが、いまのような野菜の状況でございます。これが少し頭打ちをして下がってきましたから何ともわかりませんが、六%をこえるおそれが十分にございます。
○横山委員 四十四年度が六%をこえる。四十五年度を四・八にとどめるということは私はなかなか容易ならぬことだと思うのです。くどいことは申しませんけれども、ともあれあなたにはたいへん注目がされておる。ほかの大臣ならともかく、あなたの場合においては非常に注目がされておる。そのあなたが、四・八%は、まあまあとにかくできるだけのことをするけれども、たぶんこれはできないだろうというふうにお考えになってお仕事をなされるからにおいては、一期で大臣はおしまい、大蔵大臣になっていく可能性はない、私はそう思うのです。これを称して激励をしておると思われるとおかしな言い方なんですけれども、ほんとにこの問題については最大の努力をしてもらわなければいかぬと思う。 その意味において今度は逆の立場から聞きますけれども、最近そこはかとなく金融引き締めの緩和の話があるわけです。私は、佐々木さんがこういうことを言ったのは、それに対する牽制の一つだとも思っておるわけです。けれども、いま三月末あたりから中小企業のところまで引き締めの効果が届いて、三月、四月ごろは中小企業の金融はたいへんえらいことだと思う。大企業のほうは設備投資の抑制をびしっと金融筋はやっておるようですね。だからなかなかこれは深刻な状況になると思うのですが、この引き締め緩和の条件というものは、どういう条件になれば緩和になるのかということであります。たとえば設備投資がほんとうに徹底をして、もうこれじゃいかぬといって悲鳴があがっていく場合、あるいはその他いろんな要件があると思うのですけれども、いつかはことしじゅうに緩和があるだろうという観測があり、また案外早いんではないかという意見もあるわけです。通産大臣はこの間、当分の間はないと言っているんだけれども、それでもどこかかんかそういう観測記事が出るのは、それだけの理由があると思うんですね。その点について、現状における引き締め緩和の要件というものはどういうものなのか。どういう条件になれば当然引き締めが緩和されるのか、その要件を聞かしてもらいたい。
○佐藤(一)国務大臣 今回の引き締めをとったところの経緯というものをよく御存じの横山さんでございますから、こまかいことを申し上げることもないのでありますけれども、やはり私たちよくいわれておりますが、民間設備投資を中心とするところの民間経済の動向、これが沈静化するかどうか、これはやはり一番大事な点であろうと思います。そういう意味の指標といたしましては、やはりこの三月の後半になって大体数字が出てくるであろうと思われております通産省の調査等も、十分にこれを見なければいかぬと思います。 御存じのように、政府の明年度の民間設備投資の見通しを一七%ちょっとくらいに見ておりますけれども、そして四十四年度はこれが二六%も伸びたあとでございますが、それだけに民間設備投資がよほど沈静化する、こういうことをやはり頭に考えなければいかぬと思います。結局、それとともに、先ほど申し上げました卸売り物価、これについての沈静化が出てくるということが、やはり一つの目標になると思います。先ほど申し上げました民間の経済の高い成長によるところの加速化、こういうものがやはりそこにストップが行なわれる、そして全体として一種のそういう意味でのスローダウン、沈静化が見られるというところがやはり一番の基本であろうというふうに考えています。
○横山委員 全体としての沈静化があれば当然のことでありますが、一つには卸売り物価がいま言ったように二%台に下がればどうかということがあるだろう。卸売り物価がかりに下がらなくとも設備投資が非常に少なくなってきたということがあれば、それも緩和の要件だろう。それから第三番目に、中小企業に非常に痛手が深刻になってきたという場合も一つの緩和の要件だろう、こう考えてよろしいのでしょうか。
○佐藤(一)国務大臣 中小企業につきましては、私どもも非常に注意をいたしておるところでございます。現在までのところでは、非常に中小企業関係について窮迫をしたという感じを私どもはまだ持っておりませんけれども、もちろんその動向は注意深く見守ってまいりたい。もし何かそういうようなことについてわれわれがなさなければならないということになりますれば、もちろんそれに対して十分応急の対策を講ずるつもりでございます。 そういうことで、全体としての引き締めということと、それから中小企業に対してまた十分に措置をとるということとは、十分両立し得ることと考えておりますが、いずれにしても、目下その情勢を見守ってよく間違いのないようにしたい、こういうふうに考えております。
○横山委員 そこで、中小企業に関連しまして伺いたいのでありますが、新経済社会発展計画の一環で、経済審議会に中小企業流通問題研究会というものがあります。そこでいろいろと議論をされておるそうでありますが、その研究会の内容を見ますと、一貫した一つの変化が見られるように思います。 その変化というものは、一つは競争の原理であります。そして要するに、いままでの社会政策的な見地、中小企業は気の毒だから何とかしてやらなければならぬという社会政策的な見地、あるいは格差の是正の見地、これが大体いままで政策の中心になってきたのでありますけれども、最近政府のいろんな資料、また研究の状況なり、あるいは政府の出しております「昭和四十五年度中小企業政策の重点」、あるいは中小企業政策審議会の出しました「今後の中小企業政策のあり方について」、先ほど言いましたこの研究会の状況を見ますと、いままでの中小企業政策から変わって、要するに自助努力、自分でやる気のない中小企業については、もうこの際少し考え直したらどうか、競争さしてどんどん伸びていくやつをひとつ援護したらどうか、こういうような雰囲気に一変して変わっているように思うのでございます。そこまではっきり言わないでも、私がいろいろとこれらの政府の政策を拾い読みしてみまして、注意をすべき要点として八項目整理をしてみました。 一つは、弱者救済型、社会政策型から経済合理性型へ政策を転換をする感じがする。二つ目には、やる気のない、つまり自助努力のない中小企業はあまりやってもむだだという感じが政策研究の中から出てきた。三つ目は、総花的な中小企業政策は意味がない、重点的な政策でやったほうがよろしい、こういう感覚が出てきた。四つ目は、特恵関税などで追い上げを受けるときに、手をかしてもしょせんむだな中小企業は、これはもうしょうがないのだという感覚が出てきた。それから五つ目は、物価の面から見て中小企業カルテルをこの際再検討をしたらどうか。これはもう一、二年前から出ていますね。それから七番目は、事業活動の不利補正の問題もこの際再検討をしてはずしていったらどうか。それから八番目は、中小企業の分野調整。つまり中小企業の仕事に対して大企業が進出をしてくることについて、われわれはそれは待てと言っておるんだけれども、そのことも、これからの一九七〇年代の経済の非常な激動期において、そういうかきねを設けることも少し意味がなくなってきたのではないかという、整理をいたしますと、八つの変化が見られてきたと思うのであります。 その中心をなしますものはいろいろあるのですけれども、経済審議会の中小企業流通問題研究会の研究の状況は、必ずしも完全自由競争と言っているわけではないけれども、多分にその思想をくんで、この流れがいろいろな形で出ておると思います。 私は予算委員会でその点に触れて、四十五年度の中小企業政策の重点として、中小企業庁の出したものの基本方針の一番最後に、「政府は以上のような認識のもとに、昭和四十五年度においては予算面、金融面、税制面等あらゆる面から新しい時代に挑戦する中小企業者の自助努力を助長するため、中小企業対策を以下に述べるように拡充する。」。このことばは重要な意味があると思うのです。「その際、重要かつ緊急に解決すべき問題について重点的に施策を講ずることにより施策の効率的な実施を期することにする。」と書いてあるわけです。これは中小企業庁でお書きになったと思うのです。中身を見ますと、零細企業やいろいろな問題が中には確かにあることはある。けれども政策の基本として、新しい時代に挑戦する中小企業者の自助努力を助長するためにやるんだ。裏を返して言えば、新しい時代に挑戦できない中小企業、自助努力をしない中小企業、それはほかっておくよ、そういう思想というものが顕著に出てまいったような気がするのです。私はいまこれがいいとか悪いとかという前に、私の分析が正しいのであるかどうか、そういうことをまずはっきりとお答えを願いたい。ていさいのいいことを言っておらぬでもよろしい。そうならそうで、中小企業に一つの覚醒なり前途なり、いろいろなものを与えるから、この際明白におっしゃったほうがいいのではないか、こういうふうに思うのです。
○佐藤(一)国務大臣 御存じのように、新しい新経済社会発展計画の策定にあたりまして、やはり私たち一番大きな問題として考えておりますのは、内外の経済の情勢がこの段階において非常にきびしさを増してくるであろう。内にあっては労働力の需給というものが非常に逼迫してまいる。あるいはまた外にありましては、いま御指摘の特恵問題その他の追い上げというものが迫ってくる。いろいろとそうした内外にわたるところの条件のきびしさがあると思います。そして、そういうきびしい条件を乗り越えて、日本経済の成長というものを持続的に持っていくにはどうしたらいいか。国民生活の向上と同時に、いわゆる産業の成長というものをどうやって維持していくか。こういう大きな課題を控えて御存じのように策定されておるわけであります。そうした中の一環として、当然のことながら、中小企業の問題というものが扱われておるわけであります。御存じのように、従来から中小企業の対策ということが年々やかましく口でいわれておりますけれども、一方において、なかなか多くの批評にたえない点、いろいろと問題も起こっておる。やはりそうしたいろいろな点からの反省ということも同時にあったろうと思います。 それからもう一つは、御存じのような産業構造の大きな変革でございます。こういうようなことを踏まえまして中小企業問題を扱わなければならないということになりますると、一方においてやはりそうしたきびしい条件ということを頭に置いて、中小企業経営についても、ただ中小企業一般として総花的にこの対策を講ずるということでなくして、一歩進めてもっと具体的に考えなければならぬ。具体的に考えれば考えるほど、いま言ったような条件というものは、やはり表に出てくると思います。でありますからして、多少そうしたきびしさというものは全体としてにじみ出ているのであろうと私は思います。 しかし、中小企業というものが、単なるいわゆる弱者救済であるとか、社会保障であるとか、そういう見地から扱われるというよりも、従来も産業政策の重要な一環として扱われてきておるわけであります。そういう点から言いますれば、日本の現在の置かれている産業構造というものは、すぐれた中小企業というものをどうしても維持発展させる、これがやはり大きな前提になっているわけでありますから、われわれとしても、今後そうした方向でもって中小企業をいかにして維持発展させるか、こういう基本的な方向において一向に変わりはない。しかし、その置かれているきびしさというものが、いま御指摘になったような点にあらわれている部分があろうかと私は思います。私たちも、こうしたきびしさを乗り越えていく意味におきましても、やはり経済全体の効率化という大きな目標を一方に掲げておるわけであります。それが中小企業部門においてどういうふうにあらわれるか、これがやはり一つの課題になっているのであろうと思うのであります。 まあ、いま御指摘になった点は、私はある意味においては、十分そういう傾向が、私たちも議論を聞いていまして感じられております。率直なところを申し上げたわけであります。
○横山委員 感じられるということは——要するに私の質問は、政府の対策態度について変化があると思うということについてだめを押したのでありますが、そういうふうに感じられるように思うということは、それをお認めになったと思うのであります。 それで、中小企業庁に一言お伺いしたいのでありますが、そういうようなことであるならば、八項目あげましたこれにはずれる中小企業、新しい経済政策、中小企業政策の変化によって恩恵を受けない中小企業に対してどうあるべきかという点についても、政策の変化がなければならぬと思うのです。単に、お前はもう役に立たぬから出てしまえという意味の倒産なり、あるいはこの仕事はだめだからという業種転換、あるいは企業合併、あるいは協業化というものが、政府の政策の転換によって、中小企業それ自身の責任でなくて——たとえば特恵関税のようにですね。中小企業はまじめに普通どおりやっておっても、政府の政策の転換によって生じ得るたくさんの問題が新たに発生すると思うのです。その点について、こういう政策の変化がありながら、うしろ向きといいますか、前向きといいますか、新しい情勢の変化に即応する中小企業政策が何ら出ていないではないか。政府はもっとはっきり、こういうふうに変えたのだからこういうふうにしろというか、あるいはこういうふうにしてくれるならばこうしてやるぞというか、そういう意味の対応政策の展開がないではないかという点を私は指摘をするのですけれども、中小企業庁はどうお考えでありますか。
○外山政府委員 中小企業をめぐる環境の変化という点がますますきびしくなってくることが予想されるという点は、先生御指摘のとおりでございまして、私どももすでに昨年から、一つには業種、業態に応じた構造改善ということを、近代化促進法の改正によって進めるということをまず始めているわけでございますが、転換という点につきましても、御指摘のような問題もございます。で、私どもといたしましても、情報の提供とか、啓蒙、指導といったようなことでこれらを積極的に行なうことによりまして、中小企業の新しい適応ということについての指導をいろいろしておるわけでございます。それから現実に金融機関の窓口でもそういう点の配慮が行なわれているというふうに考えます。 しかしながら、さらに状況の推移ということによりましては、転換対策ということを——そういったものの円滑な進展ということをはかるために、あるいは先ほどの国際化の状況の進展といったようなことに対応する対策、そういったことは本来はないほうがいいわけでありますけれども、場合によっては業種別にそういう問題もあり得るということもあった場合には、積極的な転換対策ということも検討していかなければならない、こういうふうに考えております。
○横山委員 私の時間がなくなりましたので、最後は意見だけ申し上げておきたいのでありますが、いまの中小企業庁の御返事は個々にやっておる、またこれからやりたいと思うという返事でした。私は、それどころの問題ではなく、中小企業の政策の変化が好むと好まざるとにかかわらず大きく出てくるときだから、それを個々にやるとか、何々業界の構造改善云々とやっているときでなくして、もっと大きな柱がこの際必要なときではないか。それらのすべての中小企業全般にわたって、この激動の中小企業の変化に即応する広範な網といいますか、柱といいますか、そういうものが必要なときではないか。経済企画庁はいいろんな研究の中でそういう分析をしながら、その分析に即応する中小企業政策というものについては何もしてないではないか、そういう感じがするわけなんです。分析だけはしておる。そして政策の基本方向だけは、先ほど私が八つあげましたようなものが、にじみ出始めている。それがいろんなところに予算にしろ政策にしろ出ておる。出ておるけれども、それは一口に言えば日の当たる中小企業、自助努力のある中小企業、そういうものだけをぐんとこの際伸ばしてやろうということだけであって、落ちこぼれていく、協業化せざるを得ない、合併せざるを得ない倒産せざるを得ないというところについては目をつむっているではないか、ひきょうではないか、そういうことを私は痛感をするわけでありますが、こぼれたときに個々に何とかしてやろうというようなことで、この激動期における中小企業の再編成というものは一体できるものであるかどうか、社会的な問題ではないか。経済政策上生ずる社会的な大きな問題ではないか。むしろそれは、政府が進んでこういう中小企業政策の転換をするならば、当然のことのようにそれを受け入れる体制というものについて、法律的にも政策的にも進んでやるべきではないか、こう考えるわけであります。 私ども社会党の立場から言うならば、率直に言うとこれはおかしな言い方なんです。おかしな言い方だけれども、政府の立場に立って論ずる場合においては、そこに大きな欠陥があるではないかということを私はこの際指摘をしておきたいと思います。私どもも、その問題につきましてはいろいろと検討を進めておりますから、あらためて具体的な建設的な提案をする場合があるだろうと思うのでありますが、政府部内におきましても、この問題について本格的に一回お取り組みになる必要があるのではないかと思いますが、その御返事を伺って私の質問を終わることにいたします。
○佐藤(一)国務大臣 横山さんから、先ほど経済審議会における研究会の論調というものについて御指摘がありましたので、私の感じを申し上げたわけであります。もちろんこの研究会の議論、審議というものは、一応研究会としての審議でございます。私たちはいま政策の課題を取りまとめようとしている際でございまして、いまお話しになりましたような点は、もちろん大きな問題でありまして、当然政府が取り組まなければならない問題であろうというふうに感じております。今後この審議会の答申をまとめるに際しましても、そういう意味において、政策的に十分中小企業問題に配慮を加えてまいるというその必要性は、ごうも変わっておるわけではございません。一口に協業化とか共同化とか申しますけれども、これもやはり日の当たっている面だけの問題ではなく、どっちかというと受身に立っているサイドの問題をどう切り抜けていくかという一つの対策でもあるわけであります。私どもも、あなたのおっしゃいましたお気持ちはよくわかるわけでありまして、今後十分取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○八田委員長 松尾信人君。
○松尾(信)委員 私は、物価の問題、特に物価を安定させるという点につきまして、きょうは二、三お伺いいたしたいと思います。 この物価の安定につきましては、総理の施政方針でも承りました。また、企画庁長官の演説も聞いたのであります。またさらに、先般この商工委員会での長官のごあいさつの中でも、消費者物価に触れまして、政府見通しの五・七%をかなり上回る高い上昇が見込まれる、このまま放置するならばわが国経済はインフレへの道を歩む危険もなしとしないと、たいへん御心配されておるわけであります。引き続きその先のほうでは、物価の安定に最重点を置いて取り組むというような決意を述べられておるわけであります。これはまことにけっこうなことであります。われわれもしっかりやってもらいたいと深く期待しておるものでありますが、この政府の物価安定に対する施策の方向というものは大体承ってわかっております。総需要を抑制するとか、また低生産部門の生産性を向上するとか、特に生鮮食料品の流通合理化に格段の努力を払うとか、輸入の自由化を積極的に進める、公共料金を抑制する、地価の安定をはかる、また労働需給の逼迫に対処するため賃金と物価との関連に十分配慮する、こういうように多方面にわたりましていろいろ施策の基本というものをお示しになっております。その点は十分わかるのでありますけれども、ただいまの段階におきましては、そのような施策を一つ一つどのように具体化していくか、このような段階にもう入っておるわけでございます。でありますから、いろいろの施策を掲げられておりますけれども、それをどのように具体化するのか、いつ実現していくのか、このような点につきましてまずお考えを聞いていきたい、このように思います。
○佐藤(一)国務大臣 もう議論をするときではなくて実行せよという御趣旨であろうと思いますが、おっしゃるように、私たちもできるだけそういう気持ちでもってやらなければいけないというふうに思っております。従来もずいぶん各種の提言がなされておりまして、私もずっと見ておりますが、どうも提言自身も抽象的な点が多いように思われます。そういうことで、私たちもいまこれをどうやって具体化するか、苦心をいたしております。いま物価安定会議というのがございますが、ここあたりについても、私も就任早々でありますけれども、たとえば、今回特に問題になっております生鮮食料品のような季節商品をどういうふうに扱うかというような点について、いま急ピッチで基本的に調査をしています。いまごろ調査とは何だとおっしゃられるかもしれませんが、案外それ自体わかっていない点もございますので、一刻も早くそれを取りまとめます。そうして、その提言を十分に実行するようにしてまいりたいというような考えを持っております。しかし、その提言をまつまでもなく、私たちとしては、公共料金の抑制にいたしましても、その他全体として、ほかにもやることはたくさんあるわけであります。できるだけひとつ御趣旨に沿うように実行するようにやってまいりたい、こう申し上げたいと思います。
○松尾(信)委員 でありますから、一日も早く実行していただきたい、着手をしていただきたい、このように思うわけであります。ほんとに多岐多様にわたる物価問題でございますから、なかなかたいへんだと思いますけれども、いまおっしゃいましたとおりに、この生鮮食料品については、特に流通の合理化に格段の努力を払う。また、ただいまも生鮮食料品のお話がありました。この生鮮食料品の価格の安定、またさらに価格の引き下げということは、何よりも先に手がけていただかなければいけないのじゃないか。でありますから、この生鮮食料品に対する具体策というものも、まだいまからお始めになるわけでございますね。
○佐藤(一)国務大臣 はい。
○松尾(信)委員 そうですね。では、そのようにいまからやっていくのだ、こういうお答えでございますが、ほんとうにこれは速急に手をつけていただきたいのです。これは、いま生産者も消費者も非常に困っております。特に農家は、豊作と不作が繰り返し繰り返しあるわけでございますけれども、豊作でも貧乏でございます。そして、自分で貯蔵する場所もありませんもので、それをさっそく売り急がなければいけない。そこにつけ込んで買いたたかれます。仲買いにたたかれます。農協までたたきます。また、卸売り市場に持って行きましても、そこでまたいろいろだたかれます。そして豊作貧乏だ。この前は豊作で自殺された人があるということも聞いております。まことに奇妙なことでありまして、たくさんの生産物が腐っているというような実態もあります。 それでまた、これはある農家のまじめな青年でありますけれども、私に質問したことがあります。それは、 いまのように豊作、不作の問題でしょっちゅう苦しんでおるのだ、農協の借金も払えないし、なかなか取り立てもきびしい。都会のほうに出稼ぎに行こうかとも思うけれども、老人が残っておるのでそう急にも出られないし、われわれは一体どうしたらいいのかというような、まじめな質問がありました。私も非常に同感、これは何とか速急にしていかなくちゃ、農家の人たちはみんなそのような感じでおるわけです。感じでなくて、そのようにしておるわけであります。でありますからして、畑作農家が離農していくということが相当見受けられている傾向でありますけれども、これはいよいよ生鮮食料品にとりましては問題だ。そういうことでは暴騰がまた重なっていくというような感じでございます。 この生鮮食料品は、国内の自給自足という基本がちゃんとあるわけでありまして、緊急輸入以外は外国から入れるべきじゃない。あくまでもその点はもう確立しておるわけでございますから、しっかりやってまいりませんと、また輸入自由化の面からも農産品が残されておりまして、なかなか速急に踏み切るわけにはいかない。だんだんしぼられてきますと、結局自由化で残っているのは農産品である。やかましく言われるとやがてそこにしわ寄せが参ります。いまのうちにいろいろの面で、特に物価の安定という立場からも、そのような生鮮食料品の体質というものを改善して、そうして物価の変動を押えて、だんだん値段を下げていくという方向というものを早くとっておりませんと、残存輸入制限の問題にも触れてまいりましょう。また、生鮮食料品がいつまでも暴騰していく、そういう問題がいつまでも今後とも続くわけでございますから、一日も早く、こういう面についてやっていくというようなお考えをお示し願いたいと思うのでございますが、いかがでございましょうか。
○佐藤(一)国務大臣 いま御指摘になった点は、全く私も同じように感じております。一方において豊作貧乏がございますし、一方において今回のような蔬菜の値上がりが都会であるわけであります。非常に根の深い流通機構の問題でございますけれども、やはりこの問題を取り上げなくては、生鮮食料品を中心とする季節商品の価格対策になりませんから、ひとつできるだけこれに取り組んでまいりたい、こういうふうに思っております。また輸入につきましても、御趣旨のようにできるだけ進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○松尾(信)委員 輸入を進めておるのですか。
○佐藤(一)国務大臣 輸入の促進ですね。いわゆる自由化の問題ですね。
○松尾(信)委員 そのためにもしっかりしていかなくてはいかぬわけですね。
○佐藤(一)国務大臣 ええ、そうです。
○松尾(信)委員 それから、消費者にとりましても、豊作のときに安く手に入るかというと、そんなことはありません。いま御指摘のとおりにたたかれていきます。また卸売り市場等の段階で、それぞれ値段が次々と上がりまして、なかなか安く手に入らないという仕組みになっております。それで、いよいよそういうところに早く手をつけていかなければいけないという問題になっていくわけでありますけれども、流通過程で値段が上がる、生産者は苦労のしっぱなしだ、また中間で利益を上げておる、消費者は常に高い物を買っておる、こういうことはもうほんとうに速急に改めてもらわなくてはいけない。この流通機構というものの本来の役目というものは一体何か、どういうふうにあるべきかということでございますけれども、いかがでしょう。
○佐藤(一)国務大臣 この流通機構の本来の社会的な機能、これはもちろん生産者と消費者の間に立ちまして適正なる配送を行なう、こういうことでございますけれども、これも長い間に固定化しまして、社会の進展に十分応じ得ないような体制になってまいりますと、いろいろと弊害が目立ってきております。いま御指摘のような点も、やはり日本の配給機構、流通機構というものが、新しい時代のいまの変化になかなか対応しないでおる、そういう姿であろうと思います。でありますから、この新しい全体の変革に応じてこれをどういうふうに持ってまいるか、これがやはり政府の政策の目標でなければならぬと思います。できるだけひとつ努力したいと思います。
○松尾(信)委員 当然、この流通機構と申しますのは、やはり物価の安定に役に立っていかなくてはいけない、消費者のためになっていかなくてはいけない、利益追求のみをなすべきではない、このようにはっきりとさせていかなくては、いまのままではあまり妙なものになり過ぎておる。こういうところをきちんとされていくというのが一番大切だと思うのです。他方また、農家のほうはそれを貯蔵するものもありません。それで品質の確保もできません。それで、いつも売り急ぎしますので、そこをねらわれてたたかれる、こういうようなことがございますので、やはり生産地で貯蔵をしっかりしてあげる。品質も確保していく。少々とれ過ぎても、それが腐ったり何かしないようにする。やろうと思えば、生産地におけるいろいろな手が速急に打てるのじゃないか。それから適正な数量を市場に出せばいいのじゃないか。どかどかっとみんなが持っていくものですから、そこでたたかれて、たたいたやつはそれを貯蔵して、適当な数量を出して値段をつり上げている、こういうような繰り返しをやっているわけなんですよ。そういうところに早く手を加えてもらいたい。手を打つべきであります。 また他方、消費者のほうももう少し強くなっていかなくちゃいけない。ですから消費者のほうも、いまの協同組合的なものをがっちりとっくりまして、生産者のほうもうんと強くなる。消費者のほうもうんと強くなる。おのおのが物価の安定のために生産を一生懸命やりまして、安心して品物が売れるような機構をつくる。こちらもそれを安心していつでも買える。生産者も消費者も、全部が生産に全力をあげ、物価が安定していけるような、引き下げに向かっていけるような、そういうものができるんじゃないか、このように考えるわけなんですよ。でありますから、まん中には流通機構というものがある。これがあくまでも生産者のために働くんだ、また消費者のために働くんだ、そしておのおのが物価を安定さしていくんだ、おのおのが物価の引き下げにつとめるんだというような役割り、機能を持って、そういう力で一つ一つほぐしていくならば、これは軌道に乗っていくんじゃないか、このように思うのです。 それでありますから、いろいろ政府も手を打っておられることはわかります。わかりますけれども、総合的にそういうものはほんとうに中心者がありまして、そして各省をそれぞれ督励して、そういうスタッフ、責任のある部署をつくりまして、それを経済企画庁が動かして、速急に一つ一つと具体化して手を打ったいただきたい。これはもう生産者も消費者もほんとうに実現してもらいたい。これはほんとうに国民の願いでございます。どうぞそういう面におきまして、必ずやるぞ、必ずそういう手を打って、この物価、特に生鮮食料品については速急にやってみせる、このような御決意を承りたいのでございますが、いかがでしょう。
○佐藤(一)国務大臣 具体的によく調査をいたしますが、その調査に基づいてひとつできるだけあらゆる方策をとってみたい、こう思っております。
○松尾(信)委員 調査等も必要だと思います。でありますから、それはやはり企画庁が中心に立たれまして、各省をそれへつけて、そしてほんとうにもう生鮮食料品の物価安定、引き下げというものにきちっと取り組むという姿勢をとってもらいたいのですが、どうでしょう。
○佐藤(一)国務大臣 御存じのように、企画庁が各省と物価政策を調整しながらやっていくために、閣僚対策協議会その他いろいろの制度がございます。現在の制度で十分かどうかはわかりませんが、まずそれでできるだけやってみたいと思います。そしてその上でもって、さらに必要ならいろいろなことも考えなければいけませんけれども、現在の企画庁の立場であらゆる努力をもってできるだけおこたえしたい、 こう思っております。
○松尾(信)委員 では、速急に手を打たれるように、特に生鮮食料品の部門を手がけていただくようにお願いしておく次第でございます。 次は中小企業の金融に関する問題でございます。この二月の倒産は件数で五百九十二件、前月に比べまして一・一%と微増しております。負債金額は四百五十五億円で、前月に比べまして一〇%ふえております。ところで、最近金融引き締めの浸透で大手商社の金繰りが窮屈になりました。そのしわ寄せが中小企業に回ってまいりまして、これは、大阪の府立商工経済研究所が二月末に千五百社に対しまして手形の問題でアンケートを出したわけでありますが、それによりますと、特異的な傾向といたしまして、手形の期間が長期化してまいりました。まず繊維関係は、かねては短期が多いのでありまして、五十日、六十日でありますけれども、これが一カ月延びました。また工作機械の部門は、普通が七十日、八十日というのでありますけれども、これが百日になりました。百五十日の手形も出始めました。それから、中小企業の上位のほうでございますけれども、その金詰まりも目立ってまいりました。このようなことでありました。また、東京の東京商工興信所、帝国興信所もともに、三月から四月にかけて中小企業の倒産が急増するおそれがある、このように見ておるのでございます。御承知のとおりに、三月、四月は税金等の支払いその他の決済時期で非常に苦しんでおりますので、緊迫したそのような情勢にあるわけでございます。政府はいま金融引き締め政策をとっておられるわけでありまして、そのときにこのようなことを申すのは一見矛盾するようではございますが、通産省は、企画庁というものとはまた角度の違った立場、中小企業を育成してそして強化していくのだ、そのような面からお考え願いまして、十二月には年末金融で例年めんどうを見ていただいておりますが、この際、年度末のこの目先の苦境が切り抜けていけますように特別の配慮を願えないか。そして政府の中小企業に対するあたたかい思いやりというものを示してもらいたい、このように思うのでございます。この年度末、三、四月、いろいろの情勢はございましょう、実態をよくお見通し願いまして、この中小企業に対する特別の融資というものについてお考え願いたい。これについてよろしくお願いします。
○佐藤(一)国務大臣 中小企業金融につきましては、金融引き締め下でありますから、私たちもできるだけ注意をして見ているつもりであります。いまいろいろと松尾さんのお話もございましたが、従来の金融引き締めというものから見ましても、また今回は少しずつ多少企業金融のほうが強まりつつあるという段階でなかろうかという感じでございます。むしろ今回は、すでに御存じのように電力、鉄鋼のような大企業がまっ先に金がないというので悲鳴をあげておる。これは御存じのように、金融の構造がだいぶ違ってまいりまして、中小関係の金融機関は、都市銀行に比しましてまだわりに余裕を持っております。したがって、数字を見ましても、貸し出し等もわりあいにゆとりを持って出しておるという感じがまだいたします。企業金融のほうについては、御指摘のように、少しずつではありますけれどもやや強まっている、こういう段階だろうと思います。下期に、御存じのように、約千四百億足らずの財政資金の追加をいたしました。従来から、あのうちの大体五、六割を年末金融の対策に充てまして、その残りを一−三月の金融にいたしております。それでありますから、またあれらの金融を十分活用 いたしまして乗り切っていけるもの、こういうふうに私たちは考えております。 もちろん、非常に窮迫の事態がやってまいるというようなときには、さらに明年度のワクを上期に繰り上げて使うとか、いろいろの対策も講じなければならないかと思いますけれども、いまのところでは、まだそこまではいっていないのじゃないかという感じでございますが、いずれにしましてもよく注意深く見守りまして、応急に措置できるようにしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○松尾(信)委員 よく情勢を見きわめてというお話でございますが、この中小企業の政府三機関、これは中小企業に融資しておるたくさんの銀行がありますが、その融資額の中で政府の三機関は一一割ありません。大部分のものは、市内の相互銀行、いろいろの信用金庫だとか、そういうところがら金を借りておりまして、政府のめんどうを見ておる中小企業の金融というのはわずかなものであります。確かに予算はふえました。そういう面でいいのでありますけれども、私が言いたいのは、ふえたふえたといいますけれども、全体からいえば微々たるものだ。そういう中で選別融資が行なわれ、またほかの銀行からの借り入れにはいろいろのきびしい条件がつけられておる。おまけにいまは大手からそのような長期手形になりまして苦しんでおるというわけでありまして、ほんとうに中小企業の全金融需要量というものは多いのでございます。これは御承知のとおりであります。中小企業の重大さ、それは従業員数におきましても、事業所数におきましても、御承知のとおりであります。この際、いろいろ調査ということも必要と思いますけれども、ひとつもう一つ前進して、そして三月、四月のこの危機を乗り切っていけるようにしてやろう、このようにひとつ覚悟をきめてもらいたい。ぜひともこれはお願いしたい、このように強く希望する。よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。前向きにやってやる、こうおっしゃってもらいたいのです。
○佐藤(一)国務大臣 お話はよくわかりました。御承知のように、もちろん政府の三機関の資金量というものは、全体の金融機関から見ればまだわずかなものでございます。もちろん政府関係機関だけで融資するわけではございませんが、銀行の貸し出し全体を見ましても、少しずつですけれども、中小企業融資の割合は、御存じのように高まってはきています。先ほど申し上げましたように、中小金融機関、まだある程度ゆとりを持っております。もちろんこれらをまず優先的に活用しなければいけませんけれども、そこへさらに政府関係機関がそれの補いをしていくのに万全の措置を講じなければならない。そういう体制であろうと思いますが、もしこの三月かあるいは四月が、御指摘のようにたいへんなことになるということにはならないように、十分配慮するつもりでございます。
○松尾(信)委員 では以上で終わります。
○八田委員長 塚本三郎君。
○塚本委員 私も物価の問題で御意見を承りたいと思います。 これはきょうの中部日本新聞ですが、「物価、上がりっ放し」こういうふうに四段抜きで実は出ておるのでございます。これは名古屋市内の記事でございますが、しかしもはや今日の政治の中で、物価問題はたいへんな問題になっていることは、前委員も指摘されたとおりだと思います。これを具体的にどうするかということについて、よく考えますと、抽象的な御答弁に終始しておりまするが、こういうことと、こういうことと、こういうことだけはとりあえずいたします、それで十分に安定ができなければまた次に検討いたしますというわけで、具体的に、こういうことと、こういうことだけはとりあえずいたしますというようなことが長官におありになるならば、聞かしていただきたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 もちろん、政府が物価につきまして直接介入し得る部面というものは、そう多くはございません。でありますから、まず全体としてのいわゆる情勢というものを、物価の上昇にならないように持っていかなければならぬ。そういう意味でのいわゆる総需要対策といいますか、それは御存じのように、目下金融引き締めを中心に行なっておる。私たちも、これが卸売り物価、あるいはそれによってひいて消費者物価に好影響をもたらすようにひとつ運営をしてまいる、そういう意味で目下見守っているようなわけでありますが、個別的に政府が介入し得る余地がある問題、たとえば公共料金といわれるようなたぐいのものにつきましては、われわれとしても、できるだけこれを抑制していく、もちろんそういう方針を貫いていきたい、こういうふうに考えております。
○塚本委員 何か個別に、具体的に、まず国民が期待しておるのは、新長官何かこういうことで手を打ってくれて、まずは、ぴったりとでなくてもこれだけブレーキがかかったというようなことを、国民は期待しておると思うのです。長官の意中に何かそんなものはございませんか。
○佐藤(一)国務大臣 まだ具体化するのは、いろいろとこれから起こるかもしれませんが、まあ米麦を抑制するというような点も、これはなかなか簡単でない問題でございますけれども、私たちはこれは押えたいというふうに目下考えております。なおそのほかに日程にのぼってくる問題があれば、私たちとしても十分これを慎重に考慮しなければいかぬ、こう思っております。
○塚本委員 もうそういう時代は過ぎておると思うのです。これとこれだけはとりあえずやってみるということが、長官の口から出るべき段階ではないかというふうに思うわけです。しかしいま無理なようでございます。 公共料金を押えるとおっしゃったが、私鉄運賃、十四社から値上げの申請が出されております。これは許可はなさらぬでしょうね。どうでしょう、
○佐藤(一)国務大臣 これは私どももまだ正式に運輸省から受けておりませんが、運輸省で検討しておるところでありましょうが、私たちももちろんこれを受けた際には、公共料金抑制の方針に照らして慎重に扱っていく、こういうふうに考えています。
○塚本委員 慎重というのがくさいのですよ。先日の委員会におきまして橋本運輸大臣は、上げざるを得ないような発言をなさっておいでになりますが、長官それを聞いておいでになりませんか。
○佐藤(一)国務大臣 まだ聞いておりませんでした。
○塚本委員 ここで経済企画庁の立場で物価を安定させる立場から、かつて菅野さんが相当強引にあらゆる公共料金に対して、国鉄以外はということでもって押えられた経験があります。新長官もそういう態度をおとりになることが国民の期待だと思いますが、いかがでしょう。
○佐藤(一)国務大臣 公共料金抑制の大方針というものは、私は変えるつもりは少しもございません。ただ個々の場合においては、私たちとしては、できるだけそれを押えるようにやってまいりたい。慎重に検討と申し上げたのでありますが、そうした方針でやってまいる、こう申し上げるほかはないと思うのです。
○塚本委員 いまの段階ではそうなんですけれども、突如として出てきてしまうのですね。たしかこの運輸大臣の答弁の中で、私鉄運賃値上げの議論を私どもあとから記録で拝見しておりますると、私鉄はいずれも赤字なんだということでございます。これは大企業にとってすべていわれることですが、しかし私鉄に対しては、特に顕著な問題があるわけでございます。 といいまするのは、これはもうやがては長官のもとにこのことが出てまいりまするから、私は予防線を張ってお聞きいただきたいと申し上げるのでございますが、私鉄が私鉄の経営だけでやっておいでになるならいいけれども、傍系会社にたくさんのいわゆる投資を私鉄はしているんです。二千数百億の投資が十四社でなされておるのですね。利息をとにかくかけた投資をしておる。そうしてそれを運賃にかけてくるというような形が加えられている。だから、いわゆる私鉄会社の資産をふやすために料金を取るという形にみんな転嫁されておるんです。利息を抜けば、どの会社もみんな黒字になってきておるというのは大手大部分の姿でございます。だから私鉄そのもののいわゆる鉄道運営において赤字が出るならば、これは独立採算の手前、若干のことはあるいは許されるかもしれないと思います。しかし、いまや今日物価高の最も大きな根本が土地の値上がり。しかもだれが土地を上げておるのだというと、この私鉄が一番の値上がりの急先鋒の手を打っておるということです、膨大なそういう土地を買い込んでおるというようなこと。そういう不動産会社を持っておる。その不動産会社にいわゆる投資している一番親玉はだれであるかといいますると、言わずと知れた私鉄でございますね。物価値上げの張本人は私鉄なんですよ。そうしてそこにばく大な投資をしておる。だから、それが利息がかかるから、赤字になるから運賃上げてちょうだい、こういう犯人は一番大きなのは私鉄なんですよ。だから赤字であるからといって持ってきて、運輸大臣も、もうこの程度のことはやむを得ないというようなことを運輸委員会において発言なさっておいでになるような記録か出ておりますね。こんなものを持ってこられて、経済企画庁長官が、いわゆる事情によってはということで、慎重でということでなさったならば、それこそ新長官のスタートに対して一大汚点を残すと私は思うのでございます。どうでしょうか。
○佐藤(一)国務大臣 私鉄のいまの御指摘のような点をわれわれが見のがすようでは、これは困ったものでございます。もちろんいろいろな勘定があると思いますし、これは明確に勘定区分をして、そうして経理の分析を十分に行ない、そうしてわれわれが検討したいと思っております。決していま御指摘のような点の妙なことのないように、われわれも十分これを検討したい、そういう意味で慎重に検討すると、こう申し上げておるわけです。
○塚本委員 ずっと統計を見ておりますと、四十年から今日まで、いわゆるそういう利息というものを払わなければ、十四社における利益は二百億ないし三百億の黒字になっておるようでございますね。もちろんそれは、私鉄そのものの運営の中でのいわゆる利息も含まれておりまするから、このことを全部入れていけないというわけでないと私は思います。しかしながら、傍系会社に二千数百億といういわゆる投資をしておるのです。そんなこともできる余裕がないと私は思うのでございます。にもかかわらず、投資をしておるということですね。だから、こういうものの利息を——もちろんそれは不動産会社そのものの借り入れじゃないですよ。だけれども、投資金額そのものがそれだけになっておるというような状態、それを引き揚げて、その株だけ売って、そうしてこの際は物価安定に寄与するというような形でもとらしてもいいのじゃないかというふうに私は考えるのでございます。ともかくそういう形で、逆にそういうことで私鉄などに手を広げさせるから、よけいに土地の値上がりにまでなってきてしまっておる、こういう形になっておるんです。だからこの点は、国民最大のこれから出てくる関心のまとであり、物価を安定させる、やはり政府がやる気になっておるかどうかのきめ手になると思いまするので、もう一度御決意を伺いたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 私鉄の土地投資、その他の資金を捻出させるような、そういう料金の値上げということは、これはもちろんわれわれ考えておらないつもりでございます。これはよく中身に当たって検討しなければならないことであろうと思いますけれども、よく御趣旨の点もわかっておるつもりであります。そのつもりでもってひとつ検討したい、こう思っております。
○塚本委員 投資のための捻出じゃないのですよ、私の言うのは。料金値上げを申請している手前これ以上のことはおやりにならぬだろう。だけれども、すでにそういうことで投資をしておるんですね。私は、それを引き揚げてでもこの際は赤字を埋めるべきだという意見なんです。それでなければ運営ができないとおっしゃるならば、余分なところへ手を出して資産をかかえておらずに、この際はそうでもして利息支払いに充ててもらったらいいんじゃないか、こういう見解ですが、どうでしょう、
○佐藤(一)国務大臣 もちろん利息の問題は、本来交通部門で支払う利息は経費でございますし、それから他の部門に対して投資したものは当然利息収入を立てるべきでございます。でございますから、それは経理の基準に従って判断をすべきである。なお、何らかの意味で資金繰りの問題として詰まるようなときには、これは当然売却をするとかいろいろな問題が起こってくると思います。いずれにしても、いわゆる交通部門だけに限って見て、厳密な検討を行なってまいる、こういう気持ちでおります。
○塚本委員 強く希望いたしておきます。 それから、これはいま私自身も決断を下しかねておるのでございますが、最近流通の近代化ということがやかましくいわれております。そして協業化、共同化が通産当局からもたいへん指導なさっておいでになる。私は、いわゆる企業のいい、悪いを問わず、そういう時代に即応した態勢をとるべきである。これはひとりわが国だけではなくして、世界的風潮であることも了承しております。しかし、物価安定という立場から考えてみますると、実はこのことによってたいへんな設備費というものを使わせられるわけでございます。いまだ流通の用に立ち得べき設備であるのにかかわらず、立ち得ないようにということで、たいへんなお客に対するサービスでもって、そういうふうなことで間接費がかかり過ぎておる。だから流通業者自身は決してそのことを喜んでおらないのですね。古い建物の中で昔ながらにやっておるほうが、実は収益率もいいというのがたくさんある。しかし、にもかかわらず、最後には立ちおくれてしまうであろうというところで、こわさなくてもいいものをこわして設備を設ける。その設備費といわゆる金利負担のために上げざるを得ない。世間では、流通が問題だといいますと、いかにも小売り商人がもうけ過ぎておるように受け取られてしまうわけでございます。しかし現実には、小売り商人もいわゆる近代化のあらしの中で生き抜くために、かけずもがなの設備費をかけさせられ、また通産御当局もたいへんな力を入れて御指導なさっておいでになる。こういう状態、いわばこのことも物価上昇に大きな拍車をかけておるということで、実は私は、このことがはたして日本の物価と経済のために、このままでいっていいのであろうかということについて、私自身結論を下しかねておるのです。これは、物価の立場から考えて、長官はどういう判断をなさっておいでになるでしょう。
○佐藤(一)国務大臣 そういう現象のあることを、私も非常に感じます。全くその点同感なのであります。どっちかというと、近代化の名のもとに一種の過剰投資が行なわれている。特に役所が関与したりなんかするときには、同じ建物でもりっぱな規格のものを建てる。こういうようなことは私は十分あり得ることだと思います。今後流通のそれが原価の低減に、その投資の効果を十分に発揮する、こういうように持っていってもらわないと困るわけでございますから、近代化の投資の必要性は認めますけれども、よほど現在における物価問題あるいは流通費用の軽減、こうしたことを頭に置いたやり方を進めてもらわなければならない、こういうふうに感じております。
○塚本委員 小売り商人にとっては、流通近代化のための店舗改装は一つの大きなばくちなんですね。それが瀬踏みになって、ぐっとうまくいくところと、実はそれをしたがために、何もかも大きな企業に吸収されるか、あるいは銀行に主体性をとられてしまってそこの一従業員になり下がるかというような形になっていくという、いわゆるたいへん大きなばくちになっておる。それが顕著に最近のスーパーに実はあらわれてきております。長官は御存じかもしれませんが、この一、二年大型スーパーがやかましくいわれてまいりましたが、一体あのスーパーはスーパーの経営者がやっておるのでございましょうか。もはやほとんど大部分銀行がうしろで左右しておる。いわゆる小売り商人や流通に何ら関係のない、いわゆるしろうとが大部分のスーパーを左右しておるというふうに、私は内情を察知いたしております。この点の見解はどうでしょう。
○佐藤(一)国務大臣 総体として、近代化の投資を進めていくこと自体は、私はいいと思っておりますけれども、問題は規模との関連の考慮が足りないんじゃないか。従来の零細性といいますか、そうしたものをとかく前提にしたままで、ただ近代化をやる、ただ設備投資をすればいいというわけで、結局それが重荷になる、そういうことの繰り返しが多いように思います。いま御指摘のスーパーは、もちろんいままでより見れば規模の大きいものでありましょうけれども、結局その他の条件、立地の条件であるとか、そのほか全体としての条件を見きわめた上での投資でなければならない。つまり投資のしかた自身にやはり間違いがあるんじゃないかという感じもいたします。結果的に結局金融機関というものの力に制せられてしまう場合が出てくる。ですから、投資をやる際に、やはり企業主体としての自主性を持って、よほど十分検討をしてやらなければならぬ、そういう感じを持っております。
○塚本委員 スーパーが、銀行屋に主体性をとられながら、自由競争の持つ宿命として、さらに銀行から金を調達して激烈ないわゆる拡大競争、売り上げ高競争をいたしております。こんなことをして、実は金融機関にその主体性をほとんどとられてしまっても、その売り上げ高競争で食うか食われるかという争いが行なわれておること、御承知のとおりだと思いますが、一体こんなことでだれが喜ぶのでございましょうか。これは、ある程度の流通近代化は長官もお認めいただいておると思いますが、もはや今日の段階になりまするならば、スーパーというものは融資先の競争になっておるのですよ。これをこのまま放置しておきますると、金融機関同士の対決となり、そうしてそこに残されるものは、累々たる小売り商人の残骸だけになってしまうという結果になってしまって、結局、安いと思ってもそれは目玉商品だけのことであって、実は設備費あるいは金利負担にスーパーもとられてしまいますから、中身は物価安定にもならなかった、こういう形にいまなりつつあるわけでございます。だから、かつて百貨店法が成立したと同じような状態にいまスーパーは直面いたしております。だからこの際、何らかの形でこのような乱売競争あるいは設備拡大競争をチェックしていくことが、やがては物価安定のためでもあり、小売り商人を守る正しき流通秩序確保のためにも必要であると判断されます。そういう意味で、スーパーに対する何らかの処置をしなければいけないというふうに私どもは判断しておりますが、いかがでしょう。
○佐藤(一)国務大臣 このスーパーの乱立、過剰投資にはいろんな原因があるんだろうと思います。これらにつきましては、近代化の大きな波、大きな原則、これの上に立ちまして、そうして投資を合理的にやっていく。いやしくもいま御指摘になったようなことがないように、これらについては、今後スーパーのあり方、進め方につきまして、やはり官庁においても十分の指導が必要であろう、こういうふうに思われます。
○塚本委員 金融機関及び商社はきわめてどんらんでございますね。だから、行き着くところなく拡大をいたしておるというのが彼らの持つ宿命でもあり、また一面からいえば大きなエネルギーでもあろうと思っております。しかし、実は流通には何ら経験のない諸君、これがこれに携わっておるのですよ。私はそういう商人の方々が経験の中から、流通の近代化、あるいはまたいい物を安く、物価を安定させるために、あるいは消費者は王様であるといういわゆる経験の中から、実感としておやりになるならいいと思うのですよ。月給取りであるところの銀行屋さんや商社マンがこんなものを経営したって、成り立つはずはありません。勢いどうするかといいますると、大きなやかただけを建てて、そうして家主のような形にして小商人を入れるという形。だからこそ、依然として小売り商人が、いままでの店をたたんで借家人としてスーパーの中に入って、そこで店を開いて商品を並べるという形にならざるを得ないということです。こんなことならば、何がための近代化になったであろうかという形になる。だから結局のところ、見てみると、自分たちの商品自身もわからない人たちがスーパーをつくっておるのでございますから、こういう形になって、二重にもう一つ余分に中間利潤を取るという形になる。流通近代化のためにやったはずのスーパーというものが、逆に流通に対してもう一つ上乗せの利ざやを取らざるを得ないという形に勢い走ってしまう。しかし顧客にとっては最近雰囲気で物を買うという気分がありまするから、そういうところに人が寄りがちだというふうな形で、ひいてはますます実は物価高になって、おとり商品、目玉商品だけでお客さまを吸い寄せておる、こういう形になってきつつあると私たちは判断いたしております。極論かもしれません。だけれども、もうすでにこういう業者仲間、スーパー人自身がそう言っておるのでございます。だからこれは何らかの処置、規制等を御検討なさるときがもはややってきたと思いますが、いかがでしょう。
○佐藤(一)国務大臣 せっかく血道をあげて融資をしましても、その融資をしたスーパーが共倒れになるようでは、これは金融機関自身にとっても困ったことであります。金融機関自身にも当然反省がわいてこなければならない問題であろうと思います。そういう意味におきまして、投資をできるだけ合理的にする。ただりっぱな建物を建てればいいとか、大きなビルディングを建てて、そうして設備だけ表向きりっぱにすればいい、それが近代化でないことはもうわかっておることでありますが、しかしながら、またとかくそういう傾向に走りつつあることも事実のように思われます。こうしたことは、やはり高い月謝ではあったかもしれませんが、最近こうした情勢になってみんな大きな反省を持っておると思います。しかしまた同時に、スーパーの進め方として十分そうした指導行政をとってもらいたいと私は思っておりますが、そのためにスーパーを規制するということに一挙に行くのがいいのかどうか、これは流通の近代化の大きな筋道に照らしてみまして疑問を持っております。そういうことで、ただいま御指摘のような弊害というものをなくするようにお互いに十分気をつけるばかりでなく、また官庁のほうからの指導も十分にする必要があるのじゃないか、そういう感じを持っております。
○塚本委員 物価の安定のためには、もちろんこれは長官の担当ではございましょうけれども、経済企画庁だけでなかなかでき得るものじゃないということも承知いたしておりまするし、さらにまた経済拡大のときには、資本主義経済の中ではその摩擦熱によって三%や四%のいわゆる値上がりがあることは、どうしても信用経済のたてまえからいって避け得られないものだと私は信じております。そういう意味において、四%ない五%までの消費者物価の値上がりは私たちは責めるべきではないというふうな理解を持っております。しかし最近における値上がりは、それにしてもあまりにも極端な値上がりになっておるということは、もう長官も心痛しておいでになると思います。これはひとつ長官、閣議の中で声を大にして叫んでいただきたい。 といいますのは、実はもう経済の問題だけで物価は押えられるものじゃないという段階に来ておるんじゃないかというふうに私は判断いたしております。一番極端なのは、国家全体の立場から物価をながめて見るときに、何といっても行政費に金がかかり過ぎておるということが相互的に物価値上がりを招いておる。そういう意味において、行政機構を簡素化していかなければならぬでしょう。さらにまた、金融機関の数が多過ぎるということ。そして、言ってみるならば、金融なんというものは生産やあるいは流通、消費には何ら直接的には役に立たないものでございます。単なる潤滑油の役割りであると私は思っております。にもかかわらず、この第四次、第五次の役者であるべき金融機関が常に第一次的な主役を果たしておる。ここにドイツ経済と日本経済との根本的な悲劇があると指摘する学者さえもおるわけでございますね。にもかかわらずこの金融機関が、どうでしょうか、とにかく駅前やあるいはまた大商店街の目抜き通りにでんとかまえて、そうして商売のじゃまをしておるということ。三時になればシャッターをおろす。そうして夜になれば、ネオンぐらいつけてやればいいのにかかわらず、大道商人がむしろを敷いて商いをするという、場末のような状態にしてしまっておるのが銀行の姿ではございませんか。もっと裏通りの土地の安いところで駐車のできるところへ下がっていけばいいとわれわれは思う。商人や生産者の皆さま方のおかげで金融は生きておるのでございます。にもかかわらず、四つ角という四つ角にはみんな金融機関がある。そしてまさに宮殿のごとき建物にしておるんだ。これはみんな物価にはね返ってきておるんじゃございませんか。こういうことを一つ一つ指摘して、そしてこれを何とかしなければ、せっかく国民が生産をし、商ったその苦労というものが、ここに吸い寄せられてしまっておるという形で、そして流通が問題だ、流通が問題だといって長官だけが苦しめられておるというのは、私は筋違いのような気さえもするわけでございます。 さらにまた、御承知の一番の主役であるはずの生産者、あるいはまた流通の諸君が、実は端っこに置き去られてしまって、レジャーというものがとにかく一番の花形になってしまっておるということ。はなやかな銀座のことは問うまでもなく、こんなところのほうがすばらしく金が流れておる。だから、人件費がそこならば簡単に払えるから、人がそういうところに流れてしまっておる。そしてますますそういうような遊興やレジャー施設は華美をきわめておる。自由主義経済におけるたくましき姿の一面を私たちは感じさせられるとともに、一面において、あまりにも矛盾をした姿というものに私たちは気づかざるを得ないと思うのですね。こういうところのものが、全部生産に、流通におっかぶさってきておるということ。そのことから、人件費の問題等も、ただ単に直接的に人件費が高過ぎるといえば、労働組合の諸君も開き直るでありましょう。そのとおりです。だけれども、間接的には、そういうところならば人件費というものを全く惜しげもなくつぎ込み得られるもんだから、そこは比較的華美である、労働強化でないもんだから、そこに流れてしまうということから、実は一般人件費が、言ってみるならば、あまり恵まれないところの生産や流通の第一線の諸君が、結局のところ、人がいなくなるから勢い金をつぎ込まざるを得ないという形に、めぐりめぐっていっておる。 だから、ひとり経済企画庁だけの問題ではなくして、とにかく佐藤内閣全般の問題として、物価担当の責任者として、いま申し上げたようなことに大胆に発言をして、行政の改革や、あるいは金融機関のあのような華美な姿というもの、さらにレジャーや接待に対する問題等について何らかの手を打たなければ、いかに努力なさってみても、物価安定の問題は、私は決着がつかないというふうに判断して、私見を申し上げ、一言だけ長官の所信を伺いたいと思います。
○佐藤(一)国務大臣 塚本さんの御意見いろいろと拝聴しました。まことに私も同感な点が多いのであります。要するに、合理化合理化、近代化近代化といっていますけれども、まだ合理化し足りないところがたくさんある。まだまだいろいろな面を合理化しなければいかぬ、そういう感じを持ちました。金融の問題の正常化についてもずいぶん長い課題でございます。金融制度調査会等でも、これを幾たびか論議をしておるわけであります。まあ今後なお、経済発展五カ年計画の目標でありますいわゆる経済全体の効率化、やはりこうした大きな眼目のもとに逐次一つ一つ片づけていく、こういう以外にないと思っております。御趣旨は全く同感でございます。
○塚本委員 大胆にひとつ推進していただくことを希望いたします。 企画庁長官への質問はこれで終わります。 次に、先ごろ問題になりましたチクロの問題で、通産省に一、二だけお尋ねしておきたいと思います。 チクロを使った商品に対する販売は、半年間でございますか、販売の期間が宥恕されております。その間にできるだけ売り尽くしなさいというようなことで、まだ生きられる道が若干残っておるわけでございます。ところが、チクロなるものを使って甘味料を販売しておる業者。数は多くありません。しかし、この業者は、直ちにストップされてしまっておりますね。これは上げもならず下げもならずというような状態です。数が少ないから社会問題になるとは思っておりません。そしてまた、私たちは気の毒だからこれを使いなさいという立場ではございません。しかし、経済的に見て、いままで堂々と許可せられておった業者が、政治的な判断によって実は直ちにストップされてしまった。この業者の立場になってみると、悲痛な叫びであることは御想像いただけると思います。私どもは、このような零細な業者の立場にかんがみてみますると、ただ単に融資をしなさいというだけでは、私は救われない問題じゃないか。直ちにこれがゼロになってしまうのでございます。最近は豚にはというような話を厚生省から聞きました。四百円で仕入れたものが百円で、こういうことでございます。これではあまりにも商売をやめろということを宣告されたに等しいわけです。私は、融資じゃなくして転業しなさい、それにはこういう手がありますよという、通産当局の親切な施策というものを——金額はわずかでございます。だから何らかの措置をしてあげることが必要だと思いますが、いかがでしょう。
○山下政府委員 御指摘のチクロ関係のメーカーは、チクロそのものをつくっております六社と、あと、それを混合調味料にまぜて製造販売しております、比較的小規模の百社近くのメーカーとに分かれております。私どもとしては、先ほどおっしゃいました中小企業向けの金融と、かつその売れなくなりました製品在庫なり、使えなくなりました設備についての税制の特別措置を、きわめて例外的な措置でございますけれども、それをとるべきだということでやっております。六社のチクロそのものをつくっておりますメーカーは、化学品メーカーで、チクロの生産の比率も少のうございますから、当然他の製品に切りかえることができますが、調味料として混合だけをしておりますところには、専業的なところもございますので、私どもとしては、その転換につきましても、中小企業対策の一環として指導していきたい、こう思っております。
○塚本委員 税制みたいなものはやっていただいてもだめなんです。もうつぶすかつぶさないかということは、税金の問題じゃないのですよ。もうけているなら税制ということはありますけれども、もうこの業者はつぶれるかどうかしかないんでございます。だから殺さずにともかく何か転換をしていきたい。しかも、この人自身の不始末じゃなくして、御承知かもしれませんけれども、かつてズルチンを扱っておりましたときに、だめでございます、ならばチクロにしなさいといって、実は政府当局の指導によってズルチンからチクロにと転換させられた人たちなんですね。そしてチクロ自身を扱っておればよろしい。そして封筒の中に許可証を入れておりますね。これはお札と同じ価値がありますよといって、一々とにかく証紙を中に張って販売をしておるわけでございます。お札と同じ価値がありますよ、こう言っておったそのお札が、突然、突如として不渡りになったわけですよ。政府が不渡りを食らわしたわけでございます。だから、聞いてみると気の毒な処置でございます。全部の商品を合わせてもわずか二億ほどでございます。だから金額としては全くわずかです。しかし、いま局長のお話のように、全く零細な業者です。だから、こんな人たちこそ、いま申し上げたとおり、もうつぶすかどうかという立場でございますから、税金みたいなのは関係ないのです。金融といってみたところが、担保はと言われると、ありませんと言うよりしかたがないし、もうだめなんですから、そんなところになかなか出してくれない。通産当局が骨を折っていただいておる、中小企業庁が骨を折っていただいておるのは、チクロを混合した甘味料業者ではなくて、かん詰め屋さん等の比較的被害の少ないところ。それはみんな信用があるから借りられる。被害の大きいところは、信用が絶無だから借りられないということです。言ってみるならば、全く政治的な犠牲者なんでございます。だから、いまこれを許せということはわれわれはできません。そんなことは今日の社会情勢から考えてもできませんから、ならば、この業者だけは何らかの形で、たとえば環境衛生金融公庫のマル食の金でも、特別扱いで長期に無担保でという形にでもしてあげないことには、これはだめじゃないかというふうな感じがするわけです。補償ぐらいはしてあげるべきだというのが私たちのほんとうの気持ちですけれども、どうもそうするためには立法措置が必要で、緊急の間に合わないということのように聞いておりますから、それならば、すでにそういうことで国民金融公庫や環境衛生金融公庫等で借りておってもうだめだという人たちにも、この商品を担保にしてでも、とにかくさらにこの問題については、マル食の金でも長期で貸してあげるというような理解のもとに救済措置を講ずるということでもしてあげなければならぬのじゃないかという気がいたすが、どうでしょう。
○山下政府委員 先ほど申し上げました、現在私どもが中小企業庁と一緒になってやっております措置は、売れなくなりました製品を回収するための資金と今後の運転資金も含めて特別の融資をするようにしておりますが、いま御指摘のように、非常に零細で担保力もないところがございますので、さらに信用保証につきまして別ワクで、場合によっては無担保でもその保証をいたしまして金融するような措置を講じております。さらに先生の御指摘の、その他の原資によってこの救済に乗り出せるかどうかは研究させていただきたいと思います。
○塚本委員 回収といったって、自分が持っているのだから。回収をよその人がしてくれるならいいですが、売ろうとしているメーカーはもちろんとってくれない。外へ出せない。出したものは回収じゃない。自分がチクロを持っておるのです。だから、回収の金といってみたって、どこも回収するわけじゃない。これを担保にして貸してくれということならできるでしょうけれども、こんなものを担保にとってくれない。だから結局のところ、上げも下げもならない。最後にやっと、厚生省が努力してくれたといって手柄話に聞いたのは、四百円で仕入れたものを百円ならば、豚のえさの中にまぜれば若干の効果がありますよ、これなんですよ。これじゃしかたがない、だから、いま申し上げたように、かつて環境衛生金融公庫なり国民金融公庫から借りた人でも——借りてない人は借りられるかもしれません。借りておった人でも、このことのために借りたのじゃないから、そのときには、このことのためにもう一度借りられる。あるいはまた、いわゆる担保はこのチクロの在庫を目当てにしてでも——これは担保にならぬと思います。ならば、そういうことのある人に対しては無担保でも貸すというような形にでもしてあげなければ、この人たちは救われないのではないか。結局そう大きな金額じゃございません。そう大きな数じゃないから、何らかそれぐらいのことは、政治的な犠牲者として危険負担のあることも承知しておりながらしていただくということでないと、立法措置でも講じてすぐに補償金でも出せということを言いたくなる。だけれども、それは間に合わないし、政治的な力で元来それだけのことをする力もないでしょうから、許される道として、いわゆる無担保で、かつて借りておった人でも、再びチクロこのもののために今度は二重にでも貸してあげていただきたい。そういう形にでもして助けてあげるという道でも講じていただけないか、こういう希望です。どうでしょう。
○山下政府委員 おっしゃいますように、この段階でチクロそのものが担保に価値として認められるかというと、非常に悲観的だと思います。そこで私どもが零細な企業の場合に重点を置いておりますのが、無担保で信用保証をつけまして今後の運転資金を貸していこう、この点でございまして、これは、現在全国信用保証協会という制度でやっておりますが、それの別ワクとしてこのチクロには無担保保証による融資をしていきたいということで現在中小企業庁と協議中でございます。
○塚本委員 大体それは私はできるのじゃないかと思います。しかし、さらにその金利の問題も、そういうような事情でございますから、いわゆる低金利で——それをいまのように、さらに保証料までつけてやってくれば、全く彼らにとっては暗くなりますから、特別にそういう処置を金利の点についても、さらにそういう事情にかんがみて低金利になるように実は交渉していただきたい。希望だけ申し上げておきます。
○八田委員長 次回は来たる十八日、午前十時理事会、午前十時半委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時十九分散会