社会労働委員会 第22号
- 発言数
- 171 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1970/05/13
会議録
○倉成委員長 これより会議を開きます。 参議院提出の優生保護法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
○倉成委員長 提案理由の説明を聴取いたします。参議院社会労働委員長佐野芳雄君。
○佐野参議院議員 ただいま議題となりました優生保護法の一部を改正する法律案について、その提案理由を御説明申し上げます。 優生保護法による人工妊娠中絶をできるだけ少なくしていく方策として、昭和二十七年に合理的な家族計画運動を推進することが定められました。その方針を受けて、優生保護法の中に受胎調節指導員の制度が設けられたのであります。その後昭和三十年には、その運動を一そう効果的ならしめるために、指導員が指導にあたっては、受胎調節に必要な薬品を配布できる旨を第三十九条に定めたのであります。 しかるところ、この措置は、薬事法に定める医薬品販売の原則、すなわち医薬品の販売は、薬事に関し一定の資格を有する者が、一定の店舗において販売するという原則に抵触いたしますので、この例外措置を存続させるべきかどうかについて五年ごとに、検討を加えることとされたのであります。そして、五年間の期限は、三回更新されてまいったのでありますが、本年の七月三十一日をもって現行法の期限が切れることになります。 しかし、今日においてもこの特例を続けていく必要は、依然として存続しているものと考えられますので、さらに五年間の延長をはかろうとするものであります。 何とぞ、御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。 —————————————
○倉成委員長 次に、本案についての質疑に入るのでありますが、別に申し出もありませんので、討論に入りたいと存じます。 討論の申し出もありませんので、これより採決に入ります。 優生保護法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○倉成委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 なお、本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○倉成委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○倉成委員長 この際、閉会中審査申し出の件につきましておはかりいたします。 島本虎三君外六名提出の駐留軍労働者の雇用の安定に関する法律案 川俣健二郎君外六名提出の国有林労働者の雇用の安定に関する法律案 厚生関係及び労働関係の基本施策に関する件 社会保障制度、医療、公衆衛生、社会福祉及び人口問題に関する件 労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関する件につきまして、議長に閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○倉成委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 なお、閉会中審査案件が付託になり、委員会において、参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合は、その決定及び人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○倉成委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 次に、委員派遣承認申請に関する件についておはかりいたします。 閉会中審査案件が付託になり、委員派遣を行なう必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣承認申請を行なうこととし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○倉成委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 ————◇—————
○倉成委員長 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質議の申し出がありますので、これを許します。島本虎三君。
○島本委員 労働省に緊急の事態についてちょっとお尋ねしておきたいと思います。 私の手元にいま、一通のこういうようなパンフレットがある。また読売新聞その他地元新聞もこれを報じておることでありますけれども、今どきこんな会社があるのか、第二の近江絹糸事件ではないか、こういうような問題です。これは茨城県筑波郡谷田部町片田、呉飼糧会社関東試験場、この労働組合と会社の間の争議であります。「呉飼糧の会社は、労働基準法ができて二十二年になるのに、労働者を朝、暗いうちから夕方、暗くなるまで働かせながら、時間外労働の割増賃金を、勤続年数の長い人は十年以上も払わず、年次有給休暇も与えず、賃金から三%の預り金ということで利子も払わず、強制的に天引きしていました。労働基準監督署は、はじめ組合の云うことを信用しませんでしたが、内容がわかってくると「これはひどい、第二の近江絹糸だ」と言っています。あまりにも会社のやり方が非人間的である為に、昨年十月、谷田部の関東試験場を中心に労働組合を結成し、労働基準法違反をあらためるよう、また賃上げ、賃金体系の変更、休日の完全実施、安全管理の徹底、退職金制度の確立等の要求を出しましたが、会社は団交会場を会社内にすると鶏が病気になるということで、会社内での交渉を断り、団交もなかなか進展せず、年末一時金についても組合がないときは三カ月を出し、組合が要求を出すと、二、三カ月で組合はストに入り、一月二十日妥結しました。」なお、社宅が会社内にあるので商人は自由に出入りしている個所で、ここで団体交渉をやると鶏が病気になるというのであります。「一月二十五日、会社は間違った会計処理をしながら、岩崎委員長に対し、公金横領ということで解雇し、告訴しました。そして役付職員の格下げ、(月三千円の減収)社宅家賃六千円の差引き、正月休みに対し業務命令違反ということで賃金カット等組合に申し入れなく、一方的に実施してきました。二月十二日の団交で会社は事業場閉鎖を発表しました。組合から追及されて昨年十一月、会社の重役会で決定したことを、しぶしぶ認めましたが、これは明らかに組合つぶしを目的とした事業場閉鎖だと私たちは判断しています。」こういうような内容でずっと書いておるのであります。 これはもうすでに労働省のほうでは、下部で発生したことですから手にかかっておりますから、知っておるだろう思うのです。この事態に対しまして、こういうような事態が日本の国の中にまだあるのかということが重大な問題なんです。基準監督署は方々にあるはずなんですが、また出先機関は方々にあるはずなんですが、まだこういうような前時代的な労使の関係が存在するということは、生産力は世界第二位を誇っても、まさに労使関係では世界最悪だ、こう言われても何らことばもないじゃありませんか。労政局長、こういうような事態を十分知っていましたか、これに対して手を講じていましたか、まずこれをお伺いしておきたいと思います。
○松永政府委員 ただいまお尋ねの件は、呉飼糧株式会社の件だと存じますが、この会社は広島県の呉に本社がありまして、それから横須賀に工場があります。またただいま御指摘になりました茨城県の筑波郡に試験場を持っておる。その試験場におきまして問題の労使間の紛争、基準法違反問題等が起こったというふうに承知をいたしております。 全般的に申しまして、ただいま先生御指摘のように、この試験場の従業員は三十三名でございまして、きわめて小規模のところでございますが、年末一時金等を契機にいたしまして紛争が起こりまして、団体交渉等がうまくいかないということで地労委のあっせん等がありまして、一時金問題はただいま御指摘のように一月の二十日に解決を見たのでございますけれども、委員長の解雇問題、その理由は公金の横領だという理由になっておるわけでございますが、これをめぐりまして組合側からは不当労働行為である、解雇撤回、バックペイ、組合に対する陳謝、それから支配介入の中止というようなことを要求、提訴をいたしておりまして、現在地労委で二回審問をして実情を調べておるという現状だと承知をいたしております。 全般から見まして、労使関係がきわめて未熟であって、非常に問題があるのではないかという印象を受けるのでございますが、具体的な問題につきましては現在地労委で慎重な審査をしている状況でございますので、この審査の進行によりまして実情が明らかになり、地労委といたしまして公正な判断を下すということになろうかと存じます。ただ基準法違反問題につきましては、基準局の関係の課長から御説明を申し上げたいと存じます。
○大坪説明員 島本先生からお尋ねのございました本件につきましては、昨年の十月二十五日に結成されました労働組合委員長の岩崎伸夫氏から次の五点について申告がございました。 第一点は、入社時の契約どおりの賃金が支払われてない。第二点は、毎日一時間程度の残業があるが、時間外手当が不払いである。第三点は、強制貯金がある。第四点は、有給休暇が与えられていない。第五点は、就業規則の周知がなされていない、こういう内容の口頭の申告がございました。 昨年の十月二十七日に申告に基づきます勧告を実施いたしまして、次の五点につきまして副社長の松本憲明氏に勧告書を交付いたしました。 第一点は、契約どおりの賃金が支払われていないこと、これを是正すべきこと。第二点は、強制貯金を解消すること。第三点は、就業規則に基づく時間外手当を払うこと。第四点は、年休を与えること。第五点は、就業規則の周知を行なうこと、このような申告に基づきます勧告書の交付に対しまして、十一月十八日申告人と副社長が来署いたしまして、入社時の契約賃金につきまして話し合いをいたしたわけでございますが、会社側の申し分と労働組合側の申し分とにそごがございまして、入社時の契約賃金につきましては結論が出ておりません。したがって基準監督署といたしましても、入社時の契約賃金が幾らかという確定はできなかったわけでございます。しかしながら強制貯金につきましては改善することを約束いたし、時間外手当につきましては金額の確認ができ次第これを支払う。それから年休、就業規則の周知につきましても是正することを約束したわけでございます。 越えて十二月に入りまして、監督署で再勧告を実施いたしております。この再勧告の結果、強制貯金につきましては十一月十五日に元金百十九万四千七百八十円、これは二十六名分でございますが、これを支払い済みでございまして、それから就業規則の周知については是正をされております。それから年休についても是正をされております。それから時間外手当につきましては是正を見ておりませんので、金額の確認を急ぎ、確認でき次第支払うよう再度勧告を行なったわけでございます。 本年に入りまして、一月の二十日に委員長の岩崎伸夫氏が公金の使い込みということを理由に解雇をされて、現在、労政局長が申し上げましたような次第で争われておるところでございます。 二月一日には労働組合の執行委員長の岩崎伸夫氏の名前で文書の申告がございました。この第一点は、業務命令違反で二十名が減給の制裁を受けておる、しかし就業規則に該当の条文がない、そこで実情を調査してもらいたい、こういう趣旨のものでございました。これにつきましては監督署で詳細調査をいたしまして、制裁そのものの理由から照らしまして、制裁そのものが有効か無効かということを監督署が判示する根拠がないという結論が出たわけでございます。しかしながら、労働者四名に対しまして、従来徴収しておりませんでした社宅料を一月から一方的に五千円ずつ引くというのは明らかに労働基準法違反であろうかということで、この是正は会社に勧告をいたしたわけでございます。 このような状況で、労使間の紛争が労働基準法の適用の解釈をめぐる問題にからみまして、再度文書の申告が監督署に参っております。監督署にはその後、雇い入れ時と定期の健康診断を過去二年間実施をしておらないというような趣旨の申告もございました。そのあとになりまして、地労委に労働組合から不当労働行為の申し立てが行なわれておるわけでございます。就業規則の変更について、会社側が就業規則をそういう趣旨で直して監督署に持ってくるという事態がございまして、組合側からは、組合と会社と係争中であるので就業規則を受理しないでもらいたいという要請が再度参ったりしております。 三月二十五日に監督署に松本憲明副社長を呼びまして、基準法の十八条、強制貯金の問題、五十二条、定期健康診断の問題、八十九条、就業規則の問題、それから二十四条の就業規則上の時間外手当及び賃金控除の問題についてすみやかに是正すべきことを再度強く勧告をいたしました。 それから四月二十一日には、一カ月たちましたので副社長を来署させまして、是正状況を聴取いたしました。十八条関係の強制貯金につきましては利息分についても支払いを行なわせ、これは解決をいたしております。それから五十二条の健康診断については、雇い入れ時、定期とも従来は実施しておらなかったが、今後は実施するということになりました。それから就業規則につきましては、四月二十五日までに労働組合から意見を聴取した上で届け出をしたい、こういうことになりました。それから二十四条の問題につきましては、現場の責任者から事実を確認して正当なものを払いたいという答えがあったわけでございます。そこで署といたしましては、時間外手当につきましては五月七日までに調査を完了して、支払いを行なうよう勧告をいたしたわけでございます。 五月一日に至りまして、労働組合は労働基準法第三十七条、これは時間外賃金の支払いの方法をきめた条項でございますが、三十七条違反として土浦の簡易裁判所に民事訴訟を提起いたしております。 以上のような経過で現在までに至っておるわけでございます。
○島本委員 そういうふうにして監督署からもそれぞれ申告についての答えが出され、あるいは業者のほうに対してこれをはっきり申し出ておるわけです。それをはっきりやっている、是正した、こういうような確認をとらなければならないと思う。 それと同時に若干聞いておかなければならないのは、私もこの内容、事情を聴取いたしましたが、あまりにもこれは前時代的です。たとえば原則として請求があれば与えなければならないのが年次有給休暇のはずでございます。そして事業の正常なる運営を妨げないということであるならば、当然与えられなければならないわけなんです。それをいままで一回も与えておらない。逆に、労働委員会のほうに証人として出席した、それを根拠にして今度は有給休暇さえも取り消してしまった。これは少し何かおかしいのじゃないかと思うことがあるのです。これは報復手段じゃございませんか。それと同時に今度は労働委員会に傍聴に行ったといって——当然休暇をもらっております、休暇を承認しておりますが、その賃金を支払う段階になってから、その分をカットしておいた、こういうようなことをやっているのです。承認しておいてもそういうようなことをやっている。これは何といっていいか、ほんとうに前時代的じゃありませんか。わからないのか、わかっておってもこれをやっているのか、なかなかこれは複雑なものがあると思うのです。こういうような点はよく指導しなければならないはずなんですが、そういう指導の面で労働省の下部末端はうまくいってないんじゃ、ないですか。労政局長どうですか。
○松永政府委員 ただいまのような事件が起こりましたのは指導が不徹底じゃないか、こういうことでございますが、確かにその面はあるかと思います。私どもといたしましては下部末端、それぞれ監督関係、それから労政関係、職安関係機構を持っておりますので、常時そういうところにおきまして法律の趣旨徹底、それからまた常時労働教育活動によりまして、このような事件の起こらないようにという指導をやっておるのでございますが、たまたまこのようなところにおきましてこういう問題が起こってくるということは、はなはだ遺憾なことでございます。おっしゃいましたように、労使関係法におきまして、たとえば労働委員会に出席をして証言をしたことを理由にして不当な、不利益な取り扱いをしてはならないというようなことも明確に規定がされておるわけでございますので、そういう事実があるとすれば、それは明らかに法律違反である、こういう問題につきましても、まあ多数の事業場でございますので、なかなか徹底しがたい面がございますけれども、常時の教育活動におきまして徹底をしていくということで、御指摘のごとくさらに指導をよりよく普及するような努力を今後とも継続をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○島本委員 同時に、これは調査してもらいたいことが一つあります。それは同じ書記長に当たる人ですが、この人が証人に行ったことを理由にして、また今度は、労災の支給を受けておったのです、六〇%ですが、それを翌日から出さないような措置をしたというのです。これはどうもわからないのです。そういうようなことができるはずじゃないわけです。当然支給されなければならないはずのもので、会社側はそれを払っているはずですが、会社側がそれを払うことと支給を拒否することは別な問題ですから、これは十分調査して、こういうような事実があるかどうか、あったとしたならばこれはとんでもないことでありますから、十分これは調査しておいてもらいたいと思います。それはよろしゅうございますか。
○松永政府委員 労災補償の療養補償でございますので、監督署、基準局等の関係の機関におきまして調査をいたしたいと思います。
○島本委員 それで、先ほど基準局の方から答弁ありました中で、これらの行政上の問題だけでいいだろうかと思われるような問題がありました。それは、組合を結成するまでは、全社員から総支給額の三%ずつを無断で天引きしておったというのです。そして組合を結成して要求書を出したら、今度は天引きはやめたというのです。預かり金の返済、それは一部だけいま要求によって行なわれたというのです。それは四月十七日に、横須賀の管轄だけは戻したそうであります。その返済分に対しての法定利息さえ支払われておらないというじゃありませんか。本社関係の管轄では全然、元利合計ともにいまだ支払われていないそうじゃありませんか。これはもう完全に基準法違反です。そのほかに横領罪を構成することになるのじゃないか、それも単純横領よりも重い業務上横領になるのじゃないかと、こういうふうに思われるのですが、これは監督署のほうとしてはどういうふうにしてこの問題を処理したのですか。向こうへただこういうふうにやったからそれでいいということになったのか、これもやっぱり重要だと思いますから御答弁願います。 それと同時に、業務上横領になるおそれはないか、これは警察庁当局のほうからもちょっと見解を述べてもらいたいと思います。
○大坪説明員 ただいまの三%の天引きにつきまして、特に申告がございました関東試験場の問題につきましては、直ちに監督署が監督をいたしております。 ただいまの先生のお話では、呉飼糧株式会社全般にそういうことがあるというふうなお話でございました。たいへん申しわけない話でございますが、私どもさような点について十分調査をいままだいたしておりませんので、さっそく調査をいたさせ、そういう事実がございましたら、これは明らかに基準法違反でございますから是正をいたさせるようにいたします。
○赤木説明員 ただいまの事実のお話は、私ども実は承知しておりませんでした。今後事実をよく調べましてから御返答をさしていただきたいと思います。
○島本委員 こういうようなことがあるならば、この事実は単純横領よりも業務上横領の罪になるのではないかというようなことを聞いておるのですが、こういうようなことがあってもやはり警察当局は調べないとわからないのですか、これはわかるでしょう。
○赤木説明員 故意という問題などもございまして、やはり事実を調べさしていただいてからお答えをさしていただきたいと存じます。
○島本委員 慎重だからしようがありませんが、なるのですよ。これは十分調べてあります。 なお、労政局長、この際会社は、はっきりそれの返済を要求したら一人一人を呼んで組合脱退を強要している事実があります。これはまさに不当労働行為、これ以上のものはないでしょう。不正をつかれたら、おまえ脱退してこい、あんな組合はつぶしてしまえ、こういうことを言っているじゃありませんか。こういうようなことについてもたえかねて、不当行為としてこれはいま審問も始まっているようでありますけれども、こういうようなのはちょっとおかしいですね。感覚としてからおかしいです。こんなのがあるということが私としてはおかしいのであって、おかしい、おかしいと言ったって解決にはなりませんから、問題は、そのために若干であろうとも基準監督官をふやす法律を通しているじゃありませんか。幾らやってよ基準法違反が次から次にこういうようにして出てくる。こういうことであったらだめだ、労政は何しているのか、こういうことになって、いたずらに国民から不信の目をもって見られることになります。そんなことにならないように、これは十分気をつけなければならない、指導しなければならない、こういうように思います。 それともう一つ、この際、労働条件の切り下げを、組合ができても話し合いを行なわないで一方的に断行しておるというのです。せめて話し合いをするか、通告があるならばまだしも、話し合いも協議も通告も何もなくて、かってに役付を格下げしているのです。これは報復行為じゃありませんか。主任であった者を平に落として、そして今度は月給を日給にして、そのために主任手当を二千五百円から四千円ほどを急に減らしているわけです。こんなことをかってにやっていいものでしょうか。こういうような点など、全くわれわれとして聞いてがく然とするのです。こういうようなことがまだ日本のどこかに行なわれているのですか。何のために労働省の下部機関が現在独立して存在しなければならないのですか。こういうようなことをなくするためにあるのです。ところがやはり行なわれていない。どうも困ると思いますが、この点なんかもあわせてついでだから言ってしまいますけれども、家賃は解決したようであります。しかし、これも完全にもう二十四条違反ですね。そして、それもまた天引きしたというじゃありませんか。こういうようなことを十分注意してやらぬといけないと思います。ただ通告一片だけで済むと思っても、基準法違反を摘発しても、守らなくても若干罰金を納めればいいのだ、罰金なんか、現在だったら安くて問題じゃない、こういうようなことで平気で犯す人もあるんじゃないか。こういうようなことに対しては、やはりあげて皆さん対処しなければだめだと思うのです。こういうようなことはまことに残念ですが、労政局長、事実ですよ。私はこれは当事者から聞きましたから。こういうようなことに対して、少し坊主にならないとだめですね、労政局長、考えを聞かしてください。
○松永政府委員 労働基準監督が最低労働条件の確保ということでございますので、全国津々浦々にわたって基準法が順守されるということが必要なことでございまして、私どもも監督機関を通じまして、そのようなことができるようにという活動をさせておるわけでございますが、監督官の人数等も制限がございまして、思うようにいかない面がございましたが、ただいま増員等につきまして御賛成の御意見がございまして、今後ともまたよろしくお願いを申し上げたいと思うのでございます。 いずれにいたしましても、中小企業の面で基準法の不徹底、それから労使関係につきまして、とかく組合活動に対する不当な取り扱いというようなことが起こりがちでございますので、この具体的な事件につきましては、それぞれ関係の機関が事実を把握し審査をいたしておりますので、その結論に期待するといたしまして、全般といたしまして、やはりこのような事件が起こらないようなふだんからの行政指導、教育という面をさらにさらに徹底をしてまいりたいというふうに考えております。
○島本委員 どうもこれは一つ一つあげたら切りがないほどたくさんあるのです。これはほんとうに困るのです。まだ山ほどあるのです。これは組合結成の前後ともに三六協定さえも結んでおらないという、そして組合結成前は時間外労働を婦女子にまで強行さしておきながら、勤務手当は一切支給しておらない。そうして残業手当も、いま報告があったように、いまだに解決を見ておらない。そうして組合のほうでは、これは明らかに二年間の、請求権のある間の昭和四十二年十一月から四十四年十月まで、この間で平均して五十時間から七十時間の残業、こういうようなものさえもわかった。しかしながら、いまだに解決を見ない。会社側のほうでは、非組合員には、何千万かかっても組合はつぶすのだと豪語しているありさまであるのです。そうして会社側の弁護士もついにたまりかねて、基準法違反の時間外手当だけは支払いなさい、おかかえの弁護士からもそれを言われたら、とたんに、おれの目の黒い間は断じて払わないということも豪語しておるのだそうであります。こういうような非人間的な経営者もいるものかと、あ然とするわけであります。協定と時間外手当、この問題については、基準法に基づいて監督署でもはっきりこの決定をできないような状態にあるそうでありますが、これはまことに遺憾であります。これはどういうようなわけでこの決定ができないのか。 この会社の規模は鶏を十四万羽も持って、それを飼育しておるのです。一日に卵が三トンとれるのです。それほど大量に生産している、いわばこれは工場です。工場でありながら、試験場という名前をつけているのです。その法律適用がそれによって少しおかしくなってくる、実態と合わない。そうしてはっきりここに生産行為と商行為を展開しているのです。しかし名前は試験場になっているわけです。この法の適用がどうして踏み切れないのか、これは私としてはまことに遺憾の存するところであります。 それで残業量が、これまた組合員一人平均四十三万円にもなっておるそうじゃありませんか。これはもうとんでもないことです。まして全国の社員三百三十六名の総合計、約二億円になっているそうであります。四十三万円というのは、付加金の請求を含めて千二百九十六万七千三百七十四円、これを人員で割った数の概数であります。しかしながら、割り増し賃金の要求、これがどうも法的な解釈からいまだ解決されていないということであります。これは一体どういうことでしょうか。これについて、ひとつ納得のできるような御説明を願いたいと思います。
○大坪説明員 御承知のように、基準法第八条で、基準法が適用されます各産業、業種の状態に従いましての条文の適用がいろいろきまるように法律がきめられておるわけでございまして、この事業場は、現行基準法によりますと法第八条第七号の事業場になるということでございます。 この事業場は、一つは管理部門がございます。それから成鶏係、これは飼料を与えましたり清掃をいたしましたり、卵を集めたりする成鶏係、鶏を成育する係。それから育雛係、これはひなの育成と卵の選別をやる係だそうでございます。この三つに分かれております。それで、全労働者三十三名のうち三十名が育雛係と成鶏係の両部門に従事しておる。したがいまして、監督署の判定では法第八条第七号の事業場である。御承知のように、法第八条第七号の事業場と申しますのは、農林水産に関係のある事業場でございます。
○島本委員 これは幾ら時間を延ばしても関係しないということでしょう。
○大坪説明員 そういうことです。現行基準法のたてまえでは、残念ながらそういうふうになっておりますが、ただこの事業場は、就業規則によりまして始業時間を午前七時、終業時間を午後六時というふうにいたしております。したがいまして、先生仰せのとおり、それ以後の時間に超過勤務を命じた場合には当然就業規則上の義務として経営者はその残業時間について労働基準法第二十四条の規定に従って残業手当を支給しなければならないことになるわけでございます。私どもといたしましては、二十四条違反でこれの是正方を事業場に勧告をいたしておるわけでございます。
○島本委員 これはもう相対的な関係で、前に申しましたように事業部門が主たる構成であっても、名前は試験場である。試験場であるということであるから、基準法第八条七号の適用になる。したがって、時間外労働は幾らやってもいいのだということになってしまう。しかしながら、これはもっと考えないといけませんよ。 労働大臣のかわりになっているのは、どっちのほうですか。二人局長がいるから両大臣ということで聞かなければなりませんが、この基準法ができてもう二十二年でしょう。そのできた当時の農林水産関係のこういうようなものは、あくまでも季節や天候によって支配されるし、そういうような変化に応じ切れないので天気のいい間にやらなければならない、こういうような状態である。また農林水産のうち漁業なんかは、しけになってきたときの緊急措置なんかの場合だったら、これは時間の問題をいっておられない。こういうような立法の精神がいま逆に利用されるということになったら、とんでもないことになる。まして、十四万羽も鶏を育てて、一日に三トンも卵を生産するりっぱな工場でございましょう。それなのに、これは時間外は無制限でいいんだというこの法第八条七号の適用をそのまま認めざるを得ないんだ、これは二十二年前もいまも同じだという考えで指導している労働当局がおかしいんだ。おかしいですよ、それは。あくまでもこういうような問題は考えなければならない。しかし、いま基準法を改正するといえば、いまの政府の状態からして改悪されるおそれがあるから、いま手をつけないだけの話だけれども、しかしながらこういうような問題は行政措置その他によって、やはり情勢の変化に対応してはっきりこれは措置しておかなければならない問題だと思うのです。これはいまお聞きのとおり、おわかりでしょう。もう立法の、そのころの法制定の精神から逸脱しているんです。そういうような点から、十分この八条七号等に該当し、三十二条の労働時間に関係ないんだ、こういうような件については是正すべきであります。それと同時に、四十一条で規定しているこの適用除外、これが受けられるのだという考え方は当然是正して、行政上これを行なわなければならないはずであります。試験場という生産工場じゃありませんか、これは。名前だけで、内容は全然検討しておらないということは、行政上のこれは少し怠慢にもつながるのじゃないか、こういうように思いますので、十分この点は留意しておいてもらいたい、こういうように思います。これは大臣候補のどちらでもいいんですが、ひとつ答弁してください。
○松永政府委員 ただいま先生御指摘になりましたように、基準法制定時における日本の経済の実情、それに基づく労働の実情と今日とにおきまして、二十数年を経過して非常に変わってきておる。これはもう事実でございまして、鶏にしましても、日本の総人口より鶏の数が多いぐらいに飼育が盛んになってきておる。飼育方法も非常に変わってきておるというような面から見まして、この八条の第七号の「動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他の畜産、養蚕又は水産の事業」ということで、まさにこれに文字は該当をいたしますが、その当時想定をいたしましたこのような事業と実態が非常に変わってきておるという事実がございますので、現在労働基準法研究会等におきまして研究をいたしておりますので、そこでこの八条の全般につきまして検討をいたす中で、これも研究会で検討をいたしていただく。また、行政面、解釈の面につきましても、基準局におきまして並行して検討をするということで、おっしゃいましたような観点にも関連をいたしまして、実情と基準法の適用、そういうものがマッチをいたしますようなことを検討をやりたいというふうに考えております。
○島本委員 強く要望しておきます。 それと、今度は基準局関係ですが、岩崎委員長が、どうもこれはおかしいと思いますが、組合をつくって、やったら、一月何日かに、これはすぐ公金横領という名前で首になっておるというのですが、その事実はどういうようなことなんですか。調べてなければいいんですが、調べてあったら報告を願います。
○大坪説明員 私どもの調査でございますので、あるいはその後の事態、あるいは調査不備のところがあるかも存じません。その点はお許しをいただきたいと思いますが、組合の委員長の岩崎伸夫氏は会社公金の使い込み等を理由にして解雇されております。その理由は、会社公金の使い込みが第一点でございます。これは現金何がしの着服ですが、二番目は卵ケースを自己の用に供したということ、三番目は卵ケース一千箱を会社に無断でつくり自己の用に供した、で、合計何がしの被害を受けた、こういうのが会社の理由だそうでございます。
○島本委員 これもまたおかしい。私どもも直接本人に聞いてみたら、なぜ会社がそういうふうな理由をつけて解雇しなければならないのかという、この背景が問題になってくる。決してそうじゃないという事実、まさにでっち上げだということがわかったのです。これはもう少し強く指導しなければなりませんし、もう当然これは裁判問題じゃなかろうかと思います。去年の夏の一時金の問題から端を発したようです。これは昨年夏の分より一時金が支払われていない。そうして昨年分については、本年の二月十二日の団交で労働基準法違反を追及したので、横須賀の米田という営業課長がそれを、本人の分を持参してきた。それが〇・八に当たる二万四千円であった。しかし支払い明細書がないので、明細書もほしいですと言ったら、そのまま持ち帰った。そうして、なぜ支払わないのだと聞いたら、古河営業所時代の公金横領があるんだからこれは支払わなくてもいい、こういうようなふうにやってきたというのです。その理由とするのもこれはまことに不可解なことです。当時私どももなんですけれども、横領の事実は全然でたらめであるようであります。米田というこの営業課長あてに、四十四年の二月に集金の金を手渡しております。そして米田課長は入金されておらないと言うんだそうであります。そしてそれを理由にして配置転換を行なったそうです。その理由はもちろん公金横領の疑いだということだ。そして今度のいまの職場に来たおりに引き継ぎをしたら、伝票が出てきた。その伝票によって、これはもう金もちゃんと支払われておる、こういうようなことがわかった。それが二口で十六万二千円、引き継ぎの際にこれは判明したというのです。もう判明したときは、それを理由に配置転換を命じられておるんだというのです。そしてその後いろいろそういうような事実を調査しちまったら、逆に帳簿上のミス三件、そして岩崎のほうから逆に合計三万八千円だけ会社側が取り過ぎておった。そして三万八千円岩崎に納めなければならない。逆にこういうような点がわかった。そのとたんに解雇しちゃっているんじゃありませんか、これは。こういうようなことがいまごろあっていいものですか。これは刑事問題じゃありませんか。まだこういう労働慣行が行なわれているとしたならば、これは全く前時代的なものだ。近江絹糸以上ですよ。これはどうなんですか。これもやっぱり労働組合が十月にできて、そして一月の十五日付で解雇しているんでしょう。どうもこういうようなやり方は、経営者が自分の気に食わないことはどのような理由でもつけて、そして自分のミスであっても、それを解雇にまで持っていっている。こういうようなことは許されません。どういうような指導をしているのですか。もしこういうようなことがあったとしたならば、警察当局、これはどんなものですか。あなたも黙っておられないんじゃないかと思うのですが、こういうようなことも警察当局は黙って見過ごしておくものですか。両方のほうからこれを聞かしてください。私も貴重なる意見として承っておきたいのであります。
○松永政府委員 ただいま先生が御指摘になりましたその具体的な点につきましては、私どももそこまでは把握をいたしておりませんが、一般的な原則といたしまして、どのような理由をつけましても、それが正当な組合活動をしたということの理由のための解雇であるということになれば、これは明らかに不当労働行為であります。地労委で審査をしておると思いますが、いまのように事実無根である、しかも払い過ぎだというようなことがあるにもかかわらず、公金横領ということの理由で解雇をしたということであって、それが組合活動が理由であるということになれば、これは不当労働行為は成立をするというふうに考えます。
○赤木説明員 いまお話しのございました会社の労組の委員長の岩崎氏に対する会社側の告訴でございますが、これを御説明申し上げますと、四十四年の十一月十四日に会社側から茨城県の谷田部警察署に第一回の告訴がされております。告訴人は呉飼糧株式会社の代表取締役松本実夫、被告訴人は呉飼糧株式会社の養鶏係岩崎伸夫、三十八歳、元古河営業所長ということであります。 その第一回の告訴の要旨でございますが、この被告訴人は、古河営業所長として鶏卵販売等に従事していたものであるが、昭和四十四年の三月中旬に集金した金、数十万円を着服横領したほか、同年五月数万円、六月これも十数万円着服横領した、こういうことが第一点。ただし、このうちの数十万円横領の分について事実を誤認しておったということで、その後四十五年の三月に一部告訴を取り消しております。 〔委員長退席、増岡委員長代理着席〕 それから第二項は、四十四年の三月ごろから六月ごろまでの間に、鶏卵のケース数千個を、見積もりがこれも十数万円になりますが、個人営業の用に供するため、会社の業務に使用するかのごとく装って、会社の鶏卵ケース管理者から騙取した。 それから第三点は、四十四年のこれも六月末ごろでございますが、鶏卵ケース約千箱を日本モールド工業に発注して、その送付を受けて、これを自己の用に流用してその代金を告訴会社に支払わせたという背任行為で、会社側に数万円の損害を与えた、こういうことが第一回の告訴の要旨でございます。 それから第二回目の告訴は、四十四年の十二月二十五日に、先ほどと同じく谷田部警察署に出しておりますが、告訴人はさっきと同じ会社の代表取締役でございますが、被告訴人は二人になりまして、一人は呉飼糧株式会社関東試験場内社宅鶴原稔、それからもう一人は先ほどの第一回の被告訴人と同じということになっておりますが、告訴の要旨は、まず第一に、四十四年の二月中旬ころでございますが、告訴会社所有の飼料、それからひなを育てるための物的な設備などを利用して、かつ告訴会社の従業員を使用して、初生びな数千羽を約三十日間以上育成をして、これを第三者に売却して、数十万円の損害を与える背任の行為をした。 それから第二点は、四十四年の七月上旬ころでございますが、同じような行為によりまして、初生びな千数百羽を育成してこれを第三者に売却して、やはり会社側に対して数十万円に相当する背任の行為をしたということでございます。 これに対しまして、私どもの現在までの捜査状況でございますが、所轄の谷田部署では、大体本年の二月中旬ころまでに告訴人それから会社の関係者あるいは参考人等の取り調べについては一応終わりまして、被告訴人に対して任意出頭を求めておる段階でございます。被告訴人は二月二十四日以降四回にわたって出頭要求をしておりますが、現在までのところこの出頭には応じておりません。 大体捜査の状況は以上のとおりでございます。
○島本委員 そういうふうに出されても、実際は三万幾らか結局取り過ぎになっておるというのが事実であります。この辺は、もうすでに告発されておればいずれ明らかになると思いますけれども、しかしそういうふうな状態を団体交渉で解決しようと思っても、会社が一向団体交渉に応じないというのです。これは局長おかしいじゃありませんか。団体交渉を開くにも、地労委の立ち会いやあっせんや勧告でなければ開かないというのです。組合ができてから正式に団交を持たれたのは、そういうふうな経過を経て四回しかないというのです。いまのような問題を話し合うにしても、向こうは拒否して全然応じておらない、こういうような状態はまことに私は遺憾きわまりないと思います。これは死ななければ直らないのかもしれませんけれども、こういうような状態をそのままにしておくのも、行政的な能力欠除になるのじゃないか、こういうように思います。これは労働省も下部機関をりっぱに持っておるのですから、この点はひとつ十分配慮してやらなければならないと思います。 あわせて、いまのような問題は不当労働行為に該当する問題であるということで、これは逆に地労委にも提訴してあるようであります。したがいまして、この問題に対しては早く決着をつけるように、これは労働省当局からもひとつ大いに支援してやる、そうしていまのように一方的に労働組合がいじめ抜かれるようなことがないように、この点は十分指導してやってほしいと思うのです。いままで団体交渉は四回、それも地労委の立ち会いか、あっせんか、または勧告でなければいままでかつて開かれておらない。一体こういうようなのがありますか。労使対等の原則にもとります。こういうのが下部末端にいまだに存在しておるのです。私もあ然としますけれども、こんなことは絶滅を期してやってくださいよ。
○松永政府委員 御指摘のように、異常な形でしか団体交渉が行なわれないということはまことによろしくない事態であると思います。 それから地労委につきましては、先ほど御報告申し上げましたように二回の審査をいたしておりますが、御趣旨のようにできるだけ早く慎重に審議した上で公正な結論を出すことにつきましては、私どものほうから地労委のほうに連絡をいたします。
○島本委員 まだまだ事件がたくさんあるのであります。これは年末闘争をやった際に、横須賀工場で、ストに参加した者には食堂、浴場の使用禁止、こういうようなことにしている。あそこでは全従業員全寮制をしいておるところですが、これを無視してそういうような非人道的な行為に出た。こういうようなことがあります。こういうような問題はわれわれとしてはなかなか考えられないことなんです。これはプライベートな問題からしてもどうもおかしいと思うんですよ。寄宿舎制でしょう。ましてロックアウト、それも全従業員全寮制をしいておきながら、ストに入ったからといって全部閉鎖してしまう。こんなばかなことがあっていいものですか。こういうような点をそのままにしておいたってだめです。もっと強力に皆さん立ち入りして指導してやらぬとだめなんです。 そのほかに、警察当局にもちょっと問題がある。正月三日間の休みがありまして、委員長夫妻がちょっと留守にした。組合員の一人に留守を頼んでいった。そうしたら十二月三十日に、社宅をあけるようにということで、副社長が先頭に立って命令をしていった。不在中であるからということで断わると、そういうようなことを言わないでおまえも手伝えといって、留守居にいた組合員の人を手伝わせようとした。それを拒否すると、かぎをこわして中の家財道具を全部運び出してしまったというのです。本人の許可はもちろんないのです。警察に聞くと、会社に管理権があるからそうしても当然だと言ったそうじゃありませんか。会社のほうはそれをまねしてその後続々といろいろなことをやっているのです。三月の分から家賃をとると通告した。そうして同時に電気や水道のメーターの取りつけを行なう。それも無断で許可なしに不在中の個人の住宅に入り込んでいった。そうしてそれを追及したら、会社では、管理権が私のほうにあるのだからこれは当然だ、警察に聞きなさいと言う。管理権があるならば何してもいい、これは警察は何によってこういう指導をしているわけですか。これは警察もぐるじゃありませんか。とんでもない。労政局長と警察当局のほうからこの見解をはっきりさせてください。これは許されませんぞ。
○松永政府委員 ストライキに参加したという場合にロックアウトすることはあり得ると思います。ロックアウトの態様等についてもいろいろな問題があるかと思うのでありますが、しかしいずれにいたしましても寮、食堂、浴室の使用を禁止するといったようなことは、これは正当でないというふうに思います。
○赤木説明員 二つお話がございましたが、その第一の点についてでございますが、本年一月五日の午後五時半ごろ岩崎伸夫氏から谷田部警察署に対しまして、洗たく機を盗まれたから来てくれという電話の申告がございました事実はございます。所轄署ではこれに対しましてすぐ捜査係四人と刑事係三人の七人を現場に急行させまして、当人から事情を聴取し現場も見てきたわけでございます。この岩崎氏はこの会社の社宅に四十三年六月から入っておりますけれども、これは二軒一むねのむね割りのうちなんでございます。その一軒に岩崎氏が居住しておるわけでございます。たまたま隣の一軒もあいておりますので、その隣りのほうに、外側からは会社側がかぎをかけておるようなんですが、中側からは通行が可能なようでございまして、そのあいている一軒に洗たく機、整理だんす等の荷物を置いておいた。会社側も当初はこれを暗黙裏に一部使用ということを認めておったようでございます。ところが昨年十二月ごろから、会社側としては再三物置き場の明け渡しを岩崎氏に要求しておる。そういう状況のもとで、ただいまお話がございましたように、本人の知らない間に洗たく機、整理だんすを会社側が運び出したようでございます。捜査しました結果、これらの家具類は現場から約十メートルほど離れたやはり社宅のあき家の中に運び込んでいたという事実がわかりました。それで、会社側がこの荷物を持ち出すにつきましては、会社側が管理しておりますので、外側からの施錠をあけまして出入りしたもののようでございまして、家屋の破壊等の行為はないということでございます。荷物はその日のうちに岩崎氏本人がもとのところへ運び込んでおるようでございます。 本事案につきましては、判例等もございますし、家屋の使用貸借あるいは賃貸借契約の解除後といえども、借家人に事実上使用を許しておる限り、所有権者の適法な手段による官憲の救済によることなく、自力による救済に訴えるということは法の認容しないところであるという判例等もございますし、これはたいへんな問題でございますが、これらにつきましては、会社側の告訴について、捜査等ともあわせまして岩崎氏の話などももう少し聞かなければならない点などもございますので、全貌をつかんだ上で適切な処置をいたしたいというふうに考えております。先ほど御指摘ございましたような指導は、私どもといたしましてはいたしておりません。 それから第二の点でございますが、御質問とはちょっと内容は異なるかもしれませんが、一月二十一日の午後一時ごろに、この会社の社宅に居住しておられる従業員の一人の方から谷田部警察署に対しまして電話で、先ほど自分の家に無断で立ち入った者がある、調べてほしいという申し出がございました。これも急遽署員を派遣いたしまして調査いたしましたところ、これは会社側から委託を受けて各社宅に水道のメーターと電気のメーターの取りつけ工事をして歩いておりました電気工事の店員が、たまたまこの届け出られた方の家ではだれもいなかったために、家人の承諾なしに、施錠のない玄関先に入って工事をして帰ったという事実がございます。この件につきましては、届け出られた人も署員から調査の結果を聞かれて納得されたというふうに私どもは聞いております。
○島本委員 そういうふうにして書類は上がってきましても、現地の警察官が行なった行為を会社側がそのままこれを悪用している。家財道具を持ち出して、これはひどいじゃないかといって警察に訴えたら、管理権は会社にあるんだからそれは当然だ、あるいはそのままに言わなかったかもしれないけれども、そういう印象を与えている。あらゆる事件にそれを今度適用する。このやり方はまさに家宅侵入じゃありませんか。それを構成するじゃありませんか。無断でしょう、許可なしでしょう。聞くならば本人は拒否するでしょう、こういうようなことを平気でやっている。これは下部のほうをもう少し徹底させないとだめだ。これは家宅侵入のおそれがあるのですから当然ですよ。これはいけません。十分調べて、こういうようなことを会社側に悪用されないように十分注意させるべきです。またこういうようなことを労働運動の中に持ち出すなどというのは、前時代的です。ですから、こういうような内容等を調べて、今後地労委並びに裁判にかかっている点、これは急いで早くいい結論を出してやって、前時代的な労使慣行を早く改めさせなければならないと私は痛感しております。 なおこれは試験場という名の生産工場ですから、そういうような場合に基準法の適用をあまりにも名目にこだわって、そして二十二年間に変化した内容、こういうようなものに対して適当なる、妥当なる——これに当てはまるようなことがいまのところではないような状態を無理やりに当てはめている、こういうような状態ですから、これは行政的にも十分改めて指導すべきだ、こういうふうに思います。これは強く要請しておきたいと思います。 なお今後これをやる場合には、御存じだと思うのですけれども、この会社そのものにもだいぶ疑義があるような構成になっておるようであります。ましてこの社長は一代で築いた人なんだそうでありますけれども、この払い下げそのもの、土地の問題そのものにもなかなか疑惑があるようであります。試験場としてやって、試験の用に供さないで会社の用に供して、それによってまた税金の関係でも適当に課税を免れておる、こういうようなこともあるようのであります。私はそれはちょっと認められない。こういうようなことを強く要請しておいて、次に移りたいと思うのです。 この問題はわれわれは最も関心を持っている問題です。そして先ほどからまだこの問題は追及しておりませんが、タイムレコーダーの問題でいまここに重大な問題があるのです。それは超過勤務の事実を隠蔽するためにタイムレコーダーを一切持ち出して、いまだにないのです。そして証拠にこれを求められてもどこにもない。その後超過勤務をやらないようにしているから、だれが行ってもやっておりませんと言っている。以前は命令によって超過勤務を長時間やらしておった。私はそういうような点について、監督署を通じての調査が不十分である、これは故意に基準法を逆用する行為だ、こういうふうにいわざるを得ないのです。タイムレコーダー、これには長時間労働が明確にあらわれているのです。これを今度隠してしまったのです。この事実を監督署は調べてありますか。
○大坪説明員 タイムマシンを撤去されたということは私どもとしては現在承知をいたしておりません。ただ従来労働時間の扱いにつきまして、労働組合側が入門から退門までが労働時間であるという御主張をなさり、会社側は実際に労働に従事している時間が労働時間であるという御主張をなさって、その争いがあったということは聞いております。
○島本委員 いま初めからこれでちょうど一時間と十分になったわけでありますけれども、ほとんどこの前時代的な労使慣行に終始してこれを追及いたしました。しかし末端までいってみますと、やはり労働省の末端機関の指導並びにこういう本のは必ずしも適当であるとは考えられない点が多い。まして今度も最低の基準である基準法さえも守られておらない前時代的なやり方、これはもう労働省当局の責任だとも思う。これを今後十分留意して指導してやってほしいと思います。警察当局も、こういうような事件が平気で起きておるというその陰に、警察の教唆扇動もあるかのように思われる。これは家宅侵入である、こういうふうに思われるのに、それは所有権が会社にあるんだから当然だ、こういうように豪語している点なんか、まさにそれに該当する。こういうようなことがないように十分注意させてしかるべきだと思います。今後こういうようなことが再び起こらないように、起こっていることに対してはその解決を急いでするように、そうしてここに円満なる労使慣行を樹立するように心からこれを望んでやみません。最後に決意を聞かしてもらって次の問題に移ります。
○松永政府委員 労働省の行政の各般にわたりまして御指摘のようなことのないような努力をいたしたいと考えておりますので、これを申し上げたいと思います。
○島本委員 次に職安局長にちょっとお伺いしたいことがあります。 前回私がこの場所から聞いて、善処を約束いたしましたところのあのスポーツ紙の報知新聞の労使の紛争がございましたが、その後どうなったのか。いわゆるガードマンなる名前で暴力団の雇い入れ、これが四月十五日からちょうど一カ月になっているわけであります。それに対して善処するということでありましたけれども、その後どうなっているのか、これをお伺いいたします。
○住政府委員 前回の当委員会におきまして先生から御指摘のあった特別警備保障会社の件でございますが、その後私どものほうでは単に所轄の安定所ばかりでなく、都の労働局のほうも加えましていろいろ調査をやらしておるわけでございます。先生御承知のように、本件は請負契約であるか労務供給契約であるかということにつきまして、かなり詳細に事実に基づいて判断をしなければならない要素が非常に多いわけでございます。そういうような観点からいろいろ調査をしておるのでございますが、一つにはその調査自体が、いま申し上げましたようにかなり総合的な面からの事実を把握しなければならないということ。それからもう一つは、やはり何といっても現に争議中のことにも関連いたしておりますので、調査は必ずしもはかばかしく進んでないというような事実でございますけれども、私どものほうでは法律の規定に基づく立ち入り検査を行なうということで、五月六日からその方法をとっておるのでございますが、保障会社の社長が実は大阪へ出張しておるということで、五月六日からの調査はできておりません。社長は十一日大阪から帰るということでございましたが、十一日には社長と会うことができないというようなことで、実は本日社長に会えるということになっておるわけでございます。現在は責任者等の証言を得る、こういう段階に入っておるわけでございます。調査の結果はいま申し上げたようなことでございます。できるだけすみやかに必要な措置をとりまして善処してまいりたい、こういうように考えておるわけでございます。
○島本委員 その後また、千代田区労働組合協議会の議長が暴行を受けております。千代田区労働組合協議会は百五十単組、三万八千名をもって構成している地区労働組合協議会ですが、その議長が暴行を受けているというような事実がありますが、これを御存じですか。何か警察のほうではこういうようなことに対して黙っていなければならないのですか。これは完全にスト破りのために雇われている。これはもうほんとうに法違反のおそれが十分あるということをいままで言ってきた問題なんです。それが何ら手も入れないで、そしてまた暴行傷害事件を起こしている、こういうようなことであります。そして職安法違反の問題で十分調査せいと言っても、まださっぱり進まないようであります。入っていっておそろしければ、警察官に護衛されながら入っていって十分調べたらいいじゃありませんか、聞いたらいいじゃありませんか、事実調査したらいいじゃありませんか。なぜそれができないのですか。やらないからできないのでしょう。だから、この前やると言ったのはうそだった。もしうそだということになったら、あなたは国会を侮辱したということになる、とんでもない、これはいけません。いまのような事件を知っていますか。——どうも知らないようだから、もう一回言ってやる。その後また、あの中でついに死人が出たということを御存じですか。今度は九日の晩に校閲のスキャップとして雇われておった金竹慶二さん、六十一歳になる人ですが、手洗所で倒れたのですが、そのまま死亡してしまったのです。金竹さんは高齢者にもかかわらず、過激な勤務ダイヤのもとで仕事をさせられておったようであります。そしてその発見のときにはすでになくなっておった、こういうようなことであります。麹町警察署、四谷消防署の調べによると、九日午後六時三十分ごろ、本社の三階と四階の中間にある手洗い所で男の人が倒れているのを電気新聞の福田さんという人が発見、そして報知印刷の服部営業部長に知らせた。直ちに一一九番に通報して救急車が来た。そのときにはすでにこと切れていた、心臓麻簿、こういうようなことであります。すでにこういうような事態になっているのに、まだこれを十分調査できないでおる。こういうようなことこそ、これまた職安当局は憶病なんですか、怠慢なんですか。大臣もこれに対して決意をここで表明したじゃありませんか。なぜこれを十分調査できないのか、ひとつそれをお聞かせください。
○住政府委員 先ほど申し上げましたように、調査といたしましては、先回の二十八日の委員会におきまして先生の御指摘があるということで、二十七日、二十八日、三十日、五月一日、こういうように調査はいたしております。それでいろいろの事実の把握を行なっておるわけでございますが、最終的な結論を得るための立ち入り検査に基づく検査を行なっていますのが現在の段階でございます。その結論がまだ得られておらない一つの大きな理由といたしまして、保障会社の社長が大阪に行っておりますので、そういうことで若干時日がおくれておる、こういうのが現状でございますので、お含みおきいただきたいと考えておるわけでございます。
○島本委員 お含みおきくださいといっても、それはあなたが私に言うことでありまして、私のほうでは、可及的すみやかに異常なる事態であるからこれに対処すると言った大臣のことばを私は信じておるわけであります。その大臣も、各官庁と連携をとり、対策を有機的にやり、行政措置を緊急に行なう、こういうようなことさえもはっきり言っておるのでありますから、これは皆さんのほうでやってもらわなければなりません。そして、厳正に処置するようにやってもらいたい、こういうように思います。それについて最後にもう一回、一言決意を表明しておいてください。
○住政府委員 いままで申し上げましたように、調査の段階も私ども最終の段階に来ておると思っております。その調査の結果から得られました事実に基づいて、厳正な措置をすみやかにとってまいりたいというように考えております。
○島本委員 それを強く要望しておきます。 それと、今度は最後にお伺いしておきたいのですが、今国会は平穏な国会で、きょうこれで終わるようであります。その中の目ぼしい事件というと、言論出版事件とハイジャック問題等があったようであります。しかしそれもやはり最後には、まあこれが憲法のいわば大きい言論出版の自由の問題に端を発して、公明、共産両党の声明戦にまでこれが発展したようであります。そしてそれが委員会で問題になったりいたしまして、失対の対象者であるところの地方議員の失対事業への就労について、いろいろ議論を呼んでいるようであります。また公明新聞においても、地方議会の議員の失対就職は不正であり、紹介すべきでないとか、賃金の不正受給の事実がある、こういうようなことを書き立てておるようであります。赤旗では、そういうような不正の事実はないとか組合運動の弾圧であるとか反論しておるようでありますけれども、もともと政党間の政策の争いはわれわれはあえて何ら言うことがございません。ただ一つ、この際労働省にはっきり言っておくことは、これらのいきさつ、労働省の考え、その措置、こういうようなものが一方的に、これが何らかに動かされてやってはならない。相手の対象はこれらの政党が対象にしておるものだけじゃないということ、失対全体に及ぶ問題であるということ、こういうようなことを考えて対処してもらわなければならないわけでありますけれども、労働省の考えについて伺っておきたいと思います。経過を知らしてください。
○住政府委員 失対事業の運営の基本方針につきましては、私から申し上げるまでもなく、失業者が就職するまでの間一時的に就労の機会を与えてその生活の安定をはかる、こういうことにあるわけでございます。そこで、先生の御指摘の、所得との関係において紹介対象者として取り扱うかどうか、こういうことが問題になるわけでございますが、いま申し上げました失対事業の趣旨から見まして、相当高額の所得のある方を失対事業に紹介するということは、失業対策法の趣旨から見て適当ではない。さらにまた、職業安定法の二十七条に基づきます就職促進の措置を受けるためには、その一つの要件といたしまして、所得の額が一定の基準をこえてはならないということが、あがっております。現在の制度では、就職促進の措置を受け終わってもなお民間の常用雇用につき得ないという方々に対しまして、失対事業に紹介をして生活の安定をはかっていく、こういう制度になっております。そういう意味で失対紹介対象者の要件として一定の所得基準というものが当然前提になっておる、こういうように考えておるわけでございます。それは何もいま始まった問題ではございませんで、昭和三十八年の失対法改正のときから当然そういうことであったわけであります。それでその後の情勢等を見まして、地方議会の議員等の所得、報酬がかなりアップされるというようなこともございまして、私ども国会において問題になる以前におきましても、たとえば各県の部長会議とかあるいは安定課長会議等においてもその点について指示をしておったわけでございます。そういうような観点で、問題になる以前においてすでに二十名以上の方々が失対の紹介を留保しておる、こういうような状況にあったわけでございますが、ちょうど国会において、さらにその問題が指摘されましたので、私どものほうではそういうことを明らかにする意味におきまして、「失業者就労事業へ紹介する者の取り扱いについて」という通達を発しまして、一定の基準をこえる所得を有する方につきましては失対の紹介を停止すると申しますか、留保するように、こういう指示をいたしたわけでございます。それが従来の経過でございます。
○島本委員 それで、ここに私は通達をもらってさておるのです。この通達によると、これまたきびしいことを書いておるじゃありませんか。もうすでにあなたのほうから出た通達だと思うのです。これも確認する意味でちょっと聞いておきたいのですが、これによると、地方議会議員であるといなとにかかわらず、一般に所得制限が課されておる、こういうことになってしまう。いま見てごらんなさい。大財閥や大企業家には租税特別措置法によって優遇されるような措置を講じておる。ようやく生きるか死ぬかわからないような世間最低の人であって、ようやく生きられるところまできた人に所得の制限を加える、こういうようなことを考えるなんて逆もはなはだしい。制限をするのは上の人に制限すればいい、高いんだから。下の人は救ってやらなければだめなんだ。そういうような点で、政党間の争いは争いとして政策で争うなら争っても私は関与しません。社会の末端のこういう失対に働く従業員にまで影響させるというようなことは、労働省は断じてとってはならない。したがって、いまここにあなたのほうから出した通達、これは一般の日雇いに働く人も占めるような印象がはっきりいたします。これはちょっと許せないですね。そういうことになりますか、一般の人も。
○住政府委員 失対紹介者、失対事業への紹介対象者の要件といたしまして、ただいま申し上げましたように所得の基準の要件がある、こういうように私ども考えておるわけでございます。そこで、この通達に書いてございますように、当面明らかに所得の金額が所定の基準をこえるというものについて考えなさいということで、実際問題といたしましては、たとえば地方議会の議員のように所得の把握がきわめて明瞭である、周知の事実であるというものに対しまして所要の措置を講ずることとしておるわけであります。その他のものにつきましては所得の把握が実際問題として非常に困難である、こういうように考えておるわけでございます。
○島本委員 これで最後です。 労働省にも首尾一貫しない点がある。これは事前にやはりこういうような問題が、不適格であるから排除すべきではないかというような声があがったことがある。その際に、失対に携わる議員でも不適格排除にならないという労働省の指導要綱、これを以前に流していることがあるのです。それによってやっている。今度またこれが問題になる、今度また対象になる、こういうように変わってしまう。私はこういうように一貫しない態度はどうもよろしくない。自主性がないからであって、何か事があればそれに藉口して反動的に転じようとする行為は、私は許すわけにはまいらぬ、したがって、この労働行政、これはいまの場合、失対労務者を対象にしたら、いわば社会の最低の線にある弱い立場にある人です。こういうような人に対しては、あたたかい手をもって臨んでやっても——若干の収入に対して、おまえのほうはオーバーしているからこれはもう課税の対象になるとか、おまえ失対をやめろとか、こういうようなことは言ってはならないはずなんです。あたたかい思いやりを持って行政の運営に処さねばならないはずです。私はもう一回念を押しておきたい。一般の就労者に対しては所得制限を課することはないということを明確にしておいてもらいたい。課するというならばこれはもう容赦できない。
○住政府委員 私ども、先ほど申し上げましたような紹介対象者に対する所得基準の取り扱いにつきましては、従来からその方針をとっておったのでございまして、そういうような考え方については従来とも変わっていないと思います。ただ、先ほど申し上げましたように、実際の調査の問題としまして、いろいろ困難であるとか、容易であるとか、そういう問題があるかと思いますが、私どもそういう前提に立ちまして、先生御指摘のような御趣旨に基づきまして今後対処してまいりたいというように考えております。
○島本委員 これで終わりまするけれども、その趣旨というものは私がここで言ったことと一致するものである、こういうようなことを確認して、私の質問を終わります。 ————◇—————
○増岡委員長代理 本日公報に掲載いたしました請願二千三百三十七件を一括して議題とし、審査に入ります。 まず、請願の審査方法についておはかりいたします。 その趣旨につきましては、すでに文書表によって御承知のところであり、また、先刻理事会においても協議いたしましたので、その結果に基づき直ちに採否の決定に入りたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○増岡委員長代理 御異議なしと認め、そのように決しました。 それでは、本日の請願日程中、第八ないし第八二、第一〇〇ないし第一三四、第一五四ないし第一六一、第一六三ないし第一七六、第一七九ないし第一九七、第一九九、第二〇〇、第二〇九、第二一〇、第二一三ないし第二二四、第二三六ないし第二三九、第二四一ないし第二四九、第二五五、第二五六、第二七四ないし第三〇五、第三〇九ないし第三一一、第三九五ないし第四〇二、第四二五ないし第四二九、第四四六ないし第四五九、第四八三、第五〇四ないし第五一二、第五四一、第五四二、第五七〇ないし第五七九、第六〇五ないし第六三三、第七〇五、第七二二ないし第七二八、第七四三ないし第七五五、第八〇〇、第八一四ないし第八一七、第八五九ないし第八六二、第九一〇ないし第九一九、第九二一ないし第九二七、第九三〇、第九五九ないし第九六五、第一〇〇八、第一〇一二ないし第一〇一九、第一〇五〇、第一〇五一、第一〇七四、第一〇七五、第一〇八〇ないし第一〇八五、第一〇九三ないし第一一〇二、第一一三五ないし第一一三七、第一一四〇ないし第一一四五、第一一五三ないし第一一五八、第一一六〇ないし第一一六八、第一一七四ないし第一一七七、第一二六五ないし第一三〇〇、第一四二二ないし第一四五五、第一四六四ないし第一四六七、第一四七七ないし第一四八〇、第一四八五ないし第一五二〇、第一六九三ないし第一六九七、第一七〇九ないし第一七一二、第一七一七、第一七一九ないし第一七二六、第一七四一ないし第一七八七、第一八〇五ないし第一八二九、第一八三三、第一八三四、第一八三九ないし第一八四六、第一八五二ないし第一八五五、第一八九二ないし第一八九九、第一九一五ないし第一九五七、第一九九九ないし第二〇四七、第二〇五六、第二〇五七、第二〇五九、第二〇六一、第二〇六四ないし第二〇九七、第二一七二ないし第二二〇三、第二二四一ないし第二二六二、第二二六六、第二二六七、第二三二五及び第二三三三ないし第二三三五、以上の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○増岡委員長代理 御異議なしと認め、そのように決しました。 なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○増岡委員長代理 御異議なしと認め、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○増岡委員長代理 なお、本委員会に参考のため送付せられました陳情書は、お手元に配付いたしてありますとおり、食品及び食品添加物の規制に関する陳情書外七十八件であります。 以上念のため御報告いたします。 ————◇—————
○増岡委員長代理 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。後藤俊男君。
○後藤委員 きょうは労働大臣がおられませんけれども、実は政労協の闘争の件でございますけれども、この前の社会労働委員会で、いままでの経過を含めていろいろと話をしたわけです。具体的には、去年のいきさつは一応省略いたしますけれども、当時公労協の闘争の直前でございましたもので、労働省としても何かと忙しい最中だったと思いますけれども、そこで公労協の闘争が終われば、政労協の問題につきましても具体的に前進するようにひとつやろう、これは労働大臣も労政局長もはっきり言われたわけです。さらに、現在政労協関係の組合としましては、来月の九日、十日と四十八時間ストライキをいまきめておるわけなんです。そうしますと、これ以上具体的に話が進まないとすると、組合のほうとしては、去年の約束に基づいて具体化するだろうということで、次から次へと統一行動を進めていく。ところが、相手側の当局といたしましては、やはり人事院勧告が出るまでは具体化できないのだという考え方でやっておったといたしますると、これはやはり半年なり一年なり解決にかかるわけです。そういうことではいけないというので、去年からことしのいきさつで、いろいろな約束があったと私は考えておるわけなんです。 そこで、労政局長にこれは具体的にお尋ねするわけです。そういうような経過の中で公労協の闘争もまあ八日には終わりました。あと二、三日は忙しかったかと思いますけれども、もういま十三日、十四日とこうなってまいりまして、さらに国会のほうもいままさに終了という最終段階にきておるわけですから、ここでこの政労協関係の今次春闘を、去年の経過の上にのっとりながら具体的にどう解決しようという方向で進められておるか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○松永政府委員 この前の本委員会におきまして御質問があったわけでございますが、そのときに、公労協関係で手一ぱいであるので、終わりましたら政労協についても組合ともよく話し合いをしまして、どういうところに解決点を具体的に求めていくかということをじっくりと考えて相談に乗りたい、こういうことを申し上げたわけでありますが、一昨日の午後四時から政労協の議長とうちの組合課長と、役所へ来てもらいまして会いまして、そしてまあいろいろ意見の交換をしたわけでございます。一昨日の段階におきましては、具体的にそれじゃどうするかというようなことにつきまして結論は出ませんでした。政労協のほうも、今後近くまた話に乗ってくれというようなことでございますが、私どもといたしましては、確かに政労協が春闘以降ということを掲げておるのでありますが、あの原大臣の国会に対する答弁におきましても、公団、公庫、事業団等の特殊性、公共性を踏まえて、そしてどういう前進があるか、そういう方向で努力をしたい、こういうことを申し上げておるのでありまして、まあ公共性、特殊性の一番大きなものは国の予算との関係、こういうことになるわけであります。それから、それがまた各公団法、公庫法等に基づきまして、その予算措置が行なわれておる。労組法ももちろん法律でありまして、団体交渉によりまして労働条件がきめられる、これが原則であるわけでありますが、一方、公団法、公庫法等におきましては、予算措置それから給与基準等につきまして主管大臣の認可を必要とするというような規定が同時にございます。その両方を踏まえまして、まあ言うなれば、どこに活路を見出すかということになるかと思うのであります。 そこで、政労協の属しております総評の岩井事務局長も、実は昨年の大臣との会見の際にも立ち会ったわけでございまして、そういう関係もございますし、まあナショナルセンターでございますので、事務局長自身も政労協の相談に乗ろうというようなことでございますので、私どもといたしましては、政労協とよく話し合いをいたしますとともに、公庫、公団等の関係の団体の理事者側といいますか、当局側といいますかの連絡機関もございますので、そことも連絡をとりまして、また総評の指導方針等も参酌をいたしまして、何らかの具体的な方向を見出してまいりたい。 ただ、私どもといたしましては、ここでも申し上げましたように、一挙に事を決するというぐあいにはなかなかいかないのではないか。そこでまあ、私はステップ・バイ・ステップということを申し上げておるのでありますが、そのステップを具体的に何であるか、どういうところで解決していくかということにつきまして、政労協にも具体的に何をどうしてほしいかということについて、春闘以降ということは掲げておるからわかっておるけれども、それを一挙にできないとすればどういうところ、どういう点でやったらいいかという具体的な意見を持ってまた話し合いをしようじゃないかというようなことになっておりますので、さらに今後私どもも相談に乗りまして解決の糸口を見つけていきたいということでございます。 政府関係の機関が国の予算と直接関係がある。国の予算というのは国会の議決を経るということでございますので、最高の議決機関である国会できめられた予算と、それから労働組合法による自主団交、自主決定というものの調和をどこで求めるかということに原理原則としてはなると思うのであります。私どもとしましては、昨年はたとえばいわゆる予算の内示回答という段階で、できるだけ従来のようなこまかい制約といいますか制限を撤廃をいたしまして、できるだけ弾力的な形でいけるようにということをいたしたのでございますが、そういう面も大きな問題としてさらにどこをどう弾力化したらいいかということが議題になるかと思います。 それから、当面といたしまして、いまおっしゃいましたようにストをかまえておる、こういうことでございますけれども、その辺につきましても、この運動方針、目標というものと、それから実現の可能性、そういう面からいたしまして、このストにどう対処するかということにつきましても、まあざっくばらんに政労協とも話をしてみたいというふうに考えております。具体的な結論は出ませんが、御指摘のように一応その他の春闘が終盤に近づいてまいりましたので、さらに政労協について相談に乗り、あるいはアドバイスをし、あるいはわれわれの面で努力する面はやってまいるということで対処をいたしたいと考えております。
○後藤委員 いま言われました、組合課長が行かれまして話をされた経過は、私も聞いておるわけなんです。別に具体的前進は何もなかった。ただ賃金形態の中でランクによっては役人より高くなるランクとかそういうふうな問題については、というようなことは聞いたのですがね。いま労政局長が言われた方向で話が進んでいくとすると、板ばさみのようなかっこうで、話はするけれども、なかなかむずかしい。一口に言うとそういうことだと思うのです。そうなりますと、やはり去年と同じようなかっこうで政労協の闘争がむだ打ちのようなストライキが次から次へと行なわれていく。片方では、経営者のほうとしては、その機会がまだ熟しておらぬ。そうしますと、またかなり長い間の紛争になるのじゃないかという心配が非常にあるわけなんです。だから、政労協関係といたしましては、これは別に公務員じゃございませんから、予算上は予算上として経営者のほうではやはり組んでおると思うのです。しかもことしの春闘において大体春闘相場というのは出ておるわけなんですね。人事院勧告はなるほど出ておりませんけれども、それに準ずるという気持ちはお持ちになったといたしましても、ことしの春闘の大体同一業種の相場というのは出ておるのですから、そうなれば、そういうような方向でいつまでもいつまでもゼロ回答をやっておらずに、自主的団交で解決させる方向へ車が回るようにひとつお願いしたいというのが、この前の社会労働委員会における労働大臣なりあなたなりに話をした中心であったと私は考えておるわけなんです。さらに、その点は去年話し合いがありましたやはり中心であろうと私は考えておるわけなんですね。ですからこれは、ぜひとも政労協の問題については、先ほど言いましたように、来月の九日、十日また四十八時間ストライキ。片方では人事院勧告が出ぬことにはものが言えませんのやというようなことでは、極端なことを言えば何のためのストライキか、そういうことにこれはなってしまうわけなんです。だから、組合との話し合いにつきましては、労働省としてももう少し力を入れていただいて、昨年のような轍を踏まない方向へあっせんの労と申しましょうか、そういうような行政指導をやっていただく、特に政労協関係の経営者のほうがもう少ししっかりしておるなら、まだまだやりようがあると私は思うのです。ですから、ぜひともひとつ労働組合の話も十分聞いていただくと同時に、経営者側に対しましても十分な指導をしていただく、そうして具体的に早く解決する方向へさらに一そう力を入れていただくようにお願いしたいと思うわけなんです。特に自主的団交で解決する方向へ、これは去年からそういう約束になっておりますから、そういうことでひとつ尽くしていただきたいと思います。 それから、その次には、これはいま全国的に中小企業等の倒産が非常に多いと思うのです。現在倒産しておる会社の数、さらに賃金未払いの総合計額——私のつかんでおりますのはほんの一部分でございますから、全国的にはわからぬわけですが、一体どういうような情勢になっておるか、お答えいただきたいと思います。
○大坪説明員 企業の倒産状況でございますが、これは東京商工興信所の調べしかございません。これによりますと、昭和四十五年一月から三月まで二千十二の事業所が倒産をいたしております。 内容は、金属業が三百九十七、繊維業が二百五十八、それから化学食品その他が一千三百五十七となっております。 傾向といたしましては、昭和四十四年の一月から三月までが二千百五十七、四月から六月までが二千百七十、七月から九月までが一千九百八十六、十月から十二月までが二千二百十でございまして、ほぼ同じような傾向で推移をいたしておると見られます。 それから賃金不払いでございますが、賃金不払いは、労働基準局が賃金不払い事件処理状況報告というのを管下の監督署からとっておりまして、その結果によりますと、昭和四十四年の上期一千九百五十七、下期一千八百八十七というふうになっております。 対象労働者数は、昭和四十四年三月の上期の調べでは一万九千八百九十一人、金額にいたしまして二十億八百二十六万円でございます。その金額のうち多いのは石炭鉱業でございまして、十一億九千二百六十七万円が石炭鉱業となっております。建設業につきましては一億八千四百五十九万でございます。 それから、昨年の九月に調べました後期の時点におきましては、先ほど申しましたように、賃金不払い件数が一千八百八十七件でございまして、対象労働者数は二万二千五百十六人、金額にいたしまして四十九億三千五百八十五万円となっております。 特にこの金額がふえておりますのは、石炭鉱業の特定会社の賃金不払いがございまして、三十九億六千七百八十五万円というものが含まれておるからでございます。建設業は、大体上期と同じでございまして、一億六千九百八万円となっております。
○後藤委員 大体いま御説明されました五十億近くの不払い賃金があるわけなんです。これは退職金は入っておらぬと思うのです。賃金だけですね。
○大坪説明員 退職金は入っております。
○後藤委員 そこで、倒産における賃金の未払いなり退職金の未払い、これがいま言われましたように、大体五十億円からに達しておる。そこで、労働基準法なりあるいは破産法なり民法、商法、会社更生法、これらをずっと見ますと、賃金なり退職金につきましては、特別先取権というのが与えられておるわけなんです。この特別先取権というのは、倒産した場合には、賃金なり退職金なりを、ほかの負債より先にまず支払いなさいよ、そういう法律だと思うのです、一口に言って。ところが、倒産しておる会社は、倒産ですから、会社の貯金もない、建物、土地は全部抵当に入っている。そうなりますと、せっかくこういう法律がありましても、これを保護する法律にはなっておらぬわけなんです。いわば底抜けの法律であるといっても私は間違いないと思うのです。労働基準法で賃金なり社内預金なりあるいは退職金、これらにつきましても支払い義務の規定がちゃんと入っておると思います。それなら倒産した会社が直ちに支払うかというと、法律はありますけれども、も抜けのからになって中身が全然ないから支払われぬ。抵当に入っておる土地、建物は、抵当権を持っておるところが押えてしまう。そういう形にこれはなってしまうわけなんです。その他の会社更生法にしても、あるいは破産法を見ましても、先ほど言いましたように、特別先取権というのは与えられておりますけれども、中身は何もない。これはいわば企業者側を守る法律であるといっても私は間違いないと思うのです。それでは一体そこで働いておった労働者の賃金なり退職金というのは——それらの人の賃金なり退職金を守るためにつくられた法律が実はも抜けのからで底抜けになってしまっておるというふうな感じを私どもとしては受けるわけなんです。私はそういうことであってはいけないと思うわけですが、事実そうだとするのなら、一体そのままでいいのかどうかということが問題になってくると思うのです。これに対する労働省としてのお考え、労働者の立場を守っていくという立場に立って、その考え方を聞かしていただきたいと思うわけです。
○大坪説明員 先生ただいまお話のございましたように、賃金の不払い問題は、実は現実の労働基準監督行政の一番困難を感じておる問題でございまして、すでに御説明ございましたように、一般的には先取特権がございますが、民法の規定によりまして、先取特権と抵当権の競合の場合には、登記をされております抵当権が先になるということでございます。それから先取特権の場合でも、民法の規定によりまして税、保険料は、まずそれぞれの法律によりまして最優先になっておりますので、そのあとにくる。しかも共益費用のあとに雇い人の給料という形に現行民法がなっておりますので、実は先取特権が実際上効果を発揮するのは非常に少ないという現状でございます。 ただ、石炭鉱業につきましては、すでに石炭鉱業の合理化臨時措置法によりまして、合理化臨時措置法が適用になる閉山の場合には、先ほど先生がおっしゃいました約五十億の未払い賃金のうち、石炭産業分の三十九億につきましては、これは国が代位弁済をいたす制度ができておりまして、代位弁済になっております。 したがいまして、実際に問題になります賃金不払いの問題は、一般産業の約九億、そのうちで、特に建設業の一億六千万の金額が問題でございます。件数から申しますと建設業が一番多いことになっておりますが、実は建設業の場合は元請、下請の関係が非常に複雑に重層化いたしております。そのために下請の労働者が、実際労働契約等が明確でないままに就業してしまうという形態が若干残っておりまして、それに藉口をされまして賃金不払いが起こるというようなケースが特に出かせぎの労働者の方々を中心に多いようでございます。 こういう問題につきましては、実は行政的な指導といたしまして元請の段階に十分な事前の注意を与えるほか、そういう事実が発見されますれば、直ちに当該下請は言うに及ばず、元請にも私どものほうで指導いたしまして、できれば直ちに返済をする措置をとらせておるわけでございますが、法律関係で申しますと、先ほど先生がおっしゃいましたように、先取特権の規定だけでは賃金債務の十分な保全ができないという現実でございます。
○後藤委員 そこで、いまおっしゃるように、事実先取特権というんですか、さながら倒産の場合における労働者の賃金なり退職金等については守っておるんだというような性格の法律だと思うのです。ところが、事実どうかというと、具体的には何らこの法律の擁護を受ける点がないわけですね、具体的問題として。それならこの法律の趣旨に沿って、これは何らか改正すべきじゃないんですか。この法律そのものが、税金は別問題にしましても、やはり賃金、退職金というものを何ものにも先んじて、そういう趣旨の法律であるけれども、事実中身といたしましては底抜けになっておる。それなら、これが底抜けにならないように、その法律の趣旨に沿って具体的効果があがるように何とか改正しなければいけない。そこへ話を一歩進めていく。あなたが言われるように倒産の数も非常に多いわけなんです。現状のまま放置するなら、この現状がこのまま続いていくわけなんです。この点いかがですか。
○大坪説明員 先取特権そのものの論議を実はわが国の現在の法体系の中でいたしますと、民法の全体系に相当大きな影響があるかと存じます。そこで、実は基準法なり特定の法律で賃金の債務を特別に保護するような制度が妥当であるかどうかということになるわけでございますが、実は現行のわが国の制度が、先ほど申しましたように、非常に複雑な諸権利の競合を処理する体系になっておりますので、私どもといたしましては、できれば基準法なりあるいは労働者の保護の特別の立法でそういう議論が十分尽くされるべきであろうと考えております。 ただ先ほど申しましたように、非常に複雑な問題でございまするので、私どもが現在の基準法の検討をお願いいたしております基準法研究会で、やはりこの問題が御検討の対象にあげられるように承っておりますけれども、その席上でそういう問題を御検討いただければ非常に幸いではないかと思います。
○後藤委員 それはこれ以上言いませんけれども、基準法の中身だけをなぶったからといって、すぐにこの問題が解決するとは私は思わぬわけなんです。あなたの言われましたように、破産法なり会社更生法なり民法なり商法からいきましても、さながら賃金、退職金につきましては先に払え、こういうような中身の法律にはなっておりますけれども、具体的にとなってくると、これは何ら効果がないわけです。全然ないわけではないけれども、底抜けのような形になっておると思うのです。 そこで、その広範囲な話をしておりましてもこれはいけませんので、労働省として労働基準法の中に、社内預金、労働者の賃金、退職金、これらに対する支払いの義務というのはやっぱりあるわけなんです。その支払いの義務、この法律がはたして現在倒産の場合に生かされておるかどうかということなんです。生かされておらないとするなら、その精神を無視しておるわけですから、それじゃ一体労働省として、現実の問題をどう解決していくか。いまあなたが言われましたように、法律の検討につきましてはやはりやらなければいかぬと思うのです。ところが、法律を検討して、この改正がいつごろできるかわかりません。ところが、現実は倒産が続いておるわけなんです。現実に続いておる倒産に対して、労働省としては賃金、退職金等の問題については一体どう具体的に扱っていくんだ。現状より何とも手が出しようがないんだということなのか、あるいは何らかの方法において、この法律の精神を生かすようにやっていくならいくという何かがあってしかるべきだと私は思うわけなんですね。その点です。
○大坪説明員 先ほど申し上げましたように、賃金不払いが千八百八十七件ございますが、そのうちの一千八件が建設業でございます。したがいまして、先生のお話しの御趣旨のまず第一の重要な問題は、賃金不払いの大宗を占めます建設業の賃金不払いの対策をどうするか、それからその他の産業の賃金不払いの対策をどうするかというふうに分けて問題を提起し、かつ有効な対策を検討いたすべきであろうかと思います。 建設業につきましては、実はすでに若干試みが出ております。これはもちろん法律的な、先ほど申しました先取特権に関連する権利の競合の問題とは別に、たとえば神奈川県の川崎市におきまして、市のどちらかといいますと大手の建設業の方が一つの団体をつくりまして、これは建設業における労働条件をよくするという意味も含めて、なおかつ地方から出かせぎに来られる方に出かせぎの条件をよくするという意味も含めまして、一種の共済組織をつくりまして、賃金不払いが会員会社で起こった場合には、あらかじめ積み立てた共済基金でこれをまかなうという制度を発足させたものがございます。これにつきまして、県全体にこれを広げて、県自体がこれに補助をするかどうかということが現在議論になっておるようでございます。 それから、万博につきまして、やはり同様の建設業者の協議会のようなものができまして、同じように相互援助の組織をつくる動きがございます。このような動きは非常に萌芽的でございますが、私どもといたしましては、これは非常に貴重な業界の自主的な動きだと思いますので、こういう元請業者、下請業者を含めまして、できればそういう一種の自衛組織を業界につくっていただきまして、これにもし地方自治体が援助をしていただけるならいただけるような組織指導をいたしてまいりたい。そういう意味で、本年度の予算に約二百万程度の補助指導費をいただきまして、これで今年一ぱい指導をやっていきたいと考えております。
○後藤委員 倒産の場合、労働基準監督署としては、内容としてどういう行動をとられるわけなんですか。
○大坪説明員 まず倒産の前に、賃金不払いの場合は、通常労働者から申告がございます。申告がありますれば直ちに監督をいたすことにいたしております。監督をいたしまして、これは賃金不和いでございますから明らかに基準法違反でございますが、直ちに法律違反として摘発をいたしましても問題解決になりませんので、まず経営主に十分な指導をいたしまして、元請業者も含めて相談をいたし、大体賃金不払いのうちの半数以上はその段階で解消いたしております。 その後、どうしても特殊事情で経営がもたない、賃金の不払いがどうしても発生する、しかも経営者に努力が見られなくて非常に悪質であるというものについてのみ、これを送検いたして、司法処分に付することにいたしておりますが、実は司法処分に付しましても、賃金不払いの事態は解消しないわけでございますので、できれば事前に十分な指導を加えまして、特に元請等にも十分な援助をもらうような話し合いを通じまして、実質的な賃金不払いの解消にいくのが最も妥当なことではないかと思いまして、そういう方針でやっております。
○後藤委員 あなた、先ほど石炭関係を抜くと十億と言われましたね。石炭関係が大体十億。
○大坪説明員 石炭は四十億でございます。
○後藤委員 四十億ですか。石炭関係を抜きましても、私これは全国的に掌握しておりませんけれども、十億近くの賃金不払いがあるわけなんです。だから全産業を含めて計算すると大体百億近くあるのじゃないかという見通しに私としては立っておるわけなんです。あなたが言われる石炭関係だけ抜くと十億という説明ですけれども、これはあなたのほうの説明が正しいかどうかはわかりませんが、私の推定としては、石炭関係を含めてでも百億以上の賃金不払いということになるのではないかと私は考えておるわけなんです。 そうなってまいりますと、繰り返すようですけれども、賃金、退職金等の問題については、倒産で犠牲をこうむるのは、そういう法律がありながらそこで働いておる労働者なんです。たとえば、私の地元でありますところの長浜合板、これはやはり倒産でいま四月分の賃金が六割ですか、さらにその六割以上のものを何とかしようということで、いま話は進みつつあるわけなんです。そうなってまいりますと、滋賀県の労働基準局ですか、ここらはやはり指導に入っておられると思うわけなんです。その指導の考え方とするのは、労働基準法に基づく賃金、退職金、社内預金の支払い義務、この法律に基づいてやはり指導に入っておられると思うのです。ところが、実際どうかというと、土地から会社からありとあらゆるものが全部抵当に入ってしまって、にっちもさっちもいかぬ。そうなると、最終的には労働組合が長い間すわり込みをして、その建物を占拠して、その建物、土地等を組合の掌握下に入れて、それを売り払って金にして、こういうかっこうでやっておるのが全国的なケースであろうと思うわけです。 そういうことじゃ、これはいかぬと思いますので、これはぜひとも労働省といたしましても、労働者を守るという立場に立って、これだけ倒産の多い今日の情勢でございますが、賃金、退職金その他貯金等の支払い義務の問題につきましてもたくさん法律はありますけれども、底抜けの法律なんです、具体的に申しますと。それじゃ何の意味もないということなんです。もう少しその趣旨に沿うような方向へ、現在倒産が進んでおるのですから、具体的に行政指導と申しましょうか、指導をしていただく必要があろうと私は思いますし、さらに、全般的な問題といたしましては、これはたくさんな法律に関係のある問題でございますから、特に労働基準法の中でいわれておる問題については、われわれも今後十分研究して何とかいたしたいという気持ちでおりますけれども、労働省としても十分これは検討していただく必要がある、こう思います。全国的に、いま言いました長浜合板、その他サンライズとか、たくさん倒産して、そこで働いておる人たちが弱っておる会社がたくさんあるわけなんです。こういうところには、ひとつ間違いのない指導をしていただくようにぜひお願いをいたしたいと思います。 終わります。
○増岡委員長代理 午後二時まで休憩いたします。 午後一時十三分休憩 ————◇————— 午後二時十六分開議
○伊東委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。小林進君。
○小林(進)委員 昭和三十年の夏、西日本各地で乳児の奇病が発生したという事件、いわゆる森永ドライミルク中毒事件です。御承知のように、これは二十六府県で百三十人が死亡した。患者は一万二千百三十一人にのぼった。これが訴訟問題を起こしたのですが、徳島の裁判所へ行って、第一審では無罪になって、検察側の控訴になって、高松の高裁でこれが有罪の判決になって、第一審が破棄になったわけです。徳島の地裁に差し戻しになったが、今度は弁護士側が上告して、最高裁の第一法廷に行ったのは去年の二月ですか、これがまたその上告が適法でないということで、現在徳島の地裁に差し戻しになって、いま裁判中でありますが、この問題のアフターケアといいますか、厚生省として、いまこれは一体どういうふうな手入れをされておるのか、訴訟事件中だからわれ関せずということで、そのまま放任されているのかどうか、お伺いをいたしたいのであります。
○橋本(龍)政府委員 その経緯等については、私ども大体承知しておりますけれども、厚生省としても今日までこれを完全に放置しておったということではございません。ただこれは、ただいま小林先生の御質問の中にもありましたとおり、現に係争中の事件でありますために、行政府として、その一方に偏した行動をとることもいかがと思います。今日まで、そういう意味では、表向きの行動は差し控えておりました。ただ森永——私は決してその企業を弁護するつもりはございませんが、森永自体の中に患者の方々に対しての窓口を設けておった。大阪支社でありますが、その中に担当者を置いておったということを聞いております。これに対して、その後特別に患者の方々から、その後の後遺症等について特別に御連絡はなかったようであります。 〔伊東委員長代理退席、栗山委員長代理着席〕 そのために、この事件そのものは別として、幸いに生命を取りとめられた患者の中に後遺症が発生をしているかどうかということを、役所としても実は十分つかんでおりません。こういう点は手抜かりであるというおしかりは受けてもやむを得ないと思います。ところが、御承知のように、大阪大学の医学部の中で、衛生学教室の丸山教授を中心として、この砒素中毒事後調査の会というものが追跡調査を行なわれた結果、医学的に究明されたものではないという注釈つきでありましたが、一つの社会的問題としてその後遺症という問題が提起をされました。これは新聞等に掲載されて、関係者の間にも、また学界の中においても非常に議論を巻き起こした点であります。しかし、私どもこの結果を放置しておくわけには国としてもまいらないということを考えまして、発生当時の資料と同時に、患者の方々がある程度まとまっておって、同時に検診機関の整っておる場所ということから、この条件を満たす岡山県において現在検診調査の準備を進めておりまして……。
○小林(進)委員 岡山大学ですか。
○橋本(龍)政府委員 岡山大学を中心として県で実施をいたしておるわけでございます。この追跡調査と申しますか、検診調査と申しますか、私どもはこの結果を待って、医学的に究明された結果を待って、私どもとしての考え方を示したいということで、今日その準備をいたしておる段階であります。
○小林(進)委員 私がなぜこういう古くして新しい問題をお尋ねするかといいますると、例の水俣病といい、新潟県における阿賀野川の昭和電工に基づく第二の水銀中毒の問題といい、それから最近起こってきておりまする例の牛乳の中における農薬の汚染の問題とか、何一つとらえても、厚生省にはきぱっとした結論をお出しになったものがないと言ってよろしい。実にその点が、一体厚生行政に対する世論がどれだけもどかしく思ったり、どれだけ不信を抱いているかわからない。省側に言わせれば、人の生命、身体あるいは健康に属する問題だから、そう軽々に結論は出せないというお考えだろう。そのお考えも、一方では無理はないと私は思いまするけれども、こういう世間の常識的に、あるいは良識で見れば、まずまず原因はそこにあると思われるようなことも、むずかしい専門的な用語でどうもごまかす——と言っては悪いのでありますけれども、その結論を長引かせていかれて、その間に訴訟費用のない者は疲れてしまう。もう根気もなくなってしまう。結局、命も粗末にされ、からだも不自由になり、かたわになったままで泣きの涙であきらめていくという状態が出ておる。私は、この厚生行政に基づく世相のあり方に対して全く残念だと思っておる。森永ミルクの問題等も、いまの政務次官のお話によりますと、大阪大学の丸山教授ですか、この人が、それは医学的な理由によってこういう現象が生じたのじゃない、何かそういうふうな学説をお出しになったようなお話でございますけれども、私はそれは初耳です。岡山大学の小児科の浜本英次という教授、これは当時この問題を着手したからでありましょうけれども、この人は、ドライミルクの中に含まれていた砒素の関係でこういうような痛ましい現象が出たのだという結論をお出しになっているわけです。いまのお話では、岡山大学でもあらためてその原因の追跡をおやりになっているということでありますが、私は、こういう結論が長引けば長引くほど、まあ森永ドライミルクという森永乳業ですか、その企業のほうは大資本を擁しておりますから痛くはないでしょう。日がたつにしたがって、そういったものは、人のうわさも七十五日で、だんだん過ぎてしまって、営業は繁盛、店の利益は上がるだろうけれども、反対に、やられている被害者の立場というものは、日がたつにつれて私はまことに気の毒で見ていられない。だから皆さんのことばどおり、判決を待ってとか裁判を待ってとかいうことでなしに、判決とは別に、やはり社会保障の立場、厚生行政の本来のあり方から見て、何かこういう人たちに救済の手とか保護の手を差し伸ばすようなあたたかい気持ちをあらわした具体的な方策をおやりになってもいいのじゃないかと私は思う。この点いかがですか。
○橋本(龍)政府委員 大先輩におことばを返して恐縮でありますけれども、ただいま厚生省に対して非常に手きびしさお話がありました。ただ、最初に申し上げました私の答弁、あるいは私の日本語の誤りでありましたかもしれませんが、私どもは裁判の結果を待ってなどということを申したわけではございません。また、医学的な云々ということは、むしろ大阪大学の衛生学教室の丸山教授を中心とする事後調査の会自身が、医学的にこれが後遺症の結果であるとは究明されたものではないけれども、社会的に大きな問題であるという提起をされたので、私どもはその医学的究明を国の責任においてやろうとして今日準備をしておるわけでありまして、国としても責任を回避しようとは断じて思っておりません。この点は、ただいま大資本云々というようなお話もありましたけれども、私どもは決して大資本に遠慮をいたしておるわけでもありませんし、また患者の方々の苦しみを無視しておるわけでもありません。しかし、先生よく御承知のとおりに、これはいわゆる水俣における有機水銀中毒等の場合もそうでありました。いわゆる専門の学者等の見解というものが確定するまでには時間がかかります。そしてまた、私どもが仕事をしてまいります場合に、私どもは行政官庁でありまして、それこそ学者の専門家ではございません。ことに、これが今日問題として出されておる、ただいま先生のお話にありましたこのドライミルクの当時患者になられた方々、今日半数近い方々にいろいろな疾病の状況が見られる。これが後遺症であるかどうかは、やはり専門家の検討をまたなければ、私どもとして無責任にこれが後遺症ではないと言うこともできませんし、また、これがすべて後遺症であるということも申せないのでありまして、私どもは、その医学的究明をやります、検診調査をいたしますということを申し上げておりまして、その準備をしておるということを申し上げたのでありまして、先ほどのおしかり、おことばを返して恐縮でありますが、厚生省としての良心はお認めを願いたいと思うのであります。
○小林(進)委員 私は、こういう問題については大体こういう答えがはね返るだろうということは最初から想定をいたしてまいりました。そこで私は、あなたにお願いいたしたいことは、この森永ドライミルクの中に含まれた砒素と思われるものによって被害をこうむられました一万二千百三十一人、なくなった方が百三十人、まことに厚生省には御苦労をかけて相すみませんが、その方々の名簿を、ひとつおありになりましたら私に複写してちょうだいをさしていただきたい。これはまあ一つの資料の要求であります。この資料要求に応じていただきたい。私はそれをお願いしたいためにあえてこの問題を取り上げたわけでありまして、もしちょうだいできれば、厚生省と並行いたしまして私みずからも、こういう気の毒な人たちのために、あるいは直接面接をするなり資料を差し上げるなり、この人たちの切実なる気持ちを私の微力な力をもってひとつ、調査というまでにはいきません、お慰めのお手紙なりでも差し上げてひとつ語り合ってみたい。私も厚生行政に携わってもう十数年を経過いたしておりますが、キリストのことばではございませんけれども、九十九匹の健全な羊よりは一匹の行くえ不明の羊の行くえを尋ねるのが厚生省の一つのあり方だという、そういう考え方に立ちまして、これは一匹の羊というからには少し数が多過ぎますけれども、私はこういう方々の偽らざる心境をひとつこの耳に聞きながら、私は私なりの調査を進めてみたいと思っておりますので、この点は特にお願いを申し上げる次第であります。いかがなものでございますか。
○橋本(龍)政府委員 私どもは、実は一匹の羊をさがし出すと同時に、いまいる九十九匹も守らなければならない責任もありまして、一匹だけを議論するわけにはまいりません。いまの小林先生のお気持ちは、たいへん私どもとしても人情深い大先輩のことでありますからそうであろうと思います。ですから、できる限りの資料は提出をいたします。 ただ、ひとつ御承知おきを願いたいと思いますのは、実は阪大の追跡調査の際も、岡山大学自体がいたしました際も、すでにこれは、当時幼児のことでございますから、その後御両親の転勤その他によって行くえがわからなくなった方、あるいはわかってはおりますけれども、むしろ御家族の方々がこれに触れられることを忌避される方、いろいろなケースがございます。ですから、結局その方々のすべての名簿を、御本人のあるいは御家族の同意なしに全部提出するというお約束はできません。しかし、私どものほうで御了解の得られるものについては、できる限り早い機会に先生のお手元にお届けをいたします。
○小林(進)委員 ごもっともなお話でございますので、そういう名前を公にして支障のある方々の分は省いていただいてけっこうでありまするが、差しつかえのない程度のお名前はできるだけ多くちょうだいすることに政務次官の確約をいただきましたから、その資料をちょうだいできるのをお待ちいたしまして、またあらためて御質問申し上げることにいたしたいと思います。 それから、二番目の問題でありますが、これは老人問題の一環であります。これも私は予算委員会でだいぶ質問させていただいたのです。しかし、時間がなかったものでありますから、全部を尽くせなかったのでありますけれども、私は今年の二月でありましたか、三月でしたか、資料をさがしましたけれども、資料はありません。三面記事だと思いましたけれども、こういうことが載っておりました。 何か二十八歳だか三十歳だかの若いアパート生活をしておられる御夫婦の中の奥さんが、子供さん一人持ったけれども、やはり何か習い事を、身に技術を覚えたいということで、といって子供を里子に出したり保育所に出したりということでも困る。そこで、子供の好きな年寄りをひとつ雇用をしたいというので、何か四つか三つになるお子さんだと思いましたけれども、そういう新聞広告をした。思わざりき、その募集に応じておばあさん方が、あっと驚くくらい応募者が出てきた。私を雇ってくれという。その中には生活に困っておるような方もない。こういう経歴の方が、あるいはこういうりっぱな方が、なぜ一体私どものような庶民のアパート生活をしておる子供のお守り役を兼ねて就職の希望にお見えになっておるかということで、実は驚いた。そのうちに、適当な人を一人雇い入れたら、間もなく一日、二日いたしましたら、どうもおばあちゃん、こんなことをしてもらっちゃ困る、うちを出てかってにつとめてもらってはうちの恥になるからということで、若いその家の子供さんが、あたふたとおばあさんを迎えに来たという、大体そういうふうな記事だったと思います。 私は、この記事を通じて切実に感じたことは、老人問題は、今後の日本の厚生行政の中では非常に重要であると思う。しかし、その老人問題は、私は主として老人の生活問題、老後の不安の問題として御質問したのでありますが、いま一つ老人問題で重要なのは、一つは就職の問題です。わが日本は今日求人難だといいますけれども、老人にとっては求職の問題が一つある。働きたくとも働く職場がない。それが一つだが、私がさらにその老人問題に加えて新しく皆さん方にお願いしたいのは、これなんです。それは何かというと、いわゆる近代社会における家族の核化といいますか、核家族化といいますか、核家族化の問題に関連して、これが戦前ならばこんなことは親不孝の見本として世間には通用しない問題なんでございましょうけれども、いまはどうも家庭裁判所や簡易裁判所だとか方々で出てくる問題の中で——一番多いということじゃないけれども、それは何だというと、老人は子供のだれが引き取って世話をするかという、そういうことが家庭裁判所の中の重大な調停の眼目になっておる。年寄りのめんどうを見ない。兄貴めんどうを見ろ、弟見ろ、三男坊主がめんどうを見ろということです。親を引き取るか引き取らないかということがその家の問題の中心になっておる。それは経済状態を見ると主として低所得世帯でありますけれども、その親のめんどうを見る問題だけかというとそうではないのです。一般のきちっとした中産階級の家庭においても、どうも親と子の間がしっくりしない。表面を見るとはなはだ平穏な形だ。生活に困ってないだろうけれども、そういう家庭の中に押し込められた年寄りというものが、非常に毎日おうのうとして楽しまず、それがたまたまそういう子供好きなおばあちゃんを頼むなどというと、生活の問題じゃないですよ。この近代的な家庭の中における、耐えられないそのおばあちゃんが、その不満と悩みを解消するために、子守りにもなってまた生きがいのある生活を送りたいということで応募してきたという事実なんです。生活の問題ではない。生活の問題ではないが、しかし今日の老人には、こういう新しい苦しみが一つあるということですね。これは私が説明しなくても、私の言わんとする本意はもう御理解いただけると思う。これもやはり国の新しい行政の一つだと思う。時代の変遷に伴う一つの老人問題だ。こういう対策を一体厚生省はどうお考えになっておるか。もっと詳しく言えば、そういう一つの家庭の中で困っておる年寄り、生活の問題じゃなく、親子兄弟、家族の中における孤立化、何一つやっても嫁とはみな考えが違っちゃう。大根一つ切るにも嫁とは考え方が違う。ほうちょう持っても考えが違う、おしゅうとさんのすわる場所がない、こういうことで苦しみ抜いている、この老人の孤立化、さびしさ、寂寥というものに対して、厚生行政の面からいかにお考えになっておるか。
○橋本(龍)政府委員 実は小林先生、私は小学校の二年で第二次世界大戦の終結を迎えまして、その後いわゆる戦後の学校教育を受けてまいりました。実は私は小学校の一年生並びに小学校の二年の八月十五日までは親を大事にしろということは学校で習いましたが、それ以降今日に至るまで、私は小学校、中学校、高等学校、大学を通じまして、親を大事にしろという教育を受けたことなしに育ってまいりました。今日若い御夫婦とその御両親に一つの世代の大きな断絶が生まれてきた原因の一つは、今日までの日本の教育の中にあったと私は思います。自分が学んできた過程を顧みてもそう思います。そして、こういう点はむしろ先生方にも御協力を願わなければならぬことでありますが、わが国の教育の中で欠けておる分野として、今後やはり十分に考えていかなければならない。これは一厚生省とか私個人とかいうことではなくて、行政府としても、また国会としても、お考えを願わなければならぬきわめて大きな課題だろうと思うのであります。 厚生省自体のことをお話しくださいますならば、むしろ高齢者の就労対策という一つの観点から見て、これは福祉行政と労働行政のちょうど接点にもなります。今日までも高齢者の無料就職紹介所の増設でありますとか、あるいは職業安定所の中に高齢者のコーナーを設けるとか、また最近になって非常に活用されてきている人材銀行の拡充であるとか、こうした方向をもって厚生省の行政の中では対処してまいりたい、今後もそういう方向は取り続けてまいります。同時に、これはそれ以前の問題として、少なくとも子供が自分の両親の扶養の義務を放てきして平然としておられるようなわが国の教育自体の中で、再検討すべき点のほうが実は多々あるのではないかと思います。厚生省としては、その行政の中で今後もできるだけの努力をしてまいります。
○小林(進)委員 働きたいという老人に、いかに就職の道を与えるかということは、いまおっしゃったように、高齢者無料紹介所というものがございます。この十五の職業紹介所に老人の方が就職をお求めになってくる。この実態をひとつ資料にして私に御提出を願いたい、これは委員長に要求をしておきます。私はきょうは政務次官と議論する気はないのです。資料要求を目的とした質問をやっておるわけだから、どうぞひとつ……。 第二番目は、日本の高齢者の七割はまだ家族の扶養で生活をしておる。これは全く先進国とは逆なんだ。これは日本の家族制度、封建制度が崩壊しつつあるのに、現状でもまだ実態を維持しておる。この七割の扶養家族として生活しておる老人の中で、現在の生活で満足している、現在の生活には耐えられない、孤独でもいい、やはり無料の老人ホームでもいって暮らしたいという、もろもろの希望があると思うが、そういう調査をおやりになっておるかどうか。おやりになっていないならば、これは今後のわが日本の家族制度の崩壊とともに重大な問題ですから、おやりになっていなければ調査していただいて、その正確に調べた資料をちょうだいいたしたい、こういうことです。
○伊部政府委員 昭和四十四年度におきまして老人の実態調査を実施いたしております。したがいまして、それに関連をする資料を差し上げたいと思います。本年度の調査もいたす予定でございます。まだ計画は最終的に決定をいたしておりませんけれども、本年度もやるつもりでございます。
○小林(進)委員 それは非常にけっこうでございますから、その資料は私はひとつぜひともちょうだいしたい。私は今後の厚生行政の一つの重大なポイントになると思っています。これはぜひお願いいたしたい。 老人問題はこれくらいにして、次に、これは質問ということではございませんけれども、中央社会保険医療協議会が昭和四十二年の十一月に実施をせられた医療経済実態調査、これが今年の二月でありましたか発表されましたね。その実態調査のやり方自体、医療経済の実態調査をやるべきかやらざるべきかというのは十年来この委員会でも議論された。実際は当時私ども社会党としては、あまり実態調査に賛成をしたわけではなかった。医師という特別職、専門職で、やはり教養と知識を必要とするものを、その人の生活実態を見て、バスケット何といいましたか、そういう生活給をはみ出すようなことでいろいろの医療関係者の給与をきめるということ自体がどうしてもおかしいじゃないか。やはり芸術家には、芸術家の中から選び出した人、たとえば横山大観の絵を見て、これは横山大観の生活実態からながめて幾らの値段にきめたらよかろうというきめ方が芸術家に許されないと同じように、医療行政も、そういう考え方から私はあまり賛成じゃないということを申し上げてきたのでありますけれども、厚生省はおやりになった。そうしてその医療経済の実態の中から新しい医療費というものをつくり出すのだ、こういうことをしばしば言明されておった。診療報酬体系の適正化もこの実態調査の上からつくり上げるのであるということもおっしゃっておった。これは二月でございましたか、医療費値上げをいたしましたのは。
○橋本(龍)政府委員 ちょっと正確な時期は忘れましたが、そんなような記憶がございます。
○小林(進)委員 私もそう思いましたが、その二月の医療費の値上げを、四十二年の十一月に実施されたこの医療経済実態調査をどの程度資料としてお用いになったかどうかということを私はまず一つ聞きたい。 第二番目に入って、その調査をされて発表まで二年半もかかった。何で二年半もその発表をおくらせたかという理由が第二番目。
○橋本(龍)政府委員 実は小林先生からそういう御質問のあることを事前に予測いたしませんでしたので、関係の政府委員も本日参っておりません。実は御要求もなかったものでありますから来ておりません。私から申し上げて、必ずしも正確なお答えができるかどうかわかりませんが、むしろただ単に実態調査というものが、たとえばアンケートをとってそれにマル・バツで記入をしてつくる、その数だけを勘定してそれでおしまいというものであれば、そんなに時間はかからぬでありましょう。しかし、そのデータをもとに分析し、資料として十分活用のできる状態に仕上げるには、やはり一定の歳月がかかります。私がこの役所の辞令をもらいましたのは一月の二十日でありますから、実はそれ以前の段階で、省内においてどのような作業をしておったか、この点についてこまかいことは存じません。その点であれば、むしろただいま委員長席におられる粟山前政務次官のほうがお詳しいのかもしれませんが、そういう場所から御答弁願うわけにもいきませんでしょうし、それだけこの実態調査に慎重に私どもは取り組んできたという、その厚生行政の姿勢のあらわれであると御理解を願えば一番間違いはないんじゃないかと思います。 また、その実態調査をことしの緊急是正にどれだけ使ったか、資料として使用したかどうかというお尋ねに対して、実はいま申し上げたことと同じことを申し上げなければならぬわけであります。推察で申し上げるならば、今回の場合は、いわゆる診療報酬体系の適正化という基本的な命題ではなく、それに取り組んでいる期間に、世相の変化、物価の上昇あるいは人件費の高騰、資材の高騰、種々な原因が重なって行なわなければならなかった緊急是正であります。むしろその意味では、必ずしも実態調査がその資料として活用されておったかどうかは、私は疑問を持ちます。
○小林(進)委員 その最後のほうだけ合っていますよ。そのとおりだ。緊急是正であって、この実態調査が少しも生かされていないという点が一つの問題点ですよ。しかし、その点はまあいいです。 いま一つ、これに関連してこれから言いたいことは、中央社会保険医療審議会で三年目ごとに医療の実態調査をするということは一応きめられている。その三年目がことしなんです。だから、私がこれからお尋ねしたいのはそれなんですよ。ことしまた医療の実態調査を、今度は二回目になりますが、二回目の実態調査をおやりになるかどうか、政務次官、これはいま答えなくていいから、あとで口頭でも文書でもいいから教えてください。これが一つ。 それから、いま一つ私が言いたいことは、この一回目の医療実態調査の発表された資料がまだ来ておりませんから、これをひとつちょうだいしたい。二年半もかかって、あっためていた。あなたのおっしゃることはちょっとピントがはずれている。違うのだが、それは私の質問の予告がなかったからとおっしゃるならば、それはそれでいいから、実態調査を発表したのですから、厚生省に発表の資料があるでしょうから、これはぜひ要求したい。これは公表されたのですから、いいはずです。これが第二点。 それから第三番目は、これはまた政務次官に私は特に言っておきたいのだが、第一回の発表の中には、一般病院は非常に赤字で困っている、精神病院は黒字だ、開業医も黒字だ。もっとも医師会等には非常に反駁があります。開業医の院長さんの俸給も別に入っていないじゃないか、十七万か十八万黒字になっているように出ておりますけれども、それは医師一人の俸給、給料と見れば、何も開業医は黒字にならぬじゃないかという意見がありますけれども、この実態調査によれば、開業医も黒字だ、こういうことになっているのですが、私、この実態調査を通じて各地区を回ってみますと、一番不平のはね返ってくるのは病院なんですよ。厚生行政の中で、病院関係の経営がどんなにむずかしいかということをさっぱり厚生省は理解してくれない、われわれの実態を正しく吸い上げてくれるというかまえがない、こう言う。これもいい悪いは別だ。いい悪いは別だけれども、ぼくらの県なんかに行ってみますと、公的病院の統廃合の問題が盛んに起こっている。県立病院なんかは統合しましょう、町立病院なんかは、経営ができないから廃止するか存続するかで町会をあげてがたがたしているというのが今日の病院経営の実態です。あなたはどうも、私の顔を見ながらそうではないというようなことを言いたそうな顔をしているけれども、事実は病院問題で県会も町村会もがたがたするほど大騒ぎをしているのですから、やはり厚生省としては、こういう実態をながめて、この事態に適合した何らかの手を打ってもらわなければいけない。それを今後どのようにしてお打ちになるお考えか。具体的に言えば、私は町村立の病院なんかいま経営できないから、できるならば県に統合する、県でも経営できないのは国立に昇格するぐらいの考え方で、ひとつこの病院問題と取り組んでもらえないかというのが私の本旨なんです。いかがなもんでございましょうな。
○橋本(龍)政府委員 きわめておそろしい御注文ばかり三つちょうだいをいたしました。(「御期待に沿うように努力いたします」と呼ぶ者あり)必ずしも御期待に沿うようにというお答えはできません。 第一点の実態調査を行なうかどうかという答弁につきましては、後ほどでよろしいということでございます。本日も中医協が開かれておりますし、後ほど御連絡をさせていただきます。 第二点目、資料として提出をせよということでありますが、これは国会の御要請でありますから、公開した資料はむろん先生の手元に提出をいたします。 また、厚生省が病院経営の実態を知らない、あるいは知っていて放任をしているというお話であります。御承知のとおり、医療報酬その他につきましては、私どもは審議会でがんじがらめに縛られております。厚生省自体がかってな構想を打ち出すことをなかなかお認めをいただけるものではございませんし、また、ただ単に町村立その他の病院で、公的病院だけ取り上げて医療体系全体の中で議論をすることを私どもは必ずしも好ましい姿であるとは考えておりません。先ほどから、あるいは開業医は実態調査の結果黒字である、それが悪いとは言わないというお話もございました。むしろ私どもは、現行の医療体系全体、ある意味では保険診療制度全体、あるいは医療機関の分布状態その他のものをもあわせて全体を考えていこうとしているわけでありまして、その中で公立病院をただいたずらに国立病院に昇格をさせることだけが、現行の医療体系を満足させるものだとは考えておらないということを、この機会に申したいと思います。
○小林(進)委員 病院や開業医の経営問題は別にいたしまして、わが日本では、実際厚生省の今年度の予算の中で一番ふえたのは医療行政だ、二二%もふえたということですね。医療行政に少しウエートがかかり過ぎるという意見もありますけれども、一方から見ると、地方を歩くというと、とにかく医者がいない。病院の経営が困難だ、開業医さんは身もからだも続かない。二十四時間勤務で、もはや人間らしい生活もできないという、どっちへ回ったっていまの医療行政が満足にいっているという話は一つも出てこないですね。満足に出てきません。よろしゅうございますね。それで、まず私ども選挙区へ帰ると、町村で、ひとつ医者を心配してくれ、ところがいまは、その町村の診療所ばかりでなくて、国立の療養所まで医者の心配をしてくれ、町村立から、県立から、機関病院まで医者の心配をしてくれ、そういうような状態。こんなのを資料をあげていれれば切りがないが、私は何も興味本位で切り抜いておるわけじゃないけれども、とにかく「家庭常備薬が命の綱、小千谷市無医地区」などといって、市の中でも常備薬を命の綱にして、無医村でお医者さんがいないというふうな形で、ことしも何だか四歳だか、五歳の子供がとうとう死んじまったという記事ですよ。それから、どうも歯医者にかかるにも、歯医者の中の待合室の席をとるのに朝から並んでいる。歯の治療に三日かかる。早朝から番取り行列、医者不足が原因で当分は解消せず、これはみんな市ですよ。歯医者さんに一回かかるのに三日かかるという。朝から並んで順番をとるのに競争だというんです、雪の二丈も降る中で。こういう実態をよく厚生省は黙って見てられるもんだ。人の命を預かる、おぎゃあと生まれた子供から死んでいく棺おけまでお世話しますという看板を掲げた厚生省が、これほどまでも住民が切実に困っておるのに、もうその問題を何年たっても手をおつけにならないというのは、私はどういうわけかふしぎでたまらない。これごらんなさい。これは私の選挙区ですが、「オシドリ医師に感謝の会、豪雪地守って十一年間」十一年間この雪の降る中でよくお医者さんを御夫婦でやってくださいましたといって、地域の住民があげて感謝の会を設けて、そうして会を持っているという。こんなことあたりまえと言っちゃ申しわけないけれども、それほど住民というものは医者の不足のために悩み抜き、医師に対して、のどがかわいた気持ちで渇望をしているわけなんです。それほど医師に飢え、かつ渇望しているものを、厚生省は何らの手をお打ちになっていない。具体的な手をお打ちになっていますか。抽象論は別だ。無医地区における雪上車だとか、ヘリコプターだとかいう、子供だましみたいな話はずっと聞いてきました。そんなのじゃなく、実のある具体的な話をひとつやってください。
○橋本(龍)政府委員 そういう話はいたしませんが、むしろそれでは私どもの悩みを卒直に申し上げます。 御承知のとおり、ここ数年間、大学の医学部教育というものがきわめて困難を来たしました。そのために、医学部を卒業し、本来なら国家試験を受けていただける、そうして医師として診療に当たっていただけるであろう方々が、きわめて多数滞留をいたしました。今日私ども医師養成計画に、これはむろん文部省の所管の事態ではございますけれども、そのあとを受けて仕事をしていかなければならないわれわれとして、これはきわめて頭の痛い問題であります。 それと同時に、現実にこれがいかなる方法を講じましても、わが国で現在医師が少ないという事実は、これは隠しおおせようがございません。それだけに、医師の養成計画自体がきわめて重要になり、いわゆる大学における医学教育並びに卒後教育というものがきわめて大きなウエートを占める。そうして先生の所属せられる野党第一党である社会党の御協力も得て、数年前に医師法の改正が行なわれ、国家試験の後にいわゆるインターン教育に当たる研修機関を設けるように、そうしてその間においても診療業務に従事していただけるようにという方法も講じていただいたわけでありますが、この制度自体が、今日医学部の学生諸君、また卒業されながら国家試験をお受けになりたくないと言われる方々、またはその後にいわゆる全学共闘会議の中核をなして学生紛争の発端を開かれた一部の医学部のOBの諸君、こうした方々の御協力がいただけないわけであります。 今日ほんとうに一番大切な問題は、みずから医学を志して、みずから医学を学ぼうとしてその道に入りながら、その意思を中途で、どういうことであるかはわかりませんが、変更され、国家試験をお受けにならない、むしろ教室において医学の実体を学ばれるよりも、ヘルメットとゲバ棒を持って町を練り歩くほうが好きだと言われる方々、こうした学生諸君の考え方にも根本原因の一つがあるわけであります。 しかし、そういうことだけが私どもの言いわけではありません。私どもとして、これはできる限り僻地においても、離島においても、医師を充足していきたいという気持ちは決して捨てておりませんし、また、それに対しての御協力はお願いをいたしておるわけであります。しかし、いま小林先生御自身がいみじくも言われたように、若い医師諸君がそれだけのなかなか熱意を示してくださる方がないのであります。みずから好んで困っておる方々の中に飛び込んでいこうという情熱を示してくださる方がきわめて少ないのであります。むろん、それには離島、僻地に参りました場合に、中央の医学の進歩に追いつけなくなるおそれがある、あるいは学位をとるのに、医局の中に残らないと不便があったという、現在の医学界の一つの本質的な矛盾点、これがその人たちの善意を妨げておる点かもしれません。 しかし、そうした気持ちをお持ちの方々の首になわをつけて引っぱってまいりましても、ほんとうにりっぱな医師としての仕事をしていただくことはできないのであります。現実に、先生もおそらく御承知でありましょうが、各地で非常に町村の財政を圧迫するほどの支度金を出して招いた医師が、二カ月、三カ月でその支度金の有効期間が切れると同時にいなくなってしまうというようなケースも多々あるわけであります。私は本質的に一番大切なものは、こうした悩みをほんとうに受けとめてくださる方々が一人でも多くなってくださることだと考えておりますし、今日の厚生省がそういう点で力足らずであることを私は決して否定もいたしませんし、その責任のがれをしようとも思いませんが、そうした点に関しては、むしろ今後とも私どもを督励いただくと同時に、先生をはじめ各位の御協力を願っておく次第であります。
○小林(進)委員 ちょっとここで資料がどこかへもぐしちゃったのですが、たしか東畑精一先生が委員長をおやりになっておる東畑委員会、名称をちょっと忘れましたが、その中で、日本の医師の不足というものの実数をお出しになって、五十年にはこれだけ不足する、六十年にはこれだけ不足する、そういう将来を見通した数字をお出しになった資料がどこかにあったのですけれども、いまさがすのに時間かかりますからさがしませんが、私の記憶ですが、当面においても、今日現在において医師の数はたしか八千有余人不足している、私はそういう発表であったと思うのであります。あるいは間違っておるかもしれません。そういう権威のある審議機関ですか調査機関においてさえ、今日八千有余人の医師が不足だという数字が出ているにもかかわらず、それに対して厚生省は手をお打ちにならないじゃないですか。それの解決策というものは何かといえば、私は各県ごとに大学の中に医学部、あるいは医者の学校をおつくりになればいいじゃないですか。医師が不足している。国民が困る。住民が泣いている。これくらい明々白々たる事実の中で、なぜそれを——おそらくこれは学校法に基づく大学だから、医学部だから、あなたは文部省だとおっしゃるかもしれない。それなら文部大臣を連れていらっしゃい。確かに文部行政にも間違いがあるが、これは何といっても金がかかるとかかからぬとか、そんなことでじんぜん日を延ばしておく問題ではないと私は思う。見なさいよ。ことしは秋田でしょう。一つ医科大学をおつくりになった。その希望者が五十倍だとか六十倍だ。これには秋田県庁はびっくりして、秋田県以外の他国者の入学や入所を断わるべきだなどという地元の世論も起きているのです。交通整理に困ったという話があったくらいいるわけです。学校をつくれば希望者があるのですよ。医者の不足はいいのですよ。あなたのゲバ学生の問題もあった、若い学生に対する情熱の話もあった。それは枝葉末節です。どんどんふやせばいいのです。世界で第二番目の文明国だの、世界で第二番目の金持ちになったといっても、いま住民が病気やなんかで困っている。この問題に抜本的な手を打てない厚生省なんてものは、私は実に無力であるといわなければならぬのであります。
○橋本(龍)政府委員 おことばを返して恐縮でありますが、秋田大学ばかりではございません。ことし北里、川崎、杏林、三つの私立大学の医学部も認可をいたします。ただ、先生たいへんのんびりお話しになりましたけれども、ひとつ御検討願いたい点があります。というのは、ことし、たとえば川崎医科大学の場合に、実は学科試験のほかにいわゆる適性検査を導入をいたしました。その結果、頭脳だけであれば許可をされたであろう方で、医師としての適性を欠くために落とされた方方がずいぶんあります。また、それと同時に、各大学の医学部の入学試験で最低合格者の成績をお調べいただければ歴然とすることでありますが、年々実は医学部の入学生の一番最低点で入られた万の点数は下がっております。数をつくること、これはむろん大切です。先生のおっしゃること、私は否定はいたしません。しかし、それと同時に、医師の質の低下も私どもは心配をしなければなりません。いわば無計画に大きくしていって、多数の方々をとっていくために医療の水準の低下を来たすようなことはあってはなりませんし、また、医師としての適性を欠く方を、成績がよかったから、希望をされたからということで取り入れていくことも、これはできないのであります。 私どもは、ですから、ただいまの御指摘の中に厚生省けしからぬというお話については、学校教育法があるから私どものせいじゃないということは申しませんということを言いました。文部省が今日まで新しい大学医学部あるいは医科大学の認可、設立等に対して慎重を期してきた一つの原因は、年々医学部入学者の合格者の最低点数が落ちている。いわば質的低下を来たす傾向が見え始めたその現象を心配してであります。こうした点も先生の御判断の中にお加えを願わなければならないのではないか、私はそういう感じがいたします。 ただ、それだからといって、現在の医学教育設備だけで事足れると私は思いません。文部省側にも協力を依頼し、今後においても、ただ単に費用の問題等でもし文部省が議論をなさるなら、私どもは人間の健康と生命というそれよりははなはだ大切であるべき目標をかざして文部省を説得してまいります。しかし、医師の水準、医療の水準が低下していく可能性というものを前提に文部省から議論をされましたならば、それでもなおかつ人数だけをふやせばいいということは、私の立場としては文部省に申すわけにまいりません。この点御了察を願いたいのであります。
○小林(進)委員 秋田でも北里大学でもそうですが、五十人も六十人もいって、そのうちから一人とるくらいですからね。いいのが引っかかると思いますが、質が下がるおっしゃる。厚生政務次官が医療の質の落ちるのが非常に困るというお説は、私は非常にありがたいのですよ。そのことばを、いま参議院に行ってうなっている保助幹部にもちゃんとそういうことばを言っていただいて、医者の質が落ちては困るのだが、看護婦の質も落としては困る。だから医者の質も落とさぬが、看護婦の質も落とさぬということならば、首尾一貫して実に名答弁ということになるのであります。同じ医療行政に携わる医者のほうは質を落とさぬで、看護婦は数が足らないから准看で高校卒一年でよろしいなどという御答弁は、ちょうだいするわけにいかない。ほんとうに看護婦が不足している、それを補うために、暫定的にいま五十年までに看護婦の准看制度、高校卒一年でよろしい。医者だって一万人も八千人も少ないなら、一年の間は、質を下げても、それを充足するために、昔に返って医学専門学校をつくろうというような議論くらいは、文部省が筋を通すならそれくらいの議論をしても——もちろん私ども反対しますが、昔の医専などというのが復活することはたいへんであります。さらに、医学の近代化のためには、もっともっと質のいい諸君にひとつ出てもらいたいという御意見にも賛成であります。どっちかに議論を一致していただければ幸いですが、ともかくこの医者の不足に対して抜本的な手をひとつ考えていただきたいと思います。 次に、今度は薬へいきましょうか。薬務局長にお伺いをいたしますけれども、今年一年間で一体薬と称して生産をされているものの総量は価格に見積もって何兆円くらいになっておりますか。
○加藤(威)政府委員 昭和四十四年でございますが、昭和四十四年の一年間で約八千四百億でございます。
○小林(進)委員 保険を通じて保険医療の請求の中に占める薬品代というものは、一体、同じく四十四年で幾らくらいになりますか。
○加藤(威)政府委員 保険医療費の総額に占める薬の割合は大体四二%くらいだと思います。四十四年度の国民の総医療費が大体二兆円くらいだと思いますので、それの大体四〇%、約八千億くらいになるかと思います。
○小林(進)委員 四十四年の薬の総売り上げ量が八千四百億円とおっしゃいましたが、その中で、大衆薬として自由に買い得る薬と、いわゆる医者の処方せんによって大衆が使っておる薬の比率はどんなものですか。医者の手を通じないで、大衆が自由に買い得る売薬と、いわゆる処方せんによって使う薬との比率は、価格にしてどんなものですか。
○加藤(威)政府委員 私どものほうでわかっております数字は、たとえば八千四百億なら八千四百億のうちで、大衆薬とお医者さんが使う医療用の薬品の割合が大体七、三の割合でございます。したがって、七割が医療用の医薬品、大衆薬が約三割でございますから、二千六百億程度がいわゆる大衆薬というものでございます。
○小林(進)委員 大衆薬が四十四年度一年間で大体二千五百億円、そうすると、その医療費の請求で来る医療費の中に占める薬代が大体八千億円、合計すると一兆五百億円くらいになるかな、いわゆる大衆が薬代として支払うものは。大衆薬として三割とおっしゃると二千五百億円だ。医師の保険医療費の請求の中に含まれる薬代が大体八千億円。そうでございましょう。三割とおっしゃいますから、大衆薬として薬屋から自由に買って支払っている薬代が二千五百億円、合計すると、一兆五百億から一兆一千億円程度を国民は薬代として支払っておる勘定になる。間違いありませんな。
○加藤(威)政府委員 ただ、私どもが四十四年度の八千四百億と申しておりますのは、いわゆるメーカーの蔵出し価格と申しますか、メーカーの卸に売る値段でございます。したがって、医療費のほうの薬代ということになりますと、お医者さんが小売りから買う場合もあるかもしれませんが、要するに卸のマージンあるいは小売りのマージンというものが入った価格で計算する、こういうことになるわけでございまして、そこが、金額を算定する時点がちょっとずれておりますけれども、そういうことをお含みの上で、先生の御指摘のとおりでございます。
○小林(進)委員 私は、何も差を聞いておるわけではないのです。いわゆる消費者の立場でものを言っておる。消費者としては、四十四年度に薬代として支払っているものが一兆五百億円から一兆一千億円でしょう、こう言っておる。その数字が間違っておるかどうかを聞いておる。私は元での値段を聞いておるのではない。それが合うか合わぬかということを聞いておるのではない。
○加藤(威)政府委員 先生御指摘のとおりでございます。
○小林(進)委員 薬を扱っている薬屋さんは一体日本に何千軒くらいあるのでございますか。
○加藤(威)政府委員 メーカーの数字でございますが、四十三年末の数字でございますが、薬のメーカーが大体二千七百七十という数字に相なっております。
○小林(進)委員 二千七百七十とおっしゃいましたが、その中で資本関係を大中小に分けて、ひとつ大まかなところをお聞かせ願いたいと思うのでございます。
○加藤(威)政府委員 ちょっと、その数字は調べてから後ほど御返事をいたします。
○小林(進)委員 あとでひとつ正確な資料でちょうだいできればなおさらけっこうでございます。できれば、その薬屋の営業状態もお聞かせ願いたい。 これは新聞だけの資料ですが、「三月期の業界の見通し」「売上増の大衆薬」こう書いてあって、薬業界の売り上げが非常にふえているというのです。武田薬品の売り上げが大体八百億円というのでございますから、八千四百億円の総売り上げの一割を武田薬品が占めることになりましょうね。利益が六十七億円、一割七分の配当に特別の配当を五分つけるという。三共、またしかり。塩野義製薬の売り上げが二百十六億円、十八億八千万円の利益だというのです。藤沢薬品の売り上げが百六十六億円、十二億二千万円の利益、エーザイの売り上げが百五十七億円、十一億七千万円の利益だというのです。第一製薬、日本新薬、以下これに準ずるということになっておりまして、薬業界は非常にうけに入っていらっしゃるようであります。 これは、薬務局長の所信を聞きたいのでありますが、薬というものは病人が飲むものですか、健康体の者が飲むものなんですか。一体薬というものは飲むものなのか食うものなのか。いまのわが日本の薬行政を黙って見ていると、病人に飲ませるのじゃなくて、健康体の人間に飲ませる。いまはもう飲ませる段階を過ぎて、健康体の者にまず薬を食わせるという、そういう薬行政がどうも行なわれているという感じですな。厚生省薬務局が先頭になって、まず朝は薬を食卓へ、めしを食う前にまず薬を食えという、こういうふうな行政指導をどうもおやりになっているのではないかと思わせるような、そういう感じ方をしなければならないくらいです。一体どういう指導をおやりになっているのか。次官はいいです、局長からひとつ。
○加藤(威)政府委員 薬は原則として病人が飲むということは、これは当然でございますが、最近と申しますか、ここ十数年来、先生御承知のように大衆保健薬というようものも、ビタミンB1誘導体の開発に伴いまして日本では相当たくさんつくられておる。そういう薬につきましては、これは必ずしも病人ということではなくして、あるいは疲労回復とかそういうような意味で、特に病気じゃない場合にもそういう薬を飲むということが相当行なわれているということは、先生御指摘のとおりだと思います。 ただ、私どもといたしましては、やはり薬というものは食物とは違うわけでございまして、浴びるほど薬を飲むということは、どんな安全性のある薬でありましても好ましいものではないと思います。そういう意味におきまして、どんどん薬を飲め、またそういう宣伝をしてもいいという指導はいたしておらないのでございます。 ただ、この広告の規制というものがなかなかむずかしい点もございまして、製薬企業が厚生省の承認をとります、たとえば、この薬はこういう症状にきくというような承認をとるわけでございますが、その承認にはずれているような宣伝をいたしました場合には、これは当然薬事法で強制的にこれを直させることはできるわけでございますけれども、ただ一応そういう適応症の宣伝をする、それが相当どぎつい宣伝であるという場合にも、これはなかなか法的な規制はむずかしいと思います。しかし、私どもといたしましては、やはり先ほど申し上げましたように、たとえ大衆保健薬でありましょうとも、国民がそれを食物のように摂取するということは決して好ましいことではないと思っております。栄養というものも、バランスのとれた食物で栄養をとることが一番望ましいということは、これは当然でございます。そういう意味で、あまり悪どい宣伝というものにつきましては、これを自制するようにということを、機会あるごとに業界のほうにはそういう指導を行なっておるところでございます。
○小林(進)委員 ともかく日本人は、いま世界で一番薬を飲む国民である、これは局長もお認めになると思います。どれだけ飲んでいるかは、私のさっきの質問で局長も理解されたようです。一億の国民が昭和四十四年度で一兆一千億円の薬代を払っているというのですから、一人平均にしますとどのくらいになりますか、一万一千円だ。おぎゃあと生まれた子供からいま死んでいく瞬間のおばあさんに至るまで、一年間で国民一人平均一万一千円ずつ薬を飲んでいる。こんな国が一体世界のどこにありますか。これは食いものじゃないです、薬だ。しかもその一兆一千億円がことしはまた二割の増だという。二割というと一兆三千億円くらい。一人平均一万三千円ばかりの薬を飲む。ひとつマスコミその他の宣伝を通じてしゃにむに口の中に入れさせようという、そのために生ずる弊害というものがどんなに大きいか。私は、厚生大臣に、この国民に一兆一千億円の薬を飲ましているために国民の命がこれだけ延びた、国民の健康はこれだけ保持されたという話は聞きたくありません、その計算は私やっていますから。反対に、世界一薬を飲ましているために、国民にどれだけ大きな被害を及ぼしているかというその話を実はきょうあなたに聞きたいのです。 いま学者も、あらゆる人たちも、著書を通じ、出版を通じ、あらゆる機会を通じて、世界一薬を飲む日本国民が、それゆえにこういう被害を受けているという、そういう本がはんらんしていると言っては悪いですけれども、いまたいへん市場に出て人気を博しております。国民のアピールを受けています。また、必要以上の栄養剤だとかそういうものを包含せしめて、それこそ薬にも毒にもならないものを、さも妙薬のごとく宣伝をして巨利を占めているという、そういう本も一生懸命に市場に出て国民のアピールを受けています。 私は、実はこの問題をひとつきょうは徹底的にやろうと思いましたが、もう私に与えられました時間はなくなりましたので、幸いなるかな十九日の決算委員会において、この薬の問題については参考人をお呼びしてあらためて御質問申し上げることになっております。私もその場所に出していただけるそうでございまするから、その機会にあらためて申し上げさせていただくことにいたします。 この薬の弊害について一体加藤薬務局長はどうお考えになっているか。きょうはさわりの程度でよろしゅうございます。真打ちは十九日にやりますから、ひとつお聞かせおきいただきたい。
○加藤(威)政府委員 確かに、先生御指摘のとおり、わが国の国民はわりあいに薬好きといいますか、お医者さんに行っても、いろいろ注射を患者のほうから注文してやってもらう、あるいは薬をお医者さんに請求するというようなこともございますし、あるいは大衆保健薬を薬局に行ってどんどん買う。これは先生御指摘のように、宣伝のあれもあると思いますけれども、そういうように諸外国に比しまして非常に薬を多く摂取するという傾向は否定できないと思います。 これはいろんな原因があると私は思います。一つは、日本人の食べものというものが比較的淡白なものであるというようなことから、何か栄養というもの、あるいは活力というものを、薬によって補給しようというような潜在的な日本人の願望というようなものがあるのかもしれません。いずれにいたしましても、薬を必要以上に摂取するということは好ましい傾向ではないと思います。 ただ、その具体的な弊害という先生の御質問でございますが、私どもといたしましては、そういう大衆保健薬をたくさん飲んだために非常に健康をこわしたとか、そういう具体例はまだ私どもの手元にはまいっておらないわけでございまして、そういうデータが出ますれば、直ちにそれに対する対応策というのはできるわけでございまするけれども、いまのところ、そういう保健薬をうんと飲み過ぎた、必要以上に飲み過ぎたということのために非常に健康を害したとかいうようなデータは、私の手元にはまいっておらないわけでございます。ただ、非常にむだなとり方をしているというような意味の弊害はあるかもしれません。 いずれにいたしましても、そういうことで先生の御質問にそのままお答えにはならないかもしれませんが、そういう具体的な健康の障害という例はまいっておりませんけれども、しかし、いまの薬と日本人との関係というものが、いまのままでいいということは私ども毛頭考えておりませんので、やはり必要に応じて適当な薬を適切に摂取するという方向で国民へのPRも必要でございましょうし、また業界の指導もそういう方向で必要であろうというぐあいに考えております。
○小林(進)委員 私は薬自体の被害だけ言っているのじゃないです。広い見解で、いまの医療行政の中では、薬だけがきくとかきかぬとかいうことから生ずる弊害だけではなくて、たとえば社会保険で医療費のワクをはめて点数制度でいっている中に、薬だけを野放しにしていることによって生ずる弊害と、もろもろの一つ一つの場所を考えてみると、現在の薬行政が、医療行政のみならず、医師の立場においても、消費者の立場においても、被保険者の立場においても、保険者の立場においても、もろもろの立場に全部害毒を流している。これがガンということなんだ。そこへひとつメスを入れてもらわなければ——これは局長だけの問題じゃないけれども、そこへメスを入れなければ、厚生行政や医療行政なんかうまくいくものじゃない。ただ一つの例だけれども、私の知っている権威のある大きな病院の院長は、事務局長に、君はこの病院の事務なんかやらなくてよろしい、君の最大の仕事は、この病院で使う薬をいかに巧妙に安く買い入れるか、君の手腕はそれ一つだ、それによりこの病院の経営が黒字になるか、赤字になるかの勝負になるのだ、君、余分なことはほかの課長やなんかにまかせて、君はもっぱらそのほうに主力を注げ、こういう指令を飛ばしておる。これは偽らざる実態だ。そういうことの一例を見てもわかるように、この薬というやつが実にもろもろの面に化けて、日本の医療行政というものを混乱せしめている根本の理由なんだ。おそらく医者の中でも同じ値段で買っているような人はいないだろう。顔を見て薬を売っている。そういう行政の中で、医師もこの薬資本のためにいいかげん踊らされている。消費者も踊らされている。病院の院長さんから事務局長も踊らされている。私は、この一兆一千億の薬の中から、真実に国民の健康に一体役立っているものが何割か、一%あるか、一割あるかわからない。おそらくこの中の半分の五千億円ぐらいは、むだな薬の消費からこれを省いて医療行政のほうに回し、医者の技術を高める方向にこの金をつぎ込んだら、日本の医療行政、財政難というものはどれだけきちっとしたりっぱなものになるかわからない。そういうところに手を入れなさいと言うのだ。きょうはこれぐらいにしておきますが、ひとつこの点は政務次官、文句ありますか。
○橋本(龍)政府委員 たいへんけっこうなお話でありまして、先般私が先生の党のある委員の方から御質問受けたような、大衆薬は一切実験その他の許認可制をとらずに、届け出制にせよなどという御意見のあることを御承知おきいただくようにどうかお願いをいたしておきます。
○小林(進)委員 そういう間違った者の意見は例外だから、それはとるに足らぬのでありまして、結論から言えば、医師の処方せんによらざるものは薬という名称をつけるべからずというのが私の持論なんです。薬というものは、名のとおり薬変じて毒となる、毒になるぐらいの効能があるから薬としての価値がある。飲んだところで害がない、そんなものを薬として大衆販売せしめるところに世の中の間違いが起きてくる。これは私の持論です。処方せんによらざるものは薬という名称をつけちゃいけない。そんなものは栄養剤でもいいし、大衆剤でも何でもいい、材木でもよろしい、木炭でもよろしい、何でもいい名称をつけておけばいい。そういう方向できちっといって、この薬資本に国民全部が踊らされているという、このばかな医療行政を改めなければいかぬと思いますが、薬の問題は後日に譲るといたしまして、環境衛生局長にお伺い……。きょう来ておりませんか。 それじゃ牛乳の問題を、これは資料が全部出ておりますから、私はくどい質問はいたしませんけれども、参議院におけるわが党の田中議員の質問に答えて、厚生省の環境衛生局長がどうも煮え切らないような答弁をしておいでになるのは、私は無責任きわまるのじゃないかという感じがする。この牛乳問題では消費者も非常に興味を持っている。これは日々飲んでいる問題ですから、何といっても厚生省では早く明確な結論を出してもらわなくてはならぬと思っているにかかわらず、牛乳生産者も猛運動を続けている。日本乳業協議会、全国牛乳協会、日本乳製品協会など五つの牛乳関係メーカーの団体が連名で衆参両院の社会労働委員会、公害対策特別委員会などに、BHCの製造、販売、使用をやめてくれという陳情をしているにもかかわらず、これを受けての質問に対して、農林省に同調したような考え方——農林省は農薬業界に経済的損失を与えまいと配慮して、いまなお、BHC原体の在庫量は二千五百トン程度なのだ、今年の夏で使い切ると思うと言っている。それを使い切るまでは何としても現状のままの情勢でいかなければならないという態度が、農林、厚生両省の態度の中に明らかに読み取れる。こういうことを言っているわけなんで、この辺は困り抜いているわけなんです。政務次官どうです。厚生省の明確なお考えをお聞かせいただきたい。
○橋本(龍)政府委員 私たちは、別に農林省と共同歩調をとりまして関係業界を保護しているつもりはございません。ただ、小林先生きわめて厚生省に過大な期待を寄せていただいておるわけでありまして、その点はわれわれとしてありがたいことでございますけれども、私どもの行政権の及ばないものについてまでのおしかりはちょうだいいたしかねます。ただ、これは問題が起きましてから、先生すでに御承知のとおりに、関係の専門家をもって構成しております食品衛生調査会において四月二十一日意見を求めましたところ、その専門家たちの見解として、今回の調査で判明をしたBHCの残留量が人体に及ぼす影響については、いま直ちに危険であるとは考えられない、しかし、このままの状態が長期間続く場合は国民保健上支障を来たすおそれがある、という答えでありました。同時に、長期間とは一体どれくらいの期間なんだと聞きましたところ、まあ一年や二年はだいじょうぶでしょうという答えであったわけです。しかし、私どもとしては、これは専門家の御意見でありますから、たぶんそのとおりなんだろうとは思いますけれども、一年や二年はだいじょうぶであろうというようなことで放置をしておくつもりはございませんし、また私どもとして、でき得る限りの措置を講じたいと今日までも考えてきました。ただ、この専門学者をもって構成しておる調査会の見解並びに国立衛生試験所における実験結果、これを見ますと、直ちに確かに現状において衛生上の危険があるということには、そういうデータは出ておらぬようであります。しかし、いずれにしても、幾ら直ちに危険があるという問題ではないにしても、BHCがいつまでも残留しておるような状態では非常に心配なことも考えられるわけでありますから、私どもは農林省に対して、繰り返し、とにかく残留BHCの減少対策というものを至急に講じてもらいたいという要請をすると同時に、五月十四日全国の主管課長会議を開催をいたしまして、国会終了と同時にこの減少対策に私どもとしてのでき得る限りの推進を行なうよう指示をしてまいるつもりでございます。
○小林(進)委員 BHCの問題とはまたその毒性が違いまするけれども、散布する水銀農薬の問題については、この委員会でやはり四年か五年前にやったことがある。そのときには農林省は、四国から出ている何とかという人が政務次官をやっておられて、わざわざ社労委員会に来てもらって、そのときもやめるべきだということで非常に強く要望したけれども、やはりメーカー側の立場を述べられて、どうしてもおやめにならなかった。メーカーの材料がなくなって、製造設備がかわって、そして一年半か二年してからようやくその水銀農薬をおつくりになることをおやめになった。また、いま同じようなことをおやりになっているのじゃないかと思います。ここに新聞の切り抜きがあります。これをちょっと続みます。これは国民の気持ちをよくあらわしていると思いましたから、私は三重まるをつけてある。「食品衛生に関する厚生省の指導ぶりは黒星ばかり続いている。いったい厚生省当局は国民の生命の安全性についてどのような姿勢をとるのかについてこの機会に改めて問い正さねばなるまい。まず世界保健機構と厚生省の許容量はどう関係するのかも明確にしてもらいたい。白ネズミを使って実験したところ体重一キロ当たり一・二五ミリグラムのBHCを続けて与えると肝臓障害を起こすことがわかったので世界保健機構はその百倍の安全率を見込んでガンマーBHCの許容量を決めている。日本の厚生省はこの基準を尊重する気はあるのか、ないのか、それとも、日本独自の基準を定めてあるのか、日本独自の安全基準がないならば、他に何があるのか、を明示すべきである。」こう言っているのですよ。これはどうですか。いわゆるWHOという国際機構の基準を一体お用いになるのですか。別におきめになるのですか。そういうところを明確にお示しを願いたい。
○橋本(龍)政府委員 日本が毒性ありと判定をして禁止をしておる食品添加物で、逆に各国で許可をしている例もありまして、必ずしもWHOの権威自体もその点においては明確とは申せない点があることをまず最初に申し上げておきたいと思います。これはわが国が禁止をしておるものの中に、たとえば欧米諸国の輸入食品には使われており、わが国の税関において持ち込みを禁止しておる例が現実にあるわけでありまして、必ずしもその国々のそうした食品添加物あるいは食品に付着して人体に危険を及ぼすものの使用量その他によっても、国民の嗜好の度合いによっても、それぞれの分には実は基準に幅があるわけでございます。 また厚生省、黒星続きであるというおしかりを受けました。なるほどこれは言われればそのとおりでありまして、私は否定もいたしませんし、その責任は甘んじて受けざるを得ません。しかし、同時に、逆にそれならば白星ということがあり得るかといいますと、平常に行なわれている場合には、私どもは白星としてのおほめのことばはちょうだいできないのでありまして、たまたま何らかの事件が起きると、それで黒星続きというおしかりを受ける。これは実ははなはだ心外な立場であります。しかし、このBHCにしましても、厚生省自体がこれを禁止する権限を持たない。厚生省自体の権限を越える分野について、私どもはあくまでも農林省当局の決断を待つほかはないのであります。私どもとしては、BHC自体の使用の問題にしても、残留BHCの対策にしても、農林省に要請を繰り返すのみであるというのが、実は現在の行政の仕組みなのであります。むろん、私どもの手にこの権限があれば、厚生省としては、おのずから違った態度が示せるかもしれません。しかし、少なくとも今日私どもとしてでき得る限りの努力をしておるという点については、これはお認めを願いたいと思います。と同時に、先生、先ほど御指摘になりました、かつての水銀農薬の問題などでも、これはそれこそ党派を越えて、先生はこれの禁止に対して強い質疑も繰り返され、要請もされました。この問題についても、当時と同じような御協力を私どもの上に与えられることを心から願っております。
○小林(進)委員 大体農林省というものが悪いことは、あなたが言わないでもわかっておるのです。そのわかっておる農林省の力に押されておるのか、あるいはもう政府は一つという考えかもしれませんけれども、外部から見ると、悪い農林省の言い分に厚生省がどうも引き回されているのか、若干ふん切りが悪い。私は、それが言いたかったからこそ、最初にあの砒素の森永のドライミルクから始めたわけであります。言いかえれば、私のほうの阿賀野川の例の問題もまだ解決しない。何も厚生省は結論を出さない。園田厚生大臣のときに、少し国民の期待に沿うような発言があったかと思えば、あとはへなへなとしてしまっておる。 そういうことでございまして、いまの厚生政務次官のおっしゃったとおりの意気を国民に向かって言ってもらいたい。私に言わないで、国民に向かってそういうことを言っていただければ、毎日牛乳を飲みながらおびえておる国民は安心をいたします。そこに厚生省に対するまた一つの国民の信頼がわいてくる。労働省は労働省で、働いておる者の立場を守ってくれる。厚生省は厚生省で、食品衛生その他すべてを通じて国民の生命、身体を守ってくれる。それは各省の中でも厚生省しかないと国民は考えておる。農林省、通産省はいわば企画省だ。事業あるいはものをつくるほうの省であって、われわれの健康や身体を守ってくれるのは厚生省であるというふうに考えておるのですが、その国民のイメージにもぴたっと当てはまるような厚生行政をぜひともやっていただきたいというのが私のお願いであります。 ちょうど約束の時間が参ったようでございます。一、二分あるいは超過をいたしたかもしれませんが、あとにまた質問者も控えているようでございますので、意を尽くさないところもありますが、これをもって私の質問を終わりたいと思います。 きょうは、私は休会中における私どもの勉強のための資料をちょうだいをしたいということで、資料をちょうだいするのが目的でこの質問をさせていただいたのでありますから、お約束の資料だけは、どうか漏れのないように作成して、ひとつ提出をされることを重ね重ねお願いいたしまして、私の質問を終わることにいたします。(拍手)
○栗山委員長代理 古寺宏君。
○古寺委員 ハンセン氏病についてお伺いをいたしたいと思います。 手元の資料によりますと、現在、ハンセン氏病で日夜苦しみながら療養をしておられる患者さんが全国で九千人いらっしゃる、こうことを知りましたが、その具体的な実態を説明していただきたいと思います。
○穴山政府委員 ただいまらい療養所の入所患者の問題は、こまかい処遇その他は医務局のほうからお答えいたしますが、私どもが年金を通じて把握いたしております数字といたしましては、国立療養所に入所している患者が八千八百六十七人、それから、私立療養所に入所している患者が二百三十五人、計九千百二人入所しているように把握しております。
○古寺委員 これらの方々は、いろいろな年金を受けておられるわけでございますけれども、高額所得者を除いて、四十五年度かららい患者の基本待遇として日用品費が一律支給となりましたけれども、所内の作業に従事をしていて賃金を得た者は、生活保護法の収入認定の対象とするというような考えを厚生省では持っているようでございますが、これは軽症であるとはいっても、病人を働かして、さらにその上での処置として適当ではないと思いますが、この点の根拠についてお伺いしたいと思います。
○野津説明員 御指摘のように、本年度から、国立らい療養所に入所しておりますハンセン氏患者さん全体につきまして、一律に日用品の経費というものを支給するようになったわけでございます。ただ、障害を持っておられるいわゆる不自由者と私ども称しておりますハンセン氏病患者さんの方には、実は昨年から、慰安金という制度を持ち込みまして、不自由者の方には一応の日用品経費としての体系づけをしたわけでございますが、その際、いわゆる高額の年金を受給しておられる患者さん方に、その受給しておられます月額に応じまして、この不自由者の加算あるいは不自由者慰安金というものにつきまして、その支給の限度内で調整をしてきたわけでございます。 昭和四十五年度から、やはりいま御指摘ございましたように、入所しております患者さんの方々にできるだけ均等な処遇をすべきではないかというふうなことがございました。軽症者の方、先ほど申し上げました不自由者以外の方にも、軽症者慰安金という制度を導入いたしまして、この場合、前年度と同様な形で、高額の年金の受給者の方あるいは非常に多額の作業賞与金をもらっておられる方につきまして、一部、軽症者慰安金の限度内で調整をしまして、入所しておられる患者さんができるだけ均等な処遇が受けられるというふうな措置を講じたところでございます。
○古寺委員 このいわゆる調整につきましては、限度額というのがございますけれども、その限度額というのは、一体どのくらいでございますか。
○野津説明員 限度額は、不自由者につきましては、先ほどちょっと御説明が足りなかったのでございますが、不自由者の方には、不自由者加算という形で月額、福祉年金額と合います二千九百円を支給しておりますが、この不自由者加算分と、それから不自由者慰安金分と合わせますと、この不自由者の方につきましては、限度額は、この両方合わせました五千四百円になるわけでございます。それから、不自由者以外の方でございますと、現在、四十五年度から予算化されております軽症者慰安金の二千五百円が限度額になっているわけでございます。
○古寺委員 この限度額をきめました根拠と申しますか、どういう法的根拠に基づいてこういう限度額を定めたか、その点についてお伺いしたいと思います。
○野津説明員 この日用品経費を患者さんに支給するということ自体が、現在のところ、一定の法律に基づいて実施しているものでないわけでございます。したがいまして、これの支給方法につきましては、特別な法的根拠というものはないわけでございますが、こういうふうな生活保障的なものの考え方というものにつきましての現在取り入れられます一つの制度といたしましては、生活保護法があるわけでございますが、生活保護法そのものでなくて、一つその生活保護法にあります考え方を導入いたしました形での調整というものを行なっておりますが、限度額を設けましたのは、逆に、その日用品経費としまして支給されております総額が四千二百四十七円になるわけでございますが、そのうちの一部分であります二千五百円につきまして調整をしようという形で限度額を設けたわけでございまして、逆に申しますと、生保の仕組みをそのまま持ち込んだということではなくて、逆に、ハンセン氏病患者さんの特殊性というものを十分念頭に置きました形で、日用品経費のうちの一部だけを限度額ということで、その限度額の範囲内で調整するというふうな方法をとったわけでございます。先ほど申し上げましたように、この日用品経費を入所しておられます患者さんに支給すること自身が根拠法令がないわけでございまして、現在のこの限度額を設けましたことにつきましても、一応根拠法令をもってのことではございませんで、一つの予算措置という形で実施しているわけでございます。
○古寺委員 この不自由者以外の作業賞与金というのがございますけれども、これは大体平均でどのくらいの収入になっておりますか。
○野津説明員 患者さんが入所しておられましていろいろな作業をしておられるわけでございますが、いずれにしましても、患者さんであるという一つの前提に立ちますものでございますので、個個の患者さんが、そのときの健康状態、あるいはそのときのいろいろな医療の状態というものをあわせましての状況になりますものですから、個々の患者さんにつきまして固定された形で支給しておりませんけれども、これを予算額で見まして割り戻しをいたしますと、平均いたしまして月額が四千四百八十五円になっております。
○古寺委員 そうしますと、このいわゆる調整というのは、作業賞与金がどのくらいになると調整されるわけでございますか。
○野津説明員 現在、作業といたしまして、患者さんが従事しております作業の職種によって違うわけでございますが、作業の中身が相当に重たい作業の場合には、控除額が少し高くなってまいるわけでございます。ですから、標準的な作業といたしましての実例を申し上げますと、大体、五千三百円がこの控除額になるということでございます。
○古寺委員 そうしますと、せっかく軽症者の慰安金制度という制度をつくりましても、そういうような調整がありますというと、患者さんの実際に手に入る収入というものは非常に少ないわけでございますね。らい予防法からの立場からいいますと、患者さんの福祉をはからなければならない、こういう目的がございます。そういう点からいいまして、ハンセン氏病の方々に対してこういう調整を設けるということは、非常に生活を苦しくするような立場になると思うわけでございますが、この点については、今後こういう制度をなくして、作業賞与金、そういうものが入った分は患者さんに渡るような、そういう制度に改めていかなければならないというふうに考えるわけでございますが、そういう点について、厚生省ではどのようなお考えをお持ちでございますか。
○野津説明員 御指摘のとおり、軽症者慰安金の制度が導入されました際に、先ほど申し上げましたように、一つの予算的な措置といたしまして、ある一定の金額をこえました作業所得の場合に、こえた分だけを調整するということを現在いたしておるわけでございますが、御指摘ございましたように、ハンセン氏病の患者さんという方々は、いままでの長い歴史から見ました場合に、非常に苦労を重ねてきておるという現状もあるわけでございます。ただ、現在私どもがハンセン氏病を病みまして療養所に収容されております患者さん方に一体どういうふうに処置して差し上げるのがいいのか、あるいはどれだけの額を差し上げるのがいいのかというふうな問題。それからもう一つは、現在療養所の中で行なわせております作業そのものの性格というものが多少不明確な点もございます。こういうふうな点を十分前向きに検討しながら、御指摘のような点は、改めるべきものは改めていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○古寺委員 この作業賞与金というのが、全国の療養所によって非常にまちまちでございます。これは、どういうわけでこういうふうに違うのでございましょうか。大体いま一日平均どのくらい賞与として与えるわけでございますか。
○野津説明員 国立療養所といたしましては、全国に御存じのように十一の療養所を持っているわけでございます。その各療養所におきまして同じような作業をしましても、多少差があるというふうな面が御指摘のとおりあるわけでございます。この問題につきましては、やはりその療養所がございます場所の立地条件、あるいは特殊な技能も持っております患者さんの数がどれだけおられるかというふうな問題という点で、多少各園まちまちな状態がございます。しかし、これを全国一律にいたしますということ自身が、やはり北は青森から南は奄美大島までの療養所があります現状から見ました場合に、かえって一律にしないで、やはりその立地条件によりまして単価をきめていくのがより患者さんのためになるのではないか、あるいはその特殊事情を勘案した形になるのではないか、こういうふうに考えているわけでございます。 日額にいたしますとちょっとあれでございますが、先ほど申し上げましたように、平均しました月額は四千四百八十五円というふうな形になっておるわけでございます。
○古寺委員 その月額平均の高い療養所と低い療養所では、どのくらいの差がございますか。
○野津説明員 現在の作業賞与金の予算として配分いたします際は、この月額平均が同様になるような形で配分をいたしておるわけでありまして、個々の施設によりまして月額平均の差というのは現在ないような形をとっておるわけでございます。ただ、各療養所におきまして非常に特殊な技能を持っておられる方もございます。それからもう一つは、患者の特性といたしまして、少なくとも患者として療養所に収容されておる、少なくとも病める人たちであるというふうな前提から見ました場合に、ほかのいわゆる一般の労働というふうな形ではございませんで、その辺、できるだけ医学的な管理の上で可能な労働をさせるというふうな方法をとっておりますし、また、時間数にいたしましても、大体一日三時間を一つの標準というふうな形で現在作業をしていただいているわけでございますので、各園の月額平均の差というのは表には出てまいらないという現状があるわけでございます。
○古寺委員 患者さんに現在行なわせておりますところの作業は、これは当然職員のやるべき仕事でございますね。職員を雇った場合には当然普通の賃金を払わなければいけないわけでございます。あとでも触れますが、重症の患者さんについては軽症の患者さんが看護しているとか、あるいは除草であるとかいろいろなことをやっておられます。その賃金が非常に安いわけでございます。その安い賃金をカットするというのは、これは私は人権じゅうりんじゃないかと思うのですが、どうでございましょうか。
○野津説明員 先ほど申し上げましたように、患者さんでございますし、もちろん、いま御指摘ございましたように、非常に長い歴史的な状態から見ました場合には、これらの患者さんの作業によりまして園の管理が相当維持されてまいったということは御指摘のとおりでございます。ただ、患者さんという立場から見ました場合に、一般の勤労者のように、いわゆる一つのデューティを与えられまして、ノルマを与えられて、仕事をするという形をとるわけにもいかないわけでございます。したがいまして、一つの医学的な管理上可能な範囲での作業をしてもらうというふうな形になっておるわけでございます。したがいまして、その辺の単価の差というのが出てきておるわけです。ただ、私どもも御指摘の点できるだけ早く改めていきたいというふうに考えておるわけでございますが、所側の作業として逐次この管理的な作業につきましては施設側で実施するように検討もいたしております。また、御指摘の中にございましたような患者の付き添いの問題、あるいは今年度から新たに発足いたしますし尿処理の問題につきましては、管理者側で実施するような方向でやっておるわけでございます。
○古寺委員 この作業の際のいろいろな作業衣とか、あるいは長ぐつであるとか、手袋であるとか、器材であるとか、そういうものについては支給をいたしているわけでございますか。
○野津説明員 ものにもよるかと思いますけれども、作業に必要な器具あるいは長ぐつだとかかっぱとかいうふうなものにつきましては、所側のほうで提供いたしております。
○古寺委員 私が調べた範囲内では、非常に予算が少ないために、それが十分に与えられておらない、こういうことを承っておるのですが、そういう点については実情を御存じでございましょうか。
○野津説明員 作業に必要な、いま御指摘ございましたような器具だとかあるいは衣類というものにつきまして、実は予算科目上明らかにはされておらないわけでございまして、一般の療養所運営費の中に織り込まれておるという形で実施しておりますために、若干窮屈な面があるかとも思いますけれども、私の耳にしておりますところでは、大体所側で準備できるものは準備しているというふうに聞いているわけでございます。
○古寺委員 やはりこういう予算は、何というのですか、運用費ですか、その中に含まないで、別個にきちっと予算を取ったほうがいいのじゃないかと思うわけでございます。 作業賞与金も非常に少ない。あるいは日用品の経費の内容を見ましても、患者さん一人当たりの一カ月の被服及び寝具類の費用は三百六十四円でございます。こういう少ない費用でそういうものまで患者さんが準備をするということは、たいへんなことだと私は思うわけでございますが、そういう点については、今後十二分に検討して、そういう予算を別個に組んでいただきたいと思うのでございますが、そういう点はいかがでございますか。
○野津説明員 現在のらい療養所の運営そのものにつきまして、いま御指摘ございました点につきまして十分検討を加えまして、前向きの形で検討してまいりたいというふうに思っております。
○古寺委員 先ほども申し上げましたが、この収入認定調整については、今後何としてもこういうものはなくしていただいて、そして患者さんの福祉をはかっていただきたいと思います。 次に、看護助手の問題でございますけれども、総定員法からいくと七百人に限定されておる。第一次計画、第二次計画で看護助手の定員はもう満ぱいである、こういうことを承っておりますけれども、これは事実でございますか。
○野津説明員 看護助手という形でございませんで、実は先ほど御指摘がございましたように、患者同士が不自由な患者のめんどうを見ているというふうな事態があったわけでございます。したがいまして、一般の医療機関におきます看護助手以外に、不自由な方々の日常生活の介助をするという形で、看護助手と申しませんで補導員と申しておるわけでございますが、昭和三十五年度から逐次増員をしてまいりまして、現在、今年度を加えまして七百五名という形になっておるわけでございます。これは必ずしも看護助手全般でございませんで、患者さん同士のいわゆる介護というものを職員側に切りかえてまいった結果、この七百五名というものがプラスアルファとして出てきたわけでございます。
○古寺委員 厚生省では昨年不自由度の調査、いわゆるハンセン氏病によって入所している方々の不自由度の調査というものをやっておられます。その調査の結果、今後どのくらいのいわゆる看護助手の増員が必要であるかという検討がなされたと思いますが、その調査の結果についてお聞かせを願いたいと思います。
○野津説明員 四十四年度に実施しました不自由度調査の結果につきましては、現在集計中でございまして、この結果はまだまとまっておりません。 ただ、従来からの例を見てまいりますと、たとえば昭和四十四年度、それから四十五年度のこの二カ年の計画で、昭和三十九年に実施されました不自由度調査と、それから四十一年に実施されました不自由度調査の間にあります差を、この二カ年の年次計画をもちまして補導員の増員ということを予算化されたわけでございます。 この四十四年度の結果が出てまいりましたら、当然これを再検討いたしまして、どれだけの補導員が必要かどうかというふうなものについても十分分析を行なっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○古寺委員 昨年と一昨年の増員の状況を見ますと非常に少ないわけです。しかし、現実の問題といたしまして、全国に約三千人の不自由な方々がいらっしゃる。看護助手を必要とする、いまおっしゃったいわゆる補導員を必要とする不自由者が現在なお三千人残っておる、こういうふうにいわれております。 私は青森でございますが、あそこの松丘保養園におきましても、大体五十人ぐらいの患者さんが案際にこういう介護に当たっておられるわけでございます。そういう点からいいまして、少なくとも七人に一人といたしましても、今後さらに四百人ぐらいの補導員が私は必要であると思います。 しかも、御承知のごとく、ハンセン氏病の患者の方々は非常に高齢者が多くなってまいります。さらにまた、障害の度合いも一級が二つも三つも重なったような、そういう障害者もたくさんいらっしゃるわけでございますので、私は当然この看護助手というものはもっとふやす必要があると思うのでございますが、どういうわけで七百人で打ち切ったのか。さらにまた、先ほどのお話がありました調査の結果、こういうデータが出てまいった場合には、補導員を今後どのくらいふやしていくお考えであるのか、その点を承りたいと思います。
○野津説明員 四十四年、四十五年で増員いたしました七十名という補導員の数でございますけれども、これは三十九年と四十一年の調査の差を埋めたという形で七十名の増員を出したわけでございます。この四十四年度の調査というものが出てまいりまして、そういうふうな実態が明らかになってまいりました際には、いま御指摘ございましたように、患者さんの老齢化の問題あるいは障害の重度の問題というものとにらみ合わせまして前向きで検討していきたい、こういうように考えております。
○古寺委員 この療養所に入っておられる方々は、戦前以来いろいろな不備な点がありまして、障害の強い方も非常にたくさんいらっしゃるわけでございます。制度の犠牲になった人がたくさんいらっしゃるわけでございますので、今後その点については十二分に御検討を願って、前向きの姿勢でひとつ対処していただきたいと思います。 次に、時間になりますので年金の問題に移りますが、国民年金制度以前の発病者と以後の発病者では、同じ療養所の中に生活をしておりながら、片一方は一級障害者、片一方は拠出の月額六千円の年金を受給をしておる、あるいはまた、一方では福祉年金をいただいておる、こういうふうに非常に格差が大きいわけでございますが、こういう点について、今後その差額について何かの方法によってこの問題を解決していかなければならないと思うのでございますが、そういう点についてはいかがでございましょうか。
○穴山政府委員 現在の療養所の中におきましては、患者さん方のいわゆる生活程度と申しますか、収入の格差、その一つの原因が年金制度によるものであることは先生の御指摘のとおりでございまして、一つの原因は、たとえば国民年金の制度が最近十年ぐらい前にできたわけでございますか、制度が発足いたしますときに伴う問題と申しますか、と申しますのは、各種の公的年金、国民年金を含めまして年金制度の共通の原則といたしまして、年金制度で給付の対象とする人たちは、これは制度ができましたあとから疾病が発生した人について見るというのが原則でございまして、したがって、制度発足前からの方と制度の発足した後に疾病が発生した方たちにつきましても差ができますし、それから、国民年金は、それに福祉年金と拠出という問題がからんでおりまして、複雑な様相を呈して、福祉年金を受けておられる方の金額が、拠出年金を受けておられる方の金額よりも非常に低いというような形になっておるわけでございます。私どもといたしましては、この制度発足前の人たちの扱いをどうするか、これは年金制度共通の問題として現在検討をしている問題でございまして、そういった共通の問題としていかに解決すべきかということを考えていきたいと思います。 それから、福祉年金の額につきましては、幸い昨日国民年金法の改正が成立したわけでございますが、私どもといたしましては、まだまだあの程度では満足な額とはいえませんので、逐年これが改善をはかりまして、まあ徐々にではありましても福祉年金の額の引き上げをはかって、いま問題になっております場合につきましては、患者さん方の間にできるだけそういったような面で精神的なトラブルその他がないように努力をしていきたいと思います。
○古寺委員 同じ部屋の中におりながら、片っ方の人は今度一万円いただくようになり、片っ方の人は、目も見えない、あるいは手足も不自由であって非常に障害が強いのに、三千百円しかいただけない。こういう矛盾した問題については、これはだれしもがそういうことを感ずると思います。私は、このハンセン氏病の療養所における患者さんにつきましては、そういう同じ部屋の中におって同じ患者でありながら、しかも障害の強い人が低い保障しか受けられないという、そういう矛盾した制度、この点についてはぜひとも特別措置を講ずるように今後やっていただきたいと思います。 次に、医師の問題でございますけれども、らいの患者がなくなる前にハンセン氏病の療養所におられるお医者さんがなくなるのではないか、こういうふうにいわれております。現在おられる先生方はもうすでに高齢者であって、後継者がいない。こういう点については、今後の医師対策というものは私は非常に重要であると思います。この点については厚生省は一体どういう対策を講じておられるのか。さらにまた、この医師の待遇にいたしましても、青森の療養所の院長先生は、三十七年間つとめて本俸が十七万円でございます。こういうことでは、よほどの意欲のある先生でなければ、私はこういう病気を担当してくださる医師というものは見つからないと思うわけでございます。こういう待遇の改善、それと付随いたしまして、あそこには准看の養成所がございますが、この准看養成所の生徒の食費が、去年までは百四十三円です。ことしになってやっと百七十二円でございます。看護婦の不足を盛んにこの委員会においてもいろいろと検討されましたが、こういう待遇の面においてやはり現実に即した処遇をしてあげなければ、医師の問題も看護婦の問題も私は解決がつかないと思うわけでございます。 さらにもう一点は、医薬品費の問題でございます。ハンセン氏病の療養所の医薬品費は非常に低いわけです。結核と比較してみましても非常に低い医療費しか予算に計上されておりません。プロミンを与えておけばらいの患者さんはなおる、そういう考え方ではいけないのであって、いろいろな成人病、他の合併症もあるわけでございます。こういう点についても非常に冷たいのではないかと私は思うのでございますが、そういう点について、今後厚生省はどのような対策を考えておられるのか。来年度の予算にはそういう面を配慮して今後検討していくお考えがあるのかどうか、承りたいと思います。
○野津説明員 医師の処遇の問題は、これは国立の医療機関を通じまして問題になっている点でございます。特にハンセン氏病を専攻しております医師というのはいま次第に数が少なくなってまいりますし、また医師の老齢化というふうな形が見られておるわけでございます。しかし、この医師の処遇そのものにつきましては、国立医療機関全般を通じまして処遇の改善というものを強く人事院にも働きかけたいと思っておりますわけでございます。また逆に、医師がいわゆる魅力のある職場という形をとっていただけるように、研究費の増額——実はことしから特別研究費が、額といたしましてはわずかでございますけれども、らい療養所の先生方に出たという形もとられているわけでございます。また、各医育機関との連携というふうなものも十分確保いたしまして、若い医師の確保ということに努力してまいりたいと思っております。 それから、看護婦養成所の食費でございますが、御指摘のございましたように、昨年度百四十三円、今年度が百七十二円という形でやっと大幅に増額ができたわけでございますけれども、まだ今後とも、いわゆる育ち盛りの生徒でございますので、できるだけ努力をして食費の増額につとめてまいりたいと思います。 また、医薬品費ということでございますが、このように患者さんが老齢化してまいりますと、御指摘のございますようにいろいろな成人病関係の疾病というものが出てくるわけでございまして、この問題も非常に私どもは大きな問題として四十五年度の予算折衝の段階から努力してまいりました。幸いにしまして今年度は、総額につきまして約二五%アップという形がとられたわけでございますが、御指摘ございましたように、このようないろいろな医学の進歩の問題あるいは疾病の複雑化というような問題に対処するためには、どうしてもこれではまだ十分であるというふうには思えないわけでございまして、できるだけ医薬品費の増額についても続けて努力を重ねていきたいというふうに考えているわけでございます。
○古寺委員 このハンセン氏病の患者さんもやはり同じ人間でございます。低い作業賞与金を与えられ、また十分でない医療を受けて、そして死んでいかなければならない、私はそういうような医療行政であってはならないと思うわけでございます。 また、従業員の待遇にいたしましても、この准看の養成所には舎監がいないそうでございます。青森の場合には二人の専任の教員の方が一日交代で舎監をやっておられるわけでございます。家族もいるたいへんな中で、一日おきに二十四時間ずつ拘束を受けなければならない。そういうような実情を考えた場合に、もっともっと患者さんの立場あるいは療養所に働いている方々の立場というものを理解した行政というものが必要ではないか、そういうふうに強く訴えたいのでございますか、今後年金の問題その他とあわせて、どうかひとつ前向きの姿勢でこれら諸問題の解決をしていただきたいと思います。 本日は大臣も局長もいらっしゃいませんが、どうかひとつその点を十二分に大臣また局長とも御相談の上、善処をしていただきたいと思いまして、最後に課長さん並びに部長さんの御決意を承って質問を終わらせていただきたいと思います。
○穴山政府委員 ただいま先生がおっしゃいましたことは、現在らい療養所の関係する問題といたしまして一番大きな問題でございまして、特に私の所管いたします年金問題は、いわゆる所得保障という基礎になる問題でございますので、今後ともいまお話しいただきましたような方向で十分私どもも努力いたしますし、大臣その他関係局長にも私から十分先生の御趣旨をお伝えしたいと思います。
○野津説明員 国立のらい療養所でございますけれども、これは医療機関でございまして、医療機関の目的といたしまして患者が一日も早く治癒しまして、社会復帰ができるということが一つの大きな目的であろうと思います。御指摘の点、十分上司にも伝えまして、その方向で努力してまいりたいと思っております。
○栗山委員長代理 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十一分散会