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63回国会衆議院1970/05/12

社会労働委員会 第21号

発言数
259
登壇者
16
会派数
5
開催日
1970/05/12

会議録

倉成正自由民主党

○倉成委員長 これより会議を開きます。  日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。藤田高敏君。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 国会の審議時間もたいへん少なくなってまいりました。いわばきょうあすの段階で、今国会に付託された重要案件といわれているこの俗称日雇健康保険法の問題について質問するわけでありますが、本来、この種の問題はきわめて重要な問題でありますから、質問時間についてもたっぷり時間をかけてやりたいところでありますが、理事の話によりますと、それぞれ持ち時間がきめられておるようであります。一応この委員会のルールに従って私も質問いたしますが、法案の性格上、若干時間の弾力性はひとつ持たしてもらいたい、このことをまず委員長に要望しておきたいと思います。  さて、そういうような時間的制約もありますから、私はそのものずばりでお尋ねをいたしたいわけでありますが、今回のこの法律改正の最大のねらいというのは何か。具体的にいえば、保険財政のたてまえから来る法律改正なのか、それとも医療給付内容をより社会保障的に改善をしていくというところに重点を置いた改正案なのか、そういう比重の置きどころですね、この点についてひとつお尋ねをいたしたいと思います。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 先日提案理由の説明で大臣から御説明いたしましたように、日雇保険につきましては、昭和三十六年以来法改正が行なわれないまま今日に及んでおりまして、給付面におきましても、保険料の面におきましても、手直しをする必要があるというふうな現状でございました。  今回の改正につきましてまず問題点といたしましては、御承知のように、昨年の国会におきまして健康保険、それから船員保険につきまして分べん給付の手直しをしたわけでございます。この日雇保険につきましても、やはり日雇保険だけやらないというわけにもいきませんので、分べん給付をどうしても改善せざるを得ないというのが、まずこの改正を必要といたしました一番の出発点でございます。分べん給付を改善いたしますにつきまして、それまで三十六年以来放置されておりましたので、給付金につきまして、この内容に盛っております療養期間でありますとか、給付面の緊急なものをどうしても付加するというふうな必要が出てきたわけでございます。  御指摘のように、まず第一点は、給付面の改善で緊急なものを取り上げるということが一点でございます。  それからやはりもう一つ問題がございまして、提案理由説明でも大臣から御説明いたしましたように、財政状況におきましては非常に悪化の状態にございまして、年間の給付の二倍に及びます累積赤字がたまっております。財政的に破局的な状況にありますので、やはりこの際におきまして、その単年度収支を均衡させるというところまでの財政対策ということではございませんで、昨年の国会で政府管掌の健康保険が保険料率千分の七十というのをお認め願いましたので、それとの均衡を見まして、低所得者が多いこの日雇保険でございますが、千分の四十程度の保険料の負担はぜひやっていただきたいということで、両面からこの法律の改正をお願いした次第でございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 私の質問に対しては、いわば総花的な改正全般についての理由説明のような話でございまして、重点がどちらにあるか明確ではありません。しかし、私は率直に申し上げて、この今回の改正案を出している内容それ自体から見れば、約百億程度の保険料増収になって、この給付内容の改善についてはその比率はきわめて少ない、こういう具体的な内容から見て、今回の改正のねらいというものは、やはり保険財政の赤字解消というところに重点がかかっているのではないか。このことを政府当局なり関係当局は、そういう立場を認めると、この法案それ自体に対する反対運動というようなものが非常に強まってくる、こういうようなことを考慮して、いま局長が説明されたようなことを言われておるのじゃないかと思うのですが、その点について、いま一度、私は以下質問することにも関連をするので、重ねてお尋ねしておきたいと思うのですが、保険財政の赤字解消の一翼にする、そこへ重点を置いたものでないというふうに理解してよろしいかどうか。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 財政対策とわれわれの観念いたします場合においては、やはり少なくとも単年度収支が均衡するというのをもってほんとうの財政対策というふうに考えるわけでございます。ただし、先ほど御説明いたしましたように、今回の保険料の引き上げにつきましては、これによりまして単年度収支は均衡いたしません。それは社会保険でございますから、収支相当の原則ということで、少なくとも単年度収支は合わすべきでございますが、この保険料アップにおきましては、それは合っておりません。しかし現行の二十円、二十六円というふうな保険料の負担につきましては、やはり三十六年以来そういう状況でございますので、先ほど申しましたように、政府管掌の保険が千分の七十という状況でございますので、それとにらみ合わせまして千分の四十程度までは、やはり保険でございますので、低所得者にも負担していただきたい。そういう意味で、いわゆる財政対策ではございませんけれども、やはりこの保険料アップによりましてこの破局的状況にあります財政状況を少しでも好転をするようにというふうに考えたのが一面と、それからやはり給付面につきましては、その財政面から見まして、先生御指摘のとおり、保険料のアップに比べて少ないことでございますけれども、あらゆる項目にわたりまして改善をしたつもりでございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 私は保険料日額そのものが三倍も四倍も一気にはね上がっているという点から見て、これは、いまの答弁によりますと、昨年末の政府管掌の健保等とのつり合いも考慮してといいますけれども、この保険料が三倍、四倍というような形で増額されるということは、やはり客観的に見た場合に、これは保険財政の赤字を解消するというところへ重点を置いたというふうに言われてもしかたがないのじゃないか、こういうふうに私は考えるわけであります。その点はなお私の考え方に対する当局の見解を示してもらいたいのと、時間の関係がありますから、そのことに関連をして前に進みますが、今回のこの改正によって第一級が三十円、二級が六十円、三級が九十円というふうな異常な保険料の引き上げをやっておるわけですけれども、このランク別による各産業別の対象人員はどういう形になっているか、これを聞かしてもらいたいと思います。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 第一点の急激に保険料が上がるという点でございますが、これは平均いたしまして二倍程度の引き上げになると思います。しかし、御承知のように、三十六年以来四百八十円未満が二十円、四百八十円以上が二十六円、これは労使折半でございますので、その半分が被保険者負担、こういうことでございますので、やはり賃金日額もそれ以後ずっと引き上がっております。そういう点からいたしまして、先生は赤字対策とおっしゃいますけれども、われわれとしましては失業保険の額あるいは政府管掌の保険料負担、それを横にながめまして、低所得者ではございますが、この程度は負担をしていただけるものということで出したつもりでございます。  それから第二点の産業別というのは、資料がございませんで、ちょっと見当が違うかと存じますが、賃金日額につきまして今回の改正につきましての分布を申し上げますと、千円未満のものの分布が大体二九・二%、それから千円以上千七百円未満のものが三一・〇%、それから千七百円以上のものが三九一八%、おおむね三段階に分けましたのは、分布から見ましてこういうふうな点を押えて三段階にしたわけでございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 産業別の区分については、ややこれは事務的なことになりますから、時間の関係もありますから、あとでできれば並行的に、ひとつ調べて資料を出してもらいたいと思います。  そこで、なるほどいま答弁を聞いておりますと、労使折半だから、そういう観点からいけば、この保険料の引き上げは平均して約倍額程度だ、こういう言い方ですけれども、現行が二十円と二十六円というものに対して、六十円、九十円。しかもいまの説明にあったように、一級、二級、三級のランク別からいけば、それぞれ約三割程度の比率を占めておるという点からいって、これはいろいろ加重平均的な算定のしかたもありましょうけれども、約三倍程度の引き上げになっている。これはなるほどここ何年間か保険料の改定はなされなかったとはいいながら、客観的に見れば、私は異常な大幅な保険料の引き上げだと思うのです。こういうことは、昨年の五月の二十三日に社会保障制度審議会なりあるいは社会保険審議会から出された答申ないしは意見、そういうものの趣旨との関連において、私ははなはだもって相反するものがあるのじゃないか、こういう答申ないしは意見との関連において政府はどのように考えているか、答申案を尊重するたてまえに沿って今回のこのような改正案を出してきたというふうに考えているのかどうか、この点は基本的な問題ですから、大臣からひとつ答弁を願いたいと思います。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 審議会の意見は十分尊重いたしまして、先ほど来のお尋ね並びに答弁に関連してでございますが、保険料率が相当程度上がります。また給付内容も、御承知のようにある程度高くなるわけでございますが、どちらに重点があるか、財政的に重点があるかあるいは給付の改善に重点があるかということでございますが、現行の制度があまりに実態とかけ離れておる。給付の面においても、ほかの制度から見てかけ離れておりますし、また保険料算出の基礎である二段階の給与日額などについても、現状とあまりに離れておりますので、とにかくできる限り現状と合わせてやっていこう、こういうことから出発しておりますことも御了承いただきたいと思います。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 答申案あるいはその意見を尊重したと言っておりますが、それでは答申案の内容はどういうものであったか、その中身を聞かしてもらいたいと思います。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 まずこの日雇いの関係につきまして、法律上かけます審議会が二つございます。まず社会保険審議会でございますが、これにつきましては、この答申におきまして、「今回の諮問は、現行制度の下において給付の改善を図ろうとするものであるが、政管健保の給付水準にくらべ、また、保険料の引上げを行なう関係からみて今一段の改善を考慮すべきであり、同時に保険料の急激な増加はこれを避けるよう配慮の要があると認められる。」というふうな趣旨のもとにおきまして、その療養給付、傷病手当その他につきましての見解が出ておるのでございます。  ここで申し上げておきますが、最初厚生省が諮問をいたしました原案を、審議会におかれましては相当変更をして、そうして先ほど読みましたような趣旨のもとに相当変更をされて答申がございました。この法律は、当初私のほうで諮問をいたしましたのを修正されました審議会の答申を尊重をいたしまして法律にしたものでございます。ただしこれは社会保険審議会におきましては全会一致にはなりませんで、総評並びに中立労連を代表する委員の方につきましては、やはりその保険料の問題でありますとか国庫負担の問題につきまして反対であるということはございました。しかし審議会としましてはとうとう一本になりませんて——この審議会は九人、九人、九人の三者構成でございます。総評並びに中立労連の系統の委員の方はそのうちの四名でございますので、われわれとしましては、公益委員を含めた多数の意見のとおり、修正されましたとおりの形にいたしまして法律をつくった次第でござざいます。  それから社会保障制度審議会におきましては、「医療保険の抜本改正を前にして、現行制度のもとに若干の手直しを行なうことの意義については多少の疑問なしとしないが、改正を行なうとすれば保険料の急激な増加は緩和すべきであり、給付の改善には一層の配慮を要する。社会保険審議会の多数意見は一つの参考案に違いないが、なお一段の努力を期待したい。」というふうな形から、非常に簡単な答申でございまして、われわれといたしましては、一応制度審議会におかれましてもまあまあこれでよろしいというふうなお考えであろうというふうに考えたわけでございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 これは私ども社会党の内部の連絡問題もあるかもわかりませんけれども、私は率直に言って、大臣欠席のままで質問をするということについては聞いておりません。これは何も私は大臣とやりとりすることだけが国会審議だとは思っておりませんけれども、この法案が冒頭私が申し上げたように、会期末ぎりぎりまでこういう形で持ち越してきたという、そういう経緯から見ても私はきわめて重要な法案だというふうに国会も、また政府当局も認識をしておると思うのですね。しかもこの法案が正式に審議をされるのは、きょうが初めてだと思う。そういう審議をされるときに、大臣が他の関係で、国会内の事情もあるのでしょうけれども、離席をしなければいかぬということであれば、一たん休憩してやったらどうですか。その理由をもう少し明確にしてもらいたい。

倉成正自由民主党

○倉成委員長 ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕

倉成正自由民主党

○倉成委員長 速記を始めてください。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 私は率直に言ってこれは釈然としません。それはわがほうの理事もいませんから、部内の問題は部内の問題としてなにしましょう。しかし一応理事会でも相談をされておるスケジュールもありましょうから、私はそのことはきわめて不満でありますし、釈然としませんけれども、以下質問を続けたいと思います。  いま局長のほうから社会保障制度審議会なり社会保険審議会なりの答申の内容について説明がありましたが、大きく分けて四つの内容があるのではないか。その一つは適用範囲の拡大であり、その一つは給付の不均衡の是正であり、その一つは適正な保険料の設定であり、その一つは国庫負担の増率、しかしその基本的な答申なりあるいは社会保険審議会の意見に見られるものは、保険料の急激な増加はこれを緩和すべきである、やるべきでない、こういう趣旨の答申になっておると思うのですね。そういう観点からすれば、私は両審議会の答申の趣旨には沿っていないのではないか、こういうように判断するのですが、その点はどうでしょう。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 先ほども答弁いたしましたが、最初に諮問案を提出いたしまして、その途中におきまして原案をおりおの具体的に修正をされました。療養の給付期間につきましてもあるいは傷病手当金の支給期間につきましても、あるいは出産手当金につきましてもおのおの修正があったわけでございまして、われわれとしましては、その具体的な修正点をそのまま法律の形にして取り入れたわけでございます。この御趣旨といたしまして、この具体的な点を、こちらの原案でなしに、答申のとおりやりましたことによりまして、趣旨は全部十分に生かしたものというふうにわれわれとしましては考えておるわけでございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 私は前段、少しことばが足りなかったかもわかりませんけれども、昨年の五月二十三日に出されておる答申の内容には、抜本対策の機会には、という前提があるわけですね。抜本対策というのは、政府は昨年八月五日付で両審議会に対して諮問をしておるいわゆる抜本対策、医療保険制度改革要綱試案を諮問されておると思いますが、こういう抜本的な改正をやるときには、いまここに出されておるような善処を、あるいは考慮をすべきだというのが答申案の趣旨であって、こういう抜本対策の根本的な検討が諮問機関の中で討議され、昨年の八月五日諮問をして、そういう進行過程の中で、こういうものだけ、今回のような改正案を部分的に切り離して法律改正として出すことについては、私はこの答申案の趣旨からいっても間違いではないか、このように考えるのですが、どうでしょうか。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 その点先生のおっしゃるとおり、この審議会におきましても非常に議論のあったところでございます。実はこの法律は、御承知のように昨年の健保特例法と同じ時期に提出をいたしたわけでございますが、御承知のような事情で、一年おくれてまた再提出をさせていただいたという事情でございます。その前に審議会におきましても、やはり抜本改正のときに日雇いの問題はやるべきじゃないかという御議論でございました。しかし私たちのほうで説明をいたしましたのは、まず抜本改正につきまして既存の制度をいろいろ御検討願うに際しまして、日雇保険につきましては三十六年以来改正をいたしておりませんので、この抜本改正に移行する意味においても、この際給付面なり保険料なりという一段階を踏んでおくことが抜本改正にスムーズに移行するゆえんであるという点が一つと、それから審議会に抜本改正をこれから御諮問を申し上げるに際して、やはり基本線には触れませんで、現行制度をそのままにいたしまして、現行制度のワク内で必要最小限度の給付面と保険料の改正をやりたいという点をるる御説明いたしまして、審議会におきましても、最初のころは抜本改正のときにやるべきだ、審議会としてもこれは取り上げないでやろうかどうかというところまで議論が出ましたが、相当長期の御審議を得て、先ほどのような答申が出たという次第でございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 昨年の八月五日にこの両審議会に対して諮問をして、いつごろまでに答申をしてもらうべく政府当局としては考えているのか。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 八月五日の諮問につきましては、厚生省から改革要綱試案という考え方を示しております。その試案も実は二つに分けまして、将来の基本構想というものと、さしあたり実施すべき事項というふうに二つに分けて考え方を出したわけでございます。そして審議会に対しましては、その抜本改正の問題につきましては二年以内に着手いたしたいというふうに前国会におきましても大臣その他答弁をいたしておりますので、やはり二年以内に着手をするというためには、さしあたり実施すべき事項につきまして、これは私たちの判断におきましては、そう基本的に問題のある問題ではなかろうという判断でございます。これを二年以内に着手しますためには、来年の通常国会に法案を出さなければ着手できない。それからまたその法案を出します前提としまして、本年の暮れの四十六年度予算編成に予算化しなければならない、そういうことがございます。財政法に基づきまして概算要求する期限は八月三十一日でございます。やはりそれまでに、さしあたり実施すべき事項でもけっこうでございますから審議会として意思表示をいただきたい、こういうふうにお願いをして努力をいたしておる次第でございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 いまの答弁にあったように、さしあたり実施を要する部面については来年度の当初予算の編成に間に合うように、こういうことであれば、いまここで審議をしておるこの法律の改正を一年だけ急いでやらなくとも、そういう全体的な医療保険制度の抜本的な改正と一般的な健康保険、政府管掌あるいは日雇健保、その他そういう全般的な保険制度の位置づけの中で、このたびの日雇健保の問題についても適正な保険料はどうあるべきか、医療給付の内容は他の健康保険とのつり合い等から見てどうあるべきか、また、より社会保障的な性格を持たすためには国庫負担の割合をどういうものにしていくべきかという観点からこの検討をし、その段階で法律改正として出すのであれば、そのことのほうがよりベターではなかったのか。なるほど昨年のどさくさ国会のそこへ一つの焦点を合わせて考えると、何か局長の言っておることが合理的なようにも聞こえるわけですが、私はそこに焦点を置くのではなくて、いま医療問題全体の根本的な改正問題が論議されておると同時に、保険制度そのものも抜本的に改正しようじゃないかということが具体的に日程にのぼっておるわけです。しかも先ほどの答弁にあったように、来年度の政府予算までに間に合わすということであれば、この一年間だけ急いで今回日雇い健保を今国会に出してきたという点については、なぜそういうことになったのか、そのあたりの事情をひとつ聞かしてもらいたいと思うのです。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 先ほどから答弁をいたしておる内容でございますけれども、三十六年以来この改正をやってこなかった。その改正をやってこなかった一つの理由は、日雇いは抜本改正のときにやるべしというふうに、実は社会保険審議会の四十年ころの答申にもございます。そういう点でまいりましたけれども、先ほど申しましたように、第一点で全保険につきまして分べん費を大幅に改善した。それでは抜本改正まで日雇いだけは待っておるかという問題も一つございますし、それから、それまでに私たち日常関係団体のいろいろ陳情を聞いておりますときに、給付面の改善について、療養の給付であるとか傷病手当金ということについてやはり改善すべきであるというような声も相当ございました。  そういう点と、それから一方確かに先生御指摘のように財政的な面も、保険でございますので、やはりわれわれ考慮せざるを得ません。そういう点から見まして、保険料の点につきましても一刻も早く合理的な線にまで持っていく、それが抜本改正を御議論になりますときにスムーズに移行する一つの点であろうというふうに考えるわけでございまして、この抜本改正で、ちょっと余分になりますけれども、五人未満の被保険者を適用するという線を打ち出しております。そういう点との関連におきまして、現行制度におきましてはやはり一定の考えのもとにレベルを合わせておきませんと、これだけ非常に低い保険料で非常に貧弱な給付というものを前提にして抜本改正を御検討になりますよりも、やはりこれは国民の健康にも関係する問題でございますので、改正すべきものはやはり刻々と改正をし、やっていきたいということで、その辺は審議会にもるる御説明をして御了解を得て御答申を得たという経緯でございます。御了承願います。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 私は考えるわけですが、いまも指摘しましたように、この日雇健保の改正をやるとすれば、一年間くらいは待ってもよかったんではないか。しかし率直に申し上げて、大蔵当局かどこか知りませんけれども、財政当局から強い圧力ないしは要求があって、私はこういうことになったのではないか、こう思います。今回の改正のなにからいけば、九十九億、百億足らずですから、その程度の金の問題であれば、一時借り入れでもやって、そうしていませっかく諮問機関にかけておる根本的な制度改正の要綱案が答申された段階で、今回の改正に盛られたような、もちろん中身は変わると思いますけれども、そういうものを出してくることのほうが、行政の筋としても政治の一つの筋としてもよりベターではなかったか、どうしても私はそういうふうに思えてならないわけですよ。これでも、たとえば、例の食管会計ではないけれども、単年度で一千億からあるいは二千億からというようななにであれば、いま局長が答弁されているようなこともわからないことはないけれども、しかし、わずか百億足らずでしょう。それで、この部分だけ切り離して改正案を出してきたということについては、別のところにその理由があったんじゃないかと思うんですが、その点についてはどうでしょうか。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 御承知のように、この日雇いの関係の有力な団体の代表が、社会保険審議会の委員になっておられます。全日自労、全建総連というところから委員が出てきておられますので、その辺はやはり委員の方ともいろいろ相談をし、関係団体のほうの御意向とも、私どもとしましては、十分連絡をとって踏み切ったつもりでございます。ただ御指摘のように大蔵省からの圧力という点につきましては、大蔵省的な考えでいきましたら、先ほど申しましたように純然たる単年度赤字について、財政収支が合うように、累積赤字は別として、単年度収支を合わせるということは、これは役所らしい財政政策でございますが、その点については私たちは大蔵省の言いなりになっておりません。やはり低所得者でございますので、負担能力から見て政府管掌が七十である場合に、四十程度であれば、いかに低所得者でも均衡から見ておつき合いいただけるのではないか、そういう観点に立ったわけでございます。ここで答弁すべき問題じゃないと思いますが、やはり当時の状態といたしましては、日雇いの問題が、政府管掌の保険の十分の一の規模でありながら、だんだんと累積赤字が政府管掌保険の累積赤字に近づいてきております。そういうことで、いわゆる財政関係の審議会その他におきましてやはり相当強い意見もあったわけでございます。そういう点から見て、われわれとしましては、この制度をスムーズに維持して抜本改正に持っていくためには、ここで一定の手直しが必要であると私は判断をした次第でございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 次官、実は私は先ほどちょっと委員長に、この国会にかかる法案はみんな軽重はないけれども、ごく客観的に見て、きわめて重要法案として自他ともに認めたこの法案に対して、大臣欠席のまま審議することについては、はなはだもって心外だということを申し上げたんですが、たまたま次官出てきたわけですが、私はその点については、参議院の関係もありましょうけれども、やはり衆議院がこの問題について初めてきょう質問をするということになれば、そういう審議に応ずる態度は十分あってしかるべきじゃないかというふうに考えるわけです。その点について、これは言ってみたって、いないのですから、あなたの答弁を聞いても気休めになるかならぬくらいですから、答弁も要りませんけれども、いま私が質問をしているのは、抜本改正についての諮問が出されておるでしょう、そういう段階で日雇健保だけこういうふうに切り離してやらなくても、一年間ぐらいなものは待って、そうして改正案を出してきてもいいのじゃないかということを聞いておるわけですが、その点についてはひとつあなたのほうから見解を聞かしてもらいたい。  それと、時間の関係がありますから質問を続けますが、先ほどから抜本改正に移行するために、できるだけ抜本改正がしやすい一つのステップというか、地ならしをするための条件としてこれをやっておるのだということを盛んに答弁されるのですが、そういうことですと、抜本改正の機会に、またこの保険料の改正を含めた条件、内容の変更というものがあり得るのかないのか、私どもはそういう朝令暮改的にやるべきものではないと思うのですが、その点はどうでしょうか。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 その点でございますが、先ほどから答弁申し上げておりますのは、財政面とそれから給付面と、両面の改正でございます。先生先ほどもう少し裏面のといいますか、なぜこれを出してきたかということについて、何かあったのではないかということで、私、少しそれましたといいますか、この法案の内容以外のバックグラウンドを申し上げた次第でございます。やはり抜本改正のときにおきましては、御承知のように社会保険審議会、制度審議会がありまして、私のほうの諮問といたしましては従来どおりの特殊性を考慮して、給付面、財政面の合理化をはかるだけの考え方をお示しをして、いま諮問中でございますので、できるだけ審議会の先生の御意見を聞きまして善処していきたいというふうに思いますし、先ほども申し上げましたように、これは日雇いの代表の委員もちゃんと二人加入しておられますので、その点は十分御審議になるものというふうに考えております。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 そのいま諮問している財政面と給付面の内容を、ごく簡単に説明してください。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 そういう内容はつけませんで、単に抽象的に、日雇健保につきましては現行どおり特例を設けるが、一般勤労者との均衡を考慮して費用負担面及び給付面の合理化をはかるというだけの考え方を諮問の中に織り込みまして、そして審議会の御意見を聞こう、こういうことでございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 それでは、その諮問をした側の意向としては、保険料の改定というようなものを考えていないのかどうか。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 その点につきましては、その現行どおりの特例を設けるという形を私たちははっきり打ち出しております。それと、保険料の問題につきましては、この諮問の中におきまして給付面の改善を含んでおります、家族の五割を七割に上げるとか、そういうふうな関連がありますので、やはり保険料にはね返る分につきましては、われわれとしましては、給付の改善が、抜本改正がいろいろ検討されて、これをやるべきだということであれば、保険料のアップにはね返ってくるという点は、十分に出てこようと思いますが、いずれにしましても全般との関連で審議会がどういう御答申になるか、その辺を見て善処いたしたいと考えております。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 来年以降の問題については、きょうの持ち時間の中でこなそうとしても、これはとてもじゃないができないと思いますので、それは留保しますけれども、給付内容の改善を求めるためにその財源的なよりどころを保険料率にすぐ直訳的にはね返していくというこの考え方は、特に日雇健保の性格上からいって問題があるのじゃないか。むしろそこへ配慮をする前に、国庫負担の増額というところへ重点を指向した財政面の対策というものの考慮があってしかるべきじゃないか。その点についての基本的な考え方をひとつお聞かせいただきたいと思います。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 現在におきましても、日雇保険は非常に低所得者層を対象にしました保険でございます。そういう意味におきまして、すでに三割五分の定率国庫負担をいたしております。政府管掌の健康保険は御承知のように中小企業の被用者を対象にいたしておりますが、制度上は国庫負担は入れないという形の制度でございまして、日雇保険につきましては三割五分の定率の負担を入れております。今回の保険料アップにつきましても、特別対策として、予算措置として従来三億でございましたのを十億にふやして、国庫負担を入れております。その点は抜本対策におきまして、社会保険でありますけれども、国庫負担の点をどの程度にするか、それこそ抜本改正の一つの重要な議題だと思いますが、その点は今後審議会におきましても重要な議題として御審議が行なわれるものというように考えております。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 基本的な点についてお尋ねしたわけですが、いまの局長の答弁を聞いておると、たいへん失礼な言い分ですけれども、私は官僚の一番ずるいところを遺憾なく発揮したような答弁のように聞こえたわけですよ。私が聞いておるのはあなたに聞いておるのであって、国庫負担をふやすというところに重点を置いた、そういう社会保障制度的な性格をより持たすものにすべきじゃないかということをあなたに聞いておるのであって、そういう点を考慮して、審議会は検討するであろうなんて、審議会のことをぼくは聞いておるのじゃないのです。ですからこういった保険制度の問題について、一番その中心的な役割りを果たしておるあなたたちがどう考えておるかということを聞いておるわけです。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 私のほうの考え方は、この諮問をしております試案の中に考え方を押し出しておるわけでありまして、私のほうの考え方は財政調整ということを中心にいたしております。だから健康保険組合あるいはそういうところから財政調整によりまして日雇保険、そういうところへ金が流れていく、その流れていくときに二分の一の国庫負担をつけるという、国庫負担をその部面につけていこうという考え方でございます。総体的に見まして、われわれの国家公務員の共済組合でありますれば、こういうところから市町村共済あるいはそういうところへ流れていく、その際に国庫負担をつけるということで、財政調整によりまして、国民皆保険下におきましてはやはり同じような所得の方については大体同じような保険料負担にできるだけ近づくように、しかしおのおのの制度の自主性はこわさないように、二分の一財政調整というのをもってわれわれの考え方の中心にいたしておるわけであります。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 これは事務的なことになるかもわかりませんが、現行国庫負担の約三割五分というものが、いまの局長の答弁の趣旨に沿った配慮をした場合は、現行の制度でいくと何割ぐらいになるのか。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 ちょっと御質問の趣旨を十分理解していないのでございますが、私のほうの考え方は、財政調整をやりますことによりまして、日雇保険の従来の三割五分の定率負担を変えないで、三割五分の負担を日雇い保険についてはやはり入れておいて、その残りについて二分の一財政調整をしようという考え方でございますので、裕福な保険からこの日雇保険に出てまいります金の点につきまして、そこへ国庫負担をつけておりますので、その国庫負担と三割五分を足して実質何割になるかという計算は、ちょっと現在のところやっておりません。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 いろいろ制度改正をやる場合あるいは財政調整をやる場合のやり方については問題があると思うのですが、私は基本的には、当面この日雇健保に関する限りは、他の保険とのつり合いもあるかもわかりませんが、このつり合いの論議になると内容の論議をせないけませんね。いろいろな角度から内容論議をやらなければいかぬと思いますが、私は少なくとも現行のあらゆる医療保険制度の立場から見ても、国庫負担は五割程度を目標に、日雇健保の財政負担については国がめんどうを見るべきではないか、こういうふうに考えるわけですけれども、もし私が主張するような国庫負担の割合をそういうところへ置いた場合には、他の制度との関連において特に不都合を生じるようなところがあるかないか、あるとすればどういうところなのか、その点について聞かしてもらいたい。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 やはり、社会保険方式をとるのがいいか悪いかという問題が一つ前提にございます。しかし保険をとる以上におきましては、被保険者というものにつきまして制度が分かれております場合には、賃金でいきますが、それと標準報酬とを一応合わせまして、その負担につきまして均衡をとった上で、その残りについて国庫負担をいかにするかということでございまして、頭から日雇保険だから五割という点につきましては、もっと慎重に検討をしなければならぬというふうに考えますし、抜本改正に移行する一つの前提として、できるだけそういう議論のときにベースを合わしておきたいと先ほど言いますのは、政府管掌の保険その他の日額から見て、千分の七十に対して四十ぐらいはひとつ負担をしていただくという形にしておきまして、その上で国庫負担の現在の三割五分がいいかどうかというような点につきまして関係審議会の意見を聞きたいと思いますし、私たちは先ほど申し上げましたように、ベースを合わせておいて、三割五分の定率国庫負担をそのままにしておいて財政調整をやれば、相当のところまでレベルが合うのではないかという考え方を持って諮問しておる次第でございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 それでは若干内容に入りますが、現在日雇い労務者の平均賃金はどの程度になっているか。それに関連する民間、一般公務員あるいは公共企業体関係の労働者の賃金でもけっこうですし、ある意味においては年間所得という所得で比較してもけっこうですが、そういう内容について説明をしてもらいたい。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 現在の日雇健康保険の対象でございます一般日雇労働者の平均賃金は、千八百三十一円でございます。それから労働省の屋外労働者の実態調査によります擬制適用関係の平均賃金は、二千七百三十六円でございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 私は、先ほどの局長の答弁からして、日雇保険に対する国庫負担の割合をどの程度にすることが一番妥当であろうか、そのためには同じ労働者に適用されておる保険制度について検討する一つの側面として、やはりそれぞれの所得というようなものも重要なものさしになるんじゃないかという観点から論議をしようと思ったのですが、いまの答弁にもありませんでした。しかし私の時間がもう来たようであります。私は私なりに調べたものを持っておりますが、何といっても日雇労務者の所得はきわめて劣悪な状態に置かれています。したがって、基本的な観点からいけば横の労働者あるいは横の保険、社会保険との均衡というよりも、今日このような低所得者層に対しては、極端にいえば本人負担なしの医療保険制度というものを考えてもいいんじゃないかとさえ私は思っているわけです。そういう点からいけば数字の上の均衡論ではなくて、日雇労働者が人間として生活をしていくための医療保険のあり方はどうあるべきかというところへ基本を置いて、いま諮問をしておる制度改正についても当局は十分な考慮を払うべきであるし、またそういう方向に沿ってこの日雇健保の問題については考えるべきではないか、こういうふうに思います。この点については私の質問も最後になろうかと思うので、橋本次官のほうから私の見解に対するいわば厚生省というか政府の見解を聞かしてもらいたい。  いま一つは、均衡論ではありませんけれども、そこまで他の保険との均衡を言われるのであれば、今度の改正案の中には療養期間が現行二年を二年六カ月に延長するという若干の前進方向が示されておりますけれども、こういう根本的なものについては、料金だったら料金でその千分の七十と千分の四十——これがいいか悪いかは別ですよ。いいか悪いかは別だけれども、そこに一つの均衡点を求めるのであれば、今度はこの療養期間の問題等については、一般の健康保険と同じように、二年半だとか三年半だとかそういう限定的な期限をつけないで、他の一般健康保険と同じような給付内容にすることが当然ではないかと思うのですよ。そういう点について、これはある意味においては基本的な考え方ですから、次官の見解を聞かしてもらいたいと思う。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 基本的な考え方としては、ただいま藤田委員が御指摘になりました方向は、そのとおりであると思います。ただ今日の諸般の情勢によってそこまで私どもが行ない得なかったという点については、今後において私どもが考えなければならぬ問題を含んでおると思います。基本的な考え方という点に関する限り、ただいまの御指摘はそのとおりであると私も思います。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 基本的なそういう方向が期せずして——これはやはり若手政治家の一つのいい感覚であるし、おせじではありませんけれども、医療行政はぜひそういう方向に沿ってがんばってもらいたいと思うわけです。  そこでせっかくこの法案について私質問をしたわけでありますが、いまの答弁に関連をして、療養期間を二年半にする、これをさらに善処される意向があるかどうか、この点についてひとつ聞かしてもらいたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 率直に申し上げまして、行政当局の段階としてはこれ以上に踏み切る段階ではございません。私どもの能力としては、今回御提出したもので一ぱいであります。ただ、これからこの法案を取り扱っていかれる上において国会の御意思等がどのように表明されますか、それによって私どもは次の段階に処してまいるつもりであります。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 きわめて政治的な答弁でありますが、いまの国会内の動きも私わからぬことはありませんし、いまの橋本次官の答弁によれば、事務当局としては、この法案ではこういいますけれども、その点については国会の意思によって、審議経過の上に立って前進できることを、これは与野党の関係もありましょうが、お互いに努力するということで、次の同僚議員に私は質問を譲りたいと思いますので、私の質問はこれで終わりたいと思います。

倉成正自由民主党

○倉成委員長 後藤俊男君。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 いま一時間ほど質問がありまして、オーバーラップする点があるかもしれませんが、ひとつお許しいただきたいと思います。  最初に日雇健保の財政状況につきまして、簡単でけっこうでございますから御説明いただきたいと思います。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 日雇健康保険の財政状況は、三十一年以来赤字財政になっております。その後逐年赤字の幅が増大して、相当深刻な状況になっております。四十三年度の決算におきます累積赤字は六百五十五億円でございますが、四十四年度におきましては、単年度百九十五億の赤字を生じ、年度末の累積赤字が八百九十四億になる見込みでございます。さらに四十五年度でございますが、ただいま御審議をわずらわしております改正法の成立を前提といたしまして、なお単年度百八十五億円の赤字を生じまして、年度末の累積赤字が千百四十二億円に達するものと考えております。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 次は日雇健保の適用の内容でございますけれども、事業所の数もあるだろうし、さらに適用される数、さらに擬制適用の数、これらにつきましてひとつ簡単に御説明いただきたいと思います。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 日雇健康保険の適用状況でございますが、事業所は約四万五千、現在適用しております被保険者数が約百九万人、そのうち擬制適用被保険者数が約四十一万人でございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 この保険料は、いままでの保険料では赤字財政で、ますます赤字が大きくなってくるというようなことも考えられまして、保険料の改正というのが一つの問題点だったと思うわけです。審議会におきましても、大幅な引き上げについては慎重に考えるべきだ、こういう内容もあると思うのです。  そうしますと、第一級、第二級、第三級ですか、第三級のごときは三・五倍の引き上げになるのじゃないかと私ども思うわけでございますけれども、この審議会の答申の内容から考えてみてもちょっと引き上げ過ぎのような気がするのですが、こんなに大幅に一ぺんに引き上げる必要はないように思うわけなんです。なぜ一体このように大幅に一ぺんに引き上げなければいけないのか、その理由があればひとつお答えいただきたいと思います。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 先ほど藤田先生にもお答えいたしましたけれども、何ぶんにも三十六年以来あのままになっておりましたので、当時といたしましては四百八十円を上限としまして大体半々の分布で二十円、二十六円という保険料をきめたわけでございます。ところが、それ以来そのままでございましたので、やはり給付面の改善をいたします際に、賃金の実態に応じまして保険料の上昇をお願いしたいというふうに考えたわけでございます。先ほども申し上げましたように、大体賃金の分布から見まして三等分できるようにという配慮をしたわけでございまして、従来どおり二等分にしますと、非常に急激な形になりますので、その点を考えて三等級にしたわけでございますし、それから先ほど申しましたように収支均衡をとるというのが財政対策でございますが、これでも収支均衡はいたしませんで、やはり皆保険下において、国民の保険料負担の均衡をとるという意味で、政府管掌の保険が千分の七十という状況におきまして、非常に低所得者が多いグループでございますので、千分の四十程度はやはり賃金に応じて御負担を願えるのではないか、こういうことで保険料の改定をお願いしたわけでございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そうしますと、いま言われましたように、第一級、第二級、第三級ということに改定されるわけでございますけれども、第一級に該当するところの組合員数、さらに第二級、第三級にそれぞれ対応する組合員数は把握されておると思うわけなんです。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 第一級に該当いたします被保険者数は、昭和四十五年度におきましては十一万三百二十人。第二級に該当いたします者は六十三万四千五百二十人、第三級に該当いたします者は三十五万四千八百人というふうに見込んでおります。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 擬制適用の保険料は一体どうなるのですか。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 ただいま申し上げました数字におきまして、擬制適用被保険者は第二級六十円のところに四十五年度においては見込んでおります。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 それは一年半据え置くということで第二級ですか。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 おっしゃるとおりでございまして、一年半過ぎましたら九十円に格づけをする、こういうことでございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 いままでは擬制適用につきましては第一級の格づけですよ。これがこれから一年半は第二級の格づけ、一年半後には第三級の格づけ、これが擬制適用に対する考え方なんですね。この擬制適用につきましては一体この改正案のどこに書いてあるわけですか、擬制適用をそういうふうにするということは。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 擬制適用は、御承知かと思いまするけれども、昭和二十八年に保険課長の通達をもって実施いたしておるわけでございます。だから法律面には一切あらわれてまいりませんので、やはりその通達の線によりまして行政庁において方針をきめまして運営をしてきた、こういう経路でございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そうしますと、この擬制適用の保険料というのはここでも一切審議をされない、ただ審議会でこういうふうにやるのだという方向がきまると、それに基づいて一本の通達で決定をしてきめていく、こういうことになるように思うのですが、第一級、第二級、第三級ということで改正される時点において、擬制適用についてはさっき言いましたような方向で改正されるというのならば、当然あなたのほうからこういうふうに改正するという提案があってしかるべきだと思うのですが、この点いかがですか。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 先ほどの擬制適用の点につきましては当初から——一級二級今度の場合は逆になっておりますが、高い方に格づけをするという線でまいります。先ほどのように法律の根拠がございませんので、われわれのほうとしましては、国会との関係におきましては、いままでは関係をいたしませんでした。ただし審議会におきましては、擬制適用の関係の代表の方が委員になっておられますので、やはりその点につきましては上位にランクをするという形で説明をしてまいったわけでございます。しかし審議の途中におきまして、それを緩和するという意味におきまして、九十円に格づけをせずに一年半は第二級に格づけをして、その以後九十円に移るというふうに緩和を審議会においてはされたわけでございます。われわれのほうはそのとおりに実施するつもりでおります。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 私くどいようなことを言うわけですけれども、いま言われましたように、擬制適用の保険料につきましては、審議会で論議が行なわれて、一定の決定というか、きめられておるわけです。それだったらこの改正案の中で、擬制適用の保険料についてはこうこう、こういうふうにしたいという提案があってしかるべきではないかと私は思うわけです。ただ審議会できまったものですからと右から左に持ってきてこれで実施ということは、私はどうかと思うのです。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 先ほど申し上げましたように、擬制適用は昭和二十八年に保険課長通達をもって行政措置として実施をいたしております。それから日雇健康保険のほうの本体に準じてこれを擬制適用して被保険者について運用しておるということでございますので、その点につきましては法律とは関係ないという意味で、われわれのほうとしては提案をしていないわけでございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そうすると、これは別に法律とは関係がないわけですか。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 先ほど再三申し上げておりますように、課長通牒によりまして、一定の組合に雇用されたものと擬制をして、そうしてこの日雇健康保険の被保険者と同じような扱いで実施をしておる、こういう状況でございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 これは、これ以上言いませんけれども、第一級、第二級、第三級と改正されて、擬制適用の保険料も改正になるわけですね、今度同じように。それだったら当然、ここで審議される方向へあなたのほうが御提案があってしかるべきだと私は考えるわけですが、いまの説明ですと、昭和二十八年からですか、いわゆる課長通達で地方に持っていって、地方の保険部長が任意組合との間で保険料はこういうふうにしましょう、そこで約束ができて擬制適用になる、こういうかっこうになってくると思うのですが、この辺のところは今後の問題としても十分考えていただいたほうがいいと私思うわけです。一級、二級、三級ということで——上がらぬのならこれは別問題ですよ。三級というのは九十円になるわけですね。しかも先ほど説明されたところの百何万かその中の擬制適用者が、かなりの数があるわけですね。この擬制適用者の、かなりの数がある人の保険料が、ここでは全然審議されるという方向ではなしに、審議会できまったものですから課長通達で出して、それで実施、これは私はどうも納得がいかぬわけです。当然擬制適用については第三級の格づけ、ただし実施につきましては一年半か二年ですか据え置いて、その後に三級の九十円を取るのだというのは、審議会の方向として一応きまったんじゃないかと私は思うのです。それだったらそのことも含めた上で提案されて、そこで十分審議をした上でそういう処置をとってもらうというのがあたりまえのことじゃないかというように私としては考えるわけなんです。  それからさらに国庫負担の問題ですが、現在国庫負担は率でいうとどういうことになっておるわけでございますか。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 昭和四十五年度予算について申し上げますと、保険給付費に対して国庫負担は定率三割五分の国庫負担がございます。その額は百八十九億円計上いたしております。そのほかに日雇健康保険の特別対策費といたしまして十億円の国庫補助、それから日雇印紙の売りさばき手数料の補てん分八億の国費の支出がありまして、合計二百七億の国庫からの支出がございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 二百七億というと、約五割くらいになりますか。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 四十五年度の単年度の支出総額は五百五十三億でございます。その中で、ただいま申し上げました二百七億という国庫負担は、そのうちの三七%をまかなうわけであります。それから保険料収入が百六十億円見込んでおりますので、これが二九%であります。残りの三四%を借り入れ金でまかなう、こういう予算の構成になっております。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 だからいま聞きましたこの五〇%ということになるのかならぬのか、その点なんです。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 四十五年度予算について申しますと三七%ということになります。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 これを少なくとも国庫補助を五〇%に引き上げる、これは毎年毎年この委員会で論議が行なわれておると思うのです、去年はやらなかったんですけれども、なぜ一体この国庫補助を五割くらいのところまで引き上げる——今度は第一級、第二級、第三級で保険料の引き上げが行なわれるなら、同時に国庫負担も引き上げて、そして内容をもっとよくする、こういう方向へ持っていくのがごく常識的なことであろうと思っておるのですが、三七%で押えて、保険料のほうをどんどん上げていく。しかも審議会におきましても大幅の値上げはだめだぞというやつを、大幅に三・五倍も上げるわけなんですね。この辺はいかがですか。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 藤田先生に先ほどからお答え申し上げましたように、やはりこの社会保険が現在は九つに分かれております。国民健康保険は総医療費に対して四割五分という国庫負担を出しております。ただし、これは事業主負担がございません。被用者保険につきましては一応事業主が折半で負担をいたしております事業主負担の部分、それからやはり先ほどもお話が出ましたように、一方は標準報酬、こちらは賃金でございますけれども、その辺の見合いを見まして、そして現在の定率三割五分というものと、私たちの考え方としては財政調整というものを打ち出しておりますので、その点を勘案いたしまして、現在のところ三割五分の国庫負担は財政調整をやれば変える必要はないのではないかというふうに考えておりますけれども、いまの各保険について国庫負担は今後いかにあるべきかというようなことについては、先ほど言いましたように審議会の重要議題にもなりますので、この辺は審議会のお考えも聞いて抜本的な観点から再検討を現在しておるところでございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 ちょうど時間が来ましたので終わりますけれども、結局今度の第一番の問題は保険料の大幅引き上げの問題です。三十円、六十円、九十円ですか、これにつきましてはもう一ぺん考え直していただく必要があろうと思うのです。もう一ぺん考えるというのは、考え方にもいろいろありまして、大幅引き上げにつきましてはかなり異論のあるところでもありますので、とにかくこの大幅引き上げについては政府といたしましても十分再度御検討をいただく、ぜひこれはひとつやっていただきたいと思うわけです。  次が擬制適用の問題ですが、これはやがて抜本改正というのが問題になってくるであろうと思いますけれども、擬制適用を受けておる人はいつ何時どうなるかわからぬという不安があるわけです。これは私が言わなくても、そこへ現在におきましてもかなり申請が出ておると思うのです。昭和四十三年からでしたか、新しい任意組合は認めておらぬわけですね。これはその根拠というのは、財政的な問題が一番大きかろうと考えるわけです。ですからぜひひとつ擬制適用の問題につきましては、そういう不安な気持ちでやっている組合員の人がおられるわけですから、これらの問題につきましてもできるだけ解決をしていただく、できるだけ不安な気持ちがない方向へ考えていただくということをぜひお願いをいたしたいと思います。  それから今後の問題といたしましては、いま申し上げました国庫補助の問題、それから家族の診療医療費です。これは現在五割ですが、やはり七割まで引き上げていただかなければいかぬと思うのです。その他日雇い健康保険に根本的な検討をすべき問題がまだまだたくさんあると思いますが、それらの点につきましても、今国会におきましてはむずかしいかもわかりませんが、引き続いてあなたのほうへも陳情書がたくさん出ておると思いますので、その内容を十分検討されまして、とにかく前向きに進める方向へぜひひとつ検討していただきたいと思います。  その他まだまだたくさん問題がございますけれども、前の質問者の方もお話があっただろうと思いますから私はこれで終わりますけれども、全国的に多くの皆さんが日雇健康保険の問題を重大なる関心を持って見ておるわけでございまして、いわばあなた方の今日の一挙手一投足というのは大きく影響するわけでございますので、ぜひそういう点も考えていただいて、いま言った方向で力一ぱい今後も御検討をお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

倉成正自由民主党

○倉成委員長 古川雅司君。   〔委員長退席、佐々木(義)委員長代理着席〕

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 ただいま議題になっております日雇健康保険法の改正案につきましては、何回か保険財政の破綻を理由に保険料引き上げをはかろうとしてまいりました。そのつど国民の圧倒的な反対で廃案のうき目を見たわけでありますが、その前提ともいうべきいわゆる医療制度の抜本改正の問題につきましては、いまだに政府はその責任を果たしていなかったのではないかということが大勢の世論でございまして、その点についてくどいようでございますがもう一度御見解を承りたいと思います。きょうは大臣の御出席がないようでございますので、副大臣たる政務次官にまず御発言をいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 いま抜本改正の点についてお触れになりました点は、私どももその御発言に対しておわびいたさなければならぬところは確かにございます。しかし行政当局として今日までも全力は尽くしてきたつもりであります。むしろ私は、こうした問題は拙速をもって措置すべきものとは考えておりません。時間の点でおしかりを受ける点は今日までもありました。しかし、むしろ、時間を急ぐあまり、十分に練られていない案を御審議を願い、関係者にいたずらな不安を与えること自体が、これは一つの大きな社会問題であります。しかし、そうは申しましても、時間的に私どもにも許された限りはあるわけでありますが、その範囲内においてできるだけの努力はしてまいります。その点については、今後も御協力をお願い申し上げておきたいと思います。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 御答弁でございますが、これは総理におかれましても、しばしば御発言のあるところでありまして、私がここに持参しております会議録によりますと、近いところでは昨年の七月三日の本会議で、この抜本改正につきまして総理はこのように御発言をしていらっしゃいます。この点については「各方面の御意見を十分伺いながら、鋭意作業を進めている段階にあります。でき得る限り早急に、国民各位の納得のいく、りっぱな成案を得るようにいたしたい、」「このことが、私の責任を果たすゆえんでもある、かように私は確信しております。」という御発言でございます。総理の責任ある御発言でございますので、間違いはないと思いますけれども、どう見ましても、いろんな客観時勢から、この点については政府に重大な怠慢があるんじゃないかというふうに考えるわけでございます。ことに、今回のこの日雇健保につきましては、先ほどもございましたが、四十年の社会保険審議会におきましても、原則論として、日雇健保はあくまでも抜本改定という線でいくべきだという答申がなされておりますし、また、厚生省からいただきました今回の改正案の参考資料の中にございます、総理府社会保障制度審議会の答申あるいは社会保険審議会の答申と照らしてみましても、日雇い労働者については、あくまでも医療保険あるいは医療制度の抜本的な改正を加えた上で操作すべきであるというように、私は受け取った次第であります。医療保険の抜本改正を前にして、現行制度のもとにこうした手直しをしていくということについての意義については、非常な疑問が残っているわけでございますが、その点、いかがでございましょう。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 先ほど藤田先生にお答えいたしましたように、まず第一点は、分べん費の点につきまして、健康保険は昨年手直しをいたしましたから、これもしなければならぬということと、給付面の、従来の三十六年以来改正していない点を織り込んで改正をいたしたいということと、財政面におきましては、非常に低い保険料になっておりますので、賃金実態に合わせまして保険料の改定をやるという両面からお願いをしたわけでございますし、これが今後抜本改正に移行します際におきまして、非常に摩擦のないようにするゆえんであるというふうに判断をしたわけでございます。その点は、両審議会とも関係者が全部委員に出ておられる審議会でございまして、われわれが十分御説明をいただいて、そうして答申を得たわけであります。その答申に基づいて法律をお願いしましたが、その間の事情は御了解を願いたいと思っております。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 医療保険制度並びに医療制度の抜本改正について政府の努力が非常に怠慢であるという点から考えますと、ただいまの御答弁では私は非常に不満であります。ただ、この点でいつまでも議論を重ねるのも時間の制約上できませんが、今後さらに政府のこうした努力を懸命に果たしていただきたいと思うものであります。  なお、今回のこの法律案の提案理由の説明の中に、冒頭にあげてございます、いわゆる「昭和四十四年度末には、九百億円に近い累積赤字が生ずる見込みでありまして、」大体八百九十四億円と推定されておりますが、「このまま放置すれば、財政的に破綻し、」次が問題であると思いますが、「制度の崩壊は必至という情勢であります。」いわゆる財政の破綻を理由に、日雇健保制度を崩壊に導くという意図がここにあらわれているのではないか。何ら政府の財政的な援助、財政的にこうした特殊な労働条件にある日雇い労働者を守っていこうという、そうした誠意がみじんも見られないんじゃないか、このように考えられるわけであります。財政的な破綻を理由に制度の崩壊ということをちらつかせるあたりに非常に問題があるんじゃないかと思いますが、この点、局長いかがでございますか。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 こういうことばを使いましたのは、関係者のほうにおきしましても、やはり相当の累積赤字があるので、もうこれでは保険ではないではないかというふうな議論もされておったわけでございます。しかし、そういう形にならないようにというので、今回、その抜本改正を待たずして、われわれとしましては最小限度の手直しをして審議をお願いしたつもりでございまして、われわれの意図するところは、先ほどからもお話がありますように、四十年の答申で、抜本改正のときに日雇をやるべしということでございましたけれども、そういうような状況で、また、こういうものは制度の問題にまで関係者からいろいろ異論が出るという状態になっては困りますので、やはりやるべきものは一刻も早くやって、抜本改正のときにスムーズにこの制度が移っていくようにということを念願してこの案を提案した次第でございますので、その点はひとつ御了解を願いたいと思います。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 ただいまも申し上げましたが、日雇い労働者というのは非常に不安定かつ劣悪な労働条件のもとに置かれております。非常に慢性的な労働災害、あるいはそうした危険にさらされているわけでありまして、職業病の発生率も非常に高い。こういった貧困と病という悪循環の中に置かれている、そういう日雇い労働者の生活の実情から考えますと、どうしてもこうした底辺の労働者に対する救済あるいは予防対策あるいは健康管理というものに十分国の力を注いでいただきたいというのが要望の大半でございます。そういった点で、財政破綻を理由に日雇保険制度の崩壊というような不安を与えることのないように、今後とも国が全力をあげてこの制度を守っていくという点について、ひとつ次官の御所見を伺いたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 国が守らなければならないのは日雇健康保険ばかりではありませんで、これは健康保険制度全部に通ずることであります。その限りにおいて私どもはその努力を怠るつもりはございません。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 給付の内容につきましては、今回多少の改善がなされております。ただ、これを他の医療保険の水準並みに上げてほしいというのが被保険者の一貫した要望でございまして、その点について二、三触れさせていただきたいと思うものでございます。ことに社会保険審議会の昨年五月の答申の中にもはっきり、給付の改善をはかるべきである、しかも、これは、政府管掌の健康保険の給付水準に比べていま一般の改善を考慮しなければならないというふうに答申をいたしておりますので、それを前提として二、三お伺いをしてまいりたいと思うのであります。  まず、医療給付の期限の問題でございますが、これは今回二年から二年半、さらに用意されております修正案の中では三年半というふうにうたわれておりますが、これでもなおかつ不十分であると私は思うのであります。ことに被保険者におきましては、成人病をはじめとして慢性疾患、こうした病気が非常に多いわけでありまして、当然これは長期継続的な診療を必要とするわけであります。この点、修正案によって三年半と定められたとしても、なおかつ不十分でありますが、これを今後さらにどのように引き延ばしていくお考えであるか、その点が一点と、さらにこの被保険者が診療を受ける過程におきまして、現行では二年、この二年の期限が満了した以後に、その確認が漏れまして、治療費の返還を求められるというような例が多少あると聞いております。こう言った事例に対して、何らか救済の措置はないか、この二点についてまずお伺いしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 いま細部にわたっての御質問がありましたので、それらの部分については事務当局からお答えをさせますけれども、いま各党間で修正をする内容が云々という前提の御質問がございました。私どもは、事務的にこれまでしかできなかったというぎりぎり努力の結果を委員会に御提示を申し上げ、御審議を願っておるわけであります。それによって国会がどのような御意思をおきめになるか、私どもは今日のところではわかりません。それについて行政当局に御答弁を求められましても、国会において各党間で話し合っておられる中身のことにつきましては、私どもとしてはお答えを申し上げるわけにはまいりませんので、その点はお許しをいただきたいと思うのであります。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 それでは局長からお願いいたします。  期限につきまして、これはあくまでも他の医療保険と同じように、転帰までということを前提とすべきじゃないか。そういう点で、これを何年と限定した上でもなおかつ不十分である。今後どのように引き延ばしていくかという点、それから二番目にお伺いいたしました期間満了日の確認漏れの件、こういった点に対しての方策についてどうお考えであるか、その二点をお願いいたします。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 社会保険審議会におきましても、先ほどの給付水準の点が触れられております。その点はわれわれとしても努力をいたしたいと思います。ただ、この日雇健康保険は、制度そのものに付随した固有の一つの点を持っておりますのは、二カ月、二十八枚という保険料を納めたということで受給要件ができる、こういうことでございます。これは各国にない非常にむずかしい制度を、日雇保険につきまして、国民健康保険でなしに被用者保険という形でこういうふうに持ち上げたわけでございますが、やはり日々雇い入れられるという雇用形態から見まして、受給要件がございまして、それに対応した給付が行なわれる、こういう一つの固有の問題がございます。そういう点からいたしまして、受給要件との関連を見ながら、今後給付の問題、たとえば給付期間の延長の問題、そういう点につきましては、先生おっしゃるような御趣旨で努力をしていきたいというように考えております。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 療養給付の期間が満了したというのが後ほどにわかって、その期間経過後の分について、医療費の返還を求める場合の救済期間ということでございますが、法律で二年間という療養給付の期間が定められている以上、救済の手段はちょっとないと思います。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 これは被保険者の不注意ということもあるかもしれませんし、また医師自体の多忙のゆえの不注意ということもあるかもしれませんが、ただそのことだけで被保険者に非常な負担がかかってくるということは何とかこれを救済する——数も多いことでございますから、通知というようなこともたいへんかと思いますけれども、ひとつ真剣にお考えをいただきたいと思うのでございますが、いかがでございますか。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 さようなケースもあろうと思いますので、私どもとしてはケース・バイ・ケースに実情を調査して善処してまいりたいと思います。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 次に、いわゆる第一病の、最初の病気の治療期間中に第二病が併発した場合、これは休業していると検印がないわけでございますので、給付が認められないというのが現行法でございます。いわゆる休業して所得がなくなっている者に対して自費で診療を求めるということは非常にお気の毒なことでありますが、この点について、今回の改正についてはどのように措置をしていらっしゃるか、今後どのようになさるか、ひとつお伺いしたいと思います。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 御指摘の点につきましては、今回の改正には触れておりません。この辺は健康保険の継続給付、そういう点と同じ取り扱いにいたしておるわけでございますが、御指摘の点につきましては、われわれのほうも検討いたしまして、また抜本のときにも御議論になろうかと、このように考えております。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 この点も、他の医療保険と非常に差別を受けているところでありまして、その点これは早急な対策をお願いしたい、救済していただきたいというふうにお願いしたいのでございます。抜本改正を待ってというような意味合いの御答弁でございましたが、いまの点については次官いかがでございますか。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 これは現実の問題として、私どもやはり抜本改正まで時間をおかしいただきたい課題の一つであります。先ほどから事務当局がお答えを申し上げておりますとおり、予算面その他いろいろな面での制約が現実にあるわけでありまして、その範囲から私どもはここまでしかこの問題に対しては持っていくことができませんでしたが、今後なお検討は私ども続けてまいります。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 以下、そのような他の医療保険との格差について二、三御要望を含めお伺いするわけでございますが、今回の改正によりまして、埋葬料については現行四千円を一万円に引き上げたということは非常にけっこうでございますが、しかし、実際問題として、いま埋葬にどれだけの費用を要するかという点を考えますと、また、こうした被保険者の方々がどれだけ資財を蓄積しているかという生活の実情から考えますと、非常に不十分である。少なくともこうした埋葬等においては十万円や十五万円くらいはすぐかかってしまう。一万円にアップをしたということではなおかつ不十分であると思いますが、今後どのようにお考えになるか。またもう一点、分べん費につきましては、これも現行四千円を二万円に、配偶者の分べん費につきましては二千円を一万円に引き上げております。これも非常にけっこうでありますが、しかし、これも現実には出産においては平均六、七万円はかかっている。この辺も、わが党が主張しておりますとおり、少なくとも四万円くらいにまで早急に引き上げるべきではないか。財政を伴う問題でございますので、即座に決定をしていただくような御答弁は無理かもしれませんが、そうした生活の現状から見て、引き上げたとはいえまだ不十分である。今後どのようにこれをお考えになっていくか、その点お伺いしたいと思います。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 いまお触れになりました二つの点は保険給付の中の現金給付でございます。現金給付の問題につきましては、これが先生がおっしゃいますようにかかりました費用をそのままカバーするかどうかという点には、一応勘案はいたしますけれども、直接関連はいたしておりません。たとえば標準報酬の何割であるとか、そういうきめかたでございますので、そういう該当の事項について、やはり一定の金額が、その人が足りないということであれば援助的に現金給付がもらえる、こういうような趣旨でございます。しかし、今回のたとえば埋葬料をとってみました場合には、その最低の費用という点から見ました場合に、生活保護におきます葬祭扶助の基準が九千六百円、こういうことで一応の改正の金額ではなかろうか、こういうふうに考えているわけでございますが、おっしゃるように、こういうものは多ければ多いほどいいという問題もございます。そういう点は、他の現金給付との関連というものと、それからもう一つは被用者保険には現金給付がございますが、地域保険には一切そういうものはございません。それからもう一つの点は、五人未満の事業所に使用されている被用者は現在国民健康保険に入っておられます。そういうふうな横の関連等も勘案いたしまして、できるだけ改善の方向には努力いたしておりますけれども、今回御提案しておりますのは一応の線であろう、何とぞ御了承願いたい、こういうふうに思います。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 制度の上から妥当であるという意味に近い御答弁でございますが、先ほど私申し上げましたのは、あくまでもこの日雇い労働者である被保険者の皆さんの生活の実態の上からお伺いをしたのでありまして、今後さらに改善を強く要望しておきたいと思います。  こうした給付内容の改善をあげまして、いわゆる被保険者の負担になる保険料の引き上げをはかっているわけでありますが、資料によりますと、給付内容改善に要する支出増が二十四億円、保険料の引き上げによる増収の見込みが九十五億円、国庫負担の増収見込みが二十三億円、計百十八億円、このようないわゆる見せかけの給付改善に名をかりた財政対策であるという非難が非常に強いわけであります。この点いかがでございましょう。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 再三御答弁いたしておりますように、財政対策という点であれば、少なくとも単年度で収支均衡するということが必要でございますけれども、今回の保険料アップによって収支は均衡いたしておりません。まだ相当単年度赤字が残るわけでございまして、やはり皆保険でございますので、おのおのの被保険者につきましては、その所得に応じて保険料を負担していただくという、やはり公平の観点をそこへ進めることが必要であろうというふうに考えます。その点、政府管掌の健康保険が千分の七十、標準報酬の千分の七十をかけたもので保険料を納めていただいておりますので、低所得者といえども千分の四十程度の保険料は負担を願えるのではないかという観点から保険料の引き上げをお願いしたわけでございます。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 次官にお伺いいたしますが、これは改正をしたといたしましても、昭和四十五年度では百八十五億円の単年度赤字が見込まれております。被保険者数では政管健保の千三百万人に対しまして日雇健保は約百万人であります。十三分の一にすぎない。そういった点、いま局長にお伺いいたしました内容改善に要する支出増が二十四億円であるのに対して、増収の見込みが百十八億円、見せかけの給付改善に名をかりているんじゃないか、財政の立て直しが主眼であって、給付内容の改善がまだまだ不十分ではないか、そういう議論に対してどのようにお考えですか。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 私はそのように考えておりません、それだけをお答え申し上げます。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 非常に時間に迫られておりまして、残念ながら次に移らなければなりませんが、非常に議論をされております適用範囲の拡大の問題であります。これはいわゆる擬制適用という問題を含んでおるわけでありますが、一々申し上げるまでもなく、日雇い労働者は総数におきましては、総理府の労働力調査では約二百八十万人、これはパートタイマーを含んでおるわけでございます。就業基本調査によっても約二百万人。そうしますと、約百万人から百五十万人が日雇健保の未適用の方々でございます。これはまた別の一説によれば、いわゆる不安定雇用労働者ということを考えれば三百五十万人という数字もあがっております。日雇健保法でいう日雇い労働者の定義もございますけれども、これは一々私ここで申し上げるつもりはございませんが、いずれにいたしましても、パートタイマーや就労日数の少ない労働者が適用から除外されております。今後これをどう処理なさっていくおつもりか、まずそれを冒頭にお伺いしたいと思います。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 その適用関係につきましては、ちょっと先生の御質問と見当がはずれるかもしれませんが、御承知のように五人未満の被用者の問題もございます。それから、やはり被用者保険といわれますからには、雇用関係といいますか、その関係が明確に常態として続いておるという前提がございます。それを御指摘のように、社会経済状態が非常に変わってまいってきておりますので、この点こそその五人未満の適用の問題をわれわれは打ち出しておりますけれども、関係審議会のほうで御意見を賜わりまして、それのお考えも聞きながら社会経済の構造にマッチしたような被保険者の適用関係を整理していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 これは先ほどの御答弁にもございましたが、擬制適用につきましては、いわゆる大工、左官などの土木建築に従事する技術労働者というふうに限っておるわけでございまして、これは健康保険課長通牒によって今日まで行政措置として行なわれてきた擬制適用であります。そのほかの職種拡大という要望でございますが、山林、競走、港湾あるいは農村労働者等が適用を要求しておるという現実、これを今後どうはからっていらっしゃるか、その点まず一言だけ触れていただきたいと思います。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 われわれのほうにおきましては、その擬制適用が課長通達でやっておるということで、法律上非常にぐあいの悪い点もございまして、やはりこれが行なわれましたのは、建築技能者につきましては、適用事業所へ通う場合と、そうでないところで働かれるという点を勘案して救済をしようということで、ああいう通牒が出たわけでございまして、現在の財政状態その他から見まして、その範囲の拡大をする意思はございません。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 現行では行政措置によって適用しておるわけでありますが、今後これが法制化を見たような場合、今日適用されております被保険者を全部含む、必ずそれを全部含めるというふうに判断をしてよろしゅうございましょうか。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 現在のお願いしております法律につきましては、先ほどからるる御説明しておりますように、抜本改正というものを控えておりましてこういう案をお願いしたわけでございます。しかし、現行制度のたてまえの中におきまして、最小限度の給付改善なり保険料の是正ということを考えたわけでございまして、現在のところ法制化というのは考えておりません。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 次官にお伺いいたしますが、もし法制化した場合、すでに適用を受けておる者についてはすべてを含むと判断してよろしゅうございますか。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 それは完全に仮定の御質問でありましょうけれども、その場合に必ずしも全員を必ず対象にするというお約束は、私どもは今日の時点ではできかねます。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 現在行政指導の範囲内で行なわれておりますこの擬制適用におきましても、いわゆる建設労働者に対しては非常に悪質な締めつけが行なわれておるという声が関係団体から起こっております。そういう点につきまして、もしこれが、仮定としても法制化した場合、さらにその締めつけがきびしくなるのではないかというそういう不安があるわけでございまして、その点を確認さしていただいたわけでございます。次官お願いいたします。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 これは古川先生におことばを返して恐縮でありますけれども、従来からある諸制度につきましても、たとえば今日まであるいは決算委員会でありますとかその他の委員会等で、その適用が甘過ぎて不正受給の疑いがあるというような御質問も私どもは国会でちょうだいをいたしてまいりました。そして制度を実際に運用してまいります場合に、その資格のある方に対して、当然それは行なわれる場合があたりまえであります。その全員ということばの中に、もしその資格に欠ける方が入っておられれば、これを私どもが知りました場合にはまた国会からおしかりを受けるわけであります。やはりこれは制度ができてみなければわからぬことでありますが、でき上がりましたその中身によって全員を対象にし得る場合は、それはあり得るだろうとは思いますけれども、ただ将来仮定の御質問としてお答えをいたす限り、どういう形で取り入れていくかに、これは全員を対象にし得ない場合が当然あるわけでございまして、これは私どもとして、いまの時点で、それは仮定で答えろと言われましても、また国会で不正受給その他でおしかりを受けるような事態というものは避けなければなりません。どうしてもそれには限界があるということだけは、今日の時点では申し上げざるを得ないと思います。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 もちろん、これは極端な例としてホステスさんや、あるいはだれが見ても適用者に該当しないそういう方々をも含めろという意味ではございませんで、正当な適用該当者については、いわゆる締めつけというような非難を受けないそういった方法でチェックしていただくのは当然でありますが、ここに一つの例がございますので、その例をあげてお伺いをしたいのでございます。  これは山口県の山口市の新聞を入手いたしました。これによりますと、昨年十月に社会保険事務所で一斉に組合員の日雇健保の実態調査を行なった。約三百五十人が対象になっておりますが、その中からいわゆる不適格者と認められるような方方の名前を百五名あげております。ところが、これが県の保険課に報告をされまして、ここで関係組合と交渉をいたしまして、その結果いわゆる不適格者と最終的に決定されたのが、わずか本人が四人、家族が二人という状態であります。なお検討を要する者が二十数名。このような調査の実態のあり方から考えてまいりますと、しばしばこうした地元の出先の当局におきまして調査を行なっているその調査の方法等について、かなり問題があるのではないか。なおかつ、そうした一定の基準をもって実態調査を行ない、不適格者と認めながら、組合の交渉に対してはあっさりとその抗議の申し入れを受け入れて白紙撤回する、この辺に非常に一貫した姿勢がないのではないか、このように私、この事実を通して感ずるのでございますが、これは全国的にもかなりあるのではないかと私調査をいたしております。こういう点、擬制適用を受けている労働者の被保険者の今後の実態調査、そしてまた、不適格者のいわゆる判定については十分な注意が必要ではないか。さらにまた、こうしたことが締めつけと非難を受けたいように、当局においても何らかの措置を講ぜられる必要があるのではないかと考えるわけでございますが、局長、いかがでございましょうか。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 擬制適用の問題につきまして、現在通達に基づいてやっておりますが、この通達は、擬制適用の対象といたしましては、土木建築業に従事する左官、大工等の技能労働者ということにいたしておりますが、それ以外の者が入っている場合がございますので、適用の適正化ということで、各県を通じていま不適正なものは排除するということをやっておりますが、その場合、あくまでも慎重に行なって、行き過ぎでありますとか、あるいは先生のおっしゃられるような締めつけというようなもののないように指導しておるつもりでございますし、また今後ともそのように指導してまいるつもりでございます。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 時間がございませんのでもう一点だけお伺いしておきたいと思います。  先般三月三十一日の参議院の予算委員会におきまして、公明党の沢田議員が質問をいたしております。その一つを取り上げてお伺いしたいのでございますが、いわゆる擬制適用の組合においては保険料と組合費を同時に徴収しているという実態を上げております。これに対しまして、局長もこの事実を一応認めていらっしゃるようでございまして、この事実を取り上げた沢田議員に対して、これは組合の内部干渉だというような批判も起こっているような実情でございますが、私もその問題を重視いたしまして、実際に調査をいたしましたところが、やはり組合費と保険料を同時に納めている組合がございました。しかもその組合員の中に、被保険者の中には、現在日雇健康保険の保険料が幾らであるかということを全く知らない人もおりました。大部分のこうした組合においては、適正な保険料の徴収を行なっているということは事実でありますが、一部にこのような保険料も知らない、そして組合費と一緒に納めて、それが保険料だというふうに錯覚をしている、こうした事実も見られるようでございますが、今後保険料の改定がなされたとして、さらにこの問題は尾を引いていくのではないか、問題点を残すのではないかと思いますが、この点はいかがでございましょう。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 擬制組合におきまして組合員から日雇労働者健康保険の保険料を徴収する際に、同時に組合費を徴収する事例が多いと思いますが、どのような組合費を徴収するかということは私どもの関知するところではございません。私どもの立場では、保険料が所定どおり、現段階におきましては覚え書きどおり納められているかどうかということが私どもの問題でございまして、私ども組合費については一切タッチできる性質のものではございません。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 ただ、この保険料の引き上げが非常に問題になっているときだけに、健康保険の保険料はこれだけであるということを、何らかの形ではっきり被保険者に知らせるという必要があるのではないかと思います。  たいへん残念でございますが、お約束をいたしました時間がきてしまいました。もっとこまかな点にわたってお伺いしたい点がたくさんございますが、最後に次官から、今後のこの擬制適用の組合員に対する当局の御注意、どのような決意で臨んでいらっしゃるか、いま私がいろいろ御質問を申し上げました点を含めて御答弁をいただきまして終わらしていただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 いろいろ適用の実態についての調査等について御注意をいただくような点は、今後私どもは行政指導をしていく上での参考にさせていただきます。それからまた、いま組合費と保険料を同時徴収するがためにその保険料の金額自体がわからない、むしろ組合費と保険料とをまとめたものが御自分の支払うべき保険料であるかのごとく錯覚をしておられるという方々もあるのではないかという御注意をいただきました。従来からも私どもは、同時徴収をされるかされないかは、これはそれぞれの組合の構成員の方々の意思で決定されることでありまして、それについて私どもは適否を申し上げる立場にはありません。ただ、その結果、保険料そのものについての誤解が生ずるようであっては私たちとしても困りますので、その保険料そのものが周知徹底するための努力は、あらゆる機会をとらえて努力をしてまいるつもりであります。

古川雅司公明党

○古川(雅)委員 以上で終わります。

佐々木義武自由民主党

○佐々木(義)委員長代理 西田八郎君。

西田八郎民社党

○西田委員 まず最初に、この改正案を出される主たる目的についてお伺いをしたいわけでありますけれども、この法律の改正は、いわゆる他の健康保険、共済組合等の給付より非常に条件が悪いという日雇健康保険の給付の内容を改善することに重点があるのか、それとも今日まで累積されてきた赤字を解消することに目的があるのか、一体いずれがその重きをなしておられるか、お聞かせをいただきたいと思います。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 再三お答えいたしましたように、結論から申しまして、両面にわれわれ重点を置いております。再三申しましたように、給付につきましては、まず分べん費の改善を各保険についてやりましたので、やはりこれを取り入れておるということと、従来関係団体から要望されておりましたいろいろな給付面を最小限度取り入れまして改善を行なう。それから一方、保険料につきましては、やはり政府管掌の健康保険その他と、低所得者といえども、やはり一定のリーズナブルな保険料の負担をしていただくということで、両面から改正をお願いしたわけでございます。

西田八郎民社党

○西田委員 そうしますと、これは健康保険組合管掌の保険給付等とは対照にならないと思うし、また、国家公務員共済組合あるいは地方公務員等の共済組合の給付内容とも比較するのが少し無理である。そこで、やはりこれの比較になるのは、政府が保険者となるいわゆる政府管掌の保険の給付内容を比較するということが一番妥当ではないかと思うのですけれども、それと比べた場合、今次の改正案で大体それの要件は満たされるのかどうか。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 先ほども御説明しましたように、この日雇保険という制度につきましては、比べるものといたしましては政府管掌の保険の継続給付と非常に近い構成をとっております。やはり受給要件が限定されておりまして、保険料を二カ月、二十八枚納めたということによって給付面があらわれてくる、こういう構成をとっておりますので、どうしてもそこに一定の限界はございます。しかし、今回の改正は、保険料につきましてはそういう給付面との関連も考慮いたしまして、政府管掌の保険が千分の七十であるのに対しまして、千分の四十程度の負担をお願いするということでございますし、それから給付面につきましては、やはりまだ不十分でございますので、先ほど言いましたように、必要最小限度の給付改善を織り込んだということでございます。それは先ほどからも議論がございましたように、こういうものは抜本のときにやるべきではないかという御意見が審議会におきましても出ましたが、抜本改正でいろいろ全般的な給付の改善を行なわれますに際しまして歩調を合わしておくという意味におきまして、最小限度の手入れをしておく、こういう趣旨でございまして、今後全般的に、たとえば家族の給付率の改善でございますとか、そういうものは、全般の保険とにらみ合わせながら、やはりいろいろの御意見が出てくると思いますので、その点は御意見を聞きまして善処していきたい、こういうふうに考えております。

西田八郎民社党

○西田委員 そういう親切な答弁もけっこうなんですけれども、要するに政府管掌の保険のいわゆる保険給付というものと、今度の改正案とどうなのかということを聞いているわけです。改正されれば、少なくとも政府管掌の保険程度の保険給付はできるのかどうか、そこまで到達するのかどうか、もしないとすればどの程度満たされるのか、そのことをお伺いしているわけです。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 その辺は、やはり保険料の受給資格を与える現行制度をどの辺まで改正すればいいかということと見合うわけでございまして、すっぱり政府管掌保険についてどの程度か言えということにつきましては、非常になんでございますが、できるだけそちらに給付面を引きつけていく、近いものに努力していくということでひとつごかんべん願いたいと思います。

西田八郎民社党

○西田委員 そうすると、逆に言えば、まだこの改正によっても政府管掌の健康保険に到達しない部分もある、こういうことですね。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 ちょっと見当が違っておりますが、今回の改正につきましては、先ほど言いましたように、従来から非常に必要なものを取り入れた点でございまして、今後は大いに改善に努力をしていきたいと思っております。

西田八郎民社党

○西田委員 それで、いまの御答弁で、大体給付の改善、赤字の解消が主だということであったわけですが、いまの御答弁で、まだ政府管掌の健康保険まで到達しない。政府管掌健康保険でさえ他の保険に比べて非常に不利な場合が多い。それ以下のものである。こういうことであって、はたして給付の改善といえるかどうか、これは主観的な問題であろうと思いますけれども、私どもは、そういうことでは改善とはいえないのではないか。多少の修正ということになるのではないかと思うのです。ところが、そのために保険料を上げられて、そうして保険料日額改定による収入増、手数料補てん増を含む九十九億円というのが、出されました資料の中に認められておるわけであります。この金額は間違いないですね。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 保険料の収入増は九十九億でございます。

西田八郎民社党

○西田委員 そうすると、その九十九億に対して、大体補てんする分が九十四億円というわけですね。そうすると、保険の給付改善に必要なのは、政府のほうから出ている国庫補助のプラスが十億としても、わずか十五億しかその改善に充てられない。あとの大部分、九〇%以上のものがいわゆる赤字補てんのために費消される。これではたして改善と両面だということがいえるのかどうか、この点私は非常に疑問を持つわけです。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 給付改善による支出増は二十七億円でございます。

西田八郎民社党

○西田委員 それではこれは違っているのですか。四十五年度の制度改正前の赤字見込み額が二百七十九億円で、差し引き単年度赤字見込みが百八十五億、こういう資料が出ておるのですが、その差額は九十四億になるわけですよ。九十四億をこの改正によって補てんしようというわけでしょう。これは違うのですか。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 いま先生のおっしゃられた九十四億というのは、今度の制度改正による財政効果の額でございます。保険料収入の増は九十九億円でございますが、そのほか特例対策分の国庫補助として十億、それから給付費の増がございますので、それに見合って三割五分の国庫負担がついてまいりますが、それが八億、それから支払い利子の減がございますのでそれが三億、そういったものを全部相殺いたしまして、財政効果は九十四億、こういうことになるわけでございます。

西田八郎民社党

○西田委員 だから、財政効果ということは、赤字を埋めるということにならぬのですか。私は頭が悪いから、ひとつそのことを教えていただきたいのです。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 確かに財政効果でございますから、その分だけ赤字を埋めることになりますが、それでもなお単年度百八十五億の赤字が依然として残る、こういうことであります。

西田八郎民社党

○西田委員 だから、そうだとすれば、改正前で見込まれた赤字が二百七十九億ですね。そうでしょう。そしてこれを改正すれば百八十五億に減るということでしょう。そうすると、その差額の九十四億というものは、保険の改正ということによって要するに効果があらわれてくるわけでしょう。それは結局改正によって赤字を補てんするということにつながるんじゃないでしょうか。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 さようでございます。

西田八郎民社党

○西田委員 そうだとすると、いま御答弁があったように、両面だとは言えませんね、これは。やはり赤字補てんのために日雇健保を改正するということになるのではないでしょうか。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 これは単年度の赤字でございますが、やはり保険でございますので、財政対策をやろうということでございましたら、少なくとも単年度収支は均衡するようにというのがほんとうの財政対策でございます。私たちはそういう考え方をとりませんで、保険料を合理的な線まで負担していただくというのは、給付の面からも見、それから政府管掌の健康保険が千分の七十という点を見まして、千分の四十ぐらいは御負担願えるのではないかということでお願いしたわけでございまして、やはりこれだけをやりましてもまだ単年度赤字は収支均衡いたしません。そういう意味で、意図から見まして、財政対策を講ずるという意味でやったのではないということでございまして、結果から見まして先生のおっしゃるとおりでございます。

西田八郎民社党

○西田委員 そういう答弁を聞きますと、これは全く政府の責任だといわざるを得ないのですよ。まず報酬日額並びに保険料にしましても、やはり二種類、一級と二級しかないわけです。しかし賃金その他もっとばらつきがあるはずでございますね。このことは知っておられると思うのです。ところが、他の保険においては、標準報酬の月額なり日額というものは、かなり詳しく区分されておると思うのです。たしか十何級までつくられておるのではないかと私は思うのです。そういうことをしてもなおかつ保険収支というものはなかなかむずかしい。しかも医療給付にしても、あるいは受給者の負担にしても、その均衡がとれない場合が生じてくるわけです。それをただ二種類だけにくくって今日までやってこられたというところに、私は問題があるように思うわけです。それについて、政府は一体なぜこのような方法をとってきたのか。これは私の推測ですけれども、おそらく事務を簡素化するという意味からとられてきた方法ではなかろうかと思うのです。そこに矛盾があるというのも承知しながらそのことを踏襲していってできた赤字だということになれば、当然政府の責任じゃないかというふうに思うのですが、いかがですか。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 当初この日雇健保ができましたときには、やはり日雇い賃金というものにつきましてはそう高いものではございませんで、四百八十円を基準にして二階級にしたわけでございます。その後三十六年以来この改正をやっておりません。これは確かに政府のほうでどうしてそのときどきに応じて措置を講じなかったかということでございますけれども、その点につきましては、四十年ごろでございましたか、社会保険審議会におきましても、日雇いの関係は抜本対策のときに考えるべきだという御意思も一つございましたし、それから政府管掌の保険の赤字につきまして特例法を二回お願いしたわけでございます。しかし低所得者が非常に多いこの保険につきましては、特例法の措置から二回にわたって日雇いの関係ははずしたわけでございます。特例措置を講じませんでした。そういう関係で、いままで、三十六年以来手直しせずにきたわけでございますが、今回は、御指摘にもございましたように、二階級を三等分いたしまして、できるだけ賃金の分布に応じまして急激な上昇がないようにということで、やっと三階級にしたわけでございますが、何ぶんにいたしましても、千円、千七百円、この辺のところにつきましては、やはり三階級くらいが、所得把握といいますか賃金把握につきましては適当ではなかろうか。失業保険でございましたか、そういう関係は二階級、こういうことでございますが、われわれのほうは三階級に、先生の御指摘のような趣旨を十分配慮してやったつもりでございます。

西田八郎民社党

○西田委員 かつては、私どもの知らない場で、ここへ出てくるまでの話ですけれども、通常健保国会などといわれて、健康保険の改正をめぐって大荒れに荒れた国会などもあったわけです。しかし、それでも政府は、いわゆる与党、自民党の助けをかりて、かなり強引な改正をやったわけです。ですから、やろうとすればやれないことはないと私は思う。いかに野党といえども、理にかなったことは決して反対するものじゃないと私は思う。やはり社会保険といえども、こうした医療保障制度の問題を抜本的に政府が考えて提案してくるならば、今日までの間に十数年間あったわけでありますから、また三十六年以降と言われるけれども、それからでも九年間あったわけであります。その間には大きな変化があるわけです。社会の情勢においても、物価の値上がり、賃金の問題あるいは医療費の増大の問題についても大きな変化があったわけです。ですから、そこでやろうとすればやれないことはなかったと思うのですが、これに対して、政府を代表しておられる次官、どう考えておられますか。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 確かにこういう事態にまでまいりましたことについて、私どもとしてその責任は甘受しなければなりませんし、また、そのおしかりも当然だと思います。その限りにおいて、私どもは、ただいまのおことばに対しては返すことばを持ちません。申しわけないという一語に尽きます。

西田八郎民社党

○西田委員 時間が限られていますから、いま次官も申しわけないとおっしゃって、申しわけないだけで済むものではないと思いますけれども、これ以上私もここで議論をしましても水かけ論にもなろうと思いますからやめます。  そこで、この改正案を三つの区分をつけたということで、今後はいわゆる報酬区分ないし保険料の区分をある程度合理化した、こういうような御答弁でございましたけれども、それの基本的な考え方はどういうことなんですか。二つあったものを三つにふやしただけで、そんなことでいいのかどうか、その辺のことを……。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 先ほども申しましたように、賃金の一番当初の二階級のときも、四百八十円を前後にしまして日雇いの賃金の分布が大体半々ということでスタートいたしたわけでございます。ところが、賃金もだいぶ上がってまいりましたので、千円、千七百円、それから千七百円以上、こういうふうに区切りまして、その区切りますことか——大体現在の日雇い労働者の賃金の分布が三等分になる、こういう点からいたしまして、三階級にしたわけでございます。

西田八郎民社党

○西田委員 それじゃ今度の改正も、その日雇いの賃金を基礎にして考えたということですか。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 おっしゃるとおりでございます。

西田八郎民社党

○西田委員 そこで、擬制適用に関連をしていろいろ質問をしたいのですけれども、まず擬制適用というのは、先ほどからの御質問の中で答弁にあったように、法律には全然明文化された規定がないわけですね。それを今日まで延長して適用してきた理由は何なんですか。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 まず日雇健康保険法ができましたときに、これは適用事業所に日々雇用される者を被保険者としたわけでございます。ところが、大工、左官等のいわゆる一人親方という形の方は、一定の日に適用事業所で働かれまして印紙を張って保険料を納めておられる。ところが、その別の日にまた別の適用事業所でない、その辺のお屋敷といいますか、そういうところの修理その他で行かれるということになりますと、二カ月、二十八枚の受給要件を満たさない、こういう状態になったわけであります。特に大工、左官の方々につきましては、その職種、働きの形からいいましてそういう方が出てまいったわけでございます。それはせっかく日雇健康保険法ができたにかかわらず、そういう方が保険料の掛け捨ての部面が出てくるというので、通牒をもちまして救済措置といいますか、そういう形で擬制をして適用をしていくという形をとったわけでございます。御指摘のように、これもわれわれとしては申しわけないと思いますけれども、三十六年の国民皆保険ができましたときに、これははっきりと検討をして整理をすべきであったというふうに考えるわけでございますが、その点すでに既成の事実としまして相当の数のこういう方々がおられる。これを法律的に見ますれば、おそらく本来ならば国民健康保険に入らるべき人だと思います。しかし国民健康保険が、当時におきましては給付もわずかでございましたし、もちろん傷病手当金、出産手当金、そういうものは全然ございません。そういうことがございまして今日までこの形でずっと持ってきた、こういうのが現状でございます。

西田八郎民社党

○西田委員 そうすると、そういう意味で大工、左官というものがクローズアップされてきたわけですけれども、主として建築従事者ということになるわけですね。解釈はそれで間違いないですか。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 大工、左官等の建設の技能者であります。

西田八郎民社党

○西田委員 そうすると、大工、左官等だけにしぼられたのはどういうわけですか。ほかにも日雇いというのは非常にたくさんあると思うのです。千差万別でいろいろあると思うのですけれども、それをどうして大工、左官だけにしぼられたのですか。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 先ほど御説明しましたように、本来の日雇いの方は、日雇健康保険法の定義にございますように、日々雇用される一定の形の人であれば、これはもう当然本来の日雇健康保険法の適用になるわけでございます。ただ擬制適用という形のものは、いわゆる一人親方でございまして、雇用されていない人をこれに擬制して適用するわけでございます。したがって、事業主負担というものがない形でございます。それは先ほど御説明しましたように、大工、左官等の方々は、その適用事業所に何日か雇用される、しかし一人親方という関係でございますので、今度は雇用されないでその近所あるいは一定のところの修理なり建築に行かれる、こういう状態の方が従来から働きの形としてあるものでございますから、それを通牒で救済措置を講じたということでございまして、これは建築技能者すべてが入るということでございませんで、擬制をするということは、一人親方という形態の人をわざわざ雇用されたように擬制をしてこの中へ入れるということでございますので、先生のおっしゃるような本来日雇いの形態にある者は当然本法の適用になるのだ、こういう意味でございます。

西田八郎民社党

○西田委員 それはわかるのです。本来日雇いの人のことはわかる。ところが、大工、左官以外でも、本来の日雇いでない人があるんじゃないか。これはありますよ。私すぐちょっとこういう例があるじゃないかという例が浮び上がってこないのですけれども、鉄工屋さんでも日雇いがおるのです。大工、左官だけではないのです。これはいろいろ建築に従事しない人だって日雇いがおられるわけです。だから、それらが実態として含めておられるのかどうか、それから聞きます。そういう人が入っておられた場合は、実態として含められておるのかどうか。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 健康保険法がございまして、それに最小限度の準ずる者ということで日本古来の一群の相当の数になります大工、左官等の建設労務者だけを通牒でやってきておるわけでございまして、そういう日雇いの形態をそこまで広げるかどうかという形は、国民健康保険法の形で現在は五人未満の被用関係にあります人たちも国民健康保険に入っております。だから、五人未満の被用者を、今度は被用者保険に適用するかどうか、そういうような問題とも関連いたしますし、その点は、今後の抜本的な問題として私たちは五人未満のものを適用していくという方向で問題を解決したいというふうに思っておりますが、それ以外にそういう擬制適用という形のものを今後ふやしていくかどうかということにつきましては、これは相当の問題点だと思います。

西田八郎民社党

○西田委員 なぜ私それにこだわるかというと、実は日雇健保の擬制適用を受けている人で大工、左官でもなければ建築労働者でもないというような人で擬制適用を受けている人が事実おるわけですね。だから、そういうものに対してのチェックがどうなっておるのか。かりにそういうものまで認めておられるというのなら私は黙っておるのですけれども、どうもいまのお話を聞いておると、そういうものは国民健康保険の範囲内に入るのだということになると、大工、左官等の建築従事者ということに限定されてくると、そうすると実際にそうでない人がおる場合、これを一体どうするかということを伺いたいからです。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 現在の擬制適用は、先ほど来お話しございますように、土木建築業に従事する大工、左官等の技能労働者に限られております。それ以外の者が擬制適用被保険者の中に入ってくるということは、現在の通牒行政のたてまえからいいましてもおかしいわけで、これにつきまして実地調査をいたしまして、不適格なものについてはこれを排除するという行政措置を講じております。

西田八郎民社党

○西田委員 排除するということはどういうことなんですか。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 すでに被保険者手帳を交付してあります場合にはその返還を求める、こういうことでございます。

西田八郎民社党

○西田委員 そこでお伺いしたいことは、擬制適用を受けておられる人たちの保険給付、保険料収入というようなものと、それからそうでない正規のいわゆる日雇健康保険の適用者の保険給付、保険料収入等の区分はわかりますか。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたが、四十五年度におきまして、一般の日雇い労働者の平均賃金を私どもは千八百三十一円と推計いたしております。それから擬制適用の被保険者につきましては、二千七百三十六円というふうに推計いたしております。

西田八郎民社党

○西田委員 そうじゃなしに、これはいわゆる擬制適用の分、これはそうでない正規の日雇いの分ということで政府に入ってくる保険料収入、それから支払いをしておる保険給付のほうの額、そういうものがわかりますか。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 これは四十五年度の日雇健康勘定につきまして、一般日雇い労働者と、擬制適用被保険者別の収支を一応計算いたしておりますが、収入面におきましては、一般の日雇い労働者の分が二百四十二億五千万円、それから擬制適用被保険者の分が百三十三億円、それから支出面におきましては、一般日雇い労働者の分が三百五十二億円、それから擬制適用被保険者の分が二百億円、それで差し引きいたしますと、不足額が一般日雇い労働者で百九億円、それから擬制適用被保険者で六十七億不足、こういうことになります。

西田八郎民社党

○西田委員 そうすると、擬制適用の分が少なからずやはりその赤字を累積させてきた原因の一つと考えられるというふうに見ていいわけですね。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 現在の日雇健康保険法全体の趨勢を見ますと、一般の日雇い労働者の被保険者数は年々減少してまいっております。それに反しまして擬制適用被保険者数は、毎年四ないし五万人ずつくらい増加を見ております。現行法のままでまいりますと、昭和四十四年度の見込みでまいりますと、被保険者一人当たりの保険料収入と、それから被保険者一人当たりの保険給付の差を推計してみますと、約三万二千円になります。つまり被保険者一人当たり収支三万二千円の赤字が生じ、それを国庫負担及び借り入れ金でまかなっている、こういう実態でございますので、被保険者数の増が赤字につながるということは現行法のもとでは言い得ると思います。

西田八郎民社党

○西田委員 そこで問題が出てくるのです。いまおっしゃったように、一般のほうはだんだんと赤字が消えつつある。擬制のほうはふえつつある。そのふえつつある赤字を解消するために法の改正をやって、そして保険料を値上げするのだ、こういうことなんです。しかもその赤字がこれからふえるであろうと見込まれる擬制適用のほうは、いわゆる法律に全然載せられていない政府だけの措置において行なった行為なんです。その行為で起こってきたその赤字を保険者、被保険者の負担によって埋めていこう、これはあつかましい話です。これは明らかに政府の責任ですね。それに対して次官はどうお考えになりますか。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 そういう御議論も私は成り立たぬとは申しません。しかし、逆にその御議論を使いました場合に、政府の責任でやったら、むしろそれでは擬制適用自体をしたことが間違いだったという議論にもなるわけであります。私どもはそういうことを申し上げたくはないのでありまして、この点は、いずれの議論も成り立つことではありますけれども、それこそこの制度によって少しでもプラスの出ている方々に対して、そのお立場をも考えていただきまして、その御議論はお伏せ願いたいと思います。

西田八郎民社党

○西田委員 お伏せ願いたいと言われても、これはそれならそれで明らかに法制化すべきです。   〔佐々木(義)委員長代理退席、委員長着席〕 二十八年以降これを適用してきているわけでしょう。二十八年以降適用してきて、ことしは四十五年ですよ。十七年間それを法制化せずに適用してきたというところに問題がある。その責任を追及しておるわけです。だからいまあなたがおっしゃるように、そういう人たちが救われるということは事実です。しかし、こういう形において救われなくても、正規の方法で救う道は幾らでもあったはずです。それを救ってきたということによって——それは詭弁ですよ。そんなことは許されないと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 何ぶんにも、私が中学三年のときに始まりまして以来の歴史と伝統に輝く物語であります。そして、今後において考えなければならない点は確かにございます。私はそれがないとは決して申しません。私は、そういう意味での責任がないとは決して申しておりません。ただ逆に、その御議論で私どもがやけくそのお答えを申し上げるようにまで先生の御追及を受けますと、むしろ擬制適用自体が間違いであったということも言い得るわけでありまして、お許しを願いたいということを申し上げたわけであります。

西田八郎民社党

○西田委員 それは、一つは方便として、やはりいろいろ国会運営の面からむずかしかった点もあろう、その他との関連もあろうということで救われたこと、あるいは擬制適用をされたのは、私は、その当時の状況から判断をすればあるいはやむを得ない事情があったかもしれないと思います。しかし、それから年月は十七年を経過しておるわけですよ。十七年経過しておる間に、やむを得なかったのだということは言わせない。その間少なくとも次官、自民党がずっと日本の政権を担当してきておるわけですよ。われわれ野党ならいざ知らず、あなた方は自民党としての政権を担当してきた与党なんですよ。与党が十七年間放置してきたことを知らなんだとおっしゃっては困る。あなたは、要するにそのとき中学三年生だったとおっしゃる。けれども、私は、そのころはまだ国会議員でも何でもなかった。今度初めて国会へ出てきた。そういう意味から言えば、あなたのほうが私より先輩なんです。それを、そういうことによって口を濁すことは断じて許されません。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 私は決して口を濁しておるつもりはございません。先ほどから責任を感じておるということは申し上げておるわけでございます。責任は感じます。その点に関しては申しわけないということを申し上げておるわけであります。むしろその場合、この議論はたての両面でありますということを私は申し上げておるわけであります。この点の御理解を願いたいということなんであります。私は責任を回避するとは決して申し上げておりません。しかし、たての両面の議論というものは、いずれの方向にやりがふれるかということは、はっきり申し上げて微妙なものであります。私どもは、そのバランスをくずしたくない。責任は感じますということを申し上げたのでありまして、この点はお許しをいただきたいと思います。

西田八郎民社党

○西田委員 時間があと六分ほどしかないので、もうそのことで議論をしておるのも何ですが、事務当局に聞くのですが、昭和四十三年四月以降擬制適用を一時中止しておられますね。その後新しく適用を認めてほしいという申請があったかどうかということが一つ。  もう一つ関連しますから聞きますが、中止をしておられるけれども、結局、組合員がふえていけばその擬制適用の人数はふえるわけですね。そのふえた人数はどれくらいになるか。四十三年四月で——四月以降だから三月でとめられたわけだ。その間の数字的なものを聞かしていただきたい。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 四十三年四月一日以降、擬制適用につきましては新規組合の設立は一切認めておりません。その後、私どもの承知しておる範囲で申し上げますと、この中止されている期間に擬制適用の組合を設立したいという申請が参っておりますのは十三団体、人数にいたしまして約千八百人でございます。  それから、おっしゃられますとおり、確かに新規組合の設立は認めておりませんが、その間に既存の組合に新しく被保険者が入ってまいっております。その人数を四十三年の四月から四十四年の三月までの一年間について申し上げますと、五万八百三十人ふえております。

西田八郎民社党

○西田委員 そこで、五万人からの人間が自然にふえている。自然増ですね。それでわずか十三団体で千八百人の適用がどうして認められなかったのですか。それは、先ほどからの次官の答弁なりあるいは局長の答弁を聞いておると、このことによって救われる人がおるという立場から、あえて法律にないことを適用をやってきたのである、こういうのならば、わずか千八百人の新規加入をどうして認められなかったのか。その理由だけひとつはっきりしてほしい。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 私どもは新規組合の設立を認めないという行政方針を打ち出しましたのは全く財政対策のためでございます。既存組合にどんどん入り込んできてはおりますけれども、新規組合をどんどん認めた場合には、さらに飛躍的に被保険者はふえるというふうに感じられましたので、そのような方針でまいっておるような次第でございます。

西田八郎民社党

○西田委員 その話は矛盾していますよ。片一方で擬制組合というものがあって、それがふえるということは当然予想された。しかも片一方で申し込んできたものはとめたということになれば、完全なる差別待遇じゃないでしょうか。それではたして擬制適用というようなことを、先ほどから次官の御答弁のあったようなことで効果というものは認められませんね。どうしてそういうことになっているのですか。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 先ほど申しましたように、これは健康保険の通達に基づいておる行政措置でございますので、一つの行政方針として新規組合の設立を認めないという方針を打ち出した次第でございます。

西田八郎民社党

○西田委員 それは行政措置だからということになればよけい問題が起こりますよ。少なくとも法治国家というものは、法のもとに平等であり、そうして、法というものは厳粛に順守しなければならぬということになっておるはずですよ。特に国家公務員たるあなた方はそれを十分に守らなければならない。われわれだって同じことだと思うのです。それを、行政措置だからということで、片一方でとめておいて、片一方でふえていくのを黙認しておる。そうならば、その時点において新規組合加入を認めないという方針をとるべきではなかった。そこまでの行政措置をできる権限をお持ちなら、それをとめるべき権限もあったと思うのです。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 新規組合の設立を認めないという方針を打ち出したとき、同時に新規加入者も一切認めないという行政方針をその後打ち出したのでございます。それにつきまして、関係団体等との折衝を通じまして、一切新規加入は認めないという強い方針を若干緩和してまいったのは事実でございます。ただし、その手続的には、従前に比べますと新規加入者につきましては添付書類その他につきましてきびしい条件はついております。

西田八郎民社党

○西田委員 条件をつけたというのは差別待遇を受けたということだ。それを片一方で認めなかったというこの事実は免れませんね。あなた方は、それに対して申しわけなかった、行政措置であったというようなことだけでは済まされませんよ。これは大臣がおれば、とにかく劈頭に大臣の考えを聞きたかったのですがね。

高木玄社会保険庁医療保険部長

○高木(玄)政府委員 先ほど申しましたように、新規組合の新しい設立は一切細めたいという方針を打ち出したのと全く同じ時点におきまして、既存の組合につきましても新規加入は一切認めないという強い方針を打ち出したことは事実でございます。ところが、その点につきまして、既存の組合につきましては、この通達で認めておりまする職種に該当するものが申請してきた場合に、それをすら認めないという点まで押え切れませんので、その点が若干緩和されてきた、こういう実態でございます。

西田八郎民社党

○西田委員 それじゃ、新しく申請してきた人間は、社会保険庁から出されております擬制適用の通達に対して全然適合していなかった人が申請をしてきたんですか。そうじゃないでしょう。どうなんですか。十三団体についての内訳は、全部擬制適用を受けられる権利のある人というふうに理解していいんじゃないか。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 私から申し上げるとかえっておしかりを招くかと思いますが、むしろ私どもは、先ほどから事務当局が繰り返して申しましたように、この日雇健保の財政が非常に悪化してまいりました時点で、新規の団体、それから新規の加入者、いずれも認めないという方針を確かに出しました。ところが現実問題として、これはその団体それぞれがある意味では一つの職種を代表された団体であります。言いかえれば、他の団体を、新たに申請をされておる団体を認めていくという、これはいいかえれば日雇健保の中で、もちろんそれは平等な立場でという御議論は成り立ちますけれども、新しい職種をこの擬制適用の対象に追加していくということであります。なるほど、当面申請をされておられる方々、ある意味ではこうした制度の活用に目ざめておられる方々、これは数は少ないかもしれません。しかしその団体を一つ追加することによって、その団体が代表される職種の方がその後において当然これは加入されることを、私どもは考えからはずすわけにはいかぬわけであります。申請をされておる人数、これは確かに少ない、これは事実でございます。その点では、先生先ほどから御指摘のとおりであります。言いかえれば、その方々を代表とされた一つの職種を新たに追加するということ、これは非常に大きな対象人員を私どもとしてはやはり想定せざるを得ないのであります。その意味で、私どもはこの新しい団体を対象として認可すること、これは将来なおさら大きく赤字が増してくる原因にもなると考え、この団体を、実は認可はいたしませんでした。それと同時に、既存の擬制適用を認めておる団体、すなわちその団体によって代表されておる職種の方々に対して、実は財政効果の上からいうならば、新規加入というものは認めないという方針は出したわけであります。しかし、一つの団体を認めておるという、それは言いかえれば、その職種というものを対象として認めたということでもあるわけであります。現にその関係の方々からは、自分たちが同じ職業に従事をしていながら、同じ業種に従事をしていながら、今後の申請を認めないということはおかしいではないかという御議論も出ました。また現に加入をしておる団体、適用の対象になっておる団体の代表者の方々からも、その業界全体の統制の問題からいっても、また中身の問題からいってもおかしいではないか、これは緩和してほしいという御意見もございました。ですから、私どもは決して無制限な形で特定業種の方々だけを認めてきたわけではございませんけれども、確かにその団体の御主張というものには無理からぬ点もございます。  そこで運用をゆるめて、従来よりはきびしく審査をしながらも、同一業種の方々ということで加入を認めざるを得なかったわけでありまして、ただいま事務当局からの説明、ことばの点その他で不適当であった部分については、私からおわび申し上げます。今日まで省としてとってまいりました方針、また考え方の基礎というものは、こういう考え方をとってきたんだということは、御了解を願いたいと思います。不適当でありました部分についてはおわびを申し上げます。

西田八郎民社党

○西田委員 大臣は参議院のほうからいつ、委員長にお伺いするのですが、こっちへ来られる予定ですか。

倉成正自由民主党

○倉成委員長 向こうでからだがあき次第来ることになっております。

西田八郎民社党

○西田委員 いまの答弁だけでは、私はどうしても釈然といたしません。片一方で認めていて、片一方でふえることはわかっている。そして、それが赤字になる原因ということが予測されておった。予測したからそこでとめて、それがどんどんとふえていくことを予測していながら、しかも同じ職種で同じような仕事をしている人が、適用が受けられるという人がおるのにそれを適用しなかったというのは、これはもう私はほんとうに問題にならぬと思うのです。きわめて重要な問題だと思うのです。しかもそれが行政処置としてそうしたということであるなら、擬制適用自体がこれは問題になってくるわけです。ですから、この点については私は保留をしまして、大臣が来られたらはっきりと大臣の口からこれに対する答弁をいただきたい。  次いで質問に入ります。  いまこういう議論ですから、当然法制化という問題は、これは目下の急務だと思うのです。そういう意味で将来それを法制化する意思があるのかどうか、その点についてお伺いをしたい。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 先ほども申し上げましたように、現在われわれの御提案申し上げておる点は、現行制度のワク内で最小限度の手直しをするということでございます。したがいまして、擬制適用の点につきましてもわれわれのほうとしては、その法制化をするという観点はとりませんで現在考えておりますけれども、いずれこれはやはり抜本的な改正のために、やはりその関係団体の代表が二人も審議会の委員に出ておられますので、十分に御議論を願いまして、それの答申を得てわれわれ善処してまいりたいというように考えております。

西田八郎民社党

○西田委員 そうすると、法制化しないと、またこのまま擬制適用を続けていくということになるわけですね。そうしたら、擬制適用を続けていくとするなら、こういうことで多少とも赤字をなくする効果をあらわしたいというなら、現在申請のあるものについて認めるのか認めないのか、その点をはっきりしてください。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 予算委員会におきまして、この点について大臣から、法律施行後その状況を見て、その運用状況を見て考慮したいという旨の答弁をいたしました。これは大臣が来てから続けて聞くというお話でありますが、いまこの席上では、大臣が予算委員会で答弁をいたしましたそのままの答弁をもってかえたいと思います。

西田八郎民社党

○西田委員 そうすると、これも大臣が来ないと、大臣の答弁が食い違うということになっても困りますから、この一点と先ほどの一点の二点は質問を留保いたしまして、大臣が来られましたらあらためて質問をさしていただきたいと思います。  最後に、次官、こういうふうな問題で、いろいろやっぱり国民の医療という問題がきわめて切実な問題にあがってきておるわけです。しかも、私はこの委員会が開会されました冒頭、大臣の所信表明のときにもお伺いしたわけですけれども、国民というのはどこで働いておろうとも、やはり国家の繁栄と人類の進歩のために尽くしているということに対しては変わりはないと思うのです。  そこで、抜本改正という問題か出されてきておるわけでありますが、これは再々大臣が答弁をされております。八月ころに審議会の答申案をいただいて、その後抜本改正をできれば次の国会には出したいというような方針を述べられております。それについて政府の関係者の、ここにおられる最高責任者として、これは間違いがないかどうか、お伺いしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 現在その方針で省としても努力している最中でございまして、私どもは大臣が申し上げたとおりの方向に実現すべく、全力を尽くしてまいる所存でございます。

西田八郎民社党

○西田委員 それでは、いまの大臣への質問の二点、留保を認めていただけますか。

倉成正自由民主党

○倉成委員長 ただいまの、西田君の質問の点、大臣が来られましてから、一括してひとつ一問だけ御質問いただきたいと思います。  寺前巖君。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 こんな重要な法案が、大臣が出席もされず、ただいま問題になったように、当然大臣かおらなければ答えられない問題が出てくるのはあたりまえのことであって、またそれを十五分間の質問で打ち切るというようなことを私は遺憾に思います。あらかじめそのことを申し上げて、質疑に入りたいと思います。  そこで、今度出されてきている法案に対して、どういうふうにこのいわゆる改正案なるものを見たらいいんだろうかということの私の立場を、最初に申し上げたいと思います。  どう見てもこの改正案の特徴点の第一は、日々雇用というきわめて不安定な状況にある人、そこでは健康の面においても、他の労働者と比べてみたときにきわめて悪い状況にある。こういう労働者がほんの一部分しか日雇い健康保険の適用を受けていない。擬制適用を含めても百万人余りの人人である。こういう人たちに対して、一挙に平均すると二・五倍からの大幅なアップかなされる。場合によっては三倍から四倍にもなる。これがこの改正案の一つの特徴だろうと思うのです。もう一つの特徴点は、部分的には療養給付の期間を二年から二年半に引き延ばすことをはじめとして、傷病手当、出産手当、埋葬料、分べん費などの若干の引き上げがなされはいたしますが、それに使われるのは二十七億円だ。保険料の増収はざっと九十五億円前後になるでしょう。そうすると、先ほどのお話の中にありましたけれども、これによって赤字が云々という結果には、単年度の問題としてはならない。そうしたら、せめてそういう立場であるならば、なぜ多くの人たちが、他の労働者であったならば、たとえば船員の場合だったら船員保険があるし、公務員の場合だったら共済組合があるし、その他健康保険がある、政府管掌があるけれども、なぜ一番不安定な、しかも健康の状態の悪い、生活の安定の面から見ても考えさせられるそういう人たちに対して、いまこそ、さきのここの討論じゃございませんけれども、一そう日雇い健康保険の権利を保障するワクを広げる、ないしはその給付の大幅な改善をするということこそが緊急の課題ではないだろうか。にもかかわらず、ここに出されてきた改正案というのは、むしろ逆に部分的な給付の改善と引きかえに保険料を上げていくということになって、この日雇健康保険法の第一条にあるところの、日々雇用の労働者の、事業によるところの疾病その他を除いて、生活の安定に寄与するためにここにやるんだという、社会保障的な性格を持っているこの法の精神を多くの人たちに生かしていくという点から見るならば、逆の方向になっているのではないかというふうに、私は基本的に感ずるものであります。その立場に立って、私は三つの点をお聞きしたいというふうに思います。  第一番目の問題は、この日雇健康保険というのは、先ほど申しましたように、他の分野の労働者には団結権があり、団体交渉権があり、そしてストライキ権を背景としながら、その健康を守っていくための諸条件をいろいろな形のものとしてかちとってきております。健康保険、共済組合法その他の問題がそうですし、労災、厚生年金その他いろいろな問題においても全部、労働者は憲法で保障されるところの団結権を基礎にしてやってきました。今国会に家内労働法が上程されて通りました。あの家内労働法は、そういうものの適用されないところの労働者の権利を保障していくという問題について、国民的な批判も出てきているところから、検討された内容となってあるわけですが、そういうふうに考えてきたときに、いまそれと同じように日々雇用という労働者は、建設関係に限らず、農村における山林労働者あるいは農村労働者を含めて、あるいは港湾労働者、いろんな分野、競輪の分野においても広がっております。こういうような労働者全体にわたって、日雇健康保険ということで他の労働者並みの権利を保障する立場から、こういう日雇健康保険というのが尊重され、広げられていくべき性格ではないのだろうか、そういうふうに考えてきたときに、今日までむしろこの日雇健康保険の擬制適用というふうにして行われておった分野を、もっと広げる必要があるのじゃないだろうか。積極的に本文の中にも入れ、広げる必要がある。現在私が聞いているだけでも港湾労働者から、あるいは出かせぎ労働者から、林業の労働者、あるいは農村労働者、競輪、競馬の労働者などから、この日雇健康保険の積極的な適用の方向をという要望が出ていることを聞いております。私は、積極的に受け入れるべきだと思うのですが、その点について政務次官の基本的な、原則的な考え方を、私は態度としてお聞きしたいというのが第一点です。特にその中で、港湾労働者の場合は港湾労働法第六条で強制的に登録させられ、第二十条で、疾病、負傷でない限り出頭することを義務づけられている。ところが、十四日を割るということによって、保険料は出さされているけれども、受給資格が与えられないという結果が起こっている。しかも掛け捨てという問題が生まれている。これは非常に大きな問題じゃないか。あるいは競輪、競馬の労働者についても同じことが言えます。そういう意味において、こういう掛け捨ての問題といい、あるいはその他の分野の問題といい、さらに拡大してそういうことを検討すべきではないかというふうに思うのが第一点です。  それから第二点の問題は、赤字が云々されてきているわけですけれども、赤字の原因の問題について、私はやはり明らかにしていく必要があるだろうと思うのです。何といっても日々雇用のこれらの労働者の健康の破壊状態というのは、他の労働者の健康の破壊状態と比べるまでもなく、非常に悪い状態にあることは、資料からでも明らかです。したがって、その分野の人たちの受診が非常にふえているという問題があるでしょう。この責任は、本人の責任じゃなくて、今日の社会におけるところの、あの独占資本の政治のもとにおけるところの被害であって、日々雇用労働者の責任ではありません。  第二に考えられるのは、資料から見ても医療費が非常にかさんできております。この医療費がかさんできているという問題から考えるならば、医療費の中におけるところの薬の占める役割りというのは、四割から占めております。したがって、製薬独占のこの独占価格を押える仕事をやる必要があるのではないか。去年とことしを比べての製薬独占におけるところの利潤の状況を見ても、非常に大きな、倍近くの利益のアップがなされてきております。最近日銀自身がいっていますけれども、卸売り物価の状況を見てみる場合に、最近の高騰は独占価格にあるということをはっきり日銀でさえも言うようになってきております。ですから、私は、こういう製薬独占がべらぼうにもうけているということが医療費のかさむところの一つの原因になっているから、これを押えるという施策を検討すべきではないか。さらにまた、政府の助成が非常に少ないのではないか。だから今日まで借り入れ金ということによってこの決済をやられてきておりますから、したがって、それが赤字という形で残っていきます。今日までに政府がもっと積極的にそれらの分野の労働者に対しては助成を大幅にすることによって、今日までの赤字の問題は終わっておったのではないか。それがいまになって累積の赤字というところに問題があるというふうに思うわけです。こういう点について政務次官は一体どういうふうにお考えになっておるのかお聞きしたいというのが、第二の問題です。  第三の問題ですが、第三の問題は、先ほどから皆さんがおっしゃったと同じように、これらの非常に劣悪な条件下にある、社会保障が受けられていないという条件下にあるところだけに、一そう療養の給付については人以上にする必要がある。少なくとも完全治療を保障するという条件をつくってあげなかったならば、日々雇用であるだけにあとの生活の不安が来るのではないか。だから完全治療までやる必要がある。傷病手当、出産手当、埋葬、分べん、少なくともこれらの問題については政府管掌並みの状態にまでするということが、緊急に必要になってきているのではないか。こういう三点について政務次官の御意見をお聞きしたいというふうに思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 最初に基本姿勢についてお尋ねがありました。私どもは提案理由の説明と同時に大臣がその中で申し述べたこと、これを私どもの基本姿勢としております。むろん、それこそこうした問題はどこまで手厚くしていっても際限のないものではあります。ですから、理想を言えばそれはきわめて高い水準のものが言えるでありましょう。私たちはその中で最善は尽くしてまいったつもりであります。ただいま寺前委員から種々述べられた御意見については、私どもとしても今後の参考としてちょうだいをいたしたいと思います。  また、受診率あるいは薬価、また助成というようなものについてまとめてのお尋ねがありました。受診率が高い、すなわち疾病率が高いからだ。これはむしろ健康保険というものが、少しでも軽いうちに早く健康体を取り戻していくそのお手助けをすることであります。それが私は悪いとは決して申しておりません。また製薬独占というお話もございました。これについてもいろいろな見方があると考えます。必ずしも寺前委員の御意見に私はすなおに同調するわけにはまいらぬ点が多々ございますけれども、これも一つの考え方でありましょう。また、助成が少ないというお話もございました。同時に第三点として、完全治癒までの間を完全に保障するべきだというお話もございました。私どもはそうした考え方をとることは決して悪いとは申しませんし、その赤字負担を国庫で全部助成しろと言われるお考えもわからぬわけではありません。国庫の金というものは、これは同時に国民からちょうだいをいたした税金であります。あるいは国民からお預かりしたお金を運用させていただいておるものであります。必ずしも一つの分野にそのすべてを投入して事足れりとは、私どもはいたすわけにはまいりません。財政の規模の中において、当然その限界はあるでありましょう。限界内で私どもはできる限りのことはしてまいったつもりであります。寺前委員の御指摘になりましたような考え方もあるということを、今後の私どもの参考にさせていただきます。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 制限された時間になりましたので、最後に、いま財政の範囲内の問題があると言われた以上は、私も全般的な財政の分野から考えて、日々雇用の労働者に対する積極的な予算を組むべきであるという立場から、若干の面を見てみたいというふうに思うわけです。それは、たとえば税の減免における独占に対する状況を見ても、ざっと二兆円近くのものも考えられるし、防衛関係費一つとってみても、前年度よりも八百五十七億円からの増がなされておるし、その中には現在カンボジアその他で問題になっているようなラオス空港の拡張費やあるいは南ベトナムのチョウライ病院の改築工事費など、そういうような侵略的な援助を含むところの貿易振興費、経済協力費など九百九十億円も組まれているというほどの予算もありますし、あるいはまた海運の利子だけをとってみたって三けたにわたるところの億円の補給が行なわれております。ほんとうに累積の赤字が八百何十億という状況を考えるならば、私は、今日までの赤字の分については、これらの予算をやめるならばできることであるし、単年度の分については、今日まで累積をさせないようにさせる必要があるという点から考えても、国庫の大幅な助成ということは不可能ではない。私どもは予算の組み方においても今日の政府の考え方を基本的に改めてもらう必要がある。そうして日々雇用の労働者がほんとうに生きていてよかったという社会に向かって生きてもらうためにも、私たちはその責任を果たさなければならないと思います。  以上要望して発言を終わりたいと思います。

倉成正自由民主党

○倉成委員長 西田八郎君。

西田八郎民社党

○西田委員 先ほど留保いたしておりました質問について、大臣にお尋ねをいたします。  事の経過を多少説明しないとなんですから、はしょって説明をいたします。  日雇健保の擬制適用は、法律に明文のないものを政府が行政権の範囲内でやってきたものである。そしてそれが十七年間も続いておる。ところがこれが予期に反してばく大な数字になり、赤字の原因ともなっておる。そこで、昭和四十三年四月以降擬制適用の一時中止の措置をとった。ところがこの間新しく加入を希望する団体は十三団体、千八百人の申請があった。しかし、保険庁としてはこれは認めなかった。ところが一方、既成の組合では新規組合加入者があった。その数は約五万八百三十人である。ところがこの分については、政府はこれを容認してきた。これに対する質問なのですが、このような不平等な事態が起こってきたのも、一つはやはり擬制適用という行政措置だけでこれを処分してきたところに問題があるのではないか。したがって、法のもとに平等であるという国民の権利並びに義務を守るという立場からも、これは早急にやはり法制化すべきではないのか。そうしてみんながこういう問題の起こらないようにやはり適用させるのが、本来の姿ではないのか。したがって、この法制化について大臣の所見はどうかということが一つ。  もう一つは、四十三年四月以降一時中止になってきている新規加入を、法制化が長引くということになれば、一体それまでの間に認めるのか認めないのか、この点についての質問であります。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 これは西田さん、非常にむずかしい問題です。私は幸いしろうとなものですからいろいろなことを言うのでありますが、先般も予算委員会で同種な御意見の表明がございました。その際私は申したのですが、これはかみしもを着ていえばいろいろなことを申さなければならぬのですが、とにもかくにも長年一つの行政上の措置としてやってまいってきておるものですから、それを全部否認するというわけには私はいくものではないと思います。しからばどんどん新しい組合の設立を認めるかというと、読んで字のごとくこれは擬制適用ということでありますので、そういうことが一つ。もう一つは、日雇健保の財政というものが全く崩壊に瀕するような状態にもあることから考えまして、無制限に新規加入を認めるとか、あるいは新規を認めるとかいうことも、これはできるはずのものでもございません。そこで私はこういうことを予算委員会で申したのです。今度法律案を出しております。その法律案を出しますと給付内容もよくするし、と同時にまた、給与の実態に即して掛け金等の是正も行なわれますので、ある程度保険財政も改善をいたすことになりますので、この法律が成立いたしました時点においてこの問題は私は前向きで考えなければならないことと考えます、こういう意味のことを申し上げております。ですから、それはぜひそういうふうに御理解をいただいて、この法律が成立をいたしまして、保険のたてまえ、財政等の改善の状況に応じて新規の対応策を考えていくほかない、こういうふうに私は考えておりまして、この法律が成立いたしました後におきましては、そのような指導を私はいたしてまいるつもりでございます。これはまあくろうと論じゃないかもしれませんが、私は大臣ですから、申し上げたとおりのことをいたします。  法制化の問題ですが、法制化をすれば、もうこれは擬制適用じゃありません。法律の当然加入者になるわけでありますが、擬制適用の対象として取り上げられておる人々は元来が日雇労務者ではない、たとえば大工さんとか左官さんとかいうようなことで、それらの人々の地位はおのずから違うんですが、便宜上、沿革上そういうことを認めておるというわけでありますから、私の気持ちでは、これはひとつ、その問題を法制化することにつきましては、医療保険制度の抜本改正というようなことも、これのみならず他の保険について行なわれておりますからそのときまで譲って、そして今回はこれで通していただいて、擬制適用、擬制制度のもとで私が前向きに適正と考えられるものをやはり擬制のたてまえで処理していって、実際問題として解決をいたすように指導する、こういうことでございます。まあどうぞひとつそういうところで御理解をいただければ幸いでございます。

西田八郎民社党

○西田委員 そこでいま大臣の口から、抜本改正のときに法制化の問題については考える、こういう法律上の問題もそのときにあわせて同時に考える、こういう御答弁であったように思うわけです。そうすれば、法制化されればもう完全に擬制適用はなくなるわけですから、もういままでのものを認めるとか認めないとかいうような問題はすべて解消する、こういうふうに理解していいわけですか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 これはまあ抜本改正でありますから、いろいろな健康保険の仕組み、あるいは共済の短期給付の仕組み、あるいは国民健康保険の仕組み、あるいはこの当該日雇健保の仕組みなどにも全部影響があることになります。したがってその際、いまの擬制適用の対象になっている人人をどういう格づけをして、どういう地位に置くかということがあらためて問題になるわけでありまして、いずれにいたしましても、いまのような擬制適用というような不自然な形で残しておくことは適当でないと思いますので、あるべき正しい姿のところに今日の擬制適用の対象になっておられる方々を合理的に当てはめるような、そういう法律制度の中に吸収してまいる、こういうことにいたしたいと私どもは考えております。

田畑金光民社党

○田畑委員 関連。大臣ひとつもう一言だけはっきり御答弁をいただきたいのですが、要すれば質問の趣旨は、擬制適用者については、現行行政措置のもとでは四十三年四月一日以降新規の加入を認めないという制度を厚生省当局はとっております。ところが新規申し込みが幾らだと聞いたところが十三団体、そして数は千八百余名ということです。問題がここにある。しかるに他面においては、既存のすでに認められた団体については、五万名以上の新規加入を実は許しておるわけです。擬制適用が日雇健保財政に非常な圧迫を加えるからというので、あなた方は昭和四十三年四月一日以降は新規の設立は許さないということを行政措置としてとっておきながら、すでにできておる組合には五万以上の加入を許しておるということ、このような不均衡な行政は許されるかということを先ほど来追及している。そうでしょう。そこで、このような問題が起きておるというのは、要すれば擬制適用が法律に出ていない、行政措置として行なわれるからこのような矛盾が出てきておるのだ。かりに擬制適用というものを行政措置でなくて、法律の中にはっきりうたうならば、このような不均衡な取り扱いの問題は自然なくなると思う。かりに擬制適用というものをなくして法律ではっきりうたったならば、法律上の問題として取り扱うような場合には、すべて法のもとにおいては平等なりという原則が適用されると思うが、そのようになりますかということを一般論として質問しておりますから、一般論でけっこうでございますから、大臣から、もしそれが法律の適用ということになれば、そのような問題は解消いたしますということだけ、一言私は承りたいのです。そのことを大臣、ひとつお答えいただきたい。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 法律が改正されました場合におきましては、それは未適につきましては同様に考えていくべきものだと考えます。しかし私の気持ちでは法律の改正は先の抜本改正の際に論ずることといたしまして、いま私どもが提案をいたしております法律が、これが成立をいたしますと、この場合には私が行政措置としても前向きで考えるということであります。

倉成正自由民主党

○倉成委員長 島本虎三君。

島本虎三日本社会党

○島本委員 一問に限定されておりますので、かいつまんで申し上げておきたいと思います。  大臣も御承知のように、港湾労働法による港湾労働者は登録者になっておるわけであります。現在は六大港で昭和四十五年一月の調べで、登録労働者数、九千三百六十五名になっております。ほとんどが日雇健保適用者であります。それが就労日の平均が一三・七日ということになっておるわけでありまして、これはなかなか私どもとしては理解に苦しむところであります。平均して十五日から十六日でないと受給要件を満たさないものであることは、御承知のとおりなんです。ことに港湾労働法で縛られておりまして、職安へ登録してありますから、職安へ出頭の義務が当然あるから、ほかへは行けない。したがって受給要件を満たす方法は、これはもう就労以外にはないということになるわけでありますけれども、御存じのように平均して一三・七日にしかならないのであります。これは、職安に就労確保の義務があるにかかわらず、この人は国民保険もいけない、適用除外の登録者であるから、その方法もとれない。そうすると、ここに職安へ行って就労認定されたら就労とみなすとする、こういうような方法を講じてやらないと、いたずらに掛け捨てになってしまうのであります。港湾労働法の適用によって登録労働者になっている人たち、これあたりはまさに一六、七%より本法の適用を受けておらない、こういうふうなことでありますから、これはぜひ改正しなければなりません。職安へ行って就労認定されたら就労とみなす、こういうようなやり方をとるか、港湾労働者の適用をどのように考えるのであるか。これはまことに重大な問題でありますから、十分お考えの上、ここで善処をはっきり誓約しておいてもらいたいということが一つでございます。  もう一つ。この擬制適用の法制化の中で、一年半までは六十円のランクに現在擬制適用者がまず置かれるという状態で、いま大臣御承知のように、二十歳未満の技術修得者、これは二十六円と二十円のランクのうちの二十円に擬制されておるわけであります。このような擬制適用者、建設労働者の場合には特に一年半にランクされるのでありますけれども、技術修得中にある技術修得者、二十歳未満の人は当然三十円のランクに適用させるべきである、このように思うわけでありますけれども、どのようにこれについて対処されるつもりであるか、この点についてここではっきりしておいてもらいたいと思います。これで終わりであります。ただし、答弁いかんによってはどうなるかわからないということであります。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 第一点の港湾労働者の点でございますが、一部、最終港、神戸とか横浜におきまして、所定の受給資格を満たしていないというものがあることは御指摘のとおりでございます。しかし現行の制度におきましては、二カ月、二十八枚という点がございまして、こういう点につきましては、やはり今後の問題といたしまして、抜本改正の際にわれわれとしましては、これは非常にはっきりしたグループでございますので、できるだけ前向きの形で検討いたしたい、こういうように考えております。  それから第二の点でございますが、擬制適用の保険料につきましては、これは賃金把握が非常に困難でございます。そういうところで、これにつきましてもきめこまかくランクを分けるべきだという議論もございますけれども、実態から見まして、もう一律に一定のところに格づけせざるを得ないということでございますので、この点はひとつ、現在の形におきましても、やはり一般の日雇労働者よりも平均的に相当高額になっておりますので、これはやむを得ないかというふうに考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 ちょっと待ってください。未成年者ですよ。技能習得中の未成年者のことを言っているのです。これは一人前じゃないのです。これはいままでの実態によって、二十六円と二十円とあって、二十円のランクにして技術を習得させるのに十分便宜をはかっておった。今度もやはりその原則は確認されているはずなんですけれども、今後この運用の面で万遺憾なきを期しているのか、こういう質問です。適格にやるとは何ということです。いまより悪くすることじゃないですか。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 擬制適用の問題につきましては、職種により、賃金によりましてランクをつけていきたい、保険の中に身分関係を、未成年とかそういう形で入れましては、非常に複雑な要素になりますので、やはり一定の線に格づけをいたしたわけでございますが、御指摘もございましたので、今後の問題といたしまして検討をさせていただきたいと思います。

倉成正自由民主党

○倉成委員長 これにて、本案についての質疑は終局いたしました。     —————————————

倉成正自由民主党

○倉成委員長 ただいままでに委員長の手元に、佐々木義武君から、本案に対する修正案が提出されております。

倉成正自由民主党

○倉成委員長 修正案の趣旨の説明を聴取いたします。佐々木義武君。

佐々木義武自由民主党

○佐々木(義)委員 ただいま議題となっております日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案に対する自由民主党提案にかかる修正案について、その提案の理由を御説明申し上げます。  政府提案の日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案は、医療給付等の給付内容の改善をはかるとともに、賃金実態に即した保険料の改定を行ない、異常な財政状況に対処しようとするもので、その趣旨は了とするところでありますが、改正案において、現在の日雇労働者健康保険の運営の実態に照らし、現下の諸情勢のもとにおいては必ずしも適当でないと思われる点等が見受けられますので、これを修正することといたしたのであります。  すなわち、第一に、従来擬制適用を受けてきた大工、左官等の建設技能労働者を法律上の適用対象者とすることといたしました。  第二に、政府原案では、療養の給付期間を二年六カ月としておりますが、これを三年六カ月といたしました。  第三に、政府原案では、保険料第一級の賃金日額を千円未満としておりますが、本年度の失業対策事業に就労する労働者の平均賃金等を勘案して、賃金日額千二百円未満とするとともに、政府原案のほか、新たに、第四級の保険料を追加することといたしました。なお、第四級の保険料額及び適用の時期については、将来、社会保険審議会にはかった上で政令で定めることといたしました。  第四は、施行期日について、政府原案では、公布の日としておりますが、これを本年八月一日といたしました。  以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

倉成正自由民主党

○倉成委員長 修正案について御発言ございませんか。——なければ、この際、国会法第五十七条の三により、内閣の意見があればお述べ願いたいと存じます。内田厚生大臣。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 ただいまの修正案につきましては、私どもといたしましてはやむを得ないものとして了承いたしたいと存じます。     —————————————

倉成正自由民主党

○倉成委員長 次に、本案及びこれに対する修正案を一括して討論に付するのでありますが、別に申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  まず、本案に対する修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

倉成正自由民主党

○倉成委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいまの修正部分を除く原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

倉成正自由民主党

○倉成委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。     —————————————

倉成正自由民主党

○倉成委員長 この際、伊東正義君、田邊誠君、大橋敏雄君及び田畑金光君より、本案について附帯決議を付すべしとの動議が提出されておりますので、その趣旨の説明を求めます。伊東正義君。

伊東正義自由民主党

○伊東委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。  案文を朗読して説明にかえさせていただきます。     日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議   政府は、日雇労働者が今日おかれている実情にかんがみ、その福祉の増進を図るため、次の事項についてその実現を期すること。  一 医療保険の抜本改正の機会に及びその以前においても他の医療保険諸制度との均衡を考慮しつつ制度の改善を図ること。  二 傷病手当金及び出産手当金の支給日額の引上げ及び支給期間の延長等給付面において一段の改善を図ること。  三 受給手続の簡素化を図ること。  四 日雇労働者の特殊性にかんがみ、国庫負担率の大幅引上げに努めること。  以上であります。何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

倉成正自由民主党

○倉成委員長 本動議について採決いたします。  本動議のごとく決する賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

倉成正自由民主党

○倉成委員長 起立総員。よって、本案については、伊東正義君外三名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。  この際、厚生大臣より発言を求められておりますので、これを許します。内田厚生大臣。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 ただいま御決議のありました附帯条項につきましては、御趣旨を尊重いたしまして、政府としても努力をいたす所存でございます。     —————————————

倉成正自由民主党

○倉成委員長 おはかりいたします。  本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

倉成正自由民主党

○倉成委員長 御異議なしと認めます。そのように決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

倉成正自由民主党

○倉成委員長 この際、暫時休憩いたします。    午後一時四十二分休憩      ————◇—————    午後四時十八分開議

倉成正自由民主党

○倉成委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、厚生大臣より発言を求められておりますので、これを許します。内田厚生大臣。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 児童手当の問題につきまして、さきに、児童手当審議会の審議状況を本国会の会期中に報告を受けたい、こういうお申し出が当委員会からございまして、お約束をいたしておったところでございますが、これに関連いたしまして、このたび審議会会長から別紙のような報告を受けましたので、ここに私から当委員会に御報告を申し上げたいと存じます。審議会の会長からの中間報告は別紙にしてお手元にお配りをいたしておりますが、私から念のため朗読をさしていただきます。       児童手当審議会の審議経過   児童手当審議会は、昨年七月、厚生大臣から児童手当制度の大綱について諮問を受け、今日までに十三回にわたり会議を開き、鋭意審議をかさねてきた。児童手当制度の創設にあたっては、制度のたて方、財源負担等について慎重に検討すべき問題が多く、また、税制、賃金体系その他調整を図るべき分野も広汎であるが、現在までの審議会の審議における主な問題点および特に検討している事項は、次のとおりである。  一 制度の目的について    児童手当の目的については、諸外国の先例、わが国の最近の社会経済事情等にかんがみ、児童福祉の増進、多子家庭の生活安定、労働力の維持、賃金体系の合理化等種々の面から検討されている。審議会では、社会保障制度としての児童手当の主な目的は、家計における児童養育費の負担を軽減し、児童の健全な育成を図るところにあるとする意見が有力になりつつある。  二 制度のたて方について    児童手当制度は、現行の社会保険と同様に、適用対象を被用者と自営業者・農民等に区分し、財源負担を明確にする必要があるから、二本だてとすべきであるとする意見がある。このような考え方に対して、児童手当制度は児童福祉を増進する観点から実施が図られるのが本来であるので、給付の平等を期すべきであるから、制度は全国民を通じて一本だてとすべきであるとする意見がある。制度のたて方は、財源と密接な関係にあり、これとあわせて検討されている。  三 給付について   (1) 児童手当の支給対象は、義務教育終了前    の第一子以降の全児童または第二子以降の児童とするのがのぞましいが、児童手当制度を早急に実施させるためには、児童養育費の負担が家計のきびしい圧迫となっている第三子以降の児童から発足すべきであるという意見がある。   (2) 児童手当の支給額は、児童養育費の半額程度(月額三千円)をめやすにするかどうかについて検討されている。  四 財源について   (1) 事業主は児童の養育について社会的に相応の負担をすべきであるという考え方等に基づき、事業主が児童手当のために相当の負担をするものとする意見がある。しかし、一方においては、事業主だけに負担させるのは不公平であるという考え方等から、これに消極的な意見がある。   (2) 児童手当の財源は、事業主以外の国民一般も負担すべきであるという意見、また、さしあたりは負担を求めないとしても、将来給付内容を拡充するときには、ひろく国民一般が負担するものとする等の意見がある。   (3) 児童手当制度の目的を低所得者対策におき、従来の福祉施策と同様に全額を国庫および地方公共団体の負担によるいわゆる全額公費負担とする考え方、制度の早期実施のため、さしあたり全額公費負担とする意見があるが、一方では、制度の将来の発展のため、あるいは公平な負担のためには全額公費とするのは好ましくないという意見がある。  五 他制度との調整について    税制における扶養控除制度、賃金体系における家族給その他関連する諸制度との調整について検討がかさねられている。  以上でございます。

倉成正自由民主党

○倉成委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。大橋敏雄君。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 ただいま児童手当審議会の審議経過とその問題点の骨子の報告がなされたわけでございますが、いまその内容をお伺いしておりまして、率直に感じましたことは、全く期待はずれの内容だ、こういわざるを得ないわけでございます。いまも大臣みずからおっしゃいましたように、この報告については、去る二月の二十一日、わが党の矢野書記長が、予算委員会において、児童手当問題について大臣並びに政府当局をきびしく追及して得たその結果として、少なくとも審議会の答申がおくれたために四十五年度実施は見送りとなった。したがいまして、八月までには答申を仰いで、そして四十六年度の概算要求にそれを組み込み、あわせて立法化もするんだ、このような答弁があったときに、あわせて今国会中に、少なくとも審議経過の経過とその問題点の骨子を報告するということで、今日までわれわれは待ちに待ち望んでいたわけでございますが、いまも報告があったように、全く骨子の骨子といったようなずさんといいますか、簡単なものでございます。  そこで、お尋ねいたしますけれども、この審議会から報告されてきたこの報告内容というものは、大体もっと詳しい内容がきているものを、厚生省として、また大臣の考えとして、それをまとめてこのように簡単なものになさったのか、そういう点明らかにしてもらいたいと思います。

坂元貞一郎厚生省児童家庭局長

○坂元政府委員 ただいまの点につきまして、二月の時点でそういうような御報告を国会にするということを児童手当審議会に御報告し、そして今日まで審議が進められてまいったわけでありまして、今回の御報告の内容は、有澤会長がいままでの審議の経過をわかりやすく要点だけを大体まとめられまして、それを私どものほうがちょうだいした、こういうことに相なっておるわけでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 私は、有澤会長が国会に報告する、委員会に報告するという内容について、こんなずさんなものを出そうとは思いたくない。考えたくないのです。私はもっと詳しい内容がきているものと信じますが、これはいま中間的な報告についてとやかく言ってみても始まらぬ問題でありますけれども、私は、この一つの事例を見て、厚生当局の児童手当に対する誠意というものの薄さ、それを指摘せざるを得ません。  これは大臣に一言申し上げますが、こういう私がいま感じているような立場で児童手当に対処なさるのであるならば、これはとても四十六年度実現もむずかしいのじゃないか、私はこのように思うわけですが、これは単なる中間報告としてこういう姿になったのだということであるならばまた別問題ですけれども、そういう点私非常に心配をしますし、懸念を抱きますので、その点まず児童手当制度創設に対する大臣の決意をはっきりここで示してもらいたいと思います。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 ただいま御報告を申し上げました児童手当審議会の報告は、審議会が目下論議の最中にありますので、具体的にまとまったことを報告し得ないということは御理解をいただきたいわけであります。  私が今国会中、すなわち五月十三日までの会期中に審議会のまとまった御報告を申し上げることは無理であるということは、前にも申し述べておきました。しかし、これは八月中には審議会で答申をいただいて、そうしてその後の段取りを進めることは間違いない。したがって、五月の中間報告というものはそれはいかがであろうかということを申し述べたのでありますが、とにもかくにも中間の報告をせよ、こういう御要望がございましたので、論議の過程にあります課題につきまして審議会から御報告をいただいた、こういう次第でありまして、私といたしましては、前からの考え方を全く変更いたしておりません。審議会の会長にも、あとの段取りを考えると、八月一ぱいには御答申をいただかないと進められないので、ぜひとも八月中に御答申をいただけるようにということを強く御要望をいたしておるところであります。これに対しまして、審議会の空気といたしましても、私の要望をお受けいただけるように私は今日でも観察をいたしておりますので、この段階における報告は報告といたしまして、今後の段取りについて、私は従来の私の期待どおりに進むことを確信をいたしておるものでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 この経過報告の内容をいまお伺いしたわけでございますけれども、極端な言い方をしますと、児童手当懇談会当時議論されていた内容の域を出ていない、こう言っても私は言い過ぎではないような気がします。  これをここで論議しても始まりませんので、次に移りますけれども、確かに大臣は、八月までには答申を何とか仰いで、四十六年度概算要求にその予算を組み込んで、そして立法化していくんだ、このような趣旨の答弁をなさった。それは確かであろうと思います。そのために現在どのような作業をなさっているのか。たとえば対象者を掌握する作業とか、あるいは立法作業の準備を具体的に進められているとか、そのほかいろいろな作業があろうかと思います。いずれにいたしましても、大臣の決意は、八月までには答申を仰いで立法化していくんだ、予算化していくんだ、このような御決意でありますので、そういう立場で、何らかの姿で具体的な動きをなされているものと私は考えるのでありますが、その点を答弁願いたいと思います。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 大橋さんの御意見よく承りました。また、私のほうでもたびたび申し上げておるのですが、私は、これまでの段階におきましても、私のほうから一つの案を出さない、むしろ審議会のほうで十分いろんな角度から課題を御検討になって、そして各方面の意向がまとまるような案にして、そして御答申をいただきたいということに主力を置いております。したがって、案の中身につきましては、内田草案というものも私はしいて出しませんし、また、前の懇談会案を否定をいたしてもおりません。案には、たとえば給付の対象につきましても、ここにありますように、第一子、第二子、第三子という問題がどうきまるかという問題については、私は、どのような姿でもいいし、とにもかくにも児童手当というものを出発させたい、こういう気持ちで一ぱいでございますので、干渉をいたしません。また、有澤会長からも、この際大臣は干渉するな、われわれのほうに審議を求める以上は、われわれのほうにまかしておけ、こういうことでございますので、私のほうから私見を交えておらない、こういうことは御承知をいただきたいと思います。また、案の中身がどうきまるかということよりも、私がほんとうに一番心配をいたしておりますのは、関係方面の合意を取りつけるということが、私としては最大の関心を持っておるものでございますので、何とかしてそういう合意を取りつけた案としてお出し願いたいということであります。八月から十二月までの間、予算や法制の段取りもあるわけでありますが、この間におきましても、私が一番懸念いたしておりますのは、審議会から案が出された、その案につきまして、関係方面の意向をどうまとめるかということが一番大仕事でありまして、私は、審議会の段階のことにつきましては、これは審議会も私どもの気持ちをくみ取って、御協力をいただけるものと確信をいたしておることをあらためて申し上げます。

倉成正自由民主党

○倉成委員長 この際、暫時休憩いたします。    午後四時三十四分休憩      ————◇—————    午後五時五分開議

倉成正自由民主党

○倉成委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。大橋敏雄君。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 私はただいま、児童手当について厚生大臣がさきの予算委員会等で御答弁なさった、そういう立場から考えた場合、当然八月答申が出るという立場に立ってのところからいろいろとそれに付随する作業が進められているはずだ、進められていなければならぬはずであるという質問に対して、確かに審議会からの答申が出ない限りは立法化等はできないんだというようなお答えでございました。それはそうでありましょう。しかしながら、審議会にお願いし、当然審議会の貴重な意見をもとにして立法化されるのはよくわかるわけでございますけれども、それ以外に、当然立法化するためにはやるべき仕事がたくさんあろうと思うわけです。私は、そういう立場からいろいろと作業が進められていますか、こうお尋ねしたわけです。それに対しましていろいろと御答弁なさいましたけれども、結論的には関係各方面の方々の意見の調整を急がねばならない、そういう仕事があるというような御答弁でございましたけれども、それでは大臣は、この五月の今日に至るまで、どのように具体的に関係各方面に働きかけられたのか、それをお答え願いたいと思います。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 委員会にも出席をいたしまして、先ほど来申し述べますような私の期待を開陳をいたしまして、御協力を求める努力はもとよりいたしてまいりました。また、その他委員外の方面に対しましてもそういう努力をお願いをいたしておるので、これができ上がる場合には、その協力をお願いをする旨の希望の開陳を実はいたしてまいってきております。その他、委員会における作業を進めるにつきましての資料等につきましては、厚生省のそれぞれの事務当局から審議、検討の参考になるような資料は十分提出をさせております。  なおまた、御承知のように特別の準備費のようなものも四十五年度の予算で確保いたしておりますので八月までの間に、委員の方を中心といたしまして外国のこの制度に対する事情なども調査を願うような、そういう手配も現在進めておるわけでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 大臣、率直な気持ちを言わせていただきますと、確かに八月に答申を仰ぎたいという気持ちは、来年度実施をしたいというその気持ちから、概算要求等の作業の手はずから逆算してそうなるのだということであろうと思います。  しかし、いままでの審議会の動き方、経過を見てみますと、これははたして八月に間に合うんだろうか、率直に私はここに不安を感ずるわけでございますが、大臣としては、いやそんな心配は要りません、きちっと答申は出ますよと言うだけのものがおありかどうなのか。児童手当審議会の今後の審議の作業日程といいますか、そういうものは大体きまっていると思いますけれども、それを報告していただきたい。いま大臣みずから答弁なさったように、審議会のメンバーの方々がまとめるために外国まで出張なさるという話を聞きましたけれども、むしろいまごろ外国に行かれて、私はほんとうに八月にまとまるんだろうかという不安が重なったような感じでございます。そういう点を踏まえて、そんな心配はない、八月には何としても答申は受けられるというようなものを、具体的に審議会の作業日程等を含めてお答え願いたいと思います。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 今後の審議会の作業日程等につきましては、私のほうの児童局長が事務的に審議会のほうに御協力をしておぜん立てをいつもするように計らっております。要は八月中を目途として審議会から答申がいただけるかどうかということに私は非常に関心を払っておりますが、これは案の中身をつくるのに非常に特別の手数が要るということよりも、私が見るところでは、結論に到達する案のために、審議会は各方面から代表者が入られておりますので、その代表者の合意を取りつけるということに問題があるわけでありますから、案の内容を積み上げるための日数とかなんとかということよりも、自由な議論を何回も何回も重ねていただいたり、いま申しますように、外国にも行くことも必要で、そういう間におきまして、外国の事情などとも関連しながら委員の方々に話し合ってもらうという場面もございましょうし、そういうことに私は非常に大きな関心を寄せておるわけでございますが、それをも含めまして、八月一ぱいには審議会の御意向がまとめられることを期待し、また、それが可能であるという希望を持っておるわけでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 それでは具体的にお尋ねいたしますけれども、大臣はたしか八月答申を要請するために有澤会長に会うのだ、このようなお話をなさっていたと記憶しております。それを実際になさったのかどうか。もしなさったならば、そのときに有澤会長はどのような答弁をなさったのか。その点をお聞かせいただきたいと思います。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 実は、だいぶ日の高いうちに私が会長にも、先ほど来申し述べますことをお願いをいたして、会長からも、私の希望に沿うべく努力する、こういうお答えをいただいておるものでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 それでは、大臣がおっしゃるとおりに、八月までに答申を出すべく努力していく、こうはっきり言われているわけですね。  それではもう一歩掘り下げてお尋ねいたしますが、そこまで有澤会長さんが言い切っていらっしゃるのならば、私は八月に必ずその答申が出るものと信じたいわけでありますけれども、先ほど申しましたように、今日までの審議会の経過をずっとながめておりますと、多少不安な点もあるわけでございますが、万々が一、八月にもし答申が間に合わなかったとした場合、それは概算要求に組み込めるかどうか。たとえば八月に間に合わなかった、九月になった場合はどうなるか、この点を聞かしていただきたいと思います。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 先に八月の線がはずれた場合のことをあまり申し上げないほうがいいとも思いますし、また申し上げたくはございませんが、これはありていに申しまして、政府の予算がまとまるのは十二月から一月にかけてでございます。したがいまして、どうしても審議会から八月一ぱいに答申がない、しかし予算の編成時期までには何らかの結論が得られるという見通しがありますならば、これは私どものほうでも、それならそれに応じまして、おおむね腰だめの金額を入れながらいたしまして——この場合にはもちろん政府部内で打ち合わせも必要でありますし、また、いまの政府は自民党の上にでき上かっておる政府でもございますので、党内調整等がございます。むしろこれは大橋先生も御承知のように、党内調整をやり過ぎて、一体予算は政府がつくるのか党がつくるのかという御批判さえもあるような場合もあるわけでございますので、党のほうとも十分打ち合わせをいたしまして、私は仮要求というようなこともいたそうと思っております。むしろほんとうの私の腹の中は、審議会から答申をいただけるいただけないよりも、その後の予算ができ上がるまでの間における関係方面等の調整が一番大切なことだとも思うわけでございまして、そういう点にも努力をしていく所存でございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 まず確認いたしますが、大臣がおっしゃったとおり、私も実は八月答申がおくれるということを考えたくはない。ないですけれども、いま言うように、万一の場合ということでお尋ねしたわけですが、それに対しまして大臣は、予算はとにかく十二月にきまることであるので、かりに八月がおくれた場合、九月であろうと、十月であろうと、あるいは十一月であろうと、要するに答申が出れば予算に組み込んで四十六年度実施に踏み切っていく、このようにお答えになったというふうに理解してよろしいでしょうか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 おおむねお尋ねのとおりであります。おおむねと申しますのは、あまり先の先の、できなかった場合にはというようなことを私は申し上げるつもりもございませんので、その線に沿ってやる、こういうことでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 実は、私がなぜこんなにくどく申し上げるかといいますと、四十五年度の実施が見送られたその大きな問題点になったのが審議会の答申が出なかったということでありました。ほかは全部やる気だったけれども、審議会の答申がおくれたために、四十五年度は見送りになったのだ。そこでわれわれは、それじゃ来年度実施に踏み切るためには、いつまでに答申を得ればいいのか、それは八月までなんだ、こういうことできたわけでございますので、くどく聞いているわけであります。  そこで、立法化するにしても、予算化するにしても、審議会の答申——あるいは骨子でもいいと思いますが、出ない限りは、先ほど言われましたように、おそらく作業は進められないのではないか。だから、やはり審議会の答申を受けること、それが先決問題である。また、先ほどの報告内容を見てみますと、確かにいろいろと意見が分かれているけれども、一番問題点になっているのは、私は二番目の制度の立て方だろうと思うのです。というのは、この児童手当制度を二本立てにせよとか、あるいは一本立てにすべきだとかいろいろあるけれども、結論として「制度のたて方は、財源と密接な関係にあり、これとあわせて検討されている。」こうあるわけですね。  そこで、その財源問題が列記されておる四番目の内容を見て言いりますと、四番目に「財源について」とあって、(1)、(2)、(3)とあります。その(1)を見ますと、「事業主が児童手当のために相当の負担をするものとする意見がある。」とか、あるいは「事業主だけに負担させるのは不公平である」とか、また(2)には「国民一般も負担すべきである」とか、あるいは(3)には「従来の福祉施策と同様に全額を国庫および地方公共団体の負担によるいわゆる全額公費負担とする考え方」等々が列記されているわけですね。つまり、これは意見が羅列されているだけであって、審議会が大体こういう意見をもとにしてこのような方向に固めているというものじゃないわけです。したがいまして、その答申を急いでもらうためには、この財源問題をいち早くまとめてもらわなければならない。そういう点について、審議会に対して大臣から、特にこの財源問題のまとめ方についての強い要請をなさる意思があるかどうか、この点についてお答え願いたいと思います。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 何べんも申しますように、私から、財源問題はもちろんのこと、その他制度の立て力について厚生大臣私案というものは出さないことにしております。それは、会長からも、出さないでほしい、審議会の中で十分に議論をしてまとめたものでないと、案が紙の上でできても皆がついてこないような案では実施ができないのだから、みんなで議論してみんなが納得するという合意ができる案を自分のほうにつくらしてほしい、こういう御趣旨のお話がございましたので、私がこの財源案につきましても(1)がいいとか(3)がいいとかいうことは申し上げないで、むしろ自由な論議の結果、皆さんの合意が得られるところでまとめていかないとあとがやれないということを心配している。そのことも御了承をいただきたいと存じます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 私が言ったのは、合意できなければならない、合意に達するためには、外部からいろいろなことを言わないほうがいいというような考え方で受け取られたようでございますが、私はそう言ったのじゃなくて、こういうふうに分かれている財源問題を、特に大臣から、いわゆる合意を受けられるような内容にまとめてほしい、こういう要請をなさる意思があるかどうかと聞いたわけです。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 それはすでに各方面を代表する各委員の間で合意に達した案をぜひつくってほしい、一部の委員の強行した案でなしに、みながまあそういうところでいこう、こういう案をぜひ答申してほしいということを常に十分申し述べてございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 確かに審議会の方々は真剣に討議、検討をされていると思います。しかし、この児童手当制度というものは、審議会にただおまかせしておればいいというものではないと思うのです。先ほどから何べんも大臣から、実際に制度をつくってみても、それがすぐさま動かなくなるような内容であっては何にもならぬ、そのためには、関係方面に対してはいろいろと意見の調整を行ない、作業をやっていかなければならぬのだ、こうおっしゃっておりましたが、非常に失礼な言い方になりますが、前の厚生大臣の斎藤先生、この方は確かに動いていらっしゃった事実をわれわれは目で見、あるいは耳で聞きました。しかし、これはたいへん失礼な言い方ですよ。お忙しいという立場でしょうけれども、内田厚生大臣の場合は、口ではほんとうに熱心な答弁をなさっているのですけれども、あまりそういう動かれたという反響がないわけですね。いま国会審議のまっ最中で、動きたいけれども動けなかったのだ、こういうことであろうと思いますが、そういう点についてもっとほんとうの気持ちをここで言っていただきたいですね。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 審議会の席に私が臨みまして、斎藤さんの例にならって内田私案というものを出そうかと申しましたところが、いや出していただかないほうがいい、斎藤私案を出されたがために審議会はまとまらなかったのだ、こういうことでございました。でありますから、これはたびたび私がその審議会に乗り込んでいって、ああだこうだといろいろ指図がましいことをいたしますと、大橋先生からは内田君は働いていると言われましても、でき上がりがかえってでき上がりにならぬのでは、働いたことになりませんので、私はそういうことよりも内田君は内田私案というものを出さないほうがいい、こういう向こうの確認を得まして、しからば私は控えておろう、こういうことで私は案を出しておりません。  ここにいろいろの問題が取り上げられておりますが、私に考え方を出せと言われれば、これと全く違う案を出したいくらいなあれも私ございますが、そういうものを出しますと、せっかくいままでもう一年近くも、昨年の七月からやっておられる議論を根底からひっくり返すことになりますので、そうするとかえってまた、それじゃ全部やり直しということが起きますので、私は自分の案は出しておらない、こういうわけでございます。  これは、時間も長くなりますので、私のほうから申しますと、審議会で意見をまとめてもらいますれば、審議会とすれば、各方面の方、財界からも来ておりますし、労働界からも来ておられますし、いろいろな代表が来ておられますから、そこでまとまったところによりますと、どういう財源の案が出ましても、これは背景の人々に話していただけるわけであります。無理にきまったんでは、そんなことはのめない、こういうことでおしまいになってしまうということ、それを心配することが一つでございますし、また一つの案がまとまったといたしましても、厚生大臣が同時に大蔵大臣でもなければ総理大臣でもありません。また自民党の政調会長でもありませんし、そのまとまった案を中心にして、ほんとうに政府の予算案とし、あるいは法律案要綱にするのに骨が折れるだろうと、むしろその審議会の案がまとまりますよりも、さあまとまった場合のそれの処理のしかたの非常な苦労を私は先走っていろいろ考えておる、こういうようなこともちょっとお含み置きいただければ非常に幸いでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 私は審議会に行ってとやかく言いなさいとか、あるいはあなたの私案を持っていくことがいいんだとかいうことを言っているわけじゃない。私らは審議会を信じています。真剣に検討なさっているだろうと思います。しかし、私がいま言わんとするのは、ただ審議会そのものではなくして、先ほど大臣みずから、もっと関係方面に具体的な折衝の場がある、それを急がなければならぬとおっしゃったでしょう。そのことを言っているのです。それを具体的にわれわれの耳に聞こえるくらいに積極的にやっていただきたい、こういうわけです。  それからもう一つ申し上げますと、この児童手当制度というものは、わが国においてまだ御承知のとおりないわけですよ。先進諸国はもちろんのこと、六十三カ国も実施されている現在において、わが国のような文化国家において児童手当制度がないということは、社会保障制度の立場からいって最も恥ずかしい姿である。これはもう十分御承知と思います。だから、まずとにかくわが国に児童手当制度を創設するということが大きな意義があるわけです。そのまとめる方向に向かってがんばっていただきたい、そういう意味で先ほどから何回も繰り返して言っているわけでございます。  時間もずいぶん経過しているようでございますので、最後に一、二問お尋ねしますけれども、この児童手当制度についての国民の期待というものは想像以上のものでございます。四十六年度こそは実現するであろう、いままでの大臣や総理大臣の答弁を聞いてみんなそう信じているわけですが、四十六年度には必ず実施されるんだ、こう信じ込んでよろしいかどうか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 とにかく最短距離を行くのには、まず審議会で八月一ぱいに答申を出していただいて、それをもととして私どもが次の段取りを踏む、こういうことで、私はこれまでも、とにかく八月に答申を出していただく、それはあとの段取りを考えてということで申し述べているわけでございます。これは私が過去のいろいろな議事録、また先輩の発言等を調べてみましても、何年から実施するというようなことになっておりますが、それがみなそうなっておりませんので、私は同じような発言をしないで、とにかくこのまま押していく、そして合理的な段取りを踏んでいくということを私が申し述べている、その私の気持ちをも御理解をいただきたいと思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 それじゃ最後にもう一つだけ矛盾点を聞かしていただきますよ。というのは、いままで大臣は、答申が出ないので実施に踏み切れないのだと言ってこられました。先ほどのお話を聞いてみましたら、かりに答申が出ても、今度は大蔵省だとか大蔵大臣とか総理大臣あるいは党の中の政調会長がいろいろとむずかしいことを言い出すと、これは非常にむずかしいことだと言われましたけれども、これを悪くとれば、逆にとれば、幾ら答申が出ても、そういう問題でできない場合もあるんだ、こういうことになるのですか。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 とにかく答申が出ないことには前に進めません。それは単なる懇談会ということではございませんで、せっかく昨年厚生省設置法の改正までいたしまして審議会というものを置いての審議でございますので、それの正式答申をいただかなければ前に進めないということで、まず私はそれから突破してかかろうということで私なりに努力をいたしております。今後も努力をするつもりでございます。それが済んだあと、もう一山あるということを申し上げましたので、その山を越すための最大の努力をいたさんとするものでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 それじゃ、最後に一言言いますが、いかなる山が幾山あろうとも、乗り越えて、四十六年には実施をする、そういう決意であるということを一言言ってください。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 御激励にこたえて、できるだけの努力をいたしたいと思います。私のほうからもお願いをいたしますが、この問題は、与野党の方方も十分お打ち合わせをいただいて、私が一人で張り切りましても、国会の中の——これはもうお互いに仲よしでありますからこういうことを申すわけでありますが、どうかひとつ、ここに御出席の皆さま方のほうでも、ぜひ、私が仕事をしやすいような、そういう環境づくりを、与党の方々ともどもお願いをいたす次第でございます。

倉成正自由民主党

○倉成委員長 次回は、明十三日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後五時三十二分散会

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