P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
63回国会衆議院1970/05/06

社会労働委員会 第17号

発言数
287
登壇者
15
会派数
4
開催日
1970/05/06

会議録

倉成正自由民主党

○倉成委員長 これより会議を開きます。  内閣提出の船員保険法の一部を改正する法律案、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案及び小林進君外六名提出の労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。田邊誠君。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 今回の労災法並びに船員保険法の改正は、内容的には労働者にとってプラスの面もあるわけでございますけれども、われわれはそういった災害補償の内容の改善というものも当然必要であるとは考えておりまするが、しかし労働者の福祉のためには、災害の防止や職業病の発生防止等に全力を尽くすことによって、業務災害の絶滅を期することが、まず先決ではないかと思うわけであります。そういった点で、この法律案の審議を続けてまいりましたけれども、法案の審議の最終段階において、やはり政府の基本的な考え方としては、いま申し上げた災害の防止なり絶滅なり、特に職業病の絶滅等についての特段の努力をすることが、私は何といっても肝要ではないかと考えるわけでありますが、この際大臣からこの問題に対するところの決意をお伺いしたいと思うわけでございます。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 御指摘のように、労働災害の防止は、人命尊重の見地から見ましても、労働者の福祉の向上から見ましても、まことに重大でありまして、ぜひ労働災害の防止をはかりたいと考えております。かかる見地から政府としましては、従来から労働災害の防止について計画的な対策を進めてきたところでありますが、昭和四十三年度から第三次五カ年計画としての労働災害防止基本計画を策定いたしました。これに基づき、毎年実施計画を立てまして、計画的な展開をはかっているところであります。  その主要なものは、国による監督指導の強化、機械設備の本質安全等を目ざす研究開発の充実、企業全体の労働災害防止に関する対策を徹底するために、企業における自主的な災害防止活動についての啓蒙の推進、さらに中央労働災害防止協会を中心とする各産業の労働災害防止協会の活動の強化をはかるなどでありまして、関係者が一体となりまして労働災害の防止につとめるよう全力を傾けてまいりたいと考えております。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 そこで局長、いま大臣のお話のように、労働災害の防止については、基本的な計画を立てて実施しているわけであります。特に第三次五カ年計画を立てて遂行しておることをお聞きしたのでありまするが、ちょうど四十三年から四十七年の五カ年計画でありまするから、四十五年はそのまん中に当たるわけであります。言うならば、一番この防止計画の重要な峠に差しかかっておるのじゃないかと私は思うわけでありまして、予算上の措置やその他から見ても、私は、かなり実効をあげるものになっていかなければならない、このように思っておるわけでありますけれども、そういった予算上の措置やあるいは具体的な計画が一体いまどのところまでいっているのか。簡単でいいですから、答えていただきたい。

和田勝美労働省労働基準局長

○和田政府委員 先生御指摘のように、この四十五年はまん中の年でございまして、計画にいたしましても中間検討をする時期、こういうことに相なっておるわけでありまして、四十五年度はそういう意味において非常に重要な年である、こういうふうに私ども考えております。  予算的に見ましては、そういう点を考慮いたしまして、四十四年に比較いたしまして、四十五年の災害防止関係の予算は、総額で四〇%の増、一般予算の伸びその他から考えまして、災害防止計画に対する予算措置としては、伸び率としては相当大幅ではなかったか、かように考えております。もちろん、先生御指摘のように十分ではございませんので、今後ともさらに努力をしなければいかぬと考えております。  それと、もう一つは、四十五年度予算で、産業医学に関する総合的な機関設置に関する調査費がつきました。これは先生、いま職業病の発生が非常に重大だというお話でございまして、そのとおりに思いまして、ぜひ研究開発をすべきものがある。労働衛生研究所がございまして、予防につきまして一応の努力はいたしておりますが、これを総合的な職業病予防研究機関に発展させる必要があるということで、予算措置を講じまして、私どもとしては、四十五年度を初年度として、ぜひ早目にこの総合研究所を発足させたい、かように考えて、今後とも努力をさしていただきたい、かように考えております。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 もう一つ、基準局長、いま大臣のお答えの中に、労働省なり役所がいろいろと仕事をされることは、これは当然の義務でありまするけれども、また、企業自身の自主的な活動というものを促進する必要があるということでもって、中央における防止協会なりあるいは地方におけるところの防止協会なりというものを、いわば活動を促進をするということですが、これは労働省としては、一体具体的にどういう面で指導をされようとしているのですか。

和田勝美労働省労働基準局長

○和田政府委員 企業自体について申し上げてみますると、従来の私どもの経験からいたしまして、経営首脳者が安全に対する関心が深ければ深いほど、そこの防止活動が非常にスムーズにいっておる、こういう貴重な経験を得ておりますので、四十四年、四十五年あたりでは、経営首脳に対する啓蒙ということを非常に強調いたしまして、いろいろの会合を開きます場合には、経営のトップレベルに出て来てもらいまして、実施について監査をしてもらう、あるいは建設業等につきましては、安全パトロールをトップレベルの方自身に私どもと一緒にやってもらう、こういうような活動をやってもらいまして、トップレベルの啓蒙ということ、それと、実務を担当いたします安全管理者、衛生管理者に対する教育の徹底、こういう直接労働者を安全、衛生に関して指揮、命令をするという、直接の者に対する安全教育、衛生教育ということを徹底することが、企業に対して呼びかけている大きなものであります。  それから、労働災害防止協会につきましては、中央災害防止協会につきまして、安全大会とか衛生大会というような啓蒙活動を行ないますとともに、私どもとしては、さらに、科学的なコンサルタント活動の強化ということで、それぞれの協会にコンサルタントがおりますが、それらの強化を進めていきたい、こういうようなことを考えまして、それと、自主的につくります災害防止規程、これを各協会、これは主として産業別協会でありますが、規程をつくらせまして、それの関係企業に対する徹底、そういうようなことを考えまして、本年度におきましては、防止協会に対する運営補助も二千万ほど増額をいたしまして、そういう活動の強化をはかっていきたい、こういうふうに考えております。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 そこで、大臣、質問の第二は、今回の保険給付は、従前から見れば一歩前進です。これは当然の話なんです。時代の推移やいまの生活水準の向上や物価の引き上げ等を見れば当然な話でありまするけれども、しかし、いずれにしても一歩前進であることは、これは私は肯定をしていいと思うのでありますが、しかし、決してこれでもって十分だというような、誇らしげに政府が言うことはできないと思うのであります。  たとえば、遺族の年金にいたしましても、本来的に遺族の生活を補うに足るような状態ではないわけでありまするし、それからまた、いろいろと質問等でもって言われました遺族の一時金につきましても、私は決してこれで十分であるとは言いがたいように思うのです。もちろん自賠障とはその対象が異なることは十分承知をしておりまするけれども、しかし、世の中でもって言われるように、なくなられた方々に対する一時金制度の一つの尺度として自賠障があるとすれば、これが三百万円から五百万円に引き上がっているというこういう現実は、私は、やはり忘れてならないことだ、こういうふうに思っているわけでありまして、そういった点から見て、まだまだ政府の施策としては十分ではないというふうに考えざるを得ないと思うわけですけれども、これに対する大臣の所見をひとつ承っておきたいと思うのです。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 今回の労災保険の給付改善は、最近における他の災害補償制度の動向、災害補償に関する国際的水準の動向などの情勢を参酌して行なうものでありますが、また、今回は、単に給付水準の向上のみでなく、保険給付を補ってこれを実効あらしめる保険施設の拡充にも努力いたしまして、労災遺児等のための就学援護費や、自宅療養で介護を要する長期傷病者への介護料給付の新設など、きめのこまかい対策を講じて、できるだけ御期待に沿い得るように努力いたしているところであります。  なお、労災保険の遺族補償につきましては、労災保険では、年金支払いの形による遺族補償が被災労働者の遺家族のためにより適切な補償の方法であると考えまして、その年金の額は、今回、国際水準や家族の生活費の実態などを考慮して定めているところでありますが、この額は、平均の賃金、余命年数等により計算すれば、自賠保険金の額をはるかに上回っておることになるわけであります。また一方、死亡労働者によって扶養されていなかった遺族に対しましても、給付基礎日額の四百日分の遺族補償一時金を、二倍半の、給付基礎日額の一千日分に引き上げたのでありますが、これは従来の経緯、他の災害補償制度の動向などとあわせて考えたものでございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 いまの大臣のお答えは、いわばその制度の中でもって政府が改善をしたところを自画自賛をしたことになっておるわけでございまして、私どもは、これで満足すべきことではないと思っておるのであります。特に、この遺族補償につきましても、何か平均賃金や余命年数を保険的な数理でもって計算すれば自賠障よりも上回っているというような、こういった感覚というものは、私は決して了承しがたい点でありまして、いわば世の中で通用するような考え方に立ってさらに検討をわずらわしたいと思っておるわけであります。  一時金の問題については、私は論争のあるところだと思います。しかし、ILOの規定にいたしましても、あるいはまた、日本のいままでの家族制度的な行き方からいいましても、この遺族補償、遺族年金なり一時金なりというものに対してもっとあたたかい手だてを講じなければ、私は、本来の意味におけるものにはならないだろう、こういうふうに思っておるわけでありまして、ひとつ一そうの検討をわずらわしたいと思っております。  今回の改正は、かなり局部的には、いま申し上げたように、一歩前進、半歩前進の態勢にありますけれども、きわめて中途はんぱで、休業補償についても、今回の対象にならなかったというようなことは、これはやはりいまの生活の状態というものを考慮いたしますならば、当然私は考慮すべき事柄ではなかったかというふうに思っておるわけでございまして、これが抜けているところに、政府の施策の不十分な点が私は暴露されておると思うのでありますけれども、大臣、今後の考え方とあわせて、この点に対してひとつ考え方を表明していただきたいというように思っております。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 今回の労災保険法の改正は、最近における社会経済情勢にかんがみまして、重度障害者及び遺族に対する災害補償の充実をはかるため、それらの方々に対しまして支給する保険給付の改善をはかることを主眼としたものであります。したがって、休業補償給付の給付率の引き上げにはまだ及んでおりません。休業補償給付の給付率の六〇%は、国際水準、わが国の社会保険など、関係諸制度における給付率の均衡等を考慮してきめられたのでありますが、したがって、休業補償給付の給付率の引き上げにつきましては、関係諸制度、特に労働基準法の休業補償及び休業手当の額等を考慮しながら、今後とも慎重に検討してまいる考えでございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 基準法より下回っておるところは基準法に合わせるというような考え方は当然なわけでありますけれども、何か今度は基準法が一つのたてになりまして、それ以上引き上げることに対してちゅうちょするといういき方は、私はこれまた考えなくちゃならぬと思うんです。したがって休業補償の問題についても、当然今後の情勢の変化等をにらみ合わせて考慮されるべきである、こういうように思っておるわけでありまして、六〇%が、これがいわば最善だなんという考え方は捨てていただかなければならぬと思っております。  さて、今度の改正でもって見のがしてはならないことは、最近続発する労働災害の中に交通災害等を含めて、必ずしもその企業の中、あるいは工場の中、職場の中で起こる災害だけでなくて、いわゆる労働者がその仕事に向かう途中、通勤途上で起こる災害が多発しているという現状は、これは見のがしてならないことだろうと思うんです。そういった点から言いますならば、今度の改正で、この通勤途上の問題を何らかの結論を出すべきではなかったかというように思っておるわけでありますが、これが除外されたことに対して非常に遺憾の意を表さなければならぬと思うんです。社会党案はこれに対して、すなおにこれを業務上災害として取り上げるべきであるというようにうたっておるわけでありまして、私はそういった点で社会党の考え方というものが、いかに現在の時代の要請にこたえているかということになるんじゃないかと思うのであります。  ぜひこの上は、通勤途上災害調査会でいまいろいろと討議していただいているそうでありまするから、この結論を早くまとめるように、省としても促進をされまして、できるだけ早い機会にこの通勤途上災害を業務上災害として取り扱うように努力すべきであると私は考えておるわけでございます。ひとつ時代感覚の面については鋭敏であるところの労働大臣が、この社会党の考え方に同調されまして、ぜひ業務上災害として取り扱われるように私は強く希望いたすわけでありますけれども、大臣の所見を承っておきたいと思います。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 通勤途上災害の取り扱いにつきましては、これまでしばしばお答えを申し上げたとおりでございますが、労災保険制度のたてまえである使用者の無過失責任との関係、他の社会保障制度との関係、事務処理上の問題など困難な問題が含まれておりますが、そこで労働省といたしましては、労災保険審議会の建議の趣旨に沿いまして、通勤途上災害調査会を設けまして、現在鋭意検討を加えておるところであります。私といたしましては調査会の結論が早急に出ますよう期待しておりますが、その結論が出されました上は、この趣旨を尊重して対策を講ずる考えでございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 さらに私がお伺いしたいのは、保険給付の基礎日額の算定にあたっては、臨時給与などという日本に特有の給与を含めるという措置をとっておらないのであります。保険料の徴収にあたってはこういったものに対して考慮しておきながら、給付につきましてはこれらを含めないという考え方に対しては、私はどうしても納得いかないのであります。やはり労働者の生活の状態というものを正しく反映するためには、この点の改善をなるべく早く行なうべきである、こういうふうに考えておるわけであります。これは日本の給与体系の特異な点でございまして、決して臨時的な収入ではない、いわばこれは一つの賃金に加えるべきところの要素を持ったものであることは、すでに御案内のとおりでありまして、したがって、この際ひとつ現在の日本の状態というものを加味しながら、臨時給与については当然算定の基礎に置くべきである、こういうふうに私は考えておるわけであります。社会党の考え方もそのようでございますけれども、この点はどうでしょう、ひとつ社会党の考え方に同調されて、これを早急に改めるという御意思があるかどうか、お伺いしたいと思います。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 労災保険の給付基礎日額は、原則としまして労働基準法の平均賃金によっておりますが、しかし、最近におけるボーナスなどの臨時給与の性格や、賃金制度、賃金体系などが労働基準法制定当時と比べまして相当変化しているとの御意見もあります。したがって、労災保険審議会の趣旨に沿いまして、労働基準法研究会を中心として、平均賃金のあり方について検討されることになっておると考えますので、その検討の結果に基づきまして、必要な措置を講ずることといたしたいと考えております。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 最近の物価の値上がりでもって、いわば日本の保険制度というものは実は非常に価値が下がってきておるのであります。戦前から戦後にかけてのいわば異常な物価の値上がり、貨幣価値の変動といったことによって、保険というもの自身について非常に大きな疑問を持たれておる。私は、当然この保険制度というものは、物価の値上がりに見合った給付の改善をはかるべきであるというふうに考えておるわけでありまして、四十四年度は四十年度に並んで、消費者物価が六・四%の値上がりを示しておるという状態でございますから、私は、この際やはりこういった物価の変動によって、当然保険給付についても自動的なスライドをするという形がとられなければならないというふうに思っているわけであります。幸いこの労災法はスライド制を適用している唯一の制度でありますけれども、しかしこれが二〇%であるというようなところは、実はたいへんな間違いであろうと思うのであります。現在、四%、五%の物価の値上がりであっても、実はたいへん生活に支障をきたしておる。こういうことでありまして、政府も物価対策に苦慮いたしておるという状態でございます。したがって、せっかくスライド制というものがありますけれども、二〇%では実際にこれが正しい機能を発揮しているというふうには言いがたいと思うわけでございますから、保険給付を物価の上昇に見合って支給するためには、現在のスライド制を二〇%から社会党の考え方による五%に私は引き下げるべきである、こういうふうに思っておるわけでありますけれども、大臣、この点はひとつ十分お考えいただけると思うのでございますが、いかがでございますか。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 労災保険のスライド制は、賃金水準が二〇%をこえて変動した場合に、この変動率に応じて保険給付のワクが自動的に改定される仕組みになっておりますが、最近における実績を見ますと、二年を経ずして保険金額が引き上げられており、物価上昇分を十分に補って、相当の効果をあげておると考えておるわけでございます。スライド制につきましては、他の社会保障等にありましては全くその例を見ないものであるだけに、その制度を改めることはきわめて困難な問題がございます。それは最近、五%ということになりますと、年がら年じゅう保険料率を改定するというふうな問題もあると思います。この点は今後十分検討してみたいと考えておるわけでございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 大臣、いろいろとあなたの所見を承りまして、私、誠意のあるところはよく認めるのでありますけれども、まだまだ突っ込んだ考え方を披露されておらないと思うのです。それぞれ困難な事情があることは十分承知しておりますけれども、やはり給付の改善にいたしましても、あるいはまたいま問題になりましたところの臨時給与の問題、あるいは業務上災害の問題あるいはスライドの問題、そしてまた今度の改正の中に含まれておらない休業補償の給付の改善の問題、それぞれの問題に対して、さらにこの時点で終わることなく前向きの努力をぜひしてもらわなければ、労働者災害に対応しての政府の施策の万全を期することにはならない、私はこういうふうに思っておるわけでございますが、この点に対して大臣、最後にあなたの決意のほどをぜひ承りたい。  それから厚生大臣、いま私が労働大臣にお伺いしてまいりましたことは、すなわち陸の労災と並んでの海の船員保険にも共通に通ずることでございまして、いま私は労働大臣に対していろいろと実はお伺いしてまいりまして、やはり今後の労働災害の撃滅と、そしてまた災害が起こった際におけるところの具体的な手当て、こういったことに対してさらに時代に即応して改善をはかるべきである、こういうふうに私は考えておるのでございますけれども、ひとつ労働大臣と並んで厚生大臣の所見もこの際承っておきたいと思うのであります。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 御指摘のとおり労働者災害補償制度の今回の改正、一歩、二歩前進の案であると申しながら、実は必ずしも非常に満足するものではないということの御指摘がございました。私どもも同様に考えておりますが、今後この制度を時代とともにますます拡充強化をして災害の防止につとめ、あるいは災害にかかった者に対してはできるだけの対策が講じられるように、漸次これを改善するという方向で検討を進めてみたいと考えておるわけでございます。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 船員保険法におきましても、職務上の年金等の仕組みは労災補償法と同じでなければならないと考えますので、ただいま労働大臣から見解の表明がございましたとおり、私どもも同じ気持ちで進んでおります。今回の船員保険法の改正もいわばその一つのあらわれでございますし、またスライド制等の問題につきましても、船員保険法のほうは、厚生年金保険法と同じような職務外の仕組みも抱いておりますから、それとの関係も考慮いたしながら既裁定の年金等につきまして今回の改定の措置を講じましたのもそのあらわれでございます。今後ますます、これらのことにつきましても充実した、時代に沿った考えを進めてまいる所存でございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 それではひとつぜひ今回の政府の改正案について——改正の事項そのものについては、半歩前進、一歩前進である個所も見受けられますけれども、しかし全体的に見た場合には、法律の精神、その基本的な考え方からいいますならば、やはり片ちんばなものであるというふうに思わざるを得ないのであります。もっと体系的に一元化した形でもって、総合的な改善方策というものを講じていかなければならないと実は思っておるわけでございまして、そういった点で不十分な点が多々見受けられることは非常に遺憾であります。ぜひひとつこれを起点といたしまして、さらに今後の一そうの改善を強く要望いたしまして、私は質問を終わりたいと思います。

倉成正自由民主党

○倉成委員長 西田八郎君。

西田八郎民社党

○西田委員 最初に、労災保険につきまして伺いますが、最近泉佐野を中心にしたタオル工場から綿じんによるじん肺が相当多数出ておるということで、第四十三回日本産業医学会総会でも瀬良先生から報告が出されておるわけであります。その内容について労働省が三十一年以来この問題の調査研究をしておられるようでありますが、その点について明らかになっておればお聞かせいただきたいと思います。

和田勝美労働省労働基準局長

○和田政府委員 綿じん肺の問題につきましては、労働省としましては四十二年以降、有機粉じんが人体に与えます影響について専門家の方々にお願いをいたしまして、これは奈良の医大の宝来先生以下五人の方々にお願いをいたしまして、研究をいま進めておるところでございます。まだ詳細な最終報告は受けておりませんが、従来の研究結果によりますと、タオル製造作業従事者について、胸部エックス線写真において気管支炎に似た異常所見が認められるものもある、こういうことでございまして、まだ決定的ではございませんが、そういう所見も研究過程で出ております。今後はそれがどういう原因によって生じたかについて、さらにその原因の究明など調査研究を進めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。

西田八郎民社党

○西田委員 いまの御答弁を聞いておりますと、まだこれから調査研究が必要だということでありますが、私の手元にあります医学会総会の資料でいきますと、五百二十三名中三十二名が疑いを持たれる人たちである。さらにじん肺相当所見と認められる人が二十九名出ておられるというふうなことが報告書の中に盛られておるわけでありますが、ここまで明確になってくれば、まだこれから研究を続けるというような段階ではないのではないかというふうに思うのですが……。

和田勝美労働省労働基準局長

○和田政府委員 ただいま西田先生御指摘のありましたのは、推測でたいへん恐縮でございますが、奈良医大の宝来先生が学会で報告されましたものではないかと存じますが、実は学会でそういう御報告のありましたことは私ども承知をいたしております。先ほどもお答えしましたように、私どもがお願いをしております研究班の主任が宝来先生でございます。ただ研究班としてはまだそういう——先生が個人として学会に発表されましたものはございますが、研究班としての報告をいただいておりませんものですから、先ほど申しましたように、原因究明について今後申し上げたい、こう言っておるわけでありまして、先生の御指摘の事実は存じておりますが、研究班として相当御研究が必要のように、私どもそういうふうな話を伺っております。そういうことで今後ともさらにと、こう申し上げたわけでございます。その点はひとつ御了解いただきたいと思います。

西田八郎民社党

○西田委員 いずれの場合もそうですけれども、先生方が学会で発表される論文と、あるいは政府等が受け取る論文とでは相当の期間のズレができてくるわけです。しかし、やはり学会で発表されるということは、それだけある程度の臨床を行ない、また統計をとった上での発表であるのでありますから、やはり政府に報告する場合、どうしてもそこに慎重ならざるを得ないということで期間がずれるのだろうと思うのですが、だからといって学会で発表されてから、手をこまねいて、政府がそれを待って報告を聞くというようなことではなしに、積極的にこれを報告をさせるということのほうが重要ではないかと思うわけであります。そういう点について、労働省の担当官から、学会でこういう発表がありましたが、一体私のほうの結果はどうなるのでしょうというような督促をされたのかどうか。

和田勝美労働省労働基準局長

○和田政府委員 学会に報告されましたことは私ども承知しておりまして、研究班のほうにお願いしまして、できるだけ早くひとつ御結論がまとまるならまとめていただきたい、最近そういうことを申し上げておりましたところ、聞きますと、研究班のほうから最終報告はとにかくとして一応話をしようじゃないか、こういう話があるようであります。それと、私どもとしましては、そういうことが、とにかく研究班の研究報告でなくても、その長の方の学会報告がありましたので、当面の問題としましてとにかく予防は必要だろうということで、粉じん抑制の点と、局所排気装置の設置とかあるいは呼吸用保護具の着用とか特殊な粉じん向けの健康診断、こういうようなことをやるような措置をとってまいりたい、かように考えております。

西田八郎民社党

○西田委員 いまそうした予防措置をとっていきたいということですか。

和田勝美労働省労働基準局長

○和田政府委員 そういう措置を関係のところに指示をしたいということでございます。

西田八郎民社党

○西田委員 これは早急に指示をしていただきたいとお願いをしておくわけであります。この綿じん肺をタオル工場を主として調べられておりますが、最近繊維の原料資材の変化は著しいわけでありまして、この点は御承知だろうと思いますが、天然のものから合成繊維へ転換をされつつある。その生産比率も大幅に変わってきておるわけでありますが、合成繊維を扱う場合にはこれはカードといういわゆる原糸段階における工程が一つ省かれる場合もあるわけです。しかしサイジングにおけるのり付け、従来のいわゆる天然繊維ののりと合成繊維ののりとではかなり変わってきております。しかも最近樹脂加工というものがかなり大幅にふえてきている関係から、樹脂が凝固いたしますと、かなりきついものになってくる。これはもう鉱物の粉じんと変わらないような性格を持ってくる。そういうものを吸収することによって起こってくるじん肺、これは当然起こり得ると思うのです。したがってタオル工場だけではなしに、やはり相当全国でも岡山あるいは知多、静岡等においてそうした所見を持つ患者が発見されておるわけです。したがってこの点について十分の処置をとってもらいたいし、このじん肺法の適用ということもお考えいただきたいと思うのですが、いかがですか。

和田勝美労働省労働基準局長

○和田政府委員 昭和四十二年から先生方にお願いをしておりますのは、有機粉じん全般についての御検討をお願いしております。ただいま御指摘のありましたようなことも当然含めまして、私ども研究の対象にさしていただいております。

西田八郎民社党

○西田委員 それでは、早急にということは、いわゆるそういう対象として今後前向きの方向で考えるということですか。それに間違いないですね。

和田勝美労働省労働基準局長

○和田政府委員 研究成果が出ますればもちろんのことでございますが、先ほど申しましたような現実に異常所見のありましたタオル製造業につきましては、先ほど申しました三点について関係の基準局のほうに指示をいたしたい、かように考えております。

西田八郎民社党

○西田委員 次に、最近新しい職業病が生まれてきておるわけですね。先日、染料の中に発ガン物質を含む、特にその染料を造成する過程で一つの有機物、ベンジジンといいましたか、それを吸い込むことによって膀胱ガン等のおそれがあるという新聞記事を読んで心配しておるわけですけれども、これが染料になってしまってからが有害なのか無害なのか、それについて労働省の御見解を聞きたいと思います。

和田勝美労働省労働基準局長

○和田政府委員 染料の原料でございますベンジジンあるいはベータ・ナフチルアミン、こういうようなものにつきましては、体内に相当長期にわたって吸収をすることによりまして膀胱ガンが発生をするという例は、実は昭和三十年ごろからございまして、私どものほうも昭和三十年ごろからその湿性化あるいは密閉化、こういうような対策を講じてまいりました。いまのところそういう点で、これは取り扱いユーザーも製造会社も非常に集約をされましてうまくいっておると思いますが、これがさらに染料になってしまった場合にどうなるかという点につきましては、実は染料になってとにかく膀胱ガンが出ておるという事例は、実は私どものほうではいままであまり聞いておらないわけです。ただベンジジンあたりが染料になりますと完全に反応をしまして、そして安定をした姿になる、こう物質の性格上いわれておるということでございまして、それは化学方程式としてはできるようであります。ただそれが完全に反応し切っておるかどうかということについて、明確に割り切るだけのものが、いまのところ正直に申しまして、完全に反応してしまえばだいじょうぶだ。しかし完全に反応し切っておるのかどうかということについては、なお多少の疑問があるようでございます。ただ現在のところ、染料の扱いのものから膀胱ガンが出ていない、染料になってからだというように聞いておるわけであります。しかし一部の新聞でそういうものもあるのだといわれますが、私どもが確認した限りではそういうものはないのでございます。しかしなおそういうような具体的な問題がもしあるようであれば、これは実は染料になってから問題になってはたいへんなことでございますので、研究はさせていただきたいと思います。

西田八郎民社党

○西田委員 これは早急にひとつ研究を進めていただきまして、そして危険であるのかないのか、有害であるのか無害なのか、その辺の結論も出していただきたい。全国で染色労働者は少なくとも三十万はおるわけですから、それらの人が、最近の合成繊維の染料が主体でありますから、そういうことを考えてみますときわめて憂慮されることでありますから、早急にひとつ対策をお立て願いたい。  次に、これに関連をしまして、最近は新しい技術が導入をされ、あるいは革新をされていく過程の中では、新職業病というものが出てきておるわけですが、それはどうしても企業は新しい技術を導入しあるいは発明をした場合に、一定の期間、それがコマーシャルベースに乗るまでの間は秘密にするわけです。そうするとその秘密の期間というものは、公開をされませんし公表をされません。したがってその間の労働態様がどうなっておるのか、労働密度がどういうようになっておるのか、どういう資材を使っておるのか、どういうような原料を使っておるのか、どの薬品を使っておるのかキャッチが非常にしにくいわけです。その間に相当危険なことが行なわれてきて、公開されて初めてその問題が分析検討されるということではないかと思うのです。その辺について、ことしの予算で、従来の労働衛生研究所を産業医学総合研究所ということに振りかえられまして、九千六百万円の予算を増額して二億四千万円ほどの予算で、ことしはひとつ積極的に産業医学と取り組んでいこうという体制であるわけなんですけれども、こういう実情からながめまして、はたしてそれが企業のそうした時代の進歩といいますか、速度というものに総合医学研究所がついていけるのかどうか。それとタイアップしてうまくいけるのかどうか。その辺のところをきわめて私は憂慮するわけなんですが、その辺のところはいかがですか。

和田勝美労働省労働基準局長

○和田政府委員 先生御指摘のように新しい材料というものによりまして、新しい職業病といいますか、そういうものがどうも発生しがちであるということは私ども否定できないと思います。しかも御指摘のようにいろいろの関係がございますでしょうが、取り扱われておる物質に対する中身がよくわかっていないという実情も御指摘のとおりに間々あるわけでございます。そういう点からいたしまして、わからない材料についてやる、あるいは新しい材料について問題があるという点は、非常に困難な問題がございます。ただいま御指摘のありました労働衛生研究所、四十五年はいろいろ斯界の権威者の御意見を伺って、産業医学に関する総合的な研究機関を設けたいと考えておりますが、そこでは毒物に対する試験を行なうような設備もぜひ設けたい、新しい藤物に対する試験検定をするようなものをぜひ設けていきたい、かように考えておりますし、当面私どものやっておりますものとしては、日常の監督指導の強化だとか、あるいは労働衛生モニター制をとっておりまして、そういう方からの情報の提供、あるいは私傷病統計を私ども各企業からとっておりますが、その中身の分析、こういうようなことをやりまして、そこから出てくる問題で、これは専門家の検討を待たなければいけないというようなものは専門家の方に依頼をいたしまして研究委託をやる、こういうようなこと、あるいは労働衛生研究所が職業病予防対策をやっておりますが、それらのほうでもやっていく、こういうようなことをいたしまして、当面の措置はいま申し上げたとおり。将来の問題は先ほど申しましたような総合的な研究機関の開発、そこではぜひ毒物の検査ということをやっていきたい。それが間に合うのかという御指摘でございますが、事の性質上即効的なものができるかどうかは問題でございますが、そういう態勢を整えなければならない、かように考えております。

西田八郎民社党

○西田委員 そうなりますと、かなり企業側の協力を要請していかなければならぬことになるわけであります。企業がみずからの企業の発展と、そして特殊製品をつくるためをもって、そのために労働者が有害な環境の中でたとえ半年でも一年でも過ごさなければならぬということは、これは私は見のがしてはならないと思う。そういう点についてはやはり厳重にチェックしていくといいますか規制するということが大切だと思います。その場合はたして、秘密を厳守して、特に自由競争の激しい今日の状態の中で、企業がそうしたことについて協力してくれるかどうか。また今日までその協力を求めてこられたと思うのですけれども、その求めたことに対してどの程度のものであったのか。もし事例がありましたら、ひとつお聞かせいただきたい。

和田勝美労働省労働基準局長

○和田政府委員 先生先ほどから御指摘をいただいておりますように、企業には外国からの問題やいろいろの関係がございまして、正直に申し上げて十分な協力をいただいておるというわけにはなかなかまいらないというのが実際である、こういうことを申し上げていいと思います。しかしこれは大臣がたびたび申し上げておりますように、ここから出てきます病気は間々悲惨なものが非常に多いというようなことからいたしまして、人命尊重の見地からどうしても協力を得られるようにしなければいけない。それはやはり私どもとしては、産業界に今後いろいろの機会を通じて訴えていくべき問題だと思います。  それと私ども自身が、産業界だけにたよらずに、具体的にいろいろの情報を収集することによって、こういうものはこういう危険があるということをやっていく必要がある。実は労働省ではいま労働情報センターというようなものの中でいろいろ研究をいたしておりますが、そういろときに、物質に対する情報も世界的に集めるようなことも考えたらどうかというような手だても目下検討いたしておりますが、そういうようなことを中心にいたしまして、ぜひ産業界の協力と私どもの実力を高めるということで対処してまいりたい、かように考えております。

西田八郎民社党

○西田委員 医学も最近では予防医学といわれるように、これも当然医学の中の一部である。やはり災害防止ということに——災害が出てからどうするという問題でなしに、出ないようにどうしたらいいかということを考えなければならぬ。そのためにはやはり、そうした十分な事前の措置というものが講じられなければならぬ。その点で、ある一つの合成繊維の会社で一年に使う研究費が何十億何百億と、こうなってきているわけです。それに総合医学を研究される、産業医学を研究しようという予算が二億四千万そこらの金で、一体何ができるのか、私はその点非常に問題があると思う。したがってこうした点についてやはり労働者が安心して働ける職場環境をつくるために、積極的にこの問題について取り組んでいただきたい。この点についてひとつ大臣の御見解を伺いたい。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 産業の発展、技術革新が日に月に進んでおる段階、したがってあらゆる面でいろいろな問題が出てまいると思いますが、いかなる場合であろうとも働く人たちが安全で、安心して働く——職業病等が今後だんだん出てくると思いますけれども、その職業病対策は、いかなる場合であっても働く人たちの安全を守るとか健康を守るという点で大切である。したがって今後は、そういう技術の革新に伴ってそれにおくれないような対策を立てる。そこに産業医学というか、全体を見た一つの政策が必要である。そういう面で、今後は労働行政の立場におきましても産業医学の問題としっかり取り組んでいって、労働者の仕事が安全でしかも健康を害することなくいくような対策を、遺憾なく今後進めてまいりたいと考えておる次第でございます。

西田八郎民社党

○西田委員 次に、最近、無災害記録をつくるために、何万時間無災害ということで各事業場が競争のようになっているわけですね。それは保険料のメリット制の関係もあるんじゃないかと思うのですけれども、そういう意味から、当然業務上とみなされる負傷が、自分のあやまちということで処理されている例が、私の耳に入っておるのでも二、三あるわけです。こういうことは私はゆゆしき問題だと思うのですけれども、これらについて監督その他どうしておられるのか、お伺いしたい。

和田勝美労働省労働基準局長

○和田政府委員 先生が御指摘になりました無災害記録をつくるためのいわゆる業務上であるものを私病で扱うというようなことは、うわさとして私ども実はときどき耳にいたします。ただ現実にそういうことでやっていまして、業務上であるというようなものについて是正をさせたものもございます。もちろん無災害はそういうことからできるものではございませんので、全くの邪道でございます。そういう点は、私ども安全週間とか衛生週間とか安全大会とかいろいろやっておりますが、そういう機会を通じて本来のものとして扱ってもらうようにしていきたい、かように考えます。また監督のほうでもひとつそういう点は厳重に監督をするということでやらしていただきたいと思っております。

西田八郎民社党

○西田委員 今度の労災法の一部改正の中で、メリット制の適用の拡大というところがあるわけです。もちろんこれはやはり何といいますか受益者負担、そういう形からいって、災害を起こしてないものもあるいは災害をたくさん出しておるものも同じ負担ということは、ある意味においては弊害があるかもしれません。しかし私は、それが保険ではないかと思う。平等に負担する、そしてお互いに困ったときに助け合うというのが保険の精神だとするならば、メリット制というものにこうした弊害が起こってくるとすれば問題があるように思うのですけれども、それについて考慮されるという意思はありませんか。

和田勝美労働省労働基準局長

○和田政府委員 保険は大ぜいの者が寄り集まって自分の危険負担を分散をしていくということでありますから、極端なメリット制を取り入れますことはもちろん不可能でございます。また、そういうときには保険料のきめ方自身にも問題があります。私どものほうでやっておりますメリット制のほうは八十五から七十五という非常に狭い範囲のメリットでございますので、それほど大きな弊害も出てこないのではないかと思っております。もちろん業務上を私病にするとかなんとかについては、メリット制とは別の問題として扱わなければならぬと考えておりますし、また事業場監査もいたしますので、そういうようなことで先生御指摘のように弊害が出ない配慮をしつつ、しかも災害の防止に一生懸命努力したところには何らかの意味で報いていくということも、保険の許す範囲内においては私は必要じゃないか、こういうふうにも考えまして今度は範囲を下げたのでございます。これは実はいまのような御心配の点がございます場合、それらを運用の上で十分考慮しながらやれば有効な効果があるだろう、こう考えている次第でございます。

西田八郎民社党

○西田委員 最後にしたいと思いますけれども、心臓病、心筋梗塞であるとか、あるいは心臓麻痺だとか、最近近代病の一つとして、よく職場でひっくり返って、そのままぱたんきゅうというのがあるわけなんです。私が地方におりまして労災の参与をしておりますときに、心臓病でなくなった人の再審査を三件扱いました。しかし、二件は、私自身は業務上だと思うんですけれども、どうしても認められなくて、一件だけは以前六カ月間の通院記録だとか、あるいは出勤態度だとか、あるいは血圧の測定であるとかいう資料をもとにいたしまして、これは業務上ということにしたわけであります。心臓病というものはいままで業務上ということにならないというのが通説のようになっておりますけれども、これからは相当ふえていくんじゃないか。特にハンドワークから監視労働、あるいは単純作業を繰り返すというような形になってまいりますと、そうした面で心筋の梗塞というか、そういう意味でかなりふえてくると思う。そういうことに対して今後どう対処しようと思っておられるのか、ひとつお伺いをしたい。

和田勝美労働省労働基準局長

○和田政府委員 確かに作業条件が変化をしてきますることにつれまして、いろいろの状態が出てまいります。監視労働からくる緊張感の問題、あるいはオートメーションからくる竜純作業というような問題から、労働する場面で肉体に与える影響が非常に変化してくる。これは先生御指摘のとおりでございます。私どもとしても単純労働に関する専門家会議を持ちましていろいろ研究いたしておりまして、一体働く人にどういう影響を与えているのかという勉強をいまいたしております。確かに問題がございますが、しかし心臓の問題につきましても、実は普通の場合なかなか心臓病を業務上に結びつけにくいわけであります。四十三年の実績をとりましても、心臓病あるいは脳卒中その他入れまして千二百件ほどの扱いをいたしておりますが、これらも働いている労働環境とのかね合いで、いろいろのことを考えたわけでありまして、今後の労働事情の変化、特にこれからは中高年の方が働かれる率が多くなりますと、こういう問題は放置できない問題になってまいりますので、職場の事情事情に適応しながら、おそらくこれはケース・バイ・ケースできめざるを得ないと思いますが、それぞれの状況を見て、業務上の認定について対処していきたい、こういうふうに考えております。

西田八郎民社党

○西田委員 これで質問を終わるわけでありますけれども、質問を終わるにあたりまして労働大臣に、最近の職場環境の変化、技術革新あるいは新しい職域の開拓、こういうような面から予測せざる職業病というものが発生してくる可能性はきわめて大きいわけであります。したがって、いままでの事例に基づいてそれを処理するということでは、とうてい補い切れない問題がたくさん惹起されてこようかと思います。そういう点に対してひとつ十分対策を立てて、そうして後手に回らないように、どうも私のひがみかもしれませんけれども、政府のやっておられることは何かにつけて後手後手と回ってきて、そしてかなり問題が大きくなってこないと、本腰を入れて取り組まないという悪い習性があるように思うわけであります。これは私のひがみかもわかりません。そういうふうに感じられてならないのですけれども、これから工業国となってさらにGNPをふやしていこう、経済も成長させていこうということになれば、何といたしましても、やはり生産に直接携わっている労働者の健康保持ということが一番大切ではなかろうかと思うわけであります。もちろんそれには労働環境の整備ということもありましょうけれども、それ以上にやはり災害防止というものは重要な問題であろうと思いますので、ひとつ積極的にこの問題に取り組んで、そして問題が起こらないように、言いかえれば、労災保険が黒字で黒字でしようがないというような状態にまで持っていかれるように、十分の努力を大臣、関係者にお願いをいたしておきたいと思います。  なおまた、厚生大臣お見えになっておりますが、船員保険法は昭和十四年に制定をされました。いまの私どもの健康保険法等は昭和十七年の工場法以来だと私は記憶しておるのですよ。そういう関係から、以前は船員保険のほうがよほど条件がよかったわけであります。ところが、追いかけごっこをするというか、どういうわけか、最近は船員保険法のほうが若干おくれているように考えられるわけであります。同じ健康保険組合として運営しておっても、一部海外に出る人もおったり——大半が海外に出るということもあったりして、保険管理がむずかしいのかもわかりませんけれども、そういう意味では非常に船員保険がおくれてきているように思う。したがって、そのおくれを取り戻すために、一そうの御努力を厚生大臣にお願いをいたしまして質問を終わりたいと思います。

倉成正自由民主党

○倉成委員長 これにて内閣提出の船員保険法の一部を改正する法律案、同じく、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案についての質疑は終局いたしました。     —————————————

倉成正自由民主党

○倉成委員長 次に、両案を討論に付するのでありますが、別に申し出もありませんので、順次採決いたします。  まず、船員保険法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

倉成正自由民主党

○倉成委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

倉成正自由民主党

○倉成委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————

倉成正自由民主党

○倉成委員長 この際、増岡博之君、田邊誠君、古寺宏君及び田畑金光君より、本案について附帯決議を付すべしとの動議が提出されておりますので、その趣旨の説明を求めます。増岡博之君。

増岡博之自由民主党

○増岡委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。  案文を朗読して説明にかえさせていただきます。     労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議   政府は、次の事項についてその実現につとめ、もつて被災労働者及びその遺族の福祉の増進を図ること。  一 災害の予防及び職業病の発生防止に努力し、業務災害の絶滅を期すること。  二 労災保険の障害補償給付、遺族補償給付、休業補償給付については、労働基準法の災害補償のあり方をもあわせ検討し、引き続きその改善に努めること。  三 葬祭料、労災就学援護費、介護料等の額については、今後とも実情に即して引き上げを図ること。  四 通勤途上災害の取扱いについては、可及的すみやかに検討を終え、その結論に基づいて積極的な措置を講ずること。  五 給付基礎日額の算定方法については、労働基準法の平均賃金の算定方法との関係(臨時給与の取扱いを含む。)を検討のうえ改善を図ること。  六 給付基礎日額の最低保障額については、労働者の賃金の実情を考慮しつつ、今後ともその引き上げを図ること。  七 産業医学総合研究所(仮称)の創設及び安全衛生センターの充実を早急に検討し、適切な措置を講ずること。  以上であります。何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

倉成正自由民主党

○倉成委員長 本動議について採決いたします。  本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

倉成正自由民主党

○倉成委員長 起立総員。よって、本案については増岡博之君外三名提出の動議のごとく、附帯決議を付することに決しました。  この際、労働大臣より発言を求められております。これを許します。野原労働大臣。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、これが実現に今後ともなお一そうの努力をいたしたいと考えます。(拍手)     —————————————

倉成正自由民主党

○倉成委員長 おはかりいたします。  両案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか、   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

倉成正自由民主党

○倉成委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

倉成正自由民主党

○倉成委員長 次に、勤労青少年福祉法案を議題とし、審査を進めます。

倉成正自由民主党

○倉成委員長 提案理由の説明を聴取いたします。野原労働大臣。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 ただいま議題となりました勤労青少年福祉法案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  わが国の経済が高度の成長を続ける中で今後における労働行政の課題は、経済の成長と勤労者の福祉の調和をはかることにあると考えますが、なかんずく、勤労青少年は明日の社会をになう者であり、その福祉の増進をはかることが重要であることはあえて多言を要しないところであります。   〔委員長退席、伊東委員長代理着席〕 特に、今後わが国がさらに高度の産業社会として発展していくためには、勤労青少年がすこやかに成長し、希望と意欲を持って勤労に従事し得るようにすることがきわめて重大な課題であります。  ところで、勤労青少年の職業生活の現況を見ますると、最近における経済、社会の急速な変動は勤労青少年の生活にも多くの影響を及ぼし、勤労青少年の中には職業生活に十分に適応することができず、あるいは孤独感に悩み、あるいは安易に離転職を繰り返すなど幾多の憂慮すべき現象が見られるところであります。また、近年これら勤労青少年問題に対する社会の関心は著しく高まってまいっております。  政府といたしましては、このような現在の勤労青少年問題に対処するためには、この際、勤労青少年の福祉に関する立法措置を講じ、もって勤労青少年の福祉の増進をはかることが最有効かつ適切な方策であると考え、婦人少年問題審議会にもはかり、この法律案を提案した次第であります。  次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。  第一に、この法律の目的は、勤労青少年の福祉に関する原理を明らかにするとともに、勤労青少年について、職業指導の充実、職業訓練の奨励、福祉施設の設置等の措置を計画的に推進し、もって勤労青少年の福祉の増進をはかるものであることを明らかにいたしました。  第二に、勤労青少年の福祉に関する原理を明らかにするために、勤労青少年の福祉の基本的理念及び関係者の責務について規定いたしました。  すなわち、勤労青少年の福祉の基本的理念といたしまして、勤労青少年が充実した職業生活を営むとともに、有為な職業人としてすこやかに成育するように配慮されるべきであり、他方、勤労青少年は、勤労に従事する者としての自覚を持ち、みずから進んで有為な職業人として成育するようにつとめなければならないことを明らかにいたしました。  さらに、事業主、国及び地方公共団体がそれぞれ勤労青少年の福祉を増進する責務を有することを明らかにしております。  第三に、広く国民が勤労青少年の福祉についての関心と理解を深め、かつ、勤労青少年がみずから進んで有為な職業人として成長しようとする意欲を高めるため、勤労青少年の日を設けることといたしました。  第四に、勤労青少年の福祉に関する施策を計画的に推進するため、労働大臣は勤労青少年の福祉に関する施策の基本となる方針を定めるものとし、都道府県知事はこれを参酌して都道府県における勤労青少年の福祉に関する事業の基本となる計画を策定するようにつとめなければならないことといたしました。  第五に、勤労青少年の福祉に関して、国、地方公共団体及び事業主が講ずる措置について規定いたしました。  その一は、勤労青少年が職業に適応することを容易にするため、職業安定機関における勤労青少年その他関係者に対する相談指導の業務を、その業務について熱意と識見を有する者に委託することができることとしたことなど職業指導の面の充実をはかったことであります。  その二は、勤労青少年が職業に必要な技能を習得することを促進するため、国、都道府県及び雇用促進事業団は、勤労青少年その他の関係者に対し、職業訓練に関する啓蒙宣伝を行なうなど必要な措置を講ずるようにつとめなければならないこととしたことであります。  その三は、事業主は、その雇用する勤労青少年が職業訓練の受講または定時制高等学校等への通学のための時間を確保することができるような配慮をするようにつとめなければならないこととしたことであります。  その四は、事業主は、事業場ごとに、事業内において相談、指導、レクリエーション等の事項を担当する勤労青少年福祉推進者を選任するようにつとめなければならないこととしたことであります。  その五は、勤労青少年の勤労の余暇の有効な活用を促進するため、国及び地方公共団体は、レクリエーションその他の事業が実施されるようにつとめるとともに、勤労青少年の健全なクラブ活動を援助する等必要な措置を講ずるようにつとめなければならないこととしたことであります。  第六に、勤労青少年のための福祉施設について規定いたしました。すなわち、地方公共団体は、勤労青少年ホームを設置するようにつとめなければならないことを明らかにしております。勤労青少年ホームは、地域の勤労青少年の余暇活動、生活指導の拠点となるものでありまして、その設置及び運営についての望ましい基準は、労働大臣が定めることとしております。また、勤労青少年ホームには、勤労青少年に対する相談及び指導の業務を担当するにふさわしい勤労青少年ホーム指導員を置くようにつとめなければならないこととしております。  なお、雇用促進事業団が、勤労青少年にかかわる福祉施設の設置及び運営を行なうにあたっては、勤労青少年の職業生活の動向及び生活の実態に即応するように配慮しなければならないことを明らかにいたしました。  その他、船員及び船員になろうとする者に関しては、運輸大臣が所管するものとするなど所要の規定を置くことといたしております。  以上この法律案の提案理由及びその概要につきまして御説明申し上げました。  何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。     —————————————

伊東正義自由民主党

○伊東委員長代理 質疑の申し出がありますので、これを許します。小林進君。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 私は、質問に入ります前に、労働省婦人少年局からちょうだいいたしました資料についてちょっとお伺いいたしたいのでありまするけれども、これは一ページから四ページまでありまして、それからまたこれがページが逆に戻るのです。三ページ、四ページまできましてまた一ページから始まるのですが、これは一体どういうことなんですか。私こういう資料をあまりちょうだいしたことがないのです。それからまた、この分厚いものもやはり一生懸命に読んだのですが、政府機関がお出しになる資料ですから、私は一字一句も誤りなきものと確信をいたしまして、懇切丁寧に読み上げてまいりましたが、これも一五ページですか——委員長、こういう時間をみんな勘定したって困るんですよ。こんなのは時間に入らない。一五ページだと思いましたが、見てください。これも非常に資料がダブっておる。同じようなものが何枚も入っている。皆さん方これを御勉強にならないからわからないだろうけれども、お出しになった労働省自体がこの資料を全部ごらんにならないのじゃないかと見ておるのです。ごらんになったら、こういう国会の審議に入る前に、この資料はダブっておりますとか間違っておりますとか、こういう字句を訂正してもらいたいとか、連絡がなくてはならぬはずです。今日までひそかに待っているけれども連絡がない。一言も話がない。大臣、あなたのやっている省の仕事を私は申し上げております。あなたは水ばかり飲んでいらっしゃるけれども、それじゃいま少し申し上げましょう。こういう資料をお出しになりますと、ほんとうに困るのだな。一体どうします。これは一五ページから一八ページまでダブっていませんか。労働省は金を払わないのじゃないか。労働省は金を払わないから、こういうようなずさんな仕事を注文先はやっているのじゃないか。待ちなさい、まだ幾つもやるから。年をとると気が短くなって……。まだこのほかに四ページの「中高率者」というのは一体何んだ。「中高率者計」、「高率者」だとか「中率者」というのは一体何です。この資料の四ページの線を引っぱったり点々をやったりしている中に「中高率者」というのは何ですか。数え上げればいとまあらずだ。一体あなた方はこういう資料を配っているのかね。これで審議せいと言われたところで、これではまじめな審議なんかできるものじゃありません。何かありますか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 資料につきましては、御指摘のありました二つの資料のうち、「基本資料」の一ページから四ページ、またさらにダブっているということでございます。これはとじの上でそのような間違いが起きて、それがたまたま先生のところに差し上げるものに入りましてたいへん申しわけなく思っております。私ども気をつけましたが、私どもの手持ちのもの、あるいは目を通したものにはそのようなものはございませんでした。失礼をいたしました。  それから御指摘のとおり、四ページの「中高率者」とはミスプリントでございまして、私ども目が届きませんで失礼申し上げました。以後気をつけますので……。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 委員長、これは時間外ですよ。  いまの資料は、皆さん方のには間違いない、私のところにだけ特別サービスでこういうミスプリントの資料をお出しになった、これは重大問題ですよ。その点は慎重にいま一回——資料を見なさい。お粗末な資料で、「中高率者」とか、ダブってばかりいる。委員長、この資料を正確なものに直してもらわなければ、ちょっと法案の審議に入るわけにいかぬじゃないか。国会の審議というものは、そんなあいまいもこなものじゃないですよ。国民の権利義務に関する問題です。われわれはそんな軽重浮薄に法案の審議——大体もはや法律の審議もしきたりになってしまって、野党が、社会党が少し弱くなると、だんだんマンネリズム化して、法案を提出して、いい意見であろうと悪い意見でも、時間をきめてしゃべってもらって、一定の時間が過ぎると三百名の多数決でものをきめて、さっさと法律はでき上がっていく。もはや審議に入る前に結論はできている。だから国会に出す資料はそれほど重要視せぬでもよろしい、これは国会軽視の思想のあらわれです。笑いごとじゃないです。こんなことでは、いいかげんな資料でいいかげんな審議をして、あとは多数決で結論が出るなら、最初からやらないほうがよろしい。国会なんというものは、最初から結論はきまっているんだからやらぬでよろしい。そのきまった中でやはり少数の意見を尊重しながら慎重にかまえて、問題の長所弱点を追及しながら、この法律が実施せられても大衆に及ぼす被害の少ないようにやるところに、国会審議の意義がある。何ですか。形式的にやるというなら、形式的に審議だけするなら、やらないほうがよろしい。委員長、これはあなたの責任だ。一体どうするんだ。

伊東正義自由民主党

○伊東委員長代理 速記をとめて。   〔速記中止〕

伊東正義自由民主党

○伊東委員長代理 速記を始めて。小林進君。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 こういう重大な資料の問題等は、今後ともひとつ意を用いて二度とこういうことのないように御注意をしていただきたいと思うのであります。許すべからざる問題でありまするけれども、今回だけは一応寛恕することにいたします。  次に質問に入りまするが、この勤労青少年福祉法案の法律の目的です。私は、これはあらゆる法案について申し上げる私の所説でありまするけれども、少なくとも法律をおつくりになるからには、目的というものは、実体法——手続法じゃないのですから、実体を伴う法律というのは、常に目的、いわゆる立法の趣旨というものが明確でなければならぬ、私はこれは大事だと思う。一体この法律の目的は何か。第一条には「勤労青少年の福祉に関する原理」——原理などということばは、私はあらゆる法案を見ているけれども、あまり聞いたことがないことばです。どうもこの勤労青少年福祉法案には原理、こういうことばが出てきて耳ざわりでしかたがないのでありまするけれどもも一体この法律の目的が何なのか、原理とは何か、まずこの点をお聞かせいただきたいと思うのであります。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 法律の目的につきましては、従来から勤労青少年福祉対策につきまして労働行政として力を入れてきたところでございますが、それをより総合的、計画的に進める。また新しい時代に適応いたしたところの施策を振興していく、それを目的とするものでございます。それによりまして、勤労青少年が希望と意欲を持って働き、また有為な職業人として成育することを期待する、それが目的であったと思います。原理ということについてお尋ねでございましたが、原理ということの立法例というのはほかにも若干ございまして、私どもといたしましても、この法律におきまして、特に勤労青少年の福祉の対策のよって立つべき考え方、基本的な考え方を明らかにいたしたいということで、原理を明らかにいたそうとしたわけでございます。具体的にはここで原理と申しておりますことは、この法案の中の基本理念、すなわち二条、三条で基本理念をうたっておりますが、その規定と、それから四条で「関係者の責務」をうたっております。これを原理、このように考えているわけでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 どうもわかったようなわからぬようなお話ですけれども、そうすると、原理という中には、第二条でおっしゃる「基本的理念」と第四条でおっしゃる、何ですか、勤労青少年に対する配慮ですか、事業主だとか国だとか地方公共団体がもろもろのことをおやりになるという、そういう二つを含めたもの、これを総称して原理というのでございますか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 仰せのとおりでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 あなたのほうは仰せのとおりだとおっしゃるけれども、こっちはさっぱりわからない。大体原理というのと、基本理念というのと一体どう違うのか、これも私にはわからない。  それではいま一度お聞きしますけれども、原理と基本理念との違いをこの文章ではちゃんと区別をしてお書きになっておるようでありますが、どう違うのか、お聞かせを願いたいと思うのであります。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 「基本的理念」は、これはいわば勤労青少年の福祉というもののあるべき姿、それを宣言的に書いたものでございます。そのようなあるべき姿を志向して、関係者がそれぞれの立場で施策を、あるいは事業を進めていかなければならないという「関係者の責務」、これを加えることによりまして、勤労青少年福祉の「原理」と、このように組み立てているわけでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 私の日本語に対する理解が足りないのかどうか知りませんけれども、私は原理ということばの中に、そういう基本的な理念と、それからこれに関連をするもろもろの関係者の具体的になすべきことを含めたものを、これを原理というなどという説明は、どうも日本の語学思想の上からはちょうだいしかねます。いかにこの法律が宣言法規であろうとも、私は法律というものは、人も他人もわからないようなおことばは、つとめてお使いにならぬほうがいいと思っております。いま少し具体的に、だれもがわかるようなことばで目的を明確にされたがよろしい。時間的余裕があるかどうか知りませんけれども、あれば、こんな人も他人もわからないような抽象的なことばをお使いになるのは、私はやめていただきたいと思います。  第一の福祉に関する理念とおっしゃいましても、この理念の中には——ここに個条書きで書いてありますが、大体私が分解をしてみると、一つは「将来の産業及び社会をになう者であること」の自覚、それから「充実した職業生活を営むとともに、有為な職業人としてすこやかに成育する」、これがどうも基本理念になっているようでございますが、一体こういうことで勤労青少年というものに誇りを持たせて、すこやかに——これでこの法の目的を達することができるかどうか、私は非常に疑いを持つのであります。こういうふうな基本的な理念、あなたは原理とおっしゃったが、原理の中の半分が基本理念とおっしゃったが、こういう理念で一体勤労青少年をふるい立たせて、皆さんが考えておられるような法の目的を達することができるかどうか非常に疑いを持っているのであります。大臣どうでしょう、この点。そこで法律の目的を明確にしていただきたいと叫んでいるのはそこなんです。これで法の目的を達することができますか。できるとお考えになりますか。時間がないのですから、私は自分の私見を申し述べましょうか。私は、少なくともこういう勤労青少年の健全な育成強化、社会人として、社会、国家になすことあるべき人物を養成するのが目的であるとするならば、勤労青少年だけの持つその特質というものの価値を認め、それを慫慂して、その思想を伸ばしていくという基礎的訓練が必要だと私は思っている。それを目的の中に私は明確にすべきだと思っている。何ですか、それは労働の価値です。労働の価値、君たちは働いているんだ。働く、労働というものがこの人生、社会においていかに価値あるものか、その労働の価値というもの、これを明確に目的に持ってきて初めて、私は勤労青少年をふるい立たせてこの法案の趣旨を達することができると思う。万物の霊長たる人間が労働することによって、その労働から生産が生じる、その生産によって生きとし生きる者が皆しあわせというものを感受することができる。労働というものは人間社会以外にはあり得ない。動物には労働というものはないですよ。人間だって遊んでるやつもいるし、人を搾取しているやつもいるけれども、そんなものが社会の進歩に貢献しているわけじゃないのです。万物の霊長たる人間が、勤労する、働くという、労働するという、そこからすべてのものが生まれてくるわけじゃないか。社会の進歩はそこから、労働から生まれてくる、すべての人間のしあわせもそこから生まれてくる、いかに労働というものが価値があるか、なぜ一体それをその目的の中に持ってこれないのですか。あなたはわかったようなわからないようなことばかり言って——その目的を明確にしなさいよ。一体労働の価値を明確にしない法律なんというものは、私は何にも——だから私は目的が不明瞭だと言っているのです。いかがですか、大臣。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 まあいろいろな見方があると思いますが、この第一条、第二条、第三条等を見ますと、働く勤労青少年の十分な価値、日本の産業、社会の発展をになうものであるということで、勤労青少年の立場というものを十分考えておるようでございます。同時に、勤労青少年は進んで有為な職業人として育成するようにつとめなければならないということでありまして、この全体の中に、勤労青少年の大事なこと、その人たちの将来の成長を健全に成長していただく、しかもそのためには大事ないろいろな政策を勤労青少年に対して福祉の増進のために行なうべきだということをうたっておる。全体から見まして、これは勤労青少年の福祉に関する対策である、大きな政策としてこの問題を明らかにした。特に勤労青少年の福祉に対する原理、原則を明らかにしておる。それに対しては、やはり事業主も責任を持ってやる、地方公共団体もそれに対する福祉の増進に努力をするというふうなことや、あらゆる面から勤労青少年に対する特別な配慮を加えたものがこの勤労青少年福祉法であるというふうに読み切れるわけでございます。個々の字句を考えてみますと、あるいはまだ必ずしも十分ではないかもしれませんが、おそらく審議会等において十分な御議論を経た上でこの意見にまとまっておるというふうに聞いておりますので、やはり全体を見てこの法律の持っておる意義、内容等、御検討いただきたいと考えるわけでございます。  個々の条項等につきましては必ずしもそういう面が明確でないという点もあると思いますが、全体的にこの勤労青少年福祉法の求めておるものは何であるかということは、十分におわかりいただけるものと考えております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 いまの答弁、ますますわからなくなりました。  ぼくは、まあ大臣もなんですから、私もまた先にひとつ質問を伸ばす関係上、これにこだわるのはやめることにいたしますけれども、ともかくこの法律の目的、ぼくは勤労青少年という法案は原則的に賛成です。賛成だからなおさら申し上げる。いま働いている勤労青少年が、彼らが一番心にわだかまりを持っているものは、やっぱり大学教育を受けるとか、そういう人たちに対するコンプレックスです。それがともすれば彼らをして職場を変えさせたり、仕事を怠けたり、あるいは非行に走らせたりする。その中にこういう法案ができることは賛成だが、これほどの法案をつくるなら、目的をぴたっと明確にして、親から金をもらっているよりも勤労だ、働くということ、労働するということがどんなに価値があるか。つまらぬ学校に行くよりは、むしろ君たちが社会に尽くしている貢献度というものがもっと高いのだということを思想的にちゃんと把握し、訓練するという、その目的をこの法案に盛ってくれば、私はこの法律案が生きると言っているのだ。こんなわかったようなわからないような目的、職業人として成長せしめるだのなんだの、そんなことを言うよりは、君たちがいま従事している労働というものがどんなにこの人生において価値があるかという、そういう点を明確に持ってくれば、この法律は生きてくるということを申し上げている。残念ながら、役人というのは勉強が足りない。実際勉強が足りないのです。そういうことをやっぱり大臣が適当に指導してもらって、こういうポイントだけはやっぱり大臣が教えてもらわなくちゃ法律が生きてこない。  それではいまひとつ私はこれに関連してお聞きしますがざっくばらんに言って、ホワイトカラーとブルーカラーが同じ労働者の中にあるが、ホワイトカラーとブルーカラーとのいわゆる比較対照と価値判断をひとつ大臣にお伺いいたしたい。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 この法律に対する御指摘の面は、小林さんの持っておる一つの哲学を拝聴しました。私も非常に啓蒙されまして、共鳴するところが多いのでありますが、私はこの勤労青少年福祉法の中に盛られておる問題の中に隠されておるのは、やはり技能の勤労者を優遇するという対策、むしろブルーカラーが最も大事な存在だという面を大いに強調すべきであるというふうに感じたわけでございます。高校へ行く、あるいは大学に進むということが家庭の事情ででき得なかったというふうな青少年を対象として、そこに一つの新しい門を開いていこうということであろうかと思うのでありますが、やはりあくまでもほんとうにブルーカラーでも、その自分の仕事に生きがいを感ずるというものがあるならば、その人たちは社会的な待遇も、あるいはその人たちの生活についても十分に保障されていく。したがって、ホワイトカラーという問題と比べてみましても、むしろブルカラーのほうが尊重されてもいいというふうにさえ私は考えておるわけであります。そういう面では、必ずしもこの法律には明らかになっていないようでありますが、本質的にはほんとうにまじめに働いてくれる人たちは最も大事だ。したがって、それに対する対策はあらゆる面からきめこまかに行なわれるべきだというふうに考えておるわけです。この勤労青少年福祉法の中には必ずしも明確でございませんけれども、やはり勤労青少年に対するもっと手厚い対策を講じてやろうという、いままで十分でなかった面がここでやや明らかになった。その対策も講ずるということであるわけでございますが、そういう方向に向かってこの法律の施行を通じ、あるいは将来ますます内容的にも充実いたしまして、勤労青少年の人たちがこの法律の制定によって、あらゆる面からひとつ勤労の意欲がますます高まり、また新しい生活の中にみんなで勤労青少年としての働きがい、生活の喜びを感じていくような対策としてこれが生かされていくというふうに考えておるわけでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 私はいまの大臣の御答弁はちょうだいいたします。これは私は非常にいいことだと思います。少なくともやはりいまの大臣のそういうお考え方、ブルカラー、生産に従事している技術労働者というものを尊重するという考え方が法律に盛られてこそ初めて生きてくる。実にいい御答弁がございました。それは実施の面において、それを生かしていく。私はそれを強く要望いたしまして、できればその目的等はそういう形でこれが書き改められれば、なおさらけっこうでありますけれども、そこまで至らないならば、私はこれを実施する面においてそういう精神を特に発揚していただきたいと思います。働く者の価値、労働する者の価値、これを青少年の中に徹底的に植えつけ、しかも具体的にそれをやはりいま大臣おっしゃるように優遇していくという形をあらわしていただきたいと思います。第一問はこれで不完全でありますが終わりまして、第二問に入りたいと思います。  ここでいう勤労青少年というのは、具体的に一体だれをさすのか。この勤労青少年の範囲をひとつお聞かせいただきたいと思います。年齢の範囲もありましょう。あるいは職業の範囲もありましょう。その範囲をお聞かせいただきたい。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 ただいま御質問の範囲でございますが、主として二十歳未満の働く青少年をいうものでありますが、施設の利用、余暇の有効利用等の面ではおおむね二十四歳までの青少年を対象としておるわけでございますが、職業等は、あらゆる働く勤労青少年でありますから、業種は問わない、あらゆる者についてこれを対象とする、こういうふうに考えておるわけでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 それでは総理府の労働力調査、これによりまするというと、これは四十三年度ですが、十五歳から二十四歳までの勤労青少年の中に、自営業種というものが二十一万名含まれております。家族従業者というものが百四十万含まれている。一体これも——一応は雇用者ではないのだ、雇用者じゃないが、これもこの中でいわれる勤労青少年福祉法の中に含まれるのかどうか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 この法律が主たる対象と考えておりますのは、いま仰せられました三つのタイプのうちの雇用者、すなわち人に雇われて働く者でございますが、基本理念その他につきまして、宣言的なものにつきましては他のものを排除する趣旨ではない、このように考えております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 排除はしないというんですな。原則としては雇用者にしておくが、しかし排除しないとおっしゃいますと、だんだんあとで具体的に出てきますが、職業訓練だとかあるいは少年センター、そういうもののホーム、そういうものの利用等の問題も出てくるが、具体的には自営業者だとか家族従業者もそういう地方公共団体等々の施設を、あるいは国のそういう施設を一体利用することができるのかどうか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 この法律の中には事業主の責務等も規定してございますので、当然その事業主の責務が及ぶ範囲はそこに雇用されるものでございますが、しかし、たとえば勤労青少年ホーム等に農村の青年が雇用者である青年と連れ立ってくるというようなことはままあることでございまして、この際それらの者を排除することはいたしておらないことでございますし、今後もそのように考えております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 そうすると、原則といたしましては雇用労働者が中心だ、自営業者や家族従業者の勤労青少年はそういう施設等を単独に利用することができない、しかし雇用労働者と一緒に来た場合はその利用を大目に見ておる、こうおっしゃるのでありますか、そこら辺もひとつ明確にしておいていただきたい。将来の利用の面ですから。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 労働行政の責任の範囲といたしまして、この法律におきましても人に雇われて働くところの青少年というものを主たる対象としているわけでございますが、先ほど申しましたように、基本理念等ではすべての働く者が伸びやかに育つということのための配慮ということはうたっているところでございますし、また施設につきましても同様でございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 この点は少し弾力があり過ぎて若干明確さを欠いているところがなきにしもあらずですが、まあ原則としては勤労青少年、働いているんだから自営業者でもよろしい、家族従業者でもよろしい、いらっしゃる者は全部来て施設を利用してくださいという考え方はいいでしょうが、ちょっと質問をしておりましてまだ少し明確さを欠いているところがあります。これはそのうちに細部について政令なり規則なり省令などをおつくりになる意向があるのですか、将来どうですか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 必要な政令、省令は当然つくる予定でございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 何しろ時間がないのでありますから、まあそこら辺はもう少し労働省のほうも勉強していただいて——こういう点も問題点がありますよ。勉強していただいて、そういうものを少しきちっとしておいていただきたいと思います。  それから次に資料の三ページにある、年少労働者の総数が百十四万五千人いるという統計でございますが、資料の第一ページで申し上げますれば十五歳から十九歳までの雇用労働者が三百三十一万人、この三百三十一万人の十五歳から十九歳までの者、これは勤労青少年の中に含まれるが、年少労働者の百十四万五千人という、この二つの数字の関係、これをひとつお尋ねしたいと思います。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 十五歳から十九歳までの勤労雇用者は三百三十一万でございますが、そのうち十八歳未満の者が百十四万五千と、このようになります。ただ、この調査は二つの調査が同じ調査ではございませんで、片方は労働力調査、片方は基準局の調べでございますので、その点は御了承いただきたいと思います。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 それで、おっしゃる雇用勤労青少年の総数の中には、大企業に働いている者もありましょう。これは雇用者ですから、自営業者はいないが、大企業に働いている者もいる。三百人以上の者もいる。いろいろありますが、その中で、この資料にはると、一人から九人までの零細なる企業の事業所に働いている者が二十四万人いらっしゃる。十人から二十九人までの零細な事業所に働いている者が二十万人。三十人から四十九人の小事業所に働いている者が十万八千人。合わせて五十五万前後の、これは中小零細事業所に働いている雇用勤労青少年。特に年少——ではない、年少は十八歳でありますから、十九歳も入りますから年少ではないが、年少に準ずべき青少年が五十五万人零細な企業に働いて、しかも十九歳に至らざる十五歳からのこういう青少年がいる。  私は、この法律の範囲をお聞きしたのは、この勤労青少年のこの対象になる範囲、そこなんです。満二十歳の全部の労働者、大企業に働いている、レクリエーション設備ができ上がっている労働者には必要ないだろうし、大体これは活用しない。この法律で目標にする青少年は、いま申し上げましたこの五十五万前後の諸君じゃないかと思う。中小零細事業所に働いている勤労青少年じゃないかと思いますが、そのねらいです。範囲といいますか、ねらう青少年の目標です。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 おっしゃいますように、法律の重点として考えておりますところは、そのような小さな企業で働く、これもまた非常に年の若い人たち、この人たちがすこやかに育っていただくこと、ここに重点があるのでございますが、しかしまた、大企業にも問題がないわけではございませんので、考え方としましては、全体に綱をかぶせているわけでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 その大企業にある問題点をお聞かせ願いたいと思います。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 近年、非常に勤労青少年問題として社会の関心を集めておりますところの安易な離転職の傾向等がございますが、これは労働条件に不満を持って職場を離れるというものと、同時に、職場における人間関係あるいは単調労働等に非常に倦怠を感じて職場を離れるということなどもその原因としてあげられておりますので、このような現象は大きな企業においてもあるわけでございますし、また現実の離転職の率等も、零細企業のほうが高いことは事実でございますが、大きな企業においてもかなり高率の離転職が見られて、社会的にも問題になっておるところでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 私は、大企業におけるそれは一年目に離職者が三〇%あるとか、第二年、第三年目等のそういう離職問題等について、あとでまたお伺いするつもりでおりますけれども、その問題は、しかし問題はあるのです。あるが、私は、この勤労青少年の具体的な施策の中で解決する問題ではないと考えておる。それは別個に、たとえていえば、いま少し大企業等に労働省の指導あるいは協力体制等つくりながら、大企業の中で私は問題を解決していくべきではないかと思っている。小さな一人から九人か、孤独でこつこつと、労働組合もない、相談すべき先輩もいない、孤立感を味わいながら、社会との交渉もない、そういう小さな職場にいる青少年にこそ、もろもろの施策や、ホームをつくったり、センターをつくったりして、私はこの法を十分に生かしていくべきじゃないかと思っています。やはり、この法律のねらいは、先ほど言いましたように、せいぜい一人からできれば百人足らずくらいの事業所に働いている勤労青少年を最も重点に置いて、これはりっぱな勤労青少年に育て上げるという精神を生かしていかなければならないと思っております。  そこで、そういう小さな職場における勤労青少年を具体的に一体どうつかんで、これをこの法律にどう乗せていくかという具体的な方法を、ひとつお聞かせ願いたいと思うのです。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 特に先生が御指摘の、施設等に恵まれない零細企業に働く者たち、この者たちに特別に施策を重点に進めてまいりたいと考えますのは当然でございまして、この勤労青少年ホームの設置運営等につきましても、そのことを一つの基準に考えて、中小企業に働く者の多く働いている地域等に重点的な設置を進めてまいるというようなことも考えられると思います。あるいはまた、余暇活用につきまして、特に国や地方公共団体が手を伸べて、その余暇活動の援助をする対象等も、中小企業に働く者が重点になる、そのように考えております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 そういうふうに、余暇だとかホームの利用を大いにさせるということがこの法律の目的でございましょうけれども、まず彼らを一体どうホームに呼びつけるか——呼びつけるといってはいけないけれども、利用させるかです。そういうことをやるためには、やはり実態をつかまなければいけないんじゃないかと思う。それぞれの地方における事業所というものの中における青少年をつかまなければいけない。その実態のつかみ方、あるいは誘導のしかた、利用のしかた、それを具体的にどういうふうにおやりになりますか、ということをお尋ねをしているわけであります。これは婦人少年局ではできないでしょう。この仕事は、一体どこで責任を持っておやりになりますか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 勤労青少年ホーム等に中小企業の従業員である青少年を誘うと申しますか、利用させるようにするためには、従来からも非常に努力を重ねてまいっております。このホームを設置いたしております地方公共団体、これが特に事業主の団体であるところの商工会議所、中央会等に呼びかけまして、特に小企業の者への徹底をはかるようにいたしております。また、中小企業に働く青少年の実態等につきましては、かねてから調査等を行なっておりますが、今後もそのようなことを進めてまいる予定でございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 大企業には労働基準法等をある程度実施されておりましょうけれども、中小企業、零細事業者になりますと、労働基準法等はあってなきがごとしです。しかもこういう勤労青少年等が一つのクラブめいた中に加入するということは、原則として中小、零細事業主は好まないという本能的な気持ちを持っています。だから、私はこの青少年たちを、たとえて言えば、ある程度事業主の心理的な抵抗をもはねのけて、やはり積極的に彼らをそういう場所へ誘導する、あるいは施設を利用するには私は相当積極性がなければならぬと思う。その点をここで議論しようというのではありません。議論しようというのではありませんから、ひとつ十分に意を用いてもらわなければ、せっかくつくった法律が宣言法規に終わってしまって、実体が伴わなくなってしまう。これは注意していただかなければならぬと思います。  それに関連して私は言うんだが、この法律には勤労青少年に対してまず事業主の責任というものが少し明確になっております。それから国及び公共団体の責任もきめてある。それから勤労青少年福祉対策基本方針等々をつくり上げる労働大臣の責任等も明らかになっております。事業主の責任も国及び公共団体の責任、それから青少年福祉対策基本方針等々について具体的に私は御説明をお聞きいたしたいと思います。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 ちょっとお尋ねの意味を取り違えているかもしれませんが、この法律では国、地方公共団体並びに事業主がそれぞれ勤労青少年の福祉を増進するために施策を講じあるいは措置を講ずる、このような責務を課しているわけでございます。具体的な責務につきましては、御指摘のとおり、労働大臣が基本方針を定めまして、これによって勤労青少年福祉対策の総合的、計画的な推進の基本となるものを明らかにいたします。また、都道府県レベルにおきまして福祉対策を推進するための基本といたしましては、都道府県知事が福祉対策事業計画をつくることにいたしておりまして、この二つを大きな柱といたしまして、総合的、計画的に施策を進めてまいる、このようになっております。また、事業主につきましては、特に勤労青少年が職業訓練を受けるあいは勉学の機会を得るために時間の配慮をすること、勤労青少年の福祉を見守る責任を持つ者を配置すること、これを、努力義務でございますが、課しているところでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 その事業主の責任についてはこれは第四条に「その雇用する勤労青少年の福祉を増進するように努めなければならない。」という宣言法規があって、そしてあとのほうに、いま局長がおっしゃるように、何か夜間の定時制でも行くときに時間の便をはかってやれとか、あるいは職業訓練の何か訓練を受けるようにしてやれとか、職場における指導員か何かを置けとか、そういうことが二、三書いてあるだけなんですが、私のお聞きしたいのは、ただそれだけかということです。もっと具体的に、一体事業主がもっとやるべきことがないのかどうか。あわせて、一体、その事業主がいま申し上げました三つ、四つの個々の問題についても、それをやらなければならないというのは、単なる道義的な責任なのか、あるいは強制力があるのかどうか、そういうことをお聞きするために私は質問をしたわけであります。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 事業主の責務の内容につきまして特にこの法律で特記いたしましたのは、いまの時間の配慮と福祉推進者の設置でございますが、これだけで事業主の責務はすべてであるという意味ではございませんで、仰せのとおり、四条で事業主が「勤労青少年の福祉を増進するように努めなければならない。」と、包括的な責任をいっておりますので、この二つの条項は特に義務づけるという意味で特記されたものであり、その他の点については自主的な努力が大いに期待される、このように考えているところでございます。  この十二条、十三条につきましては、これは仰せのとおり努力規定でございまして、罰則等はございませんので、強制力はないわけでございますが、行政指導で実効をあげてまいりたい、そのように考えております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 大臣がおつくりになる福祉対策基本方針というのは、内容はどんなものですか。それから、これは毎年おつくりになるのですか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 基本方針は、先ほど申し上げましたように、福祉の施策を総合的、計画的に推進するための柱としてつくるわけでございまして、その内容につきましてはおおむね以下のようなことを考えております。  まず、法案にも書かれてございますが、勤労青少年の職業生活の動向を明らかにいたしまして、どういうところに問題があるか、実情がどうであるかということを明らかにいたしたい。それと、また福祉について講じようとする施策の基本となるべき事項を明らかにいたします。その基本となるべき事項といたしましては、おおむねこの法律の第三章以下の内容になるように考えております。  また、この方針を毎年つくるのかどうかという点につきましては、おおむね勤労青少年の職業生活の展望あるいは問題点を明らかにするという意味、また、それから総合的な施策を講じるという点から考えまして、おおむね妥当な期間といたしましては三年に一度くらいではないかと思っておりますが、その点につきましては、婦人少年問題審議会の意見等を聞いておきめいたしたい、このように考えております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 こういうわけに対策基本方針なんてものは麗々しく載っかっているわけですけれども、具体的には何もないから私はお聞きした。普通基本方針なんてものは一年に一回くらいですが、三年に一回というお話だったが、これは法律でできないなら政令なり省令なりで明確にしてもらわないと、あってなきがごとしだ。美辞麗句を並べただけであって、実体これに伴わずということで、何もならない。  そこで、私はお聞きしたわけです。そこで出ました婦人少年問題審議会というのは、これはお話がありましたけれども、これは一体どういう根拠でできておるのか。法律か規則かあるいは政令か省令でできておるのか、これもあわせてお伺いいたしたい。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 婦人青少年問題審議会は、労働省設置法のもとに置かれております三者構成の審議会でございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 労働省設置法なる法律に基づいてできておるわけですね。大体メンバーはどういう方がなっておられるのか、ついでに読み上げてお聞かせ願いたい。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 婦人少年問題審議会というのは、現在構成メンバーが三十名でございます。三つの部会で構成いたしておりまして、婦人労働部会、年少労働部会、婦人問題部会となっております。これは法律に基づくものではございませんで、メンバーは、学識経験者の方々、それから労働者代表の方々、使用者代表の方々でございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 そこで言うけれども、さっきからあなた方が、ぼくの資料ばかり間違っているので、この資料でひとつ見てください。一五ページから一八ページとぼくは言ったけれども、あなた方そんな資料間違いはないと言ったけれども、ぼくはもう一ぺん言うんだが、また一五ページから一八ページまであるじゃないですか。これは皆さん持っているでしょう。こういうのを出されたんでは、ずさんきわまりますよ。これは、さっきあやまったから言わぬでいいと思ったけれども、注意してもらわなければ困るんだ。  そこで、職業安定局長お見えになっておりますけれども、この法律によって職業安定局がおやりになる具体的な施策についてひとつお聞かせを願いたいと思うのであります。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 職業安定局といたしまして「第三章 福祉の措置」の中の「職業指導等」に関します第八条、九条、十条関係の規定がございます。従来も職業安定法に基づきまして職業紹介の規定があるのでございますが、最近の若年労働者の就職の実態あるいは就職後の実態等にかんがみまして、非常に安易な離転職が行なわれる。それは、一つは、最近非常に雇用機会がふえたので、就職する者のほうにもいろいろ問題があるわけでございます。そういう事態に対処しますために、安定所の行なう職業指導を、十分最近の実態に即応いたしましてきめこまかな施策を講じなければいけない。それと同時に、就職したあとにおける職場適応と申しますか、職業に対する適応というものをさらにめんどうを見る、そういう意味で相談員等の制度を設けましてきめこまかな適応を行ないまして、安易な離転職、それに伴う各種の弊害の予防につとめてまいる、こういうことをこの法律におきましてさらにはっきりさせておるわけでございまして、私ども、今後この法律の精神及び規定に基づきまして、そういう施策を強力に展開してまいるつもりでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 問題はその職業指導でございますね。   〔伊東委員長代理退席、委員長着席〕 一たんつとめて、特に目標になる中小零細業者の職場にいる者にどういった職業指導を具体的におやりになるのか。相談員が職場を回って歩けば相談に応ずることもできるでしょうけれども、一体就職の前に指導しようというのか、就職中の者を指導するのか、いま少し具体的にお聞かせ願いたいと思うのであります。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 両面亙りまして、まず就職前の指導でございますが、安定所の仕事といたしましては、本人の適性に応じた最も適当な職業をどう選ばせるか、こういう問題になると思うのです。これは、学卒者等の場合は、学校教育との関係もあるわけでございまして、安定所の立場から申し上げますと、具体的な雇用に関するいろいろな情報、あるいは具体的な事業所の状況等につきましては、安定所のほうがいろいろ知識を持っております。一方、学校の先生のほうでは、その生徒の個性なり家庭環境、あるいは学校の教科、学習活動を通じまして、職業なり産業についての一般的な知識を与えるという意味での職業教育が行なわれております。そこで、就職する場合にあたりまして、そういった学校側の従来の職業教育なり、あるいは本人の個性なり、いろいろな家庭環境、安定所の職業に関する情報なり具体的な求人求職の内容、こういう相互の特色を生かしまして、私どものほうでは毎年学校と協力いたしまして、その年の紹介業務の取り扱い方針というものをきめております。学校、先生、父兄、安定所が一体となりまして、最初に申し上げましたような適職をどう選ばせるかという指導をいたしておるわけでございます。  そこで、就職したあとの問題でございますが、そういうような指導のもとに就職をいたしましても、最近の状況では、先ほど申し上げましたように、離転職が非常に多いというような状況になっております。それがほんとうに本人の適性に合わない職場に就職したための転職もございましょうし、安易な転職もあるわけでございます。私ども、本人の適性に合わないやむを得さる転職につきましては、さらに、先ほど申し上げましたような本人の適性に応じたいい職場と申しますか、職業に対するあっせんをやるのは当然でございますが、そうでない、取り立てて原因のない離転職の防止のためには、先ほど申し上げましたような、安定所はもちろんでございますが、特に安定所以外にもそういう問題の専門家を相談員にお願いいたしまして、いろいろな人間関係の問題、あるいは労働条件の問題、あるいは職場環境の問題そういうことについて親身になって相談できる体制をとっていく、そして、非常にいわれのない転職の防止につとめてまいりたい、こういうように考えておるわけでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 大体、職安局のおやりになっておる構想はわかりましたが、同じような質問ですけれども、職業訓練局では一体これをどんなぐあいに訓練されているのか、お話によりますと、就職中のものと就職前の問題と二つに分かれるのじゃないかと思いますが、これらについてひとつ具体的にお聞かせ願いたいと思います。

石黒拓爾労働省職業訓練局長

○石黒政府委員 職業訓練につきましては、昨年職業訓練法の改正をお願いして成立しておりまして、いま体系を整備しておるところでございますが、特に勤労青少年の分は、職業訓練のうちの養成訓練がそれに当たります。離転職訓練はおとなに対する訓練で、それに対して青少年は養成訓練であります。養成訓練は公共訓練施設と事業内訓練施設と二種類でございまして、公共訓練施設は雇用促進事業団または県が一年または二年の期間でいたしております。それから事業内訓練は、御承知のように事業主またはその団体がおおむね三年の期間で訓練をする、双方につきまして養成訓練生を倍増するという計画でいま拡充に努力しておるところでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 そうすると、訓練局の仕事は就職以前の仕事ですな。あるいは学卒とか中卒とか高卒、こういう者を相手にして訓練しているということでございますか。

石黒拓爾労働省職業訓練局長

○石黒政府委員 公共訓練施設の訓練は就職以前でございます。それから事業内のほうは就職してからでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 事業所はいいです。わかりました。まあ、ひとつ安定局、職業訓練局、ともにおことばのとおりに、実態の伴う、内容の伴った訓練をやってください。お話はりっぱでしたけれども、内容がこれに伴わずじゃ、何にもなりませんから、その点を強く要望いたしておきます。  次に、お尋ねしたいのは、勤労青少年の福祉推進者というものを各事業所に置くことになっておりますが、その者の資格と、同時に、一人から九人の零細な職場の中でも置くのか。実態においては一人しか雇用者がいないような職場に推進者などというものを置くことができるのか、この点を具体的にお聞かせ願いたいと思うのでございます。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 福祉推進者につきましては、この法律で「資格に関する事項は、労働省令で定める。」といたしておりまして、一定の資格を予定いたしております。その資格の具体的なことにつきましては、今後早急に婦人少年問題審議会におはかりいたしたいと考えておりますが、一応考えておりますことは、勤労青少年の福祉に関して熱意があり、かつ相当の実務経験を有する者、あるいはまた労働大臣の定めるところの一定の講習等を終了した者、このようなものをその資格要件としたいと考えております。  お尋ねの第二点の、すべての規模の企業にそのような者を配置させるのかという点につきましては、やはり企業の負担、あるいはまたその効果、効率というような点も考えまして、ある程度以上の規模に設置義務を課すようにいたしたいと思っております。勤労青少年の数が一定以上ある事業所、このようにいたしたいと思いますが、その線をどこに引くかにつきましても、やはり婦人少年問題審議会におはかりしたい、このように考えております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 これもやはり政令の問題だと思いますけれども、これもきちっとひとつきめておいていただきたいと思うのです。時間も迫ってまいりましたからかけ足で申しますけれども、次に第五問といたしまして、勤労青少年ホームについて実は承りたいのであります。一つは、これは地方公共団体が設置することになっているが、その設置せしめることについて強制力があるのかどうか、その問題が一つ。つくってもつくらなくてもいいのか。どうでもいいという規定なのか。  第二番目は、勤労青少年ホーム指導員について、その者の資格あるいは指導方法等具体的な問題。  第三番目には、現在何カ所にこの青少年ホームが設置されているかどうか。  以上、三点についてお伺いをいたします。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 勤労青少年ホームの設置につきましては、法律におきましては、地方公共団体がこれを設置するようにつとめなければならない、このような規定を設けたわけでございまして、努力義務を課しているということでございます。  それから、指導員の資格につきましては、これもこの法律で特に第十六条の二項で明らかにいたしております。勤労青少年ホーム指導員は、その業務について熱意と識見を有するということはもちろんでございますが、それとともに、労働大臣が定める資格を有する者というようにいたしまして、国の一定の基準による資格を備えた者を配置するようにいたさせたいと考えております。その具体的な資格等につきましては、ホーム指導員は主として担当する業務が勤労青少年にじかに触れてその相談、指導に当たる、グループ活動の指導をするというような役目を持っておりますので、この者の影響力が非常に大きいわけでございます。その者の資格といたしましては、したがいまして、たとえば青少年心理であるとか、カウンセリングであるとか、そのようなレクリエーション指導等、いわゆる青少年指導に必要な一般的な素養がもちろん求められますが、あわせまして特に勤労青少年を対象にするのでございますので、労働法一般についての知識であるとか、あるいは職業の実態、労働市場の状況、青少年の職業心理等、労働問題についても素養、造詣、知識が求められますので、特にその資格を労働大臣が定めるというようにいたした次第でございます。  それから第三点は、勤労青少年ホームの個所数でございますが、これは昭和三十二年以来設置を進めてまいっておりますが、四十四年末で百十カ所を数えるに至ったわけでございます。四十五年度さらに三十一カ所を加える予定になっております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 もちろん、勤労青少年ホームを利用する勤労青少年に対しては、これは全部ただでしょうな。入場料なんか取らぬでしょうな。この点だけは間違いないと思いますが、特に念を押しておきます。あの部屋に入ったら幾ら、この部屋に入ったら幾らなんて、あまり金を取らぬように十分注意しておきます。  同時に、ここにもいただいた資料なんですけれども、これを利用する者の数字ですか、これが一番重要だと思っているのです。ここにいただいた資料は、六十六のホームに対する利用者は二百十二万人ということになっておる。これは延べだと思います。そういたしますと、大体一ホーム三万二千人、これはざっとの計算ですけれども、一日平均九十人前後、こういう勘定になるわけです。一つのホームに一日九十人前後の人がこれを利用するということになれば、相当利用価値はあるものというように、私はざっくばらんに判断をしたわけだ。  その次に、ホーム登録人員ということになると、これが平均一ホームについて一千七百十四人ということになっている。七十五ホームで十二万八千五百二十六人という、こういう統計でございまするが、これは全国一般にできておるわけじゃない。まだ七十五ホームですから、微々たるものでございますから、一がいにここで結論を出すわけにいかぬけれども、いかにもこれでは、登録人員が一ホームといたしまして少な過ぎると私は思う。いま少し積極的に増加をせしめる必要があると思いますけれども、登録人員というのは、一体どういうことになっておるか、もっと多くの人員を集めるような——先ほどもおっしゃったけれども、いま一回、具体的な方法はないか、お聞かせを願いたいと思います。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 この十二万八千という数字は、仰せのとおり、七十五ホーム分でございます。現在は、百十ホームあるわけでございますから、これに倍する人数があるものと思われますが、まだ数字としては把握いたしておりません。いずれにいたしましても、この数字が十分なものでないことは、私どもも当面感じているところでございまして、今後ホーム増設を大いにはかりたいと思っております。  また、一ホーム当たりの登録人員という点につきまして、先ほど申し上げましたように、その設置主体がPRにつとめる、また関係機関等もPRにつとめているところでございますが、特にこの各ホームに運営委員会というものを設けるように従来指導をいたしておりまして、その運営委員会に事業主代表も加わるようにと、このような行政指導を従来はやってまいっているわけでございますが、今度法律が制定されました上は、それらのことも、このホームの運営の基準として明確にいたしまして、より強く指導ができるたてまえになりますので、効果があげられてまいるのではないかと思っております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 せっかくつくったホームを——これから各公共団体にうんとつくってもらわなければならぬ。同時に、そのためには地方公共団体の努力、事業主の理解とあわせてその協力ですね。それから第三番目には、やはり魅力のあるホームです。内容の豊富なホーム、ホーム自体が魅力がなければ、青少年は集まってきません。一体どう内容を魅力のあるものにするかというこの指導計画、それから、特に指導員の適切な指導が私は一番重要なことだと思う。これは労働大臣のほうから資格を授与されるようでありますけれども、そういう資格付与の要件等も、あるいは講習か学校か、そういう点も整理してお詰めになるだろうと思いますが、具体的にきちっとしたものをおつくりになっていただいて、またあとでできあがったときに見せていただきますが、この指導員というあいまいなものを置いたのでは、どっかのうば捨て山のようなものを連れてきて置いたのでは、とても青少年に魅力ある指導員というわけにはいきません。そういう点も十分考慮をしていただきたいと思います。  これらに対して、意見はたくさんありますけれども、それは、いずれかの機会に譲ることにいたしまして、最後にお伺いしておきたいのですが、先ほどもお話のありましたように、勤労青少年労働者の問題について、いま一番大きな問題は、一つは求人難だと思います。いかにも金の卵、銀の卵といって求人をする。これは新しい珍しいことですが、それともう一つは、先ほどお話しになった、せっかく就職した者がやめていく、離転職というふうに言われましたが、離職していく、転職していくという問題。私は、これがいまの勤労青少年に与えられた二つの大きな特色じゃないかと思っております。それでは求人難の問題で見ますと、ここの資料にありますように、中卒が四・四倍、高卒が三・二倍、求人に対する求職率はこれくらいいいですから、結局職業についていく者も、安易に職業についていくということがあるのかもしれませんが、それが離職率にあらわれてまいりまして、おたくさんからもらったこの資料によりましても、四十一年三月の統計ですが、四人以下の職場で中卒が七〇・二%の離職率、高卒が六八・一%の離職率。五人から二十九人までの職場ですと、中卒が五九%の離職率、高卒が六一・七%の離職率。四十二年になりますと、四人以下の職場では、中卒が五九・二%の離職率、高卒が五七・三%の離職率。五人から二十九人までの職場では、中卒が四四・九%の離職率、高卒が五〇・七%の離職率。四十三年になってまいりますと、ややこれが落ちついてきて、四人以下の職場で中挙が三三・九%の離職率、高卒が三六・四%の離職率。五人以上二十九人までの職場では、中卒が二四・九%の離職率、高卒が三〇・五%の離職率ということになっている。この数字は、あまりひどいので、私は間違いじゃないかと思いますが、これは間違いありませんか。間違いがないならば、どうしてこれほど離職、転職者が多いのかというその理由をお聞かせ願いたいと思います。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 先生ただいま御指摘の、私どものほうで昨年実施いたしました調査の結果でございますが、間違いのない数字であると思います。  そこで、先ほども申しましたように、若年労働者の離転職が非常に多いわけでございます。いろいろ原因があると思うのでございますが、一つには、安定所の職業紹介なり職業指導というものが、はたして正しく行なわれていたかどうか、こういうところにも問題があると思います。それから、一つには、それにもかかわらず、最近雇用機会が非常にふえてきている。金の卵といわれるようになっているわけでございますが、どこへ行っても就職の機会があるというようなことで、きわめて安易に転職をしていく傾向が強まってきている。それから一つには、事業所の側、学卒者を雇い入れた事業所の問題といたしまして、はたして定着に対して十分な配慮をしているかどうか、こういうような三つの面に分けて考えることができるかと思います。  いろいろ、そういう対象と申しますか、原因別に私ども対策をこれから立てていきたいと思っているのでございますが、そういう意味で非常に好ましいことではないというように考えているわけでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 この資料にもありますとおり、離職者は一年、二年、三年と、特に就職してから一年以内が一番離職していく者が多いようでありますけれども、皆さん方の統計を見れば、その理由が、仕事が不向きだとか、給料が安いとか、仕事が体力に合わないとか、あるいは就労したときの条件と違っているとか、いろいろのことがあるようです。あるようでありますが、そういう個々の理由は別にして、いまあなたのおっしゃった三つの中で、第三番目だ。やはり事業所がその労働者を定着せしめるための施策が足りない。定着せしめる施策とは何だ。その最大の理由は、やはり労働者に発言力を与えることだと思う。言いかえれば、いわゆる労働法に基づいてちゃんとした労働組合を認めて、労使対等で労働者の不安や要求を受け入れていく、そういう体制ができていない。一体、労働組合を指導するのは基準局ですか、労政局ですか。——労政局長は来ていますか。——来ていませんね。私は、民間の組合の中で、労働者の移動が激しい根本の理由は、組合をつくるのを非常に弾圧するような——心理的に事業主というものは非常にきらう。特に中小企業者においては、組合をつくろうなんという動きがあると、間髪を入れず左遷をしたり首にしたり弾圧をしたりする。憲法に、労働者は団結する権利、団体交渉する権利が認められているけれども、現実の社会においては、それが何にもできていない。これが私は、労働者がその職場に定着をしたい、その職場でめしを食いたいと思いながらもやめていく根本の理由だと思うのです。すなわち、労働者が定着をしないという根本には、いろいろ個々の理由はあるけれども、根本の理由は、労働省の労働基準法に基づく指導が、特にそういう事業主と経営者に対する労働組合法というものを正しく実施するという指導ができていないのが根本の理由だと私は思っている。そういう点をひとつ大臣のほうで十分御考慮いただきまして——大臣も方々で事業をおやりになっておるようでありますが、やはり事業主になりますと、確かに労働者が組合をつくるのは困るでしょう。労働大臣も、労働大臣の地位を離れて、管理者、経営者の地位に立つと、労働組合をつくるのは心理的に非常にいやかもしれないけれども、いまはそういう時勢じゃないのだから、進んで労働組合をつくらせる。それが労働者を職場に定着させる根本の理由だということを、私はかたく労働省に要求しておきます。  私どもよく各職場を回りますと、労働者が一番悩んでいるのは必ずそこだ。組合をつくろうとすれば弾圧されてしまう。ところが、そういうことに対しては労働省も労政局も実に冷淡だ。そういうときになると、労働省もみんな経営者側の味方になって、組合をつくろうとしては弾圧される労働者を救済するということは、いまの労働行政の中にあらわれておりません。この点を私は、勤労青少年のりっぱな——りっぱなというわけじゃありません、ほんのかけ出しでありますけれども、この法案ができて、勤労青少年のために一つの明るい窓口がいまつくられようとしておるのでありますけれども、その問題に関連して、どうしても私はこの裏側をなす組合をつくる、労働者が大いに自分の意思で組合をつくれるような道を開く御努力をしていただきたいと思います。  最後に一点だけ申し上げます。これは「勤労青少年の日」をつくるという、これもちゃんと法案の中に書いてありますが、これをおやりになる考えがありますか。これは労働省だけではできないと思います。祝祭日法ですか、何か法律に基づいて改正しなければならぬと思いますけれども、これはぜひともつくってもらいたいと思うのですが、その熱意をお持ちになっておりますか、最後にお聞きいたしまして私の質問を終わりたいと思います。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 この法案の制定の当時、何か「勤労青少年の日」をぜひつくりたいということでやったけれども、なかなかどうも関係方面との接触が完全にできなかったということであります。しかし、これは世論の背景ということ、あらゆる関係方面が、勤労青少年が明るくすこやかに伸びていくことが、日本の経済の発展のもとだという理解がありますれば、やがてこれは祝祭日として当然取り上げていただくということになると思います。できるだけそういう方向で今後とも努力したいと考えております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 はなはだ不十分でございましたが、時間の関係もありますので、これで私の質問を終わりますが、ただ最後に、どうしてもいま一回申し上げておかなければならぬことは、この働いている青少年、この人たちに労働の価値をみずから教育し、認識せしめて、いま、私どもは学校教育は受けなかったけれども、この社会においては一番価値のある仕事をしておるんだという、この自信と誇りをどうしても勤労青少年に植えつけるように努力をしていただきたいと思います。この法案を私は全部通読いたしまして、ひょっとするとこれはもろ刃の剣で、またこれが経営者や管理者や事業主に利用されて、一方では、青少年をむしろ不幸にしたり拘束したりするような懸念がないかということを私は考えてみたのであります。どうかそういうことのないように、せっかくつくられましたこの法案が、また勤労青少年を苦しめたり拘束したりして、事業主や管理者や経営者に利益をもたらすようなそういう運営の形にならないように、特に、政令や省令や規則をおつくりになるときは、その点を十分に御考慮いただきまして、あくまでも勤労青少年のすこやかな成長のために御努力賜わりますことを切にお願いを申し上げまして私の質問を終わります。

倉成正自由民主党

○倉成委員長 この際、午後二時まで休憩いたします。    午後一時七分休憩      ————◇—————    午後二時二十二分開議

倉成正自由民主党

○倉成委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続けます。田邊誠君。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 今回提案をされました勤労青少年福祉法案は、現在勤労青少年の職場の動向が非常に注目をされておるときでありまするから、そういった意味合いからいいますならば、きわめて重要な意味を持っておると思うのであります。先ほど小林委員から全般にわたって質問がありましたから、私はその多くを省きたいと思っておるのでありまするけれども、基本的なことに限って二、三質問をいたしまして御見解を承りたいと思います。  そこで、先ほど小林委員も質問をしておりましたが、私は角度を変えて、この法律案が差し示す目標、究極の目標は一体どこに置いておるのかということについてお伺いをしたいと思うのです。勤労する青少年の問題は、私はその労働の中身の問題、それから雇用の問題、それから青少年が固有に持っておるいわば若い彼らの気力と精神力をどう発揚するかという問題、いろいろな問題があると思いますけれども、それらの中で、福祉法を唱えておる本法律が差し示すものは、その勤労青少年の持っておる特色、それから勤労青少年に要請されておるいわば国家的な一つの願望、ないしは現在社会的な面からいっても、青少年が持っておる一つの欠陥、これは社会的な欠陥も含めて、そういったものの中で最も大きな柱は一体何であるのか、何に置いておるのか、この点に関してまず明らかにしておく必要があると私は思うのであります。そういった点に対する所信がございましたらお伺いしたいと思います。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 御指摘のように、勤労青少年をめぐりまして社会情勢も非常に変わってまいりまして、その中で勤労青少年の健全な成長を阻害するような現象、要因等も増大してまいっておるわけでございます。これらに対応いたしまして、新しい視点に立ちまして勤労青少年の職場内外の生活にわたりまして福祉を進め、勤労青少年が充実した職業生活を営むとともに、将来に向かいまして有為な職業人として、すこやかに伸びていくようにと、そのことを念願いたしましてこの法律を作成いたした次第でございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 そこで、内外の生活を通じて将来に伸びていくためにという願いを込めているというのですが、いま勤労する若い者にとって一番大きな障害は一体何でしょう。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 これはたいへんにむずかしい問題ではございますけれども、特に今日的な問題といたしましては、やはり都市化の進展であるとか技術革新の進展等々に伴いまして、勤労青少年がややもすれば職場の生活に適応しがたいという点、それからまた、将来の生活について夢と申しましょうか、希望を持ちにくいというような問題あるいは青少年のその若々しい活力を十分に発揮しにくい、このようなことが勤労青少年を苦しめる一連の問題となっているのではないか、かように考えております。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 いわばそういういろいろな条件がある中で、国の施策として一番考えなければならぬ点は一体どこにございますか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 国として重点的に施策を進めるべき点といたしましては、まず職場環境の改善という点であるかと思います。職場の中で勤労青少年がその能力を十分に発揮する。また、その適性に見合った職場につくということがまず始まりでございますが、その上その能力を十分に発揮できる、また職場における人間関係その他でも傷つけられることが少ない、またその労働を正当に評価される、職業生活の将来に夢が持てるという、そのような職場環境の改善が一つ大切なことであると思います。それからまた、職場外生活におきましても、その若々しい活力を十分に発揮し、また個性を伸ばして、自己啓発と申しましょうか、人間としても育っていけるというそのような環境づくり、その職場の環境と職場外の生活の充実、その二点が重点的なことではないかと思います。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 そこで、それらの条件を満たすことによって、いわば差し示される一つの問題というのは、私はやはり職場における定着性だと思うのです。若い人たちがいわば夢を持ち、希望を持ち、将来への職場における発展も期せられるということが望ましいという、いまの御答弁から引き出してみても、それらのものが満たされれば職場に対して定着性を持つと思うのですね。このことがいま非常に欠けているのではないかと思うのですよ。ですから、この青少年の福祉問題を考える際も、外面的に見た場合には、一つの定着性、こういうところにあるのではないかと私は思うのです。  そこで問題になるのは、今度提案をいたしました青少年福祉法の大綱について、婦人少年問題審議会に諮問をいたしておりまするけれども、その諮問に答えていろいろな建議がなされているわけです。ところが、四十五年三月二日の答申でございましょうか、その中でいわば問題にしているのは、この法律が雇用問題としてとらえられることは問題であるということをいっておるのです。やはり、若年労働力確保のためではなくて、勤労青少年自身の幸福の増進をはかるためのものであって、そこに自主的な努力をそこなうものであってはならない、こういう趣旨がゆがめられないように十分尊重してもらいたいという趣旨があるのですね。私はこの関連が非常にむずかしいと思うのです。望むところは実際には労働力確保であると思うのです。労働力確保でありますけれども、そのものずばり労働力確保を直接的ないわばその手段として考えたのでは労働力確保にならない。やはり、それよりももっと奥深いもの、その基本的ないろいろな問題、これらを解決していく中で、最終的に結果として労働力の確保になる、いわば職場に定着をすることになる、こういうことを実は言っておるのではないかと私は思っておるのであります。したがって、この福祉法でも、私がいま言った労働力確保を目標にするんじゃないという、こういうことを言うのも、私は真の意味においてはうがった見方じゃないと思うのであります。ただ、安易に、何か労働力の確保だけを唱えて、結果として邪道におちいることを避けなければならぬ、もっと基本というものを見きわめなければならぬというところに私はこの建議もあると思いますし、答申もあると思うのであります。そういった意味合いに受け取ってこの福祉法の目標なり精神というものを解していくことが必要ではないかと思っておるわけでありますけれども、この点に対して弔う一度——原理ということについて先ほど質問がありましたから、私は必ずしも原理そのもののことばの字句の問題についてどうこうでなく、やはりその差し示す問題点はそこにあるんじゃないかというふうに思うのですけれども、いかがでございましょう。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 仰せのとおり、勤労青少年の定着の問題は非常に重要な問題でありまして、安易に離転職をするということからいろいろな問題も起こってくるということがございます。しかし、この法律では、定着をはかるということを目的とするというのではなくて、勤労青少年が希望と誇りを持って職場で働けるようにする、その結果定着ということもはかられるという、そのようなかね合いでのものだというふうに考えられているわけでございます。もちろん不可分のものでございますが、理念といたしましては、やはり勤労青少年に誇りと意欲を持って働ける生活環境づくりをする、そちらにねらいがあるかと思います。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 いまの局長のお話というのは、私は二面性があると思うのですね。そこで、実はこの法律の持っておる一つの意味合いというものと、危険性といいましょうか、いわば訓示規定的な、精神規定的なものに終わってはならないという二面性が私はあると思うのです。確かに、働く若者に対して将来の希望と誇りを持たせるということが必要でありましょうけれども、それにはそれぞれの条件を整えなければそういうふうにはならないと私は思うのです。そういう意味合いで私は、今度は逆に、定着性なり労働力確保という雇用対策としてこの法律案が見られることはきらっておると思うのですけれども、それはその意味において正しいと思うのです。正しいと思いますけれども、しかし、原因を見きわめて、その条件を整える中で結果が生まれるわけですから、そういう意味合いにおいて、そのプロセスの中で、私はいまお話のありました希望と誇りを持たせる条件というものが満たされなければならぬ。一体、この法律の中にそういう条件を整える要素をどこに見出せばいいのかということでもって、実は私はいろいろと検討をさせてもらったわけであります。確かに職業訓練の問題もあり、あるいは青少年ホームの問題もございます。ただ、これらのことは労働省としてやってきた施策なんですね。もうすでに実施をしている。たとえばホームについても設置がある。職業訓練も進めている、こういうことであります。基本方針などというものが出ておりますけれども、私もこの基本方針なるものが一体どういうふうに策定をされるかということについては関心を持っておりますが、しかし、これとても法律規定としていわば必要かどうかとなりますと、現に施策を進めているわけですから、必ずしも法律に規定をしなくても施策は実施できるものであるというふうに私は思っておるわけであります。しかし、それらのものをよく承知をし、踏まえながらもなおかつこの法律を新しく制定をした意義というもの、これは私は、ただ単に、いま局長からお話のありました、青少年に職場において希望と誇りを持たせる、そしてまた、いろいろな適応性を植えつけるというようなことだけではない。やはり現在の時代の要請にこたえなければならぬことがあるのじゃないか。現実にこの法律をつくらなければならない時代的な一つの要請があるのじゃないかというように思うのですよ。ですから、いま申し上げたような、あなた方のほうでやってきたいろんな施策というものをどうやって体系づけるかということに対して、私は実は興味と関心を持っておったわけですよ。そういう意味合いでこの法律は一つの意味を発見できるのじゃないかと思うのです。私はちょっと答弁みたいなことを言いましたが、いま私が申し上げたような観点で、この法律の意味するものは一体どこにあるのかということに対してお伺いしたいと思うのです。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 仰せのとおり、勤労青少年の福祉の増進のためには、従来から予算措置をいたしまして、各般の施策を婦人少年行政としても進めてまいっております。また、労働基準法はじめ関係労働法によりましてそれぞれ福祉の増進がはかられてまいったわけでございます。しかし、今日の社会の情勢を考えますと、先ほど来お話に出ておりますように、いろいろと勤労青少年の生活に変化が起こってまいりまして、非常に安易な離転職が激しく行なわれるとか、あるいはその過程で非行化するとか、あるいは無気力になるとか、いろいろと問題が指摘されておるわけでございまして、このような新しい情勢に対処するためには、従来の福祉対策をばらばらに進めているということでは十分でない。やはりこの際、体系的に総合的に計画性を持って進めていくということが必要だということが一つでございます。  それからまた、法律を制定することによりまして勤労青少年の福祉ということについての国の姿勢というものも、また地方公共団体の責任、事業主の責任等も明らかにいたしまして、言うなれば関係者が共通の認識を持って勤労青少年の福祉を進めていくというその一つのよりどころ、また、これをもとにいたしまして行政を進行してまいりますよりどころといたしたい、このような考え方でございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 ですから、一つにはこれは政府の決意だろうと思うのですね。あくまでもこれは一つの起点、出発点ですよね。これでもってすべて足りるわけじゃありません。あくまでも、これからいろんな施策をこれにのっとって充実をさしていくという形でなければならぬと思うのですね。そういった点で大臣、いまお聞きのように、この法律案というものは、一方において宣言法、訓示法である。私は実は時間があればいろいろと一つ一つ見きわめてみたいのですけれども、いろいろと努力規定が多いのですね。努力義務と称しているけれども、実際、義務というよりは、つとめなければならない、そうしてもらいたいといういわば希望的な観測が非常に多いのですね。ですから、私は世に問う問題が非常に多いだろうと思うのです。局長が言われましたけれども、やはり政府がこういった一つの姿勢を示すことによって、いろんな面で世の中の協力を得る、社会の協力を得る、それが、直接的には事業主であり、あるいはまた、勤労青少年自身であるという形になると思うのですよ。私は、そういった世に問う法律であるという形であれば、政府は、その決意と同時に、今後の施策に対する一つの展望を示さなければならぬのじゃないかというふうに思うのですよ。そういった点で私はこの法律はまだまだ十分なものではないというふうに思って、一つのビジョンなり構想なりというものがこの中に差し示されておるかといえば、まだそうではないと思うのです。これからそういったものが示されなければならないと思う。したがって、この法律のいわば制定を契機として、勤労青少年に対する福祉対策に対して、政府は一つの基本方針を立てることになっておりますね。なっておるけれども、やはりビジョンをまず示す必要がある。この際、いわば時代に即応したそういう政府の抱負というものが世の中に示されて、そして社会的な協力が得られる、こういう形に私はなっていくんじゃないかと思う。そういう御用意がありますか。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 勤労青少年の対策というものは、今後の最も重大な問題であると考えております。働く勤労青少年が世に尊敬されるような大きな役割りを果たしていくということが必要でありまして、言うならば、このことは学校教育の問題にも触れるのでありますが、どうも最近見ておりますと、勤労をきらうというか、実際の実務をきらってホワイトカラーに走るという傾向が非常に強い。その中にあって、たまたま家庭の関係もございまして、中学だけで終わった、あるいは高校だけで進学をやめたという青少年が進んで職場に参画をする、その人たちこそ、実は最も重大な大きな社会的な貢献をしておるわけでございます。それが必ずしも十分に認められていないところに問題があると思います。したがって、今後の対策としましては、勤労青少年に対しては、思い切って、惜しみなく金もかけて、りっぱな施設もつくり、勤労青少年の夢と希望に対して十分にこたえてやる必要がある。同時に、社会も、勤労青少年は日本の経済の発展に第一線で働いておる最も大事な青少年であるという認識のもとに、その人たちに対して拍手を送る、あるいは各職場においても、ブルーカラーが大いに尊重されて、その人たちの生活が、大学を出た者よりも、かえってまじめに働いておったブルーカラーの人たちのほうが尊敬されるような社会が必要である。そういうことを考えてみますると、勤労青少年の福祉法の制定の意義、今後におけるこの対策というものは、あらゆる面から働く人たちを十分に育てていくというふうな気持ちで今後の対策をしっかりとやってみたいというふうに考えておるわけでございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 私は、労働大臣の就任あいさつやいろいろの答弁がありましたが、それに類する答弁もありまして、私は一つの見識だろうと思っております。野原さんのいまお話の中身というものは私はきわめて重要だと思うのです。学歴優先主義、何か年功序列的にものが処理される、こういう世の中で、一体働いておる若者に希望を持てといってもなかなか持てない、そういうシステムになってない、こういういまの状態をどう打開するかということに対して、私は野原さんのきょうの答弁を聞きまして非常に感心しました。ぜひひとつ、その意気込みでやってもらいたいというように思っておるわけです。そういった点のいわば隘路をどうやって打開するかということに対して、実は大いに私は関心を持っておるわけですから、その点を基本に据えながら具体的な施策をぜひ講じてもらいたいというように思うのです。  きょう、私は個々の問題についてはあまり触れません。職業訓練の問題やその他ございますけれども触れません。しかし、訓練の問題もぜひひとつ——働きながら、さらに意欲を持って学校に通いたい、あるいは技術を身につけたいという諸君に対して、事業主のいわば協力体制がもちろん基本ですけれども、ある程度はやはり国がそれに対しては、努力義務というよりも、ほんとうの義務規定を設けていくくらいの意気込みがなければいかぬと私は思うのです。そういったことは、いわば何か産業界の一つの運転を阻害するようなことに見られますけれども、私は、長い目で見たらそうじゃないと思う。そういう資質を向上させるという観点では、ぜひそうでなければならぬと思うのですけれども、そういう点でいきますると、この法律にあるところの、高等学校の定時制や、あるいは通信制の課程などを十分生かしてという点ですね、こういうことがございますけれども、これは具体的には職業訓練法やあるいは高等学校の定時制等でございますか。それ以外にも、大学の夜間等も含まれて、これには当然考えていくという形になりますか。いかがです。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 法案の十二条で、事業主が、訓練や教育を受ける勤労青少年に対して時間の上で配慮をすることを努力義務として課しているわけでございますが、そこでは職業訓練法に規定する法定職業訓練または学校教育法に規定する高等学校の定時制の課程もしくは通信制の課程等、というようにあらわしております。ここで、お尋ねは、この「等」ということの範囲ということであるかと思いますが、ここで予定しておりますのは高専学校の定時制あるいは通信制等に準じるような教育、すなわち、いわゆる後期中等教育といわれる機関でございまして、おおむね士五歳から十八歳、あるいは二十歳くらいまでのこともございますが、それらの青少年が通うところの各種学校、そこで職業上の知識や技術を修得する、そのようなものを想定いたしておりまして、夜間大学等につきましては、当然には予定はしていないわけでございます。もちろん、夜間大学に通う者に対する事業主の配慮を排除するという趣旨ではございませんが、すべての事業主に期待をいたしますことは、いま申し上げたような、高校に準じるような教育機関への通学ということでございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 いろいろとお聞きをしたい点はたくさんありますけれども、進めてまいりたいと思うのですが、勤労青少年ホームの設置についていろいろと苦慮をされて努力をされておるようでございます。私も、せんだって、地元の高崎のホームを見せていただきまして、なかなかいい施設で、しかもそれがかなり効率的に活用されていることを見まして非常に喜んだわけであります。あそこを利用している若者の意見も実は聞いてみまして、なかなか意欲的な発言をしていることを見てまいったのでありまして、非常に喜んでおるわけですが、彼らは彼らなりに、いろいろな希望を持っておりまして、まだまだ施設が十分でない。それからクラブ活動も一定の水準まで伸びますと、それ以上のものについては一体どうするのかというような問題もありますし、また、設置をしている場所が自分の職場から遠いというような悩みもありますし、いろいろなことを言っているわけです。しかし私は、中小企業や商店の、いわば友だちの少ない、交際の少ない諸君が、そうやってホームの中で自分のきのうまで知らなかった同じ年代の者とつき合って、視野を広め、交流を深めていくということがいかに大切であるかということを見受けてきたわけでありますが、そうなればなるほど、いわば国のこのホームに対する努力というものは、私は、やはりもっとこれは大切にしなければならないことが多いんじゃないかと思うのです。そういうことで、ぜひひとつこの勤労青少年ホームの現在の設置の状態、それから今後の設置の計画、それから一番問題なのは、高崎では国が——あれは七百五十万でしょうか、県が七百五十万ですね。地元が二千万といいますけれども、付属のプールだとか何かつくっていますから、結果として、実際には四千万くらいの支出をしているわけですね。ですから、地方自治団体がこの種のものをつくろうとすれば、名目的には国の補助を受けてやるといっても、実際には自分たちの力で、あるいは企業主を含めた地域社会の協力の中でやらざるを得ないという状態ですから、国はまことにていさいのいいことばかり言っているけれども、実際にはあまり補助していないという状態なんですが、せっかく今度は法律もつくるわけですから、ぜひひとつ補助金をたくさんやって、ほんとうにこれは国がつくってくれたんだという形の中で、確かに国は青少年の福祉についてたいへんな努力をしているということが現実の姿として彼ら若い者の目の中に映るという形でなければ、私はそのホームの活用も十分にできないのではないかというように思うわけでありますけれども、いまの状態については、もし答弁が長くなればあとで資料を出してもらえばいいですから、今後の国の体制と具体的な手だて、特に補助金の引き上げ等について、大臣の意欲的な御発言がありましたらお聞きをしたい。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 勤労青少年ホームは、いままでたしか百十つくっておりました。本年の予算で三十一カ所ふえるわけでありますが、いろいろな状況等を考えまして、勤労青少年福祉法の制定後においては、それを飛躍的にふやしたいと思います。数も大いにふやすし、同時に、ただいまお話しのとおり、補助金が七百五十万あるいは五百五十万では少ない。もちろんこれをふやさなければならないと考えますが、事の性質上、国並びに地方公共団体あるいは関係の方面の御協力を得て、予算以上のりっぱなものをつくるという慣行は非常に好ましいことなんでありまして、一面においては、国の補助金だけをふやせということはなかなかむずかしいと思いますけれども、しかし、努力をいたしまして、明年度の予算の編成にあたっては、勤労青少年福祉法の制定を機会に、相当画期的な増額を要求しようと考えておりますが、とにかく数においても相当の数をふやしたい、同時に、予算的措置も、できるだけ国の補助金を増額するような方向で、これに対してはひとつ思い切って取り組んでみたいと考えておるわけでございます。そういう線で今後の対策は積極的に進めたいと思います。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 まだまだ数は少ないですから、ふやしてもらわなければいかぬと思うのです。七百五十万なり五百五十万ですかの国庫補助もふやしてもらいたい。両建てでいかなければいけませんね。いけませんが、私が拝見したところでは、もう二年なりたっておるホームは、ある程度その次を望む段階に来ていると思うのですよ。いろんな活動の中身についても、それから設備についても、施設についても、いわばその上を望む、隴を得て蜀を望むところまで来ていると私は思うのです。それをやってやりませんと、私はホーム自身がいわば中途はんぱな形で竜頭蛇尾に終わるんじゃないかと思うのです。  いまは中小企業もかなり厚生施設に力を入れつつあります。したがって、それとは別の意味でこのホームが活用されるというためには、やはり施設の中身についてももっと重視しなければいけない。高崎に行きましたら、ボウリング場もつくってくれなんという話もありまして、笑えない話として受け取ってきたのですが、そういういわば遊技施設などを望んでおる。しかし、いま言ったボウリング場なるものが町にあって、これは実はどういう状態なのかというと、いわば一つの悪の巣になりつつある、そういうことも私は聞いておるのですから、そういった点からいいますと、いまの若い者が望むいろいろな体育施設なり娯楽施設なりを健全に利用させる、その中でもって、いわば逆手にとって、それらのものが彼らにとって発展の材料になるという形にするならば、私はホームは一つの拠点だろうと思うのですよ。拠点にしなければ意味がないと思うのです。ですから、いまある程度の段階に来ている。しかしそれ以上のものを望みたいというこの意欲に対して、いや、そんなことを言ったって、それは財政的に——これから数もふやさなければならぬから、七百五十万の補助はこれ以上ふやせないという形であってはならぬと私は思うのです。ですから、いま若者の持っておるエネルギーなりそういう希望というものを、いまの局長のお話のように、職場でもってさらに伸ばすという形にするならば、このホームというものを一つの拠点にして活用させるという意味を十分くみ取っていただきまして、大臣の量質ともにそれに対するところの努力を願いたいというふうに思うのです。  それからもう一つは、実際に運営をしてみますると、高崎の例ばかり言いますけれども、四人の職員がやっているというんですね。なかなかたいへんですよ。一時から始まって夜の九時ごろまで勤務をするのは、地方自治体の職員としてはたいへんですし、いわば運営の適切化ということになりますと、なかなか少ない人数でできないということもあると思うのでありまして、運営費のほうも地域の経済人にたよっているという形もあると聞いているのですが、生んだけれどもあとは知らぬふりという、これも私はいかがかと思うのでありまして、やはり国も運営に対する適切な協力をすべきじゃないかというふうに私は思っておるのですが、どうでしょう。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 勤労青少年のための施設、これは思い切ってふやすべきだと考えておりますが、この勤労青少年の対策というものは、幾ら金をかけてもいいから、できるだけのことをしてあげたいというのが私の本心でございます。しかし、必ずしもそうはいかない面もあると思いますが、とにかく時代が大きく変わってきております。したがって、きのうまではピンポン場があればいいなんと言っておったところが、いまでは時代おくれで、ボウリングセンターもほしいのだということになってくるわけでございまして、同時に、勤労青少年ホームに集まってくる人たちの便宜を考えますと、将来は駐車場も必要だろう。あれこれだんだん計画は変更に変更して、時代とともに大きく伸びていくところに勤労青少年ホームのあり方があると思う。従来の考え方にとらわれない新しい観点から、思い切って勤労青少年の夢と希望を生かすような施設、ほんとうにみんなから愛されるような機関としてこの制度をひとつ伸ばしていきたい、こういうことを考えておるわけでございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 この法律の中に「勤労青少年ホームの設置及び運営についての望ましい基準」なんという、この「望ましい基準」とは一体何ものであるかということもありますし、それから、各事業主に対して、勤労青少年福祉推進者というものを選任させる、それからホームには指導員を置くということになっていますが、一つ一つこまかく質問しますと長くなって、私も実は約束がありますからやめたいと思うのですが、これは大体仕事の中身というのはどういうことでしょうか。それから推進者なり指導員の資格なり仕事の内容、それから待遇、たとえば指導員のごときは、ある程度何か講習なり検定なりをやってそういう資格を与えるというようなことに将来は考えておるのかどうか。そういういわば動かす人の問題これに対しては一体どういうふうにお考えですか、包括的でいいですから御説明いただきたい。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 ホームにおける指導員、それから職場における勤労青少年福祉推進者、いずれも勤労青少年にじかに触れて、その相談、指導にあずかる人たちでございますので、非常に重要な役割りを持っているものと思われます。したがいまして、これらの者は勤労青少年々取り扱うに十分な素養また知識、技術等が必要とされると思われますので、それぞれにつきましてこの法律では労働大臣が資格を定める旨規定しているところでございます。  勤労青少年ホームの指導員につきましては、青少年を扱うという意味合いから、たとえば青少年の心理であるとか、カウンセリングであるとか、レクリエーションについての十分な知識と技術を持つことが重要でございますし、と同時に、勤労青少年を扱うのでございますから、労働法一般、あるいは職業の実態に通暁していることも求められると思います。その他労働問題についてのある程度の知識というものも求められると思いますので、これらを付与するために、労働大臣の定めるところの講習等を受けさせる、あるいはその資質向上のために研修等も重ねていく、このように考えております。  また、企業の中に置かれますところの推進者につきましては、その者は主として勤労青少年の相談、指導、それからレクリエーション等を企業内で担当するものでございます。この者につきましても、やはりその役割りが重要でございますので、労働省令でその資格を定めることにいたしております。その資格につきましては、おおむね勤労青少年の福祉に関して熱意を持ち、また相当の経験を持っている者、あるいはまた労働大臣が指定する講習を終了した者、このようなことに定めたいと考えておりますが、具体的なことにつきましては、婦人少年問題審議会の御意見を徴しましてきめてまいりたい、このように考えております。   〔委員長退席、伊東委員長代理着席〕

田邊誠日本社会党

○田邊委員 指導員も、私はホームの指導員というよりも、地方自治体なりで、いわばこの種の若い人たちに対して接触する者に専門的な知識々与えることは必要なことじゃないかと思います。これは必ずしも勤労青少年ホームの指導員という意味だけに限定することなく、ホームの勤務でなくなってほかに行きましても、そういう者がかなり点在をしているということは必要じゃないかと私は思っているわけです。  それから、福祉推進者も、常識的な労働問題を知っているというようなことをいうのです。それから、いろいろだ若い人の気持ちを察するような、そういうたとえば学校の先生をやっておったような人が企業に入りましてそういうものを担当するなんという事例があるわけですけれども、しかし、それがほんとうに現代に即応した知識なり経験なりを持っているかというと、必ずしもそうでないのですよ。若い人たちの気持ちというのはどんどん進んでいるのですね。われわれもなかなかつかみずらくなっております。ですから、そういった面に即応できるような体制をこの際ひとつつくってもらう必要があるのじゃないかということで、指導員なり福祉推進者になります者に対する資格なりいろいろなものをお聞きしてみたかったわけでありまして、いま講習を開いたりなんかするということでございますが、これは二つとも何か性格が違う点もありますけれども、ひとつこの機会に役所として十分な手だてが講じられるような、そういう講習、研修等の機会を省令等を通じてつくっていただくようにお願いしたいと思うのです。  それではあと一、二点だけで終わりますが、法律はつくったけれども訓示規定だということになるわけですが、予算が必要でありますね。予算は一体どんな部面をどうやってこれから活用していくかということに対して簡単に御説明いただきましょう。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 この法案に見合いますところの四十五年度の予算につきまして、簡単に申し上げます。  総額におきまして約二十二億ほどでございます。その内容といたしましては、職業指導等の充実、余暇の有効活用に関する指導、それから新しい施設の拡充整備その他の指導等に要する経費であります。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 そこで十八条に「国の助言等」ということでこれらの「事業を推進するために必要な助言、指導その他の援助を行なうように努めなければならない。」こうなっていますけれども、これは、具体的には、金の面で言いまするとどういうようなものの要素を含んでいるのですか。いろいろな補助金も、との法律で規定する精神にのっとってひとつ増額していこうというようなことの意味がここに含まれておるわけでございますか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 この法律の中に規定しておりますいろいろな事業の中で、地方公共団体が行ないます事業は、これは地方の固有事務に属しておりますので、たてまえといたしましては地方公共団体が負担するたてまえになっております。しかし、国といたしましてこれに全く関与しないというのではございませんで、できる限りの財政的補助もいたしたいと考えておりまして、四十五年度につきましては、勤労青少年ホームについての補助金が計上されておる、このような次第でございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 そういったいろいろな中身もございましょうが、最後に、この法律案は非常に崇高な精神に基づいていわばおつくりになった発想の中には、非常に重要な意味が含まれておることをさっき御質問をいたしたのでありまするけれども、しかし、それはそれだけに、やはり一面抽象的な面、訓示規定的な面が多いのであります。さっき申し上げたように努力義務、それから何々しなければならない、努めなければならぬというようなことが非常に多いわけですね。することができるというような意味も非常に多い。それから、省令に譲る面も非常に多いという形でありまするから、いわば宣言規定としてきわめて具体性を欠いているといううらみなしとしないわけであります。そういった点をこれから補ってもらわなければならないというふうに思っておるわけでありまするけれども、この中身と、さらに法律的にいっても、あるいはいろいろな省令やその他の面からいいましても、さらに中身を充実させる。器だけでなく、そういう証拠をだんだんつくってもらわなければならないと思うのです。そういったことに対するお考えをひとつ大臣からお聞きをしておきたいと思います。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 ちょうど盆のやぶ入りの日を「勤労青少年の日」ということに規定しております。これは国定の休日にはなっておりませんけれども、やがてはそういうものにまでしたいと思っておりますが、そのときには、全国の青少年の人たちがホームに集まったりあるいは職場等でいろいろなことをやり、それが一つの社会的な、国民大衆からも十分理解されまして、勤労青少年が伸び伸びとやるということにまでしたいと思うのです。こういう形になりますると、そこにおのずから勤労青少年の人たちの社会的な立場というものも十分理解される。彼らもまた誇りを持てる、希望も生まれてくるということでございまして、こうしたホームをたくさんつくるとか、あるいはレクリエーションセンターをつくってやるとか、あるいはスポーツセンターをつくるとか、そういう施設も必要でありまするし、同時にまた「勤労青少年の日」を、そうした国民的な行事にまで高めていきたいというふうなことで、今後意欲的にこの問題と取り組んでいくというふうに考えておるわけであります。漸次このことの意義が国民全体から理解されまして、一日も早くこれが国定の祝祭日ということになりますとなお一そういいと思うのでありますが、そういう段階に持っていきたいと考えておるわけであります。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 青少年の日の問題は、私は実はあえてお聞きをしなかったのでありまして、これは大臣がいまそういったことで国民の祝祭日まで実はきめていきたいというお話でございまして、ぜひそういうふうにお願いしたいと思うのです。私は、問題は、その青少年の日を設けるという形だけの問題じゃないと思うのですね。さっきホームの話をしましたけれども、ホームに集まる若い人は、クラブ活動をやっている。いろいろレクリエーションをやっている。しかし、対抗試合をやろうじゃないか。群馬県の桐生と高崎でやった。できれば関東大会もやってもらいたいという話がある。言うなれば、青少年の日なり、体育の日なり、そういった中でもって全国の若い人たちが交流をする、交歓をするというようなことも、これは官製の意味でやるのじゃなくて、上から押しつけたような形じゃなくて、自発、創意を重ねる中でそういったことが青少年の日なり体育の日なりにやられるという形の中で、国民的な行事にして、それが祝祭日にもっていかれるという形が必要じゃないかと私は思うのであります。やぶ入りというので、何かいなかへ帰ればいいという連中だけでもないだろうと思うのです。大臣のほうのいなかではそういうのがいまでもあるのでしょうが、いまそればかり言っていないで、もっとひとつ積極的な、エネルギッシュなことをやりたい、こういう希望もございましょうから、それらも含めて、大臣も若返った気持ちでぜひ取り組んでもらいたいというふうに思うのであります。  さて、そこで最後に、私が最初に申し上げたように、この問題は青少年に非常に大きな胸のふくらむような希望を持たせる、そういう中で職場に定着性を持たせ、将来そこで働く国民として、あるいは職業人として、その仕事に熱意を期待を持って取り組んでいく、打ち込んでいくという形でなければならぬわけです。必ずしも青少年におべっかを使ったり、何かちょっとした施設をつくって、それでもって当面糊塗するという形ではならぬと思うのであります。したがって、そういう意味合いで、結果としてはそれがいい意味における雇用対策、職場における定着性、そういう中で青少年の健全な発達を促すというこの目的の趣旨に到達するように私はお願いをしたいと思うわけであります。  そこで、雇用問題はあとでまたお聞きしますから、きょうは、最初における職場の定着性というものを逆に考えて、離職者の状態がここ数年一体どういう状態になっておるか。この一年、二年、三年というような状態の中でどうなっておるか。それから離転職をしている若者が一体どういうふうな状態に落ち込んできているか。非行少年の状態というものが、この離転職と関連をして一体どういうぐあいになっているか、そういう観点に対して、ごく端的でよろしゅうございますから、ひとつお聞きをいたしまして、それらの側面をわれわれは見ながら、この福祉法というものの行くえを見きわめていきたいというふうに思いますので、もし足らない点がございましたら、私はこの資料を拝見させていただいていますので、その中の状態は拝見をいたしておりますけれども、簡単でいいですから包括的に答弁してもらって、あとで資料を出してください。私はちょっと項目を並べたけれども、三年ぐらいのものの資料を出してもらって、そういう傾向というものが一体青少年の非行につながっていくのかどうかという点に対する御説明だけいただきまして、資料はあとで提出していただきたいと思うのです。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 離転職の状況でございますが、特に私どものほうで昨年学校を卒業して就職した者の就職後の状況を調べてみたわけでございます。大体四十一年三月卒が一年たったらどうなるか。二年たったらどうなるか……

田邊誠日本社会党

○田邊委員 職業別、規模別のものもあとで知らせてください。いま言わなくてもいいですから。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 四十一年三月卒が一年目、二年目にどうなる。四十二年三月卒が一年たったらどうなる。大体四十一年三月卒について簡単に申し上げますと、中卒、高卒とも約五三%程度の者が職場をかわっておる、こういう状況でございます。規模別にいえば、やはり中小零細企業のほうに就職した者の離転職の率が高い。産業別につきましては、建設業とかあるいはサービス業、卸売り、小売り業等が高い、こういうような状況でございます。こまかい資料は取りそろえて提出いたしたいと思いますが、状況はそんなようになっております。  そこで、それが非行化につながるか、こういうことでございますが、私どもといたしましては、全部が全部そういうものにつながっていくとは思いませんけれども、当初非常に希望を抱いて就職した場所が、必ずしも自分に適していない、あるいは人間関係がうまくいかないというようなこと等もございまして、それが離転職につながっておるわけでございます。と同時に、風俗営業等におきまして、非常にいい条件と申しますか、甘い条件の求人等もたくさんある。そういうようなことが転職を重ねるにつれましてやはり非行化に走る原因にもつながる、こういうように考えております。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 いま住さんからお答えをいただきましたように、私は現実は非常にきびしいと思うのです。特に東京に流入している少年の犯罪の状態というものを調べてみますと、やっぱり離転職の経験ありという者が六一・四%もあるというようなことを表を見せていただきまして私は感じ取ったわけでありまして、そういう言うなれば青少年の職場の状態、その環境の状態というものが離転職を生み、離転職が非行におちいらせる、こういう悪循環を重ねているという現実は、私どもとしては何としても看過できないことだというように思うわけであります。そういう意味合いで、この勤労青少年福祉法というのは高邁な理想を掲げて実は法律を作成をされたと私は思うのでありますけれども、しかし、いま申し上げたようなきわめて定着性の少ない——これはもちろん教育の問題もありましょう。それ以外の外的な条件もありましょう。ありましょうけれども、私はやはり、要は政府の施策がその中で一本大きな血が通った柱というものがなかったせいではないかと思うわけでありまして、そういう意味合いから、この福祉法なるものを制定されたことによって一つの歯どめができることがどうしても望ましいと思うのであります。一番最初に質問いたしましたように、この法律自身が雇用対策ととられることは避けなければならぬけれども、なおかつ、その問題とうらはらの中でもってどうしても考えなければならないと思うわけでございますから、ひとつこの法律をつくられたことを契機といたしまして、いま申し上げたような離転職につながり非行につながるような、そういう悲しむべき現実をなくすような立場からも、この法律の厳然たる施行を私はぜひお願いしたい。事業主についても、あるいはホームの直接運営に当たる人たちについても、そしてまた、それを統括する政府の諸君についても——もちろん人が足らぬでしょう。人の問題についても質問したかったのでありますけれども、しかし、それらも踏まえながら私は大いなる決意と努力をしてもらわなければならぬというように思うわけでございまして、なまやさしい問題ではないと思うわけであります。大臣、この福祉法をつくったことを契機といたしまして、さっきもお聞きをいたしましたけれども、そういう意味合いで今後の施策に取り組んでもらいたいという考え方でおるわけでありますけれども、大臣の決意を一言お伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 勤労青少年福祉法立法の精神は、まさに田邊君のおっしゃるとおりであります。私どもは、この機会に、この問題をあくまでも前向きに積極的に取り組んでまいりたい、その考えでおるわけでございます。

伊東正義自由民主党

○伊東委員長代理 渡部通子君。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 いままでの質疑の中でいろいろ問題点が浮き彫りにされてまいりましたが、私も加えて二、三お伺いをいたしたいと思います。  こういう法律ができるということに対してはたいへんうれしいことでございますが、先ほど再三御答弁の中にもございましたが、やはり本法の基本姿勢について私も一言お伺いをしたいと思います。  先ほど大臣も、全体として法の意義を理解してほしいというようなお話がございました。それから「原理」をめぐっての御答弁もございましたが、やはりもう一歩釈然としないものがございました。これはいわゆる養護なのか、それとも教育なのか、訓練なのか、その辺の勤労青少年に対する基本的な精神的なバックというか柱というものをどこに置いてこの法律ができ上がってきたか、それをまず私も重ねてお伺いをしたいと思います。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 この立法の精神は、ただいま渡部さんがおっしゃったとおり、それらの意義を総合的に含んだもの、一本ではないというふうに考えれば一番いいんじゃないかと思うわけです。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 わかります。で、やはりこれは国として出すものでもありますし、為政者、指導者というお立場から、先ほど大臣が全体として法の意義を解する——法律全体を読んで見て、やはりその中から勤労青少年を大事にしているという、こう感じられるものがないように思うわけです。確かにこれが労働大臣の肝いりで出された、雇用主もこの法案を見たときに、ああおれたちもしっかりしなくちゃと、こう言わせる血の通った姿勢というものがもう一歩ほしかったと思うわけでございます。そういう意味で、大臣がいま仰せになったいろいろな意義を含んでの基本姿勢だとは思いますけれども、やはりこれからこれに基づいていろいろな施策が行なわれていくのでございましょうから、やはりその根底に愛情というか、青年を大事にするというか、そういう基本姿勢を最後まで貫いて、ひとつこれから当たっていただきたい、これを切にお願いをするようなわけでございます。  次に、先ほど範囲の問題がございまして、私、これをもう少し明確にしていただきたいと思うわけでございます。というのは、これからやはりいろいろな意味で、祝祭日等にも高めたいというお話もございましたし、いろいろな行事が行なわれたり、あるいは予算の措置などを行なう場合に、もう少し勤労青少年という範囲が明確でなければならないんではないか、この一点、もう一歩突っ込んでいただきたいと思うわけです。ですから自営業者とか農漁村の方は連れ立って行けば施設を利用することはけっこうとか、先ほどの御答弁にもありましたように、二十四歳ぐらいとか二十歳未満とか、やはりそうしたばく然としたものでございましょうか、それとももう少し明確にはできないものでしょうか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 この法律は、その性格といたしまして、いわゆる権利義務を規定するというたぐいのものでございませんので、厳密に勤労青少年の年齢等を規定するということはいかがかということで、あえて定義は書かなかったわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、この法律の主たる対象は二十歳未満のいわゆる未成年の者でございます。未成年の勤労青少年に対して手厚くいろいろな措置を講じたい、こういうことでございますが、しかし勤労青少年ホーム等の施設の利用あるいはクラブ活動等において、二十歳をこえる者がまざっていてはいけないというようなことも理屈としていかがかと思われますので、それをこえる者も外延として含みたい。しかしそれもおのずから限度がございますので、二十四歳くらいまで、このように申しているところでございます。  それからまた、雇用労働者以外の者についてのお尋ねでございますが、労働行政の守備範囲としての法律でございますので、この法律の対象といたします者は雇用労働者であることが原則でございます。その際、産業等は問わないわけでございますが、しかしこれもまた、たとえば基本理念等におきましては、必ずしも農村で働いている人にこれが妥当しないということでもございませんし、またホーム等を御利用になりたいという場合にそれを排除するというのもいかがかと、これは婦人少年問題審議会あたりでもいろいろと議論のあったところでございますが、そのようにおいでになる方はお迎えするという意味で排除しないということでございますが、行政の責任の範囲といたしましては、雇用されておりますところの勤労青少年、このように考えております。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 いまの御答弁でよくわかりますが、やはりその辺は大いに幅を広げていただいたほうが私はよろしいと思います。むしろ農漁村であろうと、少々おとなが一緒にまじって来ようと、その辺はひとつおおらかに収容していただく。ただし、今後この法案に基づいていろいろな行事を行なったり、あるいは予算措置等が必要になってくる場合に、やはりもう少し対象範囲というものをはっきりしておいていただきたい。この両面を含んで申し上げているわけでございます。当然いろいろなことを行なうということになってまいります。あるいはその人たちだけを遊ばせるとかレクリエーションをやるとかいった場合には、もう一歩具体化しようと思えば、当然私は範囲ははっきりしておくべきだ。また、それだけの具体的な気がまえを持っていただきたいという意味で、範囲を明確にしていただきたい。ただし、施設の利用については、もう子供がついて来ようと、おとながついて来ようと、雇用主がたとえ一緒に来ようとけっこうですというような幅は持たせて今後運用していただきたい、こうお願いをするようなわけでございます。  次に、事業主の努力規定を私はもう少し強めていただきたい。これはお願いでございます。第三章の「福祉の措置」でございますけれども、特に第九条あるいは十二条ですね、この辺第九条でも、職業に適応することを容易にするため、その就職後においても、その相談に応じ指導するという規定でございますが、これは現実的には特に零細企業においては非常にむずかしいことではないか。先ほど安定局長さんの御答弁の中にも、就職後のめんどうを見る相談員制度を設けてやるという御答弁がございましたけれども、たいへんむずかしいことではないかと思います。ですけれども、やはり離職という問題、その職業への安定ということでは、就職後一年ということが一番問題だと思います。この一年間にほんとうに職業に対する希望と張り合いというものを与えることができたならば、私は転職はとっても防げると思うのです。その御本人の人生にとってもこれほどいいことはないと思います。この辺の雇用主の義務づけをもう少し明確に強くできないか。あるいは十二条の、学校へ通いたい青年に対して、やはり現場にいきますと、皆さんが残業をやっているのに、学校へ行かせてくださいと言うのはなかなか言いにくいというのが実情でございまして、この時間等に対する配慮、これを単なる努力規定ではなくして、もう少し行政指導の上か何かで義務づけていただけないか、こう思う次第です。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 お尋ねの九条関係は私からお答えするのもいかがかと思われますが、ここでは職業安定機関が就職後におきましても、いま先生の御指摘のような事態の解決のために相談、指導を行なう、その場合、勤労青少年だけでなく事業主に対しても相談、指導を行なうということを明らかにいたしたわけでございます。これの実効を期するために、特に十条におきましてケースワーカーのような方を委託することも規定されておりまして、きめのこまかい指導を行なっていこうということでございまして、この点につきましては事業主に義務を課するというような方向からのアプローチではございませんので、規定としては安定機関がこのようなことを行なうということをうたっているわけでございます。  十二条につきましては、学校あるいは訓練所に通う時間の確保でございますが、これは現在におきましても相当数の勤労青少年が定時制高校に通っておりまして、これに対して事業主がかなりの程度時間等について配慮はされている向きもあるわけでございます。しかしこれをすべての事業主に期待しようというのがこの法律のねらいでございまして、仰せのとおり罰則等もございませんので、単にお題目ではないかということでございますけれども、国の定める法律にこのことが明らかにされることによりまして、事業主としましてはこれを守るという気がまえを持っていただけることと思いますし、また第四条で事業主が勤労青少年の福祉に対して責任があるということも明らかにされておるわけでございますので、そういう意味で事業主の方々の努力ということを期待するわけでございます。もちろん行政指導も強力に行ないまして、このようなことが遺漏なく行なわれますように指導いたしたいと考えております。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 安定局長にお伺いいたしますが、相談員制度を設けるという先ほどのお話ですが、あっせん後のアフターケアですね、あれは具体的には直接勤労青少年たちと接触をする相談員でございますか。それとも雇用主との問題でございますか。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 この法律の九条にございますように、青少年が就職した場合、その職場に適応できない。この適応できない原因はいろいろあるかと思うのでございますが、就職後に適応しないというのは、その事業所における労働条件の問題とか人間関係の問題とか、あるいは従事する作業の問題、いろいろあるわけでございます。  そこで私ども安定機関といたしまして、原則として就職後六カ月くらいは安定機関としてアフターケアを責任をもってやる、こういう体制をとっておるのでございますが、なかなか安定機関としてきめのこまかい適応指導ができない場合も多いわけでございまして、そういうことを考慮いたしまして、第十条に書いてございますように、勤労青少年の相談に乗る、あるいは必要な指導ができる方を特に相談員にお願いいたしまして、就職者なりあるいは事業主双方に対しまして、安定所の職員としてはできないようなきめこまかな相談に応じて定着を高めていきたい、こういう趣旨で実は昨年度から相談員制度というものをつくっていただきました。昨年度は三百人でございましたが、今年度は百五十人ふやしまして四百五十人でやらしておりますが、いま申し上げましたような非常にきめのこまかい相談に乗るという意味で、私どもその効果を期待しておるわけでございますが、効果をあげておると思っております。そういう意味で、そういった制度も今後大いに伸ばしていきたいというように考えておるわけでございます。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 いまの御答弁ですと直接青少年にも当たるし、事業主にも当たるということでございますね。三百人では困難をきわめていらっしゃるんではないかと思うわけです、事業所は多うございまして……。そういった意味で効果はあっているということでございますが、まだ発足間もないことですから、そういった点ではまだ十分な結論も得ていらっしゃらないと思いますので、人数が少ないのですけれども、ほかにカウンセリング制度もしかれているんでございましょうから、それは大いにお願いしたいと思うわけです。で、事業主に当たる場合に、やはりどのくらいプッシュがきくかという問題ですね。実は私この法律ができましても、事業主の努力義務というもの、小さな町工場のおじさんとかそういう事業主の方がどのくらいこの法律を自分の胸に受けとめるかということは、たいへん問題があると思うんです。やはり相談員等が回っていって、懇切丁寧に口で話をしてくるということのほうが、一片の法律や通達が出されたって知らずに通ってしまうというような、火の車でやっていらっしゃる零細企業のおやじさん方がたくさんいるわけでございますから、そういった点でこの法律を実効あらしめるためにその点を強力に進めていただきたい、こう思うわけでございます。  十二条の件でございますけれども、これは技術学校とか専門学校とか短大でございますね、大学というとちょっとぜいたくかもしれませんけれども、一年、二年の技術学校等を希望している方はたくさんいるわけですが、そういう各種学校も全部含んでおいでかどうかということ。それからこれには強制力はないけれども、行政指導でやるという先ほどの局長の御答弁がございましたので、そういう行政指導でやるという、その具体的な方途についてお聞かせください。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 まず第十二条の事業主が時間の配慮をすべき学校の範囲でございますが、お尋ねの技術等を習得するために通う各種学校は含まれるわけでございます。もっとも各種学校のすべてという意味ではございませんで、おおむね高等学校の定時制の課程もしくは通信課程に準ずるようなもの、すなわち年齢的にいえば十五歳から十八、十九といったような、中期高等教育の年齢階層と申しましょうか、そういった方々が技術を習得するために通うような各種学校ということを想定いたしております。そういった学校に通う場合には、これはぜひ瞬間の配慮をしてもらうわけでございますが、いまお尋ねの夜間の大学等に通う場合にも、この法律では当然には期待はいたしておりませんが、そういう場合にも時間の配慮をしていただくことはまことにけっこうなことでございますので、それを排除するものではございませんし、むしろそのような自主的な配慮についての事業主の努力というものを期待し、またそのような機運は進めてまいりたい、そのように考えているわけでございます。  また、それを確保するためにどのようにするかということでございますが、労働省の地方の出先機関としまして婦人少年室がございますし、また職業安定機関、労働基準監督機関もございます。それと府県の協力を得まして、強力に進めてまいりたいと思っております。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 大臣の時間がございませんそうですので、大臣に対しての質問を先にまとめさせていただきます。  勤労青少年の日ということでございます。先ほどたいへん大臣積極的でいらして、祝祭日にまで高めたい、こういう御答弁でございましたが、私ぜひそうお願いをしたいと思います。さしあたって、そこまでいかなくても、もう少し何かできないかということです。たとえば有給休暇にしていただければ一番いいと思うのです。あるいは半日にするとか、あるいは先ほどもちょっと話が出ましたが、有意義な行事を持つということは非常にいいことではないか、職場討論あるいはスポーツ、レクリエーション、あるいはその間に勤労青少年に対しては町の施設を開放するとか、あるいは半額で映画を見せるとか、そういう何か確かにぼくたちのために考えてもらったということがびいんとくるようなそういう施策、これなら早急にできるんではないか、その点大臣の御所見いかがでございましょうか。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 まさに渡部さんの御指摘のとおり、実は勤労青少年の日は大きな行事にまで高めたいと考えております。でき得れば国の祝祭日にまでなるようなことになると一番いいのでありますが、そうならなくても、さしあたりのところはあらゆる行事を当日は各地で開催する、さまざまなコンクールをやったり、あるいは運動会をやったり、いろいろな方面の協力、協賛を得まして、それらに対しては十分の賞品なども出していただくようにしたい。それから各地で行なう行事のその日には映画館等も半額にしたりとか、いろいろな方面に呼びかけていって多彩な行事をやって、その日が勤労青少年にとっては忘れがたい、一番楽しい日だということにしたいと思っているわけでございます。まだ具体的にはきまっておりませんが、御意見のほどを十分腹に置きまして、将来この日を青少年のために大きく活用いたしたいと考えております。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 ぜひそのようにお願いしたいと思います。  それから次でございますが、若年労働者がいま金の卵とか青田買いとか、最近では早苗買いとかなんとかいわれて、労働力の対象として見られているわけですけれども、尊重されているようでいて、そういうことばというものはたいへんに侮辱ではないか。人格を一つの労働力として買われていくような感じがいたしまして、これは私はたいへんいやなことばでございます。こういう問題に対して、若い働き手というものを一つの労働力としてとらえるのではなくして、一人一人の人生の生き方として若い時代の労働というものを考えていく、こういう見地でぜひ若年労働者の待遇というものはお願いしたいと思うわけです。そういう意味でも青田買いなどということは禁止すべきではないか、そう思うのでございますが、その点の大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 現在もかなりきびしい規制をしておるのでございますが、遺憾ながらいまだに青田買いが実際には相当あるということでございます。こういった問題を十分に規制していきたいと考えております。そのこともひっきょうするに、労働力不足、特に若年労働者が非常に少ないということからくる現象でございます。こういったことに対してはできるだけ規制を行なうと同時に、勤労青少年が適正な能力を発揮できるような職場を選ぶこともできるようなことにしたい。現在のところは働く人たちが選ぶのでなくして、雇用する人たちが選ぶ。そこに離転職の現象が起こっているようでございますが、それにはどうしても適性検査という問題も無視できないと思うのであります。ほんとうに自分の能力に合うかどうかということも十分検討いたしまして、適正なところに進んでいけるということにいたしたい。青田買い等につきましては、厳にこれを取り締まってまいりたいと考えております。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 そこで、いま適職の職業の選択のお話が出ましたけれども、こうなってまいりますと、教育という問題が非常に大事になってくると思います。日本の教育にはあまりにも職業教育がなさ過ぎるのではないか、せめて義務教育の期間において、自己の職業というものに対しての選択眼、あるいはいろいろ考える訓練、あるいは世の中の職業を見せるというような教育は当然行なわれてしかるべきではないか。これは文部省の範囲だとおっしゃらずに、離転職を防止するという対策としても、職業教育ということが非常に大事ではないかと思うわけなんです。先生が不足だとか、あるいはいろいろな理由はあると思いますけれども、どうしても進学偏重の日本の教育制度でございますので、その点を、労働大臣といたしましても御存じのはずでございますから、文部当局に対しても強力な要請をして、力を合わせて日本の義務教育の中にある程度の職業意識の訓練というものは入れるべきだ。高等学校になったならば実地教育も入れるべきではないか。さかのぼってみれば、将来の職業ということについては、家庭教育の場において大いに、うちの中ですらいろいろと親子で考える訓練がついていなければならないと思うわけです。これは卒業してつとめてからの話では間に合わないことでございまして、どうしても小さいときからの意識訓練というものはすべきだと思います。そういったことを文部当局に対してどのような態度で臨んでいらっしゃるのか、あるいは今後に対する大臣の御意見を承らせていただきたいと思います。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 この問題はきわめて重大な問題なんでございます。とにかく大いに働きたい、勤労を通じて国家社会に奉仕をする、また自分自身もそれによって生きがいを感ずるということがむしろ好ましいのでありまして、学歴偏重といい、あるいは年功序列といい、どうも日本においては労働の基本であるべき能力が、そういう意味においてはかなりゆがめられておる問題がある。そういう面につきましては、これは一がいにはいえませんけれども、やはり文教政策のもたらしたものも少なくないと思うのです。ここで勤労青少年福祉法のねらいとするところは、働く若い人たちの能力を十分に発揮させる。そしてこれがわが国の発展の原動力であるという誇り、希望を持っていく。人事管理の面におきましても、いわゆる青天井方式というか、大学を出ていないから役員にもなれない、管理職にもなれないということば間違いでございまして、むしろそういうまじめに職場で働いておったような人が、ほんとうは会社の役員にもなり将来社長にもなって一向差しつかえないのでありまして、むしろいままでの誤った形式主義や学歴主義が非常に問題を生んでおる。そうかといって、いま直ちにどうも文教政策を変更するわけにもいかぬと思いますが、私は常に機会あるごとに、ブルーカラーのほんとうに働く人たちが世の中に尊敬され、生活もそのことによって何ら遜色あるようなものであってはならぬという点を指摘しておるわけでございますが、そういった風潮が生まれますと、あまりできないけれども大学だけには行きたいという者はだんだんなくなって、むしろまじめに勤労の面に進もうという人たちがふえるかもしれません。そういう段階が望ましい。形の上だけで大学教育がやたらふえることはあまり好ましくないのでありまして、そういう面でもこの際は勤労青少年福祉法によって、働く若い人たちが希望を持ってあすの日本のにない手になるという方向で強力にこの問題は進めてまいりたい。そこにこの福祉法の持つ大きな意義があるのではないかというふうに考えておるわけでございます。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 もう一つ重ねて伺いたいのですが、大臣は日本の義務教育の中に職業訓練を入れるべきであるという御意見かどうかという点が伺いたいのです。いただいた資料を拝見いたしましても、中学で職業教育を受けた覚えがないというのが五二・二%、高校でも三七・九%、こういう統計でございますから、正規には職業教育はないというのが実情でございまして、それを入れるべきではないかという点については、大臣のお考えはいかがでございましょうか。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 初等教育あるいは中等教育において、職業教育を持たせる必要はあると思います。むしろ高校教育等においては、どうもそういう面が非常に軽視されておるというところに、ブルーカラーのなり手が少なくなって、ホワイトカラーだけが大いに希望者が多いという現象は、そこらあたりにあるのではないか。職業教育を学校教育の場に、ひとつ適切な面で十分織り込んでいくように、今後は強力に進めていきたい。これを労働大臣の立場から大いに主張したいというふうに考えております。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 本法の施行されるのを一つのチャンスとして、文部当局にもぜひその点を呼びかけていただきたい。私は高等学校では半分実地を見せるくらいなことで、ほんとうに職業教育が必要でないか、こう思うわけでございまして、その点よろしくお願いをしたいと思います。  もう一つですが、いただいた資料をずっと見ておりますと、いまの勤労青少年の傾向というものが、仕事そのものに張り合いを持つというのがたいへん少のうございまして、たいてい生きがいというものを余暇とかあるいは家庭、そういうものを重んずる風潮にあるということが、この資料を拝見しておりますと一貫して出ているようでございます。私、これはほんとうにかわいそうだと思うのです。仕事それ自体に八時間縛られておりながら、仕事に張り合いがなくて、それ以外の余暇活動や家庭に生きがいを求めているなどという、それも青年でございますから、このまま放置してはならない。この風潮が蔓延するということは非常にこわいことだと思います。それに対してほうっておけない気持ちでおりますので、方策なり、それに対して何か大臣のお考えになっていらっしゃることというのを伺いたいと思います。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 ただいまの御指摘の点でございますが、勤労青少年が、その将来の目標といいましょうか、いまの生活における生きがいということで、その余暇であるとかあるいは恋愛であるとか、そういったことに非常に引かれているということは事実でございますが、同時に勤労青少年の希望といたしましては、やはり職業の技能、技術を身につけたい、そのような希望もかなり持っているようでございます。問題は、そのような意欲が阻害されて、挫折する、そのようなことが多いと、勤労青少年が夢や希望を失って、そして離転職等にも走るということになるのだと思いますので、ある意味では勤労青少年が余暇というものに生きがいを求めるということは、現実的な姿であるかと思いまして、これも無視できないと思いますが、同時に職業の中で自分の能力を生かしたいという気持ちを持っております、その点を伸ばしていく、そのために施策が必要であり、また職場を魅力あるものにするための施策、さらに彼らが余暇というものを非常に期待しているのでございますから、その余暇を充実した健全なものにする施策、これなどが必要ではないかと思います。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 実は私大臣にお尋ねをしたわけで、大臣は御退席なさりたいそうなので、その点だけ伺えばけっこうでございますが、私、この風潮がたいへんこわいのです。仕事に張り合いを持たなくて、かえってほかのことに張り合いを持っている。それは単純作業であるからかもしれないし、賃金が安いからかもしれないし、いろいろ原因はこまかくあると思うのでございますけれども、それは一つの風潮でございます。それを思想的に、精神的にどうリードしていくかということは非常に大事なことだと思うわけです。いろいろな施策も要るでしょうし、歯どめになる待遇改善等もあると思いますけれども、これはもっと教育的な次元といいますか思想的な次元といいますか、こういった点で、親や学校の先生等もひっくるめた高い立場から引っぱっていってくださる、そういう運動を起こさない限り、なかなか解決のできる問題ではない。この勤労青少年問題について何か大臣の御決意なり、あるいは方策なり、おありでしたら伺いたいと思います。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 確かに勤労青少年の向かうべき方向がはっきりして、そこに若いときに鍛えておく、あるいは大いに伸びる、そこに大きな希望がわいてくる、そういった面で今後勤労青少年福祉法が単なる甘やかされたものではなくて、あるいは個人、個人に対してある程度鍛える、そして将来の目標を見失わず、大きく路展するというところまでいけば、これは上できでございます。そこまでなかなかむずかしいのでありますが、しかしそういった方向で、若い人たちが今後働くときには大いに働く、遊ぶときには大いに遊ぶ。よき友を求めて、ときには恋愛もいいでしょう。そういった面で人生の若き日を惜しみなく大いに充実した生活を送る、そこに将来の発展の方向があるというふうに考えております。この福祉法はそういった意味であらゆる問題を取り上げておりませんけれども、少なくとも青少年の気持ちになりかわって、彼らの向かうべき方向を差し示すというところに、一つの意義があるというふうに考えております。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 大臣、ひとつ勤労青少年の日には、一緒に青少年とバレーボールでもしていただくような率先垂範をしていただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。  青少年ホームのことについて若干お伺いをいたします。先ほどからホームの件はいろいろ出ておりますけれども、第十五条で、「必要に応じ、勤労青少年ホームを設置するように努めなければならない。」この「必要に応じ」ということの具体的な内容でございます。まず四十五年度は三十一カ所設置なさるそうですが、これが「必要に応じ、」という基準で選ばれたものなのか、それとも自治体から提出をされたものなのか。「必要に応じ」という内容についてお伺いをいたします。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 まずこの法律十五条で「必要に応じ、」と書いておりますところの意味合いでございますが、これは勤労青少年の福祉の水準と申しますか、その実情は地域によりまして、また事業所の規模であるとか産業等によりまして非常に格差があるわけでございます。中小企業のたくさんある地域であるとか、大企業が多い地域であるとか、いろいろございます。したがいまして、勤労青少年がどういった分布状況であるか、あるいはその労働環境がどのようなものであるか、それらを勘案いたしまして必要な場所に設置する、そのような努力を地方公共団体に期待する意味で、このように書いたわけでございます。  四十五年度に三十一カ所設置する予定にいたしておりますが、従来はこの勤労青少年ホームの設置は、いわゆる申請主義と申しますか、地方公共団体から要望があったものにつきまして国庫補助を行なうというたてまえでございます。もちろんその際厳重な審査と申しますか、いろいろな要件、条件について調べまして決定してまいるわけでございます。そういう意味合いにおきまして、従来設置いたしましたもの、また四十五年に設置いたしますものについても、やはり私どもとしてもその必要に応じてこれが設置されるものという認識で、補助金を交付することにいたしておるわけであります。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 そのホームの内容といいますか、性格でございますが、すると、必要に応じた地域差によって、それぞれ内容は異なるわけでございますか。その辺ある程度の設備基準等は設けてございますでしょうか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 これは、ホームの性格が健全な余暇活動を提供する場であり、また生活指導の場であるということから、おのずからホームの基準というものはスタンダードと申しますか、標準的なものがあるわけでございます。ただ、地域によって幾らか違いがある。と申しますのは、その建築の規模でございまして、これはやはり地方の負担能力あるいはまたその地方における勤労青少年の数というふうなこと等を考慮いたしまして、現在のところ、A型とB型の二つに分けておりまして、その差異は、広さが若干違うことと、それから建築の構造が若干違う、そのような差異でございまして、その機能は変わらないわけでございます。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 むしろ問題は、運用のほうでございまして、地域によって利用度や運用などにおいてはいろいろな差があるかと思うのですが、一つ東北のほうの例でございますけれども、たいへん運営のほうがうまくいっていない。私は、むしろ運営費を補助してあげるべきではないかと思うわけです。この際、内容をやはり総点検をなさる必要があるのではないかと思うわけです。たとえば図書でございますけれども、これは、市の職員が十円ずつ出し合って二万円で五百冊の本をそろえたとか、あるいは寄付で本をそろえたといいますけれども、それではやはり読みたい本というものは集まってこないと思うのです。レコードが寄付で集まっているというのですが、これはやはりみな古いものばかりでございまして、ほんとうに聞きたいレコードというものはないわけです。本なんかも、これだけ新刊本の多いときでございますし、だんだんデラックスになってきておりますので、勤労青少年が、勤労が終わったあとにほんとうに喜んで読めるような内容のものをそろえなければならないということになると、これはやはり運営費のほうが大事になってくるのではないか、こう思うわけです。  いただいた資料を見てみますと、私は、やはり図書館と体育施設ということが一番大事だと思うのです。設備のスタンダードはあるかと思いますけれども、単なる浴室とかホールとかをそろえるのではなくして、むしろ体育の、遊べる広場がある、それから図書が豊富である、こういうユニークなホームというものがその地域、地域において大いに出てくるべきではないか。うちの県のホームは図書においてはひけをとらないとか、ここはスポーツ施設の非常に少ないところなので、体育面だけでは誇れるとか、むしろそういう行き方を奨励すべきではないか。そういう特徴づけをして、中途はんぱなものではなくして、運営をユニークに特徴づけておもしろくする、こういう方向を目ざされたらいかがかと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 たいへんごもっともな御意見だと拝聴いたしました。従来はこのホームは地方公共団体が設置をいたしまして、国といたしましては、補助金を交付するということのために設置の基準を設けているわけでございます。しかし細部にわたりましては、地方公共団体がそれぞれの創意をこらしまして、御指摘のようなくふうの見られるところも少なくはないのでございます。体育施設に非常に力を入れるとか、あるいは図書室を整備するとか、あるいは音楽の設備を非常に整えているところ等もございまして、これらはいずれも国が示しました基準を上回って、その地方の努力として充実をされているわけでございますが、今後ともそのような努力は助長してまいりたいと思います。と同時に、すべてのホームが一定基準の充実した運営内容を持つことができますように、この法律によりまして労働大臣が運営についての基準を設けるように定めたところでございます。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 運営についての予算措置はございますか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 現在は、運営についての予算措置はございません。設置費の補助だけでございます。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 今後の問題として、私は、ぜひ運営についての補助金が出せるようにしていただきたい、こう思うわけでございますが……。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 先ほど労働大臣からも申し上げましたように、今後は勤労青少年ホームの内容の充実のために格段の努力をいたしてまいりたいと思いますので、お説のような点につきましても努力をいたしたいと考えております。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 金は惜しみなく使うとさっき大臣はおっしゃいましたよ。その言質をひとつ——惜しみなくとおっしゃってくださったのですから、大いに心強く思って、それを実施に移していただきたいと思います。  東京に一つもないというのは、どういうわけでございましょうか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 先ほど申し上げましたように、勤労青少年ホームは申請主義をとってまいりまして、地方の要望ということに基づいて国が補助してまいったわけでございます。そのため、従来、東京のこともございますが、全国的に見ましても地域的にややアンバランスがあるわけでございます。非常にたくさんホームを設置しておられる県もあれば、一つもないという県もまだたくさんあるわけでございます。今後は、この法律によりまして大臣が基本方針を立て、また都道府県知事も事業計画を立てるといった一連の計画的な運び方の中で、ホーム設置等についてもより計画的に、また全国的に充実できるように運んでまいりたいと思います。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 中野に総合的に一つ大きいのができるそうでございますね。私はむしろ中野という山の手よりは、下町あたりの勤労青少年の多いところへつくってほしかったと思うのです。こういう大きな総合的なものを一つつくるよりは、各区にばらばらにして、たとえ小さくても、いい相談員を置いて数多くつくっていく方向のほうが、実際利用者にしてみればありがたいんじゃないかと思いますが、どういうわけでこうなったのか。それはここで繰り返す必要はありませんけれども、今後こまかに近いところにつくっていただくという方向は、東京においては見通しはいかがでございましょうか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 勤労青少年ホームは、勤労青少年が大体日々の余暇を利用するという施設でございますので、お説のとおり、なるべく近いところにたくさんあるということが望まれるわけでございます。そういう意味で、私どもも勤労青少年ホームを数多くつくっていく努力をいたしております。  中野につくります勤労青少年センターは、やや性格が異なっておりまして、全国的な中央的施設といたしまして、いろいろな機能、いろいろな施設を総合的に備えたものでございます。これは大きなものとして建設を進めるわけでございます。ですから、考え方といたしましては、両々相まって勤労青少年の福祉が進められると思うのでございます。  お尋ねの東京の点につきましては、これは東京の土地の事情その他がございまして、それとまた、東京では比較的勤労青少年等が利用しやすいような営業的な施設等もたくさんございましてということがあるかと思われますが、そこに問題があるわけでございます。いずれにいたしましても、従来申請がなかったということでございまして、私どもの努力の足りなかった点もあるかと思います。しかし、最近では機運が出てまいったようでございますので、ここ数年のうちに東京都にもホームが幾つかできるようになるような動きでございます。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 確かに営業的なものがたくさんありますが、それだけにたいへん青少年の誘惑の場所にもなるわけでございまして、むしろ、そっちを締め出しても公共的なものをふやしていただく、こういう方向にぜひお願いしたいと思うわけです。東京はやはり上京青年、孤独な青年が一番集まっている場所でございます。特に都心部、それから下町ですね、あの辺は、独身の、ほんとうに零細な農家から飛び出してきたというようなお方が、一軒一軒歩いてみると実に粗末なアパートあるいは住み込み等で、たよる人なしで流動的に働いているという人が実に多うございまして、そういうところにこそこういう施設はほしい。少々土地が狭かろうとあるいは施設が整っていなかろうと、先ほども申し上げましたように、相談相手にいい人を置いていただきたいのです。精神的な寄るべということのほうが上京青年にとっては非常に大事な問題だと思いますので、学校の先生とかあるいは民間の奥さまあたりで、そういった点で非常に働けるような人も開発すればたくさんいるわけでございます。そういう相談員的な者を講習等でたくさん養成をいたしまして、たとえ施設は少なくても人を中心としたホームを数多く東京に設置をしていただきたい、これを強く要望したいわけなんです。ぜひそうしてくださいませ。お願いいたします。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 お説のとおりでございます。東京都がそのような機運をより高めて設置に踏み切っていただけますように、私どもからも大いにおすすめいたしたいと考えます。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 それに関連してもう一つ伺いたいのですが、先ほどから離転職の問題が非常に出ておりますけれども、特に女性の場合それがどうなっているかということが私心配でございまして、女性の場合多くは、特に東京都の都心においてはバーとかキャバレーとかトルコぶろとか、そういったところに転落をしていくケースが多い。これは口ではいわれておりますが、都心の実態というものを掌握しておられますでしょうか、またはなすったことがございますでしょうか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 お尋ねの離転職した女性がバー等に流れていっているというそのことの実態につきまして、これを数字の上で把握することは非常にむずかしいわけでございますが、一部の資料によりますと、たとえば風俗営業のトルコぶろというようなのがございますが、調査によりますと、そこに就業している婦人は全部離転職経験者でございまして、それも四回、五回と離転職を重ねているわけでして、最初からそのような業態のところに入ってきているということはないようでございます。それからまた女性で非行のために補導されたというような集団の統計を見ますと、やはり離転職の経験のある者が多い、このような数字が出ておりますので、非常に数多い離転職と非行という間には相関関係があり、特に女性の場合はいわゆる転落というような方向につながりやすいようにうかがえるわけであります。   〔伊東委員長代理退席、委員長着席〕

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 一度そういう実態というものを何とか把握をできないかということを、これは要望でございますが、それと同時に、対策についてはどうなっておりましょうか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 この対策もたいへんにむずかしいわけでございますが、一般に安易な離転職ということが望ましくないということで、先ほど来その防止のための施策については、一般的な点については御説明をいたしたわけでございますが、特に女性であるということから風俗営業、そして転落という一つの非常に危険な道がございますので、その点につきましては特に従来から特別な措置を行なってまいっております。婦人少年室に協助員といった制度がございまして、民間の有識者の方々でございますが、こういう方々が相談指導に乗るとか、あるいは関係各省と毎年五月に共同で売春防止特別活動といったようなことも行ないますが、その期間中等に特に関係各省と協力いたしまして、転落防止のための相談指導、啓発等を行なっているわけでございます。またこのような事態が起きないようにということのためには、やはり職場へ適応して、そこで落ちついて働けるそのような環境づくりと、それから健全な余暇活動ということを進めまして、そこで若い女性たちが大いに活力を発揮できる、かような環境づくりが必要と思われますので、間接的ではございますがその面を努力いたしまして転落の防止をはかりたい、このように行なってまいっているわけでございます。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 たいへんむずかしいこととは思いますが、その点でもう一歩の積極的な何か努力をしてみていただきたいと思うわけです。やはり都心で働いておりますたくさんの女性は、国元の一家を滅ぼすような、そういったところまで発展しかねない大きな影響力を持っておりますので、これはぜひお願いをしたいと思います。  私の質問を終わりますが、最後にもう一つ、この法案をずっと見ておりまして、やはり雇用主に対してこれをどう知らせるか、この精神をどう実行してもらうかということが一番大事でございまして、直接勤労青少年が恩恵を受けるのには、雇用主にその精神がなければ、法律ができてみてもいたしかたがないことでございまして、その雇用主に対する伝達方法といいますか、それがどういうふうに行なわれてまいりますものか、それを最後に伺いたいと思います。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 これは労働行政機関の地方の出先、私どもの婦人少年室が責任を持ちまして事業主にこの旨を普及いたしたいと考えておりますが、もちろん単独で行なうのではございませんで、基準監督機関、職業安定機関また府県の協力を得まして、すべての機関がこの趣旨の普及、徹底につとめる、特に事業主に対してつとめたい、そのように考えております。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 それをよろしくお願いしたいと思うのです。たまには青少年ホームに雇用主だけ集めて一晩ゆっくり懇談の機会を持つとか、やはり中小零細企業等においては雇用主のほうもたいへん困難をきわめておるし、たまには慰労なさることもけっこうだと思うのです。この法律がどうか血の通った、雇用主に対しても勤労青少年に対しても、国としてあたたかいな、こう言わせるような実行方法というものをぜひ努力をしていただきたい、最後にこれだけ要望をさせていただきます。

倉成正自由民主党

○倉成委員長 西田八郎君。

西田八郎民社党

○西田委員 大臣が来られるのが少しおくれるようですけれども、その前に、法律の出されてきたいきさつその他から勘案いたしまして、最初に勤労青少年という定義をひとつ聞かしていただきたい。一体年齢は何歳から何歳までをさし、そしてこの法律の対象は働く青少年は全部それに含まれるのか。先ほどの質疑を聞いておりますと、雇用労働者だけだというような御答弁もあったようでありますから、その定義をまず聞かせていただきたい。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 勤労青少年とこの法律でいっております場合の勤労青少年は、おおむね未成年すなわち二十歳以下の青少年で人に雇われて働く者、これが主たる対象でございます。しかしこの法律が特に勤労青少年の権利義務について何かを規定するというようなものでございませんので、特にそれを厳密に限定するということも必要でないのではないかというような御意見もございまして、年齢につきましては二十歳をこえた者であってもいいではないか、特に施設の利用等についてはいいではないか、あるいはクラブ活動等に、二十歳をこえた者が加わっていてもいいではないかということで、その場合はおおむね二十五歳くらいまでというように考えております。また、人に雇われて働く者、いわゆる雇用者がもちろん対象でございまして、労働行政の責任はそこまででございますが、しかし雇用者でなくても、農村で働いている青少年が、自分の家で家族従業者として働いているような者が勤労青少年ホームを利用することを差しとめるということもないのではないか。そのような意味で、施設等については排除をしない、こういったゆるやかな考え方を持っておるわけでございます。

西田八郎民社党

○西田委員 そうしますと、おおむね十五歳、いわゆる中学校を卒業して、そして最大限延ばして二十五歳くらい、この十年の間にはさまれている青少年ということで、特にここで対象とするのは人に雇われている者だ、こういうふうに理解をすればいいのですか。それでいいですね。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 仰せのとおりでございます。

西田八郎民社党

○西田委員 そうしますと、そういうものを対象にしてつくられた勤労青少年福祉法というものの「原理」ということになるわけですね。そこで、法律用語として「原理」ということばが出てくるのはあまり多くないと思うのですけれども、一体それに対してどういう対策をしようとするのか。福祉には、これはばく然としたものがありまして、一言に福祉と言いましても、社会福祉から、勤労に関するものだけでも企業内福祉もあるし、労働者福祉もあるし、あるいは国、地方公共団体のやる福祉もある。そういう面で、どういう点をとらえて福祉といおうとされるか、この法律案で。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 仰せのとおり、福祉ということばの概念はきわめて広いと思います。それはいわゆる幸福ということと同義語であるかと思います。しかし、この法律で勤労青少年の福祉と申します場合は、これは勤労に従事する青少年であるところの勤労青少年として享受する福祉というようなことに相なるかと思います。具体的には、職業指導の充実であるとか、職業訓練の奨励、職場環境の整備、余暇活動の振興、福祉施設の設置といったようないわゆる労働福祉あるいは労働対策によって実現されるような福祉をさしているつもりでございます。

西田八郎民社党

○西田委員 そういう観点から御説明を聞き、さらに私の思考いたしますのに、やはり勤労青少年をりっぱな社会人あるいは職業人として育成するということに基本理念を置いておられるわけですけれども、私はやはりよき職業人はよき社会人でなければならないと思うのです。そういたしますと、ただ単に職場生活の環境をよくするとか、あるいは職業訓練を施すとか、あるいは適正な職場配置をするとか、あるいは余暇の利用をどうするとかいうような問題だけではなしに、根本的に、働くということに対してどういう喜びを持ち、どういう生きがいを持つかということが基本施策としてとられなければならない。そして、その中によき社会人を育てる、こういうことでなければ、私はほんとうの勤労青少年の福祉というものは守れないのではないか、こういうふうに考えるわけですが、第二条の基本理念というものを読んでみますと、職業生活を営むということと有為な職業人を育成するというだけのことであって、社会人としての育成をどうするかということが具体的に出てこないんですけれども、その点についてどうお考えになるか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 先生のおっしゃいますような考え方は、私どもも根底に置いて重々考えておりまして、婦人少年問題審議会の御意見といたしましても、勤労青少年福祉法あるいは勤労青少年福祉対策の志向するところはそういったものでなくてはならないということをおっしゃられたわけでございます。私どももそのことを踏まえてこの基本理念はつくっているわけでございますが、社会人というようなことばの問題もございまして、表現の上では、このように「勤労青少年が充実した職業生活を営む」ということ、この「充実した職業生活」という中には、やはり職業を持つ生活ということでございますので、余暇における活動等も含めまして、すこやかな生活を営む、また「有為な職業人」という場合には、やはりこれは、ただ単に働く、働いて役に立つということではなくて、働くことに充実感を感じ、また誇りを持てるような、そういった姿を描いておりますので、その中に御指摘のような考え方は含めているつもりでいたわけでございます。

西田八郎民社党

○西田委員 と申しますことは、私も二十年近く、十五歳から二十二、三歳までくらいの主として繊維産業に働く、いわゆる女子年少者でありますけれども、を対象にしての教育なりあるいは文化活動なりに携わってきたわけです。実際に若い人が使命感を持ち、職業意識を持とうとしても、現在の社会環境なり職場環境では持てない場合が多いわけですよ。たとえば、その人のやっている仕事はささいなことであるかもしれません、家庭電気器具のネジを一本締める、あるいはハンダづけをする、その一つの部分しかやっていない。あるいは繊維でいうならば、精紡機のはたで、切れた糸をつなぐ、そしてその繊維長をそろえる、こういう小さな仕事しかしていない。しかし、それが大きくなって、いろいろな人たちの労働が集積されて一つのものをつくり出していく、そういう喜びを訴えていこうとしても、現在のいわゆる利潤追求の企業の中にあっては、そういう全体的な自分の労働というものの喜びといいますか、あるいは価値といいますか、そういうものに対する意識を高めるというよりも、むしろ企業に寄与する効果というものをねらうというところに、私はやはり問題があるように思うわけです。したがって、ただ単にこうした法律ができたからということだけで、いまおっしゃるような、青少年の意識というものが向上するようにも私は思えないし、使命感というものも生まれてこないと思う。したがって、そうした使命感、意識というものを高めるために、私はこの法律がつくられなければならないと思うのですね。結局、一つの企業なりあるいは民間の団体にまかしておくということではならない。これも国家的使命として、どうしていくかということにこの法案のねらいがなければならぬと思うわけです。私は、そういう点がどうも欠けているように思う。大臣がお見えになったら言うつもりでいるけれども、どうも羊頭狗肉のきらいがある。そして、この法案のねらいとするところは雇用対策であり、そしてまた定着対策であるような気がするわけであります。これであってはならないと思うので、一体労働省で考えておられる、あるいは政府が考えておる——できたらここへ内閣総理大臣にも来てもらって、一体総理大臣は勤労青少年像というものについてどう考えておるかということをお伺いしたかったのですが、それはいろいろ手続があってなかなか来ていただけないと思うので、後ほどもう一回労働大臣にお尋ねしますけれども、担当の婦人少年局長として、一体どういう勤労青少年像というものを考えておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 たいへんにむずかしい問題でございまして、御指摘のように、特に最近のように技術革新が進んでまいりますと、作業が非常に単純化してまいりまして、それぞれの労働者の受け持つ部分が非常に微小な部分にしかならない。その中で働いておりますところの青少年たちが生産の喜びと申しますか、物をつくる喜びというものから離れがちだということは、これはいろいろな調査、研究で明らかにされているところでございます。これは社会全体の大きな一つの動きでございまして、非常に対策としてはむずかしい点があるかと思いますが、しかしいろいろな調査、研究によりますと、若い人たちは、そういう中でも技術を身につけたいと思っておりますし、また仕事を成就する喜びというようなものをすなおに感じてもいるようでございますので、労務管理の上でのいろいろなくふう等によりまして、モラルを高めるということもかなり実績をあげておられるところもあるかのように見受けられるわけでございます。  それで、この法律でそのような社会の構造的なものとも非常にかかわりのある問題のすべてを解決するというふうなことは、もちろん非常にむずかしいことでございまして、そこは一つの目標といたしてはおりますけれども、この法律の施行によって直ちにすべての不満が解決するということはたいへんむずかしいことと思います。そのほかのいろいろな施策と相まちまして、より高い目標に進んでいく。それで、労働関係のこの法律以外の法律によるところの労働条件の向上であるとか、職業訓練の充実その他もございますし、また文部行政等で教育的な施策もお進めいただいて、それらと相まって高い目標に進んでまいりたいと思っております。

西田八郎民社党

○西田委員 それであるとするならば、勤労青少年という非常に幅の広いことばを通じて法律としたところにどうも誤りがあるように思うのですね。これなら雇用促進法もあるし、雇用対策法もあるし、職業安定法もあるし、すべての面でそういう点を補完していけばできることである。そうなるとこれは勤労青少年の福祉ということにはなっておらぬのじゃないですか。  たとえば勤労青少年の福祉を守るために、私の言いましたような使命感を持たせ、生きがいを感じさせる世の中というものをつくろうとすれば、社会の環境も相当直さなければならぬわけですよ。こちらでは、勤労青少年ホームをつくって、そして一時から九時まで、あるいは午前十時から夜の十時までというような形でまじめなことをやろうとしても、一方、ちまたに足を出せば、パチンコ屋はあるわ、映画は二時までも三時までもやっておる。最近はオールナイトというようなものもあるわけです。そして、ラジオは二時、三時、四時、いつでもスイッチを入れれば聞こえる。テレビは一時半か二時ごろまでやっている。そういう環境の中に青少年を置いて、ほんとうにそういう生きがいのある、あるいは使命感を持った社会人としての養成までができるのかどうか。これは、そうなってくると非常にむずかしい問題になってくると思うのです。したがって、そうしたものも是正する中で、よりよい職業人イコール社会人をつくっていくということでなければならぬと思う。したがって、こういう法案を提出されるについては、文部省なりあるいはそれぞれの機関と十分連絡の上で、やはりそうしたものの環境を整備する、こういう形の中から持っていかなければならぬのじゃないかと私は思うのですが、そういう点について十分な連絡あるいは調整等をされ、討議をされてきたのかどうか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 仰せの点につきましては、婦人少年問題審議会等におきましても種々議論のあった点でございまして、関係各省にまたがるいろいろな施策を全部総合して初めて勤労青少年の福祉が守られる、そのような法律にしたほうがいいではないかという御意見も確かにあったわけでございますが、いろいろなことで、この法律におきましては、労働省の責任におきまして、勤労青少年の全生活、たとえば食べ物のこととか住宅のことまで入ってまいりますが、そういったことにまで触れるのではなくて、労働省の責任の範囲で勤労青少年の職業生活を中心とする労働の面の福祉を進めまして、そして成育をはかっていこう、このようなことでこういう法律になっているわけでございます。したがいまして、もちろん勤労青少年の福祉の実現のためには、関係各省の施策と相まって進めていく面が多々あるわけでございます。

西田八郎民社党

○西田委員 いまの御答弁を聞いておると、そういう点は労働省だからあずかり知らぬということになるわけですか。そうすると何がために第四章「福祉施設」、第三章で第二条の基本的理念を受けて「福祉の措置」、こういうものをここに法制化してきめていこうとされるのか、私ちょっと理解しがたいのです。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 御説明が不十分であったかと思いますが、この法案の組み立てといたしましては、第一章の総則で基本的理念等をうたっております。そしてまた「関係者の責務」で国、地方公共団体、事業主とうたっておりますが、この総則部分では、関係各省の施策にもこの基本理念は妥当するものでございますので、関係各省が施策をお進めになるときは、この第二条、第三条を踏まえて進めていただくことを期待いたしております。そういう意味ではすべての行政にかかわるものでございます。ただ、第二章以下の具体的な施策につきましては、労働省の責任の範囲で規定を設けた、このような組み立てになっておるのでございます。

西田八郎民社党

○西田委員 それでは、いまおっしゃった第二章以下の労働省の基本的施策、これを労働大臣はつくらなければならぬことになっておるわけですね。ですから、ここへ法案を出してこられる以上は、法律は通るもの、こういう前提の上でこれを提出してきておられると思います。したがって、やはり質疑の過程でそういうことも聞かれようかということで準備をしておられると思いますが、労働省でお考えになっておる勤労青少年の福祉に関する基本的施策を、柱だけでもいいからお聞かせいただけませんか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 お尋ねの点は、この法案の六条の勤労青少年福祉対策基本方針のことと了解してよろしゅうございますか。

西田八郎民社党

○西田委員 そうでなしに、「勤労青少年の職業生活の動向に関する事項」「勤労青少年の福祉の増進について講じようとする施策の基本となるべき事項」というのがありますね。この「基本となるべき事項」とは一体何なのか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 ここでいっております「施策の基本となるべき事項」の中身は、おおむね第三章以下の福祉の措置が中心でございまして、もちろん、これに加えまして別に規定してないところの措置もいたしていきたいと思っております。その内容は、おおむね類別いたしますと、適職の選択及び職業への適応といった職業生活への入り口のところで配慮すべき施策、それから職業能力の開発、向上と申しますか、そういう点で配慮すべき事項、三番目に職場環境の整備に関して配慮すべき事項、四番目に勤労の余暇の充実に関して配慮すべき事項、行なうべき施策、そのようなことでございますが、その他のものも含めまして展開いたしたいとする施策の骨子をあらわしていきたいと思っております。

西田八郎民社党

○西田委員 最近、青少年問題というのは非常に社会的な問題としてかなり学会あたりでも議論されておるし、また民間団体でも議論がされておるわけです。そして、青少年から直接に訴えられてくることは、やはり生きがいを感じない、使命感が持てない、そしてせつな的に喜ぶということであろうと思う。離職にいたしましても、なぜ離職するのだといえば、自分の給料が安過ぎる、自分が働いているだけの報酬がもらえていないのだ、こういうふうに理解している場合が非常に多いように思うのですね。行ってみた、行ってみたところが前よりももっとひどかった、ひどい失敗をした、そこでまた人が、ええところがあるよと誘いに来る、こういうことでありますから、離職しかけると、次から次へと転職していくというような実態ではなかろうか。その根源にあるものは、自分というものを認めてほしいという青少年の切なる希望であり、それが現在の社会ではかなえられないからだと思うのです。それに対して、基本的な、青少年の持つ悩みというものが全然解決されずして、そして、そうした適職の選択だとか職場の適応とか、あるいは能力の開発だといってみたところで話にならぬと思うのです。したがって、そういう基本的な問題を一体どこでどういうふうにして行政面では取り上げてやっていかれるのか、その点についてひとつお伺いしたい。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 ただいま御指摘の点は、先ほど申し上げました基本施策の中では、職場環境の改善と申しますか、職場の環境の整備、こういった事項の中で解決をはかっていくことではないかと思います。

西田八郎民社党

○西田委員 そうすると、職場環境の整備だとか職場環境の改善というのはだれがやるのですか。これは企業にやらせるよりしようがないのですか。はたして現在の政府の行政力をもって企業にそういうことをやらせるというようなことができるのか。企業にまかしてしまえば、先ほど私が言ったように、企業活動に有効に働く労働力というものに変化されていくわけです。そこに問題があるわけですよね。だから、それをどうするかということがこの新しい基本法の骨子でなければならぬと私は思う。そういう点についてどうですか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 職場環境を整備してまいりますという場合に、私ども施策として考えておりますことは、一つには、何と申しましても労働条件の問題でございます。最低労働条件の確保はもちろんでございますが、さらにそれを向上させるということでございまして、そのためには、御存じのように監督機関もあるわけでございます。それからまた、労務管理の適正化といった点も大きな問題だと思います。この点につきましては、特に中小企業に対しましては、企業集団に対する指導として従来から労務管理の指導を行なっておるところでございますが、こういう点をさらに充実してまいりたいということで、近代的な労務管理を取り入れてもらい、その中で勤労青少年が生きがいを感じるような環境づくりを企業主に努力してもらうような指導をしてまいることが必要だと思います。そしてさらに、この法律で設けますところの勤労青少年福祉推進者といった人の配置によりまして、勤労青少年の悩みごとであるとか、あるいは積極的なレクリエーション活動等の相談、指導も行ないまして、明かるい職場をつくっていくということの中で、勤労青少年のモラルを高めるように努力したいと思います。

西田八郎民社党

○西田委員 私も勤労青少年ホームに行って若い人たちと一緒に遊んだことがあるのですが、「勤労青少年ホームの設置のご案内」というパンフレットを婦人少年局が出しておられるわけですが、この中に相談室というものが内部設備の基準に入っておりますが、相談室がほんとうに適用されているところは少ないのです。机にどんとすわっておって、相談にいらっしゃいなんといっても、このごろの若い人は相談に来ないのです。やはりその人たちの中に飛び込んでいって、顔色をうかがい、あるいは話を聞き、その中から、あなたは何か悩みがあるのじゃないですか、こういうふうに聞いてやらないとだめなんです。ところが、その施設へ行く人はいい。企業では施設へやらせないようにする圧力があるのです。なぜならば、労働条件の交換が行なわれて、いいと引き抜きをされるというような心配から、企業自体がこういうところに入れることを非常にちゅうちょするというか、あるいはなるべく期間を延ばすとかいうようなことでもめていることもあるわけです。だから、そういう点から考えた場合に、企業だけにどうしてもまかせ切れない問題があるように私は思うのです。いまのことでお伺いしておると、そういう点ではどうやらもう一つ、これがすべてだというような、これが青少年福祉を守る決定的なものだという御答弁がいただけないわけなんですけれども、大臣はこれに対してどうお考えですか。青少年の健全な育成のために、企業に忠誠心を持つというだけではなしに、そうしたモラルといわれるものだけではなしに、有為な日本人をつくる、有為な社会人をつくる、こういう立場から、企業に対して大臣がどの程度要請できるのか、またどのような決意を持っておられるか、ここでひとつお伺いしたいと思います。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 勤労青少年福祉法の制定の意義というものは、むしろ各企業の方々が、立法された精神を十分理解されて、進んで勤労青少年に対する対策を講じようというぐらいな気持ちが必要だと思います。それに対して国並びに地方公共団体が、できるだけのことをやってあげるということがむしろ望ましいのでありまして、むしろ企業が勤労青少年に誇りを持たせ、希望に輝いた、勤労意欲をあげることが、また同時に企業全体の利益に通ずることであると思うのであります。ただいま御指摘のような、企業の中ではどうもそういうところを利用させたくないという企業もあるやに伺いまして、まことに遺憾に考えております。そういった面については、今後この勤労青少年福祉法の立法された経緯、意義を十分理解を求めまして、進んで御協力願うような方向で進めたいと考えておるわけでございます。

西田八郎民社党

○西田委員 それについて具体的に、非常にこまかくなるかと思いますけれども、職業安定局長にお伺いしたいのですけれども、だいぶ前になりますが、やはりこの委員会で、高校生の青田買いをどうするかという質問をしたことがあると思うのですけれども、どうも、出発のときから、青少年の就職というものが適正に指導されてないように思うわけです。何となく人を集めてきたらいいということで、公然の秘密ということになっておるわけですけれども、支度金等が年を追うに従って大きくなりつつあります。そして、スーツケースの中に下着から一切の着がえまで入れて、いわゆる夜寝るときに着る寝巻きの類に及ぶまで詰め込んだものをその親に渡して、そうして就職させていく、これは全くその少年少女の意思というものは働かずに、親の意思と募集に行った人の待遇の差によって募集されている実態があると思うのです。これはそもそも出発の誤りだと思うのです。そういう点について適正指導をするということでありますけれども、はたしてそうしたことが、この若年労働力不足といわれる中で実行可能かどうか。現在の職業安定機関をもってして、それを十分に規制することができるかどうかという点についてお伺いしたいと思います。

住榮作労働省職業安定局長

○住政府委員 最近、御指摘のように若年労働力が不足してまいりまして、求人競争というものが激してなっております。ということは、求人秩序が非常に乱れてこういう実情にあることは御指摘のとおりだと思います。そういうような事態に対しまして、私ども安定機関にある者といたしまして、はっきりした就職希望者の実態というものをまず把握する、こういうことが先決であるわけでございます。御承知のように、中学の場合は、その点はかなり私どもびっしりいっておると思うわけでございますが、そういう体制の中で安定所なり学校なりあるいは生徒、父兄、こういう方々が相協力して、正しい職業を選ぶ、この職業指導というもの、これは非常に大事なわけでございまして、そういう意味で努力をしておるわけでございます。しかしながら、一方では非常に求人秩序が乱れておる。そういうような事態に対しましては、次年度以降の紹介を行なわない。そういう不公正な求人活動をする者に対しては、そういう意味での制裁を加えていきたい。それから、さらに高卒につきましては、これは先生御承知のように、学校が無料の職業紹介をしている場合が非常に多いわけでございます。そして、高卒をめぐりましていわゆる青田買いということが行なわれておるわけでございます。選考期日も非常に早まってまいりまして、四月、五月から選考等が従来行なわれておりました。そこで、今年度におきまして、特に文部省なり高等学校の校長会等とも十分御相談申し上げまして、高卒求人についてもすべて安定所を経由する、安定所を経由しない求人については学校では紹介を行なわないということ、これは非常に大きな前進だと思うのでございますが、そういう体制をとるようにしたわけでございます。と同時に、選考期日も八月一日以降、これをまず厳守しようではないか、そのチェックの手段として、やはり安定所の確認を受けた求人表によって生徒の紹介をする、こういう体制をことしからとっていく。そして、それに対する違反と申しますか、そういうことを守らなかった求人につきましては、次年度以降で紹介その他について十分考慮する、こういうような体制で、特に罰則その他持っておりませんので、なかなか徹底しにくい面もあろうかと思うのでございますが、関係者が協力すればできないことはないと私は思っておるわけでございます。そういう意味で、そういう体制を強化して不公正な求人活動が行なわれないように努力してまいりたいと考えておるわけでございます。

西田八郎民社党

○西田委員 これはほんとうに勤労青少年の福祉を守るためには、この出発から厳正にやっていかないと——ここでほとんどが今日まで誤ってきておる。それまで手をこまねいておった。そしてようやく最近問題になってきたからこういう福祉法が出てきたということで、いつも私申し上げるのですけれども、どうも政府の施策というものが後手後手に回っている。これではならないと思うのです。特に高校生の就職の問題につきまして、試験を八月一日以降にやるということをきめられて、ことしはひとつぜひ守られたいと思うのですけれども、八月一日といいますと、四月から入って、四、五、六でしょう。七月の中ごろから夏休みに入ってしまう。三年生一学年の間、一学期、三分の一終わったところで、そういう就職戦線の中で、実際に一番大事な三年生の生活をおくるところに問題があると思うのです。私は、できるならばこれをせめて二学期の終了まで待たすというような方法で強力な指導をお願いしたいと思うのです。いま局長のおっしゃったように、そういう違反をした企業には人をやらないというようなことを厳密に守っていくならば、企業もこれには必ず追従してくると思うのです。したがって、そういう面からメリット、デメリットということを考えて、そして、何が企業に対して一番痛手であるかということを考慮されて労働行政というものはやっていただかないと、どうも常に、弱き者なんじの名は労働者であって、犠牲になるのは労働者だけだということにもなりかねないわけでありますから、そういう点、出発のところからひとつ十分な対策を立て、そしてそれを厳密に守るようにしていただきたいと思うわけであります。  次に、指導者と推進者というのが出てくるわけですけれども、これについて熱意を持ちとか何かむずかしいことばで表現されておるのですけれども、特別にこうした人を訓練をされるのですか。どうなんでしょう。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 勤労青少年ホームにおきますところの指導員、これにつきましては、労働大臣がその資格を定めることにいたしております。その資格という中にはかなり専門的な資格がございますので、これは労働大臣が一定の講習を定めましてそれを終了した者、このようにいたしたいと考えております。  それから、企業の中におきます推進者につきまして、これもやはり勤労青少年にじかに触れる非常に重要な役割りを持つ者でございますので、ある程度の資格ということを考えたいと思います。それにつきましては、企業の実態その他を考える必要もございますので、婦人少年問題審議会におはかりいたしまして、どの程度の資格要件にするかということ等は、これからこまかにきめてまいりたいと思います。

西田八郎民社党

○西田委員 これはぜひひとつ中央で統一した講習を行なう等をしていただきたいと思うのです。ということは、ある少年ホームで、相談室の相談員が非常によかった場合はたくさんの相談が持ちかけられてくる。ところが、その相談員が都合によっておやめになって、相談員がかわったとたんにもう相談事項が全然なくなってくる。これはあくまでも個人の秘密に関する自分の悩み、聞かれてはいやだという悩みを相談するわけでありますから、相当人間的につながりが深くないとできない問題だと思います。特に、最近のように社会事情の変転が目まぐるしく、また人の気持ちもかなり変わってきておるという場合に——断絶ということばを使われますけれども、十五歳から二十五歳まで非常に幅の広い年齢層の人をかかえて、しかもこの問は、ものすごく精神的にも変化の激しい時期なんですね。そういう時期に、ただ一人の相談員だけに何もかも相談するわけには私はまいらぬと思うのであります。そういう意味から、やはり年齢の差というものはどうすることもできない問題があるわけであります。そして、幾ら理解してやった、わかってやったと言ってみたところで、年配者から言われることは説教と聞くだけにすぎないわけです。それを適切な指導とは感じないところに青少年問題のカウンセラーのむずかしさがあるわけですから、そういう点からいうと、指導員というのは熱意と知識があるだけではできない問題でありますから、そうした点も十分考えていただかなければならぬと思います。そういう意味で、そうした講習をやるとかいうような考え方があるのかどうか、それを都道府県だけにまかしてしまうのか、お考えをひとつお聞かせ願いたい。

高橋展子労働省婦人少年局長

○高橋(展)政府委員 勤労青少年ホームにおきますところの指導員につきましては、労働省でその資格講習のようなものを実施いたしたいと考えているところでございますが、これも具体的には審議会等の御意見を伺いたいと考えております。

西田八郎民社党

○西田委員 そこで、私も長い間そういう仕事をやってきたわけですけれども、やはり最近は社会心理学であるとか、あるいは職場心理学であるとか、いろいろ心理学がかなり進歩をしてきております。そしてまた、それが一般的に普遍化してきているわけで、労働組合なんかでも、この問題にまともに取り組んでおる組織がたくさんあるわけであります。したがって、そういう労働組合自身がする労働者福祉活動について、これに対して労働省として援助する意思があるのかどうか、そして、そうしたものを助長していこうとする意思があるかどうか、大臣ひとつ聞かせてください。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 勤労青少年の問題について、進んで労働組合が相談に乗ってくれるようなことができますならまことに望ましいわけでございます。やはり人間の問題でございますから、なかなかどうも資格云々だけで解決できない、やはり若い青年の気持ちになりかわったり、大きな包容力を持った人で、その人の人格も十分にじみ出るような人が望ましいわけであります。はたしてほんとうの適材な人があるかどうか、なかなかむずかしいのでありますが、こうした青少年の今後の対策について、相談に乗る人は、やはり常にそういう青少年の気持ちになりかわって、今後あやまちない人生を送る、また正しい職場にもつけるというふうなことで、親身になって相談してやれるような人が望ましいと思っております。それをむしろ最高の資格条件として、人格、識見、そういう面を重視する必要があるのじゃないかというふうに私は考えております。労働組合等が協力くださることはたいへんけっこうでございます。

西田八郎民社党

○西田委員 次に、「勤労青少年の日」というのが定められる、こういうことで七月の第三土曜日、話を聞いておりますとやぶ入りの日、こういうようなことで、それに近いところということで、求められたようですけれども、私は土曜日は問題があると思う。だんだんと週休二日制になってきて、土曜、日曜と休むところがふえてきているわけです。土曜日にすると、せっかくの休みが休みでなくなるわけです。まあ休みとはさまってないのだけれども……。ですから私は、これは月曜日に持っていくのが至当ではないか。そうすると土、日、月と、休みをとる場合には三日間休めるわけです。アメリカでは勤労者の日というのは九月の第二月曜日にきまっているわけです。なぜそうなったかというと、土曜、日曜が、週休二日制だから、それで月曜日ということで三日間ということにしております。これを土曜日にしてきたのは少しセンスが古いのじゃないか。最近は土曜、日曜と休むのが常識のようになりつつあるわけです。  この意味では基準法も変えなければならぬ時代が来ているわけです。ですからこれは、土曜日というのはおかしいと思うのです。そして、これを年寄りの日だとか子供の日と同じように、あるいは勤労感謝というような扱いで、国民祝祭日としてふやしていく意思があるかどうか。ただそれを設けるだけなら何にもならぬ。設けたら、それをやはり休みにして、そのときに勤労青少年がなぜ休んでいるのか、ああきょうはおれらの日で休んでおるということを自覚する日にならなければだめなんですよ。それについて休日扱いにする意思があるのかないのか。そして、土曜日を月曜日に変える意思があるのかないのか。そうなると法文修正ということになるわけですけれども……。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 青少年の日を月曜という御意見は貴重な御意見として拝聴したわけでございますが、いまにわかにどうもこの問題を変えるわけにはいかぬと思います。ただ、将来の問題として、この日を国民の祝祭日にまでできるような国民的風潮が起こり、あらゆる方面がそれに御賛同を得る段階が来ますればまことに望ましいことであると考えております。  次代をになう青少年の人たちが、大いにその日一日を楽しむ、勤労青少年並びに国民全体が、その人たちに祝福を贈る、あらゆる行事を盛大にやって、それが新しい勤労意欲を増し、勤労青少年に夢と希望を持たせるという日になることを願っておるわけでございまして、将来の問題としてただいまの御意見等は十分にひとつ検討さしていただきたいと考えております。

西田八郎民社党

○西田委員 それから、青少年問題審議会から建議をなされました建議書の中には、国は、青少年の健全な育成をはかる目的を持って市町村が建てる勤労青少年ホームにしても財政援助をせいというのが出ておるわけです。先ほどから聞いておりますと、建設するときには財政援助はなされておるようですけれども、日常の運営については、その所在する市の負担にすべてなっておるわけですけれども、一番問題は何ですかと少年ホームに行って所長さんなり指導員の人に聞くと、経費がねということらしいのです。これは重要な問題だと思うのです。ここまでお考えになっていただいて勤労青少年の福祉を守ろうということなら、これに対してやはり補助をすべきであるというふうに理解するわけですけれども、その辺はいかが相なっておるのか。将来多額の補助を出していく意思があるのかないのか。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 青少年ホームの運営等につきましての国の助成、これは将来何とか実現をしたいと考えております。そういった勤労青少年福祉法の持っておる意義が、国民全体に理解されて、もっと金をかけてもいい、思い切ってやれということになるとたいへん好ましいわけでありますが、まだいまの段階ではどうもなかなかそこまでいかない。そこでこの法律が制定されて、国民の大多数から、たいへんいい法律である、ついては勤労青少年の日を定めて、それを国民の祝祭日にしよう、あるいは勤労青少年の祝祭日には一大行事をやって、国民全体で祝ってやろうじゃないかということになると、たいへんいいわけでございますが、とりあえず、長年の間待望されておりました勤労青少年福祉法が、不十分ながらもここにどうやら日の目を見る段階を迎えた、一歩、二歩前進である。これを最後に仕上げるものは、やはり皆さま方の大きな世論の背景である。われわれは、そういうことを、十分御指摘の点を頭に置きまして、今後この問題と取り組んでまいりたいと考えております。

西田八郎民社党

○西田委員 間接的にはそういうことで、ひとつ勤労青少年ホーム等の補助あるいは援助ということについて十分お考えをいただきたいと思うのです。直接勤労青少年のふところに入る金をふやすという意味から、私どもは二十歳までの勤労青少年に対しての免税ということを唱えてきておるわけであります。学生でありますと、大学在学期間中は、在学証明を出せば扶養家族として計算がされるわけです。そして、まじめに国の生産力拡大、国益増強のために働いておる青少年に対しては、わずかな給料から税金が引かれる。これは私どうも矛盾しておると思うのです。しかも国立大学においては、その学生さんたちにもまた国家の補助が出ておる。今度は私学に対しても補助が出るようになっておる。しかも、それらの人がヘルメットやゲバ棒で貴重な大学の資料をぶっこわしておるわけです。そこへ補助を出しておる。そして、まじめに働いておる勤労青少年に対してそうした恩恵がないというのは、私は矛盾撞着もはなはだしいと思うのです。したがって、その減免の方法をどう考えておられるか、今後大蔵省とそういうことを強力に折衝していただけるのかどうかということが一点と、もう一つは、国鉄の運賃の割引であります。現在年に二回に限って、お盆にお墓参りなどの帰省休暇に限って運賃の割引がなされておるわけでありますけれども、学生の場合ですと、これはどこへ遊びに行く場合でも、百キロ以上になれば、年間十二回ですか十三回ですか、数に限定はあるようですけれどもかなり大幅に認められておる。これはまた少し問題があるのじゃないか。だから私は、大学の補助をやめろと言っておるのと違うのですよ。この点聞き違いがないようにしてほしい。そして、大学生に対する待遇を悪くせいと言うておるんじゃない。そういう学生の処遇と同じように勤労青少年も処遇すべきであるというふうに考えるのですが、これについて大臣の考え方を聞かしていただきたい。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 西田先生の御意見まことに力強く拝聴をいたしました。私も実はかねがね持論としてそれを申しておるようなわけであります。働く勤労青少年からは税金を取っておる。学生には補助金を国家が出して免税であるという点など、まことにどうも考えなければならぬ問題で、勤労青少年からはできるだけ税金を取らぬように、ひとつこれからも主張したいと思っております。同時にまた、学生等につきましては、相当の国の費用負担のもとに教育をしております。しかし、働く人たちに対しては一銭の国の補助もしていないわけでございますから、それにかわるべきものは、職業訓練なり、あるいはさまざまな施設について国がそれと同程度の補助ができれば一番いいのでありますが、せめて相当の負担をもって勤労青少年に対する遺憾なき対策を講じたいというふうに考えておるわけでございます。

西田八郎民社党

○西田委員 いまの点、そうするとお約束していただけますか。大蔵省と折衝して、二十歳未満勤労青少年に対して税金をかけないように努力するということと、それから、国鉄運賃の割引の回数をもっとふやすように運輸省とかけ合う、国鉄とかけ合うということについて、お約束いただけますか。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 関係方面と十分連絡をとって、できるだけ実現を期したいと考えております。

西田八郎民社党

○西田委員 最後に、先ほど大臣のおられないときに局長からお伺いしたのですけれども、まだもう一つ釈然としないのは、勤労青少年福祉法というふうに銘打っておられながら、この法律の内容は、どうも雇用対策法であり、定着対策法であるというふうにしか理解ができないわけであります。極論を言うならば、羊頭狗肉の感もあるわけでありますけれども、ほんとうに青少年の福祉を守るということになるならば、私は先ほど申し上げた社会環境の整備あるいは改善というようなことも重要な問題の一つだと思うわけであります。したがって、ただ法律が通ったからそれでよろしいということでなしに、やはり勤労青少年の福祉を向上せしめるため、また福祉を守るいわゆるこの原理と基本理念を完遂するために、労働大臣はひとつ、この法案が公布されるに先立って、閣僚会議ででも提案をしていただいて、それぞれの省庁に連絡をとって、あしきところは改めるように十分努力をしていただきたいと思いますが、その点についてのお約束をいただけますか。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 この問題については、できるだけひとつ努力をしたいと思いますが、具体的には今後検討して、必要があれば関係閣僚とも相談していきたいと考えております。

西田八郎民社党

○西田委員 どうも検討では困るのですね。法律になるのですよ、法律に。法律になれば、当然福祉を守っていくということは労働大臣の所管業務としてまかされてくるわけですから、そこから派生してくる問題は、当然文部省なり運輸省なりといろいろかけ合ってもらわなければならぬのですよ。それを検討するでは話にならぬと思うのです。ひとつ、なるかならぬかは、大臣の手腕にかかっておると思うのですけれども、約束してくださいよ。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 御要望の実現に向かって努力いたします。

倉成正自由民主党

○倉成委員長 これにて本案についての質疑は終局いたしました。     —————————————

倉成正自由民主党

○倉成委員長 次に、本案を討論に付するのでありますが、別に申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  勤労少年福祉法案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

倉成正自由民主党

○倉成委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、本案に関する委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

倉成正自由民主党

○倉成委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。      ————◇—————

倉成正自由民主党

○倉成委員長 次に、保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案及び衛生検査技師法の一部を改正する法律案を議題とし、順次提案理由の説明を聴取いたします。内田厚生大臣。

内田常雄自由民主党厚生大臣

○内田国務大臣 ただいま議題となりました保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。  最近における医療の高度化、医療需要の増大はまことに著しいものがあり、これらの事態に即応し得るよう看護職員の質量両面にわたる充実をはかることは医療行政の当面する最も緊要な問題の一つであります。  政府といたしましては、このような実情にかんがみ、従来から看護職員の確保につとめておりまして、その結果、就業者数も逐年増加しつつあるのでありますが、国民医療の動向その他社会経済事情の変遷を考慮した場合、この際早急にその充足について一段と施策の強化をはかる必要があると考える次第であります。  このため、看護婦及び准看護婦の資質の向上をはかるとともに、その養成施設を一そう強化充実する措置を講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。  次に、改正案の内容についてその概略を御説明申し上げます。  改正の第一点は、准看護婦の基礎学力の水準を引き上げるため、准看護婦試験の受験資格に関する規定を改正し、従来の中学卒業後二年の養成制度にかえて、新たに高等学校卒業後修業年限が原則として一年の養成制度を設けることとし、これに伴い、看護婦国家試験の受験資格に関する規定の整理を行なうこととするものであります。なお、受験資格の改正にあわせ、養成施設の内容の充実をはかるため、その指定基準等に関する規定を設けることとしております。  改正の第二点は、看護婦及び准看護婦の療成施設の強化及び充実をはかるため、国または地方公共団体が民法の規定による公益法人その他政令で定める法人に対し、その設置する養成施設に要する経費について補助することができることとするものであります。なお、この場合、補助を受ける法人に対しては、補助の目的を有効に達成するため、必要な監督を行なうこととしております。  以上がこの法律案を提案する理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。  次に、衛生検査技師法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。  最近における医学の進歩に伴い、疾病の診断または治療のための検査、なかんずく、脳波検査、心電図検査等の生理学的検査が医療上占める役割りは、ますます重要性を増しつつあります。  しかしながら、現在の衛生検査技師は、これらの生理学的検査を行なうことができず、また、従来からその業務範囲とされている検査についても、逐次新しい技術が開発され、このように高度化する検査技術を修得するには、現行の高等学校卒業後二年の修業年限では不十分であり、このため修業年限を延長し、その業務範囲を拡大すべきことが強く要請されております。  さらに、これらの検査が重視されてきたことに伴い、診療所等から委託を受けて検査を行なう施設が増加しているのでありますが、これらの施設に対しては、現行法上何ら規制が行なわれておりません。  このような実情にかんがみ、衛生検査技術者制度を改善し、その資質の向上をはかるとともに検査施設に対する行政措置を強化するため、この法律案を提出した次第であります。  次に、改正案の内容についてその概略をご説明申し上げます。  改正の第一点は、検査業務の適正な運用を確保するため、新たに臨床検査技師の制度を設け、生理学的検査をも担当し得るようにいたしたことであります。  この法律案では、臨床検査技師は、厚生大臣の免許を受け、臨床検査技師の名称を用いて、医師の指導監督のもとに、これらの業務を行なう者をいうこととし、高校卒業後三年以上必要な知識及び技能を修得し、臨床検査技師国家試験に合格した者にその免許を与えることとしております。  また、これに関連して、従来の衛生検査技師についても、その免許を厚生大臣の免許に改め、医学、歯学、獣医学、薬学等の課程を修めた大学卒業者等にのみこれを与えることとする改正等を行なうこととしております。  なお、経過的な特例として、この法律の施行の際現に衛生検査技師である者等が、厚生大臣の指定した講習会の課程を修了したときは、臨床検査技師国原試験の受験資格を認める等所要の経過措置を講ずることといたしております。  改正の第二点は、診療所等から委託を受けて検査を行なう施設について、構造設備、管理組織等が一定の基準に適合したものに限り、都道府県知事の登録を受けることができることとし、登録を受けた検査施設でなければ、登録衛生検査所またはこれにまぎらわしい名称を用いることができないこととしたことであります。  以上がこの法律案を提案する理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。      ————◇—————

倉成正自由民主党

○倉成委員長 次に、労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。後藤俊男君。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 最初に労働大臣にお尋ねしたいわけですが、去年の五月の十三日ですが、総評の岩井事務局長とその当時の原労働大臣とが政労協の賃金問題につきましていろいろお話がございまして、最終的には、結論として、政労協の賃金紛争が例年長期化の状態にあることは好ましいものではない、これが一つ。二つ目といたしまして、本来、政府関係特殊法人の労働関係は、事業の特殊性、公共性を踏まえながら、労組法の立場に立って、自主交渉で解決されるべきである、これが二つ目です。それから三つ目といたしましては、労働大臣としては、以上の立場に立って、今次賃金紛争についても、自主交渉で円満に解決されるよう期待するとともに、明年以降の賃金問題についても、前記の趣旨に沿って自主的解決ができるよう政府部内関係当局と協議努力したい、これが大体昨年の五月十三日に労働大臣が約束された中身なんです。その翌日、社会労働委員会が開かれまして、いま言いました趣旨と同じ趣旨を原労働大臣が委員会において表明されたわけなんです。それから、あわせて政府のほうといたしましては、木村内閣官房副長官からも、政府としての同趣旨の見解を示されたわけなんです。労組法の立場に立った自主交渉、早期自主解決、こういう基本的な方向で労働大臣としては昨年確認されたわけでございますけれども、現在、春闘の最終段階と申しましょうか、そういう情勢にきておるわけなんですが、現在といえども、昨年労働大臣が見解を表明された方針に基づいて政府としては進まれるんだ、こういうふうに解釈していいでしょうか。これが第一番の質問でございます。

松永正男労働省労政局長

○松永政府委員 過去のいきさつ等にわたりまして御質問がございましたので、私からお答え申し上げます。  先ほど先生が御指摘になりましたような趣旨において労働省において努力をし、そうして大蔵省、政府部内、関係の省とも協議をしてまいったのでございます。御指摘のように、昨年の原労働大臣と総評の岩井事務局長との会談の際にも、この趣旨を確認したのであります。さらに、今後におきましてもやはりこういう趣旨で対処をしていくというふうに考えております。  まず、その点を申し上げておきますが、同時に、それに伴いまして、この賃金のきめ方について、たとえばいままでは大蔵省のいわゆる内示というものが非常におそかったのを早くしていけるように、そしてまた、それに基づく回答もできるだけ早くする、また内容についてできるだけ弾力的に、たとえば初任給、それから最高あるいは平均額といったような押え方をしておりましたのを、初任給については弾力的にするというようなことを逐次私どもと大蔵当局と協議してやってまいってきておるのであります。そういう方向で努力したいと思うのでありますが、現実の問題といたしましては、先ほどお読み上げになりました中に、事業の特殊性、公共性ということが触れてございますが、この面からの制約というものが事実上相当あることはいなめない事実でございます。法律等の規定によりまして、国の予算補助、全額国庫負担とかあるいは地方公共団体の予算をもらっているというようなことから、国の予算等との関係が非常に密接であって、この面からくる制約というものは相当あるわけであります。具体的には私どもも政労協関係組合の意見も聞き、それから理事者側とも話をいたしまして、弾力的な取り扱いができるという方向でやってはおりますけれども、ステップ・バイ・ステップということで一挙にということにいかないのが現状でございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 いま労政局長から、現状ですか、去年の経過ですか、お話があったわけですけれども、去年そういう方針で労働大臣も言明され、政府もそういう方向でいくべく努力をしておるんだという約束ですか、しておられるわけなんです。ところが、現在政労協傘下の多くの組合が三月以降団体交渉をやっておるわけなんですが、全部がゼロ回答です。いま労政局長が言われたように、国の予算にも関係があるということを言うとするならば、公労協関係でも大いに関係が深いと思うのです。ところが、公労協関係におきましては、国鉄を除きまして金額の提示があったわけです。少なくとも去年そこまで約束されて、そういう方向でいくということならば、現在政労協関係の各組合に対してゼロ回答ということではなしに、やはり金額の提示があって自主的に団体交渉で解決するという方向へ持っていくのが当然ではないかと私は思うわけでございますが、この点いかがですか。

松永正男労働省労政局長

○松永政府委員 おっしゃるような筋が確かにあると思うのでございますが、実際問題といたしましては、政府の予算の全額補助というようなことになりますと、政府が予算を支出する際の基準をどこに求めるかというようなことになりまして、その際に公務員の給与というものと実質上関連が出てくる。その関連といたしましては、人事院勧告というものは、民間の賃金を詳細に調べまして官民格差ということを計算するわけでございます。日本のあらゆる賃金統計の中で、官と民との間の関係を調べる調査というのは、これが最高で最も詳細であるというふうにいわれておるわけであります。そういう勧告があって、民間賃金全体の趨勢と公務員とどんなに違うか、その格差があった場合には埋めるという勧告が出るわけであります。したがって、人事院勧告というものは、民間賃金全体の動向についての最も正確な資料に基づいての意見である、こう見ることができるわけであります。  一方、公務員の給与と政府関係機関との給与というものは一応一五%の格差がある。政府関係機関のほうが一五%ほど高いと、ごく大まかにいわれておりますけれども、相関連をしておる。そうしますと、人事院勧告というものが、いま申し上げたような調査で出てまいりました結果、公務員の給与を引き上げる、政府関係機関もそれを見て引き上げるということは、ある意味で非常に合理的だというふうに私は思うのであります。  ただ、御指摘のごとく、政労協の組合は、春に賃金をきめたいという希望が非常に強くございまして、ことしも四十一組合が春に賃金をきめたいということで賃金要求をいたし、それに対しまして回答があり、ないし妥結がなった組合が十一ございます。残りの三十組合は何とも回答できないというような状態であるわけでございますが、その経理内容等から見ますというと、比較的政府予算から独立をしておる、そして、従来とも春にきめやすかったというようなところが春に回答をし、あるいは妥結をしているというような状況でございます。  そこで、先般の原労働大臣と岩井事務局長とが会われました際にも、春闘に一挙に解決するということは、それはなかなかむずかしい、私もその席におりまして、そういうような話もその会談の中では出ておるわけでございますが、現実の問題として、民間が相当大部分の組合は春闘でやっておるこの実情はいなめないのであります。たとえば政府関係の予算と非常に関係の濃い全駐労というような組合では——これも労組法適用でございますけれども、公務員の給与が一応その見通しがついたときに団体交渉をやってきめるというような組合もあるわけでございます。私どもは、政労協の関係のこういう春にきめたいという意向を無視するわけではもちろんございません。それはそれなりの理由があると思うのでありますが、現実の問題といたしまして、いま申し上げましたような背景で、そういう実情の上で賃金をいつきめるかということにつきまして、労使でもよく御相談を願いまして、どのような時点が一番摩擦なく、そしてまた一番能率的にきめられるかということは、まだまだ検討の余地があるのではないかというふうに考えるのであります。  なお、その他の問題につきまして、非常に機械的に具体的な回答内容まできめ合うというようなことは、できるだけないようにということで、今後も大蔵当局と話し合いをしてきめてまいりたいと思うのでございますが、いま御質問の、春にするかという問題は、なかなか一挙に解決はむずかしいのではないか、率直に言って私どもはそのように考えております。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そうしますと、いまあなたが言われたことを考えると、去年労働大臣が約束されたことは、一体何を約束されたのだろうかという疑問を生じるわけなんです。たとえば、去年にしても、政労協関係の組合は九カ月から一年間も賃金紛争がかかっておるわけですね。だから、長引いてはいかぬから、自主的に早く解決するように労働大臣も努力するし、政府関係も努力いたします、これが、総評の岩井事務局長と労働大臣との話もさることながら、この委員会で翌日言明されたわけなんです。だから、政労協傘下の四十幾つの組合としては、そういう方向で全力を尽くすべきだというので、三月から今日にわたってずっと団体交渉をやってきておるわけであります。ところが、全然金額の提示がない。しかも、公務員じゃありませんから、あなたのほうとしては人事院勧告に準ずるという考え方ですけれども、労組法の適用組合なんです。しかも、周囲の情勢を考えますと、公労協関係は、最終結論に達しておりませんけれども、ことしは金額が明示されておるわけなんです。それだったら、去年これだけのお約束をされたのなら、政府の予算に関係の深い公労協関係が金額の明示をしておるのに、これだけの約束をしておきながら、現在におきましてもゼロ回答、これじゃ一体去年労働大臣やら政府の関係の人は何を言ったんだ、おれらをペテンにかけたのか、こう言われてもしようがないのじゃないかと思うのです。ですから、いまもちょっと話がありましたように、大蔵省がいわば政労協関係の当事者の口をふさいでおる。だから、全然けちというか、一銭たりとも金額の明示がない。こういうことでは、去年約束されたことが実行に移されたとはわれわれには考えられないわけなんです。  そこで、話を一歩進めまして、あなたの論法でいきますと、人事院勧告が八月の十五日に出るか十六日に出るか、これはわかりませんけれども、それが出るまでは金額は一銭も口に出せないのだ、こういうことになるような気がするのですが、それはいかがですか。

松永正男労働省労政局長

○松永政府委員 公労協関係の公団、事業団、公庫等が非常に数が多うございまして、それぞれ労使関係で交渉をしておるわけでございます。具体的には、そこで、たとえばどの時期にどういう回答をするかということを理事者が判断をいたしまして、そうしてその法律の手続によってそれができるような処置を講ずる、これが本筋でございます。ただ、数が非常に多うございまして、組合も多いし理事者も多いので、まあ私どもができるだけお世話をしようということで、大蔵当局とも具体的な話をしまして、昨年の段階で、たとえば初任給なんかについてはもっと弾力的に対処したらどうかということを私どものほうから申し入れまして、大蔵省も賛成をして、そういう点は改善をし、それから内示というような作業につきましても、できるだけ早くするようにと——昔に比べますとずいぶん早くなってきております。やっておるのでありますが、春の時期にするかどうかということにつきましては、やはり交渉を相当煮詰めてもらいまして、そして理事者側が一体どういう考え方であるか、この政労協関係の理事者のいろいろな打ち合わせ、協議機関等もあるようでございますが、そこらあたりでよく労使交渉をした上で、また横の連絡が必要ならそこで煮詰めるというようなことで、まあ自主的な態度といいますか、そういったものと並行いたしまして、どういう措置がいいかということを私どもがお世話をする。そこで、確かに方向としては、労組法適用で、できるだけ自主的な方向、こう考えておりますけれども、実際の解決としては、そこらの車の両輪といいますか、そういうものがそろってきて、そして私どももお手伝いをする、こういうことになりませんとなかなかうまくいきませんので、われわれとしては、この基本方針でやって、しかし具体的な解決としては、組合の話もよう聞きまして、それからまた理事者側の話もよう聞いて、できるだけお手伝いをしたい、こういうことでございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 どうも局長、いま言われることが私にははっきりわからぬわけですが、説明は説明として、相当詳しくあなたも御承知であることはこれはわかるわけでありますが、去年の五月十三というと、これは春闘の最終段階ですね。五月十四日の社会労働委員会で、政労協関係の春闘が長引くということはよろしくない、しかも労組法適用の組合であるから自主的解決をするのが望ましいのだ、その方向で労働大臣としても努力します。さらに、労働大臣だけでなしに、木村官房副長官も、政府としてもその趣旨に沿ってやりますと、こういうことをはっきり昨年の五月十四日の社会労働委員会で表明されておるわけなんであります。それなら、今日のこの時点において、少なくともゼロ回答ではなしに、金額を出して自主的団交が進められておる段階なら話がわかるのです。相変わらずゼロ回答、しかも、あなたの話を聞いておると、やはり人事院勧告との関係がある。だからひとつ、そういうことならば、人事院勧告が出なければ、それに準ずるのだから金額は出てこない。だから、人事院勧告が出るまでは金額の明示というものは団体交渉でできない。それなら何も、去年こんなことを約束したって何にもならぬじゃありませんか。また、あなたが先ほど言われたように、大蔵省とも連絡をとりながら、目に見えぬけれども、内部的に努力しておるんだ、それならそれで、今日この時点において、こういうことが国会の社会労働委員会でもはっきり明確に約束されておるのですから、大蔵省とも話をしながら、団体交渉の席上で、政労協関係と当局者が口をきけるような団体交渉をやろうと思えばやれると思うのです。なぜ去年の約束を実行されないんだ。あなたの言われることは私はわかっておるわけなんです、一般的なことは。だけれども、去年の時点で、五月十四日に、ここまで労働大臣、木村内閣官房副長官あたりがきちっと言明されながら、ことしも相変わらず前進しておらぬ、そこに私は疑問を持っておるわけなんです。そういう趣旨だから、わかった、それじゃひとつ早急に団体交渉をやってもらって金額を明示します、こういう約束をされるなら、ちょっとおくれてやがて出るのか、こういう解釈ができるわけなんです。その点いかがですか。

松永正男労働省労政局長

○松永政府委員 方向としましては、できるだけ自主性を生かしてということでございますけれども、現実の処理といたしましては、私はその方向にステップ・バイ・ステップでないとなかなか出されないというふうに見通しとしては持っております。ただ、現在の段階におきまして、政労協が春に賃上げをやりたい、こういうことを言っておるのは十分承知いたしておるのでありますが、実際問題としては実はいま公労協の問題にかかっておりまするので、具体的に大蔵省との間でもそれでは政労協をどうするかということは実はまだ話をいたしておりません。ただ、昨年来の段階におきまして、できるだけ締めつけるという点を緩和をして、そして弾力的に理事者が対処できるようにしよう、その具体的な一つとして初任給をというような前進をしたわけであります。おっしゃるように、大きな前進じゃありません、ごく小さな前進だと評価されると思いますけれども、そういうふうに少しずつ前進はいたしておるのでございますから、今後におきましても、まあどういう条件どういうところがやられるだろうかということを、政労協とも話をし、大蔵省とも話をし、何か打開の道を見つけていくということで私どもはお手伝いをいたしたいというふうに考えております。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 あなたも十分御承知のように、公労協としては公労委があるわけですね。公務員としては人事院があるわけなんです。それじゃ政労協としては、労組法の適用がありながら、政労協傘下の組合員皆さんの要求を反映する場所が一体あるのか、これはいかがですか。

松永正男労働省労政局長

○松永政府委員 これは、法律の制度からいいますと、中労委、地労委に提訴をすることができる、労組法の適用でございますので、現在そういうことになっております。それはあるわけでございますけれども、現実の問題といたしましては、なかなか理事者側が具体的な回答ができないというような現状にありますと、なかなかその利用といいましても実効があがらないということでございますので、理事者が一体どういう態度でどう対処したらいいかということを解決することが先決だと思うのでございます。  ただ、その場合に、先ほど来申し上げておりますように、各公社法、公団法等の規定におきましてそれぞれの主務大臣が監督をし、そしてその給与規程の改定をやるというときは大蔵大臣の認可を受ける、こういうふうにきちっとなっておりますので、関係省は非常に多い。それから、大蔵大臣と協議をしないと認可ができないというような事態でございますので、どうしてもこれは関係の各公団、事業団の理事者と、それから大蔵省と私どもが労使関係という面から間に入りまして、そしてその具体的な打解策を見つけていくということが問題解決についてのまあ実効のある措置ではなかろうかというふうに思われますので、そういう方向で、私どももことしの段階で一体何がどういうふうにできるかということをもっと詰めていきたいというふうに思います。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そうしますと、いま言われた中労委へ提訴するという方法は法律的には正しい行き方だ。ところが、その背景にはいろいろむずかしい事情がある。たとえば中労委へ提訴された場合には、そのあっせん役をあなた方がおやりになって解決に努力するというような方法が一番正しい行き方であり、政労協傘下の組合員の要求を反映させる道である、こうあなたは言われたというふうに考えているのです。  いままで政労協が中労委に提訴したということは私は聞いておらぬわけです。だから、労政局長が、それじゃ来年の春闘から中労委へ提訴してくれ、それがあなた方の意向、見解を当局に反映させる法律的な道であるぞ、そういうふうなことなら、そういう方向で政労協組合は来年といわず直ちに中労委へ提訴してもいいという考えに立つわけですが、なぜ一体そういうコースをたどらないかということは、先ほどからもあなたが言われておりますように、暗に背後において大蔵省、関係省庁が口を出させないわけなんです。いわゆるしゃべらせないわけです。しゃべらせないということは、政労協当局としては自主性が全然ないわけです。ですから組合のほうがいかに努力をいたしましても、相手が相手でございますから、話は全然しない。それではいかぬというので、去年の五月十四日の社会労働委員会で労働大臣の意思の表明になったと私は考えているわけです。それで、今日春闘がこういう段階に来ているのですから、もう少し金額回答を出さして自主的な団体交渉を直ちに進める、こういう方向に早急に進めてもらわぬことには、去年の約束が全くほごになると思う。これは大臣いかがでしょうか。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 非常にむずかしい問題でございまして、大蔵大臣と連絡いたしまして進めてみたいと思いますが、この問題に対しては非常に困難を予想しておるわけでございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 それで非常に困難をいたしておるということですけれども、ただ私はこういうことだけははっきりしてもらいたいと思うのです。  これは何べんも重ねて言って申しわけないと思いますが、去年の五月十四日におきましても、この委員会で前の原労働大臣が、いろいろな質問のある中から、それじゃ来年から自主的に団体交渉によって早く解決するように努力をいたします、さらに政府は政府として木村官房副長官がそういう方向でやりますと、これもはっきり約束されたわけです。それだったら、ことしの春闘には、もういまごろ金額も提示をして自主的に団体交渉が進んでいる、こういう情勢にこなければいかぬのが、過去三年、四年と同じように、相変わらずゼロ回答であって、全然自主的団体交渉が進んでおらぬ、これが現状なのです。それなら、去年の五月十四日になぜそんなえらそうなことを言われたのですか。できぬことだったら言わぬほうがいい。労政局長も、非常にむずかしい、できぬということなら、去年そんなことを言わぬでおればいいような気がする。労働大臣も、わかった、やります、木村官房副長官も、来年はやります、これだけ約束したのなら、やってもらわなければ困るということです。ですから、労働大臣に先ほど言いましたのは、そういう去年の約束もあるし、さらに、大臣が言われたように、政労協関係の労組というのは労組法の適用であり、予算は国に関係があるということで、立場が非常にむずかしいわけです。これは私も知った上で言っているわけです。けれども、相手になるのは政府のほうの問題ですから、関連があるのですから、やり方一つによったら、向こうさんのほうは、当局のほうは、団体交渉でものが言えると思うのです。それを、相変わらず去年、おととし、さきおととしと同じように、何も言わずに相変わらずゼロ回答、もう春闘も、少なくとも一万円以上の組合が手数百、二千以上も出ておる。もう最終段階に来ておるわけなんです。このままにいきますと、政労協の組合はゼロ回等であり、どんどん進んでいくと、去年と同じように、やはり九カ月か一年たつわけなんです。それじゃ、去年の労働大臣なり木村副長官の言ったことは何にもならぬ。言うただけでちっとも実行に移しておらぬ、そう言っても過言じゃないと思うのです。ですから、ここで労働大臣に言っていただきたいのは、去年の約束もあることだから、直ちに政労協の春闘のベースアップの紛争については、自主的に団体交渉をやらせる、政労協関係の当局としても金額を提示していく、そして早く解決するように努力させる、これは労働行政を扱われる労働大臣として全責任を持ってやる、これぐらいのことを言明してもらって初めて去年の言明の裏づけになると私は考えるのです。そこまではっきりここで言い切っていただきたいわけなんです。実行に移していただきたいわけなんです。いかがですか。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 先ほど申しましたように、非常にむずかしい問題でございますが、自主交渉でできるだけ態度を表明できるように努力いたしたいと思います。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 その話はまたあとから出ると思いますが、先ほども言いましたように、公労協関係の問題、これは昨年を振り返ってみますると、ことしは金額的にも国鉄以外のところは提示されまして、自主的な団体交渉の一歩前進だと私は思っているわけなんです。ところが、現在春闘も最終段階にある。ところが、いまだに公労協傘下の組合は解決しておらぬわけなんです。特に国鉄あたりは全然金額の提示もない。しかも、いま聞くところによりますと、今月の八日の朝の八時半から実力行使に入る、こういうむずかしい段階に来ておるわけなんです。せっぱ詰まった情勢に来ておるといっても間違いではないと思うのです。一刻も早くこの問題解決のために、労働大臣あたりは先頭に立って努力してもらわなければいけない、こう私は考えるわけですが、労働大臣として、いま公労協の闘争について一体どうお考えになっておるか。さらに、それとあわせて、政府としては、この公労協関係の紛争の問題について、内面的に一体どう努力をされておるのか、この二点についてお尋ねいたしたいと思います。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 三公社五現業の賃金引き上げの問題につきましては、政府といたしましても、各当局が適切にその当事者能力を発揮できるように配慮しているところでありまして、各当局も、自主交渉段階におきまして最大限度の誠意を示し、前例のない有額回答を行なったところでございます。現在は調停が進行中であるので、この段階においては、政府が何らかの発言をすることは、当事者能力を尊重する上からも慎しむべきことであると考えております。  政府としましては、調停において労使が解決に向かって努力することを期待するとともに、公労委の調停により、紛争が平和裏に解決することを願っておる次第でございます。

田邊誠日本社会党

○田邊委員 関連して。いま大臣から答弁がありましたけれども、それはきわめて公式的な答弁でありまして、実際にはそういうふうになっておらないのです。自主交渉の際における有額回答にいたしましても、政府がボタンを押さなければ三公社五現業の当局側も、なかなか有額回答に踏み切らぬというのが実相なんです。ですから、この種の質問は、私ども毎年やっておるのですが、そういう公式的な答弁を聞くために私ども質問しているんじゃないのです。事実問題として調停委員会にかかっています。しかし、政府が腹をきめて、いま私鉄は八千九百五十円、それにならってかなりの民間の賃金引き上げが大型妥結しておる現在の状況の中で、最後の山場といわれる公労協について、やはり政府の考え方というものは当然示さるべきである。何も公式発表、幾ら幾らとするというようなことを言うべきではないので、後藤委員の質問のように、やはり政府の内面的指導、自主的な指導というものがどうしても必要な段階である。これは事実問題として毎年そうなんですから、労政局長がどう知恵をつけておるか知らぬけれども、事実問題としてそうなんだから、したがって、いわば調停なり公労委の作業の自主性を何らそこねることではない。労働大臣が政府の考え方とまとめながら、それに対して適切なサゼスチョンをそれぞれの当局にすればよろしいわけです。そういう内面的な指導をしなさいというのが質問の趣旨でありますから、このことはぜひ踏まえて、やるべき措置というものは当然あるわけです。やるべき措置がある。それをやってもらわなければいかぬ。  それと同時に、やはり八日に実力行使をする。実力行使のことについて、この間あなたは、私が質問しなかったのに余分なことを言ったけれども、そういうことは言ってもらわなくてもいいのだ。何か警告を発するとかそんなことは言ってもらわなくていいのだ。いま解決をどうするかということが問題なんですから、そういう状態の中で、実は八日のぎりぎりまでかかって問題がようやく煮詰まる、一部を時間切れでもって実力行使に入るというような姿が毎年の例なんです。その事態がわかっておるのですから、やはり国民への影響を考えたときに、早期の解決をはからなければならぬということになれば、きょうの質問を、後藤さんも私もなるべく早くやめて、大臣にさっそく動いてもらいたいくらいに思っておるわけなんです。しかし、この場所でまずあなたが、国会を通じて国民にそういう熱意を示される、それを土台として八日のぎりぎりではなくて、早急の解決に向かってさっそく努力をする、こういう姿がほしいためにいま質問を展開しているわけですから、早期の解決のためにぜひ努力してもらいたいと思っておるわけです。後藤委員の質問とあわせて、早期解決に向かっての努力をこの際あなたに約束していただきたいと思っておりますが、いかがですか。

松永正男労働省労政局長

○松永政府委員 私が申し上げて恐縮でございますが、先ほど御指摘のように、ぎりぎりの調停段階の大詰めという事態になっておるわけでございます。労働側は労働側の代表の委員とそれぞれ相談をされながら、使用者側はまた使用者側委員と各公社相談をされながら、調停の場におけるそれぞれの事情を反映した発言をしておるという現状でございまして、先ほどおっしゃいましたような、たとえば自主交渉段階で有額回答をするかどうかというような前例のないことをやる場合に、各公社がそういうことをやりたい、そうして、それはどうであろうかというような場合には、私どももできるだけお手伝いをいたしまして、そうして、前例はないけれども、これは踏み切るべきであるというようなことがわれわれとして政府部内における任務だというふうに思っておるわけでございますが、現実に調停の場の煮詰めになりますと、いま申し上げましたように、各側委員と公社、組合、それぞれいわば胸突き八丁に差しかかった交渉をされるわけでございまして、その際に、政府として、もちろん公社のほうがこういうような発言をしたいというような相談があれば、あるいはまた、公労協の組合の方も私どものところに参りますが、こうしたいというような、あるいはこうしてほしいというようなことがあれば、私どももできるだけそれが実現するようにということを考えるわけでございますが、ただ一般論として、おっしゃいましたように、こういう段階になりますと、現実に政府がああせい、こうせいという場面は非常に少なくなる。これは昨年の際も同じでございまして、公労委におまかせした。そうすると、そこで労使の代表の委員がおられて、公益委員と相談をされ、意見の交換をしつつ詰めていく、こういうことになりますので、おっしゃいましたように、特に私が公式的な答弁をお願いしているということでなくて、実態がそういうふうになっておるというふうに……(田邊委員「相談ですよ」と呼ぶ)具体的な相談等があれば、それは私どももできるだけそういう面では御相談に乗って、そして円満な解決ができるようにしたいと思っておりますけれども、実際には、もう公労委の場でどんどん詰まっていっておりますので、われわれとしては、この際に何をああすべきだ、こうすべきだという発言は、かえって公労委の調停、裁定のじゃまになるという面もございますので、慎重に見ておるというのが偽らざる現状でございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 労政局長、いまのあなたの答弁というのは、表面はそうだと思うのです。それでことしも公労協関係の闘争というものは、あなた方のお考えは、仲裁裁定が出ないことには最終的には解決しないということだと思うのです。われわれが考えておりますのは、先ほども話が出ましたように、ことしはやはり一歩前進して、二公社五現業では金額回答まで出ておるわけなんですね。それだったら、この前の闘争の結果、翌日ですか、みな調停に入っておるのです。調停委員会が申請されておると思うのです。調停委員会でなぜ一体結論が出ないかということは、政府がそれを出させぬといっても私は間違いないと思うのです。最終的には、政府の意向というものが入らぬことには、仲裁裁定にしても出ぬのじゃないですか。それじゃあなた方、かってにおきめなさいということでかってにきめていいのですか。仲裁委員会にしても、調停委員会にしてもそうじゃないでしょう。やはり予備費の中へ五%——これは人事院でございますが、公労協関係にいたしましても非常に関係が深いもので、仲裁裁定にしたところで、政府に全然無関係でかってに案をきめて、かってにそれをきめてしまう、全く政府と無関係できめてよろしいということではないと私は思っておるわけです。その背面では、政府も話をしながら、毎年毎年きめておるのが仲裁裁定だと私は考えておるわけです。それだったら、調停委員会の場できめさせるのだったら、政府が一歩前進した形の中で——先ほどの話ではございませんが、八日の八時半からストライキに入る、非常に大衆にも迷惑をかける、しかも春闘でほとんどの労働組合の結論が出まして、先ほども話が出ましたように、交通関係では八千九百五十円ですか、出ておるわけなんです。常識的にいって春闘の相場は出ておるわけなんです。出ておったら、その線で政府はとにかく解決するという意欲をなぜ一体一歩前進させないのだろうか。相変わらず、毎年毎年同じようなコースをたどって、いまストライキのどたん場まで行って、まかり間違えば二時間か三時間ストライキに入って、そこで解決する、芸のないことを毎年やっておると思うのです。これをことし金額回答まで前進されたものなら、さらに一歩前進をして、しかも春闘相場というものが大体出ておる。それらを考えていくのなら、あしたじゅうくらいに解決するのは私は簡単なことだと思うのです。それをなぜ一体一歩前進してやられないのだろうか。これを先ほどからわれわれは聞いておるわけなんです。  それと同時に、これは労働大臣にも常識的な問題ですから考えていただきたいのですが、国鉄の労働組合——先ほど言いましたのは二公社五現業、あとの一公社の国鉄です。これは団体交渉の席上において、これだけの合理化をのまぬことには有額回答できません、こういうような団体交渉で行き詰まっておるわけなんです。これだけの合理化を労働組合がのまぬことには有額回答はできませんよ。さらに私は、新聞等によりまして仄聞するところによると、国鉄の財政というものは非常に苦しいから、ある程度格差をつけるかわからぬ、こういうようなことまで、これは確実な情報ではございませんけれども、私は聞いておるわけなんです。はたしてこういうようなやり方が正しいのかどうか。日本の労働行政をあずかる労働大臣、責任者として一体どうお考えになるのだろうか。この点と前の点と二点について、大臣のほうから、簡単でけっこうですから、ひとつ意思の表明をお願いいたしたいと思います。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 国鉄については、他の二公社五現業と比べて収支採算が格段に悪いということを聞いておりますが、どのように処置すべきかは重要な問題であると考えますので、賃金引き上げの問題については、現在公労委において調停手段が進められておるのでありまして、私といたしましては、公労委において御指摘の問題も含めて、平和裏に妥当な解決を見ることを期待しておるわけであります。  なお、合理化の問題については労使間で交渉中でありまして、一部についてはすでに了解点に達したものもあると聞いておりますが、今後の交渉によりさらに労使間で煮詰め、妥結点に達することを期待しておるわけであります。

松永正男労働省労政局長

○松永政府委員 私から補足して御説明申し上げますが、調停段階におきます煮詰めの問題でございますけれども、これは、先生ベテランで、私から申し上げるのもどうかと思いますけれども、毎年毎年具体的な姿が非常に違ってきております。たとえば、一昨年におきましては、公社側のほうから煮詰めの段階におきまして、二、三百円程度の賃上げというような態度表明がありまして、そうして煮詰められた。昨年の場合には、そういうことがございませんで煮詰められたというような実績でございます。  そこらの判断は、公労委における調停委員長、それぞれ各公社組合を担当している委員会が成立しているわけでございます。こういう委員長の方々の御判断によりまして、どういう経路、どういう筋道がいいかということは、その調停の場における具体的な事情で非常に変わってまいります。したがって、私どもといたしまして早期解決がどうかということになれば、政府、労働省は、もちろんでございますが、早期解決ほど望ましい、これははっきり申し上げることができると思います。公労委におきましてもやはりそういう線で御努力を願うと思うのでありますが、実際問題といたしまして、従来ともストライキぎりぎりというようなことの調停でありますから、労働組合側のほうも、要求の額から見れば相当下がったような額というようなことになってまいりますから、調停委員長がそういう見解を示すというような段階では、やはり相当の決意といいますか、いろいろ相談もし、そしてやってまいるということで、どうしても時間がかかってまいる。そこで私どもも、そういうぎりぎりで国民が、一体どうなるだろうか、ストライキはあるのかないのか、通勤や旅行の日程はどうなるのかということでないようなことで努力を公労委にしてもらいたい。これはかねてからそういう強い願望を持っておるわけでございますけれども、現実の問題といたしましてはなかなか煮詰めるのに時間がかかる。そしてぎりぎりになるのでありますけれども、できれば、できるだけ早期にそういう解決点に到達するということが望ましいということは、先生とともに私どもも全く同感でございます。  そういう意味で、私どもも外から見ておりますので、公労委の中における調停作業なり何なりのそういう動きや何かは具体的に自分が当事者として見るわけではございませんので、そこら辺のところはほんとうに調停委員長はじめ労使の委員におまかせするということになるわけでございます。  なお、先ほど御発言がございました公労委につきましては、これは独立機関でございますので、具体的な、たとえば仲裁裁定を書く場合に、政府と相談するというようなことは全くございません。これは独自の権限において仲裁裁定を下すわけでございますので、そういう面につきましては、中労委ももちろん同じでございますけれども、公労委、中労委が独自の独立機関としての権限を行使するということで毎年やってきております。これは申し上げるまでもないかと思いますけれども、現実にそのような立場で処理をしていただいておるということでございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 公労協の問題につきましては、重ねて繰り返しませんけれども、情勢がこういう非常に緊迫した情勢にきておりますので、さらに昨年に比べて一歩前進した自主的な交渉も進められておる今日ですから、一刻も早く解決するように、大臣は大臣としての立場において努力をしてもらう、これはいいと思うのです。  もう一つ、国鉄関係の問題については、これは大臣、さっきうまいこと言って逃げられましたけれども、公労委かどこかでやっておるから私はとやかく言いません、そこにおまかせした形です、こういう内容の回答だったのですが、やはり赤字財政でありましょうとどうありましょうと、その原因というのはいろいろあると思うのです。ですから、おまえのところのさいふの中にはお金が非常に少ないからベースアップの賃金を少なくしますよ、こういうようなことでは、さらに勤労意欲は低下しますし、ひいては国鉄運営にも大きな影響が出てくるし、紛争がさらに長引くということも考えられるのです。ですから、合理化の問題と賃金ベースアップの問題とは、当然切り離してやるべき問題です。大臣が言われたように、団体交渉をやっておることは事実ですけれども、こっちの問題とこっちの問題をごっちゃにして、かけ引きしてやるというのは、これは正しい筋ではないと私は考えております。赤字であるからお前のところはこれだけ減額だというような格差をつけることは正しいことではないと私としては考えておるわけです。これは、大臣、どうです。簡単にその辺のところをあなたのお考えを示していただきたいと思うのです。簡単でけっこうです。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 国鉄の問題につきましては、合理化と並行して、公労委のほうでいまかなり一生懸命やっておるわけでございます。公労委の厳正な適正な判断、どう下りますか、これを尊重する以外にない。政府としまして、これに対する何らかの圧力とかいうふうなことは、この際厳に慎みたい。あげて公労委の裁定におまかせするという態度でいっているわけでございます。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 そうすると、大臣としては、国鉄問題については、金額その他の問題については公労委におまかせ、こういうことなんですが、これ以上言っておりますと、時間がおそくなりますからやめますけれども、いずれにしても、三公社五現業というのは、春闘十六年目なんです。いわば十六回目なんですね。十六回目、公労協一本の姿でいままで解決してきておるのですから、その線だけはくずさないように、きちっとした形で紛争を早く解決する、これだけはひとつ大臣としてもしっかり胸に秘めておいていただきたいと思いますし、それから、最後に、冒頭に言いました政労協関係の問題につきましては、先ほども大臣が言われました、いままでの、去年から今日までのいきさつ、これはいろいろ話しまして、労政局長もいろいろ話されましたが、早急にひとつ自主的に解決できる方向へ内面的な指導をしていただく、そのことだけはひとつ大臣としてもこの席でお約束をいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

野原正勝自由民主党労働大臣

○野原国務大臣 政労協の問題につきましては、目下問題になっております公労協の問題が解決を見た上において、できるだけ早く解決できるような方向で強力に進みたいと考えております。

後藤俊男日本社会党

○後藤委員 いま、三点話したわけでございますけれども、ぜひひとつ、この三点の中身について、私たちがとやかく言わなくても、もう大臣としても十分わかっておる内容ですから、いま言われましたことを間違いなくひとつ実行に移していただく。特に公労協問題については、熱意を込めて、紛争を早く解決するように努力を尽くしていただきたいし、国鉄の立場というのも十分考えて、労働大臣としても、労政局長としても、ひとつ内面的な努力をしていただきたい。お願いいたしたいと思うわけなんです。  終わります。

倉成正自由民主党

○倉成委員長 次回は、明七日午前十時理事会、十時十五分本委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後六時十六分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗