社会労働委員会 第11号
- 発言数
- 156 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1970/04/10
会議録
○倉成委員長 これより会議を開きます。 心身障害者福祉協会法案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。川俣健二郎君。
○川俣委員 コロニーの定義といいますか、概念については、きのうの委員会でわが党の田邊理事の質問に対してお答えがあって、その定義なり概念が明らかにされたと思いますが、私は急速大阪の例のガス爆発の調査団に入りましたものですから、その質疑応答がある程度ダブるかと思いますが、御容赦願いたいと思います。 しかしながら、今回のこの法案は、単に協会の法案を成立させるということではなくて、一法人一施設ということでしょうから、問題は、いま建設途上の高崎山のコロニーの運営が主だと思うだけに、コロニーに対する認識といいますか、やはりこの辺でこれから一般国民に対する理解も深めなければならないだろう責務を社労委員会があげてしょっているだろうだけに、コロニーの定義なり概念が質問者と応答者の間に委員長の司会のもとにおける社労委員会で確認されたであろうかどうか、その点だけまず一点聞きたいと思います。
○橋本(龍)政府委員 昨日の委員会につきましては、私も他の委員会に出席を求められて答弁しておりましたので、この中で御議論になりました点を必ずしもつまびらかにいたしておりません。しかし、いまさら申し上げるまでもなく、この心身障害者福祉協会法案の第一条に目的として書かれておること、また提案理由の説明の際に、大臣より委員各位に申し上げましたこと、これらの点を基本として考えます限りにおいては、このコロニーというものについての概念というもの、これは私どもは別に食い違っておる部分はないものと考えております。
○川俣委員 局長さんもお見えになっておりますから、直接携わってこられたことだろうし、これからもこの運営に尽力をしてもらわなければならぬので、局長さんに伺いますが、一体いつごろ日本の国にこのことばが叫ばれて、したがって、おそらくこれは厚生省が先に旗上げをしたというよりも、よく世にいわれる芸能団だとかあるいは名誉的な仕事に携わっておる人方の声によってコロニーが輸入されたと思います。ただ、厚生省がこれと取っ組もうという経緯をこの機会に知らしてもらいたいのです。
○坂元政府委員 お答え申し上げます。 コロニーというような通称的なことばがわが国において使われ始めましたのはずっと以前でございます。ただ、このコロニーのことばは、いろいろ使う場合に、その場合その場合によって、言っている人の意味なりあるいは受け取るほうの受け取り方なり、いろいろ多種多様なとり方をしております。たとえば、御存じのように結核回復勢等のアフターケア等をやる場合でもやはりコロニー、あるいは精神障害者等の場合もコロニーというような用語がわが国において以前から使われておりますが、ここで御提案申し上げております心身障害者の場合のいわゆるコロニーということばが本格的に取り上げられるようになりましたのは、大体昭和三十七、八年ごろから四十年ごろだと私どもは思っております。特に、一番最初政府関係におきましてこのことばを使いましたのは、昭和四十年の内閣総理大臣の私的な諮問機関であります社会開発懇談会というものが提言をいたしておりますが、その提言の内容としまして、このような独立自活の困難な心身障害者のための長期収容の一つの施設としてコロニーというものを本格的に推進をすべきである、かような趣旨のことを申し上げている。これが事の発端でございまして、それを受けまして、厚生省はいろいろなコロニーの懇談会等を設けまして、今日ようやくその成案を得まして国会に御提案申し上げた次第でございます。
○川俣委員 そこが大事だと思うのです。このコロニーの受け取り方が、最初提唱した人方と、いま厚生省が考えてこれから運営しようという高崎山のコロニーの構想とが違っておれば、これは、今回の協会の法案をわが党が賛成して通すことはたいした問題じゃなくて、むしろコロニーをいかに運営するか、厚生省がやってふたをあけてみたらとんでもないコロニーができていたということになるかと思うので、当初厚生省が旗上げして考えた構想と、来年店開きをしようという現実のあれと少し違ってきたかどうか、それとも同じであるか、その辺を聞いてみたいと思います。
○坂元政府委員 ただいま申し上げましたように、社会開発懇談会が一つの提言をしまして、厚生省としましては、この提言を具体化すべく、コロニー懇談会という各階層の有識者を委員とする懇談会を設けまして、コロニーというもののあり方、その具体的な計画等につきまして御意見を聞く。引き続きましてコロニー建設の具体的な建設懇談会というものを開催をいたしまして、各方面の御意見を承って建設の構想をまとめたわけでございます。この構想と、現在私どもが考えております、明年度からいわゆる開所を行なう予定の高崎山のコロニーとは、ほとんど構想においては差異はございません。大体そのコロニー懇談会あたりの御意見をそのまま具体化しようということによって、明年度の開所を行なう手順になっておるわけでございます。
○川俣委員 それでは、四十二年度から建設予算が計上されて、土地を買い始めてかかったわけでしょうが、初めは八億、いま二十七億トータルの国費を使って建設しているようですが、当初八億を計上したときに、これからこういうめどでコロニーを建設するんだということを、社労委員会で十分に討議されたとおっしゃいますか。
○橋本(龍)政府委員 社労委員会として、その金額その他について、あるいはその中身について、御議論をいただいたことはないように記憶いたしております。
○川俣委員 その辺が少しずれているというか、やはりコロニーを建設するということになれば、これは厚生省の問題であるし、したがって国会では社労委員会の問題だと思うのです。先ほど局長は、十分に審議されて構想を練った一その構想がいま違っていないとおっしゃるんですが、私は、これから質問に具体的に入る前に聞きたいのは、いま少し社労委員会で、当初から八億の土地を買う、それから建設するというような建設予算的なものではなくて、これからコロニーを、日本の国で初めてやるのですから、国立で建てようということは、これは社労委員会でやるべきだと思うのです。ところが、全然やっていないということになれば私は一言あるのです。私は過去のこの議事録を持っているのですが、全然やっていないということは言わせないと思うのですが、いかがですか。
○橋本(龍)政府委員 川俣委員がどういうことを私どもに聞こうとされるのか、もうひとつその辺が明確でありませんので、あるいは私どもの言い方が見当違いかもしれませんが、先ほど、そのコロニーに要する費用その他についての点からの、この委員会でそういうものを議論したことがあるかというような御発言でありましたから、私は、そういう議論をしたことはない、たしかそういう記憶が私にはないということを申し上げたのであります。このコロニーというもの自体について、あるいはコロニーというものをわが国の福祉施設の中にどういう方向で位置づけていくかについて、そうした見地からの御議論ならば、当委員会ばかりではなく、予算委員会等においても御議論をいただいたと私も記憶をいたしております。なお、そういう意味では、時期は私もちょっといま思い出せませんけれども、たしか社会労働委員会として建設途上の高崎山を御視察いただいたこともあるはずであります。
○川俣委員 その辺がやはり、いま少し私も含めて社労委員会が——これからコロニーというものが日本の国に誕生するんだということで、非常に関心というか注目を浴びてきておるんです。それに対して、みっちり、コロニーというのはこういうような経過を経て国会で審議されて、そして高崎山に建てるんだというような、全体責任というか、そういった場がやはり少し欠けておったというきらいがあると思いまして、これは政務次官に言うんじゃなくて、ずっと厚生省やってこられた担当の人方には、若干遺憾の意を表しておきたいと思います。
○橋本(龍)政府委員 私は、お許しをいただきまして、いまの点について申し上げさせていただきます。 最初に、川俣委員の御指摘のような点について、昨年度までの当委員会の運営その他において、もし遺憾な点があったといたしましたならば、昨年度までの当委員会の与党理事の一人として、私は川俣委員におわびを申し上げます。しかし、それと同時に、いまの御指摘の点に関しましては、私は厚生省の官僚というものをかばいます。むしろ、今日までいまだわれわれとしてはコロニーというようなものを建設した歴史がなかっただけに、どのようなものをつくり上げていけば、この国の将来の自立不可能な心身障害を持たれている方々への福祉を行ない得るかということを、厚生省の関係事務当局は非常に努力をしてきたことを、私どもは今日まで見てまいりました。そして、むしろ本委員会において、厚生省の事務当局が今日まで推進してきた過程を、あるいは一々チェックをしない、あるいは一々こまかい点まで事務当局を呼びつげて中身のチェックを行なわないというような問題が起きてまいりました。御指摘をいただくような点が出てきたとすれば、昨年までの少なくとも本委員会における委員たちは、その努力ぶりというものをある程度見て評価をしてきたからだろうと私は解釈をいたしております。ですから、昨年の通常国会終了までの時点で、コロニーに対して当委員会においての審議が不十分であったという御指摘であれば、昨年度までの与党の当委員会の理事として私はおわびを申し上げますが、むしろ行政当局に対してその御批判をちょうだいすることは、私は必ずしも適切を欠くのではないかという感じがいたしますので、この点だけは厚生省として一言川俣先生に申し上げさせていただきます。
○川俣委員 このディスカッションはこの程度にしておきますけれども、社労委員の人方みんなで聞いていただきたいところですが、やはりコロニーをもう少し認識を深めるというか、決して委員会に対する出席の数が少ないから言うわけじゃないのですが、いま少しコロニーというものに対してまじめになりたいものだという考え方からの質問でもありますから、そういう点を御理解願いたいと思います。 具体的に入ります。 それじゃ、心身障害者の全国的な数を、できれば重度、中度、軽度というのですか、それから心身の身体と精薄とそれぞれ別に分かれば、特に子供とおとなというように分かれれば、お教え願いたいと思います。
○坂元政府委員 心身障害者と申しますと、いろいろな障害の種類、程度におきましてとらえようがあるわけでありますが、私どもとしましては、いまお尋ねのように、まず精神薄弱者なり精神薄弱児、つまり精神薄弱児者というものが一つございます。それから第二番目に、いわゆる身体障害児者というものがございます。それから、その両方の非常に重度の合併障害を持っております重症心身障害児者、この三つが大体タイプとして分かれるかと思いますので、順次その数を申し上げでまいりたいと思います。 精神薄弱児者につきましては、大体全国に四十八万四千七百人くらいおるわけでございます。そのうち重度の精神薄弱児者といわれる者が約十二万人おるわけでございます。そのうち、いわゆる子供のほう、精神薄弱児といわれる者が四万六千人くらいございます。おとなのほうの精神薄弱者といわれる者が七万四千人くらいというような比率になっているかと思います。それから身体障害者といわれる者は全国に百十四万六千人くらいございます。そのうち重度の身体障害児者といわれる者が、児童の場合が三万四千五百人、成人の場合が三十二万五千人、大体このような比率になっているかと思います。
○川俣委員 そうしますと、今回考えられておる入所基準というか、どういう人方を対象にしておりますか。
○坂元政府委員 明年度四月から開所する場合に入所させたいとして考えております対象者は、大体重度の精神薄弱者というものを中心としまして、それに精神薄弱者といわゆる身体障害との合併障害を持っている者、そういうような者を大体対象としまして、明年四月以降五百五十名を考えている、かような次第でございます。
○川俣委員 そうしますと、中度の精薄と身体障害との合併症的な人員というのをつかんでおりますか。
○坂元政府委員 先ほど申しました精薄者の四十八万四千七百人のうちに、身体障害と合併している精神障害者というものは大体十八万人くらいいるということでございまして、そのらち重度がどのくらいおるかはデータがございませんので、そういうこまかいデータは承知しておりません。
○川俣委員 私の言っているのは、いわゆるこれに入所できる対象になるのは重度の精薄の七万四千人と、それに中度の精薄と身体障害の合併症を含めるんだ、こらおっしゃるから、御説明によって七万四千人のほらはわかった。後者のほうは何人くらいと推測されますかということです。
○坂元政府委員 五百五十人の対象の中には、大体フィフティーフィフティーくらいで考えております。つまり重度の精薄が五百五十人の半分程度、それから合併障害を持っている者が大体半数程度、こういうようなことをめどとして考えてまいりたい、かように思っているわけでございます。
○川俣委員 そうしますと、七万四千人の重度の精薄者は一応入所できる資格を持っているわけですね。
○坂元政府委員 コロニーという形態での入所資格としては一応あるわけでございますが、そういうような重度のいわゆる精神薄弱児者というものにつきましては、従来からやっております精薄施設の重度棟というような一つの施設体系も別にございますので、そこらをどのようにふるい分けていくか、つまり、コロニーに入所させるべき人、それから従来からやっております精神薄弱者の施設のうちの重度棟というような施設に入所させるか、ここらはちょっとまだ問題があろうかと思います。いずれにしても、御指摘のように、コロニーの対象には一応なり得る、かように思っておりますが、現実にコロニーのほらに入れるか入れないかにつきましては、いろいろな諸条件を勘案して最終決定をする、かようなことになろうかと思います。
○川俣委員 どらも局長の説明は今回の法案の目的は「独立自活の困難な心身障害者が必要な保護及び指導の下における社会生活を営むことができる総合的な福祉施設を設置して、」云々とある。したがって、私はこの質問をするのにいろいろと自分なりに勉強するところによれば、どちらかというとリハビリテーションというか、社会復帰がなかなか期待できない重度の人方を対象にしておる、こら聞いておるのですがね。
○坂元政府委員 法律で書いております趣旨もそのような趣旨でございますし、独立自活の困難な者、つまり社会復帰の可能性が非常に少ないというよろな方々を対象にするのがコロニーでございますので、先生御指摘のような考え方というのは、私どもも同様でございます。
○川俣委員 そうでしょう。ですから、将来千五百人入れようという箱をつくったけれども、一応、少なくとも七万四千人の対象者はいるだろうというのですよ。それをまず確認したいのです。
○坂元政府委員 数の上ではさようでございます。
○川俣委員 それでは、このコロニーに対して、全国から集める構想のようですが、世の親は、ここに入れてほしいという希望者が多いと見るか、それともしり込みをすると見るか、どのように把握をしておられるか。
○坂元政府委員 そこら付近の具体的な見通し等については、私ども残念ながらまだ確たる見通しを持っておりません。と申しますのは、この国立のコロニーについての全国末端までの趣旨のPR等がまだ十分に行なわれておりませんし、また、さような調査等も現実にしたことがございませんので、明確なお答えを申し上げにくいと思いますが、いずれにしましても、国立のコロニーというものの設置につきまして非常に要望が高いといろ事実から申し上げますと、そのような重度の精薄者等をかかえられた御家庭の方等におきましては、もし条件等が十分合致いたしますならばコロニーに入所させたいというような御意見はやはり相当強いんじゃないか、私どもはかような見通しを持っておるわけでございます。
○川俣委員 そうだと私も思います。ところが、残念ながら、完備しても千五百人しか入れられない、どらやってこれを選択するかと私は思うのです。そこで、全国から集めると言うのですけれども、やはり世の親は、ときどき見にいける行動半径の範囲内を希望すると私は思います。これは、国立のものを見せびらかすためにつくったんじゃないでしょうから、あるいはどこかの国のモデルケースにつくったわけじゃないのでしょうから、そういった意味で、いま大阪、名古屋、北海道ですか、今度は私のほらの秋田の鳥海山ろくにもお世話になるわけですが、秋田の場合急ぐわけですけれども、これの国庫補助はきまりましたか。
○坂元政府委員 いまの御意見のように、各地方震、都道府県等からいわゆるコロニー的な形態の施設をつくりたいという御要望が非常にたくさん参っております。これまでも、国庫補助金なりあるいはその他の特別地方債等の措置によりまして、若干のお手伝いをしておりますが、四十五年度につきましても若干の県からそういう御要望が来ておりますが、何ぶんにもまだ、社会福祉施設の施設整備費としまして四十五年度に五十三億計上してございますが、五十三億の各施設別の内訳というものが最終的にまだきまっておりません。したがいまして、四十五年度の本予算が成立しました暁におきましては、早急にそのような作業を進めながら各関係の都道府県と十分協議をしていきたい、かように思っているわけでございます。
○川俣委員 五十三億のあれは、各県にしてみれば非常に期待しておるわけですから、秋田の場合も待っておるわけですから、予算成立後は早急にひとつ、この機会にお願いしておきたいと思い化す。 それから、建設費が二十七億かかったわけですが、それでは一体、将来千五百人入れるであろうその経費というか、一人に対してどのぐらいかかるものなのか。
○坂元政府委員 千五百人を収容定員として考えた場合の具体的な予算等についてかちっと計算はしておりませんが、私どもが従来やりました一応のめどとしましては、総額六十億から七十億ぐらいの所要経費がかかるんじゃなかろうか、かように一応思っております。
○川俣委員 その六十億、七十億というのは、年間ですか。
○坂元政府委員 年間ではございませんで、現在まで二十七億という国費を投じて建設を進めてきておりますが、もし千五百人ぐらいの収容定員というものを考えた場合の施設の整備等の全体の所要経費が、大体六、七十億くらいだ、かように思っております。
○川俣委員 どうもおかしいと思ったのだ。そうじゃなくて、施設費じゃなくて、経常費、維持費を一人に対してどれくらいをめどにしているかいうことですよ。
○坂元政府委員 私どもとしましては、そのような計算をきちっとしたことはございませんが、まあいま達観的に申し上げますと、一人月額五万円ぐらいの経費がかかる、こういう計算じゃなかうかと思っております。
○川俣委員 年間六十万ぐらい。それに二人に一人ぐらいの比率で職員がつくのでしょう。院長さんですか、以下保母さん、看護婦さん、お医者さん、それからいろいろ職能訓練をする人方を入れますと、おそらく人員的には二人に一人はつかなければならぬ。諸外国の例を見ますとそう思います。そうすると、一人に対してそれを割りますと、年間百万はこえると思います。そうしますと、それが七万四千人分らち千五百人というのは、入れてほしいという希望者がらんといるだろうという局長の考え方からすれば、非常に狭き門。そうしますと、これは私の考え方じゃないが、どうしてこんなに一部の対象者のみに金をかけるのだろうという疑問に対して、局長はどのようにお答えしますか。
○坂元政府委員 御承知のように、社会福祉施設というものに入所される方々は、大体恵まれない方が多いわけでございます。特に今度のように重度の精神薄弱者等につきましては非常にハンディキャップの大きなものを持っておられる方ばかりでございます。したがいまして、そのような方をお世話するということになりますと、そのような職員の御苦労というのは非常にばく大なものがあるわけでございまして、それに従いまして当然手間もかかるし金もかかる、これは私どもはやむを得ないんじゃないか。片方、重症心身障害児等につきましても相当な手間がかかりますし、職員の方も御苦労願っているわけでありますので、こういう非常に重度の障害者に対する処遇というものについては、従来から厚生省としましても非常に力を入れてまいりましたし、まだまだ不十分であるというようなおしかりを受けておることもございますので、もっともっと拡充をいたすのは当然のことでございますが、やはりある程度手間がかかり金がかかるということは、対象者の特性からいってやむを得ないことではなかろうか、私どもはかように思っております。
○川俣委員 それでは、一応千五百人になる場合はちょっと先でしょうから、ではさしあたって来年からの五百五十人に対して、職員数、院長というのですか、それから職種、職能というか、そういうものがある程度わかったら教えてください。
○坂元政府委員 四十六年度から開所設置する。四十五年度は五百五十名の方を入れるわけでございませんで、これは予算としましては四十六年度予算ということに相なるわけでございます。したがいまして、四十五年度予算にはさような経費は計上してございませんが、ごく一部の準備要員だけの経費を計上してございます。 それで、いまお尋ねの五百五十人というものを入所させる場合、一体どのくらいの職員数が要るのかというような点につきましては、まだかちっとしたものがございませんが、一応私どもの目標としましては、いまお述べになりましたように、大体二対一ぐらいの職員数に持っていきたい、さような線で四十六年度の予算折衝に当たりたい、かように思っているわけでございます。
○川俣委員 それでは、四十五年度の七千万円というのは、店開きをするための部品買いだ、もう人件費は一切入っていない、こういうことですか。
○坂元政府委員 四十五年度予算に計上してあります運営費としての七千万円は、いわゆる準備的な段階の経費でございまして、昭和四十五年度予算の中に四十六名ぐらいの基幹要員を入れております。その基幹要員の人件費なりその他の所要の経費でございます。
○川俣委員 そうなんだ。だからまだ検討していないとかいうのだけれども、四十五名というのはさしあたり予算をとるための数字なのか。局長に聞くのはどうかと思うのですけれども、これは役員がある程度内定していますか。
○橋本(龍)政府委員 役員等の構成については、まだ内定をいたしておりません。
○川俣委員 私はこう思うのです。重度の障害者を集める地域社会、いわゆるコロニー、これはやがて千五百人になる。日本の場合は、どちらかというと、諸外国に比べてその特徴は、重度の障害者に限定する、非常に特殊な社会を形成する、いわゆる集落をつくる、これなんですよ。ということは、そこに働く院長さん以下職員は、朝から晩まで、来る日も来る日も特殊な職場の雰囲気を構成すると思うのです。これは局長さん、静かに考えてみなさい。復帰とかリハビリテーション、これがあまり見出し得ない社会なんです、いま考えておるのは。医者だって、看護婦さんだって、保母さんだって、やっぱり自分に対する勤労意欲というか、刺激というのは、退院というか退園というか、よかったね、忘れないで遊びにいらっしゃいということなんですが、これはそれが全然ない。ある程度入れっぱなしなんです。そうなんです。これは看護でいえばナイチンゲール的な精神、もう宗教的というか、崇高な、哲学的な、親だからめんどう見るという慈悲心が相当職員に要求されなければならない職場になるんですよ。だから私は、局長は当初からの構想は変わってないと言うんですが、皆さんで社労委員会でこれを論議した場合は、厚生省が直接これをやるんだ、こう確認されておる。ところが、いつの間にか今回提案の特殊法人をつくるという。勘ぐりたくないんだが、厚生省からどっかへころがしたいという気持ちがその辺から出てきたんじゃないかと思う。どうです。
○橋本(龍)政府委員 ただいま御心配になったような点はございません。
○川俣委員 そういうようなことを確認しながらしっかりやってほしいと思います。 今回の法案は高崎山のコロニー——さっきも申し上げましたが、一法人一施設、そうなれば、この協会の審議というよりも、やがてできるであろうコロニーというものに対して、もう少し時間をかけて審議すべきだ、この点については私は何回も言います。 それから、経費負担なんですけれども、親の負担だとか、県の負担だとか国の負担とかいうのをどのように考えておりますか。
○坂元政府委員 このコロニーの運営費等は、大部分は、私どもの用語で申し上げますと措置費、子供さんをそのような施設に預ける場合の委託費的なものでございますが、そういう措置費の収入によって運営する、かようになっているわけでございます。しかしながら、この措置費だけでは十分まかない切れないものがございますので、もしそのような措置費収入等に不足が生ずるような場合は、一応国のほうでめんどうを見る、こういうたてまえになっております。 そこで、お尋ねの入所児童の保護者、つまり父兄の方々から徴収する経費の点でございますが、この点につきましては、食費に相当する額は徴収をいたします。つまりそういう食費に相当する費用は父兄の方から出していただく。しかしながら生活保護の世帯とか、あるいはそれよりもちょっと上のいわゆるボーダーラインの低所得者の階層につきましてはそれを免除する。しかしながら、一応払える所得のある方は、食費相当額だけを大体徴収をいたします。このようなことになっておりまして、四十五年度、つまり本年度の予算の場合は、この徴収金額は月に六千四百五十円、かように相なっているわけでございます。
○川俣委員 それで、質問はこまかくなりますが、考え方をただしたいために聞きたいのですが、家族の延長であるか——たとえばこういう質問をしてみたいと思います。コロニーに入れた人は税金の扶養控除の対象になりますか。
○坂元政府委員 扶養控助の対象になると思います。
○川俣委員 まあ、いいことは早くやればいいんだ、賛成すればいいんだ、そこがまじめじゃないんですよ、そういう雑音があるとすれば。この間社労委員会で、中小企業の退職金共済法というのが一部改正になって提案された。その共済制度というのは、一億四千万という国庫補助をする仕事が責務なんです。ところが、一億四千万の仕事をするために八億という事業団の経費をかける、事業団の世帯費が八億なんです。一億四千万の仕事をするために八億かけておる。どっちが目的なんだとぼくは思うんですよ。そうでしょう、国民の立場から見れば。事業団を運営するのが八億で国庫補助するのが一億四千万なんだ、そういうことはないと思います。コロニーについては。いいことだから、さっきと賛成してやってしまえばいいんだなんて言ったら、法案なんというのは審議する必要はない、そういうことでしょう。このような、あまり一般国民から指をさされないように——特に官庁の仕事というのはそういうきらいが多々あると思うのです。千五百人にこれだけの金をかけるなら、いまの設備をもっと充実、拡充したほうがいいんじゃないかという声もかなりあるだけに——私はこれはいいと思いますから賛成しますよ。私はいいと思いますけれども、やはり既存の設備とかそういったものも充実しようという考え方、政務次官、考えるべきだと思います。 それからもう一つは、やはり来年の春なんですからね。園長さん、お医者さん、看護婦さん、保母さん、局長さんはずいぶんのんびりしておられるような答弁ですけれども、これはみんなでかき集めていろいろ募集しないと、私はこれは集まらないと思う。たいへんな特殊な雰囲気の職場社会ですからね。 それからもう一つは、親の立場から見ると、自分が死んだら、きょうだいにころがしていくわけにいかないし、親戚に頼んでいくわけにもいかないという意味でここに預けると思う。そうやってみると、全国から五百五十人だ、どうやってこれを選択するか、その辺を懸念しながら私は質問しております。根は賛成ですよ、これはいいことですから。そういったことも考えながら私の質問を終わりますが、政務次官何かありましたら……。
○橋本(龍)政府委員 先ほど川俣委員の御指摘になりました点で、私どもも二、三そうした意味では同じような心配をいたしている点がございます。一つは、先ほど川俣先生御指摘になりました職員の士気の問題、これは確かにいろいろな点で私どもも相当慎重に考えなければならぬ点がございます。これは私どもとして、一つのいわゆる地域社会を形づくった中で、できるだけ収容される方々の人権を重んじ、機能を発揮していくための努力をしなければならぬわけでありますから、そうした点については、なおこの協会がむしろ設立されました後においても、いろいろお知恵を拝借する点もまたあると思います。 それと同時に、ただいま御指摘にありましたように、確かに一部の関係者の方々の中には、コロニーにこれだけ巨額な金額を費やすなら、既存の施設の整備拡充にそれを振り向けてもらったほうがありがたいという御意見のあることは、私たちも承知をいたしております。しかし現在、衆議院の社会労働委員会に正式に小委員会が設けられ、各党が協力一致してお考えをいただいておるいわゆる障害者基本法というものの中にも、いわゆる国の心身障害者対策というものは、親御さん方がなくなるときに、自分の子供は自分が死んだあと一体どうなるんだろうといろ不安を抱かないでも済むようにすべきだという御趣旨が盛り込まれたように思いますが、こうした点も私どもとして考えなければならない最も大きな点であります。なるほど、七万四千人の患者数に対して、今度のコロニーの千五百名というのは、そのうちのごく一部をカバーするものであることは事実です。そして、その意味では、既存の施設に対しての整備拡充に従来以上に国が力を入れていかなければならぬ点も当然であります。しかし、それと同時に、いままで手がけてきたことのない一つのこのコロニーというものを通じて、私どもは今後の国の、いわゆる心身に障害を持たれる方々に対する行政が大きく進むその足場がつくれれば、そしてそのデータが他の施設にも有効に使えるようなものが生み出されればということを、一つの大きな心のささえにしておるわけであります。同時に、今後なお私どもとして配慮しなければならぬ点としては、これから先の、いわゆる心身障害者を対象とした施設のあり方等についても、なお検討を要する点もあるでありましょうし、こうした点については、私どもとしてなお検討もいたし、同時に、立法府である国会の御意見等もできる限り広範囲にちょうだいをし、十分に努力してまいりたいと思います。 なお、最後に一点だけ、先ほど簡単にお答えを申しましたことでありますが、補足して念のため申し上げたいと思いますのは、初め厚生省自体がこのコロニーを直轄するという考え方であったはずだ、それが協会をつくったということは、あるいは何か付属機関をふやすことが目的ではないのかというような懸念を、一部でされておる方もあるのだというお話がございましたけれども、厚生省自体が、また児童家庭局自体がかかえておる問題というものは、きわめて広範囲なものがあります。そして、同時に、このコロニーというものを運営していく上では、先ほどから川俣委員も御指摘になりましたような多くの問題点がございます。役所の行政の片手間にコロニーの運営というものができるほど簡単なものではございません。その意味では、やはりしっかりした一つの機関にこの運営、個々の方々の人権を考えながらの運営というものはまかさなければならないだろうということから、この協会をつくり、厚生省自体、何も責任を回避する意思は決してございませんけれども、十分、より直接に、厚生省が行なうよりも身近な触れ方を、中におられる方々ともできるようにということで考えたことであります。なお、今後の運営等につきましては、実際に発足してからもいろいろ議論をちょうだいする点もあると思いますが、私どもの真意もおくみ取りいただきたいと思います。
○川俣委員 最後に、一点だけ要望しておきますが、問題は、心身障害者が対象でございますから、やはりこういう重度の非常にお気の毒な人々に対するあれも大事だと思います。しかし、社会復帰というか、この面をいま少し——いまも力を入れておられると思いますけれども、いま政府の手をかりると非常に手間がかかるし、金がかかるしということで、非常に各企業マンがこういう人々を雇用しようという、これは人手不足ということから来る結果かもしれませんが、そういう熱意が非常に見られます。この間も墨田区の大久保製壜という会社ですか、新聞に出ていましたが、めくらの人を電話交換手に雇って、不自由な手を持っている人に守衛さんをやらせて、そうして知能が正常でない人に旋盤を回させている、これがけっこううまくいっているというのです。それは決してその企業だけが独自な構想でやっているのではなくて、特に中小企業の人々、人手不足のあることでしょうから、みんなでグループをつくって、身体障害者の雇用促進というのと非常に真剣に取り組んでいるようです。私はこう思うのですよ。そういった心身障害者の人々を差別したり、べつ視したりするというのは、これまた人間尊重に反するけれども、必要以上の保護をするというのも、これはやはり心のすみに置くべきだと思います。問題は、何かの仕事ができないだろうか、社会復帰ができないだろうかということが目的であって、保護は目的ではないのだろうと私は思うのです。 その点だけを申し上げて私の質問を終わります。
○倉成委員長 渡部通子君。
○渡部(通)委員 このコロニーの問題は、私も国会へ来る前ずっと数年前から話を聞いておりまして、たいへん期待をしておりました一つのことでございまして、その反面、運営がはたしてうまくいくのかしらという危惧を抱いている一人でございます。四十六年度から開所できる見込みだそうでございますが、当初は、四十五年の一月とかと、こう伺ったように思います。きのうの御答弁の中では、十月に施設は一切完成するというお話でございます。しかし、現状は居住棟が四割の完成である、こういうお話でございました。その開所が延びた理由、それから現在の現場の状況で、四十六年度からの開所は間違いはないかという点、お伺いをしたいと思います。
○坂元政府委員 いまお尋ねのように、確かに四十五年の一月ごろをめどにしまして開所いたしたいという計画で当初走ってまいりましたことは事実でございます。ところが、昨年の夏ごろから秋にかけまして、建設省のほうでやっていただいております作業計画が若干見通しが狂いまして、工事がそのために若干おくれてまいりました。大体工事のおくれは二、三カ月程度おくれているということが出てまいりましたために、四十五年一月という開所時期を、大体三カ月ぐらいおくらせざるを得ないだろうということによりまして、四十六年の四月から開所をする、こういう形になったわけでございます。 それから第二点の、十月ごろに完全に完成するのかどらかという点でございますが、私どもとしましては、いま申しましたように、昨年のそのような工事のおくれは非常に申しわけないと思っているわけでございますので、今回は大事をとりまして、完全に工事が完了するのはいつごろだろうということを建設省当局ともよく協議をいたしまして、間違いなく、おそくとも本年の十月には全部完了ずる、これははっきり申し上げていいのではないか、私どもはかような確信を得まして、したがいまして四十六年の四月という開所期日をきめた次第でございます。
○渡部(通)委員 もう一つ。当初の目的から、合併を含みますけれども、重度精薄だけを目標にしていらっしたのかどうか。なぜ精薄だけにしぼられたかという点をお伺いいたしたいと思います。
○坂元政府委員 昨日の田邊先生の御質問にもお答えしたとおりでございますが、私どもの計画の最大の寄りどころでありました、いわゆるコロニー懇談会なり、コロニー建設推進懇談会等の御意見は、大体精薄なりあるいは肢体不自由とかいうものを合わせまして千五百人ぐらいをめどにするという御意見を出していただいたわけでございます。私どもも当初はさような線によって計画を進めてまいったわけでございますが、片一方、肢体不自由関係につきましては、若干まだ一部に異なった意見があるわけでございます。やはり肢体不自由関係はどうしても、いわゆる社会復帰をすることができるように努力をしなければいかぬ、そういうようなものでありますし、片一方、重度の精薄者というものは、社会復帰ということを目標にいたしましても、可能性の非常に少ない方々がたくさんおられるわけでありますので、したがいまして、そのような事情をあわせ考えまして、とりあえず一次計画におきましては、五百五十人という重度の精薄者というものを重点としまして入所対象者をきめていったほうがいい。したがいまして、決して肢体不自由児関係を今後入所の対象にしないというわけではございませんで、昨日も申し上げましたように、肢体不自由児関係というものはいつの時点で、どういうような形でこの対象にするかにつきましては、もう少し各方面の御意見等をお聞きしながら、一つの結論がまとまり次第、その結論に従って対処をしていきたい、かように思いまして、精薄関係を今回五百五十名の中の重点といたした次第でございます。
○渡部(通)委員 その御意見もよくわかるのですが、私は、職員がたまらないのではないか、こういう御同情を申し上げるわけです。ですから職員のことについて、開所当時は、いまの御答弁で、大体基幹職員として四十六人を予定しておられる、こういうことでございました。ここは収容されたほうも一生となれば職員も一生というような気がいたしまして、実際あそこの重度の患者の群れなどというものは、こういう表現を使うとおこられますけれども、地獄といっても過言ではないほどみじめな場合もありますし、そういうところに付き添って、そこで一生涯暮らすなどという職員は、一体集まるのかどうかという心配がございまして、さしあたって四十六人の基幹職員というものは確保できますでしょうか、どの程度進められているのか、またその内訳、職種とか人数別、その辺をお知らせいただきたいと思います。
○坂元政府委員 四十五年度予算に計上しておりますいわゆる準備要員といわれるべき要員は、いまお話が出ましたように四十六名でございますが、この内訳といたしましては、役員の数が三名でございます。それから事務関係の職員が十七名でございます。それから評価関係の職員が三人でございます。それから直接に入所者の介護をいたします介護職員といたしまして保母、指導員等が二十六名でございまして、計四十六名、これが内訳でございます。 そこでこの四十六名の職員の方ある、はまた明年の四月以降五百五十人の入所者のめんどうを見ます職員の採用なり確保ができるかどうかという御質問でございました。 私どもも、この点については非常に気を配っている点でございまして、今年の四十六名の職員につきましては、事務関係、それから評価関係は何とか採用が可能かと思いますが、問題は直接に介護に当たります介護職員となるべき保母、指導員でございますが、この二十六名の保母、指導員の採用につきましては、私どもとしましてはできる限り国立関係及び公立関係、そのようなところからのある程度の経験者を持っていきたいということで、もし法案を成立さしていただきますならば、できる限り早くそのような関係機関と接触をいたしまして、保母、指導員の二十六名というものの採用計画を具体的に樹立をいたしまして、何とかしてスムースに採用計画が実現できますように努力をいたしたい、かように思っておるわけでございます。
○渡部(通)委員 その基幹職員の中には看護婦は入っておりませんですか。
○坂元政府委員 今年度の四十六名の中には看護婦は入っておりません。と申しますのは、四十六年の四月から入所者が入ってまいりますので、そのような医師なり看護婦等の専門職種というものは四十六年の当初から採用いたすような計画を持っているわけでございます。
○渡部(通)委員 いずれ看護婦さんも採用なさるようですし、医療施設等も来年度は予算をつけるとか伺いました。この人手確保ということはたいへんなことだと思いますが、その処遇をどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、給与、待遇ですね。
○坂元政府委員 職員のいわゆる定数と申しますか、数をできる限りふやすということが一つと、それからいまお尋ねの職員の待遇というものをできる限りよくする、これが最大の目標でございます。したがいまして、先ほど来から申し上げておりますように、職員の数もできるだけふやすということが一つと、それからいまお尋ねの職員の待遇という点につきましては、従来からやっております重度の施設に入っておられる方をめんどうを見ておられる職員の待遇等につきまして、いろいろ加算制度とかあるいは重症心身の場合は重症児指導費というような形で予算を計上しまして待遇改善をはかっているわけでございますが、今後このコロニーの場合の職員の待遇改善につきましても、従来のそのような類似の施設に働いておられる職員の方との関連も十分考えながら、できる限り待遇をよくしていきたい。何ぶんにも、国としての初めての計画でございますし、また初めての施設でございますので、一般の方々の期待に沿い得るようにこの職員の方が十分に働いていただけるためには、この処遇というものが一番大事なことでございますので、明四十六年度の予算等におきましても、そういう基本線を堅持しながら、できる限り努力をいたしたい、かように思っております。
○渡部(通)委員 いま、できる限りという御強調をなすったお話でございますが、少々のことではとても働き手はないと私は思います。やはり、公務員並みあるいはそれより少しいいくらいのところではとても行き手はないのではないか、こう思うわけでございまして、結局、実質、コロニーの運営がうまくいかないということになると思うのですが、一体どのくらい出せるものなのか、また大蔵省との折衝にあたっては、厚生省として主体的に運んでいただきたいと思うのですけれども、その点政務次官いかがでございましょうか。
○橋本(龍)政府委員 非常にお答えのしにくい御質問なんですが、簡潔に申し上げてしまうならば、大蔵省との折衝で私どもが全力を尽くしますということを申し上げる以外にありません。しかし、いま御指摘になりました点が、ある意味では先ほど川俣委員から御指摘のありました点にも結ぶわけでありますけれども、いわゆる厚生省の直轄という形でこのコロニーが運営をされておりすすと、率直に申し上げて、いわゆる国家公務員の給与体系をそう大きく乱すわけにはまいりません。いかに採用が困難な状況でありましても、子れに対して考慮の払える範囲には限界があります。そういう意味でむしろこういう特殊機関をひとつ設置をさせていただきたいと申し上げておる理由がそこにもあるわけでありまして、むしろ、それでも一定の限界はあると思いますけれども、少なくともこの施設が運営をするに必要なだけの人員の確保ができないような状況では、これは建物が立ち腐れでありまして、意味がありません。その場合に、こういう特殊法人の形をとってまいります中には、給与体系その他についても相当な考慮が払える余地はあると私どもは考えております。ただ、現実問題として、私どもは常識的にその作業はたいへんだろう、その方々の仕事におけるつらさ、労働量、心理的なものはたいへんだろうということはわかりますけれども、やはり実際にその場になってみなければ、どれほどたいへんなものかというのは、ただ頭で考えただけでは私どもはわからぬと思います。むしろ、そういろ意味では、そうした点にどの程度の処遇の配慮をいたせば来ていただける、十分に働いていただける方々にお越しを願えるかということ、すべては実は新しいものであるだけにこれからのことでありまして、おそらくそういう意味では一時期試行錯誤を繰り返すような状態もあると思いますけれども、私どもとしては、今日、全力を尽くすという以外に何もお答えしようがありません。その点でお許しをいただきたいと思います。
○渡部(通)委員 たいへん困難な問題だと思いますが、就労の内容から申しましても、特殊性から申しましても、あるいは、厚生省が今度一つのモデルケースとしてコロニーをおつくりになったわけですから、それの熱意の示しどころと申しますか、そういう意味からも、ひとつ職員の給与、待遇だけはきちっとして、喜んで働けるようにしていただきたい。 そのほかの職員、たとえば技術職員、ボイラーマンとか掃除婦とか、そういう職員については、地元を優先に採用してほしいという声を私聞きました。確かにパートタイマーで働いていらっしゃる奥さま方などにしてみれば、こういうところで働いたほうがむしろいいという意見の持ち主もいるようでございますけれども、そういう点についての厚生省のお考えはいかがでございましょう。
○橋本(龍)政府委員 現在でも、実は、労務者関係等相当数の方々に地元からの御協力を願っております。おそらく今後もそういう状態がこの施設を運営していく上には相当大きな役割りを占めるであろうことは、私どももそのとおりだと思います。ただ、はっきり申し上げまして、私どもは、地元の方を優先するとかというような原則は立てないつもりでおります。というのは、こうした施設は、あくまでも、その施設に働いていただくに最もふさわしい方を得るごとが一番大切なわけであります。ただ単にその資格をお持ちであるからということだけでは、こうした施設にお働き願う、それが一番だとは私は思いません。むしろ、多少遠くからそれこそお移りを願うにしても、より適当な方があれば、そうした方々を私どもは求めるつもりでありますので、おそらく実態上地元の方々が相当多数お入りになり、またお手伝いを願うとは思いますけれども、地元優先というような原則を今日立てるつもりはございません。
○古寺委員 いまの質問に関連してお尋ねいたしますけれども、四十六年の四月から入所をさせるわけでございますが、それまでにはたして人員の確保というものができるのかどらか。それから、先ほどの局長の御答弁によりますと、収容者二人について職員が一人、こういうお話がございましたが、いろいろな重度精薄者の実情を見ますと、少なくとも一人に対して一人、あるいは一人に対して二人ぐらいの保母さんその他が必要になっておりますが、こういう点については、厚生省としてはどのようにお考えになっておるのか、お尋ねしたいと思います。
○橋本(龍)政府委員 理想とすれば確かに、収容される方一人に対してむしろ逆に介護職員を含めて複数の方がつくくらいにまでできれば、これは最も望ましいことであります。しかし、先刻から逆に御指摘をいただいておりますように、現在何とかして患者二人に対して一人の職員をつけようということでもむしろ困難ではないのかという御指摘を受けるぐらい、実は求人は大きな問題になるわけであります。そうしますと、現実に、いま収容者一人に対して一人あるいは複数というようなことは、言うべくしてほとんど不可能とも言える理想論であります。そういうところまでむしろわが国の福祉施設——コロニーばかりではございません、福祉施設全体について、むしろそうしたところまで行き得る水準をつくり出せれば、私どもとしてはこの上ないことでありますけれども、現在では、遺憾ながら、まだそれには間がございます。私どもは、いま何とか二人に一人の職員を確保したいということに全力を傾けておる最中でありますので、むしろできる限りの御協力をお願いいたしたいと思います。
○古寺委員 二人に一人ですと、IQ三五以下の重度の精薄者については、いろいろな心身障害もございます。十二分にこのコロニーの目的の機能を発揮することができないのではないかと私は思うわけです。入所する方々の家族や、あるいはいままでめんどうを見てこられた方々の立場を考えますと、安心して精薄者をこのコロニーにお預けすることができない、こういうような心配も当然あるのではないか、こう思うわけでございます。 それから、いままでの例を見ますと、国や県がつくった施設を法人にしますと、どうしても定員が十分に満たされない、そういうような傾向がございますけれども、今後このコロニーについては職員を、定数をふやして十二分にこの機能を発揮していくお考えがあるのかどうか、その辺のお考えを政務次官にお伺いしたいと思います。
○橋本(龍)政府委員 私どもは、それこそわれわれの能力の及ぶ限りにおいて、こうした施設に御協力を願える人材を発掘して、その方々の御協力を得ながら、できる限りの運営をしていくつもりでおります。
○渡部(通)委員 役員についてちょっとお尋ねをしたいのですが、理事長一人、理事三人以内、監事一人ということでございますが、どういうお方を考えていらっしゃるか、あるいは常勤、非常動はどうなっておりますでしょうか。
○橋本(龍)政府委員 常勤、非常勤という点かしお答えをするならば、これは役員は非常勤でありますが、人選等については、先ほど川俣委員にもお答えをいたしましたとおりに、まだ私どもは、どういう人物が適当であるか、むしろいまこれも人材発掘中の段階でありまして、まだ決定をいたすところにまいっておりません。
○渡部(通)委員 天下り人事のことについては、きのうからいろいろ質疑がございましたので省きますが、ぜひ適当な人間を選んでいただきたい、これを要望するにとどめます。 十三条ですけれども、ここに、営利を目的とするものと兼任あるいはみずから営利事業に従事してはならないとあります。そのただし書き以下ですが、「厚生大臣の承認を受けたときは、この限れでない。」これは具体的にいいますとどういうことになりましょう。
○坂元政府委員 法律の十三条に、役員は厚生大臣の承認を受けるという要件に合致しない限りは営利事業に従事していかぬ、こういうような規定になっておりますが、これは大体いわゆる公社、公団等についての普通の場合の例文でございまして、まあ例文に従いまして法律の規定ができ上がっているわけでありますが、私どもとしましては、できる限り、法律にはこのような規定があったとしましても、営利事業に関係をされていない方を役員の選考対象にしていく、こういう方針でいくようなことを考えておるわけでございます。
○渡部(通)委員 例文で入れたと言われてしまえばそれまででありますけれども、やはりこういう事業の性格上、なるべくというよりは、絶対に、営利を目的とする人が役員になったりということは避けたほうが信頼度は強くなると思いますし、そう要望したいと思います。 もう一つ条文ですが、次の十四条で、協会と理事長の利益が相反したときは、監事が協会を代表することになっておりますが、この監事の性格はどういうふうになりましょう。あるいはこういう条文を想定なすった以上は、こういうことがあり得るということをお考えと思いますが、具体的にはどういうことが予想されるのかということです。
○坂元政府委員 この十四条もまた例文でございまして、大体例文どおりの規定を法律案に掲げてあるわけでございますが、監事というものの職務内容は、これは御存じのように業務監査、もちろん会計監査を含めての業務監査全般をその所掌事務といたしているわけでございます。したがいまして、協会と理事長との利益が相反するときには、理事長は代表権を持たないで、監事というものが協会を代表するようなことに相なるわけでございますが、具体的な例としましては、たとえば、こういうことはほとんどないかと思いますが、一つの観念論として出てまいります例としましては、理事長個人の不動産等を協会に売却するというような事例がかりにあって、その事例が協会と理事長との間に利害が相反するというような結果にかりになったような場合を一応想定して、普通の法律におきましては、このような例文的な規定を入れている、かように承知をいたしております。
○渡部(通)委員 次に、入所の対象について伺いたいのですが、大体千五百人を収容できるに至るのはいつと見通していらっしゃるでしょうか。
○坂元政府委員 昨日も大臣から御答弁申し上げましたように、当初は五百五十名で出発をするわけでございますが、千五百名程度を最終的な目標とかりにしますると、この千五百名というものをいつの時期に収容が完了するか、この点につきましては、実は私ども昨日申しましたように、まだ確たる具体的な計画を持っていないわけでございます。四十六年度から五百五十名の収容を対象としまして一応スタートしまして、その運営の実態等を十分見まして、また各方面の御意見等も十分承りながら、四十七年度以降の計画というものをどのようなことにするか、そこらあたりはもうちょっとそのような運営の実績なり御意見等を承ってから計画を樹立してまいりたい、かように思っているわけであります。
○渡部(通)委員 その辺もう少し確たる見通しを実は持っていただきたいと思うわけでございます。来年五百五十名、どのくらいの入所希望者が殺到するかわかりませんけれども、コロニーとして次の計画なり次の見通しなりがあれば、来年度ふるいにかけられた人たちに対しても、もう一年お待ちくださいとか、あるいはもう二年お待ちくださいというようなことが、ある程度希望を持たせるということも考えられるわけでございまして、その辺の見通しというものはもう少しはっきりしていただきたい、こう思うようなわけでございます。いずれにしても、重度の身障者をかかえていらっしゃるおたくなどというのは、私も何軒か回ってみて、悲惨この上ないことでございまして、これを引き取っていただけるとなると、たいへんな希望があると思います。この選択は公平にやらなければならないことでございますが、どういう基準と方法をお考えになっていらっしゃるか、その点をお示しいただきたいと思うのであります。
○坂元政府委員 もちろん、全国的な立場で入所者を決定をしなければならぬわけでございます。したがいまして、現在の私どもの一応の考え方といたしましては、各都道府県知事と申しますか各都道府県に一応の選考をしていただく、そして選考していただいた方を、このコロニーの中に評価関係の専門職員が置かれることになっておりますので、そういう評価関係の専門職員の方が各都道府県から出てまいります入所の希望者というものを、具体的に医学的な立場あるいは心理学的な立場、教育学的な立場、いろいろ各般のファクターを総合的に勘案し、審査をいたしまして最終決定をする、大体手順としてはかようなことに相なろうかと思います。各都道府県の場合におきましてどういうような基準で選考するかにつきましては、まだ私どもとしましては具体的な一つの基準というものをいまのところ持っておりませんが、できるだけ早急にそのような一つの目安というようなものをつくりまして、各都道府県にお示しをしたい、かように思っているわけでございます。
○渡部(通)委員 沖繩がそのうち返還になってくるわけですが、沖繩の重度精薄者もやはり収容なさることになりますか。
○坂元政府委員 沖繩関係の方ももちろん本土と一体的に考えてまいりたい、かように思っております。
○渡部(通)委員 コロニーという一つの、これは高崎村とこういわれているような状況に今度地域社会を形づくることになると思いますけれども、そこでの社会性ということは私はたいへん大事な問題になってくると思うわけです。総合施設というたてまえから授産所あるいは農場地域、こういうことも予定されていらっしゃるようでございますが、重度の障害者であってみると、なかなか授産所を利用したり農耕に従事するなどということはちょっとほど遠い感じもいたします。ひがんだ見方をすれば、へたをするとうば捨て山的なそういうところになってしまいはしないか、あるいは隔離された集団としてそういう地域社会を形づくってしまわないか、こういった点が非常に心配でございまして、そういう授産所、農場地域等の具体的なプランあるいは一般社会、世間との接触という点がどういうふうに考えられているか。重度の場合ですと、その家族が足しげく通ってきたのが、だんだん遠のいてしまうというのが従来の実情でございます。そういう社会性の問題についてはどういう御配慮がなされているか伺いたいと思います。
○坂元政府委員 このコロニーというものは一つの地域社会というふうに称せられているわけでございますが、いまお述べになりましたように、一般社会と断絶するというようなことは私どもは避けなければいかぬ。やはり一般の社会と何らかの意味において交流をし、接触を保つということが、このコロニーの運営がうまくいく一つの理由であろうと思っているわけでございます。そこで昨日も御質問なり、御答弁を申し上げましたように、地域社会、一般の社会との関係を何らかの形において断絶されないような方向に持っていくために、いろいろな創意くふうを今後やってまいらなければいかぬというふうに考えているわけでございます。たとえば授産事業をやる、農耕なり牧畜の事業をやるというような場合も、やはり一般の社会との関係をそこに一つ関連づける方向で、授産事業の場合の事業の品種、品目、つまりどのような授産事業をやらせるか、また一般社会との関係においてどのような事業なり何なりが一応需要があるのか、そういう点も十分勘案しながらこの授産事業の品種も選んでまいらなければならない、私どもはかように思っております。 それから、重度の精薄の方だから授産事業なりそのようなことに適しないのじゃないかということでございますが、私どもとしましては、できる限りこのような重度の方であっても、その能力というものを最大限発揮できるように、また残存能力というものをできる限り開発するような方向で、日常の生活指導なりあるいはいろいろな訓練指導をやっていく。そうして何とかそこに自分の力で日常生活ができるようにやっていく。そういう一つの方法としまして生産活動というものを考えられているわけでございまして、一般の社会と断絶するような方向にこの運営がいくということは避けなければならぬし、またできる限り自分の能力というものを活用できる方向に諸種の生活指導なり生産活動の運営もやっていきたい。そのためにはいろいろ今後創意くふうというものをやらなければなりませんし、またわれわれコロニー関係者だけでは、なかなかそのような知恵も浮かび上がってこない場合もございます。ですから先日来御質問がございましたように、一般の社会との関係において、たとえば運営協議会的なそういうものを持ちながら、この運営ができる限り円滑に、また一般の方の御期待に沿い得るような方向に持っていかせなければならぬ、かように思って おるわけでございます。
○渡部(通)委員 いまの御説明はよくわかるのですが、現状はなかなか容易なものではないと思います。むしろ重度の身障児になってしまえば、一般社会と断絶されてもそれほどの意識はないと思うのです。ですからそれは、職員関係のほうにも強力にその配慮がなされなければならない。あそこに居住棟までつくっていただいて家族ともども入り切りで、たまに高崎に出ていくくらいではたいへんみじめな思いだと思います。家族棟もあるそうですから、御家族の問題もあると思います。そういった問題について私は看護職員以外は、できれば町から通ってくる職員をお使いになったほうがいいんじゃないか。そういったことで地元優先ということを申しました。そういうもろもろの点を考えてみますと、あそこの生活状況というものを現実におもんぱかってみましたら、考えれば考えるほど職員の待遇というか、職員をどう遇するかということが一番問題になってくる。 大臣がお見えになったから伺いたいのですが、これから人手の確保ということが一番大事な問題でして、先ほどもその問題は申し上げたのですけれども、職員をどう遇してくださるか。大蔵省との折衝でほんとうに厚生大臣、力を出していただいて、給与べースをぜひとも引き上げていただきたい。公務員にプラスアルファではとても集まるものではないし、せめて五割増し、二倍、そのくらいの処遇をしていただきませんと人手が集まらないのではないか。その点についての大臣の御見解をお願いしたいと思います。
○内田国務大臣 せっかくこうしたりっぱな総合施設ができましても、要はそこに従事される専門職員の確保の問題であろうと思います。これもまた一方に片寄った専門職種だけではなしに、総合的なコロニーでございますから、いろいろな方面の専門職員を確保しなければならない。そのためにはいまおっしゃるようにまず給与の問題も十分な配慮がなされなければ、なかなか民間その他の方面から交流をするにいたしましても、あるいはまた定着的に職員を確保するにいたしましてもできないので、十分給与の面には配慮いたしてまいります。 それからさらに職員の数の問題でございますが、これにつきましても、コロニーに収容される障害者の数に比べましてでき得る限り数の多い職員を確保したい。大体私どもの腹づもりでは収容者二人について一人くらいの割合、つまり五百五十人収容いたしますとその半分、ですから二百七十五人ぐらいの職員を確保するような、そういう方向で準備をいたしたいと思っております。
○渡部(通)委員 こういうコロニーは将来またつくっていく計画はおありですか。それとも、いまこれ一つつくって運営するのにたいへんな費用がかかりまして、当分は見込めないということでございましょうか。
○内田国務大臣 これは当面、これを運営する方針としては、御審議を願っておりまする協会一つでいいと私は思います。しかしその協会が運営する施設は、高崎一カ所に限る必要はないので、したがいまして、この協会はそういう名前がついておりますが、いまの高崎につきましては、高崎コロニーという名前をつけるのか、あるいは希望の園という名前をつけるのか、何か名前をつけることに相なるわけでありますが、今度は他の方面の地域に持っていきまして、何々コロニーとかあるいは光の園とかいうような施設をつくってまいったほうがいいのではないか、かように思います。と同時に、今日御承知と思いますが、自分たちの地方でそういう総合的な心身障害者に対するコロニーをつくりたいというような計画や希望がだんだんございます。したがいまして、今度の施設を一つのモデルにしながら、そういう地方的なコロニーというものに対しまして国が還元融資をするとか、あるいはできますならば補助金も計上するというようなことをいたしまして、そういう地方的な総合コロニーというものもひとつ取り入れてまいりたい、こう思うものでございます。
○渡部(通)委員 そこで今後こういうコロニーはどうしてもふえる傾向にいくと思いますので、コロニーの法制化がどうしても必要になってくると思います。私が願うところでは、たとえば重度の人間ばかり集めておきますと、いま申し上げてきたように、職員等においても非常に献身的な人でなければつとまらないというようなことになりますので、できることなら総合施設として、重度もあるいは軽度の者も収容する施設もある、あるいはそこに訓練機関もあれば、そこから学校に通えるようにもなっていく、そういう一つの社会を形づくっていく方向に考えるべきではないか。そういう立場でコロニーの法制化というもの——こうなってきますと、文部省も厚生省も労働省も法務省も、いろいろからんでくると思います。それを一切総合した意味の法制化というものをお考えいただきたいと思うのです。
○内田国務大臣 今回御審議をいただいております法律は、その施設を経営する主体の法律でございます。いまのお話は、そういう主体や入れものだけの法律ではなしに、運用についての実体法を考えろ、こういうお話だと思います。一応、御承知のとおり、児童福祉法でありますとかあるいは精神薄弱者福祉法、身体障害者福祉法というようなものがございます。おそらくそれをもってしてもカバーし得ないようなものについての御意見だろうと存じますので、これはせっかくこういう入れものあるいは主体ができるわけでありますから、中身の運営については一つの基準法というようなものについても将来検討をさしていただきたいと思います。
○渡部(通)委員 児者の一元化についてもいかがでしょうか。子供と成人ですね。これが分かれて取り扱われているようでございまして、これもやはり統一すべきだと思うのです。
○内田国務大臣 これはいま審議会で検討をいただいておるのですが、私なども児童福祉法というものが別扱いになっておりますために、児と者が違った法律によって規制されておりますので、初めは厚生大臣になりたてでたいへんまごつきました。したがってこの問題も審議会で検討していただいております。
○渡部(通)委員 それはよろしく促進方をお願いしたいと思うわけであります。 同時に、いま本委員会で身障者の総合基本法が小委員会で進められておりますが、これがすみやかに促進されるように委員長のほうにお願いをしたいと思います。
○倉成委員長 承知しました。
○渡部(通)委員 またちょっとこの協会自体の審議とは違いますが、この身障者の問題がこれほど大きく取り扱われるようになってまいりまして、私、一番痛感するのは、なるべくこういう子供が生まれないでもらいたいという、こっちの発生予防というのをこの際大いに力を入れていただきかいと思うわけでございまして、不幸な子供が生まれる率というものはまだまだ防げる余地がたくさんあるように思います。この間の厚生白書の中にもそれは書かれておりまして、「最近は、障害発出原因の究明が学問的に行なわれるとともに、対策も発生予防中心の方向へ積極的に向かっている。」これは四十四年度版に書かれておりまして、積極的に向かっているというのですから、具体的にどういうふうになっているのか御説明をいただきたいと思います。
○坂元政府委員 御意見まことにごもっともでございまして、心身障害児者の発生予防につきましては、もっともっと医学的な究明をやらなければならぬわけでございまして、そういうふうな観点から、私どもとしましても、昭和四十三年度から各種の研究費等を活用いたしまして、継続的に研究を進めてまいってきております。たとえば進行性筋ジストロフィー症とか、あるいは脳性麻痺とか、あるいは自閉症とか、現在医学におきましてなかなかその成因なり治療法等が不明な分野がいまだたくさん残されておりますので、そういうような心身障害児の発生原因等について研究をやつているわけでございますが、何ぶんにも事学問の問題に関連する分野が非常に多いわけでございます。学問の進歩、医学等の進展と相呼応しながら、そういう未開拓の分野あるいは究明のできない分野を逐次究明をしながら、この心身障害者の発生予防等の研究を進めてきているわけでございます。今後もこのような研究費等を増額しながら、研究体制というものを整備しつつ、こういう心身障害者の発生予防にはまつ正面から取り組んでまいりたい。内田大臣も、そういうような研究につきまして、われわれ事務当局に対して、かねがね非常に強く御指示をいただいておりますので、ますますこのような研究費の増額と研究体制の整備、こういう面に重点を置いていきながら、心身障害者の発生予防に役立たせていきたい、かように思っているわけでございます。
○渡部(通)委員 いまたいへん抽象的な御答弁がございましたけれども、先天異常児の発生のおもな原因というものは大体常識的にあげられるのではないかと思うわけですが、そういう原因の幾つかと、それに対する対策がございましたら教えていただきたいと思います。
○坂元政府委員 たとえば精神薄弱児者でございましたら、その発生原因というものは、たとえば脳性麻痺が、私どもの調査によりますと大体一三%近くございます。それから先天性の障害というもの、たとえば遺伝性を含めまして、妊娠中なりあるいは分べん期等の障害による発生原因というのは大体三三%ございます。したがいまして、大体四五、六%ぐらいは脳性麻痺及び先天性の障害というものがこの原因になっているわけでございます。 私どもとしましては、このような事実を背景にしまして発生予防の対策をいろいろ考えているわけでございまして、その一番大きなものはやはり母子保健対策でございます。従来から母子保健法によりましていろいろな健康診断あるいは健康診査、あるいはまた未熟児の対策あるいは先天性のいろいろな障害に対して医療の給付、そういうものをやっているわけでございます。四十五年度におきましても妊婦なり乳児につきまして、いままで低所得者だけの健康診査というものを公費で実施いたしていたわけでございますが、四十五年度予算におきましてはこれを大幅に拡大しまして……(小林(進)委員「ちっとも大幅じゃないよ」と呼ぶ)最高の所得者、つまり相当な高額所得者以外は、国民の大部分がこの公費によりまして健康診査を受けられるような予算措置を講じているところでございます。
○渡部(通)委員 これは重ねて大臣にもお願いしたい問題でございまして、ある学者のデータによりますと、心身障害者が生まれた場合、その生活費、医療費などを一人年間三十万円とすれば現在約二千億かかるということでございまして、一人生まれたということに対するばく大な費用というものを考えてみますときに、やはり一人でもそういう不幸な子が生まれないように、この対策を大いにこの際、コロニーができることに意義づけまして、いま局長の御答弁にありましたように、母子保健対策というものを推進するチャンスではないか、こう私は思うわけでございまして、ただいま妊婦の検診等も行なうという予算措置の話もございましたけれども、もっと一貫して母子保健というものを強力に日本の国家としては打ち立てる必要がある。たとえば優生結婚ひとつ取り上げてみましても、外国に比べて日本は非常に近親結婚が多い。これがいろいろな不幸な子供が生まれる原因にもなるということは、当然医学的にも考えられております。あるいはいま脳性麻痺の原因、この脳性麻痺というのは重症黄だんを新生児について検査することによってかなり防げることでございます。あるいは精薄の原因となっているものも、やはり新生児のときの尿検査等が義務づけられれば大幅に防げるのではないか。そういう意味で母子保健というものをこの際早急に確立すべきだ、こう思いますけれども、それに対する大臣の御所見をお願いいたします。
○内田国務大臣 全く御意見のとおりでございます。小林委員からお声があって、あまり大幅に拡張しないということでございますが、たとえばこの妊産婦にいたしましても、従来はほんとうに貧困者に対してのみ一般検診、あるいはその結果による精密検診というものを国費でカバーをいたしておったにすぎませんでしたが、今回の改正によりまして妊産婦の八五%の方々が国費による一般検診並びにその結果精密検診をする必要があれば精密検診まで国費に持っていくことになります。そういうことで、乳児がまだおかあさんのおなかにいる間にまず生まれた後の健康管理をするということから始めまして、生まれた直後の乳児につきましても、従来は保健所等で検診をし、またそれで異常があった場合に精密検査は一般の医療機関に回しておったというものも、今回はそれらの幅も妊産婦に対すると同じように広げまして、生まれる前後のある期間に一般検診並びに精密検診を集中してやろう、こういうことにいたしました。したがいましてフェニルケトンとかあるいはいまおっしゃる小児黄だんとか、ほっておけば身体障害児をつくる原因になるおそるべき病気も生まれたとたんに発見して、直ちにそれに対処していく、こういうような体制を整える基礎が昭和四十五年度の予算でできたわけでございます。このごろ出生率が非常に落ちておりますので、生まれんとする子供、また生まれた子供はできるだけ健全な子供として育てることが私どもの大きな政策目標であると考えるわけでございます。
○渡部(通)委員 その点はぜひ鋭意努力をして進めていただきたいと思います。 最後に厚生大臣に御要望いたしますが、今度の協会は、やはりコロニーに対する監督は全部大臣の責任になっていらっしゃるので、その監督の方針と具体的な案とをお持ちでしたらひとつお聞かせいただきたいと思います。と申しますのも、先ほどから一貫して申してまいりましたように、重度の障害者のみを扱うという特殊な地域社会になりますし、それから、こんなことはあり得ないと仰せでございましょうけれども、先般来、施設のあちこちで障害者のみじめな実態が紹介されたこともありました。間々すると、世間から葬り去られて、そういうことにもなりかねないし、そこで働いている職員等も、いまずっと御答弁にありましたように、たいへんに人手不足、人手の獲得は困難でございまして、そういう中で苦労しながら長い間そこで働いていると、やっぱり人間もいやになることもありますし、いろいろな意味でここの監督、激励というものは非常に大事になると思います。そういう意味で大臣の方針を最後に伺いたいと思います。
○内田国務大臣 ごらんのように、法律の中にも政府の監督規定を厳重に入れてございますので、それが生きるような監督をいたしてまいります。また政府だけの監督をもって足れりとしないで、法律にはございませんけれども、政府並びに理事機関のほかに、いわば運営協力委員会とでも申しますか、そういうような機構も運営規則等をもってつくりまして、各方面の理解者、実力者、そういう方々もこの協会の通常に御参加を願っていこう、こういう考え方でおりますので、せっかくの渡部委員の御忠告を十分体しまして、遺憾なきを期してまいる所存でございます。
○倉成委員長 西田八郎君。
○西田委員 ちょっと委員長にお伺いするのですが、大臣は一時にお帰りになるんですか。
○倉成委員長 はい。
○西田委員 それでは最初に大臣に質問したいことがあるのですが、最近新聞紙上に有害石けんという記事が出ました。これは皮膚を荒らしたり、顔に傷をつけたりしておるわけでありますが、その石けんの原料のビチオノールというのが原因のようであります。これの使用禁止の処置を厚生省としてとられておると思うわけでありますが、いつごろそれに対する使用禁止をされておるのか、まずそのことから、これは大臣じゃなくとも関係官の方でもけっこうですが、お伺いいたします。
○内田国務大臣 ビチオノールという化学合成品がございまして、それが化粧品やあるいはまた医薬部外品などに用いられることがあるそうでございます。石けんなどに用いる場合には、消毒薬として用いられておったようでございますが、たまたまこれが日光に当たりますと、かえって皮膚を荒らしたり、発疹を生ずるというような事態が判明いたしましたので、先般直ちにその製造会社に対しまして製造禁止、また製造されて売り出されているものにつきましては回収を命じました。と同時に、このビチオノール使用の基準につきましても、むしろこれは使わせないという方向がよかろうということで方針を打ち出しております。幸い、御指摘のビチオノールを用いてつくった石けんが売り出されている会社は、日本じゅうでただ一社でございましたので、事が大きく広がらないで済みましたことは、私どもも不幸中の幸いだと心得ております。
○西田委員 そうすると、いまのお話ですと、ビチオノールの使用を禁止されたのは最近のことですか。
○内田国務大臣 実は前から、法律あるいは省令等による禁止ではございませんけれども、それの自粛を求めておりました。
○西田委員 それでは、前から求めておられるにかかわらず、そういうものが使用されておったということについて、これはやはり薬用石けんという名前で売り出しておる商品でありますから、監督を厳重にしておく必要があるのではないかと思う。実は昨年私が、その石げんのためだと思うのですけれども、ひどいはだ荒れを起こしまして、医者に見てもらったけれどもどうにも原因がわからなかった。それで一ぺんその石けんの使用をとめてみろというので、とめてみましたところが、すっかり引いてきたわけです。引くのに十日ほどかかったわけで、警察の調べならこれは一週間以上の重症ということになるわけですけれども、非常にひどい経験をいたしました。したがって、こういうことは早くからわかっておったのなら、これは禁止を命じておるなら命じておるで、もっと監督が厳重に行なわれなければならぬと思うのですが、その点どうしてこういう薬用石けんと名のついたものが市場に出回っておったのか、その辺のいきさつについてひとつお伺いしたいと思います。
○内田国務大臣 ビチオノールは、消毒剤としては効果があるわけであります。しかし同時に、これは薬品類似のものでございますので、今回指摘されたような副作用もあるわけであります。でありますので、それの使用について警告をいたしてきておりましたが、今回は現実にその副作用のほうが表に出てまいりましたので、単に警告どころではなしに、品質基準等においてビチオノールの削除をはっきりさせる、こういう方向で思い切って進むことにしたものでございます。
○西田委員 実はアメリカでは三年前にこれは禁止がきまっておるようですし、学会におきましてもこの問題について二年前に厚生省に対して答申といいますか、意見具申というか、そういう形でなされておったというふうに聞いておるわけであります。そういう事実があったかなかったか。
○加藤(威)政府委員 ビチオノールにつきましては、先生御指摘のように、アメリカでは約二年前に医薬品からビチオノールを削除するということをやりまして、そういう情報が私どもに入っております。それで厚生省といたしましても、二年前から医薬品、それから医薬部外品、化粧品につきまして、ビチオノールが入っているものについては、これを入らないものに切りかえろという行政指導をやっておったわけでございます。私どもとしては、それが完全に行なわれているというぐあいに考えておったのでございますが、今度のようにまだビチオノールを含んだ石けんが出ておったということは、私どもの行政指導が確かに徹底を欠いていたということで、その点まことに申しわけないと思っております。確かにビチオノールによりましてそういう皮膚の障害が出ておりますから、今後はこういうことのないように、行政指導の徹底を期したいというぐあいに考えております。
○西田委員 法案の審議中に若干緊急にこういう問題を出しまして申しわけないと思うのですけれども、これは重要な問題で、今日社会的な一つの事件になっておるわけですからお伺いしておるわけです。 そうすると、厳重に申し渡すということですけれども、しかしそれが出回っておったということがやはり問題ではなかろうかと思うのです。したがって、今後こういう問題について、厚生省としてどういう処置をとるか、大臣からひとつはっきりしたところを聞かしていただきたいと思います。
○内田国務大臣 先ほども述べましたように、効用面にのみ着目して、そしてその製造を見守っておったが、いまのようなお話も出ましたので、警告を与えておった、こういうわけであります。 〔委員長退席、佐々木(義)委員長代理着席〕 しかし現実にこういうような間違いが外にあらわれてまいりましたので、今度ははっきり基準をつくって、基準はおそらく省令に基づく告示ということになるのでありましょうが、従来のような行政指導から、はっきりした制度上の禁止措置に踏み切る、こういうことをいたしますので、御了承をいただきたいと思います。
○西田委員 よくわかりました。ただ私が要望しておきたいのは、情報化社会でありまして、いろいろな情報が世界各国から集まってくるわけでありますから、そういうものが判明した場合には、やはり十分な処置と監督、それから指導というものを今後厳重にひとつやっていただくように要請をしておきたいと思います。 次に、現在の法案に対して質問するわけですが、これも大臣にお伺いしたいのです。 先ほどの渡部さんの御質問に対しまして、これは協会であってコロニーを運営し管理する、いわゆる身体障害者の福祉を守る一つのパート、部分としていわゆるコロニーという施設を運営をする協会だ、こういうことで説明を聞いたように思うのですけれども、それに間違いないのですか。
○坂元政府委員 さようでございます。
○西田委員 そうしますと、現在大阪府立あるいは兵庫のセンター、あるいは神奈川に身体障害者更生指導所、和歌山の琴の浦リハビリテーションセンター、いろいろあるわけですね。さらにまた、身体障害者というのは全国に広がっておられるわけであります。そういう人が、今後の社会復帰をするという意味で一つのコロニーに入所をする、そして今後残存能力を生かしていこうというような設備は、高崎一つでは私はとうてい足りないと思うのです。したがって、そうしたことを今後計画するについて、その計画はできた協会がしていくのか、それとも厚生省がされて協会に移管されていくのか、その辺はどうなんですか。
○坂元政府委員 今回御提案申し上げております法律案によりますと、高崎に現在建設中のいわゆるコロニーを運営するための運営主体としまして心身障害者福祉協会を御提案申し上げているわけでございます。 そこで、お尋ねの各都道府県ごとに地方的ないわゆるコロニーというものをつくっておることはそのとおりでございますが、こういう地方的なコロニーの運営主体としまして、この法律に基づく協会がやるかどうか、これは、私どもとしましては、ただいまのところはさような考え方を持っておりません。しかしながら、先日来厚生大臣からも御答弁申し上げておりますように、地方コロニーというものを今後どういうふうにして整備していくか、あるいはまた、高崎にあります国立のいわゆるコロニーを、今後全国的にどのような形で整備をやっていくか、こういう基本的な問題は確かに問題としてあるわけでございますので、そういう将来の計画等を十分勘案しながら、いま厚生省としまして地方コロニーと相関連したいわゆるコロニーのあり方というものについて研究を進めている段階でございます。
○西田委員 この点は、この委員会で社会保障の問題について大臣と討論をしたところでありますけれども、そうしたいろいろな形で府立ができたり、市立ができたり、私立ができたり、県立ができたりというようなことで、いわゆる類似の施設が全国にあるということで、しかもその施設を利用するについていろいろ条件が違うというようなことであっては、身体障害者全体の社会復帰の対策とはならないと思うのです。そこにはちぐはぐなものが必ず生まれてくると思うわけでありますが、将来こうしたことをいわゆる一元化するあるいは一体化するという形の中で、たとえば協会に幾つかのコロニーなり施設というものを運営、管理さしていくというようなお考えがあるのかどうか。この種施設の一元化をはかり、その一元化の中で運営をはかっていく主体的な事業団体として協会という形に発展していく意思があるのかないのか、あるいはそういう計画を持っておられるかどうか。
○内田国務大臣 私どもはこういうふうに考えるものでございます。今回御審議をいただく法律案は、いま政府委員からも御答弁申し上げましたように、当面高崎に建設しつつある施設の運営主体になりますが、この協会はこれだけに限る必要はないと思います。将来はその高崎における経験を基礎としながら、また客観情勢等も見詰めながら、他の地域に、この協会が経営する高崎コロニーではない他の地区のコロニーというものを経営することも、私はおそらくそういうことになるだろうと思います。と同時に、現在各方面にありますあるいは社会福祉法人が経営するもの、あるいは公共団体が経営するもの、あるいは国立の療養所などに付設しておりますところの重症心身障害児の施設というようなもの、御指摘のように多様のものがございますが、それをみなこの協会の傘下に入れてしまって、一元的、一律的経営をする必要はない、それはしないほうがいいだろう。多少これらの施設もそれぞれの固有の目的を持っている面もありますので、むしろさような点を生かしていったほうがいいのではないかと考えます。 さらにまた、今後新しくつくるものはすべてこの協会の傘下に入れるかというと、それもそうしないで、現に地方公共団体などでたいへん御熱心な地域が、今回の高崎コロニーと同じような性格の総合的な施設を、県によっては地方的につくりたいというような計画を持っておるところもございますので、私どものほうでそういう内容を検討した上で、県をしてそういう施設を建設、運営させるのがよいと判断いたしました場合には、年金資金などの還元融資を行なう等の措置も講じまして地方的なコロニーをやらしてもいいのではないか、かように考えます。しかし、今回のこの施設は、今後できるであろうところのこういう心身障害児あるいは障害者の総合施設の非常にりっぱなモデルにはなるだろうと思うので、右へならえというわけではございませんが、いいところはそちらのいろいろな施設にも取り入れさせるようにすべきだろうと考えます。
○西田委員 いまの御答弁によりますと、要するに、それぞれのケース・バイ・ケースによって、またその地域の協力等を得て、そうして多様的にやったほうが効果も期待できるのではないかということでございましたけれども、やはりこうした問題は、あの精神病院の患者の扱い方が各病院によって違うというような問題も起こっておりますように、とにかく、言っては悪いけれども、からだが一人前じゃないわけだ。不自由な人たちばかりを集めてその人たちの社会復帰を考えよう、残存能力を生かしていこうとするならば、やはりそれは、同じような条件、同じような態様をもってそれが訓練され、指導される、こういうことであったほうがいいと私は思うので、したがってせっかくこうした協会法ができる、この協会はいま高崎を一つの目的にしておるけれども、しかしこの法案そのものの目的は、保護あるいは指導のもとに社会生活を営むことができる総合的な福祉施設を設置して、ということになっておるわけでありますから、これは何も一個設置するということには理解しなくてもいいと思うのです。そういう意味で今後そうした点に十分力を入れていただきたいと思うのですが、いかがでしょう。
○内田国務大臣 御意見のほどはよく理解できます。そこで私は、それぞれ経営主体が違う現在の施設をいますぐこの協会に統合することは考えていないと申し上げましたが、しかし厚生省といたしましては、それぞれの経営主体によるそれぞれのこれらの施設の指導については、何か一貫した指導法といいますか、指導基準といいますか、そういうものがあったほうがいい、あるべきだということにつきましては、先ほど渡部委員からも御意見がございましたが、考えてみたいと思うのでございます。
○西田委員 さらに、心身障害者の援護施設あるいは精神薄弱者の養護施設、いろいろあるわけですね。こういうところを出てきてコロニーへ入ろう、こういうことになろうと思うのですから、そういう点も心身両方の障害の方については、やはり一貫した行政で行なわれることのほうが、よりそうした該当者のために利益になるのではないか、また、そのために便宜を与えられるのではないかというふうに思うわけであります。したがって、そういう点で今後ひとっこうしたものがばらばら行政で行なわれずに、一貫した指導と、そうしてその対策のもとで進められるべきが至当だと考えるわけですが、その点についてひとつ……。
○内田国務大臣 非常に貴重な御意見であると考えますので、私どもも御意見を取り入れるようにして運営をしてまいりたいと思います。
○西田委員 次に、こうしたところでいろいろと御苦労をいただく職員の方あるいは理学療法士、作業療法士と、非常にリハビリテーションの卓越した技術を持った人、あるいはそれに習熟した人たちが必要になってくるわけでありますけれども、現在大学でリハビリテーションの講座を持っておる大学は皆無だという、これは新聞の報道でありますけれども、ないといわれておるわけであります。そういう点について、今後厚生省として、そうした人の養成等についてどうお考えになっているか。
○松尾政府委員 ただいま御指摘のように、日本の医療面におきますリハビリテーションは非常におくれておる実態でございます。御承知のように、OT、PTにつきましても、相当数の養成に努力をいたしまして、さらに養成等を、今年また新規に新しい学校をつくる等のことをいたしまして努力いたしてまいっておりますが、なおまだそういう点につきましては今後大いに増設をしなければ、御指摘のような需要に十分応じ切れない、こういう実態でございます。引き続き努力をいたしたいと思います。 なお、大学等におきまして、特にそういうリハビリテーション科というものがないということでございますが、これも考え方でございまして、各診療科の中にリハビリテーションという問題はすべて入ってくる問題でございますので、そういう意味で、各科でそれぞれそういう問題を考えながらやっていく。たとえば、病気を診断いたしましたときに、診断をした最初からが実はリハビリテーションでございますので、そういったことをむしろ大学等におきましても教育していただきたい。私どもも努力したいと存じております。
○西田委員 そういう大学のきわめて高度な、学術的に研究するということは別としましても、そうしたいわゆる養護施設で働く人、働いていただける人ですね、そういう人を将来養成するというような形でそういう施設を持つというようなことはお考えになっておりませんか。
○坂元政府委員 確かに、御指摘のように、このような特殊な施設で働いていただける職員の養成というものは非常に大事でございますので、その法律案の中にもございますように、この協会自身もそのような養成訓練の特別な施設を持つようになっておりますし、四十六年度以降そのような養成的な機能も予算化してまいりたい、かように思っておるわけでございます。
○西田委員 次に、法文の内容を若干お聞きしたいのですけれども、役員の中の監事が一人になっておるわけですが、先ほどの答弁を聞いておりますと、監事は業務監査を含めて会計監査をやる。さらに理事が事故あるときには監事が代行するというのがあります。そうしますと、監事一名ということでいわゆる業務監査並びに会計監査を一人で十分できるかということですね。これは、こらしたほらの監事というものはやはり複数でやったほらがより正確を期するし、より誤りをなくするのではないかというふうに思うわけなんです。したがって、従来の慣例だということで一人にしておられるのか、あるいは監事一人でも十分やっていける人を選ぶんだということで一人になさったのか、その辺のところを、監事一人にせられた理由をひとつ聞かせていただきたい。 〔佐々木(義)委員長代理退席、委員長着席〕
○坂元政府委員 監事を一名として規定しております理由は、いま先生申されたとおりでございまして、大体この種のいわゆる事業団等につきましては一名が普通の例であるということと、それから、明年度から開所をいたします場合の五百五十名という収容定員から勘案いたしますると、とりあえず当面の措置としましては、監事一名ということで大体私どもはやっていけるのではないか、もちろん、監事の職務を決してそのように軽視しておるわけではございませんけれども、業務監査、会計監査、非常に監事としての職務内容は重要でございますが、業務量等の関係からいいまして、大体当面は監事一名で何とかやっていけるのではないか。もちろん私どもは、監事の職務は重要でございますので、この監事たるべき人あるいは監事になってもらうべき人には、十分そのような面を配慮していただくようにお願いをいたしたい、かように思っておるわけでございます。
○西田委員 それから、財政の点で協会が借入金をする場合、これは規定があるわけですけれども、協会自身が金を借りてやるような何か独自の事業はあるのですか。
○坂元政府委員 法律案の中には一時借入金の規定もございますが、これもたびたび申して恐縮でございますが、通常の例文に従って入れたわけでございます。この高崎につくります国立のコロニーにつきましては、おそらく借入金というようなことが起きることはまあない、私どもはかように思っております。先ほどもお答えいたしましたように、もし何らかの意味において赤字なり何かが生じたというような場合は、当然国のほうがめんどうを見る、かように私どもは持っていきたいと思っておるわけでございます。
○西田委員 どうもその辺がすっきりしない。まずないだろうというような予測がありながら、法文のていさい上借入金を書くのだ。そして、今度法律ができてしまうと、法文がありますから借り入れすることができる、こういうふうになってくるのですね。これは国立でありますし、しかも身体障害者の福祉施設であります。そういう点からいって、協会自体が借り入れをしなければならぬ——短期にいわゆる仮受けのような形で使うものを言っておられないと思うのです。やはり借入金という限りにおきましては、長期のものを考えておられるのだと思うのですが、そうしたものを設けておく必要があるのかないのか、きわめて疑問に思っておるわけですけれども、いかがですか。
○内田国務大臣 この協会が行なう借入金は、お尋ねがございましたように、協会が何らかの施設を借入金でまかなうというような用意のために設けておるものではございませんで、全く年度内の資金繰り、つまり短期一時借入金ということで規定を置いておるものでございます。また、施設の拡張等の場合には、借り入れをしないでも、従来と同じように国がみずから建設をして、施設ができ上がったところでそれを現物出資して、そしてその後の協会の資本金に繰り入れる、こういう形をとってまいることになるだろうと思いますので、お尋ねのような意味の借入金の規定ではございません。
○西田委員 次に、先ほど出ておりましたが、職員の待遇、これはきわめて重要な問題だと思うのです。これは前回のこの委員会でも大臣とやりとりをした。あと大臣からも約束をいただいたわけでありますけれども、やはり、この種の方々、ほんとうに犠牲的な気持ちで就職をなさると同時に、また、かなり生きがいを持っておやりになっておると思うのです。そういう人たちが途中で挫折をするとか、あるいはこうした職務に対してきわめて幻滅感を感ずるというようなことのないように、職員の処遇については、十分御勘案いただきたいと考えると同時に、やはり現在の公務員の給料そのものは、一般の賃金ベースに比べた場合に低いといわれておるわけであります。そういう点から考えましても、やはり十分な措置をとっていただきたいというふうに思うわけでありますが、これについての御所見をひとついただきたいと思います。
○内田国務大臣 私どもと西田さんの考え方と同じでございまして、でき得る限り私どもも努力をして御期待に沿いたいと思うものでございます。
○西田委員 次に、この予防措置についてお伺いをしたいわけですが、その前に、現在百五十万人とも百六十万人ともいわれております身体障害者の中の生まれついての心身障害、いわゆる先天性といいますか、そういう人たちと、それから、あといろいろな病気の結果、その後遺症として出てきた身体障害者、この比率はどれくらいかおわかりになりますか。
○坂元政府委員 先ほども申し上げましたように、たとえば精神薄弱者を例にとった場合は、脳性麻痺等の先天性の者が一三%くらいございます。それから、それ以外の、妊娠中なり分べん中の事故、障害等による者が三三%ございます。したがいまして、いわば先天性といわれる者が四五、六%になっているわけでございます。残りは大体後天性なり、あるいはその他原因が不明、大体こういうような比率になっております。
○西田委員 それで、先日もお願いしたことでありますけれども、やはりそうした予防措置をするためには、日脳の予防注射の実施であるとか、あるいは小児麻痺に対する、そうした病気を起こさせない環境をつくるというようなことが非常に大切ではないかと思うわけであります。同時に、そうした措置、環境基準をつくるために、やはりかなりな施策というものが必要になってくると思うわけであります。したがいまして、そうした点についても、先日の御答弁では、十分やっていくということでありましたけれども、そういう予防措置について、先天性のものをなくすためには母子の健康保全、さらには後天性のものをなくすためには、やはり幼児にかかる時期が多いわけでありますから、乳幼児のころにおける健康の保持といった点についてひとつ十分なる対策をお立ていただきたいと思うわけであります。その点についてひとつ所見を聞かしていただきたい。
○内田国務大臣 御意見のとおりでございます。でございますので、本年度の予算におきましても、母子保健対策として、その方面にできるだけ国の施策を充実することにいたしました。また、生まれました乳児、また児童等につきましても、三歳児の検診ばかりでなしに、でき得る限りその方面の充実も期してまいりたい所存でございます。
○西田委員 一応これで終わりますけれども、委員長にお願いしておきたい。数が少ないからしかたがないのだろうと思いますけれども、私が発言し出してちょうど三十二分です。あともう十分ばかり発言したいことがあるのですけれども、盛んにやめろという御忠告があるわけであります。それならひとつ、先にやった方々の時間も十分委員長のほうは勘案をして、その制限をしていただきたいと思うのでございます。少なくともこういうことで発言の制限をされることについては、私は納得できません。このことを委員長にお願いをしておきます。
○倉成委員長 これにて本案についての質疑は終局いたしました。 —————————————
○倉成委員長 次に、討論に入るのでありますが、別に申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 心身障害者福祉協会法案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○倉成委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○倉成委員長 この際、佐々木義武君、田邊誠君、大橋敏雄君及び田畑金光君より、本案に対して附帯決議を付すべしとの動議が提出されておりますので、その趣旨の説明を求めます。佐々木義武君。
○佐々木(義)委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表いたしまして、本動議について御説明を申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 心身障害者福祉協会法案に対する附帯決議 政府は、本法の実施にあたっては、特に次の事項について配慮すべきである。 一、心身障害者福祉協会の設立の趣旨にかんがみ、その福祉施設の業務については、関係各層の意見を取り入れ、運営協議会を設ける等、その適正を期すること。 一、福祉施設の開設にあたっては、さらに今後の整備拡充に関する計画を早急に策定すること。 一、福祉施設関係職員の定員の確保を図るとともに、給与その他の勤務条件については、業務の特殊性を考慮した措置を講ずること。なお、入所者の負担の軽減に努力すること。 一、心身障害者に対する総合的な施策をなお一層充実し、その積極的な推進を図ること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○倉成委員長 本動議について採決いたします。 本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○倉成委員長 起立総員。よって、本案については、佐々木義武君外三名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。 この際、厚生大臣より発言を求められておりますので、これを許します。内田厚生大臣。
○内田国務大臣 ただいまは満場一致をもちまして本法案の御可決をいただきましてたいへんありがとうございました。また、附帯決議として御決定いただきました諸点につきましては、御趣旨を十分尊重いたしまして、これが実現に努力をいたします所存でございます。 —————————————
○倉成委員長 おはかりいたします。 本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○倉成委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○倉成委員長 次回は来たる十三日午後二時委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時六分散会