社会労働委員会 第10号
- 発言数
- 179 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1970/04/09
会議録
○倉成委員長 これより会議を開きます。 この際、厚生大臣より発言を求められておりますので、これを許します。内田厚生大臣。
○内田国務大臣 すでに御承知のことと存じますが、大阪市におけるガス爆発事故の情報を私から簡単に御報告申し上げたいと存じます。 これはけさの八時現在の情報でございます。 一、概況。四月八日十七時三十分ごろ、大阪市の地下鉄延長工事中に、埋設物である都市ガスのパイプ管からガス漏れがあり、大阪瓦斯会社のパトロール車が現地に出動して修理中に同車が燃え出し、同時に四カ所からガス爆発が起こり、付近の住家等のガラス、コンクリートの破片等が散乱するとともに、火災が発生し、帰宅途上の通勤者、地下鉄工事人等に多数の死傷者、被害が発生した。 二、災害発生日時及び場所。日時、四十五年四月八日十七時三十分ごろ。場所、大阪市大淀区国分寺町十五番地先。 三、被害状況。人的被害、死者七十人、うち男四十七人、女八人、性別不明十五人。それから負傷者二百三十人。うち重傷百二十五人、軽傷百五人。それから住家の被害、二十二棟三十戸全焼、世帯数百世帯、被災者四百五十人と推定。 四、救助の実施状況。避難所の設置。小学校二、公民館一、計三カ所に百二十人を収容。それからたき出しの実施。避難所収容者等に対してパン食のたき出しを実施。被服、寝具等の貸与。毛布千三百枚、むしろ三百枚を貸与。それから医療。負傷者二百三十人を二十五医療機関にて加療中。うち重傷者百二十五人は二十一医療機関に入院加療中。 五、厚生省は、大阪府、大阪市の関係部局並びに国立病院、赤十字社等と直ちに連絡し、応急対策を指導するとともに、今朝関係官を現地に派遣し、被災者対策等に万全を期しつつあり。 こういうことで、私どものほうから社会局、医務局等から係官を今朝派遣いたしてありますので、また帰りましたら報告の状況に基づきまして詳しい御報告もいたしたいと思います。 以上でございます。 ————◇—————
○倉成委員長 次に、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。古川雅司君。
○古川(雅)委員 質問に入ります前に、ただいま国務大臣から御報告のありました、大阪におきますガス爆発事故によりまして多大の死者、負傷者並びに罹災者を出しましたことにつきまして、つつしんでお悔やみとお見舞いの意を表したいと思います。 今午前十時から現場検証も始められておりますので、追って事故の内容等についても明らかになると思いますし、また大臣から御報告のとおり、今朝から係官を御派遣いただいたということでございます。今後万全の対策を期していただくように御要望申し上げたいと思います。さらにこの災害の起こりました原因、また監督行政の責任問題、さらに、常にこうした問題が起こったあとに大問題になっていくというようなそういった点について、さまざまな角度から今後また議論がな。れると思いますが、何としてもこの惨事に対しましては、今後こうした事故が再び繰り返されなさように大いに意を尽くしてまいりたいと思います。 本日議題になっております戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案について、改正案に関連づけながら二、三お伺いをしてまいりたいと思います。 すでに先日、社会党の委員諸公から詳細にしたって御質疑がございました。くどくどと繰り下すつもりはございません。また私非常に年少でございまして、戦争の勃発当時はまだ国民学校にも入っていない、終戦のときにまだ四年生というようなことでございました。この問題を論ずるにはいささか申しわけないような次第でございますが、私もこの援護法につきましては従来の会議録等を詳細に勉強させていただきまして、二十数次にわたる改正が行なわれてまいりまして、ほとんど議論も尽くされているというような感じを受けたような次第でございます。ただ、議論が尽くされているということと事後の問題解決が終了したということはまた別でございまして、また別の角度からいろいろお伺いをしてまいりたいと思うのでございます。 何と申しましても戦後二十五年、四分の一世紀を経過しておりまして、こうした戦後処理の問題がいまだに残されているということは、これは重大な問題でございまして、今後残されておりますいわゆる未処遇者について早急に、また具体的な解決策を示していただきたいというのが、私の本旨でございます。 最初にお伺い申し上げたいことは、今回の改正について若干進歩が見られるわけでございますが、今日の経済成長の実情にかんがみまして、援護の最低基準を引き上げ、さらに公正な援護措置をとっていくという立場から、今後この援護問題について取り和んでいく基本的な姿勢、基本的な方針をお伺いしてまいりたいと思います。 いま申し上げました未処遇者の問題あるいは老齢者に対する優遇措置、そういったことが特に中心になると思いますが、最初に基本方針をお伺いしてから順次質問を続けてまいりたいと思います。
○内田国務大臣 古川さんのお尋ね並びに御意向でございますが、この問題にはいまだ二つの面が残されていると私ども自身も考えております。 その一つは、遺骨の収集でありますとかあるいは未帰還者の問題等がまだ最終的に終わっておらないものもございますので、これらの問題に対する課題でございますが、このことにつきましては、御遺族、留守家族など関係者の御意向も尊重しながら、これまでもやってまいりましたが、今後さらに早急に処理をするということが私どもの一つの進め方でございます。 もう一方の処遇の改善の問題、戦傷病者戦没者御遺族等に対する援護の改善の問題につきましては、わが国の国民生活水準との関係も十分考慮しつつ、また公務扶助料その他の恩給制度等との均衡も考慮しながら、今後ともその充実を十分心において進んでまいる方針でございます。
○古川(雅)委員 処遇の問題でございますが、その給付内容の点から見まして、それが今日の一般国民の生活水準の向上から見合っているかどうか、あるいは急激な物価の上昇、物価の動向に応じているかどうか、こういうような問題点が非常に議論されておりますが、この点についてひとつ明確にお願いいたします。
○武藤政府委員 今回の改正では年金額を一六%引き上げておるわけでございますが、この内容といたしましては、恩給関係の増額が約八・七五%ございます。この中身といたしましては、現在まで、四十二年度までの経過措置分が四一五%まだ残っておりますが、これを二カ年で実施するといたしまして、今回二・二五%、それから四十三年度の物価並びに公務員給与の上昇分の六・五%、合わせまして八・七五%、これらの増額。それからいわゆる公務倍率の是正が六・七%ございますので、合せて約一六%今回引き上げた内容となっております。
○古川(雅)委員 私いま物価の上昇とのスライドの関連において処遇の内容をお伺いしたわけでございますが、大臣からごらんになっていかがでございましょう。私は非常に不十分であると思います。
○内田国務大臣 日本の経済がここまで成長してまいり、また財政規模等も大きくなってまいりましたので、私はこの問題についてはそういうことの関連においても十分な処遇の改善をはかってまいりたいと存じますけれども、先ほども述べましたように、公務扶助料あるいは恩給制度との関係も密接にある問題でございますから、そういう関連制度との権衡をもはかりながら、いま政府委員から御説明がありましたように今回一六%の引き上げはいたしましたが、これをもって終われりとするものではございませんで、今後ともこれらの改善を進めてまいりたい、こういうことでございます。
○古川(雅)委員 こういう方々の生活の実態から見ますと、先ほど申し上げたとおり非常に難儀をしていらっしゃるわけでございまして、大臣の御答弁をそのまま私も信じまして、今後十分な措置をしていただけるように御要望申し上げたいと思います。 次に、先ほど申し上げた老齢者の優遇措置についてでありますが、御承知のとおり戦没者の遺族というものは非常に老齢化してまいりました。ということは同時に、物心両面にわたりまして非常に苦労が多い。そういう点を考慮いたしまして従来老齢者に対する優遇の措置がとられてきたわけでございますが、この優遇措置のこれまでの経過について、最初、御説明をいただきたいと思います。そしてまた、今回の改正においてはどのようになっているか、御説明いただきたいと思います。
○武藤政府委員 老齢者に対する優遇措置につきましては、従来三本立てでありました点が、恩給制度のほうで一本になりましたので、それに合わせまして遺族援護法のほうも一本にしたわけでございますが、やはり老齢者に対する優遇措置は基本的には年金額の増額によってやるべきであるという考えでおるわけでございます。今回約一六%引き上げたわけでございますが、先生御指摘の遺族がだんだん老齢化していくという実態にかんがみまして、さらに十分の改善策をする必要がある、かように考えております。 、また老齢者の方々は、単に物資的な問題ではなくて、精神的な問題でいろいろ御苦労があるわけでございますから、そういう事態に対処するためにいろいろ相談に乗っていただく、心配ごとあるいはいろいろの指導をするということで、今回遺族相談員という制度を設けましていろいろお世話をしたい、かように考えております。
○古川(雅)委員 ただいまの御答弁の中で、優遇措置の一つとして相談員のお話が出てまいりましたが、この相談員について少し詳しく御説明をいただきたいと思いますが、大体どのくらいの人数を充てていらっしゃるのか、またどういう相談に乗って仕事をしていただいているのか、利用状況はどのくらいか、その点、御説明いただきたいと思います。
○武藤政府委員 この相談員制度は今回の予算で初めて認めていただいた制度でございまして、十月から発足する予定でございます。実質的には府県、市町村等で相談業務についてはいろいろやっておりますけれども、民間の方で身近にいていろいろ相談に乗ってあげたい、その相談内容は、いわゆる身の上相談、その他職業関係の御相談もできるだろうと思います。そのほか、もろもろの業務について助言をするということを予定しております。相談員の人数は全国で五百三十二名の予算措置が今回講ぜられております。
○古川(雅)委員 戦没者の遺族の相談員については今度創設をされたわけでありますが、戦傷病者の相談員は四十年から始まっていると思いますが、このほうの利用度、状況について、ひとつ御報告をいただきたいと思います。
○武藤政府委員 戦傷病者相談員は、現在七百下名でございますが、今回の予算措置で九百四十名に増員をいたしております。 この方々の相談内容は、法律に書いてございますけれども、各種法律によります援護の受給それから職業、生活相談と、広範にわたっております。 四十四年度の上半期の業務処理件数は、平均すると、一人で約八・四件という状況になっております。
○古川(雅)委員 この戦傷病者の相談員に対しましては手当を出していると思いますが、これはお幾らでございますか。
○武藤政府委員 一人月五百円の手当になっております。
○古川(雅)委員 それはいつごろからでございますか。
○武藤政府委員 三十九年からこの制度が認められましたが、月五百円になっております。
○古川(雅)委員 私、会議録から、四十年当初からというふうに承知をいたしておりますが、物価上昇の現状に見合った手当に引き上げるべきではないかというふうに考えるのでございます。この点、いかがでございましょう。
○武藤政府委員 現行の金額が十分であるというふうには考えておりませんけれども、他のこういう相談員等の謝金との均衡その他もございますので、十分その点を考えまして、この改善には努力をいたしたいと思います。
○古川(雅)委員 まあ、これはたいへんこまかい点で恐縮なんでございますが、大臣、この点いかがでございましょうか。四十年度から据え置きであるということにはちょっと問題があるんじゃないか。ほかとのかね合いもあるということでございますが、出発点において五百円にきめたということは、ほかとの比較を考慮の上決定していると思いますので、時期的な推移から、当然これは引き上げてあげるべきだというふうに考えるのでございますが、いかがでございましょう。
○内田国務大臣 政府委員から一応お答え申し上げましたように、他との均衡もありまして、なかなか一挙にふやせないという状況にございます。これはまあ、御承知のように身体障害者相談員の制度もあるんでありますが、このほろは三百円というようなことで現状いっておる。また、遺族のほうの相談員にいたしましても五百円というようなことでございます。しかし、私の記憶に間違いなければ、これと直接の関係はございませんけれども、民生委員の実費弁償のような手当につきましては、若干これよりも多い例が四十五年度の引き上げで実現をしましたこともございますので、今後とも、それらの例をも参照しながらでき得る限り御期待に沿うような努力をいたしてまいりたいと考えます。まあ、これはことしからの、せっかくできた制度でありますから、四十五年度はひとつこの程度で一応御了解をいただきたいと存じます。
○古川(雅)委員 あえて申し上げるのでございますが、均衡ということを強調なさいますと、現在の身障者の相談員の手当が非常に低いということになります。そちらを今度早急に引き上げるべきだという議論になってまいります。あくまでも均衡上云々ということで御説明いただくのであれば、これは早急にその三百円のほうの相談員の手当を引き上げるべきだというふうに申し上げたいのでございますが、いかがでございますか。
○内田国務大臣 均衡ということよりもむしろ、底上げを全体としていたすような努力をひとついたしてみたいと思います。
○古川(雅)委員 その点大いに期待をしてまいりたいと思います。 老齢者の優遇措置について戻らしていただきますが、全般に特別給付金として国から国債を交付いたしております。いずれも生活に困っていらっしゃる方がなかなか多い関係で、こうした国債を担保にお金を借り入れたり、あるいは国債そのものを国に買い上げていただいているというようなことがあると伺っておりますが、この実情につきまして、その内容をひとつ御説明いただきたいと思います。できれば、戦没者の妻に対して、あるいは戦傷病者の妻に対して、あるいは戦没者の父母に対しての弔慰金というふうな分類をしていただきまして、国債の額、機関、人数というふうに御説明を賜わりたいと思います。
○武藤政府委員 まず、買い上げの償還方法につきまして御説明をいたします。買い上げ方法は、福祉事務所長に生活困窮者の証明書を出しまして、支払い機関において、郵便局でございますが、償還を受ける。それから、買い上げ価格でございますが、これは一例を申しますと、額面三万円の国債の場合には、現在残額が一万八千円でございますが、これを一万四千円で買い上げております。それから、国債を担保に貸し付げる問題でございますが、これは国民金融公庫で行なっておりまして、六分でございます。 御質問の後段の、どの程度の人数が償還を受けているかということにつきましては、いわゆる買い上げあるいは担保等の実績があるかということにつきましては、現在手元に資料がございませんので、後ほど調べてお答え申し上げたいと思います。 それから、対象者の数でございますが、戦没者の父母に対します特別給付金につきましては、現在一万八千人が対象になっております。それから、戦傷病者の妻に対する特別給付金でございますが、これは八万八千人でございます。戦没者の妻に対する特別給付金、これは四十四万人でございます。 以上、概略でございます。
○古川(雅)委員 国債を担保にしてお金を借りている、あるいは国債の買い上げをしてもらったその人数については、御報告がございませんでしたので、後に資料をいただければ幸いだと思います。よろしくお願いいたします。 この国債を担保にしてお金を借りる制度あるいは国債を買い上げる制度は、三十八年度から三年間にわたって行なわれまして、ほとんどいわゆる希望者、該当者はこの時期に済んでいる。その後も対象者を広げて現在に及んでいるので、おそらくそうした希望者はないであろうということを聞いておりますが、これに間違いございませんか。
○武藤政府委員 大体の趨勢は、先生の御推察のとおりでございますけれども、その後のいろんな状況の変化でお困まりの御遺族につきましては、やはりぼつぼつあるということも考えられると思います。
○古川(雅)委員 国債を担保にしてお金を借り入れた方々が、大体四十八年四月あたりから期限がまいりまして、返済をしなければならない、こういう状態が生じてくるわけでありますが、先ほどから申し上げておりますとおり、年齢的にも非常に老齢化しておりますし、その期限が切れたあとの遺族の方々に対する対策についてお考えになっているかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
○武藤政府委員 その問題は、やはり金を貸しております国民金融公庫のほうでいろいろ実情に合うように処理すべき問題だと私は思いますが、金融公庫のほうにもその実情等を聞きまして、遺族の方々の実情に合うように十分関係方面と調整いたしたい、こういうふうに考えます。
○古川(雅)委員 国債につきましては、これは非常な生活難からほとんどが買い上げを要求したりあるいは担保にして借り入れをしているわけでございまして、こうした方々のその後の生活の保障につきましては、いまの御答弁のように、国民金融公庫を主体として事後の対策を考えていくということについて、私、納得がいかないのでございます。一家の柱を失い、身を粉にして働いていらした未亡人をはじめ遺族の方々、その方々の生活の苦しきについては、これはやはり十分にお考えをいただかなければならない。四十八年四月以降ということになりますので先にはなりますが、これはいまから十分に手を打っていただかなければならないというように考えるのでございます。局長の御説明ではちょっと納得がいかないのでございますが、大臣いかがでございましょう。
○内田国務大臣 この公債をもってする給付金一制度が、一般の遺族年金等だけでは十分でない、その上乗せとして未亡人とかあるいは老齢父母等に対する特別措置としてやったものでございまして、元来からいうと、十年間の特別給付金、それをお金でなしに公債の十年償還ということでやっておるものでございますので、ごくわずかな金額と私は思いますが、十年間その上乗せの金額が支給される。しかし一時にお金で要る場合には、買い上げあるいはその担保による国民金融公庫からの貸し付けというような特例をも開いておるわけでございますので、国民金融公庫にその公債を担保に入れて借り上げておられる方々に対するさらにその上の措置ということになりますと、これは私も一がいには申し得ないのでありますので、その事例の実態を検討しつつ、せっかくこういう制度をやったのでありますから、その制度が公債を受けられた方々にとりまして一そう生きるような方途を、これからも親切に検討いたしてまいりたいと思います。
○古川(雅)委員 老齢化した遺族に対する優遇措置としては、先ほど御説明をいただいた遺族相談員というような点が非常に目立つだけでございすして、これは優遇措置とは非常に理解をしがたいわけであります。もちろん年金や一時金の額における引き上げを検討していただくべきでありますし、また、いまお伺いをしていたしました四十八年四月には期限がきて、国債を担保にして借り入れた方々のその後の生活というような問題も、これは重大な問題になってまいります。老齢者の優遇措置につきましては、さらに一段と慎重な御検討をいただきまして善処していただきたいと思うのでございます。その点を強く要望いたしまして、次に移らしていただきます。 次は、軍属と準軍属との格差の問題でありますが、これも毎回非常に詳細にわたって議論が尽くされているところであります。今回の改正におきまして若干その格差は縮小されたように見えますけれども、私はまだこの軍属と準軍属の間に格差が存在しているということ自体に疑問を持っているものでございまして、今後この格差の縮小に対してどのような方向でお進めになっていくか、さらに年次的に縮小していくお考えがあるかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○武藤政府委員 軍人軍属と準軍属との間には従来から制度上の格差があるわけでございます。この理由は、やはり両者の間に身分、勤務形態等差があったがゆえに、処遇についても差を設けているわけでございます。その点、先生は差を設けるべきではない、こういう御主張だろうと思います。私どもも先生と同じような意見もたびたびお聞きしておりますし、そういうことについての議論がいろいろ行なわれたことも承知しておりますが、やはり従来はいままでどおりの考え方を踏襲しつつ改善を考えていきたいということで、今回も被徴用者等につきましては従来の十分の七から十分の八に引き上げたわけでございます。それでは残ったもの、あるいは十分の八からさらに改善措置を講ずるかということにつきましては、そういう御要望が強いという状況を考えまして、これは慎重に検討いたしたい、かように考えます。
○古川(雅)委員 この格差につきましては議論が非常に繰り返されておりますので、くどくどしく申し上げたくはないのでございますが、これはきのうも起こりました災害のような場合とは違いまして、国家の指導者の誤りによって戦争の犠牲者になっていった、またその遺族となったということが大前提でありますので、戦争当時どういう位置にあったか、どういう立場にあったかは別として、その後の保障について、援護について、格差を設ける何ら確たる理由にならないのではないかというように考えるのでございます。いまの御答弁ではまだまだ格差を認めていらっしゃるような御意向でございますけれども、大臣としてはいかがでございましょうか。悲惨な戦争、残酷な戦争の犠牲者になったということについて、軍属も準軍属もこれは何ら差がない。私が年少であるためにその点がわからないのか、あるいは私を納得させていただける確たる理由が成り立っているのか、その点御説明を賜わりたいと思います。
○内田国務大臣 この問題、なかなか私はむずかしい観念上の問題をはらんでいることと思いますが、つまり恩給なりあるいは遺族年金なり扶助料などの制度が一般の社会保障とは違うたてまえのもとにこれが行なわれておる。そこに私は問題の所在があるように思いますので、これを一般の社会保障として論じて画一にいたしますと、いまの制度の根本に触れてくるようなことにもなってまいります。しかし時代とともに恩給なり扶助料なり遺族年金なりについての考え方も勢い変わってきていることも、私は認めざるを得ません。しかしこれを一律に社会保障の施策としてしまうことにつきましては大いなる抵抗がありますことはお気づきになられることとも思いますので、その辺のことを考慮に置きながら今後も検討させていただきたいと思います。
○古川(雅)委員 十分な御検討をいただきたいと思います。 次に、冒頭に御答弁の中にございました今後の問題点の一つとして、遺骨の収集の問題がございます。これは国民感情といたしまして非常に遺骨を大事にしていくという風潮がございますので、相当力を入れてこの遺骨収集を完全に終了するために努力をしていらっしゃるということは伺っておりますが、大体昭和二十八年から三十三年にわたって収集業務が非常に進みまして、その後四十二年度以降にまた再開をされているというふうに伺っておりますが、この遺骨の収集の今後の計画についてまず御報告をいただきたいと思います。
○武藤政府委員 遺骨収集の趨勢につきましては先生御説明があったとおりでございますが、四十二年度以降につきましてはフィリピン、マリアナ諸島、東部ニューギニア等につきまして実施したわけでございますが、四十五年度におきましてはニューブリテン、ブーゲンビル、北ボルネオ、それから硫黄島につきましては最終的にやりたい、かように考えております。それから四十六年度以降に、残された地域すなわちマーシャル諸島、西イリアン、それからビルマ、インド、それから北方未回復の地域とございますが、これらの地域につきましては相手国の承認、それから国交の回復等、特にこれは未回復の地域につきましてはなかなか見通しが困難でございますが、そういうことで順次計画を立てて早急に計画を終わりたい、かように考えております。
○古川(雅)委員 もう一度ちょっと整理をしていただきたいのでございますが、海底に眠っていらっしゃる方々の遺族、その中でサルベージ技術の及ばない、技術的に収集が不可能なところ、あるいはいま御答弁のありました外交上、国交上の障害から実態の掌握ができない、あるいは収集のできないというようなところを除いて、収集可能なところはどういうふうになっておりますか。どのくらいの数に及ぶか、はっきりしているものの範囲でけっこうでございますので、御説明いただきたいと思います。
○武藤政府委員 沈没艦船の処理状況につきましは、こういうような状況になっております。沈没しました艦船は約三千余りでございまして、海上における戦没者は三十五万人と見込まれておりますが、これらの中から遺体を収容したものは隻数にして約百隻、遺体数にしまして三千四百四十、こういうふうになっております。外国の領海内にあります沈没艦船は現在当該国の所有に属しておりまして、これを直接わが国で引き揚げるということは非常に問題がございます。しかしながら、その国におきまして何らかの理由で収容される場合には、日本側に引き渡されるようにお願いをしております。先生御推察のように、沈没艦船の問題は、サルベージの技術的な問題その他の問題等を含めまして、なかなかむずかしい問題でございまして、現在そういう船があると考えられる地域につきましては、外交ルートを通じて詳細な調査をいたしております。それから、四十五年度以降計画しております地域につきましては、ニューブリテン、ブーゲンビル、北ボルネオ、ギルバート、硫黄島、これが本年度実施の予定でございまして、四十六年度以降は、いま申しましたマーシャル、西イリアン、ビルマ、インド等、これにつきまして外交ルートで許可を得次第計画を立てていきたい、かように考えております。どの程度の遺骨収集が可能であるかということにつきましては、ちょっといまのところ私どもとしては数につきましては推定がむずかしい、かように考えております。
○古川(雅)委員 二十五年を経ましていまだに遺骨が戻らないということは、これは遺族の気持ちになりますとまたたいへんなものでございまして、いまいろいろと御説明をいただいたわけでございますが、まだ実態が明らかになっていないというところも多々あると思います。今後いろいろな情報が入って、こういうところにまだ遺骨が残っているというようなことが判明した場合、直ちに措置を講じていただいて収集の作業に当たっていただけるかどうか。そういう場合が新たに生じた場合についての措置について、ひとつお伺いしたいと思います。
○武藤政府委員 そういうような状態の場合は、まず外交ルートを通じまして、遺骨があるというとにつきまして日本の方であるかどうかということを十分調査する必要がございますので、そういう点は現在でも外交ルートを通じてやっておりますし、先般もベトナム、それからインドネシアからそれぞれ約十体ばかりの消息が外交ルートを通じまして解決したわけでございます。大量の場合は現地の在外公館だけではなかなか手が回りかねますので、大量の場合は当然私どもが相手国の許可を得、従来やってきましたように、調査団を派遣して送還作業に当たるということが必要であろうかと考えます。
○古川(雅)委員 今度は、生きていらっしゃるいわゆる未帰還者でございます。その実態の掌握がどのようになされておるか、その点をお伺いいたしたいと思います。 四十四年十二月現在で四千百十九名というふうに掌握していらっしゃるというふうに聞いております。ただその中で生存者がどのくらいあるかという点についてはさだかでありませんが、こうした方々の中で一日も早く帰還をしたいというふうに意思表示をしていらっしゃる方、あるいは現地で再婚をしたりいろいろな事情で帰還を望まないという方々等いろいろな事情があると思いますが、そういった点の調査活動、実態の掌握につきましては当局はどのように対策を講じていらっしゃるか、その点お尋ねをいたしたいと思います。
○武藤政府委員 未帰還者の数につきましては、先生いまお話しのとおりでございます。内訳としましては、ソ連地域が三百九十五、北朝鮮地域が百二十六、南方その他の地域が二百七十四等がそのおもなものでございます。これらの未帰還者につきましては、現在厚生省、都道府県におきまして国内調査をいたして、その四千人の方々のその後の状況の資料を調査しておりますと同時に、外交ルート、赤十字等を通じまして国外調査もいたしておりまして、先ほどの数字の中で四十四年度でいろいろ結果が出た数字を申し上げますと、これはいわゆる死亡と推定される者が七十四出たわけでございます。この七十四の方については、厚生大臣の証明で戸籍法上の処理が可能だと考えます。それから特別措置法、いわゆる戦時死亡宣告の制度によりまして措置ができるものが二百三十五ということで、これらの方々につきましては、この措置ができますと、遺族年金の制度に原則的に乗っかるということを考えます。それからそのほかの方々につきましては新たに資料を整備するとか、さらに生存の状況につきましてその後の確認をしますとか、そういうことで調査をいたすわけでございます。現在、この四千人の中で生存の資料がありましたものが昨年末で千八百五十七。これは過去七年間に生存していたという資料があったものでございます。ですから、約半分弱が七年以内にそういう状況にあられたわけでございます。大半は中共地域でございまして、千八百のうち千六百が中共地域でございます。そのうち帰国の希望をなさっておられる方が五百三十七でございます。で、従来から中共地域の方々は香港ルートを通じてときどき帰ってきておられますけれども、中共のいろいろな国内情勢等で最近は途絶えた状況でございます。しかし、昨日も一人満州地域から、たまたま数年の調査によりまして親御さんがわかりまして、羽田で涙の対面をしたという事例が一つございました。
○古川(雅)委員 国交回復もないところもございますので、赤十字ルートを通して調査をするために非常な困難があるかと思いますが、今後とも未帰還者の実態の掌握対策につきましては、ひとつ慎重にお取りはからいいただきたいと思います。なお、未帰還者留守家族等援護法によりますと、現在適用を受けておるのは二十七名と聞いておりますが、この点間違いないでしょうか。
○武藤政府委員 さようでございます。
○古川(雅)委員 この法によって、適用の条件として七年前に生存の事実があること、第二に未帰還者が生計の中心者であるという、そうしたきびしい条件がついておりますけれども、これは国家補償の立場から見まして、二番目に申し上げた未帰還者が生計の中心者であるというこの条件を少し緩和して積極的な対策、救済措置をとっていただくべきではないかというように考えるのでございますが、この点いかがでございましょうか。
○武藤政府委員 十分に実情に沿いまして運用をいたしたい、かように考えます。
○古川(雅)委員 一番最初に申し上げましたとおり、この援護法につきましては二十数次にわたる改正が繰り返されておりまして、法体系としては非常に複雑多岐をきわめております。今後の見通しでございますが、この法律の体系を一ぺん整理をする必要があるのじゃないか、そういった総合的な見地でございますけれども、その点のお考えをお聞かせいただきたいと思うのでございます。
○武藤政府委員 御指摘のように、非常に難解な法律になっております。しかし、十七年間この制度で次々に改正が行なわれてきておりますので、一気にこれを新しいものに直すということにつきましては、法制当局とも十二分の打ち合わせあるいは内容の十分なる検討が必要だと思いますので、その点につきましては十分研究さしていただきたい、かように考えます。
○古川(雅)委員 今回の改正案の施行期日でありますが、ほとんどが十月一日付になっております。幼稚な質問かもしれませんが、十月一日にお定めなったひとつ根拠について御説明を賜わりたいと思います。内容によりましては年度初めである四月一日としても差しつかえないところがあるのじゃないかというふうに考えるのでございますが、いかがでございましょうか。
○武藤政府委員 従来から恩給も私のほうの法律も十月からになっております。これは、一つは、国会で法案が通るのが大体四月を過ぎてから通るという事由が一つあろうかと思いますが、そのほか、やはり権利の発生でございますので、さかのぼっていろいろの条件の証明ということがなかなかやっかいであるということで、やはり十月に行なわれているわけだと思います。それじゃ十月がいけないので九月からかということにつきましては、それは少しでもさかのぼることができないかどうかにつきましては、検討をいたしたいと思います。
○古川(雅)委員 この点につきましては、大臣の御見解が大事になってくると思います。全くさかのぼって実施する余地がないか、私はあるんじゃないかと思うのですが、いかがでございましょう。
○内田国務大臣 これは正直に申しまして法制局か何かの見解を聞かないと私にもわかりませんが、従来この種の法律の体系におきまして、一つの改善をいたします場合には、いつも十月施行、こういうような体系をとってきております。こればかりではございませんで、他の国民年金などの改善、福祉年金などの改善も他の法体系において四十五年から行なわれますが、すべてそういう体系をとっておることと同様な扱いと御了承いただければ幸いでございます。
○古川(雅)委員 了解に苦しみますので、また議論をあとに保留さしていただきたいと思います。 これは議案とは直接関係ございませんけれども、戦後処理、また遺族の援護措置ということに関連をいたしまして、原爆被爆者のことについてちょっとだけ触れさしていただきたいと思います。 これは予算委員会の分科会におきまして私も若干触れさしていただいたんでございますが、援護措置の適用範囲の拡大、あるいは現在の特別措置法からさらに援護法への方向づけ、そういった点が強く望まれているわけでございます。特に一時に大量の悲惨な犠牲者を出したということにおきましては、戦争犠牲者の中でも特異な存在でございまして、この原爆の被爆者に対する援護措置についてはさらに強力な御検討を賜わりたいということを御要望申し上げているのでございます。ここであらためてまた、今後の方針等について伺いたいと思うのでございます。 さらに、これは多少所管からずれるかもしれませんが、いま大阪におきましては万国博覧会がはなばなしく行なわれております。この中に原爆の資料も陳列をされているわけでございますが、いわゆる悲しみの塔としては非常に影が薄い。そしてまた日本館——これは私先日ちょっと拝見をしてまいりましたが、この日本の歴史には、終戦のこともあるいは平和憲法のことについても、また私たち国民が体験してまいりました戦争のみじめさ、戦争の残酷さについても、そういった主張が非常に薄い。今日この援護法の改正案を審議するにあたりましても、こうした戦争のさたかに多くの青年が声なき声を残して、犠牲者として散っていっております。こういった人たちが一体何を訴えているか。私たち生き残った者が彼らの代弁者として、これは厳粛に戦争の事実、戦争の傷あとについては再認識をしていかなければならない。あの万国博覧会の展示を見まして、この中に政府の当事者の方が、あるいはこうした戦争の犠牲者について直接お取り計らいをいただいている厚生省当局が、もう少し強い主張をもって戦争の残酷さを表現すべきではなかったか、訴えるべきではなかったかというふうに感ずるのでございますが、その辺の腰の弱さがこの援護法に対する非常な措置のおくれを生み出しているというように感じてならないのでございますが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○内田国務大臣 古川さんのりっぱな御意向として私どもも十分承り、参考にさせていただきたいと思います。
○古川(雅)委員 すでに万国博覧会は開幕をしているわけでございますが、いま申し上げましたその展示の内容につきまして、当初の計画が閣議の意向によって変更をされたということが一時議論をきれました。今後、途中ではありますけれども、さらにその展示の内容を変更するように厚生大臣から御要望をなさって、原爆の惨禍、戦争の悲惨さを強調していこうというふうな御意思はお持ちでないかどうか、その点伺いたいと思います。
○内田国務大臣 御意向を十分承りましたので、私どもの施策の参考にさせていただき、また関係の方面ともはかってみたいと思います。
○古川(雅)委員 たいへん前後して申しわけないのでございますが、大臣は悲しみの塔あるいは日本館の内容をごらんになっていると思いますが、その点の御所見をお伺いするのが先でございましたが、御感想いかがでございましたでしょう。
○内田国務大臣 実は先月十四日の万国博の開場式に私どもお招きを受けましたけれども、前日行ければ私も十分そういう視察ができたと思いますが、ちょうど国会の委員会などとかち合いまして私の大阪行きがおくれましたために、開場式に出ただけでございまして、まだ中をゆっくり見ておりません。いま古川さんから貴重な御意見もございましたので、あらためて参りました際に、もちろん私は心にとめてまいりたいと思います。
○古川(雅)委員 これは私の質問のしかたが非常にへたでございまして、それを最初にお伺いしていればもっとはっきりしたことをお伺いできるのでございました。ひとつさっそくごらんいただきまして御検討賜わりたいと思います。広島の被災者の方々の御意見を聞きますと、非常におこっております。まやかしだ、子供だましだ、あまりにも原爆被爆者の悲しみを世界に訴えていこうという意図がないということを申しておりましたので、ひとつごらんをいただきまして、また別の機会に御所見をお伺いしたいと思います。 時間になりましたので、最後に一つ実例をあげまして援護措置についてお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 最近私のところに、はるばる青森県の平内町というところから七十五歳になるおばあさんがお見えになりまして、いろいろ訴えていかれました。その内容をちょっと申し上げますので御所見を伺いたいと思います。このおばあさんのむすこさんが応召の途中、これは輸送船でございますが、死亡したということでございます。ところが、これは何らの援護措置も受けておりません。国会におきましてはたびあるごとに、社会党の後藤委員等をはじめといたしまして各党から、応召途上あるいは応召入営の途上において傷病によって死亡した軍人及び帰郷の途上の傷病により死亡した内地復員軍人の遺族に、弔慰金及び遺族年金を支給することを強く要望してきているというふうに伺っておりますけれども、これはひとつ大臣からでよろしゅうございますが、この点につきまして今後どのように措置をされていくか。これは私ども委員といたしましては党派を越えて強く御要望申し上げたいと思います。この際早急に措置していただきたいという点なのでございますが、いかがでございましょう。
○武藤政府委員 ちょっと法律的な問題を含んでおりますので、私から申し上げさせていただきたいと思います。 入営途中の問題でございますが、現在の援護法では在職期間にあった者について援護措置をやるということになっておりまして、したがいまして入営前の場合はこれに当たらないというところで、実情としては非常にお気の毒でございますが、むずかしい状況にございます。 それから帰郷の途中の問題でございますが、この問題は入営の場合と同じような理屈で考えられますが、ただ四条の二項という制度を設けまして、海外から帰る場合に、その途中で自己の責めに帰することができない事由によって疾病にかかったときは、公務上のものとみなすという特例がございまして、海外からの引き揚げ者につきましてはこれが救われる状況になっております。したがいまして、内地でのいわゆる帰郷途上は入らないという状況でございます。 この点につきましては実情としては非常にお気の毒でございますので、何らかの措置が必要であるという状況にかんがみまして、ひとつその点は何とか考えることができないか、さらに今後とも慎重に検討いたしたい、かように考えております。
○古川(雅)委員 時間でございますのでこれで終わらせていただきますが、ただいまの局長からの御答弁は非常につれない冷たいものでございまして、ただ必要を認めているということでございます。大臣から最後に御所信を伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。
○内田国務大臣 これらの関連の法律による処遇の対象につきましては、従来いろいろの対象が漏れたものもたくさんございまして、各方面の御意向が固まるものから今日まで御承知のように順次適用対象を広げてまいってきております。それでもすべて戦争に関連する方々がカバーされていないことも事実でございますので、いま私がここで一つ一つこれは入れる、入れないというようなことを言明は申し上げませんけれども、これらの対象に関する扱いというものはすべて今回の改正で終わりだということにはしないで、今後合理的に処理したらいいものを常に心を配りながら、それらの優先順位等も勘案しながら、できるものは毎年法律の改正によって取り上げていくというような態度を、今後も私は紡げてまいりたいと思います。 いま御指摘の事項についてもその一つであると考えるものであります。
○古川(雅)委員 ありがとうございました。終わります。
○倉成委員長 田畑金光君。
○田畑委員 いまの質問に局長並びに大臣から御答弁を承ったわけですが、関連しましてもう一度私、念を押したいのでございます。 応召途上あるいは帰郷途上の傷病により死亡した内地復員の軍人等に対する措置の問題、これは申すまでもなく、海外から復員してきた軍人等の帰郷途上の死亡等については、終戦直後の混乱に伴う特殊の事情にかんがみ、公務上の傷病による死亡とみなしてこの援護法の適用をなさっておるわけです。特に応召の途上ということになってきますと、これはまだ戦争が終わらない状況であったわけです。それは一応、それでもなおかつ議論はあると思いますが、復員ということになってきますと、これは戦争の終わったあとの状況です。ところで、復員ということになってきますと、外地から復員してきた場合であっても、内地において復員した場合であっても、戦後の異常な混乱の中に復員をしてきたという事実関係については、実態については変わりはないと思うのです。にもかかわらず、私は、この委員会でしばしば、あるいは毎国会ごとに取り上げられておるこの問題について、何らの前進がないということは怠慢だ、こう思うのです。この問題については、皆さんとしては今日までどのように検討を進めてきたのか、あるいはまた、この問題については、なるほど取り上げることが適切な問題だということで、次の機会にはこれを実現する御意思があるかどうか、昭和四十三年七月二十九日のいわゆる戦傷病者戦没者遺族等の援護の問題に関する懇談会、この懇談会の中においても、いまの問題については議論になっておるわけです。だがしかし、その結論は悲観的な消極的な内容であるわけですが、との問題についていま一度、厚生省としては、応召途上あるいは内地における復員途上における事故に基づく傷病、疾病に基づく死亡等についてこれを取り上げるという前向きの姿勢で臨むのかどうか、この点ひとつ承っておきたいと思います。
○武藤政府委員 いま御指摘の問題につきましては、先ほど私どものほうで御説明したとおりでございますが、いま仰せのとおり、懇談会の意見で消極的な意見が出ておりましたので、現在まではその意見に従いまして、援護法を改正して外地から帰ってきた方と同様に扱うということにつきましては、とっていないわけでございますが、実情については、先生その他の方々の御指摘のように、十分同情すべき点があることは私ども認めておりますので、どういう方法でこの問題を処理したらいいか、よく大臣とも相談いたしまして、前向きに処理できるかどうか、なかなかむずかしい問題があろうかと思いますけれども、十分検討いたしたい、かように考えます。
○田畑委員 先ほど援護局長の御答弁で、援護法の四条の二を引用されたし、また、これが外地から復員してきた場合の復員途上における疾病や傷病に伴う場合を取り上げておるわけですが、この四条の二について私はお尋ねするわけですけれども、その前に、四条の二によって、外地から復員してきた人については、復員途上の人方を公務に準じて取り扱う、こういう解釈ですね。
○武藤政府委員 先生の御説明のとおりでございまして、人数等につきましては正確な統計をとっておりませんが、二、三十人あるように担当の者は申しております。
○田畑委員 そこで私は、四条の二についてお尋ねしますが、この四条の二によれば「軍人軍属が、昭和二十年九月二日以後海外から帰還し復員後遅滞なく帰郷する場合に、その帰郷のための旅行中において、自己の責に帰することができない事由により負傷し、又は疾病にかかったときは、この法律の適用については、軍人軍属が在職期間内に公務上負傷し、又は疾病にかかったものとみなす。」そこで二つの場合が考えられますね。かりに、大陸から日本に帰還をした、日本に着くまでの途上において、その責に帰することができない事由により負傷または疾病にかかった場合もありましょう。それからまた、日本の港に着いてから、その帰郷のために、その郷里に帰るための旅行の途上において、自己の責に帰することができない事由により負傷または疾病にかかったときも適用されますね。二つの場合が予想されると思うのですが、第四条の二はそのような解釈のもとに運用されておるのだと思いますが、どうですか。
○武藤政府委員 ただいま先生の二つの事例のうち、後者につきましては、四条の二がそのまま適用になります。 前段の場合は、これは四条の三項に——読み上げますと「軍人軍属が昭和二十年九月二日以後、引き続き海外にあって復員するまでの間に、自己の責に帰することができない事由により」云々とありまして「厚生大臣が公務上負傷し、又は疾病にかかったものと同視することを相当と認めたときは、公務上負傷し、又は疾病にかかったものとみなす。」ということで、前段の場合は四条の三項で救われ、後段の例につきましては四条の二で救われる、こういうことでございます。
○田畑委員 そうしますと、四条の二の場合は、要すれば内地に帰ってからすみやかに帰郷した、その帰郷途上において負傷、傷病によって倒れた、その場合は在職期間内に公務上負傷し、または疾病にかかったものとみなす、こういうことになりますね。なれば、私は終戦後のあの混乱というのは——私も昭和二十年の十一月済州島から復員してきましたが、あの異常な混乱の中に、復員途上の汽車の中のあの混乱を見たとき、これは外地における混乱と内地における混乱というものは何ら異なった状況というものはなかったと私は思うのです。ましてや第四条の二が、内地に帰還してきてから、内地の港におりてから、帰郷途上において傷病、疾病にかかったものは公務上の負傷または疾病にかかったものとみなすということになってきますと、内地において、たまたま復員したものが内地のいろいろな混乱のきなかに復員して、その途上において同じく傷病、疾病にかかってなくなった、そういう方がいるわけです。現にそのような事例があるわけです。これは昭和四十三年十月、遺族会の発行した機関誌などを見ますると、この人は、昭和二十年九月十九日に召集を解除され、私どもの住んでいた愛知県に帰郷することになりましたが、その数日前の枕崎台風のため鉄道が山口県の柳井から広島県の糸崎までの間が不通になり、船で瀬戸内海を渡る途中、波にさらわれて海に落ちて死亡した。その後尾道の近くで、死体が見つかり、遺族が確認の上引き取った、こういう一例がございます。戦後内地にもいろいろな混乱があったわけで、そういうことを考えてみますと、私は第四条の二を読めば読むほど、外地からの復員者と内地において復員した者との間に差別をつけるという実際的な相違というものは何もない、こう思うのです。どうですか。
○武藤政府委員 遺族援護法の対象とする場合に、いわゆる在職期間ということが考え方の基礎になっております。これは要するに入隊から帰郷、隊が解散するまででございます。しかしながら、この海外から帰ってこられた方、たとえば悪うございますけれども、長く海外におられて、いわば内地の状況が全くわからない、浦島太郎ではございませんけれども、それに近いような状態で、内地の状況が全くわからない。西も東も、日本の国内が変わっていて、いろいろ様子が違うということにつきまして、やはり海外からの方々につきましては、何らかの措置をする必要があるということで、特に第四条の二で救うようになったわけでございまして、その点はやはり一般的な状況としては私は内地の方とは違うのじゃなかろうか、かように考えます。しかしながらいま先生御指摘のように、個々の例を具体的に並べますと同じような状況にある。したがって、何らかするべきでないかという御議論は、私もその点はうなずけるわけでございます。したがいまして、先ほど御答弁申し上げましたように、この問題につきましてはもうしばらく検討さしていただきたい、かように考えます。
○田畑委員 局長、いまあなたは苦しい答弁で、浦島太郎なんという話を出しましたが、私も五年半兵隊に行きまして、そして先ほど申し上げたように、昭和二十年の十一月に済州島から復員してきましたが、五年半くらいたっても浦島太郎になりっこないですよ。しかし四条の二の規定は、浦島太郎を予定した規定じゃないでしょう。とにかく外地にあって外地から復員をしてきた、外地という異常な混乱の地域から復員をしてきたというのが状況ですね。そして復員後すみやかに帰郷をした、帰郷というのは、あなたのこの法条の解釈によれば、内地にあってもその帰郷の途中において生ずる傷病、疾病にかかった場合には、公務による傷病、疾病とみなすのだという規定でしょう。なれば、私が言っているのは——別に浦島太郎という例をお引きになりましたが、内地に勤務していて、あなたの頭にある浦島太郎以上の、入隊から復員するまでの在職期間が長かった人もあったでしょう。こういう人方もこの四条の二の解釈によれば適用されないということではおかしいじゃないか。四条の二自体が、内地における、内地に上陸してからの復員途上であるとするならば、内地における終戦後の復員者について、復員途上における事故について、これを別扱いにするのは、これはあなた、法律の条文自体から見ても矛盾した話なんです。おかしな話なんです。聞けば聞くほどおかしいのです。厚生大臣、この点いかようにお考えですか。
○内田国務大臣 私は、まことに申しわけありませんが、いま論議の対象にお取り上げになっておられる法律の解釈のことはよくわかりませんが、先ほども申し上げておりますように、この援護法など、この体系の法律の改正というものは、今回の改正をもって終わりではないと考えます。範囲の拡大とかあるいは適用要件の援和とか、あるいはベースの引き上げとかいうようなことは、今後もいろいろな見地から問題を取り上げて、そしてできるものから改正をしていきたい、こういう気持ちを私は持つものでありますので、田畑委員から非常に筋を立ててお話しのありますこの問題につきましても、私は一つの課題として今後検討してまいるべきだと考えます。 ただ、うちの政府委員がいろいろ言いにくそうに言っておりますのは、田畑委員も御承知だと思いますが、四十三年にこの援護法にかかる諸問題についての検討のための懇談会が、この件については消極的の報告を出しておることも事実でございます。でございますから、私どもとしては、その消極的な見解に、さらにそれを克服するような、いま田畑さんのおっしゃるような理由をくっつけてこれを乗り越えていきませんと、なかなか政府全体としての政府案の原案とはなりにくい面もあることをお含みいただきまして、今後またさらにひとつ先生からも激励や御協力もいただきまして善処いたしてまいるほかはないものと考えるものでございます。
○田畑委員 大臣、この懇談会の報告書が消極的である、まあ、それは皆さんがせっかく頼まれた懇談会の報告書であるから、それを尊重されるということは、私は否定いたしません。しかし、この懇談会の時点で検討された問題と、何年か経過した今日の時点で援護法を見直すということは、おのずから別個であっていいと思うのです。また、この法律の審議を通じ、後ほど四党共同提案で修正案も出るわけですね。今度の修正案については、当然これは与党のほうとしても、機関にはかって、機関の承認を得て政府案を修正するわけで、その過程においては当然厚生省や厚生大臣の意見も聞いて修正をされるんだと思うのです。 今度の修正は、言うまでもなく、自殺した人についても、あるいは敵前逃亡した人も、重過失による傷病によって死亡した人も、殺人強盗等、大赦令によってまだ赦免されていない罪の人方は除いて、こういう分野にまでも援護法を適用していこうという方向にいまきておるでしょう。私は、こういう考え方で援護法を広げていくということは、戦後もう二十何年経過した今日の時点において、これから出すであろう四党の共同修正案も私はけっこうだと思うのです。同時にまた、いな、もっとその前にと私は申したいのです。応召の途上、復員の途上、傷病疾病によって倒れた人方について公務上の取り扱いをするということは、これは、懇談会にそのことをはかることも必要であるが、懇談会というのは一応参考意見として、政府としては取り上げるか取り上げないかということの基準の尺度にすぎないのですから、私は、今回のこの審議を通じ、ぜひひとつこの問題については次の機会に善処してもらいたい。なかんずく、私が主張したいのは、現行法の四条の二を読めば、大臣もちょっと読んでいただければおわかりだと思うのですが、外地から復員してきた人は、復員途上でというのは、内地の港におりてから、内地の港から自分のうちに帰郷する途上においての事故によるものを公務上の傷病疾病としてみなしておるのですから、なぜ、内地にいた復員者が、復員途上においていろんな事故にあって倒れた場合に、それを救い上げないか。私は、それはどこから見ても筋の通る話じゃないと思います。次の機会にはぜひこれは善処する——むしろ私は、これこそ今度の国会で、共同修正の中に入れて修正するのがほんとうだ、こう思うのです。大臣、ひとつはっきりとした答弁を願いたいのです。
○内田国務大臣 田畑さんからたいへん御熱心な御意見もありましたが、私はいまここで、来年必ずこの法律の改正案として政府から出すということは、これは私は否定する意味で申し上げるわけじゃございませんが、言明できない。が、この援護法というものは、一回や二回の改正ではなしに、いろいろな関係者の皆さんのりっぱな御意見を取り入れながら、だんだん、いま言うような適用要件を拡大したり、範囲を広げたりしてまいってきておる歴史の所産が、このわかりにくい法律にもなっておりますので、いまの先生御提起の課題は、もう今後問題にしないということではなしに、他にまた検討しなければならない問題もあるわけでありますから、それらとあわせて、さらに今後一歩でも二歩でも前進するように、そういう中に取り入れてひとつ考えさせていただきたい、こういうことを申し上げる次第でございます。いま私がここで、よろしい、やりましょう、と申しましても、万一それがそのとおりになりません場合には、これはもう私が非常にいいかげんなうそつきの厚生大臣ということになりますので、これはひとつ検討させていただきまして、その際には、田畑委員をはじめ御関係の方々の御意向も十分しんしゃくしながら前に進みたい、こういうことだけをきょうの段階では申し上げさせていただきたい、こう思う次第でございます。
○倉成委員長 後藤俊男君。
○後藤委員 いま大臣からいろいろお話がございまして、わからぬこともないわけですけれども、実は私が質問いたしましたときも、この問題をかなり執念深く話したと思うのです。特に最近の、中身の性質はちょっと変わるかもわかりませんけれども、労働災害の問題が今度の国会で審議されることになっております。いまから二十年前を考えてみますと、通勤者の通勤途上における災害等につきましては、業務上の災害だというようなことはおおよそ想像もつかなかった、そんなことは考えておらなかったのが二十年以前の話であったと思います。しかし、最近におきましては、ILO百二十一号等を考えてみましても、さらに日本の政府の審議会の内容を考えてみましても、通勤の行き帰りについては労働災害を適用すべきかどうか、これが真剣に論議をされておるわけなんです。そうなってまいりますと、いま田畑委員のほうから、これは強く主張されておるわけでございますけれども、応召の行き帰りに、自分の過失で死んだわけではなしに、先ほどの話のように、船が転覆して犠牲になった、あるいは、中には爆撃を受けて死んだ方もあると思うわけです。具体的には二、三、例も私は知っておるわけでございます。そういう点を考えると、当然援護法の適用心あってしかるべきだと私は思うわけなんです。予算的に考えましても、そうたいした数じゃないと思います。しかも、先ほど大臣が何べんも繰り返しておられますように、この問題ではなしに、これに類似した問題がたくさんある。その類似した多くの問題の中で、特に至急解決してもらいたいというのがこの問題だと私は思うわけです。だからこそ、国会が開かれるたびに、同じ問題を何回も何回も繰り返しておるわけなんです。大臣は、次から次へとおかわりになりますので、そう何回もやっておるんかいということになろうかと思いますけれども、われわれは毎年毎年同じ問題をひっくり返しもつくり返し論議をして、何とか検討しましょう、善処しましょうということで、次にもうあかなんだ、そこでまたやる、これを四、五年間繰り返しておるわけなんです。ですから、いろいろな情勢等も考えていただいて、しかも、田畑委員が言われるように、四条の二等の精神を考えてみましても、これは終戦後だけではございません、終戦までに応召された方の問題もあるわけです。さらに、終戦になってから、帰られる途中で犠牲になられたという問題もあるわけですね。多くの問題がありますけれども、その中で特にこの問題については、当然一刻も早く解決してしかるべき問題ではないか。これは、遺族会なり、全国的に該当される家族といたしましては、もう長い間待ち焦がれておられる問題であると言っても私は間違いないと思うわけです。ですから、そういう意味において、先ほどからも深く検討され、論議されておるわけですけれども、次の国会でどうとかこうとか言わずに、できればひとつ十月一日のこの改正時には——これはたいした数でもないです。予算的にどうこうという問題も起こらないと思います。しかも各党全部がこの問題については大賛成です。できればひとつやってもらいたい、こういう気持ちになっておりますから、ひとつ早急に検討していただいて、十月一日の改正とあわせてこの問題を解決する方向で全力を尽くしていただくように、これは田畑委員も言われましたが、重ねて私からもお願いを申し上げるわけです。大臣、いかがですか。
○内田国務大臣 先ほどからたびたびお答えを申し上げておるとおりでありまして、解決がつかない幾つかの課題の中でもまっ先に解決すべきだという両委員の御意見、よく私の耳に入りましたので、これは今後の優先課題として検討をきしていただきます。また、かりに私の大臣在職が短くて、来年の改正案を出す前にやめたといたしましても、私が代議士をやめるわけではございませんので、田畑さん、後藤さんと党の所属は違いますけれども、実は私は、遺家族擁護議員連盟というのがわが党にございまして、そのいわば働き手の一人でございまして、また、大臣をやめましてもそれをやるつもりでおりますので、これの推進にはかえって当たりやすくなる面もございます。たいへん貴重な御意見を聞かせていただきましたことを、ここに銘記いたしまして、きょうのところはひとつこの辺で御了承をいただきたいと思います。
○田畑委員 大臣、ぜひもう一期ぐらいやってくださいよ。このためにもぜひ大臣の留任を私は切にお願いします。 それで大臣、私は大臣のい左の答弁で、おそくても来年は実現するものだと期待をしますが、これはいつも法律に基づいて忠実に義務を遂行される局長におかれて毛、この四条の二を読めば、私がさっき言ったような疑問点というのが出てくるわけですね。第四条の二「海外から」というのを削除すれば、いまの問題はこの条文だけから読めばすっと解決するわけです。だからこの点は、大臣の先ほどの熱心な、前向きの、積極的な御意見というものを聞いて、私はこのあたりでこの問題に関する質問はおさめますが、局長も大臣に対する助言なり補佐を正しくされるように切に希望して、との問題については全部の意向がそこにあることをくまれて、今後の法律改正の節に善処願いたい、こう思います。 それで、次にもう一つ問題としてお尋ねしたいのは、——年金局長来ておられますか。今回、国民年金法に基づいていろいろ福祉年金が引き上げられますね。それで老齢福祉年金が千八百円から二千円になりますね。ところで、今度のこの援護法の改正によって遺族年金等が引き上げられるわけでございますが、遺族年金が十三万五千円から十五万七千円になるわけですね。この場合、また、いわゆる併給制限、こういうような問題で、せっかく福祉年金が引き上げられた、遺族年金が引き上げられた受給者の場合から見ると、特に老齢者の方々でございますから、いわゆる給付の制限ということになってきますと、せっかくの政府のいい面の施策というものが、受給者の立場から見ると期待はずれという結果になるわけでございますが、この受給制限ということについて、どのようになるのか。これは援護局長のほうがいいのか年金局長のほうがいいのかわかりませんが、そのあたりをちょっとお聞きしてみたいと考えたものですから、ひとつ御答弁を願いたいと思います。
○廣瀬政府委員 福祉年金につきましては、先生御指摘のとおり、毎年十分ではございませんが引き上げておるわけでございまして、老齢福祉年金につきましては、四十五年度におきましては前年度より月二百円引き上げるわけでございます。 そこで、公務扶助料なりあるいは援護法の遺族年金との併給の問題があるわけでございますが、福祉年金は、御承知のように他のいかなる公的年金制度からも給付が受けられない人を対象といたしまして、全額国庫負担で支給される年金でございます。したがいまして、たてまえから申しますと、公務扶助料あるいは援護法による遺族年金をもらっておる方は福祉年金が支給されないということになるわけでございますが、先ほど来るるお話がありましたように、こうした援護法による遺族年金や公務扶助料は、戦争公務に起因するという特殊な性格を有しておりますために、一定の限度額はございますが、その限度額の範囲内において福祉年金も併給するということになっておるわけでございます。 そこで、公務扶助料なりあるいは遺族年金のほうが、これも毎年上がっておるわけでございますが、その上った場合に、この限度額も毎年それに見合って引き上げておりまして、福祉年金から出ます併給額は少なくとも前年度の金額を減らない、これを何とか確保するということで、福祉年金と公務扶助料なり援護法の遺族年金との併給限度額を引き上げてきておるわけでございまして、四十五年度においても従来の方法を維持いたしまして、昨年並みの併給額を確保するという従来の方針を踏襲しておるわけでございます。
○田畑委員 具体的に併給額は幾らを限度として給付できるわけですか。
○廣瀬政府委員 兵の場合を基準にして申し上げますと、四十四年度の併給限度額は十四万四千八百円でございます。この場合に兵の公務扶助料の額は十三万五千三百六十一円でございまして、その差額、すなわち九千四百三十九円が福祉年金から出る併給額でございました。四十五年度は、これはまだ法律が通っておりませんが、予算案によりますと、限度額を十六万七千三百円に引き上げるわけでございます。公務扶助料は御承知のように十五万七千百二十五円でございまして、その差額、すなわち一万百七十五円が福祉年金の併給額ということになる予定でございます。したがいまして、昨年の併給額九千四百三十九円に対しまして、四十五年度は一万百七十五円ということで、非常にわずかでございますが七百三十円ばかり増額になるわけでございます。
○田畑委員 いまのように、公的年金をもらう人については福祉年金の併給が制限されておりますが、その法的根拠はどの法律の第何条によるわけですか。
○廣瀬政府委員 ただいまの限度額の法的根拠は、国民年金法の六十五条でございます。その中にはカッコがございまして、御参考までに条文をお読みいたしますと、これは六十五条の第一項は「障害福祉年金、母子福祉年金及び準母子福祉年金は、受給権者が次の各号のいずれかに該当するときは、その該当する期間、その支給を停止する。」とございまして、その一号で公的年金給付を受けている者は福祉年金の支給を停止するということになっています。老齢福祉年金はほかの条文で、七十九条でこれを引用しておりますので、趣旨は同様でございます。このように、他の公的年金給付を受けておる者は、原則として福祉年金の支給は停止するということになっておりますが、六十五条の四項に「第一項に規定する福祉年金の額及び同項第一号に規定する給付の額が、いずれも十三万五千五百円未満であり、かつ、当該給付が、恩給法による増加恩給、同法第七十五条第一項第二号に規定する扶助料その他政令で定めるこれらに準ずる給付であって、」云々とございます。
○田畑委員 それで老齢福祉年金は第何条ですか。
○廣瀬政府委員 七十九条の二でございます。
○田畑委員 そこで大臣、この点も大臣は、過般来老人福祉の問題についてたいへん見識ある構想を御答弁いただいて、本会議その他等においても深く敬服をしておるわけですが、いまお話しのよに、今回のこの援護法の引き上げによって、遺族年金を例にとりますと、兵の公務扶助料が十五万七千円に引き上げられたわけです。兵の公務扶助料は十五万七千百二十五円と、いま年金局長お答えになりましたが、年金受給付者については、併給で年額十六万七千三百円と制限されておりますので、毎月わずか二千円の老齢福祉年金であっても、併給制限によって年額二万四千円の中で一万円前後しか支給されないというのが、今回の改正措置ですね。これではせっかく公的年金をもらっても、福祉年金が半分以上制限されるというようなことは、私は老人を尊重するという大臣の気持ちから見ても、併給の制限額はきつ過ぎはせぬか、このあたりはもっとゆるめるべきではないか、こういうことですね。その点について大臣どのようにお考えでしょうか。
○内田国務大臣 政府委員からお答えがありましたように、元来国民福祉年金というものは、他の公的年金が支給されない場合に全額国庫負担で出す制度でありますから、したがって、公的年金の一つである公務扶助料なり、あるいは恩給なり、あるいは遺族年金なり、そういうものが支給される場合には、これは併給されないのがたてまえだ、こういうことになっておるわけであります。しかしながら、これもまた政府委員から答弁もありましたが、公的年金といっても、公務扶助料などは発生の動機が違うんだから、したがって老齢福祉年金というものを一切支給しないということは、これはなかなか納得されない面もあるからということで、現実には、全額ではありませんけれども、併給をしてきておるわけでございます。 そこで、四十五年におきましては、兵の公務扶助料で申しますと、従来の十三万五千三百六十一円が十五万七千百二十五円に引き上げられました。つまり二万一千七百六十四円引き上げられましたから、これをほうっておきますと、今度は、いま併給されておりますところの老齢福祉年金のほうにその一部が食い込みまして、したがいまして扶助料のほうは上がったけれども、福祉年金の一部が削られたということになりますと、受給者は、せっかくの扶助料値上げというものが全額もらえなかったというような結果にもなりますので、納得しない面があるということで、これは私自身が、実は非常に一生懸命になりまして、この際、併給を削るどころではなしに、福祉年金についても併給額をできるだけ多くしてほしいという動きをいたした次第でございます。その結果、福祉年金のほうは扶助料が上がっても削られないのみか、若干ではありますが、併給部分がふえることになりました。それは具体的に申しますと、老齢福祉年金の従来の併給は九千四百三十九円でありましたのを、今回はそれが兵で申しますと一万百七十五円、こういうことで、わずかではございますけれども、若干ふえる。したがって、受給者にとりましては、扶助料のほうもふえるし、福祉年金のほうも、総額を受給するわけにはいかないけれども、いままでもらっておった老齢福祉年金の金額が若干ふえる。両方で受給額がふえる、こういうことになるわけでございます。ただ残念なことは、老齢福祉年金のほうがまるまるもらえるようになれば一番いいわけでありますが、そうなると、法律制度を根本から直さなければならないという面がありますので、今回は、この程度で兵を引けということで、私もおさめたということでありますが、田畑先生の御意向が、一〇〇%ではございませんけれども、ある程度生かされていることを、ぜひひとつ御承知いただきたいと思います。
○田畑委員 大臣も先頭に立って努力をされた、こういうわけですが、昨年に比べますと、なるほどふえております。七百六十円くらいふえております。これも偉大な努力であろうかとは思いますが、しかし大臣の御答弁の中にありましたように、兵の公務扶助料にしましても、この援護法を見ましても、ずっと各質問者のことばの中にも出ておりますように、老齢者の方々が多いわけで、ますます老齢化していくわけですね。今日、わが国の社会保障の柱として一番取り上げていかなければならぬ問題は、老人福祉の問題だと思うわけです。厚生省が先般、昭和四十三年の国民生活の実態調査をまとめて発表されましたが、その中における老人の問題を見ますると、年寄りの方が一番気の毒であるというのが、この調査の結果を見ても明らかに出ておるわけですね。調査の内容についてかれこれ申し上げることはいたしませんが、毎月二千円ずつの老齢福祉年金とその他の公的年金といっても、兵の公務扶助料に相当する年金の額と申しましても、今日の国民生活や物価の動きなどから見ればそう大きな額ではないわけです。だから私は、法律の条文そのものも、したがっていまの国民生活の水準、物価の動き、公務員の給与の動き等々から判断した場合には、たとえばことしの併給制限額十六万七千三百円、こういう絶対額についてはもっと考慮し、せめて老齢福祉年金の併給のできるぐらいは考慮を払うべきである、こう考えておりますが、これは私の考えが間違いなのか。あるいは、法律の立て方について、今後はそういう方向で処理すべきであると私は思いますが、この点について大臣の見解をいま一度お尋ねしておきます。
○内田国務大臣 田畑先生のたいへん御熱心な御所論はよくわかります。また、私の熱意のほども、先ほど申し述べたところでおくみ取りいただけたと思います。また、老齢者対策というものは、福祉年金あるいは扶助料等だけによる対策として取り上げないで——それももちろん所得保障の一つで大切でございますが、その他のたとえば医療保障の問題でありますとか、住宅の問題でありますとか、あるいは老齢者の社会活動の問題でありますとか等々、いろいろな部門におきまして今日だんだんウエートを増してきておりまする老人対策につきましては、厚生省といたしましても総合的に力を入れてまいるものでありますことも、同時にひとつ御承知をいただきたいと思います。先生のただいまおっしゃる方向は、また私どもの目ざす方向でもありますので、どうぞ御了承をいただきたいと思います。
○田畑委員 老人福祉対策の面は各面から講ずべきではありますが、やはり大事なことは、年金などという現金でもらうことが年寄りにとっては一番の楽しみでもあるし、また国の施策にあずかっておるという実感というものは、そういうお金の面に端的にあらわれているわけでありまするから、併給制限については、もっとゆるやかに、毎年毎年前向きで善処するということをひとつ強く大臣に希望しておきたいと思います。 それから、今度は援護局長にお尋ねをいたしますが、今度の扶助料の引き上げは、恩給法の引き上げにならって援護法のもろもろの引き上げについては一六%引き上げた、こういうお話ですね。その一六%の内容は何なのか。もうちょっと具体的に申し上げますと、昨年の援護法の引き上げは、これまた恩給法の引き上げにならって、たしか昭和三十六年十月からの物価の値上がりを基準にとって四四・八%の調整措置を去年ははかったんですね。その場合、昨年の四四・八%の調整措置は、とりあえず物価の値上がりに基づく調整だ。しかし、それも全部でなかったと思います。 そこで、昭和四十三年三月二十五日の恩給審議会の答申は、その冒頭に「調整規定の運用に関する意見」というものを出しておるわけですね。そうして恩給法第二条ノニ、すなわち「年金タル恩給ノ額ニ付テハ国民ノ生活水準、国家公務員ノ給与、物価其ノ他ノ諸事情ニ著シキ変動ガ生ジタル場合ニ於テハ変動後ノ諸事情ヲ総合勘案シ速ニ改定ノ措置ヲ講ズルモノトス」この恩給法第二条ノ二の規定に基づいて、昨年はとりあえず物価値上がりの調整措置をやったのが恩給法の引き上げであり、援護法の引き上げであったと思うのです。そこで、ことしは当然、消費者物価の値上がりの調整と同時に、公務員給与の引き上げの問題、あるいは国民生活の水準の向上の問題、こういう問題を考慮して恩給法の引き上げ措置、あるいはこれにならって援護法に基づく援護金の引き上げ措置がなされた、こう思うのですが、一六%の内容というものは、いま私の指摘した問題についてどのように答えておるのか、この点を明らかにしていただきたい。
○武藤政府委員 遺族年金の一六%の引き上げは恩給関係と同様でございますが、その一六%の中身につきましては、恩給年額が八・七五%増額になっております。そのパーセントの中身としましては、先生がいま御指摘になりました四十二年度までの増加措置分が現在四・五%積み残しになっておりますが、本年度はこれを二カ年計画でやるということで、この四・五%を二・二五%というものと、それから四十三年度の国家公務員給与の上昇分を六・五%といたしまして、合わせて八・七五%に公務倍率の是正を今回恩給法の関係でも六・七%改善いたす予定でございますが、合わせてこの八・七五と六・七の合計が一六%でございます。 以上であります。
○田畑委員 わかりました。いま局長の答弁を承りますと、今回の一六%というのは、八・七五%恩給に準じて引き上げ措置を講じる、そうして残の引き上げ分は積み残し分の中から二・二五%、さらに四十三年における公務員給与の引き上げのうちから六・五%取り上げた、こういうことですね。そうしますと、私が先ほど指摘いたしました四十三年三月の恩給審議会の答申から見ると、審議会の答申からまだほど遠い、こう言うべきだと思うのです。たとえば四十三年の公務員の給与というものは八%の引き上げ措置がなされておりますね。さらにまた、消費者物価の値上がりを見ましても、四十三年度は四・九%にのぼっておるわけですね。こういう消費者物価の引き上げの四・九%、それから公務員給与が四十三年八月十六日に八%のベースアップがなされておりますが、これらとの関係はどうなっておるのか、どの程度まだ来年に積み残しておるのか。
○武藤政府委員 御指摘のように、先生のお示しいただきました公務員給与等の改善を全部のみ込んでいないわけでございますが、この点については公務員給与の改善の中身についてのいろいろの議論によって積み残しになった分があるかと思いますが、この点につきましては今後とも恩給局当局とも十分検討いたしたい、かように考えております。
○田畑委員 私が局長にお願いしたいのは、一六%の内容についてもっと、いま私の指摘しました公務員の給与の引き上げの問題、消費者物価の値上がりの問題、こういう問題等と、それから国民の消費水準の向上の問題等々を比較した場合、一六%というものは、恩給審議会の答申、それに右へならえするところの援護法でございますから、この精神から見てまだ相当不十分なものがあろうと判断するわけで、また事実そうなのです、詳しく数字を詰めていけば。今後ともこの問題については特に善処をお願いしたいと思いますが、大臣の所見を承ります。
○内田国務大臣 田畑委員のおっしゃる点、私もよく了承をいたしております。ことに、恩給にいたしましても、あるいは遺族年金にいたしましても、公務員のベースアップのような、一つのそのときにおける雇用政策というものを含んでいないところに、こういう問題が出てくるわけでございますので、さような点をもさらに再検討をいたしながら、毎年できるだけの処遇の改善にはつとめてまいる所存でございます。
○田畑委員 ひとつ今後も大いに御努力を願いたいと思います。 最後に一つだけお尋ねしておきますが、昭和四十四年版の厚生白書によれば、こういうことが載っているのですね。「終戦前後のある時期に南朝鮮において消息を断つた状況不明の未帰還者二四五人の調査を四二年六月韓国政府に依頼した」、こういうことが載っているのでございますが、これはどういうことなのか、その後調査によってどうなっておるのか、この点についてひとつお聞かせを願いたいと思うのです。
○武藤政府委員 厚生白書に載っております問題につきましては、四十二年六月、外務省を通じまして韓国に依頼をしたわけでございます。この二百四十五名というのは、ある特定の地域に一括して状況不明になったわけでございませんで、あちこちでそういう消息を断った方々でございます。まだ韓国から回答がないようでございますので、さらに督促を今後とも重ねていきたい、かように考えております。
○田畑委員 四十二年というと、日韓の国交回復の条約も成立して正常な関係に戻った時点でございますが、四十五年と申しますともうあれからかれこれ三年を経過しておるが、この間調査について、厚生省としては韓国政府の機関等と何ら話し合いをなさっていないのかどうか。いまの御答弁は御答弁だが、この場限りの御答弁では困るので、どのような接触がなされておるのか。
○武藤政府委員 やはり外交問題でございますので、外務省の手を通じて交渉するほかはございません。ただ、昨年の末当局の課長が京城に行く機会がございましたので、その際も督促をさせた次第でございます。
○田畑委員 私はこれは大臣に特に、いまお聞きのような問題もあるわけですから、これは外交ルートを通じての交渉ということになるではありましょうけれども、未帰還者の調査の問題等について、先般来しばしばこの委員会で取り上げられておるわけですね。私は夫帰還者の実情調査等については、未帰還者留守家族等援護法や未帰還者に関する特別措置法、この法律に基づいてさらに適切な調査、そうしてそれに基づく措置をとられるように切に希望したいと思いますが、この点大臣の所見を伺って私の質問を終わることにいたします。
○内田国務大臣 できる限り善処して御期待に沿う所存でございます。
○倉成委員長 これにて、本案についての質疑は終局いたしました。 —————————————
○倉成委員長 ただいままでに委員長の手元に、増岡博之君、田邊誠君、大橋敏雄君及び田畑金光君より、本案に対する修正案が提出されております。 —————————————
○倉成委員長 修正案に対する趣旨の説明を聴取いたします。増岡博之君。
○増岡委員 ただいま議題となりました戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案に対する自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党四党共同提案にかかる修正案につきまして、四党を代表いたしまして、その趣旨を御説明いたします。 その第一は、戦傷病者特別援護法による療養手当の額の改正について、公布の日から施行することとなっているものを、昭和四十五年四月一日にさかのぼって適用することとすることであります。 その第二は、軍人軍属の御遺族につきまして、現行制度のもとにおいては、軍人軍属がみずからその命を断たれた場合や戦線を離脱して死亡された場合等は、遺族年金等は支給されないこととなっておりますが、これを改正することであります。すなわち事変地及び戦地の状況の特殊性にかんがみ、また、戦後、陸海軍刑法が廃止され、敵前逃亡等の罪は大赦令により赦免の対象となった経緯もあり、事変地及び戦地において死亡された場合は、大赦令による赦免の対象とならなかった殺人、略奪等の犯罪行為に関連することが明らかである場合を除いて、その遺族に遺族年金及び弔慰金を支給しようとするものであります。 以上がこの修正案を提出する理由であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○倉成委員長 修正案について御発言はありませんか。——なければ、この際、本修正案について、国会法第五十七条の三により、内閣の意見があればお述べ願いたいと存じます。内田厚生大臣。
○内田国務大臣 委員会における修正の御趣旨につきましては、私どももその修正を尊重して対処いたしてまいる所存であります。 —————————————
○倉成委員長 次に、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案を一括して討論に付するのでありますが、別に申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 まず、増岡博之君外三名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○倉成委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいまの修正部分を除く原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○倉成委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○倉成委員長 この際、増岡博之君、田邊誠君、大橋敏雄君及び田畑金光君より、本案について附帯決議を付すべしとの動議が提出されておりますので、その趣旨の説明を求めます。田邊誠君。
○田邊委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表いたしまして、本動議について御説明を申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議 政府は、次の事項につき、格段の努力を払うべきである。 一、今日の経済成長の実情にかんがみ、援護の最低基準を引き上げ、公平な援護措置が行なわれるよう努力すること。なお、戦傷病者戦没者遺族等の老齢化の現状を考慮し、これら老齢者及び妻の優遇措置を講ずること。 一、未帰還者の調査については、さらに真剣に取り組むとともに、その実態のは握に万全を期すること。 一、遺骨の収集については、さらにこれを推進すること。 一、動員学徒等準軍属の処遇につき、軍人軍属との格差をさらに縮少すること。 一、戦傷病者に対する障害年金及びその加給については、その改善に努めること。 一、戦後二十数年経過した今日、なお残されている未処遇者について、早急に具体的な解決策を講ずること。 以上であります。何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○倉成委員長 本動議について採決いたします。 本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○倉成委員長 起立総員。よって、本案についイは、増岡博之君外三名提出の動議のごとく附帯一議を付することに決しました。 この際、厚生大臣より発言を求められておりますので、これを許します。内田厚生大臣。
○内田国務大臣 ただいま御決議がございました附帯条項につきましては、その御趣旨を十分尊重して、政府といたしましても努力いたす所存でございます。 —————————————
○倉成委員長 おはかりいたします。 本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○倉成委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○倉成委員長 次に、心身障害者福祉協会法案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。田邊誠君。
○田邊委員 今回提案をされました心身障害者福祉協会法案、すなわち、現在まで、群馬県高崎市の観音山地帯に建設を急いでまいりましたいわゆる国立コロニーというものは、今日までの日本の心身障害者対策が、きわめておくれておるという現状から見ました場合には、きわめて注目をすべき事業であると思うのであります。したがって、この建設の経緯なりあるいは今後の運営なりについては、全国民が注目をいたしておるところでございまするだけに、適正にして最善を尽くす必要があると考えるわけであります。そういった点から見まして、これが建設を意図されましたところの基本的な考え方というものは、一体那辺にあるのか。提案説明にるる述べられましたけれども、ひとつ端的に大臣からその真意をお答えいただきたいと思います。
○内田国務大臣 心身障害者に対する福祉の施設につきましては、私どもは、それが今日まで十分な施設として満足すべきものであるとは決して考えておりません。その点は田邊委員から御指摘のとおりでございますので、そういう事態に対処いたしますためにも、ここに一つの総合的な野心的なモデル的な施設をつくるべきだというような意見が、政府のみならず国内の各方面に数年前から起こされまして、この四、五年にわたりまして、着々その計画が進められておりましたことは、田邊委員御承知のとおりでございます。 ことに、これまで児童福祉法あるいは身体障害者福祉法に基づく身体障害者あるいは身体障害児の施設というようなものは、一面の施設ではありましたけれども、いずれも総合的な面から入り込んだものでないといううらみもございます。そこで、今回、それを総合的な施設としてまずひとつつくるための試みといたしまして、国が国有地を提供いたしましたり、また、この四、五年、毎年予算を組みまして民有地を買収いたしましたりしまして、ここにこういう野心的な施策が完成、運営の寸前までやってまいってきたわけでございます。しかも、これの運営につきましては、国が準備をいたしてまいりましたけれども、国みずからが運営するとかあるいは特定の公共団体に運営させるとかというような、そういうまた窮屈な形も排除いたしますために、合理的な、弾力的な運営ができると考えられます一つの法人形態にするのがよかろう、こういう結論にいま到達いたしまして、今回この法案を出したと、こういう次第でございます。
○田邊委員 そこで、私は端的にひとつ数点にわたって御質問いたしまするから、簡明にお答えをいただきたいと思うのであります。 現在予定されておりまするのは、来年の一月に特殊法人福祉協会を設立いたしまして、来年四月からとりあえず五百五十人程度の入所者を収容するという、こういう規模であります。そこで、四十二年から建設をしてまいりましたけれども、現在ただいまのところ、一体どのぐらいに、どの程度に建設が進んでおいででございますか。これは一体、全体の規模からいいますならば何ほどの段階まできていると、こういうふうにわれわれは考えてよろしいのですか。
○坂元政府委員 四十二年度から、先生おっしゃいますように、年次計画でもって整備をしてまいったわけでございます。土地の獲得、それから土地造成、そういうものから始まりまして、現時点におきます施設の整備、建設の状況は、ごくかいつまんで申し上げますと、いわゆる居住等に当たる部門は大体四割ぐらいでき上がっております。それからそれ以外に各種の施設がございますが、この点はまだ若干建設作業がおくれております。目途としましては、大体十月には完成をいたすというかっこうになるわけでございます。 そこで、後段にお尋ねの全体プランの中でどの程度のものができ上がっているのかということでございますが、このいわゆるコロニーというものの将来の計画なりをどろするかにつきましては、まだ完全な姿においてこの計画が定められておりません。したがいまして、いまお述べになりましたように、入所対象者も五百五十名というようなものを考えているわけでございます。今後五百五十名をどこまでこの規模を拡大していくかにつきましては、もらちょっと時期を見ながら、全体的な最終的な計画をきめていきたい、かように思っております。
○田邊委員 そこで、当初千五百人、あとでお聞きしまするけれども、中身は少し違いますが、そういうものを予定しておったわけでございまするけれども、いまの予定では、それでは一体何年度までさらに拡充計画を進めていこうとされておるか、その点の計画はございますか。
○坂元政府委員 ただいまも申し上げましたように、いわゆる私どもの計画の基礎になりましたコロニー懇談会なり、あるいはコロニー建設委員会等におきましては、大体千五百名前後というものを一つの目標にしていくべきだ、こういう御意見をちょうだいいたしているわけでございます。それに基づきまして、厚生省としては計画を進めてまいったわけでありますが、やはり最終的な姿を、一挙に施設整備等をはかるということはなかなか困難でございますので、明年度におきましては五百五十名ということを想定しておりますが、今後四十七年度以降にどのような計画でやっていくかという点につきましては、実はまだ政府部内におきましても完全な意見の一致を見ておりません。したがいまして、とりあえず四十六年度に五百五十名というものを入所させるというところまで、現時点においては一致しまして、今回の法律案を御提案申し上げたわけでございます。今後四十七年度以降の整備計画なり基本的な計画につきましては、さらに今後厚生省を中心としまして、各方面の御意見を承りながら、そういう整備の基本計画というものを詰めてまいりたい、かように思っておるわけであります。
○田邊委員 初めての試みでございまするし、その時代時代によっていろいろと推移してまいりまするから、私は慎重にいろいろ配慮する必要があると思うんです。しかし一面においては、本法律案が成立をいたしまするならば、いわばコロニーの実態を国民の前に姿を明らかにする。世間にその真価を問うという一つの時期に来ているわけですね。ですから大臣、いま局長から答弁がありましたが、一面においては、今後の計画を慎重に練ることはまた当然のことだろうと思いますけれども、一面において、やはり今度つくるところのものは大体こういう規模であって、やはりこういう中身である、その中でとりあえず来年の四月から入所きせる、こういうことになりませんと、政府に聞いても、一体どのぐらいな規模になるのかわからぬということでは、私はずいぶんやみくもな話だと思うんですよ。ですから一応のアウトラインは当然あってしかるべきであるというふうに思っておるわけでありまするから、いまこれをすぐ問い詰めてみても私は始まらぬと思いますけれども、やはり早急に、この協会法案が成立をいたしまする前後において、一応のアウトラインは世の中に示すべきだ、こういうふうに私は思っているのですけれども、大臣、私の考え方をお聞きになって、これは当然ではないかと思うんですが、いかがですか。
○内田国務大臣 ごもっともでございます。ただ、いきなりふろしきを広げまして、土地は七十万坪以上あるはずでございますので、五百五十人でなしに、さらにふやせるのでしょうが、結局は運営のための従事者等々も問題になりますので、そういう点で充足されないようなふろしきを広げてしまって、収拾がつかなくなってもいけませんので、まず五百五十名で手がたく出発して、その成果を見ながら拡充をしていく。またその拡充も、私は同じ地点に限らず、これは将来他の方面にもこの法人をつくっていくというような構想もあってもいいではないか、こういうこともありますので、これはひとつ並行して検討きせていただきたいと思います。
○田邊委員 これは二様の見方があるのは当然ですから、私はこうあるべきだと言っているのではありません。ただ一応のアウトラインというのは示していいじゃないか。あと三年ぐらいは継続して拡充する、したがって大体当面は千五百人ぐらいの収容の規模ぐらいになるだろうというようなことぐらい言わなければ、とりあえず五百五十人だ、あとはわからぬというのも私はまた不見識な話だと思うのです。ですから大ぶろしきを広げる必要はないのですよ。千五百人が最終的に三千人になったってかまわぬと思うのです。あるいは千五百人がいろいろな推移で、あとでお聞きしますけれども、ここ一カ所だけでもって終わるべきものではないという考え方に立てば、他にも設立するということになったから、したがって千二百人にとどめたということがあってもいいわけですから、別にきっかりとこれにこだわっていくべきだと言っているわけではございませんので、その点を踏まえて私の意見を聞いていただきたいと思うのです。
○内田国務大臣 五百五十人をもって終わるものではございません。将来さらにこれを拡充する希望を私ども持っているということは、ここではっきり申し上げておきます。 ただし、いまも申し上げますような次第もございますので、一応第一次計画としては五百五十人ということで出発をさせていただきまして、引き続いてさらに今後の施策の拡充について案を立てたい、これが一番よろしいと考えている次第でございます。
○田邊委員 それに関連をしますが、これはコロニー懇談会についてもしかりですが、当然この種の総合施設というものは全国一カ所で終わるべきものではない。今後は全国の地域地域によって、ブロック別によって設置をする必要が当然出てくるだろうというように思うのです。あるいは国でやるばかりではなくて、地方の公共団体がこれに対する建設計価を立てようというのもあるわけでございますね。したがって、こういったことに対して、どのような計画と配慮をされようとしているのか。これはさっき私が言ったこととうらはらの関係でございます。またそれもいまのところちょっとわからぬ、推移を見てなどということでは、あなたの言われる野心的な障害者対策にならぬと私は思うのでありまして、これに対していかがですか。
○内田国務大臣 これも田邊さん御指摘のとおり、現在すでに全国の地点、地域から、自分のほうが公共団体として、今回政府が計画されたようなことをやりたいというような希望の表明もございます。それらにつきまして、公共団体をこの施設の主体にして国がそれに助成をする、あるいはまた年金の還元融資をするというような行き方もございましょうし、あるいはまたこの協会が、地域によりましては第二次の計画として施策をするというような、そういうことも考えていい場所もあるかもしれません。いずれにいたしましても、この種の総合施設が高崎だけをもって終わりだということではなしに、全国の他の地域における計画につきましても、関係公共団体と打ち合わせながら施策を立ててまいる所存でございます。
○田邊委員 ひとつ早急にやはりこの心身障害者対策の問題の今後のあるべき姿の一環として、この種の総合施設というものをどのように配置をしていくかということについても構想を明らかにすることが、私はたいへん大切だろうと思うのです。非常に各方面からこの種の施設の整備、拡充が望まれている現在でございますから、精薄児を持っていらっしゃる親御さん方、あるいは身体の不自由な方々を持っていらっしゃる人たちの立場を考えた場合に、われわれはやはり今後の政府のこれに対する構想、計画を早く打ち立ててもらいたい、こういう国民的な要望に対してお答えいただきたいというように思っておるわけであります。 そこで、いま左で整備に要した費用は大体私は存じておるわけでございますが、建設省どうでしょうか。いままで施設関係で約二十七億ばかりの費用を要しておるようでございまするが、この種の国の建設、営繕等の建物からいいますならば、大体標準的な建物でございますか。あるいは、いろいろな内部設備等も必要であるから、かなりいいものをつくった、こういうふうに考えてよろしいでございましょうか。あわせて、土地は国有地あるいは県有地等がありましたが、これを買い上げたわけでしょうけれども、これの購入費と整地等に要した費用を全体の建設計画から見た場合に、大体通常国がこの種のものを建てる場合に要する費用としては適切である、こういうふうにお考えでございますか。その辺の比率等についてもひとつお尋ねいたしたいと思うのです。
○小西説明員 現場におきましては、四十三年度からまず土木工事を手始めに着工して現在に至っておるわけでございます。いま御指摘のありました建物の単価、その他工事費の内訳的なものにつきましては、何ぶんにも施設が特殊な施設で、私ども通常やっております事務庁舎と異なりまして、特に宿泊棟などにつきましては全然これは事務庁舎ペースでないので、予算要求のときにはそれを想定いたしまして、それなりの単価を要求しておるわけでございます。建物の規模が比較的小さいのと、平屋、せいぜい二階建てでまとめましたので、実際の実行単価は比較的割り高になっておりますが、建築費としては、実情を申し上げますと非常にからいという実感を持っております。 それから御承知のとおり場所がああいう場所なので、これが整地につきましては切り土、盛り土の量もばく大な量になりまして、その点歩どまりとしては私どもあまりいいところとは思いませんけれども、場所がああいうところなので、将来の土くずれとかそういうことのないように、砂防、地面がすべることを防止するというようなことを相当注意してやりました関係上、普通の場所でやるよりも相当整地関係の費用につきましては場所柄かかったということは、これは事実としてやむを得ないのではないか、かように考えております。 土地買収費につきましては、建設省のほうなので、私関係いたしておりませんのでちょっとわかりません。 整地費の総体は、概数で恐縮でございますが、四億五千万くらい、これは後ほどなおあれでしたら、精査してお答えいたしたいと思います。
○田邊委員 不動産の取得は、購入費は何ほどでございますか。これは国有地なりあるいはいま地方公共団体が所有しておる土地を購入する際の価格の評価からいって、それでやったと思うのでありますが、適切であるとお考えでございますか。
○相原説明員 不動産の評価その他は理財局の関係でございまして、ちょっと私専門でございませんが、金額は約五億でございます。大体妥当ではなかろうかと私は考えております。
○田邊委員 大体その両方を合わせまして約九億五千万といろ話が出ておりますが、直接的な敷地、造成は約三億と私は承知をしておりましたが、ここではそれ以外のものも含めてでございましょうから、私の試算よりも少しふえております。そうなってまいりますと、大体土地の購入費と造成でもって約三五%ばかりかかっておるわけですね。ですからあの場所を選んだことが適切であったかどうかとなりますと、当時社労委員会でもって視察をいたしておるのでありますが、見た委員は、しろうとでございますけれども、どうもこれはやせ馬の背中を削って整地するようなたいへんな努力が必要ではないかというようなことを言われたのであります。しかし、なおかつコロニーのあり方からいって、ああいった土地を選ぶことが適切であったかどうかということになりますと、いろいろな意見があろうと思うのでありすすが、どうですか。場所としては、そういった土地購入やあるいは整地等においていろいろな努力は必要だったけれども、適切だった、それが運営については非常に効果のあがるところである、こういうようにお考えでございますか。
○坂元政府委員 敷地の選定につきまして当時の実情を聞いてまいったわけでございますが、大体関東地方の周辺くらいを限度にしまして、できる限り関東周辺ということを選考の第一要件にいたしたわけでございます。そこでその場合でも、いわゆる気候、風土等の自然的な立地条件、社会的な環境あるいはまた交通なり地元とのいろいろな連絡提携、そういうもろもろの要件、ファクターを総合的に勘案して、当時におきましては現在の高崎地区にきめたようでございます。私ども、これは結果論でございますが、気候、風土というもの、それから社会環境というもの、交通関係、それからまた地元のいわゆる地域社会との連絡なり提携、こういうようなものを考えてまいりますと、おそらく現在地以上により条件のいいというようなところはそう多くはなかったんじゃないか。ただ一つ、静岡県の大仁地区を第二候補として考えていたようでございますが、土地の関係が民有地が多かったというようなこともございまして、高崎地区に決定したようでありますが、結果的には現在地のほうがやはり条件が一応すぐれている、かように考えているわけでございます。
○田邊委員 これは、問題はやはり今後の運営にかかってくるのではないかと私は思うのでありまして、あの土地を選定したことで、いま言った整地等にかなり努力が必要だったし、経費も必要だったけれども、なおかつ適切であったという評価を受けるのは、今後の運営の適切化をはかることによって、これが最終的な成果をあげる、こういうように私は思っておるわけでございますから、そういった点でぜひ一そうの御努力をお願いしたいと思うのであります。 それでいわゆるコロニー、コロニーといっておるのでありますけれども、この種のものは諸外国でもってかなりいままでつくられておるようであります。アメリカにおいてもコロニーと称しているものがございますし、西ドイツでもべーテルの家、あるいはオランダ、スウェーデン、それぞれ民営、公営等の違いはありますけれども、そういった施設をつくっておるわけでございますが、それに比較しましてわが国のこの施設の性格というものは、一体どういうふうなぐあいにわれわれはとらえていったらよろしゅうございましょうか。世界的な趨勢から見てやはりこういったものが必要である、こういうようにわれわれはとらえていくべきであるか、この点をひとつお聞きしたいと思います。
○坂元政府委員 先生御存じのように、諸外国におきましても相当早い時期からいわゆるコロニー的な施設というのが各国において発達をいたしてきております。そこで厚生省におきましても、このコロニーをつくる前に実は海外の調査もいたしてまいりました。そういうような結果を総合して判断いたしますと、外国等におきましては非常に規模が大きい。つまり収容人員も八千人くらいというような非常に大きい、一つの地域社会をなしているところもあるようでございます。ただ外国の例からしまして若干反省しなければならぬ点は、あまりにも規模が大きくなり過ぎますと、施設の運営なり職員の待遇問題、つまり全般的にたくさん問題があり得るようでございます。したがいまして、わが国におきましては大体適切な施設の規模なり経営単位というものがどの程度かというものをいろいろ専門家の間で議論していただいたところ、大体千五百人くらいのところが適切であろうというようなことがいわれておるわけでございますので、このコロニーというものを一つの地域社会なり一つの生活共同体としてとらえていった場合に、だからといってあまりにも規模を大きく膨大なものにいたしますと、事後の運営その他に若干問題点が出てくるというようなふうに私どもは考えているわけでございます。
○田邊委員 いろいろと宿題の点がございましょうけれども、その点はさらに十分研さんをして、過去よりも現在あるいは将来にわたるこの種のものの適正な配置、規模、施設の内容等についてそれぞれ、ひとつ時代におくれないように御配慮いただきたいというふうに私は思っておるわけであります。 そこで、われわれは、当時この施設は心身障害者の国立コロニーと称して、これは国でやるべきものである、そういう認識できたのであります。したがって私は、いよいよ発足を間近にしても、おそらくこれは国の施設として取り扱いをされていくんじゃないか、こういうように思っておったのでありますが、今回特殊法人を設立をして、その協会に運営をゆだねる、こういうことになったのは、一面において性格なりが当時の考え方と変わってきたんじゃないか、こういうように私は思っておるわけでありますけれども、これは大臣、どうでございますか。中身は非常に重大なんでありまして、やはり国が直接この種のものは責任を負うべきであるというのが一般的な常識であったわけです。それを、いわば民間にこれが運営をゆだねる、こういうふうに変わってきた一つの真意というものは一体どこにありますか。大臣の答弁では、何か弾力的な運営、あるいはいま国家公務員の定数をふやすことができないというようないろいろなことを述べられておったようでありますけれども、私は、そういういわば便法的な意味ではないと思う。もうちょっと基本的な考え方というものがあるべきじゃないかというように思っておるわけでありますけれども、いかがですか。
○内田国務大臣 これまでの建設なりあるいは資産の所有というものが全部国有のたてまえでやってきておりますので、でき上がった後の運営につきましても直接国が経営するというような考え方ももちろんあるわけでありますけれども、これは私が先ほど述べ、また御指摘もありましたように、実際現実的な運営という段階になりますと、一番問題なのは、やはりその従事者の確保、またその従事者の、何といいますか交流というような制度も考えなければならない点があるようであります。そういう場合に、そこにおる職員が全部国の職員だということになりますと、専門職員などの交流というようなものもなかなかいたしにくいということがやはり一つの大きな理由になります。ただ定員確保というばかりでなしに、そういう面があるということ。さらにまた、これは一般論として、弾力的な運営をするためには特殊法人としてやったほうがいろいろの面におきまして効率的な運営ができる、こういうふうな観点から特殊法人とすることにして法案を御審議を願うことにいたしたわけであります。しかし特殊法人ではございますが、別に民間の資本を入れるわけでもございませんで、全額政府の出資ということでやるということには変わりはございません。
○田邊委員 そこで、行管としては一体どういう考え方でございますか。私は公務員の定数をふやすこと等はもちろん避けなければならぬという一般的ないまの風潮、情勢があるということは承知しておりますが、それだからといって、進歩的な前向きな事業に対してまでこれを制約し、ただ形式的にそういったことはまかりならぬという、こういう考え方というのは、これはまた一面とるべきでないというふうに思っておるのでありまして、今度のこのコロニーの運営というものが、何かそういった公務員の定数をふやすことはできないというような観点でもって特殊法人を設立したことは、この提案説明等にもあるわけでございますから、それだけが主要な原因であるとすれば私は問題だと思うのです。そういった点で、行管は一体この問題に対してどういう態度をおとりになっておりますか、お伺いしたいと思います。
○關説明員 先生御指摘のように、定員の増加につきましては一般的に抑制の方針をとっておることは御指摘のとおりでございますけれども、しかしながら、それがぜひとも必要なものまでも無理やり押え込むということではございませんで、現に昭和四十五年度においてもぜひとも必要な部面につきましては相当増員を予定いたしておるわけでございます。 このコロニーの場合につきましては、特殊法人のほうが実際の動きとしては人の確保が容易であろうというような面の配慮をいたしたことは確かでございますけれども、総定員法の運用上、定員抑制方針との関係で無理に特殊法人にいたしたということではございませんで、厚生大臣から御説明のありましたように、われわれも厚生省といろいろ御相談をしたわけでございますけれども、このコロニーの運営をやります組織形態としては、特殊法人のほうが適切ではなかろうかというふうに判断をいたしまして、この協会の新設に踏み切る、こういうことにいたしたわけでございます。その際、特殊法人の形態をとるにあたってはいろいろな点を考慮いたしたわけでございますけれども、何しろ初めてのこういった一つの経験でございますので、そのときそのときの経験に応じて適切な弾力的な運用をはかるということが必要であろうかということで、そのためには特殊法人のほうがよかろう。また、付属機関の場合に比べますと、特殊法人の場合でございますと、通常、理事も複数を置くことになり、そういうような点で専門分野の人が相談をしながらこの運営をやっていくという面でも、単独の長を置いております付属機関の場合よりは特殊法人のほろがよかろう、かように判断をいたした次第でございます。
○田邊委員 あなたはそういうことを言われるのだが、一面、特殊法人あるいは公社、公団をつくることについても行管はチェックしておるはずですよ。これは非常にうまみのある運営ができるではないかという話もあるけれども、私は率直に言わしてもらうと、特殊法人にしたということを私どもが聞いたときに、かなりの人から、また役人の天下りの施設を一つつくったか、こういうことを実は言われるのであります。私はそういったことを言われることは、現在日本の官庁組織からいって非常に憂うべきだと思うのです。今度のような施設というのは、まさに純粋に障害者に対する救済策をどうとるべきかという、いわば善意のかたまりのような国民の声を反映してできたものです。ですから、私は願わくはこれは国でやるなり、あるいはいま出されておる法人組織でやるなりいたしましても、やはりそういった声が上がらぬことを望むものだろうと思うのでありまして、こういった点から言いますならば、やはり一つ天下りの、官僚がそこへ出ていって理事長なり理事なり役員に就任する、そういうルートをつくったのじゃないか、こういうことを言われてはならぬと思うのですよ。したがって、重大な理由がなければ、これでやっていくことが最善だという確信と、世にそれをちゃんと説明できるものがなければ、私はこの特殊法人について疑問を持つというのは当然だろうと思うのです。そういった点に対してはどういう御配慮をなさっておりますか。
○關説明員 御指摘のとおり、特殊法人の新設、総数としての増加という点については、種々批判がありますことは私ども承知をいたしております。特殊法人の新設につきましては、これを極力抑制をいたしてまいるという方針をとっておるわけでございます。しかしながら、ぜひとも必要なものを是が非でも無理やり押え込むということはいかがかと存ずるわけでございます。 それから、先生後段で御指摘の、天下りのためのものではないかというような批判もかねがね承っておるわけでございますけれども、その点につきましても、これは組織でございますから、何らかの管理組織をつくらなければならぬ。それが特殊法人の場合理事長でございますけれども、付属機関にいたしましても、そこの長はとりあえず必要になる。なおその下に置きます理事につきましては、法案にもございますように、この特殊法人は、ほかの特殊法人に比べますと非常に少ない数になっておりまして、そういう批判の起こりませんように、施設の運営上必要最小限にとどめた次第でございます。
○田邊委員 ぜひひとつ、これはほんとうに純粋な立場で施設の運営がはかられるのだ、こういう認識で世の中があたたかく迎えるように立場を明確にしてもらいたいということを心からお願いをするわけであります。大臣、やはりこれははからざりきことでございましょうけれども、そういうふうに逆の面で言われることを私は非常におそれるわけでございますから、運営にあたっては、そういった冗漫な運営のないようにぜひやっていただくように、私は心からお願いしたいと思っておるわけでありますが、いかがでございますか。
○内田国務大臣 この機関が、厚生省的な見解をもっていたしますと、単に一つの医療機関であるとか、あるいはまた研究機関であるというような場合におきましては、何も特殊法人にする必要はございませんが、よく御承知のように、これが医療の面もある、また授産の面もある。その他片面的な機能だけではなしに、幾つかの総合的な機能を持たせるということになりますと、これは私が考えましても、一局長、一長官のよく運営するところではないと考えます。いろいろな方面から人材を集めて、総合的に運営をするという見地に立ちますと、やはり今回のような法人の仕組みによらざるを得ないだろう。しかし、その場合に、いたずらに管理者の人数を多くするというようなことはあるべきではないということで、役員も理事長並びに理事三人というごく少数にとどめて、それぞれの分野を代表するような専門家の方にお願いする、こういうことに相なると思いますが、ただいまの田邊委員の御意見につきましては、たいへんありがたい御意見でありますので、世間から批判を受けることがないように、これの役員の任命、運営等につきましては十分つとめてまいりたいと思います。
○田邊委員 そこで、心身障害者福祉協会という名称を法人は使うのでありますが、施設の名称は一体どういうふうになっておりますか。
○坂元政府委員 現地の施設の名称は、実は法律上はまだきまってないかっこうになっております。これは、法律の規定によりまして、厚生大臣の承認を受けて協会自身が定めることになっております。したがいまして、現在厚生省を中心としまして、政府部内で、現地の施設の名称をどのようにするか相談中の段階でございます。
○田邊委員 一説によると、望みの園というような名称をつけたらどうかというような話もあるそうでございますが、日本でまだコロニーということばが定着してないということもあるのだが、この心身障害者国立コロニーというのはかなり世に広まっておる名前なんですね。どうも法人の名前にしても、あるいは施設の名前にしても、何か取ってつけたような、どっかで思いついて発明したような名前でなくて、やはりコロニーという名前を使ってもいいのじゃないかという意見が、われわれの仲間の中でもずいぶん出ておるように聞いておるのですよ。ですから、コロニーというのが世界的なことばになってきているのだし、せっかくここまで名前を広めたのだから、それにぴったりと合ったような形にするには、そういう法人なり施設の名称なりも使っても差しつかえないのじゃないかと私は思っておるのですが、そういうことはお考えでございませんでしたか。
○坂元政府委員 コロニーという名称は、確かに外国の場合には非常に定着した考え方なり名称になっておるようでございます。それから、いま先生お述べになりましたように、日本の場合におきましても、コロニーというのは、大体もう一般の国民なり有識者の間におきましては、一つの既定概念みたいになっておる面も確かにございます。したがいまして、私どもといたしましては、この施設の名称をきめる際に、そういうコロニーを含めたいろいろな名称を実は考えてきたわけであります。しかしながら、いま先生おっしゃいましたように、コロニーという名称のほうが、むしろこの施設の実態なり経緯からいってふさわしい名前じゃないかという御意見も確かに非常に強いわけでございます。私どもとしましては、法案をかりに成立させていただきましたならば、その後におきまして、民間の各階層なり、あるいはいろいろな方面の御意見をお聞きしながら、最終的にこの名称はきめていきたい。やはり、日本において最初の施設でございますし、この名称が、施設のイメージというものを今後象徴するというようなこともございますので、慎重に、各方面の御意見を承りながら、ふさわしい名称を決定するようにいたしたい、かように思っておるわけでございます。 〔委員長退席、佐々木(義)委員長代理着席〕
○田邊委員 そこで、先ほど行管の話もあり、大臣の意思表明もございまして、今後の運営について私は非常に重大であろうと思うので、ぜひ誤りのない適切な運営をやってもらいたいと思うわけであります。その意味合いからいいますならば、やはり、この運営を円滑にし、国民全体の理解と協力を求めるという立場からいいますならば、何かこの協会に対してこれに協力するような機関といったものが必要でないかと私思うのです。いままで群馬県では、特に建設協力懇談会というのを設置して、有形無形のしり押しをしてまいっておるわけでありますが、今後とも、これが発端になりましたコロニー懇談会なり建設協力懇談会、こういったものが引き続き衆知を集めてこれが運営の適切をはかるための協力体制をしくということが、私はぜひとも必要でないかというように思うのでありまして、そういう意味合いから、ひとつ民間人あるいは地元の各階層、その代表者による運営協議会的なものを設置することがぜひとも望ましいのではないか、私はこういうように思っておるわけでございますけれども、ひとつこの法律案の成立の機会に、こういった考え方と具体的な構想がおありであるかどうか、この際ただしておきたいと思います。
○内田国務大臣 私は全く田邊さんと同意見でございます。ただし、そういう機構を置くことをこの法律の中に入れますと、とかく大世帯の機構倒れの構想をここで取り込んだような形になりますので、この法律上の運営機構というものは、理事三人以内という簡素な形にしておるのでありますが、この理事の方々のお力や知恵をおかりしなければならない民間の各分野の方々がたくさんいるはずでございますので、いま御意見がありましたような形をぜひつくってまいりたい。また、運営の面には運営のやり方もございましょうし、こういう社会福祉施設でございますので、場合によれば、いろいろな面からお金を集めていただくことも必要な面もございましょうし、いろいろな意味から、私はぜひ田邊説をとらしていただきたいと思います。
○田邊委員 大蔵省、どうでしょうか。これは、運営協議会なりその他についても、いろいろな機構上なり費用の面から、当然国としてもいろいろなことを考えなければならぬのでありまするが、これに対するところの大蔵当局なりの考え方というものはいかがでございますか。これもあわせてお聞きしておきたいと思います。
○佐々木(義)委員長代理 速記をとめて。 〔速記中止〕
○佐々木(義)委員長代理 速記を始めて。
○相原説明員 中座しましてたいへん失礼をいたしました。 いまのお話でございますが、厚生省と相談しまして善処したいと思います。
○田邊委員 あなた、ひとつ約束しておいてください。そういった今後の運営に対して、大蔵省としては必ず協力するということを約束しなさい。
○相原説明員 よく厚生省と相談したいと思います。
○田邊委員 賛成なのか、反対なのか、どっちだ。
○相原説明員 この施設の運営につきましては、将来とも民間の意見を十分反映する必要があると思います。したがって、そういう方向で努力したいと思っております。
○田邊委員 ちょっと時間を食いましたから、二、三質問を飛ばしますけれども、この法人は資本金は当然国で出すわけですね。今後の運営についても、やはり国が責任を負わなければならぬ、こういう形になるわけですが、この点大蔵省は承知をしておるわけですね。
○相原説明員 この施設の運営につきましては、いろいろ問題もあるかと思いますが、補助規定につきましては、特に御指摘のように規定はございません。しかし、その運営につきましては、たとえば交付金とかいう形で何とかめんどうみたいと思っております。
○田邊委員 資本金は。
○相原説明員 資本金につきましては、発足当初は現物出資の形でありますが、今後の運営につきましては、必要な場合には交付金等によりまして十分運営に支障のないようにいたします。
○田邊委員 そうすると、この種のことについては、私はさっき行管にもしつこくお願いをしたのですけれども、大蔵省では、他の模範になるような形で運営ができるように——実は、時間があれば、施設の入所対象になる人たちの処遇についてもこまかくお聞きをしたかったのでありますけれども、私はあえて省きます。現在私は精薄福祉法なりその他の面でまだまだ十分でない点があると思うのであります。そういった点から見ましても、ぜひ画期的な施設に恥じないような配慮というものを、ことに財政面からもお願いしなければならぬというように私は思いますので、そういう意味ではひとつ大蔵省に特に私は一言申し上げたいと思って質問をしていたわけでございますから、よく質問の趣旨を理解していただきまして、今後の協力をお願いしたいというように思っておるわけであります。答弁は要りません。 そこで、この施設の入所対象となる障害者は、一体どういう方々を対象としておられますか。
○坂元政府委員 明年度入所を予定しております五百五十名につきましては、いわゆる重度の精神薄弱者を大体考えております。その次に身体障害といわゆる複合した障害を持っている精神薄弱者、こういうような者をとりあえず五百五十名対象として選定をいたしたい、かように思っております。
○田邊委員 そこで局長、コロニー懇談会が発足した当時から、この国立コロニーというものが、精薄と肢体不自由児と両方を入れる、あの青写真を見ましても、大体収容施設も均等に七百五十人くらいずつ入れよう、こういうことだったのですが、今度の具体的な計画を見ますると、重度の精薄をまず対象にして、大体精神薄弱者を入所させよう、こういうようになっております。肢体不自由児のほうはもう全然抜けておるわけですけれども、これは将来とも入れない、精薄一本でいく、こういう形に考え方が変更されたわけですか。
○坂元政府委員 田邊先生よく御存じのとおりでございまして、当初いわゆるコロ懇から御意見をいただいた場合の入所対象者の障害者の範囲は、いま仰せのとおりでございます。それを受けまして、私どもとしましては、五百五十名くらいの入所対象者を第一次計画として計画を進めてまいったわけでございますが、精薄と肢体不自由との両方を一ぺんに今後入れていくかどうか、この点につきましては、まだ若干議論がありますので、とりあえず、明年度におきましては、精薄を主体としまして対象をきめていきたい、かようにいたしたわけでございますが、肢体不自由関係を今後この施設の対象としていくかどうかにつきましては、私どももうちょっと時間をかしていただきまして、コロ懇の御専門家あたりとも十分御相談をしながら、今後この施設の運営あるいは入所の対象というものをどっちの方向に持っていくか、そこらあたりを少し詰めてみたい。と申しますのは、現在各地方でいわゆる地方コロニーというものが計画なり準備が進められておりますが、やはり、考え方が非常にばらばらになっております。私どもは、この地方コロニーというようなものと、国で今回計画しております国立のいわゆるコロニーというものと相関連するものがございますので、そういうようなものを総合的に一ぺん計画を詰めてみたい。それにはやはり有識者等の御書見ももう一回あらためて伺いまして、そして一つの体系としてどのようにしてこの施設を運営していったほうがいいか、そこらあたりについてちょっと詰めが足らない、そういうふうに実は思っておるわけでございます。したがいまして、将来とも肢体不自由関係をこの施設から除外するというようなことは決してございません。もうちょっとそこらを、各方面の御意見を承ってから総合的に詰めを行なってみたい、実はかように思っておるのが現在の率直な気持ちでございます。
○田邊委員 それでは、時間がございませんから、私はひとつ資料だけ出していただきたいのです。一体この施設に具体的にどういう職員を配置するのか、その規模ですね。それから、この間地元の建設協力懇談会と懇談をした結果が地方紙に出ていましたのですが、何か職員の採用が非常に進んでいないという話があるわけでございますけれども、この職員の確保が発足の時期と合わせて非常に重要じゃないかと私は思うので、これに対する方策を早急に講じてもらわなければいけないのではないかと私は思うわけであります。その問題と、それから入所者の処遇の問題、これは国によっては全額国が持っておるというところもあるわけです。州で持っているようなところもあるわけですが、標準家族月収四万八千円以上の場合は食費全額を負担する、こういう形になるわけですが、私は、今後このたてまえというものをだんだん変えていかなければならないんじゃないかと思うんです。これは大蔵省とも十分御相談をいただきたいと思います。そういう意味合いからいたしまして、これに対する考え方を、とりまとめでけっこうでございますから、文書でお答えをいただきたいと思うんです。よろしゅうございますか。
○坂元政府委員 できるだけ急ぎまして、御要望の資料を提出いたしたいと思います。
○田邊委員 そこで、ちょっと時間が足りないで、私もはしょりましたけれども、大臣いろいろな御苦心がありまして、この法人の設立にようやくこぎつけようとしているわけであります。しかし、前途にいろいろな難関もありますし、いろいろな検討すべき課題も背負っておると思うのであります。いま大臣や局長の話を聞きましても、いまの肢体不自由児を入れるか入れないかという問題、最終規模をどういうふうにするか、何年度までにこれを完成しようか、あるいは、全国的にこの種のものを今後どうやって建てていくかという問題、それと、いまの公立、民間を問わず、小規模であるところの精薄施設なり身体障害者の施設、こういったものとのからみ合い、これらの問題について、いわば非常に一貫した計画なり構想というものがおくれておると思うわけですね。言うならば、施設はどんどん建っていくが、考え方がそれに追いついていない、こういうふうにも見受けられるわけでありまして、これは今後もなるべく早くこれの基本的な考え方として構想を明らかにしていただかなければならない。そのことは、すなわち、国が心身障害者に対する施策、対策をどう進めるかということと重要な関係があるというように思うわけでありまして、今後の障害者対策とあわせて、ぜひひとつあなた方の考え方を確立してもらいたいという気持ちを持っておるわけであります。大臣のこれに対するところの決意と方策をひとつお聞きいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○内田国務大臣 精神薄弱者であるとか、あるいは肢体不自由者、心身障害者、あるいはまた、それが重なった重症心身障害者などに対する施策はこれまでいろいろやっておりますが、それだけでは足りない面があるということで、各方面の意欲が起こって、今度こういうものができたわけでございます。それができてみました結果が、かえって従来のいろいろの施策を混乱させるだけだということでは全く意味がございませんので、この施設が十分の効果を発揮するとともに、また、地域的にも、機能的にも、従来からやっておりますもの、またこれからやりますこれらの心身障害者の施策と有機的な一体をなして、そして効果をあげるようなことを、厚生省としてもぜひ委員会の皆さん方の御指導も受けながらやってまいりたいと思います。また、こういう施設ばかりでなしに、いろいろな年金などの問題もございましょうし、また医療保障などの問題もございますので、それらの問題とも総合的に考慮しながら、心身障害者の施策というものは十全を期してまいる所存でございますので、ひとつ御協力、御鞭撻をいただきたいと思います。
○田邊委員 終わります。
○佐々木(義)委員長代理 本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十六分散会