社会労働委員会 第4号
- 発言数
- 125 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1970/03/12
会議録
○倉成委員長 これより会議を開きます。 まず、柔道整復師法案起草の件について議事を進めます。
○倉成委員長 本件について、田川誠一君より発言を求められておりますので、これを許します。田川誠一君。
○田川委員 本件につきましては、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、日本共産党、五党委員の協議に基づく試案がございます。各委員のお手元に配付してありますが、五党を代表して、私からその趣旨を御説明申し上げます。 柔道整復技術は、日本において、長い伝統のもとに発達してきた非観血的手打整復療法として、医療の分野をにない、西洋医学の導入研究と相まち、現代においても必要欠くべからざる治療技術として国民大衆の支持を受けているのであります。特に、政府管掌健康保険等については、施行者団体と各種保険者との間に施術協定が締結され、社会保険の給付として広範に行なわれるようになってきているのであります。 かように、柔道整復師の場合は、その沿革等において、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等とは異なる独自の存在を有しており、また、その施術の対象も、もっぱら骨折、脱臼の非観血的徒手整復を含めた打撲、捻挫など新鮮なる負傷に限られているのであります。 しかし、現状におきましては、柔道整復師も同じ医業類似行為の範疇にあるということで、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師、柔道整復師等に関する法律によって規制されているのであります。 本案は、以上のような柔道整復術の実態にかんがみ、現行のあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師、柔道整復師等に関する法律から柔道整復師に関する規定をはずして、柔道整復師についての単独法を制定し、柔道整復業の発展をはかろうとするものであります。 なお、この際、柔道整復の業務並びにあんま、マッサージ、指圧、はり、きゆう等の業務が一そう適正に行なわれるようにするため、罰則の強化整備を行なうとともに、従来政令及び省令で定められておりました一部の規定を法律の規定といたす等、所要の改正を行なおうとするものであります。 この際、私は五党を代表いたしまして、動議を提出いたしたいと思います。 お手元に配付してあります試案を成案とし、これを本委員会提出の法律案と決定されんことを望みます。 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。 —————————————
○倉成委員長 ただいまの田川誠一君、田邊誠君、大橋敏雄君、田畑金光君及び寺前巖君提出の動議に対し、発言があればこれを許します。——別に御発言もありませんので、直ちに採決いたします。 田川誠一君外四名提出の動議のごとく、お手元に配付した草案を成案とし、これを本委員会提出の法律案とするに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○倉成委員長 起立総員。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○倉成委員長 次に、建築物における衛生的環境の確保に関する法律案起草の件について議事を進めます。
○倉成委員長 本件について、田川誠一君より発言を求められておりますので、これを許します。田川誠一君。
○田川委員 本件につきましては、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、日本共産党、五党委員の協議に基づく試案を各委員のお手元に配付してありますが、五党を代表して、私からその趣旨を御説明申し上げます。 わが国は近年、人口及び産業の都市集中、高度の経済成長、建築技術の著しい進歩等によって、建築物の高層化、巨大化が促進されるとともに、その数はますます増加する傾向にあります。 これらの多数の者が使用し、または利用する建築物の衛生状態を見ますると、その環境御生の維持向上について、必ずしも十分な配慮が払われているとはいえず、空気調整設備の管理の不適による生理的障害、伝染性疾患の発生、給水及び排水設備や汚物処理設備の不備によるネズミやこん虫の発生、その他悪臭や飲料水に起因する伝染病発生の要因ともなり、多くの再検討すべき問題をかかえているのであります。 このほか、最近、大都市中心部に次々と建設されている地下商店街についても、公衆衛生上あるいは災害予防の観点から幾多の問題を生じているのであります。 したがって、国民の健康を保持増進するため、建築物の環境衛生基準を設定し、当該建築物の管理者がその基準を順守し、環境衛生を維持向上させるための責務を負うべきものとすることは、急務であると考えられるので、本法案を提出した次第であります。 次に、その概要について御説明申し上げます。 第一に、この法律において「特定建築物」とは、興行場、百貨店、店舗、事務所、学校、共同住宅等の用に供される相当程度の規模を有する建築物で、多数の者が使用し、または利用し、かつ、その維持管理について環境衛生上特に配慮が必要なものとして政令で定めるものをいいます。 第二に、特定建築物の所有者等は、政令で定める建築物環境衛生管理基準に従って、その建物を維持管理しなければならないのであります。 この建築物環境衛生管理基準は、空気環境の調整、給水及び排水の管理、清掃、ネズミ、こん虫等の防除その他環境衛生上必要な措置について定めるものであります。 第三に、特定建築物の所有者は、その建物の維持管理を監督させるため、建築物環境衛生管理技術者免状を有する者のうちから建築物環境衛生管理技術者を選任しなければならないこととなっております。 この建築物環境衛生管理技術者免状は、厚生大臣が指定した講習会の課程を終了した者または厚生大臣が行なう試験に合格した者に与えられるものであります。 第四に、特定建築物の所有者は、その建物が使用されるに至ったときは、一カ月以内にその旨を都道府県知事に届け出るものとし、この届け出を受けた都道府県知事は、政令で定める建築物については、その旨を都道府県労働基準局長に通知することとなっております。 第五に、都道府県知事は、特定建築物の維持管理が衛生管理基準に従って行なわれておらず、人の健康をそこない、またはそこなうおそれがあると認めるときは、その所有者等に対し、維持管理方法の改善を命じ、または当該建築物の使用または設備の使用を停止し、もしくは制限することができることとするものであります。 なお、先ほど申しました建築物環境衛生管理技術者は、この法律の施行の日から二年間は置かないことができることとなっております。 以上が本試案のおもな内容でありますが、この際、私は五党を代表いたしまして、動議を提出いたしたいと思います。 お手元に配付してあります試案を成案とし、これを本委員会提出の法律案と決定されんことを望みます。 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。 —————————————
○倉成委員長 ただいまの田川誠一君、田邊誠君、大橋敏雄君、田畑金光君及び寺前巖君提出の動議に対し、発言があればこれを許します。——別に御発言もありませんので、直ちに採決いたします。 田川誠一君外四名提出の動議のごとく、お手元に配付した草案を成案とし、これを本委員会提出の法律案とするに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○倉成委員長 起立総員。よって、さよう決しました。 なお、両法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
○倉成委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————◇—————
○倉成委員長 次に、厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。山本政弘君。
○山本(政)委員 最初に、むしろ委員長に御答弁を願ったほうがいいかもわからぬと思うのですけれども、きょう実は参考人をお願いいたしました。東京都の医師会長もしくは副会長、どなたでもけっこうだということで参考人をお願いして、この委員会で了承を得ましたけれども、いずれも一昨日拒否をされました。断わられました。で、私は、東京都医師会の役員の一それでは会長でなくても、あるいは副会長でなくても、どなたでもいいから、責任のある御返事のできる方をお願いしたい、どなたでもいいということでお願いをいたしましたけれども、これも断わりをいただきました。その理由は、事情があって来られない、こういうことでありました。その次には、事態が流動的であるから来られない、こういうお返事であったのです。そのことについて委員長はどうお考えになっておるか、まずその点をお願いいたしたいと思います。
○倉成委員長 委員長からお答えいたします。 山本委員の御要望がありましたので、事務局を通じて東京都の医師会のほうに連絡をいたしましたけれども、どうしても昼間の関係でこちらの指定した時間に参ることが都合が悪いということであります。
○山本(政)委員 何の関係ですか。
○倉成委員長 都合がつきかねるということでございました。 そこで、山本委員に申し上げたいのですが、こちらが時間を指定したのにうまく向こうが合わなかったわけですから、また発言の機会をつくりたいと思いますので、御了承いただきたいと思います。
○山本(政)委員 まあ、私は医師会の役員が何人おられるか知りませんけれども、一人くらいは都合がつけられると思うのです。したがって、参考人としてお見えにならなかった東京都医師会のために私はたいへん残念だと思います。 そこで、お伺いしたいのですけれども、これは医務局長にお伺いしたほうがいいかもわかりませんが、公的医療機関の病院の新設、増改築、これは一体許可の権限というものはどなたがお持ちになっておるのか。しかも、それは一体条文としてはどこにあるか。これをお伺いしたいのです。
○松尾政府委員 公的医療機関の中で国の開設いたしますものは国が許可をいたします。その他の公的医療機関でございますれば都道府県知事が許可をすることになるわけでございます。
○山本(政)委員 そうすると、都立病院の増改築については、東京都のほうがみずから増改築の計画なり何を出して、そして東京都知事がこれを認める、こういうことになりますか。
○松尾政府委員 そのとおりでございます。
○山本(政)委員 先ごろ、日本医師会が医療費の値上げを要求いたしました。そのあとに保険診療時間の制限を主張しました。私は、これは率直に申し上げて、世間の非難を浴びたと思うのです。ただ、その中で、私どもも知っておりますけれども、知り合いの医者の中にはたいへん誠実な方もおります。そして、二十四時間の勤務というものに同情する面も私はあると思うのです。しかし、それにしても、そういうことを——私はそういう善良な、非常に誠実なお医者さんがいる反面に、東京都に対する今度の病院の新設、それから増改築について、東京都医師会がとった態度というものは、私は全く納得がいかないのです。東京都はこういうふうに言っております。「東京都は都民の生命と健康を守る立場から中期計画の一環として、四十七年末を目標に都立病院の整備拡充、板橋における老人病院の開設などの施策をすすめ、過日、初の特別養護老人ホーム「和風園」が完成をみた。」そういう中で、東京都医師会執行部は、都の中期計画は総花的で税金のむだ使いだ、こう言って計画の修正を要求した。その間に幾たびかの折衝もあったようであります。そして、二月の六日に、都の衛生民政局関係の二十七の各種審議会、協議会の医師会側委員四十七名全員を引き揚げている。そして、二月二十八日には、発足したばかりの老人の無料医療制度をボイコットしよう——これは三月三十一日が契約期間でありますから、このまま続けば、四月一日以降は老人の無料医療制度というものはなくなってくる、こういうことになるのです。しかも、その中で、個々に東京都医師会の都立病院に関する指導というものがあって、これはもちろん都の医師会から出ておるのですが、駒込病院の増改築について、その反対理由を、要約すれば三点あげております。一つは立地条件、もう一つは診療圏の問題、そうして第三点は地域のニードの問題、こういうふうにあげておりますが、これはあとでお話しいたしますけれども、いずれもかなり主観的な立場に立っての主張ではないだろうか、私はこういう気がするわけです。しかし、それはともかくといたしまして、いま厚生省のほうで把握しておる限りの状況というものを実はお聞かせ願いたいと思うのです。
○松尾政府委員 率直なところを申し上げますと、東京都自体から私どものほうに積極的にいろいろな情報を流してくるということがほとんどございません。むしろ私どもが、新聞その他を見まして、逆に向こうにいろいろな情報を聞かしてほしいという態度でいままでやってまいっておるわけであります。ただいま御指摘のようなことから明らかにいたしましたことは、ただいま御指摘の都立病院の計画等につきましても、かなり前から長期計画、中期計画としていろいろ練られておった、そういうものの中に、都の医師会の方々も委員として入っておるということも明らかにしておりました。おそらく、そういう過程におきましていろいろな議論があって、その病院のあり方、どういう程度の規模にするかということについては、そういう専門的な立場からいろいろな意見の開陳があったというふうに考えております。もちろん、その中に、大規模病院の委員会でございますとか、あるいは病院組織の委員会でございますとか、三つほどの部会的なものがあるようでございますので、それぞれの開催回数は必ずしも一律ではございませんけれども、いずれもそういうふうな意見を反映できるチャンスがあったということは承知いたしております。したがいまして、そういう段階から次第にああいうような発展をいたしまして、実態上どういう——たとえばいろんな委員会に委員を出さないというふうなことを声明いたしたようでございますけれども、その実態としてどういうような障害があるのかということについても、一々私どものほうから照会しないとわからないという段階でございましたけれども、率直に言って、いまのところ、直ちにその委員会に支障を来たすということはなさそうだということは聞いております。そういう状況でございます。 なお、仄聞いたしますと、東京都と医師会との間にいろいろの話し合いはなお続けられておるようでございまして、私どもとしては、早晩解決がつくのではなかろうかというふうな期待を持っております。
○山本(政)委員 東京都のほうからは何もなかった、むしろ厚生省のほうから東京都のほうに対して問いをかけた、こうおっしゃる。それでは、都の医師会のほうに対しては何かアクションをおとりになったのですか。
○内田国務大臣 ただいま山本先生がお取り上げの問題は、きょう山本先生からこの件についてのお尋ねがあるまでもなく、私は、実は直接の権限はございませんけれども、医療担当の大臣といたしまして関心を持ちまして、そうして、この問題の円満なる解決につきましていささか努力をいたしてまいりました。 結論を申し上げますと、いろいろ申し上げるまでもなく、ごく最近のうちに両者の間に円満な解決がつき得るというような方向になってまいっておりますので、その情勢が達成されるように、なお私どもは激励をいたしておりますので、御心配のようなことが起こらないで済むと私は確信をいたしております。
○山本(政)委員 参考人がおいでにならないのは、実はその事態が流動的だからということで、解決がつくかつかないかということは、これはついてほしいと思います。しかし、近く解決がつくかどうかということについてはいまだに疑問を持っておるのです。たとえば都の医師会からのこの資料の中には、立地条件について、人口対ベッド数、これは人口十万当たり一般病床千床以上。駒込病院は都内で最も病床数の多か場所である。何ゆえに千二百床の一般病床をふやす必要があるか不可解だ、こう言っているんですよ。ところが、第五地区——東京都医師会が指摘をしておる地区で板橋、練馬区、これは人口大体一万に対して必要病床数というものは三十ですよ。つまり練馬と板橋区については二千七百三床がまだ必要である、こういうデータが出ておる。これは厚生省のデータです。もう一つ、問題の第二地区の文京、豊島、北区、ここには人口百五万ですが、これに対して不足病床数が二千七百八十七、これだけ必要だと言っている。これが実は東京都の医師会の言っておる診療圏であります。だから、合計すると約四千二百の病床が不足であると言っている。それに対して、千二百の病床をやることはけしからぬと言っておるのは理屈が合わないと思うのです。その点についてあなた方はどうお考えになっておるのか、見解を示していただきたいと思うのです。
○松尾政府委員 御指摘の数値は、いわゆる医療法による公的医療機関の規制をするときの数字を使ったものでございます。東京都全域につきまして、いま御指摘のように病床の不足地区でございます。したがいまして、そういうワクの中であれば、それはまだ不足だというふうに認識してかかるのが当然のことでございます。
○山本(政)委員 確認いたします。これだけ不足であれば、かりに一般病院であろうと、つくることが当然ですね。
○松尾政府委員 つくって差しつかえのないものでございます。
○山本(政)委員 ありがとうございました。 それでは第二番目に、都の指導では、診療圏について、駒込病院を利用しておる患者の居住地区は、文京区、北区、荒川区、足立区の一部で、都内のきわめて限られた範囲にとどまっておる、こういっておるのです。ところが、どれほど主観的であるかということを私実は申し上げたいのであります。文京区の隣りには、隣接区で豊島区が地図の上では入っておる。交通も私は調べました。ところが、都の医師会の中には、ここにいま申し上げたように、豊島区は入っておらないのです。診療圏としてなぜ入れていないんだろうか、隣接区ですからね。隣接区であって、しかも離れた足立区の一部、こういうふうにいっておるのです。 もう一つ、台東区には台東病院があります。それからその近くには墨東病院もあります。診療圏からいえぼおそらくそっちのほうが近いかもしれない。しかも、そう言いながら、二十日に、都立病院計画修正要求大会を開いております。しかもそこに集まったのは、東京都城北地区で、診療圏でない豊島区のお医者さんたちが集まっておる。もちろん板橋とか練馬の人たちも集まっておりますよ。そういうようなことになっておる。そうすると、この診療圏について都の医師会の言っておることが、きわめて主観的な診療圏であるというふうに私は理解をしなければならぬと思うのです。その点について、大臣でもいいです、医務局長でもいい、一体どうお考えになりますか。
○松尾政府委員 具体的にその病院の診療圏というものがどの辺まで広がっておるのか、これは私も実態を存じません。一々来ました患者の住所を調べてそれを計算すべきでございます。特にそういう関係につきましては、先ほど来御指摘のこざいました医療法上のいろいろな計算をいたします場合にも、一定の区域を設定いたしましたならば、その域外から来ておる人間というものは一応控除するというような、いろいろな配慮もしておるわけでございますから、そういう態度でいけば、むしろもっと正確な形でとらえるべきであろうと思います。
○山本(政)委員 この中には診療圏に入っていない練馬区の開業医も参加しておるし、豊島区の開業医も参加しておる。そうすると、診療圏というものは、都の医師会の言っておるようにもっと広範であるはず、だけれども、私は、意識的に診療圏を矮小化しておるのではないかという気がしてならないのです。 第三番目の問題点として、地域のニードに関して科学的な分析が行なわれていないというのです。実際に分析をするのはたいへんだと思うけれども、そこまで反論ルするのだったならば、東京都医師会が科学的なニードを提出して反論すべきだと思う。これは出していない。たいへん意地悪な質問ですけれども、もし医務局長がその立場であったならば、東京都の医療ニードの科学的分析が不十分であるというのだったならば、自分なりに科学的分析を出したものを提出して反論すべきだと思う。しかし、その反論というものは、何らあげられていない。私は、むしろ反対のための反論でしかないような気がいたします。その点についてどうお考えか。
○松尾政府委員 地域の医療ニードということを正確に測定をするということは、いま先生のおっしゃったように非常にむずかしい問題でございます。また、そういうニードをどういうふうにして客観的にやるかということについて、必ずしもはっきりした方式があるともまだ言えない段階でございます。ただ、一つ言えますことは、ふだん日常の診療に従事をして、おる医師というものが、いろいろ困った事件というような——どこかの診療所に頼まなければならぬ、そういうことをひしひしと感じておる例はあるだろうと予想されます。したがいまして、そういうものが、かりに数量的に表現できないにいたしましても、こういうものはやってもらわなければ困る、私たちの手ではなかなか負えないんだ、あるいはこういう設備を持ったところがないとどうしてもだめだ、そういうものはおそらくみんな考えておると思います。したがいまして、そういうものが何らかの形で正当に出てくれば、現段階でそれは一つの専門家から見たニードだというふうに考えてもいいんではなかろうかと思うわけでございます。
○山本(政)委員 答弁としては私は納得いたしますけれども……。 それじゃもう一つだけ。いま老人で一審比率の大きい病気というものは一体何でしょうか。つまり、老人になってかかる病気。たとえば脳卒中もあるでしょうし、あるいは結核もあるかもしれません。心臓病もあるかもしれない。そういう中で一番比率の高いのは何でしょう。
○松尾政府委員 詳しい疾病統計を一度見た上でお答えすべきだとは存じますけれども、大体死因の傾向あるいはその他から見ましても、脳卒中の後遺症というものが日本では一番多いと考えていいと存じます。
○山本(政)委員 それじゃ、もう一つお伺いします。感性新生物というものはこれはガンですか。ガンと考えていいんでしょうか。
○松尾政府委員 大部分はガンでございます。
○山本(政)委員 駈込病院の増改築について、医師会はそれにかわる提案をしております。それはガンを中心とした病院をつくれ、こう言っておる。医務局長のおっしゃるとおり、これは四十四年の厚生省の報告でありますが、傷病分類別要療養者数というものがあります。高血圧性疾患が四九・五%、約半分。心臓の疾患が一五・二%、その他が九・六%。そのあとに神経痛及び神経炎それから胃腸炎、それから糖尿病、関節炎及びリューマチ、腎炎及びネフローゼ、そして中枢神経の血管損傷、それから結核、最後に悪性新生物、つまりあなたのおっしゃるガン、これが〇・三%です。それに対して、東京都のほうの考え方は、慢性長期神経性の老人病というから、つまり上のほうの問題だと思う。先に申し上げた脳卒中とかそういう心臓病だと思うのですが、それから伝染性疾病、交通災害、救急、母子医療、そしてガンも含まれておるわけですね。都の医師会は〇・三%に対して病院をつくれ、こう言っておる。いま一番必要なのは、まさに四九・五%を占める高血圧性疾患、あるいは心臓の疾患、これは一五・二%ですから、そういう人たちの病気を主とした病院をつくるのが本来のあり方ではないであろうか。私はこれは常識的だと思うのです。その点に対して一体どうお考えになっておるか。これについては大臣、このことは大臣のほうがいいかもしれませんね。
○内田国務大臣 お尋ねの範囲の限りにおきましては、私はそのとおりであろうと思います。
○山本(政)委員 そうすると、医師会の言うことは、立地条件からいっても、きわめて主観的である。そして診療圏からいっては、故意か何かわかりませんが、豊島、練馬をはずしている。しかし、開業医の大会にはそういう人たちが参加して反対している。そういう矛盾がある。地域の医療ニードについては何ら反証がない。そうして、いま申し上げたように、交通災害あるいは母子医療、伝染性疾患、老人の慢性疾患というようなものについての病院をつくろうということに対して、わずか〇・三%の——私は、ガンというものは将来の研究に必要であると思うし、そういう研究施設というものがやはりあるべきであろうと思いますが、むしろそれは国がやるべきであろうと思う。しかし、少なくともいま緊急を要する問題については、そういうパーセンテージの多い人たちのための——まさに老人、そういう老人のための施設というものがあっていいはずだと私は思う。しかし、わずかに〇・三%のガンを中心とした病院を主張されている。これは私は常識的にもうなずけないと思う。そうすると、この四点全部、少なくとも駒込病院に対しては、医師会の言っていることのほうが無理だという考えが私はするわけです。その点について、これは締めくくりですから、ひとつ大臣、お答えを順いたいと思う。
○内田国務大臣 冒頭に私から述べましたように、これは都民あるいは患者に迷惑がかからないように、また世間の批判の対象にならないように、私は行政官の頂点に立つ者として、せっかくおさめてまいってきておりますので、ここで私がいろいろ申しますことは、私としてはこの場合いたさないほうがいいと思っております。 いま山木先生のお尋ねのことにつきましても、医療機関には、言うまでもなく公的医療機関あるいは私的医療機関もあり、それらの配置基準あるいは配置の一般的な考え方というものもあるわけでございますし、また片方、東京都の医師会の提案されたような諸事項の中には、私どもが考えても適当でないと思われるものもあるわけでありまして、これは双方関連の複合的なこともありますので、その一つ一つをその限りにおいて取り出しますと、これはまたいろいろな問題にもなりますので、これは総合的、複合的判断のもとにおいて、双方で、話し合って、そうして解決が無事についてまいりましたので、その辺でひとつ私からのお答えと御承知いただきたいと思います。
○山本(政)委員 私は、私の申し上げた範囲でどうお考えになるかということが一点。第二点は、個々の問題については、医師会の申し分にも条理があるように大臣の発言から受け取りましたが、この点については具体的にどういうことだということをお示し願いたい。答弁は大臣ですよ。
○内田国務大臣 たびたび申し上げますように、そういう一つ一つの範囲の問題を掘り出せば掘り出すほど、せっかくここまできた解決をもとに戻すことになりますので、この辺で御了承願いたいと思います。
○山本(政)委員 そうすると、たいへん皮肉な質問になるかもしれませんけれども、医務局長は、東京都のほうから情報が入っておらないので、あまり私は知っておらないけれども、と言って説明がございました。大臣は、そのことに対して、心配であるから関与しておったということであります。閣内不一致ということがあるけれども、厚生省の中でそれだけ意見が違うのですか。
○内田国務大臣 医務局長が申しますように、医務局長にも確かめたのでございますが、近来、東京都のほうから、こういう問題についてこういう事態にあるので厚生省に報告をするとか、あるいは、その間のあっせん等について申し出があるというような、そういう習慣が最近全くないようでございます。したがって、そういうルートにおいてはわかりませんが、私も社会人でございますし、東京都に住んでおりまして、ことに政治家の一人でございますので——ことにまた、厚生大臣といたしますと、局長はどうであろうと、これはやはり都民、国民に迷惑がかからないように解決すべきだということで、私自身は国会のほうにとらわれておりますし、また医務局長は、医務局長の立場はありましょうけれども、私にもいろいろな関連の組織がございますので、医務局長に関係なしに私は、行政の長として、また政治家の一人として、この問題の解決を実ははかってまいっているわけでございまして、医務局長との不一致というか、それは実は状況においてもございません。個々の問題の解釈については別でございます。
○山本(政)委員 それでは、第一番目の質問はどうお考えか。私の発言についてどうお考えになるか。東京都医師会を問題にする必要はないと思います。国民を、都民を問題にすればよい。
○内田国務大臣 これは、私は専門家ではないから申し上げかねるのでありますが、老人の病気の範囲というものは循環性疾患が多い。また、そのほかいろいろ病気の種類もありまして、いわゆるガンといわれている者の入院患者が少ないというような問題は、あるいは先生御指摘のとおりかもしれませんが、また、それらに対するいろいろな施設等の関係もありまして、それらの複合的要素もあるのではないかと思います。私は医師出身の行政官でございませんから、その辺のことについては全くわかりません。これはひとつ医務局長から補充答弁をさせたいと思います。
○松尾政府委員 おっしゃるように、医療機関を考えますときに、先生がおあげになりましたような多いほうの疾患、あるいは普遍的な疾患、こういうものからそれに対応するという考え方、こういうものからいく方法が一つの大きな道でございます。しかし、同時にまた、ガンのような場合に、これはケースとして非常に少ないといたしましても、それが先ほども申し上げましたように、各医療機関ではとうてい扱いかねる、こういう問題が出てくれば、それをどの程度の規模にするかは別でございますが、それらを受けて立つような機関をきちんとされる、これも否定できない問題でございます。
○山本(政)委員 そのことについては私も申し上げている。むしろそういう点については国のほうでやるべきではないだろうかということを申し上げたつもりなのであります。私が聞いているのは、あくまでも四点申し上げた。つまり、立地条件、診療圏、それから地域の医療ニードの科学的分析の問題、そうしてガン専門病院とすることについての可否、そのことについて申し上げたのですよ。そのことについてひとつ御答弁をいただきたいということなんです。病院あるいは研究所をつくることがいけないと言うが、むしろこれはしなければならぬ問題です。当面のこの駒込病院に関しては、一体どうお考えなのだろうかということ、この四点です。
○松尾政府委員 第一の立地条件は、第二番目にあげられました診療圏というものとほとんど同じカテゴリーの問題だと思います。診療圏につきましては、その病院の現状がどの程度であるかは別といたしまして、そこに新しい性格を持つ規模のものができれば、診療圏というものは、必ず現在のものとは違った形になるはずでございます。それがまた一般の、ものによりましてその診療圏の幅というものは非常に違ってくる、これが常識でございますので、現在、駒込病院の診療圏云々等から新しい病院の診療圏を設定するということは、正しくない見方ではないかと存じます。一と二はそういうことでございます。 第三のニードの問題は、先ほど来申し上げましたようなことでございますし、また、ガンにつきましても、その点どの程度調和するかという問題があろうかと思いますが、これも決してむげに捨ててしまう問題ではない。十分調和をとりながら、第三のニードと、現実に困っている問題との調和をはかっていくような方向でやるべきではなかろうかと存じます。
○山本(政)委員 どうもありがとうございました。 板橋の老人病院の新築の問題については、これは特別養護老人ホームをつくれということです。ただしかし、これは都の審議会におれば、あるいは参加してすでに知っておると思うのですが、むしろ都民がそういうことを知らないことを理由にしておるというふうに、あるいは邪推かもわかりませんけれども、受け取られてもやむを得ないと思うことを都はやっておるのですね。昭和四十七年までに二十六カ所の特別養護老人ホームをつくるというのです。二十六カ所です。寝たきり老人の収容施設として、そういうものを都の医師会は無視しておると思うのです。無視しておるというか、そういう言い方が悪ければ、お忘れになっておるのではないかと、こう思うのです。 御承知のように、都内に住む七十歳以上の老人は三十万六千人、そのうち福祉年金受給者が十万六千人、そうして十二月に老人無料医療制度というものができてからの受診件数というのは四万五千六百件です。件数と患者数とは必ずしも一致しないでしょう。だけども、約半分に近い人たちが、それによって無料であるからということで受けておるのですよ。そういうことに対して、近いうちに解決するだろうというお話もありました。大臣も、もちろんそれに対して関心をお持ちになるだろうというお話だった。だけども、私は、厚生省として、もっと早くそういうことに対してアクションをとるべきだと思うわけです。医師会から話を聞いたっていいでしょう、都から聞けない場合は。しかし、いずれにしても、積極的にそういうことに対してアクションをおとりになるという気持ちがあまり強くはないのではないだろうか、こう言っていますよ。きのう私はお年寄りの方八人ほどとお話をいたしました。あしたまた三人ほど老人の方がおいでになりますが、お金がかかるから家族に対して遠慮しておったのだが、お金がかからなくなったから私どもは受けたのだ。それがまた四月一日からだめになるそうだ、何とかしてください、こう言っていますよ。それなら、もっとあなた方は何とかとるべき方法があるのではないだろうか。きょうは十二日です。三十一日といえば、もう幾らもありませんよ。解決するだろうというのではなくて、あなた方が入って解決するという意思を持っていていいと思う。これは監督官庁でしょう。その点に対して大臣の御答弁をお願いいたしたい。
○内田国務大臣 山本先生からお尋ねがありましたのは、きょうの日、すなわち三月十二日でございますが、東京都からは連絡はございませんが、私がまず第一に見つけましたのは新聞で、見つけますと、これは厚生大臣としてほっとけない。特に私はなったばかりの厚生大臣でありますから、あまりまごまごしていたら、厚生大臣の立場にもかかわると思いましたので、この問題は放置すべきではないということで、これは医師会とかいろんな方面と関係があるということで、むずかしい筋のようでございますけれども、私はなりたてであり、しろうとでありますために、早くこの問題に気がつきまして、私がいろいろなことをやることも一つの方法でありますが、かえってむずかしくなってもいけないので、先ほど申しましたように、中身は申しませんけれども、筋を用いて早くから私は取り上げております。 また、いまの老人公費医療の問題につきましては、せっかく昨年暮れですか、出発したばかりでありまして、これは年度ごとに更改する契約になっておるそうでございますので、四月に間に合わなければ三月で切れてしまうということは、先生の御指摘のとおりでございますから、何とか切れないようにしたいというのが私の一番の念願でございまして、ことにこれは都だけがおきめになったことではなくて、医師会との契約でおきめになったことでありまして、したがって、その方法、やり方についても、医師会の意向が入っておることでもございましょうから、それを他の問題との関連、公的病院等の拡充、設置の問題と結びつけて、老人に迷惑がかからないようにと、私の直接の所管かどうかしりませんけれども、とにかく厚生大臣の関心事の一つと心得まして、配慮いたしておる次第でございます。おそらくそのうち片づくだろうということではございません。これは、私が直接やり得るのなら、すぐにでも判こを押すわけでございますが、そういうことと違いまして、もちろん私は、老人公費医療の問題が切れないで継続するような、そういう時限において問題が解決することを信じております。
○山本(政)委員 医師の任務というのは、一体どういうものですか。医師法の第一条にありますね。「医師は、医療及び保健指導を掌ることによって公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする」、医師のこれは任務ですよ。もっとすばりと言わせてもらったら、私は東京都医師会に対して、厚生省は指導監督ができるはずだと思うのです。何を御遠慮になっておるのか。ずばずばおやりになったらいいじゃないですか。医師の義務というのがありますよ、ここに。診療に応ずる義務というのがある、ここに。第十九条、「診療に従事する医師は、診察治療の求があった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。」と書いてある。しかも、先ほど申しましたように、医療費の問題、制限診療時間の問題、保険の制限時間の問題、あるいは東京におけるこういう各種委員を返上したり、無料医療制度というものをボイコットしたりすることに対して、あなた方はもっと強い態度をなぜおとりになれないのですか。泣いていますよ、みんな。私が申し上げたいのは、信ずるというのではなくて、両者の交渉によって、あなた方が中に入って調停して、これをちゃんと契約して、もう一ぺん続けなさいと言うことがなぜできないのかというのが私の疑問なんです。その点について大臣どうお考えになっておるか。あなたが中に入って調停をやってくださいというのですよ、都民のために、そうして国民のために。何かあれば辞退するとか、あるいは二十四時間診療をしないとか、そういうようなことがないようにしてほしいというのです。 特に今度の問題に対しては、私は医療費の問題とかなんとかについては、二十四時間ほんとうに誠実にやっておる人たちは気の毒だと思います。しかし、今回の問題については、これはちとひど過ぎはしないだろうか。そうして、そのことに対しても、厚生省は少し両者だけの話し合いに待っておるのではないだろうか。なぜもっと入っていって、積極的に調停をおやりにならないのか私はふしぎでならないのですよ。だから、今後両方の意見を聞いて調停する御意思があるのかないのか、厚生省はそういうことをおやりになるのかならないのか、これをはっきりしていただきたいというのです。
○内田国務大臣 やり方はいろいろあると思います。双方を呼び出して、私どもの判断で、双方の間違っておることを是正させるという行き方もありますが、これまた裁判所的なやり方をとることによって、かえって決着を長引かせるようなことになってはいけないと考えまして、私は私なりに一番適当と考える方法によって、早くからこの問題の解決にいささか努力をいたしてまいっております。 また、先生お読み上げの、医師の法定義務等につきましても十分承知をいたしております。しかし、また病院、診療所の開設等に関しましては、知事の許可という制度にもなっておりますので、両方おとなでございますから、話し合ってうまくいかないはずはない。私が裁判官になって呼び出してということよりも、双方、医者とまた都と、それから都民とは全く三つのかなえの足でございますから、それらの相互が、いかにかなえをささえていけるかという方法を考えてもらうことが私は一番いいと存ずるのであります。
○山本(政)委員 あえて申し上げますけれども、調停に立つということは、裁判官の立場に立つことではありませんよ。この点をこうしたらどうなんだ、こちらはこの点をこうしたらどうなんですかということだって言えるでしょう。言えませんか。そのことをおやりになっておるというのですか。
○内田国務大臣 そういうことでございます。
○山本(政)委員 あなたのいまやっておることは調停ではございませんか。つまり、厚生省が都民のために調停をやっているんだ、あるいは調停にお入りになるんだということになれば、都民は、今度の厚生大臣の内田さんというのはりっぱな人だ、こう言いますよ。
○内田国務大臣 もっとやわらかい表現をいたしますと、形式ばらないで、お互いの立場も立つようにしながら、実質的にはごあっせんをしてまいりたいということでございます。
○山本(政)委員 調停ということよりか、あっせんということを言われる。そうすると、厚生省は、これからもあっせんをされますね。
○内田国務大臣 せっかくこれまでそういう努力を続けてまいりましたので、ここでほうり出すつもりはない。投げ出すつもりはございません。
○山本(政)委員 そうすると、三月三十一日のときにそういう無料医療制度というものが御破算にならないということにつきまして積極的にごあっせんをなさる、そうして、そのことに対してはっきりと自信をお持ちになっているわけですね。
○内田国務大臣 そういう報告を受けておりますから、私はそれを信じておりますが、しかし、万一またむずかしいようでありましたならば、さらにまた努力を続ける方法も考えたいと思います。
○山本(政)委員 そうすると、あくまでもそれが中断をしないように大臣としては御努力をなさるというふうに解釈してよろしゅうございますね。
○内田国務大臣 そのとおりでございます。
○山本(政)委員 それでは、ありがとうございました。私の質問を終わります。
○倉成委員長 この際、本会議散会まで休憩いたします。 午後一時二十三分休憩 ————◇————— 午後三時十三分開議
○粟山委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続けます。古川雅司君。
○古川(雅)委員 去る二月二十五日、予算委員会におきまして、大橋議員から看護婦の不足について政府の見解をお伺いいたしました。前向きの姿勢で御答弁をいただいたわけでございますが、私、本日は、さらにその具体的な万策につきまして、担当の課長ないし局長の御方策をお伺いいたしたく質問に立たしていただいたような次第でございます。順次お伺いをしてまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 看護婦の不足の問題につきましては、先般大橋議員が、関東労災病院において、看護婦不足からすでに病棟閉鎖というような緊急事態を生じてきている、こうした傾向が今後次第にエスカレートしていくのではないかという緊急性の上からお伺いしたわけでございますが、看護婦の需給対策につきましては、政府はすでに五カ年計画を立てまして、昭和五十年末までに四十八万六千人を確保するという将来計画を示していらっしゃいますが、現状から見てまいりますと、この差約二十四万人を充足していくために、はたしてこの五十年度の目標に現状で達成し得るかどうか、その点からまずお伺いをしたいと思います。
○松尾政府委員 私どもといたしましては、いまお話がございましたように、五十年末を目標にいたしまして、大体四十八万人台という就業看護婦を確保したい、こう考えておるわけでございますが、その大まかな過程としてのめどを申し上げてみますと、現在までにいろいろな看護婦の養成施設というものをかなり増強してまいったわけでございます。したがいまして、いま持っておりますところの義成力というものをそのまま使って、いわば従来の形といたしまして五十年末までにどの程度人間がふえるか、これは一つの基礎になろうかと存じますが、その点では、大体卒業生と、その中で、またさらにやめていく方も実際にございますので、その辺を差し引きいたしまして、私どもは、大体現在のままの養成かで、五十年末までにふえる純増というものは大体十一万から十二万の間と読んでいるわけでございます。そういたしますと、現在二十六万七千人でございますので、それに約十二万足しますと三十八万人程度、なお十万人程度の不足ということになってまいります。それを、約七万人程度から八万人の間にかけましては、これからの養成力の増加ということで補ってまいりたい。 なお、潜在看護婦、現在免許を持って家庭におられるような方がおられますが、こういう方々の再就職ということも促進いたしたいと考えております。これも大体二万五千強というようなところを期待いたしまして、それを合わせまして大体四十八万人台というところを確保したい、こういう計画でいま進めてまいるつもりでございます。
○古川(雅)委員 この増員計画によりますと、現行では、こうした養成施設におきましては、看護婦になりたいという志望者が大体平均して五、六倍はあるというふうに聞いております。こうした充足の目標を達成していくためには、何といってもこうした養成施設の絶対数が足りないということがいえるのではないかと思いますが、今後こうした施設をどの程度充足していけばこの目標を達成するために十分であるか、そういった計画についてお伺いいたしたいと思います。
○松尾政府委員 先ほど申し上げました、看護婦をこれからふやしていくという計画でございますが、五十年末までをねらいますいわば長期計画でございますので、こまかい数字は別にいたしまして、第一に看護婦養成所がございます。現在の入学定員が、四十四年度で約一万二千四百名でございます。これは、五十年末までの養成計画の中では、看護婦についてはほぼ倍増していきたいと考えております。したがいまして、さらに一万二千ほどの看護婦を新しく入学定員として設けるような計画を立ててまいりたい。それから、准看護婦につきましては、現在約三万七百人程度の一学年定員がございますけれども、これを高等学校を卒業した資格に切りかえてまいりたい、こう考えております。したがって、中学卒業二年というような計画を一部は残しながらも、かなりの者を高卒一年というような、あるいは高等学校卒業の准看制度に切りかえてまいりたい、こういうことで、そこに差し引きが出てまいりますが、准看につきましては約一万三千程度の入学定員の増をはかりたい。したがいまして、看護婦については養成力を倍増したいと考えております。准看につきましては、現存の入学定員の約四割程度ふ増加するという計画になっております。これらを含めまして、それが一つの施設ができますと、一定期間後に重なって卒業してまいりますので、そういう累積を合わせますと、ほぼ先ほど申しましたような形に到達できる、こういう一つの計画に基づいて進めたいと考えております。
○古川(雅)委員 政府は今回こうした看護婦の不足を補うために、高校卒一年制の准看護婦養成制度をお考えになっているようでございますが、こうした人員を確保するための意図につきましては、現場の感情から、一部看護婦さんの団体等において、かなり批判の声もあるようでございます。この点は当局においてもすでにお聞きになっているかとも存じますが、この看護婦協会あるいは看護婦連盟等の要望に対しまして、政府の御見解と異なる点について、今後どのように調整しながら、この高卒一年制の准看護婦養成制度を推進していかれるおつもりか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
○松尾政府委員 高等学校卒業者を看護婦の准看の場合でも入学資格としたい、こういうことを考えました背景には、すでに御承知のとおり、中学から高等学校へ進学します率が非常に高まってまいりました。現在全国で約八〇%が高校進学をしている、こういうことでございまして、したがって、中学卒業のままで残ってくる方というのは非常に減少してまいりました。四十八年ころには約十万を割るのではなかろうかと推察されているわけでございます。したがいまして、そういう少ない数をもとにした原則としてやってくるということ自体が、すでにもう無理であるということが第一の点でございます。 それから、第二の点としては、現在中学卒業生を資格とする准看護婦養成の中に、約四割近い高等学校の卒業生がすでに入っております。この方方は、いわば過剰資格の形で入っているようなものでございまして、中学の卒業生と一緒に肩を並べて勉強していくということの上に、教育上にもいろいろと取り扱い上因る問題も出てまいっております。 それから、第三点としましては、今日医療の進歩あるいは患者さんのいろいろな事情というものも変わってまいりました。いわば看護婦さんに対する質的な向上ということが非常に強く期待されてまいっております。したがいまして、基本的には高等学校を卒業したという、あらゆる教養、学力というものを、高等学校卒業のレベルでものを考えてまいりたい、その上に立って専門教育を一年やりたい、こう考えておるわけでございますが、すでにこの辺につきまして、これがいわば教育効果があがらない、あるいは質的低下をするのではないかという不安がありますことは、私どももよく承知いたしております。 なお、私どもがこういう方面につきましてまだ十分な説明をしてないという点にも、そういう責任があろうかと存じますが、少なくとも、ただいま申し上げましたように、高等学校を卒業したというかなり高い学力を基礎にいたしまして教育課程を考えてまいるわけでございます。カリキュラムの時間数その他を比較いたしまして、相当の専門家の手を経まして検討していただいておりますけれども、その結果といたしましても、専門教育としてはこれで十分やれるのではないか、こういう見通しを得てまいっております。もちろん、教育の中身そのものが、従来の中卒時代に使っておりますような教育内容、あるいはそういうレベル、あるいは参考書、こういうものでいいはずはございませんので、そこはやはり高等学府卒業生に対するらしい中身にいたしまして、いわばレベルを上げた教育をしていく、こういうことで大体できるかと存じます。 いろいろな団体から、いろいろなそういう心配の御意見もいただいておるわけでございますが、第一にこの需給関係の点から見まして、高等学校卒業住を対象にいたしました場合には、すべてが大学准学コースに行ってしまって、いわばほんとうの実働部隊としては残らないのじゃないかという大きな懸念を抱いている向きもございます。この点につきましては、看護婦協会でも、約三年間にわたる調査資料を私どももちょうだいいたしておりますが、それを拝見いたしましても、いわゆる経験年数ゼロで進学コースに上がってまいりましたのは約二三%程度でございます。それからまた、やはり協会の同じ調査でございますが、なぜ、ただいま申しましたように、中卒の学校に高等学校の卒業生が入っているのかといいますと、やはりその四割程度は経済的な理由等がありまして、早く職業につきたいという希望が答えられておるわけでございますので、私どもは、そういう面におきましても、決してすべてが進学するということは考えなくていいのじゃなかろうか。ただし、将来についてそういう進学コースを考えることは、われわれは十分に考慮してまいりたいと思っております。 なお、そのほかに教育のあり方といたしまして、現在持っておりますようないわゆる各種学校でなくて、本来の大学なりそういうものにのせるべきだという基本的な問題がございます。これは、むしろ私どもは、今後の大事な検討課題として、いわば基本的な問題としてく今後取り組んでまいらなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。
○古川(雅)委員 御丁寧な御答弁でよく了解したわけでございますが、ただ、人命を預かる非常に大切な職務でございますし、一年間ほどの教育で十分な職業技術を育成することができるか、そういった懸念も十分にございますので、今後その教育の内容等については、またただいまの御答弁の中にもありましたが、御検討いただきたい、お考えをいただきたいということを御要望申し上げたいと思います。 さらに、こういう養成施設の絶対的な不足という事態についてお伺いしてきたわけでございますが、一方、私立の学校等におきまして看護衛生科等のそうした科目を設けて看護婦さんの養成につとめている学校がかなりございます。ただ、ここで私心配しておりますことは、そういった積極的に看護婦さんの養成に協力をしている私学において、経費の負担から経営が非常に困難になっている。ある学校におきましては、来年度からその看護衛生科を廃止しなければならないというような事態に追い込まれているということも一部に聞いております。こういった点について、今後厚生省としてはどのような助成をお考えになっていらっしゃるか、その点をお伺いいたしたいと思います。
○松尾政府委員 看護婦の養成が、かつてはいわば私企業的、企業内教育的な色彩が非常に強うございました。病院が自分のところに使う看護婦を養成すればいい、こういう感覚がございましたが、今日はいかなる設置主体が養成をいたしましても、これは広く、多くの医療機関に看護婦を提供しているという実態になっておりまして、いわばその意味におきましては、公共的な役判りを果たしている養成の実態にあるように存じます。したがいまして、そういうものに対しまして、従来は、端的に申し上げれば、病院の場合は診療収入の中から養成費を出しておる、こういう形でございましたけれども、いま申し上げましたようなこととあわせまして、やはりこの養成施設に対しては運営費の助成をはかるべきであるというのが、私どもの長い間の念願でございましたが、四十五年度予算案におきまして初めて、約二億六千万でございますけれども、日の目を見ることになっております。これは国立の場合は全部国の負担でやっております。それから、県立あるいは市町村立の場合には、それぞれ交付税関係ですでに手当てができておるわけでございます。そういう公的なものを除きまして、いわゆる民間の看護婦養成というものに対して充当するのがこの二億六千万の費用でございます。ただいま御指摘がございましたような、そういういろいろな御苦心をなさっておるところに対しましては、この補助金をもって、まだ額は少のうございますけれども、ささえてまいりたい、こういうふうな考えでございます。
○古川(雅)委員 先ほど局長のお話の中にございました潜在看護婦の実態についてお伺いをいたしたいと思います。実態の調査につきましては、大体推定で二十五万人いるということがしばしばいわれております。その点につきまして、政府は、勤務可能な実数についての実態調査を今後お進めになるお考えはないか。これを看護婦不足の充足対策の一助とすべきであるというふうに考えるわけでございますが、具体的なこうした実態調査についてはなされていないように思うのでございますが、いかがでございましょうか。
○松尾政府委員 潜在看護婦といわれる家庭におられるような方々が、再び職場に戻っていただきたいと私たちも強く念願をいたしております。ただ、いまのように実態がどうだということでございますが、そもそもどこにいらっしゃるかということをつかまえること自体が非常にむずかしい問題でございます。したがいまして、たとえば静岡県で行なわれましたように、現在働いておられる看護婦さんを通じまして、いろいろとお知り合いの方々に手を伸ばしていただくというような調査もございますが、各県でただいま——昨年から私どものほうでも、直接潜在看護婦の講習会の費用を持っておりますけれども、さらに来年からは、各県に少なくとも一カ所というように拡大をするつもりでございますが、県独自でも昨年から非常に活発に講習を始めるようになってまいりました。現在までに約七十カ所で講習が行なわれて、約二千五百名程度がこれを受講しております。受講される方は、もともと呼びかけに応じましてかなり就業の希望を持っておられる方だというふうに私ども考えておりますけれども、静岡のような例でも、その全部が就業するというわけでもございません。いい場合でも半分程度ではなかろうか。また、その働く条件がいろいろございまして、たとえば夜勤というような条件でございますと非常に困難であるとか、あるいはパートで働きたいとか、いろいろ御希望はあるようでございます。ただいま、そういうふうな全県にわたって相当な講習が行なわれましたのでその実績をその後の追跡調査でつかまえるという準備状態のところでございます。ただいままだ結果はわかっておりませんが、そういうところから大体の趨勢を私ども把握いたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○古川(雅)委員 その補習教育についてでございますが、これはやはり全面的に各都道府県単位に早急に実施していくということが当然緊急に必要ではないかというふうに考えられます。また、いまお話にございましたとおり、ことに公立病院等におきまして夜間保育所といったものを早急につくっていただければ、こうした潜在看護婦さんを職場に引き戻すことに大きな効果があるという御要望もかなりあるようでございます。この点、いまの御答弁で尽きるわけでございますが、特に力を入れて今後御計画をお進めになるということについてはいかがでございましょう。
○松尾政府委員 看護婦さんの勤務が非常に特殊でございますために、保育所をつくってほしいという御要望が相当ございます。これは実際に私ども、いろいろ検討いたしましたけれども、口で言うほど簡単にはできにくい条件が実はいろいろあるようでございます。たとえば看護婦さん方のお子さんが、病院によって非常に少ない場合、あるいは年によって非常に子供の数が変動するというようなことで、一般の保育所のように一定の数を常に持っておるというようなことにまいらない条件の場合が非常に多いようでございまして、したがって、つくっていくということには、やはりかなり無理な点もあるようでございますけれども、一つは、私どもは一般的な保育所にお願いするということと、必要な場合には院内に保育所を設けるということに積極的に踏み切りたいというふうに考えております。たとえば国立病院等につきましては、従来いろいろな苦労の中で約二十六カ所ほど保育所を持っておりますけれども、これを来年の予算からそれをつくるために、設備等の費用を負担するということも予算上計上いたしまして、積極的にそういうできるところに助成をしながらつくり上げてまいりたいと思っております。 なお、夜間保育につきましては、保育上の問題といたしましてもいろいろな問題が提起されておりまして、働くほうから見れば、確かにそれが便利かも存じませんけれども、子供にとりましてはたしてそれがいいのかというような、いろいろな御意見もございます。しかしながら、現在においても夜間保育をやっているところも実績としてございますので、私どもはよくそういう実態も研究しながら、まあ無理のないところで実現できればやってまいりたい、こういうふうに考えております。
○古川(雅)委員 看護婦さんの待遇の問題につきましては、いろいろ聞いているわけでございます。年間一万三千人余の離職数がある。この実態は必ずしも待遇の問題だけが直接の原因とは考えられませんが、いずれにいたしましても、特殊な職務としてかなり過酷な労働条件に甘んじて働いていらっしゃる、これがまた看護婦さんの充足に大きな支障になっているのではないかと考えられるわけでございます。 二、三お伺いしたい点は、まず労働に相対いたしまして非常に賃金が低いということ、賃金体系に問題はないかということ。それからまた、これは一つの例でありますが、国立療養所の看護婦養成施設におきまして、看護婦さんの卵である若いお嬢さん方の食費が一日にわずか百四十円程度であるということも聞いております。育ち盛りのこうした方々にとてもそれで足わるわけにはいかない。もう少し助成をしていただければ十分な待遇をして勉強していただけるというふうなことも聞いております。 また、よく問題になってまいりました看護婦さんの勤務体制でございますが、特に夜勤という非常にたいへんな勤務条件をかかえておりまして、この勤務条件につきまして、夜間に休憩時間をとるように、これは労使の話し合いで一応労働条件は守られているように見えますけれども、職務上実際問題として夜間の休憩も休息も十分にとれない、こういった訴えが絶えないわけであります。実際問題として、看護婦白書等を見てまいりましても、看護婦さんの出身である方々が結婚をして家庭を持たれたとき、約四割近くが異常出産をなさっている。これはいかにたいへんな勤務状態であるかということを物語っている証拠ではないかと思います。こうした看護婦さんの勤務条件につきましては、特にこの夜勤の休憩時間等の問題につきましては、あくまでもこれは労使の間の話し合いで済むことだということでこの問題は看過できないと思うのであります。こういった点について、具体的に厚生省のほうから指導ないし勧告あるいは実態をよく踏まえた上で対策を講じていかれるお考えはないか、この点お伺いをしたいと思います。
○松尾政府委員 看護婦さんの待遇が、ああいう勤務条件に比べまして必ずしも妥当ではないというような声も非常に強うございます。私ども自身も、あれだけの仕事でございますので、できるだけ優遇してまいりたいと考えておりますが、これも先生御承知だと存じますが、国家公務員の看護婦さんのほうが民間の看護婦さんよりも、ここだけは逆転をいたしまして高いわけでございます。したがいまして、実態といたしましては、国立の関係の看護婦さんの給与を民間のベースが追いかける、だんだんに縮小するというようなそういう作用を持っておりますので、まず人事院の勧告におきまして、国の看護婦の給与を上げておくということが、民間にも波及いたしましてこれを引き上げるもとになる、こういうふうな実態もございますので、年々の勧告に対しましては、大臣以下非常に御尽力いただきまして要望しているような次第でございます。昨年の勧告におきましても、一般の平均が約一〇%でございました。看護婦につきましては一二%という勧告を出していただきましたし、また、わずかでございますが、例の夜勤手当も、百円から、数年据え置きのものを二百円に上げて、できるだけそういう面ではかってまいりたい。ただし、これは今後も引き続いて努力をすべき問題だと考えておるわけでございます。 なお、国立病院等の生徒の食費でございますが、四十五年はたしか百七十二円に上げたと存じます。三十数円上げまして、できるだけいい食事をさしたいと考えております。 それから、勤務体制につきましては、御指摘のように夜間の勤務を避けることができない、こういうことで、その点がこの看護勤務の中で一番問題でございます。私ども、やはりできるだけそういう勤務条件の改善をはかるということが、今後の長期計画の一つの要素にもなると考えておるわけであります。そういう意味で、単に医療法どおりの計算をしていくから足りるんだという、こういうような感覚でなくて、ほんとうに勤務条件というものをある程度改善をする。そのためにどういうふうな人が要るんだというようなことまで織り込んでまいりました上で、そういう需給計画を立ててまいっているつもりでございます。そういう計画でございますし、また同時に、夜間におけるいろいろな処遇改善、勤務条件の改善につきましては、国立の機関みずから範を示すように努力をすべきでございます。また同時に、いま御指摘のように、一般に対しまして十分配慮させるように努力すべきだと思います。
○古川(雅)委員 こうした看護婦さんの皆さんは、ただ単なる労使の話し合いだけで問題が解決できるとは考えていらっしゃいませんし、何といっても、政府のあたたかい、また強力な保護政策を非常に期待しているわけであります。いままでの御答弁を通しまして、担当の局長におかれても、また課長におかれても、懸命の努力を払っていらっしゃるということがよくわかるわけでございますが、現状からいたしますと、まだまだという感がございます。ひとつ大臣、以上の私のお伺いしました点を通しまして、今後この看護婦対策についてどのようにお考えになっていらっしゃるか、決意をしていらっしゃるか、お伺いをいたしたいと思います。
○内田国務大臣 先般来予算委員会などでもたびたび同じような御質問に対しまして、私ども厚生省といたしましては、この看護婦の充足対策ばかりでなしに、看護婦の身分そのものの向上充実ということにつきましても、これは正面から取り組んでいきたい、こういうことで諸般の施策を力強くやってまいる所存でございます。
○古川(雅)委員 看ご婦問題は以上にいたしまして、医療制度の問題については午前中かなり次元の高いお話し合いがございまして、私もつつしんで拝聴したわけでございますが、私は、またもう少し低い次元になるかもしれませんが、国民の皆さんのさまざまな疑惑を、ひとつ代表いたしまして、簡単な点でございますが、二、三お伺いをいたしたいと思います。 私ども選挙区に帰りまして、国民の皆さん、選挙民の皆さんといろいろお話し合いをするときに常に聞かされることは、国民健康保険等の保険料が年々上がっていく。最近においては二割ないし三割上がっていくことはもう年中行事になっている。一体どうしてこんなに上がっていくのであろうか。厚生大臣は、この点について、どうして私たち国民の利益を守ってくださるのであろうかという声を聞いてくるわけであります。端的にお伺いいたしますけれども、この一番の大きな原因をどのように考えていらっしゃるのでございましょうか、大臣にお伺いしたいと思います。
○梅本政府委員 国民健康保険の問題でございますけれども、御承知のように、医学、薬学の進歩によりまして、その部面からの医療費の押し上げの要因が非常にございますし、御承知のように人口構成あるいは疾病構造、社会経済構造の変化によりまして、いろいろ新しい疾病というものも出てまいります。そういうような問題でここのところ医療費につきましては非常に大きな押し上げの要因になっておることも一つの問題でございます。 それから、もう一つ行政的な問題といたしましては、御承知のように従来国民健康保険の給付の割合につきましては五割、七割という状態でございましたが、最近におきましては、世帯主、世帯員とも七割給付という関係になりましたので、ここ一、二年におきましては非常に急激に医療費がアップになっておるわけでございます。御承知のように、国民健康保険につきましては国庫負担が四割五分入っておりますけれども、やはり保険の形式をとっておりますので、それ以外の部分につきましては、やはり相互連帯の観念から、保険料によってまかなっていただくということは、現在の制度におきましては必要なことではないかというふうに考えております。
○古川(雅)委員 この問題はあまりにも大きな問題でございますし、また、深刻な問題でございますので、短時間で立ち入ったことをお伺いするのはかえって失礼かと思います。また機会を改めていろいろお伺いしたいのでございますが、ただもう一つ、私たち国民がお医者にかかります、さまざまな形の保険を使って診療を受けるわけでございますが、こうした医師からそれぞれの支払い機関に対して請求をされる形において、また国民の皆さまが数々の疑問を持っております。いわゆる架空請求、水増し請求あるいは振りかえ請求、二重請求、こういったことがしばしば問題になるわけでございます。たとえば社会保険におきましては、社会保険診療報酬支払基金という機関がございます。こうした機関で一体こういう不正請求に対して十分チェックする機能があるのであろうかということが一つの大きな疑問でございます。たとえば広島県に一つの例をとっていきますと、この支払基金におきましては月々十五、六億円の診療費を支払っておりますが、ここでチェックされて浮かび上がってくる不正請求は八十四万円程度である。これはほとんど書類上の審査が実情であって、十分なチェックができないという実情を私は聞いてまいりました。一体、こういう請求の正否につきましては、こうした支払基金という機関でチェックをしていくのが正当なのか、あるいは県の保険課等において責任をもってチェックするのか、あるいはその機能が十分に発揮されていない場合、一体どこで責任を持っていくのであろうか、そういった点についてひとつお伺いをしたいと思います。
○梅本政府委員 支払基金におきましては、おっしゃいましたように、審査と支払いの事務をやっております。しかし、非常に膨大な請求書を処理いたしておりますので、御指摘のように確かに不十分の点があることはわれわれも十分認めております。審査の問題につきましては、やはりこれは形式的な、いわゆる計数上の誤りその他は事務職員でもできますけれども、請求の内容という点につきましては、医療内容でございますので、先ほどおっしゃいました県の保険課その他という問題よりも、やはり審査委員としてほんとうに診療内容のわかる専門家であるお医者さんにお願いせざるを得ないというふうな形になるわけでございます。その点は、確かに非常に膨大な件数を一定の期間に処理するということにつきまして、不十分な点が多々あると思いますけれども、今後これを機械化あるいは近代的な合理化をはかってまいりまして、徐々にこういう点を向上してまいりたいというふうに考えております。支払基金におきましても、いろいろそういう点につきまして鋭意検討を進めておるわけでございまして、地区ごとにコンピューターを導入をいたしまして、その事務のスピード化あるいは合理化という点につとめておるわけでございます。
○古川(雅)委員 まことにたいへんな問題をはらんでいると思いますので、ただいまの御答弁を基礎といたしまして、今後またいろいろと問題点をお伺いしてまいりたいと思います。 最後に、大臣に一つお伺いしたいと思います。はなはだ簡単な問題で恐縮なのでございますが、これも単純な、また素朴な国民の皆さんの疑問でございます。 私たちが病気になって医師にかかった場合、領収書をもらったことがない、診療内容を明細にしるした領収書をもらったためしがないということをよく聞きます。医師に対してこうした領収書の発行を義務づける法的な措置はないか、また、今後そうした方向にお進めになることが、医療制度の健全化のために大きな役割りを果たすのではないかという点について、ひとつお伺いをしたいと思います。
○内田国務大臣 古川さんから御指摘になられましたような意味のことばを私どもも聞くことがございますが、現在は保険法の関連でも、また医療法の関連でも、領収書の制度は制度としてございません。しかし、保険制度の抜本改正などに関連いたしまして、今後の研究課題であろうと私は考えます。
○古川(雅)委員 終わります。
○粟山委員長代理 西田八郎君。
○西田委員 私は、先日行なわれました厚生大臣の厚生行政に対する所信の中から、まずもって二、三お伺いしたいと思うのでありますが、所信の中に「この七〇年代は、持続する経済成長の中にあって、その成果を広く国民層に均てんさせ、真に豊かな社会を建設すべききわめて重要な」年であるということから「社会保障の充実、生活環境の整備等国民生活の向上」こういうことで中心的な役割りをになうべきものと考えるというふうに述べておられるわけでありますが、今日の日本の社会保障といわれる医療、厚生、福祉の諸制度すべてが保険制度にゆだねられておるわけであります。この保険制度ではたして社会保障というものができるのかどうか、その点についてひとつ基本的に大臣からお聞かせいただきたいのです。
○内田国務大臣 日本の経済成長がここまで達成されてまいりました七〇年代におきましては、私は、これから先は、その裏づけとなるような人間尊重の政策が非常に大切である、こういう意味から、先般もここで発言をさせていただいた次第であります。ところで、もちろん社会保障の中核を占めますものは、御承知のように、今日のところでは医療保障と所得保障でございますが、これらは、これまでの立て方のもとにおきましては、いま先生から御指摘がございましたように保険方式を中核としてやっております。もちろん、一部には公費医療もございましょうし、また年金などでも福祉年金もございましょうし、特別児童扶養手当といったような拠出を伴わない所得保障もございますけれども、しかし、国際的にこれを見ましても、また、日本の社会保障の歴史的発展の過程で見ましても、やはり社会保障というものは、社会保険の制度を中核としながら、足らざる面を財政で補っていくということでない限り、十分な国民所得に対する社会保障給付の割合の伸び存というものも得られないし、いまの考え方を進めてまいっていいのではないかと私は思うものでございます。
○西田委員 いまも大臣がお認めになるように、社会保障制度というものにはまだなかなか到達する段階に来ていない。要するに、保険制度でこれを埋めていきたいというのが御答弁でございましたね。したがって、保険制度ということになりますと、保険であるがために、いわゆる受益者負担ということが第一義に置かれて、そのためにいろんなアンバランスが生じてきておるわけであります。たとえば、かぜひとつ引きましても、大会社へつとめておりまして健康保険組合があるところでかぜを引いた患者さんが受ける診療費と、それから、同じ健康保険法の適用内にありながら、いわゆる政府管掌のもとで受ける診療費と、さらには国家公務員、地方公務員等の共済制度で受ける費用というもの、あるいは国民健康保険の適用になっている自由業の人が受ける診療費というものは、まちまちの差があるわけであります。また、老人保障にいたしましても、厚生年金の保障と国民年金の保障、さらに今国会で審議を続けられております農業者年金、そうしたものにもアンバランスがあるわけでありますが、これらのアンバランスがあっていいものかどうか、厚生大臣のお立場からひとつお明かせいただきたいと思います。
○内田国務大臣 社会保障でカバーをいたします以上は、私はなるべくそれを受ける人々の間に、その人々が属する職業あるいは年齢、階層等によりましてアンバランスがないほうがいいと思います。でありますが、これまでの、たとえば医療保険の発達の過程におきましても、いろいろの医療保険のグループができておりまして、今日はそれが八つぐらいできておることは御承知のとおりであります。でありますが、これらの健康保険にいたしましても、すべてを保険でカバーするのではなしに、言うなれば公費負担とのコンビネーションでやっておること御承知のとおりでございまして、国民健康保険におきましても四割五分の国費の助成をいたしますし、また政府管掌の健康保険におきましても、給付率は組合管掌の健康保険と全く同じでございますが、しかし財政の赤字といたしましては、政府が年々数百億の財政負担を行なっておる。それでも、御承知のように、まだ赤字が千七百億かたまっておるというような状態まで忍びまして、でき得る限り医療保障の対象になる方々の受けるアンバランスを消しておるわけであります。しかし、かような状態は、いつまでもそのままでは放置できませんので、御承知のように医療保険につきましても、抜本改正を課題にいたしまして、これらの給付の問題にいたしましても、負担の問題にいたしましても、あるいはまた健康保険相互間の財政の問題にいたしましても、調性の方策を講ずる等、こういうことを課題にいたしておること先生御承知のとおりでございます。 年金につきましても、年金制度が始まりましてからまだ十年たっておりません。したがって、拠出される方が受けられる本格年金はまだもらっておる人がないわけでございますけれども——もっともこれは母子年金あるいは障害年金は別でございますが、老齢年金は拠出制のもとにおいてはまだ出ておりません。そのつなぎを行なうために、拠出制がなくても、現在の老人の方々に対しまして福祉年金を出しておるというような、そういう保険と国費負担のコンビネーションの方法をとりまして、でき得る限りアンバランスを消しておる、こういうことをいたしておる次第でございます。
○西田委員 この赤字の問題なんですけれども、健康保険組合等ではかなりな黒字経営をしておるところがたくさんあるわけだ。もちろんそれは一事業ばにおいてたくさんの人がおるということ、しかもそれが一定地域に密集しておるというような利点があろうかと思います。しかし私は、それ以上に、企業の中の一部の小業としてかなりな合理化なりあるいは熱心な軒先なりが行なわれて初めてその成果を生んでおるのではなかろうかと思うのでありますが、それにしても、あまりにも政府管掌保険の赤字というものが大きくなり過ぎる。これらについて、いわゆる行政としてどのような指導が行なわれておるのか。やはり私はそうした面は一日も早くなくして、そうして給付の改善をはかっていくということが本来ではなかろうかと思うのですけれども、そうした点についての行政面からの指導というものについて関係者から伺いたいわけであります。
○梅本政府委員 先ほど古川先生にもお答えいたしましたように、三十六年に皆保険制度が達成をされました。しかし、その後社会経済の伸展に伴いまして、医療費を押し上げる要因が非常にたくさん出てまいったわけでございます。で、急激な勢いで医療費が増高してまいったわけでございます。やはり保険制度をとっております以上、保険料の増収分と医療費のアップ分がマッチすれば非常にいいわけでございますが、保険料の増収分を追い越して医療費が上がってきておるというのが現状でございます。 政府管掌の健康保険は、御承知のように中小企業の被保険者を中心の保険でございます。その点非常に膨大な数の被保険者を持っておりますので、御指摘のように、不徹底かもしれませんが、やはり各職場における健康管理その他をできるだけ徹底をしていただくというふうにいろいろ指導しておりますが、実効があがらないというような点も確かにございます。一方、健康保険組合は、日本におきましては、企業別に、工場、事業場別にまとまっておりますし、採用の時点におきましても十分な健康診断が行なわれて、しかも職場におきましても、大企業その他でありました場合には、非常に健康管理が徹底するというふうな利点もございますし、また、会社によりましては、年齢構成が非常に若いというふうな点から見まして疾病率が非常に低いというふうな、いろいろよい点がございます。この点につきまして、今後の問題といたしまして、われわれのほうでは、昨年の八月に抜本改正の案を一応構想を示しまして、社会保険審議会と社会保障制度審議会にすでに諮問をいたしております。その構想でとりました点につきましては、やはり皆保険化になったわけでございますので、中小企業に働く場合と大企業にいく場合とで、保険料が非常に差があるということは不合理ではないかという点に着目したわけでございます。ただし、先ほど大臣が申し上げましたように、日本の保険制度は、昭和二年以来おのおののできるところから発達してきたわけでございまして、健康保険制度が最初にできまして、その後職域のいわゆる被用者保険につきましては、日雇労働者保険でありますとか、あるいは国家公務員共済組合というふうに発達してきましたので、やはりおのおの発達をしてきました歴史的な条件がございます。これを抹殺してしまって、皆保険になったから全部の保険を統合したらどうかという有力な意見がございますけれども、われわれといたしましては、やはり発送してきた歴史的な条件を十分尊重しまして、現行の制度というものを一応たてまえにして、保険料負担なり給付が公平になるようにという点を考えまして提案をしておりまして、保険料負担の均衡をとる意味におきましては、財政調整方式という一つの方式をとっております。これは各企業において努力をされました点はメリットがあるように、しかし標準報酬の差の分だけはプールをしていただいて、裕福な組合から弱小な組合を助けてもらう、こういう方式で現在審議会に提案をして御審議を願っておる状況でございます。
○西田委員 いま伺ってますと、政府管掌の保険の赤字が多いということは、その企業、事業主体がきわめて小さいこと、あるいは年齢構成が高いこと等によるものだということでありますが、そんなことは初めからわかっていることなんです。初めからわかっていることなんだから、それに対処してどうするかということが政治ではなかろうかと思うわけです。また行政ではなかろうかと思うのです。そうした点についで、いまおっしゃったような抜本改正を中心にして社会保険審議会ですかにおいて討議中だということでありますけれども、審議の過程からいって、年限として大体どれくらいで現在の皆保険制度から一元化した保険制度になるのか、その辺の見通しはいかがでしょう。
○梅本政府委員 先日社労でお答えをいたしましたように、この医療保険の抜本改正が叫ばれましてから数年たちます。ただし、関係団体の利害が交錯をいたしまして、非常に根深い争いになっております。それで諮問をいたしますときにも、その点を配慮いたしまして、将来の構想というものについて基本的に議論をしていただく部門と、それから、さしあたり実施すべき事項とに分けまして諮問をいたしたわけでございます。そして、先国会並びにその前の国会から特例法の御審議のときに、総理大臣以下、さしあたり実施すべき専攻については二年以内に着手をいたしたいというふうに、再三国会を通じて公約をいたしておりますので、さしあたり実施すべき事項につきましては、二年以内に着手いたしたいので、それに間に合うように、各審議会におかれましては答申をもらいたいという意思表示をいたしております。二年以内に着手いたしたいということは、具体的には来年の通常国会に法律を提出いたしたいということでございますし、法律を出しますためには、ことしの十二月の予算編成までに裏づけになる予算の編成をして法律を出さなければならぬ。それがためには、財政法によりますと、八月三十一日までに概算要求を財政当付に出すということになっておりますので、審議会に対しましては、それに間に合うように六、七月あるいは七、八月ごろに、さしあたり実施すべきて事項については審議会の御意見を賜わりたいというふうに、明確に意思表示をして御審議を願っております。
○西田委員 これは大臣にお伺いするのですが、いま御答弁になりましたような形で来年の通常国会には着手したいということでありますが、大臣はそれに対しては間違いなく自信をもってお答えがいただけますか。
○内田国務大臣 国民がみな期待をしておることでございますので、私は早ければ早いほどいいと思います。しかし、最終到達駅まで行くのには、いま局長から話があったとおりでございますので、まず軌道だけは来年一度中にも敷けるようにいたしたい所存でがんばっております。
○西田委員 それでは、これは医療だけなんですけれども、続いて老人対策、身体障害者対策、生活困窮者対策等、これはもろもろの形で幾つかに分敵されておるわけでありますけれども、それらの総弁的な一元化をはかろ必要があると思いますが、これについてどうお考えになりますか。
○内田国務大臣 御趣旨の聞き間違いかもしれませんが、社会福祉の対象といたします事柄は、生まれたての乳児から、またこれからだんだん高齢層が多く深くなってまいりますが、そういう老齢の方々まで、その中間に身体障害者あり、あるいは精神障害者ありということで、いろいろの対象がございますので、これを一本にしてやるということは適当ではない、それぞれの法律等もございますので、最も有効な施策を分けてやるほうが現実的だろうと私は考えます。
○西田委員 ちょっと大臣の聞き違いだと思いますが、私はそれらを全部一本にせよと言うわけではない。疾療が一元化されるように、老人対策なら老人対策を一元化する。たとえば農業者年金だとか国民年令だとか厚生年金だというのではなしに、すべてを国民年金という形にするか、老齢年金という形にするか、そういうものの統合をはかっていく必要があるのではないかと思います。それについてお伺いしておるわけです。
○内田国務大臣 年金のことについて申しますと、これはやや健康保険の場合と迷うものがあるわけでありまして、大ざっぱに分けますと、被用者の厚生年金とそれ以外の方々の国民年金の二つございます。私どもといたしましては、でき得る限りこれ以上制度は複雑にしたくないということで、今回農業者年金ができようといたしておりますけれども、国民年金に結びつけた制度としてやっていただくということにしておるわけでありまして、厚生年金と国民年金とをさらに一本にしようということは考えておりません。
○西田委員 社会保障というものは、簡単にいって、日本国民として生まれてきて、そして、その権利であると同時に義務でもある勤労の義務を果たしている者か、あるいは果たした者——これは不具廃疾ということになるでしょうが、これが自己の意思と能力とにかかわらず、社会全体の水準としての生活ができない、あるいは不可抗力的な要因によって疾病になった、あるいは不具廃疾になった、あるいは命を失ったということ、それらの場合はすべて本人の責任ではないと思うのです。これは明らかに社会全体がその責任を持って、そして国民としての権利というか生活を守っていくことこそ、私は本来の社会保障ではなかろうかと思うのであります。そういう意味からいきますと、いまのいろいろな形において分かれておる不平等あるいは不均衡な負担、こういうものを早急に是正しなければならぬと思うわけであります。その辺について、いまの答弁ではまだ十分納得できないのですけれども、これらの考え方が間違っておるのかどうか、ひとつ大臣からお聞かせいただきたいと思います。
○内田国務大臣 原則として西田委員の仰せられるとおりでございます。しかし、いま国民年金と厚生年金を考えます場合にも、事業場におつとめの方は、自分でも掛け金をなさるが、会社の経営者も半分は一緒にかけてくれる。しかし、つとめ人以外の一般の国民は雇い主がございません。ので、同じ形態はとれません。そこで、その分については、国が国民年金の被保険者とともに実は国費をもって一緒にかけてやっている、こういう制度になっておりますので、したがって、理想としては、西田先生おっしゃるとおりにいたすために、年金についてもそういう二つの制度になっておる、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○西田委員 したがって私は、冒頭、保険制度というもののひずみが国民全体に不均衡をもたらしておるじゃないかということを申し十げたわけであります。したがって、それらを是正する、あるいは本来の社会保障に足を突っ込んでいくというのであるならば、それらの事業主の負担も当然どこかでアジャストしなければならぬ、コントロールしなければならぬと思うのです。そういうものについての何らかの方法をお考えになっておりますか。たとえば社会保障税というような税金を国民の均等の義務として取る、その反面、権利としての保障を受けられるというような形は考えられないかどうか。
○内田国務大臣 先ほどから厚生年金と国民年金の例を申し上げておるわけでありますが、これはこればかりの問題ではありません。同じような意味のことはたくさんございます。でございますから、私どもは西田説によりまして、国民年金の受けられる金額も、また厚生年金の受けられる年金の金額も、均衡を失しないように、昨年の改正で、おおむね現在の物価、生活水準を基礎として、ともに二万円年金というものの制度を打ち立てたわけでございます。これらの財源につきましては、私はこれはでき得るならば、国民のすべてが高負担、高福祉というようなことの着想からいたしますならば、何か道路の特別税じゃございませんけれども、ガソリン税じゃございませんけれども、行く行くはやはり社会福祉税というような税金についても考えられるべきだというような、ひそかな私は考えを持つものでございます。
○西田委員 大体これで所信に対する大臣の熱意のほどもわかったわけでありますけれども、次に具体的な問題について、二、三お伺いいたしたいと思います。 まず、お伺いしたいのは、お産の費用を全額国庫負担にならないかということであります。昨年、三倍以上の分べん費手当の引き上げが行なわれました。今度また日雇い保険の被保険者にもそれが適用されるというような法案が出されておるわけであります。まだ審議いたしておりませんが、法案が出されるというようなことも聞いておるわけでありますけれども、しかし、今日、やはりお産というものは非常に重要な要素をなしてきておるというふうに思うわけであります。人口動態からいっても、今後十年後には日本の人口が減るのではないかというようなことが盛んに叫ばれております。さらにもっと重要なことは、このお産の費用がかかり過ぎる、ただそれだけではないと思います。住居の問題なり、あるいは生活のいろいろな環境の問題もあろうかと思いますが、お産が費用がかかり過ぎるので、できるだけ少なく生んでりっぱに育てよう、こういう家庭、夫婦がふえてきておると思うのです。ところが、そのできるだけ少なく生んでりっぱに育てようということが、かえって過保護になって、そして、そのことが今日のような社会現象というものを引き起こしてきておるんではなかろうかというふうに判断するわけであります。子供は国の宝ということは昔からいわれるわけでありますけれども、このお産の費用の全額国庫負担について意思があるのかないのか、ひとつお聞かせいただきたい。
○内田国務大臣 分べん費は、昨年までは十分な支給でございませんでした。たとえば、健康保険に例をとりましても、本人がお産をいたしましても六千円しか分べん費が出ませんでしたのを、昨年の改正で、健康保措置の中においても、標準報酬の二分の一、しかし最低二万円を欠かないということに、そういう改正をいたしましたし、これは政管健保も組合健康保険も同じでございます。また、今回この国会に御提案を申し上げております日雇い健保におきましても、同じような制度をとることとなっておりまするし、また国民健康保険におきましても、これにならう制度を三カ年計画をもってやらせております。ところで、それは保険のほうで片づきましたが、私どもは、分べん手当を国費支給するかわりではございませんけれども、分べんそのものの費用もかかりますけれども、妊産婦あるいは生まれたての乳児、幼児、こういう者に対する健康管理を国がさらに十分やるべきだ、少なくとも公費で一般検診あるいは精密検診というようなものをやるべきだということにいたしまして、いままできわめて狭い範囲でしか国がめんどう見なかった、たとえば妊産婦の一般検診、精密検診も、妊婦の方々の八五%ぐらいが公費で一般検診、あるいはその結果によっては精密検診も受けられるようにいたしましたし、また、乳児につきましても同様のことをいたしておるわけでございまして、私どもの考え方は西だ委員の考え方とも通じておるものと思います。
○西田委員 通じておることは通じておるのでしょうけれども、大体国庫負担にする意思があるのかないのかということを伺っておるわけです。これはおっしゃったように乳児も幼児も大切だと思います。しかし、胎教ということも決しておろそかにしてはならないものだと思います。そういう意味から、やはり安心してお産ができるという妊婦の精神的な面というものが、生まれてくる子供に非常に大きな影響を及ぼすと思うわけであります。そういう意味から、私は特にこの点をお伺いしておるわけなんです。
○内田国務大臣 直接の国費負担にする方法とあるいは保険を通じまして現金給与をする方法と二つあるわけでございますが、現在では、昨年の改正は保険給付の形をとりました。しかし、先ほど来申しますように、その裏には、また国費の保険全体に対する助成というものもいたしておりますので、いずれの方法によるかということにつきましては、これはできる限り今後わかりやすい方法がとれるように私は検討してみたいと思います。
○西田委員 次に、小中学あるいは乳幼児の予防接種のことについてお伺いいたしたいと思うわけであります。 一かぜ五十億ということばが社会保険診療報酬支払基金のほうでいわれておるようでありまして、流行性感冒が一回はやると、一ぺんに医者の支払いが全国的に五十億になるということから、一かぜ五十億ということばが使われておるそうであります。しかし、それは単なる医者にかかった、保険を通じて診療を受けた人の費用でありまして、そのほか売薬なりあるいはいろいろな方法によって使っておる国民の金ということを考えますと、これはきわめてばく大な金額になるのではないかと思うわけであります。三倍くらいはかかるかもわかりません。あるいは四倍になるかもわかりません。これは調べておりませんからわかりませんが、少なくともこうした流行性感冒、しかもそれらは小中学生がかかりやすい、かかりやすいがゆえに学級閉鎖をするというような事態まで、いままでしばしば起きてきているわけであります。これに対して、予防接種法によりますれば、市町村の仏祖とし、県の負担とし、国の負担としというふうにちゃんときめられておるわけでありますけれども、これらに対する国の負担はどうなっておるか、お伺いいたしたいわけであります。
○村中政府委員 かぜのはやったときのインフルエンザの予防接種についてのお尋ねと理解いたしますが、御承知のとおり、現在インフルエンザについては低額所得者に対する接種の免除というふうな考え方で、対象の一〇%程度を限度にいたしまして、これに対して国、それから県、市町村というふうなそれぞれの負担に応じて無料の扱いをいたしました。したがいまして、国としては三分の一の国庫補助というたてまえになっていたわけでございますが、一昨年でございますか、インフルエンザについて相当接種が普及したというふうな考え方で、これを地方交付税の対象にいたしまして、現在一〇%程度のものは、実施をする市町村に対して交付税の形で交付をしておるというのが実情でございます。
○西田委員 私はそれでは足りないのではないかというふうに思うわけであります。いまの御説明からいきますと、厚生省でいわれるB以下の世帯を対象にし、それの一〇%ということになると、全国で百五十万人くらいになるように聞いておるわけであります。しかし、全国の小中学生、幾らおるのですか。しかも、これらの子供はかぜに非常にかかりやすい。そのかぜが高じて肺炎になるということもあるわけであります。これは私の知っている人の娘さんですけれども、二カ月おきに肺炎にかかったということで、小学校三年生のときは全く学校へ行けなかったというような事態も起こっておるわけであります。これは私の知る範囲ですから、全国的に調べたら相当の数にのぼるのではないだろうか。そしてまた、そのために学級閉鎖等が行なわれて、義務教育課程にある子供の教育が、そのために休まなければならぬとするなら、それに対する防疫というものは十分立てていく必要があるのではなかろうか。幾ら普及しようと、政府が手放しにしたらこれはだめなんですよ。ですから、そういう点についてもっと強い姿勢を示すべきではないかというふうに考えるわけですけれども、いかがでしょうか。
○村中政府委員 ただいま申し上げましたのは、基本的なインフルエンザの接種の体制について申し上げました。実際に交付税回しで市町村長が行なうわけでございますが、現実の場合、小学生に対して無料の取り扱いをしている町村も相当程度あるように聞いておりまして、たとえば東京都の場合ですと、これは無料の扱いをたしかやっていろと思いますが、それぞれの町村の財政事情に応じて残りの分を負担しているという、実態でございます。
○西田委員 それは私の選挙区の滋賀県も無料でやらしておるわけなんですが、そういう熱心な府県と、財政上の問題もありましょうけれども、それを負担をしてないというところと、また大きなアンバランスができるわけですね。しかも、地方交付税の中には、そうした意味を含めて地方に交付してあるということであるとするなら、これは十分督励をするというのが行政庁としての責任ではなかろうかというふうに思うわけです。そこで、一体全国の四十六都道府県の中で、この費用について扱いをしている区分がわかりますか。
○村中政府委員 インフルエンザについては、私のほうで手持ちの資料がありませんが、現在各都道府県市町村で行なっております定期の予防接種、これについてはおおよそ三分の一程度の市町村では無料の取り扱いをしている、三分の一の市町村では一部費用負担、残りの三分の一がかかった費用の全額を、低所得者を除きまして、受益者負担という形で処理をしているというふうに承知をいたしております。
○西田委員 私は流行性感冒について聞いておるのであって、その他のでは困るのですけれども、いますぐにはおわかりになりませんか。
○村中政府委員 ちょっと資料の手持ちがありませんので……。
○西田委員 それでは要望をいたしておきたいと思います。 いまの御答弁なさった局長もおっしゃるように、これはきわめて重要な問題ですし、地方によってのアンバランスがあるわけでありますから、どうかそのアンバランスをなくして、そうした無料接種をしているような奇特な府県に対しては、さらにそれを督励すると同時に、その水準に達してない府県に対しては、監督指導というものを——監督までできないかもわかりませんが、指導をひとつしていただいて、これらの処置が十分行なわれるようにしていただきたい。特に、いま各府県市町村ともに予算の議会が開かれておる最中でありますから、金額にしてみれば微々たるものであります、これは予算の〇・何%にしかならないのではないかと思いますので、早急にその処置をとっていただきたいと思うのですが、いかがでしょう。
○村中政府委員 御承知のとおり、児の予算段階はほぼ終末に各州とも共通して達しているのではないか。いまの御指摘の点は、現存伝染病予防調査会の中でわが国の防疫対策について大臣から諮問を申し上げまして、専門家による調査会で今後の方向の検討をしております。この中で、伝染病のいまわかっている予防接種の自己負担と申しますか、公費負担と申しますか、この点について項目をあげて議論の最中でございます。御承知のとおり、WHOが出しました資料を見ましても、少なくとも定期の予防接種については、国が肩がわって負担をしているというふうな傾向のようでございますし、これらの問題も含めまして公費負担の強化というふうな方向での検討がいま進められておりまして、これの結論が出る時期には、おそらく法律改正という問題も当然出てまいりますが、そういう過程で議論しているということを御参考までにお答え申し上げます。 年度の変わった早々でございまして、これを四十五年度の各県市町村の予算の中へ反映できるような努力というのは、私どもちょっと時期的に少しおそいのじゃないか、今後の県市町村の指導の中で御趣旨を生かせるような方向で努力をしてまいりたい、こう存じます。
○西田委員 最後に、これまた別なことになるわけですけれども、厚生省の所管予算案を拝見をいたしまして、各種施設に従事する人の給料が非常に低いように私思うのです。今日中学校を卒業した十五歳の人でも二万二千五百円というのが繊維関係でとられておる最低賃金になってきておるわけです。もちろん、業者間協定にはもっと低いものがありますけれども、そういうことから判断いたしまして、国家試験を受けで資格をとらなければならぬ人の待遇というものが非常に悪いように私は思う。したがって、非常に気持ちとしては生きがいのある仕事をしたい、もっと働きがいのある職場に行きたい、そういう面で自分のやったことが実際に成果のあらわれてくるのはこうした施設における作業だと思うのです。それにもかかわらず、応募者が少ないということは、そこに処遇の問題が出てくると思うわけでありますが、ことしは予算の審議も大かた終わりつつあるわけでありましてなかなかむずかしいでしょうけれども、これらについてもっと抜本的に改正をして、喜んで働く場所を求めてこられる、こういうような職場環境にしていただきたいと思うわけであります。それについて大臣から伺いたい。
○内田国務大臣 社会福祉施設で働かれる方々の処遇が十分でないということは、私どもも常にそのことで悩んでおります。実は、これは処遇だけの問題ではなしに、働かれる方々が信念、誇りを持てるような、そういう国民的激励も私は必要だろうと思いますけれども、処遇の改善は最も必要だと考えまして、昭和四十四年から三カ年計画をもちまして一応とにかく処遇の改善策をやっております。四十五年度がちょうど二年目になりますので、その既定計画に基づくものは織り込んでございますけれども、これは今後さらに西田先生の御激励に沿うように引き続いて努力をいたします。
○粟山委員長代理 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十八分散会