社会労働委員会 第1号
- 発言数
- 18 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1970/02/16
会議録
○倉成委員長 これより会議を開きます。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 このたび私が当委員会の委員長に就任いたしました。皆さまはすでに御承知のように、本委員会は国民各層に大きな関心が持たれているところでありまして、その任務の重要性と職責の重大なことを痛感いたしておる次第であります。もとより非才な私ではございますが、委員各位の御協力により円満なる委員会運営につとめ、その職務を遂行いたしたい所存でございます。 ここに委員各位の特段の御支持と御鞭撻をお願旧いいたしまして、ごあいさつといたします。(拍手) ————◇—————
○倉成委員長 これより理事の互選を行ないます。 おはかりいたします。 理事の員数は八人とし、先例によりまして委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○倉成委員長 御異議なしと認め、理事に伊東正義君、小山省二君、田川誠一君、増岡博之君、粟山ひで君、田邊誠君、大橋敏雄君及び田畑金光君を指名いたします。 ————◇—————
○倉成委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。 厚生関係及び労働関係の基本施策に関する事項社会保障制度、医療、公衆衛生、社会福祉及び人口問題に関する事項 労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関する事項 以上の各事項について、その実情を調査し、対策を樹立するため、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。 つきましては、衆議院規則第九十四条により議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○倉成委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————◇—————
○倉成委員長 この際、厚生関係の基本施策に関する件について厚生大臣から発言の申し出があります。これを許します。厚生大臣内田常雄君。
○内田国務大臣 新しい国会における社会労働委員会の御審議に先立ちまして、厚生大臣として就任のごあいさつを兼ねて厚生行政について所信の一端を申し述べたいと存じます。 わが国は、高度経済成長の一九六〇年代を送り、ここに一九七〇年代を迎えたのでありますが、この七〇年代は、持続する経済成長の中にあって、その成果を広く国民各層に均てんさせ、真に豊かな社会を建設すべききわめて重要な年代と存じます。さらに本年は「内政の年」といわれ、社会保障の充実、生活環境の整備等国民生活の向上を直接の目標とする厚生行政は、その中心的な役割りをになうべきものと考えております。 わが国の社会保障は、一応その体系を整えたとはいえ、なお総体としては低い水準にあり、さらに改善充実をはかる必要があると私は考えるものでございます。 また、経済成長の反面、公害の激化、生活環境施設の立ちおくれ、レクリエーション施設の不足等の問題が生じており、さらに、今後における人口の老齢化など人口構造の変化に対応した施策の充実をはかっていくことが、緊急の課題となっております。 私は、去る一月の就任以来、このような観点から明年度予算案の編成にあたっても微力を尽くしてまいったのでありますが、今後とも各位の御協力のもとに厚生行政の推進に努力いたす所存でありますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。 以下、当面の主要課題について申し述べることといたします。 第一に、社会福祉の分野では、最近の国民生活の動向を勘案し、生活扶助基準の一四%引上げをはかるとともに、特に老人福祉施策の充実をはかることとし、いわゆる寝たきり老人対策の充実、老人ホームの処遇改善、盲老人の開眼手術などの実現を中心にかなりの充実をはかったのでございます。 このほか、老後の保障の面で重要な年金制度については、各位の御尽力により、先国会において大幅な改善がなされましたが、来年度は、さらに福祉年金の額の引き上げ等その内容改善を考えておる次第であります。 第二に、児童福祉の分野においては、次代の日本をになうべき児童をすこやかに育て上げるための施策として、妊婦、乳児の健康診査の充実等母子保健対策の推進、保育所の増設、保母の確保に一そうの努力を払い、また、心身障害児の福祉の向上をはかるため、国立心身障害者コロニーを明年から開所するほか、家庭奉仕員制度の新設等を考えております。 第三に、生活環境の整備改善等の問題でありますが、今日、人口の都市集中、公害の多発等に伴い、住みよい清潔な町づくり、環境づくりが重要な課題となっておりますので、水道や清掃施設の計画的整備を推進するとともに、国民が自然に親しみ充実した余暇の活用がはかられるようにするため、東海自然歩道の整備に着手することといたしております。 次に、公害対策につきましては、この七〇年代を公害追放の年代とすべきであると考えており、当面は、公害防止計画等の推進、公害監視体制の強化、被害救済制度の改善等施策の総合的な推進をはかる所存であります。 第四に、医療保険の問題でありますが、懸案の制度の抜本改正については、昨年八月社会保険審議会及び社会保障制度審議会に対し諮問を行なっておりますので、その答申を得次第、関係方面との調整を行なって制度の改正に着手したいと考えております。 また、日雇労働者健康保険については、給付内容の改善等を、船員保険については給付内容の改善、メリット制の実施等を内容とする改正案を今国会に提出して御審議をわずらわす予定でございます。 第五に、国民の保健衛生の問題につきましては、近年における疾病構造の変化に伴い、種々の問題が生じておりますので、集団検診体制の強化等を中心としたがん対策、死亡率半減を目標とした脳卒中特別対策等を推進するほか、精神衛生対策、結核対策につきましても、さらにきめの細かい施策を考えており、また、原因不明のスモン病については、原因把握や治療方法の確立についての調査研究を一そう強化してまいる所存でございます。 次に、医療体制の確保の面で、近時特に深刻となっておりますのは、看護婦不足の問題でありますが、その計画的養成を期して積極的に取り組むことといたし、処遇の改善、養成施設の整備、潜在看護力の活用などをはかるほか、来年度からは新たに民間養成施設への運営費の助成を考えております。 なお、最近重要視されております食品衛生対策につきましても、あくまでも国民の健康を守る立場に立って、食品の安全性に関する基礎的研究の推進等につとめてまいる所存でございます。 以上のほか、厚生行政の分野には、戦傷病者戦没者遺族等あるいは原爆被爆者の方々に対する援護対策や薬務行政等ゆるがせにできない諸問題がございますが、いずれの課題にいたしましても、国民一人一人の毎日毎日の生活にかかわるものであることに深く思いをいたし、誠意をもってこの行政に当たる所存であります。何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○倉成委員長 次に、労働関係の基本施策に関する件について労働大臣から発言の申し出があります。これを許します。労働大臣野原正勝君。
○野原国務大臣 このたび、労働省を担当することになりました野原でございます。私は誠意と熱意をもって労働行政の推進につとめてまいる考えでありますので、委員各位の御指導と御鞭撻をお願いいたします。 さて、第六十三回特別国会にあたり、当面の労働行政の諸問題について、一言所信を申し述べ、各位の御理解と御協力を得たいと存じます。 七〇年代における労働行政の基本的課題は、経済の成長と勤労者の福祉の調和をはかり、豊かな勤労者生活を実現することにあると考えます。 このことが今日までの高度成長の一端をささえてきた勤勉な労働者諸君にこたえるゆえんであり、かつまた今後とも一そうの協力を期待し得る道であると信じます。私は、このような基本的な考え方に基づき、以下の諸般の施策を積極的に推進してまいる所存であります。 まず、雇用対策について申しあげます。労働力不足がますます本格化する時代を迎え、産業界自身の努力による労働生産性の向上や労働力のむだづかいの是正等と相まって、国民一人一人の能力が真に有効に発揮される体制をつくり上げることが今後の雇用政策の基本的方向と考えます。このため、労働力流動の円滑化をはかるとともに、中高年齢者、離農転職希望者、家庭婦人等の能力を再開発し、その就職、転職の促進をはかることが必要であると考えます。 これらの課題を解決するため、労働市場センターの機能の増強、雇用情報サービスセンターの設置、職業紹介のリアルタイム化の促進等情報化時代に即応した職業安定機能のレベルアップをはかってまいります。さらに、今後この職業紹介体制の刷新強化を軸として、経済の効率化、並びに企業経営及び雇用管理の近代化等を実現するため、労働行政の各分野においてはもとよりのこと、他の行政との連携を強めて、雇用政策の総合的な展開をはかってまいります。 沖繩における軍関係労働者の大量解雇につきましては、琉球政府に対し、職業指導、職業紹介、職業訓練等についての必要な援助を大幅に強化するとともに、関係行政機関と密接な連携のもと、本土就職者に対しては、移転援護金の支給を行なうほか、本土の駐留軍関係離職者と同様再就職のための手厚い援護対策を講ずる等、その離職者対策に積極的に取り組む方針であります。 次に、深刻化する技能労働力不足に対処して労働者の職業能力の積極的開発向上をはかることであります。このため、労働省では、昨年、職業訓練制度の改編整備をはかったところであります。新制度の展開にあたっては、西欧並みの水準にまで職業訓練を引き上げるため、当面、訓練生の倍増、技能検定の二百職種実施を目標に公共職業訓練に対する援助措置を充実して職業訓練の振興をはかってまいります。また、本年十一月にはアジアで初めての技能オリンピックが開催されますので、これを成功させるために全力をあげ、もって技能尊重の気運を一段と盛り上げていく考えであります。 次に、総合的農村労働力対策についてであります。 現在、総合農政の樹立が国政の重点となっております。これと相呼応して農業従事者の離農、転職の円滑化をはかることは、労働行政にとっても重要な課題と考えます。当面の措置として、四十五年度においては、農外就業援助措置の強化、農外就労訓練の創設等総合的農外就業体制の整備をはかることとしたところであります。 豊かな勤労者生活を実現するため、次のような諸施策を推進したいと考えております。 まず労働災害につきましては、いまなお六千余人のとうとい人命が失われている事実にかんがみ、労働行政の最重点課題として関係者全員が一体となって労働災害を防止し、安全で健康な職場環境を実現するため、科学的な対策を進めてまいります。 また、不幸にして労働災害を受けた労働者に対しては、経済発展に相応した補償を行なえるよう要請された労働者災害補障審議会の建議の趣旨に沿った制度改善のための関係法案を今特別国会に提出する考えであります。 労働条件につきましては、いまなお中小、下請企業等には恵まれない労働条件のもとに働く労働者がなお多数存在しており、最低労働条件の確保という視点に立って監督指導を進めるとともに、最低賃金制の普及をはかってまいります。なお、最低賃金制の基本的なあり方については、目下引き続き中央最低賃金審議会でも御検討をいただいているところであり、答申が得られ次第、これを尊重して所要の措置を講ずる考えであります。 現在の経済成長の中にあって、なお工賃や安全衛生等に関する労働条件が一般に低い家内労働者につきましては、第六十一回国会に引き続き今国会に家内労働法案を提出し、成立後は、その施行を通じ家内労働対策の飛躍的な展開をはかることとしております。 さらに、勤労者の福祉の増進につきましては、国民の大部分を占める勤労者について住宅その他の資産を充実させ、豊かな勤労者の生活を保障するため、勤労者の財産形成と特に住宅対策に重点を置き、勤労者がその努力に応じて持ち家を持てるよう税制、資金面の改善等に努力してまいります。また、今国会に提出を予定している中小企業退職金共済法の一部改正により、掛け金月額の引き上げ、給付に対する国庫補助の増額等をはかり、関係者の要望にこたえる所存であります。 次は、勤労青少年の健全育成であります。 次代をになう勤労青少年のすこやかな成長をはかることの重要性は言うまでもありません。しかるに、勤労青少年の中には、安易に離転職を繰り返し、また、その中で一部が非行化に走るなど種々の問題が生じ憂慮すべき状態が見られます。このような事態に対処して、私は、勤労青少年が職場の内外を通じ、その活力を健全に発揮できるよう諸施策を講じていく所存でありますが、この際、勤労青少年の福祉増進のための施策を総合的かつ計画的に推進するため、この特別国会において立法措置を講ずる所存であります。 日本経済の発展の中で労使関係、労働運動にも種々の変化が見受けられますが、とりわけ、今後広範な構造的変化が予想される七〇年代において時代の動きに即応した望ましい労使関係を形成し、経済社会の均衡ある発展をはかっていくためには、労使がその社会的責任を自覚し、労使間の諸問題を広い視野から話し合いで合理的に解決していくことが、従前にも増して強く要請されるところであります。 政府といたしましても、このような機運を醸成するため、産業労働懇話会を発足させる等諸般の諸施策を講じてまいるところであり、今後ともこの面に一そう努力してまいる所存であります。 以上、当面する労働行政の重要事項につきまして私の所信の一端を申し述べたのでありますが、激動の七〇年代を迎え、これからの労働行政も広い視野に立って新しい方向を目ざして展開していくべきものと考えますので、各位の一そうの御協力をお願いする次第であります。(拍手)
○倉成委員長 次に、厚生政務次官より発言の申し出があります。これを許します。厚生政務次官橋本龍太郎君。
○橋本(龍)政府委員 このたび厚生省の政務次官を拝命いたしました。御承知のとおりの若輩でありますが、どうかよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○倉成委員長 次に、労働政務次官より発言の申し出があります。これを許します。労働政務次官大野明君。
○大野政府委員 このたび労働政務次官になりました大野でございます。若造でございますが、どうかひとつ皆さま方の御指導、御鞭撻並びに御協力を心からお願いを申し上げます。(拍子) ————◇—————
○倉成委員長 次に、先ほどの厚生大臣の発言に関連し、昭和四十五年度予算の概要について厚生省会計課長から説明を聴取することにいたします。厚生省横田会計課長。
○横田政府委員 お手元にお配りしてあります「昭和四十五年度厚生省所管予算案の概要」に基づきまして、当省所管予算について御説明申し上げます。 最初に予算規模について申し上げます。 一般会計分は、昭和四十五年度要求額は一兆一千三十五億二千万円でございまして、前年度予算額九千三十九億三千二百万円に対しまして千九百九十五億八千八百万円の増額になっております。伸び率で申しますと一二二・一%でございまして、国の一般会計予算総額の対前年度伸び率一一七・九%を四・二%上回っております。国の一般会計予算総額のうち、厚生省所管分は一三・九%を占めることになっております。 特別会計分につきましては、厚生保険特別会計をはじめ五つの特別会計に分かれておりますが、それぞれの歳入歳出の規模は、この資料の三三ページ及び三四ページにしるしてあるとおりでございます。 次に、主要項目につきまして、順次その概要を御説明申し上げます。 生活保護費につきましては、昭和四十三、四十四の両年度とも生活扶助基準を一三%引き上げてまいったわけでございますが、最近の国民生活の動向、特に勤労者世帯の家計支出の動向を勘案いたしまして、それとの格差を縮小するため一四%という大幅引き上げをすることにいたしております。その結果、一級地における標準四人世帯の生活扶助額は三万四千百三十七円になります。教育扶助その他の扶助についてもそれぞれ所要の改善を見込んでおります。 社会福祉施設整備費につきましては、老人、心身障害児、保育などのための施設設置の要求がきわめて強いので、その整備のため予算を前年度に対して十億円増額いたして五十三億円計上いたしております。 社会福祉施設処遇改善費につきましては、毎年相当の改善をいたしてまいっておりまして、二ページをお開きいただきたいと思いますが、昭和四十四年度には保育所の保母を大幅に増員し、施設職員の給与改善三カ年計画に着手したことは御承知のとおりでありますが、今回は特に次の三点を重点とした改善を見込んでおります。したがって改善のための所要額は、その他を含めまして総額六十八億円余にのぼっております。 第一は、乳児院など収容施設につきまして、看護婦、保母などの定員増をいたしたことでございます。 第二は、従来改善のはかばかしくなかった庁費につきまして、実支出を勘案し、一万五百円から一万六千円に大幅に引き上げをしたことでございます。 第三は、前年度市町村民税均等割だけの課税世帯について、保育児二人目以降は保育料を半減することといたしまして、低所得者階層の保育料負担の軽減をはかったことでございます。 次は、三ページを開いていただきます。 老人福祉対策費につきましては、昭和四十四年度から始めました寝たきり老人対策について、訪問診査の際、必要によって精密検診も行なえるようにするなど、所要の改善をいたしておりますほか、新規事項は、老人性白内障の開眼手術を公費負担で実施することとしたことでございまして、これは治癒率がきわめて高いので、盲老人対策のために有効な手段でございます。 四ページから五ページにわたりますが、老人福祉対策は、このほかにも非常に広範でございますが、老齢福祉年金を四十五年十月から月額二百円を引き上げることとしたこと、老人の社会活動参加を促すための就労対策費の増額、老人クラブの助成の拡大、特別養護老人ホームなど、施設の増設をはかることなどでございまして、金額的には、福祉施設整備費補助金を除きまして百五十九億円余の増額になっております。 次は六ページを開いていただきます。 心身障害児及び心身障害者対策費につきましては、収容施設の増強と居宅保護の充実の両面にわたりましてきめのこまかい施策を見込んでおりまして、対前年度八十三億円余の増額になっております。 おもな事項を拾って御説明申し上げます。これは八ページまでかかっておりますので、適宜拾って御説明申し上げますと、高崎市に建設中のいわゆる心身障害児(者)コロニーは、昭和四十六年度早々、五百五十人収容の施設として発足する予定でございまして、、その経営のために四十六年一月から特殊法人を新設いたします。 特別児童扶養手当は、あとで御説明申し上げる予定の児童扶養手当に準じまして、月額五百円の大幅引き上げをすることにいたしております。 重度心身障害児及び障害者に家庭奉仕員制度を新設いたしまして、居宅保護の充実をはかることにいたしております。昭和四十四年度に着手いたしました国立補装具研究所を四十五年八月から発足させること、言語治療のための専門職員養成所を新設すること、障害福祉年金を月額二百円引き上げること、それに国立療養所における重症心身障害児及び障害者のベッド増などをはかることにいたしております。 九ページをお開きいただきます。 母子保健対策費につきましては、最も力を入れておるところでございまして、前年度予算をほぼ倍増いたしております。欧米先進国に比べまして主ないし四倍にのぼっております妊婦死亡率を低下させ、かつ妊娠中毒または代謝障害による精薄化幼生をはかることはきわめて重要でございますが、そのため直接的効果の大きい妊産婦健康診査、乳児健康診査などにつきまして大幅に公費負担の対象階層を拡大いたします。つまり、年収百万円程度の所得階層まで拡大いたします結果、全妊婦の八五%が施策の対象になります。さらに、妊婦につきましては、精密診査を新設いたしますし、乳児につきましては精密診査の対象を拡大いたしております。 次は一一ページをお開きいただきます。 母子等福祉対策費につきましては、先に御説明申し上げました特別児童扶養手当と同じく、児童扶養手当と懸案の母子福祉年金との格差を解消すること、それから同年金額の引き上げとあわせて増額を行なうことといたしまして、月額五百円を増額することにいたしておりまして、母子及び準母子福祉年金につきましては、四十五年十月から月額二百円引き上げるとともに、本人所得制限を扶養義務者所得制限額と同額まで引き上げまして、大幅な支給対象層を見込むことといたしております。 それから寡婦福祉貸付金につきましては、制度創設二年目になりますが、その金額を倍増いたしております。 同じく一一ページの保育対策費につきましては、共かせぎ夫婦の増加などによりまして、措置児童数が非常に増加いたしておりますが、それに対応いたしまして、四十四年度に引き続いて大幅に措置児童数を増加することにいたしております。予ての結果、保育所の施設整備費補助金を除きまして、この金額は四百億円に近い金額に到達いたしております。 一三ページをお開きいただきます。 民間社会福祉事業育成費につきましては、社会福祉協議会に対する職員設置補助の個所数増とベースアップをはじめといたしまして、地域組織活動に実情に即した助成措置を講ずるほか、社会福祉施設職員の退職手当共済制度の改善を行ないまして、職員の勤務条件の改善をはかることといたしております。 一四ページをお開きいただきます。 児童手当制度調査費につきましては、児童手当審議会の審議過程で提出されました問題点などにつきまして、同審議会の審議と並行して調査究明するための調査費二千万円を計上いたしまして、四十六年度からの実施を目途といたすことにいたしております。 同じく一四ページでございますが、研究費につきましては、食生活の多様化、医薬品の発達、石油工業をはじめとする工場設備の巨大化などに伴いまして、予期しない衛生的危害が発生することに対応し、あるいはスモン病など原因、治療法ともに全く不明な奇病を絶滅するためなどの科学研究費でございまして、科学的見地に立って合理的に問題を処理することがこの種問題の解決としては最善でございますので、前年度に対し一億六千万円増額して十三億二千万円計上し、研究の推進をはかることにいたしております。 一五ページを開いていただきてます。 食品の安全対策費につきましては、研究費について申し上げたことと同じ趣旨でございますが、特に食品は生命の維持のため不可欠のものでございますので、食品添加物、農薬、抗生物質添加飼料など、摂取する食品に添加され、あるいは残留する危険性のある物質につきまして、広範に発ガン性その他のチェックを行なって、食品の安全性を確保することにいたしております。 同じく一五ページでございますが、看護婦需給対策費につきましては、病床の急激な増加とか、あるいは治療の高度化などによりまして、看護婦の不足が目立ってきております。看護婦の需給のバランスをはかることは、病院医療等を確保する見地から焦眉の急務でございますので、昭和四十五年度における最重要項目の一つと考えております。予算額は前年度の倍額である三十六億円余を計上いたしております。 施策の内容といたしましては、看護婦養成所の増設、修学資金貸与の対象拡大などのほか、新たに私的養成所に対する運営費の助成措置を講ずる二とといたしまして、そのための経費二億五千九百万円を計上いたしております。 一八ページをお開きいただきます。 ガン対策費につきましては、ガン研究助成費は二千二百万円増額いたしまして二億九千九百万円、それから集団検診対策として民間団体設置の検診車についても運営費を補助いたしまして、受診率を高めることなどでございます。その他につきましてはおおむね従来施策の踏襲でございます。 一九ページをお開きいただきます。 救急医療対策費につきましては、国公立施設の整備、専門医師の養成など逐年計画どおり進捗いたしておりますが、高速道路の新設などによりまして、高速道路上の救急対策のためさらに施設の設置を考慮しなければならない向きも出てまいっておりますので、施設の設置などについて所要の措置をはかることといたしております。 同じく一九ページでございますが、僻地医療対策費につきましては、僻地診療所における医師確保のため親もと病院に対して派遣医師の穴埋めの人件費助成を行なうこととしたことや、次のページにかかっておりますが、巡回診療車、診療船の運営費補助を行なうことといたしまして、機動力による医療確保の施策をさらに前進させるなどが新規事項でございます。 二一ページをお開きいただきます。 公害防止対策費につきましては、公害衛生に関する総合的研究所の設置の必要性にかんがみまして、その調査費を計上いたしましたし、公害発生の現況から大阪府、兵庫県の二府県にわたる広域監視設備を設置することにいたしましたが、これは将来同じケースが幾つか予想される場合の先例となるわけでございます。公害防止対策費といたしましては、金額的には対前年度一億六千九百万円の増額でございます。 同じく二一ページでございますが、環境衛生施設整備費につきましては、特に水道関係の整備費補助金を大幅に増額いたしております。都市部の水の急激な需要に対応いたしまして水道水源開発と広域水道は三十億八百万円、農山漁村の水道未普及地区に対する簡易水道は三十億八千二百万円、ごみ処理施設は十一億円計上いたしまして、対前年度四〇%増になっております。 二二ページをお開きいただきたいと思います。 精神衛生対策費につきましては、措置入院の対象を七万五千人から四千人ふやして七万九千人としたこと、反面、軽快患者の社会復帰促進のため、その収容あるいは訓練のための施設を一カ所試験的に設置することといたしております。これは二三ページでございますが、同時にまた地域社会における保健所を中心とする患者管理体制を整えまして、ややもすれば入院偏重に流れる精神衛生対策を改善する措置をいたす所存でございます。 原爆障害対策費につきましては、特別手当支給の際の所得制限を緩和して支給対象を拡大いたしましたこと、介護手当を月額一万円から五千円まで三段階に分けて増額したこと、及び新たに広島、長崎両市に補助をいたしまして、原爆被災復元調査を行なうこととしております。 二五ページをお開きいただきたいと思います。 保健所費につきましては、いろいろな社会情勢の変化に即しまして保健所の機能及び配置について検討を進めるための調査費を計上いたしております。それから、農林省所管の開拓保健婦を保健所に統合することなどでございます。 同じく二五ページの結核対策費につきましては、おおむね従来施策を踏襲しておりますが、新たにBCGの免疫効果の持続期間を究明いたしまして、その定期接種化を検討することにいたしております。 二六ページをお開きいただきます。 農村保健対策費につきましては、検診車の整備費、運営費等を計上いたしますとともに、農薬中毒の診断、治療のための委託研究費二千万円を計上いたしております。 同じく二六ページでございますが、同和対策費につきましては、同和対策事業特別措置法の制定に伴う長期計画にのっとりまして、生活環境改善施設整備費は前年度予算の五〇%増という大幅な金額を計上いたしておりますし、と畜場整備、保健相談、トラホーム検診など新たな経費を計上いたしております。 二七ページを開いていただきます。 自然公園等整備費につきましては、従来施策のほかに、東京−大阪間の自然歩道の整備に着手することといたしまして二億五千万円計上してございます。同じページの農業者年金基金助成費につきましては、昭和四十五年度から実施予定の年金制度を円滑に実施いたしますために、年金基金に対する事務費の助成と制度の周知徹底のための経費として一億三千四百万円計上してございます。戦没者遺族等援護対策費につきましては、障害年金、遺族年金は恩給に準じて改善を行ないますし、障害年金の支給対象の拡大その他数項目にわたって援護法独自の改善を見込んでおります。 二九ページを開いていただきます。 戦没者遺骨処理諸費につきましては、ニューブリテン島をはじめ数カ所で遺骨処理を行ないますほか、領土復帰した硫黄島に慰霊碑を建設することにいたしております。 同じく二九ページ、国民健康保険助成費につきましては、療養給付費補助金は従来どおり四割の定率補助と五分の調整交付金を、事務費は超過負担解消三カ年計画の最終年次分をそれぞれ計上いたしまして、前年度に対して七百八十七億円余の増額になっております。 三〇ページを開いていただきます。 社会保険国庫負担金につきましては、医療保険、厚生年金及び国民年金に対しましてそれぞれ法定の負担金を計上いたしましたし、また政府管掌健康保険、船員保険及び日雇労働者健康保険に対しましては、それぞれ二百二十五億円、六億円及び十億円の財政補てん分を計上いたしまして、総額二千二百四十億円余の予算額になっております。 三一ページを開いていただきます。 広報活動費につきましては、所管行政について国民全般に真実を知っていただき、かつ御協力をいただく必要の大きいことにかんがみまして、民間テレビの放送費を四千二百万円計上してございます。 三二ページを開いていただきます。 公庫、事業団等につきましては、その事業計画及び補給金等は三二ページの表にしるしてございますとおりであります。 特別会計につきましては、先ほど申し上げましたように三三ページ以降にございますが、その収支の内訳の説明は省略させていただきます。 以上御説明申し上げましたのが、昭和四十五年度厚生省所管予算の概要でございます。 ————◇—————
○倉成委員長 次に、先ほどの労働大臣の発言に関連し、昭和四十五年度予算の概要について労働省会計課長から説明を聴取することにいたします。労働省増田会計課長。
○増田政府委員 それでは昭和四十五年度労働省関係予算の概要につきまして、お手元に御配付申し上げております資料によりまして御説明申し上げます。 まず第一に予算規模でございますが、労働省所管の一般会計は、四十五年度要求額一千百八十一億一千五百万円でございまして、前年度予算に比べまして三十七億八千六百万円の増、一〇三・三一%ということになっております。伸び率が比較的少なかったおもな原因といたしましては、従来予算上労働省に計上されておりまして建設省に移管実施しておりました特別失業対策事業が四十五年度から廃止になったこと、また雇用、失業情勢の好転等に伴いまして失業対策関係の予算の伸び方が比較的少なかったこと等によるものでございまして、それ以外の予算につきましては相当程度の増額となっておる次第でございます。 労働省の特別会計につきましては、三つございますが、それぞれ規模の拡大あるいは給付改善あるいは事業の拡大等によりまして、お手元にございますようにそれぞれ伸びておる次第でございます。 次に、主要事項につきまして御説明を申し上げます。 労働省関係の重点項目の第一は、労働力不足下における積極的雇用政策の推進でございまして、昭和四十五年度要求額は八百十七億二千七百万円でございまして、前年度に比較いたしまして九十八億の増になっておる次第でございます。 その内容の第一は、雇用対策の強化と職業紹介体制の充実でございます。 まず、雇用情報の積極的提供でございますが、これは労働市場センター等を通じまして求人、求職情報、その他各種の雇用情報があるわけでございますが、これらの雇用情報につきまして、公共職業安定所を直接利用している方ばかりでなく、広く一般国民にこの情報を公開、利用していただきまして、正しい情報に基づきまして求人、求職が結合いたしまして合理的な労働力の流動化が行なわれるということを目的としたものでございます。 その内容といたしましては、右方にございますように、情報サービスセンター三カ所を新設いたしますとともに、A級の公共職業安定所五十九カ所に新たに雇用情報室を設置するというものでございます。 二ページに移らしていただきます。 まず、職業紹介即時処理化の拡大でございますが、これは労働市場センターの機能をフルに活用いたしまして、求職を申し込みますと即時に、三分ないし五分くらいの間に労働市場センターから、その求職に見合った求人が送られてくるというシステムでございまして、これによりまして求人、求職者に対するサービスの向上、職業紹介の合理化、迅速化をはかろうということを目的としたものでございます。四十四年の十月から阪神地区の二十九安定所におきまして試験的に実施をしておるわけでございますが、その結果が非常に良好でございますので、昭和四十五年度におきましては京浜、中京地区に本格的に拡大実施をするということといたしまして、四十五年度予算といたしまして八億二千五百万円を要求しているところでございます。 次に、ターミナル職業相談室でございますが、これは国民の皆さま方に安定所を手軽に利用していただきますために安定所の街頭進出をはかろうとするものでございまして、とりあえず来年度は大部市の五カ所に試験的に設置をしたいということでございます。 次に、新規学校卒業者に対する職業紹介業務の充実でございますが、最近におきますところの新規学校卒業者の離職状況は、大体三年間に五〇%強が離職をするといった状況にあるわけでございます。このような情勢に対処いたしますために、まず学校におきます職業指導、進路指導等におきまして、客観的な資料に基づきまして指導をしていただく。それによりまして本人の適性に合った職業を選んでいただくということが必要ではないかという見地から、中学校卒業生に対しましては全員、高校卒業生に対しましては三〇%につきまして職業適性検査を実施しょうということでございます。さらに年少就職者相談員につきましても、相当の増員をはかりたいというふうに考えているところでございます。 次に、中高年齢者の雇用促進対策でございますが、実績等にかんがみまして、職業転換給付金の額が減っておりますために、予算額としては若干減少しておるのでございますが、内容といたしましては、これらの給付金の額の引き上げ、あるいは高年齢者につきましては就職促進のための措置を強化する等、各種の改善がはかられているところでございます。さらに職業紹介あるいは職業訓練等をさらに一段と強化してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 次に、港湾労働対策でございますが、雇用調整手当、これは港湾労働者があぶれましたときの手当でございますが、この最高額を引き上げる、あるいは福祉施設の拡充をするということといたしております。 次に、同和地区雇用対策につきましては、新規学校卒業生が円滑に就職できますように就職指導をさらに強化する、あるいは就職資金の貸し付けを行なう等の対策を講じておる次第でございます。 また、季節労働対策につきましては、総合的な実態調査を行ないますほか、就職後のトラブルを防ぐ、あるいは安全教育等につきましての簡易な講習会を開催したい。三ページに参りまして、就労経路の正常化をはかる、あるいはまた季節的労働者を毎年きまって解雇しないで通年で雇用いたしました場合の奨励金の額を引き上げる等の改正を行なっているところでございます。 また、国際協力につきましては、アメリカあるいはOECDとの協力をさらに推進するための予算が計上されておるところでございます。 次に、雇用促進融資でございますが、これは財政投融資といたしまして事業主に貸し付けるものでございますが、四十五年度要求額は百七十億でございまして、前年度に比較いたしまして二十七億円の増加となっております。これによりまして、雇用促進のための住宅あるいは各種の福祉施設の設置が期待されるところでございます。 次に、失業保険の福祉施設でございますが、まず雇用促進勤労者住宅につきましては、昨年に引き続きまして一万戸の建設を予定しております。内容といたしましては、単価の引き上げのほか、新たに高層住宅八百戸が計上されております。さらに、勤労青少年センター、これは勤労青少年の離職の防止、福祉の増進等のために東京都の中野に設置を予定しております中央センターでございますが、これの継続四カ年計画の二年次が認められております。さらに、新産、工特等の開発拠点地域に設置をいたします勤労者総合福祉センター、中小企業のための共同福祉施設、勤労青少年のための体育施設、四ページにまいりまして中小企業レクリエーションセンター、出稼援護相談所、港湾労働者福祉施設、これらのものがそれぞれ施設の増加等の予算が計上されておるものでございます。 次に、失業対策事業の運営の改善でございますが、四十五年度要求額は三百九十六億七千九百万円でございまして、前年度に比較いたしまして二十五億四千一百万円の増加になっております。その内容といたしましては、まず就労者賃金を一三%引き上げまして、平均賃金を一千六円十三銭といたしております。次に、失対の規模につきましては、前年度、特別失業対策事業の三千人を含みまして十五万人の規模でございましたものを、最近におきますところの失対適格者の減少傾向にかんがみまして十四万人にいたしておるのでございます。 次に、特別失業対策事業でございますが、この事業につきましては、最近における失対適格者の高齢化あるいは女性化の傾向が進みまして、特別失業対策事業の目的でございますところの高い労働能率、高い事業効果というものが期待し得ないような実情になってまいりましたので、来年度からはこれを廃止することにいたした次第でございます。しかしながら、従来の就労者につきましては、これを一般失業対策事業の中に吸収いたしまして、従来どおり月二十二日の就労は十分確保したいというふうに考えておる次第でございます。 次に、炭鉱離職者対策及び駐留軍関係離職者対策でございますが、炭鉱離職者対策といたしまして、まず緊急就労対策事業につきましては、吸収人員は若干減少いたしましたが、事業費の単価を引き上げております。また産炭地域開発就労事業につきましては、事業費の単価を相当大幅に引き上げているのでございます。 五ページに参りまして、駐留軍関係離職者対策につきましては、各種給付金の単価の引き上げあるいは就職促進の強化等によりまして、これを推進してまいりたいと存じております。なお沖繩の駐留軍関係離職者対策につきましては、総理府関係におきまして関係予算が計上されておりますほか、労働省関係におきましても関係予算を計上いたしまして、就職の促進あるいは職業訓練あるいは各種給付金等の援護措置の強化等を十分はかってまいりたいと存じております。 次に失業保険制度の充実でございます。失業保険制度につきましては、昨年の十二月に失業保険法が改正されまして、各種の給付改善が行なわれているところでございますが、四十五年度におきましても引き続き給付改善を行なうことといたしまして、保険金最高限度額の引き上げあるいは扶養手当の増額等、給付改善に要する経費といたしまして四十五年度におきまして六十四億二千三百万円の経費を計上してございます。 次に、総合農政推進のための労働力対策でございますが、まず当面の対策といたしまして、農業者転職相談員を主要安定所に五百二十名設置をいたしまして職業紹介の体制を整えますとともに、転職訓練の実施をいたす、あるいはまた就職をするまでの特別給付金の制度を設ける等の措置をとっているところでございます。また、これと並行いたしまして、将来における基本的な対策を樹立いたしますために、懇談会の設置あるいは調査の実施等をいたすことといたしておりまして、総額四億一千万円を四十五年度において要求しているところでございます。 労働省関係の重点施策の第二は、昨年全面改正をされました職業訓練法に基づきまして、新しい職業訓練体系を整備し、またこれを計画的に拡充をすることでございます。これに関する予算といたしまして、昭和四十五年度におきましては百五十五億七千六百万円、前年度に比較いたしまして二十億円増の予算を計上いたしております。 その第一は、現在七万六千人でございますところの訓練生を今後三年間に倍増したいということを目標といたしまして、職業訓練を計画的に拡大をすることでございます。 まず事業主の行なっております事業内訓練を振興いたしますために、六ページにまいりまして、補助対象でございます訓練生の数の大幅な引き上げ、一人当たりの補助額の引き上げ、あるいは共同施設の個所数の増、あるいは新たに機械に対する補助制度を新設する等の措置によりまして、相当大幅な増額をはかっているところでございます。 また、公共職業訓練につきましても、各種の公共職業訓練施設、すなわち専修職業訓練校あるいは高等職業訓練校等の増設、あるいは職種増をはかる、あるいはまた既設の訓練施設を拡充強化する。また、七ページにまいりまして、実習経費の増額をはかる等のことを内容といたしまして、四十五年度におきましては九十四億六千八百万円の要求をいたしておるところでございます。 次に、職業訓練指導体制の強化でございますが、職業訓練指導員を養成しております職業訓練大学校、これが現在小平にございますが、手狭でございますので、これを移転拡充をするということを目標といたしまして、土地代十万坪のうち、四十四年度に五万坪分、四十五年度に残りの五万坪分が計上をされているわけでございます。 次に、農業者の転職訓練の積極的な実施でございますが、これは先ほど申し上げました農業者対策のうちの職業訓練四億一千万のうち、二億二千万を職業訓練におきまして要求をするということでございます。 次に、二百職種を目ざす技能検定の拡大実施でございますが、四十四年度におきましては技能検定の実施職種は七十二職種でございます。技能水準を上げてまいりますためにはこれではとうてい不十分でございますので、今後五年間に二百職種に拡大をするということを目標といたしまして、職種の拡大、あるいはこれの実施機関でございます技能検定協会の充実をはかる予算といたしまして三億五千九百万円を計上してございます。 次に、職業訓練による国際協力の推進でございますが、技能オリンピックにつきましては、毎年好成績をあげておりますわが国におきまして開催をしてもらいたいという各国の要望にこたえまして、本年の十一月千葉県におきまして開催をすることが決定されまして、それの補助金といたしまして五千万円を計上いたしておりますほか、青年技能労働者を西ドイツあるいはアメリカ等に派遣する予算、あるいは職業訓練の専門家を東南アジアの技術援助のために派遣する等の予算が計上されておるところでございます。 次に、本土沖繩一体化の推進といたしまして沖繩に二年計画で総合職業訓練所を設置するということで、四十四年度一億八千六百万円が計上されたのでございますが、四十五年度はさらに二億五千六百万円が計上されております。 八ページにまいりまして、技能尊重機運の醸成でありますが、技能者の表彰あるいは顕彰を行なうことといたしております。 労働省関係の重点施策の第三は、総合的労働基準行政の新展開でございます。 御承知のように、技術革新によりまして労働条件、労働態様等が非常に変わってまいりまして、これに即応した労働条件、労働環境等の改善整備をはかる必要があるわけでございます。 その内容といたしまして、まず労働衛生の面におきましても、作業環境が非常に変わりまして、従来見られなかったような職業病でございますとか、あるいは健康障害等の問題が発生をしておるのでございます。これに対処いたしますために、産業医学につきまして総合的に研究する施設、これはまだ仮称でございますが、産業医学総合研究所といったものの調査費といたしまして三百万円が計上をされているのでございます。この施設によりまして職業病につきまして予防、治療、リハビリテーション、社会復帰、これを一貫した体制をつくりますとともに、快適な職場づくり、あるいは健康づくりを推進してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。また、労働基準法の運用につきましてもいろいろ問題が生じておりますので、学識経験者を委員に委嘱いたしまして、労働基準法の施行上の実態あるいは問題点等につきまして調査研究を進めたいというふうに考えております。 次に、労働災害防止対策の積極的展開でございますが、労働省といたしましては災害防止のための基本計画を策定いたしまして災害防止につとめておるのでございますが、昭和四十五年度におきましてもその基本方向に沿いまして各種の施策を展開したいというふうに考えております。 その内容といたしましては、危険な機械、あるいは危険、有害な業務についての規制の強化、あるいは職業病の予防対策の拡充、あるいは労働災害の多い業種に対する監督指導を強化する、あるいは労働災害の科学的分析究明を行なうほか、企業におきますところの自主的な防止活動を促進いたしますために、九ページにまいりまして、労働災害防止団体につきましても、補助を拡充する、あるいは企業内の自主的な労働災害防止規程をつくっていただくというようなことをしてまいりたいと存じておるわけでございます。 次に、労災保険事業の新しい展開でございますが、労災保険制度につきまして遺族補償給付及び障害補償給付につきましてこれをILO百二十一号条約並みに改善をする、あるいは被災労働者の子弟に対する労災就学援護制度を創設する等を内容といたしまして改善をはかりたいというふうに考えております。このための所要の法律改正につきましては、現在今国会に提出すべく諸般の準備を進めておるところでございます。 次に、近代化のおくれた分野に働きます労働者の労働条件の向上のための施策といたしまして、中小企業、サービス業における法定労働条件確保の徹底、一〇ページにまいりまして、最低賃金制を計画的に効果的に推進するほか、家内労働につきましては、今国会に家内労働法を再提出をして御審議をいただくことといたしておる次第でございます。また、自動車運転者、建設業労働者等特殊な対策も進めてまいりたいというように考えております。 次に、勤労者財産形成政策につきましては、持ち家政策を中心といたしまして、これに対する税金の減免措置あるいは雇用促進融資の拡充、活用をするというような点を中心にして調査研究を行ないまして、関係各方面の理解、協力を進めてまいりたいというふうに考えております。 また、監督体制等の充実強化のために、四十四年度二十五人の増員でございました監督官につきまして、四十五年度は振りかえ二十五人を含みまして七十五人の増員を行ないたいというふうに考えております。 労働省関係の重点施策の第四は、身体障害者に対する総合的労働対策の推進でございます。 このために職業指導の強化、援護対策の充実等によりまして雇用促進対策を進めますとともに、各種のリハビリテーション施設の増設、あるいは職業訓練施設の各種の増設等を行なってまいりたいというふうに考えております。 一一ページにまいりまして、その他身体障害者の職業訓練センターを東京の上野に新設する。また、社会復帰促進体制を確立いたしますために、主要な労災病院に十七名の社会復帰指導員をとりあえず設置をする等のほか、身体障害者の援護対策といたしまして、事業主が、身体障害者を雇っていただきました場合に、いろいろな設備等を改善する必要がある、そのための融資を一億円計上してございます。また、身体障害者が社会復帰をいたします場合に、住宅の改造資金でございますとか、特殊自動車を購入する資金でございますとか、そういったものを貸し付ける等の施策を講じてまいりたいと思っております。 労働省の重点施策の第五は、総合的婦人労働対策の積極的展開でございまして、まず婦人労働者の能力を有効に発揮いたしますために、各種の啓蒙活動を行なう。一二ページにまいりまして、働く婦人の家を増設する、あるいは中高年婦人の雇用の円滑化をはかりますために、パートタイムにつきまして、たとえば就業規則もまだできていないような事業所に対しまして、雇用制度を整備するように指導する、また短期職業講習によりまして、長く職場生活から遠ざかっている方に対しまして、簡易な経理事務でございますとか、あるいは最近の職業知識等につきまして講習を行なう等の予算を計上してございます。 次に、家庭の内職者の対策といたしまして、内職公共職業補導所を二カ所新設をしたい。 また、労働者家庭の福祉対策といたしまして、現在個々の事業所にしか勤労者家庭ホームヘルプ制がございませんけれども、これにつきまして新たに共同方式を推進する等の予算が計上してございます。 労働省関係の予算の重点項目の第六番目は、勤労青少年対策でございます。 四十五年度要求額は二十億七千五百万円となっておりますが、その第一は、職業生活設計樹立の援助でございまして、このため、勤労青少年講座を開催する、あるいは四十五年度新たに婦人少年室特別協助員を六十名設置することによりまして、いろいろな相談、指導に応ずるという予算を計上してございます。 次は、積極的な余暇活動の推進でございまして、この内容といたしましては、優良なグループに対しましていろいろな表彰、報奨等を行なう、あるいはグループ活動の成果を発表するというような予算が計上してございます。 一三ページにまいりまして、総合的勤労青少年福祉対策を展開いたしますために、その内容といたしましては、各種の福祉施設を拡充することといたしております。先ほど申し上げました勤労青少年センターのほか、各地に勤労青少年ホームを増設することにいたしております。また、勤労青少年の体育施設も増設する、さらに指導者の養成、研修を行ないますほか、勤労青少年の日を制定いたしまして、勤労青少年の意欲を高める運動を展開したいというようなことが内容となっております。 次に、勤労青少年福祉法についてでございますが、次代をにないます勤労青少年の福祉を増進いたしますために、勤労青少年の福祉につきましての基本的な理念を明らかにいたしますとともに、勤労青少年に対する国、地方公共団体、事業主それぞれの責務を明らかにすること等を内容といたします法案につきまして、今国会に提出いたしたいと存じまして、現在諸般の準備を進めているところでございます。 重点施策の第七は、新局面を迎える労政の積極的展開でございまして、その一は、労働問題に関する長期展望の確立でございます。このため労働経済面のいろいろな問題についての分析あるいは定年制の検討を進めてまいりたいというふうに考えております。 一四ページにまいりまして、労使関係上の諸問題を合理的に解決するための諸方策を推進いたしますために、その内容といたしましては、各種の情報の科学的処理体制の樹立、あるいは政・労・使各側最高幹部による会議、これは産業労働懇話会ということで発足しておりますが、広い視野から労使各界の意見の交換を行ない、意思の疎通をはかるというようなことを今後とも進めてまいりたいというふうに考えております。 次に、中小企業労働対策の充実でございますが、中小企業退職金共済制度につきまして、現在最低二百円でございますものを、最低四百円に引き上げまして、これに伴いまして、国庫負担の増額をはかる、さらに最高額も四千円に引き上げる等を内容といたしました改善を行ないたいということでございまして、このため必要な中小企業退職金共済法の改正を今国会に提出をいたしたいということで、ただいま諸般の準備を進めているところでございます。 重点施策の第八は、労働外交の積極的推進でございまして、まず開発途上国に対する協力を推進してまいりたいと存じております。 内容といたしましては、昨年秋にわが国で開催されましたILOアジア地域会議におきまして、ILOアジア労働力計画が策定されるということが決定されたわけでございます。わが国といたしまして、これに対しまして全面的に協力をする必要があるということでございます。また、安全の問題につきましても、四十五年度はILOアジア地域安全セミナーをわが国において開催することといたしております。また、これらのアジアに対するいろいろな援助でございますとかILOに対する協力等の拠点といたしまして、バンコクに四十五年度新たにレーバー・アタッシェを新設することといたしております。 一五ページにまいりまして、ILO、OECD等各国際機関の活動への積極的参加といたしまして、ILOに対する分担金の増加あるいは各関係の諸会議へ積極的に参加する、あるいはOECDの国別検討に対する準備体制を進める等の予算を計上してございます。 次に、国際交流の促進といたしまして、これは先ほどいろいろ御説明申し上げましたことと重複するわけでございますが、技能オリンピックの開催あるいは日米職業共同研究あるいは青年技能労働者の国際交流を進めてまいりたいと存じております。 重点施策の第九は、労働保険の徴収の一元化でございまして、昨年末の臨時国会におきまして、失業保険と労災保険の両保険、労働保険の徴収を一元化する立法が成立をいたしましたので、このための準備といたしまして事業場の適用単位を統一する、同じ事業場台帳をつくるといったようないろいろの準備をするための予算を計上してございます。 重点施策の第十は、労働情報処理体制の確立でございまして、四十五年度におきましてはとりあえず、先ほど御説明申し上げましたように、雇用情報につきましてのいろいろな体制に関する予算を要求申し上げておりますが、労働省といたしましては、今後におきまして、さらに賃金情報、その他諸般の労働情報につきまして、これを一元的に処理し、国民各位にサービス申し上げる体制をつくりたいということで、そのための準備費が計上されているところでございます。 以上簡単でございますが、御説明を終わらせていただきます。
○倉成委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後二時二十六分散会