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63回国会衆議院1970/08/11

産業公害対策特別委員会 第18号

発言数
288
登壇者
36
会派数
5
開催日
1970/08/11

会議録

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 これより会議を開きます。  産業公害対策に関する件について調査を進めます。  この際参考人出頭要求の件についておはかりいたします。  産業公害対策に関する件について、本日参考人として公害防止事業団理事長原文兵衛君から意見を聴取したいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 異議なしと認め、さよう決定いたしました。     —————————————

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。浜田幸一君。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 私はただいまから海上保安庁、通産省、厚生省、運輸省、この順序で御質問をさしていただきます。  まず第一に、海上保安庁長官にお伺いいたします。今回問題になっておりまする東京湾水銀廃棄の問題につきましてお伺いをいたしたいと存じます。  まず第一点の質問の内容は、今回東京湾の本牧地先に投棄されております水銀は、国民に害を及ぼす危険性があるのかどうか、この点をまず第一点にお伺いをいたします。その排出量は、一七〇PPMということが新聞報道でされておりますが、このPPMの発表は、一体厚生省で発表したのか、海上保安庁で発表したのか、どこで発表されたのか、ひとつお伺いをしたいと思います。

手塚良成海上保安庁長官

○手塚説明員 私のほうで本件に関連をいたしましたのは、去る七月八日に東京湾内、港の中で廃物を投棄しておるという情報を入手いたしましたので、いろいろ内偵をいたしておりましたが、去る七月十三日にその現場におきまして問題の船を検挙したわけでございます。その検挙をいたしましたことから、当該どろにつきまして県の公害センターに鑑定を嘱託をいたしました。  鑑定の結果が中間報告という形におきまして去る八月六日に私どものほうに提出をされました。しかしながら、その内容が必ずしも十分ではない。いろいろ違反法規の関係から見ました場合に、必ずしも十分ではないということでございまして、特にいま先生のお話のありました水銀につきましては、総水銀という名目のもとに提出されておりまして、私どもではその内容をさらに分析した内容がほしいということで、これを県公害センターに再鑑定を申し込んでおりました。いま仰せの一七〇PPMというようなことについては、私どもは再鑑定の結果によりまして正確なデータを得た上で、これを必要とあらば公表したいと考えておりますので、私どもで正式に発表いたしたものではございません。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 重ねてお伺いいたします。  いまの御答弁ですと、完全な調査ではないので、その答えが十分出ないという解釈以外にないと思うのでありますが、たまたま今回の水銀廃棄の問題については、昭和電工から委託をされました東亜港湾が、本来でありますならば大島沖に廃棄すべきものであったわけでありますが、その下請企業であるものからたまたま本牧沖に廃棄された。それを海上保安庁が逮捕された。そして逮捕した結果、その有害関係について調査を始めたということだと考えるわけでありますが、違法行為はすでに現実の問題として始まっておるわけであります。  たとえば大島沖に廃棄した場合にどういう影響が国民に与えられるか、このことは常識を待つまでもなく、少なくとも東京湾内に廃棄されるよりも私は安全だと考えます。そのこと自体がすでに私は違法であろうと思いますが、この点についてまずお伺いをいたします。

手塚良成海上保安庁長官

○手塚説明員 私どもで検挙いたしましたのは、とりあえず違反事実として明白な内容、すなわち港則法第二十四条によりますと、港内におきまして石炭がら、あるいはバラスト、あるいはごみその他これに類する廃物を投棄してはならない、こういう規則がございまして、当該廃物を投棄いたしますための許可には、これは大島沖という許可をつけておりましたにもかかわらず、そういう港内に廃棄をしたこの事実は港則法二十四条違反ということに該当いたしますので、とりあえずそういった面でこれを検挙をした。しかし、さらにいま先生のお話によりますところの点につきましては、これはいろいろ公害問題ということになるかと思いますので、そういった場合に私どもで関係してまいりますところの規則、たとえば漁業調整規則違反であるかどうかというような問題になりますと、やはりその有害であるか有害でないかということが非常に重要になってまいりますので、そういう意味で、場所は確かに遠くなればなるほどよろしいかという気がいたしますが、その有害性等について、やはり犯罪捜査という意味におきましてはもう一段と正確を期する必要がある、かように考えております。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 私は、海上保安庁長官に再度御質問を申し上げますが、率直に申し上げまして、現在東京湾における漁民に与える不安、これは経済的な不安でありますが、これはもうおおうべくもありません。実際問題として、これは経済企画庁あたりで御調査を賜わりたいと思いますが、東京の市場において実際にあそこから生産される貝類あるいは魚類がたたかれております。そういたしますと、率直に申し上げて現在海上保安庁では公開を阻止いたしております。この問題については刑訴法の百九十六条でございますか、これに抵触するということで、実は資料公開を海上保安庁は阻止しているということであります。そのことについては当然お答えをいただきますけれども、その前段の問題として、再調査をする期間がたとえば一カ月なり二カ月なりかかったといたします。その場合に漁民に与える不安感はつのるばかりでございますが、そういう場合の経済的な不安感除去の政策というもの等を含めて私はお答えをいただきたいと思います。  刑訴法の百九十六条の条項の内容は私も知っておりますけれども、このことを具体的に申し上げますと、少なくとも被疑者側その他に訴訟上迷惑がかかるといけない、そういうことで実は百九十六条がつくられていると私は思います。そうであったとするならば、捨てた側の責任ある工場側は、そういう形で法律でカバーされておりますけれども、それでは捨てられた側の漁民の不安の除去というものは一体法律の中でどういう形で守ってやればいいのか、この点が問題になるかと思います。  そこで私は、このことを含めまして三点だけお伺いします。  現在一七〇PPMを基準とした調査をされるということでありますけれども、これが有害か無害か判定をされるわけでありますが、一体期間は何日くらいでこの判定ができるのか、これが第一点であります。  第二点の問題は、経済的な不安感を除去するために海上保安庁として一日も早くこれをしなければならないと考えますが、たとえばこれらの問題について漁民の将来というものを考えた上で、経済企画庁と相談の上で何らか善処する方法をお考えになっておられるか、これが二点。  第三点目の問題といたしましては、廃棄されたものをたとえば海上保安庁が有害と認めた場合に、どこの省にどういう方法で処理をしろということを御協議されて解決されるのか、この点について三点だけお伺いしたいと思います。

手塚良成海上保安庁長官

○手塚説明員 再鑑定につきましての期間の問題、それをもとにしての判定がいつごろになるかという第一点の御質問でございますが、私ども最終的な判定につきましてはやはり再鑑定の結果を待った上でやらざるを得ない。で、ただいま再鑑定を県の公害センターにお願いしておるわけですが、いま報告を受けております範囲におきましては、まずそれは十日以上はかからないようなことに聞いております。ただ、相手のあることでございますので、確定的なことを申し上げにくいと思いますが、そういった遠い先ではないというふうに考えておるわけでございます。  そのあとの二点の、その場合における当該期間までの漁民に対する対策の問題、あるいは有害と出た場合の対策の問題、こういった面につきまして、まあ海上保安庁自体どの程度にその職分上考慮すべきであるかということに対しましては、これは直ちに私のほうでそういった対策をどうするかということを申し上げにくいと思いますが、やはり事柄の性質上、県御当局あるいは関係当局の皆さん方とよく御相談申し上げるべき筋のものであろうか、かように考えております。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 この問題につきましては、率直に申し上げまして、新聞報道によりますと、とにかく海上保安庁がその刑訴法の百九十六条をたてにとって公開をしないということが漁民に対して相当な不安を与えております。でありますので、早期に御処理を賜わりまするよう特にお願いを申し上げておきたいと思います。特に東京湾の浅海漁業者は、率直に申し上げまして油被害あるいは航路規制を受けたり、あるいは廃棄物で影響を受けたり、もう滅び行く産業といわれておりまするけれども、その中にも漁民の生活権をわれわれは尊重いたさないわけにはまいりません。そういう観点に立って千葉県の、あるいは東京湾の状態に詳しい海上保安庁長官に適切な御処理を賜わりまするよう御要望申し上げておきます。お願いをいたします。  続きまして私は光化学問題につきまして通産省にお伺いをいたします。光化学の要素といわれるたとえばCO、HC、NOx、この問題の対処がこれからの最大の課題だと思います。過般のわれわれの勉強会では、率直にいって橋本課長の、ロスアンゼルスの形であるこの光化学は十カ年間ぐらい解決の見通しがないのではないかという実は御意見を私どもは承りました。このことについて、私は抽象的な論議ではなく、解決の方向に向かって質疑を展開さしていただきます。  そこで、まず第一点の問題は、これは通産省に特に責任ある御回答を賜わりたいのでありますが、たとえばそのCOの根源である自動車対策、この場合にアメリカのカリフォルニア州、たとえばアメリカに現在五十万台の輸出台数の自動車があるわけでありますが、その場合に、カリフォルニア州の規制によりますと、一・五PPM以下の排出基準でなければ車の輸出を認めないという条項がございます。そこで自動車工業界はそれを規制いたしませんと自動車が売れませんので、当然一・五PPM以下のものをつくって現在輸出をしておるのでございますが、その場合に、なぜアメリカの国民の利益を守るためにつくられた法律の一・五PPMを守ることができて、日本国において今回基準を求めたものが二・五PPMとか、あるいは次の段階では三PPMとか四PPMということがいわれておりますが、こういう一つの自動車産業の成長のしかたというものは、国民の利益を考える時点に立って考える場合に、正しい考え方であるのかどうか、この点について私はお伺いをします。これが一点。  その場合に、私のほうの調査によりますと、率直に申し上げて、そういう一・五PPM以下の基準で自動車を売り出します場合にかかります経費は、日本国内で使われている自動車と価格の点では三万八千円しか違わないそうであります。それならば、国民も全体的に公害で悩んでおるときでありますので、この際これらの問題についても私は再検討を要するときではないのか、このことを第二番目にお伺いをしたいのであります。  とりあえずこの二点をお伺いしておきます。

柴崎芳三通商産業省公害保安局公害部長

○柴崎説明員 お答え申し上げます。  COの根源である自動車対策についてCOの現在の排出基準がゆる過ぎるのではないか、なぜもっときびしくしないかという御質問でございますが、現在の排出基準は、運輸省におきましてあらゆる条件を検討いたしました結果、この基準でさしあたりはだいじょうぶであるということできめられたものでありますが、もちろんその決定にあたりましてはそれぞれの国の実情が十分反映されておる基準であるとわれわれは理解しております。したがいまして、その基準に基づきまして、自動車メーカーが日本の基準に対しては日本の基準を守るべく、外国の基準に対しては外国の基準を守るべく完全な体制をとりまして現在生産を行なっておるわけでございますが、この現在の基準は、もちろん年を経るごとに漸次強化されていくわけでございます。その強化されていく長期的な目標も先般発表されておりますので、ただCOだけでなく炭化水素あるいはNOxその他につきましても、万全の対策をもってこの基準に適合した車を生産する準備をしておるわけでございまして、その点につきましては通産省はもちろんのこと自動車業界も全力を注ぎまして万全を期する体制をとっておるわけでございます。  それから、価格の問題がございましたが、価格の問題は、ただ自動車だけでなく、耐久消費財その他につきまして、輸出価格と国内価格の格差はいろいろの方面から指摘され現在問題になっておるわけでございますが、現実の情勢といたしまして、国内の取引の形態あるいは輸出に対する免税措置その他いろいろ複雑な要素がかみ合わさった結果の価格体系でございまして、ただ単純に自動車の最終的な価格を比較することにおいて、それが輸出が安いか国内が高いかと言うことはなかなか困難であろうかと思いますが、少なくとも公害関係の装置をしつけるためのコストアップにつきましては、自動車業界としても最大限の合理化によって吸収する努力をしておる次第でございます。しかし、全額が合理化努力で吸収され得ない場合には、やはりある程度はコストアップということでさらに国内価格が高くなる可能性は多分にあろうかと思います。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 いまの御答弁ですと、少なくとも、日本は日本の基準の中で基準を守ればよろしいという御答弁で、外国は外国の、アメリカなら、アメリカはアメリカの基準を守ればいいんだという御答弁で、日本の場合は現在の基準を守っていればたとえば人間の生命は尊重できるのだという前提に立って運輸省が決定したものである、こういうことであるわけですね。確認をさしていただきます。  そうだとするならば、運輸省の規制は一体どういうことなのか。私は、運輸省には次の段階で御質問申し上げますが、通産省にお伺いしたいのは、たとえば経済先進国であるアメリカで一・五PPMの規制をしておる、日本は二・五PPMでもだいじょうぶだ、そういう形で自動車産業というものを日本の経済振興の上に踏まえて、それでどんどん自動車を四百五十万台生産する、五十万台を出していく、そういう中で経済成長をはかられていることはわかります。しかし、指導理念が全くないじゃないですか。経済の見習いはアメリカでしておきながら、そういう人命尊重ということに至っては、日本は日本の基準でいいのだ、アメリカと日本では全然違うのだからということでなくて、アメリカの規制を少しくらい見習うような指導理念があってもいいのじゃないかということを私は申し上げたい。このことは実は通産大臣と議論をさしていただきたかったのでありますけれども、出席がかなわないということでありますので、どうか通産省にお帰りになりまして、通産大臣にこういうことの質問があった、その指導理念については次の機会に御答弁をいただきたいという要望があったということだけお願いをします。  お答えをいただく問題は、いま自動車業界も力をあげて公害関係のCOだけの問題ではなくてNOxに至るまでも努力をしておられるということばを聞きました。  そこで、私はもう一歩深く突っ込みましてお伺いをいたしますが、たとえば現在新型車を出す場合の研究費が、現在の業界の中で約八十億円から百億円使われているということを聞いております。車のイメージチェンジをして売り込むために百億円投下されている。しかし、自動車工業界が真に公害問題と取り組むとするならば、現在工業界から出されている四十八億円にプラスしてどの程度の額を計上することを通産省は指導しておられるのか。私の意見は申し上げませんけれども、現実の問題として、イメージチェンジだけで八十億から百億使われている。私はこれをまるきりなくして公害に回せとは申し上げませんけれども、通産省でとらえた自動車工業界の努力ということばがある以上、実際にイメージチェンジを向こう三カ年間とめて、そこに浮き上がってくる百億というものを公害費にぶち込むだけの考えがあるとするならば、これは業界努力を認めることはできます。しかし、公害対策費の四十八億円は据え置きで、これに二〇%か三〇%増という形で努力をするだけでは、努力の成果というものはあがってこない、私はこう思うのであります。私見は差し控えさせていただきますが、この点についてどのようにお考えであるのか、ひとつお伺いします。この質問を誘導されたのは公害部長ですから、どういう努力の実態か、ひとつ御説明をいただきたい。

柴崎芳三通商産業省公害保安局公害部長

○柴崎説明員 お答え申し上げます。  自動車業界の技術開発の努力につきまして、ただいま幾らくらいのめどでその研究開発費を指導しておるかという御質問でございますが、金額的には明示して指導しておる事実はないかと思います。ただし、現在行なわれております自動車公害対策小委員会におきまして、今後約五年間の技術開発の総合的な計画というものをはっきり確立いたしまして、その線に沿いまして最大限の努力を要請する形をとっておるわけでございます。  この技術の開発は、いままでのように走行性能の向上とか、あるいは居住性の向上とか、あるいは単なるコスト低下というような単純な技術の開発ではなくて、無公害自動車の開発というような総合的な目的に向かった計画でございます。  大きな柱の一例を申し上げますと、たとえば排出ガスの評価に関する研究あるいは排出ガスの浄化技術に関する研究、ディーゼル機関並びに新型の内燃機関の開発に関する研究、電気自動車の開発に関する研究というようなものを総合的に取り上げまして、それらをそれぞれ厳密な技術評価をいたしまして、無公害の自動車はいかにあるべきかというところにすべての焦点を合わせた大プロジェクトを現在立てておるところでございまして、おそらくこれに要する研究開発費は、いままでのモデルチェンジに対する研究開発費の数倍に上がるのではないかとわれわれは期待しておるわけでございます。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 時間がありませんので私はこの問題についての質問は実は差し控えたいと思っておったのでありますが、いまの御答弁はすでに新聞でも報道されております。これは本田技研の社長が、七〇年代は公害安全対策の時代だ、どんな自動車メーカーでもこの対策を怠ったら自滅してしまうだろうと言った。ですから公害を排除する、そういう姿勢のもとに立って公害撲滅を考えるのじゃなくて、自動車産業がつぶれてしまうから公害を考えているということなんです。いま御説明いただいた問題は、すでにアメリカ議会においてもこれは検討されております。アメリカ議会ではCOについては現在の基準の八五%以下に押えると言っておる。そういう進んだ研究は先進国においてもすでにされておるわけですね。このことについては私は議論をすると長くなりますので、やめさせていただきますけれども、率直にいって、われわれの求める答弁というのは、現実の問題として、この光化学スモッグの現象を排除するにはどうしたらいいのだ。たとえば運輸省は規制はこれでだいじょうぶだと言っておられる。ところが、車が三千万台や四千五百万台になったときのそのふえ方によって規制するというのでは、公害の延長はあってもそれを阻止したということにはならないと思う。ですから私は、ここで運輸省がどうきめたから、そういうことじゃなくて、これは山中長官にお伺いするのがいいのかもしれませんけれども、やはり健全な指導理念というものを確立していただくようひとつお願いをいたしておきたいと思います。  それからいまの御答弁に関連して運輸省にお伺いいたします。  この問題については、運輸省が日本国内の規制は二・五PPM以下でよろしいのだ、あるいは新車については三PPMにするか四PPMにするか、そういうことで日本の現状はだいじょうぶだ。あなた方がだいじょうぶと言っておられるそのだいじょうぶさの中で、現在東京にもスモッグが出てきているわけです。率直に申し上げて、だいじょうぶなことが国民に不安を与えているとするならば、政治の不在だと言わざるを得ない。人体に影響はありませんよ、絶対に心配ないのですということの中から、たとえば鉛公害の問題やあるいは光化学スモッグの問題が現実に起こっていることを前提に踏んまえて私はお答えをいただきたいと思う。  現在の規制は——私は何もアメリカの問題を特に取り上げるわけじゃありませんが、カリフォルニアの一・五PPMというのはアメリカ国内の要求の中で規制せざるを得ない内容だと考えるわけです。ところが日本でも、国土の狭隘さからいえば、あるいは車の生産台数及び使用台数両方かみ合わせたものからいけば、必ずロサンゼルスと同じような条件というものが東京都もすぐくるのじゃないですか。私はくると思う。いまは公害のはしりだといわれておりますけれども、私は必ずそういうときがくると思う。そういう場合に対処するために現在の規制方法でよろしいのかどうか、この点を私はお伺いしたい。少なくとも先進国でもそういう例があるとするならば、東京都と大阪だけでも、ロサンゼルスと類似した形でありますから、現在東京都に乗り入れの車については一・五PPMの規制にするとか、そういう指導理念があっていいと思うのでありますが、この点どのようにお考えであるのかお伺いをしたいと思います。——それではこの問題は運輸省か出てまいりましたときにお伺いをしますが、通産省にお願いをしておきますが、この問題については文書で運輸省から御回答いただくようにひとつお願いをしていただきたいと思います。  それから厚生省政務次官がお見えになっておりますので、ちょっと胸をかりましてお伺いをしたいと思いますが、光化学の問題であります。  いままでの厚生省の取り組み方ではやはりばらばら行政ということで山中総務長官が率直に反省をしておられますけれども、この問題の解決は非常にむずかしいと思いますが、この問題についてお伺いをします。  東京都の光化学問題、これは千葉県から神奈川県から川崎、すべて問題になっておりまして、これがどんどんふえんしていくと思いますが、現在の政務次官の心境として、これに対処するための方法として一番よりよい方法というものは具体的にどういう方法であるのか、ひとつお答えをいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本説明員 昨日参議院の公害特別委員会におきましても同様の趣旨の御質問がございました。率直に申し上げて、これで全部解決するのだというきめ手は今日私どもは持っておらない、その点はまことに遺憾でございますというおわびを申し上げました。御承知のとおり、戦後二十五年間の日本という国自身が、ある意味では経済的に国力を回復することに全力を注いでかけ足で今日までやってまいった。そのために、本来そういう意味では並行して発達していくべき学問、その中で、むしろ産業開発にその時期において直接役に立つ学問というものには非常に力が入れられて研究も進められてまいった。むろん衛生工学においても、個々の問題に取り細まれる研究者の中にも優秀な方々は多数おられますが、その意味ではこの四分の一世紀の間、わが国全体が、ある意味では経済成長というものに非常に大きなウェートを置いて教育もなされてきた。人材の養成もまたなされてきた。ただ、今日問題の指摘をできる能力は持ちながら、これでもって即座に解決し得るというきめ手を持つだけの能力をわが国は有しておりません。そのために公害衛生研究所というようなものについても、私どもはむしろ、国の機関ではありますが、民間の知識をかりたいという方向を打ち出して、それこそ広く散っておるわが国の人材のできるだけ多くの活用を果たしていきたいと今日願っておるわけであります。浜田先生よく御承知のとおりに、光化学スモッグそのものがある意味では気象状況その他に非常に左右される要素が多いものでありますだけに、これを即刻完全になくするためにはどうしたらいいかと言われれば、それこそ一切の工場をとめ、一切の自動車をとめ、言いかえれば内燃機関一切を停止するという以外にそのきめ手はないわけであります。しかし、そういうことで済む問題ではありませんし、今日専門家の研究に私どもはゆだねておりますが、このままで即刻解決をするというきめ手を私どもは持っておりません。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 即刻に解決することはできないということでありますが、長期計画を樹立して解決することを国民は望んでおると思います。そういう長期計画の策定については、厚生省はたとえばNOxの対処方法あるいはCOの対処方法等については長期的には解決する見込みがあるのですか。点お伺いをします。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本説明員 技術的なそうした個々のケースについての解決手段というものは私ども自体の研究ではなく、むしろ通産省のほうが研究を続けておられます。それだけに、その点は私が御答弁を申し上げるよりも、通産当局からお答えを願うようにいたしたいと思います。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 政務次官にもう一点お伺いしておきますが、本年度予算の中でたとえば厚生省の予算が九億五、六千万程度でありますが、政務次官、これだけ公害で騒がれておるのですけれども、来年度四十六年度予算では大体厚生省としてはどの程度の予算要求をしたら、たとえば厚生省の考えられる公害の長期計画の上に立って正しい予算要求をしたことになるのかひとつお伺いをしておきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本説明員 その限度は無限でありまして、これだけ使えばそれでよろしいという性格のものではないと思います。ただ、今日、来年度の概算要求自体をまだ厚生省は作業中でありまして、事務次官のヒヤリングもまだ済んでおりません。それだけに、私ども個々の数子については持ち合わせておりませんが、厚生省だけの数字でこれを判断される性格のものではないと思います。先生よく御承知のとおりでありまして、公害対策一切が各省庁にまたがっております。先ほど御指摘のあった東京湾のヘドロ一つとっても、われわれは直接介入する権限を持っておりません。それだけに、これは国全体の予算の中でごらんを願いたいと思います。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 関連してもう一点だけお願いします。総合的な予算の中で考えるべき問題だということでありますが、本年の予算関係を見ますと、通産省が約十五億九千万円程度を要求いたしまして十三億四、五千万円におさまった。厚生省が九億数千万円、そして事業公団関係の予算を入れまして二百十億ということでありますが、そういう全外的な予算を足してみた場合に——あなたはいま無限の要求だということを言われた。しかし、国会議員同士であまりにもそういう御発言は無礼ではないですか。もちろん、われわれは無限の要求をするわけはないのでありまして、国民の生命と安全を保障し得るに足るだけの政府予算の投入をすべきである、そういう前提の上に立って御質問を申し上げているのに、幾らあなたが政務次官とはいえ、無限の要求などというそんなばかな話はないでしょう。そのことについては、ただ総体的な、総体的なという御答弁がある。そのことの中にばらばら行政の欠陥があるから、これからわが党としても突き詰めて、そういう問題を抜本的に解決しなければならぬという姿勢であるわけですから、厚生省は本年度九億数千万円の予算を取ったが、その中にたとえば公害研究のセンターをつくるために一億九千万円という予算の計上をしてあるでしょう。このことが厚生省の一つの喜びであるといわれている。ところが、これを四十六年から着工して四十八年までにつくるために、この世界一の公害センターをつくるためには一体幾らの予算要求を四十六年度にしたらいいかということが、政務次官の答弁の中に当然出てこなければならない問題ではないですか。そういう問題を含めて私は御答弁を求めていたわけでありますが、それに対して無限の予算がかかるというお答え、私は、私の先輩議員である厚生政務次官がそういう御発言をなさることは非常に残念です。ですから、このことについてまだ各省の予算を求めていない。あるいはそうならば、厚生省は大蔵省の言われるままに二五%以内の要求で満足されるというのですか。この点についてお答えをいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本説明員 どういう気持ちかと言われましたから、私は気持ちを申し上げました。ただいま浜田先生がそういう御議論をなさるなら、少しつけ加えて申し上げたいと思います。  閣議の席上厚生大臣からは、公害関係の来年度予算の概算要求においては本部のほうでまとめてほしい。言いかえれば、厚生省としては、公害関係予算というものは、真剣に取り組んだら二五%のワクの中にはおさまりきらぬ、だからワク外で要求させていただきたいということを申しております。また、公害衛生研究所そのものの構想についても、第一回の設立発起人会を開きましたところ、当初厚生省の考えておいたいわゆる十億単位の数字のものではおさまりがつかない。むしろ百億単位のものにまでふくれ上がりそうな構想になりつつあります。それだけに、今日の時点において、私としてそれ以上の数字は申し上げられないということをお伝えをしたわけでありまして、浜田先生にはおしかりを受けましたけれども、むしろこれは私ばかりではなく、公害対策に取り組んでおる関係の者全員が、どれだけの金をつぎ込んでみても、これで満足したという数字のものはおそらく出ないと思います。はっきり申し上げて、気持ちを聞かれれば、私はいまでもやはり無限と言いたくなります。むろん総予算のワクの中においてその配分がなされるでありましょうが、先ほど気持ちをお聞きになりましたから、あのように申し上げました。おしかりの点はおわびを申し上げますが、そういう内容であります。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 あとは私、山中総務長官と通産大臣にお伺いすればよろしいのでありますが、いま気持ちに対する御答弁がありましたので、政務次官の気持ちでけっこうですから、お答えをいただきたい。  あなたは、公害対策基本法の第一条並びに第三条、第四条並びに第六条について、率直に若いヤングパワーの政務次官として、国の政治を行なうものとして、この条項改正にどのようなお考えをお持ちであるのか、お答えをいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本説明員 公害対策基本法が当院のこの公害特別委員会の審議に入りました当時から、私どもは「経済との調和」という文字は取れということを言い続けてまいりました。それと同時に、今日むしろその「経済との調和」という文字をはずしてもらう以上の問題として、新たに起こりつつある問題点、あるいは土壌の汚染であるとか、その他の問題についても、新しくこれに取り入れてもらいたいということを厚生省としても、また個人としても言い続けております。私どもはそいう考え方を今日もなお続けております。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 この際、内閣に設けられました公害対策本部の副本部長になられました山中貞則君から発言を求められておりますので、これを許します。山中国務大臣。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 先般の閣議におきまして、公害担当大臣を拝命いたしました。今日までも公害紛争処理法等におきまして、公害対策特別委員会の皆さま方といろいろ意見を交換いたしてまいったところでありますが、今回は政府全般の責任者の指名をいただいたわけでありますので、一そうの御指導、お引き回しのほどをお願いいたします。  今回設置されました対策本部の、形は副部長でございますが、担当国務大臣としての指名があったわけでありますから、国の姿勢を、政治の姿勢を示す責任は本部長たる総理にあるとしても、具体的な実施あるいは対策等については、全責任が私にあるものと覚悟いたしておるわけでございます。対策本部の機構、機能等につきましては、早急の間の発足でありますので、いろいろの批判もあることは承知いたしておるところでありますけれども、いずれにしても、政治が国民から人間の尊厳について、生命の尊重について、その姿勢を問われているときであろうと考えますので、その点を私の心がまえの出発点といたしまして、全力をあげて努力を展開してみます。もちろん個々の問題はそれぞれこれまでの関係行政機関において専門もしくは技術等において優秀な人材がそれぞれの行政の分野において仕事はするわけでありますが、国民から見られておるばらばらではないのかというばらばら行政の姿を改め、あるいは後手後手に回っているのではないかという批判を、少なくとも後手後手に回らない姿に展開していくという仕事を中心にいたしまして、私どもの姿勢として進んでいくつもりでございます。  本日はいろいろと基本的な問題からこまかな問題に至るまで、国民の注視の中での御質問が行なわれると存じますので、私も虚心たんかい、現在の時点において言明できる点は言明し、検討すべき点はまた検討すべき旨を言明いたし、皆さま方のむしろ知恵を拝借いたしまして、思想、党派を越えた問題として、この問題に取り組んでまいりたいと存じます。  昨日夜、アメリカのニクソン大統領の議会の勧告の前提となりましたトレイン委員会の委員長より、日本政府の公害担当国務大臣たる私にメッセージが届きまして、今後両国において緊密な連絡をとりたい、そしてともに悩んでおる問題の解決に力をかし合いたい、具体的な問題についてもいろいろの提案を受けました。私は、直ちにそのメッセージに対しまして、閣議の了承を得て、ただいまその原案を作成すべく、本日中にはそのメッセージの返電が打てるように作業を命じておるところでございまして、日本、アメリカ、あるいは資本主義国たると社会主義国たるを問わず、大量生産の過程において生ずる公害の問題についての苦悩というものを、私たちがいまこの一つの事実によっても、太平洋をすでに越えた問題として、そして全人類の名においてわれわれが展開すべき努力目標として示されたような気がするわけでございます。私たちは、どこの国もいまだ解決をしておりません、またこれがその対策であるというきめ手をどこの国もいまだ持っておりませんこのときにあたり、私たちの努力のいかんによっては、日本で打ち立てられた公害の対策が全世界の注目を浴び、そして日本の政策にならう国が出てくること、すなわち日本が、その意味においてもいち早く先進国たるの地位を獲得すべき十分な能力と力を持っておるものと私は確信いたしておりますので、文字どおり心魂をなげうって、世界の注目の的の中でりっぱにやってのけたいというふうに考えておる次第でございます。  以上、少し饒舌をまじえてごあいさつをいたしたわけでございますが、よろしく御指導のほどをお願いいたします。(拍手)     —————————————

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 浜田幸一君。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 公害担当大臣にお伺いをいたします。  おいでになったばかりでたいへん失礼でございますが、時間の関係がありますので率直に伺わせていただきます。  きのうの参議院の公害対策委員会において、公害基本法の第一条の第二項の問題の質問に対して、大臣は、盲腸は手術をすべきだということを国民の前に明らかにされたようでございます。私は実はけさの新聞で拝見をいたし、またきのうのラジオでもお伺いしたところでありますが、私はその姿勢について同意をいたすものであります。具体的にお伺いいたしますが、担当国務大臣としては、第一条の第二項は削除すべきものであるという想定に立ってお答えになったかどうか、この点をお伺いしたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 盲腸にたとえたのはたいへん悪かったかもしれませんが、第一条第二項があるから公害防止事業ができないということもありませんし、逆に第一条第二項を削ったから、日本の産業というものは発展がストップするということもないのでありまして、これは単に基本法の目的を概念的にそこに並べてあるにすぎないわけであります。しかしながら、盲腸にたとえたのは、盲腸というものはみんな持って生まれるものですけれども、これが虫垂炎症状というものにならなければ、別段盲腸がついていても、そうふだんは問題にしない。しかし問題は、虫垂炎症状を起こしたときに、それは手術、切除ということに当然なるわけでありますから、この第一条第二項がありまするために、基本法でも第九条、あるいはその他の公害規制三法にもやはり同じような基本法を受けた書き方がしてございますから、これらのものがあるために公害対策がうまくいかないんだというような議論がありとすれば、基本法というものを全面的に、四十二年につくった基本法がすでに三年後にはもう問題にされて、その基本姿勢にまで議論が及ぶというようなことではなくて、これからは長時限の議論にたえ得るようなりっぱな、公害憲章的なものにしていかなければなるまい。そのときには当然そのような議論の起こる余地をなくしたいということでありますから、第一条第二項をかりに私が盲腸にたとえたとすれば、それは切開排除すべき、切除すべき時期にきたということを言ったわけであります。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 この問題につきましては、特に私はもう一点だけお伺いしておきたいと思うのです。  何かけさほどの新聞では、所感の中で、通産大臣が同意さえすれば私は改正してもいいと思うんだというような御発言が新聞紙上に出ておったようでございますが、その真実の有無についてはいかがでしょうか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 きのうの参議院の委員会には通産大臣が呼ばれておりませんし、列席しておられませんので、やはり関係閣僚で寄り寄り話し合いもいたしておりますし、本日午前九時から閣議の始まる十時まで企業の費用負担区分等の問題についても相談をいたしておりますが、そのような場合に企業を所管する通産大臣のいないところで、私一存でもって、方向は通産大臣も了承しておりますけれども、削るということを発表しますということについての了承をとっておりませんので、通産大臣不在のところで言うことについてどうかということを申し上げただけでありまして、何ら基本的な姿勢に変わったところはないわけであります。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 続いて私は、もし公害憲章がつくり上げられる場合の想定に立って御質問申し上げます。  その場合に、現在の審議会の発表を見ますと、特に事業者の義務負担行為というものが盛んに論ぜられております。この問題については、おそらく公害基本法の第三条に該当すると思うのでありますが、その場合に「事業者は、その事業活動による公害を防止するために必要な措置を講ずるとともに、国又は地方公共団体が実施する公害の防止に関する施策に協力する責務を有する。」ということであります。これは現在の公害基本法の精神でありますが、その場合、公害憲章の場合にはどのような形で表現するようなことになるのでしょうか、お伺いをしたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 まだそこらの表現のしかたについては、国民の健康にして、そして生活すべき環境の保全等を、憲法の条章を受けて第一条をつくるか、ここらの問題もありますが、企業の費用負担区分については、企業自身が完全な加害者であって、事業を何かしなければならないという場合においては、企業自身がその負担の全部を、責任を負うというのが原則であります。しかし、国が公害防止のために事業を行なう場合の公共事業の負担について、基本法の第二十二条で示されておるのは、それは「別に法律で定める。」となっておりますが、その法律がいまだに三年有余たってできていないということは、私、率直に政府のいままでの姿勢が足らなかったのだということを反省いたしますが、その場合に、企業の費用負担区分においては、全部または一部ということになっております。したがって、通産省の産業構造審議会の公害部会の答申の文章等もよく読みまして、あの中には企業の負担の範囲等について明確でない点がございますから、これらを明確にするために、本日も会合いたしましたし、今後さらに検討を続けまして、公共事業に対する費用負担について、企業の負担区分を明確にした法律を次の通常国会に提案するつもりであります。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 関連して大臣にお伺いいたします。  企業負担の問題については、二十二条で規定された問題は確かに政府の手落ちであったということで了承できて、非常に具体的な御答弁だと思いますが、その場合にきょうの閣議で企業の義務負担行為については御協議をなされたようにただいま発表されましたけれども、その場合に国家の義務負担行為、こういうものについて話し合いをされたことがあるかどうかをお伺いしたいと思います。  特にその場合、私は第一条の二項は削除すべきであるという前提で現在まで進んでまいりました。産業を振興することは国益擁護につながります。国益を擁護するために必要な条件は別の法律で定めれば、私はこれは産業の発展に役立つことだと思います。でありまするので、特にこの問題が、国民の世論の上に立って公害憲章がつくられるとするならば、公害対策基本法の第一条の二項を削除することとして、特に産業振興に必要な援助法の発動なり、あるいは振興法なりを制定すれば事が足りるわけでありますので、この問題については、この問題に関連して国家責任、たとえば企業負担行為だけでは解決できない問題があります。それらの問題に対する国家の義務負担行為というものについて現在閣議の中で話し合いがされているのかどうか、念のために御答弁をいただきたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 これはけさの関係閣僚の会議において話を詰めたのですけれども、当然企業の費用負担の区分が法律で明らかになりますと、企業の範囲、業種ごとにそれぞれの負担区分も違ってまいりますが、公共事業に対する国の負担区分もまた違ってくるわけです。その際に全部の負担について、国は、公害対策事業については、他の特別にめんどうが見てある低開発地域、工業開発促進法、その他新産都市等の国の補助率の特例というようなものを国の姿勢として明らかにする。これによりますと、当然地方の自治体の負担は軽くなるわけですけれども、さらにその自治体についても、起債その他について特例を設けてめんどうを見ていくということで対応していかなくちゃならぬだろうということを話し合っておるところであります。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 限定された時間が参ったようであります。私はあと五分ということでありますから、実は問題の突っ込みが足りなくてたいへん恐縮でありますが、具体的な問題に移らしていただきます。  たとえば十一月七日施行予定の河川法の施行令でございますが、この問題について、汚物投棄の禁止と汚水排出者等の届け出義務、渇水期における排水量の制限、排出の一時停止勧告、このことが決定されたようでございます。違反いたした場合の罰則が三カ月以下の懲役、三万円以下の罰金ということでありますが、この施行令の内容は、ともすれば調査を対象とした法律だと私は考えます。かりに本質的に水質基準なり環境基準なりを是正するために必要な罰則規定であるとするならば、あまりにもこの三カ月以下の懲役並びに企業に対する三万円以下の罰金というものは、現状の公害対策にそぐわない施行令のきめ方だと思いますが、この点についてどのようにお考えになりますか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 これはむしろその問題よりも、渇水時等に流量が著しく減った場合に、一つの工場ごとに点検した場合には工場排水の基準に合致している排出しかしていないのに、全体の汚濁量の比重が非常に高まっていく、その場合においては、もとに戻って規制をきびしくしなければならない。その場合に、政令の定めるところによると、河川管理者は勧告することができるだけにとどまっておりますので、これだけでは問題がありますから、総理もこの点を指摘しておりましたが、これを受けまして、それらの勧告があった場合においてはそれぞれの水質汚濁あるいは工場排水等の法律を所管する役所は同時に通告を受けますから、その流量低下によって汚濁率が高まったことに対して、もとに戻って規制の強化等の受け入れの法律改正をしなくちゃなるまいということで、私の手元でいま鋭意作業中であります。あなたの御質問の点は、いままで河川管理者でありながら、河川の中に投棄されるもの——自動車その他のいろいろなものが投げ込まれる、あるいは廃船が置き去りにされるというようなものについて、河川管理者がこれに対して何もなし得なかったという考えられない状態に置かれたことをいまやっと常識の線に——たいへん批判がましいことを言いますが、いまやっと常識の線に戻ってきたというので、今後は犬ネコの死骸の投棄から始まって、大型の廃棄物、廃船等をかってに置き去りにして、焼こうにも塩水を含んで焼くこともできない。処理は漁協の連中の手に負えない。本人は新しい船をつくってゆうゆうとやっているというようなことは起こらないということになってきたわけですから、その意味では河川管理者が当然いままでやっていなければならなかったそのことをやることになるわけで、罰則の軽重の議論は、バランスの問題もありますから、一がいにはこれではやれないのだということにはならないかと思います。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 この場合姿勢は非常に前向きで、私はいま大臣のお答えになったことと同じように解釈いたしますが、勧告はわかりますけれども、汚水の排水量の削減、排出停止というのは、強制がされない以上私は効果は非常に薄いと思うのです。この点については時間がありませんので、大臣が閣議においてできるだけ強く御主張を賜わりたいと思います。  それから一級河川百水系一万本、二級河川二千二百、この問題はきのうの御説明でもあったようでありますが、それに属さないものについてどうするかということもひとつ御検討いただきたい、こう考えます。  それから実は水質保全法の改正についてお伺したかったのでありますが、時間が制限されておりますので、特にこの点は大臣のもとに単独でお伺いをして御指導いただきたいと思いますので、お許しをいただきます。  特に総合対策の中で一点だけお伺いして終わらしていただきます。  まず私は、これらの総合対策を完全に行なうために必要な条件は、一に排水規制、二に下水道の整備、三に工場立地規制、四に監視、五に測定体制の整備とそれから国家、地方、企業間の費用負担の原則の確立、これに公害研究センターの樹立という問題が出てくると思います。そういう問題を含めまして大臣の率直な御答弁をいただきたいと思いますが、これらの問題を、今回の担当大胆として実現するためにお骨折りをいただいているわけでありますけれども、これらの問題を率直に実現をしませんと今回の公害対策にはならないと思うのです。この点について、特に下水道の整備予算とか、工場の立地規制とか、そういう問題については、過密都市と過疎地帯とのバランスの問題もあると思いますが、過密都市対策と過疎地帯の対策、そういうものを含めて抜本的に自民党の政府が解決をいたさなければならない問題だと思います。それらをひっくるめましてひとつ総括的な御答弁をいただきたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 ニクソンの議会への勧告の中にも荒野を含めたあの広漠たるアメリカ大陸全部の土地計画、土地利用というものについて提言をしております。私たちの日本は、ただでさえ三分の二の地帯は普通人間が居住しない山岳地帯であって、限られたわずかな地域の中に密集した人口がおって、これだけの巨大な生存力を営んでおる。自動車はアメリカに比べてまだ何人に一台足らないとか、そういう議論をしておりますけれども、しかし、日本のこの稠密度に対応する自動車の走り回る範囲というものから考えれば、これは別な比較が可能であり、たいへんな重大な事態にいま立ち至っていると思います。ですから、われわれとしては土地問題に——本日の閣議でも私のほうから提起しておきましたが、いままでは住宅問題等から始まってただいまの過疎、過密あるいは都市再開発等の土地政策であったけれども、基本的に公害もやはり土地政策の出発点の一つであって、土地というものをそういう角度からももう一ぺんながめる時期がわれわれとしてはきていると思うということを話しておいたわけですけれども、それ以下に述べられましたことは、すべて私でいま検討しておるところでありますが、なかんずく公害研究センターというよりも国立公害研究所というもので、冒頭私があいさついたしました中にありましたように、すでにアメリカ側の専門機関からそのような呼びかけもあるということを考えますと、各国みんな悩んでいるわけです。したがって、日本でも国立公害研究所みたいなものをつくって、国内においても各省各局の機関がみんないろいろなデータを持っていますが、国としてはなかなか集まっていない。そういうものをあるいは集める。民間においてもいろいろな有識者や提言をしておる人があり、研究者があるけれども、それがなかなか国のある場所に集中して吸い上げられていない。これらの問題にも対処し、広くは国際的にお互いが資料を交換し、研究し合うという意味の国立公害研究所というものは当然研究してみなければならない、検討の対象にすべきであるということでいま考えておるわけでありますが、あなたの言われなかった問題としては大気汚染もあります。これもやはりわれわれとしては取り組んでいく姿勢をいま示して具体的な検討をしているところであります。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 ありがとうございました。  私は、最後に大臣に、実はきょう、激励文をもらったミスター・トレインの考え方が出ておりますので、要望としてぜひどうか政府の姿勢の中に取り入れてもらいたいと思います。ミスター・トレインが、「汚染除去は利益につながる コストの問題は、疑いなく、きわめて重要だ。第一に、汚染の除去に金がかかるということは、決定的に利益にもなるのだ、ということを指摘したい。ものごとを一方的にしかみない傾向があるが、実際には汚染を除去すれば、それだけ経済上の利益もふえる。つまり、汚染した都市と違って窓を洗わなくて済む。ビルの維持は、きわめて高価なものだし、家庭でも掃除が楽になる。」こういうことが実は具体的に述べられております。  私も意義深く実は勉強さしていただいたわけでありますが、私ども一年議員は勉強不足でありますので、大臣に失礼なことばや政務次官に失礼な御質問を申し上げたかもしれませんが、私は先進経済国たるアメリカのミスター・トレインすら、率直にいって公害除去は国益につながる、こういう考え方を持っておりますので、こういう姿勢に立って、ヤングパワーの代表として、公害担当大臣はなお一そうの御努力と御精進あられますよう心からお願い申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 関連質問の申し出がありますので、これを許します。小山省二君。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 浜田君の質問に関連しまして、せっかくの機会でございますから、長官に二、三お尋ねを申し上げたいと思います。  公害が世上非常な注視を浴びておりますときに、政府も公害問題を取り上げまして、対策本部を設け、内閣の推進役としてたいへん御活動になっておる総務長官が、担当国務大臣としてこの問題の解決の責任に当たられるということは、たいへん意義のあることであるし、また国民も大きく期待をしておるのではなかろうかというふうに私は考えるのであります。いま浜田君から姿勢の問題についていろいろと御質疑がございましたが、先般内閣のほうから「公害対策本部の設置について」ということで考え方の一端が示されたわけでありますが、この中に「本部長は、公害の状況、政府の施策等につき、必要に応じ随時公表するものとする。」と書いてある。公害に関して必要に応じ随時公表するということは、公開が原則の立場に立つ公害問題として、必要に応じということは公開できない、この前提に立っておそらくこのような方針が示されておると思うのであります。このことについて、原則として公害問題については一切を公表するという方針になられなかった理由、そういう点について長官の考え方をお尋ね申し上げたい。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 公開と公表とは違うのでして、その公表するというのは各省ばらばらに、自分たちの所管ですからみんな一生懸命やらなければならないのですが、それを政府の全体の統一ある結論的なものとして発表する前に、新聞その他を通じて発表しちゃうことがあるんです。いままでに幾多ございました。ところが、一方の省がいやその基準では甘過ぎるとかいうようなことをいったりして、国民が非常に迷惑することがあります。そこでそういうような各省がそれぞればらばらに見解を発表しては国民が迷惑するようなケースは統一して、各省の意見をしぼって、そして政府の最終的な基準なり、規制なり、見解なりというものを表明する窓口は、現在の置かれた対策本部であるということを明らかにしたわけであって、そのためそういう必要があるものを発表するわけで、一つの省が発表するだけで事足りる問題は、何も本部がわざわざ取り上げて発表する必要はない、そういう意味でありまして、公開、非公開という問題とは全く関係ありません。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 実はきょうの朝日新聞に、東京湾に不法投棄されたヘドロの問題につきまして、海上保安庁においては世間を混乱させるということからその分析について公表ができない、こういうことを言っておるわけです。公害について非常に神経過敏になったそういう中で、企業保護ではないと手塚長官は言われておるのでありますが、しかし、なぜそうした問題について公表ができないか。私は、いま言ったように、各省かってに公表するということでなく、こういう問題は長官のほうで一括して対処するんですか、それぞれの出先といいますか、関係機関において問題の処理に当たるということになる問題でありますか、それらの点について長官の考え方をひとつお聞かせ願いたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 海上保安庁の意見をまだ私聞いておりませんが、当然運輸省のルートを通じて対策本部のほうに連絡があってしかるべきものと考えますので、いま新聞でどう書いてあるかわかりませんが、海上保安庁が公表できないと言ったかどうか、それはいまから調べてみます。企業保護のために海上保安庁が公表できないなんということを、取り締まり官庁でありますから言うはずありません。そこらのところはちょっと私、どういう意味かわかりませんので、もう少し調査してみます。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 それからこの閣議決定の中に「公害に関する国民の苦情の相談に応じ、その処理の総括にあたる」ということが述べられておるわけでありますが、最近、公害に関しましてたいへん国民の多数の方々から私どもに御相談があるわけであります。たとえばその一例といたしまして、御承知のとおり最近川砂利が禁止をされました。したがって、砂利はほとんど山に求めておる。そういう岩石を搬出いたします道路は、いずれも市町村道であります。もちろん舗装がしてありません。そこを大量のトラックが岩石を運ぶために道路を非常に破損をし、舗装がありませんから夏場は黄塵万丈であります。雨が降りますと津土が付近の住宅にはね返りまして、砂利を採取しておりますところの山道は家はみな閉じております。戸でみな囲っておりまして、私どもが参りましても、住むことば不可能にひとしいような状況下にあります。たまたま大きな穴があくものですから砂利をそこに埋める、その砂利がはねて民家のガラス戸をこわすというような、しかし、どこに苦情を持っていっても、結果において、町村ではそんな山奥まで舗装はできないと言うし、企業はそのような負担にはたえられないと言うし、結局国民が泣き寝入りということにおいて、現在関係住民は非常な迷惑をしながら耐え忍んでおるというような状況下にあるわけであります。そういう問題で悩んでおりますとき、たまたま対策本部ができた。一体われわれのこういう問題についてどうしてもらえるんだというような苦情が来るわけでありますが、今後も公害に関しては、従来の、表面に出るような大きな公害でなくて、国民の日常の生活にいろいろ影響を与えるような小さな問題がたくさん出てくると私は思うのであります。こういう問題については、相談室といいますか、専門の相談員というものが設置されて、そういう公害に対しては処理するというような機構になられるのであるかどうか、その点をお伺いいたしておきたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 いまの問題は、採石法、砂利採取法等に、確かに砂利の採取等の認可をする場合の厳重な規制はありますが、それを今度運ぶために経過する道路その他について規定していないことは事実であります。しかしながら、そのような被害が現実に道路周辺の住民の方々にあるであろうことも、あなたのお話を聞けば十分わかります。これらの大小さまざまな苦情がたくさん国民の日常生活にあるわけであります。でありますから、私どものところで一応苦情の窓口をしぼるということにしましたのは、政府のどこに一体相談に行ったらいいのだ、あの役所に行ったら私のところではないと言い、この役所に行けば、ではこの次はそこに行ってください、私のところだけではだめですというような答えが返ってくるという例が非常に多いもんですから、私どもの対策本部としては、実行する手足はたくさん持っておりませんけれども、少なくとも政治の姿勢として、苦情の窓口は対策本部であるということを明らかにいたしました。その苦情の受付は、苦情を聞いて、それは紛争処理委員会のほうにゆだねるべきものなのか、あるいは一般私法の場で争われるべきものなのか、あるいは私たちの仕事の一番大きな分野の一つであります国と地方公共団体との権限、規制あるいは基準設定等の分野を明確にするということによって、それは地方の出先あるいは地方の自治体の責任官庁というものにおいて、その分野の明確に分けられた範囲内において苦情がそれぞれ裁かれていくということになるわけでありましょうが、とりあえずは、政府に対する苦情は、私どもの対策本部がそれを処理いたしますということを明らかにしたということであります。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 いま長官のお話で、機構としては一応整備されたというふうに了承できますが、実際問題として法的な規制がありませんと、苦情は苦情として一応承る程度で処理されてしまうというのが現状でありまして、したがって、住民からは常に政治不信の声が聞かれるのもこの辺に私は大きな問題点があるのではないかというふうに考えます。近く公害対策基本法についても再検討をされるやに承っておりますので、十分ひとつそういう苦情処理を通して国民各層の意見を今後の公害対策基本法の改正にあたって活用されまするよう、特に善処を要望いたしまして、質問を終わります。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 次は土井たか子君。

土井たか子日本社会党

○土井委員 御就任早々の長官に二、三にわたるお尋ねと、それからお願いを申し上げたいと思います。  いままで、とかく公害対策に対してはばらばら行政であるという批判を受けて、このたびばらばら行政を一本化するということで中央にも公害対策本部が設けられました。また、後手後手にいつも被害が起きてしまってからあとを追っかけるような始末だと非難をされておりました点にも、実情に即応してスピーディーに事に処するという、そういう機能的な意味における存在意味を発揮しようというので、たいへん今度副本部長をはじめとしてやる気十分で事が始まったやに私たちは考えておりますが、しかし、この中央公害対策本部というのは行政機構の新設というふうに受けとめていいわけでございますか、いかがでございますか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 国家行政組織法に基づく行政機構の新設ではございません。俗称公害機動隊と申しておりまするように、閣議の決定によりまして設けられたものでございまして、したがって、これは内閣に置くことにいたしております。内閣に置きました理由の一つは、普通総理府に置くのでありますけれども、総理府の長たる総理大臣は各関係行政機関の長たる大臣を指揮することができない、並列の権限関係にございますので、こういう問題は各省が勇み足あるいは一生懸命なあまり、国民から見ればばらばらにやっているじゃないかというふうにとられがちな問題を処理していくために、総理大臣の本部長としての指示権というものをどうしても必要といたします。そこで、異例でありますけれども内閣に置くことによりまして、内閣の長たる総理大臣が本部長として閣議の決定された方針に基づいて各省を指揮できる、いわゆる大臣の指揮ができるということにいたしたわけでございまして、その意味では、総理の姿勢が直ちに各大臣に必要によっては指示されることになるわけでありますから、いままでの総理府の長として私を副として置かれた、たとえば青少年対策本部というものとは、根本的に性格を異にするし、機動力、権能も異にするとお受け取りいただいてけっこうだと思います。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そういたしますと、いままでございました各省にわたる行政事務に対する交通整理を、ひとつその公害対策本部でやろうじゃないかというふうにおきめになったというふうに、大まかに考えれば言うことができるわけでございますか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 もちろん国民から見てばらばら行政であるといわれる点を直すために設置されたわけでありますから、これからは国の姿勢というもの、あるいは政治の姿勢、もっと端的に言うならば内閣の姿勢というものを示すというのが公害対策本部でございますから、内閣を構成する各行政機関がかってばらばらにものを言うことをある意味においては押えている、ものを言う場合には、国の姿勢としての内閣の責任においてものを言うんだということになることにおいては御指摘のとおりでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そういたしますと、従来ございましたいろいろな公害に関係のある事務処理に対して、交通整理をやるだけではなく、もう一つ積極的に公害対策にも具体的に取り組む機能を発揮するという部面もあるというふうに考えていいわけでございますね。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 その部面が非常に大きくなるわけでして、そのために内閣に設置して、総理が各省大臣を指揮できるという形に発足のときの閣議決定をいたしたということでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そうしますと、行政組織法でいうところの行政機構にあらずとおっしゃるところから一歩出まして、立法事項である行政機構として考えられます、この際、公害に専門的に取り組むところの行政機構が何らか必要でないかどうか、この点についていかがお考えでいらっしゃいますか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 実務まで担当するとすれば、公害対策省というものをつくらなければならないだろうと思います。中間的には公害庁というようなものも議論されておるわけでありますけれども、アメリカのように各行政機関の権能、予算、人間ぐるみで一つの公害対策省に近い形のものをつくるということも必要だと思いますが、日本の現在の各省の機構から見ますと、先ほどもちょっと下水の問題等出ましたが、たとえば建設省の下水道整備事業というものを、これは完全に公害予算として、人間、機構、その権限、予算ともにかりに設けられるその省に引き取れるかどうか。一方建設省のほうは、全体的に公共事業全体のバランスあるいは下水道処理の列国との比較においての立ちおくれの取り戻し等において、年次計画を立ててやっておるわけでありますから、そこらのところ一つ考えてみても、なかなか人ぐるみ、組織ぐるみ、権限ぐるみ取り上げて一つの役所をつくるというのは、将来において考えなければならないことがあるかもしれませんが、いま早急の場合にそういうことをしていたのではとても間に合いません。でありますから、対策庁もやはり国会に法律を出さなければいけませんし、そういうことをやる前に、いまの法律の中で、現状緊急に間に合わなくなっているために、こういうものを緊急に間に合わせる緊急措置として、そして長い時限で見て日本の公害に対する姿勢が諸外国からも正確に評価され、あるいはまた高く評価されるような公害基本法に練りあげていくという仕事ならば、現在の対策本部で可能であると考えています。もし、私どもの対策本部というものが、やってみたがだめだった、総理の指示権まで持ってやってみたけれどもできないというのであれば、これは私たち自民党内閣の敗北でありますし、私たち自身、責任者の私も当然率直に敗北を認めなければならない。しかし、この公害問題について、私たちは人間の尊厳性を取り戻すということにおいて敗北をしてはならないという問題でありますので、まずは出発いたしました緊急な機動隊の機能を十分に発揮するということで、全力をあげて取り組んでみたいと考えております。機能はいずれ議論すべきときがくれば議論されなければならない問題であることは私も認めます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 いまの長官の御趣旨はよくわかりました。  ところで、いま種々問題になっております中に、たとえば水の汚染防止に地域や水域を指定して規制をいたしておりますが、この指定外のところでは十分な対策がいまだとられていないありさまでございます。また大気汚染一つ取り上げてみましても、工場や企業の煙突から出る排気そのもの以外に、自動車の排気であるとか、廃棄物の焼却炉から出る排気ガスであるとか等々が全部総合的にいまの大気を汚染していると見なければならない状況でございますので、一つ一つの規制で、一つ一つに対する規制がまかなわれているからだいじょうぶだとはいえないようでございまして、やはり総合的にこれを取り上げて規制していく、予防していくという対策こそ今日緊急を要する問題だというふうに私自身考えているわけでございます。そういう点から、水の汚染などについて、指定外のところではどういうふうな対策を今後おとりになるお考えをお持ちであるか。  さらにあとで申しました大気汚染に対して、総合的にこの汚染に対処するための対策をどのようにお考えであるか、ひとつ、抜本的な問題でございますが、お聞かせ願いたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 現在指定された水系四十七河川というようなことでは、とても、いわゆる百年河清を待つという昔のことばを私たちがいま現実にかみしめなければならぬということになるおそれがありますから、所管庁の経企庁の大臣ともよく相談をいたしておりまして、基本の姿勢としては全国のすべての河川、いまだおかされるおそれのない、あるいはおかされるおそれがある河川、あるいはおかされつつある河川すべてを含めて、国が最低守るべき基準を定めるということでもって国の姿勢とし、それを都道府県知事に大幅に権限を委譲するという考え方をとりますと、都道府県単位で見れば、自分の府県の区域内における汚濁の河川、もしくは汚濁するおそれのある河川等は、指を折って数える程度の河川数であろうと考えます。そうすると、非常に身近なものとして、知事さんが手のひらの中にいつも握っておる問題としてそこに登場してくるわけですから、やはり国の基準はミニマムの設定である。したがって、都道府県知事にまず基準設定の権限、それを越えて設定をしてもよろしい、国の法律を越えて条例でやったらどうだこうだという議論はもうやめようじゃないか。そんなことは愚にもつかぬ話だという気持ちでもってそういうことをいま考えておりますし、規制についても、当然都道府県知事にローカルに適合した、あるいはその水系に適合した規制をやってもらってけっこうであるという基本的な姿勢をとっております。  また大気の問題も、四、五年前までの議論は、なるべく地上から高いところに煙を出せば地上の人には影響ないということで、七十メートル以上の煙突であれば税法上の処理を考えようじゃないかとかいろいろやらしてみたものです。ところがそのときも、一本の煙突で七十メートルならばいい、しかし、それが三本並んだ場合はどうなるかという議論はまだ詰まっていませんでしたから、今日では七十メートルから八十メートル、高ければ高いほど、いわゆる光化学スモッグ等の原因をつくる大気中のそういう汚染物資を、天に近いところでどんどんつくっていくということになりまして、これではどうも、問題を基本的に考え直す時期にきておるように思います。  また、一方交通対策の面で、人命の保護ということから、歩行者優先ということを取り戻すために、交通対策を一生懸命、ことに大都市の自動車の混乱の中に生ずる被害者を少なくするために努力しております。ところが、柳町の事件以来、鉛が犯人であるというので、ハイオクタンのガソリンから鉛を抜いた。しかし、オクタン価を高めるために芳香族の添加を多くした。それらの排気が今度は高く上がっていったためにそれが光化学スモッグといわれるオキシダント現象を生んでいったというようなことで、われわれの予測しなかった状態がいま起こりつつあると思います。交通対策の末端は、今度はもう排気ガスの分野からいくと、いわゆる大気汚染の分野に接触してしまったということにもなるわけでございますから、これらの一、二の事例を考えましても、私たちの公害に対する考え方、大気汚染に対する取り組み方は、少なくとも新しい抜本的なアイデアを持たなければならぬというふうに考えておるわけでございまして、具体的にはこれからこまかにそれを詰めていくつもりでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 いまお答えいただいた内容で了解はできるのですが、この水の汚染なんかについても、最低基準を国としてお考えになる場合に、河川の流れが二つの府県あるいは多い場合には数府県にまたがっているという場合がございますので、各府県が積極的にその最低の基準以上に規制を強くするということはやはり好ましいと考えましても、なかなかそこの基準が決定しないというのが実情として出てくるだろうと思います。したがって、最低基準をお考えになって、この基準さえ守ればいいのであるという感覚でなくて、やはり水の汚染はゼロなのだというところに向かって、とにかく常に水の汚染を少なくしていくというための努力を最大限にこの際打ち出していただかなければうそだと私は思うのです。したがって、最低限度の基準をおきめになる際にも、その基準のものの考え方というのを一体どの辺にお置きになるかということこそ、私は肝心かなめの問題点だろうと思うわけでございますが、ひとつその点について何らかのお考えをいまお持ちであればお聞かせいただきたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 国の基準の設定は、甘いものを設定するつもりではございません。この基準によっても、普通の状態であったならば、守られていくならば、けっこうそれで目的が果たせるという基準が国の最低基準である。しかし、地方の事情によってはそんなものではとてもだめだというところがありますから、それを越えて基準を設け規制をすることも権限を委譲しよう、ただし、いまいみじくも触れられました、水域がつながっているために、県が二つあって、汚染の加害者となっておるというので、河川の取り締まりが県によって違ったり、あるいは一本の川に、利根川に例をとれば何県かが関係する。極端に分けると、ある県は加害県であって、ある県は被害県である。被害県の知事さんはその加害県に向かって、何とか被害県と同じようなきびしいものにしてくれという場合に、上流と申しますか加害県のほうは、いや、私のほうはやっと県ぐるみで企業を誘致した地帯なので、私の県内には幸か不幸か被害も出ていないし、そういう要望には応じられないということがあり得ると思うのです。そういう場合には、やはり中央においてもう一ぺん取り上げてそれを調整して、この基準でおやりなさいということを私たちのほうでやるか、あるいはまた、極端なケースが出ないような上限を設定して、その中においてやっていただくか、これらのところは今後検討してみなければならぬ。ほうっておくとやはり混乱が起こる。権限を委譲したために混乱が起こるという問題になると思いますので、これはいまの検討事項の重点の一つに入っております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 いまの御答弁を承っておりますと、かなり公害防止対策に対する権限を自治体に強く認めていかなければいけないのじゃないかというふうな御趣旨がその裏にうかがわれて、たいへんにけっこうだと私は思うのですが、そういう点からあと一つお尋ねしたいのは、財政の裏づけの問題でございます。  東京だとか、大阪だとか、神奈川という公害集中地域に、先ごろの公害防止計画では、やっと公害防止計画の網が張られたわけでございますが、しかし、今度きまりました基本方針を見ていきますと、この目的達成のためには、十年先の昭和五十五年ということになっているようでございますね。昨年基本方針がすでに出ております千葉だとか、市原などのあの三地域の場合なんかは、昭和五十年が一つのめどに考えられていたわけでございますから、それからしますと、五年、つまり十年の半分、倍引き延ばされるということにもなるわけでございまして、人口だとか産業が超過密状態になっている巨大都市が、この際公害対策などを考える場合には相手でありますだけに、目的達成にはかなり時間がかかることはわかってはおりますけれども、連日これだけ公害にあえぐ住民にとりましては、何ともまだるっこしい問題だということになってくるわけでございます。  さらに問題は、この基本方針をどう実施するかということにかかってくるわけですが、現在の公害対策の基本法の定めるところによりますと、首相に指示された各県知事が具体的な公害防止計画を練りまして、それをつくった結果、政府の承認を得るようになっておるわけなんでございまして、その結果この財政的な裏づけについていろいろ実施を進めるということになっておるわけでございますが、この間の財政的裏づけというのは一体どういうふうに考えられておるか。財政的裏づけというものは、この防止計画の内容によって十分にそれを保証しようという裏づけをお考えになっておるかどうか。あるいは財政というのはこれだけで、限られた中で計画を練ってもらいたいというような方針で臨まれるのかどうか、これは百八十度違うと思いますので、その点をお聞かせいただきたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 公害防止計画の決定そのものが遅々として進まない一つの大きな理由に、これは先ほど来私がお答えいたしましたように、二十二条を受けて別に法律で定めなければならないとされている企業の費用負担の問題の法律がなかったということで、地方自治体も一体どれだけ企業に負担させることができるのかどうか、現実には非常な悩みを持っておると思います。  きのうかつての同僚であった飛鳥田横浜市長の意見を聞きまして、私もそのことを痛感したのですが、権限がないために自分は企業と一種の私契約を結んだ、そうしてやらなければならぬことは企業がやらなければ市がやる。そうしてやった分はツケを企業に回して取り立てる。しかし、企業が払わぬ場合は権限がないから裁判に持ち込まなければならぬので、実は困っておるけれども自分はそれをやるつもりだという、非常に意欲的で、かつ非常に苦悩に満ちたことばを私は聞いたのです。やはりまず急ぐべきことは、公害計画を立てる場合の企業の費用負担区分の法律をすみやかに次の国会に出す。さらにこれに対応して先ほども答弁いたしましたその際の公共事業について国が特別の補助を考える。補助率について配慮する。地方自治体に対しては、自治省を中心にして交付税や起債その他において配慮していく。重点的な財源措置を考えていくことによって、飛鳥田さんのような意欲的な人の苦悩に満ちたことばを聞かないで済むようになるだろうというふうに私はきのう考えたわけですが、そういうふうな作業をいま進めたい。  それから目標年次でありますが、それはすみやかに達成されませんと、田子の浦のような問題になってしまって、そうしてそれは達成年次の前だったからしかたがないということはもう許されませんし、企業だって、もう反社会的な存在としての企業は許されないということになりつつありますので、ここらのところはこれから相当拍車をかけてやっていかなければならぬと考えております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 ただいまのお答え、たいへん意欲的で、私も聞いておりまして心強い思いがするのですが、最後にそういう意味を込めまして一つお願いを申し上げたいのです。  いままでも再々論議されてまいっております公害対策の例の基本法をはじめといたしまして、公害に関係のある関連法のこの際制定であるとか、あるいは改正であるとか、あるいは削除の問題というのが、だんだんだんだん具体的な問題として煮詰められてまいっております。しかし、それ一つ一つが、すべてがこれは立法事項でございまして、幾ら政府が有能であって、幾ら政府がやる気がおありになっても、政府で審議されるべき問題じゃありません。やはり法律の制定機関というものは、言うまでもなく国会でございます。国会をおいてほかにはないわけでございます。そこで、それぞれ一つ一つの法律の整理、一つ一つの法律による規制というものを具体的に実現さすというために、やはり国会が開かれて、国会の場でそれに対する審議が早急に尽くされないと私はいけないと思うのです。そういう点から考えますと、いままで休会に入りましてから公害問題は毎日毎日、新聞紙上に出ない日はございませんし、日を追ってそのスペースも広がり、しかも、内容も深刻化してきておるわけでございますが、月に一回ずつここで二日あるいは三日をかけて委員会審議をやりましても、お互い持っております委員としての質問も限りがないわけでございまして、せんじ詰めていった場合には、抜本的な対策をどうしても国会の場においてこの際打ち出さなければならないというジレンマにかり立てられるわけでございます。  そこで、やる気十分でいらっしゃる本部の副本部長さんに特に私、お願いいたしたいのは、こういう問題をかけて、臨時国会を召集すべき決定権は政府にあるわけでございますから、その政府の責任者として、この問題について国会を召集すべきだというふうにお考えいただきたいと私はまずお願い申し上げるわけでございます。いかがでございますか。このことについてのお考えをひとつお聞かせください。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 これはもう国会議員みんな知っていることで、各党が、それぞれ相談をいたしますし、またその相談がまとまって政府との間の相談がさらに行なわれますし、形の上では政府が召集することになるわけですけれども、私が臨時国会を召集しますと言っても、私に召集権はないわけですが、これはやはりいますぐ臨時国会を開いたらできるのかといっても、かりにいま開かれた臨時国会でいま議論しているとするならば、何をしているんだ、法律は出してないじゃないかという議論になるのじゃないかと思うのです。やはり法律をつくりますには若干の時間がかかります。これはやむを得ないことです。その意味ではすぐにということは私としてもできませんが、臨時国会を開けという申し入れが野党の皆さんからあること並びに国会対策でいま議論されていること等については、十分承知いたしておりますけれども、それを私が臨時国会を開くべきだとか、開かせるという権限はございませんので、私としての意見の表明はいたしかねます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 もちろん決定権は内閣にあるわけでございまして、山中長官個人に対して私はとやかく申し上げているわけじゃございませんが、ひとつこういうことに対してやはり御努力をいただくというお願いまで私、申し上げているわけでございます。  特に昨日、それから本日の朝刊などを見ますと、昨日の参議院の公害対策委員会で行なわれましたヘドロの、富士市の製紙パルプ工場について操業停止を勧告する問題が取り上げられまして、山中長官が、かりに三カ月停止することについても考えてみたい、それは考えてみたいというふうな、質問に対するお答えをなすったわけです。けさほどの新聞を見れば、それは質問者への礼儀上考えてみたいと言っただけで、法的根拠がこれには何らないから、つまり工場に対する操業停止を勧告するための法的根拠が何らないから、これについては実行することは、いまの場合は法的根拠がない限りできるはずがないというふうなことで、考えてみたいということを質問者への礼儀上おっしゃったやに新聞紙上では書かれております。これはやはり問いただしていけば、法的根拠がないというところが実は問題でございまして、やはり実際いまこのたいへん大事なときにやる気十分で取っ組まれて、そして一つ一つの公害問題に対してまじめに、特に本気で取り組むということになってくれば、これに対する何らかの手を打つときに法的根拠がないくらいくやしいことは私は実はなかろうと思うのです。そういうふうな意味を込めて、やはり立法的措置を早急にしなければならないことがあっちにもこっちにも続出してきているわけでございますから、その意味を込めて私はきょうはわざわざお出ましになった長官に対してお願いを申し上げているわけでございます。私の意のあるところをひとつおくみ取りをいただきまして、御尽力のほどを賜わりますように重ねてお願いを申し上げる次第でございます。  特に、たいへん重責にいらっしゃる長官でございます。すでに総理府長官でいらっしゃって、沖繩返還問題もたいへんな問題でございますし、交通戦争に対しても交通安全対策、これはたいへんな問題でございまして、それぞれお一人でなかなかしょい切れないような問題をすでにひっかかえていらっしゃる大臣でいらっしゃいます。有能であるという定評があるとおりに、てきぱきと事を処理なされておるということに対しては、常日ごろ私は敬服をしておるわけでございますけれども、ここに持ってきて、もう一つ大事な問題の公害をひっかかえて、それの内閣における責任者におなりになるわけでございますから、かねて、どうも二またというものはかけられないというふうなことばがございましたし、あるいは防衛庁長官の片手間に大学総長というのは、どうもこれは一人で二役というのはむずかしかろうというようなことばがあったりいたしました昨今でございますので、ひとつ本気になって公害問題には取り組むのだという意欲を事ごとにお見せいただくように重ねてお願い申し上げて、終わりにしたいと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 関連の申し出がありますので、これを許します。佐藤観樹君。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 いま土井議員の発言にもございましたけれども、山中総務長官にちょっとお伺いしたいのですが、昨日の参議院の公害対策特別委員会で、いま問題になっております田子の浦の汚染の問題について御答弁があったわけでありますが、御存じのように、田子の浦というのは、万葉集の田子の浦ではいまはなくして、ごらんになった方々は多いかと思いますけれども、船というのは浮かんでおるというよりも、ベニヤの板の上に模型が置いてあるという感じまで汚染をされてしまっておるわけであります。そこで、きのうの御答弁では、これはほんとうであるかどうかわかりませんけれども、新聞によりますと、「「製紙会社に対し、向こう三カ月ほどの操業停止を早急に検討している。これは緊急の問題だから立法措置とせず、閣議決定ですることを考慮している」と言明した。」、これはきのうの毎日新聞。ごらんのように、これだけ大きな記事で一番最初に出ておるわけですね。ところがけさ起きてみて、朝日新聞を見ますと、「委員会終了後、同長官は「質問者への礼儀上、考えてみたいといったのだ。操業停止を命じるにしても、だれにそんな権限があるのかね」」と言われたということがあるわけでございます。私も、いま土井議員の発言にもございましたように、それだけの規制権があるかどうかも存じておりますけれども、はたしてこの新聞が間違えてとらえたのか、それとも真意を伝えていなかったのか、その辺、山中長官の真意をお伺いしたいと思います。そして礼儀上答えられたということは、非常にこれは委員会の発言として、やはり問題なんじゃないかと思うのです。いま山中長官が、副本部長就任にあたりましておことばがございましたけれども、その中にも、「言明できる点は言明し」というおことばもあったわけでございますが、その辺一体どれが真実なのか。そうして一体この本論はどういうことなのかをちょっと御答弁を願いたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 事実について申し上げます。  現在水域指定を受けていない地域でありますから、そのことは承知で質問者のほうも、そういうことであっても閣議等の決定か何か緊急措置でもって操業停止ぐらいやる方法はないかという質問がありましたので、たとえば、かりに三カ月ぐらい操業停止をやるとしても、それだけでもって零細企業の幾つかは倒産してしまうだろう。ですから、そういうことは、そう簡単にできることではありませんが、しかしながら、いろいろなことを検討しながら焦眉の急が田子の浦、あるいは典型的なケースが田子の浦でありますから、いろいろなことをいま研究いたしておりますというふうに答えました。質問者に対する礼儀上などということば、私は答弁のつもりで言う意思はありませんし、かりに私があなたのおとうさんと親しかったといっても、あなたに礼儀上答えておいたんだ、あるいはおれの親しい観ちゃんのむすこだから——そんないいかげんな国会答弁というものはないと思います。やはり、責任というものは私は発言に全部伴ってくるものでありますから、礼儀上であってもできないことはできないと答えることが真の友情でなければならぬと考えます。そういう意味では、私の発言はそのとおり真実であります。  なお、つけ加えて申しますならば、この田子の浦問題を典型的な姿としてとらえよう。これをどう処理するかを法律その他の問題と切り離しても検討する必要があるということで、本庁の関係閣僚会議でも、企画庁はすみやかに田子の浦を何日かかるかわからないけれども、指定水域にしたい、努力してみますと言っておりましたが、それよりもまず緊急に運輸省が責任をとって、港湾としての機能回復ということでやられるのが、たとえばいま地域の人たちは漁民も含めて港則法違反ということで訴えると言っておられますし、それだとすると、やはり港の機能という問題になりますから運輸省にもなりますが、かといって漁船を仕立ててこられた人々は、港の中がしゅんせつされてきれいになっても、押し出された遠くの海面の漁獲というものを心配されて、事実その影響のもとにそういう抗議の声をあげておられるという現実を見るときに、なかなかそうもいきますまい。港の中だけというわけにもいきますまいし、でありますので、まず静岡県の責任者である竹山知事に閣議後電話をいたしまして、はなはだ突然で申しわけないが、田子の浦を典型的な日本のケースとしてとらえてみたい。そのために、できる限りの緊急措置をとってみたいので、私と面談の機を得たいんだが、御上京願えませんかとお願いをしましたところ、四時に総理府に着くというたいへんありがたい御返事をいただきまして、私と竹山知事の会談のあとで知事の県当局としての意見も聞いて、できれば田子の浦を切り離して、一つのケースとして、場合によっては閣議決定ということにもなりましょうが、処理してみたいと考えているところでございます。  真相と並びに現時点における田子の浦の問題について、御答弁をいたしました。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 委員長、いまの答弁で了解いたしました。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 岡本富夫君。

岡本富夫公明党

○岡本委員 山中総務長官に最初お尋ねいたしますけれども、昨夜十一時のテレビを見ておりますと、参議院の特別委員会で公害の取り締まりについて国は最低の基準をきめ、地方自治体に権限を委譲するという報道がありました。それは、佐藤本部長とも話し合いの上でそういうように発表されたのか、それから、どういう権限を委任されたのか、これをひとつお聞きしたいと思うのです。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 もちろん本部長たる総理とも打ち合わせの上でございます。権限の委任については、いろいろございます。水質についても、大気についても、また規制を受ける業種について国がなお持っているもの、あるいは地方にゆだねられているもの等の区別が、どうしてこれが国に残されていなければならないか。業種等についてはさらに整理もいたしますし、そういう意味でいろいろ作業いたしますが、問題は都道府県知事というものが、やはり地域の問題の責任者として最もよく実情を掌握しておられる。しかも、やはり県民大多数の意思というものに沿った行政を展開しなければ、知事の再選もおぼつかないわけですから、おおむねそこに反社会的な企業等に対して目に余る横暴等を許すようなことは、もう今日ではできない環境にあると判断をいたしますので、そういう方向を決定をしたわけですが、国民全体から見ても、くみ取り作業まで国が責任をとれということは決して国民は要求しないと思う。やはり国はどこまで責任をとり、どこまで実務を行なうのか、都道府県並びに市町村は、どの事業をどこまで行なえるのか、権限はどこまで持てるのかということが明確になれば、先ほどの苦情の窓口の話でも触れましたとおり、やはりではこの問題は県の問題だからといって県に行かれるでしょうし、これは市の問題だからといって市に行かれるでありましょう。その意味では国民の人々に対しても、やはり私たちがしなければならない仕事の一つに国、地方との権限の分担、委譲の明確化ということが迫られていると私は判断しているわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 あなたの答弁の中に、公害行政の一元化を考えておる、こういうお話でありましたが、そこで大気汚染防止法を例にとりますと、これは適用除外というのがあるのです。これは二十七条、電気事業法あるいはガス事業法です。これは御承知のように私尼崎のほうの実情を調査いたしますと、関西電力がある。そこの関電の火力発電所が四つあるわけでありますけれども、そのうちの一つは非常に石炭をたいてものすごいばい煙を出している。また亜硫酸ガスの問題、こういう問題を取り上げ、また大阪の大阪瓦斯の実情を見ましてもすごいばい煙を出しております。しかし、これは大気汚染防止法では取り締まれないようになっておる。この実情を知っておるのは都道府県知事あるいは市長、市の対策本部です。こういうような適用除外をここに抜いて、そして大気汚染防止法の中に組み込むということが必要ではなかろうか、こう思うのですが、長官の御意見を伺いたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 まだ私大気汚染防止法のその条項の出発点における議論についてまでさかのぼっておりませんが、私の感じておりますところでは、たぶん国が設立認可し、料金等においてまたさらにこれは認可でなければいじれないというような、国が直接全面的に責任を持ち、企業についてそのような仕分けがおそらくされていたんであろうと思います。しかしながら、今日はそのような許認可業務の分野から分ける問題よりも、いま御指摘になった末端で起こしている現象と地域住民の問題としてとらえなければなりません。したがって、これをどうするかは、ただいま、本日では答弁はできませんが、さらにそれらの問題点はほかにもございますので、これらをひっくるめて総合的な議論をいたしまして、地域住民の感情から見て、日常生活から見て、もっともだと思われる方向へ整理をしてみたいと考えております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そこで、この公害対策本部というのは総理のもとにある。すなわち各大臣に指示できる指示権があるのだ。また取締まり権があるようにお話がありました。したがって、この一つの点を取り上げてみましても、大気汚染防止法から適用除外したもの、要するにこの公害関係だけは、これは大気汚染防止法に組み込むべきものである、こういうようにお考えになりますか。それとも、それはもう一ぺん検討しないとわからないというようなことでは、これは先ほどから公害に対して取り組む姿勢がございましたけれども、そうではないというように考えざるを得ないのでありますが、その点について御意見をひとつ伺いたい。   〔委員長退席、土井委員長代理着席〕

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 これはこの一言だけで合格か落第かをきめないでくださいよ。それは私が先ほど申しましたように、いまここで答弁するまでの準備ができておりません、作業中でございますと申し上げたのですから、できないということを言っておるわけじゃないのです。あなたの言われるように住民感情、人間の生活環境というものの立場から、出発点を、議論を返して新しく議論し直そうというのでありますから、おおむねの方向はおわかりになっていると思いますので、さらにその中で、電気は地方にやれるがガスはやれぬとか、ガスはやれるが電気ばやれぬとかいうところまでの議論をまだしてない。そこまで詰まっていないということを率直に正直に申し上げているわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 正直にお話しされたのはよろしゅうございますけれども、先ほど申し上げましたように、地方自治体に権限を委任するという御発表でございましたので、念を押したわけでございます。  それで私どういう権限を委任するのか、もう一つお聞きしたいのですが、工場排水法というのがございます。この工場排水法の中に、工場排水等の規制に関する法律施行令、この第五条に、都道府県知事にその取り締まりあるいはまた立ち入り権、こういうものを委任したものと委任してないものがございます。   〔土井委員長代理退席、委員長着席〕 この委任してないものに、一つは「酒類製造業の用に供する施設であって、次に掲げるもの 飲料用アルコールじょうりゅう施設」のもの、ここにそれぞれございます。ビールのものもございますけれども、これについてきょうは一これは国税局長でありますが、国税庁の間税部長、これは都道府県知事に委任して差しつかえないのですか、どうでございますか。

塚本石五郎国税庁間税部長

○塚本説明員 ただいま御質問のございましたとおり、酒類製造業につきましては工場排水等の規制に関する法律の監督権限が、工場の所在地を管轄する国税局長に委任されておるわけでございます。この問題につきましては、御承知のように国税局は傘下に税務署が約五百ほどございまして、酒税法に基づきます調査、検査の権限を持っておりまして、常時把握する体制にある。それから工場の新設、移転、廃止その他につきまして申告する義務を課しておりまして、税務署はそれを十分把握する体制にある。そういう意味で十分目が届く。したがって、公害問題につきましても十分監督ができる。そういうふうなことから現在国税局長に委任されておる、かように了解しておるわけでございます。  なお、本日の御質問にございましたように、これを地方自治体に委任することが、公害問題をより一そう推進する上におきまして有効であるかどうか、この点につきましてはなお総理府とも十分協議いたしまして検討いたしたい、かように考えております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 次に大蔵省の青山印刷局長に、これはこの第五条の六に「パルプ、紙又は紙加工品製造業の用に供する施設であって、」ということがありますが、こうした施設については、これも都道府県知事に委任してよいのではないか、こういうように考えるわけですが、どういう差しつかえがあるのか、これもひとつお聞きしたい。

青山保光大蔵省印刷局長

○青山説明員 お答え申し上げます。  まず、先ほどの政令にございますように、印刷局におきましては製紙関係の施設についての排水規制というのが特に問題でございます。印刷局は国営事業でございまして、全国に三カ所の製紙関係の専門工場を持っておりますが、実際のところは、この法律によります指定水域に現在なっておりませんので、現在の段階では、この権限の問題は直接の問題でございませんが、国の企業でございますので、率先垂範して公害対策を講じなければならないということで、相当前から自分で規制をいたしまして内規をつくり、工場排水の規制については十分努力をいたしております。法律ないし条例等に基づく基準がございますが、そういうものによりまして各工場ごとに規制をするということで、前から気をつけているということでございます。  そこで現在、先ほどお話しのように印刷局の関係につきましては委任されておりませんので、これは理由でございますが、私考えますのに、印刷局が製造いたしますものの一つに日本銀行券がございます。日本銀行券につきましては、その信用保持上、偽造防止ということが一番大事なことでございます。この偽造防止の関係で特に作業工程上一番問題になりますのが、紙をすく、つくる段階でございます。そういう関係で、この製紙関係のそういう作業工程につきましては、企業機密といたしまして部外者はもちろん、印刷局の職員につきましても、関係者以外には見せないというように配慮いたしまして、偽造防止の機密保持につとめておる、こういうことでございます。もう一つ、国営企業でございますので、率先垂範して自分でやれというような趣旨であろうと私考えております。  それから先ほど来のお話で、地方住民に密着した都道府県知事に委任したほうがいいかどうかという問題でございますが、この問題につきましても、先ほど国税庁のほうのお話がございましたが、国税庁関係は、監督する酒の業者の問題でございます。私どものほうはみずから経営いたしている印刷事業の問題で、若干ニュアンスは違うと思いますが、特に印刷関係におきましては偽造防止関係の機密保持という点に特に配慮いたしまして、そういう問題を検討する必要があるのではなかろうか、かように考えておりますが、これから従来以上に公害防止につきましては力を入れるつもりでございますが、権限の委任の問題、これは立ち入り検査等が特に問題になるわけでございます。そういう問題を中心にいたしまして十分検討し、関係の向きとも協議をさしていただきたい、かように考えているわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 次は、通産省にお聞きします。いまの工排法施行令の九、「水銀電解法か性ソーダ製造業の用に供する施設」その他たくさんあるわけですが、こういうものを都道府県知事に立ち入り権限を委任してはどうか、してはいけないのか、これに対してひとつ……。

荘清通商産業省公害保安局長

○荘説明員 お答えいたします。  通産省関係の幾つかの業種につきましては、自治省とも御相談いたしておりましたが、府県の受け入れ体制等の問題もございますので、いま直ちにというわけにもまいりませんですが、来年度からこれらの権限を都道府県知事に委譲いたしたいということで、両省の間で事務的に話をつけております。そういう状態でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 山中副本部長さん、こういうようなわけでございます。要するに、いま私があげた例を見ましても、地方自治体において工場排水法にひっかかった、それによって取り締まるところにおいては、都道府県知事に権限が委任されていない。いま大蔵省の青山印刷局長からお話がありましたけれども、過日も一万円札がずいぶん流れた。これでほんとうに取り締まられたかどうか、こういうことを考えましたときに、遠い中央から、ほんとうにその排水を取り締まれない。そういう面を見ましても、やはり都道府県知事に委任をして、公害問題だけは防止すべきではないか、こういうふうに私は思うのですが、副本部長の御意見を伺いたい。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 六十四業種中十一業種が委譲されておりません。ですからいま十一業種について全部を洗っているところでございます。ただ印刷局については、やはり紙幣をつくるところですから、工場排水関係からの立ち入りも必要でしょうが、国の機関ですから、いま言ったようなこともありましょうし、そのケースをすぐどうこうできるかどうかは、ちょっと特異なケースの一つであると思いますけれども、十一品目全部を洗い直してみたいということでいま総ざらいをやっております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そうしますと、この工排法によって、大体通産省のほうは都道府県知事に全部委任してよいというようないまの答弁でした。したがって、もう一度いまあなたから答弁があったようにはっきりした答えを出してもらって、そうして都道府県知事が非常に困っておるのは、立ち入りができない、電気事業者、ガス事業者、これは国の関係だというわけで、結局は河川の問題にしましても、大気汚染の問題にしても解決ができない、ここにネックがあるということをもう一度あらためてあなたに自覚していただいて、そうして早急にこの問題を解決していただきたい。  次に、時間もあれですが、いま長官から、地方自治体に権限を委任する中にこういうことがあるのです。憲法は法律に優先し、法律は条例に優越するという関係が存在しておる、したがって、法律できめた範囲内で条例を制定することができる、しかし法律できめた範囲以外になりますと、これは法律違反になる、こういうような意見を、これは宮澤さんだったと思うのですが、新聞に出ておったわけでありますけれども、あなたの御意見はいかがでございましょうか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 現在の法体系のもとでは、法律で定められた基準以上の条例で規制その他を行なうことは違反であります。しかしながら、そういうことを議論しておるのは、いま公害対策に関する限り愚の骨頂であって、そういうことでない、地方に即した敏速果敢な行動のとれるものにしたいという念願で、その議論はもうたな上げしてしまおうというつもりでおるわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そうすると山中長官は、法律は無視して、法律なんというものはもう愚の骨頂なんだから、実際に即して条例できめてもよい、こういう御見解のように承ったわけでありますが、いかがでありますか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 法律をそのようにしようというのであって、法律において国の定めるのは最低基準でございますという形の法律にいたしますと、最低基準ですから、それ以上の基準設定、規制等について、都道府県知事に大幅にそれを越えたものが委譲されるということになるわけであります。しかも、その委濃のしかたも、機関委任をしませんで、権限の委譲をしようというつもりでおります。

岡本富夫公明党

○岡本委員 時間がありませんから、これはちょっと重大な問題ですが、次に譲ることにいたします。  次に、厚生省の政務次官にお聞きいたします。  毎年季節になるとたくさんの海水浴場が水泳を禁止されている。それは大腸菌が非常に多いから使用してはならないというようなことでありますが、大腸菌があるということは、赤痢菌あるいはいろいろな菌がそこにあるということが証明されるわけであります。それに関連して、東海道線あるいは各線の沿線でいま非常にやかましく言われておりますのが、要するに列車黄害です。この列車の黄害は、御承知のようにたれ流しになっておるわけでありますが、清掃法でもってなぜ列車のほうはお取り締まりにならないのか、またその点はどうするのか、これについてひとつ姿勢を聞きたい。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本説明員 直接に私どもがお答えをすべき性格でないように思います。本来なら、運輸省当局あるいは国鉄当局からお答えをすべき性格かと思いますが、現実に従来列車の構造上、いま御指摘のような問題があったことは事実です。しかし、今日つくられております車両は、先生もよく列車を御利用になっておわかりだろうと思いますが、むしろ貯蔵タンクを備えてそうした問題を起こさないように配慮がされておる。むしろ新造の車両について、私どもは従来と同様の問題をかかえておるとは思いません。ただ、従来から使用されてきた車両の改造作業が、構造上どうして完全に貯蔵式に切りかえられないかについては、私どもとしては完全に運輸行政そのもの、あるいは列車の構造等についてもしろうとでありますから、お答えをいたす能力を持ちません。

岡本富夫公明党

○岡本委員 一般の河川や、あるいはまた一般のそうした黄害に対しては、清掃法で厚生省は取り締まられるわけでありますけれども、なぜ走る車については取り締まることができないのか。これについて行政の管轄が違うのか。清掃法はあなたのほうの管轄じゃないか。これをお聞きしたい。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本説明員 管轄でありますが、管轄の対象に指定されておりませんので、私どもとして従来ある車両についてまで云々はいたしておりません。ただ私の記憶ではばく然といたしておりますので、あるいは年あたりは間違いがあるかもしれませんが、たしか三十四、五年から三十七、八年ぐらいにかけて、列車公害というものの一つとして相当議論をされたことがあるように記憶をいたしております。そしてその当時以降新造される車両については、貯蔵式を研究するということで、事実国鉄当局はその約束は果たしてこられました。ただ、現在国鉄の財政その他の状況から見て、従来から使用されている車両について全面的な改造をしておられないということは事実でありますが、それについて私どもが云々する権限を持ちません。

岡本富夫公明党

○岡本委員 では運輸省にお聞きしますけれども、運輸省は審議官ですね。——御承知のように、国鉄が四十二年度に発表した統計年表によると、一日大体二千トンの大便、それから百四十五万リットルの小便、これがたれ流しでそのままにあるわけです。これは概算したものでありますけれども、今日では新幹線はなるほどそうしたところの黄害はなくなっております。しかし、それでないところの車においては、いまだ何の手も打ってないわけでありますが、運輸省はこれに対してどういうような指導をし、また考えを持っておるのかお聞きしたい。

見坊力男運輸大臣官房審議官

○見坊説明員 お答えいたします。  今後の方針としましては、基本的には現在新幹線で採用しております循環式、つまりこれはタンク式でありますが、これを在来線にも採用することとしておりまして、当面その第一段階としまして、四十四年度から東海道木線、山陽本線の長距離列車を対象に工事を進めております。地上設備につきましては品川、宮原——これは大阪でございます——等に基地を設置することを予定いたしまして、車両につきましても約二千百両にタンク式の汚物処理装置を取りつける工事を進めておる次第でございます。  なお、昭和四十四年度からの新しくつくられる車両の便所は、基地設備ができ上がり次第、循環式として使えるよう配慮した構造として発注いたしておりまして、該当車両は現在八百十一両でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 大体一日二千トンといいますとドラムかんにして富士山の二十倍、それから十五トンの貨車で百三十四両、こういうのが毎日日本列島にまかれておりまして、そしてこの中には大腸菌がうようよしている。大阪衛研のデータをいま読み上げる必要はありませんけれども、そこには路線の工夫、こういう人たちが働いておるわけでありますが、名大の古河教授のデータによりますと、大体そのしぶきが紙あるいはタイルではかると高さが二メーターまでかかる。ちょうど頭からごっそりかかるわけです。しかも、その範囲が四十四メーター。そうしますと、ぼくはこれはほんとうに切実な話を聞いてきたわけですが、ちょうど西宮にぼくの知っている人がいまして、晩酌をしているとぱっとかかるというのです。ぼくも実は一ぺん窓をあけて食事をしていたときに、えらいきたない水が飛んできよるなと思ったら、前でやっておる。こういうようなものを厚生省が清掃法で取り締まれない。この清掃法の中には、便所のある車両を運行する者は、環境衛生上の支障が生じないようにふん尿を処理すること、こういう項目もある。したがって、今日こんなに公害がやかましくいわれるときに、またいままでも私ども、四十二年から公害対策基本法をつくって審議してからずいぶんやかましく言ってきましたが、ほとんど野放しになっておる。この責任はどこにあるのか。  そこで、まず国鉄の方にお聞きしますけれども、今後の方針、あるいはまた現在どういうような対策を行なっておるのか、これについてひとつはっきりしてもらいたい。

一條幸夫日本国有鉄道常務理事

○一條説明員 お答えをいたします。  私どもただいま列車の便所の対策につきまして、いろいろ苦心をしておる最中でございます。国鉄の旅客車全体で約二万五千両ございます。それについております便所の数が一万八千五百個ございまして、従来のような状態で私どもいいとは思っておりません。ただし歴史的には、先ほどからお話がございましたように、世界じゅうの鉄道が実は同じようなやり方をやっておりまして、残念ながらうまい方法が過去にはなかったわけでございます。それで人家の密集しておりますような地区を走ります場合には、お客さまの御協力をお願いしまして使用を控えていただくというようなやり方をとってまいりましたし、現在でも対策の立っておりません列車が大部分でございますので、そういう方法をとっております。  それからもう一つは、従来とってまいりました方法の一つといたしましては、先ほどからお話のありました飛散の状態をできるだけ遠くへ飛ばないようにしたいということで、管おおいを整備をいたすというような苦心の策も実はとってまいっているわけでございます。それで、先ほど厚生省のほうから、昭和三十五年ごろからいろいろな対策を考えてきたはずであるというお話がございましたのですが、在来線の列車については、昭和三十五年から実は特急用の車をまず第一に取り上げました。と申しますのは、長距離列車ほどやはり量が多うございますので、特急列車から始めまして、設備したのは消毒式と称しております装置を設備いたしました。これはミキサーをつけておきまして、ミキサーで汚物を粉砕してしまうわけでございます。粉砕しまして、それを化学的な処理をする、消毒してから流すというような方法をとったわけでございますが、実はこれはいろいろな異物が投げ捨てられまして、故障がたいへん多くて苦しんでおります。現在そういう車が、四十三年までに整備されましたものが、在来線の車両で千両ございます。これは現在でも、保守に苦しみつつも使っております。  それから、これも先ほどお話が出ましたが、新幹線の車につきましてはタンク式の処理装置を整備をいたしまして、これは新幹線の車両は千百両余ございますが、全部それになっております。御承知のように、タンクで貯蔵いたしまして、それに使用いたします水は循環式で使いますが、消毒をいたしまして車両基地に帰りまして放流をするというやり方をとっております。在来線の二万五千両の車につきましても、ずいぶんいろいろな方式を研究をしたわけでございますが、新幹線方式以外に方法がないという結論になりまして、先ほど運輸省のほうからお話がございましたように、四十四年度からその対策に取りかかりまして、現在までにまず第一に取り上げましたのは東海道、山陽本線の長距離列車を対象に考えました。その車両基地でございます品川地区の品川、田町、それから関西で宮原、向日町、それから九州の南福岡、この五カ所をまず整備をする場所にきめました。それからその対象車両が二千百両でございます。ということでスタートいたしまして、車両につきましては四十四年度と四十五年度の前半で百六十両弱、百五十八両だったと思いますが、百五十八両の改造を終わりまして、それから新製車両につきましては、これも先ほどお話が出ました八百十一両につきまして、タンクをつければいつでも生かせるような状態に初めからつくってございます。車両につきましてはそういうことで改造を進めてまいりまして、これは車両ができ上がりましても地上の設備ができませんといけませんので、地上設備につきましていま鋭意進めている最中でございます。この地上設備につきましては、現在まで使ってまいりました線路を殺してしまわなければならないという条件が一つございますので、部内的にいろいろその設計に帯心いたしております。  それからもう一つは、汚物の放流の問題で地方の自治体と御相談をいたしまして、御了解を得てやらなければならないという問題がございまして、そちらのほうの話もいろいろ進めてまいりまして、そういう諸般の問題の解決をいたしました。宮原の車両基地に今年度着工をいたすことに決定をしております。これは今年度着工いたしまして、四十六年度できるだけ早い時期に生かしたいと思っております。それから品川の車両基地、田町の車両基地につきましては、ただいま申し上げましたようなそれらの問題点の解決につとめておりまして、この秋には懸案が解決するだろうと思いますので、解決し次第着工したいと思っております。それからもう二カ所、向日町と南福岡につきましては、実は町のほうの下水の設備がございませんので、その車両基地に持って帰りましたものの処置が非常に大問題でございます。浄化設備をつくりましてそこで浄化処理をいたしまして、それを川に流さしてもらうというふうな方法をとらざるを得ないわけでございまして、そこいら辺のやり方につきまして、これも地方のそれぞれの関係のところと協議をしている最中でございます。  その前に、タンクでためて持って帰りますが、便所の水は循環して使いますので、もちろん消毒をして使いますが、お客に不快の念を与えないようにということで、実は着色いたしております。この色の処置が実は問題でございまして、大量の着色剤の処理という例が実はないわけでございまして、この消毒剤、着色剤の車両基地での化学的な処理の方法が実はなかなかむずかしいもののようでございます。これは専門の学者先生方に実はお願いをいたしまして、処理のしかたを研究してもらっております。その答えを得まして、それをもとにいたしまして、関係市町村と協議をしまして、了解を得て実施をするという段取りにならざるを得ない状態でございます。  ただし、その東海道、山陽線の二千百両の車に対しますだけでも、実は金のことを申しまして恐縮でございますが、五十五億以上かかります。それから全体の車両を全部そういうふうにしようといたしますと、条件がだんだんむずかしい場所が多くなりますので、全体では地上設備費、車両費合わせまして八百億くらいになろうかと思います。現在私ども残念ながら財政的に非常に苦しんでおりますが、その乏しいさいふの中ではございますが、できるだけ費用を捻出しましてこの対策を進めていきたいというふうに考えておる次第であります。

岡本富夫公明党

○岡本委員 山中長官、こういうようにいま直ちに病気にはなっていない。しかし、非常に病気には関係がある。要するに沿線には野菜をつくっております。いままで金肥でつくったりして清浄野菜だった。あなたも食べておるはずだ。しかし、事実はこういうようにしてずいぶんかかっておる。また日本人はつけものをたくさん食べる。こういうような面を考えると、これはゆゆしき問題だと思うのです。したがって、ひとつ公害対策本部でこの問題も取り上げていまの間にひとつ解決をしよう、こういうようにしてもらいたいと思うのですが、いかがでしょうか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 同じ公害でも黄色いほうの話でございますが、国鉄財政というのがどうにもならないところまで来ておりまして、これは次々と鉄建公団という立場において建設される結果の赤字路線あるいは現在運営しております赤字路線、そういうようなものを全部かかえておる国鉄の財政の中で、いま金額も最後に理事のほうで触れたようでありますが、たいへんな負担になるものであろうと考えます。しかし反面、それがずっと汽笛一斉新橋をの昔から沿線住民にかかっていた、いわゆる黄色い災いがかかっていたのであるという事実は、やはり文化国家としてはそろそろ何とかしなければならない事態に来ておることは、私も当然であると考えます。しかし、ここらのところは、国鉄の会計以外に別に国鉄にそのようなものを取りつける予算を一般会計から投入するかどうかについては、国鉄会計全体の特殊性の問題もございまして検討課題であると思いますが、現状はまことに遺憾なことで、何とかしなければならぬことであることだけは私も同感でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 これはちょっと確認だけですが、尼崎の公害病認定の経過状況、それからもう一つは、この前私言っておきました大阪空港の騒音の人体被害調査、この予算、今後のスケジュール、これを厚生省の政務次官から答弁していただきまして終わります。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本説明員 尼崎の大気汚染の状況につきましては、御承知のとおり過去の記録等を参照しつつ日本環境衛生センターに委託して現在調査を進めております。大気汚染調査につきましては六月に一度行なわれました。引き続いて九月から十月にかけて実施をいたす予定でおります。この結果及び疫学調査のデータを突き合わせて、できるだけ早い機会に健康被害の救済にかかる救済措置の適用ができるかどうかを結論を出すつもりでおりますが、常識的に見て私どもは尼崎が現在の大気汚染の状況から見て、この被害者救済措置の対象から落ちるとは考えておりません。  また、大阪空港の騒音による人体影響調査、これは先生御承知のとおりに四十四年度を初年度として五カ年計画で調査をスタートいたしました。しかし、四十四年度自体は非常に予備的な準備だけの期間でありまして、予算も百万円程度のものでありましたから、四十五年度からが本格的な実態調査といえるかと思います。ことし二百万円の予算を計上し調査を進めてきたわけでありますが、昨日その報告書が到着をいたしました。その中身は、第一は胎児及び乳児に及ぼす影響の調査研究、第二が強大な音響、非常に強く大きい音響による聴力の変動について、三番目が航空機騒音の睡眠に及ぼす影響についてであります。  この中身はこまかいことまで申し上げておる時間がございませんが、第一については二面十九例をとりまして、妊娠以前または妊娠五カ月以前に伊丹市に転入した母親の乳幼児、これは航空機騒音に対して、あまり高音で泣き騒ぐことがないというようなきわめて特異なデータも示されておるようであります。また、強大音響に対する聴力の変化の準備研究を現在行なっておりますが、この報告書の第二番はその前提要件を満たしております。また第三は、成人男子三名を防音室で録音した航空機騒音に対し、その脳波への影響を中心として調査をいたしたものでありまして、むしろ一つの予備実験的なデータとしてはこれで整ったようでありますが、今後なお二、三年の時間をかけて継続して研究していかなければなりません。それで、これが二年度目を迎えたわけであります。あと三カ年間私どもとしては従来の方針をとり続けて、五カ年の期間内にこの調査を終了いたすつもりでおります。

岡本富夫公明党

○岡本委員 あとこの大阪空港につきまして公害防止協会というのがある。これはテレビの減免措置、こういうことをやっておりますが、これは当時はおそらく特別会計がなかった。そのためにこうした協会を使ったと思うのですが、これについて資料要求をいたしておきまして、詳しい資料を私の手元に出していただく、これを要求してきょうは質問を終わります。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 次は寒川喜一君。

寒川喜一民社党

○寒川委員 私も時間があまりございませんし、特に二時から公害に関する四党の政審会長会議に出ます関係上、簡潔にひとつお答えをいただきたいと思います。  まず、山中副本部長という立場でお答えをいただきたいのですが、特別国会の最初の委員会で、でき上がりました本部構想的なものをぜひつくってほしいという要望に沿ってできましたことを私は非常に喜んでおりますと同時に、変わらず山中さんがリーダーシップをとられるということで、期待をいたしておりまするが、何ぶん各省庁にわたっておりますことのうちでも新しく予算をつけるとか新しく事業をつけるということになると、役所の中には、私も経験ございまするが、非常にセクショナリズム的なことが表に出て、権限争議の問題にまで発展するような事態があろうかと思いますが、そのことにつきましては心してやるんだ、こういうお話でございましたので刮目をいたしたいと思います。  そこで、先ほど来から各委員の質問を承っておりましても、知事に権限をおろすのだということ、同時にそういう体系にしなければ実情にそぐわない、このことを私も承知をいたします。しかしながら、地方公共団体ではそういったことのための財政確保という面が、やはり予算編成期を迎えて大きく期待をいたしておるところであろうかと思います。従来のようなシステムの平衡交付金制度でいいのかどうかという問題もございますし、同時に事業費的な感覚で補助をしていく、あるいは助成をしていくという特別立法的な考え方を打ち出して、地方住民に対して国もこういう金を出して負担区分を明確にしてやっておるのだという姿勢を当然要請される時期にきておるのでないか、かように私は判断をいたします。したがって、地方公共団体の立場で公害対策を強力に推進すればするほどやはり財政という裏づけに関連を持ちます。副本部長であられる山中大臣のお考え方をお聞かせいただきたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 大蔵省はすでに来年度予算編成の重点項目の数少ない一つに公害対策予算ということを打ち出しております。でありまするので、私のところで各省の全部の予算をまとめて要求するという形式はちょっととりにくいかと思いますが、しかしながら、中には便乗も出てきつつありますし、この際二五%のワク外で公害だけはとれるんじゃないかという思惑等も流れているようでありまするし、また反面には、全体のバランスの上から、それではもっと姿勢が足らない、こういう予算にしたらどうだというような助言とか、あらゆる意味で私のところに一ぺん手元に集めまして、そして大蔵省に相談をかける来年度の公審対策費の要求する額はどれくらいである、大蔵省との話し合いの結果、重点として大蔵が最終セットする金額はバランスのとれたものとして総額どれくらいにのぼるというようなことに持ち込みたいと思っておりますが、その中の仕訳については、先ほども申しておりますとおり、国は通常の行なう公共事業の負担率をこえた負担をすべきことが当然でありますし、そういうことに公害対策事業については重点的に補助率が上げられる等の措置が講ぜられると思います。また国の財源措置の一環として、地方自治体の財源の充実については、これは単に交付税のみではだめだ、おっしゃったとおりでございますから、したがって財投、いわゆる地方の起債等の問題等も含めまして、権限を委譲すればするほど地方においては必要な金が現実に生じてくるわけでありますから、これは大蔵省の予算の重点項目は国、地方財政を通じての重点項目というふうに受け取っていただいてよろしい、またそのように大蔵大臣と話し合っておるところでございます。

寒川喜一民社党

○寒川委員 大臣も何か御予定があるようでございますので、まだお聞きしたいこともございますが、御退席いただいてけっこうかと思います。  そこで、自治省当局にお聞きをしたいのですが、この問題について各地方公共団体の長からどういった要請を受けておるか、具体的な実態を説明していただきたいと思います。

森岡敞自治省財政局財政課長

○森岡説明員 お答えいたします。  各地方公共団体とも、公害対策事業の施行にあたりまして相当の財源を必要とするということで、いま御指摘のありましたように、公共事業の国庫補助負担率を引き上げてもらいたい、こういう要望がかなり出ております。特に千葉、三重、岡山、御承知の地域指定が行なわれました三地区につきましては、公害防止計画を策定いたしまして政府に提出することになっております。その公害防止計画策定の段階で、国庫補助負担率を引き上げてほしい、そうでなければなかなか事業が進まない、こういう意向を強く表明いたしております。私どもも、できる限りその方向に沿いまして関係各省と打ち合わせを進めてまいりたい、こういうふうに考えております。

寒川喜一民社党

○寒川委員 実は、いまのことに関連をしまして、指定都市は人口が集中しており、企業もまた集中しておる。しかも、国に対する税金等での奉仕はかなりやっているが、実際に、たとえば百円のうちで大阪市等の使える金額は、御承知のようにわずか十一円なんです。したがって、こういうこと等から考えましても、自治省自身がいままでのような惰性で当局と交渉をしておったんでは、私は問題が片づかないと思います。そういった意味合いからいたしましても、本日局長もしくは参事官の出席を要請をしておったのにもかかわらず、お見えになっておらないことは非常に残念でございまするが、近く、各地方公共団体から要求内容が出てまいろうかと思います。集計された時点で資料として報告をしていただきたい。このことは委員長にお願いを申し上げておきます。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 わかりました。  自治省に申し上げますが、寒川君の資料要求よろしいですか。

森岡敞自治省財政局財政課長

○森岡説明員 まとまりましたら提出いたします。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 いつ出ますか。

森岡敞自治省財政局財政課長

○森岡説明員 若干まだ時間がかかると思います。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 閉会中ですから、なるべく急いでください。できるだけすみやかに。

森岡敞自治省財政局財政課長

○森岡説明員 わかりました。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 できましたら、私のところへ提出してください。

森岡敞自治省財政局財政課長

○森岡説明員 はい、わかりました。

寒川喜一民社党

○寒川委員 次は、公害防止事業団のことでございまするが、公害防止事業団の事業内容を見ましても、金融機関だといって過言でないというような感じを私は持っております。したがって、都道府県、指定都市、地方の通産の出先を窓口にして書類を上へ上げてくるというような形のものでは、現在の公害の事態に対処する事業団としては、私は、あまりにも任務が十分でないというような感じを持っております。なぜ、かようなことを申し上げるかと申しますと、大企業の問題でございますと、それぞれ企業努力である程度片づいたり、あるいは最近大きな化学工場がいなかのほうに移転をするというようなことでございますので、そういう意味で心配ない面もございまするが、やはり大都市の中の中小零細企業で公害を発する事業場の措置というものが非常に大きなこれからの問題になってこようかと思います。公害防止事業団の配慮で、大阪府の岸和田市に鉄鋼団地ができておりまするけれども、これらの問題にしましても、でき上がるまでにかなりの歳月を要しておる、このことを考えました場合において、工場移転を行ないます場合の用地の先行取得、あるいは工場あと地を買い上げて、一部、現在もう皆さんのところで緑地帯の建設と申しましょうか、そういうこと等をやっておられまするが、やはり町に緑をというようなことを考えましても、そういうあと地を有効に使っていくということのために、工場あと地を買い上げるという事業を積極的に四十六年度から実施するような御見解をお持ちかどうか、理事長にお尋ねをいたしたいと思います。

原文兵衛公害防止事業団理事長

○原参考人 お答え申し上げます。  公害防止事業団は、発足の当初の監督官庁と予算担当の大蔵省との話し合いによりまして、移転用団地の先行取得ということは原則として行なわないということになっております。その理由といたしましては、私申し上げるまでもないと思いますが、入居予定企業の必要とする用地の内容等について事前に把握することが困難である、あるいは先行取得した土地は必ずしも直ちに買い手がつくとは限らない、したがって資金効率についていろいろと問題があるというような点からそういう原則になっておったのでございます。しかし、御説のように、町中の中小工場、ことに騒音工場等につきましては、実際問題としては移転以外にちょっとその防止の方法がないというようなことが非常に多うございます。したがって、これはわれわれに対しての融資じゃございませんで、建設事業でやっておりますけれども、要望の中でも、いわゆる移転用地に対する要望が一番多いのでございます。ところが、土地はどんどん値上がりするということで、今後、ことに基本法に基づく公害防止計画等が徹底的に行なわれようとする場合に、いわゆる適地を先行的に取得しておくということは非常に必要性を帯びてくるのではないかと思いますので、そういうような点につきまして監督官庁等と十分御相談して検討していきたいと思っております。  それから、あと地の買い上げにつきましては、現在の公害防止事業団法とその施行令等によりまして、これは融資の対象にはなっておらないのでございます。しかしながら、私どもせっかく工場を疎開、移転させましても、そのあとにまた工場が建つなんということになりますと何にもなりませんし、かえって悪くなる。できればこれを緑地化したい。いままでも地方公共団体等に対しまして、あと地はひとつ地方公共団体の手で緑地化してほしいということはいつでも申し入れておるのでございますが、やはりこれも地方公共団体の財政の関係から必ずしも十分でないのでございます。したがって、そのあと地買い上げについての融資と申しますか、地方公共団体等に対しての融資等につきましても、これは法律、政令の改正を必要といたしますけれども、今後十分検討してまいりたいというふうに考えております。

寒川喜一民社党

○寒川委員 経過は、私もそのとおり承知をいたしておりますが、それだからこそやはり考え方を改めて、ほんとうに要請にこたえるようなやり方をやらなければ、山中副本部長が何ぼ勇ましいことを言ってみたところで、これは口頭禅に終わってしまうと私は思います。  そこで、通産当局はこの問題についてどういう御所見を持っておるか、御見解を承りたいと思います。

柴崎芳三通商産業省公害保安局公害部長

○柴崎説明員 お答え申し上げます。  移転用の用地の先行取得につきましては、現在、事業団を監督するたてまえで、なるべく行なわないようにという指導をやっておることは事実でございますが、これは別に法律で禁止された措置ではございません。発足の経緯等に関連いたしまして、できるだけ事業団の内容を充実させ、資金繰りその他につきまして問題が起こらないような形で、まあ安全運転をしようという三省の申し合わせでそういう措置がきまっておるわけでございますが、その当時と現在と比較いたしまして、公害問題の発生の様態が大幅に変わりましたし、これに対応する対策につきましても、さらに大幅に前進しなければならない事態に立ち至っているわけでございます。したがいまして、事業を推進させる立場にあります通産省といたしましては、この問題はできるだけ前向きに考えまして、さらに関係各省との話し合いを詰めてまいりたい、かように考えております。  それから、あと地買い上げの点でございますが、これは移転用団地の先行造成とは若干性格は違った面があるかと思います。と申しますのは、あと地の買い上げは、現在の制度では、地方公共団体が主としてやっておりまして、地方公共団体が、都市計画その他に基づきました最も適正な計画に基づいて行なうというようなことでございまして、現に都市開発資金制度というものがございまして、国からも低利の資金を供給いたしまして、地方公共団体が直接やるような形をとっております。したがいまして、この点は、そのあと地をどう利用するかという点と非常に結びつく問題でございますので、むしろ地方公共団体が積極的にやっていただいたほうがいいのではないか、かように考えております。

寒川喜一民社党

○寒川委員 いまの問題は、たとえば大阪府当局にしましても、あなた方のお考えとは若干、先般も打ち合わせをしましたが、違っておるようです。やはり地方財政という問題にも制約があるし、あとの建設省関係の公園の関係などもありますので、もっと考え方を変えて新しい立場で取り組んでいただく、こういうことなしには解決せない。  きょうは不幸にして大臣が万博のほうに御出張のようでございますので、部長から私の趣旨を十分伝えて、真剣に取り組んでいただいて、地方公共団体の要望を実現するように努力をぜひお願いをいたしたいと思います。  そこで、その次は大蔵当局にお尋ねをしたいのですが、同時に、通産も、御助言があれば承りたいと思いまするが、最近関西財界で、トップレベルの会合の中で、公害公債を発行することを政府に要望するのだ、こういうような話し合いがまとまったやに仄聞をいたしております。したがって、そういうことについて情報として事実関係を入手しておるかどうかということがまず第一点。  第二点は、企業の負担責任の御議論の中でも問題がございますが、先般、NHKが調査をされました財界トップレベルの、公害に対する国の援助というようなこと等につきましても、二七、八%ですか、強い要望があるという発表記事を拝見いたしましたが、そういった視点で、こういう形で財界から強い圧力のかかることを私は著しく懸念をするわけなんですが、大蔵当局並びに通産当局はどういう御見解を持っておるか、御披瀝いただきたいと思います。

赤羽桂大蔵省理財局次長

○赤羽説明員 お答えをいたします。  ただいま御質問の、いわゆる公害公債でございますが、大阪商工会議所と東京商工会議所の合同の懇談会におきまして、そういう話が出て、それが終わりましての新聞記者会見において、そういった構想を打ち出したということは、新聞紙上で承知いたしております。それで実は、これはどういうものであるかということで、われわれのほうも聞き合わせてみたわけでありますが、まだペーパーになっておらないようであります。いわんや要望書の形で政府に出すという段階には至ってないようでございます。現在これから専門委員会をつくりまして検討しようかという段取りかと存じます。  したがいまして、その具体的な内容につきましては関知し得ないわけでございますが、一応の概念論といたしまして、この公害公債というものが、いわゆる目的公債だと観念いたしますれば、われわれ財政当局といたしましては否定的に考えざるを得ないかと存じます。と申しますのは、目的公債というのは、特定の行政目的に一定の財源を先取りしてしまうというようなかっこうに相なるわけでございまして、税をも含めまして公債財源全部を含めての財源の総合的な効率的な使用を妨げるおそれがある。こういう観点から、われわれは、目的公債というものに対しては否定的でございます。  それから、さらに実施の段階を考えましても、一方に建設国債があり、一方にまた特殊の公害公債といったようなものが出てまいりますと、やはり資金面において競合をいたす、これはお互いに足を引っぱるというようなことになりまして、その面からも実効がなかなか期せられないという面も心配をするわけでございまして、公害公債の発行につきましては否定的に考えております。  財源、財政全般の面から、現段階において公害対策について一体何をまつ先に考えるべきか、こういうことに相なるかと存じますけれども、この点につきましては、もうすでに先生御案内のとおりで、公害対策基本法において、費用負担の原則、範囲等を早くきめろ、こういうことに相なっておるわけでございますが、これが現在に至ってまだ成案を得てないというのは御案内のとおりでございます。これが第一に検討すべき事項かと存じます。と申しましても、政府といたしましては、企業負担をはっきりさせればあとは知らぬ、こういうことではもちろんございませんので、公害問題の重要性というものは十分に認識いたしまして来年度予算編成には取り組んでまいりたいと存じます。

寒川喜一民社党

○寒川委員 最後に、警察庁にお尋ねをいたしたいのですが、自動車の排気ガス中の有害物質の排除規制、特に高濃度の汚染地区の交通規制等に関して、先般指導通牒をお出しになられて、基準のパーセンテージの問題をめぐっていろいろと関係者の批判が出ておるようでございまするが、実態はどういう内容になっておるのか、まずお聞かせをいただきたいと思います。

久保卓也警察庁交通局長

○久保説明員 新聞で御承知のとおりだと思いますが、実態は、現在の運輸省の保安基準によりますと五・五%以上、これは車のアイドリングのときの状態においてそれ以下に押えるようにという基準があります。ところで運輸省の保安基準というものは、それに違反したからといってすぐに罰則がつくわけではありません。しかし、警察が取り締まりをやる場合には罰則が適用されるわけでありますが、現在の道交法の六十三条の二というものによりますとばい煙等の発散防止装置が調整されていないために著しく他人に迷惑をかけるような運転をしてはならないというふうになっております。したがいまして、私どものいまの法律の読み方は、装置が調整されていないということが保安基準を越えていることであるというふうに解釈しておりますが、さらに「他人に著しい迷惑を及ぼす」ということばがそれにつけ加わっております。そういう場合に運転してはならないので、運転した場合に罰則が三万円以下というふうになっております。  そこで、私どもの取り締まりの態度として、まず罰則のついていない場合とついている場合で区別しなければならないという考え方が一つあります。それともう一つは、現在の運転者は自分の車が一酸化炭素を基準以上に出しているかどうかということを全然知らない。つまり、言うならば、故意がない、違法の意識なくして運転をしているわけであります。しかも、実際の取り締まりの例から見ますと、半数近くのものが五・五%をこえている現状である。おまけに、現在整備工場が全国で五万八千カ所ありますが、その中で持っているCOの検査器材は一万六千台ないし二万台というふうにいわれております。そこで、気がついた人が直そうと思ってもなかなか直せない。また千万台にも及ぶ車を一ぺんに直せるものでもない。そういったような状況を考えた場合にまずわれわれのなすべきことは、多くの車がCOを減らすことである。そのためには私ども警察は、陸運事務所あるいは自動車整備振興会といった民間の団体と協力をして、一々街頭で点検をして、あなたのはCO五・五%こえていますから早く直しなさい、あるいは簡単なものはそこで直してしまう。キャブレーターを調整すると簡単なものはそこで直るそうでありますから、まずそういった指導なり警告なりを先に出す。しかし、どうしても非常に悪いようなもの、たとえばそれを私どもは一応九%として押えたわけですけれども、そういったものへは整備通告書というものをこれは法律に基づいて出して、それで強制的に直させるということが今日の状況では適当なのではなかろうか。しかも、整備通告書というのは、あとで直した場合に、陸運事務所なり警察署なりに行って見てもらうわけでありますけれども、警察署ではまだそれを持っておらないような状況であります。これは現在予備費で要求しておりますけれども、そういうような状況であるから、罰則を伴うような法律的な措置は九%ぐらいで今日のところは適当ではないか。この秋くらいになって運輸省の指導によって相当に自動車のCOの基準が押えられ、また整備工場の体制、警察署の体制が整った場合には、九%をもっと下げていくように持っていくべきではないかというふうに考えた次第でございます。

寒川喜一民社党

○寒川委員 その点、いろいろと批判の出ておるところだと私も思いますが、パーセンテージの問題もさることながら、警察としてはこの種の仕事は私はおそらく初めてのタイプだと思います。そういった面で、人権無視というようなものが伴わないような十全の配慮を特に要望をいたしておきます。  もう一つ、忘れておりましたが、厚生省にお尋ねをしたいのです。もう時間がだいぶん過ぎておりますので、結論だけおっしゃっていただきたいと思います。  御案内のように粉じん、窒素酸化物等の環境基準の決定ということが具体的に日程にのぼっておりながら、私の承知する範囲内においては実現を見ておらないのを残念に思いますが、このことについて、作業過程なり早期に決定を見るのかどうか、お答えをいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本説明員 環境基準については、御承知のとおり硫黄酸化物、一酸化炭素あるいは水質等はすでに決定をいたしました。現在、粉じんと騒音について作業が進行中でありまして、これは本年度中に設定を見る予定であります。同時に、明年度としては、窒素酸化物あるいは炭化水素、オキシダントといわれるいわゆる強酸化物、こうしたものの環境基準を設定したいと考えておりますけれども、これらのものはむしろいますでに非常に大きな問題になっております。そこで明年度は、確かに環境基準の設定には踏み切りますけれども、それ以前の問題として、暫定基準を早急に設定いたしたいということで、この作業も現在進行中であります。

寒川喜一民社党

○寒川委員 お願いをいたしておきたいことは、いろいろお立場もあり、研究過程の問題もございましょう。しかしながら、一般国民から見て抜けておるというか、真剣に取り組んでおらないというような印象のないように、ひとつ早期に、実現されるように努力をしていただきますことを要望して、質問を終わります。ありがとうございました。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 午後三時まで休憩いたします。    午後二時十六分休憩      ————◇—————    午後三時二十二分開議

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。川俣健二郎君。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 午後はちょうど担当大臣の長官がお見えになっておりますが、質問に入る前に、長官の時間をちょっと伺って、おられる間に一言あいさつなり抱負なり聞かしてもらおうと思うのですが、その辺はいかかですか。時間は何時ごろまでなんですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 五十分までおります。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 きのうあたりの参議院の公害委員会を聞いておりますと、わが社会党が代表して、参議院の占部委員長が政府当局の姿勢をただしたわけです。アドバルーンは上げたやに思われる長官を長として中央公害対策本部、これに対して長官のごあいさつを伺いますと、公害に対して政治は何をなし得るか、ご期待請う、お見せいたしましょう、よろしくお引き回しのほどというごあいさつはさておきまして、各省の担当長官方は、各党の追及も含めた質問に対しては、法に従って手は打っておるのだが、こう一様にお答えになっておるようです。ところが、中央対策本部というものが発足して世に宣明したとはいうものの、私はアドバルーン、これは上げるべきだと思うのですが、それだけで終わってしまうのではないか。ということは、予算をどのようにつけるのか。予備費がはたしてあるのかどうか。長官は北は北方領土から、南は沖繩問題まで取り組まれ、エネルギッシュで非常に有能な方ですから、この国土全体を騒がしておる公害にも取っ組もう、こういう姿勢に対しては私は敬意を表するのです。私は鉱山会社で育てられました一組合幹部であるだけに、鉱山会社というのは公害の元祖であります。足尾銅山が始まったのは一八八〇年ですから約一世紀前、いまようやく、やっと人命尊重ということで北から南からわいわい騒いでおるわけです。ただ、ことばじりを取り上げるわけじゃないですが、たとえばヘドロの問題を追及しますと、紙パルプ工場の操業を停止する気がないか、こう言われれば、それは儀礼的かどうかしりませんが、時間をかけて考えてみよう、こういうことを言われると国民は何らかの期待をする。公式の場でのできもしないそういう発言というものよりは、私たちが期待したいのは姿勢だと思うのです。お互いにわいわい騒いで公害というものはやむものではなく、人がつくるのが公害です。天災じゃございませんから。したがって、人の力で公害は防げるはずだと思うのです。  ただ、私はここでうらやましいのは、ちょうどきのう海の向こうのアメリカさんでは、大統領みずから汗だくになって、やっぱり資本主義という経済体系の中で、経済というものを優先的に取り上げて、人命というものを軽視しておったというきらいがあるという反省の上に立って、具体的に羅列してそれを具体化しておる。いわく下水処理場の自治体に対する補助金四十億ドル、いわく金融機関の設立、いわく違反企業に対して罰金一日一万ドル、いわく無公害自動車の開発、いわく云々。ところが、それに対してこちら日本という国は、こんなに国民にとって大事な問題であり一時も猶予を許せない——と私は思っております。決して山中長官役者が不足だとか力がないとかという意味ではなくて、やっぱりこういう問題は、総理大臣はもちろんのこと関係大臣何が忙しいか知りませんが、いまの日本において、政治的に公害問題を上回る右翼に立つたいへんな問題はないのじゃないかというような感じを持つ一人であります。したがいまして、きょうも自民党さんは、代議士は三百人とられたかしりませんが、委員は一人である。きのうも委員は一人。いやはやまあ全く日本の政治というのはつくづくいやになってましいましたという感じの上に立って公害対策委員会というのは開かれておる。これは長官、参議院に対してもごあいさつを含めた抱負があったようですが、きょうせっかくお見えになっておりますので、公害に対して具体的にどのような姿勢があるのかということをお示し願えれば幸いだと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 御質問の趣旨は、どのようなことをお答えすればいいのかちょっと戸惑うのでありますが、冒頭に委員長の要請によりまして私、公害担当大臣としての決意は御披瀝申し上げた次第でございます。それ以外の個々の問題については、与野党の委員の御質問に対してそれぞれお答えを申し上げているところでありますが、どういうお答えをすればよろしいのでございましょうか。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 そうしますと、冒頭午前中にごあいさつされたあれ以上のものはないかということを、しつこいようですがだめ押しをさせていただきたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 たとえばいまアメリカの例を引かれましたけれども、アメリカのあの広漠たる荒野を含む——明らかにニクソン大統領の勧告の中には、荒れ野と書いた荒野まで入っている土地政策まで広く底辺を意識に持った勧告をしております。これら立地条件のアメリカに比べて非常に平地の少ない日本として、もっとやはり深く掘り下げて考えなければならぬ問題だと思いますし、また企業に対する姿勢のきびしさ、こういうものも私たちはいい意味の国際競争という意味に受け取って、われわれもアメリカにおくれてはならぬというふうにも考えます。またイギリスが、新聞でありますけれども、対策本部の出発にあたって、ややこれをやゆいたしまして、総理大臣がすわっておれば、その機構が直ちに公害に効果を発揮するものではないのだというような批判もしておりました。このことは、批判は批判として、私はイギリスもやはりスモッグのことばが生まれた原因となりました五千名をこえる死者を出したロンドンのあの騒ぎのときにおいて、空気清浄法というものをつくりました。そして国が四〇、ロンドン市が三〇、一般の個々の家庭が三〇ずつの分担区分にしまして空気清浄というものに取り組んで一応成功したものの、その他の浮遊粉じん以外の、現在公害論争されております問題については、自動車その他についてなおまだイギリスというものも解決していないし、テームズ川も依然としてやはり汚濁の度を増しておる。それらの現状を考えて、日本がひょっとしたならば何かつくるのではないか、あるいはつくった中で何か自分たちの参考になるものを生み出すのではないかという意味の期待感も持って批判をしておるものではなかろうかというふうにも受け取りました。ということは、この問題で世界各国で資本主義、社会主義体制の国のいかんを問わず、大量生産の手段というものが経済の過程の一つに登場いたしましてから、ソ連のバイカル湖の例をとるまでもなく、カスピ海等を含めましてやはり大きな社会問題となっておる現状を思いますときに、全人類的な立場において、あるいは地球人的な意識において、それぞれの国がそれぞれの国民に何をなし得るかということをみんな問われているのだ。その意味では私たち日本はおくれをとってはならぬ。日本がやったことが、諸外国が日本が公害退治の先進国であるという意識を持つまでの努力を私たちがやってできないことはないのじゃないか。そのための衆知を集めるのに、日本人の能力もあるいは機構も、決して劣っているとは考えない。であれば、それらのものを至上の目標として、公害基本法もやはり哲学的な、あるいは憲法の条章を受けた憲章的な、恒久的な論争にたえ得る、あるいは国際的な議論にもたえ得るようなものにしたらどうだろうかというような考え方を持って、いま決意をもって進んでおるわけでございます。私たちはおくれをとってはならない。あるいは全地球的な規模において先端を切って進まなければならぬ。いまではこのままでいくと、アメリカの姿勢あたりが日本をどうやら追い越しそうである。個々の問題においては、騒音規制等日本におくれている点があるとしましても、全体を流れる数多くの提言の具体的な内容を見ますときに、私たちはいずれの国であれ、よきことはよきこととして学ばなければならぬということを考えておりますので、私としても他国におくれをとらないように十分に努力を進めていく決意でおるわけでございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 ありがとうございました。私はこの委員会で初めてあえて発言の機会をいただきましたのは、先ほどもちょっと触れさせていただきましたが、公害の元祖といっては当たらないかもしれませんが、鉱山公害でございます。これが一世紀前から出ておる。それできょうは鉱山保安局の担当されておる問題を中心に具体的に質問させていただきたいと思います。  その前に局長に伺いたいのは、公害保安局というのはこの間できたばかりで、その前は鉱山保安局でした。鉱山と保安というのは結びつくものでして、タコ部屋生活、その他坑内における働く者の保安を重点に置いた——鉱山と保安というのは一つの熟語だった。単語だった。ところが、それが過日の国会で公害保安局に改めるということに修正されました。そこで私たちは、そこで働く従業員の保安ばかりではなくて、鉱山の場合は水と石と煙という住民に害を流すものを出す仕事であるだけに、公害保安局という歴史的な名前に改称する段階であるということで、わが社会党はもろ手をあげて賛成をいたしました。  そこで、具体的に質問に入る前に局長に伺いたいのは、それじゃ一体、就任された際、新聞には時の人で荘初代公害保安局長ということで抱負を聞かしてもらいましたが、ここでひとつ公の場で、どういう取り組みのしかたをしようとするのか、抱負といいますか、方針といいますか、かわりばえといいますか、そしておつきになってまだ間もないとはいうものの、どういう感じをお受けになっておるのか、その辺をお聞かせ願いたいと思います。

荘清通商産業省公害保安局長

○荘説明員 通産省で公害保安局を新設いたしましたのは、実は通産省全体で昨年一年十分な議論を尽くして、これからのわが国の経済の発展、ひいては国民の福祉の向上をはかるというためには、従来の単なる経済成長路線だけでなくて、やはり国民の真の意味の福祉の向上ということを重視して通産省の所管でありますところの産業政策も当然進めなければならない。こういう省をあげての一致した判断に基づいてつくられた新しい局でございます。  私、初代の局長を拝命いたしまして日が浅うございますが、よくいわれますように、国民の福祉の向上のためには当然のことでございますが、国民の生命の尊重、健康の尊重ということはこれはもう第一義的な問題でございます。そういう点からいま非常に問題になっております公害問題につきましても、通産省としては多くの工場、事業場等も所管いたしておりますし、またそれの公害防除のための積極的な施策の面でも、通産省として、政府内部において万全を期すべき点が多々あろうかと思います。そういう見地に立ちまして、微力ながら今後懸命に勉強いたしまして、少しでも御期待に沿い得るよう努力を積極的にいたしたい、こう考えております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 鉱業の実施に伴って他人に与える損害の総称、これが鉱山公害と定義づけております。ところがあまり世に知られておらないのは、鉱業法には何条でしたか、百九条でしたか、無過失賠償責任、これはすでに戦前の昭和十五年、成文化されております。最も重い責任が鉱業法にうたわれておる。現在は鉱山関係と原子力関係にあるやに私は伺っております。損害の原因というのは、先ほども触れましたが、水とズリと煙。ズリというのは鉱山用語ですけれども、廃石。有名な、さっき話しました足尾銅山の鉱毒事件以来、局長お考えになって、特に終戦後、はたして無過失賠償責任ということからしても少しは鉱害問題というのは進展しておるだろうか、それとも、むしろ終戦後は放任されていっているんだろうか、その辺は局長はどのようにお考えですか。

荘清通商産業省公害保安局長

○荘説明員 鉱害の問題は、戦前からの大きな問題であったようでございますが、戦後は特に非鉄金属関係は生産復興の主要な物資である。その後、経済の発展に伴いまして、銅その他非鉄金属はわが国でも資源に恵まれていないということで輸入、開発等も盛んに行なわれるごとく、国内資源の開発には特に開発重点の政策というものが、ある時期、結果としてはやむを得ずとられたことがあったことを否定できないのではないか、かように実は考えております。ただ、その当時あまり意識のございませんでした重金属によります汚染の問題というふうなものが、今日は全国的に非常に大きな問題になり、社会的にも不安を招いておる、こういう状況を考えます場合に、特に全国鉱山の数も非常に多うございますけれども、これらに対しましては、従来も徐々に監督指導を強めてはまいりましたが、近年、特にそちらのほうに通産省としても格段の努力を傾注しつつあるわけでございますけれども、鉱山と申しましても、廃山、休山とか、こういうものもまた多数あるわけでございます。正直に反省いたしまして、これら全体に対しましての鉱害防止の政策というものは、まだ現時点におきましても決して十分ではなく、今後一そう努力すべき問題が多々あろうかと思います。こういう問題につきましては、今後十分検討いたしまして所要の措置を逐次整備いたしていくということが大切であると考えております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 私もそう思います。特に貿易自由化の波が来るというので、わが社会党は先頭を切って、生産体制、保安操業、保安体制、それからいま言っている鉱害問題、こういったものの施策が相またないで、ただワクをはずして国際舞台の自由化に、荒波に出すということは危険ですよという社会党の警告は、昭和三十六年の貿易自由化に先立ってあった。業界もこれに立ち上がった。ところが、鉱山の鉱害の防止というのは、ほかの公害と違うということは、これは私たちのような弱少の者に言われるまでもなくておわかりだと思うのですが、こう思うのです、一般のやつはふたをするとか、あるいは害のなるようなものを使うなとか、こういうことで防げる。ところが、鉱山の鉱害防止というのは、むしろそれを回収するようにせよということなんです。価値があるものが害になっているわけです。亜鉛しかり、鉛しかり、カドミしかり、銅しかりであります。  ところが、その数あるものを回収するというところに問題がある。公害保安局というのは通産省にあるわけでしょう。こういう場でお話しするのもどうかと思うのですが、秋田のある小さな鉱山の鉱山長が鉱害問題で騒がれて自殺をなされた。これは決してその鉱山をいじめておるとは言わないまでも、単に摘発する、監督するというような姿勢が当局にそれだけあるんだったら、企業のほうはひた隠しにあらを隠そう、見つからないようにしよう。こういう監督のしかたは行政上もう時代が終わったような気がするのです。鉱山公害というのは数あるものをそのまま放流するから害になるということなんで、やっぱり国家の立場で、国際的な立場で、あるいは全人類のためにそれを回収するようにしむけていくというところに——私は、幼稚な話でありますが、あえてこういうことを言うのは、鉱山公害は一般と違うところは、回収するようにしむけるんだという施策が相またなければだめじゃないかということなんです。この防止策というか、私の考え方を局長どう思われますか。

荘清通商産業省公害保安局長

○荘説明員 鉱山関係の問題に関しまして、川俣先生は私どもの大先輩でおられまして、私などからどう思うかという御下問に対して申し上げるのははなはだ失礼かと思いますけれども、御指摘のとおり、全くそうであろうと考えております。これは古くは銅の製錬に関しまして、その鉱害を防止するために硫酸を回収するという世界的な技術が開発されまして、それによって銅の採掘の経済性も向上し、銅の採掘も進むとともに、硫酸を使う産業というものが大きく発展することになったということは有名な事実でございます。その他鉱山関係につきましても、それぞれ貴重な金属をたくさんに含んだ鉱石を処理しておる産業でございますから、鉱害の防止の見地はもちろん、企業経営の合理化あるいは乏しい資源の最大限の活用という見地からも、先生御指摘のような理念を持って、今後通産省としてもいろいろ施策を考えてまいるということはぜひやってまいりたい、かように考えております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 ところが、それは党派を越えて政府が中心になり指導するにしても、あるいは企業にやらせるにしても、非常に費用がかかるものです。設備費がばく大にかかるものだと私は思います。  公害防止事業団理事長、私は呼んでおりませんからおられませんでしょうが、公害防止事業団というのが四十年ですか、これはきわめてワク的に狭い地域が指定されておるといいますか、そういう関係で、いま私これから言おうとする中小鉱山ではおよそかからない問題です。たとえば坑廃水の問題一つを取り上げましても、シックナー、沈でん池、炭カル投入設備が五百万から二千万くらい軽くかかるわけです、一つの設備に。中小企業金融公庫の戸をたたく。ところが、このワクや、総額的にも個々別な貸し金総額でも非常に窮屈なものです。まして中小企業というワクですから、その鉱山というのは大体千人前後、五、六百人以上、それで中小企業金融公庫の門をたたいてもそれは開かない。  局長、この辺でどうですか。ひとつ初仕事だと思うのですが、鉱山公害の事業団というものをつくるというような構想がもしおありになればお示し願いたいと思います。

荘清通商産業省公害保安局長

○荘説明員 中小鉱山等に対しまする現在の政府関係金融機関の融資の問題でございますけれども、全体としての資金量は鉱山に限らずすべての業種、特に中小企業の公害関係は今後相当資金が必要だろうと思いますので、通産省といたしましても財政投融資その他でこのワクを大幅に拡大すべきであると考えております。鉱山は、御指摘のとおり、山間僻地にあるものが多うございますので、現在の公害防止事業団の指定水域にあるものに融資をするという一般的なたてまえに直ちに乗らないものがございますけれども、今後重金属等につきましては、全国一律の規制に、制度改正で、いま内閣の対策本部を中心に着々検討が進んでおりますので、そういう規制体制の前進と並行いたしまして、こういう鉱害防止施設に対する政府の助成面の施策という面も、当然それに伴いまして拡充強化の方向で検討すべき問題であろう、こういうふうに考えております。  なお、さらに一歩を進めまして、鉱害防止のための一つの総合的な新しい政府機関の新設問題についてただいま御指摘がございましたが、現在のところ、通産省といたしましては、政府関係金融機関それぞれの持ち味を生かしました資金源の拡充に努力いたしますと同時に、とりあえず廃止鉱山等で、鉱業権者もすでにいなくなっているというふうなものに対して、いま全く無政策になっておりまするものにつきましての予算上の新規の措置等は考えておりますが、事業団の問題につきましては直ちにまた新設するかどうか、そういう点につきましては結論を得ていない状態でございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 一方こういうように鉱害が——明治時代から積んでおったズリが雨に流れてカドミ、イタイイタイ病、自分たちでひとつ賠償する、責任をもって貯金しておったらどうかという意見もある。ところが鉱害賠償の積み立て金制度というのは法律としてはあると思うのですけれども、局長どうですか。

荘清通商産業省公害保安局長

○荘説明員 御指摘のとおり、鉱業法の第百十七条であったと思いますが、そういう場合のために備えての事前の積み立て金に関する規定が現にございます。非鉄金属関係につきましては、従来この規定に基づく措置が全然行なわれておらなかったような次第でございますが、通産省といたしましては、こういう特に重金属関係の鉱害が多発し、しかも、それが全国的な現象になってきているという実情にかんがみまして、この規定に基づく何らかの積み立て金の実施にそろそろ踏み切るべきじゃないか、政府も予算措置を別途講ずる面があると同時に、産業界みずからにも必要な面について何らかの積み立て制度の実施が必要になってきておるのじゃないか、こういう見地でいま検討に入っておるような状態でございます。今後関係の産業界等の意見も聞きまして、その実施に関しまして具体的な結論を得るようにつとめてまいりたいと考えております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 さらに伺おうと思いましたが、たいがい話していただきました。そういう制度があり、法律があり、義務づけられておるのに、一切死文のままたなざらしになっておる、さあ企業が払いたくても金がない、貯金はしてなかった、こういったところのきめこまかい——私は、わいわい騒いでばかりいても公害がおさまらないというのは、そういうきめのこまかい指導というか、力を持ったところの行政指導が必要じゃないかという、一つのサンプルで申し上げましたが、ひとつこの点は、局長、進めていくべきだと私は思います。  そこでさらに、休廃止鉱山という問題が非常にこれから問題になると思います。むしろそういう問題を取り上げるすべを知ってきた、地域の住民がそういうことを追及するすべを知ってきた、医学が進歩して、なぜああいう奇病の原因になっておったか、イタイイタイ病はじめいろいろな病名がはっきりしてきた、分析技術もはっきりしてきた、したがって、休廃止鉱山という問題がかなりこれから出てくると思います。日本の鉱山というのは、徳川幕府の金主というかドル箱、これが民間に払い下げられて日本の資本主義のもとになった、六大財閥の基礎となったわけでしょう。ところが鉱業法というのは早くも明治三十八年で、昭和十五年に大改正があって、さっき言った賠償という問題が定義づけられた。ところが責任の所在はどこにあるかという問題と、休廃止してしまった鉱山との関係があると思うのです。いわく秋田県の日三市鉱山、いわく大巻鉱山等々、各県に散らばっておると思います。数えるところによると、全国に現在稼行しておる鉱山が二千何がし、休廃止、ほったらかしにしているのが千何がしあります。三千何がしの鉱山というものが点在しておるわけです。  そこで問題は、責任の所在というところから申し上げますけれども、一体どこに責任があるだろうかというところに方々で騒がれておる問題が出てきておるわけです。一体だれなんだろうか、払い下げられて、一番先に掘った民間会社が責任があるのだろうか、それともその後継承しておった者が責任があるのだろうか。ところが払い下げてから、むしろ払い下げする前にやっておったのが死亡してしまったり、不明になっておったりした場合はどこに責任があるだろう。一番の悪い例を申し上げますと、ずっと払い下げを受けて稼行しておった、掘り尽くしてしまったのでやめた。それから十年、二十年くらいたって、新しい者が行って、また新技術で深いところを掘ってみたらあった、また稼行しておる。ところがいまのイタイイタイ病、カドミその他の堆積は、明治以来からの何万トンという山積みになったものから流れるのが多いわけです。これの責任は一体局長どこにあるという見解をお持ちですか。

荘清通商産業省公害保安局長

○荘説明員 古い古い鉱山で、明治時代に捨てられた廃滓あるいは鉱滓というものに、現在水が浸透いたしまして、いろいろ公害の原因になっておるという現象が相当あると考えておりますが、そういう場合に、その当時の鉱業権者、これは多くの場合株式会社の形をとっておると思いますが、それが鉱業権を他に譲渡し、あるいは一度やめた上で新規の人がしばらくしてから鉱業権を設定した、こういうふうな場合において、初めの鉱業権者がすでに法律上不存在になっております場合には、これは法律上も過去の鉱業権者に対しての責任の追及の方法というのは全然ないわけでございます。ただ、現実に今日鉱業権者になってその鉱山を経営しておる者が、それではその全額に対して一体責任があるかどうかということになりますと、現在の鉱業権者が原因者であるとみなされる範囲内におきまして、当然法律上も責任は現在の鉱業権者に帰属するわけでございますけれども、その前のものについてまで、直ちに全体をその者の責任であるときめつけることは法律上もできない議論ではないか、こういうふうに考えております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 スピードアップしますから、いま少し時間をいただきます。  稼働しておる鉱山が二千二百、ほったらかされておる鉱山が千何がし、これに対して行政指導、監督するというても、この三千何がしに対する監督官というのはどういう人員比率になっておりますか。

荘清通商産業省公害保安局長

○荘説明員 現在全国に設けております鉱山保安監督部全体の定員が約四百数十名でございまして、そのうち鉱務監督官といわれる専門の職員が約三百五名でございます。これが石炭関係を含めた全体の鉱山、製練所の監督、指導をやっておる状態でございます。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 そうしますと、金属鉱山一つ取り上げましても、一人で三十鉱山を見て歩くということなんです。そこで、担当大臣はおられなくなりましたが、アドバルーンだけではないかと思うのはそこなんです。できもしないことをやろうといって、山中長官は看板はつくったかもしらぬけれども、体制はないじゃないですか。それでは局長は何か具体的にこれから人員をふやそうとするか、またいま予算期でもあるだろうし、そういった具体的な数字を示していただきたいと思います。  あわせてもう一つの質問は、監督する人員の頭数だけふえてもあれだし、これは機械だと思います。なぜ機械というものをこの機会に取り上げようとするかといいますと、何か各党がそれぞれまちまちに公害問題というのを取り上げている。党利党略か知りませんが、もう少し科学的に——あの先生とこの先生は十対一くらいのPPMの差が出た、こういうことで秋田県あたりじゃ騒いでおる。岡山の小林先生に分析していただいたものと、秋田県が調べたものと十対一だ。民間のお医者さんが調べたらこれはたいへんな重金属障害だ、県が行ってみたら異状なし、こういうことなんです。  さらに日三市鉱山の場合、秋田の場合なんですが、いまPPMのある程度高いところは、基準以下でもその流域にできた米は配給ルートに乗せない、買い上げない。私が勘ぐるばかりではなくて、どうやら生産過剰から来る押え方ではなかろうかという勘ぐり方もしたくなる。その辺の住民は心配でしようがないわけですよ。これはもう鉱山病どころじゃない。鉱山はつぶれてほったらかしにされておる。今度は米が害になるといううわさで、米を買ってもらえない。イタイイタイ病じゃなく、イタクナイイタクナイ、こう言っているのです。イタイイタイと言ったら米も買ってもらえなくなるから、イタクナイイタクナイということで、これは笑い話ではない。こういうような現象であるということなのです。  したがって、そういうきちっと統一した機関、これは国ですよ。国がもしできないとすれば、比較的鉱山数の多い県に大幅に権限を委譲してやるなりという姿勢が私は必要じゃないかという考え方から、さらにもう一つ結論的に言いますと、先ほどの機械設備です。いわゆる原子力を利用した吸光分析器、これがいま幾つあるのですか。こういうような状態ではたしてこれからどのくらいこれをそろえようとするのか。さらにさっき言った人員の問題、機構の問題、私はアドバルーンということを言ったが、もしそういう体制が鉱山公害というものだけにでも確立されておるとすれば、私の失言みたいなことで取り下げますけれども、そういうものは何もなくて、看板だけ、本部をつくった、さあやりましょうということでは、私は何時間たってもこの質問を続けていきたいと思います。

荘清通商産業省公害保安局長

○荘説明員 御指摘のございました鉱務監督官の陣容は、これから積極的に公害防止のための保安行政を展開していく上では、確かに手薄であると考えております。具体的な数字はまだ検討の段階でございますけれども、なかなか定員の増加というのはむずかしいようではございますが、通産本省においても鉱山保安行政の重要性ということは非常にお認めいただいておりますので、私としては極力多数増員を実現していただきたい、こういう見地でいま予算案を検討いたしております。  なお、この場合に、御指摘のありましたような分析関係の仕事の重要性にかんがみまして、機器の整備の面はもちろんでございますが、実際の実務を担当する分析要員の定員の増につきましても現在検討いたしております。

川俣健二郎日本社会党

○川俣委員 結論を急ぎますけれども、いま予算期です。それで、私は国会に初めて出てきた、このとおり一年生議員です。予算国会が春行なわれます。佐藤総理は、間違って言われたと思うのですけれども、議院内閣制をとっておるから、与党の自民党が審議した予算だから、野党に修正される余地がないじゃないかというニュアンスのことを本会議で発言される世の中なんだ。ある意味においては政党政治も終わりだと思います。ですから私は、委員長を通して提案しておきますけれども、やはり予算期に、こういったものを具体的に並べられるいま時期なんですから、そういう姿勢がないこと、私はこの公害対策というものに取り組む姿勢というものを非常に残念に思いながら、きょうの質問を終わりたいと思います。ただ、鉱山公害の場合は、これは第一編でございますから、さらに第二、第三というように、委員長を通じて質問の時間をいただいてお伺いをさせていただきたいと思いますから、局長よろしくお願いします。ありがとうございました。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 川俣君に申し上げます。  御質問の希望があれば、予定の人員が終わったところで何時間でも差し上げますから、ごゆっくりやっていただきます。  次は佐藤観樹君。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 先月に引き続きまして、木曽川の水質環境基準についてお伺いしたいと思います。  新聞によりますと、先月十七日に水質審議会で木曽川の水質環境基準がきまったと聞いておりますが、どのようにきまったのか、お答え願いたいと思います。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川説明員 木曽川の環境基準につきましては、水質審議会の中に設けられました環境基準部会におきまして、いま先生おっしゃいました七月十七日、一応部会の審議を終わったところでございます。  その部会で審議されました類型の当てはめの案は、落合川から上流をAA、落合川から犬山の頭首工までをA類型、犬山頭首工から下流、海までをB類型、この三段階に分けた類型値によりまして、審議会の部会の審議を終わったところでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 私は、先月の委員会で、犬山から馬飼までの間には朝日の取り入れ口という、名古屋市民二百万の大多数が飲んでいる水をそこから取っているので、何とかそこまでAにしなければ今後非常に危険なことになるのではないかということを御質問申し上げたわけですけれども、きょうの西川参事官からのお話では、その部分は相変わらずBということで、非常に遺憾に思っているわけでございます。  それで、なお質問したいわけでございますけれども、問題はやはり、朝日の取り入れ口を含んでいる犬山から馬飼の間をどのようにきめるかということになると思うのです。その基礎となっております、経済企画庁では、朝日の取り入れ口の水質を、現在どのような水になっているか、つまり類型別でいえば、どのような水になっているかということを基礎にして、現在の審議会のお話が進められているのか、その点をお伺いしたいと思います。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川説明員 この水道の原水の基準につきましては、先生も御承知かと思いますが、B類型、代表的な指標のBODで申しますと三PPMでございますが、三PPMまでは水道の原水として十分である、こういうことにきまっております。B類型と指定されましたことが、水道の水が危険であるということは大きな誤解であろうかと存じます。  念のために御説明申し上げますと、今回の環境基準におきましては、水道一級、二級、三級というような、水道の施設の度合いその他を勘案いたしまして、三段階の一級、二級、三級というのを一応設けたわけでございますけれども、この環境基準がきまります前の水道の原水基準といたしましては、BOD三PPMというものしかございませんでした。今回は簡易水道その他のことも勘案いたしまして三段階設けたわけでございますけれども、B類型にあてはまったことが水道の原水としてはあぶないということは全然ないわけでございます。私たちといたしましては、一応現状というものを考え、それから将来これが維持されるかどうかということの両方を勘案いたしまして、類型の当てはめの素案をつくっているわけでございますが、現状におきましては、朝日の取水口の地点におきます類型値はA類型ではございません。二PPMをオーバーいたしております。これは水道のほうにおきましては二PPMちょっとこしている程度、二PPM前後というようなデータを出しているようでございますが、環境基準値の基礎となります数値は、これはあくまでも低水量を基準といたしております。現在水道のほうでいろいろなデータを出しておりますのは、これは平水量でやっております。平均流量でやっております。そのようなことから、平水量と低水量とでデータがやや変わってまいります。私たちのほうでは、この環境基準の生活環境にかかわります項目の基礎となる流量は低水量とはっきり規定いたしております。現状におきましてはすでにA類型にはない。ですから私たちといたしましては、B類型と指定したことによりまして、現状よりも悪くするということは決して考えておらないわけでございます。木曽川の場合につきましては、犬山頭首工から下につきましては現在の水質を維持しよう、これは今後の見通しとしては相当な施策を入れなければいけないわけでございますけれども、それを維持しようという観点に重点を置いているわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 ちょっと私の説明が悪かったかもしれませんけれども、水道の水がBであるということは、これは最低でございますけれども、これが低水量になればさらにCになってしまうという可能性もあるわけで、現在の基準ではBでもかまわないということは私も存じておるわけでございます。  問題は、朝日の取り入れ口が、私の得たデータでは——これは名古屋の水道局のデータでございます。いまお聞きしたところではこれは低水量でおたくさんが調べておる、平水量ではないと言われますけれども、私がここに持っておりますデータというのは、四十四年の四月からことしの七月、先月まで及び先月の十日に調べたものがあるわけです。それによりますと、大腸菌分はちょっと多いのでございますけれども、水素イオン濃度を見ても七・二というのでAでございます。それから溶存酸素量を見ても八・四、八・四といえばAAでございます。それからBODをとってみても〇・九、これもAAという次第になっておるわけです。これは何も七月ばかりではなくて、また低水量と言われますけれども、七月の場合には低水量ということは考えられないと思うのです。ことしの場合はたいして渇水期でもないし、たいして日照りになったわけでもないですから。また長期的に見ましても、朝日の取り入れ口は、たとえばPHを見てもあるいはBODを見てもことしに関する限りはAない、AAという数字を、私は名古屋の水道局から資料を取り寄せておるわけでございます。  そういうことになりますと、いまのデータの取り方が違うということになるのか、あるいは私がこのように得たデータというのは現在朝日の取り入れ口がAであって、そうして今度きめられた基準がBということになると、現状よりも下げるということになるのではないかということを疑問に思うわけです。  まず、お聞きしたいのは、それはどこでどういうふうに調べられたデータなのか、水量はどこで調べられたものなのかお聞きしたいと思います。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川説明員 いま先生がおっしゃいましたように、現在は水は豊富でございます。豊富でございますから、データは非常によく出てくるわけでございます。低水量になりまして、水が少なくなりますと、現在の一・幾らというような数値が悪くなりまして、二をこす。現在私たちが持っておりますデータでは大体二・四、低水量にいたしますと、二・四くらいですから、BODの類型値で申します三PPMまではまいっておりません。しかし、B類型と申しますれば三以下ということでございまして、二から三の間に入っておるわけでございます。私たちといたしましては現在の二・四程度の水質というのは絶対確保して、これ以上よごれないようにいたしたいというふうに考えておるわけでございます。   〔委員長退席、渡辺(栄)委員長代理着席〕 それから先ほどおっしゃいました低水量を基準としておりますから、これは低水量以下のときには三PPMをオーバーするということがあるのではないか、この問題はいわゆる環境基準をきめますときに何を基準にするかということで関係省の間で議論したところであります。その結果、結論が低水量基準ということになっておるわけでございます。ですから低水量を基準といたしますことは、すなわち四分の一の確率でこれをオーバーすることもあり得るということは前提にしておるわけでございます。四分の一の確率でオーバーすると、その確率でオーバーしたところが絶対に不適なのだということではないわけでございます。それからそのときには浄水場において管理をいたしまして給水基準、いわゆるじゃ口から出ます水につきましては、AであろうとBであろうと、類型値のもとになる原水がどうであろうと、完全に水道の給水のじゃ口の基準を守るように、それは浄水場の能力として管理するわけでございます。その観点から原水の自然状況によりましてまず原水のアローアブルというものを考えまして、低水量としての三PPMというものがきまっている、このように御理解になっていただきたいと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 もう一度お伺いしたいのですが、問題は資料のとり方だと思うのですけれども、おたくさまの場合には、直接経済企画庁の出先機関が調べているということでございますか。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川説明員 私どもは、経済企画庁といたしましては出先機関は持っておりませんで、データにつきましては県に委託しております。アフターケアのデータその他を活用さしていただいております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 いま西川参事官からお話しございましたけれども、いま、現状Bである、つまりBODでいくと三PPM以下になっているという御説明でございますけれども、これを今度法律としてひとつBにきめるということになりますと、たとえば現在が三以下、つまりたとえば二・八であっても、二・九になってもいい、こういう可能性が含まれてくると思うのです。ですから問題は、この前も西川参事官から御答弁いただきましたように、ここで水質環境基準をきめるというのはあくまで行政の努力目標である、これは私もそのとおりだと思うのです。そしてまたこの前も申し上げましたけれども、閣議では少なくとも現状よりも悪くさせないようにするというのがこの水質の基準をきめる目的だと思うのです。そういうことになってきますと、現状がBであるからだからBできめてもいいんだということになると、いま申しましたように三PPM以下といっても、たとえば二・四、二・五の場合には、それが二・八になっても何の法律にもかかわりないという、つまり本来の法律の目的から逆なことになってしまうのじゃないか。少なくともそこまではよごしてもいいんではないかということになっていってしまう。行政の努力目標であるならば、少なくとも私の得たデータでは、Aないしそれを少し下回るようなデータになっている以上、やはりここでは馬飼の頭首工までAというふうにしないと、これは閣議の決定ないしこの前西川参事官からお話のあったような行政の努力目標ということにはならないのじゃないか。逆に、法律をきめることによって、ここまでよごしてもいいのだという逆な結果になってしまいはしないか、このことを非常に心配するわけでございますが、いかがでございましょうか。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川説明員 その現状がこうでございますからその現状でもいいんだというふうな、非常に安易な考え方でこの環境基準の当てはめをやったわけではございません。現状というものを考えます。それからもちろん将来の流域の状況というものも考えます。もしこの環境基準を定めませんで、流域の状況のどんどん変化をこのまま放置いたしましたら現状は維持されない、これははっきりいたしております。当然将来におきましては低水量換算におきましても四ないし五に上がっていくだろうということが、流域の人口の増加状態その他を勘案いたしまして考えられるわけでございます。それらを現状で、現在二・四%、これで押えるにはどうしたらいいかということを勘案してきめているわけでございまして、これに関係する各省もそのようなことを検討いたしまして、最終的に政府といたしまして現状の二・四を確保するように努力しようではないかというのが行政目標になっているわけでございます。   〔渡辺(栄)委員長代理退席、委員長着席〕 いま先生のおっしゃいましたように、一応これは類型値として全体を非常にこまかく分類することはできませんで、六段階というものに分けてございます。ですから、その間に入ります場合においては、「以下」の間に入ってしまうところがあるわけでございますけれども、私たちがこの類型の当てはめをやって各省で検討しております段階におきましては、たとえばB類型でございますから、三以下、三まではよごしていいのだ、C類型になりましたら五PPM、現在四であるところを五までよごしていいのだ、こういう考え方は一つも持っておりません。それは閣議決定の内容にも、少なくとも現状よりも悪くしないこと、これははっきり入っておりますから、よごしていいんだ、このような考え方は持っているわけではございません。また安易に現状どおりということをきめたわけではございません。将来の汚濁の増加、それに対します対策というものを検討いたしまして当てはめ行為の案をつくっているわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 また、いまの類型のことに関しまして、水質環境基準の測定に関しては私はずいぶん矛盾点があるんじゃないかと思うのです。それは、これも同じく本年四月二十一日の閣議できまりました「水質汚濁に係る環境基準について」というものでございますけれども、それの「公共用水域の水質の測定方法等」というものの二項目に、「測定の実施は、人の健康の保護に関する環境基準の関係項目については、公共用水域の水量の如何を問わずに随時、生活環境の保全に関する環境基準の関係項目については、公共用水域が通常の状態(河川にあっては低水量以上の流量がある場合、)」湖沼の場合は略します、「の下にある場合に、それぞれ適宜行なうこととする。」ということになっております。これを少し御説明いただきたいと思います。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川説明員 閣議決定の健康項目に関しましては、公共用水域がいかなる条件のときにあるときも、これが維持されなければならないというふうにきめております。それから生活環境にかかわります項目については、河川の場合につきましては低水量を基準としておるわけでございます。その観点から基準点をきめまして、そこの地点におきまして現在政府が行政目標だといたしました環境基準、これに対しまして現実の状況はどういう状況になっているかという、これを判断いたします場合に、低水量を基準として考えているわけでございますから、低水量以上ということを決定しているわけでございまして、私たちといたしましては実際の指導といたしましては、それならば低水量以下のときには観測しなくてもいいのか、そういうことではございませんで、もちろん低水量以下のときも観測、測定はしなさい、ただし環境基準が維持、達成できているかどうかを判断するのは、低水量以上の流量のときの数値をもって判断してほしい、こういうことで通常の状態というものを入れたわけでございます。低水量以下の場合に測定してはなりません、測定する必要はないということを申してはおりません。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 ここにいまの説明の補足になるかと思うのですが、お宅の米村さんという方が書かれたその説明があるのです。それによりますと、はかる日にちというのは三百六十五日のうちの低水量以上というと、年間二百七十五日だと書いてあるわけです。そうすると、あとの百日、低水位以下のときのあとの百日というのは、私もいまAとかBとか言っているけれども、問題外なわけですね。ということになると、Aだ、Bだ、Aになったからいいんだということをいわれても、年間のうちの百日というものはどうだかわからないということになると思うのです。危険なのは、むしろ御存じのように量が多いときではなくて、低水量以下のときのほうが非常に危険なわけで、先ほどからもたびたび論議がございましたように一番危険なときをやはりとっておかないと、問題は非常にあぶなくなるのじゃないか。どうもAにきまったといっても、普通のときは二百七十五日しかはからないのだ。はかるのはかってだけれども、とにかく対象としているのは低水量以上の年間の二百七十五日しか対象になっていないわけです。そういうことになりますと、ここがAだときめられても、あと残りのときはどうなっているかわからないということは非常にあぶないことじゃないかと思うのです。どうもその辺が大衆をごまかすというと非常に語弊のあることばになるかもしれませんけれども、やはり一番危険な渇水期を最低基準にとって類型をきめないと、どうも大衆をごまかす形になるのじゃないか、そういうふうに感ずるのですが、いかがでしょうか。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川説明員 その点が健康項目と生活環境項目との違いでございまして、結局生活環境項目につきましてきめられました数字というのは、自然の条件におきます流量との相関になるわけでございます。ですからこの流量を甘くいたしまして平水量時点を基準とするということになれば、たとえばB類型は二でいいのかもしれないのです。それから渇水量時点を基準といたしますということになると、B類型は五になるということで、結局いずれにしても自然の確率の流量状態というものを勘案いたしまして、その中でどれかをきめるということになりますと、BODを、水道の三級としていいものを、BODを五ときめるか、三ときめるか二ときめるか、平水量でいえば二、低水量を基準とすれば三になる。渇水量を基準にしますれば五になる。要するに流量状態との相関関係にあるわけでございます。  それでその中でどこを基準にとるのがいいかということの判断の問題でございますが、それらをいろいろ検討いたしました結果、二百七十五日流最でございますから四分の三、七五%確率でございます。四分の三の流量のところで、これが低水量と申しましても、流量条件は年によってまた変動いたします。それで、低水量といたしましても、豊水年におきましては、これは全然それ以下の流量になることがない年もございます。場合によりましては、この四分の一、それ以下になるのが九十日と考えておりますけれども、これが百日あるいは百二十日になるような渇水の年もございます。これらはやはり自然条件でございますけれども、それらを確率的ないろんな判断からいたしまして、一応環境項目の基準といたしましては低水量を準基として、その低水量に見合う量をもって表示しようということでございます。ですから、水道原水基準といたしましても、渇水量というものを基準といたしましたら、この場合、川の場合にはあるいは四あるいは五というような数字にならざるを得ない。この流量との相関でそれが動いてくるというふうに御理解願いたいと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 問題は、やはり渇水時でも水道の水は取らなければいけない、そういう現実があるわけですね。それで、やはりものの考え方としては、この際一番危険なときでも、安全であるというようなはかり方をしないといけないのではないかというふうに私は思うわけなんです。それで、この場合「適宜行なう」というところを、これも同じように「随時」と変えるべきではないかと思うのですが、いかがでございましょうか。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川説明員 先生のおっしゃいましたことは、結局BOD三PPM以下の水は水道の原水として絶対不適であるというふうな前提でお話しされているのではないかと思いますけれども、これは生活環境項目に入っております項目につきましては、あとに浄化、浄水という一つの処理の操作が入るわけでございます。三PPM以下の水は水道の原水として絶対不適であるというふうな厚生省のほうの判断がございましたら、この問題は当然問題になってくるわけでございますけれども、そうではないわけでございます。その辺のところが先ほどの流量との相関関係の確率論の問題として、七五%確率として三PPMという数字が出てきているということでございます。  それから、観測の問題につきましては、やはり流量が少なくなってきたときの観測値というものも必要でございますから、この閣議決定の問題のときには、実は正直なところを申し上げますと、これを測定方法の中に低水量以上しか測定しないということを入れたということは科学的に見ておかしいんじゃないかということを、実は中央公害対策審議会の席上でも、あの会長は和達先生でございまして、測定研究の専門の方でございますが、これは測定の中へ入れるべき問題じゃなしに、測定された値の読み方、これで判断するところに入れるべきじゃないか、このような御意見がございました。確かに、正確に申しますればそういうことで、このいわゆる環境基準が達成されているかどうかの判断ということが測定のところに実は入ってきております。そういう点で、私たちとしましては、測定をしないということではなしに、あるいは低水量以上の値のときをもって環境基準が達成されているかどうか、現状を判断するのに使う、こういうふうに御理解願いたいと思うわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 たいへん残念でございますが、まだまだはかり方に関して矛盾点、疑問点があるわけなんですが、時間がないので、せっかくきょう自治省の方にわざわざ来ていただきましたので、自治省に関係する問題についてちょっとお伺いしたいと思うのです。  私の選挙区の一番南に、名古屋港の管理組合が昭和三十八年からつくりました埋め立て地があるわけです。これは西二区約三百六十八万平方メートル、西四区が約五百二十八万平方メートルという非常に大きな面積でございます。ここに地図を持ってきておりますけれども、まず面積の大きいことと同時に、自治省の方は御存じだと思いますけれども、ここが名古屋港で名古屋市なわけですけれども、ここが飛島村、こちらが弥富町ということになって、飛島村を見ている限りでは地続きになっているわけですけれども、いままで飛島村と弥富町の境が筏川であったために、この帰属が三十八年の造成以来いまだにきまっていないわけです。そして、そこから数々のことが起こってくるわけです。たとえば税金の問題、あるいは火災の問題、あるいはここで万が一、人が死ぬような事故があった場合にも、いまだに住所がないということになるわけです。私は公害委員会で税金の問題を取り上げようというのではないのですけれども、すでに中部電力がここに来ておりまして操業を始めております。そしてそのわきには日本石油、丸紅飯田、昭和石油、これももう工場が来ております。それからそのわきには大昭和製紙、王子製紙、また北のほうには木材団地といっていわゆる木材を水につけておくところ、あるいはチップをためておく貯木場があるわけです。これは御存じのように、石油があり、電力があり、製紙があるという、いわゆる公害企業が続々と来ているわけですけれども、いまだにここは住所がないものですから、地元民が公害協定を結ぼうとしても何ともやりにくくてしょうがないわけです。こういう問題というのは、一県だけの問題ですから県の単位で話ができそうな問題ですけれども、県のほうでは地元にまかしてある。地元では二町村がいろいろ話をしているのですが、これが一向にらちがあかないという状態になっているわけです。こういう問題に対して、自治省のほうとしてはどういうお考えなのか。公害防止協定を各町村が結ぼうというときにどういうふうにしたらいいのか、お考えをお伺いしたいと思います。

立田清士自治大臣官房参事官

○立田説明員 ただいまお話しの点でございますが、一つは基本的に市町村の境界をきめるということは当然必要なわけでございますが、実際にいまお話しのような具体的な場合において、境界をきめること自体について関係の市町村というのはいろいろな関係がございまして、いろいろ主張なり意見の分かれることがあろうかと思います。そこで地方自治法におきましても、境界の決定あるいは境界の変更というのは非常に基本的なことでございますので、所要の手続が実はきめてあるわけでございますが、いまの具体的なお話しの点につきましては、現在弥富町と飛島村の両方で話し合いをしておることも事実のようでございますし、それから、その話し合いがなかなか進まないという現状もありますので、県自体がいまその話し合いの場に入って、いろいろな調整というようなこともやられつつあるようでございます。したがいまして、その点については、なおわれわれのほうとしても県のほうにもお話をいたしまして、できるだけ早くきまるようなふうに期待いたしましてまたいろいろお話をしていきたいと思います。  そこで、第二番目の点でございますけれども、いまお話しのとおり、そこに進出してくる企業が現に相当あるわけでございますので、その企業と、具体的なその地域住民の方々との関係、ひいてはそこの関係町村との関係があるわけでございますので、私たちのほうといたしましては、基本的にはやはり公害対策というのは地域問題として非常に重要な問題でございますので、そういう意味ではやはり一つの公害防止協定というものの締結をなるたけ積極的に進めていくという考え方で現在おりますので、その場合に、いまの関係の市町村の境界がきまらないということがもしその締結ができない非常に大きな原因になっているとするならば、それは当然その前提として境界を早急にきめる必要がもちろんあろうと思いますが、しかし、もう一つの方法といたしましては、境界の決定自体はもちろんすみやかにきまることが必要だと思いますが、一応それがきまるまで、それまで待てないということでございますれば、やはり関係の町村なり、あるいはその埋め立ての最初の主体が名古屋港管理組合でございますので、それとまた進出企業との関係で公害防止協定を結ぶという方法もあろうかと思います。しかし、その辺はどの方法をとるのが一番いいかどうかは、やはりその関係の町村なりあるいはその地域の判断であろうかと思いますが、そういうことで必要な公害防止協定については、やはりその面の積極的な締結ということが望ましいかと思っております。もちろん、いまお話のとおり両方の町村ともそういう点についての協定の締結の希望をお持ちのように伺っておりますし、それから県自体としてももちろん境界は境界で早くきめるとともに、協定実施については、そういう方法についても現在ただいま私が申しましたような方法もあろうかというような意見も持っておるようでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 最後に御要望を申し上げておきたいと思うんですが、この西部臨海工業地帯、いま西二区、四区だけでなくて五区等さらに広いものが埋め立てされまして、そしてここに続々と企業がくると思うんですが、その際も境界がきまってない。帰属がきまってないということになると、何かと、税金の問題から消防の問題、すべてやるにしてもやりにくい状態が続いているわけで、いま御答弁ございましたように、自治省のほうからも非常に積極的に愛知県及びこの二つの町村に対しまして御指導いただきたいと思います。そして、中部電力からすでに煙が出ておりまして、これは南からの風に乗って二カ町村だけじゃなく、さらに北のほうの町村にも煙が蔓延するわけでございますので、やはりこれは帰属をはっきりきめて監督をしていかなければならないと思います。最後に、自治省の方に御指導をお願いして、質問を終わりたいと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 山口鶴男君。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 限られた時間でもありますので、主としてカドミウム汚染米の取り扱いにつきまして、幾つか問題点を明らかにしたいと思いますが、その前に公害保安局長さんおられますから、最初にひとつ伺っておきたいと思いますが、前回私は黒部の日鉱三日市製錬所の鉱山保安法適用のことを問題にいたしました。御案内のように、日本は国内で鉱石を採掘して製錬するというところもありますが、これは少ないわけで、外国から鉱石を輸入をいたしましてこの製錬をする。独立製錬所というものが非常に多いわけであります。したがいまして、重金属汚染のことが問題になっておりますが、現行法のような鉱業法並びに鉱山保安法では、独立製錬所を十分に規制することができない、規制外になっている。当然この問題は鉱業法を改め、鉱山保安法を改正して、そして独立製錬所についてもこれを鉱山保安法の対象としてきびしく点検をするということが必要だということを指摘をいたしました。  また前の橋本鉱山保安局長のころでございましたが、鉱山保安法適用の付属製錬所ないしは鉱山、こういうものについてカドミウム汚染が問題になるところはないのか。私の見るところ、相当やはり問題になる地域があるのではないかという指摘をいたしましたが、一応この排水口〇・一PPM、利水地点で〇・一PPM等の基準を上回るものはないのだ、問題のあるところはないんだ、こういう答弁をいただいておりますが、その後会津で問題が起こり、あるいは秋田あるいは福井、石川各地域でいろいろこの重金属汚染のことが問題になっております。当時の言明は一体どういうことだったのか。問題はないのか。この点もお尋ねをいたしたいと思います。

荘清通商産業省公害保安局長

○荘説明員 最初に独立製錬所の問題につきましてお答えいたします。  独立製錬所といわれるものは現在全国で八つございまして、鉱山保安法の対象外になっております。前国会におきましても三日市の製錬所の扱いにつきましていろいろと御指摘があったわけでございますけれども、その後通産省でもいろいろ検討の結果、三日市の製錬所につきましては現在の鉱業法及び鉱山保安法の解釈上、これを対象鉱山として指定することが十分可能ではないかと考えまして、法制局まで念のためにお伺いを立てまして、すでにその方針を正式に決定をいたしました。現在省令で指定してそれに基づくところに従いまして、施業案認可その他検査等を行なうべく諸準備を鋭意進めているところでございます。  他の七つの独立製錬所がございますが、この中には外国企業との合弁というふうなものも若干入っている状態でございますが、これらにつきましては先生御指摘のとおり現在の鉱業法、保安法が相当大幅に立て方を根本から変えません限り、法の対象とはなり得ないものということで、現在もいわゆる法の規制がどこからもかからないという状態になっております。この問題につきましても三日市の問題とは別の問題といたしまして、引き続きあらゆる角度から検討を続けておりますが、一つは鉱山保安法の性格を相当変えるとか、あるいは鉱業法の鉱山という定義そのものを変えるというふうな思い切ったことをすることももちろん可能でございますけれども、現在の検討段階におきましては最終結論ではございませんけれども、片方におきまして公害政策の前向きの課題といたしまして、大気汚染防止法あるいは工場排水規制法等におきましても、カドミウムその他の重金属関係は、国民の健康を守るという見地から、全国どこにあろうとも一律の規制を課そうではないか、こういう方向もいま対策本部を中心に検討されておるような状況でございますので、もしもそういうことになりますれば、現在こういう法の完全に盲点になっております残りの七つの製錬所につきましても、そういう公害の一般法の体系によりまして規制することが可能になってまいるわけでございます。現在七つのうちでたとえば八戸製錬所とか兵庫にあります住友の関係の製錬所で、現に大気汚染防止法に基づく指定地域内にあるという理由でその対象工場になりまして、それぞれ青森県知事や兵庫県知事が現実に監督をなさっておるという現象も最近起こっておるようでございます。そのあたりのことも考えまして、中央地方の権限区分の問題等も多々あろうかと思いますが、この問題につきましても私ども成案を得ましたならばひとつ対策本部まで御相談申し上げまして、その上で正式の扱いをきめさしていただきたい、こういう段階でございます。  それから二番目の御指摘のございましたカドミウム関係の鉱山の状況はどうかというお尋ねだったと思いますが、前国会の事情、私ちょっと不勉強でまだつまびらかでございませんが、前任の鉱山保安局長が、心配ないんだという趣旨の御答弁を、もししておったといたしましたならば、その時点におきましてたまたま検査の結果、相当数の鉱山におきましては排出口なり利水点なりの検査の結果で大体基準に合格しておる、こういう状況があったので、そういう御答弁をしておったんじゃないかと思います。しかしながら、その後引き続き検査もいたしておるわけでございますけれども、たとえば出水が非常にふえたというふうな場合に、またそこの検査の数値が上がりまして、カドミウムが全体としてふえておるとか、銅がふえておるというふうな鉱山は、御指摘のように秋田その他たくさんございます。それからまた、古い堆積物等が問題であろうと思われるところで、そういうものの措置を今後しなければ、やはり汚染が続くのではないかと思われるような実情もわかってきた鉱山もございます。これらにつきましては、現在全国的な一斉調査もやっておるわけではございますが、そういう結果を見まして、決して万全とはちょっと言い切れない面が正直あると思いますので、大いに改善に努力をしなければならない、こういうふうにむしろ考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 独立製錬所のうち、最近会津の日曹金属ですか、問題になっているようですが、当面この三日市の日鉱製錬所のごとく、近く告示を出すわけですね。告示を出す時期がいつごろぐらいだか言えるようでしたらお答えいただきたいと思いますが、それ以外の七つの独立製錬所につきまして、当面法律改正というものが、これは国会が開かれればいいでしょうが、現在なかなか開かれぬという状態の中では、現行法でもってこれを検査する以外にないと思います。その場合に工場排水に関する法律とか、いろいろございますが、大気汚染防止法もそうでしょうが、そちらの運用ないしは当該県の公害防止条例、いろいろなものを使ってやはりこういった重金属を製錬している工場については、せっかく公害対策本部もできたことですから、全国的にやはり総点検をしてみる必要があるだろうと思うのです。城戸内閣審議官もおられるようですから、その点の考え方もひとつお聞きをいたしたいと思います。  それからいま一つは、工場排水、大気汚染だけ調べても抜けているところがある。これは土壌の調査ですね。当然この土壌についても重金属の製錬所、鉱山をやはり総点検してみる必要があると思うのです。これについては一体やる気があるのかないのか、この点もあわせてひとつお答えをいただきたいと思います。

遠藤寛二内閣官房内閣審議官

○遠藤説明員 御指摘のございましたように、各地におきまして新しい事象が多々起こっておりますので、そのような総点検——総点検と申しますか、ことばの表現はいろいろございますでしょうが、そういった問題につきまして、本部もできましたことでございますし、今後各省と十分御連絡をいたしまして、いろいろな面につきましての調査、検討をいたしてまいりたいと思っております。

加賀山國雄農林大臣官房技術審議官

○加賀山説明員 農林省の官房の審議官でございますが、土壌問題のお尋ねがございましたが、先生のおっしゃるとおりだと思います。土壌を通じまして汚染いたしますというケースが出てくる心配がございますので、全国総点検というお話でございましたけれども、われわれだいぶ長い間かけまして全国の土壌の生産力を中心に調査いたしておりますが、その中に特にことしから障害性物質というものを加えまして、重金属関係の調査を進めてまいりたい、かように考えております。

荘清通商産業省公害保安局長

○荘説明員 三日市製錬所の省令による指定の大体の日取りは、今月の二十日ちょっと過ぎになるのであろうと考えております。その理由は、省令で指定いたしますと、鉱業法及び鉱山保安法の規定の適用を全面的に受けますので、実は監督部のほうからすでに人を派遣いたしまして、設備、公害の防除施設その他広範にわたりまして詳細な検査を行ないまして、その検査の終了が八月五日でございまして、その際のデータの分析に若干の時間がかかるということで、なお日にちが要る、こういう理由でございます。  それから独立製錬所を含めて総点検をやれという御趣旨、全くそのとおりでございまして、現在独立製錬所も含めまして全国六十幾つかの鉱山及び製錬所、特にカドミウム関係の濃厚汚染のあり得るものに重点をしぼりまして調査を実行しておるところでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 これは現在の法律では各省ばらばらになっている点もありますので、対策本部において取りまとめてひとつ十分な点検をやっていただくようにお願いをしておきたいと思います。  それでは、次に進みまして厚生省の公害部長さんにお尋ねしたいと思うのですが、神通川のようないわゆる骨が折れるという典型的なイタイイタイ病ではないけれども、カドミウムないしは重金属に関係ありと思われる変形性の骨の障害というものが最近各地で起きているようであります。群馬県の安中周辺ではすでに五十数名、指の第一関節が著しく曲がる、こういう障害が出ております。小名浜にもこれが出ている、あるいは会津においても同様な症状が出ているということが伝えられております。このような変形性骨関節症というのですか、群馬県の場合、やはり調べてみますと、いま県が鋭意調べておりますが、これが起こる地域というのはカドミウムの汚染地帯にほぼ限られているのですね。ですから当然指曲がり病という病気とカドミウムないしは、あそこはカドミウムばかりではない、鉛あるいは砒素というものも出ておりますが、こういった重金属と関係ありというふうに考えるのが私は妥当であると思うのです。これはイタイイタイ病とまでいかないけれども、一種のカドミウム中毒症による骨の障害であるというふうに当然見るのが私は正しいのではないかと思いますが、この点厚生省としての見解はいかがですか。

曾根田郁夫厚生省環境衛生局公害部長

○曾根田説明員 ただいまお尋ねの指曲がり症と申しますか、その件でございますけれども、いまお話のございましたように、安中地区では五、六十名の指曲がり病の患者が出ておるという報道がございまして、県のほうで検診を行ないましたところでは、そのうちの十五名が受診をいたしまして、いまの段階ではいずれもカドミウムの中毒とは直接関連づけられるような所見は得られていないようでありますが、先月の二十三日に県のほうから私どものほうの鑑別診断の研究班のほうにその検査所見、あるいはレントゲンフィルム等が供覧されましたので、班員の専門の先生方皆さんにお集まり願いまして意見を伺ったのでありますが、例の冨山の萩野先生ももちろんこの中に入っておられるわけでありますけれども、やはりその際の検討の結果も、直接カドミウムの中毒との関連を支持するという意見の方はなかったようであります。しかし、それで実は先生方の一部には、やはり農業あるいは養蚕等に長年従事していますと、このような変形を来たす例も多く見られるので、そうなりますと、これは一種の職業病ということも考えられるので、それであるならば、汚染とは無関係に広く地域をしぼって調査する必要があるのではないかという御意見もありますので、群馬県では近く群馬大学に委託しまして、そういう疫学的な調査を進める予定と聞いております。私どものほうもそのような調査結果を見ましてまた必要な対策を検討いたしたい、かように考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 時間がありませんから、私この問題でこれ以上議論もしたくないのですが、ただ全国至るところ、農村でいまのお話のように指が曲がっておるというなら、これはいまのお話は私はうなずけると思うのです。しかし、群馬県を見ても、どこにもそういう症状の方がおるというわけではない。いわば安中の肝臓とか岩井あるいは中宿というようなカドミウム汚染地帯にそれらの方々が集中しておるわけですね。小名浜にしても会津にしても同様だ。土壌のカドミウム汚染が当該地域では問題になっているわけです。ですから、そういうところに発生しているということは、やはりそこに何らかの関連性というものを考えるのが妥当じゃありませんか。したがいまして、全国にある職業病だというようなお考え方は私はきわめて非科学的だと思うのです。ですから、この点は群馬県でも汚染地帯と発生の患者さんとが一致するかどうかをいま懸命に調べております。当然福島県でも調べるだろうと思うのですが、そういった中でひとつ科学的な、正しいこの答えを出していただくように、これは強く要請しておきたいと思うのです。とにかく農村に見られるような職業病だというようなことだけは取り消しておいてください。

曾根田郁夫厚生省環境衛生局公害部長

○曾根田説明員 ちょっとことばが足りなかったかもしれませんが、調査班の先生方の中にそういう意見の方も一部おられたので、それならこれはやはり汚染と関係なく、汚染してない地域にもそういう方が非常に多く出るのかどうか、それを調査する必要がある、そういうことでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 厚生省としては、農村に見られる職業病だと思っているわけではないということのようですから、その点は了承しましょう。  次に、それではカドミウムの汚染米の問題につきまして、厚生省それから食糧庁の方にお尋ねをしたいと思いますが、今度食糧庁でカドミウム汚染米に関する通達をお出しになりましたね。さて、そこで問題になりますのは、要観察地域については凍結をするということのようであります。要観察地域で一・〇PPM以下の米につきましては凍結をするわけでありまして、さらにそのような米を保有している農家、その保有米をどうするかということが問題になるわけでありますが、この通達によれば「希望に応じて特に政府所有米を配給することができることとする。」こうなっております。  さて、そこで幾つか問題があります。お尋ねしたいのは、まず第一は、この要観察地域に指定されていない地域で、〇・四PPM以上のカドミウムを含む汚染米というのは各地で発見をされています。こういったものについては凍結をするのかしないのか、この点は一体どうするのですか。

中村健次郎食糧庁業務部長

○中村説明員 現在要観察地域になっていない地帯で〇・四PPM以上の米が、いろいろな方の試験で出ておることは事実でございます。そういう地帯につきましては、県ともすぐ連絡していただきまして、県のほうで調査をし、私のほうでいえば信頼できる検査機関において、〇・四PPM以上の保有米があるということがはっきりいたしますれば、その地帯の農家で保有米を食うことをいやがって配給してもらいたいという農家に対しては配給をする、こういうふうに考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 その場合には凍結をするのですか。

中村健次郎食糧庁業務部長

○中村説明員 その点につきましては、そういった地帯がどの範囲であるか、その〇・四PPM以上の米が、われわれの買い上げて持っております米の中にあるかどうかというようなことを調査いたしまして、その米が〇・四PPM以上であり、そしてその地帯が当然調査が続けられるわけでありますから、要観察地域というふうに指定されればそこの米は配給に回さない、こういうふうにいたしたいと思っております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 じゃ、厚生省に聞きましょう。  〇・四PPM以上の米が発見された地域は、すぐ要観察地域にするのですか。

曾根田郁夫厚生省環境衛生局公害部長

○曾根田説明員 私どものほうが昨年暫定対策要綱で示しましたのは、これは先生のほうが御存じと思いますが、〇・四PPMというのは、被汚染地帯の米の中のカドミウムの濃度が高いところで大体こういうことだ。したがって、被染汚地帯の米が〇・四PPMをこえれば、何らか他の人為的な原因が入っておると考えるのが一応常識的な線ではないかということで、要観察地帯に指定する前にもう一度環境の汚染状況を精密に調べなければならぬ。その調べる際の一つの基準として、〇・四PPMという数字を基準として使っておりますので、それが直ちに健康の問題、安全の問題になるということとは直接の関係はございません。そういう数字でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 食糧庁、いまの厚生省の考え方を聞かれたと思うのです。そうすれば、〇・四PPM以上の米が相当出たとしても、それから調べて要観察地帯にするかせぬかということになるのですから、相当日にちがかかるわけですね。そうすれば、農家なり、あるいはこの地域の住民の心配なりというものは、いつまでも続くわけなんでありまして、ですから、食糧庁がせっかくこういう方針を出したとするならば、この要観察地域の産米のうち、上記一以外の産米は、現在の米穀の需給事情及び消費者感情を考慮して配給しないというような、こういう書き方をするのではなくて、〇・四PPM以上の米については配給しない、こういう通達を出すほうが私は問題は明確だと思うのです。なぜそういうしばらく手数のかかるような、あいまいな表現をおとりになるのですか。食糧の需給事情というものを考慮してやるならば、思い切ってそういうやり方をすべきだと私は思うのですね。この点はいかがですか。

中村健次郎食糧庁業務部長

○中村説明員 お尋ねの点につきましては、食品衛生法上、一PPM未満のものは有害ではないということが厚生省ではっきり言われておりますので、食品衛生の立場からすれば一PPM未満のものは配給しても一向差しつかえないものでございます。ただ現在、要観察地域でとれた米につきましては、一PPM未満であっても、消費者の間に現に不安が存在しているという点に配慮をいたしまして、配給をしないという措置をきめたのでございまして、したがって、〇・四PPM以上のものは、食品として食っていけないというものではないわけです。したがって、われわれの配給としての扱い方は、そこに消費者の不安が現に存在しておるかどうかという点を十分考えまして、その事態に応じて配給上の米の取り扱いの操作は厚生省とも相談しながらやってまいりたい、このように思っておるわけでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 どうもいまの御答弁は納得できませんが、じゃ、違う角度から聞きましょう。  一PPM以上の米については配給せず、主食用以外の用途に売却をする、そうして当該農家については政府米を配給する、こう明確にしてあるわけですね。当然そのような米は企業責任で、企業が、現在安中地区でも住民との間で補償の交渉がまとまりまして、補償することになっておりますが、ただそこで問題なのは、この要観察地域で一PPM以下の米を保有している農家の扱いの問題です。で、食糧庁は、有害ではないけれども、住民感情あるいは食糧の需給というものを考えてこの凍結をするというのですね。これらの米を食べる人は、汚染地域ではない方のことを考えて凍結をするわけでしょう。ところが、汚染地域はどういうことになるかといえば、一PPM以下のものは保有米で持っている。しかし、これを食べなければならない。政府米を特に配給してくれという場合は、対価を払わなければならないわけですからね。しかも、当該地域に住んでおる人は、米ばかりではないでしょう。汚染された野菜も食べる。牛乳も飲む。麦も一食べる。それから、そういうカドミウムを含んだ大気を吸わなければならないということになります。そうすると、遠くの人は米だけ食べればいいわけで、心配はそれだけ少ないわけですけれども、しかもそれを考えて凍結をする。その場合、保有米を持っている人、いわば一PPM以下の保有米を持っている要観察地域の人たちは一体どうなんだということを、私は、考えなければいかぬと思うのです。当然これらの人に対しては、希望があったら配給するというようなことではなくて、上記の米を所有する農家については政府米を配給するということにすべきだと私は思うのです。なぜそういうことをきちっとせぬのですか。

中村健次郎食糧庁業務部長

○中村説明員 その点につきましては、当然消費者の間に不安があり、そういうことを考慮して配給しない、こういうことを私のほうでやっておるわけでございますから、当然そういった同じような米を食べる、保有米を持っておられる農家、この方々につきましては、その方々がそういうものを食べたくない、したがって、配給してくれとおっしゃる者には配給をいたします。しかし、一PPM未満のものが〇・四PPM以上でありましても、それが食品衛生上いけないのだ、あるいは公害対策上いけないのだといわれておらないわけでございますから、私のほうで、それは食べないで配給を受けなさいということは言えないと思うのです。したがって、希望される方には配給いたします、こういう言い方をいたしておるわけでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そういうことは、当該地域の農民の心情を解さない、きわめて官僚的なやり方だと私は言っているわけです。  さてそこで、私はこれに関連してお尋ねしたいと思うのですが、結局厚生省は、一応要観察地域の基準として〇・四PPMというものを一たん昨年きめたわけですね。ところが、本年七月七日に出しました見解の中で、尿中のカドミウムとの関連において一PPM、白米は〇・九PPMというものを安全基準としてお出しになりました。私は、そこに混乱の原因があると思います。昨年の場合は、神通川の食品のカドミウム摂取量と、それから他の要観察地域の摂取量というものを比べてこの数値をお出しになりました。ところが、今回の七月七日の見解では、昨年の例をぐるっと変えまして、そうして尿中のカドミウムの量で安全基準というものを設定するという資料をお出しになったわけです。私は、この点は問題だと思います。私は、昨年ああいう見解をお出しになった以上は、昨年神通川流域のカドミウムの摂取量、たしか〇・六ミリグラムだったと思いますが、その後、宮城においても、群馬においても、長崎においても、要観察地域のこの摂取量というものを推計されて、そうして神通川の〇・六ミリグラム、これと比較をして基準というものを考えるべきであった。そうすれば、去年〇・四だったものが突如として一・〇になるというようなことはならなかったんじゃないか。あえて言うならば、一部には、黒部市の日鉱三日市製錬所、米作地帯です。あの地域を〇・四PPMで安全基準で押えれば、会社の補償がばく大になるということを懸念して今回一・〇PPMあるいは〇・六PPMというような数値を出したのだといううわさすらちまたにあるわけです。私は、そのことをあえて問いませんけれども、なぜ昨年の例を変えたのか、変えたところに混乱の原因がある、このことだけは指摘をしておきたいと思うのです。御答弁をいただきます。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本説明員 ただいまの御指摘は、公害部長からお答えさせるには非常に重大な点も含んでおりましたので、あえて私からお答えを申し上げます。  先生御指摘のように、昨年暫定の観察基準として〇・四PPMという数字を定めましたのは、いわゆる汚染地帯の米の状況、また汚染地帯以外の、天然自然の土中にあるカドミウムを吸収して育った米の中に含まれているカドミウムの量、こうしたものを計算に入れ、ここに持っております、岡山大学の小林純教授ほかの「生物体内における微量金属の研究」、第二は「白米中のカドミウム含有量」という統計を見ましても、天然自然のカドミウムを吸って育った米の中にも〇・四七二PPMをすでに含んでおるものもあります。大体しかし、天然自然の土中のカドミウムを吸収したものとすれば、〇・四以上のものはきわめてまれであります。言いかえれば、〇・四PPM以上のカドミウムを含んでいる米は、何らかの形で人為的に汚染をされている可能性がある。その限界を、私どもは〇・四PPMというものに置いて、そしてこれが人間の健康の上に害があるかないかという調査をいたしました。あくまでも一つの調査をする、この〇・四という数字は目安であります。そしてその結果において、白米においては〇・四PPM、玄米中一・〇PPM以上のものについては、この厚生省がお願いをして調査に当たっていただいた専門の方々の御意見として、人間の健康に害がないという、言い切る自信がないということで、この基準線をわれわれは引きました。ちなみに、現在WHO等でカドミウムの食品内に含まれている数値をチェックしておりますが、FAOにおいてもWHOにおいても、米中のカドミウム濃度の限界点として論議の対象になっておるのは五PPMという数字でありまして、わが国の、この米に定めた基準よりはるかに上回る数値のものをきめております。〇・四PPM、一・〇PPMという数字を同一線上に置かれて御議論になりますと、ただいま先生の御指摘のような御疑問も、あるいは出るかもしれません。しかし、あくまでも〇・四PPMという数字は、天然自然で何ら汚染をされていない米とすれば、それ以上のカドミウム濃度を示すものはほとんどないから——ほとんどないから、てあります。ここを一つの基準点として、それ以上の場所は、何らかの人為的な汚染がなされた形跡ありということで、調査をするその基礎の数字としてとったものでありまして、ただいま、一部にうわさをされているということばまでおつけになって御質問をいただきましたが、私どもは、あくまでも専門家の方々の検討により、ここまでは安全である、責任が持てる、それ以上の数字になった場合には絶対に健康しに害がないとは言い切る自信がないといわれるその数字を、一・〇というもので皆さんの前にお示しをしたということであります。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 いまの御答弁、いろいろ聞きましたが、私の聞いておりますのはそういうことではない。昨年の厚生省見解の際には、神通川あるいは他の要観察地域の米あるいは水、野菜その他あらゆる食物の摂取量中におけるカドミウムを推計し、それを総計いたしまして、神通川の場合は〇・六ミリグラム、宮城の場合は〇・三二、群馬の場合は〇・四〇、長崎の場合は〇・四九というものを出しているわけです。とすれば、ことしも同じような計数を出して、そうして食物のカドミウム摂取量というものから米が一体どのくらい許容ができるのか、そういう観点から調査をなされることが、昨年に引き続いての調査ではなかったか。しかし、本年の場合は、一日のカドミウム摂取量〇・三ミリグラム、そしてこれが尿に出てまいります場合はリッター当たり三〇ガンマというような計算をいたしまして、そこからまた逆算をいたしまして、この米の安全度というものを出しておるわけです。明らかに昨年の方式と違っている。そこがおかしいではないかということを私は尋ねたのであります。  時間がありませんから、私は以下、質問点だけお尋ねをいたしておきたいと思います。  したがいまして、少なくとも米に対する安全基準というものが、昨年は要観察地域の基準として〇・四が出た。ことしの一・〇、〇・九というのはそのものさしが違うんだ、私はよくわかっております。しかし、一般国民にしてみれば、〇・四ミリグラムで要観察地域になるんだ、これは危険だという感じがずっと国民の間にあるはずです。そこへもってきて、急に一・〇、〇・九——シビアにするのならいいのですけれども、逆にゆるめたというところにこの混乱もあり、食糧庁が指摘をしておるような矛盾があるけれども、こういうような通達を出さなければならなかったということになるのじゃありませんか。私は、対策本部ができました以上、ひとつ昨年の調査というものを踏まえた上で、城戸さん、公害部長さんだったわけでありますから、昨年の厚生省見解というものを踏まえ、その上においてやはり政府としてもっと責任ある明確な安全基準というものを、また国民にわかるような形で打ち立てる必要があろうと思うのです。この点の考え方をお聞きをいたしたいと思います。  それから、労働省の方が来ておられますのでお尋ねしたいのでありますが、私は、昨年来、働く労働者も危険ではないかということを指摘をいたしてまいりました。現に東邦亜鉛では、それに関係する従業員は一九・五ガンマというように、尿中のカドミウムの量が非常に高いのであります。普通の人の場合は二ガンマないし三ガンマくらいのものですね。九ガンマあれば問題だというようなこともいわれているわけでありますが、東邦亜鉛の平均が一九・五ガンマ。それから要観察地域の人たちの尿中のカドミウムの平均は、特に安中が一番高くて一千五ガンマですよね。これよりも関係する労働者の尿中のカドミウムは高い。ところが、労働基準法に基づく労働安全御生規則、四十二年に改正されておるそうですが、有毒物質の中にカドミウムは入っておりませんですね。そうしてカドミウムの基準もきまってないでしょう。私はこれは怠慢だと思うのです。鉛、水銀、クロム、砒素、燐、塩素、これらのものについてはずっときまっておりますね。カドミウムは抜けているでしょう。これだけ問題になっておるのになぜ——労働安全衛生規則の中にカドミウムを入れ、そして衛生上有毒な業務の取り扱い基準の中に、空中のカドミウムはどのくらいならばいいのだという基準をつくるべきだと思うのです。つくらぬことは私は怠慢だと思います。  それからさらに安中の場合、前橋の労働基準局が調べておるのですが、アメリカの衛生会議できめた基準がカドミウムの場合は〇・一ミリグラム・パー・立方メートル、これが一つの基準になっておるのですが、これに対して〇・三八というような相当高濃度のカドミウムの中で、現に労働者が働いているという状態があります。こういうものについてきびしく点検をして、設備改善命令を出すべきだと思うのです。最近労働省でも少しこの点気がつきまして、全国的に監督官を動員いたしまして、総点検をするというようなことが、新聞にもテレビにも報道されましたが、私は、カドミウムの問題についても一日も早く規則にこれを入れ、基準をきめ、そうしてそこで働いている労働者の安全性を守るべきだ、こう思います。この点は一体どうでしょうか。  これをお尋ねしまして、質問を終わりたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本説明員 先ほど私もどうも説明不十分、だったようでありますが、山口先生の御指摘になりました数字の点、先生ちょっと勘違いをしておられるのじゃないかと思います。と申しますのは、〇・四ミリグラムというお話でございました。〇・四ミリグラムというのは四十三年度の推計をもとにした総摂取量の数字のことですね。そして先ほどから申し上げておるように、私どもが暫定要綱で調べておりましたのは〇・四PPMでございます。ですからその点がごっちゃになりまして……。そこだけははっきりさせておいてもらいたいと思います。

東村金之助労働省労働基準局安全衛生部長

○東村説明員 まず第一点のカドミウムについての基準が設けられてない問題でございますが、ただいま先生御指摘のとおり、従前のものはございません。ただ、われわれといたしましては、米国産業衛生専門家会議並びに日本産業衛生協会の許容濃度、いま御指摘がございましたそれをもとにいたしまして指導に当たっておる次第でございます。それから、特殊健康診断というものも指導しております。しかし、これではもちろん不十分でございます。そこで、できるだけ作業環境を無害化しなければいけないということを考えておりますので、早急にその手続をとって規則化したいという考えでございます。  それからもう一つの問題でございますが、一斉点検を現在いろいろ考えておりまして、この九月一日から三十日の間に、全国の労働基準監督署を動員いたしまして一斉点検をやり、その実態を把握したい、このように考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 一つ答弁が抜けたのですが、やはり厚生省、農林省ばらばらやっておるわけですね。もちろん厚生省がどういう計算でこういうものを出したかは承知していますよ。決してPPMとミリグラムを混同して言っているわけではないので、米のほうが〇・四PPMだったものが一・〇PPMになった。それが一日の食糧の摂取量〇・六ミリグラムというものが神通川の数値だったわけですね。それに対して各地域の、これは一日の摂取量、ミリグラムですね、というものを一応積み重ねて、いままでは、去年の場合はやったわけです。ことしの場合は、尿中カドミウムから逆算して数値をきめるという方式をとったわけですね。だから、昨年と同じ方式の上に、ことしもやはり玄米のカドミウム許容量をきめるとすればきめるべきではなかったかということを私は指摘をしたわけです。そういう点について、対策本部もできたことですから、十分国民にわかる形で、昨年の調査を踏まえた上で、やはり一つの統一した基準というものを出すことによって、国民を安心させるべきではないのかということを申し上げたわけです。この点のお答えだけ聞いて、やめておきます。

遠藤寛二内閣官房内閣審議官

○遠藤説明員 御指摘がございましたように、いろいろときによりまして数値の出し方、計算のしかた等変えますもので、そういう誤解を招いて、  一般に非常に不安にさせているという面があろうかと思います。ただ、今回厚生省がおやりになりましたデータは、昨年のは推計で計算をされまして、今回のは実験データに基づいておやりになりましたので、私どもといたしましては、それはそれで根拠があるんだと思っております。ただ私ども、御指摘もございましたように、厚生省にいたしましても、農林省にいたしましても、発表の際にそういう前後の連関でございますとか、横の連関でございますとか、そういった点につきまして配慮にやや乏しかった点があったのではないかと思います。そういう点につきましては、本部ができましたので、けさほど大臣からも申しておりましたように、いろいろそういった公表その他の場合につきましては、誤解を招かないように、政府統一見解として一つのものにまとめて発表するように努力いたしてまいりたいと思っております。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 細谷治嘉君。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 最初に、前々回のこの委員会かと思いますが、大牟田川の河口で、ノリからかなり多量のカドミウムが出たわけでありますが、その際私は、ノリのカドミウム含有量ばかりでなく、ヘドロのカドミウムがどうか、野菜等農作物のカドミウムはどうか、あるいは有明海というところは有名な貝類の産地でありますから、そういうもののカドミウムはどうか、その点を総合的に検討をしていただきたいということをお願い申し上げておきました。ひとつそれらについてカドミウムの測定結果がもうできておるのではないかと思いますので、できるだけ早く資料を提出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

曾根田郁夫厚生省環境衛生局公害部長

○曾根田説明員 私実はまだ就任十日くらいの新米で、どうも御迷惑かけることが多いかと思いますが、ただいまのお話は、その間の事情よく承知しておりませんけれども、聞くところによりますと、大牟田川の魚介類につきましては、かなりカドミウムの濃度が高いものが出たという報告がございまして、その間の事情について県等を通じて早急に調べてみたい、そういうふうに考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 私は、いまここに久留米大学の大牟田地先の海域生息魚介類に含まれる重金属分析結果という中間報告を持っておるわけでありますけれども、ひとつその詳しい資料を出していただきたいと思います。その上でこの問題についてはあらためて質問をいたしたい、こう思います。  きょうは時間がありませんので、最近問題になっております光化学スモッグの問題について若干お尋ねをしてみたいと思います。  最近棄京都内を歩きますと、国会の前のイチョウも秋のような落葉状態であります。国会から東京駅のほうに行こうとします。あるいは日本橋のほうに行きますと、これはまあ、イチョウなどは枯れたような状態になっております。これは一体何が原因なんでしょうか、まずお尋ねしておきます。

曾根田郁夫厚生省環境衛生局公害部長

○曾根田説明員 これにつきましては、もちろん亜硫酸ガスはじめもろもろの有害物質が寄与しているものと考えます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 亜硫酸ガス等ということでありますが、いま問題になっておる光化学スモッグというのは、あらかじめ予定されておったことなのか、全く予想されないで突如として起こったのか、お尋ねします。

曾根田郁夫厚生省環境衛生局公害部長

○曾根田説明員 光化学スモッグにつきましては、ロサンゼルス等の例もございますので、厚生省としましてはいずれにしてもそう遠くない将来に問題になるだろうということで、実は四十二年度以来試験研究費等も使いまして、この方面の調査も進めてまいりましたし、また現に第一回の公害白書以来、この問題はやはり七〇年代の後半には大きな問題になるだろうということは予想してはおりましたけれども、現実にそういう事象が国内であらわれなかったということもございまして、先般の杉並の事象がいわばその第一回といいますか、そういう事態を迎えたわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 まあ世間では、この光化学スモッグというのは、七月ごろに突如として起こったような印象を持っておるかと思うのでありますけれども、あなたのところの前の公害課長、今度OECDの公害の専門官として世界のオーソリティーとして招かれたわけでありますが、その橋本前課長が昨年の「自動車技術」という雑誌に、「安全と公害」ということで、「自動車排気ガスの大気汚染への影響」という論文を出しております。その論文の中に明らかに、たとえばオキシダントというのがアメリカのカリフォルニア州に対する勧告値〇・一PPM・一時間、これをほとんどこえているんですね。もうすでにこのとき——四十二年ですね、問題が起こっていることが確認されておるんですよ。それについてどういう対策をしてきたんですか。   〔「出てくるのがおそいな」と呼ぶ者あり〕

曾根田郁夫厚生省環境衛生局公害部長

○曾根田説明員 どうも御迷惑ばかりおかけいたしますが、申しわけございません。次回からなるべく早く出られるように努力したいと思います。  オキシダント現象、いわゆるオキシダントというものと光化学反応、これが必ずしも一致するものかどうかについては問題があるようでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 オキシダントと光化学の定義なるものをあなたに聞こうと思っておらぬ。私が申し上げるのは、橋本君の論文の中のオキシダントに、国設東京大気汚染測定所におけるオキシダント、厚生省公害資料からというので論文の中に表が入っております。その表を見ましても、四十三年には一月が〇・一五、三月が〇・一〇、四月が〇・一六、五月が〇・一八、六月が〇・二一、七月が〇・二二、八月が〇・二二、九月が〇・二〇、十月が〇・二一四、十一月が〇・一四六PPM・一時間平均というものがぴしゃっと書かれてあるのですよ。四十二年はこれよりちょっと値が低いんです。こういうことでありますから、はっきりすでに光化学現象、いわゆる公害現象が起こっているわけでしょう。それをいままで何をしておったかということです。七月ごろ突如として光化学スモッグが起こったようなあわてふためいた姿、これを私は指摘しているんですよ。どうなんですか。

曾根田郁夫厚生省環境衛生局公害部長

○曾根田説明員 オキシダント濃度につきましては先生ただいま御指摘のような数値が出されておりましたので、私どもとしましては一応そういう現象は看過できませんので、少なくとも自動車の排出ガス等の規制等についてできるだけ強化するようにと、そのような申し入れを関係のところにしておりました。ただそれが今回のことしの七月に見られましたような人の健康に影響あるような光化学スモッグとしてとらえられた現象ではなかったということでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 お尋ねしますが、これは通産省のほうも関係がありますけれども、一体東京都の大気が汚染をしている原因、これはまあ自動車等では一酸化炭素も出る。炭化水素も出る。工場等からは主として、亜硫酸ガス、こういうものが出る。飛行機からも出てくるでありましょう。こういうものがまざり合って一種の光化学スモッグヘの発展となるわけでありますけれども、一体東京都のこの石油燃料等、いわゆる自動車、工場等からのこの一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物等の寄与というのは、一体どういう関係になっているんですか、明らかにしてください。

曾根田郁夫厚生省環境衛生局公害部長

○曾根田説明員 ただいまちょっと的確な資料を持ち合わせておりませんので、通産省のほうからお答えをいたします。

柴崎芳三通商産業省公害保安局公害部長

○柴崎説明員 お答え申し上げます。  あまり正確なデータはただいま持ち合わせておりませんが、産業公害防止協会でこの点につきまして調査した結果に基づいて御報告いたしますと、対象は自動車と、それから重油燃焼設備、すなわち主として工場の設備でございますが、これについての比率を見てみますと、SO2につきましては自動車関係が二ないし三%という数字になっております。NOxにつきましては、自動車関係が二〇ないし四〇%、それからCO、HCにつきましては非常に高い寄与率を持っておりまして、約九〇%程度というぐあいに算定がなされております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 かわったばかりの部長だから、私は何も申し上げぬけれども、自動車工業会が厚生省調査の資料を掲げてありますよ。それによりますと、東京都における石油系燃料からの年間推定排出量の比率というのは、自動車によるものが一酸化炭素はほぼ一〇〇%、いまのお答えでも大部分だ、炭化水素が九七%、窒素酸化物が三〇%、工場や発電所で炭化水素は二%くらい、窒素酸化物が六九、硫黄酸化物九九、こういう関係になつているのですね。言ってみますと、自動車関係から出ている問題のものは、一酸化炭素と炭化水素である。それから窒素酸化物が三分の一程度ある。工場、発電所から硫黄酸化物はもう一〇〇%近いものが出てくるのだ。窒素酸化物は三分の一が自動車であるけれども、三分の二程度が工場からだ、こういうことになっておるわけですね。ロサンゼルス等も、この橋本君が書いた論文の中あるいは小早川という人が書いた論文の中にもぴしゃっと書いてあります。若干違いますけれども、いま言ったのと大同小異であります。こういう数字を、自分のところから出たものを知らぬで、光化学スモッグのことの講義をしょうなんて、あなたおこがましい話だよ。  そこでお尋ねしますが、一体ロサンゼルスの光化学スモッグと日本の光化学スモッグはどこが違うのですか。

曾根田郁夫厚生省環境衛生局公害部長

○曾根田説明員 ロサンゼルスと東京では地形、気象条件ともに違いますが、汚染物質の質的な相違を見ますと、東京はロサンゼルスに比べまして浮遊粉じん、硫黄酸化物の濃度が高いというふうにいわれております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 新聞等で、ロサンゼルスの公害というのと違う東京の特異な光化学スモッグというのは、硫酸ミストが加わっているんだ、こういうふうにいわれております。これは確認できますか。

山本宣正厚生省環境衛生局公害部公害課長

○山本説明員 公害課長でございます。橋本課長とかわりまして早々でございまして、若干私も不勉強な点があろうと思います。  硫酸ミストの光化学スモッグとの関連につきまして、清浦教授が発表しておられる点がございますけれども、硫酸ミストの測定の方法につきましては、現在のところいろいろな方法がござい便して、まだ最終的に確定した定説もないということになっております。しかし、一応そのデータから見まして、硫酸ミストが当時濃かったということは明らかに言えると思います。ただそれが今回の東京の光化学スモッグについてどのような役割りを果たしているかということにつきましては、いま少し検討してみなければならないのではないか、かように存じます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 たいへん残念な話なんだけれども、公害対策本部が内閣に設けられましたけれども、答弁する限りにおいては、できたためにかえって公害対策が後退したような印象を私は受けるのですが、委員長、そうならないようにひとつ十分配慮してくださいよ。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 そこで、ただいま前からやっておるベテランの城戸内閣審議官を呼びましたから、ひとつじっくりとあなたの専門のところを掘り下げてみてください。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 時間がありませんから、硫酸の問題ありますが、この間新聞に、加藤富山大学助教授が、東京の大気ガスの中に多量の芳香族炭化水素が含まれておる、こういうことを発表いたしましたね。これは確認できますか。

城戸謙次内閣官房内閣審議官

○城戸説明員 ただいま田子の浦の問題の緊急の会議をやっております。委員長のお許しを得てそちらに出席いたしておりまして失礼いたしました。委員長の御要求でまた舞い戻ってまいりましたので、よろしくお願いいたします。  ただいまの件でございますが、私ども従来から燃料の中の芳香族がふえるということがいろいろの大きな問題を起こすということにつきまして、鉛の問題に関連いたしまして法律改正を提案いたしました際も、厚生省に私がおりましたときには、単に添加物を規制するというのじゃなくて、燃料の組成プラス添加物、こういうことで提案をいたしたわけでございまして、この鉛の規制に関連いたしまして、現実にどうなっておるか、こういうことにつきましては十分なデータはまだないと思いますが、そういう可能性は十分あるということは推測いたしたわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 鉛の問題がやかましくなって、鉛を減らす、しかし、アンチノック性は減らすわけにいかぬということで、芳香族の炭化水素がふえておるのじゃないですか。いま日本ではどのくらいふえているのですか、トルオールとかキシロール……。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田説明員 お答えいたします。  御承知のように、自動車の燃料に入れる四エチル鉛を削減するということに伴いましてオクタン価が下がるわけでございますが、オクタン価については、一定のオクタン価を維持するということも必要であるということで、七月一日から加鉛量は減らしました。その際オクタン価を維持するために、改質装置あるいは分解装置から出てまいりますガソリンの混合比を若干増加いたしております。普通に使っておりますレギュラーのガソリンで申しますと、芳香族は従来、低加鉛化前で三〇・五%でございますが、それが三四・四%にもなっております。それからオレフィンは八・五%が九・八%になっております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 いまトルオールとかなんとかの問題が出たのですけれども、この炭化水素の挙動というのも非常に重要なのですが、アメリカでは芳香族炭化水素の混入量を規制していますね。新聞によりますと、日本ではアンチノック性を高めるという意味において五〇%をこしたガソリンがあるといわれておる。いまおっしゃったのは三〇台でありますけれども、そのとおりやっているのですか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田説明員 アメリカにおきまして芳香族の混入の比率を制限すべきであるということで検討されておりますが、その際は三八ということがいま議論されております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 日本はどうです。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田説明員 先ほどお答えいたしましたように、レギュラーで三四・四%でございます。将来炭化水素につきまして、アメリカでは炭化水素を一九七五年、昭和五十年度におきまして〇・五グラム……

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 加鉛量の場合でも、実際公表されておる加鉛量をはるかに上回っておるということが国会でも指摘されております。新聞等によりますと、アメリカでは三八をリミットとしておるけれども、日本では今日五〇%をこしたものもあるということは新聞でいわれております。必ずしも根拠のないことでないと私は思うのですよ。この点が、加藤富山大学助教授の測定結果もそれを裏づけておるのではないか。文献等によりますと、私はしろうとでありますけれども、排気のほうから出るのがおおよそ七五%くらい、二五%くらいがシリンダーのほうから漏れて炭化水素が出ておる、こういうふうにいわれております。  そこで私は質問したいのでありますけれども、この間の八月のある新聞に、京浜工業地帯の大気はSO2でドーナツ状に汚染されておる、こういうことが書かれてあります。これは清浦教授の測定結果から出ているわけでありまして、この間起こりました立正高校あたりはドーナツ状の一番まっただ中の、一番濃いところだといわれておりますが、これはいかがですか。これは確認できますか。

山本宣正厚生省環境衛生局公害部公害課長

○山本説明員 お答えいたします。  その清浦教授の見解がございますが、現在の段階ではそれが確認されておりません。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 通産省、これは非常に重要な問題なんですよ。SO2に関する限りは大部分が工場等からの排気ですよ。これはどうしますか。清浦教授の測定は確認せぬ。いつ確認なさるのですか。

柴崎芳三通商産業省公害保安局公害部長

○柴崎説明員 通産省では現在産業公害総合事前調査という手法で、いろいろ、これは主として将来に対する大気汚染の防止のための調査をやっておるわけでございますが、その段階でいろいろデータを集めております。その関係のデータから申しますと、現在の対策が燃料の低硫黄化の対策と、煙突の高煙突化の対策と、二つを併用しておりますために、だんだん汚染の範囲が広がりまして、従来ではSO2がほとんど検出できなかったところにもSO2が検出されるという実績を別のデータで持っております。そういう意味におきまして、先生御指摘のドーナツ現象が進みつつある、かように考えておるわけでございます。したがいまして、今後のSO2対策の主たる重点は燃料の低硫黄化に置かなければならない、あるいはその他の硫黄分のない燃料をできるだけ使う方法をとらなければならないというぐあいに考えておる次第でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 私は、煙突を高くするという方法は、今日の公害問題のごまかしにしかすぎないと思う。かつて足尾の煙害問題が起こった際に、茨城県か何かに非常に高い煙突をつくった、そうしてその鉱害問題を除去したというのは、歴史的な有名なことですね。その場合には、どういうふうに気流が動いているかという測定を十分にして、そうしてこれだけの煙突にしたらいいんだという形で煙突の高さをきめて、そこで排気しておった。いまはでたらめですよ。周囲のほうがやかましく言うから煙突をちょっと高くしてごまかせ、そういうことでありますから、SO2等はいよいよ広範囲にばらまかれ、そういうものがいまドーナツ現象のような形で東京の空を一面におおうておる。それが日本的な光化学スモッグ、硫酸ミストの大きな原因になっているんじゃないかと思うのですよ。これはどうしますか。

柴崎芳三通商産業省公害保安局公害部長

○柴崎説明員 それに対する対応策は、通産省としては二つ考えておるわけでございます。  第一番目は先ほど申し上げました燃料の低硫黄化ということでございまして、一例を引きますと千葉県の五井・姉崎地区の現在のSO2の総排出量が、時間当たりにいたしまして約七千ないし八千ノルマル立米でございます。この地区はまだ将来非常に発展する地区でございますので、燃料消費は相当大きくなると思います。しかし、その燃料消費に比例いたしましてS分が多くなった場合には、先生御指摘のドーナツ現象が非常に広がることは必至でございます。したがいまして、環境基準を達成するということとあわせまして、SO2の総最を一万ノルマル立米というところに押えて、今後の生産活動は必ずこの範囲内で行なわれることが望ましいということで強力な指導をしておるわけでございます。  それから第二点は、かかる手法をもっていたしましても、おそらくある地区の経済活動は、ある時点におきまして頭打ちになることは必至でございます。そのような状態を前提といたしまして、通産省ではここ四、五年前から工場配置適正化法案というようなものを用意いたしまして、過密公害地帯に対する規制問題をいろいろ検討してきたわけでございますが、現在に至るまでこの法案は日の目は見ておりません。しかし、現在の公害現象の進展にあわせまして、新しい立場から工場のある集積以上の集積をとどめる手段がないものかどうか、現在いろいろの角度で検討しておる最中でございまして、何らかの形でそういった対策を打ち立てたい、かように考えておる次第でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 もうあまり時間がありませんから、部長さんでも城戸さんでもいいです、日本のオキシダントというのは主成分は何ですか。

山本宣正厚生省環境衛生局公害部公害課長

○山本説明員 私からお答えします。  現在考えられておりますのは、大気中に存在する炭化水素とそれから窒素酸化物とが紫外線の作用を受けまして、新しい複雑な物質が形成される、たとえばオゾンであるとか、パーオキシアセチルナイトレートであるとかいうような、ある種の酸化性物質の幾つかの種類のものを総称してオキシダントといっているようでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 オゾン、——オゾンはあまり複雑じゃないのですよ。オゾンは簡単なものです。これは間違いないですね。それからパーオキシアセチルナイトレート、パーオキシベンジルナイトレートは含まれておりませんか。

山本宣正厚生省環境衛生局公害部公害課長

○山本説明員 お答えいたします。  私、一九七〇年三月のアメリカの光化学スモッグに関する本を読んで覚えた知識でございますが、その中では、いま先生のおっしゃった物質についてははっきりわかってないように読んだ記憶がございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 アメリカにもあるのですね。  そこで、私が特にこれをお尋ねしたいのは、どうも日本的な光化学スモッグの問題というのは、片やロサンゼルス型というものが一つある。たとえば自動車のエンジンから排出されるNO、それは空気に酸化されてNO2になる。そしてそれが紫外線なり可視光線を受けて励起されて、再びNOと活性の原子状の酸素に分かれる。この酸素がオゾンをつくったり、いろんな炭化水素に作用したりしていくロサンゼルス型の光化学スモッグ。  それに今度は亜硫酸ガスが加わるわけですね。いま申し上げましたオゾンのような非常な活性な反応力のある酸素というものが亜硫酸に作用する。そしてそれが硫酸になってくる、そういう問題。  もう一つが、加藤富山大学助教授がやりました芳香族の炭化水素、たとえばトルオールとキシロールとが非常にたくさんある。そういうものがやはり太陽の光線によって励起されて変化をする。いわゆるベンゼン核のほうじゃなくて、ひげのほうのメチル基のほうに作用が起こる。そうしますと何らかの形でベンジル基的な、あるいはアルデヒド的なものができてくる。そうなってまいりますと、ロサンゼルス型と違った硫酸ミスト、もう一つは炭化水素が多いからこれによる光化学反応という、ロサンゼルス型よりきわめて複雑なものだと私は思うのですよ。  そこで、この間東京都議会で、公害研究所のほうはひとつ自動車の規制権を与えてくれと言ったら、警視総監は、それは与えたってだめだと言った。そうですよ、これは。硫酸ミストの問題があるわけですから、通産省が協力しなければ動かぬ、運輸省が協力しなければ動かぬ、こういうようなかっこうになってきておりますから、非常に複雑ですね。現実にロサンゼルスが今日たいへんな被害を受けて、たくさんの法律をつくってばく大な金を使って、十年前の空気に戻そうということでやってきたわけですけれども、まだ一酸化炭素なりあるいはNO等についてはいいのですけれども、炭化水素の規制というところまではほんとうはいっていないのですね。そうでしょう。そういうロサンゼルスですらも片づかないのに、日本の光化学スモッグというのは非常に複雑ですよ、ロサンゼルス型のほかにあるわけですから。たいへんな問題が含まれておると私は思うので、これは一酸化炭素を規制すればいい、鉛を規制すればいいということではなくて、ガソリンそのものにも及んでいかなければならぬ、工場の排煙のほうにも及んでいかなければならぬということで、非常に複雑多岐になってくると私は思うのでありますが、これを何とかして元の空気に返すという方策ばございますか。

柴崎芳三通商産業省公害保安局公害部長

○柴崎説明員 先生御指摘のとおり、日本の光化学スモッグはまさに非常に複雑な形態をとってあらわれておりまして、これを解決することは並みたいていの努力では不可能かと思いますが、通産省といたしましては、現在はいろいろその方法を検討中でございまして、昭和四十三年から四十四年にかけましてスモッグチェンバーというものを工業技術院に設けまして、特に日本の場合におけるフォトケミカルスモッグの生成過程を中心にいたしまして現在検討中でございますが、この生成過程をまず明らかにすることによって有害物質の排除についても有効な対策が講ぜられるであろう。そのような観点から鋭意進めておるわけでございますが、まだ研究のごく初歩でございまして、あまりたいした成果は得ておりません。ただ、それだけでは済みませんので、いろいろ現在別途対策を考えておるわけでございますが、その第一は、原因物質の一番大きな範囲を占めると思われますNOxを退治するということでございます。  NOxの退治につきましては、まずその発生源である自動車のNOxをできるだけ有効に排除する必要があるということで、先般発表されました運輸省の排出ガス規制の五十年の目標値、現在の値に対しまして八五%をカットするという目標になっておりますが、このために最も有効な触媒の開発あるいは最も有効な燃焼形態を実現できるような自動車エンジンの改良というようなことにつきまして、五つのケースを想定いたしまして、いろいろの手法を組み合せまして、現在その効果につきましての検討を行なっておるわけでございます。  それから第二番目のNOxの退治の方策といたしましては、固定煙源から出てまいりますNOx、すなわち、工場から排出されるNOxの退治の方法でございますが、これは先生御承知のように、NOxはおよそ燃焼が存在するところには常に存在するという関係にございますので、非常にむずかしいわけでございますが、たとえば低酸素燃焼法とか、あるいは廃ガス再循環燃焼法とか、あるいは二段燃焼法というような、いろいろ新しい燃焼方法を検討することによりまして、現在の見込みではこれらが成功すれば五〇%ないし六〇%のNOxの減少が期待できるわけでございますが、この研究を鋭意進めておるわけでございます。  で、あとHCの問題は、これは自動車から出てまいります部分が一番大きいわけでございますので、まず第一段階としてはエンジンから出ますブローバイガスを退治する。これはことしの八月一日から新車につきましては完全に還元装置をつけて、新車はゼロになるかと思いますが、ただ問題は中古車でございます。中古車につきましては法的な規制をかける予定はまだないのでございますが、できるだけ行政指導をもちましてHCの減少につとめたい。  あとガソリンスタンドあるいは石油精製工場から蒸発して出てまいりますものもございますが、これは設備の改善によりまして比較的容易にカットできるのではないか、かように考えておる次第でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 非常にこの問題は、簡単に騒ぎ過ぎるぞということを言われた人もあるようでありますけれども、現にロサンゼルスの農作物の被害あるいは人体に対する影響あるいは果樹等に対する被害というものはばく大なものになっておるわけですね。しかも、一つを立てようとすれば一つが今度は死んでくるというような、非常にむずかしい技術的な問題を含んでおります。  この間、あるところの答申で、鉛のことをやかましく言っておったところが、簡単に芳香族の炭化水素をよけい入れればいいじゃないかという意味の答申をした、あなたのほうの専門家がそういう答申をした、そういうようなことまで新聞に言われております。こんな狭い量見ではものは片づかぬと思うのですね。非常にむずかしい真剣な問題でありますが、事そこまで来ているという問題ですよ。ですから、私はこの問題についていろいろ申し上げなければなりませんけれども、時間が七分過ぎてしまったので、きょうはこれで終わっておきます。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 次は古寺宏君。

古寺宏公明党

○古寺委員 最初に、通産省にお尋ねをいたしますが、最近は会津製錬所あるいは小名浜、八戸製錬所におきまして、公害問題が次々に発生しておりますが、この種の独立製錬所の公害規制の実態についてお伺いしたいと思います。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田説明員 お答えいたします。  独立製錬所につきましては鉱山保安法の適用がございませんで、現在のところは条例によって規制を受けておるというのが現状でございます。しかしながら、人の健康にきわめて深い関係を有する公害要因の問題が生じてまいっておるということでございますので、現在のところは法律に基づいてやると同じような規制を指導中でございまして、今後の規制につきましては大気汚染防止法あるいは水質汚濁防止法等によって、法の規制をやることについて検討をいたしておる次第でございまして、現在のところは実質的には法の規制はございませんので、それに準ずる規制について指導しておるという現状でございます。

古寺宏公明党

○古寺委員 直接法律に基づく規制が必要であると思いますが、そういう法律の改正については考えておられますか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田説明員 お答えいたします。  ただいま申し上げましたように、今後は大気汚染防止法あるいは水質二法によりまして規制をするということについて検討いたしておる次第でございます。

古寺宏公明党

○古寺委員 その際、製鉄あるいはアルミ製錬、石油精製工業についてはどういうふうにお考えになっておりますか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田説明員 お答えいたします。  現在、製鉄あるいは石油精製等は、すでに指定地域にあるというのが現状でございますので、大体現在の二法の対象になっておるわけでございます。今後は、特定の有害物質の取り扱いについて検討することによってカバーをするようにいたしたいと考えております。

古寺宏公明党

○古寺委員 これはきょうはだいぶ出た問題でございますが、現在の金属鉱山は休廃止鉱山を含んで約三千二百ございますが、鉱務監督官はわずかに百四十名であるといわれておりますが、今後この鉱務監督官の増員について、通産省は一体何名ぐらいの増員を考えておられるか承りたいと思います。

荘清通商産業省公害保安局長

○荘説明員 現在なお検討中でございますが、大体六十名前後の増員があれば相当業務が適正に行なわれるのではないかと考えて検討しております。

古寺宏公明党

○古寺委員 休廃止鉱山の鉱滓あるいは坑内水によるところの鉱害問題が最近全国的に発生をいたしておりますが、これに対する対策はどういうふうになっておりますか。

荘清通商産業省公害保安局長

○荘説明員 休廃止鉱山のうち鉱業権の消滅後五年以内のもので、かつ鉱業権者たる株式会社が現に存続しておるという場合には、引き続き鉱山保安法上の鉱害防止義務を鉱業権者が負っておるわけでございます。それから、五年を経過しました場合には、その義務が一応解除されることになっております。  なお、権利者たる株式会社が解散をする場合が非常に多いわけでございますが、そういう場合には、五年たたないうちにも義務者が不存在になりますので、鉱害防止の責めを負った者はなくなる、一応こういう法律上のたてまえになっております。  その線に即しまして今後行なおうといたしております施策は、まず第一に、従来こういう方面への保安監督業務が非常に立ちおくれておりましたので、今年度から、これらにつきましての実態調査を鋭意行ないつつございます。この検査の結果に基づきまして、先ほど申し上げました第一のグループに属しますところの休廃止後も法律上の義務者が存在するものにつきましては、所要の改善工事等を行なうよう指示をし、それの実施を確保いたす所存でございます。第二のグループの、法律上の義務者がないという場合につきましては、調査の結果措置を要するものが発見されました場合に備えまして、明年度予算におきまして所要の予算措置を講じまして、国と県とが共同した形で所要の鉱害防止の工事等を実施するということにぜひいたしたいと考えて、目下検討しておる最中でございます。

古寺宏公明党

○古寺委員 次に、零細な中小鉱山に対する鉱害防止施設の助成策、これはどういうふうにお考えですか。

荘清通商産業省公害保安局長

○荘説明員 零細な鉱山に対しましては、今後中小企業金融公庫の資金ワクの画期的な拡大等によりまして資金的な裏づけを確保しつつ、中小鉱山といえども所要の鉱害防止工事については積極的な指示を行ないまして、鉱害防止の設備の整備をはからなければならないと考えております。

古寺宏公明党

○古寺委員 公害防止事業団の原参考人にお尋ねをいたしますが、現在まで中小鉱山に対しての融資が、非常に要望があるのですが、全く行なわれていない、そういうことを承っておりますが、中小鉱山は鉱害防止施設を改善するためには非常に負担が重いわけでございます。聞くところによりますと、全国百二十の中小鉱山の施設に約二十億の資金を要するといわれておりますが、最近の公害問題にからんで総点検が進んでおりまして、今後ますます施設の改善命令が出ることが予想されるわけでございますが、そういうときにあたって事業団のほうとしては今後中小鉱山に対してはどういうような態度でお臨みになるお考えであるか、承りたいと思います。

原文兵衛公害防止事業団理事長

○原参考人 お答え申し上げます。  現在までに公害防止事業団で貸し付け決定をいたしました中小鉱山に対する融資は一件しかございません。その一件は、島根県に所在する鉱山で四千八百万円の貸し付けを決定しております。その後中小鉱山からの融資の申し込みを受理しておるものが三件ございますが、これを目下審査中でございます。  なお、中小鉱山はもちろんでございますが、中小企業に対する融資についてのわれわれの方針は、できるだけ優先的に取り扱いたいと考えているわけでございます。ただ現実問題といたしまして、当事業団といたしましては、法律並びに政令、省令によりまして、個別の公害防止施設をつくる場合に融資するときには、その地域によって融資できないという地域が存在するわけでございます。そういう地域にある鉱山から、いままでに数件融資ができないかという相談を受けましたけれども、現在の法律、政令、省令によりまして、それは可能になっておりませんので、そういうお答えをしている例はございます。今後私どもも、公害問題は日本じゅうやはり考えなくちゃならない問題でございますので、そういう点について前向きで監督官庁とも相談し合っていきたいと考えている次第でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 この際、さっきの答弁漏れがあるそうでございますから、これを許します。荘公害保安局長。

荘清通商産業省公害保安局長

○荘説明員 先ほどの中小鉱山に対する助成措置につきまして、一言つけ加えさせていただきます。  公害防止施設整備のための金融助成策につきましては、政府関係金融機関の資金の充実に加えまして、市中銀行等からの金融の円滑化ということもきわめて大切であると考えております。このために、中小鉱山に限らず、中小零細企業が市中銀行からの借り入れを行なう場合におきまする信用保証制度の円滑化をはかるために、料率その他の現行制度の改善をはかるという方向についても目下検討中でございます。

古寺宏公明党

○古寺委員 次に農林省にお尋ねをいたしますけれども、私は先日福島県の磐梯町というところに行ってまいりました。この磐梯町では、カドミウムによる汚染によって自家保有米が凍結をされて、物々交換によって生活をしておる農家の方々が、毎日そうめんやうどんを食べて生活をしておる、そういうような実情でございまして、今後今年度予想される収穫米についても、あるいはまた今後の農家に対しても、土壌の汚染その他でいろいろと不安を持っておられるわけでございますが、安中あるいは黒部、あるいは奥岳川というような、いろいろ問題の地点がありますが、こういう汚染されている地域に対して農林省はどういうような対策を考えておられるか、また現在農林省が把握をいたしておりますところの重金属あるいは工場排水等により汚染されている全国の水田の面積、そういうものについてはどの程度を掌握されておられるのか、その点について承りたいと思います。

加賀山國雄農林大臣官房技術審議官

○加賀山説明員 お答えいたします。  ただいま先生から御指摘のございました福島の磐梯町につきましては、そういう情報をわれわれも得ておりまして、福島県当局ともいろいろ情報交換をいたしておりますが、福島県が八月の十二日、明日でございますが、明日から、東西二キロ、南北一キロにわたって日曹金属の周辺の精密な調査に入るという報告を受けておりまして、その調査が終了いたしまして報告を得次第、農林省としての対策を立てたい、かように考えておるわけであります。  それから、第二番目の御質問の重金属による農地汚染あるいは作物に対する汚染等がどれくらいの面積になっておるかというお話でございますが、これにつきましては、農地局中心の調査、あるいは農政局を中心にいたしまして障害性物質の調査等をいたしておりますが、ただいま調査中でございまして、はっきりとした数字をここで申し上げる段階ではございません。

古寺宏公明党

○古寺委員 農家の方々は、非常に不安に思っているわけでございます。しかも、この重金属の汚染によっては生産性も低下するし、また生産された作物についても販売ができない。いろいろな悩みがございます。ある新聞の記事によりますと、水質汚濁は直接被害の場合でもって三万六千五百ヘクタール余りである。あるいは工場や事業活動によるところの被害は四万六千四百三十ヘクタール余りとなっている。こういうふうに書かれてございますが、こういうような実態というものを農林省が把握した上でこの対策を立てなければ、いつまでたってもこの農民の不安というものは消えないと思うわけでございますが、農業公害に対するところの調査研究体制というものはまことにお粗末であり、おくれているわけでございますが、今後どのようにしてこの体制を整備していくお考えであるか、承りたいと思います。

加賀山國雄農林大臣官房技術審議官

○加賀山説明員 ただいまの先生からの御指摘の工場排水等による汚染面積につきましては、先般四十四年度の調査を公にいたしておりまして、その数字はわかっているわけでございますけれども、先ほどのお尋ねが重金属による汚染はどうかという御質問でございましたので、それにつきましてはもうしばらく御猶予をいただきたい、かようにお答えをいたしたわけでございます。  その次の御質問の農林省の体制がおくれているではないかという御指摘でございますが、われわれもできるだけの努力はいたしてまいりましたが、最近の情勢等考えまして、さらにこの体制を強める必要がある、そのように考え、来年度の予算等では大いに予算要求をいたしたいと思っております。特にわれわれの関係いたします土壌汚染等につきましては、従来からその土壌の生産力ということで全国の調査をいたしておりますが、やはり障害性物質がどのように分布されるかというバックグラウンドの調査をはっきりいたしたいという気持ちがございまして、来年度の予算でございますから、まだ何とも申せませんが、全国にネットワークを張りましてバックグラウンドの調査をいたしたい、かように思っております。

古寺宏公明党

○古寺委員 この負担能力のない中小企業あるいは中小鉱山あるいは休廃止鉱山等によって補償問題が発生した場合、そういう場合に農林省としてはどういう対策をお考えでございますか。

加賀山國雄農林大臣官房技術審議官

○加賀山説明員 ただいまの先生の御質問、たいへんむずかしい御質問でございますので、農林省としてお答えのできる範囲でお答えをさしていただきたいと思います。  現在進行中の三日市、その他カドミウムの汚染につきましては、食糧庁を中心にいろいろ——まだ最終的な結論が出ませんけれども、しかし、原因者がはっきりしている場合においては、第一義的に原因者にその責任は帰すべきであると、農林省はそのような考えを持っております。  第二番目に、原因者がはっきりしない、あるいは負担をさせたらその企業が倒産してしまうという場合もあろうかと存じますけれども、これ等の費用負担問題につきましては、農林省だけでは解決できない問題でございまして、関係各省とも連絡の上、公害対策本部とも連絡いたしまして、できるだけ前向きに対処いたしたい、かように考えておるわけであります。

古寺宏公明党

○古寺委員 いまと同じような問題が鉱山によっても往々にして起こり得るわけでございますけれども、そういう場合には、井戸水の汚染あるいは農業用水の汚染あるいは農作物の被害等が出た場合に、いろいろと補償問題でめんどうになると思うのでございますが、もちろんこれは加害者と被害者がはっきりしている場合には既往の補償方式でいくと思いますが、補償する能力のない、そういうはっきりしない原因によって被害が起きた場合には、通産省としてはどういうような対策をお考えですか。

本田早苗通商産業省鉱山石炭局長

○本田説明員 お答えいたします。  御指摘のように、原因が鉱業権者との関係で生じておるという場合には、当然これは鉱業権者の損害賠償義務があるものと考えております。それにつきましては、従来からも、現在の鉱業法上では金銭賠償というのが原則になっておるわけでございますが、御指摘のように最近の公害はカドミウムの土地汚染のような問題が発生しておりまして、これらについては金銭賠償でなくて鉱害復旧という問題が生じてまいっておると思います。したがいまして、鉱害復旧につきましては、金銭賠償と比べて非常に膨大な経費がかかる。あるいは国土保全という公共目的に適合する場合、あるいは古くからの鉱業によって累積的な鉱害の影響あるいは自然汚染等のようなものがあるという場合には、これは金銭賠償とは違った形でこの鉱害復旧を行なうということが必要になろうと思います。その場合、鉱業権者の責任ということになりますと、これは全面的に鉱業権者の責任で解決するということにはなかなかまいらぬかと思いますので、次の国会を目途に検討中でございます。事業者の費用負担に関する法律との関連も考えまして、あるいは石炭関係で現在鉱害復旧制度が行なわれておりますが、これらも参考にして、鉱害復旧が実施できるような制度を検討するようにいたさねばならぬというふうに考える次第でございます。

古寺宏公明党

○古寺委員 時間がございませんので、次に移りますが、厚生省にお尋ねをいたします。  最近のこの緊迫した公害事例に対処をいたしまして、公害の監視、測定及び分析調査等の業務を迅速かつ重点的に処理するためには、公害センターというものが必要である、こういう機運が全国的に起こりつつございますが、いままでの厚生省の補助制度を見ますと、公害監視センターの一部機器に対してのみ補助がございましたが、こういう公害センターの建物あるいは施設についても補助制度をつくっていただきたい、こういう要望が非常に強いわけでございますが、こういう点について、厚生省はどういうふうにお考えになっているか承りたいと思います。

曾根田郁夫厚生省環境衛生局公害部長

○曾根田説明員 公害センターにつきましては、このセンターとして独立した建物等でやっております場合と、衛生試験所、研究所等でその一つのパートとしてやっております場合といろいろございまして、従来はこれの整備費につきましては一応地方債で見るという形になっております。ただし特定の測定装置等の備品につきましては本年度から所要の補助金を計上いたしまして、三千五百万程度でございますけれども、三分の一の国庫補助の道を開いたのでございますけれども、先生おっしゃるように、センターの備品等のみならず、設備費についても要望が強いようでございますので、できるだけ前向きで検討いたしたいと思います。

古寺宏公明党

○古寺委員 厚生省が国全体の監視センターに対して三千五百万円の補助金では十分ないわゆる公害の監視というものはできません。ましてや最近は地方自治体個々の問題ではなくして、日本全体の立場に立ったいわゆる広域センターというものの計画が必要になってまいっております。こういう点について、厚生省は一体どういうふうにお考えですか。

曾根田郁夫厚生省環境衛生局公害部長

○曾根田説明員 先ほど、地方センターのお話を申し上げたわけでありますけれども、国としましては、これとは別に国設の監視センターも整備することにいたしておりまして、将来二十カ所程度を考えておるわけでございますけれども、四十五年度までを含めまして、一応十三カ所が整備されております。  それからいまお尋ねの広域的な問題としましては、本年度大阪と兵庫につきまして所要の補助金を計上したのでございますけれども、これもたとえば京浜、京葉、あるいは名古屋地帯に非常に強い要望もございますので、来年度も積極的な補助政策を考えてまいりたいと考えております。

古寺宏公明党

○古寺委員 わが国の現行の医療制度においては、予防医学というものが非常におくれております。そこで、この公害の問題につきましても、公害病の予防対策、いわゆる社会学的な予防対策というものについて、厚生省はどういう対策をお持ちになっているか承りたいと思います。

曾根田郁夫厚生省環境衛生局公害部長

○曾根田説明員 いわゆる公害に関する疾病等の予防という意味では、従来もいろいろ試験研究等所要の措置を講じてきたのでありますけれども、やはりこれは単に医学のみならず、関連の諸学問全部の分野を結集して必要な研究体制を確立しなければいかぬというふうなことで、厚生省としましては実は本年度調査費が計上されておりますけれども、来年度以降かなり規模の大きい公害衛生研究所ということも考えております。これにつきましてはすでに設立準備委員会も設けまして第一回の打ち合わせを行なったところでありますけれども、そういったものをできるだけ拡充しましてただいまの御要望にこたえてまいりたいというふうに考えております。

古寺宏公明党

○古寺委員 私が申し上げているのは、もちろんこれからの調査研究も必要でございますが、いわゆる予防体制というものがむしろ必要ではないか、そういうふうに考えるわけでございますので、その点を今後十二分に検討していただきたいと思います。  時間ですので終わります。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 次は、米原昶君。

米原昶日本共産党

○米原委員 私は、先ほど細谷議員が質問されました光化学スモッグの問題を中心に若干お尋ねしたいと思います。先ほど細谷委員からかなり重大な点の指摘があったので、私はダブるところは避けまして、簡単に聞きたいのであります。  何よりも、今度の問題が起こりまして、一体政府は何をやっていたのだろうかということを感ずるのは、細谷議員と全く同じであります。実は、私たちは昨年の九月三日に、自動車排気ガスから住民の生命と健康を守る日本共産党の緊急対策というのを発表しまして、当時政府にも申し入れしました。その中にも、実は光化学スモッグの危険性について指摘して、緊急にこの調査体制を強めてもらいたい、また、その中には今度問題になっておる自動車用ガソリンに四アルキル鉛を添加することをすぐやめるような方向で施策をとるべきだということも指摘しておったわけであります。それが半年そこそこの間にこういう問題になってしまったという点で、非常に残念に思っているのです。こんなことを共産党が政策に入れたということは、何も特別に考えてやったのではなくて、皆さん自身が、皆さんの省で技術者の人や何かが発表しておる資料をもとにして私たちはこの政策を立てたのであって、政府のほうが全く対策をとっておられなかったという印象ですね。非常に残念に思うのです。  ことに、これはサンケイ新聞ですが、七月二十六日の紙面に「たるんでるぞ厚生省」という、大きなこういう記事が出ておって、東京都も横浜も六年前に光化学スモッグの危険性を知って、そして幾つかそういうデータが出てきた。厚生省に対してこのことを申し入れたけれども、何もやってくれなかったということを、東京都と横浜市の責任者が語っている記事が出ております。この点ですが、先ほどの細谷さんに対する御回答では、結局、まだしっかりしたデータがつかまらなかったということと、そしてもう一つは、被害というほどの被害もあらわれていないんで、という弁明がありました。しかし、私はそこが非常に問題ではないかと思うのです。けさほども公害対策本部副本部長の山中大臣から弁明がありましたけれども、つまり今度の公害対策基本法の改正の問題です。その中で私は問題になる点は、いわゆる健全な経済との調和といっておりますが、厳密に言えば、つまり第一条の(目的)のところですね。「国民の健康を保護する」ということとそれから「生活環境を保全する」ということ、この二つが別々のことのように扱われている。そして生活環境の保全ということが経済の発展との調和、こういうふうに出ているわけですね。健康の保護のほうはそれ自身重要なものとして指摘されているのですが、生活環境の保全も書いてある。ところが生活環境の保全のほうは経済発展との調和だ、ここで考え方に問題が起こっているのだと思うのですよ。つまり何か健康を害する人があらわれて、もちろん死人が出たということになればこれはたいへんだ。しかし、そこになるまでに、実際に生活環境が刻々と破壊されているということはだれでも知っていることです。いろいろな植物が枯れたり、隅田川にはもう魚がいなくなった、生活環境が完全に破壊されてきている。それは必ず人間に作用を及ぼしてきて、健康の破壊につながってくるわけです。これを何か二つのことにしている。そして生活環境の保全というほうは経済発展との調和だ。条件つきになってしまうのですね。実際は、現在の東京の状態でものすごい排気ガスあるいは亜硫酸ガス、そういうものでもうかなり生活環境が破壊されてきているのです。それにもかかわらず、まだはっきりした被害になっていないから、そこに私は問題があるように思うのですが、その点についてやはり考え方を変えないとたいへんなことになるんじゃないかという点を感ずるわけです。この点で、厚生省の見解を伺いたい。

曾根田郁夫厚生省環境衛生局公害部長

○曾根田説明員 先ほどの私の答弁、多少歯切れが悪くて、誤解があってはいかぬと思いますので申し上げますが、厚生省としましては、こういう事態の出現をかねて心配しておりまして、所要の測定器を備えまして、東京と大阪の二カ所で測定を行なっておりまして、その問いわゆるオキシダント濃度の高い数字等も報告されておりました。ただ、そのような数字が直ちにいわゆる光化学スモッグによるものかどうかにつきましては、現実に身近に具体的例と申しては何でございますけれども、そういう典型例と目されるような事例がございませんでしたので——もちろん濃度が高いということは、それに応じて所要の、たとえば排出ガスの規制措置を強くするように関係省に申し入れるとか、そういうことはやってきたのでありますけれども、光化学スモッグとしてとらえるまでに至らなかったということでございます。厚生省は常に人命、健康の保全という立場に立って公害行政を進めていく態度には変わりございません。

米原昶日本共産党

○米原委員 そうだろうと思います。しかし、要するに健康が破壊されるということが出たときはもうおそいわけですからね。そこが問題だと思うのです。環境が非常に汚染されてきている。人体とか人命には直接の影響はまだあらわれていない。しかし、その段階こそ警告を発すべき段階であって、いまのうちにやらないとたいへんなことになるという問題があったと思うのです。その点がやはり手おくれであったことはいなめないと思う。  先ほど細谷委員も質問しました硫酸ミストの問題ですね。まだはっきり断定できるデータがないというような話でしたが、やはりそれで安心してはいけないということを同じように感ずるのです。たとえば、この問題も東京都の都立衛生研究所の検査というのがやはり新聞紙上に出ていますが、ここではほとんど硫酸ミストだということを断定しておりますね。そういうのがかなり出ていると思うのです。その点でこまかく学術的にいえば、断定するにはまだかなりデータが足りない面もありますけれども、しかし、先ほどから説明を聞きまして、硫酸ミストが発生する条件は十分備わっていると言ってもいいのじゃないか。そういう段階で手を打っていくということが非常に大切じゃないか、そう考えるわけですが、さらにこの硫酸ミストの問題が問題になると同時に、もっと先のことを言っている学者もいますね。硝酸、、、ストがあらわれるのじゃないか、条件はやはりある。あるいはもっと危険な王水ミストが発生する危険さえある、こういうことを発表しておる学者もおりますね。そういう点じゃいまのうちに相当緊急な対策をとっておかないと、私が受けている印象ではまだまだ手ぬるいという感じが絶えないのです。もちろん完全に防止するということは、いろいろ複雑な原因が重なり合って起こっていますのでたいへんなことだ、そう感ずるのですが、しかし、これを押えるためには、先ほどからの御説明を聞きましても、結局けさの山中国務大臣の就任のあいさつの中にも触れておられましたが、たとえば工場から出る亜硫酸ガスの問題にしましても、煙突を高くするだけじゃ解決にならぬという段階にきたのだ。今度の問題はそうだと思うのです。これは単に光化学スモッグだけでなくて、先ほども話があった群馬県の安中のあの東邦亜鉛の煙突にしましても、安中からずっと離れた高崎市内にまで問題が起こっているわけですね。煙突を高くしたから逆に遠くのほうで被害が起こった。煙突を高くするというのも確かに一つの方法だけれども、一定の量までくると、もうこれは新しい問題を起こしてきているわけですね。そうだとすると、思い切った手を——いま抜本的な手といっても一挙にはできないほどいまの段階じゃたくさんあると思います。その点についてひとつ考え方を聞きたい。

曾根田郁夫厚生省環境衛生局公害部長

○曾根田説明員 光化学スモッグの問題につきまして、実はあのような事件がありまして、厚生省としましては先月末に専門家会議を、これは富山大学の例の助教授、東京、大阪、千葉等の研究所の先生方にも入っていただきましてそこでいろいろ打ち合わせをいたしました。いろいろな議論がございましたけれども、先生方の一致した意見は、これは今後の一番大きな問題とされておるNOx、いよいよ本格的なNOxの時代が来たことに対する一大警鐘、警報ではないか、これらについてはなお学問的に解明すべき問題も非常に多くありますけれども、それだからこそいまのうちから思い切った対策を考えておくべきではないかという点については皆さん方が一致されたようでございます。  私どもとしましてはそれを受けまして、この専門家の方々に生活環境審議会の専門委員会にそのままお入り願いまして、環境基準ということになりますと、これはやはりかなり時間もかかる。またスケジュールもありますので、当面できるだけ早い年内の機会に、窒素酸化物あるいは炭化水素等についてとにかく暫定的な基準をつくる。そして場合によれば警報基準等も考えまして、現在SO2、硫黄酸化物について緊急時の措置がございますが、こういったものと同じような措置を行なって、必要があれば交通規制等もできるようなことを考えてはどうか。それから、これは最も現実の問題としましては、現在測定機械が非常に少ないもんですから、これを早急に整備する。そういう当面の対策とあわせまして先ほど通産省からもお話がございましたように、やはり基本的に研究する分野が非常に多うございますので、防止技術の開発等と並んでそういう光化学スモッグのいわゆるメカニズムを基本的に解明していく。そういうために大型のプロジェクトを投入するということも考えていかなければならぬ、そういうふうに考えておるわけでございます。

米原昶日本共産党

○米原委員 結局、根本的にはいまお話があったような火力発電所や、それから工場の煙突から出る亜硫酸ガスの中から硫黄分を取り除く、重油から硫黄分を取り除くということ、これは先ほどもお話がありました。それについて研究されて、これはどうしてもやらなくちゃならぬことでありますが、同時に排煙からも硫黄分を取り除く装置をつけるべきだといわれておりますが、この点通産省のほうどうでしょうか。

柴崎芳三通商産業省公害保安局公害部長

○柴崎説明員 御説明申し上げます。  排煙脱硫がSO2を排除する非常に有効な方法であることは以前から強く指摘されておりました点で、通産省も一この点に目をつけまして、排煙脱硫のための大型プロジェクトというものを工業技術院で開発いたしまして、すでにその成果を得ております。その成果に基づきまして、まず第一番目に手をつけておりますのは、電力関係に排煙脱硫装置をつけさせようということでございまして、現在東京電力の鹿島火力、中部電力の四日市火力、大阪の堺港火力、この三つにつきましてそれぞれ十五万キロワット、十一万キロワット、六万五千キロワットの排煙脱硫装置を現在建設中でございます。  電力だけではございませんで、次の段階は鉄鉱の特に焼結工場の排煙脱硫設備というものが非常に大きなウエートを持っております。現在では、日本鋼管が三万立米・パー・アワーの排煙脱硫装置をつけておるにすぎませんが、最近鉄鋼連盟では、この日本鋼管で採用しております神奈川県の工業試験所式というものを取り上げまして、十五万ノルマル立米程度に拡大いたしまして、焼結工場にできるだけ早くかつ広く備えつけさせたいということで、業界の努力が行なわれております。  焼結工場以外に、Cガスの脱硫、これはコークスのガスでございますが、この脱硫をするために川崎製鉄においても四十八年度の稼働を目標に検討しておるのが実情でございます。  次に、石油精製の実態を見てみますと、現在東亜燃料の川崎工場がウェルマンロード法というので、二十万ノルマル立米・パー・アワーの排煙脱硫装置を計画中でございまして、やがて着工することになるかと思います。  その他千葉地区では、日本合成ゴム、旭硝子、日本燐酸等が計画しておりまして、王子製紙も苫小牧で四万五千ノルマル立米・パー・アワーの設備を計画中であるというようなことで、だいぶ各分野に排煙脱硫装置の設置の傾向は広がってまいりまして、われわれも大いにこれを促進したい、かように考えております。

米原昶日本共産党

○米原委員 ひとついまの排煙脱硫装置問題、できるだけ早急に推進して、ある点では強制的にもつけさせるような措置をとってもらいたいと思います。  同時に、先ほどお話のあった、重油から硫黄分を取り除く、あるいは低硫黄の石油を使わせるという問題も積極的にやってもらいたいと思うが、特に天然ガスの使用を積極的に進めるということを当然考えていいのじゃないか、この点どうでしょうか。

柴崎芳三通商産業省公害保安局公害部長

○柴崎説明員 まず、重油の脱硫でございますが、現在の能力は、直接脱硫が十五万バーレル・パー・デー、間接脱硫が二十七万八千バーレル・パー・デー、合計約四十三万バーレルになっておりますが、これを昭和四十七年度末に全体で約六十三万五千バーレルまで拡大いたしまして、そのうち直接脱硫が占める数量は十五万三千バーレルということを考えておりますが、こういう形でさらに四十七年度以降も大いに重油脱硫装置の設置は促進していきたいと考えておる次第でございます。  低硫黄重油につきましては、先生御承知のとおり、低硫黄化部会というものが通産省にございまして、ここで四十八年並びに五十二年を目標に一つの計画をつくり上げまして、それを目標に目下低硫黄化の実行をしている段階でございますが、現在四十五年度におきましては、大体平均硫黄分一・七%程度の低硫黄が六千四百万キロリットルございますが、四十八年度ではこれを平均一・二%程度に落としまして、数量としても約七千万キロリットルというものを確保したい、かような目標で進めておるわけでございます。

米原昶日本共産党

○米原委員 そうしますと、もう一つの問題は自動車の排気ガスの問題だと思うのです。もちろん一定の交通規制、これは最近日曜日に東京でやっておりまして、非常に住民の支持も得ておりますが、これだけでは根本的な解決にはもちろんならない。しかし、やはり住民自身が非常に歓迎しておる、こういう方向は大いに推進しながらこの交通規制の問題をやらないと、ただ法規だけでどうしようといってもむずかしい点がたくさんあると思うのです。  同時に、自動車の排気ガスについて、先ほどのお話では、ブローバイガスに対する発生防止装置は、今度義務的につけさせるということがきまったということでありますが、同時にアフターバーナーをつけさせる、両方ともつけさせるということをやれば有害ガスをかなり低くすることができるのじゃないかというふうに考えるのですが、この点はどうもブローバイガスのほうは義務づけたということで満足するわけにいかないじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。

柴崎芳三通商産業省公害保安局公害部長

○柴崎説明員 アフターバーナーにつきましては、現在もちろん設置義務は負わされておりません。現在いろいろ開発はされておるようでございますけれども、あまり普及はしておりません。基本的な考え方といたしましては、アフターバーナーという形で燃焼さした場合にはCOは減るけれども、ほかの有害ガスがふえるという非常に大きな致命的な欠陥がございまして、むしろ今後の技術開発の方向は触媒式のコンバーターあるいは排気リアクターというところに重点を置かなければならないのではないかと考えております。  かかる考え方に基づきまして、先ほども御説明いたしましたが、昭和五十年度の自動車排出ガスの規制の目標値に合わせまして、特に気化器の改良あるいは排気の再循環系統の改良あるいは接触式コンバーターの開発といったところに重点を置きまして、CO、HC、NOx並びにその他の微粒子分を全体として約九〇%ないし九五%カットしようという技術の開発を、目下通産省並びに石油業界、自動車業界がそれぞれプロジェクトチームをつくりまして開発しておるのが実態でございます。

米原昶日本共産党

○米原委員 触媒コンバーターを開発するということは非常にけっこうだと思うのです。そういうふうにやればアフターバーナー自身がかなり寿命が長く——最近できているのでも、もう長くなっているということがいわれておりますが、資源技術試験、所のほうの方の調査でも、私が得たところによると、最近の触媒などの開発によって排気中の一酸化炭素や炭化水素を数分の一または十分の一にすることができる。二万キロ走行後でも数分の一にすることが可能だ。トヨタの開発したものではCO一〇〇%、HC九五%を取り除くことを発表して、それが八月七日の朝日新聞に出ております。これは五千円くらいのものだと出ている。あるいは三井金属工業が明らかにした触媒によるとCO、HC、Pb、NOもかなり少なくすることができる。しかも耐用期間は二万五千キロメートルだ、こんなことも新聞に出ております。これらの点でかなり進んでいると思うのですが、完全なものはおそらくなかなかむずかしいのだろうと思います。いろいろけちをつければつくところがあると思うのですが、しかし、何しろいまの状態からいいますと、一方でどんどん自動車がふえているわけです。ですから、いま程度でこうやっても一方で自動車がふえれば、さっきの高い煙突じゃありませんが、最後に行き詰まりがくるわけですね。いまのやり方でいくとやはり基本的な行き詰まりがくるので、相当思い切った手を打たなくてはならぬと思うのです。  もう時間がありませんから簡単に聞きますが、この前から問題になった四アルキル鉛の問題ですが、実際には先ほどもちょっと話がありましたが、たとえば日本工業新聞の八月一日のを見ますと、名古屋の通産局がガソリンの加鉛量の摘出検査をやって調べてみた。そうすると、この分析は名古屋市立大学の奥谷教授がやられたというのですが、たとえば皆さんのほうじゃ七月一日から一・一にするといったのがそうでないということが出ていますね。それから前に参議院でもわが党の須藤議員が幾つか指摘いたしました。調べ方はいろいろな点で若干技術的には議論の余地があるかもしれぬ。しかし、加鉛量が予想されたよりかなり上回っているといううわさはずいぶん聞きます。その点ではたしていまのあのやり方で鉛をなくすることができるか。計画としては五年といったのを四年に下げましたよ。いかにもできそうなことをいっておられるけれども、実際にはこうやっていない、あるいはごまかしているところがかなりあるんじゃないかと思う。それは政府が山口県の東洋エチルなんてものを、もうそのうちになくなるんだからということでつくることを放任している、その姿勢が影響しているんだと私は思うのですよ。鉛が入ってなくてはとにかく走れないような自動車は一割だとおっしゃっているわけですよ。少なくともそれ以外の自動車は思い切っていますぐにでも全部鉛をなくしてしまうのだという手はとれないものかと私は思うのです。それがおそらく一割でなくて、どうしてもそういう四アルキル鉛がいまのところ必要だという自動車はもっと少ないと聞いております。つまりそういうやり方でやってみますと、計画としてはもっとものようであっても実際はできなくなってしまうんじゃないか。自動車がどんどんふえますし、できることからどんどんやっていかないと、決してこの問題は解決できないんじゃないかという気がするのです。この点どうでしょうか。実際に一割だとおっしゃるんでしょう、ハイオクタンのガソリン、四アルキル鉛のガソリンが必要なのは。そうだとすると、それ以外のものはもうやめたっていいじゃないか、そういう措置がなぜできないのかということを痛感するのです。

柴崎芳三通商産業省公害保安局公害部長

○柴崎説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生が鉛がなくては走れない車は一割だというぐあいにおっしゃいましたけれども、これは若干実情と違いまして、いますぐに鉛を全部抜いてしまいますと、鉛が現在潤滑油的な役割りもしておるものですから、特にバルブシートという部分に摩耗現象が起こりまして、そのために非常に不完全燃焼を起こして、COをはじめとする有毒ガスがふえる可能性がある。それから走行性能が非常に落ちてきて、走行上危険が生ずるという問題がございます。これはガソリンのハイオク、レギュラーとは関係なく、すべての現在の車につきましてそういう現象が起こってくるわけでございまして、したがって、いますぐ鉛をなくすということは、公害対策上多くの問題を惹起するという意味におきまして、われわれは不可能だというぐあいに考えておるわけでございます。  それからさらにその加鉛量の実際が、われわれの計画その他と比べまして非常に多いのではないかという御指摘があったわけでありますが、この点につきましては斎藤石油業務課長のほうから詳細をお答え申し上げたいと思います。

斎藤顕通商産業省鉱山石炭局石油業務課長

○斎藤説明員 お答え申し上げます。  通産省で加鉛量を少なくするための通達をいたしましたのは六月の五日でございまして、それによりますと、七月一日以降生産される——これはマーケットへ出るという意味でございますが、スーパー及びレギュラーそれぞれについて加鉛量を示したものでございます。それによりますと、ハイオクは一・一cc下、レギュラーについてはできるだけ少なく、しかしこれは一・一cc以上であってはならないという意味でございますが、それらの結果を七月一日以降の各メーカーの計画を集計いたしましたわれわれのデータによりますと、ハイオクにつきましてはいわゆる低鉛化後でございますが、これはかつては平均二・二cc・パー・ガロンであったものが〇・九六、鉛の減った量は五六%でございます。レギュラーにつきましては一・一でございましたものが〇・七三になりまして、減鉛量が三四%、これらを平均いたしますと四一%の減鉛量になります。なお、これは七月一日以降でございますが、先生先ほど申されました名古屋通産局で六月三十日に試買しております。六月三十日以前にそれぞれのメーカーが、通産省の指示いたしました七月一日以前からそれぞれ鉛の減ったガソリンを出荷しておりまして、それら三十につきまして試買いたしまして、その結果によりますと、これは名古屋大学の奥谷先生のところで分析していただきましたけれども、ハイオクタンは平均が一・一でございます。それからレギュラーにつきましては〇・四九でございます。そのほかやはり同日、六月三十日で東京通産局が試買いたしまして、資源技術試験所で分析しております。これも約三十試買いたしましたけれども、これらにつきましてもほぼ同様のデータが出ております。以上でございます。

米原昶日本共産党

○米原委員 時間がありませんから質問はしないのですが、いまおっしゃった、鉛がなくなったときにはバルブシートが早くいたむという問題ですね。これはさっきもお話しになったオクタン価を維持するために芳香族を使うという場合の問題とごっちゃにしちゃいけないと思うのですが、そうすれば当然問題はあると思うのです。しかし、鉛を抜いたらバルブシートがいたむという話は、私、方々の専門家に聞いたのですが、ほとんどが一笑に付しております。この点についてやはり正確に事実を知る必要がある。私はその点で、この次のこの公害委員会に、ひとつこの問題の専門家——特別に共産党のほうから推薦するわけじゃありませんが、たとえば通産省の機械技術試験所の柳原茂課長とか、それからさっきお話ししましたアフターバーナーの問題につきましては、資源技術試験所の八巻課長とか、こういう人を呼んで、その点をはっきりさせてもらいたい。とてもいま議論している時間がありませんから、ぜひこのことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 米原委員から申し出の参考人の招致につきましては、理事会にこれをはかりまして、後ほど決定したいと存じます。  本日は、これにて散会いたします。    午後七時二十三分散会

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