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63回国会衆議院1970/05/08

産業公害対策特別委員会 第13号

発言数
328
登壇者
32
会派数
4
開催日
1970/05/08

会議録

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 これより会議を開きます。  産業公害対策に関する件について調査を進めます。  この際、経済企画庁西川参事官から、水質汚濁にかかわる環境基準について発言を求められておりますので、これを許します。西川参事官。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 水質汚濁にかかわります公害対策基本法第九条に基づきます環境基準でございますが、これにつきましては、昨年六月、水質審議会に環境基準部会を設けましてその後鋭意検討を続けておりまして、環境基準部会を六回開催いたしましたが、この答申に基づきまして環境基準を決定いたします基本方針を定めました。中央公害対策審議会に報告いたしまして、去る四月二十一日に閣議決定をみました。  お手元にその閣議決定の全文についてお配りしてございますが、内容につきまして簡単に御説明申し上げます。  水質汚濁にかかわります環境基準につきましては、これを人の健康の保護にかかわるもの及び生活環境の保全にかかわるもの、この二つに分けてございます。  人の健康の保護にかかわります環境基準は項目ごとに定めまして、これは別表第1のほう、裏のほうに入っております第1にございますが、七項目につきまして基準値を定めております。  それから、生活環境の保全にかかわります環境基準につきましては、これを各公共用水域につきまして、水域類型を定めまして、その水域類型につきましてそれぞれの環境基準値を定めております。それぞれの公共用水域につきましては、どの類型に該当するかということを、また別途閣議決定によりあてはめるということにいたしておるわけであります。その生活環境にかかわります分につきましては、別表第2のほうに入ってございますが、まず河川、湖沼、海域、この三分類に大別いたしまして、河川につきましては六類型、それから湖沼につきましては四類型、海域につきましては三類型というものを、それぞれの項目につきまして、たとえば水素イオン濃度あるいは生物化学的酸素要求量、浮遊物質量、溶存酸素量、これらのものにつきまして河川、湖沼、海域それぞれにつきまして必要なものを定めているわけでございます。  この別表についての細部の説明はまたあとでいたすことにいたしまして、この生活環境にかかわります類型値への当てはめでございますが、これにつきましては閣議決定によることにいたしてございますが、この閣議決定をいたす前におきましては、水質審議会及び関係都道府県知事その他の関係者の意見を聞きまして、これに基づきましてここに述べておりますようなア、イ、ウ、エ、オの五つの配慮すべき事項を掲げておりますが、これによりましてそれぞれの水域を、どの類型に該当するかということを当てはめることにいたしてございます。  それからその次、(3)でございますが、環境基準はこれはオールジャパンとしてきまるべき性格のものでございますが、事務処理その他の問題からいたしまして、当てはめ行為を直ちに全国に及ぼすことは困難でございます。そのために該当水域が閣議決定されるまでの間におきましては、関係都道府県知事が、いまあげましたような、この上にあがっておりますような項目に留意しながら、経済企画庁長官と協議いたしまして指定をいたしました場合におきましては、指定をしましたこの基準値、当てはめ行為を行ないました基準値を暫定的な行政目標値とする、こういうことにいたしてございます。これは公害対策基本法におきまして環境基準は政府が決定いたすことになっておりますものですから、関係都道府県知事がきめましたものは、正式の環境基準値、ということは法律上できませんので、暫定的な行政目標値、こういうことにいたしまして、それに対しましては政府関係行政機関においてもその達成に協力する。いわゆる環境基準に準じた取り扱いをいたしたいというふうに考えておるわけでございます。関係都道府県知事が経済企画庁長官に協議いたしました場合につきましては、経済企画庁長官は関係行政機関の長に連絡するということにいたしてございます。  それからその次、第2、「公共用水域の水質の測定方法等」ですが、環境基準を定めましたら、実際は流水の基準でございますが、それがどのような状況になっているか、常に監視、測定することが必要なわけでございます。それにつきまして第2におきまして(1)と(2)と掲げてあるわけでございますが、まずこの測定方法につきましては、別表1、2にそれぞれの事項につきまして規定してございます。ただ測定点の位置、それから試料の採取、操作等につきましては、ここにありますように「利水目的との関連を考慮しつつ、最も適当と考えられる方法による」、これはどういうことかと申しますと、環境基準と申しますのは流水の基準でございます。その望ましき基準をきめているわけでございますが、排水地点直下そのものにおきましては、やはり相当なきたない水が出てくるわけでございます。その水が公共用水の中におきましてある程度希釈されましてこの環境基準を維持する、こういうことになるわけでございますから、測定点と申しますのはやはり基準点をきめておかなければならないわけでございます。排水口直下におきましてはかれば、これは当然守られてないということが生ずるわけでございますので、そのような観点から、この測定点というものを適当な地点を選定してはっきりさせておかなければいけないということでございます。  それから(2)につきましては、測定の実施でございますが、人の健康の保護にかかわります分は、時期のいかんを問わず常に維持達成されていなければいけないということでございます。この点につきましては、公共用水域、特に河川の場合等におきましては自然条件の変化が非常に大きいわけでございます。それによりまして、流量が少なくなりますと、同じ汚濁源であっても、排水のほうの汚濁は同じでありましても、流水の中の汚濁状況が悪化してくる、こういう状況がございます。水質に関しましてはそういう特性がございますので、基準値といいますものをどのところでどのような状況でとらえるかということが問題になるわけでございます。人の健康の保護にかかわります分、これは絶対的でございますから、どんな渇水期におきましてもこれは維持達成されていなければいけないということを、この点においてはっきりさせておるわけでございます。生活環境の保全にかかわります分につきましては、これはある程度のアルファ分があるわけでございますから、基準値を定めました基本条件といたしましては、ここにありますような「通常の状態」と申しておりますが、カッコにありますように、河川にあっては低水量以上の場合、それから湖沼におきましては低水位以上の場合、この場合を通常の状況と考えまして、そういう状況においてこの環境基準値が確保されてなければならない、このように考えておるわけでございます。海域の場合におきましては、これは干満があるわけでございますから、一日の観測値を平均いたしますと干潮満潮全体にわたるわけでございますので、海域におきましては常に通常の状況にあるもの、このように考えているわけでございます。そのことをこの(3)におきまして、環境基準が達成されているかどうか判断の問題を総合的に判断しなければならぬということを述べているわけでございます。  それから第3の「環境基準の達成期間等」でございます。  人の健康の保護にかかわります分につきましては、これは直ちに達成され、維持されるようにつとめなければならない。四月二十一日に閣議決定されておりますので、これは全公共用水域に適用になっておりますので、政府といたしましては人の健康の保護にかかわります環境基準は常に維持されるよう今後努力してまいらなければならない、このように考えております。  生活環境の保全にかかわります環境基準につきましては、現在すでに相当汚濁が進行しているところ、あるいは進行中のところ、いろいろございます。直ちに達成ということは困難な水域もございます。そのために、第4に、「環境基準達成のための施策」を述べてございますが、この施策の推進と相まちまして達成期間、目標期間を設定するわけでございます。  ここにありますように非常に著しい人口集中あるいは工業開発等が進行して、すでに著しい汚濁が生じているもの、または現在生じつつあるもの、進行中のもの、これらの水域につきましては、原則といたしまして五年以内に達成をはかるというふうに考えております。ただし、現在非常に汚濁が進行し切っておりまして、五年以内におきましても達成がきわめて困難、第4におきますような総合的施策を全部講じましても五年としては困難であるというところ、これは主といたしまして下水道の整備の観点からどうしても時期的な限界がくる、時限的な限界がくると考えられるところでございますが、このような水域につきましては五年というのをある程度延長するのもやむを得ない、このように考えております。これにつきましては当初、大気汚染のほうの亜硫酸ガス等におきますと同じように、五年以内、それと十年、この二つを考えておったのでございますが、十年というのは長過ぎるということで十年を消したわけでございます。五年を原則といたしまして、五年がある程度延びるのはやむを得ない、ただし十年ということは言わない。ですからこれは十年以内で五年以上、可及的すみやかに十年以内までの間ということを言っておるわけであります。それでその場合におきましては、五年をこします場合には、中間の暫定的な目標値を設定するということでございます。その場合におきましては、たとえば七年というような場合に、三年あるいは四年のところにおきまして、これだけを目標値とする暫定的な目標値を設定いたしまして、段階的に計画的に達成をはかるということを考えておるわけでございます。それ以外のただいま申し上げましたような、すでに汚濁が進行している地域あるいは進行中のもの、それ以外の水域につきましては、設定後直ちに現在のきれいな水域を維持するというふうに、直ちにこの環境基準の維持、達成をはかる、守るというふうに考えておるわけでございます。  それから第4の「環境基準達成のための施策」でございますが、この施策につきましては、公害対策基本法の第十条以下に述べてありますことを、この文面におきましては相当抽象的なものでございますが、具体的施策といたしましては今後逐次一つずつ解決をしてまいりたいと考えております。1から7までの施策をあげてあります。ここにありますように、この施策の実施にあたりましては、財政、金融、税制面において適切な措置を講ずるとともに、中小企業に対しては、特別の配慮を払うものとするということを決定いたしております。  まず施策の1でございますが、「排出等の規制の強化」、これは現在水質保全法によりまして排水規制を行なっておるわけでございますが、水質保全法の水質基準の強化、これの見直しを考えておりますが、これの基準の強化あるいは本国会におきまして御審議をいただきました排水水質規制の対象事業場の範囲の拡大、このような面を通じまして実効のある規制確保のための法制を整えてまいりたいということを考えております。  その次、2といたしまして、「下水道等公害防止施設の整備の促進」、非常に重要な問題でございます。下水道の整備あるいは汚水処理施設、廃油処理施設等公害防止施設の整備、これを積極的に推進してまいりたいということをあげているわけでございます。  3が、「土地利用および施設の設置の適正化等」、これは公害対策基本法第十一条にあげておるものでございますが、住宅団地あるいは工場等の立地の調整、あるいは土地利用に関する規制措置、これは現在都市計画法等にあがっておるわけでございますが、これらの事業、それから施設の設置の規制、これにつきましては現在立地規制に関します法律がまだ制定されておりませんが、指導なり、あるいはこういう法体系の整備についても検討しなければならないということでございます。それから都市の開発、企業の誘導等の開発計画につきましても、水質汚濁防止について十分な配慮を払う。  4が、「河川流況の改善等」、現在、河川管理者におきまして、飲料水の導入、浄化用水の導入等をはかっているわけでございますが、これらをさらに促進する。それからまた維持流量をきめます場合に水質につき十分配慮をしてもらうということであります。  5が、「監視、測定等の体制の整備」、環境基準がきまりましたあとにおきまして、これを常に監視、測定していなければいけませんわけでございますが、この監視、測定体制の整備、これにつきましては現在監視体制の整備対策要綱というようなものを検討いたしておるのであります。早急に定めまして、それに基づいて整備してまいりたい、このように考えております。  6が、「汚水処理技術の開発等の促進」、科学的な技術面の開発あるいは水質の測定技術、ただいま水に関しましては自動測定装置というものの開発が急がれるわけでございますが、なかなか問題が多うございまして、これらの開発の促進。  7といたしまして、「地方公共団体に対する助成等」、助成あるいは指導でございますが、こういうものを促進してまいりたいということであります。  それから第5「環境基準の見直し」、環境基準は決定いたしましたあとにおいてもさらに改訂を加えることが必要である。  一番大きな問題は、この(1)にあがっております「科学的な判断の向上に伴う基準値の変更および環境上の条件となる項目の追加等」、この点につきましては、たとえば人の健康にかかわる項目、これが七項目あがっているわけでございますが、人の健康にかかわります項目としてこの七項目だけではございません。まだまだ問題となる項目があるわけでございます。それらにつきまして疫学的な判断その他知識の向上あるいは検出、測定の技術の開発、それらに基づきまして、この七項目に数値の変更あるいは、項目をもっと追加していくというようなことが、次々と今後検討されるわけでございます。  水質汚濁の状況等の変更におきます項目の追加あるいは水域の利用の形態等に伴います当てはめ類型の変更、これらにつきましては今後情勢の変化に対応いたしまして見直しをいたしてまいるということを決定いたしております。  次に別表1「人の健康に係る環境基準」、これはシアン、メチル水銀、有機燐、カドミウム、鉛、クローム、砒素、この七項目を当面の基準として決定いたしてございます。その基準値は次の欄に掲げてあります数字でございます。シアン、検出されないこと。メチル水銀、検出されないこと。有機燐、検出されないこと。カドミウム、〇・〇一PPM以下等、すべて流水中におきます基準でございますが、このように今度決定いたしたのであります。この数値は先ほども申し上げましたように、公共用水域におきましてこの数字が守られていなければいけないということでございます。  これ以外といたしまして、当面問題となっておりますのはたとえばトータル水銀あるいは有機塩素あるいはフェノールというようなものが問題になってきております。それらにつきましては、現在でも引き続きまして関係各省との間と検討を続けておりますが、まとまりましたらこの項目として追加してまいりたい、このように考えております。  それから次の別表2「生活環境に係る環境基準」でございます。河川につきましては、ここにありますように類型の欄、AAからA、B、C、D、E、六類型ございます。それらの類型に対しまして「利用目的の適応性」というのが次の欄でございます。たとえて申しますとA類型で水道二級、水産一級、それから水浴及びB以下の欄に掲げるものすべてを適用する。ただ、水道の一級、それから自然環境の保全――自然環境の保全と申しますのは、国立公園等非常に現在水のきれいなところの地帯の分でございますが、これには適さないけれども、それ以外の目的には全部適する、そういうようなことをあらわしているわけでございます。ここにあがっております水道一級、二級あるいは水産一級、二級、このようなことはどういうことをあらわしているかといいますのは、次のページの(注)のところに書いてございます。それぞれの類型につきまして、河川におきましては、水素イオン濃度、それから生物化学的酸素要求量、浮遊物質量、溶存酸素量、この四項目を決定いたしてございます。  次に、湖沼につきましては、AAからA、B、Cまでの四類型に分けてございます。それぞれの利用目的の適応性、それから基準項目といたしまして水素イオン濃度、化学的酸素要求量、浮遊物質量、溶存酸素量、この四項目でございます。  河川におきましてはBOD、湖沼におきましてはCODを使っております。これは蓄積その他の関係で河川と湖沼とは自然形態が違いますもので、どちらのほうが汚濁のあれをあらわす指標として適当であるかということから、河川につきましてはBOD、湖沼につきましてはCODをとっているわけでございます。  それから海域につきましては、A、B、Cの三類型でございます。利用目的の適応性は、ここにありますような水産一級、水浴、これは海水浴を意味しているわけでございます。水素イオン濃度、化学的酸素要求量、溶存酸素量、そういうことになっております。海域におきましては浮遊物質量SSをほかの河川、湖沼と違いまして定めておりませんが、これは現在の海域のSSにつきましてのデータの不足もございます。非常に変動の範囲が大きいものですから、それらのことをもう少し検討いたしてから入れたいというふうに考えております。  それから生活環境にかかわります項目につきましても、これでは汚濁をあらわします指標として必ずしも十分ではございません。やはり人の健康にかかわります項目と同じように、今後の研究によって追加してまいらなければいけないものがあるわけでございます。たとえば海水浴等に非常に問題となっております大腸菌あるいはABSあるいは海におきます油分、これらのものがあるわけでございます。それから農業におきますトータル窒素、このようなものがございます。これらのものにつきましては、現在同様に各省の間で検討を進めております。その結果によりまして、必要に応じましてまたこの項目を追加してまいりたい、このように考えておるわけでございます。  この別表1、2に掲げました項目あるいは数字等につきましては、すべて基礎条件といたしましては、関係各省の間におきます利水目的に対応します、それぞれの望ましい、希望いたします基準、これらを基礎条件といたしまして、最大公約数的にこれを類型化していった、このような状況になっているわけでございます。特に河川、湖沼と比べまして、海域の場合におきまして、項目が三項目しかございません。水素イオン濃度、化学的酸素要求量、溶存酸素量、これはほかと同様でございますが、これ以外に先ほども申し上げましたように大腸菌群、それから油分、これが非常に大きな問題になっております。これにつきましては、先ほど申し上げましたが、大腸菌群につきましてはすでに先生方御承知のように、厚生省の生活環境審議会におきます海水浴の基準が大体まとまってきております。これがまとまってきてまいりましたので、その結果を取り入れまして、早急に大腸菌群はこの海域の項目として追加いたしたい、このように考えております。  それから異臭魚の原因になっております油分でございますが、これにつきましては現在トータルの油分の検出基準が非常にむずかしゅうございます。異臭魚の原因となります望ましい基準までの検出が現在の検出技術では困難でございます。そのような油分の非常に薄い水、これはつくることはできるわけでございます。水の中に油分を必要な量だけ落としてそういう濃度の水をつくることはできるわけでございますが、逆に、現在海なり何なりの油分がどのくらいであるかという、この環境基準を測定する場合におきましては、そのような濃度の薄いものは測定できません。そのような観点から、油分の基準値といたしましてどのような表現をするかというところに問題がございまして、今回は見送りとなっております。その点につきましては、実際排出規制を行ないます場合には、計算によりまして異臭魚の原因となることを排除する程度に押えるということをいたしてございますが、その計算上の数値を環境基準としてあげましても、これは達成されているか達成されていないかということが全然わからないということになるわけでございますので、そのような問題がございまして、油分は今回の項目からははずしたわけでございます。その点が海域につきましての大きな問題でございます。  それからそれ以外の河川につきましても、たとえばABSあるいはトータル窒素、これらが問題になってくるわけであります。ただやはり政府の行政目標として設定いたします環境基準でございますので、これを維持達成できる方策というものが確保されなければならないわけでございます。その点につきまして、たとえばABS等につきましては、ただ単に環境基準をこうだと定めましても、これを現在規制する方法がございません。これを実体的にどうして規制したらいいか、ABSは排水の水質保全法にはなじまないものでございますから、これを一体どうして規制したらいいか、そのような方途が確立しまして、初めて政府といたしましてもこれを行政目標値として基準の中に入れるということが確保されるわけでございます。そのような問題も含めまして、今回の項目からははずしてございます。ただどのような項目に問題があるかということは、審議の過程におきまして相当はっきりしてきておりますので、今後とも検討を続けまして、必要に応じまして追加をしてまいりたい、このように考えておるわけでございます。  それから生活環境保全にかかわります水系の当てはめ行為でございますが、これにつきましては当面指定水域になっておりますところを最優先といたしまして現在検討を続けております。大体順調にまいりますれば今月中に閣議決定の運びになるものではないだろうか、このような見通しでございます。  引き続きまして、指定水域外につきましても重要な河川、たとえば県際河川、これは各県知事さんに、暫定的な場合にいたしてもまかすことができない県際河川、その他国といたしまして重要な河川、一級河川等、これは重要な河川でございます。そのような河川につきまして早急に当てはめ行為を終えていきたい。これは引き続いてどんどん作業をしてまいる予定にいたしております。  以上、簡単でございますが、環境基準の概要の御説明を終わります。      ――――◇―――――

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 この際、公害対策に関する件について、先ほどの理事会において協議いただきましたとおり、委員長の手元において委員会の決議の案文を起草いたしました。  まず、その案文を朗読いたします。     公害対策に関する件(案)   公害対策については、公害対策基本法の定める方向に沿って諸措置が講じられつつあるが、最近における公害対策の重要性にかんがみ、政府は、次に掲げる事項等に配慮しつつ、公害対策の一層の推進を図るべきである。  一 公害対策を総合的かつ強力に推進するた   め、公害対策会議の運営の強化のほか、総合調整機能の活用等に遺憾なきを期すること。  二 公害防止施設の整備の推進を図るため、一層強力に財政上及び金融上、税制上その他必要な措置を講ずること。 以上でありますが、この決議の趣旨につきましては、案文のうちに尽くされておりますので、説明は省略させていただきます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。(拍手)     ―――――――――――――

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 これより採決いたします。  本案文のとおり本委員会の決議とするに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、公害対策に関する件を本委員会の決議とすることに決しました。  ただいまの決議に対し発言を求められておりますので、これを許します。  まず、湊総理府総務副長官。

湊徹郎自由民主党総理府総務副長官

○湊政府委員 過般来の本委員会の審議を通じいろいろ問題になりました点について、私どももただいまの御決議の趣旨、まことにそのとおりであろうと考えております。特に決議第一項の総合調整機能の問題につきましては、私ども総理府が窓口をおあずかりいたしておりますので、十分関係各省庁と連絡をとって、御趣旨の線に沿って全力を尽くしていきたいと考えております。  どうぞよろしく御指導をお願い申し上げます。(拍手)

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 次に、橋本厚生政務次官。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 きわめて強力な決議をいただきましたことをお礼を申し上げます。  それこそ現在公害行政、多くの点に問題があることは、私から申し上げるまでもなく、各委員よく御承知のとおりでありまして、これに対していろいろな点で私どもにつらい問題もかぶっておることも御承知のとおりであります。厚生省だけでなし得ない部分に対しましても、今後とも当委員会のお力添えをお願いを申し上げ、この決議の趣旨を体して努力することをお約束いたします。(拍手)

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 なお、本決議の参考送付等については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ――――◇―――――

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 産業公害対策に関する件について、質疑の申し出がありますので、これを許します。綿貫民輔君。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 公害なき環境こそ基本的人権であるということが、公害国際シンポジウムの東京宣言でも採択をされておるわけでありまして、いまや、アメリカ、ソ連を問わず、一九七〇年代は、社会体制を越えて公害問題と取り組むところに最大の政治の課題があるというふうに考えるわけであります。  いま私は、先輩諸氏のお許しを得まして、自由民主党の立場から質問をさせていただくのも、イタイイタイ病をはじめ神通川の水銀問題、これで全国的にも注目を浴びております富山県の住民といたしまして、また、過去に県会議員といたしまして公害対策にも取り組んだ立場上、所感の一端を述べまして、公害対策の発展に寄与したいと考える次第であります。  ただいま、まことにりっぱな水質の基準の発表がありましたし、また、ただいまの決議におきましても、総合調整機能ということが非常に強く叫ばれておりますけれども、いまごろこれが叫ばれておるというこの時々刻々の間にも、現実の問題として、水の汚濁あるいは公害をめぐって住民が非常に困っておるという問題が発生しておるわけでありまして、これについて、切実な問題として、五年後とか七年後の問題ではなしに、ただいまの問題として、ひとつ十分的確なる御答弁を願  いたいと思う次第であります。  すでに各党の調査団が、現地調査で御指摘になっておりますように、イタイイタイ病に続き、小矢部川の水銀、そして今度は神通川における、水俣病をはるかにこえます高度の水銀の発見、これらに加えまして最近昭和電工の爆発事故というものが発生いたしまして、あたかも富山県というのが全国の公害問題の集中県であるというような印象を受けておるわけであります。  これらの点に関しましては、私どもも住民の一人として切実に訴えるのみならず、地方自治体を通じましても、その環境の是正に全力を傾けるように叱咜激励をしてまいりたいと思うわけでありますが、こうした立場から、産業公害という全国的な課題の中からとらえて質問をしてみたいと思う次第であります。  神通川の水銀の汚染に関して、その経過とその後の処置について最初にお尋ねをいたしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 すでに綿貫委員も御承知のとおり、厚生省として、先般、調査の結果等につきましては発表を申し上げました。そして今日、それに基づく措置も着々行ないつつあります。その水銀中毒事件の、水銀問題の発生原因者たる福寿製薬に対して、河川底のどろに対して含まれている水銀の除去のために、全額を、その企業の責任においてそうした作業に取り組ませるように今日すでに進めておるわけであります。   〔委員長退席、島本委員長代理着席〕 今日、むしろ、こうしたものの発見がおくれたという点については、私どもはその責任の一端をおわびを申し上げなければなりません。そしてその責任自体については、公害行政の主管省として、私どもはこの場を通じて国民におわびを申し上げます。  しかし、率直に申しまして、この問題が非常に発見がおくれました一つの原因について、たいへん露骨に申し上げて恐縮でありますけれども、富山県の公害防止条例自体の不備と申し上げますか、欠陥と申し上げますか、そこが一つのウイークポイントとして非常に原因の発見がおくれたということが、基本的な問題として申し上げられると思います。  先生よく御承知でありましょうが、実は富山県の公害防止条例は、水銀のみを公害防止の対象としてお考えになっておられました。実は水銀化合物についての規制措置を怠っておられたわけであります。ところが、いわゆる有機水銀、メチル水銀といわれるもの、これはすべて実は水銀と俗称をされておるものの、水銀化合物であります。ところが、富山県の公害防止条例からいうならば、これは実は届け出の対象になっておらなかったわけでありまして、私どもの調査が原因究明の点で非常に時間をとりました最大の原因は、その水銀化合物というものが県条例の対象になっておらなかったために、この流域において一体どこからその有機水銀あるいは水銀化合物というものが流出しておるのか、把握に非常に困難を来たした、これが実は作業のおくれた最大の原因でありました。結果的には、こうした点も含めて、国の責任というものを私は回避するつもりはありません。しかし、現実にそれぞれの地域における公害防止について、各都道府県の御協力を願わなければ、万全の施策というものは講じられないのでありまして、今後ともに私どもはこうした点に対しては十分注意を払ってまいるつもりでありますが、たまたまこれは先生御出身の、しかもつい最近まで県議会の重鎮として活躍しておられた富山県という地域の問題でもありますので、むしろ国の行政に対しましても、あるいは地方自治体にも十分な御協力が願えますように、今後ともお力添えを願いたいと考えております。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 ただいま政務次官からいろいろ御答弁がございましたが、今日こういう事態がいろいろと起こるということは、やはり日本のいわゆる政治の組織、縦割り、横割り、いろいろ含めまして、行政上の組織の欠陥、執行の欠陥、特に富山県等は何か怠っておったじゃないかというようなことでございますが、やはり人事の交流も厚生省とは行なわれておりますし、特に厚生省の今度の発表では、四月四日までに具体的に福寿製薬の存在すら知らなかったというようなことで、暗に富山県を非難するようなことが新聞にも出ておりますが、私の調査によりますと、小矢部川の水銀が叫ばれました昭和四十二年から、厚生省、富山県の合同調査によりまして、その関連調査をいたしまして、この結果神通川に高密度の水銀が発見されながら、その後なぜこれの追跡調査がなされなかったか、この原因調査が行なわれなかったかという、この原因についてひとつお答えを願いたいと思うわけであります。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 決して私どもは、実は原因調査を怠っておったとは、その意味では考えないのであります。原因調査、追跡調査自体は、厚生省としては全力をあげて今日まで取り組んでまいりました。ただ、結果的に発見がおくれたということについて、これは私ども責任を問われてもいたしかたないということは最初に申し上げたとおりなんでございますが、私は決してその福寿製薬という会社をかばう意思もありませんし、むしろ今日までも相当手きびしい勧告も厚生省としていたしてまいったわけであります。これは会社の当事者の考え方にも、ある意味では、逃げ口上ではありますが、やむを得ない言い方というものはあると私は思います。というのは、小矢部川の水銀問題というものが騒がれた、そしてその原因の追及が行なわれておるということは知っておった、しかし、富山県の公害防止条例において、届け出の義務を有しておったのは水銀であり、水銀化合物ではなかった、そしてまた対象になっておるもの自体について、実は水銀化合物というものについて届け出義務がなかったので自分たちは黙っておったというのが、製薬会社の言い分であります。これは確かに責任転嫁のきらいも多分にあることばではありますけれども、現実にそういう言い方が通用してもやむを得ない実は条例の体系になっておった。これは一つの問題点であります。  それと同時に、国としては実はこうした地域の監視その他については、県に多くのものを負うておりまして、むしろわが国において、公害問題というものがこれだけ大きく真剣に取り上げられ、そしてまた多くの方々の御協力も得られるようになってから遺憾ながら実はまだ日が浅いのであります。公害行政というものは今日全力をあげて進歩しつつあるさなかでありまして、不備な点がないとは私も申し上げません。実はこうした原因が積み重って今日の事態を招きました。  いま先生の御指摘に直接関係があるかどうかわかりませんけれども、大体この経緯を拾っていってみますと、昭和四十二年の末に神戸大学医学部の喜田村教授が行なった対象河川としての調査の結果提起された問題でありますけれども、厚生省としてこれを確認するために、四十三年東京歯科大学及び国立衛生試験所に予備調査を委託し、その水銀汚染というものを確認をいたしました。同時に、富山県としても東京歯科大学及び新潟大学の医学部に予備汚染調査というものを依頼されて、同様の結果を確認したわけであります。  そしてこの結果にかんがみて、富山県は四十四年の七月から八月にマスとかアユの分析及び汚染魚類の多食者の毛髪調査、こうしたものを進めて総合判断を下しながら、昨年の八月二十二日、厚生省としては神通川の問題に触れて、魚類が水銀汚染されているということを明らかにし、その大量摂食というものについての警告を発したわけであります。  ただ、これは先生にも当然御理解をいただけることだと思うのですが、公害問題の場合に、原因究明はむろん大切であります。それと同時に、その原因究明と並行して、原因がわかっておるにせよわかっておらないにしろ、公害が起きて現実に問題が起きておるとなった場合には、それ以上汚染の範囲、被害者を広げないようにするということ、これは実は基本的な命題であります。原因究明と同時に、私どもはそうした考え方からこの警告を発し、今日に至ったわけであります。  この原因となる水銀汚染源が先ほど申し上げましたような事情によって、当時全く判明もいたさなかったということもありまして、その後引き続いて、厚生省としては富山県と協力しながら詳細調査を昨年の九月から続けてまいりました。そして四月三十日に至りましてようやくその全部が判明し、五月一日に御承知のとおり厚生省としての正式見解を、県にも電話連絡いたしました上で発表したわけであります。その間、調査研究に当たっておられた学者の一人が、急な海外出張をされたりするようなケースもありまして、急遽四月四日に、四十四年度の調査分析の結果についてはまだ完結をいたさないままに、四十五年度の調査計画会議を冨山県において開催いたしました。  ところがこのおり、神通川の支流である熊野川に排水されている水銀使用工場がある、及びその周辺の水銀汚染結果というものが、富山県当局の手によって明らかにされましたので、これによって四十五年度の計画に抜本的な修正を加えたわけであります。  ところが、この四月四日の会議が、全調査結果の検討と対策の会議であるように実は解釈をされました結果、各種の記事が流されましたり、五月一日の厚生省の発表というものが実はあたかも県の見解と対立するかのような記事も一部には散見したわけであります。   〔島本委員長代理退席、委員長着席〕 先月中旬、県の発表されたあとの新しいデータを加えて、調査研究に参加された各学者の方々にも検討願いました結果、厚生省としては、事実をそのまま率直に発表をいたしたわけでありまして、いわば五月一日に行なわれました厚生省の発表というものは、県の行ないました発表の後、新しく入手できたデータをつけ加えて発表された最新のデータというふうにお考えをいただければ幸いであります。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 ただいま次官のほうから、いわゆる原因の追跡調査よりも、起きたほうをどうして広げないようにするかということも重要だというようなお話がございましたが、しかし、原因の追及ということは、起こったから追及するというのではなしに、起こる前にやはり追及する問題がたくさんあると思うわけでございます。その意味で、この製薬会社の報告が県からなされなかったということは、藤井課長補佐が富山県をおたずねになって初めてわかったというようなことでございましたが、この会社は薬事法に基づく厚生大臣の認可制でありまして、昭和三十九年から県の薬務課は、厚生省と水銀の取り扱いについて連絡があったはずであります。むしろ横の連絡の不備ということが、今回の調査のおくれることになった原因であるのではないかと考えるわけであります。  また、あわせまして、本来指導育成の所管である厚生省が、この会社が年間どのような薬をどれだけつくっておったかというようなデータを保存しておるかどうかの点も御存じであったかどうか、これをひとつお尋ねいたしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 決して責任のがれをするつもりはございませんけれども、実は薬事監視の業務というものは県に移管された業務であります。そういう意味で、厚生省内において連絡が悪かったといわれれば、私もこれを否定することはできません。しかし、それと同時に、国の業務の中で、権限を地方に委譲しておるものが多くあるわけでありますが、薬事監視もその一つでありまして、実はこれは都道府県という自治体に、いわゆるその監視権限というものを国は委任をいたしております。その結果が、今回の場合は不幸にして連絡の不備というような御批判を仰ぐような事態を起こしたわけでありまして、これらの点について私ども今後考えなければならぬ部分を多分に持っております。これは今回の問題を契機として、私どもとして真剣に検討しなければならぬ一つの大きな問題でありますけれども、しかし、現実の行政組織の上からまいりますと、今回の事由について、私は必ずしも厚生省の薬務局担当者の責任を私の立場から追及することはできません。現行の行政組織上からまいりますならば、地方委譲した権限について、一定以上国が関与をすることにはやはり限界がございます。今後この点は私ども一つの大きな反省の材料とし、検討の材料として生かしてまいるつもりであります。この点についてはそうした事情もお考えいただき、お許しをいただきたいと思うわけであります。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 私の調査でも、これは県から直接聞いたわけでありますが、このデータを捜査中だけれども、県がわからない、大体四十種類ぐらい許可をしておるのだけれども、うち大体四種類ほどつくっておるだろうということで、都道府県ではこの権限をむしろ委譲してくれたらということを言っておるのですが、この辺の見解を私いまちょっとお聞きしまして、まあ私の聞き違いかそちらの御答弁が違っておるのか、これはあとからよく調査してみたいと思います。これは問題が一つあると思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 御調査願いますのはけっこうでありますが、薬事監視という業務が一般的に都道府県に委譲されておる事実には間違いございません。ですから、私の言い分が間違いか、あるいは都道府県、自治体の担当者の言い分が間違いであるかといわれますならば、私は都道府県、自治体の担当者の説明のほうが、誤りとは申しませんけれども、不十分であるように思います。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 それじゃその問題、私よく調べてみたいと思っております。  ところで、今回の厚生省の発表は、富山県の衛生研究所の資料に基づいて汚染の分布の関係を出しておられるということでありますが、近く解禁になりますアユの問題につきまして、厚生省と富山県の見解に対立が見られるように聞いておるわけであります。特に漁業関係者に、非常に大きな混乱をいま来たしておるわけでありまして、特にアユの危険度について明確なる回答をひとつお願いしたい、こう思うわけであります。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 実は、きょう不意にお呼び出しを受けましたので、たいへん恐縮でありましたが、いま新聞の切り抜き等も見ています。ここに手元にございますのは、北日本新聞五月の三日号で、「問題視する厚生省、県は安全と見解対立」というふうに掲載されております。しかし、私どもは率直に申し上げまして、県当局と私どもとの間に、その安全度について見解の相違があるとは考えておりません。ただ、これは一連の調査とその結果について、むしろここで率直に数字等を申し上げて、疑念を晴らしていただきたいと思うのでありますが、私どもが結論的に今日持っております考えは、今回のアユの場合、普通の場合においてこれは問題ないというふうに考えています。これはアユというその魚の生育の状況あるいはその習性等から考え、またこれは大量に、常時山ほど食べられる種類の、われわれの手の届くような魚でも正直ございません。むしろそういうことを全部考えました場合に、私は本年のアユ漁について不安を抱いていただく必要はないと思っております。  ただそれについては、一部条件がございます。というのは、昨年の調査の場合にも、いわゆる九月から十月にかけて、落ちアユの時期について調査をしましたところ、汚染の濃度の非常に高いものが発見されました。そこで実は私どもは、落ちアユについて警告を出したわけであります。本年のアユの生育、そしてまた漁期の期間につきましては、毎月ずっと調査を続けていって、問題が出た場合には、私どもはそれなりに措置をとりたいと思いますが、今日の時点でまず問題はないというふうに考えております。  四十四年度の落ちアユの水銀含有の調査結果を申し上げますと、一番水銀汚染が見られる九月から十月にかけて採取されたいわゆる落ちアユについて、神通川の神通大橋、それからよく私は地名がわかりませんが、そのほかの地域、また井田川の下流及び上流の地域、こういうところで、全数約三十五尾の中で一尾のみ実は一PPMをこえるものがございました。最高一・二PPMというものが一尾あったわけでありますが、それ以外は全部一PPM以下でありました。その総平均も〇・二七PPMと、全く水銀の汚染を云々すべき状態でないことを示しております。他方、熊野川で採取しましたものについては問題がございました。落ちアユ十尾の総平均値というものが二・五四PPM、一PPMをこすものが七〇%、最高濃度が五・八四PPMという結果を実は示しました。これについては私どもも問題を非常に感じます。そこで、厚生省見解として、熊野川の落ちアユについて特に触れたというのも、この数値をもとにして触れたわけであります。また、四十三年の七月、神通川の中流で採取しましたアユ九尾を県の衛生試験所で検査してもらった結果は、平均して〇・六一PPMということであります。  そこで、この結果においては、私どもは神通川のアユについては特に水銀汚染は問題ないという見解を出し、アユの習性及び小矢部川のアユの水銀蓄積等をも考えまして、熊野川の落ちアユ、すなわち九月から十月にかけてのアユについてのみ実は警告を発しております。これらのデータはすでに四月四日に明らかにし、県にも申し上げておるわけでありますが、この意味では、この新聞記事に書かれたような厚生省の見解と富山県の見解とが対立をいたしておるということではございません。むしろ熊野川のアユについては正式な厚生省の見解を提出しておらない段階でありましたから、おそらく県としてはお触れにならなかったのではないかと考えております。おそらくそういうことが、こういう記事を新聞社につくらせてしまう、錯覚といいますか、誤解といいますか、起こす原因になったのではないかと考えています。その意味では、要するに昨年の九月から十月、その時期における熊野川の落ちアユについてのみ私どもは警告を出し、同時に最高濃度一・二PPMというのが一尾ありましたけれども、総平均値として何ら問題はないのだ。今日の時点では私どもはそう考えておるわけであります。  なお、関係者の中に相当な不安を抱いておる様子でもありますので、今後も熊野川のアユ自体を毎月採取しながら、その濃度の推移を毎月観察してまいろうと考えております。その点では、県の見解と私どもの見解と対立をしていないということと同時に、その不安の除去にお力添えを願いたいと存ずる次第であります。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 ただいまの御発表では、この解禁時には安心して愛好者が釣りをして、愛食者がどんどん食べていいということに受け取っていいと思いますが、しかし、最近ウグイの最盛期に入りまして、アユの解禁も近いということで、すでに岐阜県側から神通川の魚は受け入れないという方針が打ち出されるなど、漁業関係者が非常に多くの被害をこうむっておりますが、これらの補償についてはどのように考えられるのか、これは水産庁の問題だと思いますが、一例として小矢部川の水銀の場合には一部補償金のほかに一千万円の生業資金の融資をもされたわけでありますが、これについてはどういうふうにお考えでございましょうか。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 水産庁の所管についてはそれに譲ることとして、むしろこの場合に、これは私のほうから先生にお願いをする形になって恐縮でありますけれども、御承知のとおり、この国会は本委員会の非常な御協力を得まして、いわゆる公害紛争の処理制度というようなものも実は生まれました。こういう制度を活用していっていただくことが、今後原因発生者とその被害を受ける方方との間の調整をはかっていく上においての一つの方途ではないかと考えております。水産庁としてなさる行政努力にも一応の限界があると思います。そうした場合に、こうした制度をむしろ積極的に活用していただきたい。そうしたことも御検討願いたいと思っております。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 水産庁はどうですか。

藤村弘毅水産庁次長

○藤村政府委員 岐阜県で神通川のウグイを買わないという事実が最近起こっております。これは水銀を流したのは福寿製薬だということがはっきりしておりまして、関係漁業組合といたしましては、福寿製薬に対して補償金を請求したいということを言っておりますし、福寿製薬のほうもそれを受けて、何らかの補償を考えなければいけないというふうに考えておるようでございますので、県といたしましては、当事者間の補償問題として、円満に解決するよう指導いたしておるというところでございます。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 そうすると、ただいまの御答弁は、補償をするということですか。

藤村弘毅水産庁次長

○藤村政府委員 補償するという確約をしているわけではございませんが、補償交渉をしようということになっているようでございます。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 ところで、この問題と関連いたしまして、やはり先ほど橋本政務次官からもお話がありましたが、熊野川と並ぶ井田川で日産化学の廃液問題がいま起こっておるわけです。これについて何か調査あるいは発表できるデータがあるかどうか。すでに地元の漁業組合では独自の調査で、ウグイの生態実験も行なっているわけでございまして、数年前から地元民の陳情も行なわれておりますが、これについてどのようにお考えか。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 その問題が発生しておること自体は存じております。実は、いまそれについての調査を県のほうにお願いいたしまして、調査をしていただいておる最中でございます。それについての調査結果自体は、まだ報告を受けておりませんので、今日この席上で提出すべき資料を持ち合わせていません。ただ、これができ次第当委員会に提出してもよろしいと思います。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 次官は、いま厚生省の所管のようにお答えになりましたが、厚生省ではやっていないんじゃないか。これはむしろ経済企画庁の所管のように聞いておるわけですが、経済企画庁はどのようにお考えですか。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 神通川につきましては、昭和四十四年度におきまして指定調査を行なっております。四十五年度に基準の設定調査をいたしまして、指定水域にいたしまして基準を設定いたしたい、そのように考えております。そういたしますと、当然日産化学につきましても工排法の対象工場になるかと思います。その調査は、四十五年度、今年度におきまして排水の水質調査その他を全部調べまして、基準を設定する運びになっておりますので、もうしばらくお待ち願いたい。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 たいへん申しわけありませんが、ちょっと補足さしていただきます。  いま御指摘のとおり、水全体としては企画庁なんでありますが、実は日産化学の工場においても水銀が使用されておるわけであります。水銀がからむ汚染問題になると私どもの所管になるわけでありますが、そういったところから、私どもは県に対してデータの照会中であるということでありまして、そういうふうに御理解を願いたいと思います。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 さっきの決議の中にも、総合調整機能ということも出ておりますが、これの一つの欠陥ではないかと思うわけですが、ただいまの経済企画庁と厚生省の御関係というものが非常にあいまいなように思うわけです。これは調査そのものだけならまだ問題はありませんが、今後やはりいろいろと出向していくというような問題について、もしもそういう対立あるいは矛盾があるとたいへんなことになるのではないかと思うわけでありまして、厚生省は直接住民の健康にかかわる面だけということで調査を限っておられる、経済企画庁はその他というようなことにも聞いておったのでございますが、ただいま御答弁がありましたが、経済企画庁ではそれではどの程度の事情調査機関、調査する機能ですね、これをお持ちであるのか。これはゼロじゃないかという話もあるわけですが、あれほど騒がれておりましたイタイイタイ病につきましても、神通川については、ようやく去年事情調査が行なわれたということであります。今年度富山県は、先ほど井田川に加えまして白岩川の調査を経済企画庁にお願いしたわけでありますが、予算がないということでこれはカットされた。そこで緊急富山県では県単で調査するということになったわけであります。予算がないからこれは調査しない。こういう危険な個所があるということがわかっておってもしないというようなことを、はたして公害対策という面からどういうふうにお考えになるのか、これをひとつお聞きいたしたいと思うわけであります。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 経済企画庁におきましては、先生おっしゃいました調査の能力についてでございますが、これは経済企画庁そのものといたしては持ってございません。現在、経済企画庁のほうでやっております調査は、全部県に委託いたしております。県にこの調査を担当していただいておるわけでございます。企画庁のほうの調査といたしましては、水質保全法の指定水域にいたします調査といたしまして、水域の指定調査あるいは予備的に水域の概況を調べるわけであります。概況を調べまして、それに基づきまして、この水域は早急に指定水域にして排水規制を行なう必要があると認められましたときに、今度は水質の基準調査をいたしまして、これを一年間やりまして、その結果に基づきまして、どの程度に排水規制を行なったらいいかということから水質基準を設定しているようなわけであります。  ただいま先生のおっしゃいました水銀関係の問題でございますが、これにつきましては、いわゆる有毒物質といたしまして、水銀という特定物質を取り上げまして調査をいたす。これは厚生省がいわゆる疫学的な問題といたしまして、有毒物質という問題から厚生省が所管して、いわゆる水域を限った特定水域の問題ではなくて、全国的な目で調査しているわけであります。それに伴いまして、水銀なり何なりの特定物質につきまして、疫学的な判断をして規制をしなければならないということになりますと、これは企画庁のほうが引き受けましてこれを規制する。先生御承知のメチル水銀でございますが、水俣病の原因はメチル水銀であるということがはっきりいたしまして、メチル水銀は公共水域に出してはいけないということがわかりました段階において、企画庁はメチル水銀が排出するおそれがある日本の全工場に対しまして規制をかけた。今回の神通川のエチル水銀につきましても、このような関係がはっきりいたしてまいりましたものですから、近くエチル水銀につきましても規制をかけよう、メチル水銀にエチル水銀を加えまして、アルキル水銀として全工場、これは現在調べて私の手元ではっきりしておりますのは、エチル水銀を出すおそれのある工場と申しますのは、全国で六工場のようでございますが、この工場全部につきまして、メチル水銀と同様の規制をかけたい、このように考えているわけであります。  最後にお尋ねになりました白岩川でございますが、やはり国が出します予算には大蔵省との関係で財政的にも限度がございます。事実調査は全部県に委託しているわけでございますから、やはり各県から要望を取りまして、これを全国的な観点から重要性の必要度の高いものから漸次していくわけです。やはり実際国のほうの金も県に参るわけでございますし、公害の問題というのは地方公共団体のウエートが高いわけでございますので、国の手が予算的に回りきらないところは、やはり県のほうで県単なりその他を出して御協力していただきたい、こうお答えせざるを得ないかと存ずるのでございます。予算の拡大ということにつきましては、かねがね私たちも努力いたしているところでございます。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 まことに何かたよりないような答弁で、先ほど冒頭に御説明のあった非常に大上段に振りかぶったお題目と比べて、心もとないような現状のように私は受け取りました。はたしてこれで水質の保全ができるのかどうかということに一まつの不安を抱くのでありまして、特に私としては、たとえば厚生省が調査を進めたいというようなことに対して、通産省あるいは経済企画庁の指示を受けなければならないというような問題があるやにも聞いておりますし、要するに公害に関しての最終の責任者というものは、非常に不明確であるということからこういう行政の混乱が来ているように考えるわけであります。先ほどいろいろと、決議に対しまして各次官からごあいさつがございましたけれども、これは一九七〇年代の公害を考える立場として、当然総理大臣以下真剣に考えるべき問題だと私は考えるわけでございまして、特に橋本政務次官、政治的な問題だから、これは厚生大臣はもちろんのこと、総理にも十分御相談になりまして、責任の所在――これは非常に大きな問題だと思います。経済企画庁は、これは閣議で決定されるのですから大臣はみんな御存じかもしれませんが、実際にこういうことに持っていくための強力な体制はやるとおっしゃいますけれども、ただいまのいろいろの情勢を勘案いたしますと、非常に心もとない感じがするわけでございまして、老婆心ながらひとつ強く要望申し上げたいわけでございます。  そこで、いろいろの新聞論調あるいは各方面の意見を聞きましても、この公害問題を考える場合には、もはや一官庁、一都道府県で処理できない大きな問題がたくさんあるというふうに考えられておるわけでございまして、この事後対策に追われている状態から早く抜け出しまして、先ほど橋本次官も言われましたから、これから早く抜け出して、もっと前向きの、工場の立地条件だとか、あるいは生産のプロセス、これまでも立ち入って公害の発生しないようなシステムというものをつくっていく必要があるというふうに強く考えるわけでございます。  これらを具体化するためには、公害の総合的な化学的な調査研究機関というようなもの、あるいはどなたか、公害省という話もございましたが、こういうものがやはり必要なんじゃないかというふうに考えるわけでございまして、先ほど、この中には公害対策会議というものもございますが、ひとつ産学官合わせました、いわゆるそういう研究機関というものを早急につくっていただくということがぜひ必要かと思うわけでございます。これについて、御努力いただけるというふうに思うわけでありますが、政務次官のひとつ御見解をいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 いま御指摘の点は、私どもそのとおりだと考えます。ただ、必ずしも公害省という役所をつくることが公害行政の前進につながるかどうかには、これはいろいろな考え方があると思います。むしろ、その協力体制あるいは研究機関の整備等について、その御意見については私どもも全く同感であります。ことし、御承知のとおり、公害衛生研究所の調査費が予算に計上され、ようやくこうした研究機関設置の足場ができたわけでありまして、本腰を入れてかかるのは来年以降であります。私どもとしては、全力を尽しますが、どうか当委員会におかれましても――厚生省何ぶんこういう問題について非力でありますので、予算獲得等にもお力添えを願うようによろしくお願いします。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 くどくは申しませんけれども、すでに現在の行政機構というもののひずみといいますか矛盾が、やはりこういう問題に出ておることは、私さっきから何度も申し上げておるわけであります。いわゆる官庁ペースでいった場合に、一番被害をこうむるのは住民であります。住民は何も、これは経済企画庁だ、厚生省だ、通産省だ、そんなことはわかっていないのであります。これはひとつ役所のなわ張りとかそういうことを越えて、政治的に解決していくというのはやはり政務次官の一つの大きな使命だと考えるわけであります。ひとつそういう点で、お役所のいわゆる行政というものを、もっと大局的にものを考えるという調節を私はぜひ期待いたすわけであります。  まだ時間がちょっとありますから、こまかい問題にもう一ぺん戻りますが、今回の水銀の流出事件で、漁業もさることながら、熊野川の沿岸の住民の飲料水の不安があるわけであります。富山市では井田川の井戸水の調査に取りかかっているのでございまして、水道利用が少ないだけに、健康管理の面から、現実の問題として、ひとつどういうふうにお考えであるか、お聞きしたいと思うわけであります。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 今回の汚染関連地区の世帯中、約三割が富山市の上水道を使っておられる。残りの約七割が井戸を使用されておるようであります。井戸水の水源はこれは地下水でありますから、水銀汚染の可能性というものは非常に少ないと今日の時点では考えられておりますけれども、念のために富山市においていま御指摘のとおり採水し、県の衛生研究所において分析していただいております。もしここに問題ありとなりました場合に、この地域は富山市の水道事業の中でいわゆる常願寺川からの給水が可能な地域であります。地域の方々から給水申し込みがあれば、この水道事業の延長といったような形で常願寺川を水源とする給水が可能であります。もし問題が出ました場合には、こうした措置も当然私どもとしては考えるつもりでおります。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 関連質問の申し出がありますので、これを許します。浜田幸一君。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 お許しをいただきまして関連質問をさせていただきます。  先ほど政務次官が御答弁になりました富山県と国との態度、声明が違うという問題について、政務次官としては富山県側の態度に問題があるというような御発言があったのでありますが、私はそういう問題でそのときに突っ込ましていただきたかったのですが、先ほど企画庁からはエチル水銀の場合は全国で六工場ぐらい危険性のある工場があるという御説明であったのであります。当然そういうことになると、水銀排出の関連企業というものは、企画庁にしても厚生省にしても、許可を与える前提の中ですでにそういうものは掌握していなければならないわけです。そうだとするならば、当然水銀が発生するであろうと思われる危険地区に対しては、これは厚生省なり企画庁なりが、きちんと掌握をして調査をしていかなければならない性格のものではないでしょうか。  そこで、私が御質問申し上げたいのは、当然政府の責任は責任としてこの問題の処理はいたさなければならないわけでありますから、たまたま現在問題が出てきたから、その問題に対してお互いの態度のなすり合いをやってもいたしかたのないことでありまして、全国的に、原則的にこういう問題が発生しないように、現在の調査に基づいて把握してあるものに対する追跡調査、そういうものをいたすことが先決要因であると私は考えます。  そこで私は、政務次官にお伺いいたしたいのでありますが、政務次官は先ほどの答弁の段階で、やはり政府のおえら方と同じような見解発表をされておるのではないかという感触を持つのでありますが、むしろ若い政務次官でありますから、積極的に掌握していって、そういう全体の問題が起こりそうなところに対しては、政務次官が先頭に立って、これはこうしなければならないという形の指導を必要とするのでありますが、その点について一点だけお伺いをしておきます。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 私は実はそれほどえらくございませんので、むしろつい先般までは、私も当委員会の理事の一人でありました。むしろ二足のわらじのほうが強いのではないかと思っております。ただ、現実問題としての先ほどからの御質問に対しては、私は現実問題をもってお答えをいたしました。ですから、そういう点でおしかりを受ける部分があるかもしれません。しかし浜田先生、たいへん恐縮でございますが、やはり問題を分けてお考えを願いたいと思います。先ほど、最初に申し上げましたように、私は今回の問題自体について最終的に国の責任というものを問われた場合に、それを私どもは否定はしません。それだけの責任は当然感じるべきである。また、私ども感じていますということを申し上げました。ただ、現実問題としてお尋ねをいただきました御質問に対して、現実問題としての御答弁を実は申し上げたわけであります。ですから、むしろ理想論を言われるならば、私どももそのとおりのことだと考えますし、むしろ、今日まで本委員会でいろいろな御議論がなされてまいりました間に、将来に対して考えなければならぬものというものは非常にたくさん出てまいりました。今回の特別国会ばかりではなく、従来からこの委員会において御議論になったものが、政府の施策に、これはどなたが提議されたものであれ取り入れられているケースも多々あるわけであります。そういう点は、私どもも十分に自分たちのできる範囲内で努力はしてまいったつもりであります。  ただもう一つの問題は、それこそ公害というものにこれだけ多くの方々が関心を示していただけるようになってまだ実は非常に日が浅いのであります。それで、ある意味では国の公害防止についての行政上の種々な問題点が、なおいま解決しつつあるさなかであります。そして新規に立地する工業の場合、私どももそうした問題があるものについて把握につとめ、また把握もしてまいりました、そして今日たまたま、あるいは水銀であるとか、あるいはカドミウムを中心とした重金属であるとか、特定のものについて公害問題の議論が集中をいたしている感があります。しかし私は、おそらく人間の健康に被害がある、いわゆる排出物というものは、おそらくこの二種を除いたものの中にも相当多くのものがあるだろうと、率直に申し上げて感じます。しかし、これは今日の科学の水準からいって、また医学の水準からいって、つかみ得るものとつかみ得ないものとがあります。ですから私どもは、今日の科学技術の進歩に伴って新しく出てくる問題、これは当然公害問題として取り上げ、国の行政の中に織り込む努力を怠るつもりはございません。それと同時に、公害問題等が非常にやかましくなる以前に立地した工業について、私どもは今日でき得る限りの実態把握につとめておりますけれども、なお把握しきれない部分も――今回の福寿製薬も一つの例でありますが、把握しきれないケースも多々あると思います。こうした点を改めていくことについて私どもは何らそれに対して異議をはさむものでもございませんし、またその努力も怠るつもりはございません。ただ今日公害行政というものが、また公害についての科学というものが、この国の中に生まれて育ち出してからなお日が浅いということもお考えいただき、むしろ今後の行政努力の上に積極的なお力添えを願いたいと考えております。

浜田幸一自由民主党

○浜田委員 いま御答弁をいただいたのでありますが、私の発言が何か理想論であるというような規定をされておりますけれども、問題は人間が生きていく環境基準、こういうもののために措置しなければならない必要不可欠な原理があります。その原理追求の上に立ってものを考えるとすれば、これは当然やらなければならないこととわかってはいるけれども、解決できなければ、それはあくまでも理想論だ、むしろ私は、現在の厚生省や関係省の態度というものは、やろうとすれば金がかかる、やろうとしても公害対策は日が浅いからやれないのだ、そういうことであった場合には、これはやはり政治姿勢に問題が移ってくるのではないか。私は、人間が生きていく原理を確立するのに必要な条件を満たすために、最大の努力をしなければならないと考えておるわけであります。それが理想的な考え方ということで片づけられることは非常に残念だと思います。  質問を続けさしていただきます。企画庁にお伺いしていきますが、これは厚生省にも通ずることでありますので同時に御発表いただきたいと思います。  水銀を発生する危険性のある工場は全国で幾つあるのか、これが一点。  それから、もしそういう危険性がある工場について、その川は大体何川くらい該当してくるのか、今後起こり得ると想定されるのはどういうところであるのか、ひとつお伺いしておきます。  それから、長くなりますから、質問だけあわせてやって、御答弁は最後にしていただきますが、たとえば、水産庁が先ほど私の同僚議員である綿貫民輔先生にお答えした漁業組合の補償問題については、私どもは努力をいたします、それは県と当事者で努力さしていただくようにするということで、水産庁の見解としてはあっせん行為の発言しかなかったわけです。しかし、それではやはり漁民は納得できないのではないか。水銀が発生するであろうという福寿製薬というものを水産庁が認めたわけではありませんけれども、そういう福寿製薬というものがある。この企業の規制をする省とより積極的に交渉をされて、水産庁としての責任ある態度の御答弁をいただくことのほうがよろしいのではないかと考えるのでありますが、その点を一点お伺いしておきます。  それからもう一つ、質問に対して、企画庁から、予算がないから調査ができないという御答弁がありました。しかし、実際にその予算拡張というものは真剣に考えておられるということでありますが、これは企画庁の姿勢からして当然改めていただかなければならない問題だと思う。こういう問題については、大臣が必要と認めた場合、その予算の執行はできるのではないかと思うのでありますが、その点いかがですか。一応三点だけお伺いしておきます。  これで、私の関連質問を終わります。

藤村弘毅水産庁次長

○藤村政府委員 私ども、ただ県のあっせんにまかしておるだけではございませんで、こういう被害が起きましたときには、県の水産課を通じまして私どもにも連絡がございますし、私どもといたしましては、厚生省、企画庁とも十分連絡いたしまして、事前の調査にも参加をさしていただくこともありますし、事後のいろいろの対策につきましても、企画庁、厚生省とも十分打ち合わせをしてやっていくつもりでございます。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○城戸政府委員 ただいまの水銀関係の問題のある工場のリストでございますが、これは当初、四十年十二月現在で私どもが都道府県に依頼いたしまして調査をいたし集計した結果では百九十四工場でございます。その後操業中止あるいは工程変換等で約二十工場ぐらいは対象外となっていると目されております。さらに現在新しい調査をいたしておりますが、まだ集計ができておりません。  これが臨んでおります河川だとか港湾だとかいうものは、全部わかっているわけでございますが、ちょっと数はここでははっきり申し上げることができないわけでございます。四十一年度から四十四年度までの調査でございますが、工場につきましては延べ百五ほど調査をいたしております。それから河川につきましては、魚類の調査あるいは川底のどろの調査等でございますが、四十四年度までに三十八ほど調査をいたしております。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 厚生省あるいは通産省、それぞれの所管のところにおいていろいろな調査をいたします。それぞれの該当業種、たとえばパルプの廃液とか、水産関係あるいは染色の廃液、かような問題を調査いたしております。それから窒素の問題でございますと農林省のほうで調査する。水銀問題になりますと厚生省のほうで調査する。経済企画庁といたしましては、そのようないろいろ出てまいりましたデータに基づきまして、必要があるならば水質保全法によって規制をかけなければならぬというような観点で従来進んできたわけでございます。  今回、御承知のように環境基準がある項目についてきまったわけでございますが、人の健康にかかわります項目については、即時これを適用するということになっております。今回、当初にきめられました七項目でございますが、これにつきましては直ちに総点検と申しますか、全国のおそれのある工場を調べまして、現在流水基準としてオーバーしているか、オーバーしていないか、オーバーしているところは当然規制措置をかけなければいかぬわけでありますが、それをすぐ調査するように現在準備中でございます。それに基づいて必要があればやるということでございます。  それと、今回の環境基準におきましては、先ほども御説明申し上げましたように、トータル水銀については一時保留になってございます。いま厚生省からもお話がございましたように、約百七十工場ばかり、当初百九十四工場、その後廃止を含めて百七十工場ばかりございます。このうち、メチル水銀を排出する、これは全部規制がかかっております。それからエチル水銀を排出するおそれがあるもの、これも引き続き規制をかけたいということになっております。その他の無機水銀を排出するおそれのある工場につきましては、これをどのように規制するか。無機水銀と申しますと、これは工場、事業場だけではございません。その他のところからも排出するおそれがあるわけであります。それについて一体どういうふうに処理したらいいか。これは現在トータル水銀の問題として検討中でございます。それは早急に環境基準の中にどのような形でトータル水銀を持ち込むかということを関係各省庁の間で協議しているわけでございます。決定いたしましたら、当然無機水銀のほうについても考えなければいけないということになるわけでございます。そのときには、厚生省が従来調査してまいりました資料その他を参考にさしていただきまして規制措置を考えていく、このように考えておるわけであります。  それから予算の問題でございますけれども、これは先ほど綿貫先生の御質問に対してちょっと答弁を漏らしたのでございますが、指定水域と申しますのは、これは国が指定いたしまして国が水質基準を決定するところでございます。しかし、この指定水域外におきましてはこれは県の条例にゆだねられて、県が条例において規制をすることが可能なわけでございます。やはり国のほうは努力はいたしておりますけれども、何せ全国の問題でございますから、指定水域を指定する上におきましてもいろいろ準備なり何なりの問題がございます。そういう点におきまして、やはり県といたしましても相当な努力は払っていただきたい。あるいは、県条例に基づきまして規制をかけることは可能なわけでございますから、そちらの方面においても努力を払っていただきたい。もちろん企画庁におきましては、予算の拡大ということにつきましてはますます努力いたしたいと思いますが、補完するところは県のほうも努力をしていただきたい、このようにお願いいたしたいと思うわけでございます。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 関係河川の資料をぜひいただきたいというふうにお願いいたします。  これで質問を終わりますが、先ほど橋本さんから、未来の公害、今日の公害ということがありましたが、未来と今日は別のものではなしにくっついておるわけですから、きょうの未来はあしたの現実になるわけでありまして、五年後なんていっておったってすぐ五年になってしまいます。私は、何も行政上の欠陥を暴露するために質問したわけじゃございません。ひとつそういうところに十分留意をしていただきまして、適切な公害対策の手を打っていただいて、住民を安心させていただきたいということを強く要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 細谷治嘉君。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 米のカビの問題と、それから食品添加物であります色素の問題、私はこの問題についてはせんだっての委員会で厚生省に資料を要望しておりましたけれども、私がうかつで、橋本政務次官と企画庁の山口政務次官と間違いまして、山口政務次官の、出しますというお答えはいただいたのでありますけれども、責任者でありませんでしたので、残念ながら資料をいただけませんでした。ですから、あらためてこの問題について質問したい。もう一つは、最近すでに産業公害の域に達しておるといわれております抗生物質による薬剤、耐性菌の問題、以上三つについて時間の許す限りひとつ質問をしてみたいと思うのです。  第一点の米のカビの問題について、私の前回のこの委員会における質問で、こういう研究報告がありますから御心配は要りません、こういうことでありました。しかし、十分な体制でこれから検査をしてまいります、こういうお答えでありました。そのとき私は、この研究報告では確かにアフラトキシンを出すカビは見つかっておらぬけれども、類似螢光物質というものが確認されておる。その類似螢光物質の励起スペクトルなりあるいは螢光スペクトルをとってある。このスペクトルを見ますと、かなりアフラトキシンに類似している点があるので、この辺の検討はさらにしなければならぬのではないか、こういうことを中村部長に申し上げたのであります。  ところが五月一日に、はからずもこの問題が三つばかりの新聞に書かれました。昨日はまたある新聞がかなりのスペースで書いております。きょうの新聞にもまた「有害古々米を輸出」という見出しでかなり大きな記事が出ております。  そこで私が、この資料をいただく際に中村部長に、類似物質いわゆる螢光スペクトルなり励起スペクトルを見た場合に、どうもアフラトキシンに似ているのではないか、こういうことを指摘したのでありますが、きのう、私はこの研究論文を読んでみました。そしてこの研究論文の末尾のほうに「問題点と今後の計画」ということで、「(1)アフラトキシンを生産するカビは、現在熱帯圏を中心として、世界的に分布しているものと考えられており、現在国内には存在しないとしても、」云々とあります。このアルバイトではそのとおりであります。ところが第二に、「アフラトキシン類似螢光物質その他の麹菌はっこう生産物についても、その無害性について確認しておくことが必要である。この点については昭和四十三年から二カ年にわたり、千葉大学腐敗研究所に対し、農林水産業特別研究費補助金を交付して研究を実施中であり、麹酸については既にその無害性を確認した。」、こう書いてある。こういうふうに問題点を指摘しておるのが、ずばり新聞で出てまいったわけですね。  そこで、私が委員長に要求いたしましてせんだって農林省からいただきました資料によりますと、「昭和四十二年産玄米一グラム中の菌種と菌数」、こういうもので、アスペルギルス・フラブスいわゆるアフラトキシンを出すものは検出をされておりませんけれども、その他のアスペルギルス属ははっきりと確認されておるわけですね。そしてアスペルギルス・フラブス以外のいわゆる類似物質というものについては、危険なものがあるということは、この新聞にも書かれてあるわけですね。たとえば農林省からいただいた資料の中でも、宮城県から出たもの、そういうものはアスペルギルス・フラブス以外で有毒物質を出すものが確認されておるわけですね。こういう状況で、私は驚いております。ですから、どうしてもきょうあらためてこの問題について――こういうふうに新聞に書かれてある。そしてこの研究報告にも問題点があるといっておる。言ってみますと、私に対する農林省の説明はきわめて不十分であった、こういうふうに申し上げるしかないと思うのであります。これについて農林省に、どういうことなのかひとつお尋ねしておきたいと思います。

中村健次郎食糧庁業務部長

○中村説明員 最近引き続きまして新聞等にいろいろな見出しで出ておりますけれども、見出しと内容をよく読んでいただきますとおわかり願えると思いますが、特に本日も「有害古々米を輸出」というふうな見出しで出ておりますし、「東南アへ二十六万トンも」、こういうことも出ておりますが、われわれが輸出しております古々米はパキスタンに出しました十二万トンだけでございまして、あとは古米、新米でございます。  なお、古々米につきまして、有毒古々米というふうに新聞で断定をいたしておりますけれども、古々米が有毒であるかどうかということは、これは非常に問題があるわけでございまして、われわれは古々米は決して有毒でない、こう思っております。と申しますのは、パキスタンへ出しております古々米は、まず搗精をいたしまして、非常にきれいにつきまして、胚芽、ぬか、その他を一切とっておるということ、それから水分を一四%以下の精米をつくるようにいたしております。  なお、現在パキスタンに積み出しておりますものを、食糧研究所におきましてアフラトキシンの検出の調査もいたしましたが、全くアフラトキシンはありません。なお、最近一部有毒ではないかといわれておりますオクラトキシンにつきましても全然検出をされておりません。こういうことでございますので、新聞に書いてございますところと私の見るところとは若干違うと思いますが、先ほど御質問になりました古々米の、かつて四十四年と四十三年に行ないました食糧研究所の調査につきましては、すでに御報告をしておるとおりでございますが、なおその中で、四十三年のほうは毒物そのものの分析でございますし、四十四年のものはカビがあるかどうかという問題でございまして、調査の性質が違うわけでございます。したがいまして、アフラトキシンを調査しました場合の類似物資と四十四年に調査しましたカビから出ます物質との関係というものは、これは関係が必ずあるというものではないと思います。  なお、先ほど新聞等にも出ておりまして、先生から御指摘ございました宮城県の一地区につきましてアスペルギルス・フラブス以外のものの中でアスペルギルス・ベルシコラーというのが一グラム中に一・七ある、これはまさにそのとおり発見されております。これはステリグマトシスチンという物質を出します。これが有毒であるかどうかという点につきましては、一、二の有毒だという報告が出ておるということが厚生省からいわれておりますけれども、これが米についた場合に毒になるのかどうかという点もまだ解明はされておりません。なお、一グラム中一・七という検出は、われわれが食研の先生方にお聞きしたところでも、全く問題になる数字ではない。カビがついていろいろ問題になるのは、先生にも差し上げました、肉眼でカビの発生が見られるものというところの宮城、福島の二地区、岩手県でそういったものをとってきましてカビを培養したときにアスペルギルス属の発生が福島のA地区では六百五十六、B地区では千八百九、岩手では五千三百三十二、こういう多数のカビの数が出ております。こういった大量のカビが出ておるものについては用心をしなければいかぬ、こういうふうに特記いたしておりますので、一・七というただ痕跡程度にあったものをもちまして、別に古々米がアスペルギルス・ベルシコラーによって汚染されておるというのは言い過ぎではないか、かように考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 あなたのほうからいただいた資料はアスペルギルス・フラブスはなかった。そしてその他のアスペルギルス属とペニシリウム属その他と、こういう表なんだ。そこで私は、その他のアスペルギルス属のあなたのほうの数字に掲げられておる内訳を調べてみた。あなたのほうから資料をくれないんだ。アフラトキシンのフラブスだけは、これだけ除いておって、同じ属のアスペルギルス属のカビについてはもう一括してあるのです。その内訳がわからなかったから私は調べた。ですから、あなたのいまの答弁はごまかしだ。私はあなたをいじめようとしているのじゃないのです、問題が大きいから申し上げているのであって……。  その内容を調べてみますと、これはあなたの答弁はごまかしですよ。あなたのやつは東北のほうを調べた、これは軟質米なんだ、水分が多いんだ、だけれども西のほうに行きますと、硬質米だから心配ない。ところがアスペルギルス・フラブスは水分が一六%以上でないとカビが出ないというけれども、あなたのほうが一括しているアスペルギルス・ベルシコラー等の同じような有毒物質を出すものは、わりあいに水分が低いところでカビが発生するのですね。このカビは一四%くらいで発生するのですよ。あなた、それは確認できましょうね。

中村健次郎食糧庁業務部長

○中村説明員 アスペルギルス・ベルシコラーにつきましては、私のほうの食研でいろいろな検討をいたしておりますところでは、例の微生物の繁殖と穀粒水分との関係によりますと、一五%から一五・五%の間から発生するというようにいっております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 あなたのほうの資料のほかに、千葉大学の腐敗研究所の報告があるわけですよ。それに千葉県産米に分布するアスペルギルス属糸状菌という数字があるのです。それによりますと、アスペルギルス・レペンス、これもかなり出ているのです。これが水分が一四%から一四・二%くらいでカビが出る、こういうのです。それからいまおっしゃったアスペルギルス・ベルシコラー、これは明らかにステリグマトシスチン、こういう有毒物質を出すということが確認されておるわけですね。これも相当出ているのですよ。千葉大学の腐敗研究所で九十三例もこの研究には出ている。それからさらにオクラケウスというものは百三十五も出ている。これもやはり有毒物質が出ているのですよ。ですから、あなたのほうのこの資料では単に属だとごまかしているけれども、千葉大学の腐敗研究所の内容を見てみますと、アスペルギルス属の有毒物質が出る、東北米、軟質米だけではなくて、そういうものがはっきり確認されておるわけですよ。ですから、この事実はあなた認めて、そしてどう対策をしていくのか、こういうことでいかなければ、これをほおかむりしようといったってだめですよ。あなた、どうですか。

中村健次郎食糧庁業務部長

○中村説明員 先生のおっしゃいますように、私のほうの調査は、この前も申し上げましたようにごく一部の調査でございますので、これですべての米が安全であるというふうには考えておりません。したがいまして、目下いろいろこういった菌なり毒性の研究をしておられます先生方とどういった方法で検査をし、どういった仕分けをして処理していけばよいかということを御相談申し上げておりまして、来週の月曜日に先生方のお集まりを願いまして、そこでそういったことについての結論を出していただくというふうにお願いを申し上げております。それに基づきまして、私のほうの処分をいたしてまいりたい、こう思っております。  なお、先ほど先生のおっしゃいましたように、アスペルギルス属には非常にたくさんの菌種がございます。その中には、水分の低いところに出るものもございます。高いところに出るものもございます。ただ、われわれがいま問題にしておりますアスペルギルス・フラブスにつきましては、おっしゃいましたように水分の高いところに出ます。ベルシコラーにつきましても、一五%以上で出てくるものでございますので、そういう意味におきまして、水分の少ないものには有害なカビが発生するおそれは少ないというのが一般的にいわれておりますし、そう申し上げたわけでございます。  なお、私のほうで、アスペルギルス属に入るフラブスが問題でございましたので、まとめて資料を差し上げましたのでいろいろ誤解が生じておるかと思いますが、私のほうで調べましたアスペルギルス属のこのまとめてございますものの内訳を申し上げたほうが問題をはっきり御理解を願えるのじゃないかと思います。アスペルギルス・フラブスを私のほうで調べましたときに、アスペルギルス・グラウカス・グループ、これは肉眼でカビのないと見られました宮城、青森、北海道、われわれがこれはだいじょうぶだといっているものでございますが、その中の三つのうち〇・八、三・三、一一・五というふうに非常に少ない数でございます。カビのはえているほうは、これは多数出ております。そのほか、先ほど申しましたベルシコラーが一・七、そのほかオリーゼ、これはこうじカビでございますが、これが〇・八、こういった非常に少ない数になっております。それからペニシリウム属の中でも黄変菌毒を出すといわれておりますイスランジカム等三つの菌がございますが、これはございません。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 時間がかかってしまって何ですが、先ほど私は水分のことを申し上げました。アフラトキシンを出すフラブスというのは、一七%くらいの水分がなければ出ないと一般にいわれている。あなたのほうの研究ではフラブスというのは検出されてない、だからアフラトキシンの心配はない、こういうことでありますけれども、政府米ではありませんが、九州の地で農家に貯蔵されておった米で、フラブスが検出されたという有力な証拠があるのですよ。ですから、日本にはフラブスはないんだというふうなことは言えないのであって、特に入梅期は非常に湿気が多いわけでありますから、アフラトキシンを出すカビが発生する可能性は非常に多い。しかも、アフラトキシンよりも水分が少なくて発生する可能性のあるカビも、かなりの有毒菌を出す、こういうことが明白になっておるわけであります。あなたはさっき、いやそれは輸出米は精白してしまうからだいじょうぶだ、こう言っておりますが、千葉大学の研究によりますと、精白米と玄米はあまり変わってないのですよ。フラブスは検出されていませんよ。しかし、アスペルギルス・レペンスあるいはベルシコラー、それからオクラケウス、こういう発ガン性あるいは肝臓障害を起こすこういう物質は、明らかに精白米も玄米も変わらないのです。ほとんど変わっていませんよ。あなたは、この数字はお持ちでしょう。ですから、精白米にしたらそれでいいんだ、そんなものじゃないですよ。そうでしょう。どうですか。

中村健次郎食糧庁業務部長

○中村説明員 おっしゃいますように、カビのはえた米を精米いたしましても、カビは、中に入っておるものは出てまいります。ただ、私申し上げましたのは、もともとカビがついていない、目で見てもついていない、非常に用心した、水分の少ない、ついたおそれの少ない米を、さらにわれわれの配給米よりも四%も多くつきまして、そして最も菌のつきやすい皮質部でございますとか、胚芽の部分を完全に取った米でございますので、その心配は非常にない、なおわれわれとしてアフラトキシンを調査いたしましたところ全くございません、こういうふうに申し上げたわけでございます。  それから、私のほうの米では、保管に非常に注意をいたしておりまして、カビが発生しないように努力をしておることはこの前申し上げたことでございますが、農家に保管されております米につきましては、その保管のしかたその他がどういうふうになっておるか、私のほうも承知いたしておりませんので、いろいろなものがあると思いますが、農家からの米で、先生のおっしゃいましたような菌が出ておる、フラブスもあったという報告といいますか、話は、先生方から聞いております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 そこで、もう時間がありませんから確認しておきますが、フラブスについては、あなたのほうは幸いなことに検出されていない。農家のほうでは検出された例がある。これはもうはっきりしているのです。  そこで、これは非常に重要な問題でありますから、フラブス以外のアスペルギルス・ベルシコラー、これからはステリグマトシスチンという肝臓障害、発ガン性の物質が出るということはもうすでに外国の学者が確認をしておりますね。それからオクラケウス、これからはオクラトキシンAという毒物が排出されることも確認されておる。アスペルギルス・レペンス、これも千葉県産米でかなり出ておるわけでありますが、これからも有毒物質が出てきておる。こういう事態になってまいっておりますので、これはアフラトキシンが見つからぬから安全だなんということはかりそめにも言えない。それも軟質米だけが心配だ、硬質米はだいじょうぶだ、――千葉県で出ているのですから。しかも、精白しようがしまいが、やはりそういう毒素は残っておるのだ。こういうのが千葉大学の腐敗研究所等の実験ではっきりしてまいっておるわけです。ですから、米というのは、これは常食でありますから、やはりよほど国民を安心させなければいかぬ。外国に対しても道義的に、古々米の約束だからといって――黄変米の問題が輸入米についてありました。今度は日本から行ったものについてはアスペルギルスのフラブスではないけれども、同じような有毒物質を含んでおったものが行ったということになりますと、文字どおりこれはエコノミックアニマルを地で行くということになろうと私は思うのですよ。  そこで、一体どういう体制でいくのか、新聞等に書かれてありますが、十一日にカビ学者を集めて協議をなさるそうでありますが、どういう学者が集まるのか、そういう内容は公表なさるのか。あるいは一流の官庁用語で、会議してみたけれども、それは人体に心配ない程度のものでありました、こんなようなことでやり過ごすことにはいかぬと思うのですけれども、十一日というのは間もなく迫ってくるのですから、これは一体どういうことなんですか。

中村健次郎食糧庁業務部長

○中村説明員 先生のおっしゃいますように、輸出米につきましては十分な注意をいたさなければならないということはかねがねから考えておりまして、そういう意味でカビのおそれのないものを出すということで、十分な注意をいたしておるわけであります。  それからなお念のために、オクラトキシンと、先ほどおっしゃいましたアスペルギルス・ベルシコラーの一部から出ます毒物につきましても検査をいたしまして、これもないということを確認いたしております。したがいまして、われわれが外国に出しました古々米につきましては、すでに向こうに着いておりますが、向こうでも好評でございますし、心配はない、このように思っております。  なお、十一日の会議でございますが、集まっていただきます先生は、本日新聞にも発表いたしておりますが、東大医科学研究所の斎藤教授、国立予防衛生研究所食品衛生部長、なお千葉大の腐敗研究所長も兼ねておられます宮木高明先生、それから国立衛生試験所の真菌室長の倉田先生、食糧研究所長の谷氏、はっこう化学研究室長の松浦氏、病菌研究室長の角田先生、病菌研究室の鶴田先生という方々にお集まり願って、御検討していただきまして、そこで検討した結果は新聞で公表いたすことになります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 いまあげられた名前の方は、それぞれこの方面のオーソリティーですから、その実は上がると私は期待しておるわけですけれども、これがここまで新聞に書かれますと、私が希望したいことはオープンにやっていただきたい。それでないと、余分な憶測が立って――国民の常食でありますし、しかも、外国に輸出するわけですから。外国も大切でありますが、国民も大切でありますから、やはり安心して食生活ができるようにしなければならぬと私は思うのです。  私、はたからながめてますと、どうも農林省はその辺のものはとにかくできるだけふせておけ、新聞に発表するのはありがた迷惑、こういう考えに立っておるのではないかというふうに想像されるのでありますが、かりそめにもそういうことがあってはならないのじゃないか、こう思っております。  千葉大学の宮木高明博士はこういっております。「カビ毒付着の疑いのある古々米を輸出することはどんなに精米にしていても、それが科学的に安全であることが証明されない限り、日本の道義的責任はまぬかれない。」そのとおりですね、玄米でも精白米でも、カビのついたものは毒はもうずっと浸透しているのですから。「米にカビがはえているかどうかが問題なのではなく、カビ毒のついているものを確実にチェックできるかが問題の焦点だ。こうした検査体制を軌道に乗せない限り、国民に安全だから信用せよといっても無理な話だ」、もっともだと思うのですね。  私はこの前のこの委員会において、とにかく肉眼検査というのは相当なれた人がやるわけですから、肉眼検査でカビの疑念のないものについては、入梅を迎える前にできるだけ早く処理したらどうか。ところが、最近の新聞では、肉眼でカビがないと見受けられたものについてもあぶない、こう書いてあります。これはどうですか。

中村健次郎食糧庁業務部長

○中村説明員 最近の新聞ではそういうふうに扱われておりますけれども、肉眼でカビの見えないもの必ずしも安全とは思いませんけれども、きわめて安全度が高いというふうに考えております。  それから先ほどおっしゃいましたように、先生方の集まりをオープンにしたらというお話がございましたけれども、これは非常に学問的な話になりますし、そういったことが新聞等で報道された報道のしかた等からごらんいただきますと、いろいろな片言隻句をとらえて非常に不安をかき立てるというふうなおそれもございますので、十分に議論を尽くしたあとの結論を納得のいくように御説明をいたしたい、このように思っております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 私は、報道関係もこの方面をやっている人は専門家なんですから、片言隻句で事を処するなんということはないと思う。大局的にものを把握すると思うのですよ。しかし、いろいろな議論をなさるところですし、オープンにしろと言っても、全部オープンにするかどうかということについては、それはやり方もありましょうけれども、ひた隠しに結論を隠す、あるいはベールをおおってごまかす、こういうことがないようにしていただかなければならぬ、これが最小限度のものだ、こう思う。  そこで、肉眼でカビが見えない場合はより安全であることは、これは間違いない。それは常識ですね。しかし、肉眼でカビがはえていないと確認されたものでも、やはり一〇〇%安全ではないのだということはあなたもおっしゃった。新聞にもそう書いてある。そこで私は、一体これから、国民に安心させるにはどういう検査方法――私はまず肉眼で見たらどうか、これについては安全じゃないから、さっき肉眼で見て安全なものは早く処理したらどうかと申し上げておりましたが、もっと厳密に対処しなければならぬ。そうして毒性試験なりあるいは培養試験というものをやらない限りは、このものを、人間の食べるものとしてはもちろんのこと、動物の飼料として出すこともやめてほしい、こういうふうに思うのでありますが、いかがですか。

中村健次郎食糧庁業務部長

○中村説明員 いろいろ私のほうでやっておりますことが、いかにも隠しているようで、かえって疑惑を与えました点につきましては、われわれの態度なりやり方につきまして深く反省をいたしておりますが、おっしゃいましたように、今度の結論は、全くそのとおりに発表いたしまして、国民の皆さまに安心していただける処理のしかたを先生方と御相談をしていたしたい、このように思っております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 時間がありませんから、いま注意を受けまして本会議後にやってほしいということでありますから、一点だけ厚生省に……。  橋本政務次官、これは食べものでありますから、しかも米でありますから、たいへん重要なものである。外国に輸出したものは厚生省はおれは知らぬと言うわけにもいかぬし、国内の国民が食べるものはむろんのことであります。厚生省はこういう問題について、たとえば衛生研究所等でどう対処しようとしているのか、農林省も機関があるでしょう。そういう点が一つ。  もう一つ、最近厚生省もこの辺についてたいへんな関心を持たれまして、有害食品追放のために懇談会をスタートしました。ところが、新聞によりますと、その懇談会の「中に“選挙違反”委員も」なんて見出しで書いてあるのですよ。これではせっかくの懇談会というものが、厚生省の姿勢というものが、こんな見出しで、「中に“選挙違反”委員も」と、名前も書いてありますけれども、こういうことではやはり国民の信頼感というものがスタートから失われる可能性があるのじゃないか、こう思うのですけれども、この二点についてひとつお答えいただきたい。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 まず、第一点の米のカビの問題、先ほどから御議論があるのでお答えいたします。  私は、非常に頭が単純でありますので、横文字の、長ったらしい名前はよくわかりませんけれども、発ガンのおそれのあるカビ、また肝臓機能障害を起こす可能性があるカビ、これが発見をされた、また発見をされつつあるということの報告も私ども聞いております。そして四十一年度からでありましたか、ずっと研究を今日まで続けてまいっておるわけでありますけれども、厚生科学研究費の範囲内で今日までも努力をしてきたわけであります。国立衛生試験所あるいは予研等において今日も続けておる研究を進めていくと同時に、これはむしろ私どもしろうとが云々するよりも、専門の学者の方々の御意見に私どもは従い、そしてその方針で今後も対処していくつもりであります。でありますから、これは専門の学者の方々の判定によっていかぬということであれば当然それに従わなければなりません。これはあえて申し上げるまでもなく当然のことでありまして、むしろ私どもは結論の早く出るようにできるだけのお手伝いをしてまいるつもりであります。  それから第二点の食品衛生の懇談会についてただいま御指摘がございました。ただこれはあえて先生におことばを返して恐縮でありますが、その記事を掲載をした新聞も私は読んでおります。一体この新聞記事をお書きになった記者の方は、どういう取材をされたのか存じません。その御本人は選挙違反はいたしておらない。それこそ法のもとにおいてそういう決定が出ておるはずであります。非常に事実と相違した部分のある新聞記事でありまして、私ども今日まで無視してまいりました。しかしあえて、お尋ねでありますから、私はそのお名前、聖成さんというお名前を申し上げて、この方はわが国の法のもとにおいて選挙違反という罪名は着ておらないということをこの席上で明らかに申し上げておきたいと思います。  それと同時にもう一つは、私はどういうおつもりであのような記事のまとめ方をされたのかわかりません。これがもしたとえ、その選挙違反といますが、事実であったとしても、この食品懇談会に聖成さんを委員として加えたと思います。と申しますのは、その専門の知識、専門の技能、私どもは当然これは国のために使わしていただきたいと考えております。そしてまた、それだけの学識もお持ちの方であります。今日食品衛生問題というものがきわめて大切な問題になっておるのは先生も御承知のとおりであります。これにはわが国の中で集め得る最大の範囲から、それぞれの分野において最も適した方をお招きをするのは当然であります。その結果、私どもはその委員会の委員に聖成さんを加えました。そして、私はあえて申し上げますけれども、この人選が誤っておったとは決して思っておりません。しかも、この新聞記事に掲載された選挙違反云々は、真実ではないわけであります。ですから、その特定の新聞社の方がお書きになった記事によって、国民の中にそうした御批判が出るとすれば、むしろこれはきわめて遺憾な次第でありまして、私どもとしてはあえて当委員会の席上をおかりしましてその真相を申し上げます次第であります。私どもはこの記事は今日までも無視してまいりました。あえて今後も無視させていただくつもりでおります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 ちょっと関連。関連でまことに失礼ですが、いま聞いていまして、私もいわゆる有害古々米というものの存在についてがく然としたわけです。これも国民の公害にまさに関係のある一つの問題だけじゃなく、外国にまで輸出されたこういうようなことについていまその指摘を受け、あらためて新聞等の記事も見たりいたしました。われわれもこの問題をおろそかにしてはならない。現在までこういうようなものが、何百万トンまだ残っているのだ。そしてこういうようなものが発生した場合に、専門の技術屋、またはそれを調査するものは、農林省なのか厚生省なのか、またそういうような有機的な連絡はどうなっているのか、これもはっきりしておかないと、今後の問題として、現在米の余っておる状態の中ではまたしても発生してくる可能性のある問題じゃなかろうかと思うわけであります。現在まで幾ら残っているのか、在庫は幾らあるのか、そしてこの有機的な関係がどういうようになっているのか、これを厚生省がいままでただ黙って見のがしておいたとするならばこれは重大な手落ちだといわざるを得ないのでありまして、私はこれをこの際に関連をもって皆さんにはっきりさせてもらいたいことをお願いしたいと思います。

中村健次郎食糧庁業務部長

○中村説明員 ただいま先生のおっしゃいましたとおりでございまして、われわれといたしましても慎重に取り扱いをいたしたいと思っております。  なお、四十二年産米、現在古々米といっておりますものは百十三万トンございます。厚生省とは十分に連絡をとりまして、一時的には私たちが保管をし管理しておるものでございますので、私のほうでどういう状態にあるかということを調べ、厚生省と相談をいたしていろいろと処置を考えていきたい、かように考えております。  なお一言、私釈明させていただきたいのでございますが、先ほど新聞は片言隻句を云々と申しましたが、これは私の失言でございまして、いろいろな誤解が出てもいけまいからという意味でつい口が滑りまして、まことに失礼なことを申し上げましたので、取り消させていただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 責任の所在ということでありましたならば、これはいま業務部長から答弁がありましたとおり農林省でありまして、私どもとしても、農林省に対してできるだけの協力をし、安全を期していく努力を払っていくつもりであります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それで現在まで百十三万トン残っているということなのであります。そういうようになりますと、今後の輸出またはその他についてもまた当然考えられる節もないわけじゃない。しかしながら、こういうようなものはまさに――いまこれを、輸出先その他を見れば、どういうような名目でやったのかわかりません。しかし、先進国として、いわばそういうような名目のもとにいろいろやっているのじゃなかろうかと思いますが、これは後進国に対する重大なる国辱ものになるのじゃないかとこの際思えるような結果を招来してしまうことになり、そういうようなことになっては困る。それで、いまのような状態だけではわからぬのですけれども、この有害古々米に関して、かびておる、目で見ても何でもないものもあるけれどもすでに悪いのももちろんある、こういうような場合に、連携は十分とっているというのです。ただ、こういうようなものを輸出するまでに黙っておいたのは、これは厚生省の怠慢だ、こういうようなことになってしまうのですか。これは技術的にも、それを聞いておきたいと思うものですから。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 厚生省の怠慢だというお話がありますが、私は怠慢だとは思っておりません。科学は日々進歩をいたします。きのうわからなかったこともきょうわかることがございます。そしてわかった時点でそれに対応策をとることは当然でありまして、むしろ今日の時点で私どもがこの問題を隠蔽し、あるいはごまかそうとしておったら、それは御批判も当然でありましょう。しかし、今日発見と同時にその警告を発し、その措置をとるように農林省にも御依頼を申し上げて、すでに農林省自体もチェックを開始しておられる時点であります。私どもは、厚生省は何ら怠慢であったとは思っておりません。この点ははっきり申し上げておきます。

中村健次郎食糧庁業務部長

○中村説明員 パキスタンに出しましたものが、古々米があたかも毒のように――おことばを返すようでございます歩、左ほど申しましたように、われわれといたしましては古々米の中で全然カビがないと考えられるものをよりによって、しかも、きれいに精米にいたしまして、船の中でもカビがつかないようにという注意をいたしまして出しております。したがって、これにはわれわれは自信を持って毒はないと思っておりますので、開発途上国を侮辱するというような意味にとられては非常に困るのでございますが、決してそういうことではなくて、よく向こうとも打ち合わせまして、こういう品質のものでやろうじゃないか、しかも、向こうの雇いました検定機関が検査をいたしまして、合格したものを出しておるのでございまして、そのようなことはないと確信をいたしておりますので、御了承願いたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 どうも、これはやはり農林省だというようなことになってしまうようであります。そういうふうにして、私ども自身として今後の問題として取り上げ、なお再び起こさせないように一つのきっかけをはっきりさしておきたい、このために聞いているのです。いままでやはりこれは連絡は十分とっておった、私はこれはいいと思う。それから、厚生省のほうでは隠蔽ではない。これはお若いだけにゆうゆうとこれを言い切って、橋本政務次官少しほめておいてもいいと思う。しかし、これは警告を発したと言っている。その警告をそのままに聞いてやったということになると、逆に農林省のほうでいかにやったといいながら、これは国辱ものではないといいながらも、そうなったらあなた方は完全に怠慢だ、こういうことになってしまうのじゃないかと私は思う。せっかくそこまでいったならば、ここでひとつ詰めをやって、王手でだめだったらぴしゃっとやって、負けたと言ってしまえばいいじゃないですか。ひとつそこを今後のためにはっきりさしていただきたいと思います。

中村健次郎食糧庁業務部長

○中村説明員 厚生省からもこういう問題が提起されましてから、警告を受けておりますので、厚生省とも相談をいたしまして、先ほど申しましたような学者先生に集っていただきまして、今後、どういうふうに四十二年産米を処理していくか、検査していくか、仕分けしていくかというようなことの方針を十一日に確定をいたしたい、このように思っております。  なお、パキスタンに出しましたものにつきましては、十分そういった検査をいたして出しておりますので、そういうことを申し上げたようなわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それはいいです。いま言ったのは、そこまでいく過程を言っているのです。警告を受けた、警告を受けてそのままりっぱに出してやったとすると、書いたこの記事は全部間違いであるとあなた方はっきりと言わないと農林省自身のこけんにかかわります。学者自身がいいと言って出したのは、学者の認定、判定が間違っているんだ、これははっきり言い切ったらいいじゃありませんか。そこをはっきりしないで、今後これを尊重するなんて言ったって、そこを隠されるのではないかと思うのですが、私の理解に間違いがあればあやまりますが、しかし、ごまかされてやっておったならば、今後のために納得できない。

中村健次郎食糧庁業務部長

○中村説明員 私の説明がまずくていろいろ先生に御迷惑をかけておりますが、その新聞記事はうそではございませんけれども、完全に正確だと言えない面がございます。特に見出しにつきましては、かなり断定しておるところに、古々米が毒だ、有毒古々米というふうに断定をされておるところにいろいろ誤解があるのだと思いますが、私のほうが出したものは決して有毒なカビのついた米ではないということを申し上げておきます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 橋本政務次官にあとで申し上げますが、斎藤東大教授は肝臓ガンの多い日本、東南アジアはふしぎにも米食圏にあたっていて、高温多湿の気象条件は肝臓に障害を起こす、カビ毒による食品汚染の可能性を示しておる、こういう警告をしておるわけですね。それに対して、これは新聞に書いてある、私が心配なのは中村さんをはじめどうも農林省の、新聞にあらわれた態度がきわめてあやふやなんですね。ちょっと読んでみます。中村さんの「私たちは危険性のあるカビが見つかったとの報告は受けておらず、古々米は安全であると確信している。」受けておらぬということはないのですね。あなたのほうの報告自体もあるのですから……。ですから、確信も科学的じゃありませんよ。「食糧研究所の検査結果も、ありふれたデータで、あの程度のカビならむしろ米がきれいだということを示していると思う。」こうきているわけですね。「もっとも目に見えるほどカビのはえた米は飼料用にも回さないことをきめた。いずれにしても五月に専門家を含む検討会を開いて、過剰米の処分方法を考えることにしている。」これがあなたの四月二十八日の談話です。「発ガン性の疑いがあるカビが政府保管米にあるとすれば重大なことだ。そのままの形で出荷することは問題があるので、古々米は出荷販売せず押えておく。早急に厚生省などとカビ対策の方針を検討し、安全とわかれば用途を考える。」これはわりあいに正しい姿勢なんですね。  それからきのうの新聞によると中村さんはこう言っているんですね。「政府が気をつけて保管している米なので、危険性はないと思う。」ここでまた科学的じゃなくなってきているわけですね。「ただ、学術上の問題があると学者がいわれるので、その意見を十分に聞いて、古々米の処理方針をきめようというわけだ。」最初からもう学者なんていうのは現実的じゃないと否定しておるんだからね。だから橋本政務次官は、科学は日進月歩だ、その日進月歩の段階において為政者としてつかまえて適当な手を打っていく、こういうことでありますけれども、科学を否定したような考え、ですから、言ってみますと、新聞にあるあなたの態度は正しい姿勢のものであって、また、どうも隠そう隠そうという談話がここに書かれてあります、こういうことでは私はやはりどうも信用できない。ですから農林省は主管省であることは間違いありませんけれども、ひとつ厚生省も国民の生命と健康を担当する省として全機能をあげて、やはり毒性試験なり、あるいは培養試験なりには協力をしていかなければならぬ。あるいは協力じゃなくて厚生省独自の立場で検討していくべきじゃないか。そうして国民が一点の疑念もないようになったら、古々米であろうと古々々米であろうとそれは食べさしていいでしょう。疑問のあるものはやはりデラニー条項というのがアメリカでもあるでしょう。疑問のあるものについては食べさせぬのだ、出荷してはいかぬのだ、こういうくらいの厳密なやり方をとっていかなければならぬと私は思うのです。これをひとつ特に申し上げておきたいと思う。  それから橋本政務次官が、この新聞記事について、判決のことはそのとおりでありましょうけれども、選挙があって違反に問われて裁判になったことは、これは事実でありますから、そのことを新聞が書いたと思うのです。名前が出ましたので、名前も新聞に書いてありますが、私も聖成さんはよく知っております。この方面の専門家であることも知っております。敬意も払っております。ただ一般の人の、そういう人を委員にしたということについては、せっかくの委員会のオーソリティーというものが低下するのではないかという指摘も、これを全部否定し去るということは次官としてはやはりよろしくないと私は思うのです。だから、私はそういう重要な段階でありますから、やはり常に権威を持ってこういう懇談会がその目的を達成できるようにしていただかなければならぬ、こういうことで私はちょっと申し上げておるのであって、その判決がどうのこうの、あなたにこの問題を撤回しろとかなんとかいうことをいま要求しようとしておるわけじゃないわけです。  あと本会議だそうでありますから私は三つのうち一つの問題についてある程度論議しただけで、あとの二つの問題については全く入っておりませんので、本会議後に質疑があるそうでありますから、ここで終わっておきます。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 たいへん恐縮でありますが、細谷先生のお話にも多少間違いがあるようであります。この点だけは明らかにしておきたいと思うのです。  聖成さんは確かに選挙違反の容疑によって取り調べは受けました。しかし、起訴はされておりません。いわば非常に大きな疑惑を検察当局あるいは警察当局から受けて起訴されて、裁判の結果無罪になったというのではなく、取り調べは受けました。しかし、起訴はされておらないのであります。起訴をされるまでの嫌疑もなかったということでございます。それがどうしてあのような新聞記事になったか、そのこと自体についても私は疑います。お書きになった方の調査自体を疑います。しかし、細谷先生の御意見にもありましたとおり、食品行政というものが非常に大事な時期、権威を持たせなければならない、そのとおりでありまして、私どもは専門家として最も優秀な方を選んだのであります。その意味において、私どもはただいま先生から御注意をいただきましたけれども、この食品衛生の懇談会というものの権威がむしろ誤った新聞記事によって傷つけられたかもしれませんが、専門的な分野においてその権威を疑われることはないとただいまも信じておりますし、今後もその方針は、恐縮でありますが貫かせていただきます。

中村健次郎食糧庁業務部長

○中村説明員 私の新聞に出ておりました談話が、先生のおっしゃいますように、いろいろ食糧庁の態度を疑わせるようにとられておることは、まことに不徳のいたすところでありまして、今後注意をいたしたいと思いますが、私の話しました真意は、決して学者先生を軽視するというようなことではありませんので、したがいまして、学者先生の方々の御意見を十分にお聞きして、処理の方法を指示していただいてやってまいりたい、国民の皆さんにも安心して米を消費していただきたい、このように思っておりますので、足りないところは私の表現のまずさということで御了承願いたいと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 午前中の質疑はこの程度にとどめ、本会議散会後再開することとし、暫時休憩をいたします。    午後一時十二分休憩      ――――◇―――――    午後二時十九分開議

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  本日の請願日程の、公害による被害の救済制度改善に関する請願を議題とし、審査に入ります。  請願の内容につきましては、請願文書表等によりましてすでに御承知のことと存じますが、さらに先刻の理事会において慎重に検討いただきましたので、請願についての紹介議員よりの説明は省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 御異議なしと認め、直ちに採決いたします。  公害による被害の救済制度改善に関する請願は、採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、ただいま議決いたしました請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     ―――――――――――――   〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 この際、御報告申し上げます。  本委員会に参考のため送付されました陳情書は、公害防止対策の充実に関する陳情書外二件でございます。念のため御報告申し上げます。      ――――◇―――――

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 次に、閉会中審査申し出の件についておはかりいたします。  産業公害対策に関する件につきまして、議長に対し閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  次に、委員派遣承認申請の件についておはかりいたします。  閉会中審査案件が本委員会に付託され、委員派遣の必要が生じました場合には、委員を派遣することとし、派遣委員の員数、氏名、派遣地、期間及び承認申請の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ――――◇―――――

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 産業公害対策に関する件について質疑を行ないます。細谷治嘉君。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 最近BHC等の残留問題が非常にやかましくなってまいりましたし、また甘味剤としてのチクロ、サイクラミン酸ソーダという問題も取り上げられまして、非常に大きな問題が食品公害とかなんとかという形で議論されております。そういう中で、私は最近慶応大学の渡辺博士が岩波の雑誌「科学」に書かれておる論文、あるいは単行本として出ております「化学療法と耐性菌」という渡辺さんとその共同研究者の著書、これを読みまして、これはたいへんだという印象を受けたのであります。  この問題については、御承知のように国際的にも問題になりまして、WHOあるいはFAO、こういうところでも食品添加物専門家委員会というものが一昨年持たれまして、その報告書が勧告というような形で出ております。最近は、化学療法というのが人間の病気ばかりでなく、家畜、家禽あるいは養魚、こういう方面にまで取り入れられていっているのでありますが、現状でこの問題について、農林省の水産担当者なり、あるいは家畜、家禽等の担当者なり、あるいは厚生省等ではどういうふうにつかんでおるのか。  私がこれから質問したいのは、抗生物質の残留の害というよりも、今後の非常に大きな問題になりますのは、そういうのが乱雑と言うとことばは少し言い過ぎかもしれませんけれども、アトランダムに使われておる関係から、薬剤耐性菌というのがどんどんできてまいりまして、化学療法あるいは抗生物質による人間の病気治療というのが非常に困難になってくる。この耐性菌の増加の問題というのが、いまや産業公害という問題としてとらえられなければならぬところにきているのではないか、こう思っておりますので、まずその辺の所見を担当者からお聞きしておきたいと思うのです。

藤村弘毅水産庁次長

○藤村政府委員 ただいま御指摘の抗生物質につきましては、御指摘のとおりだと思いますが、養魚用の飼料といたしましては、現在のところ私どもの知っている範囲では、まずほとんど使っていないというふうに考えております。と申しますのは、魚類につきまして、これまでの研究といいますのは、東大の橋本教授、それから水産庁の東海水産研究所の研究によりましても、魚につきましては抗生物質は成長促進の効果がないというふうな結果が出ておりますので、えさにつきましても、こういうものを入れて高くなったものは使っておらないというふうに考えております。したがって、ふつうのえさに成長促進剤として使うことはまずないだろうと思っておりますが、ただ魚病が発生した場合に、養魚業者がみずからの手で抗生物質を混入いたしまして、魚に投与する場合がございます。これにつきましては現在研究中でございますが、大体二十四時間以内に魚の中から排せつされるという結果が出ておりますので、これにつきましては特に心配いたしておりませんが、今後ともこの研究は進めていきたいというふうに考えております。

斎藤吉郎農林省畜産局参事官

○斎藤説明員 私のほうの畜産関係でございますけれども、飼料の添加剤として常用されておりますところの抗生物質というものにつきましては、大体通常二〇PPM前後のものが使われるわけでございますけれども、病気の治療でございますとか、あるいは予防、ストレスの解消といったようなことのために、さらに四〇〇PPMくらいまでの非常に高い濃度のものを使うということもあるわけです。しかしながら、これはその目的から申しましても、さらに経済的に高くなるわけでございます。経済的な観点から畜産の運営をいたすわけでございますので、そういった点でもって、これが非常に多年にわたって連続的に使用されるというようなことはまず考えられませんので、耐性菌を生ずるおそれはあまり多いものではなかろうというぐあいに考えておるわけでございます。東京大学の医科学研究所のもとの田島先生らの御調査でも、抗生物資の飼料添加と耐性菌のあらわれということとの相関関係ということについては、必ずしも直接的な関連はないのではないかというような研究もあるようでございます。そのようなことでございますけれども、今後ともやはり重要な問題でございます。厚生省と連携を密接にとりまして、この問題について問題が生ずるというようなことのないように進めてまいりたいというのが現在の考え方であります。

神林三男厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○神林説明員 厚生省といたしましては、ただいま抗生物質の規制は、食品衛生法におきまして、第七条の製品規格に基づきまして、一応食品は抗生物質を含有してはならないという一般の原則がまずございまして、ただし、以西底びきでもってとれるところの魚肉練り製品の原料の魚あるいはかん詰めの原料の魚の中には、テトラサイクリンが〇・一PPM以下ならばよろしいというふうなこと、それから食品の一般の保存基準といたしましては、まず原則としては、保存する場合に抗生物質を使用してはいけないというふうにしてございます。ただいま申し上げました魚肉練り製品等の原料である魚を保存する――これは氷でございます。魚でなくて氷にテトラサイクリン五・〇PPM以下の使用を認めているわけでございます。  牛乳におきましては、なま乳をしぼる場合に、影響の著しい薬剤あるいはそういうようなものを注射した場合に、三日以内は搾乳してはならないというふうな法律的な規格が一応できておるわけでございます。なお現状につきまして昨年厚生科学研究費――非常に微々たるものでございますが、一応調べてみましたところ、特に牛乳であるとか、肉を中心にしてやったわけでございますが、牛乳につきましては百四十七サンプルとりまして、抗生物質が一応陽性であったものが約六%という結果が出ておりまして、それからさらに、と場における肉につきましても調べておりますが、これを一応と場に持ってきまして調べましたところが、まだ数が非常に少ないのではっきり申し上げられませんが、やはり抗生物質陽性のものがあったという結果が出ておりまして、このような調査結果に基づきまして、本年度の予算でもって肉であるとか、卵であるとか、牛乳であるとか、乳品関係の食品につきまして、五つの県に委託をいたしまして、調査を全国的にというか、もっと網を広げて調査研究をやってみたいというふうに考えております。なお、あわせて厚生科学研究費も別にとれておりますから、そういう耐性菌の問題なんかを少しやってみたいというふうに考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 私がお聞きしているのは、抗生物質が残留しておるのがプラスであったかマイナスであったか、こういうような問題もさることながら、主として耐性菌の問題に話をしぼっておるわけなんですね。  そこで橋本政務次官、いまの質問に――あなた時間があるようですから、この問題に関連いたしまして、六八年の七月一日から八日間スイスで第十二回のWHO、FAOの合同専門家会議をやりまして、この書類か報告が日本にももたらされておるわけですね。これは勧告として受け取っておるのか、あるいは単なる報告として受け取っておるのか、これを厚生省としては一体どういうふうにいま消化しようとしておるのか、この辺をひとつお尋ねしておきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 ただいま御指摘の点につきましては、勧告として受け取っております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 勧告として受け取っておるということであるならば、それはできるだけ早くその線が実現するように体制を整える努力をしておる、こういうふうに理解してよろしいわけですね。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 鋭意努力をいたしておる最中でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 いま私の質問に対して、魚類については抗生物質は使っておらないというお話であったのですけれども、そんなことないでしょう。いま私が申し上げました慶応大学の渡辺さんのレポートを見ましても、あるいはこの方面の専門家であります東京大学の江草さんの「養魚の疾病とその対策」という論文を私は読んでみたのですけれども、やはり使っております、ハマチ等には。これはさしみで食うわけですから、非常に重大な問題だと思うのですが、そういう魚の疾病等に使っておる量はどのくらいあるのか、それから農業関係で抗生物質をどのくらい使っておるのか、ひとつその量をお示しいただきたいと思うのです。

藤村弘毅水産庁次長

○藤村政府委員 私申し上げましたのは、養魚のえさのほうには使っていないというふうに私ども聞いておりますが、先ほど申し上げましたように、治療用には使っております。ただ、治療用に使います場合には、最初からえさ屋がまぜて売っているというのではなくて、むしろ別々に養魚業者が抗生物質を買って自分でまぜて投与しておりますので、その量は現在のところちょっとわかりかねますが、これにつきましても現在調査中でございまして、正確な数字はまだ私どもつかんでおりません。

信藤謙蔵農林省畜産局衛生課長

○信藤説明員 畜産関係で使っております抗生物質の昭和四十三年度の生産量を申し上げますが、動物薬品として許可をいたしております製剤の中では、飼料に添加する資料添加剤というのが、純末換算で約百四十五トンでございます。それから注入剤と申しまして、乳房炎の乳の中に注入するものが約一・五トン、それから挿入剤と申しまして、妊娠障害を起こしております牛の子宮等に入れますものが〇・四トン、それから経口投与剤と申しまして、獣医師が処方したりいたしまして口から投与いたしますのが二十七トン、注射剤といたしまして獣医が注射いたしますのが十八トン、合計いたしまして百九十五トンのものが使われております。  この中で、先ほど参事官から申し上げましたが、家畜といたしましては、飼料添加剤といたしましてえさの中に約二〇PPM程度の低濃度で加えておるものが、抗生物質の使用量の大部分を占めております。その中で多少高濃度に使いますのは、推定約五トン程度というふうに考えられます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 水産庁にお尋ねしますが、養殖ハマチにフラゾリドンというものを〇・一%加えますと、非常に強壮な魚が育成された、成長も促進された、こういう報告もあるのです。これはふだんにそういうものを使っておるのですね。ですから、養魚の問題、たとえばハマチあたりはやはりさしみで食うのが多いのですから、残留問題なり、あるいは耐性菌の問題等、両面においていろいろな問題点があろうかと思うのでありますけれども、少し農業問題にしぼって質問をしたいと思うのです。  全体として百九十五トンばかり、飼料添加剤としては百四十五トン、これが四十三年は全体として七五%くらいでありますが、この経口投与二十八トン、注射剤として十八トン、乳房炎等の注入剤として一・五トン、これはどんどんふえているでしょう。四十四年はわかっていませんか。

信藤謙蔵農林省畜産局衛生課長

○信藤説明員 四十四年度の量はまだ最終的な集計が集まっておりませんので四十三年度で申しましたが、先ほどちょっと調べてみますと、大体四十三年度と大差はございません。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 これはかなり急速な量でふえているわけですね。四十四年度も大差はないというのですけれども、たとえば四十三年度は面九十三トンでありますけれども、四十二年度は百三十一トンくらい、三十八年は二十二トンくらい、急激な速度でふえていっているわけですね。ですから四十四年度は四十三年度の横すべりであるというのはおかしくないのですか。何かそういうふうになった理由がありますか。

信藤謙蔵農林省畜産局衛生課長

○信藤説明員 御承知のように、抗生物質をえさに添加するという技術が昭和三十六年ころから急速に進んでまいりまして、そういったことでその技術が非常に普及されまして、大体四十三年度くらいでその普及が効果を奏しまして、もう大体頭打ちにきたんじゃないかというふうな感じがいたしますので、あとは家畜の全量がふえない限りそれほどふえるものではないというふうな観測をいたしております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 それで、少し問題をしぼってみたいのでありますが、まず乳房炎、これは搾乳するのに機械でやる、ミルカーか何かでやる、そうしますと、牛がけがをする、そこでその治療をする、こういうことなんですね。その量が一・五トンというのです。七十二時間くらいというのですけれども、七十二時間たったということを保証できますか。何で保証できるのですか。抗生物質を注射した。注射しますと、乳は出てくるわけですから、抗生物質の入ったよごれたままで、汚染されたままで出してきたら何でそれをチェックしますか。

信藤謙蔵農林省畜産局衛生課長

○信藤説明員 大体急性の乳房炎でございますと、乳があまり出なくなるわけでございます。したがいまして、本来乳はそう出ないのでございますけれども、中には慢性で、出るのもございます。これにつきましては、できるだけ獣医師等の処方によりまして指導いたしておりますけれども、中にはそれを守らない方がおられるということで、農林省といたしましては、ごく近い将来に、乳房炎に使います軟こうには全部色をつける。その色が出ている間は抗生物質が出ている、色がなくなったら抗生物質がなくなった、こういったことで、諸外国でも成功した例がございますので、最近メーカーにお願いをいたしまして現在研究中でございます。全部色をつけるということをいたしたいと思っております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 いま乳房炎のあれに色をつける。これはある新聞に、「乳房炎注入剤」として、「農林省では五月末までに結論を出し、抗生物質、スルファ剤を含む要指示乳房炎注入剤全部に着色剤配合を行政指導したいとしているが、メーカーの新製品には基剤や独特の剤型もあり、要指示にならないニトロフラン剤やパパイン酵素など六品目などをどうするかなどの問題も起きている。」問題が提起されておるのですね。その色素にはブリリアントブルーという色素を使う。ですから乳房炎にかかって注射を受けたやつは牛乳が青くなっているから、とてもこれは普通の人は買いはせぬ、こういうことになるわけですけれども、これはまだ実行に移してないとすれば、何かしなければしろうとはわかりませんね。抗生物質の入った、そういう汚染された牛乳というものは、BHCばかりで汚染されておりません。こういうものを飲むということになるのです。これはどうして早く結論が出ないのですが。

信藤謙蔵農林省畜産局衛生課長

○信藤説明員 現在、メーカーにお願いいたしまして検討いたしておりまして、昨日も最終的な打ち合せがございました。最終的と申しますか、研究段階では最終的なものでございまして、私どといたしましてはなるべく早くこれを実現をいたしまして、皆さんの御不安を除きたい。これに色をつけるというのは、簡単なようでございますけれども、色素を加えることによって、全部国家検定しております、その検定の成績に影響があったり、あるいはその薬の保存性に影響があったり、あるいは薬効に影響があってはかえってまた困りますので、一応、青色一号という食品添加物でございますから毒性はございませんけれども、乳房炎の治療上影響のないように一そう基礎研究だけはしっかりいたしまして、なるべく早くかえたいと考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 やはり農家も、必ずしも酪農というのはよくないわけですから、その抗生物質に汚染された牛乳を一般の人がわからないで飲まんとも限らぬですから、やはりそういうものが一般の人でもすぐわかるような条件をつくっておくことが必要であろうと思うのです。  それからもう一つお尋ねしたいのでありますけれども、百九十三トンとか五トンとか、しかも毎年二割以上の速度で農業用の抗生物質が伸びていっている。その金額も、やはり億の三けたということではないかと思うのですね。聞いてみますと、農薬というのが最近二、三年では総額七百億円ぐらいになるというのでありますけれども、どうもその五分の一か四分の一ぐらいは抗生物質が占めているのではないかという感じがするわけですが、その中で問題のメディケイティッド・フィード、これは一体薬なんですか、えさなんですか、どっちなんですか。

信藤謙蔵農林省畜産局衛生課長

○信藤説明員 この動物用医薬品として国家検定をいたしております飼料添加剤は、まさに薬でございます。それを飼料メーカーが処方に従いまして飼料に添加をいたしておるわけでございまして、これは成長促進でございますとか、抵抗力の増加でございますとか、そういったふうな使い方の場合は従来までえさとして扱っておりまして、最近飼料添加剤の公定書というのができる予定でございますが、それによって薬か、えさかをはっきりさせる段階に来ております。メディケイティッド・フィードは御承知のように動物薬品として許可されて国家検定が済んだものをえさにまぜております。一応現在のところは低濃度のものはえさと同じような扱いをいたしております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 メディケイティッドというのは形容詞だから、日本語に訳すと薬化された飼料ということでしょう。ところでこれはその数量が、たとえばクロラムフェニコールを入れた経口投与剤、メディケイティッド・フィードが二トン半近くある。こういうものを鶏に食わしたら、卵に入ってくる、卵の黄身とか白身に……。卵というのは大体なまで食うわね。この種のものはそう簡単に死ぬわけじゃないのですから、そうなってくると、これは牛乳と同じように非常に危険だと私は思うのですね。これはどうなんですか。それは抗生物質そのものの害ばかりじゃなしに、やはり耐性菌問題というのがあると思う。とにかく人間に入ってくるから問題があると思うのです。これはどうですか。

信藤謙蔵農林省畜産局衛生課長

○信藤説明員 ただいま先生が申されましたメディケイティッド・フィードというのは、日本語でそういうのはいま使っていないわけでございます。これは外国で使っているものを当てはめればそういうものになるということでありまして、日本ではそういうカテゴリーはないわけでございます。  それから、鶏なんかに食べさせまして卵に出てくるだろうというお話でございますが、これはいろいろ実験をいたしまして、先ほど申されましたぐらいの量では卵には出てこないわけでございます。たまに休養中、これは病気の間一週間ぐらい休養するわけでございますが、休養中に非常に微量に出てくる場合もございますけれども、そういう例は非常に少ないわけでございます。御承知のように抗生物質は非常に毒性の少ない安全な、また残留しないということが特徴の薬でございまして、人体の急病の肺炎患者等には、一日に一グラムぐらいの抗生物質を一週間も十日も実際薬用するという、非常に安全なものでございますから、卵にそういったものが、非常にまれでございますけれども、まじっておりましても、人体用に使います薬量からみれば、十万分の一とか、二十万分の一といったような程度でございまして、それが直ちに非常に害がある、あるいは耐性菌のもとになるというふうにはわれわれは考えていないわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 私は、いま言った乳房炎に対する対策なり、あるいはメディケイティッド・フィード等、あるいは飼料に混入される抗生物質、そういうものが何らかの形で合理的に規制されなければどうもたいへんな問題になるのではないか。たとえば卵、肉、簡単にいいますと肝臓あたりにくるのですから、その辺の焼き鳥屋あたりに行ったり、それからレバーなど食えないようになるね。これはしろうと考えですけれども、そういう心配もあるわけですよ。心配が一番重要ですから、そういうことは心配ないように――これは細菌学者によりますと、この方面の専門家によると、しろうとが議論するのはあぶないといいますけれども、私はしろうとも議論しなければいかぬと思うのです。そういうことで、たとえば牛乳とか、卵とか、あるいは肉とか、あるいはハマチ等に、なまで食うことが多いだけにいろいろ心配な点があるのではないか、こういうふうに私は思っておるのです。  そこで、問題をひとつもとに戻しまして、耐性菌の問題でありますけれども、報告書によりますと、最近も東京で食中毒が神田の辺で起こったということが書いてあるわけですけれども、抗生物質に耐え得る赤痢菌の頻度というのがいま非常にふえているという報告があるわけですね。これは厚生省はどういうふうにおとりになっているんですか。

神林三男厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○神林説明員 赤痢そのものにつきましては、こういうことを申し上げますと先生にしかられますけれども、環境衛生局の担当ではございませんけれども、私はいろいろ話を聞いておりますが、赤痢はちょっと問題が食品とは関連がなくて、むしろ数年前要指示薬にはっきり規制される前に、かなり家庭療法で使ったということで耐性菌ができたという事実があるのじゃないかというふうに考えておるわけであります。これは私全然専門外でございますから、必ずしも私の言うことが全部当たっているかどうかわかりませんが、一応そういう、家庭でかなり赤痢の治療に使ったという結果があらわれているのじゃないかというふうに考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 都立の荏原病院の伝染科の斎藤さんの論文を見ましても、「抗生物質の耐性赤痢の序次別出現頻度」、こういうものを見ますと、たとえば荏原では一九五七年には頻度は三・四であったけれども、一九六五年になったところが五二・三だというんですね。そういたしますと、一九五七年くらいは、わずかいまから十三、四年くらい前までは、赤痢にかかったら抗生物質を飲めばいいのだ、こういうことでありますけれども、いま、五二%とか六〇%も耐性菌ができちゃったら、もう、昔特効薬といわれた薬はきかぬことになってしまうわけですね。そうなりましょう。これは厚生省、関係者はおらぬですか。

神林三男厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○神林説明員 赤痢の問題あるいは防疫一般につきましては、私のほうは環境衛生局でございまして、ものにつきましていろいろ衛生をやっておりますけれども、赤痢であるとか、腸チフスとかいう伝染病につきましては、公衆衛生局の担当になっております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 私は、最近の報告をずっと集めましたら、たとえばクロロマイセチンに対する耐性菌、あるいは結核とか、そういうものに一つの耐性菌ができますと、交差耐性というのが出てきますから、類似のものに対してはもう薬品もきかぬ、こういうかっこうになるわけなんです。たいへんなことなんですね。農薬でどんどん使う、養魚にも使う、そういうものでどんどん耐性がつくから、いままでの抗生物質、いわゆるペニシリンなりそういうものは役に立たぬ、こういうことになるのではないかということを憂慮しているわけですよ。無限に新しい抗生物質が開発されるのなら別として、しかし、類似のものでは交差的に耐性ができてくるわけですから意味がない、こういうことになりますと、私はたいへんな問題だと思うんですね。この辺について厚生省は一体どういう対策を立てられておるのか。これは厚生省がいかに立てようとしても、農林省のほうでどんどん農薬として使う、飼料として使う養魚のほうにも使うということになりますと、これはもうとめどもないわけなんです。無限に開発されるわけじゃないし、あるいは耐性菌をつくらないような化学療法剤が発見されれば別でありますけれども、そういうものは一、二の例外を除いてはないように思うのです。どうなさったらいいんですかね、これは。

神林三男厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○神林説明員 これは帰りまして、公衆衛生局のほうによく伝えたいと思います。少なくとも疾病そのものについて、いま私では答えることができませんから。

下村孟厚生省薬務局参事官

○下村説明員 抗生物質の医薬品としての取り扱いは、私ども薬務局の関係でございます。先生がいま御心配しておられますような、抗生物質を乱用し過ぎるのではないか、たくさん使い過ぎるのではないかという御疑問につきましては、私どもの医薬品としての抗生物質は、いわゆる要指示医薬品に指定いたしておりまして、医者の処方せんまたは指示がなくては使えないことになっております。したがいまして、医薬品としての抗生物質が乱用されているという事態ではないと心得ております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 あなたの頭の中ではそうなっているんですけれども、たとえば、どうもうちの鶏が死にそうだ、うちの家畜があぶないというときに、医者にかけ込んでいって、先生何とかクロロマイセチンか何かをくれませんかというので、人間の薬を農家がもらっていって、そして飲ませているという例もあるようです。薬局に行けば、私でも医者の指示なしにも抗生物質売ってくれますよ。適当に自分で飲みます、全く医学的知識なしに。乱用しないというのは厚生省のおきてでありますけれども、実際はそうなってはいない。

下村孟厚生省薬務局参事官

○下村説明員 ただいま申し上げましたのは、家畜に使うために医者のところに行って抗生物質を手に入れる、こういうケースはちょっと私どもでは何ともお答えできかねますが、第二番目の、薬局に行かれまして、処方せんなり指示なりなしに手に入れる、買うことかできる、こういうご質問でございますが、これは私どもといたしましては、そういう事態は数年前までは確かにございましたが、いまは全くない、こういうふうに心得ております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 確かに抗生物質というのは、医者の指導がなければ使っても意味がない、あるいはへたをしますと耐性菌にしてからだの中に残しておく、こういうこともあるのですから、害すらも予想されると私は思うのです。そういう点では厳重に規制をしていくということは必要だろうと思うのですが、それにしてもどうも農業関係と、人間との関係というのは、厚生省のように簡単に割り切っていい問題ではないのですね。あなたのほうは人間のほうの薬だ、しかし、農薬に二百トン近い抗生物質を使っているわけです。こうなってまいりますと、これは、それだけでは厚生省の責務は果たせないのじゃないですか、どうですか。

下村孟厚生省薬務局参事官

○下村説明員 御指摘の点につきましては、確かにそういう問題がたくさんあると思います。こういうことにつきましては、やはり関係省庁の間で密接な連携をとりまして、前向きの姿勢で対処していかなければならないと思いますので、今後はそういうことにつきましても十分気を使いまして推進してまいりたい、こういうふうに考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 この問題であまりやってもしようがない。  そこで、具体的に、結論的な点をお尋ねしたいのでありますけれども、渡辺さんも言っておりますが、この抗生物質については、たとえば毒性の問題とか、あるいは化学療法剤に対するアレルギーとか、あるいは交代菌症とか、いろいろあるわけですけれども、私は耐性菌に問題をしぼっておるわけですけれども、こういう耐性菌の問題などというのは、化学療法剤が使われてこういうものができてきた、そういういきさつから考えますと、現在は文字どおり野放しの状態になっておる。そうして病気になっても、十年ぐらい前は特効薬があるなんて思っておったけれども、いまやその薬もどうもたよりにならぬという事態が生じかねないところに来ている、こういうところでありますから、具体的にこの問題を産業公害としてとらえて対策を講じなければならぬと思う。先ほど橋本次官は、この第十二回の食品添加物専門委員会の報告というのは勧告として受け取る、そうしてこれを実現するために鋭意努力中だ、こういうふうにおっしゃったわけでありますけれども、どういう具体的な対策を進めつつありますか、お尋ねしておきたいと思います。

神林三男厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○神林説明員 先ほど申し上げましたとおり、厚生省では本年度予算をもちまして乳肉食品及び魚につきまして、一応全国的な調査をまずやってみたいというふうに考えております。それから耐性菌問題につきましても、研究費をもちましてこの研究をやってみたいというふうに考えております。その結果によりまして、なお農林省とよく協力をいたしまして、はっきりした対策を持ちたいというふうに考えております。

小島康平厚生省環境衛生局食品化学課長

○小島説明員 先生のいま御引用になりましたWHO、FAOの報告の中には、食品に直接用います抗生物質の問題も勧告してございます。そこでは、たとえばタイロシンのようなものは食品添加物として使うことは適当ではない、あるいはまたナイシンとか、そういった添加物につきましては、使用を認めても差しつかえないということがあるわけであります。私どもとしては、その勧告にしたがいまして、現在添加物には抗生物質を一つも許しておりません。また、その勧告の中でこういうものは使ってよろしいというものにつきましても、私どもは非常に慎重な態度をとっております。食品添加物あるいは食品に直接使用するという形では抗生物質はできるだけ排除してまいるという方針で臨みたいと考えております。

信藤謙蔵農林省畜産局衛生課長

○信藤説明員 家畜に使います抗生物質が、何か非常に野放しのようなふうに受け取られておるわけでございますが、一応家畜用の抗生物質も薬事法によりまして規制をせられておりまして、医者の指示を受けて使うのと、獣医の指示を受けて使うのと、同じような立場になっておるわけでございます。したがいまして、注入剤、経口投与剤、注射剤というものは、一応医師の指示によって使うことになっておるわけでございます。  飼料添加剤といたしまして、えさに添加をいたしまして、非常に微量でございますが、成長促進でございますとか、あるいは体質の改善でございますとかといったふうに、治療目的をうたわないで使います量につきましては、将来飼料添加剤を厚生省のほうではっきり規定をいたしまして、そしてその飼料として認めるということで、たてまえといたしましては全くの野放しではないわけでございますが、往々にいたしまして先生の御指摘のような事態が起こっておる事態がございますので、昨年の十二月に農林省といたしましても通達を出しまして、要指示薬の取り扱いにつきましては厳重な注意を都道府県に喚起をいたしております。かなり実効があがっておるように思うのでございます。  さらにもう一つ、取り締まりの困難でございました乳房炎の注入剤につきまして、この色づけをやるということでかなりの前進が見られておると思うのでございますが、なお一そう厚生省とよく連絡をとりまして、なるべく誤解を招かないように、実効をあげていけるようにいたしたいというふうに考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 大体、私が見たところで総括的に判断いたしますと、家畜、家禽、魚等の抗生物質による成長促進というのは、そのものが成長促進剤ということよりも、たとえば鶏だと、不潔なところでペニシリンをまぜて食わせるとものすごく成長がいい、清潔なところではあまりそういう効果がない、こういう実験データもありますね。ですから、抗生物質を使ったら成長がいいのだということではなくて、問題は、たとえば体内にある雑菌等、成長の阻害要因になるものを殺してくれる、そのために成長がよくなるということではないか、こう思うのです。  そういう点で、問題は、飼育の方法等も改善なしに、すべてを抗生物質にアトランダムにたよっておるところに問題がある、こういうふうな気がいたします。そういうことで、せっかく英知が開発した抗生物質が、いざ人間が使おうとしますと、もはや耐性菌がはんらんしておって、それでは薬効がない、こういうことになってきておるので、その辺をやはりきちんと産業公害としてとらえて、そして規制をしていかなければいかぬ。これは厚生省だけではいかぬ。そういう段階に来ておるのではないか。そういう意味で、アメリカあたりでも問題になっているし、イギリスでも問題になっているし、あるいはFAO、WHOというところでも問題として取り上げて、そして昨年の秋に勧告が日本になされた、こういうことだと思うのです。したがって、私は、この問題については、私もしろうとでよくわかりませんけれども、真剣にひとつ取り組んでいただいて、そしてこれは勧告でありますから、人によっては、この勧告はきつ過ぎる、こういう意見を言っておる人があるようでありますけれども、読んでみますと、いろいろな点について規制しております。この専門家はたいした学者じゃないなんということを言っている人もあるようでありますけれども、功なり名遂げた学者じゃなくて、やはり新進気鋭の学者、そして意欲を持った学者、そういうもののほうが期待できる面も多々あると私は思うのです。そういう点で、ひとつ真剣に、こういう勧告が出されたからには、そういう問題が、抗生物質の毒、抗生アレルギー問題、あるいは交差菌の問題あるいは薬剤耐性の問題、いろいろと問題が出てまいっておりますから、真剣な問題とひとつお取り組みをいただきたい、こういうふうに思うのです。よろしいですか。  そこで、次に移らせていただくのでありますけれども、一体、薬品には抗生物質が残ってならぬというのが原則なんでしょう。

神林三男厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○神林説明員 法律はそういうことになっております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 例外がありますね。たとえば、さっきおっしゃった、底びき網かなにかの、クロルテトラサイクリンですか、こういうものはありますね。これは例外ですね。  ニトロフラン系はどうなっているのですか。

神林三男厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○神林説明員 これは抗生物質でなくて、現在、化学的合成品として第六条の指定をやりまして、さらに七条で使用の基準をつくっておるのであります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 抗生物質と化学療法剤の境界というのは、学問的にどういうふうに理解されておるのですか。

神林三男厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○神林説明員 抗生物質は、一応、細菌とかそういうようなものから産生される物質でございまして、片方のニトロラゾン系のものは、一応、化学的に合成されるという区別がございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 いまや、橋本次官も言っておったが、日進月歩で、昔抗生物質といわれたものだって、どんどん実験室でトータル合成できるのですよ、スタートから。その区別はおかしいでしょう。ほとんど合成されますよ。むろんできないものもありますけれども。ですから、昔、ずっと前に、有機物と無機物というのはもうこえることのできない境界があったなんて言っておったけれども、いまや有機物と無機物に境界があるなんというのは百年前の話、いまや抗生物質と化学療法剤は現実には境界がないでしょう。あらゆるものが化学で合成されるようになりますよ。そうなってまいりますと、私は、抗生物質とか化学療法剤という形で定義しておるところにどうも問題があるのではないか、こう思うのです。もっとやはり化学の進歩に即応した、しゃくし定木な定義、区別じゃなくていくべきではないかと思うのですが、いかがですか。

小島康平厚生省環境衛生局食品化学課長

○小島説明員 全く先生のおっしゃるとおりでございまして、ただ、現在のところは便宜的に、抗生物質は細菌あるいは微生物の生産する物質である、そしてそれが合成されましても、その合成品につきましてもやはり抗生物質と名づけることが通常行なわれておるわけでございます。しかしながら、先生の御指摘もありますように、化学的な物質であるということについては何ら異論はないわけでございまして、したがって、抗生物質でない化学的合成品につきましても、やはり耐性の問題とかそういったような問題があるわけでございます。それは現在先生がお持ちのFAO、WHOの専門家委員会の報告にもその点が指摘してございまして、今後、飼料添加剤あるいは食品添加物等の化学的合成品についても、同じように耐性その他を検討していくということがやはり報告書に記載されておりまして、私どもとしては、今後やはり専門家委員会がそういう件につきまして出しました勧告につきまして、尊重してまいりたいというふうに考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 次に、お尋ねしたいのですけれども、食品のいろいろな残留物等で問題になっているのですが、私は今日の厚生省が指定しておる食品添加物にもいろいろな問題点があるのではないかと思っております。たとえば香料でも、これは明らかに皮膚について害があると研究されておる香料が、依然として香料として指定されておる、そうしてその数はどんどんふえていっておる、こういうことが指摘できると思うのですけれども、きょうは着色料に問題をしぼって少し質問をしてみたいと思うのです。  科学技術庁にちょっと御質問したいのでありますけれども、いま食品添加物として、着色料として、どのくらいの数が日本で使われておるのか、お尋ねしておきたいと思います。

武居忠雄科学技術庁計画局資源課長

○武居説明員 ただいまの着色料の数量でございますが、私、遺憾ながらその数につきましては存じておりません。現在食品添加物で指定されておりますのは約二百六十種類と承知いたしております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 あなたのほうの内田俊一さんが会長さんで調べたのを見ますと、一年間に大体八百二、三十トン程度の色素が使われておる。これは四十一、二年ごろの話でありますが、八百トンをこしているというからたいへん重要でありまして、色としてはかなりの量ですね。  そこで、私はお尋ねしたいのでありますけれども、いま日本の食料の着色料として、いわゆる色素類では何種類許可してありますか。

小島康平厚生省環境衛生局食品化学課長

○小島説明員 現在、色素にはタール系の色素のほか、鉄の合化物でございますとか、あるいは葉緑素の合化物でございますとか、いろいろございますが、そういった天然品の誘導体等を除きまして、タール系の色素に限りますと、十四種類のものを許可いたしております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 そこで、私は少し立ち入って質問したいのでありますけれども、これは私はチクロでやや心配したのでありますが、この色素でも同じことですね。アメリカが許可しているやつは全部許可しているといっていいですね。色素のことまでアメリカに追随しなければならぬ根拠はあるのですか。

小島康平厚生省環境衛生局食品化学課長

○小島説明員 実は色素に関する毒性データというのは、これは世界的に学問に国境はないというたてまえで、アメリカで現在九種類許可になっておりますが、こういうものについては相当十分な資料がございますので、日本だけでなくて、大体世界じゅうが使用しております。ただ、日本の場合には、アメリカで許しております色素を、一種類につきましては日本で許可してないものがございます。それからまた日本では必ずしもアメリカに追従しておるばかりではございませんで、日本独自で試験をいたしまして、その結果安全性を確めて許可しているものもございます。現在十四種類の色素を日本は許可しております。アメリカは九種類でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 私は何でもかんでもと言っていませんけれども、その辺の本に書いてありますよ。どこの国がこの色素はマルだ、どこはカケだというのを見ると、アメリカがカケなところは全部カケ、アメリカがマルなところは全部マル、そのうちの一つや二つは違いますけれども、大体全部そうだと言っていいと思うのです。  そこで、私なお尋ねしたいのでありますけれども、十五のうち十四になったという、その一つは何です。

小島康平厚生省環境衛生局食品化学課長

○小島説明員 私どもは以前二十四のタール系の色素を許可しておったわけです。昭和三十九年から私どもとしては再検討を始めまして、現在までに十種類の色素を削除いたしまして、その結果十四残っておるわけでございます。削除いたしました色素につきましては、赤色一号、一〇一号等の色素でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 たぶん私は、十五を一つ減らして十四に最近なったのですが、それは緑でしょう。ギニアグリーンじゃないですか。

小島康平厚生省環境衛生局食品化学課長

○小島説明員 一番最近に削除いたしましたのは、先生のおっしゃるとおり緑色一号といわれる着色料でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 緑色一号をAグループからCグループにおろした、いわゆる食品添加物としてはまかりならぬというふうにおろした根拠は何ですか。

小島康平厚生省環境衛生局食品化学課長

○小島説明員 発ガン性の疑いでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 その実験データはありますか。

小島康平厚生省環境衛生局食品化学課長

○小島説明員 これはわが国の実験データではございませんが、よその国の実験データはございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 私が冒頭に言ったように、チクロでも、アメリカのデータがあったからといって、あわてて右往左往しておる。ギニアグリーンでも発ガン性の疑いがあった、こういう形でまたこれを除いた。自分のところはお持ちにならない。おかしいんじゃないですか。

小島康平厚生省環境衛生局食品化学課長

○小島説明員 これはまことに残念なことでございまして、日本ですべてそういった資料を作成し、自分のほうでそういう検討の結果を使用して削除等を行なえばよろしいわけでございますが、私どもとしては、学問的に世界じゅういろいろな国で検討されております結果によって、少しでも疑わしいという結果の出たものについては、疑わしきは削除するという非常に慎重な態度をとるために、外国のデータであってもそれを尊重して削除するという方針をとっておるわけでございます。私どもとしても、これは日本でやりました資料によって削除を行なったというような品目もあるわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 科学に国境はないわけですから、私は、アメリカのデータでも、イギリスのデータでも、フランスのデータでも、どこのデータでもけっこうだと思うのです。それは万国共通でありますから使ってけっこうだと思うのです。  それではお尋ねいたしますが、緑色一号いわゆるギニアグリーンを、AグループからCグループに落としたというならば、緑色二号は安全なんですか。

小島康平厚生省環境衛生局食品化学課長

○小島説明員 緑色二号については、安全であるという資料はあるわけであります。それからまた現在、これは実は資料として非常に疑問があるわけでございますが、緑色二号については有害であるというような資料もございます。ただ、定説はございません。   〔委員長退席、島本委員長代理着席〕

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 緑色一号は、日本では最近なったのですけれども、これもアメリカと日本だけが許可しておった色素です。緑色二号も、アメリカと日本だけが許可している色素です。西ドイツも、フランスも、英国も、EECも、これは全部不許可です。緑色三号も、アメリカと日本だけが許可しておる。そしてほかの国は全部不許可にしている色素です。そして、あなたも御存じでしょうけれども、一つは緑色一号が発ガン性の疑いがあるというならば、緑色二号と緑色三号はどこが違うかというのです。構造式をごらんになっても、どこが違うかといったら、緑色二号はスルフォン基がたった一つついているだけですよ。緑色三号というのは水酸基が一つついているだけですよ。水酸基とスルフォン基、それがついただけですよ。化学構造の骨格というのは同じなんですよ。ギニアグリーンについてはガンの懸念がある。緑色二号、緑色三号については、たった水酸基が一つついた、スルフォン基が一つついただけで、これは安全だということで残しておくことは、きちんとしたデータがあるんなら私はそれでいいのです。データもなしに、アメリカがやっているからというので残した、アメリカがやったというので落とした、これはおかしいじゃないですか。

小島康平厚生省環境衛生局食品化学課長

○小島説明員 先生はたいへん化学の御専門でいらっしゃるわけでございまして、確かに構造式は非常に類似しておるわけでございます。これらの点につきましては、私どもとしてはガンの学者の意見も相当聞いたわけでございます。現在のガンの科学から申しますと、たとえば、発ガン物質に水酸基一つと、あるいはアルキル基というものが入りますと、非常に構造式が類似していても、全く発ガン性については違ってしまうというケースが非常にあるということでございます。私どもとしては、構造式の類似しているというような問題よりも、結局最終的な決定は、その一つ一つの化合物の慢性毒性試験によるべきだという態度をとってやっております。慢性毒性試験の結果について、いずれも安全であるという結果からそれを指定しておるということでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 慢性毒性のテストでそれでいいんだということであるなら、それをひとつ出していただきたい。アメリカのデータでもけっこうです。いまあなたがおっしゃった化学構造と発ガンという関係はないのですよ。定説はありません。定説はありませんけれども、多くの場合にアルキルアミノ基はあぶないといわれているのですよ。いまスルフォン基というのは、水に溶けぐあいがよけいになるのであって、これは常識的にガンと関係ないですよ。それにもかかわらず、これだけは除いてあるわけですよ。慢性毒性試験をしていただきたい。  それからもう一つ、それならば食用紫の一号、これは商品名がアシドバイオレット六Bというもの、これはジメチルアミノ基が御存じのとおりあるのですよ。常識からいうと、これはあぶないです。ずばり言うとギニアグリーンと違うところは、ジメチルアミノ基が入っているのが紫なんです。さっき言った水酸基とか硫酸基は変わりません。これは紫になっているのがあぶないのです。いままで、一応の発ガン性との関係からいうとあぶないです。これは残してあるでしょう。安全だという確証はあるのですか。

小島康平厚生省環境衛生局食品化学課長

○小島説明員 私どもとしては資料がございますので、提出させていただきます。  それから緑色二号の件でございますけれども、これにつきましては実は現在日本で指定にはなっておりますが、製造は全くされておりませんので、私どもとしては近いうちに削除することで考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 この食用の紫色一号というのも、アメリカと日本だけが許可しているのですね。  さらに言います。赤のほう、赤も私は問題があると思うのですよ。赤は日本とアメリカが許可しているのが一番多い。大体色素なんというのはドイツから始まったのですから、ドイツが一番進んでいると私は思っているのです。この赤は、食用赤色二号というのは西ドイツを除けば多くの国では許可している。赤色三号、これも西ドイツではマルをつけてありますけれども、近くこれは不許可にするそうです。それから赤色一〇〇台になりますと、三けたになりますと、これは許可しているところはあまりないのですよ。言ってみると、アメリカですらも許可していないものがある。日本だけ残しておる。この辺は独自です。自主性があるようでありますけれども、決していい傾向じゃないと私は思うのですね。  そこで私は、この食用色素について、八百二、三十トンも使うわけですから、たいへんな量なんですから、しかも、目を隠して食わしたところが、タイの子などは色のついてないのが一番うまかったと言っているのですから、あまり色でごまかさないで、どうですか、御検討いただきたいのですが……。  三原色というのがあるでしょう。赤、黄、青、これがあればたいていの色はできるのです。たいていの色は単味で使っているのでなく、まぜているのですよ。ですから赤も、常識的にいって赤色の二号、三号ぐらいはいいでしょうけれども、一〇〇台はおやめになったほうがいいのじゃないか。やめなくていいのだったら、ひとつ根拠のある資料を出していただきたい。これは全く構造が違ってきていますから……。  それから緑なんというのは非常に濃い色ですから、これはあぶないですよ。それ自体構造的に不安定なものがあるわけです。光にも弱い、そういうことでありますから、緑とか紫は、言ってみれば青と赤をよけいまぜるまぜ方で、あるいは緑は青と黄をまぜてすればできるわけですから、ギニアグリーンを発ガン性の疑いで排除したというならば、確たる根拠がない限りは、これは再検討をなさったほうがよろしいのではないか。そうしてできるだけ少なくして、三原色だけを確保しておけばいいのじゃないか、こう私は思うのです。この辺いかがですか。

小島康平厚生省環境衛生局食品化学課長

○小島説明員 アメリカの例を引きますと、また先生からおしかりをこうむるかもしれないのでございますが、日本の色素の消費量は一人当たり大体現在アメリカの半分程度でございます。しかし、私どもとしては、色素を不必要に乱用するということは非常に好ましいことではないと考えますので、昨年実は野菜あるいは食肉等に対する色素の使用を規制いたしまして、今後私どもとしては、たとえばいま御指摘のありましたタラコ等につきましても、今年度調査をいたしまして、規制を強めてまいりたいというふうに考えております。  それから一〇〇番台の色素でございますが、これはアメリカで許可しておりませんものでございますが、私どもとしては国立衛生試験所において、その慢性毒性試験を実施いたしまして、現在までに一〇二、一〇四、一〇五、一〇六というものにつきましては、慢性毒性試験を終わりまして安全性を確かめておるわけでございますが、一〇三号につきましてはまだ慢性毒性試験を確かめておりません。ただ、一〇三号は、先生も御存じのとおりキサンテン系の色素でございまして、赤色三号とほとんど構造式は同じものでございます。ただヨードとブロームが違うわけでございまして、化学構造から見れば私どもとしては問題がないのではないかと考えておりますが、しかし、これについても、当然慢性毒性を確かめるべきだという考えで、私どもとしては慢性毒性を確かめるまでは使用させないということでまいりたいというふうに現在考えております。  それから三原色に限れというおことばでございますが、たとえば先ほども御指摘のありました緑色等については、実は需要もほとんどございませんで、緑色二号などは生産が全くとまっております。こういった使っていない添加物については、できるだけ削除の手続をとるということでやっております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 あとでこういうものを調査するなんというのはよろしくないので、調査をして安全が確認をされたものはつけ足す、そうでないものは、さっきもあなたが冒頭おっしゃったように、疑わしきは排除する、こういうのが正しい姿でありますから、そういう姿勢でやっていただきたい。  そこでひとつ、いろいろな資料をお持ちのようでありますので、私は、この色素について、ヨードはまあまあよろしいけれども、ブロームはよろしくない、銅はよろしくない、アルキルアミノ基の入ったものはよろしくない、こういうふうに思っております。そのためにはやはり三原色程度にしぼって、これなら絶対安全、こういうものだけ――それは赤のほうでも絶対安全、黄のほうではタートラジン、これは絶対安全、青のほうではブリリアントブルー、そういうものでやっていけば、これは安全ですよ。そして確認されたならばふやしていく方法がよろしいのではないか。業者の要望に押される必要はない、こう私は思うのです。  そこで、委員長にお願いしたいのですけれども、発ガン性ということで除いたということでありますから、わかっておる食用色素について、あなたのほうでつかんでおる毒性試験あるいは慢性毒性試験、そういうもののデータを資料としてひとつ出していただくことを要望して、私の質問はきょうは終わっておきます。

小島康平厚生省環境衛生局食品化学課長

○小島説明員 それでは資料は先生のところへお届けさせていただきます。

島本虎三日本社会党

○島本委員長代理 次は多田時子君。

多田時子公明党

○多田委員 けさほど、トップの綿貫委員のほうから、富山の神通川の公害問題についてお話がございました。重複の点は避けまして、若干質問をしたいと思います。  実は私四月三十日、五月一日の二日間にわたりまして、現地の調査に行ってまいりました。その後、参議院のほうでもこのことについては質問をいたしておりますので、その点の重複も避けてあらためてお願いしたいと思います。  たびたびいわれておりますように、前例のない多量の水銀が検出されまして、付近の住民はそれこそ不安におののいているわけでございます。その話の内容をいろいろ聞いてみましたところが、昨年あたりから池に飼っていたコイは死ぬし、川の草はだんだん枯れてくるということで、一体どこにその原因があるのかということで、毎日不安を持ちながら、しかし、事実は一向にわからないできてしまった。どこに原因があるのか県に究明してくれということを何回か頼んでみたけれども、何の返事もなく、それどころか、こうしてわかってみると、わかっていても事実は隠されていたのではないかというように、新聞等にも大々的に公表される結果になったわけなんですが、その人々の、またある主婦の話の内容なんですが、けさもちょっと話が出ておりましたけれども、井戸水がたいへん心配で、お子さんなどには井戸水はあてがうことができないとというので、お水のかわりに牛乳を飲ませているというような方もおりましたし、水銀のおそろしさを知っているあるおうちでは、とてもここにはいられないので、引っ越さなければならないというふうに真剣に考えている人もいる。そういうことで、飲料水に対する不安というものが一番大きいように感じられました。その井戸水の井戸はやはり低いものですから、水銀も特に下のほうに流れていきますので、どうしても井戸水に入るのではないかという恐怖感が強いわけです。それでお金のある人は水道を引くけれども、私のような借家住まいは、大家さんがうんと、こう納得をしてくれなければ引くことはできないということと、もう一つは自分にもお金がないということで、水道はとても引けないということであれば、どうしても井戸水を使う。そうしたことで井戸水を使わなければならないんだけれども、その井戸水に対しては大きな不安がある。こういうことで、何とかしてもらえないものだろうか、そうした皆さんの声というのはたいへん切実でございまして、やはり行ってみなければ事実はわからないものだ、机上の、あるいは新聞の報道等だけではやはり私どもが実感として味わえないものがたくさんある、こういうふうに感じて帰ってきたわけでございます。事実が隠蔽されているということだけで、やはり県に対しても、衛生研究所等に対してもたいへん不信感を持っている。何も隠さなくても事実をはっきりと教えてくれれば、むしろ不安が除かれたものなのにというようなことで、不信感を抱いていることはたいへん強いようでございました。  そこで、そうしたいろいろな事実、具体的にはまだたくさんございますけれども、要約いたしますが、まず一つ伺いたいことは、その問題の、いわゆる排出されている因になっていた福寿製薬という会社に対して、その工場の設備とか、製造工程とか、もちろん最初建てますときには、いろいろなたくさんの薬の許可を得ていると思いますけれども、それらをチェックする立場の方というのはどういう方なのか。それからまた、その製造工程の中で水銀を多量に使うということに対する設備は万全であったのかどうかという問題について、まず一点お伺いしたいと思います。

山高章夫厚生省薬務局薬事課長

○山高説明員 ただいま福寿製薬の設備、それからまた要約しますと、排水のことと思いますが、その水銀の問題についてどうなっているかという御質問でございますが、一般に医薬品の製造の許可は、薬事法の十二条の規定によりまして、厚生大臣が製造所ごとに与えることになっております。具体的に申し上げますと、許可を受けようとするものは、製造所で製造する品目、それから製造所の構造、設備の概要等を記載しまして、図面を添えて、都道府県知事を経由して大臣の許可を受けるということになっております。許可申請があります際には、県庁の薬務関係の所管の課で、必要があればその製造所の構造、設備について基準に合致しているかどうかをチェックして、意見を添えて大臣に申請するようになっております。大体そういうようなことになっております。  排水の問題についてでございますが、薬事法では構造、設備につきまして審査をすることになっておりまして、構造、設備の点では一応許可の時点においては問題がなかった。しかしながら、排水を処理するにあたって、その方法上いろいろ問題があったのではないか、こういうふうに理解しております。   〔島本委員長代理退席、岡本委員長代理着席〕

多田時子公明党

○多田委員 そうしますと、チェックされる直接の担当の方というのは、県の薬務課の方が直接工場の設備等を見、また基準に合っているかいないかを決定される。それによって厚生大臣のほうに申告をして決裁を仰ぐということになるのでしょうか。

山高章夫厚生省薬務局薬事課長

○山高説明員 お話しのとおりでございます。

多田時子公明党

○多田委員 事実その汚水処理の現場をつぶさに見てまいりましたけれども、その現状が、あまりにもそうした人体に悪影響を及ぼす水銀等の製品を製造する工場の設備にしては、全体ではありません、その最も水銀を使うという部分の工程、それから排水処理に至るまでのその段階が、いわゆるポリバケツみたいなもので――遠心分離機で攪拌して排水口のほうへ流すわけなんですけれども、その遠心分離機まで運ぶのにポリバケツで運ばれている現状でございまして、その現状を見てあ然としたわけなんでありますが、そうした大事な、重要な、それこそおそろしい薬がそういうものによって運ばれている。工場長いわく、その運んでいる間に一滴、二滴こぼれたものについては、これは何とも言いようがありませんというようなことでございましたけれども、その工程それ自体に対しては、もっと指導をすべきではなかったかと思いますし、もし金銭面ということでございましたら、助成等も考えなければならないのじゃないかというふうに、問題は一番そこにあるように思われますが、その点に対するお考えは……。

山高章夫厚生省薬務局薬事課長

○山高説明員 ただいまの御指摘の点でございますが、実は昨日県のほうから工場の報告を入手したわけでございます。これは実は四月の二十一日に福寿製薬を厚生省に呼びまして事情を聴取して、その際、設備の改善について検討するように指示いたしますと同時に、安全性を確認できるデータができるまで水銀関係の操業の中止を指示しておいたわけでございますが、その際、こまかい報告々要求してきたわけでございますが、それが昨日夕方報告が入ったわけでございます。  それによりますと、やはり先生のお話のような点を工場のほうで認めておるわけでございます。こういう点は設備と同時に、その設備を運用する運用のしかたにも問題があるということで、これから十分にこの報告書につきまして検討して必要な措置をさらに重ねてとらせるようにいたしたいと思います。

多田時子公明党

○多田委員 これは今回の福寿製薬についてのことでございますけれども、これは先ほどもそういう薬品を使う工場が全国で幾つあるかというような話がありましたけれども、これに類する問題が再び起きないような、いわゆる各工場のそうした設備ということに対しては、県の薬務課のチェックをする方々ばかりではなくて、やはり最高の責任を持つ立場にある方々のそれこそ直接のチェック等も必要ではないかというふうに考えられますけれども、その辺はいかがでございましょうか。

山高章夫厚生省薬務局薬事課長

○山高説明員 福寿製薬に限らず、一般に医薬品等の製造所は、ときによりますと、いろいろ問題になる化学薬品等も扱いますので、お話のように排水、廃棄物の処理について、今後十分に徹底して指導してまいりたいと思っております。

多田時子公明党

○多田委員 その問題は以上にいたしまして、次に、健康調査の問題なんですが、どういう健康調査のしかたをしているか、問題はウグイを食べたか食べないかというようなこと、あるいは水を飲んだというようなことから心配されると思われる人たちに対する健康調査なんですが、これは、保健婦さんがそうした方々に会いまして、そして頭の毛がどうだとか、胃の調子はどうだとかいうふうなことを聞いた上で、これはおかしいと思われる人に対しては毛髪検査をするということでございました。  その健康調査なんですが、私はこの方法でいいのかどうかということが一つ心配されましたのと、もう一つは健康調査、毛髪検査をするということでございますが、これはいつごろ結論が出るものか、またもう一つは、もし中毒であるということが判明した場合の救済方法等について御回答いただきたいと思います。

橋本道夫厚生省環境衛生局公害部公害課長

○橋本(道)説明員 いま御質問のあった点でございますが、富山県での健康調査につきましては、四月二十七日と二十八日、この二日にわたりまして県当局と当地の漁業協同組合と御連絡をいたしまして、汚染水域の魚を比較的多量に摂取した人人、どういうぐあいに、多量に摂取しているか調べているかと申しますと、毎日食べる者、隔日食べる者あるいは週に何回食べる者というようなこと、それからもう一つは、この魚を一体どのくらい食べるのか、何尾で何匁ぐらいか、あるいは何グラムぐらいかというようなことを一々面接をして見るわけでございます。  そういう調査をいたしまして、その摂食調査のうちで三十六人を、非常によく食べるという人をとったのだろうと思います。  その点につきましては、これは富山県は従来小矢部川で相当広範な調査をいたした経験があります。そして昨年一部の区域でございますが、神通のどこに発生源があるかわからないという時点において、一部の非常に魚をよく食べる人の調査をしたということでございます。そういう経験を二回積んでおりまして、そういう経験を持った上で、三十六人について五月四日に毛髪を採取しております。毛髪を採取しまして、これを今度はこの毛髪中の全水銀がどれくらいあるか、メチル水銀がどれくらいあるかということを調べることにいたしております。  この結果をどういうぐあいにいたしますかと申しますと、いま先生御指摘になったように、主訴を聞くということもございますけれども、一番基本は、やはり早く発見をして、グループの中に危険があるかどうかということをねらいをつけるということでありまして、その点につきましては、水銀暫定対策ということで、厚生省が四十三年八月、各学者の、専門家の方々を集めてやったところによりますと、通常の人は二〇PPM以下ぐらいのトータル水銀を持っている。ところが、水銀中毒があったところの住民をいままで洗ったところでは、五〇PPMを少し上回るところの人の中からあらわれてきている、こういうことで、まず分布がどうであるかということ、個人につきましては五〇PPMをこえる水銀濃度があるかどうかということが一番判断の尺度になるわけでございます。  その結果につきましては、大体五月二十日ごろには判明するのではないか、こう連絡を受けておりますので、私どもはその結果がわかればわかり次第、それについて公表いたしたいというように思っております。

多田時子公明党

○多田委員 次の問題としまして、当地にあります衛生研究所の実情について、行く機会を逸しまして、時間が足りませんで行けませんでしたが、その研究所の所長さんといろいろお話をいたしましたが、衛生研究所に対するもう一つ確立した制度あるいは技術面の拡充等々を、もう一つ強力に行なわなければならないのじゃないかというふうに考えてまいりました。いろいろこまかいことを聞いてみましたが、スタッフは技術者が三十二名、事務員七名、パートタイマー五、六名で、人の動員が思うようにいかないということが、一つそういう研究上の隘路になっているやに伺いました。また、施設等も、建物もたいへん古いんだそうですけれども、所長さんの部屋が医務室にかわってしまうというような状態だそうでございます。  いまの段階としては、大学の教授、いろいろな方面に研究の調査を依頼して結論を得ているようでございますけれども、富山県下は、自然の水とか、いろいろな、電気等に恵まれている県下の情勢から、また県も強力に、工場誘致等で県の発展を願っているという状態から、あちらこちらで公害問題――きのうもちょっと質問をいたしましたけれども、片や工業の発展、片や公害問題で、住民がたいへん苦しんでいるようでは片手落ちという以外にはございませんので、特に富山県のような状態のもとに置かれる県では、そうした県の衛生研究所なるものをもう一つ強力に育て、応援し、確立する必要があるのじゃないか、こういうような衛研に対する考えを持ってまいりましたが、その辺に対するお考えをお聞かせいただきたいと思います。

橋本道夫厚生省環境衛生局公害部公害課長

○橋本(道)説明員 いま御指摘になりました県の衛生研究所の件でございますが、富山県におきましては、御承知のようにイタイイタイ病の問題がございまして、小矢部川の問題がありまして、微量重金属に対する対応というものは特に強めるということで、機器整備の補助金の執行につきましては、これは備品だけでございますが、富山県については相当重点を置いて現在までやってきております。  また、医学のほうの研究と組まなければならないということで、衛研のみでなく、衛研と大学と、あるいはイタイイタイ病のときには萩野先生と、全部共同でいろいろ仕事をいたしたわけでございますが、御指摘のように、人員がなかなかそろわないという点が一番難点でございます。幾ら器具だけをそろえても、専門技術を持った職員がなかなか得られないという点でございます。  県としてはいろいろな努力をいままで重ねて、能力としましては非常に高く評価されております。  建物はかなりぼろでありますが、あそこでやられております水銀とか、カドミウムの分析につきましては、学会に出しても全然劣らないということで、ここ一、二年非常に評価を高めておりますが、研究費の面と備品の面では、私どもはできるだけのことをいたしておりますけれども、人の面ということになりますと、地方衛生研究所は地方交付税交付金の対象という形になっておりまして、その中で、従来地方衛生研究所の分だけでございましたのが、公害の分でも、この地方衛生研究所の研究費についての交付税交付金というのが新しく昨年からでありましたか入っておりますが、そこに入る人が、この処遇、地位等の問題でなかなか来ないというところが私どもとしても実は一番つらいところでございます。今後もできるだけの努力をいたしたいと思います。

多田時子公明党

○多田委員 衛生研究所の内容をいまお伺いしてよくわかりましたけれども、問題は中身であって、建物は問題じゃないというふうにもいえますけれども、現在の段階で、備品というお話がございましたが、衛生研究所それ自体の備品ばかりではなくて、建物、設備その他に対する問題に対してはいかがでしょう。

橋本道夫厚生省環境衛生局公害部公害課長

○橋本(道)説明員 いまのお話のあった備品補助の金額をいまちょっとここに持っておりませんが、微量重金属に対応する施設としましては、非常によくそろっております。これは厚生部長にも、衛研の所長にも聞いていただければわかりますが、分析計器とか、あるいはその他動物実験を――あそこの研究所は動物実験をやっております。よその研究所ではできない高度のことをやっておりまして、学会でも高く評価をされておりますが、その点では相当のものが入っておるということは、私は申し上げられると思います。

多田時子公明党

○多田委員 それは以上にいたしまして、もう一つ、これは通産省になりますか、先ほどもちょっと御説明がありましたけれども、薬品工場等については、いわゆる薬事法の十二条、十三条、十四条等で許可ないしは承認という形になるわけでございますけれども、私たちが不審に思いますのは、薬品を製造する工場それ自体に対しての許可等の問題については、通産省という立場は一体どういうことになるのか、全然関係がないということなのでしょうか。あくまでも薬品製造工場については厚生省ということでしょうか、その辺伺いたいと思います。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 各省の所管は、物資別にきまっておりまして、その物資を所管する省が工場全体を管理監督するというたてまえになっておりますので、この福寿製薬の件は、通産省は全然関係がないという形になっております。

多田時子公明党

○多田委員 立地条件、いろいろな周囲の状況、そういった問題に対することも一切厚生省ということでございましょうか。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 その点につきましては、一例を申し上げますと、たとえば工業用水道というようなものがありまして、工場の稼動をするために必要な水を供給する、そういう仕事は通産省で一括してやっております。それからさらに立地条件その他の問題で工場のアロケーションをきめるとか、何かそういう全体の工場地帯の設計を考える場合、その工場をトータルとして見た場合に、どれが一番合理的であろうかというような関係の作業はわれわれもやる。それからそういう場合には必要な省庁に御意見も申し上げるという体制になっております。具体的な許可、認可というような段階になりますと、これはその物資を所管しておる各省がやるというたてまえになっております。

多田時子公明党

○多田委員 これは経企庁のほうになりますか、けさほどのこの問題に対する質疑の中で、水質基準の問題について、ことしじゅうにその設定を見るというお話しがあったんですが、先ほどの方いらっしゃいませんけれども、ことしじゅうということはいつごろかということをお伺いしたいんですが……。

山中正美経済企画庁国民生活局水質調査課長

○山中説明員 小矢部川につきましては十一日から部会を開きまして、七、八月中に決定いたしたい、こういうように考えております。神通川につきましては、現在、県と委託契約を結びまして、調査を本年度中に実施し、来年度に決定いたしたい、こういうように考えております。   〔岡本委員長代理退席、島本委員長代理着席〕

多田時子公明党

○多田委員 いま小矢部川が七、八月中、神通川が来年度ということでございましょうか。

山中正美経済企画庁国民生活局水質調査課長

○山中説明員 水銀の話と、それから一般的な汚濁の話で、私が先ほど申し上げましたのは一般的汚濁を全部含めましたのを来年度決定いたしたい、メチル水銀等につきましてはなるべく早く、これは五月中くらいに決定いたしたいと考えております。

多田時子公明党

○多田委員 さらに、あの辺は豊富な川がございまして、小矢部川はもちろんのこと、熊野川、井田川、庄川、それから常願寺川等々、相当大きな河川でございますが、その辺全体の水域指定の設定といいますか、そうした問題についてお聞きしたい。

山中正美経済企画庁国民生活局水質調査課長

○山中説明員 現在神通川では岩瀬運河というのがございまして、鉄興社というのが電解法で苛性ソーダをつくっておりますので、現在これは指定水域になっております。ですから、基準といいますか、規制がかかっております。  それから福寿製薬につきましては、少なくとも熊野川沿岸はかけたい、こういうように考えております。

多田時子公明党

○多田委員 もう一つ、川の問題なんですが、県の対策としまして、その防除装置が完ぺきにできるまでは、まず第一にできることとしては、川ざらいをするということでございまして、その川ざらいということになりますと、川ざらいをしたあとは堤防に、水が下のほうに浸透していって決壊するおそれがあるというふうに、すぐ反射的に住民の人々はそれが心配だと、こういうふうになるわけなんですが、その辺に対してはいかがお考えでございましょうか。

橋本道夫厚生省環境衛生局公害部公害課長

○橋本(道)説明員 河川の問題につきましてはまた別のほうからお答えがあるかと思いますが、私どもこの間、この発表の前日学者の先生方と寄りまして、しゅんせつの問題というのを論議したのでございます。そのときの御意見を承っておりますと、そのしゅんせつをあまり広範にしないほうがよいだろうという意見のようでございます。といいますのは、水の溶液として出ている方向に非常に問題があるので、下に沈でんをしているという方向のものでは、水俣の場合でも、川底のどろをとってきて、そこで、その上で魚を飼っても、どうもその場合にはあまり移ってこない、しかし、溶液として出した場合には非常にこの影響が強い、そういうことで、かえって、この川底を広範にかき回さないほうがよかろうということでございまして、排水口直下に非常に限定をしてとったほうがよかろう、あまり広範にやるべきではないというようなことが先生方の御意見でございました。

多田時子公明党

○多田委員 最後にもう一つ、これは新聞でございますが、福寿製薬も、まあ中企業ですか、あそこは三十人そこそこの従業員の工場でございましたが、小さい、いわゆる小企業といわれるそうした工場、特に薬品を扱うような工場も富山県下には多いわけですけれども、そうした小企業に対する規制はどのようになっておりましょうか、伺いたいと思います。

山中正美経済企画庁国民生活局水質調査課長

○山中説明員 私どもの現在までの規制の対象というのは、一応一般汚濁につきましては、中小企業に過重な負担がかからないように、かつ汚濁の負荷量が非常に小さいものですから、一応すそ切りと称しまして、一日百立米以下というような場合には規制の対象外にしております。ただ、シアン、クロームの例でもわかりますように、一応健康に影響のあるものにつきましては、たとえ小企業といえども規制の対象にする、こういう考え方でございます。

多田時子公明党

○多田委員 そうしますと、小企業でもきちっと規制するということでございますね。

山中正美経済企画庁国民生活局水質調査課長

○山中説明員 先ほど御説明申し上げましたように、健康にかかわる問題につきましては、小企業といえども規制の対象として、守っていただくということでございます。

多田時子公明党

○多田委員 そうしますと、その健康に関係のあるということは、薬品のその内容によってきめるということでございましょうか。

山中正美経済企画庁国民生活局水質調査課長

○山中説明員 さようでございます。

多田時子公明党

○多田委員 それじゃ以上で私の質問は終わります。

岡本富夫公明党

○岡本委員 関連して。ただいまの神通川の水銀問題についてのちょっと関連を。  いま、橋本公害課長から川ざらいをあまりしないほうがいいだろうというお話がありましたけれども、私はそうではないと思うのです。なぜかならば、現地を調査しますと、相当な水銀が中の砂の中に、あるいはどろの中に入っておる。そこへ魚が――現在その工場は水銀の出るような、そういう薬品を製造を中止したというけれども、そこに来るところの魚がそれを食べると、やはり将来水俣病のような状態になるんじゃないかということを考えると、やはりこの際、徹底的に対策が必要ではないか、こういうように思うのですが、どうですか。

橋本道夫厚生省環境衛生局公害部公害課長

○橋本(道)説明員 おっしゃいましたような点につきましては、やはり先ほど申し上げました専門家の議論といたしまして、熊本の水俣での経験ということが先生方の中には非常に強く入っておるということと、もう一点は、阿賀野川での経験ということが強く入っております。川底の水銀そのものから魚に移るということは、これはウエートとしては全く小さいものである。溶液中に出てくるもの、その溶液中に出てくるものを押えればいい。そういうことで、約二年間経過を観察をしながら、非常に限定的に押えるほうがよかろうということが、従来いろいろ調査をされた先生方の御意見ということでございました。厚生省としては、その見解を尊重しながらお答えを申したわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 それからもう一つ、山中水質課長でしたか、小さな、小規模のところも規制の対象にするのだということでございますが、町にメッキ工場なんかがだいぶあるのですが、そのほうの対策については、やはりこれはその工場を閉鎖するとか、あるいはまた、メッキ工場というのはあまり大きなのでなくて小さいのがたくさんあるわけですが、それに対してやはり相当助成をしてやらないとならない、あるいはまたその排水の処理については非常に難点がある、こういうように思いますので、その点をやはり考えて、そして特に公害対策基本法をつくったときにも、中小企業には特別な配慮をするように、こういうことであったので、その点を特に経企庁長官にも話してやってもらいたい、それをひとつ要求しておきます。

山中正美経済企画庁国民生活局水質調査課長

○山中説明員 先般きまりました環境基準におきましても、中小企業に対しては特段の配慮をするということになっておりますので、私ども水質規制をかける場合は、当然十分配慮いたしまして規制をかけるということを考えております。ただ、先ほどから再々申し上げますように、一応健康問題につきましては細心の上にも細心の注意を払いたい、このように考えております。   〔島本委員長代理退席、渡辺(栄)委員長代理     着席〕

岡本富夫公明党

○岡本委員 その問題はそのくらいにしておきまして、私のほうで実は公害の総点検を行ないましたときに、全国をやったわけですけれども、約九〇%が関心を持っている。または六〇%の被害世帯がある。これは約二万四、五千軒を対象にしてやったわけでありますけれども、その中で、被害の救済について非常に対策がおくれているというのをとりますと、七七%まで不満を表明しております。  そこで、昨年の暮れに、公害にかかるところの健康被害の救済法を制定されたけれども、全国で六地域しか指定がされてない。そこで、一つの例をとりますと、その中で大阪の西淀川区、これはその対象に入っておるわけでありますけれども、狭いあの神崎川という川をはさんでその隣に尼崎市というのがあるわけですけれども、その尼崎市はその対象に入ってない。これはこの前私、当委員会で説明を願ったわけでありますけれども、今度実は尼崎市においても医師会が市の依頼を受けまして、そして現状を調査した。そうしますと、一一・二%ですか、要するに十人に一人という割合で気管支炎にかかっているというような結果が出たわけでありますけれども、これは西淀川区の対象が大体九・二%、これよりも上回っておる、こういうことであるのに、なぜ西淀川区が入って尼崎市が入らないのか、この点について、私どもは国の施策というものが非常におくれているのではないか、こういうように考えるのですが、この尼崎市についての被害の救済地域の指定、これをいつ、どうやるのか、これをひとつお聞かせいただきたいと思います。

藤森昭一厚生省環境衛生局公害部庶務課長

○藤森説明員 ただいま御質問の点についてお答え申し上げます。  尼崎につきまして、救済法の指定が、西淀と違いましていまだに行なわれていないという経過につきましては、先般の委員会におきまして、政務次官及び公害部長からお答え申し上げたとおりでございます。そこで、ただいまお話に出ました尼崎市医師会が、市の委託を受けて行なわれたという有症率調査が先日まとめられたというふうに私ども聞いております。遺憾ながら、まだ私どもの手にはそれが入っておりませんので、現在それを取り寄せて、内容を他の地域と比較し得るような方法で調査が行われているかどうか、あるいはその結果がどういう形になっているかというふうな見地から、よく検討いたしまして、あの地域の有症率を検討したいと思っております。  なお、地域指定につきましては、先生よく御承知のとおり、地域の汚染の調査と、それから疾病の状況、有症率の調査、この二面から地域指定の基礎を固めていくわけでございますが、その辺につきましては、私どもといたしましては、地域に既存の各種の調査をできるだけ活用していく、こういう方法をとってまいりたいと思っております。したがいまして、有症率につきましては、ただいまの調査の結果をよく検討さしてもらいたいと思っておりますし、また、汚染の調査につきましては、尼崎につきまして特に汚染のきびしいといわれております南部の測定点の一年間のデータがこの六月に出てまいります。そこで、私どもはそういうものを手がかりにいたしまして、その判断の上に立って、国といたしまして必要な調査を実施いたしまして、できるだけ早くその結果を分析して、その結果いかんによって必要な措置をとりたい、かように思っておる次第でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 厚生省からいろいろと出されておるところのパンフレットなどを見ますと、日本の国で亜硫酸ガスの濃度が非常に高いのは川崎、尼崎、これが王さまであるというふうに、すでに汚染の高いところは厚生省でわかっているはずなんです。なぜ、今度の救済地域の指定にならなかったのか。それは、一つはこうした健康調査がなかったからなのか、西淀川のほうはすでに国のほうで調査をしてあるのか、その点についてひとつお聞きしたい。

藤森昭一厚生省環境衛生局公害部庶務課長

○藤森説明員 お答え申し上げます。  尼崎の指定がいまだになされていないという問題につきましては、ただいま先生お話しございましたように、健康調査と、それから汚染調査の二つの面から基礎的な面を固めていくということを申し上げました。  西淀のお話が出ましたので申し上げますと、西淀につきましては、すでに過去五年間にわたりまして、対象者約九万人というふうな詳細な医学的な調査で有症率が確認されております。これは国の委託の調査でございます。それから汚染の調査につきましては、大阪にはすでに二酸化鉛法による調査と、それから導電率法による調査、これが経年的な汚染の状況の推移とそのレベルを判定し得る程度に非常に整っておるわけでございます。  それに対しまして尼崎のほうは、先生御承知のとおり二酸化鉛につきましてはある程度前から調査が行なわれております。しかし、この方法はその地域の中での汚染状況を明らかにするということはできますけれども、地域間の比較ということは困難でございます。したがいまして、地域間の比較をするためには、どうしても導電率法による測定値とのリンクの上で考えなければならないというわけでございます。  ところが、尼崎につきましては、国設の大気の測定所が四十一年度から一カ所設けられておるのにすぎない。肝心の南部のほうの汚染の状況につきましては、昨年の六月にようやくそれが設けられた。北部につきましては、去年の一月に測定が開始された、そういうことでございまして、一般的に尼崎の汚染がかなり高いということはいわれておりましたけれども、各地域との比較において、しかも経年的にこれを見ていくという上で、なおデータが不足していたというだけでございまして、したがいまして、そういうふうなデータがいろいろと地元のほうにそろってまいりましたら、それをよく拝見した上で、私どものほうでは、国のほうでも補って実施すべきものにつきましては、できるだけ早く市当局と連絡をとりまして、これを実施してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 国の測定場所が四十一年に尼崎に一カ所、大阪には五カ所ぐらいあるわけですが、要するに同じ発生源というのが、工場は大体尼崎のほうにあるわけですね。西淀の場合には一カ所か二カ所あるわけですが、ほとんど尼崎。ただ行政区域が違うだけで、なぜ尼崎だけをそのとき抜いているのか。これはどっちかといえば、尼崎も川崎も、あなたのほうの資料を見るとみんな同じぐらい、王さまだといわれるくらいいろいろな資料が出ているわけです。川一つ隔てた尼崎に発生源が多い、それなのになぜ尼崎を抜いたのか、予算の都合で抜いたのか、それともいままで国の怠慢でできなかったのか、これをひとつ、一ぺんその点をはっきりしてもらいたいと思います。

藤森昭一厚生省環境衛生局公害部庶務課長

○藤森説明員 お答え申し上げます。  地方公共団体は、大気汚染防止法によりまして、指定地域内の汚染状況を常時監視する義務というものを持っております。したがいまして、それを全うするために、私どもといたしましては、国が直接測定所を設けるという方法ではなしに、地方公共団体が実施しようとする場合に、これに対して国庫補助を出しましてその整備を促進するという方法をとってまいったわけでございます。そういう意味におきまして、どういう地域にどういう測定網を張るかという点は、もちろん国の指導もございますけれども、やはりもっぱら市当局のお考えというものに多く依存をしていると私ども思うわけでございます。したがいまして、これが予算がなかったということではございませんで、やはり市のいろいろな事情からそういう体制がなかなか整えにくかったということだと私ども考えております。しかし、先ほど言いましたように、昨年一月及び六月にすでに二つの測定点が稼動し始めているということでございますので、私どもはその成果から見まして、それを活用し得るような状態になりますので、それによりまして所要の調査を実施するということが可能になってきたわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そうしますと、尼崎市が熱心にやらなかった、そのためにこういうような結果になった、そういうようなニュアンスのあなたのお答えがありましたけれども、尼崎市の医師会が、こうしてこの結果を発表しておりますけれども、こういうものを含め、またいままでの調査を含めて、大体いつごろまでに国の調査あるいはまた指定ができる見込みなのか、これについてひとつお聞かせ願いたいと存じます。

藤森昭一厚生省環境衛生局公害部庶務課長

○藤森説明員 お答え申し上げます。  昨年の川崎、大阪等の経験から申しますと、汚染状況の調査というものは、大体年間、季節を分けまして、違った季節に実施をしないと客観的な数字が出てこないということでございます。もちろん一番望ましいのは、年四季に分けて実施するということでございますけれども、それほどのことはなかなか実際問題としてできませんので、私どもとしましては、尼崎につきましては川崎や大阪と同じように、年二回の実施をしてまいりたい、こういうふうに思っております。その実施する前提としまして、六月に南部の測定点の一年間の成果が出てまいりますので、私どもはそれを手がかりに、できるだけ早く第一回のをやりたい、こういうように考えておりまして、市当局との打ち合せはできるだけ早くやってまいりたいと思っております。前回、政務次官もお答え申し上げましたとおりに、大体秋までには二回目の調査が実施できるようなところまで持ってまいりたい、こういうように思っております。  調査の結果は、昨年の例ですと、解析するのに大体二カ月ないし三カ月というのを要しますので、その点も頭に置きまして、秋までに調査をしたものをできるだけ早く解析いたしまして結果を考えてまいりたい、こういうふうに思っております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そうすると、秋というと大体九月、十月ごろになる。それから二カ月ぐらいのまとめによって、指定地域に大体できるというようなことになると理解してよろしゅうございますか。

藤森昭一厚生省環境衛生局公害部庶務課長

○藤森説明員 調査のスケジュールは、いま先生のお話しのございましたようなところで私どもは進め得るだろうと思っております。しかし、これを指定し得るかどうかということにつきましては、私どもその汚染の状況及び有症率の状況によらなければならないので、現段階で確実にそのようにするということはちょっと言い切れない点がございます。これは先生も御了解いただきたいと思いますが、しかし、私どもは市自身でも、いまのように汚染状況及び有症率というようなものにつきまして非常に積極的な御調査を願っておるわけてございまして、その辺を十分勘案して、実態に即した適宜な措置をとりたい、こういうことを申し上げている次第でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 これは結果は悪いにきまっているわけです。はっきりしたものを私いま読み上げてもいいのですけれども、こまかい問題ですからデータを抜きますから、このデータもひとつ含めて考えると、秋ごろまでにいろいろなデータを出して、大体ことし中くらいには何とかなるんじゃないかというように承知しておきましょう。  そこで、大気汚染防止法ができまして、環境基準というものができたのですが、亜硫酸ガスの濃度が〇・〇五PPM以上になると、今度は環境が悪くなったといって注意報が出される、こういうことになっておりますが、これも私昨年当委員会において何べんも追求したのですけれども、注意報が出されますと、これは地方自治体が出すわけですけれども、企業はどういう対策をとるのか、これを一つ、これは通産省ですね。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 注意報が出された場合には、現在の体制ではいろいろ低硫黄燃料の使用につきまして、各工場と都道府県の間で約束がかわされておる場合が多いわけでございまして、直ちにその状況に応じまして、特に大口に重油を消費する工場につきましては、燃料の切りかえ等を行なうべく努力しておるわけですが、完全に自動的に切りかわる装置が現在でき上がっておるというところまではいっておりませんけれども、できるだけ早い時期にそういった環境に対応した低硫黄燃料の使用というような形で、寄与率を減少させるということを基本に考えておるわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 考えておるだけで、注意報を出されても、それを無視してもいいということではないのだろうと思うのです。そこで、昨年東京におきましても四日間スモッグ警報を出された。ところが、気象庁だとか、あるいはまた運輸省だとか、あるいは国鉄だとかのビルが全然燃料の切りかえもしなかった。ただどんどん、もくもく出した。これでは、かつてロンドンのスモッグで二千人というようなたくさんの人がなくなったという面から考えても、これは早急にやらなければいかぬということを私通産省にも言っておいたわけです。前の政務次官の藤尾さんは非常に確信を持って答えてくれたわけでありますけれども、これは一つの例をとりまして言うわけですけれども、尼崎の状態がニュースとして出されておりますけれども、そこで大気汚染防止協定というものを結んでおるわけです。ところが、この注意報を出されてもそれを良質な燃料に切りかえができない、あるいはそういう装置もない。昨年は十七回もこういう警報が出されておる。ところが、そういう切りかえる装置もないこういう企業に対しては、どういう指導をするのか、あるいは大体いつごろまでをめどにしてやるのか、これについてひとつ。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 尼崎地区の特殊事情といたしまして、特に電力会社につきましては九州の高硫黄の石炭をたいておる工場、発電所がいままで多かった。これは今回の排出基準の改定によりまして、ほとんどすべての発電所がある期間をとりまして重油に切りかえられておる。重油に切りかえる場合には、低硫黄の重油を使うために、HPPという重油をあたためて使う装置をすべてつけるような体制で現在工事を施工中でございます。したがいまして、いままで直ちに転換不可能であったそういった石炭燃料の発電所につきましても、おそらくことしの十月ないし十一月以降からは、すなわちことしの冬場からは、直ちに低硫黄燃料に切りかえ得る技術的な装置がつくはずでございます。  それから大口の消費者といたしましてビル暖房その他があるわけでございますが、この点につきましてはわれわれ準備不足でございますので、ただいまデータを持ち合わせておりません。  それから集中することによって大きな害をなすものに、中小企業の小規模のボイラーの集中的な地域から出てくる公害問題があるわけでございますが、これはやはり資金の面その他で非常にむずかしい点がございまして、今年度の対策といたしましては、公害機器に対するリース制度とか、あるいは公害防止事業団、中小企業振興事業団等を通じます低利の融資とか、そういった具体的な対策を拡充しつつあるわけでございますが、何ぶんにも数が非常に多いために、いつどういう形でこれが技術的にそういった方向で完成するかという点につきましては、いま少し時間をかしていただきたい、かように考える次第でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そうした、国でいろいろ注意報を出せとか、あるいはまたいろいろな大気汚染防止法によって法律をつくりましても、結局現実には何にもできない。発電所はあそこに二つほどありますけれども、それだけでは完全ではないと思うのです。全国でたくさんの企業がありますけれども、私がいま言うている工場全部で四十二工場、小さい工場が別にありまして全部で九十七工場があるわけですけれども、そうしたものに対してやはりある程度のスケジュールを組んで、大体何年にはこうする、何年にはこうするというような指導をしませんと、いつまでも野放しでは、これは大気汚染防止法をつくったところで何にもならない。そういうようなことは全国的ですよ。北九州等もそうですけれども、東京だってそうです。大体のスケジュールを示して、そしてそうした注意を出した場合にはこうするのだということを強力に指導しなければ、これはもういま公害問題というのは、御承知のように国連もああして決議しているし、またアメリカにおいても、ニクソンさんがあんなにして取り組んでおる。日本でも特に生活環境については、もうどうしようもない時代に来たわけですけれども、もっと強力にひとつやっていただきたい。これについてひとつ大臣にも言っていただきたいと思うのですが、この点について。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 ただいま説明が若干足りなかった点を補足させていただきたいと思いますが、尼崎地区につきましては、産業公害総合事前調査の対象地域といたしまして、総合的な調査も実施しておるわけでございますが、具体的なスケジュールといたしましては、四十七年度末までに使用燃料の平均硫黄分を一・七%まで下げさせるという具体的な目標を持っておりまして、このS分に関する目標と、それから先般設定されました排出基準一一・七をさらに四十六年度でもう一ぺん下げて、とにかくできるだけ早い時期に環境基準を満足させるような形に持っていきたいという両面から攻めております。したがいまして、電力会社以外の各工場に対しましても、特に低硫黄の重油を使い得る設備の改善というところに重点を置きまして、先ほど触れましたHPPの設備をボイラーにつけ加えさせることによりまして、この目標の達成に努力しておるわけでございますが、この体制がすなわち緊急時にもそのまま役に立ってくるというぐあいにわれわれは考えておる次第でございます。  それから、この問題の重要性並びに計画的な推進の必要性につきまして大臣に連絡しろという先生の御指示は、そのままお伝えいたしたいと思います。

岡本富夫公明党

○岡本委員 では、大体四十七年というめどがつきましたから……。  次に、私どもが公害の総点検をやりましたときに、今後心配されるところの公害はどうだという問いに対しまして、自動車の排気ガス、そのことを答えたのが四二%あるのです。一酸化炭素の環境基準もできましたが、この自動車の排気ガス対策について、運輸省のほうから概略説明していただきたい。

隅田豊運輸省自動車局整備部長

○隅田説明員 一酸化炭素の環境基準ができました二月に、現在われわれがやっております新車に対する二・五%一酸化炭素の排出量の規制を、さらに強化する案を一応まとめまして公表したことがございます。  それを御説明申し上げますと、まず新車に対しましては、現在対象としておりますのはいわゆる軽自動車以外の、比較的大きいほうの自動車で、ガソリンを燃料とするものだけでございます。これもしかし小さいとはいいながら、数も最近非常にふえてきております軽自動車、それから都会地で非常にタクシーに使われておりまして、走行キロからばかにならないLPGを燃料とする自動車、これについての新車規制の対象を広げるということを来年の一月からやりたいと考えております。  それから現在規制をしておりますのは、新車をメーカー段階でつくって売り出されるときの性能だけを押えておるわけでございますが、最初の車の体質と申しますか、質を非常にいいものにするということは、こういう排気ガス対策のようなものが非常に重要なことではございますが、同時にやはりユーザーの整備の状態で、それ以後の性能というものも非常に変わってまいりますので、やはり使用段階に入りました車につきましても規制を加えたいと考えております。ただ、従来までの、新車に対しましてやっております規制のはかり方は、メーカーの新車段階でやっておりますので、実験室と申しますか、研究室的なかなり時間をかけた複雑な測定方法を採用したテストでございます。しかし、実際に使用段階に入りました自動車について、車両検査というような段階でやるというようなことになりますと、そう時間と手数をかけてこれを測定するわけにもまいりません。したがいまして、技術的にいろいろ検討いたしました結果、一応問題として大きいと考えられますエンジンのアイドル、――アイドルと申しますのは、自動車が交差点などでとまっておりまして、特に走ってはいないけれども、から回りをしているような状態でございます。それから、その次に急にアクセルを踏んでスタートするわけでございますが、こういうような状態で、非常に排気ガス対策として重要な状態になります。したがいまして、このアイドルのときだけをひとつはかるということを、現在使っております車の規制に採用いたしまして、このアイドル時の規制を車両検査で行ないたいと思います。大体現在五・五%以下にしたいと考えておりまして、時期としてことしの秋あたりから実施ができるように、目下準備中であります。  それから一酸化炭素の対策でございますが、御存じのとおり、自動車の排気ガスの中に含まれます有害ガスには、それ以外の、たとえば炭化水素、窒素酸化物といろいろございます。この中で炭化水素につきまして、ちょっと技術的なことばを使いまして申しわけありませんが、プローバイガスといわれるエンジンそのものから漏れて出てくるものがございます。このガスの中に炭化水素が相当含まれております。しかも、これは比較的測定その他も容易でございますので、これにつきましてはひとつある程度の規制をしていく、――規制をしますというのは、エンジンの中へ戻してしまって、もう一ぺん燃やすようにしてやればなくなるわけでございます。ブローバイガス還元装置の取りつけを義務づけようとしております。これも大体秋までに行なえるだろうと思っております。それで、以上のようなものが大体今後の規制として具体的になっていくものでございます。それ以外にいま申し上げました窒素酸化物の問題とか、まだいろいろ有害ガスについてはございます。  それからもう一つは、測定方法につきましても、国際的な観点から統一をとることとか、その他アメリカの規制とどういうふうに合わせていくか、いろいろな問題がございます。こういうような問題につきましては、現在学識経験者を集めまして、いろいろ長期計画を立てていくことにいたしまして審議中でございます。ことしの夏までにはそれについての長期計画を立てまして、ただいつから新しい規制をするというだけでなく、ここ五年ぐらいまでの間、どういうふうに規制をしていくかということで、一応案を得たいということを、いま学識経験者をもって検討をしている最中でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 新車についてはわかりましたが、中古車については一酸化炭素の規制はどうするのですか。

隅田豊運輸省自動車局整備部長

○隅田説明員 いま使っておる車で、アイドルの規制をいたしますと言いましたのは、いわゆる中古車の規制でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 中古車はアイドル時において五・五%、そこまで規制するというわけですね。そうしますと、とまっている車のそばへ行って、こうやるわけにいかない。おそらく定期検査か、あるいはまた――定期的に車を検査するんだと思うのですけれども、各工場、要するに整備工場といいますか、そこにそうした一酸化炭素をはかるところの設備を置かなければならないし、またそれをどうやって、だれがチェックするのか、だれが証明するのか、この点をひとつお聞かせを願いたいと思います。

隅田豊運輸省自動車局整備部長

○隅田説明員 この測定の機械というふうなものは、もちろん必要なわけでございます。整備工場で、比較的簡単に、しかも特殊な、たいへんな専門教育を施さなくても、普通の整備工ではかれるような機械が開発されなければならないわけです。率直に申しまして、いままで行政的に中古車に対する規制がおくれましたのは、実はこの開発がおくれていたからでございまして、昨年の十一月ごろまでに大体九型式ほどの、このような測定器につきましては、型式認定をいたしました。一応われわれ簡易型と称しておりますが、整備工場あるいは国の車検場、こういうところで、アイドル時の、主として一酸化炭素がはかれるような機械の生産が現在すでに行なわれておりまして、一応われわれのほうで性能チェックもすべていたしまして、型式認定という処置をとっております。整備工場その他で、目下行政指導ということで、いろいろと教育その他を通じて、いまいろいろの手を打っている段階でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 いま全国で整備工場は何軒あるのか、その一酸化炭素をはかる機械ですか、それが月産どのくらいできるのか。私いつもこう見ておりますと、やっております、やっております、こういうのですけれども、確かに一部ではできている、しかし、今度全国的に見ますと、これがいつどういうふうになっていくかということのスケジュールといいますか、月産何台あるからこうなっていくとか、あるいはもう少しふやさなければいかぬとか、そういうような指導が、これは通産省と共同となると思いますけれども、そうしたこまかいスケジュールができているのかどうか、いつもそれを疑うわけですが、その点いかがですか。

隅田豊運輸省自動車局整備部長

○隅田説明員 御指摘のとおり、生産量が間に合わなければ確かに困るわけでございます。私たち現在手を打っておりますのは、現在、大ざっぱに申しまして、全国に整備工場が五万ほどありますが、この五万ほどの整備工場へ全部こういう機械を入れなければならないと、実は考えておりません。それは非常にたいへんなことでございますし、それまでこういう手が打たれないとなりますと、これまた実際的に、行政的に手が打てないことになりますので、まず国の車検場には全部入れたいと思っております。それから現在国の車検代行と申しますか、民間車検をやっております指定整備工場、これには全部入れたいと思っております。それにつきましては、大体生産量その他が全部間に合うという予定で、それと合わせて施行時期をきめていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。実際問題といたしまして、それ以上の段階での問題といたしましては、ユーザーとしては、結局そういう機械が入っております指定整備工場へ大体持っていってはかってもらうか、あるいは車検のときでしたら、国の検査場ではかりますので、その結果が悪ければ、エンジン調整その他を受けていただく、こういうことになると思います。

岡本富夫公明党

○岡本委員 いまのアイドルの時期に五・五%、新車で二・五%のものを――今度はこれは走っているときのあれですか、それともこれがアイドルしたときなら五・五%くらいになるのか、この点をひとつ……。

隅田豊運輸省自動車局整備部長

○隅田説明員 ちょっと技術的な説明をさせていただきますが、二・五%という数字を出しましたときのはかり方と申しますのは、自動車がいわゆるアイドルという最初のスタートのエンジンのからふかしから始まりまして、それから加速いたします。それからある一定速度の走る状態がありまして、それから減速が行なわれて自動車がとまるという一つの運転の標準的な型と申しますか、そういうものを測定方法としてきめてございます。これは簡単に申しますと、定速走行の速度が四十キロではかる状態になりまして、正しい測定のしかたとしては、いま申しましたように、アイドルから始まって、加速、定速、それから減速、こういう四つの状態、われわれモードといっておりますが、全部の運転状態を台上でやりまして、そのときの排気ガスの濃度、これをそれぞれの――ちょっと技術的になって申しわけないのでございますが、アイドルのときを何%というぐあいにウエートをかけまして、それである一種の平均値的なものを出して計算いたしまして、二・五%という規制をいたしているわけでございます。アイドルの場合には、そのうちの単純なアイドルだけのときの問題、こういうことになるわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 大体走っているときとアイドルのときとでは、この文献によると八倍くらいの一酸化炭素が出るのだ、こういうように出ておりますけれども、そうすると、車はなるべくとまらないほうがいいわけですね、走っているばかりでは一酸化炭素が出ない。交通が渋滞いたしますと、非常に  一酸化炭素が多い、だから交差点は多いわけですね。そこで、なるべく交通渋滞をなくするように、車を移動させなければならない。そのために、警察庁ではどういうようなお考えを持っているのですか。

井口孝文警察庁交通局交通規制課長

○井口説明員 排気ガスの問題を離れましても、交通渋滞というのはたいへん望ましくないことでございます。いわば警察の仕事の大半と申しますか、事故防止と交通渋滞の解消ということが大きな目標であるわけでございます。しかしながら、現実には非常に車の数が多くなってまいりまして、交通渋滞を来たすという事態が非常に普遍化しておるのは御承知のとおりでございます。これに対しましては、いろいろな対策を行なってまいっておるわけでございます。また、道路管理者の御協力も得まして、道路の改造といったような措置もあるわけでございます。私どもとしましては、いまの情勢にかんがみまして、今後の交通渋滞の解消対策ということになりますと、現在設置されております信号灯の装置を、いわゆるコンピューターを使いましての合理的な運用をする交通管制のシステム化というようなことを実行いたしてまいるというようなこと、それから右折禁止、一方通行、駐車禁止、こういった交通規制を思い切って実施していくというような対策を強力に進めてまいりたい、かように考えております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 警察では、一酸化尿素なら一酸化炭素のその付近の環境基準というものはきめられてあるわけですから、それにマッチできるようにというので、その付近にそういうはかる機械といいますか、そういうものを将来持って、そして規制をしていくというようなところまではできないわけですか、どうですか。

井口孝文警察庁交通局交通規制課長

○井口説明員 現在の道路交通法によりますと、交通の危険を防止し、あるいは安全と円滑をはかるというのが規制の理由になっております。したがいまして、現在の道路交通法のままでは、そういったことについての規制はできないというように考えています。  ただ私ども、昨年道交法の問題点というのを警察庁案として外部に発表いたしました。いろいろ世間の御意見を承ったわけでございます。そのうち、緊急の部分につきましては、今国会で道路交通法の一部改正をいたしまして、なお残った諸問題につきましては、来年度全面的な改正をやっていこうという考えでおりますが、その一つとして、いま言ったような交通の安全と円滑というだけの理由でなしに、公害、特に大気汚染などを理由とした交通規制ということが実施できるような規定の改正というものを考慮してまいりたいというので、ただいま検討中でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 確かに私も、それは必要だと思いますね。いままでは、ただもう安全対策ばかりだった。公害問題は、やはりこれから含めて、そうした対策をとらなければならない時代がきたんではないか、こういうわけで、いよいよあなた方も検討を開始されたそうですから、それは了としておきましょう。  そこで、建設省のほうでは、この自動車の排気ガスの公害対策についてどういう手を打たれておるのか、あるいはまたどういう考えを持っておるのか。現在どういうことを実施しておるのか、これをお聞きしたい。

高橋国一郎建設省道路局国道第一課長

○高橋説明員 建設省としましてやっておりますことは、道路を新しくつくる場合には、できるだけそういう御指摘のような公害の少なくなるような構造を考えております。またルートの選定につきましても、公害の少なくなるような個所を選ぶようにつとめております。そういうようなことでやっておるわけでありますが、何せ道路事業をはるかに上回るような自動車の生産とそれから交通の需要がございますので、なかなか思うようにはいっておりませんが、われわれも、つとめてそういうように努力しておる次第でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 これは、何やらわからぬですね。しかたないですから、次の方が待っていらっしゃるから……。一応、建設省のいまの答えでは、ほんとうに満足でないのですよ。今後やはり道路を新しくつくるということも必要ですけれども、現在もうすでに東京都内においても大原交差点あるいは各所でそうした何といいますか、自動車の排気ガス公害がふえて、たとえば新宿柳町交差点ですか、たくさんなそうした公害が発生しているわけですが、もっと抜本的な対策を立てなければならぬときがきたのじゃないか、こういうように思うのですが、もう一つはっきりした対策はいま考えていないのでしょうか、どうですか。

高橋国一郎建設省道路局国道第一課長

○高橋説明員 ただいま私のお話し申し上げましたのは、主として新しい道路についてでございましたが、御指摘の都市内における道路が一番お話しの公害、特に排気ガス等による公害が多いのじゃなかろうかと思いますが、これに対する対策といたしましては、交差点付近における渋滞が一番多うございますし、ここにおける排気ガスが多いわけでございますので、この交差点の処理というものは、都市内における交通対策の、われわれの道路管理者側の交通対策としては、最重点に取り上げております。たとえば大原交差点もそうでございますけれども、平面交差であるところはなるべく立体交差にいたしまして、渋滞の起こらないように処理しておるわけでございます。たとえば、それ以外にも現在工事中の二百四十六号線、つまり玉川通りでございますけれども、これでも一番交通渋滞の多い、たとえば三軒茶屋における三差路ないしは上通における四差路と申しますか交差点、それらについても立体交差を進めるというふうに、各所にこういう計画をもって進めておるわけでございます。  都市内におきましては、大体そういうような方針でもって進めておるわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 もう少し建設省で抜本的な対策というものを考えなければ、この自動車の排気公害というものがなくならないと思うのですよ。ですから、あなたは全部はお答えにくいと思いますけれども、もっとひとつ抜本的な対策を考え、それを計画をしていただきたいと思うのです。  それで、最後に、関連いたしまして、これは当委員会でちょっとお話をしておきましたのですが、阪神国道二号線あるいは四十三号線、この二つの道路が実は去年の五月ころまでは照明がずっと終夜ついておったのです。それが五月から零時で消されるようになった。御承知のようにこの二つの道路の照明器具は西宮市が照明器具をつけて寄付をしたわけなんですね。これはなぜかというと、非常に夜間の安全のためにこれをしたわけですが、ところが電気を消してしまったのじゃ何にもならないというわけで、これはこの前建設大臣にお願いしておいたわけなんですが、少なくとも万博の間くらいだけはちゃんと照明をつけてもらいたいということをお願いしておいたわけですが、時間の都合で、これは実は兵庫県の県警本部の調べを持ってきましたのですけれども、これはそちらでもわかると思いますが、大体終夜灯にしてもらいたい、こういうようにお願いしておいたわけですが、この検討はされたでしょうか。これは建設省……。

高橋国一郎建設省道路局国道第一課長

○高橋説明員 先般の当委員会で問題になりましたので、さっそく国道二号線、阪神国道、それから国道四十三号線の第二阪神国道につきまして相当の調査を行なっております。この調査の結果、先ほど御指摘のように、零時から五時までの間を消灯するように指示したわけでございますけれども、これはその指示の内容にも書いてございますが、横断歩道のある個所であるとか、交差点のある個所であるとか、ないしは危険な個所については、そのまま終夜点灯してもよろしいのですけれども、それ以外の個所について、できるだけ節約せよというふうにやったわけでございますけれども、事故調査等の際に検討いたしましたが、実はこの終夜の点灯――零時から五時まで消灯するというふうなことにしましたことによる事故の発生というのは、事故の分析の結果では、どうもはっきり出てきておりません。しかしながら、だいぶ世間でも問題になっておるようでございますので、建設省といたしましては、今回零時を繰り下げまして、夜中の二時まで――二時と申しますのは、大体人の歩くのがほとんどなくなるわけでございますが、深夜までは点灯しまして、朝の五時まで消灯するように現在現場に指示しております。五月の二日の日に指示しておりますので、ただいま機械を調整中でございますが、今週中にはできるようになると思います。

岡本富夫公明党

○岡本委員 はっきり出ていないと言っても、私の調査では二号線は、消してからは要するに二十五人死者がふえている。また四十三号線は、これは六人ふえている、こういうデータが出ているわけです。この四十三号線はなぜ少ないかというと、工事をしておりまして、これはまあ少なくなっておる。人が夜間通るのが少なかった、こういうので少ない。したがって、いまあなたのほうの答弁ではでは何時まで、これはいつから実施して、どうやってくれるか、もう一ぺんこれだけはっきり聞きたいのです。

高橋国一郎建設省道路局国道第一課長

○高橋説明員 ただいま先生の御指摘がありましたのは、おそらく二十四時間の事故だと思います。私どもは、時間ごとにかなり詳しく調べております。つまり明け方の五時までの消灯による事故というのは、どうもはっきりしたデータが出てきておりませんので、これを先ほど申し上げたわけであります。  それから、もう一つのいつからと申しますと、私どもは、五月二日から、真夜中の二時まで点灯を続けます。その二時と申しますのは、先ほど申しましたように、二時過ぎになりますと、人がほとんど通らないものですから、人の通るまでということで、一応二時という時間を限ったわけでございます。二時まで点灯しておいて、そして明け方の五時まで消灯するように二日の日に指示をしました。ただ、ただいまの報告では機械の調整がございまして、どうも二、三日かかるようでございますので、おそらくきょうあすじゅうぐらいにはつけることになると思います。現在機械の調整中でございます。  以上でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 じゃ、終わります。

渡辺栄一自由民主党

○渡辺(栄)委員長代理 島本虎三君。

島本虎三日本社会党

○島本委員 そのうちに皆さんもそろうでしょうけれども、一応公害対策特別委員会、いわば産業公害対策に関するこの委員会では、御存じのようにいろいろの重要な問題がかかるのです。かかる関係で、その所管大臣がいなければ開かないというのがいままでの慣例だったのです。そういうふうにしてずっと実施してきた。最近は、もう全然来なくてもやるようになった。これは進行する上からいって、悪いとは言わない。しかし権威が失われたのは事実であります。しかしながら、それによってよくなったかと言うと、結果がだんだん悪くなってきておることを私は一番心配するわけです。先ほど厚生省では、私が許可を与えたからいいというので、理事者が全部出なくてもいいということになっておる。そんなことを言っておる。そんなことは二度と再びやっちゃだめだ。公害の窓口は厚生省ではないのですか。通産省のほうが来ておるのに、厚生省のほうがうろちょろして、来ていないなんというのは悪い。だめだ。責任者はきょうはだれなんですか、厚生省のほうは。

橋本道夫厚生省環境衛生局公害部公害課長

○橋本(道)説明員 いまおしかりを受けたのは恐縮でございますが、公害部長は参議院のほうへ、法案の関係の審議でどうしても引かれておるということで、私どもが公害関係で先生にお話しするということで参りましたが、非常に思い違いをしておって申しわけございませんでした。

島本虎三日本社会党

○島本委員 ことに公害の問題に対しては、最近いわゆる社会的な、世界的な大きい問題になっておるわけです。この基本問題を審議するのがきょうなんです。これはいろいろ法案の審議で忙しい中で、われわれはやりくりしておる点はありますが、それだけの問題じゃないのです。この大事な場合には、やはりやりくりは相当認めています。政務次官は参議院では要らない、そこまで話し合いをつけてきたのに、わざわざやっておるわけです。そういうような状態のもとで、やはり一つの官僚の独善みたいな、そういうような考え方で、かってにどうでもやってもいいという考えを起こしてはとんでもない。今後、厳重に注意しておいてください。それを言っておいてください。  先ほど来いろいろと、いわゆる神通川の問題で指摘されているわけです。指摘されている点では、皆さんのほうでは十分わかっておられるとおりなんです。しかし、私もこの問題についてあえてきょうは深く実情を追及もしたい、こう思ってもいませんでした。しかし、いままでのこのようすを聞いて、はたしてこれでどうなるのか、こう思いますので、一応関係する部分についてのみ、私は納得するまでただしておいてみたい、こういうふうに思います。  ちょうどこれも同じころなんですが、アメリカのオハイオ州の検察当局は、二つの化学会社を相手にして緊急上告をした、こういうようなことが報ぜられているわけです。これはエリー湖の水銀廃液排出の停止、それから漁業の損害賠償、こういうようなことで緊急上告したのだ。そしてその理由の中にいみじくもいっているのは、特に、日本の水俣病の悲劇を繰り返してはいけない、こういうようなことをいわれているわけです。そうなりますと、アメリカでさえも、水俣病の悲劇を百度繰り返してはならない、こういっているのに、日本は平気でまた繰り返している。また、そういうような行為をしている。また、これに対して指導や監督が不十分である、こういうようなことになりました場合には、これはやはりただごとではないと思います。やはりここで、今後こういうようなことが起きないための措置、また原因があるならば、そういうようなものに対してはっきりと究明しておかなければならない、こういうように思います。  ことに、エリー湖の魚の体内から、一・三六PPMの有機水銀が発見された。これは、許容量の〇・五PPMを上回るところの一・三六PPM、とであります。そのために、エリー湖に注ぐセントクレア川でとれた魚の販売さえも禁止してしまっている。こういうようなことになっているわけです。そして、この問題に対しては、最高裁に、州は水銀の廃液の排出を、公害であるというふうにしてはっきり宣言することを求め、そして水銀廃液の川、湖への排出の永久停止、それから、水銀除去の費用の支払い、それから漁業と野生動植物と市民に与えた損害賠償、これを二つの会社に要求しております。こういうような点から最高裁に州は訴えている。日本の水俣病が、そこの完全なる救済の処置も行なわれないうちに、ノーモア水俣、こういうようなかけ声とともに、再びこれを繰り返すなということがアメリカでいわれているじゃありませんか。そして、アメリカでは今度州のほうから最高裁にこういうようなことを緊急上告されている、こういうようなことじゃありませんか。ところが日本では、州ならざる県と国とが権限争いをしている。一体こんなばかなことがありますか。もう少しこの内容等ははっきりさしておかなければならないと思います。  このシアン、メチル水銀、こういうような毒性の強い汚染物質、こういうようなもの七種類ですか、こういうようなものに対しては、どういう場合でも基準を守らなければならない、こういうようなことになって、全水域適用しているはずなんです。   〔渡辺(栄)委員長代理退席、岡本委員長代理着席〕 こういうようなことになっていながら、なぜこういうような事件が起きたのか、因果関係をはっきりさしておいてもらいたいと思うんです。まず、通産省、厚生省、経済企画庁、この三つの責任者のほうからこれを承ります。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 先生御指摘の水銀問題の重要性は、われわれも日常の行政で心から痛感しておるわけでございますが、通産省サイドといたしまして、ただいままでやっております対策を説明さしていただきますと、昨年の七月から八月にかけまして、通産省所管業種で水銀を排出する可能性のある全工場につきまして、詳細な書面審査と現地調査を実行いたしました。対象になっております工場は四十七工場でございますが、具体的にいかなる方法で水銀を処理しているかという点に重点をおきまして、その処理方法、処理したあとの水がどういう状況になっておるか、そういったことを克明に調査いたしまして、欠点がある場合には一つ一つそれを指摘して改善計画を出させ、水銀を排出しないような体制に全面的に立て直そうということで努力してまいっておるわけでございます。したがいまして、そのときの対象になっておりました四十七工場につきましては、現在その排水の中に水銀が含まれてはおらないということを、われわれは確信しておるわけでございます。  なお、今後設備増設その他の関連で、さらに水銀を排出する可能性もなきにしもあらずということでございますので、この点につきましては常時慎重な配慮のもとに監督を強化していきたいと考えております。  この四十七工場は、具体的には水銀の電解法を用いて苛性ソーダをつくっておる工場、それから塩ビモノマーをつくっておる工場、この二つが現在水質保全法体系で、特定施設として取り上げられ、規制の対象になっておる業種でございます。

橋本道夫厚生省環境衛生局公害部公害課長

○橋本(道)説明員 水銀の問題につきましては、厚生省では昭和四十年に阿賀野川の事件が起こりましてから、すぐさま全国の水銀を扱っている工場を調べなければならないということを考えまして、昭和四十年十二月に水銀または水銀化合物を取り扱っている工場につきましての調査を実施したわけでございます。通産省のほうと違いますところは、通産省は地方通産局という形を持っておりますが、厚生省のほうは、地方公共団体を通じて行なうということを原則として考えておりますので、都道府県知事あてに調査書を出しまして、それによりまして全国の百九十四の工場を把握したわけであります。百九十四の工場について、どういう事項を把握しているかと申しますと、工場の所在地、使用量、どのような製品をつくっておるか、どういうものをどういう量使っておるか、廃棄として、どれだけのものが外に出ていると一応推定しておるか、廃棄の方法はどういうことをしておるか、廃棄先の河川名はどこであるか、いままで何か水質汚濁で問題が起こったことがあるかというようなことを調査いたしまして、これにつきまして工場を分類いたしまして、最も廃棄数の高い、リスクの高いと思われるものを抜き出しまして、水銀の汚染調査をいたした次第でございます。現在のところ、全体で百を上回る数を私どもすでに調査をいたしておりますが、私どもの調査といたしましては、排水と、回りの環境と、そのどろと、それから魚とを調査をいたしております。もちろん、この中に製薬工場も入れて調査をいたしております。それによりまして、昭和四十三年八月にそれまでの調査の結果を集約いたしまして、水銀暫定対策要領というものをつくって、工場を指導する場合の基本的な判断、条件等を出したわけでございます。私どもは、このような資料をすべて通産省にも、経済企画庁にも、農林省のほうにも差し上げております。  私どもの意見といたしましては、総水銀といたしまして〇・〇一PPM以上出しているということと、排水処理につきましては大体〇・〇五PPMというところまでは少なくとも排水処理をすることが基本の原則であろう。それからメチル水銀というようなアルキル水銀につきましては、当時経済企画庁のほうで大牟田のケースとしてすでに測定方法はきめられておりましたので、この二つの方法によって検出されないということを、一応水銀暫定対策の指導要領の中にうたってやってきたわけでございます。これによりまして四十二年、四十三年と調査いたしまして、神通川は四十二年のときに神戸大学の喜田村教授が自発的に調査をしたものから端を発しまして、四十三年、四十四年、どうにも私どもとしてこの汚染の解明がつかないということで、この追及をして、初めてエチル水銀が出るというのは何であるかということを明らかにしてきたわけでございます。  その工場の百九十四の調査の中に、非常に残念なことには、製薬工場のほうも、富山県等も全部出しておりますが、これは事務の何かの間違いであろうと思いますが、福寿製薬は四十二年十二月の調査には入っておりません。それから四十四年の春になりまして、これをもう一度詳細に個票をつくって調査をする必要があるということを考えまして、四十四年の四月から五月にかけまして、各工場別の個票をつくりまして、先ほど通産省の方がおっしゃったと同様の事項を、さらにこまかく図までも付しまして調査いたしましたが、このときにも多数の工場がどういう手違いか、落ちております。そういう形で私どもは過ごしてきたわけでございまして、水銀に対しましては水銀暫定対策要領を基本とするという立場をとり、規制をかけるということにつきましては、メチル水銀は一歩前進いたしましたが、トータル水銀も規制をかけるということで、関係各省に連絡をし、また四月の末に富山の製薬工場でエチル水銀を発見いたしましたときには、直ちにこの件につきまして通産省、経済企画庁とも連絡をとり、また薬務のほうからもう一度、公害部局と薬務局が密接な連携をとるようにという通牒を発しまして、これは私どものほうでも非常に残念に思っております薬の工場でそういうものがあったということにつきましては、現地の事務的な点でどこかで落ちたということと、私どものほうでもこういう点はもっと詰めるべきであったということは、省内の記者クラブの発表のときにも申しておりますが、こういうようなことでこれから進んでいくということと、現在法改正の中で盛り込んでいくということで努力をしておるわけでございます。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 経済企画庁といたしましては、水俣病の原因がメチル水銀であるということがはっきりいたしました段階におきまして、メチル水銀を出すおそれのある工場が所在する全国につきまして規制をかけたわけでございます。メチル水銀に対しましては、排出されてはならないという規制をかけましたのが、去年、四十四年二月三日でございます。これに伴いまして今回の環境基準におきましても、メチル水銀は全公共用水域において検出されてはならない、こういうことを決定したわけでございますが、その後神通川のエチル水銀の問題が出てまいったわけであります。当時水俣病の原因といたしまして、厚生省側の見解に基づきましてメチル水銀だけを規制したわけでございますが、エチル水銀の排出の問題が出てまいりましたので、現在のところ、厚生省のほうからの連絡によりまして、私たちのほうでは早急にこのメチル水銀をアルキル水銀と変えまして、エチルも含ませるということにいたしまして、規制のほうもそれに従ってやりたい。環境基準のほうもアルキル水銀と変えたい。エチル水銀を現在出すおそれのある工場は、いま私どものほうでわかっておりますのは製薬工場で二工場、もちろん富山の福寿製薬も入っております。それから農薬関係の工場といたしまして四工場ございます。これは直ちに早急に規制対象工場といたしたい、こういうふうに考えておるわけであります。  ただアルキル水銀以外のトータル水銀でございますが、これにつきましては、先ほど環境基準の御説明を申し上げましたときにも述べましたとおり、当面第一回の、今回スタートいたしました環境基準からは項目としてはずれてございます。これにつきましては現在さらに関係各省庁と折衝中で、協議をしている最中でございますが、トータル水銀ということになりますと、これは自然界のほうにもございますし、鉱山からの自然排水等にも出てくる。そういうような問題から、限界として、いわゆる人の健康にかかわる安全限界としてどの程度のところにきめたらいいのだろうかというような問題がございます。  それからそれに対しまして、公共用水域の環境基準をきめましても、それを守っていくための措置、これは単に取り扱っております工場からの排水だけの問題ではございませんで、水銀そのものを取り扱っておりますところからの取り扱いのほうの問題も出てくるわけでございます。その辺のところも勘案いたしまして、水銀そのものが無機であろうと、蓄積していくと有毒であるということははっきりしておるわけでございますから、早急に詰めまして、各省の協議が整ったところで、人の健康にかかわる環境基準として追加いたしたい。追加すれば、当然それは全公共用水域に適用されるものでございますから、それに伴います規制措置というものもあわせて講じたい、このように考えております。

岡本富夫公明党

○岡本(富)委員長代理 先ほどの答弁で訂正したいところがあるそうですから……。柴崎立地公害部長。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 先ほどの答弁の中で、私水銀と申し上げましたが、これはメチル水銀というぐあいに訂正させていただきたいと思います。  それから、差しあたり現在対象になっておりますのはメチル水銀でございます。トータル水銀が規制対象として取り上げられることになりますれば、もちろんこれに対応して工場の処理施設その他を厳重に監督指導する用意は整えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 やはり三つの方面から聞いてみただけでも、何かこの中でいわゆるトータル水銀に対して一体どうなのかということが、手続として、処置としてわかっておらないわけです。  では、富山の神通川の問題に対しては、通産は何ら工場に対して措置をしていなかった、こういうようなことになるわけですね。それでいいですか。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 ただいまの先生の御指摘は、神通川の福寿製薬の問題でございますが、これは所管の関係で厚生省で全部やっていただいておるわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 工場の許認可、届け出、こういうようなのは所管の関係で通産省でなく厚生省でもやるようになっているわけですね。それから厚生省のほうでは、これはいまの報告によって百五十四ですかの工場をいろいろ把握して調べた、あとは百ほどまだ入る、こういうようなことのようです。そして汚染の問題に対しては今後明らかにしていきたい、こういうようなことのようです。そうすると、厚生省のほうでは一たん届け出を受けてやって、そうしてその汚染が出るのか出ないのかわからないで、こういうようなのは通産省にかわっていろいろそういうようなものに対する許認可を与えている、こういうようなことになったら、行政的にも通産省は怠慢じゃありませんか。公害の窓口は厚生省です。厚生省のほうでこういうようなことで直ちに指摘されなければならないということになったら、これはとんでもないことです。  それからいまの経済企画庁では、自然界にもトータル水銀であるならば、これははずれているけれども、自然界にもあるし、安全限界が不明である、これの取り扱いは、有毒であったら追加し、規制する、これはだれが、どこできめるのですか。そこをひとつこの際明らかにしておいてください。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 環境基準に関しましては、これは閣議決定でございますから政府が決定することになるわけでございます。閣議決定に持ち込みますまでの段階といたしましては、各省におきまして協議いたしまして、コンセンサスを得たところでこれを水質審議会の審議にかけ、水質審議会の議を経て答申を得、案をまとめまして閣議決定に持ち込む。最終的には政府の閣議決定でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 閣議決定をして、そのものがそのとおり行なわれない、こういうことになった場合の責任はどこでとるのですか。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 環境基準は、公害対策基本法に基づきます政府の行政目標でございます。ですから、これを維持、達成しようということにつきましては、政府が総力をあげて努力をするわけでございます。そのような意味におきましては、これが達成されていないということになりましたら国の責任であり、政府の責任でございます。これを、常に状況を監視、測定いたしまして、もし達成されていなければこれを達成するような方策を直ちに講じなければならない、このように理解しております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 じゃ、この問題に関係ありますから聞きますが、富山のこの製薬会社の、こういうように排出した事実、これは、責任はどこなんですか。工場か、水か、管理する厚生省か。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○城戸政府委員 直接的な責任は、当然その工場自身にあると思うわけでございますが、行政上、どうしてそれをもう少し早く把握し、チェックできなかったかということにつきましては、関係行政当局で、行政的な責任があると思うわけでございます。  この福寿製薬の合成設備は、工場排水規制法によります特定施設になっておりますから、当然、指定水域でなくても、三条に「特定施設を設置している者は、その特定施設から排出される汚水等の処理を適切にし、公共用水域の水質の保全に心掛けなければならない。」という規定がありまして、当然工場としてはそういう心がけである。また、関係行政の担当部局では、それに従って指導する、こういうことがあるわけでございまして、公害法によります厚生大臣の権限は、昨年の四月に都道府県知事に委任されておりますから、都道府県知事におきまして、そういうような指導をすべきであったと思うわけでございます。  また、そのほか、この許可しました薬事法上の問題、責任ということもございますが、薬事法上の薬事監視は、都道府県知事においても行なうというたてまえに現在なっておるわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 じゃ、これは厚生省じゃなくて、都道府県知事、すなわち富山県知事の責任である、こういうようなことになるわけですか。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○城戸政府委員 これは、実は厚生省でも薬務局の所管でございますから、私から御答弁申し上げるのは適当かどうかわかりませんが、第一次的には、そういうことで、権限の委任を受けました都道府県知事における責任があるわけでございますが、それをさらに指導する立場にあります厚生省としての責任も、もちろんあるということは申し上げられると思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 特にこれは私も知っている実態のために、一つだけは言っておきたい。  それは、宮古にカドミウムが排出されているという事件がありまして、行って調査をいたしました。いつでも、排出する原因者になるのは通産省側だ、鉱山側なんだ。そうして、被害者の側に立ってそれを代表するのが、いわば県庁を含めた厚生省側だったんです。そういうような概念があります。ラサ工業へ行ってそれを調べてみた。ところが、鉱山側の製錬する工場と、それからそれを精製するいわゆる厚生省側の取り締まりによる工場と両方あって、鉱山側のほうは規制をきびしくやっておるのに対して、県庁を通じてこれを厚生省が指導しなければならないその方面は、完全な手抜かりがあったんだ。そうして、一つの廃液のところにみんな集めて、これでもってのがれようとしていた。それを指摘してきました。  こういうのを見ましても、この窓口は厚生省なんだ、こういうふうに言っておきながらも、現地へ行ってみたら意外に、加害者といわれる側、いわゆる鉱山保安部、これあたりが一生懸命に規制しておいて、私の規制できないのはこの工場の廃液です、この工場の廃液は私のほうではなくて、県庁の所管にかかっているんです、これを委任し委託しているのは厚生省なんです。守る立場のものが、被害を与える立場にいつの間に変わったんですか。実態はそういうふうなところにあるのです、というこの事実を知っていましたか。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 ただいま御指摘のラサ工業につきましては、鉱山並びに鉱石の製錬につきましては、鉱山保安法によりまして通産省の鉱山保安局が監督しております。それからラサ工業の中には、それとは別の系列で肥料工場がございます。この肥料工場は厚生省とは関係なく、これもやはり通産省の所管業種でございます。したがいまして、先生御指摘の一般工場の排水につきまして手抜かりがありましたとすれば、これは通産省の責任でございます。  実態を申し上げますと、鉱山保安法によりましては、特にカドミウムの問題は各地で相当大きな問題になっております。鉱山保安法の指導基準の中にはっきりした基準を取り入れまして、現実に強力な行政指導をしてまいっておるわけでございます。硫安工場から流れ出るカドミウムにつきましては、これは水質保全法体系、すなわち工場排水等規制法の対象工場になるわけでございます。宮古湾はまだ水質指定がされておりませんことと、カドミウム自身まだ水質基準ができていないという二重の対策のおくれと申しますか、対策の不備がございまして、行政指導も徹底していなかったということでございますが、われわれといたしましては、同じ通産省でございますので、考え方といたしましては、製錬工場と硫安工場、これを同一にとられましてやっておったつもりでございますが、その間に相当の開きがあったという点は、現在深く反省しておる次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 あなた、それは、いいつもりで言っておるかもしれません。しかし、現に行ってみると、保安部長が、製錬の部門はわれわれだけれども、肥料の部門から排出するものはわれわれの権限外なんですと言っている。市長もはっきりそれを認めておった。市長はそのために県庁まで行って、知事に会ってそのことを進言してきている。それも厚生省のほうでなくてあなたのほうだとすれば、保安部長は完全に、われわれにうそを言ったことになっちまうじゃありませんか。では、部長はうそを言ったのですか。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 ただいまの保安部長の言は正しいと思います。と申しますのは、保安部長は鉱山段階と鉱石の製錬段階についての監督権限を持っておりますが、その他の肥料工場についての監督権限は持っておりません。したがいまして、保安部長としては、全責任をもちまして自分の所管内のことをやっておるということになろうかと思います。  それから一般の工場につきましては、通産省の本省が通産局長と連絡をとりまして監督指導をやっておるわけでございますが、その間の指導に手抜かりがあったということになるわけでございまして、これは先生の御質問には直接含まれておりませんが、そういった矛盾を解決するために通産省で今回組織規程を改定いたしまして、同じ局で、同一の観点から、相互に緊密な連絡のもとに、保安と公害を一緒に合理的に解決しようということで体制の整備をはかっておる次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これはわかっているほうからはっきり言ってもらわぬと困るのですが、肥料部門から排出される排水、こういうようなものに対しては、これはやはり厚生省のほうの関係じゃないのですか。

橋本道夫厚生省環境衛生局公害部公害課長

○橋本(道)説明員 いまの御指摘のございました肥料部門は、厚生省では行政上の権限関係はございません。ただカドミウムの環境汚染調査ということで、いろいろ都道府県に対しまして暫定対策費を出しておりまして、その点で法律上直接かかっていないものに対しても、何とか法律にかけていこうということをやっておるということで事実上の関係があるということでございますので、肥料部門につきまして、厚生省自身が責任があるというものではございません。

島本虎三日本社会党

○島本委員 じゃ、その排出されている水そのものに対しては、結局肥料部門であろうと何であろうと、鉱山保安の関係になる、こういうようなことになるのですか。

橋本道夫厚生省環境衛生局公害部公害課長

○橋本(道)説明員 鉱山保安のほうの関係もございますが、いま先生のおっしゃったように、両方のものがまざっておるという問題でございまして、私どもは権限的な事項ではございませんが、カドミウム環境汚染調査ということの中に含めまして、地元の岩手県と、それから宮古市とが一緒に取り組んでこの対策ができるようにということで、ことしは調査研究費を出しまして、そしてそれに対処していく。その中に専門の研究班もつくりまして、当然私どもが調査をいたしますときには、地元の鉱山保安局あるいは通産局とは連絡をとる形にはなっております。ただ権限的なことはございません。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それはよろしい。ただ、この問題については、われわれの調査した点と相反しますから、なおいずれ次回にはっきりした資料を持ってはっきり対峙したい、こういうように思いますから、この問題についてはひとつ留保さしていただきたい、こういうふうに思います。  言っているのは、こういうような問題に対しての措置のしかたについてはどうも両方まちまちであって、連携が十分じゃない。今度の場合も、特にそういうような点があるのじゃないか、こういうようなことを私どもははっきり皆さんに伺いたかったわけです。それに対しての今後の対策をはっきりここできめたかった。先ほどから聞いておりましても、これはどうも県の条例が不備であった。そして水銀のみを届け出の対象にしておっても、この水銀化合物については何らはかっておらなかったのである。したがって条例が不備であるからこういうことが起きたんだ、こういうようなことも答弁の中にあるわけです。  そのほかに、今度は会社側でもその問題は知らないわけじゃなかった。知ってはいたんだ。しかし、これは水銀じゃなく、水銀化合物であるから、当然知っておっても対象にならないからこれは排出していたのだ、こういうようなことになる。そうすると、化合物をきめなかった条例が悪いのだ。厚生省は悪くないのだ。そうすると、それは住民に害を与えるからこういうようなものを流さないほうがいいんだ、はっきり規制し、または指導しなければならないのはどこの官庁になるわけですか。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 参議院の公害のほうに行っておりまして、こちらに来るのがおくれましたことを最初におわび申し上げます。  いままでの御質問、あるいは私どもの役所のほうから、事務当局のほうからお答えをしておったとすれば、どういうことを申し上げておったか全然存じないままにお答えをして恐縮であります。  けさほど実はこの委員会で、最初にこの問題が出ました時点におきましても、責任はわれわれはとらなければならない。その点については、被害を受けられた関係者、周辺の不安におののかれた方々に対してはおわびを申し上げなければならぬということを私は最初に申し上げて、御質問に対してのお答えを始めたと思います。ただいま島本先生のお話、途中から入ってその前段の御質疑の中身がわからないままにお答えをして恐縮であります。実は神通川の福寿製薬にからむ問題であるとしたら、私はやはり決してこれに関する国の責任というものを何ら感じないというつもりはございません。これはやはり責任省としてそれだけの責めは負わなければならぬと考えております。  そしてそれと同時に、しかし現実の問題として、これは島本委員にも御理解を願いたい、また御理解をいただけると思いますのは、現実の公害行政というものは、都道府県が、都道府県の事務として行なっておるものが多くあります。そして富山県の公害防止条例の中に事実欠けるものがあったこと自体は事実なのであります。なるほどこの製薬会社のそれこそ責任のがれというか、遁辞とでも言いたいような言い回しというものは、道義的にやはり大きく責められるべきものであることは確かでありますが、しかし、県の公害防止条例というものの中に、水銀化合物というものを考えなかったという手落ちは、やはりこれも批判をお受け願わなければならぬことであります。今日公害行政というものがいま進展をしつつあるさ中でありますだけに、こうしたあるいは連絡不十分といわれても結果的にはやむを得ないような事態が起こりましたことの責任というものは、私どもも決してそれを逃げ隠れをいたすつもりはありませんし、むしろこうした事態を再発させないように、一つの大きな教訓として、そういった意味では今後の行政の上に資したいと考えておるわけであります。  ただいま私が入ってまいりました時点で、あるいは責任のがれのような感じを事務当局の答弁からくみ取られたとするならば、この点は私からおわびを申し上げるとともに、実態上の現実の行政の上からどうしても一つのネックになる部分があったということについて、先生の御理解をいただきたいと思うのであります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これは先ほどからいろいろ言っているように、通産、厚生並びに経済企画庁、所管する業務がそれぞれあります。ただし、その中で水を扱い、工場を扱い、なおかつ薬を扱う工場というようなことになると、三省がそれぞれの立場から規制をするような立場にある。いままで起こったものに対しての責任、これをあくまでも追及しているのではなくて、これから再びこういうような、同種のものを起こさないために、この際きちっとしておこうじゃないかということが、いわゆるいまの発言の根拠をなしているわけであります。  それで、いまいろいろ言っている中で、ではこの水銀のみを対象にして水銀化合物について何もきめてなかったから、届け出の対象にならなかったからこれはまず見のがされるのだ、こういうような一つの通念が許されるとしたならば、まだこれにも疑問があるということです。しかし、水銀が害であって、水銀化合物は実際に害がないのだ、こういうようなことになっているのですか。これは厚生省の技術者の関係の人に……。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 これは技術者からお答えをいたすまでもなく、水銀化合物の中に有毒なものが多分にあることは、先生よく御承知のとおりでありますし、またこれは常識的に当然知って――特にこの事件に関係のある製薬会社というものは、知っておってしかるべきはずのものであります。でありますから、その点において、私は道義的責任は少なくとも免れないということをただいまも申し上げたわけであります。   〔岡本委員長代理退席、委員長着席〕 現実の行政上の問題として、こういう結果的に手ぬかりを生じたということ、これは私どもは今後の教訓としていきたいということは申し上げたとおりでありまして、いまわざわざそれこそ専門の技官にお尋ねをいただくまでもなく、水銀化合物というものが人体に害であるということは、私どももっとに承知をしている点であります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 この条例でそういうふうになっておる。これは水銀は届け出の対象にし、規制の対象にしても、水銀化合物に対しては何らはかっておらなかった。会社側のほうでは、水銀は騒がれていることは知っていた。しかし、自分らは水銀化合物であったのでこれを知らないということで通しておったのだというような答弁がいままであったわけです。そうすると、これはまさに字句の上では、水銀化合物ではないに相違ない。したがって、水銀だけは届け出だから水銀化合物はいいんだ、これは字句の上ではそうであっても、害を与える面から見たら、これは当然道義的にも、行政上でも、指導しておかなければならないはずの問題である。これを知らないという業者に対しては、会社に対しては、県を通じても厳重に注意しておかなければならないし、意外だったのは、こういうような工場だから全部通産省なのかと思っておったら、意外にこれは厚生省がいわゆる許認可、届け出を受けておる工場だと聞いて、私はいまびっくりしたわけなんです。そうであるならばなおさらのこと、その会社で出しておる水銀化合物というようなものも、いわば有機水銀の害と同等もしくはそれ以上に害を与えるものだということは百も承知しているはずなのに、そのままやるのを認めていたとすると、やはり厚生省関係がやるのであるから、厚生省のほうではこれを見のがしていた、こういうように言われないようにしなければならない。そうあってはならない。ここをき然としてはっきりさしておかなければならない、こういうように思うわけです。この点について、そういうようなことはあり得ないはずですけれども、ひとつはっきり答弁を承っておきたいと思う。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 いわゆる一般的薬事監視の権限というものを、現在実は都道府県に委譲いたしております。そのために結果的に非常に発見がおくれたわけでありまして、私どもはこれは非常に申しわけなかったと考えてもおりますし、またこれがはっきりいたしました時点で、厚生省の薬務局から県を通じ、また薬務局自身からも、この製薬会社の責任者に対しては手きびしい警告を実はいたしました。そうして今後こういう事態が起こらないように、われわれとしても、あらためていろいろな点で考えなければならないという一つの基本的な考え方も実は持っております。たまたまそういう点では非常にみっともない話でありますが、厚生省自体がこの問題の原因究明に当たりながら、しかも、一方において原因発生者が厚生省の認可にかかる企業であったという点、これはいま島本先生がことばをにごしながら、厚生省というもの自体が手を抜いたという批評を受けないようにしろという御注意をいただいた、まさにそのとおりの中身でありまして、私どもとして非常に情けない思いをしていることも事実であります。しかし、一般的薬事監視の業務自体が都道府県にそのまま委譲をされ行なわれている現状において、こうした不作為のミスが発生したということは、現行の行政上の欠陥というべき点もあるかと思います。こうした点につきましても私どもは検討を加え、こうした事態を起こさないように持っていくだけの努力というものを払うつもりでおります。その点でお許しを願いたいと思うのであります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 改正された公共用水域の水質保全に関する法律でも、改正前の同法律であっても、排出そのものに対しては何らか規制できるような措置があったはずなんです。これは長い間このままにして、水の点の総合官庁としてこれをつかさどっておった経済企画庁のほうでは、これは全然知らなかったのですか。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、企画庁といたしましては各省との調整をはかっているところでもございまして、有機水銀の問題に関しましては、メチル水銀、これを全部全国規制いたしましたのが昨年の二月でございます。実はエチル水銀というようなものが、同じ有機水銀でございますけれども、それが大量に排出されておったというようなことにつきましては、実は企画庁といたしましては、今度厚生省から報告を受けるまで承知いたしておりませんでした。先ほど申し上げましたように、その後の状況によりまして、これは全国にもまだほかに数工場あるということで、早急にメチル水銀をアルキル水銀に直しまして、メチル、エチルを問わず有機水銀を規制するという方向で早急に措置をいたしたい、このように考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 ことに公共用水域の今後の問題として、初め言ったアメリカの現状からしても、この問題についてはなかなか世界的な関心になっているのが水俣病、それがアメリカではまっ先に言ったように、ノーモア水俣病、これをアメリカに持ってくるな、こういうようなことで、いま州が告発して、そうして国がそれを緊急上告までしてこれをやっているという実態なんです。それなのに、こちらのほうではそういうふうなことに対して、県と厚生省と関係官庁との間でそれぞれ反省はしていても、そういうようなことに対してまだまだ手抜かりがあった、こういうようなことは遺憾なんです。しかし、今後再びこれを起こしてはならないから、こういうようなことに対してはひとつ抜本的に措置をしておかなければならないのだ。  同時に、いま通してやった公共用水域の水質保全に関する法律、これは排出する汚水源に対しては今度全面的に取り上げることになったし、受けざらと思われる法律も十一もあるようになったのだから、そういうようになってみますと、その法律を今度実施する面から見ると、皆さんのほうでは相当に責任を持って当たらなければならなくなるわけです。十一になった受けざらの法律、その当の責任者は経済企画庁、こういうようなことになる。河川法をはじめとして、都市下水法でも、漁港法でも、関連法というものがまたそれに付随してあるのです。そして、この関連法そのものも問題になってくるような状態にあるのです。これに対する措置なんかも完全にしておかなければならないのです。十分やったつもりでも、まだまだ聞いていなかった点がいま指摘されて、こうなってみるとなるほどと思う点があるわけです。  それで、いま常時調査していかなければならないというように言いましたけれども、これは調査機能というものを十分持っておって、予算もこれに伴うものを十分置いてこれでできる。大臣に対しては、予算措置は十分するように言えといって、この附帯決議によってこれは万遺憾なきを期するようにした。しかし、この現実の問題というのをいま聞いてみたら、あなたのほうでは予算がないからといって調査を断わったという実態がわかったじゃありませんか。こういうようなことでは、法律ができても運用の面でこれはざる法になってしまう。今後そういうようなことがあってはだめだと思うからこれを聞くのだけれども、今後は常時調査機能を十分発揮させることが経済企画庁でできるのですか。そして下部組織は何なんですか。それとまた予算の面においてこれは事欠かないのですか。先ほどの答弁によれば、これは金がないから私のほうではできませんといって調査を断わって、県費でこれを行なったという事実を指摘されましたけれども、今後こういうようなことはあり得ないのですか、あり得るのですか。実施にあたってこれは同じことを二度、三度繰り返すことがあってはならない。これはきちっとしておきましょう。これは一つ一つおおらかに、りっぱな日本語で答弁だけごまかしてもだめです。いま言った一つ一つについて、経済企画庁、言ってみてください。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 従来の保全法だけに関します仕組みといたしましては、水質基準をきめなければいけないというようなところを逐次ピックアップいたしまして、それに調査をいたしまして、それで指定水域にして水質基準を定める、このような仕組みになっておったわけでございます。  ところが、今回環境基準というものが設定されましたら、環境基準は指定水域とは限りませんで、全公共用水域につきまして逐次環境基準を設定していきたい、こういうように考えて、これを維持、達成するのが政府の行政目標になるわけであります。そのために流水の――排水の水質ではございませんで、公共用水域の中の流水の水質、これが環境基準に合致しているかどうか、監視体制を整備しなければいけないわけです。この監視体制の整備につきましては、これは必ずしも企画庁だけの予算でございませんで、鉱物管理者もあるわけであります。それからそれぞれ利水事業の管理者もあるわけでございます。それから公害を担当しております企画庁のほうの系列につながっております都道府県のほうもあるわけでございます。それらの体制を整備するということにつきまして、現在、監視体制整備対策要綱というものを早急に取りまとめたい、それによりまして流水基準の監視体制というものを確立してまいりたい、それで、これは何も経済企画庁へ一元化するということでなしに、この体制の中に入りまして各鉱物管理者あるいは力のあります利水事業者、そのようなものも全部協力してこの監視を続けていってもらおう、このような考え方で整備したいと考えております。  それによりまして、流水の汚濁状況から見まして、これはもう排水規制をかけなければいけない、早急に排出規制をかけなければ環境基準を守れないというようなことに考えられます水域につきましては、早急に水質保全法に基づきます水質調査を実施いたしまして、国としての指定水域にいたしまして、水質基準をかける。それまでにつきましては、これは公害問題は非常に地元と密着しているところが多いわけでございますから、ある程度、国が乗り出さないまでも、地方公共団体のほうでやっていただきたいというところにつきましては、これは県の条例にゆだねているわけでございます。県の条例にゆだねているところにつきましては、やはりそれの規制なり、あるいは排水そのものの水質調査、そのようなものにつきましてはこれは県のほうでやっていただきたい。これを指定水域といたしまして、国のほうが水質基準をかけなければいけないというようなところにつきましては、企画庁のほうで予算をとりまして、それで県に委託をいたしまして県にデータを集めてもらいまして、そのデータによりまして、国のほうにおきまして各省全部協議をいたしまして水質基準を定めるというふうな仕組みで今後ともやってまいりたい。  ただ、環境基準を監視、測定する体制というものは早急に整備しなければならない。と申しますのは、環境基準を維持、達成いたしますのは、これは必ずしも排水基準だけの問題ではないわけでございます。先ほど先生がおっしゃいました関連法、水質保全法に伴いますその受けざらの十一以外の関連法、それからあるいは下水道その他の整備、あるいは立地規制その他諸般の施策を、全部総合しまして環境基準を達成していこう、維持していこう、水質保全法そのものはそのうちの一部にすぎないわけであります。そのような問題もございまして、環境基準そのものを維持、達成していくための監視体制というものは早急に整備いたしたい。その中から逐次国が排水規制も責任をもって行なわなければならない。条例において県のほうにゆだねておくことができないというようなものを、逐次プライオリティーの高いものから指定してまいりたい、このように考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 条例によってゆだねているのが経済企画庁の現在の状態であるとするならば、県の条例が不備であって、そして水銀のみを届け出の規制にして、そうして水銀化合物、そういうものに対して何も言及してなかった。条例にゆだねるんだと、あなたおっしゃる以上、ゆだねられる条例くらいはちゃんとしておかないとだめでしょう。そういうようなことを怠ったというのは経済企画庁だということになるでしょう。厚生省じゃないでしょう。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 水質に関する限りの条例基準といいますのはその指導に欠けるところがあったことは事実でございます。現在、条例をつくっております県、約三十五県くらいかと思いますが、まだ全国全県に行き渡っておりません。その条例の内容につきましても非常に公害に対しまして先進県でありますところ、後進県でありますところ、内容についても相当な差異がございます。それらの点につきましては、今後私どものほうも指導を強化していきますが、全部でお互いに知識、経験も教え合いまして指導も強化いたしまして、実効ある規制のできるような条例を整備してまいりたい、このように考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 言った以上、これを実行する責任があるんですよ、それ、はっきりしておいて……。  それならば、公共用水域、これには海も入りましたか。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 海域も含まれております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 そうすると、それはもちろん「河川、湖沼、港湾、沿岸海域」、こういうふうになっていますね。したがって、そういうふうになりますと、海のほうの汚染に対しても監視体制を皆さんの手ではっきりやるとしたならば、何かとぶつかりませんか。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 先ほども申し上げましたように、監視体制と申しますのは、いわゆる経済企画庁の系列だけではございませんで、鉱物管理者、それからそれぞれの関係者のほうで、力のあるところは全部参画していただきまして、監視体制をつくりたい。同じところを別々のものがはかります、これは完全な二重支出になりますから、そのようなことを排除しながら、それぞれの立場でやれるところを協力し合ってやっていく、お互いに補完し合ってやっていく、そのデータそのものは常にどこかへまとめまして、お互いにそのデータを連絡し合いながらやるというような観点で整備対策要綱をまとめたい、このように考えております。いわゆる競合というような問題は起こらないように整備したい、このように考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 監視体制を強化するといっても、直接のこういうような機構は持っておらないということですね。出先機関はないということですね。それならば、十一の法律とそれから関係している若干の法律があるわけですから、こういうようなものによって、それぞれ監視または管理している、そういうような機構全部を皆さんのほうで掌握して、それによって水質の保全についての監視体制を完全にするんでなければ、いまのようなことがあっても、それは知らないということになってしまうのですよ。その辺まで考えてますか。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 そのような問題がありますので、従来この環境基準というものがなかったわけでございます。水質保全法におきましては排水基準ということだけで、いわゆるオーソライズされました基準というものは排水の基準だけでございまして、もちろん指定水域を指定いたしまして、水質基準をきめますときには、ある程度企画庁におきましては流水の目標値というものを考えております。そのためにいわゆるアフターケアの予算というものは各県に委託いたしまして、アフターケアはやってきておったわけではございますけれども、いま申し上げましたような、それぞれの所管省全部が協力いたしまして環境基準の維持をはかっていくというような体制は、正直なところとれておらなかったわけでございます。今回この環境基準が政府の行政目標として定められましたのを機会に、こういう関係各省全部が協力し合った体制を整備いたしたい、このように考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 やはりこれは公共用水域、なるほど水質保全法によるところの海も入る。「河川、湖沼、港湾、沿岸海域」、この海域の場合には、沿岸海域ということになりますと、それはもう日本全国の海岸全部でしょう。沿岸全部が皆さんの一つの管理体制の中に入らないとだめなことになってしまう。大きいものです。今度保安庁に対しても皆さんのほうで要請しなければならないことになるのです。そこまで考えていたんですか。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 今回環境基準が定められましたあとの監視測定体制につきましては、海域におきましては、当然港湾管理者、漁港管理者あるいは海上保安庁等の協力も得なければならない、このように考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 現在、同じ工場で廃液を川に流すと、直接水質汚濁の関係ではっきり皆さんが取り締まる対象になるが、現在いわゆる環境基準があるかないかわかりません海岸へそれを流している場合に、規制される法律はどういうようなものなんですか。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 それは河川の場合と同様でございまして、指定水域に入りますれば、これは水質基準がきまるわけでございます。内陸の川におきましても、指定水域になっていない場合は県条例で規制が可能であるということで、海域におきましてはもちろん県条例で規制が可能である。その海域が指定水域になりましたらば、当然水質保全法で規制されます。これは川の場合、沿岸海域の場合ともに同様でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 事務当局にちょっと聞きたいのですが、濃硫廃酸というのはどういうものですか。

山中正美経済企画庁国民生活局水質調査課長

○山中説明員 濃硫廃酸というのは、硫酸でいろいろな過程を通りまして、まだ完全に消化し切れないといいますか、プロセスの中に入ってしまわない硫酸が残ってくるわけですね。それが廃液に入ってくる場合に硫廃酸、廃硫酸、濃廃硫酸といっております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それが海岸へ流れ出た場合の被害は、どういうものが想定されますか。

山中正美経済企画庁国民生活局水質調査課長

○山中説明員 私ども、先生の言われているのは、現実に四日市海域のことかと思っておりますが、この場合やはり護岸の岸壁等が、非常に酸性度が高いものだからおかされる可能性がある。あるいは航行する船舶の船体等が腐食する可能性がある。これは可能性だけの問題で、私直接そういう被害状況を見たわけじゃございませんので、あるいは船舶にどういう被害が生じたということも聞いたことはございませんけれども、一応推定できるのはそういうものだと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 そういう場合には条例に何とあるか、私調べたわけじゃございません。こういうようなものは、もし被害があった場合には、被害を防除させるようにするのは、官庁ではどっちのほうになるのですか。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 これは規制をかけますのは、酸性度の問題でございますから、水素イオン濃度、PHでかけるわけでございます。指定水域になりますとPHでかかっておりますから、このPHよりもきつい酸性のものを排出することは、基準がきまっておりますればもちろん許されないわけでございます。ですから、指定水域じゃございませんで、県条例におきまして、水素イオン濃度、PHを指定いたしておりましたならば、それを下回った強度の酸を出しましたら、これは規制されるということになるわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 規制を守らなかった場合には、工場は当然罰せられるわけですね。そういうふうに考えていいわけですか。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 そういうことでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 こういうようなことが最近何かあったようです。私は、何かちょっと聞いておりますが、それは海域ですからこれは全然関係ないのかと思っていたら、いま聞いてみたら、海域も公共用水域の水質保全の範疇に入るということがわかりました。こういうようなことまでいったら、これは日本全国に相当あります。ですから、こういうようなものが環境基準をきめた以後と以前にかかわらず、もうすでにこれは日本の工業がここまで発展している現在のところでは、公共用水域の水質保全に関する法律案を改正して出してやったその直後からでも、今度皆さんの場合は相当の程度関心をもって、この行政に当たらなければならないような状態です。これはいままでと同じような状態では、全然だめであります。したがって、今後は、いま直接の監視機関は持たないというのはわかった、しかし、保安庁まで含めて、おそらくは他の行政機関はちゃんと監視機構を持っています。これは河川管理の関係は、河川法によって建設省持っているでしょう。それから地方自治体あたりでも、それは何か養殖事業をやったり、その河川に対してのいろいろな管理のためのそういうようなものを持っているでしょう。おそらく今後はそういうようなものと緊密な連絡をとってそしてやるのでなければ、いかに法律はつくっても、いまのような状態、富山県のような状態が再発するおそれもある。こういうようなことで、水に関することですから、経済企画庁、あなたのほうでは今度は相当本腰を入れてこういうようなことは二度と繰り返さない、こういうようなことでこの対策に当たらなければならない、こういうように思っております。  それに対しても、せっかくできても、まだ指定されるのは四十二水域ですか、全部では百ほどあるのでございましょう、それ以上ですか。そういうことになりますと、今後可及的すみやかにこれは指定し、その万全を期する、こういうようなことになりますけれども、今後はいまのような有機水銀事件、これは水俣病を再び繰り返さないためにも、相当皆さんの場合は予算的にも機構的にも大英断をもって当たらなければだめだ、こういうようなことになります。いままではたいがい厚生省かと思っていたら、今度は経済企画庁が実施官庁みたいにしてやらないとだめになりますから、その点はいままでと同じ、総合官庁であり、指導官庁である、これだけにとどまっておったならば、ようやくここでりっぱにでき上がった公共用水域の水質保全に関する法律案も、これは画竜点睛を欠くような状態になってしまう、このことをおそれます。再びこれを繰り返さないためにも、今後の体制の十全を期してこれに当たっておいてもらいたい、このことを強く要請しておきたい、こういうように思うんです。言ったことをやってみたら、あなた大きいですよ。あなた荷物大きいから、この次は長官を呼んできてここでゆっくり言うけれども、その前にあなたに言っておきますから、十分考えてやってください。その決意のほどをまず承っておきます。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 先生のおっしゃいましたとおりでございまして、ただ私たちがいままでこの水質保全法の歩みを振り返ってみますと、現在先生がおっしゃいましたように、一般水域につきましては四十二、近く三水域告示になりまして四十五水域になる予定であります。それ以外にメチル水銀関係水域二十八水域、これだけ指定しているわけでございますが、この一般水域の四十五水域のうち実に二十五水域と申しますのは、四十三年度以降に指定になっております。やはり諸般の情勢がいわゆる公害問題に対して目覚めてまいりまして、非常に協力が得られるという立場になってきまして、現在企画庁が所管しております水質保全といいますのは、非常に伸びてきております。今後、いま先生のおっしゃいましたことも心に体しまして、この力のついてきましたエネルギーをさらに増しまして、また環境基準もきまったことでありますが、関係各省の協力を得まして、さらに一そう推進してまいりたい、このように考えているわけでございます。最近非常に前向きのイナーシアがついてきているということを了承願いまして、今後ともわれわれは努力する決意を表明いたしたいと思う次第であります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 この問題に対してはピリオドを打って次に進みたいと思うのですが、先ほどこれはやはり尊敬する橋本厚生政務次官のほうの答弁の中で、県の条例が不備であった、こういうようなことが先ほどの答弁の中にあったのです。しかしながら、現在のところではそっちに委託している、委任せざるを得なかったようなこういうような、水の関係では、何ですか、経済企画庁、これも今後反省材料としてこれは提起されまして――それから東京都の場合には、逆にこの条例のほうを強くして、法律の規制を受けても、これじゃ不十分じゃないかという声が上がってきているわけです。法律の規制基準よりも、今度は条例のほうがきびしい、こういうようなものを持っておる自治体もあるわけです。しかし、逆に、県の条例のためにこういうようにして事態が起こっておる、こういうようなこともあるわけです。そうなりますと、今後は自治体と政府との協力、違法であるから云々じゃなくて、今度はその間に必要な協力関係というものが当然求められるのじゃないか、こういうように思うわけです。きびしい規制も、これもある場合においては、場所によって認められなければならないと思いますが、せめて法律で定められる常識程度のものは、それを持たないような都道府県は、条例の中に入れてこれを委託しなければならない場合もあり得るわけです。今度の場合のように、県の条例が不備であったためにこういうようなことが起きた、こういうようなことがないように、各条例間の整備、おそらくこれはただ単に整備したって、それでなくなるものじゃありませんから、おそらく政府と自治団体との間の協力関係、こういうようなものは、公害に限っては今後強力に実施されることができるはずでありますから、世論はこれが怠慢を許しませんから、今後、窓口は厚生省だとすると、全国の条例なりこういうようなものを十分見きわめるなりして、こういうようなことが再び起こらないように、今後強力な指導をしておいてもらいたい。これは自治省に言ってくれと言われればそれまでですけれども、しかし窓口は、公害に関しては、何ですか、厚生省であるという、公害対策基本法ができた当時のいわゆる佐藤総理のあのことばによっても、やはり橋本政務次官にこのことを強く要請しておいたほうが筋だと思いますので、この問題はひとつ最後に特別強力に申し述べておきたいと思います。この問題はよろしゅうございますか。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 いまの島本委員の御指摘にありましたように、必ずしも万全でなかった、結果的に万全とは言えなかった地方自治体との連絡というようなものも、この問題を通じて提起されたわけであります。私どもとして、別に公害問題ばかりではありません、あらゆる意味で、地方自治体と国との協力関係というものは、その場所のいかんを問わず努力をいたしていくことは当然でありますし、ことに、一日放置しておくことによってなおさら問題の大きくなる公害関係、私どもは自治体とでき得る限りの協力体制をとって行政指導に当たり、また協力もしてまいりたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 今回の場合は、特にこういうようなことがあったからじゃございませんですけれども、産業立地に環境破壊防止の配慮をしなければならないということがもう叫ばれてまいったようであります。そうして、これはいずれの省でしょうか、こういうようなことからして、七〇年代の産業立地のあり方については、これはもう昭和六十年代には工場用地は三十万ヘクタール、四十年の約三倍になる。無秩序な産業立地が今後行なわれれば、全国の環境が破壊に導かれる。こういうようなことからしてこういうような発想が生まれたようであります。この内容について、通産省、ひとつ御存じありませんか。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 ただいま先生が御指摘の数字は、通産省が去年産業開発の構想という作業を終えまして、それをつくりましたときの数字でございまして、昭和六十年を目標にいたしまして、これからの産業構造はどうあるべきか、その場合の立地関係にはどういう配慮を行なわなければならないかということをいろいろ検討した結果でございますが、現在の成長率その他から考えますと、むしろ土地の所要量が昭和六十年で三十万ヘクタールというのは若干過小でございまして、おそらくそれよりもなお膨大な土地が要るのではないかという見込みが漸次強まっております。  で、一方で成長率を維持しながら、一方において環境破壊を避け、国民の福祉を向上させるという、この二つのいままでは相反する目標を、何とかこれを両方両立させるような形をとってこれからの工業のあり方を考えたいということを、通産省は基本政策の一つとして取り上げておるわけでございまして、具体的には、通産大臣の諮問機関といたしまして産業構造審議会というのがございます。その中に立地部会というのがございまして、その部会の中に大規模工業基地委員会というものを設けまして、現在昭和六十年を目標にした場合のいろいろな問題点を検討しておる最中でございまして、この七月に中間答申、それから年末に本格的な答申を得て、今後の工業開発の基本方針といたしたいということで、作業をしておるわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それにしても、そのための工業立地規制法案というのがいままで日の目を見ないままに、いつでも胎児のままで葬られている法律案なのでありますが、こういうものは今後は必要がないという判定をもう下されたのでしょうか。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 永久に必要はないという判定は下しておりません。ただ、一方におきましていろいろ情勢の変化がございます。一つの変化は、公害対策の施策が、先生よりいろいろ欠点の御指摘があったのでございますが、客観的に見てやはり相当整備されまして、ある工場が公害過密地帯に新しい工場を建てようといたしましても、それに対する公害防止基準から来る資金的な重圧等を考えますと、なかなか工場の建設ができない。したがって、工場は新しい土地を求めて新しいほうに進出していくといったような情勢が一そう濃くなってまいりましたし、また一方、新都市計画法あるいは農村地域振興法等の用途地域の指定といいますか、そういう関係の法律も整備されてまいりましたので、工場が公害過密地帯に立地する件数も漸次減っております。  ところが一方、これを受け入れる団地にしても、あるいは大規模工業基地にいたしましても、これを受け入れる対策がなかなか進まないという面がございますので、むしろ重点を、工場の立地規制よりは、新しく進出する工場が必要とする土地を造成するほうに重点を置いて、そういう対策が必要ならば法律も考えましてやったほうがいいのではないかというぐあいに、漸次考え方が変わってまいりまして、この辺の基本的な方向も、ただいま御説明申し上げました大規模工業基地委員会の一つのテーマになっております。われわれはその委員会の答申というものを、実はいま心待ちに待っておる次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 もうそろそろ終わります。  まず、その前提として、最近、四月十九日の新聞ですが、「厚生省指示」ということで「“公害工場”告発を、大気汚染防止の徹底へ」という見出しで、これは出ております。これはなかなかいい記事であります。「公害防止の実効をあげるため本年度は違反企業や工場をどしどし告発せよ――と、厚生省はこのほど各都府県に対し、大気汚染防止法に基づく規制に違反したばい煙発生源を、知事が積極的に告発、現在生かされていないこの法律の罰則規定を十分活用するよう指示した。」こういうふうになっておるわけであります。この問題、これほど強い態度で臨んでもなおかつ漏れますけれども、厚生省がこれまでに決意したということで、私はやはり賛辞を呈しておきたい、こういうふうに思うわけです。  さて、こういうふうになってみた場合には、では公害工場といわれるものは、大気汚染の面にだけとどめているのかということは当然うらはらに出てくるわけです。いまのような水の場合も当然これに該当するわけなのですが、経済企画庁並びに通産省、厚生省ですか、こういう工場などの場合には告発するような、こういう強い御意思をお持ちでないのかどうか。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 私どもは別に水の場合と大気の汚染の場合とに差を設けるつもりはございません。しかし、先生おっしゃるとおり、いわゆる大気汚染についての環境基準の設定というものが行なわれてからある程度の時間がたちました。そして今日、それだけの時間をかしてなおそれに従わない企業、これに対して私どもは制裁手段をとることは当然だと考えております。いま島本先生からめずらしくおほめをいただきまして、厚生省としてはお礼を申し上げますけれども、こうした措置をとろうとしておるわけであります。しかし、御承知のとおりに、水質についての環境基準の設定が行なわれ、今日その環境基準に従わせるように、まず第一段階の措置を講じつつあるさなかであります。従来、国の法的規制がゆるかったために、必ずしも公害防除に対して全力をいたしておったとはいえない企業でありましても、今回水質に関する環境基準が設定されて、それぞれの企業は努力をいたしておりますし、また、努力をしてもらわなければなりません。一定の時期を経てなおのほほんとほっかぶりをきめ込むような企業がありましたら、これはやはり大気の場合と同じように私どもは処分をいたさなければならぬと考えております。ただ、現実の時点においては、既存の企業も水質の環境の基準の設定と同時に、そのレベルまでそれぞれの工場の公害防除設備というものも改善していくでありましょうし、またそれだけの時間もかさなければなりません。その中において、たまたま今回おしかりを受ける原因になりましたような、非常に道義的に責任をとるべき企業がありました場合に、それぞれの個別のケースを処分していくことはむろんのことであります。今回の時点においては、まず大気汚染に手がついたということでありまして、順次これから水につきまして、あるいはその他のものにつきましても、同じような措置をとってまいるつもりであります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 したがって、再びああいうようなことを起こさないという一つのステップとして、微量重金属排出規制にかかるところの特定有毒物質規制法というようなものもそろそろ日の目を見せてもいいのじゃないかと思いますが、まだ生活環境審議会で検討中でございますか。この問題の経緯についてお知らせ願いたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党厚生政務次官

○橋本(龍)政府委員 先生御承知のとおりでありまして、実は審議が続いておるさなかであります。そうして単独立法を必要とするかどうかについて、法制専門委員会の中での議論も実は分かれております。と申しますのは、特定有毒物、今日非常に強く問題にされておる水銀あるいは水銀化合物あるいはカドミウム、こうしたもの以外にも実はおそらくいわゆる重金属類は当然対象として考えなければならぬものが多くあると思います。今日の科学においてすでに有毒だと判定をされておるものもありますし、また今日の科学の水準においては必ずしも有毒とはきめつけられていなくても、今後において科学の進歩とともに新たな問題の発生するものもおそらくあるでありましょう。そしてむろんこれらのものに規制を加えていくことは当然であります。  カドミウムの環境汚染を一つの例としてこの困難性を申し上げますと、ごく微量のカドミウムというものは自然の土壌中にも実は存在をいたしております。そしてまた、植物の中でも、たとえば米のようにカドミウムを非常に吸収しやすい、その性状として好む植物等もございます。ごく微量のカドミウムの存在を、これも完全に許さないとなりますと、自然の土壌中のカドミウム、現実に法的に規制の困難な部分も率直に申し上げてあるわけであります。  また同時に、現行あります食品衛生法でありますとか、あるいは劇毒物の取り締まりに関する法律のようなもの、こうした法律を運用していくことによって、特定有毒物の排出を押えていくこともできるはずだという実は審議委員の方々の御意見等も現実にありまして、そうした議論が非常に熱心に続けておられますために、今日まで結論を得ておりません。ただ、この法律ができるとできないとにかかわらず、いやしくも人間の生命、健康に被害を与える可能性のあるようなものを、現行の法規の運用によって取り締まっていくことは当然でありまして、私どもはこの審議会の結論が出ないからといって、特定有毒物の排出の規制に手をゆるめるつもりはないということだけは、ぜひ先生にも御認識をいただきたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 この問題と相似通った問題で、公害罪の設定の問題が法務省関係にあったこと、御存じのとおりであります。公害罪を設定するとなると、刑法全体の問題からこれは考え、なおかつ手をつけなければならない。全体を手をつける場合にはとんでもないことになり、これはとうてい不可能に近いものであるから、これは単独立法にしてでもこれをやりたいと思っているというのが、現在の小林法務大臣の言であります。まあそういうようなことと似通うかどうかわかりませんが、いま出たような問題に対する規制の一つの手段として――やはり自然から出ておるカドミウムのあることは十分知っておりますが、そういうようなものはそういうようなものとして、地の中からわき出てきても被害を与えなければまずまずでしょうけれども人工的に、人為的に排水としてこれを出してやることによってまた被害を人に与える、こういうようなものであるならば、たとえ有機水銀であろうとなかろうと、こういうようなものに対しては、やはりあらゆる手段をもってしてもこれは規制しなければならない問題ではないかと思います。考え方はいろいろあろうかと思います。したがって、こういうような問題についても、なお深く検討されるように、これは心から望んでやみません。これに対しては答弁は要りません。  あまり時間をとってほんとうに申しわけないと思いますので、最後に聞いておいてやめたいと思います。  これは経済企画庁でしょうか、今後は公害の理論武装するためには計量化を試み、費用負担もはっきりさせたい、こういうような意向が産業連関分析という名において経済企画庁で考えられているようであります。内容はつまびらかでありません。この公害の計量化ということはどういうことなのか、これが国民福祉の向上をはかる、こういうようなことにどういうようにつながるのか。産業廃棄物等に関する調査をもとにしたというけれども、これは一体どういうような進展を示しているのか、これはことばでなければあとからはっきりした資料としてちょうだいしたいのでありますけれども、この発想は私はすばらしいと思うので聞きたいのです。いまここで答弁願えましょうか。願えなければあとから資料としてもらってもよろしいのですが……。

小金芳弘経済企画庁経済研究所主任研究官

○小金説明員 ただいまの先生の御質問は、おそらく先日の新聞に出ていた記事かと思います。私は経済研究所の主任研究官をやっておりますが、現在経済企画庁では、この種の問題の計量分析、それからこれを費用効果分析にかけて、実際の政策にどういうふうに使うかということに関しまして、問題意識としてはわれわれもこういうものにいずれにしても取り組まなければならないと思っております。ただ先ほどの産業連関分析にかけて云々ということは、非常に具体的になっておりますが、産業連関分析というのは、この間の公害会議のときにレオンチェフが提議をいたしました一つのまだほんとうのアイデアの段階でございまして、何といいますか、非常に独創的な考えであると思いますが、これは実際のものにするには非常に時間がかかるかと思います。社会的費用の数量化という問題が、実際の技術にいたしますまでに非常に時間がかかりますが、技術的な検討もできるだけ早く開始したいというふうに考えております。したがいまして、現在の段階で差し上げられるようなものは、特に具体的にまだございません。

島本虎三日本社会党

○島本委員 長い間皆さんほんとうに御苦労さまでした。このあとからまだありますから、ひとつよろしく願いたいと思います。  なお、きょうは皆さんに、初頭少し爆弾を落としました。というのは、いつもこの委員会が能率のいいことは皆さん御存じのとおりなんであります。ことに大臣が必ずここに参りまして、各省責任のあるような姿勢をいままでくずさなかったのであります。ただ、きょうは法律の関係で厚生省も忙しかったには相違ありません。しかしながら、隣の第三委員室も、あの当時の社会労働委員会も終わっておりますし、参議院のほうでは公害対策特別委員会だけが開かれている。そしてその中の必要な人員に対しても、向こうの委員長代行との間で話し合いもついているはずであります。そういうような点から、来る人があまりにもわれわれを畏敬し過ぎて来なかったのか、忙しくて来なかったのか、それはわかりませんが、かつてないように人が不足でありました。そのために、会議が進まないという事態がありました。そのために、これは強力に申し入れておきたいと思います。公害対策に対しましては、窓口はやはり厚生省でございますから、今後とも、この公害の質疑応答は、国民の一つの期待をになってわれわれ自身が行なうわけでありますので、そういうような観点からしても、ぜひとも早めに来ておっていただいて、少なくとも議事を早く進ませるように協力を願いたい。このことを心からお願いを申し上げまして私の質問をこれで終わる次第であります。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 米原昶君。

米原昶日本共産党

○米原委員 時間もだいぶおそくなりましたが、私は具体的な問題を一つだけ聞くので、できるだけ時間を短かくやります。  問題は、いまこの東京都内でも非常に各所に起こっておる問題なのであります。今後大きな問題になると思う、そういう問題に関連しますから、そういう意味で答えてもらいたいのです。  というのは都市再開発の進められる中で、各地に起こっておることですが、いままでの住宅街のどまん中に、高層のマンションがぼんぼん建っております。そこで、ほとんどのところで日照権の問題が起こっておる。こういう問題を今後どう解決されていくかという点について、具体的な問題が一つ起こっているので、それを通して聞きたいわけです。  具体的に起こっておると申しますのは、東京都内の大田区の大森北四丁目です。そこに昨年の五月までシラ湯という一つの銭湯があったのです。そのふろ屋さんが経営困難でつぶれてしまった。二百坪くらいの土地ですが、そこを買ったのですね。買って、そのあとに何ができるかというと、マンションができる。これができると、もうできた場合の光線のぐあいから何から、全部図面ができておりますが、近所の三、四十軒の家が全部日照を奪われるような状態が起こるのです。そこで地域の人も非常に反対して交渉をやっているのです。この交渉には大田の区役所も初め出てやっているし、それから厚生省にも陳情があったと思うのです。東京都議会でも問題になってやっているようですが、解決がついていない。  そこで、最初に一つ、日照権の問題というよりも、この問題でちょっと聞きたい点があるのは、土地を買ってそこに高層マンションを建てるというところは、財団法人社会保険福祉協会、ここがやっているのですね。私もちょっと聞いたときに、社会福祉協会というのは一体どんなところだろうと思ったのですが、社会福祉と名乗っている協会がそういうことをやっているわけなので、これはずいぶんえらいことだと思ったのです。  説明を聞きますと、こういうことなんですね。社会保険福祉協会というのが六千万円ほど出して、二百二十坪の土地を買った。その家を建てる資金というのは、厚生年金保険料の積み立て金を、政府から三十五年の期限で借り入れたものでやるのだ。その借り入れ金はマンションの入居者が三十五カ年間で返済するのだ。その間協会が建物の管理の責任を負う。入居者は厚生年金保険の加入者であるが一般には公募しない。私、直接協会にも行って調べてみたが、一般に公募しないというわけではないけれども、公募するやり方が非常に狭いようですね。結局、年金保険の加入者が入る家だということになっているのですが、聞いてみるとそれに入るためにまず頭金として百八十万円出す。それから二百二十万円が、その福祉協会を通じて年金事業団のほうからくる。これを三十五年で返すということになっているというのです。  では、福祉協会というのは、そういうマンションを建てるような仕事をやるところなのか、私はちょっと変だと思いまして、協会に行って調べてみたのです。協会の定款をみますと、この協会の目的というのは「本法人は、厚生福祉に関する調査、研究、広報、出版等を行うことによって社会保険の被保険者及び被保険者であった者並びにその家族、特に中小企業等の被保険者等の福祉の増進をはかることを目的とする。」、こういうふうに書いてある。こういうような趣旨が書いてあるのです。そしてどういう事業内容かというと、いま言いました調査、研究、出版というような仕事もありますが、その四番目に「被保険者等の住宅、その他の福祉施設並びにこれらに付帯する施設の建設、賃貸及び分譲に関すること。」という事業内容になっておる。だから、これが財団法人として厚生大臣が許可を与えている団体で、そうして事業内容にも確かにそういうことが書いてある。だから、これは一応合法的かもしれないけれども、しかしいやしくも社会保険福祉協会、結局これは政府の金が事業団を通じて出るわけですね。そうして百八十万円も頭金を出して三十五年間で返していくというのだけれども、これじゃ社会福祉ではなくて普通のマンションと――少しは安いのかもしれない、事業団からの金でやるので。しかし、ほとんど変わりないですね。そういう事業をやっている団体が日照権の問題を引き起こしている。こりいうことに対して私は非常に疑問を感ずるのです。一体こういうことを許していいのか。いま住宅等も非常に深刻ですから、事業団からそういうところにこの年金を回すことに私は反対しているわけではない。最も効果的にそれをやってもらいたいのです。しかし、そのためには何より、一般のやっているような高層マンションというようなものではなくて、高層でもいいですが、もっと一般の勤労者が入れる、またこの協会の目的に書いてある中小企業等の被保険者のための福祉ということがはっきりしているならまだわかりますが、こういう点がどうなっているのか。その点で厚生省の保険局の方に聞きたい。

出原孝夫厚生省保険局企画課長

○出原説明員 御指摘の社会保険福祉協会は、昭和四十年の初めに厚生省が認可した民法の公益法人、財団法人でございます。その事業につきましてはすでに先生が御指摘なさいましたように、「事業」の四番目に、「被保険者等の住宅、その他の福祉施設並びにこれらに付帯する施設の建設、賃貸及び分譲に関すること。」ということを事業として行なっております。その資金は主として厚生年金の還元融資を年金福祉事業団から借りて、それと住宅に入居する予定の人たち、これは募集しておりますけれども、そういう人たちの出される自己資金と合わせて住宅をつくるということで、これを分譲しておるわけでございます。二百二十万円の金額に対しまして大体月額一万二、三千円になるかと思うのですが、そういう形で返済をしていただくという形でやっておるわけであります。すでに、四十年以来三カ所ばかりつくっておりまして、事業そのものは私どもは順調に進んでおると思います。全体がこの法人のみずからの責任で行なっていくということで、かつこれが被保険者の福祉の増進に寄与する事業の一つとして住宅建設の事業は事業団でも認められておる事業でございますので、これを実施するという形で進んでおるわけでございます。したがいまして、私どもは住宅の分譲、住宅をつくるという事業そのものは、この団体の目的に合致したものであると考えております。頭金の相当程度の金額が必要であるということにつきましては、もともと年金福祉事業団は資金の貸し付けの場合におきましても、相当程度の自己資金があって、将来返済について間違いがないということを一つの条件にしております。賃貸住宅と違いまして、その点は厚生年金の被保険者に対する福祉の措置の中でも、賃貸住宅でやる場合と、それから分護住宅で行なう場合とございますが、特に分譲住宅の場合には、そういう意味で財源的な、要するに資金的なものの確保ということが、これは返していただかなければならない金でございますので、それが重要視されている。したがいまして、そういう意味で相当程度の当初の資金の準備が必要であるということは、成り行きから申しましてやむを得ないことだと考えております。  御指摘の日照権の問題につきましては、私どももその後いろいろ事情は聞いております。ただ、この問題につきましては、むしろ私どもはその法人がみずからの責任において行なっておることでございますので、公益法人として良識を持って処置をしてくれるものと期待しております。

米原昶日本共産党

○米原委員 いまの説明を聞きますと、年金の被保険者というとこれは非常に幅広いと思うのですね。私たちが考えているような、いま住宅で非常に困っている、そして低家賃の住宅を何とかほしがっている、そういう人たちを助けることが社会福祉というときに、そういう概念の中には入らぬと考える。この点に対しては地域の住民は非常な憤りを持っております。そういうことを社会福祉と称して、一部の少し金を持っているそういう連中の家だけはうんと建てさせて、それをこういう年金の金でどんどんやらしていく。こういうものを厚生省は社会福祉と一体考えているのか。これでいいと思っているのかということを聞きたい。

出原孝夫厚生省保険局企画課長

○出原説明員 この団体の設立の趣旨を申し上げますと、これは厚生年金の被保険者に住宅を提共する資金を貸し付けるということでございますが、特に大企業につきましては、企業みずからが年金福祉事業団から借りて建物を建てる。そして職員に分譲したり、あるいは社宅として賃貸しをするというような場合が非常に多いわけでございますけれども、中小企業につきましては、こういった団体がみずから率先して行なうというようなことが要請されるわけでございます。ただ、社会保険福祉協会と名称をつけましたのは、社会保険の被保険者の福祉の増進をはかるという前提での名前でございまして、そういう意味では、社会福祉一般にこの協会が貢献するという趣旨ではございませんので、その点はお断わり申し上げておきたいと思います。

米原昶日本共産党

○米原委員 実際に私、この協会に行ってこれをもらってきたのです。ここでやっている中にも、たとえば船橋でつくっている分譲住宅の説明がありますが、これは中小企業の人が寄り合って金を集めて、それを福祉協会が中に入ってまとめて、それに年金の金を回して建てたという形で、ここの定款に書かれている目的に全く沿ったような仕事はやっているし、こういう仕事は私けっこうだと思う。ここに絵が書いてありますが、こういう二階建ての、おそらく中小企業に入っている人を助けるためには、ずいぶんこういうものは必要だろうと私は思いますし、そういうところに年金を出すことはもちろんけっこうだと思うのです。ただ、それ以外に、最近建てているのは主として東京都内に、これはいわゆるたいへんな高層マンションですね。ここに写真もありますが、赤羽の岩渕町の八階か九階建てのものですね。こういうところに年金の金を回していくというやり方ですね。ただ、この社会保険の金を、そういうところに回してやろうというだけのことでやっているような印象を受けるのです。  それで、この協会をつくるのも、たとえばこれは定款を見ますと、十人ほどの人が集まって一人当たり十万円、基本財産というのは百万円ですね。そしてそれだけのことでこういう仕事を全部やっているわけですね。そのほかに協会の運営の費用としては、福祉事業団の融資の返済の事務の取り扱いをこの協会はやっている。その手数料が入る。それから住宅建設の場合には、費用のうちの三%が事務経費としてこの協会に入るという形で、基本財産が百万円ですね。十人ほどの人がおそらく――どうも以前厚生省の職員であった人が多いようでしたが、そういうような人が中心になって、十人ほどで百万円の基本財産ということでこの協会ができている。そうするとそこにどんどん仕事をやるのですね。そして普通の一般のマンションとあまり違わない――確かに若干安いかもしれない。しかし、そういうものをどんどん建てていくようなところにこれは使われている。住宅問題全体の解決という点で、この年金を有効に使うことは必要だと思うのです。しかし、普通の業者がやっているマンションを建てるのとあまり違わないやり方でやっているということですね。こういうことを、非常にけっこうなことだと思っておられるのですか。

出原孝夫厚生省保険局企画課長

○出原説明員 先生の御質問の過程でお話が出ました船橋の住宅につきましては、これは建物が四十九・六平米でございます。大体十五坪くらいのものでございます。その後二カ所つくっておりますが、これは大体十六、七坪から二十二、三坪くらいまでの間、一戸についてはそういうことでございます。御指摘のような九階建てを、赤羽につくっているわけでございますけれども、これも一軒一軒について二十坪から二十二、三坪まで、大体その程度のものにしてつくっておるようでございます。したがいまして、外見上非常に大きなものになっているのでございますけれども、一戸一戸の入居者につきましては、そう常識はずれなものをつくらせないということで私どものほうも指導いたしておりますし、法人自体も、むしろそういうようなことで心がけておるようでございますので、その点は私どものほうの指導も心がけていきたいと思います。法人自体も、今後ともそういう意味で仕事を進めさせていきたいと思っておりますので、御了承願いたいと思います。こういう事業につきましては、特に住宅につきましては、特に東京を中心とし、あるいは都市付近におきましては住宅の不足の非常にはなはだしい時期でございます。したがいまして、これ一つが住宅対策の解決になると私どもは考えておりません。公営の住宅でございますとか、あるいは公団の住宅でございますとか、それから会社等のつくります職員住宅でございますとか、こういうものを全部合わせましての対策ということになってまいりますので、そのうちの一環としてこれが行なわれるということは、私どもはべらぼうなものをつくらせないという前提で、しかし、鉄筋でございますから、将来六十年も七十年も使うものでございます。したがいまして、将来スラムになるようなものをつくってはいけないということを配慮しながらこういう住宅建設を進めていくということ、それ自体はやはり必要であろうかと考えております。

米原昶日本共産党

○米原委員 そうしてひとつは、付近の人もいろいろ聞きに行っておるのですが、被保険者が付近にも一ぱいいるわけです。これはどこでもいます。そうすると、そういうのが、それなら入れてくれるのかというと、もう満員になっているのだというような――申し入れをしてとってあるのですね。申し込みは来ている、それを優先的にやるのだというようなことを言っている。私がすぐ協会に聞いたところが、まだそういうようなのは来ていないのだ。当事者の言うことは当てにならないのですが、うっかりしゃべったのでわかったかと思うのは、これは厚生省の人に充てるのだとか、あるいは保険関係の事業に関係しているような職員の住居にするのだとか、住宅に困っている人の一般の問題、被保険者の福祉ということでなくて、全部被保険者には違いないが、厚生省の官僚とか、それから保険関係の高級職員とか、百八十万円も頭金を出すというのは、一般の勤労者では無理でしょう。そういうものにやっているとしたら、これはどういうことになりますか。それでこれが厚生年金の金が回ってきてやっている、そういうにおいが非常にくさい。できたらもうこれに入れる人の素性から何から全部私たちに知らせてもらいたい、こういうことをやっているのだったら。

出原孝夫厚生省保険局企画課長

○出原説明員 いま大森のほうで予定されております住宅につきましては、その入居者につきましてはまだきまっていないと私どもは承知しております。したがいまして、御指摘のようなことがあるのかどうか、私どもは承知をいたしておりませんけれども、こういう特定の小さな事業、小範囲の事業でありますから、募集の際にもある程度縁故的なものがあるかもしれないと思いますけれども、特権的なことでこういう人たちをきめるというようなことはなかろうと思いますし、私どももそういうことのないように指導をいたしてまいりたいと思います。

米原昶日本共産党

○米原委員 そうしますと、その近所の人でも希望者がないわけでもないらしいのです、この日照権の問題になっている人たちの中にも。それなら私を入れてくれないかというのだってあるらしい。ある意味で当然被害者ですからね。そういう人たちを入れるということも可能なものにしてやればいいわけですね。

出原孝夫厚生省保険局企画課長

○出原説明員 そのとおりでございます。私どもの聞いておりますのは、そういう申し入れがあって、それについては一緒に考えましょうというようなことを提案しておる、ただしこれにつきましては、資金の要ることでございますので、その辺についてはまた年金福祉事業団ともかけ合う必要がある、それから各個人個人として負担すべきものを確実に出していただくということでありますとか、地域の全体の人との話がうまくつくかどうかということで心配しておるということは聞いておりますけれども、これはまだ私どもも地域の人と話し合いの過程にあると承知いたしておりますので、役所としていまどうこうというべき時期ではないと考えております。

米原昶日本共産党

○米原委員 いままでの経過を聞きますと、一月にこの問題が起こって、最初の設計図面ですね。H型の、こういう形で、その地域にびっしり、五十センチメートルですか、かきねのところまで建てるわけですね、そういう設計になっている。いろいろ議論が出て、設計をし直すということになった、それで、できるだけ日照権を奪うようなことのないような建て方をしようというような話も出たのですね。この四月です。四月になって新しく設計し直したものが出ている。ところが、最初のは七階だったのが少し狭めたものだから、部屋が足りなくなるというので、逆に八階にしているのですね。それで私厚生省の方からもちょっと聞いたのですが、設計し直してよくなったようにどうも聞いていられるらしいけれども、設計し直した結果、初め問題になった地域は若干緩和されたけれども、全体は高くなるわけですから、逆に全体としては、前よりも状況が悪くなっているというので、おこっているのです。  もう一つは、社会福祉のことに使うというならばというので、地域の人は――そういう問題があっても、日照権の問題はありますが、それだけのことを社会保険福祉協会というものがやるなら、大田区の区役所にも請願書が出ているらしいが、ひとつ一緒になって、もっと地域の社会福祉にも役立つような施設をこの中にも加えてやったらどうかとか、あるいは実は銭湯だったわけですね。これがなくなったというので、地域の人たちは困っております。東京都でも銭湯の値上げの問題がこの場で起こっておりますが、そういうような関係もあって、都のほうとも話して、一階と二階は都営のふろ屋にしたらどうかというような案も出ている。話し合いの中では、協会の人の一部ですが、正式の意見じゃないらしいけれども、一、二階はふろ屋にしてもいいんだという話もあったらしいのです。しかし、最後の交渉になるとそんなものは全部だめで、八階建てのマンションになってしまったのです。それでもう一切受けつけない、建築基準法には違反していないんだから、裁判をやっても負けないのだというようなことだけ言って、全然地域の住民の意見は無視しているという状態になっていると聞いているのですが、これは厚生省が直接やっておることでも何でもないわけです。しかし、監督下にある、厚生省が認可を与えた法人ですね。そこがやっている仕事ですから、これはやはりこういったもので付近の住民にそういう迷惑をかけるようなやり方をやるというのは、最もまずいやり方だし、ここの場合、地域の人が相当活発に動いて、区役所から都議会から問題になっているから、協会もそうむちゃくちゃなことはできないが、多くの場合は泣き寝入りになっている。これがたまたまのケースではなくて、今後もこういうことは大いに起こり得ることだ、こう思うわけなんです。ですから、厚生省としてこれをどういうふうに指導されようと思われるか、そういうことをひとつ聞かしてもらいたい。

出原孝夫厚生省保険局企画課長

○出原説明員 この法人は、先ほども申し上げましたように、民法上の公益法人でございまして、そういう意味で、公益に反しないことをやるということが中心でございます。したがいまして、いやしくも法に触れるようなことをやろうということでございましたら、私ども監督権を発動してこれをやめさせる必要がある。ただ、非常に微妙な問題を含んでおりますので、これはその法人の良識にまって、地元の人とよく話し合ってもらうということを期待いたしたいと思いますし、そういう意味における指導を私どももいたしたいと思います。

米原昶日本共産党

○米原委員 法に触れないということになりますと、私は、いまの建築基準法で、ことにこの日照権の問題は非常に問題になっているところだと思うのです。やはりこの点は、法そのものを今後変えていかなくては、この日照権に関する問題を解決しておかないと、今後こういう問題、都市再開発の中でどんどん起こります。そういうふうな意味を持った問題で、法律的にはこれは確定されていない。しかし、基本的な権利の問題だと思うのです。つまりいままでの建築基準法の考え方からいたしましても、やはり二十九条で言っているように、とにかく日の当たらないような家はほんとうは基準としていけないわけなんですね。ただこの場合は、別に新しい家を建てて、そのものがまた違反してなければいいということでどんどん建てている。実際は、長年の間ちゃんと太陽に恵まれたその地域なんです。そこに新しい家が建つ。この新しい高層マンションは、これ自体は何もいまの建築基準法には違反していない。しかし、その周囲の日照権を実際上奪っていくことになりますと、建築基準法の基本的な精神にやはり違反してきているのじゃないか、そういう問題なんですがね。ですから、この点で建設省のほうに聞きたいわけなんです。こういう問題に対して、この一つのケースだけでなく、こういう高層マンションがおそらくどんどん建っていくことになるでしょう。そうすると、至るところにこういう関係の問題が起こってきます。これに対して今後どういうふうな態度で臨まれようとするか、この点を答えてもらいたい。

高瀬三郎建設省住宅局市街地建築課長

○高瀬説明員 先生の御指摘たいへんごもっともでございまして、実は、今国会で建築基準法の改正を現に審議中でございます。この改正案の中で、私どもは、日照に直接結びつくまではできませんけれども、住宅地の日照条件をできるだけよくする努力を払うということで、まず基本的問題として説明申し上げますと、いままでの日本の都市というものが大体木造都市で、一、二階で建っておるわけでございますが、最近のような土地の高度利用の要請と申しますか、地価も非常に上がっておりますし、土地を高度に利用する必要というのはますます強くなっている。そこで、そうなりますと、そういう低層の住宅地と、それからこれからどしどしふえるであろう中高層の住宅地、これをまず仕分けをする必要があるだろう、ここは低層の住宅地として将来相当の期間保つべきである、ここはむしろ中高層の住宅地として全体をアパート地区という形にすべき地区だというふうな仕分けが必要だということを考えているわけであります。その仕分けをした地区につきましては、それぞれある程度の敷地の北側からの後退距離もきめましょう、高さが高くなれば、北側をあけてつくれというルールをある程度きめようじゃないかということを、現在法改正の骨子に入れてございまして、いまの基準法の改正の大きな一つのポイントにしております。

米原昶日本共産党

○米原委員 その点の考え方はけっこうだと思うのです。それはぜひそういう方向でやってもらいたいのですが、法改正だけですべてやろうとすることはおそらく非常に困難でしょう。しかし、いま言われた考え方で、そういう専用地区をつくる、ここは高層住宅地域である、ここは低い住宅地域、そういう基準をきめて、そういうところには高層住宅をつくれないとかいう基準をきめて指導するようなやり方、これはしかし、日本ではそういうことをきめても実際上はかってに破る者も出てくると思うので、一般の住民にも、ここはこういう地域だということを徹底的に知らしておいて、違法というよりも、法律には違反していないかもしれないけれども、そういう基準に違反したもので非常に迷惑をこうむるというようなことがあった場合には、その地域の住民が、どこにこの問題を持っていったら解決つけられるかというような、そういうやり方ですね。これはほかの国でもそういうことをやっているようですが、ぜひそういうふうにして、日照権の問題をいまの法体制のもとでも可能な限り解決するようにやっていただきたいというのが私の希望なんです。  そういう中で、現実にさっき話したような事件ですが、建設省としてこういう場合にどう解決したらいいと思われますか。やがて建設省の問題になるのですがね。

高瀬三郎建設省住宅局市街地建築課長

○高瀬説明員 実は私、具体の事例の場所もよく理解いたしておりません。はっきりした解決法について、いまの立場でこうしろと言うことができません。ただ、一般論としまして、最近至るところでおっしゃるような問題が起こっております。そういう問題で、その地域の佳品の方とお建てになる方との間でトラブルが非常に多い。現在、建築基準法のあり方というのは、基準に合っていれば確認をしろという態度です。したがいまして、それから先は基準法行政ではない。そこで私どもが言っておりますのは、建築行政というのは非常に地方に密着した行政でございますから、地元の住民に密着した行政でございますから、地方公共団体の仕事として、要するに建築基準法の行政ではなく、それも一端かもしれませんけれども、地方自治体の立場で、この地域はひとつ低層の住宅地にしようじゃないかという場合には、そこを都市計画ではっきりきめていったらどうだろうか、ここは中高層の住宅地にしようというところははっきりきめたらいいだろう、高さは何メートル以上にさせまいと思ったらそれをきめたらどうか、これが一番最初に考えられる制度でございます。現在の都市計画の制度だけから申しますと、高度地区という制度がございまして、たまたま東京都の場合には十メートルの制度をかけて天井をきめている地域もございますし、それから北側斜線といっておりますけれども、敷地の北側から後退距離をある程度定めているような制限もやっております。地域住民が、ある程度そういうことでまとまって自分たちの環境を守ろうとする場合に、区役所などに申し出ていただいて、こういうことがやりたいんだという話があって、それを公共団体が取り上げて都市計画にしていくということができれば、それが一つの解決法。  それから第二の解決法としましては、これは建築基準法のサイドでできることでございますが、建築協定という制度がございます。地域の住民が集まりまして、みんなで自分たちの町は二階以上の建物をつくらないようにしようじゃないかというふうなことを、住民同士の協定という形でつくることができます。これは建築基準法で規定がございます。この場合に、どうなるかといいますと、たとえある方がその自分の敷地を売りましても、その協定は後継者にすべて継承される、こういうふうなことになっております。こういう制度も大いに御活用いただきたいというふうに、私どもは、また建築行政に携わっております地方公共団体の人たちに対しましても、そういうことをひとつ住民に大いにPRしなさいということにつとめております。  今度の基準法の改正は、先ほど申しました低層住宅地、中高層住宅地の仕分けということを実はわかりやすく申し上げたのですけれども、実はすべて都市計画の地域地区として、現在かかっている地域地区を見直してかけ直ししなさいという立場で、地域地区の変更を今度の改正ではかろうとしているわけであります。

米原昶日本共産党

○米原委員 それでは、もう一度厚生省の方に聞きますが、いまの意見からしましても、地域の人は非常に望んでないわけなんです。厚生省のとにかく監督できる団体の問題ですから、これは適切な指導ができないだろうかどうか。とにかく非常に不合理なんですね。協会の定款を見ますと、確かにそういう形で住宅を建てるということになっているので、これに違反しているわけではないかもしれない。しかし、いやしくも社会保険の金で建てるという以上は、まっこうからそれに反するような印象を与えるようなものをやるということは、違反はしてないことだけれども望ましいことじゃないという点では、わかると思うのですがね。そういう点を厚生省としてどう考えられますか。どういうふうに解決するのがいいと思いますか。

出原孝夫厚生省保険局企画課長

○出原説明員 私どもも、現地を直接見てつぶさに承知しておるわけではございませんし、現在地元の人とまだ話し合いも行なわれているというように承知いたしておりますので、十分承知しない者が指図をするということにも問題はあるかと思いますが、ただ法人に対しましては、良識を持って行動するように、私どもは十分伝えていきたいと思います。

米原昶日本共産党

○米原委員 では、もう時間もおそいから、質問はこれだけにします。そういう趣旨ですから、問題は今後できるだけ私たちも努力して話し合いで解決させるようにしたいと思っております。良識のある態度で厚生省も指導していただきたい、こう思います。  では終わります。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 本日は、これにて散会いたします。    午後七時三十五分散会

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