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63回国会衆議院1970/04/17

産業公害対策特別委員会 第12号

発言数
188
登壇者
19
会派数
3
開催日
1970/04/17

会議録

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 これより会議を開きます。  産業公害対策に関する件について、調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。赤松勇君。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 最初に、建設省のほうは見えておりますね。——それでは、最初に国鉄当局にお聞きしたいのでありますけれども、御承知のように名古屋市の交通の渋滞は相当ひどいものがあります。そこで、東海道線の立体化がおくれておる。これを踏切の数で見ますと、市内に二百七十六カ所の踏切がある。したがって、これを全面的になくすためには、市内の立体化が必要だと思います。この点について名古屋市当局とどのような計画のもとに交渉されておるか、廃止される踏切は全面的かどうか、立体化されるキロ数はどれくらいか、それはどこからどこまでか、このことをひとつ明らかにしていただきたいと思います。

長浜正雄日本国有鉄道常務理事

○長浜説明員 名古屋市におきます国鉄の踏切の数は相当ございまして、それを逐次立体化するなり、あるいは高架化するなりの工事を進めてまいっておりますが、中央線につきましては、御承知のように高架化が完了いたしました。あといま残っておりまして問題になっておりますのは、東海道本線の笠寺の手前、こちらからいいますと共和−笠寺間、あと笠寺と熱田の間にございます、この辺の踏切を立体化するために、単独でなく連続高架の方式でやろう、こういうことで名古屋市と話を進めております。大体話が煮詰まっておりますけれども、実は先生御承知のように、高架化に関します運輸省と建設省の覚え書きが最近締結されまして、それによって費用分担方式その他が決定いたしました。また都市計画を決定する等の事務処理の方法も決定されました。それに基づきまして、なるべくすみやかに計画を決定してもらって工事を進めようということで、いま折衝しております。私のほうといたしましても、その都市計画決定をしてもらいますれば、予算の準備はしてございますので、すぐ着工できるように準備はしておるような状況でございます。  キロ数延長その他についてちょっと資料の持ち合わせがございませんけれども、東海道本線共和−笠寺間の大高付近の高架化で総額約二十五億くらいになろうかと思います。それから笠寺と熱田のいわゆる熱田高架と申します部分が十一、二億、このくらいの概略の数字でございます。これは概略の計画のもとに都市計画決定をしてもらいまして、具体的なことを詰めまして、工事に着工する、こういうふうに考えております。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 それでは、五点お尋ねします。  いまの協定書の内容は、どういうものか。第二に、笠寺−熱田間とおっしゃいましたが、御承知のように金山の駅は民衆駅として名古屋駅に匹敵するようなものをつくるという構想になっております。その点は、どうか。そこから熱田の間には高蔵という踏切がございますね。したがって、この踏切も通勤の渋滞の原因になっているわけです。この点は一体どうか。さらに、市の負担分はどれくらいになるのか。着工のめどはいつごろか。以上五点答えてください。

長浜正雄日本国有鉄道常務理事

○長浜説明員 協定といいますか、覚え書きの内容でございますが、これにつきましては、一つは都市計画決定をしてこの事業を行なう、それから費用の負担につきましては、在来あります線路を高架にします分は、都市計画者が約九割、それから鉄道側が一割、こういう費用負担にしておる、こういうことでございます。したがいまして、都市計画をして事業決定すれば工事に着工する、こういうことになります。そうなりますと共和−笠寺のほうは約二十五億でございますが、これは両方とも現在は複線でございますが、それを複々線にする工事が同時に行なわれますので、これを入れまして二十五億ということになっております。したがいまして、これの上げるのは在来線の一割でございますが、線増する分は全額国費の負担でございます。国鉄は約十四億、地元が十一億、概算でそんな勘定になります。それから笠寺と熱田の間は、現在のある線をそのまま上げる、こういうことでございまして、十二億ほどかかります。一割を国鉄負担、あとは都市計画者。そうなりますと、都市計画事業としてやりますけれども、国道の場合あるいは市道をどの程度含んでおるか、県道をどの程度含んでおるかによりまして、それぞれ建設省からの補助金の関係が異なりますので、具体的に市が幾らで、県が幾らで、国が幾らという数字は私のほうでははじいておりませんけれども、道路側としまして九割、こういうふうに勘定しております。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 高蔵の踏切はどうなりますか。  もう一つは、金山橋の駅の構想、それの着工の時期というものをひとつお伺いいたします。

長浜正雄日本国有鉄道常務理事

○長浜説明員 高蔵の踏切につきましては、これは連続高架の部分に入っておらないのでございまして、これは実はいま熱田の駅の前後に踏切が二つございまして、非常に交通が渋滞しておりますので、これを直すために、いま熱田の駅のところで線路の上を越える立体交差の工事をやっております。これができましてからこの三田踏切及び高蔵踏切を処置する、こういうことで、いま市のほう並びに建設省と話を詰めております。  それから金山の駅の構想につきましては、実はまだ具体的な計画を詰めておりませんが、これにつきましては、実は名古屋鉄道も入っておりますし、いろいろなものが入っておりますので、計画を最終決定するにはまだひまがかかろうかと思います。私もその辺を担当しておりましたが、あの辺は若干広げてございますので、将来何らかの手が打てるような可能性は残してございます。いずれなるべく早い機会に、地元あるいは名古屋鉄道と相談をして計画をきめたい、こういうふうに考えております。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 高蔵の踏切などは、その後ひとつ処置をしたいというお話ですが、これは立体交差、つまりあそこでは、その次の金山橋の横に陸橋ができておりますね。あの方式のものをおやりになるのかどうか。  それから、先ほど着工の時期は大体いつか、そのめどはどうかということをお尋ねいたしましたが、これはいかがですか。

長浜正雄日本国有鉄道常務理事

○長浜説明員 高蔵の踏切はどういう方式で立体交差をするかということで検討を進めよう、こういうことで話をきめております。  それから着工の時期につきましては、その手前の連続立体の問題は、都市計画決定をすればすぐ着工できる、こういうふうに私ども考えております。  それから熱田の駅付近の立体交差の工事につきましては、もう二月に着工しておりますので、これから工事が順調に行なわれるというふうに期待しております。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 建設省はまだ来ていませんか。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 堺水政課長、岡崎治水課長、久保下水道課長、この三名が来ております。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 要請した人は来ていないのか。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 川上国道第二課長だけが追って参ります。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 名古屋高速道路の公社の法案は、おそらくきょう本会議に上程をされまして衆議院を通過すると思うのです。それとの関係は、すでに市のほうと十分打ち合わせしてありますか。つまり、名古屋市内をサの字に高速道路をつくりますね。それとおたくのほうの高架とがいろいろ交錯する場所もあると思うのですが、その点についてはどうですか。まだそこまでいっていないならばいないということを答えていただければと思います。

長浜正雄日本国有鉄道常務理事

○長浜説明員 市で計画しております道路、市あるいは建設省で計画しております道路でございますので、私たちの高架の工事とは密接に連絡がついております。が、いま先生お尋ねの具体的な道路面につきましては、ちょっと私いま資料がございませんけれども、十分打ち合わせの上でやりたい、こう考えております。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 それでは、国鉄に対する質問はこの程度で終わります。どうも御苦労さんでした。  次に、建設省と、それから警察庁の交通局長にお尋ねをしたいと思うのですが、私、予算委員会の分科会で、例の名四国道の市内の開通について努力をしてもらいたいということを申し上げ、地元も猛運動しまして、昭和四十七年の八月ごろまでには開通するようにするという回答をいただきました。この際申し上げておきますが、あの地区には、帝人だとか日清紡だとか、あるいは大同製鋼の住宅等がございまして、非常に用地の確保は困難でした。しかし、中部地建の非常な努力によりまして、最近その用地の確保ができ、いよいよ着工の見通しも立ったわけです。これは、それこそ中部地建の道路部長あるいは局長の非常な努力のたまものであって、地元では感謝しております。  ただ、昭和四十七年に開通をするというのですが、その間、あの、南部地区労と申しまして、労働組合その他の諸君が非常に問題にしておるのは、これは中部地建にも話をしたのですが、内田橋というところがあるのです。ここから六号地を越えまして、そして東亜合成、その間すごい工場が建ち並んでおります。おそらく一日の労働者の通勤は三万ぐらいを数えるのではないか、こういうように思うのです。  ところが、御承知のように、名四国道が開通されていないために、あそこに自動車が集中するわけです。ことに、石油コンビナートがありますから、非常に危険な石油を積んだトラックが走るわけです。一つ間違いますと、大阪のガス事故に匹敵するような、それ以上の惨状を招く危険が十分あります。それをどうするかという問題なんです。あの道路を拡張するということは事実上困難だと思います。名四国道が開通をすれば、若干そういう混雑は緩和されると思うのですが、すでに通勤者の中で、交通事故で死亡した者、交通事故で負傷した者が、ずいぶんだくさんな数にのぼっております。もうオートバイや自転車では、トラックなどが一ぱいで、危険で、通勤できない状態なんです。そういたしますと、三万の労働者は、バス、電車で通う者は別として、戦々恐々としておるという状態です。これはひとつ中部地建と愛知県の県警とが十分に打ち合わせをしまして、人命尊重の立場から、交通公害を解消する立場から、御検討願いたいと思うのです。  たとえば、私は深く案を検討していま提案することはできませんけれども、交通規制をやることもできますね。たとえば朝夕ラッシュの時間、通勤、退勤の時間に、トラックの通行を制限するという方法も一つでしょう。あれを一方交通にするという方法も一つだと思うのです。その他考えればなお幾つかの対策が生まれてまいりますが、この点、警察庁の交通局長と、建設省の政府委員、政府委員がいなかったら説明員でも、皆さんに聞きたい。  それで、現地で中部地建と愛知県警とで、この三万人の労働者の安全を確保するために、至急指令して対策を講ずるように、そういう用意があるかどうかということをお尋ねしておきたいのです。

井口孝文警察庁交通局交通規制課長

○井口説明員 ただいま御指摘ございましたように、昨年の十一月に名四国道が国道一号線の近くまで、あと二キロ半ばかりが未完成道路として残っておるということであります。したがいまして、名四国道の利用価値がたいへん筒まりましたにもかかわりませず、あの区間だけ通れないということで、周辺道路がたいへんな混雑状況にあるということは、早くから報告を聞いておるところでございます。御指摘がございましたように、交通もたいへん混雑しておりますし、ある地点ではたいへん事故の発生が多くなっておるということでございます。また、御指摘がございましたような内田橋の前後、特に南側がひどいと思いますが、その辺の交通の混雑がたいへんひどいということは聞いておるわけでございます。  現在まで警察側として検討しております交通規制といたしましては、関連道路につきまして、右折禁止、駐車禁止、それから路面電車が走っておりますので、軌道敷内の通行を認める、さらに南北間の道路を一方通行にするというところまで検討しておるわけでございます。こういったことで、少しでも混雑緩和をはかって、早く通してしまって、流通をよくすることによって少しでもすかせようという方向で現在まで検討しておるわけでございます。特に混雑が激しい時間帯にどうするかということについては、やはり根本的には名四国道が全通いたしませんとなかなかすかないのではないかというふうに考えております。  私ども報告を聞いておりますところでは、明日、現地で、道路管理者側と打ち合わせ会をいたしまして、部分的な道路の改装の可能なところはしていただいて、警察側も、一方通行その他の相当思い切った規制をやっていくということで、何か解決策をはかりたいというふうに考えておるわけでございます。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 モスクワでは、昼間非常にラッシュのときには、トラックはモスクワ市内には通行させません。夜やっておりますね。しかし企業側が利潤第一主義ですから、人命尊重のためにそこまで協力してくれるかどうかということは疑問だと思う。これは警察庁と建設省ではなかなかできる問題ではないことは十分私承知しております。だからといって、これを放任しておくと、死者が出、負傷者が出、すでに自転車、オートバイで通勤ができないというような状態にまでなったとすれば、これは私はもう重大な社会問題だと思うのです。根本的な解決は、よしんば名四国道が開通してもあの混雑は免れません。あそこを通って柴田に出る、千鳥橋を越えて知多街道に出るということになっておる。何かその辺へ一本でっかい道路をつくらなければ根本的な解決にはならぬと思いますが、それはそれとして、いまおっしゃいましたように、ラッシュどきに、まあ一時間も規制すればかなり通勤が楽になると私は思います。通勤の時間は、大体七時から八時までですから、その間、一般乗用車は別ですが、危険な石油などを満載した車、あるいはトラック便、これの通行を制限する。夜は残業その他がありますから、これも皆さんのほうで調査していただいて、一定時間制限するというような方法をとる。オートバイ、自転車の専用道路をわきにつくるということはできません。御承知のように、あの道は、市電も撤去されましたにもかかわらず、非常に狭い。しかも、あの中間に埋め立てをしましたが、いまなお橋が残っておる。あの橋を撤去して道路にするような方法も、考えてもらわなくちゃならぬと思いますが、いずれにしましても、一定時間の制限を設ける。さもなければ一方交通にするか、それをぜひやっていただきたいと思うのです。それは愛知県警と中部地建で至急相談させるようにしていただきたいのでございますが、いかがですか。

井口孝文警察庁交通局交通規制課長

○井口説明員 極力交通の混雑を解決する方向で努力したいと思います。  石油コンビナート九号地の近くでございますが、竜宮町交差点、あるいは北頭の交差点、その付近の交通量をはかりますと、特に午後二時から三時までの時間帯につきましては、御承知のようにタンクローリーが大体七割を占めておるということで、また形もたいへん大きいので、御指摘のような心配も確かにあろうと思います。ただ通行の禁止制限ということになりますと、おっしゃいますように工場地帯でございますので、いろいろの点をよく検討しなければならないと思いますが、十分検討の対象としまして今後考えていきたいというふうに思います。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 私は、予算分科会で、名古屋港の汚染の問題について港湾局長に質問しました。と申しますのは、ただいま愛知県会ではあの防潮堤を撤去して、むしろ海水の交流をよくしたほうがいいのじゃないかという意見も出ておるようであります。つまり三重県と愛知県の間に防潮堤を災害防止のためにつくったわけですが、その間いろいろ海水の交流するような場所をつくったらどうかという意見もあります。これに対しまして港湾局長はぜひ検討したい。しかし、あれを撤去する考えはないということを答弁されておりました。私、あとでよく考えてみますと、私の質問は十分でなかったと実は反省しております。名古屋港の海水汚染をいかに港湾局が努力しましても、企業そのものがこれに協力しない、あるいは流域のそれぞれの汚水をブロック別に整理して、そうして名古屋港の外へ流す、つまり太平洋へ流す。途中で浄化装置をしまして、浄化した後、太平洋の外に流すという方法以外にないような感じが私はするわけであります。  そこで、経済企画庁にお尋ねしたいが、名古屋港の水質基準の調査についてはまだやっていらっしゃらないようでありますが、これはどうしてやらないのか、またいつごろやるつもりか、これをお答え願いたい。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 名古屋港の港湾区域につきましては、昭和四十四年度、昨年度におきまして、水質基準設定の調査を行なっております。これは愛知県のほうに委託しております。昨年度でございますから、三月までやっておりましたので、まだ正式の報告はあがってまいっておりませんですけれども、この結果によりまして、今年度中に名古屋港湾区域の水質基準を設定する予定であります。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 それは失礼ながら答弁が間違っています。県に委託されて県で調査したといいますが、現に私は、名古屋港管理組合へ参りまして調査してまいりました。その水域の汚水の基準調査は、ほんの一部分です。全体はまだ終わっておりません。おそらく一万分の一ぐらいでしょう。ほんのわずかです。それは地図をもって向こうは説明をしておりました。ですから、あなたは部下からそういう報告を受けていらしてそのまま答弁なさっていらっしゃると思うのですが、これはそうじゃありませんから、至急調査して、そして水質の基準調査をいつからやるか、またいつごろまでにこれを完了するかということを調査の上、報告願いたいと思います。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 範囲の問題でございますけれども、高潮防波堤の中の名古屋港の港湾区域につきましては、ちょっと外に出ているところもございますが、全部で十三点の調査をやっておりますから、大体現在の名古屋港内のCODなり、汚染の状況はわかってきております。それに基づきまして、このデータによりまして、四十五年度中に基準設定を行ないたい、こういうふうに考えております。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 名古屋港管理組合の管理者が、まだ調査が終わっていない。これは県から役人が来ているのです。出向しているのですよ。彼がそう言っているのですよ。肝心の委託された県庁の役人がそう言っておる。ですから、事実と違いますから、あなた、そうこだわらないで、わかりました、十分調査いたします、そう言ってくれればいいんだ。そして私に、いつごろから調査をして、その調査の結果について、これこれの対策を講じますと、誠意をもって答弁してくれればいいのです。調査が終わっておる、終わってないということで、私の質問時間は一時間で、貴重な時間をここであなたと問答をやっている時間がございませんから、ひとつそのようにしてください。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 ただいまデータも一部届いておりまして手元にございますが、先生のおっしゃいましたような事実をもう一ぺん県のほうにも照会いたしまして調査いたします。いずれにいたしましても、私どもとしましては早急に基準設定をいたしたい、このように考えております。御了承願いたいと思います。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 非常にりっぱな答弁です。それでいいのです。国会の答弁というものはそうでなくちゃいかぬ。  水質審議会から答申がたしか三月の末に出ましたね。それによりますと、名古屋市内の堀川をはじめ各河川については、アユが住めるまではいかないけれども、ざこ程度は住めるようにしたいという答申があって、たしか今月これを告示されるのではありませんか。これはいかがですか。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 ただいま先生のおっしゃいましたのは、水質汚濁にかかわります環境基準で、これが三月三十一日審議会のほうから答申をいただきまして、それに基づいて現在閣議決定に持ち込む手続を進めてございます。この環境基準につきましては、項目につきまして二つの種類に大別いたしてございます。人の健康にかかわります分、これにつきましては全国一律の数値を適用する。それから生活環境にかかわります分、これはそれぞれの水域の利水の目的その他に応じまして類型別に分けまして、この類型に応じて水域を当てはめていくということにいたしてございます。いま先生のおっしゃいました名古屋市内河川でございますけれども、水域の類型への当てはめ行為はまだきまっておりません。現在各省の間で鋭意つとめている段階でございます。それでございますから、名古屋市内河川を、どのランクに環境基準として目標を設定するかどうかということは、まだ確定いたしておりません。できるだけ早急にきめたい、このように考えます。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 新聞の報道によりますと二のそれにランクされるということが報道されていますが、これはいかがですか。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 現在一応名古屋市内河川につきましては利水という、利用するほうの目的がございませんので、現状の汚濁状態も相当進行いたしております。そのような観点から、人の生活環境といたしまして不快感を起こさない最低限度のところまではまず上げなければならないだろうという考え方で、現在企画庁のほうで素案といたしまして考えておりますのは、いま先生のおっしゃいましたように二類でございます。これは大体都市河川といたしましてよごれきっている川、東京でいいますと隅田川あるいは大阪の寝屋川、市内河川、それからこの名古屋の市内河川、このようなものはまず当面二類型に入れまして、臭気を発しない程度、その程度までを第一目標として進めたい、このような素案を持っておりますが、まだ最終的な決定ではございません。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 そこでお尋ねします。まず、閣議決定を行なって、それからどういうプロセスを経て着手されるのか、その段取りについて説明していただきたいと思います。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 環境基準の当てはめ行為につきましては、同じくそれぞれの水域がきまりましたときに閣議決定をしていくことになっております。現在のスケジュールといたしましては、これは将来の考え方といたしましては、オールジャパン、全日本の公共用水域に環境基準を設定しなければいけないわけでございますが、やはりこの作業の順序その他がございますので、当面はまず現在水質保全法によります指定水域になっている水域、この指定水域は一般水域で四十五水域ございますが、この指定水域を最優先しまして、これをできるだけ早急にまとめたい。現在の見通しといたしましては、これはやはり関係各省全部のコンセンサスが必要でございますので、できましたら四十五水域全部五月上旬には閣議決定に持ち込みたい、このように考えておりますが、場合によりましては、コンセンサスが得られない場合には、一部この中から漏れてあとに持ち送りになる水域があるかもしれませんですけれども、目標といたしましては、現在の指定水域をまず優先してきめていきます。それから引き続きまして重要な水域からどんどんきめてまいりたい、このように考えております。そして、この環境基準を達成いたしますための施策といたしましては、これは水質規制、それから下水道の整備、それから工場その他の立地規制等、いろいろな施策が政府といたしましての行政目標でございますから、公害対策基本法に基づきますような施策を総合的に実施しなければいかぬわけでございます。それらのほうの実施につきましては、閣議決定によりまして各省も了解しているわけでございますので、それに伴いまして、基準がきまりましたあとに、それぞれの分野におきまして積極的に施策を進めてまいりたい、このように考えております。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 委員長にお願いしておきたいのですが、とかくこの公害の問題については、全く各省ばらばらで、ほとんど中心がないわけです。核兵器が好きな佐藤内閣が、核を持っていない。どこへ行って問題を提起し、どこで一体処理するのか。これはもうこの段階になれば、公害防止省ぐらいなものをつくって、あのケネディが大胆に二百億ドルを投じて、そして公害追放をやろう、それくらいの勇気をもってやらないことには、それこそ高度成長経済によってかもし出されたこういうひずみというものは、いろいろな形で出てくる。これをたとえば建設省へ言うとあれは農林省だという、農林省へ言うとあれは厚生省だというようなことで、いろいろ各省にまたがっている。私は加藤清二さんのような有能な委員長が幸いおられるのだから、また産業公害対策委員会の委員諸君も見識のあるりっぱな方ばかりなんだから、この際ひとつ強力にこの委員会で決議でもして、政府に対して産業公害対策の一元化をやれ、場合によれば公害対策省あるいは公害防止省というくらいなものをつくって、それこそ予算の相当の部分をこれに投じて抜本的な対策をやらなければ、一九七〇年代の政治課題が泣きますよ。これをぜひひとつお願いしておきたい。  そこで、名古屋市会から私の手元に陳情書が参っておるのでありますが、これについて所見をお伺いしたい。  まず、「1、庄内川、新川を早急に「水質保全法」に基づく指定水域に指定するとともに水質基準を設定されたい。2、現行「名古屋市内水域」の水質基準にシアンなど特定有害物を加えられたい。3、名古屋港水域については現在メチル水銀のみが規制対象となっているので規制項目の拡充強化とともに指定水域の拡大をはかられたい。4、現行「工場排水法」では規制の権限が地方支分部局長又は都道府県知事と多元的になっており、これが画一的効率的な運用をはかるため権限庁を一元化するとともに市長まで規制権限が委任されるよう配慮されたい。」こういう陳情が名古屋市会から参っております。これについていかがでしょうか。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 この際、質問者の赤松勇君に委員長として御答弁申し上げます。  ただいま質問者赤松勇君から申し出のございました意見の条々、一々ごもっともでございます。特に公害対策行政の一元化、これに伴う予算化等々につきましては、当委員会でも再三にわたって論議をしているところでございます。いずれ委員諸公、理事諸君にもはかりまして、貴意に添うべく努力いたします。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 第一点の庄内川、新川の指定水域の指定でございますが、これは先ほど申し上げました名古屋港水域の指定水域、これに流入する水域になっておりますので、名古屋港水域と一緒に、その範囲に含めて指定いたしたい。  第二に、名古屋市内河川の水質基準にシアンを加えてもらいたい、これにつきましてはすでに四月一日でございますか、告示したはずでございます。三月の審議会におきまして決定いたしまして、全国の指定水域全部につきましてシアン、クロームが漏れておった水域は全部追加いたしました。  それから第三項は、名古屋港水域の規制の件でございますが、これは先ほど申し上げましたように、今年度中に水域指定をいたしたい、このように考えております。  第四点の、工排法二十二条の権限委任の問題は通産省のほうから……。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 工排法の権限の問題でございますが、先生御指摘のとおり、工排法の二十二条に、権限委任の規定がありまして、地方支分部局の長並びに都道府県知事に委任することができるということになっております。現実の状態は、通産省の所管業種三十八業種ございますが、そのうちの三十一業種をすでに都道府県知事に委任しておりまして、七業種だけが地方支分部局すなわち通産局長の権限ということになっております。この点は通産省としても都道府県知事のもとにおいて総合的に監視監督したほうがいいだろうということで、できるだけ早い機会に残った七業種も都道府県知事のほうに譲りたいというぐあいに考えておりますが、都道府県知事からさらに市のほうに委任する件につきましては、法律上の問題もございます。さらに実態上の問題といたしまして、河川並びに水域というのは、相当広域的な性格を持っておりますので、市に委任することがはたして適当かどうか、基本的な問題点もあろうかと思いますので、十分検討させていただきたいと思います。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 私は、いまの指定都市は特別市にすべきである、すなわち府県から独立させるべきであるという見解で今日まで努力してまいりました。御承知のように、もう三、四回前の国会でしたか、政府・自民党といろいろ話し合いをいたしまして、十六項目の行政事務につきまして、これを指定都市に委譲することによって、一まず休戦したわけでございます。ところが、依然やはり二百万、四百万というような都市が、たとえば鳥取県なとと同じように——同じようにじゃない。むしろ県知事にその権限を与える。そして指定都市の市長に権限が与えられないというのはおかしい。正しい憲法の規定によって、真の自治体というのは市町村であり、県ではない、県は中間機関である、こういう認識を私は持っております。これが誤っておるかどうかは別として、私はそう考えております。しかも、地方自治体の本旨は市町村である。その市が今日大阪のごとく、北海道あるいは神奈川などを除いて、まさにどの県よりも相当大きな人口をかかえて、さまざまな事業をやっております。ところが、その市長に公害防止に関する権限が与えられない。大阪府の左藤知事に与えられて、中馬市長に与えられないというのはおかしいと思うのです。名古屋でいえば、二百万の市民をあずかる市長にその権限がない、そうして知事に権限があるというのもおかしい。しかし、現行法では、遺憾ながらそうなっております。これは皆さんの手で改正しようと思っても、相当やはり知事会なんかでは抵抗があると思います。そういう政治問題ば別として、方法はあると思うのです。十六項目の行政事務を委譲したと同じように、この種の公害の問題につきましても、県知事にも権限を与える、指定都市の市長にも与えていくということは、私はちっとも矛盾しないと思います。これは形式論の問題ではありません、いかにして公害防止をしていくか、市民、県民のしあわせを守っていくかというのが基本的な問題でありますから、ぜひこれはひとつ御検討いただきたいというふうに思うわけでございます。  次に、警察庁の交通局長にお尋ねいたしますが、きょう、あす、実は指定都市の市長会が開かれることになっております。そこでこの指定都市、すなわち六大都市、これは北九州市、名古屋市、京都、大阪、神戸、横浜などですが、この市長会が開かれまして、ラッシュ時における大衆輸送機関の優先通行確保に関する提案をする。これは六大市が協力いたしまして、その法制化を強く政府に働きかけることになっております。  それで、いま名古屋市の状態でいえば、市の交通局の調べによると、市バスの平均時速は、三十四年で十六・五キロ、四十四年で十四・三キロということになっております。ここ十年間に二キロ前後おそくなっておるわけですね、交通が非常に混雑いたしますから。このため、四十八年度には、全廃する予定の市電を除き、市バスの優先通行確保が急務であるということで、愛知県警と協議を重ねてまいりました。たしか東京、大阪は、これをやっておると思うのです。  お尋ねしますが、これは県警本部の裁量で実施できるものなのかどうか。道路交通法など、関係法規の改正が必要であるのかどうか、この点はいかがですか。

井口孝文警察庁交通局交通規制課長

○井口説明員 大衆輸送機関と申しますのは、おそらく路線バスを主体としたものであろうかと思うわけでございますが、通勤時間帯に路線バスにある程度優先通行をさせるということにつきましては、いろいろな手段があろうかと思いますが、現在東京、大阪等の一部の路線で実施をいたしておりますのは、道路の中に白線で車両通行帯をつくりまして、その一本をバスの専用路線にするというやり方でございます。この方法は、現在の道路交通法で可能であるというように考えております。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 おそらく指定都市の議長会なり、あるいは市長会の皆さんが、いろいろ政府と話し合いをされると思いますが、ぜひその希望が実現するようにしていただきたいと思います。  なお、バスの交通労働者の危険度も考えまして、十分ひとつ対策をお願いしたいと思うわけでございます。  重ねて委員長にお願いいたしますが、先ほど委員長から非常に自信に満ち満ちた、きわめて見識の高い御答弁をいただきまして、感謝にたえません。ひとつ、その気魄でもってこの問題を処理していただきたい、こういうことをお願い申し上げまして、まだ少し時間があるようでありますが、私の質問を終わることにいたします。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 わかりました。お説の条々ごもっともでございますので、貴意に沿うべく努力いたします。  それから、もう一つ柴崎立地公害部長に対する質問が答弁漏れじゃないですか。政令市の委譲ですが、その件について御答弁をお願いいたします。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 先生御指摘の工排法の権限を特別市に委任するという点でございますが、これは非常にむずかしい問題も含まれておりますので、今後十分検討させていただきたいと思います。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 もう一つだけ質問させていただきます。  これは名古屋の南部の地区労働組合の諸君が、もう政府の対策を待つことはできぬというので、みずから公害対策に立ち上がりまして、九月十二日に南部の主要企業に対して申し入れを行ない、九月の二十日には第一次調査をいたしました。それから十月の十八日に地区労大会をやり、十月の二十六日に全国公害会議を開き、それから十一月の四日に第二次調査を行ない、それから本年の二月の四日に第三次調査を行なっております。調査の対象になりましたのは、あの地区全体であります。すなわち中部電力、東亜合成、矢作製鉄、石川島播磨、片倉工業、東洋レーヨン、三井東圧、大同製鋼、田中鉄工、それから桜井鋼板というように各分野にわたっておりますが、この中で調査の結果、悪臭、騒音、震動、粉じんについては、各住民から——過去数年間にわたってたいへんな被害を受けている柴田地区というのがありますが、この柴田ぜんそくというのが、これは呼吸器の障害でありますけれども、これがはやっております。これほどひどいのです。これは、ぜひ一ぺん委員長現地を見ていただきたいと思うのですが、私もそこで選挙のときに街頭演説をやっておりましたが、とても三十秒と持たないのです。声が出ません。亜硫酸ガスのために声が出ないわけです。したがいまして、もうとてもひどいものです。この調査を、これらの地区労の諸君が行なった。ところが南部全体の大空が汚染されていることはもちろんでありますが、いまのように、健康を害するような亜硫酸ガスがすごく発生している。各会社の対策を見ますと、全くおざなりな対策で、十分な対策が行なわれていないということが、名古屋市南部公害第一次調査報告、南部地区労ということで私の手元にまいっております。これは前にもあなたにお願いしたのですが、私は、そのときに富士製鉄のことを申し上げました。ところが、富士製鉄もさることながら、南部地区における公害というものが非常にきびしい。これにつきましても、もう早急に何らかの対策を立ててもらって、企業側の亜硫酸ガス発生に対して、これを規制するような方法、特に燃料の改善——煙突を高くしてもだめなんです。高くすればよけい公害が広がっちゃうのです。ですから、そういうちゃちな一時しのぎのそれでなしに、根本的に燃料の改善をやるとかいうような方法も検討していただいて、そして愛知県と名古屋市と協力をされまして、この前はいろいろな対策を言っておられましたが、いまの私の提案に対して具体的にいつ、どういうことをやるかということを、この南部の勤労者の諸君にはっきりと答えてやってもらいたいと思うのです。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 ただいま先生御指摘の調査報告書は、まだ実は私読んでいないわけでございますが、さっそく取り寄せましてその内容を克明に検討いたしまして、現在の法体系の中におきます最良の手段というものを見出しまして、的確な措置を講じたい、かように考えます。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 それでは委員長を通じまして私の手元へあなたのほうの調査結果、あるいは対策等をぜひひとつ御報告願いたいということを希望いたします。委員長どうですか。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 わかりました。

赤松勇日本社会党

○赤松委員 それでは、以上をもって終わります。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 細谷治嘉君。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 私は、公害問題について二、三点質問をいたしたいと思います。  最初に、予算の分科会でも質問をいたしたわけでございますが、最近全国各地で鶏の羽を蒸して飼料をつくる、こういうことで悪臭問題というのがたいへん大きな問題になっております。私の住んでおる市でも、厚生省のほうが作業停止の勧告をいたしたけれども、現在のへい獣処理法では取り締まることができないのだということで、厚生省の勧告を無視し、県知事の操業停止命令を無視して、法定の三万円の罰金などへいちゃらだ、こういう形で操業を続けております。その工場を中心として半径二キロというところの住民は、めしも食えないどころか、その悪臭によって気持ちが悪くなる、こういう事態に立ち至っております。ところが残念なことには、今日のへい獣処理法というのはきわめて不十分であります。しかも、いろいろ問題点がありますけれども、悪臭についての規制基準というものもきまっておらない、こういうことで、言ってみますと、厚生省も県も万歳をしておるというのが実情ではないかと思うのであります。  そこで私は、大臣に予算委員会の分科会でその善処方を要請いたしたわけでありますけれども、その処置がその後どうなったのか、まずお尋ねしておきたいと思います。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○城戸政府委員 ただいまの問題でございますが、具体的な、県におきます措置の問題につきましては、所管が公害部でございませんので、いま所管の課長が参りますから、一般的なことを先に申し上げておきますが、御指摘のようにへい獣処理場の法律におきましては、取り締まりはまさに構造設備基準、あるいはこの維持管理ということでいくだけでございまして、そのほか特別の規制はございません。しかも、構造設備の基準におきましては、たとえば適当な高さで臭気を煙突からはき出していくという考え方で、換気扇を設けていくという処理の方法になっておりまして、それ以上の具体性がないということは先生御指摘のとおりでございます。私どもとしましては、現在やっております臭気の判定の基準等の進行状況とも考え合わせまして、構造設備の基準そのものをもう少し合理的な具体性のあるものに持っていきたい、かように考えておる次第でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 一体、このくさいにおいの成分は何ですか。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○城戸政府委員 においの成分としましては、一般に石油工場あるいはパルプ工場等から出ますものといたしましてメルカプタン、あるいは有機硫黄化合物、こういうものがございますし、いま御指摘の動物の飼育加工に伴いますものといたしましては、アミンとか、そのほかの揮発性の脂肪酸等がございます。私ども、それぞれの成分に対して測定の方法、それからそれに対する排除の方法、こういうことにつきまして、現在臭気に関します研究委員会を発足させまして、研究を進めておる段階でございまして、中には相当見通しがついてきつつあるものもございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 いま、いろいろと悪臭の成分の話がありましたけれども、鶏の羽でありますから、たん白質とカルシウム分が多いに違いない。硫黄もあるとすれば、いまおっしゃったようにメルカプタン、そういうものも考えられるでしょう。ところが、これは当然脂肪があるわけですから、脂肪を、蒸す、熱風を吹きかける、こういうことでありますから、アクロレインというのが発生することはもう必然なんです。このアクロレインは検出されておりますか。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○城戸政府委員 私聞いております範囲では、山梨県の塩山の件につきましては日本環境衛生センターに委託しまして調査しました結果、アクロレインの発生が認められておるという報告を聞いております。それ以外の件については、アクロレインについては聞いておりません。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 アクロレインというのは、毒物及び劇物取締法に指定された劇物なんですね。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○城戸政府委員 さようでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 たいへんな毒物で、法律でも指定されたもので、山梨の餌肥料株式会社で昨年末アクロレインが大量に検出されたわけです。このアクロレインというのはものすごい刺激臭を持っておるわけです。事実その悪臭というのは、刺激臭を持っておるわけですね。私は、もちろんアクロレインがにおいの主たる成分だとは申しておりませんけれども、アクロレインがあずかっておることは、もう間違いないと思うのです。これは呼吸器をおかす、目や皮膚をはなはだしく刺激する、こういう性質を持っていて、劇物に扱いされておるわけですが、山梨の工場では、大量に検出されたという新聞の記事もありますし、大量といってどの程度検出されたのですか。そして検出されたために、どういうふうにしたのか。大体アクロレインがそんなに大量に検出されたその原因はどこにあったのか、これをひとつお聞かせいただきたい。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○城戸政府委員 このアクロレインが検出されましたのは、昨年の調査の中で、十月と十二月と二度山梨について調査いたしておりまして、二度目の十二月の調査で検出されておるようでございます。これの発生原因等につきましては、現在まだ分析を進めておる段階でございまして、はっきりしたところまでいっておりません。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 川崎の日本環境衛生センターで調査したということでありますが、その場合に、川崎の環境衛生センターは、脱臭施設が不備である、乾燥機なり、水洗等が粗雑である、こういうことから厚生省は操業停止を出したと承っておるんですが、そのとおりですか。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○城戸政府委員 アクロレインの発生原因と見られます一部の製造工程につきましては、中止をいたしました。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 そうすると、依然として操業を工場はしているわけですね。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○城戸政府委員 一部の工程を中止し、他は操業をしていると思っています。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 一部の工程なんて、これはありませんよ。鳥の羽を蒸して、一貫して出ていっちゃうんですからね。その中間工程で、ある脱臭施設なり、乾燥機なり、水洗等が悪いというのなら、工場をオールストップしなきゃいかぬでしょう。幾つかのセットがパラレルにあって、ワンセットのほうの一部分が悪かった、その部分をストップしたというのならあり得るかもしれません。そんな何セットもあるわけじゃないでしょう。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○城戸政府委員 ただいまの点、技術的なことにわたりますので、公害課長から説明させます。

橋本道夫厚生省環境衛生局公害部公害課長

○橋本説明員 現地に行ったことがございませんので、もしも誤りがあればまた訂正いたしたいと思いますが、環境衛生センターから出されております塩山市の飼肥料工場の詳細な施設のレイアウトを見ますと、フェザーの関係を処理するものは全く別のプラントになっております。そういうことで、骨を処理するものと、それからフェザーを処理するものと、皮を処理するもの、全然別々のプラントになっておりますから、一部だけをとめるということは意味のあることであると私は思っております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 一部というのは、羽毛の製造工程を一時とめたわけでしょう。

橋本道夫厚生省環境衛生局公害部公害課長

○橋本説明員 羽毛の製造工程を一時とめたということを私は聞いております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 当然、関連する羽毛の製造工程をとめなきゃならぬでしょう。そこで橋本さん、大体あなた方は産業公害の中の悪臭ということについて熱意が足らぬ。この前大臣に私は申し上げた。あなたは一体この悪臭をかいだことがありますかと聞いたら、大臣は山梨県出身ですから、塩山市のにおいはかいだことがあるそうですよ。ところが、残念ながら推進役の中心である局長が、においをかいだことがないというわけだね。あなたも行ったことないんだ。それでは熱意のほどが疑われると思いますが、いかがですか。

橋本道夫厚生省環境衛生局公害部公害課長

○橋本説明員 悪臭のところまでは、まだ手が及んでおりません。申しわけないと思っております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 橋本さん、そのことばは取り消していただきたい。悪臭のところまで手が届かないということは、担当者としてそんなこと言えませんよ。とてもとても、大気汚染とか、水質問題で追われておって、全力投球ができない、それに全能力を集中することができないというならいいですけれども、悪臭には手が届かないなんということは言えないですよ。このことばは橋本さん、取り消したほうがいいですよ。そんなことではいかぬですよ。

橋本道夫厚生省環境衛生局公害部公害課長

○橋本説明員 申し方が非常にまずうございましたので、訂正いたします。私ども、調査研究班を設けて、その中で進めるということでございまして、あと大気やそのほかの水銀、カドミウムに追われまして、私自身がまだ現地に参っておらないということは、申しわけないと思っております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 悪臭問題というのは、たいへん重要な問題です。そこで私はいま申し上げたように、単にくさくてめしがのどを通らない、食欲がない、気分が悪くなる、そういう問題ばかりでなくて、現実に指定されておる劇物アクロレインというのが検出をされておるわけですね。そうして操業停止という事態が起こっておる。  そこで、お尋ねいたしますが、四月三日に、福岡県衛生部がこの千倉化製工業所、私どもの住んでいる近く、私のところからは三キロくらいでありますけれども、操業停止の勧告を無視して、依然として操業をしておる。三万円の罰金なら何べん食ってもいい、それ以上にもうかるんだから、こういう形で、へい獣処理場法なんというのは全く無視されて、どうにもならぬ形で来ておるわけですが、いま申し上げた四月三日に調査をいたしておりますその調査は、山梨県のアクロレインの検出が確認されたので、おそらく千倉化製も出ているんじゃないかという形で立ち入り調査が行なわれたわけですが、その結果はどうなっておりますか。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○城戸政府委員 ただいま所管の乳肉衛生課長が参りましたので、細部につきましては乳肉衛生課長からお答え申し上げたいと思います。

神林三男厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○神林説明員 お答え申し上げます。  千倉の件につきましては、この前予算委員会で御報告申し上げましたとおり、一応アクロレインが出ているかどうかということは、私たちの調査はしてございませんが、山梨のも現在環境衛生センターが分析を続行中でございまして、最終決定になっておりません。なお、福岡の千倉につきましては、四十四年十二月十三日に一応福岡の地検へ書類送検をして、現在検察庁で審理中でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 審理中操業を停止すべきであるという勧告をしたわけでしょう。私が聞いたのは、アクロレインが検出されたかと、こう聞いているのです。

神林三男厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○神林説明員 アクロレインについては、分析はやっておりません。山梨県のほうのやつは、現在環境衛生センターで分析をやっておりますけれども、これはまだアクロレインという最終決定は出ておりません。福岡のやつは全然やっておりません。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 新聞にはアクロレインが、山梨県の塩山市の場合は大量に検出されたといっておる。厚生省はそれをまだ確認しておらないということですね。新聞記事とたいへん違っておりますね。あなたの言うことがほんとうなら、新聞はうそを書いていることになる。私どものところの千倉化製の場合は、立ち入り調査した段階においては、県の衛生部と衛生研究所の技師が行って立ち入り調査をした、そして市の保健所の職員も一緒に行ってやった。それも真空採取機によってやったけれども、そのテストの段階においてはなおポジチブだという確認はされなかったけれども、幾つかの資料をその際とって、そして県の衛生研究所においてこれをさらに精密に調査をする、こういうふうに新聞はかなり具体的に書いてあります。きょう新聞記事を持ってきておりませんけれども、そう書いてあります。いま言いました日本環境衛生センターにおける山梨県の調査結果についても厚生省は確認していない。福岡県の場合についても新聞の記事と全く違っている。新聞はありのままを書いていると思うのですよ。あなたの言うとおりであれば、新聞の記事はすべて間違いだということだ。そういうことですか。

神林三男厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○神林説明員 お答え申し上げます。  山梨県のほうは、一応そういう疑いがございますけれども、なお最終的な判定をすべく、環境衛生センターで分析を続行しておるはずでございます。  それから、福岡県の事例につきましては、私たちが県から報告をいただいたのは、そういう分析ということよりも、臭気につきましてどういう成分かというようなことで、一応サンプルをとったというふうに私たちは報告を受けておるわけでございます。いまの先生の言われたアクロレインの分析については、私は全然聞いておりません。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 先ほどの私の質問ですが、山梨県の塩山市の飼肥料工場については操業停止までしたわけですね。ところが、アクロレインが出るということは確認はしてなかった。疑いを持って操業停止をしたのですか。

神林三男厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○神林説明員 お答え申し上げます。  一応アクロレインらしきものが出たものですから、とりあえず操業停止を、鶏の毛のほうを化製する部分だけかけてありますが、これは、どの程度の羽毛とアクロレインが結びつきがあるかというようなことは、いまだ解明されておりませんが、なおその辺もよく研究してみたいと思っております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 私も化学で二十二年めし食ってきたのだよ。ですから羽毛とアクロレインがどんな関係があるかというようなことで、ここで答弁を聞こうなんて思わない。羽毛を蒸せばアクロレインが出るということは必定なんですよ。化学の常識ですよ。そんなことばではだまされませんよ。私は化学で二十二年めし食ってきたのだから、そんなばかなことばじゃだめだよ。はっきり言ってくださいよ。

神林三男厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○神林説明員 私は化学の専門家ではございませんが、一応まだ私たちのほうとしては、アクロレインとそういうものの結びつきがわかりませんけれども、先生のおっしゃるとおりだと思いますから、なお強力にあれしてみたいと思っております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 橋本さん、あなたはお医者さんだから、技術屋だから、はっきり言ってください。

橋本道夫厚生省環境衛生局公害部公害課長

○橋本説明員 アクロレインを検出する検知管としては、これは一応ひっかかってきた。ところが、非常にいろいろの物質があって、それがはたしてアクロレインとして間違いなく同定できるかどうかということで、ガスクロマトグラフィーにかけてやってみたら、おそらくアクロレインであることは間違いないだろうと思うが、まだ最終的に言いかねるというような言い方を環境衛生センターの分析の担当の人が申しておるというところが、正確な言い方でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 言ってみると、定性段階ではアクロレインは確認された。問題は定量段階に入った、こういうことなんだと思うのです。常識はそうでしょう。

橋本道夫厚生省環境衛生局公害部公害課長

○橋本説明員 私も化学はあまりよくわかりませんので、そういうことを考えて、行政上の措置をするということが妥当だと思っております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 私はアクロレインというものは、いまの報告を見れば、間違いなく定性的に確認されたと思う。それもかなりのポジチブな、定性的なものが出ている。そこで一体どのくらいあるのか、これは劇物に指定されておるのですから、工場における環境許容限度というものがちゃんときまっているわけですね。したがって、その環境許容限度を越えるものかどうか、その辺まで立ち入った調査をしようというのが、日本環境衛生センターのいまの段階ではないかと私は思うのです。そういうことで、厚生省が疑わしいものについては断固として処置をとったことに対しては、私は高く評価したいと思うのです。そういう態度でやっていただかなければならぬと思うのですけれども、いま言ったように、あなたのように、アクロレインであるかないかわからぬ、羽毛とアクロレインの関係なんというものはわからぬ、だけれども操業停止したなんて、そんな自信のないやり方では、企業側だって困っちゃいますよ。やる以上は確固とした自信を持って、科学的な根拠に基づいて処置していかなければならぬわけです。そういうことなんでありますから、私は、この新聞に書いてあるのは事実であって、そしてそういうことについて厚生省がその部分についての操業停止をしたことについては、公害から国民を守る、疑わしいものについてはこれを押えていく、こういう態度をとったことについては敬意を表したいと思っております。  そこで福岡県の結果についてはネガチブなのかポジチブなのかわからないのでありますので、ひとつあなたのほうで、その結果を委員長を通じて後ほど知らしていただきたいということをお願いしたおきたいと思います。

神林三男厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○神林説明員 一応県のほうに、もう一度サンプルをとりまして分析をしていただくように依頼したいと思います。その結果が出ましたら、委員長を通じて、また報告したいと思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 最近の新聞を見ますと、いろいろと憂慮すべき事態がございます。  たとえばきのうの新聞を見ますと、「とんだ欠陥未来都市、万国博会場、食品衛生がでたらめ、改良せねば中毒続発」ということで、大阪府が警告をしておるという記事も出ております。それから数日前に、アメリカでは数千種の食品添加物の認可無効再審査をやる、こういう記事が出ております。  そこで私は、ひとつ基本的な厚生省の態度をまず伺っておきたいと思うのです。私も詳しく勉強したわけではありませんけれども、アメリカの食品医薬品化粧品法第四章第四百九条にこう書いてあるわけですね。「食品添加物の使用基準が有効である間は、その使用基準に従って、このような添加物が付着したり、または含んでいるという理由で有毒なまたは有害な物質が付着したり含んだりして、人の健康をそこなうおそれのある不良食品と見倣してはならない」、言ってみますと、アメリカでは、法律に基づいてその添加物はよろしいということになった場合は、アメリカの国民は一切信用してよろしゅうございますよ、これは毒物だとか有害だとかいうことは疑ってもいけませんよ、それほど信用してくださいと、ぴしゃっと書いてあるのですね。  そしてその次にどういうことを書いてあるかというと、その食品法の精神というのはデラニー条項ということで貫かれているということですね。それは何かというと、「いかなるきびしい負荷実験の結果においても人もしくは動物に投与して発ガンの証明がなされた場合、いかなる食品添加物も市場から回収すべきである」、言ってみますと、それが発ガン性の濃度まで達しておらぬのだからいいとか、致死量あるいは極量の百分の一だから、二百分の一だから心配ないんだとか、そんなことでなくて、そのもの自体が発ガン性を持っておるということならば、もう食品添加物を市場から回収しろ、こういうデラニー条項というのがずっと支配しているわけですね。支配していて四百九条というのが生まれてきておるわけですね。この考えは厚生省はどうお考えですか。

小島康平厚生省環境衛生局食品化学課長

○小島説明員 細谷先生の食品添加物に関する御意見でありますが、私どものほうの食品衛生法では第六条に、「人の健康を害う虞のない場合として厚生大臣が定める場合」に食品添加物の指定をいたしまして、そしてそれについて使用を認めるということになっております。また、その使用につきましては、基準を設けまして制限をするような方法になっておるわけでありまして、アメリカの場合と表現は違うわけでございますが、私どもは安全ということをたてまえといたしまして指定を行ない、また使用基準というものを設定しておるわけでございまして、その精神においては変わりはないと考えておるわけでございます。  また発ガン性の、問題のデラニー条項でございますが、これにつきまして、アメリカのほうは法律に明文をもって載せておるわけでございますけれども、私どものほうは、食品添加物の指定の基準といたしまして、各種の毒性データを食品衛生調査会において検討いたしました上で指定をしておるわけでございます。その際の許可基準というものも持っておるわけでございますが、その許可基準というものは国連のWHO及びFAOの専門家委員会のこしらえました基準に従ってやっておるわけでございまして、その基準の中には発ガン性のあるものについては安全率を考える。つまり普通の場合には、動物に対する安全量というものの百分の一を人間の安全量と考えまして使用基準等をきめておるわけでございますが、動物によって発ガン性の認められるものにつきましては、そういった安全率を適用しないということになっております。われわれは結果におきましてはデラニー条項と同じことをやっておるわけでございますが、ただ食品衛生法の上にそういう明文がないという形でございます。ただこの審査基準は、私どもとしては公にしておるものでございます。  それから、また先ほど先生から、アメリカにおいてFDAが数千あるいは一万にも及ぶ添加物の総点検をやって、そういうものを廃止するということが新聞紙上で報道されたというお話がございましたが、これは一九五八年までは、アメリカにおきましては無害と考えられるものについては、添加物としては使用を認めるという一般的な規定もございまして、製造会社がそれぞれ責任をもちましていろいろな添加物を製造しておったわけでございます。日本の場合と違いまして、日本の場合には当時すでに指定制度をとって品目を非常に制限しておったわけでございますが、アメリカではそのようなやり方をしておりましたために、非常にたくさんの添加物があったわけでございます。それが一九五八年に食品医薬品化粧品法の改正がございまして、そして日本と同じような指定制度をアメリカも採用することになったわけでございます。その際に、従来使っておりました非常にたくさんの添加物につきまして、二年以内にデータを出せ、そしてそのデータを出したものから指定をしていくということで、リストをFDAがこしらえていったわけでございますが、その際にデータの提出のおくれたものにつきまして、猶予期間をだんだんに延ばしまして、実はそういうものがいまだに残っておるという状態でございまして、アメリカにおける添加物のいろいろな協会が、自分たちで安全なもののリストをつくりまして、自主規制のようなことをやっていたわけでございます。そういうものにつきまして、今回すべて整理するということのように聞いております。そういったわけでございまして、アメリカの場合と指定制度が変わっておって、幸いなことに品目を制限してやってきたわけでございますが、私どもとしては、アメリカの今回の処置というものにつきましても十分に資料を取り寄せ、今後危険なものについては疑いが持たれました時点においてできるだけ早く排除する。またそういうものについては指定をしないという方針で十分慎重にやってまいりたいというふうに考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 あまり時間がありませんから、簡単明瞭にお願いしたいと思います。デラニー条項というものはないけれども、大体においてその精神で貫いておる、こういうことであります。  そこで、日本では古来しょうゆとかみそというのは、カビがはえたほうがいいんだ、うまいんだ、こういうふうに言い伝えられております。ところが、最近カビの問題の研究が進みまして、カビからいろいろな有毒物質が出てきておる。そこで、モチとかあるいはみそとかしょうゆのカビからどういう毒物が検出されておりますか。

小島康平厚生省環境衛生局食品化学課長

○小島説明員 これは、私の所管とは違うかと存じますが、私の知っている限りお答えいたしますと、カビにつきましては、カビの種類によりまして一般にマイコトキシンと呼ばれる毒物が生産されるわけでございます。その有名なものといたしましては、アメリカにおいてピーナッツから発見されましたアフラトキシンという発ガン性の物質がございます。日本におきましては黄変米につきましたカビからやはり肝臓ガンを生ずる物質が発見されました。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 大体いまおことばのとおりマイコトキシン、その一種としてのアフラトキシン等々、日本でも五種類ぐらい検出されているのですね。発ガン性物質だ。これは確認されますね。

神林三男厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○神林説明員 五種類ぐらいだと思いますが、なおこれにつきましては、いま特別の研究班をつくって研究中でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 従来の研究報告の中に、モチとかみそとかしょうゆに、日本でもすでに五種類程度の有毒発ガン物質が検出されておる、こういうことであります。かつて二十七、八年ころかと思うのでありますけれども、黄変米問題というたいへんな騒動がありました。この黄変米騒動も、そのカビ、それもやはりアフラトキシンを中心としたものなんですね。毒物ですね。  そこで、私はたいへん心配になってまいっておるわけでありますが、これはやはりデラニー条項という原則が日本においても貫かれなければならぬがと思うのでありますけれども、三月二十二日——申し上げておきますけれども、私はあくまでも問題を科学的に処理することによって国民が安心してものを食べ、日常生活ができるようにしなければならぬ、こういう前向き、建設的な立場でものを申しておるわけであって、政府のやることに妨害を加えようなんていう考えで申し上げておるわけじゃない。安心して国民が日常生活を送れるように、そういう姿勢で政治をしなければならぬ、こういう形でものを申し上げておるのですから、そういうことでひとつお答えいただきたいと思うのです。  三月二十二日の新聞に、「古々米に有毒カビ?」、こういう見出しでかなり大々的に書かれてあります。「倉出しを待て」と、ある大学の教授が、専門の人がいっております。見出しの問題はともかくとして、この問題につきまして、四月二日に、衆議院の決算委員会におきまして私どもの華山委員が問題を取り上げております。私はこの議事録を読んでみたのでありますけれども、この問題を、国費がどうのこうのとか、そういう決算面のサイドではなくて、人の健康を保たなければいかぬ。政治は、国民に信頼される姿勢を堅持しなければならぬ、こういうサイドからひとつお尋ねしたいと思うのでありますけれども、この質問に対する農林省の答弁によりますと、四十三年と四十四年に保管米について検査をいたしまして、全く異常なかった。異常の心配があると薫蒸するから心配ない、こういうことで答弁がなされております。これでよろしいのかどうか私は質問者に聞いておりまして、食糧庁のほうで委託調査をなさって、何か詳しい研究報告があるように質疑応答がありますから、それを質問者に聞いてみましたら、紙べら一枚だ。委託調査の結果は紙べら一枚として決算委員会に報告されておる、こういうことでありますので、あえて四十三年、四十四年と、すべての保管米について調査をした結果、異常はなかった、こういうふうに答弁なさっておるのでありますが、これでよろしいかどう……。

中村健次郎食糧庁業務部長

○中村説明員 ただいま先生から御指摘のございました決算委員会における私のほうの長官からの答弁の中に、四十三年の春、四十四年の秋に試験をいたしましたということは申しておりますが、すべての米についてやったというふうには申しておらないわけでございまして、これは数も少のうございますし、これをもちまして直ちにすべての米を安全だというふうには、考えておらないのでございます。したがって、答弁の中でも、こういった古々米についての有毒性のカビがつくおそれがあるということを東大の斎藤先生からも御指摘ございました。したがいまして、厚生省とも目下打ち合わせをしまして、その取り扱いにつきまして慎重に検討をいたしておる段階でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 農林省が調査なさったのは官能テストなんですか、培養テストなんですか、毒性テストなんですか、いずれなんですか。

中村健次郎食糧庁業務部長

○中村説明員 先ほど申しました検査は、これは食糧研究所で行なったものでございまして、四十三年春におきましては、これはみその原料米につきまして、アフラトキシンがあるかどうかという定量検査をいたしておりまして、この際、アフラトキシンは検出されなかったという例がございまして、報告書も出されております。  それから四十四年秋の試験は、これはごくわずかなものでございまして、古々米につきまして培養試験をいたしまして、有毒性のカビが発生していない、ついていないということを確認いたしております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 今度の国会に、米を外国に輸出しようという法律も出されておりますね。それから古々米処理という形で動物の飼料にという方途も講じようとしておりますね。とりあえず六万トン程度の米をやろう。しかし、やがて六月の入梅期が来ます。入梅期が来ますと、相当量のものはもう古々々米ぐらいになるでしょう。古々々米あるいは入梅期を二回通る米は何百万トンぐらいになりますか。

中村健次郎食糧庁業務部長

○中村説明員 私のほうで古米、古々米ということばは通俗なことばでございまして、どこからを古米といい、どこからを古々米というか定義はございませんけれども、私のほうで通常申しておりますのは、米穀年度が十一月一日から始まりまして、十月末に終わります。したがって、その米穀年度の端境に持っておりますもので、それを越したものを古米、二回米穀年度を越したものを古々米、こういうふうに申しておりますので、現在四十二年産米が古々米と呼ばれ、四十三年産米を古米と申しておりますが、つゆを越しましても、私のほうでは十一月から古々米と申すのでございますけれども、性格といたしましては、おっしゃいますように、つゆを三回越すわけでございますから、つゆを越しますと古々米といってもよろしいかと思います。  その数量でございますが、四十二年産米は現在約百二十万トン持っております。四十三年産米は、これは現在ちょっとあれでございますが、これがいずれ食糧に配給することができなくて余ると思われる、今年の米穀年度の末において古々米になるというものが約——ちょっと調べます。——ちょっと正確な数字をあれしましたが、約二百五十万トンぐらいだと思っております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 そこで、四十二年産米が百二十万トンといいますと、四十二年産米はこの入梅が来ますと、米穀年度は別として一番カビの問題というのが出てくる。米の変質しやすいものは申すまでもなく入梅期であります。百二十万トンは入梅期を三度経るわけですね。それを早く処理しなければならぬ。それには人間が食べるよりあるいは飼料ということにせざるを得ない。飼料にいたしましても、もしもアフラトキシン等があれば、かつてイギリスでたいへんな家畜の被害が、このカビの被害によって起こったという実例もあるくらいでありますから、簡単に人間でなければいいというわけにはいかぬ、こういう問題であります。  そこで私はお尋ねしたいのでありますが、今日の倉庫、米の問題がたいへん問題になったここ二、三年来できてくる倉庫はりっぱなものであり、低温倉庫、大体ずっと十度くらいに温度を保っていこう、こういうことで大体低温倉庫というのがいまどんどん農協等でつくられております。この低温倉庫にあるものは、低温倉庫に入っている限りにおいては変質しないけれども、一たび倉庫から出しますと、二カ月くらいで非常に変質が早くなる、こういうふうに一般的に言われております。近代的な倉庫はそのとおりでありますけれども、倉庫も千差万別、たいへん倉庫としては近代的でないものもあります。そうなってまいりますと、そういうものについては薫蒸とかなんとかやってカビの発生を防ぐ、こういうことが御答弁の中にあるわけでございますけれども、実は最近の岩波の「科学」の四月号にこういうことが書いてあるわけですね。  ちょっと参考までに読んでみます。「殺菌剤として昔から用いられたフォルムアルデヒドやフェノールなどは細菌、カビ、ショウジョウバエなどで突然変異作用が証明され、」——空然変異作用というのはガンみたいなものですね。「また植物細胞に対し、分裂異常を起こさせることが証明されている。また肉類の防腐剤に用いられるベータ・プロピオラクトーン、かまぼこに使われるニトロフランでも突然変異作用が証明されている。」こういうことになりまして、あまり神経質なのではないかという御意見かもしれませんけれども、この問題に対しては、神経質であっても私はいいと思うのであります。そうすると、たいへん古い米は、いよいよ心配がつのってくる。そこで、ばく大な税金を投じて食糧管理をやっておるわけでありますから、国民が信頼するに足る対策を農林省が、そして技術的な面においては、その主管省である厚生省が講じてやらなければならぬと私は思うのですよ。そう思いませんか。どうですか。いまお聞きしますと、この決算委員会における態度では、全部やっているということではないわけですから……。斉藤教授あたりの意見も、そういう心配があるからいけないのであって、その心配を克服する道は、きちんと検査をした上で安全なものはどんどん吐き出す、心配なものはもうやむを得ない、これはやはり廃棄するか何かせざるを得ぬだろう、こういう考えのようでございますが、これについて農林省はどうお考えですか。

中村健次郎食糧庁業務部長

○中村説明員 仰せのとおりでございまして、われわれ食糧を扱う者といたしましては、国民の方に安心して食べていただくということが最も大切でございます。したがいまして、私どものほうでは、こういった問題が学界に提起されました場合にも、先ほどのような試験もやっておるわけでございます。  なお、米の保管につきまして、そういった有毒カビが発生しないような対策に重点を置きまして保管をいたしております。したがいまして、決算委員会でも御報告申し上げましたように、まず毒カビのついた米というものはないというふうに思ってはおりますけれども、いろいろこういった疑問が出てまいっておりますので、今後も保管に十分に注意をするとともに、厚生省ともよく打ち合わせをいたしまして、国民の方に安心していただくのには、今後どういうふうにやっていったらよいかということを目下相談中でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 相談している間に入梅期がきてしまうのですよ。  そこで私は、具体的にお尋ねいたしますが、この段階では、やはりこの六月になりますと、三度入梅を越すという百二十万トンの古々米があるわけなんです。これはやはり国税で買い入れたものでありますから、なるべく経済効果のロスが少ないように対処していかなければならぬと思います。  その場合に、倉庫もいろいろあると思いますが、長い間の専門家のあれでありますから、これは言ってみますと、人間の官能検査でも、長い間の経験者でありますれば、それは一概に非科学的——相当の科学性を持っておると思うのですよ。ですから、一時的にはやはり官能検査でも九分九厘いいだろうけれども、残りの一厘、この官能検査では自信がないというものについては、私は毒性試験なり、あるいは培養試験をすべきではないか、こう思いますが、いかがですか。

中村健次郎食糧庁業務部長

○中村説明員 仰せのとおりでございまして、私のほうの持っております四十二年産米は、二つゆ越しておりますので、その間カビがはえないように手当てをしてきた米でございますが、われわれが持っております倉庫の中でもいい倉庫に入っております。したがいまして、次につゆがまいりましても、その際薫蒸によりましてカビをはやすということはなくなります。  なお、申し上げておきたいことは、水分がカビに最も密接な関係がございまして、何%くらいの含有率のときにはどういうカビがはえるというようなことは、ある程度判明いたしておりますが、先生も御承知のとおりでございますが、現在持っておりますのは、こういった毒性カビがはえる心配があまりない水分のものでございますので、そのカビのはえてないものは、これはえさに出していくということで、まず心配ないと思います。ただ、目で見ましてカビがはえているものは、これはもちろんえさなどにはやりませんで、工業用アルコール、こういった動物なり、人間の口に入らないというものに使う。目で見てカビのないものは使っていく。しかし、その中でも水分が多いとか、保管状況が悪いとか、これはあぶないのではないかというふうなものにつきましては、申されましたような培養検査なり、あるいは毒物の検査なりというようなことについて検査をしてやったらどうだろうかということで、そういった方向で厚生省と現在やっておるわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 原則的にはわかりますが、私が申し上げたいのは、カビがはえないように倉庫管理をしなければならないけれども、倉庫でもいろいろありますから……。  それから水分の問題、水分というのは、現に米の含んでいる水分十何%とかいう問題と同時に、入梅期というのは非常に湿度が高いわけですから、湿度が高ければ、当然水分がふえてくる。したがって、カビについては好条件になってくる、こういうことになってまいるわけですから、十分警戒しなければならぬ。そこで、疑わしいものについては、アフラトキシン等、こういうものについて毒性試験をする。培養試験というのは、時間がかかると思うのですけれども、アフラトキシンというのは、これは定性的に検査するのは、培養試験などよりも短時間でできるでしょう。これは委託すれば簡単だと思うのですが、いかがでしょうか。

神林三男厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○神林説明員 先生のおっしゃるとおり、培養試験というのは、ことにカビの場合には、だいぶ時間がかかるわけでございますが、なお、毒性検査も、一応培養したあとで、これはカビによっては全然毒性を出さないカビもありますし、それから中には毒性を持っているカビもあるということですから、やはり培養検査はある程度どうしても必要になってくるのではないか。その上でさらに毒性検査ということになると思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 私の質問を先取りしてあなたはお答えしたのですが、官能試験はこれは全部やって、その中のわずかでも疑わしいものがあったら、きちんとした、官能ではなくて科学的な試験をしなければならぬぞ。科学的試験というならば、毒性試験か培養試験かになるのではないか。培養試験というのは、たいへんな時間がかかるので、入梅期を控えてそんなことをやっていると——できるだけ早くしっかりした自信を持って処置するのには——はっきりわかっているのですから、毒性のあるものというのは、日本で検出されているのは、五種類ばかりの毒物で、発ガン性の物資ですから、そういうものの定性検査をして、それでネガチブなものについては、どんどん処理していったほうが国の財政についてもプラスではないか。しかし、定性試験でその毒性というものが、アフラトキシンがポジチブに出たものについては、これは培養試験を徹底的にやってみる。培養試験というのは、おっしゃるように条件によって無害の——こうじカビのようなものはこれは無害ですね。そういうものもありますし、有毒なカビもあるわけなんでありますから、そういうものがどういう条件の倉庫で生まれたか、そういうものを徹底的に培養試験を通じて調べていきますと、今後米の保管管理の場合に、こういう倉庫の条件は不適当である、こういう倉庫の条件でなければならぬという結論も、科学的に帰納されてまいるわけですね。  私の若いころですが、有名な雪の研究をしておった中谷博士というのが、しろうと目に見ますと、雪の結晶というのをいろいろ調べているのは、これはどうも趣味のようでありますけれども、雪の結晶というものが、いろいろ気象条件によって変わってくる、こういう条件の場合にはこういう結晶ができるのだ、こういうことを明らかにした上で、降ってくる雪の結晶を見たことによって、上空の気象条件というものを確認するという気象学的な非常な進歩をもたらしたという実例もあるわけですね。  ですから、培養試験も、単に培養試験ばかりでなく、これからの倉庫はどうあるべきかという条件決定にも私は役立つと思うのですね。そういう意味において私が申し上げたいことは、官能試験でやってみる、そして心配のないものはいいでしょう。疑わしい点があったならば、それはアフラトキシン等を検出する定性試験をしたらどうか。そしてその中でこれは定量的にやらなければならぬというものについては、培養試験等をやる、定量試験をやる、そういう中からこういう倉庫は不適当だ、こういう倉庫でなければならぬという前向きの結論も生まれてくるのではないか、そういう調査を具体的に農林省、そしてそういう科学的な衛生的なものを受け持つ厚生省は、おやりになる御意思があるのかないのか、これをひとつはっきりしていただきたいと思うのです。いかがですか。

中村健次郎食糧庁業務部長

○中村説明員 この問題につきましては、先生のおっしゃいますように、われわれといたしましても、そういった御意見を十分に頭に入れまして、厚生省と十分打ち合わせして検討を進めてまいりたいと思っております。

神林三男厚生省環境衛生局乳肉衛生課長

○神林説明員 お答え申し上げます。  黄変米については、厚生省では十分研究をやってまいりまして、その後こういうような問題もかなり研究費を出しておりますし、さらにアフラトキシン等につきましても、厚生科学研究費をもって、少額ではございますけれども、研究を続行をしておりますが、なおこれは、倉糧庁と一緒になりまして、国民の主食の問題でありますから研究を続行したい、こういうふうに考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 大臣等おらぬで不満でありますけれども、責任ある答弁がここでなされましたので、ひとつ入梅期を控えて百二十万トンをどうするかという問題は、国民が安心できるような、納得いくようなことにしなければならぬ。全部やっているなんて——一つ一つまず官能試験で振り落としなさい。疑わしいものについては、ひとつ定性的な毒性試験なりをやってみたらどうか、そしてそういうものについて定量的な試験が必要なものについては培養試験等をやるべきではないか。そういうものについてはひとつ厚生省も全力をあげ、必要があれば衛生研究所なり大学の研究者なりを動員することによって対処していくことが必要ではないか、こういうふうに考えております。  いまそういう答弁がありましたので、委員長、そういう点について、国民の健康を守る、安心して物を食べることができる、そういう体制をつくっていただくように、ひとつ委員長においても努力されるようにお願いすると同時に、冒頭の答弁にありました、今日まで四十三年、四十四年にお調べになった部分的なものでありますけれども、その資料等をいただけたならば、ひとつ委員長を通じて提出をしていただきたいと存じますが、委員長いかがですか。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 もっともな御意見でございます。  資料提出できますか。

中村健次郎食糧庁業務部長

○中村説明員 はい、できます。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 いつまでにできますか。

中村健次郎食糧庁業務部長

○中村説明員 できるだけ早くやりたいと思いますが……。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 できるだけ早くとは、大体のめどはどんな日にち、いつごろまでですか。

中村健次郎食糧庁業務部長

○中村説明員 来週の初めに……。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 来週初めでよろしいですか。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 はい。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 それではそれを間違いなく来週初めまでに御提出のほどを……。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 そこで、ひとつ厚生省に伺っておきたいのでありますけれども、イギリスの、世界最大といわれる民間毒性センターのウォルトン所長がこう言っておるのですよ。腸ガン、肝ガンなどがここ六十年間増加していないことから、発ガン性の原因を、最近使用されるようになった食物添加物に求めても無理であって、むしろ食品の天然成分か、あるいは昔から安全として使用されてきているもの、すなわちGRAS——ゼネラル・リコグナイズド・アズ・セーフに属するものを調べたほうが妥当である、こう言っておるわけですね。ですから、いろいろと従来から無害と思われたものについても検討しなければならぬ、こういうことが指摘をされております。これはやはり重要な発言であろうと思うのでありますが、これについては厚生省としていかにお考えですか。

小島康平厚生省環境衛生局食品化学課長

○小島説明員 先生の御意見のとおりでございまして、実は現在食品添加物のようなものは、新しく化学的に合成されましたものにつきましては、非常にきびしい試験をいたしまして、少しでも疑わしいものはやめておるわけでございます。世界じゅうで、天然物は、もう昔から使っておるということで、頭からこれは大体において安全だろうということで、法律的な規制をせずに使っておるのが現状でございます、あるいはまた、われわれが食べているのが現状でございますが、こういったものの中に、先ほど先生の御指摘のありましたカビの毒のようなものがあるということが、最近学問的にはっきり明らかになってきたわけでございます。当然私どもとしては、こういう方面に今後重点を置いて、危険なものを、天然物であっても排除していくという方向をとらなければいけないというふうに考えています。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 そこで私は、アメリカのさっきのあれじゃありませんけれども、常にやはり原点を忘れないでやっていかなければならぬということを痛感するわけです。  ところで、最近いろいろな雑誌等を見ますと、たとえば口紅、それからお化粧、それから私はよく知りませんけれども、アイシャドーというのがあるのだそうですね。そのアイシャドーなんというのは、特にアイシャドーに使われる薬品が、目の粘膜がありますからね、非常に危険性が指摘されております。具体的に薬品をあげて指摘しております。こういう問題について厚生省、どうお考えになっていますか。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○城戸政府委員 ただいまの御指摘の問題は、私どもの局の所管外でございますから、この点につきましては、また御連絡を申し上げたいと思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 厚生省の場合に、食品添加物の問題について何を添加しておるというよりも、薬品サイドから質問をしてみたい。薬品そのものの持っておるであろう性質から予想される無害、有害、こういう形で質問をしたいと思っておったのですけれども、専門の薬務局が見えておらぬでたいへん残念に思うのです。残念に思いますけれども、私は、この際ついでに申し上げておきますが、政務次官も見えておるのですけれども、せんだって、私は予算委員会でそういういろいろ心配のもの、色素なり化合物等がいろいろあげられておるので、ひとつ厚生省で把握しておる、現在化粧品なり食料品等に添加されておるもので、発ガン性の物質の一覧表をつくってくれ、こういう希望を出しましたところが、大臣はオーケーと言った。オーケーと言ってお出しいただいたものが、この紙っぺら三枚ですよ。まあずばり言うと、人をばかにした資料なんだな。こんな資料なら、わざわざ専門の厚生省からもらわなくたって、どこでもある資料です。言ってみますと、これは発ガン性物質という形で、小学校の一年生か二年生で、宇が読めさえすればわかるような三枚の紙っぺらしかこない。こういうものでは、公害問題というのを国民全般として取り組んでいこう、そういう問題の取り組む方向について、科学的な示唆を与えるというのが厚生省の役割りでなくちゃならぬと思うのですけれども、その厚生省からして秘密主義ですよ。政務次官、いらっしゃっておりますが、これについてどう思いますか。私は非常に不満です。

山口シヅエ自由民主党経済企画政務次官

○山口(シ)政府委員 特に化粧品の問題など、先生の御意見の中に出ておりましたが、これは大量に使われるものでもございますし、特に公害の中の最たるものだと私も思いますので、御意見どおり、さらに役所としても検討しなければならない問題だと存じます。  それから、資料につきましては、厚生省のほうからあらためてお答え申し上げたいと存じます。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○城戸政府委員 ただいまの資料、いま初めて聞いたのでありますが、医務局のほうでつくりまして差し上げたものだと思います。これはおそらく非常に慎重をとって出したので、秘密主義ではないと思いますが、できる限りまた御連絡を申し上げるようにしたいと思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 政務次官、ひとつもっと進んだ、役に立つ——幾らかかるかわかりませんけれども、この三枚でも人件費もかけると相当なものですね。ですから、ひとつ若干でも役に立つくらいの資料にして出していただきたい。そうしましょう、こういうことでありますから、ひとつあらためて、満足いく資料でなくてもいいですから、若干でも役に立つ程度の資料を出していただくことを委員長にもまたお願いしておきたいと思います。  私は、その辺で使われておる化学物質等についていろいろな懸念を持っているのですが、そういう懸念を科学的に克服して、そして安心させ得る食品行政、そういうものを展開していかなければならぬ、あるいは食品添加物あるいは化粧品等の問題もやっていかなければならぬ、こう思っております。  残念ながら、時間が来ましたので、いずれまた機会を見まして、その辺のことについては質問さしていただくことにして、きょうの質問は終わっておきたいと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 次は、小川新一郎君。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 山口政務次官もおいでいただきましたので、最初に、私は大きな日本の国土総合開発、また三十七万平方キロの日本の、私たちの国を愛するがゆえに、佐藤総理のことばではありませんが、自主防衛は、ぜひとも公害とか災害から私たちの手でなし遂げていかなければならない七〇年代の国民的課題であると私は思っております。その立場に立ちまして、現在大きな公害が日本のあらゆるところに浸透しておりますが、瀬戸内海、この瀬戸内海という四文字は、私たちに心のふるさとを与えてくれますし、新婚旅行のメッカとしても、また修学旅行や子供たちの楽しいいこいの場、また生活戦線に疲れた私たちおとなのささやかなレジャー、いこいの場として、日本の国にとっておかなければならない宝であると思っております。  そこで政務次官にお尋ねしたいことは、最近、瀬戸内海を取り巻く十一の府県で結成しております瀬戸内海水産開発協議会が瀬戸内海の公害総点検を行ないまして、あらゆる分野からメスを入れて一つのデータをつくり上げました。このことをまずお聞きしたいのでありますが、十一の府県で結成しておりますこういった協議会が、このように公害問題を調査しておるにもかかわらず、私がただいま申し上げたような国民的課題である国土総合開発計画の中の瀬戸内海の公害防止のために、なぜ政府が中心になって、こういった総点検とか調査をまず行なわなかったか。この点は、政府の重大なる公害対策に取り組む、国土の公害防止政策の意欲の後退である、私はこのように断じたいのでありますが、まず山口さんの御見解を承りたいのであります。

山口シヅエ自由民主党経済企画政務次官

○山口(シ)政府委員 お答え申し上げます。  ただいまの先生の御意見、もっともだと存じます。公害の中で、ただいま海の問題も非常に大きく取り上げられております。先生の御質問は瀬戸内海域の問題でございますが、この瀬戸内海域は総合的な調査を本年度、四十五年度に通産省がいたす予定に相なっております。最近、大規模工場の進出等が特に汚濁問題にからんでおりまして、経済企画庁といたしましては、大竹、岩国水域等につきましては指定水域の指定と水質基準の設定を行ないまして、その水質保全につき万全を期しておる次第でございますが、残る水域につきましても所要の調査を実施いたしております。調査の結果の分析の終了次第、すみやかに水質基準を設定してまいりたいと考えておる次第でございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 私がお聞きしたのは、そういう部分的な問題も大事でありますけれども、大きな立場に立って——こういった問題か毎日新聞に取り上げられました。また朝日新聞の「天声人語」にもこの問題が取り上げられております。非常に大きな社会問題であるのに、一体、公害というものは、国民の側から提起されなければ公害にならないのか。政府とか地方公共団体が、国民、住民からの苦情が出ないうちに公害として指定したものは一体幾つあるのですか。こういう点、私は非常に疑問に思っておりますが、まずその点をお答えいただきたい。

山口シヅエ自由民主党経済企画政務次官

○山口(シ)政府委員 海の問題にかかわらず、先生のおっしゃるとおり、特にこれから海を中心にいたしますレジャーの時期に相なっておりますので、そのような御意見が出ることは当然のことだと存じます。御承知のように、今回発表させていただきます新経済社会発展計画におきましても、人間性豊かな国民生活を特に打ち出しておりまして、環境衛生などにも重点的に心をいたしておる次第でございますが、ただいま先生のおっしゃいますところの協議会の調査は、水産被害につきまして水産庁の瀬戸内海事務局が指導をいたしておるものでございます。  これはつけ加えてのお答えでございますが、私どものお役所は、御承知のように各省庁と相談し合いました結果、総合調整の上で基準をつくらしていただきまして、その基準にのっとりまして各省庁の協力をいただき、と同時にその基準を各省庁が守らせていただけますような仕組みに相なっております。  そこで、ただいまお答え申し上げましたように、協議会に対しましては、そのような御指導を省庁関係でさせていただいております次第でございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 指導というと、さも政府が指導権を握っているように聞こえるのでありますが、これは要するに、協議会のほうから意欲的にこういう問題を公害総点検をするということでなったので、その助言、アドバイス程度だと思うのですが、その点のところは私は追及いたしませんが、一番大きな問題は、公害のばらばら行政にあるということは、あらゆる面から追及されております。特に瀬戸内海は、国立公園に指定されておりますね。そうなっていきますと、これは厚生省所管ですか。  それからいま言った経済の分野で、要するに三千五百以上の工場がこの十一府県にあるような、こういった経済の発展、経済成長政策の犠牲であると私は思うのです。こういう点から見て、山口先生、これは私は主務官庁を一本にしぼっていかなければ、瀬戸内海の公害は総合複合公害ともいうべきもので、一つの単細胞的な公害じゃない、水質汚濁もある、海洋汚濁もあれば、騒音、あらゆるものがからんで生み出されている。私はきょうほんとうは大臣もしくは総理大臣にこの問題を聞きたかったのでありますが、いろいろと参議院の御都合もありますし、私は、経済成長政策の最も重要な分野に立っておられる、経企庁の副大臣格としてこの大きな国務を担当なさっている山口次官の見解を、お聞きしているわけなんです。閣僚会議もしくは責任あるこういった公害対策官庁のようなのをつくれという意見は、さまざま出ておりますが、瀬戸内海のことに関してはいかなる官庁が主務官庁として——この国立公園に指定されておる、国民の宝ともいうべきこの瀬戸内海公害防止対策基本法案のようなものをつくる意図があるのかないのか、こういう前向きな何か——地元漁業組合はもとより、国民が夢と希望を失っていくということのないように実は質問しているわけでございますので、お願いいたします。

山口シヅエ自由民主党経済企画政務次官

○山口(シ)政府委員 先生の御意見も多く出る御意見でございます。しかし、水質汚濁問題は、汚濁の原因及び被害の様子がきわめて多様でございますために、問題解決のために必要とされます行政施策でまことに多岐にわたるものでございます。単に関係法令または所管行政機関を一元化すれば行政が能率化するというものでは決してないと私は考えます。むしろ、水質保全行政の効率的な運営のためには、政府行政機関の総力を結集いたしまして、それぞれの機関の所管行政を総合的に調整いたすことによりまして、全体として統一的かつ強力な施策の実施が可能ではないかと考えるものでございます。  河川に限らず、海域につきましても、近く水質汚染にかかる環境基準を閣議決定いたしまして、水質保全にできる限りの努力をいたしてまいりたいと存じております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 本四連絡架橋公団が、建設関係で今回法案が提案されて可決されました。この関係の三ルートについては、四国と瀬戸内海を結ぶ経済ルートで、盛んに大騒ぎして、二百億からの金をもうつぎ込んで騒いでおります。私は、それも大事でありますが、いま言ったような瀬戸内海全体の問題として、豊後水道や紀伊水道、こういう狭いところで海流の交流が行なわれない、非常に自浄作用が鈍っているようなところ、こういうところは大事だと思うのです。  そこで、これは専門局長にお尋ねいたしますが、大阪湾、それから山口県の徳山湾、岡山県の児島湾、これらには魚は生息不能というデータが出ましたが、現状況においてはどうなっておりますか。

藤村弘毅水産庁次長

○藤村政府委員 ただいま御指摘になりました三つの湾でございますが、大阪湾の奥部につきまして先生御指摘のとおり、ほとんど魚類の生息は不可能な状態でございますが、児島湾、徳山湾については全く生息不可能というわけではないというふうに私どもは判断をしております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 山口先生、こういう実態で公害は進んでいるのですが、いまingの進行形で進んでいる。先ほど何々の企画がございますということで御説明いただいたのですが、取り返しがつかなくなってはたいへんなのでこういうことをくどくど言っているのです。一体経済企画庁が計画している何とかという計画はいつでき、どういう規模で、どういう予算体制で臨んでいくのか。四十六年度以降の一般会計の予算の中にこの瀬戸内海対策という問題を織り込んでいかなければならないのではないかと思いますが、その点について明快なお答えをいただきたい。

山口シヅエ自由民主党経済企画政務次官

○山口(シ)政府委員 通産省のほうからお答えをさせたいと存じております。

柴崎芳三通商産業省企業局立地公害部長

○柴崎政府委員 瀬戸内海の汚染が非常に進んでおるという認識は、われわれ常日ごろ持っておることでございまして、通産省といたしましては、その原因発生者という立場から、二、三年前から実はいろいろ案を考えておりました。具体的には瀬戸内海を全域としてとらえまして、これをアメリカのサンフランシスコ湾あるいはデラウェア湾で実行しておりますような大型模型にしつらえまして、その大型模型の中に埋め立て工事あるいは工場の排水、そういったものを全部シミュレートいたしまして、将来の汚濁を予測することによって的確な体制をつくりたいということで、今年度は実は約七百万円予算がつきました。そういった研究方法がはたして実行可能であるかどうか、一番的確な方法であるかどうかを克明に検討すべく、現在研究会を組織いたしまして、この中には各省の専門家、それから大学の専門家、あるいは地元の専門家全部入っていただきまして、その方法論の検討に入っておる。その方法論の検討をまちまして、もしこの方法が正しければ四十六年度以降二カ年間にわたりまして大型模型を建設いたしまして、そこで具体的な実験を行ない、的確な対策を樹立したいという案を持っておるわけでございますが、来年度以降の模型の建設については、まだ大蔵省のほうと最終的な話し合いはもちろんついておりません。  以上でございます。     〔委員長退席、岡本委員長代理着席〕

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 そのデラウェア湾とかいう他国のサンプルを研究していくのもけっこうですが、もう現在瀬戸内海水域の六分の一が汚濁されている、こう話しているうちにも、先ほどのどなたかの話ではありませんが、公害は発生し、汚濁海域は広がっていく。私は非常に手ぬるいと思うのですが、ただいまのようなお話をお聞きになっていて、政務次官、どのような御感想を持たれましたか。

山口シヅエ自由民主党経済企画政務次官

○山口(シ)政府委員 先生の仰せのとおりの感じを受けました。  さらに、先生の御質問につきまして、詳しくお答え申し上げたいと存じますので、政府委員のほうから答えさせていただきます。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 現行の水質保全法によりまして、個々の水域につきます水質基準の設定、これにつきましては、瀬戸内海では非常に問題になっておりまして、経済企画庁としても努力いたしております。従来相当水域を調査してまいりました。四十五年度におきましては、この調査水域の中におきまして、播磨地先、水島を含めまして高梁川河口、広湾、呉湾、三田尻湾、徳山湾、宇部・小野田地先海域、このようなところにつきまして、逐次四十五年度中に指定水域にいたしまして基準設定をいたしたい、こういうふうに考えております。  ただ水質保全法におきましては、やはり瀬戸内海全域につきまして一ぺんに指定水域について水質基準をかけるということは、現行法の体系としてはなかなか困難でございまして、やはり現行法の保全法の中におきまして、特定の地域をねらい撃ちにしてやっていく。全般的な瀬戸内海全部の中心部のほうに及ぼしますような汚濁、このような問題につきましては、私たちといたしましては、現在通産省のほうから説明のございました瀬戸内海の大規模な調査、このような調査を参考といたしまして、この排出を規制いたしたい。  また陸上の工場、事業場等から出る汚水以外に、油の投棄その他の問題がございます。これらにつきましても、油濁防止法その他によりまして、結局国といたしましては、環境基準を定めたならば、これによってそれぞれの所管におきまして、総力を結集して海域の汚染を防止してまいりたい、このように考えておる次第でございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 そこで私はこの廃油の問題、これは海上を二十万トンタンカーが往復しておりますし、中小のタンカーも数多く何万隻と通っておるこの瀬戸内海の海の交通路の油の問題が非常に大きくなっている。  それでは、この十一府県の沿岸に廃油処理場はありますか。

向井清海上保安庁警備救難部警備第一課長

○向井説明員 お答え申し上げます。  廃油処理施設につきましては、全国的にかなりの数のものが整備されつつございますが、現在油防法で申しますところの正規の処理施設を持っております指定港といたしましては、全国的に申しますと、川崎港だけでございます。近いうちに東京港あるいは千葉港あたりがそれに該当してくると思いますが、ただいまのところ、御指摘の瀬戸内海におきましては、直接の廃油処理施設は何カ所かあるやに承りておりますが、正規の指定港ないしは処理施設として法律上の規制を受けておるというものはいまのところございません。     〔岡本委員長代理退席、委員長着席〕

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 これだけの瀬戸内海十一府県をめぐって、海の庭といわれているこういう中に、陸上の廃油処理施設というものはまた違う立場からつくっており、海上の船舶を対象にした廃油処理施設は一つもないということは、私はこの瀬戸内海の公害防止の施設としては非常に問題だと思うのです。徳島県にしても香川県にしても、また大阪、和歌山、兵庫、岡山、広島、山口、愛媛、福岡、大分、これだけの十一府県がありながら、廃油処理場一つない。たれ流しするようなものです。そこにこういった問題が出てくるということを政府としてはなぜ指摘できないか。大騒ぎになってからではこれはどうしようもないから私指摘しているのであって、こういった瀬戸内海の問題をめぐって、廃油処理施設場というものをつくらせる姿勢というものがあるのかどうか。

向井清海上保安庁警備救難部警備第一課長

○向井説明員 いまの御質問の点でございますが、これは運輸省のほうで所管をいたしておりまして、私どもの聞きます範囲では、長期の計画をすでにだいぶ前から立てておる。いま御指摘の瀬戸内海沿岸につきましても、処理施設の整備計画は着々と進められておるやに聞いております。詳しい資料等いま持ち合わせておりませんので、お答えいたしかねますが、整備されつつあるというふうに伺っております。瀬戸内海につきましても、何カ所か整備されつつあるということであります。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 では、その点ははっきりしたお答えが出ましたから、私どものほうとしては、これは委員長、御要望したいのですが、瀬戸内海の海上投棄の油を防ぐための廃油処理場の施設計画というものがいま示されたのですが、後ほど調査して委員会に提出していただきたいと思うのです。お願いいたします。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 廃油処理場の資料要求が出ましたが、資料は出ますか。

向井清海上保安庁警備救難部警備第一課長

○向井説明員 運輸省に連絡いたしまして、そのようにいたしたいと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 いつ出ますか。

向井清海上保安庁警備救難部警備第一課長

○向井説明員 そう時間はかからずに出ると思います。三、四日だと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 来週早々には出ますね。

向井清海上保安庁警備救難部警備第一課長

○向井説明員 来週前半くらいには出ると思います。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 瀬戸内海の問題は、だいぶ前向きの姿勢をいただきましたので、今後とも御検討をいただきたいと思いますが、またあとでいろいろと追及するといたしまして、次に東京湾についてお尋ねしたいのです。  東京湾は、もうこれは食べられる魚というのはほんとうに——においがくさくて食べられない。海洋の問題というものは非常に大きな問題になっておりますが、東京湾に捨てられている屎尿処理量は一体どれくらいあるのか。それからどの地点にいま投棄されているのか。投棄に使われている船は一日何ばいなのか。昭和四十二、四十三、四十四年度の三カ年に海上投棄についての不法投棄の件数は何件あったのか。また今後過密状態になって、この屎尿処理場、下水処理場というものが、いまのように行き詰まっている事態においては、人口過密の三多摩地帯、こういう地帯の投下量というものはどんどん東京湾にふえてまいりますが、海上投棄の場所は現在地点より変更する意図はないのかあるのか。  ただいま申し上げた点について御説明をお願い申し上げます。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○城戸政府委員 ただいま瀬戸内海でも出ておりましたが、海上の汚濁の一因として、屎尿の処理に関連する問題がいろいろあるわけでございまして、私ども昭和四十四年二月二十一日に閣議決定されました五カ年計画によりまして、公共下水道の整備計画とも関連しながら、屎尿処理施設の整備をいたしてまいっているわけでございます。ただ現実の問題としまして、四十六年で特別清掃地域人口、つまり全国民の九割を占めるわけでございますが、この特掃地域人口全部の屎尿を衛生的に処理していこうという目標でございまして、計画ベースでございますから、着工ベースでございますから、実際の竣工はそれよりもさらに二年くらいおくれるわけであります。この辺を考えますと、それまでの間は少なくも何らかの形でより弊害が少ないように経過するよう措置していかなければならぬと考えているわけであります。  まず第一には、いまのような屎尿処理の計画そのものを、施設の整備を進めていくということ。第二は、ただいまお話のございましたような投棄の禁止されている海域につきまして、現在の規定を、もし必要がございますれば若干でも変更して追加していくというようなこと、あるいは多くの処理の基準がございますので、政令で定められました基準が順守されますように指導していくということ、あるいはまたいまもお話がございましたが、違反がございましたら、それに対する取り締まりをしていく、こういう万般の施策を講じていかなければならぬ、かように考えているわけでございます。  全体の数字で申し上げますと、現在は特別清掃地域人口がこれは四十三年度末の数字でございますが、大体七千六百万人ございまして、そのうちでくみ取り便所によって処理しているのが六八・三%、五千百九十三万人を処理いたしております。この海洋投棄をされておりますのは、いま申し上げました特別清掃地域人口に対しまして一二・九%、くみ取り便所によるものにつきまして一八・九%を占めておりまして、全国量としまして一日量一万四千百六十七キロリットルになるわけでございます。手元に瀬戸内海の分を持っておりますが、ちょっと東京湾の関係の数字は持っておりませんので、調べて後ほど御報告申し上げます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 こういうように東京が非常に過密になっている。またいまのような東京湾の公害発生源で大きな問題がたくさん出ている。当然ここに内閣総理大臣から、公害防止計画実施にかかわる問題という公害対策基本法第十九条に基づいて公害防止計画策定の基本方針が東京には指示されなければならないと思っておりますが、昭和四十四年五月二十七日に、この公害対策基本法第十九条に基づいて、内閣総理大臣から公害防止計画策定の基本方針が指示された府県はどことどこでしょう。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○城戸政府委員 四十四年五月二十七日に計画を策定を指示いたしましたのは、千葉県市原地区、三重県四日市地域、岡山県水島地域、この三地域でございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 そのことにつきまして、昭和四十四年五月二十六日に「千葉県知事殿、内閣総理大臣佐藤榮作、公害防止計画策定の基本方針に関する意見聴取について、公害対策基本法(昭和四十二年法律第百三十二号)第十九条第四項の規定に基づき、別紙の基本方針案による公害防止計画の策定を指示することについて畳職の意見を求める。」と、千葉県友納知事に五月二十六日にあてられている。こういう大事な、日本全国の中から三県に千葉県が入った。それに対して同じく「公第百三十五号昭和四十四年五月二十六日内閣総理大臣佐藤榮作殿、千葉県知事友納武人」、同じ日に同じ答えがもう総理大臣あてに出ている。まことにスローモーであるお役所仕事としては、私は感心しました。五月二十六日に内閣総理大臣から公害指定の基本方針に対して畳職の意見を問う。それに対して同日——何時にこれがきたか知りませんけれども、その日の五月二十六日、同日にもう内閣総理大臣にこういうものが出ている。こんな大事なことをただ知事一存で、下のほうの部長や課長とも副知事とも相談しない。ただ一片の書類だけで知事が回答でき得るものなのかどうか。それはひっくり返していえば、千葉県知事が公害問題に対して非常に意欲的である、こう理解ができますけれども、まことに慎重さを欠いているように思えるのでございますが、幾ら何でも一日で——同日ということはちょっと私理解に苦しむのですが、この点についてはどのように理解したらよろしいんでしょう。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○城戸政府委員 公害防止計画につきましては、公害対策基本法によりまして基本方針を指示いたしましたのは、先ほど申しましたように、去年の五月二十七日でございます。ところが、このためには実は四十三年の十一月四日からずっと公害防止計画委員会というものをつくりまして、いろいろ現地の調査もいたしますし、内部での審議もいたし、それからまた現地では知事や市長さんなどの意見も聞き、事務的には厚生省が中に入りましていろいろと三県との調整をする、こういう過程を経てきたわけでございまして、ただいまの文書につきましては、公害対策基本法第十九条によりまして内閣総理大臣が都道府県知事の意見を聞かなければならぬということが明文でございますので、要式行為としてそういうような形をとっただけでございまして、実際上の合意はその以前において十分とれていた、こういうことでございます。  なお、いま千葉の例が二十六日でございますが、あと三重県、それから岡山県につきましては五月二十七日、こういうふうになっています。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 それでよく理解できたんですけれども、この一片の通達だけ見たんでは、私どもはそういう裏の問題はわかりませんので、非常に疑惑を生じたわけなんです。そこの辺のところにもまた議論する余地がありますが、時間がありませんから、それはさておきまして、それではなぜ千葉、三重、岡山の三県にしぼったのか。東京とか神奈川とか瀬戸内海沿岸の公害発生県等にはしぼられなかったのか。千葉県は、関東圏の一つとして、南関東二千五百万人の人口が集中している府県といたしまして、都市問題の中から当然これは考えられるのでありますが、岡山と三重以上に、もっと大阪とか、こういうようなところがあると思うのでありますが、その点はどうなんですか。第二次の指定というのは、どことどこを指定するのか、この点についてお尋ねいたします。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○城戸政府委員 御存じのように、公害対策基本法十九条では、公害が現に著しい地域、それから人口、産業の急速な集中で公害が今後著しくなるおそれのある地域、この二つの地域につきまして、内閣総理大臣が都道府県知事に基本方針を示して計画の策定をやっていく、こうなっているわけでございます。いまの先発三地域につきましては、もちろんこの二つの条件には該当いたしておるわけでございますが、さらにこの場合、実は第一回目の基本方針の策定でございますので、公害によります汚染の程度が、ある程度態様の異なった地域をとるという意味におきまして、日本で公害が最初に発生し、非常に著しい公害によりまして、現在の健康被害救済の対象となっている大気汚染の疾病まで出しました四日市を一つとりまして、それに次ぐものとしまして千葉をとりまして、それから水島につきましては、今後急速に汚染の可能性のある地域ということでとってまいったわけでございます。特にこれらの三地域につきましての調査研究が、いろいろとその当時までに進められたものがあるというようなことでございますと、それを利用できるという点も考えあわせて、最初の取り上げ方としましてはこの三県にしぼったわけでございます。  私どもとしましては、この三県以外に広く取り上げていくことが本来の気持ちでございますので、今後できるだけ範囲の広い意味の公害防止計画を策定していこう、かように考えているわけでございます。  この次の段階としましては、現在、去年の八月から基本方針につきましての策定をやっております東京の地域、それから神奈川の地域、大阪の地域、その三地域につきまして、本年度できるだけ早い機会に基本方針を示してまいりたいと思っております。さらに四十五年度予算で入ることになっております名古屋、尼崎、北九州、鹿島、大分、この五地域につきまして今後新たに基本方針の策定のための作業を進めてまいりたいと思います。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 内閣総理大臣が公害対策基本法十九条に基づいて、ただいま申し上げた三地点、並びに今後いまお聞かせいただいた地点に対して義務づけるわけでございますが、それに対しては今度当然膨大なる公害防止のための施設の整備拡充、土地利用等環境整備事業の推進、監視体制の確立、これは相当の額の財源が必要と思いますが、これらの財源の手配というものもただ考えなくして、国、地方公共団体の中での県、市町村また企業体、この四者にどのように——こういった第十九条に基づいて内閣総理大臣が義務づけるというこの基本に対しての財源の裏づけというものがなかったらば、これはどうしようもないわけで、特にこういった指示された府県に対しては、それこそ一片の絵にかいたもちのような計画だけ提出して事終われりというのであっては、先ほども私が心配して申し上げたような瀬戸内海総合公害防止対策というような姿勢の中においても示されない、こういうことも考えたときに、一体財源配分をどうするのか。この陳情にもございますように、「膨大な財源を必要とするものであります。ついては、本公害防止計画を完全に実現させ、実効あるものにするため公害防止対策事業における費用の負担区分を明確化して国において特別の財源措置を講ぜられたく次のとおり要望します。」云々とこうある。これに対してはどのように御配慮いただけるのでございますか。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○城戸政府委員 全くそのとおりでございまして、私ども最初公害防止計画委員会でいろいろ論議をいたしました際にも、どのくらい費用がかかるだろう、それに対してはいかなる裏づけをすべきであるか、かような点がいまいろいろ問題になったわけでございますが、ただ、この公害防止計画は、地域の実情に応じて都道府県知事がきめていく、こういうことになっておりますが、その段階でこの点がすべて確定するということは困難だということで、この指示の際に、別に公害防止計画に必要な費用の見積もりを、計画を出す場合にあわせて出してもらいたい、かような意味の文章になっているわけでございます。  そういうことでございますので、今後いかにして費用負担の関係を解決していくかということが非常に重要でございますから、現在、公害防止計画の費用の研究会を発足いたしまして、委員七人で昨年十二月から検討をいただいておるわけでございます。現在まで七回にわたってこの研究会が開かれ、現地も視察して回っている、こういう状況でございます。  現在の検討段階としましては、どういうような事業が盛り込まれ、どういう意義がそれぞれあるのか、あるいはまた、現行の費用負担制度で、どのようなそれぞれの法律制度あるいは予算のたてまえになっておるのか、こういうようなこと、これを今後どう持っていったらいいか、いろいろな点につきまして関係者の間あるいは県や関係省庁の間の御意見を聞きながら検討を進めているような段階でございます。  この検討を待ちまして、公害防止計画の費用の大体のあらましも次第にわかってまいると思いますから、今後どういうぐあいに負担区分をしていくかということを十分検討し、結論を早く出したいと思います。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 だいぶうしろのほうは元気がなくなってしまったのですけれども、この財源配分がはっきりしませんと——そうすると、ただいま検討待ちである、そのことは、政府のほうで、この施設に対してはこうである、たとえば大気汚染、水質基準の費用、いろいろな問題が出てきますが、そういう問題は、政府のほうで、その財源算定というものを示していただいて、その割り当て等を示していただいてから、その関係府県に御指示をくださって、こういったものを肉づけされる、こう理解してよろしゅうございますか。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○城戸政府委員 これは、あくまでも内閣総理大臣から関係都道府県知事に指示いたしておりますが、都道府県自体で計画をまとめまして、こちらにまた内閣総理大臣の承認を求めて出してこられるような形になるわけでございまして、関係県でどういうような事業を公害防止計画事業の中に盛り込み、そして関係機関として、それに対してどういうような費用についての意見を持っておられるか、このような問題が一番先決問題になろうかと思うわけでございますが、まだその辺の計画の内容がまいっておりませんので、それを受けた上で検討いたしていきたいということを考えておるわけでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 ここで議論しておっても、水かけ論になってしまうが、私が一番心配しているのは——これは、まことに複雑なんですね、聞いていくと。この文章でいくと、内閣総理大臣から公害防止計画策定の基本方針が指示される、あくまでも主体性は、内閣総理大臣が、国の公害という問題を心配した上で、総理の立場から見て、あなたの県とあなたの県は公害防止の基本計画をお出しなさい、その財源の裏づけも考えてあげますよという中から立っていくのではなくして、いまお話を聞いていきますと、下から突き上げがきて、形だけは内閣総理大臣にしていくというふうに私理解するのですが、いまのそういう主体性のない政府の形であっては、この精神というものは生かされていかない。そこで、公害問題というのは後手後手になってくるように、私みたいなしろうとでも考えられる。そういう点は今後の議論の一番の分かれ道になってまいりますが、この姿勢についていろいろとこれから論じていっても、時間がありませんから、私はこれでやめますが、ひとつ内閣総理大臣に、こういう問題が産業公害特別委員会で議論になっておるということを——本来なら関係所管の大臣がおって、閣僚会議でこの問題を議題にしてもらわなければならぬ、それほど重大な問題だと思いますが、これからあと、こまかいことはいっぱいありますが、これでやめておきます。どうかひとつお帰りになったら、とくと大臣に私の真意をお伝えいただきたい、このように思います。

城戸謙次厚生省環境衛生局公害部長

○城戸政府委員 先生おっしゃるとおりでございますが、私ども、より積極的な姿勢で今後に対処してまいりたいと思います。大臣にもよく伝えたいと思います。ただ、私ども決して現在消極的であるわけではございませんで、実はきのうも関係県の市長とお会いしましたが、いましばらく内部での積算その他調整を待ってもらいたい、こういうことでございますので、お待ちしているというのが現状でございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 私は、時間があまりありませんから、さっさとやりますが、一つは、くさい水事件です。埼玉県が非常に迷惑をこうおりまして、一体埼玉県が犯人ではないかと言われたのでありますが、これは東京、群馬、埼玉、要するに利根川上流の渋川付近が原因であるということが新聞紙上では中心になっておりますが、私は、本委員会を通しまして、正式にこの問題の追及をしてみたいと思うのであります。  まず、一体このくさい水の原因というものは判明したのか。三都県連合審査の結果ではどういう結果が出たのか。一体渋川方面の上流の水域指定というものが行なわれるのか。特に私が心配しておりますことは、群馬県は利根川の本流の水を飲料水に使わないで、支川を使っております。したがって、このために、利根川の水というものは——御存じのとおり、利根川水系に落ちた水を、あの埼玉県の行田の取水口を経まして、浦和の秋ケ瀬の利根導水路から小河内のダムへ——東京都民の水ですね。これは利根川の水を荒川へ落として、それを東京の皆さんに提供しておりまして、わが埼玉県は通過県。いつも何かあると、埼玉県が原因じゃないかというような疑惑を受けておりますが、この点は明確に、三都県連合審査の結果は、埼玉県には原因がないのだ、一体どこに原因があるのか、この点を明確にして議事録にとどめておきたいと思いますので、私は質問いたしますが、この結果について、克明に御説明いただきたいと思います。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 利根川のくさい水事件につきましては、東京と群馬、埼玉、三都県の共同調査も行なわれております。それから厚生省のほうにおきましては、利根川水系の水道事業者の協議会を持ちましていろいろ相談しております。水質保全の責任官庁であります経済企画庁におきましても、去る三月十三日だったかと覚えておりますが、関係省庁、関係県を集めまして、従来の経過あるいは今後の方針等についていろいろ協議をいたしました。現在、先生のおっしゃいました発臭原因につきましては、塩素メッキを行なったところから、においが出たというようなことからいたしまして、何らかの有機化合物が誤って大量に出たのではなかろうかということが想定されるわけでございますが、その後二回ばかり、暮れの十二月にありましたのが、一番においが強く、その次に二月にありましたのが、ずっとにおいが弱くなっております。それから新聞報道にもちょっと出ましたが、三月にもちょっと変臭があったということになっておりますが、このときは、たいしたことではございませんでした。  それで、いま、十二月に非常に大量に臭気を発生しましたときの水につきまして、東京都のほうは、その取っております水につきまして、現在分析をやっているわけでございますが、このにおいを出しますのは、〇・〇三とかいうような、PPBのオーダーのものでございますから、非常に微量なものでございます。これを、どういうものが含まれているか分析いたしまして、それを、においのしない水とあれしながら一つ一つ消していくというような形でやるそうでございますが、私も専門家ではございませんので、その細部はわかりませんが、いわゆるどのような物質が含まれておったかということにつきましての大体の結果が、やっと出てきつつある、現在そのような段階のようでございます。  それから、その次には、一つ一つ消していきまして、それによって最後に残ったものについて、さらに調べるというようなことをやっております。東京都のほうから聞いたところによりますと、残っております水が、原水が残っておりません。一番最初の水でございますから、すでに塩素を入れてしまって化合したあとの水しか残っておりませんから、その点からも非常に難航しているというようなふうに聞いております。  ただ、私たちといたしましては、原因を追及することそのものよりも、そのような事態を起こさないこと——これは、あのような暮れの問題が一番大きいわけでございますが、非常に大量に、相当な臭気を発生したということから考えまして、その後はコンスタントにないということから考えまして、何か誤って出されたのではないかと思うわけでございます。今後そういうようなことのないようにということで、現在、群馬県も東京都も協力いたしまして、群馬県内に前進基地を設けて、そこで調査いたしております。ですから、三月十何日かの非常に微量な——これは、人によりましては、臭気を感じた、ほとんど感じないという境目にあるような微妙なものでございます。総合臭気の濃度でいいますと、十二月に出ました分の百分の一以下、一般的には感ぜられないようなものが一時あったようでございますけれども、そのような体制で、現在でもずっとその体制を続けております。もう少し原因を追及いたしまして、はっきりした場合には、これからの監視体制というものにつきましてもはっきりした体制ができるのではないか、このように考えております。  御質問のございました水質基準の設定でございますが、これは中流部につきましては、本年度水質基準を設定いたしたいともうすでに部会にもかけまして審議を始めております。上流部につきましてはちょっとデータが不足しておりますので、本年度四十五年度の調査費をつけておりますので、この結果を待ちまして、できるだけ早急に、四十五年度調査ができて、その結果を待って四十六年度にということではなしに、おおよその大勢がわかりましたら、本年度中にも基準を設定いたしたい、このように考えております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 よく理解いたしますが、私は利根川の中流は水質指定が九月と聞いております。それはちょっと私の間違いかどうかわかりませんが、上流が問題になっておりますね。利根川というのは日本一長い、水量の豊富な川、御存じのとおり、関東圏の最大の水脈ですが、こういった利根川の水質基準がおくれておるということは、中流以下の府県、埼玉県なんか中間に位置しましていつも非常に困っておるので、至急その点水質基準をお願いしたいと思います。  それから、荒川の件についてお尋ねしたいのですが、荒川の本川上流は四十五年度は調査の予定になっておるのか。水質基準がいつ行なわれるか。この点についてお尋ねいたします。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 利根川につきましては、ただいま申し上げましたように、従来から見ると非常におくれたという観点もございますけれども、正直なところを申しますと、関東平野としては利根川はわりあいときれいな水である、江戸川その他に比べますと比較的きれいな水である。今回のくさい水事件から、やはり上流にも工場ができておりまして、特に伊勢崎周辺の工場が、一番最近悪くなっております。その点からも、私たちとしては利根川の中流のほうを急いだわけでございますが、さらにいま申し上げた上流部につきましても、早急に基準の設定に入りたいと思います。  荒川につきましては、御承知のように、すでに熊谷市まで指定水域になっております。その上流が、秩父、長瀞から秩父地帯になりますと、それにつきましては今年度調査をする予定でございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 埼玉県の例を取り上げてまことに申しわけないのですけれども、東京首都圏の中で一番人口急増地帯、そこで私いつも心配しておりますことは、県南、川口、浦和付近、ここには、荒川、芝川、中川、藤右衛門川、中央排水路、こういった河川が集中しておりまして、私の住んでいる川口もその分岐点になっております。そこで荒川左岸流域下水道というものが現在進行している。だけれども、その幹線ができ上がるのは先の話なんです。そこで、なぜ荒川右岸の流域下水道はできないのか。左岸ばかりできたって、川というものは左のほうばかりがよくなったって、右のほうが悪ければ汚濁は防げない。それから、荒川、中川のこの水系の流域下水道ができない。  私がこういった問題をなぜ取り上げるかと申しますと、この六月から新都市計画法ができまして、御存じのとおり市街化区域と市街化調整区域が線引される。これは建設大臣に聞かなければならない問題ですが、一体何を基準に市街化区域と市街化調整区域をきめるかということ。私は、少なくともこの流域幹線下水道ができているかできていないかということを基準にしてきめるべきであるという持論を持っているのです。それができないために、市街化区域を流れている農業用排水路については、現在、アンモニア、窒素の規制がないでしょう。そのために農業公害を巻き起こしている。また、市街化区域から調整区域へ入ってまいります場合、その調整区域というものは、御存じのとおり、市街化は今後十年間しませんよ。——そのまた先には農業振興地域がある。  いつも私どもの府県の線引きを見ても、ここからここまでずっと農業振興地域だ、調整区域だ、市街化区域だと、こういうように順序を追って線引きが行なわれるなら問題がないのですが、調整区域の隣に市街化区域があり、そのまた右のほうには農業振興地域があり、錯綜して線引きが行なわれているのです。だから調整区域に市街化区域から流れた農業用排水路は農村地帯に流れていく、また逆の面もある。そういった大きな問題が出てくるので、まず幹線下水道というものをつくらなければならぬ。そのために問題がこの都市河川という問題に触れてくるのでありますが、下水道と都市河川を有機的に結びつける都市河川法の制定というものも考えなければならぬ、これが都市問題の大きなネックになっておる。農業用排水路というものは、幹線下水道ができないために、いま農業公害を巻き起こしております。  そこで、第一点、お尋ねしたいことは、埼玉県を中心にした関東圏の荒川左岸流域下水道とあわせて、右岸の幹線下水道は、できるのはいつなのか、こういう計画が担当の建設省のほうから示されておるか、それが一つと、中川、綾瀬川、こちらの方面の水域はできておるのか。  それから農林省関係にお尋ねしたいが、こういった農業公害、宅地造成と相まって市街化区域、調整区域の線引きとあわせて農業公害の起きておる水質の基準、窒素、アンモニアも規制を行なうべきであると思いますが、この点はどうでございましょう。  時間がありませんから、私は二点あわせてお尋ねいたします。

久保赳建設省都市局下水道課長

○久保説明員 荒川の流域下水道の問題でありますが、ただいまは左岸について事業を実施しておりまして、昭和四十六年には一部通水をするというところまでこぎつける予定でおりますが、右岸のほうにつきましては、先生御指摘のように、まだはっきりした事業を実施する体制に至っておりませんけれども、今年度に調査を実施したいということで埼玉県とも協力の上、これを進める予定にしております。  それから、なお中川方面でございますが、これも引き続き実施をしたいということでやっておりますけれども、荒川のほうを優先をいたしまして、費用等々の関係も含めて中川のほうを考えてまいりたいと思います。  それからなお河川等も含めました総合的な排水計画を立てまして、下水道と河川それから農業排水路等の区分を明瞭にしなければならないわけでありますが、それらにつきましては、先生いま申し述べられました市街化区域設定の作業と並行して総合的な排水計画を立てたい、かように考えております。その中で広域的な部分につきましては、ただいま申し上げました流域下水道ということで調査を進め、調査完了の上事業の実施をするようにしてまいりたい、かように考えております。

松平孝農林省農地局計画部長

○松平説明員 御指摘のように都市化が進んでまいりますと、周辺の農地に被害が及ぼされるような用水の汚濁を生ずるわけでございますが、被害の発生しております水域につきましては、現地の実情に応じまして、水質保全法に基づく水質基準の設定などの所要の措置を講ずるように関係の省庁に対して要望して、その改善につとめておりますが、私どものほうで農業用の水の基準といたしまして、専門家に検討していただきました結果は、PHで六ないし七・五、CODで六PPM以下、トータル窒素、全窒素濃度として〇・一PPM以下、電気伝導度は〇・三ミリモー以下、重金属類は、砒素が〇・〇五PPM以下、亜鉛が〇・五PPM以下、銅が〇・〇二PPM以下ということで要望しておる次第でございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 いまちょっとお聞きしたのですけれども、埼玉県の市街化区域に設定予定地域の用排水路の窒素の分析は埼玉県で行なったのですが、〇・一PPMどころの騒ぎじゃないですよ。松原団地という大団地の下水のアンモニアが出てくるところは、何と一・四から二〇・八の数字が示されている。そのために窒素が過剰になっちゃってお米ができない、こういった実例があがっているのですね。  そこで、私はしろうとでございますので、まことに幼稚な質問なんでございますが、いま埼玉県の例を取り上げますと、県の農業公害の被害面積の九二%が農業用排水路の水質汚染が原因となっている。その九二%のまた九四%までが、都市住宅の排水で窒素過剰となっている。この窒素過剰の問題は大きいのですが、この窒素に対しては、何らかの規制というものがあるのでしょうか。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 窒素の題問は、農業の被害といたしまして、非常に大きな問題になってきております。今回環境基準の設定作業におきましても、ずいぶん問題になったわけでございますけれども、御承知のように、現在、その窒素につきましては、これを技術的に除去する方法がございません。下水道によりましても除去できないわけでございます。それとこの窒素、Nを出すほうのもとでございますが、これはほとんど屎尿の関係でございまして、工場、事業場等の排水では、ほとんどございません。工場、事業場の中でありますのは、食品工場に一部ございますけれども、大半ば一般家庭の汚水のほうの屎尿から出てくるわけであります。ですから、下水道で処理する以外に、家庭の屎尿を規制することはできないのでございます。そのために現在、水質基準を設定いたしました数値につきましても、窒素分については実体規制の方法がないものですから、やむを得ず規制してないわけであります。ただし、農業のほうに非常に大きな問題があることはわかっておりますので、農林省におきましても、四十五年度にこの窒素問題を特に取り上げまして、何らかの対策を研究する。企画庁のほうにおきましても、四十五年度の特殊項目調査といたしまして、このNの問題を取り上げまして調査を進める、その調査結果によりまして何らかの方策を考えたい、このように考えておる次第でございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 私の持ち時間が参りましたので、やめさしていただきますが、最後に一点だけ、その点もあえて私——これからの課題でありますが、経済企画庁の水質審議会ですか、それから厚生省の諮問機関であります生活環境審議会、これが水質基準について厚生省案というものを出しておる、これは健康の立場から、水銀、大腸菌を、また、いま言ったような十九品目ですか、その中にはいまのいろいろなアンモニア性窒素、塩素イオン等の問題も含まれておりますが、このように新しい、厚生省のさらに追加の、たとえば水道原水取り口——水道そのものの基準というものはあるけれども、水道の水を取るところの口の原水の基準というものは、いまないように聞いておりますが、そういう問題、この厚生省案に対しては、新たにどういうふうに関係を結びつけ、今後姿勢を取り組んでいかれるのでございましょうか。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 環境基準につきましては、水質汚濁にかかる環境基準につきましては、各省の了解事項といたしまして、水質審議会のほうで設定して審議することになっております。生活環境審議会のほうで今回出されました水道用水の基準といいますのは、これは水質にかかわります環境基準といたしまして、水道原水の立場から要望する水質、これはほかに水産の立場の水産用水基準あるいは農業の立場の農業用水基準、そのような基準がございまして、それらを総合的に勘案いたしまして、今度水質汚濁にかかわります流水の環境基準というものをそれらの各種の基礎用水基準を条件といたしまして策定されるわけでございます。いま先生おっしゃいました項目の中につきまして、その生活環境の部分ではございませんで、人の健康にかかわる項目もございます。その点に関しましては、今回環境基準を審議いたしました際に、人の健康にかかわります分としては、一応当面七項目というものを決定したわけでございますが、健康にかかわる項目が七項目だけであるということでばございませんで、もっともっとほかにも問題がある。いろいろトータル水銀なり、あるいは総クロームなり、いろいろな問題が出てまいります。しかしながら、それらのうち実体規制の可能な問題とか、あるいは量的な問題で各省がコンセンサスに達するもの、そのような条件から、当面はまず七項目にしぼったわけでございますが、引き続きまして各省と協議いたしまして、コンセンサスに達したものはどんどん追加してまいりたい。逐次項目は追加していく。このように考えております。今回厚生省のほうから出ました基準も尊重いたしまして、各省と意見を詰めまして、調整して合意に達したものは、引き続き項目として——これは健康項目だけではございません。生活環境項目につきまして、たとえば海水浴の大腸菌等がございます。さようなものも追加してまいりたい、このように考えております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 時間が参りましたので、これでやめさしていただきます。  私、一つお願いがございますが、東京の水道の問題、カシンベック病の問題等たくさんお聞きしたいことがございましたが、時間が参りましたので、これでやめますが、あくまでも日本の公害防止のために今後とも皆さん方の御健闘を心からお祈りしております。とともに、私どもも努力してまいりますので、ひとつ鋭意、ただいま取り上げられた問題につきましては、ないがしろにすることなく、瀬戸内海問題についても国民運動としてこれを盛り上げていくようにわが党としても考えておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。  終わります。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 関連質問の申し出がありますので、これを許します。岡本富夫君。

岡本富夫公明党

○岡本委員 水質汚濁につきまして、水質保全の法案がこの間通りましたけれども、そのときに質問すべきであったのですが、この水質の環境基準につきまして若干お聞きしておきたい。  これは、公害基本法に基づくところの環境基準をつくる、こういうことになっておりますが、これはいつできるのですか。もう一度はっきりしてください。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 環境基準の基本方針は、来たる二十一日に閣議決定する予定でございます。二十一日に閣議決定をいたしますと、人の健康にかかわる分は、公共用水域全部、当面実施されます。生活環境にかかわります分は、類型値——類型別の数値が決定いたすわけでございますけれども、それぞれの水域を類型値に当てはめる行為が残っております。これは引き続き閣議決定をするわけでございますが、それが閣議決定をいたしませんと、現実的には決定したことになりませんで、その問題につきましては、現在、当面急ぐものとして指定水域になっておりますところ、これにつきましては資料もそろっておりますので、早急にやりたい。五月上旬には当てはめ行為の閣議決定を終えたい、このような考え方で現在作業を進めております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 最初経企庁のほうでは、先ほどもちょっと話がありましたが、環境基準につきましては、流水基準もつくるというような話があった。ところが去年の正月に、水質保全法の改正の中から流水基準が落ちてしまった。これはどういうわけで落ちたのか。この点について……。

西川喬経済企画庁国民生活局参事官

○西川政府委員 公害対策基本法で今度決定いたします水質汚濁にかかわる環境基準、これがすなわち流水基準なんでございます。流水基準と同じものでございます。この公害対策基本法のほうで環境基準をつくるということが規定されておりますから、保全法の中に入れなくても同じものになるわけでございます。それで保全法のほうから流水基準をはずした、このようになっております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 じゃ、環境基準のはっきりしたものは、閣議決定がされた時点において、もう一度この点を詰めていきたい、こう思っております。  それから次に、時間がありませんから、私、当委員会におきまして——これは兵庫県の芦屋市におけるところの剣谷という山がありまして、ここに芦屋市の浄水場が二つあるわけです。一つは西宮、一つは芦屋、この付近が開発されると非常に水質が汚濁するから、開発はひとつやめてもらいたいというような意見を申し述べまして、一応いまのところはいろんな問題で開発はとまっているわけでありますけれども、これは国鉄に聞きたいのでありますけれども、今度はこの芦屋の六麓荘町の水道がありまして、これが満水時は一万五千トン、異常な渇水のときでも大体八千トンくらいは水がたたえられておる。ところが、新幹線のトンネル工事がございまして、新幹線のトンネル工事と同時に、ちょうどこの山の下にそのトンネルの入った時点、すなわち本年の一月、二月、このころから非常に水が出なくなった。三月にはもうほとんど千九百トン、こういうような状態で、非常に困っておるわけです。降雨量を見ますと、四十一、四十二、四十三、四十四、四十五の降雨量にはあまり差がない。こういうわけで、非常に騒いでおるわけでありますが、これに対する国鉄側の意見、あるいは運輸省の調査の結果、これをお聞かせ願いたい。

長浜正雄日本国有鉄道常務理事

○長浜説明員 六甲トンネルが、距離でいきますと、ちょうど六麓荘水源地の約三百五十メートルくらい離れたところで、高さでいうと若干下のほう、トンネルのほうが貯水池よりも百五十メートルほど下のほうを通っていることになります。先生おっしゃいましたように、昨年の暮れちょっと前くらいでございますか、トンネルがちょうど貯水池の付近を通りまして、ことしの一月、二月それを通り抜けまして、いまは通り抜けて導坑が進んでおるわけでございます。やはり私たちの手元にも同じように昨年の暮れ、特にことしの正月ころから水が少なくなりつつあるということが入っております。特にこの三月には水が非常に少なくなって、飲み水にも困るという状況でございます。これは原因のいかんを問わず、非常に問題でございますので、国鉄としても非常に心配し、また市当局としても非常に心配していただきまして、その対策を立ててもらって、タンク車で運ぶとか、いろんなことをやってもらっておる段階でございます。  その原因がトンネルにあるんじゃないかというふうにわれわれにも考えられるわけでございますが、何ぶんそういうふうに三百五十メートルも離れておりますし、それから百五十メートルほどトンネルが下でございますので、直接影響はないんじゃないかということで、さっそく国鉄の技術研究所でいろいろ調べさしております。  最終の結論はまだ出ておりませんが、昨日までに研究いたしました結果から言いますと、どうも水の質も同じようである。この水源池の水とトンネルから出ます水とが水質が同じようであるというようなこと、あるいはまた、先生いま言われましたように、先年来からの雨量と、それから基礎規定流量といいますか、コンスタントに流れていく水の量、これは雨が降っても降らなくてもほとんど変わらない、いわゆるミニマムの水の量でございますが、これが例年は百五十から二百ぐらいのところでございますが、ことしはそれがうんと減っておるというような状況が出ております。  昨日までの結果から言いますと、どうも原因はトンネルにあるのじゃないかというふうに私たちもいま考えておるわけでございますが、まだ地形の問題、それから表面水がどの程度影響しておるか、あるいは下のほうにトンネルがあるものですから、地下水がこのトンネルにしぼられまして、貯水池にいく量が減っておるのじゃないかというふうにも考えられます。もうちょっとお待ち願いたいと思うのですが、私、大体いまのところ国鉄のトンネルに原因があるように思います。そうなりますと、これは平素流れておりました水の量まで確保するだけのことは、国鉄としてはしなければなりません。そういうことで、水の被害が住民に直接影響がございますので、われわれとしてもなるべく被害を少なくすると同時に、それの被害に対する処置の所要経費その他につきましても、市当局と相談しまして、国鉄の分担すべきものは分担するということで前向きに処置をしたい、こういうふうに考えております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 いまあなたからも御説明がありましたが、御承知のように六麓荘町というのは、関西の財界人の大物がみなおるわけです。それで、この六麓荘の上水道の水というのは非常にいい水でございまして、これは芦屋になる前から既得権を持っておる。そうしたすばらしい水であるから、決してこれはよごしてばならないというように当委員会で林野庁あるいは建設省にも話をしておいたわけですけれども、四十一年でしたか、さらにこの浄水場を拡張しまして、そうしてきれいな水がどんどんたまるようになった。御承知のように剣谷という山は六甲山脈系でありまして、風化花こう岩といいますか、水がたまらない、じょうごのようにずっと底まで落ちてしまうわけです。ですから、そこの地形の地下水のたまるところを掘ったのですね。この新幹線の工事のときにはそこから水が出て、水が出て、現地の工事をやっておるところの組は非常に困ったわけです。ということは、この剣谷の山の水を全部流してしまった、こういうことは明らかであるし、またいまあなたのおっしゃったように、浄水場に流れておるところの水と、それからトンネルに流れたところの水と質が同じであれば、そこにいってしまったというわけで、大きな迷惑をしておるわけです。それで、いずれにいたしましてもここの地域の四百二十一人、それから学校——ここに芦屋高等学校というのがある、また芦屋短大というのがありまして、約千人ほどここに通っているわけです。毎日ポンプ車で下から市が運んでおるわけですね。非常に迷惑しているわけです。この新聞報道を見ますと、西宮市の北山工事区の大阪新幹線工事局の石田線増第一課長は、「トンネルの深さは二百十メートルの位置にあり、昨年十月の同場所での導坑工事でゆう水はなかった。影響はないと考えるが、調査を行ないたい」というような、何と申しますか、全くばかにしたようなことを言っているわけです。この人の発言を見ましたときに、調査もせずに、いまあなたのおっしゃったお答えだったら非常によくわかるわけですけれども、こういう発表をしているということはまことにけしからぬ、こういうふうに思うわけです。  それで、今度は下から阪神上水道の水を六麓荘まで鉄管で揚げなければいけない、こういう工事費、それからそれに対するところのいろいろ維持費というものが相当かかるわけですが、こういう負担は市にお願いするわけにはいかないものです。市も、これはやはりこの付近の市民の税金です。国鉄新幹線の工事の影響によってこうなったものに対しては、これはやはり新幹線工事費の中から負担すべきが正しいんじゃないか、こういうように思うのですが、さらにその点についてひとつお聞きしたいわけです。

長浜正雄日本国有鉄道常務理事

○長浜説明員 現地の課長の答弁、新聞に出ておるようでございますが、あるいは舌足らずであったんじゃないかと思います。トンネルを掘りますときに、ちょうどその貯水池のところを掘りましたときには、水が出ない場合もありますし、若干進んでから多く水が出る場合と、いろいろ水の量が変化が多いものでございますから、あるいはそういう答弁をしたのじゃないか、こう思います。  それからまた、トンネルの水は、いま申しましたように、非常に変化が多うございます。導坑といいまして、トンネルの断面全部を掘る前に、小さい断面を掘ります。全部掘りましたとき水がたくさん出ます。しばらくしますと、何日かたちますと、ずっと水が減ってくるわけです。そして水がもう出なくなるというような例もございます。いつまでも出るのもございます。しかし、これを将来トンネルにしましてコンクリートで巻いてしまいますと、水の量はずっと減ってしまいます。そのいい例が丹那トンネルでございますが、新幹線あるいは昔の丹那トンネルを掘りましたときに、丹那盆地の水がかれまして、国鉄でいろんな工事をいたしまして処置したことがございましたけれども、いままた水はどんどんふえてきておる、こういう状況でございます。この六甲のトンネルの場合も、いまの状態がそのまま続くというようなことにはなるまい、いずれは水は元どおりになるのじゃないか、あるいは元どおり近くまでいくのではないか。地質の関係いろいろございますので、一がいには申せませんが、ただこれは状態はいまとは変わりつついく、こういうふうに私は承知しておりますけれども、何ぶんにも、いまとりあえず、昨年、一昨年に比べましても、水の量が減っておりますので、これが、いま申しますように、たぶん間接的にはトンネルの影響であろう、直接その貯水池の水がトンネルに逃げたという問題じゃないと思いますけれども、貯水池にいくべき地下水が、トンネルによって地下水の水位が低下をする、それによって貯水池にいく量が減る、いわゆる勢いが減るということを申しますが、そういうことで減ってきたということではなかろうか、こういうように推察いたしますので、先生おっしゃいますように、それが新幹線トンネルの影響でありましたら、これはもう明らかに国鉄がそれに対しての処置をしなければなりません。  そこで、どの程度国鉄が処置しますかにつきましては、トンネルの影響に対します分を国鉄としてはやらなければならぬ、こういうふうに考えております。ただ、それ以上に設備をするとか、あるいは改良するとか、これについては市の側の負担になるというようなことはございます。国鉄はトンネルを全国でたくさん掘っておりまして、そういう例が非常にたくさんございますので、それらと並べまして、地元の市と十分御協議を申し上げて、御迷惑をかけないように処置していきたい、こういうように考えております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 いまお答えいただいたが、要するに新幹線の原因によってなったということは、同じ水質のものが下に流れて上水道の水がなくなったのではなくて、浄水場にくるところの上の水がなくなったわけであります。水源地にくるその水源の水が、地下水がなくなったわけですから、この点もあらためてもう一度認識していただきまして、そして一日も早く処置をしていただく。また、これはもしも火災でも起こりましたらたいへんだと私は思うのです。したがって、早急にひとつ手を打っていただきたい。これは私は国鉄に前々から、こういうことだから早くやってもらわなければいかぬ、——ところが市に問い合わすと、その後何もまだきてないというような、手の打ち方がおそいというか、寒心にたえないわけでございますので、きょうあらためて当委員会で確約をとったわけでありますから、よろしくお願いします。  終わります。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後一時四十五分散会

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