災害対策特別委員会雪害対策小委員会 第4号
- 発言数
- 4 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1970/11/10
会議録
○天野小委員長 これより小委員会を開会いたします。 雪害対策に関する件について調査を進めます。 本小委員会は、去る九月十一日設置以来数回にわたり、雪害対策に関する諸問題について協議、懇談を重ねてまいりました。さきに各党から起草小委員を選出し、早急に必要と思われる諸措置についての取りまとめをお願いいたしておりましたので、この際起草小委員から報告を聴取いたします。吉田小委員。
○吉田(実)小委員 去る十月二十八日、雪害対策小委員会懇談会におきまして、自由民主党の高鳥修君、私、吉田実、日本社会党の米田東吾君、公明党の古寺宏君及び民社党の小宮武喜君の五名が起草小委員として御指名を受け、数回にわたり協議いたしました。その結果、とりあえず早急に措置を必要といたします諸問題につきまして次のとおり取りまとめましたので、その内容を御報告いたします。 雪害対策小委員長中間報告要綱(案) 一、立法措置を要する事項 (イ) 豪雪地帯対策特別措置法の改正について 1 豪雪地帯の中で、積雪が特に著るしく長期間にわたつて交通が途絶する等困窮をきわめている地域を「特別豪雪地帯」に指定し、特別な措置を講じ雪害対策を積極的に推進することとする。 2 特別豪雪地帯の指定にあたつては、積雪による長期間にわたる交通途絶を基本にし、冬期寄宿舎の必要性、越冬用配給米の先渡の必要性、積雪級地及び無医地区等を配慮し、積雪により住民生活が著るしく困窮している市町村の区域とする。 なお、合併により広域化した市町村については一部の区域を対象とする。 3 特別豪雪地帯に対する特別な措置は次の通りとする。 (1) 公共施設の除雪事業に要する費用の補助率の高率化及び採択基準の緩和を行なうこと。 (2) 冬期巡回診療の実施、医師及び保健婦の確保並びにへき地診療所の整備、運営費の補助率の高率化を図ること。 (3) 小学校、中学校及び高等学校の冬期寄宿舎の設置、運営費等に対する補助制度を設けること。 (4) 国道及び県道並びに基幹的な市町村道について早急に除雪の促進を図る措置を講ずること。 (5) 雪害の克服のため、緊急に必要な事業を地域の実状に即し総合的に行なう次のような特別対策事業を実施すること。 A 除雪及び通行困難な市町村道及び農道等の集落間連絡路の改良、防雪及び凍雪害防止事業 B 越冬生鮮食料品貯蔵施設その他諸施設の整備事業 C 出稼対策 D ヘリコプターによる病人及び郵便物等の輸送 E その他 (ロ) 災害救助関係法令の改正について 異常豪雪時において、地域住民に適切かつ十分な救済措置が行なわれるよう災害救助関係法令の改正を検討すること。 少し説明を加えますと、2の特別豪雪地帯の指定でございますけれども、過去数カ年間、一カ月とか二カ月とかというふうな長期間にわたる交通途絶の地帯をまず特別豪雪地帯として救いたいというのが、この改正の基本概念でございまして、これを基本としまして、冬の寄宿舎が必要な場所とか、あるいは越冬用の米を先渡ししておかなければならぬ場所だとか、積雪級地で四級地とか五級地とかなっております場所、それから無医地区も、単なる僻地の無医地区というふうな意味でございませんで、お医者さんも来てもらえない、あるいは死亡しましても、診断書をいただくお医者さんのところになかなか行けないとか、こういうふうな特別な地域を限りまして特別豪雪地帯としようという考え方でございます。 その区域は、今後いろいろ皆さま方によってまた御検討いただきたいと思いますが、市町村、あるいは市町村内において旧の市町村単位当たりに考えたいと思っております。すなわち、たとえば長岡等は豪雪地帯ではございますけれども、雪が降りましても、三十八年のような特別なときを除きまして、交通等はすぐ回復できるのでございまして、そういう意味で非常に気の毒な場所——現在国土の五二%が豪雪地帯対策特別措置法の対象になっておるわけでございますけれども、これを町村、市におきましては、大体われわれ検討の過程では二割以下になるのじゃないか、また人口対象では全体の人口の一%前後になるのじゃないか、そういう考え方でございますので、この特別豪雪地帯の指定は政令でやってもらいたい、こういう考え方であります。 二、行政措置及び予算措置等を要する事項 1 冬期道路交通の確保について (イ) 積雪寒冷地域における冬期道路交通の完全確保を促進するため、現在、策定中の「第五次積雪寒冷特別地域道路交通確保五箇年計画」において、大幅な事業規模の拡大と、これに伴なう十分な予算措置を講ずること。 (ロ) 雪寒道路事業を推進するための基盤となる雪寒指定路線、特に市町村道の大幅延長を図るとともに、現在、市町村にとつて最も負担となっている除雪機械の質及び量の拡大整備を促進するため、除雪機械購入に対する補助限度額の引上げ等の措置を講じ、併せて除雪作業の安全性と効率化を図るため、一般道路事業においても、雪寒地域における市町村道の改良、舗装を強力に促進すること。 (ハ) 消雪、流雪施設と一体的効用を発揮する附帯施設(取水施設、送水管、導水管、排水路等)についても、これを国庫補助対象として採択すること。 (ニ) 冬期間における民間遊休機械、労働力を活用して、除雪の能率を強化するため、公共除雪事業の請負施行を実施すること。 (ホ) 豪雪地帯市街地の横断施設については、その特殊性にかんがみ、新たなる構造の開発を促進すること。 2 住民の福祉、安全の確保について (イ) 災害救助法の運用の拡大について 豪雪により村落が孤立し、多数の者が危険状態となるおそれがあり救助を必要とする場合等には災害救助法を弾力的に運用し、避難所及び応急仮設住宅の設置、雪おろし等必要な救助を行ない住民の保護を図ること。 (ロ) 医療体制の強化について (1) 豪雪寒冷へき地に勤務する医師等の確保をはじめとする医療体制の振興を図ること。 (2) 冬期間の医療活動の機動性を確保するため、へき地診療所用小型雪上車を増強配備すること。 (ハ) 雪上車の増配備等について 雪上車の大幅な増配等の措置を講ずること。 (ニ) 豪雪時の自衛隊の災害出動について 豪雪時の自衛隊の災害出動にあたっては、人命の救助及び物資の緊急輸送等状況に応じて臨機応変に出動できる措置を講ずること。 3 地方交付税における積雪寒冷補正及び級 地区分の改善について (イ) 普通交付税算定時に基準となる「積雪度補正」及び「寒冷度補正」を財政需要の実態に即応するよう改善すること。 (ロ) 積雪度による級地区分を最近の気象状況に即応したものに改訂し、特に積雪の著るしい地域に対し特別の配慮を図ること。 4 公立文教施設等の整備、拡充について (イ) 豪雪寒冷地における施設の耐雪、耐寒化を促進するため、鉄筋鉄骨化による構造比率及び建築基準単価、面積等を実態に即応するよう改善すること。 (ロ) 小学校、中学校及び高等学校の冬期寄宿舎の設備、運営費等に対する補助制度を検討すること。 5 諸税の適正化について 豪雪寒冷地帯はその特殊性から税負担が過重となる場合が多いので所得税、法人税、事業税及び固定資産税の軽減化措置を速やかに講ずること。 6 農林業対策について (イ) 稲作及び養蚕の安定生産対策について 豪雪地帯における農業災害を防除し、米の生産の安定化を図るため水稲共同育苗施設の設置事業に対する助成措置を講ずること。 また、豪雪地帯における米作転換促進のためにも、桑苗共同生産施設の設置事業に対する国庫補助措置を検討すること。 (ロ) 農業基盤整備事業について 豪雪地帯における農業基盤整備事業については、事業量の拡大、事業内容の充実に努め、特に農道舗装事業等の予算の配分にあたっては地域的特殊性を勘案し事業予算を大幅に配分すること。 (ハ) 酪農振興対策について 冬期間における生乳輸送を確保するための出荷調整施設及び輸送施設の設置についての国庫補助措置を検討すること。 (ニ) 造林事業及び治山事業の促進について 豪雪地帯の特殊性にかんがみ雪起し、根踏、裾枝払い等保育事業に対する国庫補助制度の新設及び災害保障制度の整備、拡充を検討すること。またなだれ災害防止のため、防止林造成事業予算を増額し、補助率の引き上げを検討すること。 7 総合的調査研究機関の設置及び雪害実験 所の整備、拡充について (イ) 総合的調査研究機関の設置について 雪寒地帯の積極的な開発及び雪害防除対策を推進するため、雪に関する自然科学及び社会科学を総合した調査研究機関を速やかに設置すること。 (ロ) 雪害実験所の機能拡充について 国立防災科学技術センター雪害実験研究所の機能を充実し、それぞれの地域の雪の特質に応じた研究を促進するため必要な地域に支所の開設を検討すること。 8 その他 (イ) 公共事業費の早期配分等について 豪雪地帯の特殊事情にかんがみ、公共事業費の早期配分等により事業の効率的推進を図るよう措置すること。 (ロ) 冬期消防体制の強化について 冬期間における消防体制を強化するため、小型動力ポンプ及び防火水槽の補助枠を拡大し、豪雪地帯の実情に即するよう補助基準額を引き上げること。また雪上消防ポンプその他耐雪消防施設の研究開発と国庫補助措置を講ずること。 (ハ) 電力供給及び通信の確保について 雪害を防止するため、発変電所、電線路等電力供給施設の整備強化に努めること。 また、豪雪時における通信機能の確保を図るため電話線路の地下ケーブル化等による通信施設の整備強化と無電話集落の解消に努め、非常無線等の拡充を図ること。 この第二項のほうは、委員会等で皆さま方から出ておりました御意見をできるだけまとめたいと思いまして、この際取り上げたような次第でございます。 以上でございます。
○天野小委員長 ただいま吉田小委員からの報告の内容につきましては、当小委員会の審議過程における一応の結論として、小委員長から委員会に中間報告いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○天野小委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 本日は、これにて散会いたします。 午前十時二十六分散会