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63回国会衆議院1970/09/03

災害対策特別委員会 第10号

発言数
172
登壇者
28
会派数
5
開催日
1970/09/03

会議録

辻原弘市日本社会党

○辻原委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  本日は、台風第九号及び第十号による災害対策について調査を進めます。  まず、台風十号に関し、去る八月二十四日緊急に理事会を開き、関係各省から説明を聴取した後、二十七日から三日間、徳島県、高知県、愛媛県に委員派遣を行ないましたので、現地に派遣されました委員から報告を聴取いたします。内海英男君。

内海英男自由民主党

○内海(英)委員 台風第十号による被害状況調査のため、去る八月二十七日から三日間、徳島県、高知県及び愛媛県に派遣されました派遣委員を代表して、調査の概要を御報告申し上げます。  派遣委員は、委員長の辻原弘市君、自由民主党の私、内海英男、日本社会党の松浦利尚君、公明党の鈴切康雄君及び民社党の合沢栄君の五名で、ほかに地元選出議員多数の御参加を得、現地の実情をつぶさに調査いたしてまいりました。  本日は時間の関係で、県、市町村及び関係団体からの要望事項等につきましては、本委員会議録の末尾に参照として掲載していただくこととし、簡略に御報告申し上げます。  八月十六日マリアナ群島の北西で発生した台風第十号は、二十日午前六時には、中心気圧九一〇ミリバールの超大型台風に発達、二十一日午前八時ごろ、高知県幡多郡佐賀町付近に上陸、松山市、島根県東部を経て日本海に進んだのであります。  このため四国地方では、二十日夜半から暴風雨となり、室戸岬で六十四メートルの最大瞬間風速を記録、山岳地帯で五百ミリ以上の降雨をもたらし、台風通過時が満潮時と重なったため、海岸は記録的な高潮に襲われたのであります。  被害は死者・行くえ不明二十七名をはじめ、住家の倒壊、浸水、農地の冠水、道路の損壊、橋梁の流失、堤防の決壊、船舶の沈没等々、四国地方だけでも被害総額が約一千億円をこえるという大災害となったのであります。  まず、最も被害が激甚でありました高知県から御報告いたします。  県当局の説明によれば、同県下全域に、気象台開設以来最大といわれる暴風雨が約十時間にわたり吹き荒れ、海岸部全域が高潮に襲われ、同県五十五市町村中二十六市町村に災害救助法が発動され、被害の状況は、八月二十七日現在、死者十二名、行くえ不明一名、住家の全半壊五千七百四十八棟、床上浸水二万五千六百九棟、河川、海岸、道路、港湾等の被害個所が約一千カ所にのぼり、交通、通信網は寸断され、同県の約九〇%に当たる二十万戸が停電、県下全域が麻痺状態におちいるという未曽有の災害となったとのことであります。  被害額は、八月三十一日現在、総額で約六百五十億円の巨額に達し、おもなるものは、商工被害約二百七十億円、農林被害約百十九億円、水産被害約三十八億円、公共土木被害約五十一億円等々となっております。  最も被害が激甚であった高知市では、高潮により、浦戸湾沿いの堤防、護岸が約二十数カ所にわたって決壊し、三十数カ所にわたって防潮堤を越えて溢水、公害による汚濁水と潮水によって、同市の市街地の約五〇%が浸水し、三日間にわたって泥水の中に孤立、かつまた、電気、水道、ガス等の施設がことごとく被害を受け、都市機能が全く麻痺したとのことであります。  被害の状況は、住家全半壊約千七百棟、床上浸水二万四千棟で、被害額は、商工業被害約二百三十億円をはじめとして、総額約三百五十億円にのぼっております。  視察した同市江陽小学校は、高潮が一・五メートルの高さに浸水し、施設、備品等がことごとく被害を受けており、桜井町付近では、家具、家財等が潮水とヘドロにつかり瓦れきと化し、道路という道路に山積されている現場を視察、住民は、このごみはわれわれの財産だ、無計画な浦戸湾の埋め立てと、住民の意見を無視してつくった低い防潮堤による被害で、天災ではなく人災だと慟哭し、調査団一同胸を刺される思いでありました。  五台山地区では、下田川の堤防が高潮によって溢水、刈り取っていた水稲が大きな被害を受けており、もとの市商グラウンドでは、市内のごみ、亙れきがグラウンド一ぱいに山積され、臭気が町中にただよい、竹島町付近では家屋の浸水、倒壊の惨状を、養老施設の玉島園では高潮によって施設が壊滅的な被害を、御畳瀬地区では高潮によって家屋及び漁船等が損壊され、市内至るところで船が陸に上がり、家屋が水に浸るという惨状を呈しておりました。  南国市では、稲生地区の家屋及び園芸施設等の損壊状況を、十市地区では高潮による防潮堤と船上げ場の損壊とハウス施設の被害状況を視察、土佐市では、宇佐地区の防潮堤の損壊と魚市場の施設をはじめ、港内のハマチ養殖施設の壊滅的被害を視察、春野町では、浜地区の住宅三十六戸中ほとんどが全半壊し、わずかに防潮堤のある地区の住家が難を免れておる状況を視察してまいりました。  次に、県当局等からの要望事項について申し上げます。  県当局からは、激甚災害法の適用、天災融資法の発動、災害査定の早急な実施、普通交付税の繰り上げ支給、特別交付税の大幅増額、災害清掃事業費及びその他災害復旧費に対する補助金の大幅拡大、土佐湾全域、特に浦戸湾周辺の高潮対策、政府系統金融機関の特別融資ワクの大幅確保、特に、国民金融公庫から十億円、中小企業金融公庫から二十億円、商工組合中央金庫から二十億円、日本開発銀行から三十億円の特別融資を行なわれたい等々、五項目二十三事項にわたる要望を受けてまいりました。  次に、高知市当局からは、一挙に約十二万トンも排出したごみ処理及び屎尿処理等に対する特別な助成、災害救助法の実施期間の延期、被災中小企業者に対する緊急融資、個人災害の救済制度の確立、浦戸湾の高潮対策について強い要望がありました。そのほか、高知県市長会及び町村長会、県農協中央会、商工会議所連合会、漁業協同組合連合会及び森林組合連合会等の各代表から、切実な要望を聴取してまいりました。  次に、愛媛県における調査の概要について申し上げます。  台風第十号は、戦後最大のもので、高潮と暴風雨によって、大きな被害の発生を見、被害の状況は、死者二名、重軽傷者九十六名をはじめ、住家の全半壊約七百戸、床上、床下浸水約一万一千戸、被害総額約二百六十一億円にのぼり、その内訳は公共土木施設関係約四十九億円、農林水産関係約百五十八億円、商工業関係約五十二億円等であります。  上浮穴郡柳谷村では、十五年生から二十年生、さらに伐期を目前に控えた三十年生、四十年生の材木が随所に根こそぎ、あるいは幹折れしている状況を視察、被害は約三億円に達するとのことで、風倒木の処理資金の援助、再造林資金の特別な融資について強い要望がありました。  松山市においては、観光港の浮き桟橋が沈没、今治港においても防潮堤が数百メートルにわたって決壊し、三つの桟橋がことごとく海中に没し、瀬戸内海の海上輸送は麻痺状態におちいり、これら港湾の機能回復と施設の復旧は緊急を要することであります。  今治市周辺では、タオル等の繊維業者をはじめとする中小企業者が、家屋の倒壊、高潮による浸水によって大きな損害を受け、経常資金の融資等金融措置について強い要望がありました。  さらに大西町、菊間町、朝倉村等では、レンコン、キュウリ等の蔬菜類、ナシ、ミカン等の果樹類が枝折れ、茎折れ等の被害を受けており、特にこの地方の名産であるミカンは潮風によって傷つき、品質低下による大幅な減収が予想され、また、真珠、ハマチの養殖施設等も壊滅的被害を受けたとのことであり、これら農作物、水産関係被害に対し早急な救済措置が望まれます。その他、県当局から激甚災害の指定、天災融資法の適用等について強い要望がありました。  次に、徳島県における調査の概要について申し述べます。  台風第十号は、同県では山間部に三百ミリから七百ミリに及ぶ集中豪雨を降らせ、ために、県中央部を流れる吉野川をはじめとする各河川が急激に増水、はんらんし、死者六名、行くえ不明二名のほか、家屋の全半壊百七十四棟、床上、床下浸水五千百七十三棟等の被害で、被害額は農林関係三十三億円、公共土木施設関係約十一億円等、総額は約五十二億円に達しております。  今回の災害は、穴吹町、脇町はじめ吉野川上流の地区において著しく、岩津地区より下流は堤防が整備されているものの、上流は自然のまま放置され、昔から洪水のたびに自然の暴威にさらされてきたとのことで、今次災害においても、田畑の冠水、流失によって農作物等に大きな被害を見ております。  視察した穴吹町、舞中島地区は二、三メートルをこえる濁流に田畑、家屋が洗われ、そのつめあとが随所に見られ、地元住民から、吉野川上流の河川改修について強い要望がありました。  また、県当局から、災害復旧事業の早期着工、再災害の防止、治山治水五カ年計画の促進、天災融資法の早期発動等の要望とともに、同被災市町村の大部分が過疎地域であるため、財政上の特段の配慮を願いたい旨の要望がありました。  最後に、調査団として、今回の台風第十号による災害の調査を終えて感じました諸点について申し上げます。  まず第一に、決壊した堤防、防潮堤道路等々の応急復旧を早急に行ない、再災害を最小限度に食いとめなければなりません。これがため政府は、被災各県等に対しあらゆる援助を行なうべきであります。  また、災害復旧にあたっては、激甚法、天災融資法等の適用をはじめとし、被災各県及び市町村等からの切実な要望に対し、かなう限りの救済施策を実施すべきであります。  第二に、調査を行ないました各県について、緊急を要する対策について申し上げます。  まず高知県については、高知市に見られるごとく山積されたごみ、亙れきの除去を緊急に行なうべきであります。これについては、政府は特別の予算補助を講ずべきであります。また、被害の激甚さにかんがみ、災害救助法の実施期間の延期もしくはそれと同様の効果をもたらしめる措置を講ずべきであります。  被災中小企業者等に対しても政府系統の金融機関等の特別な融資を行ない、その窮状を救済すべきであります。同県は西日本における生鮮食料品供給の基地であり、これが救済は緊急を要することであります。  また、浦戸湾周辺をはじめとする土佐湾全域の高潮対策も、特別な施策を講ずべきであります。  次に、愛媛県については、松山港の桟橋並びに今治港の防潮堤及び桟橋を緊急に復旧し、瀬戸内海海上輸送の基点を確保する必要があります。  次に、徳島県につきましては、吉野川上流の築堤工事を早急に行ない、住民を水害から守るべきであります。  第三に、今回の災害の特徴は、被害の大半が商工業、住家等個人災害であったということであります。これが救済制度の確立は、われわれ国政に携わる者の緊急な課題であります。  また、これを機会に、現存の個人災害に対する救済措置の問題点を徹底的に調査し、災害救助法、災害融資条件等の改正をはじめ、非常災害に効果的に対処できるよう災害対策制度の体系化を検討すべきであります。  最後に、今回の台風第十号による災害は、いろいろな意味で私たちに警鐘をもたらすものでありました。コンピューターの計算によって自信をもって構築された防潮堤は、強い高潮に何の役にも立たず、過密化した都市は、ヘドロと潮水によって浸水、一瞬にして個人の財産をごみと化し、その救済制度もほとんどなきにひとしい状態であります。それは近代技術と防災体制等に対する自然の挑戦であったと言えましょう。  高知市における惨状は、明日の東京であり、大阪であります。緊急に都市災害に対する防災体制の再検討を行なわなければならないと思います。  終わりに、今回の調査に御協力いただいた関係各位に敬意を表し、報告を終わります。(拍手)

辻原弘市日本社会党

○辻原委員長 これにて派遣委員の報告は終わりました。  派遣委員各位には、まことに御苦労さまでございました。     ―――――――――――――

辻原弘市日本社会党

○辻原委員長 なお、ただいま派遣委員からの報告にございました各県等の詳細な要望事項等につきまして、これを会議録の末尾に参照として掲載いたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

辻原弘市日本社会党

○辻原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     ―――――――――――――

辻原弘市日本社会党

○辻原委員長 次に、政府当局からの被害状況等につきましては、資料として本日の委員会議録の末尾に参照掲載いたすことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

辻原弘市日本社会党

○辻原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     ―――――――――――――

辻原弘市日本社会党

○辻原委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  台風第十号等による災害対策に関する問題調査のため、本日、参考人として商工組合中央金庫理事長高城元君の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

辻原弘市日本社会党

○辻原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     ―――――――――――――

辻原弘市日本社会党

○辻原委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。仮谷忠男君。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員 質疑を申し上げる前に、辻原委員長外委員の皆さん方に、今回の十号台風についてはわざわざ御視察をつぶさにいただきまして、ほんとうに県民、心から感謝をいたしております。ただいままた調査の報告を承りますと、私どもが質問をし、お願いをし、申し上げたいことを一切残らず、つぶさに御報告をいただいておりまして、委員の皆さま方の御協力に対しまして、心から敬意と感謝の念を申し上げたいと存ずるわけであります。  きょうは建設省、農林省、通産省、総理府、それぞれ御質問を申し上げたい用意をいたしておりますけれども、大臣のいらっしゃる時間がたいへん少なくて、一人当たり二十分という制限を受けておるようでありますので、農林、通産関係はわが党同僚議員にお譲り申し上げることにいたしまして、主として基本的な問題について建設大臣にお伺いをいたしたいと存じます。  ただいま各県知事代表者からそれぞれ陳情があり、お願いをいたしたわけでございますが、口をそろえて申し上げておるのは、今回の九号、十号台風をぜひ激甚災の適用をいたしてもらいたい、こういうことでございます。私どもは、過去におきまして、同一気象条件のもとにおいては、何個かの台風を一緒にいたしまして激甚災の適用をいたした例も承知をいたしております。九号台風におきましても全国的にかなり深刻な被害を受けておるようでありますから、でき得ることなれば十号、九号を合併をして激甚災の適用をしていただきたい、その可能性があるかどうかという問題であります。  きょうは実は、この問題について明確に御答弁をいただくことはあるいは無理かもしれません。そのことは、なお各省庁がそれぞれ積極的に調査を進めておられる段階でございますので、その調査がまとまって後に結論が出されることと思いますから、直ちに本日、イエスかノーかの御答弁はいただかなくてけっこうでありますが、きょうは、そういう調査の上で、ぜひとも被災民が心から念願をいたしておるこの激甚災適用の温情のある措置を政府にお願いいたしたい、かように考えておるわけでございまして、建設大臣お見えになられておりますし、総理府副長官もお見えになられておりますが、まず、これに対する政府の基本的な姿勢について御答弁をいただきたい、御意見を拝聴したい、かように存じておるわけであります。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 御答弁申し上げる前に、冒頭に、今回の災害によりまして犠牲になられました方々並びにその遺族の方々に心からなる弔意を表するとともに、被害を受けました国民の皆さまに対し深甚の御同情を申し上げます。  ただいま仮谷さんからお尋ねがありました件は、われわれも、担当する者としてぜひともそういうふうにしたいと考えております。しかし、御承知のように、これは建設省だけできめることができない内閣全体の、しかも、これは一つの法的な基準がございまして、それに基づいて激甚地指定するかいなかになるのでございます。ただいま関係方面それぞれ調査中でございまして、これに基づいて、でき得るだけそれに該当するように私としては考慮もし、また、そういうふうに進言したいと思っております。もし万一、激甚指定になるためにいろいろの計数上の関係で困難であるといたしましても、御承知のように局地激甚指定的な適用もございます。これはただいまの報告によりましても、また、私のほうの現地調査に基づく結果についても、特に私のほうからは政務次官を現地に派遣して、報告を私も直接聞いております。局部的に非常に深刻なる災害を受けているのでございまして、これについて私も心を痛めておるわけであります。  そういう意味で、ただいま政府全体として申し上げることは困難でございますが、御質問の趣旨に対しまして、十分に政府として誠意と前向きの姿勢で取り組むことを申し上げることはできると思います。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員 大臣の御答弁、たいへんありがたく拝聴いたしました。どうぞひとつそのお気持ちで、ぜひ被災者を救済するという考え方のもとに、前向きで御検討をいただきますことを重ねて要望いたしておきたいと存じます。  基本的な問題あと一、二点お伺いをいたしますが、私は高知県でありますから、やはり高知県の災害の事例を具体的に申し上げることをお許しをいただかなければならぬのでありますが、最大風速五十数メートルといういまだかつてない強風と、さらに台風の上陸時と満潮時が一致をしたということで、一瞬にして大災害を引き起こしたという結果に相なっておるわけであります。  全県的に見ますと、被害の住宅八万四千戸ということに相なっておりますし、床上浸水、先ほど高知市長からお話がありましたように、床上浸水といってもむしろ天井に近い浸水、これは二万四千戸、高知市の実は半数近い浸水、しかも、ところによっては三日間も浸水孤立をしたという状態であったことは、調査団の皆さん方に御理解をいただけたと思うのであります。住宅の被害は、もちろん全壊も半壊も一部倒壊もございますけれども、率直に言って、ヘドロと海水の中の浸水でありますから、外見的に建物は残っておりますけれども、中身は何もないわけなんであります。率直に言って、畳、建具、あるいは家財道具、衣類、こんなものは全くないという状態でありまして、まことに惨たんたる実情であります。  これは報告の中にも取り上げていただいておりまして、たいへんありがたく感謝をいたしておりますが、まず民生安定が第一番であります。そういう観点から考えますと、住宅の復旧ということがまず先決問題になってくるのではないかと思いまして、このためには何といっても復旧資金が必要であります。そういう意味において住宅資金の大幅な確保、これが私どもの第一の大きな念願といたしておる問題であります。この点についてひとつ建設省の積極的な御配慮をいただきたい、かように存じておるわけであります。  なお、今回の災害が、先ほど申し上げましたような浸水でありますから、中小企業、商店街の商品の損害というもの、これはばく大でありまして、六百五十億の損害の中の三百数十億、半分くらいが商品の損害であることは、これまた申し上げるまでもございません。これについての政府関係金融機関の大幅な、再生産あるいは立ち上がり資金の確保もお願いをしなければなりませんが、このことについては同僚議員にお譲りを申し上げることにいたしまして、とにかく、とりあえずこの住宅復興のための大幅な資金確保について、大臣の積極的な御協力をお願いを申し上げたいと存ずるわけであります。よろしくお願いします。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 お答え申し上げます。  御指摘のとおり、今回の災害で高知県は、ほとんどいまだかつてない都市災害でございます。この都市災害はいろいろございまするが、まず住宅の確保、これが必要であることはそのとおりでございます。そのために、みずからの力によって住宅をつくることができない方のためには、政府政策住宅を優先的に確保いたします。あそこは公団住宅は少ないのでございますから、結局公営住宅でございますので、そのワクを優先的に県並びに市町村に配分するように考慮いたします。なおまた、自分で住宅を建てるあるいは修復しようという方々に対しては、住宅金融公庫の融資のワクを優先的に確保いたしまして、住民の方々の住生活における不自由をできるだけ早く解決するために努力するつもりでございます。  なおまた、商家の方々の物品の損害等に対する融資等については、直接私のほうの担当ではございませんが、政府全体として当然配慮しなければなりませんので、これは関係の閣僚にも申し上げ、総理にも申し上げまして、これらの資金の問題と同時に復興の一日も早からんことを、政府をあげて御協力申し上げたいと思う次第であります。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員 持ち時間がだんだん迫ってまいりましたから、あと二点だけひとつお伺いをいたします。  今度の災害の特徴としてもう一点、これも、先ほど高知市内の七割が浸水という、したがいまして、ごみあるいは土砂の堆積が町にあふれ、勤労奉仕とか、あるいは自衛隊の出動も願うし、建設業者の善意の協力、まあ全県あげての排除にかかっておりますけれども、おそらく、十日あまり過ぎた今日、なおかつ解決がついていないんじゃないかと実は想像をされるわけでありまして、いまでこそ、それはちりあくたかもしれませんけれども、これは市民からいえば貴重な財産であったことは申し上げるまでもないのでありまして、その数量は実に十二万トンとも推定をいたされておるのであります。かつて土砂の家屋に対する堆積等の排除につきましては、いろいろ財政等政府措置が講ぜられたことも、私ども記憶に残っておるのでありますが、この問題について政府の積極的な財政援助をお願いをしたい。これは切実な問題と相なっておるわけでありますが、これについて建設大臣の所見を伺っておきたいと思うのであります。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 御指摘の状況も、私はよく報告を受けております。従来の災害の中でも先般、昨年でございますか、熊本県の、あの異常なる土砂くずれのために市街が全部土砂に埋まったことがあります。このときには、大体これは公共事業であと始末をするという措置も講じました。今回についても当然、このあと始末について政府が援助すべきだと思います。ただ、これが建設省の所管でやるべきか、これは清掃関係ということで厚生省でやるべきか、いま事務的に協議をいたしております。いずれにいたしましても、所管がいずれであろうとも、あすこのごみと申すか残土と申しますか、これの処置は政府が補助をいたしまして清掃し、かつ、今後の病気の発生とか、あるいはまた交通の阻害等にならないように万全の措置を講じたいと思っております。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員 最後にもう一点。――委員長にお願いしますが、私の持ち時間がもし余れば、隣の同僚議員が関連で申し上げたいそうでありますから、御了承願っておきます。  今次の十号台風にかんがみまして、この際土佐湾の根本的な防災対策を立てなければならぬ、このことについて、私は政府の明確な方針を承りたいのであります。  御承知のように土佐湾は、東の室戸岬、西の足摺岬、太平洋岸に大手を広げて、どっちかといえば四国の防波堤になっておる、こういうことは申し上げるまでもございません。南海大震災のあの津波を大体基準に防波堤等が築かれてまいったことも、御承知のとおりかと存ずるのであります。それで二十数年間、われわれは率直に言って台風水害、あるいは浸水等も受けずに今日まで参ったわけでありますが、今回の高潮は完全にそれを破ってしまったわけであります。したがいまして、これが高知県民にとりましてはたいへんなショックであります。当面の災害対策、これを積極的にお願いしたいことはもとよりでありますけれども、もう一点、この県民のたいへんなショックをまず取り除く、そのための土佐湾の防災対策を根本的に再検討をしない限り、土佐湾に臨んだ周知県民はまくらを高くして眠られないということは、これは率直に申し上げることができると思うわけであります。  これはまた、必ずしも建設省だけの問題でないかと存じます。運輸省あるいは農林省の所管になるかとも思いますけれども、何といってもやはり中心は建設省建設大臣の大英断によって問題の処置をつけていただきたいと、私どもは実は期待をいたしておるのであります。かつての災害で、伊勢湾台風のときの伊勢湾の高潮対策特別事業が実施されました。過去にもそういう例がございます。この際できるならばひとつ土佐湾の高潮防災対策、これは緊急対策として早急に促進をしていただきたいと考えておるわけであります。どうぞひとつこれは根本建設大臣、実力大臣の大英断をもってこの促進を、ひとつ言明をいただきたい、このことを切にお願いをいたしたいわけであります。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 土佐湾の問題については、実は従来の防潮堤はやっておりますが、これは従来の災害のいろいろのデータで一応やったのでありまするが、今回の状況を見ますと、いままでの見通し並びに算定を今回ははるかにこえておるという実態が出てまいりました。この状況でまた再び来るということはあり得ることでございますので、実は政務次官が帰っての報告を聞いてから、私は直ちに河川局長に対し、いま御指摘になりましたように、伊勢湾あるいは東京湾あるいは大阪湾等のように、一つの特定の事業として土佐湾の総合的な防災対策、防潮対策をやるべきである。ただし、これは建設省だけではできない。御指摘のように運輸省、農林省とも関係があり、特にこれは大蔵省とも非常に密接な関係がございまして、海岸事業の中のある特定の事業としてこれはやらなければなりません。それで、いまその協議の準備に入っておる状況でございまして、御指摘のように、従来は室戸あるいは足摺等にばかりは非常にあれがありましたけれども、土佐湾にはそれほどいままでなかったものだから、少し、われわれのいままでの見通しは甘かったのじゃないかと思いますので、再検討して御趣旨に沿うように努力いたしたいと思います。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員 ありがとうございました。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員長 関連して塩崎君。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 関連でございますので、御礼その他を省略いたしまして、大臣に簡単に御質問させていただきたいと思います。  私は、この災害の問題は、激甚災害の指定ができるかできないか、この問題が、災害を受けた方方並びに県あるいは市町村当局者の最大の念願だと思うのでございます。伺っておりますところ、大臣のあたたかいお気持ちがわかりまして、私も安心いたしたのでございますが、ただ御発言の中で二つ、ちょっと私にとりまして不吉に聞こえた点がございます。これは私だけにとって不吉であればいいのですけれども、これがほんとうになったらたいへんだと思います。  その一つは、大臣は基準があるということを言われた。それからもう一つは、激甚災害の指定が困難であるとしても局地激甚には、というようなお話がありました。この二つでございます。  私は、この基準もいろいろと勉強させていただきましたが、確かに基準はございますが、これにはいろいろ問題がございます。まず第一に、これは法律ではない。実力大臣である建設大臣が入っておられる中央防災会議の行政上の基準でございます。したがって、大臣が発意をすればおそらくどうにでもなるものであろうと思う。それから第二は、基準が直らないにいたしましても、現行の基準を読んでみますと、「おおむね」ということばが相当入っておる。この「おおむね」ということばを、やはり大臣のいまおっしゃいましたあたたかいお気持ちで読んでいただく、このことがひとつ大臣にお約束していただけるかどうか、この点でございます。そして、私はいずれ事務当局にこの基準の問題についていろいろ質問をしたいわけでございますが、局地激甚では市町村の公共事業の復旧だけにとどまる。やはり皆さんがこれだけ待望され、災害対策の委員長が愛媛県、高知県まで来られましたのは、局地激甚ではなくて激甚災害にすることが目的であったと私には考えられますので、この点をもう一ぺん念を押して、さらにまたお願いをいたしたいのでございます。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 お答え申し上げます。  先ほどお答えしたとおりでございまして、私は前向きでこれを推進することを約束しております。ただし、いまここでそういうふうにいたしますと言うほど、私は権限もなければ、それだけの実力もありませんので、よろしく御了解願いたい。一生懸命にやります。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員長 井上普方君。

井上普方日本社会党

○井上委員 特に災害対策特別委員会の皆さん方が、四国地方の災害視察に際しまして、いち早く来られました。かつまた、先ほど報告をされたわけでございますが、まことに適切なる報告を出されました。私どもも言うこともないと思うのでございますが、一、二御質問を申し上げたいと存ずるのであります。  私は、高知県における災害がひどいということで、実は八月二十三日と二十四日、高知県へ参りました。ちょうど田村政務次官もその当時お見えになっておったようであります。私は伊勢湾台風の際に、台風直後、名古屋市内並びに三重県にお見舞いに参ったことがございますが、それと高知県の場合とを比較いたしますと、大体伊勢湾台風当時の名古屋市の惨状と高知県の惨状とは、むしろ高知県のほうがひどい、高知市内はひどいという感を深くいたしたのであります。  で、その原因はどこにあるかと言いますならば、これは先ほどの報告には適切に表現されておりますように、海岸堤防を溢水いたしました。そして海水が高知市内の七割にまで及んだこと、その水高が床上浸水と申しますよりも、むしろ軒下浸水というような状況になっておること、むしろ決壊個所は少なくて、それよりも溢水した場面が多いということを考えました際に、先ほども仮谷委員のほうから適切に御指摘になりましたが、土佐湾の高潮対策という特別な特定対策をここで打ち立てるべきである、このように考えるのであります。  大臣は仮谷委員の質問に対しまして、これに対しては事務協議をこれから始めようという姿勢を示されておりますが、先ほどの報告にもはっきりと、これはコンピューターでも出ていなかったほどの災害だということが実はうたわれておるのであります。過去の南海大地震の災害の際のこの基準をもってしてはもはや阻止できなかったあの実情から見ましても、しかも室戸岬を中心といたしまして、地殻の変動が大きくいま現在起こりつつありまして、場所によりましたならば一メートル五十センチぐらい沈下するところもあるし、片方においてはまた浮かび上がっておるところもありますので、したがいまして、そういうように現在の進んだ何と申しますか調査機関を駆使いたしますならば、この災害も私は未然に防げたのではなかろうか、このように考えられるのであります。幸いにいたしまして、いま大臣のほうから土佐湾高潮対策事業を、これを特定事業として講ずべきかどうか事務協議に入ったというお話でございますが、土佐湾の高潮対策はぜひとも必要である、このように私は考えますので、どうか大臣におかれましては、なお一そう強力にこれを推進していただきたい、このように考えますので、大臣の御決意のほどを承りたいと存ずるのであります。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 御指摘のとおり、私も実は報告を聞いて――大体従来の四国方面の災害でございますと、農業災害が一番多かったのです。ところが、どうもそうじゃなくて、今度は都市災害だ。しかも、それが従来の防潮堤が全く問題にならぬ、溢水してしまって、それがああいう惨害を起こしているという状況を聞きましたので、直ちに河川局長に、従来のデータとどうなっているんだということを聞きましたら、従来はこれでまあまあいったけれども、今度のあれを見るとたいへんなことですというので、それじゃこれは伊勢湾も、かつては伊勢湾台風が出るまでは、あれで何とかできるという想定が破れたんだから、今度は高知県は同じような手法で特定事業とすべきだと私は思う、こういうように指示したのでありますが、これは建設省だけではできない。実は運輸省並びに、これはある意味における一定の事業量をちゃんと算定して継続してずっとやるので、大蔵省とも相当の折衝をしないとできませんというので、じゃそれは、そういうことならその事務手続はしよう。そうしてこの問題は、いますぐに役に立たないからという問題ではないのであって、これは基本的な問題であるから、まあ臨時応急の施策は施策として、基本的問題としてはこの問題をひとつ取り上げようということで指示をしておる次第でございまして、本日のこの委員会で与野党あげての御要望でありまするので、その点を受けまして、政府関係で私も推進してまいりたいと思っているわけであります。

井上普方日本社会党

○井上委員 大臣の御決意、御方針は、一応私わかったのでございますが、特に申し上げておきたいのは、あの二十一日は、これは月齢で申しますというと十九日であった。大潮じゃなかったということです。あれが大潮と、月齢の十五日とかち合っておったならば、さらにさらに大きな災害があるということも考えなければなりません。こういうことをお考えの上でひとつやっていただきたい。  特に高知県あるいは愛媛県、徳島県、和歌山あるいは九州各県というのは、これは台風常襲地帯でございますので、台風に対する対案は個人的には十分できております。私は名古屋の伊勢湾台風に参りまして、個人被害の状況を四国の状況と比べてみましたときに、非常に差があるのであります。と申しますのは、伊勢湾台風の当時でございますと、個人の家の屋根のかわらが飛んでないにもかかわらず戸が打ち抜かれるというようなことは、私ども台風常襲地帯では考えられません。しかし、そういうようなことが台風になれていない方々にはたくさん起こるのでありますが、高知県においてこのたびのを見てみますと、かわらが飛んでおる、あるいはまた打ち抜かれておるという数がかなり多いのであります。台風常襲地帯で台風になれておりますから、建物そのものもがんじょうにできておる。それがやられておる、実情、並びにこのたびの軒下にまで海水がきておる現状からいたしまして、海岸堤防が低過ぎたからということは、これはもういなめない事実であろう。と同時に、台風常襲地帯に住む者といたしましては、もう一度海岸堤防を全国的に再検討すべき時期がきているのじゃなかろうか。過去の震災で、南海震災でこれだけであったから安心するというのじゃなくて、地盤の変動もありますし、また、先ほど大臣も都市災害だと言われましたけれども、この都市の過密化した状況のもとにおいて、大きい台風なりあるいは震災なり起こった場合にどういう災害が起こるか、これは全国的にもう一度再検討し、勉強し直す必要があると思うのですが、大臣いかがでございますか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 御指摘のとおりと思います。これは政府に防災会議がありますので、その点にもはかりまして、これは建設省のみならず各省がこの災害に対する再検討をすべき時期であろうと思いまするので、よくその点を私からも主張し、そういうふうに政府をあげてやるように努力いたしたいと思います。

井上普方日本社会党

○井上委員 もう時間もございませんので、最後に私はお伺いいたしたいのですが、実はこのたびの台風は四国地方に、先ほども報告書の中にありましたように、山間部におきましては五百ミリないし七百ミリの雨を降らしたのであります。しかし、この雨が最も集中いたしました吉野川におきましては、岩津地点において計画洪水量が一万五千トンであったのですが、それが一万一千トンしか実は水が出ておらないのであります。しかし、あの徳島から松山へ抜ける国道は、全部水びたしになっております。しかも、先ほどの報告書にもございましたが、岩津上流のいわゆる遊水地帯という地点におきましては、非常な大きな災害をこうむっております。いままででございますと、農業災害が中心であったのでありますが、国道建設がずんずんと進みますにつれて、災害を知らない方がその地方に住みついたという実情がございましたがために、個人被害におきましても非常な惨害をこうむるようになっております。いま吉野川の総合開発計画が、建設省の指導下においてどんどんやられております。しかし、あの遊水地帯の無堤防地域、これに対する堤防の予算というものが非常に少ないのであります。このままでまいりますと、無堤防地域に堤防をつくるのに大体三十年かかる予算しか実は出ていないという実情がございます。すみやかにこの予算処置に対する対策を講ずべきであります。特に治山治水五カ年計画、これが策定されておりますが、これをもってしてもあの遊水地帯の解消にはならないのであります。特にこの点御留意願いまして、さらに一そうの御努力を願いたいと思いますが、大臣の御決意のほど承りたいと存ずるのでございます。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 御指摘のとおり、これは実は全国に、遊水地帯に対する工事は原始河川のままでやっているようなことで、地域住民はたいへん迷惑をしておると思います。ところが、黙っておりますと、そういうところに不法建築したり、いろいろの問題が起きてくることもあります。そういう関係から、実は従来のやり方をもう少し再検討いたしまして、遊水地帯の活用の方法と同時に、一面におきましては、そういうところの堤防を計画的にピッチをあげるように検討を命じておるところでございます。  従来の河川事業は、いままでの計画から見ますと、実は長期計画の予算が少し足りないと私は見ております。というのは、いま御指摘のように、従来はそういうところには、いろいろの産業とか、あるいはいろいろの人家とかというのがほとんど行かないと思っておったところなんです。だんだんと道路ができたりなんかしてきまして、そういうところにどんどんと産業なりあるいは人家が構築されたりする。そのために災害が非常に大きくなってくる。そのあと始末のためにたくさんの金がかかる現状になりますもので、河川事業計画を実は拡大いたしまして、そういうところの堤防をもう少し計画年次を短縮してやらなければならぬということで、検討を命じておるところでございます。したがいまして、御指摘の吉野川の問題についても十分に事務当局を督励しまして、できるだけ促進するように、これから努力したいと思います。

井上普方日本社会党

○井上委員 最後に激甚災害指定についてでありますが、これはもう先ほども二人の方から申されましたし、また、わが党の藤田委員のほうから質問されることになっておりますので、特に申し上げたいことは、法律が非常に古くなっておること、あるいはまた、計数上にいまの時点に合わないような事態が多々できておることを御指摘申し上げまして、どうか先ほどの御報告どおりの処置が内閣といたしましてなされますことを強く要求いたしまして、質問を終わらしていただきます。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員長 中野明君。  中野君に申し上げます。ただいま農林大臣も出席をされておりますので、あわせて質疑をお願いいたします。

中野明公明党

○中野(明)委員 今回の九号、十号、この台風の被災者に対しましては、先ほどから皆さんお話がありますとおり、私ども、たいへんお気の毒に思っております。特に十号台風にあたりましては、委員長はじめ皆さんもつぶさに現地の事情を見ていただきまして、先ほどからの御報告ですべてが尽きております。しかし、私も現地でこの災害の救助と激励に当たりました一人として感じたものを、この際要望を含めてお願いをしたい、このように思って質問をいたします。  その第一点は、申すまでもなく激甚災の指定でございますが、これはたびたびの質疑に出ておりますので、いまさらと思いますが、これは台風常襲地帯の地域住民の切なる要望でございます。これはおそらく中央防災会議でもお話が出て、刻々と被害の状況は把握されておると思います。私、高知県でございますが、日に日に調査が進むにつれまして被害の状態が大きくなりまして、おそらく一つの県で六百五十億をこえるような災害というのは、まれに見る災害だろうと思います。それを含めましてぜひとも激甚地の指定――いま農林大臣もお見えになりましたし、湊副長官もおられます。全部防災会議に連なるお人であると思いますので、ぜひともこの点につきましては早急に指定をしていただいて、被災地域の人たちが一日も早く安心して復旧に立ち上がれるようにお願いを申し上げたい、このように思うわけであります。  それで、今回の災害を非常に大きくした原因の一つに私は防潮堤の問題があろうかと、現地を見て感じました。建設大臣にお尋ねするわけでありますが、御承知のように、台風といえば必ず高知県の名前が出るくらいに、台風に絶えず襲われる県として有名であります。特に太平洋に直接面しておりまして、広大な海岸線を持っております関係で、日本を直撃する台風の幾つかは必ず高知県を通過する、こう言ってよろしいかと思いますが、この高知県の土佐湾を守る建設省の直轄工事、これは先日視察団の方にも御視察をいただきましたが、南国市の十市というところから久枝、物部川の河口に至るまでの防潮堤が、むざんにも高潮のために破壊されております。ところが、この破壊された結果を見てみますと、かさ上げ工事をなさっているわけでありますが、このかさ上げ工事が、あたかもちょうど積み木を積み上げたようになっておりまして、もろくもそれが、どう言ったらよろしいでしょうか、帽子をかぶせてあったのが帽子がとれたような状態になっております。それによって被害を受けた地域住民の人々は、非常に堤防の工事そのものに疑問も持ち、そうしてまた憤りを感じておって、私どもに非常にエキサイトしておりました。  この機会に大臣にお聞きをしたいのですが、はたしてあのような直接台風の影響を受ける防潮堤が、鉄骨も入れないで、ただブロックを積み上げているような工事のしかたでよかったかどうか、このことについて第一点、最初にお伺いをしておきたい。それが今回の被害を大きくしたように感じますので、その点をお聞きをしたい。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 技術的なことでありますから、事務当局から答えさせます。

川崎精一建設省河川局長

○川崎説明員 お答え申し上げます。  ただいまお話しの高知海岸の堤防につきましては、これはやはり二十一年の南海地震に伴う地盤沈下対策事業として出発いたしまして、全長で約八千百メートルばかりの堤防を実施いたしております。このときの高さはTPで約八メートルの高さでございまして、その後、四十年になりまして、いろいろ海岸の侵食の状況等も考慮いたしまして、一メートル程度のかさ上げをする必要があるではないかというようなことで、在来の施設にちょうどパラペットになっている、波返しになっております部分でありますが、これを一メートルかさ上げをいたしました。八キロ余りありますが、その中の約四キロ五百ばかりは、いずれも鉄筋を入れた構造になっております。先生のお話の約二十五メートルの区間がオーバーターンをいたしておりまして、これの破壊の現状を見ますと、いずれもほぞで一体化をはかるというような構造になっております。四十一年以降はこういう工法はとらないで、全部鉄筋を入れるように指導をいたしておりましたが、たまたま四十年までの施工の区間で、こういう状況を呈しておるわけでございます。  この当時の計画の高さが、先ほど申し上げましたように潮位で九メートルでございますが、今回の波高を見てみますと、これをさらに二メートル程度上回っておるという現地の報告でございます。したがいまして、通常の状態でございますと、二メートルもオーバーしますと相当な力がかかるわけでございまして、そういった点では、一部施工上の問題もいろいろあろうかとは存じますけれども、結果的にはやむを得なかったのではなかろうか。ただ今後、こういった状況を見ますと、少々越波をいたしましてもそれに耐えるということはやはり望ましいことでございますので、私どもも、復旧並びに補強等につきまして現在検討いたしておりますけれども、今後ともそういった心配のないような施設の補強につきまして、十分県等も指導していきたい、こう考えております。

中野明公明党

○中野(明)委員 いま大臣もお聞きになっておりましたように、法律では海岸法とか河川法とか砂防法等、高潮とか津波といった波による水害を守るためにいろいろ法律がつくられているわけであります。いまの説明によりましてもおわかりのように、一メートル以上もかさ上げをするような堤防の工事に全然鉄筋も入れないで、ただ上からブロックをのっけているというような防潮堤の工事、このことについては、今回が私は一つの大きな教訓になろうと思いますが、今後の防災対策にあたりまして――幸いにして今回は、先ほども報告の中にありましたように、災害のピーク時がちょうど昼間でありましたので、人的な被害というものは、不幸中の幸といいましょうか、少なかったわけでありますが、もし夜間にこういう災害が来襲しておったとしたら、おそらく前代未聞の大惨事になっておったと、私ははだ寒いものを感じておるわけであります。そういうような現状から考えまして、今後の防災対策、そして堤防をつくられる上にあたりまして――ちょうど積み木を置いてあるような形ですから、倒れているものは倒れている、ずれているものは、かさ上げをしたものがそのまま横へ二十センチほどずれているというような状態で、あとでこれを見た付近の人たちは、いまさらのように、よくもこういう堤防をつくってくれたもんだと、憤りを持っておるわけです。そのために海の砂が農地に浸入いたしましてうずたかく積もって、一切あと農業にも適さないというような惨たんたる状態になっております。こういう点についてはぜひ検討を加えられまして、そして四メートル、五メートルの高い堤防をつくる以上は、それだけの波がきたときに耐えられるだけの工事をしてもらいたい。そうしないと、管理責任を持っておられる監督官庁としては、場合によればこれは無過失責任になるのじゃないかというところまで、私は思い詰めております。そういった辺、大臣のほうから、今後の防災対策について一言お願いしたいと思います。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 お答え申し上げます。  報告を聞いて、私もたいへん心を痛めておるわけであります。従来はそれでいいと思ってやったことであっても、今回の教訓を受けまして、特に特定事業としてまで取り上げようと思っておる現在の私の心境でございますので、いやしくも国で防災的な措置を講ずるものが技術的な欠陥があるということになれば、これは非常に大きな政治上の責任を政府が負わなければならぬということになりますので、工法並びに設計については、そうした災害を完全に防ぎ得るような設計、工法をとるということを目標にして十分に検討させる、こういうふうに考えておる次第であります。

中野明公明党

○中野(明)委員 もう一点建設大臣に。  先ほどからお話が出ておりますが、今後同じような状況になれば、おそらく全国の都市も高知と同じような状態になるということを私憂えるから申し上げるわけですが、高知市内と同様に、全国の各都市には――わが国の都市というのは大体河川の下流に位置しておりますので、ゼロメートル地帯というものがどこの都市にもあるように感じます。特に今回、日ごろから高知市内の桜井町とか、あるいは下知方面と俗に言っておりますが、そのあたりはゼロメートル地帯として、ちょっと雨が降っても水がたまっております。今回は特に高知がいい例を出したわけでありまして、これをもとにして、全国の都市のそういうゼロメートル地帯の防災対策を進められると考えておりますけれども、今後、このゼロメートル地帯の防災対策についての大臣のお考え方をこの際聞いておきたいと思うのです。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 すでにゼロメートル地帯に張りつけられておる都市並びに住宅は、これはできるだけ防がなければなりませんけれども、これからは、そういう危険なところに産業あるいは住宅が張りつくこと自身が、私は非常に危険だと思うのです。そのために、御承知のように都市計画事業では、そういうところはできるだけ疎開してといいますか、よそに移っていただいて、安全にしてかつ快適な場所に都市開発をやるべきだ。ただし、どうしてもそれができないような現状、たとえばいまの高知市の一部あるいはまた江東地区のようなところでは、まず防災をやって、それからだんだんと手段を講じましてそういうところの再開発をはかるというようにいたすのが本筋だと考えて、検討させているわけでございます。いままでは、自然のままにいたしておりますとゼロメートル地帯にどんどん人や産業が集まり、スラム街化し、そして危険を醸成するということで、これがいわゆる都市再開発の市街化区域並びに調整区域を設けたゆえんでもありますので、基本的にそういうことでまいる。  しかし、いま御指摘になりましたように、すでに都市化してそこにあるところのものは、まず防災を完全にするということに重点を置いてやるべきだと思いまして、先般海岸事業の長期計画を一応立てましたが、これは私としてはまだ不十分だと思っております。何しろあれは相当の金と関係省がありますることで、この点は、先ほど井上さんのほうにお答えしたように、政府として十分に協議の上今後善処してまいりたいと思う次第でございます。

中野明公明党

○中野(明)委員 時間がないようですので、事務的なことはまた後ほどにさしていただきまして、農林大臣も見えておりますので、農林大臣にもお伺いしたいのですが、御承知のように四国全体を見ましても、農林水産が各県の主体になっております。私どもの高知県もやはり農林水産業が県の主体になっておりまして、今回の台風による農林水産の被害というものは、これまた県の特色の一つであるビニールハウスの被害をはじめといたしまして、甚大な被害を受けております。特に零細漁民の小型漁船等の被害、これはすでに御報告も届いていると思いますが、あすからの生活を憂えるようなたいへんな現状になっておりますので、先ほどから激甚災の指定の問題もございますが、それを含めまして、農林大臣として今回の台風の被害に対する今後の救済対策、これについてお願いを申し上げたい、こう思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 高知県の災害につきましては、地元の国会議員さん並びに県知事さん、その他農業団体の方々もおいでになりまして、詳細にその御報告を承りましたし、また、私のほうの役所の者も参りまして、十分調査をいたしております。その調査の結果につきましては、できるだけのことをいたさなければならない。  激甚災のことにつきましては、建設大臣もお答え申し上げたと思いますが、十分政府部内で、防災会議を中心にして御相談をいたしてまいりたい、このように思っております。

中野明公明党

○中野(明)委員 特にいま大臣が各陳情も受けられ、先ほども報告がありましたので、被害の実情についてはよく御承知かと思います。これにつきまして特にもう一点。  農家が被害を受けて、私ども日ごろから思いますが、この台風の被害について、救済措置としましてお金を貸してあげよう、こういう制度は確かにあるわけなんですが、しかし、お金を借りる以前からもうすでに、いまの零細農家というのは借金なんか相当かかえまして、この上に借財をしてわが一代で払えるかどうかわからぬというふうな現状が非常にあるわけです。先ほどから、個人災害の問題につきましての救済ということについて、いろいろと議論が出ておりました。当委員会でも、私、これは委員長にもお願いをしておきたいのですが、ぜひとも各党代表の方で、個人災害をいかに救済するかということについての協議をお願いし、また関係政府当局も、その点についてぜひ検討を加えて――同じ災害を受けても、こういうことを言えばどうかと思いますが、農家のような、あるいは漁業専門のような人たちは、借金をしても当然払うめどがない、こういうような人たちに金を借れといってもよう借らないというような現状もあるわけでありまして、零細な中からこつこつとため上げた家財道具を一切失った今回のゼロメートル地帯の人たち、そういう人たちを含めまして、個人救済ということについては、当災害委員会におきましてもぜひ検討をしていただきたい。同時に農林省あたりも、農家の実情は一番よく知っておられるわけですから、そういう辺の救済の道も検討を加えていただきたい、このように私、思うわけであります。  それで、時間も三時五分までということでありますので、最後にもう一点だけ。  先ほどからお話が出ております土佐湾の高潮対策の特別事業でありますが、今回の高潮によって農家も甚大な被害を受けた、こういうことからからめまして、ぜひ農林大臣にも――今回の防災会議にも出ていかれると思いますので、農林大臣のほうからも、ぜひともこの土佐湾の高潮対策は特別な考え方でやる必要があるということを強く要求をしていただきたい、このように私、感じますので、一言その点大臣から……。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 きのう知事さんその他お見えになりまして、いろいろお話を承りました。それについて十分私どもの担当のほうで研究をいたしておりますので、いろいろ御指摘のような点につきましては、部内でよく調査をいたしまして、できるだけ善処いたしてまいりたいと思っております。

中野明公明党

○中野(明)委員 あと具体的な問題になりますので、事務当局のほうに後ほど質問したいと思います。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員長 仮谷忠男君。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員 せっかく農林大臣お見えになりましたから、一問だけお伺いをさしていただきます。  農業災害が大体百三十億、漁業災害合わせて大体二百億、これが高知県の災害であって、農業災害のおもなるものは水稲災害、漁業は漁船災害、それから養殖の災害といったようなものでありますが、御承知のように、それぞれこれは、制度上救済の道は開けておるわけでありますから、これを高度に利用していただいて、できるだけ救済の措置を講じてもらいたい、これはもう私どもの要望でありますが、なおかつそれで足らない場合、それぞれ県当局や団体からもいろいろ要望があっておると思いますが、農林漁業近代化資金のワクの増大の問題あるいは自創資金のワクの増大の問題、こういった問題については、それぞれまた事務当局を通していろいろと御相談を申し上げる機会があると思いますから、これはひとつ積極的に御配慮いただきたい、これは要望を申し上げておきたいと思います。  ただ一点、大臣に特にお伺いをいたしたい問題は、ハウス園芸のハウスの災害でございます。この問題は、災害があるたびにいつも議論をされておる問題であります。これはいままで農林省当局もいろいろ御検討されて、だんだんと方向がきまっておるやに承知をいたしておるのでありますが、現在の状態は、御承知のように米の生産調整をだんだんと進めてまいっておりますし、また進めなければならぬ時期に来ておる。その転換の主作目は、やはり何といっても野菜であります。この野菜をこれから積極的にひとつ、転換作目として生産を奨励していくためには、どうしてもそれに対する積極的な政府の施策が確立されなければならぬじゃないか、かように考えます。  妙な言い方でありますけれども、季節的に、東京都のキュウリあるいは東京都の消費するトマトの八割までは、高知県の施設園芸がまかなっておる時期があるくらいであります。そのくらいに、われわれは施設園芸に全力をあげておる。その施設園芸のための施設のハウスが、強風のためにまことにむざんな状態になっておるのでありまするが、これに対する救済措置がないのであります。天災融資法の適用すらも受けることができないのが実情であります。  これはいろいろむずかしい問題があると思う。私ども自体も、それぞれ党の部会において検討しておるのでありますけれども、今回特にそのことは切実に感じられておるわけでありますが、どうぞひとつ、直ちに助成とかいった救済措置はないといたしましても、何らかの形で救済資金、公庫資金等の活用を思い切ってしていただいて立ち上がりをさしてもらいたい、これは切実な念願であります。この点に対して農林省当局、農林大臣の御所見を承っておきたいと考えるわけであります。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 施設ハウス園芸の御損害につきまして農林省でも十分調べておるわけでありますが、ただいまちょっとお話にございましたように、天災融資法の対象にはならないということでありますが、農林漁業金融公庫の資金のいわゆる主務大臣指定として、公庫の資金を融資いたすことができるように道が開かれておりますので、そういうことによりまして十分御納得のいくようにいたすために努力をいたしたいと思います。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員長 塩崎君。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 時間もございませんので、簡単に農林大臣に御質問申し上げたいと思います。  十号台風の特徴はいろいろございまするけれども、わが愛媛県について見ますと、七〇%が農林水産業の被害でございます。そしてまた、愛媛県の特殊性ではございますが、単に一年生作物ではない果樹あるいは山林の被害が非常に大きいわけでございます。そこで、このような災害につきまして、いまるるお話がございましたが、確かにむずかしい個人財産の被害でありますので、いろいろとお考えになっていただかなければならぬと思うのです。結局は、農地を除きますれば、補助金よりも金融と税制の問題にならざるを得ない、税金の問題にならざるを得ないと思います。  そこで、私は金融の問題といたしまして、いま申されましたように、これまでの借りているものが相当たまっている。その償還年限がだんだんやってまいりますが、この償還年限の延長をこの際やっていただくには、相当農林漁業金融公庫その他のワクを確保していただかなければならぬと思いますが、その点についての御配慮をひとつ言っていただきたいと思うのでございます。  それから、いろいろとこまかい点は事務当局に御質問することにいたしまして、根本的に個人災害を防止するには、やはり他の農林作物にありますような共済制度、この確立が根本的な対策でございますが、必要かと思います。現在果樹につきまして、試験的に共済制度がスタートしておるようでございますが、その範囲はきわめて狭い。まだまだこれからでございますが、農林大臣はこれからの根本対策として、果樹について共済制度を確立していかれる意図がおありになるかどうか、これが第一点としてお聞きしたいのでございます。  それからもう一つ、やはり山林につきましても、いろいろと長い期間御援助をいただかなければならぬのでございますが、かねて要望がございます森林災害補償法の早期制定が考えられるかどうか、こういったことが将来の個人災害の救済として大きく考えられるところでございますので、この点について農林大臣の御意見を承りたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 個人災のことにつきましては、先ほどお話のございましたようなことでございます。御了承をいただけると思いますが、森林災害、これは今回の御地における災害のみならず、従来もそういう例がたくさんございますので、ただいまの林業情勢あるいは災害の実態等から見て、私どももさらに制度を強化せねばならないと考えて、研究をいたしておるわけであります。  今度のようなことにつきましても、これを参考にいたしまして、ひとつ十分検討をいたしたいと思いますが、目下保険設計を主体といたしまして、他の類似事業との関係も含めまして、農林省においては鋭意検討をいたしておる、こういうことでございますから、御了承をお願いいたしたいと思います。  それから、果樹保険につきましては、昭和何年でありますか、この前、私が農林省におりますときに試験を始めました。御存じのことと思いますが、まだなかなか趣旨を十分に御理解いただかない向きもありまして、われわれが期待しているほどにはなっておりませんけれども、逐次これが理解されて、多くの果樹園芸に属する人々が参加していただけるようにいたしたいと思っておるわけであります。これについても、ただいまありますものはたしか六種目だと思いますが、そういうことにつきまして、十分充実できますようにこれからも努力をいたしてまいりたい、こう思っております。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員長 藤田高敏君。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 お互い質問者は、きょうは二十分というふうに非常に限定されておりますので、私も総括的に農林大臣並びに山中総務長官にお尋ねしたいと思うわけであります。  すでに各委員のほうから質問もありましたが、いつの場合もそうでございますが、事災害に関する限りは、国の基本的な取り組みの問題として、激甚災害の指定を受けるかどうかということが一番大きな関心事になっておると思います。これらのことにも直接的に関係するわけでありますが、そういう立場から私は率直に申し上げて、今回の十号台風に対する政府のこの災害対策に対する取り組みの姿勢について、まずお尋ねをしたいわけであります。  時間がありませんから多くを申し上げませんが、私の手元には昭和三十七年以来の多くの災害の実績、その死者及び行くえ不明なり被害総額等についての詳しい資料を持ち合わせておるところでありますが、これらの過去の災害に比較して、この十号台風の被害というものは、私はやはり大災害としてのワクに入るべきものだ、こういうふうに思うわけであります。その認識について、政府自身はどのようにお考えになっておるか、これが第一であります。  二つ目の問題は、私自身はそのように認識をするものでありますが、そうだといたしますと、この衆参両院の立法機関のそれぞれの対策委員会が現地の実態をつぶさに視察をして、先ほど内海先生のほうからきわめて適切な報告があったわけでありますが、私は、政府なり内閣として現地の実態調査をせずして、きょうの委員会においても、ほんとうにこの十号台風大災害に対する討議が、国政を預かるものとして実態に即した討議ができるかどうか、この点については、たいへん失礼な言い方でありますけれども、この問題に対する取り組みとして政府の怠慢というものを責めざるを得ないような気がするわけであります。たとえば災害対策本部を設置するとか、あるいは政府の代表を現地に向けるとか、こういうことについてはいまだになされてないように思うわけでありますが、そういうことを含めて、この十号台風に対する政府の基本的な姿勢について、その見解をただしたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 御承知のことでありますが、政府調査団の派遣というものは一定の基準がございまして、たとえば死者五十名以上というようなことがいろいろございますので、正式の調査団派遣という形をとっておりませんが、閣議でも報告をいたしまして、直ちに私の対策本部の参事官を長といたしまして、建設、農林一緒に、人家倒壊被害の局地的に多かった奄美大島、名瀬、住用村、並びに浸水、高潮等によって局地的に異常な甚大な損害を受けられた高知を中心とする地点においては、調査団を――正式の調査団ではございませんが、しかし、政府の調査団であることは間違いはない。政府の調査団としての資格をもって調査を済まして帰りまして、その報告も受けておるわけでございます。  でありますから、私どもはその調査結果を判断をいたしまして、今回の、ことに十号における被害というものは局地的に、高知等を中心にいたしまして、倒壊件数にいたしましても、あるいは浸水の規模、その後の排出されました堆積土砂等の現状にいたしましても、たいへん重大な事態を迎えておると認識いたしておりますので、激甚指定の作業を急いでおりますが、いま直ちに行なわなければならないことである。さらに、残留市街地土砂の排出並びにそれらの排出物の焼却等につきましては、昨日本部より高知県知事にお願いをいたしまして、知事の要請をしていただきまして、自衛隊の出動を要請し、自衛隊はその堆積土砂を、さらに一般のじんかいとともにこれを完全に焼却して、それが腐敗あるいは病原菌の発生等による不測の事態を起こさないようにという作業に取りかかっておる次第でございますが、激甚の指定につきましては、それぞれの基準に合っているかどうかについてやはりしさいな検討が要りますので、急いではおりますけれども、いまのところ、まだ皆さまに発表する段階になっておりません。  しかし、今回の特徴といたしまして、九号では離島の全壊家屋が非常に多かったこと、これに対する配慮を重点的に行なわなければなりませんし、高知を中心といたします今回の十号台風の被害のあとは、水の被害というものが非常に大きい。その意味では、ふだんはあまり現象としてそう大きくあらわれない、商店街等を中心とする中小業者の方々のいわゆる営業に関する在庫とか、あるいは販売のための品物、そういうものの被害がたいへん甚大である。これらにつきましては、激甚の指定において重点を置くことはもとよりのこと、これらの方々の、被害を受けられたことに対する立ち上がりのためのあらゆる金融面、税制面等の援助を集中していきたいと考えておる次第でございます。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 私は、災害に対する政府の取り組む姿勢としては、いまの答弁では、率直に申し上げていささか不満足であります。しかし、そのことは、きょう論議する時間のいとまを持っておりませんから、防災会議の事務局長であるべき山中総務長官をはじめ関係閣僚の立場として、今後の具体的な対策の中に、積極的かつ迅速に災害復旧に向けての対策を講じていただく。こういう中で、今日までの政府のおくれがあったとすれば、具体的な事実、行動をもってひとつ実施をしてもらうことを要望しておきたいと思います。  次に私は、先ほどから各委員の質問がありましたが、激甚法の適用を受けるかどうかについては、なるほど、その基準が大まかに分けて四つに分かれています。その一つは土木、公共事業の関係であり、その二つは農地、農業用の関係であり、その中身になろうかと思いますけれども、天災融資法の関係であり、その四つが中小企業関係の基準ということで、総務長官が御指摘になられたその具体的な基準というものが問題になってこようかと思います。  そこで私は考えるのですけれども、大臣の答弁なんというのは、失礼な言い分ですが、非常に大ざっぱな答弁がややもすると多いわけであります。しかし私は、激甚災害の適用を受けるかどうかについては、たとえば建設省関係、農林省関係はおくれたとしても、中小企業関係の資料というものはもう大体整っておるんじゃないか。中小企業関係の商工関係の資料がおくれて――場合によると一般の公共土木事業の関係が、今日段階においてはその被害実態というものが集約されて、大体そのめどとして激甚法の適用を受けるかどうかについては、若干のアンバランスはそこにあっても、調査は――全体的に激甚法の指定を受けるかどうかについては閣議決定を待たなければならぬとしても、中身が、基準の適合がそういうふうに四項目に分かれておるわけですから、少なくとも天災融資法については、今日の段階でもこれは激甚法の対象になるでしょう、そして公共土木の関係では、大体の見通しとしてなるんじゃないだろうか、こういった大かたの推定ぐらいは、もう災害が起こって半月にもなるわけですから、私はそういう点では、事務当局を含めて、部分的な見通しはあらかたできておるんじゃないかと思うのですが、そのあたりの見解を示してもらいたいと思うのです。  私、時間がありませんので、私の質問の関係を申し上げますが、少なくとも愛媛なり高知のいろいろな実態なり資料を調べてみますと、私の手元の資料でいけば、たとえば公共土木関係の施設であればA項、B項ある。そのB項のうち、当該県の全市町村の当該年度における標準税収入の〇・二五倍以上の査定額が見込まれる場合には、これは激甚法の指定を受けますね。これは私はどんなにシビアに見ても、この条項からいけば該当するんじゃないかという大かたの数字を、私自身なりにはじいておるわけであります。こういう一つの比較的可能性のある見通しを含めて、今日段階における激甚法指定に関する見通しですね、これをひとつお聞かせいただきたい。  そのこととあわせて、この被害県及び当該市町村においては、激甚法の指定を受けるかどうかということは、たいへんな関心を持っています。また、それぞれの自治体においては、激甚法の指定を受けるかどうかによって、それに見合う災害復旧の予算措置を講じ、対策を講じていく必要に迫られておるわけであります。そのためには臨時議会を招集するところもありましょう。そういう観点からいきますと、おくれておるけれども、それでは政府は、激甚法を適用できるかどうかについての見通しをいつごろに立てて、いま作業を進められておるのか、この点についても、あわせてお聞かせをいただきたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 いままでの大体の感触で申しますと、通例は農林省関係が、早く激甚指定が行ないやすいものですから、まず行なわれて、集計の比較的おそい、あるいは集計の後の標準税収との対比等においてなかなか個別にむずかしい公共土木関係がおくれるのが恒例であります。しかし、今回は農林関係よりも先に商工業者の問題、その問題が優先して救済の道が必要だと思いますので、農林も急ぐでありましょうが、まずはそういう商工関係を急ぐということを重点に考えて、来週には結論が出せる方向で作業を進めております。  なお、いままでにすでに当該市町村におきましては、それぞれ法律がどうあろうと、いろいろな災害復旧のとりあえずの応急措置をしておられるわけでありますから、それらの行なわれた費用につきましては、清掃法もしくは堆積土砂排除に関する建設省予算の予算補助、いずれも二分の一でございますので、これらの国の補助も明らかにしつつ、地元において対応される地元負担というものについても、どこまで配慮できるか等については、今後しさいな検討を続けてまいりたい、なるべくすみやかにこれは結論を出したいと考えております。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 具体的に来週をめどに激甚法指定の結論を出すように努力しよう、これは非常に具体的な答弁として、私も歓迎するものであります。ぜひできるだけ、一日でも早くそういう結論が出ますように、政府関係機関の御努力を要望したいと思います。  そこで、いま順序は、どの部門も大事でありますが、中小企業の被害が、従来の災害に比較して非常に激甚だということで、できれば中小企業関係についても早く出したいということでありますが、ここでひとつ私要望を申し上げておきたいと思うのです。  と申しますのは、すでに質問された委員の中からもあったかと思いますが、御承知のとおり中小企業関係の場合は、災害救助法の適用を受けてないと、激甚法に基づく基準の内容を満たしておっても、いわばその激甚法のこっちの条件が満度以上に満たされておっても、こっちの災害救助法の発動がなければ激甚法の対象に適用にならぬという、そういう法律体系になっていますね。これは私はきょうの委員会では、時間がありませんから留保しますが、これは私は問題があろうと思うのです。これは都合によって、そのときの実情によって災害救助法の発令をしてなくても、こちらの激甚災害法に基づく防災会議がきめた基準に該当するだけの条件があれば、私はこれは当然、中小企業関係といえども激甚法の対象にすべきだと思います。その点についての見解をお聞かせいただきたいと同時に、この十号台風の激甚指定についてはぜひ適用されますように、これは要望をいたしておきたいと思います。  なお、そのことにも関連をいたしまして、せっかく農林大臣が三十分までということで、すでに三十分がきておりますがおられますので、要望を含めてお尋ねをしておきたいと思うのであります。  激甚災害法の関係は、これは全般のことですから、先ほど言ったことで一応私は了といたしますが、天災融資法の関係は、これは直接農林大臣の所管になると思いますが、当然天災融資法の発動の対象にこの十号台風はなると思いますが、その点についての所管大臣としての見解を聞かしてもらいたいということが一つ。  それと二つ目は、そのことに関連をいたしまして、今回の災害の中では、小さな生産手段しか持っていない、たとえば三トンとか五トンとかいう小型漁船の被害が非常に多かったわけであります。現行のこの規定では三トン未満というふうになっておりますけれども、こういったものを五トン未満にしていくとか、あるいは漁具の範囲をいかだとかあるいは小型いけす、こういったものも養殖施設の中に入れて天災融資法の対象にしていくとか、そういうものについてもいわば今次十号台風の実態に適応するような、天災融資法の対象によってこの実情に即した救済措置ができるように、ひとつ要望いたします。と同時に、大臣のこれまた見解を伺いたいと思います。  それといま一つの問題は、今回の災害によって相当多くの米がやられました。なるほど、いま政府は減反政策をとっておるわけでありますけれども、今度災害によって、等外米とかあるいは規格外米がたくさんできるわけでありますが、これらに対する政府の買い入れ措置についての方針をひとつ聞かしてもらいたい。  いま一つは、これは主として愛媛県の場合かもわかりませんが、ミカンとかカキとか、ナシとかブドウ、あるいは野菜ですね、キュウリ、ナス、レンコンといったものが相当大きな被害を受けております。これらに対するいわば助成措置について、今日段階における農林省としての御方針が一応まとまっておるものがあれば、お聞かせをいただきたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 いまお尋ねの中にありました第一の問題は、法律を曲げるわけにはまいりませんけれども、私どもといたしましては、災害の実情を大体よく知っておりますので、御趣旨に沿える範囲においてはつとめて努力をいたさなければならない、こう思っております。  それから、次のお尋ねにつきましては、米でございますが、これは初めから等級が五等というわけではないのでありまして、もっと上等な米であったものが、災害を受けた結果ああいうことになった。これは私どもとしては考えなければならないと思っております。  第三番目のことは、事務当局からお答えいたさせます。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○大河原説明員 ただいま御質問のございました各種作物に対する被害の助成措置でございますが、先生御案内のとおり、ただいまも問題になっております天災融資法、あるいは公庫資金の主務大臣指定施設災害復旧資金、あるいは農業近代化資金等各種融資措置によりまして第一義的には処理したい。従来は、これらにつきましては、個々の助成等も補助金という形で行なっておりましたけれども、金額は零細で必ずしも助成の目的を達しがたい点等もございましたので、融資措置を手厚くいたしまして、それによって十二分の効果をあげたいというふうに考えて、事務的な検討を進めておるわけでございます。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 災害救助法の指定が今回の場合、愛媛県でなされていない地域で、しかし、激甚の基準から見れば明らかに該当するという場所が、ことに中小商工業に出ていることは承知しております。この点は、政令でそのように定めてございますので、明らかに矛盾がありますが、しかし、現時点においてはそれを適用するといたしましても、やはり政令があることは事実でございますので、全体の税制、金融等の特例はほとんどが適用できる措置が講ぜられると思いますけれども、しかし、金利に関する特利、信用保証の限度ワクの特別ワクというものがやはりまともに適用できないという違いがございますので、災害救助法は、県のほうの指定によってそれを受けるものでございますので、ここらの点は、幾ぶん現実との行き違いが起こってくる可能性があるわけであります。  そこで、かねがね、問題が起こります前から、私は激甚の指定基準というものに疑問を持っておりました。変えなければならない点はだいぶある。たとえば公共土木にいたしましても、その県の、その市町村の基準財政収入と単純に対比いたしますので、大きな町のある部分が隣の町と同じようにひどい被害を受ける。ところが、隣の町は大体全面的に受けたので、被害金額と面積はほぼ同じであっても、指定は受け、隣の県は、全体の町村の面積のうち一部がほぼ同じ面積と同じ被害を受けても、その算出の方法において、基準財政収入に比べれば対象にならないという奇妙な現象が起こり得るわけでありますが、そうすると、地方の町村長さんは、やはり町民に対して説明のしようがないというようなこと等もございますので、かねがね、ただいま御指摘のような点も考慮に入れながら、私の手元で――私もずいぶん仕事が多くなったものでありますから、湊副長官に、君の手元でひとつ研究会をやってみてくれということで、各省も参加いたしまして、現在災害関係に関する全般の問題、ことに、ただいまの激甚災害の指定基準についての洗い会をしております。もしそのようなことで作業が間に合いますれば、今回の場合も追っかけて適用になることはできると思いますが、いまの時点でできるだけのことはしたい。しかし、変わるのは金利と融資ワクの特例だけであるという点だけを申し添えておきたいと思います。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 山中長官の具体的な内容についての答弁があったわけですが、中小関係にとっては、いま御答弁のありましたことが、私はもう一番大事な点だと思うのです。そこをはずされたら、全く扇のかなめをはずされたようなかっこうになって、なるほど御答弁はよかったけれども、何も中身はなかった、まあこういうことになるのでありまして、この点では、たいへん失礼な言い方ですけれども、山中長官の場合には、口八丁手八丁ということで、なかなかやることも適切にやられる長官として、いま人気のいい長官ですから、災害についても、やはりいいところを具体的に見せてもらわなければいかぬと思う。そういう点で、私は――きょうは時間がありませんから、後日やります。やりますけれども、長官もそういう意味を含めて言われたんだと思いますが、法律と政令と基準、この関係は全般的な法律体系として、私はちょっと矛盾があるような気がするのです。特に災害救助法の適用を受けていなければならぬというこの二十五条は、これは激甚災害の施行令では出ておるわけなんですね。本来的には、もしこういうものを入れるとすれば、激甚法それ自体の中に入れるか、もしくは災害救助法それ自体の中に入れなければ、別の法律の中では、私はちょっと運用面においても理解できないと思うのですよ。そういう点で、ぜひ私は、この法律体系の改正の問題については後日論議をしたい。ぜひそういう方向で政府としても取り組んでもらいたいということを要望すると同時に、いま言った中小関係に対しては、重ねて申し上げますが、激甚法それ自体による該当条件が整備と申しますか充足しておれば、それで激甚法の指定対象にするということをぜひひとつ政府はとってもらいたいと思う。その点についての山中総務長官の決意のほどをひとつお聞かせいただきたい。  それといま一つ、私、これは要望でありますが、千葉県の激甚法指定のケースは、これは局地災害、局地激甚を適用したケースにもなっておりますけれども、いわば四月から七月までの長雨、集中豪雨、それから台風、この三つの条件を三カ月の期間にわたって集約をして、激甚法の適用をしておるわけです。これは一災害一政令といういわば従来の原則を破って、例外的にそういうことをやってきておる事例が、ことしの二、三カ月前にあったわけなんですね。そういう点からいきますと、理屈の合わないものをくっつけるというわけではありませんが、九号、十号合わせれば、いま各県から出ておる被害総額というのは一千六百億からになるわけですね。ですから、できればそういう千葉県の実例をも十分参考にされて、必要な場合は九号、十号を合わせてぜひ激甚指定の対象になりますように、政府自身の今後の御努力を要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 ただいまおっしゃいましたこともその具体的な点の一つでしょうし、あるいは金額によって、町村単独でやれということを零細災害、公共土木等についていわれておる。こういうものも集めますと相当な範囲にわたって、これを累計いたしますと相当膨大な金額になっておりますので、こういうようなものを県単位で見るとか、あるいは累次して襲ったものであるならば九号と十号とを特別に分けるとかというようなこと等も念頭に置きながら、抜本的な洗いかえという作業をいまやっておるわけでありまして、今度の災害がありましたからやっておるのではなくて、私が就任をいたしましていろいろ矛盾を感じますので、湊君の手元でこれらの問題を総合して、矛盾のない、おかしなところのない、実態に合ったものにするようにということで作業を続けておる最中でありますから、御指摘の点はさらに念頭に置きながら作業を進めさせたいと考えます。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員長 小宮武喜君。

小宮武喜民社党

○小宮委員 私は災害の起きるたびにいろいろ考えるのですが、災害が発生をしてから、この災害対策委員会で種々論議をしたり、あるいは陳情を受けたりするわけですけれども、根本的には防災のほうに重点を置かなければならないのではないかというふうに私は考えます。このことについては前委員会でも、これは建設大臣からも、そのことは十分わかってはいるけれども、現在は災害復旧に追われてどうにもならないというような答弁があったわけですけれども、こういった災害が起きるたびに、このような問題をいろいろ論議をするわけです。しかし、このようなことを今後も繰り返すようなことであっては、これは一歩も前進をしないのではないかというふうに考えます。  そこで、政府としての具体的な防災についての考え方をお聞きしたいと思うのですが、そういった、根本的には防災に重点を置くんだというような説明があっておるわけですから、そういった意味では昭和四十六年度の予算の査定に入っておると思いますが、そういった場合に、四十五年度の予算と比較して、四十六年度の防災予算は具体的にどのように考えられておるのか、また昨年度、昭和四十四年度の予算と比較してどうなるのか、そういった問題について、まず基本的な考え方をお聞かせ願いたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 災害は、もちろん起こらないにこしたことはないわけでありますし、起こる可能性のある場合に、それを政治の力によって結果的に起こらないで済んだというふうに持っていくのがあたりまえのことだと思うのです。それに対しましてほかの大臣がどういう答弁をしたのか知りませんが、少なくとも防災を念頭に置かないで予算を編成しているわけはないのでありまして、来年度予算におきましても、私の手元で別段、まとめていま判断をするだけのものを持っておりませんが、各省が先月末で概算要求を出したばかりでございますので、今後目を通していくことになろうと思いますが、しかし防災というものは、たとえば事後においても事前においても、あるいは平常においても幾多の問題をわれわれに提起していると思います。  たとえば、いままで国の直接の施策では制度上手が届きかねると思われております個人災害という問題についても――一般の損害保険会社が、そこまでの分野まで手を伸ばしておりません。したがって、個人の災害についてどうしたらいいかということで、それらの制度がはたしてなじむものであろうか、掛け金給付というものを前提にしてそういう制度が成り立つものであろうかということで研究をしようということで、ことしの予算から調査費をとりました。そして、過去の実績からずっと見て災害の多発しておる地域を対象県といたしまして、個人単位で掛け金をしてでもなおかつ非常の際に備えるかどうか、そういう共済の制度が存立し得るかどうか、制度として成り立つかという調査を始めておるわけであります。  そのような平常の問題と、さらに防災について、再び起こさないということでありますならば、たとえば今回の高知でも、四メートルの堤防に五メートルの高波が来たら、これは物理的に、波が当然オーバーして被害が起こるわけでありますから、現在の災害復旧でいくならば、破れた個所、被害を受けた個所について原形に復旧し、もしくは波返しその他をつけた改良復旧を行なうということになるでありましょうが、それでは、また五メートルの波が来れば同じ被害を受けることはわかり切ってて復旧をしなければならない。しかし、一応災害復旧としてはそれは終わるのだという考え方に、いまは立っておるわけでありますが、しかし、私たちは伊勢湾台風の教訓で、やはりやればやれるというだけの施設をつくった経験を持っておりますので、今回の場合直ちにそれを当てはめ得るケースであるかどうかは別にいたしまして、起こったならば、その教訓を生かして再び起こらないように、私たちは人力の限りを尽くす責任があると考えておるわけであります。  予算の問題としての御質問でありましたから、あるいは答弁にならなかったかもしれませんが、以上でもって一応の答弁といたします。

小宮武喜民社党

○小宮委員 それから、先ほどの質問の中で、十号台風による激甚災害指定については大体来週中にはめどをつけたい、というような御答弁がありましたが、これは十号ばかりではなく、九号台風についても、激甚災害の指定並びに天災融資法の指定について、同様に来週中には大体適用範囲がきまるというふうに理解してよろしいですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 本来ならば九号はもうきまってなければならなかったのですが、事務当局といたしましては担当者が同じなものですから、九号の集計をしている最中に十号に見舞われたということで、結果的には九号も含めて一緒にというつもりでございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 その意味では、先ほどの質問にもありましたように、いままでの長い体験と経験からいって、各県、各市町村から出された被害報告について疑問を持ったり、それを信用し切らぬというなら別ですけれども、私たちのしろうと考えでは、やはりそういった体験から、被害状況を見ただけでも、一応これは天災融資法第二条第五項の特別被害地域に指定できるとか、あるいは激甚災害に指定できるとかというようなことが、事務当局としても判断できるのではなかろうか。そういった場合に、防災会議でいろいろ協議するのではありましょうが、しかし、やはりそういった決定を急いでしてもらいたいというふうに希望申し上げておきます。  それから、この災害復旧について、なるほどいま長官が言われたように、結局原形復旧が主になっておるわけですが、そういうような場合に、私もこの前の委員会で質問したことがございますが、やはり原形復旧ということばかりではなくて、同じ災害を繰り返さないという意味では、そういった改良も含めてやってもらいたい。  さらに、いまの天災融資に対する融資金の償還の問題ですが、これが六年以内ということになっておるわけですけれども、これを十年に延ばしてもらいたいという意向が被害地域の市町村から非常に出ておるわけですが、これに対してのお考えをひとつお聞きしたい。  それからもう一点は、時間がございませんので、災害復旧の査定について。早急に災害復旧をいたさなければならないところがたくさんあるわけですから、そういったところ、早急に着工しなければならないところは査定を早くやってもらいたいというような希望が、非常に各災害市町村から出ておるわけですが、こういう点については万遺憾のないような措置をぜひとってほしいということを考えておりますので、その点もあわせて、お考えがあればひとつ御答弁を願いたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 第一点は、県の報告があるんだから、それを根拠にしてやってもいいじゃないかというお話もありますが、九号台風に関して、九州の某県における水稲被害というものが参りました。そうすると、ここはもうことしは全滅だなと思ったのでありますが、農林大臣おられませんが、最近の作況報告では平年並みということになっておるということで、やはりいろいろと県もあわてふためいて、といえば好意的でありますし、相当なはったりといえば、これはまた悪意でありましょうが、災害の直後の心境としてはそういうこともありまして、そのままうのみですぐに基準どおりであるということに診断するのは、少し問題があるかと思います。やはり政府の責任においてやるべきだと思います。  あとの償還期限の延長の問題、あるいは査定を急げという問題等、私のほうは実務官庁ではございませんし、統括いたしておる立場だけでございますから、それぞれの主管官庁にいつも言っておることでありますけれども、査定を急ぐこと、並びにその償還期限について十年までしろという声が非常に強いというならば、それに応じられるかどうか、これについて、災害は特別であるといっても、金利、償還期限等についてはやはりバランスの問題でもございますので、一つだけで済む問題でもなかろうと思いますから、検討いたさせます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 長官に対する質問はこれで終わりまして、あとはまた、あとの機会で質問いたします。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員長 山原健二郎君。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 委員長以下、さっそく被害地に御足労いただきまして、被害地の出身の国会議員としてお礼を申し上げたいと思います。  私は時間の関係で、激甚地災害の指定問題あるいは土佐湾の防災特別事業につきましては、皆さんが出された御意見と全く一緒でありますので、重ねて申し上げません。ただ、この台風十号の被害につきまして、率直に、被害を受けた高知県民、またその中でも最も被害を受けました高知市民の感情を皆さん方にお伝えをしまして、質問をいたしたいと思うのです。  まず第一番に、この台風十号の災害というのがはたして天災であったのか、あるいは自然災であったのか。私はそうではなくして、確かに大きな高波が来たということは事実でありますけれども、多分に人災であり、政治災であるという感じを持っております。また、多くの市民がそのことを非常に痛切に感じておるということは、これはこの場で率直に申し上げる必要があると思うのです。したがって、今度の災害はきわめて腹立たしい、しかも陰湿な災害である。生活の破壊、経営の破壊という問題ですね、これが起こっております。ことに、いままでの南海大地震の津波あるいはチリ津波、あるいは日向灘津波に比べまして――一主婦の地元新聞に出しておる投書を見ますと、こういうふうに書いています。「前ぶれもなく、どっと畳を押し上げてはいってきた濁流の中に褐色の渦を巻いて流れ出てきたフン便をこの目で見てしまった。」「貧しい低所得でポツリポツリと買い整えた物々が、不能になり、」「どんどん捨てられていく。」こういう気持ち、しかも家の中に「ドロの山、汚水に浸って悪臭を放つ大量の本類、衣類、家具、食器……。」「腹が立ってもこの手でなぐることのできる相手がだれであるかわからないのでよけいつらい。」「どんなに今後善人ぶった顔をしても、もうだめ。今度ばかりは為政者を許さない。」「とにかく疲れた。」こういう投書が出ているわけです。  私は、これは今回被害を受けました数万の市民のほんとうの気持ちであり、政治家、為政者に対する怒りがこのことばの中にあらわれておると思うのです。このことをまず私は、当局においてもはっきりと認識していただきたい。ことに堤防の決壊、高知市だけでも二十四か所、しかも排水ポンプ五十六のうち、この二十一日の午前八時から九時の間、最も高潮のひどいときに稼働したポンプが一台もないということ、水が引いてから稼働を始めたのがたった十一台、あとの大半のポンプは動いていないという事実。これなどを見ましても、これは明らかに人災、政治災の様相を持っておるということを、私ははっきりと指摘したいのであります。これについて総務長官の御見解を伺いたいわけです。  さらにもう一つの問題は、いま市民が――先ほどの調査報告書の中にありましたように、浦戸湾の埋め立て問題があるわけです。さらに、浦戸湾口にありますところの種崎海岸の切り取りという問題、また、浦戸湾のどまん中にありました狭島という島の切り取り、私はこの三つが、今度の台風十号の被害の三大悪人であるというふうに思うわけですけれども、これらはいずれも、市民が今日まで十数年にわたって、切り取り、埋め立てに対して反対をしてきたものなんです。それに対して一顧だに考慮をしなかった。それが今回の被害の一つの原因になっておるのではないか。これは高知大学の沢村教授、あるいは日本土木学会の山本日大教授、あるいは高知大学の山崎、上森の諸教授が、浦戸湾の問題を研究しまして、浦戸湾の埋め立ては寸土たりとも危険である。全国第四番目のゼロメートル地帯を持っておる高知市にその被害が及ぶことを考えるとりつ然たるものがあるということを、数年前から警告しておるにもかかわらず、それを埋め立ててきた。学者、研究者だけのことばではなくして、故老も言っております。あるいは市民も言っておる。そういう市民感情といいますか、あるいは学者の研究の成果といいますか、そういうものを無視して埋め立て、そして湾口を広げて湾内を運河のように狭くした、このことが、高潮に対して耐えることができずに――四メートル二三の高潮が湾口に来ますと、いままでは、湾内の高知市の水位は大体三分の一になっておったのですが、埋め立てをした結果だんだん水位が上がりまして、今回は、先ほど坂本高知市長が報告になりましたように、五メートルをこしておる。あるいは湾内の市街地地域における数カ所の水位の検査によりますと、大体三メートル九五という数字が出ておるのです。こういう埋め立てをしたことが正しいかどうか、このことについて、おそらく検討なさっておると思いますので、まずお伺いをしておきたいのです。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 その主婦の新聞の投書の気持ちは、私もよくわかります。私自身も、台風銀座の鹿児島の選出でございますから、そういう大災害というものに小さいときからならされてきましたし、また、その災害を受けた人たちの心理というものの深層にひそむ政治に対する不信感にまで発展するものがあることも、よくわかります。しかし、災害、台風十号は、全部自民党政府が連れてきて上陸させたものである、というところまでの極言はなさっているわけではないわけでありましょうから……。  ただいまの後段の、かねがね注意しておいたにもかかわらずという、具体的な埋め立て、切り取りの御説明がございました。その点につきましては、許認可官庁であります運輸省のほうから説明させていただきませんと――私は掌握いたしておりませんので、正直に申し上げておきます。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 いまの問題につきましては、運輸省に対しましてあとで質問いたしたいと思うのですが、現在残っております埋め立て計画の第三期工事、いわゆる被害を受けました横浜地先の一万トン岸壁二バースの埋め立てでありますけれども、昨日、高知県としては一応中止をするという発表をしたというふうに聞いております。この点については、あとで運輸省に対して質問をいたします。  そこで、こういう被害が起こりました場合に、先ほどから出ておりますように、個人被害というのが非常に大きいわけです。いろいろな救済の措置を講ぜられましても、しかし、それにかからない多数の個人被害というものがあるわけです。これをどうするかという問題であります。たとえば畳にいたしましても、現在県の発表しております畳の計画ですね、年末までに一世帯について四畳半を確保するという、こういう状態なんです。これくらいひどい個人被害が起こっておるということを、一例として認識をしていただきたいわけですが、そういうことを考えますと、これらの被害に対して国家賠償法の適用をする気持ちはないかという問題です。  御承知のように、国家賠償法第二条第一項に基づきまして、同じく、くしくも高知県におきまして、国道の落石問題で一人の青年がなくなりまして、これが訴訟問題となり、去る八月の二十日の最高裁第一小法廷におきまして国は敗訴しまして、この青年の家族に対する五十万円の賠償が最高裁判所によって、新しい判決として、判例として決定をされました。そのことを考えますと、このような工事のずさんさといいますか、先ほど来指摘されております堤防の決壊あるいは排水ポンプの動かない問題、あるいは埋め立ての問題などを含めまして、国家賠償の責めが国にはあるのではないか。第一小法廷の判例は、無過失責任ということを国に対して課しておるわけでありまして、その点を考えますと、今回の災害の個人損害に対しまして国家賠償法を発動する決意はないか、この点を伺っておきたいのです。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 確かに政府にとりまして、国道管理の問題に関して無過失責任を国に求めたという判決は、ある意味においては、今日までの行政の立場において考えられなかった分野における判決であると私どもは受けとめておりますが、しかし、かといって、その判決を私たちは不当であるというような気持ちは持っておりません。でありますから、このような判決を受けとめて、そのようなことの起こらないような努力は、今後建設省の道路管理その他、いまの問題について言いますならば、そういう方向についてさらに予算措置を講じ、その他について重点を置いていこう。あるいは、危険だと思う場合に、いままで通行禁止規制等をあまり強くやらなかったけれども、しかしながら、やはり危険があると考えた場合には、そこを通る人にも若干の不便は忍んでもらわなければなるまいというような申し合わせ等も閣議でいたしたわけでございますが、一般の天災という場合におきます個人被害については、先ほど私は、調査費を組んで来年から、それが制度化できるかどうかについて、特定の災害の多い過去の経験値を持つ県の県民の方々を対象にして調査し、その結果乗り得るものならば制度として考えたいと申し上げたのでありますが、いまのところ、国家賠償責任ということで、台風災害の個人の補償について国が乗り出すというところまでの意見を統一いたしておりません。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 もう一問。  現在市民の間には、この問題について国家賠償、告発というふうな問題も起こっておるというふうに聞いておるわけです。これは当然出てくる問題だと思うのですが、しかし、それにしても、こういう個人被害というものを、これからますます災害のたびに個人被害が大きくなるわけですから、これに対する対策というものも当然考えなければなりませんし、しかも、いま総務長官が話されたように、なにがないことにはどうにもならないという感じを私は持っているわけです。特に、この災害と同時に、建設政務次官の田村さんが災害地視察に行かれて――これは新聞発表でありますから、正確を期すことはできませんけれども、今度の災害について、寺田寅彦博士の言われました、災害は忘れたころに来る、しかし、ほんとうはこの災害の起こるゆえんがあるのだ、そして今度の問題では県政はシビアな批判を受けるであろう、ということを言っておるわけです。これは明らかに、建設政務次官が県政における瑕疵を認めておるのではないか。私は、県政だけを政務次官が指摘をしたということに対しては、不満があります。当然国の問題として指摘をしなければならない問題だと思いますけれども、少なくとも県政上の問題を指摘して、瑕疵があったということを認めておるのではないかということを考えますと、明らかに国家賠償法の適用を受け得る要素を持っておるということを政府みずからが認めておることを、私は感じ取っております。その点につきまして、政務次官おいでになりますか。――これはあとでまた御質問をいたしたいと思います。  総務長官のほうにもう一度見解を承ります。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 田村君が現地でどういう話をしたのか、私も知りませんし、また、ローカルの県政のいろいろな政治事情というのは複雑でありますから、ややそれらの因果関係のある政務次官であるようにも思います。かといって、ここで愛媛県の知事さんが災害救助法を発動しなかったから、だから、いまの政令では激甚災が指定できないではないかと、知事さんを責めるというような言い方も私はおかしいと思うので、やはりそういうことが食い違いの起こらないようにしていこうということでありますから、あまりローカルの問題については、政務次官の発言を私は確認いたしておりませんので、これ以上ちょっと触れかねるのでございますが、それらのところはひとつ御了承のほどをお願いします。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 もう一言。先ほどから山中総務長官は、何だか自民党政府にすべての責任があるような言い方をしたのではあるまいかというような言い方をしておるわけですけれども、そうではないのです。私は、確かに今度の高潮というのは異常であったということを認めております。同時に、それに対処するだけの要素をこちらで備えていなかった。このことが、天災と同時に人災的色彩があるということを申しておりますので、そのことは理解をしていただかなければならないわけです。同時に、ローカルな問題をここで言っておるわけではなくして、少なくとも建設省の責任者として地元へ行って調査をして、そうして、県政がシビアな批判を受けるであろうと言った以上は、その間には、県政上の瑕疵を彼が認めたのではないか――彼がおればいいのですけれども、地元でけんかするわけにいかぬわけですが、そういう意味で申し上げておりますので、これでおきたいと思います。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員長 塩崎潤君。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 関連いたしまして、総務長官御出席でございますので、若干の御質問を申し上げたいと思います。  先ほど来私も、新米議員でございますが、激甚災の指定になるかならないか、それがポイントである、こういうことを申し上げました。総務長官御出席になりまして、さすが、私がかねて御薫陶を受けました総務長官でございますので、もとから洗い直して指定基準を考えて見直す、こういう非常にいいお話がございまして、私も安心したわけでございます。その改正ということが将来のことであると言ったら、これはまたたいへんなことになろうかと思いますが、長官の御意図は、まず第一に九号、十号の台風から適用される指定基準と考えますが、この点はいかがでございましょうか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 塩崎君に対してたいした薫陶もいたしておりませんが、塩崎君の私に対する初質問であることには変わりがありませんので……。  いまの、私が、総務副長官の湊君の手元で大急ぎでまとめて作業をやってみろと指示いたしましたのは、九号、十号のはるか前の話でして、私が災害を担当する大臣としての立場において、いままで一議員として感じてきた矛盾――これは皆さまと同じです。しかも、適用に対してのやはり割り切れないものが残っておる。ここらのところは、やはり被災者は一個人一個人の立場でとらえて判断をしますから、それらの人々が、町村長も含めて、納得できる筋の通ったものでなければならぬと私は思いますので、そういうことからこの際――幸い湊君は、党のほうにおりますときも、災害関係で熱心に勉強した議員の一人でございましたので、安心して作業をまかせられると判断いたしまして、君のほうでやってみてくれないかと頼んだわけです。  でありますので、この作業はすでに開始されて進捗中でありまして、もしこれが政令段階で間に合うものであって、それが九号、十号に適用できるタイミングで改正できるというものであるならば、なるべく適用は好意的に、しかも被害者の立場に救済の手が広く深く行き渡るようにすべきことが本来の仕事でありますから、じんぜん日をむなしゅうしながら、いたずらに法律、政令をひねくり回しておるというのは私の性格に合いませんので、湊君の手元の作業をすみやかに進めて、できれば御希望に沿うような作業を進めてみたいと考えております。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 長官の御性格は、私は昔から存じ上げておりますので、善悪がはっきりすれば正しいことは――遡及効とか、そういうむずかしい議論を離れまして、当然私は九号、十号の台風から適用になろうかと思うのでございます。  藤田委員も取り上げられました中小企業金融と災害救助法との関係、この救助法を適用する趣旨は、私はどうも法律の目的が違うような気がいたします。中小企業に災害があるんだけれども、別な、人命の救済を目的とする災害救助法の適用地域に限定するということ自体は、私はどうも、小指ぐらいしかひっかからないような感じがいたしますので、こういうことも当然考えられる。削除されることは考えられるわけでございますが、先ほどもまた、公共土木施設についても、山中総務長官、非常に財政上の知識を発揮されておりまして、私も同感でございます。標準税収にぶっつけること自体も多分に問題でありますが、公共事業と標準税収とは関連がございますけれども、公共事業の伸びより税収の伸びのほうが、累進税率の関係でも多いことは当然でございます。その点からいきますと、あの率の問題はいろいろ問題がございますので、率等についても根本的に考えていただきたい。あるいは標準税収じゃなくて、全体の公共事業の関連から見ていただくとか、ひとつ抜本的に、山中流にぜひともやっていただきたいと思うのでございます。そういった意味で、私はこの基準については、これぐらい深く考えておれば、おそらく山中総務長官でございますから、新しく基準を考えれば、少々財政上の負担があっても、私はその点は考えられないでやられると思うのでございますが、いかがでございましょうか。私が聞くところによりますれば、激甚災害が相当ふえていっても、財政上の負担はそんなに大きくはない、こういうふうに伺っておりますので、その点もあわせて総務長官の御意見を承りたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 かりに政令の結論を得、省令の結論を得て改正手続をとるという場合でも、あるいは、いまの新しい基準でものを見直すという場合でも、遺憾ながら、塩崎君の最近まで在籍しておった大蔵省、ここが一番の抵抗を示すであろう、これは想像に余ることであります。しかしながら、問題を残していつまでも議論をしておりますと、そのたびに何か議論が残っておりますから、問題点があとに残されていくということは、財源上わずかな金銭の額の問題ではない問題を政治的に残しておくということになることを、私たちは考えなければなりません。この点は、やはり大蔵省が国民の税金を使う場合に、最も正しく、しかも効果的に、公平に使わなければならないという使命のもとに努力しておる役目の役所であることはわかりますけれども、ここらの点の大きな政治的な判断の、長い目で見た得失という問題は、当然大蔵大臣も含めて判断しなければならないものがあろうかと考えますので、最大の努力を尽くすことをお約束いたします。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 事務当局に質問することにいたしまして、山中総務長官から、私にとって非常に満足できる御答弁をいただきましたので、質問はこれで終わらせていただきたいと思います。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員長 続けてください、塩崎君。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 長官はお帰りでございますが、若干時間をいただきまして、御質問を申し上げたいのでございます。  先ほど来申し上げておりますように、災害の問題は、激甚災害になるかどうかの問題に尽きると思います。基準等についても、いま申し上げましたとおり、お考えになっていただくことになりますれば、今後の問題といたしましては、ひとつ整備をよほど考えていただきたい。これはもう恒久的な問題となりますが、次の国会には、たとえば激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律、この四条あたり、どの程度国が財政援助を与えていくか、このあたりを見ますと、もう非常にむずかしい。租税法律主義と申しますか、納税者から税金を取るように、非常にきっちり書いておられますので、どの程度の補助がくるのか、さっぱりわからない。よく計算してみると、たいしたことないというように言われる。それすらわからない。こんなような問題もひとつあわせて常識的に、少なくとも政治家がわかるような財政援助、市町村長あるいは県会議員の方々、あるいは県知事さんといたしましても、この程度いくのだというような財政援助の規定と申しますか方向を、すぐわかるような制度に直していただけるかどうか、こんな点について、副長官の御意見を承りたいと思います。

湊徹郎自由民主党総理府総務副長官

○湊説明員 先ほど山中長官のほうから話がございましたが、私も実は国会にある当時から、各種の現在の災害に対応する措置基準、あるいは適用する場合のものさし等について、いろいろと不備、欠陥等感じておった一人でございますので、先ほど話がありましたように、できる限り法律あるいは防災会議できめております指定基準等を含めて、いま洗い出しをやっておるわけでありますが、ちょっと御質問からははずれますけれども、今回の九号、十号についても、先ほどからいろいろ御議論がございましたように、従来は気象の条件をもとにして災害を指定する、こういう考えよりも、むしろ被害を受けた住民の立場に立って、かりにそれがダブルパンチであろうが、こういうものをある程度まとめて指定するという運び方がほんとうじゃなかろうか、こういうことで、過般の長雨につきましても、気象上四月から七月にかけてほとんど継ぎ目なしということで、これを一連の連続したものというふうな扱い方にしたのも、ただいま申しましたような趣旨でございますし、今回の場合も、具体的な災害指定のめど等を計数の上で見当つけると同時に、その取り扱い方等についても、今回の場合はとりあえず対処し、同時に九号、十号も含めた意味で、先ほどお話ありましたような、現在の災害法体系全体をひとつ洗い直してみたいというふうに思っております。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 災害となりますと、たいていの御質問は査定の早期完了、あるいは改良復旧事業を大いにやろう、さらに復旧期間を、四年くらいかかっておるようでありますが、三年にしろというような要求が多いようでございますが、なかなかうまくいっておらないようでございます。このあたりの実情につきまして、建設省あるいは運輸省についてお伺いをしたいのでございます。  まず、建設省の河川局長にお伺いいたしたいと思いますが、私のほうの地方の下灘というところの豊田川というのが、今度大ばんらんをいたしたのでありますが、どうも原因を探求いたしますと、長らく災害がなかったので、そのために一つも堰堤がない。そこで大はんらんを来たしたような気がするのでございますが、どうも治水事業というものは、災害があって初めて治水事業をやっていくのかどうかという疑問すら持つのでございます。あるいは、道路事業に比べまして治水事業のほうが非常におくれておるのではないか。道路事業だけは目的税があるから、治水事業のほうはしかたがないのだというような感じすらするわけでございますが、このあたりについて、治水の考え方をぜひともひとつ承りたいと思います。

川崎精一建設省河川局長

○川崎説明員 私ども、三十五年から、治山治水緊急措置法に基きまして治水事業を進めておるわけでございます。現在第三次の治水事業五カ年計画を進めておりますが、これの長期目標といたしましては、昭和六十年ごろまでに約二十三兆余りの費用が要るということでございます。したがいまして、それの第一期ということで、進捗は必ずしも十分ではございませんが、現在、その約四六%を四十五年度で達成するということでございます。したがいまして、先生のおっしゃるように、いろいろまだ道は遠いわけでございますけれども、できるだけ予算を効果的に弾力的に運用いたしまして、皆さま方の御期待に沿うように努力をいたしておるわけでございます。  お話に出ました、双海町の付近じゃないかと思いますが、豊田川という川がありますが、これにつきましても今回ずいぶんひどい災害を受けておりますので、私ども、単に災害復旧だけでなくて、改良的な要素も加えまして、上流の豊田・奥西地方からずっと河口に至るまで全面的に抜本的な復旧を行ないたい、かように考えております。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 時間がございませんので、次は運輸省の港湾局長にお伺いいたしたいのでございます。  私のほうの高浜とか魚島、中島などの離島の港湾施設、桟橋が非常にやられたようでございます。瀬戸内海全般について、九号、十号で浮き桟橋が七十も流れたと聞いております。私どものしろうとの知識では、浮き桟橋というのは、干満の差のあるところで小さな船が着くその停泊施設というふうに考えがちでございますが、この浮き桟橋の流れたこと自体、早く原状復旧をしていただきたいのでございますけれども、それ以上にひとつ改良復旧事業として恒久的な岸壁で、少なくとも瀬戸内海を往復する千トン以上の船は恒久岸壁に、浮き桟橋でないような停泊場を設けることができないかどうか、ひとつ港湾局長の御意見を承りたいと思うのでございます。

栗栖義明運輸省港湾局長

○栗栖説明員 ただいまの御指摘にございましたように、今回の九号、十号で浮き桟橋が非常にたくさん被害を受けております。御指摘のとおり浮き桟橋と申しますのは、水深が非常に深くて干満の差が大きいところに使うものでございますが、確かに波に対して非常に弱いという欠点がございまして、なるべく防波堤その他で囲ったところで使うというふうに進めておるわけでございます。たまたま松山、高浜などにつきましては、過去におきまして、東からああいう大きな風が吹いたという事例がございませんので、大きな被害を出したわけでございます。  御質問の恒久施設でございますが、船によりまして、特に旅客船につきましては旅客が乗りおりいたしますので、いわゆる乾舷と申しておりますが、海から上の高さ、これがある程度高い場合ですと、干満差の大きい――瀬戸内海は特に干満差が大きゅうございますから、高い場合ですと、桟橋をかけるとかして何か手があろうと思います。ただ、小さい船になりますとなかなかそれがむずかしいという点がありまして、船の性能あるいは状況によりますけれども、将来はそういう危険性のあるところにつきましては、そういうふうな――これは災害の対象になりますか、あるいは港湾の整備の一部になりますか、今後の研究課題といたしましても、管理者のほうでそういう御計画をお持ちになりますものにつきましては、積極的に御相談に乗りたいというふうに考えております。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 時間がございませんので、その次には、やはり私どもの近くにだいぶ被害がございました山林の問題について、林野庁長官にお尋ねいたしたいと思います。  先ほども申し上げましたように、一年生の作物と違いまして、非常に樹齢の長い林野でございますので、特別な御配慮が必要かと思いますが、まず第一に、災害あと地の復旧事業の援助について拡大造林並みの補助率にできないかという問題でございます。いまのままでほうっておけば再造林並みの補助率になる、こういうふうに伺っておるわけでございます。私もまだ勉強が足りないかもしれませんが、私のしろうとの考え方では、普通の場合には再造林並みの補助率でよろしい。しかし、災害によって造林をせざるを得ないような、自分の意思によらない羽目に落ち込むわけでございますから、これはひとつ拡大造林並みの補助率、普通の援助と違った高い補助率のほうが、私は山林の将来の植林奨励にも適するかと思います。しかし、何といっても災害であるからということでそういった点が考えられるかどうか、まず第一にお伺いいたしたいと思います。

松本守雄林野庁長官

○松本説明員 お答えをいたします。  風倒木のあと地の造林につきまする補助のやり方でございますが、現在方式では、それが人工造林地であれば再造林の補助をいたします。それは補助単価に査定係数をかけてやるわけでありますが、その査定係数をかけるやり方が〇・六ということで、非常に低くなっております。拡大造林は一・二――一二〇といいますか、高い点数を加算をすることにいたしております。  そこで、雪折れの被害の例もございまして、その被害の額が地域的に、また市町村別に非常に大きいという場合には、その点数を、普通の再造林にやっておる点数以上の点数――例によりますと一〇〇でございますが、そういう例もございますので、関係方面とも折衝、打ち合わせをしまして、何とか普通の再造林よりは高い率で実施をしてまいりたい、このように考えます。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 もう一点、林野庁長官もお見えでございますが、農林漁業金融公庫の方もお見えになっておるのでございますから、ひとつ御質問いたしたいのでございますが、いまの公庫の造林資金は林齢と申しますか、樹齢と申しますか、八年までのものについて対象とされておるようでございます。確かに八年を越えますれば間伐収入その他が入ってくることを当てにされておるかと思いますが、今度の私どもの災害を見てまいりますと、樹齢十五年から二十年ものが相当やられておる。このようなものについても造林資金を、対象として貸していただけないかどうか。ふだんの場合と違い、再々申し上げておりますように災害でございますので、この点を御質問いたしたいのでございます。  それから、なお一言だけつけ加えさせていただきますが、農林大臣に森林災害補償法の早期制定ということを御質問申しましたが、確たる御返事がなかったような気がいたしますので、あわせて林野庁長官の御意見を承りたいと思います。

松本守雄林野庁長官

○松本説明員 公庫造林資金でございますが、普通の造林資金は八年まででございます。それを雪起こしその他の先例では、災害のあった場合には九年以上、十五年までやった例もございます。今回の風のような災害はこういった適用の例がございませんが、類似の例もございますので、これも関係方面と折衝、打ち合わせをしたいと存じます。  それからまた、森林保険でございますが、これは、大臣が先ほど御答弁もいたしたようでございますが、いま国営森林保険制度と全国森林組合連合会でやっております共済制度と、一般の民保でやっておる制度がございます。いずれもが必ずしも十分でない、あるいは重複をしておる、競合をしておるという面もございますので、林野庁として、農林省として、ここ数年来、その内容の充実につきまして検討を進めておるところでございます。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 いろいろと質問したいことがたくさんあるわけでございますが、その次には、中小企業の問題を御質問したいと思いますが、なお、公庫の方々で総裁あるいは副総裁、来ておられますれば、どうしても御返事を承りたい点がございますのでお願いしたいと思います。  先ほども、中小企業の激甚災害指定の問題がいろいろ議論になりましたけれども、私は、中小企業庁長官のいままでの中小企業のあの政策の御熱意から見れば、中小企業庁から強く総理府に言えば、災害救助法の適用なくても、中小企業に災害があれば当然利子補給あるいは融資ワクの拡大、これができると思いますが、中小企業庁長官から一言、その点についての御意見を承りたいという点でございます。  それから、中小企業にいたしましても、農林漁業に対します災害貸し付けにいたしましても、一件当たりの貸し付け金額が非常に少ないようでございます。百万円というのが多いほうでございます。中には二十五万円とか五十万円とか――昔は百万円長者ということを言っておられましたが、いまは百万円まで免税にするというような世の中の変わり方でございますし、今回の災害から見ると、中小企業の一件当たり百万円まで貸し付けて、それに対して利子補給するというのは、きわめて私は小規模過ぎるような気がいたしますが、その限度を引き上げることができるかどうか、あるいは限度を引き上げた場合に、その資金ワクが十分確保できるかどうか、この点について、農林漁業金融公庫の方にも御答弁をぜひともお願いいたしたいと思います。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員長 各委員に申し上げます。  本日、先ほど議決いたしました高城商工組合中央金庫理事長、石原開銀総裁、佐久中小企業金融公庫総裁、澤田国金総裁が出席をいたしておりますので、御報告をいたしておきます。

吉光久中小企業庁長官

○吉光説明員 ただいまの御質問、二点あったと思うわけでございますけれども、最初の激甚災の中小企業関係につきましての指定について、災害救助法を前提にしているということは理屈が合わないではないか、これをすみやかに廃止すべきである、こういう御意見でございました。先ほども総務長官のお話がございましたように、いろいろと問題点を現在拾っておるところでございます。  もともと、中小企業関係につきまして激甚災をどの範囲で適用してまいるかということは、あくまでも総体的な問題でございまして、現在災害救助法を前提条件に考えられましたそのもとになっております考え方というのは、これは私の推察でございますが、中小の商工業者というのは、いずれかというと、それぞれの市町村の住民の生活に非常に密着した災害形態をとっておるというふうなことから、したがいまして、災害救助法関係が、そういう住民のいろいろの災害関係につきまして不測の事態が起こりました場合に発動されるというふうなことを前提条件にいたしております関係上、第一次的なしぼりをまずそこに持っていって、さらに中小商工業者に対する被害額というふうなものを総体的に確定してまいる、こういう方式を採用したのではないかと思うわけでございます。  過去におきましては、実はいずれかといいますと、災害救助法が適用されておる地域について激甚災が適用されないということについて、激甚災の適用範囲を広めたらどうだという御意見が非常に強かったわけでございまして、過去の、現実に起こりました中小商工業者の大きな被害の関係につきましても、災害救助法を前提にして考えました場合に、実はそれほど大きなそごはなかったと申しましょうか、食い違いがなかったと申しましょうか、むしろ災害救助法発動要件のほうが広く発動されておりました。その中から中小企業業界の災害関係の計数を拾ってまいるということで、いままでは済んでおったのではないであろうか。むしろ、先ほどお答え申し上げましたように、逆の現象のほうがいままで、御意見としては強く出ておったわけでございます。  今回、はからずもこういう事態になったわけでございますが、どうしてこういうふうなことになったのかというふうなことにつきまして、まだ実はそこらの関係につきまして、詳細な事情はお伺いいたしておらないわけでございますけれども、やはり中小企業関係に対する激甚災の指定基準の問題でございますので、独立して定め得る分野があろうかという気もあるわけでございます。そういう関係から、実はそこらの現実に起こりました矛盾をどう解決したらいいかという点につきまして、早急な詰めをさしていただきたいと思っております。  それから第二の、百万円というのでは少な過ぎるではないか、こういうお話でございます。  実は災害関係融資につきましては、すでに御承知のとおり、たとえば中小公庫につきましては、普通の貸し付け額に加えまして一千万円がプラスアルファで貸せるというふうな、これが限度になっております。あるいはまた商工中金につきましては、そういう意味での限度はございません。実情に応じまして――一般構成員貸しでございますと五千万円が限度でございますけれども、災害の場合には実情に応じてプラスアルファができるというふうな制度になっております。ただ、国民金融公庫につきましては、何ぶんにも小ないし零細な企業が対象でございますので、一般の貸し付け限度額五百万円に百五十万円を加えました六百五十万円の範囲内で貸し付けができる、こういうふうな形になっております。  いま御指摘になりました百万円というのは、実は六分五厘で貸しております金額の限度額が百万円でございます。百万円が正しいかどうかという点につきましても、私ども再検討いたしておるわけでございますけれども、従来の考え方からまいりますと、できるだけ、中小・零細企業を含めまして、低利融資があまねく行なわれますというふうなことを前提にして百万円というふうな規模がきめられたのではないであろうか、これは推測でございます。それから、過去の災害貸し付けにつきまして、一件当たりの平均額を実績でながめますと、平均九十六万円でございます。そういう状況ではございますけれども、経済規模が一段と拡大いたしておりますので、したがいまして、そういう長期的に見れば、こういう拡大された経済規模を前提にして、そこらの数字もはじくべきものじゃないだろうか、こういう感じで現在検討を進めておる段階でございます。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 たくさん聞きたいことがございますが、もう時間もございませんので、最後に、税金の問題について農林省あるいは国税庁、あるいは大蔵省の主税局の御意見を承りたいと思います。  いま災害救助法の例を引かれましたが、災害救助法の例を引いてちょっと困る問題は、私はもう一つ税金の関係にあったような気がするわけでございます。災害地について納税猶予をする、あるいは徴収猶予をするような場合には、地域を指定する。それがどうもいままでの慣例では、災害救助法の適用のあった地域、これだけに限定されておるようでございますが、私は、それだけではない、やはり担税力が失われた地域はほかにもある。これは税金をまけるというのじゃなくて、納税猶予をする、あるいは申告、申請を少しおくらすというような問題でございます。個別的に指定できるという制度があるとはいいましても、私ども、激甚災害の指定ということが、ほんとうに国の親心が納税者あるいは住民にぴんとぐることで、心理的な効果は大きいわけでございますので、やはり納税猶予等の指定も、災害救助法の関係なくして、広く市町村や府県の意見を聞いていただいて、こういう地域はひとつ納税猶予をしよう、あるいは申告、申請の延期をしようということにならないかどうか、こういう点について国税庁の御意見を承りたいと思います。

長村輝彦国税庁直税部審理課長

○長村説明員 従来地域指定がされておりますときに、災害救助法の地域と重複している例が多いことは承知しておりますが、指定をいたしますときに、その災害救助法の適用があるかどうかということは、必ずしも判断の材料になっておりません。それとは別の角度からそれらの地域の被害の状況、そして納税者の方の分布の状況、構成割合というふうなものを全体として勘案して、しておるのが実情でございます。今回の災害の場合にも、国税局長等の意見に基づきまして、高知県の高知市をはじめ四市七町三村につきまして過日地域指定をいたしましたけれども、そのほかの地域については、納税者の方の個々の申請にまって、それぞれの実態に応じて処置をしたほうがさらに妥当ではないかということを判断いたしたわけでございます。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 現在やられたことはいま御説明がございましたが、私の申し上げるのは、中小企業と同様に、災害救助法だけを適用しないで、もう少し広くやることを研究してくれということでございましたので、これはぜひとも御検討願って、広い地域があって、まだまだ指定漏れがあったら、ぜひとも指定していただきたい、こういうことを希望として申し添えておきます。  それからもう一つは、先ほど来各委員の方々が御心配されておる公共施設と違う個人財産の災害でございます。これは金融か税金しかないということになるかと思うのでございますが、その金融についてはいろいろ償還年限の延長、利子補給、いろいろこれからお願いするわけでございますが、税金についても、特に災害という特殊な事情を考慮して、いまの税制を根本的にひとつ考えていただきたい。しかも、その考えていただくことは、ただ税金は遡及効果がないということじゃなくて、九号、十号の台風から考えていただきたいという問題でございます。これは特に農林省の方方が関心を持っていただいて、大蔵省とひとつ折衝していただきたい、こういう問題でございます。  先ほども申し上げましたように、愛媛県の災害の特殊性は、果樹、山林という非常に長い寿命を持ちますところの農作物が被害を受けたわけでございます。しかも御承知のように、農林水産漁民というものは、税法にあるむずかしい青色申告制度にはなじまない方々でございまして、ほとんど白色というかっこうになっておる。ここに私は根本的に、青色申告制度になじむ中小企業者と農林漁民との間の相当な負担の差が出てきやせぬかということを心配するわけでございます。ことにそれが災害だけに、何とかこの点を救ったらどうか。青色申告者になれば、御承知のように一年前に税金を繰り戻せる、過去に納めた税金を戻せる。しかし白色申告者なら、災害の損は将来にわたって三年間繰り越せるという制度だけでございます。中小企業者が青色申告いたしますれば、一年前納めた税金が返ってくる。これは全く大きな金融になろうかと思いますが、こんな点をひとつ農林水産漁民にも適用できないか。白色であっても、災害については思い切って一年前に税金を繰り戻して、損失を繰り戻して還付することができないかという問題でございます。私は現在の白色申告制度についても災害ができ上がった経緯を知っておりますし、どうしても青色申告制度がなじまない現状であるならば、ひとつこの際思い切って白色であっても――私は九五%くらいまでの農林漁民は、白色申告者だと思います。それから、私は愛媛県の実情を思うのでございますけれども、去年のミカンは非常に値段が高くて、国税局から目をつけられまして、相当税金を納めていただいたようでございますが、御承知のようにこれだけの災害をこうむりますと、あの根がゆり起こされまして、これからなかなか所得が生じそうもない。つまり、いまの税法によりますところの三年繰り越しの制度では、ほんとうにから振りになりはしないか。繰り越しとはいいながら全く所得が生じない、利益が生じない。したがって、から振りに終わるおそれもありはせぬかと心配するわけでございます。それならば、思い切って災害の場合だけに限って、農林漁民については白色であっても、一年前にあの苦労してミカンについて納めた去年の税金を、ことしに返すようなことはできないか、この点について、農林省並びに大蔵省の御意見を承りたいと思うのでございます。

大河原太一郎農林大臣官房参事官

○大河原説明員 お答え申し上げます。  税務行政について非常にお詳しい先生の御質問でございますが、従来農林漁業につきましては非常に災害によって影響を受ける、その面において融資はもとよりのこと、税制について種々配慮するという問題がございまして、実際のところは、税務行政側からもたいへんな配慮がございまして、現地現地で非常にこなされてきたというのが実情でございます。そういう意味ではいわばルール化されておりまして、大きな災害がございますと、そのつど末端の税務行政まで徹底いたしまして、特に課税問題について、問題を最近においてはわれわれも承知いたしておらないわけでございます。  ただ、今後におきましては、ただいまお話がございましたように、果樹とかその他非常に資本装備が高くて、災害による影響が非常に大きい、しかも青色申告制度になじまないというようなことによりまして、税制上の災害に対する恩典が必ずしも受け入れられないというような問題がございますので、制度にわたる問題でございますので、実情をわれわれとしても十分検討いたしまして、それらの実態に即応するような努力をして、われわれとしても税務行政のほうに種々、結論を得た上で要望したいというように考えております。

山内宏大蔵省主税局税制第一課長

○山内説明員 先生、先刻御承知のとおり、所得税は、たてまえといたしましては、年々の担税力をはかりまして、それに基づいて課税をするというようなたてまえとなっております。ただ、災害が激甚でありまして、そのために翌年以降の担税力に影響を来たすというふうな事柄を勘案いたしまして、先ほど御指摘のとおり、災害損失につきましては、翌年度以降の損失の繰り越しを認めておるというのが現在の制度のたてまえになっておるのでございます。したがいまして、先生のおっしゃいました、繰り戻しをすることはどうかという点につきしては、これは現在の考え方といたしましては、そういった基本的な考え方の例外といたしまして、青色申告の優遇措置という観点から更正をいたしまして、青色制度についてだけ認めておるというのは、先生御指摘のとおりであります。  ただ、われわれといたしましても、この際先生のおっしゃった点について考えてみますと、いろいろお話のような事情があることも事実でございます。しかしながら、一方青色申告については、今後とも優遇をして伸長していかなければならぬといったような税務行政上の要請もございます。その二者を考えあわせまして、今後御指摘のような点について十分に検討してまいりたいというように考えております。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 時間が参ったという御注意がございましたので、質問を終わらしていただきますが、飛び入りの質問でこのような長時間の質問をさしていただきましたことに対しまして、委員長はじめ各委員に対しまして御礼を申し上げまして、質問を終わらしていただく次第でございます。ありがとうございました。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員長 松浦利尚君。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 いままで長い間、地元御出身の各委員の方々が、基本的な問題についていろいろと質問なさいましたから、私は、将来また同じようなあやまちを繰り返してはならないというような問題を中心に質問してみたいと思うのです。質問時間が限られておりますから、簡単に質問しますから、簡潔にひとつ答弁をお願いいたします。  まず副長官にお尋ねをしておきますが、先ほど藤田委員が質問いたしました、災害救助法を発動しておらなかった問題の扱いです。長官は、善処をするように検討する、こういうふうに言われましたけれども、私はたてまえ論と実態という問題から考えるならば、この際、あの中小企業の大被害を見ましたときには、災害救助法の発令をさかのぼってやらしてもいいんじゃないか。たいへんおかしなことですけれども、現実問題として、さかのぼって発令をさせるというふうな方法をとられるべきだ。そうすることが、今日苦しんでおる中小企業を救済する道だ、こういうように私は思うのですが、副長官どうでしょう。

湊徹郎自由民主党総理府総務副長官

○湊説明員 先ほど来いろいろ御議論がございましたが、この問題、実は今回初めて起きた問題で、従来、災害対策基本法制定以来、先ほども中小企業庁長官から話がございましたように、逆のケースが多かったので、今回のようなことは確かに初めてであります。そこでまあ問題は、政令の中できわめて明確に規定してあることでもございますし、ただいま遡及発動というふうな一つの御提案もございましたので、実際問題として、できるだけやはり現地の期待にこたえるというのが私どもの基本的な姿勢でございますから、ただいまの御提案も含めてひとつ検討させていただきたいと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 いまの副長官の答弁は、検討するということは、結果はいい、こういうように理解をして、いまの御答弁を受け取りたいというふうに思いますが、よろしゅうございますか。

湊徹郎自由民主党総理府総務副長官

○湊説明員 先ほども申しましたように、災害救助法を現実に適用いたしますのは知事の権限であり、立場でございますので、いろいろと地元の知事その他ともこれは相談をしなければいかぬだろうと思いますので、そこら辺も含めてひとつ検討させていただきたいということであります。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 私も内海委員と一緒に現地を調査してまいりましたが、発動できなかった理由は、急激に起こった事故、高潮が来たために一斉に町がつかってしまうというような、そういった突発的な事故のために非常に現地が混乱をしておって発動がおくれた、こういうふうに私たち調査団は、善意にというよりも、実態論として理解をしてきたわけです。その点もひとつ調査団の報告として、副長官、御理解いただきます。  それからもう一つの問題は、-今度の災害の特徴は、何といっても個人災害というのが非常に多かったということなんです。私は災害対策基本法の精神からいっても、天災による個人被害というのは個人の責任じゃないと思うのです。やはり個人災害といえども政治がこれを救済する、これが私は災害対策基本法の精神だと思うのです。そういう面ではこれから――個人被害、個人災害というものの救済ということは、いつもこの特別委員会で再三議論をされながら、一歩も前進をしておらないのです。幸い、九月一日から災害防止月間です。この際個人災害の問題について明確な政府の方針、答弁を副長官からお願いしたいと思います。

湊徹郎自由民主党総理府総務副長官

○湊説明員 この問題も、再々の特別委員会で議論になっておる点でございまして、私どもといたしましても、特にいままで被害のはなはだしかったところ等を中心にして、具体的に町村によっては悉皆調査、あるいは全国の知事、市町村長さん等の意見を、九月一日防災の日を一応期して現在調査を始めております。大体十一月ぐらいまでにまとめ上げたいと考えておるわけであります。  問題は、この前の委員会でも申し上げたのでありますが、この災害による人命の被害あるいは財産の被害も、当然でありますが、年によって非常にばらつきが多うございます。そこで、伊勢湾とかあるいは室戸等の大きな災害のときは数千名に及ぶ犠牲者が出、ここ二、三年を調べてみると、全国で二、三百人というのがここ二、三年の実績でございます。そういう二、三百人という人を対象にして、はたして共済制度というふうな形で制度が成り立ち得るのかどうか、いろいろ検討しなければいかぬこともございますので、あるいは場合によって交通事故等とのかね合いも考え、あるいは火災による被害等も含め、あるいは民間の損保等でやっております仕事とそういうやっとからめて、何とかそういう個人災害にまで手が及ぶような方法はなかろうか、そういうふうな観点で、現在始めております調査をもとにして、これから早急にひとつ政府としても方向をきめていきたいというふうに思っております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 個人災害の問題については次の特別委員会に――またわが党としての考え方もありますから、一応きょうの質問は保留をさせていただきたいと思います。  次に、副長官、それから運輸省港湾局長ですか、おいでいただいておると思いますから、明確にお答えをしていただきたいのですが、先ほどもちょっとここで触れられたようですが、地域開発と防災の関係ですね。先ほど内海委員の報告にもありましたように、今度の災害が大きくなった理由としては、やはり浦戸湾の埋め立てというのが影響しておるのだ、こういう意見がちまたにあることは事実です。私は、このことがほんとうかどうかということは、科学的に証明されなければなりませんから、そのことを云々するつもりはないのです。  ここでひとつぜひ副長官あるいは港湾局長に明確にお答えをいただきたいのは、最近何といっても地域開発が非常に進んでまいります。埋め立てという問題が各地域で行なわれるわけですが、これは当然各県では、開発審議会その他を通じて科学的にいろいろと議論をした上で埋め立てというものが行なわれるということも、よく承知をしております。しかし、今日こういううわさが高知市内で立っておるということを考えるなら、やはり、あまり開発というものにウエートを置くために防災を忘れるというような結果が出てくるのではないかという気がしてならないのです。そういう点について、今後の開発と防災の関係に対してどういう処置をとろうとされるのか。高知市における不安というものを一掃するために、この際明確に方向だけ明らかにしていただきたいと思います。

栗栖義明運輸省港湾局長

○栗栖説明員 ただいまの御質問でございますが、開発というおことばは、港湾の場合は港湾の計画と、それから港湾の中の埋め立てというふうに理解させていただきまして申し上げたいと思いますが、港の計画をいたします場合に、埋め立てをやりまして開発するということも一つの目的でございますが、そのほかに、埋め立てといいましても、工場を立地させて利用するということもございますし、港湾の荷役といいますか、船が入りまして貨物の量が非常にふえてございますので、そういう貨物をさばかなくてはいけないということで埋め立ての必要が起こってくるということもございますが、港のそういう計画をいたします場合に、たまたま今回の場合は、過去の実績を非常に上回った予想外の高潮が参りましてこういう災害を起こしたわけでございますけれども、一般的に申しまして、まず災害の問題を考慮いたしまして防波堤その他も考えますし、必要があれば高潮のための護岸をつくるということもあわせて、港の計画を行なっておる次第でございます。したがいまして、開発のために防災をおろそかにするということではございませんで、逆に申しますと、港湾でございますから、特に日本は台風国でございますので、防波堤がなければ、港に入っている船も非常な損害をこうむるということもございまして、十分両方調整をとりながら進めていくという方向で進めてまいっております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 私はそういう言いわけを聞こうとは思わないのです。結果は結果として、私はいいと思うのです。あなた方あるいは県を追及するつもりはありません。ですから、これからはそういった問題が起こらないようにもっと事前に計画を周到にして、そういった、いやしくも防災がおろそかにされたからこういう災害が起こったなどといって民生を不安定におとしいれるようなことのないように、明確な指導をしてもらいたい、それが私の言わんとするところなんです。副長官どうでしょう、あなたが防災担当の責任者です。

湊徹郎自由民主党総理府総務副長官

○湊説明員 ただいまの開発と保全という関連は、ひとり防災のみならず、御承知のように経済の発展と公害という形、あるいは輸送革命に伴う交通事故、この三つの問題とも、総理府のほうで全体の調整役を承っておりまして、それぞれについて対策の基本法制もどうにか整ってまいりましたので、それぞれ防災は防災、公害は公害、交通対策基本計画というふうな、それぞれの全体の計画の中で、これまた各省に分かれて担当しております各種開発部門との調整を、全力をあげてこれからはかっていきたいというふうに考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 それから、港湾局長にもう一点お尋ねをしておきますが、実はやはりこの特別委員会に、台風災害があったときにいつも議論として出されておるようでありますけれども、造船所の堤防、防潮堤の問題――今度の高知市におけるこの高潮災害も、やはり無堤防の造船所のほうから潮が入ってきて被害が起こってきたという例があるわけなんです。これは再三、過去のこの特別委員会でも議論されながら、善処するという答弁が会議録にもあるようでありますけれども、いまだかつて善処されたためしがない。こういう問題について、港湾局長、簡単でけっこうですから、明確にお答えをいただきたい。

栗栖義明運輸省港湾局長

○栗栖説明員 今回も造船所から入りまして被害が起こったという事実がございますが、造船所の入口で壁をつくるというわけにはいきませんので、従来造船所の裏に防潮堤をつくりまして、背後地を守るということでやってきたわけでございますが、たまたま造船所の背後地の堤防の高さが、四メートルの予定でございましたが、三メートル五十でございまして、位置が陰になっておったということで着工順序を少しおくらしたという点は、われわれ大いに反省しております。ただ、一般的に申し上げまして、造船所の前では、どうしても船が入る関係で防げませんので、背後地で守るという原則で、各地でやっております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 いやしくも今後、造船所を原因として潮が市内に流れ込むというようなことは絶対ない、そういうことはしません、こういうふうに明確にお答えください。

栗栖義明運輸省港湾局長

○栗栖説明員 今後の防災対策としましては、造船所から入るということがないように、同じように進めたいというふうに考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 次に、建設省にお尋ねをするのですが、日本のように海岸の非常に長いところ、しかも災害のたびに犠牲の出るところ、そういうところについては、先ほど建設大臣のほうからもいろいろと御説明があったのですが、なぜ海岸に対してだけは特別措置法がないのか。道路とか河川とか、そういったものについては特別措置法があって、長期計画で改善、改良されていきますが、海岸についてはそういう特別措置法というものがないわけなんですね。しかも災害は海岸から起こってくる、こういうことを考えた場合に、この際やはり海岸事業に対しても特別措置法という法律を制定して、長期計画による海岸の改修、改良というものをはかるべきだと思うのですが、建設省の河川局長、どうでしょう。

川崎精一建設省河川局長

○川崎説明員 海岸事業につきましては、御承知のように三省の共管になっております。したがいまして、いまおっしゃるような方法、現実に三省がうまく連携をとりながら海岸の保全事業を進めるのにどうすればいいのか、こういうことでございますが、現在の海岸法を改正する方法と、それから先生のおっしゃるように、特別措置法をつくる、いろいろ私どもの間でも議論がございます。  海岸法を改正するといいますのは――緊急措置法のような内容の具体的な事業の計画、そして、これも期限を切られております。そういった場合に、海岸の保全の基本的な考え方をまとめてございます海岸法を改正するというのは、ちょっと不向きだろう。緊急措置法の問題でございますが、これは普通公共事業は、たいがい五カ年計画等をやっておりますものが、緊急措置法でやっておるわけでございます。だから、原則的にすべて、それぞれ特別会計ということになるわけであります。そういう関係で三省共管しております関係で、そういった点でいろいろ支障がございまして、やはり現実的に海岸行政は五カ年計画で一元化できれば、現在閣議了解をしておりますが、これを閣議決定をいたしまして、現実的に運営がうまくいけば、むしろそのほうがよかろうじゃないかということで現在進めておる次第でございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 現在の経緯はわかりましたが、いま進めておられる三省が、事務次官クラスで協議してやっておるという話をちょっとお聞きしたことがあるのですが、三省でいろいろ責任者が寄って、保全について話し合い、あれしておられるのはわかりますけれども、このように台風による被害が増大をしてくれば、やはり特別措置法、緊急措置法等を制定すべきである、こういうふうに私の意見として申し上げておきますから、ぜひ今後の早い機会に御検討をいただきたいというふうに思います。  それからもう一つ、これは小さなことで、局長に質問をする内容ではないかもしれませんけれども、排水ポンプですね。実際に排水ポンプを装置してあるところが、排水に使えないのです。停電があったらもう使えない。予備電源がないのですね。ところが、台風ではすぐ電気が切れてしまう。ところが予備電源もない。何のために排水ポンプが――先ほど井上委員も指摘しておるようでありますけれども、やはり排水ポンプは、停電があっても自動的にディーゼルに切りかえる、自動発電に切りかえても排水を続ける、こういった装置がされるべきだと思うのです。これは、局長にはあまりに小さい質問ですが、どうでしょうか、その点は。

川崎精一建設省河川局長

○川崎説明員 先生お話しのあれは、高知を中心にいたしまして全般的なお話だろうと存じますが、たとえば今回の高知市内の被害を見てみますと、ポンプが五十数カ所、それぞれ設置してございます。目的によっていろいろ仕訳がございまして、私ども河川関係では一カ所、江ノ口川というところにポンプが据えつけてございます。これは幸いディーゼルでございまして、ほぼ予定どおりの運転をしましたけれども、内からの水で逆にやられた。そのほかに下水道関係の施設が十カ所ぐらいございます。これも一部、電源にたよっておるものについては支障がございました。ただし、ディーゼルも併置いたしておりましたので、その分は稼働したように聞いております。あと農地関係が約四十数カ所ございますが、これはたしか高知市の土地改良の関係で所管をしておられるように聞いておりますけれども、これはかなり古い施設でございますので、そういった関係では、まさかこういう高潮位のために浸水したときに排水をするというたてまえでなくて、非常に低地にあるたんぼの排水をするという趣旨で建設されたのじゃないかと思います。  私ども建設省といたしましては、ポンプを据えつける位置の問題とか、それから電源の問題、これはディーゼルに切りかえるとか、予備電源を併置するとか、そういうふうに今後は指導してまいりたい、こういうふうに思っております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 次に、今度は厚生省の方にちょっとお尋ねをしておきたいのですが、災害救助法による単価の問題ですね。たとえば給食の単価が現在百六十四円ですか、後半は百七十九円になっておるかどうかわかりませんけれども、非常に単価が小さいのです。これは私は実態に合わないと思うのです。こういった災害救助法による単価の改正、何か事前にやると大蔵省との予算の関係が云々、こういうふうなお話もちょっと漏れ承っておるのですが、私はこういう単価というものは、実態に即して抜本的に改正すべきだ、こういうふうに思うのですが、厚生省、どうですか。

伊部英男厚生省社会局長

○伊部説明員 災害救助法によります応急救助の基準につきましては、物価、国民生活水準等を勘案いたしまして、逐年改善をいたしておるのでございまして、本年も基準を若干の改善を行なっておるのでありますが、今後とも改善には努力をいたしたいと考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 厚生省の方、単価のことについて、そのいま改正された単価というのは、事前に市町村に対して連絡は――台風が来る前に、今度の災害救助法による単価はこれだけですよという指示は、現実にしておられるんですか。しておられなかったところがあるでしょう。

伊部英男厚生省社会局長

○伊部説明員 台風十号に関しましては、いっておるはずでございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 九号はどうですか。

伊部英男厚生省社会局長

○伊部説明員 九号、十号に関しましては、いっておるはずでございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 もう時間が来ましたから、これで最後にいたしますが、今度の台風の被害の中心は、やはり中小企業が一番被害を受けたんです。特に、私、行って初めて驚いたんですが、潮による害というのは、中小企業の商店が在庫で持っておるものも全部、潮でもうだめになってしまうんですね。全然使えなくなってしまうのです。そういう状態で、私が見たところでは、現実にもう工場そのものが吹っ飛んでしまった。貯蔵しておった品物もない、こういった状態が出てきておると思うんですね。ところが、御承知のように、いま政府は金融引き締め政策を行なっておるわけなんです。そういう意味で、徐々に中小企業には金融引き締めのしわ寄せがきて青息吐息という状態、そこに今度台風というものが押しかけてきたわけですね。そうなってくると、必然的に、系統別金融に対する融資というものに対して期待をすると思うのです。     〔委員長退席、内海(英)委員長代理着席〕  現実に、これは高知の例ですけれども、国民金融公庫に十億、中小企業金融公庫に二十億、商工中金に二十億、開発銀行に三十億、約百億近くの融資を陳情しておられるのですね。おそらく愛媛等からも相当な融資の要請があると思うんですが、きょう、せっかく総裁三名の方と参考人として中金の理事長さん、おいでになっておりますから、一体、今度の台風で、中小企業に融資する額としてどれくらい現在準備しておられるのか、それぞれの各公庫について、私のところではこれぐらいはだいじょうぶです、お引き受けいたしましょうという額がはっきりしておれば、お答えをいただきたい。また、それがきまっておらなければ、この際、どれぐらいは融資できるだろうというおよそのめどぐらいについては、はっきりしていただきたいと思うんです。     〔内海(英)委員長代理退席、委員長着席〕 そうしないと、激甚地災害指定を受ける前に、つなぎ資金としてももういま困っておるわけでありますから、そういう問題について、せっかくおいでいただいて、長い間お待たせをいたしました皆さん方、それぞれ御答弁をいただきたいというふうに思います。  それとあわせて、現在まで借り入れております残高の償還期限の延長とか、あるいは貸しつけワクの緩和とか、こういったものについても御用意があると思うのでありますが、そういう点について、あわせてお聞かせをいただきたいというふうに思います。

佐久洋中小企業金融公庫総裁

○佐久説明員 今度の台風の災害が起きまして、直ちに、この災害救済融資の指示を関係の支店に、私のほうでは出しました。地元の金融機関あるいは県商工会議所とか関係方面と打ち合わせをして、実情がどういうふうになっておるかということを詳細にまず調べることを指示したわけです。それで、融資の申し込みのあるものについては、別にワクを制限するというようなことなしに貸し出しを実施するようにということで、現にすでに高知におきましては、一億五千万円ぐらいの融資が実際に出ております。  なお、既往の貸し出し先についてというお話もございましたが、これについては融資条件の変更、たとえば返済期限の猶予とか、あるいは月賦の返済額を少なくするとかいうような方法で、すでに九件実施をいたしました。今後も、必要の申し出があれば御要望に応ずるように、現在の資金を十分に弾力的に運用をして御期待に沿いたい、こう考えております。

澤田悌国民金融公庫総裁

○澤田説明員 澤田でございます。  台風の発生いたしました後、直ちに、公庫といたしましては、現地の支店長を各該当地に派遣いたしまして、実情をつぶさに調査いたさせました。そして直ちに災害貸し付け制度を適用いたした次第でございまして、申し込みに応じて直ちに措置ができるよう手配をいたしております。  また、こうした措置をとりましたことを、県、商工会あるいは商工会議所、報道機関等を通じまして周知方を極力行なっておる次第でございます。特に災害のひどかった高知市につきましては、融資相談所を設けるとか、あるいは、本部あるいは近隣の支店から人員を派遣するとか、いろいろな措置を講じております次第でございます。  現在までの申し込み状況、今後の見通しでございますけれども、八月三十一日までの申し込み状況は、何せ国民金融公庫は非常に零細なものが多うございます。台風九号にかかるものが百六十一件、二億二千万円ほどございます。台風十号に関係いたしますものがいままでのところ三百件余、六億三千万円ほどございます。合計で四百六十件余、八億五千万円ほどの申し込みが現実に出てきておるわけでございます。  今後の推定でございますが、これも非常に困難でございますが、融資相談などが窓口に引き続きございます点から考えますと、かなりふえる。それで結局は、台風九号にかかるものが五億円見当にはのぼろうか、十号にかかるものは二十五億円見当になるのではないか。これは非常に大ざっぱな推測でございますが、そんなふうに考えておる次第でございます。  これに対します資金は、現在までのところ心配はいたしておりません。災害貸し付けは最優先的に取り扱う方針でございますので、現在の手持ち資金で何とかまかなえる。もしそれが非常に多くなって、一般の融資に影響があるようでありますれば、これまた、いろいろと関係方面にお願いしなければならないかと思いますが、現在のところ、資金的には心配はいたしておりません。  それから、先ほど先生、既往の貸し付けはどうだというお話がございました。これもいま調査中でございますが、詳細につきましてはまだ具体的に把握いたしておりませんが、最も被害の大きかった高知支店管内で推定いたしますと、被災債務者数は五千六、七一件になろうか、この被災債務者に対する既往貸し付け残高は三十四、五億円になろうかというふうに推定いたしております。こういうものに対しましては、返済の猶予あるいは貸し付け期間の延長などの申し出がございました場合には、現行制度の許します範囲内で極力返済方法の緩和をはかり、その急速な立ち直りを援助したい、かように考えておる次第でございます。  以上、大体お答え申し上げます。

高城元商工組合中央金庫理事長

○高城参考人 私のほうも、いま両公庫の総裁のおっしゃいましたのと大体同じようなことをやっております。  需要の面でございますが、大体九号で一億四千万円ぐらい、十号で二十九億五千万円ぐらい、現在積み上げました数字はその程度でございます。これに対しましては、もちろん、災害のことでございますので、このワクにつきましては、別ワクといたしまして確保をいたしておるわけでございます。  それから、速戦即決というようなことでございますので、支店長の貸し出し権限を二倍にいたしまして、できるだけ現地で、本部に連絡しないで貸し出しができるようにというふうな措置もとっておるわけでございます。具体的に申しますと、九号の場合は奄美大島がたいへん被害が大きかった。奄美大島に私どもの店がございませんので、奄美の信用組合に代理貸しをいたしております。これは申し出どおり三千万円のワクをすでに渡しております。熊本県は二つの信用組合でございますが、天草関係がだいぶひどいわけであります。これは比較的小さいので千四百万円、これもすでにワクを渡してございます。十号につきましては、申し出の数字がまだあまりまとまってきておりませんが、二十三件、六千九百万円の融資を実行したという程度でございます。  私ども、組合金融でございますので、ちょっと取りまとめに時間がかかっておりますが、できるだけ両公庫と同様、災害融資につきましては極力努力をいたしたいと存じておる次第でございます。  以上、簡単でございますが……。

石原周夫日本開発銀行総裁

○石原説明員 お答えを申し上げます。  災害が起こりましてから、私どものほうは高松に支店がございますが、支店から営業課長と調査課長が出向きまして、現在現地で、臨時相談室のような形で関係者のお話を伺っている状態でございます。したがいまして、私どものほうの融資としてどの程度の額が必要になるか、どういうような形が必要であるか、その報告を待ちまして処理をせざるを得ない。と申しますのは、私どものほうは設備資金を扱っておるものでございますから、したがって、災害後におきましてどういうような設備の復旧なりあるいは増設なりをやるか、たまたま、従来災害前におきまして、設備増加をいたしたいというような要請のあった向きもございます。そういうような関係もあわせまして、おそらくは現地でお話を伺った結果を取りまとめまして、どの程度の見当がつくかというようなものは、若干時間がかかるかというふうに考えておるわけでございます。  もう一つは弁済猶予の問題でございます。これも同じように、現在現地におきまして、私どもの融資先の企業がどういう状況にあるか、事こまかに伺っておるわけでございます。その実情に応じまして、弁済猶予をいたさなければならぬと思っております。この場合におきましても、支店長の権限に移しまして、現地で処理ができるというような体制をとりたいと思っております。  融資の場合におきましても、普通の場合におきましては審査を経るのでありますが、災害の復旧費の場合におきましては、審査を省略いたしまして、営業部限りで処理いたすというふうに処理いたしたいと考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 あとで藤田委員から関連質問がちょっとあるそうですが、最後に一つだけ。  これは主管がわからないので、また副長官にお願いすることになるかもわかりませんが、実は高知の災害地に行きますと、潮というものはたいへん後遺症が激しくてやっかいなもので、向こうのほうでは電気がついておるのに通電できないんですね。潮のために障害を起こすということで送電をとめておる。古い電線に電気を通すわけにはいかないので、そのために向こうでは電気がついたのに、潮で屋根までつかったところはなかなか電気がこないということで、たいへん御苦労なさっているところを見たのです。やはりまっ暗なところよりも、災害があってもすぐ光がつくということは、災害被災者に一つの安堵感を与えるだろうと思うのです。  それで、高知市と高知の県では、そういった人たちに対しては、わざわざ新しい仮設の線を引いて、一灯ずつ電気をつけてやったのです。ところが、これに対する補助体制あるいはこれに対する援助というものは、全く完備されていないわけなんですね。こういった問題も災害としてはこれからあり得る問題だということで、ぜひこういうものについても、政府で各地方自治体に援助できないか。あるいは、もうかっておる四国電力あたりが、これは奉仕的にやってもいいのではないかと思うのですけれども、これは企業は企業でしょうから、政府のほうでこういった問題についてもひとつ善処していただけるように、最後にこの際にお願いをしておきたいと思うのですが、副長官どうでございましょう。

湊徹郎自由民主党総理府総務副長官

○湊説明員 ただいまの話は私も初耳でございますが、確かに今回のような特殊な災害については、いまお話しのようなこともあったろうと思います。ただいまの点については、防災対策会議として、関係各省庁、今日までも四回連絡会議を開いておりますので、次に開きます連絡会議において確かめた上で、何らかいまのようなことについてお答えができるように、ひとつ調査をしながら検討してみたいと思います。

藤田高敏日本社会党

○藤田(高)委員 松浦議員の質問に関連をいたしまして、二、三、一括して質問をいたしたいと思います。  その第一は、いま御答弁を聞いておりますと、二公庫、一銀行、一金庫の災害融資についての融資体制といいますか貸し付けワク、そういうものについては一応の準備ができておるやに理解ができるわけであります。しかし問題は、金を貸してやろうといっても、災害を受けた当事者からいけば、将来この金は返さなければいかぬわけですから、これはたいへん俗人的な言い方ですが、利子の安い金を貸す体制ができておるかどうか。やっぱり私は、従来の芝からいきますと、これはきょうお見えになっておる二公庫、一銀行、一金庫だけの問題ではなくて、農林関係の金融機関、全体的な金利との関係もありましょうけれども、六分五厘という利子は、災害の貸し付け金利としてはあたりまえなんだ、こういう考え方は、年々歳々起こっておるこういう災害に対する利子の問題として、これまた再検討する時期にきておるのじゃないか。これはそれぞれの該当銀行が利子を下げるということになれば、この種の金融は、言うまでもなく国なり自治体が利子補給をするたてまえになっておりますから、その点については、ひとつそれぞれ銀行側、金庫側のお考えとあわせて、政府の考えをこの際聞かしてもらいたいと思います。  それとこの際、これらの融資に関連をしてでありますが、前段ずっと審議をしてまいりましたように、災害は三十七年からの統計によりましても、三十七年が二回、三十八年三回、三十九年七回、四十年四回、四十一年三回というふうに、災害のなかった年というのはないのですね。ですから、融資の面についても、災害融資をもう年度計画の中に入れて、一定のワクをもって災害が起こった場合に対処をしていく、こういう制度の確立というか、銀行内部のそういう体制の整備ということが必要ではないかと思うのですが、そういう体制というものはすでにできておるのかどうか。できてないとすれば、そういう体制をつくることについての御検討と、この九号、十号台風を契機として、ひとつ災害貸し付けワクの設定というものについても検討をする必要があるのではないかと思うのですが、そのあたりのことについて聞かしてもらいたいと思います。  次の第二点は、これは私、関連質問ですから詳しくは申し上げませんが、湊副長官は、この災害関係では権威者であります。私も実は、湊議員の四十四年の九月三日にやった議事録をずっと拝見しましたが、たまたまいま、この問題について中心的な役割りを果たされておるわけでありますけれども、私が先ほど山中総務長官と少しく議論をいたしましたように、あの防災会議による激甚法の指定基準というものは、私はこれは根本的に再検討すべきじゃないか。これはあなたが質問をされておる議事録でも、公共事業のA項に該当するなんというこの事項は、いままでの災害どれ一つとってみても、該当する災害は一つもないのです。これは、こういう該当しないような法律なり基準なり規定をつくること自体が、私は防災問題に対する政府の考え方として、極端な言い方をすればナンセンスであろうと思う。そういう点で、端的に言いますと、A項なんというのは削除をしていく。そして農林関係でいえば、固定額の十億なんという固定的な基準があるのですね。ところが、一方では標準税収入を基準にしていますから――これは塩崎委員も若干指摘されておったと思いますが、これだけ高度経済成長でずっと税収が伸びれば、去年三百億の災害が激甚災害になっても――標準税収を基準にしたら、大体三百億程度の被害が激甚災害の指定になるべきものが、こっちの固定基準からいったら激甚災害の対象にならぬというような実態も生まれてくると思うのです。そういう点から、これはある意味においてあなたの持論でもあるわけですから、この際、やれるポストについておるわけですから、絶対にひとつやってもらいたい。その決意のほどと具体的な考え方を聞かしてもらいたい。これが第二点であります。  第三点は、これまた私は、次回の災害特別委員会で時間をいただきたいと思っておりますが、個人救済に関する措置の問題であります。  きょうは大蔵、文部、厚生、農林あるいは通産、郵政、労働、建設、自治省と、こういうふうに分かれておりますけれども、全部についてはもう申し上げません。ただ、税の関係で一つ申し上げてみたいと思うのは、大蔵関係と自治省関係の問題です。  これはどういう矛盾が起こっておるかといいますと、御承知でしょうけれども、災害に伴って所得税の減免を行なう、あるいは所得税の源泉徴収猶予を行なう、あるいは相続税または贈与税の免除を行なう、こういう規定があります。この規定は昭和四十一年に改正された基準であります。ところが、どうでしょうか、勤労所得税の課税最低限を一つの基準にとりますと、この四十一年の――政府が今度これを改正しないまま九号なり十号に適用するとすれば、この規定は、五人家族の勤労所得税でいえば課税最低限六十一万三千円のときのものであります。これが四十五年、ことしでは百一万円になっておるわけですね。夫婦子供二人でいえば、この基準は五十三万七千円が現在の規定では八十六万五千円というふうに、六割から七割、課税の最低限度額は上がっておるのですよ。私は、一番税の減免や税金の面についても配慮しなければならぬというのは、災害が起こったようなときであろうと思うのです。そうすれば、当然、こういうふうに所得税だけでいえば課税最低限が上がっておるわけですから、この災害時における個人の救済措置としての税の減免額も、少なくとも並行して上がるという配慮がなされなければいかぬじゃないか。その点では、この規定は完全に、四年も前ですから、古いと思うのですよ。  これは時間の関係で詳しくは申し上げませんが、自治省関係の個人事業税あるいは固定資産税、こういうものについても同じ四十一年の七月二十二日の改正で、足かけ五年前の改正ですから、実態に合わないと思うのです。  その点では、塩崎委員のなんではありませんけれども、これは税制改正をやるとすれば法律行為ですから、次の臨時国会かあるいは通常国会でないとやれませんね。しかし私は、やり方としては、かつて私が大蔵でやっておりましたときに、退職金に対する大幅な減税措置がとられました。法律が通ったのはたしか五月か六月であったけれども、一月に遡及して法律の適用をやった。こういうことは法技術の上ではできるはずですから、ぜひこれを早急に改正して、そうして九号、十号の台風に適用できるような措置をひとつとってもらいたい。これは大蔵の主税局長あるいは自治省の関係者が来ておると思いますが、見解を承りたいと思います。  最後になりますが、純地元のことになって恐縮でありますけれども、今治と松山の桟橋ですね、別府航路関係は完全にいま吹き飛んでしまって、今治のごときは全然港としての機能を発揮してないわけですよ。ところが、この桟橋は、松山を含めてそうでありますが、本州、四国、九州を結ぶ海上航路の重要な要地でありますから、実質的には、もうこれは、一日たりともこの港を使わないということになりますと、いま見てもらったらわかりますけれども、予讃線のふくそうはたいへんなものです。今治の港が使えないものですから、松山の港と――松山もフェリーの着くところを使っておりますが、そこと新居浜の港がたいへんなふくそう状態であります。  ですから、これは運輸省の港湾局長にお尋ねをしますが、私はこの種の復旧工事については、先ほど来意見のありますように、原形復旧なんというちゃちなものでなくて、いわば新規改良恒久事業としての復旧工事をぜひやってもらいたいと同時に、一方、交通のふくそうしておる状態を早急に緩和し正常な状態にするためには、仮桟橋といいましょうか、そういうものでもつくって、並行的に恒久的な施設をやることも一つの方策ではないかと思うのです。これは全く私のしろうとの考え方でありますが、そういうことについての運輸省港湾局としてのこの問題に対処するかまえといいますか、考え方をひとつこの際明らかにしていただきますことを要望しまして、私の関連質問を終わりたいと思います。

吉光久中小企業庁長官

○吉光説明員 最初の二点の関係につきまして、私からお答え申し上げたいと存じます。  金利六分五厘が高いので、これを引き下げるべきである、私も御意見ごもっともだと思うわけでございますけれども、御承知のとおり現在の災害特別貸し付けの六分五厘と申しますのは、中小企業関係の金融といたしましては最も優遇された金利でございます。現実にコストが六分五厘でございますし、あるいは、先ほどお話の出ました商工中金の関係では、利子補給をやって六分五厘におさめておるという状況であるわけでございます。そういう状況にかんがみまして、これもすでに先生御承知のとおり、六分五厘は三年間ということになっておりましたものを、本年三月に、これは四十四年度に遡及して、四十四年度災害につきまして全部適用いたしたわけでございますけれども、三年経過いたしましたものについて、従来通利でございます八・二ないし八・六%――これは金融機関によって違っておりますけれども、そうした年利を七%まで下げるという努力をさしていただいたわけでございます。この問題は被災者にとりましても非常に重要な問題でございます。将来ともさらに検討を続けさしていただきたいと思うわけでございます。  それから第二の、災害につきましての特別貸し付けワクの設定の問題でございます。確かにワクを設定するということは、一つの便利なところを持っておるわけでございますけれども、現在の仕組みもまた、起こりましたそれぞれの地域に対して臨機応変に特別貸し付けの制度ができるというふうな長所を持っておるわけでございまして、先ほど政府関係三機関の責任者の方々からお話しございましたように、災害貸し付け最優先ということで運用いたしておりますので、したがいまして、そういう弾力的にどこの地域の災害に対しても対処できるという利点を将来とも最大限に生かしまして、この災害関係のワクがないために各金融機関のほうで困られるということのそういう事態の起こらないよう、私どもも全力をあげて対処してまいりたいと考えております。

湊徹郎自由民主党総理府総務副長官

○湊説明員 第一番目の金利の問題、ただいま中小関係に例をとられて話があったのでございますが、これは御承知のように全体のワクの問題、それから貸し付けの限度額の問題、さらに金利の問題、償還期限の問題、さまざまございまして、農業関係等においても逐次改善をしながら、御承知のように天災融資の場合も三分資金と六分五厘資金、それぞれ原資あるいはそれに関連したコストの問題等もあり、また全体の金利体系とのかね合いもございまして、率直申しまして、なかなか実現すること、今日までの経験からしてもむずかしい問題がございますが、全体として、災害に関しましては、ほかの一般の場合とは全く違うような形で前進させていくような意味で、今後調整しながら検討していきたいと思っております。  それから二番目の指定基準の問題は、先ほど塩崎さんのほうからもお話がございましたし、山中長官自身としても重々、従来の体験にかんがみて不備な点があることを承知しておりますし、私も、さっき御指摘のようにかねがねの持論でもございますので、そこら辺は、全体としてもうすでに一部検討に入っておるのでございますが、端的に一例を申しますと、たとえば公共土木災害等の場合は、事業主体があるいは県になり、あるいは市町村になり、あるいは場合によっては国の直轄事業あり、こういうことでございますが、農林関係や中小企業の被害ということになると、直に住民そのものの、あるいは農民あるいは中小企業の方々自身の生活や仕事に直結する、こういう問題で、必ずしもその両者の考え方なりたてまえを同じにすることはいかがであろうかというふうな観点もございますし、ただいま話がございましたように、農林関係の十億円という固定基準、このこと自体も、御指摘のとおり、私としては、今日のように貨幣価値がかなり変動しておる時期にいかがなものだろうと、率直考えております。  また、その標税額、標準税収入を基準にすること自体どうだろう、こういう話もございますが、さっき申しましたように、公共土木その他関連したプール計算の対象になっておる災害は、それぞれの事業主体が行なうたてまえでありますので、それらの公共団体あるいは国等自体の財政力、こういうことも多分に関連を持ってきますので、現在のところ標税額にかわる適切な基準、こういうことになると、なかなか思案に余っておるというのが偽らざるところでございます。  それじゃパーセンテージでいじったらどうだ、こういうふうな議論も出るわけでありますが、これらについても、実は災害対策というのは、さっきお話のようにA基準なんていうのは高ねの花で、まるきり手が届いたことがないじゃないか、そのとおりであります。そういうふうな実態に即しない基準というのは、おっしゃるとおり、私もおかしいというふうに思いますので、それらを踏まえて検討をしていきたいと思っております。  さっきもお答えをしたのでありますが、九号、十号に関しては、遺憾ながら、率直な話、間に合いません。そこで、現在ある制度というものを思い切り弾力的に運用し、場合によってはかなり拡張解釈であると思えるような解釈をしてでも、何とか九号、十号について最も有利な取り扱いができるように、こういう観点で当面の作業は進めておる、こういうことでございますので、御了解をいただきたいと思います。

山内宏大蔵省主税局税制第一課長

○山内説明員 御指摘のございましたように、災害をこうむりました場合にはいわゆる災害減免法によります減免の制度がございますと同時に、別途所得税法によりまして雑損控除という制度がございます。納税者のほうは、これのいずれか自己に有利なほうを選択すればよろしいということになっております。  所得税法上の雑損控除といいますものは、これは御承知のとおり、各人の所得金額とそれから損失の金額に応じまして、個別の控除いたします金額が定まることになっておりますが、一方、いわゆる災免法によります免除額といいますものは、これは所得の金額に三段階を設けまして、大ざっぱに減免額を定めるという構成になっております。  そういう観点からいたしますと、この両者はある意味では、おっしゃいますように関連性がございます。したがいまして、災免法の減免でき得る所得金額につきましては、御指摘のように、将来ある時期におきましては検討をいたさなければならない時期が参るというふうなことは考えられるわけでございますが、ただ、先ほど給与所得者の課税最低限についてお話がございましたけれども、他方また、事業所得者の課税最低限を見てみますと、四十一年当時にはそれが四十六万円余り、その当時に減免できる所得の額は五十万円でございまして、それが四十五年ただいまでは課税最低限は七十三万円余り、それに対して百万円というふうなことになっておりますし、それからまた給与所得者の点で見ましても、これは四十三年の数字でございますけれども、給与所得者の総数の中で二百万円以下の所得者というのは九六・七%というふうに、かなりの部分が入ってございます。先ほど申しましたように、二本立てで、いずれか有利なほうを選択するというふうなことになっておりますので、この問題につきましては、将来時期を見まして慎重に検討いたしたいというふうに考えております。

栗栖義明運輸省港湾局長

○栗栖説明員 御指摘の点、二点あろうと思います。  一つは恒久対策の問題でございますが、これは先ほども松山で申し上げましたように、船の状態その他を考えまして、でき得るものであれば、管理者とも相談いたしまして、先生の御指摘のように進めたいというふうに考えております。  それからもう一点、応急の問題でございますが、御指摘のように、小さな船に対しましては、仮桟橋その他全部施設いたしまして間に合わせてございますが、関西汽船につきましては、船型が何ぶん大きいものでございますから、仮桟橋をつくったほうがいいのか、あるいは、いま一部沈んでおります桟橋を早急に揚げて使ったほうがいいのか、いろいろな問題点があろうと思いますが、この点も、現在抜港して使っていないというのは関西汽船のみでございますので、早急に処理いたしたいというふうに考えております。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員長 新井彬之君。

新井彬之公明党

○新井委員 質問にあたりまして、初めに、今回の九号、十号の台風においてなくなられました方方に対しましては、心から弔意を申し上げます。また、災害にあわれました方々に対しましては、心からお見舞いを申し上げる次第でございます。  先ほどから、長時間にわたりましていろいろと論議をされたわけでありますけれども、私も、この件についてはもう論議をし尽くされたと思いますので、お願いにとどめますけれども、今回冒頭におきまして、現地のなまなましい陳情がございました。また、派遣委員の報告もあったわけでありますけれども、やはり今回の災害は激甚災害に指定していただきたい。九号、十号をひっくるめて激甚災害にしていただきたいということでありまして、それも山中総務長官はじめ根本建設大臣、鋭意それに努力するということでありますので、そのことについてはお願いをしたいのでありますけれども、もう一つ、さっきも問題になりました問題で、今回の災害が、あるいは高潮の災害であり、あるいはまた風の災害であり、あるいはまた雨であり、また土砂くずれ、いろいろの災害を伴ったわけでありますけれども、災害救助法の適用がなければ、局地激甚災害に指定されるような地域であってもそれが指定されない。そういう矛盾があったのでございますが、ちょうど兵庫県の山崎町であるとか、千種町であるとか、あるいは一宮町であるとか、また上月町であるとか、県全体としてはそうたいした被害ではございませんけれども、そういうところに集中豪雨があって、それも地元の人たちの話によれば、明治十五年以来の豪雨であり、山間部にありましたために、河川の決壊、それからまた橋の流失、そういうことが非常にあったわけでございます。  そこで、私は思うのですけれども、これも検討していただくということでありますからお願いをしたいと思うのですけれども、台風においてもいろいろな地域に被害を及ぼす。したがって、その県全体が被害をこうむった場合においては、みんなが災害救助法をはじめとして平等な法の適用を受けるわけでありますけれども、それがたまたま他県にわたって一部大きな被害が出た。そういうような場合に、その隣のほうは、逆にいえば非常に局地激甚災害にかかわるようなことであれば大きな被害をこうむっておるわけですけれども、何らそこには救助法の適用等がない。したがいまして、やはり局地激甚災害を受けるような地域においては、逆に災害救助法の適用をしていかなければいけないのじゃないか、こういうことで先ほど質問が出て、検討するということでございますので、その点についてはひとつお願いをしたいと思います。  それから、今回の災害で、たとえていいますと兵庫県の千種町でございますけれども、基準財政が大体二千六百万、それで被害金額が六千二百万、上月町は基準財政が五千百万、被害が一億二千八百万、これは今後査定をどんどん進めてまいらないと、そのほんとうの数字というものは掌握できないと思うのですけれども、どちらにしても、災害復旧を早くしなければいけない。しかしながら、たとえ災害であっても、全額国なり県が負担してくれるわけではございません。そこで、町自体とすれば、これはよくおわかりのように、非常に財政に乏しい。一つの町道をつけるにしても、学校を建てるにしても、なかなかその財政がない。したがいまして、これは自治省に質問でございますけれども、四十五年度の特別交付税の配分にあたって、今回、いま私が例をあげましたような地域についてどのような考慮をしていく決意があるのか、そういう点について、初めにお伺いしたいと思います。

成田一郎自治大臣官房調査官

○成田説明員 先生ただいま御指摘のとおり、私のほうといたしますと、関係各省が担当の事業分につきまして査定をされますその結果を待ちまして十分な地方財政上の措置をするということになるわけでございます。特に特別交付税の配分の考え方といたしまして、災害対策、これを最重点、最優先に考えて従来配分しております。今四十五年度につきましても同断でございます。そのようなつもりで対処してまいりたいと考えるわけでございます。

新井彬之公明党

○新井委員 もう一つ。災害については、公共土木であるとか各種の補助があるわけでありますけれども、どうしても補助残が残る。災害復旧につきましては、交付税の増額、それからまた起債の認承、そういうこと等でめんどうが見られると思うのでありますけれども、少なくとも起債の元利償還については国のほうで見ていかなければ、実際問題として、町の財政から見て非常にたいへんではないか、そういうことについて思いやりのある考慮が払われるかどうか、そういう点の考えをお聞きしたいと思います。

成田一郎自治大臣官房調査官

○成田説明員 御質問の要点は、おそらく関係各省の公共事業の対象漏れ、こういうものを地元の県、市町村等で自力で復旧をする必要がある場合、これに対する財源措置はどうするのか、こういうふうな御質問だろうと思いますが、現在までのわれわれの考えといたしましては、補助漏れと申しますか、要するに小規模災害、あるいはまた災害復旧事業そのものでございませんで、関連しましてたいへんな財政の減収が伴います。それの関係で差し迫りました財政需要に対しまして、自治省としましては、従来できるだけ現地の実情に即応した措置を講じてまいっておるわけでございます。  具体的に申し上げますと、たとえば小災害につきましては、関係各省が基準から落ちましたような小さい災害を集めまして、これを持ってこられれば、これに対しまして起債を満額見る。これの後年度消化にあたりましては、応分の普通交付税あるいは特別交付税等の財源補正を行なっていく、こういうことで、そうそうは地元の財政負担は、今年度におきましても大きな負担にはならぬ、このような仕組みに考えておりまして、いまのところまだ関係各省の事業査定が終わっておりせんので、査定完了を待ちました上で、その辺については遺漏のないように対処してまいりたいと思っておるわけでございます。

新井彬之公明党

○新井委員 いまちょっと聞き取りにくかったんですけれども、要するに現在の町の財政が、自治省の方おわかりのとおりに、とにかく町自体で仕事ができない非常にせっぱ詰まったところがあるわけです。そういうところで町道が流されたり、あるいはまた町の橋が流されたりした場合においては、それだけで非常に費用がかさむ。したがいまして、そういう面について、やはり現状に合わせて、そういうことも配慮をして、決して年々の町財政に影響がない、こういうぐあいな答弁だと思いますけれども、それでよろしいでしょうか。

成田一郎自治大臣官房調査官

○成田説明員 そのとおりでございます。

新井彬之公明党

○新井委員 今回の集中豪雨、特に、先ほども名前をあげましたけれども、山崎町であるとか、千種町であるとか、上月町であるとか、そういうところは、さっきも申しましたように、明治十五年以来の大雨のために、永久橋に近いような橋まで流されている。したがいまして、そのときの災害の現場を行くときに、道路がありませんし、橋がありませんから、副知事等が現地視察をしたようでありますけれども、ヘリコプターを使いまして出たわけでございます。したがいまして、現地としては、何といいましてもいま道路が遮断されておる。これについては早急に復旧してもらわなければならない。それからまた、堤防の決壊個所が非常にありまして、私が参りましたときも、町民の方々が仕事を休んで土のう積みをやっておりましたけれども、これの復旧事業を急ぐことと、もう一つは改良復旧でございます。こういう機会に、いままでの橋ではもたない、そういうことで当然改良復旧をなすべきだと思うのですけれども、そういう点について建設省はどのような考えを持っておるか、お聞かせ願いたいと思います。

川崎精一建設省河川局長

○川崎説明員 一般的に、災害が起こりますと普通、通常木橋等の場合、これは被災の状況等によっていろいろ事情が変わりますけれども、再度災害を受けるおそれがあるとか、あるいはやはり治水上等からもぜひこの際根本的にやり直す必要があるといったような場合には、永久橋に切りかえるような改良復旧を行なっております。したがいまして、兵庫県におきましても、そういった面で今後の復旧工事を指導していきたいと思っております。  なお、堤防等につきましても同じような考え方で、原型の復旧だけではなくて、再び同じような集中豪雨がございましても十分対処し得るような施設に、改良復旧をしていきたいと思っております。

新井彬之公明党

○新井委員 非常に前向きな答弁でございまして、どうかひとつそういう件を今後ともよろしくお願いしたいと思います。  もう一つ。今回のこの集中豪雨という災害におきましては、各地もそうでありましょうけれども、土砂くずれのために道路の決壊をかえって招く、それからまた、土砂が家の中に流入するというようなことで、被害が一段と大きくなってきておるわけであります。  そこで、これは現在五百万以上を、砂防堰堤の予算で国のほうで認めていると思うのでありますけれども、やはりそういう町村へ参りますと、なかなか五十万だとか百万の金を出して一つ一つの小型の砂防堰堤をつくることができない。しかしながら、それをやらなければ、やはり同じような状態でまた災害をこうむる、そういうことは明らかなことでありますので、やはりそういう人口の多い地域において、また当然そこは、雨が降った場合においては土砂くずれの心配がある、そういうときに、小型の砂防堰堤を今後ともつくってもらわなければならぬと思うわけでありますが、そういう件についてお答え願いたいと思います。

川崎精一建設省河川局長

○川崎説明員 最近、集中豪雨によります土砂の被害がずいぶん多くなっております。たとえば兵庫県の揖保川の上流でございますが、山崎町では、先生御指摘のような被害がございました。ずいぶん上流のほう、あの辺では新宮町、それから揖保川町あるいは一宮町、波賀町、あの辺で荒廃しておる流域がございますので、基本的にはそういう砂防事業を促進しておるわけでございますけれども、今回たまたま、三時間で約百五十ミリ程度の相当局地的な豪雨がございました。したがいまして、小渓流で土砂を相当に流出しまして、中には道路の暗渠がのみ切れずに、かえってそこではんらんしたというような被害も相当起こしております。そういった場合には、もちろん土砂の流出を防止するということがまず第一でございますし、それから、流れてきたやつを安全に流下させる。それから、さらに暗渠等がございましたら、暗渠の容量をやはり拡大する必要があろうと思います。そういった点を総合的に、種々の砂防工法を総合いたしまして、できるだけ抜本的な改良をやるように現在指導をいたしております。  兵庫県につきましては、九月末に県の申請が参ると思いますので、それを待ちまして災害査定を行ないたいと思っております。

新井彬之公明党

○新井委員 もう一つ。赤穂市の大津川の中流がいつもはんらんをいたしまして、聞きますと、毎年毎年何十世帯かの方々が、床上浸水どころか、もう首までつかるような浸水に脅かされている。それも、多いときは年に二回くらいあるようでありますけれども、そのために護岸の改築工事を国のほうでやっていただいておるようですけれども、それが総額として何か九億円ぐらいかかる。ところが、年々の事業費は三千万くらいしかない。したがって、その地域の人々は、一体何年先にはその浸水のためにつからなくて済むのかということで、抗議の人々が集まって、何か市のほうに陳情に来ておったわけでありますけれども、これは何もここだけに限らず、至るところでそういうのがあると思うのでございますが、その一つの例として赤穂市の大津川、この件についてどのような報告が入っているのか。そしてまた、現実の問題として一体いつまでに改修して、その地域の方々に安心をしていただくのか、そういう件についてお答え願いたいと思います。

川崎精一建設省河川局長

○川崎説明員 ただいまお話しの河川は、これは播磨灘の高潮の影響を受けておる区間でございまして、いわゆる治水事業だけではなくて、高潮対策事業の面から改修を促進いたしております。したがいまして、高潮対策事業といたしまして、私ども、播磨全般の一環の事業として推進しておるわけでございますが、県の報告を聞きますと、どうも進み方がおかしいじゃないかというようなことでいろいろ事情を聞きましたところ、たしか右岸のほうでございましたか、いろいろ用地的な問題がある。単に高潮の水位だけではなくて、やはり上流からの河川の洪水の疎通の問題もございますし、ある程度この際堤防を広げて抜本的に改修したほうがいいのじゃないかということで、一応県の計画を検討いたしまして、促進するように指導してきたわけでございますが、いろいろ用地等の問題もございまして、兵庫県も苦慮しておるようでございますが、そういった地元の了解が得られれば、県も積極的に進めたいと申しておりますので、私どものほうでも、その線に沿いましてできるだけ努力いたしたいと思っております。

新井彬之公明党

○新井委員 いま河川局長から答弁いただきましたが、高潮対策、それは私も承知をしております。大体赤穂市自体が――さっきも、ゼロメートル地帯ということで答弁があったわけでありますけれども、あそこ自体がゼロメートル地帯でございまして、基本的にやり直さなければいけない。そしてポンプ排水をしなければいけないということは言っておるわけですけれども、そのまず第一段階として、その初歩の初歩として――やはり大津川の場合は、ただただ高潮ではなくて、堤防の欠陥なるがゆえに浸水があることは明らかであります。そういうわけで、私の聞いておることは、全体的にやっていただくこと、これは非常にありがたいことでございますけれども、やはり予算の事業額が三千万、要するに全額で九億なんですから、一体予定として――それは地元のほうの土地の問題であるとかいろいろのことがあると思います。ありますけれども、何といいましても事業費がそれだけでは、もうそれこそちょっとやっただけで終わってしまう。そういうようなことでございますので、もう一度その件について、地元の土地の問題もありますけれども、事業費のアップ、それを早くしなければとうてい――へたすれば二十年かかる、このようなことになっておるわけでございますが、一体どのように予定を組まれているのか、その件について再度お伺いしたいと思います。

川崎精一建設省河川局長

○川崎説明員 高潮対策事業というのは、単に海岸事業のようなものではなくて、河川の堤防の一環でございますが、高潮も考慮して治水事業をやっておる、こういうことでございます。先ほども申し上げましたように、地元の用地の問題等がございまして、いろいろ県も努力をしておるわけでございますが、そういったものの見通しがつきましたら――というのは、むしろいま予算を余しぎみのような状況で困っておるということでございますので、そういった消化の見通しがつきましたら、私どものほうも、数年の間に完成するように努力したいと思っております。

新井彬之公明党

○新井委員 この件の質問はこれで終わりますけれども、予算を余しているなんてことは、これは市のほうとしては全然そういう感じはございませんで、これはもう一ぺん県にも聞いてみますけれども、予算が足りないためにこうして年々災害にあうのだということで説明等もいたしておったわけでございます。その点もひっくるめまして、今後ともひとつこの件については質問してまいりたいと思いますけれども、その件については、どうかよろしくお願いしたいと思います。  私の質問は以上で終わりますけれども、どちらにしても早期に改修をする、そうしてまた早期査定をして、激甚災かどうか、その件について早くやっていただく、最後にそのことをお願いいたしまして、私の質問は終わりたいと思います。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員長 関連して中野明君。

中野明公明党

○中野(明)委員 非常に時間の制約をされて、もうないようでございますので、まとめまして申し上げたいと思いますが、一点は、先ほどの派遣委員の報告にもありましたし、議論にもなっております浦戸湾の埋め立ての問題です。  運輸省の港湾局長の答弁を聞いておりましたが、どうも釈然としません。これは埋め立てが原因でこれだけの大災害になったというようなことを学者も言っておりますし、一部市民の皆さんでも、そう思い込んでいる人が非常に多いということは、報告にあったとおりであります。運輸省のほうでは、このことについて一体どう考えておるのか。そしてまた、引き続いてあと埋め立ての事業が計画されていることになっております。その問題も含めまして、高知市民にとりましてはこれは非常に大事な問題でございますので、港湾研究所もあることですが、もう一度この点について局長のほうから、今回の台風との関連をどう考えておられるか、御返事願いたいと思います。

栗栖義明運輸省港湾局長

○栗栖説明員 今回の高知港の高潮につきまして御質問でございますので、ちょっとくどくなるかもしれませんが、高潮対策と申しますのは、私ども二種類あると考えてございます。  一つは、今回のような台風が参りまして、台風というのは低気圧の大規模なものでございますので、台風によります吸い上げ――気圧が下がりまして、水面が上がるという現象、あるいは強い風によりまして、吹き寄せといっておりますが、風が一カ所に集中して水面が上昇する。それに波が加わる。そういうふうな、いわゆる台風その他の気象現象によります高潮の問題が一点でございます。  それからもう一点は、津波現象と申しまして、海底地震によりまして津波が起こって、高い波が来るという現象がございます。  今回の場合は、先に申し上げました異常な低気圧によります高潮現象でございまして、従来浦戸湾、あるいは浦戸の外でも同じでございますが、過去の最高水位が二メートル八十という記録がございまして、それを基礎にしていろいろと高潮対策を考えておったわけでございます。今回は四メートルをこすというふうな非常に高い水位の高潮現象がございまして、この原因が、先ほど御報告ございましたけれども、われわれもよくわかりませんし、詳細なデータもきておりませんので、十分技術的にも解明いたしたいというふうに存じてございます。  なお、浦戸湾につきましては、土佐湾で四メートル以上の非常に高い潮があった。これが浦戸湾に入ります場合、浦戸湾の状況から申し上げますと、浦戸湾の水位と外海の水位というものがほとんど差がなかろうというふうに考えてございます。したがって、外の水位が上がれば中の水位が当然上がってくる。ほとんど自動的に同じ高さになるというふうに理解してございます。したがいまして、埋め立てにつきましていろいろな議論はあるわけでございますが、埋め立てがあるために港内の水位が上がった、あるいはどうこうということは、一般的には――ちょっと私ども御質問にお答えしかねるわけでございまして、一般的にはあまり影響ないのではないかという感じもあるわけでございますけれども、今度の異常高潮の現象そのものが私どもの常識を破ってございますので、それも含めまして、先ほど先生御指摘ございましたように、研究所その他専門の学者を動員いたしまして十分検討いたしたいというふうに考えてございます。

中野明公明党

○中野(明)委員 今後まだ埋め立てもやられるというふうな計画もあるように聞いております。そうしますと、なおさら防災体制というものが問題になってまいります。その辺を含めて、地元の人たちが安心するように正式な表明をしてもらいたい、そういうことでございます。

栗栖義明運輸省港湾局長

○栗栖説明員 失礼いたしました。後半の御質問に対するお答えでございますが、先ほども申し上げましたように、いろいろな議論が出ておりますし、いろいろな要素もあろうと思います。これを十分究明するまで――特に浦戸湾は、高知港といっておりますが、先ほど市長さんからも説明ありましたようにひょうたん型をしておりまして、いわば内港と外港と分かれまして、外側の地域についての問題が大きかろうと思いますが、現在港湾の計画で約十三万平方メートルの埋め立て計画を持ってございますけれども、これにつきましては、先ほど御指摘ございましたように、いろいろな原因を究明いたしまして問題ないという結論の出るまでは、しばらく保留したいというふうに考えてございます。

中野明公明党

○中野(明)委員 今回の十号台風については、高知が非常に被害が大きかったので、けさほど来、皆さんいろいろと、高知のことに関して論議が集中したようでございます。金融関係その他につきましても答弁がございましたので、私、一応了解しておりますが、時間がございませんので、最後に、総務副長官がおりますので、お尋ねして終わりたいと思います。  天災融資法あるいは激甚の指定、こういうことは当然行なわれると私どもは確信をしておりますが、行なわれてお金が融資されるいままでの経路を見てみますと、お金が本人の手元に届くまで八カ月、九カ月、いろいろ査定その他調査のことにかかりますので、その間のつなぎ資金の問題でございます。これはぜひ手を打っておいていただきたい。いますぐやはり復旧に立ち上がらなければならない。そういうことで、正式に融資法の融資が受けられるまでの半年あるいは八カ月の間のつなぎ資金の問題、ぜひ手を打っていただきたいということが一つであります。  それから、報告にもありましたし、議論にもありましたが、高知市のごみの排出は、これはもう異常なものであります。これをいろいろ聞いてみますと、やはり補助が二分の一ぐらい出るということでございますが、高知の財政なんかを見てみましても、今回の災害で、市長はじめ死にもの狂いの救援活動に尽くされた姿は、全市民も感謝しておりますけれども、おそらく二分の一の補助だけでは市の財政がもたぬのじゃないかというような心配もしております。そういう点で、過去にもそういう例があったんじゃないのかと私聞いたのですが、今回のごみ処理について特別の補助、援助、こういうものを考えていただきたい。こういうことがもう一点であります。  それから最後に、総まとめとしまして申し上げたいことは、災害が起こって、復旧ということについて重点を置いてきょうの議論でございましたが、何としましても副長官はいま防災の中心に立っておられるので、この災害をもとにしまして、原形復旧というような考え方ではなくて、今後の来たるべきあらゆる災害を予想して防災体制を完全にする、そういう意味からすべての質疑を受け取っていただいて、そして今後遺憾のないように対処していただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

湊徹郎自由民主党総理府総務副長官

○湊説明員 ただいまの第一点はつなぎ融資の問題でございますが、これは、昔私も府県のほうにおりまして、各種の農業災害等の場合は、県でつなぎ融資をやったことが幾たびかございましたし、今回の措置等についても、実際の融資事務を促進することはもちろんでありますが、その間手続上いろいろ問題があるとすれば、それぞれ実施の各省に対して、いま申しますような現地の住民の立場に立った融資措置等について考慮するように、私のほうからも相談してみたいというふうに思っております。  それから、二番目のごみの処理、地元の方は土砂、こう言っておりますが、さっき建設大臣が答えられましたように、土砂の廃棄という立場で建設省のほうで処置することがいいのか、あるいは清掃法の関係で厚生省がやるのが至当なのか、いずれも補助は、ただいまお話しのように二分の一になっております。それで従来、新潟地震あるいは十勝のときもどうだったか、ちょっと、しかと記憶しておりませんが、前に行ないましたそのときのものは、施設に対するかさ上げ補助をやったことはあるのです。施設に対する補助はあるのでありますが、ごみや何かの投棄、捨てる仕事そのものについてかさ上げしたという実例は、実はないわけでございます。しかしながら、実際の地元の負担、ただいまお話がございましたように、なかなかたいへんでございましょうし、清掃法ということになると、いわば一般の清掃事業ということになりまして、裏負担の起債というのは、ちと理屈の上でむずかしかろうと思います。反面、応急処置としてとる都市の一種の土砂や何かの排除というふうな観点に立てば、あるいは起債の道も見つかりはせぬかなというふうな気がいたしますが、ただ問題は、これまた法律及び政令でかなりはっきりと泥土、土砂、岩石等というふうに、対象物件がかなり明確に書いてございますので、実際の一般の住家からの投棄物をそこまでふえんして考えることはいかがなものであろうか。率直な話、こういう点がいま内部の議論の中心になっておりますが、でき得る限りやはり前向きで、地元の負担を軽減できるような形でひとつ相談を詰めていってみたいというふうに思っております。  三番の要望の点は、しかと心得ました。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員長 山原君。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 最後になりましたが、ただいまの質問に関連しまして災害復旧と改良ですね。この問題は、被災地現地へ参りますと非常に大きな要求となっているわけです。たとえば海岸線一帯の漁港におきましては、この問題は非常に大きいわけで、たとえば土佐市の宇佐ですね、これは漁港ですが、この場合には導流堤があります。導流堤の前面は被害が少なくて、導流堤の切れておるところから波が来ておるというふうな被害の状況が、歴然とわかるわけです。そういう点で、堤防その他単なる災害復旧ではなくして、やはり――土佐湾の場合、津波に対する対策というのはかなり検討され、津波には周期があるというようなことがいわれてきたわけですけれども、高潮の問題でありますから、いつ来るかわからないという問題ですね。条件が整えば、この次の二百二十日の台風にはまた同じような条件が出てくるかもしれないという問題ですから、そういう意味で、この改良復旧ということについてはぜひとも皆さん方の御検討をいただきたいということを、最初に強く要請をいたしたいと思うのです。  次に、浦戸湾の埋め立ての問題につきまして、港湾局長の御答弁を聞いておりますと、非常に心もとない感じがするのですね。数十年この問題で論争が行なわれてきまして、浦戸湾の埋め立ては全く水位とは関係がないのだということがいわれてきたわけですが、その科学的な立証ということはほとんどなされていません。たとえば地元の高知新聞に五十回、浦戸湾埋め立て問題についての論文あるいは記事、投書が出ておりますけれども、その中で、埋め立て賛成という意見は全くない。こういう事実から見ましても、もし埋め立てと水位と関係がないということであるならば、これは科学的な立証を政府当局としても、また県当局としても、埋め立てをやる限り市民に示さなくてはならない。これが一度もなされていない。だから、ただいまの港湾局長のお話を聞きましても、何となく科学性が背景にないわけです。少なくとも私どもが言っておりますのは、大学の教授の長年にわたっての研究の結果としての意見を申し上げておるので、これについては耳を傾けていただかなければならぬと思うのです。  私はここへ地図を持ってきておりますけれども、こういうふうに、高知港の入口を切り取りまして、切り取ったために、御畳瀬地区は今回の高波の直撃を受けておるわけです。御畳瀬という漁村はまさに全滅をしておるわけです。切り取るのはいけないと漁民が言っておるのに、切り取りを運輸省は行なった。そのことによって漁村が全滅したのだという漁民の感情というものは、一体だれがこれに対してこたえるのか。切り取りが原因ではないという科学的な立証ができるのか。ここらあたりは、県民としてもどうしても聞かなければならぬ問題だ。  さらに、この埋め立てにしましても、現在埋め立てが八百万平米ですね。いままで埋め立てておるのが百三十万平米、一七%埋め立てておりますが、次の工事によってさらに二十二万平米、合計しまして二〇%というものが埋め立てをされるわけです。そうすると、湾口は広がり、中は運河になる。波が来れば直撃で来るのは、常識から考えてもそうでしょう、湾の入口を広げて、中を狭めて、波が来たら遊水地帯がないわけですからね。遊水地帯があればこそ、波はたゆたいながら、押しかけてくる時間もかかるし、また波の水位も減ってくるわけです。これは常識から考えてもわかる。その常識がどうして政府や県に通じないのかという県民のこの怒りなんですよ。私はその点は、やはり運輸省のほうにおかれましても検討していただきたい。先ほど県のほうに聞きますと、第三期工事といいますか、横浜の埋め立てですね、ここは一応中止したというお話を聞いたわけです。私はそのことはけっこうだと思うのです。だから、それは県の港湾審議会にかけて県知事が運輸省に出しまして、中央における港湾審議会にかけて運輸大臣が認可した、こういう形になっておりますから、そうすれば、一応の中止ということだけでなくして、いまあなたが言われましたように、学者も入れあるいは住民の声も聞く、そういう民主的な機関をつくって十分に検討した後でなければこの第三期工事には入らないという答弁をいただきたいわけです。これは高知市民二十三万のほんとうの悲願なんです。このことについてお答えをいただきたい。

栗栖義明運輸省港湾局長

○栗栖説明員 埋め立てにつきましては先ほどもちょっと触れましたが、科学的な根拠がないというお話は、実は正確に申し上げますれば、波の資料あるいは潮位の資料、これはいま聞いておる概略の数字は持ってございますが、やはり確実に分析整理しないと明確にならない、そういう意味で申し上げたわけでございます。  概略申し上げますと、大体湾の水面積と湾口との割合で、水がどれくらい入るかとか、あるいは入り方が減るかということをよく計算するわけでございますが、現在手元にあります資料では、概算いたしますと約四千分の一という数字になってございまして、まあこの程度なら外海と内海との、差はほとんどない、これは過去のほかの地域の例でございます。ただ、高知についてそれが正確に言えるかどうかということは、先ほど先生御指摘のように、さらに十分検討したいという趣旨で申し上げたわけでございます。  それからなお、御畳瀬地区で東風が非常に強かったということで災害が起こったというふうに聞いてございますが、御畳瀬地区につきましては、あの漁港の前面に、これは東風だけではございませんが、やはりそれも中心にいたしまして防波堤もつくってございまして保護するようにやっておりますし、それからなお、入り口のところでもう一度口をしぼる、そういう意味で、これはいろいろな理由がございますけれども、口のところで防波堤をつくるという計画も持ってございますけれども、そういう点も全部含めまして、先ほども御質問ございまして私申し上げましたように、もう一度高潮全体について検討いたしまして、それに関連いたしまして、現在の港湾計画でそのままやれるかどうかということを、早急に専門家で検討したいというふうに存じております。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 数字の面では、先ほど申しましたように――これはテレビに出たいままでの検潮機の数字なんです。埋め立て前は、南海大地震が一メートル八十センチのときに高知市のほうでは〇・六ですね。そうすると三分の一だ。その次のチリ津波のときにも約三分の一。それが、埋め立てが行なわれた後に来ました日向灘地震のときには二分の一強になっているわけですね。数字の面から見るとこれ以外に数字がないわけなんで、県民の方たちがこの数字を見ると、埋め立てと関係があるのではないかという意見が出てくるのは、これはまことに当然なことなんです。  それからもう一つ、私どもがこの埋め立てと同時に、先ほど松浦さんが言われました地域開発との関係ですけれども、浦戸湾というもの、これは小さな湾でしょう、これをあまりにも痛めつけているのではないかという問題です。一万トンの岸壁をつくって一万トンの船を入れる。長さは、少なく見積もっても百五十メートルある。これが回転をするとなると――タグボートで回転をすると運輸省のほうは言っておりますから、タグボートで最も短距離半径でやろうとしても二倍はかかる。百五十メートルであるならば三百メートル。この水路は三百メートル、四百メートル足らずしかないのです。しかも、ここは漁船、商船あるいは関西汽船等の非常なふくそう地帯なんですね。現在でもここでは、昨年度四十四年度に三十一件のタンカーの座礁、衝突事故その他が起こっております。これを高知港と同じ一万二千隻くらい入港する他の港と比べますと、佐世保、清水あるいは姫路などに比べますと、もう数倍の事故が起こっているのです。海上保安部はしばしば警告を発しておる。そこへ一万トンの船をつける。さらには、奥に遠洋漁業基地ができる。これは漁民の方たちの要求ですから、私はけっこうだと思うのですけれども、さらにその横には、日本セメントというセメント独占企業があるわけです。ここに対しまして、土佐山石灰の開発ということで対岸に石灰の野積み場をつくりまして、ここから二千トンの船二隻で、タグボートでこの浦戸湾を横切ろうというわけです。こういう計画が現在立てられまして、そうなってきますと、ますますこの浦戸湾というものは――先ほど言われましたヘドロの問題もあります。昔は、頼山陽が天下の名勝、土州の吸江といった名勝地ですが、その名勝地の面影は全くない。しかも交通危険地域、無法地帯、こういう状態になるわけですね。  だから、そういう面から見ましても、一万トン岸壁を二バースいまつくる必要があるかという疑問も生じてくるわけです。確かに品物の出入りというのは必要でありますけれども、そういう面から浦戸湾というものを総合的にかつ科学的に検討しなければならない時期に来ておるのではないかというのが私どもの見解であります。その点についてはとくと御了承いただきまして、十分な検討をいただきたいと思うのですが、この点についての御回答をいただきたいと思うのです。

栗栖義明運輸省港湾局長

○栗栖説明員 いろいろ御指摘の点もあわせて、今後検討しなければならぬ点は多々あろうと思います。ただ、現在高知港は約八百万トンの貨物を扱ってございまして、そういう貨物をどう消化するか、それから、船は一般的にも大型化している、そういう輸送要請、それから、いま先生おっしゃいましたような海難防止の問題、これは海上保安庁が主管でございますが、その方面の意見も十分承らなければいけませんし、それから一万トン岸壁、船の回頭の問題につきましても、これは十分いろいろと検討はしておるわけでございますが、今回の異常な高潮という現象ともう一度にらみ合わせまして、御指摘のように十分検討してまいりたいというふうに考えてございます。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 運輸省は、この浦戸湾の問題については最高の責任を持っておるわけですね。先ほど言いました横浜の埋め立て地でありますけれども、先ほど派遣委員の報告がありましたように、老人ホームが完全にやられているのです。その付近の堤防というのは、これは運輸省管轄だと私は聞いているのですけれども、堤防が倒れているのです。その倒れ方が、これはころんと倒れているのです。下の土台と上に置かれたセメントのかたまりというものが、全く何のつながりもない。その面を見ますと非常につるつるして、ただ石を置いてあるだけなんです。これは不正工事なのかあるいは設計上こうなっているのか、あるいは予算が足りないからやむを得ずそういう状態になったのか、これなども全く重大な問題でして、こんな工事が行なわれておるとすると、これは次の災害が来たときにも、市民の生命を保全することはできないと考えるわけです。その点はどうなっておるのか、最後に伺っておきます。

栗栖義明運輸省港湾局長

○栗栖説明員 たびたび申し上げて恐縮でございますが、いままでの設計の潮位から考えまして、現在横浜地区で行ないましたのは、おそらく笠石のようなパラペットだと思いますが、これはしぶきどめの思想がございまして、重量さえあれば波のしぶきが越すのをとめるという趣旨でございまして、今回のような高潮が出てまいりますと、そういう構造ではとてもこれはだめでございまして、根本的に変えなければいかぬというふうに考えてございます。ただ、従来の設計に使いました潮位でございますと、ああいう構造でしぶきどめは十分だろうというふうに考えてございますが、今後さらに再検討しなければならぬというふうに考えてございます。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 先ほども申しましたけれども、いままで津波の問題についてはかなり検討がなされておるのですが、高潮という問題についてはほとんど検討されていない。ここが非常に今度の災害の起こった大きなわれわれの急所であったのではないかと思うのです。そういう意味で今後十分検討していただきたいと思いますし、また、このような工事その他によって起こった被害についての個人災害の問題でありますから、副長官におきましても、この点については十分検討していただきたい。私は先ほど国家賠償問題を出しましたけれども、実際その問題が起こっているということをお告げしまして、私の質問を終わります。

栗栖義明運輸省港湾局長

○栗栖説明員 ちょっと先生、補足さしていただきます。  先ほど御指摘ございましたように、津波は確かにいろいろと検討してございますが、高潮につきましてはもう一ぺん新しく考え直さなければならぬという御指摘がございましたので、われわれも十分早急にやりたいというふうに考えてございます。  なお、先ほど数字でお示しになりました南海地震、チリ津波等の外海と内海との水位差でございますが、これは、私その前の御質問のときに説明申し上げましたように、津波現象でございまして、今度の高潮現象と私自身は――私自身というのは語弊がございますが、一般に高潮対策と考えました場合に、これは分けて考えるべきものだろうというふうに考えてございます。なお、この点も、先ほど申し上げましたように、技術的にもう一度正確に専門家の意見も聞いて検討してまいりたいというふうに存じております。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員長 本日はこの程度にとどめ、次回は来たる九月十一日午前十時理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後六時四十一分散会      ――――◇―――――

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