災害対策特別委員会 第3号
- 発言数
- 90 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1970/03/04
会議録
○辻原委員長 これより会議を開きます。 災害対策に関する件について調査を進めます。 この際、去る二日政令が公布されました昭和四十四年度における特定地域に係る激甚災害の指定及びこれに対し適用すべき措置の指定等に関する問題について、政府当局から説明を聴取いたします。総理府総務副長官湊徹郎君。
○湊政府委員 ただいまお話がございました昭和四十四年度における特定地域に係る激甚災害、いわゆる局地災害といわれておるものでございますが、その昨年分全般に関して、その特定地域における激甚災害の指定と、これに対して適用すべき措置の指定等に関する政令の制定につきましては、その後関係各省庁において鋭意作業を進めてまいったのでありますが、去る二月二十七日の閣議において決定いたしまして、三月二日、おととい政令第十一号をもって公布、施行いたしました。 この政令のおもな内容は次のとおりでございます。 激甚災害として指定いたしましたのは、九州地方を襲いました六月二十日から七月十四日までの断続した豪雨による災害であって、鹿児島県吉田村、福山町、輝北町等三県四町四村の区域にかかるものが、その第一であります。 次に、新潟、富山地方を襲いました七月二十七日から八月十二日までの豪雨及び台風第七号による災害であって、新潟県六日町、上川村、富山県上市町等六県一市三町九村の区域にかかるものが第二であります。 次に、台風第九号による災害であって、青森県平内町、鹿児島県大和村など三県五町二村の区域にかかるもの、そのほか昨年度を通じて全部で十二災害になっております。 これらの激甚災害に対しましては、御承知のとおりいわゆる激甚災害法の第二章、公共土木施設災害復旧事業等に関する特別の財政援助、それから第五条の農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置、第六条の農林水産業共同利用施設災実復旧事業費の補助の特例、及び第二十四条の公共土木施設、農地及び農業用施設等小災害に係る地方債の元利補給等の措置が、各災害の被害状況に応じてそれぞれ適用すべき措置として規定しておるわけでございます。
○辻原委員長 これにて説明は終わりました。 ————◇—————
○辻原委員長 次に、昭和四十五年一月低気圧による災害対策について調査を進めます。 まず、その後の対策の概要等につきまして政府当局から説明を聴取いたします。総務副長官湊徹郎君。
○湊政府委員 昭和四十五年一月のいわゆる台湾坊主といわれる低気圧による災害の状況については、過般の委員会において御説明を申し上げたわけでございますが、その後の状況について、この機会に申し上げたいと思います。 各委員のほうからいろいろ激甚災害の指定の問題あるいは天災融資法の発動等、さまざまな御要請があったわけでございますが、その被害の概要については、この前の委員会で御報告いたしたわけでございますが、その後さらに調査の結果、被害額等については多少変わったものもございます。そこで、一番新しい資料をただいまお手元に配付いたしたわけであります。 これによりますと、ワカメとかノリ等の養殖施設、それから漁船の災害がかなりございました。水産物等についても、特に養殖施設、漁船、水産物等を含めて、水産関係の被害が非常に大きくなっております。これに対処して政府としましては、過般の委員会でも、できればもう二月いっぱいにひとつ調査をまとめて、先ほど申しました激甚その他の措置を一刻も早くとりたい、こういうことを申し上げたわけでありますが、養殖施設と漁船の被害に対しましては、これは十勝沖だけが唯一の前例、こういうことになってございますが、今回激甚災害法を発動しようということにいたしておるわけであります。さらに水産物等の被害に対しましては、これはまだ結論が出ておりませんが、天災融資法を発動する方向で目下最終的な詰めをやっております。これによって被害者の皆さんに対する財政、さらに金融措置を講じてまいろうというふうな考えでございます。 その後の経過を概略御報告を申し上げます。
○辻原委員長 これにて説明は終りました。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田澤吉郎君。
○田澤委員 農林省から配付になりました「昭和四十五年一月低気圧による災害について」というもので、その被害概要を御説明してありますが、これにもありますとおり、一月の二十九日の沖繩西方に発生した低気圧というものは、九六〇ミリバール以上というような非常な大きな低気圧であった関係からして、北海道、東北を中心として大きな被害が出たのであります。ことに水産業の被害というものは非常に大きかったのは、ただいま副長官からお話があったとおりでありますが、何々台風とか全国的なものでない関係でありましょうか、それからまた水産被害というものが九〇%以上もあったというような関係、すなわち漁港とか漁船とか漁具、養殖施設というような特殊な被害の状況であります関係でございましょうか、それと局地的な災害であるというようなことからいいまして、どうも調査がおくれているきらいがある。この災害に対する取り組み方を総務副長官から、ひとつじっくり態度をお聞かせ願いたいわけでございます。たとえて申しますならば、私の県、青森県では、災害地というのは、そんなに多いわけではございませんけれども、九億九千九百、約十億の被害額を見ているわけでございます。これの大部分というのは、先ほど申しました漁船、漁港、漁具、養殖施設というようなことに相なるわけでございますが、どうも今回の台湾坊主に対する政府の態度が手ぬるいような気がしてならない。ただいま御報告にありましたとおり、この一月の台湾坊主に対しても激甚災の適用をするように努力をする、こう言っておりますけれども、どうもこの態度から言うと、最後になりますと、いけませんでしたなどというようなことになっちゃたいへんでございますから、この際、この災害に対する政府の取り組み方、これをひとつお知らせ願いたいと思うのでございます。
○湊政府委員 ただいま田澤委員からいろいろお話がございましたが、実は御承知のように、今回の災害によらず、いろいろと取り組み方が手ぬるいではないか、こういうお話でございますが、これだけ被害を受けた、結局それを復旧するのに一体どのぐらいの費用がかかるであろうというところまで詰めませんと、激甚災あるいは天災融資等ができませんために、被害の実態を調べるということと一緒に、さらにそういう受けた被害に対応してどのぐらいの復旧費がかかるだろうというようなことまでこまかく詰めるためには——従来私も長いこと災害のほうをやってまいりましたが、大体二カ月ぐらい昔はかかったのであります。それを結局皆さんの御鞭撻もあり、また事務のほうでもなれてもきた関係もあって、おおむね一カ月ぐらいをめどにして今回の場合作業をしたのでありますが、先ほど申し上げましたように、水産に関する災害は、実は前例がないのでございます。養殖施設については、あとにも先にも十勝沖のときだけ、こういうこともございまして、今回の場合、できるだけ指定をするというふうな私ども腹がまえでやって、大体激甚災の指定はできる、こういうふうな内部の結論になりまして、近いうちに政令をひとつ公布する運びで進めたい、こういうわけでございまして、全力をあげて御趣旨に沿うように今後ともやってまいろうと思っております。
○田澤委員 次には、漁港あるいは港湾関係でございますけれども、たしかこれは負担法とかあるいは暫定法を適用して、できるだけ早い機会にやはり緊急査定を必要とするわけでございますが、こういうあり方は、一体いつごろから緊急査定に入って、どういう形で進めていこうとするのであるか。あるいはまたその予算等に関してどういうような扱いをしていくのか、ひとつお知らせを願いたいと思うのでございます。
○平松説明員 漁港の災害復旧につきましては、私どものほうで被害の激甚でございますところの新潟、北海道については緊急に調査をいたしまして、応急対策についての指示をするという措置を終わっておりますし、先月の末から今月の初めにかけまして、災害復旧についてその査定を行なうという運びで進んでおります。 施策といたしましては、公共土木災害復旧に関する負担法でございますとかによりまして復旧を進めていくという形でやってまいりたいと思います。
○栗栖政府委員 港湾につきましては、非常に被害が大きいところはすでに一部緊急査定に入っております。なお、特に被害が大きくて、急を要するというものについては、部分的でございますけれども、そういうところだけは応急復旧の措置をやっておるわけでございます。
○田澤委員 それから養殖施設の問題でございますが、この問題は非常にむずかしいと思うのでございますけれども、この中でワカメあるいはホタテ、ノリ、その他で漁業共済制度の適用をできるだけしていきたいというような、この前の委員会でもお話があったのでございますが、この適用をやれるかどうか、この前から調査を進めておろうと思いますが、そういう点についてひとつどういう行き方をとろうとしているのか。ぜひひとつ私たちとしては、漁業共済制度を適用さしたい、こう思っておるわけでございます。その点のひとつ考え方をお知らせ願いたいと思います。
○平松説明員 ワカメの養殖共済につきましては、今回の災害を受けました水産物の中で、漁業共済の適用対象になっていないということから、現地でかなり養殖ワカメを漁業共済の対象にするようにという要望が強いというふうに、私ども承知しております。これは、この前の委員会でも私ども申し上げましたように、制度発足当時もこういう問題があったわけでございますけれども、養殖ワカメの歴史が浅いということから、被害の様式たり、あるいは流通の形態というものがはっきりしてない、あるいは不安定であるというようなことから、まだ制度としてしくのは早いということで、当初取り入れなかったわけでございますが、その後養殖業者からの要望も強いということでございまして、四十三、四十四年と調査をいたしまして、四十五年引き続き、どういう被害率の算定方法をやったらいいかというような形で調査をいたすように、予算要求をいたしておるわけでございますが、そういうふうな形でいままでも前向きに取り組んでおるわけでありますけれども、生産者の強い希望、ことに今回の災害があったという事態を踏まえまして、できるだけ前向きに検討してまいりたい、かように考えます。
○田澤委員 これで終わりますけれども、劈頭申し上げましたように、激甚災の指定の問題でございますが、先ほど総務副長官からもお話がいただけましたけれども、どうもすっきりしないもので、さらに最後に御質問申し上げるのでございますが、この水産関係の問題というのは、非常に扱いがむずかしいと思います。しかし、むずかしいからといって、局地の災害の大きい状態に対して、激甚災を適用しないということは、非常に不合理なあり方になろうと思いますから、この際もう一度ひとつ、激甚災の適用をするのだ、天災融資法はできるだけ発動して、その災害にこたえたいという態度をさらにはっきりしていただくことをお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。
○湊政府委員 先ほど申し上げましたように、水産関係は前例が少ないし、それだけに取り扱いのむずかしい点は御指摘のとおりでございますが、それだけに逆に申せば、これはどうしても激甚災の指定をして被災された漁民の皆さんの御期待にこたえたい。この場合に、水産に関する激甚災に御承知のように二種類ございます。養殖施設等に関するものは第七条の関係になっておりますし、それから漁船に関しては十一条の関係になっております。これを二つながらひとつ適用したい、こういうことで進めてまいりまして、内部的にはもう適用するというふうに大体腹をきめたわけであります。そして、政令の公布が必要でございますので、政令の手続をできるだけ急いで指定したいというふうに考えております。
○辻原委員長 千葉七郎君。
○千葉(七)委員 ただいまの質問で、台湾坊主による今回の災害に対しまして激甚災の指定がほぼ確定的であるという御答弁でございますので、その点につきましては了承をいたしたわけでありまして、御努力に対しましては感謝を申し上げる次第でありますが、ただ岩手県下における養殖施設の被害については、その復旧のためには非常に多量の資材が必要なわけなのであります。私の聞いたところによりますと、竹材だけでも、これは誤りがあるかもしれませんけれども、二十万本程度要るだろうというように聞いております。したがいまして、このような大量の資材を急速に民間からだけ手配をするということはなかなか困難なわけでありまして、前回の委員会におきまして要望いたしておったのであります。国有林等からこの竹木の払い下げ等については特段の配慮をしていただきたい、かように要望申し上げておったわけなのですが、その点についてはそれぞれの関係当局に御連絡を願えたかどうか、協議していただいたかどうか、その点をひとつお伺いいたしておきたいと存じます。
○平松説明員 先般の委員会で先生から御質問がございまして、私どものほうも現地の関係の林野庁のほうと打ち合わせをしたわけでございますが、東北地方は竹の賦存がわりあいに少ないというようなことでございまして、岩手、宮城の営林署にはあまり竹材がないというような、状況のようでございます。もし必要だということになりますならば、国有林のほかの、たとえば東海地方というようなところあたりからでございますと竹材の手当ができるというようなことでございますので、関係県のほうで被害者のほうからの希望を取りまとめて、そういうような希望がございますならばあっせんと申しますか資材の入手について労をとるということはやぶさかでない、かように考えております。
○千葉(七)委員 了承いたしました。ぜひそのようにお願いを申し上げたいと存じます。 それから、この台風災害に関連をいたしましてお伺いをいたしておきたいのでありますが、それは北上川の堤防の水門の問題であります。岩手県の東磐井郡の川崎村の北上川流域に本年度で堤防が完成をいたしたわけでございますが、その北上川へ流れ込む千厩川の合流している水門が築造されたわけであります。この水門は、私聞いたところによりますと、昨年の十一月完成しまして、請負業者から工事事務所のほうに引き渡しになって、その後しばしば水門の開閉の試験等も行なわれたそうであります。ところが、一月の二十八日に河川局長が現地の視察に参られる、そういう予定になりまして、その前々日の二十六日にこの水門の開閉の試験を行なったわけであります。ところが、どういう関係か二十六日の試験の際に、水門を開閉するワイヤーロープが切れまして、しかもそれは最初電気的な作動で水門を閉じたんだそうでありますが、災害の際には停電等になるおそれもありますので、手動でもこの水門を締める、そういうことで初めの電気的な作動での試験の際には、これは首尾よく水門が締まったそうであります。ところが、手動で試験を行ないましたときにこのワイヤーロープが切れまして、そして何トンといいましたか、たしか百五十トンくらいもある水門が急降下して、川を閉ざしてしまった、こういう事件が発生したわけであります。その際建設省の職員が一人死亡いたしておるのでありますが、たまたま三十日から発生をしました台湾坊主で、岩手県下におきましては北上川上流等、また東磐井郡におきましても降雨量が非常に多かったのであります。水門が閉ざされてしまいましたので、内水がはんらんをしたわけであります。北上川の水位より千厩川の内水の水位は実に二メートル五十高かったわけでありまして、そのために川崎村の字漆崎という地域一帯が人工の湖になった、こういう事件が発生をいたしておるわけであります。冠水の水田が五十町歩、それから床上浸水が十一戸、床下浸水が二十戸ばかりでありますが、それから道路の決壊が十八カ所、橋が落ちましたのが三カ所、こういう被害を受けておるのでありますが、それらに対する被害の補償と申しますか、その復旧に対する補助等についての地元町村からの何か申し入れがあったかどうか、申請等があったかどうか、その点をひとつお伺いをいたしておきたいと存じます。
○生瀬説明員 ただいま先生のお話がございました北上川支川の千厩川の水門の点でございますが、私直接担当しておりませんので、詳しい状況につきましてはよくわからないのでございますが、後ほど河川局長が参りますので、そのときに御説明させていただきたいと思います。
○千葉(七)委員 それでは次にさしていただます。
○辻原委員長 新井彬之君。
○新井委員 今回の台湾坊主につきましては、あらためてそのおそろしさというのを感じたわけでありますけれども、きょうは報告の中で激甚災害としての指定を受けた、そしてまた、天災融資措置についても鋭意努力をしていくということでございますので、その点については前向きでひとつすみやかにやっていただきたいと思いますけれども、その面でちょっと一言触れたいことは、この台湾坊主というのは、これからも毎年こういう時期にこういう災害が起こる可能性というのがだいぶあると思うわけです。したがいまして、今後の防災という意味におきまして、その被害状況を見ますと、船舶であるとかまたそれに伴ういろいろな港湾施設等において、非常な被害が起きておるわけでありますけれども、気象庁のほうは、前回の質問の中で、それに対する予報通報については完ぺきを期して、各府県においてその連絡をがっちりした、こういうぐあいに答弁をされておるわけでありますけれども、その予防的な措置というものが、今後こういうことが起こったときに、今回の災害の中から何か考えられなかったかということを、まず一点お聞かせ願いたいと思うのです。
○川上説明員 お答えいたします。 ただいま先生の御指摘にありましたように、台湾坊主という名称からしまして、この被害は台風程度であるにもかかわらず、若干なおざりにされるのではないかという御懸念かと存じます。この点につきましては、先般気象庁からもお答えしましたように、警報の伝達のための気象情報の把握におきまして、台風と何ら変わるところのない措置を講じております。でございますので、単に低気圧といっておりますが、防災体制におきましては、台風と何ら変わるところがないということでございます。 なお、今回のことで何か教訓があるのではないかということでありますが、これは、進路等におきまして、台風等におきましてもよく起きる問題でございますが、これにつきましては、今後ともなお正確な情報を把握するようにつとめたい、こう考えております。
○新井委員 この前の答弁で、気象状況のキャッチ、これを、日本は何回も台風にあっておりますし、そういうことについては非常に科学的な調査をやって、非常に連絡も密にしておると思いますけれども、やはりいろいろな機械もどんどん進歩しておりますし、また観測等におきましても現在の体制で、この前の答弁では完ぺきである、要するにどういう状態があってもそれがすみやかに流されるというように解釈をしておりますけれども、そういう気象状況のキャッチ、そういう観測体制というものは一応万全である、こう解釈していいものかどうか、お伺いしたい。
○大野説明員 新井先生にお答え申し上げます。 もちろん私ども大型低気圧についても、体制は台風と全く同じでございます。暴風雨とか暴風雪、このような重大な災害が予想される場合には、気象官署においては地上観測とかレーダーあるいは高層観測、こういうものを随時臨時に観測いたします。それを相当行ないまして、そのほか一般の民間人に委託しております観測所、これは主として雪だとか雨でございますが、そういうものの通報をいただきまして、またこれも臨時観測をいたしまして、資料の収集に万全を期しているわけでございます。それから本庁におきましては、各級の気象官署の勤務体制をそれぞれ強化いたしまして、資料の収集、天気図の解析あるいは情報の交換、そういうことを実施いたしまして、予報、注意報、警報、こういうものを適切なものをつくりまして、それを情報として発表したい。また迅速に、しかも最も状態のよい条件で災害の防止につとめたい、こういうふうに考えております。しかし考えてみますと、やはり台風なんかと比べますと、これら大型低気圧については、先ほど先生が万全と申されましたが、まだ若干問題のあるところもございますので、今後そういうことは絶無を期すように努力したい、そういうふうに考えておるわけでございます。
○新井委員 この災害に関連いたしまして、今回の台湾坊主においても、各河川の非常な降雨量によるところの災害というものがあったと思います。三月二日に行政管理庁が大蔵省並びに農林省、建設省の三省に対しまして、中小河川、これもいままで法的には何ら規制がなかった普通河川の管理、整備というものを勧告をいたしております。こういう中小河川においては、災害どきにはんらんがあったり、いろいろなときにいつも問題にされてきたわけでありますけれども、その管理というものが今回明確にされた、それは非常にけっこうなことでありますけれども、実際問題、そういう河川の改修については非常にお金もかかる。したがいまして、財政の裏づけがなくて、ただこれは県である、あるいはこれは市町村であるということで管理が明確化した場合において、そういうものの管理はそちらだからという一方的な押しつけになってしまった場合に、これは非常に問題が残るのではないか。そういうわけで、今回行政管理庁からそういう勧告をしたことについて少し危惧を抱くわけでありますけれども、そういう財政的な面についてのことはどのようになっているのか、ちょっとお聞かせを願いたと思います。
○川上説明員 お答えいたします。 ただいま、行政管理庁から都市河川の対策につきまして勧告がありました件につき、予算とうらはらをなしておるという御質問でございますが、政府といたしましては、都市河川の対策につきましては、予算をもっと組みまして処置しなければならないことは当然でございますので、その点につきましては十分部内におきまして検討し、その実効があがるようにつとめたい、このように考えております。
○新井委員 いま、要するにそのことについて検討するというお話でありましたけれども、やはり勧告をするときにおいては、そういうものも一緒に検討されて、そして明確にして通達なり勧告を出していかなければ、かえってそのことについてどのようにしていいのか、実際問題として予算がないということがあるわけでございますから、すみやかにその点については検討されて万全の対策をはかっていただきたい。特にこれが災害等になった場合に、今度はどこが責任を持つかというようなことになってくるわけでありますので、お願いしておきたいと思います。 それから、石油コンビナートの火災が近ごろ多いわけでありますので、その件についてひとつお伺いしたいと思うのでありますけれども、最近の都市集中化に伴うところの産業の発達、また高度経済成長政策とその流れというものは、私たちもすなおに受けとめて、それに対して要するに防災体制を考えてまいらなければならないと思うわけでありますけれども、これから都市づくりにおいて、防災対策のない都市づくりというのは最もおそるべきことである、このように思うのであります。七〇年代の都市対策というものについて、人間性を優先する人命尊重の立場から私はお伺いしたいと思うのでありますけれども、京浜、京葉臨海工業地帯の防災計画というものがどのようになっているのか、このことをまずお伺いしたいわけであります。
○山本(弘)政府委員 京浜工業地帯は石油化学工業を中心としますところのいわゆる石油コンビナート地帯でございまして、ここにおきましては石油屋外タンクが川崎市、横浜市で約三千六百基、それからLPGタンク等が百二十五基ございます。その貯蔵容量は千二百万キロリットルというふうに思われるわけでございますが、こういったところにおきまして、一たび災害が起こりました場合においては、非常に大きな災害をもたらすものでございます。したがって、神奈川県の地方防災会議におきましては、この地域は特に重要なる災害対策を樹立すべき地区といたしまして、京浜地区の防災対策連絡協議会をつくりまして、防災対策につきまして検討中でございます。
○新井委員 京浜地帯は非常に化学工業の密集地帯である。したがいまして、それの防災については根本的なことからいろいろと検討をしてまいらなければならないと思うわけでありますけれども、少なくても化学消防車、また機械化消防、それから事故のありましたときの救急病院、そういうものががっちりと確保されて、それもまた神奈川県であるとか千葉県であるとか、地方公共団体と有機的に連携をとってまいらなければならないと思うわけであります。そういう意味において、そういうものが現在できている、いま連絡協議会というものができておやりになっているということでありますけれども、それを少し具体的に、どういう面において検討されているか、それとまた危険地常における総点検は一体どういうことで行なわれているのか、お伺いをいたしたいと思います。
○山本(弘)政府委員 コンビナート地帯における防災対策における消防力の強化の点から申し上げますと、消防艇は横浜、川崎でそれぞれ二隻ずつ有しておるのでございます。そして化学車につきましては、川崎市は八台持っております。横浜市は十台持っております。なお、それぞれの地域におきましては、油火災、こういったコンビナート地帯における火災は注水をもっては制圧できません。特殊な化学消火薬剤をもって消火しなければなりませんので、化学消火薬剤の備蓄を行なっておるのでございます。それは消防側とそれから企業側、いずれも備蓄を行なっております。いま申し上げましたのはいわゆる消防側の体制でございますが、企業側に対しましても、消防法によりまして保安要員を置くということになっておりますし、また予防規程をつくり自衛消防隊、これは化学車の装備を含む自衛消防隊を設置することが義務づけられておるのでございます。 ちなみに川崎市におきましては、企業の自衛消防隊が二十三台の化学消防車を擁しております。こういった形で消防側、企業側相互の体制をもって一たん発災の場合に対処することになっておるのでございます。
○佐賀説明員 石油化学コンビナートに対しまする通産省におきます高圧ガス取締法の対象といたしますところの防災の状況について申し上げます。 石油化学コンビナートは、御承知のように一般的に高圧ガス製造設備が相当含まれておるということもございまして、一般的には高圧ガス取締法により、その災害の防止につとめておるわけでございますが、これらの製造設備はパイプによってつながれておるということで、こん然一体的な施設をなしておるという特殊事情にございますので、これらの事業所の集合体という特殊事情から、他への波及ということが問題でございます。したがいまして、当省では昭和四十三年の四月にコンビナート地域の保安に関する基準というふうなものを省議決定で作成しまして、それに沿って総合的な保安対策を購じておるわけでございます。 なおまた、コンビナートの立地につきましても、周辺地域との関連等を十分配慮しまして、立地の段階において災害の防止を万全ならしめておるわけでございますが、ちなみにこのコンビナート地域の保安に関する基準のおもな内容を申し上げますると、まず第一に、コンビナート地区内の各企業の連絡協議機関を設置して、直通電話の設置等による事故の際の連絡の緊密化、それから事業所間の相互援助協定の締結、共同防災訓練の実施等による被害拡大の防止、それから設備配置を相互に把握する、それから適正な保安距離の確保、設備の保安点検の実施の協力、それから関連施設の取り扱いに対する相互の配慮、消火設備の共同使用等がおもな内容でございます。
○新井委員 先日の委員会におきまする湊副長官の防災についての答弁の中で、「防災の問題というのは関係するところ非常に多岐でございますし、特に、いかなる被害の災害があっても、これに耐え得るような体制というのをあらかじめ準備することが基本であろうと思います。そういう意味で、やはり基本的にはどこまでも長期的な計画に基づいて、不断の科学技術——特に地震とか地すべりとか、あるいは形によっては冷害であるとか産業災害に至るまで、」というような答弁をされたわけでありますけれども、現在のこの化学工業地帯というのは現在の高度成長政策によりまして、防災の面であるとか、またはその人間が住む住宅の問題であるとかそういうものについては一切考慮されずに、自然的に急速に伸びてきた。したがいまして、現在いろいろ都市再開発というような問題が起こっておるわけでありますけれども、現在東京湾総合開発計画というものが行なわれておりますが、これらの工場群の再開発というものも、防災の面から今後やはり基本的に行なっていく必要があるのではないか。また、これに関連して、京浜であるとか京葉であるとか両工業地帯の再開発、鹿島開発、三浦半島、また房総半島の中に繰り込む計画というようなものがやはり意見として出されているかどうか、そういうことについてお伺いをいたしたいと思います。
○湊政府委員 ただいまお話がございましたように、最近の社会経済構造の変化に伴って、災害の態様そのものもかなり複雑多岐になっておりますし、いままではやっていないけれども、これからはこういう点で考えていかなければならないということがたくさんあるわけでございます。たびたびの委員会において御指摘等をいただいておりますし、特に火災の問題等、かなり多発してございますので、それらに応じた、いまお話がございましたような問題等についても、今度は総体的に私ども取り組んでいかなければいかぬというふうに思っております。 個々の問題等についてはそれぞれやっておるのでありますが、それをもう一ぺん総合的にやっぱり見直していくというふうな必要を、ただいま御指摘のとおり私どもも感じて、これからひとつやっていきたいというふうに思っております。
○辻原委員長 関連して小川新一郎君。
○小川(新)委員 ただいま防災計画のことで湊副長官からお話があったのですが、具体的な例を一つ、二つ御質問したいのです。 それは、例の川崎コンビナートの火災の件なんですが、一体この川崎コンビナートの重工業地帯のこういう火災については、副長官はまずどのようなお考えを持っていられるかということなんです。 一つは、あれは埋め立て地で、橋がなければ渡れないところで火事が起きた。その橋は一体幾つかかっているか。この間の事件を通しまして非常な混乱を起こしておる。こういう点では消防庁にも聞きたいのですけれども、まあ悪くしますと袋のネズミになってしまう。この扇町また千鳥町、水江町というのは、川崎コンビナート群の橋がなければ渡れないような、ちょうど向島の江東のゼロメートル防災街区に指定されております地域のような——もっとこれはたいへんなところだ。こういう点については都市再開発の面では、いま新井議員が御指摘になったように今後の重大課題で、人命の問題では非常に大きな問題を含んでおりますが、まずこの地点についてのお考えをお聞きしたい。
○湊政府委員 先ほどお話がございましたように、いろいろな地帯、特に最近の重化学工業地帯等に対する防災という観点からする配慮、この点については確かに御指摘のとおり不十分な点が多々あろうと思っておりますので、先ほど申しましたとおりに、都市の再開発とあわせてその辺は検討してまいりたいと思っておりますし、ちょっと問題はそれますけれども、たとえば交通事故等に関しましても、道路建設の際の保安という点を頭に置いた計画等についてはいままで不十分な点がございまして、過般来その点でも問題になっておるのでありますが、同じような考え方で、やはり災害対策という点についても、ただいまお二方から御指摘になったような点を特に私どもとしてもこれから考えていきたいというふうに思っております。
○小川(新)委員 これは消防のほうに具体的にお尋ねします。 浮島町、千鳥町、水江町のこの橋は一本しかない。この橋は、この間の火事のときに交通麻痺を起こしまして、住民は対岸に避難されましたか、避難できてない。これは袋のネズミになっちゃいますね。ここには、約百事業所が密集しております。二千八百基のタンクがあって、約四十五万キロバーレルの石油を一日に精製している。その火事、そこの昭和石油、日本石油の火事、その火災があったときに、消防車、化学消防車、また警察の車、消しに行く車と逃げる車と、その橋が一本しかない。立ち往生いたしまして、こちらに住んでいる三百人、従業員だけでも三千人をこえておりますが、こういった方々が逃げ道を断たれたといって、全川崎労働組合協議会、これは組合員が約十四万七千人でなっておりますが、この安全対策を市に申し込むような話にいまなっております。これについては、具体的には、こういった事件が起きたときに袋のネズミになって、石油の火事と一緒になって焼け死ぬようなことがあったら重大問題だ。そこで私はいま総理府副長官にお尋ねしたことは、都市再開発の中で橋をあと二本も三本もつけなければならぬような事態に現実になっている、これは具体的に検討するという時期の問題タイミングの問題なんです。この間起こった事件においては、消防庁やその他の関係官庁では掌握しているかどうか。どうですか川上参事官、その点では。
○山本(弘)政府委員 先日の昭和石油の川崎製油所の火災事故に関連をいたしましての問題でございますが、消防活動といたしましては、まず特別第一出場という形で化学車を中心に現地に参りまして、火災の規模の状況から、特別第二出場に切りかえて、結局二十四隊、百七十名の消防署員が現地に出動したわけでございますが、率直に申しまして、この火事に伴う混雑によって消防活動が著しく困難を来たしたという報告は聞いておりません。 御指摘のように、あの地帯はいわゆる埋め立て地で、五つの島に石油コンビナート地帯として多くの工場が入り組んでおるのでございます。工場専用地域ではございますが、商店街もあるわけでございまして、いわゆる工場関係者以外の方もおられるというふうに聞いておるわけでございます。先日のような状況におきましては、私、つまびらかには把握いたしておりませんけれども、昭和石油の中におきましても、この第四プラント以外の装置においては操業を継続しておったというような状況でもございまして、全体が避難措置その他によって大混雑をするというような状況ではなかったというふうに承知いたしておるのでございます。 しかしながら、先日の火災は、まあ消防側からいうならば消防力が、企業内の消防力も、そしてまた公設消防としての消防力も、比較的整備されておったところでありまして、そういった条件から、さしたる混乱もなく火災を鎮火したというふうになっておりますが、もっと条件の悪いような形で火災が起こった場合のことを考えますならば、この地帯におけるところの連絡は、橋一本しかないということは、避難体制、防災体制の大きな問題であろうかというふうに考えるのであります。 そして川崎市の防災会議におきましては、特にこの地帯の震度調査をいたしまして、地震等の場合において起こる混乱を検討する方向で動いておるように聞いておるのでございますが、そういった場合には、もちろん再開発という形で避難橋としての橋を増設することも必要でございましょうし、またフェリーによる避難というようなことも考えておるというふうに聞いておる次第でございます。
○小川(新)委員 ただいまのお話はあまりにも現地を見てなさ過ぎる。扇町だけで面積一・七平方キロメートルしかない。そこに、これは新聞によっているところなんですけれども、全工場従業員が三千人と住民が七十三世帯、そしてここに昭石と三菱石油と昭和電工とがある。また浮島のほうは約三・八平方キロメートル、この中にやはり日網、日石、東燃、ゼネラル、これらの石油化学工場群が密集しております。それが、この間はわずかに一つのトッピングしか火事が起きなかった、爆発しなかったですけれども、それだけの事故であの県道と橋が大混雑を起こした。では、これが、これらのいま私が申し述べたような重化学工場群の誘爆を誘発し、大火災になったときには、もうそれこそあの小さな、幅何メートルもない、六メートルぐらいしかない橋を、こっちから消しに来る車と逃げる人で一体どうなるか。石油ですよ、相手は。普通の可燃物じゃありませんよ。それが、大きな貯蔵タンクが次から次と爆発したら、海の中に飛び込めというのですか。 そこで、私がいま聞いていることは、この橋一本しかない、もうこれは袋のネズミですよ。この橋が退路を断たれた場合には、ここにいる約何万という人たちがそれこそ焼け死ななければならない、それを私は心配しているから、こういう質問をしているのであって、もうきょうやあしたに迫った事故が起きているじゃないですか。この問題をいいかげんに扱われたら困る。 その次に、いまお話があったように、船によっても避難すると言っておりますが、その避難場所まで行くのにどうやって行くのですか。避難場所は、その川崎の地域防災計画の中のどこに含まれておるか。私どもの検討したところによると、そこまで行く間にやられてしまう。では、そういった訓練というものは行なわれているのか、何にもないじゃないですか。 そこで、いま言ったように浮島、千鳥、水江、扇町、大川町、この五つの島が全部橋が一つしかないところに問題がある。そこで、われわれはこの問題についていま湊さんにお尋ねすることは、至急この防災街区の点からいって——まあ今度は防災街区造成法はなくなりましたよね、そしてこれは都市再開発法になった。都市再開発法の中で、やはり東京都の場合でも、江東のゼロメートル地帯しかこの防災の市街地再開発が行なわれる計画がない。それが予算化されてないのですよ。十五年先の話なんです、完成するというのは。それよりもっと大事な、こういった重化学工場のコンビナート地帯の危険地帯をそのままにしておくのか。日石、昭石の火事で証明されている。すみやかにこれは予算化して、川崎や神奈川県の地域防災計画の中に織り込んで、橋をもう一つつくるとかなんとか、人命救済の手だてを講じなければならぬ。この点については、いかがお考えなんですか。
○湊政府委員 具体的な問題について実は私も現地を見ておりませんし、いささか不勉強ではございますが、先ほど申しましたようなことで、早急に政府部内において、これはそれぞれ所管の建設省その他実施省のほうといろいろと相談してみたいというふうに思っております。
○小川(新)委員 そうしますと、至急に調査ということは、これに対する特別調査を行なって、閣僚会議かなんかでお話ししていただけますか。
○湊政府委員 ただいまのお話でありますが、先ほど申しましたように、いろいろ現地には問題があるようでございますし、これからの運び方について、やはり前提として事務的に調べた上でその取り扱いその他について相談しなければいかぬというふうに思っておりますので、早急にその事務的な相談をさせるようにしていきたい。その後の取り扱い等については、いずれそのときにいろいろ考えてみたいと思っております。
○小川(新)委員 もうこれで終りますが、湊副長官は災害対策で、私どもと一緒にこの問題に取り組んできて、もうベテランもベテラン、オーソリティ、その方がひとつはっきりとした——閣僚会議にすぐ持ち込んで、こういう川崎、横浜の重工業コンビナート地帯の危険地帯というものは一日もおろそかにできないのだ。総理は防災会議の議長でしょう。防災会議議長である総理が、こういった多角的な面から、これからの都市再開発、または都市計画という問題にもからめながらこういった問題を処理していかなければならぬのですよ。でありますから、いま副長官にはあまり明快にお答えいただけないのですが、こういう事件が起きているのですから、閣僚会議等に議題を出して、正式な会議ですぐはかる。こういう問題は、地域の神奈川県、また川崎、横浜等とも相談した上で、至急こういった対策を講ずるという明快な返答を期待したのでございますが、いろいろとそちらの御都合もあるようで、ここでは御返答いただけませんが、私は警告しておきます。こういう問題は二度と起きないという可能性は何にもない。わずか二日か三日をおいて、連続してこういう事故が起きておる。これは明らかに大企業の産業優先のいまの日本の企業体の姿勢の中から、人命という問題に対しては非常におろそかに考えられておる。袋のネズミになって、かん詰になって、蒸し焼きになるような大きな事故が起きたときに初めて大騒ぎする。こうなったのではおそいから私は警告を出しておく。関連質問でございますから、いつまでもここでねばって質問するわけにはいきません。一言だけ御注意申し上げ、なおかつ善処方を希望いたしまして、私の質問を終わらしていただきます。
○新井委員 私も具体的にいろいろお聞きしたいと思ったんですが、いま小川議員のほうからいろいろありましたので省略をいたしますが、要するに化学工場の爆発事故、また火災事故というのは、過去の例におきましても非常にたくさんあがっておるわけであります。これはもう万全の防災体制をするとっても、やはりそこには限度がある。そしてまた今回のこの火事におきましても、消防署員の方々の消火に対する努力と申しますものは、それこそ命にかかわるような中を真剣に消火作業に当たられておる。そういうような姿を、いろいろ聞いておるわけでありますけれども、やはり狭い土地の中で幾ら小手先のことを論じてみても、一たん災害があれば大惨事になることは、もうだれでもわかることではないかと思うわけです。今回は、たまたまそういう化学消防の自動車であるとか、そういうものを比較的有しておる川崎で起こったことであるから、この程度で終わったわけでありますけれども、これが四日市等で起こった場合において、一体それがどうなるのか。 そういう面において消防庁にお伺いしておきたいと思うのですけれども、現在の要するに設備といいますか、そういう化学、石油等の火災に対して万全の体制が整っているのか、石油コンビナート地域においてそういう点検をされているか、そういうことを少しお伺いしておきたいと思います。
○山本(弘)政府委員 石油コンビナート地帯の消防力の増強、とりわけ化学消防自動車等の増強につきましては、当庁といたしましては新潟地震における昭和石油の火災以来、特に化学消防力の強化ということに着目いたしまして、一般のポンプ自動車の補助とは別に、これが強化に力を入れておるところでございます。しかしながら、ただいま先生御指摘のとおりでございまして、川崎あるいは横浜といった京浜地区のコンビナート地帯は、全国の二十三コンビナート地帯の中ではおそらく一番消防力が充実しておるのじゃないか、かように考えておるわけでございまして、御指摘の中にございました四日市におきましては、化学消防自動車はもちろんのこと、消防艇もない、こういうような状況でもあるのでございまして、今後とも一そうの化学消防力の増強に努力をいたしたい、かように考えておるのでございます。
○新井委員 このコンビナートの中に、塩素のタンクがある。これは川崎の消防局長のお話でありますけれども、地震その他によってもしも塩素が漏れるようなことがあれば、川崎だけではなくて、東京二十三区にも多くの被害が出る、こういうように非常に心配をされておったようであります。この塩素の被害ということについて、私は化学的にはどういうぐあいになるかわかりませんけれども、かつて日本軍が何か毒ガスに使用したことがあるようでありますけれども、もしも爆発した場合、どのような被害が想定されるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○山本(弘)政府委員 塩素ガスは不燃性でございまして、したがって消防でいう危険物の中に入っておりません。いわゆる高圧ガスといたしまして、通産省所管の中でこれが管理をされておるということになっておるわけでございます。したがいまして、当庁といたしましては、その塩素ガスの流出、漏洩等の場合における被災の状況等につきましては、詳しく研究した資料がないのでございます。もちろんこれはその必要もないという意味ではございません。原因が何であろうと、一たび災害が起こった場合においては、その災害対策というのは消防の役目ではございますけれども、ただいま言ったような事情で、塩素ガスについては特別の管理を通産省所管の中で行なわれておるという関係から、十分なる把握をいたしておらないということでございます。御了承願いたいと思います。
○佐賀説明員 塩素は御承知のように相当毒性の強いガスでございまして、高圧ガス取締法の中でも毒性ガスということで、こういうガスを取り扱う事業所につきましては、特にいろいろ製造の基準上注文をつけておりまして、万一の災害発生に備えて万全を期すように、法律上も相当の取り締まりを行なっております。ただ、それだけでは最近二、三起こりました塩素の災害に対しまして不十分でございますので、実は四十四年度におきまして、特に塩素を対象にこれの特別の保安基準を作成すべく目下学識経験者を動員しまして、これの特別基準を年度末を目標に作成中でございます。これができますれば、塩素関係の工場を集めましてさらに徹底した教育、指導あるいは設備改善等を指導したいと思っております。
○新井委員 私の申し上げておるのは、それはいろいろ協議していただいて、管理をがっちりしていただくことはけっこうでありますけれども、災害が起こった場合に、川崎の消防局長が非常に心配をされておるのは、要するに東京二十三区がすごく被害をこうむるのだ、極言すれば全滅である、こういうぐあいに心配をされておることであります。それが、じゃあ現実に起こらないのかということになれば、一つの例を——これは新聞にも載っておりましたけれども、川崎の防災専門部会の答申が二月二十八日に出ておるようでありますけれども、この石油コンビナートの地区の地盤というのは、市内で最も軟弱で危険である、またそういうような答申とともに、この地域がまた非常に全国有数の地震地帯の可能性を持っている、こういうような答申も出ておるわけであります。したがいまして、地震がないことは、これはもうわれわれの希望するところでありますけれども、どういう場合に塩素ガスが漏れて、そのときの被害、そのときにはこういう対処をしなければいけない、そういうようなものもやはり防災としては考慮しておくべきではないか、このように思うわけであります。 また、羽田空港ですね、これのBコースに入ってくる飛行機というのは、川崎上空をちょうど飛んでくるわけでありますけれども、その飛行機だって、そんなことはあってはいけませんけれども、何らかのことでまたその中へ突っこんでいく、そういうようなことも考えられるわけです。したがいまして、この件については、まだそういう検討もされていないということはありますけれども、やはり心配されている方もたくさんおられるということでありますので、万が一起こったときはこうするんだということでどうか防災に取り組んでいただきたいと思います。その件について返事だけいただきたいと思います。
○山本(弘)政府委員 通産省のほうから、塩素ガスの毒性の問題からして、これが事故を起こした場合に非常に重大な結果を生ずることから、保安基準についてさらに強いものを示して指導していくという御答弁があったわけでございますが、われわれといたしましては、何はともあれ災害が起こればこれに対処しなければならないというのが消防の任務でございます。したがってそういった万全の態勢がとられることをまず望むものでございます。とにかく外へ流出した、あるいは漏洩した場合に、人に死傷を与えるような危険なものは、二重三重、いやが上にも厳重な保安基準のもとにこれを災害から遮断する、災害を起こさないようにするというのがまず望ましいと思うのであります。 同時に、現地の消防署といたしましては、関係工場と連絡をとりまして、発災の場合におきまして、これに対処する具体的な方法をあらかじめ検討しておく必要があるんじゃないかと思います。たとえば東亜合成の昨年の事故の場合におきましては、消防職員が十分な情報を知らせられなかったために、無防備のまま災害防除に従事したために、相当数の被害を受けております。そういったことのないように、塩素を貯蔵し、あるいは製造しておるような工場施設等の関係については、特に災害が起こった場合において、これに対処する具体的な方法について、十分に打ち合わせをしておく必要がある、かように考えておる次第でございます。
○新井委員 まだいろいろとお伺いしたいことはありますけれども、どちらにしても、この件については消防庁としてもまだ初めてだろうし、やはり総合的な協議会の中でやっていかなければ無理なことがたくさんあると思います。 そこで、これで質問は終わりますけれども、現在、塩素を使用している主要会社というのは、味の素であるとか、昭和電工、それからセントラル化学、市の浄水場、こういうことは知っておるわけでありますけれども、向こうにどの程度そういう塩素タンクがあるのか、そしてまたその毒性等についての資料を、委員長にお願いをしておきたいと思います。 質問を終わります。
○辻原委員長 千葉七郎君。
○千葉(七)委員 先ほどの質問を繰り返すことになりますが、一月の三十一日から三日間にわたって発生をしました台湾坊主による暴風雨災害、この低気圧によりまして、岩手県下には相当の降雨量があったわけであります。そこで、岩手県の東磐井郡川崎村地内の北上川の支川の千厩川の合流点に構築をされました水門が、一月二十六日に——翌々日の二十八日に河川局長が検視に参られるというので、二十六日に試験の操作をやったわけであります。この水門の操作は、電気によって作動をするやり方と、それから災害時においては停電等のおそれもありますので、手動で操作をする、操作方法が二通りになっているわけであります。 二十六日の試験操作の際の電気作動では、何ら事故がなく完全に行なわれたわけでありますが、手動で操作をしました際に、たしか重さ百五十トンと聞きましたが、このような重い水門が、手動操作の際にワイヤロープが切断をしまして、急降下をして水門を閉ざしてしまった。そのような状態の中においてこの台湾坊主の相当量の降雨があったわけであります。その結果、北上川支川の千厩川が、水門が閉ざされておるわけでありますから、はんらんをしまして、北上川の水位よりも千厩川の水位のほうが二メートル五十も高くなって、そして付近一帯はんらんをして水害をこうむった、こういう事件があったわけであります。 聞くところによりますと、私は三日の日にこの調査に参ったのでありますが、役場に参りましていろいろ調べましたところ、水田の冠水面積が五十町歩に及んでおる。それから床下浸水の戸数は二十戸でありますか、床上浸水が十一戸とか聞いたのですが、これははっきりわかりませんけれども、聞いたのであります。なお、道路の決壊が十八カ所、橋が二カ所流失をしておる、かように聞いたわけでありますが、これは全くの人災なわけであります。 したがいまして、それらの補償等については、国が完全にこれを補償しなければならぬと私は考えるわけでありますが、それらについては、村当局のほうから何らか申し出があったかどうかということを、まず第一にお伺いをいたしたいと存じます。
○坂野政府委員 先生御指摘の被害の問題でございますが、確かに千厩川の水門の事故がございまして、不幸にして私どもの建設省の職員が一名殉職したわけでございます。 原因につきましては、目下調査委員会を設けまして、はたしてこれが施設の上に不備があったか、あるいは運転上の不備があったか、そういうような問題等を含めまして原因の究明中でございまして、まことにこういう事故の起きたことは遺憾でございます。 この事故の起きた直後——事故の起きましたのは一月二十六日でございますが、その後、一月三十日の低気圧がたまたま襲来いたしまして、その後の浸水状況を見たわけでございますが、事故発生後に応急の措置といたしまして、その下に落ちた門扉に穴をあけまして、そして不時の出水に備えておったわけでございますが、これは一つはとびらを動かさなかったということは、事故の原因の調査をするためになるべく現状維持のままにしておこうという方針もございました。通例のこの時期における出水といいますか、気象条件から見ると、こういうような八十ミリの降雨というようなことが予想されない状態でございましたので、建設省の事務所の判断としては、門扉に穴をあけておけば十分であろうということの想定のもとに、そういう不時の出水に備えておったわけでございますが、ちょうどたまたまこの一月三十日の低気圧は、当地方としてはいまだかつてない予測し得ざる実は出水でございました。そのために、その水門が落ちておったために、穴の大きさが不十分であったというために、確かに出水のために冠水を見たわけでございます。 その状況は、先生おっしゃるように面積としては約五十ヘクタール、浸水の戸数がちょっと食い違っているようでございますが、床上、床下浸水が相当数出ておりまして、これに対しまして出水の状況というものが予想されましたので、出水予報というものを地元民に対して通報しまして被害の軽減につとめ、また水防等にも当たったわけがございます。それから、急いで門扉の穴を増加いたしましたが、もちろん急なことで間に合わなかったわけでございますが、その後は水門を二メートルぐらい持ち上げまして今後こういう事態の生じないように措置するつもりでございます。 先ほど申し上げましたように、水門の事故そのものにつきましては目下原因究明中でございますけれども、水門が事故のために落下して、それに対して、一応の従来の常識に従って門扉に穴をあけて不時の出水に備えていたことも事実でございますが、先ほど申し上げましたように、こういう時期にこれだけの不測の降雨量であったということは、私どもとしてはこれは予測し得ざる現象であったというぐあいに解釈しておりまして、もちろん地元からもまだ損害補償要求等は正式には出ておりませんが、私どもの現地におきましては、できるだけ誠意をもって、その当時としても出水の予報等を申し上げ、その後もいろいろ問題等につきましても、事務所あるいは地建の出先の局としては最大の努力を払っているわけでございます。先ほど申し上げましたように、現在のところ事故の原因いかんにかかわらず、その後の措置としては、私どもとしてはまあ結果的にはたいへん不幸なといいますか、不十分でございましたけれども、一応従来の通例の、何といいますか、判断し得る出水に備えて門扉に穴をあけておったということもございますので、できるだけ私どもとしては地元からの要求がございましたら、それに対しまして、誠意を持って災害復旧その他の手当てをいたすようにいま努力を払っている次第でございます。
○千葉(七)委員 私非常に不可解に思ったのは、二十八日に局長さんが……(坂野政府委員「河川部長です」と呼ぶ)河川部長ですか、私、局長と聞いておったんですが、実地検視に行く予定になっておった。ところが二十六日に事故が発生をして、その実地の検視を取りやめにしているんでね。これはむしろ事故が発生したならば、ことさらにも現地にさっそくおもむいて、そして善後策を講ずるなり、あるいはこの原因究明の措置を直ちにとるなりやるべきじゃなかったかと思うのです。それを二十八日の実地検視は取りやめにした。これは全く怠慢といわざるを得ないと思うのです。 しかも、この事故の原因は、大体考えられるものとしては三つあるのじゃないかと思うのです。設計の誤りがなかったかということ、もう一つは工事が正確に行なわれたかということ、あるいはまたそのほかに考えられることは操作上のミスがなかったかという、この三点が事故の原因として考えられるわけなんですが、事件が発生しましてからもう一カ月以上もたっているのですが、この事故の原因究明に対する当局の措置はどういうようにしられているのですか。その点をひとつお伺いします。
○坂野政府委員 お答えしまます。 先生の御指摘のようないろいろな問題が考えられます。そこで、とりあえずこういった施設の問題、運転の問題等において何か間違いがなかったか、そのような問題を含めましていま鋭意調査中でございまして、目途といたしましては三月末までに少なくとも中間的な報告を出すように、いま努力をいたしておる段階でございます。
○千葉(七)委員 私、現地を見まして感じたのですけれども、確かにいま局長さんおっしゃるとおり、災害を防ぐためにとりあえず門扉にガス溶接かなんかで穴をあけた。ところが、その穴が小さかったので、その上にまた大きな穴をあけてそうして排水した、こういうことなんです。ところが、私が参りまして調査をしましたときは二月三日ですけれども、上に大きな穴をあけても、なおかつ水がさばき切れなくて、大体二十町歩程度くらいの水田が三日の日もなお冠水をしておった、こういう実態でございました。これから融雪、降雨期に入るわけですが、もちろん現在では約二メートル門を上げたのでありますから、そういう災害は再びこうむるようなことはないと思いますけれども、もし降雨期にそういう災害が起きて、長雨等が続いたというような状態であれば、その被害は非常に大きくなったのではなかろうかと思うのです。現地を見ましてそういうことを考えましてりつ然としたわけなんですけれども、そういう点、おそらくこれから再びそういう事故が繰り返されるというようなことはないと思いますけれども、今後におきましても、もしそういったような事故が起きるというようなことになると、災害が甚大になるおそれが非常に強いわけでありますから、その点に対しましては十分設計等についても周到の注意をもって行なってもらいたい。そして再びこういう災害が起きるようなことのないようにして、十分注意を払っていただきたいのです。 つけ加えてお伺いしておきたいことは、あの水門が完成をして、そして堤防等も工事が完了した後においては、あの水門の操作は一体どこがやることになるのですか。その点をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○坂野政府委員 これは現在先生の御指摘のように試運転中でございまして、河川部長もその水門の視察を兼ねて、実はかんがい視察ということで行く予定であったということを私は聞いております。 それからまた、試運転が済みまして、この事故原因の究明を済まして、すべて問題が片づきましたら、私の考えとしては、これは県に引き継ぎまして、県の責任において水門の調査をやらすというぐあいに考えております。 なお、先生おっしゃいますように、今後の出水に備えまして、できるだけ私どもとしては、再度こういう災害の起きないように十分気をつけて、注意してまいりたいと思っておりますので、今後ともひとつよろしくお願いいたします。
○千葉(七)委員 そうしますと、この水門の操作の責任は、県の土木事務所がやる、こういうことになりますか。
○坂野政府委員 そのとおりでございます。
○千葉(七)委員 了承いたしましたが、いずれにいたしましてもこれは全くの人災であります。したがいまして、町村等から災害に対する応分の補償等の要求がありました際には、十分ひとつ国の責任で配慮をしていただきたいと存じます。 以上で私の質問を終わることにいたします。
○辻原委員長 林百郎君。
○林(百)委員 私の質問は、気象行政の問題と、それから東京の江東地区のいわゆるゼロメートル地帯といわれておりますが、この二つの問題をきょう質問しようと思ったのですが、時間の関係上、東京のゼロメートル地帯の質問は割愛したいと思いますので、この関係の政府委員の方はひとつお帰り願いたいと思います。 そこで、気象行政の問題について、主として気象庁の関係の方に質問したいと思います。 ことしの一月の低気圧の問題にもからめまして、これが急速に発達して台風並みになってきた、こうした中で、台風、集中豪雨、あるいは地震、津波などの観測予報体制の拡充強化が多くの国民から要望されてきておる。一昨年の飛騨川事故の直後、衆議院の当委員会で天気予報の精度向上のため「気象観測網の大幅な充実強化」、それから「気象業務に従事する要員の確保」、そしてその待遇について特別な配慮を行なうようにという−これは一昨年の九月十九日に「自然災害の防止に資するための気象業務の整備拡充に関する件」というのが決議されているわけです。さらにその後、大阪、京都、新潟の府県議会をはじめとして全国の多くの市町村議会でも同様な決議が行なわれ、府県議会の代表や市町村長がみずから気象庁に行って陳情しておる、こういう実情なわけですけれども、これは気象庁は知っているわけですね。ところが、本年度の予算関係だけ見ましても、気象業務関係だけではわずか七%の伸び率ということで、予算関係も一般の予算の伸び率よりはずっと下なわけですし、それから地上気象観測装置の整備が五十カ所要求したのに十五カ所しか実現できなかった。それから予警報一斉伝達装置の整備が要求二十二カ所が十二カ所、それから農業気象業務の整備が全く不承認、それから地震観測施設の改良に関して電磁地震計の更新は、十九カ所要求したのに六カ所しか認められないというようなことで、当委員会の一昨年九月の決議、それから各国民が素朴にいわば天気予報、そのほか気象予報を正確に、敏速にしてもらいたいという要望や、各都道府県・市町村議会の要望が、現実には無視されている。この線に沿えないどころか、むしろその業務が縮小している状態だ。あるいは人員の整理も、二百三十七名も人員整理するというような状態である。これは当委員会の決議の線、期待に沿うことにならないのじゃないでしょうか。あるいは気象業務の整備拡充ということでどういうことをお考えになっているのですか。その点をまずお聞きしておきたいと思います。
○吉武政府委員 お答えします。 何といっても気象業務の根拠といいますか、目的とするところは、災害を未然に防ぐことで、気象業務の面で協力していくことだと思います。私の考えを率直に申し述べさしていただきますと、災害が起きた、ある場所に集中豪雨が起きた、そうすればそこに観測所をつくるというようなことではこういう問題は解決しない問題だ。御承知のように、日本列島というのは非常に小さな島でございます。まわりに大きな海を控えております。それで気象現象は海の上から日本の島へ移動してくるわけでございます。ですから、やはりそういうような日本列島の上だけの問題でなく、広い海の上のデータをわれわれは集めて、しかも集中豪雨というのは、どういうふうな機構で起こっているかということを知らない限り、はっきりした進歩はあり得ない。そういうようなかなり広い意味で気象業務というものを考えていただきたい。 非常に抽象的なことを申し上げたかもしれません。先生が御指摘になった地上気象観測装置の整備ということで五十カ所のうち十五カ所しか認められていない、これは今年度初めて認めていただいた初年度にあたります。私も決して十分な数ではないと思っておりますが、やはりまだ来年もそんな見通しだということは、私、何も考えておりません。初年度として一応手をつけるということで私は納得したわけでございます。それから、一斉伝達装置の二十二カ所が十二カ所というのもあと十カ所残るわけでございまして、これは年度計画でずっとやってきたことでございます。特に先生のおっしゃった飛騨川の事故以来、やはり情報伝達ということで、こういう面では力を入れてまいりました。特にまた、今年度予算としていま一応内示を受けているレーダー情報の伝送網というものが名古屋と東京に認められました。したがって、名古屋レーダーの情報が名古屋付近の気象観測所に絵の形で送られるという装置も、一応立年は可能になるんではないかと思っております。 農業気象につきましては、いろいろ問題がごどいました。しかし、いままでのいろんな水利とか水害とか、そういうためにつくった観測所もたイさんございます。このあたりでひとつそういうような観測所、測候所以下の小さな観測所の全体の整理をしてみたいというように考えております。 それから地震観測でございますが、これも年旺計画でまだわずかの数が残ったということでございます。 最後に、先生のおっしゃいました人員整理のことでございますが、気象庁としては三年間に二百三十七名削減することになっておりますが、これは非常にしんどい話ですけれども、私たちはもうきまったこととして一応その方向で考え、また、もうこの三月末が二年度の終わりになりますが、一応実行計画もつくって職員ともよく話し合いながら、気象業務サービスの点で落ち度のないようにいま実施しつつあります。 以上であります。
○林(百)委員 いろいろな問題がありまして、聞いていけば限りがないわけですけれども、それでは人員の整理の問題についてしぼって、ひとつ突っ込んでお聞きしたいと思うのですけれども、私のほうへ全気象の労働組合のほうからいろいろの陳情が来ているわけです。これを読みますと、「気象庁の職員は、冬の富士山、台風期の海上観測、離島、僻地といった厳しい環境の中で、測候所では四名〜七名、気象通報所は二名〜三名、地方気象台でも二十名〜三十名の人員で、気象災害を防ぐための仕事に昼夜交代であたっています。このようにぎりぎりの人員ですから、定員が一名減らされても交替勤務が不可能になって」しまって、非常な大きな支障を来たしてしまう。気象庁では、この人員を削減するために、「約三十カ所の気象通報所の廃止や、観測回数の削減、」これは後にお聞きしたいと思いますが、一日観測、この点や観測回数ですね。大阪ではすでに一日二十四回の観測を八回に減らしておる、こういうことをして「約三十カ所の気象通報所の廃止や、観測回数の削減、測候所の天気予報の作業を中止したりして、政府の定員削減の方針を受け入れようとしています。」これでは私たち国民の側からいえば、国民にサービスする気象業務が、定員削減のために本来の任務を全く失ってしまう。あなた、気象庁長官として責任を持てるのですか。たとえば一日二十四回の観測を八回に減らしてしまう、それから各府県で地方気象台の予報官わずか一人だ。天気予報は府県の地方気象台の予報官が一人で毎日、昼でも夜でも出さなければならないし、それぞれの住民からは問い合わせも来るでしょうし、材料も提供しなければならないでしょうし、こういうような全くいまの人員でもぎりぎりのところを、また二百三十名以上減らすということは、もうこれは気象業務の能率、機能、住民へのサービスを落とすことなくしては不可能じゃないでしょうか、どうお考えになります。
○吉武政府委員 お答えいたします。 通報所の問題につきましては、私はこう考えております。御存じのように、気象現象というのは場所によりかなり違いが大きいことは、先生よく御存じだと思います。ほんのちょっと離れていても、もう片方は雪、片方は晴れているということもあるわけです。ですから、私たちの考えは、そういうようなことはやはり面積的に現象をとらえなければいけない。それは通報所を置くということでは決して解決しない問題だ、それはやはり新鋭の気象機械、レーダーというようなもので降雨域をつかむ、そしてそのレーダーのまだ足らざるところはやはり観測所というようなもので補っていく、そういうような立場をとるよりしかたがないと思っております。 それから大阪の観測通報を、二十四回を八回という問題は、前国会でもずいぶん問題になりましたが、気象観測というのは、われわれは絶えず間断なく行なっている、ただあるきまった時間に電報を打つ回数を、二十四回を八回にしただけでございます。大阪でも昨年以来、二十四回通報を八回通報にいたしましたけれども、気象サービスの面では別にこれといった国民の皆さんからの非難はそうあるとは思っておりません。私はこの辺で十分だいじょうぶだということを確信して実施に移しましたし、結果も予期したとおりだと私は思っております。 それから、二百三十七名を減らしたら気象業務は致命的な被害を受けるのではないかというお話ですが、私としても決して、こういう定員削減は楽なことだとは思いませんけれども、これは一応そういう政府の方針にのっとって私たちも協力しているわけでございます。何とか気象サービス業務でそういう点に手落ちのないように万全の努力をいたしております。 以上でございます。
○林(百)委員 政府の方針だから受け入れるということは一応わかりますけれども、しかし、政府の方針が無理で、国民にサービスする本来の目的を持っている気象業務の能率が低下する、あるいはそれが十分に責任が果たせないという場合には、国会で率直に言われればわれわれは決議もするし、政府へ要望もできるわけなんです。ところが、あなたがそういった何も差しつかえありませんということでは、われわれは何も協力のしようがないので、正直にここで言ってもらうことが必要じゃないでしょうか。国会で答弁したからといって、あなたの一身上に影響があることもない、そんなことがあれば、これはたいへんなことです。国会は国権の最高機関だから……。(「あるんだよ」と呼ぶ者あり)あればあるでそれを言ってもらえば、われわれ国会もまた協力しなければならないと思うのですね。たとえば気象レーダーがあるというのですけれども、これは全国十五カ所だそうですが、これは一カ所四名で、全気象労働組合の陳情によりますと、それはレーダーで機械化することはいいけれども、その機械化した部門の人員も、これは自衛隊の例が出ているのですけれども、自衛隊の三分の一だ。そうすると、やはりいま気象庁で行なっている、かりに機械化して気象レーダーを設けても、そこに一カ所四名の配備では、これは不十分ではなかろうか。現に自衛隊では十二名配置している。しかも一日に四回の観測しかできないということでは、気象レーダーを設置したから私の質問する趣旨が満たされるということにならないんじゃないですか。大体レーダーの要員が自衛隊の三分の一だというのはそうですか。
○吉武政府委員 はっきりした数字は覚えておりません。気象庁のレーダー要員よりは多いということは聞いております。向こうのレーダーというのは、おそらく気象だけでないんじゃないか、いろいろな観測に使われておるんじゃないかと思います。 それから、気象庁で四名割り当てている人員は、決して私は十分とは思っておりません。それは、いままでのいわゆる気象観測というところに、こういう新しい新鋭の武器が入ってきた。そこでわれわれは頭を切りかえて、やはりいままでの観測と新しいレーダーとのコンビネーションをいかにつくっていくかということで、レーダーの人員については、部内的に人員を操作してこれは強化につとめたいと、目下鋭意努力中でございます。
○林(百)委員 それはあなたのほうの方針で、「定員削減と気象業務のあり方」という案があって、これは私ども拝見しているわけですが、機械化その他の方法によって充実するというのですけれども、その機械化をしても、二百何十名の人員を減少させるということは、それは気象業務の能率を落とすことになるし、機械化したから人員は減らしていいということに必ずしもならないんじゃないですか。たとえば、あなたのほうでやられたアデスの導入問題を見ましても、アデスを導入したからといって、やはりこれには相当なれるための訓練の期間も必要だし、その間には相当の人員をそこへ配備しておかなければならいし、だから、人は減る、そのかわり機械をいわゆる機械的にそこへ持ってきたって、それで気象業務を果たすということにはならないんじゃないですか。 そこでお尋ねしますが、この各府県の地方気象台の予報官、要するに天気予報官というのは各府県に一人しかいないのですか、まずこのことをお聞きしたいのです。
○吉武政府委員 最近二名になったところもございます。しかし、先生のおっしゃるように、一名のところが大部分でございます。
○林(百)委員 各府県の気象台の天気予報官がわずか一人で、これで仕事をやらせるというのは、これは全く過酷なことじゃないないですか。ことに最近、住民の生活が気象の予報と密接な関係を持つ科学的な生活体系になっていますから、ここに天気予報を求める要求が非常に広範に、しかも強くなってきていると思うのですね。そういうものにただ一人でこたえさせるなんというのは、これは全く殺人的な業務じゃないんでしょうか。 その資料として、私のほうで、気象庁の在職中の死亡者を調べてみましたら、これは毎年毎年多くなってきている。四十二年に七人だったのが、四十三年では十四人、四十四年には十九人、これは病死もいろいろありますけれども、基本的には、治療するひまがない。もっと早く病院にかかって治療すれば生命の助かるのも、とにかく一人でやらなければならない、自衛隊の三分の一でやらなければならない、一人でも職場を抜ければもう余裕がない状態になっておる。それは病気だということがわかっておっても病院へもかかれないという状態になっておるのではないでしょうか。死亡率の増加は、この数字はどうですか。
○坂本政府委員 お答え申し上げます。 最初の予報官の問題でございますけれども、予報官としては、確かにいま長官がおっしゃいましたように、多いところで二名、ほとんどは、たいていの府県予報官署では一名でございます。ただしこれは予報官という定数上の問題だけでありまして、予報業務に当たっております人間は係長、課長その他いろいろな人を動員しまして相当の員数でやっておるわけであります。ただ、定数上の問題として、予報官の定数がなお十分にとれてないというきらいは確かに先生おっしゃるとおりでございます。これは今後私どもがなお努力いたしまして、その辺の定数確保には努力をしなければならないところでありますが、現実の予報作業は定数の上でもらっている予報官一名が当たっておるわけでは毛頭ございません。 それから第二の御質問でございますが、御指摘のとおり、ここ二、三年気象庁職員の死亡率は、いま先生おっしゃいましたように的確に数字は私も覚えておりませんが、年々漸増の傾向にあることは確かでございます。病気の原因その他についていろいろな見方があり得るとも思います。大まかに申し上げますと、四十歳以上のいわゆる成人病と申しますか、これが大方の要素を占めるわけでございます。そのために私どもあらゆる努力を傾注しまして、一番基本的には早期診断、早期にその病気の発見ということにつとめることであろうと思います。定期診断等のそういったシステムもなお一そう強化して、職員の健康管理に十分に努力していきたいと考えております。
○林(百)委員 いま気象庁の人員は、総員どのくらいでしょうか。
○坂本政府委員 六千百五十七名であります。
○林(百)委員 ここにいま私の持っている資料は、海上保安庁約一万九百名ですが、気象庁の倍の人員を持っていますけれども、四十三年度中の死亡者は十八名、ですから、もう海上保安庁の死亡率から見ても、全職員と死亡者の比率からいくと倍になっていると思うのですね。気象庁のほうは四十四年度の死亡者、海上保安庁のほうは四十三年度で十八名という数字が出ています。あなたの言われるように、大体平均年齢が四十五、六歳、ほんとうに働き盛りですね。四十五歳前後の人たちの病気を見ますと、たとえば、肺結核だとかじん臓、肝硬変だとか胃かいようだとか、これは早く医者にかかれば何とか処置のできるような成人病になっておる。いま天気予報の予報官の質問をいたしましたけれども、それは予報官一人が予報しておるのではなくて、他の職員が協力するというけれども、予報官と名がついておる以上、責任は予報官なんですから、他の人たちはそれに協力するわけですから、各府県に一人しかいないという予報官としての任務自体は他の人が援助してくれたにしても、やはり一人が朝から晩まで予報官としての責任を果たすということは、相当の重労働だと思うのです。 それから、もう一つの問題は同じような性質の問題で、北日本の冷害、西日本の干害対策などで、一道十四県で農業気象を行なっている。これはそうですね。——しかし、これも県内一人で二十から六十カ所の観測所の仕事をしておる。宮崎県あたりの要望では、少なくとも九人はほしいと言っておるのですが、これはそうですか。一人で県内の二十から六十カ所の観測所の仕事を引き受けておるということですか。
○坂本政府委員 これは多年にわたりまして、いま先生御指摘の一道何県にわたります農業気象を実施しておりますが、定員のつき方が実は年次によりまして異なってきております。一番最初のころ特に北海道、東北、九州南部等につきましては、当初定員三名づきましたが、そのうち二名になったり、いよいよ最後の段階で、昨年、昨年あたりは観測個所数に比例して定員は一名というふうなつき方になってきております。その意味におきまして、特に一名のような事態になりましては、展開いたしました農業気象観測装置の保守点検に若干のしんどさが伴うことは事実でございますけれども、正確に試算をいまここでしたわけじゃございませんが、たとえばいまの宮崎県一県等につきまして、その他の業務との関連の上でやはりその農業気象も実施しておりますので、端的にそれだけ取り上げて、そのために特別に九名要るというようなふうには実は私ども考えてはおりません。そういう数字は出てこないと思います。しかし、いま明確な返事はできかねますが、必ずしも十分な数字で十分な定員をもらっているとは申し上げかねますけれども、めちゃくちゃにそういうふうな不足を来たしておるものとは私ども考えておりません。
○林(百)委員 最初に私がお聞きしましたように、農業気象業務の整備費、これは要求金額たしか約二億近くだと思うのですが、これが不承認になっている。その上農業気象を県内二十から六十カ所を一人で——まああなたは必ずしも九人要らないと言うけれども、一人で十分だとも言っていないのですね。これでは農業気象なんというのは当てにならないことになるのじゃないですか。だから、農民の側からいうと、農民の長い間の経験と勘でもって寒いのに対する対策をやるとか、あるいはそのほかの気象の異変に対してやるよりほか道がないので、気象庁の事前の通報が適切に来て、そのために農業被害が救済されたなんという例は、私も長野県だけれども、最近聞かないのだが、これであなた方気象庁としては、農業に対して気象業務が十分サービスをしている、そして責任が持てる、気象からくる農業被害に対して責任持てると言えるのですか。何しろ県下で一人しかいなくて、しかも数十カ所を引き受けなければならない、せめて整備のための予算を要求したところ、それは全部帳消しというのでは、農業気象というのは気象庁の業務からはもうほとんど軽んぜられて、農民はこれで期待できないといっても過言でないと思うのですが、その辺についてどうお考えになりますか。
○坂本政府委員 全般の業務との関連の上で、これは実は観測機械のさらに一そうの近代化といいますか、故障などの起こる回数を少なくするくふうをこらしましたりするようなことで、できるだけ職員にかかる労働の強化の度合いを少なくする方向につとめたいとは考えております。また現在、そういうほうに鋭意努力中でございます。 それから一般的に農業気象の問題、予算要求二千万円でございますけれども、今般の四十五年度の予算要求では認められるところになりせまんでしたけれども、これは私どもの申し上げるようなことではないかもしれませんが、ひょっとして国全般のいわゆる農業政策全般にかかわるようなこととの関連かとも思いますが、当庁の本来の仕事のあり方からいたしましても、私どもが本来の気象学上の観点から、観測点を十分に展開しますれば、それが農業にも、大気汚染にも、その他いろいろなものにも副次的に役立つといったようなかっこうでの観測点の展開というのが本来の私どもの任務だと考えております。その意味でこの際、農業気象が認められませんでしたことを契機としまして、言い方が妙かもしれませんが、明年度から新しい観点のフィロソフィーで気象観測点の展開というものを全然新たな哲学で発展、充実化していくように努力していきたいと考えております。
○林(百)委員 最も科学的なるべき気象業務に哲学を持ってこられたんでは、これはおよそ次元が違ってくるので、それほど苦しいのだということで私のほうは聞いておきましょう。そこへいくとどうもかみ合わなくなってくるわけです。 それから同じ問題で、地震津波の警報発表は地震発生後二十分以内にきめられておる。これは至急やらなければたいへんなことになるわけです。ところが、各管区気象台とも津波の予報官は二名から四名だ。この人員もさることながら、夜は一名になる。これはそういうことになりますか。各管区気象台の地震津波警報の津波予報官は、夜は一人でその責任を担当するようになっているというのですが、それはどうですか。
○坂本政府委員 実は地震の一般的なワッチは、通常の地上観測のワッチと複合的に行なっております。したがいまして、たとえば先ほど二十四回から八回に減らしました大阪のような例について申し上げますと、昼夜間を通じて実は三名おります。夜間の場合には二名観測員がおりまして、一名津波調査官がおることになります。したがいましてその際は、地震等いろいろなものが起こりました場合には、当然にその観測員がそちらのほうの手伝いもしたりいろいろしたりすることになりますので、その辺の心配はまずまずないものと私どもは考えております。
○林(百)委員 先ほどからお聞きしますと、たとえば天気予報官は県内一人でも、それはいろいろの人たちが相互にその業務の不足分を補うとか、あるいは農業気象は県内で一人でも、それの多面的な業務の面でこれを補うとか、あるいは津波予報官も償うとか、そういう答弁ですけれども、しかし償う人自体だってそのプロパーの責任があるわけなんですから、それは万一の場合にはお互いに援助し合うかもしれませんけれども、当面のそのもの自体の責任者がこれでは、各府県の天気予報官が一人だとか、あるいは農業気象担当者が県内に一人だとか、あるいは津波予報官が夜は一人だとか、援助し合うといったって、援助し合う人たちだって、それはたいへんな責任を、それぞれこまかい技術的な仕事をやっているわけですから、持っているわけでしょう。だから、その総合的な上に立っての当該責任者が一人というようなことは、これは非常に大きな支障を来たすことになりませんか。今度のいわゆる一月の異常な低気圧現象ですね、これなんかも予報がもう少し早ければ、そうして事前の警戒が発せられれば、これほどの被害は起きなかったろうということは一般的にいわれているわけですね。災害のたびにそのことは出るんですよ、気象庁の通報が非常におそかったとか、あるいは正確でなかったとか。まあ間違ったとまでは皆さんの名誉のために言わないでおきましょう。しかし間違っていたというまで出ておる。飛騨川の例もそうですがね。だから、やはり国民の要望を——いまの体制では不十分なら不十分だと正確に言ったらどうですか。十分だと言っていれば、ああそうですか、国会は協力のしようもないし、予算もそれではいいのか、人員もそれではいいのかということになりますよ。率直に、これは国民の生活にとって重大な責任のある仕事をしているのだ、国会でも御協力願いたい。こういう点で非常に不足をしているのだと、別に団体交渉やっているわけじゃないのだから、あなたそこをよく考えてもらなければ。われわれ国会議員だから、国民全体の気象業務はどういうことになって、国民の日常生活の安定が気象という科学的な業務と十分結び合ってその責任は果たされているかどうかということを聞いておれば、あなたの答弁は、まるで団体交渉でもやっているように、そんなものは十分できるはずだ、いやそれは十分補充し合ってできるんだというようなことで言ったのでは、これは国会の協力もしようがないわけですよ。たとえば東京都のゼロメートル地帯のことを私のほうでも調査してみたんですが、もし関東大震災級の地震が起こった場合、東大と建設省の共同調査では、河川の堤防が決壊した場合、江東デルタ地帯の九〇%程度が水没し、生き残れる者は二人のうち一人にすぎないといわれ、満潮時の高潮や家屋の密集地帯の火災などが重なった場合には、さらに大きな被害が予想される。だから、こういう場合は、これは何も気象庁の責任だけではないですけれども、一刻も早く地震あるいは津波あるいは高潮の予報を住民に与えて、至急対処をさせなければ、これは取り返しのつかないことになるわけですね。そういう観点からいって、ひとついまのをもう一度——気象庁としては、人員の削減あるいは本年度の予算の現状あるいは現在の業務の実情からいって、こういう万一の場合に責任を果たすことのできる体制だとここで言い切れますか。これは気象庁、さっきからこちらの方ばかり答えているから、だんだん長官黙ってきちゃっていけないから……。
○吉武政府委員 決して私も満足しているわけではございませんけれども、やはりこれをこうすれば必ず皆さん方におほめいただけるような効果がてきめんに出るというものについては、私、異論なくお願いするつもりですけれども、気象現象というのは、なかなか煮ても焼いても食えないという面がございまして、その点なかなか私も苦慮しているところをお察し願いたいと思います。
○林(百)委員 私は、気象庁の職員の皆さんというのは、最も科学的な方々だと思ったのが、きょうの答弁はなかなか非科学的な、煮ても焼いても食えないのが気象だと言われたら、われわれはどれを根拠にして気象の正確な情報をとったらいいかということです。 もう時間がありませんので、このあと一問でやめたいと思いますが、なおこの全気象労働組合の陳情を見ますと、そのほか「全国九カ所の活火山観測所がありますが、一カ所二名〜三名です。そのほかの火山は放置されたままです。」だから活火山がたくさんあるのですけれども、全国に九カ所しかない。活火山観測所が。それも一カ所二、三名だ。第二は、「海洋観測は五つの船でおこなっていますが、欠員のまま出航することさえあります。定点観測は、五月から十月までの夏期に限って、一カ所でおこなっているだけ。冬は観測資料さえ入りません。」それから、「スモッグなどの公害対策のための気象観測、調査は地方自治体まかせになっています。」こういう事例が出ているわけなんでして、これは事実かどうか。 そこで、私は時間がありませんので、きょうの質問はこれで終わりますけれども、私たちとしてはもっともっとこの気象業務を整備拡充すべきである。それから人員もそんなに——最も科学的でなければならない気象庁の職員が、そんな労働の強化をされて、最も緻密な頭脳を必要とするのが、人間的な頭脳の作用もしないような労働条件では、これは科学的な緻密な仕事ができないと思うのですよ。そういうことをもっと率直に国会で——この次また私、質問するかもしれませんけれども、見直すような、そういう点でのひとつ答弁を準備されて、国会への協力を求められたらどうか。 これだけ私申しまして、私の質問を終わりますけれども、いまの三点、全国九カ所の活火山観測、それから海洋観測は、冬は観測資料が入らぬ、スモッグ公害対策は地方自治体にまかせる。これは事実関係はどうか。これだけ聞いて、私の質問を終わります。
○吉武政府委員 火山のほうは、先生のおっしゃるとおりでございます。 それから、本庁に機動班というのがありまして、たとえば、もう過ぎてしまったことですが、松代みたいな地震があると、そこへ臨時に機材を持ってある期間出かけて、臨時の観測体制をとるということやっております。というのは、火山にしろ何にしろ毎日の現象ではございませんで、やはりわれわれが災害を受けるというようなときというのは、火山になると何年に一ぺんというようななにですから、あまり常時人をそこに張りつけておくということは私たちとしてはできませんので、そういう面で機動班というようなものを利用しております。 それから、定点観測船が五月から十月というのは、これは台風期に備えて、四国の南二百何十キロでございましたか忘れましたが、そこに備えてあるわけで、そういう意味で五月から十月というように限定いたしておるわけでございます。これは海上保安庁の協力を得て、私たちの観測員が乗り込んでいってやっております。 それからスモッグのことでございますが、私、先生の御質問の趣旨がよくわからないのですが……
○林(百)委員 スモッグ公害対策のための気象観測や調査は、気象庁自体でなくて地方自治体にまかせ切りで、気象庁自体スモッグの公害対策——いまはスモッグが出ますと、東京なんかは自動車がこんなに密集していますから、すぐ自動車事故が起きたり、いろいろスモッグがどういう状態かということは、これは、昔はロンドンが象徴的にいわれましたが、いまは東京でもたいへんなんですね。これは気象業務の重要な一つの——今日のわれわれの生活にとって重要なことですが、これが地方自治体にまかされて、気象庁自体が対策のための業務をやっていないのですね。
○吉武政府委員 スモッグとか公害についてスモッグ情報といいますか、警報が出るようなときに、それがどのぐらい続くとかというようなことは、やはり気象の安定とかそういうことが問題になるわけでございますから、そういう面で私たちは、地方自治体に対して力一ぱい協力しております。しかし、気象観測自体ということでなくて、いわゆるスモッグとか公害とか、そういう問題には、気象庁の範囲を出ておる問題もございますし、その辺はやはり地方自治体といわず、その関係のところと協力しながらやっていくべき問題だと私は思っております。
○林(百)委員 それでは、私はこれで終わりますが、地方自治体が主体で、気象庁としては、本来のその業務をやっておらない。ところが、スモッグ公害というのは、近代的なわれわれの生活にとっては非常に密接な関係を持つので、これは本来最も科学的な気象業務をやっておる気象庁が責任をもって行なうべきじゃないか。ところが、そういうものが地方自治体にまかせ切りになっておる、これははなはだ遺憾な事態であるという質問を、私はしたわけですけれども、もう私はこれで質問を終わりますが、どうかひとつ、平均賃金からいっても全気象の労働者の諸君の賃金も非常に——非常にと言ってはいかぬですけれども、平均の公務員より安いようですし、やはりこういう職員の皆さんの協力がなければ、こういう緻密な、科学的な業務はできないわけですから、ひとつ十分職員諸君の要望を聞かれ、なお気象庁の長官だけでできない場合は、国会でも全面的に協力するつもりですから、ひとつ鋭意努力をしてもらいたいと思います。
○辻原委員長 本日はこの程度にとどめ、次回は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。 午後零時三十分散会