公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第7号
- 発言数
- 60 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1970/07/02
会議録
○吉田委員長 これより会議を開きます。 公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。 この際、中村選挙部長より発言を求められております。これを許します。中村選挙部長。
○中村説明員 先月二十五日の官報によりまして、昭和四十四年の政治資金に関しまする収支の状況を公表をいたしたところでございます。この機会にそのごく骨子につきまして御報告を申し上げたいと存じます。 四十四年におきまする収入、支出の総額につきましては、特に下期におきまして総選挙があったというような事情も加わりまして、その総額は、前年よりも三五%伸びまして、収入の総額が二百五十七億でございます。支出につきましては二百四十五億ということになっております。 これをここ一、二年と比較いたしますと、四十三年が百九十億でございました。また四十二年が百八十六億という数字でございまして、申し上げましたように、四十四年は四十三年に比較いたしまして三五%の収入増という形になっておるわけでございます。そしてその収入の中に占めます寄付の割合でございますが、四十四年におきましては約七十三億でございます。四十三年も大体七十三億ということで、寄付の総額は横ばいの形でありますが、収入全体がふえておりますので、全体に占めます寄付の割合は、四十三年が三九%でございましたに対比いたしまして、四十四年は二八%というふうに、三九から二八に総体の割合は低下をしておるという届け出でございます。これを五大政党について見ますと、五大政党の総額が百二十四億ということでございまして、大体収入、支出ともに全体の半分近くが五大政党によって収支されておるところであります。 五大政党の中では、一番収入、支出が伸びましたのが民社党本部でございます。収入において十三割近く、支出において十五割近い伸びを見せております。その次に伸び率の多かったのは社会党中央本部でございまして、収入、支出とも七割程度の伸びということになっております。その次が公明党、次が共産党、自由民主党が最後という形でありまして、二二%前後の増ということになっております。もとより額におきましては自由民主党が最も多額でありまして、収入五十二億、支出五十三億というような形でございます。 寄付の点につきましては、大体五大政党につきましては従来と同様、四十三年と四十四年で比率その他につきましては大きな異同はないように存じております。 それからあと、二十五団体ほどがかなり大きな収支をやっておるわけでありまして、五大政党を加えました全体三十団体程度で大体届け出のありました収入、支出の総額のそれぞれ八割程度までを占めておる形になっておるわけでございます。なお届け出のありました団体数は約六百でございます。政治活動をやる団体ということで届け出のありますところが千三百ございますので、したがって未届けのものがかなりございます。私どもとしてはそれぞれの団体に連絡のつく限りは御連絡を申し上げまして、報告書の提出の励行という点について注意の喚起をいたしております。したがいまして、これからあともなお報告書の提出について督促をいたしますので、かなりの数は追加をして届け出があるものと考えておりまして、それらにつきましては、まとまり次第さらに追加公表という形に運びたいと存じておるところであります。 以上概要について御報告いたしました。
○吉田委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。鍛冶良作君。
○鍛冶委員 前回の委員会だったと思いますが、昨年の暮れの選挙で個人演説会が自由になった結果、まことに現実上考えられないような事実がありましたので、その点について実地調査をお願いしておいたはずです。これは私の県の選挙についてですが、一日に二十回ないし二十五回、二十日間もやっておった。合計五百回くらいもやっておるだろうと思います。私は事実上そういうことはできないことだと思うし、できなくても看板上げるだけならいいかというが、これに伴う弊害というものは予想できます。こういうことが続いては、選挙法改正になったことの悪用であると私は思うので、こういうことを不問に付しておいたのでは将来に大きな禍根を残しはせぬか、こう思いますので、この点の実情を調べて、何かそこに注意しなければならぬことがなかったかどうか、この点を調べてもらうように、自治省並びに警察庁に申し入れておきましたが、お調べができておるはずだと思いますから、できておりましたら、その点についての自治省及び警察両方の御報告をお願いいたしたい、かように思います。
○吉田委員長 警察からは見えてないそうですが、自治省から……。
○中村説明員 過日の当委員会におきまして、ただいま御指摘のありましたような点につきまして鍛冶委員からお話しがございました。御指摘になりました点は、個人演説会の開催回数をめぐる問題でございまして、先般の法律改正によって新しく回数制限が撤廃された直後の問題でもありますので、御指摘の点はたいへん重要なことだということで、関係者の間で慎重に事実の把握につとめたところでございます。鍛冶先生から御指摘のありました選挙区の当該候補者につきまして、選挙管理委員会を通じて調査いたしました結果、当該候補者は個人演説会を十二月十日から二十五日までの十六日間に二百六回開いたというふうに、これは収支報告書によって把握をしております。 なお、たまたま同選挙区におきましては、個人演説会の周知欄というものを地方新聞が設けられて、こまかく報道をされておったようであります。それによりますと、二百五回ということになっておりますが、大体二百五、六回というふうな事実関係であると承知をいたしております。日によりまして、回数が違っておるわけでありますが、新聞の報道並びに収支報告書の記載はほぼ一致しておりまして、私どもとしては十六日間に二百六回の開催というふうに事実関係を把握をしておるというふうに存じておるわけでございます。演説会の開催の態様につきましては、確かに一般の候補者よりもかなり回数が多いようでありますので、それらにつきまして事実関係はどうであったか、るる調査してもらったところでありますが、やはり回数の関係もありまして、中には若干規模の大きい演説会もありましたが、多くは小規模の演説会であって、代理人による演説会が多かったというふうに報告されております。いずれにしても、事実を調査しました県選挙管理委員会としては、一般よりも回数が目だって多いのは事実であるけれども、看板の掲示その他について特に直ちにいま問題があるとまでも言いかねるというような事実関係のように報告をいたしてきておるわけであります。 なお、候補者の収支報告書によりますと、一会場当たりの開催費用は大体二千三百円という平均でありまして、少ないところが一ヵ所千円、多いところが三千円程度で経理をしたということでありますが、いずれにしましても、一般的には鍛冶委員の仰せのように当該候補者の個人演説会開催回数は、他の例と比較をして多いようでございます。私どもとしては、申し上げましたような事実関係の報告を受けております段階でありますが、さらにいろいろな面で研究すべき点は研究をしなければならぬというふうに存じておるところでございます。一応、中間的に御報告申し上げます。
○鍛冶委員 私はそれで問題を起こそうと思って言っておるのじゃないが、そういう報告だったら、そうですかというほかないが、かりにその費用が、どれだけですか、一ヵ所三千円にすれば六十万ですね。そんな費用を出しておったら、法定選挙費用で選挙はやれるわけはないと思うのです。そして、そういう本人も出ないし、事実上演説をやっていないで、ただ演説会場を開いたというだけで、費用はとっておる。そういうことになるとたいへんなことですから、私は将来そういうことがあっていいものか、悪いものかということをひとつよく研究してもらって、またこれに伴う弊害があるかないか、警察方面ともよく連絡をとってもらって、将来に対するあなた方の御見解を、きょう直ちにと私は申し上げるわけにもいかないが、今後でよろしゅうございますが、研究してもらった結果、御意見を伺いたいと思っております。それだけお頼みしてきょうの私の質問は終わります。
○吉田委員長 堀昌雄君。
○堀委員 ただいま自治省のほうで報告が簡単にございましたけれども、この間政治資金の届け出の大要が新聞紙上にも発表されました。その発表に基づいて各紙でいろいろな社説その他も出ておったわけでありますけれども、残念ながら現在の政治資金規制の問題は、この問題がクローズアップをされてから、内容はどうも望ましくないほうへだんだん発展していきつつあるというふうな感じがしてしかたがありません。いま選挙部長の報告でも、昭和四十三年には全体に対する寄付の割合が三九%であったけれども、四十四年は二八%に下がってきておる。年々実は寄付の部分が下がる。そのことは何を意味しているかというと、公開をされるところが減ってきておるということだと思うのであります。 そこで私は自治大臣にちょっとお伺いをしたいわけでありますが、現在政治資金規正法に基づいてこのような届け出を求めておる本来の趣旨は一体何なのか、自治大臣にお答えをいただきたいと思います。
○秋田国務大臣 主としては費用の公開という原則を主要に考えられておるのではなかろうかと存じております。しかしそればかりでもないと思いますが、その内容を明らかにしていくことが好ましいという考えに基づく面が多かろうと思います。
○堀委員 実はいまの公開の問題については、支出のほうはこれは確かに公開の原則になっておりますけれども、収入の側は、政党についてはこれは会費等の収入といえども寄付金に準じてこれを公表しなければならぬ、こうなっておりますけれども、その他の団体については、寄付金は公表しなければならぬけれども経常的な会費は公開しなくてもよろしい、こういうことになっておる。そこが一つの盲点になって、だんだんこのように三九%の寄付が二八%に下がってきた、こういうことだと私は理解をしておるわけです。特に自民党の場合には国民協会という一つの団体がありまして、この団体は政党でありませんから、ここが会費として取ったものは実は中身を公表しなくてよろしい。その政治団体である国民協会が今度は寄付金として自民党に寄付をされる、こうなるものだから、さっきの答弁の中にもありましたけれども、結局政党といえども半分ぐらいしか公開はされないということになってきておる。私は、そういう意味では、この政治資金の問題が非常にクローズアップされるようになってから、いまおっしゃる公開の問題というものは政治資金規制の精神に反してだんだん逆行してきておる、このように考えますけれども、大臣この点はいかがでございましょうか。
○秋田国務大臣 表面上あるいはそういう観測も見方も成り立つかもしれません。しかし同時に、政党その他政治団体はときとともに組織化をされてまいりまして、会費で経常的にまかなわれていくというような状態はだんだん進んでいくという点もあろうかと存ぜられるのであります。
○堀委員 選挙制度審議会で政治資金の規制が問題になりましたときの、一番主要な原則は、できるだけその会費というのは本来個人が負担をするものではないか、法人が会費という形で負担をしておるのはおかしいのじゃないかと実は論議になっておるわけであります。原則的に、選挙制度審議会の政治資金に関する答申は、長期的には、最終的には個人の寄付に限るべきである、ただ現行が法人の寄付が非常に多いし、その意味では過渡的に法人の寄付も認めようという原則に立っておる点からしますと、いまおっしゃる政党の組織化ということは個人の組織でなければならないのであって、政党が法人の組織化によって成り立つというのは、私はいかがなものであろうかと思いますが、大臣その点はいかがでございましょう。
○秋田国務大臣 原則的には確かに個人の寄付等によってあるいは会費等によってまかなわれていくというほうが好ましいと私も思います。しかし、現段階におきましては、必ずしもそれ一辺倒、理想どおりに直ちにいかない状況もありまして、現状においては個人ならざる会社等からの寄付その他があるということになっております。これあるがゆえに政党あるいはその他の団体の活動が腐敗をしておる、堕落しておるというふうに直ちに論断するわけにはいかない。初めにも申し上げましたとおり、個人の出費によってまかなわれるということが好ましい理想だと考えております。
○堀委員 私がいまちょっとそこにひっかかりましたのは、大臣は、政党が組織的になってそういう会費で運営されるようになったことは望ましいようなお話でしたから、私もそれは政党が個人の会費によって組織化されてまいることはたいへん望ましいと思うのですが、法人の会費が政党の資金として組織化されることは、どうも私はあまり望ましいことではないのではないか、やむを得ないという点はあるかもしれませんけれども、その点がちょっとひっかかったものですから、特にその辺申し上げるわけでして、やはり原則は原則として確認をしておきたいと思います。 そこで、結局、私どもこういう経過をたどっていきますと、資金を出しておる人たちというのが一体どういう形であるかということは、私は今後ますますわからなくなると思うのです。三九%が二八%になる。この間一一%も減ったわけで、金額は七十三億で同じだけれども、要するに収入総額がふえてくるわけですから、今後私は収入総額がふえてくるだろうと思う。政党本位の活動ということになってくれば、当然どうしても政党その他の費用が要ることになるでしょうから、ふえていくとすると、この次には、昭和四十五年度を調べるとこれは二〇%ぐらいになり、その次は一二、三%になるというようなことになると、私は実は何のために政治資金規制をしなければならないのか、本来の趣旨から非常に実態が離れてくるのではないだろうか。 そこで、この前総理がたしか参議院の予算委員会でありますか、最初総理は非常に熱意をもって政治資金に取り組んでおられたけれども、どうも今日時点では、これは選挙区制等をも含めて検討すべきだというような発言を新聞紙上で見たことがあるわけでありますが、この政治資金規制について四十四年のいろいろな経過を発表をされた今日の時点で、政治資金規制の法律的取り扱いは一体どういうふうにされるおつもりか、ひとつ自治大臣にお伺いしたいと思います。
○秋田国務大臣 確かに参議院の予算委員会であったか、総理から、いま堀先生御指摘のような趣旨の話もあったと思います。しかし、それがこの問題を取り扱う全部の理由とされたわけでもないと思います。私も、その点も確かに問題点はある、関係はあると思いますけれども、それだけが全部であるとは考えておりません。ただ、過去三回も提案をいたしましたにかかわらず、いつも審議未了、廃案となっておる過去の事実にかんがみまして、いろいろの点におきましていまだ各党の合意を得ない点があることは、この事実の結果が示しておるのでございまして、その点につきましてさらに検討を加えることによりまして何らかの合意点を発見することによりまして、なるべくすみやかに提案申し上げ、成立を期したいと考えております。しかし、それが直ちに次の国会に提案できるかどうかという点につきましては、いまだ確信を持つには至っておりませんが、せっかく検討中でございます。
○堀委員 選挙制度審議会の答申が出て数年になるわけであります。ですから私はこの前も総理にも本会議で申し上げたのでありますが、あの答申は私はりっぱだと思いますけれども、残念ながら与党の皆さんから見るとどうも問題があるということで、答申どおりのものが出されました最初の国会では、与党の皆さんの強い反対にあってこれがつぶれた。私どもは、大体政党政治というのが、現在与党が少なくとも責任をもってやるという形になっておりますときに、与党である当の政府の出したものが、与党の反対でつぶれるなどということは、どうも民主的な国会運営のルールから見てもいかがであろうかという感じが強くしておるわけでありますが、ひとつこの問題について、近くおそらく第七次選挙制度審議会も設けられるのだと思いますけれども、諸般のそういう現在の情勢を踏まえて、やや実行可能な案について再諮問をするというお考えがあるかどうか。いまあれが出たあのままのものだけでやろうとすれば、どうもなかなか問題が簡単に片づきにくいという点があるかもしれない。私は当時からそう言っておったのでありますが、いろいろな情勢から見て、多少時間がかかっても一つの目標をきめて、それが実現できるようにしたい。たとえば、この問題については三年の経過規定を置きたいとか、あるいはこれについては二年でやるとか、何らかの経過期間を置きながら、しかし目標には確実に到達するようにやるということでなければ、いまのようなあり方で、政治資金規制を一体いつ政府が提案するかもわからないし、先の見通しが何もないという状態は、民主的な政治について大きな禍根を国民の前に残すことになるのではないか。やはり政治家の立場としては、みずからきびしくするところはきびしくして、国民に民主主義の政治に対する責任を明らかにしなければならぬと私は考えております。この点について、努力はしたいけれども、次の国会でどうなるかまだわからない、こういう大臣の御答弁ですが、そこらはやり方は考えるにしても、もう少し目標なり時期なりを明らかにして、国民の協力を得、政党もそれなりに考え、政治家も考えるということにしなければならぬ課題ではないかと私は思いますが、その点について大臣はいかがでございましょうか。
○秋田国務大臣 みずからきびしく律し、かつその趣旨に基づき、方法及び時期については必ずしも短期速決を求めなくても、大体のめどを立てよということは、それとして確かに合理性を持つお話であろうと思います。しかし何ぶんにも御承知のとおり過去にいきさつを持った問題でもあり、それだけ年月を経てまだ合意に達し得ないというところに非常な問題点があるわけでございますので、いま何年をめどにどうしろということを直ちに申されましても、はなはだ当惑いたすわけでございますが、次の選挙制度審議会の審議事項にしていただくかどうかという点等を含めまして、第六次選挙制度審議会の各委員の御意見等もさらによく玩味いたしまして、また当委員会において現実に行なわれております皆さまの御意見等もよくしんしゃく検討をいたしまして善処をいたしたいと思いますが、決してこれをないがしろにいたす所存はございません。十分日本の健全な民主政治、政党政治の発展のために検討をして、しかるべき時期にひとつ御提案申し上げなければならぬと考えておる次第でございます。
○堀委員 政治資金については、この間田中幹事長も何か両輪論のようなことを言っておられるわけでありますが、それならそれで政府は、区制の問題についても、あれは第三次のときの諮問ですか、そういう諮問をそのままほったらかしておくのではなくて、新しい時点で、特にこの間の参議院区制の論議をしております中では、これは衆議院の区制とあわせて考える必要があるのではないかという意見もたいへん強く出ておるわけでありますから、この前のあの区制についての答申は答申であったとは私どもは理解をしておりません。それは多数の意見が並列をされておりまして、現状の中間報告という程度ではないかと思いますが、それならばそれで、ひとつ審議会に対して、区制の問題についても、衆参両院の区制についてというようなことで諮問をするならして、それといまの政治資金を並行的にでも処理をするという、少し政治に対する節度がなければ、ただ何となく現状でどうも非常にフェアでないことが一方で行なわれておっても、それがだらだらと先の見通しもなく行くということでは、私は民主主義に対する国民の大きな失望を招く重大な結果になってくるのではないか、こういう感じがしてならないわけであります。それらについては少し自治大臣も勇断をもって——これはどういう結果が出るかは審議会の御審議に待つより手がありませんけれども、政府の態度としては、総理なり与党の幹事長等がそういうことを言って、政治資金規制というのは選挙区制の問題が片づかない限りはそう簡単にはできないなどということだけで引き延ばせるものではない、こういうふうに私は考えておりますので、そこらについてはそういう手だてを含めて政府の決意を少し明らかにしてもらわなければいかぬと思うのですが、いかがですか。
○秋田国務大臣 ただいまの御意見はまことに傾聴すべき御意見であろうと思います。私もそういう点を十分考えつつ、各方面の御意見も求め、それの検討、参酌の上に、一定の時期がまいりましたならば、その過去の検討に基づく結論によって処置をいたしたいと考えておりますが、ただいまのところ、いまだはっきりしたことを申し上げるほど検討が進んでおりませんので、いましばらく時間をおかし願いたいと存じます。
○堀委員 そうすると、いま御検討中のようですが、当委員会は次は九月の七日に開会を予定されておりますが、それまでには少しはっきりした御答弁がちょうだいできるでしょうか。
○秋田国務大臣 そういたしたいと思いますが、今後の経過にもよることと思いますので、せいぜい努力をいたしたいと思います。
○堀委員 きょうはちょっと急な話でありましたから大蔵省が入っておりませんから、自治省から話をしていただきたいと思いますけれども、さっき選挙部長の話で、政治団体は千三百ほどあるけれども、実際届け出をしておるのは六百くらいだ、こういう話がありましたね。そこでこの問題はひとつ大蔵省と連絡をとって、政治団体でありながら届け出をしないものの領収証は、少なくともこれは正規のそういう費用として寄付その他の対象から除かせるように一ぺん話し合ったらどうか。少なくとも政治資金として使われたものは、何にしても届け出されておる団体でなければそれは政治資金としては認められない、そういう寄付としては認められないということについて、ひとつ大蔵省主税局並びに国税庁と十分打ち合わせをしていただいて、そういうことを明らかにしていけば、いろいろな費用を出される団体側は、それが実際に支出をしておきながら損金に算入をされないということになれば、そういう団体の寄付はお断わりをしたい、こうなりますから、必然的に少なくとも届け出だけはする。現在の届け出の問題は非常にいいかげんでありますけれども、しかし制度がある以上、政治資金というものは、届け出をしておる団体でなければそれは政治資金としてみなすべきではないと私も思います。その点については事務当局どうですか。
○中村説明員 事務当局といたしましても、政治資金規正法が守られるという形に一歩を進めたいと存じております。ただいま御指摘をいただきました方途も一案かと存じますので、国税当局と打ち合わせをいたしたいと存じます。
○堀委員 先ほどちょっと理事会で論議になりまして、この前大臣がたしか八月には選挙制度審議会第七次を発足させたいという御発言があったということもあったのですが、一体次の第七次選挙制度審議会は、現在の進捗状況からすれば、いつごろ委員が任命できる見通しなのか、ちょっとお答えをいただきたいと思います。
○秋田国務大臣 明確に八月に発足させたいと申し上げたかどうか、いささか記憶が薄れておりますが、なるべく早くしたいとは申し上げたことは確かに記憶がございます。八月ということは、多少新聞等であるいは出たかと思いますが、希望的な観測もその答弁には入っていたのではないかと思いますが、いずれにしても早めたいとは思いますが、第七次を発足させるためには、第六次で得られました答申のあと始末をまずつけておかなければならないと思います。お願いするにしても、人選等のために多少の時間もかかりますが、しかし、何をおいても第六次のいろいろ御腐心を願いました結果について結論をつけたい。実はそれがいろいろな事情でまだよくついておりません。せっかくつけるべく努力もいたし、いろいろ事務当局にも指示もし、督促もいたし、話し合いもいたしておる。これは関係各方面とのある程度の連絡、同時に落ちつくところに落ちつくためには、ある程度の時間の経過という点等を必要といたします。その点は実はまだ十分できておりませんので、なるべく早くとは存じておりますが、いつごろになるということ、これはまことに何もかも不安定のような状態で申しわけないのでありますが、しかしある時期までには必ず——ある時期と申しますれば、次の参議院選挙に差しつかえのない範囲内の時間において結論を得べく努力をいたしておりますので、それらの進捗状況を見まして第七次の選挙制度審議会の発足を見るように、いろいろ諸般の準備並びに実際の動きをしたい、こういうふうに思っております。
○堀委員 いまのお話を聞いておりますと、二つ問題があるように思います。一つは、この間参議院の定数是正についての答申がございます。具体的なのは私はこれだけだと思います。あとはおおむね中間報告的な意見が述べられたのが答申だと思うのでありますが、それの政府案ができるというところが一つのめどなのか、これが国会を通過するというところが一つのめどなのか、二つある。国会ということになると、私どもよくわかりませんが、常識的には九月や十月に臨時国会が開かれそうにないのであります。どうも十一月ごろになるのではないか。臨時国会は、米の問題もあり、今後の公務員のベースアップの問題なりいろいろありますから、当然開かれなければならぬと思いますが、それにしても十一月ごろになる。ですから、それが国会で成立するという前提ということになりますと、審議会は年内には無理だということになってくるのではないか。しかし政府案をつくられるについては、何も十一月まで待たなくても、これは適当な時期にできるということにはなると思いますが、いまおっしゃる審議会のあと始末といいますか、その答申の処理に対する時期のめどというのはどちらを考えていらっしゃるのか、ちょっとそれを先に伺っておきたいと思います。
○秋田国務大臣 政府といたしましては、必ずしも国会を全部通るまでということは考えなくてもいいのじゃなかろうか。各般の情勢判断の上に立ち、各関係方面の御意見のおよその帰趨というものについて、ある程度の見通しを政府として得たと思う時点におきまして処理がつき得る。大体こういう方式で処理するということができますれば、第六次審議会の御答申に政府としては対応できるわけですから、その時点を待って、ある程度の見通しのついたところで、過去の御苦心につきましてはこういうふうにいたしたいつもりでございます、したがって、今度の第七次では次のような諸問題につき御審議を願う、こういうのが順序であり、例であろうと思いますので、必ずしも国会の通過をめどにする必要はなかろう、このように考えております。
○堀委員 そうすると、早ければ九月、少しおくれれば大体十月ということですね、いまのお話を聞きますと。十一月の国会に出すのに十一月まで原案ができないわけはないでしょうし、そんなにたいしてむずかしいことはないでしょうから、腹をくくるだけのことでしょうから、大体そういうふうに理解をしてよろしい、こういうことでしょうか。
○秋田国務大臣 大体そういうころになりますれば、第七次選挙制度審議会の発足を準備及びお願いに上がるということになると思います。ただ、その時期にできるかどうかはまた別問題でございます。
○堀委員 どうも大臣の答弁はたいへん慎重で、せっかく大臣に来ていただいても、すべてにインタロゲーションマークが残ったのでは、これは何のために委員会を開いているかちょっとわからない感じがしますので、九月の段階ではもう少しはっきり答弁をしていただきたいと思います。すべてが結論的にはいつかわからぬということでは、私どもとしては責任の所在についていかがかという感じもいたします。いまの時期では無理かと思いますが、九月七日の当委員会においては、これらの問題についてはもう少しはっきりした考え方をひとつ明らかにしていただきたいと思いますし、同時に第七次選挙制度審議会には、少なくとも私はその政治資金の問題なり、選挙区制の問題なり、国民の非常に重要な関心を持っておりますことについては、諮問をするか、意見を求めるかどうかについてひとつ十分検討をされて、九月の段階ではひとつ公式にそれらを明らかにしていただくということを特に要望いたしまして、私の質問を終わります。
○吉田委員長 伏木和雄君。
○伏木委員 ただいま政治資金の問題につきましては、堀さんからお話もございました。ただいま堀委員のお話の中に、再諮問したらどうかというようなお話もございました。私その前に、政府が、先般審議されております第五次選挙制度審議会のこの政治資金に対する答申、これをいまどのように考えているのかという点について大臣のお考えを承っておきたいと思います。と申し上げるのは、あの答申によって政府案が出されたわけでございますが、この政府案には会社、団体等の政治献金につきましては、五年の経過措置をもって、そうして将来個人に限定していこう、こういう方向が出されておったわけでございます。ところが、あの法案が御承知のような結果で流れてしまった。四十二年、あの答申が出た際に政府案がかりに通過しておるとすれば、国民が要望しているところの、政治献金を個人に限定せよというこの期限は、五年の経過措置をとりましても、もう来年になれば、国民が要望しているような、個人に限る姿が出てくるわけでございます。ところが、あれがああいう流れ方をして、その後毎国会この政治資金の問題につきましては議論が出ているわけです。先般八幡製鉄の政治献金について最高裁の判決が出てまいりました。あれとても国民は非常に疑問視しておるような状態でございます。そういう経過がありましたあの政治資金規正法、第五次選挙制度審議会の答申をいま政府はどのように受けとめているのか。選挙区制等勘案しながらというような議論もあるようでございますが、あの答申はそのまま率直に受け入れて、時期の問題は別としても、あの答申はあのまま、いま政府が政治資金の改正に答申を受け入れようという姿勢があるのかどうか、まずこの点を最初に承っておきたいと思います。
○秋田国務大臣 ただいま政治資金を寄付及び出資される側の性格、個人か会社かという問題を中心に、政治資金規正法の改正の案に対する政府の受けとめ方についてのお尋ねでございます。 基本におきましては、ただいま堀委員にお答え申し上げましたとおり、個人によるものが望ましいということは申し上げたわけでございます。したがって、基本的な精神におきましては、答申の趣旨を尊重し、これを受けとめておるわけでございます。しかしながら、実際の時期等につきましては、やはり実情に即していろいろ検討がなされ、また関係者のいろいろな御意見があるわけであります。それがために過去三回いろいろ提案したものも合意に達せられないということが事実上あるわけであります。そこで、それらの点をさらにさらに吟味をいたしまして、善処をいたしたいと考えておるわけでございまして、趣旨におきましてはこれを尊重いたし、さらに関係方面の合意につき検討をいたしておるような次第でございます。
○伏木委員 そういたしますと、あの答申はそのまま政府としては受けとめて、そして立法措置をとっていきたい、したがって再諮問等は行なわずに、あれはあのまま生きておる、少なくともあの答申の精神というものを生かしていこう、将来において再諮問せずに、個人に限る方向を打ち出すべく政治資金規正法を提案していきたい、こういう大臣のお考えであるというふうに理解してよろしゅうございますか。
○秋田国務大臣 いまのところは、次の選挙制度審議会にこの問題を再諮問しようというような考え方には立ってはおりません。
○伏木委員 あの第五次選挙制度審議会の答申がああいう形でほうむられて、次の第六次審議会を発足させるにあたって、政府が人選で非常に困難をしたというようなことは、新聞等で私たちも知っております。この審議会設置法によって、審議会の答申は尊重する、こういうことになっておるわけでございますから、この点をひとつ政府でしっかりと受けとめていただきたいと思います。 それと同時に、続いて第六次審議会が、今回は参議院の定数を答申してまいったわけでございます。第五次審議会の答申はああいう形になっております。今回第六次が、いろいろ審議の末、採決まで行なって、参議院の定数是正については明確に具体的な答申をしてきたわけでございます。これもいまのところ、われわれが聞く範囲においては、またこの答申も答申どおり実現されないのではないか、こういう危惧もございます。その上に今度第七次ということになりますと、第七次選挙制度審議会というものを、委員の方々が、過去二回にわたってこういう姿をとったとすれば、はたして受けるかどうかという点も非常に疑問であると思います。したがって、私は、この秋にかりに第七次選挙制度審議会を発足させるとするならば、政治資金規正法はいろいろ問題があるとしても、この参議院の定数の是正くらいは政府は勇断をもってやっていかなければならない、そのためには相当明確な方向を、第七次選挙制度審議会発足以前に、政府の確固たる態度をここで明確にしていかなければならない、このように考えるわけでございますが、この点については政府の御決意はいかがなものでしょう。
○秋田国務大臣 その点につきましては、前回のこの特別委員会にも申し上げましたとおり、答申の趣旨をなるべく尊重した案を政府としては出したいと思っております。しかしながら、事柄が事柄でございますので、関係方面の御意見等もぜひ承らしていただきたい。現に前回のこの委員会におきましても、その点におきまして各委員からいろいろの御意見なり質疑があったわけでございまして、それらを参考にしてまいりたい。今日もそれらの点につきまして、いま伏木委員から、なるべくあのとおり勇断をもって採用すべしという御意見でございます。そういう点を参考にいたしまして、できるだけすみやかな時期にある程度の合意点とおぼしきものを発見いたしまして、さらにそれに向かって邁進をいたしたいと思いますが、いましばらく検討をさしていただきたい、こう思っておりますが、引き延ばすつもりはありません。答申の趣旨を尊重いたしまして、各方面の御意見を伺い、御答申の趣旨に基づいたもので提案をしていきたい、こう考えております。
○伏木委員 大臣が答申の趣旨を尊重するということはもうすでにわかっております。私が申し上げている点は、第五次選挙制度審議会が答申の結果を政府に実行してもらえなかったという点がございます。そういう経過がございます。第六次審議会の参議院制度について尊重はすると言われながらも、何か消極的であるという声が伝えられております。したがって、第七次の発足の以前に政府は審議会の意見をここまで受け入れるのだという態度を明確にするかしないか。各省もすでに次の通常国会等に出すべき法案を、概要なりとも発表している省もたくさんございます。したがって、この参議院の制度につきましては、答申尊重ということだけでなくして、第七次の前に政府の明確な態度を打ち出すお考えがあるかどうか。これがまた第七次の人選なりあるいは第七次選挙制度審議会の委員の方々の意欲にも大きく影響を与えるのではないか。せっかくつくられる審議会でございますから、前向きに意欲が持てるような審議会にしていかなければならない。こういう点で、審議会発足以前に第六次選挙制度審議会の意向を受けた政府の案を、お考えなりを発表する御意思があるのかどうかという点を承っておきたいと思います。
○秋田国務大臣 先ほど堀先生にもお答えいたしましたとおり、第七次をお願いするためには、第六次の始末につきましてもおよそのめどを申し上げることができるような状態にすべきであろうかと存じておりますので、そのように努力してまいりたい所存でございます。
○伏木委員 次に、沖縄の国政参加について若干伺っておきたいと思います。 各党とも候補者をそろえて、すでに発表されております。実質的に選挙戦は始まっているというようにわれわれ聞いております。この国政参加にあたりまして、国会議員の選挙法は、琉球政府はいつこれが施行されるのか、大体自治省と琉球政府との何らかの交渉があるのかどうか、この点を承りたいと思います。
○中村説明員 沖縄の国政参加に関する法律の審議状況につきましては、沖縄北方対策庁におきまして直接にいろいろ御連絡を願っておるところでございます。私どものいま伺っておりますところでは、今月の中ごろを目途に進めておるというふうに承知をいたしております。
○伏木委員 今月中ごろということでございますが、お話によりますと、何か会期が延長される、今月中には通らないのではないかというような話も聞いております。御承知のように、沖縄国政参加につきましては日本の公職選挙法、国会議員の選挙法に準ずるものを向こうにつくるというたてまえになっております。ところが、すでに各党候補者を定めて、活発な秋に向かっての選挙運動が展開されているというところに、現在何の選挙法もございません。全く野放し、極言すれば、幾ら買収をやってもいまのうちならだいじょうぶ、こういうようなことになっておりますが、普通わが国の選挙に対する常識ですと、選挙の前の三ヵ月くらいから取り締まりが強化されるということが選挙の常識になっておりますけれども、かりに七月半ばに選挙法が行なわれますと、現在ですと選挙法がございませんから、施行されたとしても、これが十月、十一月の選挙からさかのぼれば七月ということはワクに入ってくるわけでございます。しかし、現在選挙法がない以上、幾ら新たな立法がされ、それが施行されたとしても、さかのぼって選挙法施行以前の問題を問題として、これをさかのぼった取り締まりができるという対象には常識的にはならないと思うのです。現在選挙戦が活発に行なわれ、しかも何ら法律的規制がないというままに非常に激しい運動が行なわれているやに伺っておりますが、こうした点で、秋に選挙があることは明確でございますが、わが国の選挙法に準じた選挙法を向こうにつくる以上は、現在から何らかの形をつくり出していかなければならない、こう思いますが、球琉政府の問題でございますし、少なくともこの法案が来月になるようなことがないように、すみやかに何らかの規制が行なわれないか。このまま野放しにしておきますと、これから一ヵ月、一ヵ月半の間にこれが激烈になっていって、どのような運動が展開されるかもわからない。同じ国会にあって同じ審議を進める以上は、平等な、公正な立場で選ばれた方々でなければならない。こういった観点から、現在沖縄の運動について自治省としては何かお考えを持っているかどうか、この点を承りたいと思います。
○中村説明員 伏木委員から御指摘のございますように、現時点におきまして沖縄におきまする国政参加のための選挙につきましては規制がございません。私どもとしては、一日も早く法律をつくっていただいて、その法律の施行につきましては本土の公職選挙法と大体同じ体系でありますので、私どもは全力をあげて、その新しい制度に従って運営されますように御援助をしていきたいというふうに存じておるところでございます。
○伏木委員 琉球政府のほうとわが国の政府と何らかの折衝を続けているかどうか、交渉があるのかどうか、ただあなたまかせということで投げやりということもないと思いますが、そういう状態にあるのか、それとも何らかの折衝を続けているのか。それでないと、先ほど申し上げましたように選挙がどのように乱れていくか。これは施行されたからといって、そのあくる日から一ぺんに急激にいままでの運動が変わるということはあり得ないと思う。結局従来やっておったのでやむを得ないということで、ずるずると今回の第一回の国会議員を選出するという選挙が、きわめて不明朗なものに終わってはならない。こういう老婆心から、私申し上げるわけでございます。この点について、向こうまかせということでなく、政府間の話し合いというものが積極的に行なわれているかどうか、その点を私伺っているわけでございます。
○中村説明員 沖縄におきまする選挙管理の関係者におきましては、やはり一日も早く制度化されまして、準備の万全を期したいということで、私どもとしばしば非公式的かもしれませんが、連絡はとっております。特に現地におきましては、選挙公営という点についていままでほとんど未経験だということでございます。そういう点につきまして、すみやかに法律が通って、その準備に遺漏のないように、私どもとしては職員の派遣その他につきましては積極的に対処をいたしたいと存じておるところであります。
○伏木委員 以上で終わります。
○吉田委員長 岡沢完治君。
○岡沢委員 「それがどんなにむずかしいことであっても、改正するのが政治家の義務である」というのは、グラッドストンが選挙法と政治資金規正法に関連して言われた有名なことばであります。先ほど来、堀委員からも伏木委員からも御指摘のございました政治資金規正法の問題につきまして、大臣も苦渋の姿を顔にもいまあらわしておられますけれども、大臣自身もまた堀委員もみずからきびしく律するという立場の御発言がございました。もしそれがほんとうであるならば、この改正案を出す手続におきましても秋田自治大臣は所管大臣としてやはり政治的な決断が必要ではないか。またそれが正しい政治資金規正法に対する姿勢でもあるんじゃないか。私は、佐藤政府がかなり大きな功績をあげたことを認めるにやぶさかではありませんけれども、四十一年の黒い霧事件、その後の第五次選挙制度審議会の緊急答申をもとにした態度、先ほど大臣もお触れになりました政治資金規正法改正案が数たび廃案になった事実、そしてその後何とかほおかぶり的にこの改正案から遠ざかろうとされる態度、この態度は秋田自治大臣にも残念ながら当てはまる姿であります。やはり佐藤政府の一番大きな内政上の失政の一つとして指摘せざるを得ないのではないかと感ずるわけであります。 先ほど中村選挙部長から御報告がございました四十四年上半期政治資金収支に関連する報告書に関しましても、堀委員からの御指摘のように、また選挙部長の報告にもありましたように、寄付行為の率がだんだん減少していくということは、公開の原則に反するような方向に運用がなされておるということを端的に示しているわけでもございます。またちょうどそれと関連いたしまして、六月二十四日には、いわゆる八幡製鉄の政治献金に関連した最高裁の判決がございました。ある意味では会社の政治献金を合法化されたような形が国民の前に明らかにされたわけでございまして、こういうときだけに、私はよけいこの政治資金規正法の改正問題はわれわれがきびしく対処すべき、これは党派を越えた政治家の責任ではないか。グラッドストンのことばをあらためて思い起こすべきではないかと思いますが、先ほど堀委員から指摘されましたように、この問題に関する大臣の御答弁は、いい意味でいえば慎重過ぎる、悪い意味でいえば政治家としての全く見識を欠いておられると私は断言してもはばからないと言えるのではないかと思います。ほんとうの意味でやる気があるなら、政治資金規正法をいつ、どういう中身で出そうとする意欲があるのかということだけでも、私ははっきりとこの委員会でお示しになってしかるべきだと思いますので、大臣の所信を伺います。
○秋田国務大臣 先ほど堀委員等に、また累次お答えを申し上げておりまするとおり、答申の趣旨を尊重しながら、しかしこの問題は各関係者のいま一段の合意につきまして検討を要すべき点があると存じております。それは過去三回せっかく提案いたしたにかかわりませず廃案になりました経過に徴してでございますが、その点につきましてさらに検討を加えて、そして成案を得た暁においては提案を申し上げたい。決してないがしろにするとか、また一時を糊塗する考えはございません。
○岡沢委員 三回廃案になったということをおっしゃいました。それは客観的にはそのとおりでありますけれども、すでに第五次選挙制度審議会の明確な答申がございますし、佐藤総理があの有名な、小骨一本抜かないということを本会議場で言明された、いわくつきの法案でもあります。野党はおそらく各党この改正案に積極的に取り組むことに反対の方はございません。私は当時、改正案を審議いたしました公職選挙委員会の委員をさしていただいておりまして、当時の藤枝自治大臣がかなり勇気をもってあの法案に取り組まれた姿をいま思い出しております。秋田自治大臣は私の尊敬する大臣でありますし、ことにお父さんが衆議院議長として、あるいはまた厚生大臣として、拓務大臣として、われわれの大先輩でもあります。一自治大臣という御遠慮をなさらないで、日本の政治を国民の不信から取り戻すという大きな抱負とりっぱな政治家としての見識から、思い切ってこの問題に積極的に取り組まれるべきではないか。機が熟さないとか論議があるというのは全くの口実ではないか。私は、円熟した、そつのない大臣よりも、問題を残しても、ほんとうの意味であとで仕事をした政治家としてりっぱな仕事をなさった大臣になってほしいと思う観点から、あえて先輩に苦言を呈するわけでございますけれども、再度この問題に対して、先ほど堀委員から指摘されましたように、九月という次の公職選挙委員会でもけっこうでございますけれども、かなり明確な姿で、いつの時期にどういう内容ででも出そうという少なくとも意欲をお持ちかどうか、はっきりお答えいただきたいと思います。
○秋田国務大臣 いろいろ御鞭撻を賜わりまして、まことにありがたく、かつ恐縮に存ずる次第であります。ただいま申し上げましたとおり、答申の趣旨を尊重いたしまして、十分各般のいままでのいきさつに基づく問題点を掘り下げて検討し、なるべくすみやかに結論を求めたいとは存じておりますが、いついつまでにどうするということをただいま申し上げる段階に立ち至っていないことはまことに残念でございますが、御了承願いたいと存じます。
○岡沢委員 この問題につきましては、これ以上質問することを避けたいと思いますけれども、先ほど指摘いたしました六月二十四日の最高裁の判決が、あたかも会社の政治献金を合法化したというふうな錯覚と申しますか解釈がされがちでございますが、あの判決の中身を見ました場合も、会社が社会的役割りを果たすための相当な程度の献金が認められているだけでございまして、私はそれ以上のものについては、判決の態度も最高裁の姿勢も、結局は法の規制を待っておると解釈していいのではないかと思います。いわばわれわれの国会における立法措置にある程度の今後の課題を残した、われわれはその最高裁の判決にもこたえる意味からも、あるいは国民のこの問題に対する疑惑に対処する意味からも、まさにこの政治資金規正法の改正案は、われわれがきわめてやりにくいことだけれどもやるべき課題だというふうに、党派を越えて考えるべきではないか。あらためてグラッドストンのことばをお互いに思い起こすべきだと私は思うわけでございます。ことに判決にいいます社会的役割りを果たすための相当な程度というのは、きわめて抽象的な言辞でありますだけに、やはりこの限界を明らかにする意味からも、国会の責任がいままさに問われておるというふうに感じました。ぜひ明確な態度をきわめて近い機会に御決定いただきたいということを指摘さしていただきまして、この問題についての質問を終わり、私は前回の六月十一日の当委員会におきましても質問いたしました選挙権の年齢引き下げの問題について若干質問さしていただきたいと思います。 あの委員会以後、西ドイツにおきましても選挙年齢の引き下げが行なわれましたことは、各紙の報ずるとおりであります。あの際に秋田自治大臣はきわめて慎重な発言をされまして、法律全般にわたって配慮検討の上決定したい、選挙制度審議会等に諮問しようとは考えないが、十分検討すべき問題だという御答弁をなさっておられます。しかしその後、これも新聞の伝えるところによりますと、六月十九日の閣議で、秋田自治大臣は、青少年法の改正に伴って公選法の選挙権年齢を十八歳に引き下げるよう検討しているのだ、各省でも検討してほしいと、当委員会における御答弁よりかなり積極的な態度にお変わりになったような印象を受けるがごとき発言を大臣自身なさっておられます。私は、前回この委員会におきましても指摘いたしましたように、十八歳という年齢は、特に戦後の教育、それから環境の変化あるいは肉体的な諸条件等を勘案いたしました場合に、特にまた昨年来あるいはここ数年来繰り返されました学生の暴力事件等を考えました場合に、一方では確かに犯罪能力という点ではおとなであり過ぎることを立証いたしましたけれども、政治的な関心につきましても一部の者は非常に意欲を燃やしておるということが読みとれるわけでございますし、また選挙というのが弾丸にかわっての投票用紙による戦いだということがいわれ、それがまた民主政治の基本であるということを考えました場合、暴力学生だけを対象にするわけではございませんけれども、青年のあの若いエネルギーを、あるいはまた政治参加の意欲を、暴力とかデモではなしに、選挙権を与えることによって参加させるという方向で解決することは、きわめて当を得た政策ではないかというふうに感ずるわけでございます。十八歳に引き下げる問題は、大臣もお触れになりましたように十分検討に値すると私は考えるわけでございます。しかし前回の六月十一日における大臣の御答弁は、選挙制度審議会等に諮問しようとは考えていないという御答弁でございました。選挙制度審議会設置法によりますと、その第二条一項で「公の選挙及び投票の制度に関する重要事項」というのが当然諮問の対象になるわけであります。二十歳から十八歳に引き下げるということは、「公の選挙及び投票の制度に関する重要事項」にまさに当たると思うわけであります。小林法務大臣は、青少年法を来年出すかどうかに関連いたしまして、この青少年法の改正については法務省と最高裁あるいは弁護士会とは大いに意見の対立があるけれども、公の場で論議する意味からも本改正案を国会に提出したいという意欲的な答弁を法務委員会で正式になさっておられます。私は十八歳に引き下げるのが妥当かどうかについては大いに議論のあるところだと思いますけれども、少なくとも議論に値する課題であることだけは間違いないと思います。しかりとするならば、選挙制度審議会、当委員会でたびたび論議されておりますように、選挙区制あるいは定数の問題、いろいろ大きな問題をかかえていることも事実でありますけれども、この選挙年齢を十八歳に引き下げる問題についても、やはり諮問の時期に来ていると感ずるわけでございます。大臣のお考えに、前回の六月十一日の当委員会における答弁と変化がないかどうか、お尋ねいたします。
○秋田国務大臣 過般閣議におきまして法務大臣から、少年法の改正に関連し、十八歳から刑事責任等についてその責任を負わせるようにしたいという趣旨においていろいろ考慮してみるべき問題であろうという発言がございました。それに関連いたしまして、私の所管をいたします公職選挙法に関連し、選挙権についてはまさに非常に大きな問題があるので、関係閣僚におかれましてもこの点十分ひとつ考慮されたい旨を私は発言したわけであります。発言の内容はそれだけでございまして、それに関連して、私が前回と態度を変えて十八歳までの引き下げに賛意を表したかの意味における記事が一部新聞紙にあらわれたことは、これは事実に相違をいたしておるわけでございます。私は、ただ大いに検討さるべき、考慮さるべき問題でありまして、この際これをほうっておけないということは指摘をいたしたわけでございます。その意味におきましてはある程度の前進とこれを見られれば、まさにある程度の前進とも言えるかと存じますが、しからば直ちにこれを選挙制度審議会に諮問事項として加えるつもりかということになりますと、先ほど来お答えをいたしておりますとおり、第七次選挙制度審議会に諮問すべき点につきましては、各方面の御意見等を参酌したいと思っておる、その中に属するわけでございまして、いま直ちに諮問すべしという結論は私は持っておりません。と申しますのは、この問題は、英国におきましても多年の研究の結果結論を得られたものでございます。英国にならい、北米合衆国及びドイツにおいてもその意図が察せられるわけでございますが、いまだ確定に至っておるわけではありません。その他多数欧米諸国におきましては、選挙権の年齢は二十一歳というのが多いのが現状でございます。わが国の二十歳は、こういう点から見まして、必ずしも高過ぎるということは言えないのではなかろうかと存じます。やはりその国の事情もありますし、法体系全体との関連もございますし、慎重に考慮さるべき問題点であることはいまも変わらないのでありまして、その意味におきまして慎重に時間をかけて検討をすべき問題であろうと思います。したがって、検討に値する問題でありますけれども、少しくこれまた時間をかけて御検討を願いたい、こういう感じでございます。
○岡沢委員 私も別に拙速を求めているわけではございませんし、いまの大臣の御答弁で、閣議の御発言も、十八歳に積極的に下げるという意味での御発言でなかったことは承知いたしましたけれども、しかし大臣もほうっておけない問題だ、あるいは検討に値する課題だということをお考えになっていることは明らかであります。そういたしますならば、おっしゃるとおりイギリスにおきましても七、八年審議の結果ああいう結論が出ているわけでございまして、現在の社会の進歩は、私が申し上げるごとくきわめて早いものがございます。当然、いまお答えいただかなくてもけっこうでございますし、また大臣のお答えのニュアンスからも察しられますけれども、第七次選挙制度審議会に対する諮問事項に含まれるべきだと私は感じますし、まあ大臣もそういう方向で検討される御用意があるような感じを受けました。当然そうあっていただくべきだと信じます。 それと関連いたしまして、大臣も閣議でも、あるいはまた私の六月十一日における質問に対する答弁でも、法律全般にわたって配慮検討すべきだということばを使っておられます。イギリスにおきましても、選挙権年齢の引き下げの問題はむしろ民法の成年年齢の引き下げと関連して、むしろそれが主になって、その結果として選挙権年齢の引き下げということが実現したように聞いておるわけでございます。いまこの委員会で問題になっております公職選挙法九条の選挙権、あるいは十条の被選挙権の年齢の引き下げと関連いたしまして、当然私は民法三条の「満二十年ヲ以テ成年トス」、まあこの改正となるとたいへん大きな問題ではございますけれども、また必然的な関係があるとも思いませんが、やはり民法との関連、また私この間指摘いたしました民法における結婚適齢年齢、男子が十八歳、女子が十六歳というような問題、ことにまたこの結婚適齢と関連いたしまして、未成年者であっても婚姻をしたときは成年に達したものとみなすという民法七百五十三条の規定等も考慮いたしますと、やはり選挙年齢の引き下げと民法上の成人年齢の引き下げとも無関係であるとは思わないわけで、この辺につきまして、いま法務省民事局御出席だと思いますが、もう六月十九日の秋田自治大臣の閣議での発言がございましただけに、おそらく法務省としても御検討をいただいていると思いますが、民法と選挙法のいわゆる年齢についての関連性といいますか、あるいは御検討の用意等につきましてお尋ねいたします。
○田代説明員 私から申し上げるまでもございませんけれども、選挙年齢は、国民の代表者を選ぶについての判断力を持つに至ったと通常考えられる年齢をいいまして、民法上の成年は現在の経済社会における取引をひとり立ちでできるということでございまして、両方とも一定の心身の成長によって判断力を備えたと考えられる年齢でございまして、この点は非常に密接な関係がありますし、常識的にもその関係というものを否定できないように思うわけでございます。ただ、いま先生もおっしゃいましたように、必ずしも論理的必然性はない面もございまして、その点関係があり、また論理的必然性もないような感じもいたしますのですが、従来の経過を申しますと、今度のイギリスの選挙年齢の引き下げまでは、こういったことについての一般の要望みたいなものは民事局としましても全然なかったように感じておるわけでございまして、あれがありまして、新聞紙等にも一部そういった問題が指摘されまして、まあ今後の問題として私どもも考えるに至ったようなのが実情でございます。 それから先ほどの、これも参考でございますが、本日イギリスの大使館に電話してみましたところ、これは確実なあれでございませんが、選挙年齢引き下げに伴って民法の年齢も引き下げになったかどうか聞いてみたわけでございます。先ほど先生のお話ではそっちが主体であったようにお伺いしましたが、向こうの話では、はっきりした答えが得られませんで、当事者の広報関係の方の話でしたのですが、私としては、そっちのほうは改正になっていないようだけれども、あらためて正確なことを連絡するということで、まだ連絡がありませんので、そこのところはお答えできないような感じになっておるわけでございます。現在のところそういう状況でございます。
○岡沢委員 時間の関係もありまして、これで質問を終わりたいと思いますけれども、この選挙権年齢引き下げの問題、大臣は従来二十一歳の国が多かったという御指摘でございましたが、おもな先進国で二十一歳であった国々はイギリス、西ドイツ、まあアメリカは州によって違いますけれども、大勢として十八歳に引き下げられたようでございますし、また共産圏の諸国でも十八歳が通常のようでありますが、ぜひ日本としても前向きに、特に若い者が政治参加を求めておるという日本の現状を見ました場合、彼らの力を合法的に社会的な責任を果たさすという方向へ誘導する意味からも、私は十分検討に値する、むしろデメリットよりもメリットの多い方向での改正になるんじゃないかと考えますだけに、積極的な御態度をお願い申し上げ、ことに選挙制度審議会第七次発足いたしました場合ぜひ諮問事項に加えていただきたいという意思表示をいたしまして、質問を終わりたいと思います。 ————◇—————
○吉田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 公職選挙法改正に関する件について、参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、参考人の人選、出頭日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉田委員長 御異議なしと認めます。さよう決しました。 本日は、これにて散会いたします。 午後三時九分散会