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63回国会衆議院1970/04/09

交通安全対策特別委員会 第7号

発言数
116
登壇者
20
会派数
4
開催日
1970/04/09

会議録

受田新吉民社党

○受田委員長 これより会議を開きます。  内閣提出にかかる交通安全対策基本法案及び久保三郎君外四名提出にかかる交通安全基本法案の両案を一括して議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。小峯柳多君。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 飛行機の乗っ取り事件やら大阪の爆発事件やら、交通安全の問題が非常に広い範囲に広がってきているような感じがいたします。私は、きょうは、法律の条章の質問をするよりは、交通安全問題の背景をなしているような交通戦争の状態を、空、海、陸、三つの部面について伺ってみたいと思います。  陸上の交通戦争というのは御承知のとおり現実感があるのでございますが、空と海の問題は、わりあいにネグレクトされてきているように思います。しかし、空の問題も海の問題も、私は、たいへんな混雑をしておりまして、交通整理が必要な段階にきているのじゃないかと思います。そこで、こうした陸上だけでなしに、空や海の交通戦争も、ひっきょう日本が直面してまいりました高度の成長との関係があるように私は思うのでありまして、たとえば海の問題を取り上げましても、大体、いま日本に原材料を積んで集まっている船が一日百万トンぐらいの見当になりはしないかと考えます。また空でも、輸送の体系というものが、このごろは貨物の輸送もふえておるようでありまして、いろいろな形で、かなり大きな変化をしていると思います。  そういう質問をだれに答えていただきますのか、関係のお役所の方が見えていらっしゃると思いますから、しかるべくお答えいただくことにいたしまして、最初に、海の最近の輸送の状態は、ここ十カ年ほど経済の成長が実質で一割以上を続けてきているのでありまして、その成長に見合ってたいへんな混雑が予想されていると思うのであります。したがって、ここ十年ほどの海上輸送の変化、これから五年先、十年先にそれをどう見ているか、それに関連して狭水道の海上交通整理はどう考えているのか、これは海のほうの御関係の当局から、その態様、対策等、お聞かせいただきたいと思います。副長官、一緒にひとつ御意見を聞かしていただければ、なおけっこうであります。

野村一彦運輸省海運局次長

○野村説明員 いま先生からお尋ねのございました海上輸送の問題についてお答えいたしますが、外国との貿易に従事しております外航船舶のことを前提でお話し申し上げますと、税関統計によりますと、たとえば昭和三十四年度輸出は九百六十三万トン、輸入は七千二百六万トンでありましたのが、四十四年度、これはまだ完全な実績でございませんで、推計でございますが、輸出が三千八百七十万トン、それから輸入が四億五百六十万トンということになっておりまして、この間の輸出の平均の伸び率はこの十年間で一四・二%、それから輸入は一九・〇%という、これは税関の統計でございますが、こういう輸送状況になっております。  それから、わが国の千総トン以上の外航船舶でございますが、これの保有量を申し上げますと、昭和三十四年度が五百二万トンでございます。昭和四十四年度は、推計で申し上げますと、千総トン以上の船舶は千九百九十万トンということでございまして、これは平均一五%の伸び率ということになっております。  私の所管します事項についてお答え申しました。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 そういうふうに数字を並べられるよりも、いま私がちょっと例で申し上げたように、たとえば一日に日本の港にどれくらい船が入ってくるのだというふうな、そういう具体的なことで計算をしたことがありますか。交通の安全の質問ですから、数字のことを聞くよりも、どれくらい海上交通が混雑を呈しているかというようなことに触れて答えてください。

林陽一海上保安庁次長

○林政府委員 港湾統計によりますと、ただいまの海運局の説明は外国貿易船だけでございますが、全船舶入れまして昭和四十三年、多少資料が古うございますが、一年間でございますが、一千百七十八万隻入港いたしております。これを一日当たりにいたしますと、約三万三千隻になります。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 それはわかるのだ。隻数はわかるのだけれども、私がちょっと例を出したように、一日に百万トンぐらい入っているのじゃないか。これは私の見当なんですが、そういう計算をしたことがあるか。百万トンとすれば一万トン級の船が百ぱいほど入る。たいへんな混雑だということが予想されるので、あなた方がずらずらとおっしゃる数字はわかるのだけれども、実感のこもった意味の答弁をしてください。

栗栖義明運輸省港湾局長

○栗栖政府委員 四十三年でございますが、港湾統計のトン数で申し上げますと約十三億六千万トン扱ってございます。そういたしますと、さっきの先生の御質問の一日と申しますと、三百六十五で割ればよろしゅうございますから、約四百万トン近いトン数になります。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 それは外航船も沿岸船もみんな入っておりますか。

栗栖義明運輸省港湾局長

○栗栖政府委員 はい、全部入れてでございます。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 外国から入ってくるものは百万トンぐらいじゃないかというふうに、私は経済のほうの統計から押えて……。

栗栖義明運輸省港湾局長

○栗栖政府委員 お説のとおりでございまして、外国貿易だけでございますと年間約四億トン、したがいまして一日約百万トンというおことばが正しいと思います。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 国内まで入れるとたいへんな数字になるのですが、そこで海の交通で、このごろちょいちょい海の上の交通事故の報道などもありますけれども、どの辺が一番交通がひんぱんで、あなた方から見て一番難所だとお考えになっておりますか。

林陽一海上保安庁次長

○林政府委員 海上交通で一番の難所は狭水道と港内でございますが、狭水道につきましては浦賀水道、瀬戸内海の周辺の諸水道及び中ごろの来島海峡あたり、それから四日市、名古屋の付近にあります、伊勢湾の口にあります伊良湖水道のあたりでございます。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 このごろ港湾ではシーバースというくふうがちょいちょい出てきているように思うのでございます。狭い港湾を広く使う意味でシーバースを活用するということがありますが、そういうことの先行きの見通し、そのことがいまの海上の難所の緩和等に多少役立つような関係になりましょうか。どうでございますか。

栗栖義明運輸省港湾局長

○栗栖政府委員 現在、特にシーバースは原油が対象でございますけれども、御説のとおり港を広く使うという趣旨が一つと、もう一つは、ああいう大きな船を港の中に入れるのは危険であるということで、そういう液体荷役はパイプを使って、なるべく外で扱ってもらうということで非常にふえてきております。  ただ、あとの御質問でございますけれども、たとえば東京湾の外で食いとめて中に入れるかどうかということは、現実にはまだ実現してございません。今後の研究課題だということでいろいろ研究してございますけれども、まだ結論を得ていない状態でございます。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 私は、油だけでなしに、大きな製鉄所に関連して鉱石にシーバースを使う傾向が出てくるのだと聞いております。またそんな感じがしておるのですが、そんな動きはありませんか。

栗栖義明運輸省港湾局長

○栗栖政府委員 鉱石につきましては、いまの段階では、岸壁に着けましてクレーンで荷役するという形態をとってございまして、沖に着けてコンベヤーで運んでくるというのがせいぜいだと思います。したがいまして、石油のように何キロもうんと離れたところから持ってくるという計画は、いまのところ全然ございません。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 大体現状はわかったのですが、御承知のとおり経済社会発展計画というのが近く正式にきまりましょう。なかなか大きな数字を想定していると思いますので、それに見合って将来、いまの難所の問題を含めて、海上交通対策というものをあなた方はどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。輸郭をちょっと……。

林陽一海上保安庁次長

○林政府委員 いま申し上げました狭水道等の海上の難所の対策といたしましては、まず航路標識でございますが、これは灯台と、それから灯浮標と申しまして、あかりのつきましたブイでございますが、これとか、さらに電波によります航路標識を設置いたしまして船舶の航行の安全に資する。たとえば浦賀水道の中央にただいま灯浮標を入れてございますが、こういうものをさらに整備いたしまして安全に資するというようなことを考えております。  それからいま巡視船を最低一隻は最も危険な浦賀水道に配備しております。ほかの危険な個所も同じようなことでやっておりますが、巡視船を配備いたしまして、たとえば右側通航を励行させるように通行船舶に徹底させるようなことをいたしております。  さらに巨大船が入港してまいりますときには、事前に船会社なりあるいは代理店から通報してもらいまして、できますれば大型消防能力を持ちましたような巡視船を出しまして先導させ、万一の場合にすぐ消火に当たれるようなこともいたしております。  将来といたしましては、何と申しましても海上交通法のようなものが必要なのではないかと思いまして、海上保安庁では二、三年前からその準備に当たっておりますわけでございますが、まだ関係方面との調整がついておりませんので、今国会には提出の運びに至っておりません。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 私は、いまでも狭水道に関しては実はたいへん交通がむずかしくなっているのだと思うのです。ところが、五年たつと日本の経済が大体倍になりましょう。さらに五年たつとまたそれが倍、これは大ざっぱな数字ですけれども、いま予想されているような規模でいくと、たいへんなことになると思うのです。産業の密度のこまかさからいえば、世界一だろうと思うのです。小さい領海の中に、自然たくさんの船が入ってくる。そういうことをよほどはっきりと読み込んでおかないと、後手後手になる心配があると思うのです。いま海上交通法ですか、かりにそれをつくろうとすれば、どんなことをねらってこの法規の中で処理したいとお考えになるのですか。

林陽一海上保安庁次長

○林政府委員 まず狭水道の例をとりますと、船舶の通行分離ということを考えております。中央分離帯のとれますくらいの広さの狭水道でございますと、まん中にはっきりと、先ほど申し上げましたように灯浮標を置きまして通行分離をします。それからさらに、横断航路があるところがございます。瀬戸内海の備讃瀬戸などでは、宇野と高松の間の運航航路が備讃航路を横断するようなところがあります。こういうところにつきまして、どちら側にどういったような優先権を持たせて船舶の衝突を防止するかというようなことでございます。陸上の交通法に若干似たところがございますが、海上の交通の特殊性、船舶の運航の特殊性もございますので、そういうところを加味して考えております。それ以外に、海上における災害の防止、それから災害が起きたときの措置等につきましても、織り込むことを考えております。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 港湾のあり方なんかも少し変わってくるような感じもするのですが、たとえば内港から外港になるとか。これはいままで自然の条件のいいところを港にしておるように思うのですが、多少それを犠牲にしても交通整理上港湾の位置を変えるというようなことは考えられませんか。

栗栖義明運輸省港湾局長

○栗栖政府委員 交通整理上という御質問に合うかどうかは別にいたしまして、地域開発の問題が出てまいっておりますので、従来は砂浜であったところを港にいたしまして、そこで貨物を扱うというふうな方向で、いまどんどん進んでまいっております。たとえば最近いわれます鹿島とか新潟のように、砂浜から内陸に切り込んで新しいものをつくる、こういう意味では、確かに港湾の貨物の分散には非常に役立っていると存じます。ただ東京湾とか大阪湾のように、人口がどんどん密集している場所、そういうところの貨物はやはり減る方向には持っていかなければならないというような状況であります。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 経済社会開発の中で、たとえばいまの港湾のキャパシティとか、そういうものは織り込んであなた方区分けをやっておりますか。

栗栖義明運輸省港湾局長

○栗栖政府委員 まだ最終的な指数が公表されておりませんけれども、中間段階でいろいろと経済指数なんかいただいておりまして、私どもでそれをいろいろ試算してございますけれども、いまの時点で予測しておりますのは、概略でございますけれども、先ほど申し上げましたように、四十三年度で十三億六千万トンという実績がございますけれども、五十年になりますと、三十億トン程度になるんじゃなかろうかというふうに推測されます。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 私は専門家じゃありませんけれども、経済の成長を見ておって、よほど先回りをしておかないと、どうにもならないようなことがきわめて近い将来あるような感じがいたしますので、どうぞひとつ御勉強くださって、また御教示をいただきたいと思います。  空の問題がやはり海の問題と同じように、これは交通整理が必要なのかもしれませんけれども、実は航空輸送というものが経済成長との関連でたいへん姿を変えてきていると思うのであります。これも先ほど海で伺いましたように、過去十カ年、空の輸送というものがどういうふうに変わってきているのか。たとえば貨物の輸送というものは十年前にはあまり問題にならなかったのじゃないかと思いますが、このごろは非常にふえているのじゃないかと思います。ことに貿易上の競争が激しくなればなるほど、短時間に運ぶという貨物輸送のウエートが大きくなりはしないかと思いますので、その辺のことまで含めて過去十カ年どんな変化をしてきているか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。

金井洋運輸省航空局技術部長

○金井説明員 まず、先生のおっしゃるとおり非常に旅客、貨物が伸びておりますけれども、国内旅客の場合には、過去十年間、年間の平均伸び率は約三〇%、これに対しまして貨物は三六%というふうに伸びております。ちなみに外国の場合には、年間せいぜい一二%程度しか伸びておりませんけれども、わが国の場合には三倍あるいは四倍というふうに伸びております。三十四年は国内旅客は八十二万七千人程度しかいなかったものが、四十三年度には八百四十四万人というふうに十倍以上の伸びを示しました。貨物につきましても、三十四年に四千トンであったものが、四十三年度には六万四千トン、こういうふうに実に十五倍近い伸びを示しております。それから国際旅客につきましては、伸び率は二一%、それから貨物のほうは三一%、これも国内の場合と同じように、貨物のほうが旅客の伸びよりも上回っております。  こういうふうに旅客、貨物の伸びが多いということは、結局多くの飛行機を飛ばさなければならないということになるわけでございますけれども御承知のようにいまの空港、それから管制の処理能力等から考えますと、むやみにふやすわけにもいきませんので、したがいまして、ジャンボだとか、非常に大きなものを使ってこういう需要に対応していこうということになっております。羽田の場合を例にとりますと、二分間に一機の割りで毎日毎日離着陸しておるわけでございまして、いま先生からも御指摘のように、こういうものに対してどういうふうに対処していくかということは大きな問題だと思っております。特に航空機自体の大型化と、それからそれをさばく空の交通整理と申しますか、管制上の問題、これについては、五年先あるいは十年先の対策も航空局としては持っております。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 羽田の飛行場がいまおっしゃったように二分間に一台というふうなことなので、それを緩和するために国際新空港をやっているのだと思いますが、国際新空港ができ上がったころに全体としてふえますと、私は新空港ができたできないであまり違いがないような感じがするのですが、できたときにどんな状態になりますか。

金井洋運輸省航空局技術部長

○金井説明員 お答えします。新空港は四十六年四月から供用開始という予定でございますけれども、当初におきましてはおそらく一本しかまだ滑走路が使えないのではないかと思います。その当時におきまして、それから約一、二年の間は羽田の約半分くらいの機数はさばけるということを考えております。これでいきますと、当分の間は、それにはもちろん機体自体が大きくなるということを計算に入れておりますので、しばらくの間はこれで間に合うのじゃないかと思います。たとえばいま二百人乗りくらいのDC8に比べまして、四百人乗りというようなジャンボが来ますので、機数はいまに比べてむやみにはふえない、ただし、お客あるいは貨物はふえるというふうに思います。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 そうすると、大型化になるから機数はそうふえないというお考えですな。

金井洋運輸省航空局技術部長

○金井説明員 お客は三〇%くらいふえますけれども、機数のほうは三〇%というふうには大型化になりますのでふえない、そういう意味でございます。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 貨物輸送がますます盛んになると、どこか専用の飛行場を考えなければならぬようなことになりませんか。そんなことは考慮に入っていませんか。

金井洋運輸省航空局技術部長

○金井説明員 貨物は確かに年々大きなパーセンテージでふえておりますけれども、新空港ができますれば、その地点に貨物専用のターミナルというか貨物のビルディングをつくって、そこで当分の間は間に合うというふうに考えております。と申しますのは、貨物は御承知のように全部コンテナ化されまして、昔のように場所はとらない、ただしコンテナを置く場所あるいはそれをさばく場所を用意しておけばある程度は間に合うのではないか、当分の間は間に合うのではないかというふうに考えております。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 日本でジャンボを使用するその時期はいつに予定しておりますか。

金井洋運輸省航空局技術部長

○金井説明員 日本航空は今年の四月、五月、六月にそれぞれ一機づつボーイング747、いわゆるジャンボジェットを購入します。しかし就航させるのは七月一日からでございます。四月から七月までの間は、その747を使いまして操縦士あるいはその他要員の訓練をするということになっております。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 この国際空港はわりあいに整備が進んでいるように思いますが、地方の空港はたいへん実は整備がおくれているように私には思えるのですが、人の行き来がどんどんふえる。ことに航空旅客がふえてくると、地方のものもしっかり見てやらぬとたいへん困る事態が出てきやせぬかと思いますが、地方空港の整備はどういうふうに考えておりますか。

金井洋運輸省航空局技術部長

○金井説明員 おっしゃるとおり国際空港に比べましてローカル空港は確かに遅々として進んでいないような感じを受けるわけでございますけれども、国際空港あるいは国内空港を含めまして四十二年度を初年度とする五カ年計画を策定いたしまして、これに要する経費約千百五十億円というのは閣議決定を受けておりまして、これによって着着準備を進めております。ただ、四十二年度から四十四年度までの間にその進捗率があまり好ましくないということは先生御指摘のとおりでございますけれども、一応閣議決定の線に沿って、四十六年度一ぱいには達成できるのではないかというように考えております。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 経済社会発展計画の中に航空機の役割りをどの程度読み込んでおられますか。あなた方加わって審議をしておりますか。

金井洋運輸省航空局技術部長

○金井説明員 公共投資が全部で五十五兆ということですけれども、そのうち航空機関係は五千九百億というふうに見込んでおります。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 いままでの公共事業費の中の割合から見て、航空の重さが出ておりますか。

金井洋運輸省航空局技術部長

○金井説明員 いままでよりは伸びております。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 私は先ほども申し上げたんですが、五年先、十年先、いい悪いは別としても、経済の成長が非常に高い程度に達すると思いますし、その中で航空機の占める役割はもう想像外に大きくなりはしないかと思いますので、これを少しやはり先を読んでおいていただきませんと、たいへん実はそのために困ることが出てくるように思います。何といっても小さな国、小さな領土、領空、領海、そこへもう人と物が殺到するだろうと思いますので、そういうものをよほどしっかりやっておかないと、交通安全なんということをやったところで、その技術的な処理だけでは不可能になる。ことに空の管制というものが、また狭い領空でありますだけに、また悪い気流もあるようでありますから、なかなか私はむずかしくなるんだと思いますが、空の管制に関してどういうふうにお考えになっておりますか。

金井洋運輸省航空局技術部長

○金井説明員 確かに御指摘のとおりでございまして、先ほども申し上げましたように、二分間に一機という飛行機の離発着を東京の場合にしておるわけですが、これは幾ら大型化されたとはいえ、将来やはり機数自体も伸びるわけでございまして、これに対しましては管制の空域を、いまたとえば七千三百メートル以上の高度については航空路以外の道も飛べるというような規定がございますけれども、これをもっと検討して、安全上の見地からこの空域を再編成するということも考えております。たとえば東京とか大阪、これは非常に混雑する空港でございますけれども、こういう空港につきましては小型機と旅客機、こういうものを分ける管制をする特別管制圏というのを設定して、異常接近だとか事故だとか、そういうものを未然に防ぐように努力しております。  それから航空路も、たとえばいまある航空路のほかにもう一本つくれないかというようなことも検討しております。これにつきましては、特に東京近辺の場合には、羽田と成田だけを考慮してやっていたのではいけませんので、横田とかあるいは下総とか百里だとか、そういう自衛隊、米軍の飛行場自体とも相談しまして、一番能率的で一番好ましいルートはどういうことなのだろうかということを検討し始めております。  それからさらに管制官は、現在約九百名おりますけれども、年々五十名くらい増員されております。もちろんこの増員だけでは業務増に対処できないわけでございまして、四十二年度から管制の自動化、コンピューターに入れて自分で書いたりしゃべったりするものが数字で何秒間という間に出るような自動化システム、これを計画して着々実行に移しております。それからいま羽田が非常に込むということが起こるわけですけれども、これは空中で待機させられるということで、非常に好ましい姿ではないわけでございますけれども、気象その他によって空中で待たないような方法はないのか。この場合には、もっと情報をコンピューターで各空港に流し、そしていま出発しないほうがいい、空中で待つよりは地上で待っていたほうがいいわけでございまして、この流れを規制するいわゆるフローコントロール、これはスケジュールと関係するわけですけれども、フローコントロールというふうにして、乗客に迷惑あるいは不快感を与えないというようなことも同時に考えております。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 私はしろうとですから、海や空の話を特に伺いましたが、非常に大きな問題になるだろうと思いますので、交通基本法の精神にのっとって、どうぞひとつ少し先回りをすることをお考えいただきたいと思います。  今度は道路のことを少し伺いたいのですが、経済の伸びに照応して、道路の問題がたいへん大きな問題になってきていると思うのでございます。先ほど申しましたが、私は五年たてば倍になる、さらに五年たてばまた倍になるというふうに大ざっぱに押えておりますので、その場合に、道路がそれについていけるかどうか。またいろいろなくふうはなさっていらっしゃることは承知いたしております。能率のいい高速道路などの問題もございますし、あるいはバイパスなどもじょうずにおつくりになっていることも承知いたしております。そこで、空も海もなかなか混雑してまいりますし、そういうこととも関連しましょうし、また国内の鉄道輸送、自動車輸送等の傾向等の問題もございましょう。そういうものを含めて、これは雲をつかむような話かもしれませんが、これから道路をどう持っていくのか、先般大きな計画がきまりましたことも承知いたしておりますが、具体的に担当官としてどうお考えになっておるか、その辺のことをひとつ聞かしてください。

井上孝建設省道路局企画課長

○井上説明員 お答えいたします。御承知のように、私ども道路整備は主として燃料税を特定財源にいただきまして、昭和二十九年から五カ年計画を立てて整備を進めております。その間自動車台数も非常なふえ方をいたしましたが、道路整備費もおかげさまで相当大きくなっております。私どもとしては、いま先生御指摘のように、自動車と道路整備との追っかけっこがずっと続いておりまして、一体どのくらい道路整備をしたら交通の需要に対応できるか、また安全な道路ができるのかということを二、三年前からいろいろと計画を立てております。一応私どもとしては、将来見通せる限りの長期といたしまして、昭和六十年度におきます自動車の台数を、これは経済企画庁等とも御相談をいたしまして、国民所得の増、日本経済そのものの増、こういうものを勘案いたしまして、一応自動車台数を昭和六十年時点で三千五百万台、そのうち二千五、六百万台が乗用車、そういうように一応の需要を想定いたしまして、そのために必要な道路は、どのような道路をどの程度つくるべきかという計算をいたしまして、御指摘のように七千六百キロの国土開発幹線自動車道、それから高速自動車国道をはじめといたしまして、大体自動車が円滑に通れる幹線道路は日本中に約四十万キロ必要、実際にはわが国には道路法上の道路といいますのは、市町村道まで入れますと約百万キロございます。そのうち四十万キロを六十年までに整備するという長期構想を立てております。所要資金は、二、三年前の企画でございますが、約六十兆円、これだけの計画を実施するために当面お金を幾ら投資するか、どのような仕事をするかということで五カ年計画を、御承知のつい先日閣議了解をいただきました十兆三千五百億円ということで当面の五カ年計画の規模をきめていこう、ただいまはその中身を鋭意検討し、積み上げておる段階でございます。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 時間の制約があるようですから、道路の問題に関連して、特に運輸省に伺います。  この間ここに婦人矯風会の人でしたか、来られまして、ドライブインで酒を売らないでくださいという陳情がございました。これは承るところによりますと、かなり前からいろいろの角度から御検討くださっておるようでありますし、飲食店を許可する厚生省の立場からいうと、だれに売っちゃいかぬというようなことはなかなかできないことのようにも聞いておりますし、大体ドライブインというのはどう定義したらいいかということもございましょう。しかし、こんなに交通問題がやかましいときに、そういう素朴な御婦人の要望なども政治の上に生かしておくことが必要だと思いますので、たいへん素朴な質問でございますが、ドライブインで酒を売らなくするには、これはいろいろ厳密な意味ではドライブインの定義というものもございましょうけれども、どういう方法で進めていったらいいか。これは副長官、せっかくでございますから、ひとつお答えをいただきたいと思います。

湊徹郎自由民主党総理府総務副長官

○湊政府委員 ただいまお話しの点は、いままで何回か政府部内でも相談してまいっておりますが、従来とってまいりましたのは主として行政措置によってで、その方法としては、各都道府県のほうで県ごとに組合をつくってもらいまして、その組合で自粛をしてもらうということが一つ。それから、同じドライブイン等を営んでおるものだけでなくて、もう少し範囲を広げまして、食品衛生協会、あるいは料飲業をやっているものの組合、そちらのほうにも御協力を願いまして自粛を呼びかける、その他交通安全運動等いろいろな機会にやっておるわけでございます。率直な話、なかなかきめ手になるようなものはない、何か法律的な措置はとれないだろうかということで、先ほど御指摘のように、食品衛生法のほうで何とかできまいかとやったのでありますが、ドライブインそのものをきちっとつかまえる方法もなかなかございませんし、さらに今度は運転者に即して、運転者だけをドライブインで区別する方法についてもなかなか見つからぬ。幸いに高速道路のように閉鎖された道路の場合でございますと、道路の管理者である道路公団のほうで、あらかじめ設置するときにお酒類は出さぬ、こういう契約に基づいてつくっておりますので、高速道路関係については従来からも酒を出すということはございません。その他につきましては、幸いに今回、御承知のように道交法の改正がございまして、今度の道交法の場合は、わずかであっても酒を飲んで運転することを禁止する、あるいは酒気を帯びて運転するおそれのある者に酒類を提供したり、または飲酒をすすめることも禁止する。これはもちろん訓示規定でございまして、罰則はございませんけれども、従来のように警察のほうで全く根拠なしにやっておったのに比べますと、かなり法律的な根拠ができるわけでございますので、これによってさらに徹底をしていくようにしたいというふうに考えております。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 高速道路のいわゆるドライブインというのは、実際問題として全然酒を売っておりませんか。

湊徹郎自由民主党総理府総務副長官

○湊政府委員 高速道路の場合は、道路の施設協会という団体がございまして、そこと道路公団のほうと占用の許可といいますか、その敷地を使っていまのような施設をつくる場合に協会から営業者に貸すという形をとりますが、その条件の中にはっきり入れてございますので、売っておらないわけでございます。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 協会を通して云々ということばがありましたが、高速道路以外の道路に面するドライブインに関してもそれをやっているわけですか。

湊徹郎自由民主党総理府総務副長官

○湊政府委員 ただいまの点は、建設省のほうから答弁していただきます。

井上孝建設省道路局企画課長

○井上説明員 いまお答えしましたとおり、高速道路の敷地の中、閉鎖されたあの中では酒類の販売は許しておりません。しかし、インターチェンジから一たん出まして一般道路に入ったところにある飲食店につきましては、先ほどのお話のとおりでございまして、いまのところはまだ自由に売っております。禁止措置がとられておりません。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 協会を通して云々といったのは違うのですか。

神林三男厚生省環境衛生局食品衛生課長事務代理

○神林説明員 食品協会を通じまして全国のこうした団体に、政府に協力するようにということを一応流しております。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 流しておりますけれども、効果はありますか。

神林三男厚生省環境衛生局食品衛生課長事務代理

○神林説明員 これは私どもはっきりわかりませんが、法律的にはできないものですから、一応協力を願ってやつ七おります。

小峯柳多自由民主党

○小峯委員 さっき訓示規定と言ったのですが、どうして罰則がつくられなかったのですか。つけちゃいけないような何かがありましたか。

久保卓也警察庁交通局長

○久保政府委員 現行の刑法の共犯理論であります。ところが共犯理論の場合といまの場合とでは若干範囲が違ってまいります。時間がございませんので厳密には申せませんが、したがいまして、いまの構成要件ですと処罰規定をつくることは非常にむずかしいということで、今後の研究問題として、これは法務省との相談結果でございます。

受田新吉民社党

○受田委員長 本会議散会後再開することとして、暫時休憩いたします。    午後一時五十九分休憩      ————◇—————    午後三時四分開議

受田新吉民社党

○受田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。長谷部七郎君。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 私は、ただいま議題になっております交通安全対策基本法案に関連いたしまして、若干御質問をいたしたいと思います。  わが国の交通事故はますます激増しておりまして、総理府の発表によりましても、昨年は死者が一万六千二百五十八人、負傷者が九十六万七千人、事故件数も七十一万七千件をこえておる現状でございます。ここ数年のうちには死傷者は百五十万人に達するのではないか、かように予想されておるわけであります。今日、政府は、高度経済成長政策を進めておるわけでありまして、わが国は世界第二位の国民総生産をあげて、いわゆる経済大国とまでいわれておるわけでありますが、このような経済成長を遂げておる反面、国民の生活は、物価高と、そして公害の多発、きのう大阪で発生したガス爆発事故に見られるような大災害の激発、その中でも、交通事故による死傷者の増加は深刻な社会問題になりつつあることは御承知のとおりであります。私たち日本社会党といたしましても、今日まで交通安全対策を具体的に提案をしてまいったのでありますが、四十五年度の予算を拝見いたしましても、抜本的な交通事故対策、安全施設の確立、こういった積極的な施策については、残念ながら発見することができないのでございます。なお、今日まで、交通事故防止に関する対策については、いろいろ国会の内外で論議が尽くされておりまして、今後は、それをいかに実行に移していくか、また予算の面でもいかに予算措置を増大いたしまして施策を拡充していくかということにかかっておるのではないか、かように考えるのでありまして、そういう立場から二、三御質問を申し上げたい、こう思うわけでございます。  私は、特に自動車交通事故の問題を中心にお尋ねをいたしますが、昭和四十一年から、御承知のとおり緊急道路保安施設の整備計画が実施をされておるわけであります。すでに第一次計画が終わり、第二次計画に入っておるわけでありますが、この第二次計画の予算を先般ちょうだいいたしたわけであります。道路管理者分としていわゆる建設省で七百五十億円、公安委員会分として警察庁に約四十六億円の予定がなされておるようでございます。  そこで、お尋ねしたい第一点は、第一次がすでに実施済みであり、現在実施中の第二次計画が達成をした暁には、いかなる事業効果が期待されるのか、まずこの点をひとつ建設省あるいは公安委員会にお尋ねをいたしたいと思うわけであります。

井上孝建設省道路局企画課長

○井上説明員 お答えいたします。私ども、第二次の交通安全施設として、道路管理者分として七百五十億を予定いたしております。その結果、たとえば歩道につきまして——これは当分の間歩行者の安全をはかるというために歩道に重点を置いてまいります。七百五十億の中の八三%に当たります六百二十億円を歩道及び歩道橋の設置にさきまして、その結果約五千キロの歩道ができる、また千二百カ所の横断歩道橋をつくる、こういう計画でございます。また、そのほかに総合交通安全施設整備計画の地方の公共団体が単独で行ないますものといたしまして、私どもの推計によりますと、さらに歩道を二千六百キロと歩道橋八百カ所くらい、こういう計画でございます。  なお、この事業効果でございますが、ただいま歩道に例をとりましたが、その他いろいろ安全施設等の設置を強化するわけでございますが、なおこの三カ年が済みましたあとで、もう一度安全施設の設置状況を見直しまして、ただいま策定中の道路整備五カ年計画の中でさらに後半の三カ年で整備を進めるという考え方をとっております。

久保卓也警察庁交通局長

○久保政府委員 安全施設の緊急整備による投資効果でありますが、いろんな条件が競合いたしますので、厳密な計算はいたしにくいかと考えますが、一つの目安といたしまして、信号機等について、事前事後の数カ年間の事故の減少ぶりを一応基準にいたしまして、そういうものをもとにした推計でありますけれども、私どもがざっとやったところによりますと、第一次の計画、四十一年度から四十二年度まで、この三カ年で一応交通事故件数にしまして約四万件、死者の数にして千三百人、負傷者の数にして三万六千人という数字を出しておりますが、さらに第二次の計画では、件数にいたしまして約九万件、死者にいたしまして約二千五百人、けが人にいたしまして約七万五千人、そういった程度を見込んでおります。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 投資効果につきましてはわかったわけでありますが、この第二次の計画が昭和四十六年までで終わることになっておるわけでありますけれども、まだまだ保安施設の整備は立ちおくれておるといわなければならぬと思うわけであります。そういう観点からいたしますと、率直に申し上げて、三カ年間で建設省が七百五十億円、公安委員会が四十六億円、約八百億円の事業費にしては少しく全体の道路整備計画から考えます場合に立ちおくれが著しいのではないか。昭和四十五年度の道路整備計画を拝見いたしますと、公共事業ではすでに七千七百二十七億円、有料道路で約三千百四億円、地方単独事業では約四千三百四十五億円、合わせて、わが国で四十五年度道路整備につぎ込まれる予算は一兆五千百七十七億円と推計されるわけでありますが、こういう中で交通安全に向けられる四十五年度の予算は、建設省関係だけで、一般道路、地方道路含めまして約四百五十億しかないのでございます。したがって予算的に見ました場合、交通安全対策がいかに貧弱であるかということは、この数字を見ただけでもわかると思うのであります。これに対して建設省はどういう考え方をとっておられるのか、まずこの点を承っておきたいと思います。

井上孝建設省道路局企画課長

○井上説明員 交通安全の三カ年計画で、法律に基づきまして策定いたしました七百五十億という金額は、これは既存の道路に対して、歩道のないところに歩道をつけるとか、ガードレールのないところにガードレールをつけるとかいう既存の道路に対する手当ての金だけでございます。したがいまして、道路を新しくつくる、あるいは広げるというようないわゆる改築事業、これに伴って設置いたします安全施設事業も非常にたくさんございます。  なお、おことばでございますが、道路整備は、大きいところは高速自動車道から小さいところは市町村道に至るまでいろいろ手当てをいたします。これは大きく見ればすべてが交通安全につながるものだと思います。たとえば狭い町の中を国道が通っております場合、これをバイパスにする、これは一般国道の改築事業として非常に大きな金額が盛り込まれた、これについては、ひいては道路の交通安全のために役立つものであろうというようなことで、私どもとしては道路整備全体をいわば交通安全の目的の大きな一つにしております。  それからなお七百五十億円は、いま申し上げましたように既存の道路に対する手当てで、改築事業あるいは踏切の立体交差化、こういうものを合わせますと、この三カ年間で、七百五十億を含めまして約三千二百億くらいが直接交通安全あるいは踏切事故の防止というようなものに振り向けられる金でございます。ただいま申し上げました国道のバイパス等はこの中には含んでおりません。  以上でございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 私は、交通事故関係で、交通事故の被害を避けるあるいはまた軽くする、その対策として最も効果のあるものは、道路構造、それから安全施設、この二つじゃなかろうかと思うのであります。いろいろ総理府の御発表になりました資料を拝見いたしますと、いわゆる大交差点事故、たとえば一日に三万台の交通量を上回る大交差点、これを立体化することによって、年間約八万二千件の交通事故を防ぐことができるのではないか。さらにまた、大交差点の立体化に次いで事故防止上効果があると思われるものは、上下線の分離、いわゆる中央分離帯の設置であろう、こういうぐあいに思うのであります。これによって正面衝突が避けられる。少なくとも片側二車線以上ある道路区間については、上下線を分離するための中央分離帯をつくる、こういうことがぜひ必要ではないか、こういうぐあいに考えるわけであります。  それから、言うまでもなく、事故の最も悲惨なものとしては歩行者の事故でございます。これは御承知のとおり、歩道並びに歩道橋、これに力を入れておられるわけでありますが、この立体交差、交差点の立体化と中央分離帯の整備、こういうものにもつと積極的に手をつけるべきではないか、こういうぐあいに考えるわけでございますが、ことしの予算の中で、これらの事業に見合うものとしての予算措置はどうなっておるのかひとつ承りたい、こう思うわけであります。

井上孝建設省道路局企画課長

○井上説明員 お答えいたします。交差点におきます事故の多いことは確かに御指摘のとおりでございます。私どもとしましては、ただいま道路を新しくつくる場合あるいは改造する場合の基準になります道路構造令という政令がございます。これの改定作業を急ぎまして、大体成案を得て、近く改定の政令を出していただくということを考えておりますが、その中では御指摘の大交差点、私どものほうでは、一応四車線以上の道路が相互に交差するというようなところは、原則として立体交差にするということで考えております。  それから中央分離帯でございますが、これも御指摘のとおりでございますので、ただいま申し上げました構造令の中で、四車線以上の道路には原則として中央分離帯を設置するという構造令の改正をただいまやろうとしております。  御指摘の本年度予算でどのくらいかというのは、ちょっと手元に金額の資料がございませんので、後ほど調べましてお答え申し上げます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 ただいま御説明がありました道路の構造令でありますが、私はいままで地方におりまして、今日の構造令というものは社会の実情に沿わないものになりつつあるということを痛感しておるわけでございます。御承知のとおり、道路法の第三十条に基づいて政令で定めるものでありますが、現行の構造令は昭和三十三年にできておるわけであります。産業の高度化、国民所得の向上、経済の発展ということからいたしまして——三十年代の前半は、車の台数にいたしましても、今日とは比較にならないほど少なかった時代だと思うのであります。こういった時期につくられました今日の道路構造令は、まことに今日の交通対策にとって災いをしているというぐあいに私は思うわけであります。そういう意味で早くこの政令改正を期待しておったところでありますが、残念ながらいまだになされておらない。事務当局のお話を承りますと、ことしの五、六月ごろには何とかなるのじゃないかというお話でございます。私は、この道路構造令の早急なる改正がなかったならば、いわゆる大交差点の立体化も、歩道橋も、歩道も、自転車道も、中央分離帯も、大幅な予算を獲得することはなかなか至難ではなかろうか、こういうぐあいに考えておるものでありますが、いかなる理由で今日までこの作業がおくれておるのか、いま少し承りたいと思うわけであります。

井上孝建設省道路局企画課長

○井上説明員 先生のおっしゃいますとおり、昭和三十三年というと相当古いことでありますが、自動車がこれほどふえないときの構造令がいまだに法律上は生きているわけでございます。先ほど申し上げましたように、改正の準備はすでに全部整っておりますが、法制局への説明とか、そういう事務的なものが実はいろいろな事情で昨年末来今日までまだ進んでおりません。これにつきまして、私どもなるべく早く各方面の説明を終わって改正を実現いたしたいと努力をいたしております。ただ、こういう構造令の改正というのは、それぞれの道路管理者が十分納得して採用していただかなければならぬ。また改正の内容が、交通安全もさることながら、たとえば最近のコンテナなどの車両の大型化、重量化というものもございますし、最近は特に高速自動車国道から市町村道までいろいろな種類の道路ができておりまして、非常に複雑な改正になりますので、実は一昨年ぐらいから構造令の改正案なるものを各道路管理者に示しまして、大規模なバイパス等の事業については、実際上その案に従って現在工事を計画し、進めておるという状況で、御指摘のようにすみずみまで新しい構造令どおりで仕事がやられておりませんが、大規模な事業につきましては、一昨年あたりから新構造令の案に基づいて実際の計画が行なわれているという事情でございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 ただいま申し上げた大交差点の立体化の問題、あるいは中央分離帯の問題等については予算措置がいかほどなされているのか、その資料につきましてひとつあとで御提出をいただきたい、かように存じます。  と同時に、時間がありますと、道路の構造令の改正試案に対してお尋ねをいたしたいところでございますけれども、私の時間が四十分ということになっていますので、あとの機会にしたい、こういうぐあいに思いまして、先に進ませていただきたいと思います。  次にお尋ねいたしたいのは文部省でございますが、交通安全教育についてお尋ねをいたしたいのであります。  私どもの承知するところでは、この交通安全思想の普及については、学校教育法に基づいて小中学校並びに高等学校で交通安全の教育普及が行なわれなければならないことになっておるわけでありますが、その定めに基づいて現在どの程度行なわれておるものであるか、まず文部省からひとつお聞かせを願いたいと思うわけであります。

西村勝巳文部省体育局審議官

○西村説明員 交通安全教育につきましては、学校の教育活動全体を通じまして、いろいろな指導がなされているわけでございます。たとえば教科で言いますと、社会科では、交通事故の状況でございますとか、交通標識にどういうものがあるか、警察官はどういう職務を行なうかといったようなこと、保健体育科におきましては、交通事故の原因にはどういうものがあるか、それを防止するにはどうしたらいいかというようなことを教えておりますし、同時にまた安全の能力を身につける訓練も行なっているわけでございます。  なお、交通安全につきましては、知識のみならず実践的な態度が非常に大事だという観点に立ちまして、学校行事等というところで一定の時間を設けまして、実地の訓練をするようにという通達を昭和四十一年六月三日にいたしまして、大部分の学校がこれを実施をしております。実情を調査いたしますと、大体年間十二時間程度とりまして、月に一ぺんでございますけれども、そういった訓練をやっている学校が多いわけでございます。  そういった指導のしかたにつきましては「交通安全指導の手びき」というのを作成いたしまして、これを手引きにいたしましていろいろな講習会等が実施されているわけであります。  なお、そういう指導書のみならず、実地訓練をどのような場所で、どのように実施したらいいかということで、モデル的に交通安全訓練施設といたしまして交通安全センターというのを小学校の校庭その他に設けるということで、昭和四十三年から実施しております。各県一つずつつくっておりまして、これをまねいたしまして、方々に似たようなものができておるわけでありますけれども、ここにおきましては、いろいろ交差点でございますとか、遮蔽物のある道路等もつくりまして、そこを歩くにはどうしたらいいか、道路標識をつくってそれを理解してもらう、横断歩道の横断のしかたをどうしたらいいかといったような、いろいろな訓練をそこで実施するというような場所をつくるようにいま援助をしておるところであります。  なお、そのほか、関係者の資質を向上するという必要がございますので、学校の校長、教諭等を集めまして、交通安全指導に対する講習会等をいま実施しているところであります。  大筋でございますが、学校教育に関する交通安全指導ということは以上のようなことでございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 いま一つは、地域住民に対する教育の問題があろうかと思うのであります。私の記憶によりますと、地方自治法の第二条第三項の八号に、市町村の固有事務の一つとして交通安全の保持を規定しておるわけでありますが、これに対しまして、市町村では、各部落あるいは町内、こういう地域に交通安全の推進員制度を設けまして、推進員を配置しているわけであります。この方々が地域においていろいろ啓発指導をやっておるわけでありますが、これを裏打ちする財源がほとんどない。市町村には固有の事務として与えておきながら、交付税の面でも何らそれが措置されておらない、こういう実情にあると思うわけであります。これに対して自治省はどういうぐあいに御理解をなさっておられるのか、どういう措置を講じようとしておるのか、この際承っておきたい、こう思うわけであります。

横手正自治省財政局交付税課長

○横手説明員 市町村における交通安全の運動推進費の関係経費でございますが、現在交通事故相談関係経費等含めまして、四十四年度におきましては全国総額で約六億円程度、普通交付税の算定にあたりまして算入いたしております。四十五年度におきましてはこれを五〇%程度増額いたしたい、かように考えておるところでございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 いまのお話を承りますと、四十四年度は普通交付税の中で六億円、来年度は五〇%増額したい、こういうぐあいに説明されたわけでありますが、交通安全の保持に関する交付税の算定の基準をひとつ承りたいと思うわけであります。

横手正自治省財政局交付税課長

○横手説明員 市町村分におきましては、交通安全運動推進関係経費といたしまして、通信費とかあるいは印刷製本費、こうしたような需要を主にして見ております。なお、交通事故相談関係経費もあわせて織り込んでおるような次第でございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 きわめて抽象的でわからぬわけでありますが、算定の基礎をもし口頭で説明ができないとするならば、ひとつ関係資料をあとで御提出をいただきたいと思う。せっかく自治法によって市町村に交通安全の保持についての固有の事務を委任しておきながら、それを裏づける財源がほとんど皆無にひとしい、こういうことでは、仕事は市町村にどんどんやらせておきながら、国ではその財源を補てんしないということは、ただでさえ苦しい市町村財政を大きくそこねることになろうかと思うのであります。そういう意味で私は、この交付税の増額措置、算定基準の補正について、この際強く要望したいと思っておるわけでありますが、この点自治省の御見解をあらためて承っておきたいと思います。

横手正自治省財政局交付税課長

○横手説明員 現在普通交付税上の措置といたしましては、交通事故相談関係経費もございますが、交通安全運動推進費関係経費ということになりますと、主として印刷製本費、これが、人口十万の市が標準団体になっておりますが、ここにおきまして二十八万円程度、消耗品費が五万円、通信運搬費が五万円、こうしたような算定基礎があるわけなのであります。なお、こうした交通安全運動推進費並びに交通事故相談関係経費、合わせまして六十三万二千円を四十五年度におきましては一応予定いたしております。ただ、これがそれほど多額でないということは言えるかと思いますが、四十四年度と比べますと、ほかの費目が平均いたしまして二割前後の伸びというような状況でございますから、一応この関係経費には重点を置きまして、五〇%程度の増加をはかっておるわけでございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 それから、たとえば自動車取得税による財源があるわけでありますが、これはいままでの関係では、それぞれ割合をきめまして道路財源に使うようになっておるわけであります。地方団体の一般財源として使えるようにするお考えがないのかどうか、この点もあわせてひとつ伺っておきたいと思うのです。

横手正自治省財政局交付税課長

○横手説明員 現在地方道の整備状況と申しますと、非常に悪いわけでございます。これは御承知のとおりでございます。したがいまして、昨年来地方道の整備ということにつきましては、非常に重点を置いて、その整備の推進をはかってまいっておるところでございます。したがいまして、自動車取得税、こうしたものも勢い道路財源のほうへ充当してまいることが必要なのではないかというふうに考えております。  なお、この際申し上げておきたいと存じますが、先ほど交通安全施設関係経費の話が出ておりましたが、明年度地方団体の負担額は約二百九十億円になろうかと存じますけれども、これにつきましては、普通交付税の算入にあたりまして十分措置することにいたしております。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 私は特にこの交通安全推進運動のために増額を願いたいと思うことは、やはりこれからの交通安全の普及は、部落、町内に交通安全の推進員をそれぞれ配置をいたしまして、部落ぐるみ、町内ぐるみでこの交通安全思想の普及、高揚をはかっていかなければならぬ。こういうぐあいにいたしまして、そのためには、やはりそれらの推進員の行動を裏づける財源がどうしても必要になってくるであろう。私は秋田でありますけれども、秋田では約七千人の安全推進員を配置しておるわけであります。ところが、これに対する財源というものはほとんどない、こういう状態でございます。したがいまして、特に交付税の面あるいは自動車取得税の配分にあたってのこういう問題についても、ひとつ十分御留意を願いたい、こういうぐあいに考えておるわけであります。  次にお尋ねをしたい点は、救急医療施設についてお尋ねをいたしたい。  災害にあわれまして病院で手当てをするわけでございますが、われわれ地方に参りますると、救急病院が非常に不足をしておるということであります。特にこの救急病院に指定を受ける場合には、脳神経外科医を置かなければならない、あるいは一定の基準に達した医療施設を施さなければならない、あるいは看護婦その他を充実しなければならない、こういうわけで、医師の確保はもちろんのこと、これら救急医療施設をつくるためのかなり多額の投資をやらなければならない、こういう状態でございます。したがいまして、現在の地方財政から考えましても、救急病院を増設するということは至難でございます。これに対して厚生省は、やはり当然何らかの国としての積極的な援助をやらなければならないのではないか。特に、承るところによりますると、交通安全の一つの対策として救急医療センターを全国各地に建設をしていく、その場合に二分の一の国庫補助を出して助成をしよう、こういうお考えをとっておられるようでありますが、この脳外科医の確保はもちろんのこと、いわゆる救急病院の施設の充実あるいは増設のためにどういう御計画を持っており、これにどう対処しようとされておられるのか、この際承っておきたい、こう私は思うわけであります。

松尾正雄厚生省医務局長

○松尾政府委員 救急医療を担当いたしますいわゆる告示病院、告示医療機関といいますものは年々ふえてまいりまして、制度が始まりましたときは約千百八十一、現在約四千二百八十四、約三・六倍に伸びてまいりました。年々、これにつきましては御理解をいただきまして、さらに拡大をいただいておるわけでございます。この中では、いま御指摘のように、いろいろな設備なり、それに所要の人なり、またその受け入れ体制なりということが必要でございますので、御指摘のように、なかなかその点について、みずから進んで受けるということがむずかしいという事情もあろうかと存じます。しかしながら、ただいま申しましたように、医療機関自体すべてが大なり小なり実質的な仕事を担当しておるわけでございますので、その中で特にそういう向いたところにつきましては、さらにこれを増加していただくように努力をしてまいっておるわけでございます。ただ、この救急医療体系の中で最も現在まで強く要望されておりますのは、いわゆる初期の治療を過ぎました段階で、さらに高度のいろいろな医療、特にただいま御指摘がございましたように、脳外科あるいは脳神経外科、こういう方面の能力を持ったところを整備するということがきわめて必要だといわれているわけでございます。したがいまして、厚生省といたしましては、おおむね人口百万人に一カ所というような基準を立てまして、全国で百十二カ所ほどの救急医療センターというものを臨時的に整備してまいる、こういう計画を進めてまいりまして、四十四年までにすでに八十四カ所の整備を終わっておりまして、四十五年度で大体百カ所をこすであろうというふうに考えております。そういうようなことによりまして、中心となります医療センターの整備ということを進めてまいっておるわけでございます。  なお、それに伴いまして建物ができましても、専門の脳神経外科あるいは麻酔専門の医者というもののレベルを上げるということがきわめて必要でございます。専門の学会にも委託をいたしまして、毎年脳神経外科なりあるいは新たに麻酔医科の専門医の養成というのに着手しておるわけでございます。  そのような計画でぜひ進めてまいりたいと思っておるわけでございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 その次にお尋ねをしておきたい点は、これは労働省になろうかと思うのでありますが、あるいは運輸省にも関係あるかもしれません。今日の道路運送法あるいは労働基準法、その他関係した法律がたくさんあるわけでありますけれども、いわゆるバス、ハイタク、トラック等の運送業者は、必ずしもこの道路運送法あるいは労働基準法を完全に守っておるとは言いがたい現状でございます。特に運転手の労務管理、これが非常に過酷である、こういう現状が指摘されるだろうと思うのであります。特にいまの各企業に対する労働省の監督、これは要員の不足もあろうかと思いますけれども、きわめて不十分ではないか、私はこういうぐあいに考えます。  さらにいま一つは運転手の待遇の問題、なかんずく賃金体系の問題でございます。どうしても現状はいわゆる能率給といいますか、歩合給制度に重点が置かれている、固定給ではなくしてノルマ制になっておる、こういうことから非常に長時間労働になっておる現状でございます。二十四時間勤務、こういったとうてい考えられない労働条件の中にあるわけでありまして、こういった労働者の諸君の過労が一つは交通事故の大きな要因にもなっておるのではないだろうか、こういうぐあいに考えられます。したがいまして、労働省に対して、一体自動車運送業の企業に対する監督はどうなっておるのか、あるいは運転手の賃金体系はこれでいいと思っているのか、あるいは運転者の疲労を回復するための休憩室、仮眠室等の厚生施設の現状はこれでいいと思っておるのかどうか、こういう点につきまして労働省の御見解を承っておきたいのであります。  それから、あわせて交通警察にお尋ねをいたしたいのでありますが、御承知のとおり、現在、年間、交通警察に携わる諸君は全国で約二万三、四千人だろうと思うのであります。これらの陣容で百万件をこす大量の仕事を処理しておるその労苦に対しましては、深く敬意を表するところでございます。しかし、何といっても年間十万件をこす交通事故の増加であります。とうていこれには追いつくものではないと思う。したがって、要員確保の問題についてどういうぐあいに考えておられるか。  それからいま一つは、これからの交通行政、警察行政として、特に交通の面でぜひ手をつけて強化をしていただかなければならない問題は、都市部における歩行者、あるいは市民生活優先のための商店街や住宅街に対する自動車の通行の問題、市民生活優先の立場から、この住宅街や商店街の道路の狭い区域に自動車を乗り入れる、これの規制の問題を取り上げていかなければならないのではないか、こういうぐあいに考えるわけです。本来は建設省所管の車両制限令によってこれは規制ができるのでありますけれども、ほとんどその実効が伴っておりません。建設省の車両制限令では実効が伴っておらぬのであります。したがって、どうしてもこれは交通警察の分野にたよる以外にないのではないか、こういうぐあいに考えるのでありますが、これらの点についての御見解を承りたいと思うのであります。  最後にもう一つは、いま交通安全対策基本法なるものが提案になって、審議中でございますが、これを拝見をいたしまして強く感じますことは、中央交通安全対策会議がいろいろ基本計画を策定をする、その計画に基づいて各省庁の長に対して勧告をする、こういうことになっておるようでありまするけれども、勧告権しかない、あるいは調整権しか持っておらない。これでは強力なる総合的な行政というものはなかなかもって期待できないのではないか、こういうぐあいに考えるのであります。  なおまた、各省ばらばらに、このとおり交通安全対策になりますると各省ばらばらでございます。きわめて総花的であります。したがって、この際これを総合的に、一元的に、リーダーシップをとって、強力に推進のできる行政機構をぜひつくる必要があるのではないか。そのために私は、具体的に交通省の構想なども出ておることも承知いたしておりますが、こういう問題はなかなか現状から直ちにできるものとは期待できません。では、それまでほうっておくかというと、それも許すことはできません。したがって、この際、陸上交通調査室のような機構をもっと拡充強化する、権限を強めて、一元的な、統括的な行政ができるようにすべきではないか、こういうぐあいに考えるところでありますが、これに対する副長官の御見解を承っておきたい、こう思うわけであります。  以上、時間が参りましたので終わりますが、ひとつそれぞれの分野で明快な御答弁をいただきたい、こう思うわけであります。

受田新吉民社党

○受田委員長 ただいま三方面の質問がありましたが、総務長官に一番最後に締めくくりで答弁してもらうことにして、まず労働省賃金部長藤縄君。

藤繩正勝労働省労働基準局賃金部長

○藤繩政府委員 労働行政におきましては、すべての労働者に対しまして、労働基準法その他の労働法規をもちまして労働条件の維持、改善につとめておるわけでございますが、自動車運転手につきましては、かねてから労働条件に問題が少なくない、しかも、それが交通事故とも密接に関連するということで、私ども重大な関心を払ってまいりまして、実は、昭和四十二年の二月九日に、自動車運転手の労働時間等の改善基準についてという通達を発しまして、労働時間、休憩、休日あるいは割り増し賃金、賃金形態、それから仮眠施設、健康診断等々の重要な項目につきまして指導基準を設けまして、自来これによりまして鋭意監督を行なってまいりました。ただいまお話しのとおり、十分監督が行なわれていないじゃないかということでございます。なにせ私どもは全労働者を対象にいたしておりますので、これで十分だとは申しませんが、それ以来、春秋の交通安全期間中には、管区の事業場に対しまして一斉監督を行ないまして、年間大体二万事業場くらいの監督を行なってまいっております。特に、御指摘の賃金形態につきましては、歩合給の中でも非常に極端な刺激的なものとしていわれておりました累進歩合制というものにつきまして、ぜひこれをなくすべきだということで指導してまいりました。通達を発しました昭和四十二年ごろには、大体八〇%くらいこの累進歩合制が行なわれておりましたが、昭和四十四年の七月の時点ではすでに六%程度に縮減を見ることができているわけでございます。  その他、最近におきましては、都市の運賃改定のときにも、御承知のとおり、労働条件の改善対策ということにつきまして、運輸省ともども私どもは、業界及び関係労使に対しまして、十分この労働条件の改善について留意されたいということを申し上げ、指導をいたしてまいっておるわけであります。今後とも監督機構等の充実につとめまして、遺憾のないように進めてまいりたいと思う次第でございます。

久保卓也警察庁交通局長

○久保政府委員 一つは要員確保の問題でありますが、現在、交通警察官を街頭に配置すべきところ、交通事故がふえますので、事故処理のほうに回される、そうすると街頭から警察官の数が少なくなって、また事故がふえるということになって、たいへん悪循環になっております。そこで私どもとしましては、この事故の累増の今日、悪循環を好循環にする、街頭に配置することによって事故を減らす、そうして警察官を浮かして街頭に配置していく、こういうことが望ましいわけでありまして、第一線の警察におきましても、交通警察官の手不足について悲鳴をあげているところであります。警察庁といたしましても、交通警察官の増員の必要性は認めているところでありますが、さて具体的に四十六年度、来年度にどういう増員を要求するかということについては、きわめてむずかしい今後の問題になろうと思います。私どもは、昭和五十年を目標にいたしまして、長期計画を立案しつつあるところでありますが、この中で少なくとも交通警察部門として考えておりますのは、二万人ぐらいは増員をしてほしい、そうして他に考えております安全施設の徹底的な完備と相まって、交通事故というものは昭和五十年を過ぎれば増勢を抑制できる、横ばいにし得るという見通しを持つわけでありますが、そのためにはどうしても二万人という数字がほしいわけでありますが、ただ、この点を実際の施策に移せるかどうか、警察庁内部でも決定いたしておりません。私ども範囲での数字を心得ていただきたいと思います。  第二点は、都市部の歩行者、商店街、住宅街等の問題でありますが、いま申し上げました長期計画の中での目標といたしましては、歩行者及び自転車事故による死亡者の数を半減したいというふうに考えております。したがいまして、歩行者の保護というものを相当徹底するというか、その多くの部分は道路の構造の改善の問題、公安委員会の安全施設の完備の問題、そういう問題につながってまいります。  さらに、それ以外の規制の問題といたしましては、いまお話が出ました商店街とか住宅街、あるいはいわゆる裏通り対策の問題になるわけでありまして、私どもも、総理府から指示がある以前から、こういった裏通り対策を昨年来相当強く進めているところであります。問題は、狭い道路においては必ず歩道をつくってもらう、歩道をつくって車が通れなくなるようなところでは、少なくとも相互通行のできないようなところは一方通行にするし、一方通行のできないところは車をとめるというような方向で、各県に指示をいたしております。ただしこれは、全体の交通量でありますとか、あるいは道路環境とかいうものを考えながらやらなければなりませんので、一律にやるわけにはまいらないかもしれませんが、実情に沿ってそういうような方向で、人の優先という立場から考えてまいりたい。特に裏通りにおきましては、交差点が非常に見にくいということで、交差点付近の事故が多いわけでありますから、一時停止であるとか、交差点であるということを表示する標識の設置でありますとか、警視庁あたりで実験をいたしますと、若干の標識を置くことによって相当効果があがっておりますので、予算の関係があるにしても、こういう方向で進んでまいりたい。なお商店街につきましては、これはいわゆる買いもの道路といたしまして、夕方の一定の時間に車どめをして、自由に買いものができる、そういった規制を昨年来やっております。件数は忘れましたが、相当数にのぼっておりまして、今後もそういう方向で進めます。  さらにもう一つは、子供の遊び場道路ということを昨年の夏休みにやってみました。昨年は途中でやったものですから、相当全国的に行なわれたわけではありませんが、それでも、個所数にしましても四百カ所くらい、夏休みが済んでは数が減っておりますが、まあ効果的に運用できたところと、しからざるところとありますけれども、交通の実態に応じてそういうようなことは今後も進めてまいりたい、かように考えております。

湊徹郎自由民主党総理府総務副長官

○湊政府委員 先ほど来いろいろ話がございましたように、最近交通の事故が陸から海、空、非常に広がりを増し、かつただいまの質問でもおわかりのとおりに、各省庁にまたがっております。そういう仕事を一つにまとめて強力に、おっしゃるとおり一元的にやっていくためにはどういうふうな形をとったらいいだろうか、こういうことを私どもも長いこと実は検討してまいって、その結果、個々の単行法でもってばらばらにやっておったのでは、全体としての能率も効果もあがらぬから、この際やはり交通安全対策基本法、こういう法律をひとつもとにして、同時に、それに対応するような政府部内の機構というものもまとめていく必要があるのじゃなかろうか、こういう考えのもとにこの法案を御提案申し上げたわけでございますが、問題は、関係するところが非常に多面的でもありますし、それぞれもちはもち屋で専門的にやっておる。これをまとめていくというためには、やはり総理大臣がじきじき会長をやってもらって、今度の法案にございますような中央の対策会議を軸にしてやっていくことが必要ではなかろうかと思ったわけでございます。  そこで問題は、山中長官からあるいはもう話があったろうと思いますが、たとえば交通規制の問題一つをとりましても、就任早々、一方通行の規制あるいは右折の禁止、裏通りの歩行者の保護のための措置、この三つだけをとにかくとりあえずやって実効をあげてみようじゃないか、こういうことでいまやっておりますが、たとえば大阪の四つの幹線道路について昨年一方通行規制を始めておりますが、去年の一月から三月の間の事故数件と、ことしの同じ期間の件数を比べますと、もう一年間に明らかに半減いたしております。昨年二百八十一件あったのが百四十一件になっておる。こういう効果も歴然でございますし、それから、同じ交通事故の中を洗ってみますと、アメリカなんかは、自動車同士の衝突事故ないしは自動車が道路から飛び出す、こういうケースが大体五七%と記憶しておりますが、逆に日本の場合は、そのケースはまだ十数%しかございません。そしてさっきからお話がございましたように歩行者の事故、これが大体三六%ぐらい。それに自転車に乗っているものも一応歩行者と考えますと、両者合わしておおむね五〇%くらいの事故件数になっている。こういう事故の起き方の特異な形態もございますので、さっきの話のように、同じ交通安全施設を進めます場合も、歩道あるいは歩道橋に重点を置いて、建設省のほうでもいろいろそういうふうにやっていただく。また警察のほうの取り締まりもそういう点に重点を置いていただく。こういうことで、全体としての重点をしぼりながら、願わくはこの法律ができましたならば、いままでの事故発生状況を全部洗って、そして厳密に分析をしてみて、そして何が一番問題なんだろうか、問題に即応した一つの目標、たとえば歩行者の事故を何年計画で半減する、そのためにはどういうところにポイントを置いて、どの種の施設にどのくらいの金を使ったらいいだろうというふうなものを、この基本計画の中で具体的に考える。こういうことが非常に必要だろうと思いますし、それで総理府といたしましても、いままでおっしゃるとおりにばらばらでやっておったものを、山中長官も非常な熱意を持っておりますし、私も同様でありますので、各省庁のものを単純にこう集めるというのじゃなくて、むしろ統一的な基準のようなものを私どもの責任できめて、それにひとつ対応しながら、それぞれ各省のほうで御計画なりあるいは行政の実施をやっていただく、こういうふうな形にしていくことが一番効果的ではないだろうか。こういう観点から今度の御提案を申し上げた次第でございます。

受田新吉民社党

○受田委員長 土橋一吉君。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 私は、昨日の夕方大阪市において起こった交通災害と申しましょうか道路災害と申しましょうか、こういうことによって多数の人命が失われ、多くの方々が負傷したということについて、まことに残念に思い、なくなった方に対する心からなるお悔やみを申し上げたいと思うのであります。  そこで、私は湊副長官にお聞きしたいのですが、この交通安全対策基本法案というのは、本来ならば、すべての交通について、それが道路上であれ、地下道であれあるいは軌道の上であれ、また海上、水中あるいは上空などにおいて、一つ考えられることは、三つの基本的な問題があるわけです。それは一つはいわゆる交通公害であります。いま一つは交通災害の状態であります。もう一つは交通事故であります。この三つは、この基本法が要求しておるとするならば、交通安全としてはのがすことのできないいわゆる交通公害、交通災害、交通事故というものに対するこの三つの対策を、この基本法は予定をしてつくったものかどうか、この点をお聞きしたいと思います。

平川幸藏内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○平川政府委員 お答えいたします。交通の安全とは、交通の事故を事前に予防し、もし発生した場合には、これをできるだけ被害の少ないような状態において処置するということが、交通の安全でございます。この基本法は、陸、海、空の交通安全につきまして規定しておりますが、第二条の定義におきまして、陸上交通、海上交通、航空交通の定義がございます。したがいまして、この規定の範囲内に入っておる交通安全につきましては、この基本法の所管するところでございます。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 そうしますと、この法案は交通安全対策基本法案ではなくて、交通事故による安全対策というものであって、基本的に本法案が明示しておる交通公害、交通災害、交通事故については関知しないということでありますか。その点をもう一回明確にしておいていただきたい。

平川幸藏内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○平川政府委員 お答えいたします。この法律の目的は、第一条に書いてございますように、交通の安全に関しまして、交通安全の総合的かつ計画的な推進をはかりまして、もって公共の福祉増進に寄与することを目的としている。したがいまして、この範囲内に入ります交通の安全につきましては、この基本法の範囲内に入る、このように考えます。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 そうしますと、この交通安全ということは、いま申し上げまするように、交通公害の問題も今日は当然特に軌道あるいは道路、地下道などでは離すことのできない問題であります。特に航空機などについても同様だと思います。そうしてまた交通災害というのは、昨日の大阪で起こったように、たとえばいわゆるガスの問題あるいは電気の問題、さらにはいろいろなそういう施設、水害等の問題にも関係をしておるわけであります。それを抜きにしてするならば、これは交通事故に対する対策といわなければならないのであって、私はこれではこの法案自体が基本的に不十分なものを持っているのじゃないかというふうに考えるが、長官どう考えておるか。

湊徹郎自由民主党総理府総務副長官

○湊政府委員 ただいまお話の中にもきのうの大阪のガス爆発事故の話がございましたが、実は、たまたま総理府において公害関係の紛争処理法案をいま審議をいたしておりますし、それから災害対策基本法の関係も防災会議ということで総理府の所管になってございまして、事実上、総理府長官及び私がその公害の問題、災害の問題、同じこの交通安全対策の問題、三つについて所管しておる、こういう関係でございます。具体的に起きます事故の形態により、そのいずれともつかない、場合によって事故とも考え得るし、考えようによっては災害ともとれるし、あるいはその公害と広い意味で言えるという種類の事故や現象が最近かなり多発しておるのでございます。そこら辺は全体としてやはり運用でもって解決していくのが実際の行き方としてふさわしいのではなかろうか、ことばの上でこれは公害だ、これは災害だ、事故だと、こういうふうに分けるよりも、実際は対策をどうするかという見地からすれば、そういうふうなとらえ方でいって差しつかえないのじゃなかろうか、こう思うわけでございますが、いかがなものでございましょうか。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 いまあなたのお話にもあらわれておりますように、昨日の山中長官のお話にもありますように、基本的に要するにそういうものをなくしてしまうのだ、あるいは少なくとも半数のそういうことをなくしたい、こういう熱意からこの法案ができている、それで対策会議の会長には総理を据えるといまあなたがお話しになった。そうすれば、当然公害の問題と災害と分けて、また事故、これは別々に起こる場合もあるし、また同時に併発する場合もあるし、そのうち二つが一緒に起こるような場合もあるわけです。でありますから、もしおやりになれば、この三つの問題について総合的な対策をとる、さらに一歩高いものをつくらなければいかぬということになるように考えますが、いかがでしょう。

湊徹郎自由民主党総理府総務副長官

○湊政府委員 実際の実例で申し上げますと、実はけさまで私ども大阪の対策を協議をし、きょうの午前中各省庁の責任者にお集まりを願って、どういう形で処置をしようかという相談をしたわけでございます。たまたまガス爆発事故、今回の事故の実態に即して、この際は、通産大臣に政府部内の連絡の対策本部長をおやりいただくことが実際の処理の上で一番いいのではなかろうか、こういたしましたし、従来、自然災害等があって公共施設の災害が多い場合は、建設大臣に今回はひとつお願いをしよう、場合によっては私がその本部長を引き受けよう、こういうかっこうで内部で相談しながらこの種の事故には対処しておりますので、ひとつ国会次元の話は国会次元の話として、私ども政府部内の対策は対策として、そういうふうに運用さしてもらうことが一番実態に即しておるというふうに私どもは考えておるわけであります。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 一応この話はおさめまして、次は法文の体系でありますが、この中に第三条からたしか十条までの八つの法文につきまして、責務ということばを使っておられるわけです。責務というのは従来普通の法律用語にもありますけれども、法文の中に責務というのはなかなか見つからないように思うわけですが、この責務というのは、たとえば法文としては「これを実施する責務を有する。」と第三条は書いてありますが、その他の条項ではたとえば第六条を見れば「努めなければならない。」あるいは何々しなければならない、こういうように、第三条の場合は特に責務を有すると規定しておいて同じ責務という題の条文で以下のところは、たとえば四条にも「責務を有する。」と書いてある。あとは「努めなければならない。」これは一体どういう内容のことを想定して書いているのか、この点をお聞きしたい。

平川幸藏内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○平川政府委員 お答えいたします。第三条以下、国、地方公共団体あるいは道路等の設置者等の責務、それから車両等の製造者の責務、以下書いてございます。ここに書いてございます責務は、一般的には行政的な責務でございます。したがいまして、法令に従います責務も当然入ります。しかし法令に規定していない場合もございます。したがいまして、それは社会的な責務と解していただいてけっこうでございます。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 それでは、たとえばここに「(国の責務)」というのが第三条に書いてあります。それでそのほかの条文で、たとえば八条でもよろしいです。この責務がたまたま同じように競合して両方とも責務があるといわれたときに、一体この処理はどういうふうにすると考えているのか。両方とも、たとえば国自身も責務があると認定される、あるいは車両の所有者あるいは歩行者にも責務があるというふうにいわれたとき、一体どういう処理方法で問題を解決しようとしているのか、どういう方法でやるのか、ちょっとお聞きしたい。

平川幸藏内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○平川政府委員 現実に事故が起こりました場合のことを想定いたしますと、これは個々の問題におきましての具体的な判断の問題でございます。したがいまして、たとえば道路環境の悪いということが国家賠償法によって明らかにそういうケースに当てはまるという場合におきましては、国家の責任もありますし、それから歩行者あるいは車両の製造者あるいはドライバー等におきまして責任がありあるいは責任がないということになりますと、たとえば自賠責保険の適用等におきまして具体的な形になってあらわれてくる、そういうふうに御理解を願いたいと思います。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 この問題は、時間がありませんのでこの程度にします。次の問題に移ります。  一つは、運輸当局の幹部の皆さんにお聞きをしたいのですが、たとえば駅前広場が非常に狭隘なところ、そういうところにバスの乗り入れをしたり、あるいはタクシーの営業を許したりして、たいへん混雑しておるところが最近は多いと存じます。これはもう調べておられると思いますが、そういう駅広が非常に狭いためにバスのほうでもたいへん苦しんでおる。タクシーのほうでも苦しんでおる。まして国鉄を利用する多くの大衆は、特に雨の降ったときあるいは朝晩のラッシュのときには非常に混雑をするところがございますが、運輸当局は、そういう駅広で、軌道などを含めて公社関係などで一体どれくらいそういうところがあるのか、調査しておられるかどうか。

菅川薫運輸省自動車局業務部旅客課長

○菅川説明員 先生お話しのとおりに、最近の東京など大都市における人口の集中に伴いまして、駅広、郊外の住宅街のその結節点としての駅前というのが相当の混雑を呈しておるという状況はございます。ただ、この場合、駅へのバス等の乗り入れについては、そういう交通安全等の見地を十分に配慮する必要がありますので、駅に対するバスの乗り入れ等につきましては、関係の公安委員会等とも十分打ち合わせの上、実施することにしております。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 それでは具体的に申し上げましょうか。私の住んでいる立川市の立川駅南口というのは、大体駅から通りのところまで歩幅がきわめてゆっくり歩いて十三歩くらいしかない。それで、東西に向けて歩幅で大体五十歩というところです。そこへバスが入ってくる。タクシーもこの場所でお客さんを待つ。お客さんも待っておれば通行人も駅へ入ってくる。十三歩くらいしかない広さですね。それが国鉄の敷地といっているわけです。そういうところになぜ一体バスの乗り入れをし、タクシーの営業を許しているのか。それは、いまから十五年も二十年も前のことであれば、ある程度了解できることだけれども、今日においては、御承知のように非常に多くの方々がここに出入りをしておるわけです。国鉄の幹部もまた営業しておる諸君も、これをほとんど考慮に入れないかのように見える状態である。これについて運輸当局はどういうように考えておられるのか、簡単に結論だけお聞かせ願いたい。

菅川薫運輸省自動車局業務部旅客課長

○菅川説明員 立川駅の、特に南口の問題につきましては、駅前が狭隘であるために、相当な混雑を呈しているという状況にあることは、私ども調査して承知をいたしておりますけれども、地元の立川市、東京都それから国鉄等もその点についての考慮をして、立川駅の南口の拡張について計画をつくりまして、地元の立川市等では現在これの予算化について御審議中であるというぐあいに承っております。

山口真弘運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○山口政府委員 若干補足して申し上げます。駅前広場と申しますのは、これは先生御承知のとおり、鉄道の駅とそれから道路交通との結節点でございまして、鉄道で乗降なさるお客というものが道路交通によって散らばっていく、あるいは集まってくるというようなことになるわけでございまして、したがいまして、その両者のつながりというものを非常に便利にするということが第一の必要な要件であろうと思うわけでございます。したがいまして、その場合に、大衆の交通機関でありますところのバスというものと、大衆の交通機関でありますところの鉄道というものがうまく結ばれるということが一番大切であろう。また大衆の交通機関でありますところのタクシーと大衆の交通機関である鉄道がうまく結ばれるということが一番適当であるわけでございまして、ただ、そう申しましても、ただいま先生おっしゃいましたように、非常に狭隘な駅前広場があるわけでございます。その場合には、そういった理想というものがなかなか達成できないというようなことがございます。特に交通安全の見地から達成できないような場合もありまして、そういう点も考えまして、バスの事業者あるいはタクシーの事業者というような方々の考えというようなものと、それから公安委員会その他警察側の駅前の使用の関係というようなものも考え、さらに鉄道の利用者の便利というようなものも考えて、各駅につきまして具体的にそういった問題を処理をしておる、こういうわけでございます。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 とにかくそういう狭小な駅前広場で非常に困っておる、特に乗客はですね。そういうようなはっきりしておるところは、逐次できるだけすみやかに改善をしていただきたいというふうに考えるわけです。事故が起こってしまってから幾ら騒いでもしようがありません。多くの婦人、子供あるいは通勤学生、学童その他多くの方々が非常に難渋をしておりますので、すみやかなる対策を講ずる必要があると考えております。この点はやっていただけますかどうか、簡単にイエスかノーかを答えていただきたい。

菅川薫運輸省自動車局業務部旅客課長

○菅川説明員 バス、タクシー等の輸送にかかる問題については、そういう施設面で、広場の拡張等につきまして関係の方面にいろいろ要望するとともに、万やむを得ない場合には、交通の安全に非常に著しい支障がある場合には、関係方面と協議いたしまして、場合によっては停留所の位置を変更する等、交通安全については万全を期するように進めていきたいと思っております。

山口真弘運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○山口政府委員 駅前広場の整備につきましては、先生御指摘のように、これを大いに整備しなければならぬわけでございます。したがいまして、鉄道側といたしましても、あるいは都市計画事業者——特に都市計画として行なう場合が多いわけでございますから、都市計画事業者といたしましてもこれを整備しなければならぬと思いますので、鉄道側と都市計画事業者というものが十分に連絡をいたしまして、できるだけ整備してまいるということにいたしたいと思います。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 もう時間がそうありませんので、国有鉄道のほうにお尋ねをしたいのですが、最近ATSという信号機によって、非常に軌道の、特に転轍などの安全が保障されているといわれているわけです。ところが、公共企業体関係にある国有鉄道の労働者諸君がこれを安全運転、つまりATSの基本的な基準に従って運転をすれば、過密ダイヤのもとにおいては、それが何かサボのように見えるとか、あるいはそれが一つの闘争になるということがいわれているわけです。しかもそれが大破の処分を出すとか、あるいはいろいろな不都合な問題を起こしておりますが、国有鉄道は、今後、非常に過密なそういうダイヤによって交通の安全を阻害するようなことをやめて、やはりATSの信号どおりにやる考えがあるかどうか、この点を簡単にお答えをしていただきたい。

一條幸夫日本国有鉄道常務理事

○一條説明員 ただいまの御質問にお答えを申し上げます。まず初めに過密ダイヤというお話でございますが、どういうダイヤを過密ダイヤと言っておられるのかわかりませんが、国鉄のダイヤについて説明をいたしますと、私どもダイヤを組みますのに、車両の性能でございますとか、あるいは線路の設備等を十分考えまして、安全かつ適正な運転時分、運転速度、停車時分等を計算いたしまして、それを基礎として、さらに十分の余裕を持ちましてつくっております。確かに、東京付近の電車区間におきましては、二分ごとに電車を運転しているような線区もございますが、そういう列車の本数の非常に多い線区におきましても、安全を十分に考えました計画を立てております。しかも、その計画を立ててまいります場合に、運転速度とか停車時分その他余裕を持って計画をするだけではなくて、各列車の間隔を考えます場合に、計画といたしましては、信号機を二区間あけまして計画をいたしております。したがいまして、計画どおりに列車の運転をいたしております場合には、常に青信号を見て走れるというような計画にしてございます。そういうようなことでございまして、これは列車台数が多い線区でも少ない線区でも、個々の列車との関係につきましては、そういう条件のところが出てくるわけでございます。その点は基本的に同じ考えでダイヤを組んでおります。したがって、私どもは過密なダイヤを組んでいるとは考えていないのでございます。  その次にATSの問題でございますが、ATSの機能を初めに簡単に申し上げておきますと、信号機が停止信号の場合に警報を発しまして、動力車乗務員に、次の信号機は停止信号であるという注意を促します。これがATSのつとめでありまして、その警報が鳴りました場合に、動力車乗務員が万一次の信号機までに列車をとめることができないような状態、たとえば居眠り、こういうことはないと思いますが、居眠りをしていたとか、あるいは病気といいますか、一時的に失神をしたとか、そういうような状態のときに、乗務員がブレーキを取り扱いませんで、確認の動作をいたしませんと、自動的に非常ブレーキが動作いたしまして、列車をとめる装置になっております。それで平常の場合といいますか、普通ATSが動作をいたしまして警報を発しました場合には、乗務員は次の信号機の手前でとまるような取り扱いをするようにきめてあります。そういうようなことでありまして、確かにATSが動作をいたしまして、それにATSが動作をするということは、次の信号機が赤であるということでございますから、その信号機の手前にとまりますことは、それだけ列車の運転には影響はあるわけでございますけれども、先生のお話にございましたATS闘争と称してやられておりますのは、いま申し上げましたような、私どもが指導し、きめておりますような取り扱いではございませんので、ATSが警報を発しましたときに、私どもが指導しているような列車のとめ方ではなくて、すぐ列車をとめてしまうというような取り扱いをしているわけでございます。その結果、普通私どもが定めておりますような取り扱いの場合に比べますと、列車の運転状態が相当大きく乱れてくるという結果になっているのがいわゆるATS闘争の場合の現実でございまして、私どもはその取り扱い方は妥当なものとは考えていないわけでございます。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 浜安善の駅から拝島の駅に向けて一日にジェット燃料タンクが百二十車両、これが南武線やあるいは中央線を通って青梅線から入っていくといわれております。そのほかに、浜安善から川崎街道なりあるいは甲州街道、これらの街道を通って、さらにタンクローリーが横田の基地に入っているといわれておりますが、タンクローリーは一日に大体どれくらい使っているのかお答え願います。

一條幸夫日本国有鉄道常務理事

○一條説明員 タンクローリーは、国鉄ではございません。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 そういうふまじめなことでは困るのであって、これは交通安全に関する問題でありますから、タンクローリーの問題あるいはジェット燃料の輸送の問題は、先ほどから申し上げておるように、交通安全の立場から切り離すことのできない問題であります。これは交通事故の問題とも切り離すことができない。新宿の駅あるいは立川の駅でこれが燃焼したことは、皆さん御承知のとおりであります。でありますから、こういう状態において、交通安全という名前による基本法というものが、そういう内容を除外をして別個の分野でやるということは、いま申し上げるように、まことにこの法案自身が、当初から非常に不十分なものを含んでおるといわざるを得ないのであります。  さらに、機関助士廃止の問題でありますが、先ほど国鉄の一條さんからも説明されたように、たとえば運転士がうっかりしておったとか、居眠りをしておったとか、あるいは気がつかなかったというような場合が間々あり得るのであります。これは人間でありますからやむを得ないことだと思います。あってはならないことですが、やはり一つの生理的な要求であるわけです。そこで機関助士を廃止をするというのは、こういう事態に備えて交通の安全を保証する観点から、どうしても機関助士を廃止してはならないというのが、乗客の、つまりA点からB点へ輸送してもらう者の基本的な願いであると思うわけです。ところが国鉄は、この機関助士の廃止という問題について固執をして、この問題を労働組合側などから非常に要請されておるにもかかわらず、この問題について依然として態度を改めない。どういう理由であるのか。これは交通安全の観点からも許せない態度だというふうに私は理解しておりますが、どうですか。

一條幸夫日本国有鉄道常務理事

○一條説明員 いまのお話は、電気機関車、私どもELといっておりますが、それとディーゼル機関車、DLといっておりますが、EL、DLの乗務員を一人乗務にするという問題だと思います。これはEL、DLの前の蒸気機関車の時代には、機関士と機関助士とが乗っておりまして、機関助士は石炭をボイラーにくべまして蒸気をつくるのが主任務でございます。これは機関助士が乗っておりまして、石炭をくべ、水を補給して蒸気をつくりまして、機関士がその蒸気を使って機関車を運転するというのが蒸気機関車でございます。ところが電気機関車、ディーゼル機関車の場合には、石炭をくべ、水を補給をして蒸気をつくるというような仕事がなくなりまして、機関士が一人で運転できるような性能の機関車でございます。そういう機関車にかわってきておりまするので、機関助士をやめて一人乗務にするという方向で、ただいま進んでおるわけでございます。  この一人乗務に至りまするにつきましては、私ども安全の観点からも、あるいはその他の作業条件等につきましても、十分の検討をいたしておりまして、一人乗務に切りかえることが可能な場所から、可能な線区から進めてまいっている状態でございます。  ちなみに機関車以外の電車とか気動車について申しますと、現在の国鉄の電車、気動車の八〇%が一人で運転されております。機関車につきましては、ただいま申しましたように、逐次一人に切りかえつつございますので、まだその割合は非常に小そうございます。しかし、たとえば運転室内のスイッチ数等のような機器の取り扱いを一人でできますように運転室を改造する、あるいは信号機あるいは合い図等を機関士側から見やすいように、非常設備も改善をいたしまして、一人で運転できるような準備をして進めているわけでありまして、進めてまいります段階では、職員側とも十分話をいたしまして、実施に移っているというのが現在の段階でございます。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 最後に、私は、当初質問をしましたように、この交通安全対策基本法が単に交通事故だけを取り扱うという態度からさらに一歩進めて、交通公害の問題も立体的に立法の上において加えなければ、いわゆる交通安全の名に値しないことがたくさん出てくる、さらに交通公害の問題についても、ものによってはこの中に挿入をしなければならないのではないかというふうに考えますので、この点をいま一度お聞きをして、私の質問を終わりたいと思います。

湊徹郎自由民主党総理府総務副長官

○湊政府委員 先ほども申し上げましたように、私、たまたま公害対策特別委員会、災害対策特別委員会いずれにも出席しておりまして、それぞれの分野で出てまいります問題、いろいろ取り合わせ、組み合わせ、ニュアンスの差はございますけれども、いずれにしろ、その安全を守る、ときに身体、ときに人命、ときに財産、さまざまございますけれども、そういう国民の身体なり、生命なり、健康なり、財産なりの安全を守っていくのだ、こういう観点に立って、実際の運用上はそういう国民の立場で処理できるように運んでいくのが私どもの役目ではなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。

受田新吉民社党

○受田委員長 次回は、明十日午前十時より委員会、委員会散会後理事会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十二分散会

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