交通安全対策特別委員会 第6号
- 発言数
- 175 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1970/04/08
会議録
○受田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出にかかる交通安全対策基本法案及び久保三郎君外四名提出にかかる交通安全基本法案の両案を一括して議題とし、質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。加藤六月君。
○加藤(六)委員 この交通安全対策基本法、いま国民がいかにこの成立を待ち望んでおるかということにつきましては、私、非常に考えさせられるものがあるのでございますが、ただ私、この席で申し上げておきたいのは、これは昨年の通常国会において当委員会はすでに通過いたしておる法案でございます。このこととは別に、総務長官おいででございますが、先般日航機の乗っ取り事件が起こりました。これは人命の尊重ということで衆参両院各党各派、さらにはマスコミがあげてこの問題に四、五日間というものは終始いたしました。私はこれで相当なる効果、意義、いろいろな問題があったと思うのですが、したがって、そういう観点から交通安全対策特別委員会の委員として考えます場合に、昨年が一万九千人の死者が出ておる。百万人になんなんとする死傷者が出ておる。もしああいう日航機乗っ取り事件に示した衆参両院の熱意、マスコミ、政府関係者、こういうものが交通安全対策に人命尊重という立場に終始してやってもらったならば、どんなに交通安全対策の実というものはあがるものだろうかということを、私自身運輸委員でもあり、なお三十一日の緊急質問において自民党代表で急遽やらなければならなくなったわけでございますけれども、緊急質問いたしました私自身が、立場をかえて冷静になって考えてみますと、これだけの情熱を交通事故防止に日本全部をあげてといっていいぐらいの関心と努力を払ってもらったら、どんなにいいものだろうかという印象を強く持った次第でございます。この基本法案の中に入る前に、交通安全の総合施策を統括されております総務長官の所見というものをひとつまず承っておきたい、こう思います。
○山中国務大臣 これは、何も政府と国会との間に意見の相違があろうはずはありませんで、当然そういう考え方で取り組むべき問題と思います。ただ、事柄が空の賊、空賊といいますか、そういう特定の者が特定の目的をもって不特定の一定の集団の人に対して危害を加え、監禁をするという場合と、交通事故というものは、起因者というものが一定していない、たとえばある一定の集団なりある人間が、走る凶器といわれている自動車を使って、銀座通りなら銀座通りで人間をひくつもりで走るというようなことが起これば、これはやや似たケースになりますが、この交通対策の基本は、いずれも善良なる国民同士の間において、突如ある時点において加害者と被害者の関係を生ずる。あるいはまた自動車のハンドルをいま持ってなくても、免許を取っている者がいつハンドルを握るかもしれない、ハンドルを握ったために加害者の立場になるかもしれない、あるいはまた被害者の立場に置かれるかもしれないという、これはそういう意味においては基本的に違うものであるとも言えるわけです。かといって、自動車の増加に対応して死傷者数は確実にふえ続けていきます。このことを政治がほっておくということは絶対にあってはならないことです。しかし自動車をふやすこと、道路の舗装その他の効率をあげること、それを中断することはやはりできないことだと思います。それならば、道路もりっぱになり、交通量もふえ、自動車もふえしていく過程において、その犠牲となる被害者というものをなるべく数を少なくし、減らし、そして反面、文化が栄えていく文明の時代において、ゆえなくその生命を奪われ危険にさらされるという現象を、政治の名のもとに政治の義務として、これを最大限の努力をして排除し食いとめていくというところに交通問題の出発点があろうかと私は考えているわけです。したがって、この法案を、先般も委員会においてはお許しをいただいたわけでありますけれども、社会党の対案等もございますし、なるべく総意を得まして、今国会ではぜひ衆参両院通過をさせていただきまして、そして少なくとも二歩なり三歩なりの前進をしなければ、私たち政治家は国民に対して申しわけないという気持ちでおるわけであります。
○加藤(六)委員 わかりました。 それではこの法案に入らせてもらいたいと思いますが、この基本法をつくらなくてはならない、そうしてこの基本法のねらいとするところは、第一の目的で書いてございますが、この第一条「(目的)」の最後に「交通安全対策の総合的かつ計画的な推進を図り、もって公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。」こういうようになっておりますね。ところが、たとえば公害対策基本法というのを読んでみますと、第一条の目的のところに、「公害対策の総合的推進を図り、もって国民の健康を保護するとともに、生活環境を保全することを目的とする。」はっきりうたっております。ところが、この基本法の目的というのは「もって公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。」という内容になっております。これが社会党提案の目的というものと政府提案の目的というものとの間に若干ニュアンスの違いが第一条「(目的)」のところにももうすでにあらわれておるわけでございますが、この基本法の「公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。」という字句の解釈といいますか、たとえば日本国有鉄道法なんかを読みますと、これは「公共の福祉」ということがはっきりうたってあります。国有鉄道の「公共の福祉」というねらいは、交通網、鉄道網ということをし、サービスを向上することによって、公共の福祉あるいはまた運賃関係を、経済利潤の追求だけにとどまらず、いろいろな面である程度抑制していく、いろいろなねらいで公共の福祉ということがありますが、この基本法のねらっておる公共の福祉というのはどういうねらいを持ってやられておるのでしょうか。
○山中国務大臣 これは先ほどお答えしたことにもやや関連があるのですけれども、だれが加害者であるということがきまっておる種のものでありませんので、運転する者も国民でありますし、あるいは運転してないで歩行している者、いずれにしても事故の起因者と被事故者、被害者というものとが突然起こる現象でありますから、全体的にはやはりある意味では憲法の公共の福祉ということも念頭にはありますけれども、すべての国民がそういう意味の公共の福祉の立場に立てるような国家環境、社会環境、居住環境というものを目ざしていくのだということを、この交通対策の面で受けとめていると御了解願いたいと思います。
○加藤(六)委員 一つの法律があって、特に基本法のようなものが一番最初に書く目的というものは、非常に重要なる意義がある、こう思うわけでございますが、ただいま長官から御答弁がございましたので、この基本法のねらいとするところはわかります。 そこで今度は第三条の「(国の責務)」という問題について少し質問してみたい、こう思うわけでございますが、「国は、国民の生命、身体及び財産を保護する使命を有することにかんがみ、陸上交通、海上交通及び航空交通の安全に関する総合的な施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。」こう書いてございますが、これはひとつ室長に御答弁願いたいと思うのですが、この第三条を読んでみますと、この「総合的な施策」というのは陸上交通、海上交通、航空交通の安全に関してすべての問題を含めた総合的な施策という意味でしょうか。それとも陸上交通に関する総合的な施策、海上交通に関する総合的な施策、航空交通の安全に関する総合的な施策、これをどういうように解釈したらいいのでしょうか。三つを含めた総合的な施策をつくるというのか、それとも陸、海、空、それぞれの総合的な施策をつくるというのか、どう解釈したらいいわけですか。
○山中国務大臣 これはやはり具体的には陸上、海上、航空、それぞれが、役所が一行政機関だけでありませんので、それぞれの行政を総合的にやるということをまず前提といたします。しかしその頭に国が国民の生命、身体及び財産を保護する使命を持つとはっきり書いてございますので、陸、海、空というものをさらに国の責務にかんがみてこれを統合して、交通の全般の調整をはかっていく、いわゆるすべての交通の面に対する総合的な国の姿勢を打ち出していくというふうになると思います。
○平川政府委員 ただいま長官から御答弁がありましたように、この第三条の解釈でございますけれども、陸上交通、海上交通、航空交通、それぞれの交通の分野におきまして総合性を保たれるということと同時に、海上交通、陸上交通、航空交通の全般がバランスがとれておる、こういうような施策を考えていく、こういうように考えております。
○加藤(六)委員 それではもう一度お伺いします。 陸上交通も海上交通も航空交通も、それぞれのバランスをとった総合施策をやる、そしてなおかつ陸、海、空は個々に総合施策をやる、こういうように解釈すればいいということなんでございますか、どうですか。
○山中国務大臣 二人で答えておりますと、同じことを言っているのですけれども、違ったふうにとられるといけませんが、室長の言ったこともそうですし、陸上、海上、航空それぞれが独立の行政機関で全部できるということがあるとよろしいのですが、そういう傾向にございませんので、それぞれの問題についてきちんとした総合調整をするということが第一義であり、それを踏まえて国が国民に対して負う責務というものに対して陸、海、空、それぞれが調整のとれた、国民のためにとられた手段としてふさわしいものであるかどうかの調整も大局的にとっていくということです。
○加藤(六)委員 わかりました。 そこで、非常に小さい質問になるのですが、この三条に「総合的な施策」ということばが出てきておるわけでございます。内閣の法制局はおいでになっていますか。——法律上にこういう施策ということばを使いますね。この施策というのは、法制局解釈といいますか、一般的な解釈としてはどういうことを表現しておるものでありますか、まず承りたいと思います。
○田中政府委員 一般に施策と申しますものは、政府がある行政事務を処理いたします場合におきまして一定の、それは法律に基づきますこと、あるいは法律に基づかないこともございますけれども、一定の政策的な意図をもって処理する、そういう場合に、その処理するべき事項を施策、こういうふうに言います。
○加藤(六)委員 政策的な意図をもって処理するものを施策と言うわけですか。そうしますと、「総合的な施策を策定し、」とは、この場合どういうように解釈するのですか。
○田中政府委員 その場合には、ただいま申しましたような施策が個々ばらばらに行なわれるのでは効果がございませんので、それが全一体として総合的にそういう施策を行なうということがここに書かれておることでございます。
○加藤(六)委員 そうしたら第十一条に飛びますが、同じように「施策」ということばが出ておるわけです。「国及び地方公共団体は、その施策が、直接的なものであると間接的なものであるとを問わず、一体として交通の安全に寄与することとなるように配慮しなければならない。」という場合の「施策」というのは、いま解釈せられた施策というのと同意義にとらえていいわけですか。
○田中政府委員 施策といいますものには、非常に政策の基本にわたるようなものからこまかい具体的なものまですべてを含んでいるものと私は思います。この場合の施策は、どちらかというとそういう具体的なことをとらえておるというふうに考えられます。
○加藤(六)委員 最後のことばが語尾がかすれてよくわからなかったのですが、もう一ぺんちょっと……。
○田中政府委員 ただいま申しましたように、基本的なものと、それからそれにさらに付属いたします、あるいはその具体的実施でありますようなものというように非常に千差万別でございますけれども、その後者のほうの具体的な事項にかかるものをここで「施策」といっているのではないか、こういうように考えるわけでございます。
○加藤(六)委員 そうしますと、この三条にいう「施策」というものと十一条にいう「施策」という場合には、その政策を推進する方法としての施策と、十一条の場合は具体的な問題の事項がきまっておる、そのきまっておる事項について進めるというような、もう少し具体的な、いわゆる規模が小さい施策である、三条にいう「施策」というのはスケールが大きい施策、こういうように考えるのですか。
○田中政府委員 一応三条はすべてのものの国の責務ということで、基本的な規定でございますので、そういう意味が出てくると思いますし、この十一条はさらに具体的なもの——もっとも具体的と申しましても、その具体的のもののうちにも、三条にいうような基本的なもの以外のものも含まれるわけでございますので、そういうものを含めまして、十一条で措置の対象としておる、こういうことであると思います。
○加藤(六)委員 長官おいででございますが、私はなぜこの施策ということをお尋ねしたかといいますと、この十一条におけるところの「(施策における交通安全のための配慮)」という囲みがありまして、第十一条にいう私が読みました内容があるわけでございますが、この施策の場合は一般的な行政施策か、あるいは行政上の行為全部をいうのか。というのは「直接的なものであると間接的なものであることを問わず、」ということばがあるものですから、これは一体どういうことなんだろう、国地方公共団体の行なう行為そのものを示しているのだろうか、国あるいは地方公共団体が行なう施設とか行為全般、これがすべて交通安全のための配慮をなさなくてはならないという意味にとるのだろうかという第十一条に対する解釈上の疑義があったものでございますから、あえてお尋ねしたわけでございますが、この十一条の施策が直接的なものであっても間接的なものであっても、全部一体として交通の安全に寄与するように配慮しなくてはならないという場合のこの「施策」は、国あるいは地方公共団体が行なう道路、港湾あるいは航空施設、この次の条項に次々に出てくるいろいろな施設がありますね。こういう施設を設置する場合、あるいはまた国または地方公共団体が行なう行為、行政上の行為、法律上の行為、こういう行為すべてを、直接的、間接的ということばがあるものですから、含むのかどうかということなんですが、この「施策」は全部の国の行為にかかるのか、地方公共団体の施設、行為にかかるのかどうかということでございますが、これはどういうように解釈したらいいんでしょうか。
○山中国務大臣 そうこまかくはっきりと区分けのできる意味でもないのですけれども、交通に関係のある施策で直接的といえば、端的にいえば警察の取り締まりあるいは道路の安全施設というようなことになるでしょう。間接的といえば、学校の教育なども、安全教育などを含んでもらいたいということなんかも全くの間接的ですけれども、そういうことも入るでしょうし、学校がある場合にはその周辺は特に交通安全に気をつけてほしいというようなことなどが、結果的には交通安全に寄与していくことになりますから、国の施策の列挙されたもろもろのことを行なうにあたって、交通の安全にかかわり合いを持つものはすべて直接、間接交通の安全に寄与するような方向で念頭に置いてなさなければならないという意味で、常識的に受けとっていただいたほうが、かえって法制局的議論よりもいいんじゃないかと思うのですけれども……。
○加藤(六)委員 と申し上げますのは、社会党の対案等と比較しながら本法案を読んでいった場合に、時間が許されるならば社会党の案に対しても実は質問いたしたいという気持ちがあるので、ことさらこの問題は申し上げたわけでございます。 航空局はおいてになっておられますか。——私がいま申し上げました内容に触れるわけですが、この第五条に「道路、鉄道、軌道、港湾施設、漁港施設、飛行場又は航空保安施設を設置し、」こう書いてございますが、「道路、鉄道、軌道、港湾施設、漁港施設、飛行場」でほんとうはいいんじゃないかと思うのに、「航空保安施設」というのがことさらに出てきておるわけでございます。海上保安庁、おいでになっておられますか。——たとえば航空保安施設と同じような、こういう保安施設を出してくるとするならば、船舶の航行安全に関する保安施設、たとえば灯台とかブイとか、いろいろな問題がありますね。こういう問題等も出していけばいいんじゃないか。あるいは道路における信号機という問題も出てくるのじゃないかと思うのですが、ことさらにこの「航空保安施設」というものをここに出してきた理由はどういうところにあるわけでしょうか。
○金井説明員 お答えします。 ごく常識的な解釈といたしまして、航空保安施設というものが従来までほとんどすべてのものは国が設置しておるわけでございますけれども、安全上非常に重要なものであるというごく常識的な解釈でございます。
○加藤(六)委員 長官、私がいま申し上げましたように、この施設としては、航空保安施設しかここに出てきていない。ところが船舶航行安全施設とか、いろいろな施設も同じように必要なんです。道路、鉄道からずっときまして、そして飛行場があるのでしょう。その航空保安施設だけを取り上げた趣旨を私はちょっと理解しかねておるわけでございますが、これはどう解釈したらよろしいのでしょうか。
○平川政府委員 第五条に、「道路、鉄道、軌道、港湾施設、漁港施設、飛行場又は航空保安施設」というこれらの施設が出てまいりますけれども、この考え方といたしましては、たとえば道路をとってみますと、道路の構成部分といたしまして交通安全施設、たとえば歩道あるいは歩道橋、これは道路の付属物でございます。それを一体として道路としてつかまえておる、こういう考え方でございます。鉄道、軌道等もそういう考え方でいいわけでございますが、ただ航空保安施設と申し上げますと、むしろこれは航空安全施設ではないか、そういう色彩が強いのではないかというような考え方もございますが、実はこの実態を調査いたしますと、これはたとえば飛行機の方位を知らせる機能を営む航空援助施設であって、むしろ交通施設そのものに近い、こういう考え方で実はここに規定したわけでございます。ただいま先生が御指摘になりました道路における信号機というような問題でございますが、これは道路の付属物そのものではございません。したがいまして、これはこの第五条そのものにはずばりと入ってこない。むしろ第四条、第三条、交通安全施設の中で信号機につきましては地方公共団体が所掌いたしますから、第四条における地方公共団体の責務の中に入てくる。第五条におきましては、道路あるいは鉄道等のように、交通施設そのものを管理するものの責務あるいは設置するものの責任をうたった、こういうように御理解願いたいと思います。
○加藤(六)委員 それなら船舶の場合どうなんですか。港湾施設だけに船舶が着くのではないのですね。飛行機の場合は、いまおっしゃったように飛行場と航空保安施設との関係はわかりました。船舶の場合は港湾施設あるいは漁港施設、洋上を航行し、あるいは狭水道を通る、いろいろな問題が出てきますね。この航路保安施設、これは先ほどお話し申し上げました灯台とか、あるいはまた無線とか、いろいろなものがありますね。これは航空保安施設と同じようにはなりませんか、なりますか。
○平川政府委員 ただいま申し上げましたように、航空保安施設というのは交通施設そのものと考えたほうが適当であるから、ここに規定したわけでございますが、航路標識とか、そういったいわゆる公海上における交通安全施設そのものはここに入ってこない。したがいまして、第三条あるいは第四条における責任者としての義務が生ずる、こういうように理解しておるわけでございます。
○加藤(六)委員 ちょっとおかしいですよ。わが国の瀬戸内海を見た場合に、運輸省の場合、何百何十億という金を出して船の航路を掘っておるのです。室長、それなら、航空保安施設を出すほどなら、航路そのものなら、航路とかあるいはそれに関連する灯台とかいうものを出さなければいかぬのではないですか。
○平川政府委員 道路その他で御説明申し上げましたように、信号機は非常に重大な交通安全施設でございます。しかし第五条におきましては、道路以下のこの概念の中には入ってこない。それと同じように、海上交通あるいはそういった面におきましての交通安全施設そのものは、やはり第四条あるいは第三条で責任者として読むべきじゃないか、このように考えております。したがいまして、第五条におきましては、交通安全施設そのものよりも交通施設そのものを補完する、保全していく、たとえば道路における欠陥、たとえば穴があいて非常に交通事故が起こりやすいというような状態を防止する、そういう状態で安全に保全するという義務をここに課したわけでございまして、交通安全施設そのものと一体となっておるものは入っておるわけでございますけれども、交通安全施設が別個になっておる、こういうような施設につきましては、第四条なり第三条において責任が生じてくる、このように解釈すべきものと考えております。
○加藤(六)委員 こだわるようですが、室長、あなたは大体陸上交通安全室長ですから、海の問題を議論するのは私おかしいように思うので言いませんが、第五条に「道路」ということばがくるでしょう。これが陸海空の、安全基本法なら航路というふうにくるのですよ。たとえば大型船舶はいまのままの海域なら通れない、十万トンの船は通れなくなる、だからその航路はマイナス十六メートル、十四メートルに掘って幅は何ぼ、深さは何ぼにしてつくるのですよ、道路と同じように。そしてあなたが言われた付帯施設みたいな信号機というものは、これは灯台なりあるいはレーダーになるのですよ。だから、そういう航路のようなものは第三条か第四条に含んでおるように解釈してくれというのはおかしいんですよ。私はこれ以上この問題は言いませんけれども、こういうように「道路、鉄道、」とあげるなら、すなおに航路をあげればいいんですよ。これは陸海空の基本法ですからね。港湾施設、漁港施設だけでは船舶は安全航行できないのですよ。自動車が道路のないところは通れないと同じように、船があっても港湾施設があっても、航路がないと船は通れないのですよ。私は、現在のあなたの立場は陸上交通安全室長でございますから、これ以上申し上げません。長官、ちょっと答弁してください。
○河君政府委員 五条につきましては、確かに、いま加藤先生の御指導のように、海上につきまして船が通る道というものは含まれておるということはございます。ただこの五条を読みますと、いわゆる道路とか鉄道とか軌道、港湾施設のように、はっきりそれぞれの施設の管理者がきまっておるものについて、その管理者に必要な措置を義務づけておるという点があろうかと存じます。ただ、海上の航路につきましては、現在におきましては、いわゆる航路を管理する直接の責任者というものが、たとえば港湾管理者というような意味でないというところが一つあるんではなかろうかと存じます。 それからもう一つ、灯台その他につきましては、これははっきり国が直接交通安全上の立場から設置するということでございまして、そのような点につきましては、これは別に二十九条で交通環境の整備という点がございますので、これに従ってやっておる、こういうふうにわれわれは理解いたしておる次第でございます。
○加藤(六)委員 それなら海上保安庁長官、航路の管理者は、たとえば国が膨大な予算を出して航路を掘りますね。そうしたらあとはだれも管理者はいないわけですか。
○河君政府委員 この点につきましては、航路のしゅんせつということを港湾局が所掌してやっておるわけでございますが、その管理形態というものは定まっていない、こういうふうに私は了解いたしております。
○加藤(六)委員 この問題はまたあとからやります。いまの質問の続きの十五条の4にいきます。 「中央交通安全対策会議に、専門の事項を調査させるため必要があるときは、専門委員を置く」こうあります。これは「必要があるときは、」ということでございますが、これもまたあげ足とりのようなことになるわけですが、必要がないときもあるわけでしょうかどうかというのが一点。 それから専門委員というのは、必要があるときは一体何人くらい置こうとするのか。そうして専門事項を調査させるというのですが、どういう内容を調査させるのかということです。第十五条と同じことは十七条の4で、都道府県交通安全対策会議に特別委員を置くことができる、これまた同じように「必要があるときは、」ということになっておるのです。質問の内容がちょっとぼけて申しわけないのですが、「必要があるときは、」ということが書いてあるなら、必要がないときということも想定しておるのかということと、それから専門委員は何名ぐらい置いて、どういう学識経験、立場の人を必要がある場合には専門委員にしようとするのかということと、それから専門委員に必要な事項を調査させるとありますが、もう少し具体的には、陸海空の関係のわかる人にするのか、陸は陸、空は空、海は海の専門委員を置くのか、いろいろなことが想定されるのですが、いまお考えになっておられる専門委員はどの程度の学識経験者であってどういう内容を調査させるのか、この三点について承りたい。
○平川政府委員 第四項におきまする「専門の事項を調査させるため必要があるときは、」ということについての御質問でございます。まず必要があることが予想されるのかないのかということでございますが、今後中央交通安全対策会議におきまして、交通安全基本計画を作成していくことになるわけでございますが、その過程におきまして判断いたしたい。しかし、実際問題といたしまして、私らの現在の考え方から申し上げますと、たぶん必要になるというように判断いたします。できるだけこういう専門委員の意見を聴取していきたい、それを計画の中に反映さしたい、むしろそういう希望さえ持っておるわけであります。 第二に、何名くらい予定しておるかということでございますが、十名の専門委員を予定しております。 その調査事項の内容でございますが、言われましたように、陸海空のそれぞれについての、各分野にわたって調査を委託いたしたい。一例を申し上げますと、交通工学でございますとかあるいは交通心理学、こういった部門、あるいは被害者救済の面における脳神経外科の関係、そういうお医者さんにも委託したいと考えておりますが、委託のしかたといたしましては、一応陸海空のそれぞれの分野のまたそれぞれの専門家ということには考えております。しかし実際問題といたしまして、先ほど私が例にあげましたように、交通工学とか交通心理学というものは非常に密接な関係がございます。そういう場合におきましては、専門委員の方が一堂には会さなくても、関係のある方は一応適宜会合を持っていただきまして、意見を交換して反映さしていく、こういうことで考えております。基本的には、やはり専門的なスペシャリストというものの意見をそのまま反映さしていく、こういう考え方でわれわれとしては考えておるわけでございます。
○加藤(六)委員 ついでに室長、十七条の特別委員、これもいまと同じような構成とか学識経験どの程度ということをちょっとお教え願いたいと思います。
○平川政府委員 十七条におきまする特別委員は、中央交通安全対策会議における専門委員と性格が若干異なります。「特別の事項を審議させる」こういう条文になっておりますが、これは実は計画作成に参画させるわけでございます。専門委員は基本計画の作成には参画できない、まずこの資格上の相違がございます。特別事項とはどういうことかと申し上げますと、実は都道府県における交通安全計画というのは非常に具体性を持った内容でございます。地域社会における交通安全対策でもございますから、具体性を持っておりますので、実はこの委員の中に現在考えておりますのは、たとえば国鉄の支社長あるいは道路公団の支社長のように、現実に交通安全について直接タッチしておる方々を委員と申しますか、特別事項を審議させて、この計画の中に御意見を、御意見といいますか、計画の構成メンバーとして入れていきたい、こういう考えでございます。
○加藤(六)委員 もう時間がだいぶきたようでございますので、お伺いしたいこともたくさんあるのですが、遠慮をしまして、最後にもう一点お伺いしておきたいと思います。 それは第二十七条、第二十八条「(地方公共団体の長の要請等)」という書き込みがあるわけでございますが、この二十七条に「地方公共団体の長は、」ずっとこういって「陸上交通の安全に関し処理すべき事務について、必要な要請をし、」ということばが出てきております。同じく第二十八条に「必要な要請をすることができる。」こうあるわけでございますが、この「必要な要請」というものの中には、たとえば予算をもう少しふやしてくれという要請があるかもしれません。あるいはこういう法律をつくってくれという要請があるかもしれない。あるいはこういう政令、省令をつくってくれという要請があるかもわかりません。あるいはまた交通取り締まりの警察官をふやしてほしいとか、あるいは今回道交法で新設されますところの巡視員の数をふやしてほしい、いろいろな要請が出てくるわけですが、この「必要な要請」というのは、どういう要請があるということを想定されているわけですか。いま私が申し上げましたような要請のすべてを含むわけですか。それとも、もう少しほかの意味の要請というふうにお考えになっておるのでしょうか。
○平川政府委員 この要請につきまして二十七条と二十八条に書いてございますが、まず二十七条から申し上げます。 ここに書いてございます要請は、この二十七条によりまして初めて創設されたものではございませんで、本来、ある機関がある機関に要請するということは、一般的に可能なことでございます。それを書いたわけでございますが、ただいまの御質問が具体的な内容でございますので、一例を取り上げて申し上げます。 たとえば市町村長に例をとります。市町村長が指定地方行政機関の長あるいは関係地方公共団体の長、これは都道府県といたしますが、都道府県の知事に対しまして、たとえば条例をつくってもらいたい、あるいは財政的な援助をしてもらいたいということになりますと、条例も法令の一部でございますから、法令及び予算等につきまして要請をすることができるということになります。ところが地方の支分局に対しまして、たとえば地方建設局長とかあるいは地方陸運局長に対しまして、権限がないところに要請いたしましても、これは事実上効果がないということになります。そういうことで、一般的には、この要請の中には、法令上あるいは予算上の要求は含む、このように考えていただいてけっこうでございます。 二十八条は、実はこれは二十一条と関連いたします。 〔委員長退席、河村委員長代理着席〕 御承知のように、都道府県につきましては、安全計画は陸上の交通安全のみに限っておりますが、ところが二十一条におきまして、海空につきましては、都道府県交通安全連絡協議会というものを置きます。これは、いわゆる海空につきましては、地方公共団体の持つ権限がきわめて少ない、したがいまして、一般的に海空につきまして、地方公共団体が安全計画を立てることは必ずしも適当でないということで、安全計画の中には含めておりませんが、しかし地方公共団体も、海空につきましては、それなりの意見なりあるいは要請なりあるはずでございます。そういうために、この協議会というものを置いたわけでございますが、この協議会等におきまして、いろいろ協議し、議論している中で一つの要請が出てくるはずでございます。そういう場合におきまして、地方公共団体の長は、交通安全基本計画なりあるいは交通安全業務計画を作成または実施するに際しまして、関係地方行政機関の長に対しまして要請ができる、こういうことになるわけでございます。
○加藤(六)委員 ちょうど与えられた時間がきましたので、私の質問は、これで終わらしていただきます。 一番最初に申し上げましたように、一日も早く本法案が衆参両院を通過しまして、三歩でも五歩でも十歩でも交通安全行政というものが前進しますことを期待いたしまして、私の質問を終わらしていただきます。 ありがとうございました。
○河村委員長代理 横路孝弘君。
○横路委員 初めに警察庁のほうにお尋ねしたいと思うのですけれども、四月の六日から春の交通安全運動が始まっているのですけれども、昨日の夕刊によりますと、ことしに入ってからすでに死者が四千二十六人に達した。大体いままでの統計から見ますと、事故は下半期、八月−十二月に非常に多いわけでありますけれども、このペースでいきますと、ことし一年間の死者、負傷者の数というのは——この前、今後死者ついては五%に押えたい、負傷者については一〇%に押えたいという御答弁がありましたけれども、ことし一年間の予測がどういうことになるのか、まずその点からお伺いしたいと思います。
○久保政府委員 われわれとしては、長期的な目標としては事故の減少を、少なくとも横ばいにさせたいということを考えているわけでありますが、昭和五十年ごろまでには、やはり総合的な施策を講ずるにいたしましても、なおかつ、いろいろな要因でふえる傾向にあろうかと思うわけでございますが、ことしは、現在までのところ七、八%の伸びでありますが、いつも年初に比べて後半のほうが増加率が非常に高まってまいります。したがって現在の七、八%では安心ができませんで、おそらく一〇%近くいく可能性は多分にあるので、一万七千数百名という数字になるのではなかろうかと考えます。
○横路委員 負傷者については、どのくらいになりますか。
○久保政府委員 負傷者が現在のところ、ことしは、どういうわけですか、わりとよろしいわけで、一%足らずの増にとどまっているわけですけれども、しかし、これでとまるとは考えられません。四十四年度は九十六万七千名でありましたが、おそらく百五、六万名までに達するのではなかろうかと考えております。
○横路委員 そこで総務長官にお尋ねしたいのですけれども、過日、予算委員会の分科会あるいは予算委員会で、五年後に事故を半減させたい。私たちもぜひそれを実現できるようにバックアップしたいのですが、警察庁の交通局長のほうは、押えるとしても、死者は五%、負傷者は一〇%、そうすると五年後には負傷者の数は五〇%増ということになるわけです。そこで総務長官は、五年後に半減させたいというのは、単なる願望だけではなくて、一応の予測あるいは一応の計画をもって御発言をされたものと思いますが、五年後に半減させたいと言われても、いまのままですと、ことしも悲しいことですけれども、なかなか減りそうもないわけです。五年後に半減させたい、そのために、いろいろ交通規制もことしからやっているという御発言もございましたけれども、対策を含めて一九七五年をめどにして減らしていくために、毎年どういうぐあいにやっていくのかという具体的な内容が明らかにされないと、単なる願いごとや希望では済まされないと思います。その点を、ひとつ総務長官のほうからお答えをいただきたい。
○山中国務大臣 願いごとだけではなくて、歩行者の事故を五十年までに半減したいということについては、取り締まり当局の警察庁も含めて、交通対策本部において目標として掲げたところであります。 〔河村委員長代理退席、委員長着席〕 日本における事故の大半が歩行者もしくは自転車に乗っている人対自動車の事故であるということから、まず歩行者の事故を半減したいということであります。でありますので、いままで道路五カ年計画等が、たびたび計画年度の半ばにおいて新という字を加味して、再出発して現状に追いつこうとしておるわけですけれども、今日までも配慮がなかったとは言いませんけれども、道路が完成されるに従って、あるいは完備の進捗に従って、そこに自動車から見ればたいへん快適な道路になっているわけですが、どうしてもやはり死傷者がふえていくということになりますから、道路五カ年計画の策定は、今後は、建設省の今回の新道路五カ年計画においては、道路そのものに付随する施設については配慮をしていこうということを言っておりまするし、いままでずっと安全施設の面において年次計画は実ははっきりと道路計画との関連がありませんでした。でありますので、議員立法を受けて出発いたしました道路交通安全緊急整備三カ年計画、これが第一回の三カ年計画を終わり、現在は第二回目の三カ年計画の二年目、そういうことになりますので、ただいま私どもの交対本部におきまして今後来年から出発させるか、あるいは現在の三カ年計画は一応終わって再来年からいたしますか、そこらのところの議論もありましょうし、私はできれば道路五カ年計画が一年先行はしますが、それに付帯する交通安全施設の年次計画は一年おくれてもちょうどいいくらいであると思いますので、そこで四十六年から新道路五カ年計画に対応する道路交通安全施設というものの五カ年計画を立てたい。一応取り締まり当局といたしましては、警察庁の試算で約三千五百億くらいの金を要すると思われるという推計に基づく金額がございますが、そこらのところは、来年度予算の編成において道路財源そのものについても、新五カ年計画第二年度の財源にはたいへんむずかしい見通しでございますので、新規目的税あるいは特定財源等々の配慮の議論も当然展開されていくでありましょうが、それらの議論の一環にやはり交通安全施設の五カ年計画に対する財源を新たに論議の対象に加えていきたい。そして四十六年度予算から道路五カ年計画に対応する安全施設五カ年計画予算というものを立てていきたい、こういうことも一つのいままで考えられていなかった新しい考え方として取り上げていくつもりでありますが、要は、あくまでも願望は願望でありますけれども、歩行者の事故というものをどうしても半分に減らすのだということを、われわれは政治の一つの責任としてとらえなければならぬ。文明が進み、快適な生活が享受されるという反面において、突然ある日その文明の力によって自分の人生が消える、もしくは暗黒の未来に突き落とされるということの数を減らすことは、これは政治家の与野党をこえての使命感であり、義務感でなければならない、そのようなことを踏まえまして私の交対本部長としての第一歩を踏み出させていただいておるわけでございます。
○横路委員 結局、いまの交通事故をなくすということは、結論から言うと二つに尽きると思うので、一つは強力な行政指導といいますか、いろいろの各省に分かれている問題をやはり統合していく問題と、あとはもう投資する以外にないということ。警察のほうの五%、一〇%ということも、車の台数とかあるいは道路整備、舗装の伸びということを考えますと、やはりこれも可能な数字かどうかということも非常に大きな疑問があるだろうと思うのです。いまの基本計画の関係についてちょっとお尋ねをしたいのですけれども、今度の交通安全基本法の二十二条に交通安全基本計画の作成というのがありますけれども、いまの山中長官の発言からすると、少なくとも五年後に歩行者の事故については半減ということがやはり基本計画の基本になる、あるいは政策目標になるということだろうと思うのです。六十一国会の質疑によりますと、この基本計画というのは交通安全のための総合的な五カ年計画を立てる、そして道路環境の整備等々四本ないし六本の柱を立てて計画を立てて、その上で五年間に半減なら半減という政策目標を実現していくのだという話だったと思うのですけれども、いまの五カ年計画の中で三千五百億ないし四千億というお話が出ておりましたが、それでは非常になおかつ不十分であろう。それは警察関係だけの、警察庁あるいは公安委員会の管轄の安全施設の面で警察庁のほうでそれだけを要求しているのでございまして、交通安全施設ということになりますと、道路の管理者が負っているたとえばガードレールなり歩道橋なりという問題があるわけなんです。安全施設のいまのお話とは別に、それは道路の整備計画のほうでやるのだ、こういうことになるわけですか、その辺のところを明確にしていただきたい。
○山中国務大臣 過去の道路五カ年計画においては、そのようなことについてのはっきりした五カ年計画というものが実は中に入っていなかった、そういうきらいがありますので、今度の新五カ年計画の設定、出発に伴いまして、いまの歩道橋、ガードレール等、道路の工事に付属する部分につきましては、今回の十兆三千五百億というものの中で計画的に処理していくということは、建設大臣も閣議の席もしくは委員会の席等において公的に答弁しておるところでありますから、役所が違いますので、あるいは外かうちかという議論になりましょうが、そちらのほうは建設省が道路の建設管理責任者としての年次計画の中で処理していく。取り締まりは、さらに取り締まり当局の必要な施策について、もっぱら安全施設について、いま申しましたような五カ年計画をその裏に、表裏一体となって進めてまいりたいということでございます。
○横路委員 その建設省のほうの安全施設の問題については、またあとでお尋ねしますが、その中で交通対策本部のほうでどのように調整されてきたのか、その点についてもお尋ねをしてみたいと思うのですが、いま進められている第二次計画の中で、実施状況についてちょっとお尋ねをしたいと思うのです。これは総理府のほうの調査室長さんのほうでお答え願いたいと思いますけれども、一応来年で終わる予定になっているのですけれども、この指定された道路については大体来年度中に完全に終わる見通しがありますか。
○平川政府委員 御承知のように交通安全施設緊急整備法によります第二次三カ年計画が四十四年から四十六年にわたっております。現在第二年目でございますけれども、総額が千六百五十億でございます。この中で、これは公安委員会分と道路管理者分に分かれておりますが、大体公安委員会分が二百七十億……。
○横路委員 内容はわかっております。私は、見込みがあるのかどうかという問題だけでけっこうです。
○平川政府委員 この計画につきましては、建設省並びに警察庁でこの目標に従いまして進行させております。
○横路委員 たとえば建設省のほうのいまの歩道の問題ですが、結局、歩行者の事故をなくすということになりますと、歩車道の分離ということになるわけですね。ところが建設省のほうの話によりますと、たとえば市街地で歩道の設置率が来年度五五%しか指定道路については終わらない。さらに昭和五十年までにまだこれからあと六年あるわけですね。五十年までには指定道路のうちの八〇%に上げたいんだという建設省のほうの、予算委員会の分科会における答弁だったと思うんですね。そうすると、三カ年計画を立てていても、そのことがもう半分ぐらいしか実施できてないという状況だろうと思うのです。ですから、そこをやはりきちんと把握されて、これからどうされるかというのは、いま総務長官のほうで話があって、新しくつくるのか改定するのかという話があったけれども、新しくつくりたいということであれば、来年度に終わりたいということで計画を立てた分についてはやはりきちんと完了させるように、交通対策本部なり何なりのほうで指導すべきじゃないかというように思うのですけれども、その点どうですか。
○平川政府委員 ただいま御指摘になりましたように、四十六年度末におきまして道路は五五%の舗装率になります。これは実は歩道といいましても、ある区間を指定しております。この区間の中には裏通りといいますか非常に狭い道路も入っておるわけです。こういう道路につきましては、歩道の設置はできない、事実上物理的にできないという場合があるわけであります。こういう場合におきましては、信号機をつけるとか、あるいは交通規制によりまして、交通の安全を保っていくというような施策が講ぜられるわけでございまして、一〇〇%全部つけるというのは最終目標ではございません。事実上不可能な点があります。したがいまして、最終的には約八〇%の歩道率を持つような計画で進めていきたい、このような意図でございます。
○横路委員 ですから最終的に八〇%なら八〇%でもいいんですけれども、それをほんとうは来年度までに終わるべく予定されていたのに、昭和五十年まで六年先に延ばしてしまうということでは、やはり歩行者の事故を半減させるという目標を実現するためにもほんとうに可能かどうか、やる気があるのかどうか、国民の立場からいえば非常にいまの政府に対して疑問を持つわけです。 時間がありませんからその点あとにしまして、次の点に進みたいと思いますけれども、交通安全基本計画を立てるということでありますけれども、具体的にはどのようなことをお考えになっているのか、総務長官のほうからひとつ。
○山中国務大臣 先ほどのあれですが、誤解のないように、私の言っているのは、後期といっていいかどうか知りませんが、第二期目の三カ年計画、その三年目をやって新たなる五カ年計画にいこうか、それとも三年目をそのまま新しい初年度とする道路五カ年計画に裏づけとなる安全施設予算にしようかということでありまして、決して三年で済ませるはずのやつを五年、ことしからいうと六年に引き延ばすというのじゃありませんので、これには相当(横路委員「いや、そんなことを言ってないですよ」と呼ぶ)そうですが、その誤解がなければけっこうでございますが、そういう意味でございまして、一歩前進して新たなる性格を付与して、あるいは財源等についても考えながら前進しようということです。 いまの具体的な施策については室長より答弁させます。
○平川政府委員 交通安全基本計画の具体的な内容でございますが、基本的には交通安全対策会議におきましてきめられることでございますが、われわれが現在の段階において考えていることは次のようなことであります。 まず第一といたしましては、今後五カ年程度にわたりまして道路それから軌道、船舶並びに航空機に関する交通事故の発生状況を的確に予想するということでございます。これは、単に現在の傾向をそのまま引き伸ばすというような予測のしかたではございませんで、合理的な裏づけのある予測をいたしたい。そこへ車対車の事故を含めまして、最小限の目標を置きまして目標を設定するということが第一点。 それから第二点におきましては、右の目標を達成いたすために交通安全施設の整備、それから交通規制の合理化、それから交通安全運動の充実、こういった施策を講じてまいりますが、その施策の内容につきましては実証的に科学的に立証されたものでなければならない、このように考えております。それにつきましては、実は来年度予算におきまして七百五十万で交通安全施設と交通事故との相関関係を調査というものを十都道府県におきまして実施いたしたい。こういったものを、結果を見まして、実証的な裏づけのある対策を持っていきたい、このように考えております。 第三番目に、こういった計画に基づきます毎年度の予算の裏づけのあります業務計画を樹立する、こういうことであります。それからその業務計画と同時に、都道府県の対策会議で交通安全対策を立案することになりますが、その立案する際に都道府県のよるべきよりどころ、すなわち都道府県の交通安全対策の基準となるべきような事項も同時にきめていきたい。 これが大体の具体的な構想でございます。
○横路委員 基本計画を立てるためには、いまもお話しありましたけれども、事故の原因の把握とそれから投資効果という二つの面がどうしても不可欠だろうと思います。そこで警察のほうにお尋ねしたいのですが、事故の統計あるいは事故の原因調査ということで、警察庁が一番よくやられているとは思うのですけれども、ただしかし、この総理府のほうの「陸上における交通事故」という本を見ましても、取り締まりという立場からの統計処理がなされているけれども、安全施設の面からの統計処理というのは必ずしも明確でないんじゃないか。たとえば歩行者と車との事故の場合、状態別事故とかあるいは車両別事故とか、いろいろな統計がありますけれども、たとえば横断中の事故という統計はあっても、その横断中というのは一車線のところなのか二車線のところなのか、歩道と車道の区別がついている道路を横断中のものなのかどうなのか。あるいは車と車の事故ですと、出会いがしらの事故という項目はあっても、その出会いがしらの事故は、交差点なんでしょうけれども、信号機が設置されているのかどうかというような点については、必ずしも現在の統計上明確じゃないので、その点はやはり、たいへんな仕事だと思いますけれども、警察のほうで統計されるときにその安全施設との面を考えた統計処理をされると、いろいろこれから予算要求されるにしても何にしても説得力があるのじゃないかと思いますので、ぜひその点をやっていただきたいということが第一点と、それからもう一つ、おたくのほうでいろいろと事故を集積されて統計された結果を、運輸省なり建設省なりに現在のところ何らかの形で連絡しているのかどうか、この二点についてお尋ねしたい。
○久保政府委員 統計の点につきましては、私どもがことしからデータのとり方を変えまして各県に指示をいたしております。したがいまして、ことしの統計が来年できますと、相当従来のものと違った中身のものができます。ただ、現在のものでも実はデータに相当入っておりまして、これは歩道であれ、舗装であれ、天気の関係であれ、その他いろいろなお手元にお持ちであろう資料以外に相当のデータが入っているわけでありますけれども、遺憾ながら電子計算機の容量、つまりその記憶量の大きさと人手と金と、これだけの関係でいまのところは全部が統計化されていないということであります。そこで、ことしは金をくめんしまして、とり得る全部とは申しませんけれども、その中でほしいデータというものをもう少ししぼった範囲で部外発注でもして統計を集めてみたい。これは昨年のものにつきましてそういうふうにやってみたい。 それから出会いがしらでありますとか、歩道の関係であるとか、あるいは道路の状況であるとか、そういった相関関係は、実は数字で見るよりも図面で見たほうがよろしいというわけで、各県がそれぞれくふうをいたしておりまして、たとえば国道の全線にわたって死亡事故のありましたものの状態をすべて記入するようなふうのものをつくっているところもありますし、それから県内の事故多発地点百カ所を選んで、これもやはり同じようにどういうふうな状況で事故が起こっているかということを図面に書き込んであります。そこでその図面を見て、たとえば道路の交差点のすみ切りをすべきであるとか、あるいは特に安全施設、たとえば歩道とか信号機が必要であるとか、あるいは道路標識のつくり方がまずいとか、そういったような点を学び取ります。そこで、公安委員会関係でできるものはもちろん警察がやるわけでありますが、道路管理者のほうに頼むものは、それを県のほうにお願いをするということで、相当効果があがっております。これはそういった具体的なものでありますので、警察庁だけで集計というものではなくて、各県ごとにつくってあります。一度ごらんいただきますと、わりと御安心いただけるのじゃなかろうかと思いますけれども、そういったようなことで、道路管理者その他関係機関のところには、そういう具体的なものをもとにして御連絡をいたしております。私どものほうでは、お手元にありますと思いますが、総合的な集計、統計しかございませんもので、そういうもので建設省、運輸省のほうにお願いをしておる、そういった状況でございます。
○横路委員 そこでちょっと運輸省のほうにお尋ねをしたいと思うのですけれども、事故多発業者ということで警察のほうからたとえば営業用のタクシーなりトラックなりという場合に通知があるはずなんですね。それが私はやはり交通安全ということで行政の面に生かされていないんじゃないかということでひとつお尋ねしたいと思うのですけれども、事故多発業者に対する特別監察そのほかやって、使用停止処分そのほかしていますけれども、おたくのほうの行政指導としてやはり一番きき目があるのは、たとえばことしの二月、東京で運賃の値上げの問題で非常にいろんな問題があった、あのときに各地で、あれはタクシーですけれども、それぞれの会社ごとあるいは事業所ごとに交通事故の発生あるいは道路交通法違反などがどのくらいあるのかということを調べて、それを運賃値上げの際の参考にするとか、あるいは増車を認める場合にそれを参考にするということが交通安全という立場から見て必要だろうと思う。それを運輸省のほうで現在やっておられるのかどうかということをまずお尋ねしたいと思います。
○隅田説明員 ただいまのお尋ねの件でございますが、たとえばタクシーだとかあるいはトラック業者だとか増車をいたしますときに、事故多発業者というようなものにつきまして関係の警察のほうから通報のあったもの、あるいはわれわれのほうで積極的に監査をいたしまして、管理面に非常に手落ちがある、あるいは事故が多いというような実態がわかっているもの、こういうようなものに対しては、陸運局で普通の標準よりも増車の数を減らすとか、あるいはそのほかいろいろな許認可のようなものがございますが、そういうものに判断をつけ加えるというような処置はやっております。
○横路委員 ことしの東京の運賃値上げのときはどうですか。新聞の報道によると、少なくともやっておられないように承っておりますが。
○隅田説明員 東京の運賃のときは私担当いたしておりませんので、正確なことはちょっとお答えいたしかねますけれども、私が聞いております範囲では、あの場合には、労務管理その他の実態を調べまして、それで労働省関係のほうから労務管理その他について質が悪いという通報のありましたものについて運賃値上げを押えたというふうに聞いております。
○横路委員 これは総務長官のほうにお聞きしてお願いしたいと思うのですけれども、そういうことでやはり行政というものは有機的に行なわなければいけないと思うのです。警察のほうでいろいろ事故を調べてそれを通報するといっても、たとえば運賃値上げなり増車なりの際にそれをきちんと反映するということであれば、それなりに交通事故対策ということで成果があると思うのです。それでぜひ、これは運輸大臣のほうの管轄になるのですけれども、交通対策本部の本部長のほうから、こういった交通事故あるいは道路交通法違反というものを特に増車なり運賃値上げの際に参考にして、それを一つの基礎資料にして認める認めないの行政を運輸省のほうでやるように、ひとつ要請するなり検討をいただくということについてお考えをお伺いしたい。
○山中国務大臣 私は所管大臣でありませんが、橋本運輸大臣にたびたび、今回の、労務管理面のみから、しかも立ち入り検査を抽出的にやって、ひっかかったものだけが残されるというやり方、あるいはまたひっかからなかったものを先にやるというやり方、これは安全面と別ですけれども、利用者側にとってもはなはだおかしなことになる、労務管理の悪質な会社のほうは安い乗車料で走れるという変なことにもなりますし、これはやはり見送って、もう少し別な角度からのものさしを当てたらいいのじゃないですかということを半公的に本部長の立場でも言ったのですけれども、それは就任以前にきまっていたことが時期が来ただけなんで、これからは考えようと言っておられました。そこで、できたことはしようがありませんが、運転手の労働、人権の立場からいって、そういう角度ももちろん必要ですけれども、やるなら全部を長期にわたって把握した後に結論を下すという、あなたのおっしゃるように労務管理についてもそうでなければならぬし、ことに自動車そのものの事故発生件数の多いところについては、これは保険理論もやはり将来は考えていかなければならぬと思うのですが、メリット、デメリットを加味したものが保険にも採用されなければならないだろうし、そういう許認可等については十分信賞必罰的なことをやらなければならない。今回の場合は私はあまり感心したやり方ではなかったと思いますので、きょうは運輸大臣がおられませんから、課長から事務ルートを通じてきょうの報告をしてもらうと同時に、私は閣僚同士、国務大臣同士として、あなたの考えというものは正しいと思いますから、そういう方向に行政が進むように協力をしたいと考えております。
○横路委員 時間がないので次に移りますが、投資効果の点についてちょっとお伺いしたいと思います。 七百八十二億の第一次三カ年計画で一応四千件、千三百人の死者、三万六千人の負傷者の防止ができたのだということを警察庁のほうで推定しているようでありますけれども、先般、信号機の公安委員会の関係は、先ほども話にありましたけれども、三千五百億円程度でもって一応の完成ができるのだということでありますから、これから五カ年計画の一つの基礎になるだろうと思います。ところが、安全施設というのはやはり建設省が中心になるわけなんでありまして、建設省のほうにちょっとお伺いしたいのですが、大体どのくらいの予算があれば歩道橋の設置なり現在いわれている安全施設が完備するか、お答えいただきたい。
○多治見説明員 お答えいたします。先ほど総務長官から御答弁がございましたように、道路の事業計画は、ただいま第六次五カ年計画というのを総額十兆三千五百億円ということで策定いたしております。その大ワクにつきましては一応閣議で御了解をいただきましたが、中身につきましてはまだ最終的に確定いたしておりませんので、われわれといたしましては、この中でできるだけ道路の新設、改築等に伴いまして、交通安全に配慮をしつつ交通安全施設の整備につとめたいということで、目下検討中でございます。
○横路委員 その整備につとめたいということはわかるのですけれども、現状がどうなっていて、あとどの程度投資をすればこうなるのだということがなければ、ともかくここが危険だから応急処置しなければならぬからということで工事をしていく以外にないと思うのですね。私がお尋ねしたのはそうじゃなくて、少し大きなあれになりますけれども、現状の道路の状態の中で大体どの程度あと投資をすれば、安全設備は道路管理者の分については完成すると考えていいのか。もしその辺のところ検討されていないならいないでけっこうですから、お答えいただきたい。
○多治見説明員 先ほどお答えいたしましたように、目下詳細につきまして検討中でございますが、ごく大ざっぱに現在われわれの考えております目標といいますか、まだ最終決定はいたしておりませんが、できれば今度の五カ年計画で国道につきましては完全な一〇〇%の舗装率を達成したいということを目標に作業を進めようということでやっている段階でございます。
○横路委員 そこでもう一つお尋ねしたいのですけれども、昭和四十三年の八月に飛騨川の事故があって、そのときおたくのほうでは、道路の総点検及び危険個所の実態を把握して必要な対策を出すということをきめられて、実際に行なっておられるようでありますけれども、ただ、行政管理庁の行政勧告がその件について出ていて、六百十八カ所のAランクの非常に危険な個所については昭和四十四年度に終わるようであるけれども、残り千三百二十六カ所のBランク、これはやるのに大体九十二億円程度の金がかかるということでありますけれども、その点と、それから地方公共団体の管理する道路については、危険個所を把握しただけで、まだ対策がないじゃないかという指摘を行政管理庁のほうから受けているわけなんですが、まず最初に総務長官、この点についてどういうお考えを持っておられるのかお尋ねしたいのです。四十三年の事故が起きてそういうことになっていながら、現状は六百十八カ所のAランクはできたけれども、あとはまだ完成されていないということでありますので、対策本部のほうでこの点についてどのようにお考えになっておるのか、最初にそれをお尋ねしたい。
○山中国務大臣 はっきり申し上げて、対策本部ではそのようなこまかな調査の追跡、点検あるいは是正の注意勧告というようなことまでは、ほとんど入手もありませんし、ですからそこまでいっておりませんので、やはりこれは建設省のほうが、行管のそういう指摘を受けたら、それに対して国民にはっきりと答えられる現状あるいはこれから先の方針というものを明示すべき責任があるものと私は思います。
○横路委員 それじゃ困るのでありまして、いま五カ年計画が道路のほうであるわけですね。だから、その道路の整備の中にいまの危険個所のまま残っておるBランクの点も含めるべきじゃないかという点を対策本部のほうでおやりにならないと、私は対策本部のある意味がないと思うのですが、いかがですか。
○山中国務大臣 まあ総合調整の立場ですから、全権を与えられるということが理想です。また総理府の長は総理大臣でございますから、その意味では国の問題に対する政治の姿勢を私がかわってあらわさなければならぬ責任があります。ですから、おっしゃることもごもっともですけれども、そのような点については、これはやはり建設省というものがまず一義的にそれをやっていただいて、その間の中間報告なりあるいは処理する方針なりについて御連絡を受けて、それが国の姿勢、方針と反するものである、あるいは怠慢であるというようなものについては、もちろん私のほうで総理にかわってその方針を是正し、もしくは国民の希望する方向に前進するようにしていく義務があると思うのです。
○横路委員 そこで建設省のほうにお尋ねしますけれども、いまのBランクの危険個所の点ですね。これはやはり私は今度の道路五カ年計画の中に含めてやるべきだと思う。そのお考えがあるかどうかということが第一点。 それからもう一つは、地方公共団体が管理している道路については、おたくのほうで調査しただけであって、それに対してどうなっているのかというあとの点について十分に行なわれていないんじゃないか。そこで、行政勧告の中では、「建設省直轄道路に準じて緊急度等の検討を行なうなど安全施設整備事業等の推進と並行して道路における交通事故防止策を推進する必要がある。」のだという行政勧告の内容になっているので、この地方公共団体が管理している道路事業についてどういうお考えなのか、これをお伺いしたいのです。
○多治見説明員 第一点のお尋ねでございますが、新しい道路五カ年計画の中で、われわれといたしましても十分この危険個所に対する対策は優先的にやってまいりたいということで検討いたしております。 それから、第二点の御質問でございますが、地方公共団体の管理しております道路につきましても、もちろんわれわれといたしましては、国が管理いたしております道路と同様に、この危険防止につきましては総点検をやりましたあと、適切な対策を講ずるように指導をいたしたい。いろいろ行政上の措置をして、国道と同様に危険防止につとめるようにということで、できる限りの指導をしておるつもりでございます。
○横路委員 これから十兆三千五百億円も投資して道路をつくるわけですから、その安全ということを考えて道路をつくっていただきたい。その経済効果ということとのかね合いにいつもなってしまうのですけれども、ある程度その経済効果を犠牲にしても、これからつくる道路については、きちんとやはり安全対策、人命尊重という点から道路をつくっていただきたいと思うのです。そこで、たとえば中央高速道路の二車線の問題ですね。これなんかも東名高速と比べると非常に事故が多い。しかもその事故の内容は、たとえば追い越しのとき正面衝突という二車線であるがための事故が非常に多いわけです。 そこで、警察のほうにちょっとお伺いしたいのですけれども、たとえば二車線の道路をつくる場合に、おたくのほうでこれから十兆三千五百億を投じて高速道路をつくったりなんかすると、たとえばインターチェンジのところの問題とか、あるいは二車線の道路の場合なんかお話を聞きますと、バイパスの場合でも依然としてこれからできる道路は二車線の道路が多いわけです。ですから、その点について警察のほうの立場から、これは道路をつくる前にあらかじめやはりいろいろ注文をつけるべきではないか。また対策本部のほうでも注文をつけるべきではないか。道路は建設省のほうだから自由にやってくれというのではなくて、その前にきちんとお互いに調整をして、特にこのインターチェンジの問題なんというのは、これから先いけばいくほど非常に大きな問題になっていくんじゃなかろうか。ですから、その辺のところのお考えがあるかどうか、警察のほうにお尋ねします。
○久保政府委員 当然考えはあるわけでありまして、この問題につきましては、閣議でも国家公安委員長が発言されたことがございますが、すでに二車線になっている分については、現に建設省のほうである程度の手をお打ちになったわけでありますが、私どもの立場からすると、二車線の高速道路というものは好ましくない。まずあまり類例のない事柄であろうと思います。したがいまして、そういったような趣旨で建設省のほうには御要望はしてありますけれども、建設省のほうでも、また道路というものはある程度政治的にと申しますか、そういった意味合いをもって計画をされる面もございますので、なかなかむずかしいような点があるようでありまして、この点は政治の場で十分に御議論いただいたほうが、私たちとすると非常にありがたいと思うのでございます。
○横路委員 何か答弁を求めるのが逆になってしまって申しわけありませんけれども、対策本部長のほうではいかがですか。その点をおたくのほうでやはり調整をしてやるべきだと思いますけれども、その点についてのお考えをお伺いしたいと思います。
○山中国務大臣 これは先ほど申しましたように、路線をどういうふうに決定する、あるいは高速道路をどこからどこにつくる、バイパスは何車線にするというふうなことについて、建設行政プロパーの問題ですから、それについて私のほうで先にものを言っていくということは非常にむずかしゅうございます。しかし、それが明らかに中央高速道に見られたような結果、不幸な犠牲の累積の上においてわかり切ったことを自覚せざるを得なかったということになるようなことは、これはだれが見ても、遺族の方なんか、ことにどこにも向けようのない怒りの気持ちがあると思います。そういう行政にはならないように私どものほうでも当然そういう配慮をこれからもしていきたいと思います。
○横路委員 まだいろいろお尋ねしたいのですが、最後に一つだけ消防庁のほうにお尋ねしたいのですけれども、救急体制で、救急業務に対する政令を改正するというのが新聞に報道されていたのですけれども、その内容を時間がありませんから簡潔にひとつお答えいただきたい。
○中沖説明員 現在救急業務を義務として実施しなければならないというのは、消防法施行令の定めるところによって人口三万以上の市ということになっております。現在五百三十三市が業務実施ということになっております。しかし、今後さらに救急業務の体制を整備し推進してまいらなければならないというふうに考えておりますので、現在政令の改正の作業を進めております。その内容といたしましては、消防本部署を置かなければならない市町村として政令で規定するもののうち一つは人口三万以上の町でございます。もう一つは人口二万以上三万未満の市町村のうち交通事故件数がおおむね人口一万人当たり五十件発生しておるもの、こういうものを予想しております。
○横路委員 そこで、これもやはり行政管理庁のほうの勧告に空白地帯をどうするのかという問題があるわけですね。たとえば北海道の国道五号線、札幌から函館の間を考えてみますと、札幌にあって、小樽にあって、倶知安という町に一台、長万部という町に一台、それから八雲、函館ということになっておるわけです。そうすると、三時間くらい国道で走る間に全然救急車がないというケースがありまして、私も昨年の七月に事故の現場に通りあわせまして、助けるのに苦労したことがあるのですけれども、そうした意味で空白地帯をどうするかという問題で、消防組織法、自治法や消防法によっていろいろ規定がありますけれども、それがあまり実施されていない。たとえば相互応援とか一部事務組合とかいうものがあっても、法律に規定はあっても実際上あまり処理されていない。一つは実施方法や費用の問題が大きな問題だろうと思うのですね。この行政勧告があるわけですけれども、やはり交通事故の多い道路の区間について、実施の基準を設けて、きちっと方法とか費用についても具体的な実施方法というものをつくるべきではないか、それを検討すべきではないかというように考えるわけですけれども、その点はどうですか。
○中沖説明員 救急業務を実施していない区域につきましては、現在市町村が相互応援協定を結びましたり事務の委託をするなどいたしまして、広域的な共同処理方式を進めております。それから昭和四十二年に消防法の改正をいたしましたが、その三十五条の六に知事の要請方式という方式がございます。これは都道府県知事が救急業務を実施しております市町村に救急業務の実施していない区域の救急業務を実施するように要請するという方式でございます。こうした要請方式等をも積極的に活用するように現在地方団体の指導を行なっております。これらに関します具体的な実施基準あるいは財源措置でございますが、私どものほうでもいろいろ検討いたしまして、地方団体にも通達いたしておりますけれども、財源措置につきましては、特に要請方式それから一部事務組合方式、事務の委託方式につきましては、地方交付税の特別交付税で財源措置をいたしております。
○横路委員 今度の改正についてまた総務長官のほうにお尋ねしたいのですけれども、救急義務をさらに拡大していく、義務づけをしていく、非常にけっこうなことだと思うのですけれども、これをどの範囲にするのか、それからいまの空白地帯をどうするのかということについて、この政令改正の前に対策本部のほうで何か検討されたり調整されたりということをおやりになりましたか。
○山中国務大臣 現時点においてはまだそこまでいっておりませんが、この法律が通過制定されました暁においては、ただいま消防庁から現時点における措置されておる内容がございましたので、それらのものを踏まえて、行管のそういう指摘等も配慮しながら、どのようにあるべきか、指導については検討いたしたいと思います。
○横路委員 時間が過ぎましたから最後にしたいと思うのですけれども、結局、いままで二、三について話をお伺いしてみて、各行政機構がばらばらに行政をしていて、対策本部というのが調整するのだということをおっしゃっても、実質的に調整機能というのは私は十分果たしていないのじゃないかという気がするわけです。従来政府は、この交通安全について、昭和三十年に内閣官房長官を本部長として交通事故防止対策本部を設けました。これを昭和三十五年十二月に解消して、現在の交通対策本部、閣僚レベルの問題としても昭和三十六年臨時交通関係閣僚懇談会、それから昭和四十年には交通関係閣僚懇談会というものを設けてやってこられたわけです。やってこられたけれども実績が全然あがっていないわけです。今度のこの中央安全対策会議ですか、いままでから見ると、最初のものは結局、内閣の官房が中心になって各省の局長レベル、その次の現在の交通事故対策本部というのは、各省の事務次官を集めてそして総務長官が最高責任者、今度は内閣総理大臣を中心にしてみな各行政機関の長を集める。それはだんだん偉い人に段階があがってきているけれども、これではたしてほんとうに強力に統合運営するような行政機構——私はそれが一番必要だろう、それがはたしてできるんだろうか。いままでいろいろやってこられた、機構をつくってやってこられたけれども、実質的にはやはり調整をする役割りというものを私は果たしていないと思うのです。その点について総務長官の御答弁をいただいて、時間も過ぎましたので、質問を終わりたいと思います。
○山中国務大臣 言われる点はもっともな点もあります。ただしかし、ほんとうにやらなければならないのだ、各省のそれぞれ道路行政、取り締まり行政、救急行政ではだめなんだという結論になるならば、それは道路交通対策省なり、そういうものの独立した行政機構ができまして、その下で道路予算から何から全部そこで処理するということになれば、あるいはもっと画期的な前進が期待できるかもしれませんし、今日の激増する事故数等から見てみますと、そういう形のあり方は別にして、もっと強力なる前進がなされなければ、政治は何をしておるということにこたえられないということになると私も思っておりますが、とりあえずは、いまのままでほうっておきますと、各省ばらばらで、わずかに交対本部で事務次官に集まってもらって私がいろいろなことを指示して協力願っておるということでありますから、今回法律でもって基本法を制定をして、国の姿勢を明らかにしながら前進しようということ、先ほども加藤君に答弁しましたとおり、数歩前進でもって前進してみるという努力であることを御理解願いたいと思います。
○受田委員長 田中昭二君。
○田中(昭)委員 いま提案になっております交通安全対策基本法については、国民すべての人の注目の的であります。その成立の一日も早からんことを待ち望んでいますが、このことを考えますと、長官をはじめ関係者の皆さんもこのことには御異存があるはずがないと思っておりますが、そうであるならば、現在までこの法案の進捗につきまして、その経過を通し、その重要な点並びにこの法案の中で長官みずから一番重要かつ大事であると思われる点について、詳細かつ具体的にお話を伺いたいと思います。
○山中国務大臣 端的に言いますと、各省ばらばらでなかなかまとめにくいものを、国民の取り返しのつかない財産である生命というものを守るためには、この際基本法を制定し、そして総合的にこれを調整、企画、推進をしていく、これによって交通対策を抜本的に前進させようということでございます。
○田中(昭)委員 さらに、担当の長官とされまして、関係の各省庁ごとのこの問題に対する基本的な考え方を持っておらなければならないと思いますが、関係の各省庁が最も重要な点、関係各省にこれだけはやってもらいたいと思われている点がありましたら、それを具体的にお話し願いたいと思います。
○山中国務大臣 なかなかむずかしい質問でありますけれども、たとえば先ほどから言っておりますように、建設省ならば、ただ道路をつくる、舗装をし快適な道路にするだけでなくて、道路がりっぱになって、そして自動車がすいすい走るようになれば、当然事故がふえる。そこで、その道路建設の概念の中に、これからは建設しつつ事故の増加を防止していく手段を考えてほしい、というように各省それぞれ違うわけです。だから各省の担当者、ほとんど各省ですが、事務次官の諸君に集まっていただきまして、私が主宰して会議を開きますと先般きめました。たびたび申し上げておりますとりあえずの緊急措置としての一方交通、右折禁止、裏通り細街路の徹底した取り締まり、こういうものをやるにいたしましても、各省によってニュアンスが違いまして、そういうことを考えて予算が組んでないとか、したがって財源が足りないからできませんとか、そういうようないろいろな意見がありましたけれども、しかし各省の事務次官というのは事務の立場における最高の責任者ですから、いわば事務大臣ぐらいの誇りは持たなければいけない。とすると、事務の最高責任者は、あくまでも事務であっても、国策に対しては大局的な立場からものを見る視野を備えているはずである。やはり政治には、なしてはならない悪と、なすことを怠っておるところのなさざる悪がある。予算がなくとも少なくともこのことをきめて出発するということがいま大事なことを私が説きまして、各省それぞれの財源上その他人手、いろいろ御意見がありましたけれども、それは逐次補整していこうじゃないか、とにかく前進を開始しようということに、事務次官、各省納得してくれまして、先般の緊急三項目の実施に踏み切りまして、各地方ではそれぞれ順調に、地域の特色がございますけれども、おおむねその方向に進んでいてくれるわけでありまして、それぞれの省に願いたいことはいろいろありますけれども、一例をあげれば建設、警察等については、そういうことをいま重点にお願いをしておるわけであります。
○田中(昭)委員 この基本法が提案されまして、これを担当なさる長官として、私は長官を高く尊敬しております。てきぱきとやられる長官でありますし、私は、この基本法ができまして最高責任者になられる以上は、当然いまおっしゃったように、いろいろ各省に対してむずかしい問題もありましょうけれども、たとえば建設省が建設をしながら事故をなくす、これは言うはやすく実際はむずかしい問題だ、こう思うわけです。でありますから、そういう点を各省庁に対して長官がはっきり、各省庁はこういうふうにやってくれ、この問題だけは当然この基本法を成立させるためには基本的に守っていってくれ、こういうものがあると、私はそれだけ力強い、こう思うわけでありまして、各省のほうもお見えになっておりますから、責任者ではございませんが、たとえば建設省、いまの長官のことばを受けて、建設しながら事故をなくしていく、少なくしていくということについて、建設省としてはどのようなお考えでありますか、二、三のことを具体的にお話し願いたい。
○多治見説明員 ただいま総務長官のほうからお答えがございましたように、この法案が通りました暁には、この法案によりまして定められました基本計画に従ってわれわれのほうの事業も実施するということは、 これは当然のことでございます。しかし、われわれといたしましては、それだけではなくて、現在もすでに交通の安全ということにつきましては、そう言ってはなんですが、非常に大きな配慮をしているつもりでございまして、今後この法案ができまして、本部の方針がきまり、具体的な事業内容等が本部から交通安全という観点から指示されました場合には、当然建設省といたしましても積極的にこれに協力して、交通安全の施設というものの完備をはかりたいというふうに考えております。
○田中(昭)委員 関係各省、ひとつそれぞれ自分の省のやりたいことを言っていただきたいと思います。あと警察庁、文部省、運輸省、それぞれやってください。
○久保政府委員 私どものほうとしては、やるべきことが無数にございますので、別にまた機会がありますれば具体的にそれぞれの項目について御答弁申し上げたいと思いますが、しぼって申し上げれば、総務長官も御答弁になりましたように、私どもの仕事を計画的にかつ目標を立ててやってまいりたい。その場合に、この基本法は県、市町村その他の関係あるすべての人が交通安全対策の任務を持ち、かつ寄与しなければならないという趣旨になっておりますので、その点は非常に効果的であろうと思いますが、私どもの近々まとめたいと思っておりますのは、この基本法の中にも書いてありまする長期計画の一環になろうかと思いまするけれども、昭和五十年を目標にいたしました長期計画、その中身といたしましては、主として安全施設、さらにその他の関係のいろいろなものを含めておりますが、そういったもののおくれを何とか早く五十年までには取り返したい、そうして昭和五十年になれば、そのときの状態においては少なくとも公安委員会関係の安全施設は完備している、そういうふうであるべきであろう、その上で歩行者なり運転者なりにさらに強く呼びかけるというかっこうでなければいかぬのではなかろうかということであります。外国に比べまして、少なくとも先進諸国に比べまして、わが国の警察関係の安全施設、これはおそらく道路も同じでありましょうが、きわめておくれをとっている、これを何とか早くおくれを取り戻したい、しかし一年、二年ではできませんので、これを昭和五十年までに完成したい、こういうことでございます。
○西村説明員 文部省といたしましては、教育面を通じまして子供を交通事故から守る、そのために特に実地訓練を重視いたしまして交通道徳を身につける、そうして交通に関する規則をよく理解し、これを守るような態度、習慣を養う、そういったようなことを目標といたしまして、交通安全教育をさらに推進してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。特に関係ある教科といたしましては社会科でございますが、そこでは交通事故の状況とか、町や村で交通安全の仕事としてどういうことをしているか、警察官の仕事はどういうものであるか、交通標識にはどういうものがあるのかというようなことを理解させると同時に、体育の面におきましても、交通事故の原因となるようなことにつきまして理解させ、安全についての能力を養うというようなことを徹底してまいりたい。しかし先ほど申しましたように、特に実地訓練が大事でございますので、特別の時間を設けて、特に模擬訓練等を通じて安全に関する理解を深める態度を養うということにしたい。大体年間十二時間ないし十三時間の学校が多いわけでございますが、これも通達によっていろいろ指導しておりまして、それをさらに推進してまいりたい。そのための交通安全センターというものを各県にモデル的なものをいまつくりまして、本年で三年目になるわけでございますが、そこで実地に訓練ができるというふうにしたい。 さらに幾つかございますが、交通安全の指導をする先生方の能力を高めるということで幾つかいままでも講習会をやっておるわけでございますが、特に来年からは小学校の先生を対象にいたしまして、中央において、どのようにしたら効果的な交通の指導ができるかという、指導方法を中心にしました研修会をしたいというふうに考えております。 さらに、今度「交通安全指導の手びき」というようなものをつくりまして、現在これを中心に指導しておるわけでありますが、いろいろ交通事情も変わってくるという実態に即しまして、さらにこれを改定いたしまして、この秋あたりからまたそれを使って実態に即した指導をしていくというようないろいろなことを考えておるわけであります。
○原田説明員 自動車、鉄道、船舶、航空機等の、陸海空の各交通分野を担当いたしております運輸省といたしましては、交通におきます安全を確保することは運輸行政における基本的な使命と考えております。したがいまして、本基本法が成立いたしました暁には、私どもは誠心誠意この基本法に盛られておる趣旨にのっとりまして、交通安全の計画的、総合的な実施をはかりたいと考えております。
○田中(昭)委員 長官、一緒に私、考えてみたいと思いますけれども、いまそれぞれの省庁からお聞きしましたが、ここでそういうことを言っていいのかどうかわかりませんが、この事故の問題を扱っておる警察庁あたりのお話が、一番なまなましい事件を取り扱っている関係で、もう少し聞いてみなければわかりませんけれども、いままでのいろいろな報告等を見てみましても、この問題についてたいへん熱心に進めておる、こういうふうに感ずるわけであります。長官、いまのお話をお聞きになっていかがでございますか。はっきり言いまして、少し足りないと思いますか。そういう点をもう一ぺん最後に補足の意味で長官から伺いたいと思います。
○山中国務大臣 それぞれ一生懸命やっておるわけですけれども、一番足りないものは国としての姿勢のもとにおける、いわゆる交通事故の累増する現状に対して国はいかなる姿勢をとらなければならないかということを出発点とした企画の有機的な関連性、総合性、一貫性というものに欠けるきらいがあるというふうに思うのです。たとえば学校で、学校の教育の場でという話がいまありました。これも非常に大切なことです。大都市においては幼齢児、小学校の低学年、中学校よりか小学校というふうに非常に事故が多いということもよく統計に出ておるわけでありますから、これを学校教育だけにまかしておいてはなりません。そうして、これはまだ警察庁にも文部省にもどこにも連絡をしておりませんが、私のほうの室長にいま命じておりますけれども、今週中あたりに、あるべき当然の姿というものを取り戻そう、たとえば日曜、祭日には子供は外に行って遊びなさい。きょうは日曜でしょうということが都会ではないのですね。外に出てはいけないというて、庭のないアパートの子供などはかわいそうなものだと思います。そこで、できるかできないか知りませんが、一つの考え方として、中学校区もしくは小学校区に最低一本ないし二本の、日曜祭日には自動車の通行禁止の路線を相当長い距離にわたり設けてみよう。縄を入口に張って、極端に言うとダンボールに、日曜につき通行禁止、何々警察署長ということを出しただけで、大体その縄を突き破って入る自動車はいないと見たほうがいいと思うのですが、そうすると金をあまり使わないでできる。それぞれの学校ごとに先生たちが同じ道路をやりますと、そこの周辺の住宅だけが騒がしいから、次々と道路の指定も変えたりなど、いろいろ相談をしていきますけれども、そういう道路を学校区ごとに一本ないし二本設けてやると、子供たちに、さあ自動車の通らない道路がきまったんでしょう、その道路に行って遊んでいらっしゃいということを親は言えると思うのです。これはいわゆる大上段に基本法とか、あるいは道路なんかの予算とか、安全施設の予算とかいうまともなものじゃありませんが、政治の場でやろうと思ったらそういうことができるのではなかろうかと私考えます。いま関係各省は初めて聞いて、何だ、またつまらないアイデアを出しやがってと心では思っているかもしれませんが、これはやっても価値があるというふうに思っています。 たとえば、いま大都市において幹線道路なんかで、普通の道路も最近そうなりましたが、昼間、交通のふくそうしているときに片側通行遮断したような形でどんどん工事をやっておるのは見られません。また住宅地で夜九時以降にくい打ちその他工事をやっている現場も見受けなくなりました。しかし、これは当然のことですから、だれかがそれを破ってやろうとすれば、すぐ苦情が出るはずなんです。しかしこれは、昔からそういうことになっておったかというと、そうじゃなくて、五六年前までは住宅地でも真夜中にくいを打って眠られない、工事をやって子供たちの癇が高くなったとか、勉強ができなくなったとかよく言われました。道路においても、よくまつ昼間に工事をやられまして渋滞したものです。ところが、政治の責任者というものが、そういうことは常識上おかしい、だから住宅街の工事は暗くなったらやめろ、あるいは大通りの工事をしなければならぬならば、それは普通の朝早くから夕方帰っていく常識の車以外の車が通る時間にやれということで、時の建設大臣がそういうことをきちんとやったために、いまは常識でそういうことはあたりまえだとみんなが思っている。私は、あたりまえだと思うことが行なわれていない社会というものが政治においていろいろ批判の起こるもとだと思うのです。そこで、交通安全も、子供たちは子供たちなりに、親は親なりに、あるいは運転する人は運転する人なりに、あたりまえのことがあたりまえに行なわれていく状態というものを絶えずつくっていくことを念頭に置いていけば、セクショナリズムその他というものにこだわって、検討しますとか、あたりまえのことがとてもむずかしいことには見えないと思うのです。そこで、あたりまえのことなんだから、各省セクトを越えて協力してほしいという意味の呼びかけと、これからは基本法の趣旨に基づいた強力なる推進を進めていくつもりであります。ちょっととりとめのない話をしましたけれども、要するに、あたりまえのことをやっていくのだということであるならば、私は相当政治としてりっぱなことができ得るはずだ、こう思っておるということでございます。
○田中(昭)委員 いま期待どおりのお話をしていただきまして、ありがとうございました。 確かに政治の力でそういうことがなされていくならば私はたいへん好ましいことだと思いますし、それは長官をアイデア大臣とか、いろいろ言う人もおりますけれども、私は官僚、役所のそういうセクト主義を乗り越えて、ひとつどしどしやっていただきたい。ほんとうに心の通ずるものを感じました。 次に条文の中に入りますが、この交通安全対策基本法の第三条、第四条には、それぞれ国、地方公共団体はこの法律を「実施する責務を有する」ということが書いてあります。まず、この「責務を有する」というのは、どの程度責務を有するのか、この法案をつくるときにどういうことを考えておつくりになったか、その点の御説明をお願いしたいと思います。
○平川政府委員 基本法三条、四条におきまして国と地方公共団体の責務が書いてございますが、これは以下五、六、七、八条をお読みいただくとおわかりになりますように、それぞれの立場における責務を書いたわけでございます。すなわち、国は国として、地方公共団体は地方公共団体といたしまして、それから道路の管理者はその管理者といたしまして、というぐあいに責務を書いたわけでございますが、ただ第三条におきます「国は、国民の生命、身体及び財産を保護する使命を有することにかんがみ、陸上交通、海上交通及び航空交通の安全に関する総合的な施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。」ということでございまして、その責務とはいわゆるこの法律に書いてございます責務でございます。したがいまして、むしろ内容的には、まず第一に、国におきましては中央交通安全対策会議をつくる。その中央交通安全対策会議におきまして基本計画をつくる。地方公共団体におきましてはそれぞれ交通安全計画をつくるわけでございますが、その交通安全計画の基準となるべき事項を国がつくっていく。すなわち、地方公共団体のうち、県におきましては県の交通安全対策会議で県の基本計画をつくりますが、それは国の計画に基づいてつくるものである、市町村の交通安全計画は県の安全計画に基づいてつくるものである。こういうぐあいにいたしまして、国、地方公共団体を通じまして一貫した体制と計画をつくるということを規定した、このように私は考えます。その計画の中に二十九条以下にずっと書いてございまする国の施策を盛りまして、それを強力に推進するというふうに理解するものでございます。
○田中(昭)委員 いまのでちょっとわかったかわからぬようなことですが、問題は、その実施の責務をただ条文に書いたからそれができるというものじゃないと思うのです。まあ、それをここで言いましても結論は出ないと思いますから……。 次に、十二条ではその財政的措置を講じなければならないとありますが、この財政的措置につきましてどの程度計画しておるのか。それと、安全対策費がことしは七百八十九億ですか、これではこの条文に書かれたいまの責務の遂行だけでも十分でないと私は思いますが、いかがでしょう。
○平川政府委員 まず財政的な措置につきまして、財政上、金融上の措置について具体的に御説明申し上げます。 国が現在地方公共団体なり私鉄等につきまして、交通安全について実施している政策は四つございます。まず第一は、国が各地方公共団体に支出しておりまする普通地方交付税及び交通反則金に基づきまする交通安全特別交付金でございます。これが交付税として交付されておる。それから第二は、地方公共団体が行ないまする事業に対しまして国が補助金を出しております。第三点は、たとえば地方鉄道が実施いたしまする踏切道改良に対しての財政、金融上の融資でございます。たとえば開発銀行から融資しております。それと最後に、これは順序が逆になりましたが、国が直接実施しております直轄事業のいろいろの経費でございます。 大体以上が構成でございまして、その金額を申し上げますと……。 〔田中(昭)委員「金額はもういいですよ」と呼ぶ〕
○山中国務大臣 いまのは現在措置されておる予算の内容でございまして、いいですよとおっしゃるのは当然でありますが、この基本法ができまして総合行政が展開されるということになりましたならば、これらの予算の組み方なりあるいは交付税その他の措置のしかたなりの基本的なあり方についてもメスを入れてみたいと思います。たとえば反則金制度が出発したのが二年前でありますが、四十三年度予算ではたしか百十億の予算、四十四年度では百十七億の予算、これは実は全額執行しておるわけです。ところが、その反則金の交付規定によりまして実績が出ますと、その実績をもとにして予算を組むということに実はなっておるわけです。実際は当然なんですけれども、予算よりか反則金がふえることが喜ぶべきことか悲しむべきことか、これもまたわかりませんが、一億総前科者にしないようにするという配慮で反則金制度をつくったことから考えると、反則金で済まされる人のほう、軽い違反のほうがふえてくれて重い違反が減ることを望むわけですけれども、予算の面から見ますと、実績は初年度の四十三年の百十億に対して三十億実質の収入が減でありました。その実績をもとにして機械的に大蔵省はことしの予算を、これはそういう基準がありますからいたし方ありませんけれども、このように交通問題で地方自治体の自主財源の充実が叫ばれて反則金制度が設けられた背景があるにもかかわらず、これは機械的にせざるを得ないのでしょうけれども、ことしの見通しの、百十八億あるであろうという見通しから実績の三十億減を引きまして、八十七億余りというものに予算を最終的にきめたのです。そうすると、国の交通行政に対する姿勢というものから見ると、反則金の交付額は昭和四十三年、四十四年と一応順調に伸びてきたのに、ことしはがつんと陥没をした、逆に減ったということになるのですね。ここら私も大蔵省と話してみたのですが、これはたてまえが実績による精算払いということになっていますので、結果そうならざるを得なかったのかもしれませんが、見通しに実績が達しなかった。これは見通しよりかふえておれば、それだけよけい乗せたわけですけれども、遺憾ながら現実はそういうことになりまして、政治の姿勢としては、予算面において逆に交付金では減ったという皮肉な現象が出まして、これは何とかならぬかという相談もしてみたのですけれども、たてまえ上こういうことにせざるを得ませんという法令の根拠等ありますので、私もことしはやむを得ないものとして、前年度実績を下回る反則金交付額に甘んぜざるを得なかったということ等もございまして、私は現在の予算等についても満足いたしておりません。先ほど来質問者に対して答弁いたしておりまするように、来年からは交通安全プロパーの年次計画等も考えながら、もっと総合的に具体的に政府の姿勢が国民に対して、あるいは都道府県、市町村に対して、はっきり反映されて、その上に立ってそれぞれの都道府県、市町村の責務が果たせるような仕事をまず国がしなければならないだろう、こう思っているところであります。
○田中(昭)委員 先立つものは金ということもございますが、いわゆる財政的処置をどうしていくかという問題でありますが、さきの三月六日でございましたか、閣議で荒木国家公安委員長から、道路建設の計画と並行して交通安全計画を立てるべきであるというような御発言があったようでございます。これに対して総理も、長官に、交通安全施設費の見通しをまとめて関係省庁との調整をはかるようにと指示しておられますが、現在このお見通しはどうなっておりましょうか。
○山中国務大臣 これが先ほど来申しております一応の概算としての三千五百億、これは人件費その他が入っておりませんので、警察行政全体として見ますと、とてもこういうものでは達成できないだろうと思うのでありますが、施設費そのものでは三千五百億くらいになるであろうという概算のものが一応届いております。これらをもとにいたしまして、これも答弁をしてきたことでありますが、三千五百億でいいのか、あるいはまた人件費等もきちんと考えて、セットで五千億なら五千億というものにいくべきなのか、そこらの議論もこれから展開をしていきまして、来年の予算要求の締め切りである八月末には、こういう交通安全基本法の趣旨を踏まえた、各省有機的に統合のとれた姿勢における予算要求がセットできるように、道路財源等も含めて、これから作業を進めていきたいと考えます。
○田中(昭)委員 道路をつくるということにいままでずっと一生懸命になってきたわけでありますが、そうすることがかえって——広い道路かできればよい道路というふうにもいわれておりますが、道が広がって舗装すればかえって事故が多発しておる。たとえば静岡県の事故は九〇%から九五%は舗装道路で起きておる。そうしてこの舗装道路は全体の一〇%にすぎない。また東京の環七を見ましても、事故がたいへん多くなっております。この原因は道路に安全施設や交通監視体制が伴わない結果と思われるわけです。したがって、バランスのとれた総合的な交通安全対策を講ずるべきであり、これがこの基本法の国や地方公共団体の責務と私は思いますが、いかがでしょうか。
○山中国務大臣 おおむねそのとおりでございます。
○田中(昭)委員 昨年交通事故による死者が一万六千人ですか、それに達しておりますが、道路の建設を主体にした行政よりも、現在まず人命を救うことが急務である、このためにも安全施設及び教育面を重点に行政を行なうべきと思いますが、いかがでしょう。
○山中国務大臣 どうもきちんとセットされて御質問されますので、私も全く異議はありません。そのとおりの趣旨で進めてまいりたいと思います。
○田中(昭)委員 交通安全の施策の三本の柱といわれます一つは交通工学、一つは交通監視体制及び交通安全施設、これについていままで新旧三カ年計画の実施によりまして着々整備されてきたわけですが、まだ十分ではないと思います。一応は充足されてきたと思います。しかし最後に残ります三つ目の交通教育でありますが、これは予算を見ましてもほとんど計上されておりませんし、最後の交通教育の面が取り残されてアンバランスになっておる。これははなはだ不安を感ずるわけであります。これでは基本法でいう責務を負うということにならないと思うのですが、いかがでしょうか。
○山中国務大臣 先ほど文部省からも答弁がありましたように、学校において交通安全の、学童にふさわしいことを、必要なことを先生が教えていただくということが、大体全国に普及いたしつつあります。これを特別に、交通安全に関して学校の敷地の中で何か施設をつくって、たとえば運転免許の施設があるように安全のための施設を実地でやるというような施設をつくってということになりますと、なかなか金もかかると思いますが、これは家庭のしつけあるいは社会教育というようなものも含めまして全体の中で、金の面とは別に基礎的なそういう教育、子供に対する自覚を植えつけていくということになりますから、金額ばかりでも議論できないと思いますが、文部省あたりでこういうことを試みにやってみたい、しかし予算がなかなかつかないということがありましたら、これは交対本部の基本法に基づく新しい考え方として、積極的にバックアップをこれからしていくつもりでございます。
○田中(昭)委員 ことしの予算審議でも問題提起になりましたが、現在の安全対策の予算の中で交通安全の教育がたいへん不足しております。安全施設等は、まだまだ十分ではないにしましても、改正の熱意が見られますが、しかし交通安全教育については、いまだに幼稚園から大学に至るまでの一貫した学校の場における交通安全教育体制は未確立である。地域住民、運転者教育についても、昨年の約七十二万件の交通事故で騒がれている現状においても確立されてない。交通事故の内容を見ても、高齢者や子供の占める割合がとりわけ高いだけに、早急に関係省庁、特に文部省、警察庁との協議はどのようにしておられるのか、特に文部省としてはどのように考えて実施するのか、まず文部省のほうからお答えを願いたいと思います。
○西村説明員 交通安全の教育をもっと徹底するようにというお話でございますが、いろいろ施策がございます中で、教育面について、先ほどいろいろ施策を申し上げましたけれども、さらにいろいろな対策といたしまして、違う角度からひとつ申し上げてみますと、時間帯による事故発生状況等を見ますと、学校の登下校というような時間よりも、むしろ家庭に帰ってからの事故が非常に多いというような状況になっているわけでございます。そのような状況にかんがみまして、このことは家庭に帰ると子供の気持ちがゆるむとか、遊び場が少ないとか、そういったことが多いような状況でございますので、もっと学校開放等を徹底いたしまして、そういった場所を十分提供してやるということが必要である。現在、ことしも千校ほど対象に選びまして、そしてそこに指導者を置いてやる、子供の遊具も設備してやる、そういったようなことをいたしまして、学校が子供の遊び場、運動場として十分確保されていくという措置を進めているところでございます。 なお小中高を通ずる一貫教育というようなお話がございましたけれども、それぞれ総合的に教育の指導のしかたを進めていかなければならないというように思うわけでございまして、そのために教科の中で昔からやっているわけでございますけれども、先ほど言いました実地の訓練、それを教育課程の中で位置づけるということが非常に大切なのでありまして、全校生徒が特に学年ごとに集団的に登下校なり、いろいろな訓練をするということをやっているわけでございます。たとえば歩行のしかたでございますとか、道路の横断のしかた、それから踏切の渡り方、乗りものの利用のしかた、それから集団で登校する場合、自転車の乗り方というような実地訓練をやるというようなことで、これは現在大部分の学校が実施をするというような段階に至っておるわけでございます。足らない点がたくさんあるかと思いますけれども、現在やっておりますこういった施策を進めまして、徹底するようにいたしたいと思います。
○田中(昭)委員 もう時間がありませんから、いろいろ内容に入りたいのですが、言っておきますけれども、やるなら本気でやらなければいけないんですね。たとえば先ほどおっしゃった教材として使っている手引きにしても、ことし変えなければならないというならばきちっと断行する、そういうふうにしてもらいたいと思います。いろいろございますが、大体今後そういう点を考えての整備をしていただきたいと思います。 次に、警察庁に一言申し上げておきますが、道路標識とか信号機でございますが、東京、大阪の大都市の表通りはたいへん整備されておる。ところが一歩裏通りに入りますと、また郊外に出ますと、たいへん不備が目立つ。特に交通ルールを確立する上で最も基本をなすはずの信号機については、表通りとの格差がたいへん目立っております。もっと真剣にこの格差解消に努力すべきだと思いますが、その対策を考えておられますか、できましたら具体的に伺いたいと思います。
○久保政府委員 いまのお話は、御指摘のとおりであります。そこで私は、いろいろなことを交通対策として考えてまいりましたし、実施してまいりましたが、せんじ詰めるところ、一番足りないものは金であるという結論に達しました。これは、私どもの知恵でも、第一線の知恵でも、いろいろなことを考えております。しかし考えているだけでは交通対策というものは実施できませんので、それが実行できるためにはやはり金である、その他のものはすべでそろっておるという気持ちでおります。そこで、先ほど総務長官が最初に御答弁になりましたようなことを、長期計画の中ではいまのものはすべて完備するつもりでおります。
○田中(昭)委員 次に、警察庁のほうに道路標識について一言言っておきますが、現在反射式でなく、普通のペイントでしておりますが、これは夜間はたいへん見えにくい。特に裏通りのようなところは道路照明の不備のために見にくい。それが事故の原因となっておる。原則として全反射式にもっとすみやかにそういう要望をいれてもらいたいし、また大型化してもらいたい、こういうふうにお願いしておきます。 時間がありませんから、最後に私の意見をまじえながら、長官のほうと建設省のほうにお答え願いたいのですが、政府のほうに対しては、強い言い方になるかもしれませんが、安全施設というものは、形だけつくればいいというものではない、こういうふうに私たちは思っております。たとえば横断歩道橋を例にとってみましても、そういうような面から見ればたいへん不備が目につきます。実際あの急な階段を見ますと、それが一番いい例に思われるわけです。私たちでもあの階段をのぼりますと息が切れる。まして老人や、子供を連れたおかあさん方や、うば車でも押していく人たちであればたいへん苦痛に感ずる。本来横断歩道橋等はどういうものでなければならないのか、体力の衰えた老人やおかあさん方を、危険な車の流れから救うはずのものと私たちは考えておるわけです。これが若い者でもほんとうに辟易するような急な階段、そういうものを利用しようということのほうが無理である。それが証拠に年寄りの事故がたいへん多くなっています。横断歩道橋付近での事故も多くなっている。運転者のほうとしましても、横断歩道橋があるだけに、何といってもやはり安心していくのが人情だと思うのです。そういう前方不注意とか、スピードの出し過ぎとかについて、運転者を責める前に、このような不十分な安全施設をつくったことで事足りたとしている道路管理者当局が謙虚に反省していくべきではないか。外国の例を見ましても、横断歩道橋といえば、うば車を押して渡れることが一つの基準になっていると聞いておるが、もちろんこのような歩道橋をつくるには、ばく大な資金を必要とすることは間違いないわけでございますが、しかし、安全施設をつくる以上、完全に安全施設の役割りを果たすものをつくらなければならない、こう思います。車という立場でなく、われわれ人間をまず考えた上での血の通った安全施設をつくるべきであると思いますが、このことについてどのようにお考えになっておられますか。最後にお尋ねして、終わりたいと思います。
○山中国務大臣 交通安全対策は、まず弱いものから保護していく、守っていくという方面から、自動車対人間は、まず人間のほうが弱いのですから、まず人間を守っていく、その人間の中でも、おっしゃるように、老人や子供というものがさらに弱い立場にあるのですから、それを十分見なければならないことは当然です。ところが、事故においては、その子供や年寄りの事故が多いということも反面厳然たる事実であります。そこで、横断歩道等の機構上の問題等もございまして、確かに周辺の商店街等で設置についての賛否、あるいは設置をするならば、どういう形ならば反対であって、どういう形ならば賛成であるというようなこと等もやはり行政上配慮せざるわけにいかないのでありましょうけれども、しかし、それでもだんだん知恵が出てくると見えまして、相当勾配のきつい階段から、らせん階段的に、なだらかな坂を上がっていくような感じの階段にしてあるようなのも最近は目立つようになってきました。うば車でも上がっていけるようなものも、住宅街あるいは商店街に買いものに行く主婦たちが通るようなところについては特別に配慮する必要もありましょう。それらは技術的な問題等もございましょうから、逐次改良、改善していかなければなりませんし、諸外国におくれをとっていることでございますから、十分それらの先進諸国の事例等も見ながら、日本も経済のみがいたずらに繁栄し、そして国民の生命、財産は顧みられない状態というそしりを受けないような国になりたいという願望を持っております。
○田中(昭)委員 以上で終わります。
○受田委員長 河村勝君。
○河村委員 ただいま審議されております交通安全基本法は数日のうちに成立するであろうと思います。それはたいへんけっこうでありますが、この種の性格の法律というものは、法律が制定されること自体けっこうなことではあるけれども、それ以上に大切なことは、こういうものを契機にして政府がどれだけの意欲をもって取り組むかということにおいて大半が決定されるといってもよろしいわけです。そこで、先ほど横路君の質問に対して総務長官は、第六次の道路整備五カ年計画に対応するところの交通安全施設整備計画を新しく明年度くらいからやりたいという発言をされました。私はそういう意欲に対しまして敬意を表します。いまの段階では少なくともその意欲に対して期待をするわけでありますが、今後の問題もさることながら、長官、あなたは四十四年度からスタートした新しい交通安全施設整備事業の計画、そのうちで国が資金を投下して国がやるところの整備事業、それが四十三年度で終わった第一次の計画よりも逆に資金量において減っているという事実を御存じであるかどうか。
○山中国務大臣 承知しております。
○河村委員 承知しておられるならば、あなたもすでに総務長官として就任されて以後に四十五年度予算の編成にタッチをされておるはずであります。その際これを修正される努力をされたのかどうか、それを伺いたい。
○山中国務大臣 これは緊急整備三カ年計画で立てました目標というものに対する充足のテンポに合わせて予算が組んでありますから、第二次の三カ年計画の目標達成のためのテンポにおいては、特別にそれがスローダウンしたわけではないと思っております。しかし、先ほど反則金の交付額につきましても触れましたように、少なくとも政府の姿勢というものが予算に対比して減になるようなことでは、中身の質の問題は別でありますが、やはり姿勢としてはいかがかと思われますから、これからは、この基本法の趣旨にのっとりまして、総合的に有機的な——予算の際も各省がばらばらで、最終的に私どもの手元に何も届かない、連絡もなしにセットされてしまうというようなことをなるべく避けて、その中間で予算編成等の間において交通基本法を所管する総理府といたしまして取りまとめて、こういう形のものでまとめてほしい、そういうような仲介的な折衝もするようにしてみたいものと考えております。
○河村委員 どうもいまの答弁は山中さんらしくない答弁だと私は思うのです。それぞれの時期の目標に合った予算だから、今度の新しい三カ年計画の予算は少ないものではないというのは、私は詭弁であろうと思うのです。少なくとも現在どんどん交通事故がふえている段階の計画でありますから、前の予算よりも減るなんということは許されていいはずがないので、この際長官としても、少なくとも予備費を流用するなり何なりして、前回の計画よりも今年度は減っているんだというようなことのないように措置せられるお気持ちがおありかどうか。
○多治見説明員 ただいまの御質問に関連いたしまして、道路管理者としていたします新しい三カ年計画の事業、交通安全施設の事業でございますが、これは旧三カ年計画に比較いたしましてふえております。数字的に申し上げますと、累計額で七百二十二億が七百五十億にふえておりますが、内容的に申し上げますと、いままでの計画では計上されておりませんでした地方単独事業等が相当大幅にふえておりますので、実体的な交通安全施設整備の事業内容といたしましては、相当ふえておるというふうにわれわれは考えておる次第でございます。
○河村委員 多分そういう返事をされるだろうと思ったのですけれども、地方単独事業というものに対して、国は一体それに必要なだけの財源を支出しておりますか。
○多治見説明員 地方単独事業は、その名前のとおり地方の税収でまかなわれる事業でございまして、国としては直接これに対して補助金等を出しておるわけではありませんが、事業内容といたしましては、国の計画いたします交通安全施設と対応して、都道府県で独自に出すということでやっておる次第でございます。
○河村委員 そういうことであるならば、国でやる事業、これは三カ年計画というのにふさわしい。だけれども、地方単独事業というものは、単なる予測か、せいぜいおまけしても期待くらいのものにすぎないですね。だからそういうものを込めて、それで前年度よりもふえておるというのはほんとうに役所の言いわけにすぎない。現実には、前回の三カ年計画が七百八十二億に対して、今回のそれは道路管理者の分だけでいって七百四十九億とずいぶん減っておるわけですね。その事実は認めますね。
○多治見説明員 お話しの数字がわれわれの持っておるのとちょっと違いますが、道路管理者分だけで申し上げますと、旧計画で七百二十二億というのが、新規計画では七百五十億ということで増加いたしております。
○河村委員 七百二十二億というのを単位にとれば、それは七百三億で、やはり減っておるんですね。ですから、そう無理に数字をいじらぬでもいい。減ったなら減ったと返事してもらわなければいかぬ。いかがですか。
○多治見説明員 数字といたしましては、ただいまお答えしました数字で間違っているところはないと思います。
○河村委員 それは私の言い方が悪かったかもしれない。道路管理者だけの分でいえば七百二十二億が七百三億に減っておる、総額において。公安委員会担当の分がやはり六十億から四十六億に減っておるから、合計するとやはり七百八十二億から七百四十九億に減少しておる。この数字は間違いないでしょう。これはあなたのところからもらった数字だ。
○多治見説明員 私どものほうから差し上げた資料だということでございますが、計画の途中でそういう数字があったことはございますが、最終的には、私が先ほど申し上げましたように七百五十億ということでふやしております。
○河村委員 一億はどうでもよろしい。いまの誤差は一億だけですね。
○多治見説明員 七百三億というお話しの数字が、われわれの手元では七百五十億ということで最終的にきめております。
○河村委員 そうすると、去年の予算審議の際には、あなた方は間違った資料をわれわれに提出した、そういうことになりますか。これは印刷物だ。
○多治見説明員 もしそういう数字の資料がお手元に参っておるといたしますならば、われわれの間違いか、あるいは途中の経過的な数字がお手元にいっているのではないかというふうに考えられます。
○久保政府委員 財源の問題は、国費及び地方費の場合には、地方が単独でやるにしましても、その財源を国が見るかどうかということで、そこで第一次の三カ年計画は総額百七十七億、そのうちで国費支弁が、おっしゃいますように六十億です。それから、第二次の整備計画の総額は、二百七十七億、そのうちの国費の関係が四十六億、この数字はおっしゃるとおりです。 そこで、なぜそうなったかといいますと、計画自身は百七十七億から二百七十七億に百億ふえておりますが、国費が減ったのは反則金その他の財源を、自治省のほうで地方財政計画として見ております。したがいまして、百七十七億にしましても、二百七十七億にしましても、閣議で決定されたものでありまして、それに基づいて財政計画の上で自治省は計算をいたしております。したがって、国費で直接見たかあるいは地方財政計画の上で見たかの相違はありますけれども、財源の手当てはしてある、したがいまして、国費自身は六十億から四十六億に減っておるけれども、計画自体としては非常に大きくふえている、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○山中国務大臣 先ほど減っているのを承知しているのかと言われたのを、私は承知していましたと言いましたでしょう。それは建設省の予算のうち、安全施設にかかる部門について八億五千九百万前年度に比べて減っているということを言ったので、これは三カ年計画全体としてのあれではありません。年次として今年度は減っております。これは私の見るところ、三カ年を三等分して予算をつけないで、初年度の出発の時点で相当たくさんつけて、そして残りを機械的に半分に割ったために減ったんじゃないかと思いますが、——私の答弁したとおりのようです。たぶんそうだろうと思いましたが、そのことを私が承知しておると申し上げたのです。
○河村委員 どうもその数字は私はおかしいと思う。私か持っておる数字はあなたのところ——平川さんの前任者のときだけれども、総理府から出たプリントです。これはこの委員会で配付されたものだ。これが違っているとなれば、これは非常に重大なんですよ。だけれども、これは時間がないから、あとで調べて正確なところを出してください。 そこで、いま一つの問題ですが、大臣、あなたはわが国の場合、市街地の自動車道路の中で、歩道のついている道路は、国と府県と大まかに言って、その二つについて、大体整備率はどのくらいだか御存じでしょうか。
○山中国務大臣 歩道につきましては、全道路に全部歩道をつけなければならない問題がありますが、歩道をつけなければならないところについての進捗率はおおむね八〇ぐらいであろう、都道府県等につきましては、これは県によっても違いますでしょうけれども、平均四二いっていないんじゃないかと思いますが、これはメンタルテストでしょうから、建設省のほうから正確に答えていただきます。落第するかもしれません。
○蓑輪政府委員 四十三年度末といいますと、四十四年三月でございます。この中で、市街地の中の国道——市街地というとり方ですが、これは私のほうだけのとり方ですけれども、人家連檐が五〇%以上のところを一応市街地と見ておるわけでございます。そういうものの中でどのくらい歩道ができておるかということでございますが、一般国道につきましてが約四八%、主要地方道が二八%、一般地方道が二八%、市町村道が二〇%、トータルいたしますと二九%という状況になっております。
○山中国務大臣 まいりました。
○河村委員 別段大臣をやり込めるつもりも何もないのですが、こんな程度であります。大臣も何回かヨーロッパに行って御存じでしょうが、少なくともフランスやドイツ、イギリスあたりの車の通る道路で、歩道のないのはまずありませんね。日本の場合、自動車対人間あるいは自動車対自転車、これは人間ですね。車対人間の事故率というのはいま一番高くて、半分くらいなんですね。やはり最大の原因というのは、ほかのいろいろな安全施設もありますけれども、歩道が整備されていないというのが最大だろうと思うのです。これは、建設省の悪口を言うわけじゃありませんけれども、道路をつくる人というのは、新しい道路はつくりたがりますけれども、既存の道路に歩道をつくるというようなじみな仕事はなかなかやりたがらない。これは人間として通有かもしれませんけれども、やはりそれが一番影響しているのではないかと思います。そこで、先ほど国道については今度の新道路第六次整備計画で、五年間で大体全部つけられる、国道については全部整備できるという話でありましたが、それはそのとおりであるか。それと、府県道について、その中で街路でけっこうです。全体とは言いません。街路について一体どこまで整備ができるか、それを教えてください。
○蓑輪政府委員 いまの交通安全施設の三カ年計画の終わりは四十六年度末でございます。実は、新しい五カ年計画では、四十七年−九年、もう三年あるわけでございます。この辺まだはっきり詰めておりませんが、いまの私たちの計画では、四十六年度末には、先ほど言いました市街地の主要地方道については五四%ぐらいまで達成できるだろうというふうに考えております。ただ、この中で非常に問題になりますのは、実際にいまの幅員ではどうしても歩道ができないような道路がございます。そういうものはやはり一方交通にするか拡幅するか、何かの方法を立てませんと、とにかく主要地方道だからすべて歩道をつくるということはなかなか困難なところに私たちいま悩みがあるわけでございます。あとの四十七年、八年、九年でこの歩道の設置はできるだけ交通安全施設の中でやっていきたいというふうに考えております。
○河村委員 そこで総務長官、あなたの出番はここだと思うのです。確かに街路の中で幅員の狭いところ、これは都市再開発の過程で改造するのがほんとうの筋道でありますけれども、実際問題としてなかなかできないところもあろうと思うのです。ですから、これは建設省だけの仕事でなしに、主として警察庁だろうと思いますけれども、交通規制、一方通行あるいは車禁、そういうものを組み合わせていけば、少なくとも一方通行にすればガードレールぐらいはできるのですね。そういうものだと思うのですが、そういうことを総合すれば、全道路について歩道とまではいかなくても、少なくともガードレールぐらはできるはずだと思いますが、大臣、どうお考えになりますか。
○山中国務大臣 これはおっしゃるとおりでありまして、先般緊急三項目というものを安全対策としてきめました中で、人口二十万以上の都市並びに通行車両の多いと思われる県庁所在地については、裏通り、細街路等について重点的に交通規制をやる。通学児童の時間帯による通行禁止、あるいはほとんど通行車両と思われるダンプカーその他特殊大型車等の通行禁止、それから遊園地や、主婦たちの買いものでにぎわうような商店街等におきましては、常時原則的におおむね十キロ以内のスピードで走ること。これについては、自動車の性能からいって、十キロというのは人間なら地面をはっていくようなものだとの反論もありました。これも正しいけれども、しかしいやなら通らなければいい。すなわち何が目的かと言えば、人間を守ることが目的ですから、いやなら通ってもらわぬでいい、通るなら十キロ程度で走りなさいということを先般きめまして、どこまで実効があがるかということについて、末端まで主として警察庁ルートでいまその方針を進めておるわけでございますが、御意見は私と同じでございます。
○河村委員 必ずしも同じではないのでありまして、警察庁のやるべき仕事をやらせる、それはそれでけっこうです。建設省がやるべきことをやらせる。これを総合しまして、交通規制をやるのと同時に、交通規制だけじゃほんとうは不十分なんです。十キロで規制したって走るときには走りますし、全部車禁ができるわけじゃない。一方通行しかできないところもあるでしょう。そういうものを組み合わせて、規制をやると同時にガードレールぐらいつくらせる。そうした組み合わせをやって交通安全対策をほんとうにやるというのが、総合調整をやる総務長官の仕事だろうと思います。そういうことをやって——主要地方道という範疇がどういう性格のものか私はよくわかりません。府県道というものじゃなしに、それ以下のものを含むのか、あるいはそれ以上のものにしかすぎないのか、それはわかりませんけれども、先ほどあなたもおっしゃったような、少なくとも通行車両の多いようなところにつきましては、この道路整備五カ年計画の間に対応する整備計画をおつくりになるというのですから、それでもってガードレールもないような自動車道は全部なくするということをお考えになってはいかがかと思いますが、いかがですか。
○山中国務大臣 私の考えと同じではないとおっしゃったのですが、考え方は同じでありまして、いまおっしゃったような方向で当然いかなければなりませんし、主要地方道は建設省で言うべきでしょうが、国道に至らないまでも、都道府県道中の非常に重要な路線ということになって指定を受けておるわけでありますから、それらのところに至るまでの問題については、やはり車の通行量が多いと見なければなりませんので、これは優先してやらなければなりません。今後の道路五カ年計画並びに安全施設の予想される五カ年計画において、取り締まり面だけではなくて当然そういうことを考えていきますし、都道府県、市町村が独自で行ないます財源の反則金による交付金、こういうもののバランスを見ながら、有効適切に生かされていくようにしたいと考えます。
○河村委員 ここでもってすぐ五カ年間でやるというようなお答えはなかなかできぬと思うのですけれども、警察庁関係の交通規制と建設省関係の安全施設を組み合わせていけば、街路の全部となりますと、なかなかとほうもないようですが、これの組み合わせでいけば、そうべらぼうな計画でなくてできるはずだと思うのです。ですから十分御検討いただいて、ぜひともあなたにこれを実行していただきたいと思います。 時間もありませんから、一般的な考え方の質問はこれで終わりまして、具体的な条文について。実は昨年もこの法案についての質問はいたしました。それで、実を申せば基本法にふさわしからぬ表現のところがかなりあるのです。あるのですけれども、なかなか修正には応じてくれないし、まあまあしょうがないから一応通したわけですが、今度社会党からの提案もあるし、政府のほうでも相当積極的に直せるものは直そうという気がおありのようですから、あなたが私の伺うことについて納得がいかれるものならばぜひとも直してほしいというものについて、時間もありませんから二カ所だけ御質問いたします。 第八条の「車両を運転する者は、法令の定めるところにより仕業点検等を行なうとともに、」というところの条文でありますが、ここでは車両と船と航空機とそれぞれ分けて規定をしておりまして、主として行動前の検査義務を規定したものですね。ところが車については「仕業点検」、船については「発航前の検査」、航空機乗組員については「出発前の確認」というような区々たることばを使っております。どうせ基本法というのは一種の憲法ですから、もっと包括的な一般に通用することばを使って、今後の運用に差しつかえないようにすべきだと私は思いますが、長官はいかがお考えになりますか。
○山中国務大臣 法令の具体的な内容の議論でございますが、私は、この法律が国会に提案されて、衆議院の当該付託委員会を一応通過した段階で立ち消えになって廃案という形になったものであることを前提として考えまして、私が就任いたしまして今国会に提案をいたしまする際には、まだ本会議で通過決定をしておりませんから一院の意思が確定をしたものとは受け取れませんけれども、委員会において二番せんじといっては悪いですが、二度目の付託であってもこのように真剣な議論がいろいろされるのですから、私の就任前のことでありますけれども、よほど真剣な議論がなされたに違いない。その結果委員会は通ったのであるという事実を踏まえまして、なるべくその事実は尊重していきたいと考えたのです。 そこで、本来私が最初から発案するものであれば、また構想なり展開のしかた等についていろいろと違ったものがあったとも思いますが、その意味ではやや安易ではありまするけれども、委員会の通過した事実を私としては尊重をいたしまして、そのことを前提として一応申し上げておきたいと思います。 そこで、ただいまの陸、海、空の出発前の点検の表現でございますが、これは単に用語の使い方ばかりでなくて、内容にも違いがありますから、車あるいは船、飛行機それぞれこのように書き分けておいてあげたほうが親切ではなかろうか。ことに、いままで総理府で扱っておりまする行政が大体陸上交通安全というような感じでございましたので、これからは、国の姿勢として海も空もということになりますれば、一そうそのことを鮮明にするためには、これは私としては賛否分かれてもしかたのないところですけれども、考えようですが、第八条はこのように親切に書き分けておいたほうがよろしいような気も私としてはしております。しかしこれは、私の考えを押しつけられるべきものではございません。
○河村委員 院議を尊重されるのはけっこうなんですけれども、とにかく一回廃案になったものであるし、かつ審議はいたしましたが、心ならずも通したものでございますから、そう尊重していただかなくてもけっこうです。そこで、個別法の書いたものを基本法がうのみにしているというかっこうは、ほんとうはきわめてよろしくないのですね。例をあげれば、たとえば車の場合の仕業点検なんというのはまことに技術的な用語ですね。ですからこれはいつ変わるかもしれませんね。これが仕業検査と変わるかもしれないし、あるいはだんだん技術も進歩し、整備のしかたも変わってきて、車を運転する人間がそのまま検査して済ませる時期もくるでしょう。そうして、もしこれが個別法において仕業検査と変わったら、そのとき基本法をまた変えなければいけないでしょう。そうでしょう。いかがですか。
○山中国務大臣 最初の、委員会を通ったものであるからといって、そう尊重せぬでもいいということですが、逆に、ぼくが新しく就任したから、委員会を通過した実績は全然認めないで、これを組みかえて出したら、今度は委員会の審議の実績を何と思うかと必ず言われるはずです。そこらのところは適当にひとつ、お互いに議員ですから、しておきまして、そのように既存の法令から引っぱってきて、そのまま安易に置いたというふうに受け取られても、これは反論できないかもしれませんが、しかし、やはり事柄が自動車を運転する車両運転者は仕業点検ということばが法律のことばとしてはなじんでおりますし、かといって今度は船とか航空機——航空機はわりと似ておりますけれども、船も仕業点検と言えるかどうか、内容が少し違うと思いますので、しいてこだわりませんが、私としては、安易に引っぱってきたんだから、じゃ既存法が変わればこっちも変わるんだろう、そういうような気持ちでおるわけではないので、むしろ基本法が定まりますと、それぞれの別途の法律がこの基本法を受けて動くようにならなければ私は基本法の意味はないと思っております。
○河村委員 基本法を受けて個別法が動かなければならぬというのはそのとおりであります。私は別段船に仕業点検とかいうことばを使えと言ったんじゃないのです。逆なんですね。要するに、ここで言いたいのは、出発前に検査しろということなんです。それならそう書けばいいんですね。それを個別法でもって仕業点検ということばが使ってあるから——これはおそらく運輸省かどこかががんばったんだろうと思うのですが、そういうものをうのみにしてこう書くでしょう。基本法というのは幅広いものであっていいんですね。検査といえば常識のことばですよ。それが仕業点検であってもいいし、確認であってもよろしいのです。ところがこんなふうに書いてしまいますと、これから世の中が——世の中がどう変わるというのも大げさでありますけれども、技術的な用語というのは、技術が変わるに従ってどんどん変わっていくのですよ。だからこういうものはやはり包括用語で書くものであるというのは、これは法律論よりも、総務長官、常識としてあなたそうお考えになりませんか。いかがですか。
○山中国務大臣 私は、この法律をずっと説明を受け、文字どおり点検を私もいたしましたが、そのときにはこの表現は意とするに足らないと思いましたので、したがってこの法律の表現はそれぞれの各省ががんばって、いや私のところはこの表現でなければだめなんだといういきさつがあったかどうか、という確認を率直な話いたしておりません。その点だめだとおっしゃればいたし方ありませんが、このような表現を置いたら絶対いけないのかということになりますと、私としては、親切に陸海空に書き分けて、それぞれの実態にふさわしい表現のしかたというものが法律でなじんでおりましょうから、それをそのままここに移したことは決してただの安易ではないので、それでよろしいのではないかと思っております。
○河村委員 これはきめ手のない議論ですから、結論は出ませんけれども、私も別段役所ががんばったかどうかそれは知らないのです。知らないのですけれども、見た感じはそうですね。やはり基本法というのは、憲法をごらんになったって特殊なことばは使っていません。それをかみ砕いて、その用向きに従って必要な用語が使えるようになってしかるべきなのですね。それだけで済めばいいのですけれども、実際さっき言ったように、個別法をいじったら基本法まで直さなければならぬという時期が必ず来ると思うのです。そんなばかげたことはない、検査という目的に対して同じであるならば。そこに役所のセクショナリズムみたいなものが出てきちゃって、今後の交通安全対策にもそういう精神がにじみ出てくるようだといかぬと思うので、私は特に申し上げるわけです。この点はいますぐ結論を出さなくてもいいですから、直せるものなら私は直したほうが至当だと思うし、おそらく長官も内心はそうだなと思っておられるだろうと思う。(山中国務大臣「そんなことはない」と呼ぶ)いずれ最後の締めくくりのときに御相談をすることにしておきたいと思います。 そこで、いま一つ三十七条、「国は、前八条に規定する措置を講ずるに当たっては、国民の生活を不当に侵害することとならないように配慮するものとする。」こういう条項を入れたのはいかなるわけでありますか。
○山中国務大臣 これは最初の質問にもお答えしたと思うのですが、交通問題につきましては、だれがいつ加害者になり、被害者になりということのあらかじめ想定できないケースでありますし、全般的に危険なものから生命、財産、身体を守るということから出発するわけですので、それらの場合に、やはりそのことのみに強く出まして、たとえば絶対にこの道路は車を通らせないとかりにやりますと、その通りに住んでいる人は車を自分が持っていてもそこを通れない、うちに帰れないということにもなるわけですから、そこらのところはやはり公共の福祉といいますか、それぞれの常識という程度で、非常識なことはしないんだということのような意味として私は受け取っております。
○河村委員 それならばあたりまえのことなんですね。でありますから憲法があれば足りるわけです。私有財産権を規定した二十九条とあと権利の乱用を慎しむ十二条、そんなものがあればそれでよろしいので、こうした人命を守ろうという意図のもとにつくった法律にこういうことをわざわざ書くことは、要らないものを書くことによって意欲をそぎ、何かがんばる口実を与えるというようなことになってマイナスになるのではないかと思いますが、いかがでございますか。
○山中国務大臣 いろいろな人が国民にはおりますから、この法律を読んで「国民の生活を不当に侵害する」云々と書いてあると、じゃ、おれは自分の生活を不当に侵害されるから、その規制には反対だという人もあるいは出るかもしれぬ。しかしやはり法律のていさいとして、事柄が事柄の法律でありますだけに、これは念のため書き置くというだけで、このようにきちんと今後の基本法によって規制の姿勢をとっていくけれども、しかし「国民の生活を不当に侵害する」ようなことについては配慮していくのだということを書いておるということでお受け取り願えればありがたいと思います。
○河村委員 しからばこの三十七条には「前八条に規定する措置を講ずるに当たっては、」ということが書いてあります。「前八条」というと二十九条からですね。二十九条は一応おきましょう。三十条「国は、交通の安全に関する知識の普及及び交通安全思想の高揚を図るため、交通の安全に関する教育の振興、交通の安全に関する広報活動の充実等必要な措置を講ずるものとする。」これを行なうにあたって、「国民の生活を不当に侵害する」おそれは何かございますか。
○山中国務大臣 まあそういう質問もあってもいいでしょう。教育の振興、広報活動で「国民の生活を不当に侵害すること」はないでしょう。しかし、この第二項の「民間の健全かつ自主的な組織活動」というものをかりに強制的にやらせるというようなことになると、これはやはりそれぞれの人たちの職業その他の形態の違いからいって、一律にやるというのは自主的の名における強制ということになりますと、これはやはり国民の生活に関係が出てきますから、まあそれはそういうやりとりをする気は私はないのですよ。しいて弁解する意思もありません。ありませんが、そういうことを全体的に施策をとる場合に、国民の生活を不当に侵害しないようということを念のため書いておくというふうに私はすなおに解釈しておるわけです。
○河村委員 しかし、法律に「自主的な組織活動が促進されるよう」と書いておいて、それにまた国民の生活を侵害されないようにと規制をつけるというのは、これはもうほんとうにどういう法律ですかね。そう幾つも聞くのもおかしいけれども、例をあげるために——あとをお読みになったらわかるでしょう。 では三十四条、これは一番代表的なものですな。「交通事故による負傷者に対する応急手当及び医療の充実を図るため、」「救急医療施設の充実等必要な措置を講ずる」「海難救助の充実を図るため、海難発生情報の収集体制及び海難救助体制の整備等必要な措置を講ずる」これは何か国民生活を不当に侵害する可能性がありますか。
○山中国務大臣 そういうふうに一つ一つ言われますと、あるいはこの三十四条では国民生活を不当に侵害するおそれは全くないということも言えるかと思います。しかし、かといって、国が全体的に実施する前八条というものに相対的に関連をして、考え方として、国民の生活を不当に侵害することのないようにということでソフトにかぶせてあるということでございますから、一つ一つの条項でどうしてもとっちめなければいけないんだというお気持ちなら、あなたのような御主張はそれも成り立ち得るということは認めます。
○河村委員 成り立ち得るどころじゃなしに、こういう法律をつくるのは私は間違いだと思うのですね。法制局の第二部長ですか、あなた、こういう法律をつくっていいのですか。
○田中政府委員 ただいま具体的に例をおあげになりましたが、三十四条におきましても、たとえば緊急時における救助体制の整備をはかりますために、全然関係のない第三者に対する不当な措置というものが考えられないことはないと私は思います。 それからいまの三十条の問題でございますが、三十条で見ましても、たとえば交通の安全に関する広報活動をやるという場合に、あまりにもよる夜中やるとか、不当な国民生活の圧迫ということは、もちろんそんなことをすることはないのですが、考えられないことはないのでございまして、そういうようなことからいいまして全然、少なくとも最初の二十九条あるいは三十一条ですか、そういうようなものは明らかにあるのですが、そういうもの以外のものは一切これについて配慮しなくていいとまで書く必要はないのではないか。全部を一体として考えて、やはり三十七条みたいなものをここに書いておくという意味はあるのではないかという意味でここに入れたわけでございます。
○河村委員 そういう法律的な答弁といいますか、配慮しないでいいと書く必要はありません。何も書いてないならよろしいです。それなら第三十六条、これで何か国民生活を不当に侵害する可能性が小指の先でもありますか。
○田中政府委員 私も、三十六条に関しましてはおそらくないものと考えております。
○河村委員 そういう法律を一体法制局の立場でつくっていいと思うんですか。こういう市民の生活を不当に侵害することとならないように配慮することということは、やはりある程度交通安全対策を規制する要因ですよ。そういうものを、まるきり可能性のないものまで全部おっかぶせて、「前八条に規定する措置を講ずるに当たっては、」こういう威嚇的な書き方をするのは他意あるものとしか考えられないです。こういうものを一体法制局で審査して、たいへんけっこうな法律ですと言って、あなた、通したのですか。
○田中政府委員 全く政策の表明でございますから、その政策にして誤りがなければよろしい。法律の表現におきましてもよろしくなる。で、ただいまの三十六条にいたしましても、全然もういまみたいな可能性がないかと言われますと、私たちも何もそれを立証すべきものはございません。そうなりますと、やはりこの節——要するにここで言いたいことは、「前八条」とありますけれども、この節に規定するような国の施策の実施、そういうものについては、やはり国民生活を侵害するようなこと、そういうことについてはあってはいけないということを特に念のために規定する必要はある。その場合に、第何条をどうするというようなことでなくて、ふわっとこの節に規定するとかあるいは前何条に規定するということを書くことは、別に適当でないということは言えないと思います。
○河村委員 もう時間が来たようですからやめますが、一体あなたは食事をする最中に、他人の生活を侵害しないようにお食べなさいという規定を書いてあったとしたら、あなた、そういう法律どういたしますか。とにかく、何のためにこういうばかげた包括的な規定を設けたのか、私はその真意を知らないのです。知らないけれども、こういうばかげた規定を法制局がなおかつそれだけ弁護しなければならぬのか、私にはわからぬ。そういう法制局なら、もうないほうがいいですな。 これもまた最後に御相談することにしまして、時間が来ましたから質問は一応終わります。
○受田委員長 次回は明九日木曜日、理事会午後一時、委員会午後一時十分より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十五分散会