交通安全対策特別委員会 第3号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1970/03/05
会議録
○受田委員長 これより会議を開きます。 交通安全対策に関する件について調査を進めます。 この際、山中総理府総務長官及び荒木国家公安委員会委員長から、交通安全対策についてそれぞれ説明を聴取いたします。山中総理府総務長官。
○山中国務大臣 私は、総理府総務長官の山中でございます。総理府に設置されております交通対策本部の本部長もつとめております。 このたび、今国会における交通安全対策特別委員会の審議が開始されるにあたり、交通安全対策に関する政府の方針を申し述べたいと存じます。 御承知のとおり、わが国経済の成長に伴う輸送需要の増加は、ここ数年来、自動車保有台数の急激な増加をもたらし、これが交通事故発生の一つの大きな要因となって、交通事故による死傷者は、逐年増加する傾向を示しております。昨年におきましても、政府と国民が一体となって交通事故の防止に努力いたしたにもかかわらず、交通事故による死傷者は、死者数一万六千二百五十七人、負傷者数九十六万七千人を数え、昭和四十三年に比べて、死者数において一四%、負傷者数において一六・八%とそれぞれ大幅に増加し、死者数及び負傷者数のいずれもが、史上最高を記録するというきわめて憂慮すべき状況にあるのであります。 私は、このような交通戦争の事態の深刻さを十分に認識し、交通対策本部長として、その終結のために最善の努力を傾注する決意であります。先般も総理府総務長官に就任早々初の交通対策本部会議を開催し、大都市の幹線道路における一方通行規制の実施及び右折禁止規制の強化並びに裏通りにおける交通規制の徹底をはかることを決定したところであります。 交通安全施策につきましては、政府は、ここ数年来、人命尊重特に歩行者保護の見地から、交通安全対策を政府の最重点施策の一つに取り上げ、道路交通環境の整備拡充、交通安全活動の推進、交通秩序の確立、被害者救済対策の強化の四本の柱を中心とする総合的な交通安全対策を強力に推進してまいりました。今後も、これらの施策をさらに強力に推進し、交通事故防止の徹底をはかる所存であります。また、これらの施策の推進に必要な経費につきましても、政府は、昭和四十五年度の予算編成にあたり、交通安全施策の推進に必要な予算の確保に特に配慮をいたし、交通安全対策関係予算として、前年度の予算額に比し、約一六・六%増の総額約七百九十億円を計上いたしているのであります。 以下当面の交通安全対策の重点事項について申し述べます。 まず第一に、道路交通環境の整備につきましては、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法に基づく特定交通安全施設等整備事業三カ年計画に定める事業の実施にあたり、歩道、横断歩道橋、防護さく、信号機等の歩行者保護に重点を置いた交通安全施設の整備をはかる方針であります。 以上のほか、道路交通環境の整備としては、踏切道の立体交差化、児童公園、道路防災施設の整備等の一そうの推進につとめる考えであります。 第二に、交通安全思想の普及徹底につきましては、前年度に引き続き、全国の主要都市に交通安全教育センターを整備する等により、学校における交通安全教育の一そうの充実強化につとめるほか、春秋二回の全国交通安全運動の実施、交通安全国民会議の開催、都道府県及び市町村における交通安全に関する地域総ぐるみ運動の推進等、あらゆる手段及び機会を通じて、交通安全思想の高揚につとめ、国民一人一人にその浸透をはかる所存であります。 なお、本年春の全国交通安全運動につきましては、新入学入園児の交通の安全の確保をはかるため、例年より約一カ月繰り上げ、四月六日より実施することといたしました。 さらに、安全運転の確保につきましては、車両の安全性の確保につとめるほか、運転者教育の推進、自動車の運行管理、安全運転管理及び運転者に対する労務管理の改善等につきましてもさらに一段の努力をいたす所存であります。 第三に、交通秩序の確立につきましては、交通ルールの順守の徹底をはかるため、街頭における交通監視体制を一そう強化し、強力な指導取り締まりを行なら所存であります。 第四に、被害者救済対策の強化につきましては、救急業務施設の整備による救急業務実施体制の強化及び救急医療センターの整備を中心とする救急医療体制の整備をさらに推進する所存であります。 また、損害賠償問題、更生問題等、交通事故被害者にかかる諸般の問題に関する相談活動につきましても、各都道府県及び主要都市の交通事故相談所を充実強化する等、その一そうの積極化をはかる考えであります。 以上申し述べました交通安全施策につきましては、これを総合的かつ計画的に推進することが何よりも必要と考えられるのであります。このため、総理府におきましては、交通の安全に関する国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、国及び地方公共団体を通じて交通安全行政を総合的に推進する体制を確立し、交通の安全に関する施策の基本を定めること等を内容とする交通安全対策基本法案を今国会に提出いたす考えであります。 以上、政府の交通安全対策の方針について申し述べまして、ごあいさつにかえる次第であります。(拍手)
○受田委員長 次に、荒木国家公安委員会委員長。
○荒木国務大臣 私は、このたび国家公安委員会委員長に再任され一あらためて責任の重大さを痛感いたしているのでありますが、この機会に交通警察の諸施策について所信の一端を申し述べ、各位の御理解と御協力を賜わりたいと存じます。 御承知のように、交通事故は逐年大幅に増加し、他方、交通混雑も深刻化の度を加えつつあり、交通事情の悪化はまことに憂慮にたえないものがあります。 このような情勢に対し、警察といたしましては、当面最大の課題としてこれが解決に取り組む決意であります。 今後一そう関係省庁との連絡を密にし、歩行者、自転車事故における死者数を減少させ、車両事故の増勢を抑制することを当面の目標として諸般の施策を推進するとともに、都市及び主要幹線道路における交通渋滞緩和のための対策を実施してまいる所存であります。 すなわち、まず、街頭における交通監視体制の強化でありますが、できるだけ多くの警察官を街頭に配置するほか、新たに交通巡視員制度を創設して、歩行者の保護と交通の指導取り締まり活動を積極的に推進してまいりたい考えであります。 次は、交通管理の施設、体制の整備充実でありますが、昭和四十五年度は、交通安全施設整備事業の第二次三カ年計画の第二年度分を実施するとともに、都道府県警察における交通管制システムの整備を促進したいと考えております。 また、以上の施設面での措置とあわせて、都市交通対策の一環として、主要幹線道路及び裏通りに対する交通規制を強化してまいる考えであります。 次は、交通安全国民運動と運転者対策についてでありますが、私どもといたしましては、都道府県、市町村等の地方公共団体を中心とした地域における交通安全活動が、地域ぐるみ、職域ぐるみの体制のもとに、年間を通じた恒常的な運動として行なわれ、これによってあらゆる機会と組織を通じて、安全教育が徹底されるよう促進してまいる所存であります。また、交通事故の防止上、重要な運転者教育の推進につきましても、一そうの努力を払ってまいりたいと存じております。 以上の諸施策を推進するため、所要の予算措置を講ずるとともに、当面、緊要の諸点につきまして道路交通法を改正することとし、近く国会に提出いたす所存であります。 また、警察といたしましても、さきに申し述べた国民総ぐるみ体制の確立に資する見地から、交通安全対策基本法の成立を強く期待いたしております。 委員各位の一そうの御指導と御鞭撻を御願いしてごあいさつといたしたいと存じます。(拍手) —————————————
○受田委員長 この際、湊総理府総務副長官より発言を求められておりますので、これを許します。湊総理府総務副長官。
○湊政府委員 去る一月二十日総理府の副長官に就任いたしました湊徹郎であります。いろいろ長官の驥尾に付して連絡等につとめたいと思いますので、よろしくお願いいたします。(拍手) ————◇—————
○受田委員長 次に、昭和四十五年度における陸上交通安全対策関係予算等について説明を求めます。平川陸上交通安全調査室長。
○平川政府委員 それでは、お手元にお配りいたしました資料につきまして御説明申し上げます。 まず「交通事故の概況」というこの表をごらんいただきたいと思います。 めくっていただきまして第一表、「交通事故と自動車台数の年別推移」、これを簡単に御説明申し上げます。 これは昭和三十四年から四十四年までの推移を書いてございます。一番上の破線が自動車保有台数の推移でございます。まん中の破線が負傷者数でございます。一番下の実線が死者数でございます。交通事故は、指数といたしまして昭和三十四年が一〇〇、昭和四十四年が一六一。数にいたしまして、死者が一万六千二百五十七人、負傷者は指数が一〇〇、それが四十四年では四二〇になっています。数は九十六万七千人であります。 次に自動車台数でございますが、昭和三十四年が指数が一〇〇、それから四十四年が五八三。台数は千六百十六万七千台ということになります。参考までに自動車千台当たりの死者数は、昭和三十四年は三・六人、四十四年は一人になっています。約三分の一に減っております。 次に第二表といたしまして、「死亡事故の分析」を簡単に御説明いたします。 まず状態別の欄でございますが、特色あるものを申し上げますと、自動車の欄を見ていただきますと、小計といたしまして、四十四年の一月から十二月までの実数が五千百六十九人、全体に占める割合は三一・八%でございます。それから一番右の欄を見ていただきますとわかりますように、増減率が二一・九%、全体の増減率がその下に出ておりますが、一四・〇%よりも自動車の事故がふえておる、こういうことであります。なお歩行者の事故数は一四・五%増でありまして、大体平均の伸び、こういうことになっております。 次に年齢別で特に特色がございますのは、六十歳以上の方の死亡が非常にふえておりまして、一九・六%の増になっております。 それから第一原因者別の累計でございますが、三段目にございます自家用乗用車の増加率が非常に伸びておりまして、四六・二%という伸び率を示しております。これに反しまして自家用貨物の伸び率は六・七%でございまして、一般の伸び率よりは低いということになります。それからなお参考までに歩行者、人の占める割合でございますが、これは四・七%の構成比でございまして、大体例年並み、こういうことになります。 それから類型別の原因でございますが、まず人対自動車の欄におきましては、横断歩道外横断中の事故がわりあいに多いということであります。伸び率が一九・一%になっております。次に自動車対自動車の事故でございますが、この欄におきましては正面衝突が非常に多くなっておりまして、二四・一%の増になっております。これは走る棺おけ型といいますか、アメリカ型の傾向が若干出ておるというような感じがいたします。 次に原因別でございますが、酒酔い運転が全体の八・七%を占めておりますが、これは前年度よりも一・五%減っております。それからスピード違反、最高速度違反が二一・三%増になっております。 次に構成比として非常に多いのは、終わりから三行目のわき見運転、これが非常に多うございまして、全体の一二%を占めております。しかも増加率が五四・八%という非常に高い増加率を示しております。それから人の原因では路上への飛び出しが非常にふえておりまして、二〇・七%の増加になっております。第二表についてはこの程度で終わります。 第三表といたしまして、「各国の自動車事故による死者数比較」でございますが、一例を西ドイツとアメリカと日本にとって申し上げますと、西ドイツにおきましては一九六六年、すなわち昭和四十一年度におきまして、死者数が一万六千八百六十八人という数字を示しております。その次の欄の人口十万当たりの死者数は二十九・三人という数字を示しております。次に自動車千台当たりの死者数でございますが、これは一・六人ということになります。 次に、下から二行目のアメリカについて申し上げますと、死者数が五万三千四十一人という数字になります。人口十万当たりの死者数は二十七・一人という数字になります。ただし、自動車千台当たりの死者数につきましては、〇・六人という低い数字を示しております。 次に日本でございますが、死者数は一万七千九百七十九人になっております。ちょっとここで申し上げますが、一万七千九百七十九人という数字は、いわゆる警察統計ではございませんで、厚生省による統計でございまして、二十四時間以内に集計したものが警察統計でございますが、それ以後に死んだ数もこの中には含まれております。したがいまして、前の警察統計よりは数が約二、三割ふえておる、こういう勘定になります。これが日本が一万七千九百七十九人でございまして、人口十万当たりの死者数が十八・二人、それから自動車千台当たりの死者数が二・二人、こういうことになります。 以上、大体事故の概況を御説明申し上げました。 次に、お手元に配付いたしました昭和四十五年度陸上交通安全対策関係予算を御説明いたします。 まず第一に道路交通環境の整備でございますが、四十五年度予算額としては六百八十九億六千六百万円計上をしております。そのうち大きな柱でございます交通安全施設等の整備でございますが、これが百八十九億八千六百万円であります。 まず所管別に申し上げまして、警察庁関係の交通安全施設を申し上げますと、八億八千九百万になっております。これは右の備考欄に書いてございますように、四十四年度から四十六年度までの、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法に基づく第二次三カ年計画の事業費の総額が四十六億でございます。これは補助率が二分の一でございますから、政府予算といたしましてはこれの半分を三カ年に割って予算化する、こういうことになっておりまして、四十五年度予算は八億八千九百万、こういうことでございます。 次に建設省関係の予算でございますが、これは百八十億二千九百万円ということになっております。これは同じく緊急措置法に基づく第二次三カ年計画の予算でございますが、この事業費は三カ年の総額が七百五十億でございます。補助率は通学路等は三分の二、その他のものは二分の一でございまして、内容は歩道橋あるいはガードレール、こういったものでございます。なお、四十五年度予算額は百八十億二千九百万と前年度より若干減っておりますが、昭和四十四年度におきましてはこの事業費の三分の一以上に実施いたしました結果、四十五年、四十六年がこの残りの半分ということでこういう形になっております。 次に交通情報センターでございますが、六千八百万を計上しております。これはいわゆる道路交通状態の渋滞等を交通情報センターからラジオ等を通じまして情報を流すわけでございますが、本年度は名古屋、京都、福岡、この三カ所に設けることになっております。 次に踏切道の立体交差化等でございますが、二百九十三億六千四百万円を計上しております。 (ア)といたしまして踏切保安設備の整備でございます。これは運輸省関係でございまして、六千二百万円を計上しております。これは赤字あるいは準赤字の鉄道事業者に対しまして保安施設、すなわち遮断機でありますとか警報機を改良する、これに対する費用といたしまして二分の一を補助する、こういうことになっております。 次のページにいきまして、(イ)踏切道の立体交差化でございます。これは二百九十三億二百万円でございます。踏切道改良促進法に基づく踏切道の立体交差化に要する経費でありまして、個所数といたしまして三百七十七カ所を実施する予定でございます。 次に、交通安全対策特別交付金でありますが、いわゆる反則金に基づきまして得ました収入を各都道府県の人口なり交通事故の件数によりまして配分するたてまえになっておりますけれども、備考の欄に書いてございますように、昭和四十五年度見込み額は百十八億六百万円でございますが、実は昭和四十三年度におきまして約三十億の歳入欠陥がございましたので、規定によりまして本年度において清算するということで、この額を引いた額を計上しておるわけでございます。 次に、児童公園等の整備でございますが、二十二億四千九百万円計上しております。これは備考欄に書いてございますように、児童公園九百八十カ所、これは大体七百五十坪ぐらいが原則になっております。それから運動公園百十カ所、これは六千坪程度が大体基準になっております。それから河川敷緑地二十八カ所、これに要する経費でございまして、補助率は三分の一でございます。 次は、道路防災施設等の整備でございまして、九十六億五千五百万円、これは落石、のり崩壊、なだれ等を防止するための道路改良費でございます。 第二の柱といたしまして、交通安全思想の普及でございますが、四千六百万円を計上しております。 第一は、交通安全広報事業の委託でございまして、全日本交通安全協会に対しまして交通安全に関する広報活動を委託する経費でございます。 それから第二に、交通安全教育センターの設置でございます。二千八百万円を計上しております。これは校庭に横断歩道とかあるいは標識をつくりまして、小学生の教育に資するということでございます。一府県一カ所補助する、こういうことになっております。 それから三番目に交通安全教育研究等委託費でございますが、これは新規の経費でございまして、二百万円計上しております。これはいわゆる社会教育と申しますか、家庭向けの交通安全思想の普及を徹底するための経費でありまして、財団法人日本交通安全教育普及協会にそれを委託する、こういうものでございます。 第四番目といたしまして、交通安全指導の研究推進、二百万円を計上しております。これは都道府県の教育委員会の指導主事とか校長先生あるいは教諭、こういう人たちを集めまして交通安全に関する講習会を開催する等の経費でございます。 次に三番目の柱といたしまして、安全運転の確保の問題でございます。八十七億五千六百万円を計上しております。 まず運転者管理センターの運営でございます。四億七千二百万円を計上しております。御承知のように、昨年の十月から警察庁に運転者の過去の違反歴、事故歴、こういうものをコンピューターに導入いたしまして、運転免許を与える際にチェックするコンピューターができておりますが、四十五年度からはその施設が完成しておりますので、あとは運営だけを行なう、そういうために運営費だけになっておりますので、経費が若干減っております。 第二に交通取り締まり用車両等の整備でございますが、七億三千八百万円を計上しております。これはパトロールカーあるいは白バイ、こういったものの整備費であります。 それから第三に、交通事故事件捜査活動等の強化であります。これは八億三千万計上しておりますが、この中にはこのたび新たに設けられることになっております交通巡視員制度、これは全国で二千二百人の交通巡視員を置くわけでありまして、主として駐車違反を中心に取り締まるわけでございますが、これらの人々に要する教養費も含んでおります。 それから次は交通事件裁判処理体制の整備でございます。これは人件費の増に要する経費でございます。 次に、交通事犯処理体制の整備でございます。これは検察関係の定員増に要する経費でございます。 次に、自動車事故防止対策費でございます。運輸省といたしまして一億計上しております。これはダンプカーに対する立ち入り検査を行ないまして交通事故を防止したい、こういうための経費でございます。 次に、七番目といたしまして、自動車検査登録業務の処理体制の整備でございまして、五十八億一千五百万を計上しております。これは御承知のように車検制度がございまして、この車検の施設が不足しておるというので、これを十四コース増設するということと、車検要員を百五名増員する、この経費でございます。 次に、自動車審査センターの設置でございます。これは新しい事業でございまして、一億三千九百万を計上しております。これは名前といたしましては、仮称でございますが、交通安全公害研究所審査部という名前で発足をしますが、自動車の審査センターを設置しまして、型式指定の審査を強化することでございます。 次は、自動車運転者労務管理改善対策でございます。これは乗務員に手帳を交付いたしまして指導監督を強化するということでございます。 次に、被害者救済の制度でございます。 まず第一に救急業務施設の整備でございます。千七百万円でございますが、これは救急指令装置九基を整備するための経費でございます。 第二に、救急医療施設の整備でございます。全国に救急医療センターを四十五年度におきまして二十二カ所整備するための経費でございます。 次に、脳神経外科の充実でございます。これは千葉大学と新潟大学にそれぞれこういった部門を設けるための経費でございます。 第四に、むち打ち症対策費といたしまして四千三百万を計上しております。 それから次に労働省関係で、通勤途上の災害調査会費を計上しております。 次に、交通事故相談活動の強化でございますが、このたび横浜、名古屋、京都、大阪、神戸にも交通事故相談所を設置する、こういうための経費でございます。 次に、法律扶助事業補助でございまして、七千万でございますが、これは貧困者に対する交通事故その他に対しまして法律扶助協会に補助をする、こういうものでございます。 次に、自賠責保険特別会計の補助でございまして、相談業務でございますとか、あるいは補助事業その他医療関係の整備、こういった経費に充てるために政府保障勘定の利子収入から三億七千六百万を支出する、こういうことでございます。 それから、その他といたしまして、交通制御の調査研究がございます。これは都市における交通円滑化をはかるための機器を整備する経費でございます。 次に、自動車安全研究の強化でございまして、通産省関係の経費で一億一千六百万を計上しております。 次のページにいきまして、自動車安全整備研究等の強化でございますが、これは運輸省の経費でございまして、三千九百万を計上しております。 次に高速道路における安全に関する研究でありまして、ガードフェンスの対応性を研究したい、こういうことでございます。 五番目といたしまして、交通事故実態調査委託費でございますが、これは交通安全施設と交通事故との相関関係を実態調査したいという経費でございます。一千八百万を計上しております。 自動車事故による第三者行為災害実態調査でございますが、業務上交通災害を受けた者が迅速かつ的確な補償を受けておるかどうかを調査するための経費でございます。 以上、総計いたしまして七百八十九億九千四百万円でございまして、前年度の四十四年度予算に比べまして百十二億一千九百万円の増となっております。パーセンテージは一六・六%の増になっております。 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○受田委員長 次に、昭和四十五年における交通警察の運営について説明を求めます。久保交通局長。
○久保政府委員 交通警察の来年度における対策といたしましては、詳細かつ具体的には、またこの委員会で御質問に応じまして申し上げる機会が多かろうと思いますので、本日は、基本的な姿勢あるいは考え方といったようなものについて申し上げてみたいと思います。 まず、交通警察の長期的な目標をどこに置くかということでありますが、御承知のように、昨年の交通事故による死亡者が、一昨年に比べまして一四%伸びております。本年に入りましても、もう一〇%の伸びであります。こういった一〇%をこえる交通事故の死亡者の伸びということは非常に異常なことでありまして、私どもは何とかこれを五%以内に押えたいということを考えております。 もう一点は、歩行者の事故及び自転車の事故が非常に多いのでありまして、歩行者及び自転車事故による死亡者の割合が、総体の中で、過去数年常に四七、八%、つまり、全体の半分近くを占めておるわけであります。これを何とか大幅に削減をしたい。 それを考えました根拠は、アメリカの実例でもって、一九三六、七年ごろから一九五七、八年ごろまでの間、約二十年間に歩行者事故が実数で半減いたしております。アメリカで二十年かかったことでありますが、私どもは何とか目標としては十年間でこれを半減する努力をしてみたいと考えるわけであります。荒唐無稽な数字かと思いましたが、資料によりますると、昨年の春に、アメリカの運輸省は審議会に、一九八〇年を目標にして、歩行者事故を半減するためにはどうすればよろしいかという諮問をしたという記事がありました。その後の結果は存じておりませんけれども、やはりアメリカでも、私はいま一九五六、七年ごろまでに半減をしたと申しましたが、その後累増をいたしております。そういった背景をもちまして、再び半減のための諮問をしたのであろうと考えますが、アメリカでも、一九八〇年までの歩行者事故の半減ということは相当の事業であるという評価がされております。私どもも、何とかそういう目標を立てて推進してまいりたいと考えるわけであります。しかしながら、当然これは交通警察だけでやれることではありませんで、政府、地方公共団体あるいは国民全体がこぞってそういう努力をしなければなるまいと考えます。 そこで、交通対策の基本は、やはり歩行者なり運転者なりの交通のモラルの高揚、あるいは、国民のそういった交通道徳の高揚が基本であろうと考えまするけれども、それはそれなりの努力を私どももいたしまするが、やはり国及び地方公共団体は相当多額の投資をしなければならないというふうに考えるわけであります。そこそこの金をつぎ込んで相当画期的な成果を得ようということは、やはり絵にかいたもちのようなものであります。 アメリカのニューヨークの交通局長でバーンズという人がおりました。二、三年前に死にましたが、日本にも来たようであります。この人は交通対策の名手で、いろんな市の交通局長に転々とスカウトされて回って、結局、ニューヨークに参ったようであります。ニューヨークに参りましたときにも、この人はスカウトされるときに条件をつけるわけであります。その一つは権限の集中であります。その人の意図がすぐに訓令の形となってあらわれるという、そういった権限の集中、もう一つは、必要な予算をもらうということ、これを条件につけておったそうでありまして、ニューヨーク市に参った年の翌年には、交通関係の予算を八倍にしたというふうに座談会で述べておるのを読んだことがありますが、そういったふうに、権限の問題は、わが国の場合、いろいろむずかしい問題がありますけれども、少なくとも予算というものを大幅にふやしてまいらねばならないということを考えるわけであります。 そこで私どもも、昭和五十年を一応の目標にいたしまして、ただいまあげました事故の増勢を押えていくということ、それから歩行者事故を大幅に削減するということ、そういうような方向で長期計画を立案してまいりたいというふうに考えるわけでありますが、その一環として四十五年度は進んでまいるわけであります。 そこで、四十五年度に限って申し上げると、一つには、現在進行しておりまする交通安全施設整備計画の第二年度を実施するわけであります。これは約百億ぐらいでありますが、私どもはいまの安全計画を十分と考えておるわけではありませんで、むしろ非常に不備である、現在進行中ではありまするけれども、非常に不備である、そこで、この昭和五十年までの長期計画の中では大幅に改定をしてまいりたいというふうに考えるわけであります。私どもにはわりと貧乏根性的な面がありまして、与えられた予算で仕事をやるというきらいがないでもない。もう少し画期的な予算をとって、安全施設を大幅にふやしていくという決意が政府も地方公共団体もなければなるまいというふうに考えるわけで、この改定計画、拡大計画について現在検討しているところであります。 それから、もう一点御認識をいただきたいのは、現在交通情報センターとして逐次整備されているものがあります。いまの段階では、たとえば来年度予算の中にも府県で三つの交通情報センターというのが入っておりますが、従来の観念は、信号機に交通量を測定する機械を備えつけまして、それを県本部のセンターに集めて交通量を測定する、そこで渋滞度をそれぞれ周知させて、間接的に交通量をコントロールするということで、文字どおり情報センターでありましたが、当然、電子計算機を使って、相当額の金額を要するものではありまするけれども、それではやはり不十分であります。ここで観念を変えまして、交通管制センターということにする。つまり、交通量を測定して電子計算機に集めるわけですが、電子計算機からさらにフィードバックして信号機の秒時、つまり、赤、青といったような秒時の期間を変えるということ、それによってその路線、さらに進んでは面における交通量をコントロールしていくといった方法を講ずべきである。これを交通管制組織と申しておりますが、従来、先ほど申し上げたバーンズなども言うように、信号機信号機ということを言うわけであります。当然歩行者の安全のために信号機を多く設置すべきでありまするし、また、車が秩序正しく動くためにも信号機があるべきであります。そこで、安全のためには信号機をたくさん設置すべきであるわけですけれども、反面、信号機ができますると車がとまる、渋滞ができる。渋滞ということは、急に車がとまれば追突事故なりむち打ち症なりがふえてくるといったようなことになるわけなんで、渋滞と安全にもそれぞれマイナス・プラスがあるということで、信号機の画期的な増加ということにはけっこう問題があったわけであります。そこで、これをいま申し上げた電子計算機に結びつけることによって、信号機をたくさん設けても、なおかつ交通の円滑が期し得る、しかも渋滞がなければそれだけむち打ち症も減ってくるということになるので、私はやはり都市交通におきましては、交通の安全と円滑の双方を期するために、交通管制という観念で進んでまいらねばならないというふうに考えるわけであります。 今日でも部分的に、たとえば警視庁あるいは熊本県あたりで交通管制組織ができておりまするが、こういったものをもっと拡大すると同時に、多くの都市でこれを採用していくという方向に進んでまいらねばならない。都市交通の渋滞ということが問題になっておりますけれども、都市内における道路の拡幅、改良ということはそう容易なことではございません。しかし、数億はかかるであろうこの交通管制組織にいたしましても、道路をつくるということを考えれば、かえって安上がりになるということでありまして、今後の都市交通については、安全と円滑を考えても、交通管制という手以外にないのではなかろうかということを私は感じますし、また御認識をいただきたいというふうに思うわけであります。四十五年度におきましても、その一部が採用されております。 それから表通りにおける交通規制及び裏通りにおける交通規制につきましては、昨年来申し上げていることでありまして、また別に申し上げる機会があろうかと考えます。 それから安全運動につきましては、総理府が中心になっておやりになるわけでありますが、私ども特に強調いたしたいのは、オーナードライバーに対する働きかけであります。一般の安全運転管理者、これは警察の専管でありますが、これについては相当程度やれるわけでありまするけれども、たとえば自分が通勤なり娯楽用なりに持っている人たち、あるいは一台か二台しか持っていない商店、そういったようなものの把握が非常に従来困難であるわけでありまして、こういったようなものの把握をそれぞれの勤務地、勤務先などを通じまして、どういうふうに把握していくかということが昨年来の問題でありまして、ことしもそういう問題に取っ組んでまいりたいというふうに考えるわけであります。 それから、交通警察につきましても、やはり科学化ということが重要でありまして、問題は、何百万という毎年の更新者、あるいは全部で申せば二千数百万にのぼる免許所持者、こういった大量の人をどういうふうにして技能を上げあるいはモラルを上げていくかという、そういう問題が重要でありまして、そういう、マス化に応ずる交通警察の科学化ということを研究してまいらねばならぬということを考えるわけであります。もちろん基本的に交通事故の分析なり統計のとり方なりについての検討も重要でありまして、これも昨年来のものを来年度は進めてまいりたいと考えております。 最後に、道路交通法の改正はまた別にお願いをするようになっておりまするが、全面的にはまだ及んでおりませんので、引き続いて四十五年度において全面的な改正のできるような準備をしてまいりたい、かように考えるわけであります。 一応基本的な考え方を申し上げまして御参考に供しました。
○受田委員長 御苦労さまでした。 次回は公報でお知らせすることとして、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時二分散会