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63回国会衆議院1970/05/06

建設委員会 第15号

発言数
21
登壇者
5
会派数
2
開催日
1970/05/06

会議録

金丸信自由民主党

○金丸委員長 これより会議を開きます。  筑波研究学園都市建設法案起草の件について議事を進めます。  本件につきましては、先般来各党間におきまして御協議が続けられておりましたが、お手元に配付してありますとおり、その案文がまとめられております。     —————————————

金丸信自由民主党

○金丸委員長 この際、草案の趣旨を説明いたさせます。正示啓次郎君。

正示啓次郎自由民主党

○正示委員 ただいま提案になりました筑波研究学園都市建設法案の草案につきまして、簡単にその趣旨を御説明申し上げます。  本案は、筑波研究学園都市の建設に関する総合的な計画の策定及びその実施の推進をはかることにより、試験研究及び教育を行なうにふさわしい研究学園都市を建設するとともに、これを均衡のとれた田園都市として整備し、あわせて首都圏の既成市街地における人口の過度集中の緩和に寄与しようとするもので、その要旨は次のとおりであります。  第一に、本案における研究学園都市は、茨城県筑波郡筑波町等四町二村の地域を対象とし、その地域を研究学園地区及び周辺開発地区とに分けることといたしております。  第二に、首都圏整備委員会は、関係地方公共団体の意見を聞くとともに、関係行政機関の長に協議して、研究学園地区における移転研究機関の施設、公共施設及び一団地の住宅施設等の建設に関する計画を決定することといたしております。  第三に、茨城県知事は、関係町村長の意見を聞いて、周辺開発地区における公共施設及び農業の近代化のための施設等の整備に関する計画を作成して、首都圏整備委員会の承認を得ることといたしております。  第四に、両地区の計画に基づく事業は、国、地方公共団体または日本住宅公団等が実施するものとし、首都圏整備委員会は、その実施に関し勧告することができることといたしております。  第五に、政府は、筑波研究学園都市建設事業を実施するため必要な資金の確保をはかるとともに、国は、その実施を促進するため関係地方公共団体に対し、財政上、金融上及び技術上の援助を与えることといたしております。  以上が草案の説明でございます。

金丸信自由民主党

○金丸委員長 以上で説明は終わりました。     —————————————

金丸信自由民主党

○金丸委員長 本起草案について発言の申し出がありますので、これを許します。阿部昭吾君。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 私は、この起草に参加をいたしました各党の立場を代表し、この際、政府関係当局の見解を明らかにしておかなければならぬ点があるのであります。以下、それらの点に関しまして簡潔にお尋ねをしたいと思うのであります。  筑波研究学園都市の建設につきましては、すでに八百万坪という膨大な土地の用地買収をいたしておるわけであります。この用地買収は、すでに九九%まで完了いたしておるのであります。しかるに現在の状態は、なかなか学園都市の整備が進捗をしておらない。土地を提供した農民の中には、当時何名かの自殺をした者が出るというような、そういう状態の中で用地確保が行なわれたのであります。しかるに、相当の時間的経過がありまするのにこの整備が進んでおらぬということは、これは、用地を提供した農民の皆さんはもちろんのこと、この事業に対して注目と関心を寄せておる多くの国民に対しましても、はなはだ申しわけのないことだといわざるを得ないのであります。そこで、この際政府は、この筑波研究学園都市の完成を一体どの時期までになし遂げるのだ、こういう態度を明らかにして、この事業に協力をした関係農民あるいは関係市町村、あるいはこの事業に多くの注目と期待を寄せておる国民に対して、この事業推進の目途というものを示す責任があろうかと思うのであります。この点に関しまして、この際、政府の確たる見解をお聞かせ願わなければならぬと思うのであります。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 お答え申し上げます。  いま阿部さんから御指摘のありましたように、この学園都市建設について地元地主の方はもとよりのこと、関係機関の非常な御協力によりまして一番難点とする用地を取得したにもかかわらず、その後停滞しておる状況はまことに遺憾でございます。  この研究学園都市は、御指摘になりましたように、わが国の研究教育体制の改善向上をはかりまして、あわせて首都の過密解消に資するために、筑波地区に研究教育機関を中心として環境の良好な新都市を建設することがその目的でございます。  研究学園都市建設の計画は、昭和四十二年九月の閣議了解によりまして移転予定の三十六機関を定めまして、昭和四十四年六月の閣議決定によりまして、一、昭和四十三年度からおおむね十カ年で建設を実施するとともに、昭和四十七年度までの前期期間に十一機関の建設を開始することを目途とすること、二番目は、新設機関についても設置を決定次第建設に着手すること、三、後期移転予定機関についても調査を進め、早期建設の方策を講ずるようつとめること、四、新都市建設に必要な道路、河川、上下水道その他都市環境の整備に必要な施設の建設を進めること、五、常磐自動車道の早期着工をはかること等が定められました。  現在、科学技術庁の国立防災科学技術センター、無機材質研究所の施設の建設が進められております。本年度から建築研究所、素粒子研究所、宇宙開発事業団の宇宙開発センターの施設に着工するとともに、その他の機関についても調査を進めることにいたしております。また、先行的に整備する必要がある道路等の工事を鋭意進めております。  政府といたしましては、筑波地区における研究学園都市の建設を計画どおり達成し得るよう、あらゆる努力を傾注しているのでございます。先般も閣議におきまして、私が関係各大臣に対し、国会終了後、この計画を推進するために関係閣僚の会議を開催いたしたいから、いまからその準備をお願いする旨を発言いたしまして、了承を得ておる次第でございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 第二に、私は、この事業をいま大臣が答弁なさいましたように計画どおりに確実に達成することができるかどうかのいま一つの重要なかぎとして、移転をする研究機関あるいは学園等の職員、研究員、こういう皆さんの受け入れ体制ということが非常に大きな問題になってくると思うのであります。特に、たとえばいまの大都会、東京などの場合には非常な公害や過密、したがって、研究あるいは勉学、こういう意味では快適な条件を失いつつあることはそのとおりでありますけれども、一方また、いま筑波に整備しようとするその研究学園都市というものの整備計画、受け入れ体制、こういうものが不完全でありますれば、ちょうどある意味では西部の開拓に乗り出すような気がまえでなければ、なかなかそれはそう簡単にいかない。おのおのはそれぞれの生活というものを持っておる。したがって、ここで新しく筑波の研究学園都市に移転をするこれらの機関の研究員、職員というものが大きな生活条件の転換を余儀なくさせられるわけであります。それだけにその受け入れ体制やこれらについては最大の注意を払い、万全の施策をやっていかなければ、なかなか移転する計画の機関が計画のとおりには簡単に進んでいかぬという事態が起こると思うのであります。それだけに移転する関係機関の職員の受け入れ体制あるいは環境整備、こういうものに万全を期していかなければ、この事業推進の一つの障害になるのじゃないかと思うのであります。特に、いま日本の場合に学者とか研究員の待遇水準、これは諸外国に比較して低いといわれておるのでありますが、しかし、過密や公害の中にはおりながら、東京におりますればいろいろなアルバイトとかいろんな条件を持っておる。しかし、いま全くの開拓者のような気持ちで乗り出していかなければならない筑波に参りました場合には、なかなかそういうわけにいかぬような状態等も起こってくるわけであります。私は、それだけにこれらの皆さんの受け入れ体制あるいは従来の生活水準なり生活環境というものに支障を来たさぬような万全の努力が必要だと思うわけであります。移転に際しましても、一方的に単に天下り的にただ使命感で移りなさいと言うわけにはいかぬものがある。その間には十分民主的な話し合いというものを通じてやっていかなければならぬものだ、こう考えるわけであります。これらの点につきまして、これらの研究機関の研究員や職員が喜んで安心して行けるような条件というものを何にも増して整備をしていかなければならぬものだと思うのでありますが、政府の見解をこの際明らかにしてほしいと思うのであります。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 お答え申し上げます。  いま御指摘になりましたように、現在の研究者あるいは学校に勤務する人あるいは学生諸君でも、確かに都市における非常な人間疎外的な環境は不満足でありまするけれども、さりとて文化的な、近代的な都市機能を持っていないところに単なる使命感だけで行けと言っても、これはなかなか無理でございます。その点が、御指摘のように今日までかなりおくれておるということが、移転を予定されておる機関がなかなか積極的に意欲的でなかったという点も反省されなければならないと思います。  そこで、御指摘のように、研究学園都市における高水準の研究、教育活動を可能ならしめるように配慮するとともに、日常生活におきましても良好な環境を享受し得るような新都市建設の基盤となる道路、河川、上下水道等を計画的に整備することはもちろん、職員、家族の生活条件の低下及び支障を来たさぬように公務員宿舎の建設を進めますとともに、持ち家を希望する者に対する適切なる措置を講じたい。また、義務教育施設、病院等医療施設、その他必要な都市サービス施設を計画的に整備する方針でございます。  なお、地区内及び周辺部の道路につきましては、昭和四十五年度中に主要なものをおおむね達成するようにいたすとともに、職員住宅については昭和四十四年度より建設を行なっており、昭和四十五年度におきましても移転に支障のないように建設を行なうことにいたしております。  なお、移転する機関の研究員、職員との間に移転に伴うところの生活問題等諸問題について話し合う機会を設けまして、最善の努力をはかりたいと考えておる次第でございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 そこで、私は先ほども申し上げましたように、この研究学園都市の建設のために、地元の多くの農民や関係者の皆さんが用地の提供に協力をし、あるいはまた、そのことによって生活関係というものは根本的に変更を、本人の意思いかんにかかわらず迫られておる方々が非常に多いわけであります。したがって、これらの皆さんに対する補償、生活関係が、本人の意思いかんにかかわらず、この国家的大事業のために大きく変更を余儀なくされる方々に対して、私は、国は最大限の協力と、これらの方々の生活が成り立つような条件整備をやっていかなければならぬ、こう思うわけであります。同時にまた、今後これらの皆さんの生活関係が成り立つようないろんな条件を整備するための開発事業というものも、進めてもらわなければならぬと思うのであります。学園都市やりました、あと外回りに置かれておる、土地を提供したり生活関係の変更を余儀なくされた方々のほうは、学園関係と無関係にしてほっておきなさいというわけにいかぬと思うのであります。こういう皆さんに対する対策も万全を期してやっていかなければ、このいわば国家的事業に対して協力をした皆さんが、結果的には、非常なみじめな困難な状態に追い込まれるということではならぬと私は思うのであります。  これらの、地元のこの事業のために犠牲になったり、用地提供を本人の意思いかんにかかわらず余儀なくされておる大ぜいの皆さんに対して、この皆さんの生活に関する補償あるいはその皆さんの環境整備にも最大限の努力を、私は政府に当然その責任があるものだと思うのでありますが、政府の見解を、この皆さんに対するあたたかい、責任のある、思いやりのある方策というものをこの際明確にお示し願わなければならぬと思うのでありますが、大臣の所見をひとつお聞かせいただきたい。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 御指摘のように、冒頭にお答えいたしましたように、この膨大な土地を非常に協力していただいた方に対して、やはり国が非常な善意を持っておこたえしなければならないと思います。その意味で、研究学園都市建設のために、農地等生活の基盤である土地を提供された方で営農を希望する者につきましては、地元公共団体及び日本住宅公団が代替地のあっせん及び造成を進めております。また、近代的な農業経営に必要な指導及び施設の整備をはかることにいたしまして、農林省で鋭意これが研究をしていただいております。  また、研究学園都市の周辺地域の開発、整備につきましては、研究学園地区と十分調和のとれた田園的環境を有する都市として発展するよう、地元公共団体と十分協議の上、県道、町村道等の施設の整備を進めてまいる所存であります。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 ただいまの大臣答弁でもう一つお尋ねをしなければならぬのは、いま代替地のあっせん等を希望する者については、造成しております土地、そういうものを提供したり、いろんな努力をする、こういうことなんですが、私は代替地あっせんの場合に従来の例で見ますると、みずからの土地を用地提供いたします場合は安い値段で提供した、代替地を受け取るときには非常に高い値段で受け取らざるを得ないというような状態が起こっているのであります。したがって、これらの場合は、この代替地などを提供する場合には非常に安い価格で提供した、この皆さんの協力をした関係で、あとで受け取る代替地の関係という毛のに不当な、何か経済的な圧迫などにならぬような配慮が当然なければならぬと私は思うのでありますが、この点は大臣いかがでしょう。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 御指摘のとおりと思いまして、これは地価そのもので還元すべきか、あるいはまた、条件を整備してより機能的な営農団地をつくってやるか、いずれかの方法でやらなければならぬと思います。このために個人個人にそうした個人助成をするか、あるいは地方自治体、団体等にしてやるべきか、これは十分に検討の上実情に合った措置を講じまして、いま御指摘になったことの方針に沿うて努力いたしたいと存じます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 私は、最後に最も重要な問題についてお尋ねをしたいのであります。  私どもがこの法案の起草にあたって実は一番集中的に論議をいたしました点は、総額五百億をこえる大事業であります。この事業を遂行するにあたって関係六つの町村、これはいずれもが、財政状況から見ますると非常に困難な条件のもとにある関係町村であります。したがって、この関係町村が従来の一般公共事業の補助あるいは国の財政援助、このような程度のものでは、とうていこれだけの大事業を受け持って町村の分担を果たすということは、まさに困難にひとしいといわざるを得ない状況なのであります。もちろんこれは首都圏整備の一環でありますから、首都圏整備に関する整備地帯等の国の財政上の特別措置に関する法律の適用を受けるわけであります。しかし、私どもは、その制度の適用を受けるだけでは、この関係町村は、十分これらの事業を消化していくことは非常に困難な財政状況にあるというふうに思うのであります。  私はそこで、国はさらにこの上にこれらの貧弱な財政状況にあります関係地元町村に対して財政的な援助とてこ入れをしなければ、この事業はなかなか円滑に進まぬということを実は指摘せざるを得ないのであります。私どもはこの起草にあたって、いま特にこの点を強く指摘いたしまするのは、ある意味ではこれはもう倫理規定じゃないか、この程度のものでは非常に手ぬるい、やはり国がもっと大きな財政的にも実施面に当たり、いろいろな点についても国の責任、国の負担、こういう関係をもっともっと大きく責任を持つような体制でなければ、国家的な研究学園都市の建設というこの画期的大事業を遂行することはできない、こういう観点で私どもは、この起草に実はいろいろな論議を集中さして当たってまいったのであります。その最も集中的な点は財政の問題であります。したがって、財政の問題について従来制度的に組まれておるレールがあるわけでありますが、この上にさらに国は大きな努力をして、貧弱な財政状況にあります関係六カ町村ですかに対して特に財政的てこ入れをする、こういう方向でこの事業の推進のために努力をしてもらわなければならぬ、こう思うのでありますが、大蔵省当局のこの問題に対する積極的な御見解を私どもは明らかにしてほしいと思うのであります。

中川一郎自由民主党大蔵政務次官

○中川政府委員 お答え申し上げます。  研究学園都市地区における関連公共事業につきましては、ただいま御指摘のとおり、首都圏、近畿圏及び中部圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の適用を受け、地元市町村に対し補助率のかさ上げ措置がなされるのは当然でありますが、さらに、国は起債の充実等別途の財政措置についてつとめることとし、また、日本住宅公団の施行する事業と関連の深いものについては、同公団において立てかえ施行の措置を講ずる等、地元負担をなるべく緩和するよう全力を尽くして御指摘にこたえてまいりたいと存じます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 ただいまの答弁を私は了といたします。ぜひひとつ、いま申し上げましたような諸点について、政府は責任を持ってこの研究学園都市の整備が確実に、しかも関係各位の国民の期待にこたえることのできるような整備に、ひとつ責任のある形で当たっていただきたいということを強く希望いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)

金丸信自由民主党

○金丸委員長 ほかに御発言の申し出もありませんので、この際、政府において御意見がありますれば、これを許します。根本建設大臣。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○根本国務大臣 筑波研究学園都市の建設につきましては、政府といたしましてはその計画的な推進をはかる方針でございまして、本法案につきましては特に異存はございません。     —————————————

金丸信自由民主党

○金丸委員長 この際、おはかりいたします。  本件につきましては、お手元に配付の起草案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出の法律案とするに賛成の諸君の起立を求ます。   〔賛成者起立〕

金丸信自由民主党

○金丸委員長 起立総員。よって、さよう決しました。  なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金丸信自由民主党

○金丸委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は、定例日ではありませんが、明七日午後二時四十分理事会、理事会散会後委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時十三分散会

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