決算委員会 第22号
- 発言数
- 307 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1970/10/13
会議録
○濱野委員長 これより会議を開きます。 国が直接または間接に補助金、奨励金、助成金等を交付しているものの会計に関する件について調査を行ないます。 本日は、参考人として、東京都首都整備局長橋本博夫君の御出席を願っております。 なお、参考人からの意見聴取は、委員の質疑により行ないたいと存じますので、さよう御了承を願います。 質疑の申し出がありますので、これを許します。田中武夫君。
○田中(武)委員 先日当委員会で取り上げた会計検査院の調査官が、建設関係の実地検査をするにあたって、東京都の区側から接待を受け、おみやげまでもらったといったことに関連して質問いたします。 その記事が新聞に出ましたら、ここに二、三持っていますけれども、このようにたくさん投書が来ています。これだけではありません、もっとあります。この中には、この事件につきまして、すでに北区の区長あてに、地方自治法二百四十二条第一項による監査請求をした人からのものも来ております。それから、具体的な調査官の名前をあげて、しかも具体的な事項を書いて、それは運輸省の名古屋港湾建設局の検査についてであります。といったようないろいろなものが来ていますが、いま私はここでこれを一々暴露しようとは考えておりません。しかし、先日このように大きく新聞に出ましたことは、これは氷山の一角である、こういうようにみんなが受け取っており、国民もそう思っておるし、この投書にもたくさんそういう文句が書いてあります。国民にかわって国の補助金等の支出について検査をする検査院の調査官がそのようなことでは、国民に信頼を持ってくれといっても無理なわけです。 そういうことではたいへん困ると思うのですが、この前は山崎院長は見えなかったので佐藤事務総長に聞きましたが、まず山崎院長、こういうような事態についてどう思っておるのか、あるいは、そういうことについて今後どのような対策というか、措置をとろうと思いますか。私は、措置と申しましても、その個人を罰するという意味ではありません。さらに、佐藤事務総長には先日の委員会で若干の答弁をいただきました。その後どのような措置をとったのか。たとえば、私は会計検査院の事務総長あるいは院長名で、そういうような相手先に対して、そういうことはしてくれるなというような通達ないし通牒といったようなものを出したらどうかというようなことを申しましたが、そういうことを含めて、院長と事務総長からまずお伺いいたします。
○山崎会計検査院長 本院の職員に御指摘のような事態がございましたことは、私、まことに遺憾と思うのでございます。 その当日の決算委員会におきましては、私、おりあしくおりませんので欠席いたしましたが、日本に帰りましてから、事務総長がかわって出席いたしまして、深くおわびをいたしたということを承ったのでございますが、私も、これは院長が負うべき責任であるのに事務総長がかわって国会において答弁したことにつきましては、まことに恐縮に思っておるのでございます。 私自身も、実はこの問題については、かねがねこういうことがないように、たとえば、百人の調査官諸君が実にまじめに仕事をいたしておりましても、一人そういうようなことが起きますと、これは本院全体の威信にかかわる問題でございます。事務総長をはじめ、事務当局におきましても、幹部各位は常々そのことに気を砕いておりまして、いつも職員を集めては、ことに出張の前などには特段の注意をしておるのでございますが、いかなる事情がございますか、とにかくこういう事態になった、これはもう起きたそのこと自体については、まことに弁解の余地は全然ないものでございまして、これは、ただわれわれ一同の責任として、えりを正して今後処しなければいかぬ、かように考えるのでございます。 今後この点につきましても、十分にひとつ一体となって、かかる事態の再発を防止するために努力いたしたい、かように考えております。 なお、その節御親切なる御指示がございまして、事務総長も、それにつきましては御趣旨を体して実行するというように申したことでございますが、相手方に対しまして、接待をしないでくれということを何らかの形で表明するということをやるということにお約束しましたということもございます。私も、国会において事務総長が約束したことでございますので、これは実現しなければいけないということから、いろいろと妥当な案を考えたのでございますが、しかし、相手に全般的に出すといっても、中にはそういうことをやっていないところもあるわけでございます。 そして、まず第一に考えなければならないのは、何といっても、本院職員みずからのえりを正さなければいかぬじゃないか、相手がどうだろうと、気持ちとしては、やはり職員みずからがえりを正すという事実をまず強調しなければいかぬ、そのことをまず職員の頭に植えつけなければいかぬということでございまして、いろいろと考えた結果、結局、事務総長の訓令というものを文書で出しまして、その文書を各調査官が持っていって、こういうふうに議会でもおっしゃっていることだから、ひとつぜひそういうことはせぬでほしい。つまり、調査官が一人で行くこともございますし、国会でこうおっしゃった、ああおっしゃったといっても、いなかのほうに行くとなかなかわからぬ点がございます。ですからやりやすいようにしなければいかぬ、そういう点がございますので、こういうような形をとりまして、早速にひとつ御趣旨を体するということで、とりあえず文書でもって訓令をして各職員に配る、そして、出張して行く場合にはそれを持っていきなさいということにいたして、まず職員自身がえりを正すという気持ちを先に持つ、相手方に責任を転嫁するようなことは失礼なわけでございますから……。しかし、なおしいてという場合があったら、こういう訓令をわれわれはもらっているんだといってお見せする、その中には、あとから文書をお届けいたしますが、やはり国会でも問題になって、受検庁側にも格段の協力を求めるよう強く要請を受けた、それであるから、接待などはかたく辞退して綱紀の保持につとめなければいかぬというようなことが書いてございますので、そのような方法もとりまして、考えられる限りあらゆる方法をとりまして、さらに綱紀を厳正に保ち国民の信頼を得たい、かように考えております。 今後ともこの点については努力いたすつもりでございます。
○田中(武)委員 では、総長はいいですか。院長と一緒だろうと思いますが、特に何かありますか。
○佐藤会計検査院説明員 どうもいろいろ御心配をかけて相済みません。 先般田中委員よりいろいろと御指示がありましたので、帰りまして早速検査院会議にもはかりまして、いま院長が御答弁なさったような措置を講じた次第でございます。
○田中(武)委員 そこで会計検査院長、その文書ですか、こういうのを持ってやらせますということですが、その文書を委員長のほうへ提出してくれませんか。——では委員長、それを見ていただいた上で善処を願います。 次に、きょうは参考人として東京都の橋本局長に来てもらっておりますので、橋本参考人にお伺いしたい。 具体的に言わなくても御承知だと思いますが、九月四日の新聞、私の持っているのは読売新聞ですが、これにこういうふうに大きく報道せられたというこの事実、こういうことについて、私が聞いておるところによると、あなたがあっせんというか、そのようにしなさいというようなことを区のほうへ橋渡しをした、そういうように聞いておりますが、その辺のところは一体どうなのか、お伺いしたいと思います。 そこで、そのようなことをせねばならぬ、あるいは橋渡しをしたというようなことは、厳格な検査を受けるならば、この件でいうならば、各区といいますか、何か都合の悪いことがあったのじゃないか、そういうようにも思われるのですが、この辺のところはどうなんです。
○橋本参考人 お答えいたします。 この件につきましてこういうような事態が発生いたしましたことにつきましては、たいへんに遺憾に思っている次第でございます。 ただいまのお尋ねでございますが、第一点の橋渡しを云々ということでございますが、当時、東京都の区がこういった公園関係につきましての補助金をちょうだいいたしましたのは初めてであった、そこで、各区の関係の係員を集めまして、私どものほうの担当から、検査を受けます事務的な手順といったようなものについての事前の打ち合わせをいたしました。その際に、たまたま区側のほうで、一体どうしたものだろうかという話があったそうでございます。それに対しまして、自粛してやるというようなことで考えたほうがいいんじゃないかということを私どもの係官が言ったというふうに私ども調査の結果承知いたしております。 それから、何かすねに傷があるためにというようなお疑いのお話でございますけれども、そういったことは万々ございません。暑い盛りでございますので、数カ所回ったあと軽い夕食くらいといった気持ち——いい悪いは別といたしまして、そういったような気持ちから出た、そういうふうに存じておりますし、また、検査の結果指摘を受けている事項も現にございます。 以上でございます。
○田中(武)委員 橋本さん、自粛するように、こう言ったのがこうなったというのは、ちょっとおかしいと思うのですね。 そうしますと、あなたのほうからは各区の関係者に自粛するようにと言ったのにこういうことをやった。しかも、それが一つの区であるならば、一人ないし二人の意思でやれると思うのです。しかし、これは幾つかの区が一緒になってやっているのですね。そういたしますと、その間に意思の疎通といいますか、ことばは適切かどうかは知りませんが、共同謀議があったと見るべきですね。あなたがごらんになってどうなんです。自粛しろと言っておるのにそういうことをやった。それじゃ、そう言っておるにかかわらず各区の担当者が寄って相談をしたのか、それとも、どこかの区が音頭をとってこうしようじゃないかということでやったのか。その辺のところはどうなんです。
○橋本参考人 いまの説明、ことばが多少足りませんで恐縮でございますが、各区がかりにそうしたような場合に、ばらばらにやったり、あるいは区によっていろいろな弊害が出てはまずい、こういう意味で、暑い盛りで、終わったあと軽い食事くらいというような程度にという意味で私自粛ということばを申し上げて、たいへんことばが適切でございませんでしたけれども、そういうような形で、儀礼の意味も含めてその程度にしたらどうかというふうに私どものほうの係員が申したと、そういうふうに聞いております。
○田中(武)委員 ちょっと妙ですね。何もこれだけに私こだわるつもりはないわけですが、最初は、自粛するようにと言ったがこういうことだった。今度は、自粛ということはことばが足らなかった、この程度のことは、といまあなたおっしゃいましたね。それがこういうことになった。本来やはりある程度の示唆があったのじゃないですか。それを認めるのですか
○橋本参考人 一番最初に申し上げましたように、区側のほうでどうしたものだろうという話がございましたので私どものほうで申し上げたわけでございます。私どものほうで、そういうような示唆と申しますかアドバイスと申しますか、そういうことを申したことは事実でございます。
○田中(武)委員 それなら、最初私が聞いたときにそう言えばいいじゃないですか。あなたは、最初は自粛するように言った、こう言っておるわけですから話が混線するのですよ。 そうすると、あなたは、どういうものを、あるいはどこのホテルで、そういうことは別といたしまして、この程度のことは行なえる、ある程度のおみやげぐらいは必要ではないか、そういうことは言ったのですね。
○橋本参考人 お答えいたします。 特に具体的な指示と申しますか話と申しますか、そこまではしてない、そういうふうに報告を聞いております。
○田中(武)委員 これ以上申しませんが、ある程度の指示なり示唆をした、こういうことはお認めになったわけですね。 そこで、行政管理庁と総理府の人事局次長さんにお伺いしますが、先ほど申しましたように、先日の決算委員会での私の質問がちょっと新聞に出て、ここに三通ばかり持ってきておりますが、これだけじゃない、たくさん来ているのです。その中には、会計検査院のことだけじゃないですね。中央から官庁のおえら方さんが視察に見えたりしたときのことをずっと書いておるのです。まだたくさんあるのです。何なら持ってきてもいいが、これくらいあるのです。 そこで、綱紀粛正という面から考えて、私はこれは行管だと思ったら、むしろ総理府の人事局じゃないかというようなことも聞いたので両方に来てもらったわけなんですが、行管の立場と総理府の立場で、こういうことはこれが氷山の一角である、あに会計検査院職員だけではない、もっとひどいのが中央から来るお役人にはある、そういうことがたくさん書いてあります。そういうことに対してどうお考えになり、そういうことに対してどのような措置をとるか。 たとえば、これを主管するのが総理府総務長官であるなら総務長官名、あるいは行管長官の名前等で何らかの必要な指示といいますか、あるいは中央の役所に対してはそういう通達、通牒、それから出先に対してはこれまた通達か何かお出しになる必要があるのではないか。国家公務員は国民の奉仕者である、そういう上に立って、しかも国民から信頼を受けるような行政をやるのだ、そういうことの上に立って何らかの方法が必要でないか。その辺についてどうお考えなのか、双方にお伺いいたします。
○秋吉説明員 お答えいたします。 ただいま田中先生からるる御指摘がございましたが、私ども全く同感でございまして、このような不祥事案がまだまだあとを断たないということは、まことに遺憾であると私ども考えております。 政府、総理府といたしましても、このような不祥事案が起こりまして国民に不信感を抱かせるということがないよう、不祥事案の根絶を期すべく、あらゆる機会をつかまえましていろいろな具体策を講じてきておるわけでございます。 たとえて申しますと、ただいま先生からいろいろ御指摘がございましたように、責任体制を整備するとか、あるいは服務規律の確保をはかるとか、あるいは人事配置上同一ポストに長くつけないとか、あるいは事案が起こった場合に厳正な処分をするとか、事あるごとにいろんなことで、たとえば通達とかあるいは事務次官会議であるとか、そういった場をつかまえまして政府職員にも注意を喚起してまいったわけでございますが、今回またこういった事案が起こったことはまことに遺憾であると思うのでございます。 で、これは先生御指摘があったと思いますが、やはり一人一人の国家公務員が自覚を持つということが、私ども何よりも必要じゃないかという感じがしておるわけでございまして、こういった面からいたしましても、公務員の倫理の高揚といった面についても着目をいたさなければならないのではないかと思っておるわけでございます。で、御指摘の不祥事案にかんがみまして、今後とも、私どもといたしましては、あらゆる機会をつかまえまして不祥事案を根絶いたすべく努力をいたしてまいりたい、かように考えております。
○岡内説明員 お答えいたします。 公務員の綱紀を維持するということは、行政管理庁を含めまして、全行政機関におきまして十分に注意をしていかなくてはならないことだと思っております。したがいまして、私ども監察調査に従事する機関としても丙部的には、職員の綱紀の維持につきまして常日ごろ注意を促しておるところでございますが、監察を実施するにあたりましても、そういった観点から、機構上、制度上または運営上、汚職の発生のないように、もっぱら予防的な段階でもって行政運営の適正化をはかっていくということに心がけておる次第でございまして、特に私どもの役所では、これは私、監察官をやっておりました当時の体験でございますけれども、そういった誘惑の機会をなるべく少なくするということで、大体午前中の調査は十一時半で終われ、それから午後の調査は四時半で終われ、そういうことを指示いたしまして、これは、そういった誘惑の機会を避けるということで非常に効果があった、こういうふうに思っております。
○田中(武)委員 総理府の人事局次長さんですか、あらゆる機会にいままでもやってきた、これからもやります、しかし、やってきたけれどもあとを断たないというのですね。だから、そういう抽象的なことでなく、いまここで、こういうことをやりますと何かきめ手になる、きめ手というか、具体的にこういうことを行ないますということは言えませんか。
○秋吉説明員 このような不祥事案が起こった場合、事務次官会議の申し合わせであるとか、総務長官通達というものをそのつど実は発して、政府職員の注意を喚起してまいったわけでございますが、遺憾ながらまた起こっておるという状況でございますし、ただいま御指摘がございましたように、あるいは氷山の一角かもしれないという御指摘がございましたが、従来もいろいろな面から注意を喚起してございますが、また私ども過去の通達等を勉強いたしまして、また人事管理官会議というものもございますし、先生から御指摘のあったことを十分趣旨を徹底するようさっそくいたしたいと思っております。
○田中(武)委員 もうちょっと具体的にぼくは答弁がほしいんだがね。 たとえば、先ほど会計検査院がやられたように、国会でこういうことが問題になった、だから今後こうせねばいけないんだというような文書をそれぞれの出張者に持たすとか、何かそういったような具体的な方法をひとつ考えてください。何でしたら、それだけじゃいかぬというのなら、会計検査院以外の人の地方での行状をいまから読み上げてみましょうか。それは後日、その関係の省の大臣に来てもらって読み上げます。 どうですか、もっと的確なことをやれませんか。読みますよ、どんなことをやったか。どうです。
○秋吉説明員 先生の御趣旨が十分生かされるよう具体的な方途について、さっそく人事管理官会議にはかって措置を講じてまいりたいと思っております。
○田中(武)委員 山中君に、田中にきょうとっちめられたと、そう言いなさい。この次は山中君に来てもらってやりますから。 次に、自治省にお伺いいたしますが、いま問題になっておるというか、問題にしているのも東京都の区なんです。よく問題になる相手方が地方自治体である場合が多いわけなんです。そこで、自治省としては、そのようなことについて、地方自治体に対してやはり何らかの注意を勧告するとか意思表示をする必要があるのではないかと思いますが、どうか。 さらに、先ほど申しましたように、この事件につきまして、北区の区長あてに、地方自治法二百四十二条第一項ですかに「必要な措置を講ずべきことを請求することができる。」という文句がありますが、その措置要求の請求が出ておるのですが、こういうことについてはどうなんですか。もちろん、区長あてに出ておるのだから、自治省は、それは区長がやるということであろうが、自治法のたてまえからいってどうなんですか、お伺いします。
○山本説明員 お答えいたします。 地方自治体の職員等につきまして、その綱紀粛正につきましては、知事あて、あるいは総務部長あてに、先ほど来各省で御答弁いただいておりますような通牒は実は出しておるのでありますが、今年に入りまして、私のほうで、こういう一片の通牒だけでは実効があがらぬ、そのまますっと通ってしまうのではないかということから、人事課長、地方課長会議を開きまして、具体的に新聞報道に見るところの地方公務員の不祥事件、合わせましてこれは六十七件になりますけれども、これを印刷いたしまして、いわゆる具体的にどういうところに問題があるのかという、具体事例を取り上げまして指導をしたわけでございます。 と同時に、これは人事課長、地方課長、いわゆる人事担当者だけでございますので、それ以外の管理者、職員にもこういうことについての意識を高揚させるということが必要でございますので、ブロック会議を開きまして、ブロック会議に参りましてさらに詳細にこの問題についての指示をすると同時に、各府県で職員の研修をいたしておりますが、ただ単に法律規定の教育だけではなくて、公務員としてのいわゆる倫理観といいますか、それを教育、研修の中心にするというふうに実は指示をしてまいっておるわけでございます。職員のこのような事故によりまして、行為によりまして職員全体の信用を失墜するということになりますと、これは地方自治の不信を招くということでございますので、そういうかっこうで指導をしてまいっておるところでございます。 それからお尋ねの二番目の、いわゆる住民の監査請求の問題でございます。 これは、違法または不当な支出についての監査請求であろうと、このように考えておりますが、・これは監査委員のほうで最終的な結論を出すことと思いますが、われわれといたしましても、そういう不当、違法な支出のないように必要な措置を講ずるよう十分な指導をしてまいりたい、このように考えております。 以上でございます。
○田中(武)委員 私は、要は、その関係者の、先ほどあなたがおっしゃったように、倫理観と言われましたが、モラルの問題だと思うのです。これは関係の皆さんがそういう点に十分気をつけていただいて、このようなことが再び三たび出ないように強く要望いたします。 委員長、ここで華山委員からの関連があるようですから……。
○華山委員 私も地方に長くおりましたからこの実態は知っております。知っておりますからなおあまり言えないこともありますけれども、いまのお話のような精神訓話だけでは私はなかなか達せられないものであろうと思う。会計検査にいたしましても、会計検査に行かれた方は、大体昼の間は山なりあるいはそういうところを回って、そうしてお泊まりになる、夜になって、県庁との間で、あるいは市町村との間でその実態をいろいろまた口で聞く、説明を受けるということが行なわれるわけです。それですから、県庁の職員と会計検査院の職員は同じ宿に泊るということもあり得るわけです。その際に御飯を一緒に食べて酒が出るというふうなことは、私は当時副知事をしておりましたけれども、それまでもやめろというふうなことは、なかなかこれは言えないものなんです。会計検査院の立場をとるならば——会計検査院なんかはまだいいほうです。ほかの官庁はもっとひどかった。 それで、私は具体的な方策として自治省にお願いしたいのでございますけれども、この経費は一体どこから出ているのかという問題、私は、交際費からはまず原則として出ていないと思うのです。問題は食糧費、食糧費から出ているのではないかと思うのですよ。それで、食糧費というものは、御承知のとおり戦前はなかった。戦後の食糧が非常に欠乏した時代、あの当時に食糧費というものが初めて設けられた。それからこの食糧費によっていろいろなことができ、それが膨張してきたんじゃないか、こういうふうな気持ちもいたします。 それで自治省にお願いいたしたいのでございますけれども、自治省が各地方自治団体の予算編成について、食糧費というものにどういうふうに取り組むかという問題まで干渉することは、私はこれは、地方自治の本質からいいまして出過ぎている点もあるかと思いますけれども、会計検査の際に、食糧費というものが何に、どこで使われたか、こういう検査はできるはずだ。また、やらなければいけない。これは会計検査院の問題じゃありません。各県庁、地方自治体でそういうことが行なわれなければいけないはずのものなんだ、それがルーズになっていやしないかどうか、そういう問題があると思うのです。かつて、東京都の議長の交際費の問題から議会が解散までいった。その火をつけたのは私だと思うのですけれども、その際に言ったんです。交際費といえども、一般経費の支出と何ら変わっておらない。渡し切り的な経費ではないわけです。それを、まことにルーズな方法で東京都でやっていたということがありますが、私は、中央官庁から行かれた人に夕食を上げるというふうなことは、むしろ交際費でなくて、問題は食糧費にあるんじゃないか。したがって、食糧費を減らせというふうなことは言えないとしても、食糧費の監査というものを厳重にすることによって具体的な効果があがるんじゃないか、こういう気もいたしますので、ひとつ自治省の御見解を伺っておきたいと思います。
○山本説明員 先生のおっしゃいましたように、地方では食糧費で支出をしておるというのがその多数だと思います。 実は、自治省におきましても、毎年度予算編成の際には、食糧費、需用費、旅費等、いわゆる消費的な経費はできるだけ節減するようにということの通達を出しております。それから、私も地方で仕事をしてまいりましたが、先生のおっしゃいましたように、予算編成をするときには、ほかの事業はかなり伸びましても、食糧費等の前年度に対する比率、あるいは全体予算に占めますパーセンテージ等は極力圧縮をするというふうにいたしておるわけでございます。 問題は内容の問題ということを先生おっしゃいました。なるほど支出の具体的な問題が一つあると思います。適切な場において適切な支出がなされるということが必要だろうと思います。これはやはり監査委員、あるいは県の財政をあずかっておる総務当局等におきまして十分な指導をするということが必要であろうと思っております。十分に指導をしてまいりたい、このように考えております。
○華山委員 たいへんお答えがあいまいですけれども、監査委員が食糧費に特に留意して、何に使ったかということを追及する、そういうことに自治省は重点を置いてやられたかどうかということを申し上げたのです。その点、どうでございますか。
○山本説明員 監査委員は当然私はやっておると思いますが、これからの指導といたしまして、汚職といいますか、そういう問題の原因といいますか発生源といいますか、そういうものを撲滅するという意味で、私のほうから十分な連絡はいたしたいと思っております。
○華山委員 当然やっておるならばこういう問題は起きませんよ。中央官庁から人が来たときに御飯ぐらい出すのが当然だという頭があるから、監査委員はその頭で監査しているのじゃないですか。そういうことはいけないのだという、そういうことは差し控えるべきだという考えでいけば、私は監査の方法が違うと思う。そういう点どうかということなんです。
○山本説明員 お答えいたします。 ただいま申しましたように、監査委員の監査の厳正というものは私は必要であろう、このように考えております。したがって、それは先ほどお答えいたしましたように、十分私のほうから御指導申し上げる、このように考えております。
○華山委員 中央官庁に対してはごちそうしたというふうなことが監査のほうでは出てくるわけですから、何に使ったかということは。
○山本説明員 内容の問題だと思います。内容がどのように支出をしておるかという問題だと思います。そういう点につきましては十分な指導をいたしたい、このように考えております。
○華山委員 たいへん不満だけれども……。
○田中(武)委員 ともかくこういうような事態が各地で起こる。われわれは皆さん方に、そういうことのないような適切な措置をとってくれ、こういうことを要求すると同時に、もしそういう事態があったならば、地方自治法二百四十二条一項等によって監査要求とかあるいは必要な措置要求、そういうようなことをどんどんやらす、そういう運動を起こしてもいい、このように思っておることを申し添えておきます。 次に、労働省にお伺いしますが、いま福島県のいわき市で、炭鉱離職者臨時措置法に基づく事業、俗にマル炭事業といわれておりますが、それを悪用して建設業者が現に公金詐取事件として福島地裁の平支部で公判係属中である。この事件について御存じでしょうと思うのですが、いかがです。
○住説明員 お答えします。 その事件につきまして、御指摘のように起訴が行なわれ、現在公判の段階にあるということについては承知いたしております。
○田中(武)委員 実はこの事件については、このように私、公判記録まで用意しております。そこで、これだけでも相当時間をとりますから、これは委員長にお願いして次の機会にゆっくりやらしてもらうことにして、簡単ですが、若干の問題点だけをお伺いしておきます。 まず、この事件について職安の職員もぐるではなかったか、なれ合いではなかったか、こういうようにいわれておりますが、そういう点について調査をしたり、あるいは何らかの方法をとられましたか。
○住説明員 実は、この事件は昨年の四月に表に出たと申しますか、私ども承知したのでございますが、その段階におきまして、県の課長あるいは担当者に命じましてその間の事実を調査させたのでございますが、御指摘のぐるになったかどうかという問題でございますが、その段階におきまして関係書類等が司法機関に押収されておりますので、核心に触れる調査は、実は遺憾ながらできかねておるような状態でございます。
○田中(武)委員 ここで私が申したいのはそれなんですよね。今日までこういう刑事事件等になったような問題を国会等で取り上げても、それは刑事事件でございますので、というようなことで答弁を逃げる。私はそうでなくて、司法権の範囲と行政は別だと思うのです。したがって、司法機関が司法権能としてやることと、行政府が行政府の権限に基づいてやることとは別個のものである。あなたは、書類等を押収されておるからというのは、具体的に警察なり検察庁に行って、こういうことで調べたいのだから見せてくれというようなことを言いましたか。言ったけれども警察が断わったのですか、どうなんです。
○住説明員 お答えします。 そこまでやっておりません。
○田中(武)委員 これは委員長にもよく聞いていただきたいのですが、先ほど言ったように、何かこの種の事件が起きると、すぐ、司直の手が入っておりますから、あるいは刑事事件になっておりますからということで行政府は一切答弁を避けるのです。私は、先ほど言ったように、行政権と司法権は別なんだ。そうでないというならば、三権分立論にさかのぼりて議論をしなくてはなりません。ほんとうにやるんだったら、警察に行って、あなたの名刺を出して言ってごらんなさい。出しますよ。持ち帰ることは許さないとしても、その場で見ることはできるはずです。検事だって見せるはずです。証拠隠滅その他のおそれがなければ出すはずですよ、持ち帰ることはともかくとして。そこまで熱意を示してやるべきなんですよ。遺憾である、やりなさい、そういうふうに一ぺんやってごらんなさい。それで警察が断わったら、これは裁判係属中だからと思うが、断わったかどうか。断わったら、何という検事が断わったか、それをはっきり言ってください。 そこで自治省にお伺いしますが、この事件につきまして、福島県の監査委員会に対して監査請求が出されております。御存じかどうかわかりませんが……。ところが、この県の監査委員会も、その事件が刑事事件になっておるからというようなことで逃げて、法定期間六十日を過ぎても何らの回答なり態度を出していないわけなんですね。こういうことはどうでしょう。先ほど来言っているように、監査委員会は行政機関、行政機能なんです。司法機能が発動して、司法権を発動せられたからといって手をこまねいて自分は何もしなくてもいいというものではないと思うのです。いままででも往々にしてそういうことがあったが、今後は、これは司直の手にかかっているから云々では答弁を避けることは許しません。できないというならば、先ほども言ったように、三権分立論にまでさかのぼって議論をしなくてはならない問題なんです。このごろ、私は予算の総括締めくくりの質問でも言ったように、行政、立法、司法、三権の問題を少し根本的に考える必要があるのではないかと考えておるのです。自治省、いかがですか。
○山本説明員 福島でそういう問題が出まして、ちょっと期間がおくれましたけれども、私のほうの情報では、監査委員が結論を出したというふうに伺っております。ただ、法定期間を過ぎましたことはまことに遺憾だと思っております。できるだけその範囲内で住民の方々にお答えするというのが本来の姿であろう、このように考えております。
○田中(武)委員 法定期間は過ぎたが結論を出した−じゃ、済みませんが、それをあとでくれませんか。 そこで検査院長にもお伺いするのですが、この問題について一応会計検査院も調査したようなんです。しかし、それはどう勘違いしたのかどうか知らないが、人夫の水増しがあったのではなかろうかというような観点でしたらしいのです。ところが、この問題はそうでなくて、マル炭事業というのは炭鉱離職者を使う、そのことを要件として国から補助があるわけですね。この事件は、炭鉱離職者を使わずに一般の人を使って、炭鉱離職者を使ったようにしてマル炭事業として補助金をもらったという性格なんです。そのことについて、四十四年、昨年の十月二十四日にこの関係者三名が会計検査院を実は社会党の八百板代議士の紹介でお伺いした。会った人の名前もわかっておりますが、ここで言うのはよしましょう。ところが、その後何の連絡もないというわけです。何もやっておられないのです。もし会計検査院が、これまた刑事事件として司直の手にあるので検査はできない、調査はできない、そういうことであるなら私は問題だと思います。いかがでしょう。
○山崎会計検査院長 実は先ほど名前をあげられたものですから、私も申し上げてもいいかと思いますが、八百板さんから、こういうことがあるから紹介するというので、私あてに実は電話があったのであります。ところが、御本人がおいでになりますときに私ちょうどおりませんでしたので、あらかじめ秘書官によく言っておいたものでございますから、担当の係のほうにそれぞれよく事情をお話ししていただいたわけでございます、昨年その御本人がおいでになります前に、すでに二回ばかり投書があったわけでございます。投書のうちの一つは架空人夫賃の問題、もう一つがさつきのマル炭の問題ということになるのでございますが、詳しいことは、もし御必要ならば担当局長のほうから御報告申し上げますが、私どもは、こういう投書がありました場合に、投書を何もかも全部検査するというわけじゃありませんで、やはり一応見まして、検査に値するものがあったら検査するという態度をとってやっておりますが、このことにつきましては、御本人おいでになる前に、すでにわれわれのほうは検査をしておったわけでございます。 ところが、御承知のように、検査院の検査というものは官庁が相手でございまして、民間の会社なりに対しては、官庁を通じて調査をするというふうに間接的——直接的な検査権、捜査権はないわけでございます。検査はそれでいいと思うのでございますが、そういうたてまえもございます。御本人がお見えになったときには、何か告発によってすでに書類が押収されておったし、そのうち起訴されたというようなわけでございます。現在書類が全部行っておりますので、それをあえてこちらのほうでまた見せてくれというふうに言うか、あるいは、もうすでにいままで何回もやっておりますので、われわれの権限の範囲からいってもどうかと思いますし、司法権のほうの捜査権というものは具体的に会社でも何でもできるわけでございますから、そういうふうな点を彼此勘案いたしまして、これはケース・バイ・ケースでございますけれども、現在、この場合におきましては情勢の推移を見守っておる。その後、これは私も記憶があるのでございますが、新聞等送ってこられまして拝見しております。しかし、本年度におきましても、実地検査では、実際において帳簿は見るわけにいきませんけれども、関係の担当者なりには事情を聞いているというふうで、推移を見守っているというのが現状なんでございます。決して放任をしているわけではございません。
○田中(武)委員 院長、推移を見守っておる——私はそれだけではいかぬと思うのですよ。しかも公判が四回、五回もう行なわれて、結審に近いんじゃないかと思うのですが、その段階でどうかと思いますが、もっと的確に早く調査すべきじゃなかったか。もうあなた、一年ほうっておるのでしょう。一年推移を見守ったということですからこれ以上私は追及しませんが、どうなんです、院長、去年十月ですよ。ちょうど一年なんですよ。手をこまねいて見ておった、それだけじゃ私は通らぬと思うのですがね。簡単でいいですよ。
○山崎会計検査院長 実際ずっと前に調べておりまして……。
○田中(武)委員 公判は六回行なわれておる。
○山崎会計検査院長 ええ、公判はあれですが、その前に、事件がわれわれでわかったとき、すでにこれは四十年と四十三年に実際に調べておるのでございますね。ところが検査院のあれでは、いま言ったように、間接的な調査でもあるし、できるだけの方法をもって調べたんですが、的確な事実が検査院のほうではわからなかったという関係はあるのでございます。すでにいま言ったマル炭関係のなにも見ておるわけでございます、四十三年に。その後、お話がありましてから、さらにこれはまた調べなければいかぬかなと思っているとき、今度はいま言ったように起訴ということになったというので、それではひとつ、いままで見たことであるし、様子を見てみよう、こういうようなわけなんでございまして、全然何もやらなくて初めからほうっておるというふうなわけではないということは、ひとつ御了承願いたいと思います。
○田中(武)委員 これも先ほど言ったように、もう警察が手入れした。だからわれわれはもう何もできないんだとか、やらなくて手をこまねくというような感覚じゃなくてやってもらわなくちゃ困る。 ここで、ついでですから職安局長にお伺いしますが、最近職安の汚職というのがだいぶ出ましたね。最初埼玉県の所沢職安に端を発して、それが東京都内の渋谷、池袋、足立、上野の各職安、いろいろあるようです。この手に持っている新聞の記事は十二日の、きのうですね。日経ですが、これによらなくてもそうだと思うのですが、ともかく人手不足である。中学卒業者は金の卵といわれておる。ことに中小企業には人が来ない、そういう弱みにつけ込んでまあ適当なことをやっておった、そういうことだと思うのです。そうならば、公共の名に隠れた昔の口入れ屋、桂庵というんですか、にもひとしいじゃないか、そういうような指摘を新聞もしておりますね。 このような一連の事件に対しまして、職安局長としてどういままでやってきたのか、どう考え、どのような今後対策を立てようとするのか。管理体制が甘いのではないか、あるいは、先ほど来言っておりますように、職員の自覚が足りないのではないか、等々が言えると思うのですが、これもあらためてまたやることにいたしますので、きょうはその程度で、ひとつあなたがこの事件等についてどう感じ、どうせねばならないか、こういうことだけを伺っておきます。
○住説明員 職業安定行政は、申し上げるまでもなく、人と人との結合をはかっていく、そういう意味で、信頼関係というものが非常に大事でございます。ただ、最近御指摘のように、非常に求人、求職者の事情が変わってまいりまして、いわゆる売り手市場というような段階になってきております。 私どもそういうような間に処しまして、職業安定行政をどのようにして考えていくかということにつきまして、たとえば職業紹介の即時化とか、あるいは求人、求職票のオープン化とか、あるいはターミナルの職業相談とか、できるだけ職業紹介がガラス張りの中に正しい職業の選択が行なわれるようにつとめておるわけでございますが、にもかかわらずこういった不祥事件が起きましたことは、まことに申しわけないことでございます。釈明の余地のないことでございます。 そこで、今後の問題といたしまして、一つは、直接そういうような汚職の原因になる具体的な問題について、それに対する対処策をどのようにとっていくかということを考えるのはもちろんでございますが、基本的には、現在の雇用情勢に応じます職業紹介の業務処理の方法、これに根本的にメスを入れて考えていこうということが第一番目の問題でございます。そのために、実は内部で検討委員会等も設けまして、そういった基本的な業務の処理のしかたについて再検討を行ない、できるだけ早く結論を出して、その線で業務の処理に当たろう、と同時に、服務管理の問題だとかあるいは職員のモラルの問題、教養、訓練の問題、そういうことにつきましては従来もやっていたのでございますが、やはりいろいろ従来やっていたことを反省してみますと、きわめて大ざっぱに申し上げまして、はたして一人一人の職員にまでそのことが徹底していたかどうか、こういうことについてもなお十分でない点がある、必ずしも服務管理も十分いっていない、こういうことも、私ども問題安定所の総合点検の結果把握しております。 そういうような欠けている点を徹底的に追及しまして、すみやかにそれに応ずる体制をつくろう——大体成案も得ておりますので、実は明後日も全国の課長会議を開きまして、そういうこまかい指示等もいたしたいということでございまして、今後再びこのような事態の絶滅を期しまして、いろいろ検討を加えておる次第でございます。
○田中(武)委員 対策についての成案も得ておる、こういうことですが、それはあとで見せていただきたいと思います。 ここで委員長にお願いしておきたいのですが、この問題及び先ほどのマル炭事件といいますか、これについてはいろいろとほかにも問題があります。たとえば脱税の問題、それを処理したところの国税局の態度、あるいはその仲を取り持った税理士のモラルの問題、私は起訴状から公判記録まで全部用意しておりますので、これはあらためて機会を与えていただきたい、このように思います。 そこで会計検査院長にお伺いいたしますが、いままで会計検査院の調査官その他のあまり芳しくないことをあげてきたわけなんです。ところが、このたとえはあまり適切でないかもわかりませんが、俗に、ネコをしかるよりかつおぶし隠せということがいわれておりますね。会計調査官がやはり国民の代表として、堂々と国民にかわって会計検査を行なう、調査を行なう、そうするなら、それにふさわしい身分の保障なりあるいは待遇を考えてやる必要がやはりあるのじゃなかろうか。先ほど来話がありましたように、この種の仕事には相手方からいろいろな誘惑があります。この誘惑にうちかつためにも必要である、あるいは、会計検査院の職員というか調査官等について、やはり自信を持って、堂々と、内閣から独立をし、独立機関としての会計検査院の調査官等の任務を果たすためには、それにふさわしいことを考えてやる必要があるのじゃないか、こう思うわけなんです。 私はここに英、米、仏等の会計検査制度あるいはその待遇等々についての若干の資料を用意いたしております。これを一々ここで議論するのは避けたいと思いますが、中には、もう院長御承知と思いますが、司法官と同じような身分、待遇を与えているところがありますね。あるいは十年以上会計検査院といいますか、その仕事に従事した者は、退職時の給料をそのまま終身年金として受ける制度を持っているところがありますね。それらをひとつ参考に考えて、私はいま直ちに会計検査院の職員を司法官と同じようにというところまでいかないとは思いますが、少なくとも院長及び会計検査官には身分保障がはっきりしておるわけですね。じゃ、そのもとで仕事をする人たちにも身分保障ということを、しかも行政府から独立をして、痛いところをどんどん国民にかわって検査をするのならば、必要じゃないか。たとえば国会職員が特別職になっておりますね。ところが、これらの人たちは一般職なんです。そういうような点について私は根本的に考える必要があるのではなかろうか、そのように思います。また、給与等につきましても一般職の職員の給与法が適用せられておる。そして会計検査院は調査官については八%ですか、あるいは主任には四%か等を、給与法の十条ですかに基づく調整額として要求をしておられるようですが、それが実現を見ていない。人事院、見えておりますが、人事院ではこの種の調整増額といいますか、調整額は看護婦とかなんとかいうことで、その仕事にいわゆる危険性の伴うものだと、こういうことですが、そうでなかったらまた答弁を願いたいのですが、しかし給与法の十条を見てごらんなさい。困難な仕事、重大な責任ある仕事ということが明確にうたってあります。会計検査院の職員の調査は、私は、ある意味においては困難であり、責任重大な仕事であろうと思います。まさに給与法十条の調整額にどんぴしゃりに当てはまるべき職責ではなかろうかと思うのです。 これらの点、待遇、給与、身分保障等についてまず会計検査院長、人事院の双方から御答弁をいただきます。 なお、出張等にあたって出張旅費あるいは日当が若干ふえたようなことも聞いておりますが、それで十分なのか、いまもらっておるような金で、はたして普通の旅館に泊まれるのかどうか。だから相手方持ちということもあり得るわけなんです。そういうような点を、先ほど言ったようにネコをしかるばかりではなくて、そういうことが行なわれないような、あるいは職員が十分にそのプライドと自信をもって職務を遂行できるような措置を考えてやるべきではなかろうかと思いますが、いかがですか。
○山崎会計検査院長 ただいま職員の待遇の根本についてのお話並びに暫定的な点につきましての御意見がございました。ありがたく拝聴したのでございます。 これは、私が検査院へ参りまして、やはり職員の諸君に、検査院の職員としては一般職にいるのはおかしいじゃないか——私が二十数年前に、国会にいましたときに国会職員法をつくりました当時責任者でございましたので、あのとき一般の官吏から特別職に切りかえたのでございますが、そういうふうな経験を話しまして、とにかく、まず第一に憲法上の独立機関である、国会も同じであり、国会職員というものは政府によってコントロールされてはいけないという精神で特別職になったのだ、それと同じように、会計検査院も同じようにやはり特別職——検査院の職員というのは検査官会議によってのみコントロールされるというたてまえでなくては独立性はないのではないか、待遇改善というものはその後に自然に出てくる問題であって、まず根本としてはそういうことが大事じゃないか、これは私は赴任いたしましてから職員諸君と話をするときに話したのでございます。これは組合の諸君にも言ったのでございますが、君たち自身の問題だ、君たちが自分で検討してきめるべきじゃないか、特別職になると、官吏の身分というものに執着があるかもしれぬけれども、決して身分上の不安なんか起きないのだということを、これは私の持論として話しておるわけでございまして、諸君にただいま御研究を願っておるわけでございます。いずれそのうちに、これは時間がかかるかもしれませんけれども、何もきょうあすというわけじゃございません。私はいままで検査院に参りましてから何年かそのことを−一般職か、特別職か、特別職といっても、いわゆる身分保障のない特別職もあるし、それから国会職員みたいに全部が一般職的なもので、その中に図書館長とか事務総長とかいうような特別職的なものもあるので、きめようで幾らでもやれるのだからといって、法律なんか引っぱり出してみては職員諸君に話しております。これは先週ですか、ちょっと前にも組合の諸君と話しましたけれども、よく検討してほしい、諸君も検討してくると申しております。 なお、具体的な点につきましてもいろいろとありました。ただいまお話ありました俸給の調整額の問題、これもございまして、調整手当といいますか、調整額といいますか、予算要求はもうこれでことしは三年目でございます。私は、これについてもやはり当局としても努力しなければいかぬというふうに考えております。 それから旅費の定額が十分かというお話でございますが、私は十分とは思っておりません。私が検査院に参りましたときにもやはりこういう問題が非常に起きまして、旅費が安い、何か二千円足らずの旅費で、行くという話を聞きまして、こんなんじゃめしも食えはせぬと大蔵省の当局の方に話しまして上げてもらって、ちょうど私の在任中に二回旅費が上がりましたが、しかし検査院の職員だけというわけにはいかぬわけでございます、一般職でありますから。やはり全体の政府職員全部に影響するというようなこともございまして、これも上げたほうがいいのでありましょうが、やはりこれは国民の税金で上げるわけでございますから、いろいろ考えなければいかぬという点も大蔵省にはあるかもしれません。しかし、実際検査院の立場からいうと、これは検査という立場から上げてもらわなければ困るということがあるのでございますので、そういう関係もありまして、もしそれがだめならば、それではひとつ調整額のほうでもいいから見てもらいたいということでありまして、本年度の予算折衝におきましてはひとつ十分に努力したい、かように考えております。 職員の待遇問題につきまして御理解ある御質問をいただきまして感謝にたえません。われわれも今後十分努力したいと存じます。
○尾崎説明員 会計検査院の職員の給与につきまして、かねてから検査院の事務当局からいろいろ伺っております。佐藤事務総長もときどき私のところに見えられまして、非常に熱心にいろいろ伺っておるわけでございますけれども、その伺っておる中でまず注目されますのは、非常にきつい日程で仕事をたくさんやってくるといったようなお話がございます。で、そういう関係は、一つには旅費の問題だろうというようなことを相談、話をしておるわけでございますが、そこは、給与の問題といたしましては検査業務そのものの困難性というものを評価をするという話でございまして、旅費の問題とはそこで両方でそれを適正に見ていくということになろうかというふうに考えておるわけでございます。 検査業務そのものにつきましては、たとえばほかにも金融検査、船舶、航空機その他いろいろの検査業務がございまして、この関係だけが非常に飛び抜けているかどうかという点につきましては、なお私どもとして検討を要するということは言えるわけでございますけれども、少なくとも検査業務そのものは非常に専門的なことが必要でございます。したがいまして、一般の官庁のように班長、係長という、いわばそういう職制でやっていくということは非常に困難でございますので、やはり御指摘がございましたように、調査官という専門職の制度を設けまして、係長から、一般官庁でいえば課長補佐、そして総括課長の直前のところまでだんだん上がっていくというような、そういう調査官制度というもので検査院の職員の業務を運用するという形で相談をしてやってきております。毎年、そういう等級の定数は、予算において常に上のほうに上がっていくという形に措置をするということで現在やっておりまして、なお検査院の当局からは、たとえば理工系の職員がなかなか採りにくいんだといったような話もございますので、今後よく相談をいたしまして、優遇につきまして考えてまいりたいというふうに考えております。
○田中(武)委員 調整額ですね。これはいままではその仕事の内容自体に危険性を伴うものだけに限っておるんですか。給与法の十条の調整額というのはそうではありませんね。それはどういう解釈ですか。
○濱野委員長 局長、答弁する前に注意しておきます。 質問者の質疑の要点をつかんで説明してください。冗長に、よけいなことを言う必要はない。
○尾崎説明員 給与法十条は俸給の調整額の規定でございますが、これは職務と責任、その他労働環境等が著しく困難なということになっております。つまり、一般の俸給表の適用がいろいろございますけれども、俸給表の適用されている同じ等級の中で特別に困難だということでございまして、いわば、もう一つ俸給表をつくるべきでございますけれども、職員が少ないとかそういう関係におきまして、俸給の調整額、十条を適用するという形になっておるわけでございます。
○田中(武)委員 だから会計検査院から調整額で調整してくれという要求が出ておるでしょう。それに対してまだ結論を出していないのですか、どうなんですか。
○尾崎説明員 先ほど申し上げましたように、評価すべきは職務と責任そのものでございますけれども、検査の仕事はほかの省庁にも似たような仕事がいろいろございまして、それらに比べまして著しく困難であるかどうかという点につきまして、なお検討する必要がある、非常にむずかしいんじゃないかという感じもいたしますけれども、なお検討いたしたいというふうに考えております。
○田中(武)委員 人事院の一局長相手にしておってもこれ以上進まぬと思います。また、大臣も見えておりますから、私はこの程度で終わろうと思うのですが、最後に委員長にお願いします。 われわれは決算委員会の任務を果すためには、まず会計検査院の調査官といいますか、職員の調査、検査、これが厳格に行なわれることが前提となっております。そこで、それらの職員の身分、待遇等については、当委員会が一ぺん考えてみる必要があるのではなかろうか。私は、先ほど申しましたように、外国の事例及びいろんな給与法の中においてどういうような違いがあるかということについても若干の資料を持っております。これを一々いま申し上げたりする時間もないし、もうあと運輸省の問題に入ることになっており、大臣も見えておりますのでおきますが、特に委員長、ひとつ理事会等で相談をして、これは決算委員会としてもの申してやる必要があるのではなかろうかと思いますが、これだけを委員長にお願いをいたしまして、一応きょうの質問はこの程度で終わります。
○濱野委員長 了承いたしました。 吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 時間がありませんので、院長に一問だけお尋ねします。 院長に申し上げてみたいのですが、いま問題になっております東京都の区役所の職員から検査院の検査に出た職員がいろんな供応を受けたという事実につきましては、院の立場からは最高度の厳正な態度をもってこの事案に処する必要があると私は思います。あなたは、給与がどうの待遇がどうのということでたいへん感謝のような発言もされましたが、これは全く次元が違います。なるほど……(田中(武)委員「ちょっと待ってくれ、そんなことを言うなら討論させてもらいたい」と呼ぶ)ちょっと待ってください。あなたが部下を愛しなさること、それからまた、その問題について相当熱意を持っておられることは感謝します。したがいまして、私自身も、できるならば生涯を安んじて崇高な検査−事務に職員が当たり得るような処遇がもちろん必要であると思います。 ただ、あなたの場合は、この場合におきましては、検査院の立場を厳守されまして、憲法でいうならば、これは四権分立とまでいうほどの内閣より独立した検査院の地位、九十条によってまず権限の源がありますこの立場、検査官の身分保障ないしは検査院の職務権限というものは相当厳格に規定しております。しだがいまして、これらの点にかんがみまして綱紀粛正の観点から、院長の全責任で厳正な態度をもって全職員に臨まれる必要があるのではないか。そうしてでき得べくんば、このような事件が社会のいろいろ批判の対象になる、あるいはまたいろんな方面に波紋を描いていった、これを指摘されたことにつきましては、むしろ敬意を表して感謝して、そして院の規律厳正、綱紀粛正に向かって邁進するという最善の手段をおとりになる必要があるのではないか。よいかげんな事例として見のがすわけにいくまいと私は思う。それほどに今日の社会は複雑であります。利害がてんめんとするところは、公務員を買収しよう、あるいはまた有利に導こうというような手があらゆる機会に待っておるときでありますから、やりにくい仕事ではございますけれども、そこは一つの独立の地位を保有する院として、院長のお立場としまして、私は最も厳正な態度をもってこの事案には対処していただきたいと強く要望したいのであります。一片の通牒とか一片のいろんな訓示とかいうもので終わるべきにあらずして、でき得べくんば、明日からは再びかくのごとき事案を繰り返さないというだけの決意と、そしてまた規律を今後とも守り抜いていくという努力を、院長みずから先頭に立ってお誓いになるというぐらいなことが国民としてば望ましいのであります。もちろん、国会といたしましても強くその点はわれわれとしては要望する次第でありますので、この点につきましてあなたの御所信を重ねて、一言でよろしゅうございますから伺いまして、きょうの質問を終わっておきます。
○山崎会計検査院長 綱紀の問題につきましては、先般来相当長時間にわたりまして御質疑がございました。私も、これは一番大事な問題であるというふうに考えまして、先ほど田中先生の御質問に誠心誠意をもって御答弁申し上げたわけでございます。御質問の趣旨も、おそらくこの問題を一番大事な問題としてお取り扱いになっていると私は確信するものでございます。 ただいま吉田先生の御質疑、ごもっともでございまして、先般来の国会における御質疑に対しましては、私がもし日本におりましたならば、これは当然まっ先に当委員会に参上いたしましておわびを申し上げなければならぬ筋であったのでございますが、かわりまして事務総長が出て、よく今後のことをお約束したわけでございます。 そこで、事務総長が出しました訓令というものは、これは何も一片の紙切れではございません。単に一片の紙切れなどというものではなくて、やはり口であらわすというよりも文書であらわすということが非常に重みがあって役に立つ場合もございます。そこで、この御趣旨を体しましてそれを出しましたことは、さらにわれわれがこのように何らかの方法、つまりこれでだめならば、ない知恵をしぼりましてでもいいからこういうことでもってひとつ絶滅を期そう、要は、やはり職員全般がえりを正しまして、国民の輿望にこたえなければいかぬということであるのでございます。 ただいまの御質疑の御趣旨を体しまして、今後も十分に努力してまいりたいと存じている次第でございます。
○田中(武)委員 ただいまの吉田委員の質問中、綱紀粛正と待遇の問題を私が言いましたのは次元が違うと言われたが、そうではないと思います。 私は、このような事件が、あるいはその招待を受けるとかいうようなことがあってはならない、それはきつく言った。同時に、一面において、やはりそう言っても人間である、誘惑がある。ことに責任があればあるほど誘惑があるわけです。誘惑をき然として断ち切ってやるためにはある程度の自信を持たせなくちゃいけない、それには内閣から独立をしてやる以上は身分保障も必要であろう、ある程度の待遇も必要であろうということを申し上げたのであります。現に吉田委員は、三権分立にはあらずして四権分立ともいわれておると言われました。三権分立ということは、すなわち司法権の独立と同じように言われた。司法官には御承知のような特別な身分保障なり俸給表もある。それと同じような四権分立を主張する限り、私はその点においても考えるべきである、そのような面で言ったので、次元が違う問題ではありません。そのことについて、これは私に言われたのでなくて、会計検査院長に姿勢を正すという意味で言われたと思いますのであえて取り消しは求めませんが、私は一言申し上げておきます。
○濱野委員長 委員長から、きょう問題になっております綱紀粛正、しかも過般来新聞紙上に伝えられております東京都並びにその他の不祥事件について論議されておりますけれども、幹部諸君にお願いしたいことは、上級の管理者あるいは監督者が部下の非違を自分の責任と考える明らかな認識というものを欠いているのじゃないか、そういう感じを強く受けているのであります。部下の非違は上司の非違でありますから、そのつもりで会計検査院その他の官庁もこの種の問題の絶滅を期するように御注意を願いたい。 実は、先般の当委員会におきましては、決議案をもってそれぞれの役所に通告しよう、あるいは政府にもこれを届けようというお話もありましたけれども、しかし、きょうまじめな話を聞いて、決議案にするかどうかは今後理事会でおはかりをいたすつもりでありますが、特に私はこの際申し上げておきたいことは、東京の整備局長のお答えの中で、自分たちが上司として部下の監督、指導を怠ったことにつきましてはきわめて遺憾だということばが、ただ形式的に出ているようであります。大東京一千万の行政をやっているのですから、いろいろのむずかしい点もありましょう。部下がそういうことをやったらしいというようなことで糊塗する問題ではないと私は思います。会計検査院が来たならば、適当に、あまりはでなやり方でなしにというような、そういう意味の御意見で部下に指示していたようでありますが、そういうことは、むしろそういう不祥事件を起こす原因ともなっていることだと思います。 その点について、参考人の整備局長、どう考えますか。われわれは、東京都選出の代議士でありますから、日ごろ耳の痛いことを聞かされております。ですから、市民に対しましても国民に対しましても、信をつなぐ意味で、ひとり会計検査院を責めるばかりでなしに、計画的にそういう招待のあらましを連絡をとっているというようなことは許せぬと思います。これは決議案になることも考えられるので、ひとつ明確に答弁をして一それで、できるだけこういうことを決議案にしたくないのですから、委員長としては。どうぞひとつ、無責任な、簡単な一片の答弁ではなしに、真剣に御答弁願いたい。
○橋本参考人 いま委員長から御注意ございましたように、われわれといたしましては、ただ部下のやったことだ、そういう簡単なと申しますか、それだけの気持ちではございません。これにつきましては、私どもも今回の事件はたいへん遺憾でございまして、知事も庁議におきまして、私はじめ各局長全体に対しまして、自今こういうことのないように強く、きびしく指示をされております。私も、この問題につきましてはさらに私の部課におります職員に対しましても一そう注意をすると同時に、これは公務員のモラルそのものでございますので、私自身、みずからそういったような態度をとって、自今またさらにこういうことが起きないような措置をとっていきたいとかたく決意をいたしております。
○濱野委員長 どうもこの場合の特徴というのは、計画的に行なわれているということです。この不祥事件を計画的に役所の上級の人々が部下と相談をしてやっているということは、これは許せないと思うのです。これは違法問題じゃないのです。たいへんな問題だと思うのです。これでは会計検査院や皆さま方が国民に信をつなぐということは不可能です。計画的に行なったということをよくひとつ御記憶を願って、将来こういう問題が決算委員会でできないようにひとつお願いをいたします。
○橋本参考人 十分に注意をいたします。
○濱野委員長 それでは、本件はいずれ理事会において御相談をお願いしたいと思います。 ————◇—————
○濱野委員長 昭和四十三年度決算外二件を一括して議題といたします。 運輸省所管及び日本国有鉄道について審査を行ないます。 まず、運輸大臣から概要説明を求めます。橋本運輸大臣。
○橋本国務大臣 昭和四十二年度の運輸省所管一般会計及び特別会計の決算につきまして、その大要を御説明申し上げます。 まず、一般会計について申し上げますと、歳出予算現額一千五百十五億六千四百四十一万円余に対し、支出済み歳出額は一千四百七十二億九千五百五十二万円余でありまして、差し引き四十二億六千八百八十九万円余のうち、翌年度へ繰り越した額が三十九億九千六百七十一万円余、不用となった額が二億七千二百十七万円余となっております。 次に、特別会計について申し上げます。 まず第一に、木船再保険特別会計でありますが、収納済み歳入額は四億三千四百六十一万円余であり、支出済み歳出額は一億八千三百三十三万円余でありまして、差し引き二億五千百二十七万円余の剰余を生じ、この剰余金は、翌年度の歳入に繰り入れました。 第二に、自動車損害賠償責任再保険特別会計でありますが、保険、保障及び業務の三勘定を合わせて申し上げますと、収納済み歳入額は一千七百七十三億二千五百十六万円余であり、支出済み歳出額は七百五十三億四百十七万円余でありまして、差し引き一千二十億二千九十八万円余の剰余を生じ、この剰余金は、翌年度の歳入に繰り入れました。 第三に、港湾整備特別会計でありますが、港湾整備及び特定港湾施設工事の二勘定を合わせて申し上げますと、収納済み歳入額は七百八十八億一千四百九十三万円余であり、支出済み歳出額は七百六十三億九千二百九十四万円余でありまして、差し引き二十四億二千百九十九万円余の剰余を生じ、この剰余金は、翌年度の歳入に繰り入れました。第四に、自動車検査登録特別会計でありますが、収納済み歳入額は三十八億三千四百五十九万円余であり、支出済み歳出額は三十七億三千六百三十八万円余でありまして、差し引き九千八百二十一万円余の剰余を生じ、この剰余金は、翌年度の歳入に繰り入れました。 以上が昭和四十三年度の運輸省所管一般会計及び特別会計の決算の大要でありまして、このうち重点施策につきましては、お手もとに配付いたしました資料をごらんいただきたいと存じます。 最後に、本決算につきまして、会計検査院から不当事項として指摘を受けた点がありましたことは、まことに遺憾であります。 指摘を受けた事項につきましては、直ちに是正措置を講じましたが、今後、この種の事例の発生を未然に防止するためより一そう指導監督の徹底をはかる所存であります。 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。 昭和四十三年度日本国有鉄道決算書を会計検査院の検査報告とともに、国会に提出いたしましたのでその大要を御説明申し上げます。 昭和四十三年度における日本国有鉄道の旅客及び貨物の輸送量は伸び悩みの傾向にありましたが、収入においては、旅客収入において対前年度九%、貨物収入において対前年度一%それぞれ増加し、これに雑収入の増加を加えますと、営業収入は対前年度六百三億九千八百九万円余の増収となりましたが、予定収入を百九十一億四千九百四万円余下回りました。 他方、経費面におきましては日本国有鉄道は極力経費の節減につとめ、経営の合理化をはかりましたが、仲裁裁定の実施による人件費の増加のほか、車両等の修繕費の増加、借り入れ金等の増加に伴う利子の増加及び減価償却費等の増加により営業経費は前年度より一千十八億一千三百八十九万円余増加いたしました。 このため、損益計算上は営業外の損益を含めまして一千三百四十三億八千三百五十六万円余の純損失となっております。 以下、収入支出の内容を勘定別に御説明申し上げます。 まず、損益勘定におきましては、収入済み額は九千二百十九億六千六百二十一万円余、支出済み額は九千二百五十六億二千二百二十六万円余でありまして、支出が収入を超過すること三十六億五千六百四万円余でありますが、これは予算上の区分による収支決算の結果でありまして、いわゆる損益計算上では昭和四十三年度純損失は前述のように一千三百四十三億八千三百五十六万円余となります。 この決算額を予算と比較いたしますと、収入は予算額九千三百九十六億三千八百五十九万円余に対しまして百七十六億七千二百三十七万円余の減収となっておりますが、その内容は、運輸収入におきまして百九十七億一千六百六十四万円余及び一般会計より受け入れ六百三十二万円余の減並びに雑収入二十億五千五十九万円余の増収となっております。 他方、支出は予算現額九千六百七十億三千七百十三万円余に対しまして四百十四億一千四百八十六万円余下回っておりますが、そのうち、翌年度への繰り越し額は二百六十六億五千九百三十六万円余で残額百四十七億五千五百四十九万円余は不用額となっております。 次に、資本勘定におきましては、収入済み額は四千八百七十億六千八百九十四万円余、支出済み額は四千八百七十一億七千七百七十七万円余であります。 この決算額を予算と比較いたしますと、収入は予算額五千百六十八億二千三百万円余に対しまして二百九十七億五千四百六万円余の減収となっております。これは損益勘定からの受け入れ減百二十六億一千百四十万円余、資産充当による収入増百五十億七千百二十六万円余、借り入れ金及び鉄道債券の発行の減三百二十二億一千三百九十一万円余によるものであります。 他方、支出は予算現額五千七百二十四億一千七百三十一万円余に対しまして八百五十二億三千九百五十四万円余下回っておりますが、そのうち、翌年度への繰り越し額は八百二十七億九千九百二十六万円余で残額二十四億四千二十七万円余は不用額となっております。 工事勘定におきましては、収入済み額は三千四百九十一億二千九百九十四万円余、支出済み額は三千九百六十二億七千七百三十八万円余であります。 この決算額を予算と比較いたしますと、収入は資本勘定からの受け入れが少なかったため、予算額三千七百八十億円に対しまして二百八十八億七千五万円余の減収となっております。 他方、支出は予算現額四千五百七十三億四千八百三十八万円余に対しまして六百十億七千百万円余下回っておりますが、そのうち五百七十五億百三十五万円余は翌年度への繰り越し額であり、残額三十五億六千九百六十五万円余は不用額となっております。 この工事勘定の内容に関連して主要施策の実績について申し上げますと、日本国有鉄道は大都市及びその付近の通勤輸送を改善するとともに、幹線輸送力を大幅に増強し、あわせて輸送の安全対策を推進する必要があるため、昭和四十年度から昭和四十六年度までの七カ年間に投資総額約三兆円にのぼる第三次長期計画を実施しておりますが、その第四年目に当たる昭和四十二年度におきましては、線路増設、輸送方式の近代化、車両増備等の諸工事を実施いたしました結果、事項別決算額は、通勤輸送六百五十六億六千九百三十万円余、幹線輸送一千四百三十五億六千七百八万円余、電化、電車化、ディーゼル化百五十六億五千九百五十一万円余、諸改良、取りかえ七百二十七億七千四百六万円余、車両(通勤を除く)七百十七億八千百四十八万円余、総係費二百五十九億二千二百四十四万円余、合計三千九百五十三億七千三百八十九万円余となっております。 最後に、昭和四十三年度の予算の執行につきまして、会計検査院から不当事項二件、改善事項一件の指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところでありまして、今後さらに予算の効率的運用に一段の努力をいたすよう指導監督してまいりたいと考えております。 以上、昭和四十三年度の日本国有鉄道の決算につきまして、その概要を御説明申し上げましたが、詳細につきましては、さらに御質問のつど御説明申し上げたいと存じます。 何とぞ御審議のほどお願いいたします。
○濱野委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。 まず、中村会計検査院第三局長。
○中村会計検査院説明員 昭和四十三年度運輸省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明申し上げます。 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項が一件でございます。 これは、気象庁において購入した磁気テープが、購入当時の在庫量及び使用実績等から見て、取り急ぎ購入する必要はなかったと認められるものでございます。 以上、簡単でございますが、説明を終わります。
○濱野委員長 次に、石川会計検査院第五局長。
○石川会計検査院説明員 昭和四十三年度日本国有鉄道の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明申し上げます。 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項が二件、是正改善の処置を要求した事項が一件でございます。 不当事項として掲げましたものについて説明いたします。 一八〇号は、東京第二工事局で、東海道本線新藤沢貨物駅積みおろし場新設工事を施行するにあたりまして、積みおろし場、通路等のアスファルト舗装の設計について見ますと、本件舗装個所の地盤は大部分が岩盤を切り取った個所であり、そのほかは切り取った岩くずで盛り土した個所で、いずれも支持力がきわめて強い個所であるのに、これを普通の土で盛り土した弱い支持力の個所であると想定し、舗装の厚さを必要以上に厚く設計したため不経済となっていると認められるものでございます。 次に、一八一号は、東京第一工事局で、総武本線市川駅構内高架橋基礎新設工事を施行するにあたりまして、(1)基礎コンクリートを打ち込むためには、まず排水をして縦坑を掘り下げるのでありますが、その縦坑の掘さくについて見ますと、現地の状況から同時に二基ずつ行なったほうが掘さくに必要な排水の期間が短く経済的であるのに、これを一基ずつ行なっていくこととして排水ポンプの使用日数を過大に積算したり、(2)縦坑を掘り下げた後に打ち込むコンクリートの打ち込み費は、本件のような工法による基礎コンクリートを打ち込む場合は、連続して多量のコンクリートを打ち込み、経済的に施工できるものであるのに、通常、擁壁などの土木構造物のコンクリートを打ち込む場合に使用する歩掛かりを準用して積算したりしていたため工事費が高価となっていると認められるものでございます。 次に、是正改善の処置を要求した事項について説明いたします。 その内容は、東京第一工事局ほか五工事局が昭和四十三年度中に施行した高架橋新設工事におきまして、現行の積算要領によって予定価格を積算しておりますが、(1)コンクリート打設費の計算の基礎となっている打ち込み歩掛かりにつきましては、コンクリートの打ち込みを主として人力によるものとし、コンクリート運搬車から桟橋上を小運搬するなどして打ち込むこととしていますが、施工の実情を見ますと、ベルトコンベア及びコンクリートポンプ等の機械を使用する方法で施工されていまして、これによりますと、一日当たりの打設量も人力の場合に比べて相当上回っており、また、小運搬も不要となっている状況でありますし、(2)高架橋床版等のコンクリート打設にあたって、支保工材料の数量を過大に見込んでいたり、鋼製の材料を使用できるのに木製の材料を使用することによって不経済な結果となっているものなど、積算が実情に即していないと認められるものが見受けられましたので、今後も引き続きこの種高架橋新設工事を施行する計画があることにかんがみまして、積算要領の内容を適切なものにするよう検討し、予定価格の積算の適正を期する要があるというものでございます。 以上、簡単でございますが、説明を終わります。
○濱野委員長 次に、日本国有鉄道から資金計画、事業計画等について説明を求めます。磯崎日本国有鉄道総裁。
○磯崎説明員 昭和四十三年度の日本国有鉄道の決算及び業務につきまして、その概要を御説明申し上げます。 昭和四十三年度におきましては、経済界の好況にもかかわらず、旅客及び貨物輸送量は、需要動向の変化、輸送障害の発生などに影響されまして、ほぼ前年度と同様な輸送量を示しました。 これを収入面で見ますと、営業収入は、旅客収入六千四百三十四億四千二百二十三万円、貨物収入二千三百九十三億三千五百八十六万円、雑収入三百三十七億千百四十六万円、合計九千百六十四億八千九百五十五万円となっております。 なお、雑収入の中には、昭和四十三年度から新たに交付を受けました財政再建補助金五十三億九千五百九十四万円が含まれております。 この営業収入を予算の予定収入と比較いたしますと、旅客収入におきまして八十二億八千二百五十一万円の減少、貨物収入におきまして百十四億三千六百四十万円の減少、雑収入におきましては五億六千九百八十六万円の増加となり、合計百九十一億四千九百五万円下回る結果と相なりました。その詳細につきましては、お手元に配付いたしました別表第一にございます。 これを前年度と比較いたしますと、旅客収入五一百十八億五千五百五万円、率にいたしまして九%一の増加、貨物収入三十二億七千八百十六万円、率にいたしまして一%の増加、雑収入五十二億六千四百八十八万円、率にいたしまして一九%の増加、合計六百三億九千八百九万円、率にいたしまして七%の増加と相なっております。これは別表二にございます。次に、輸送量につきましては、旅客輸送量は千八百八十三億千二百六十四万人キロ、貨物輸送量は五百九十八億三千四百三十五万トンキロと、それぞれ前年度に比べますと横ばい状態と相なっております。これは別表三にございます。 次に、営業経費は、極力経費の節約につとめてまいりましたが、仲裁裁定等による人件費の増加と減価償却費、利子等の資本関係経費の増加がありました結果、営業経費の合計は一兆五百二十五億七千三百六十三万円を計上するに至りました。 この内訳は、人件費四千三百二十七億九千六百六十五万円、動力費四百七十三億四千八百八十万円、修繕費千八百五十二億三千九百三十九万円、業務費六百七十六億三千六百七十一万円、租税及び公課百三十八億千百二十三万円、これらの営業費の計が七千四百六十八億三千二百七十八万円でございます。 次に、利子及び債務取扱諸費千百九十四億九千八百九十五万円、減価償却費千六百十一億八千六百八万円、固定資産除却費百三十三億千二十八万円、繰延資産償却費百十七億四千五百五十四万円、これらの資本関係経費を合計いたしますと、三千五十七億四千八十五万円と相なります。 以上合計いたしますと一兆五百二十五億七千三百六十三万円でございます。 以上の結果、営業成績は遺憾ながら営業損失千三百六十億八千四百八万円を計上することと相なり、営業外損益を含めまして純損失は千三百四十三億八千三百五十七万円となりました。 このため、前年度から繰り越されました欠損金千四百七十七億千七百七十五万円と合計いたしまして、繰越欠損金は二千八百二十一億百三十二万円を計上することに相なりました。 他面、設備投資につきましては、国鉄基本問題懇談会の意見書、これは昭和三十九年十一月に出たものでございますが、この趣旨に基づきまして、通勤輸送の改善、幹線輸送力の増強及び保安設備の強化をはかるために、昭和四十年度から第三次長期計画に着手いたしまして七カ年間にわたり総額約三兆円にのぼる設備投資を行なうことに相なりました。 第三次長期計画の第四年目に当たる昭和四十三年度におきましては、線路増設、輸送方式の近代化、車両増備等の諸工事を実施いたしました結果、工事経費決算額は三千九百六十二億七千七百三十八万円を計上いたしまして、昭和四十三年度までの四年間の工事経費決算額は一兆四千二百九十億三百十六万円となりました。 なお、昭和四十三年度の工事経費決算額の事項別の内訳を申し上げますと、通勤輸送六百五十六億六千九百三十万円、幹線輸送千四百三十五億六千七百八万円、電化、電車化、ディーゼル化百五十六億五千九百五十二万円、諸改良、取りかえ七百二十七億七千四百七万円、車両七百十七億八千百四十九万円、これらの直接の工事費の計が三千六百九十四億五千百四十六万円、その他人件費等といたしまして、総係費二百六十八億二千五百九十二万円、以上を合計いたしまして三千九百六十二億七千七百三十八万円と相なっております。 この設備資金の調達は主として外部資金によりました。外部資金調達額は、資金運用部等からの借入金千百九十三億円、鉄道債券発行額二千九百七十六億三千二百万円、合計四千百六十九億三千二百万円でございます。また、債券等の償還額は千二百九十七億六千七百八十三万円でありまして、この結果、長期負債は前年度に比べまして二千八百七十一億六千四百十七万円増加いたしまして、昭和四十三年度末におきまして一兆九千三百六億二千四百十四万円と相なりました。銘柄別の詳細は別表第六にございます。 このため、資本総額のうちに占めます負債の比率は、前年度の六四%から七〇%となるに至りました。 最後に、昭和四十三年度の予算執行につきましては、会計検査院から不当事項二件と是正改善の処置を要求された事項一件の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところでありまして、今後、さらに綱紀の粛正と予算の効率的運用に一段の努力をいたす所存でございます。 以上をもって御説明を終わります。
○濱野委員長 これにて説明聴取を終わります。
○濱野委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。華山君。
○華山委員 まず、大臣に伺いますが、国鉄の赤字の問題、これは非常に大きな問題であります。これにつきましていろいろなことを承りますが、その中で、国鉄の赤字の原因は赤字路線から生まれてくるというふうなことから、あるいは赤字路線の廃止あるいは赤字路線によって出るところの金額を国、国鉄、地方で負担しようというふうないろいろな論議が行なわれております。 私は、国鉄の赤字がはたしていわゆる地方路線、それによって生ずるものであるかどうか、全額がそうなのかどうかについても疑問がありますが、この点は事務当局から承ることにいたしまして、赤字解消の面と赤字路線との関係、これにつきまして、今後どういう政策を大臣はお持ちか承りたいと思います。
○橋本国務大臣 国鉄の赤字問題、別のことばで言えば国鉄の再建問題ですが、これは私も頭が痛いことでありますが、皆さんにおいてもたいへん御心配にあずかっておる点であります。 これは、一つには根本問題にさかのぼる必要があると思うのですが、御承知のように、かつて国鉄というものは、独占企業といっていいような運輸事業のシェアを占めておったわけでありますが、最近は、道路の整備あるいは私鉄の能力の点も伸びてまいったし、あるいは沿岸航路、こういうようなことで、他の輸送機関がだんだんと発展してまいりましたために、いわゆる独占企業という王座からすべり落ちてしまって、現在では競争原理に立たされておる、それがまあ根本の問題であろうと思います。したがって、従来のように、まあ今日でもそうではありまするが、国鉄の与えられた使命は、国の輸送のいわゆる重要な根幹を握っておると同時に、国土を総合開発をしていくという使命も国鉄には与えられておるわけであります。それにもかかわらず、先ほど申しましたように、かつて独占企業でありますから、国鉄に対してある程度の収入が見込まれたわけでありますが、競争原理に立ってまいりますというと、これはお客さんのほうは安いもの、便利なものに向かっていく、こういうことで、最近の高速道路の発達、あるいは公共道路にいたしましても、相当長距離まで貨物でもってこれが運べる、こういう状態にまいってきたことが、国鉄のいわゆる投資に見合うだけの収入が入ってこない、こういうのが現状であります。 したがって、この国鉄の再建なるものは、私自身の考え方といたしましては、国鉄の力だけで再建することが可能かといいますと、いま申したような前提条件を踏まえるとするならば、なかなかこれは国鉄だけで自分の力でもって再建し得る問題ではない。民鉄のように、もうかるところだけやってよろしいということになるならば、これは問題はありません。それでは国土総合開発の責任を果たせないということになりますからして、したがって、もうかるもうからないを問わず、国の総合開発の責任を負わせるというのであるならば、その設備投資に対して、やはり国なりあるいは地方公共団体なり、あるいは何らかの方法で積極的な協力をしてやらなければ、これは無理になってまいっております。しかし、従来それはやっておらないわけではありません。 御承知のように、鉄道建設公団ができました一つの理由は、できるだけ安く建設をして、その安い線を国鉄に貸与して、国鉄の負担を軽からしめる、こういう一つの手段があるわけであります。しかしながら、それにいたしましても、やはり鉄建公団から渡されるものに対しては、たとえ無償で渡されましても、これはこまかい点を説明すると時間が長くなりますから省いておきますが、たとえ無償で貸与されましても、その線における人件費その他の経費を考えますと、やはり赤字である、そういうのが新線建設における一つの状態であります。 したがって問題は、赤字全体が必ずしもローカル線だけが赤字というわけではありません。内容を調べてみますというと、いわゆる本線と称せられるもの、たとえば函館本線にしても、山陰本線にいたしましても、関西本線にいたしましても、本線といわれる十三のいわゆる幹線がやはり収支の面からいえば赤字であります。もちろん、ローカル線は営業係数からいうならば二五〇以上あるいは一〇〇〇幾つというべらぼうなものもありますけれども、金額としては、その赤字の金額は必ずしも国鉄がかつて指摘しました二千六百キロというところが何も大きいわけではない。係数的には大きいけれども絶対額は必ずしも大きいわけではありません。ただ、先ほど申しましたように、国鉄の与えられた使命は国土の総合開発であるからして、その総合開発の面における赤字は、これは覚悟しなければならぬ、しかし、その赤字についてはどこかでまた見て考えてやらなければならぬ状態である、したがって、地方の開発につきましてはもう少し考え方を変えていいんじゃないだろうか。もちろん国鉄も手伝いはする、国鉄も手伝いはするけれども、同時にそれは国なり地方団体もこれは考えてやるべきものではなかろうか。であるからして、国鉄のいわゆる幹線といいますか、及び準幹線こういうものは、国鉄との関連で全国総合開発の大宗を握っておるわけですから、これに対する赤字は別個でありますけれども、そういう地方ローカル線については、これが幹線との結び合いのいかんもあります。これは具体的に調査をしてみなければわかりません。せんだって国鉄が示したようなものでいいかどうか、これは私は疑問があります。 しかしながら、いずれにせよ鉄道というものはなかなか容易な状態でございませんので、そこで最近検討いたしておりますのは、国鉄の再建というものは、単なるローカル線を廃止する、あるいはこれを自動車に回すというだけで片づかない、もっと根本的な点からこれを考えなければならぬということで、一応一つの案として、その赤字に対して、一部分を国あるいは地方団体が協力してやるという方針も一つの方針であろう、あるいはまた、国鉄自身がいわゆる経営の合理化、これも思い切って、モータリゼーションの時代でありますから、いわゆる自動化等についても積極的な姿勢を示す必要があろう、こういう総合的な見地に立って国鉄の再建を根本的に考え直す、こういうことで、いま関係方面とせっかく折衝中でありますので、まだ最終案がまとまっておらない、ただ、方向としてはそのような方向で目下検討を続けておる、かような状態であります。
○華山委員 数字につきまして私いろいろあとで事務当局にも伺いますが、大臣からは原則だけをお聞きしておきます。 いま、赤字の出るような地方路線については地方にも負担してもらうということが、おことばの中にありました。しかし、私が自治大臣にお聞きしたところでは、自治大臣はそれには反対であるということを言っておりますから、それを含んでおいていただきたい。私も反対である。これはいまここで論議をする時間もございませんでしょうけれども、どういうことをやるのか私わかりませんけれども、とにかく赤字路線をかかえているところの市町村、そういうふうなもの、あるいはそれをかかえておる府県というものは、比較的に言うなれば非常に貧乏なところです。鉄道というふうなものも、この貧乏なところのものの格差を是正するところのものではないのか、そういう点で、私はそういうふうなやり方につきましては、地方行政の立場からいって自治大臣と同感であります。その点、政府部内において、おっしゃることが両大臣が違うようでありますが、そのことを申し上げて、私は地方財政にしわを寄せるようなことはやめていただきたい。 また、私考えるのでありますけれども、一般の人々が非常に了解しにくい点がある。と申しますことは、赤字路線は廃止する——最近は地方にも負担させるというふうなことになってまいりましたが、赤字路線を廃止するというふうなことが主張されてまいったわけである。ところが、一面において赤字路線が建設されている。私はあと事務当局に伺いますけれども、いま五十幾線かの線路が建設されている。これは一体赤字は出ないんだという前提のもとにやっておられるのかどうか。私の見るところ、これらの五十幾線かの建設中の路線、これは赤字を生むものがほとんど全部じゃないのか。片方においては赤字路線は廃止するといい、地方に負担させるといい、片方においては赤字路線を建設している。これはどういうふうなことか、非常に国民はわからない。その点、どういうふうにこれをわれわれは理解すべきでありましょうか、伺っておきたい。
○橋本国務大臣 先ほど私が国及び地方団体と申し上げましたが、地方団体といった場合に、赤字路線を持っておるその府県、市町村に負担してもらいたいという考え方ではありません。自治大臣にも地方財政のうちで考えてもらいたいという話をいたしましたが、おっしゃるとおり反対であります。したがってまだ煮詰まっておりません。 御承知のように、いま地方交付税というものが国税、国の収入のうちから地方に交付されております。これは法律によって交付されております。これは私見でありまして、政府としてまだきまったわけではありませんが、ただ、私個人の希望から言うなれば、来年度において地方交付税は総額において約四千億円強増加いたします。合わせまして、おそらく二兆円をこえることになると思います。これはよく話し合ってみなくちゃわかりませんが、もしできるなれば、そのうちからいわゆる三百五十億——われわれの計算では三百五十億なり三百七十億なりというものをひとつそのほうに回してもらいたい。したがって、貧乏県とか低開発県とか、あるいは町村にそのしわ寄せがいくわけではないのであります、全体の中でやりますから。したがって、今度は従来より交付金が減るかといえば、これは減りはいたしません。ふえるとも減らない。ただ、全体の中でやりますから、したがって、あるいは富裕県といいますか、わりあいに交付金を少なくもらうほうは、四千億か幾ら引かれますからもらい方が減ると思いますが、しかし全体の面から言うなれば、いわゆる貧乏県とか市町村は減らない。そこで、これは先ほど申しましたように、ローカル線の赤字は、計算上からいうと、せんだって国鉄がいいました二千六百キロは大体管理費を含めまして百五十億円にすぎないのであります。しかし、いまわれわれが必要としておるのは、来年は御承知のように償却前の赤字で八百五十億円であります。このままでいくなれば、賃金を支払いますと、これはとうてい燃料費にも足らない、その他の経費、もちろん鉄道の改良などは全然やれない、こういう状態を四十六年度には迎えるわけであります。これを借金だけで償っていけばますます傷が大きくなるわけでありますから、もちろん一ぺんにどうこうできませんからある程度の借金もふやさなければなりませんけれども、借金の根っこをやはりある程度切り捨てる。ということは、やはり国の金が入ってくる、こういうことがなければ国鉄の将来は全く絶望である。そういう場合において、いわゆるローカルだけの百五十億をもらったからというだけではとてもやっていけないのです。 私個人の考え方では、国及び地方税の中から少なくとも七百億円くらいは最小限度入れないと、それを半々で、国の一般会計から半分あるいは交付税の中から半分、それ以外にいわゆる現在の国鉄がしょっておる利子、孫利子を含めまして少なくとも七百億円前後の利子補給をしてもらわなければ実際やっていけない、それこそあしたからでも車がとまる心配がある、こういうような非常事態でありますから、したがって、いま華山さんがおっしゃるように、赤字線、ローカル線を持っておるところに負担させるのじゃないのであります。それは負担したところで百五十億ですから問題になりません。いわゆるローカル線の赤字は百五十億ですね。そうじゃなくて、先ほど申しましたように、それ以外の函館本線とか山陰本線とか十三本線、これはいわゆる富裕県も通っております。そういうところの赤字が千億円以上になっておるわけでありますから、全体の中からちょうだいしなければ不公平になります。地方の貧乏県からもらっただけでは不公平になる。であるから、全体の中からもらうという理由は、そういうぐあいに、赤字の大部分といいますか——大部分と言っちゃあるいは失礼かもしれぬけれども、その本線というか、幹線もしくは準幹線ですら大きな赤字になっておる。であるから、交付税の根っこでちょうだいをしたい。これは私個人の希望でありますから、どうなるか、これからの交渉いかんでありますけれども、そういうような考え方でいるわけであります。したがってその点は、いわゆる貧乏県に負担させるのではないということだけはひとつ御理解を願いたい。 それと、新線建設は御承知のように五十七線について建設をしております。これはなるほど赤字を生じます。 ただ、この中に将来検討していかなければならぬと思いますのは、ある程度これをつなぐことによって一つの培養線になる線もあります。これがつながらないためにできない線もあります。したがって、そういう線については、これはやはりたとえ新線であってもやっていかなければならぬ。ただそうでない線もある。全く枝線といいますかね。しかしこの枝線も、その地域が産業地域であり、将来発展を予想される場合、たとえばせんだってつくりました鹿島線のような場合とか、将来大規模工業地帯が決定せられる、それに対するところの鉄道線、これ自身は、それだけを計算すれば赤字であります。けれども、これは全体にやはり栄養線になるわけでありますから、そういう点をこれからは具体的に検討を加えた上で、そこで考え直す点もあり得ると思います。 ただ、御承知のように鉄道敷設法という法律によりまして、その別表によって新線の建設を政府としては決定をされておるわけでありますが、これらも今後検討を加えて、やはり最善の措置を考えていかなければならぬのではないか。ただこれはなかなかむずかしい問題です。政治問題がありますからむずかしい問題ですが、やはり慎重に考えて検討する必要の点もあると私は考えております。
○華山委員 大臣ですから、詳しいこと、技術的なことを御存じなくてもこれはいいでしょうけれども、地方交付税は、おっしゃるような性格のものではありません。ある一部を国のほうで取ってしまって、小さい部分でしょうけれども、余ったものを地方に配分するということは、法律・でもそのようなことじゃないのです。全部が地方の需要を満たすために配分されるということは、これは法律的にも明白なことなんです。そういうことをお考えになっているとしますと、これは自治省からすぐ反撃を加えますから含んでおいていただきたい。私も自治大臣にお聞きするときにそういう答弁をされるのかなと思っておりましたけれども、知恵を授けるようではありますが、方法論としては特別交付税の関係がある。一般の交付税のほかに特別交付税というのがありまして、その地方に特に災害等が起きた場合に交付するものが保留してあります。その中からでも出すのかなというふうに私は考えておったのでありますけれども、特別交付税というものもそういう性格のものではない、そういうふうに私は考えておりまして、いま大臣の言われるように、交付税の中から頭から三百億なり何百億なんか取ってしまって、残ったものを各地方に分配するという性格のものではありませんから、その点はお含みおきになっていただきたい。そういう考えでいらっしゃいますと甘くなると私は思う。 それから、いま大臣のおっしゃった答えは、片方において赤字路線というものをやめる、こういうふうなことを言いながら、片方のほうでは五十七もの線をつくっておる。その一つ一つについて、これはどれだけの赤字になるのか、あるいはどれだけの黒字になるのか、ほかの線への営業の影響力はどれだけあるのかということを一線一線についてお聞きしたならば、私は鉄道当局には自信はないと思う。運輸省にだってないと思う。あえて私お聞きいたしませんけれども、そういうものだと思う。それで国民はわからなくなってしまう。そういう点をがっちり根本的に政府が態度を考え、そして国会の審議を経なければ、私は問題はとても解決するものじゃないと思うのです。 それから、なぜ赤字が出るかということにつきまして、最近のことでは、何か赤字路線の赤字が原因であるというふうに国民は印象づけられている。前の石田国鉄総裁は、総裁時代には、この決算委員会におきましてたびたび口をすっぱくして、政策料金が赤字の原因だということを言ってこられた。三、四年くらい前の話ですけれども、現在の赤字の総額は、終戦後今日までの政策料金の差額、それに該当するのだ、政策料金というものを政府が政策によってきめるんだから、これを補てんしてくれるならば国鉄の赤字はなかったのだということを、口をすっぱくしてわれわれにおっしゃったものです。今日ではその論議を聞かない。この点につきまして、大臣はどういうふうにお考えでございますか。
○橋本国務大臣 前のほうの交付税の問題は、ここで私が意見を申し上げましても、御意見の相違でありますからしかたがありませんが、ただ、御承知のように、交付税の中から支払われているものの中に、いわゆる交通機関にも地方団体は交付しております。たとえば赤字を示しておるような過疎地帯のバスに対して地方公共団体は出しておる。ただ、根本的に申し上げまして、いろいろ交付税の性格からいって、はたしてそういうものをそのまま適用できるかどうかの問題はあると思います。実質的には地方団体は、いわゆる過疎バスに対しては、ある県においては二千万とか三千万というものを交付しております。これは形式は交付金の中からじゃありませんけれども、実態的に地方団体に入りました収入の中から交付しております。したがって、交通機関に対して交付し得ないという根拠はないと思います。これは交付税の性格等もいろいろ考えなくてはなりませんけれども、私は私の意見が暴論だとは考えておりません。事実、交通機関にも出しておるのみならず、その他の機関にも出しておることが交付税の算定の基礎になっております。ただ国鉄だからということでそこに問題があるのであります。 それから第二の問題でありますが、政策運賃の問題であります。 おっしゃるとおり、政策運賃がある程度赤字を積み重ねております。ただ、政策運賃と申しましても、たとえば通学定期あるいは通勤定期、これも必ずしもコストに見合っておりません。国鉄においては、通勤において大体五十数%の割り引きであります。通学においては七〇%前後の割り引きになっておる。それから農林物資、これもあります。通学及び通勤定期はこれを別におきまして、いわゆる農林物資等、これをきっと華山先生は政策運賃とおっしゃっておるのでありましょうが、これは確かに国鉄がみずからしょうべきものではありません。したがって、国鉄及び運輸省は毎年これの是正を要望いたしております。が、各方面、国会においても論議があり、また農林省においてもなかなかこれを承知してくれません。私は、本年は正式に文書をもって是正方を申し入れております。それ以外にもあります。教育上の問題ということで、雑誌、書籍等に対しても、実際コストを割ってやっております。 ただ問題は、いろいろ政策料金といいましても、ものによってはやらざるを得ないものもあるし、ものによっては各省で負担してもらいたいものもあります。そういう意味において、これをどう洗って——広い意味でもって考えるなればおそらく三百億くらいになりましょう。ともかく、狭義の意味で政策料金といえば、これは百億足らずになります。したがって、これが是正されましても、これだけでいわゆる現在の国鉄が再建できるかということになると、これは不可能であります。石田総裁がどういう説明をしたかわかりませんが、私の調べた範囲内においては、これはそれだけでは解決はできない。したがって、根本的には国鉄の現状の姿というのは、輸送の体系を維持していくということであるなれば、やはり国が中心になってめんどうを見なければならぬ。これは御承知のようにヨーロッパでも——アメリカは私鉄会社でありますから別でありますけれども、いわゆる投資に対しては国がめんどうを見ております。私は本年地下鉄に対しましては、国及び地方団体が二分の一の建設費を補助する、こういう政策をとって、これが実行をいたしております。したがって、すでに地下鉄においてそういう措置が行なわれておるのであります。これは地下鉄であろうと鉄道であろうと、その本旨は変わりないはずであります。であるからして、国及び地方団体がその資金を一部持ってほしい。逆にいえば、赤字といっておりますけれども、それは一種の建設費になるわけですね、金が入ってくれば。そういうことにおいて、やはり根本的には国鉄の今後のあり方についてお互いが考え直す時期が来たのではないだろうか、かように私は考えておるわけであります。
○華山委員 私は大臣に、国務大臣としてこの際御考慮願いたいことがある。鉄道の赤字というものを地方に持たせる。鉄道だけにとどまりませんよ。現在、地方財政法によりますと、郵政については地方は金を出してはいかぬと書いてある、それだから出しておりません。しかし、将来これが公団その他、公営的な企業になった場合には、あの村の郵便局の職員の給料はあそこの郵便局の収入では足りないから村で持ってくれ、村では持てないならば、そういうふうな足りないものの総額については地方交付税の中から出してくれ、こうなるでしょう。それは非常な大改革です。それから電信電話だってそうですよ。あの電信局にいるところの職員の給料は、とてもあそこに入る収入じゃ足りない。しかし、やめるわけにいかないから、あそこの電信局の職員の給料はその部落で払ってくれ、そういうふうな体系が出てきますよ。それですから、鉄道の問題のみならず、国と地方との分離、そういう意味でこれは重要な問題だと私は思っておるわけでございます。この点につきましては、運輸大臣の立場を離れて国務大臣として慎重にお考えおきを願わなければいけない。 それで、大臣は御存じかどうか知りませんけれども、今日、地方行政が鉄道のために金を出していないとは決していえないのです。非常な金を出しておりますよ。と申しますことは、利用債は、鉄道で当然やるべきことではあるけれども、鉄道の駅前の舗装であるとか、住民に直接深くつながるような問題につきましては、これはやむを得ないと思うのでございますけれども、現在そうでないでしょう。羽越本線——私のくにのことでございますからことばが出て恐縮ですけれども、羽越本線を複線、電化する、それについてはその地方において利用債を持ってもらいたい、こういうことが出てくる。利用債といいましても、たとえば、私の県のことだけしか調べる力がちょっとございませんので申し上げますけれども、山形県では来年五億円の鉄道利用債を持たなければいけない。羽越線の電化、複線は県民としましても非常に大切なことでありますから、そうしてくれと言われれば、いやとは言えない。五億円というものを持つ、五億円を持つといったって、そういうふうな金は山形県にはありません。これもまた毎年続くでしょう。しかたがありませんから、これを地方の金融機関に持ってもらう、ほかの県ではどうか知りませんけれども、大体そのような傾向であります。そうしますと、一般の金融機関の金利と鉄道利用債との差額が出てくる。その分だけは山形県では、ほかの県もそうだという話を聞きますけれども、県と市町村が半額ずつ負担する、こういう実態なんです。山形県は、わりあい鉄道線路の少ないところではありますけれども、県と市町村とを合わせますと、最近十カ年間では大体五へ六百万円の金を毎年出しておるわけです。そういう実態であって、私はこれもどうかと思いますけれども、それもいやだとは言えまいと私は思う。自治省も、本心は、筋には合わないと思うけれども、まあ自をつむっている状態、そういうふうなことをよく御存じおき願いたい。決して鉄道は鉄道なんだ、おれのほうでやるべきことじゃないというふうには言っておりません。 しかも、この鉄道利用債は、これは鉄道のほうに伺いたいのでございますが、東京都は持っておりますか。
○橋本国務大臣 まあ、反論するわけでもありませんけれども、電電公社の例が出ましたから、これに関連して申し上げます。 先ほどおっしゃるように、利用債はたいへん役に立っておりまして、そうして国鉄の建設を進める上における大きな要素になっておりまして、この点は厚く関係者にお礼を申し上げますが、しかし、借金は帯金、もらった金じゃありません。返さなければなりませんから、借金になって、それが利払いにも大きな影響を与えておるわけであります。 そこで、電電公社のお話がありましたが、電電公社は、御承知のとおりに、電話を引くに際しましては、三万円の設備料と、東京では十五万円のいわゆる公債を買わなければ電話は引けません。地方におきましても、都市でありますれば、大体十万円の債券を買って、その上に三万円という金を、これはもうただ納めるわけですね、電話一本引くために。鉄道はそういうことをいたしておらないわけであります。電電公社の場合はできるんですね、特定多数でありますから。ところが、国鉄の場合は不特定多数ですから、おまえさんが利用するだろうから、前もって少し金を出しておけ、こういうわけにはいかない。電話の場合においてはこれが可能であるというところで、御承知のように、電話は三万円、あるいは最近は五万円取ろうといっておりますが、ただの金をちょうだいしております。これが電話事業を非常に健全ならしめております。その上に十五万円、平均して十一万何千円というのがいわゆる電話公債であります。その総額は、鉄道の利用債をはるかに上回っております。こういう実情であります。したがって、国鉄が利用債をお願いしておることは非常にありがたいし、できれば、ほんとうは国の公債だけでやれば、利子も安いのですからいいのですけれども、そうはいかないものでありますから、そこで皆さんにお願いをいたしておるわけでありますが、さような観点であることも御了承を願いたいのであります。
○華山委員 私は電電公社と鉄道を比較して言ったわけじゃない。将来、そういうことがあると、あの郵便局はあの部落の収入だけでは足りないから、その部落で足りない分を持ってくれというふうなことが広まるんじゃないかという趣旨で申し上げたので、電電につきましては、そういうふうな電報局とか電話局の経費は、経常経費の給料と収入との間の差額を持ってくれということが始まるんじゃないかということを申し上げたわけであります。おっしゃることは私も承知しておりますが、そういう意味で申し上げたわけであります。 東京都にはそういうものは持たせないということでありますが、そうですか。
○磯崎説明員 東京都も十一億持っております。現在地方自治体から拝借しております利用債は全体で約七百億、国鉄の長期債務の二兆五千億のうちの約三%が利用債でございます。七百億のうち、東京都は十一億持っていただいております。
○華山委員 私は東京都のことをかれこれ言うわけじゃございませんけれども、なぜそのように少ないのですか。
○磯崎説明員 これは、東京都ではいろいろな工事をいたしておりますけれども、東京都にいわせますれば、何も東京都に入ってきてもらいたくないんだ、むしろ近県に住む人を運ぶために工事をいろいろやっているんだから、東京都は持つ筋合いはないというふうなこともいわれますし、東京都の担当者の意見によっていろいろ違いますけれども、そういう意見もございます。それから、何となしにやはり東京都は国が見るんだというふうな何か伝統的な因襲があるのでございます。持たないのも当然だというふうな考え方もおありの方もあるようでございます。
○華山委員 私は決して東京都に持たすべきだということを言っているわけじゃありません。東京都の言うことは、私はもっともだと思うのですよ。そういうふうなことで、決して、地方というものは鉄道に対して財政的に全く無関係な実態にはないというものではないのだ。とにかく相当の鉄道利用債の利子の差額——大臣のおっしゃるとおり、あれは十年でしたか八年ですか——十年かなんかのあとには返ってくるには違いありません。その間の利子の差額というものを、少なくとも地方自治体が持っているのだということを申し上げたかった。 〔委員長退席、高橋(清)委員長代理着席〕 それが、たとえば山形県等ではおそらく五、六百万円になっておるということを私は申し上げているわけです。これはしかし、決して交付税の算定の基礎にはなりません。特別交付税の算定の基礎になっているものでもありません。そういうふうな事情であって、地方というものは言いたいことだけを言って、そして鉄道には協力しない、そういうものじゃないということを申し上げたかったわけであります。 ついでに伺いますが、鉄道利用債の利子が、一般の他の鉄道の鉄道債とかそういうふうなものに比べて相当安いのはどういうわけですか。
○磯崎説明員 鉄道利用債は昭和二十九年にできたものでございますが、その当時いろいろ発行条件の議論がございまして、先ほど華山先生もおっしゃいましたとおり、大体利用債を持ってもらうところは直接の受益者だというたてまえでございますので、六分七厘、ほかの利子は大体七分から七分一厘でありますが、利用債は六分七厘ということで、昭和二十九年以来変えておりません一非常に、各地あるいは各地方銀行からもう少し利用債の利率を上げろというお話もございますけれども、一応私どもといたしましては、六分七厘ということで創設以来据え置いているわけでございます。
○華山委員 それで、大臣にこの際御記憶を願いたいのでございますが、鉄道利用債を私は断われとかなんとか言う勇気は持ちません、鉄道は鉄道利用債を持たなければやってくれないのですから。そういう勇気は持ちませんけれども、六分七厘というお話でございますけれども、いま八分をこさなければ、長期のものでもありますし、銀行は引き受けてくれないでしょう。そこに一分三厘という差額が出てくるわけです。一分三厘が鉄道利用債の地方が持つための地方財政の負担になっている、こういうふうなことでございます。 それで、もう少し地方ならば地方に持て、そのときそのときの赤字の一部でも地方ならば地方に持て、あるいは、大臣の言われるように、包括した地方財源のもとで持て、こう言われるならば、それによって国鉄はどういうふうに立ち直るのか。これだけで間に合うものじゃない。根本的な施策を持って臨んでいただかなければ、ただ地方財源が国鉄の赤字を埋める方便に使われたという印象だけでは、私は問題があろうかと思うわけであります。この際、そういうような方策は私としては反対でありますけれども、そういう方策を考えられるならば考えられるで、現在のところ何も出てきてない。おっしゃるとおり、政策料金についてはあまり踏み切っておらない。表面に出てきているのはただ赤字路線、そういうものについての赤字を、地方にも国にも持ってもらおうという以外に何にも出てきていないじゃありませんか。そういうことではあまり金のないものは合点がいかないと思う。たとえば東京都とか大阪府、こういうところは地方交付税には何の関係もありませんからね。関係のあるものは貧乏なところだけですよ、交付税というのは貧乏なところにやる目的でできているのですから。ですから、結局、全体から取ってみたところが、その中身を分けるという場合には貧乏人が分けるのです。金持ちには関係のないものなんです。しかも、先ほどおっしゃったとおり、事の善悪は別として、私は東京都も持つべきだなんというようなことは決して言わない。東京都につきましては、鉄道利用債の利子さえも少ない、こういう実態というものは深く考えていただかなければいけない、こういうふうに思います。 それから、先ほども非常にむずかしい問題だとおっしゃいますけれども、片方のほうでは赤字路線を廃止する、片方のほうではこれについて地方に負担を持たせる、こう言いながら、五十何線かの路線、そういうものを赤字だか何だかさっぱりわからないままに建設を進めていられる。国民は納得できないと思うのは当然だ。そういうようなことを全部整理してもらわなければいけない。現在建設中の赤字路線につきましても、非常にガンとなる問題は、この建設中の路線というものにつきまして、その地方の団体に負担を持たせて——どの程度のものか知りませんが、ある程度の負担を持たせ、協力費を持たせて、いまここでやめろといってどういうふうなことができますか。私はたいへんなことだと思うのです。北海道の白糠線にも問題があるようでありますけれども、あとで事務的にお聞きします。そういうふうなこともあろうかと思います。 それから、あとで私伺いますが、この間鉄道の踏切事故がございましたね。あれにつきまして、この踏切の問題、それからその防止の問題等につきましては、運輸委員会なり交通安全対策特別委員会なりで強く論議されると思いますので、ここで私、論及しませんが、ひとつ大臣に申し上げておきたいことは、あのダンプカーの乱暴です。 それで、ダンプカーは、新聞等で見ますと、何かしら全然責任のないものなんです。もとは、御所管ではないでしょうけれども、高速道路の建設か何かのことから出て、公共事業なんです。公共事業から出てきた災害なんです。政府は責任があると私は思うのです。それで私はしばしば言っている。とにかく、公共事業におきまして二段階、三段階のような請負制度、こういうものはやめてもらいたい。それがあるいは賃金不払いとなり、責任が不明確となり、大労働災害を起こしている。それが出かせぎの問題にからんでよく申したのでありますけれども、いま思いがけなくも作業場以外の一般大衆にまでそういうふうな問題、二段階、三段階のような下請の被害というものが起きてきたわけです。 私は、ここでお願いしたいのでありますけれども、ああいうふうな重量運搬についての営業、これにつきましては、徹底的な対策と取り締まりをしていただかなければいけない。私にはわからない。タクシーにつきましては、非常に免許は厳重、そしてなかなか許されないし、それからタクシー業の営業につきましても非常に取り締まっておられるようであります。ところが、ああいう重量ダンプカーのようなものについては、ほとんど何もないんじゃないか。個人の白ナンバーが走っている、そしてそれは公共事業につながっていく。私は、国は大きな責任がそこにあるんじゃないかと思う。私は運輸のことはあまりよく存じませんので、申し上げていることは、あるいは的をはずれているのかもしれませんが、ああいう重量運搬の自動車の営業ということにつきましては、心を改めてひとつ検討していただかないというと一般大衆は救われないと思うわけであります。 その点につきまして、あとでまた事務当局にもお伺いいたしますけれども、大臣から御所見を承っておきたい。
○橋本国務大臣 ローカル線の問題等につきましても御意見がありましたが、まだどなたか質問がありましょうからその方面に譲るといたしまして、時間の制約上。また私も、国鉄再建については熱意を持ってやっておるものですから、これに時間を費やすことは惜しくはないのでありますけれども、まだ皆さんから御質問がありましょうからその方面に譲るといたしまして、ダンプカーの規制の問題、まことにこの問題は残念しごくであるのみならず、非常に困った問題でもあります。そこで、きょうの閣議におきまして、運輸省でやるべきこと、及び関係各省でやってもらいたいこと、それらをひっくるめて私から発言をいたしまして、関係各大臣の了承を得たのであります。 その要旨を申し上げますと、運輸省といたしましては、五カ年計画でいわゆる踏切の整備を行なう計画でやってまいっておりまして、最近までに、四十年から四十四年度までの間に遮断機を千七百七十四、警報機を二千二百四十三、これを設置いたしてまいりました。それで、まだたくさん残っておりますので、来年から五カ年計画でこれを全部達成したい、こういう計画で、来年度にその必要な予算の要求をいたしておりますが、ただ、そんなことをいって、五カ年でもってやっている間に事件がないわけじゃありませんから、これは待っておれないのであります。そこで緊急措置として、少なくとも首都圏あるいは近畿圏とかその他大都市、このいわゆる首都圏、近畿圏でいえば、五十キロ範囲内の踏切を、この二年間で遮断をすべきものは遮断してしまう、あるいはこれを整理統合して、踏切をやめるものは踏切をやめてしまう、こういう措置を二カ年間でやりたい、この数は相当の数になります。両方合わせますとというと二千以上の数になりますが、私鉄、国鉄にしても財政負担が多少かかりますけれども、人命にはかえがたいのでありますから、これは積極的に私はやりたいということで、しかも従来のような半分遮断という遮断機じゃだめだ。警報機もだめです。チンチン鳴っておったって、飛んでいって入ってしまいますから、もう警報機というものはやめる。将来の長い方針としては全部遮断機にしてしまう、あとは踏切はとめてしまう、こういう思い切った措置をやりたいということを運輸省としては提案をいたしました。ただ問題は、それについては関係地域の方々の了解がないと、やはり商売に影響するとかいうことがあって、なかなか了承してくれない点がありますが、これは関係省においても、われわれのほうにおきましても、関係者に十分に説明して、何とかしてこれは了承してもらって、思い切ってこれをやりたい。そこで、昭和四十六年度には半分やって、昭和四十七年度で完全にこれを首都圏及び近畿圏ではやってしまいたい、かような力こぶを入れておるわけであります。 問題は、犯人がダンプカー——ダンプカーだけでもありませんけれども、ダンプカーの事故が一番大きいのであります、からだが大きいのでありますからして。したがって、電車も大きいのですけれども、横っ腹からやられるというとたまったものじゃない。せんだってはそのような結果になったわけであります。これなどは警報無視です。したがって、いまおっしゃるように、ダンプカー及び運転手及び業者を規制する必要がありはしないかという御意見は、そのとおりであります。 そこで、私がいま提案しておりますのは、一つには、ダンプカー等特殊大型自動車、この運転免許証は二十一歳でもらえます。経験は三年。まあ年を二十五歳にしたからといってどれだけの効果があるかは別にいたしましても、やはりある程度経験を積む必要があろうということで、これは国家公安委員長のほうの仕事でありますが、ひとつダンプカー及び特殊大型については二十五歳にしてもらえぬか、そうして経験年数も従来の三年を五年に延ばしてもらいたい、こういう提案をしております。 それから自家用ダンプカー——大体ダンプカーというものは、御承知のように原則が自家用なんですね。砂利を採取するとかいうためにあれはダンプを買うのです。したがってこれは白ナンバーであることが原則なんですね。これはダンプカーで砂を運ぶための運送会社というものは、原則としてあまりないのですね。あるいは建設業者が自分でダンプカーを持つ場合もあります。これも自家用車です。せんだってのやつは小企業ですね。三台ダンプカーを持っておったのですが、まあ小企業というか、砂利業者としては小よりは少しいいかもしれません、三台持っていますから。要するに、ダンプカーを持っておる者はほとんど九〇%は自家用車です。あとの一〇%足らずがまあ営業用でやっておる。私は事務当局に、これを道路運送法による許可制度にできないか、こういうことを検討させておるわけなんでありますが、ただ、自分の砂を運ぶからといって買う車ですから、たとえば、皆さんが自分の車に乗るからといってやる場合に、これは営業車でないわけで、自家用車ですね、乗用車においても。それと同じように、自分の砂を運ぶのだ、砂利を運ぶのだということになると、それは形式論からいえば営業車ではないわけです。したがって自家用車ということになります。白ナンバーであります。であるから、しかしそれでもある程度——御承知のようにダンプカー等取締規制法という法律が皆さんの力で制定されまして、それによっていろいろの規制が行なわれておりますけれども、まあそういっても、何も訓示規定だけではないわけですが、相当取り締まり規定も入っておりますけれども、なかなかほんとうのきめ手になるものが法律の中に入っておりません、私も何回も読んでみたが。 〔高橋(清)委員長代理退席、委員長着席〕 したがって、これを何とかしてやりたいということから、このダンプカーの個人企業ですが、これをひとつ組合化をする。ある一定の地域において組合化を行なって、そこで組合員が責任をとるという体制ができぬものであろうか。同時にまた、そういう組合も、法律をつくるわけにはいきませんから、法律をつくればいいのですが、法律をつくっておったのでは間に合わない。ですから行政指導でもってやるわけですから、そういう組合に入っておるダンプカーでなければ、いわゆる公共事業、たとえば、私どものほうでいえば鉄道、港湾あるいは空港、建設省でいえば道路、あるいは住宅公団でいえばそうした住宅公団の土地造成、あるいは地方においてもそういうものがあります。そういう公共事業をやる場合は、その組合に入っておるダンプカーでなければ使用しない、こういう行政指導をやれば、ある程度は私はまあよくなりはしないかということが一つであります。 もう一つ提案をいたしましたのは、いまおっしゃったように下請企業でありますからして、したがって力がないのですね。そこで、ちょうど酔っ払い運転の場合に、酒を飲んだ運転手も罰せられるけれども、酒を飲ませた人も罰するという規定がせんだってきめられたわけでありますね。それと同じ筆法ですが、そういう下請企業を使ってやった場合に、その事故に対して、その頼んだいわゆるゼネコンがありましょうし、そうでない場合もありましょう。私なら私が使う場合もありましょう。その人にも責任の一半を持たせる、こういう方法はできないものか。これは法律改正が必要になるのではないかと考えますが、こういうような思い切った措置を考えていきたいということで、関係各省に閣議でお願いをいたしまして、関係各省も、今回の事件にかんがみて、今後またこういうことが二度と起きては困るのでありますから、あるいは地域の住民の人にも多少の不便があろうかもしれぬけれども、いわゆる踏切を整理統合する、同時にまた、ダンプカーに対しましても、いま申し上げましたような手段によって、そこでひとつ思い切った、従来には考えておらなかった措置を講じて、少なくともこのような大事故は絶滅していきたい、こういう熱意をもってやっておるのでありますからして、その点はひとつ御了承を願いたいと存じます。
○華山委員 委員長、質問を終わりますけれども、大臣がお帰りになったあとで、また事務当局にこの点はお伺いしたいと思います。
○濱野委員長 勝澤君。
○勝澤委員 大臣に三つの問題について簡単にお尋ねいたしたいと思うのでありますが、一つは私鉄運賃の値上げの問題、もう一つは新線建設の問題、それからもう一つは国鉄のパイプラインの問題、この三つの問題について、できるだけ要点を申し述べて、簡単にお答えをいただきたいと思います。 私鉄運賃の値上げをめぐりまして、どうも不明朗ではないか、こういうお話が出ているわけであります。私も、実はそう思います。大臣が八月の七日の閣議のあとで新聞記者に語った談話を見てみますと、「総理にしかられてしまったよ」総理は「私鉄各社は不動産などの兼業で立派に利益を上げているではないか。それなのに鉄道だけで赤字が出たからといってすぐ値上げに持っていくとは、経営姿勢が安易にすぎる。それをそのまま取次ぐ運輸省もだらしない」こう言われておるわけでありますが、その後、九月二十一日の宇都宮の一日内閣で、まあ、適正で納得いくなら値上げもやむを得ない。そうして、二十五日に物価対策閣僚協議会で了承されて、その日に運輸審議会、大臣の御決定、こういうことがなされている。この間に情勢が変わったというのは、佐藤総理の四選の見通しがはっきりしてきた、こういうことだけだ、こういわれておるわけでありますけれども、私鉄運賃が八月七日に総理からストップをかけられて、上げられるまでの決定の経過の中で一番問題になった点は何かといえば、私はやはり一番最初申し上げた、大臣の言われたことだと思うのですけれども、この不明朗な経過について解明をしていただきたいと思います。
○橋本国務大臣 まあ、不明朗というわけじゃないかもしれませんが、説明が不十分であるという意味だろうと思います。これは詳しいことは事務当局から御説明申し上げますが、私鉄側の料金改正の申請は、いまおっしゃったように、鉄道会計だけを基準にして三三%ですか、そういう値上げの要求をいたしております。運輸省としては、鉄道会計だけを計算して、そこで運賃改定を認めるという考え方はもちろん当初から持っておりません。いわゆる一つの会社でありますから、他の事業が利益があれば、それらをひっくるめて、そこで、なおかつ経営上困難がある場合においてこれを考える、これは筋でありますから、そのとおりに審議を進めてまいったわけであります。総理が言われましたのも、もちろんその点であります。申請がそういうふうになっておることは総理も承知しておりますから、鉄道会計だけで持ってきたものについて、それをそのとおりやる意味ではなかろうという意味でありますからして、したがって、もちろん総合的な調査の上でわれわれは計算をする、こういうたてまえで協議を進めてまいっておったわけであります。 ただ、総理がいわゆる注意をされたのは、そういう総合的なものの見方について、運輸省当局が少し甘くはありはせぬかと、これは要するに、おやじさんが子供に対する注意の意味だと思います。というのは、御承知のように、総理は、国会中におきましても、ものによってはただ押えるだけではいたしかたがない、もちろん物価問題からは、公共料金の値上げについてはできるだけ抑制する方針ではあるけれども、ものによってはまた十分なる検討を加えた上で、まあ考えざるを得ないものもあるであろうということを言っておったことは御承知のとおりであります。私は運輸省担当でありますから、その関係会社が合理的に発展するためにはどうすべきか、こういう点で種々苦労もし、また今回の料金改正につきましても最善の措置を講じようということで、いろいろ検討を進めてまいっておったわけであります。 そういう意味におきまして、必ずしも総理が言われたことと私がやったこととは軌を異にしておるわけではありませんで、ただ、攻め方、詰め方においてあるいは私が甘かったかもしらぬ、もっと詰めるべきであろうという点で注意をなさったと私は考えます。 そこで、その総理のお考え方を中心に、また私の考えも加えまして、そうして内部の十分な精査を行ないました。したがって、いわゆる不動産収入による利益というものもその中に加えて、そうして全体比幾らと考えるべきか、あるいは、私鉄から出されました収入の見積もりに対しましても、われわれから考えて、将来の線の延長、旅客の増大等から考えて、なお増収の点を彼らが言ってきたよりも増加させて考えております。あるいは合理化の面、これも積極的に私のほうで査定をいたしまして、そしてこの程度の合理化はやるべきである、自動化の問題等含めましてそれらの点における支出減というものを見ております。それらをやりまして、そうして不動産収入等も加えまして、なおかつやはりこれは最小限度の値上げをしてやらなければ今後の通勤輸送の確保をすることができない。先ほどありましたような問題につきましても、やはり輸送力が増強され、安全施設が完全に進められなければ交通事故も防げないということにもなりますので、まあこれは金がかかります。安全施設は、お客さんを乗っけるわけではなくして、他の施設でありますからして金がかかる、こういう点をいろいろ勘案しまして、そうしてなおかつ、実は全体としてわれわれが査定いたしました以外に、なお計算上は七十二億円の赤字を残しております。七十二億円の赤字を残して、しかしこれ以上できない、二三%、あと七十二億円iこの計算でやっても七十二億円赤字が残るけれども、これはより一そう私鉄が経費節減を行なって、一方においては増収等も行なって、この七十二億円はこれからの努力としてこれを消すように、こういうぐあいで、異例の措置であります。従来は赤字を残さないできめておったようでありますが、今回は赤字を残したまま、一部分七十二億円という赤字を残したままこれを最小限度に押えて、物価の値上がり、またこれを利用なさる方々に対して迷惑を最小限度にとどめるように、こういう万全の配慮をいたしたつもりでおります。その点、御了承願いたいと思います。
○勝澤委員 八月七日、総理から待ったをかけられたときの運賃値上げ率は二三二%だといわれております。これは経済企画庁、運輸省、運輸審議会、三者の中でこうきめられた。八月七日に総理が待ったをかけられたときに二三・一%、それで待ったをかけたけれども、実際に上がったのは二三・一%、実はこの間何もなされていない、こう伺っておるのですが、その点の御解釈はどうでしょうか。
○橋本国務大臣 総理に伺いをたてたのは、そういう案ができてからだけではありません。そのときには案はできておりません。したがって、総理にお話し申し上げたのは、こうこうこういう事情でどうしてもある程度の値上げをせざるを得ない、それで、これを何カ月か延ばすということになればますます傷が大きくなる、それだけ値上げの幅が高くなる、こういう点から考えて、どうしてもある程度最小限度の値上げをせざるを得ないので、その点について御了承を願いたいという基本方針を総理にお伺いしたのであって、何%だからこれをひとつ認めてもらいたいという話ではありません。一切そういう話は出ておりません。
○勝澤委員 総理にお話しになったときにはパーセンテージがなかったでありましょうけれども、事務的な段階としては二三・一%の値上げがとにかくまとめられておったといわれております。それについて待ったがかかったけれども、実際に許可になったのはやっぱりそのときの計画どおりだったといわれておる。ですから、その点から考えて、一体何のために待ったがかけられ、何のために値上げがされたのか。それがさっき言いました総理の四選とからんできて、不明朗な話がちらほらされているわけであります。これはやはり正当なものの見方をすれば、そのちらほら言われていることも、必ずしもどうも当てはまらぬものじゃないのじゃないだろうか、こう思うわけであります。 しかし、その点はおくといたしまして、その運賃値上げの中に、各私鉄から決意書が出されている。世間ではわび証文だといわれておる。その中で配当を一分減配をする、こういうことがいわれて、これが一応立てられて運賃値上げになったわけでありますから、配当の一分減配というのはどういう意味なんでしょうか。
○橋本国務大臣 四選の話が二度も出ましたから、これも答えておきますけれども、私鉄運賃問題は、全く四選には関係ありません。上げようが下げようが、四選は自民党の中の問題でありますから、自民党の皆さんが四選を希望しなければ四選にならないのであって、運賃を上げようが下げようが、そういうこととは全く関係がありませんので、その点の誤解はお解きを願いたい。 その社長会の決議でありますが、この決議は私のほうから要請したものではありません。ただ、鉄道監督局の、いわゆる私鉄を監督している民鉄というのがありますが、このほうからその問題に触れたわけではありませんけれども、当然閣議で自分の問題に関係することについては、私が帰りますれば、やはり部下に報告をいたします。総理の姿勢は、運賃問題についてなかなか慎重にやる、最底限度といいますか、そういうような考え方が強い、ことに民鉄、私鉄自身のいわゆる経営合理化とか等の問題については、やはりわれわれは積極的にこれを推し進める必要があろう、こういう意味の話はいたしますけれども、いわゆる減配の問題については私のほうからは何ら触れておりません。したがって、あの社長会の決定した事項の中にもその点は、一分減配とかということばは入っていないと私記憶しております。ただその際、口頭で会長、副会長から、自分たちも姿勢を正して交通機関としての使命を果たしていきたい、そのためには減配も辞さないつもりである、こういうふうな意見は述べられました。一分減配とかそういうことは、社長会が新聞記者会見の席上で言われたと聞いております。私のところではそういう明確なことは言われなかった。それはあなた方の問題であるから、あなた方のところで考えればよろしい——ただ、向こうから言ってきたことの中には、第四番目でありますが、配当の引き下げについては考慮したいという抽象的な文句はありました。それはあなた方の問題でありますから、あなた方で御考慮を願ったらけっこうである、こういうことだけ返事をいたしておいたわけであります。 したがって、一分減配を条件として値上げを了解したのではなくて、全体のいわゆる経営上の問題及び今後の対策、民鉄側の今後の姿勢、対策等について十分に聞いた上で、これならば最小限度やむを得ないであろう、こういう結論に達したわけであります。
○勝澤委員 この運賃値上げの経過を考え、ここに出されている私鉄側の、何といいますか決意書というものをながめてみると、結局、やはり値上げの動機といいますか、私は世論的なものはあると思うのです。それで、いま一分減配だということは、これは大臣御承知のとおりの経過をたどっておるわけなんです。 それで私、お尋ねしたいのは、私鉄の運賃というのは、公益事業ですから、公益事業のたてまえからこういうものが出てきたものかなと私恩っているわけです。 そうしますと、これから電力とかガスとか、こういう公益事業の料金問題をなぶるときには、やはり配当問題というのが問題になるのですか。おれは運輸大臣だから電力、ガスは関係ないとおっしゃらずに、国務大臣としてどうお考えになっておりますか。
○橋本国務大臣 まあ原則論からいえば配当問題とは別個の問題であろうと思います。ただ、公益事業であれば、適正配当ということは考えられると思いますね。もうかったから一割五分でも二割でもいいというわけにもいくまいと思います。たとえば、新聞事業などは、これも公共事業でありますから、低配当でみずから自主的にやっております。あるいはその他の公共事業等はみずから自主的に低配当でやっておる。これは原則としては事業の性格上からきていると思います。ただ今度の場合は、やはり会社側からしてみれば、私が憶測するのに、利用者にもひとつ御負担を願うのだ、であるから自分たちのほうも、いわゆる資本家側ですね、自分のほうもある程度は犠牲を忍ぼう、こういう気持ちのあらわれじゃないかと思います。したがって、公共事業でありますから、そういう全体的な配慮として、これは一般に利益があった場合、たとえば、もし一割五分配当できるような公共事業の会社があれば、当然その幾分かは逆に配当を上げずしてこれを料金改正のほうに、安く持っていくほうにかえる、これが公共事業の性格でしょう。であるから、公共事業としてはみずから自主的に規制していくというのが原則としてのたてまえではないか、かように考えます。
○勝澤委員 一割というのは、高配当とはいえないわけですね。それを一分とにかく下げるという、それが運賃につながった、私はこう見ております。電力、ガスの問題もあるでしょう。 それじゃ、ここで私はあなたの管轄である、たとえばトラック事業、倉庫の事業、これはやはりこの程度の減配をしなければ料金の値上げはなぶらぬ、こういうことになるのですかね。
○橋本国務大臣 いまトラックやタクシーのお話ですか。(勝澤委員「倉庫」と呼ぶ)減配しなければ値上げを認めないということは全く関係がありません。配当しようと思っても配当できない会社もあるわけでありますから、したがって適正配当が行なわれるのであるなれば、それは適正配当の範囲内においてどうしても値上げの必要な場合は考えられる。ただ、高配当しておって料金値上げをしてくれ、これは無理でしょう、一割五分だ二割だと配当しておって。ですから、適正配当というものはどういうものかということは、一応の御論議はあろうと思いますけれども、いま申し上げましたように、私鉄の場合におきましては、利用者の皆さんにも御迷惑をかけるというので、みずから自主的にそのような措置をとったという話をわれわれは向こうさんから承っておるわけでございます。
○勝澤委員 この問題はそれじゃそれくらいにして、次の問題に入りましょう。 最近、国鉄の財政再建の問題から、新線建設の問題をこれからどうするかということが一つの課題になるわけでありますが、これは事務当局にお尋ねいたしますけれども、新線建設のいままでの総工事費、どれくらい新線建設の総工事費がかかるのか。それは何線あって、いまどの程度の進捗率か。事前に言ってありませんから、もし正確のものがなければ概括でけっこうです。
○山口(真)説明員 新線建設の工事費でございますが、四十五年現在で事業計画といたしまして建設をいたしております線区が五十七線区、それから調査線として一線区でございます。なお、調査線一線区と申しますのは青函トンネルの海峡連絡線でございます。 それから年度別の工事費でございますが、建設費といたしまして四十五年度の予算におきましては七百九十七億でございます。 それからただいま年度別の投資額の概括というお話がございましたが……。
○勝澤委員 いや、そうじゃなくて、五十七線区で工事費が幾らかかりますかというんです。
○山口(真)説明員 お答え申し上げます。 全線区の工事費でございますが、全線区の工事費の合計は、鉄道新線の長期計画というのがございまして、それによりますと、九千七百二億でございます。
○勝澤委員 それで進捗率、パーセンテージ。
○山口(真)説明員 ただいま速急な御質問でございますので、ちょっと率の計算はいまできませんですが……。
○勝澤委員 それで、その五十七線で九千七百二億かかる。四十四年度までに投資した額はどれくらいですか。
○山口(真)説明員 四十四年度が千百二十三億、それから四十三年九百六十三億、四十二年が七百五十九億、四十一年が三百十五億、四十年度までが二百九十九億でございます。
○勝澤委員 総計幾らになりますか、大まかでいいが……。
○山口(真)説明員 三千三百億程度であろうかと思います。
○勝澤委員 そこで、いま新線を建設されておるわけでありますが、この新線建設が完成された後に経営状態はどの程度のものか。どの程度が黒字経営ができ、どれが赤字経営になるのか、そういう点はおわかりになりますか。黒字経営のものだけでけっこうですから、大体どこらが黒字経営になるか。
○山口(真)説明員 五十七線区の中で、大きく分けましてAB線と称しまする地方開発線的な性格のもの、それからC線と称しまする主要幹線的な性格のもの、それからD線と称します大都市交通線と称するものがあるわけであります。 その中で、まず地方開発線的なAB線でございますが、これの建設のしかたは、その資金につきまして国及び国鉄からの出資でまかなっておりますから、したがいまして資本費は要らないわけでございます。しかしながら、これらの線区はいずれも比較的人口の少ない、輸送量の少ないところの線でございますので、これを建設いたしましても、いずれも当分の間は赤字である、あるいはかなり長く赤字が続くということが予想されることでございまして、現在建設されたものはすべて赤字でございます。それからC線及びD線につきましては、これは資金の出どころは主として財投でございまして、その財投に対しまして国が一部の利子補給をいたしておりますが、その財投でもってつくりまして、そしてこれを二十五年の長期の償還というかっこうで使用料を定めておりまして、その使用料を国鉄からいただく、徴収するというかっこうの運営をいたしております。それで、これは非常に長期に見ますれば当然採算が合ってくる性格のものでございますが、設備投資の額が非常に大きいわけでございますので、現在の段階ではいずれもまだ赤字の状態でございます。
○勝澤委員 国鉄の財政が赤字だ赤字だと言っていながら新線建設の費用を持っているわけでありますが、いままで国鉄はどの程度費用を持ったのですか。運輸省から……。
○山口(真)説明員 これは日本鉄道建設公団が成立する前は年間鉄道建設に使っております国鉄の建設費用はおおむね七十五億でございます。そうしてそれが建設公団成立後ずっと続いてきておるわけでございますが、最近におきまして、国鉄の経営が非常に悪化をいたしておりますので、若干ずつその投資額を減らしております。四十四年度は七十億、それから四十五年度は六十五億国鉄の出資がございます。
○勝澤委員 そうしますと、新線が建設をされる、そのできた新線というのは赤字経営になるであろう、その赤字経営になるまであろう新線に、赤字会社の国鉄が年間七十億ですか六十五億とか、その金を出している、こういうことですか、局長。
○山口(真)説明員 投資額とそれから赤字の関係におきましては、まさに赤字を生じておりますところの線に対しまして国鉄が出資をしておる、こういうことになるわけでございますが、問題は、投資額に対する赤字の問題ということだけでなく、国家的必要から国鉄としては出資をしておる、このようなことでございます。
○勝澤委員 大臣、赤字会社が、やがて赤字になって自分のところへ戻ってくる会社に金を出しているというお話なんですけれども、そこで、これからはやはり国鉄も、国鉄は赤字であるけれども、その赤字の中からもやはり新線建設の出資をするのですか。どうなりますか。
○橋本国務大臣 いまのお話、まあごもっともでありまして、赤字会社がまた赤字になる金を出すということは好ましくないので、最近は御承知のようにだんだん減ってきておるわけでありますね。 将来どうするか。私個人から言うなれば、どうせまた赤字をし続けるのですから一これは経営上の赤字です。出資をしなくて済むようにしたいとも考えておりますが、ただ、国鉄から見るとあまり縁がない。しかし全然縁がないということも好ましくないでしょう。やはり幾らかでも株主であるほうが縁があるということもありましょうが、国鉄財政の将来の立て方によっては、この点はひとつ再検討してみなければならぬと思います。 ただ、鉄道建設公団、まあ私がこまかく言うまでもありませんけれども、いわゆるローカル線——AB線と言っておるが、これは四十三線やっております。C線、これは主要幹線、これは十線。D線、大都市交通線——大都市交通線の問題は別としまして、いわゆるAB線、ローカル線、このAB線というのは産投会計の出資が中心です。これに国鉄も入っておるわけなんです。したがって、産投会計の出資ですから、これは利子の要らない金なんですね。そういう意味で、ローカル線はなるべく安く建設資金をしようということでローカル線に対してはそういうような措置をとっております。産投出資ということでありますから、ある意味においては一般会計から出していると同じ性質のものになるわけなんですね。しかし国鉄もこれに対して出資をしておる。その国鉄を、そういう将来ともにローカル線であるのに出資する必要はないんじゃないか、こういう御意見だろうと思うんです。まあこれはその線いかんにもよりましょうけれども、全くのローカル線といいますか、枝線であるなればそういうことも一つは考えなければいかぬのではないだろうか。これはしかし国鉄の将来の問題にも関連しますので、私もこまかい点はまだ承知しておらないのでこれはやめろとも断定しかねますが、この点は十分に検討したいと思います。 こういう意味において、鉄道建設公団がやっております現在の仕事、これはいろいろ国鉄の委員会その他の関係から、あるいは行政監理委員会からも勧告がありまして、鉄道建設公団というものを残すなれば、今後とも持続するなれば、これに対しては思い切って国の金を入れるべきじゃないか、そうして安いものを国鉄に貸与するなり使わせる、こういうことでなければならぬのではないかという意見——行政監理委員会でもそういう意見が出ております。これは私は一つの考え方であり、大いに尊重すべき考え方だと思っております。 ただ、先ほど来からこの赤字の問題、お話が出ておりましたが、これを形をかえて、私が、国なり地方団体、国が主になりますけれども、国が金を出してくれ、あるいは利子補給をしてくれと言っていることは、実際的には赤字を補給するというのではありませんで、実際的にはそうじゃなくて、国鉄の全会計、全財政というものに対して国なりなんかが考えるべきではないか。ただこれは赤字が出たから出してやってくれ、こういう問題ではなくして、各国の例から見ましても、いわゆる国なりなんかが出しておるんだから、こういう競争原理に立たされた国鉄に対して、おまえが自前でやっていけ、しかも、国会できめられた敷設法によって地方開発の責任まで負わされておる、こういう以上は、やはりこれは国がある程度考えるべきではないか。ところが私の意見がそう右から左にはなかなか通りません。しかしこれは一つの方針として今後も強く主張して、段階的にも、この考え方は私は政府自身が考えてもらわなければならぬ性質だろうと思います。ただ、将来のいわゆる貨物輸送及び旅客の流動性から考えまして、私は道路のいわゆるキャパシティ、これから高速道路もできたり他の道路もできましょうけれども、今後の日本の十年、十五年という将来を考えますと、その貨物の流通量というものは現在の十倍前後にふえてくるのじゃないか、こうなった場合に、その十倍前後のものを引き受ける先はだれが主として引き受けることになるだろうか。そういう技術的な道路のキャパシティの問題あるいは内航海運の問題もあります。あるいは飛行機で貨物を輸送することもありましょう。こういうことを考えましても、この激増する旅客、貨物の主たるにない手としては、御承知のように現在は少し国鉄が落ち込んでいます。三〇%ちょっとぐらいであります。トラックのほうが上であります。けれども、これは道路が急速に開発されたり高速道路ができたりしたのでありますからそういう例があるわけであります。たとえば、先ほど御審議を願った四十三年度の決算書におきましても、四十三年度における貨物の増はわずかに一%であったということ——当然あれだけ日本の生産か増大しておるにかかわらず、国鉄のいわゆる貨物の量が一%しかふえなかったということは、トラックその他にとられたということであります。しかしこれも将来は限度がある。これから考えますと、日本の狭い国土において道路をいまの三倍、四倍にすることはなかなか困難でしょう。そうなれば国鉄に貨物、旅客が返ってくることをわれわれは想定してよろしい。そういう想定のもとに、御承知のように、前国会におきましては新幹線網という法律を制定してもらった。新幹線法というものが制定されたということは、同時に、在来線が貨物輸送に対して大きなウエートを持ってくるであろう、こういう計算のもとにああいうような鉄道網を御承認願ったわけでありますからして、私は十五年とか二十年先の将来を考えるなれば、国鉄がいまの状態でじり貧になっていくとは考えられない。やはり相当の量を受けざるを得ない。ただ、その間どうしたらいいか。十年なり十五年なり、この間をどうしたらいいかというものがいまの国鉄再建案の最も大事なところだ、こう考えておるわけであります。
○勝澤委員 総体的な赤字をどうするかという点については、私も別に意見があるのです。大臣よりもっときびしいものの考え方をしておるつもりです。だんだん大臣おわかりになってきたようですが、私は新線を必要によっては建設すると思うのです。だけれども、経営的に見て、経営的にものを見るのか、必要によって見るのか——あったほうがいいのか、ないほうがいいのかというと、あったほうがいいのにきまっておる。だれもあることについて否定する人はございません。その金が自分に負担がなくて、税金でやってもらうならいいわけであります。ですから、道路があろうが、その道路のそばを鉄道が走ろうが、それは住民には関係のないことであります。住民は鉄道をつくってくれというのはあたりまえであります。その住民の中から出ている政治家は、当然それをつくってくれ、そんなものをやめろなんという人は一人もいない。それを経済的にものを見てどうすべきだというのが私は政治だと思うのです。ましてや、大臣はそれが任務だと私は思うのです。 ですから、新線建設というものをいま考えた場合、片方は、国鉄は経済的に見ているわけです。赤字だ赤字だと経済的に見ているわけです。片方は、新線建設ができたやつはみんな赤字になりますよ。みんな赤字になるということは、新線が建設されて国鉄が経営すれば、国鉄の経営はますますその赤字線をかぶっていきますよということですよ。ですから、国鉄に譲ってくるたびに、一つの線が完成したら、その経営の赤字の分だけ国が持てばいいのですよ。しかし国が持たないでしょう、ただでかせぐのだから。その赤字になるところへせっせと金をつぎ込む国鉄というのは、国民から見たら一体何をやっておるのだろう、これで運賃の値上げだ、これで何だといっても、それは納得しないわけです。ですから、新線建設については国鉄は出資をするのをやめろという意見は私は当然なことだと思うのです。しかし、それを大臣が総合的に考えなければならぬ、検討しなければならぬといっておるひまはまだないと思うのです。もうそれはやめるべきだとあなたが言うべきなんです。総理は国鉄のことはよくわかっております。あなたも国鉄のことは、いまお話を聞いていればなかなか詳しいわけでありますから、ましてや、今度の改造内閣でまた留任されるわけでありますから、いま方針を立ててこうだという、こう言わなければものが進めない。ものが進めないというのは、いま国鉄が一万キロをこっちへあげて、一万キロをこうして、一万キロはとにかく地方自治体にも出そうじゃないか、こう言っておる深刻な状態なんですから、それは大臣、私も国鉄の出身だから国鉄のことはよくわかる。ですから大臣、国鉄の立場というものは経済的なものの見方というもの、一つもので見なければいけないということなんです。 ですから、私はそういう点で、新線建設についてはここでやめるべきだというのは、大臣、なかなか言えないでしょう。言えないでしょうけれども、やはり新しいものの見方をして、国鉄の赤字財政の再建という両面からものの見方というものをきっちりしなければいけないと思うのですが、何か御答弁いただければと思うのですが、どうですか。
○橋本国務大臣 まだこれは来年度予算の編成中でありますので、大蔵省が何と言うかわかりませんが、私のほうとしては、来年からはこれはやめてもらいたいという考え方に立っておるのですが、やはり運輸大臣と同時に国務大臣ですからね。私が言ったことそれ自体がそのとおり通るか通らぬかわかりませんので、多少ぼやかしたといいますか、はっきりしない答弁をしておりますが、われわれは予算要求上は、来年からはゼロにしております。はたして大蔵省は、やはりおまえのところだから少しは持ちなさいということも出てくる心配もないとは限らぬものですから、私は方針はさようなことを堅持していきたいと思います。 そこで、ローカル線が赤字、損するものをやらぬでもいいじゃないかというお話ですが、これは先ほど言ったように、国鉄の使命からいって必ずしもそうはいかない。たとえば日本の国鉄のキロ数はいま二万一千キロです。それから西ドイツのいわゆる国鉄のキロ数は大体二万八千キロ、フランスが三万一千キロ、それからイギリスも大体二万七、八千キロで、大体日本と同じくらいの地域のところでも軌道というものはそこまであります。日本は今度新幹線ができれば、現在のと合わせますと二万五、六千か三万キロになりましょうが、いずれにしろ、軌道は私鉄を入れませんから別、向こうは、ヨーロッパにはあまり私鉄がありませんから。しかし、私鉄といいましても、これは都市交通でありますからして、全体の交通とは関係ありません。ですからして、私は、まあこれは政治家として答えるわけですが、政治家として考えれば、日本の鉄道の二万キロとか一万五千キロとかいうものが多過ぎるということにはならぬと思うのです、将来のことを考えれば。ただ、いま困っている。そこでいま、現在およそ二万キロと申し上げてもいいのですが、そのうち五千キロというものは、御承知のようにこれは黒字なんです。あとの一万五千キロが、赤字という点からいえば赤字なんです。そういう意味で、赤字という問題をローカルの面でとらえるというとらえ方が従来間違っておったのじゃないか、極端にいえば……(勝澤委員「だって政府が言うじゃないか赤字だ赤字だって。わしらが言うわけじゃない」と呼ぶ)そういう部分的にとらえる、これはローカル線でとらえるという問題ではなくして、全体の面でとらえるという姿勢をとらなくちゃいかぬ。その全体の面でとらえるとなれば、従来とはものの考え方が変わってくる。ただ、しかしながらいまお話があったように、ローカル線で国鉄としてやらなくてもいい問題もこれはあると思います。従来もあったと思うのです。そういう問題をどうするか。そこで、それは政府がき然としてやるべきだとおっしゃいましたが、やっぱり政治家もき然として、そういう問題が大局に立って正しい場合は、これは御協力してもらわなければならぬわけであります。ただ、実際問題として道路に併用できる——鉄道があったほうがいいことは間違いないのですから。しかしながら、それが道路にかわり得るもの、これはできるだけ道路にかわってもらうようにわれわれは指導したい。しかし、どうしても道路にかわり得ない、のみならず、将来のことを考えれば、やはり鉄道があるほうがよりベターである、これが中途において赤字がありましても、私が言っているように、その部分で計算をする必要はないのです、全体で計算すればいいのですから。もし赤字という議論だけで言うならば、東海道線及び常磐線及び新幹線等の何線か、五線くらいは黒字であります。大動脈の函館本線も、みんなこれは赤字であります。だから、そういう数字で赤字とか黒字とかとらえるわけにはいかないのです。 であるからして、そういう全体の面からとらえた場合に、国鉄をどうしてわれわれは守っていくか、あるいはほんとうに再建させるか、こういう姿勢に立たなくちゃこの問題は解決はつかない。そういう意味において、非常に重大な時期、ある意味においては政策転換期に立っておる。その政策転換期に立っておるのでありますから、運輸省なり国鉄なり、ものの考え方をひとつ皆さんにも御指示を願いたい。間違ったところは直しますよ。御意見によって直しますが、私は、基本としてはそう間違ってはいないのではなかろうか。そういう場合においては、ひとつ国会議員、政治家である皆さんの御協力も得て、そして国の開発あるいは国の輸送機関の中心である国鉄をひとつ生かしていきたい、かような念願に立っておるわけであります。
○勝澤委員 大臣はいま佐藤内閣の実力を持っている、力のある人だから言っているのです。 大臣、それはたとえば米を見ましても、私はお互いが選挙ということ、それからやはり地盤ということを考えず、もう少し経済的にものを考えたら、米の問題だって、あるいは健康保険の問題だって、これはそう違った議論というのは出てこないと思うのですよ。自民党の中で東京都から出ている人からいけば、米の問題についてはそれはやっぱり上げるなと言うでしょう。しかし、東北から出ている自民党の人は、上げろと言うでしょう。これはやはり社会党の場合も私は五十歩百歩じゃないかと思う。健保の場合も同じことですよ。お医者さんの出身のほうからいえば、それは困る、薬屋さんのほうからいえば困る。しかし庶民の立場からいえば、これは何とかしなければならぬと、こういうことになると思うのです。鉄道の場合も同じことです。私のところに佐久間線というのが静岡にできるわけでありますけれども、これは足立篤郎さんにしても社会党の斉藤正男さんにしても民社党の竹本さんにしても、つくってくれ、つくってくれと言うのはあたりまえであります。しかし、経済的に見たときに、それはどうだろうかなと言う人はだれかといえば、それはやっぱり佐藤内閣であり、その一番の力のある大臣だと思うのです。その大臣が右か左かとものをきめない限りものは進んでいかないわけですよ。ですから、そういう点で私はひとつものの考え方というものをしていただきたいと思うのです。 それで私は、国鉄が赤字になった、輸送力が減った原因というのは、あなたもちょっと指摘されていましたけれども、結局道路事情がよくなったわけですね。ですから、東名高速ができて名神と連なった。だから東京から万博に行くのに、汽車で行こうか、新幹線で行こうか、自動車で行こうかという選択になるわけですね。あるいはそれが貸物の輸送に変わってきているわけです。あるいはジャンボジェット機が東京から札幌に走る、このことで国鉄の輸送も変わってくるわけであります。あるいは大阪へ行けばなおさらであります。あるいは近海の船が動くことによって、たとえば私のところの清水の港から新潟へ行くのに、鉄道よりも船のほうが安い。会社のほうは、退職者を船会社の社長にしてその船会社をつくったほうがいいということになれば、そうなるわけであります。その一切がっさいの輸送を運輸省があずかって、国鉄が赤字になるようにひとつこのトラックの会社を許可しようじゃないか、国鉄が赤字になるようにこっちをこうしようじゃないか。赤字になるか黒字になるか、輸送力の平均をとればいいわけです。国道一号線をトラックが自動車を六台載せて走っているわけでしょう。その一台が走るために交通が麻痺しているわけです。しかし、それを鉄道に移せばいいわけです。鉄道に移せば、鉄道でそういうものを運んで、もっと軽いものを自動車に回せばいいわけです。その取捨選択をするのはだれかといえば、運輸大臣、あなたなんです。あなたのところで自動車の行政も船のほうも飛行機のほうも鉄道もみんなやっている。やっていながら、こうめちゃくちゃになっている。ですから、国鉄の貸物がいま停滞をしている、なぜ停滞をしているかといえば、国鉄と自動車で荷物の競争をやっているわけであります。競争をやっている中で国鉄が負けるわけであります。なぜ負けるかといえば、片っ方は便利で安い、片っ方はなかなか不便だということです。 ですから、これも国の産業の政策、交通の体系の中から、やはり東京から大阪まで、それは車を六台、トヨタでも日産でも六台積んで国道一号線の狭いところを走るのは無理じゃないのか、これは鉄道で運ばせるようにしたらどうだ、鉄道のないところはどういうふうにするのだ、そういう調整の役目というものをもうそろそろ運輸省がしなければ、何でも出てきたから、このうしろにはあの代議士があるから許可してやろうじゃないか、このうしろには何がと、こういう形だから調整ができないわけであります。だから、やはりトラックの場合においても、それから船の場合においても飛行機の場合においても、それを考え合わせながらやっていかなければいけない。青函トンネルができたけれども、実際には東京から青函トンネルを通って北海道へ行く人は、夏の学生とあとは一度だけ、できたからトンネルを通ってみょうという見物客があるだけで、あとは多くの人たちはみんな飛行機を、ジャンボを使うようになるのでありましょう。ですから大臣、実力のあるあなたが運輸大臣になられたわけでありますから、この次も留任になることは確定でしょうから、やはり四十四年度、四十五年度、四十六年度にかけて根本的にその考え方というものを、ただ判こを押している、許可しているということでなくて、輸送経済というものを扱っている官庁だというものの見方をぜひしていただくようにしていただきたいと思うのです。これは答弁必要ないと思います。 それから次の問題、あまり私ばかり言っているとほかの方が大臣に質問できないですが、国鉄のパイプラインの問題です。 これはお聞きになっていると思うのですけれども、この間ここでも運輸省の意見、それから通産省の意見を聞かせていただきました。これは簡単に言いますと、運輸省は輸送の問題としてものを取り上げているわけであります。通産省というのは経済的な立場からものを考えています。私は、パイプラインというのはやはり輸送コストといいますか、輸送体系といいますか、こういういろいろの立場からものを見なければいけない。しかしまた、それはできるだけ競争のない独占形態でなければいけないだろうという気がするわけです。なぜならば、国鉄が独占であったけれども、民間の自動車が、トラックが、あるいは飛行機が、船がという形で独占体系というものは破れていったわけです。ですから、道路をつくればつくるほど、実は国鉄の斜陽化というのは進んでいくわけであります。ですから、かりにパイプラインをやるとしても、パイプラインはできたけれども、その入れてくれる油のほうでは、おれはタンクローリーで、汽車のほうがいいとか、あるいはトラックのほうがいいとかいうことになったら、実はパイプラインをつくったけれども何にもならぬわけであります。 そういう点を考えてみると、これはやはり総合的な立場でどうやっていくかということをこの辺でそろそろ大臣、まだ事務当局でもあまり話し合いが進んでいないようでありますけれども、やはり目をつけられて、これは来年度の予算の中では、通産省のものの考え方の法律、運輸省のものの考え方の法律が出ているわけであります。国鉄でいうならば、早く線路下を使わせてもらえばいい、こういうことじゃないかと思うのです。ですから、これはやはりある程度煮詰まってきた段階で、この問題というものは、かりにパイプラインはできたけれども、油業者は、おれはそんなところへ油を送らぬ——結局、お客が鉄道に乗るのか、お客が自動車に乗るのかというお客の選択なんですね、それが実は今日の鉄道のいろいろな問題を起こしてきているわけですから。このパイプラインを石油会社が通産省と一緒になってつくった、運輸省と国鉄はこっちをやっている、だけれども、片一方のほうは半分だ、片一方のほうも半分だではしようがないわけです。ですから、輸送の量を見てみれば、いまの量がだんだん加速度的にふえていく限りは鉄道の輸送も行き詰まるだろう、あるいはトラックのタンクローリーの輸送も行き詰まるだろう、やはりパイプラインをやらなければならぬというのは方針だと思うのであります。この方針はもうきまっているわけですから、その方針について、われわれから見て、なるべく内輪の争いがなく、なるほどそういうものだ、そしてそれがやはり完全に使用されるものというものをこの際ぼつぼつ考えるべきだろうと思うのですが、その点いかがですか。
○橋本国務大臣 先ほど答弁は要らないというお話でありましたが、御承知のように東海道線は、名神高速道路もできましたし、飛行機もジェットが飛んでおりますにもかかわらず、新幹線は五百キロの短い区間で国鉄収入の四分の一をかせいでおります。また、東海道在来線も黒字であります。問題は、物及び人間がどういうふうに動くか、まあ東海道ベルトラインといっておりますから、それだけに多いのでありますからその点は心配ない。のみならず、できれば将来第二東海道新幹線をつくらなければ運び切れぬのじゃないだろうか。ところが一方、函館本線のごときは、自動車高速道路もできない、また港湾も十分でない、にもかかわらず、国鉄が輸送の中心でありますが、部分的にトラックにとられておる。こういう状況でありまして、やはり国全体が総合的に開発せられていく必要があるので、国鉄はそういう開発の使命を持っておるところに苦しいところもある、こういうことであります。 パイプラインの問題ですが、これはおっしゃるとおり運輸省といたしましても、国鉄の計画、これは詳しく申し上げるまでもなく御承知と思いまするが、第一期工事は四十七年の十月には完成をして、鶴見から大宮までの線ができるということになります。それ以外に、第二期工事以降としては、富津の近くから大体東京湾を一回りしまして、そして南埼玉から北のほうに上がっていく、一部は八王子方面に上がっていくという計画をすでに持っております。問題は、これを独占事業としてやる方法がないだろうか、まあそれほどのお気持ちでもないかもしれませんが、当然国鉄がやるべきじゃないか。私たちも、国鉄は輸送が仕事ですから、それが車で運ぼうが何で運ぼうが、輸送事業でありますから、したがって、これは国鉄にやってもらうという方針で進めておるわけであります。 ただ問題は、通産省が計画しておるかどうかは知りませんけれども、海上パイプラインというものは、ある企業とある企業の関係の油の輸送でありますから、これは油関係なり工場関係が主になってつくってもいいのではないか。ことに東京湾の場合は、将来船が非常にふくそうしますから危険もある、こういう意味において海上パイプラインはなるべく早い機会にこれをつくり上げたい、そのパイプラインの運営は企業会社、あるいは必要があれば、国鉄もそのパイプラインを使うとなれば一部加わってもいいのじゃないかと考えております。しかし、陸上パイプラインになりますと、これはやはり国鉄が原則として進めていく、のみならず競争条件ですが、もし民間企業として、はたしてパイプラインを国鉄がやるのに対して輸送コストが安くなるかどうかということになると、必ずしも安くならないのじゃないか。というのは、国鉄の場合でありますと軌道敷を利用することができますから、その意味においてのいわゆる補償費用とか買収費用というものが非常に少なくて済む、これが一つ、もう一つは、一種の危険物でありますから、したがって、安全輸送ということになりますと、国鉄のような機関がやることのほうが好ましい。こういう意味において、私自身としては、陸上のパイプラインというものは国鉄がやっていくべきであるし、やるように今後とも各省と折衝を進めていきたい、かように考えております。
○勝澤委員 時間がありませんから、大臣、答弁にとらわれてものが進展しないように思うのですけれども、私、ものの見方を言っておるわけであります。 そのものの見方というのは、いま国鉄に乗るべき貨物がトラックにいっている、あるいは飛行機や船にいっている。ですから、一つのものをやるときに、あなたのところでやるわけですから、あなたのところで総合的にものをやらないと、結局、トラックは道路が狭いのにとにかくあなたのところでどんどん許可して走らせている、だから、これは国鉄におろせばもっとうまくいくというのがあるにかかわらず、あなたのほうでごちゃごちゃの輸送体系にしておるわけです。そこでパイプラインの問題を私は言っているわけです。パイプラインの問題も、パイプを通すその中へ油も十分そういうことにしないと、競争になっただけではまた同じことになってしまうじゃないか。だから、そういう意味で、いまタンクローリーで運んでいるもの、あるいは貨車で運んでいるものを 一本のパイプラインで運ぶことは当然です。必然的なものです。それにはやはりその中へ通すものというものをしっかり確保しておかないと、片一方できてみたら片一方も同じことをやっているということではいけない。 運輸大臣ですから、もっと詳しく質問していけばまた答弁が出るでしょうけれども、時間がございませんから、そういう点で、ぜひ総合的な見方というものを特にいましてもらうべきときだ、そうしないと、問題点というものがなかなか前進をしていかないし、また同じような結果というものが生まれてくる。特に留任されることを確信いたしまして、たいへん困難な今日の運輸の全体についてあなたらしい力をひとつ発揮されるように要望いたしまして、終わります。
○濱野委員長 大臣が時間ありませんから、大臣だけにまず質問してもらいたいと思います。 鳥居一雄君。
○鳥居委員 私はパイプライン計画につきまして二、三お伺いしたいと思います。 まず、国鉄のほうで出資いたしております民間会社があります。その中の日本オイルターミナル株式会社、ほか十八社あるわけですけれども、この日本オイルターミナル株式会社につきましては、資本金五億、国鉄の出資額が二億五千万、現在本社が東京都千代田区にありまして、内容を見てみますと、昭和四十三年の決算で、営業収入が八億一千六百万、営業費、営業外損失その他差し引き考えてみますと、この会社は赤字会社になっております。 国鉄としては二億五千万の出資をしているわけでありますけれども、この赤字の原因と今後の対策、これについて総裁から伺いたいと思います。
○磯崎説明員 オイルターミナル会社は、できましてからちょうど三年目だと思います。御承知のとおり、相当先行投資が非常に多い仕事でございます。たとえば高崎の例をとりましても、タンクをつくる、あるいはいろいろ荷役設備をつくるというふうに、非常に先行投資の多い会社でございますので、大体その利子、償却費等の関係でいま赤になっております。いまのところではあと三年はかからないと思いますが、二年もたてば大体黒字になる、いまの輸送量の伸び方で申しますれば黒字になるというふうに考えております。
○鳥居委員 なお、かなりの国鉄の用地を使用しているわけでありますけれども、国鉄用地の使用料、それからその算定方法について資料を要求したいと思います。提出していただけますか。
○磯崎説明員 承知いたしました。
○鳥居委員 それから、国鉄は昭和四十五年度でおよそ五千億の赤字を出す予定になっているわけでありますけれども、パイプライン計画を見ますと、これが百四十二億円、こういうことであります。そうしてターミナルに三十二億円、本線のパイプラインのほうに百十億円ということになっております。本線のほうは国鉄の直営ということになるわけでありますが、ターミナルに三十二億円かける。この点について、ターミナルは民間でやるようになっておりますけれども、国鉄はこれに対しまして出資をするのかどうか、その点、どうでしょうか。
○磯崎説明員 いま考えておりますのは、これは先ほど勝澤先生から御質問がございまして、いろいろ運輸、通産両省で話が必ずしも一致していないようでございますが、私どもといたしましては、これからの石油の増加、あるいは都市内における火災防止というふうな見地からも、ぜひパイプライン輸送にしたいという見地から、メインの、いまおっしゃったおもなトランクラインは国鉄直営でやりたい。しかし、各会社にブランチができますので、そのブランチと各会社のステーション、これはどちらがいいか。いまおっしゃった三十二億のほうにつきましては、出資各石油業者と共同して、ポンプを含めたブランチを一緒にするか、その点、私どもで全部末端まで直営というのは少し無理だと思いますので、どこで切るかということにつきましては、もう少しいろいろ検討いたしてみたいと思っておりますが、私どもといたしましては、お役所同士の間の所管争いはもうけっこうでございますので、一日も早くひとつ仕事をさせてほしい。いまおっしゃったように百四十二億かかりますけれども、幸い労働集約産業でもって貨物輸送よりもコストが非常に安くなりますし、二割ぐらいは運賃が下がるということもございますので、あまり権限争議をなさらないで、ぜひ早く私のほうがやることをお認め願いたいというふうに実は運輸省にお願いしている次第でございまして、その点、私どもといたしましては、メインラインは直営、それからブランチのほうは業者との共同経営というふうな形で考えるのが一番妥当じゃないかというふうに思っております。
○鳥居委員 その百四十二億円のパイプライン計画についての資金の内訳はどういうふうになっておりますか。資金運用部からの借り入れ金あるいは鉄道債券の発行でやるようになるだろうと思いますが、実際問題として、この金利を入れ、あわせて考えますと、かなりのものになるのじゃないかと見られるわけですが、金利を入れて一体どのくらいになるのか、あわせてお答え願いたい。
○磯崎説明員 資金の手当てにつきましては、先ほど四十三年度の決算でも申し上げましたとおり、資金運用部よりの借り入れあるいは鉄道債券等でやっております。ことに来年度は自己資金がございませんので、ほとんど全部借金であります。ただ、百四十二億のうちのどの部分が借り入れ金でどの部分が鉄道債券ということは、そのつどの資金手当ての関係できめておりませんので、私どもといたしましては、運用部も鉄道債券もプールにして新しい投資に使うわけでございます。平均利回りが大体七分でございますが、現在六分五厘まで利子補給をいただいておりますので、百四十二億の六分五厘、すなわち大体金利だけで七、八億というふうに見ているわけでございます。
○鳥居委員 問題は、このパイプライン計画の実際の経営のことでありますけれども、この経営にあたって終始黒字が期待できるものであるかどうか、この点が心配であります。せっかくやっても赤字になるようでは全く無意味でありますし、早期に投資額の回収をはからなければならないと思いますが、その計画と黒字の見通しについて御説明願いたいと思います。
○磯崎説明員 これは日本に限らず、外国の例もずいぶん調べてまいりました。現に私どもからヨーロッパにもアメリカにも人を出しまして相当勉強をいたしました結果、さっき大臣がおっしゃいましたように、鉄道線路敷を使いますので用地費がほとんど要らないわけでございます。それらを勘案いたしますと、現時点でいまの石油類の伸びからいたしますと、五年目には大体黒字になるという見通しがついております。
○鳥居委員 要するに通産がやる、あるいは通産じゃなくて国鉄がやるという問題は、私たちにとっては、コストの安い計画によって安い石油が供給できるような、そういうことがやはり考え方の根本だと思うわけですが、いずれにしましても、このパイプライン計画につきましては、通産省のほうではガス事業の一環であるという立場でそちらのほうのつながりがあります。運輸省のほうでは、運ぶという点でその監督をする立場にあるわけですけれども、実際には双方から間もなくその法案が出てくるようになると思うわけです。この出てくる法案をどう扱うのか、大臣の考え方を聞きたいと思います。
○橋本国務大臣 これは事前に通産省と調整をとる必要があると思うのですが、ただ私たちはこれはガス事業とは性質が違う。従来も最初鉄道で運んでおったのですから、したがってこれは輸送事業である。先ほど国鉄総裁が言ったように、末端のものについては一つの考え方もありましょう。しかし幹線輸送は、これは輸送であって、すぐそれが火になったり何になったりするわけじゃないのですから、したがって幹線輸送は国鉄がやるべきである、そういう原則に立ってやはり法律も考えていきたい。これは私は通産省と話がつくと思います。 たとえば、通産省が幹線輸送までやりたいといったって、どこを掘るか知りませんけれども、道路とかあるいは河川敷といったって、これは建設省の認可が要りましょうし、道路にはガス管から電気から、あぶないものがたくさんあります。こういう意味からいっても、やはり残された大都会においてのそういう危険性のないのは鉄道敷だけですね。そういう意味からいっても、幹線は国鉄——ほかの会社ができて軌道敷を貸してくれといったって、いやだと言えばこれはできませんから、やはりこれは国鉄がやるほうがよりベターでもあるし、また安いものができるのですから、幹線輸送は国鉄がやるというたてまえで法律も考えていきたい、かように考えております。
○鳥居委員 なおこの問題は引き続き検討させていただきたいと思います。
○濱野委員長 西中君。
○西中委員 せんだって、全日空の事故につきましての調査団の結論が出たわけでございますが、原因が不明という結論でありますので、私たちとしても釈然としないものが残っておるわけでございますが、さきの松山沖の問題も十分な原因がわからない、引き続いて、この羽田沖の727の問題も原因不明、こういうように、運航の安全性の問題についての調査結果というものが、どうも私たちの期待に反したことで終わっておるわけでございます。もちろん学者、先生方が一生懸命やられたわけで手抜かりはない、このように思うわけでございますけれども、このように引き続いて原因がはっきりしない。それでなくても、せんだってより交通機関の事故が続発しておる、さらにまた飛行機そのものが大型化しておる、こういう中で安全性というものが十分解明されない。これではわれわれは安心して乗れないというのが本音ではなかろうか。この点について大臣はどのようにお考えになっておるのか、さらにまた、今後こうした安全性についてどういう気持ちで対処されるのか、この姿勢を最初にお伺いしたいと思います。
○橋本国務大臣 調査の経過等がありますので、とりあえず調査の経過等を航空局長から答弁させます。
○内村説明員 大臣の命によりまして、全日空のボーイング727型機が羽田沖におきまして事故を起こしましたその後の調査の概要を申し上げます。 まず、飛行機の事故が起きましたのが昭和四十一年の二月四日でございました。そこで、直ちに二月七日に事故調査団というものを設置いたしまして、そのメンバーといたしましては、関係学識経験者あるいは関係官庁の職員といったようなものから構成いたします調査団を設定いたしました。 そこで、調査団といたしましては、事故の形態をいろいろ考えまして、構造あるいは発動機、機器、操縦、こういった各分野からなる現物小委員会というものをまず設けたのであります。そこで、この小委員会の活動を中心といたしまして、機体の残骸の調査でありますとか、あるいは各種の実験、研究、こういったものを行ないました。特に問題となった点につきましては、関係機関、それぞれ専門の研究機関等でございますが、そういうところに依頼いたしまして、精密詳細な調査を行ないました。 そこで、経過全体から申し上げますと、総会を三十三回、それから小委員会を四十七回開きまして、精力的に調査を行なったわけでございます。しかし、残念ながら、この事故原因というものは具体的な証拠が得られないために、やむを得ず原因不明という結論にならざるを得なかったわけであります。 と申しますのは、何ぶんにも全員が死亡しておりますということ、それから時刻が夜で暗かったものでございますから、信用するに足る目撃者があまりいなかったということ、それからフライトレコーダーというものが航空機についておりませんでしたので、航空機の航跡と申しますか、たどった航路あとがはっきりいたしませんということのために、残念ながら原因が不明だったというふうなことでございます。そして、そのような結果をことしの九月二十九日にまとめ上げて報告したような次第でございます。
○西中委員 本年一月の三十二回総会における、審議でございますが、いわゆる第四次の報告書案の審議についてはどういう話し合いになったか、もう少し詳しく御説明願いたいと思います。
○内村説明員 御質問の第四次の報告書案の審議でございますが、これは昭和四十五年一月二十四日に開かれたわけでございますが、各団員の修正意見というものが出ましたので、それによりまして誤謬というものを訂正するというふうなこと、それから解剖結果の報告書が出ましたので、その報告書をどういうふうに取り上げるかということ、それから航空機に火災があったかどうか、その点をどう見るかということ、それからフライトスポイラー及びグラウンドスポイラー、これがどうなっていたか、はたしてそのグラウンドスポイラーというものが上げの位置になっておったかどうかというふうな点、さらにコーンボルトの破断、これは第三エンジンについておりますとめておるボルトでございますが、これがどういうふうにして破断されているだろうか、そういうふうな点についての審議をいたしました。なお、山名先生の意見がございましたけれども、そういったものに対する意見をどういうふうに考えるか、そういったようなことの調査研究を続けました。しかし、具体的に、そのこれこれが事故原因であるというふうな的確な一証拠を見出すことがついにできませんでした。したがいまして、結果といたしまして、原因不明という結論で報告書をまとめざるを得ないということで、これについての賛否を問うたわけでございます。その結果、山名団員を除きまして皆さん賛成ということがその第四次報告書案の審議の経過でございます。
○西中委員 いま山名氏のお話が出ましたが、私はきょうはこれは大きな質問の内容としたくないわけでございますが、その中で、報告書案をいつものとおり審議していたが一審議の途中、いきなり某団員が、あすまでかかっても終わらないから、この草案全体に対して賛成か不賛成か決をとるという提案をした。最も技術的、科学的に研究し、原因の究明を行なわなければならない多くの問題点があるにもかかわらず、このような方法で結論をつけるということは納得がいかない、こういう趣旨の発言がございますが、こういうことが実際あったのかなかったのか、それをひとつお伺いします。
○内村説明員 技術部長に答弁させます。
○金井説明員 お答えします。 ただいまの御質問ですけれども、若干誤り伝えられておるところがあるのではないかと思います。 採決をとったということは確かでございますけれども、採決をとったのはこういうことでとったのでございます。要するに、これから何年間か調査を続けるということにしても、すでに四年有余調査をしておってまだ原因がわからない、これから何年間か続けるとしても、はたして断定できる証拠が見つかるかどうかわからない、したがいまして、もしそういう具体的な証拠が見つからないような場合には、原因不明ということで報告書を書いてもやむを得ないと思うけれども、そういうことでどうだろうか、あるいは、原因が見つかるまでは何十年でも続けろという御意見があるかもしれないけれども、具体的な証拠をつかむ公算がきわめて少ないんだから、原因不明ということで最終報告書をまとめることについて採決をとったわけでございます。要するに、内容の賛否ということではなくて、会議の持っていき方について採決をとりました。
○西中委員 ただいまの御説明ですが、山名氏とすれば、十分納得はしておらないけれども、それは問題としては一応残された形だというように私たちは聞いております。しかしながら、その内容が非常にあいまいというか、現時点においてははっきりさすことはできない、将来の見通しを立てた上でこうした調査を打ち切るという採決だった、このようにおっしゃったように受け取ったわけでございますが、そうしますと、学者は技術的に問題があるんだとがんばっているけれども、大多数の意見としては、これはおかしいということですね。 ですから、私たちとしては、山名氏の原因糾明、これはまだ尽くすべき点があったんじゃないか。多数決できめるという以外に、なお一そうこの点を追及すべきではないか、こういう素朴な感じを持つわけでございますが、そういう点、どうでしょう。
○金井説明員 もう少し研究を続けるべきではないかということでございますけれども、試験とか研究というものは、その事故当日の状況を再現した状況で試験しなければ意味がないわけでございます。 といいますのは、当時の風の状況、波の状況、波の大きさ、こういうものを事故当時と全く同じに再現して、そしてそこでぶつかる試験だとかそういうものをやらないと、何回やっても当時のことを断定するきめ手にはならないわけでございます。したがいまして、それでは、当時の状況がわかっているかといいますと、これはわかっておりません。したがって再現することが不可能でございます。したがいまして、これから研究を続けましても、当時の状況を十分再現できないような試験を続けてもきめ手にはならないのではないかというのが団員多数の意見でございまして、そうして調査を打ち切ったわけでございます。
○西中委員 調査班としてはなすべきことは十分された、こういうようにお話があったように私は受け取りました。 それでは、具体的な調査団のシステムについてお伺いしますけれども、調査団員の先生方、運輸省の方、それから関係の検査に当たった企業の方、その辺のつながりなり構成なりというものはどういうようになっているのか御説明いただきたいと思います。
○金井説明員 調査団員は十八名で、航空局内部から出された団員は五名おります。そのほか関係官庁、それから学識経験者をもって構成されておる十八名の団員で調査を開始しました。 企業とのつながり、あるいはその他のことでございますけれども、これらの学識経験者の方々は厳正に中立でございまして、自分の学識経験それから技術に基づいて、きわめて厳正中立に調査に当たってくださったと確信しております。
○西中委員 どういうように検討をしたか、また討議をしたか、そのことです。
○金井説明員 どういうふうにといいますのは、専門別にどのようであったかということでございましょうか。——まず、これは専門別に、構造あるいは発動機関係としましての人は、いま局長からも発言がありました山名先生、それから永野先生、それから日本航空の富永五郎、それから佐貫亦男、それから航空宇宙技術研究所長であった松浦陽恵先生、これらの方が当たりました。これが発動機とか構造関係でございます。それから気象関係につきましては、気象庁の研究所の北岡竜海所長、それから法医学関係に関しましては、東京都の監察医務院長の吉村三郎先生と、当時の東京大学教授、現東邦大学の上野正吉先生、それから操縦関係につきましては、日本航空のパイロット、機長でありますところの佐竹仁、こういう人たちが担当に当たりました。
○西中委員 私のお聞きしたいところは、いわゆる機材関係についての検査をされるところ、これはお聞きするところによると、各会社に委託されておる。それから気象、運航等については運輸省航務課のほうでやっておられる。その間の、機材のほうとそれから気象、運航、こういうもの、それから先生方との連絡、こういう点がどういうように行なわれておったかということで、私が聞いたところでは、政府の運輸省の皆さん方がそういう取りまとめをされて、そして会議にかけておられる、こういうように聞いているわけですが、その点どうでしょう。
○金井説明員 実際の詳しい調査にあたりましては、施設その他の試験の設備がございませんので、会社の設備を借りたことはございますし、役務も提供を受けたことはございます。しかし、そういう試験とか調査のときには、必ず航空局の職員が初めから終わりまで立ち会いまして調査しておりまして、ただ単に施設を借りたということでございます。 それから、その調査結果は各専門別に、これはグループレポートといいますけれども、そういうこまかいレポートに書きまして、そのグループレポートをもとにいたしまして最終報告書の案をつくりまして、そしてこれを団員の総会の会議にかけております。
○西中委員 いまおっしゃいましたように、審議の基本となる事故調査報告書案というものは、初期調査ですか、そういうふうにおっしゃったのですが、そういうほうでおつくりになる、それで先生方はこれを討議をされる。それも一つの調査方法だろうと思うのでございますが、たとえば、聞くところによりますと、機体が引き揚げられたときに調査団全員で一回現場調査を行なわれた。その後は現場小委員会が設けられて現場の諸県について初期調査の段階で調べておる、このように聞いております。また木村団長は、団員が引き揚げ現場に行かないのは普通だと思う——一回行かれたようですけれども、あとあまり行っていないということですが、記録に基づいて現場小委員会というものをつくり検討するのが団員の仕事である、一人一人現場に行って状況を見ても何にもならない、こういうような発言もなされたように記録が残っております。 ここで私が申し上げたいのは、こうした現場調査がもう一つはっきりしない、一回きりである、むしろそういうところへ行くのは仕事ではないというような姿勢で最初から行なっておられる。さらに団長は、全日空のこの727の事故の場合は何しろ初の大事故でしたからみながあわてていた、そういうところがあったと思う、最初に幾らか混乱したことが最後まで尾を引いたことも考えられる、そういうふうに見られると、こういうような発言をされております。ですから、先ほど私がお聞きしたのは、こうした初期の調査不足の要素が含まれておる、こうした問題について作文をされるのが運輸省の皆さん方であって、先生方は現実問題としては会議をされる、これは一体どういうことなのか。実際問題として、先生方は研究をされる場合には、どんなささいな研究だってへばりつきでやらなければならない、これは常識で考えるとよくわかる問題だと思うのです。 さらにまた、こういう一回の現場調査で、現場に行く必要がない、これはわれわれの仕事ではないんだ、こういうようなことでスタートしておる。それがはたして正確、厳正な調査が行なわれた、このように言えるかどうか。そして一方では、先ほど申しましたように、山名教授の七時間にわたる説明に対して、打ち切りということで採決が行なわれた。その辺の事情は先ほどお聞きしたばかりでございますが、結論的にはそれはやはり葬っておるということは事実なんで、こういうような発言が続いておる。実際問題として、結局は原因不明になった。これは私は、初期の段階から通して、また運輸省が作文をしてそれを討議にかけるというだけではほんとうの調査が行なわれたかどうか疑わしい、十分な調査が行なわれたかどうか疑わしい。大ぜいの人命が失われて、最終的には原因不明と、こういうような結論がついておることについて、ほんとうに残念でならない。そういう点、どういうように皆さん方はお考えなのか、御回答願います。
○橋本国務大臣 当時遭難されました遺族の方々に対して、心から御冥福を祈っておる次第であります。 私も木村団長から調査団の報告を受けたのでありますが、約一時間にわたって内容も説明してもらいました。なお報告を受けたあとで、私もしろうとでありますから、いろいろ聞きたいことがあるから、あとしばらく時間をかしてもらいたいということで、そのあとで約一時間にわたって私から二、三の質問もし、またいろいろと聞いてみたのであります。 木村団長は、この種の調査というものは非常にむずかしい、ということは、先ほど言ったような条件のもとに起きた遭難でありますために、的確な材料を押えがたいということ、したがって、結論は原因不明ということでありますが、原因不明ということは、何もさっぱりわからないという意味ではなくして、幾つかの条件が総合してなった場合もあり得る、あるいはまた、これが陸上でありますと、せんだって二、三日前にジャンボのタイヤがやられましたが、ああいう状態でありますと、これは的確な証拠状況がわかる。けれども、あの場合においては夜中であり、かつまた目撃者も少ない、そうして、落ちるときには大きな衝撃を受けたわけでありますから、したがって、その機材等を取り上げてみてやってみても、そのものについては、大きなものについては異状がなかったものもありましょうけれども、こまかいものになると、はたしてそれがそのとおりかどうかも、これもわかりにくい。それから人的関係、人の関係からいいましても、人間のいろいろ感覚でありますから、あるいは高度を見誤る場合もありましょうし、あるいは高度計自身がどうであったかということも証明がつかない。その他その人の精神状態、いろいろの点があるものですから、生きておればいろいろな点を調べることができるのですけれども、その点において、これが原因であると、こう一つきめることができない。であるからして、いろいろ推論するなれば、総合的な問題が一緒になってきたかもしれぬし、あるいは単一に近い複数の原因で起きたかもしらぬが、あるいは全体的なものが重なり合って、人間の心理等も重なり合って起きたかもしらぬ、そのいずれも、残された証拠なり状況等では判断がつかない、これだと、こういってきめる手がない、こういうために、結論としては原因不明というような答えを出さざるを得なかったんだ、かようなことを言っておりました。 それについては、木村団長などは、やはりアメリカでは事故調査委員会というものは常設機関になっておる、これから航空事業というものは非常に激増してまいることになるからして、したがって常設機関を考える必要がありはしないだろうか、そうなれば、たとえばせんだってのようなジャンボの陸上でのパンクの問題とかあるいはちょっとした故障、そういう問題も常に事故調査機関が調べておきますれば、他に事故が起きた場合においての参考資料にもなり得るであろう、こういう意味において、当局にも考えがあろうけれども、将来はそのようなことが必要となるのではないだろうかというような非公式の提案もあったわけであります。 われわれ全くこれは専門家でありませんので、しかしあの調査団をお願いしますときには、とにかく斯界の権威といいますか、一流の権威の人を並べ、まあこれ以上の人はいないという観点で当時の運輸大臣はこれをお願いをした、その皆さんが四年何カ月という長い間かかって、何とかして原因を究明しようということでやったのでありますが、先ほど申し上げましたような事情でその原因がなかなかつかめない、幾つかの原因が総合したものであるのか、一、二の問題が原因なのかがどうしても判定しがたい、こういう学者の結論でありますので、われわれはこの報告書を了とせざるを得ないわけであります。 しかし、将来の問題として、いまお話がありましたように、やはりこの人命尊重といいますか、もしこれから大型化になって、三百人、五百人あるいは二十年先には千人と、こういうような飛行機も出てまいりましょう、そうなれば大問題でもあります。たとえ一人でもこれはもちろん大問題でありますからして、これらの対策については十分に万全を期する意味で、あるいは機関等あるいは調査の方法等、こういうものを今後とも検討して万全を期したい、かように考えておる次第であります。
○西中委員 私が聞いておるのは、結果的にはしかたがない、現状どおりでしょうがない、これはよくわかるわけです。しかし、そこへ行くまでの段階の話をいましておるわけで、たとえば機材については幾つかの企業に調査をお願いをされたというが、この点はどこどこにお願いをされたか、ちょっと教えてくれませんか。
○金井説明員 石川島播磨重工、それから日本航空、それから関係官庁としまして航空宇宙技術研究所、金属材料研究所、警察庁の科学研究所、以上でございます。
○西中委員 そうしたところで調査したのをレポートを出された、ということですね。
○金井説明員 さようでございます。
○西中委員 こういう点について、先ほどから言っているように、レポートというよりも、むしろ独自の調査をされた山名氏のこの調査結果、七時間の説明があった、それはそのまま終わった。それについてはいろいろ異論もありましょうから私は深くは追及しませんが、そうした点で私は非常にふしぎに思うのは、先ほど申しましたように、こうした事故について、案外とりっぱな先生方は並んでおられるわけでございます。先ほどもこれ以上のメンバーはないということでございますが、むしろ私は、あまりりっぱ過ぎたのではないか、レポートを材料にして討議をされるだけでは、ほんとうにその原因究明ができるかどうか、こういう点を先ほどから問題にいたしております。 さらにまた、この調査団に運輸省から参加をされた方がいられるわけでございますが、そういう皆さん方のことについて一言お話を聞きたいわけでございますが、どういう方が参加されたかちょっと教えていただけませんでしょうか。
○金井説明員 団員としては、航空局の技術部長、事故調査課長、航務課長、検査課長、乗員課長ということでございますが、途中で検査課長は交代しておりますので、それはもう終わっておりましたので発令しませんでした。
○濱野委員長 吉田君。
○吉田(賢)委員 時間がありませんから、簡単に一、二大臣に伺ってみたいと思います。 去る十月の五日から私鉄大手十四社が値上げが認可になって実施をいたしましたですね。いろいろと大臣も直接に行政指示をせられたらしいのですが、ただ、考えてみるべき点は、私鉄会社は、私鉄会社が本来鉄道事業に投資すべき資本を、むしろ妙味のある副業に、たとえば土地開発とか宅地開発とか、あるいはターミナルのデパート経営とかホテルの経営とかいうようなことにかなり投資しているというようなこと、そういうような辺につきまして、単に輸送力の増強もしくは観光客を主にするのじゃなしに、ラッシュを緩和する等々の問題だけじゃなしに、資本の使い方というものにつきまして相当厳重な監督があってしかるべきではないだろうか、こういうふうに思うのですが、それらの点につきましては、運輸省といたしまして、交通行政の主管庁といたしましてどういうふうにお考えになっておりましょう。
○橋本国務大臣 御承知とも思いまするが、私鉄の最近の経営状態は、鉄道部門で非常な赤字を出しておって、不動産部門等の兼業でその赤字をある程度埋めておるというのが現状であります。 しかし、運輸省といたしましては、輸送力増強並びに安全保持のための工事、こういうために、四十二年度を初年度とする輸送力増強及び運転保安工事の五カ年計画というものを私鉄と話し合いましてつくりまして、そうして、このような措置については、いわゆる投資金額をちゃんと区別しまして、それに対して設備投資をやらぜてまいっておるわけでございます。そのうちで、本年は三年目でありますけれども、大体第一年度、第二年度は予定どおり進んでおりましたが、三年度は少し——やはり収支の見合い等もあったのでありましょう。経営状態からいって最初の計画から三年度は多少おくれておる、こういう状況でありますが、運転の保安工事等につきましては、ほぼ達成の予定で進んでおります。そういう状況で、いわゆる彼らの資金の使い方、その金が、たとえば増資されました場合に、あるいは金を借りた場合に、それが鉄道部門にどう使われるかということについては厳格にこれを指導監督をいたしてまいっております。
○吉田(賢)委員 本来、鉄道事業は引き合わないものである、採算がとれないものであるということが動かしがたい前提になるならば、これはやはり鉄道経営というものは、私鉄、国鉄にかかわりませず、全体的に抜本的な研究をして対策を立てる必要がございます。しかしながら時勢の流れに従って、ホテルもやるわ、土地開発、宅地開発もやるわで、もうけてようやく補っておる、そこで、運賃値上げをしなくちゃならぬじゃないか、こういうような赤字の訴えに応ずる前提がこういうふうにありますというと、これはまたひずみがくるのじゃないだろうか。今回のたとえば東武線のあの悲惨な事故についてみましても、いただいた資料等によって見ましても、全国の私鉄の踏切、一種も二種も三種も四種もないような踏切が二万をこえております。そういうような何らの施設もないような踏切が無数に存在するということも、これは人命尊重と言われる限りは、第一にそういった面について何らかの手を打つことを指示しなければいけない。単に輸送力増強というだけでは、これはもう経済追求のみになる危険がございます。そういう点が、今度の東武線の相重なるああいうような重大な事故の一つの原因として、世間の注目すべき、また政治課題としても大事な問題点ではないかと、こう思うのですが、そういう辺については、ひとつ根本的にこの際、言うならば、全国の私鉄の一切の踏切について、二万の踏切を総点検するというぐらいの姿勢をもって臨むというのでなければ、人命の尊重なんというものはこれはから念仏です。そういうことになるのですが、大臣、ひとつあなたの任期中にこの辺の問題については手をつけたらどうですか。
○橋本国務大臣 ただいまの御質問は、先ほどお話し申し上げましたが、おっしゃるとおりに、これはもう交通安全といいますか、事故防止はわれわれの最大の責任でもありますので、積極的にやってまいるということで、きょうの閣議でかなり思い切った措置を決定いたしました。従来ともに、私鉄のほうにおきましては、四千カ所踏切整備を行なってまいっております。しかし、今回の事故を見ますというと、二回とも大事故、その次は自分が死んじゃったのですが、第二回目の事故にしましても、警報機が鳴っておるにもかかわらず突っ込んでくるのですね。 そういうことから考えまして、今後の踏切整備には、警報機というものは暫定的にはやむを得ませんけれども、方針としては、もう単独警報機ではだめだ、全面遮断、いわゆる半分おりる何もあるのですが、これでは縫ってきますから、全面遮断、こういうような踏切にかえる。特に東京、大阪のような交通のひんぱんなところは、この二カ年間のうちに全部この遮断機に直してしまう、あとは、いわゆる無理に踏切をつくらぬでもいいところは、この際はもう踏切をとめてしまう。大体先ほど申し上げたのですが、ヨーロッパ、アメリカの例でもそうですけれども、おそらくヨーロッパでも、平均して踏切と踏切の区間は千メートルあります。日本の場合、私鉄はわずかに三百メートル、二百メートルです。平均して三百メートル、国鉄が約六百メートルあります。ですからして、あまりに踏切が多いことも、これも必ずしもいいことじゃありませんから、そこで、これをある程度整理し、そうして整理されて残ったものは完全遮断を行なう、同時にまたダンプカーにつきましても思い切った規制をやろう、こういうことを八項目にわたってきょうの閣議で決定いたしましたので、私は任期中にこの問題については大きくひとつ前進をしたい、あるいは根本対策を行ないたい、かような決意をもって当たっております。
○吉田(賢)委員 さらにこの際、大きく運輸行政を画期的に推進すべき一つの手法があると思うのです。何かといいますと、いまはやはり運輸行政は、日本の運輸交通、道路交通その他がこれまた大きく流動し、変化しつつあることは、これは申すまでもございません。 そういったときに、やはり交通施設運営、建設から管理、採算一切に至りまするまで、十分に財政投資と効果の辺について運輸省といたしましては検討いたしまして、総花主義にならぬように——これは国鉄に聞きますけれども、あなたは時間がないから国鉄に聞くのですが、たとえばことし決定いたしました全国的な新幹線網、あれにいたしましても、総事業量は十一兆三千億円ですか、みんな国民の税金です。税金で、赤でも黒でも何でもいいから、ともかく皆さんが、審議会の委員の連中が手をたたいたらそれでぱっぱときまっちまうというようなことでは、とても国鉄行政というものは財政の裏づけを持っていけませんし、そういうことをいたしましたら、人間の尊重ではなしに、それはお金を追求する面の尊重、それから利権、権力、そういったものにあこがれる、そういう追求に財政が活用されることになります。この辺も、いまの私鉄から国鉄から総括いたしまして、ないしは航空も海運もあるいは陸上も、一切の陸上交通もあわせまして、私はやはりあなたの審議会でもやっておるような一つの総合施策の基本理念といたしまして、財政の裏づけ、その裏づけの財政のあり方、金の使い方、資本の投入のしかた、つまり、目的に沿いまする正確な投資効果を検討していくというようなことが相当芽をふいてよいときではないだろうか。いろいろな事件が起こりましてからあれやこれやと言うて、なお右往左往しているような現況では、次から次へ起こってまいります。あとから聞くのですけれども、たとえば去年のぼりばあ丸、ことしの二月のかりふおるにあ丸、あんな問題でも、あの大きな超特級の鉱石船が原因不明で沈没しておる。いまだ究明の結論を得るに至らずということであります。というようなことでございますので、やはりもっと科学的な文明的な合理的な手法を、財政との結びつきにおいて検討されることが新しい運輸行政のあり方の一つの門を開く道になるのじゃないかとさえ実は私は考えるのです。非常に重要な問題が山積しておるし、次から次に起こってくるときですから、絶好のチャンスだと思うのです。あなたも勇断をもってひとつ、ああいう遭難事故からというわけではないだろうけれども、非常に思い切った措置を手ぎわよくやっておいでになりますが、財政運営について、そのくらいの手をこの際打つということを一つの基本的課題としておやりになったらいかがですか。そして、でき得るならば四十六年の予算にも頭を出すというぐらいになりましたら、私は非常に大きな成果が期待されると思うのですが、どうでしょうね。
○橋本国務大臣 これは吉田さんはじめ皆さんからの御意見でもありますので、おっしゃるように重点的に金を使っていく、ことに、環境保全といいますか、安全対策とかいうような住みよい社会をつくるために重点的に金を使っていくという方針で来年度予算にわれわれは要求をいたしておるわけでありますが、皆さんの御鞭撻を得てその目的を達成したい、このように考えております。よろしくお願いします。
○吉田(賢)委員 終わります。
○西中委員 少しもとに戻りますが、先ほど機材の検査について依頼をされました各社の窓口といいますか、連絡なりレポートの作成なりをされたのはどなたがやられたのか、その点をお伺いしたいのです。
○金井説明員 レポートの整理は事務局で担当しました。
○西中委員 事務局のどこですか。
○金井説明員 機材関係については、航空局の技術部検査課でございます。
○西中委員 先ほど運輸省の皆さん方のメンバーをお話しいただきましたが、神野さんですか、検査課長さん、この方はいつまでやっておられましたですか。
○金井説明員 四十二年七月でございます。
○西中委員 その次の村林さんはいつからやられておりますか。
○金井説明員 その次は、私、金井が検査課長になりました。四十二年七月からです。
○西中委員 金井さんは航務課長ではないのですか。
○金井説明員 その前に検査課長で、四十四年の六月に航務課長になりました。
○西中委員 それまでは検査課長ですか。資料が間違っておるのですか。
○金井説明員 はい、そうです。
○西中委員 それから、運輸省関係の皆さん方がほとんど全部異動されておりますが、要するに、こういう重大な問題で調査をしておるのに、運輸省の皆さんがどんどんかわられる。これはやむを得ない事情もあったのかと思いますが、その点はどういうお考えであるか、局長から……。
○内村説明員 ただいま御指摘の点でございますけれども、やはり理想的に申しますと、ずうっと長い間担当するということが望ましいことかもしれません。しかし、現実の問題としては必ずしもそうまいりませんので、大体資料をつくっておりますけれども、その資料によりましてまた引き継ぎをしながらやる。特にその関係につきましては、四十二年に事故調査課というものをつくりまして、そこでもって事故調査を主管とし、担当することにしておりますので、そこが中心になりまして進んでまいるということになろうかと考えます。
○西中委員 事故調査課も、この資料では四十四年七月十六日からになっておりますけれども、これも間違いですか。それまではないですよ、ここに。
○内村説明員 資料が間違っておりましてたいへん失礼申し上げました。四十二年の七月でございます。
○西中委員 これは間違っておるのだな。 それからいま申し上げたように、運輸省のほうはほとんどメンバーがかわってしまっておる。それから先生方の中にもやめておられる方もある。さらに、先ほど申したように、検査課で書類をつくられる、先生方がごらんになる、こういうような内容になっているわけでございますが、さらに私はいまふしぎに思っておりますのは、予算の点でございますが、四年有余にわたる調査の結果、どのくらいの予算を使われましたか、その内訳等お願いします。
○内村説明員 予算の総額が大体千九百五十二万円でございます。 その内訳のおもなものを申し上げますと、第一に直接経費、これは残骸の揚収の費用あるいは展開の費用、移動の費用、それから発動機の分解、点検の費用、それから装備品の調査の費用、それから再現飛行試験、と申しますのは、同じような状況をもう一回再現するために飛行機を飛ばしてみるわけでございますが、そういったための飛行機の賃借料、そういったものが約千四百万円くらい、それから部外の方に対する諸謝金、これが大体四十二万円くらいでございますが、それから事故調査用の機械の購入費、これが三百五十万円くらい、これが四十年と四十一年でございまして、四十年と四十一年の計が大体千七百九十二万円くらい、そのほかに四十二年以降といたしまして百六十万円、合計で千九百五十二万円、これが大体の概要でございます。
○西中委員 おたくのほうから出していただいた予算とは全然違うわけですね。これも千五百万円とここに書いてありますよ。それはどういうことです。先ほどはメンバーの内容も全然違うし、予算も違う。これはきのう聞いている。
○内村説明員 千五百万円と申しましたのは、四十五年一月現在の資料で申し上げたわけでございます。ただいま申し上げたのが総計でございます。
○西中委員 変わりがないとおっしゃったのですよ、現在まで。
○内村説明員 四十五年一月現在の資料をまとめたわけでございます。このうちの一部について申し上げますと……。
○西中委員 返事がいいかげんだったのだね。メンバーは違うし、日にちも違うし、お金が違っておる。これはどういうことですか。
○内村説明員 たいへん申しわけありません。いま申し上げましたように、四十五年一月現在の資料を提出した次第でございます。
○西中委員 その中で、調査団の先生方に渡された金額はどのくらいになっておりますか。
○内村説明員 約百万円でございます。
○西中委員 百万円というのは、何人の方にお渡しになりましたですか。
○内村説明員 部外の団員延べ三百四十名でございます。
○西中委員 一人当たり何ぼですか。
○内村説明員 ちょっと御説明が変わるかもしれませんが、団長さんに対して一旦二千五百円でございまして、そのほかの団員の方は一旦二千円でございます。
○西中委員 百万円というのは一年間ですね。
○内村説明員 いえ、初め……。
○西中委員 計算、合わぬじゃないですか。
○内村説明員 初めから四十五年までの合計の延べ人員に対する謝礼でございます。
○西中委員 そうしますと、実際問題としては、先生方が直接機材の点検とか、いろいろとあちこち走っていく、そうした費用は全然出ておらぬということになりますね。
○内村説明員 その場合も出しております。
○西中委員 百三万円で四年半の調査ですか、費用ですか、これは。
○内村説明員 謝礼といたしましてそれでございます。
○西中委員 私がいま申し上げておるのは、この金額が多いか少ないかということで実際問題として迷っておる。これだけの大事故で複雑な検査をする——先ほど私が申し上げたように、山名さんのことは言いたくないけれども、これはもう長い年月かけて調査結果を発表された。それについてこのお金がむしろ私は少ないのじゃないかくらいに考えておるわけです。だけれども、これが結果的に、先ほど来運輸省関係の方、理想としてはとおっしゃったけれども、しょっちゅうかわっておる。それから各会社の窓口は検査課で、検査課そのものがレポートをつくっておる。私はもっとほんとうをいうと、先生方にうんとこさ金を渡して、徹底的にこの検査をしていただかなければ、幾らこのようにメンバーをそろえても、幾ら大ぜいの権威者をそろえても結果が出ないのじゃないか。使うなら使うで、しっかり使って結果を出すのだ、これなら私は筋道が通ると思う。そうでないのに、検査課とそれから会社と先生方の関係というものが、どうも事務当局を通してやっておる、こういうさっきの話がありますが、それではほんとうの自主的な検査ができない、こういう点をいまお話ししておるわけです。ですから、この費用についてもいま明細に聞いておるわけです。その点、どうでしょう。
○内村説明員 確かに、見方によりましては少ない金額かもしれませんが、大体これによりまして、諸先生方、たいへん御協力いただきまして、必要なことはすべてやっていただいたように考えております。
○西中委員 727がこういうような事故を起こして、原因不明でございますが、いままで世界じゅうで何回こういう大事故を起こしておるのか、その点を説明いただきたいと思うのです。
○内村説明員 現在までに町が起こしておる事故は十一件でございます。 〔委員長退席、高橋(清)委員長代理着席〕
○西中委員 この五年間の事故の原因は、いろいろとこういうように説明書をもらっておりますが、いわゆる最終の進入時、飛行機が着陸寸前において高度が下がったというような比較的類似した事故が起こっております。特にメキシカーナ航空のこの飛行機なんかはそっくりなんです。そういう点で、運輸省としては、今回調査団が原因不明というそういう結論であるわけですが、これについては、かねてから727には欠陥もある、またその後欠陥個所を直した、こういうような情報もあるわけでございますが、聞いておられますでしょうか、局長。
○金井説明員 欠陥という、その程度でございますけれども、回収命令が出たのは三つばかりあります。
○西中委員 そういう問題とこの問題とは関係は全然ございませんか。
○内村説明員 この問題と関係あるかどうかということははっきり申し上げかねますけれども、ただ、事実といたしまして、今回の調査におきましても727当該機が当該飛行のときに有視界飛行としては異常な低い高度でもって進入してきたという事実はとらえられておるわけでございます。 したがいまして、そういったことも踏まえまして、今後の方法として、アメリカのFAAからも操縦の方法についても勧告が来ております。あるいは訓練についても一つ勧告が来ております。私どももそれを受け入れまして、たとえば進入する際に高度が急に低くならないように、逐次低くなっていく、そのつど高度計を読んでコールアウトするというふうな方法を採用する、あるいは訓練につきましても高降下率と申しますか、高い角度でもっておりてくる、そこからすぐ回復するというふうな訓練をやるようにというふうなことはいたしております。
○西中委員 そうしますと、そうした訓練以外の要因があるということは考えられないのですか、いまの説明以外にですね。事故の中から何か出ておりませんか。
○内村説明員 この事故に関して特にこれといったものは見当たっておりません。
○西中委員 一通りのお話を聞いたわけでございますが、団長が、最初から十分なことはできないのが最後まで尾を引いた、こういう発言をしておられましたのを、新聞でも読んでおりますし、雑誌でも出ておりますが、それはどういう点をさしておると見ておられるか、どのように見ておられるか。
○金井説明員 団長の発言は、いろいろ解釈する人によって違うかと思いますけれども、われわれ事務局はもちろんですけれども、そのような、要するに巷間伝えられるようなふぐあいというものはなかったと思っております。ただ団長が、この事故調査の会議というものは公開されておりません、したがいまして公開されておらない関係上、会議の席上知り得た秘密はなるべく外部に漏らさないようにしていただきたいということを再三申しておりましたけれども、にもかかわらずときどき漏れておりましたので、そのつど団長が注意しておりました。そのために非常にやりにくかったという点もあるかもわかりません。それから最後にはいろいろ新聞その他もありまして、感情的な対立があったのではないかというようなことがいわれておりますけれども、意見の対立はございましたが、特に感情的に対立しておるということもなかったと思っております。
○西中委員 そうではなくて、最初のときからそれがあったという話ですよ、発言では。——私が言っているのは、ですから、運輸省と学者の先生と、それからいろいろ検査をいたした先と、先ほどから言っているこの関係というものはスムーズじゃなかったのかということです、早くいえば。
○金井説明員 それは一〇〇%スムーズではない点があったかもわかりません。といいますのは、団員あるいは事務局あるいはオブザーバーとして特に二人許されておりましたけれども、なかなか会議のルールを守ってくれない。たとえば先ほどの、会議の席上知り得た秘密が漏れるとか、あるいは団員の会議に、総会にはからないで単独に調査を始めるとか、そういうふうな点で会議が思うようにいかない、あるいは意見の対立あるいはスムーズにいかないというような点は若干あったかと思われます。
○西中委員 それから、検査官の皆さん方御苦労されたわけですけれども、私は、やはりこういう点で先生方が直接自分で検査をされて自分でレポートを書かれるという、こういう事態であったならば、まだ少しは状況的には変わったのではないか、この辺を非常に疑問に思っております。 特にそういう点で一つの指摘をしておきたいと思うのであります。同時に、こういう調査について、このままでいけば、このシステムにも問題があるし、予算面にももちろん問題がある。さらにまた、その人物の選定等にもいろいろとこれから問題が出てくるし、とかく原因不明ということは続いていくのじゃないか。これでは国民の不安を払うことはできない。こういう点で、何らかの機関をおつくりになる考えはあるのかないのか。たとえばアメリカでは国家交通安全委員会、ここには百三十人以上の調査員がおる。五人の委員と百三十人の調査員がいる、このようにいわれておりますが、そういう機関をつくる考えはないかあるか、局長さん、どうでしょう。
○内村説明員 私は、事故調査につきましては、一つは非常に専門的な知識というものが一方において必要であるということがあると思います。それと同時に、航空の技術革新というものは日進月歩、非常に早うございます。したがいまして、常にそれにおくれないような新しい知識の持ち主ということも入れなければならない、この二つの点が非常に重要じゃないかというふうに思っております。 したがいまして、一つの面におきましては、官庁の中に事故調査課を設けたわけでございますけれども、そういったものが、先ほど大臣から申し上げましたが、小さな事故についてはしょっちゅうそれにタッチしている、それで今後の事故の参考になるように常に事故というものに注目してタッチしておる、こういったことが必要であることと、それからもう一つ、先生の御指摘にございましたように、あるいは審議会的なもの、委員会的なもの、こういったものをつくるかどうかについて、これは要すれば航空審議会等にもかけましてなお検討いたしたい、こういうふうに考えております。
○西中委員 話をかえますが、現在パイロットの養成でございますが、非常に不足をしておるという話を聞いておるわけですが、現在どれくらい不足しておるか、それから、これからどういうようにして不足分を補っていくのか、この点について御説明願います。
○内村説明員 パイロットの不足でございますけれども、大体現在ラウンドナンバーでございますが、五百名程度不足しているのではないかというふうな感じでございます。その中で約三百名というものはこれは外人パイロットを採用しておりますけれども、あとの二百名と申しますのは、やはり若干稼働率が下がるというふうなことになってあらわれているのではないかというふうな感じでございます。 これに対する養成でございますけれども、大体私どもといたしましては、年間三百六十名程度というものの規模でもって養成してまいりますと、五十年過ぎごろにはほぼ必要数に間に合うのじゃないかというふうに感じております。ただこれも、現在までの需要想定でございますので、今後その旅客需要等がまた大幅に変わってまいりますと、これまた考え直さなければいかぬというふうな点はございます。
○西中委員 それだけの人数は実際問題としてできるのですか。
○内村説明員 これはできると思います。と申しますのは、もう少し詳細申し上げますと、現在パイロットの養成につきましては、運輸省に航空大学校というのが宮崎にございます。ここで養成するということが一つの方法、それから防衛庁に委託をして訓練をしてもらう、これが一つの方法、それからそれぞれの航空会社が自社で養成をする、これが一つの方法、それからもう一つは、防衛庁のほうから、ある程度でき上がった方を割愛していただく、こういった方法によってやられておるというのが現状でございます。 そういったものにつきまして、たとえば、従来は全体で二百五十名くらいのペースでいっておったわけでございますが、昨年、こういうふうなことではとても足りないということで、三百六十名の規模にしなければいかぬということで、そこで航空大学校におきましても、従来は九十名の養成規模しかございませんでしたが、来年度、四十六一年度からこれを百三十五名の規模にいたしまして養成ができますように今年度の予算でもって施設一その他がついております。そういうことによって拡充いたしますし、あるいはその他の養成個所についても人員を増加するというふうなことを考えております。
○西中委員 年間九十名ということですけれども、現実はそれだけ入ってないでしょう。
○内村説明員 ことしから入っております。
○西中委員 四十三年度は入っておりませんか。
○内村説明員 四十三年度から九十名規模にしております。ちょっと差し上げておる資料はおわかりにくいと思いますけれども、これで入学数三十人と書いてございまして、たとえば四十四年三十人、二十八人と書いてございますのは、四十四年に二十八人が卒業するのでございますが、三十人入った者が二十八人卒業する、こういう意味に書いてございますのでちょっとおわかりにくいと存じますが、そういう意味でございます。
○西中委員 それから四十八年四月に、特殊法人航空大学校を設立する方針というふうに聞いておりますが、そうすると、いまの航空大学校はどういうふうになるのですか。
○内村説明員 先生御指摘のように、ただいま、現在の航空大学校、官でやっておりますものを、四十八年ごろをめどといたしまして民間に移譲いたしまして、特殊法人というものをつくり、官と民とで金を出し合ってつくってもらったらどうかということでございますが、その際には、現在の航空大学校は消滅いたしまして、新しい特殊法人航空大学校というものに移されるというかっこうになると思います。
○西中委員 私がこれを聞いておるのは、交通、運航の安全という点でパイロットが年々不足をしておる。政府のほうからいただきましたこの資料によりますと、航続距離も、それから便数も非常な伸びをしておる。ここ五年間を見ますと大体一・七五倍、こういう結果が出ておりますが、それに引きかえてパイロットの数というものは一・四何ぼというような差があるわけですね。ですから、年々パイロット、機長の負担というものが、航続距離においても便数においても、五年前から見れば相当過重になってきておる。現実の問題として、いまのベースで養成をされてもなおさらに足らなくなるのじゃないか、こういう点を非常に心配しておるわけです。 さらにまた、労働のことについて言いますと、いわゆる管制官ですね。管制官の場合も非常に重労働になっておるということは先ほどのデータに出ております。たとえば、いただきました資料では、管制官は十時間勤務、休みは三十分だけ、こういうような勤務状況になっておるわけですが、いずれにしても、こういうように飛行機というような、たいへんな神経を使う業務に携わっておる皆さん方がそういう状態に追い込まれておる。運輸省としては、こういう状況を傍観してほうっておいた場合、とんでもない事故が起こったときにはだれの責任になるのか。これは結局は後手に回っておる、こういうことが言えると思うのです。そういう点、どのように考えておるか。
○内村説明員 まず初めにパイロットの問題で御指摘がございましたけれども、ただいま三百六十名規模ということで養成を心がけておりますが、それは先生御指摘のとおりに、今後非常にその伸びも大きゅうございます。したがいまして、そういった伸びからいいまして、足りない場合には、またこれを見直しまして、もっと大きな養成規模にさせていただくということは考えております。 次に、管制官の問題でございますけれども、管制官も、先生よく御理解いただいておりますように、非常に神経を使う忙しい仕事でございます。かつ、責任は非常に重大でございます。したがいまして、これにつきましては、勤務形態につきましても、これは週四十四時間という官庁執務時間がございますけれども、それを基礎にいたしまして、勤務につきまして四つのパターンの勤務をつくってやっております。チームといたしましては五つをつくりまして、四直五交代ということでやっております。そういたしますと、拘束といたしましては、A勤務が十時間半、B勤務が九時間半、C勤務が五時間、D勤務が九時間というふうな形になってまいりますけれども、トラフィックが混雑してまいります十一時半ごろから二十一時ごろ、これまでの間は勤務パターンをダブル配置いたしまして、実際問題としてマイクを持つのは六時間くらいということにいたしまして、残余の時間は事務を行なうとか、あるいは今後の研修、勉強をするというふうな時間に当てまして、それによって緊張をほぐすと申しますか、労働を緩和いたしておるということでやっておりまして、万遺憾はあるまいと存じます。
○西中委員 時間も参りましたので終わりますが、先ほど来検査、調査機関についてもかなりの問題が残されておるわけですし、パイロットまた管制官一つ一つの問題が現実問題としては満足にいっていないというのが現状だと思うのです。 そういう点で、これから航空機の量も非常にふえてまいりますので、安全、人命尊重という立場から、やはり本気で、いまからといってもおそいくらいですが、取っ組んでもらわなければならない、このように思うわけでございます。その点、ひとつ局長さんから最後にお願いしたいと思います。
○内村説明員 ただいま先生の御指摘のように、航空の需要はますますふえてまいりますし、航空の大量交通輸送機関としての使命も非常に大きくなってまいっております。それだけに、安全性の確保と申しますか、あるいは旅客の利便をはかると申しますか、そういうことは非常に重要な問題でございまして、私も、ただいま先生御指摘になりました点、先生の意を体しまして今後とも努力いたしたい、こう考えております。
○高橋(清)委員長代理 吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 総裁見えておりますね。時間がだんだん迫ってまいりましたので、あまり長時間皆さんをお待たせするのも悪いですから、なるべく要点だけにきょうはとどめておきたい。そして次回に全部保留さしてもらいますから、そのおつもりで、どうぞ適当に、簡単明瞭にひとつよろしくお願いします。 国鉄財政の実態、これに臨むべき日本の財政計画というものが、おそらくは四十六年度は相当大きくクローズアップされると思います。国民もまた各方面から関心を持っておりますから、そこで、財政再建計画につきまして、国鉄に、もっと積極的な施策、発想があってしかるべきでないか、私はどうもそう思われてならぬ。たとえば財政再建十カ年計画の大体の基本構想によってみましても、二月に運輸大臣に向かって具体的な計画が提案されておりますが、五十三年には累積赤字が大体四千億円をこすと見て全部帳消しにできる、なお二百数十億円の黒字を出す、こういう一つの見通しを持った再建計画で何をするのか、こういうことになってきますと、まことに消極的なものが並んでおります。 たとえば一例をあげたら、政府から財政措置で補助金を出す、それから再建債で借金しましょう、利子の補給をしましょう、これが一つ。その次運賃を二度値上げしましょう、これが二つ。それからローカルの赤字線は道路輸送などに転換し得るものは全部転換を推進する、それから国鉄職員は六万人削減しよう、また駅は四割ほど無人駅化または整理しよう、まことに消極的なものであります。 そこで一方におきまして、たとえば監査委員会における国鉄財政の実態監査の結論の報告を読んでみましたり、また、あなたのほうでお考えになっておる赤字の原因は何かということを追及してみますと、結局帰一するところは、いまの社会、経済の大きな変動並びに地方のあらゆる社会構成の変化等々に対応し得ない国鉄の輸送体制、また貨物輸送が停滞しておるのはそれが原因だということになっております。だから、経費はよけい要るわ、世の中がだんだん変わっていくのに対応していけぬほどのっそりかまえておったということに、しろうとからいえばなるわけであります。 そこで、今度赤字を解消して十年で再建しましょう、四千億円の赤字をみな解消してしまって黒字にしましょうという案は何かというと、いま言ったようなきわめて消極的なものであります。私は、これではいかぬのではないだろうか、こう思いますので、あなたのほうでひとつ、これもいつも申すことですけれども、あなたは国鉄のくろうとなんです。ベテランですから、病源を追及して、これに対する適切な処置をするということを積極的にやってもらいたい、健康体にしてもらいたい、輸送力のほんとうの増強をしてもらいたい。特に貨物輸送につきましてはあんなにトラックがはやり、トラックの輸送力はどんどん伸びていきます。また内海でも相当伸びております。コンテナ船その他の輸送にしましても、大きなものがどんどん海に浮かんでいくというような際でありますので、貨物輸送につきましても、国鉄は相当斬新な計画性をもって輸送力増強に当たらねばなりません。そして収益の増加をはかるという点から、言うならば、赤字克服の再建の基本構想の柱は積極的施策があってしかるべきでないかと私は思う。この時代に適応するようなかまえを、物流のシステム化にいたしましても、そのかまえ全体として、また管理自体といたしましても、その辺は積極性のものをこの際ぐっと打ち出すのでないとだめじゃないか。そうでなければ、さっきもお聞きになっておったように私鉄と同じことになってしまう。しまいにはホテル経営をやらなければならぬ、あるいはデパートでもやらなければならぬというふうに転落してしまいやしないかとさえ私は心配します。 だから、総裁といたしまして、あなたの全責任をもって、人にたよるにあらずして、運輸大臣にたよるにあらずして、全責任をもって最も是なりと信ずる最高の企画、かまえというものがここに明らかになって初めて何らかの明るい見通しを模索することができるであろう、そう思うのですが、どうでございましょう。
○磯崎説明員 たいへん御激励をいただいておそれ入ります。 実は先生から、ことに貨物輸送についてもっと積極的にやらなくちゃならぬと、数年前からいろいろ忠告を承っておりまして、及ばずながらでございますが、少しずつ近代化はしてきたつもりでございますけれども、やはり現在の道路のよくなるテンポあるいは港湾のよくなるテンポ等と比べますと、非常にやはりテンポがおそいと私も思います。したがいまして、いま、ことに貨物輸送につきましては、ターミナルについて徹底的にこれを改良する、あるいは速度を正確にするということ、ことにコンテナ輸送については、いま全力をあげてやっております。それからコンテナのほかには、各物資ごとに最もその物資に適応した輸送をやるということで、先ほどもちょっとお話がございましたが、乗用車の輸送などは、いま日本の乗用車の生産台数の約三割か四割を国鉄で運んでおります。これは旅客輸送では大いに強敵でございますけれども、貨物輸送ではたいへん大事なお客さんでございまして、そういうふうに各物資ごとにこまかい輸送計画をつくる。いままでのように十ぱ一からげで荷物を集めておいて送るという方式ではもうだめだと思います。したがって、貨物輸送につきましては、もう徹底的な正確さ——速さはそれほど必要でない、むしろ正確でなければいかぬ、それから安くなければいかぬ、こういう二点を中心といたしまして、いま物資ごとにこまかく輸送対策をやっている次第でございます。しかし、何と申しましても、貨物駅が現在御承知のとおりまだ三千くらいございます。三千の貨物駅に一々とまっていたのでは非常に列車がよくないということで、なるべく発地から着地までの直行の輸送体系をつくるという、途中で操車場に入らないでストレートにじかに行く、それによって時間が正確になる。あるいはコンピューターを使いまして、荷主に対して何時に貨車を入れます、その貨車は何時に目的地に着きますというふうなことも、現在徐々にお知らせができるようなかっこうになっております。 そういう貨物輸送の近代化という積極面と、それから旅客輸送のほうにつきましては、最近の旅客の傾向としましては、やはり特急、急行等のスピードの速いいい列車を非常に皆さん選ばれる。ことに過般の万博におきましては、新幹線を一日百数十本走らせまして、相当大きな収入もあげましたけれども、やはりこういう全般の経営状態が悪くなりますと、とかく、先生がおっしゃったように消極的になりがちでございます。しかしそれだけではいけないので、消極的にならなければならない面は押えますが、やはり伸びる面は伸ばさなくちゃいけないということをつくづく考えておるわけでございまして、今後新幹線も岡山までは再来年の四月一日には開業いたします。そういたしますと、大阪−岡山間一時間でございます。これによって相当のお客をとることができる、また、現在線がすきますので、その分を貨物輸送に充てることができる、また、博多までは昭和五十年には大体完成できるというふうな積極的な面を大いに出しまして、そしてまた従業員の気分も上向きにするということにいたさなければ、なかなか企業としての大きな転換はできないのじゃないか。もちろん消極的に合理化すべき面は合理化いたしますけれども、いまおっしゃったような積極面につきましては、私も全責任を持ってみんなの先頭に立って、旅客、貨物両方について進んでまいりたいというふうに思っております。
○吉田(賢)委員 一つの問題点は、それならば財政再建の十カ年計画について、これはいまの現状に即して、たとえばもうすでに発足したけれども、予定の倍の赤字がことしは出ておるようですね。六百何十億円が千三百億円をこえましたね、四十四年は。ですから、そういうことでありまするので、この十カ年計画というものに、さらに抜本的なといいまするか、再検討をしていくということが一面必要でないだろうか、こういうふうにも考えております。これもぜひひとつそういうふうにすべきだと思いますので、なお研究する余地は十分ありますけれども、ひとつ問題として提案をしておきたいと思います。 もう一つの問題は、いつも私は言うのですが、言うゆえんのものは、損がいくからやめるというあの思想ですね。このもとを食うのはどこからきておるのかということになってきますと、これはやはり経済アニマルになったりしちゃ困るのです。けれども、いろんな新企画、新しい発想について、頭の回転が、極端にいえば少し鈍いですわ。言うならば、もっと腰を低うにされたらいかがでございましょうか。この品物をひとつ召し上がってください、味を見てください、味はどうでしょう、勉強いたしておりますが、なお御注意がありましたら聞きたいというくらいなへりくだった謙虚な気持ちが、国鉄全員として労務管理上乏しいのじゃないだろうか。だから、やっぱり何か知らぬけれども公務員姿勢が依然として残っている。さりとて、だらしなくなってもらったりしては困るのです。というても、もうけるためには何でもやる、これでも困るのです。だから、そこは公共性と厳正な一つの重要使命を自覚してもらう上に立つけれども、社会的需要に対しまして、もっと謙虚な気持ちになってこれを探ってみる、話し合ってみる、私はこの場が必要でないだろうかと思う。 たとえば全国八十三の赤字線にいたしましても、道路、バスその他にまかすのなら振りかえてしまえ、それでいいじゃないか。人間運ぶのに鉄道は要らぬじゃないかというような、事、簡単でありますが、しかし、そういう問題にしても、それならこの地元は一体どういうような経済変貌を来たしているか、社会構成、構造はどう変わりつつあるのか、何を一体求めておるのかというように、需給関係そして社会状況というものを具体的につかんでこういうような計画をしようということならば、それは私のほうではとてもあかぬとか、これをやったならば、なるほどそういう点があるんならこれはひとつ利用してもらいたいんだ。私は常に言うているのです。私もよく旅行しますので、四国に行ったら四国の赤字線を駅長さんに何やかや聞いたり、九州に行ったら九州で聞いたりするのです。赤字線の行くえということに私も少し関心を持っていますので、この間も私どもの兵庫県のほうの町長や市長連中がちょっと寄ったときに、赤字線に対する感想はと、こういうふうに聞きましたら、一ぺん頭をふるってみな相談しようと思っているんだ、そんなことがちらっと、ある一人から出た。おもしろい発案やと私も言うたのです。そのくらいにあなたの気持ちになっている。それで、大きなつらして国鉄を救うてやるんだ、そんなことじゃあきません。もったいないですよ。何とか利用の道がないか。たとえば人間を運ぶ、それならばひとつディーゼルカーにしてもいいじゃないか、また適当に駅に花でも植えてバスのごとくとめてもいいじゃないか。あるいはまた、小型のコンテナですな。これまた新しい方法を考えてもらって、そして、いま私らの地方でもそうですが、アメリカ向けの輸出品は非常に急いで神戸の埠頭へ持っていくというやつは二割ですよ。八割まではそう急ぎません。したがいまして、八割はしかるべき倉庫に入れればいいのです。そういうようなものの需要関係というものを具体的につかんで、それに応ずるにはどうしたらいいか、こういうふうになってさましたら、何もトラックを排除してしまえ、独占しろという意味じゃないのです。トラックはトラックで使命があります。しかし、ローカル線はローカル線の使命を持っているわけです。だから、それをその周辺の社会経済の需要に応じ得るような体制に進めていくということが、また利用度を高めるゆえんにもなるのです。これは至るところでそういうことを私は聞くのであります。 そういうことでありますので、どうもやはりそこはかまえが違う。国鉄側のかまえがきわめて消極的ですわ。もっと悪口言うならば、親方日の丸だから、赤字になってもいいのかな、赤字になったら運賃値上げするわ、金がなくなったら国からまた補助金をもらうわというようなことにたよっていればいいのかいな、破産倒産で夜逃げするわけじゃなしというふうなことに実は悪口言われるわけです。ですから、そのかまえをやはり示す必要があるんじゃないか。そうして、地方といえども、何も一番えらいキャップが行く必要はありません。ありませんけれども、どうだろうかということはやっぱりきちっとつかんでおく。企業家の活動というものはそんなどころじゃありませんぞ。これはたいへんな苦心惨たん努力をしておりますよ。ですから、それを思いましたら、国鉄の経営の上で、輸送力増強並びに収益の確保、赤字の転換克服というように、対策はいろいろな手が私はあると思うのです。それですから、ここでもう全部あげてしまえ、はずしてしまえというようなことを言ったりしていますけれども、そういう点についてもっとくふうがあってしかるべきじゃないか。何も赤字線だけの問題ではありません。全体の管理にしても同様であります。管理についてもむだをなくする管理方法を考えてもらいたい、その手法を考えていただきたいのです。こういう管理手法、そう思いますが、それだけちょっと片づけましょう。
○磯崎説明員 たいへんありがとうございました。私どもも確かにそういう点が足りないと思っております。いまおくればせながら、いわゆる市場開発と申しますか、マーケットリサーチと申しますか、そういうことにも相当力を入れまして、どうしたら新しいお客さんについても、あるいは貨物につきましても新しい荷主を確保できるか、その荷主の要求にどうやったら応じられるかという具体的な手法などについて、一人一人の荷主について具体的にリサーチをしておるところでございますけれども、どうもこれは世界的な傾向だと言って笑われるのですが、鉄道の人間というものは、黙っていてもお客と荷物が来るのだというふうな思想が抜け切らない。これがやはり世界的に鉄道が斜陽になった一つの原因であるということをいわれておりますが、私どものほうもその例外でないと思っております。いまその意味で、新しい市場開発あるいは市場調査ということをもっともっと積極的にやるべく、そういうふうな部門もつくりますし、また現場の人間にもそういうことを十分教育するということで、一人一人の荷主をつかまえる、一つ一つのお客さんをつかまえるというふうな形でもって今後進んでまいりたいというふうに思っております。
○吉田(賢)委員 それから、ことし出ました例の十兆円か、十兆三千億円ですか、例の新幹線網、あの計画です。それからまたいろいろと建設途上の新線がございますね。これにつきましては、あなたの諮問機関である、あれは何々委員会ですか、中山さんがやっていらっしゃる、原さんが委員長ですか、やっておりますね。これについてもずばっと指摘をしておりましたのは、それは新線の返上であるという趣旨のことを指摘しておったようでございます。だから、改善につきましても、やはり一たん何かきめておりましても、国鉄は国鉄の立場で、国の施策、国会の方向あるいは他の行政官庁のそれぞれの考え方、これはこれとしまして、総合的にいかなければいけませんけれども、あなたとして最善だという道は、やはりずばっと言うて、進んでいくという姿勢がないと、八方にということではとてもいきませんですな。ですからそれは、もうその新線はストップせられては困る、せっかく山の中へ鉄道という新しい文明の輸送機関が来るのに、これはおばあさんの死に目に会えると思っていたことが実現しない、そう言う人もあるかもしれません。けれども、そこはやはり冷静に、いまの時局にかんがみて謙虚に、こういった良識ある第三者のほんとうに率直な意見に耳を傾けるべきではないか。そうしてむだな経費ば投資をしない。みんな国鉄がかぶっていかなければならぬから、また赤字因がふえていきます。かりに十兆円のその事業量の仕事にしても、これはあとで大蔵省にも聞いてみたいと思っておるのですが、そんなものにしましても、日本じゅう鉄道網にしょう、新幹線網、これはりっぱですけれども、それで一体赤字か黒字か、採算は合うのか合わぬのか、一体どうなのか、そうせねばならぬのかどうかということの検討があるのかないのか、私はよくわからぬ。けれども、賛成賛成でもういっちゃったらしいのですね。 ですから、あなたの強い姿勢でこういう問題につきましても、これは国鉄としても困ります、どうしても聞いてくれないなら、おれは辞職するのだというくらいな強いあるものを持っていくのでないと、いまの国鉄の難病は病膏肓に入っちまいますよ。とてもとても次から次へと、言うならば赤字、借金ばかり背負わされていく国鉄になりますよ。汽笛一声新橋を、という歌じゃないけれども、もうそんな時代じゃございません。 ですからこの際、国鉄が新しい時代に対応して、輸送機関としての相当な使命を全うし得るものだ、せねばならぬ、こういうことでこれをせにゃいかぬ、これだというふうに、私はずばずばっと言っていただくといいのじゃないかと思うのですがね。その辺について、ひとつあなたの新線に対する——いまの原さんが委員長をやっていらっしゃるところから、それを返上しちまえというような意味のことも出ておりましたから、基本的な、原則的な腹がまえということを、この際やはり聞いておく必要があろうかと思います。どうですか。
○磯崎説明員 今後の鉄道に対する私自身の考え方といたしましては、やはり鉄道というものはあくまでも二十一世紀まで残るべきだ、また残さなければいけないということを前提として考えなければいけないと思っております。 その前提から申しますと、いま先生が御指摘の二つの問題、一つは、過般成立いたしました全国新幹線の問題、これも無条件で全国的に九千キロ敷くというふうなことは法律面からなくなりましたけれども、私どもといたしましてもいろいろ収入の見通し等をやってみますと、やはり必要なものと、あるいはずっと先でいいもの、よほど世の中が変わらないと要らないものと二種類あると思います。私どもといたしましては、そのうちで、現在の輸送量が困っておる、またすぐ即効的に五年、十年のうちに必ず効果があがるというものをまず優先的にやってほしいというふうに思っております。 したがいまして、全国新幹線のときにいろいろ国会で出ました御質問あるいは政府の答弁の中で、私どもといたしましては、やはり優先的に、まず現在の輸送力が非常に逼迫しておる、しかもそれが、新しいものをつくればそれだけの効果が必ずあがるというところから着手するというふう にぜひしていただきたいということを政府に強くお願いしております。 もう一点のいわゆる新線建設でございますが、 これはけさほどからも各先生からいろいろお話がございました。この間の中山素平さん、あるいは原先生の諮問委員会の御意向、非常にはっきりいたしております。これは私の諮問機関ではございますけれども、やはりある意味で国民の声を代表 しておる面もあるというふうに考えなければいけないと思います。少なくとも赤字の国鉄が借金を して建設公団に出資をして、しかも、できたものが運営上赤字が出るということでは、これは全くナンセンスだと私は思います。いまの四千数百億の累積赤字の中の約一割は残念ながら新線建設から出た赤字でございます。単年度から申しますと、大体六、七十億の赤字でございますけれども、ずっと累積したものを合計いたしますと三百八十億くらいの赤字が、いまのいわゆる新線建設から出てきております。ちょうどいまの国鉄の累積赤字の四千数百億のうちの約一割近いもの、八%くらいのものは、いわゆる建設公団ができる前に国鉄自体のつくったものももちろんございますが、それらを合わせまして、いわゆるいまつくっているような山の中の新線建設、これから出ておる赤字が全体の赤字の約一割ということになりますと、これは決してばかにできない赤字でございます。 私どもといたしましては、少なくとも政府が国鉄再建の基本方針の中で、新線建設については再検討するということをはっきり約束しておられますので、私はぜひ再検討をお願いしたい。実は、工事ができてしまって、なぜ開業しないかと言ってしかられておる線がございますけれども、そういう基本ルールが全然なしで、まあまあやっておけやということでお引き受けしたのでは、私の良心が許しませんので、はっきりとした意思を政府に述べまして、運営によって生ずる赤字については必ずめんどうを見てほしい、もしそれができないならば運営をお断わりする、これは法律上できないことになっておりますけれども、少なくとも運営をしなければならないのならば、それからよって生ずる赤字については、必ず政府でめんどうを見てほしいということをはっきり意思を表示いたしましてこれからの問題に対処してまいりたいと思いますが、総論といたしましては、私は、ここしばらく新線建設は中止いたしたいということをはっきりお願いしておきます。
○吉田(賢)委員 大蔵省の金子さん見えておりますね。——この機会にちょっと伺っておきたいのでありますが、かねて大蔵省は非常に熱心に調査研究もせられて、そうしてまた企画庁あたりにおいてもシステム分析を、いわゆる各省から出向いたしまして三年来研究をしておられるらしいのですが、この四十六年、少し予算に頭を出すかと思って見ておりましても、なかなかその辺がむずかしいらしいのであります。運輸行政、特に国鉄の諸般の新鉄道計画というものにつきまして、道路交通行政という角度からとらまえまして、PPBS導入につきまして好個の行政対象になるのではないであろうか。だからこの方面につきまして、幾つかの新線計画もまたできておるようでございますし、新線計画が一体どのくらいの経費が要って、それ以外の方法も手段もないのか、あるいはその他の場所でもいいのではないであろうか、一体どのくらいの収入があるのであろうか、ないしは物心あるいは直接間接等々のどんな裨益をするものがあるのであろうか、・こういうことにつきまして、こさいな検討を十分にされないままに立案計画されて、そうしてこれが予算化されるおそれがあるのではないだろうか、こういうふうに実は考えますので、国鉄こそ、国鉄の建設ないしは経営等に至りますまで、PPBSを導入すべく、ひとつ積極的な——対象のいろいろな問題を持っておる公社並びに運輸省であるべきでないであろうか、運輸省は好個の場ではないであろうか、こういうふうにも考えるのですが、あなたはPPBSの専門家でございますので、この点についてどういうふうにお考えになっているのか、この機会に御説明を願っておきたいと思います。
○金子説明員 お答えいたします。 交通問題が、システムズアナリシスなどをはじめといたします新しい分析手法を用いて結論を出していくのに非常に好適なテーマであるという点は、お説のとおりだと思います。またアメリカでも、現にそういう試みが幾つかなされておるわけでございます。しかしながら、現在のシステムズアナリシスとかORとかいわれます手法は、核戦略の諸問題を解決するにあたりましては非常に大きな威力を発揮したわけでございますが、社会的な問題を解明するにあたっては、なおはなはだしく力不足であるということが一般的にいわれております。いわゆる社会工学というようなものがもう少し発展してまいりませんと、政策の決定にあたって、具体的に用うべきような結論がなかなか出てこない。御承知のとおり、交通問題は幾つかの前提に立つものでもございますし、環境条件もきわめて複雑でございまして、現在の社会工学のレベルをもってしては、なかなか使えるような結論が出ないというような状況かと思われます。 特に、どういうところがむずかしいかと申し上げますと、コストモデルの作成など、コスト面の分析はかなり進んでおると思いますが、その効果というものをどういうふうに把握するか、特に間接的な効果の把握のしかたというようなことになりますと、非常に多くの問題点を残しておりまして、現に、新幹線の基本計画の検討にあたって、国鉄及び運輸省の非常に優秀な方々がそういう試みをしておられますけれども、これという結論は容易に得られないような状況にあるように思われますし、また、外部の研究機関に委託すればいいではないかということになるかと思いますが、現在のシンクタンクといわれるようなものは、いずれも発足後まだ日が浅く、そういうところの分析能力あるいはデータ処理能力、データ収集能力というものはきわめて限られたものでございます。 これはわが国の場合に、社会工学科という学科がありますのは東京工業大学に一学科しかない、そういうような事情から著しく立ちおくれておるわけでございまして、現状では、そういうお説のような方向で進むべきであるということは私ども重々承知いたしておりますが、四十六年度から直ちに実施に移せるというところまではいっていないというふうに判断いたしております。
○吉田(賢)委員 いま国鉄は、たとえばわれわれが新幹線の座席券をとる場合におきまして、コンピューターをしきりにじょうずに操作されておるようでございますが、コンピューターの活用等々によりまして、国鉄の収益を構成するべきあらゆる要素を相当事前に把握しておくことが可能ではないであろうか、そうして、相当広い範囲におきましてネットワークをつくって、それを絶えず集約もしくは集計していくということも可能ではないであろうか、かつ、そういうような一つの組織が必要ではないであろうか。これはPPBSの導入いかんにかかわりませず、現状におきましてもその程度のことは当然なさねばなるまいと私は考えるのでございます。 それから、いまシンクタンクのお話も出ましたが、なるほど日本では一種の社会工学の技術屋さん的なそういう人材を養成するということの意欲がどうも乏しいようですね。もっとうまいこと世渡りするやつのほうが、言うなら手柄を立てて出世する、どうもそのほうにエリートは向きがちでございますが、やはり純粋なそういう機関を尊重する、大切にこれを育てる、そうして人材をつくってそれぞれの部署に検討もさすし研究もさす、あるいはまた、事実上の資料集め、調査、比較検討等々は、相当大がかりにやはり国鉄のごときはするべきでないかと思います。一例ですけれども、民間のある会社、名前を言うと悪いけれども、松下電器ですね、ああいうところに至りますときちんとした研究室を持っているようですね。私は驚いたのですが、こういう企業におきましても、それぞれ自分の分野については、何ものにも負けないだけの資料を集めて研究しております。 こういうことを思いますと、私は、PPBS導入についての好個のテーマがそこらここらにころがっているのは運輸行政、特に国鉄を抱いた運輸行政ではないかと実は思うのです。それは気象もあります、海洋問題というのもありますし等々いたしますけれども、他の省に比較いたしまして、運輸省は最も多くのそういったテーマを持ち得る省であると実は思っておるのです。だから、それならばそれで、やはり運輸省としかるべく御相談になって、国鉄自身が独立してこれを導入し得るような体制を用意する、こういうふうになさって——これは各省へ派遣して研究させるのもよろしゅうございますが、そういう事務段階で研究ばかりに日を暮らしている場合と違います。もっと流れが激しいのです。もう企画庁においてもことし三年目です。おととしでしょう。三年目になってまだ予算化するようなものがあらわれてこない。これはそんな緩慢なことでは世の中の諸条件が一変してしまいます。こういう激しい流動化のときですから、率先して国鉄はPPBS導入についてのかまえをとって、諸般の必要な施設を持つ、人間もつくる、機関もつくる、そういうことに大胆に投資するというふうになされてしかるべきでないかと思うのです。そういうことにつきまして、防衛庁もかなり積極性があるようでありますけれども、金子さん、やはり運輸省なり国鉄はそういうことにつきまして、他の省に比較いたしまして最も適当なテーマを見つけ得る省である、または国鉄であるというふうに思うのですが、こういうふうにお考えになりませんか。
○金子説明員 運輸省がそういう問題を多数かかえておられることは、お説のとおりかと思います。たとえば国鉄の赤字線の問題にいたしましても、北海道の国鉄だけで年に四百億円の赤字を出している。これを、国鉄が赤字を出される現在のやり方がいいのか、あるいはその四百億円をそれ以外の北海道の大きな開発のプロジェクトに投入するほうがもっと大きな効果が得られるのかというようなことが、すぐテーマとして浮かんでくるわけでございますが、運輸省として分析される場合に非常に困難な問題といたしまして、道路行政が建設省にある。それで、交通問題全体を考える場合に、空と道路と鉄道と、これが所管が別になっていて、したがって、専門的な知識においても、両者に専門家が分かれているというようなことは、この問題を研究していく上の大きな障害になっているのではないかと思われます。その上、アメリカの経験によりましても、交通問題はテーマとしてはかっこうなテーマが出てくるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、条件が非常に複雑でございまして、なかなか容易に結論が得られないで、アメリカ自身苦労しておるという問題のように思われます。 しかしながら、私ども、運輸省の関係で全然そういう進歩がないということはないわけでございまして、今回の新幹線整備法施行令をごらんいただきましても、基本計画をきめるにあたっては、在来線の収支を含めた国鉄の収支がどういうことになるか、また、その工事の効果がどういうことになるかということを一々はっきりさせろということが政令に書いてございますが、こういうことは、従来に比べますと相当大きな進歩ではなかろうかと考えております。
○吉田(賢)委員 もう終わりますが、実はたくさん残りまして申しわけないのですけれども、海運局の方もたいへん長らく待たせましてすまぬのですけれども、次の十六日にひとつ譲らしてくださいませんか、あまり長くなりましたらたいへん御迷惑になりますので。 それで、ほんの一点だけ厚生省の方に……。 さっきのひっかかりなんですが、ちょっと一点だけ、例の東武線の事故によりまして四歳の遺児が生まれましたね。これは両親とも失っております。おじいさん、おばあさんが育ててくれる、それもいいかもわかりません。しかし、四歳の遺児のあの顔を見まして、私はほろっとしちゃったんです。残酷な被害の一つの結果です。この遺児が、おとうさんおるんだろうか、おかあさんおるんだろうかということを言ったような記事さえ出ておりましたね。それで、年をとってきますと、おとうさん、おかあさんがおらぬ身寄りのない遺児、交通事故の遺児、これに対しまして、これは厚生省といたしまして、言うならば児童福祉法のほんとうのずばっとした対象としまして、やはりこういう遺児に対しまして、しかるべく遺児がほんとうに健全に成長し得る、少なくとも経済的条件その他を持ってきてやってしかるべきではないか。これは地方でやってきておるところもあります。神戸市においてもだいぶ前からやっております。けれども、私は国としまして、もっと積極的な姿勢になってしかるべきではないか。交通事故の遺児、この問題につきまして、きょうは、あなた育成課長ですから、厚生省としての態度を表明はしにくいかもわかりませんが、事務的にひとつおっしゃっていただいて、こういうことを機会に交通事故の遺児対策の重要な一環としてぜひとも取り上げるべき課題と思いますが、どうなさるかだけちょっと聞いておきます。 これで委員長、きょうは割愛して、ほかの方は済まぬけれども、帰ってもらいたいと思います。
○橋本説明員 御説明申し上げます。 ただいま先生のお話にありました四歳の女のお子さんでございますが、ただいま親戚に預けられておりまして養育されておるわけでございます。 一般的に、交通遺児につきましては、従来、その他の災害遺児等もあるわけでございまして、そういう遺児と同じような考えのもとに、児童福祉の見地からそれぞれの施策によりまして援護しておるわけでございます。特に交通事故によります、おとうさんを失ったとかあるいはまたおかあさんだけに扶養されている遺児、実際の交通遺児から申しますと、おとうさんをなくしました母子家庭が非常に多いわけでございます。そういう関係で、母子福祉対策の面から、現在母子福祉資金の貸し付けとか、あるいはまた生活に困るような場合には生活保護法を適用するとか、そういうふうな問題でただいまは解決しておる実情でございます。 なお、孤児になった場合には、児童福祉の面からしましては、現段階ですと、施設に入ってそこで養育されるというふうな問題とか、あるいはまた、ときによりましては里子に出てそこで養育されるとかいうふうな方法が講じられておるわけでございます。なお、そのほかの問題としまして、いろいろな関係機関におきましていろいろな相談に応じて、健全な育成というものを促進しておるということが現状でございます。 どうぞよろしくお願いします。
○吉田(賢)委員 それから磯崎さん、答弁きょうは要りませんから、さっき提案しました問題考えてください。
○磯崎説明員 御答弁いたします。 実は、国鉄におきましても、ごく最近ではございますが、小規模のシンクタンクをつくりまして、そうして経営計画室と名づけて、そこになるべく若い三十代の職員を集めまして、最低十年間そこで勉強しろ、よそへ転勤したり何かしない、そこで十年くらいみっちり勉強しろというふうな経営計画室、それからそれの裏づけとして技術開発室、この二つをつくりまして、いまここに人材を集めておるわけでございます。 そのもう一つ裏づけといたしまして、コンピューターセンターを、PPBSのまねではございませんが、国立の技術研究所のそばにつくりまして、そこでもってコンピューターを全部集めてしまって、あらゆる角度から利用していきたいというふうなシステマライズするような方向で、そういう仕事をこれから盛り上げていきたいというふうに思っておる次第でございます。いろいろまたお教え賜わりたいと思います。
○吉田(賢)委員 すみませんが、海運の関係その他につきまして、たいへん申しわけなかったのでありますが、時間が超過いたしておりますので、次の機会までひとつどうぞお許しいただきたい。どうぞ皆さんあしからず、みな公務御多忙のところ相すみません。ひとつおわびしておきます。 どうもたいへんおそくなりまして相すみません。
○高橋(清)委員長代理 華山親義君。
○華山委員 大蔵省の主計官の方おられませんか。お帰りになりましたか一いまちょっとお聞きしておったところで、私の聞き間違いかもしれませんが、北海道の赤字路線の赤字は四百億というふうにお答えになりましたか。私、前から聞いておりますけれども、鉄道のほうの御答弁では、全国でもそんなにたくさんのことをおっしゃいません。それですから、何かこの路線の赤字ということについて、計算の方法がまちまちなんじゃないか。北海道だけで赤字が四百億ある。また先ほどの大臣のお答えで、私、速記録を調べてみないとわかりませんけれども、いわゆる赤字路線の赤字というものは、何か百五十億程度だなんとおっしゃったような気もするのですよ。 それで鉄道の方にひとつ、私はたいへんいろいろなことをきょうは勉強させていただきましたのでお伺いしたいのでございますけれども、いわゆる赤字路線から出てくるところの現在の赤字というものについてどれだけの部分を占めるか、幾らなんだということ、それからまた、先ほど総裁がおっしゃったかと思いますけれども、新建設について、赤字のうちで一〇%程度を占めるということをおっしゃった。そういうふうな意味で新しく——新しくもないでしょうけれども、この赤字の分析といたしまして、どういうのが原因で何%を占めておるかということをひとつ出していただきたい。そうしませんと、人によってみな言い方が違ってくる。その点、ひとつ鉄道のほうから御答弁願いたい。
○山口(茂)説明員 国鉄では原価計算を昭和二十八年から行なっていますが、その中では、鉄道、船舶、自動車という部門別の原価計算と、それから鉄道の中で線区別に原価計算をいたしております。 いま御質問のございました赤字線のお話は、その鉄道の線区別原価計算のことと思いますが、これは二次決算でございますので、いまのところ四十三年度までしか出ていません。四十三年度の実績で申し上げますと……。
○華山委員 いいです、長くなりますから。その資料を持って私の部屋に来てください、私、勉強しますから。いまここでお聞きいたしておりますとたいへん時間が長くなりますので、せっかく御答弁中ですけれども……。
○山口(茂)説明員 それでは、後ほど資料をお届けいたします。
○華山委員 そういうふうなことで、私は非常にいろいろなことをお聞きしたい。 それから、この赤字路線の計算のしかたがわからない。いま、利子というものが非常な部分を占めているわけです。それから、この計算を見ますと、減価償却が多くなったとか、減価償却が幾らあるということになっているわけです。それがふえたことが、赤字がふえたというふうな一つの原因にも見られるような御説明なんです、説明書では。 それで、この減価償却あるいは利子負担の問題、これが各路線にどういうふうに割り当ててあるのか。ここでこの路線を運営するのにどれだけの金がかかって、どれだけの収入があるのだ、それから、全体的な経費というものは各路線に分配するのだというようなことまではわかりますけれども、この減価償却は一体どうなっているのだ。現在、いわゆる赤字路線というふうなものは、年次的にいうならば、大体もうとうに減価償却が済んじゃった線ですよ。それから、新しい投資というものはないとは言いません。相当あるとは思いますけれども、そんなにあるわけじゃない。この利子負担というものはあまりないと私は思う。そういうふうな疑問を持ちますと、この赤字路線の赤字の計算というものは私はよくわからないのです。その点を、いまここではなんでございますから、一ぺん資料を持って私のところに説明に来ていただいて、この次また質問をする必要があればお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。 それから、鉄道の決算のあり方につきましても、先ほどは、大臣がおいでになったときでございましたから、私こまかなことを聞きませんでしたけれども、それはもう専門家のおやりになっていることですから間違いがおありになるわけはないのですけれども、私にはあの文章だけではわからないものが多い。減価償却といって、そしてほんとうは修理修繕のことを出してある。修理修繕というものは、減価償却で出てきたものでやるべきものじゃない。一般会社経営だったならば、そういう計算も私は納得できると思うのですけれども、そういう点も間違えているとは私は思いませんけれども、一ぺん御説明を願いたい。委員長、ひとつよろしくお取り計らい願いたい。私の部屋でお聞きします。よろしゅうございますか。
○山口(茂)説明員 別に伺いまして御説明申し上げます。
○華山委員 それから、航空局の方にちょっとお伺いいたします。 先日、ジャンボジェット機が事故を起こしたわけでありますけれども、新聞記事等で見ますと、着陸地点が先のほうに行き過ぎて、そのままでいくと滑走路をオーバーランして海に突っ込みそうになるので、急にとめて、そして方向転換したため、右側でしたかに圧力がかかってパンクした、こういうふうに新聞では出ているわけです。私のは非常に概念的なことでございますから、御訂正願えれば御訂正願いたいのでございますけれども、あのジャンボジェット機というのは、着陸をしてから停止するのに、一体何メートルの滑走を必要とするのでしょうか。
○内村説明員 ただいまジャンボの御質問でございますが、通常の場合、どのくらい荷物を載せているかによっても違いますけれども、大体の見当で、タッチダウンしてから二千メートルぐらいでとまるというのが通常のようでございます。 先般の場合には、タッチダウンポイントから六百五十メートルぐらい先のほうで着陸しております。したがいまして、普通の場合ですと、Bランという滑走路が斜めに交差しておりますが、通常に着陸しておりますとその手前ぐらいで大体とまる、そういうことが通常の場合の事実でございますが、先般の場合には、Bランを越しまして、滑走路のエンド近くになって左向けになって停止しておった、その間車輪をずっとすったあとがあったということが事実でございます。したがいまして、それをどう見るかということは、いささかこれは推測に属するかもしれませんけれども、おそらく、察するに、だいぶ中のほうで着陸したので、いま先生のおっしゃったふうなことがあったのではないかということも推測されるというようなことでございます。
○華山委員 私、全くのしろうとで門外漢ですからよくわからないですけれども、その滑走路というのは、一体何メートルぐらいあるのですか。
○内村説明員 羽田の場合には三千百五十メートルございます。
○華山委員 三千百五十メートルで二千メートルということですから、ある程度余裕があるわけです。あまり先のほうに着きますと、またカナダでしたかの飛行機みたいに、着陸しそこなって海の中に突っ込むなんというようなこともあり得るわけですけれども、しかし、二千メートルのうちの六百五十メートルも間違えるなんというのは、ちょっとたいへんなことじゃないですかね。そんな飛行機はアメリカの飛行士でしょう。そんなジャンボ機なんて持ってこられちゃ困るですね。あれはあれで済んだからいいようなものですけれども、二千メートルを六百五十メートルも間違えて着陸するなんていうのは、これはくろうとから見たらどうお思いになりますか、こういう飛行士は。
○内村説明員 先ほど申し上げましたタッチダウンポイントから六百五十メートルのところで着陸いたしましても、残りがなお二千二百メートルございますから、通常の場合ですと無事にとまるということかと思いますが、当時は雨も降っておりましたので、若干滑走距離が伸びたかと思います。しかし、おそらく、理由ははっきりわかりませんが、推測いたしますと、タッチダウンポイントの目測を誤ったのじゃないかというふうな気もいたします。
○華山委員 それで、私くどいようですが、お話しになることもよく——私、またここでいろいろ念を押していたのじゃ時間がかかりますから、しろうとでございますからあとで教えていただきたいのですけれども、しかし、あなたは推測推測と言うのですけれども、推測だけでこの問題は済むものでしょうか。もしもこれがほんとうに滑走路そのものに短いとかなんとかの欠点があるというならば、ジャンボジェット機があそこに着陸することはやめなければいけない、あるいは何か操縦士にミスがあるならば、その人に非常な欠陥があるので、そういう人にはジャンボジェット機の飛行操縦はやめてもらいたいというふうなことをアメリカに言うなり、推測という限界で済まされない問題じゃないか。なぜあの際に、推測でなくて、もっときちんと調べて、そして、こういう点はひとつアメリカに注意を促すなり、それからジャンボジェット機の飛んでくることをとめるなり、何らかのことがなくちゃいけないのじゃないか、推測だけでは済まされない問題じゃないのかと思いますが、どうなんですか。
○内村説明員 先般の問題でございますが、これは条約上から申しますと、事故調査に該当する事項にはなっておりません。と申しますのは、車輪のパンクで、別に人身に異常はないという程度のものは、一応条約上は事故調査をしなければならぬというものではないと思います。しかし、私どもといたしましては、ともかくジャンボというものはわりに比較的新しい飛行機でございます。と同時に、わが日本航空においてもこれを使っておりますし、また羽田にも再々入ってくる飛行機でございます。したがいまして、これを事故調査の対象に条約上ならぬからといってほっておくわけにはいくまいということで、条約上はこれをインステドというふうに言っておりますけれども、特にこの問題については事情を聴取したいということでパンアメリカンのほうにも申し入れをいたしました。そこで、機材の点検と申しますか、そういったときもこちらのほうの係官が立ち会いまして、それで大体機材には異常がないということを確認いたしましてから出発をさせております。 なお、操縦士につきましては、なおさらに残しまして詳細に事情を聴取いたしたわけでございますが、その結果、操縦士も、私のミスでしたとは申しておりませんけれども、大体事実関係はこういうふうなことではないかということであります。したがいまして、こういうふうなことにつきましては、あるいは権利あるいは義務としてこういうものをやったということが言えないものでございますから、したがいまして、いま申し上げましたような表現を使っておりますけれども、この点につきましては、特にパンアメリカンの会社のほうにも強く申し入れをいたしまして、もうこういうふうなことがないようにということは申しておりますし、また、航空会社のほうからも、後日私のほうにわびをしに参ったような状況でございます。 なお、技術的な詳しいことは、技術部長のほうから説明申し上げます。
○華山委員 私はほんとにことばじりをつかまえていけないのでございますけれども、いまおっしゃった推測ということばがどうも困るのですね。推測という程度で人命に関する——あれだけの大きな飛行機にあれだけの人が乗っているのですから、まあ人命は一人でも百人でも同じでしょうけれども、しかし、推測ということだけでこれをやっていくということはできないと私は思うのです。これは、あの飛行士が間違えたのだ、ほかには欠点がないのだということはぴしっと言われないのですか。そういうふうに言うならば、日本にはそれについての飛行士に対するいろいろなことが適用できないでしょうけれども、アメリカはアメリカでそれを何らか参考にして、その飛行士に対するこれから将来の飛行についての処置があるだろうと思うのです。一体そういうことでいいものかどうかということですね。 それから、いまは推測ではありますけれども、飛行士の間違いだということになっておりますが、あのパンクしたあと、あちらに飛んでいってもだいじょうぶなんだという、タイヤの質なり、そういうふうなことは厳密に認定をされて、これはだいじょうぶだというふうにお考えになったのか、あるいはパンアメリカン会社のただ言うことだけで、それじゃいいだろうというふうなことでおっしゃったのか、どっちなんです。
○金井説明員 ただいま局長からもお話がありましたように、原因を調査したわけでございまして、これはどうも機材関係には異常がないようだということを確認いたしました。 それからタイヤは全部交換いたしまして、ブレーキ系統の一部も部品を交換し、それは航空局の職員が立ち会って、これで次の着陸はだいじょうぶだということを確認してから離陸を許可したわけでございます。
○華山委員 飛行士はとめてお聞きになっておるということですが、いつまでおとめになったのですか。
○金井説明員 次の日の八時、二十時でございます。二十二時ごろホノルルへ出発したと思われます。
○華山委員 二時間だけ飛行士をとめたということですか。
○金井説明員 前の日の事故以後、翌日の二十時まででございます。
○華山委員 飛行士にはだれがお会いになりましたか。
○金井説明員 空港事務所の職員が立ち会いました。
○華山委員 そんなことではだめじゃないですか。技術部長、なぜあなたがお会いにならないのですか。そういう技術上の問題で重大な問題なんです。そうしたならば、日本の政府にとっても重大なことですよ、これは。とにかく日本にもそういうジェット機が飛んでいるのですから。あれだけの多数の人が乗っている、それに間違いがあった、どうも飛行士のミスらしいと推量される。それだったなら、最も重大な問題として、あなた自身なり、そういう人が会うべきじゃないですか。どうしてそういうふうに軽く扱われるのですか。
○金井説明員 軽く扱ったわけではございませんで、空港事務所には航空事故専門官というのが駐在しております。それで、すべて航空事故の場合にはその専門官が独自で調査をするわけでございまして、この今回の場合は航空事故ではありません。しかしながら、いま申し上げましたように、重大というか、わが国でも使っておりますので、原因を探求するということで航空事故調査専門官が調査に当たっておりました。技術部長が直接当たるべきであるとのお説でございますけれども、そうしたほうがよかったとは思っておりますが……。
○華山委員 パンクは航空事故でないといったって、一つがパンクしたということだったならば私はそれでいいと思う。片面八つ全部やったのでしょう。どこかに重大な操縦のミスか飛行場の構造の欠陥がなければ、八つもそろって一律にパンクするということはあり得ないことだ、私はしろうとですが、そう思いますよ。それをただ、パンクというのは航空事故じゃない、そういうことじゃ片づけられない問題じゃないか。それは一つだけ破れたのならそうかもしれませんよ。八つ全部破れているのじゃないですか。
○内村説明員 確かに先生御指摘のとおりと私、思います。 そこで、先ほどお話ししましたように、条約上の事故であるかいなかは別といたしまして、本件についてはもっと慎重に調査すべきであるという考えを私は持ちました。そこでさっそく技術部長にも連絡いたしまして、本件についてはよく調査をするようにということを申したわけでございます。当時休みでございましたけれども、技術部長がさっそく、先ほど申し上げました空港の事故調査の専門官に指示いたしまして調査いたしますと同時に、みずからも飛行場へ参りましてその指揮をとっておったというような実情でございます。
○華山委員 私はこの点たいへん不満だと思いますね。とにかくパンクは事故じゃないのだとか——それは文章にはそう書いてあるでしょうけれども、そう書いたときの意味は違うでしょう。操縦の誤りによってパンクしたというふうな場合と、何らかのことでただ一つが自動車のパンクみたいに破れたということと違うのじゃないか。操縦の誤りによってパンクしたというふうなことは、私は重大な事故だと思いますよ。それを条約か法律か知らぬけれども、パンクは事故の中に入らないといって、そのままに放任しておく、私は飛行機から人命を守るということについてまことに残念な処置だったと思います。そして推測されるというふうなことであれだけの人を乗せてアメリカに飛ばしておる。私は残念だと思うのですよ。なぜもっと徹底的にやらなかったのか。ジャンボジェット機に新しく来てもらって、そういう人々を乗せて、その飛行機はさらに操縦士とともに調査をするとか、私は飛行機の問題はどんなに丁寧にやったっていい問題だと思うのです。それをああいうふうな早々の間に片づけちゃって、推測されるなどということで処置されたことはまことに残念だと思います。いまさら言ってもしようがないですけれども、どうぞ今後そういう点には十分ひとつ気をつけていただきたい。万全の処置を事前にとることが、事故の防止のために必要だと私は思うのです。特に着陸地点を間違えたなどということは、私はたいへんな操縦士のミスだと思う。着陸地点を間違うというふうなことがミスでないなんということになったら、それはたいへんなことですよ、日本のような狭い飛行場で。たくさんあるのですからね。 日本の規定では、着陸地点を間違えた飛行士に対しては、そういう事実があったらどういう処置をされますか。
○金井説明員 ただいまちょっと当方の表現が足らないために誤解があったかと思われますけれども、今回の場合には、まず最初の御質問ですけれども、条約でいうところの航空事故ではないので、権限に基づく調査はできないわけでございます。ただ、事が重大だということで調査したような次第でございます。国内で着陸事故がありましたらば、それはもちろん事故の範疇に入るものであれば、徹底的に調査しなければならないわけです。
○華山委員 着陸地点を間違えた操縦士というものに対して、国内だったならばどういう処置をされますか。
○金井説明員 これが航空法違犯であれば、行政処分するようになります。
○華山委員 この場合は航空法違犯じゃないのですか。
○金井説明員 これは航空法違犯とは言えません、今回の場合は。
○華山委員 どうしてですか。
○金井説明員 目測を誤ったということで、明らかに法に触れたということは明らかになっておりません。
○華山委員 しかし、目測を誤ったというふうなことは、私は重大なミスだと思いますね。着陸地点を間違えたということについては、過失ということは問題にならないのですか。日本の飛行士につきまして、過失によって着陸地点を間違えたという場合には行政処分にはならない、そういうものですか。
○金井説明員 従来は航空法違犯の場合に行政処分しておりますし、それから過失の場合には、重大な過失の場合には行政処分しております。
○華山委員 日本の飛行士がああいうふうな間違いをした、六百五十メートルも間違えたというふうな場合だったら、重大な過失ですか、どうです。
○金井説明員 当時の気象状況としては、南風から北風に移るという状況でありました。したがいまして、気象条件等を考慮した場合には重大な過失とは言えないと思います。
○華山委員 私は飛行機というものはたいへんなあぶないものだと思いましたよ。そういうふうな過失もなしに、飛行機の欠陥もなしに、事故が起きたのでもなしに、操縦士の過失で、操縦士というものが間違えたってこれはしかたがないんだ、死んだほうはあきらめろ、こういうことです。そんなことでいいのかどうか、そんな間違いをほっておいていいものかどうか。私はこれは日本に適用した場合にはおそろしい気がしますよ。それでいいんですか。
○金井説明員 先ほどの答弁は、あれが重大な過失であるかどうかということについて私はお答えしたわけですけれども、あれはもちろん重大な過失とは言えません。ただし、もちろん過失はあったと思われます。過失があった場合には、わが国内の場合には、運輸大臣が認可するところの運航規程の中に、その処置についてそれを規定しております。その場合には、たとえば地上におろして訓練するとか、そういう処置を講ずるように会社に義務づけております。小さな過失、要するに重大な過失以外の過失の場合です。
○華山委員 日本人だったならば、当分おろされて、訓練でも受けて、なかなかほんとうの飛行機には乗れないという人ですね。その人がその次の日にあの多くの人を乗せてアメリカに飛んで行く。危険きわまりないじゃないですか。あなた、そのとき危険だと感じませんでしたか。
○金井説明員 パンアメリカンの場合には、国籍はアメリカであり、それからパイロットの証明書というのはアメリカ航空局から交付されております。それでICAO、国際民間航空機関では、国際民間航空機関に加盟しておる国が発給した証明書はお互いに承認し合いましょうということになっております。したがいまして、発給した国が責任を持つというたてまえになっております。これは日本航空がアメリカで事故を起こした場合にも、もちろん、向こうの法律に触れない限り日本政府は責任を持つわけでございます。今回の場合にもアメリカ政府が責任を持つということでございます。 それから、おことばを返すようでまことに申しわけございませんけれども、今回の場合には、条約でいうところの事故ではありませんので、わが方に事故調査の権限がない、したがいまして、それ以下の場合にはアメリカ政府が責任持って処置するということをわれわれは期待しております。
○華山委員 条約上のものがなくたってアメリカに交渉して、こういう事故が起きたのでわれわれのほうは調査するからひとつ認めてもらいたい、こういうことは条約で禁止されておるわけじゃないでしょう。そういう手続はしなかったのですね。たとえ条約できまっておっても、私らがそれは拒否することはできましょう、条約できめていないのだから。それにしても、こういう事故が起きた、これは重大なことだから、ひとつ日本は調査してみたいと思うから認めてもらいたいということを大使館なりに申し込んで、アメリカからでも回答を得てやるべきじゃなかったか。ただ、条約はこうなっておるから調査できません、これで済まされる問題ではないのじゃないですか。
○金井説明員 ですから、事故ではありませんけれども、大使館と話をして調査をしたわけでございます。
○華山委員 その調査した結果があの推測でしょう。そんなことで済まされる問題じゃないのじゃないか、推測だけで済まされる問題じゃないのじゃないか。そして、重大じゃないけれども過失があったという。推測されるという前提のもとに、過失のあった飛行士がたくさんの人間を乗せてアメリカに帰すという法はない、私はそう思いますよ。
○内村説明員 確かに、先生御指摘のとおりの点が多々あると存じます。私どもは、決して、法律上どうであるとか条約上どうであるとか、したがって義務があるとかないとか、こういうような議論で済む問題とは考えておりません。したがって、法律上どうであろうとなかろうと、やはり人命を守ることは、日本の国の人命のみならず、世界共通の人間の命というものはやはりとうといものでございまして、そのことにつきましては、私どもとしても重大な責任を持っておるわけでございます。したがいまして、たとえ条約上はどうあろうとも、この件につきましては十分に調査すべきだというように考えまして、パンアメリカンのほうにも交渉いたしまして事情をよく聞き、操縦士もすぐ帰さず、残して事情を聞くとか、あるいは機材の点検の場合にも立ち会いまして、ほんとうに機材の事故がないかどうかということを確かめました上で、これは安全であるということを確認して帰したわけでございます。確かに、先生おっしゃいますように、推測というふうなことはおかしいじゃないかということもございますけれども、まあ国際間の問題でもございますのでこういったような表現をさせていただくことを御了承願いたい、こういうふうに考えます。
○華山委員 私はここでひとつ提言をしておきたいのですが、なるほど国際間のことですから条約で縛られる、これは当然なことだと思うのですよ。しかし、この条約には欠陥がある、こういうふうな場合には、操縦のミス等によってとにかくパンクした、パンクだから事故でないのだというふうな簡単なことじゃないわけです。そういう場合には、やはり条約は条約で改正をして、その国で調べる、あるいは立ち会いのもとで調べる、そういうふうな条約の規定というものがないと、人間の生命というものが軽んぜられるのじゃないか。国際間の関係はむずかしいといって、国際条約の欠陥によって人間の命が軽んぜられるということは、私はいけないと思う。そういうことを一つの問題として、今後国際条約の改正の問題として研究していただきたい、このことを申し上げておきます。
○高橋(清)委員長代理 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十九分散会