P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
63回国会衆議院1970/02/20

決算委員会 第2号

発言数
202
登壇者
23
会派数
4
開催日
1970/02/20

会議録

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 これより会議を開きます。  昭和四十二年度決算外二件を一括して議題といたします。  この際、おはかりいたします。  裁判所所管の審査に関し、国会法第七十二条の規定による最高裁判所長官の指定する代理者から出席説明する旨の要求がありました場合は、その承認に関する決定につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  本日は、裁判所所管、内閣所管、総理府所管中警察庁、行政管理庁、北海道開発庁及び北海道東北開発公庫について審査を行ないます。  これより順次説明を求めます。  まず、裁判所所管について概要説明を求めます。吉田最高裁判所事務総局次長。

吉田豊最高裁判所事務総局事務次長

○吉田最高裁判所長官代理者 昭和四十二年度の裁判所の決算の概要について説明いたします。  昭和四十二年度裁判所所管の歳出予算額は、三百四十八億四千五百四十六万円でありましたが、この予算決定後、さらに二十一億三千百七万円増加した結果、合計三百六十九億七千六百五十三万円が昭和四十二年度歳出予算額の現額であります。  右の増加額二十一億三千百七万円の内訳は、予算補正増加額十二億九十六万円、大蔵省所管から移しかえを受けた金額三億九千十四万円、昭和四十一年度から繰り越した金額五億三千九百九十七万円であります。  昭和四十二年度裁判所所管の支出済み歳出額は、三百六十四億一千五百六十八万円でありまして、これと歳出予算現額との差額は五億六千八十五万円であります。この差額のうち、翌年度に繰り越した金額は二億四千十四万円でございまして、全く不用となった金額は三億二千七十一万円であります。  この不用額の内訳は、裁判所職員の俸給手当等の人件費一億三千三百九十二万円と、その他の経費一億八千六百七十九万円とであります。  次に、昭和四十二年度裁判所主管の歳入予算額は一億六千六百六十七万円でありまして、昭和四十二年度の収納済み歳入額は二億一千八百二十八万円であります。この収納済み歳入額は、右の歳入予算額に対し五千百六十一万円の増加となっております。この増加額は、宿舎等敷地の交換による交換差金及び保釈保証金等の没取金の増加、相続財産で相続人不存在のため国庫帰属となった収納金等の収納がおもなものであります。  以上が昭和四十二年度裁判所の歳出及び歳入決算の概要であります。  よろしく御審議のほどをお願いいたします。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。鎌田会計検査院第二局長。

鎌田英夫会計検査院事務総局第二局長

○鎌田会計検査院説明員 概要の説明を申し上げます前に、ちょっとごあいさつさせていただきます。  私、このたび第二局長を命ぜられました鎌田でございます。どうぞよろしく御指導のほどをお願い申し上げます。  それでは、裁判所の四十二年度決算につきまして検査いたしました結果の概要報告を申し上げますが、四十二年度につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。  以上でございます。     —————————————

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 次に、内閣所管について概要説明を求めます。木村内閣官房副長官。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村政府委員 昭和四十二年度における内閣所管の歳出決算について、その概要を御説明いたします。  内閣所管の昭和四十二年度歳出予算現額は、二十八億三千七十三万三千円でありまして、支出済み歳出額は二十五億六千一百八十二万四千円であります。  この支出済み歳出額を歳出予算現額に比べますと二億六千八百九十万九千円の差額を生じますが、これは不用となった額であります。  以上申し上げました内閣所管の歳出決算は、内閣官房、内閣法制局、人事院及び国防会議に関するものであります。  また、不用額は、迎賓館施設としての旧赤坂離宮の改修使用計画案を検討中のため、実施設計がおくれていること等により施設整備費が不用となったのがそのおもなものであります。  以上をもちまして、決算の概要説明を終わります。  何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 次に、内閣所管について、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。中込第一局長。

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○中込会計検査院説明員 昭和四十二年度内閣の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。     —————————————

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 次に、警察庁について概要説明を求めます。後藤田警察庁長官。

後藤田正晴警察庁長官

○後藤田政府委員 昭和四十二年度の警察庁関係の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  第一に警察庁の項であります。  当初予算額は二百七億一千二百四十三万円であり、予算補正追加額が六億二千四十五万円、予算補正修正減少額が六億四十一万円ありますので、歳出予算額は二百七億三千二百四十七万円となったのであります。これに前年度よりの繰り越し額が十二万円、予備費使用額が二億六千百四十四万円、移用増加額が八百二十万円ありますので、歳出予算現額は二百十億二百二十三万円となっております。  この歳出予算現額に対し支出済み歳出額は二百九億九千二百十万円でありまして、翌年度への繰り越し額は七十九万円ありますので、不用額は九百三十四万円となっております。  この経費は、警察庁及びその付属機関並びに地方機関自体の経費のほか、都道府県警察に要する経費のうち、警察法の規定に基づき国庫が支弁する警視正以上の階級にある警察官の俸給その他の給与、及び警察職員の教養、警察通信、警察装備、犯罪鑑識、犯罪統計、警衛、警備、国の公安にかかる犯罪その他特殊の犯罪の捜査等に必要な経費でありまして、翌年度へ繰り越したのは、警察施設整備費の繰り越しによる付帯事務費であります。  不用額を生じましたおもなるものは、電子計算機の借料を要することが少なかったこと等によるものであります。  予算補正追加額六億二千四十五万円は、昭和四十二年八月以降、政府職員の給与を改善するために要した経費であります。  予算補正修正減少額六億四十一万円は、調整手当の新設に伴い暫定手当が減少したことと、既定の予算の節約額を修正減少したものであります。  予備費使用額二億六千百四十四万円は四件ありまして、その内訳を申し上げますと、まず、警察装備の緊急整備に必要な経費三千六百十二万円であります。これは、昭和四十二年十月八日羽田空港周辺において警察用車両等が損傷を受けましたため、その修理、補給等、警察装備を緊急に整備する必要があったので、この経費を予備費から支出することについて昭和四十二年十一月十日閣議の決定を経たのであります。  次は、原子力水上軍鑑寄港に伴う警備活動に必要な経費六千四百一万円であります。  これは、米国原子力水上軍鑑の佐世保寄港に伴い警備活動をする必要があったので、この経費を予備費から支出することについて昭和四十三年二月二十日閣議決定を経たものであります。  次は、新東京国際空港建設に伴う警備活動に必要な経費一千九百五十四万円であります。  これは、新東京国際空港の建設に伴う警備活動をする必要があったので、この経費を予備費から支出することについて、昭和四十三年三月二十二日閣議決定を経たものであります。  予備費使用の内訳の最後は、退官退職手当の不足を補うために必要な経費一億四千百七十七万円であります。  これは、退職者の増加に伴う退官退職手当の予算の不足を補う必要があったので、この経費を予備費から支出することについて、昭和四十三年三月二十七日大蔵大臣の承認を得たものであります。  第二は、科学警察研究所の項であります。  当初予算額は一億七千三十六万円であり、予算補正追加額が八百八十一万円、予算補正修正減少額が四百五万円、移用減少額が六百六十万円ありますので、歳出予算現額は一億六千八百五十二万円となっております。この歳出予算現額に対し、支出済み歳出額は一億六千八百十七万円でありまして、不用額は三十五万円であります。  この経費は、警察庁の付属機関である科学警察研究所自体の経費でありまして、少年の非行防止、交通事故防止等の交通警察その他犯罪の防止、並びに科学的捜査についての実験研究及び鑑定のために必要とした経費であります。  不用額を生じましたおもなものは、職員諸手当等の人件費を要することが少なかったこと等によるものであります。  予算補正追加額八百八十一万円は、昭和四十二年八月以降政府職員の給与改善のために要した経費であります。  予算補正修正減少額四百五万円は、調整手当の新設に伴い暫定手当が減少したことと、既定の予算の節約を修正減少したものであります。  移用減少額六百六十万円は、警察庁の退官退職手当に不足を生じたため移用したものでありま  す。  第三は、皇宮警察本部の項であります。  当初予算額は七億九千八百四十六万円でありまして、予算補正追加額が六千三百二万円、予算補正修正減少額が一千六百六十九万円、移用減少額が百六十万円ありますので、歳出予算現額は八億四千三百十九万円となっております。  これに対しまして、支出済み歳出額は八億四千二百五十九万円でありまして、不用額は六十万円であります。  この経費は、警察庁の付属機関である皇宮警察本部自体の経費でありまして、天皇及び皇族の警衛、皇居及び御所の警備その他皇宮警察に必要とした経費であります。  不用額を生じましたおもなものは、職員俸給を要することが少なかったこと等のためであります。  予算補正追加額六千三百二万円は、昭和四十二年八月以降政府職員の給与改善のために要した経費であります。  予算補正修正減少額一千六百六十九万円は、調整手当の新設に伴い暫定手当が減少したことと、既定の予算の節約額を修正減少したものであります。  移用減少額百六十万円は、警察庁の退官退職手当に不足を生じたため移用したものであります。  第四は、警察施設整備費の項であります。  当初予算額は、三十八億四千八十八万円であり、前年度より繰り越した額が三千五百七十一万円ありますので、歳出予算現額は三十八億七千六百五十九万円であります。  この歳出予算現額に対し、支出済み歳出額は三十六億六千五百四十四万円でありまして、翌年度への繰り越し額は二億一千百十二万円ありますので、不用額は三万円となっております。  この経費は、警察庁関係の施設を整備するため必要な経費と、警察法及び同法施行令の定めるところにより、都道府県警察の施設を整備する経費の一部を補助したものであります。  前年度より繰り越したのは、警察総合庁舎新築工事及び警視庁第二機動隊庁舎新築工事に要した経費の一部でありまして、昭和四十二年度中に支出を終わりました。  翌年度へ繰り越したのは、警察総合庁舎ほか二十六件でありまして、これは、昭和四十二年九月五日の閣議決定に基づく財政執行の繰り延べ措置として歳出予算の執行の調整をしたことにより年度内に支出を完了することができなくなったため、翌年度に繰り越したものであります。  第五は、都道府県警察費補助の項であります。  当初予算額は五十六億二千七百二十四万円であり、予算補正追加額が五億二千七百八十六万円ありますので、歳出予算額は六十一億五千五百十万円となったのであります。これに予備費使用額八百二十七万円がありますので、歳出予算現額は六十一億六千三百三十七万円となっております。  この歳出予算現額に対しまして支出済み歳出額は歳出予算現額と同額で不用額はありません。  この経費は、警察法及び同法施行令の定めるところによりまして、都道府県警察に要する経費の一部を補助したものであります。  予備費は、警察装備の緊急整備に必要な経費として、昭和四十二年十一月十日、昭和四十三年二月二十日及び昭和四十三年三月二十二日の閣議決定を経たものであります。  第六は、特別研究促進調整費の項であります。  この経費の歳出予算現額千二百九十五万円は、昭和四十二年度一般会計予算総則第十三条に基づき、昭和四十二年六月二十七日四百七十万円と昭和四十三年二月二十二日八百二十五万円を、大蔵大臣の承認により科学技術庁から移しかえを受けたものでありまして、科学警察研究所においてシュミレーターによる道路交通環境の改善に関する総合研究及び交通事故防止に関する総合研究並びに交通渋滞の緩和方策に関する特別研究を行なうために必要とした経費であります。  この歳出予算現額に対し、支出済み歳出額は四百七十万円でありまして、翌年度への繰り越し額は、八百二十五万円であります。  翌年度へ繰り越したのは、交通渋滞の緩和方策に関する特別研究の経費でありまして、これは交通渋滞の自動検出装置の試作と、交通渋滞に即した信号機制御用プログラムの開発を行なうこととなっておりましたが、この種の研究は他に類を見ない全く新たな研究でありまして、また交通渋滞という現象は非常に複雑であって、渋滞度の判定方式についての検討が意外に難行したため、予定の時期で研究を終了することが困難となり、したがって年度内に支出を完了することが期しがたくなったためであります。  第七は、国立機関原子力試験研究費の項であります。  この経費の歳出予算現額三百五十八万円は、昭和四十二年度一般会計予算総則第十三条に基づき、昭和四十二年七月五日、大蔵大臣の承認により科学技術庁から移しかえを受けたものでありまして、科学警察研究所において犯罪捜査鑑識上の諸問題の解明に放射線利用に関する研究を行なうために要した経費であります。  この歳出予算現額に対し、支出済み歳出額は、三百五十八万円であります。  第八は、庁舎等特別取得費の項であります。  この経費の歳出予算現額五千三百八十二万円は、昭和四十二年度一般会計予算総則第十三条に基づき、昭和四十二年十一月二十二日、大蔵大臣の承認により大蔵本省から移しかえを受けたものでありまして、これは九州管区警察局所属の宿舎と、佐田厚生事業株式会社が取得する土地及び建物を建築交換するため要した経費であります。  この歳出予算現額に対しまして、支出済み歳出額は五千三百八十二万円であります。  以上で各項別の概要を御説明申し上げましたが、これを総括して申し上げますと、当初予算額は三百十一億四千九百三十七万円でありまして、これに予算補正修正追加額十二億二千十四万円、予算補正修正減少額六億二千百十五万円、予算移しかえ増加額七千三十五万円、前年度繰り越し額三千五百八十三万円、予備費使用額二億六千九百七十一方円を加減しますと、歳出予算現額は三百二十一億二千四百二十五万円となります。この歳出予算現額に対し、支出済み歳出額は三百十八億九千三百七十七万円でありまして、翌年度への繰り越し額は二億二千十六万円でありますので、不用額は千三十二万円となっております。  以上、警察庁関係経費の決算について御説明申し上げました。  何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。鎌田会計検査院第二局長。

鎌田英夫会計検査院事務総局第二局長

○鎌田会計検査院説明員 昭和四十二年度警察庁の決算について検査をいたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。  以上でございます。     —————————————

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 次に、行政管理庁について概要説明を求めます。黒木行政管理政務次官。

黒木利克自由民主党行政管理政務次官

○黒木政府委員 四十二年度における行政管理庁関係の決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  行政管理庁の歳出予算額は四十億五千五百四十四万五千円でありまして、支出済み歳出額は四十億三千八百三十万円、不用額は一千七百十四万五千円であります。  歳出予算現額の内訳は、歳出予算額四十億六千八百十四万一千円、公正取引委員会へ移用した額四百六十七万九千円、土地調整委員会へ移用した額百一万七千円、北海道開発庁へ移用した額七百万円であります。  支出済み歳出額のおもなものは、人件費十九億一千三百八十二万三千円、事務費二億七千四百七十七万一千円、統計調査事務地方公共団体委託費十八億四千九百七十万六千円であります。  不用額を生じましたおもな理由は、職員に欠員があったので職員俸給を要することが少なかった等のためであります。  以上、昭和四十二年度の行政管理庁関係の決算につきまして、その概要を御説明申し上げました。  何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 次に、会計検査院当局より検査の概要説明を求めます。中込会計検査院第一局長。

中込良吉会計検査院事務総局第一局長

○中込会計検査院説明員 昭和四十二年度行政管理庁決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。     —————————————

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 次に、北海道開発庁について概要説明を求めます。菅野北海道開発政務次官。

菅野儀作自由民主党北海道開発政務次官

○菅野政府委員 昭和四十二年度の北海道開発庁経費の決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  北海道開発庁に計上されている予算は、治山治水対策、道路整備、農業基盤整備等の開発に必要な事業費のほか、これらの事業を実施するため必要な工事諸費及び付帯事務費並びに開発計画の調査に必要な開発計画費及び一般行政に必要な経費であります。  昭和四十二年度の当初歳出予算額は千二百四十八億四百七十一万五千円でありましたが、昭和四十二年八月以降政府職員の給与を改善するため、六億三千六百七十七万九千円の予算補正追加額及び九千百四十四万三千円の予算補正修正減少額があり、また、国立機関原子力試験研究費として科学技術庁から二百七十五万千円の移しかえを受けまして、これに総理本府及び行政管理庁から移用した額二千五百万円、予備費使用額三千七百九十五万四千円を加えますと、総額は千二百五十四億千五百七十五万六千円となります。この額から関係各省へ移しかえた額三百七十九億千百二十七万八千円を差し引きますと、昭和四十二年度歳出予算現額は八百七十五億四百四十七万八千円となったのであります。  これに対し、支出済み歳出額は八百五十四億三千三百十四万七千円でありまして、この差額二十億七千百三十三万千円は、財政法第十四条の三第一項の規定による明許繰越額二十億六千二百六十三万八千円及び不用額八百六十九万三千円であります。  北海道開発庁の予算のうち、主要なものは、北海道開発計画に伴う開発事業費でありますが、開発の総合的かつ効果的推進を期するため、その予算を一括して当庁に計上し、使用にあたっては、関係各省所管の一般会計へ移しかえまたは特別会計へ繰り入れの措置を講じ、直轄については北海道開発局が、補助事業については道、市町村等が実施に当たっているものでありまして、各省所管別に移しかえ及び繰り入れの状況を申し上げますと、移しかえでは厚生省所管の厚生本省へ移しかえた額六百十六万円、農林省所管の農林本省へ移しかえた額二百六十八億九千八万千円、農林省所管の林野庁へ移しかえた額十六億九千七十万円、農林省所管の水産庁へ移しかえた額三十五億六千四百四十万円、運輸省所管の運輸本省へ移しかえた額六億四千三百九十万円、建設省所管の建設本省へ移しかえた額五十一億千六百三万七千円、合計三百七十九億千百二十七万八千円であります。また、特別会計への繰り入れとして支出した額は、建設省所管の治水特別会計へ百四十八億二千三百九十八万九千円、建設省所管の道路整備特別会計へ五百八億三千五百七十万五千円、農林省所管の国有林野事業特別会計へ十六億八千九百八十三万七千円、運輸省所管の港湾整備特別会計へ六十一億千四百六十九万千円、合計七百三十四億六千四百二十二万二千円であります。  次に、その他の経費の予算に定める項別の支出につきましては、北海道開発事業工事諸費で八十七億九千四百二十二万二千円、北海道開発事業付帯事務費で二億七千六百六万九千円、北海道開発計画費で一億三千六十八万七千円、北海道開発庁で二十七億六千五百十九万六千円、国立機関原子力試験研究費で二百七十五万千円であります。  次に、財政支出の繰り延べ措置に基づき、翌年度へ繰り越した開発事業費は、北海道治水事業費で三億四千三百九十七万二千円、北海道治山事業費で五千二百二十六万二千円、北海道道路整備事業費で十四億七千九百七十九万五千円、北海道港湾事業費で一億八千六百六十万九千円、合計二十億六千二百六十三万八千円であります。  最後に、不用額につきまして、その主要な項と理由を申し上げます。  北海道開発事業工事諸費で七百六十九万八千円、北海道開発庁で九十万六千円でありますが、この不用額を生じました理由は、北海道開発事業工事諸費では公務災害が少なかったので、公務災害補償費を要することが少なかったためであります。また、北海道開発庁では、北海道開発審議会の委員等旅費を要することが少なかったこと等のためであります。  以上、昭和四十二年度北海道開発庁の決算概要を御説明申し上げましたが、何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 次に、会計検査院当局より検査の概要説明を求めます。藤田会計検査院第三局長。

後藤田正晴警察庁長官

○藤田会計検査院説明員 決算検査の概要を御説明します前に一言申し上げます。  私、昨秋の人事異動で会計検査院第三局長になりました藤田でございます。よろしくお願いいたします。  昭和四十二年度の北海道開発庁決算を検査いたしましたところ、特に違法または不当と認めた事項はございませんでした。  以上でございます。     —————————————

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 次に、北海道東北開発公庫より資金計画、事業計画等について説明を求めます。熊本北海道東北開発公庫総裁。

熊本政晴北海道東北開発公庫総裁

○熊本説明員 北海道東北開発公庫の昭和四十二年度の決算について概要を御説明申し上げます。  当公庫の昭和四十二年度における事業計画は、出資三億円、融資三百九十七億円、合計四百億円で、その原資といたしましては、政府出資金五億円、債券発行二百三十億円及び自己資金百六十五億円を充てる予定でありましたが、四十二年九月、景気調整政策の一環として、財政投融資の七%繰り延べが実施されました結果、出融資実績は三百七十二億円にとどまりました。  なお、原資の調達は、当初の計画どおり行なわれ、右の繰り延べ額に相当する金額は、四十三年度に持ち越されたのでございます。  この年度の決算は、貸し付け金利息収入等の益金総額が百二十九億九千四百五十万円となり、これに対して支払い利息、事務費等の損金総額は百十七億四千五百九十六万円、差し引き、諸償却引き当て金繰り入れ前で十二億四千八百五十四万円の利益を生じました。前述の引き当て金繰り入れ前利益から固定資産減価償却引き当て金へ二千二十五万円を繰り入れたのち、残額十二億二千八百二十九万円を、金額滞り貸し償却引き当て金へ繰り入れました。したがって、この年度は、国庫に納付すべき純利益は発生いたしませんでした。  かくいたしまして、昭和四十二年度末における資産負債の状況は、貸し付け金残高千四百二十二億七千二百十万円、出資金九億一千五百五十万円となり、これに対しまして、政府出資金六十億円、政府借入金残高百五十二億八千九百五十五万円、債券発行残高一千百九十三億三千万円、滞り貸し償却引き当て金残高六十四億八百九十七万円となりました。  以上、昭和四十二年度北海道東北開発公庫の決算の概要を御説明申し上げましたが、何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 これにて説明の聴取を終わりま  す。     —————————————

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。小山省二君。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 本日の委員会には、内閣、裁判所をはじめかなり広範囲な各庁の決算が上程をされておるわけでありますが、それぞれ各党からも質問に立たれるようでございますので、私は主として行政管理庁の所管事項について御質問を申し上げたいと思います。  先般の本会議で、わが党の水田議員が代表質問に立たれまして、今後における行政機構のあり方、特に時代に即応してできるだけ行政機構を簡素、合理化する必要性があるのではないかというような趣旨の質問をされたのでございます。後ほどいろいろ定員等についての御質問を私、申し上げたいと思いますので、それらに関連して行政管理庁の基本的な考え方、ややもすると、行政管理庁の考え方は、現状にあまりにも固定化した考え方で終始されておるようにわれわれ承知しておるわけでございます。これらの点について、まずその行政機構について最も責任を持っておる管理庁の考え方についてこの機会にお尋ねを申し上げたいと思います。

河合三良行政管理庁行政管理局長

○河合政府委員 お答え申し上げます。  ただいまの御質問、行政機構改革についての基本的態度についてという御質問と承りました。  私ども、行政機構の改革につきましては、まず第一に、一昨年及び昨年春決定いたしました行政機構改革三カ年計画に基づきまして、順次これを実施に移していくということが第一、第二は、昨年の国会において御承認いただきましたいわゆる総定員法の趣旨に基づきまして、定員の合理的、能率的な運営をはかるということによりまして、総定員の縮減をはかりまして、これによりまして行政の運営をはかる、この二つの点を柱にいたしまして、行政機構、行政全体の改善をはかっていく所存でございます。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 大臣でもございませんから、これ以上、おそらく基本的な問題についてお尋ねをするのは無理かと思いますので、一応役所の考え方をただしたのであります。  行政管理庁は、設置法第二条第十一号におきまして、「各行政機関の業務の実施状況を監察し、必要な勧告を行う」旨の規定がございます。主として行政監察局がこれに当たり、北海道管区行政監察局ほか七管区行政監察局をその下に置いて、さらには、四十一の地方行政監察局を駆使して行政の実態を監察しておりますことは、私どもよく承知しておるわけであります。  この行政監察は、行政の有効な成果をおさめるための方法、国民に対する行政サービスの範囲にも触れますような問題を取り上げて監察するものでございます。その結果は、行政機関である各省庁に対し、行政の運営について勧告ができることになっておるわけであります。行政が合理的、効率的な実施をされますためには、その基本的理念にも関することでございますが、この勧告の措置というものがどのように行なわれるかということが、今後の行政機構簡素化の上にたいへん重大な関連を私は持っているというふうに考えるわけでございます。まず、行政監察が効果的な監察を行なうことによって、結果においてはその勧告が尊重されるということにもなりますので、最近におきますところのこの行政監察の計画作成のための基本方針、あるいはテーマの選択等について、この機会にお尋ねを申し上げたいと思います。

岡内豊行政管理庁行政監察局長

○岡内政府委員 私、行政監察局長の岡内でございます。よろしくお願いいたします。  ただいまの御質問でございますが、監察計画を作成するにあたりまして、私どもといたしましては、四十四年度におきまして、長期的な視野に立ってテーマの選定をしなくてはいけないでなはいかというようなことを内部的にいろいろ検討いたしまして、テーマ選定の基本方針をきめております。  それは、第一は、消費者の利益を擁護する、あるいは増進するという立場からの監察をやっていこう、それから第二点は、生活環境の整備充実、そういった面からの監察をやっていきたい、それから、最近いろいろと非常に変わった災害が多うございますので、災害の防止に関するような監察をひとつやっていきたいということがございます。それから、都市問題がたいへんいろいろと多うございますので、都市基盤の整備に関する行政監察、そういったテーマを選んでいきたい、それからまた、農業の近代化の問題あるいは労働力の有効利用というようなこと、そのほか特殊法人の運営の改善というようなことも重点項目にして、そういった大きな項目に当てはまるものを逐次選んでいきたい、こういうことで仕事を進めてきておるわけでございます。  なお、そのほかに、いろいろ行政上の問題が発生いたしました場合に、臨機にそれに対応できるように、そういった機動監察班というものも一つ設けております。  以上でございます。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 監察局で考えておるテーマの一端を御説明があったわけでありますが、もちろん、これからも長い期間にわたって行政監察を続けるわけでありますから、今日まですべての面について監察が行なわれたということは、これは、実情から考えてもあるいは困難かもわかりませんが、最近、公害問題あるいは交通機関の問題等が非常に大きく取り上げられ、これに対する世論もかなりきびしいようでありますが、こういう面に対して、従来勧告ではどのようにお取り上げになっておるか、その点ちょっと承っておきたいと思います。

岡内豊行政管理庁行政監察局長

○岡内政府委員 お答えいたします。  公害問題につきましては、これはまだ臨時行政調査会が活動しておるときに行政審議会というものを設置いたしまして、その行政審議会が最初に取り上げたのが公害問題でございまして、その勧告の結果、いろいろ各省庁においても公害対策が必要である、こういうことになりまして、その後公害基本法ができるというような状況にだんだん移り変わってきております。  この公害問題につきましては、私ども非常に関心が深いわけでございまして、これは近く勧告をする予定になっております。都市河川の監察を実は実施したわけでございますけれども、都市河川の浄化につきましてもなかなかいろいろ問題は多うございますけれども、もう少し力を入れてやれということを建設省のほうに勧告する予定にいたしております。特に、河川法の第二十九条によりますところの政令というものが未整備でございますので、そういった点で、その政令を早くつくるようにというようなことも、近く勧告する予定にいたしております。  それから、交通問題につきましては、これは私ども、過去にすでに二回ほど交通事故防止対策というようなことで監察をいたしております。これは監察をいたしましても、何といいますか、自動車の過密化ということで、問題はなかなか解決いたしません。それで、二回ほど監察いたしました結果につきましては、これは交通対策本部におきましても十分に資料として活用いただきまして、私どもの勧告の線に沿ってそれぞれ対策が講ぜられておるというのが実情でございます。それで、来年度におきましてももう一ぺんこれを取り上げる必要があるのではないかということで、目下検討中でございます。  以上でございます。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 関心を持っておられることは御答弁でよくわかるわけでございます。私どもは、監察をするその意義というものは、その監察によって得られた結果論というものを、できるだけ行政活動の中に生かし、またその指導が徹底し、勧告の趣旨が生かされることであるわけであります。  設置法第四条第七項によりますと、勧告に対する措置の報告を求めることができる。さらに、同条八項によりますれば「内閣総理大臣に対し、関係行政機関の長に所管事項の改善を指示するよう意見を具申することができる。」と、かなり強い権限が長官に与えられておるわけです。しかしながら、これらの勧告に対して、必ずしも各省、各庁の行政事務の改善が思うように進んでおらないようにわれわれは感ぜられるわけです。これは四十二年度の「行政改革の現状と課題」、行政白書のようなものですが、これにも率直に、勧告の実現が十分でないということが述べられております。このような結果というものは、単なる文章による措置あるいは回答のみでは、問題が問題だけに、実効性が非常に乏しいのではないかというような感じを私は持つわけであります。この点に関して、監察局長としてはどういうお考えですか。

岡内豊行政管理庁行政監察局長

○岡内政府委員 監察の効果の確保をどういうふうにしておるかという御質問でございますが、私どものほうといたしましては、設置法に規定してございますように、勧告した結果、各省庁が改善の措置をとったことについては回答を求める、こういうことにいたしております。最初の回答を受け取ったあとさらに六カ月後にもう一ぺん十分な回答がないといいますか、たとえば、勧告のとおりの方向で検討中であるというような回答がくることもございますので、そういったものにつきましては、六カ月後にあらためてさらに改善状況を照会して回答をとる、こういうことをいたしております。それでもなお直らない、なかなか直しにくいというような問題がございます。これは、特にかなり多額の予算措置を必要とするとか、あるいはまた関係各省庁がたくさんございまして、なかなかその意見の一致を見ないというようなものにつきましては、そういったものを集めまして、二年ないし三年に一ぺん推進監察というようなこともやっております。  それから、先ほど交通問題についての御質問がございましたが、これは何べんやっても切りがないということで、第二次は推進監察ということでやったわけでございます。来年度、第三次もこれをもう一ぺんやらなくちゃいけないんじゃないかというようなことで検討しておるわけでございまして、効果の確保につきましては、私どもも非常に努力をいたしておるところでございます。  従来、私どもが昭和三十年度以降ずっと統計をとっておりますが、統計の中身を申し上げますと、勧告の事項数としては四千八百五十四でございます。それで、改善済みというのが三千八百五十五、一部改善が三百四十九、改善の方向で検討中というのが五百六十四でございます。大体八五%は改善されておる、こういうふうに見ております。  ただ、最後の一五%につきましては、なかなかいろいろむずかしいものがあって解決していないというようなことで、その一五%というものをどう見るかということが、監理委員会とちょっと意見が違ったわけでありますが、百点満点ではないということで、監理委員会の報告書は、そういうふうに十分に満足すべきものでないというふうな表現になっておる、こういうふうに私どもは理解いたしております。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 いま局長の御答弁聞きますと、勧告の成果は反映され、たいへん成績をあげておるように聞きますが、現状は必ずしも局長がお考えのように、大きな成果をおさめておるものとは考えにくい点があるわけです。その後四十三年、四十四年の白書の中にも、そういう問題について率直に触れられております。私も昨晩読んでみまして、その考え方を多としておるわけであります。この中で、やはり勧告事項の実現を確保する、その勧告の効果をあげるためには、実施状況を定期的に報告させ、しかもこれを閣議にはかって、しかも必要な予算上の措置を、翌年度の予算編成過程においてはっきりさせる、こうしませんと、効果的な反映というものをおさめることが困難であるということが指摘をされておるわけです。  特に、きょうは大蔵省関係の人がおりませんが、大蔵大臣が必要な予算上の措置を講ずるというような、そういう姿勢がとられますならば、やはりそういう問題については大きな効果をおさめられるというふうに私は思っておるわけですが、これらの点について、長官がよく大蔵省関係と話し合いをして、やはりこの効果を高めるために、そこまで徹底した処置をとらなければ実効は非常にむずかしいのではないかというふうに私は考えております。そういう点で話し合いをしておるのか、したような事実があるのか、これらの点についてちょっとお伺いしたい。

岡内豊行政管理庁行政監察局長

○岡内政府委員 大蔵省と話し合いをしておるかということでございますが、監察の結果の報告書は、すべて大蔵省の主計局のほうにもあれいたしまして連絡をいたしております。したがいまして、それに伴って予算措置が講ぜられたることもございます。先般実施しました補助金の行政監察では、私どもの監察の結果を十分活用していただきまして、大体五億余りの節約になっております。それから、過密過疎地帯における義務教育に関する行政監察というのを行ないまして、特に都会周辺の市町村で市街地化がはなはだしい地区につきましては、市町村としては学校経営の経費が分担しきれないというような実情がございます。その点についても、予算措置を特別に考える必要があるのではないかという勧告をいたしております。明年度の予算ではかなりのものがついて、そういう新しい対策ができたように私、聞いております。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 確かに、逐一あなたのほうから大蔵省に報告がいき、大蔵省としても、そういう問題を念頭に置きながら予算編成をしておるものとわれわれは理解しておりますが、実際問題、あの予算の編成期におきます各省の強い要請、あるいは民間各団体からの運動等を考えると、必ずしもそうした行政管理庁の報告事項というものが、十分に大蔵省の中で取り入れられておるということは、私、断言しにくい。まあ幾つかの面においては、いま局長が言われたように取り上げられた事項もあると思います。しかし、大事なのは、予算編成期においてそうしたことが十分閣議の決定となり、さらに、総理以下最高責任者が、それらの点について十分アドバイスする程度までこの監察の結果が生かされないと、なかなか私は予期したような効果をおさめるということはできにくいと思う。この点、十分長官にお伝えをいただいて、実効をおさめるために、今後もいろいろな方途をひとつ講じてもらいたいということを強く要望しておくわけであります。  いずれにしても、行政監察の仕事は各省各庁からあまり歓迎されるような仕事ではございません。行政の効率的運営等に対しては、行政機関の段階では、実際問題として管理庁を除いて監察する機関というものはないわけでありますから、どうかひとつ局長もき然たる態度で監察業務を行なって、そうしてより大きな成果をおさめられるようにお願いをしたいと思うわけであります。今後そういう点について、特に行政監察について何か考え方を持たれておったら、政務次官でもけっこうですが、この機会にお考えをひとつお聞かせいただきたい。

黒木利克自由民主党行政管理政務次官

○黒木政府委員 確かに、小山先生御指摘のとおり、行政監察は行政運営の改善の効果をあげなければ無意味でございますが、本年度の予算編成におきまして、実は、私たちの行政監察の監察勧告を予算編成に九十五%採用したということを大蔵省の主計局が申しております。  ただ、予算の削減をするために監察の勧告を九五%採用したということだけでは、お説のように各省もいやがりますから、やはり予算を必要な部面はふやしてもらうような、そういう監察の結果の勧告であれば、なおさら効果をあげ得るのではないかということを私は考えておりますが、お説は全く同感でございますので、長官にも十分申し上げまして、そのような運用をはかりたいと思います。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 行政監察についてはその程度で……………………………………………………。  設置法二条十三号の規定によりますると、苦情あっせん業務、行政機関の業務及び公団、事業団の業務に関する苦情の申し出について、必要なあっせんを行なうことができるようになっております。  この苦情あっせん業務に対して、現状、それから受理件数、あるいは処理した件数、実態等、この際ちょっと、簡単でけっこうですが、お聞かせをいただきたい。

岡内豊行政管理庁行政監察局長

○岡内政府委員 行政相談業務の概況を申し上げます。  最近における行政相談の受理件数でございますが、これは大体四十二年度からはほぼ横ばいの状況でございます。四十一年度八万六千八百十五件でございます。  四十二年度は十一万六千三百二十五件、四十三年度は十一万二千三百九十件、本年度は大体十一万五千件くらいでとどまるのではないかという見通しでございます。  また、行政相談事案関係機関でございますが、これはほとんど各行政機関にわたっておるという状況でございますが、特に多いのは建設省関係、厚生省及び農林省の所管に関するものが多うございます。  昭和四十三年度に取り扱いました行政相談事案の内容を概略申し上げますと、道路とか河川に関係するもの、これは公害問題も含めまして一万八千九百六十件、こういうことになっております。それから各種の年金保険に関するもの、これが一万二千百五十九件でございます。それから社会福祉関係の案件が七千二百二十一件、それから公衆環境衛生関係のものが四千七十件というようなことで、特に国民生活に身近なものの相談事案が多い、こういう状況になっております。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 私の資料はたいへん古いものですが、四十三年の受理件数を見ますと大体十一万二千三百九十件、これだけの国民から苦情あっせんの申し込みがあるわけで、私は比較的この制度が国民に知られておらないような感じを持つわけです。実際問題としてこの制度がほんとにもっと国民の中に生かされますならば、かなり社会は明るくなる。事実、官庁というと何か行きにくいところのような感じで、一般国民は泣き寝入りをするといいますか、不満ながらもがまんするといいますか、そういう形でいるのがかなりあるように、われわれもときおりそういうことを耳にするわけであります。  したがって、これだけの仕事、年間十一万、これがもっと国民の中に徹底をし、国民がこの制度を活用するということになれば、かなり社会は明るく、しかも喜ばれるのではないか。こうした行政サービスをする機構として、現状のままでいいのか、さらにもう少しこの機構を拡充するとか、あるいはもっとこれをPRして国民に徹底させるとか、そういう面に対して、当局はどういうふうにお考えになっておりますか。

黒木利克自由民主党行政管理政務次官

○黒木政府委員 お答えを申し上げます。  わが国の行政相談業務というのは、実は日本独特の仕事のようでございますが、お説のように、行政に対する不信あるいは政治不信の一つの原因が、やはりこの苦情のうっせきということでございますから、私は、目下非常に大事な業務だと思っております。  先ほど局長の報告で、最近相談受理件数が横ばいの状況であるということを御報告申し上げましたが、これは、最近各省庁あるいは地方自治体におきまして苦情相談の窓口業務をやっておりますから、本来、従来なら私のほうの行政相談委員の窓口にお見えになる方が、各省庁なりあるいは自治体の窓口においでになっておるのではないか、そういうことで、私のほうの東京の受理件数というものが横ばいになっておるのではないかと思いますが、しかし、確かに御意見のように、まだ国民に周知徹底が不十分であると思います。  そこで、いろいろなマスコミを通じまして、あるいはまた全国行政相談の週間というものをこの二、三年来やっておりますが、こういうものをさらに徹底をいたし、また、先生方にお願いをいたしまして、各地区、あるいは各団体、あるいは婦人の団体等の集合の機会をとらえまして、できるだけ周知徹底を、今後いたしますように努力をしたい考えております。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 それらに関係して、四十一年の六月に、行政相談委員法によって行政相談委員というものが生まれたわけでございます。この行政相談委員は、行政管理庁長官が、社会的信望あるいは行政運営改善について、理解と熱意を持っておるような、そういう方を選考して委嘱するということになっておるわけで、きわめてばく然としたような感じが私は、いたすわけであります。この委員の選定いかんが、この制度の効果といいますか、成果をあげる上に不可分な条件になっておる。したがって、相談委員を委嘱するその資格の基準というものがはっきりしていなければならぬと思うのですが、そういう基準があって選考しておるのか。いま言ったように、単なる熱意があるとか理解が非常に深いとかいうような点から御委嘱しておるのか、その点についてちょっとお伺いしておきたいと思います。

黒木利克自由民主党行政管理政務次官

○黒木政府委員 お答えいたします。  行政相談委員は、各市町村に一名ないし二名でございまして、お願いをする業務の性質も非常に重大でございますから、この人選には慎重を期しておりますが、いままでば市町村長さんの御推薦で私のほうで御委嘱を申し上げるという手続をとっておりますが、従来のいろいろな名誉職の委員の選考と同じようなやり方をやっておりますけれども、特に仕事の性質が大切でございますから、慎重を期していただくように市町村長にもお願いをいたし、また慎重な選考をいたしておる次第でございます。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 もちろん全国的に委員を委嘱するわけでありますから、その地方地方の実情に精通した市町村長の推薦ということは、これはある意味においてわれわれも理解できるわけであります。それが単なる推薦でなく、推薦にあたって一定の基準を示し、その適格者の中から選定する、推薦者の中でそういう適格な人を任命するというような、もう少し選考にあたって一つの基準が確立されておらないと、その結果が、地方においては、あるいは名誉職なり相当の人望があったとしても、そのためにかえって住民のほうからいくと相談しにくいというような面がないではないわけであります。  私がその点を考えたということは、実費弁償しております費用を見ますと、委員一人当たり、四十四年度で年間四千百円の実費弁償です。年に四千百円といいますと、一カ月三百何十円ですか、おそらく今日ではそういう仕事を受けた委員の旅費にもならぬ金額だろうと思うのです、実費弁償をしておるといえばしておるわけでありますが、前時代的なような金額に考えられるのでありますが、一体こういう面の改善に対して管理庁ではどういうふうにお考えになっておるか。言うならば、三百円か四百円にしか値しない業績であるというふうにお考えになっておるかどうか。また、委員の人が生活上別に差しつかえないので、したがっく名目上実費弁償というような形でお支払いしておるというような、単なるおざなり的な実費を支払っておるというような問題であるか。その辺、当局のお考え方をちょっと……。

黒木利克自由民主党行政管理政務次官

○黒木政府委員 お答えをいたします。  確かに行政相談委員の現在の実費弁償は低額に過ぎると思いますが、昭和三十六年、たしか一人当たり千五百円でありましたのが、本年度御審議を願う予定の額は四千五百円、約三倍に引き上げておるわけであります、これは平均でございますが。他の、いろいろ名誉職の委員、たとえば民生委員さんとかあるいは人権擁護委員さんの方とか、こういう人たちとのつり合いがございましてこういうことになっております。仕事の性質、あるいは非常に少人数でたくさんの件数を処理しなければならぬという仕事でございますから、いかにも低過ぎるという感じを持っております。しかし、本質が名誉職であり、いわゆる民間特殊の仕事でございますから、行政相談委員の方々にとりましても、実費はともかくとして、これによって報酬を得るという趣旨のものではございませんから、そういう社会奉仕の御精神に依存しておるというのが現状でございます。しかし、確かに実費に相当するものは差し上げるような制度というものは確立をしたいと思いますから、今後もこの引き上げ等につきまして大いに努力をいたすつもりでございます。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 もちろん私も、他の同様な委員との関連もありますから、苦情相談委員だけが特別な扱いを受けるというわけにもいかぬというふうに考えます。報酬というようなことには当然ならぬと思いますが、できるだけ実費だけは支払えるような程度のことはぜひひとつ考えて、これらの待遇改善について熱意を持って当たっていただきたいということを要望しておきます。  それと同様の問題ですが、やはり役所の機構の中で統計事務職員の取り扱いです。これも設置法第二条第五号から第十号によって、統計及び統計制度の改善発達に関する企画、統計調査の審査、基準の設定及び総合調整、統計機関の機構、定員、運営に関し、地方公共団体の長または教育委員会に対し連絡、勧奨を行なう、統計職員の養成の企画、検定、統計知識の普及宣伝等の諸事務を行なうということになっておる。私は、行政管理庁にこういう仕事まであるのかと、実は意外に考えたわけであります。  今日の社会では、資金の効率的な使用を計画的に考慮し、経済社会の発展に寄与するための基礎資料として統計の必要性がますます重要性を加えてくることは当然であります。特に最近は住宅とか道路、下水道、社会保障施設等に対する五カ年計画あるいは何カ年計画、そういうものが設定、実施をされているわけですが、これらの計画の基礎はすべて統計数字によるところが多いわけであります。そのためには、りっぱな的確な統計がつくられなければならないことは、これはもう論を待たないわけであります。したがって、この統計の方法にもかなり苦心がある、また、これに携わる職員の養成というものが非常に重要性を持ってきたことは御存じのとおりでございます。  そこで、実際問題として、現在の統計職員の養成、そういう実態がどうなっておるか、統計の実際的な事務は内閣統計局でやっておるわけでありますが、実際の統計の仕事をしてない管理庁がそういう職員の養成をはたして的確に行なえるかどうか、実際上の事務と全く関係のない管理庁でそういう専門的な職員の養成というような仕事を担当するということはたいへんむずかしいと思うわけであります。現在の実態と将来の養成計画、そういうことについてちょっと私、奇異な感を持った関係上、この機会にお尋ねをしておきたいと思います。

黒木利克自由民主党行政管理政務次官

○黒木政府委員 お答えを申し上げます。  実は、従来統計については国会において御質疑等を承ったことがあまりないそうでございまして、小山先生の御質問に非常に敬服をいたすわけでございますが、確かに、これから科学国家を目ざしておるわが国にとりまして政治も科学的に行なわなくちゃならぬ、その科学的な政治の基礎はやはり統計でございますから、統計の大事なことはこれからますます重くなってまいると思いますが、それにいたしましては、現在の統計職員の養成なり処遇につきまして確かに足りない点があるということは認めざるを得ないと思うのであります。  現在、統計職員の養成は総理府に統計職員養成所というのがございます。これもカ月間訓練をするわけでありますが、毎年約百人の職員を養成をいたしております。それに、文部省に統計数理研究所の附属統計技術員養成所というのがございまして、養成期間は三カ月でありますが、毎年約三十人を養成をいたしております。そのほか、厚生省の公衆衛生院特別課程衛生統計学科というのがございまして、これもわずかに年間五十人足らずの養成をいたしておるわけでありますが、そのほか、大学とか高等専門学校等で統計学とか、あるいは数学を履修して卒業しました者に対しまして、統計官とか統計主事の資格を付与するような制度がございます。これは長期的な養成機関でございますが、そのほか、私のほうの行政管理庁では、市町村の統計職員を対象として毎年行なっておりまする地方統計職員の業務研修という制度がございますし、また、関係各省で、あるいは都道府県で同じような趣旨の研修を実施しておるわけでございますが、いずれにしても、これからの事態に即応するような体制には実は不十分だと考えられるのでございまして、これからますます強化をしてまいりたいと思います。  なお、わが国の統計というものが世界に冠たることは御存じのとおりでございますが、実は、国際連合で本年アジアの統計職員の研修所を東京に設置することになりまして、この運営を私のほうの行管で所掌するということになりまして、その法案の御審議も今国会にお願いをしておるような次第でございますが、御承知のように、国際的にもこのように認められておるのでありますから、国内の統計職員の養成、その他処遇等につきましても、なお一そう努力をしたいと思います。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 時間もないようでありますから、結論を急いでこれで質問を終わりたいと思いますが、四十二年度の決算では地方公共団体の統計に関する委託費は十八億四千九百七十万円ということになっております。一体、各都道府県における統計職員の実態というものがどういう状況になっておるか。たとえば各都道府県の統計職員の数、統計に専業できる職員数、これらの職員の処遇状況、そのような問題について、御存じの範囲でけっこうですが、お答えをいただきたい。

黒木利克自由民主党行政管理政務次官

○黒木政府委員 地方における統計職員につきましては、全額国庫負担のいわゆる委託費による職員がございますが、この予算定員は昭和四十四年度で三千百五十八名でございます。これは実は昭和二十二年当時においては五千名をこえておったのでございますけれども、数次にわたる削減がありまして、また、最近の総定員法の関連もございまして、三カ年計画で五%定員の削減をやるというようなことの影響を受けましてそのような数字になっておるのでありますが、四十五年度においては三千百十五名になる予定でございます。  そのほか、都道府県の民生部あるいは衛生部関係に計四百六十五名の国費による専任統計職員というものが置かれております。  また、文部省系統で教育委員会あるいは知事部局等に相当数の統計事務を担当する職員が、本務または兼務で置かれておる状況でございまして、そのほか統計調査員というものが、各種の統計のいわば委託を受けて、来年は国勢調査がございますから、七十万前後の統計調査員というものがございます。  それから委託費の内容でございます。つまり、委託費職員の給与は昭和四十四年七月末現在で平均給与が五万五百二十円というような非常に低額でございまして、都道府県におきましてはそれに上のせして処遇の改善に当たっておるというような状況でございます。

小山省二自由民主党

○小山(省)委員 まだきょうは定員外職員の問題についても少しお尋ねをしておきたいと思ったのですが、時間もきたようですし、華山君からも同様な質問もあるやに聞いておりますので、私の質問は、以上によって終了したいと思います。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 華山親義君。

華山親義日本社会党

○華山委員 警察庁の会計課長がおいでになっておりますので、ちょっとこの際お伺いをいたしたいと思います。  例の自動車から三億円の金を取ったという事件がございまして、非常に世の中の人が注目しておるわけでございますが、いまだに終末を見ないわけであります。私、いまここでそのことにつきまして、決算委員会の立場もありますから、かれこれお聞きしようと思いませんし、せっかく皆さんたいへん御苦労なすっておることを思いまして、激励の辞を贈っておきたいと思いますが、がんばって、ひとつ早く国民を安心させていただきたいと思うわけであります。  それにつきましては、ただ会計の立場から伺いますが、この事件について、事の性質上、国庫からは金は出ていないと思いますが、どうでございますか。

丸山昂警察庁長官官房会計課長

○丸山政府委員 三億円の事件につきましては、国費の対象となっておりませんので、したがいまして、都費で支弁されておるということでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 それで国から出ていないわけでございまして、東京都の負担になっておるわけでございますが、いままで延べどれだけの人員がこのために動員されておりますか。

丸山昂警察庁長官官房会計課長

○丸山政府委員 やや古い統計でございまして恐縮でございますが、昨年の十一月三十日に集計をいたしましたところ、事件が発生をいたしましたのが四十三年十二月十日でございますから三百五十六日間に相なるわけでございますが、この間に動員をされました延べ人員が六万九千七百七十六人でございます。このうち専従は百九十六名ということでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 一日一人という計算で六万九千ということでございますか。延べですね。

丸山昂警察庁長官官房会計課長

○丸山政府委員 延べでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 それで、捜査費は一体どれくらい出ていますか。

丸山昂警察庁長官官房会計課長

○丸山政府委員 それで、捜査に要しました活動経費は約三千三百万でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 捜査費ということになりますと、人件費の超過勤務も入っておりますか。

丸山昂警察庁長官官房会計課長

○丸山政府委員 超過勤務は入っておりません。

華山親義日本社会党

○華山委員 それで、私考えたのでございますけれでも、とにかく延べ人員が出ているわけでありますから、そしてまた、その人員につきましては、そのために特に人員が増員したというわけでもないでしょうから、それが純粋にこのために要した経費といわれないかもしれません、ほかの一般の警察官がやっているわけでしょうから。ですけれども、ここに使った金はどれだけだということを考えてみますと、私、なおわかりませんけれども、いま申し上げました超過勤務も入れまして、大体一日二千円くらいのものじゃないか。正確にはわかりませんけれども、見当としてみますと、二千円にかける、いまのおっしゃった七万人でございますから、一億四千万円使っているわけですね。それからいまおっしゃった三千三百万円を加えますと、一億七千万円、こうなりますね。それで、十一月三十日までの分と申されますから、その後も捜査はゆるめていらっしゃらないといたしますと、前のような延長でいきますと、二月ばかり出て増がありますから、大体二億円の計算になるように思うのでございますよ。ひとつこれ、国民が、金の面ではどのくらいかかったのだろうかということも考えている人もありましょうから、それだけをちょっとお聞きしたわけでございます。その捜査の状態とか、いろいろなことにつきましては、別の委員会等もありましょうから、ここでは省略しておきまして、ひとつ一生懸命にさがし当ててください。お願いします。どうもありがとうございました。  それから、毎年天下りというものが、いまごろになりますと季節風のように吹いてくるのです。この点につきましては、私は、個人個人の人が月給を、金を幾らもらわれてもこれは、私も官僚出身でもありますし、そんなことまで一々神経を悩ましておるわけではありませんけれども、おそろしいごとは、このあらしによって、特に新聞紙等に伝わるところのあらしによって、一般国民が官僚に対する信頼を失ってくることが私はおそろしいのです。それで、こういうふうになってきているということについて、何か根本的に改正すべき点はあるんじゃないだろうか、その方向に向かうべきも一のじゃないのだろうか。こんなふうに考えます。  憎まれ口を言うようですけれども、現在、とにかく私は衆議院議員としてまだ期間も短いのですが、六年間ちょっとになりますけれども、いま一番重要な、変遷のはなはだしい、長期展望とかいっている農林大臣が六人かわっていますからね。こういうふうな状態で農政というものがうまく継続していくはずがないと思うのです。私はこれをささえるのはやっぱり官僚の人たちだと思うのですよ、たいへん政治家として残念でございますけれども、その意見で官僚の責任も重大でありますし、私は、国民から信頼を失わせたくない、こういう意見で申し上げているわけであります。  人事院総裁がおいでになっておりますので伺いますけれども、一般企業に対するいわゆる天下り、そういうものについて承諾を人事院がお認めにならなければ、就職したり、また就職の約束をしちゃいけないということになっているわけでございますが、こういう立法の趣旨はどういうところにあるのか。ひとつ、立法なすったのは人事院じゃないかもしれませんが、それによって御解釈になっていらっしゃると思いますから、その立法の趣旨を人事院がどう受けとめておられるのか、承りたい。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 たまたま個人的なことでございますけれども、私自身立法に携わる機縁を持っておりましたので、それらの当時の考えともあわせて御説明させていただきたいと思います。  一口に申しますれば、結局、公務員の職場における秩序なり綱紀なりの維持をはかろうという趣旨であると思います。しかし、職場における綱紀秩序の維持のためには、懲戒の制度がございます。あるいは、極端なものになれば、これは刑務所に行くという場面もあるわけでございます。したがいまして、上司なり同僚相互の監督あるいは監視によって職場の公正を維持するという方向が、これが私は第一のたてまえだと思います。しかし、さらに万全の備えとして、ただいま仰せになりましたような法的の規制を設けて、かりに職場において自分の職権を乱用して特定の会社とコネをつけて、そして将来そこへ行こうとしても、それはうしろにこういう関門があるからだめですよ、それならばやめようか——これはたいへん卑俗な言い方でございますけれども、そういう気持ちを起こさせることによって、かたわら職場の規律を厳正ならしめようという趣旨だろうと思いますので、一応その点をお答え申し上げて、さらにお答えいたします。

華山親義日本社会党

○華山委員 そういたしますと、この立法の趣旨は、役人の規律を守っていく、こういう趣旨のものであって、いわゆる天下り行為を規制するという立法の趣旨ではないようであります。そういうふうなところに、私は、その立法というものと運営ということと、いま新聞等で伝えられるところの論調がかみ合わない点があるんじゃないか、そういうふうに思うわけであります。しかし私は、新聞の論調等にあらわれるところは、国民一般の常識としてもっともだと思うのです。そういたしますと、これは人事院規則の改正ではできないのじゃないか——人事院は個人個人を縛るものですから、できないものじゃないか。そうすると、新聞等の論調を見ますと、一般官庁で高官が各民間企業に入り込む、そしていいことをしている、こういうふうなやり方について非難をしている、そういう面になりますと、私はあとで木村副長官にも申しますけれども、この人事院規則、それを越えた何らかのことがなければ、各官庁においてそういう高級官僚が関係する会社に行くということをやらせない、そういうものがないとこれはむずかしいのじゃないのか、そういうふうな気持ちがいたしますが、総裁、どうでございましょう。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 結論をどういうふうにお考えになっておられるかは別として、いまおことばにありました点については、全く私、同感に思います。  したがいまして、私が同感に思う角度から気持ちを述べさせていただけば、先ほど触れましたように、現在の制度ができますときに私は内閣におったわけですが、これは急に総司令部からああいう条文を入れろと言われて、当時の立場としてはやむを得ず入れたわけです。やむを得ずと申しますのは、これは要するに憲法問題ではないか。とにかく憲法二十二条で職業選択の自由というものを厳然として保障しておる。そして、この憲法が保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として保障するというふうに書いておるわけですね。それから見て、公務員である間はもちろんある程度の兼業の規制もありましょうし、あるいは政治活動の規制もあります。これはいわゆる特別服従関係という法理の上から許されますが、公務員をやめて普通の自由なる市民になったあと、その人がどういう職業につくかということを承認、不承認で制約することは、これはよほどの理由がないと憲法違反になる、そういう面を持っておるわけです。そういうこともあったかと思いますが、これが国会で審議されましたのは二十三年の末でありますが、当時この法案の審議にあたりましては、与野党あげてそういう点を追及されまして、いやしくもこれは行き過ぎになるようなことがあったらえらいことだ。共産党の徳田球一さんが大いに叱咤激励されたことも覚えておりますけれども、行き過ぎを非常に戒められました。したがって、ただいま国会図書館の副館長をしております岡部君というのが政府委員で、これは運用の妙によって行き過ぎの出ないようにいたしますと、極力陳弁してこれが通ったわけです。したがって、スタートにおいては非常に甘い承認の扱い方をしておった、これはわれわれ、顧みて事実としてそう思います。ところが、その後二十何年、星移り年かわって、今日においては全然これが逆になった。ただいまおことばにありましたように、最近は人事院は何しておるか、しり抜けではないかというおしかりが新聞等にあらわれる、あるいは国会においてもわれわれ常におしかりを受ける、おそらくきょうもこれから深刻なるおしかりを受けると思いますけれども、これはどうしてこうなったろうという、その辺は謙虚に反省せざるを得ないと思います。  そこで、ただいまいみじくも華山委員のおことばにありましたように、公務員に対する信頼性というものがそういうふうに変わってきているのではないか、いわば下のほうへこれが向かっておるのではないか、信頼性が失われつつあるのではないか。去年の場合なんかは、堀田それがしという人が出ますと、これはますます信頼性を失う。したがって、いまのいわゆる天下り——人事院総裁が天下りということばを使うということは不謹慎でありますけれども、便宜上これを使わせていただきますが、天下りということに対する世論もそういう人がどんどん出てきますと、きびしくなる、公務員に対する不信感というものを、やはり公務員としては謙虚に反省しなければならないのじゃないかということを痛感しております。その点、華山委員のお気持ちもおそらく同じであろうと思います。したがいまして、この七〇年を迎えまして、公務員給与はもう間違いなく完全実施になります。いかなる困難があろうとも完全実施してくださるということでありますから、そうなれば、公務員のあり方に対する世間の目もおのずからまたきびしくなってくるに違いない、勤務密度がどうだというような批判が出てくるに違いないというようなことで、私も奮起をいたしまして、この七〇年以降においては公務員の根本的の自制と自粛を要望して、国民の皆さんから信頼されるように持っていかなければならぬということを大声疾呼して、あらゆる機会に言っておるわけであります。これが徹底して公務員の信頼が回復されるならば、たまたまいま地方公務員法には全然こういう規制はないわけですね。地方公務員のほうが信頼されているとは思いませんけれども、こういうぎこちない制度は一日も早くなくして、そして、国民の皆さまから一言なりとも批判の出ないような体制に根本的に持っていかなければだめだという決意をますます固めておる次第でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 それで、私は、各人について報告をなされたものを、多数の人でございましたけれども、一応読んでみました。大体同じことが書いてあるのでございますが、この中の若干のことについて伺いたいのでございますけれども、あれを見ておりますと、そんな高位高官——私が高位高官だったようで口幅つたいのですけれども、私から見ますと、そんな高位高官ばかりじゃないのですね。百七十四人ということでありますけれども、あの中を見ますと、たとえば各県に大蔵省の財務部がある、その財務部の部長が信用金庫あるいは相互銀行に入っているということを一々あげてあるわけですよ。それを認可なすった。それで、私この実態を見ますと、これらに行った人々というのは、その銀行なり金庫の仕事をほんとうにやっていらっしゃるのかということは、はななだ疑問です。とにかく毎日出社なすって、そして退屈して、たばこをのんでいらっしゃるというふうなことが多い。それで、これを認可するなと私は言うのじゃありません。先ほど言ったとおりでございますけれども、そういうふうな実態に大蔵省が持っていくということですね。そういうふうな財務部の部長というのは、大蔵省の役人としてたたきあげたと言っては語弊があるのかもしれませんが、たたきあげて先端に立った人の行く場所にこれがなっちゃっているのですね。そういう慣行が長年続いているのです。それがあらわれている。  そして、この人たちは一体どうなのか。やめていくときは五十二、三歳じゃないかと私は思いますが、その五十二、三歳の人がやめたら一体どうなるのか。子供さん方はちょうど教育の最中だろうと思う。それじゃあとのめんどうを見てくれるのか。恩給というものがありますけれども、これは十分なものでもないし、若年停止ということで、非常に少ない恩給になってくる、何とかやはり食う道を考えてあげなければいけない。そうしますと、大蔵省の息のかかった、しかしそういう人たちは大銀行にもやれないから、ちょうどいい信用金庫とか相互銀行に移していくということが慣行になってきておる。またそうしなければ、押し寄せてくる下の人々が上に伸びられない、こういう矛盾があると私は思う。そういう点は、ここに新聞社の方々もいらっしゃいますけれども、ひとつよく了解していただきたいと思う。  それで問題は、やはりその局長であるとか次官であるとかという人たちが、その省と関係のあるところに入るということに一番重点がしぼられるのじゃないか。それで、この許可をした理由というものを見てまいりますと、その人が過去五カ年間に在職したところの官職、その官職がその会社の仕事の認可、許可あるいは監査、請負、そういうものに関係があったかどうかということを基準にしておる、そして、あそこに所管局部課と書いてありますけれども、あの部課というのは、一体各省の何か分掌規程のようなものできめられた部課なのか。しかし認可、許可というふうな権限は大臣が持っているはずだ。ですから各省大臣を補佐して、そして部下を指揮監督するという立場にあるならば、私は、そういう部課におらなかったというだけで局長や次官というような人たちが過去において関係なかったというのは、承認される上で甘い点があるのじゃないかと思いますが、総裁、いかがですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 理を尽くしてのお尋ねでございますが、私どもの審査の基本といたしておりますところにただいまお触れになったわけです。これは法律の条文の表現は、その役所と密接な関係のある私企業ということになっておりますから、大蔵省という役所全体をとらえて、その大蔵省と密接な関係のある私企業、これはだめだというのが一応原則になっております。その中で人事院が承認すべきものはしてよろしい、こういうたてまえになっておる。そうすると、大蔵省と密接な関係があるのは、銀行は常識的に大蔵省と密接な関係にある、ところが、大蔵省の役人は大ぜいおりまして、悪い意味のコネの温床になるようなポストにいた人と、いない人とおるわけです。一番典型的な例としては、大蔵省に印刷局というのがございます。印刷局で一生懸命官報その他の印刷のことをやっておられる人、これは大蔵官僚には違いない。それでも法律の文章からいいますと、その印刷に専念をしておった人が銀行に行けないというのはどういうわけだろう。先ほど前段に申しましたように、在職中に不当なコネをつくって、そのコネをたどっていくことはけしからぬというのが法律のねらいでございますから、印刷局のつとめておる人は、どうも銀行と在職中コネをつくり得る立場にその職掌柄ない。したがって、それはセーフとするのがむしろ当然であろうという論理からだんだん突き詰めてまいりますと、ただいまのお話のような場面につながってくるわけです。今度は財務局長あるいは地方の国税局長というものがございます。これは税金のことを確かにやっております。よく昨年あたり国税局あるいは税務署の役人が酒造会社に天下るとは何ごとがというようなことがございました。これはまた管轄区域というのがはっきり分かれておりまして、隣の管轄区域の酒造会社には、いかに職権を乱用しようとしてもこれはできない立場にある。したがって、職権乱用の温床になるようなポストということをつかまえまして、ただいま御指摘になりましたような官職主義できておるわけです。これもたまたま先ほど触れました昭和二十三年のこの条項ができますときの国会の御審議の席上、こういう基準でやりますということを政府側としてもはっきり言明しておりますので、その基準はその基準として私は尊重してよかろうと思う。ただし、世論が御承知のようなことでございます。われわれは決して世論に耳をふさいでおるわけではございません。年々これをきびしくきびしくと思ってまいっておるわけでございます。根本はそういうところにあるということで御了承願いたいと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 大蔵省の印刷局、これは極端な例をお引きになったと私は思うのでございますよ。ただしかし、たとえば次官をやった人が製鉄所とか、そういうふうなところになりますと、通産省と製鉄事業というものは密接不可分の関係にあるというのは常識なんですから。それで、たとえばそれがどこまでなのか、通産省の特許局にずっといた人、そういう人が製鉄事業に移られるというふうなことになりますと、また私は考えようがある。しかし、次官になれば、あるいは重工業局長であれば、私はやはり製鉄事業とは無関係だったとは言えないと思う。その点が甘過ぎやしないかと私は申し上げているわけでございます。この法律制定当時の経緯から、その当時のことをお聞きいたしましたが、できるだけ狭く考える、そうしないと憲法違反になるんだぞということでお考えになった、その伝統がいままで続いている、こういうことを私いま初めて承りまして了解いたしましたけれども、もうそういうふうな時代ではないんじゃないかというふうな気もいたしますので、その点の解釈についてでき得るならば御一考願いたい。  それから、この中を見ますと、この人のつく仕事の内容は、たとえば非役である、そういうふうなことが書いてある。それで、顧問というふうな肩書きだからいいとか、こう書いてあるわけです。だけれども、一番初めに入った地位が今後永続するとは限りません。一般の場合でも、役人が会社に移るときにすぐ重役にはなれない。あいておればまた別ですけれども、あいておったにしても、総会の決議によって選ぶ、その前に役員会を開いてやるというのが一般のやり方でしょう。そういたしますと、総会で選出されるまでは顧問でいてもらいたい、これは往々にして行なわれるところなんです。それですから、いま行くのが顧問だからよろしい、そういうことじゃないかと思うのですが、そういうふうにして許された者が、間もなくいわゆる非役でないという事態を生ずるということもあると思うのです。そういう場合には、条件が違うからやめろということは言えないでしょうね。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 そこのところは実は抜かりなくやっておるわけでございまして、われわれが承認いたしますときには、顧問、これで承認願いたいと言ってくる、顧問は顧問でもいい、どういう仕事をなさる顧問ですか、ことしの場合は技術屋が非常に多いですから、単純な技術的な顧問だというのがわりあいにございますが、それならまあそれでよかろうということで、そこまで突きとめた上で承認いたします。これがちょうどいまのお話のように、今度はひとつ役員になろう、取締役になるというような場面が出てまいります。そういうときには、必ずその際また持ってきてもらう、そうしてわがほうで今度は取締役にしていいかどうかということを厳正に審査しております。そこだけはまさに抜かりなくやっておるわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 それからここを見ておりますと、請負につきまして、この会社が請け負っておるところのシュアですか、それが少ないのだということが書いてありますね。これはしかしちょっとおかしいじゃないかと思うのですよ。シュアが少ないものを増そうとしてその人を入れるのかもしれない。請負関係にあるところのものがシュアが大きくなったならばその入った人はやめさせるのかどうか。こまかいようですけれども、こまかくない問題だと思うのです。どうなんですか、ひとつ伺っておきたい。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 シュアというようなことをおっしゃいますが、シュアというのはどういうことですか。

華山親義日本社会党

○華山委員 シュアと言ったかどうか——部分ですね。自分の仕事の中でその会社から請け負っておるところの部分が何%占めておるか、そういう………o

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 シェアですね。耳が悪いものですから失礼しました。わかりました。  先ほど来申しましたところは、主として職権の上の問題から、権限行使あるいは許可、認可というような面から申し上げました。ところが、それだけで、はたして押え切れるかどうか、もう一つ、いまおあげになりましたように、今度は契約関係で、不当に多額な契約を結んで、しかもその契約に基づく工事等の監督を非常に甘くやっておりはしないか、これは押えなければならぬということで、おっしゃるとおり押えております。ただし、契約にはピンからキリまでございまして、たとえば、私ども人事院におりましても、この資料を印刷させるために印刷屋と契約を結ぶわけです。たまたま人事院の職員がそこの印刷会社に行くのに、これは一ぺん発注したことがあるから——これは三越から買っても同じことでございます。これはまた非常識だろうということで一応攻めてまいりまして、いまお話にありましたように、相手方の事業会社の全体の業績、それが五年間の業績から見てその人の関係した契約のパーセンテージがどのくらいになるかというようなことを押えまして、これは一%ということで——いま公表はしていませんけれども、そんな程度のところで相当きつく押えておる。そればかりでなしに、その人の関係した一年間において何%ぐらいその会社があれしているか、それでもまだ世間にこたえるゆえんではあるまいということで、さらにごく最近きびしくいたしまして、パーセンテージばかりではだめだ、額のほうでも押えなければいくまいというようなことまで気を配ってやっておるわけでございます。したがいまして、いまおことばにありました根本の考えは、いま申しましたような考え方で臨んでおるというわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 具体的に名前はやめますけれども、建設省出身の技術者がある大きな土建業者に入るわけです。これはもう日常茶飯事じゃないかと私は思っているのです。入りまして、私、見たわけじゃありませんけれども、おそらく初めは技術担当の者だということだろうと思うのです。技術を担当しているわけだ、初めは。ところが、その人が間もなく今度は常務取締役になって営業のほうへ行く、そして今度は、間もなくといいますか、数年たつと専務取締役になる。そういう際に一々人事院に御相談しているかどうか。そうすると、専務取締役になりますと、今度はどうなるか。請負の問題が起きますと、もちろん国もそうだろうと思いますけれども、まあ私は地方庁におりましたからなにでございますが、地方庁の大体土木部長というものはほとんど全部建設省人事所管の中なんです。ほとんど全部が建設省から行っている。そして転々として歩く、全部もとの部下です。あるいは間接的なものもあるかもしれない。そういうところに私は、むしろ営利会社と官庁との腐れ縁ができる、天下りのおそろしさはむしろそこにあるんじゃないかと思う。そういう点を考えますと、私はどうしてもこれは現在の制度そのものを政府において考え直していただかなければいけないと思います。  それで、この点はひとつ伺っておきますが、先ほど憲法の問題がございましたけれども、私もあの法律を見たときに、おやと思った。在職中に約束をしてはならないことはわかる。官庁在職中に約束してはならないことはわかるけれども、出たあと就職を禁ずるということは、一体憲法違反じゃないのか。これが憲法違反でないというのはどういうところに根拠をその当時求められたものでしょうか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 今度は逆のほうから攻められまして、どうもわれわれ両面にお答えしなければならぬので非常につらいのでございますけれども、私は、これも私ごとで恐縮でございますけれども、いまお投げになりました疑問をことしの一月号の「ジュリスト」に、これは法律雑誌ですから法律的な疑問を書いておきました。やはり、永久にとか、絶対に尊重するという憲法のたてまえも、やはり公共の福祉というものの制約によってこれはある種の制限はある、したがって、デモ行進にしたところで、公安委員会の許可がなければだめだというような制約があるのです。したがって、この公共の福祉とのつながりをこの場合にはどう考えるべきかということになるわけです。そうすると、やはり最初に申しましたように、職場における規律を保持するためには、まず当面、懲戒その他によって監督を厳重に上の者が行なって、悪いことをさせないという体制が第一だけれども、それがもしも漏れて、不行き届きの結果、またその不当なコネをつくられるような行為が行なわれるといけないというので、職場における規律の厳正を維持する目的でやむを得ない規制としてこういうものを設けたということは、憲法上の説明は一応通ると思います。しかしながらここで人事院の承認という規定があるから、具体的に、個々のケースごとに人事院が憲法と公務員法との接点を責任を持ってそこに判断をしながら、これがいい、これが悪いといっていくわけです。かりに人事院承認というものなしに、法律でもう絶対に禁止したらどうなるかということになりますと、たとえば公安条例の場合において、公安委員会の許可というものの条件を消してしまって、一切かようかようのデモ行進は禁止するという形と同じになるわけです。そうなると、これは相当憲法上問題があるんじゃないかと思いますけれども、まあ、幸か不幸か、その辺の具体的な判断は人事院におまかせ願って、そこで一切の苦しみをわれわれが背負いながら個別的な審査をしていくということになるわけです。一面から申しますと、ある特定の、たとえば銀行局長のポストにおった人は、いかにその人が清廉潔白、厳正公平に在職中仕事をしたという証明があっても銀行には一切行けない、これはわがほうの基準からいってもそうせざるを得ないわけです。そこまで一体公共の福祉という制限が及ぶのかどうか。その考え方でいったら、ほかの基本的人権もみな同じような理屈でどんどん制限されるようなことになるのじゃないかというととは、これは私のひそかな心配でございますけれども、それは別として、そういう点の問題はございます。  それからもう一つつけ加えさせていただければ、数年前にロンドンの「エコノミスト」という雑誌が日本の公務員を非常にほめまして、日本の経済興隆の原因はどこにあるかということを書きましたときに、公務員が在職中大いに腕をふるっておるということとともに、その有能なる連中が、今度はやめたあと私企業に入って、その企業の中で、役所にいる間にたくわえた技量、腕前を発揮しておる、これはわれわれからいうと、非常に皮肉な言い方でございますけれども、また役人が有能だというような思い上がった言い方をわれわれふぜいとしてはすべきではありませんけれども、ロンドンの「エコノミスト」にはそれをはっきり書いてある。そうすると、日本の経済興隆のためには、むしろ有能な人であれば、それを積極的に送り込んで、経済興隆に尽くさせるべきじゃないか、公共の福祉上就職をむしろ義務づけるべきではないか、これも冗談半分でございますけれども、そういう考え方も空想的には出てくるわけです。そこのかね合いですね、そこの接点の問題、これを非常にわれわれは悩んでおるということだけを申し上げておきます。

華山親義日本社会党

○華山委員 簡単にお聞きいたしますが、ただいま銀行局長であった人は、どんなにりっぱな人でも銀行には入れないということです。最近の大蔵省の人事を見ますと、主計局関係の人が次官になる、過去五カ年間において銀行局には在職しなかった、そして主計局から次官になった、その人は銀行に行けますか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 抽象的なことをここで申しますと、もう各省はたいへんなあれで、お願いお願いでやってくるわけですから甘いことは申しませんけれども、いままでの例から言えば、そういう例はまだございません。今後また具体的のケースをよく調べましてお答えすると申し上げておいたほうが、まあ間違いないと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 そういうことをお聞きするのは、そこに問題があると私は思うのです。次官という人は省全般を見ているのですから、私は、そういう人はその仕事に関係のあるところには入れないのじゃないかという気がするわけです。ところが、ここに出てくるのはそうでない。通産省や経済企画庁には——この経済企画庁から出られた人も通産省から行かれた人のようですけれども、経済企画庁だって精油業や製鉄業には非常に関係がある、そういう人がそういう企業に入れる、私は、こういうことでも直してもらわなければいかぬのじゃないか、こんなふうに考えます。  ちょうど副長官おいでになったので、お忙しいでしょうから、すぐお話しいたしますが、いま佐藤総裁にも申し上げたのですが、この天下りの問題ですけれども、各官庁から行く、人事院で承認されれば行くことができる、それについて私は幾多の疑問を持っております。しかし、いま総裁からもいろいろお話を聞いたものですけれども、ここに至るまでの立法当時からの経緯もある。初めはこういうものについての制定が憲法に違反するのじゃないかという議論があったということでございます。いまでは新聞論調が、こんなものはたいへんに甘いものだと言っているわけです。それで私は、一人一人の人が幾ら月給を多くもらおうと、そんなことは関知したことでもないし、けっこうなことだと思う。ただ、そういうことによって、新聞が毎年の季節風、台湾坊主のように毎年毎年書き立てて、そして官僚に対する国民の信頼を失うことが、私はおそろしいと思うのです。それから、書き立てるというと何か悪いようでございますけれども、新聞の言われることは、私はもっともだと思うのですよ。それで、個人と会社との関係よりも、役所と会社との関係が結びつくことがおそろしいわけです。  そういうふうな意味で、この法律それ自体をどういうふうに改正していくか。また、あるいは各官庁が人事院に出さなければ、人事院はそんなこと知らぬのですから、そういう次官とか局長とかについては、人事院に出す前に政府として自粛するか、徐々に研究なすってこの法律を改正するか、そういうふうにして、国民の常識と合ったように、ひとつ官界の状況なりあるいは政府のやり方なり、法律の改正なりに御配慮を願いたい。いかがでございますか、副長官。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村政府委員 もうお話が出たと思いますが、もともと憲法上の職業選択の自由、これは基本的人権でございます。これを剥奪することはできません。したがいまして、公務員たることでなくなった一個の国民でございますから、これがある職業につこうという場合に、当然これは根本的に自由でございましょう。ただ、その公務員が、さかのぼって在職中に公正な職務の遂行ができないようでは困る、こういうような公共福祉との調和の面からああいう規定ができたものと私どもは存じます。  ところが、いまお話がありましたとおり、当初は憲法上の違反ではないかということまでいわれたこのことが、現在においては非常に新聞等で国民感情を刺激しておるようになっておりますことは事実でございます。したがいまして、そういう国民感情の推移をもとにして、こういう制度も、ある意味において監視をしなければならない、これはもう当然のことでございます。  そこで、私どもは人事院におまかせしたからよいではないかという態度をとらずに、官庁の所属長を通じて申請するのですから、その申請する事前において、そういうことを各官庁で所属の長がチェックすべきではないかということを強く内閣からも要請をしておるものです。ところが、人事のことでございますので、なかなかそう簡単に改善のあとは見せておりませんが、ただ、そういうことでことしの人事院の承認件数を見ますと、非常に数がふえております。ただ、形の上から見るとふえておりますが、内容をよく吟味いたしますと、どうも技術系が非常にふえておるということもございますし、また、相当厳重な審査の上で承認されたということも私どもは確信いたしております。  ただ、問題は、今後これでいいかということでございますので、承れば、人事院のほうでも、いまの制度のままでも審査の内容を厳重にしたい、こういうような御意思もあるようでございますので、政府におきましても、よく人事院と相談の上で、国民感情に合うような改正をいたしたい、こう考えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 そういうことにひとつ御努力を願いたいと私は思います。現在の国民感情は、私はとうとぶべきだと思うのです。それで、いまこの規定のできているのは、こういうわけでこうなんだというふうなことで済ませる問題じゃないんじゃないかと思いますので、運用の面なり、または法律の改正の面なりに特に御考慮を願いたい。  それからもう一つ副長官にお願いいたしたい、非常に困難な問題ではありますけれども。  五十一、二歳でやめているわけですね、それは次官とか局長程度の人は。それだって私、困ると思うのです。何も仕事がなくて、わずかばかりの恩給が若年停止だなんといったのでは、子供も学校にやれませんよ。そういうところに問題があって、天下りなどといういまいましい名前で言われるところの原因もそこにあると思う。しかし、総裁と私も同じころに役人をしていた。私は鈍才であったから総裁のようになりませんでしたけれども、その当時はみな四十四、五でやめたものですよ。四十四、五でやめた。いま五十まで延びたということは、私は延びたほうだと思うのです。もっと延ばすような方向にやっていただかないと私は困ると思うのです。先ほどもお話ししましたけれども、大蔵省の財務部の部長さんが信用金庫や相互銀行に行くのにまで十ぱ一からげに新聞で天下りだと言われたらかわいそうな気がする。そういう意味で、も一つと役人の寿命というものを長くするような方向に行くことが必要じゃないのだろうか。こういうことも、ひとつあわせて、困難な問題だと思いますけれども御研究をその方向でお願いをしたい、こんなふうに思います。  それから総裁とお二人がおいでになりますので、定員外の職員ですね。日雇い職員と俗に言うようでございますが、この問題について、私はおととしの十二月に決算委員会で質問をしているのです。そうして、三年間に五%減ということがいわれているけれども、必ず定員外の職員が一般の行政事務なりあるいは技術なりに出るようになるから気をつけなさいということを言っているわけです。そうして、一体、現在の各省庁の状況はどうだ、調べてみてくれ、こういうふうに申し上げたのです。一昨年の十二月なんです。その後どうなっているのですか。私のところには通知も何もない。お調べになったものですか。これは行政管理庁ですか。——行政管理庁、いらっしゃいませんか。(「いない」と呼ぶ者あり)そうですが。それじゃやめておきます。  そういうふうなことで、これは行政管理庁のお仕事かどうか知りませんけれども、これは私はひどいものだと思いますよ。特に公共事業を持っている中央ではあまり目につかないけれども、事業官庁ですね、そういうところはひどいものだと思う。地方の県庁なんかは事業官庁の集まりみたいなものです。これはうわさですから、私確実なことは言いませんが、話によると、戦後間もなく福島県庁が建った。福島県庁ができてみたところが、できたとたんに狭くて、もうだめなんですね。なぜなんだと申しますと、設計をしてやるときには定員でやるわけですよ。そうでなければ起債も認められないわけです。建ててみたところが、たくさん定員外の職員がいますから、もう一ぺんに狭くなってしまう。いまの福島県庁を見てごらんなさい、たいへんなものだから。みんな廊下にまでたなを出してある。こんなのは一例です。  それからもう一つ申し上げておきますけれども、一番いけないことは、定員外の職員が一般の職員の仕事をする。定員外の職員というのは、特定の臨時の仕事をやるために、定員の職員では間に合わないから一時入れるわけですけれども、これが各官庁の幹部の知らないうちに行なわれている。それは事業費とか、そういうふうなものはみな各部局あるいは課にまかせますから、部局、課はかってにやるわけですよ。それですから、会計課長といいますか、人事課長もあるいは次官なんかも何も知らないうちにふえているわけです。おそろしいですね。私は一昨年の十二月に要求したけれども、まだ出てこないなんてことは、やっていないのか、それとも各省庁の中央では調べがつかない、そこに原因があるんじゃないか。この点につきまして、とにかくこれはもうほんとうにしり抜けになりますから、気をつけていただきたいと思うんですが、これは御所管じゃないですね。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村政府委員 いま行政管理庁がおりませんので、かわってお答えいたします。  この定員外の職員の問題は、政府部内でもたびたび問題になりまして、そのつど、大蔵省、行管また自治省でいろいろ審査をしています。先般も、その定員外の職員の問題が最近ややともすると非常に乱れがちだということで、再び内閣で問題にいたしまして、目下精査中でございますから、しばらく御報告をお待ち願いたいと思います。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 ちょっとお待ちください。委員長から念を押しておきましょう。  いまの統計をすぐに出さしてくれませんか。去年、おととしの問題だというから、お願いします。

華山親義日本社会党

○華山委員 これはよほど気をつけないといけないと、私は会計検査院にも言ったんですよ。とにかく、人件費としてあがっていて、やるべきところの仕事を定員外の職員がやるということは、経理を乱るものじゃないか、会計検査院が調べるというのは重要な任務じゃないかということを申し上げたことがある。しかし、これは調べようがないですね。行ってみたって、職員の仕事を、何をしているか一々見なければいけないのです。このごろ新聞で見ますと、こういうことがときどき出るんですね。何か定員外の職員は、一般の定員内でやるべき仕事はやっておりません、そういうふうな状況は少ない——それで、何か手続上の問題でだいぶまたごたごたしているようだというようなことが出てくるのです。そんなことはありません。私がこの問題を一昨年聞いたのは会計検査院の報告によるのですよ。会計検査院の報告は、こんなことはめったに出ないのですけれども、一年に一件か二件か出てくるだけなんですけれども、地方の法務局の受付を定員外職員にやらしていた、その受付の職員が印紙をごまかした、それが会計検査院から不正事項として指摘されているわけです。それが不正事項として指摘されるなどということは、会計検査院も調べるのは一部分だし、その中からたまたま出てくるだけなんですね。それに定員外職員がひっかかるなどということは、定員外職員が一般の業務をいかにたくさんやっているかという証拠だと私は思う。いわんや、印紙、有価証券を扱わせるなどということはもってのほかだ。そして、その際追及したときに法務省の役人は一体何と言ったか。それはおっしゃるとおりいろんな臨時の仕事があるので、そこで予算でもっと臨時の人を入れます、しかし、そういう仕事といえども一般職員がやるべき仕事なんだ、足りないから入れたんだから、そこに彼此融通してやったっていいじゃないかというのが答弁なんだ。私に追及されまして答弁がだんだん直ってまいりましたけれども、そういう気持ちでは私はだめだと思う。こういうふうな認識が私はいけないのじゃないかと思うんです。それで、よくいわれますけれども、はかま人夫——仕事が公共事業で、昔のことでいまはないかもしれませんが、人夫なんですね。その人夫が机の上で仕事をやっている。昔の役人ですから、はかまをはいて仕事をしますから、そういうのをはかま人夫という。そういうふうなことはもう明治の時代から伝わってくる風習なんです。いまここで何とかこういうふうな経理を乱るようなことは直してもらいたいと思いますし、それから、もしこういうふうなものが明治時代から何としても抜くことのできない、やむを得ないことだということであるならば、これはやはりいまの定数の問題等を根本的にひとつ改めてみる必要があるんじゃないか、堂々と仕事がやれるようなふうに改める必要があるんじゃないか、こんなふうに私は思いますが、ひとつ、副長官お考えおき願いたいと思いますが、どうでございましょう。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村政府委員 これは長年の慣習とはいえ、財政あるいは会計制度から申しましても、役所の秩序という面から申しましても、たいへん看過できない事柄でございます。先ほど委員長から御注意もございましたが、できるだけ早い機会に御報告をいたしたいと思います。

華山親義日本社会党

○華山委員 お答えになっておるのに私はけちをつけていけないんですけれども、お調べになったって、これはわかりませんよ。一人一人何の仕事をしているか、机の上で見なければわからないのです。知っているのは係長くらいなものです。係長がうそを言って隠したら、これはわかりませんよ。私、信用できませんね。抜本的にひとつお直しになることをお願いいたしたいのです。  それから、例の天下りの中で特殊法人の問題がございます。昨年、御承知のとおり決算委員会では委員長が中心になりまして、理事の間で一応の、わが党等からいたしますれば非常になまぬるい案であったけれども、法律をつくろうということで、しかし決算委員会は法律をつくれるものでもないんで、ひとつ各党に持ち返って、そして各党で合意の上で法律案をつくろうということだったわけでありますが、自民党が反対なすって、これはできなかった。そのときの新聞の論調等はよく御承知のことだと思うのでございますけれども、その際に、何か新聞で木村さんはあれに反対なすったということを聞いておりますが、ほんとうですか。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村政府委員 院で御発議になったことについて反対する筋合いはございません。ただ、その中に盛られておりました問題点につきまして意見を申したことがございます。ただ、その後におきまして自民党において修正案がつくられて、それをお示しになりました。その案について、政府は特に異議がないということを述べましたことはございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 そのときの論議は、私、もう時間もありませんからここではやめますけれども、とにかく自民党の案というものは、これは骨抜きの案ですね。一体、特殊法人に入った理事長なり総裁が東大の総長よりも月給が高くなくちゃいかぬという理屈はどこにある。いま一般公務員の最高は東大総長でしょう。次官をおやめになったって東大総長までいけるんだ。それでも不満だということは私にはわからぬですね。またそれだけの幅があるんです。そして現在ほとんどの理事長というものが官界から入って、しかも現大臣より高い月給をもらっていらっしゃる。それを総理大臣まで上げれるんだというふうなことは、これは骨抜きですよ。そういうふうな骨抜きの案には私はとうてい同意することはできなかった。  それから一つ伺いますが、この間、何か大蔵省のほうで退職金を少なくなすったといいますが、あれはどういうことなんですか、内容をお聞かせ願いたいと思うのです。——どなたか課長さんがいらっしゃったかと思いますが………。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村政府委員 御承知のとおり退職金の支払い基準は、従来は百分の六十五でございましたが、約三〇%引き下げまして、百分の四十五にいたしました。これが改正の内容でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 どこからそういう計算が出たのか。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村政府委員 公庫、公団、事業団、こういう特殊法人、これはその仕事から申し上げれば、国の行政の延長のように思います。国にかわって国の行なうような事業をその一端としております。したがいまして、もともと各庁でやる仕事を、ただ官公庁会計あるいは予算制度の拘束に縛られないような、いわゆる民間企業の利点を取り入れるためにつくったような一つの形態でございますので、したがいまして、その役員につきましては、ただ国家公務員としての給与体系によらないで、民間企業の給与体系も十分取り入れたほうがより適正じゃないかというのでそういう給与基準ができておるのであります。したがいまして、一般国家公務員のそういう退職基準から申しますと、確かに特殊法人の退職金の支払い基準は高い、これはもう事実、そのとおりでございます。一方、民間のいろいろな企業の退職基準をとってみますと、これはわずかに、一部上場の会社五十七社についてとったものでございますが、平均して約五四%ということになっております。これはまたあまり公表はできないかもしれませんが、金融筋の、銀行の退職基準では、これが七〇%以上になっております。そういうような民間企業の退職基準と一般公務員の退職基準、それとのちょうどバランスをとるようなところが四五%程度ではないか。したがいまして、いままでの百分の六十五というのは、確かにいろいろ批判がありましたとおり、これは高過ぎるという判断を政府がいたしまして、大蔵省にそのような規定を改正してもらった、こういうわけであります。

華山親義日本社会党

○華山委員 それでは伺いますけれども、そういうふうなものだとするならば、ここの一般職員はそういう一流会社並みの賞与なりあるいは月給なり、あるいは退職金なりもらっているのですか。上のほうだけは一般会社並み、職員は一般公務員並みだというのはおかしいですよ。なぜそこに違いがあるのか。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村政府委員 これは基本的には、先ほど申し上げましたように、民間企業におきましては、大体民間の役員と一般の職員との退職基準が異なっております。その点を公庫、公団、事業団のような特別企業体に取り入れたというのが基本的な考え方でございます。一方、おことばを返すようでございますが、そういうような特殊法人においても、一般職員の退職基準は一般の公務員に比べるとやや高い、これは事実そのとおりでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 私も、役員についてもそういう高い基準にとどめておいてもらいたいと思うのですよ。四五%でも、一般職員の退職金に比べますと約五倍になりますよ。それで私は下げたということにはなるまいと思うのですね。  それから、私は考えるのですけれども、とにかく天下り——私は少しあまのじゃくかもしれませんけれども、ジャーナリズム、新聞等に書いておることもちょっと違っておると思うのだ。先ほども副長官のおっしゃったとおり、ああいうふうな一つの国家の仕事の延長なんで、公共的なものなんです。そうであったならば、役人が堂々と行っていいじゃないか。何も民間会社からそういう人が入ってきて、特別なそこに、先ほど佐藤総裁がおっしゃったように、何もないのに疑いの目で見られるようなことはなくっていいじゃないですか。なぜそんなに民間から採るのが原則だ原則だ、こう言われるのか。私は、官界の優秀な人がそういうところに行って、世の中の批判を受けないだけの報酬を受けながら全力をあげて国に尽くす、これでいいと思うのですよ。そうしたら、私たちがつくろうとした法案の中にも、そういう人のためには、例外というよりも第二号として、別な号で、そういう場合には特別の扱いをすることができると書いてある。しかも民間ということばを使っていないということは、官界だって私は月給をたくさんあげていい人がおると思う。たとえばある有数の学者がおった、技術者がおった、その人がそういう公団なり公社なりに入って公共のために仕事をするということであるならば、この人には一般公務員並みというのが原則であるけれども、例外的なことはやっていいのじゃないか。ブレーン輸出をとめる意味からも私は適当だと思うので、あそこに一号では一般の公務員並み、二号では、法によりがたい場合にはこれはよらないことができるというふうにちゃんと書いてある。総理大臣というものは世の中で一番月給高くていいのだというふうなものの考え方は間違いです。公団だって公社だって、総理大臣よりも月給が高い人がおったっていいじゃないですか。自民党のお考え方は、われわれは一般公務員というのに対して国家公務員というばく然としたものにしてしまって、最高は総理大臣までいく、ただし、総理大臣よりは上げちゃいけないということなんです。そんなもんじゃないでしょう。総理大臣よりも月給を上げていい人がたくさんいますよ。それをわれわれは考えてあの法律案をつくったのに、ああいうふうなことで理事の間で——理事で決定したわけじゃありません。理事同士で相談をして一つの成案を得たということなんです。それに反対なすった。私は非常に心外なんでありますけれども、何か、新聞等によると、官僚の静かなる抵抗があったということだけれども、そういうことが新聞に書かれることが、官僚に対する国民の信頼を失うのです。それを私はおそろしいと思うのですよ。  とにかく、いま政治家というものは、先ほども申しましたとおり、約一年に一ぺんずつ大臣がかわるんですからね。私の六年の衆議院の在職中に農林大臣が六人かわった。どこに政策が生まれますか。それですから官僚というものは大事なんですよ。それが国民の信頼を失うというふうなことはさせたくないから私は申し上げる。この点につきましては、われわれもなお研究いたしますけれども、官僚の信頼を失わないようにひとつお願いしたい。そういうことですから、ひとつお願いいたします。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 それでは、浅井美幸君。

浅井美幸公明党

○浅井委員 行管庁にお伺いしたいのですが、しばしば行政監理委員会から、いわゆるわが国の行政改革、この問題について答申が政府になされております。いろいろと新聞等に取り上げられておりますけれども、政府は、行政改革三カ年計画を立案して、一省一局の削減と、三年間に五%定員を削減する計画を立てた。だが、この計画の策定を各省庁に自主的にまかせたために、わずかばかりの許認可事項の整理と、一省一局削減、あるいは総定員法の成立が実行されたにすぎない。行政改革に根強く反対する役人は、当初からサボタージュとも見られるような態度で臨み、計画そのものがおくれ、結果的には行政改革の名に値しないほどおざなりなものになってしまった、こういうふうにいわれております。この公社、公団の整理について、行政管理庁としてはどのようにお考えでしょうか。

黒木利克自由民主党行政管理政務次官

○黒木政府委員 公団、公社の昭和四十五年度の審査方針は、これを厳に抑制をするという閣議の決定がございまして、これに基づきまして審査をしたのでありますが、その結果、真にやむを得ないと認めたものが三つほどございまして、一つは心身障害者の保護をする事業団でございますが、これはなかなか要員の確保が困難であり、また、厚生省なりあるいは地方自治体との人事の交流をやりませんと確保ができませんという性質から、やむを得ず事業団を認めた次第でございます。もう一つ認めましたのは、農業年金者の基金でございます。これも強制設立をいたしませんというと、国民年金の上積みの制度でございますから、強制設立あるいは強制加入ということを保証するために、やむを得ずこれも特殊法人として認めました。もう一つは本州と四国の架橋公団でございますが、これも鉄建公団とか道路公団があるのでありますけれども、これらの公団にやらせるにはあまりも事業規模が膨大でございますので、また、これも政府機関でありますけれども、一種の企業的な性格でございますから、やむを得ない公団として認めたのであります。  新設はこの三つに限りまして、実は九つほどの要求が各省からあったのでありますが、抑制することができたと思っております。  そのほか、国民生活センターというのは、従来の国民生活研究所の改組といいますか、名称変更であり、またもう一つ認めましたのがございますが、これも実質は私学振興会を私学振興財団というふうに名称をかえ、また業務の内容を追加したという程度でございまして、こういうような方針を本年度はある程度貫き得たと存じております。  また、これまでこの公団、公社の整理の問題につきましては、御承知のように、昭和四十二年以降でございますが、特殊法人の全部にわたって調査を行ないました結果、昭和四十三年と四十四年の両年度におきまして、愛知公団ほか五法人につきましてその整理を完了いたしました。その他の三法人につきまして現在引き続き検討をやりまして、近く簡素化の見通しになっておる次第でございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 このように見てまいりますと、この総定員法等を行なって、いわゆる機能的に、弾力的にこの機構改革をしようといういろんな政府の意図があるわけです。ところが、ことしの昭和四十五年度の予算編成の際に、要求された各省庁からの部局新設が十ありました。あるいは役所のポストのふえたのが十二、それからいまのあなたの御説明の特殊法人が七つ、こういう機構拡大の要求をやはりずらりと各省庁がしてくる。行政改革ということは、三カ年計画で前々からいわれている。四十三年度からいわれているにもかかわらず、やむを得ないものはあるとしても、そのような風潮というか、そのような機構改革をしようという風潮はいまだに見当たらない、このように私は思うんですよ。その点はどうでしょう。

黒木利克自由民主党行政管理政務次官

○黒木政府委員 お答えを申し上げます。  行政改革は政府の方針でもありますし、かつ、国家公務員が多過ぎるというのは確かに世論でございますから、これを簡素にしなければならぬということは従来行管の方針でもございました。本年度のこういう定員の増加、あるいは各省の部局課の増加の要請は非常に強かったのでありますけれども、たとえば各省の課の要求が百二十幾つございましたが、これは振りかえ以外は一切認めませんでした。その他、部局につきましても振りかえ以外は一切認めていないのでございます。ただ、先ほど御指摘のように、特殊の法人につきまして数例例外がございましたけれども、厳に機構の拡大を抑制するという方針はある程度貫き得たと思います。  各省の機構の簡素化、縮小というようなことは抽象的には言えるのでありますが、いざ具体的にどの省のどの部局を整理するということになりますと、御承知のように非常に困難な事情にまま遭遇をしてきたわけでございます。したがいまして、そういうような一局削減というようなことでなしに、事実において国家公務員というものを減少することによりまして、当然それが機構の簡素化に及ぶ、こういうことで先般総定員法をお認め願ったのでありますが、従来約一万七、八千名の国家公務員の増員の要求が毎年ございまして、それを従来は一万二千名程度認めておったわけでございますが、今年度、四十五年度におきましては、その一万数千名の要求を厳に押えまして、逆に三百名国家公務員の減員をすることができた、そういう実績がございます。  このような方法によりまして、国家公務員の減少——先ほど御指摘がごさいました三カ年間に五%減少する、減少の結果、必要でなくなる部局、あるいはもっと縮少していい部局も当然生ずるであろう、こういう実質的な効果のあるやり方も同時にやってまいりたい、このようなことで、行政改革につきましては真剣に取り組む覚悟で現在も努力をいたしておる次第でございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 行政管理庁がそうやって認めなかったことはわかるんですけれども、各省庁にそのような風潮がいまだに残っているということを私は指摘しているわけですね。いまの定員の問題についても、定員増の要求は、一般会計で約一万三千人、特別会計で約一万八千人にものぼった、こういういわゆる政府の考えていることが各省庁では全然行なわれていない、考えられていない、あるいは政府の考えていることに沿って同調の方向を示して自粛していく、機構の簡素化をやっていこう、定員削減の方向にいこう、こういう姿がないことを私は言っているわけですよ。それでは何もならないのではないか、このように考えるわけですがね。その根強い風潮というものは、これは刷新できないのかということです。

黒木利克自由民主党行政管理政務次官

○黒木政府委員 お答えを申し上げます。  新規の行政需要と申しますか、一九七〇年代が非常に激動の時代である、激動に応ずる新規の行政需要というものは必ずあるのでございまして、それに対してはこたえなくてはなりません。おそらく各省の要求も、そういう新しい変化に伴う行政需要に基づいて増員の申し出をしているに違いないと思うのであります。ただその場合に、時代おくれになったと申しますか、行政需要がだんだん薄れてきた、そういうものを整理をして、そうして新規需要に充てるのが本来でありますが、各省は従来の因襲と申しますか、お話のようなことで、不必要になったものでもそのまま温存をして新しく要求するという悪い習性がございまして、それをやめるために総定員法をお認め願ったのであります。なお、年間五%の削減をして、この削減を財源にして新規需要に充てていく、こういうことをいまやっておるのでありますが、確かに各省大臣とも、お話のようなできるだけ簡素な行政機構にするという努力はいたすべきだし、またそういう精神で今後運用すべきだと思います。そういう点、大臣にも申し上げまして、閣議等でもそう御発言願うようにしたいと思います。

浅井美幸公明党

○浅井委員 特殊法人でありますけれども、今度百十になったのですが、百八のときから、特殊法人はいわゆる官僚の天下りの温床として、不要不急の事業をやっておるものがたくさんある。従来から行管からも御指摘があって統廃合問題が起こった。なるほどその仕事の内容というものについて、税金のむだ使いである、このようにいわれてきたわけです。それがいまあなたの御答弁を聞いておりますと、行政管理庁としてはできるだけ押えてきた、こういうわけでありますけれども、本年においてもまた新設をしているわけです。これは行政需要によってやむを得ないという見方もできる。しかしながら、行政簡素化あるいは行政改革を断行していく姿勢の上においては、このようないわゆる新設を認めるという姿勢自体に問題があるのではないか。しばしばこれは指摘されていると思うのです。その辺がまだ非常に弱い、私はこのように思いますけれども、どうでしょうか。

黒木利克自由民主党行政管理政務次官

○黒木政府委員 お答えいたします。  確かにお説のようなお考えもあると思いますが、ただ先ほど申しましたように、変化の時代でありますから新規の行政需要というものも発生するわけであります。やはりそれにこたえませんと国民の奉仕に徹することができません。しかし、その場合に必ず振りかえのものを持ってこい、特殊法人を一つ認める場合には、必ずその省のいささか行政需要の薄くなったものを廃止をして身がわりを持ってこいという査定の方針で現に臨んでおるのであります。今回もそういう方針で臨みましたが、たまたま振りかえになるような法人がその省になかった。したがいまして、各省を通じてこういう作業をしなくてはなりませんから、先ほど申しましたように、不要になりつつある法人の整理ということをやっておる次第でございます。しかし、お話しのように、できるだけ新規需要は従来の機構の改編によってこれを満たすという方針は厳に貫きたいと存じております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 それから次の問題ですけれども、公務員の綱紀紊乱といいますか、あるいは不正といいますか、汚職だとか、こういうものが頻発してしばしば新聞をにぎわしているわけですけれども、これについて年次報告等にも出ておりますけれども、昭和四十四年度どのくらいありましたか、人事院のほうからお答え願います。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 公金、官物不正領得、横領等、それから職員に関する不正利益の受領、それから交通違反等々の一般非行と、これらについて懲戒処分になりました件数を申しますと、ことしは、まだ非常に精密な数字にはなりませんけれども、最初に申しました公金、官物不正領得、横領等々のものが四十四年度において百七十三件、それから職務に関する不正利益受領、収賄等、これが百二十一件、それからその他の一般非行が二百七十五件ということに相なっております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 行政監理委員会が昨年の三月十二日に、公務員の汚職防止等に関する意見等に対して、公務員等の汚職の防止あるいは公務員の天下りの規制強化、これらについて答申をしておりますね。これについて、総理府ではこの意見を受けて、翌々日の三月十四日に総理府総務長官から各省庁に対して通達を発しましたね。総理府、どうですか。

栗山廉平総理府人事局長

○栗山政府委員 お答えいたします。  お話にございましたごとく、昭和四十四年の三月十四日付をもちまして、官庁綱紀の粛正についての総務長官よりの通達が出たわけでございます。これは御承知のごとく、いろいろの問題がございましたので、特にこの際、従来もたくさん出ておったのでございますけれども、この通達で、いろいろ各省によって仕事が違います、態様を異にいたしますので、一般的な問題はもちろん提起いたしましたが、今後各省がその事情に応じて実施をしていく。この実施の内容は、不祥事件の発生原因とかあるいは職場の実態を詳細に検討して未然防止をまずやるということと、もう一つは、ふだんから監督者として部下の指導によく気をつけることは当然でございますが、その監督を強めることは当然でございますが、不祥事件がもしも発生したというような場合には監督者にまでも厳重なる処分を行なうという二つの大きな項目を掲げまして、このことにつきまして、各省それぞれの仕事に応じたところの具体的な措置を報告するようにという通達の内容であるわけでございます。  そこで各省から、いろいろその省の事情に応じましたいま申し上げました項目についての具体的な措置、いままでとった措置あるいは今後とるべき措置というものの報告をいただきましたので、これは省によってその省だけの問題もあろうかと存じますが、大体各省に共通と思われる事例を引き出しまして、それを各省に反映をしていただこうということから五月二十八日にその報告をいたしておるわけでございます。その後、各省の人事課長の会議を月に二回ずつ持ちまして、この具体的な実施につきまして常に意見を交換し、あるいは、実施したことにつきまして報告をいただきまして、今後とも息長くこの汚職の未然防止、あるいは起きた場合の監督の責任の追及というようなことにつきましてその実効を期していきたいということで、せっかく努力中であるわけでございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 そういう背景を私がなぜお伺いいたしましたかと言うならば、きょうは私は天下りの問題を取り上げたいのです。先ほど華山委員からの御質問の中に、人事院総裁も言われましたけれども、公務員のいわゆるあり方、姿勢、道義、それらの面が国民に対してどのように映っているか。天下りを批判をする国民の強い批判というものはことしだけではありません。この四、五年間とみに高まってきております。したがって、いろいろな面において公務員のいわゆる綱紀粛正というか、あるいは行政改革というものに対する熱意というか、そういういろいろなものに総合的に取り組んでいかなければ、この天下りに対する一部の高級官僚の甘い汁というか、そういうものに対する強い批判は水解しないと思う。疑惑を持ち、あるいはまた公務員に対するやきもちみたいな、いいことをしているのだというふうな目で見られている、一部の特権階級のようにしてきている、そういう姿を改革していこうとしなければ、これは単にその制度あるいはその機構だけ——承認の問題にしても、いろいろな問題にしても、根本的なものが問われなければならない、このように私は思うのであります。私もこの決算委員会において従来からこの問題を取り上げてまいってきておりますが、その実情はよくわかっております。きょうは、この点で問題点だけを私は簡単に御質問いたしますので、要領よくお答え願いたいと思います。  まず、人事院にお伺いしたいのですけれども、昨年より増加したという点について、国民の批判が昨年から非常に強い、あるいは一昨年も強い、それにかかわらずふえたという理由はどういうわけですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 申すまでもございませんが、人事は全くこれは水ものでございます。年によって対象者が非常に多い年もございますし、対象者の少ない年もございます。そういう関係から、私どもの承認いたしました件数の歴年の一覧表をごらんになりましても、多い年、少ない年、また多い年と——非常に少ない年だから世間の評判がいいかというと、そんなのは自慢にはならない、対象者が少なければ承認件数も少ないじゃないかということで、一向おほめにはならないということもあるわけでございます。したがいまして、多い少ないは、これは時の勢いで、われわれの力をもっていかんともなしがたい。ただし、われわれの審査に当たる態度だけは、これは確固たる立場において貫いていかなければならぬ、これは堅持しております。そして、なおかつ世間の批判に顧みて着々と強化している、きびしくしているということでございまして、数の多い少ないは、たとえばことしの場合で申しますと、昨年に比しますと、技術官あるいは研究所で研究に従事しておる研究職の人たち、これが非常にふえておるということが一つあります。全体を通じてごらんいただければおわかりになると思いますけれども、例年ほど、たとえば新聞記事の見出しになるようなケースというようなものは、ことしは案外少ないとお認めいただいてよろしいんじゃないかと思う。ただ、多くの人数、頭数だけは相当のものになっておる、これはやむを得ないというふうに考えます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 いまの御答弁ではやむを得ないということでありました。  ここで私は事務的なことをお伺いしたいと思うのですけれども、承認申請の手続というのは、一体どのようになっていますか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 承認は、法律上は所轄庁の長から人事院に承認を申し出るということになっております。したがいまして、各省大臣あるいは外局の長、これが正式な承認申請を人事院総裁あてに出してまいります。したがいまして、私どもとしてもその辺を十分見きわめて、たとえば大臣が出すべきところを事務次官の代決のごとき書類で出してくる、これはいけません、大臣の判をもらっていらっしゃいというようなことで、責任ある申請書をわれわれとしてはとっているということでございます。  それで、その申請書を出しますについて、各省の実態を申し上げます。大体いままでの人事院の例もたくさんできておりますから、これはどうせ助からぬだろうというようなものもございます。大体それは各省がその大臣の申請書を出すにあたって、官房長あるいは人事課長というようなのが直接の補佐をしますから、そのときに、これはもうだめですよということで、そこのところで影をひそめてしまうものもございます。ただし、これはちょっと脈があるかもしらぬ、しかし、大臣が正式に判を押して持ち込んで、それがけられたらまたぐあいが悪い、したがって事務当局が事前に人事院の事務当局のところに来まして、どうですか、見込みがあるかどうかというようなことを相談に来るわけです。その段階で、これはとてもだめですよというのがほとんど大部分です。昨年の場合二十件くらい。ですから、正式に承認書を出してきて、これはだめですよ、不承認ということを、大臣あてにこっちから開き直ってお答えするケースは、去年は一件ありましたか。これはまあもう少し手前の段階で相談してもらえばそういうことにならなかったと思いますが、そういうことは別として、そういう手続でまいる。しかしながら、われわれのほうとしては事前の下相談でも、とにかくこれはだめですというまでは、やはり人事院として一応の内意を伝えることには違いありませんけれども、われわれとしてやはり責任を負ってお答えしなければならぬ。きわめて非公式でありますけれども、私自身が、こういうものを持ってきました、これはむずかしいと思いますけれどもいかがですかという相談を受けて、非公式な人事院の会議を開いて、そしてそれは慎重にきめておる。けるにしても承認するにしても慎重にやっておるということを御了承願いたいと思います。

浅井美幸公明党

○浅井委員 その承認を受ける手続の中に承認書というのがありますね、承認申請の用紙が。その中に給与の欄がございますけれども、その給与はほとんど記入されていないというのです。給与は審査の対象にならないのですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 行く先のほうでどういう給与をもらうかということは、やはり参考のために知っておいたほうがよかろうという意味で、御指摘のようにそういう欄を設けておりますけれども、普通は大体未定というようなことでございまして、正式なその記入のあるものはごく少ないと率直に申し上げてよろしい。  ただ、ものによりますと、われわれが調べた結果、おえらい人が会社においでになって幾らおもらいになっておる、たった五万円だ、あるいは十万円だ。事務次官の三分の一あるいは二分の一くらいの月給をおもらいになっている者も相当ございますけれども、私どもの立場としては、向こうに行ってからの給与の額が少ないから、かわいそうだから甘くやってやろうかというようなことは、筋としてこれはできないことなんです。したがいまして、給与の問題はほんの参考のために伺うという程度にとどめておるわけです。

浅井美幸公明党

○浅井委員 その問題で、各営利企業から、あなたに、今度私の会社に来ていただきたい、こういうふうな要望があるのですか。それとも、大臣がかってに、就職の安定所みたいに、どっからかたくさん申し込みがあるから、おまえ行きなさいというふうにきめるのですか。その辺があいまいなんです。普通われわれ一般国民の場合でありますと、就職する場合には、面接に行って給料の話までしてくるわけです。ところが、このおおような高級官僚のお方たちは、給料もきめてない未定のままで就職を決定なさるのですか。その辺が問題です。  それから各営利企業は、いわゆる人材の要請に対して、各個人別に折衝があるのでしょうか。それとも一括して各省庁の長のところへ、すなわち大臣や長官のところへ要請があるのですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 これは率直に申し上げまして、千差万別だろうと思います。いまのような場合を一々分析して私のほうで調べたことはございませんけれども、しかし、会社側からぜひあの人をと、いわゆるスカウトですね、これが近ごろ技術官の問題なんかもありますけれども、わりあいに顕著に伸びておるということもございます。熱心に会社側から、人事院総裁、オーケーを与えてくれという要望のある場面もございます。それから友だちの世話でというふうなものもございます。それから官房長なり何なりが結局肩をたたいて、君、もういよいよ勧奨退職の年齢になったから気の毒だけれどもやめてくれぬか、ついては、この辺のところに何とかというようなことは、これはあると思います。率直に言って。ただ、職業安定所でその人がやっと職を見つけても、われわれといたしましては厳然たる基準でやりますから、せっかく職業安定所で職にありついても、やはり銀行局におった人は銀行はだめ——これは基準としてやむを得ない。そのくらい非常に冷酷な制度になっておるということを申し上げたいと思います。

浅井美幸公明党

○浅井委員 今回人事院が審査をなさったのですけれども、いまお聞きいたしますと、一件しか却下がなかった。あらかじめ人事院の事務的な判断を求めるのが例となっており、その結果撤回されたものも少なくない、こういうようにおっしゃったです。そのあらかじめ撤回された事案というものは、いま御説明で約二十件以上あったという話でありますけれども、国家公務員法の中に定めてある法律というものは、この承認を求める際に、あらかじめ公務員であれば、就職できるかできないかというくらいわかるわけですね。また、そちらから要望があったとしても、自分はあなたの会社には行けないんだということは、国家公務員法に規定されておる以上は、これはあらかじめわかる。そういう明らかにわかるものがなぜあなたのところへ申請され、あらかじめ事務上においてそういうものの判断を求めなければならないのか。非常にこの事務的な判断というものが甘いさじかげんがある。だから、そこに問題の疑惑がある。今回私もこれは全部見ました。百七十七件全部密接な関係がある。私から言わせれば、密接な関係があるから、人事院の承認が必要だから持ってきた。その中で、特にこれは新聞等に出ております。これは私は一人一人一ぺん御説明願いたいのです。  経済企画庁の次官であった中野正一さんが西部石油の副社長に行った。これは、許認可やいろいろなことについて、経企庁と石油会社とは関係がないのですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 お答え申し上げます。  前段の、これは基本的な問題に触れますお尋ねであるので申し上げておきますけれども、そんなものはわかっているじゃないか、聞きに来るまでもないじゃないかというお尋ねでございます。ところが、これは御推測もつきましょうけれども、役所の組織、その各係何々の職務分掌というものはみんな違うわけです。これは一律に言えない。それからその人その人の経めぐってきた経歴です。何十年も役人をしておりますと、同じ仕事にそのまますわっている人はありませんから、あらゆる場面を経由して、この関係は一律にはとても判断できない。したがって、またこまかい基準、ものさしをつくれ——コンピューターが使えるようなものになるかどうかと申しますと、これも実情からいってできない。したがって、大体の基準は申し上げることになっておりますけれども、そこまでこまかい判断は各省側としてはつきかねるということが実情だとお考えいただいてよろしいと思います。  それから、いま中野正一でしたか、経済企画庁次官、この人は、お手元にあると思いますけれども、通産省の石炭局長、それから中小企業庁長官、それから経済企画庁事務次官——経済企画庁とはこれは全然密接な関係はないわけです。中小企業庁長官とも一関係はない。それから通産省の石炭局長との関係——逆に申しますけれども、これもここに書いてありますけれども、われわれの表の七というところに「当該営利企業と在職した国の機関との関係」というのがございますが、これを見ますと、石油業法では鉱山局の石油関係の業務課、それから輸入貿易管理令の関係では通商局の輸入業務課、鉱山局の石油業務課ということで、先ほど申しましたようなコネの温床となるということばはちょっと不適正かもしれませんが、そういうようなポストに全然ついておらぬ、しかしながら、大きな所管の問題としては通産省と密接な関係がございますから、私どもとしては審査の対象になる、それでなければ初めから非該当として承認を要しないということになる、そういう仕組みでやっております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 前は石炭局ですけれども、いまは鉱山石炭局になっておりますね。そうすると、その関係は起こってこないかという問題があるのです。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 これはその本人がそのポストを退いた後でございますからして、全然関係がないということになるわけであります。

浅井美幸公明党

○浅井委員 そうすると、次の通産省の次官であった山本重信がトヨタ自動車の顧問になった。これは関係ないですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 これは、さっき華山委員がちょっとお触れになったような気もいたしますけれども、この人はここにごらんになりましたように、大体通産省系統で外資に関する法律の関係と輸入貿易管理令の関係とがあるわけです。この人は、経済企画庁の調整局長、これは関係ない。それから通商産業省の通商局長も関係ない。中小企業庁の長官とも——ただ、先ほど華山委員がお触れになりました、事務次官としてここに関係なしとは言えないということはございます。ただ、この次官の在任中の関係は、外国の技術の導入に関する認可があった、きわめて軽微な関係で、この外国技術の導入の認可は、これは法律にありますように、外資審議会に必ずかけている、その外資審議会の答申を尊重しなければならないという法律の条文がございますので、その意味で不正な恣意はそこにはさまる余地はない、しかし通産省の事務次官として全然無縁とは言えない。そこでわれわれの問題といたしますのは、しからば行き先のポストは何かという、ことですが、トヨタ自動車工業株式会社の顧問ということになっておる。これがわれわれとしては一つのポイントになっておりまして、行き先が会社の代表取締役であるとかなんとかいうことであれば、これは御遠慮願う、あるいは社長のごときは、これだけの関係があれば御遠慮願わなければならぬ、しかし顧問ということになれば、ここに書いてありますように「経済事情の調査等に関する事項」ということでございますから、これはその本社との関係は希薄であるというようなことで見ております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 いま二つの例だけですけれども、顧問だからその会社に対して影響が軽微である。しかし顔をきかせる役は顧問で十分できるのです。従来から問題になっているのは、いわゆる官僚の中の人材が天下りすること、これは私も何ら差しつかえないと思う。有能な人材であればどんどん行ってもらいたい。しかしながら、それによって行政のひずみが生ずる。行政のひずみとは何だ。すなわち官僚と民間、官民が癒着して、一部の特定の業者に対して利益を与えるおそれがある。その顔きかせになるから、国民は素朴にこれに対して反発をしているのではないか。それを、顧問だからいいんだ、役職が軽微だからいいんだというその判断の基準というものは、どこかの法律や、あるいはあなた方がきめておるそういう法則があるのですか。きちんとした基準があるのですか。それを示してください。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 これは、国家公務員法のいまの基本条文になっております百三条の第二項でございます。「職員は、離職後二年間は、営利企業の地位で、」こうきているわけです。「その離職前五年間に在職していた人事院規則で定める国の機関と密接な関係にあるもの」ということでありますから、その「地位で」という、地位を法律上は非常に大きく見ているということ、それから、その会社そのものとの密接な関係ということでございまして、したがいまして、極端な例を申しますと、会社は関係が深くてもこの行き先の地位が関係が深くないものであれば、もう全然この法律は適用外——これは、先ほど触れましたように、徳田球一さんが当時この条文ができましたときに触れられまして、会社の守衛さんになる場合までもチェックするのはどういうわけだ。これは、かりに課長さんが銀行の守衛さんにおなりになっても、それはだいじょうぶだというようなことで当時陳弁しております。そういう面がありますので、やはり地位というものは、法律も相当これに重きは置いておる、絶対的とは思いませんけれども、重きを置いておる。その根拠になるわけであります。

浅井美幸公明党

○浅井委員 地位というのは、顧問はよろしいと書いてあるのですか。私が聞いているのは、この百三条の話ではない。この承認を判断する基準というものは、こういう大ざっぱな大網のワクできめられるものではない。人事院がこれを承認するにあたっての審査をする基準というものは一体どうなっているのかということですよ。そんな甘いものじゃないのです。先ほどのあなたの御答弁によれば、憲法のいわゆる就職の自由の問題がある、基本的人権にかかる問題である。しかし、国家公務員のこの規律という問題を正さなければならないのでこれを禁止しているのだ。これはいわゆる競合になっているわけですよ。あるいは相反対するものでしょう。  じゃ、憲法から見るならば、なぜ就職を禁止するのです。ほんとうに憲法を守るならば、なぜ就職を禁止するのですか。就職を禁止してはいけないというのが憲法にあるじゃないですか。であるならば、完全にオーブンにしていわゆる再就職の道を開く、あるいはまた、疑いがあるというふうにこれだけ国民からも強い批判があるのですから、その関係省庁において、その省庁におけるところの許可事項、これの問題については一切がっさい疑いがかかるのだから、これをやめよう、こういう姿勢がいまあなた方に見られない。改善はされてきたというけれども、人員はふえてきておる。あるいは、いまあなたのおっしゃるように、相手の地位が顧問であるならばいい、顧問でなぜいいと言うんですか。私はそれがわからない。顧問というのは、顔きかせの最大なるものじゃないですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 これは憲法上の問題でここで繰り返してもなんでございますけれども、法律は、人事院が承認をする際に、憲法との接点を具体的に慎重にやれという趣旨だろうと思う、絶対禁止してはならないのですから。そこでわれわれは、その辺も勘案しながらやらなければならない。したがって、来るもの来るものみなだめだと言うことは、われわれとしてできない。したがって、どれがよくてどれが悪いかという振り分けをしなければならないということになるわけですが、その振り分けとしては、まず第一に在職中のポストのコネの関係——在職中に、コネの温床になる、そういうポストをその人が経てきたかどうかということが第一点です。その場合に、それがしの人は技術の関係の云々のこと、しかも、それは外資審議会の議に基づいてやれということだけのことでありますから、そこで天下りの策謀、コネをそこでつけるというふうには普通は推定できないということが一つあって、さらに行き先はどうだ。これは「地位で」と法律に書いてありますから、行き先のことをわれわれが考えるのは当然、顧問、取締役、それから社長、いろいろございます。その段階を追っていけば、顧問というのは比較的に内部的の事項ということで、社長に比べればそれは軽いと申し上げなければならないということでございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 ですから私が申し上げるのは、人事院の、あなたならあなたの判断によって、軽微なものである、あるいはまた重いものであるという判断が、あなた自身の頭の中で主観的な判断でできて、完全な基準がないではないかと私は言っている。私は、その会社の顧問は、その会社に対する重要な影響があると見る。私が人事院総裁の頭ならば、それは認められぬということになる。あなたなら認めるという。それならば、法律にその基準が定められてないではないかと私は言うのです。そこに問題があると言う。今回のこの問題についていろいろと見てみたら、みんな密接な関係があるのです。だから、その密接な関係のごく薄いものと判断したと、こうあなた方はおっしゃる。そこにさじかげんがあり、あるいは判断が甘いも一のがあり、あるいはまた各省庁から出される、あなた方と事務的にあらかじめ相談しなければならないあいまいなものがあると私は言うのです。あいまいなものがあるから、事前にこのおっさんはどうだ、この男はどうだ、これは就職できるか、こういうような下相談をしなければならないのです。はっきりした明確な基準がないからそうなっているのじゃないですか。だから、その辺のことについて明確な基準をこの際はっきりつくったらどうだというのです。どうですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 基準は、先ほど申し上げましたように、役所の各分課あるいはその個人の経てきた経歴というものが千差万別でございますから、われわれとしては、たとえば簡単な例を申し上げれば、銀行局長をやった人は、もう絶対これは銀行には行けません、これはアウトですと、きわめて典型的なことは言えます。それから典型的な例で、先ほど笑われましたけれども、印刷局につとめておって、これは大蔵省と密接な関係にある銀行に行くのだけれども、印刷局と銀行と、ポストからいって密接な関係はないから、それはよかろうという、典型的な例をずっと詰めていけば、おのずからわかるはずだと思うのです。そういう意味でわれわれとしては審議をしておる。同時に、行き先につきましても、顧問——顧問といったって何をするかわからない、一体何をするんですかということを逐一こちらで確かめた上で、そうして承認すべきものは承認する、それだけのことはやっておるわけでございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 これは、あなた何べん言ってもわかりそうにないのですけれども、要するに、私の言っているのは、こういう疑いのあるものについて何らかの規制、あるいはまた措置をとらなければ、国民の批判というものはいつまでたっても続くということなんです。ところが、だんだんきびしくはしてきていると言っているけれども、いままでの新聞の論調や、あるいはまたマスコミの諸君たちの考え方、あるいはまた国民の考え方の大半というものは、いわゆる官僚と民間との一部の癒着が行政を甘いものにしている、ゆがめているということの批判があるのです。それを全面的に撤回し、あるいはまた全面的に改正をしようという意思が人事院の責任者であるあなたになければ、いつまでたっても続きますぞということを私は言っているのです。だから、その辺はもっと研究やあるいは努力もしなければならない問題でしょうし、これは人材の登用という面からも考えなければならない問題です。複雑な問題であるにもかかわらず、しかしこれは重要な問題なんです。早急に決断をしなければならない問題だろうと私は思うのです。その地位が顧問だからいいなんと言うが、これは人事院総裁が幾ら抗弁されても、国民が納得しませんぞ。会社の顧問というものは一体何をするものか。顧問という、いままでの一般通念、概念というものは、これは何をやる役なのか。これは国民はみな知っておりますよ。ですから、この辺の面について私はもう少し考えていただきたいと思うのです。  それで、官房副長官にお伺いしたいのですけれども、あなたが当決算委員会で昨年の五月八日、私の質問に対しての答弁で「公団、公社、事業団または一般の営利会社に対する天下り全部含めまして、これはいま最も国民世論の批判を受けておる問題だろうと思う」ので、政府としては「あらゆる面からこれを検討いたしまして、国民批判に十分たえ得るような措置をとりたい」、このようにあなたは申されたわけです。その後どのような措置をとられましたか、御説明願いたいと思うのです。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村政府委員 率直に申し上げて、まだ大きく改善をしたいということは申し上げられぬと思います。ただ、事が人事に関することでございまするので、なかなか——そのポストに任期もあることでもあり、短時日で改善することはなかなか容易でないことは御了承願えることと思います。  ただ、昨年以来改善された点として特にあげますれば、まず第一に、高級公務員が公社、公団等の特殊法人の役員に就職いたしました数が、昭和四十四年で四十二名、うち局長級以上のいわゆる高級官僚が十七名、これを昭和四十三年に比べますと、一昨年はそれが四十五名、うち局長以上が二十二名、昭和四十二年の五十二名、うち局長以上二十三名、たいへん微小な減少で申しわけないのですが、やや数においてそういう件数が少なくなっているというのも一つの結果でございます。また、先ほど華山委員からいろいろお尋ねがありました役員の退職金については、特に従来の百分の六十五を百分の四十五以内、約三〇%の引き下げを本年二月一日から実施しております。また、いつもお尋ねがございますが、長期在職者、たとえば在職九年以上について見ますと、一昨年の四十三年七月現在で四十八名、それが昨年四月現在で三十九名、本年、昭和四十五年一月現在ではこれが三十二名、これも順次改善されておるわけでございます。このような、たいへん大きい声で申し上げるような改善の実績ではありませんけれども、先ほど申し上げたような、人事行政の非常に困難なこと、乱麻を裂くがごとくはまいりませんので、御了承を願いたいと思います。

浅井美幸公明党

○浅井委員 公社、公団の特殊法人の役員の現在の在職状況は、各省別にどうなっておりますか。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村政府委員 昭和四十五年の一月現在、内閣が三名、人事委院が三名、総理本府が六名、警察庁が十一名、首都圏が三名、宮内庁が一名、行政管理庁が四名、北海道開発庁が一名、防衛庁が三名、経済企画庁が十二名、科学技術庁が八名、法務省が一名、外務省が六名、大蔵省が四十四名、文部省が十五名、厚生省が十名、農林省が二十八名、通産省が二十二名、運輸省が十九名、郵政省が六名、労働省が十三名、建設省が十名、自治省が六名、会計検査院が八名、合計二百四十三名、こういうことになっております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 副長官、一向に減っておりませんですね。むしろ一名昨年よりふえております。去年あれだけ問題になって、決算委員会等でも指摘し、あるいは与野党こぞって、特殊法人の問題は決算委員会で非常に大きな焦点になった。ところが、先ほど言われたように、四十三年度は四十五人にすぎなかった、こういうお話であります。こういう公社、公団に対する就職状況でありますけれども、この辺の問題は一向に改まらない。人事の問題だから、むずかしいので改まらない問題でしょうか。特にまた、大蔵省というのはべらぼうに多く四十四名ですが、大蔵省はなぜ多いか、この点をお願いしたいと思います。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村政府委員 先ほど昨年より一名ふえた——確かに絶対数は一名ふえておりますけれども、全体の比率から申しますと、昨年が三三・五%であったが、ことしは三二・五%というように比率では低くなっておりますことを申し添えておきます。  いま、大蔵省はどうして多いかというお話でございましたが、やはりこの官省の持ついろいろな行政機能と申しますか、そういう面から大蔵省が数において多い結果を生じておるということでございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 人事院総裁にお尋ねしたいのですが、ことしの百七十七件、百七十四名のうち、大蔵省は何名でしょうか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 大蔵省は三十六件でございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 これも圧倒的に多いですね。公社、公団の場合は、大蔵省所管の、いわゆる官庁の延長事業をやっておる、こういうふうにいわれます。しかしながら、一般民間で大蔵省はなぜ多いのでしょうか、人事院総裁に伺います。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 裏返していただければ、人事院がなぜいないかというようなことにつながるわけでありますが、たとえば通産省もそうでございます。あのほうが多いのでございます。それからいま建設省なんかというのは多いほうであります。大体、役所の何といいますか、違いからくるので、問題は、私どもとしては、先ほど申しましたような不当なコネというような問題がそこにあるのかどうかということであって、数が多いから、おたくはもう三十人こえたから、もうどんな適格者でもがまんしてくれということは言えないわけでございます。そういう点はわれわれの立場とは全然別の問題だ。先ほど申しましたように、月給が安いから甘く見てやろうかということもできない、おたくは、もうだいぶ数がふえたからどうだということもできないということを御了解願いたいと思います。

浅井美幸公明党

○浅井委員 そうすると、人事院総裁にお伺いいたしたいのですけれども、ことしは百七十七件ですが、五百件あるいは六百件の退職があって、あなたのところに承認申請があった場合、あなたの頭の中で適法と思うものはみな認めなければならぬわけですね・そうすると、この官庁と民間とのいわゆる癒着は改善されない。また、大蔵省は圧倒的に多いが、大蔵省に何か人材がおるのでしょうか、その辺についてお願いしたいのです。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 人材がおるかどうか、われわれとしても、いまの審査の立場からは、この人の能力はどうだということは一切審査いたしません。その人の経歴を見て、これはだいじょうぶだという、それ一点ばりでいきませんと、能力はどうだとか、この人は潔癖で全然悪いことをするような人ではないとか、そういうことを入れて考えたら、これはもうわれわれの職務が乱れるばかりではないか。形式という批判はあっても、やはり形式的に正しいと信ずる尺度を守っていくのが一番的確な確実な方法であるというふうに考えます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 この辺の問題点はもりと煮詰めなければならぬ問題点ですけれども、きょうは私あまり時間がございませんので次の問題に移りますけれども、大蔵省だけが天下りが非常に多いということは従来からいわれてきている。金とのつながり、大蔵省とのつながりというものは、非常に微妙なものがあり、深いものがあるというふうにいわれてきておる。これはやはり癒着の姿ではないかと私は思うのです。民間企業も、人材を求めるにあたって、お役所に顔のきかない人をわざわざ高給で迎えるわけではない。来た人は、ゴルフをやっておったり遊んでおってもけっこうです、ただ顔さえ出していただければいいのです、こういうようなことが従来からいわれてきておるわけです。公社、公団にしてもやはり仕事をしないというふうにいわれております。  そこで、減額退職年金という問題があるのですが、このことについて大蔵省のほうから御説明を願いたいと思います。

谷口昇大蔵省主計局給与課長

○谷口説明員 いま浅井委員から御質問がありました減額退職年金につきまして政府として御説明を申し上げます。  御承知のとおりに、現在の国家公務員共済組合法の規定によりますと、七十六条でございますが、在職年限である「組合員期間が二十年以上である者が退職したときは、その者が死亡するまで、退職年金を支給する。」というふうになっております。そういたしまして、その者がまだ五十五歳になりますまでは若年停止ということでもってこれが支給をされないという形になっております。ところが、七十九条で、先ほど先生がお話しのように減額退職年金制度についての規定がございます。読み上げてまいりますと、「退職年金を受ける権利を有する者が五十五歳に達する前に年金である給付を受けることを希望することを組合に申し出たときは、その者が死亡するまで、減額退職年金を支給する。この場合においては、退職年金は、支給しない。」というようになっております。そういたしまして、しからばこの減額退職年金はどういう形で支給されるかという問題に相なるかと思いますが、先ほど申しましたように、普通の退職年金は五十五歳までは停止されておりまして、いわば五十五歳で支給されるわけでございますが、減額退職年金の場合には、たとえばその支給開始年齢とその五十五歳との差一年につき年金額の百分の四を減額した金額を減額退職年金額として支給する、そのかわり、それは終身という形で支給を受けられます。そのことの結果、普通退職年金を希望される方は五十五歳から百分の百という形でいくわけですが、たとえば五十四歳で減額退職年金を受けるということを選択された人は百分の九十六、先ほどの百分の百から百分の九十六というこの制度を終身受けられるという形になります。この百分の四というのは、実はその人の平均余命数をもとにいたしまして算定をいたしまして、大体現在の余命数をもってすれば、とんとんになるという仕組みで一応制度が行なわれている、かように考えております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 減額退職年金でありますけれども、特殊法人あるいは一般企業に天下りした役人の中に、五十歳以前に支給を受ける減額退職年金を、役員の報酬やあるいはまた給与とあわせて受け取っている者が多い。退職年金の受給は所得制限があり、高額所得を別に受けている場合には、これは支給を制限されることになっている。一般の退職年金は所得制限があって、二十四万円という限度でもって支給をされない。しかるに、この減額退職年金制度においては、高給をもらっていようがもらっていまいが、そんなことは関係なしにそのまま支給をされておる。一般に高級公務員は、五十歳前後で特殊法人あるいは民間の企業に転出をしているわけです。この恩典というか、法の盲点を利用して高額な役員給与、それとあわせて退職年金を受け取っているのは、社会通念上は許されない。はたしてこのようなことは許されてよいかどうか。しかも、この減額退職年金のうち相当部分を占める恩給については、本人の積み立て財源などによることなく、国の財政資金からまかなわれている。こういういわば税金の二重取りのような公団の役員、公庫の役員、これについては、大蔵省のほうで掌握されておりますか。

谷口昇大蔵省主計局給与課長

○谷口説明員 最後の、掌握されておりますかという御質問の前に、まず、先ほど御質問にありました減額退職年金の、いわば高額停止の問題について、簡単に触れさせていただきたいと思います。  先ほど申し述べましたように、減額退職年金というのは、いわゆる退職年金との関係でそのようにできております。これは、現在国家公務員共済組合法が昭和三十四年に施行されて以来、ずっとそういう制度になっております。ただ、先生がお話しのように、実は現在国家公務員の中には、昭和三十四年以前、いわば昭和三十四年の以前に在職した方がおります。また、同時に現在おやめになった方の中にもそういう方がおります。こういう方々は、実は私どものことばで言えば新法施行前の期間、いわゆる恩給公務員期間、そういう形でその人たちの在職期間のことを称しておりますが、そういう期間を持っておられる方につきましては、年金額の計算におきまして、その新法施行前のいわゆる恩給公務員期間を恩給ルールによって計算をする、新法施行後は新法のルールによって計算をし、その合算額を年金額として先ほど申しましたような形に相なる、こういうことでございます。  そこで、いわば恩給公務員期間というものは、先ほど申しましたように恩給のルールでございますので、恩給でこのように、先ほど先生が少しお話しのように、高額停止規定がございます。現在では、二十四万円の年金額をこえる者で、しかも、他の所得金額が百二十万円をこえる者、こういう者については、二十四万円を保障金額として、いわば恩給の一部停止という形になっております。で、実はその制度をそのまま退職年金の場合にこれを受け継いでおりますので、恩給とそれから現在の国家公務員共済組合法との調整ということで、これはそのまま引き継いでおるわけですが、そのことの関係で、先ほどのような制度にななっておるわけです。  ところが、一般的に減額退職年金といいますのは、実は共済組合法本来のものでございまして、必ずしも恩給制度と直接にかかわりを持っておるものではない、減額退職の制度は恩給制度にはありませんけれども、国家公務員共済組合法にはある、これは、あくまでもその減額退職年金制度が、その拠出金、いわばわれわれ国家公務員の場合に、組合員がその掛け金を負担をしております。それと、先ほど先生のお話のように国庫負担分がございます。割合にいたしまして、組合員負担分が四二・五、国庫負担分が五七・五という。パーセントになっておりますが、そういう拠出制をもとにした制度でございますので、これはあくまでも退職があった場合には、その退職の理由によりまして年金を交付されるわけでございますので、これは恩給とは必ずしも軌を一にしない、したがいまして、当然にそういう高額停止の規定はない、かような形になっております。  そこで、先ほどの先生の御指摘のように、減額退職年金を選択の場合には、そのように恩給の関係の規定がございません。普通の退職年金を受けます場合には、先ほど申しましたように、恩給部分につきまして高額停止の規定がある、こういうふうになっております。  それから、最後に掌握とかおっしゃいましたが………。

浅井美幸公明党

○浅井委員 いや、私から言います。  公社、公団の場合の中で、私が掌握した減額退職年金を受給している者についてですが、役員総数が七十一名で、減額退職年金を受給している者は八名——間違いございませんか。

谷口昇大蔵省主計局給与課長

○谷口説明員 先ほど先生の御質問で、公庫の役員総数は七十一名である、減額退職年金受給者は八名である、このようにお調べのようでございますが、私どものほうの数字もそうなっております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 この八名のうち、最高の年金を受けている額はどのくらいでしょう。あるいは最低は。

谷口昇大蔵省主計局給与課長

○谷口説明員 減額退職年金は、最高は六十二万三百八十二円、これは最高の年金額、最低の年金額は四十万八百三十円でございます。平均をいたしまして五十二万五百二十六円でございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 いまのあなたの答弁から、たとえば六十二万円なら六十二万円年金をもらっている、その中の五七・五%というのは、いわゆる国庫負担、年金の掛け金制度ではない、平均的な五七・五というのは税金でまかなわれている、こういうふうに解釈してよろしいか。

谷口昇大蔵省主計局給与課長

○谷口説明員 先ほど申しましたように、組合掛け金負担の四二・五、国庫負担の五七・五でございますが、そのうち、この共済制度は一般の厚生年金と同じように、事業主負担の部分がございます。その事業主負担の部分が四二・五で、純粋にこの制度を維持するためのものが一五、合わせまして五七・五というのが、先ほどの長期給付に対する負担部分でございます。

浅井美幸公明党

○浅井委員 そうすると、公社、公団の役員の場合はどういう負担になりますか。

谷口昇大蔵省主計局給与課長

○谷口説明員 公社、公団の場合には、実は共済組合制度がございません。したがいまして——公社はちょっと別です。公団公庫の場合には、実は共済組合制度がございませんで、それ自身もし必要であるならば、厚生年金というものを利用するという形になろうかと思っております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 いまこういう公庫だけにおいても、百十のいわゆる公社、公団の中で、たった九つの公社、公団の中にも、こういう減額退職年金受給者は八人もいるわけです。これは数字を延ばしますと相当の数に出てくる。したがって、これについての詳細な資料を私はこの際要求したいと思う。これは、後刻委員長において取り計らっていただきたい。  これらの人たちは、理事として、あるいはまたその役職の高い者は、四十万円あるいは五十五万円という金額を年金として受け取っておる。ところが、給与が、理事の場合は二十六万五千円、あるいはまた監事の場合は二十三万円、あるいは副総裁の場合は三十四万円月額を受け取っておる。それに対してまたさらに年金を、いわゆるさらに積み重ねて受け取っておる。これはまた財源がいわゆる国庫負担として国庫の財源の中から出ておる。こういう事実について、先ほど百分の六十五から百分の四十五になったからよろしい、私はこういう議論にならないと思う、官房副長官。したがって、これらのいまのような矛盾をしておる点、いわゆる年金制度であるかどうか知りませんけれども、この制度の中におけるところの法の盲点であるか知らぬけれども、二重取りを明らかにしておる、こういうふうな姿があるのですけれども、どうでしょうか。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村政府委員 私、ちょっと具体的には内容はよく知っておりません。もしそういう非常に法の盲点があれば、もちろんこれは改正をはからなければならぬかと思います。

浅井美幸公明党

○浅井委員 要するに、私がいま指摘しておることは、いま資料要求したわけでありますけれども、公社、公団、公庫という問題、役人の天下りが非常に高額で迎えられ、高額な退職金で、そして問題を投げかけた。さらに調査によれば、こういうおかしな事実が出てきている。こういう点が、いわゆる官僚の独善、いわゆる官僚横暴、このように強い国民の批判になってくる大きな問題点ではないかと私は思うのです。この点についていま御答弁がありましたけれども、こういう公社、公団の場合は準公務員です。ですから、人事院の承認も不必要なんです。フリーパスでみんな役職、役員になって天下っていくわけなんです。また、一般企業の場合は、人事院の総裁が頭を悩ましているように、非常に苦労しながら審査をしておる、私に言わせれば甘いけれども。ですから、そういう点について、公社、公団の役員の中におけるところの、こういう減額退職年金受給という、税金のさらにむだづかいに通ずるような、あるいは一部の者に対するところの恩典のような、特権のようなこういう制度について、私はすみやかに善処してもらいたい。このことを私は強く望みたいのですけれども、官房副長官、よろしくお願いしたいと思います。——答弁ありませんか。

木村俊夫自由民主党内閣官房副長官

○木村政府委員 人事院の審査を要しない、フリーパスとおっしゃいますけれども、むしろ政府承認、また政府任命でございますから、なお一そうそういうものを厳格にしなければならないというケースでございます。そういうことがないように善処いたしたいと思います。

谷口昇大蔵省主計局給与課長

○谷口説明員 先ほど浅井先生から、減額退職年金が、何か法がちょっとおかしいのじゃないかというお話があったようでございますけれども、実はこれは必ずしも国家公務員が公団、公庫に行く場合にのみこの制度があるのではなくて、一般に民間に行かれる場合にも、あるいは在野におって放送の事業に携わられる場合でも、いずれにいたしましても、先ほどのような制度がございますわけでございます。  それから、なお先ほどるる申し上げましたように、減額退職年金制度というのは、共済組合制度あるいはほかの社会保険制度、一般のものと同じような考え方で考えておりまして、恩給とは必ずしも軌を一にしていないということを申し上げましたが、そういう問題として考えていただければ幸いだと思っております。

浅井美幸公明党

○浅井委員 公社、公団の場合は一般企業と違って、全部全額国庫出資金でまかなわれている事業なのです。だから、それは税金であって、準公務員に通ずる問題であるが、この問題が一般企業の人たち、あるいはまた就職しなかった人たちにも全部適用されていることを私は知っている。そういう場から、先ほどからまた華山委員も指摘しておったけれども、昨年私たちはこの高級公務員に対するところの天下り規制のために、特殊法人の役員の給与等の基準に関する法律案、ここまでつくったのです。そして百分の六十五ははなはだけしからぬ。一般のいわゆる国家公務員の退職金は、一体年間どのくらいのパーセントになるのか。一年間で百分の十一というふうに私は聞いておる。一年間と、月額の六五%の矛盾というものを私たちは指摘していたわけだ。それが百分の四十五に下がったからといって、決してそれは大幅に下がったのではない。国民の目をごまかすだけの過渡的な措置にしかすぎない。私はここまでの意見を持っておる。そういう公社、公団の役員が、さらに減額退職年金というようなもので、さらに税金を上積みして受け取っているという事実は、これははたして道義上許されていいも一のなのかどうかということを私は言っているわけです。そのことについて、この制度で全部受け取っておることぐらい私は知っている。ですから、その点で資料要求をしますから、この公社、公団に関しては全部出してもらいたい。個々に人名をあげてもらいたい。だれが幾らもらっているか、国民の前にそれを発表して、国民の批判があるかないか問いたいと思う。  私の質問はこれで終わります。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 吉田賢一君。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 第一に、行政管理庁当局に二、三お伺いしたいのであります。  行政管理庁は、申すまでもなくわが国の行政の公正、真に国民福祉に貢献し得る、奉仕し得る体制を常に目ざして何かと業務を行なう重要な官庁であります。こういう意味におきまして、実施官庁でないまでも相当重視すべき立場だと思うのであります。そこで、すでに第六年目を迎えました臨調の答申等を全面的に実現するような努力についても、これまた行政管理庁の持っておる役割りはかなり大きいと思います。つきまして、私はそういうような観点から二、三伺いたいのであります。  第一は、本年度行政改革を、一体何を目標にしてなさろうとしておるのか、この点を要点だけちょっとかいつまんで御説明願いたい。

黒木利克自由民主党行政管理政務次官

○黒木政府委員 御指摘のように、行政を簡素化して能率的な運営をはかること、国民負担の軽減を実施するということはきわめて重要な問題でございまして、すでに一昨年来行政事務及び行政機構の簡素合理化を主眼とする行政改革計画を策定して、これを実施しておるのであります。さきに、御案内のように一省一局の削減をいたしました。第二次の行政改革の眼目を許認可事務の整理ということ、これも今国会にその関係の法案の御審議をお願いをするという段階になっております。しかし、この機構の縮小ということだけでは、抽象的には簡単なことでありますが、では具体的にどういう部局を廃止するのだ、縮小するのだということになりますと、なかなか困難でございまして、御案内のように、今日まで行政改革が遅延をいたしております原因もここにあったわけでございます。  そこで、からめ手からと申しますか、とにかく国家公務員の数を削減していく、それによりまして、結果的には局部課の縮小になっていく、こういうようなことで、先般いわゆる総定員法の制定をお願いをし、これが実現をしたわけですが、これに基づきまして三年間に五%の定員削減措置をとるということで、四十五年度の国家公務員の増員の審査におきましても、先ほども一申し上げましたように、総定員において従来一万名前後のものが増員になっておりましたものを、これも厳に抑制をして三百名程度の減員におさめた、こういうようなことの実現を見たわけでございます。また、直接の関係はございませんが、先ほど申し上げましたような特殊法人につきましても、厳にその新設を抑制をいたしまして、かなりの効果をあげてまいったのでございますが、今後はさらにこの行政改革の第二次の計画の策定に従いまして、これが実施に邁進をしてまいりたいと考えております。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 お述べになりましたのは、大体各論の一部にすぎないのであります。やはり行政改革のねらっておるところは、特に七〇年代に入りましてからは、新しい日本を目ざした建設の段階に来ておることは、総理の演説を通じてみても、また世論の動向一切を通じてみても明らかなのであります。これに対応して、いまの行政の組織、運営の実態は一体間尺に合うのかどうか。膨大な人間を持ち、国の重要な機関であり、ばく大な国民の税金を使って、その行政そのものが間尺に合わぬ、新しい建設の時代に入りつつあるのに、十分に成果をあげ得ないということになるなら、これはたいへんです。  そこで、何も削減、簡素化だけが能じゃありません。新しい行政需要も続々起こりつつあります。公害対策にしても、あるいは交通戦争にいたしましても、複雑怪奇な物価問題にいたしましても一中小企業問題にしても、社会福祉等々、在来の諸般の問題のほかに幾多の重要問題が起こってきているときです。こんなときでございまするので、行政改革というものは、やはりわが国の行政組織を、このような諸問題の解決にどうしてほんとうに役立たしめるか、奉仕せしめるかという、その体制をつくり上げることが改革のねらいであると思うのです。この点は、いわゆる第二次三カ年計画が七月十一日に発表せられて、そしてこれに対する行政監理委員会の意見が八月二十日に公表されております。したがいまして、これはいみじくもいまのような点をずばっと指摘しておるわけであります。まさに行政改革は冬眠状態なりと断言しております。行政監理委員会の会長は長官です。その中から、言うならば内輪から、まさに冬眠状態なりと言われておるわけです。これに対処せんとする行政管理庁であろう、こう思うのです。  それなら、ことしの日程は一体何をなすか、非常に重大なときだと思うのです。これは、そこらの私の議論はやめますが、この監理委員会が緊急課題に対する意見で指摘しておる一、二の点を拾って、私は行管のあり方についてひとつ伺っておかねばならぬのでありますが、いまの物価問題にしても、中小企業問題にしても、役所の問題にしても、住宅、交通から公害、あるいは海外の技術協力とか、いろいろな問題が続々と起こってきますが、現象を追っかけ歩くというだけではとてもいけませんので、行政管理庁はこういう問題についてずばっと監察もし、調べて、そうしてすぐに改革へ役立たしめるという方向へ、一体これをやっておるのであろうかどうか、その計画がことしあるのかどうか。当然せねばなるまい・過去において相当調査、監察せられたものもございますけれども、ともかく事態が急迫しつつありますこのときですから、第一次三カ年計画が出て、第二次が出て、臨調の答申以来もう六年目ですから、六年目で世の中は変わりつつあります。もっと急テンポで変わっていきますから、これに対応していかなければならぬ、それなら答申の内容も再検討しなければならぬ、そういう段階でございますので、こんな重大な問題を投げつけられておるのだから、行政管理庁といたしましては、ことし何をどうしていくかということは、相当具体的なものがなければならぬと思うのです。そこを聞きたかったのです。簡単でよろしゅうございます、次にいきますから。

黒木利克自由民主党行政管理政務次官

○黒木政府委員 確かに御指摘のとおりでございまして、行政改革も単に行政機構の縮小だけが能ではないわけでございます。変動する時代に対応する適切な機構を整備していくということに尽きるわけであります。要するに、行政機構の近代化とか体質改善ということが、御指摘のように眼目であろうと思います。  そこで、第二次の行革の策定にもあげてありますように、目下のところ国家行政組織法を手直しするということが、やはり一方では一つのねらいではなかろうか。これは荒木長官もたびたび申されておりますように、この八月ごろをめどにして、国家行政組織法の改正の具体的な案を作成するようにということをわれわれ命ぜられておるのでありまして、こういうことをひとつ中心にしまして、従来の行政監察のいろいろな調査結果、監察結果、あるいは世論、あるいは時代の趨勢等をにらみ合わせまして組みたいというような積極的な姿勢を実は持っておる次第でございます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 国家行政組織法の改正となってきますると、やはり非常に重要になっておるのは、どうも公務員制度らしい。公務員は、申すまでもなくこれは行政の担荷者でありますから、運営をしていく当事者でございますから、これはもちろんであります。それならば、公務員制度についてのねらうところは、臨調の答申によってみましても大体において言い尽くしております。いま問題になっております天下り問題も、ずばっと指摘しておるのであります。  いずれにいたしましても、公務員制度の改正というものは非常に大きな問題であって、非常に手がつけにくい問題、非常に抵抗の大きい問題、非常に利営関係が大きい問題等々で、公務員制度の改革なくしては行政改革は実現いたしますまい。それなら公務員制度をどうすればいいか、この大きな柱が必要です。これは単に人を減らすとか、総定員法だけで解決する問題じゃありません。そんなことは申すまでもありませんけれども、一つは、やはり公務員がほんとうにその仕事に安んじて生涯をぶち込んでいくような地位を確保する必要は一体ないんだろうか。もう一つは、やはりもっと専門化しまして有能にする必要があるんではないか。大臣も公務員ですが、戦後の統計によりますと、十カ月以内ですね。ですから、半年は国会で締めつけになり、残る数が月で次は大臣交代ということになってしまうんですから、ろくすっぽ課長とも話し合う機会も少ないだろうと思う。そういうような実情でございまするので、何かもりとそこに専門的にほんとうにすばらしい成績をあげ得るようにできないものだろうか、もっと能率化できぬものだろうか、どうすれば公務員の仕事を効率的にできるだろうかというように、幾多公務員制度の改革については柱が指摘されておるようでございます。信賞必罰、もちろんであります。こういうようでありまするので、やはりこれも臨調の答申をもっと内容的に改めていくのか、大体においてこれを踏襲するのか。佐藤総理もしばしば、臨調の答申の趣旨はそれを尊重していきますということを国会で言明になっております。それならそれで大体の柱はわかる。わかりますから、八月といわず、もっと早く行政組織法の改革、改正に手をつけていく、そうして諸般の公務員問題について、もっと明るい堂々とした改革の柱がやはり立てられていかなければいくまいと思うのです。そうしなければ、いまはそれは官僚の天下かもしれませんけれども、血税も浪費するわ、人間も浪費するわ、組織も浪費するわ、とにかく超膨大な組織化、マンモス化している、これが公務員の生態であります。  いずれにいたしましても最大の課題です。せっかくそれに取り組んでいこうとするのですから、もっと早くずばっと案を出すように、柱は何かということを国民に問うように、監理委員会もせっかくあることですから、監理委員会の意見も早く徴するように、もっと広い範囲で国民の意見も聞くように、国民の声も聞くようにあってしかるべきでないだろうかと私は思う。そうしなかったら、またまたこれは絵にかいたもちになってしまいはしないか。やるやると言って、ずるずると延びていくんじゃないか。八月が十月になり、来年になり、次に内閣がかわってしまうということになると、また考え方が違うということになりはしないかということを思うのですね。  ですから、その辺についてはどうでしょうか。いろいろと盛りたくさんに言ったから、あなたは御答弁にお困りなさるかもしれませんけれども、きょうは大臣も見えておらぬから、変わった意味でひとつあなたの、行管庁の意見のあるところをずばっと言ってもらいたい。

黒木利克自由民主党行政管理政務次官

○黒木政府委員 確かに御意見のとおりでございまして、行管大臣も今回は二度目のつとめで専門家でございますから、十分な決意もお持ちのようでございます。  そこで、先ほど申しましたように、とりあえず行政組織法の改正について、八月までにひとつ成案を得るようにということをわれわれ事務当局にお命じになっておるわけでございまして、その中の柱として、公務員問題も当然含まれると思います。公務員問題につきましては、人事院の総裁もお見えになっておりますから、そちらのほうから——私は申し上げませんが、御趣旨は私も全く同感でございます。さっそく長官に御報告申し上げまして、実現に努力いたすつもりでございます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 人事院総裁、ちょっと聞いておきたいのですが、公務員制度の改革ということの、はしなくもいま話題が出たのですが、公務員制度の改革をずばっと人事院は取り組みなさるお立場ではないと思いますけれども、幾多の重要な資料は当然出なければならぬと思うんですね。公務員制度に手をつけるということは、もう緊急の課題であり、かつ根本的な課題です。でございますので、さっきから他の委員によって問題になっております天下り問題にいたしましても、公務員にはエリートコースもありましょうし、一生課長補佐以下で、とにかくうだつの上がらぬ公務員もございますし、しばしば言うように、二つの大きななにに分かれております。というように、汚職の出る辺も、大体その巣はねらわれております。民間のほうが鋭敏でございます。やはり世界の公務員と比較したら、日本の公務員はすぐれておるのです。でございますので、この持てる能力を十分に国のため、国民のため、もしくは社会、公共のためにこれを使って、そして人生を全うするように私はささにゃいくまいと思うのです。  それならば、閉鎖的な人事採用というのではなくして、できる面はオープンにして、そして厳格にすべきものは厳格にして、能力のある者は能力を使わして、何かその辺をやはり公務員制度のあり方といたしまして、たとえば公務員法百三条の、例のさっきから問題になっております私企業から隔離の問題等にいたしましても、さらに再検討を要する面があるのではないか。私はやはり堂々と使わしたらいいと思うのです、その能力のある者は。しかし、いやしくも密接な関係があって、利害が伴って、私企業に利用されるというようなことがございましたならば、それは厳として法は正しくして、かつ、国民のために当然行なわれなければならない。法を用いるということは、厳格でなければならぬと私は思うのです。そこに何らの仮借があってはいけません、というようにせなければいけませんので、私はその辺は公務員法の改正があってもしかるべきではないだろうか、そうして堂々と大人生計画を燃やしてもいいんではないか、厳格にするところばしたらいいんではないか、締めるところは締めたらいいんではないか。  とにかく、公私は混同すべからず、法律は厳に行なうべし、正義はほんとうに守っていかなければならぬ、というように、ともかく法は厳正に守るという習慣を持たなければ、法治国家としてはだめですよ。抜け穴は何ぼでもあります。どんなに法律を厳格にこしらえても、抜けるところは、それは向こうのほうがえらいですよ。それは優秀な詐欺師と同じです、向こうのほうがえらいですから。ですから、そういうようなこともありますので、このところは、やはり公務員制度のあり方について、天下り問題がたまたま重大問題化しておる際でもありますし、あなたのほうの所管から見て、資料を提供するなり、意見を出すなり、改革案を出すなり、何でもいいですから、ともにひとつ内閣の責任において公務員制度の改革に乗り出していく、あなたのほうのいま指摘したような点につきましても、遺漏のない制度をひとつ完備して行なわしめていく、そして国もまた国民も公務員みずからも、これをほんとうに大手を振って堂々と公明正大に行けるように私はせなければいかぬと思うんだが、そういうふうにするときがもう来ておると思うのです、七〇年代は。ですから、いたずらにずいぶんたくさんな人間を縛りつけて、むだにして浪費する手もないだろうと思うんですね。何かくふうがあってしかるべきじゃないだろうかと思うんです。どうでしょうね。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 全くおことばの節々、御同感に存じます。私ども、おっしゃるような趣旨で努力しております。  たまたまいま臨時行政調査会の答申から話が出ましたので、この答申なども、私はいまのお話しのようなポイントに触れた重要な宿題を与えておるという気持ちをもって、常にこれの内容を実現すべく努力しておるわけでございます。おかげさまで、大体この臨調の答申に出ておりますようなことは、着々成果をあげておるつもりであります。ただし、去年もちょうど六月ごろ御指摘がございましたように、職階制の問題はいま一生懸命やっております。最近ももう二、三回会議をやっておるくらいで、一生懸命やっておりますが、これだけはまだ結論を得ておりません。  その他の点については、十分努力をいたしております。また、御趣旨は、その方向においてわれわれさらに実現に努力しなければならぬという決意でおるわけであります。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 御努力になっておるとしておきましょう。ただし、行政改革、公務員制度の改革がまさに冬眠状態なりということは、これは行政監理委員会が指摘しておるとおりでございます。どこから考えましても、これは大いにやりつつあるとはいえることじゃございません。それはもう歯ぎしりして、何てだらしないことか、二億数千万円も金を使って、何百人の専門家を使って、そしてあれは一年半くらいかかったですか。そして戦後の大懸案でありましたそれに取り組んで、ほんとうに国民の絶賛を浴びて登場した臨調の答申ですよ。池田内閣の時代ですよ。あなたにそんなことを言うのは筋違いかもしれませんが、そのうちの柱が公務員制度ですよ。その公務員制度を突き詰めていきますと、人事院の触れる面がぎょうさんありますよ。ですから、いずれにしましても、公務員制度の改革あることなくしては行政改革は実現せず、どんなに改革しようと思っても一向問題は解決しませんわ。  そこで、私、行管の方に伺うのでございますが、具体的に、たとえば、これはことし監理委員会が指摘しておる点でございますが、科学技術行政というものにつきましても、やはり相当重要な課題を持っておることは申すまでもございません。これにつきましては、何かあなたのほうで相当監察したり検討したりしておられるのでございましょうか。原子力の研究にしても、海洋開発にしても、宇宙開発、情報技術等々、こんな面から見ましても、科学技術行政といたしまして取り組むべき問題が多いです。これは先駆的な分野を占めておりまするので、予算、決算にもつながってくる問題です。人間の問題、技術の問題、こんなことをぐずぐずしておるから、有能な、優秀な技術屋がアメリカあたりへ逃げていってしまうのです。そして向こうから技術を買い入れなければならぬことになってしまうのです。こういう面について行政監理委員会もずばっと指摘しておるのですが、行管といたしまして、こういう面について監察をして、材料を提供するというようなことは何かやっておられますか。

黒木利克自由民主党行政管理政務次官

○黒木政府委員 お答えいたします。  科学技術庁の本年度の予算要求で人員に関することにつきましては、行管としてはこれを積極的に支持するような審査をいたしたつもりでおります。従来非常勤でありました職員を常勤化して、有能な人たちを食いとめるというような措置等を認めました。  なお、科学技術の行政監察についてはいまだ十分にいたしていないようでありますが、確かにこれから重要な行政でございますから、お説のような趣旨で監察計画に追加をいたしまして、御満足のいくような結論を出したいと考えております。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 私は、行政管理庁にいたしましても、会計検査院にしても、なかなか特殊な専門的知識と経験が要る仕事が多いと思いますので、手がないならない、専門家が足らぬなら足らぬ、予算がないならないで、細く狭く簡素に、つまりいわゆるチープガバメントですか、そういったような考え方でなしに、大きく飛躍するところは飛躍して、締めるところは締めて、要するに一切を経済性を持たして、効率を持たしていくというのが今後のあり方だと思うのですね。ですから、たとえばいま、もっともっと小さく見るなら、アメリカから指摘されましてチクロ問題が日本で大きくなってくる。そうなると、清涼飲料水の売れ行きがばたっと落ちてしまう現状ですよ。食品化学、添加物等はいま至るところで問題になっている。そうすると、牛乳やあるいは農産物、農薬、そういうようなことまで問題になってくる。農薬が滞留してくるとか、いろいろな問題が問題になってきますので、大にいたしましては宇宙開発等いろいろあるし、小にいたしましてはそういった小さな問題にいたしましても、何かもっとずばっと示唆することは、あなたのほうではできないものだろうか。これは厚生省の所管であるから、厚生省の国立研究所があるからそのほうでやっておけとかいうことでなしに、私は、激しいときだから手がないならないでよろしいが、あなたのほうのことしの計画を見てみると、何か住宅の調査をしたり住宅の行政監察をやる、それからもう一つは、農業の基盤整備事業を調べますというようなことが二つほどあがっておるのですな。これも大事ですよ。これも大事ですけれども、ともかくこんなことを二つや三つやっているようなことでは間に合いませんぞ。だから、いま言ったようなことでもずばっと専門家がすぐ行って活動していく。これは同時に公害問題につながっていきます、国民の生活につながるのですから。そういうように、せっかくこれは監理委員会も指摘しておることだし、もしくは第二次計画にも一たん触れておることですから、何かその辺をもっとやる手はないものだろうかと思うのです。次官は専門家かどうか知らぬけれども、あちらこちらに分局を持っているのですから、もっと広きにわたって監察をしてはどうかと思うのですがね。

黒木利克自由民主党行政管理政務次官

○黒木政府委員 お説、ごもっともでございますが、先ほど海洋開発の関係、宇宙開発の関係で、各省の定員削減にかかわらず、専門家の四名増員を認めております。  なお、チクロの問題で食品関係についてお答え申しますと、厚生省の環境衛生局に食品担当の参事官を新規で振りかえを認めたというようなことで、新しい行政の需要に応ずるような一職員の増は、例の五%の削減を財源にいたしまして認めておるわけでございます。  なお、科学技術庁は、御承知のように原則としてこれは調整機関でございまして、実際の実施は各省庁が担当いたしておるのでありますが、各省庁のそういう新規の必要な行政需要に対しましては、先ほど申しました削減をもってこれに充てるということでやっておる次第でございます。  それから監察計画につきまして、確かに具体的には、まだ科学技術の問題につきましては対象にいたしておりませんけれども、大体重点項目として生活環境の整備充実とか、災害の防止とか、農業基盤の整備とか、こういう国民生活に直結した、しかも長期的な視野に立って総合的に、かつ系統的にやらなくちゃならぬものを監察の対象にいたしておるのでありますが、御指摘もありましたから、こういう科学技術の新しい行政の需要につきましても、ひとつ長期的な観点から監察の対象にさらに加えることを検討してまいりたいと存じております。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 あちらこちらになりますが、ちょっと総理府にこの機会に聞いておきたいのです。よろしゅうございますね。  第二次計画によりますというと、「内閣および総理府を通じての総合調整機能、政策の企画立案機能の強化」、これを検討事項として大きく掲げられておるわけですね。そこで、たとえばいまの監理委員会が指摘いたしております「行政改革の緊急課題に関する意見」のうちにも出てまいりますが、例の物価にいたしましても、科学技術行政にいたしましても、中小企業にしても、あるいは農業問題にいたしましても、いずれもそうですが、まあ物価一つ取り上げてみましても、物価対策をどう立てていかねばならぬか、どう実行していかねばならぬか、どうするならばその効果をあげ得るか、こういうことになりますというと、これはやはり各省庁の総合以外に手がないと思うのですね。この点は、私は、昨年のこの委員会におきましても菅野企画庁長官にもそういうことを言ったのでありますが、企画庁では物価問題、物価対策はこうだという具体案を出す、そうしたら、農林省に行ったら農産物を中心にしてそれに同意してこられる、運輸省は運賃を中心にして同意してこられる。ばらばらだ。ばらばらということが実態ではないかというようなことでありまするので、このような重大な問題一つを扱うにいたしましても、いかに内閣の調整機能を重視せねばいかぬかということは、これはもう当然です。ですから、臨調の答申はこれを劈頭に掲げておる。内閣の総合調整機能、それはもうトップの総理がこれを牛耳って行なっていくのは当然ですけれども、しかしながら、スタッフといたしましても、また各省庁の立場といたしましても、もっとやはり、国の施策ですから総合する、調整するということに応じていかなければならぬ。各省が反対ならこれは行なわれません。行政改革ができないのもそのとおりです。各省が反対だったらできませんということになるのですね。これがまあ一つのいまの行政の仕組みの弱さです、弱点です。確かにそれは間違いない。  そこで、やはり総合調整の機能を発揮するということの中心的な機関はどこかというと、これは総理府です。ですから、総理府のいまの立場というものは、そういう意味におきましても、行政改革を推進する相当大きな役割りを私は持っておると思う。物価問題を解決する相当大きなかじをとっておる。ひとり物価問題のみならず、いま指摘したようなものもみんなそうです。  それではどうしたらいいものであろうか。総合調整機能を強化するというのには一体どうしたらいいか。これは昨年出ました、そして、もう三十九年以来の懸案になっている、それをいまどういうふうに検討を進めておるか。検討事項として、これを内閣は閣議決定をしたわけであります。去年の七月十一日に閣議決定をしておるわけですね。どう検討しておるのか、どの方向に持っていっておるのか、そこをひとつはっきりしておいてもらいたいですね。

湊徹郎自由民主党総理府総務副長官

○湊政府委員 ただいまお話がございました総合調整及び企画立案機能に関する問題でございますが、先ほど来お話がございましたように、最近各省庁個別ではなかなか対処し得ない問題が非常に多くなってございます。で、最近の閣議等においてもしばしばそれらの問題が取り上げられておるわけでございまして、現在のところ、たまたま具体例としてお出しいただきました物価の問題は、経済企画庁が一応総合調整機能を持つという形で運営をいたしておりますが、そのほか公害の問題もそうでございますし、交通安全対策の問題もそうでございます。ごく最近においては水の問題、特に水利権の調整をはからなければ、各種の仕事がなかなかネックになって具体的に運ばないというふうな問題もございまして、そのつど、それぞれの問題に応じた閣僚協議会を現在中心にして、それに関係省庁の連絡会議を付随させるというふうな形で、ただいまお話がございましたような問題については対処しておるというふうで、これが現状でございます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 例を物価問題にとって、物価問題の総合調整機能は企画庁なりといっても、企画庁は、案を出すけれども、総合調整の実際的な地位にあらずして、力はなくて、事実上は案の立てっぱなしということになりつつあるのではないだろうか。物価庁ともいわれる企画庁において物価対策を立てる、物価問題懇談会その他においていろいろな物価対策の安定策が出てくる、企画庁はこれを推進する、しても、公共料金の値上げということについては何の総合調整力もありません。ないです。やはりそれは、企画庁は物価庁としまして案は出すけれども、向こうは向こうで運賃を上げてしまいます。だから、それは運輸省、運輸大臣の所管事項なりで、運輸省としたら企画庁との間でどう調整するかということになると、これは閣僚協議会でやらなければなるまいと思う。閣僚協議会で並列しまして意見を出し合ったら何にもならない。そうしたら、総理がトップといたしましてこうせなければいかぬということになるのだろうけれども、事実はそこまでいっていない。これが実際の具体的な弱さです。だから、これを制度として強化せねばいかぬじゃないかというのがねらいです。運営の問題としてではなしに、むしろこれは制度としてこの機能強化を指摘しておると私は思うのですね。ですから、この総合調整機能というものは、それなら、さりとて内閣に数名の補佐官を置いておけというような例の臨調の答申の趣旨ですね、そのとおりでいいかどうか、これはもう別です。これはもう一案にすぎませんからね。いずれにしましても、内閣というものは、予算の作成についても、あるいはこういう重要な政策の決定にいたしましても、内閣が責任を負うのです。国民のためには内閣総理大臣が責任を負うのです。国会に対する責任者は総理大臣ですよ。ですから、そこがほんとうですけれども、これを助けておるのが内閣及び総理府ですから、だから内閣、総理府となっている。内閣、総理府はかかる意味において非常に重要な地位にあるとせねばならぬ。それを物価問題は企画庁だとおっしゃっていくのでは、それは実際問題としては議論にならぬ。そんな議論を何べんしておりましても、この内閣は物価問題を解決する能力なしということに実はなってしまうのです。何年間か繰り返しておるのだけれども、できない。だから、こんなものは、意見でも何べんか出ておりますよ。物価問題懇談会でもあらゆる意見が出ておりますよ。これはいろいろな面から出ておりますけれども、なかなか実行に至らず、物価問題はお手あげ、天井知らずに上がっていく、こうとさえ思うのですけれども、もっと具体的に何か検討しておらないのかどうか、それを聞かせてほしいと思うのです。どうですか、調整能力について。なければないとして……。

湊徹郎自由民主党総理府総務副長官

○湊政府委員 先ほど申し上げましたように、一応設置法の中で、物価関係については経済企画庁ということにはっきりきまっておりますが、総理府と申しましても、私ども一応総理府の本府と申しますか、そのほか企画庁、科学技術庁等外局、これを含めて総理府と、こういうことになっておりますので、先ほどお話がございましたように、閣僚協議会等を、これは最近かなりひんぱんに開いてございまして、そのつど、具体の問題等については、どこが中心になって総合調整の役割りを果たすというふうな相談をしながらやっておるというのが現況でございます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 行政改革につきまして、行政監理委員会の地位は非常に重要だと私は考えておるのですが、行政監理委員会がずばずばと出していきまする意見ですね。これはできるだけ推進していくという方向へ、長官は、会長ですか委員長ですか、ですから持っていかなければならない。持っていかなければやめてしまえばいいのです。昼あんどんにする必要はないのです。何べんも繰り返して言っておる。民間人ばかりですから、遠慮なしに言いますよ。遠慮なしに言わせなければいかぬ。言っておるのです。ですから、この問題につきまして、いま申しました緊急課題に対する意見を通読してみましても、ずばずばと急所要所をついておりますよ。ですから、こういう問題につきましても、できるだけそのままずばっとひとつ閣僚協議会でも舞台に上げて、そして議論をさすようなことができないものだろうかどうかと思うのですね。中小企業問題にいたしましても、大事な点を指摘しております。  そういうようなことになりまするので、ひとつ——行政面からのみこれは解決できない問題もずいぶんございますから、私は何もそれによって完全に一切が解決できるものとは思いません。思いませんけれども、指摘しておりまする諸般の、この時代に起こってまいります問題について、行政管理庁が監理委員会のこのような切実な意見をできるだけ大きく浮かび上がらすというほうに持っていく責任がないのだろうか。それができましたらよほど推進しますけれども、三年計画というのは三年で済んでしまうはずなんです。ところが、四十三年から四年、五年、こうなっていきまするので、そのうちに済んでしまいます。それを検討中、検討中、いつまでも検討中になってしまう。それはどのくらいかというと、ごくわずかです。そういうことになります。だから、ひとつあなたのほうに御希望申し上げておきますけれども、私は、ほんとうは別の機会に一度監理委員会の方に来てもらいたいのです。そして、国会といたしまして監理委員会の、もっとずばずばとした裸のなまの意見を聞く会を持ちたいと思います。きょうはなにしませんけれども、そう私は思うのです。ですから、あなたのほうはぜひこれを推進するように、長官が責任者なんです。よその者ではないのです。長官は責任者なんですから、ですから、これはだめならだめにしてしまえばいいのです。よければよいで、そいつを閣僚協議会に持っていってほしいと思うのです。御希望申し上げておきます。  それからもう一つ、非常に重大なことでございまするが、いつも触れないのは予算・会計の問題です。予算・会計の問題が出てこないのです。行政改革のうち予算会計は、第十四といたしまして非常に重大に扱っております。私が申すまでもなく、行政は裏を返せば財政です。財政の実体は予算です。こごの委員会は決算ですから、予算というものを決算本位に改めなさい、もっと効率のある予算の使い方をしなさい、国民の税金を大切にするような予算の編成をしなさいというのがこの委員会の一貫した大きな使命であります。でありまするのに、この予算・会計の問題には触れてこない。何でだろう。こんな大きな問題をどうしてもっと大きぐ出していかないのだろう。たとえば事業別予算制度にいたしましても、非常に大きな旗を立ててフーバー委員会以来きたものです。最近のPPBSにいたしましても同様です。どうして行政監理委員会がこれを持ち出さないか。だから、財政の改革というものなくして行政改革はあり得ない、こう考えております。この辺について行政管理庁はとにかく行政監理委員会と手を組んで、予算・会計の面、財政改革の面、すなわち、これは行政改革の裏を返せばそういうことになる、こういうふうに思いますので、そこにどうしてずばっと触れないのか。いかがです。

黒木利克自由民主党行政管理政務次官

○黒木政府委員 御意見、全く御同感でございまして、長官並びに行政監理の委員の方々に御趣旨はよくお伝えをいたしたいと思います。  なお、内閣の総合調整並びに企画立案の強化につきましては、実は内閣補佐官制度というものをつくろうというので、国会の御審議を二回お願いしたのでありますが、二回とも審議未了になったといういきさつがございまして、これは単に行管だけでなしに、行管はもとよりでございますが、国会あるいは国民の強力な御支持を得なければ実現ができないことでございまして、長官にも先生の御趣旨は十分お伝えをして、改革の実現に努力したいと思います。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 私は、臨調の答申がいまの時点においてなお完全なものなりというふうな判断をしない。ですから、内閣の首脳部を強化する補強工作をやろうというふうな場合に補佐官制度が最善かどうか、これはまだ疑問がございます。言うなれば、補佐官はまた補佐官——屋上屋を架すようなことになってはたいへんでございます。ですから、そこは精神の問題でございますので、そういうふうに私が意見を持っておることをひとつ御理解をお願いしておきたいと思います。  そこで、時間も参りますので、少し横にそれますがあなたのところの行政相談ですか、これはおもしろい企画です。さっきから問答もございましたが、これは一種の窓口行政ですから、国民のなまの声を聞くやつです。ここに行政監察月報の百十五号におもしろい記事がございます。これは厚生省関係でございますが、二歳の子供がオートバイに頭をやられて負傷して、お医者さんにかけ込んだ。保険証を提示して治療を求めたところが、保険証じゃだめだといって拒否されたということが相談になったわけでございます。そこで、これがまたはしなくも厚生省の問題になり、府県の問題となったのでございますが、究極におきましては、このような場合、これはいまの国民生活としては非常に重大な関係があるわけでございますので、通常、労災以外、業務災害以外のこのような交通事故で負傷して医師に治療を求めるというときに、拒否ができないのが健康保険法のたてまえであろうと考えるのでございますが、拒否することは可能なんだろうかどうか、その点をはっきりしておきたいと思うのです。これは厚生省も何か通達を出したように、ここではあとに書いてございます。おととしの十月十二日付で厚生省が通達を出して行政指導をやっておるようでございます。知事も一昨年の十月二十九日ですか、同様にまた何か通知を出しておるようでございますが、拒否はできないのが相当なりと考えるのですが、この辺いかがでございましょう。

黒木利克自由民主党行政管理政務次官

○黒木政府委員 確かに御指摘のように問題がございまして、厚生省は、昭和四十三年の十月十二日付で通達をもちまして、各都道府県あてに、交通事故傷害の場合も健保使用は可能でありこれを拒んではならない旨指示をいたしております。まだ未徹底の分がございましたら、遺憾なことでございますから、これが徹底をばかるようにいたしたいと思います。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 健保法と自賠法との関係はどうなのか、その点だけはっきりしておいてください。

河合三良行政管理庁行政管理局長

○河合政府委員 自賠法の適用がございますけれども、その前に、治療を受ける場合はやはり健康保険法を適用したほうが、経費の支払いその他で被害者に非常に簡便でございますので、私どもといたしましては、まず健保法を適用することを徹底させるということにいたしております。したがいまして、行政相談関係でも、交通事故に関する相談が最近非常にふえておりますので、相談委員の方にも、これは健保が適用できるのだから、そういうふうにあっせんしなさいということを強力に指導いたしております。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 事務の能率化の問題ですが、これはやはり国家行政機関を運用する上におきまして非常に重要だと考えるのであります。それにつきまして、私自身がしろうとですから、これはずばっと当たっておるかどうか知りませんけれども、最近コンピューターの活用が非常に盛んなようでございます。すでに閣議決定もありますし、各省庁におきましてもかなり活用しているらしいのでございますが、そこで、たとえば公務員の給与の支払いなどは、もっと手っとり早い方法はないものであろうか。この間もちょっと、ある国立大学でずいぶんとこまかい勘定をして袋に入れて、何千というたくさんの給与を支払っておる状況を私は現認したのでございますが、たとえば国家公務員の数が、昨年定員法ができたときは定員数は五十万余りですが、定員外の数も含めますと、国家公務員で百十八万をこえますね。地方公務員も条例できまっておるようでございますが、これまた去年二百三十五万もあるようでございますね・合わせますと、約三百五十数万になるわけでございますが、全部とば言いません、市町村までどうとは言いませんけれども、大きな数の定員のようなところはもっとコンピューターでも活用いたしまして、その方の銀行預金にでもずばっと入れられるように——私らのような貧乏人は、やはり月末に金の顔を見ることはうれしいものでございますが、しかし、必ずしもそうとはいえませんので、コンピューターを活用いたしまして、たとえば銀行預金か何かの通帳にすぐにずばっと入れられるような方法で事務の簡素化をして、そういう仕事にたんのうな人はその他の有用な機関についていただくように、こういうようなことを考えるべきではないだろうかということを思うのですが、しろうとですから、これは間が抜けておる、ほかにこれこれの重要な要素があるのだというのかもしれませんけれども、それはいかがでございましょうね。

湊徹郎自由民主党総理府総務副長官

○湊政府委員 ただいまのお話、ごもっともに思いますし、私も二、三の例は承知しておりますが、いさい人事局長のほうから答弁させたいと思います。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 相談しているのなら、もう一点同じようなことをつけ加えて伺っておきます。  総理府は、統計を出しておられます。統計も実はいまの時点、きょうのある統計がどうだろうかと見たところが、きょうのものは出てこない。たいてい去年かおととしぐらいのものなんですね。企業計画だったらちょっと間に合わない。国会の場合は親方日の丸でそんなことはどっちでもいいというのかもしれませんが、統計というのは歴史の編さんでもないのでありますから、きように生きた統計がほしいので、生きた統計をつくるためには、統計事務というものをもっと効率化いたしまして、そうしてこういうものもひとつコンピューターを活用して、全国のかくかくの労務賃金はこのくらいだというような返事がずばっと出てこないものであろうか。そうしましたならば、総理府のほうの統計というものは一そう権威があって、輝かしいものになってくるのではないだろうか。統計というものは、本だなに積み上げておく統計であってはならないのでございますからね。この二点でございますが、いかがでございますか。

湊徹郎自由民主党総理府総務副長官

○湊政府委員 ただいま統計の話がございましたが、実は私も一、就任一カ月になりますが、就任早々実は統計局のほうに参りまして、実際に現在日本で持っております最高のコンピューターを使用いたしまして、最近統計の収集あるいは製表能率を非常にあげてございます。この点は、ただいまお話ししましたように、さらに内部の結論を早く出すといいますか、一刻も早く統計が有効に使用できますように、長官も私も就任早々、即刻現場に参りましたが、コンピューターは現に使用してやっておる次第でございます。

栗山廉平総理府人事局長

○栗山政府委員 先ほどの給与の計算の簡素化に  ついての先生のお話でございます。私のところは人事局でございまして、給与関係をもちろん担当いたしておりますが、実際の支給は実は会計の方面でやっておるわけでございますけれども、関係がございますので、簡単に私の知っている限りを答えさしていただきますが、たとえば総理府におきましては、やはり給与事務のことを専門にやる機械がございまして、これでわりあいに人手を省いて、従来でございますと非常に人手がかかったものをやっておるようでございます。ただし、先生も御存じのように、給与そのものの仕組みが本俸とか諸手当、寒冷地手当とか超勤とか、その他いろいろのものがございますし、というようなことで、給与の仕組みそのものが、そう簡単にはいまなっておらないという点が一つあるわけでございます。そのために、従来非常な人手が要ったわけでございますが、ただいま申し上げましたような専門の機械ができまして、どの程度の官庁が採用になっておられるか、私、その点までは詳細に存じておりませんが、しかし、ほとんどの中央官庁では採用しておられるように聞いておるわけでございます。というようなことで、最近はそちらのほうで省けました人手をほかのもっと大事な仕事のほうに回すというようなことは、総理府のほうでは現に実行いたしておるわけでございます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 総理府は済みましたからけっこうです。  たいへんお待たせしましたが、最高裁のほうに伺いたいのでございます。  一国民の権利を守り、司法の公正を維持するということにつきまして、裁判所の使命はきわめて至大なものがあろうと、こう考えるわけでございます。そこで、私は、最近問題になります訴訟事務の一そうの能率化をはかる必要はないであろうか、こう考えるのであります。やはり十数年もかかったというようなことが新聞にちらちら出たりいたしてまいりますと、裁判所というところはどういうとこかいなという、国民は疑問を持ちます。疑惑というものは不信につながってまいりますので、できるだけこれは能率化するということが必要であろう。可能な範囲真実を発見して、公正な適切な処理をするために、これを迅速に処理していくという可能な条件をできるだけ整備するという必要があるんではないだろうか、こう考えるのであります。  そこで、そういうふうに思いますと、大体停滞するというふうな原因をここにおいて御説明を聞こうとするのではないのですが、広く観察いたしましたら、裁判事務的な見地から見まして、停滞は何におもに原因するんであろうかというふうに考える。これについて、ひとつできたら御指摘を願いたいのであります。  もう一つは、裁判官の適切な相当負担事務量がどのくらいであるのであろうかということを御検討になっておるかいなや、刑事事件、民事事件その他の事件につきまして。この二つをひとつまず聞いておきたいと思うのでございます。

寺田治郎最高裁判所事務総局総務局長

○寺田最高裁判所長官代理者 ただいま吉田委員からお話がございました裁判の促進という問題は、裁判所にとりましてきわめて重大な問題でございまして、私ども常にさような見地からこの事態の改善ということに努力してまいっておるわけでございます。ただ、御承知のとおり、この訴訟の遅延といいますことは、ひとりわが国ばかりでなく、各国にもいろいろ問題がございます。また、わが国におきましても、最近に起こった現象と申しまするよりは、これはかなり古くからございます現象であるわけでございます。そして、御承知のとおり、数年前に内閣に設けられました臨時司法制度調査会におきましても、相当長い期間を費やしましてこの訴訟遅延の原因ということを探求いたしまして、それに関するかなり詳細なレポートが出ておるわけでございます。  その内容を一々申し上げますことは煩にたえないわけでございますが、その原因の一端を申し上げますれば、一つには人的な面、これはひとり裁判官ばかりでなく、検察官あるいは弁護士というものが不足しておるという問題、さらには、その補助機構の不足の問題がございます。それからまた、物的な問題といたしまして、いま吉田委員からもいろいろお話がございました能率的な施設ということについての欠点、不十分な点があるわけでございます。同時にまた、訴訟法を含めまして、いろいろ裁判のやり方についてのさらに研究改善すべき問題が残っておる、こういうような点がいろいろ指摘されたわけでございます。そこで、さような原因を一つ一つ改善するということで、毎年の予算においていろいろお願い申し上げておるわけでございますし、現に当院で御審議いただいております昭和四十五年度予算におきましても、相当なその方面の経費が計上されておる、むしろ裁判所の予算はすべて訴訟促進のためのものであると申しても過言ではない、かように考えるわけでございます。  なお、それに関連いたしまして、いま吉田委員のお話の中に、裁判官の負担件数はどのくらいが相当であるかというお話がございました。これに関しましてもいろいろ統計はございますし、ことに民事と刑事、それからまた、地方裁判所と高等裁判所、あるいは簡易裁判所というものでいろいろ違う点があるわけでございます。その数字を一々申し上げてもいいわけでございますけれども、ただ、それは現在そういう負担件数があるということでございまして、それがはたして好ましい状態に合っておるかどうかということは、さらに問題があるわけでございます。  そういう場合に、私どもでいつも考えますのは、一つは戦前との比較であり、一つは諸外国との比較ということになるわけでございます。ただ、しかしながら戦前との比較におきましても、たとえば刑事訴訟におきましては、刑事訴訟法の規定が相当に変わっておりますために、予審制度のある場合とない場合というようなことでは、相当負担の問題等にも影響を持つわけでございます。また諸外国との比較という点からまいりましても、たとえばアレンジメントというような制度のある国とない国とでは、またいろいろと問題が分かれるわけでございまして、これを単に計数的に比較をいたしましただけでは、直ちにその負担が軽いとか重いとかいう結論は出しにくいわけでございます。ただ、私どもの全体的な感じから申し上げますれば、現状におきましては、高等裁判所が一番負担が重く、地方裁判所もかなりの負担であり、簡易裁判所は比較的負担が軽い、こういうことは申し上げることができよう、かように考えておるわけでございます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 負担が重いというのは、これは裁判官を希望する者が比較的少ないことになっておるのが現状ではないであろうか。この点いかがでありましょうか。

寺田治郎最高裁判所事務総局総務局長

○寺田最高裁判所長官代理者 裁判官の希望者が必ずしも十分にないという点につきましても、実は御承知の司法研修所というところで、司法修習生に対しましてなぜ弁護士を志望し、なぜ裁判官を志望したりあるいはしないかということについてのいろいろ調査をしたことがございます。その際に、裁判官の仕事がかなり忙しいということも、確かに御指摘のように一つの要素ではあったように思います。しかしながら、全体から申しますと、少なくとも司法修習生の場合におきましては、それよりももっとほかの原因、たとえば転任が多い、あるいは生活が非常に窮屈である、こういうようなことのほうがより大きな原因である、かように理解いたしております。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 それなら、もうずばっと待遇を改善する。処遇問題がその原因の重要なものを占めておる、こう見るべきではないであろうかと考えるのであります。この点は、処遇というのは直ちに給与だけという意味ではなしに、私は、裁判官がほんとうに一切の利害を超越して法を守っていくという使命に徹しようと思うならば、これは処遇の意味において相当その地位を大切にせなければならぬじゃないか、こう思うのです。これは調査会等においてどういう結論が出たか知りませんけれども、調査会の結論ないしは最高裁として見ておられるところは、一体結論的に言うならどういうものでしょうか、その点。

寺田治郎最高裁判所事務総局総務局長

○寺田最高裁判所長官代理者 私の先ほど申し上げました表現が必ずしも妥当でない点もあったかと存じますが、生活の問題と申し上げました中には、いま吉田委員から御指摘の給与を含む待遇の問題も相当なウエートを占めておることは確かでございますけれども、そればかりではなしに、要するに、裁判官は公務員の中では比較的自由な職業でございます。つまり自己の意見を自由に発表と申しますか、自己の自由な意思に基づいて裁判をするという、公務員の中では非常に自由な職業でございます。しかしながら、たとえば弁護士と比較いたしますれば、やはりそこに公務員としてのいろいろな生活の窮屈さというものがある。そしてまた、先ほど申し上げました転任というようなことは、これは弁護士というような自由職業の方にはないわけでございます。そういうところがかなりなウエートを占めておるように見受けられるわけでございます。しかし、もとより待遇問題も相当な問題でございまして、臨時司法制度調査会でも、抜本的な給与体系を設けるべきであるけれども、それまでの間においては、現行の制度のもとにおいてできる限りの改善をはかるようにという答申になっておりまして、その答申に基づきまして、先年来初任給の引き上げその他、かなりの給与改善が実現されておるわけでございます。しかし、もとより現在の状態において、まだ十分に満足すべき状態であるとは考えていない次第でございます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 やはり司法の中心は裁判にありとするならば、裁判官というものは非常に重要な地位でなければならない。法律を守るというのは裁判官以外にないというくらいな一つの自負心を持って職場に当たらねばなるまい。それならば、もちろん窮屈な仕事に違いない。その窮屈な仕事をあえて望んでいくということは、それは容易に多くを求め得られないと思うのです。これは常識として、人間の生活の普通は、やはりレジャーもほんとうは身につけて楽しんでもいきたい、家族の団らんもできるだけ多くしたい、銀座もぶらつきたいといったような、普通の人生の楽しみということを多分に求めようというような今日の風潮でございます。その中で法律を守らなければいかぬ、窮屈な生活である、そして、いやしくもそういうような利害につながるわけにいかぬ。さっきの一般の公務員問題どころの比ではございません。裁判官が被告と一緒にめしを食うことは、絶対に不可能なわけです。そんなことも考えますと、そんな窮屈な世界へ何を好んでいかなきゃならぬのか。それはもう出家して世の中から去っていくというぐらいな人なら別ですけれども、反面にそれほどの決意が要るんじゃないだろうか。もしくは、一生懸命やるときにはそのくらいの人になっていくんじゃないか。でなければ法律は守られない。裁判官が象牙の塔の中におりまして、そして持ってきたも一のを処理していくというだけなら何でも一ありませんが、国民の立場から見ましたら、裁判は重要なことでございますよ。国民の立場から見たら、極端にいえば、裁判官以外にたよるところがないのです。終局において法によっていこうというときには、現状におきましては、裁判官以外にたよるところがないのです。私はこの間もある裁判官に会ったけれども一、あなたはどのくらいの事件を持っておるかと聞いたら、民事ですが、五百件くらい持っていましたね。地裁ですよ。五百件ですよ。五百件も一事件を持っておると、一体、われは法の番人なりなんという意識が出ますか。厳正、公平、適切な裁判をしなければならぬというような自覚のもとに事件に取り組んでいけますか。なかなかむずかしい。それならば、反面、ひっくり返したら、事務を流れ作業でぱっぱと処理していくということになるんじゃないか。単純な事務ですよ。単純な事務というときには、そんな崇高な精神も出ませんわ。きのうの朝日の夕刊でしたか、田中耕太郎さんが国際司法裁判所を九年間つとめて、八十歳になって帰ってこられた記事を読んで私は一つの感銘を覚えました。法を守るということは容易なことではない。正義と平和の世界の実現、法を守ることにあり、あの人はこういうような信念をもってやっておりましたね。そこまでいくことは容易じゃないのだけれども、それをさっと流れ作業的にやっていこうとしたときに、そんな精神的なゆとりは出ませんわ。めんどうくさかったり、連ねておいてためておいたり、一年も三年も一三年も五年もいくかもわからぬ、そういうことにもなりますね。そいつをねらって、弁護士も被告も手練手管でやるかもわからぬ、引っぱっていくかも一わからぬ。引っぱっていったほうが得だという利害関係が出るかもしれぬ。それに利用されてしまったら、裁判の権威は地に落ちる。法の威信も一司法に対する信頼もなくなってきます。立法も司法も行政も、信頼しないということでありましたら一体どうなる。そんなことをしたら日本の国をつぶしてしまいますね。そういうことを思いますので、見方によれば、最後の堡塁かもしれぬというくらいの司法の立場です。予算の問題でも、大蔵省へお頼みしますというようなへっぴり腰じゃなくて、堂々として要求するものはすべきじゃないか、こう思うのです。  同時にまた、こんなことは口幅つたいことですけれども、研修の問題でも、しばしば相当な研修をしまして、知識なり人間なりを絶えず鍛練していくべきだと思うのです。そうしなければいくまい。それならばやっぱり人が要りますよ。補助機関もやはりそうですね。補助機関にいたしましても、相も変わらず書いていますね。もっと何か方法はないかと思いますね。こんな技術進歩の時代に、あんなふうに書いていますということでは間に合わぬということを思いますので、かねて私はこういうものを能率化できませんかと言ったこともあるのですが、これも書記官の補助の方の立場もありましょう。こういう物的に能率的な設備がほしいとおっしゃっていますこと、そういうことも含むのでしょう。そんなことを思いますね。だから、何かその辺で物的に、人的に待遇に、そしてほんとうの最高の法とは何ぞや、司法とは何ぞやということに立脚しまして、どうかほんとうの意味の能率化、正しい司法のあり方に一段と骨を折って、この際やはりくふうしてほしいと思います。最高裁以外にありません。最高裁の一つのお立場だと思うのですがね。これは御希望申し上げておきます。  きょうは、私は具体的ないろいろなこともちょっとしたかったのですが、何もいたしませんので、ぜひともそういうふうに持っていって、りっぱな司法のあり方を実現してほしいと思うのですが、一言だけ言うておいてください。

寺田治郎最高裁判所事務総局総務局長

○寺田最高裁判所長官代理者 ただいま吉田委員のお話、重々ごもっともな点ばかりでありまして、私ども、従来からもさような気持ちで、裁判の仕事が最も重要なものであるという自覚を持ってやってまいったつもりでございますが、今後とも一そうその信念に基づきまして、人的、物的に充実するということに向かって邁進いたしたい、かように考えております。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 いま一点お尋ねしておきますが、さっきもだれか伺っておったが、コンピューターの利用の問題です。アメリカの弁護士の制度を聞いてみると、私、実際は知らぬのですけれども、判例の研究、引き出しなんか、一時間で出るそうですね。どこか請負会社に行くと、何年何月どこの事件というと、請負会社がさっと一時間のうちに出してくる。わが国におきましては、大きなまるで書庫に入ったような、それほどのところにたくさんの判例が並べてあって、一々引っばり出さなければならぬ。えらいことですね。何と間の抜けたことかと比較して思いますが、何とかこういうものもコンピューターを活用いたしまして、判例の引き出しなんかも手っとり早くする。これは能率をあげる一つの道であろうと思うし、また、人間の知識を合理的に使う道であるように思うのですね。いたずらに同じようなことを繰り返して、われわれは本をひっくり返さなければいかぬというようなことでは、書物だけがこんなになって実績が伴わない。これまた日本の裁判の停滞の大きな原因になるのではないかと思いますので、裁判官の負担の問題ともからんで、実績をあげるという問題にも通じます。コンピューターの活用、判例の引き出し、こういうことに積極的にひとつ具体案を持って臨まれる。そして、その人、設備等々は、しかるべく整備していかれるべきだと思うのですが、いかがですか。

寺田治郎最高裁判所事務総局総務局長

○寺田最高裁判所長官代理者 ただいまお話しの点は、アメリカのような判例法国とわが国のような法典国では若干の違いはあろうかと思いますけれども、最終的には同様な問題があろうと思います。私どもも、現在は判例体系と申しますか、そういういろいろな索引的な方法で、かなり早く判例を引き出すようなことはやっておりますけれども、しかし、将来はやはりコンピューターにのせていくことが望ましいということで、昨年度、昭和四十四年度からすでにコンピューターについての研究、調査の費用を計上いたしまして、四十五年度においてもその費用が計上されることになっておりますが、そういう方向で近い将来にお話しのようなことが実現するように持ってまいりたい、かように考えておるわけであります。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 それから警察の方に、たいへんおそくなりましたので簡単にしておきたいと思うのです。  警察庁にちょっと伺いたいのでありますが、警察庁の現在のお仕事はずいぶんと大きなものでありましょうが、そのうちの交通事故の現状と推移にかんがみまして、交通対策について、特に交通安全の根本施策としまして、これは警察だけの仕事ではございませんけれども、警察行政の見地からしました交通安全の根本対策で一番重要な問題は何だろう、この点について、ひとつざっと伺っておきたいと思います。

久保卓也警察庁交通局長

○久保政府委員 一番肝心なことは、運転者対策及び地域住民に対する交通安全の思想の普及であろうと考えます。しかしながら、こういった精神的な問題あるいは教育的な問題以外に政府としてやるべきごとは、安全施設の徹底的な普及であろうと考えます。安全施設の問題につきましては、交通信号機、道路標識、そのほか、公安委員会がやるものと別個に、道路管理者が行なう歩道でありますとか、道路の改善その他の事業がありますが、相当膨大な経費を要しようかと思います。いろいろな問題がありますけれども、基本的にはその両面がきわめて重要な問題であろうかと考えます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 交通安全につながってまいり、また犯罪捜査にもつながってまいりますが、最近コンピューターの利用が相当行なわれておるやに聞くのであります。これは、あなたのほうの業務の世界はその活用の場が最も広いのではないだろうか。指紋にしても、犯罪捜査にしても、あるいはまた、交通にしても、万博あたりにもおもしろい模型をもってその先駆的なものを示しておるようでございます。したがいまして、コンピューターの活用によりまして安全対策の一環とし、犯罪捜査にも利用していく、こういう面が相当進歩しておるのではないか。もっともこの点は、国際比較のこともございましょうし、それらのこととあわせまして、いまの性犯罪はんらんの時代でございますし、交通戦争の時代でございますので、一そうそういう方面からコンピューター活用をこの際警察庁としてさるべきではないか、こう思っておるのですが、どんな状態ですか。

久保卓也警察庁交通局長

○久保政府委員 現在警察庁にはコンピューターが四台ありますが、その大部分といいますものは運転者管理センターとして使われております。これは現在二千五百七十万人の免許者の履歴がすべてその中に入っております。つまり、いつ免許をもらい、どういう違反をやったか、性別、免許をもらった場所、その他異動のすべてがその中に含まれております・そのほかに、自動車学校を卒業しておりますれば、その学校名なども入っております。そこで、これらを通じまして、道路交通法違反者の点数制度とかみ合わせまして、その点数が、違反が何点になったかということがわかります。それに応じて各県からの照会により、各県へまたフィードバックをいたしまして、それが行政処分の対象になるかならぬか、あるいは不正な免許取得者であるかどうかということがすべてわかるようになっております。将来は、さらにこれにどういうようなデータを載せて活用していくかということを考えるべきであろうと思います。  もう一点は、運輸省がやっておりまして電電公社に委託しておりますけれども、自動車の登録ナンバーの電計化の事業が運輸省で進められておりますが、警察のほうでも、たとえばひき逃げの車あるいは盗難車の捜査その他に関係いたしまして、車のナンバー照会というものが必要であります。これは完全な番号もありますが、欠けた番号の照会もあります。これは現在は手作業でやっておりますが、欠けたナンバーの照会は手作業ではできませんので、今後はこのコンピューターを通ずることによりまして可能になろうと考えます。この電電公社がやっておりますコンピューターのセンターに警察の各県の末端を結び合わせていくという事業が、数年内に完成しようかと考えます。−なお、刑事関係では手口の一部をここで利用しております。  将来の問題といたしましては、私の所管ではありませんけれども、指紋などをこの中に取り入れていく、その他犯罪情報をコンピューターの中にどういうふうに整理をし、データとして記憶をさせていくかということが大きな課題となっております。いま全庁をあげて研究をしておるところであります。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 それから最近の異常犯罪ですね。たとえば首をちょん切って捨てたというああいう事件が起こったり、あるいは数名の殺人を平気で行なってみたり、関係した婦女を殺していくというような事件が起こったり、夫婦関係で殺人が起こったり、あるいは中学生が殺人罪を犯すというような、ちょっと日本人の道徳の標準から考えますと、こんなことがあろうか。中国の昔におきましては、罪人の背中を断ち割って鉛の熱湯を流したという残虐なこと等々のことも出ておるようでありますけれども、日本人がそういうようなことを行なうようになったのは、一体何か背景があるのじゃないだろうか。こういう異常現象は何か思い当たるものがあるのではないだろうか。犯罪ないしは治安の当局といたしまして、そういう変質について何か特別に関心を持っておられるかどうか。何かそういうことは一つの重要な課題としてお考えになるべきものでないのであろうかどうか。一種の国民心理変調の心理学的な現象かもわかりませんが、どうもわれわれから考えましても、何かふかしぎな現象というふうに考えて実は非常に驚きながら見ておるわけであります。いかがでありますか。

田村宣明警察庁刑事局捜査第一課長

○田村説明員 最近、ただいま御指摘のような異常な殺人事件、あるいは多数の人間を殺すというふうな事件が発生いたしておるけれども、それについて背景その他何か考えられることはないかという御質問でございますが、ただいま御指摘のような多数の人間を一時に殺す、あるいは連続して殺人事件をやる、あるいはまた死体をばらばらにするというような事件は、従来におきましても相当発生をいたしておるのでございます。しかしながら、ただいま御指摘のように、比較的短い期間にそういうふうなものが集中と申しますか、次々と起きてきたというような例は、わりあいに少ないようでございます。  それで、その背景というものでございますが、御存じのように、犯罪が発生してまいります原因なり背景というものはいろいろ複雑なものがございまして、私どもも、一体どういうことが原因であり、どういうことが背景であるかというようなことについていろいろ検討をいたしてみたのでございますが、なかなかこれという的確なものに考え当たることはできないような状況でございます。  しかしながら、警察としてこういうようなものに対してまず第一にやることができますことは、そういうふうな犯罪が発生いたしました場合には、すみやかにこれを検挙をする、検挙をいたしまして不安を除き、かつ、そのことによって将来のそういう事件の発生を防遏するということをやるべきであると思うのでございますが、この点、幸い、ただいま御指摘になりましたようないわゆる特異な残忍な事件につきましては、最近発生したものにつきましては、ただいま、例のなま首事件でございますが、この犯人を指名手配をして追及いたしておりますほかは、すべて犯人を検挙いたしまして解決をいたしております。それからまた、昨年の十二月来二十数件の主要殺人事件が発生いたしておりますが、これも現在捜査中のものは三件でございまして、残りはいずれも解決いたしております。  なお、この原因、背景等の究明をやることはもちろんでございますけれども、私どもとしては、まずこのような犯罪が発生いたしました場合には、すみやかにこれを検挙するということで今後とも努力をしてまいりたい、こういうふうに考えております。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 終わります。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員長 それでは、質疑通告の委員諸君からの質疑は終了いたしました。  次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後四時散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗