議院運営委員会 第4号
- 発言数
- 46 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1970/02/26
会議録
○渡海委員長 これより会議を開きます。 まず、次回の本会議の件についてでありますが、次回の本会議は、来たる三月二日月曜日午後二時から開会することといたします。 また、次回の委員会は、同日午前十一時理事会、正午から委員会を開会いたします。
○渡海委員長 次に、人事院より国会に提出されました営利企業への就職の承認に関する年次報告書に関連して、政府、並びに人事院当局に対し質疑を行ないたいと存じますが、この際、説明のため、人事院総裁から発言を求められておりますので、まずこれを許します。佐藤人事院総裁。
○佐藤(達)政府委員 お手元に謄写版刷りを二枚差し上げてございますが、たぶんその下のほうになっていると思いますけれども、「営利企業への就職の承認に関する年次報告の概要について」、これをごらんになりながら、ごく簡単に御報告をお聞き取り願いたいと思います。 人事院は、昭和四十五年、本年の二月十四日に国会及び内閣に対しまして、四十四年中に人事院の行ないました営利企業への就職の承認に関する報告書を提出いたしました。 この報告は、国家公務員法第百三条第九項による報告でありまして、その概要について要点を御説明申し上げたいと思います。 昭和四十四年中に人事院が承認いたしました件数は百七十七件、人数にいたしますと百七十四人でございます。これに対しまして、不承認になりましたものが二十件ばかりでございますが、これは報告書の表には出ておりません。なお、この人員に対応いたします年間の退職者数は約千七百人以上にのぼるわけでございます。 次に、おもな省庁の承認件数は、大体毎年顔ぶれはさまっておりますが、大蔵省が三十六件、通商産業省が三十件、建設省が二十五件、運輸省が十九件、農林省が十七件ということに相なっております。 次に、承認されました者を事務系、技術系に大別いたしますと、事務系が八十八人、技術系が八十六人となっております。ことし御報告申し上げましたものの特徴は、この技術系が非常にふえておるということでございまして、先ほど、最初に申しましたように四十四年中の承認件数は百七十七件でございまして、昨年よりも四十件くらいふえております。私ども厳格な審査をやりましたわけでありますけれども、件数はふえておるわけでございますが、ただ、そのふえた数字にちょうど相当するくらいの数字が技術系の人の増加ということになっておると見ることもできるわけでございます。 承認件数を就職先の地位別に見ますと、役員が六十八件、非役員が百九件となっております。 次に、承認されました者の退職年齢は、昨年よりはちょっと平均が上がっておりますが、五十歳未満が三十九人、五十歳台が百二十六人、六十歳以上は九人でございまして、この平均年齢は五十二・八歳ということになっております。 承認されました者のほとんど全部、これは勧奨により退職したものでございまして、後進に道を譲るためということで、心ならずも勧奨に応じてその地位を退いたという人たちがほとんど全部であるということを申し添えておきます。「参考」のところをごらんいただきますと、先ほどちょっと触れましたように、残念ながら数においてはことしは相当ふえておるということを率直に御報告いたします。ただし、人事というものは水ものでございまして、数がふえたから甘かったのだろう、きびしくやったから減ったのだろうというものではございません。この点は十分御了承の上ごらん願いたいと思います。 それからもう一枚ございますが、これは詳しく申し上げるつもりはありませんけれども、ただ、私どものやっております扱い方、これを簡単にこの際申し上げさせていただきたいと思うわけでございます。 申すまでもございません。百三条、これに基づく処置でございますが、この百三条は、要するに職員が在職中の地位、職権を乱用して特定の営利企業と私的な情実関係。いわゆるコネを結びまして、そのコネをたどって、やがてその企業に就職しようとするそういう弊害を防止いたしますために、在職中密接な関係のあった営利企業の地位への就職を禁止いたしまして、これによって在職中の職員の服務を厳正ならしめようとすることにあると思います。しかしながら、全面的にこのような就職を禁止をいたしますことは、申すまでもなく憲法第二十二条に保障しております職業選択の自由、これに対する大きな制約になりますので、法律は特に第三項を設けまして、具体的なケースごとにその審査を人事院にゆだねまして、基本的人権の尊重と公共の福祉確保の要請との両方の調整あるいは調和をはからせておると見るほかはございません。したがいまして、私どもは、この間の適正なる判断をいたすべく、一件ごとに非常に慎重に苦労しておるということになるわけでございます。 この制度の対象となるのは、営利企業と密接な関係のある国の機関におりまして、かつ営利企業の地位に就職しようとする一般職の国家公務員の退職者でございます。人事院に承認を求められる場合は、これは個人個人が申し出るのではございませんで、各省大臣、外局長官が、それぞれその者の承認について人事院あて正式の書面で申請してまいるということになっております。したがいまして、その就職につきましては、第一次的には当該所属機関の長が適当かどうかの判断を行ないまして、適当と認める者について申請の手続をとる。実際の扱いにおきましては、事前に事務当局相互の内々の打ち合わせに基づきまして、これはとてもむずかしいというようなことで撤回されたものも相当あるわけでございます。 最後に、申請を受けました人事院側といたしましては、本人の退職の事情、先ほど申しましたように勧奨退職であるかどうか、かってにやめたものではないかどうかというような意味の事情を調べます。それから大事なことは、その者が在職中に歴任いたしましたポスト、そのポストと営利企業の地位との関係に主眼を置いております。したがいまして、その役所、たとえば、大蔵省というような役所と銀行とは密接な関係がございましても、たまたまその本人の歴任いたしましたポストが銀行の監督に関係のないポストであれば、これはよろしいという場面が出てくるわけでございます。この基準は、この条文が第三回国会において審議されました際に、政府側において、こういう趣旨でまいりますということをはっきり申し上げた、その方針を踏襲しておるわけでございます。 そういうようなことでございますので、ここにカッコ書きでつけ加えておきましたが、この制度のたてまえからいたしますと、いま申しました人事院の基準からいえば、たとえば、銀行局長をやった人は、いかに本人が清廉潔白、公正に職務を行なっても銀行には入れない、そういうことになっておるわけでございます。その辺から見ますと、相当これは冷酷むざんな制度になっておるという見方もできるわけでございます。 以上、きわめて簡単でございますが、いずれまた御質疑があると思いますから、御質疑に応じてお答えを申し上げます。
○渡海委員長 次に、質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安宅君。
○安宅委員 人事院総裁、プリントと大体同じ説明をされたわけでありまして、人事院総裁の立場から言いますとそういうことになるでしょうね。これは去年と同じ説明なんですが、私は、一般的に見て——一つの例を言って悪いですが、この人がどうであったという意味ではありませんけれども、建設省から大林組——これは各省別になっていないからめんどうくさいね。各省別に出してもらわないといかぬですね。大林組に行った建設省の人がおりますよ。この人は全然関係がないといっても、一般の常識として、建設省から大林組に行ったら関係があると国民は見る。法律的な解釈では関係がないと認定をするというところに断絶がある、そこでいろいろ問題が起こるんだということ、そういうものの見方の問題になるでしょう。だから、この法律、国家公務員法第百三条のときには、野党側が、こんなことをしたら憲法違反で就職の自由を奪うことになるのじゃないかという質問が出ることになると去年言っておりましたが、そういうことも質問の中にあったでしょう。しかし、そのときに、政府の答弁いたしました基準によっていまもってやっておるのでありますと言うところに、現在、企業がマンモス化して、メーカーも一つじゃない、総合メーカーみたいなそういうものをしなければ独占段階に入ってもうけられない。みんな企業はそういうふうになっている。だから、建設省で大林組と関係のない仕事を過去五年間やったとしても、その上司が総合的に見ますと、大林組のいろいろなこともやっている場合もあるし、その個人は関係がないかもしれないが、建設省全体としては重大な関係があるわけですね。そういう基準は、敗戦直後の国家公務員法の成立のときと要件が違ってしまっているのに気づかないで、あるいは気づいておるけれども法がこうなっているから国会でも取り上げてくれないしという理屈になるかもしれないが、とにかくそのまま踏襲しているところに問題点はないのか。人事院総裁としては、この問題でどういうお気持ちになっておられるか、それを聞きたいことがまず一つ。それからもう一つは、「営利企業への就職の承認に関する年次報告の概要について」という文書の中で、「参考」として書いてある「過去五年間における承認件数および技術系承認件数」と分けてわざわざ出したのは、人事院総裁なかなか政治的な意図があって出したものと私は見ている。なぜかというと、ことしは百七十七件になったが、しかもあなた、悪いことに、残念ながらと言っている。片言隻句をとらえるわけじゃないが、当然の仕事としてやっておるのだったら、ふえたことを残念ながらと言う必要はないじゃないですか。だからどうも、さっきの質問と関連するのですが、百七十七件になったが、うち技術系が八十八件、つまり去年よりも三十四件ふえているのだから、百七十七件という総体数は技術系のふえた分によってふえたのであります、そして技術系というのは、単なる事務屋さんが嘱託だとかあるいは顧問だとか、あるいはほんとうの小づかいかせぎというのでしょうか、何もしないで新聞を読んでみたり、マドロスパイプをくわえたりしているのと違うのだ、これはほんとうに高度な技術を持っている人が技術者として買われていったのだということをまず説明したいという意図があって、こういうふうに分けたのだと私は思う。そうでなかったら、そうじゃないと言っていいんですよ。だから、そういうことならば、こういう有能な官僚の中で生活をし、民間の会社でもこれを、よしきた、引き受けようじゃないかという人を引き受けさせるために、一般的ないわゆる天下りといわれている営利企業への就職の承認について何か別な方式を考えなければならない。ほんとうに、三人くらい役人を引き受けないと今度おまえのところに入札させないぞと言わんばかりのおどかしをかけられて困っておるというような、田中幹事長の言い分じゃないが、つぶやきといったようなものが私のところにきておりますよ。だから、そういうものとは違うんだぞという、そういうことをやれる道を人事院総裁、担当者として考えたことがあるかどうか、これも聞きたい。 それから、あとでこまかいことを逐次聞いていきますが、まず第三番目としては、公社、公団、毎年問題になります。それから防衛庁の役人の営利企業への問題、これは地方公務員から洗ったらたいへんな数になるでしょう。たとえば、自治省なんかは県にみんな官庁同士で天下りしたり、天上がりさせたりしている。だから、そういうことを含めたらたいへんなことになるでしょうが、とにかく防衛庁の問題と、それから公社、公団に一般職の諸君が行く分をどうしたらいいのだろうかということについて、人事院総裁は一般職の皆さんの営利企業への就職を審査する過程で、防衛庁はそうすると歯どめがない、——あるというふうに防衛庁は言っておりますが、何か非常に一般にも、あそこは別に人事院総裁みたいながんとしたものがいないからおかしくなっているのじゃないか。公社、公団に対してはまるで同門みたいなものですね。そうすると、公社、公団に行った者はいいが、こちらのほうだけ締められるというのは法のもとに平等ではない、片手落ちだということに結果的になるという感じを人事院総裁はお持ちになったことはないか。そして、その対策は、ペニシリンみたいな即効薬がないとすれば、どんな方法が一番いいか考えたことがないのか、この辺を聞いてみたい。
○佐藤(達)政府委員 たいへん意を尽くしたお尋ねでございますが、第一点は、おそらくこの基準というものが第三回国会当時の基準であるということを申し上げたのに関連して、基準は基準として、それに対処して審査するについて、一体その当時の甘さをもって今日まで続けておるのじゃないか、裏返せばそういう御疑問をお持ちではなかったかと思います。基準は、先ほど申しましたように、第三回国会で申し上げましたとおりの基準でありますけれども、当時は、安宅委員もお触れになりましたように、むしろ国会側から、行き過ぎにならないようにしろ、運用の妙によって行き過ぎにならないようにしろというお声がありましたし、何も国会に責任を転嫁するつもりはありませんけれども、当時人事院は非常に甘い態度で出発しておったということは事実が証明すると思うのです。しかし、だんだん時勢が変わってまいりまして、それではいかぬ。ことにこの報告制度が始まって第一回の報告をしましたときには、ここで私のやられたことはたいへんなものでした。人事院総裁就任のあいさつに出たそのしょっぱなに、たいへん皆さんからおしかりを受けまして、おろおろするようなことになったのです。そういうことが身にしみて、その次からさらに締めるべきものは締めている。昨年も私は、なおこれから締めますということをここで申し上げました。そして、それ相当の締め方はやっております。したがって、基準は基準でも、実際の審査の際の心がまえとしては相当きびしくはやっているということを御了承願いたい。それにもかかわらず、ただ数がふえたということで残念ながらと言ったこと、まさにそこをつかまえられましたけれども、残念ながらということは、われわれ世間ていということをかなり考えながらやっておりますから、世間ていということは理論の問題ではないと思いますが、世間ていとして残念な形で出てきたということを正直に申し上げたわけです。 技術系の問題は、全く安宅委員のお認めのとおり、何も技術系をどうということではなくて、特に技術系をわれわれは甘くしておるわけではございません。同じ基準でやっているわけです。したがいまして、技術系といえども、たとえば嘱託になるというだけのことで今度はねられておる者もあるわけでございます。決して技術系を甘くしておるわけではございませんが、技術系が非常にふえておるということは、やはりこれを取り巻く周辺の世相というものが推定できるのじゃないか、そういう材料としてこれを書き出したわけでございます。 それからその次に、何かこういうことばかり繰り返さないで、もっと変わった方法はないかというおことばもございました。これは私ども全くごもっともで、毎年毎年ここでしかられるということはいかにも芸のない話です。もっと抜本的な何かこれにかわる方法があればということはしょっちゅう頭を悩ましているところでございます。ただ、これをいままでの行き方で、ただ締めろ締めろといって勇んで締めておりました日には、それこそ憲法違反Ilこれは公務員をやめた人ですから、自由になった人の職業選択の自由を制限することにもなるわけでありまして、ちょうどお隣の憲法二十一条には言論、出版の自由というものが保障されておりますし、そのお隣の二十二条には、居住、移転、職業選択の自由というのが厳然として保障されているわけであります。これを侵すということになれば、私ども、就任の際に、最高裁長官の前で憲法を尊重すると言って宣誓してきているわけですし、その立場から言って、憲法を侵害するわけにはまいらない。そこに非常に苦しい立場があるわけであります。そこで、ひるがえってもとに返ってみますと、第三回国会のときに、あるいはその前の国会にも出ておりますが、こういう就職制限だけやっても意味がないじゃないかという考え方が一つある。これをやったらやったで、就職できないならば、いまのうちにしこたま資金をかせいでおけやということで、在職中にふところを肥やす方法にいくのではないか、それならば元せんを締めなければ、出口のところを締めても意味がないじゃないかという声があったのです。これは速記録に出ております。そこまで考えてみますと、根本はやはり本人と、あるいは役所とその企業との癒着そのものが問題である。この癒着そのものにメスを入れなければ、幾らどこを押えても、いま言ったように在職中にふところに入れようかという話になるわけであります。私どもも、その癒着のところにメスを差し込んで、そうしてやはり職場の規律というものをもっと厳粛にするようにつとめるべきじゃないか。去年はたった一人でありましたけれども、堀田それがしという人が出てきた。ああいう人が出るようなその周囲の環境ですね。これはもう少し反省していいのじゃないかということを強く感じまして、七〇年は、今度は給与も完全実施になることは目に見えている。したがって、公務員のあり方に対する一般国民の皆さんの目もまたきびしくなるだろうということもあわせまして、公務員全体の倫理革命というものもやろうじゃないかということで、そっちのほうに、根本のほうに相当目を向けませんと、何をやっても結局抜けるものは抜けてしまうのじゃないかという気持ちを一方において抱いているということだけはここに率直に申し上げさしていただきたいと思います。 先ほど、最後に公社、公団あるいは防衛庁のお話がありましたが、これは一般職の公務員の天下りということばは人事院総裁は使いません。退職者の私企業への就職と申しまするが、私企業への就職に対して毎年世間からも御批判を受ける。国会からもおしかりを受ける。その防衛に一生懸命、大わらわでございます。よそさまのところまで考えるという余裕は全然ございません。これは率直に申し上げたほうがいいと思います。いま、たまたま安宅委員がおっしゃいました平等の原則、同じ公務員でありましても、地方公務員については全然こういう規制がないのでありますが、こっちにはある。それから公団、公社の場面、それから自衛官の問題がある。これは国会あたりの高い視野からこれをごらんになって、やはり相当の御判定をいただかなければならぬのではないかと思います。地方公務員は国家公務員に比べて信頼性が高い、信用に値するのだということならばよろしい、問題はありませんが、そういう高い視野からもごらんいただいたらどうかという気持ちがいたします。
○安宅委員 話の内容はわかりました。それで、締め方について、それぞれそのつどいろいろ変えているのだという発言ですね。これは国会の立法府の立場として非常に重要な発言ですよ。つまり、法の趣旨というものは、百三条というものができて、国家公務員法ができたそのときの会議録や、あるいは政府の方針などが承認されたものとして、それを基準にしてやっていく、これはそのとおりやっておれば、断絶ができて世相と合わないはずだ、これは感じていないかと私が言ったら、それは感じていると言う。感じているからこそどんどん締めているのだと言うのだけれども、これは逆に言うと総裁、締めたり伸ばしたりする権限は人事院総裁の職権にまかされて、立法府はただ法律をつくっただけだということになる。たとえば、一つの例を言うと、食管法という法律がございますよ。食管法で政府に米を売らなかった人はやみ取引という名前で——天下りではない、やみ取引という名前で全部警察にぶち込まれて刑を受けた。今度政府はこれを買い上げたくなくなった。食管法は厳然として同じ条文だ。それを今度は、政府に全量買い上げの義務はないのだ、こう言う。そうすると、余った米はどこへ売るかというと、農民は政府以外に売るよりほかにしょうがない。これは食管法違反にはならない。前はこれで豚箱にぶち込まれたが、今度はありがたい、あなたどこかに売ってくれというわけだ。同じ法律で、そういう法解釈ばかりではなく、実際の適用の場合にとんでもないことをいまの政府はやろうとしている。これがこの前問題になりましたね。あれはもっと問題になるべきだと思うのですが、それと同じように、あなた、同じ百三条があるのだけれども、世相によって締めたり伸ばしたりすることは、いまのところは締めろ締めろとこっちが言うから締めておるのだ、締め方がもっと足りないという言論が出るのじゃないかということを予期してあなたはそう言ったのかもしれないけれども、そうじゃない。これは非常に重大な発言です。そういうことを言うならば——国会で世相に合ったような基準できめてもらいたいというならば話はわかりますよ。それと、公社、公団の話と関連してあなたは言ったけれども、非常に重要な発言になりますから、私どもは記憶にとどめておきます。 この問題は、国会としてはやはり去年新聞記者の皆さんまで参考人として各社から出ていただいて、いろいろ有益な御意見を承ったわけですけれども、その中で一番問題になったのは何かというと、公社、公団、防衛庁ですよ。これを国会の高い視野から何とかしてくれという話ですが、その問題について決算委員会あたりでいろいろ問題になり、今度、何か公社、公団の諸君の退職金を三分の一減らしましたと、大蔵大臣はたいへんいいことをしたみたいなことを言っているけれども、退職手当を三分の一減らしてみたところで、退職手当の比率は一般の国家公務員のまだ五倍です。こういうやり方は、民間人を迎えるために、政府の役人の官庁の機構では非能率的だからという理由で公社、公団がたくさんつくられて、民間の人から有能な人材を集めるということを基本にしてほんとうはつくられたものですね。ところが、民間からはあまり入らないで、枢要な役員はほとんどみな官庁からの横すべりか、天下りか、そういう人事で占められてしまって、そこで、公社、公団に奉職して一生懸命やろうというきっすいの人が勤労意欲を全然なくしてしまっている。そうして、そういう人が三年くらいいて、何千万円かの退職手当をもらって、さっとやめていく。去年も私は言ったのですが、そういう渡り鳥をやったという有名な人がおりましたね。成田さんというのですか、食糧営団におって、それから愛知用水に行って、成田空港に行って、成田空港の総裁か何かやった。成田空港の成田で私は覚えているわけですが、こういうことをやっているのですから、そういう公社、公団の場合の法律を何とかしようということで、与党の中でも問題になった。そうしたら、いつの間にか裏からも表からも官僚のいろいろな圧力というのか、かんべんしてくださいという哀願のことか、私はよくわからないけれども、ふわっとなって終わりになってしまった。これはもう一回国会という立場で取り上げなければならぬ段階にきているような気が私はいたしますね。総裁、それはどう思うか。ほんとうにぜひつくってもらいたいとあなたは実際の担当者として思うか。これは法のもとに平等だから、よし、人事院という機構を拡大して、そこで審査をやる機関を設けてもらったらやりましょうということぐらいは引き受けてくれるのか、その辺を聞いておきたいと思うのです。 たとえばひどいのがいるのです。この人は純情な人ですからね、何も悪いことじゃないと思って、それがあたりまえなことになっているのですからたいへんだと思うのですが、建設省の何とか局長のだれだれさんのお世話によって、このたびどこそこの会社に就職することになりました。在職中はお世話になりましたけれども、今後も御指導、御鞭撻をお願いいたします。安宅常彦殿。こういうあいさつ状をよこすのだよ。これは明らかに仕事には関係がないから承認したといっても、関係がある人がお世話したのだから関係があるのだよ。それから、この間退任した人が私のところにあいさつに来て、先生、今度やめました。今度どこへ行きますかと聞いたら、どこそこの会社でございます。あなた何をやるのかね。いろいろ問題が多うございまして、このたび嘱託として参りますが、三月三十一日の決算期が終わりますと監査役ということに大体なっているようでございまして、今後ともよろしくお願いいたします。これじゃ話にならない。嘱託だから関係がないなんて書かれたって、もうすぐその嘱託というのがあとで嘱託でなくなってくる。こういうようなことをどういうふうにして防ぐかということも聞かしてもらいたい。 それからもう一つ、去年問題になったのだが、これは国会で結論は出ていなかったのですが、たとえば局長というものは、同期生が次官になると、その局長はやめるのですね。これは封建時代の殉死だよ。昔の、古代の帝王が死んだら前方後円型だかの墳墓に祭られるというので、そこのところに全部首を突っ込んで死んだとか、徳川将軍が死んだので家老から何かまで切腹したというのと同じことじゃないですか。こういうばかみたいな官僚機構の中の悪弊というものをなくす方法はないかということで、これもひとつ見識の高い人事院総裁から、何かないものかということをあわせて聞いてみたいのですが、どうですか。
○佐藤(達)政府委員 公社、公団関係で、おまえのほうで引き受けたらどうだといわんばかりのお話がございましたが、実は、一般職の公務員が公団、公社へ移ります関係は、実はわれわれがおあずかりしております私企業にコネをつくって、それをたどっていくというのとはだいぶ性格が違うわけであります。したがって、たとえば、総裁その他の上のほうは政府任命のものがございますし、あるいは政府の承認を得なければならない人事がございます。それから、中堅辺のものにつきましても、これは全部政府のコントロールのもとに人事が行なわれているのであります。自分のコネをつくって、それをたどっていくという面は、実は公団、公社に転出する場合においては、これはちょっとないと申し上げなければならない。そこでだいぶ性格が違うのではないかという気持ちがいたします。これを率直に申し上げておきます。 なお、同期生の問題でありますが、これも前々からたびたび出ておるので、私はここで、これはどういうわけかはっきりわかりませんということを申し上げたことがあるのですが、これは不合理な慣習だと感ずるのが普通の常識だと思います。ただし、後進が押せ押せで上のあくのを待っている人がおりますから、そういう人からいえば、少しでもよけいどいてもらえば上があくのでありますから、一種の新陳代謝になるかもしれませんが、その合理性はわかりませんということを率直に申し上げたほうがいいと思います。
○安宅委員 これで終わりますが、最後に、官房副長官、これは人事院総裁にだけ聞きましたけれども、あなたのほうでも耳の痛いところがたくさんあったと思うのです。去年から御提案になったことで、たった一つできたもの、去年議論になったことで少しやったなと思われるのは、退職手当を三分の一減らすことになったことだけである。それじゃだめですよ。国家公務員の給与の問題、これは高級官僚のことが話が出ているときにそんなことを言ったら、あんた頭が狂ったのじゃないかと言われるかもしれないけれども、こういうところに行くと、郵便配達屋さんとか、たくさんの人がおりますよ。そういう人は定年制がない。だからみんな役所の勧告か何かでばたんとやられるでしょう。こういう人は、営利企業などどこにも行くところはない。こういうような人々を含めて国家公務員の給与というものは非常に低いところから、人事院総裁がちょっと言ったように、在職中に何とかしておけというような、いろいろな不心得な者も出てくるのではないかというおそれもあって、それが議事録に載っているという話もありましたが、そういうことになっているのがたくさんある。下層の公務員から見たら、この横すべりとか天下りというのはふんまんやる方ないですよ。そういう意味で言うならば、あなたはそういう立場に立ってひとつものごとを考えて、その基準というものを国会で審議できるような案を、私たちもつくりますけれども、あなたもつくるということをひとつ御発言願えないかということが一つだ。第三回国会から同じという手はないからね。 それからもう一つは、退職金を含めて、国家公務員の給料がえらく安いのだよ。私はそう思いますよ。だから、何も高級官僚だけ上げておけばこういうことにならないというような理論と結びつけて言うわけじゃありませんが、政府はことしは完全実施をするつもりでしょう。それくらいははっきり言えるでしょう。前にそれらしいことを言ったはずだ。それはほんとうですか。どんなに困難があってもやりますか。福田さんが失神したりしませんな。それをあなたからひとつ発言してください。
○木村政府委員 いろいろ人事院総裁からお答えいたしましたが、ただ、毎年公務員制度の問題で根本的な問題がいろいろ問題になりますが、確かに改善のあとはあまり顕著なものはございません。たとえば、先ほどお触れになりました天下りの中で、渡り鳥だとか、あるいは長期在職だとか、その点については数字は一々あげませんが、改善のあとがあるということだけは申し上げておきます。 公務員の給与問題、これは概して低いことは世評のとおりでございます。また、政府でも何とかこれは改善したい。これは財政的な問題もございますが、この問題については安宅委員と全く同意見でございます。また、具体的に——来年度の四月以降の公務員給与、これは前々政府がはっきり表明しておりますとおり、人事院の勧告を完全に実施するということをはっきり申し上げておきます。
○渡海委員長 広沢君。
○広沢委員 この問題に関しましては、いままで決算委員会だとか内閣委員会でいろいろ問題になっているのですが、私も初めてこの問題を取り扱うので、議事録とかなんとか一応ずっと読んでみたのですが、相当議論が出てきて、長い間の問題ですから、問題点が相当浮き彫りにされてきていると思うのです。ところが、毎年毎年こういった問題で世論の相当きびしい批判を受けているわけです。ということは、本質的な問題というものが解決されないでいるということですね。そこで、人事院総裁として、全般にわたるわけにいかないけれども、当面あなたが全部の委員会でいろいろ意見も聞き、そうしてまた答弁もなさっていらっしゃるので、浮き彫りにされてきた問題点をどのように考えていられるのか、大体ポイントがしぼられてきておると思うのでありますが、その点の認識からまずひとつお答えいただきたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 私どもがおあずかりしております承認、不承認の審査という点から申し上げなければなりませんけれども、これは、骨子は、先ほど申し上げたような基準にのっとりながら進んでいくのが一番適正であろうというふうに考えます。ただし、年々世論の批判もございますし、ここは締めてよくはないか、ここはいままで抜けておったのではないか。たとえば、最近の例で申しますと、一つの会社がございまして、その会社とある省とは密接な関係がございます。ところが、その会社が全額出資して子会社みたいなものをつくりますね。実はこの子会社とは関係がないわけであります。したがいまして、この条文から申しますとフリーになるようになりますけれども、これは表裏一体の同一の会社と見ていいのではないかというところまで押し込んで審査を加えて判断をしております。 それから契約の額の問題などもございまして、これは一応何%ということを言っておりますけれども、やはりパーセンテージは低くても、総額があまり大きければ押えるべきじゃないかというような意味で、非常に小さな技術的な面ではございますけれども、それは努力を重ねてきている。しかし、それにいたしましても、これを全部だめにしようというところまでは憲法論が出てきて、われわれとしてはとてもそこまで踏み切ることはできません。 そこで、ひるがえって先ほどの話に戻るのでありますが、なぜ世論がこんなにやかましいのだろうか。この条文ができたときの第三回国会では、公務員がかわいそうじゃないか、行き過ぎにならないように気をつけろというようなお声があって、今日それが全然逆になったというのはどういうわけだろうか。これはわれわれとして謙虚に反省しなければならない。それは公務員に対する信頼感というものが下がってきた証拠じゃないかと思うわけであります。そこで、先ほどのお話のように、みんなに呼びかけて、この際ひとつ一ぺん謙虚に反省してみようじゃないか。私どもの考えるところでは、不心得者はごく一部の者ですよ。その者のために百万人近い公務員が不信用の汚名を受けている。これはほんとうに何とかしなければならないのではないかということで、目下七〇年代を迎えてその面で大きく力を入れようということで、あらゆる機会に私自身は奮闘してやってきているつもりでございます。そういう根本の面も忘れてはいけないということをつくづく感じているわけであります。
○広沢委員 そこで、いまおっしゃっておることはわかりますけれども、こういった問題については、メリットもデメリットもあると思うのです。しかし、あまりにデメリットの弊害のほうが多過ぎるということが一つの問題点ですね。それをチェックしていくことになると、先ほどお話のあったように、地方公務員なりあるいは特殊法人については何もチェックできない。ことに営利企業への就職については、人事院で三十八年にきめられて、義務づけられていますから、チェックしていくということになっておるわけですが、その点が甘いんじゃないか。この点に対しては、先ほど説明の中で、年々きびしくしていっておる。ただ先ほど説明のあった数字で、数がふえたから甘いんだという簡単な見方ではない。内容の問題で、数が多いとか少ないとかいう問題ではない。それは表面的な理由にはなるかもしれませんが、しかし、やはりデメリットが多いところにこういった問題が起こってくるわけですから、人事院のいわゆる承認を事えるところの甘さというものに問題があると思うのです。条文の中に「密接な関係」云々ということがあるけれども、じゃ「密接な関係」というものはどの辺まで考えておるのか。具体的にいえば、名前をあげたらどうかと思いますが、ちらりと報告書を読ましていただいて、一つだけ例にとりますと、たとえば何々省の何々局の局長をやっておる。ところが国の機関との関連の中では、確かに局には関連あるけれども、何々課に属しておる者がこれを取り扱っておるのだ。課というものは局が包含しておるわけでしょう。それじゃその局長が、五年間その職にあった者が、そういう関連のあるところに行くのは、どういう見方をしておるのか。こういう問題になってくるのじゃないですか。随所にある。一ページに、大蔵省関東財務局管財部、こうなっておるわけですけれども、7のところには「当該営利企業と在職した国の機関との関係」については、関東財務局理財部金融課となっておる。やはり財務局の中におれば、そういう影響というものが出てくるのではないかということが一つ見られるわけです。 もう一つは、先ほども触れられたが、大蔵省は数が多いのでずっと調べてみた。詳しくは調べておりませんが、それを見ますと、銀行局長がどこかの銀行に直接行くというようなことはないにしても、何人か人事刷新の意味で出て行かなければならない人もあるだろうし、本人が希望しておる場合もあるでしょう。しかし、勧奨退職をやっていくについては、だんだん定年が近づいてきたから、どこかに行きたいなといって、いろいろ在職中に画策しておれば問題が出てくる。局あるいは課という、それぞれの地位に立つ者について見れば、広く一般に出て行くということは考えられないから、在職中にそれとの結びつきができていくということをチェックしようということはよくわかる。ところがそうじゃなくて、人事院に承認を求めてくるのは所轄庁の長ですね。大蔵省だったら大蔵大臣ですから、そういう立場からチェックして持ってくる。表面的にはそうだけれども、そういう立場でチェックするということは、全然関係のない部あるいは局、そういったところからやはり働きかけて、そしてこちらの局あるいは部におる者を回していく。早くやめてもらうということになれば、どうしても上の者としては行き先を探してやろうということになってくるでしょう。ですから、省の中だとか局の中という大きな分野で異動していく分もやはりそういう所管の業務に携わっておる機関のほうへ網糸たぐっておりていくと、どうしてもそれがいま問題になっておる、俗に言う天下りという形に受け取られておるわけです。ですからここに出てきておる数字というものは非常に少ないけれども、全体的にはそういうものが多いんじゃないか。そうすると、受けるほうは、一般的にいえばどうしても人材がほしいんだという形で受ける場合もあるでしょう。ないとは言えない。それがあってしかるべきなんですが、そうじゃなくて、やはり省内の人事異動とか何とか、いろいろな関係でそういうふうに行かなければいけないということになると、直接関係がなくても上のほうからそちらのほうに働きかけて、おまえの行き先はきまったぞ、そっちに行ってくれという形になってくるから、さっき安宅さんから話があったような弊害も出てくる。こういうことになる。そこまでも人事院はチェックをしないだろう。密接な関係というごく小部分の局限された形についてだけ見ておるわけですから、そこにも私は問題があると思うのです。その点どうでしょう。
○佐藤(達)政府委員 いまお話のような点は、いろいろと心配いたしますと、これは法律そのものの密接な関係のあるものだけの間でやれというのはまた問題で、およそ役人をしておった者はいかぬということまであるいはつながっていくことかもしれないけれども、法律のたてまえが、最小限度コネとの関連のあるところを押えてのものであると思いますから、私どもとしてはそのたてまえでいかざるを得ませんが、ただいまメリット、デメリットというお話もございましたし、またおことばの中には、人材として民間がほしがっておるというようなことがございましたが、実はこれが一つあるのでございまして、ことに技術者として、ほんとうに日本有数の技術者というものがおるわけです。ところが、これもいまお話に出ましたように、技術者のポストというものは、これは一つの問題であると思いますが、事務官系統で占める上のほうのポストと、技術者で占めるポストというものは、ポストの割り振りからいうと、技術者のほうが非常に窮屈になっておる。そこのポストにおった人が何年かおりますと、下に後進が詰めかけておりますから、気の毒だけれども、君やめてくれぬかということが、実は技術者のほうが率直に言って多いんじゃないか。そして腕は、人によっては、私ども調べた範囲内でこの関係の技術では日本一だということをいわれる人がおります。したがって、こういう人はすぐそのほうの腕を生かせるような職場に出して働かせることが、日本の経済興隆には役立つであろうとつくづく思うことが多いのでございますが、気の毒ながらこういう人は、こういうポストにどうしても二年間はがまんしてくれと、心を鬼にしてやる場面もございます。その点を勘案いたしますと、われわれはほんとうに心は千々に乱れる場面が相当にございます。したがいまして、もっと根本を押えなければいかぬのじゃないか。たとえば、在職中に不当にコネをつけておる、蠢動しておる者は、上のほうの人がちゃんと監督して、おかしなそぶりがあればすぐ懲戒免職にすればいい、あるいは刑務所に送ってもいい。それをやらないで、一応無事につとめたという人がこれでひっかかるというのですから、——われわれ調べた範囲内の人はみんな清廉潔白にやっておる人です。にもかかわらず、ポストが悪かったということでアウトになったという場面もあることも十分御同情を願いたい。
○広沢委員 木村副長官にお尋ねしますが、こういった問題が起こるのは、私が先ほど申し上げたように、大蔵省なら大蔵省という一つの省内での異動は、やはり大蔵省所管の特殊法人だとか、あるいはそれに関係した銀行だとか証券会社とかに行くわけです。いわゆる縦割りの中だけで考えられておるところに一つの問題があるということですね。ですから、前の、参考人がいらっしゃったときの議事録を読んでみますと、別に行っちゃいかぬというわけじゃないですから、有能な人材がまた社会に貢献していくことも当然必要なことでございましょうから、そういうデメリット、いろいろな弊害が出てきておることが、ごく少数というけれども出てくれば、一つ一つ明らかにしなければ、全部がそのように見られがちになる。こういうことをはっきりさせるためにも、そういった機関をつくったらどうかという提言もあったようです。どういう考え方であるかということ、それが一点。 それからもう一つは、いま問題になっておることは、確かに営利企業への就職あっせんについての、全体の中でいえば、非常に局限されている人事院でのチェックです。先ほど話のあったように、広く全体から見ていくと、千七百人ですか、かわっていっておるわけですね。そういうような局限されたことが問題になって、論議は全部見ておりますと、ずっと広い論議になっておるわけです。こういう問題は、全体的に推しはかっていかなければ解決しないだろうと思う。ただ、密接とか密接でなかったということも確かにあります。しかし、それだけの問題では解決しない問題だろうと思うのです。そういう全体の上に立って、副長官どういう考えをお持ちですか。
○木村政府委員 先ほど人事院総裁が言われましたとおり、いまの人事院の承認制度、いろいろ欠陥がございます。在職中の服務の公正を期するという意味には役立ちます。問題はいろいろ世の中も変わりまして、行政も複雑化し、また民間のほうでも役所から人をほしがるというように、いろいろ情勢が変わってきた。そうしますと、在職中にさかのぼっての服務の公正というより、むしろ天下ったあとの役所との新しいコネというものが、そういうものの大きな目的であろうということさえ思います。そういう面から見ると、この制度がはたしていいかどうか、ひとつ根本的に検討しなければならぬと思いますが、これは同時に人事院制度の根本にも触れることでもあるし、また公務員制度全体の再検討を伴いますので、軽々には手をつけられませんけれども、そういうような考えをわれわれ持っております。 それから、いまのそういう公務員を、たとえば人事院でプールして、そこで縦割りでなしに、横割りというのですか、そういうような一種の就職あっせんをするという考えもないではありませんが、これにもメリット、デメリットがございます。何か天下りを人事院みずからあっせんするようなデメリットの問題も無視できませんので、なかなかこれも軽々には私ども考え及ばないところもあります。しかし、何らかの形で解決をしなければならないと思います。
○広沢委員 毎年毎年千人以上の人が省内の人事異動で外に出て行くわけです。ですから、そういった面では、デメリットもあるかもしれぬけれども、公平に考えて、行く機関というものをどこかに所属さしてつくっていくことが必要であろうと私は思う。そういう点で、ひとつまたいろいろ御検討願いたいと思うわけです。 それから最後に一つだけ。また次の機会があれば具体的問題について御質問申し上げたいと思うけれども、単なる営利企業だとか、特殊法人に行くだけでなく、本省から地方公共団体に行く分が相当ある。ある県にとってみれば、ほとんど重要ポストはそういう人で占められておるという問題が一つ起こっておるわけです。そういった問題。また、どれくらいかすればまた本省に帰ってくる。また行き先もはっきりしておるという形になっておるわけです。そういったところにまた大きな問題があるのじゃないか。そういったことも副長官の部類に属してくるのじゃないかと思うのですが、その点はどうですか。
○木村政府委員 地方団体への転出といいますか、これも地方へ出まして、地方の実情、地方の行政の実態を知るというメリットもございます。またその一面、それが何かある役所のなわ張りかのごとき作用をする場合もございます。これはなるべくそういうことがないようにしたいのですが、また地方団体のほうで非常にそれをほしがる場合もございます。一がいになかなか言えませんが、これは自治省において、人事院総裁が天下りについて規制されておるように、運用について厳格な基準を持ってもらいたい、こう思います。
○渡海委員長 和田君。
○和田(春)委員 承認の件数は出ておるのですが、不承認の各省別の件数をお知らせいただきたい。
○佐藤(達)政府委員 各省別は、これはごかんべん願いたいと思います。不承認の場合は、これは私ども週刊誌を見て、残念なことですが、ことしのことじゃございませんが、不承認だったのは何人おるげな、これはよっぽど悪いことをした、ただでさえ甘い人事院で不承認になったのだから、よっぽど悪いことをしたやつに違いないと見られておるわけです。そういう点もいろいろ勘案いたしまして、不承認の件数は二十件と申し上げました。正式に出しましたものでけりましたのは一件、それから向こうが撤回したのが十九件だったと思います。それはございますけれども、それ以上のことはごかんべんを願いたいと存じます。
○和田(春)委員 そうすると、申請があったもの百九十七件、うち承認が百七十七件ということですね。
○佐藤(達)政府委員 これは先ほど申しましたように、各大臣が官印をちゃんと押して、正式に申請してまいります。そこで、私どもで正式の申請であるにかかわらず、これはいけませんとやったのが一件でございます。そういうふうに、大臣が判までついて出されるということは、普通のあらゆる場合についても同様でございますけれども、事前に、事務当局が大臣の判をとる前に、落第するやつに大臣の判を押させるのも、——これは何とかいう役人の根性でございましょうけれども、事前にセーフでしょうか、アウトでしょうかとやってくる、これはとてもいけません、じゃ撤回いたしますという形できますから、正式に受け付ける前に撤回された。正式に受け付けたのは一件だけ。これはよっぽどいままでの扱いぶりを御承知なくてお出しになったのではないかというようなものでございます。
○和田(春)委員 よろしいです。
○渡海委員長 林君。
○林(百)委員 木村さん、参議院に行かれるのでしょう。——それじゃ木村さんに先に一問お聞きしたいと思います。佐藤さんには、あとで少しこまかいことを二、三聞きたいと思います。 木村さんも御承知のように、国家公務員法の第百三条の第二項では、「職員は、離職後二年間は、営利企業の地位で、その離職前五年間に在職していた人事院規則で定める国の機関と密接な関係にあるものにつくことを承諾し又はついてはならない。」、その原則があるわけです。ところが、実際われわれが検討してみますと、次に第三項で、「人事院規則の定めるところにより、所轄庁の長の申出により人事院の承認を得た場合には、これを適用しない。」とありまして、実際は国家公務員法の百三条の二項の、職についてはならない、またはつくことを承諾してはならないというのは、この三項でお墨つきみたいになって、ざる法みたいになって、全部これでのがしてしまっておるという感じがするわけですね。 たとえば、この資料を見ますと、四十三ページのある人は、建設省の近畿地方建設局の営繕部長をつとめておった。それが松尾建設株式会社というところに就職した。業務の内容は、土木建築工事請負業だ。承認の理由は、自分の就職しておる期間内に、当該会社との間に「工事契約関係があったが、当該工事額の同社の完成工事高に占める比率がきわめて低く、かつ、離職後相当期間経過している」というようなことで、工事契約関係があるものに対しては、それは全体の額からいうと少ないとか、それから四十六ページを見ますと、これも北海道開発庁の旭川開発建設部の事務長をやっておる人ですが、この人が鹿島建設に就職した承認の理由を見ますと、「同社は旭川開発建設部と工事契約関係があったが、当該工事額の同社の完成工事高に占める比率がきわめて低く、かつ、つく地位が内部的事項担当の庶務課参与である」とか、こうやって、みんな合法化しておるわけですね。それから四十八ページを見ますと、大蔵省の東京税関の輸出部長をつとめた人が、港湾運送業をやっておる国際倉庫株式会社へ就職しておる。在職中の関係は、「通関についての軽微な事項に関するものであり、」とある。関係がある場合には軽微、請負額があると、額の比率が少ない、みんなこれでのがしておるわけですね。しかもその基準は、人事院規則で定めるところによるとある。だから、せっかく国家公務員法百三条があっても、人事院規則によって、しかも人事院の非常に幅の広い行政裁定によって、みんなのがしておる。さっき佐藤総裁は、涙をのんでとか、心を鬼にしてとか、妙なセンチメンタルなことを言っておったけれども、われわれが点検したところでは、とても鬼どころか、仏も仏、いいところだと思うんですよ。 これではまずいので、人事院がよって立つ基準は、これはやはり法律で定める、国会できちっと定めて、この広範な行政裁量にまかせないというようにしなければ、——これは人事院の判断一つで、いや軽微だったとか、やれ就職した会社の地位がえらい高いところでないとか、額は、工事請負関係があったけれども、わずかなものだったとか、——わずかかどうか、それから関係が軽微であったかどうか、それから役員の地位がどうであったかということは、これは法律ではっきりきめるべきであると思いますが、この点について何か考えませんか、きょうのこの討論をいろいろ聞かれて。これは法定すべきですよ。
○木村政府委員 御承知のとおり、これは職業選択の自由と公共の福祉の調和をとろうということからきておるのでありまして、これを大きく変改することは、公務員制度そのものを改変することを意味することで、軽率にお答え申し上げられませんが、ただ人事院規則の定める内容、いわゆる密接という基準、その内容を法律できめるということについては、政府としては別に異存はございませんけれども、これは立法機関において、大きな観点からおきめ願えればいいと思います。
○渡海委員長 林君、簡潔に願います。
○林(百)委員 これは職業選択の自由といいますが、御承知のとおり、何十万もある国家公務員の中のわずか百七十七人に関することなんですからね。これは、そのことのためにこれを法律で厳格にきめたからといって、決してこれが職業選択の自由をそこなうものでもないし、また、この立法の趣旨が、営利企業と国家の公正な権限の行使とが癒着してしまったり、なれ合いになったりすることを防ぐというような非常に重要な半面があるわけですからね、これは決して職業の選択の自由を阻害するというような大げさなことではない。ほんとうに高級官僚のわずか百数十名のことなんですからね。これはやはり厳正な国家権限の行使を国民に示し、国民にその信頼を得るためには、やはり高級官僚がそういう天下りについて、だれが見たって、建設省の役人が土建会社に行く、大蔵省の役人が金融企業へ行く、それから農林省関係が食糧会社へ行く。みんなそうでしょう、それはだれが見たって人事院のお墨つきをいただいて入って行くということであって、これを人事院がチェックしておるというふうには全然感じないわけですね。そういう意味で、ひとつ政府も積極的に基準を法律できめる、最終的に国会が監視できるようにするということを私は望みたいのだが、政府もやはり考えていただきたい。もう一度御返事をいただいて、それでけっこうです。
○木村政府委員 十分検討いたします。
○林(百)委員 それでは総裁に、あと時間ですから一、二点お聞きします。 いただいた資料で見ますと、百七十七件ですね、あなたのほうで承認を与えたのは。——それで院議ではずしたのは何件あるのですか、院議があってはずしたのは。院議がなくてもはずしたのは一件ですか。
○佐藤(達)政府委員 先ほど申しましたように、一件は大臣の判のすわったものが正式に出されて、それをはずした。これはもちろん院議にかけた上です。それから事前に撤回したものが十九件あると申しました。これもやはり基本的人権に関する重大事項でございますから、事務当局が、窓口だけで、ただ、いけませんよというような軽々しい扱いはしておりません。やはり非公式ではございますけれども、院議でわれわれが見て、これはやはりいかぬわいということで、手続だけは慎重な手続でやっております。
○林(百)委員 そうすると、大部分に対して承認を与えた、圧倒的多数に対しては承認を与えた、こういうことになるわけですね、数の比率からいえば。
○佐藤(達)政府委員 形は、「しり抜け」という新聞の見出しがございましたが、「しり抜け」の形になるわけです……。
○林(百)委員 あなたもお認めになる。
○佐藤(達)政府委員 いや、新聞にありましたから、「しり抜け」と見られる形になっておる。しかし、実質はそうではございませんよということを懇々と申し上げておるのです。
○林(百)委員 そうすると、この中にある、たとえば建設省のある重要なポストを占めていた局長、部長級が、建設会社におりてきた。ところが、在職中契約関係を結んでいた。しかし、この契約関係は額が少ないからいいじゃないか。額が多い少ないというのは、何を基準にして、どうきめるのですか。何かあなたのほうでは、その会社の一年の全体の契約額とその額と比べれば少ないと言うけれども、しかしそれは、その人が具体的に扱った契約関係はそうであっても、建設省の、たとえば近畿地方建設局というようなところにおれば、そこにある建設会社と常時密接な関係があったということは、だれが考えたって考えられることではないですか。それがたまたまその人が扱った契約の金額が、総金額からいって少ないからおまえはいいんだということになれば、ほとんどはずすものはなくなってしまうじゃないですか。そう思いませんか。
○佐藤(達)政府委員 それが、だいぶけられておるのがあるということでございますから、はずすものも相当ございます。ただし、その基準が甘いとか辛いとかいう御批判はありますけれども、私どもが扱っております請負関係で申しますと、その事業会社の過去五年間の実績で、その本人のかかわり合ったものが一%をこしたらだめ、それだけじゃなくて、今度一年度分の関係が五%をこえたらだめ、それだけでも足りないということで、さっき申しましたように額のほうで押えるべきではないかということで、着々押え込んでいっておるわけです。しかし、これはやはり極端な例を申しますと、三越に品物を注文する。あるいは印刷屋に役所のものを注文する。普通に外注ということはしょっちゅうやっておりますから、それを全部やった日には、行き先は全然なくなってしまう。したがって、そこに合理的な、これはだめだという一線を引かなければならない。とにかく人権問題は、よほどはっきりそういうことをきめておきませんと、これは憲法二十二条をごらんになればわかりますように、居住、移転、職業選択の自由がございます。居住、移転のの自由、これはおかしいからといって、昔の予防拘禁、予防検束みたいなことをやられたのでは、どえらいことです。この職業選択の自由でも、先ほど申しましたように、全然罪とがもない清廉潔白な者でさえそこにひっかかるという例になりますから、この例を生かしていったら、予防拘禁でも予防検束でもみんなできるようになる。これは基本的な人権の面からいっても、ふんばるべきところはふんばる壁がなければならない。憲法の保障する人権は、じゅうりんされてだめになる。私、興奮して申しますけれども、これは林先生が弁護士だから申し上げるわけです。
○林(百)委員 私、さっき言ったように全公務員のうちわずか二百人足らずの人たちのことです。しかも、その人たちは非常に高級官僚で、退職金一千万円近くもらい、それから年金は何万というものをもらう人ですよ。その人たちが、もっと大事な国家の権限を公正に行使しておるかどうか、国民の信頼をつなぎとめるために公務員法の百三条に該当するかどうか。それも二年間という制限があるのだ。あなたオーバーに、まるで私の言うことが職業選択の自由を奪っちゃって、公務員を牢屋にでもぶち込むようなことを言っておるが、自分でも興奮しておると言いますから言いますけれども、こっちが興奮したくなりますよ。公団や公社なんかを三年ごとにぐるぐる回って、そのたびに一千万円近い退職金をもらっておる。そんなことが、職業の選択の自由という名で許されますか。それはあなた、もっと厳格に考えなければならない。 たとえば、もう一つ総裁にお聞きしますが、あなたがそういう考えを持っておるから、百三条の禁止規定が人事院の承認で全くざるみたいになってしまっておるのです。それをあなたがいかにもにしきの御旗みたいに、職業選択の自由があるからと言っておる。もっと厳格にやらなければならない。だから、われわれは人事院にまかせるわけにはいかないという気がする。たとえば、四十九ページを見ますと、大蔵省の神戸の税関の輸入部長をしていた人が、三菱商事におりた。そうして大阪支社の嘱託になって、市場調査をいろいろやっておる。在職中は、貨物の輸出入等についてこの会社と関係があった。しかし、これは軽微な事項に関することである。軽微かどうかということは、どういう基準があるのですか。ほとんど在職中に関係があったけれども、関係のあるのはみんな軽微、契約があったのはみんな総額から比べると少額ということで許しておるのですが、軽微であるかどうかという基準は何できまるのですか。だれが考えても、税関の輸入部長をやった人が三菱商事におりて、依然として輸出関係、輸入関係のことをやっておるということになれば、これはおかしい、やはり前にやっておった職務と、今度おりてきた会社の職務との間に何らかの関係があるんじゃないかと疑うのはあたりまえでしょう。国民にその疑いを持たせないようにするのが、国家公務員法の百三条ですよ。ところがあなたは、これはみんな関係はあったけれども軽微な事項だというようなことで、みんな許しておる。軽微であったかどうかという基準は、一体どういう基準があるのですか。
○佐藤(達)政府委員 これは申し上げておきませんと、いかにもルーズなことをやっておるように誤解されますので、私どもの立場だけは申し上げておきますけれども、この取り締まり関係を、あるいは監督関係を見ますと、いわゆる事業法というのがございまして、あらゆる設立から操業に至るまで許可、認可で押えておるものもありますし、それからいま例におあげになりました税関というのは、税関を通れば、交通巡査が手を振って自動車を整理するのと似たような面が、理屈になりますけれどもございます。したがいまして、たまたま交通巡査の通した自動車がある会社があって、その会社におまわりさんが行くということもいけないのかというような、極端な例を申し上げて恐縮でございますけれども、そういうつながりがございまして、許可、認可というような密接というか、強い監督関係のものと、税関として通したという関係とは、私はそこに軽重の差を認めております。 それからもう一つは、行き先が取締役になるとか、社長になるとかいう問題、それから顧問、嘱託その他いろいろ役員でないものがございます。この関係は、私どもとしては関係が軽微であって、かつ、行き先が責任の軽い顧問、嘱託等内部事務等に専念するものであれば、これは二つの尺度からいって、両方合わせてみて、いいことにしよう。これは申すまでもございませんけれども、昭和二十二年の百三条の最初の出発は、代表する役員だけいけない、しかし、それについても人事院で承認すれば代表役員でもよろしいという制度になっておった。それを非常に強めて、したがいまして、私は顧問でも嘱託でもみんなひっかけたのですよ。先ほど申し上げたように、嘱託でひっかけたものもあるということを御了承いただきたいと思います。
○林(百)委員 あなた、いまここで問題になったのは、ある税務署の署長が、酒造会社の取締役になっておる。そういう少なくとも高級官僚と言われる人たちですよ。だれが考えたって、ある税務署の署長が酒造会社に行けば、酒税についての交渉かなんかあるのだろうと考える。そのほうが常識です。林さんがそういうことを言うと、交通巡査が手を振ったバス会社におりていいか、あなた、それじゃ議論がかみ合ってきませんよ。そんなむちゃなことを言ったら、われわれの国会審議を理解していないことになる。 私は、あなたとこれ以上この問題についてやりませんが、ただ一つ、さっき言ったように、やはり国会が徹底的にこの問題については監視権を持つという意味で、人事院のこの基準、規則を国会が法律できめる、そうして国会がこれに対して最終的な監督と監視の責任を持つ、そういうように制度を改めることについて、あなた、どう考えますか。あるいは国会の中に特別委員会を設けて、国会がこれに対して責任を持つ。これについて、どうあなたお考えを持ちますか。
○佐藤(達)政府委員 人事院は不信用だからとおっしゃるのでなければ、私は一つの行き方だ、これは国会でおきめになることでございますから、これはけっこうでございます。唯一の立法機関としておきめになることですから。ただ、人事院は信用ならぬからということは、あまり言わぬようにしていただきたい。それだけでございます。
○安宅委員 これはさっき——林さんの言い方は正しいのですよ。総裁、人事院総裁としては、あなたそう言うでしょうね、ということを前提にして申し上げたのですが、さっき食管法を例として、そのときの事情によって、権力を行使する側が、法律の適用をゆるめたり締めたりする。こっちが締めろ締めろと国会あたりが言うから、締め方にもこういうことがあるというような言いわけを盛んにしますけれども、それは正しくないことじゃないか。だから、国会できめる。官房副長官に法律を出す意思はあるかと聞かなかったのは、議員立法でやるからです。そうしたら大所高所からやられるのはいいだろうとあなた言われたから何も言わなかったのですが、人事院総裁の立場で言う場合は、そういう答弁もあり得る。ただし、あなたの答弁は極端過ぎる。食管勘定からいって、食糧が余ったときには、これはどこへ売ってもいい、足りないときは政府に売らないと手錠をかけられるというばかな法治国家が世の中にあるかということと同じように、役人が今度うんと月給が高くなって、民間会社にいい年になって、六十近くもなって、もう一回御奉公するなんてばからしいじゃないかという世の中になったときには、今度はこんな基準なんというのは逆になって、どうぞ行ってくださいというようなことにならないとも限らないですよ。だから、あなたがこういうように締めています、締めていますと言っても、実は官僚がかってに、もっときついことばで言えば、伸び縮みさせることができるという制度は、これはやはり信用があるないにかかわらず、国会が基準というものをもっと確かなものをつくる必要があるということを痛感したから申し上げたのです。この点はいいでしょうね。 もう一つあなたに聞いておきたいのだけれども、こういう心情はございませんか。たとえば国会職員、それから裁判所の職員、それからあなたの率いておる人事院、ほとんど営利企業に行くところはないな。ないですよ。事務総長もここにおられるけれども、営利会社どころの騒ぎじゃない。どこにも行くところがなくてばらばらしておる人がたくさんある。しかも、国会職員は各省との人事交流もない。これはたいへんなことだと思いますよ。そういうことについて、有能な技術を持っておる人が何かやりたいんだが、こういう法律があるからひっかかって気の毒だという表現をあなたはされております。だから、そういうことについて、何かあなたの抱負みたいなものがあったら最後に聞かしてもらいたい。 もう一つは、公社、公団というけれども、日本専売公社、日本電電公社、日本国有鉄道、これだけが公社がついていないのはおかしいんだが、この公社というのは官庁と同じなんじゃないですか、人事構成は。どうですか、民間から入ったりなんかしませんよ。全部元の運輸省の役人が公社にいる。ただ看板を塗り変えただけ。こういうのは私から言わせると公社というものではない。道路公団なんかあっちこっちから人を集めるからいいけれども、そういう三公社というようなものはどういう性格のものか。そういうものが人事院の権限の中に入っていないことについて、営利企業に天下りするときに矛盾を感じませんか。それだけ聞いておきたい。なぜ聞くかというと、あなたをいじめるためではない。これは議員立法でも何でも、基準というものを出さなければならないなという決意を固めたから、参考のために聞いておきたい。
○佐藤(達)政府委員 たびたびお誘いを受けますけれども、よその関係のことは、ちょっとわれわれとして責任ある意見は申し上げかねます。ほんとうに一般職の公務員だけを一生懸命になって、悪戦苦闘してやっておるということで御了解願いたいと思います。
○渡海委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後一時二十一分散会