外務委員会 第14号
- 発言数
- 310 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1970/05/07
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 窒息性ガス、毒性ガス又はこれらに類するガス及び細菌学的手段の戦争における使用の禁止に関する議定書の締結について承認を求めるの件を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。楢崎弥之助君。
○楢崎委員 昨日この議定書の日本語訳について関連質問をやったわけです。この議定書の中に「アザー・ガセス・アンド・オブ・オール・アナロガス」となっていますね。このアナロガスというのはどういう意味ですか。
○西堀政府委員 これに類似するあるいは同じような性格を有している、こういった意味でございます。
○楢崎委員 だからここにも類似するということばが出てきておるのに、なぜその前のアザーをこれらに類すると訳さなければならないんでしょうか。
○西堀政府委員 昨日戸叶先生の御質問それから楢崎先生の御質問にもお答え申し上げましたとおり、アザーにつきましては、いままでの経緯がありましてこれを直したということでございます。 それからアナロガスのほうは、ガスと申しますか気体でございますけれども、そのほかの液体、固体その他のものも含めるという意味で、この場合にアナロガスという字が使われているわけでございます。
○楢崎委員 それだけの理由でアザーはどうして「これらに類する」という訳になるのでしょうか。あなた方はフランス語のほうを今度は訳したという意味ですか。
○西堀政府委員 アザーにつきましてはきのうもたびたび申し上げましたとおり、英文では確かにアザー・ガセスでありますが、フランス語ではガス・シミレールとなっております。それから戦前の条約におきましても両方の使い方をやっておりますが、アザーということばにつきましてはこれを法律辞典で調べたのでございますが、これは昨日も申し上げましたとおり、特殊なものを掲げたあとにアザーという字がきましたときには、その前に掲げた特殊なものに類似するという意味、アザー・サッチライクという意味なのでありまして、そのほうがベターであるということで今回直したわけでございます。 それからアナロガスのほうにつきましては、ただいま申しましたように「これらと類似のすべての液体、物質又は考案」、こういった意味でこれと類似するというふうに書いたわけでございまして、昨日先生がおっしゃいましたように、何かわれわれに作意があってアザーを「これらに類する」というふうに訳したというようなことは毛頭ございませんので、繰り返して申し上げます。
○楢崎委員 本問題で、過去の軍縮委員会等で大論争になったことがあると思いますが、どうですか。
○西堀政府委員 軍縮委員会でそういう点が問題になったことはあるようでございます。特に英国が、生物兵器に関するところの開発、製造、それから貯蔵に関する提案をいたしました際に、このジュネーブ議定書におきまして、英語がアザー・ガセス、フランス語がガス・シミレールとなっている。こういった点も今後新たなものをつくるときには、きちっとしようではないかというようなことは議論になったようでありますが、大論争といわれるようなことはなかったわけでございます。
○楢崎委員 まさに大論争ですよ。 それでは「その他」と訳したのは間違いだったのですか。
○西堀政府委員 当時、たとえば例をあげさせていただきますと、ドイツとの平和条約、これにも同じような字が出ております。同じく英語では、アザー・ガセス、それからフランス語ではガス・シミレールでございますが、ドイツとの平和条約のわが日本文におきましては「其ノ他ノ瓦斯」と訳し、それから全く同じことばが使われておりまして、ガス・シミレールということばが使われておりますところのオーストリア、ハンガリー、それからブルガリアとの平和条約、このいずれにも日本は批准いたしておりますけれども、この日本文におきましては、これに類する、こういうように訳しておりまして、われわれといたしましては、今回英文、仏文両方をチェックいたしまして、しかもいま申し上げました英語に関するところの法律辞書、これを調べました結果、仏文の訳に従ったほうが英文の解釈としても法律用語としてはより正確である、こういう結論に達しましたので、訂正させたわけでございます。
○楢崎委員 いただいておりますその参考資料、この中の、いまもちょっと触れられましたが、ベルサイユ対独平和条約、これは調印、批准もやり、公布されておるのですね。それからワシントンの五カ国条約、これは調印、批准の国内手続も、発効はしていないが、完了している。どちらもその他になっておりますね、その他のガス。これはたしか旧憲法の時代です。これは天皇の大権事項です。そしてこういう訳で批准を求めておって、これは不正確ですか。過去四十年以上もこの訳を使い、そして国会の答弁においてもやはり「その他のガス」と言い、いままでのあらゆる新聞を見ても、この議定書の訳は、「その他のガス」になっていますよ。外務省発行の条約文集でも「その他のガス」になっている。それをいまごろになって、不正確であるから今度変えますで通りますか。そんな簡単な理由で通りますか。正確を期したなんていうそういう簡単なことで、突然こういう文句で出してこられる。納得できませんよ、これは。これはまさに公権的な日本語訳だと思うのですよ。「その他のガス」という訳はそう簡単に変えられるものではありませんよ。
○西堀政府委員 また繰り返しになりますけれども、先ほども申しましたように、ベルサイユ条約の対独平和条約、これにおきましては、仰せのとおり「窒息性、毒性、其ノ他ノ瓦斯」となっております。しかし同じように日本で調印をいたしまして、枢密院の御審議を経て批准いたしましたところの、そのとき同時にやったのでございますけれども、オーストリア、ハンガリー、ブルガリア、これのベルサイユのそれぞれの平和条約におきましては、これに類する、こうやったのでございまして、これはたまたまそのときにドイツとの平和条約をチェックしたものが英語系統のものであった、それからほかのほうのオーストリア、ハンガリー、ブルガリアのチェックいたしましたものが仏文系統であったということであろうかと存じますけれども、その点日本文においてこのような差異が生じましたことは確かに思わしいことではございませんけれども、この仏文によったところの日本文におきましては、それに類するガス、こういうことになっておるのでございまして、両方とも日本が批准をいたしたその条約においてこの両方が使われている。望ましいことではございませんけれども、これが事実でございます。
○楢崎委員 それじゃどちらが正しいのですか。
○西堀政府委員 それはたびたび申し上げておりますとおり、われわれ今回のこのジュネーブ議定書を訳するにあたりまして、英文と仏文両方チェックし、しかも英文の法律辞典を調べました結果、その両方の日本文を比較いたしまして、「これに類する」と訳したほうが、英文においてもその意味するところはそうである、仏文は申すに及ばず、ということで、日本文は過去においては両方ありましたのですけれども、それのいいほうをとった、こういうことでございます。
○楢崎委員 そうすると、ベルサイユ条約あるいはワシントン条約は不正確なまま批准されておるということになるのですか。
○西堀政府委員 英文におきましてはアザーといって、それを「その他の」と訳したわけでございますけれども、これは両方ともいわば正確であったわけでございまして、今回もたとえばわれわれがあえてこれを「その他」と訳しましても、要するに意味するところは全くそれに類するということは、これは繰り返し申し上げているとおりでございますが、両方とも正確なものであったとわれわれは考えております。
○楢崎委員 しかし、このアザーとシミレールとの違いを指摘して一九三一年の軍縮準備委員会では論争になっているじゃないですか。そんなにどちらでもいいというような、しかしややこちらのほうがいい、意味するところは同じだ、そういう簡単なものじゃないでしょう。後ほどこの差異を私は問題にしたいと思いますけれども、そういう簡単なものじゃないじゃないですか。どちらかが正確なら正確、いままでのやつは不正確なら不正確、はっきりしなさいよ、あなた。そんな簡単な理由でこういう重要な議定書のこの表題を変えてもらっては困りますよ。これは問題ですよ。こういうことでは審議できませんよ、あなた。これは内容的に重要な差異があるのですよ。どちらでもいいんですか。しかし意味は同じとおっしゃるのですか。
○西堀政府委員 私が了解しております限りに、おきましては、一九三〇年の国際連盟の軍縮委員会の準備委員会におきまして確かにこの点は問題になったのでございますけれども、それはアザー・ガセス、それからガス・シミレールということばについて問題になったのではなしに、ここに禁止の対象とするガスの内容、サブスタンス、それについてのそれぞれの差があったために問題になったのでございまして、これの語句について問題になったということは私存じておりませんです。またそういったことが論争になるというようなことは私も予想できないことであると存じます。
○楢崎委員 そうじゃないのです。一九三一年の国連の軍縮準備委員会では、それまではベルサイユ条約の百七十一条あるいはワシントン五カ国条約の第五条ですか、フランス語と英語と並べて書いてある。そしてアザーのほうをとっておる。ところがこの軍縮の準備委員会に出された条約の草案の第三十九条で、このときにアザーでなしにシミラー・ガスという名前が出てきたから問題にされたのでしょう。イギリスの代表が問題にしたのでしょう。そうなんですよ。何を言っているのですか、あなたは。そんな簡単な問題じゃないです。 委員長、こういうことじゃ審議できませんですよ、こういうでたらめな提出のしかたじゃ。どうなんですか。どちらが正しいのですか。内容は同じなんですか。冗談じゃないですよあなた、こういう外交文書を。現に三一年の軍縮準備委員会で問題になったじゃないですか。
○西堀政府委員 どうも先生の御納得いくような御説明ができないので残念なんでございますけれども、繰り返しますように、ベルサイユ平和条約の中で対独のものにつきましては「其ノ他」と訳し、ブルガリア、ハンガリー、それからオーストリアにつきましては「類似ノ」と訳しているわけでございまして、これは単にことばの問題だと私は存じておりましたので、そのよりよきほうをとったということでございまして、サブスタンスにつきましては、われわれの御説明申し上げておりますとおり「これらに類する」であれ、「その他」であれ、いずれの場合におきましてもそのサブスタンスにおきましては間違いがない。したがいまして、ことばとして不正確ではないかと申されますと、これは過去のブルガリア、オーストリア、ハンガリーの条約にもございますとおり、これも正確なものとして御批准願ったわけでございます。したがいまして、ことばとしては両方とも正確であった。しかしサブスタンスを考えれば、ことばとしては「これらに類する」といったほうがベターであるということで、今回これを採用さしていただいた、これだけのことでございます。
○楢崎委員 だから「その他」という訳はベターじゃないのですかと聞いているのです。じゃ、ベターでないものをどうして批准したのですか。ベルサイユ条約なりワシントン条約、これは何べんも言うようですが、当時は旧憲法だから天皇の名において批准したのでしょう。そういうベターでないものをどうしてこういう名前で批准したのですか。問題じゃないですか。そんな簡単に言い切れるものですか、ベターとかベターでないとか。 あわせて、なぜ一九三一年の軍縮準備委員会でサブスタンスが問題になったか。その発端は何であったか説明してください。
○西堀政府委員 一九三一年の国際連盟の軍縮準備委員会におきまして、議論があったことは確かでございますが、それの発端と申しますと、これは先ほど申しましたとおりサブスタンスの問題、すなわち当時催涙ガスをこの中に含めようではないかという提案がありまして、その点につきましては、先生よく御存じのとおり、合意ができなかった、こういうことでございます。したがいまして、発端というのは、英国が最初提案いたしましたところの催涙ガスを含めようじゃないか、これが発端でございます。
○楢崎委員 違いますよ。発端は先ほど私が言ったように、このときの条約案の三十九条で、アザー・ガスとしないでシミラー・ガスと出てきたから問題になったのです。だからイギリスの代表が問題にしたのです。それからサブスタンスの内容に入っていったのです。そうなんです。そんな簡単な問題じゃないのですよ。
○西堀政府委員 一九三一年の準備委員会においては確かにそこらから議論が始まったようでございますけれども、イギリスが催涙ガスを含めようではないかという提案をいたしましたのは、正確には一年前の一九三〇年の国際連盟の軍縮委員会準備委員会においてでありまして、それが発端なんでございます。それ以後また引き続き三一年の準備委員会においてもそういう議論がなされて、そのときには、たまたまいま先生が仰せられましたように、あるいはことばのほうから先に議論が蒸し返されたということがあったのかも存じません。私は三一年のは資料を持っておりませんので、その点さらに調査をいたしたいと存じます。
○楢崎委員 これは重大なところですから、調査なんて言われても、私は窓口で問題にしておるのですから。さっき申し上げたとおりベルサイユ条約なりワシントン条約は、いままでの御答弁でいくと、ベターでない邦語訳で批准されたことになるのですね。
○西堀政府委員 先ほども申し上げましたとおり、同じ原文によって二つの邦訳があったということは確かに望ましいことでもなし、思わしくないのでございますけれども、これは事実でございまして、われわれとしては両方とも御批准を仰いだ条約でございますから両方とも正確である、こう認識せざるを得ないわけでございます。
○楢崎委員 おかしなことを言われますね。両方とも正確であると言わざるを得ない。また違うじゃないですか。さっきはよりベターであるとかなんとかおっしゃったじゃないですか。私は確かに内容と関連があるから、これほど問題にしているのです。国際会議でも問題になっているからいま当委員会で問題にしているのです。そういうでたらめな出し方をされては困る。答弁が前後で違ってくる。——そうじゃないか、なぜ首を振るのですか。最初あなたはベターだからと言って今度はどちらも正しいと言う、どちらなんですか。
○西堀政府委員 私は最初から片方が正確であり不正確であるということは一回も申しておりません。両方とも正確であるということを初めから申しております。ただサブスタンスにつきまして、そのサブスタンスを表現する上においてその二つの正確なものをながめてどちらがよい、どちらが悪い、こうなりましたときに、サブスタンスに合致するほうがベターである、その点は楢崎先生も御否定にはならなかろうと存じます。
○楢崎委員 いや違うのです。私が否定しないなんて専断してもらっては困ります。「その他」ということになると違うのです。どうして違うのか。それじゃこの問題は一応おきまして先に進みますけれども、一応「その他」という場合に、日本語としては全然別個のガスを意味していることではない、それは私も理解します。しかし窒息性ガス、毒性ガスというときに、あなた方の御答弁によると、昨日も資料の要求がありましたけれども、その毒性の程度が非常に微妙になってくるわけですね。そうすると「これらに類する」という場合と、「その他」と訳する場合には違ってくるんです。これは国際法関係の大学の教授からもたくさん私のところへ電話がかかってきているところなんです、「これら」というふうに変わってきたこの訳のしかたについて。そう簡単な問題じゃないんですよ。今回改めたなんという問題じゃないのです。きのう要求されました資料、できたんですか。
○西堀政府委員 御提出しました。
○楢崎委員 いまの点はちょっと保留をしておきます。そうしてその関連がありますから中身に入ってまいりたいと思いますが、議定書を調印をして当時批准をしなかったその理由を、私は、一昨年でございましたか、昨年になりましたか、どちらも質問したと思いますけれども、愛知外務大臣は資料がなくなってよくわからないけれども、たぶん一八九九年のヘーグの宣言に加入しておるからおそらくそれで十分と考えたゆえに批准をやらなかったんではなかろうかという答弁を私にされたわけです。そのとおりでしょうか。間違いはございませんか。
○愛知国務大臣 私も正確な日時をいま記憶いたしておりませんけれども、そういう趣旨の御説明をしたことは事実でございます。これは古いことですが、当時ずいぶん一生懸命調べてみたわけでございますが、昨日も申し上げましたように、これといって、しかとこういう理由であったといってあらためて御説明申し上げるほどの確信があるものはついに見当たらなかったわけでございまして、一八九九年云々と申しましたのは、私の想像を加えて御説明をいたしたわけでございます。
○楢崎委員 私はむしろ当時ジュネーブの議定書を本気で順守する気持ちが政府になかったから批准しなかったんではなかろうかと思います。そういうことはございませんか。——有名な広島の大久野島に毒ガスの製造所ができたわけですが、これはいつですか。
○西堀政府委員 ただいまの先生のはおそらくこれであろうと思います。広島県竹原市忠海町の大久野島に陸軍造兵廠の忠海製造所として昭和三年に毒ガス工場が創設されたとございます。
○楢崎委員 昭和三年というと一九二八年ですか。そうするとこの議定書に署名された三年後ということになりますか。この事実は一体何を物語るんでしょう。議定書に署名はしておって、そうして三年後には大久野島に毒ガス製造工場をつくる。これはどういうことなんでしょうか。まじめに議定書に署名してそれを守ろうという気があったのかなかったのか。——あなた笑いごとじゃないですよ。たいへん疑問のあるところです。外務大臣、こういう事実をどう思いますか。
○愛知国務大臣 その点は昨年も率直にお答えしたように、公に御説明できるような当時の状況というものはしかとしたものがなかった。これはもう率直にその辺申し上げたわけでございます。いろいろ伝聞とかそのほかを入れて、想像をまじえて申し上げれば、いろいろのことが言えたかもしれませんけれども、やはり公のしかとした責任を持っての御説明はどうしてもできるだけの資料が得られなかった。今日もさようでございます。
○楢崎委員 そうして今度は一九三一年には有名な石井部隊がハルビンの平房につくられた。問題は、私が言いたいのは、こういう国際法を署名して、そうしてそれはそれとしてこっそりこういうことをやる政府の態度を問題にしたいのですよ。その思想がいまも続いておるのじゃないですか。防衛庁、来ておられますか。一九六〇年につくられた——これはタイプ印刷でございますけれども、「特殊武器衛生」という教範的なものが印刷されている。ありますか。
○島田(豊)政府委員 御指摘の「特殊武器衛生」という名の教範類がありますかどうか、ちょっと私いま存じませんので、さっそく調査いたします。
○楢崎委員 これはすぐ調べていただきたいと思うのです。どういうことが書いてあるかというと、「過去の経験によれば各種条約は無価値であったこと」——この各種条約というのは国際法のことですね。「無価値であったこと、現在の国際情勢等にかんがみ、将来、戦いにおける特殊兵器の役割りはあらためて述べるまでもなく」と書いてある。特殊兵器というのはもちろんBC兵器のことであります。一九六〇年であります。だから、こういう議定書を批准はするが過去の経験によれば無価値だ。そういう思想が許されましょうか、どうでしょうか。
○島田(豊)政府委員 申し上げるまでもなく、条約につきましては十分その精神を尊重し、また条約の規定を順守していくべきものと考えております。
○楢崎委員 もしそうであれば、これが事実であれば、この防衛庁文書は廃棄されますか。
○島田(豊)政府委員 よく調査いたしまして、その中に不適当なことばがあれば、それは訂正いたすにやぶさかでございません。
○楢崎委員 不適当なことばがあれば削除します——削除してもらわなければいけませんが、こういう思想というものを私は問題にしておるのです。だから、こういう思想があるから防衛庁はCB作戦をやっているのです。 そこで外務大臣にお尋ねしますが、もしこの議定書が批准になれば、日本の防衛庁がCB作戦あるいはCB戦用の防護用具、防護器材、防護用医療品等研究開発を続けていいとお考えでございますか。
○愛知国務大臣 これは昨日もいろいろこまかく御質疑のあった点に関連すると思いますけれども、この条約によって禁止されるものというものは、具体的に各国の合意を得て、そしてきめられたものでなければならないと思いますから、それに抵触するようなものについてはわが国としてこれを開発しないというのが筋道である、かように考えております。
○楢崎委員 そうしますと、島田官房長にお伺いいたしますが、ただいまもらいましたこの資料ですが「議定書によって禁止されている化学、細菌兵器」、これに例示されておるこの種のものに対する防護の用具、あるいは医療品等研究開発の必要があるとお考えですか。
○島田(豊)政府委員 防衛庁におきまして研究開発いたしておりますのは、CB兵器を使用するということを前提にしての開発ではございませんで、あくまでそれがもし使用されました場合の防護のための器材の研究開発ということでございます。したがいまして、申し上げるまでもなく、防衛というものは万一の事態に備えていろいろな研究を実施すべきものであると考えますので、この種の兵器が使用せられるということが考えられます場合におきましては、それの防護の器材を研究開発するということは自衛上当然の措置であろうというふうに考えるわけでございます。
○楢崎委員 だから私はさっき問題にしたのですよ。「過去の経験によれば各種条約は無価値」——現在の情勢等にかんがみて、たとえこの議定書に署名し批准されても、守られるかどうかわからないという前提に立たれておるのですね、いまの御答弁は。そういうことじゃないですか。
○島田(豊)政府委員 この議定書を批准いたしました場合に、わが国としては、当然この議定書による禁止を十分順守すべきであることは申し上げるまでもございませんが、諸外国におきましては、この議定書に加入していない国もございますし、また世界の現状から見まして、直ちに一切の毒ガスが廃棄をされる、あるいは一切使用されないという保証が必ずしもないという現状におきましては、そういう措置が完全に実施されるまでは、これに対する防護措置というものを講ずることは必要ではないかというふうに考えております。
○楢崎委員 そういたしますと、防衛庁がこういう兵器を使う可能性ありということで対象国として考えられておるのはどこですか。
○島田(豊)政府委員 特定の国が使用するというようなことは考えておりません。
○楢崎委員 対象国としての想定がないのに、何で用意するのですか。
○島田(豊)政府委員 先ほども申し上げましたとおりに、防衛というのは万一の事態に備えていろいろな兵器を、あるいは対策を講ずるべきものでございますので、他の国がこれを使用するであろうというふうなことでなくて、そういう万一の事態があり得るという考え方のもとにこれに対するいろいろな措置を講ずるということでございます。
○楢崎委員 批准してない、また批准しないであろうと思われるアジアにおける国はどこですか。
○西堀政府委員 この当事国になっていないアジアの国ということになりますと、実はここにありますのは当事国の表でございますので、その当事国になっておるアジアの国をあげさしていただきたいと存じます。アジアと申しますか、オーストラリア、中国、インド、イランも一応含めまして、イラク、ニュージーランド、タイ、それから戦後になりましてはセイロン、モンゴル、ネパール、パキスタン、それだけでございます。
○楢崎委員 いまジュネーブで、BC兵器の使用どころか、製造なりあるいは貯蔵等も含む一切の禁止の問題が出されておるわけですね。それで、この議定書を批准されるその理由として、政府のこの理由書を見ますと、現在ジュネーブでやっておる日本の立場というものをより強める意味からも、こういうことが書かれておる。そうすると、これは一九二五年の議定書であるけれども、まさに今日的な意義を持っておるわけですね。だから、日本の今日の姿勢なり考え方と無関係ではこの議定書は考えられない。とするならば、防護用のためにこの種のCB兵器に入れられておる、この資料にありますようなものをつくることは許されますか、あるいは貯蔵することは許されますか、研究用としてあるいは実験用として。この議定書そのものの文面からじゃなしに、いまの日本政府の考え方から言ってです。
○西堀政府委員 楢崎先生から、初めから文理上のことでないと歯どめをされましたので、非常に答えにくいのでございますけれども、この議定書においてはもちろん使用だけを禁止されておる。それからいま日本がジューネーブの……。
○楢崎委員 もう少し大きな声で言ってください。
○西堀政府委員 最初楢崎先生から文理上の解釈を聞いてるんじゃない、こういうおことばがございましたので、たいへん私の立場からは申し上げにくいのでございますけれども、御承知のとおり、ジュネーブ議定書においては使用だけを禁止されている。しかし、それではBC兵器の全廃ということを国是とするところの日本の立場は十分達成されないので、それでただいまジュネーブの軍縮委員会におきましては、日本はBC兵器の開発、製造、貯蔵それから使用、これは申すまでもないことでございますけれども、これは全面的にやめるといった立場からの提案を行なっているわけでございます。しかし、それはあくまで提案でございますので、現実にいま防衛庁のほうにおいてそういう研究をしておられるかどうかは私は存じませんけれども、これはいまジュネーブ軍縮委員会において日本と同じような立場をとっている国々におきましても、このわれわれの提案なるものが、将来条約の形となって発効するまでの間におきましては、それぞれの国の判断におきまして、主権の行使として、自己の安全保障の見地から適切なりと考えられるところの手段をとるということはあり得ることであろうと存じます。これは先ほども申し上げましたように、現在日本においてそういうことをやっているかどうかは、私はお答え申し上げません。
○楢崎委員 それを答えてくださいと言っておるのです、私は。
○愛知国務大臣 いま政府委員からお答えしたとおりだと思いますけれども、文理上からいえば、この条約は使用を禁止しているし、その使用禁止の対象は、表で差し上げているものについて加盟国が合意をしている。こういうふうに私は理解をしておりますから、文理上からいえば、その他のことは禁止されておらないわけでございます。それが一つ、そういうことが言えると思います。 それから姿勢の問題としては、これは御承知のように軍縮委員会でいろいろの国がそれぞれの研究を踏まえて提案をいたしておりますけれども、日本は日本としての、その間に処して、最善と思う案を検討し、また提案し、各国の協力も求めておる。しかし現実の問題として、これが大多数の国においてまとまらない限りにおいては、現実の問題としてやはり最終的な判断は、現実に条約がどういうことを禁止しているか、その範囲内で考えるべき問題ではないか、かように存ずる次第であります。
○楢崎委員 私がお伺いしておるのは、現在、国連局長も答弁されましたとおり、日本の国是として全面禁止を訴えておる、その日本の国是なり、立場と、防護用ということで、この禁止されておるような毒ガス類、CB関係のものを研究開発、あるいは実験用として貯蔵するというようなこととは、矛盾しないのかと聞いておるのです。
○愛知国務大臣 先ほど来御説明しておりますように、この一九二五年条約も、比較的にいえば、まだそう絶体的多数の国が批准して加盟しているわけでもございません。これが現実の姿でございますから、理想とか、姿勢ということと別に、やはり現実の過程においては相当多数の国がこの条約にも入っておりませんから、使用も禁止しないでいる。これに対して防護上の研究というものが私はあってしかるべきではないか、かように考えます。現実の問題として。
○楢崎委員 そうすると、日本政府としては、この議定書に批准し、しかも現在ジュネーブでCB兵器の全面禁止を国是として提案しておるにもかかわらず、日本の自衛隊がこのCB戦のための防護訓練なり、防護用具を研究したりするために、その研究実験用のCB関係の物を持つことは差しつかえない。またこれからも大いにその種の研究をやっていくのだ。日本政府としては、そういう方針ですか。
○愛知国務大臣 この条約は使用の禁止でございますから、そうなると、やはり文理上の問題になるかと思いますけれども、この条約では防護的な目的のための、たとえばマスクを研究するというようなことは条約批准をいたし、加盟を正式にいたしましても、妨げられるものではない。これは条約からいいましての解釈であってしかるべきだと思います。それから同時にこういう必要がなくなるような世の中になるということを期待し、つくり上げていくということを、一方において努力していかなければならない、こういうことじゃないかと思います。
○楢崎委員 だから、防護のための研究用あるいは実験用としてこういう禁止の範疇に入る、議定書でもけっこうです、入るやつを自衛隊が持つことは差しつかえないというわけですか。
○愛知国務大臣 これは、ですから、この条約は使用の禁止でありますから、どこかが、使用の禁止に該当していない国、こういうところがまだ相当ある以上は、これに対して防護の研究をすることはこの条約ということからいえば妨げないことではないか、これはきわめて常識的な考え方ですけれども、私はさように思いますが、さらばといって、大いに徹底してやるかどうかというようなことについては、これはまたその担当の部局の意見というものも大いに尊重しなければならないと思います。
○楢崎委員 第三次防では精神用ガス、あるいはT用ガス、Tというのはおそらくティアのことだと思いますけれども、催涙ガスのことだと思いますけれども、技術研究開発計画の中に入っておりますですね。そういう研究開発の態度とこの議定書は矛盾しないと防衛当局はお考えでしょうか。
○島田(豊)政府委員 ただいまの実験用のガスとしまして精神ガス等を保有しておるということは、計画段階においてはございましたけれども、現実に三次防の計画の中にはございません。
○楢崎委員 都合の悪いのは抜けた抜けたとすぐおっしゃるのですが、AMMも抜けたとおっしゃるし、いまT用化学剤なり精神用化学剤を問題にしたら、今度はそれも抜けておる。これはどのように抜けておるか。これは一昨年と同じようなことを私、したいんですけれども、現物を見せてもらわないことには、それはわからないわけですね。出せますか、それ。
○蒲谷政府委員 いまの御指摘の、三次防をつくる段階の素案になったもので、現実に三次防の策定された時期になくなったもの、これは当然ございますが、といって現在の三次防の、先生の御指摘のような詳細なものはお見せできるかという問題につきましては、全体をお見せする姿のものではないと思いますし、できるだけ検討いたしまして、先生の納得できる部分をお出しするという考えは持ちたいと思います。
○楢崎委員 それでは、休憩になるそうですが、一問だけお伺いしておきます。 昨年の七月の十八日でございますか、沖繩でGB(サリン)の事故があったわけです。そこで、東郷局長を通じてこの真相をアメリカに問いただされた。七月二十日に回答がまいった。オズボーン公使から口頭をもってあったというふうに新聞には出ております。その内容は三つから成っておりますが、本議案に関係ある点だけ申しますと、日本本土には化学兵器は置いていない、また貯蔵する意図もない、これが第一番目にあったわけです。これは米軍の言う化学兵器は——米軍の場合で、この議定書じゃないですよ、米軍の化学兵器の場合には、催涙ガスも入っておるわけですね。そうすると、オズボーン公使の、日本には化学兵器はないというこの回答は、催涙剤を含めて化学兵器はないという回答であったわけですか。そのように理解してよろしゅうございますか。
○東郷政府委員 オズボーン公使の説明、いまの点は、致死性化学兵器は本土に存在せずということでございますので、私の了解するところでは、御指摘の催涙ガスの問題には触れておりません。
○楢崎委員 そうすると、致死性以外のガスはあるということですか、日本本土に。
○東郷政府委員 いまのオズボーン公使の話は、致死性ガスはないということでございます。
○楢崎委員 それ以外の化学兵器はあるというわけですか。
○東郷政府委員 その問題には、このオズボーンの回答が触れておらなかったわけでございますので、私はこの席で、あるともないとも申し上げられません。
○楢崎委員 それ以外のガス兵器がありますか。日本本土にありますか、米軍に。
○東郷政府委員 私とオズボーンとの間で問題になりましたのは、先ほど申しましたように、致死性のものの話でございまして、それ以外のものについてあるかないか私はいま存じません。
○楢崎委員 それじゃ、あとに回します。
○田中委員長 この際、本会議散会後再開することとし、暫時休憩いたします。 午後三時五十六分休憩 ————◇————— 午後六時五十九分開議
○田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 窒息性ガス、毒性ガス又はこれらに類するガス及び細菌学的手段の戦争における使用の禁止に関する議定書の締結について承認を求めるの件を議題とし、審査を進めます。 防衛庁島田官房長より発言を求められておりますので、これを許します。島田官房長。
○島田(豊)政府委員 先ほど御質問がございました一九六〇年、昭和三十五年でございますか、の「特殊武器衛生」という文書でございますが、陸上自衛隊の衛生学校におきまして参考資料としてこれを使っております。ただ、その中身につきましては、米軍のマニュアルを翻訳いたしたものでございまして、陸上自衛隊の衛生学校独自でつくったものではございません。そこで、その中には先ほど御指摘のような表現もございますので、この文書を今後どういうふうにするか、廃棄するかあるいは一部訂正するか、そういう点については今後検討いたしたいと考えております。
○田中委員長 これより質疑を続行いたします。楢崎弥之助君。
○楢崎委員 先ほどは、私が申し上げたような文書が入っておれば削除するとおっしゃいましたが、いまの答弁では削除するかどうか検討するということですか。私が言ったような文書が入っておるという確認がされたのですけれども……。
○島田(豊)政府委員 先ほど、文言につきましては削除いたしたいと考えますが、これは非常に古い米軍のマニュアルでございますので、その文書そのものを廃棄するということも考えられますので、それをあわして検討いたしたい、こういうことでございます。
○楢崎委員 そこで私は、この議定書が議了された場合、安保条約第六条による在日米軍との関係を若干明らかにしたいと思うわけです。 そこで、先ほど東郷局長からお答えになりましたが、米軍は致死性のガス以外は持っておるのですか、持っていないのですか。致死性のガスだけを日本本土に置いていないという意味なのか。そういうことを確かめられたことはないのですか。オズボーン公使から致死性のガスは日本本土に置いていないというお答えだけをいただいて、ああそうですかで終わったのですか。
○東郷政府委員 先刻お答え申し上げましたように、致死性のガスの話をいたしまして、その他のものについてあるとかないとかいう話は、私いたしませんでおりましたので、現在あるかどうか、私確認しておりません。
○楢崎委員 致死性ガス、致死性の化学兵器以外の化学兵器があるかないか、在日米軍にですね。持っておるかどうか、明らかにしてください。
○東郷政府委員 私いま明らかにしておりません。
○楢崎委員 明らかにしてくださいと言っておるのです。あるかないか明らかにしてくださいと言っておるのです。ということは、いまだかつて国会において致死性化学兵器以外のものがあるとかないとかということを明らかにされたことはないのですね。致死性、非致死性化学兵器があるならあるというようなことは明らかになっていないのですよ。それを私が質問を続けておる間にひとつ連絡をいただいて明確にしてもらいたい。どうですか。致死性化学兵器とは、きょういただいた資料に例示されておるものが全部致死性化学兵器というわけですか。あるいは細菌兵器、これ以外のものは致死性ではない、そういう意味で出されたのですか。あわせてお伺いします。
○西堀政府委員 本日御提出申し上げました、この「ジュネーブ議定書によって禁止されている化学、細菌兵器」というこの表、これは全部致死性でございます。
○楢崎委員 では、これ以外のやつは禁止の対象になっていないという解釈ですか。
○西堀政府委員 これは国際条約でございますので、国内法ですときちっとすべてのものが例示されまして——すべて禁止されておるものはこれであるといったように明確になっておりませんけれども、このジュネーブ議定書によって禁止されておるという点において、各当事国の間でコンセンサスと申しますか、とにかくこれに関する限りはこれがこの議定書によって禁止される範囲に入るのだという意味において、そこに見解の相違がないという意味において、この表を御提出申し上げたものでございます。
○楢崎委員 そうすると、まず疑いのないものだけをここに明示してある。しかしこれ以外にも問題のあるものがあり得る。そういう意味と解しておきます。 そこで、この議定書を批准なさって、これについて国内的に規制すると申しますか、国内法は全然制定する必要はないとお考えでしょうか。
○西堀政府委員 このジュネーブ議定書で禁止いたしますのは使用でございまして、特に戦時における使用でございますので、このジュネーブ議定書を批准することによって直ちに国内法をいじる、あるいは新しい国内法をつくらなければならないといった問題は生じません。
○楢崎委員 そうすると、この議定書が批准されれば、在日米軍はこの議定書に拘束を受けますか。
○西堀政府委員 先ほど申し上げましたように、アメリカは現在このジュネーブ議定書の当事国ではございません。いま実は議会に提出のために大統領に裁可を得べく提出されておる段階でございます。いずれにいたしましてもアメリカがこれを使用するしないの問題は、日本がこのジュネーブ議定書の当事国になるということとは関係のないことでございまして、アメリカがその議会の批准に対する承認を得て批准したときに発生する問題でございます。
○楢崎委員 私は、アメリカのことを言っておるのではない、在日米軍とはっきり言っておるのです。つまり安保条約第六条に基づく地位協定によって日本に駐留いたしております在日米軍は拘束を受けるか、それを聞いておるのです。
○西堀政府委員 それはまた別個の問題でございまして、米軍がここに禁止されておるところの化学兵器を使用するかしないか、これはあくまでこのジュネーブ議定書に関しての問題で、全然別個の問題でございます。
○楢崎委員 在日米軍が直接出撃する場合もあるのでしょう。だから在日米軍が何を使おうとそれはかってだということですか、アメリカが議定書を批准しない間は。そういう見解ですか。
○西堀政府委員 私の申し上げたのはそういう意味じゃございません。米軍と申しますか、アメリカ政府がそういった議定書によるところの義務を負うことになるかどうかというのは、全然別個の問題であるということを申し上げただけでございます。
○楢崎委員 在日米軍は拘束を受けるのですか、受けないのですか。はっきりイエスかノーか言ってください。
○西堀政府委員 ですから、アメリカがこのジュネーブ議定書の当事国になりました場合には、もちろん使用禁止でございますから、戦時におきましてそういった事態が起きましたならば、これは拘束を受けることに相なるわけでございます。
○楢崎委員 いや、私はそういうことを聞いてないのですよ。アメリカが議定書に批准しない段階において——いまですよ。たとえは今国会でこれが上がるでしょう。そうすると、フランスにお届けになるのでしょう。そうすると効力を発するのでしょう。もうやがてのことですね。だから、効力を発した後に、在日米軍は拘束を受けるかと聞いているのです。いまの答弁だと、アメリカが批准をすれば受けるけれども、批准しなければ受けないような印象を私受けましたが、そうですか。
○愛知国務大臣 私は御満足のいくような御答弁ができるかどうかわかりませんが、これは昨年からのいきさつもございますから、私から御答弁いたしますが、昨年問題が起こりましたときに調べましたところによりますと、先ほど東郷政府委員からお答えしたように、致死性ガスというものは持っていない、この点ははっきりしておると思います。そして致死性ガスとは何ぞやといえば、先ほど差し上げました資料ではっきりしておりますようなものであって、事実関係においてこれは持っていないし、それから沖繩からも撤去するということで、運搬の問題がありまして予定よりおくれておりますが、これはない。これをはっきり申し上げたわけでございます。それとこの安保条約との問題、あるいはまたこの条約にアメリカが入るか入らないかということとは別だ、この西堀政府委員が言っておりますことも御理解いただけると思いますが、その一つ一つの事実を事実として申し上げている次第でございます。
○楢崎委員 外務大臣、私がお伺いしたのは、前段は、非致死性化学兵器を日本本土に米軍は置いているかどうかを聞いているのです。致死性化学兵器のほうは明らかに答弁されましたから……。それから後段のほうですが、ちょっと外務大臣の理解が行っていなかったような気がします。
○愛知国務大臣 それで、致死性以外のというと、私しろうとといいますか、常識でお答えするのですけれども、たとえば催涙ガスというようなものは、致死性というもので各国がこの条約に関して合意したものには入っていないわけです。これはいろいろ御意見のあるところだと思いますが、そういうことになっておりますが、そういう催涙ガスというようなものは、しからば米軍が持っているかどうかということについては確かめたことはない、こういうわけでございます。
○楢崎委員 いや、私は催涙ガスだけを言っているのじゃないのですよ。非致死性化学兵器を在日米軍は日本本土内に持っておるかということを調べてくださいということを言っているのです。 それから、後段のほうのお答えをいただきたいのですが。
○西堀政府委員 いま途中でよその質問に入りましたので、規定さしていただきたいと思うのですが、いま後段の御質問というのは、致死性ガスも含めての御質問でございましたですね、アメリカが使用する云々の問題は。そうでございますね。
○楢崎委員 ちょっと勘ぐりが過ぎるのじゃないですか。どうも私が催涙ガスばかりを問題にしているような先入観があり過ぎると思います。そうでしょう。私は催涙ガスを含めてとか何も質問していないのです、ただいまは。あとでやりますけれども、いまは……。日本の場合、批准が効力を発したら、この議定書に在日米軍は拘束を受けるかということを聞いているのです、ただそれだけを。
○西堀政府委員 どうも御質問の趣旨がよくわかりませんけれども、こういうことだと存じます。間違っていたら御訂正を願いたいと思うのでございますが、日本がこのジュネーブ議定書を批准して当事国になった場合に、在日米軍がガスを使用することはどうなのか、こういう御質問でございます。そのことに関しましては、日本がこのジュネーブ議定書を批准いたしまして当事国になりましても、またならない現在の段階も、これは在日米軍のガスの使用云々につきましては全然関係のないことでございます。日本がこの議定書の当事国になろうとなるまいと、在日米軍がこういうことがあるかないかは全然別問題でございます。在日米軍がガスを使う使わないの問題と、この日本がジュネーブ議定書の当事国になるならないの問題は、これは日本がガス、こういったものを戦時において使わないという義務を負うだけでございまして、在日米軍とは何ら関係のないことでございます。
○楢崎委員 どうして関係ないのですか。日本の国内法には縛られるのですがね。在日米軍は日本国の法令を順守する義務があるのではないですか。
○井川政府委員 これはもともと法制局長官からたびたび御答弁申し上げておりますように、また、昭和四十四年七月二十二日に沖繩及び北方問題に関する特別委員会で真田政府委員からも御答弁申し上げておりますが、「BC兵器につきましても憲法上問題となるのは、わが国が指揮権、管理権を持つ戦力としてのBC兵器であるというふうにまず御理解いただきたいと思います。」というふうに御答弁申し上げておりまして、米軍が持っております——持っておりますかどうか知りませんけれども、そういう御質問のものにつきましては、わが国が指揮権、管理権を持つ戦力としてのものではございませんので、憲法上の問題は起こらないというのが、いままでの政府の見解でございます。
○楢崎委員 そうすると、地位協定の第十六条の「日本国において、日本国の法令を尊重し、及びこの協定の精神に反する活動、特に政治的活動を慎むことは、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族の義務である。」つまり日本国の法令を尊重するのは在日米軍の義務であるというこの十六条との関係はどうなるのですか。
○井川政府委員 あるいは、御質問の趣旨がよくわからないので、お答えになっていないかとも思いますけれども、その点と全く関係がないことじゃないかと思います。たとえば、これは事前協議の対象になりますけれども、核兵器というもの、これはわが国の指揮権、管理権がない。米軍が持ってまいるということは事前協議の対象になるけれども、そういうものであっても、それはわが国の法令との関係は出てこない。つまり憲法上のわが国の戦力というものには関係ないわけでございますので、その点は、私御質問の趣旨をあるいは取り違えているかとも思いますけれども、そういうふうに、従来よりの政府の答弁も、そうなっているわけでございます。
○楢崎委員 私がお伺いしているのは、その日本の国内法を在日米軍は順守する義務がある、地位協定の十六条によって。日本が結んだ国際条約は——国際法はこれは日本の国内法よりも優先するでしょう。では、日本が結んだ国際条約というものは当然順守する義務が在日米軍に、十六条によれば課されるではないか。そういうことにはならないのかと聞いているのです。
○井川政府委員 先ほど申し上げましたとおり、すでに憲法上の問題といたしましても、わが国の指揮権、管理権がないものの戦力というものは憲法からはずれている問題でございます。しかも、BC兵器の禁止、これは御存じのとおり、ちょっと私のお答えも少し関係ないといえばそうなりまするけれども、これは戦時における使用の禁止だけの条約でございます。したがいまして、あるいはお答えにならないかと思いますけれども、戦時に関する使用の禁止に関するものと日本の法令というものがどうなるのか、ちょっと私にはわかりかねる次第でございます。
○楢崎委員 あなたにわからぬことを——私そうあなたより専門家じゃないのですから、わからないから聞いておるのですが、あなたがわからぬとおっしゃればどうしようもないのですけれども、では角度を変えてみましょう。 いまあなたがおっしゃった、これは国家と国家の関係の問題であるし、戦争に関する問題であるという御答弁ですが、この問題について、いままさに出されたこの問題ですね、つまり国際法関係と国内法関係。この国際法関係はおもに軍事目的ですが、国内法関係では警察目的ということになりましょう。この固定化した二元的な図式を私は実は第一番に問題にしたかったわけですが、これはあと回しにしておったのですけれども、しかしどうしてもこの催涙ガスという問題を政府としても先入観として抜けられませんから、こちらのほうを先に片づけたいと思うのです。 そこで、いまの国際法関係と国内法関係の二元的な図式の問題と、もう一つの問題点は、致死性、非致死性、無能力化性と申しますか、この類型化について私は問題があると思うのです。いまからそれについて質問を続けたいと思います。 そこで、昨日の御答弁を聞いておりましても、この毒性ガスの中あるいはこれらに類するその他のガス、この中に催涙ガスが含まれないということは——含むということが当事国の国際的なコンセンサスになっていない、だから含まない、どうしてそういう結論が出るのですか。だから含まない。では、含まないということではコンセンサスができておるのですか。
○西堀政府委員 昨日も申し上げましたように、催涙ガスが含むか含まないか、この問題は要するにこのジュネーブ議定書の禁止の対象になっているものとして催涙ガスを含める、含まないという点について国際的なコンセンサスがない。しこうしてこういった条約におきまして、これは禁止の条約でございますから、制限的な条約でございますから、コンセンサスがない場合には制限的に解釈するということが常道でございますので、したがいまして、先ほど御提出申し上げましたところのガスについては含まれるという点は明確なんでございますが、それ以外のたとえばこういう催涙ガスについては、これは制限的に解釈する、こうせざるを得ないのでございます。
○楢崎委員 そうしますと一八九九年のヘーグの毒ガス使用禁止宣言、この中にあります有毒のガス、これには含まれますね。その当時はもちろんこういうやつは想定されてなかったかもしれないし、はっきりしていなかったかもしれないが、考え方としては。
○西堀政府委員 このジュネーブ議定書に至りますまでに二、三のこういった国際条約があったことは先生御存じのとおりでございまして、それの最初のがいまの一八九九年のヘーグの宣言でございますが、そこには先生御存じのとおり、正確に申しますならば「窒息セシムベキ瓦斯」それから「有毒質ノ瓦斯」というのは、まあことばはちょっと違っておりますけれども、要するにここに引き継がれましたところの「窒息性ガス」「毒性ガス」、これに相当するものでございまして、この場合の窒息性ガスにも毒性ガスにも催涙ガスは含まれていなかったということでございます。
○楢崎委員 そうしますと、山下康雄教授がヘーグの宣言についてこういうことを述べられておるのですが、本宣言にいう有毒のガスとは人体の健康状態に何らかの障害を与える一切の有毒ガスをいい、きわめて軽微の催涙性ガスもまたこの有毒ガスの一つであって、本宣言禁止の対象となっているという、この山下さんの見解は、おとりにならないわけですね。
○西堀政府委員 単にわれわれがとらないということではなしに、とらない国が日本以外にたくさんあるわけでございまして、そういった意味において国際的なコンセンサスがない。したがって制限的に解すると、こういうことでございます。
○楢崎委員 それでは一九三〇年あるいは三一年の軍縮準備委員会において、きのうの答弁では、日本も含むということで賛成されたそうです。あのときに含まないと明らかに主張した国はどこですか。
○西堀政府委員 その一九三〇年の国際連盟の軍縮会議準備委員会におきまして、英国が、その催涙ガスは議定書に含まれる、そういった統一解釈をしようとして提案したわけでございまして、それに日本を含めましてフランス、ルーマニア、ユーゴスラビア、チェコ、スペイン、中国、イタリア、カナダ、トルコ、アイルランド、ソ連、これらの国々がこの提案を支持したのでございます。と申しますことは催涙ガスも含めるのだということをやったわけでございます。しかしながら米国が、平時に自国民に対して使用されている催涙ガスを戦時に敵に使用することを禁止することに実は難色を示した結果、要するにこの準備委員会では結論が得られなかったのでございます。ただここで御指摘申し上げたいことは、この準備委員会のメンバーは三十二カ国であったのでございますが、このうちアルゼンチン、チリ、グアテマラ、ウルグアイ、これは委員会に出席しておりませんし、それからまた何らの意見を表明しなかった国は、ベルギー、ブルガリア、コロンビア、キューバ、フィンランド、ドイツ、ギリシア、オランダ、ノルウェー、ペルシャ、ペルー、ポーランド、スウェーデン、ベネズエラ、こういった国々は何ら意見を表明しなかったわけでございます。 それから最近になりまして軍縮委員会におきますところの各国の態度というものは、これからまた変わってまいりまして、この当時このイギリスの提案に、すなわち催涙ガスを含めるという提案に賛成をした国々も、このジュネーブ議定書における禁止の対象としては含まれないのだというふうに変わった国々が非常に多いということは、先生もよく御存じのとおりでございます。
○楢崎委員 このときに、いまおっしゃったとおりイギリスの代表が当時のメモランダムを出しまして、そしてその他のガスの中には催涙性ガスも含蓄される、この解釈はジュネーブ議定書にも適用されるものである、こう主張したわけですね。そしてそれに対して明らかに、やや反論的な意見を出したのはアメリカのギブスン全権だけですね。そしてこのジュネーブ議定書の成立に非常に活躍をしましたイタリアのマリウス、これは将軍です。議定書の成立に非常に貢献した人です。その人もジュネーブ議定書の解釈として、その他のガスには催涙ガスが含まれていることを明言しておるわけですね。だから含まれると言った人のほうがはっきりしておるし、多いわけですね。あとはアメリカがただ一国、それに対してやや反対の意見を言い、あとは意見を言わなかったのです。それで結局コンセンサスに達しなかったのですね。それから昨年十二月十六日の国連総会決議の二〇〇三、このAのほうですね。Aのほうが実は重要なんですよ。ということは、このジュネーブ議定書のまさに毒性ガスの範囲の解釈、解釈決議だ、このようにいわれておるところですね。これに対して日本は棄権をした。その棄権の理由は、ジュネーブ議定書で禁止されている化学剤の範囲、特に催涙ガスについて統一解釈は行なうことができなかったということが一つ。二番目には、条約の解釈は当事国の合意によってのみ確定すべきであり、総会がジュネーブ議定書の解釈について行なう宣言の法的効果に多大の疑問がある。この二つを理由として棄権されたというふうに答弁が行なわれております。 そこでその第一番の棄権理由ですね。その化学剤の範囲が確定されていないからこそ、この点をはっきりさせるための解釈決議としてこのAという決議が出てきておるのです。国際的にはそうなんです。それでその解釈を明確にしようとした。それに対して第一の棄権理由というものは当てはまらぬじゃないですか。そうでしょう。それからいま一つは、この決議案に賛成しておるのは八十カ国ですか、非常にたくさんの国が賛成しておるのですね。あらゆるすべての有害ガス、人、動物、植物までも含めた。だからこれは私は解釈決議だと思うのですよ。だからむしろ催涙ガスをも含めるという意見のほうが多いし、なるほどコンセンサスには達しなかったけれども、含めるというほうの意見が多い。それなのにコンセンサスに達しなかったから制限的に解釈するというのは、私は実態に即していないと思うのですね。もちろんその議定書の文言からいってもそうですけれども、含まれないというその根拠は文言的にはどこにもないのですね。ただ、あなた方がそういうふうに解釈し、特にアメリカが含んでいないから、日米パートナーシップでそういう解釈をとられておるかどうか知りませんけれども、日本政府としては含むという解釈で来られておったわけでしょう。だから含まないという公権的な解釈らしきものをここへ出されるということは非常な誤解が生ずる。これはまだ結論が出ていないというほうがむしろ正確ではないのでしょうか。
○西堀政府委員 先生がおっしゃいましたように、化学兵器の種類と申しますか、範囲がはっきりしないからこの決議案が提出されたのだということでございますけれども、実はその二番目の理由にわれわれが掲げておりますところのあらゆる国際条約の解釈というものは、あくまでその当事国が集まって、不明確なところがあったら決定すべきものでございまして、それと別個のものが、いかに国連総会といいましても、それは別個の構成からなっておりますので、そこで解釈を確定するというわけにはまいらないのでございます。ただいまのその決議は本会議で確かに賛成八十ございました。反対は三、それから棄権が三十六でございまして、この棄権の中にはわが国その他英仏等西側諸国がほとんど入っておるわけでございます。 それからもう一つ、この賛成八十、これは国連総会における決議にはもちろん賛成を表明しております。しかしながらジュネーブ議定書のそれでは、実定国際法としてのこのジュネーブ議定書の禁止という中に自国の解釈を含めまして、自国の禁止の対象として含めまして、彼らがその義務を負うかということになりましたら、彼らもそのときにはやはり制限的な解釈をとるものと私は存じます。
○楢崎委員 その正確な解釈からいけば、まだこれは確定していないというほうがいいのじゃないですか。日本政府も、政府としては含めるというほうの考えでずっと来たんでしょう。しかしコンセンサスに達しなかったから含めるということがきまらなかっただけにすぎないのであって、だからそのことは含まないのだという結論になぜ到達しなければいけぬのでしょうか。そういう解釈になぜ確定しなくてはいかぬのでしょうか。どうもそれは実態に正確ではないと私は思うのです。
○西堀政府委員 ジュネーブ議定書の当事国の中に、確かにこの解釈が一致していないかもしれません。ある国は催涙ガスを含めたいという国はございます。しかしながらこのジュネーブ議定書において禁止されている中にそれがそれでは含まれて、それらの含めたいという国々がこの議定書の中でもって催涙ガスは禁止されるのだということで義務を負うかということになりますと、これは条約の解釈でございますので、それらの国々も、そういった希望にはかかわらず、実定国際法の面から申しましたならば、やはりいざとなりましたならば、これは禁止を受けないということも彼らは言い得るわけでございまして、要するに希望と実定国際法上の立場と申しますか、解釈とが若干そこでミックスされたような印象を私は受けるのでございます。
○楢崎委員 それは私の言っていることからそういう印象を受けるというのですか。愛知外務大臣は昨年なりおととしの答弁で、まだ含めるかどうかは確定していないという答弁を私はいただいておるのです。含めないとも含めるともまだ確定していない。それをいつからそのような解釈にお変わりになったのですか。
○愛知国務大臣 先ほどからの問答でもおわかりのように、これはよく御承知と思いますけれども、要するに、本条約についてこれに加盟している国、それが有権的な解釈を下すべき機関において、この解釈について有権的な決定がなされていないわけでございます。ですからそういう意味では解釈は確定されていないということが事実だと思うのです。それからもう一つは、もうよく御承知のことですから多くを申し上げる必要はないと思いますけれども、国連総会で、たとえば何十票対何十票とか、あるいは第一委員会で同様のあれがありましても、そこに投票した国がこの条約に署名してない国あるいは批准していない国——全然関係のない国もここに入っておりますから、そういう関係からいっても、有権的にこの一九二五年のここに使用を禁止されている対象についてこうこうだということを正式に議したことは全然ない。そういう意味で解釈が確定していない。解釈が確定していないから、問題になるようなものについては、これは限定的なコンセンサスと見るのが至当ではないかというのが政府の態度でございます。
○楢崎委員 政府の言い方としては私もわかります。わかりますが、納得しがたいですね。そこで、では当事国として、日本政府としては、今日一九三〇年の段階で出しておられた態度と変わりませんか、当事国としてのお考えとしては。
○愛知国務大臣 これは昨日他の委員にもお答えしたわけでございますけれども、一九二五年のこの議定書の解釈ということよりも、もっと問題が発展的に進んでおりますから、したがいまして、むしろジュネーブの軍縮委員会において現在BC兵器についてのいろいろの提案も出ておりますから、それとの総合的な立場で検討をしたい。ですから立法論としては、昨日も申しましたように検討の対象に値する問題である、私はかように考えております。
○楢崎委員 そうすると、現在ジュネーブ軍縮委員会で問題になっておるわけですが、日本としてはどういう態度で臨んでおられるのですか。
○愛知国務大臣 軍縮委員会の現在の時点において、この二五年の議定書についての対象を何々にするかということは、現在なまの議題としてはなっていないと承知いたしております。
○楢崎委員 いや、上がっておるかどうかは別として、どういう態度で臨まれるか、まだきめられていないという意味ですか。
○愛知国務大臣 この問題は、軍縮委員会では討議の対象といいますか、現在はサブジェクトになっていない。したがって、これはそこで——そこでというか、それだけを取り上げるよりは、もっと全体の問題の進め方が進んでおりますから、そういう方向でひとつ今後のよりよきものの一環として考えてしかるべきではないかと考えております。 それから、これはよけいなことを申し上げるようでありますけれども、国連総会その他において、たとえば催涙ガスを入れるべきだという説をなしておる国も、たとえば国内の問題とそれから戦争の手段として使うものと、さい然として区別をしておる、こういう点もございますから、もう少し掘り下げて各国で検討し合わないと日本としてもほんとうの結論は出ないのではないだろうか、こういうように考えております。
○楢崎委員 こまかい問題については専門家会議等をつくってやれという日本の主張のようですが、日本における専門家といえば、ウ・タント報告書に参画した前千葉大学長の川喜田教授が筆頭だと思うのです、日本からもし専門家として派遣するならば。この川喜田さんは、CNのごときは明らかに対象になるという意見の持ち主ですよ。いいんですか、そういう意見で。
○愛知国務大臣 そこで、どうも私はしろうとで専門的なことはなかなかお答えできませんけれども、政治的な立場に立って判断をしなければならない立場の者として申し上げたいと思うのです。 このBC兵器の使用のみならず、全般にわたって禁止や制限をする場合には、昨日もいろいろと御意見が出ておりますように非常にむずかしい。ある一面においては専門家の特殊の立場に立って、これは禁止すべきだという御意見も非常に尊重しなければならないと思いますけれども、これはやはり多数の相手の国があることでもあるし、政治的にあるいは他の技術的な問題として、これが十分成果があがるかどうかということについても総合判断を下す必要があると思いますから、ある面における非常な専門家でありましても、それだけの意見でもって日本政府の態度というものをきめるわけにいかない場合も私はあり得るのではないかと思います。
○楢崎委員 時間がありませんからもう掘り下げられないので、次に移ります。 それで、これを国際法関係、つまり軍事目的にしぼってあなた方は言われておりますが、国内法関係、つまり警察目的に使う場合、これを固定化した二元的な図式で考える時代はだんだん過ぎていっておるのではないか、これを私は指摘をしたいわけです。というのは、現在では、インドシナ戦争で見られるごとくゲリラ戦という形態が非常に出てきた、あるいはこれは内乱の場合にも通ずる一つの形態だと思うんですね。それで画一的にこれを分けるということは、当時から半世紀たった今日では、そのまま固定的に、硬直的に当てはめるということは、今日の実態にだんだん合わなくなりつつあるのではないかという気がするのです。しかも国際法的な動きを見ましても、一九四九年の、普通四条約と言っておりますが、御存じだと思うのですけれども、これはまだ赤十字案です、もちろん日の目を見ておりません。しかしその中の第三条は、内乱の場合も適用されるという草案になっておるんですね。それからこれも時間がありませんから確認だけし合いたいと思うのですが、一九五六年、これも赤十字の草案でございますが、これは一九五七年のニューデリーにおける赤十字の総会に出された案でございますけれども、この案を見ましても、十四条のところにはいわゆるシビリアンという概念が入ってきておるんですね。民間人に対する被害という問題を取り上げておる。それからもう一つあるのですが、これはちょっと前後になりますけれども、一九三二年国際連盟の軍縮委員会、先ほどから出ておりますが、普通イギリス案と言っておるものがあります。ここに草案がありますけれども、この中では、戦時、平時を問わず——平時を問わずも入れてきておるんですね。これは第五十二条。だから国際法の動向としては、戦時、平時を問わないという方向にあるし、戦争に限らず内乱等にもこれを適用する方向に進んでおる。そのように確認してよろしゅうございますか。
○愛知国務大臣 私も若干の研究はしているつもりですが、楢崎さん、非常に詳しく御勉強なんで敬服するのですけれども、私は、戦時、平時を問わず無差別にこの種の問題を取り上げることが世界的な大勢になっているとは、必ずしも考えません。というのは、もちろんその対象になる毒ガスの定義といいますか、これに大きにかかってくるところではないかと思いますし、それから先ほどもちょっと申しましたが、あるいは外務大臣としての守備範囲以外かもしれませんが、全体的な政治の運営について、いろいろ国内的な問題もそれぞれ各国も考えるところがあるようでもございますから、純粋に科学的だけにあるいは純粋なきれいな、ちょっとでも人体に——致死性なんということはもちろん問題にならないことでありますけれども、多少でも、どんなわずかなことでも、これはあらゆる場合に使えないのだというのは、少し行き過ぎではないか、こういう意見もかなりあるように承知いたしております。その辺のところのけじめをどこに置くかということが将来の日本としても問題でもあるし、また条約とか議定書とかいうことになりますと、相互が守り得るものでなければならないというところに、おのずから一つの、昨日も話が出ましたが、グレンツの問題も出てくるのではないか、こういうふうに考えております。
○楢崎委員 それでは最後の問題に入りたいと思うのですが、非致死性の化学兵器を在日米軍は日本本土に置いておりますか。わかりましたか。
○東郷政府委員 先刻来私の本省の記録をさらに調べておりますが、問題の非致死性ガスについて米軍と確認した記録はまだ出てまいりません。装備の問題に関しましては、核兵器以外について、個々の兵器について一々やっておるわけでもございませんので、特に去年の夏はこの致死性のガスの問題について話をいたしたわけで、まことに申しわけございませんけれども、非致死性のガスについて米軍との間にまだ確認いたしておりませんので、その記録も出てまいりませんので、この席でどちらとも申し上げかねるわけでございますが、本日は、確認していないということでございますので、それで御了承いただきたいと思うわけでございます。
○楢崎委員 施設庁、来られておりますね。——米軍が弾薬等を運搬する際に何か協定なり、その運搬する人と文書等で、一応運搬する弾薬の内容等が明らかになる仕組みになっておりますか。
○山上政府委員 弾薬等を運搬いたします場合につきましては、それぞれの場合について公安委員会等に届け出るというようなことにおいて、内容が一応わかるようなしかけになっておるというふうに聞いております。
○楢崎委員 直接運搬をするトラックの運転手さんなり何なりと文書をかわす、あるいは運転者に内容物を知らせる、そういう仕組みにはなっていないのですか。
○山上政府委員 ただいま直ちにはっきりいたしませんが、そういうしかけにはなっていないと思っております。
○楢崎委員 お調べになったことはございませんか。無関心でございますか。日本の労働者がそういう仕事に携わるときに……。
○山上政府委員 業者等と契約して運搬する場合には、当然業者に、こういうものを運搬するということを委託するわけでございますから、したがってその業者の、何といいますか、使用人等がその限度においてこれを知るということはあり得るのではないかと思っております。
○楢崎委員 そうすると、その内容についてチェックできるわけですね。日本側としては、やる気になれば……。
○山上政府委員 それは個々の業者との間の輸送契約の問題でございまするから、チェックしようと思えば、警察その他の手続でできないことはないのではなかろうかと思っております。
○楢崎委員 私は、なぜ最後にこれを問題にするかというと、今日のジュネーブ会議でも、いわゆる査察の問題が非常に重大になっておるのです。一体どうやって査察するのか、どうやってチェックするのか。そしてきのうも細谷委員が指摘しましたとおり、有効な管理のもとに置く。その方法はどうなのか。私は、これは実際問題としてむずかしいと思うのです。じゃ査察が現実のものになるときはどういうときであるか。事故が起こったときなんかはっきりしますよ。たとえば昨年の七月十八日の沖繩のあの事故みたいに、沖繩にああいう致死性のガスがあるなんということは知られなかった。米軍は明らかにしなかった。事故があって、初めて明らかにしたのですよ。そうすると、常に監視というものをする必要があるのです。査察の場合、あるかないか……。だから、日本本土にあるかないか。オズボーン公使がこう言った。致死性ガスは置いていない、致死性化学兵器は置いていない、非致死性化学兵器はわからないと言う。じゃどうしてチェックしようとしないのか。結局はアメリカが言ったとおりにそれを信じ込む以外にないのか。事故がたまたま起こらないとそれはわからないのか。これを私は心配するのです。それでそういう運搬者との間に米軍は書類をかわしておるのですね。運転手への特別指示書というやつがある。それにちゃんと内容も書いてあるはずである。そうして一たん事故があった際にはどこどこに連絡しなさいということが書いてあります。当然だと思うのです、危険物の場合は。日本本土に非致死性の有毒化学兵器はある。そして致死性の有毒化学兵器も置かれておる可能性がある。これを米軍に明確にしてもらいたい。その明確にされる際に具体的に聞いてもらいたいことがあります。ドラムかんに二センチぐらいの赤でレッドマークがついておるやつがある。これは推測するところ、おそらく非致死性の化学兵器、それから幅四センチぐらいのレッドマークにどくろ型のマークがついておる。これも持ち込まれておる。これは非致死性ではなしに致死性ガスの疑いがある。早急に私は調べてもらいたいと思います。これは刑特法の関係があるから、私は確証を持っておるけれども、これを政府の責任において明らかにしてもらいたいと思うのです。そこで、もし非致死性の化学兵器、たとえばCNなりCSなり、こういうものを米軍が持ち込むとするならば、何のために持ち込むかということが非常に心配になります。 そこで私は、地位協定の十七条の十項、この十項に基づいて米軍は、非致死性の化学兵器だったらこの目的のために使えるかどうか、外務省の御見解を承っておきたいと思います。
○井川政府委員 申しわけありません、もう一ぺん。何条ですか。
○楢崎委員 十七条の十項です。その十項に警察権を行なう権利があるわけですね。米軍は「秩序及び安全の維持を確保するためすべての適当な措置を執ることができる。」これで非致死性の化学兵器だったら、この場合米軍は使えますか。
○井川政府委員 十七条十項、いわゆる警察権でございます。申しわけありませんけれども、そういう面から私どもこの十七条の十項というものをいままで検討したことがございません。ただいまこの場において私、お答え申し上げる能力がございません。
○楢崎委員 答える能力がないということは困るのですがね。これは時間をかければいいという意味でしょうか。
○井川政府委員 私どもいままで理解いたしておりましたのは、この警察権の分配の問題でございまして、この基地における第一次警察権というものをアメリカ軍が持っておるということの点から考えておりまして、実はただいま御指摘の点のことまで、まだ考えたことがないわけでございます。したがいまして、このほんとうの趣旨から申しますと、そういうふうなものはないと思いますけれども、私確信をもちまして、これらのすべての措置というものが、この警察権の内容というものがどういう手段云々というものまで、この十項において書いてあるのかどうかということがまず疑問に思うわけでございまして、その点確信をもってお答えすることがただいまできない。まことに申しわけないことでございますが、ただいまできません。
○楢崎委員 私のあとで質問される方がございますか。
○田中委員長 ございます。
○楢崎委員 私は一応保留して、お答えできる段階になったらお答えいただきたい。それだけでいいのですが、よろしゅうございますか。
○田中委員長 それでは楢崎委員にお尋ねしますが、あなたの質問はこれで一応……。
○楢崎委員 この問題で最後にします。
○田中委員長 適当な時期にお答えを受けるように取り計らいいたします。
○楢崎委員 適当というのはきょうじゅうでしょう。
○田中委員長 もちろんきょうじゅうです。
○楢崎委員 局長、それじゃあわせて、これはもちろん日本の警察に連絡するひまがないときの問題ですけれども、直接米軍がその施設あるいは区域に対してその安全が犯される場合、日本の官憲に連絡する間がなくて、直接米軍が担当する場合だと思うのです。こういう場合に、米軍はいわゆる非致死性ガスが使えるのかどうか。それが一つです。 それから、その施設区域内に限られるのか。区域の外までその警察権は及んでいいのかどうか。この二点をひとつお願いしておきます。 これで一応保留します。
○田中委員長 樋上新一君。
○樋上委員 同僚議員四名のかなり詳しい質問がございまして、なるべく時間の関係上重複を避けたいとこう思うのでございますが、どうしても重複するところがあります。よろしく御答弁を願いたい。まず申し上げておきたいと思います。 最近、国連においてBC兵器に関する諸決議が行なわれ、また昨年沖繩で生じた毒ガス兵器の事故が明るみに出たことも加わって、あらためてBC兵器の危険が広く注目されるようになってまいりました。そこで毒ガス兵器について考えます場合、使用禁止の面と開発、生産、貯蔵も禁止する。すなわちBC兵器の軍縮という二つの面から考察し得ると私は思うのでございます。そこで私は一九二五年議定書の質疑にあたって、確認する意味からまず基本的な問題についてお尋ねいたしたいと思うのでございますが、一九二五年の議定書ではBC兵器の開発、生産、貯蔵の禁止までも規定されてないと思いますが、どうでしょうか。また国内治安では禁止まで触れておらないと思いますが、この点どうでしょうか。
○愛知国務大臣 第一段は戦時の使用の禁止ということであります。したがって、開発とか貯蔵、生産ということは含まれておりません。それから戦時の使用でございますから、平時の使用は除かれておる、こういうふうになっております。
○樋上委員 すると、この議定書でいう戦争の範囲はどこまででございましょうか。第二次世界大戦までの古典的戦争は、当然ここでいう戦争でしょうか。またこのような古典戦争は国連憲章が禁止されておりますが、現在行なわれているベトナム、カンボジアの武力紛争はこの議定書でいう戦争の範囲に入るでしょうか、どうでしょうか。
○愛知国務大臣 戦争というものの定義が非常にむずかしくなったと私常識的に考えるわけでございますが、要するにある国と国あるいはそれに準ずる国と国との間の武力紛争、やはり現在でも行なわれておりますようなそういう場合は、ここにいう戦争に常識的に入るのではないかと思われます。
○樋上委員 じゃ、次に国連軍による強制行動においては一九二五年の議定書の適用はありますかどうですか。
○愛知国務大臣 これは議定書の対象になります。
○樋上委員 そうしますと、朝鮮動乱のようなものには議定書の適用はあるのですかないのですか。
○愛知国務大臣 先ほど申しましたように、国連軍が国連憲章に基づいて行ないました自衛行動等につきましても適用がございますから、いまおっしゃった朝鮮動乱というようなものにも適用がある、こう解釈すべきであると思います。
○樋上委員 私はたとえば中共と国連軍のようなときを想定しているのですが、これは内乱の場合には適用がありますか。
○愛知国務大臣 そうなってまいりますと、非常に法規的な解釈をきちっと申しませんといけませんので、内乱といってもいろいろ態様があろうかと思います。たとえば国内的に治安動乱というようなものが大規模になったような場合に、はたして入るかどうか、これは戦争といえるかということになりますと、かなりそこに疑問の点が出てくるのではないかと思いますから、一がいにお答えはできないような感じがいたします。
○樋上委員 それでは御答弁によりますと、この議定書は戦争での毒ガス兵器使用を禁止したものであると思うのですが、私はまず初めに、議定書にいう戦争での毒ガス使用禁止という面からお伺いし、次に毒ガス兵器に関する軍縮の面からお伺いしたいと思います。 それについてもいままでの御答弁をずっと聞いておりますと、禁止される兵器もあれば禁止の対象とならない兵器もあるように、そう私は感じるのですが、この議定書は先ほどの御答弁にもありましたように戦争での毒ガス兵器使用禁止ですから、平和憲法を持つわが国にとっては戦争での毒ガス兵器などそもそも無用なものと思うのでございます。そのような無用の毒ガス兵器をより広く禁止の対象としたほうがわが国にとって実益があると私は思うのでございます。そうでないと軍国主義が芽ばえつつあるというような誤解をますます与えると思うのですが、そのような誤解を生じないような御答弁をお願いいたしたいと思うのでございます。歴代の大臣は毒ガス兵器は慣習国際法で禁止されていると述べているのですが、そこでお伺いいたしますことは、この一九二五年の議定書は慣習国際法を成文化したものであるのか、それとも単なる契約的な性格のものであるのか、どちらでございましょう。
○愛知国務大臣 慣習法ということをもし従来いわれていたといたしますならば、これはむしろこの議定書を批准の手続をとるということにきめる前の解釈であり、態度であったのではないかと思われます。といいますのは、一九〇七年ですか陸戦に関するヘーグの条約とかいうようなものによって、むしろ毒ガス兵器は使わないということが一般的に国際的にそれらを中心として慣行として確立しているから、いまさらこの条約を、議定書を批准しなくてもいいではないかという考え方も従来ございましたから、そういう点をむしろ強調した意見ではないかと思います。 それから、今回政府として批准をするということに決意いたしましたゆえんは、しばしば申し上げておりますように、実は率直にいって、ただいまもお触れになりましたように、日本としては、国際紛争を戦争という手段によって解決するなどということは考えてもいないところですから、戦争のときに使うものについて禁止とかなんとかいまさらいう必要もないということも考えられましょうけれども、やはり軍縮委員会等においてもっと全面的なこういう兵器の禁止というものを世界に訴える立場をとっております関係で、まずこれについてやはり批准をしたほうがよろしい、特に昨年の国連総会でも決議があったことでもあるからというので、この批准に踏み切ったわけでございますので、そういう環境から前向きに問題を取り上げていくという御趣旨については私も賛成でございます。
○樋上委員 それではもう一ぺん念のために聞きますが、一九二五年の議定書は契約的な性格のものであると解してもよろしゅうございますか。
○愛知国務大臣 契約的ということばがどういう意味であるか私に必ずしも理解できませんけれども、これはいわゆる多数国間の条約である。そういう意味において二国間等の条約とは性格を大いに異にするものであるということ、それからやはり議定書のこの文章もきわめて簡単なものでもございますから、これの成果をあげることについては加盟国同士のやはり良心的なかまえ方が非常に必要な条約である。そういう意味においては特色のあるものではなかろうかと考えております。
○樋上委員 慣習国際法では非致死性ガス兵器すなわち催涙ガスまたは嘔吐性ガス等は含まれないのですね。
○愛知国務大臣 これはその当否あるいは何と申しましょうか利害得失ということを別にして現実の事態を申し上げますと、多数国間の条約でございますから、先ほども資料として差し上げました表にありますものについては、加盟国が全部一致してこれが禁止の対象になっているのだ、こういうことになっておりますが、それ以外のものについては使用禁止の対象として加盟国の合意を得ているものではない、そういう意味においてはずれている、こういうふうに解釈すべきものであると思います。
○樋上委員 先ほどから、催涙ガスまたは嘔吐性ガスなどはこの議定書には含まれておらないというように何回も何回もきのうからも質問があり答弁されているのですが、私はどういうわけで慣習国際法の中に非致死性ガス兵器が含まれないのかという理由がどうも納得がいかない。これはまああとでゆっくり詰めるといたしまして話を進めさしてもらいますが、ジュネーブ議定書の当事国が戦争を行ない、相手国がこの議定書に違反して毒ガス兵器を使用した場合についてお伺いしたいのですが、この議定書には留保を行なっておる国がかなりある。問題になるのは、相手国あるいはその同盟国が議定書に違反した行為すなわちBC兵器を使用した場合には、自国は議定書に拘束されないという留保がありますか。
○愛知国務大臣 正確な国の数は政府委員から御説明いたしたいと思いますけれども、かなり多数の国が留保をつけていることは事実でございまして、その多数の国の中の留保にはいろいろの態様がございますけれども、一言で申しますと相手が使った場合はおれも使うぞ、そういうところで大体一致しているようなそういう留保のつけ方でございます。 それからよけいなことを申しますが、日本としては先ほど申しましたような考え方でございますから、批准の際に何らの意味で留保をつける気持ちは持っておりません。
○樋上委員 そこでお伺いいたしますのは、留保をした国が毒ガス兵器で攻撃された場合に、いわゆる相手国が違反行為をしたのであるから一九二五年の議定書は破棄されてしまって、毒ガスに関しては無法となり、留保した国は違法行為をした国にどのような攻撃をしてもよいのか、それとも慣習国際法の範囲すなわち戦時復仇のみにしか行なうことができないのか、この点はどちらでございましょう。
○西堀政府委員 いま大臣が申されましたとおり、そういった留保を行なった国に対して、ある国がこういう化学兵器による攻撃をなした場合に、その攻撃を受けたところの当事国、しかもそれは留保した当事国、これはこのジュネーブ議定書に関するところの義務というものから免除されるわけでございます。
○樋上委員 そうするともう一ぺんそこのところを詳しく開きたいのですけれども、いわゆる戦時復仇を行なうことができるのですかできないのですか。
○西堀政府委員 要するに留保しておるわけでございますから、このジュネーブ議定書で禁止の対象になっているものをジュネーブ議定書との関係において申しますれば使い得る、こういうことになります。
○樋上委員 そうするとどんなことをしてもいいということになるのですね、使い得ると言うのですから。そうでしょう。
○西堀政府委員 ジュネーブ議定書との関係において申しますればそうでございますが、それ以上に今度それぞれの国がどこまでそれを行使するかということは、それぞれの国の主権の行使でございますから、それぞれの国の判断に従って行なわれるところでございます。
○樋上委員 留保しない国が毒ガス兵器の攻撃を受けた場合、それから留保した国と留保しない国とでは攻撃を受けた場合に差があるのかないのか、これはどうなんでしょう。 〔委員長退席、永田委員長代理着席〕 大臣いまちょっとそこで協議されているから、その時間を拝借して言うんですけれども、留保しない国が毒ガス兵器の攻撃を受けた場合はどうかと尋ねているんです。そして留保した国と留保しない国とでは攻撃を受けた場合は差があるのかないのか、そういう点はどうなんでしょうか。
○愛知国務大臣 この議定書には御承知のように制裁規定がございません。この点はこの議定書の一つの穴だというふうに私は考えます。
○樋上委員 私は、これは想定して言うんですけれども、留保しなくても留保したと同じ攻撃をすることができるかということをお尋ねしたいのと、それから同じ違反行為を受けても差があるんだったらおかしいと私は思います。日本はこれを留保するのか、しないのかというのは、日本は留保すると昨日からおっしゃっていますね。
○西堀政府委員 しないのです。
○樋上委員 じゃあ事実上は別として、法律上日本が毒ガス兵器の攻撃を受けた場合は、日本は攻撃し返すことができるのかどうか。
○愛知国務大臣 やはりこれは留保している国が相当多いわけでありますから、それだけの理由があると思うんです、留保する国としては。ですから、留保してなかった場合は受けるほうの立場はそれだけ弱くなると解するのが、私は常識的だと思います。そこで、日本が受けた場合はどうなるか。日本といたしましては、先般来御説明しておりますような致死性ガスというものは、防護するためのものは防衛庁でも説明がありましたように研究はしておるけれども、そのもの自体、使用禁止になっているようなものは持っていないのでございますから、これはなすに処置なし、こう言わざるを得ないかと思います。
○樋上委員 わかりました。この議定書では含まれる毒ガス兵器と含まれない兵器とがあるように解釈されておりますが、もし全部毒ガス兵器を含むと解釈されている国に対して、含まれない兵器があると解釈している国が、含まれない兵器で攻撃した場合、攻撃された国はどうなるか、私は戦争はいよいよエスカレートするんじゃないか、こう思うんですが、との点はいかがでしょう。
○愛知国務大臣 私の答えは政治的であり、常識的でありますから、法律的に足らざるところは補ってもらいますけれども、この使用禁止の対象として、加盟国全体が合意しておるもの以外の、いわゆる非致死性ガスを使用した場合というものは、この議定書の範囲外に私はなると思いますから、これは議定書の範囲外として、別にこれは議定書違反として非難するわけにはいかないと思います。
○樋上委員 いままでの伝統兵器は、いわゆる陣地、工場、道路、港といったようなところを爆破また破壊、燃焼するということで効果をあげてきた。それによって人に対する影響ができると考えてよいと思いますが、しかしBC兵器というものは、そういった陣地、工場、港等は手つかずに残す一方、生きものだけをねらうという大きな特質がありますね。そこで、この議定書ではターゲットがはっきりしておりません。的は、人間だけを対象としているのですか、それとも伝統兵器の範囲からはみ出していた動物、植物すべてが含まれるのか、この点をお伺いしたいのです。
○愛知国務大臣 これは、前段ではお尋ねのように人間を対象にしたもの、かように解せられておると思います。
○樋上委員 私は、動物に対しても植物に対しても、BC兵器は使用してはならない、こう思うのです。戦時下の家畜に対する散発的な攻撃は単なるいやがらせにしかすぎませんでしたが、もし高度に感染性を有する微生物を用いられた場合、これはきわめて悲惨な事態が起こるのは必至と私は思うのでございます。また、植物に対するBC兵器の使用も、戦時下における食糧事情を考えますと、やはりこれも悲惨な事態が起こり得ると私は思うのであります。このように、人間ばかりでなく、動物、植物すべてが的になるということは、私は当然であると思うのですが、ここで再度お伺いしますが、的は人間、動物、植物すべてを含むのですか、含まないのですか。
○愛知国務大臣 この議定書に関する限り、これは人類を相手にしているもの、こう解せられているのがこの条約についての解釈である、私はかように存じております。したがって、ただいまの御意見については、将来の問題として考えるべき性質の問題であって、この議定書については人類が対象である、かように考えるわけでございますし、同時に、よけいなことを申すようでございますけれども、たとえば農薬であるとかその他のものとのけじめというようなことも非常にむずかしい問題で、先ほど楢崎さんとの間の質疑応答にもございましたが、そういう意味でこのBC兵器の、たとえば生産貯蔵の禁止というようなものには査察がどうしても必要であるが、その査察というようなものも一体どうやって確保することができるかという問題は、そういうこととも関連して、今後の研究の課題であると考えております。
○樋上委員 私は、こういうことをお尋ねするのは、昨日の質問にもありましたように、この議定書には非致死性ガスは含まないということがたびたび答弁されておりました。ところが非致死性ガスの中にもいろいろな催涙ガスまたは枯れ葉剤、こういったもの、いわゆる二四D、二四五T、そういうものは私は当然含まれる、こう思うのですが、念のためにもう一回お伺いいたしたいと思います。
○愛知国務大臣 そこのところが非常にむずかしい問題でございまして、これが一国の国内立法でございますれば、そしてことに現代の問題でございますれば、もっとつくり方その他もいろいろくふうがあり得るかと思いますけれども、いわゆるマルチの、多数国間の条約でもあり、かつ四十数年前にできましたものでございます関係もあって、加盟国が合意している範囲というものが、いままでの経緯から申しまして、表でお配りしたようなものに限定されている、これが現在の姿である、こういうわけでございますから、将来のよりよき条約案の作成というようなことについては、今後とも軍縮委員会等が中心になって、各国の英知を集め、あるいはまた政治的な体制を積み上げて、よりよきものがつくられることに努力していかなければならない、こういうふうに考えておる次第であります。
○樋上委員 昨日の質問の中に、催涙ガスとかまたこういう非致死性的なものはこの議定書には含まれておらないのだ、こういうことをたびたび繰り返されておる。また昨日御答弁の中に、瞬間的に害を与えるガスと、時間を長期的に要するもの、ここに差があるんだとおっしゃったが、その点もう一ぺん御答弁願いたいと思います。
○西堀政府委員 大ざっぱに申し上げますと、致死性と非致死性でございますけれども、もう少しくだいて申しますと、大量殺戮兵器に当たるか当たらないかということでございます。また別な言い方を申しますならば、その効果がその場を立ち去るとたちまち消えてしまうというような一時的なものであるか、あるいは持続的な効果を持つものであるか、こういった区別ができようかと思いますが、いま申し上げましたような区別で、この議定書に含まれるか含まれないかということをごく大ざっぱに申し上げますとなるわけでございます。しかしそれを厳密に申しますと、先ほどお配り申し上げましたような種類になるわけでございます。
○樋上委員 効果が持続性のものは含むが、時間が過ぎれば害のないものは含まないということですね。 それじゃ進みましょう。そうしますと私はお伺いしたいのですが、枯れ葉剤というのはどうして含まれないのですか。
○西堀政府委員 このジュネーブ議定書ができました当時のことを考えますと、あくまでやはり人類に対するところの効果のあるものということがこの禁止の対象になっている、そういう解釈でございますので、したがいまして、動物及び植物に対してはかぶらないのだ、これは大臣が先ほど申し上げたとおりでございます。
○樋上委員 そこで私は問題があると思うのですが、動物、植物は含まないんだと、こうおっしゃいますけれども、いまベトナム戦争において使われておる。この含まれていないところのいわゆる非致死性ガスが使われておる。枯れ葉剤というものはこれは長期を要するものでありまして、すぐには害を与えませんけれども、こういうものが含まれずに使われておる、私たちはそう想定をするのです。また催涙ガスをアメリカあたりがベトナム戦争で使っておるということは、それは含まれないのだといえば含まれないでしょうけれども、こういう植物の枯れ葉がだっと落ちたり、また穴蔵を掘って兵隊が入っているところに催涙ガスをだっとまいたときは、出てくる。それではこの枯れ葉剤は、一たんそういうことがあったら、今度は再生することができるかできないか、こういうことを考えてみましたときに、ここにありますこのウ・タント報告書の一二五ページにも、「除草剤によって被害を受けた植物をいくらかでも再生させる方法は今のところ知られていない。」こう書いてあるのですが、この点は、大臣はこのウ・タント報告書はお読みになっておりますか、そういうことがあるのですが……。
○愛知国務大臣 ウ・タント事務総長の報告や著書もたいへん私は敬服しているわけでございますが、ただこの議定書が、御審議願いましてから今日までいろいろの観点から御意見がございますが、これが多数国の条約であり、そしてまだ入っていない国もあるわけでございますけれども、大多数の国が参加をして相互に順守し合い安心し合えるようにという、コンセンサスということばが今回の審議でだいぶ使われておりますけれども、そういうコンセンサスができなければ、いかに一人だけが、あるいは一国だけが崇高な人道主義に立って意見を言いましても、しょせんそれだけでは成果があがらないわけでございますから、ただいまのような建設的な御意見については、今後やはり何といっても軍縮委員会だと思いますが、そういう場におきまして、日本としてのかっちりした考え方を積み上げて、そしてなるべく多くの国の同意を求め、それらの国々が積極的な協力と貢献をしてくれるように持っていかなければ、最終的なターゲットを射とめることはできない。そこにこの問題の複雑性がある、かように考えている次第でございます。
○樋上委員 私はこういうことをなぜくどく申し上げるかと申しますと、もう一ぺん聞いていただきたいのですが、この化学兵器による枯れ葉作戦が行なわれた場合、そのために長期的にどんな重大なことが起きるか。これは大臣ばかりでなくだれもが予測がつかないと思うのですよ。いまベトナムでジャングル一六%、全土の五%の広大な地域の植物の葉が落ちていると報ぜられております。それがもし将来森林の多数のものが枯れたとしたら、私は洪水が起こることは必至であると思いますし、また植物を枯らしただけではなく、十年あるいは百年後の人間が生活できなくなる地域を化学兵器によってつくり出すかもしれない。そのようなことは絶対に起こり得ないと、どのような学者も責任を持った発表は私はできないと思うのです。それでも政府、皆さん方は、枯れ葉剤は含まないとおっしゃるのかということを私は申し上げておるのでございます。意味はわかりましょうか。それではわかっていただいたと思いますので、くどく申しませんで次に進みます。 第二十四回国連総会において、スウェーデン等の決議に日本が棄権したことについては、表向きの理由はある程度理解できますが、しかし本心は催涙ガスや枯れ葉剤を議定書に含ませてよいかどうか。あの時点では棄権というどっちつかずの手を使ったのではないかと勘ぐりたくなるのですが、そこで、この議定書を批准するにあたって、スウェーデン決議の内容について賛成なのかどうかお伺いしたいのです。
○愛知国務大臣 これはまあかたくななことを申すようでございますけれども、先ほども御議論がありましたが、内容的な問題に入ります前に、国連総会というようなところで、あるいは第一委員会ですか、こういうところでこの議定書の解釈を論議するということは場違いであるということ、それから加盟国以外の国々がそこで自分の入っていない条約についてのいろいろの意見を言うというようなことが、今後いろいろの大事な多数国間の条約の取り扱いなどの場合におきまして一つの慣行になることは好ましいことではない。この取り扱いの筋道の問題ということが、実は日本政府としてはだいぶ考えた末の棄権でございまして、これは案の内容ということよりも、こういうところで採決すべきものではない、まあ極端に言えば、有権者ならざる者の投票も認めることになる。非常に変なたとえでございますが、ぎくしゃくするようなことを申し上げて恐縮でございますが、やはりそういう国際的の場でどういう問題をどういうふうに取り上げるかということについては、筋目、折り目を正すということが大切なことではないか。これがわれわれの態度の大きな根拠でございます。 それから昨日も申し上げたと思いますけれども、将来この条約の解釈がさらに前向きに、BC兵器全体の取り扱い等について、すでに軍縮委員会というその本来取り扱うべき座敷、場において大いに活発に論議されておりますから、それらの動向とにらみ合わせて今後の、立法論ということばを使うことが当たるかどうかわかりませんが、 〔永田委員長代理退席、委員長着席〕 立法論の立場において態度をきめるという場合においては、やはりなるべく多くのものがこれに入り、そしてただいまも仰せになりました、いまはこのベトナム戦争の場合においては当事者がこの条約に加盟しておらないという関係もございますけれども、そういったような当事国がすべてそういった前向きの条約に参加をして少しでも前進ができるようにいたしたい。そのために日本としてもできるだけの努力をいたしたい、こういう姿勢で臨みたいと思っております。
○樋上委員 日本はそのときに棄権したのでしょう。棄権した表向きの理由は解するのですが、いま国連の場でなく国会でこの議定書を批准するにあたって、スウェーデン決議の内容について私は聞いているのでありまして、いま大臣がおっしゃったようなコンセンサスの問題、その他の問題を聞いておるのではないのです。スウェーデンの決議の内容はどうなっておるのか、こういう点を聞いておるのであります。
○愛知国務大臣 スウェーデン決議案の内容に盛られたようなことにつきましては、十分検討に値すると考えております。
○樋上委員 スウェーデン決議の内容は世界において多数説であるのか少数説であるのか。これはどうなんですか。
○愛知国務大臣 これはまたおことばを返すようでありますけれども、ほんとうに真剣に軍縮の場において、そしてこの条約にすでに加盟し、あるいは積極的な意見等を表明している責任を持った国々の大多数の国がどういう態度をとるかということについては、私は何とも言えないと思います。どういう案が大多数の国の意見にまとまるか、これはまだ見通しがつかない、これが現状であると思います。 先ほど申しましたように、この条約に参加もしていない、あるいは国際政局の上でさしたる——そう言っては悪いかもしれませんが、重要な立場を持っていないところの批評家的な、あるいはいい意味におきましては非常に人道的な純粋な気持ちで述べている意見が必ずしも全体を支配するとは言えないと思いますし、それからさらに、製造とか査察とかあるいは戦争ということと、国内動乱とか秩序の維持とかいうようなこと、いろいろな要素をかみ分けて、政治的な判断をいたします場合には検討をすべき要素がたくさんある。一つの観点からだけではなかなか意見というものは出し得ない場合もあり得るだろう。各国ともに私はそうではないだろうかと思います。
○樋上委員 スウェーデン決議の内容は、一九二五年の議定書に催涙ガス、枯れ葉剤を含むという決議がなされて、賛成が八十、反対が三、棄権が三十六、この中に日本は含まれておるのです。 そこで私は、この議定書は広く解釈すべきである、こう思うのでございます。提案理由にもあるとおり、この議定書を批准することは軍縮委員会での発言力を強めるためであり、いまこそ日本は見識ある発言をしなければならないときだと私は思うのでございますが、戦争での催涙ガス使用禁止ということは言えないのかどうか。何回も言うことですけれども、私はもう一度強調したいのです。
○愛知国務大臣 御意見は私もよく理解できます。しかし、これは昨日も申しましたけれども、一人芝居だけをやっても効果はないのではないか。何と申しましても、大多数の加盟国に対するまとまった意見というものがなければ、この議定書の成果というもの、あるいはさらにこれが一つのスプリングボードになってよりよきものがつくり上げられる、そのことが実際はほんとうの目的であると私は考えますから、これを総合的に、御意見のあるところを政府としても十分胸に置いて善処していきたいと思っております。
○樋上委員 今度は別な観点からお伺いいたしますが、BC兵器を致死的な兵器と無能力化する兵器とに区別する考え方があります。致死的な兵器は、的になった人口の大多数を殺すような殺戮兵器になる毒物なり微生物をいい、無能力化する兵器は、生命に別状はないが一時的に人を無能力化するもので、たとえば催涙ガスや精神錯乱剤をいいます。そして、このような無能力化するBC兵器を人道的な兵器と呼び、アメリカがベトナムで催涙ガスを使用したときは、機関銃で人を殺すよりは麻痺させるほうが思いやりがあるのだ、催涙ガスは人道的兵器であるという報道に接しましたが、日本政府は、催涙ガス等一連の非致死性ガスは人道的な兵器と思っていらっしゃるのかどうか、お伺いいたします。
○愛知国務大臣 これは使い方にもよりましょうが、とにかく致死性あるいはそれに近いようなものが人道的でないということは、一がいに言えばそのとおりだと申し上げるのが正しい意見だと思います。
○樋上委員 昨年十一月二十五日、ニクソン大統領はBC兵器についてアメリカ政府の決定を発表した。それによると、アメリカは致死性や人を無能力化する化学兵器は敵より先に使わないと述べていますが、人を無能力化する化学兵器の中には催涙剤、枯れ葉剤は当然含んでいると思うのですが、これはどうでしょうか。
○愛知国務大臣 せっかくのお尋ねでございますが、私はアメリカの考え方がどうであるかについて御説明するだけの資格もございませんし、不適当だと思います。
○樋上委員 大臣、そう、そっけなく私にはないというのですが、そういうことを報ぜられてきているのですよ。だからその御見解を聞いておるのでありまして、そういうようにアメリカが言っておるのだけれども、日本の立場としてはそういうものは非人道的でないかどうか、こういう点あなたの所感を聞いておる。
○愛知国務大臣 先ほど申し上げましたように、私としては致死性あるいはそれに近いようなものが使われるということは非人道的なものである、これが人間として当然考えるべきことである、そういう方向に向かって政府としても前進すべきである、かように私は考えております。
○樋上委員 この催涙ガスが非致死性であるといいますけれども、日本におきまして四月の十八日に、第七回理工学における同位元素研究発表会で、東大農学部農芸化学助手の森敏、土器屋由紀子という両氏の発表によりますと、催涙ガスを妊娠した女性が吸うと奇形児を生むおそれがあるという発表があったのですが、大臣は御存じでしょうか。
○愛知国務大臣 そういう説は聞いております。
○樋上委員 そういった非致死性のものでもいろいろなこういう障害が起こっておるのでありますから、この議定書に含まれねばならない、私はこう思うのですが、いままでの答弁を聞いていますと、一九二五年の議定書は、非致死性ガス兵器すなわち催涙ガスは含まないと解釈されているようですが、議定書の、つまり解釈から離れて、一般原則として、わが国としては戦争に非致死性ガスを使用することがよいか悪いか、この点はどうでしょうか。
○愛知国務大臣 これは少し時間をいただかないと、なんでありますけれども、ひとつ軍縮委員会における最近の日本政府のとっております態度につきまして、政府委員から詳細にお聞き取りをいただきたいと思います。
○西堀政府委員 ジュネーブ軍縮委員会におきまして、わが国が化学・生物兵器についてとっておる立場を御説明申し上げます。 化学・生物兵器に関しますところの現在の国際法規というものは、このジュネーブ議定書も含めまして、主として使用に関するものでありまして、禁止が開発、製造及び貯蔵に及んでおりませんために、使用のいわば可能性が残っているわけでございます。したがいまして、わが国はこの化学・生物兵器の使用のみならず、開発、製造及び貯蔵をも禁止すべし、こういった基本的立場をもって、このジュネーブ軍縮委員会に臨んでいるわけでございます。御承知のように、英国は昨年軍縮委員会に、生物兵器の使用のみならず開発、生産、貯蔵、これを一斉に禁止するという条約案を提出いたしたわけでございます。わが国といたしましては、このアプローチを歓迎はいたしますけれども、第一次大戦で実際に惨事を起こしました、またより緊急な解決を要する化学兵器の禁止をあと回しにするということには賛成できないわけでございますので、わが国といたしましては化学・生物兵器を一括禁止すべきであるといった主張をいたしたのでございます。他方、ソ連は、昨年の暮れに国連総会に化学・生物両兵器の開発、製造及び貯蔵を禁止する条約案を提出したのでございます。しかし、この条約案は検証に関する規定を全く欠いておりまして、わが国としては条約違反を抑止する上で妥当な検証規定が必要であるといった立場から、この問題を専門家グループの検討にゆだねるように主張いたしたのでございます。この化学一生物兵器生産禁止の検証のうち、特に化学材、これは平和利用と軍事利用が密接にからみ合っておりますので、紙一重の差でございますので、その有効な検証方法を見出すことが非常に困難と考えられておるわけでございますけれども、わが国は目下専門家の協力を得まして、生産禁止の検証問題の研究を進めておりますので、その結果を勘案いたしまして、この軍縮委員会で積極的な意見を表明して、今後この審議の促進に貢献していきたい、こういった立場で臨んでおります。
○樋上委員 BC兵器の軍縮に対する一番困難な点とされているのは、化学工業と兵器というカメレオン性ということだと思うのですが、これに対して朝海、安倍両軍縮代表は、技術的な検討を行なうために専門会議を開催するという提案をなさったようですが、その具体的なことはどういうことか、説明していただきたい。
○西堀政府委員 先ほども申し上げましたように、生物・化学兵器を比較してみますと、生物兵器のほうは、これはまあ現在兵器として製造をしている国もございませんし、これは検証の方法にいたしましても、化学兵器に比べますと容易でございます。しかしながら化学兵器につきましては、先ほども申し上げましたように、平和利用に使われるところの化学材と、それから兵器に使われるものが全く紙一重なのでございます。たとえばプラスチックでございますとか、その他の最近出ております製品に、製造の過程におきまして、ほんとうにちょっとの加工をすることによって、これが兵器にも使われますし、また平和利用の製品となる。そういった点から非常に困難でございますので、日本といたしましては専門家に研究させる。しかもたとえば化学兵器を開発、製造しているといったことの疑いがあるといった場合には、その疑いを持ったところの国がこれを告訴する、あるいは国連の事務総長に告訴いたしますか、あるいは国連の安保理事会に告訴いたしますか、いろいろな考え方はあるわけでございますけれども、告訴してそれを事務総長なりあるいは安保理が任命するところの専門家をして調査員を派遣させる、こういったことも考えているわけでございます。いわば有事査察と申しますか、そういったことも一つの方法ではないかと考えているわけでございますが、いずれにいたしましても、非常に困難なものでございますので、専門家の意見を十分に検討いたしまして、それからわれわれとして提案できるようないいアイデアがございましたならば、これを提案していきたい、こう考えているところでございます。
○樋上委員 最後に、外務大臣にお伺いいたします。 軍縮委員会で具体的な提案をしなければ説得力が弱く、いわゆる軍縮委員会参加が実現された意義さえ問われかねない、そのために核、生物、化学、そういったものの軍縮を専門的に検討するという外相の諮問機関を新設する方針だと新聞記事を見ましたが、諮問機関はどうなっておるのでしょうか。
○愛知国務大臣 これにお答えする前に、先ほどの樋上さんの御質疑に対しまして軍縮委員会の状況を御説明申しましたのは、政府としての意図を若干でも御理解いただきたいと思ったからでございますので、御了承いただきたいと思いますが、要するにいろいろと建設的な御意見を伺いまして、たいへんありがたく思っておりますが、政府といたしましてもこのBC兵器の軍縮問題についてはできるだけの努力をいたしまして、ただ単に一九二五年の議定書を批准するということではなくて、これはほんとうの第一歩である、こういうふうな考え方に立っているわけでございます。 そこで諮問委員会の問題でございますが、これは私としてもたいへん残念に思っているわけでございますが、実は四十五年度の予算並びに設置法の関係で、軍縮につきましてはこの問題だけでございませんで、核の軍縮についてもたとえば地下実験の禁止をはじめ、あるいはまた海底の軍事的利用禁止そのほか多方面にわたりまして、政府としては考え方を展開させていきたいと思っております。そこで外務省の本省にも軍縮に関する一つの部局を新設いたしまして、同時に各界のその道の権威者が日本にはずいぶんおられますので、こういう方々を組織化して大いに陣容を整備いたしたいと考えたわけでございます。しかし政府全体の行政機構の拡張を抑制するという大方針がございます関係で、これは断念せざるを得なかったわけで、現有勢力をもってできるだけ努力を新たにすることにいたしました。それから諮問委員会的なものは、実は前から事実上構成しておりましたので、たいへん不便ではございますけれども、各界の専門の方々にほんとうにこれは奉仕的に御協力をいただきまして、外務省としてもあるいは関係各省といたしましても、十分知識経験を活用させていただくことにいたしております。同時に当面のところ一番大事であると考えましたのは、ジュネーブの軍縮委員会に参加した以上は、現場において相当の組織をつくることがどうしてもこれは対外的により一そう必要であると考えましたので、このほうは小規模ではございましたけれども、設置法の改正の中に入れていただきまして、これも会期末までには参議院でも成立させていただけると思っておりますので、ジュネーブに日本の軍縮代表部を設置して、専任の大使を置いて、そして今後軍縮委員会における活動に遺憾なきを期したい、かように存じております。 なお、先ほどもお名前も出ましたけれども、専門家の方々には軍縮委員会にも参加をしていただく、こういうことも現にやっておるようなわけでございまして、政府全体の立場からいって、十分に機構を拡充することはできませんでしたけれども、いろいろのくふうをもって、大いに努力をいたしておる、これが現状でございます。
○樋上委員 それでは最後にもう一つ念のために申しますが、政府は、アメリカ軍は日本本土にBC兵器を持ち込んでいないとはっきり御答弁ができますか。
○愛知国務大臣 これは昨年来申し上げておるとおりでございます。そして先ほど楢崎さんからも御質疑がございましたが、たまたまと言うと、また問題が起こるかとも思いますけれども、この条約議定書の対象として使用禁止になっておりますこういう種類のものは、日本本土に米軍としても保持していない、あるいは沖繩に保持しておったものについてはこれを撤去するということが決定されておりますことは御承知のとおりと存じます。
○樋上委員 私のようなしろうとは特別の資料もございませんし、米軍基地に行って知るよしもない。また日本政府のことばを信頼するしかありません。沖繩に一流中の一流のVXガスがあるとは想像もしていなかったが、それを配置されておることを知ったときは、驚くというよりは私は憤怒を感じました。日本政府も本土基地内に立ち入って、毒ガスがあるかないかを調べるわけでもなく、米国の通報及び言明を信頼するだけであると私は思うのです。横田基地に毒ガスが貯蔵されていると報道されても、それは化学発煙剤だといわれれば、中に入って調べられない。政府を信頼するしかないのでございます。そこでほんとうに日本本土にはBC兵器はあるのかないのか、それ以上私は本土にあるではないかという詰めの資料もありませんので、政府を信頼いたしますが、しかし、このようなことが起きることも望みませんが、もし信頼を裏切るようなことが起きた場合、政府は信頼を裏切った行為に対してどのような責任を持たれるのか。最後に大臣にお伺いしたい。
○愛知国務大臣 その点につきましては、政府は御信頼をいただいている次第でございますから、政府としてはその御信頼にこたえるようなりっぱな態度で善処いたしたいと思っております。
○田中委員長 井川条約局長から発言を求められておりますので、この際これを許します。井川条約局長。
○井川政府委員 楢崎先生よく御存じのとおりに、この地位協定の適用は、実際的にはわが政府の権限ある主務官庁及び米軍との話し合いのもとに行なわれておりまして、また合同委員会あるいは分科委員会において、そのような話し合いや準則などができておるわけでございます。 御質問の本件に関しましては、いわゆる刑事分科委員会だと思います。いままで御質問の点につきまする何か書類があるかどうかということを外務本省においてさがしてもらいましたけれども、現在までまだ見つかっておりません。したがいまして、私がただいま申し上げられますのは、この十七条第十項(a)項の解釈の問題になるわけでございますけれども、この十項(a)項に書いてございますとおり、「合衆国軍隊の軍事警察は、それらの施設及び区域において、秩序及び安全の維持を確保するためすべての適当な措置を執ることができる。」とされております。したがいまして、まず第一に、もとよりこれはその合衆国軍隊がどのような権限、手段を与えられているかという制限があるわけでございますけれども、その上にまた、それは通常の警察権の範囲内でなければならない、また秩序及び安全の維持を確保するための適当な措置でなければならない、こういう制限があると思います。したがいまして、それらの制限の中におけるいわゆる警察行為、これが通常の場合にはおそらく日本の法律にございます警察官職務執行法程度の内容の範囲内のものであると考えられるわけでございますけれども、そういうふうな措置をとることができる。したがいまして先ほどのいわゆる催涙弾のことでございますけれども、私、この条文を読みましての解釈は、たとえば一人の者が部屋にこもってピストルを外に向かって撃つというような場合に、外から催涙弾を撃ち込むというようなことは当然許されておることと思います。しからばいわゆる群衆に対して催涙弾を使用するということは、そういうふうな具体的な事例がこの施設及び区域においてあるかないかということは、非常に疑問な点でございますけれども、かりにそういうふうなことがあるという前提におきまして、それが秩序及び安全の維持を確保するため適当な措置であるという限界の中におきましてはそれが可能ではないか、こう解釈する次第でございます。 なお、第二点の外部の問題につきましては、十項の(b)項に書いてございまして、「前記の施設及び区域の外部においては、前記の軍事警察は、必ず日本国の当局との取極に従うことを条件とし、かつ、日本国の当局と連絡して使用されるものとし、その使用は、合衆国軍隊の構成員の間の規律及び秩序の維持のため必要な範囲内に限るものとする。」と規定されておるわけであります。 たいへんお待たせをいたしまして申しわけございません。
○楢崎委員 ただいまの御答弁は、十七条十項の解釈についてあるいは運用について、合同委員会の合意議事録で詳しく出ているはずです。それがいまお手元にないということですから、私が質問したことに適切な答弁ではない。足らざるところがあると思うわけです。もしやられるんだったら、まだやってもよろしゅうございますですよ。私は、時間がないということですから——手元にないとおっしゃったでしょう、議事録は。
○井川政府委員 ただいままで、外務本省におきましてその関係の文書類を調べさせましたけれども、御質問の催涙ガス云々のことに関する書類は見当たりませんでございました。
○楢崎委員 それで、私が先ほど質問したのは、施設及び区域内の場合、外の場合がある。区域外の場合はどこまで米軍は行動し得るか、それをお伺いしたわけです。私、なぜこういう質問をするかというと、おととし、あの「エンタープライズ」が佐世保に入港した。いわゆる米軍基地に対してデモが行なわれた。一部の人たちが米軍の基地内に入った。あのときは、幸いにして、いわゆる日本側の機動隊がおったからそれにまかせられた。十項の場合は、そういう余裕がないときのことをここでは規定してあると思うのです。いわゆる七〇年安保の年といわれるこの年ですから、どういう大衆運動が行なわれるかわからない、あるいは、米軍基地に対しても行なわれるかわからない現実の問題です。これは、外務大臣がよく言われる現実の問題です。だから、私はこれを問題にしている。 さらに、先ほど質問者の質問にありましたのですけれども、米軍は日本本土にBC兵器を持っておる。広島の広弾薬庫にそれが貯蔵されておる疑いがある。それからそのほかの弾薬庫にも貯蔵されておる疑いがある。どういう種類のものがあるか。先ほどはマークまでも私は示しました。この点は、いままで国会で明確になっていない。米軍が日本本土にBC兵器を持っておるかどうかということは明白になっていない。ただ、致死性のBC兵器はないという言明があっただけであります。大体、この種の兵器の禁止の問題について、致死性か非致死性かを分けること自体が本来ならば問題である。たとえば、CNにしても、ウ・タント報告書にあるとおり、三名の死亡例が出ておる。ベトナムに使われたBC兵器ではオーストラリアの兵隊が死んでおる。条件次第によっては致死性なんですよ。だから、これが致死性か非致死性かという、そういうことで分けるということは、非常にこれは無意味なことです、この禁止の目的からいえば。それで、私は問題にしておるのです。 きょうは、この議定書を採決されるそうですから、私は、時間をとりませんが、明日外務委員会が行なわれますから、そこでもう一ぺん言います。在日米軍はBC兵器を日本本土内に持ち込んでおる。どういう種類のものがあるか。持ち込んでおる場所はどこか。それから、レッドマークはどういう内容なのか。さらに、レッドマークにどくろのマークが入っておる。こういうドラムかんはどういう内容のものか。さらに、日本本土に持ち込まれておるBC兵器はどこでつくられたものであるか。これらをひとつ、明日の外務委員会の途中で御回答いただきたい。よろしゅうございますか、委員長。
○田中委員長 承知しました。
○楢崎委員 それでは終わります。
○田中委員長 質疑を続行いたします。曽祢益君。
○曽祢委員 私は、私自身が当外務委員会を通じまして、かねてから、日本の国際軍縮への熱意の一環として、いわゆるBC兵器を、単に戦時の使用だけでなくて、完全に、実験、製造、保有及び使用、こういうものを全般的に禁止するための一里づかとして、古い条約であるけれども、一九二五年のこのジュネーブ議定書をすみやかに批准することを強く要請しておった一員でありますから、まるで討論みたいになっておかしいのですけれども、この議定書の持っている効用、役に立つ限界、したがってそれは非常に制限されたものだということを十分に承知しつつ、実はちょっとだけ伺いたいと思ったわけです。 私の見るところでは、本日の委員会の審議を通じましても、多くの同僚委員の御意見は、言うならば立法論である、ジュネーブ議定書そのものの。これをいまさら拡大して解釈しようというのはなかなか無理があると思われる。これはいずれも今後の日本の軍縮への努力、特にBC兵器の開発から実験、製造、使用の禁止の段階において取り上げられるべき問題が非常に多いと思う。たとえば、この議定書が禁止しているのは、まず第一に戦時の使用だけにしかすぎない。すなわち、戦時の定義はいろいろありますけれども、戦争の使用という以外は、これはもう完全に抜け穴になっている。しかも、その場合でも、多くの国がこの議定書の署名、批准あるいは加入国に対してのみ制限の義務を負うんだということがはっきり書いてある。したがって、それ以外の国に対しては、これは全然禁止の義務を負っていないわけです。そういうように使用の制限が非常に限定されているという重大な欠陥がすでにそこにあるわけです。 それからまた、禁止の対象の問題にしましても、先ほど来るるお話があったように、残念ながら、現在の実定法的な見解からいうならば、これは、いわゆる致死性のものだけについてやっと合意が成立しているだけで、それ以外のものまでこの議定書が禁止をしていると認めるのは無理がある。したがって、これは、それ以外にも、警察上の必要から、どうしても催涙ガス等については禁止すべきでないという非常に強い要望が国によってはあるようでありますけれども、少なくともそういう意味から、これで禁止されるC兵器、化学兵器というものも実はもともと非常に限定されている。B兵器については、そういうメンションをしているだけで、実際上B兵器の内容を十分に検討したものでも何でもない、こういう非常に制約があるものと私は思うのです。したがって、それがいい悪いは別として、すべてのこれからの重要な問題は、とりあえずこれを四十五年間もほうっておいたことについて、いろいろの理由はあるだろうけれども、これもやったほうがいいのであるから、まずこれをパスして日本が批准して通す。これは国連決議にも従うゆえんであるし、おくればせでもいいことだからやる。しかしおもなる国民の関心も政府やわれわれ国会議員としての任務も非常にむずかしいことであるけれども、すでに国連の場において現実の課題になっているBC兵器の正確な禁止をどこまでするか、この内容、そしてこの禁止の場合に、むろんそこに実験、開発、製造、貯蔵及び使用、こういう順序でこっちの問題に全力をあげていくということが要請されるのだと私は思う。 そこでまず非常に簡単なことですけれども、イギリスがこういったBC兵器についてかなり勉強しておりまして、ことにいま国連局長からの説明にもありましたように、イギリスは少なくとも当初の案としては実際上はC兵器は区別するのが非常にむずかしい、いわゆる軍事用、非軍事用をどこで線を引いていいか非常にむずかしいということから、まずだれが見てもいかにも残虐であるし、わりあいに軍事用と平和的な目的が区別しやすいB兵器、これについては実験についても開発についても製造についても踏み切って禁止しようということを言い出した。なおかつ実際上の査察が非常に困難であるから、いわゆる有事査察ですか、確かにこれを使ったと思われるようなクレームがつくような場合に国連等に訴えて、この条約に賛成するものはそういう特定の場合には——毎日いつでも国境を越えて査察などということはとうてい共産国なんか受け入れないわけですから、そういったような十分に文句を言う現場が起こったときにのみ国連等を通じて査察するということを提案したのだと思うのです。それに対して日本側が、それはいかぬ、BとCとをやはり両方とも——むずかしいと思うけれども、そこは専門家が知恵を出し合って勉強して、BもCも、生物兵器も化学兵器もやはり同様に開発等から禁止していかなければならぬ、こういう態度をとられたのは原理的にはわかるのですけれども、その点をどういうふうに説明しておられるのか、それをまず伺いたいと思います。
○西堀政府委員 これは先生がもうすでに申されましたとおり、C兵器につきましては非常にめんどうでございます。しかしながらやはりわが国といたしましては国是といたしまして、BC兵器全般を使用のみならず開発、製造それから貯蔵、これも全部禁止するんだという立場を貫きたい、こう考えております。しかしながら、申されましたとおり確かにめんどうでございます。しかしながらそこには何らかの専門家をして検討せしめたならば活路が見出されるのじゃないか。こういう見地から実はわが国といたしましては、まず実質的にBC兵器全体につきましてそれの査察と申しますか検証と申しますか、その方法について検討させようじゃないか、こういうことでございます。特に製造につきまして生物剤と化学剤のうち神経ガスとそれから毒素、これは無条件禁止が可能だそうでございます。したがいまして、いまの神経ガス、毒素は同一の条約で禁止を規定できるかもわかりませんけれども、他の化学剤でございますとか、これは平和産業との関係が非常に大きいので、製造、貯蔵、民間使用等につきましては国際機関に報告する手続で十分ではないか、こういった提案がスウェーデンからも出たわけであります。それでわが国もそのスウェーデンと同様にCB兵器の一括禁止またはその分離禁止といった法律的な形式よりも実質的な内容についてまず検証することが必要であろう、こういう主張をいたしました上で、CB兵器の開発、使用、製造及び貯蔵を禁止する場合に、先ほど申しましたように国連等に対する告訴とか、それから国連事務総長が専門家の名簿を作成しておきまして、何か告訴があった場合には直ちにそれに依頼してこれに査察せしめる、こういったいろいろの案を提案しているわけでございます。 そこで今後の問題なんでございますけれども、確かにいままでの研究の結果でございますと、CB兵器の禁止問題、この審議が非常にスピーディーに進展するということは望み薄といわざるを得ないと思います。しかしながらこのCB兵器の実質問題、なかんずくただいま申しましたC兵器でございますね。この検証問題については、今回安倍代表の出席しておりました春の軍縮委員会においても非常に活発な討議が行なわれまして、また東側の諸国も安保理への告訴手続の案文を提出するといったように、若干の歩み寄りを見せたということがございますので、これは昨年の会議に比べますとわれわれといたしましてはやはり非常な収穫であったと考えているわけでございます。したがいまして、わが国といたしましては軍縮委員会がこの実質討議をさらに進めまして、といいますのは、一つの法律、条約でもって禁止するかどうか、そういった法律的な形式的な議論はあとにして、この実質的な討議をさらに進めまして、問題となっているC兵器の開発、製造、貯蔵禁止、これの検証に関する討議をさらに続けまして、すみやかにこのCB兵器の禁止を実現するように努力したい、こういまのところ考えている次第でございます。
○曽祢委員 次の問題は、CBあるいはBC兵器と言ってしまうとわかったようなことなんですが、どこから先が兵器なのか、どこまでは兵器でないのか、なかなかそこら辺が問題だと思うのです。ですからいわゆる生・化学剤というようなことばに結局なりますけれども、どこから先を禁止するか。特に一番問題なのは、そういうものは道義的にいいか悪いかは別として、どこの国でも警察用に使っていると思われる催涙ガス等をいわゆる禁止する兵器の中に認めるかどうかということは一国の内部において非常に議論のあるところだと聞いています。特にイギリス労働党のごときは、むしろ党が割れてしまって、軍縮大臣は大いに禁止に賛成で、また内務大臣は北アイルランド州の暴動鎮圧にこのくらいなのは使わないでどうするのだといってイギリス労働党内閣の中で閣僚が大げんかしてしまったということがあったと聞いているのです。したがって、そういう現実を踏まえて、いま外務省がすでにある程度アイデアを出されたいわゆるBC兵器といいますか、それの開発、研究、実験を含めて製造、保有、使用を禁止すべきものという中の化学の中には、たとえば警察が通常使う程度の催涙ガスが入っているのかどうか、これをひとつ明確にしていただきたい。
○西堀政府委員 軍縮委員会の場におきましては、化学それから生物兵器ということでもってその内容をどうしようかということにつきましては、わが代表はまだ一言も触れていない。しかもそういったCB兵器の内容自体について、わが代表のみならず他国の代表も、これは概念論としてCB兵器ということで、むしろ問題はその使用と製造、開発それから貯蔵といったそっちの部面に論点が置かれまして、したがいまして、BC兵器の内容と申しますか、CB剤の内容ということについての討議は行なわれておりません。
○曽祢委員 それにしましても、先ほど来お話に出ているように、スウェーデンの国連総会における決議案等にもそういうことは触れているのですから、外務大臣はたとえばその問題どう考えておられるか。私は、とにかく人質なんかをとって自分がその人質を閉じ込める、そういうときに催涙ガスぐらい使わなければ警察が困るということがあると思うのですね。必ずしも暴力学生や何かだけの問題では毛頭ないと思うのですね。ですから、そういう問題はそういう問題として、これは兵器じゃないのだというような問題がどこかにあると思うのです。そういうことをどうお考えであるか。催涙ガスの通常警察用と認められるものまで禁止するのかしないのか、これに対する外務大臣の見解を伺いたいと思います。
○愛知国務大臣 その点は確かに一つの問題でございまして、政府の部内でも寄り寄り検討中でございます。私見をもって申し上げますれば、やはりある種のものは国内的に使い得るものを残すべきではないか。私見でございますが、ただいまそんなふうに考えております。
○曽祢委員 私は冒頭申し上げましたように、このジュネーブ議定書には、すみやかに批准をすべきである、こういう意味の質問でありまするから、まるで討論みたいになってしまったのですが、討論は省略いたします。これは批准するか。これからの段階こそ重要なんで、ぜひ政府に外務省を中心としてこのBC兵器の開発、実験から製造、貯蔵、それから使用禁止、これの一貫したりっぱな一つの科学的な日本案を推し進めて、国際軍縮会議の場所において大いに勉強をしてがんばってもらいたい。 その希望を申しまして質問を終わります。
○田中委員長 不破哲三君。
○不破委員 私どももちろん今度のジュネーブの議定書については、細菌兵器、化学兵器の全面禁止をやる、特にその使用禁止をやるという点で、むしろ日本の批准がおそきに失しているという見解を持っているわけですけれども、これをほんとうにそういう非人道的な戦争手段を禁止する、使用を禁止するという方向で有効にその効果を働かせていくためには、やはりこの兵器の範囲の問題、先ほどから議論されておりますこれが非常に大きな問題であると思います。その点で、まず幾つかの質問を初めにいたしたいと思います。 昨日西堀国連局長から御説明があったのを伺いますと、このジュネーブ議定書で禁止をされているガス兵器は、致死性のものだけでなしに、非致死性のものでも効果が持続的であるものについてはこれは含まれるべきであるというような見解が述べられたと思うのですけれども、きょういただいたこの表、これは先ほどの説明によりますと、全部致死性兵器である。そうしますと、非致死性兵器で議定書の対象になるものはないのかどうか、現在開発されている化学兵器で。その点について最初に範囲の問題を聞きたいと思います。
○西堀政府委員 本日御提出申し上げましたその表でございますとおり、それがこのジュネーブ議定書において禁止されておるものとして各当事国の間に完全なコンセンサスがある、言うなれば、これだけは含めるという意味においてそこに何らの異論がない、これが致死性のガスでございます。
○不破委員 そうしますと、これ以外には、何らの異論もなく合意されておるものは存在しないというふうに見るべきでしょうか。
○西堀政府委員 そのとおりでございます。
○不破委員 全部のガスについて伺うわけにはいかないのですけれども、いまアメリカで正式の兵器として採用されているガスについてはどれだけのものがありますか。
○西堀政府委員 もちろんこの点について発表がございませんので、われわれとして正確というものを申し上げることはできないのでございますけれども、一般にいわれているところによりますと、米国が保有している毒ガスといたしましては、神経剤のGB(サリン)でございます。それからVX、それからびらん剤のHD、これはマスタードでございます。それから精神錯乱剤のBZ、このほか暴徒鎮圧剤としてCS、CN、DMを保有している、こういわれております。
○不破委員 そうすると、精神錯乱剤のBZ、それから嘔吐剤のDM、催涙剤のCN、CS、これは全部議定書の対象からははずされるという見解ですね。
○西堀政府委員 本日御提出申し上げました表にないという意味において、もちろんこれはこのジュネーブ議定書の禁止の対象になっているものには含まれていないのでございます。
○不破委員 そうしますと、もう一つ伺いたいのですけれども、この表の性質ですね。これは先ほどの説明ですと、私二重の説明があるように思うのです。一つは、いままでに合意されている範囲がこれである。残りの問題については、まだ合意がされていないという説明と、それから日本政府の解釈として、この範囲に限定すべきであるという場合とは、問題がおのずから異なってくるわけですね。それで政府側がこの表を提出されたのは、日本政府はこれを限定すべきであるという意味なのか、それともいま合意されている範囲はこの範囲であるという意味なのか、その点明確にしていただきたいと思うのです。
○西堀政府委員 先ほど申し上げましたとおり、これは日本政府の解釈ではございませんで、そこに掲げましたものに関する限りはどの国も異議を申し立てていない。と申しますことは、それ以外のものにつきましては大かたのものが、あるいは合意したものがあろうかもしれませんが、異議を申し立てておるという意味におきまして、このジュネーブ議定書の禁止の対象にはできない、こういう意味でございます。
○不破委員 そうしますと、このほかのガスの問題については、これから合意のことが問題になり得るというふうに理解をしなければならないと思いますが、そうしますと、精神錯乱ガスあるいは嘔吐ガス、催涙ガス、この三つともこの議定書の対象から省くべきものであるという見解を述べている国は、何カ国くらい調印国の中であるのでしょうか。
○西堀政府委員 現在、このジュネーブ議定書の当事国全体について、いま申されましたところのガスについての見解というものをわれわれつまびらかにしないのでございますが、少なくとも軍縮委員会のメンバーになっている国は御承知のとおり十八カ国、ふえましていま二十六カ国でございますけれども、そのうちの若干のものにつきましては、軍縮委員会の場でその見解が明らかにされましたので、それを申し上げますと、英国は、CSその他類似のガスはジュネーブ議定書の範囲外であると認めると述べております。それからオランダ代表は、戦時における催涙ガスの使用について非難さるべきは使用自体ではなく、その誤った使い方である、こう述べております。それからまたカナダ代表は、催涙ガスなどの治安維持用化学剤は不使用のコミットメントから除外されているという政府声明を軍縮委員会において読み上げたのであります。あとは逆の立場でございます。御質問の諸国はこれだけでございます。
○不破委員 そうしますと政府からいただいた資料によりますと、この議定書の寄託国は現在まで六十八カ国、そのうち現在合併その他で独立国として存在していない国を除きますと、六十四、五カ国が議定書の当事国、調印批准を済ませたということになると思いますけれども、そのうちで、特にいまあげられたのは全部催涙ガスのたぐいだったと思いますが、催涙ガスについてもはっきりこれは含むべきでないという見解を述べているのは三カ国で、これは外務省が御承知であるということになるわけですね。 それで続いて質問ですが、そうしますともう一つこれに参加している各国の態度を見る一つの問題として、昨年の国連総会でのスウェーデン決議案についての表決の問題があります。あれは先ほど八十カ国が賛成をして、反対が三カ国、棄権が三十六カ国ということを言われましたけれども、この議定書に調印をし、批准をしている国の中で、スウェーデン決議案に賛成をした国は何カ国あるのでしょうか。
○西堀政府委員 ただいま計算いたしておりますから後ほど……。
○不破委員 私が概算してみますと、加盟国で約三十カ国が批准国、当事国で、つまりスウェーデン決議案に賛成しておる。約半数に当たるわけですね。それから積極的にこの議定書の対象から催涙ガスその他を除くべきであるという国が、先ほどあげられた二十六カ国のうちの若干の国です。限定されたものではありますけれども、調印国の多数を占めるというような数にはのぼっていない。こういう問題は、いま外務省が言われた、国際的にまだ合意されてない分をほんとうにこの条約の精神に沿って合意を確定していくという立場に立って、これからこの解釈を考えてみるならば、これは非常に重要な問題であると思うのです。 そこで外相に伺いたいのですけれども、先ほど外相はこの国連決議の問題について触れられた場合に、この中には条約に参加をしていない国もある、そういう国を含めて無責任な、論評的な、批評家的な態度も含まれている、あるいは国際政治の上で重要でない国も含まれているということを言われましたけれども、この条約の調印国の中で約半数の国が積極的意思表示をしているということは、政府側の説明によりますと、日本がいよいよこの条約の当事国になり、化学兵器、細菌兵器の使用をなくしていくという点で非常に積極的な立場をとるのだということになりますと、まだ確定されてない分についても当然確定の努力をしていくのが筋になると思うのです。その際に、この六十数カ国の当事国の中で半数近い国がそれに対して明確に、現在の細菌兵器、化学兵器の発展の状況に見合って解釈を拡大すべきだという立場に立っておるという現実は当然尊重されるべきじゃないかと思うのですけれども、それが、大多数の国が小さい国だからという理由でさして重視するにあたらないというふうにお考えなんでしょうか。
○愛知国務大臣 お話しのように、そういう事実は尊重していかなければならないと思います。 それからもう一つは、先ほどもお話がありましたが、いま軍縮委員会中心にBC兵器について取り組んでいる姿勢は、御承知のように製造、貯蔵まで禁止していくということを考えているわけでございますが、それと、あるいは私のしろうと考えですけれども、指定する種類というか対象との相関関係ということもあり得るのじゃないだろうか、こういう点もこれからもう少し詰めて検討したいと考えております。
○不破委員 この化学・生物兵器使用禁止の問題については、これから問題を広げていく場合に二つの面があるわけですね。いわゆる縦の面で製造、貯蔵禁止の面まで発展させる問題、それからもう一つは、使用禁止そのものの範囲を現在の化学・細菌兵器の発達の実情に応じて実際の精神が生きるようにさせる問題ですね。この点であとで政府が考えている軍縮委員会での態度の問題については続けて質問をしたいと思うのですけれども、ともかくここに化学・細菌兵器の禁止という国際的に認められた条約がある。これはすでに発効し成立しているもので、いままで政府の説明でまだ解釈が残っていると言われるけれども、一たん成立している条約を現在の状況のもとでそういう精神をほんとうに生かすように内容を確定するということは当然努力すべき一つの方向ではないか、このように考えるわけです。その意味で先ほど、昨年の国連総会での決議にあたって日本が棄権をしたことについて、これは条約の筋論と場所が違うんだというお話がありましたけれども、それは一つの形式の問題、筋の問題として、あの決議にあらわされたのは、いまある手がかりになっているこの議定書を、一つの解釈の確定という意味で——必ずしも拡大にはならないと思うのですが、解釈を確定するという意味で、この議定書をほんとうにいまの細菌・化学兵器の使用禁止を実効的ならしめるためにやろうとする努力の一つだったと思うのです。だから私は、それに日本政府が棄権をされたというのは非常に残念だと思うのです。 まあそれは前のことで、いま伺いたいのは、先ほどの国連局長の御説明ですと、ガス兵器の範囲の解釈については未確定なんだ、ここに出された表は国際的に合意をされた分で、残りの出ていない国は対象すべきでないという立場をとってはいないのだということを言われたわけですね。そうすると、今後これを拡大し、あるいは解釈をさらに広い範囲で確定をするという場合に、日本の政府がどういう態度をとるかということが非常に問題になるわけです。その意味で、これは決して解決済みの問題ではありませんし、これからも何べんも国連の総会なりあるいは条約の当事国の間で問題になることだと思いますので、伺いたいのです。 スウェーデンの決議案には拡大の内容が二つあるわけですね。拡大といいますか、未確定の部分について確定する内容が二つあるわけです。一つは、人体に適用されるガス兵器の範囲を、致死性といわれるものに至らないすべてのガス兵器に当てはめる。いま開発されているものでいいますと催涙ガス、嘔吐ガス、それから精神錯乱ガスといいますか、人間の無能力化ガスといいますか、この三種類まで含めるように広げるという問題。これは現在ベトナムで使われている、つまり実戦で使われているガスがこれだという点からいって、これは現実の問題としては非常に重要な問題である。ここに広げるということについて、すでに合意されているから云々ということではなく、日本政府のイニシアチブのある態度として広げるということに、この分まで確定するということに、賛成かどうかという問題が、当事国になった以上これから問われてくるというのが第一点に伺いたいわけです。 それから第二点は、もう一つスウェーデン決議案の拡大の内容は、これを動物及び植物を対象とするガス、細菌兵器にまで拡大をする。この二つの面でスウェーデン決議案というのは全面的にガス、細菌兵器を禁止する意味で、議定書の概念を確定しようという趣旨だったと思うのです。これは先ほど来言われておりますように、ウ・タント国連事務総長の態度も同じ趣旨のことを述べているわけです。先ほどの本会議では、佐藤首相がカンボジアの問題に関連して、何べんもウ・タント総長のことばを引用されましたけれども、自分の都合のいいところにだけ引用される感がなくはないわけです。こういう重要な問題に関しては、それは事務総長の個人的見解であるというようなことで片づけられては困る問題だ。そういう意味で、これから日本がこの議定書の当事国になった段階で、この内容を確定するというイニシアチブが当然発揮されなければいけない。その場合にも、すべてのガス兵器、催涙ガス、嘔吐ガス、それから精神錯乱ガスまで含めるという問題について、現在政府はどう考えておられるか。それから動物、植物に対するガスにまで適用するという問題についてどう考えておられるか。これはいまの国際的合意がどこにあるかという問題ではなくて、何べんも念を押して失礼ですけれども、日本政府がその問題をこれからどう積極的に対処をするかという意味で伺っているわけですけれども、それを伺いたいと思います。
○愛知国務大臣 お話のポイントアウトされている点は、私も私なりに理解しているつもりです。現在のこの議定書の解釈というものはこういうものである。それから入る以上は今後の立法論といいますか、解釈論についてどういう態度をとっていくべきであるか。できるだけ建設的に目的に沿うようにしていきたい、かように考えております。同時にこの議定書は、戦争の手段としてということで扱われております点も私は留意していかなければならない点であると考えます。それから、人類以外の点についてどう考えるかということについては、さらにとくと検討したいと思っております。
○不破委員 私も、この議定書の範囲を、戦争の手段から国内の手段に拡大をして、その拡大の問題を言っているわけじゃないのです。国内でのそういう使用の問題については非常に大きな問題がありますけれども、これは国際的な条約文書として戦争手段としてというふうに限定をされておりますし、それからスウェーデンの決議案でも、国際的な武力手段としてと限定されているし、ウ・タント総長の発言も同じような限定がありますから、問題を複雑にしない意味で、戦争の手段として処理されることはこの条約に関しては賛成なんですけれども、現実に南ベトナムでは、戦争の手段として、特にCSなどが使用されて、これは昨年の四月にアメリカの国会に、アメリカの軍縮局の顧問の教授が証言した中でも、現にベトナムで、これは催涙性のガスに分類をされているけれども、現に死者を生んでいるということが公式の場で当局者から報告をされているということもあるわけなんですね。ですから、そういう問題について、当然ほんとうに防止ということを考える以上、いまの国際的合意はこの程度しかないということに甘んじるのではなくて、積極的に、日本政府の側の解釈はこうであるという立場を政治的にも道義的にもとり続ける義務と責任があるように思うのですけれども、その点についての御見解を伺いたいと思います。
○愛知国務大臣 政府の立場もよくおわかりいただいているようでたいへんありがたいのでありますが、要するに戦争の手段としてのBC兵器ということで、私は積極的に考えてまいりたい。そのワクがあるということは留意していかなければならない、かように考えております。
○不破委員 重ねて伺いますけれども、戦争の手段として錯乱ガスあるいは嘔吐ガス、催涙ガスを使用することについての見解はどうなんでしょうか。
○愛知国務大臣 そういう目的のために使用を禁止すべきものの範囲というものは平和目的に沿うように建設的に考えていくべきものである、かように考えております。
○不破委員 どうもあまりはっきりした回答ではないわけですけれども、私は日本政府がこれに参加をする以上は、当事国になる以上は、一九二五年にこれがつくられた当時の段階と今日ガス兵器が非常な発達を見ている段階とでは当然その適用の内容については、ほんとうにこの禁止の意味を実効的にあらしむるために現在国連で多数が賛成しているような立場を当然とり、その立場から国際的にも発言すべきだというように考えるのですけれども、その点での政府の具体的な態度が示されなかったということは非常に残念だと思います。 次に、第二点で伺いたいのは、いまのは議定書の問題についてだったわけですけれども、先ほどから外相も国連局長も言われています軍縮委員会での日本政府の態度に関連して伺いたいわけです。軍縮委員会における朝海代表の昨年の七月の発言を見ますと、化学生物兵器の禁止の問題に触れて、一九二五年のジュネーブ議定書があるが、その後の科学の発達に伴いこの議定書ではカバーされない兵器を製造できるようになったので同議定書を補足する必要があるというように書かれておりますね。これは当然、政府の解釈でいまこの議定書でカバーされない兵器について補足をして禁止する措置をとるべきであるという趣旨に読めるのですけれども、この議定書ではカバーされない兵器であって政府が補足して禁止措置をとるべきだと考えているガス細菌兵器は何なんでしょうか。
○西堀政府委員 ジュネーブ議定書におきましては、不破先生のおっしゃるとおりその範囲こそ明確になっておりませんけれども、とにかく一応窒息性、毒性並びにそれに類するガスということが書いてあります。それにプラス細菌学的兵器ということを書いております。いまわれわれの考えつくところでは、この細菌学的といいます中にはバクテリアまでが含まれるわけでございまして、それ以後の医学の進歩によりまして、現在におきましてはさらに小さなビールスというものもこれに入るわけでございまして、したがいまして細菌学的兵器というものではこれはカバーできない。最近それを拡張いたしましてビールスまでも含める、そのために生物兵器ということばが生まれるようになったということからもおわかりになりますとおり、たとえばいまの朝海代表の補足するという意味では、たとえばこのビールス兵器なんというものが含まれるということになるわけでございます。
○不破委員 そうすると、この補足はビールスだけであって、ガス兵器の問題については全く考えられていないわけですか。
○西堀政府委員 ジュネーブ議定書には窒息性ガス、それから毒性ガス、その他これに類するガスということでございますので、化学兵器につきましてはわれわれはこれでコンプリヘンシブである、こう考えております。
○不破委員 そうすると、先ほどの外相の答弁とも非常に違うように思うのです。外相は先ほどの答弁では、化学兵器についても、一方では平和利用を考えながらという留保つきでしたけれども、漸進的に考えたい、それから国連総会での決議についても尊重して考慮をしたいというように言われたわけですね。ところが、いまの国連局長の答弁ですと、議定書で足りない分を補足するという日本政府の提案の中にも、ガス兵器の問題についてはいま国際的に合意されている範囲で、一切拡大するつもりはないというのが政府の態度だというように聞こえるのですけれども、それでよろしいですか。
○西堀政府委員 朝海代表が現在のジュネーブ議定書を拡大、補足しなければならないと言った場合には、先ほど先生のおっしゃいました横の場合と縦の場合も考えたわけでございます。と申しますのは、これは使用の禁止でございますし、われわれがいまジュネーブにおける軍縮委員会において主張いたしておりますのは、縦の拡張、すなわち使用のみならず開発、製造、貯蔵、こういったものもございますので、こういったものも踏まえて補足しなければならない、こういう演説をしたわけでございます。
○不破委員 それはちょっと違うのです。私が読んだのは縦の部分ではなくて、この議定書ではカバーされない兵器を製造できるようになったので補足する必要がある。カバーされない兵器、つまり兵器の種類の問題ですね。そのあとで、この使用の可能性を除去するためには開発と製造と在庫の禁止が必要だということが二段になって言われているわけです。だからカバーされない兵器という場合に、兵器の範囲の拡大については、ガス兵器については一切考えていないのかどうかということを伺っているわけです。
○西堀政府委員 先ほど申し上げましたとおり、化学兵器につきましてはわれわれいまのところは考えられないのでございますけれども、今後どういったものができますかわかりませんけれども、当時朝海代表の考えておられたのは、先ほど申し上げましたとおりB兵器のほう、すなわちビールスといったものが具体的にわれわれの頭にあるわけでございます。
○不破委員 ことしの三月の軍縮委員会での安倍代表の演説の中では、わが代表団の見解の第一に、化学兵器と生物兵器の双方について禁止されるべき兵器の範囲を検討する必要があるということを冒頭に述べていますね。そうしますと、いまの局長の答弁ですと、双方についてと言うけれども、化学兵器のほうは現状でよろしい、生物兵器のことについてだけ範囲の問題を考えるというのが日本側の態度であるというふうに考えていいわけですね。つまりガス兵器の問題については致死性ガス以外に、議定書の解釈という問題についても、それから新しい化学、細菌兵器の禁止措置を新たにとるという問題についても、ガス兵器に関してはこれを拡大し、前進的に検討することは一切考慮にのぼっていないということですか。そうしますと、先ほどの外相の答弁とは非常に違ったことになるわけですけれどもね。
○愛知国務大臣 その朝海代表の演説につきましては、私どもとしても十分検討したわけでありまして、そのときの経過は、BCのBのほうに重点を置いた発想で原稿ができて、それを発表いたした。これはその当時の経過を申し上げ、そのときの気持ちでございますが、しかしそれは、ことに現在の段階においてCについては全然考えないのか、これは先ほど私が答弁申し上げたとおりの考え方でございます。
○不破委員 そうしますと、日本の政府として国際的な軍縮委員会という場所でその範囲の確定という問題を提起している以上、日本政府がこの範囲の問題を一体どう考えるのかという見解を持たないでその問題を提起するというのは、非常に不見識なことになると思うのです。 それでは、現在日本の政府の独自の見解としては、一応議定書の問題を抜きにして、いま国際的に禁止すべき化学・生物兵器の範囲については明確な見解をお持ちなのかどうか。もしまだ確定されていないのでしたら、それをいつごろ確定をしてそういうイニシアチブをとる用意をされているのか。もし確定されているのでしたら、その内容を伺いたい。
○愛知国務大臣 これは先ほどの縦と横との関係がまたこんがらがってまいりますけれども、気持ちとしては、建設的に広げるべきであると考えております。しかし現状において公式にはっきりした見解を述べよと言われれば、表にお配りしたものが一番間違いのない合意をされたものであるし、そしてそれに対して日本はもちろん賛意を表しているわけでございますから、現状のところにおいてはこれが確定的な解釈であり、意見である。同時にこれは先ほどから何べんも申し上げておりますように、この種の性格の問題は各国のほんとうの協力なくしてはできないことでありますし、日本だけがひとりで確定的な、ひとりよがりの意見を将来に向かって出しましても、私はあまり意味がないと思いますので、せっかく軍縮の場というものができまして、そこに日本も参加ができるようになりましたから、考え方を提示しながら、各国の協力を求めながら進んでいくことが一番実際的である、かように考えますから、ガスの問題について何と何を日本としては絶対に必要とする、広げるべきだということは、まだいまの段階でしかと申し上げる段階ではないと思っております。
○不破委員 いまの範囲の問題について言いますと、実はスウェーデン決議で示されている範囲ときょう政府から出されたこの範囲の間のものがいまベトナムで使われていて、国際的な世論の非難の的になっているガス兵器、化学兵器、全部この間に含まれているわけですね。しかもベトナム戦争に非常に関係があり、足場にもなっているといわれている日本の政府が、この問題に対して明確な態度を示さない。国際的に範囲の確定ということを提起をしていながら、あるいは議定書でカバーされていない新しい兵器について拡大するというので提起をしていながら、肝心のこの問題について態度を示されないというのは、現実にいま国際政治の中で問題になっているアメリカの化学兵器の使用について、いわばこれを合法化するといいますか、許すといいますか、こういう態度をとるものとして私は非常に重大だと思うのですけれども、この点について政府側が国際的にこういう問題を提起している以上、できるだけ早く確定された見解を——世界の舞台で一致すればそれに従いますという流れのまにまにの態度でなくて、イニシアチブのある態度をとられることを要望したいと思うのです。 最後に一つ伺いますけれども、昨年の七月以来沖繩でアメリカのガス兵器の撤去の問題が問題になっております。きょうもアメリカのほうでおくれていた撤去問題について発表があったようですけれども、昨年ガス兵器が問題になったとき、沖繩にどれだけの種類のガス兵器が配備されていたか。これは日本政府としてアメリカに問い合わせて確かめたかどうか。確かめたとしたら、その内容について伺いたいと思います。
○愛知国務大臣 技術的な点は政府委員からお答えいたしますが、御案内のように昨年問題になって、そしてこれこれの致死性のガスについての撤去を求め、アメリカももちろんそれに同意をいたしまして、公の発表もし、今年の春までに沖繩から撤去する約束をいたしました。それについて、オレゴン州とどこでございましたか、そこへ運ぼうということになりまして、アメリカの地元でこれに対する懸念の表明があって、そのために実際の運搬がおくれておりますことは遺憾でございますけれども、地元の人たちに対してアメリカ側が国内問題として、この危険でないことを現に説得をしておる。今朝の新聞に出ておりましたこともその一つであって、向こうとしては一生懸命、約束をしたとおりアメリカに持っていくという努力をしておるわけでございます。日本の政府に対しましては、おくれている事情に対して、こういうわけでもうちょっと待ってくれというような態度で了解を求めてきておる、これが現状でございます。
○不破委員 そうすると、沖繩から日本政府が撤去を求めたのは、致死性のガスに限っているわけですか。
○愛知国務大臣 致死性のガス、そうしてこれがさっき私も、たまたまと申してはおしかりを受けるかと前提をしてお答えいたしましたが、お配りいたしました表の中に入っているようなものは、アメリカとしては本土にはない、それから沖繩からは撤去をする、こういうことになっておりまして、私どもはそのとおりに理解をいたしておる次第であります。
○不破委員 そうすると致死性ガス以外の化学・生物兵器ですね、これについてはこの表に入っていないものはアメリカが沖繩に貯蔵をしていても、それからあるいは本土に貯蔵していても、これは日本政府としてはそれについてはとやかく言うつもりはないということでしょうか。
○愛知国務大臣 この点は先ほど政府委員からも答弁が留保されておるわけでございますけれども、その事実について調べたことはない、つまり致死性以外のものについて調べたことはございません、こういう答弁を申し上げている次第でございます。
○不破委員 沖繩ではたまたまガス兵器の貯蔵が問題になっていたわけですけれども、きょう発表されたところをニュースで聞きますと、撤去ということで発表されているのはVXと、先ほど表にあったGB、それからHDというふうに聞いているわけですけれども、それ以外のガスについては沖繩に存続させてあっても、これは日本政府がアメリカに撤去を要求したりする筋合いのものではないというふうに考えられているのか。あるいはもっとはっきり言いますと、昨年要求されたときに致死性ガスだけについて撤去を求められたんですか。
○東郷政府委員 米国側の発表によりますとすべての致死性ガスを撤去するということでございまして、いま先生がおっしゃいましたように今回の発表によりますと三種類でございます。その量につきましては当時確かめたわけではございませんが、今回の同じく発表によりますと容器を含めて一万三千トン、貨車十二両分というようなことでございまして、その他の非致死性ガスについては、ただいま大臣おっしゃいましたように日米間でその問題について特に話し合ったことはございません。
○不破委員 つまりアメリカからこういう発表があったということは私どもニュースを見ればわかるわけですけれども、伺っているのは、日本政府がガスの撤去を求めるときに致死性ガスだけについて撤去を求められたのかどうかということを伺っているわけなんです。
○東郷政府委員 そういうことでございます。
○不破委員 そうすると致死性ガス以外のものについてはあってもやむを得ない、あるいは日本側が撤去を求めたりする筋のものではない、こういう見解に立たれているわけですか。
○愛知国務大臣 これが先ほど申しましたように、たまたまこの一九二五年の議定書で使用を禁止されているようなものは撤去された中に入っておる、かように理解をいたしておる次第でございます。
○不破委員 そうすると日本政府の側から——これは去年のときにも、日本政府がアメリカに撤去を求め合意をしたということに対して、アメリカ側の担当官が、合意がされた覚えはないという新聞報道が出て、私非常にふしぎに思ったんですけれども、日本政府としてこの要求の問題には入っていない。それからまた、その以外のものについては態度表明をする計画は持たれていないわけですか。つまり簡単にいいますと、三種類のガス以外にアメリカのガスが沖繩にあることはまず間違いないわけですね、昨年以来の経過から見て。その三種類のガスだけがあるわけじゃなくて、アメリカが正式に採用している七種類のガス兵器の全部があるということは大体間違いないだろうといわれているわけですね。そのうちから今度三種類だけ撤去するという発表がきょうあったわけで、そうすると残りの四種類については当然残るわけですけれども、これについてはもう日本政府がアメリカに要求する筋合いではないというお考えですか。
○愛知国務大臣 そのほかのものがあるかないかということについては、先ほど来申しておりますように調べたことはございません。しかし同時に、この議定書の対象になっているような致死性ガスはもうなくなった、あるいはなくなりつつある、これだけはもうはっきり明確な事実でございます。
○不破委員 時間もだいぶおそくなりましたので、質問をここら辺で打ち切りますけれども、ずっと一連をしてみると、たとえば議定書の問題についてこの範囲の解釈が、国際的に合意された線はこういうことだということで解釈をされておる。ところがそれがだんだん詰めていくと、日本政府が禁止すべき対象がおのずからその範囲に限られていて、アメリカは日本の領土あるいはこれから二年後に日本の領土に返ろうとする沖繩についても日米間で交渉事項にしようとするものがまたその範囲に限られてしまう。つまり国際的に合意をされているのはここだということで、実際には日本の政府の態度がそこにずっと限定をされてしまうということに、ずっと話を伺ってみますとなっているわけですね。私はこれは今度日本の政府が生物・化学兵器の禁止を積極的に主張するということをうたっている立場から見ますと非常に大きな問題である。なぜならば、いま問題になっているベトナムの化学細菌戦争に関していえば、その基地として一番問題になっているのは沖繩であるしあるいはその背後地である日本の本土である。そこで特に沖繩については細菌化学兵器の貯蔵が明らかになってきているという事態の中で、肝心の日本が国際的な合意の線はこれだからということで、実際にそれについて政治的に非難もしなければ撤去も求めないということになる。この点は現実にベトナムで行なわれているアメリカの化学戦争を容認するという結果を生み出しているわけですね。私はこの点は非常に残念だし、これは客観的に見れば、アメリカがベトナムでやっておる化学戦争に協力する立場に日本政府が立つということになるということを重大問題として指摘せざるを得ないと思うのです。そのことを最後に指摘をさせていただきまして質問を終わりたいと思います。
○愛知国務大臣 この点は先ほども申しましたように、不破さんのおっしゃる縦の線と横の線とがごっちゃになるかもしれないと申し上げたとおりであって、国際条約としてはっきりと使用を禁止されておる、議定書の中にも規定されておる対象になっている危険なガスについては、これは撤去されておる。これは縦と横の線がごっちゃになるかもしれませんが、現状はさようなことであり、日本政府としてもそういう見解でこの条約に入る。そこで将来の問題としては、先ほど来申し上げておりますように、縦の線をだんだんと積極的に積み上げていきたい。これからの姿勢は別問題、これについては前向きに建設的にやっていきたい、かように考えておりますことをあわせて御了承願いたいと思います。
○田中委員長 本件に対する質疑はこれにて終了いたしました。 —————————————
○田中委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 窒息性ガス、毒性ガス又はこれらに類するガス及び細菌学的手段の戦争における使用の禁止に関する議定書の締結について承認を求めるの件は承認すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、本件は承認すべきものと決しました。 おはかりいたします。 ただいま議決いたしました本件に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○田中委員長 次回は明八日午後一時三十分から理事会、二時から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後十時二十分散会