P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
63回国会衆議院1970/04/08

外務委員会 第7号

発言数
128
登壇者
14
会派数
5
開催日
1970/04/08

会議録

田中榮一自由民主党

○田中委員長 これより会議を開きます。  旅券法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松本七郎君。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 きょうは運輸大臣に来ていただいてどうも御苦労さんです。いま審議中の旅券法改正案ですが、御存じのように海外旅行も非常にふえているので、旅券給付の能率もあげようというので、かなり改善のあとが見えるのですけれども、私どもが前回の国会でも重点的にただした点は、要するに、社会主義諸国あるいは承認国と非承認国の間、そういうところに、同じ旅券の発給にしても非常に差別があるわけです。だから、この差別をどの程度なくす姿勢が政府にあるか。またそういう方針に基づいて具体的に今後どう前進するかという点が今回の特に私どもの注目しているところなんです。  それで参考までに運輸大臣に申し上げるならば、旅券というのは許可でなくて、本来はもう全面的に認めるものだ。ただし、場合によっては気違いを外国に出すわけにいかないですから、そういう場合に個人を対象にして例外的にはこれを許可しない場合がある。そういうふうに本来は身分証明書であって、その身分証明書によって相手国に対して保護を要請する、こういうことでなければならないと思うのです。それが日本の場合は依然としていわゆる外出許可みたいな許可証的な性格を持っているわけです。この点は、外務大臣の答弁によりましても、政府は将来そういう方向に持っていきたいんだ、本来そらあるべきだ、しかし今日すぐそういうふうなところまで到達できないので、漸進的にそういう姿勢で取り組みたい、こういうことです。  そこで、いろいろ質問した中で、社会主義諸国、特に大臣御存じでしょうけれども、未承認国の中で朝鮮民主主義人民共和国に対する扱いが一番きびしいし、差別がひどいわけです。その次はドイツ民主共和国、これは朝鮮の場合は韓国から非常にやかましくいってくる、ドイツの場合は西独からいろいろいってくる点があると思うんです。そういう点を非常に気がねしている。だから今日はもうこういう情勢ですけれども、これらの面についても旅券法が改正になったあとは運営について大いに自主的な態度を貫いてほしいという要望を付して質問は展開してきたわけです。  そこで結局きょう大臣に私は御意見を伺いたいのは、時間が非常に制限されておりますから、一つ一つやっていると時間をとりますから、質問する要点だけ最初にごくかいつまんで申し上げておきますから、一応御答弁を願って、その上でまた詳しいあれが必要なら質問したいと思います。  一つは、社会主義諸国、これは同じ社会主義諸国といっても非常に違うでしょう。いろいろ違うでしょうが、社会主義諸国に行く人も非常にふえてきたし、これからもまたふえると思いますね。それと同時に社会主義諸国と体制が異なる国ともだんだん、一歩ずつではあるけれども、友好関係を前進させようという政府の方針ならば、旅券法というようなそういうものの扱いばかりではなしに、その発給自体においてはある程度の差別はあっても、それをなくすためにはやはり具体的な経済交流とか文化交流、学術交流あるいは新聞記者の交流、そろいうものを積み重ねることによって一そうその友好関係は促進するし、また旅券法のねらいも円滑に実施できてくると私は思うのです。だから旅券法を改正したらそれでいいというものではないので、やはり実際の社会主義諸国との交流をどうするかということが非常に大事なことになってくると思います。  そういう意味で特にまず第一にあげてみるならばソ連との関係ですが、これは皆さんの御努力によって自主運航もシベリア上空を飛ぶことによってだんだんできてきた。しかしもうあの以前から問題になっておったハバロフスクと新潟間なり、もう少し短距離の日ソの航空ということもずいぶん——あれは佐藤さんが何の大臣のときでしたかね、特に佐藤さんがこれは実現するという公約をしたこともありますね。そういうふうな状況です。今日は万博のために大阪——ハバロフスク間の航空が、これは一時的なものでしょうが、そういうところまできているわけですから、今後それらの航空路についてどういう方針で臨まれるか。  それからもう一つは中国の関係です。とれも現政府の中でもときどき日中航空協定とか実際の運航の問題等も一時的な、松村さん出迎えとかそういうことでなしに、全般的な問題としても話題にものっておったんです。単なる話題であって、少しも具体的に進むというような様子がない。こういう方針について、当面の責任者である運輸大臣の方針を聞いておきたい。  それからこれはあとのことになりますけれども、旅券法の改正の時期に関連して伺っておきたいのは、今日これはまだ運輸省の観光部の部内案らしいのですけれども、旅行業法案というものを用意されております。これについてかなり直接利害関係のある者あるいは業界からいろんな不満、意見等も出ております。それはどういうことかというと、第一は審議会の構成、これが受け入れ側の、意見があまり反映されないでちょっと片手落ちなところがあるんじゃないかという点、それから実際にこの法案を準備するにあたって、確かに形式的には旅行あっぜん業制度及び通訳案内業制度のあり方についてという旅行あっせん及びガイド制度懇談会というのがある。その懇談会が、こういう意見書を出して、これに基づいていま観光部の案ができたということになっていますけれども、形はいかにも民主的なようであって、実際の業界から出ている案そのものが、たとえば補助金をもっと上げるとか、あるいは試験制度をめぐるやり方等で中小企業が非常に圧迫されるような内容を持っているわけです。どの程度内容を御存じか知りませんけれども、それらについて少しあとで御質問したい。こういうことですから、ひとついま御答弁できる範囲で一応していただきたいと思います。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○橋本国務大臣 今回のハイジャックの問題につきましては、特に外務委員会は、問題が国際的な問題に発展いたしましたので、たいへん各党ともに非常な御心配にあずかりまして、まことに感謝、感激にたえません。私現地に責任者として参りましたが、ただ申しわけないことは、ああいうような事件でありますだけに、いろいろ国際的な関係で、たとえば韓国記者団、日本人記者団、日本人記者団も百人くらい行っておりますから、それに外国人記者団と三つのグループがありまして、それに対する十分な情報を提供することが不可能であった、実際上人手がありませんので。さようなことのために正確に事情を刻々と皆さんのところに御通告申し上げなかったために、いろいろ国内においては心配をかけまして、その点の不手ぎわはひとつお許し願いたいのであります。ただ幸い山村政務次官の自発的な勇気ある行動によって最終的な措置を講ずることができまして、不幸中の幸いであると心から喜んでおるわけであります。また韓国政府をはじめ、あるいはソ連、北朝鮮等が人道主義という大きな目的のために協力一致せられまして、イデオロギー、政治関係を越えて、そうして万全の措置を講じてくれた、これに対しては関係各国に心から御札を申し上げる次第であります。  この事件は、いろいろな意味において、われわれに考えるべき点、あるいは将来の取り扱いの点、こういうことについていろいろの資料と、またわれわれに考えるべき点を与えてくれたと心から信じます。何せ日本でハイジャックという問題は、これは初めてでありまして、それ自体でもってわれわれ当局だけではなくて、国民各位も非常な衝撃を受けた——外国のような何回かの経験があると別でありますけれども、ことに日本の場合は、先ほど松本さんからお話がありましたように、分裂国家といいますか、未承認国家がある。それと日本は国交を持っておらない。こういうことのためにいろいろな点で慎重に扱わざるを得なかったということも御了承願いたいと思います。  この問題は、いずれ関係委員会においていろいろ私の考え方も述べたいと存じますが、ただいま松本さんからの御質問の要点は、やはりこれにも関連があるのでありますからして、大前提として、さようなことを申し上げたのであります。  そこで、これは、私は松本さんの御意見も、また愛知外務大臣の——先ほどから松本さんのお話を聞いておれば、そういう外務大臣の御発言であるとすれば、これは、原則はそう変わっておらないのではないだろうか、私は外国旅行は好きでありませんのであまり行っておりませんけれども、あのEECグループといいますか、そういうところにおいては一つの身分証明書的なものをもってこれが済んでおる。しかし国交ができていない国では、やはり相当のむずかしさがあるようであります。御承知のように、東ドイツに入る場合は非常にむずかしい点があります。しかしながら原則としてこれほど飛行機による国際人的交流が激増してまいる場合において、かつまた世界のものの考え方が世界平和といいますか、そういう自由のもとに世界平和を求めるという人類のいわゆる大きな目的、こういうものがだんだんと実っていくに従って、こういうような人的交流が盛んになると同時に、ある意味においては人的交流を促進せしめなければならぬということによって、人類の平和といいますか、世界の平和を達成する努力が人道的な意味にも、あるいは政治の理想の上からも積み重ねられていく、とれが一つの理想であろうと思います。  そういう意味におきまして、政府、おそらく外交の責任者である外務大臣としても、現状で直ちにいま言ったようなことのできないことは、松本さんもお認めのようであります。しかしながら積極的に、そうして徐々にそういうような実績を積み重ねていこうという前向きの姿勢は御了解が願えるのではないだろうか、私は運輸大臣としての事務的なものの考え方にとどめざるを得ませんけれども、その立場から考えましても、できるだけ陰といっては問題がありますけれども、慎重なる中に人的交流としては比較的容易に行なえる状態をつくっていきたい、かような考え方を持っておりますので、外務大臣のお考え方と松本さんのお考え方とは、必ずしも全然食い違っておるのではない。ただ現在の国際、国交、あるいは条約等の関係から、その間におのずとある程度は違わざるを得ない点もあると思いますが、特に未承認国の場合、国交のない場合は、それらのお客を送った場合、あるいは入った場合に、もし不注意によって問題を起こしたときに、問題の解決が非常に困難になります。そういう意味においていろいろ慎重に問題を——向こうに送る場合におきましても、慎重なる態度をもってその人たちを送ったり受け入れたりしませんと、問題をかえってつくり上げる場合もあり得ると思います。そういう意味において、今回人道的立場で北朝鮮当局が山村政務次官や機長らを直ちに送ってくれたことに感謝をいたしたい。一つは、山村政務次官というものの資格がはっきりしておる。いまさらこれがどうかと調べる必要もない。機長にしても資格がはっきりしておるという点で、あまり御迷惑をかけることがなかったのではないだろうか、これが日本ですらも、なかなか乗った人の身分が当時はっきりわからなかった、住所と氏名が一致しなかったのもあったようであります。そういう状態で参りますと、かえって相手方に御迷惑をかげる場合もあるということで、お互いに公的機関を未承認国の場合には持っておりませんために、これらの行き違いが起こり得る危険性もありますので、できるだけ親善関係といいましょうか、人的交流は好ましいのではありますけれども、それらについても、おのずから慎重な態度をとらざるを得ないというのが、われわれの考え方でありますが、気持ちとしては、日本の憲法のたてまえからも、また総理大臣が言っておるように、どこの国とも仲よくしていきたい。イデオロギーを越えて仲よくしていきたい。おのずから国際政治の何はあるけれども、その気持ちとしては、どこの国とも仲よくしていくようにしたい、こういう考え方は、皆さんと決してあまり変わりはないと私は考えておるわけであります。  第二の中共の、いわゆる臨時便、ハバロフスク—大阪間の問題でありますが、これは実は私が官房長官をいたしておりましたその後において、当時交渉がありましたハバロフスクと日本との間——新潟等でありますが、それに対しまして、日本側も必ずしも反対ではない。その後四十四年に、日ソ航空交渉の際に合意したわけでありますが、ただ私は、当時官房長官としてソ連の大使にも、それからちょうど日本に参られました外務次官——大体かたかなの名前を忘れる傾向がありまして名前を忘れましたけれども、その従属者である外務次官が参りましたときにも、その問題は日本でもあるけれども、それについてはわれわれは必ずしも反対ではない。ただしかし、本筋でない問題に力を入れるよりは本筋に、モスクワと日本のいわゆる相互乗り入れを考えるべきじゃないか、そういうことによってお互いの信頼感が増すと同時に交通上の利益も非常にこれは倍加される、われわれはモスクワと東京間の乗り入れのほうがより日ソ関係の親善を増す上においては重要じゃないか、いろいろソ連には事情があるようだけれども、そういうことによって日ソ関係のいわゆる親善関係を抜本的に促進せしめるということが必要であろうということを、総理大臣、私も同席いたしましたが、私からも強くその点を要請をいたしたのであります。ちょうど四十年の暮れでありましたが、日本大使から、これはコスイギン首相の佐藤総理に対する親電であるという中に、日ソ航空について交渉をすることをしようという、本式の内容は忘れましたが、さような意味の電文があったのであります。そのときに、総理、私、当時の外務大臣、椎名君でありますが、これはどういうことだろうか。   〔田中委員長退席、永田委員長代理着席〕 ハバロフスクと日本間の問題であろうか。それなれば、私はすでに、その問題については原則としてはかまわぬけれども、それじゃなくしてモスクワと日本との間の本筋の、いわゆる航空交渉がわれわれは望ましいんだ、それについての回答をわれわれは知りたいんだ、こういうことを言ってありますので、私の判断としては、このコスイギン首相から言ってきたこと、これはモスクワと日本との乗り入れについて交渉を始めてもよろしい、お互いに検討してもよろしい、ころ理解すべきではないか。いろいろ総理、外務大臣と三人でお話しした結果、総理も、たぶんあるいはそうかもしらぬ、そういう意味にわれわれはとるということで、四十一年の元日に大きなニュースとなって、初めてニュースらしいニュースが元日の新聞を飾ったのであります。それからモスクワ−東京間の乗り入れ交渉が始まりまして、長い間かかりまして日本が自主運航を展開することになりましたが、とにかくそれがあったのであります。したがって、このハバロフスクと日本間のローカル線、この問題は日ソ航空関係から見れば、原則としては日ソ航空交渉において合意しているのでありますからして必ずしも問題はありませんけれども、ただ、これから経済上の問題を考え、あるいはこれは貨物の輸送等も考えておるようでありますが、そういう面から見て、はたして今後定期的に、永続的にやっていける可能性があるかどうか、現状からいって、という問題が残っているわけでありますけれども、現状では、ただいま御承知のように、ハバロフスクと大阪の間には大阪万博のための臨時便がすでに十二便運航されております。今後引き続き万博期間中はこれが動かされますので、それらの実績及び将来のお客さん及び貨物の量等を検討した上でお互いに——これは政治問題でありません。ある意味においてはこれは経済問題といってもよろしい。そういう極東の開発は、日本に対してソ連政府からも要請があり、日本ももちろんコマーシャルベースにおいて可能なものはやろう、こういうような基本的なことすらも出ておるのでありますから、したがって、この線について何ら政治的要件を加える必要はないという意味において、問題は経済的問題でありますから、私は万博等においてこれらの実績を見た上で、そうしてお互いに希望があれば検討を加えていく、こういう考え方でおるわけであります。  第三の、中共のいわゆる臨時便の問題でありますが、御承知のように、これは定期航空になりますと航空協定ということになります。航空協定を持つということは、政府間の協定ということになるわけなんです。そういうことが、何せ国際慣例であり国際通念なんですね、なかなかお互いに隣同士がというわけにはいかないところに国際政治のむずかしきもあることは御承知のとおりであります。そういうような問題があり、かつまたその間においては領空上、航空管制の問題があることは、これは御承知のとおりであります。韓国及び台湾側の航空管制の問題、これらの了解を得なければ飛べないという問題もある。こういうことで、いわゆる定期航路を結ぶことができるかといえば、そういうような国際関係等の問題から考えて、なかなか困難な事情が現状ではあるといわざるを得ません。ただ、松村謙三氏が向こうに参りまして帰る場合に、非常に健康上無理があるというのは人道上の問題であり、そういうような場合においては、これは私は外務大臣にお願いをし、また外務大臣もその意向でありますが、その必要があれば出してもよろしい、こういう了承を得ております。松本さんは、そんなことだけではなく、もっとスムースに人的交流ができたらいいじゃないか、こういうお話でありますが、いま申しましたように、中期航路を結ぶということは、やはりお互いに国家間に国際定期航路開設に関する航空協定がなければならぬ、こういうような間々かた苦しい国際関係がありますので、直ちに定期航路を開設するということは困難である。いわゆる臨時便の形で、しかもいろいろ制約がありましょうけれども、子の制約をできるだけお互いの理解で、より関係国の理解を求めつつ、そうしてこれを徐々に進めていくというわれわれの政府の考え方はひとつ御理解を願いたいのであります。ただ、総理大臣も外務大臣も言っておりますように、人的交流は非常にわれわれは好ましいと思っておる。したがって、最大限可能な範囲において、そうしてお互いに人的交流及びその国、お互いの国を刺激しないというかあるいは干渉しない、内政不干渉でありますが、それは政治の上ばかりじゃない。文化、言論の上においてもさようなことは抜きにして、そうしてお互いが知り合うというための、あるいは文化交流、人的交流というものは好ましい、こういうことは政府も言っておりますし、われわれもそのように考えておるし、皆さんもそのようにお考えになっておる。その道が必ずしも定期航空によらなくても、それは多少不便がありますけれども、しかし香港回りでも可能でありますので、できるだけ現状においてはそのような道を講ずる以外にない。ただ臨時便の場合は、やはり特に必要性があった場合、ケース・バイ・ケースで考えて、そうして可能な範囲で進めていく、かように私もいたしたいと考えております。  第四の、いわゆる旅行あっせん業法の改正の問題でありますが、この問題はまだ運輸省において成案を得ておる問題ではありません。ただ最近、御承知のように、非常な数で飛行機を利用する人が多くなってまいっております。あるいは一般の旅行も非常に多くなっておる。国内飛行をする者は、十年後には一年間に一億二千万人の人が動くだろう。そうなりますと、一年間に生まれた赤ん坊一人まで動く、ある人が三回、五回乗るからでありますが。さようないわゆる飛行機だけを考えても、旅行の数というものは非常に激増をしてきておる。そういうような激増に伴って、サービス業者あるいはそういう交通機関と旅客との間のトラブルあるいはあっせん業者との間のトラブルが発生し始めておりますので、そこで従来あまりに不明確であった旅行あっせん業者の取引のルールをきめたい、こういう考えは運輸省当局も考えております。しかしこのために大企業だけに片寄るような、中小企業を圧迫するようなことはもちろんあってはなりません。先ほどお話しがありました懇談会なるものは、これは運輸省の特別の機関でもありません。ある意味においては研究機関でありますからして、その機関から出されました意見は意見として、一応われわれは参考資料にはしますけれども、それを全面的に取り上げる考えもない。当然これらをやる場合においては、運輸省が自主的に独自の立場から関係方面の意見を十分に、中小企業に至るまで、あるいはお客さんの意見も十分に徴して、そうして旅行あっせん業者の中小企業の実態に対しても十分に調べた上、かつまた迷惑を、中小企業圧迫というようなことにならないように、全体が日本は営業の自由という原則があるのでありますからして、そういう上に立って公正にしてしかも自由経済、あるいは自由に商売をし得る、こういう原則をもある程度貫きまして、満足できるものをつくりたい。まだ残念ながら申し上げるような具体的成案を得ておらないのが現状であります。  以上、松本さんの御質問に対してお答え申し上げます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 順を追って少し質問をしたいと思うのですが、運輸大臣は、今度のハイジャック事件で人道主義の立場が貫かれて解決できたと、これは非常にけっこうなことなんですけれども、それを実際に担当されただけに、やはり未承認国といえどもできるだけそういう航空協定とかあるいは郵便協定とか、承認というところまでいかなくても、それとは別の次元でそういう協定ができることが人道主義を貫く上からも非常に大事な点だということをきっと痛感ざれたと思うのですよ。そういう点からも、私どもはいろいろ質問したいことはあるのですけれども、いま、少し問題を限って、まず第一にいまのハバロフスクと日本間のローカル線の問題、これは確かに以前はそういうローカル線よりもまずモスクワ−東京間、シベリアの自主運航ということと、それから当時日本航空が非常に難色を示したのは、御存じのように——運輸大臣、よく聞いておいてくださいよ、日本航空が難色を示したのは、将来はやはりビヨンド・モスクワ、パリなりロンドンまで飛べるということを獲得したい、それをしないでモスクワ−東京間だけにローカル線までやってしまうと、たとえば日本からハバロフスクまで行くと、あとは全部安いソ連の国内線を使ってモスクワまで行く、そういうことが固定化してしまうとこれはビヨンド・モスクワが実現できなくなる、これはもう世界の航空路としての東京というものの地の理からいっても、非常に国益を害することになるんじゃないか、こういう観点から——ただ日本航空が自分の利益という点だけでなかっただろうと私は思うのですよ、そういう立場から、むしろローカル線の問題はもっと先に延ばしてほしいということだった。ところが、今日はもろシベリア自主運航もできたし、それからビヨンド・モスクワも実現したわけですね。おまけにシベリア開発という、非常に日本とソ連の将来の経済交流の大きな基盤になる問題も、具体的にもう折衝が始まっているわけでしょう。そうなると、なおこれはハバロフスクと日本の間のローカル線の問題は私は切実な問題になってくると思うんですよ。だからそういう意味でこれはもう当時とは——ずいぶん昔のことをしきりに答弁されておったけれども、今日の時点においては当時とは事情が違うのですから、もう少し真剣にこれは万博のあともローカル線が実現されるようにひとつ努力していただきたい。  それから朝鮮の問題は、これは一ぺんに航空協定とかあるいは船の定期航路とか、そんなところまでなかなかむずかしいでしょう。しかし私はそれを政府の態度を是認しているわけじゃないんですよ。不満であり私どもはこういう状態ではだめだと思いますけれども、政府がそう言うからしかたがない、その範囲でどの程度のことが実現できるかという観点からいま質問しているのであって、何も政府のいまの態度をわれわれは是認しているわけじゃないということをよく御了解願いたい。そこで、人道主義を貫くならば今後やっぱり在日朝鮮人の帰国の問題それから自由往来の問題、こういう問題がこれから一そう切実になってくると思います。そういう問題についても、今度の貴重なかつ苦い経験をみずからざれた運輸大臣としては、よほどこれは力をかしていただきたい。その点もお願いしておきたい。  それから時間がないようですから急ぎますが、いまの旅行業法案、これについての問題点をごくかいつまんで申し上げておきたい。それはあまりこの懇談会の意見に拘束されないと言われるから、今後、運輸省独自の案をつくられるときに、十分考慮していただきたい点をこの際申し上げておきたい。   〔永田委員長代理退席、委員長着席〕  第一、その懇談会の構成なんです。これは旅行あっせん業が三名、それから宿泊施設側が三名、運輸機関が三名、これは日航とか国鉄とかバス協会、それから通訳案内、ガイド協会、これが一名、学識経験者が三名、それから官設機関三名、これは日本観光協会とかなんとかいう、そういうものでしょう。それでこの中で通訳案内及びこの学識経験者あるいは官設機関、これを中立とかりにしますね、そうしても結局はいま言うように送客側が三名、そして受け入れ側が六名という比率になります。そういうところからすでに受け入れ側の意見というものが、特に国際旅行を担当しているものですね、そういうものの意見というものがあまり重要視されてないきらいがある。そういう点から中小企業がだんだん締め出されてくる。それから今後中小企業がそういう事業をやろうという場合に非常に困難が増すような、答申ではないけれども、意見が出ている。その第一が、さっき申しましたように資力信用基準を引き上げようとしている、それが一つ、それから経験能力基準を判断するために資格試験制度を採用しよう、こういうわけですけれども、これは非常に重要な問題になってくると思うのです。この試験制度ですね。ただ、この中には資格試験制度の合格者のほかに、それだけではやらないのだ、資格試験もやって合格者のほかに期間導入該当業務といって相当な長期の経験能力のある者が何名かいればそれは認めようというような、そういう余地も残すべきであるという意見が出されているのですけれども、ところが全くこれは文字どおり余地程度であって、実際の問題となると中小零細企業の進出というものをはばむばかりではなしに、小規模の既存の業者もこれは非常に切り捨てられる危険に私は遭遇してくると思う。その点。  それから今度は経験能力者試験の委託実施及びその講習というものを業者団体が行なうということが出されている。これは全体に今度の意見書に官僚統制の危険が私は非常にあると思うのです汗れども、一々ここでは申し上げませんが、その官僚統制、下請団体が戦時中のちょうど統制会のようなそういう性格を持ったものになりそうなんです、これは。ですからそういう点を十分考慮してもらいたい。  まだいろいろ問題ありますけれども、担当の運輸委員会がだいぶせいているらしいから、それらについて意見をちょっと伺って、また別な機会にお願いしたい。

橋本登美三郎自由民主党運輸大臣

○橋本国務大臣 最初の、日航にその後のローカル線をやらなかったじゃないかという御意見ですが、私は当時日航の幹部はだれ一人知りませんし、接触もありません。ただ国家、国民の利益のためにモスクワと東京との乗り入れ、これが第一に必要であるという観点でやったものでありまして、今日になりますと、大阪−ハバロフスクというものは政治的な関係は御承知のように全然ありませんから、経済的な問題としてどう考えるか、もち一つは航空政策もあります、こういう点から十分に検討して善処したいと思います。  なお、旅行あっ旋業法の問題につきましては、松本さんからいろいろの御意見もありますので、それらも十分に考えながら、自主的な立場で公正かつ妥当なる案をつくりたい、かように考えておりますので、御了承願います。

田中榮一自由民主党

○田中委員長 大久保直彦君。

大久保直彦公明党

○大久保(直)委員 旅券法の質疑を続行しているわけでございますが、きょう二、三お伺いして私の質問を終わらせたいと思います。  旅券の発給申請に伴う返事の問題でございますが、十三条で発給しないということが決定した場合に、十四条でその返事をいたすことになっておりますが、この条項ははたして実行されているのかどうかという問題と、あとはイエスにしましてもノーにしましても、やはり期限をきちっと定めたほうがよろしいのではないか、これが無期限に延ばされて、実際自分が参加する予定である国際会議なりまた博覧会が終わってしまってから返事をもらうようなケースが二、三あったというふうに伺っておりますが、この期限をつげていくことがはたしてどうなのか、この点まず一点お伺いしたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 旅券の発給の申請がありました場合には、たとえばやむを得ずといいましょうか、お断わりしなければならない場合には書面で回答する。これは従来もそういうふうにやっておったはずでございますけれども、なお先般来の御審議を通してのいろいろの御意見もございますから、的確に、なるべくすみやかに書面で御返事をすることにいたしたいと考えております。  なお、昨日も申し上げましたように、そういう場合には申請者との間にとっくり口頭でも政府の考えていることなども十分御説明を申し上げ、親切に扱うということを心してまいりたい、かように考えておる次第でございます。

大久保直彦公明党

○大久保(直)委員 ただいまのなるべくすみやかにというのは、善意的におっしゃっておるのだと思いますけれども、やはり受け取るほうからしますと、大体二カ月以内にはっきりした確答をいただけるのかどうかということが一つの目安になるのじゃないかと思うのですが、そういう意味で期限をあらかじめ定めるということは不可能でございましょうか。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これは率直に申しますと、事案によっても回答の日にちが違うことがあり得ると思いますけれども、先般も御説明しておりますように、申請書の数を減らしたり手続を簡素にするということも期限を短縮するというつもりでございますから、従来よりはよほどその期間が短くなる、二カ月というようなことは、率直に言いまして、そこまでいかないで、最長の場合でももっと短縮をするようにいたしたいと思っております。

大久保直彦公明党

○大久保(直)委員 前にもお話があったと思いますけれども、もう一度あらためてお伺いしておきたいのは問題の十三条でございます。第十三条の判断といいますか解釈がかなりばく然としておりまして、時の行政官庁の包括的な判断によるところが非常に多いわけでございますけれども、こういった事実について、愛知外務大臣がずっと大臣でおられるわけではないと思いますので、今後この十三条の運用といいますか適用について、大臣御自身はどのようなお考えを持っておられるのか、その点をあらためてお願いいたしたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 これは全くごもっともな御意見であると私もかねがね考えておるわけでございまして、法文の土でもいろいろくふうがこらされて、非常に厳格に運用すべきものであるというその法の趣旨は明らかになっておると思います。たとえば「著しく且つ直接に」という表現がございますし、また外務大臣といいますか外務省として決定したいと思いますときには、法務大臣に代表されている法務省に協議をしなければならないというようなことが法文上明記してあるのも、やはりそういう法の精神によるものである、かように存じておりますから、これはなるべく厳格に公正に運用してまいりたい。これが厳正であるかどうかということが、結局たとえば司法上の問題になりましたときに、仮定の問題でございますけれども、やはり裁判所の決定ということ、判決を求める場合におきましても、これが非常に大きな根拠になると思いますから、そういう点も十分考えて、厳格に運用をいたしたい。これはもう法の基本的な運用の心がまえの問題であると考えます。いやしくも党利党略等によって左右されないようにこれを厳重に守っていきたいと思っております。

大久保直彦公明党

○大久保(直)委員 この旅券法の一部を改正する法律案につきましての提案理由の説明によりますと、旅券制度の適正な運用をはかるものであるということであるわけでございますが、いままでどのような点について適正な運用がなざれなかったのか、またその点を今後どのような適正な運用をしようというのか、この点を総括的に大臣の御見解を伺いまして、私のこの質疑を終わりたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 この適正な運用をはかると提案理由に書きましたのは、先般来当委員会でもしばしば私からも申し上げておりますけれども、前国会のときの本案の御審議をいただいたときの経緯もあります。たとえば当時の委員長の御発言で政府の態度を確認を求められたわけですが、そういう経緯にもかんがみまして、当時の委員長の御発言の趣旨を体して、そういうふうな御趣旨によって善意をもって運用していきたいということを政府の姿勢として明確にいたしたつもりでございます。従来そういう点について欠けるところがあったかどうかということよりも、今後そういう意味で適正な運用をはかりたいということを特に提案の説明に明記いたしたような次第でございますから、この点も御理解をいただきたいと思います。

田中榮一自由民主党

○田中委員長 戸叶里子君。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 事務的な問題で一点だけ伺います。  第三条の一項六号にこういうことがあります。「前各号に掲げるものを除く外、渡航先及び渡航目的によって特に必要とされる書類」こういう未のがあげられておりますけれども、「特に必要とされる書類」というのは一体どういうようなものであるかというのがわからないわけです。そこで、その必要とされる書類と、それからこれらの書類がそろっていないときには旅券は発給されないのかどうか、この点をはっきりさしていただきたい。

遠藤又男外務大臣官房領事移住部長

○遠藤(又)政府委員 ただいま御指摘の第六号でございますが、われわれとして現在考えておりすすものは、その人の赴任命令書、それから留学の場合ですと入学許可証、それから移住者でございましたら移住者適格通知書、こういうものを考えております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 旅券申請に入学許可証が必要なんですか。それはどういう理由なんでしょうか。

遠藤又男外務大臣官房領事移住部長

○遠藤(又)政府委員 第六号は、その前にいろいろ並べておりますが、そのあとを受けまして、旅券を発給するに必要な、参考となるような、特に旅券を発給してあげるのに都合のいいような書類ということで考えておるわけでございます。それで、いま申し上げました入学許可証——入国関係で必要な場合は、その前の第五号に出ております必要な場合には入国に関する許可証を出していただくことも考えます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 相当いろいろな書類が必要だということがわかるわけですけれども、そこで、国家公務員が海外旅行をする場合は一般旅行者と何か違った書類が要求されるのかどうか、この点を伺いたい。

遠藤又男外務大臣官房領事移住部長

○遠藤(又)政府委員 公務員の海外渡航の場合は二つあるわけでございまして、一つは国の用務のために出る場合、それから国の用務でない場合とございます。国の用務で出る場合には公用旅券の請求ということになりまして、各省庁の長が請求をするということで、これは公用旅券の発給、第四条の規定がございます。  それからもう一つは、国の用務でなく出る場合があります。これは一般旅券の請求ということになるわけでございますが、それにつきましては、国家公務員の身分上特別な書類を出すことにきめております。それは現行法の第三条第一項第八号、渡航先、渡航目的によって特に必要とされる書類、これで読むことにいたしまして、現行法の第二十二条第二項によって外務大臣が告示することにいたしまして、特別の書類を出していただいております。これは昭和四十年の外務省告示百七十一号でございまして、その中で外務大臣の告示といたしまして、国家公務員で、国の用務以外の目的で渡航するものは、所属省庁の長の海外渡航承認書を出す必要があるというふうに定めております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そうすると、いま外務省の告示によって所属省庁の長の承認書が必要なんだということがわかったわけです。そうしますと、それは昭和四十年の告示でございますが、四十年の前は所属省庁の長の承認書というものは必要なかったわけですか。その当時も必要であったわけでしょうか。

遠藤又男外務大臣官房領事移住部長

○遠藤(又)政府委員 四十年以前は特別定めがございませんので、実際の運用でやっておったわけでございますが、それ以後こういうはっきりした定めをつくったわけでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 それまではなくて、その告示によって出すようになったとするならば、何かやはり出したほうがいいということをお考えになったからこういう告示によってお定めになったと思いますけれども、その承認書を出すようにしたほうが、出さないよりいいというふうに判断されて告示でおきめになったその基準はどういうところにあるのでしょうか。

遠藤又男外務大臣官房領事移住部長

○遠藤(又)政府委員 これは、第一には国家公務員の特別の身分から考えているわけでございます。国家公務員法第九十六条からいたしまして、国民全体の奉仕者で公共の利益のために勤務することが服務の根本基準だというふうに考えております。それからもう一つ、国家行政組織法第十条に、各省各庁の長はその職員の服務を統督する職責を持っておるというふうに定められております。したがって、国家公務員が国の用務以外で比較的長期にわたって職務を離れ、それから統制の及びがたい海外に旅行をする、こういう場合には統督する立場からいたしましても、その実情を把握しておく必要があるということで、こういうふうなはっきりした規定を置いたわけでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 私らとしますと、告示前と国家公務員の性格というものは変わっていないと思うのです。国家公務員というのは国民に奉仕をする者をいうということやら、それからまたそういう人の身分を把握しておかなければいけないという考え方といろものは、この告示があるなしにかかわらず当然だろうと思うわけです。それが四十年に急にこういうふうな告示で変わったというのは、一体何かあったのかしらというような危惧の念を抱くわけでございまして、その点がちょっとはっきりしないのじゃないかと思います。

遠藤又男外務大臣官房領事移住部長

○遠藤(又)政府委員 もちろん四十年の前後で変わるはずはないわけでございますが、一つ実際問題として状況の違いがございました。それは、外貨面から見まして海外渡航の制限が実際上はずれましたのが昭和三十九年で、昭和三十九年以降は観光渡航が自由になったわけでございます。したがいまして、それまでは国家公務員が国の用務以外で出る場合には外貨面からのチェックということが可能でございましたけれども、それ以後は外貨面からのチェックということはなくなりまして、公務員が観光その他の理由で外に出ることが非常に多くなった。したがいまして、それを把握する必要からも、こういう定めを置く必要が現実の必要として起こったわけでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 外貨という面からというようなことをおっしゃいますけれども、ちょっとそこいら辺が私はすっきりしないものがあるような気がします。といいますのは、外貨面というのは、ほかの人も行くわけですから、それだけで公務員がどれだけ行くかということがわかるものじゃないんじゃないかと思うのです。ですから、そこら辺私にはのみ込めないわけです。たとえば外貨面でどういうふうなことで公務員の承諾書がなければならなかったかということを、もうちょっと具体的におっしゃっていただきたいのと、もう一つは地方公務員にこれが当てはまっているかどうか、この二つの点を解明していただきまして、私の質問を終わります。

遠藤又男外務大臣官房領事移住部長

○遠藤(又)政府委員 初めのほうの部分でございますけれども、これは実際問題といたしまして、国家公務員の海外渡航を目的別に見てみますと、休暇をとって観光旅行で出るケースが圧倒的に多いわけでございます。さっき申し上げましたような観光渡航の自由化の以後におきましては、公務員が観光のために外に出るというケースが非常に多くなったわけでございますから、実際上の必要からも、外貨面を離れた別の面から見る必要があるということで、把握の必要上こういう定めを置いたというのが一つでございます。  それかう地方公務員につきましては、この規定は適用されません。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 いまのお話を伺っておりまして、観光面からどういうふうに渡航が多いとか、いろいろそういった数字や、それをチェックするのにこうだからというような理由に、もう一度聞きたいこともありますし、それから、私どももそういうことだけで身分証明書ですか承認書ですか、所属官公庁の長の証明書、承認書を出せなんということは、ちょっと何かわからないような気がするのですけれども、もう一度その点をはっきりさせていただきまして、私は質問を終わります。

遠藤又男外務大臣官房領事移住部長

○遠藤(又)政府委員 先ほど申し上げましたように、各省各庁の長はその職員の職務を統督する職責を持っておるわけでございます。それで、職員が休暇をとって比較的長期にわたって観光その他のために海外へ出るという場合については、実際問題として、その長の立場からいたしますと、統督の必要上その実情把握の必要があるということが一番の根本的なところでございます。観光渡航が自由化される前におきましては、外務省に渡航のための、外貨割り当てのための外貨審議会というのがございまして、公務員が私用で行く場合であってもみんなわかるようなことになっておりましたが、自由化後はその審議会もなくなりまして、チェックの方法もなくなったということから、実際の必要からいま申し上げましたように、昭和四十年の告示によって定めた。これは内閣法制局、それから総理府の人事局とも協議いたしまして定めたような次第でございます。

田中榮一自由民主党

○田中委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

田中榮一自由民主党

○田中委員長 この際御報告申し上げます。  昨四月七日の外務委員会理事懇談会において、政府側から旅券法の一部改正案はいずれの地域に対しても渡航の制限をする目的に出たもので丸く、かつ、いずれの地域に対する渡航の自由についても善意をもって措置するなどの昨年第六十一回国会七月四日の当委員会理事懇談会における発言内容と同様の発言があり、これを再確認いたしました。なお、善意をもって措置するとは、相手側が入域を認める場合には、渡航手続の簡便化をはかりつつ、善処することである。との意向があわせて表明され、与野党理事がこれを確認いたしました。  以上御報告申し上げます。     —————————————

田中榮一自由民主党

○田中委員長 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。戸叶里子君。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 私は旅券法の一部改正につきまして、残念ながら反対の意を表明いたします。  理由は、この委員会で多くの委員から指摘されたところに尽きるわけでございますが、私どもはこの案の中に多くの前進あるいはまた海外旅行が急増しておる今日、早く事務の手続が済むよう努力されんとしての改正は十分認めるのであります。しかし私どもが主張いたしましたように、海外渡航の権利というものは、憲法におきましても、国際法においても、基本的人権の尊重をうたう国連憲章の精神から見ても、当然認められているところであります。ところが今回の旅券法の改正は、国交未承認国に対してはなはだしく差別をつけ、法案を読む限りにおいては旅券発給の制限がつけられておることでございます。これによって広く貿易を行なう者とか忙しい仕事をしなくてはならない報道関係者に、いろいろ不便が生じたことはまことに残念でございます。たとえば前進された金世界包括旅券というものを持っておりながら、急に未承認国へ用事ができてすぐその近くまで行っていても、用事のできた未承認国へ行くときには、また日本の出先機関のある国まで帰って手続をし直し、それにまた時間がかかって緊急の用事が足せないという深刻な事態が起こり得る点でございます。もしこれに対する違反、すなわち二十三条の二項の一、「一般旅券に記載された渡航先以外の地域に渡航した者」に該当したときには三万円の罰金と、さらに次に旅券の発給が断わられるというきびしい情勢に置かれることでございます。問題を起こさないで済む状態に置くことこそ必要であって、問題を起こさざるを得ない状態にしておいて発給をきびしくするということは、文化国家のすることではないと思うのでございます。  また十三条で、「外務大臣において、著しく且つ直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行う虞があると認めるに足りる相当の理由がある者」に旅券の発給の制限が考えられているのでありますが、これがまた問題のところであります。このばく然としている点はいろいろ問題となるところであります。  また、これまでいろいろ問題になりました、すなわち法律事項でもなく、また国益に反し公安を害する行為の基準がないのに、外務大臣の裁量で国益または公安を害する行為を行なうおそれがあると認めるという判定は、行き過ぎになることが多いのであります。基準がないので人によってその認定が違うのではないかという点は、私のみではなくて多くの人たちが質疑のときも指摘をしたところでございます。  その他こまかい点もたくさんありますが、せっかく旅券法の改正によって国民の海外渡航の便をはかろうとしても、欠点のほうで帳消し、いな、むしろ悪くするようなことではまことに残念でございます。私どもはこの際旅券法の改正をするならば、まず旅券という窓口を通して世界じゅうすべての国との交流ができるようにし、お互いに理解し、国交未回復の国をなくする努力の一助にすることこそ旅券法の意味が出てくるのであり、またそれこそ日本が平和への努力を示す大きな役割りを示すことであると思うのでございます。この点、一日も早くそうするよう努力をしていただきたいと思います。しかし外務大臣の理事会で述べられた決意、そしてまたいま委員長がお読み上げになりました理事会できめられたこと、そういうのを尊重して、同時に国際情勢も流動化していることでありますので、一日も早く旅券本来の精神に基づく改正、すなわち、いずれの国にも旅券を出すという法の改正が考えられることを切に望んでおります。その改正のできたときこそ両手をあげて賛成することを誓いまして、反対討論を終わりたいと思います。(拍手)

田中榮一自由民主党

○田中委員長 大久保直彦君。

大久保直彦公明党

○大久保(直)委員 私は公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました旅券法の一部を改正する法律案に対し、若干の理由を申し添えて反対の意を表明するものであります。  初めに、今回の改正点を見ますと、数次往復旅券の拡大及び渡航先の包括記載等、改善されるべき点につきましてはわが党は大幅な前進と認めるものであり、賛成できる点も多々あることはこれまでの審議を通じて明らかにいたしております。  しかし反対の理由の第一は、質疑の過程でも明らかにされましたとおり、この際当然削除されるべき十三条一項五号の国益公安条項が残存している点であります。この点につきましては、あたかも承認国、未承認国を渡航上必要以上に差別するやの解釈を内在させたまま条文をそのままにしている点については、政府の旅券発給に対するその姿勢に私どもは反対の意を表明せざるを得ないのであります。しかも日本を取り巻く国際情勢や外交上の機微にわたる点も多々あることはよく理解するわけでありますが、旅券法の解釈からするならば何らの差異もあり得ないにもかかわらず、分裂国家の一方に渡航する場合、旅券の発給につきましては他の一方の国の顔色をうかがいながら手かげんをするというような旅券制度の運用、さらに分裂国家でも一方の出方によってその扱いに平等さを欠いているという面につきまして、日本が独立国家として、政府はいささか自主性を欠いておるのではないかと言わざるを得ないのであります。  第二点として特に注目すべきことは、新たに二十三条二項としていわゆる横すべりに対する罰則が加わったことであります。政府は、かねてより未承認国への貿易を行なうことは認めておりながら、北朝鮮、中国、北ベトナムと貿易を行なう業者は困難な条件のもとに国益の見地から貿易振興のために努力をいたしておるわけでありますが、しかるに国民の渡航の自由という基本的権利の侵害のみならず、経済活動も阻害するものであって、国民の生活権により重大な影響を与えるものであります。私どもは、このように国民の基本的権利を不当に制限し、さらに行政権の乱用を引き起こすおそれのあるものという考えを持たざるを得ないのであります。  最後に、未承認国に対する旅券の発給制限を緩和し、ただいま委員長の御報告どおり、また、過日の理事会における大臣の御発言どおりに、さらにこの国際的友好関係を促進することこそ、また、さらに相互理解を深めることは国民の心からの要望であり、多数の念願であることを言明いたしまして、私の反対討論を終わります。(拍手)

田中榮一自由民主党

○田中委員長 曽祢益君。

曾禰益民社党

○曽祢委員 ちょっと伺いますが、従来の慣例からいえば反対、賛成、反対、賛成という順序でやるのじゃないですか。私は賛成ですよ。釈明を求めます。前国会からわが党は賛成にきまっているじゃないですか。

田中榮一自由民主党

○田中委員長 これは委員長の手落ちでありましたので、自後十分注意いたします。

曾禰益民社党

○曽祢委員 私は民社党を代表いたしまして、この旅券法に対しまして賛成の討論をいたしたいと存じます。  賛成の第一の基本的な理由は、わが国の国民の海外渡航が非常にふえました。そのこと自身は非常にいいことだと思うのでありまして、その手続をなるべく簡易化、簡素化し、そして海外渡航主なるべく自由にするという意味で、いままでは一回限りの旅券であったものを数次往復ができる五カ年の期限の旅券にするのを原則とする、こういう意味におきまして、趣旨において開放的自由社会のわが国の本旨に沿う改正だと思うので、私は賛成するのであります。ただし、この問題につきまして、この旅券法の改正案の中で、第十三条の一項五号における、いわゆる国益、公安条項による渡航禁止という点が改正されてないからという反対の意見もあるようでありますが、海外渡航の自由は、いわゆる閉鎖社会の国においては認めてないという現在の世界の現状、またわが国の場合におきましても、やはり例外的に国益、公安から禁止することがあってもやむを得ない。たとえばいわゆる赤軍派と称する暴力集団がたとえば北朝鮮というところに行って、そこで革命ごっこの基地をつくるというようなことを広言しておる場合に、もし彼が措置されておらなかったとしても、そういうものの申請に対して日本がこれに旅券を交付するという理由は何らない。また国連の総会なり理事会の決議によって、ある国に対して経済断交等の経済政策を行なっておる場合に、わが国の国民がその地域に行くことについては、国益上これを許可しないという場合があり得る。問題は、いわゆる政府の恣意的な、かってな理屈によって許可しない、あるいは未承認国である、共産国であるから許可しないという理由は全然あり得ないと思うのでありますが、全然完全な自由にしなければいけないという議論は、私は遺憾ながら賛成ができない。その意味で十三条のその点の改正がないからといって、この法案に反対する理由にはならないと私は思います。  また、今回の改正におきましても残念ながら未承認国に対しては原則として一回限りの旅券になっておるようであります。その点の差別待遇はありますけれども、現実の質疑を通じて明らかな点は、未承認国あるいは共産主義国といいましても、実際上中国、北朝鮮、あるいは東ドイツはほとんど問題にならない、ケース・バイ・ケースであるけれども、これは許されておる。問題はいわゆる北鮮、朝鮮民主主義人民共和国に対する渡航だけが現実にはもう日本政府が今日まで許可しなかった。したがって、そこに横すべり現象が起こっておったのであります。この点をそのままにしておくならば、今度の法改正によって三万円の罰則が新たにはっきりと横すべりの場合に科せられるということになるわけであります。これはどうも不合理ではないかということが一番私どものひっかかりとした点であります。しかし、この点に関する質疑におきましては、いろいろございましたけれども、ただいま委員長が読み上げられましたように、理事懇談会におけるわれわれの了解、また政府の見解等によれば、この法案というものはあらゆる地域に対して——あらゆる地域というものは、私の解釈するところでは、いわゆる共産主義国を含むという意味だと思いますが、世界のあらゆる地域に対して旅行を制限する目的ではないのだ、第二には単に制限する目的でないのではなくて、むしろ自由にしたいのだという趣旨の善意を持って積極的に取り扱っていこう。それは積極的に自由化に向かいたいという意思ではあるかと思うのであります。そういう場合に、昨日の懇談会における、いま委員長がお読みになった、もう一つは、相手国がこれを許す場合には、特に積極的にかまえるという事実に該当するやにとられるあれが発表されたのであります。なおこれに関連いたしまして、この委員会における速記のある質疑におきましても、少なくとも北鮮に行きたいという日本人の場合に、はっきり理由がある場合、すなわち商用の場合、貿易の場合及びスポーツの場合、これらの場合はケース・バイ・ケースであっても許すべきである。私どもはこの点を強く要望いたしまして、これらの点については、いま委員長が読み上げられた理事懇の趣旨から考えましても、政府は必ず誠意をもって積極的にこたえるものと私は期待して、その期待の上に立ってこの法案に賛成するものであります。  これをもって私の討論を終わります。(拍手)

田中榮一自由民主党

○田中委員長 林百郎君。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 私は日本共産党を代表して、ただいま議題となっております旅券法の一部を改正する法律案に反対の態度を表明します。  言うまでもなく、国民の海外渡航の自由は世界人権宣言及び憲法によって保障され、何人も奪うことのできない基本的人権の一つであります。また旅券は、自国及び外国の官憲に対して身分証明をするための国際的に認められた公の文書であり、国外で外国官憲もしくは自国領事の保護を受け得るための旅行文書であります。すなわち、旅券の本質は身分証明書であって、外出許可証ではありません。したがって、旅券法が国民の海外旅行の自由を制限することができないのは自明のことであります。ところが政府は、これまで、現行旅券法第十三条第一項五号を根拠として、国交未回復の社会主義国への渡航を制限しているのであります。特に朝鮮民主主義人民共和国への渡航は韓国との友好関係に支障を来たすこと並びに人身の安全が保証されないという外交政策上の理由で、同じ未承認国間でも著しい政治的な制限が加えられております。本改正案によってもこのことは何ら改善されておらないどころか、むしろ横すべり処罰によって改悪されることになるわけであります。  そもそも海外渡航の自由は、憲法上の権利である以上、国益などというあいまいな時の政府の政治的判断あるいは利害を基準として、また時の政府の外交政策上の理由で制限を加えることは許されるものではありません。  今回の日航機乗っ取り事件を通じて、こうした佐藤内閣のいわゆる国益なるものに基づく対朝鮮外交が持つ矛盾と問題点が一そう明白にされたではありませんか。政府は、今回の事件から積極的な教訓を引き出し、これまでとり続けてきた朝鮮民主主義人民共和国への敵視政策を直ちにやめて、真に善隣友好の立場にふさわしい対朝鮮外交をとるために具体的な一歩を踏み出すべきでありますが、政府は私の質問に対しましても、従来からの対朝鮮外交を何ら改める意図がないことを表明しております。しかも、当面政府が直ちにできる問題である渡航の自由すら、その実現に前向きの努力を払おうとしておらないのであります。  このように、真に国民の利益に相反する朝鮮敵視政策をなお国益と称して継続し、これに照らして旅券の発行を制限することのできる十三条一項五号を依然として存続きせることは、若干の技術的な改善があるにしても、旅券法の根本的な改善にはならないと思います。  そもそも本法案は、こうした現行法十三条一項五号による不当な政治的な制限を改めるどころか、反対に数次往復用旅券の効力の拡大とか渡航先の包括的記載とか旅券発給手続きの簡素化等の若干の改善はなざれたにしても、何人も侵すことのできない基本的人権であるはずの海外旅行の自由に対する制限はかえって一そう強化されることがその主たる内容になっておるわけであります。したがって、わが党は本改正案に絶対反対する根本の理由がここにあるわけであります。  すなわち、第一に、国交未回復国への渡航の制限を旅券制度の中に公然と組み入れようとしていることであります。つまり本法案は、数次往復田旅券の効力を五年間に延長しておりますが、提案理由説明では、国交未回復国への渡航者にはシングル旅券以外は発給しないとしてその適用を除外することを明らかにしており、また渡航先の記載についても、全世界地域という包括記載を認める反面、その際、朝鮮民主主義人民共和国、ベトナム民主共和国、中華人民共和国、ドイツ民主共和国は除くと官報に明記することを政府答弁で公言しています。これは明らかに、国交未回復の社会主義国への日本国民の渡航を差別して、旅券発給の抑制を強化するものにほかなりません。  第二は、本法案によって、渡航先の追加申請が強制されることとともに、旅券に記載されていない渡航先に渡航した者、または指定された経由地以外の地域に渡航した者は、第二十三条第二項で新設された罰則によって三万円以下の罰金に処され、さらに第二十五条によって旅券没取、さらに第十三条によって以後旅券発給を拒否される対象となることであります。このような、いわゆる横すべり渡航禁止処罰の規定を新しく設けたことは、政府が未承認国への旅券発給を不法にも制限し、禁止している現在、実質的には未承認国への渡航を封殺し、不可能とするものであり、ことに朝鮮民主主義人民共和国に対してはそのことの可能性は非常に強いと思います。このように個人の海外旅行の自由を抑圧するものであります。  第三に、第十六条で三カ月以上の海外滞在者に対して、領事館への届け出を義務づけ、第十九条では、「日本国民の一般的な信用又は利益を著しく害している」との理由で旅券の返納命令ができることにしております。国民の海外活動への政治的規制を強化することになるわけであります。  第四に、その他本法案は、第十三条の旅券発給の行政的制限が拡大されること、また第二十二条の二の同法施行のための手続き等の外務省令への包括的委任など、本来政府の政策とは無関係であるべき旅券発給事務に対し、政府の政策的介入を一そう増大きせる内容を持っているものであります。  以上のように、現行法十三条一項五号による海外渡航の自由に対する制限を改めるものでもなく、その基本的人権に対する制限をかえって一そう強化することを内容とした本改正案に対しましては、わが党は反対することを表明して、私の討論を終わります。

田中榮一自由民主党

○田中委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより旅券法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

田中榮一自由民主党

○田中委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  おはかりいたします。  ただいま議決いたしました本案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中榮一自由民主党

○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

田中榮一自由民主党

○田中委員長 北西大西洋の漁業に関する国際条約及び関係諸議定書の締結について承認を求めるの件、全米熱帯まぐろ類委員会の設置に関するアメリカ合衆国とコスタ・リカ共和国との間の条約への加入について承認を求めるの件、南東大西洋の生物資源の保存に関する条約の締結について承認を求めるの件、以上三案を一括して議題といたします。     —————————————  北西大西洋の漁業に関する国際条約及び関係諸議定書の締結について承認を求めるの件  全米熱帯まぐろ類委員会の設置に関するアメリカ合衆国とコスタ・リカ共和国との間の条約への加入について承認を求めるの件  南東大西洋の生産資源の保存に関する条約の締結について承認を求めるの件  〔本号末尾に掲載〕     —————————————

田中榮一自由民主党

○田中委員長 政府から提案理由の説明を聴取いたします。竹内外務政務次官。

竹内黎一自由民主党外務政務次官

○竹内(黎)政府委員 ただいま議題となりました北西大西洋の漁業に関する国際条約及び関係諸議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  この条約は、北西大西洋水域の漁業において最大の持続的漁獲の維持を可能にするためこの漁業の調査、保護及び保存に関する協力を取りきめることを目的としており、一九四九年二月八日に作成され、翌年七月三日に効力を生じたものであります。  この条約は、全締約政府の代表により構成される北西大西洋漁業国際委員会と称する委員会を設置すること、同委員会は、調査、研究及び共同措置のための提案を行ない得ること、締約政府はこの条約の実施に必要な措置をとること等を規定し、また、一括して付託いたしました五個の議定書はこの条約の運用の強化をはかることを目的として条約の規定を改正しまたは適用拡大するため作成されたものであります。  現在、この条約には、米、英、カナダ、ソ連等十四カ国の政府が加盟しております。  わが国は、従来、北西大西洋水域における漁船の出漁は小規模であったためこの条約に加盟しておりませんでしたが、今後は相当数の漁船の出漁が予想されますので、わが国としてもこの条約に加入することによりまして、漁業における国際協調に貢献することのみならず、将来におけるわが国の漁業の安定した発展をはかることができると考える次第であります。  次に、全米熱帯まぐろ類委員会の設置に関するアメリカ合衆国とコスタ・リカ共和国との間の条約への加入について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  この条約は、東太平洋水域においてまぐろ漁船が漁獲するまぐろ類の資源を最大の持続的漁獲が毎年可能となる水準に維持することを容易にするため情報の収集及び解釈につき協力することを目的としており、一九四九年五月三十一日に、アメリカ合衆国とコスタ・リカ共和国との間に作成されたものであります。  この条約は、全締約国の代表により構成される全米熱帯まぐろ類委員会と称する合同委員会を設置すること、同委員会はまぐろ類の資源等について調査を行ない、締約国がとるべき共同措置について勧告すること等を規定しております。現在、この条約には、アメリカ合衆国及びコスタ・リカ共和国のほか、カナダ・パナマ及びメキシコが加盟しております。  わが国は、従来、この条約水域におけるマグロ漁船の出漁は限られたものであったためこの条約に加盟しておりませんでしたが、今後は、この水域でのわが国漁船による規制対象魚種の本格的漁獲活動が予想されますので、わが国といたしましても、今般この条約に加入することによりまして、漁業における国際協調に貢献することのみならず、将来におけるわが国の漁業の安定した発展をはかることができると考える次第であります。  最後に、南東大西洋の生物資源の保存に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  近年南東大西洋水域におきましては、トロール漁業の急速な発展によりまして同漁業の生物資源に及ぼす影響が懸念されており、その保存措置の必要性が関係国によって叫ばれてまいりました。かかる背景のもとに、国際連合食糧農業機関(FAO)は、同水域の生物資源の保存及びその合理的な利用を目的とする国際的な漁業管理機構を設置するための準備作業を行なってきたところ、昨年十月に同機関の主催による全権代表会議が開催され、この条約が採択された次第であります。  わが国は、南東大西洋水域における漁業に利害関係を有する水産国の一つとして、本条約の採択にあたってはその準備作業の段階から積極的に参加し、わが国の意見を反映せしめた条約とすることができました。わが国がこの条約の締約国となりますことは、漁業における国際協調を旨とするわが国の立場上きわめて有意義であり、同時に、この水域におけるわが国の漁業の安定した発展をはかる上にも有利であると考えられます。  以上三件につきまして、御承認を求める次第であります。  何とぞ御審議の上すみやかに御承認あらんことを希望いたします。

田中榮一自由民主党

○田中委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。  三件に対する質疑は後日に譲ることといたします。      ————◇—————

田中榮一自由民主党

○田中委員長 次に、日本国とアフガニスタン王国との間の文化協定の締結について承認を求めるの件、日本国政府とフィリピン共和国政府との間の航空業務協定の締結について承認を求めるの件及びアジア統計研修所の設立及び運営のための援助に関する日本国政府と国際連合開発計画との間の協定の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。戸叶里子君。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 ただいま議題になっておりますアジア統計研修所の設立及び運営のための援助に関する日本国政府と国際連合開発計画との間の協定について、まず二、三点質問をしたいと思います。  第一にお伺いしたいことは、この種の研修所というようなものはいま日本に幾つくらいあるのでしょうか。それから今後どういうようなものを考えておられるのでしょうか。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○山崎説明員 国連との協力によりますこの種の国際的な研修所としては従来二つございます。最初のものは、犯罪の防止及び犯罪者の処遇に関するアジア極東研修所と称するものでありまして、俗にアジア防犯研修所と称しておりますが、これは昭和三十六年に国連との間に協定が締結されまして、現在府中でこの研修が行なわれております。これは協定が四十年に失効いたしましたが、その後引き続き交換公文によってこの研修所は活動を継続いたしております。第二は、国際地震工学研修所と称するものでありまして、これも国連との間の協定が締結されまして、昭和三十七年に署名され、昭和三十八年から発足しております。現実には建設省の建築研究所内にこれは設けられております。したがいまして、今回のこの研修所は第三番目のものであります。  それから今後の問題といたしましては、さしあたりは計画はございません。ただ国連の通常予算による技術援助との協力につきましては、現在名古屋に地域開発に関する国際研修を行なう機関として中部センターというものがございまして、ここで研修が行なわれております。今後、いまのところは具体的な計画はございません。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 犯罪防止の協定が結ばれているということでございますけれども、たまたまいろんな犯罪はどんどん複雑になって大きくなってくるということが、この間のハイジャック事件でもわかるわけですけれども、何も協定ができたり研修所があるから減るというようなことは考えませんけれども、ここでどんなふうなことを具体的にやっていらっしゃるか。そしてまた効果があがらないと思えばおやりにならないでしょうけれども、大体こういう面ではたいへん貢献できるのじゃないかというようなことがお聞かせ願えましたら聞かせていただきたいと思います。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○山崎説明員 この犯罪防止研修所の内容につきましては、私もちょっと詳しくは存じませんが、研修所の目的からいたしますと、結局行刑に従事するアジア及び極東地域の各国の官吏を御招致いたしましてゼミナールをやっておるわけでございます。そしてまた同時に、こういう方々の教化手段についていろいろ理論及び実際について研修をやっておるわけでございます。また少年犯罪その他につきましては、最近非常にふえておりますので、これについても大いに研修を行なって、それに対処するということでございます。同時にまた、アジア地域全般にわたりまして、こういう行刑関係の情報交換の場所とするという意味もあると思います。この研修所の成果はわれわれは着々とあがっておると聞いておりますが、具体的な点はつまびらかにいたしませんので、あるいは必要でございましたら、法務当局から伺っていただきたいと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 今度アジア統計研修所ができるわけでございますから、今後においても、ここでやはり成果をあげていかなければならない、そういうふうな面から考えますと、犯罪防止と統計ということは違いますけれども、やはりこの犯罪防止のほうでどういうふうなことで、どういうふうな成果が大体あげられてきつつある、どういう点に中心を置かれているかというようなことを、私もちょっと知りたいわけでございます。それで、ことに青少年の犯罪防止の問題等についても、取り組んでおられるというお話がございましたし、四十年からといえばもう五年もたっておりますから、相当いろいろなデータなり何なり出ておると思いますので、いま急にとは申しませんけれども、参考書類として提出していただきたい、これをお願いいたします。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○山崎説明員 承知いたしました。法務当局とも連絡の上、資料をお届けいたしたいと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 この統計研修所の予算というのはどういうふうになっておるのでしょうか。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○山崎説明員 この研修所はこの協定にもあらわれておりますように、わが国も金を出す、それからUNDP、国連開発計画も金を出す、エカフェ加盟国も金を出して共同でやる事業でございます。わが国に関しましては、五年半にわたって実施計画にも出ておりますが、約五億円の金を支出することになっております。エカフェ加盟国は約一億一千八百万円出すことになっております。最後にこの協定の相手方であります国連開発計画は約八億七千万円を出すことになっています。これは五年半にわたる一つの見積もりでございますが、さしあたりの問題といたしましては、この金は、四十五年度におきましては、行政管理庁及び外務省において若干の金を計上いたしております。具体的に申し上げますと、行政管理庁の予算としては三千四十七万四千円が計上されております。さらに外務省といたしましては、海外技術協力実施委託費、これは技術協力事業団の金でございますが、そこで十二名十カ月分の奨学金として約一千三百万円分が計上されております。それから建物は、今年度は飯倉の旧郵政省の建物の中で研修することになっております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 当初予算もわかった、初年度の予算もわかったのですけれども、この海外技術援助費の中から出されているということですが、ついでですけれども、海外技術援助費はことしはどのくらいですか。いろいろにお使いになると思いますけれども……。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○山崎説明員 私は前に会計課長をやっておりました関係で、若干調べてみたわけでございますけれども、現在四十五年度の海外技術協力の実施事業と称するものは六十五億六千三百万円でございます。その中からいまの金が支出されているわけでございます。ただ海外技術協力事業団が使う金といたしましては、これだけではございませんで、これ以外に事業団自体の事務経費として海外技術協力事業団交付金というのがございまして、これは九億五千百万円であります。それから建物その他の関係といたしまして、海外技術協力事業団出資金として四億八千六百万円がございます。その三つの金を合わせたもので海外技術協力事難団は運営されているのでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 私は海外技術費の関係の使い方、それからまた事業団の内容、あるいはその予算をどういうふうに使っているか、またこれからそういう問題が大きな問題として扱われてくると思うのです。私どもこの問題にはたいへん関心を持っているわけでございますので、実はここで伺っておけば一番いいのですけれども、条約のほうをだいぶお急ぎのようでありますから、ここでは聞きませんけれども、いつか伺わせてもらいたいと思っております。  そこで六条に、他の「いずれか一方の締約者が事業を実施するための援助を他の源泉から得る場合には、」という、この「他の源泉」というのは、いまどういうものが考えられているのですか。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○山崎説明員 「他の源泉」と申します場合には、非常に広く書いてあるわけでございますが、具体的にはこの計画に参加しておらない第三国、あるいは適当な民間団体、たとえばアメリカの財団とかそういうものから金を受けることがあり得るので、こういうふうに記載されておるわけでございます。このアジア統計研修所の具体的な計画といたしましては、現在すでに西独及びソ連から援助の専門家の派遣その他について申し出があります。ただし、これはまだ正式に受け入れるかどうかきまっていないと承知しております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 適当な民間団体というのは、まだ何にも上がっておりませんか。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○山崎説明員 いまのところ、民間から申し出は承知しておりません。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そうしますと、これに対して援助を出そうという国が出てくれば、その国を何か皆さんの間で協議をして、それを査定して、それで援助を受ける、あるいは民間団体でそういう申し出があれば、そこから受ける。こういうふうに、たとえばせっかく協力しようといっても、それに対してお断わりするということもあり得るわけですか。いまのお話では、たとえば西独、ソ連から申し出があるけれども、受け入れるかどうかわからないという御答弁だったものですから、受け入れることもあるし、受け入れないで断わることもあり得るというふうに解釈するのか、それとも受け入れるけれども、時間的な問題があるという意味なのか、そこのところをちょっと伺っておきたいと思います。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○山崎説明員 この計画は、わが日本政府といたしましても、それから国連開発計画といたしましても、いわば援助する立場でございまして、これをほんとうの意味で実施する主体は、エカフェのこの計画に参加しております二十カ国でございます。したがって、エカフェの二十カ国が御相談の上で、ここに出ております、いわゆる実行計画が立てられるわけでございまして、エカフェの二十カ国の間で相談してきめるわけでございますから、先ほど申し上げましたような西独なりソ連なりの申し出が適当なものであれば、もちろん受け入れるのが原則であろうと私は推測いたしますが、これは日本政府だけできめるとかUNDPだけできめるという性格のものではございません。大体エカフェできめられるものと了承いたします。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 民間は何かありますか。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○山崎説明員 民間についても同様であります。俗に筋がいいお金ならば、当然受け入れるのではないかと考えます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 さっき私が伺ったのは、民間ですでにそういう気持ちを持っているところがあるかないかということを伺っておるわけです。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○山崎説明員 現在のところはありません。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 八条の6で読み方がちょっとわからないのですが、これはこういうふうに理解していいんでしょうか。だれか日本に講師なり何なりで来た、そういう人が事故か何か起こしたときに、その責任は政府が負うことになって、請求権を日本政府が肩がわりとして払うというふうな書き方なんでしょうか、ちょっとこの辺がわからないので説明していただきたい。  そしてついでに伺います。こういう規定をわざわざ入れなくてはならなかった理由はどこにあるのかということと、それからこういう額は援助額とは別だと思いますので、予算上組んでおかなければならないと思いますけれども、そういうものはどういうふうな形でどうやって組んでおおきになるか、これも伺っておきたいと思います。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○山崎説明員 この規定は大体仰せのとおりだと思いますが、補足して申し上げますと、結局そういう計画の実施にあたって、国連の要員が第三者に対して損害を与えた場合、政府は、第三者がたとえば日本人だとすると、——国連の要員がこの事業を遂行中に何か事故を起こして、その人から損害賠償を要求されに場合には、その請求を処理する責任はございます。ただし、その問題の金を政府がいきなり第三者、日本の普通の人に払うのではなくて、やはりその事故を起こした国連の職員が一応払うべきである、ただ、それが結果的に損害を受けないように、ある意味であとで補償してやるという責任をとっておるわけでございます。  なぜこういう規定を設けたかと申しますと、日本の、ことに統計研修所のように、町の中でやられるような場合はいいんでございますけれども、国連開発計画が後進国でいろいろな援助をやります場合には、相当いなかに行っていろいろなことをやることがございます。ダムサイトもございましょうし、いろいろ建築現場もございます。そこで公務執行中に思わぬ事故が起こった場合に、それについて、国連の職員が公務執行中に起こった場合についてまで全部損害賠償の責任を負わされるのでは援助はできないということを国連としては心配するわけでございます。そこで、そういう場合には、受け入れ国側で国連の損にならないように、ひとつ責任を持ってくれという申し入れが、援助を受ける側の後進国一般にあるわけでございます。日本はそういう後進国とは立場が若干違いますけれども、やはりそういうことも起こり得ますので、これに対してはそういう点は引き受けましょうという意味でございます。ただ何ぶんにもこういう問題はあまり起こらないと思いますし、起こりましてもどの程度の債務になるか、きわめて不確定でございますので、そのために予算を組むということは非常にむずかしいわけでございます。それでこの点は、行政管理庁で組んでおられます予算の範囲内でまかない得る場合には、その予算の項目ないしは流用によってまかなわれるだろうと承知をいたしますが、もしどうしてもまかない得ない場合には、事後にでも予算措置を講じて支払うことになるのではないかと思います。ただあらかじめ明確にその費用として組んである費用はいまのところはないと承知をしております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 事故のないことを望みますし、またあっては困ることだと思いますけれども、しかしどんな事故が起きないとも限らないわけですね。そこで、日本がいずれ責任を負って補償をしてあげるということになりますと、やはりある程度考えておかなければいけないかと思いますけれども、行政管理庁の中のこれに関して組まれている予算というものは、来年からずっとふえていきますけれども、あまり目立ってないわけですね。ですから、その中から一体——そういうふうな問題が起きなければいいが、起きたときに補償できるかどうかということを危倶するわけでございます。そういう点である程度考慮をしておいたほうがいいのではないかというふうに思いますので、一言申し上げておきます。  それから次に、交換公文の一で3項に、「日本国政府は、適当な時期に基本協定を締結することを検討する意思を有する。」ということでございますが、この基本協定というものは一体いつ結ばれるのか、そしてその内容とするところは一体どういうものでしょうか。これはこの協定がまずいから基本協定を結ぼうとするのか、またどういう意味で基本協定というものを結ぶという交換公文をわざわざここにつけておられるのか、その点のことを承わらしていただきたいと思います。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○山崎説明員 先ほどから申し上げましたように、普通国連の援助は後進国にやるわけでございますから、普通はいろいろなプロジェクトが次から次へと出てまいりますので、まず基本協定というものをその当該国と国連開発計画との間でつくって、それからいろいろな実行計画をやっていくわけであります。それが普通のやり方でございます。しかしながら、これはそういうことの性格上、この協定に書いておりますよりもかなり広い特権、免除を規定しております。パターンとしてはそういうふうに書かれております。さらに建物提供とか、ローカルコストの負担とかの長期にわたる財政支出を義務づける規定も置かれております。したがいまして、そういう基本協定を結ぶことは、わが方の立場としましてはあまり適当ではないと思いまして、わが国の方針としましては、従来、先ほど申し上げました防犯研修所にしろ、地震工学研修所にしろ、その一つ一つのプロジェクトごとに協定を結んでおります。そして特権、免除の範囲も、若干後進国との間の基本協定に比較して狭くしております。そういう関係がございまして、わが方としては基本協定を結んでこなかったのであります。ただ国連の側といたしましては、やはりどこの国にもこういう型でやっておるので、日本ともやるという姿勢はとりたいという非常に強い希望がございまして、「検討する意思を有する。」と書きましたけれども、正直に申し上げまして、いまのところこれを結ぶ予定はございません。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 いま日本としては結ぶ予定はないけれども、国連の顔を立てて、一応こういう交換公文をかわしたというふうに理解していいわけですね。  それで交換公文の二ですけれども、ドルの為替相場の問題で、一合衆国ドルに対する基準為替相場は三百六十円で、そしてそれがまたそのときによって相場が変わってくる、たとえば電信為替相場が三百六十二円七十銭と三百五十七円三十銭との間であるというふうに、ドルの相場が、外国為替公認銀行の一定の基準為替相場と、それからいわゆる電信為替相場というものが出ているわけですけれども、これにからみまして、たとえば沖繩が日本に返還された場合には、一体どちらをとるだろうという声をあちこちから、沖繩の人から聞くわけです。それで政府としてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるか。いわゆる基準為替相場に基づくのか、それとも電信為替相場によるのか。これは沖繩の人にとっては相当の差が出てきますから、非常に関心を持ち、重大な問題として考えているわけですけれども、この点はいかがでございますか。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○山崎説明員 これは沖繩の方の御関心のほどはよくわかるのでありますが、それはまさにこれからの沖繩返還協定の締結交渉の一環としていろいろと討議されていくべきことであろうと思いますし、所管の大蔵省のほうでこの点は善処いたすのではないかと思いますので、ちょっといまのところそれがどういうふうに落ちつくかについては、私としてはお答えいたしかねます。  それから先ほどちょっとお答え申し上げましたが、一つ事実の誤りがございましたのは、基本協定の問題に関しましては、地震工学研修所においては当てはまりますが、防犯研修所は国連との協定でございますので、基本協定の問題はございません。間違えてお答え申し上げましたので、訂正をさしていただきます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 いまの沖繩のドル交換レートの問題は、それはいま外務省のほうに伺っても担当でないのでおわかりにならないかもしれませんけれども、これは大蔵省に聞いたらわかりますか。それともまだ先にいかなければわからないという答弁しか得られないでしょうか。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○山崎説明員 もちろん大蔵省の所管でございますが、いまの段階でその為替相場をどれをとるかということは、ちょっと大蔵省としてもきめかねるのではないか。これはやはりアメリカ側との交渉並びに政府全体の方針としてきめていくべきではないかと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 では、それは別の機会にいたします。そうすると、アジア統計研修所の設立の質問はこれで終わります。  フィリピンとの航空協定についての質問に入りたいと思いますが、二条の二項の(a)で「他方の締約国の領域を無着陸で横断飛行する特権」を与えることになっておりますけれども、これは無制限ですか、制限がありますか。日本の場合、フィリピンに対して……。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○山崎説明員 無制限という意味がちょっとわかりかねますが、もちろん日本の領域の上を飛ぶ場合に、いかなるところでも飛んでいいという意味ではありません。航空当局が指定する航路というものがあるわけでございまして、その上を飛ぶ。ただ、それをこの協定業務を運営する間、いわゆる定期航空業務としてやる場合に、その上を横断飛行できる、その指定された航空路の上を横断飛行ができるという意味でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 結局ある一定の指定された地域を通るということになると思うのですけれども、日本は安保条約を結んでおりますから、基地を提供しておる。そうすると、基地の上空というようなものもある程度は制限されているんじゃないかと思うのですね。で、こういうふうな航路の場合に、大体どういう航路が許されているかということは、具体的に発表できますか、できませんか。資料として出せますでしょうか。

松本操運輸省航空局監理部国際課長

○松本説明員 フィリピンの場合がどうなっているかにつきましては、ちょっと私、いま存じておりませんが、日本国につきましては、これはフィリピンもおそらく同等であるかと思いますが、通常外国の航空機のみならず、すべての航空機が航行をすることのできます通路、エアウエーというものがきまっております。このエアウエーにつきましては、AIPと称する刊行物がございまして、これは公刊された刊行物でございますが、この刊行物に、明確にここが航空路であるということが規定してございます。市販もされているかと思いますが、容易に入手することができます。したがって、外国機が日本に入ってまいります場合に、当然AIPを調べまして、どのようなところに航空路があるかを明らかにさえしておきますれば、フィリピンとの間のみならず、一般にシカゴ条約との関連性におきまして、当該航空路を通って、日本上空をすり抜けていくという場合でございますれば、何ら問題はございません。このように考えております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 その航空路というのは、よその国の飛行機もその航空路しか通れないのですか。私、何も知らないので、ちょっと承っておきたいのですが……。

松本操運輸省航空局監理部国際課長

○松本説明員 お答えいたします。  飛行機の飛び方には、御承知のとおり二通りございまして、指示を受けて飛びます場合と、目で見て飛んでいきます場合とございます。目で見て飛んでいきます場合は、非常に低いところを飛ぶ飛び方でございます。これはやたらに飛びますと非常に危険がございます。私ここでそらんじておりませんけれども、ある制約のもとに、特に天候状態等の制約も受けまして、そのような場合は目視飛行というものが許されておりますが、一般に、外国から参って日本の上空を通り抜けるという場合には、そう小型の飛行機でもございません、したがいまして、当然航空路を通るということが予想されるわけであります。ただ、航空路というものは、日本の飛行機にとか、外国の飛行機にとかいうことではございません。先ほどもお答えいたしましたように、一般に航空機が通る道、たとえて申しますならば、自動車道路のようなものでございますので、国籍のいかんを問わず、およそ日本上空を通過する飛行機はすべてその航空路を通るのがたてまえである、こういうふうになっておるわけでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そうしますと、やはり機長はそういうものを持っていて、よその国へ行ったとき、あるいは国内もそうですけれども、その線に従っていくということになるのですね。それ以外は飛ばないということに……。

松本操運輸省航空局監理部国際課長

○松本説明員 いま御指摘のとおりでございまして、AIPが公表されております関係上、機長は必ず、ある目的地に行こうといたします場合には、その関連のAIPを持っております。そのAIPに示されております航空路につきましては、航行援助施設というものがございます。ほとんどの場合に電波をそこから発射しております。その電波をたどっていくことによりまして、あたかも灯台を見ながら船が航行をいたしますように、安全な航行が確保できる、こういうしかけになっておるわけでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そうすると、あれですか、機長というものは、AIPを持っているにしても、それは限られたものなんですか、それとも、全部の分ですか。行く目的地というのは、きまっていますね。たとえば、きょうは日本からホノルルへ行こうと思えば、それに関するAIPというものなのか、それとも世界の大部分の国のAIPなのか。というのは、私ちょっと今度の飛行機の乗っ取りの問題なんかにもからんでいろいろわからない点があるのです。ちょうどいいついでですから、伺っておきたいと思います。AIPというものは、非常に厚いもので、どこの国へ行くときにも書いてあるのか、それともその国と目的地の国との間のものだけなのか。それを参考のために伺っておきたいと思います。

松本操運輸省航空局監理部国際課長

○松本説明員 ややこまかなことになりますと、私も完全に、専門でございませんので、詳細なお答えになるかどうか、初めにお断わりいたしておきますけれども、飛行機が飛びます場合に二通りの方法がございます。一つは、いまの航空路によって飛んでいく場合でございまして、その場合に、航空路上には、先ほど申し上げました航行援助施設というものがついております。もう一つの方法は、いわゆるオーシャン・ゴーイングといっておりますが、海の上を飛ぶ飛び方でございます。この場合には海の上でございますから、地上にステーションを置くことができません。したがいまして、昔は太陽を見ながら飛んだわけでございますが、現在は地上から相当長距離に届く電波を出しまして、大体ここがルートだということを示しております。それによって飛ぶわけでございますが、それには、飛行機にそれを受信するための設備がついておりませんと、そのようなものを使うことができなくなる、こういうことでございます。  そこで、御質問の通常飛行機が飛ぶ場合に機長はどのようなものを持っておるかということでございますが、かりに定期飛行の場合について申しますれば、東京を出発いたしましてホノルル、サンフランシスコを経由してニューヨークに行く、こういう場合には、機長はそのルートについてのAIPを持っております。このAIPも単に通常刊行されたAIPではございませんで、機長が実際飛ぶために必要なものをそれぞれ各関係会社がくふうをこらしたものをつくっておるわけであります。これを持って飛んでいくわけであります。したがいまして、急にサンフランシスコからロサンゼルスまで行ってくれとかなんとか言われましても、機長としては地図がないということになってしまいますので、おいそれと簡単に飛ぶということはできない。  それから、不定期航空の場合は、これはもちろん不定期でございますので定まった路線がなく、きょうはホノルルへ飛んで、あしたは香港に飛ぶというような飛び方をするわけでございます。この場合には、飛ぶとき飛ぶときによって、いま申し上げました所要の地図を持って参るわけでございます。香港に入るなら入るで、これもやや詳しいことを申しますと、香港に入る場合にはどういうような着陸援助施設があるということがわかっておりませんと簡単に飛行機をおろすことができませんので、機長が持っております資料の中には、途中の航空路におきますそういった航行援助施設のほかに、目的地に参りました場合に、あの飛行場にはどのような角度から、どのような高度で着陸体制に入って、どういう周波数を使って、コンタクトを使って入るかということを書いた別のAIPを持っておるわけであります。そういうものがございませんと簡単にそこら辺を飛び回ることができないというのが現在の民間航空の一般的な状況であります。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 AIPが目的地以外のものを持っておるとすれば便利でしょうけれども、たいへんに複雑になるから、自分の目的地以外のは持たないということは大体わかったわけです。  そこで、第二の質問として、附表で日本の航空会社の飛ぶ路線というものとフィリピンの飛ぶ路線とは違っているわけなんですけれども、どうして違った路線というものができてきたのでしょうか、この点をお伺いいたします。

松本操運輸省航空局監理部国際課長

○松本説明員 お答えいたします。  一般に附表というものをきめます場合に、国際的に通用しております考え方がございます。附表というものを定めまして、その附表に従って飛びます場合についての各種の権利義務というものが協定本文に定められておるわけでございます。附表というものによって航空協定の相当部分の実態がきまるわけですが、この附表をきめる原則といたしましては、関係する二つの国の間に航空業務を行ないます場合に、両方の国のそれぞれの航空業務を経済的に見てバランスをとる、航空権益上から見てバランスがとれるようにするというのが、附表を決定いたします場合に一般に通用しております大原則でございます。したがいまして、A国とB国との間に附表をどのようにつくるかといいます場合に、最も簡単な場合はAとBの間だけであります。間におりもしないというのが一番簡単な形でございます。その次には、中間地帯を設けまして間におりる、AとBの間に存在しております第三国におりるということをきめます。この場合に、第三国の地点としてどこを通るかというとA国の都合もあり、B国の都合もあり、必ずしも同じところを通らなければならないということはございません。したがって、Aという国はこの地点を通りたい、Bという国はこの地点を通りたい、お互いがそれぞれの地点を通りました場合に、A、B間のルートのバランスがとれそうであるということであれば、それで合意が成立するわけでございます。第三の段階といたしまして、今度はお互いに相手国を越えて飛んでいく、これを以遠権と申しておりますが、相手国を越えてさらに遠くに行くという問題が出てまいります。日本とフィリピンの間はまさにこの第三番目の範疇に入っておるわけでありまして、日本国内の地点、フィリピン国内の地点という起終点のほかに、さらに中間地点を入れ、さらに東京、マニラを越えてどこに行くかということをきめたわけであります。その場合に非常に大事なことは、途中着陸をいたします地点の力というもの、これが非常に大きなファクターになってまいります。たとえば、ごらんいただきますとわかりますように、日本側の地点は非常にたくさん書いてございますけれども、しかし南太平洋における地点というふうなところは、小さな島をちょぼちょぼつないでおるだけでありまして、これらの島の経済的な価値というものはそう取り立てて言うほどのものではない。ところが、逆にフィリピン側のほうの附表をごらんいただきますと、東京を越えましてからホノルル、サンフランシスコ、ニューヨークという、世界でもきわめて経済力の高い、航空的に見まして価値の高い地点を貫く、そういうふうなことから二国間及び中間の地点、さらにその以遠の地点を加えました全体の路線の経済価値というものを比較考量いたしました場合に、このような書き方においておおむね均衡がとれておるということに双方の意見が一致したということの結果が、このような附表の形になってあらわれております。このように御了解いただければよろしいと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 両方とも同じような形をとらなければいけないけれども、日本の場合はたくさんの地点を通るけれども、経済的にそれほど高い地点でないのだ、たいして問題ではないところをすっと通っていく、フィリピンのほうは経済的価値の少ない地点を通るので、少ないけれども、それで両方の均衡がとれる、こういうふうに理解してよろしいわけですね——わかりました。  そこで次に移りたいと思いますが、交換公文には、たとえば、「いずれの一方の国の指定航空企業も、他方の国の領域内において、支店を設置し及び維持し並びに協定業務の運営に必要な活動に従事することを許される。」というふうに、普通事業活動というようなものは本来はできないことになっておるわけですけれども、この交換公文では、この中に事業活動をするようにうたわれておるわけですけれども、これはどういうわけでございますか。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○山崎説明員 御指摘の点でございますが、これは本来ならば、通常の航空協定ではこういうものは必要ないのでございますけれども、御承知のとおり一九六〇年に署名されました日比通商航海条約がまだ先方の事情で承認されておりませんので、発効いたしておりません。そういう事態におきましては、やはり日航が現地へ参りまして、その業務を運営いたすにあたって特に重要な支店の設置とか営業活動とか、あるいはその支店に勤務する者の入国滞在とか利益金の本国送金というようなものをやはりはっきり確保いたしておきませんと事業がやりにくいので、通商航海条約が未発効の状態ではございますけれども、この点については特に向こう側の保証を取りつけた、この取りつけた趣旨がこの交換公文でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 同じことが二の条項にもいえると思うのですね。たとえば人の滞在ということも、観光ですとある程度限られているわけですけれども、ここで通商航海条約が結ばれたと同じような資格で日本人がフィリピンにいられるというふうな形をとっているので、これは普通の航空協定ではないものじゃないかと思うのですけれども、この点はいかがでございますか。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○山崎説明員 普通の航空協定の場合にはその国の間の国交が正常であり、また通商航海条約上問題がない、また滞在についてもそうシビアな制限がない国ではこういうものは特に必要ないのでございますが、現在のフィリピンにおいては滞在に  つきましても若干の制限——実際上支障ございませんけれども、いろいろな制限がございますの  で、ここではっきりそういうものを保証を得たいということでございます。したがいまして、一般  の場合にはあまりこういうものは必要ないかとは思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そこでやはり問題になるのですけれども、一九六〇年のときにフィリピンとの間の通商航海条約がこの委員会で審議されて、フィリピンは批准していないのだ、どうして日本の国だけ批准するのですかと言って私が質問しましたら、いや、近いうちにフィリピンも必ず批准しますから、どうぞ批准してくださいというので、向こうの顔を立てて先に喜ばせて——私は心配をいたしたのですけれども、政府がそうおっしゃるものですから、そうかなと思って批准をしたわけですよ。そうしたらことしは何年ですか。一九七〇年、まだ批准されていないという状態なんで、まことに驚いているわけなんですけれども、政府はあの当時はどういう見通しだったのでしょうか。批准されるという見通しに立って、そういうことを国会で説き伏せられたのだと思いますが、それ以来何か私は政府の言うことは信じていいのかどうかというような疑問を持たざるを得なくなったのです、ほんとうのことを言いますと。これは少しオーバーかもしれませんけれども……。  そこで一体日本とフィリピンとの間の通商航海条約は、今後批准されるのですかされないのですかということが一つ。  それからもう一つは、この前の日本で批准した案がそのまま生きるのかどうかということも問題になるのじゃないかと思うのですけれども、これは一体どういうふうなことになるのでしょう。この点を伺いたいと思います。いろいろ言いにくいところもおありになると思いますので、向こうに響いては困るということがありましたら、私も多少はそういうことはわかるつもりですから、追及はいたしませんけれども、やはり事の真相だけははっきりさしておいていただきませんと、私もどうも腹の虫がおさまらないものですから、伺っておきたいと思います。

金沢正雄外務省アジア局外務参事官

○金沢説明員 ただいまの御質問にお答え申し上げたいと思います。  一九六〇年にこの条約が署名されまして、本年まで十年近くなりますのに、フィリピン側はこれを批准していないというのはいままさにおっしゃったとおりでございますが、フィリピンはその間日本の経済進出というような点についての危惧の念も非常にございまして、そのためには日本のそういう経済進出というようなものを押えられるような国内立法をいたしまして、その立法が成立した段階で批准しようというような動きをしておったわけでございます。そういう国内法が六つあるわけでございますが、そのうちの五つはもうすでにフィリピンの国会を通過しておるわけでございます。本年三月十七日に、マルコス大統領は、初めてこの条約の批准を求めるといろ決議案を上院に提出したわけでございます。フィリピンにおきましては、条約は上院の三分の二の議決を経て承認されれば、それでフィリピンは批准できるということになっておるわけでございます。条約が署名されまして十年近くたちまして、初めてマルコス大統領がこの条約の批准を求めるという正式の行為をフィリピンの上院に対してとったわけでございます。上院では本会議が条約案件を外務委員会に付託したわけでございますが、まだその外務委員会の審議は始まっておらないわけでございます。しかしわれわれといたしましては、そういう長い間の空白の期間を置いて、初めて上院に提出されましたので、今回の上院の本会議において承認されるということを期待しておるのが現状でございます。  それから、この条約の内容に変更を加えるかどうかという第二点の御質問でございますが、その点につきましてはフィリピンの内部でも一つ問題にいたしておりますのは、領海の問題でございます。フィリピンはアメリカがスペインから譲り受けたわけでございます。それからその後フィリピンはアメリカから独立したわけでございますが、アメリカがフィリピンをスペインから譲り受けますときに、何ぶんフィリピンは七千というような数多くの島がございますので、この島のどこが漏れた、どこが漏れないということがあっては困るというので、非常に広い範囲の線を引きまして、その範囲内の島がフィリピンだ、譲り受けの対象になる島だ、こういうふうにしたわけでございます。それでそれは領海とは何ら関係のないものであるわけでございますが、フィリピンは、これがフィリピンの領海だという考えを持っておるわけでございます。したがって、その点について何かの留保を付さないと日本の漁船の進出があるのではないか、こういう心配をしておるわけでございます。しかしそもそも通商航海条約には領海の規定というものは含むべき性質のものではございませんし、それからフィリピンのそういう領海に関する主張は、もちろんわがほうとしてはのめない性質のものでございます。ただその領海については、通商航海条約には何ら規定はないわけでございます。これは規定がないということによって、フィリピンの立場そのものは何ら害されるものではないというふうに解釈されるわけでございます。もちろん日本の立場もそれによって害されるものではないわけでございますが、そろいう点は、フィリピンはこれを批准しますにあたってどういうふうな解決策を求めるのか、これはわれわれとしてはわからないわけでございますが、条約自体を変更するということはないのじゃないかというふうにわれわれは感じております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 今度は通るだろうという外務省のお見通しでございますし、私もそろいうふうに信じたいと思いますけれども、大体一つの国が批准をして、ほかの国が批准をしないで十年間もブランクになったなんということが、条約の歴史の上にあるでしょうか。そういうものがたくさんありますか。あれば私、ちょっと参考までに伺っておきたいのです。これは特殊なケースじゃないかという気がするのですが、どうでしょうか。

山崎敏夫外務省条約局外務参事官

○山崎説明員 二国間条約の場合に、一方の国が国内事情によって批准できなかったという例は上ると思いますが、戦後わが国が締結いたした条約については確かにまだこれだけが問題でございます。ただほかの国の場合にはそういう例があると思いますが、あとで調べまして御報告申し上げたいと思います。ただ多数国間の場合には非常にあるわけでございまして、ある国が批准しないために当然発効するものが発効しなかったということはございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そういうのがどことどこにあったとかなんとかいうことを私は別に知るつもりはないのですけれども、外務省の見通しの甘さというものを今後気をつけていただきたいという意味で伺っているわけです。このフィリピンとの航空協定はこれで終わります。  アフガニスタンとの文化協定に入りたいと思いますが、委員長、時間は……。

田中榮一自由民主党

○田中委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

田中榮一自由民主党

○田中委員長 速記を始めて。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 時間の関係で五分ぐらいに詰めろということなんで、少々むずかしいかもしれません。ユーゴスラビアとの間の文化協定を結んだときにも、文化協定には特別に予算は組んでありませんというようなお話でしたけれども、この文化協定も予算は何にもないのでしょうか。その点を念のために伺います。

兼松武外務省情報文化局文化事業部長

○兼松説明員 ユーゴスラビアの場合にも御説明申し上げたのでございますが、大体文化事業関係の予算は外務省関係と各省関係ございますが、通例前年度実績の上に大体予想される翌年度の関係国の大ワクとしてどのくらい前年度に上乗せが必要であるかということを概算要求に基づいて査定してでき上がるわけでございますが、本年度このアフガニスタンにつきましても、やはり前年度実績で幾つも上がっているのがございますし、それに四十五年度予算については文化関係費で、たとえば外務省関係で見ますと、国際文化事業実績で約一千万増、それから日本語普及事業費関係で約  一千二百万円増というふうに、前年度実績に対しまして毎年このように少しずつ増額が認められております。こういうふうにいたしまして、協定が結ばれた国との一そう緊密な交流関係が円滑に行なわれるように措置しているわけでございまして、特定の国について幾らあるいは特定の協定実施のために特に毎年幾らというふうな仕組みはとっておりません。それが実情でございます。

田中榮一自由民主党

○田中委員長 金沢参事官から発言を求められておりますので、発言を許します。

金沢正雄外務省アジア局外務参事官

○金沢説明員 先ほどの戸叶先生の御質問にお答えした中で、フィリピンが領海の問題について日本の漁船が進出してくるんじゃないかということを心配をしているということを申し上げたわけでございますが、日本の漁船はフィリピンの近海に進出して漁業をするというような計画は従来もございませんし、現在も全然ございませんので、その点つけ加えさせていただきたいと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 わかりました。  そこで、いまの文化協定に戻りますけれども、文化協定の中には何々を奨励するとか研究するとか、権利義務の関係を持たないようなものが非常に多いと思うのですね。いろいろな国と文化協定を結ぶことはたいへんけっこうだと思うのです一よ。しかしそういう何々を奨励するとか研究する一ということをやはり具体化していったほうが効果があるのじゃないか。そうするとやはり予算が必要になってくると思うのですけれども、一千万、  一千二百万というようなものは、文化協定をどこそことの間に結んでいる、その全体をカバーするものであるならばそれほど多いものだとは思いませんので、この点についてはどういうふうに考えていらっしゃるか。たとえば個々の国との実績をあげられた場合には、ここには特に力を入れるとかそういうふうなことは考えないほうがいいのか、考えてもいいものか、その点の御見解を伺いたいと思います。

兼松武外務省情報文化局文化事業部長

○兼松説明員 文化事業の種類によって必ずしも一様ではございませんが、たとえば従来協定がない段階ですでに実施しておりました国費留学宙の招致、技術研修生の招致というようなものは毎年文化協定がない段階ですでにやっておりまして、国費留学生の場合にはわがほうへ大体毎年二名ずつ招聘しておりますし、技術研修者の場合には過去十年間の統計をとってみますと、アフガニスタンから四十人名を受け入れているようなことがございます。他方、毎年度のきまった事業計画ではなくて、ある行事の際にこちらから文化的な催しものを企画する、たとえば二年前にアフガニスタンの独立五十周年記念式典がございました。このときには五十周年記念式典を契機にいたしまして、日本から民俗舞踊団を式典に対する日本からの参加行事としてこちらから派遣いたしまして、その際あわせてイランとトルコにも民俗舞踊団を派遣いたしました。従来トルコ、イラン等もいろいろな催しを要望しておったわけでありますが、ちょうどアフガニスタンに派遣した際にあわせてそういうことが実現できたというような例がございます。したがいまして、同じ種類の事業を毎年一つの国について必ずやっていくという慣行になっておるものと、適当な時期に適当に行なわれる、二年か三年に一ぺんあるいは四、五年に一ぺん行なわれるというのもございますので、ただいまの御質問のように、ある国との特定の項目につきまして必ずはっきりした予算項目なりがあったほうがいいという御趣旨は抽象的には私もよく理解できますけれども、実際の予算の編成にあたりましては、いま申しましたように外に対する催しものの派遣等の場合には必ずしも毎年やるということではなくて、ほんとうに適当な時期に適当なものを出すというようなものもございますので、その辺のところを最小限の予算で最大限の効果をあげるというたてまえから、徐々にいまおっしゃった御趣旨に沿うような方向で考えておりますが、急にはちょっと実現できないのではないかと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 文化協定全般をカバーする意味で、ある予算はとっておいて、それを適当に運用するというふうなお考えであることはわかりました。  いま何か学生のことをおっしゃったのですけれども、この中には学生や教授の交換を奨励するというふうに書いてあるわけですが、いま学生は何人ぐらいとおっしゃったのですか。

兼松武外務省情報文化局文化事業部長

○兼松説明員 国費留学生でございますが、毎年二名平均採っております。これは必ずワクがあって、どうしても採るというのじゃございませんので、採用試験をしまして一定の学力、一定の点数以上のものについてそのワクの中で処理する、こういうたてまえでございます。必ず二名採るという趣旨ではございません。それから技術研修生の場合も同様でございまして、毎年それぞれ農林関係等、専門分野によって人数は違いますけれども、十年間合わせますと約五十人近くのものをすでにアフガニスタンから日本側が奨学金を支給する形で招致しているわけでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 たしかフランスとの文化協定を結んでから、もう十何年前になると思うのですけれども、混合委員会というのをつくって、そうしていろいろ文化協定の内容を具体化するためにお骨を折られていたと思いますけれども、そういうことがどの程度具体化されたかということをまず伺ってみたい、どの程度に成果が上がっているかということを伺いたい。その中で具体的に伺いますと、学位とか資格証書の同等の価値を認め合うとかそういうふうなことが考えられると思いますけれども、その目安はどんなふうになってくるか伺いたい。

兼松武外務省情報文化局文化事業部長

○兼松説明員 フランスとの文化協定に基づきまして混合委員会がほぼ定期的に開かれておりますが、前回、三年前にパリで開かれました混合委員会を通じまして二つの成果が得られました。  その一つは、フランスにおいて従来学位を与える場合に、学士号につきまして、日本の研究を専門とするものについて、そういう種類の学士号を与える制度がなかったわけでございます。しかし混合委員会における討議の結果、新たにフランスの高等教育機関で日本の研究を主題とする専門の研究に対しまして学位の制度を認めるということがきまりまして、実施されております。  それから次に、フランスの高等学校におきまして日本語の授業を教育課程に入れるということを申し出まして、フランス側がこれを快諾いたしました。御存じのように、フランスは諸外国に対してフランス語の普及ということを基本的な文化政策としてとっております。わが国からもそのフランスに、日本語の普及講座と別に、フランスの学校自体でやはり日本語の講座を設けてほしいという申し入れをしたわけでございますが、それが文化協定に基づく混合委員会の協議の結果、六つの高等学校でまずその翌年、六八年からそういろ制度が始められた。今後さらにそういう方向でフランスの高等学校における日本語の教育というものが拡充されていくものとわれわれは考えております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 十七年もたっていることですかう、私どもとしても相当の実績があがっているのじゃないかと思いますけれども、なかなかわからないものですかういろいろと伺っておきたかったわけです。  そこで、文化協定の混合委員会の委員手当として四十五年度の予算ではどのくらい計上されているかということと、それからその予算の内訳はどういうふうになっているか、それから混合委員会の日本側の委員はどういう人たちかということを参考までに知らしていただきたいと思います。

兼松武外務省情報文化局文化事業部長

○兼松説明員 委員手当でございますが、四十五年度予算で、一般会計歳出予算各日明細書の第六ページの一番末欄にございますが、文化協定混合委員会委員手当九万八千円というものが計上されております。これは日本において開催されます混合委員会における日本側の、民間側の委員に対する手当でございます。混合委員会の性質によりまして、民間の委員にえらい方をお願いする場合もございます。その場合、相手国との協議の結果、えらい方を委員長にお願いするという場合も予想しておりまして、その場合には一人一日当たり三千五百円、それから委員長以外の委員の場合は一人一日三千二百円、こういう積算にしておりまして、延べ二十五日分を計上したものがこの九万八千円の内容でございます。  それから混合委員会の委員がどういう人であるか、名前という御趣旨でございましたが、これは毎回混合委員会開催の一月前くらいに、双方が今度の混合委員会にはどういう方に委員になっていただくという通報をお互いにするのが例でございます。最初条約ができ、混合委員会が第一回開催されますときには、あらかじめ当該国の、民間でいえばその方面の一番えらい方、それから関係省の主たる文化関係の責任者ということでやっておりましたが、その後いろいろ事情が変わりまして、そのつど双方とも、都合のつくその方面の権威者を民間からお願いするということでやっておりまして、従来日本側では大体外務省から一名、文部省から一名、それから当該国との文化関係の一番中心になる機関の会長であるとか理事長とか、あるいはその国との関係の文化方面で一番御造詣の深い学者の方、そういう方に民間側の委員は一応お願いしております。相手国側につきましても、やはり外務省と文化省、または日本でやる場合には東京にある大使館の大使、あるいは大使を補佐する次席の者なり、それと在京の向こう側の民間代表、そういうような形で構成されております。リストは過去の記録がございますが、そのつど変わっておりますので、もし御必要があればお手元に差し上げられると思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 時間がないですからもうやめますけれども、いまお話を伺っておりまして、何でもないことですけれども、委員長にはえらい人を頼むので一日三千五百円で、一般の委員は三千二百円。えらい人だから三百円だけ高いというのは、ことばをとるわけじゃないのですけれども、その辺のところが何かちょっとおかしな説明だなと思って聞いたのです。ほかの方はどうかわかりませんけれども、ちょっとおかしく聞いたものですから、そこら辺手当の問題は、少しえらいから三百円上にするなんということがないように考えておいていただきたいと思います。文化事業部長なのにちょっと文化的じゃないような気がしたので、たいしたことじゃないですけれども、その点考えていただきたいということが一つ。  それからもう一つ、小さいことなんですけれども、この文化協定の一条(d)項で「文化的、科学的又は教育的フィルム」とあるわけです。いままでのいろいろな文化協定なんか見ておりますと、フィルムじゃなくて映画とあったような気がするのです。そうすると、ここで映画とフィルムと同じかどうかと私考えてみたのですが、違うのじゃないかと思うのですが、特にフィルムにしたのには理由があるかどうか、その点を伺っておきたい。  この二点を伺いまして、私の質問を終わります。

兼松武外務省情報文化局文化事業部長

○兼松説明員 映画となっておる理由とそれからフィルムとなっておる理由という御質問でありますが、映画もフィルムの中に入るというように了解いたしております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 これからフィルムということばを使うわけですね。

兼松武外務省情報文化局文化事業部長

○兼松説明員 これはいずれ国会で御審議されると思いますが、教育的、科学的及び文化的資材の輸入に関する協定、それから関税定率法の品目の分類等でもフィルムということばを日本の法令用語として使っておりますので、そのほうが実際に一適しておるというふうに考えております。

田中榮一自由民主党

○田中委員長 曽祢益君。

曾禰益民社党

○曽祢委員 フィリピンとの航空協定に関連いたしまして、実はもう同僚の戸叶委員が指摘された点、すなわちフィリピンと日本との通商航海条約の問題について、これは基本的な問題ですから外務大臣に伺いたいと思うのです。  実は先ほどの質疑応答の中でも、外務省の山崎参事官のほうから、多数国条約ならば、署名は済んでいるけれども批准が済んでいないというケースは多々あるということを言われましたが、これはまさにそのとおりだろうと思うのです。たとえば先般問題になりました核拡散防止条約に政府は署名した、しかし調印するとするならばこれこれの非常にきつい条件があるぞ、すなわち署名と批准とが国の観点から見て必ずしも一致しないということはあり得ることなんだ。当時私どもは、署名に追い込まれたことについては政治的に政府の施策の足らざる点を追及いたしましたけれども、署名即批准ということにならない多数国条約は幾らもある。たとえば毒ガスあるいは化学兵器、細菌兵器等の戦時使用の禁止に関するジュネーブ議定書のごときは、四十五年も前に署名は済んでいるけれども、批准はしていない。それからちょうど航空機の乗っ取り事件で問題になりました東京条約も、七年前に署名しているけれども批准していない。そういうケースと、戸叶委員が指摘されたような二カ国間の条約で、十年も日本側だけが署名並びに国会で承認いたしまして、批准書の交換がいつでもできる状態にあるのに、いかに先方の都合とはいえ、批准されておらないというこのきわめて異常な事態を、多数国条約と必ずしも同じレベルで論じたいとは思いませんけれども、もしそうだとすれば、このセンスはまことにはなはだしい、何といいますか間違った考え方かと思いますね。そこで、これは確かに当時の政府の見通しの誤りに違いないのですけれども、ただ一方的に責めるだけでなく、現にそういうことのために今度の航空協定においても特別に支店の設置に関連するいろいろなエタブリスマンの問題などに関連して交換公文ぐらいつくっていかなければならない。その他いろいろわが国とフィリピンとの貿易関係、つまり貨物の輸出入あるいは航海の関係、さらには入国、居住、税金その他の問題、いろいろやはり支障があることは当然だと思うんですね。現実にどれだけの支障があるのか。それからこれに関連して、これはいろいろフィリピンの政情とからんでなかなか複雑な関係があるようであります。とにかくしかしフィリピンの総意としてどういう点が不満なのか、それはどういうふうにしたら解決できるのか。先ほど例をあげられた最近問題にしているらしい領海の範囲を非常に広くとるというようなことは、原則として、日本として実害があるなしにかかわらず、通商航海条約が取り扱う問題じゃないのですけれども、そういう条件をのまされるのではなくて、向こうの主張の中で無理からぬものとどうしても受け入れられないものがあろう、どういう点が問題になっていままでできないのか、今後その点に対してどういう打開の方法があるのか、大きな点でありまするから、外務大臣からひとつ御説明願いたいと思います。

愛知揆一自由民主党外務大臣

○愛知国務大臣 条約全体の問題といたしましては、仰せのとおり、多数国間の条約についての調印と批准の関係と、二国間条約の調印と批准の関係というものは多少相違して考えていいのではないか。また場合によりましてはそうしなければならない場合も、ただいまお述べになりました核防条約その他の場合については必要な考え方だと思います。したがって、二国間条約について日本が調印し、すでに批准を了している、その後長い期間たな上げにされているということについては、まことに遺憾なことであると思います。本件については、フィリピンとの通商航海条約の先方における取り扱いについては、御承知のとおり歴代内閣とも批准の促進方について非常にフィリピンの側の理解と協力を求めてまいったわけでありますが、思うにまかせなかった。その原因はどこにあるかということでございますが、これはいまもお触れになりましたが、主としてフィリピンのいろいろの政情の変化というようなことがこれにかなり大きく関連しているのではないだろうか。通商航海条約それ自体の中でどういう点について受け入れられないのかという点については、率直なお答えですけれども、どうもなかなか理解できないのでございます。しかし幸いにして、マルコス大統領がフィリピンとしては史上初めてのできごととして再選されて、政情も安定してまいったと申しましょうか、マルコス大統領の第二次政権下におきましても、本件はやはり先方としても早く措置をしなければならないという取り上げ方の姿勢に積極的になってきているようでございまして、現在政府の期待しておりますところは、きれいな形でフィリピンの国会が承認を与えてくれるようにということでありまして、なお先方の状況を十分見ながらその結果の成果がすみやかにあがるようにということを待ち望んでいるわけでございます。最近における情報としては、これもかなり公になっておりますけれども、領海の幅員の問題というようなことが取り上げられ、かつ、これが付帯的な問題としてフィリピンの国会においてかなり取り上げられておるようでありますが、この点は通商航海条約の批准と関連がないことはないかもしれませんけれども、この点は別の問題として取り上げてしかるべきではないのか、私どもはかように考えておるわけでございますが、成り行きを見ながらさらにフィリピン側の積極的の協力を求めて、すみやかにこの条約の効力が発生できるようにいたしたい、この上とも大いに努力を展開いたしたいと思っております。

曾禰益民社党

○曽祢委員 じゃそのように善処してください。

田中榮一自由民主党

○田中委員長 これにて三件に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

田中榮一自由民主党

○田中委員長 これより討論に入りますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  日本国とアフガニスタン王国との間の文化協定の締結について承認を求めるの件及び日本国政府とフィリピン共和国政府との間の航空業務協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。  右両件は承認すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中榮一自由民主党

○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、両件はいずれも承認すべきものと決しました。  次に、アジア統計研修所の設立及び運営のための援助に関する日本国政府と国際連合開発計画との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

田中榮一自由民主党

○田中委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。  おはかりいたします。  ただいま議決いたしました三件に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中榮一自由民主党

○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決します。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

田中榮一自由民主党

○田中委員長 暫時休憩いたします。    午後一時七分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕      ————◇—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗