外務委員会 第5号
- 発言数
- 163 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1970/04/03
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 この際、愛知外務大臣より発言を求められておりますので、これを許します。愛知外務大臣。
○愛知国務大臣 今回突発いたしました日航機の乗っ取り事件につきましては、昨日の夕刻以来、一つには山村運輸政務次官の非常な決意、英雄的な行動、この展開に端を発しまして、また社会党 の阿部議員の御協力をいただくことができまして、急転解決の方向に向いてまいりましたことは、御同慶の至りと考えております。 しかし、何ぶんにもただいま現在の状況では、いまだ百名をこす乗客の安全な下船と申しますか、飛行機からおりることができておりません段階でございますので、いずれあらためてこうした結果ができましたら、早々に詳しく経緯等を御説明をし、またいろいろの点から御批判を賜わることにさせていただきたいと存じますので、御了承いただきたいと存じます。 ————◇—————
○田中委員長 日本国とルーマニア社会主義共和国との間の通商航海条約の締結について承認を求めるの件、日本国とブルガリア人民共和国との間の通商航海条約の締結について承認を求めるの件及び教育的、科学的及び文化的資材の輸入に関する協定の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。 ————————————— 日本国とルーマニア社会主義共和国との間の通商航海条約の締結について承認を求めるの件 日本国とブルガリア人民共和国との間の通商航海条約の締結について承認を求めるの件 教育的、科学的及び文化的資材の輸入に関する協定の締結について承認を求めるの件 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○田中委員長 政府から提案理由の説明を聴取いたします。愛知外務大臣。
○愛知国務大臣 ただいま議題となりました日本国とルーマニア社会主義共和国との間の通商航海条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 昭和四十年十一月、ルーマニア側より、わが国との間に通商航海条約の締結を希望する旨の提案が行なわれ、政府は、昭和四十四年四月に東京において、通商航海条約の締結について交渉を行ないました結果、同年九月一日に東京において、わがほう外務大臣と先方ブルティカ外国貿易大臣との間で、本件条約の署名調印が行なわれた次第であります。 この条約は、本文十二カ条及び議定書からなっております。この条約は、出入国、身体及び財産の保護、内国課税、経済活動、出訴権、関税、輸出入制限、輸入貨物の取り扱い、商船の出入港、積み取り権等の事項に関する最恵国待遇を相互に保障しているほか、国家企業による輸出入活動を無差別待遇の一般原則に従わせること、海難救助に関する内国民待遇、仲裁判断の執行、経済関係の発展に寄与することのある経験の交流等について定めております。この条約の締結により、わが国とルーマニアとの間の通商及び海運関係は、一そう安定した基礎の上に促進されるものと期待されます。 次に、日本国とブルガリア人民共和国との間の通商航海条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 昭和四十年五月、ブルガリア側より、わが国との間に通商航海条約の締結を希望する旨の提案が行なわれ、政府は、昭和四十四年十一月に東京において、通商航海条約の締結について交渉を行ないました結果、本年二月二十八日にソフィアにおいて、わがほうブルガリア駐在山下大使と先方アブラモフ副総理大臣兼外国貿易大臣との間で、本件条約の署名調印が行なわれた次第であります。 この条約は、本文十二カ条及び議定書からなっております。この条約は、出入国、身体及び財産の保護、内国課税、経済活動、出訴権、関税、輸出入制限、輸入貨物の取り扱い、商船の出入港、積み取り権等の事項に関する最恵国待遇を相互に保障しているほか、国家企業による輸出入活動を無差別待遇の一般原則に従わせること、海難救助に関する内国民待遇、仲裁判断の執行、経済関係の発展に寄与することのある経験の交流等について定めております。この条約の締結により、わが国とブルガリアとの間の通商及び海運関係は、一そう安定した基礎の上に促進されるものと期待されます。 最後に、教育的、科学的及び文化的資材の輸入に関する協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 この協定は、出版物、美術品、視聴覚資材、科学資材、盲人用物品等の教育的、科学的または文化的資材の輸入に関する関税障壁を各国が相互に撤廃することにより、国際間の文化交流を一そう盛んにし、世界平和の維持に寄与することを目的として、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の提唱によって作成されたものであります。 わが国といたしましては、この協定に加入いたしますことは、わが国の文化の海外紹介及びわが国民による諸外国の理解の増進に非常に役立つものでありますが、同時に、書籍をはじめとする教育的、科学的または文化的物品に関しては、今日輸出国となりつつあるわが国にとりましては輸出促進の観点からもきわめて意義あるものと考えられます。 以上三件について承認を求める次第であります。 何とぞ御審議の上すみやかに御承認あらんことを希望いたします。
○田中委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 三件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○田中委員長 次に、日本国とアフガニスタン王国との間の文化協定の締結について承認を求めるの件、日本国政府とフィリピン共和国政府との間の航空業務協定の締結について承認を求めるの件及びアジア統計研修所の設立及び運営のための援助に関する日本国政府と国際連合開発計画との間の協定の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括議題として、これより審査に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。豊永光君。
○豊委員 私はアジア統計研修所の設置及び運営の援助協定に関しまして二、三御質問いたしたいと思います。 最初に、国連開発計画とわが国との関係でございますけれども、このたび国連開発計画とわが国をはじめとするエカフェ加盟国の協定によりまして、新しくアジア統計研修所がわが国に設立されますことはまことに意義あることだと思います。これに関連いたしまして、いままでの国連開発計画とわが国との関係の一般的なお話を伺いたいと思います。
○山崎説明員 これは本来国連局の主管でございますが、ちょっとまだ国連局長がお見えになっておりませんので、私から知っている限りのことを申し上げたいと思います。 御承知のとおり国連開発計画、これは省略いたしましてUNDPと申しておりますが、これは国連の後進国技術援助の中心的な機関でございます。それでこの機関は非常に多額の事業資金を持っておりまして、これは主として各国の自発的な拠出金から成り立っておるわけでございますが、本年度は約二億四千万ドルの資金を持っております。この資金を利用して活動しております。わが国はこの機関に対しましては財政面から種々の拠出をしておりまして、一九六九年、昨年は四百万ドル相当のワクの拠出をいたしておりますが、ことしはさらにこのワクを広げまして四百八十万ドルを拠出することになっております。 それからこの事業の実施面におきましては、このUNDPにかわりまして、国連の各種専門機関からの要請に応じまして、各種専門家を援助事業に参加させたり、あるいはその実施機関のサブコントラクターとしてわが国のコンサルタント会社等が事業実施に参加しております。またわが国で生産されます各種の機械器具がこのUNDPに提供されておるわけでございます。それからさらにUNDPが金を出しまして国連のいろいろな事業に協力する一環としてここにありますようなアジア統計研修所のみならず過去においても地震工学研修所とかあるいは防犯研修所の設立についても協力いたしておるわけであります。
○豊委員 国連がエカフェ加盟国等にたいへんいろいろな援助を行なっておりますが、わが国がこれに関連いたしまして国連もしくは加盟国等にどのような援助をいままでやっておられましょうか、お伺いいたします。
○山崎説明員 ちょっと御趣旨がどういうことか……。
○豊委員 国連がアジアの諸国に対していろいろな援助をしておるわけですね。これに関連してわが国はどのようなアジア諸国に対する援助をしておられますか。
○山崎説明員 ちょっとその問題に関しましては担当の国連局、長がもうじき見えるはずでございますので、そのときにお答えをさせていただくことにいたしたいと思いますが……。
○豊委員 それでは問題をしぼりまして、わが国がアジアの諸国に対しましていろいろな諸政策を進めていく中で、直接エカフェの加盟諸国に対してわが国がどのような協力をしておられますか、その現状を……。
○山崎説明員 本件も国連局長の主管でございますが、私から概要を御説明申し上げますと、御承知のとおりエカフェはアジアにおける国連の地域経済委員会でございまして、これはわが国といたしましてはアジアに対する経済協力の非常に重要な一環としてこのエカフェに対してはいろいろな面で援助しているわけでございます。具体的には、たとえば最近の例で見ましても、アジア開発銀行なんかの設立に関してもエカフェがイニシアチブをとったのでありますが、わが国もこれに積極的に参加してこの設立を見るに至ったわけでございます。それから現在エカフェはさらに域内の各種の地域協力を非常に広範囲にわたってやっておりますが、たとえばメコン川の流域の開発とかアジアハイウエーの開発とか非常に野心的な計画が行なわれております。また、運輸通信網の拡充とかアジア工業化という問題の長期展望にも取り組んでおります。わが国はこれに対して非常に積極的に参加し、さらに事務局にも人を送り込み、また各種専門家等を派遣する等非常に積極的にやっているということを申し上げられると思います。 なお、もし詳細について御質問がございましたら、国連局長がおいでになりましたらお聞きいただきたいと存じます。
○豊委員 このアジア統計研修所につきまして、加盟国もたくさんある中で、特にわが国に研修所を誘致なさいましたその経緯等について承りたいと存じます。
○山崎説明員 アジアの開発計画を進めるにあたりましては、何といっても、まず基礎的な経済統計というものが整備しておりませんと、開発は進めにくいわけでございます。したがいまして、エカフェにおきましても、そういう経済統計というものを整備することの必要性が常々論議されておりまして、そのためにはさらに、統計専門家といいますか、実務的な意味でございますが、統計専門家を養成することが急務であるということは、エカフェにおいてたびたび論じられてきたわけでございます。そこでこの問題について決議が行なわれましたところ、わがほうといたしましては、御承知のとおり、わが国は統計の実務面において非常に進んでおりまして、非常に積極的に援助し得るということでありましたので、わがほうからこれを御援助申し上げる用意があることを申し上げたわけであります。その結果、そういうアジア統計研修所を日本に設立しようという決議が国連で行なわれたわけでございます。それで、ただし金はやはり相当かかりますので、この点についても、先ほど御説明申し上げました国連開発計画からも金を援助する。それからわが国も現物及び金を出すということで話し合いがまとまり、さらにエカフェ二十カ国も若干の金を出すことになりまして、三者が金と人と物とを出し合ってこれをつくるということになったわけでございまして、これはわが国の経済後進国援助及び広い意味での国連協力という意味において非常に有意義だと考えて、政府はこれを誘致することに決定した次第でございます。
○豊委員 この研修所がすみやかに日本に設置されるよう御希望いたしておりますが、これに関連いたしまして、この種の研修所がほかにいろいろあるとお聞きしておりますが、わが国にある研修所はどのようなものがあり、どのような活動をしておられるか、参考のためにお伺いいたします。
○山崎説明員 過去においてもこれに類似の研修所が二つございまして、一つはアジア極東防犯研修所と称するものがございます。これは府中の刑務所のそばにございますが、もうだいぶ前から設立され現に動いております。さらにそのあとに地震工学研修所というものができまして、これは建設省の建築研究所の中に設置されております。したがいまして、今回このアジア統計研修所ができ上がりますと、第三番目のものになるわけでございます。
○豊委員 統計研修所に関しましては終わります。 日比航空協定についてでございますが、このたび日比航空協定が締結されましたことは、まことにけっこうなことと存じます。いままでの両国間の航空関係の現状を承りたいと思いますが、さらに、この協定が締結をされました意義と申しますか、成果等につきましてどのようにお考えでいらっしゃいましょうか。
○山崎説明員 日比間の航空業務に関しましては、すでに両方の間で航空路線が開かれております。これは航空当局の行政許可によって行なわれておるわけでございます。これは平和条約以来のその当時から日比間に航空路線が開かれておりまして、その関係で航空路があるわけでございますが、それは協定に基づかない行政許可によって行なわれておったわけでございます。しかしながらこれはあくまで行政許可でございますから、いわばいつでも取り消し得るものであり、したがって非常に不安定なものでございますので、できるだけ早く航空協定を結びたいということが両国政府の希望でございまして、折衝を重ねました結果、この航空協定が締結に至った次第でございます。 現在は、どういうふうに運航しておるかと申しますと、日本航空のほうから申しますと、東京−大阪−台北−マニラ間に週三便運航されております。それからさらに東京−香港−マニラ−シドニー、いわゆる豪州線で週二回運航されております。合計日航はマニラを通って週五回行っておるわけでございます。他方フィリピン側は現在フィリピン・エア・ラインといいますか、PALと称しておりますが、これが運航しておりまして、これはマニラ−東京間に週二回運航しております。さらにこの協定の附表をごらんいただきますとおわかりのように、将来の問題としては、日航側はマニラを通って南太平洋を通りホノルルに至る路線を開設することができることになっております。他方フィリピン側も、希望すれば太平洋路線、ホノルルを通ってサンフランシスコへ行く路線、さらにニューヨークまで伸びる路線がこの協定上認められております。ただし、これを両方ともいまのところさしあたって計画はございません。そういう意味でこの協定を結びますことによって、両国の航空業務の発展に非常に寄与するとわれわれは考えております。
○豊委員 この航空協定に関連いたしまして、この三、四日来たいへん問題になっております民間航空機の乗っ取り等の防止につきまして、国際間の取りきめは現在どのようになされておりましょうか、またわが国はこれに対してどのような態度で臨んでおるのでありましょうかお伺いします。
○山崎説明員 本件も実は国連局長のお答えすべきことだと思いますが、おられませんので、私、条約のほうを担当しておりますので、知っておる限りを簡単に申し上げます。 この乗っ取りの防止の問題は——ちょうどいま国連局長が見えましたので……。
○西堀政府委員 おそくなりまして申しわけございません。 ハイジャッキングの問題は、最近の、特に中南米それから中近東において非常に起こりましたのですが、韓国の航空機がやられ、さらには日航機がやられるということで非常に関心が高まってまいったのでございますが、本件につきましては、国際民間航空機構、ICAO、これが以前から非常な関心を、当然のことでございますが、示しておりました。一九六三年でしたが、東京で行なわれました会議におきまして東京条約が作成されました。それでこれにはわが国はもちろん署名はしておりますが、まだ批准はいたしておりません。昨年の十二月にこれは発効いたしました。しかしながらこの東京条約は、ハイジャッキングのみを対象として作成されたものではございませんので、たとえば東京条約におきましては、裁判管轄権は原則として登録国にあるということになっておりますが、したがって着陸国は非常に限られた場合にしか裁判管轄権を行使し得ない。それからまたハイジャッキングを特に重大な犯罪として規定していない。それから着陸国はできるだけ犯人を登録国に引き渡す、引き渡さない場合には原則として起訴、処罰すべきであるというハイジャッキングに最も重要な点が明記されていないというような非常に不備な点があるわけでございますけれども、現在あります国際条約としては、ハィジャッキングの防止にいささかなりとも貢献するという意味におきまして、この条約を早急に批准しようという決議も、昨年の二十四回国連総会において採択されております。しかし先ほど申しましたように、ハイジャッキング自体を目的としておりませんので、ICAOはさらにこのハイジャッキング自体を目的とした条約をつくろうじゃないかということで、昨年の二月からその草案の作成が急がれたわけでございまして、この三月にICAOの法律委員会で一応の草案ができております。この草案は、ことしの十二月にオランダのヘーグで全権会議が開かれまして、そこで採択されるということに予想されております。 このハイジャッキング防止条約は、ごく簡単に申しますと、条約案はハイジャッキングを刑事上の犯罪と規定いたします。それから締約国はハイジャッカーを厳重に処罰することを約束する、それから裁判管轄権を着陸国、登録国の双方に与える、それから着陸国はできるだけハイジャッカーを登録国に引き渡すか、または引き渡さないときは、原則として着陸国で起訴、処罰すべきことを骨子としているわけでございます。したがいまして、このハイジャッキング条約、これがことしの十二月に採択されまして、これが各国によって批准されるということになりますと、これはハイジャッキング防止としては一応完ぺきなものができる、こういうことになっておりますけれども、遺憾ながら現在におきましては、国際条約としてありますものは、先ほど申しました東京条約のみ、しかもその東京条約は不備である、こういう現状でございます。
○豊委員 ただいまのお話がありました条約は、すみやかにさらに御検討なされて、条約の締結と、このような不祥事の防止に万全を期せられるよう御要望いたします。さらにまた、万一このようなことが起こりました際に、外交折衝その他で万全の措置をおとりいただくよりお願いをいたしまして、質問を終わります。
○田中委員長 中川嘉美君。
○中川(嘉)委員 日本国とアフガニスタン王国との間の文化協定の内容について伺う前に、まず、アフガニスタン王国の概要の中で、特に経済、外交という面につきまして、二、三質問をいたしたいと思います。 アフガニスタンという国は、経済的後進性を脱却するためにあらゆる国との友好関係を利用して、経済、技術援助を受け入れているそうでありますが、この外国援助につきまして、各国からの援助がどのように行なわれているか、これをまず伺いたいと思います。
○野見山説明員 御説明申し上げます。 アフガニスタンに対する外国からの援助ということでございますが、まず第一に、その地理的条件からいたしましても、アメリカ、ソ連双方の援助が多いのでありますが、それに続きまして西ドイツあるいは英国、チェコ、ユーゴ、それから日本と、大体こういう国が援助をやっているわけでございます。 手元にあります数字では、六九年、昨年の半ばぐらいまでの数字でございますが、アメリカの援助が大体四億六百万ドル程度、ソ連の援助が六億三千八百万ドルでございます。それから西ドイツから八千三百万ドル余、チェコから八百九十万ドル、イギリスから三百万ドル、ユーゴから八百万ドル、わが日本から二百五十万ドル程度、そのほか国際機関といたしまして、国連の開発計画によります贈与が二千五百万ドル、それから第二世銀でございますが、これが三百五十万ドル程度、それから国際復興開発銀行、IBRDから五百万ドル、この辺が昨年の半ばごろまでの数字でございます。
○中川(嘉)委員 西ドイツの場合でありますが、一九六七年末までの資本援助、これが六千五百万ドル、技術援助が二千万ドルと了解しておりますけれども、西ドイツがこのように積極的な姿勢をとっているのはどういう意味か、ひとつ伺いたいと思うのです。
○野見山説明員 御説明申し上げます。 西ドイツが特にアフガニスタンに対して第三番目の援助国になっているわけでございますが、これは御承知のとおり、西ドイツは第一次大戦前後から中近東、特にアフガニスタン、イラン、イラク、あの方面へ非常に援助及び経済的な進出をはかったことがございます。したがいまして、特にイランとアフガンにつきましては、従来からのそういう傾向が現在もずっと尾を引いている次第でございまして、そういう意味でアメリカ、ソ連に次ぎまして大きな援助をいたしておるものと思われます。
○中川(嘉)委員 次に、わが国からの経済、技術援助でありますが、この点については、いつごろどのような形で援助が行なわれたか。大体はつかんでおりますが、もう少し詳しくひとつお知らせ願いたいと思います。
○野見山説明員 アフガニスタンに対しまして、わが国からは資金援助と、それから技術協力とそれから学生の交換、大体こういう三つの柱があるかと思われます。 まず第一に、資金援助のほうでございますが、御承知のとおりに、円借款協定というのを結びまして、これができましたのは四十三年の十一月でございますが、総額二百万ドル、七億二千万円の円借款を供与いたしまして、首都カブール及び地方の三都市、計四つの都市に対しまして、日本の援助で上水道をつくってあげるということをやっております。これは明年、四十六年一ぱいには工事は完了することになっております。 それから技術援助でございますが、その技術援助の一環といたしまして、アフガニスタンに工業訓練センターというのを日本の援助でつくっております。これができましたのは六一年のことでございますが、自転車工場——自転車の組み立てでございます。それからプラスチック工場、それからガラス製品工場、こういうのをつくって、片やアフガニスタンの技術者をそこで訓練するということで、現在では、二年ほど前からすでにアフガン側の養成訓練された人たちがその運営に当たっている次第でございます。 それからそのほかに数人の、わがほうから技術者を出しまして、なおかつ側面的にこれらのセンターを援助している次第でございます。 そのほかに、いわゆるケネディラウンドに基づきます食糧援助というのがございまして、これは昨年度五十万ドル、アフガンに無償供与いたしております。これの内容は、向こうが農業改善に一番必要としております硫酸アンモニアでございます。
○中川(嘉)委員 この経済協力としましては、一九六八年の十一月の交換公文、すなわちアフガニスタンに対する円借款の供与に関する交換公文が行なわれた。それでアフガニスタンの水道計画の融資のために七億二千万円の円借款による建設資金、これを供給することになったわけでありますが、この水道計画はわかるのですけれども、こまかい点ははたしてどのようになっているか。またどのくらいの人数の人が働いているのか、この点についてはどうでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○野見山説明員 この円借款協定、二百万ドル、七億二千万円の内訳でございますが、まず据え置き期間が五年間、その後二十年間の長期にわたって借款を供与するということでございます。その利率も特に安くて四%でございます。 それからさっき申しましたように、明年の十二月三十一日までに、すべてこの経費を使い切ることになっておりまして、その借款の供与は、アフガニスタンの住宅都市計画公団という政府機関に供与することになっております。これはその後この資金を毛とにいたしまして、向こうの住宅公団が入札をやりまして、それによりまして工事が進められるわけでございまして、その工事が全部わがほうの日本の業者に落札するかどうかはまだ今後の問題でございます。 一つだけ申し上げますと、これは四都市に対して水道をつくってあげるわけでございますが、その中の一つ、ヘイラート、西のほうのイランに近い町でありますが、これに対しましては、おそらく日本の業者のみを対象とした入札が行なわれるのだと思っております。
○中川(嘉)委員 これは一般的な質問でありましたけれども、今度はこの文化協定そのものでありますが、まずこの文化協定を促進するための後援、これは文部省、外務省といろいろあるようでありますが、この後援はいままでどのくらいあるのか、お答えいただきたいと思います。
○兼松説明員 御質問の御趣旨が文化協定の後援というふうに承りましたのですが、ちょっと御質問の趣旨をはっきりさせていただきたいと思いましてお伺いいたします。
○中川(嘉)委員 文化協定を促進するための従来の姿ですが、文部省の後援とかあるいは外務省の後援であるとかいうようなことはいままでなされてきたと思いますが、そういうのはいままでどのくらいあったかということでございます。
○兼松説明員 ただいまの御質問の御趣旨からいたしますと、文化協定と直接関係する場合、あるいは文化協定がない場合でもやっておる場合と両方あると思いますが、文化協定のために、特にどういう後援をしたということと離れまして、一般に文化協定の、有無にかかわらず、いろいろな方面での後援をやっております。外務省関係で申しますと、年間約四十件から五十件ぐらいが最近二、三年の実績でございます。ただいまのように国際関係が緊密になってまいりまして、特に教育、科学、文化の面ではますますそういう面のいろいろな催しもの及び交流というものがふえてまいりますので、国際親善に寄与する、相互の理解を促進するというような有意義な催しものに対しましては、今後そういう後援をするというケースが多くなるのではないか。そういう必要が今後ふえてくる。そういうふうに了解いたしております。
○中川(嘉)委員 いまお聞きしましたように、この数のことですが、四十件ないし五十件、今後とも大いにふやしていくというお話ですが、あまり多過ぎると、権威が非常に失われていくのじゃないかという気もしますし、またこの際、後援に対してどういうふうな基準を持っているかということについてあわせて伺いたいと思うのです。
○兼松説明員 後援の御申請をいただく場合に、あらかじめどういう趣旨の催しものがあるかということをわれわれのほうで必ずしも予測できない場合がございますが、大体型がございまして、音楽会であるとか芸術関係のもの、それから文化的な学術講演のような講演会をやる場合の後援、それから文化と申しましても非常に範囲が広うございますが、そういう一般の文化関係以外にも、科学技術関係のものも文化という名で参る場合もございます。いろいろございますので、そういうことが相手国との関係で、日本との相互理解を増進して親善関係に寄与する、そういうような内容のものであることを確認いたしました上で、そのつど内容を拝見した上でやっておる。したがいまして、一般的な基準という御質問でございますが、いまのような趣旨に合致するものについては、政府としてサポートすることは国益に合致する、そういう見地から判断をいたしておるわけでございまして、必ずしもきまった基準というものを固定して考えておるわけではございません。
○田中委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○田中委員長 速記を始めて。
○中川(嘉)委員 文化協定を結ぶことによって、どれだけの効果を政府として期待しておられるか、この効果についてひとつ。
○兼松説明員 文化協定がなくても、国交がある場合には、文化関係の協力は政府及び民間を含めまして行なわれておるわけでございますが、文化協定が結ばれますと、文化協定に基づきまして、やはり相手国側でも協定が結ばれたんだということで、日本に対する待遇及び諸般の予算上の措置を含むいろいろな計画を立てやすくなるわけでございます。特に協定ができますと、相手国の政府自身がやる計画、それから民間の関係の活動の面でのいろいろな計画に対する政府側の支持というものが強まりますので、協定ができますことは、協定がない場合に比較して、やはりお互いの間の交流で一そう緊密になる意味で大きな効果があると考えております。
○中川(嘉)委員 アフガニスタン関係は、これは文化協定ですから、大体この程度で質問を終わらせていただきます。 次に、日本国政府とフィリピン共和国との間の航空業務協定、この協定の中でありますが、第二条の二項(a)というところに、「他方の締約国の領域を無着陸で横断飛行する特権」こう出ておりますが、たとえば無条件にどこからでもその国の上空を横断できるのかという問題でありまして、日本の国であればその航路に関係なくどこからでも入れるのか、無制限であるかどうかという面で、はたして航空路というものが指定されているのかどうか、この点について伺いたいと思います。
○山崎説明員 いまお話がありましたように、これはそこの上空であればどこでも飛べるというものではございません。いまおっしゃいましたように、一応その国の航空当局の指定しております航空路を飛行することになっております。
○中川(嘉)委員 そうしますと、ここにある表現、「他方の締約国の領域を無着陸で横断飛行する特権」だけではちょっと意味が、これを当然航空路というものはバックには考えられますけれども、この表現だけではちょっと足りないような感じがいたしますが、その点はどうでしょうか。これは文章の面からひとつ伺いたいと思います。
○山崎説明員 この航空協定の第七条に規定がございまして、その第一項でございますが、「一方の締約国の法令であって国際航空に従事する航空機の当該一方の締約国の領域への入国若しくはそこからの出国又は当該領域内にある間の運航及び航行に関するものは、他方の締約国の指定航空企業の航空機について適用されるものとし、」云々とありまして、これによって、その国の航空法の関係法令を尊重しなければならぬということになっております。
○中川(嘉)委員 第四条でありますが、一番最初に「いずれか一方の締約国がその管理の下にある空港その他の施設の使用について他方の締約国の指定航空企業に課し又は課することを認める料金」とありますが、この使用する料金はどのようになっておりますか。たとえば飛行機の大きさであるとか、その飛行場における滞在時間等が考えられると思いますが、どのような基準で課されるか、この基準があったら、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○松本説明員 ただいまの問題についてお答えいたします。 現実にフィリピンでどういうふうな料金になっているかの数字については、申しわけございませんが、いま手元に資料を持っておりませんのでお答えできませんが、原則といたしまして、これのきめ方は、多く着陸料という形で取られております。この着陸料につきましては、まだほとんどの国が、飛行機の重量によってある段階を設けまして、重量別に一定の料金を課するということになっております。それから、この着陸料のほかに夜間停留料あるいは夜間照明料、こういうふうなものが課される場合もございますが、これらのものの課し方につきましては、着陸料の何%というふうなきめ方をしておるところもございます。あるいは、ことに停留料のような場合には、飛行機の大きさというふうなものを基準にして徴収しているところもございますが、いずれにせよ、ある特定の国に課した料金は、同一条件である限りすべての国に同様に課されるという平等の原則だけは確立されておる、こういうふうな状態になっております。 ちなみに、国内におきましては、着陸料といたしまして、現時点におきましては、十トン以下、十トンから四十五トン、四十五トン以上、こういう形で区別をしておるわけでございます。これは、いずれの国のものでありましても、国際線のものとして参る場合には、こういったような着陸料を課する、こういう形でございます。
○中川(嘉)委員 そうしますと、たとえば、昼間のことでありますが、昼間の滞在時間、一時間の場合もあるかもしれません。あるいは数時間の場合もあるかもしれません。これは、全然そういう規定はないと解釈してよろしいわけですか。
○松本説明員 ちょっと私のいまの申しようが不足であったかも存じませんが、着陸料という形は、飛行機が一回着陸をいたしまして——着陸したものは必ず、外国の飛行機でございますので、出てまいります。おおむね、この一回おりて一回出ていくという行為について幾らというふうに課しております。 それから、先ほど申し上げました停留料と申しますのは、夜間飛行機が当該飛行場に非常に長時間停留しておる場合、この非常に長時間というのを何時間以上にするかという点については、国によっていろいろ違っておりまして、非常に長時間でない場合、一回おりて、しばらく停留して、また出ていくという場合には、着陸料でカバーされております。 ちなみに、日本の場合で申し上げますと、六時間未満の停留は無料、こういうふうなことにしておりますので、たとえば十時に入ってきまして十六時に出ていくというものであれば、停留料は無料で、着陸料のみ課される、こういう形になっております。
○中川(嘉)委員 それでは、これからお伺いすることは現在の日航の問題と性質は似ておりますけれども、もし外国の飛行機が乗っ取られて羽田の空港に着陸したときに、日本としてはどのような措置をとるか。乗っ取りの犯罪者と一般の乗客をどのように処置して区別するか。この犯罪人は日本の法律でさばけるものかどうか。この三つの点についてお伺いしたいと思うのです。外国の飛行機の場合です。
○山崎説明員 先ほど国連局長からお話がありましたように、外国航空機の不法乗っ取りの問題につきましては、まだ国際的な法制が非常に不備でございまして、そういう問題について十分対処する体制が国際的には整っておりません。ことに外国の航空機で外国人がそういう犯罪を犯した場合どういうことができるかということにつきましては、これは法務省の専門家に聞きませんと実はよくわかりませんが、もちろん、不法入国その他の罪があれば、わがほうとしてはそれを不法入国者として処分ができると思います。
○中川(嘉)委員 いまの日航事件にも関連しますけれども、政府のやり方は常に後手後手だと、最近非常にいわれておるわけであります。航空機の乗っ取りというのは、世界的にも非常にふえつつあるということですが、この時点においてまだそういう対策が立てられてないということは非常に怠慢ではないか、こういう気がいたします。今後その点について厳重に、一日も早くそういう対策を立てていただくことを要望いたします。 次に、最後のアジア統計研修所の件につきまして質問を移していきたいと思いますが、この一番最初のページに「国連開発計画が、エカフェ地域の社会的進歩及び生活水準の向上を助長し、」とあります。この極東経済委員会と経済開発計画とはどういう関連性を持っているものか、この点をお答えいただきたいと思います。
○西堀政府委員 たいへん申しわけございませんが、ただいま国連開発計画とエカフェの関係とおっしゃったのでございましょうか。ちょっと質問が……。
○中川(嘉)委員 極東経済委員会と経済開発計画とはどういう関連性を持っているか。
○西堀政府委員 このアジア統計研修所は、要するに、エカフェ地域におきますところの統計専門家、これの訓練を目的とするものでございますが、これを日本に誘致して設立しようじゃないかということになりまして、その資金といたしまして、この事業を行ないますにつきまして国連開発計画——これは先生御承知のように、技術援助その他をやるのでございます。したがいまして、日本政府とエカフェ地域の諸国、これはいまのところ、日本を含めまして二十カ国になりますけれども、それと、実際にその事業をいたしますところの国連そのもの、と申しますのは、この国連開発計画と申しますのは資金を提供いたしますけれども、自分みずからは技術援助をいたさないのでございます。したがいまして、この統計に関しましては、はっきりした統計を専門とするところの国連専門機関というようなものがございません。したがいまして、国連本部の経済社会局の統計部、これが実施機関になりまして、それから日本とエカフェの加盟諸地域の二十カ国でございますが、それと、UNDP、国連開発基金、それから実施機関としての国連、この三者が共同してやる、こういうことになります。したがいまして、エカフェといたしましては、いま申しましたように、国連本部の経済社会局統計部、これを現実にはエカフェがその職務を代行してやる、こういう関係になっております。
○中川(嘉)委員 いま二十カ国というお話があったのですが、アジア統計研修所の設立及び運営を援助するということで、参加を表明した国が十七カ国と聞いております。この残りの三カ国はどことどこか。域内国で参加しない国がありますけれども、どういう理由で参加をしないのか。この点お答えいただきたいと思うのです。
○西堀政府委員 ほかの三カ国がどのような理由で参加しないか。これは各国の主権の問題でございますから、その理由は存じませんけれども、いずれにいたしましても、参加いたしたい国だけが参加する、こういうことになっておりますので、それぞれの国につきましての参加、非参加の理由は私たちちょっと御説明申し上げかねます。
○中川(嘉)委員 それではもとに戻りますが、研修所そのものでありますが、どういう人を何名くらい呼んで研修の指導に当たるのか、それから研修期間はどのくらいか、第三番目に種目はどういうものがあるか、この点についてお答えいただければと思います。
○西堀政府委員 現在計画されておりますのは、本年五月末から五カ年間でございますが、毎年三十名の研修生を対象といたしますところの十カ月の一般研修コース、これが一つございます。それからそのほかに毎年十五名の研修生を対象といたします。これは十カ月という長期間でございませんで、四ないし八週間の上級研修コース、この二つのコースを考えております。
○中川(嘉)委員 この研修自体は、はたして何年間くらい存続する予定であるか、無期限なものかどうか、それから研修員の研修後の資格でありますが、何か国際的なものが与えられるかどうか、この点いかがでしょうか。
○西堀政府委員 コースの期間でございますけれども、先ほど申し上げましたように、現在のところ五年半ということを考えております。しかし先生御承知のように、犯罪の防止に関する研修所がございまして、これは最初五カ年でございましたが、それが切れましてからも、やはり引き続いてやりたいということで、実は延ばし延ばしに交換公文を毎年やっておりまして延ばしておりますので、本件も一応このUNDPないし国連との間の協定におきましては五年半ということになっておりますけれども、その時点になりまして——日本政府のほうの希望といたしましては将来とも長く続けたい、こういうことになっておりますが、国連のほうはとにかく一応この協定に関する限り五年半で打ち切るということになっております。
○中川(嘉)委員 次に、第二条、「国連開発計画は、国際連合の関係機関の決議及び決定であって関連がありかつ適用することができるもの、特に国際連合総会決議」云々とあります。この国際連合決議というのはどういう性質のものか、お願いしたいと思います。
○西堀政府委員 二つございまして、最初の決議は十三回総会におきます千二百四十号でございます。これは国際連合の特別基金、スペシャルファンドといっているものでございます。それが現在のUNDPの前身でございますが、それの設立決議でございます。それから決議の二千二十九号、これは二十回総会でございますけれども、これは国際連合開発計画UNDPの設立決議、この二つが引用されておるわけでございます。
○中川(嘉)委員 第四条でありますが、「政府は、事業の実施にあたり、実行計画に定める次の現地の便益で作業計画の達成に必要なものにつき支払を行ない又は行なわせることによって」とあるのですが、この点は「行ない」だけでいいんではないかと思うのですが、「行なわせる」とあります。どこで行なわせるのか、どこかへ肩がわりをさせるのか、この辺の文章のあれがちょっとわからないのですが、御説明いただきたいと思います。
○山崎説明員 お答え申し上げます。 この協定は、実はUNDPは、低開発国との間にこういう実施の基本協定としまして各国がつくっておる協定のパターンがございまして、それにならったものでございます。したがいまして、日本の場合、ことに現在われわれが計画しております場合には全部政府の金でやるわけでございますので、まさに御指摘のように行なう、だけでいいのでございますが、一つのパターンがあることと、それから将来政府以外の金、政府が直接出す以外の金で——民間からともいいませんが広くこういう計画に賛助して援助を申し出る、そういう政府以外の機関とか民間の有志の方もあり得るわけでございますから、そういう場合にはそういうものを喜んで受ける場合もあり得ると思いますので、広く書いてあるわけでございます。ただし、この現在の計画に関する限りは全く政府の金だけでございます。
○中川(嘉)委員 そうしますと、先ほど申し上げたようにどこかへ肩がわりをさせるというふうに了解をしておいてよろしいわけですか、将来のことですが。
○山崎説明員 政府、それ以外にあるいはもっとやってもらうこともありましょうし、あるいは一部を肩がわりしてもらうこともあり得ると思います。
○中川(嘉)委員 次に、第四条第三項の(b)でありますが、「適当な医療の便益及び役務」というところがあります。これはどの程度のことをするものかお答えいただきたいのですが。
○山崎説明員 この国連開発計画の、国連開発計画直接ではございませんが、この実施機関の方はそれぞれの国で援助をやります場合、日本はいわば非常に医療の進んだ国でございましてあまり問題はございませんが、後進国へ現場に行って仕事をするという場合にはやはり医療が不便である場合が多かろうと思います。そういう場合にはやはり一応の医療施設がありませんとそういう専門家は安心して行けないということもあって、こういう規定が入っております。もちろん日本の場合にはこういう関係の機関は完備しておりますから、いわゆるファーストエードといいますか、何かけがでもしたときに一応の治療をすることは十分やるわけでございます。ただこれは、ほんとうの長期の療養を要し、長期の入院を要するということになりますと、それはまた別問題でございまして、そこまでは日本政府としてはやることにはなっておりません。これはむしろ各国ともそういう了解になっております。
○中川(嘉)委員 そうしますと、この「適当な」という字がありますが、具体的にはどの程度のものかということはまだ出ていないと了解してよろしゅうございますか。
○山崎説明員 「適当な」ということばが使われておりますけれども、従来国連のそういう専門家が行く場合の経験はずいぶん積まれておりますので、大体慣習法といいますか、この程度までは現地のほうで引き受けるというふうな基準がつくられておりまして、その点についても了解が交渉過程においてなされております。したがってあまり過重な負担を日本政府がしいられることはありません。
○中川(嘉)委員 第五条の五項でありますが、「両締約者は、事業又はその成果に関する情報を適宜公表することについて相互に協議する。」この「協議する。」とありますが、協議することによって公表を何か規制するようなことになりはしないかと思いますが、この点はどうでしょう。
○山崎説明員 別にこの問題に関して情報を押えるとか——非常にいいことをやっているわけでございますから、押えることはないと思いますけれども、やはり金を出している機関が日本政府、それからUNDPさらにエカフェの国も出しておりますから、そういう成果を公表いたします場合も、一方のほうだけに有利な、一方のほうだけの宣伝になるようなやり方でやってもいかがかと思われますので、その点はよく協議して、あくまでお互いの共同事業として適当な方法で公表するようにするために一応の協議をするという意味でございまして、押えるつもりは毛頭ございません。
○中川(嘉)委員 第六条に入ります。 まず最初の「他の源泉からの援助」、「他の源泉」というのはどういうものか。金銭的たものであるかあるいは物質的たものを含むのかあるいは団体としてどういうところが考えられるか、この点はどうでしょう。
○山崎説明員 お答え申し上げます。「他の源泉」とは非常に広い意味でございまして、いろんな形態が考えられますが、先ほど申し上げましたように日本の民間から渡す場合もありましょうし、さらにたとえばアメリカあたりの大きな財団が渡すということもあると思います。さらに先ほど国連局長から御答弁もありましたように、エカフェ全部の国が出していない場合に、その残った国からもさらに追加して拠出することもあり得ると考えております。あらゆる最初の計画に参加していなかったほかの政府とかあるいは第三国の財団とかあるいは日本自体の財団が金を出すということもあり得ると思いますが、そういうものは、むろん性質のいいものであれば喜んで受け入れるということであろうと思います。
○中川(嘉)委員 そうしますと、やはり金銭的なものというふうに考えてよろしいわけですか。
○山崎説明員 もちろん金銭でございますけれども、たとえば現物で援助することもあり得ると思います。たとえば宿舎を無料で提供するということもあり得るわけでございます。
○中川(嘉)委員 西ドイツが講師を派遣するというような話を聞いておりますが、この講師派遣というのはどういう条文の規定に基づいているか、この点はどうでしょう。
○山崎説明員 西独は御承知のとおり、エカフェの非加盟国でありますが、この計画の実行計画、その研修所の設立決議には参加しておりませんので、そういうふうな場合は、まさにいま先生御指摘の第六条の「他の源泉」の一つになると思います。
○中川(嘉)委員 第八条に「国際連合の特権及び免除に関する条約を適用する。」とありますが、これは「財産、資金、」この「資金、」が、財産、基金、資産とこのように実際なっているのですが、これはどういう理由でしょうか。この「資金、」が、実際のなにを見ますと基金になっているのですが、原文はたしかファンドと出ていると思います。
○山崎説明員 御指摘のとおり、ファンドということばは、かつて基金と訳したことはございますが、その後われわれこの協定を国会に提出するにあたりましてさらに法制局と協議しまして、基金と訳しますと、いわゆる経済協力基金とかああいうふうな非常に独立した機関を意味する場合も多うございますので、もう少し広く解釈する意味で資金と改めたわけでございますが、内容的には何ら変わりはございません。
○中川(嘉)委員 これは外務省としての統一見解なんでしょうかどうでしょうか、こういうふうな訳し方について。
○山崎説明員 ファンドということばは、英語の意味でもいろんな意味がございますので、国際通貨基金、あの場合は確かにファンドでございますので、あの場合には基金と訳したほうがようございますが、一般的に出てきますこういうことばといたしましては、やはり資金と訳したほうがより適当であろうと現在の段階では考えております。なかなか適当な訳がございませんので、こういうことばを用いております。
○中川(嘉)委員 こまかいことのようでありますが、資金と基金と両方出てきているわけですが、この訳し方のいかんによって、何か特に将来問題が起きるというような、そういうことはないでしょうか。
○山崎説明員 われわれとしましてはこれで全部、要するに「財産、資金、資産」いろんなものを含めて、あらゆるそういう物的なものを意味しておるわけでございまして、訳語は、その点十分練っていなかった点はまことに申しわけございませんが、特に問題は生じないものと考えております。
○中川(嘉)委員 第四項のところでありますが、「政府は、事業のすべての参加者(事業の奨学金受給者)」云々とあります。この「奨学金受給者」、研修生に対して奨学金が支給されると解釈しておるのですが、どのぐらいの額が支給されるか、これはさまっているでしょうか。
○工藤説明員 お答え申し上げます。 この研修生の奨学金は、国連の奨学金と日本政府のほうでやります奨学金と両方ございまして、この間に若干の差がございますが、大体一日の日当、滞在費が約三千円でございます。そのほかに往復の航空運賃、支度料、それから若干の図書購入費、こういうものが含まれております。
○中川(嘉)委員 時間もありませんので、最後に一つお伺いしたいのですが、「国際連合の特権及び免除」というところがありますが、たとえば研修生、職員そして講師等の特権、免除は、国連の特権、免除と同じものが与えられるのか、あるいはそれに比べて幾ぶん狭いのか、この辺はどうでしょうか。
○山崎説明員 もちろんこれに参ります人たちはすべて国連の職員でございますから、第一項に書いてあります原則どおり、国連の職員に与えられる特権、免除と同じものが与えられるわけでございます。ただこの第八条の最後に、第六項という規定がございまして、こういう事業は日本では必ずしもあまり当てはまらないが、やはりかなり現場の——この問題は東京の中で研修をするわけでございますから、あまり問題はないかと思いますが、事業の性格によりましては地方へ行く、いなかのほうの現場で非常に危険な仕事についていろいろ援助するということもあるわけでございます。そういう場合に、国連職員がいろいろとやります行為について、第三者からいろいろと損害を受けたというようなことが起こり得る可能性がありまして、そういう場合に、国連の職員がそういうことで第三者から思わぬ請求を受けるということになっては気の毒でございますので、そういう点については、政府としてはこの人たちが損害を受けないようにしてあげるという規定を設けておるわけであります。この点だけが国連の特権、免除の一般規定にちょっとプラスアルファになっておると言えると思います。
○中川(嘉)委員 それではきょうはひとまずこれで質問を終わらしていただきたいと思います。
○田中委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○田中委員長 速記を始めて。 ————◇—————
○田中委員長 次に旅券法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。 質疑の通告の申し出がありますので、順次これを許します。永田亮一君。
○永田委員 私は、主として運輸省のほうにお尋ねするつもりでありますが、その前にちょっと外務省にお聞きしておきたいのですが、最近レジャーブームというか、大量の旅客の旅行がたいへんふえてきておると思いますけれども、一年にどのくらいの旅券の申請があるか。最近であれば一日にどのぐらいの旅券の申請があるか。数字がわかっていたら、ちょっと教えていただきたい。
○遠藤(又)政府委員 現在の旅券法、昭和二十六年の十二月にできましてから年々の統計を見てみますと、毎年ずっとふえてきておりまして、昨年昭和四十四年には四十八万三千四百四十七件発行しております。これは前年に比べますと約四六%の伸びでございますが、傾向といたしましては毎年毎年増加率もふえているということになっております。それでこれでいいますと、昨年一カ月で四万件になるわけでございまして、その日その日によっていろいろ増減はございますけれども、非常に爆発的な増加ぶりだというふうに言えるわけでございます。それに対処するために必要になってまいりましたのが機械化でございまして、現在それに対応するためにいろいろと手配しているところでございます。
○永田委員 コンピューターは直りましたか。
○遠藤(又)政府委員 この三月の十六日から機械化に入りましたのですが、そのとたんにコンピューターの狂いが出ましたが、これは間もなく復旧いたしました。現在支障なく円滑に動いているところでございます。
○永田委員 それで、いま何日くらいで旅券が発給されますか、申請してから。
○遠藤(又)政府委員 これはいま申し上げましたコンピューターの狂いのときには、それからまた急激にあのときに申請も多かったということもございまして、かなり遅延いたしました。三週間ないし四週間申請してからかかるという状況でございましたけれども、これは大体平常に復しまして、二週間から三週間というのが平均でございます。ただこれを機械化されているところとそうでないところとの間には非常に差がございます。現在機械化されておりますのは東京都のほかでは北海道、それから神奈川、愛知、大阪、兵庫、福岡というふうになっておりますが、その中でも一番よく行っておりますのがもちろん東京でございますが、そのほかに大阪との間も往復の回線でもって全部ではございませんけれどもかなりの部分は往復電送ということでやっております。その他の機械化されたところは片道回線で電送ということになっておりますので、郵便でなくその電送がきくという部分だけ非常に早くなっておるわけであります。たとえば一番いい例は大阪、兵庫の場合は四日ないし五日でできるという部門もございます。その他は機械化されてないところは往復郵便ということになりますので、その分、郵便のおくれということも計算しますと、さっき申し上げましたような平均として二週間ないし三週間というふうにいえると思います。
○永田委員 運輸省の方いらっしゃいますね。いま旅行あっせん業者というエージェントみたいなものは全国で何社くらいあるのですか。
○山下説明員 現在、国際関係を取り扱い得ます一般旅行あっせん業者というのは百九ございます。それ以外に国内関係だけを扱うのが約三千五百でございますが、それを合わせますと約三千六百ぐらいございます。
○永田委員 そうすると、海外旅行の分と国内のと合わせてやるというのを合わせると、海外旅券の分を扱っているのは何社ぐらいですか。
○山下説明員 海外渡航手続を扱い、またあっせんを行ない得るのは百九だけでございます。
○永田委員 どうも最近はお粗末な旅行あっせん業者がふえてきておるように思うのですが、いま百九社とおっしゃったのですが、たとえば去年一年間ぐらいに小さいものが相当ふえたのじゃないですか。
○山下説明員 一般旅行あっせん業者につきましては、最近旅行ブームを反映いたしまして、ここ三、四年間に幾何級数的にふえておる状態でございます。したがいまして、数年前と比べて倍になっておるかと思います。
○永田委員 そのあっせん業者の手数料の問題なんだけれども、たとえば海外へ旅行する人がビザを申請するとか外貨の申請をするとか旅券の申請をするとか、そういうときに手数料を取るわけですね。それは公定価格というか、どのあっせん業者も同じということになるんですか、それとも業者によって違うわけですか。
○山下説明員 旅行あっせん業者が扱っております仕事は、大きく分けて二つございまして、一つは、いわゆるあっせん、これはホテルをとるとかあるいは飛行機をとるとか、そういった本来の仕事がございます。それに付随いたしまして、法律で認められておりますあっせんに付随するサービスとして、海外渡航手続業務を行なっておるわけでございます。その海外渡航手続に関する手数料につきましては、旅行あっ旋業法の第十二条または第十二条の二の規定によりまして、一応運輸大臣に届け出ることになってございます。その届け出たものは個々に違うのがたてまえでございまして、現に若干の差はございますが、大体において似たような金額を現在届け出ておるようでございます。その金額につきましては、私どもで審査いたしまして、実費にプラス若干の報酬というものが取られておるようでございますが、これは労務の対価として当然の金額であろうと思って、現在容認しておる状態でございます。
○永田委員 いまお話があったホテルとか航空機会社なんかはリベートを払っているわけでしょう。そうすると、そのリベートというものはわからぬわけですな。公にされておらぬのじゃないですか。
○山下説明員 現在、届け出料金という中には、ホテル及び旅館あるいは飛行機会社、それからもらう手数料の額まで書いてございます。これは普通パーセントであらわしてございまして、一〇%とか一五%というような表示になっておるわけでございます。したがいまして、裏でそれ以上取れば、あっ旋業法違反の問題になってまいりますので、この点ははっきり規制されておるというふうに了解しておるわけでございます。
○永田委員 たとえば航空会社なんか、パンアメリカンなんかだったらみんな希望して行くかもしれないけれども、正式にパンアメリカンを指定すれば、いまのきまった手数料、リベートをパンアメリカンが払う。しかしあんまり名前の売れておらぬような、名前を言うわけにもいかぬけれども、そういう航空会社は、お客をとるためにおそらくもっと出しているんじゃないか、そういう実態はわからぬですか。
○山下説明員 ただいま御指摘のありました点は、業界の内部で相当横行しておる実態だと私ども思っております。それにつきましては、旅行あっせん業者に対する立ち入り検査を、これは法的な義務でやっておりますが、そういうところからデータを集めまして、航空機会社がそういうことを行なっておるようなケースも若干発見されたわけでございます。たまたまでございますが、昨日某外国機会社に対しまして、運輸省のほうにおいでいただいて、今後そういうことは絶対ないように協力するようにお願いしたわけでございます。今後もそういうかっこうで、旅行業者を通じてという事態が発見されましたら、外国の航空機会社等でも、あるいは日本航空も当然でございますが、どんどんお願いして、業界の秩序維持ということをはかっていきたいと思っておるわけでございます。
○永田委員 私が心配するのは、そういうリベートを、航空会社と同じようなことがホテルでもあるかと思いますが、そういうリベートが相当あるので、エージェントの仕事がぼろい商売になるんじゃないか。それからいま言ったことで、たくさんエージェントが雨後のタケノコのごとく出てきて、そのために旅客が非常に不利益を受ける、損害を受けることがあると思うのです。きょう運輸省の方に来てもらったのは、実はわれわれ国会議員が最近非常に被害をこうむっておるんですよ。それは早く旅券をとってくれという注文がしょっちゅうあるわけだ。それをよく聞いてみると、エージェントが過当競争をやっているわけだね。それでいま部長からお話があったように、三週間ぐらいかかるということがわかり切っておるのに、十日ぐらい前になって、お客さんが十日後に旅行したい、何とかしてくれといってきた場合に、エージェントのほうで、これは無理だと言わないんだな。よろしいと引き受けてしまうわけだ。自分たちは手数料が入るのだし、いろいろリベートもあるのだろうから引き受けちゃう。ただしだれか有力な国会議員に頼めというようなことを言うんだな。被害者はこっちなんですよ。こっちが旅行のあっせん業者みたいになってしまう。そういう事件がひんぱんにあるわけなんです。国会議員が被害を受けるわけなんですよ。だから私は旅行あっせん業者が、たとえば十日とか二週間とか前に、——お客さんは知らないんだ。お客さんは何日でパスポートが出るのかどうとかいうことはあまりよく知らない。ただエージェントがよろしいと引き受けてくれるものだから、知らないで頼んじゃって、旅行の準備を全部やって、何日に出発だなんてみんなに披露して、壮行会をやってもらったりなんかして、さてパスポートが出ない。そうすると代議士のところに泣きついてくる。こっちは弱っちゃうわけだ。それが選挙区の何とかだなんというと困ってしまう。だからこれは運輸省のほうで厳重に監督をしてもらって、もうだめだということがわかり切っているのに引き受けるようなあっせん業者は制裁を加える、あるいは登録を取り消す、そういう態度に出てもらいたいんだ。そういうことを伺いたいために、きょう来てもらったわけです。
○山下説明員 ただいま御指摘いただきました点は、相当そういう実例があるやに聞いておりますし、先生方に御迷惑をかけて申しわけないと思っております。 その点につきましては、先般三月十二日でございましたか、一連の通達を出しました中にも特にこの点を指摘いたしまして、渡航手続に必要な時間を十分とらなければそういう引き受けをやってもいけないし、その点またお客さんにも十分周知するようにという通達を出し、これは通達の出しっぱなしではございません。私どものほうにいろいろな苦情も参りますし、また三年に一回ずつ更新登録しまして登録を審査、レビューする時点がございます。そういうときにもチェックいたしまして、そういうのがひんぱんに行なわれているような場合には、法律に照らして更新を拒否いたしまして、そういう業者については今後仕事をやっていただくことは御遠慮願うというような強い態度を業界に現在示している最中でございます。たまたま現在そういう時点と一致したわけでございますが、今後もそういう点については、十分注意してやっていきたいと思います。
○永田委員 しっかりやってほしいのですが、いまの旅行のあっ旋業法でそれは処罰できるのですか。
○山下説明員 その点について、こういう点について触れたから登録を取り消すというような直接的な規定はございません。ただ私どもが通達で流しまして、行政命令というと大げさでございますが、そういうかっこうでお願いしており、そういう段階でそれが守られなければ法律の規定にひっかかるというふうに、間接的な適用ではございますが、そのようなかっこうで処理したいと思っております。直接のこれを取り締まる条文は現在ございません。
○永田委員 どうもまどろっこしいですが、あくまで旅行者保護、国会議員保護、そういう意味でできれば法改正もやってもらいたいと思うのです。 それから、そういうことに関連して、旅行者保護ということで、最近積み立てをやって、毎月幾らか出して、ある金額になったらどこかシルクロードへ行くとか、ああいう積み立て業者が資金をどこかへ流用するとか、こげついてしまうとか、はなはだしければ倒産するというようなことで旅行者が迷惑を受けることがあると聞いているのですけれども、そういう場合には、運輸省の取り締まりはどうですか。
○山下説明員 たいへん申し上げにくいのでございますが、現在の旅行あっ旋業法では積み立て旅行については野放しの状態でございます。したがいまして、かりに被害が起こったならば、その時点でもって不正行為として処理するしかございません。したがいまして、予防措置が現在のところは残念ながらございません。
○永田委員 ときどき旅行してきた人に聞くのだけれども、旅行する前にいろいろなパンフレットや何かを出して、それがはやりの誇大広告みたいなもので、パリに行ったらどことどこに行って何を食わしてと一ぱい広告まで出して、そうかと思って行ってみたところ、なにそんなところに行かないでお茶を濁されたというような不満を聞くのですが、この誇大広告をして、それを実行しないというようなあっせん業者、これはどういうふうに取り締まりますか。
○山下説明員 ただいま御指摘いただいたような例は、最近私どものほうに非常に苦情が参っております。一例をあげますと、ヨーロッパ旅行に行って、初めはピサの斜塔を見ると言っておったのが、途中でカットされた、そういう実例もございます。そういった例はたくさんございまして、広告と内容が違うという点について非常に消費者の方々からの不満がございます。それからまた旅行あっせん業界というのは非常に前近代的と言うと言い過ぎかもしれませんけれども、そういった面がございまして、一例をあげますと、契約内容すらはっきりしておらない。たとえば旅行契約を申し込んだ場合には、普通の社会の場合には契約書なりあるいは証拠書類で、おたくとは契約した、それでいついつどこどこの飛行機へ乗ってくれというような証拠書類を渡すのでございますが、現在の実態では受け取りだけで、その中身についてはわからないというようなことで、取引自体が非常におくれておる面もございます。それは法律の規定がそこまで要求しておらないということと、前近代的な慣行が流れてきたという点がございます。そういった土壌がございまして、私どもが行政指導でしばしば言っておりますが、実は徹底しない面があることは事実でございまして、これらの点につきましてはやはり法律改正をもって処理しなければ消費者保護に十分でないという、そのような事務的な考え方に現在立ち至っておる次第でございます。
○永田委員 終わりますが、しっかり監督してください。これは旅行者保護というたてまえをしっかり守って、いまの法律で取り締まりがむずかしいのであれば、法を改正してでもいいから、そういう準備を進めてください。 終わります。
○田中委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時十五分休憩 ————◇————— 午後三時五十六分開議
○田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 旅券法の一部を改正する法律案について質疑を続行いたします。大久保直彦君。
○大久保(直)委員 前回に引き続き旅券法の質疑を続行させていただきます。 いままでの質疑の結果、今回の改正案を一括いたしますと、手続面ではかなり緩和しているけれども、国民の海外渡航の権利という質的な内容面においてはかえって制限を強めている、こういう感をますます強くするわけでありますが、ここで一点お伺いいたしたいのは、昨年の前国会で本法案が流れまして、今日まで六カ月以上の月日が経過しているわけでございます。この間に、ただいまいろいろ問題になっております北鮮行きの旅券を出した事実はあるのかないのか、この点をお伺いいたしたいと思います。申請がどのくらいあって、それに対する旅券の発給の事実はあったのかいなであるのか、その点についてお願いいたしたいと思います。
○遠藤(又)政府委員 昨年北鮮向けの旅券発給は十件でございました。そのうち国会が終わりましたあとというお問い合わせでございましたけれども、昨年の九月に山花秀雄議員一行五名、それから二カ月おきまして十一月に武内五郎議員一行五名、前国会以後のケースとしてはこの二件でございます。
○大久保(直)委員 ただいま御報告ありましたとおり、国会議員の北鮮視察団のみに旅券が発給されておった、このように理解をしてよろしいわけでございますね。
○遠藤(又)政府委員 国会議員及びその同行者でございます。
○大久保(直)委員 北鮮の問題に関連して二、三お伺いをいたしたいと思いますが、ただいま問題になっております未承認四カ国の横すべりの問題でございます。いままで横すべりその他で何人かの日本人が未承認国に渡っておる、入国いたしておるということでございますけれども、それらの人々の中で、ただいま問題になっている十三条の国益、公安、または十九条にうたってあります利益、信用、これに反するような事実があったのかどうか。いままで横すべりの事例の中で、こういった三条及び十九条に反するような例があったのかどうか、この点はいかがでございましょうか。
○遠藤(又)政府委員 横すべりの場合で処罰の対象になったケースはいままでのところはございません。
○大久保(直)委員 処罰の対象というより本、十三条、十九条に反している事例はないわけですね。
○遠藤(又)政府委員 その場合は実際に申請が行なわれておらないわけでございますので、その真相は不明、そのままになっておらざるを得ないというわけでございます。
○大久保(直)委員 この横すべりの問題でございますけれども、渡航先で、たとえばモスクワにおりまして、緊急やむを得ざる事情によってどうしても北鮮に入らなければならない、こうした場合に、その認可を求めず、横すべりの形で未承認国に渡航した場合に、その事情いかん、情状酌量というようなことで、二十三条にうたってある罰金云々の問題をどのように考えていくかということでございますが、内容によってはかなり情状酌量の余地があるのか、それとも、いかなる理由にかかわらずこの二十三条は適用されねばならないのか、この点はいかがでございましょうか。
○遠藤(又)政府委員 横すべりの場合は二十三条の第二項第一号にかかるわけでございますが、その場合に、横すべりの事実が明らかになりました場合にはこの二十三条第二項第百石は適用されざるを得ないわけでございますが、その事実の認定のしかたがいろいろあるわけかと思います。ただ「一般旅券に記載された渡航先以外の地域に渡航した」ということがはっきりしました場合には、どうしてもこれは適用されざるを得ないというわけでございます。
○大久保(直)委員 この三万円の罰金のところでございますけれども、これは刑法第三十四条ノ二によりますと、罰金刑を科せられた場合には、刑の消滅までに五年かかる、このようになっておりますが、未承認図に入国して三万円の刑を科せられた場合に、一律五年たたないとこの刑は消滅したとみなされないのか、それとも、先ほど申しましたように内容の相違によってはそこにかなり情状酌量の余地が残っているのかどうたのか、この点はいかがでございましょうか。
○遠藤(又)政府委員 御指摘のとおり刑法三十四条ノ二に刑の消滅の規定がございます。したがいまして、いまの場合ですと後段のほうの罰金以下の場合でございますので、仰せのとおり五年たてば消滅いたします。それ以前の場合におきましては十三条一項四号の規定が適用になって旅券発給拒否の理由になり得る。これにつきましても裁量の規定でございますので、情状を見て判定するわけでございます。
○大久保(直)委員 情状を見て判定されるということでございますけれども、たとえば第一回目に参りまして未承認国へ横すべりをやって罰金を科せられた。刑法の適用によりますと、五年間その刑が消滅しないわけでございますけれども、その間に、二回目に自由主義国への、承認国に対する渡航の申請をした場合に旅券が発給されるのか、それとも、この五年間を経過しなくては旅券の発給は停止されておるのか、この辺はいかがでございますか。
○遠藤(又)政府委員 旅券の発給が停止されるというとちょっと違うと思うのでございますけれども、要するに三十三条第二項の適用を受けた場合、いま申し上げました十三条一項四号の規定で、外務大臣は発給しないことができるというわけでございます。
○田中委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○田中委員長 速記を始めて。
○大久保(直)委員 私の質問は本日はこれで終わり、後日に回していただきたいと思います。 —————————————
○田中委員長 この際、愛知外務大臣より発言を求められておりますので、これを許します。愛知外務大臣。
○愛知国務大臣 日航機の乗っ取りの問題につきまして、その後の経過を御報告申し上げます。 実は昨日の午後六時十分に、金浦においてこの事件の処理に当たっておりました橋本運輸大臣から、電話で私のところに連絡がございまして、山村運輸教務次官が身がわりになる。そして、それを中核にして本件の処理をすることについて連絡を受けました。それから政府といたしましても、速急にこれに対処する策を考えておったわけでございます。ところが、初めの段階においてはどの範囲にこれがうまくいけるかということに若干の疑問も持っておったわけでございますけれども、いま申しました連絡によりまして、山村政務次官が身がわりになることによって、乗客全員を金浦において飛行機からおろすということが原則的に合意された。ただし、山村新治郎君をいわゆる赤軍派の連中が知らないので、山村君を紹介してもらう信頼のできる人を派遣してもらいたい、だれが適当であるかということになりまして、阿部助哉社会党代議士を先方が希望いたしたわけであります。時を移さず阿部助哉氏に私から政府を代表してお願いをいたしましたところ、即座に快諾していただきました。阿部代議士に政府としてお願いいたしましたのは、山村代議士の人物確認というお役目を引き受けていただきたいということで、直ちに金浦に飛んでいただいたわけでございます。そして今朝来いわゆる赤軍派と話し合いに入りまして、なかなか難航いたしたわけでございますけれども、まず機体を整備する、それから乗客の荷物をおろし、その次の段階で約五十名を飛行機からおろす、そこで山村政務次官が飛行機に乗る、そしてそこで自余の乗客をおろすということが、阿部代議士の山村次官紹介並びに確認を先方が認めましたことを前提にして、こういう合意ができ上がったわけでございます。 それに基づいて手順を始めてまいりまして、もう少し早く実は片づくかと思いましたところが、やはりなかなか段取りや話し合いに手間どりましたが、結局午後二時五十九分に山村政務次官が飛行機に乗りました。そしてその前に、いま申しました機体の整備から荷物をおろすことから、それから約五十名の方々がおりることが済みまして、そこで山村君が乗機いたしました。そして最後に全乗客が無事に飛行機からおりることができたわけでございます。全部で九十九名の乗客と、それからスチュワーデスが飛行機からおりることができました。 まことに、ここに至りますまでの間、国会の皆さまから超党派的な御激励と御協力をいただきましたことをはじめ、国民各界各層から非常な支持、鞭撻を受け、このような結果になりましたことは、時間がかかりましたけれども、ともかく全員無事に救出できましたことにつきまして、政府として心から感謝申し上げる次第でございます。 また、本件が発生いたしまして以来、各国、各機関に非常な好意のある協力を受けまして、ことに韓国政府は日本側の希望する線にずっと協力してくれまして、最後にこの結果になりましたことにつきましては、韓国に対しましても特に感謝を表したいと考えるわけでございます。 また今朝も申しましたように、こうした決着がついにできましたことについては、山村政務次官の英雄的な行動と、それから超党派的に社会党の阿部代議士の御協力をいただきましたことを、政府として非常にありがたく思っているわけでございます。 もう一つ時間がかかりましたことの一つは、日航当局の切なる希望もあり、またわれわれもまことにごもっともだと思いました点は、この飛行機のクルー、特に操縦士の問題であります。心身が健全であって、高度の技術を要するジェット機の運航であり、かつ平壌には全く未経験な人でありますので、何とかして操縦士を交代させてもらいたい、こういう切なる、またごもっともな要請があったのでありますけれども、そうしてそのために全力をあげて現地においては折衝に当たったのでありますけれども、どうしても説得ができませんでした。この点はほんとうにただ一つ重大な心残りでございますけれども、このことがならず、現在の乗員、クルーそのままでよど号の運航に当たることに相なりました。そのために、原則がきまってから、このことでだいぶ時間がかかりましたこともあわせて御報告申し上げる次第でございます。 それから次に、こうして最大の乗客の方々の安全がようやく達せられたわけでございますが、この飛行機自身がどうしても北鮮へ行かざるを得ないことになったわけであります。この点につきましても、実は前広に、あるいはこのことあるを予期しながら、関係国あるいは関係機関に協力を求めつつあったのでありますが、幸いにして北鮮側の意向が、あるいは赤十字社を通し、あるいは軍事休戦委員会を通じまして、この飛行機の航行の安全、人命の安全、着陸の安全、そして着陸後の人道的取り扱いということについての保証が確認されております。今回は、多くの人がおりて山村政務次官が身がわりになったわけではございますけれども、この飛行機並びに乗員の安全ということについては、この保証によって北鮮側の待遇というものを十分期待できるものと考えておりますが、いよいよ具体化いたしましたので、この事実を踏まえて、こうした路線を通じまして北鮮側のこの上ともの協力を求めておる次第でございます。 この飛行機は、現在ではまだ離陸しておりませんけれども、整備も完了したようでございます。天候的あるいはその他の技術的の原因を別にすれば、何どきでも離陸し得る状況である。こういうふうな状況であります。 以上、その後の経過を御報告申し上げます。 —————————————
○田中委員長 引き続き旅券法の一部を改正する法律案の質疑を続行いたします。曽祢益君。
○曽祢委員 この旅券法の改正の問題の焦点の一つ。おそらくこれが最大の焦点と思われる北鮮に対する邦人の渡航に関する問題があるわけでありますが、こういう問題は、いま外務大臣から報告がありました、日航機乗っ取り事件もすべての旅客並びにスチュワーデスまでが幸いに釈放されるに至った、この喜ばしい報道と非常に関係が深いと思うのです。 そこで私従来からこの問題については——この問題というのは日航機乗っ取り事件については政府が非常に苦心をして交渉されている途中において、もし万が一にもわれわれの質疑等がその努力に妨げになってはいけないという見地から、少なくともわが党においては、昨日も国会対策委員長会議において、緊急質問は野党の立場からも見合わせにすべきだという主張をし、幸いに各野党の皆さんの御協力を得まして、緊急質問等しなかった。まだこの問題の全部についてはたして政府の措置が万全であったか、これは国内的な措置から国際的な措置に至るまで。もう少し段階が進んで、いまお話しのように北鮮に無事にこの飛行機が着いて、政務次官の山村君及びクルーの完全な釈放並びに飛行機の日本への帰還ができる、そういう時点において、これらの問題のいわゆる総まくり的な検討、そして今後の施策に対する検討が行なわれてしかるべきだと思います。そういう観点に立ちますから、本日ここでいろいろややこしい問題を全部洗いざらいやるつもりは毛頭ございません。しかし、二点ばかりぜひ承っておきたい。 その第一は、この問題が二つの分裂した朝鮮の悲劇というものをまざまざとクローズアップしたという点についてであります。すなわち、私は、どうしてもわからないのは、福岡の飛行場からどういう事情で立ったのか。これは日本政府の正式の許可があって立ったのか、機長の判断で立ったのか。また、この飛行機は初めからソウルの金浦に着陸する予定をもって立ったのか。これは、機長のほうとしては、北鮮に行くことを擬装した、しかし事実上は金浦に着陸するという予定で、あらかじめそういうプログラムで立ったのか。そうでないとすれば、いかなる事情で平壌でなくソウルに着陸することになったのか。その間において、一体日本政府はどういうふうに考えておやりになったのか。それとも成り行きでそうなったのか。このことは、もし日本の飛行機が韓国に着陸したならば、かえって韓国の非常にきつい、しかもデリケートな北鮮との関係上、人道的な立場だけから言うならば、かりに日本政府がもう北鮮に早く乗客を乗せたままで行ってもらってもいいと思っても、韓国の立場上それはできなくなる。運輸大臣や運輸次官が現地で非常に苦労されたことをよく承知しております。つまり、むずかしい条件をつくった。犯人に対する説得のほかに、やはり、言うと言わずにかかわらず、日本政府の立場は、韓国政府の協力と同意がなくしてはかってなことができない、こういう、両方に対するむずかしい交渉の立場に立たされたと思うのです。そういうことが、幸いに山村君の犠牲的精神とりっぱな行動によって、また、阿部君の協力によっていいほうに解決されました。平壌でなくて、金浦において乗客全部とスチュワーデスを釈放することができたわけであります。その間に失った時間的なロスと犠牲というものも相当大きなものがある。この間における韓国側の好意的立場、同時にまた、北鮮側の非常にものわかりのいい人道的な立場、両方に私は大いに敬意を払いたいのですけれども、そういう、ただでさえむずかしいハイジャックをやった犯人たちとの交渉のほかに、国際的に非常にむずかしい南北朝鮮問題とからむようなところになぜランディングさせたのか。この点がはっきりしないと、私は、国民がその点について納得できないんじゃないかと思う。この点をまず伺いたいと思います。
○愛知国務大臣 実は、この点につきましては、政府といたしましても、本件が片づきまして、機長が帰国いたしまして、十分事情を調査してみませんと真相はわからないというのが、もう偽らざる現在の立場でございます。 先般、橋本運輸大臣が韓国へ参ります直前に、他の委員会で答弁しておりますところに、私も同席しておりましたのですが、福岡を飛び立つときには、どうも機長の判断によって飛び立ったんだと運輸大臣は理解しておったようでございますけれども、これも、前提として、よく調べてみないとわかりません、諸般の事情から想像するに、どうもそうではないかという趣旨の答弁をしておりましたが、やはり、真相は十分に究明いたしませんとわからない。これは軽々に政府の所見を申し上げるべきでないと思っております。 そういうわけでございますから、一たん三十八度線を越えたらしいのでございますけれども、越えたとすれば、なぜ南転したのか、その理由は何か、この行動は機長の判断によったのか、ほかに何かの原因があったのか、あるいは、機長の判断があったとしても、それはいかなる判断であったのか、この辺のところが実にわからないのでございます。したがいまして、板付飛び立ちのときでさえそういうわけでございますから、いわんや、他国の領域に飛び立ちましてから以降の状況につきましては、やはり実態の真相を究明するのには、どうしても相当の時間がかかるのではないか、かように考えられるわけでございます。 それから、お尋ねを予想しながら先回りするようでございますけれども、日本では初めての、全く予想しないことでございましたが、予想しなかったというのが実は大きなミスではなかったかと思っておりまして、この全く大きな事件を起こしました直後から、ハイジャック問題について、あらゆる場合を想定して、政府としてと申しますか、あるいは日本の立場においていかなる態度と方針で臨むべきかということについて、ほんとうに真剣で建設的な立案をしなければならない、早急に取りかかろう、こういう決意をいたしておるわけでございまして、それこれ今明日中からにでもそのすみやかな検討を開始しなければならない、かように考えております。
○曽祢委員 いまの外務大臣のお答えでわかった点としては、日本政府が立たして、しかも韓国のほうに着陸する意図をもって立たしたという意味でなくて、全くそこら辺の判断は機長がやったらしい。そのほかに、韓国空軍あるいはアメリカ空軍のあれがあったかどうか知りませんけれども、それらの点は、国民が、なぜ板付から出して、ますますむずかしい、解決困難なところにやったんだろうかという疑問を持っている。もしそれがそうであったなら、意図はよくても、結果的には非常な失敗だ、その点においては。そうじゃなくて、政府がまだつかんでない事実、真相——機長と一味とのやりとりや何かの関係で、政府の計画的なプランによって板付を立って、そうして金浦に行ったんじゃない、こういうように承知していいのですか。その点だけはっきりしておきたい。
○愛知国務大臣 これは政府の意図によってやったことではございませんことは、先ほど申しましたところでおわかりいただけるかと思いますが、政府としては、先ほど来申しておりますように、その意図あるいはその原因というものがいま全くつかめないわけでございます。
○曽祢委員 わかりました。その点は、今後の対策という意味で、お互いにあとで真相を明らかにしていく必要があると思います。 第二の点は、これもまだ北鮮に飛び立ってないので、着いてからの問題にも関連するのですけれども、北鮮側の言ってくれていることも非常に誠実で、何も疑いもせぬ。ただ一番心配なのは、山村政務次官、乗務員及び機体もあるけれども、その間にもう一つのグループがあるのですね。普通の乗務員でもない、お客さんでもない、赤軍派と自称するグループがいるわけです。この処遇というものは最もデリケートな問題ではないか。そこでこれがへたにもつれると、平壌に着いたあともなかなかむずかしいんじゃないかという心配も持たれますので、それは申し上げません。 ただ、これに関連して、これは今後の施策の問題になると言われればそれまでですけれども、けさほども同僚委員から質問がございましたが、やはり国際法の面から、こういったような航空機の乗っ取り事件に対して、一体どういう防止のための有効な手があるのか、あるいはないのか、現状における御検討でけっこうでありますから、外務大臣は現状においてどう考えるかを明らかにしていただきたいと思います。特にお互いに知っておりまするように、いわゆる東京条約があって、それによって少なくとも航空機上の犯罪に対する国の管轄権なんかのあらましの問題についての一つの方向づけがなされつつあるけれども、ほんとうにこういったようなハイジャック事件に対するきめだま的なものがない。また国連における決議を見ましても、まことにその点は希望的観測程度であります。なかなかこの問題は私はむずかしいと思うのですね。やはり政治的亡命というものとからむと、犯行が起こっても、着陸地の国に対して必ずそれを引き渡せということ、飛び立った国の航空機所属国に。これを完全に義務づけるような条約はほんとうは困難ではなかろうかという気もいたしますけれども、何らかの意味で国際条約的な方向でこれを解決する道があるのかどうか。現にそういったような条約案も検討されておるようでありまするが、これについて外務大臣はどうお考えですか、ひとつお示しを願いたいと思います。
○愛知国務大臣 先ほども申しましたように、ハイジャックというものについてどう考えるかということについては、ほんとうに日本としては少しおくれをとり過ぎたのじゃないか、こういう考え方を今回身にしみて政府としても感じたわけでございます。したがっていまもお話しのように、いわゆる東京コンベンションというものはこういう事件に対しての回答としてはもちろん十分でないと思いますけれども、やはり東京コンベンションなどは実はできましてから批准もいたしてないわけですから、やはりこういうところから始めて、国民的な注目の中でよりよきものができるように、ひとつ国際的にも積極的に考えていかなければならないのではないか。この点を私、先ほど申しましたように、もう今明日中と言いたいくらい急いで、少なくとも前向きな検討に入らなければならない、こういうふうに思っております。いまそういうわけでございますから、たとえば東京コンベンションの拡充強化とかあるいは別のコンベンションというものに具体的にどういう内容を盛り込もうかということについて、いま格別これを申し上げるほどの考えがまだまとまっておりませんが、ただ何とかしなければならない。先ほど、今回の事件でも機長のかりにこれが判断であるいは裁量でやったとしても、その機長には機長としてのハイジャックというものに対する一つの何か考え方はあったのではないかとも私実は想像をたくましゅうしているようなわけでもございますので、こういった貴重なるまた重大なる損害のあったこの事件を契機にいたしまして、ぜひ踏み込んでいかなければならないと考えております。たいへん抽象的なお答えで恐縮でございますが、まだ具体的に検討の内容を申し上げるには、いたってまだ勉強ができていないというのが実情でございます。
○曽祢委員 それに関連してもう一間だけ伺っておきますが、条約をどういうふうにつくっていったらいいかということももうお互いに検討しなければならない問題だと思いますが、とりあえず北鮮側に対しまして、もうすでに向こうが公表してくれている態度、すなわち、来る乗り組み員及び山村政務次官ですけれども、お客さん、乗り組み員はすみやかに返すようにする、飛行機も返します、たいへんけっこうであります。これをぜひ貫いていただくと同時に、しかしだからといってやはり犯人に対しても、これはわれわれは普通刑法の犯人だと思います、日本から見れば。その引き渡しも政府としては穏やかな態度だけれども、やはりきちっとした態度としては、だからといってこの引き渡しを要求するのだろうと思うのですけれども、そういうお考えであるかどうか。
○愛知国務大臣 これも実は率直に申しますけれども、たいへんむずかしい問題で、現に頭を悩ましておるわけでございますけれども、ハイジャックの一つの事件を前提に立てば、この飛行機並びにパーソンズ・オン・ザ・ボード、これの安全と早期帰国ということをプリンシプルとしてお願いをするというのが私はたてまえじゃないかと思います。ただその中に、北鮮に行きたいという者が、つまりあれだけの事件を起こし、あれだけ人命に影響を与えてまでその言い分を貫徹し、かつ他国から発進して未承認の国に行くというような、普通のハイジャックとはまた違った性格の事件じゃないかと私は思うのでございますけれども、そうして結果において、政府としてもこの北鮮に行くということについて北鮮側にもお願いをしたわけでございますね。そういういろいろ条件が複雑でございますから、その複雑な条件を整理して、そうして北鮮側に対してどういうふうな引き渡しということについての筋目を立てた要請ができるだろうかということについて、現に真剣に、これは先ほど申しました立法あるいは条約の問題よりもっと近接した当面の問題でございますから、鋭意ただいま検討しております。
○曽祢委員 デリケートな交渉がありますから、それ以上は申し上げませんが、私は好意的態度に対する謝礼は謝礼、日本の態度としてはやはり一般犯罪人は引き渡すべきであるという態度を貫くべきであると思いますけれども、これは私の意見にとどめてお答えは要求いたしません。 この事件から見ましても、私は冒頭申し上げたように、この事件とわれわれがいま旅券法で取り組んでおる事件との類似性というものが実にあざやかに描き出されておると思うのですね。言うならば、北鮮に行きたいという無法者であるけれども、心ならずもであるけれども、韓国に行って、韓国から横すべりして北鮮に行った。横すべりしたときに、もし政府が親心でそういう者をあまり追及しないというならば、この旅券法の問題にかんがみても私はいろいろくみ取るべき教訓があるように思います。前国会におきまして、いろいろ政府の立場を私どもの考えと相対比したわけですけれども、私自身の考えから言えば、全般としてはこの旅券法は進歩的な前向きのかつ当面必要なよき改正である。 第二の点は、問題になっておる十三条の第一項第五号ですか、要するにいわゆる国益を害しない限り——害する者については旅券を出さないことである。私は、これは乱用を大いに戒めなければならないけれども、日本の国益上、たとえばある国に対しては国連の決議からいっても一切の経済断交ということもありましょうし、それはときとして国益上日本人の本来ならば自由であるべき海外旅行の自由を制限することがあっても、これは差しつかえない。十三条のその点が改正されないからこの法案は悪いという主張は私は賛成できない。ですから、要は今度の旅券法改正によって、全体としては一回限りの旅券を、原則として五年有効の数次往復ができる旅券に変えよう、ただし未承認国の場合にはちょっとそうもいかないので、ケース・バイ・ケースで一回限りの旅券にする、この取り扱いはやむを得ないと思うのです。ただ実際問題としては、未承認国であるけれども、もはや北ベトナム及び北京政府の支配下、つまり中国大陸には事実上出しておるわけであります。ただ単に、北鮮だけがいままで出さなかった。出したのは、ほんとうに国会議員に敬意を払って、国会議員が団長のときに、国会議員の団長や団員に出したことがあるという程度です。もっと緊切なと言っては国会議員さんに悪いけれども、もっと具体的なと申しますか、商用等についても事実上出さないのだから、しようがないから横すべりできておったわけです。こういう事態はどう考えてもノーマルじゃない。したがって、基本的な態度としては今度のハイジャック事件も明瞭に示しているように、日本政府がいままで朝鮮に対してとってこられた態度、つまり韓国を国連決議に基づく朝鮮における唯一の合法政府であるという立場をとり、すでに日韓条約が結ばれた。民社党はそれに賛成です。同時に、しかし政府も、北鮮というものが一つのオーソリティーとして事実上存在していることを認めてきたわけであります。ですから北鮮に対する日本人の渡航についても、筋の立つものはもうこの辺で、ケース・バイ・ケースではあろうけれども、ケース・バイ・ケースというのは何か大陸貿易の輸銀の使用のケース・バイ・ケースと似たように何でも事はケース・バイ・ケースじゃ困るので、むしろ前向きで大体商用の者は許す、できればスポーツ関係等の限られた目的の者も許すというような方向が出せないものだろうか。これは先国会からお互いに何回となく外務大臣とわれわれとの間に質疑応答がございました。政府の立場上、ということは自主性を守っていくのであるけれども、事実韓国側の主張もまたきつい態度があって、あまりここではっきり言うことはいかがかという御考慮もあろうかと思いますが、前国会では、少なくともこういう七月九日の当委員会における議事録にちゃんと書いてあります。委員長が「この際、御報告申し上げます。七月四日の外務委員会理事懇談会において、政府側から、旅券法改正案は、いずれの地域に対しても渡航の制限をする目的に出たものでないとの説明があり、なお、いずれの地域に対する渡航の自由についても善意をもって措置するなどの発言があり、与野党理事がこれを確認いたしました。以上、御報告申し上げます。」こういう公の記録があるわけです。言いかえるならば、政府としては今度の旅券法改正は、まずいずれの地域に対して毛、これはいうなれば全世界に対していやしくも渡航の制限をする目的ではない。それから第二項は、むしろさらに積極的にいずれの地域に対する渡航の自由についても善意をもって措置する、こういう発言がなされているわけですね。理事懇における外務大臣の御意見、発言等をバックにして公の記録としてそうなっている。なお、さらにこれの背後には、私自身がいろいろ申し上げましたが、第一に、北朝鮮に行く渡航の問題についてはあくまで日本の自主的な立場できめる、いかなる国、それが日本と友好関係にある韓国も含めて、いかなる国からも制限されあるいは干渉を受けない、こういうことが言えるかどうか、まずこの点をひとつお示し願いたいと思います。
○愛知国務大臣 いま言及されました昨年七月九日の、当時の北澤外務委員長の御発言、すなわち政府の意図しておるところは、旅券法の改正案はいずれの地域に対しても渡航の制限をする目的に出たものではない、このことはそのとおり拳々服膺してまいりたいと思います。そして、いずれの地域に対する渡航の自由についても善意で扱っていきたい、これもそのときの北澤委員長の御発言のとおりの気持ちで運営に当たってまいりたい、こういうふうに考えております。
○曽祢委員 したがいまして、これも記録にあるわけでありますが、私のほうから北朝鮮に対する、国会議員だから許すというだけでは筋が通らないので、はっきりとした目的、すなわち貿易の具体的な話し合いあるいはスポーツの目的、こういうような目的のために必要な場合には、ケース・バイ・ケースではあろうけれども、こういうものは制限する方向ではないのである、いわゆる前向きに考えて善処していくのだ、こういうことが、いずれの国に対する渡航の自由についても善意をもって措置するということに私は該当すると考えるのですけれども、さように理解してもよろしいでございましょうか。
○愛知国務大臣 けっこうでございます。特にそういう限定されたといいますか、そういう目的のために渡航された実績というようなものも十分考慮に入れる必要があろう、かように考えておる次第でございます。 なおまた、先般来ときどき御説明しておりますように、未承認図に対する渡航の旅券発給の手続面におきましても、相当の改善を加えて簡便化していきたい、こういうふうに考えております。
○曽祢委員 私は今度の旅券法改正のもう一つの点は、これに関連することでありますけれども、いわゆる横すべりをやった場合の罰金ということが明らかになった。しかし横すべりするような必要がほとんどなくなるような運営をされるならば、これは法令を犯してもいいということではないけれども、罰金刑ということは事実上作動しなくても済むのではなかろうかと思います。ですから、ぜひそういったような現実の必要に応じて、前向きに渡航を許すような方向にしていただくならば罰金刑というものはノミナルになる。 それからもう一つ、他の同僚委員からもお話しございますように、この罰金刑とその他の行政的な処罰、たとえば旅券を取り上げるとか、あるいは再発給しないとかいう他の罰則の併科についても、事実上横すべりというものがなくても済むような旅券の発給が行なわれることによって救われると思いますけれども、そういう点についてもあまりしゃくし定木のやり方でなくしていけるというお考えであるかどうか、この点だけを伺っておきたい。
○愛知国務大臣 先ほど申し上げた点とも関連いたすわけでございますけれども、旅券法の改正自体が、制限を強化するとか罰則に該当するような事例をつくるという意味ではなくて、つくらないようにしていきたい。それで、これは昨年のこの法案の御審議のときに申し上げましたように、私、率直に申し上げれば、一つの法律をつくって横流れをすることはいけないと書いてあれば、それを犯した場合に罰則をつけないのはおかしいじゃないかという法理論からいいまして、立案のときにもだいぶ外務省としてはこれでも努力したつもりでございまして、そういう経過から申しましても、これはいまお話しのようにできればこういうものが実際には起こらないように、善意で発給の手続に当たれば罰則にかかるような事態は起こらないようにしたい。しかしそれに対しては発給を求められるほうの国民の方々も、場合によりましては、日本の国益というと非常に広く聞こえますけれども、そのときに置かれている日本の立場あるいは政府の立場といったらもっと端的かもしれませんけれども、そういうことについての御理解もいただき、両々相まって罰則なんというものが書いてあるけれども全く死文だというような扱いをするのが私の気持ちでございます。 それからそういう気持ちでございますから、今度は万々一罰則に該当したような場合がありましても、これに行政罰を常に自動的に付加して旅券を取り上げ、そして再発給は将来とも絶対しないというような過酷なことは絶対に避けてまいりたい、こういうように私は考えております。
○曽祢委員 最後に、これに関連してもう一つだけ伺っておきたいのは、最近、政府が共産圏の人たちの日本との往復といいますか、日本に来ることについて老中国側にもかなり前向きの姿勢をとられる、また逆に在日北鮮系といわれる人たちの里帰りについても、これは今回だけが前例じゃありませんけれども、しばらくややとだえておったのを復活した。私はこういうこともやはり必要ないいことじゃないかと思うのです。そういう意味からも、他の同僚委員からもむろんあげられた点ですけれども、たとえば万博に北鮮から来るというのなら来てもらったら日本にもプラスであるし、またたいへん失礼だけれども来る人にもプラスだと思うのです。そういうような問題もいろいろな政府の立場、一般外交関係、韓国との関係もありましょうけれども、いいことは、そうきらびやかに、はでにやる必要はありませんけれども、静かなる外交でそういうものは受け入れていくのがほんとうじゃないかというふうな感じがいたします。 直接伺いますが、したがって在日朝鮮人の人道上の里帰りあるいは帰国、再入国を許す、それから万博に対する来訪を認める、こういうことについて外務大臣にぜひ前向きにお考え願いたいと思うのですが、その点を伺っておきたい。
○愛知国務大臣 具体的なお尋ねでございますが、私としてはいまるる申し上げましたような気持ちで、これらの案件については慎重に検討してまいりたいと思います。
○曽祢委員 私、五時からどうしても欠かせないところがありますので、私自身は本日はこれで終わらしていただきます。
○田中委員長 本日はこの程度にとどめ、次回は来たる六日午後一時より理事会、一時十五分より委員会を開会することとし、これにて散会いたします。 午後四時五十四分散会