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63回国会衆議院1970/03/12

科学技術振興対策特別委員会 第4号

発言数
90
登壇者
8
会派数
5
開催日
1970/03/12

会議録

北側義一公明党

○北側委員長 これより会議を開きます。  科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。  科学技術振興の基本施策について、質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上普方君。

井上普方日本社会党

○井上委員 大臣、私はまことにプリミティブな質問をするのでございますが、科学技術庁というお役所は何をするところなのでございますか、ひとつお伺いいたしたいのでございますけれども……。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○西田国務大臣 御質問の要旨を十分に把握しない答弁になるかもしれませんけれども、何と申しましても、発展していく経済社会におきまして、科学あるいは技術、これらが発展の基礎をなしていくということは申すまでもないと存じますが、そういう意味におきまして、科学技術の振興をはかり、そうして政府部内におきますところの各省庁が担当します科学技術の振興等に対しまするところの調整の役割りを果たし、そうしてまた科学技術庁みずからが行ないますところの科学技術の振興を所掌してまいる、これが科学技術庁の持っておる使命である、こう存じます。

井上普方日本社会党

○井上委員 私が科学技術委員会に所属いたしまして感を深くいたしますのは、実を申しますと、科学といいまするものよりもむしろ、技術、これのほうに重きを置いて、これを応用部面のみに力を入れておるような感が非常にするのでございます。いわゆる基礎研究というものがなおざりにされておると申しますか、基礎研究というものに対しての対策が不十分である、このように考えられるのであります。今度の予算を拝見いたしましても、そのような点が非常に感じられてなりません。小さいデータは私は持ち合わせませんけれども、ロケットの開発にいたしましても、これも技術のみを追求しているのであって、ほんとうの科学と申しますか、応用部面のみを追随しておる。こういうようなことでは、私は、ロケットは打ち上げすることはできるかもしれませんけれども、はたしてそれが人類の福祉あるいは人類の幸福につながるゆえんであるかどうか、大きな疑問を持たざるを得ないのであります。私はそういう意味合いから申しまして、技術というものよりもむしろ日本におきましては、科学自身、基礎研究自身が非常におくれておるのではないか。私は一昨年の各省庁のデータを、農林省あるいはまた文部省あるいは通産省、建設省あるいは科学技術庁、全部をいただきまして、いま整理をやっておるのでありますが、基礎研究と申しますか、応用部面でなくて、ほんとうの基礎研究に対してやっておる比率を見ますと、おたくが出されております科学技術白書、これよりもはるかに低い数字が出てくるのです。まだ集約はいたしておりませんが、大体八分ぐらい私は完成しておるのですが、いずれ私自身としましてもこのことを発表してみたい、このようなつもりで実はやっておるのでございますが、非常に科学それ自体についてのと申しますか、基礎研究、それがおくれておるように思われます。大臣といたしましてはこの点どういうようにお考えになります。局長でもけっこうでございますが、科学技術白書にあらわれておる数字よりもはるかに低いように思われてならないのでございます。この点いかがでございましょう。各国との比較において、日本は一体どういう基礎研究が予算の上において占められておるか、お示し願いたいと思うのです。

鈴木春夫科学技術庁計画局長

○鈴木(春)政府委員 お答え申し上げます。  基礎研究につきましての御質問でございますが、基礎研究にも二色あると思います。一つの純粋の基礎研究と申しますか、学術研究の関係が一つございます。もう一つは応用開発、それをやるために必要な基礎研究、こういったものがあると思います。そういったような関係で申し上げますと、大学でやっている研究、これは文部省関係でいろいろ御心配されているわけでございますが、当庁関係では目的研究、これに必要な基礎研究、こういうものはそれぞれの研究上必要でございますので、あくまでもそれはやる。形は応用研究の名前で出ておりますが、基礎はその中に含まれて十分やっておるというようなことでございます。  それからもう一つ、わが国では基礎研究に力の入れ方が足りないというようなお話でございますが、その辺のところは実情をとらえるのはなかなかむずかしゅうございますけれども、数字的に申し上げますと、各国に比べましてわが国では基礎研究に使われている投資の割合はわりあいに多うございます。特に、大学関係を含めますと、日本のほうは非常に基礎研究に力が入っているというふうにいわれております。しかし、これは全体の研究開発投資額に関連して考えなければならぬ問題でございまして、比較的研究投資の少ない国では、基礎研究に力を入れている割合が多うございます。それから研究開発が非常に大きい国、たとえば、アメリカのような国は基礎研究の割合が少なくなってまいっております。そういうような関係から考えますと、わが国では比較的基礎研究に金額が多く投じられているように見えますけれども、実は目的研究の大きなプロジェクト、こちらのほうが先進国に比べますと明らかに少ないというような感じを、数字的には受けております。

井上普方日本社会党

○井上委員 私は、文部省の学術研究費、これなんかを見てみましても、ほんとうの学術研究、基礎研究というものが、おたくが分析しております文部省の研究費の大体八〇%を学術研究に使っておる、こういう白書になっておるはずです。しかし実態はそうじゃございません。これは学術研究という名のもとに、やはり応用と申しますか、そういうような研究のほうに使われることが多いのでございまして、いままで日本がここまで発達してまいりました一つの理由としては、いわゆる欧米諸国に対して追随していく、それを取り入れてそしてやっていくというようなことが多うございました。はたして日本の学術においてオリジナリティのある研究がなされておるかという点につきましては、私は大きな疑問を持たざるを得ないのです。それは物理学界においてはあるいはそういうようなことがありましたけれども、私は医者でございますのであえて申し上げるのですが、オリジナリティのある研究というものが日本においては非常に少ない。こういうようなことから考えますと、基礎研究といいましても、もう少し学術研究のほうに科学技術庁としては力を入れるべきじゃないか、このように私は考えられるのであります。  そこで大臣、あなたはいま各省庁の科学費の調査に当たるんだ、これが一つの使命だとこう言われましたけれども、私らの考え方からすると、いま局長が基礎研究のうちには学術研究と応用研究があるのだ、こうおっしゃられましたけれども、学術研究が日本においては非常に少ないように考えられてならないのです。しかも文部省の予算の学術研究費の大体八〇%が学術研究である、こうおたくのほうは、科学技術庁においては認定されておるのです。しかし、それがすでに私どもからしますとあやまちであると感じられてならないのです。そこで、私はむしろ学術研究に主体を置くことが、日本のあるいは十年後、二十年後の将来の科学技術の発達のためには必要ではないかと思うのです。大臣、いかがでございます。この点もう少しあなた方の分析をし直して、そして学術基礎研究というものに対しもっと力を入れる必要があるのではなかろうか。これは民族の将来の発展のために大きい影響があると私は思いますのであえて申し上げるのです。いかがでございますか。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○西田国務大臣 井上先生御指摘がございまして、わが国の基礎研究ことに学術研究は他国に比べても非常に見劣りがしておる、もう少しそういう研究に重点を置くべきではないかという御意見のように拝聴いたしました。何と申しましても技術開発、技術の応用ということの基礎は、これはやはり学術の研究あるいはまた応用研究等が基礎にならなければならぬということは当然のことでございます。わが国の研究に対します投資が非常に少ない、確かに諸外国に比べて必ずしも多いということは言えないと思いますが、最近は国並びに民間を合わせまして相当の研究に対する投資が行なわれるようになってきておるように存じます。私がとっております資料によりますと、四十三年度の全体の研究投資は七千六百億をこえておるということになっております。しかしながらそのうちの国の研究投資額が民間に比べて低いということは、確かに数字の上から明瞭に言えるわけです。したがいましてこのような学術研究、基礎研究等にもっと力点を置いていかなければならぬということにつきましては、私も同感でございます。ただ、私どもの予算の上にあらわれている点を先ほど御指摘になりましたが、実際の研究と実際の技術開発の面とでは金額の上におきましては確かに御指摘のとおり差がございまするけれども、これはやむを得ないことであると存じます。そこで基礎研究をやるということが、これが科学技術庁の本来の使命であるというふうに存じます。そして応用研究は、これは大部分各省においてやっていただくということが必要でありまして、その総合調整をするのがまた私どもの任務である、かように認識をしておるわけであります。そこでたとえば、科学技術庁の資源調査所等におきましても、基礎的問題につきましてシステム的な検討をし、問題点を指摘して、そしてこれを各省に指示をいたしまして、そして要すれば特別調整費等の配分も行なうというようなことをやっておるわけでございます。当庁といたしましては、各省が行なっておりません原子力とか宇宙の関係、これはわがほうにおいて研究もあわせて担当しているわけでございますが、御指摘のようにこれからのわが国の経済社会発展のための基礎は何と申しましても科学技術でございますし、ことに先生御指摘のように技術の開発の基礎は学術研究あるいは応用研究、この研究ということが重要であるという点につきましては全く同感でございまして、私どもも今後の科学技術庁としての任務にかんがみまして、そういう点に大いに重点を置いた予算の措置あるいはその他につきまして努力をしたい、かように考えます。

井上普方日本社会党

○井上委員 日本の科学技術に使っておる金は、実はもうすでに大臣も御承知のように世界の三流国なんですね。アメリカ、ソ連の原子力あるいはまた宇宙開発というものには大きい金を使いますからこれはもちろん別にいたしましても、イギリス、西ドイツ、フランス、ここらあたりと比べましてもはるかに低い。イタリアよりも日本は低いのじゃなかろうか、このように白書では示されておる。しかもその間で国が出す金は、特に三流国と、大体イタリアあたりとどっこいそっこいの金しか出していない。国においてはまだイタリアよりも少ないはずです。いままでわが国がこのように非常に科学技術が発達してきた一つの原因は、日本人の優秀さにあったということがいえると思うんです。しかしこれも先ほど申しましたように、日本人の研究というものは非常にオリジナリティー、独創性というものが乏しいのです。独創性が乏しいということは、基礎研究、学術研究に金を投じていないからそうならざるを得ないのです。私どもはそういうような面からしますと、やはり学術研究に主体を置いて、単に文部省の金に期待するのではなくて、科学技術庁独自においてこれらの研究のためにやられる必要があるのじゃないか。このように感じられてならないのであります。特に大学における学術研究といいますものは、私は見てみますと、講座制というものがあって、自由な研究が実は現在非常に阻害せられておる。若い研究者の間においては、研究の自由あるいはまた発表の自由というものすら、現在の講座制のもとにおいては少ないのです。私に言わすならば、一たん教授になればもう退歩の一途をたどるようなのが現状なんです、日本の大学システムの上においては。これはここで申すのはどうかと思いますけれども、そういうようなことから考えますと、若いビビッドな頭脳の持ち主、これを自由に研究さすことが基礎研究、特に学術研究のともかく発達のゆえんだと思うのです。いままでの発明、発見の歴史を見てみましても、大体二十代あるいはまた三十少々のところでやられておることが非常に多いのです。そういうようなためには、文部省だけにたよることなく、科学技術庁自体としても、こういう若い研究者を自由に研究させる機関と申しますか、そういうシステムをつくり上げていくことが私は大切なんではなかろうか、このように思うのですが、大臣のお考え方を承りたい。  続いてもう一つは、この間も私ドラッカーの「断絶の時代」を読みますと、それは日本の将来は、二十世紀は日本の世紀だのなんということが書いてあります。しかしあれを見ましても、非常に大きな飛躍があるように思われてなりません。特に、先日来報告せられておりますところによると、アメリカは、将来日本の科学技術というものがアメリカを凌駕するだろうといって、アメリカはまた基礎研究に対して金を大量につぎ込む方向を出しておるようであります。こういうようなことを考えますと、わが国といたしましても、やはり科学技術に対して、先ほど申しましたように、若い研究者が大学を卒業し、あるいは大学院におり、あるいはまた大学院を卒業したくらいの連中を自由に、しかもものごとにとらわれずに研究させる機関、あるいはまたシステム、こういうものをつくり上げる必要があると思うのですが、大臣、いかがでございますか。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○西田国務大臣 たいへん重要な点を御指摘になったわけでございますが、確かに御説のとおりでございまして、ことしの総理の施政方針の中にも、こういう問題に触れまして、模倣、追随の時代はすでに去っておるのだ、これから科学枝術の振興に大いに力を入れていきたいという趣旨の所信を述べられております。確かにわが国の技術水準も向上しておりますが、これはいまお話がございましたように、わが国の科学技術者その他の優秀さがこれをカバーしておるのだということが、私も言えるだろうと思うのでございます。そういう意味から申しまして、いま諸外国に比べて非常に立ちおくれである、予算の国の投資におきましても差があるということを御指摘になりましたが、全くそのとおりでございます。私も実は就任早々でございますが、これらの点につきまして検討をいたしますと、まさしくそのとおりでございまして、ここに各国と比較した投資の累積額を数字で比較しますとはっきりとわかるのです。日本は科学技術に力を入れるといいながら、だんだん開きが出てきておる。いまアメリカの例をおとりになりましたが、そういうようなことがはっきりこの数字の上からも言えるわけでございます。私はことしの予算折衝におきましても、まず大蔵大臣これをひとつ見てくれということを申しまして交渉に当たったわけであります。しかし十分なことはできませんでしたが、国の予算を十分とることも大事でございまするけれども、いまお話がございましたように、やはり研究に当たりますところの諸君が十分能力を発揮できるように、いろいろなシステムを考えますとか、あるいは処遇を考えますとか、こういったことが非常に大事だろうと思いますし、そういうことが科学技術会議におきましても指摘を受けておるところでございます。したがいまして、ただいま先生がお述べになりましたような方向に向かいまして、私どももひとつ全力をあげてみたい、かように存じます。これは口先だけではなくて、ぜひそういうことは必要であると存じますので、大学とかにたよるだけではなくて、科学技術庁みずからがそういう体制をとることが大事だと存じますので、そういう面につきましてもひとつあとう限りの努力をしたいと存じます。科学技術庁におきましても、相当数の研究所も持っておりますし、これらの活用等につきましても、ひとついまの御趣旨のような線に沿って努力をしていきたいということをはっきり申し上げておきます。

井上普方日本社会党

○井上委員 総理大臣はあんな演説をやりましたけれども、あの人は標語をつくる、ことばをつくる名人であります。実行が非常に乏しいのですな。これは私もおりまして、標語といいますか、ことばの創造のうまい人で、羊頭狗肉の名人、歴代の総理のうちでは最たるものである。現にそういうような施政方針演説をぶっておきながら、今年度の予算においてはどれだけ出ていますか。大臣もいまうなずかれたでしょう。科学技術の進歩のためにどれだけ昨年より伸ばしておるか。わずか一七%ぐらいでしょう。しかし物価の上昇あるいはまた日本の経済の上昇と実質成長と比べますと、これよりもはるかに上回った金額を昨年度よりも出しておるならいいですよ。しかも出しておるところといいますと、原子力とかあるいはまた宇宙開発ばかりに金を使っているのです。基礎研究に対しての金というものは伸びは少ないはずなんです。総理は科学技術が大事だと言いますけれども、何といいましても国の政治は予算に初めてあらわれるものなんです。この点非常に私は残念に思うのです。このまま佐藤内閣が続くのならば、この一年間がおそらく将来の五年、十年に匹敵してくるのじゃないか、こう思われるのです。大臣もいまおっしゃられましたように、若い学者、研究者が自由に研究できるようなシステムをつくりなさい。おつくりになる、考えるというお話でございますけれども、科学技術庁には研究所があります。はたして研究所の中においても自由に研究ができておるかと申しますと、これまた自由にできておりません。一例を申し上げますならば、原子力につきまして研究所がありますけれども、あそこにおきましても自由な研究ができてはおらない。先般もあそこの理事長を呼びましたときに、はたしてやっておるのかと言いますと、企業はある程度の目的を持っておりますので、ひとつそういう点につきましては方向性を持たすのだというようなことを申しておりました。しかし、私は特にその際に原子力につきましては申し上げたのでありますが、何を見ましても科学というものは、これは私先日も申したのですが、もろ刃の剣なんですね。人類の幸福、繁栄のために使われる科学あるいは学問というものが、一歩誤れば、これは武器になる可能性がある。人類を殺戮する道具になり得る可能性があるのです。しかし日本の平和憲法の示すところによると、平和国家をあくまでも進めるのだという以上からしますと、どういたしましても特に原子力産業あるいは原子力研究所あるいはまた宇宙開発などの研究に際しましては、公開、民主、それから自主、この三原則があくまでも貫かれなければならない、このように考えられるのです。ところがこの原子力研究所におきます研究というものは、公開の自由を持っておりません。宗像という理事長がこの委員会において発表したところによると、パテントをとるためにはどうしましても公開ということには差しつかえがあるということを言われておるのであります。しかし、私は先日来いろいろ本を読んでおりまして感心したことが一つございますので、大臣に申し上げて、今後の日本の、特に原子力、宇宙開発について一言申し上げたいと思うのです。と申しますのは、いわゆるノーベル賞をつくったノーベルがダイナマイトを発見したときにパテントはとらなかった。同時に、キュリー夫妻があのラジウムを発見し、あのラジウムにつながる一連の研究、これが現在の何と申しますか原子力にまでつながる研究の基礎なんです。ところがあの膨大なるキュリー夫妻によるところの研究は、すべてパテントをとらなかったのですね。パテントをとることによって研究の自由がそこなわれるというがために、あの夫妻は非常な貧困に悩まされながら、特許というものは全然とらなかったのです。それでこのキュリー夫妻のあの研究が結局人類に対して大きい物理といいますか、学問の研究の非常な手助けになった。このことを聞きますときに、日本が平和憲法を唱えておる以上、平和目的、これを達するために、少なくとも原子力研究所における研究というものは公開すべきである。そしてまた平和目的に限局すべきである。平和目的に限局すべきであるということは、これは百も承知であろうと思いますが、公開という点につきましては、これはまだ十分になされていない。私はこの際日本の原子力産業のためにあるいは人類の将来の幸福のためにも、日本は原子力に関する限りはパテントをとるような気持ちじゃなくて、すべて公開すべきであると私は考えるのですが、大臣、いかがでございますか。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○西田国務大臣 総理の発言についても御批判があったわけでありますが、これは閣内におきましても、科学技術の振興ということにつきましては私どもは率直に意見を述べましたし、また総理だけでなくて、ことしの財政演説におきましても、あるいはまた経済企画庁長官も、物価の問題に関しましても、やはり科学技術の振興ということが物価問題の解決の一つの大きなかぎにもなるという意味で、それぞれ科学技術のことにつきまして発言がございました。それに比べれば一体予算が伴っておらないじゃないか、こういう御指摘でございますが、それは私、確かに予算のことを、決して予算が十分取れましたと言って自慢するなんて気持ちはございません。むしろ足りないと思っております。しかし、実際には国の予算一八%程度の伸びに対しまして、その倍以上の三六%くらいの伸びにはなっておると思います。しかし、その中で研究費は足りないじゃないか、こういう御指摘でございますが、研究費の全体の伸びは二四・四%くらいになっておると存じます。また、それらは予算は伸びておっても、原子力や宇宙開発のほうに使われているじゃないか、こういうことでございますが、原子力や宇宙につきましてもかなりその中には基礎研究費というものが含まれておるのでございます。しかし、私はきのうも申し上げたのでございますが、三六%伸びたから、これでたいへん予算が十分であるということじゃなくて、私も要求はもう少し高いのでありますから、要求に比べれば決して十分と言えないということをきのうも申し上げたのでございまして、確かにまだ六百億程度の科学技術予算というものははなはだ不足である、こういうふうに実は存じております。私も力が足りなくて十分な成果があげられなかったことは申しわけないのでありますが、しかし、科学技術そのものにつきまして、日本の将来をになうという意味におきまして、たとえば原子力なんかにおきましても、この開発がほんとうに進まなければ、将来の日本民族の発展ということに重大な影響があるというくらいの私ども認識を持っておりまして、これからひとつさらに全力をあげたいと考えておるのでございます。  それから、また、原研の研究に対して、これは公開すべきじゃないかということでございますが、これはひとつ原子力局長から具体的に答弁をさせたいと存じますが、しかしながら原子力等につきましては、特に、平和目的、それから自主、民主、公開、こういう原則は貫いていくつもりでございまして、この原研の扱いにつきましては、原則から逸脱するとは存じませんけれども、このことにつきましては原子力局長からひとつ御答弁をさせたいと思います。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 原子力研究所の公開の問題でございますが、公開というのは、研究成果は公開すべしというふうに確かに法律には載っております。それでは研究成果とは何かということでございますが、先生の御指摘になるところもそこだと思いますが、成果と申しましても、最後の項目が出まして、その項目が出るまではみんな成果じゃないということは私たちも言っておりません。ただその途中途中で公開して早く原子力が平和利用にいくように皆さんにその途中のものを普及するということは当然でございます。したがいまして、そのために公開いたします。ただそれをします場合に、要するにその中身がまだはっきりせず、ある一つのデータだけをぱっぱっと出すというところまでは考えておりません。そのデータが皆さん方のほうに非常によく使っていただけるというところまである程度の確認をするというところが成果と私たち考えまして、したがいまして、そういう考え方でいきますと、先ほどの特許の問題がございます。特許につきましても、特許をとって公開するという公開のための取得というのが、特許の中にもございますが、私たちのほうは、特許はとれればとるほうがよろしゅうございます。しかしその研究が途中でほかになるべく早く普及してやっていただきたいというようなところまでのデータが出たというところにおきましては、できるだけこれを公開していくという考え方でございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 局長ないし大臣に私は反論申し上げたいのでありますが、昨年でございましたか、日立のつくった原子力燃料が非常に破損しておる。ところが、それが二十四本でございましたか破損しておるというようなことに対して、労働組合からこれを発表したところが、処分を出している。しかし研究というものに失敗はつきものなんです。でございますので、こういうような失敗があるんだということまでもはっきり出す必要があるのです。一つの成果があらわれなければ発表せぬというんじゃなしに、そのつどそのつど——研究には幾多の変遷があります。錯誤錯誤の連続によって一つの成果が出てくるのです。でございますので、そういうような点もどんどん発表すべきなんです。ところが労働組合の組合報に発表したがために、処分をするというようなことすら原子力では行なわれておるのです。これは昨年論議せられたところですから私はあえて追及いたしませんけれども、しかし公開の原則というものが原子力研究所においてはそこなわれているんじゃないか。いずれこれはデータを示してここでまたもう一度申し上げますけれども、公開の原則がそこなわれておるから、私はこのことを、あえて大臣のお考え方を——錯誤の連続によって初めて一つの成果が出てくるんだということをひとつ御認識になっていただきたい。そして、いまあなたの所管の研究所でそういうように公開を妨げておる因子があるならば、それを除去する努力をやられたいと思うのですが、いかがでございます。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○西田国務大臣 わが国だけではなくて、すべての国にいまの先生のおことばは当てはまると思います。やはり失敗を重ねるということがあっても、それにくじけないでさらに進んでいくところに成功がある。失敗は成功のもとということばがございますが、そのとおりであると存じます。ですから、失敗はないにこしたことはありませんが、その失敗をそう責めるべきものじゃないと私も思います。そういう意味におきまして、この間の東大の成功なんかも、失敗を重ねたがとにかく一応の成功をしたということは評価されていいと思うのであります。そういう意味におきまして、私は原研におきます事情等は実はまだ詳しく聞いておりませんのでそのことは申し上げられませんけれども、局長に答弁をさせたいと存じますが、あとう限りいわゆる原子力基本法にいっておるところの原則の方向にはたがわないような考え方で進んでいきたいと存じます。  詳細なことにつきましては、局長から説明申し上げます。

井上普方日本社会党

○井上委員 私は、失敗は成功のもとというものとちょっと意味が違うのです。ニュアンスが違うのです。試行錯誤というものはあえておそるべきじゃない、しかしその錯誤がどこでどのようにして起こったか、これを公開することによって、一般のほかの研究にもこれは役立つのです。そういうような意味合いにおいて公開ということは、こういう点でやったけれどもこれで失敗したんだ、錯誤が起こったんだということをひとつ公開する必要がある、私は特に申し上げたいのであります。  続きまして私は、大臣の所信表明の中の一節に「最近、一部には、科学技術の発展が経済社会にひずみをもたらす原因であるかのごとき誤解を抱く向きもあるようでありますが、科学技術こそは、真に明るく豊かな社会を築きあげる力であり、むしろその正しい振興によってのみひずみなき発展が初めて期待できるものと信じております。」こう申されておるのであります。しかし私は、この科学技術の発展あるいは経済社会が、高度経済成長政策なるものが大きなひずみ——ひずみということばよりも、これは当然にして起こるべき矛盾なんです。そこには人間性を無視したものができてくる。このことを大臣はお忘れになっておるのじゃないか。人間性の尊重ということ、これをこの際いかに科学技術の進歩とマッチさせるかということを科学技術庁としては取り上げるべきじゃないか、私はこのように思うのです。チャップリンのあの映画ですね、ああいうふうな時代にあるいはなりかねない様相、機械が人間を使ってしまって、人間性がともかくそこなわれるような社会がつくられる可能性があると思うのです。したがって、科学技術庁自体としても人間性の疎外をいかにして回復させるかということを考える必要があるのじゃないか、このように思うのですが、大臣いかがでございますか。あなたのこの所信表明演説を見まして、特にその点を強く感じましたのでお伺いいたしたいのですが、その具体的方策もひとつお伺いいたしたい。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○西田国務大臣 私の所信表明で述べましたことが、あるいは「誤解」ということばが誤解を生んでいるかもしれません。  科学技術の進歩というものがむしろいま先生がお述べになりましたように、究極は人間性の疎外等を除去して、そしてほんとうに快適な人間生活ができるように、また社会経済が発展するようにということが科学技術の本来の目標であり、使命である、こういうことを申し上げたかったのでございまして、確かにこの科学技術の進んでおります過程におきましていろんなひずみが出たりなんかという面がない、全くそれは誤解であるという気持ちで申したのではないのでございます。確かにそういう面はございます。しかし科学技術の究極の使命はそこにあるのだということを強調したのでございます。  そこで、いろいろ科学技術の進歩、発展によりまして人間が非常に過重な労働をしなければならなかったのが、それが機械がかわってやってくれるというようなこともございましょうし、あるいはまた生産コストの低下というようなことも具体的にもうすでに幾つかの問題がこれを証明しておると思いますが、さらにそういったことも考えられるでございましょうし、またたとえば、例を申しますと、原料の転換なんということも、これもまたコストにつながる問題ではございましょうが、昔は針葉樹でなければ紙はできなかった、今度はほとんど濶葉樹ででも紙はつくれるというようになってまいりまして、こういうこともまたコストにつながることでございましょう。いろいろございますが、いま先生の特に御指摘になったのは、科学技術の進歩によって人間性が疎外されるというような点を解消していくのが科学技術のほんとうの使命じゃないかということをおっしゃったのでございますが、私どもも、そういう面におきまして、最も人類のために役立つということが科学技術の究極の大きな目標であるということにつきましては、全く同感でございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 将来の方針はどうですか。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○西田国務大臣 将来の方針といたしましては、現実に科学技術の進歩の過程におきまして起きておる、いろいろな公害、その他問題がありますが、こういうものを除去するということも、科学技術によって解決する部門も相当あると思います。こういったこともやはり人間性を尊重するというようなこととつながるだろうと存じます。その他いろいろなことが考えられるわけでございますが、科学技術の進歩によって豊かな、そして快適な社会がつくられるということは、これはそもそも大きな意味におきますところの人間性の最大の尊重じゃないかというふうに考えますので、そういうことを忘れて、技術の方面のみに走る、あるいはまた能率の問題だけに走るというようなことがあってはならないというふうに考えます。

井上普方日本社会党

○井上委員 私が申し上げておるのと、どうも大臣のお考えとがかみ合っていないようです。  経済社会が発展し、結局科学技術の進歩によって人類はいま非常な恐怖にさらされておるのです。近ごろの若い諸君が、あるいはヒッピーに走り、あるいはまた既存の権威に対して反抗していくゆえんというものも、一つには現在の社会の構造あるいはまた社会の——社会と申しますか、人類の将来に対する不安があって、世界各国における若者たちのヤングパワーの爆発になってきているのじゃないか、このように感じられてならないのです。したがって、科学技術の進歩もけっこうです。しかし、それに対する人間性の回復というようなことをひとつ考えなければならない時期が来ているのじゃないか。これは未来学の本を見ますと、非常に人間の能力というものが発展せられて、一体人間とは何だというようなことすら考えらております。しかし、いま世界の若い諸君は、人類の将来に対しての恐怖感——機械文明が当然一人歩きして人間を征服するのじゃないかというような不安から、ああいう行動というものも本能的に起こってきているのじゃないか、このように考えられてならないのです。したがいまして、どうかそういう人間性の回復ということを大きい科学技術の一つの使命だとして、これから御研究になっていただきたい。いままでそれは科学技術庁の所管じゃなかったのかもしれませんけれども、これらの点もひとつあわせて考えながら、したがって、私は人文科学の重要性というものも出てくると思うのです。そういうような点もひとつ考え合わせながら、大臣のさらに御研究並びに御奮闘を期待いたしまして、私は質問を終わりたいと思います。

北側義一公明党

○北側委員長 次に、寺前巖君。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 私も、大臣にひとつ所信表明の問題についてお伺いいたしたいと思うのです。  昨日も聞いておりましたら、大臣は科学技術が平和の目的のために人類進歩の方向にまた明るく豊かな社会生活のために大きく寄与されるべきであるという趣旨のお話をされておりました。きょうもまたされております。所信表明の第一に、科学技術振興基盤の強化という問題を非常に重視しておるように思います。  私は、科学技術振興の基盤の強化のために大切にしなければならない問題というのは、まず第一に、戦後の日本の科学の分野における特徴として、学術会議を設けたということは、大きな意味を持っておる。この学術会議法の中にも、学術会議の性格が書いてあります。こういうふうに書いてある。「日本学術会議は」、「科学に関する重要事項を審議し、その実現を図る」「科学に関する研究の連絡を図り、その能率を向上させる」そうしてこの学術会議の目的が「科学者の内外に対する代表機関として、科学の向上発達を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させることを目的とする。」非常に明確に日本学術会議の持っている性格、目的をここに明らかにしているというふうに私は思うのであります。したがって、大臣の基本的な態度をお伺いするわけですが、科学技術振興の基盤を強化していくという場合においても、この学術会議の勧告を尊重し、それを実行していくという立場を私は第一にとられるべきではないかというふうに思います。第二に、科学技術の発展の方向には自主的、民主的な発展を追求していく、そういう意味においては、いま井上さんのお話にもありましたように、基礎研究の抜本的な振興と、基礎と応用のつり合いのとれた総合的研究体制というのをつくり上げていかないことには発展しなかろうというふうに思うのです。そういう点で、大臣が非常に重視して、科学技術振興の基盤を第一番目に設定されたという点において、私のいま申し上げた点について大臣の所信をお伺いしたいと思います。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○西田国務大臣 科学技術振興の基盤を強化したいということに関連して、学術会議の意見を尊重すべきじゃないか、こういう御意見でございますが、全くその点は異存はございません。従来におきましても、科学技術振興に関しましては学術会議からいろいろと御意見が出されまして、出されました御意見につきましては、これをあるいは、科学技術会議というものがございますが、これとの合同会議等を行なって、その出された意見に対する検討を加え、そしてまたこの御意見の尊重につきましても、十分これらの内容を検討いたしまして、そして私どもみずからあるいはまた各省庁においてなすべきものはそれぞれ連絡をいたしまして、そしてこれが実効のあがるように努力をしておるわけでございまして、学術会議の御意見というものは十分尊重していきたいと考えております。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 大臣から学術会議を尊重するという問題が提起されました。  そこで、私は、この科学技術振興の基盤の強化の中にある研究学園都市の問題について、これも新しい戦後の試みの中で大きな問題だと思いますので、お聞きをしたいと思うわけですが、学術会議が昭和四十三年十月十二日の総会で、筑波研究学園都市建設計画についての要望なるものを出しております。この要望なるものを見ておりますと、この学園計画は、「日本の科学の将来の発展に重大な影響を与えるものであり、再検討を要する面もあると思われるので、さらに慎重に具体的検討を進められたい。」ということを提起しております。で、最終的に七つの項目についての問題を提起して「以上列挙した諸問題を残したまま移転計画を推進することは、将来の日本の科学研究に大なる支障を及ぼすおそれがあるので、指摘した諸点について更に研究所ならびに大学側の意見をも取り入れ十分な検討を行なうべきである。」、こういう提案が出されております。学術会議の職務及び権限のところに「政府は、左の事項について、日本学術会議に諮問することができる。」として政府所管の研究所、試験所及び委託研究費等に関する予算編成の方針とかあるいは科学の振興をはかるために支出する交付金とか、いろいろこういうことについて諮問することができるとありますし、また第五条には、勧告として、科学に関する研究成果の活用とか科学を行政に反映させる方策とかいろいろの勧告の権限の問題についても触れております。  そこで、四十三年にこういう新しい研究学園都市の建設にあたって、こういうふうに非常に学術会議は心配をしている、この心配に対して、それでは学術会議に対して諮問をするなり何らかの処置をされただろうと私は思うのですが、この提言された以後、学術会議との間においてどういうふうなことを政府としてやられたか、関係者からひとつお話をいただきたいと思います。

鈴木春夫科学技術庁計画局長

○鈴木(春)政府委員 筑波研究学園都市建設についての申し入れが、日本学術会議から内閣総理大臣あて四十三年十一月十五日に出されていることは承知しております。これにつきましては、この文書は当庁のほうへ回付されております。当庁といたしましては、この関係についての連絡会がございますので、といいますのは、この種の日本学術会議からの勧告につきましては総理府の附属機関でございます科学技術会議に日本学術会議との連絡会議が設けてございます。その場におきましてこれが話題として出されております。その際には、各省からも幹事が出ておりますので、この申し入れにつきましては十分周知されているわけでございます。なお、この申し入れにつきましては、学術会議から各省にもこの写しが送付されておりますので、その面からも各省は十分承知しておるわけでございます。  この内容につきましては、いろいろあるわけでございますが、いずれもこの学園都市建設につきましていろいろ政府部内でも悩んでおる問題でございます。これらの措置につきましては、それぞれの担当のところでこういう点いろいろ問題にされておりますので、政府の中にございます学園都市推進本部、この場にいろいろこういう問題が出されて、それぞれ解決に努力されているわけでございます。何ぶんこの計画は非常に大きくございまして、各省庁における計画もそれほどまだ十分に進行しているわけではございません。その途中におきましてこれら諸問題を解決しながら進めていくという努力が現在されているところでございまして、この申し入れのことは、それぞれ関係者十分承知して処置しつつある、かように存じております。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 一番最初に大臣にお聞きした学術会議を尊重せよという問題に対して、学術会議からこういう提案がされて非常に心配をしている、これに対して、話題にされる程度では、これは学術会議を尊重しているということにはならないと思います。ほんとうに尊重するならば、これは成規にきちんと諮問をすべきだと思うのです。私はそういうふうにして学術会議について取り扱いを変えてもらうようにぜひお願いをしたいというふうに思うわけです。  ところで、新しく建設されていくこういう学園都市について、科学者あるいは研究者の意見を積極的に取り入れることなくして、それは成功するはずはないと私は思うのです。そういう点で、現実に事態はもう昨年の六月十三日の閣議決定で、筑波地区におけるところの移転の建設についてのあれが出ております。四十三年度を初年度として、前期五カ年、後期五カ年の二期に分けて、十カ年で実施するという内容が提出されていると思うのです。一方ではいまもお話があったように、学術会議から出された問題については悩みを持っておるということを言っておられる。そうして片一方ではこういうふうにして現実的にはもう始まっているということになったら、これは非常に無責任なやり方ではないかと私は思うのです。現に、たとえばその一例として、農林省の農業技術研究所の移転の問題について、はたして移転していく上においてこれが希望に燃えたものとして研究所が設定されていくのだろうかということを、多くの科学者、研究者の諸君たちは疑問に感じているところだというふうに思うわけです。  たとえば、今度つくられるところの建物の建蔽率一つとってみても、庁舎の建蔽率が、私の資料に誤りがなかったらこういうことになっているのですね。筑波に移転をして二七・二%、容積率四〇・九%ですかという資料が出てきております。     〔委員長退席、近江委員長代理着席〕 確かに現在の状況と比べるならば変化が起こるかもしれませんけれども、現在の建蔽率が二二%をなしておりますから、過密を避けることを移転の第一にもしも考えているとすると、この建蔽率ではあまりにも建物は貧弱じゃないかというふうに思うわけです。最近、各所の研究所の実態を見ても、外国の例をあげるまでもなく、たとえば原研の場合を見ても、建物の建蔽率というのは四・五%である。日本軽金属の総合研究所を見ても六・二%である、豊田の中央研究所を見ても一八・二%というふうに、せっかく新しく研究機関として、いいものを総合的にやっていこうと思うならば、もう少し建蔽率なんかにおいても検討を要すべきなんじゃないか。これは当然研究者においても問題にされる点だろうというふうに私は思うのです。  あるいはまた、ここの場合の状況を見ても、その次に問題になってくるのは、新しく町がつくられていく、十六万からの町になっていくということになってきますと、研究諸施設においてもあるいはまた日常生活においても、水は一体どうなるのだろうか、あるいは排水はどうなるのだろうか、当然諸関係が新しい変化が生まれてくると思うのです。そういう点で、水の問題においては一体どういうことになるのだろうかということを、私は関係方面の県にもいろいろ聞いてみたわけです。そうすると、水を使うということになると、当然あそこの場合は霞ケ浦ということになる。霞ケ浦ということになると、それじゃ霞ケ浦の水が十分足り得るのだろうか。あるいは地下水というのも一定量使わなければならぬだろう。地下水がはたしてそれに呼応できるのだろうか。近所には新しく鹿島の工業地帯も建設される。それとの関係では一体こういう水の問題はどういうことになるのか。しかも淡水区の水産研究所の分析結果によっても、ここの水が淡黄色の異臭があって、アンモニアも含まれているという意見も出ている。そうすると、これが飲み水としてはたして適当なんだろうかという問題が出されてくるというふうに思うわけです。そういう点で、一体この学園都市の水の問題ははたして解決する状態にあるのだろうか。これは私は、大きな町をつくる以上水なしにはやっていけないだろう、そういう点で水の問題について責任ある状態になっているのかどうか、こういう点についてちょっとお伺いしたいと思います。

鈴木春夫科学技術庁計画局長

○鈴木(春)政府委員 この建設にあたりましていろいろ全般的に考えていかなければならぬ問題がたくさんあるわけでございます。その中の一つとして水の問題、これもたいへん重要な問題でございます。これにつきましては、最終的にはやはり霞ケ浦から用水を引きましてそれを使うという計画になることと思います。とりあえずは地下水を使うというようなことで、とりあえずの問題は地下水を使うためにボーリングをいたしたりしまして、その面でそれぞれの先行して出る研究所については解決を進めていく。最終的、全般の問題としましては、霞ケ浦の水を使うということで研究を進めている段階でございます。  それからなお、先ほどお話しございました建蔽率の問題、そういった新しくできる研究所のグレードの問題、これは確かに新しくできる研究所でございますし、そこにいい研究環境をつくるというためにはどうしても十分な施設をつくらなければならぬわけでございます。そういう点につきまして、関係省庁と打ち合わせをしながら、わが国における最近できておりますうちでは最高水準、外国に比べましても遜色がないようなそういう点を目ざしまして、いろいろの基準などはわが庁が中心となりましていろいろ相談し、関係のところへ要求をいたしておるところでございます。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 いやその建蔽率の話が出たからあれですけれども、あれが最高の水準で遜色ないようにということ、さっきも私が、たとえば農林の話で提起しましたけれども、それじゃちょっと、やっぱりあまりにも違うんじゃないだろうか。もう一度私は検討すべきだというふうに思うのです。  それから水の場合も、さしあたって地下水でと、こう言われるけれども、さしあたってというやり方でこの研究学園都市という新たな構想に対する責任あるやり方と言えるのだろうか。特に霞ケ浦がかれるという問題については、非常に大きな不安を土地の人も持っているし、研究者の側でも持っている。これは私はそういうあいまいなことでこの研究都市を閣議で決定して進めておられるということは非常に問題だというふうに思うのですよ。これはそういう点でも再検討をし、直ちにメスを入れないことにはたいへんだと私は思う。したがってまた、かれるという状況なんかが予想されてくるという問題になってくると、ウナギその他のあそこでやっている漁業問題が出てくる。そういう問題に対しても、漁民は非常に不安を持っています。現にこれは、県自身もこういう点についての不安を持っていると思うのです。そういう点については一体どういうふうなことを考えて処置をされようとしているのか、ちょっとお伺いしたいと思います。

鈴木春夫科学技術庁計画局長

○鈴木(春)政府委員 水の問題は非常に大きな問題でございまして、これは科学技術庁だけでいろいろ計画を立てるというような問題ではございません。まあ実際のその事業は公共事業の関係になりますので建設省が中心になり、地元の県、関係市町村、そういうところと十分連携をとりながら、どれだけ水がとれるかというような関係も十分検討しながら進めているというふうに了解しております。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 いまの話も、目下検討しながら進めているということに大臣なっているわけですね。     〔近江委員長代理退席、委員長着席〕 それから漁業権の問題についてもそういうようなことになってくる。  それじゃ今度は研究所をつくってくると廃液の問題が出てきますね。そうすると、やはり新しい魅力のある研究学園都市を日本で最高のものをつくろうと、こういうわけでしょう。そういうときに、これが公害でまたひっくり返ってくるようなことをしておってもならない。それじゃ廃液の処理についてどうだ。あそこにいま流れている川なんかで現に公害問題が幾つかでん粉工場その他で、これはこれと直接関係ないけれども、起こっている。そうすると、今度もここに研究都市をつくって、小貝川などを使って流していくという処理問題が出てくると思う。そういう場合に非常に心配になってくるのは、たとえば放射性の物質とか毒物、劇薬などが研究所の場合に使われてくるということは当然のことなんです。これがまた他の面から漁業問題にもなるし全体の問題になってくる。こういうことに対する対策として特別に何かお考えになっておるのかどうか。

鈴木春夫科学技術庁計画局長

○鈴木(春)政府委員 廃水の処理につきましては、現在出ております科学技術庁の関係の研究所ではまだそこまではいきませんが、とりあえずはそれぞれの研究施設の中で個別に処理していくというような形で施設を考えております。それから全体的な問題といたしますと、共同の排水溝を設けて共同で処理施設を別個につくるというような構想で、いまいろいろ計画その他を進めている段階でございます。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 これは、ものごとは総合的なものですから、したがって今度は人の住まいの面からの問題がまた同時に出てくると思うのです。住まいの面からの問題が出てくると、今度は新しく大都市が出てくるということになってくると、病院は一体どういうふうなことになるのだろうかという問題がやはり大きな問題になると思うのです。あるいはまた、まあ建物はいろいろな形でつくるとしても、新しくそこにまたがったところの自治体との諸関係が生まれてくる。そうすると新しく町がつくられるといろいろな諸施設をつくっていかなければなりませんし、財源上も、新しい町においては実際には二倍とか三倍に必要量以上に既存の都市よりはかかっていくという問題なんかも出てくると思うのです。そういうような地方自治体に対する財源上の問題とか医療上の問題については一体どういうことを考えておられるのか、ちょっとお聞きしたいと思います。

鈴木春夫科学技術庁計画局長

○鈴木(春)政府委員 科学技術庁といたしましては、研究環境、主として研究所に直接関係のあるそういった関係をめんどうを見ているわけでございます。いわば移転機関の代表というような形で、そこにいろいろな問題がありますので、そういう事項につきましては推進本部に持ち込みまして、それぞれの担当のところで御心配いただくというような関係になっておりますので、いま御質問にございましたような大きな問題は、科学技術庁の立場でどうこうするというように御答弁申し上げるわけにいかぬところでございまして、これはひとつ、推進本部のほうでいろいろ考えていただいていることでございますので、御承知いただきたいと思います。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 私はようわかりませんからあれですけれども、先ほどからのお話をずっと聞いておって、実は昨年の閣議決定で十カ年計画に基づくところの方向を打ち出された。ところが内容的には、目下検討中だとか進行中だとか、非常にいろいろ問題を含んでいるという内容のままで一方では学園都市が始まっていく。そうすると一方では、今度は現に東京だったら東京の内部から向こうへ移っていく機関の問題が出てきますよね。そうするとこちらではなま殺しの状態が生まれるというのがまた別な意味の不安として残るであろうと思うのですよ。たとえば、先ほど言いました農林省の関係の研究所の問題について触れるならば、あそこのところでは新しく新設として農薬の残留毒性の研究の一棟と、更新ができたところが植物の栽培ガラス室が一棟というように、新しく研究所の中に更新した部面もあるけれども、たとえば鴻巣分室の場合なんかは戦後できたところの建物のままで、現実に執務の内容などそういう施設のままで研究している。そしてこれがいつ移転するのかわからぬ。移転先の状況というのはいろいろ諸問題を持ったままで、これから建設していく。残されたほうはなま殺し状態になるんじゃないだろうか、こういう不安というのがぼくは当然出てくると思うのです。これは農林省の人に直接研究所の問題について、一体向こうの状態がこういうあいまいな状態でありながら、こちらのほうについてはなま殺しの状態のままで、現在のままで続けるのかどうかというような不安に対して、どういう処置をとられようとしているのか、ちょっとお聞きしたいと思うのですね。

川井一之農林水産技術会議事務局研究参事官

○川井説明員 技術会議は、農林水産関係の研究機関のいろいろ研究管理につきましてのお世話をしております。ただいま先生から御質問のございましたこの移転関係の研究機関について、年々の必要な措置がどういうふうになっているかというお話でございますが、いまその年々の対策につきましては、緊急必要を要するものについてはできるだけ予算上の措置をとるという形でこれまで進めてきております。一部いまお話のありましたような施設関係の強化とか、そのほかいろいろ緊急研究を要するものにつきましては、できるだけ予算上の措置をとっていくという考え方であります。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 大臣にお伺いしたいのですけれども、そういうようなことで、先ほどから私聞いておりましたら、非常に中途はんぱのままで学園研究都市が始まっていっている。そして残った問題についても、ずいぶんいろいろ問題点を含んだままになっている。私一番最初に申し上げましたように、ほんとうに学術会議をもっと尊重して、学術会議にこの研究に対する、新しいものをつくり上げるんだからあなたたちの構想を基本にしてやっていきたい、こういう問題を含んでいるということで、全面的に学術会議に問題を提起し、そうしていまやっておられる内容を総合的に、いまの現状はこうだということをお示しになる必要があるんじゃないか。そういう意味で、現在やられている内容というのが、何かこう思いつきみたいに部分的に行なわれていって、結局総合的に何が行なわれるのかさっぱりわからないという状況になっていると思うのですが、大臣の所信をお聞きしたいと思うのです。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○西田国務大臣 筑波に新しい研究学園都市をつくろうということは、非常に理想的な研究環境のもとに研究が行なわれるというようなことがねらいであるということはもちろんでございます。そこで学術会議でもいろいろ御心配になって、いろいろ御意見を出していただいていることはありがたいことでありますが、私どものほうに存在しております科学技術会議、ここには学術会議の議長も委員として入っておられるわけです。したがいまして、学術会議の御意見というものを科学技術会議の場を通しましても十分に反映される仕組みになっておるわけであります。ことに具体的な御意見が出されましたので、これは先ほど申し上げましたように、学術会議と科学技術会議とが一緒になってその検討をし、また学術会議もいろいろ御心配になっておるのは、いいものをつくろうという意味の御提案だと思いますから、その中のいいお考え、いい意見というものはできるだけ取り上げていくというようなことを先ほど申し上げたわけでございますが、そういう意味合いにおきまして決してこれが無視されておるということはないと思います。いいお考えはこれを取り入れていくということはやぶさかでないわけでございますから。そういう意味におきまして、たとえば私のほうでも二つの機関をつくることになっておりますが、これなども何にも問題なく現在進行中でございます。そういう意味におきましてこれは首都圏整備委員長、建設大臣が長となりまして各省の連絡会議というものがございますので、そういう点は十分にりっぱなものをつくるという意味において、いい御意見はこれを取り入れていくことにつきましては私どもも努力をしてまいりたいと存じますし、そういう方向で進められておるというふうに存じております。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 それじゃ最後に意見だけを申し上げたいと思うのです。せっかく大臣が科学技術の振興の基盤を強化させるためにいい研究学園都市をおつくりになりたいという問題を提起しておられるわけですが、現在行なわれておる状況では非常に中途はんぱのままで進行している。それは十分全面的な構想の上になっていないから、不安をよけい残している。そういう不安のままでこの科学技術の振興の基盤を強めていくと言われたって、私はだめだろうと思いますので、この分野について学術会議その他の意見を十分に組み入れて再検討してもらう必要があるということを申し上げて終わりたいと思います。

北側義一公明党

○北側委員長 次に吉田之久君。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 すでに各委員から長官に対して、その所信表明をめぐってあらゆる角度から質問がなされております。そこで私は、特に長官が所信表明の中で強くうたい上げておられる原子力開発、利用の問題について若干の具体的な御質問をいたしたいと考える次第でございます。  まず、あなたは「動力炉の開発につきましては、高速増殖炉の実験炉の建設を進めるとともに、新型転換炉の原型炉の建設に着手することとしており、また、原子力第一船につきましても引き続き建造を進めてまいる所存であります。核燃料対策としましては、新たに再処理工場の建設に着手するほか、ウラン濃縮技術の研究開発、海外ウラン資源の開発を強力に推進することとしております。」というふうにお述べになっているわけでございます。私どもも今日、日本の原子力開発というものが当初はたいへんおくれて出発いたしましたけれども、その後きわめて順調にそのおくれを取り戻しつつありまして、さらに原子炉のごときは次々と実用段階に入っていることはまことに喜びにたえない次第でございます。さらに高速増殖炉やあるいは新型転換炉の研究開発がピッチをあげて進められなければならないことは当然でございますが、そろそろこの段階において一番政治的に必要な対策、今日のわれわれの課題は、海外における原子力の探鉱をどのように進めていくか、燃料の開発というものをどのようにいまから確保していくかという問題が一番必要な課題になってまいったと思うのでございます。長官は、こうしたウラン燃料の確保そのものについて、今日の時点において具体的にどのような構想をお持ちになっているか、まずお聞かせいただきたいと思います。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○西田国務大臣 これから原子力産業、原子力発電等が急ピッチで進められてまいります上に最も大事なものは、核燃料資源の確保であると存じます。現在は主としてアメリカから供給を受けておるわけでございますが、しかしながら将来のことを考えますと、国内におきまして——もちろん国内におきましてもできる限りウラン資源の積極的な探鉱等も進めてまいりたいと存じますが、多くは期待できないわけであります。したがって、これから海外からできる限り安価な、そして安定性のある供給を受けるということが大事だ、かように考えます。そこで、現在わが国におきましても、民間におきましてもかなり積極的に長期的なあるいは短期的な購入計画が進められるとか、あるいはまた海外と共同で探鉱を進める、こういうような動きがかなり活発化しておるように存じます。また、今度核防条約にわが国が調印をいたしましたが、これにつきましては慎重な態度で臨んでおりまするけれども、核燃料物資を確保するという面におきまして、われわれの最も不安にしている問題が解消するならば、海外からの燃料物資を入手するという面におきましてもあるいはプラスの面も考えられるのではないかというような気もいたします。ことしの予算におきましても、こういうような海外の有望地域の調査、それから民間活動に対しますところの技術的なあるいは資金的な援助等につきましても、動燃事業団との協力体制の確立、こういったことにつきましてもかなりの意を払っておるつもりでございまして、具体的にどこからどうというようなことをいま申し上げる段階ではございませんけれども、広く海外に長期的な資源を確保するということにつきまして努力を続けてまいりたいと存じます。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 いま長官は、まず民間の協力を求めて、また民間独自で海外の探鉱を進めていただきたい、政府もそれなりに積極的な協力を惜しまないものであるということを申し述べられたわけでございます。実はそうした考え方ですでに通産省が音頭をとりまして、鉱山やあるいは電力が共同会社をつくって、そして海外のウラン探鉱に乗り出そうとする計画があるやに聞いておりますけれども、長官はその点についてどの程度御承知でございますか。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○西田国務大臣 そういう動きのあることは聞いておりますが、詳細は局長から答弁をさせます。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 先ほど大臣が申し上げましたように、この数年にわたりまして、いまの海外探鉱につきましては、その概査と申しますか事前調査、これは動力炉開発事業団がやります。そしてそれのよさそうなものを民間のほうに連絡をとりまして、民間のほうがそれをどうするか考えていただくという形でおりましたところ、実はいま先生のお話しのニジェルの問題がございまして、このニジェルにつきましても、動燃事業団から調査に行きましてこの情報をとってきたわけでございます。そしてそれに対しましてフランスがニジェルを一緒にやろうという話がございましたので、民間のほうに話しましたところ、原産のほうで一応取りまとめをいたしまして、そして現在に至りまして、海外ウラン資源開発会社、これは仮称でございますが、というものをつくる形になりました。この会社は初めニジェルという形で考えたわけでございますが、やはり今後のことを見まして広くやっていってはどうかということでこういう名前になったわけでございます。しかし、さしあたりといたしましてはニジェルを主体としてやる、そしてそのやり方につきましては、最近にフランスのほうから話し合いに来る、たぶん今月中に参ると思いますが、それが参りまして、その話し合いによって本格的に会社にする。しかし、実際のところはもうすでに会社にする方向で大体進んでいると聞いております。それで、その出資者その他につきましては広くこれを求めるということで、電力業界、鉱山界、石炭業界あるいは商社のほうも入るんではないかという考え方でこれは進められているようでございます。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 いま局長のお話を聞きますと、結局そういう形がこれからのわが国の海外探鉱の一つのパターンになっていくのかというふうな気がするわけでございます。とすれば、結局、せっかくできた動燃というものは、単に世界のいろいろ調査だけをして、そうして見込みのありそうなところにはこういう形の、海外の協力を求め、外国からも出資を求めて合弁会社をつくって、そうして民間ペースでやらしていこうということにずっとこれからなるわけでございますか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 燃料につきましてはやはり民営だと存じます。したがいまして、そういう考え方をとっておりますが、それでは実際によさそうなところで民間がどうしても乗らなかったという場合がある可能性、まあないと思いますが、ございますと思います。そういう場合におきましては、動燃自身がどういくか。動燃の法律体制からいきましても、動燃の開発が一応できる形になっております。しかし、やはりこれを広く民間でやってもらって、民間の責任体制でやっていくという形でいきますと、あるところまで動燃がやりまして、それを民間が受け継ぐというのが一つのルールではないか、そういうふうに考えております。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 そうすると、動燃というものの性格は非常に柔軟なかまえを持っておって、だれも手をつけない場合には、そうして国家が必要な場合にはみずから乗り出す。一般の場合にはなるべく民間で具体的な探鉱に乗り出してもらおうということのようでございます。  ところで、われわれが常に懸念いたしてまいりましたのは、民間は御承知のとおり株式会社でありまして、まず営利を主体とする会社であることは間違いございません。ところが、こういう新しい試みである海外探鉱の場合に相当リスクを伴うことが懸念されるのでございまして、そういう場合に、そのリスクに見合うような政府の援助ないしは助成措置がなければ、なかなかにこういうものは踏み切れないのではないかというふうに、われわれはしろうとなりに判断をいたします。その点で政府はどのようにお考えになっておりますか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 現在まで民間のほうが長期契約だとかあるいは短期購入という形でアメリカ、カナダと結んだのが若干ございます。これで一応入ります量として一万六千トンぐらいのものの確保というのが現在考えられておりますが、しかしそういう方法がありますにつけましても、やはり海外探鉱というのは大切だということで、いままでは具体的な場所はございませんでしたので、通産省等にお願いして——そういう助成策というものができませんでした。しかし、今度はニジェルが実際に具体的になりましたので、現在のところ、金属鉱物探鉱促進事業団でございますが、そこでいままで助成、融資等を考えておりました範囲の課題をウランにまで伸ばしてやるという形に本年からいたして、それを利用してできるだけの援助をしていきたい、こう思っております。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 そろそろこの問題も具体的日程にのぼってきたようであります。したがって、政府としては、さしあたって、ことしこれがすでに会社を発足させるとするならば、どの程度の助成をしていこうとしているのか。まだ全然その辺までは考えもしていないのか、あるいは少し考え方がセットしつつあるのであるならば、その辺のところを御説明いただきたいと思います。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 まだ事実上のセットをしておりません。先ほど申し上げましたように、向こうの会社のほうも初年度八億の出資にするかあるいは五億にするか、これは今度フランスから来ての考え方になると思います。それに基づきましてわれわれも考えますが、いまのほかに海外協力基金というのがございます。そういうののからみ合いで、向こうのセットのしかたによってわれわれのほうはできるだけの援助をしていきたい。まだ具体的に中身まで入っていないのが現状でございます。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 長官、お聞きのような現状でございますので、そろそろ科学技術庁としてもみこしを上げ、こういう問題に具体的な一そうの検討を始められたいと思います。いまの御答弁で、海外探鉱に対する政府のものの考え方の輪郭は大体わかりました。しかし、いろいろとむずかしい新しい問題が出てまいると思うのでございます。いずれまたその進みぐあいによりまして、われわれも機会を見てさらに詳しく質問を展開していきたいと思います。  次に、長官は核燃料サイクルということについて十分御承知だろうと思いますが、こうしてかりに海外から十分に今後必要なウラン燃料が確保でき得る見通しがついたとしても、それをウランに精製しなければなりません。そしてその次にこれを濃縮しなければならないはずでございます。御承知のとおりこの濃縮方法につきましては、遠心分離の方法とガス拡散による方法とこの二つのいずれをとるべきかという問題が今日日本の科学技術の、特に原子力の重要な選択の一つになってきておるわけでございます。この点について政府は今日の段階でどのような考え方を持ち、またどのような対策を講じつつおられるかということについて御質問いたします。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○西田国務大臣 ウラン濃縮の問題につきましては、御承知のとおり二つの方法がございまして、いずれが経済性があるか、合理性があるかということにつきましては、目下研究とともに検討中でございます。したがいまして、まだその結論を得る段階には至っておりませんが、それぞれの特徴がございます。なるべく研究を急いで進めまして、そしてわが国に最も適合する方式を選ぶべきだと存じます。しかもその場合においてガス拡散あるいは遠心分離のどちらか一方にするか、あるいは併用していくかというような問題もあると存じますが、ここら辺はもう少し研究の結果に待たなければならぬと考えております。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 ガス拡散の方式と遠心分離の方式と両方事実上併用するということは、今日の日本の時点において、その国家の規模、構造上たいへん難問題だと思います。したがって問題は、早急にどちらかの方法に、これは一長一短あるだろうと思いますけれども、決断をしなければならない時期が近づいてきていると思います。聞くところによりますと、原子力委員会としては七二年にはその方法を選んで、そしてパイロットプラント、テストプラントというのでございますか、そういうものをつくりたいという方針を明らかにされたと聞いております。あなたは原子力委員会の委員長であるはずでございます。その辺七二年にいま申しましたとおりの決定をしようとすでに決断をしておられるのかどうか、さらにそういうことになるとするならば、いつごろをめどにしてこれを商業規模のものにまでしていこうと考えておられるのか、商業運転に入るのは大体いつごろなのかというようなことを少し御説明願いたい。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 濃縮ウランにつきましては、いま先生もおっしゃいましたように、できれば四十七年ごろにどちらかにしたいと考えておりますが、これは技術の積み上げでございます。したがいまして、できればという考え方で、なるべくそうしたいと思っております。しかし、それができましても実際のところまだ基礎研究でございます。したがいまして、それから五十年ごろまでは第二段階の考え方が出ると思います。その間がいわばどちらかにした一方の今度は開発研究という形になると思います。  そこで、商業ベースにいつなるかということでございますが、これはまた一方の考え方からいきますと、日本の需要量あるいはその他からも考えなければいけませんが、それ等からみ合わせてまいりますと、われわれの希望としてもしできるのならば、できて技術がちゃんといったとならば、五十三、四年——五十三年、そのころには商業ベースになってもいいのではないかというのが一方うかがわれます。しかしまだこれは技術の積み上げでございまして、逐次積み上げていくという形で、現在のところでは何とか五十年までにはその開発研究を終わって考えてみたいというのが現在のところの状況でございます。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 それに対する具体的な予算の割り振りなどはどう考えていますか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 実は原子力委員会で濃縮ウランの懇談会というのを設けまして、初めの、いわゆる両方を二つやっていくという問題についての計画を立てました。その計画を立てましたときの予算の形から見ますと、やはりそれをやるだけで、研究者の希望といたしましては五十数億円かかるのじゃないか——両方でございます。というのがそこで出ております。これからそれを具体的に詰めながらいくわけでございますが、ことしはその要求より若干落ちておりますが、基礎研究の段階で一応ことしはその懇談会で考えておりました研究課題の分が進められるだけの予算として——去年までは一億幾らでございましたが、ことしは四億一千七百万という予算で進める形になっております。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 全部で五十億ほど予算が必要なんですね。予算案として見込まなければならないんですね。ことしが四億、しかも七二年までに方法を決定して、そうしてことしからまずできれば四、五年の間に商業段階に入ろうとするのですか。そういうことできるんですか、手品みたいに。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 ことしの段階はまだ基礎でございます。したがいまして、この研究も実は設備がだんだん大きくなり、たとえば遠心分離の大きなものをどんどんつくっていく、しかもそれの回転数をだんだん上げていくわけでございます。それでの費用が大きくなりますので、当然来年再来年から研究費がふえてくるという形になります。したがいまして、五十七億円という数字の配分で考えましても、当然再来年、その次のところが非常に大きくなって、そこでいわば実験してみて、そこでどういうデータが出たかというところが勝負になるのではないか、こう思っております。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 それではさらにウラン濃縮についていま一点伺っておきたいのですが、それは、わが国の原子力の進展に見合って、今後国家として向こう何年間ぐらいの間には濃縮ウランがどのぐらい確保されなければならないかという数量の問題それから、そのうちアメリカから買い受ける分は何割であって、日本みずから独自で生産していこうとする分はほぼ何割程度と現時点においてお考えになっておるか、あるいはその辺のところはまだ全然あいまいもことしてきまっていないのか、お答えいただきたい。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 現在濃縮ウランにつきましては、御存じのようにアメリカから百六十一トンというものが契約で入るようになっております。これは七一年までの十三基の発電所の分でございます。ところがそれから七二年、七三年に計画あるいは建設が入ってくるものもございます。それについては順次一応計算しておりますが、大まかに計算いたしまして、日本がこれから先いまのような状態で発展していくといたしますと、五十七、八年ごろにちょうど分離量として四千トン分離量でございます。これは大体それの四分の一でございますが、ちょうどそれを海外に当てますと、アメリカのちょうど一工場分ぐらいじゃないかと思います。それが日本としては一番マキシマムな状態になると思います。それから先は、実はいまやっております新型転換炉、そういうものが出てまいりまして、それでプルトニウムをカバーしていって、若干下がってくるという形になると思います。こういう形で大体進むのではないかと思っております。  それから、いまの濃縮ウランを日本で実際にどうする、こうするということは、実際のところ技術が上がってからでないとわかりませんのでまだきめておりません。  それから、アメリカ一辺倒でいくかどうかという問題でございますが、いまの世界の情勢を見まして、いま濃縮ウランがヨーロッパのほうでも計画しておりますし、また、あるいは三国同盟でやっているものもございますけれども、いまの計画の現状から見まして、ヨーロッパタイプのほうでいきましてもヨーロッパ全部をまかなえない現状だと思います。したがいまして、われわれのほうはこれからよそにもらいにいくという場合を考えて、よそからももらいたい方針ではございますが、需要から出る供給量から見ますとアメリカしかないのじゃないだろうかというような傾向であるのではないかと思います。というのは、アメリカ自身も、ヨーロッパが足りないので、ヨーロッパに供給しなければならないくらいになるのじゃないか、こう思います。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 ちょっと先ほどの数字をもう一ぺん御説明いただけませんか。百六十一トンという数字を言われましたね。これは何ですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 具体的に申し上げますと、昭和五十年が二千五百トン、これは累積した三%濃縮ウランとして、平均三%と計算しております。それから五十五年が七千五百トンでございます。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 それから先はわからないのですか。一応十年先までであって、高速増殖炉が出てくれば濃縮ウランのほうはぐっと必要量が減少していく、そういうお考えですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 この先が炉の発展というのが一つ。と申しますのは、新型転換炉がどう入ってくるか、あるいは高速増殖炉もそのころから考えられてくるというところで、わかりませんが、大体それから五十七年ごろまでは伸びてくると思います。それで五十七年まである程度伸びて、五十七、八年ごろから大体同レベルでいくか、あるいは少し下がる。同レベルでいくといいますのは、そのころに多目的炉というものが発展してまいりますと、初め濃縮ウランが使えます。それから原子力船がもしも出てきますと、それも濃縮ウランでいきますが、その辺のところがどう移動してくるか、ちょっと計算ができないと思います。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 そうすると、あまり遠い先のことはだれしもわかりませんけれども、まずまず五十七年、八年あたりからずっと横ばい状態になるだろう。そのときの所要量はまず年間七千トン前後ですか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 先ほど申し上げました七千五百トンというのは累計でございます。全部足していったわけであります。そのころになって一年度を年度と考えますと、先ほど申し上げました千トンとお考えになったらいいと思います。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 そこで、そのころにアメリカから供給を予定されるトン数はほぼどのぐらいと想定されますか。千トンまるまる完全に供給される見通しがつくのだったら、何も日本がいま膨大な金をかけて、無理して濃縮技術を開発する必要もないようにも思うのです。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 濃縮ウランにつきましてはアメリカ自身もいま第三工場までございますが、第四工場をつくるかどうかということをいま検討中でございます。その第四工場の大きさその他によっていま判断しなければなりませんが、私たち、こちらのほうの需要量をいま見ましてそうなってしまうわけでございますけれども、それがアメリカでも必ずそれだけのものを入れる能力がいますでにあるということになりますと、いまのところはない、したがって、アメリカのほうがふやさざるを得なくなるのではないかという形だと思います。その点はわかりません。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 何か先ほどアメリカの一工場くらいの量が日本としては必要な相当量だというお話でございましたね。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 いま年千トンと申し上げたが、アメリカのちょうど一工場分くらいだと思います。いまそれと同じものが三工場アメリカにあるわけであります。それで第四工場をもっと大きくしてつくるかどうするかということをいま検討のようでございますが、そういう現状でマキシマム、それだけしかいまアメリカにないわけでございます。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 それでは日本独自の濃縮工場というものがそのころにできれば、アメリカが新しく第四の工場をつくるかつくらないかにも若干の影響は与える、そういう国際的な関連も想定されるわけでございますか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 当然それが日本でつくるとなりますと、それがやはりアメリカに対して相当な影響を与えるということになると思います。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 そこでかりに近き将来、年々千トンの濃縮ウランが必要であるとして、その千トンのうちのたとえ二百トンでも三百トンでも日本で自主生産していくのだという考えなのか、あるいは、どうもいまの答弁を聞いておりますと、アメリカの説明はなさいますけれども、日本のほうでもちろん技術が進んでいかなければ、まだ方法も選択してない事態ですから、的確なことは言えませんけれども、およそものごとを進める以上は、まず五年、十年先には日本でこのぐらいのものはみずからつくるのだというくらいの構想がなければ、まるで行き当たりばったりの濃縮ウランの開発になってくると思います。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 先生から非常にむずかしいところを御質問されて、実はこれには経済性も考えなければいけないと思います。現在入っておりますのが賃濃縮が二十六ドルでございます。したがいまして、技術ができ上がって、しかも二十六ドルでいくかということが問題でございます。それからある小規模でいけば当然それだけ値段が上がると思いますが、そういう点で、まだ原子力委員会等におきまして、濃縮ウランを自国で完全にやるかやらないかというのは、まだ判断できていないということを申し上げたわけでございまして、まだその点についてはっきり国内としてはいたしておりません。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 長官お聞きのとおり、この問題でも考え方がぐっとしまってきていない。ともかくやろうじゃないか、研究しろとはいっておるけれども、国家自身として一体十年先にどの程度確保していいのかどうか、よそさまの都合もあるだろうし、自分の技術にもまだ自信がつかないし、まさにあいまいもこたる状態だと思います。憂うべき現状だと思います。少なくとも科学技術という立場からいうならば、まるで体をなしていないと思うのです。商業ベースのことは考えなければなりません。しかし、商業ベースのことだけ考えるのだったら、何もみずからばく大な金を投じて自主開発をしなくても全部買ってくればいいわけで、ほかのものをつくってでも交換してくればいいわけです。しかし科学技術の立場からはそれだけでは論議は許されない。多少のロスがあろうとも、あるいは予算の消耗があろうとも、遠き日本の将来のためには、いまの段階でこれだけはなし遂げなければならないのだという、やはりき然たる姿勢がなければ科学技術というものは前向きに進まないと私は思う。その一つの欠陥が、政策の十分でない点が明らかに濃縮技術の研究の面でも露呈されているような気がしてならないのでございまして、どうかこの点は、確かにむずかしい問題であることはわかりますけれども、しかし責任者である長官として、さらに一そうの鞭撻や総合的な判断を急がれなければならないと思う次第で、ございます。  次に、三番目の問題として燃料の成型加工の問題が出てまいると思います。これはペレットと称するものをつくって、それをずっとつなぎ合わせて燃料棒にするようでございますけれども、この辺の技術ではいろいろと開発すべき問題が残されているのかどうかお聞きします。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 燃料につきましてはわれわれのほうの委託費その他でいままで研究を伸ばしておりました。しかし軽水炉につきましては大体現在で御存じのように輸入でございます。したがまいまして、一番最初の初荷燃料はたいてい向こうから参っております。したがって、条件としてはそのあとの燃料は日本でつくっていくという形でいま進んでいるわけでございますが、その関係からいまちょうど業界その他も、現在事業許可している業界が技術をあげて、現在のところ燃料はできるだけ国産化していける状態になっている、そういうふうに考えております。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 国産化してやっていける見通しのようでございますが、さらに具体的に、たとえば昭和五十年度にはどの程度国産化されるのか、あるいはそれに至る国の具体的な助成策はどう考えているのか、あるいは五十五年くらいにはどうなるかないしは六十年ごろにはどうなるのかという点、わかっている範囲で御説明いただきたいと思います。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 先ほど申し上げましたように、第一回目の燃料はしかたないと思いますが、二度目からの燃料は全部国産でいきたい、それでやっております。しかしこれは商業ベースで結んでいて、これから出てまいります炉につきまして、われわれの行政指導としては絶対そういくようにということを言って、その原則でやっていきたいと思いますが、商業ベースで向こうと契約して炉をつくっていった場合に二度分がどうなるか、その点はちょっと不安な点がございますが、第二回目の燃料からは全部日本でもってつくっていきたい、つくっていくようになれる、こう思っております。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 次に四番目の問題として、使用済み燃料の再処理工場の問題がございます。この再処理工場については原子力委員会の安全審査が通ったというふうにわれわれは聞いております。そして東海村にことしじゅうに着工しようではないかという具体的な計画まできまったやに承っておりますけれども、その辺の消息をお示し願いたい。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 再処理工場につきましてはいろいろ御迷惑をおかけいたしましたが、地元の問題も基本的には、まだこまかい点でいろいろございますが、一応何とかまいりましたので、今度初めて予算化いたしました。そしてこれでまいりますと、ことしのうちに着工いたしまして四十八年ごろに稼働ができるという形で考えております。それで今年度はその初年度といたしまして予算化をしたわけでございます。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 四十八年に完成だとすれば、四年間ですね。四年間で総工費は幾らくらいかかるのか。ことしの予算はたしか二億だと聞いておりますけれども……。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 現在考えておりますところでは、総工費百七十三億でございます。そのうち出資として考えておりますのが四十三億くらい、あとは政府保証借り入れ金で百三十億という形で考えております。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 そこで、この再処理工場はいわゆる研究開発としてやっていくのか、それともコマーシャルベースに乗る事業として進めていこうとするのか、すでに政府部内で意見の統一がなされておりますか。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 この問題は初め大問題でございました。たとえば研究としてやる場合だったら〇・七トンがいいのか〇・三トンがいいのかということが問題でございます。しかしこの再処理の研究というものはただ小さなところで研究しただけで大きくできるものではない。したがいまして〇・七トンといいましたのは、うまくいけば企業化ベースに乗る。そこで出たデータこそ安全性がみんなわかる問題であるということで〇・七トンをとりましたので、いわば企業化試験と申しますか、うまくいけば乗るし、それから研究過程も入っているということの考え方で設計されております。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 非常に欲ばった構想であっばれだと思うのです。しかし二兎を追う者は一兎も得ずというたとえもございますけれども、ものごとというものはそううまくいくものだろうか。特にわれわれはやはり研究開発としてこの再処理工場を進めていく場合とそれから企業ベースに乗った再処理工場として追っていく場合とでは、政府の手当てのしかたがずいぶん違ってくると思います。われわれは科学技術の立場から言うならば、やはり現段階においてはさらにひとつ積極的な研究開発というものに重点を置いて、そして政府はそれなりの手当てを十分に施しながらその技術のより高度化を進めていくのがねらいだと思います。どうかその辺のところ、さらによく長官としても一そうの御関心を持っていただきたい、また努力をしていただかなければならないと思います。  ところで、この再処理工場が東海村にことし着工されて四十八年に竣工するそうでございますけれども、一番地元住民が懸念いたしております問題は、勝田にある米軍の射爆場の問題であります。この米軍の射爆場が四十八年完成のころまでに撤収される見通しはついているのかどうか、これが大きなかぎになってまいります。その点いかがでしょう。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 私たちのほうも防衛庁と打ち合わせをいたしまして、その結果で先般閣議決定をしていただいたわけでございます。それで計算してまいりましてもそのときには重ならない。こちらが運転するころには射爆場はない。したがいまして、射爆場そのものはそのときに必ず移転してくれるかあそこになくなるという考え方で、これははっきりして進んでいるわけであります。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 非常に歓迎すべき希望あるいきさつのようでございまして、われわれも非常に期待をいたしております。しかし国際的な問題、アメリカとの折衝、外交問題とからんでくる問題でございます。この辺はひとつ長官として十分、最大の配慮を払われ、せっかく完成したけれどもその辺でそごを来たしてどうにもならないというふうなことのめったにないように一段の根回しをお願いをしておかなければならないと思うのです。  そこで最後に、私はトリウムによる原子力燃料の技術開発について質問をいたしておきたいと思います。  聞くところによりますと、トリウムは原子炉で中性子を吸収すると核分裂を起こすウラン二三三に変わるというふうに承っております。われわれが心配いたしますのは、先ほどの海外探鉱の問題でも触れましたように、海外におけるウランの埋蔵量というものもおのずから一定の限度があるようであります。日本ではもちろんほとんど微々たるものでございます。ところで、この在来のウランにかわるトリウムを開発することによって原子力の燃料というものが大量に確保できるものであるとするならば、これは国家にとっても人類にとっても実に大きな問題でございます。われわれは特に諸外国において、インドなどをはじめ各国々で相当量のトリウムが埋蔵されていると聞いております。たとえばインドで五百五十立方ショートトンと読むのでございますか、まあわれわれこれは五十五万ショートトンのことかなと思うのでございますけれども、たとえば米国においては同じ数字で六百、カナダで二百三十五、アフリカで百、その他というふうになっております。これはこれからの国家が原子力開発を進めていかなければならない一つの大きな新しい問題ではないかというふうに考えるわけでございまして、このトリウムの技術開発の問題あるいは安定供給の問題、この問題にも政府として直ちに手をつけようとしているのか、ないしはしばらく諸外国の動きを見てからにしようとお考えなのか、一応の構想をお話しいただきたいと思います。

梅澤邦臣科学技術庁原子力局長

○梅澤政府委員 トリウムにつきまして、これは燃料になるのではないかといま世界各国で研究中でございます。しかしまだ実施化はされておりません。われわれのほうは、やはりトリウムの基礎研究はすべきだということで、現在小規模ながら原研におきましてトリウムからウラン二三三に移るところの性質だとかを科学的に研究をいたしておるのが現状でございます。したがいまして、まだその研究の積み上げをしているところでございまして、これを本格的にどうというところまでは考えておりませんが、近いうちにやはりトリウムそのものの研究体制というものもいずれは考えられてくるのだろうと思うのです。まだ具体的にはなっておりません。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 以上、若干の質問をいたしましたが、これは長官が所信表明で述べられております文章にいたしましてわずか五行の問題でございます。事ほどさように科学技術の将来大きな問題が山積していると思います。また具体的に原子力開発の問題だけでも実に難関が山積しているようでございます。  どうかひとつ長官は、わが国の将来の発展のためにどうしても乗り越えなければならないこれらの科学技術の進展への諸問題を的確にとらえられまして、そして強力な推進力としての役割りを果たしてくださるように強く期待いたしまして、一応の御質問を終わる次第でございます。

西田信一自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○西田国務大臣 科学技術開発の中でも最も重要な原子力開発、その中のさらに核心をなすところの核燃料の確保の問題につきまして、具体的な濃縮の問題あるいは再処理の問題等について的確な見通しをつけて、はっきりした目標のもとに間違いなく進め、こういう御鞭撻の重要な御質問を承りまして、私も非常に責任を感じております。十分御趣旨に沿いまして、明確な目標のもとにあとう限り対策を講じまして、核燃料の安全保障というような立場におきまして全力を尽くしたいということを申し上げまして、お答えといたします。

北側義一公明党

○北側委員長 次回は来たる三月十八日水曜日午後一時より理事会、午後一時十五分より委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時三十三分散会

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