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63回国会衆議院1970/04/23

沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第12号

発言数
8
登壇者
3
会派数
1
開催日
1970/04/23

会議録

池田清志自由民主党

○池田委員長 これより会議を開きます。  沖繩及び北方問題に関する件について調査を進めます。  この際、先般本院から沖繩へ派遣せられました議員団の視察概要について、鯨岡兵輔君から発言を求められておりますので、これを許します。鯨岡兵輔君。

鯨岡兵輔自由民主党

○鯨岡委員 先般の衆議院沖繩派遣議員団を代表して、私から視察の概要を申し上げます。  当派遣議員団は、当委員会の委員長池田清志君を団長として、当委員会の理事床次徳二君、宇田國榮君、永末英一君、川崎寛治君、大村襄治君、箕輪登君、中川嘉美君及び私の九名で構成され、三月二十五日より同月二十八日まで四日間にわたって沖繩の現地事情の視察を行ないました。この視察団は、昨年十一月の佐藤総理大臣、ニクソン大統領の共同声明によって沖繩の一九七二年返還が決定された後、衆議院を代表して沖繩を訪れた最初の派遣議員団であります。  沖繩の施政権返還が現実のものとなった今日、沖繩県民は、戦後二十五年を経過してようやく本土に抱きかかえられる喜びと、新しい制度や環境へ移行しなければならない不安とが入りまじった複雑な感情で一九七二年を迎えようとしております。また、祖国復帰を間近に控え、さまざまな構想や計画が練られながらも、その着手に戸惑いが感ぜられました。祖国復帰への沖繩県民の期待にこたえ、その不安を解消することは、本土の国民と政府の責任であろうと考えました。  以下、派遣議員団が、沖繩滞在中ランパート高等弁務官、屋良琉球政府行政主席、星立法院議長、平田高等裁判所首席判事をはじめ沖繩各界の代表と懇談し、各地を視察した結果についての所見を申し述べたいと思います。  一、復帰準備について。昨年十一月施政権の返還が決定して以来、琉球政府をはじめ沖繩各界の人々は真剣に復帰準備に取りかかっておりますが、復帰計画の策定にあたっては、いまだ沖繩県民全体の意向が一つにまとまるまでには至っていないうらみがあります。祖国復帰を円滑に行ない、豊かな沖繩県づくりを推進するにあたっては、一九七二年に向かって早急に措置すべきものと長期のビジョンに基づいて実施すべきものとの二つに分けて考えなければなりませんが、琉球政府は、それぞれについて市町村、経済団体等各界の意見要望を一つに取りまとめた復帰計画を早急に策定すべきであります。たまたま派遣議員団の訪沖の前日、那覇において沖繩復帰準備委員会の初会合が行なわれましたが、これを契機として沖繩においても復帰準備体制が早急に確立されることを期待いたします。  沖繩の復帰が実現するまでには、施政権返還協定、本土法令の適用に伴う暫定特例措置に関する法案及び沖繩の経済、社会の開発、発展をはかるための施策の推進に関する法案が国会に提案せらるべきものと考えますが、返還協定の作成にあたっては、沖繩の県益と本土の国益を一体なものとして積極的な調和をはかるよう考慮されなければなりませんし、また、暫定特例措置の立法にあたっては、本土との一体化を急ぐのあまり、沖繩県民の福祉をそこなうことのないよう慎重に配慮する必要があります。さらに、現在国会において沖繩・北方対策庁設置法案を審議中でありますが、沖繩の経済、社会の開発を促進するために、復帰後においては、沖繩開発庁(仮称)の設置が望まれる次第であります。  二、沖繩経済の振興について。一九六九年度の沖繩におけるGNPは二千六百十八億円で、前年度より一三・三%の経済成長を見せていますが、米軍関係需要総額は七百五十三億円に達し、依然として沖繩経済の成長の有力な支柱となっています。  復帰に際して経済上の混乱や打撃を生じないよう物価、税制、通貨切りかえ、本土企業の進出、金融機関の再編成等の問題について適切な措置を行ない、スムーズに日本経済の一環として国民経済の中へ移行をはかるとともに、基地依存経済を自立経済に切りかえつつ、本土に比べてなお相当の隔たりのある県民所得を引き上げるため長期経済計画を策定し、積極的に経済振興の具体的措置を講ずべきでありましょう。特に、沖繩経済の自立発展を促進する方途として、既存産業の育成振興と並行してその基幹となる新規産業の開発が急がれていますが、これら産業開発の基盤としての諸施設の整備拡充、すなわち、水資源及び電力の開発、道路、港湾の整備、工業用地の造成等が緊急の課題となっており、政府としても資金その他の面で積極的な援助、助成の措置を講ずる必要があると考えます。  三、国政参加についてでありますが、沖繩の祖国復帰にあたっては、沖繩県民の意向が十分に反映した沖繩県づくりが行なわれなければなりません。立法院議員との懇談においても、派遣議員団に対して沖繩県民の国政参加を実現するための法的措置が今国会において行なわれるようきわめて強い要請がなされました。沖繩の祖国復帰が円滑に行なわれるためには、許される最大限の国政参加を認め、ぜひとも沖繩県民の要請にこたえるべきであることを痛感した次第であります。  四、軍労務者の間接雇用等についてでありますが、昨年十二月在沖米軍より大量の軍労務者の人員整理計画が発表されて以来、全沖繩軍労働組合は、退職手当の大幅増額、六カ月間の事前調整期間の設置及び間接雇用制への移行等を要求して四軍合同労働委員会と交渉を行ない、本年一月には二回にわたる実力行使を決行いたしました。その後関係者の努力にもかかわらず事態はさしたる進展を見せていませんでした。  派遣議員団は、琉球政府首脳及び全軍労幹部との懇談において、本土の駐留軍労務者に比べてその七割程度といわれる軍労務者の退職金を本土並みの額まで引き上げてほしい旨の強い要請を受けたのであります。また、ランパート高等弁務官との懇談において、高等弁務官は、間接雇用制度について日本政府から提案があれば真剣に検討する用意がある旨の発言がありました。  たまたま派遣議員団の沖繩滞在最終日に、四十四年七月から四十五年三月までに解雇された軍労務者一千二百三十七人に対して特別給付金の形で見舞い金一億九千六百万円を支払らことをきめ、さらに軍労務者の雇用形態を改めることについて復帰準備の一環として日米双方の間ですみやかに検討を始めることに意見の一致を見た旨の閣議決定の報道に接しましたが、今回の政府の措置によって事態は好転いたしたようであります。沖繩の復帰準備が急速度で展開されなければならないとき、このような沖繩県民の意向をまっこうから受けとめた施策の実施は今後ますます必要でありましょう。  以上が派遣議員団の所見の概要であります。短期間の日程でありましたが、沖繩本島のみならず、宮古、石垣両島においても現地の貴重な声に耳を傾けることができ、きわめて実りの多い視察でありました。今回の視察にあたり、終始派遣議員団に御協力を賜わった各方面の方々に深く感謝申し上げるとともに、円滑なる祖国復帰の実現と豊かな沖繩県づくりに向かって一そうの努力を払らことを決意するものであります。  なお、視察日程及び現地における各界代表との懇談の内容につきましては、衆議院沖繩派遣議員団報告書として議長に提出いたしておりますが、特に当特別委員会の今後の調査には参考になると存じますので、これを会議録に掲載する等の方法を委員長において特別に講ぜられますように要望いたしたいと思います。

池田清志自由民主党

○池田委員長 以上で終わりました。  なお、ただいま鯨岡君から御要望のありました報告書の会議録掲載につきましては、委員長においてしかるべく取り計らいたいと存じますので、御了承願います。      ————◇—————

池田清志自由民主党

○池田委員長 次に、去る二十一日開かれました第十九回日米協議委員会について、政府からの説明を聴取いたします。外務省東郷アメリカ局長。

東郷文彦外務省アメリカ局長

○東郷政府委員 一昨二十一日、外務省におきまして、沖繩に関する日米協議委員会の第十九回会合が開催され、「復帰準備及び準備委員会の作業のための原則及び指針」を採択いたしました。  昨年秋の佐藤・ニクソン会談及びその後の日米間の話し合いによりまして、日米両国が施政権返還協定締結交渉と並行して、沖繩住民の民生福祉の向上をはかりつつ、沖繩の施政権の円滑な移転を可能にするための復帰準備について、東京にある日米協議委員会及び沖繩に設置されました準備委員会を通じて協力していくことになりましたことは御承知のとおりでございます。  今回の日米協議委員会は、この復帰準備のためのいわば初会合でありまして、この会合において、先般の外務大臣と在日米国大使との間の復帰準備に関する交換公文に定めるととろに従い、今後の復帰準備の進め方に関する日米両国間の基本的な了解事項をまとめたわけでありますが、とれがいま申しました「原則と指針」でございます。  政府は、去る三月三十一日に閣議決定をもちまして、「沖繩復帰対策の基本方針」をまとめましたが、今回日米間で合意いたしました「原則と指針」は、政府が今後、右の基本方針に従って復帰準備を進めていく上で必要な米国政府との協議、協力の進め方について取りきめたものでございます。  この「原則と指針」は、復帰準備全般にわたる基本的事項と準備委員会の作業の進め方に関する事項とよりなっております。  簡単に御説明申し上げます。  全般の基本的事項には三点ございまして、第一は、復帰準備は沖繩返還協定作成とその進行ぐあいと見合わせて進め、その両者の関連を適当に保っていくということが一つ。次に復帰準備を進めるにあたりまして関係当事者が特に念頭に置いていくべきこととして四点ほどあげております。第一は、申すまでもなく、沖繩の住民の希望、要請を十分に反映していくということ。次にそのような準備作業は、返還までは施政権が米国にございますので、その米国の施政権のもとにおいて円滑にこれを進めていって混乱を起こさないようにする。次に準備のためにとられる施策は、日米双方の関係当局協力して迅速に進めていかなければならぬということ。それから第四番目には安全保障の問題が述べられておりますが、これは返還後は当然いわゆる本土並みに安保条約及び関連諸取りきめが適用されることになるわけでありますので、いわばそのつなぎの期間におきまして、安全保障の問題についての混乱が起きないようにしていく、こういうことでございます。  それから第三番目は、琉球政府に対する日本政府の助言と申しますか、それを日米協議の上でただいま御審議願っております沖繩・北方対策庁沖繩事務局を通じて行なうということをはっきり書いたわけでございます。  後段は準備委員会に関することでございまして、特に重要な点は、当面準備委員会が重点を置いて取り組むべき事項としまして、返還前に解決すべき問題の所在を明らかにしていく、これを洗い出して、現地において処理すべき問題の解決策をつくっていく、こういうことでございます。  この「原則と指針」を貫く考え方は、沖繩住民の民意を尊重しつつ、組織的かつ秩序立った復帰準備の実施の必要性に対し、日米双方が共通の認識を持っているということでございます。この復帰準備はきわめて複雑多岐にわたる内容を含んでおりまして、その円滑な実施を期するためには、日米琉三政府の緊密な協力による周到な準備を必要とすることは申すまでもございませんが、今回合意いたしました「原則と指針」はこのような準備を可能にするものと考えております。  今後の復帰準備の進め方につきましては、この「原則と指針」にも書かれておりますように、まず準備委員会を十二分に活用しまして、施政権返還前に解決しておくべき問題を洗い出し、そのうち沖繩現地で処理すべきものの解決策をきめていくことに重点を置き、こらして復帰準備に遺漏なきを期していく考えでございます。      ————◇—————

池田清志自由民主党

○池田委員長 この際、参考人出頭要求の件についておはかりいたします。  すなわち、沖繩及び北方問題に関する件、特に沖繩の経済開発、復帰準備等に関する問題につきまして、参考人の出頭を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

池田清志自由民主党

○池田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人の人選、日時及びその手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

池田清志自由民主党

○池田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十時五十五分散会

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