運輸委員会海運に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 62 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1970/07/10
会議録
○加藤小委員長 これより運輸委員会海運に関する小委員会を開会いたします。 海運に関する件について調査を進めます。 大型専用船の海難に関する問題等について質疑の通告がありますので、これを許します。宮井泰良君。
○宮井小委員 それでは、大臣の時間の都合もありますので、後の質問者の方と半分しまして、大臣の質問だけ最初にやらしていただきたいと思います。後におきまして船舶局長に、海運問題小委員会でございますが、最近の大型鉱石船の海難事故にしぼりまして、それと関連いたしましたことをおもに質問をいたしたいと思います。 この海難事故の原因は、ただいま調査中でございまして結論が出ておりませんが、この結論が出ないうちに、運輸省では去る六月二十九日、四十七万トンの超大型タンカーの建造を許可されております。その疑問がいまだ解かれておらないわけですが、この許可をしたのは、ほんとうに安全性に対して自信が持てたから許可したのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○橋本国務大臣 大型船の構造につきましては、昭和四十年以来技術審議会で検討を加えておるわけであります。御承知のように、現在三十二万トンのタンカーが六隻就航いたしております。大体五十万トンタンカーに近いものとして一種の超大型船でありますが、この六隻の就航しておる実績等々も考え、かつまた、御承知のような世界的な大船傾向になりつつあるということ、需要の増大にかんがみまして、必要性が増大しつつあるという事柄から、その構造等についてば、従来の技術審議会及び造船所等の十分なる技術を参照しまして、そこで許可するに至ったのですが、この建造書類、設計書等を持ってまいりましたときに、私は、従来も四十年以来やっておるわけですが、再度、その見積もり書といいますか、設計書に従って具体的に検討を命じまして、そして、これに審議委員会といいますか、少数のいわゆる研究技術者グループによって一カ月余にわたって検討を加えてもらいました結果、設計等には特に心配すべきものはない。特に私は、安全性の問題及び運航上の技術問題、これについて特に強くその点を指示しておったのでありますが、それにつきましても、まあ原則としては心配はない。がしかし、こういう点について今後も建造中にいろいろフォローしていけばいいのではないだろうかという点で、幾つかの付帯条件を付しまして、そうして先般御承知のように、この四十七万五千トンを許可するに至ったのであります。その点、いま御質問のありますような、大型タンカー船が遭難をしておる際に、またこれが最後的な決定を見ないときに許可することはどうであろうかという御意見がありますが、そういう一つの見方もありましょうけれども、現在の世界の海運状況、造船状況から見まして、十分に設計上のミスがなければ、かつまたこれに対する十分なる指導がいくならば、そう欠陥を持つものではなかろう、こういう考え方のもとに許可をしたわけであります。
○宮井小委員 それでは、こまかい許可にあたっての条件等、いま大臣からもお話出ましたが、それは後ほど局長からお伺いすることにいたしまして、私は、この種の事故が起きた場合に、ほんとうにだれが責任を持つのかということが疑問になるわけでございまして、後ほどもお伺いしますが、百万トンタンカー等も大臣は諮問されているようでございますが、これからどんどんそうした大型タンカーが建造されまして、将来万一事故が起きた場合に、事故原因の究明、また事故防止等を最終的にどこが責任をとるのか、これはこれからの後々の問題になると思いますので、ここではっきりと明確に大臣からお聞きしておきたいと思います。
○橋本国務大臣 もし遭難が起きた場合にだれに責任の所在があるのかということは、もちろんこれは遭難の原因等を調査してみないと決定は下せません。そのために海難審判庁というものがありまして、そこで原因等については十分に公正な立場から追及して、その原因の何かをとらえるわけでありますから、結果的に、遭難が起きたから何もかもある人の責任である、かようなわけには実は問題としてはいかぬわけでありますが、ただ運輸省としては、監督の立場にあり、かつまた国際的な基準等も順守していくのですからして、その点については万全の処置を講じていきたい、かように考えてやっておるわけであります。
○宮井小委員 それでは次に、この四カ月間におきまして、船舶局長その他運輸当局の方々、また日本海事協会の幹部の方々、非常に努力をされまして原因究明に当たっておられたわけでございますが、こういった幹部の方々が最近次々と辞任されまして、そして船舶局長等も交代をされた。こういうことをされますと、責任回避である、せっかく原因調査に乗り出しておったのにまた交代していく、そのように責任のがれであると理解されるおそれがある、私はこう思うわけでございますが、今後どのような姿勢で取り組んでいかれるか、この点をお伺いしたいと思います。
○橋本国務大臣 人事の異動は、その行政地域内における種々の事情から必要があって行なわれるものであります。しかし、人がかわりましたから、そこで責任の所在がわからなくなるというわけのものではありません。御承知のように、行政というものは、口頭で引き継がれて行なうわけではないので、当然省の文書その他の的確なる書類等によってこれが引き継がれるわけでありますから、Aという人が問題のときに当たっても、Bがその地位に当たれば、当然それはBの人がその地位における責任を負う、こういうのが役所の体制でありますから、人事異動が行なわれたからその責任の所在が不明確になる、かようなことはありませんので、御安心を願いたいのであります。
○宮井小委員 それでは、先ほども少し申し上げましたが、この百万トンタンカーにつきまして、建造を運輸大臣は諮問をされております。これは海運業界が競争といいますか、世界的な情勢という面でこれを計画されておるのか、あるいはますます多量輸送の必要がある、こういう観点からその百万トンタンカーの構想を大臣がお考えになっておるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○橋本国務大臣 問題は、ものの考え方は二点あると思いますが、一つは技術開発という点であります。せんだって許可しました四十七万五千トンというのは、運輸省における造船技術審議会といいますか、その諮問によって、大体五十万トンまでの大型船に関するいろいろな問題の調査はすでに両三年前に済んでおるわけでありますが、そこで、これは技術革新といいますか、技術開発というものは、一日もゆるがせにすべきじゃないことは御承知のとおりであります。したがって、将来いつの時代になるかわかりませんけれども、将来に備えて、そこで、五十万トン以上七十万トンないし百万トンというような、大型船あるいは超大型船といいますか、そういうものの技術開発をいまからやっておかなければ、半月や三月ででき上がるものではございません。いろいろの問題点があります。エンジンの問題もそうでしょうし、あるいは海象、気象に耐え得る力、造船構造上の問題、あるいは非常に大きな船になりますから運航上どういうふうな技術を必要とするか、あるいは計器はどういうものを必要とするか、いろいろの問題が含まれるわけでありますから、やはりこれは早目にそのような問題はとらえて、問題点となるべきものを摘出してもらう。その問題点いかんによっては、これを技術開発のほうになおかつ研究してもらう、こういう必要は当然のことであります。この点がまず第一であります。 また第二の問題としては、将来、いまお話しのように、日本の石油に対する需要の激増から考えまして、大型化するという傾向はいなみ得ない。そうしますと、そういうような大きな船——三十万トンも大きいのですが五十万トン、七十万トンあるいは百万トンという船が、もちろんこれは東京湾に入るわけにはいかない。そうしますと、いわゆる石油中継所といいますか、そういう場所の設定、あるいは今後の海上保安上の問題、こういう問題からして、そうした船の混雑するような地域に石油船を入れることがはたしていいのかどうか、こういう点があります。もしこれが、五万トン、一万トンの船でも、将来は東京湾とかあるいは瀬戸内海とかいうものに入れるべきでない、こういう事情が出てまいりますれば、当然これはいわゆる石油中継所を通じて油を供給しなければならぬ。その場合に、現在は大部分が小型船に積みかえて持っていくのでありますけれども、積みかえて持っていく場合における危険性、そういうようなものを考えますと、五年あるいは六年、もっと将来を考えますれば、当然今度はパイプラインで持っていくということも考えなければならぬ。そのパイプラインで持っていく場合における輸送、原産地から持ってくる場合に、はたして十万トン、二十万トン、三十万トンで引き合うかどうか、経済的にも問題があります。 そういう種々な観点から、一つは技術開発の面から、第二は政策の面から、このようないわゆる七十万トン、百万トンということもいまから検討を加えて、さような時期が来たときに、日本がおくれをとらない、こういう必要があろう、こういう意味で、私はこの結果を半年や一年後に期待しているわけではありません。三年かかるか、四年かかるかわかりませんけれども、十分検討を加えて、そうして新しいいわゆる輸送体系の上に乗っけるためには、大きなタンカーだけでなく、そうした中継所の問題を含めて検討していかなければならぬ。そういう意味をも含めまして、百万トンタンカーの疑問点、今後の建造上の疑問点、運航上の疑問点、安全上の疑問点、こういう点が幾つあるか、そういう問題をまず摘出してもらう。それに対してなお今度はこまかい研究を進めていく、さようにいたしたいために今回これを諮問に付したわけであります。
○宮井小委員 それでは、具体的なこまかい点につきましては、もう一度後ほど局長にお伺いいたしますが、いまもお話しございましたように、私たち百万トンと一口で言いますが、喫水線の問題など想像できないくらいのものでありまして、いまもお話のあったような入港の問題、それから特にここでお答えできるかどうかわかりませんが、外洋のそういった中継基地をどこへ置くか、そういうふうな問題、また会社あるいはどこの石油を運ぶかといった問題が出てくるわけでございますが、そういった点も含めまして、そして特に私が強調したい点はその安全性の問題です。私も先だって、石川島播磨造船に出雲丸の亀裂の状態そういった問題を見てまいりましたが、大型船になればなるほどそういった問題がある。石油等が外洋に、また内海に流れ出まして、公害等の問題にもつながっていく、かように考えるわけでございまして、そういった点を特に——もちろん国際競争にうちかっていかなければならない、水準を保っていかなければならないという点はわかるわけでありますが、その点も十分勘案してやっていただきたい。この点を申し上げまして、大臣に対する質問を終わります。
○加藤小委員長 和田君。
○和田(春)小委員 運輸大臣、たいへんお忙しくて時間が限られているそうでありますから、具体的な技術的な問題は後ほど政府委員の皆さんにお伺いをいたしたいと思いますが、基本的な姿勢につきまして二、三お伺いをしたいと思うのです。 新聞の伝えるところによりますと、百万トンタンカーの建造に関する技術開発につきまして、運輸大臣から造船技術審議会に諮問をされたということが伝えられております。これは先ほども宮井委員の質問に対しまする大臣の御答弁にもありますように、半年、一年の短いことではなくて、将来の趨勢を考えながらそういう点の検討を進めていこう、こういうことでございますから、百万トンタンカーをつくることの是非善悪ということは別にいたしまして、そういうことを検討されることはけっこうだと思います。しかし、その前段としてすでに、先ほどの質問にもありましたが、五十万トンタンカーの建造許可が先月の二十九日に行なわれているわけでございます。ところが、まだかりふおるにあ丸あるいはぼりばあ丸に対する海難事故原因についての究明というものがその中途でございまして、はっきりした結論は出ておりません。さらにまた、その後の総点検で、二十次船、二十二次船あるいはその他の船舶におきましてもいろいろな問題点が指摘されておって、その問題点についてもまだ十分に解明をされていない。さらにまた、二十万トンクラスのタンカーにおきましても、たとえばシェルのタンカーが三隻ほど爆発事故を連続して起こしておりますが、その原因も明らかになっていない。この超大型船というものにつきましては、鉱石専用船だけでなく、油の専用船であるタンカーを含めまして、戦後急速に大型化したことに伴うところの技術上の諸問題においていろいろと不明な点があるというのが一般の常識なんであります。ところが、わが国の場合においては、五十万トンタンカーの建造ということについては十分確信が持てるという見通しのもとに建造許可になったというふうに伝えられておるわけでございますけれども、私どもの常識から考えると、いまの二十万トン、三十万トン程度のタンカーないしは数万トンの鉱石専用船でさえも解明されないいろいろな問題点があるにかかわらず、一挙にここで五十万トンという超大型タンカーについて確信が持てたという政府の考え方に疑問があるわけでございますが、それはどのような経過と過程を通じて運輸大臣がそのように判断をされたかという点につきまして、技術的な問題いろいろありましょうけれども、端的にお考え方をお伺いしたい、こういうふうに考えるわけであります。
○橋本国務大臣 先ほどもお答えした中に含まれておると思いますけれども、五十万トンタンカーの設計については、和田委員も御承知のとおり、四十年以来これが検討を加えて、そうして、構造上の問題については心配はない、こういう点で答申がなされて、すでにそれに近い三十二万トンという船が六隻竣工して、現在就航しておるわけであります。したがって、四十七万五千トンというものは、われわれは構造上から見て心配はない。しかし、私としましては、なお海員組合その他からの陳情もありましたから、その播磨造船所の設計書に基づいて今度は具体的に検討せよということで、一カ月以上にわたってこまかい点の検討を加えた。その構造上の問題については、検討の結果、もちろんこれは心配はないという答申であります。ただ、いろいろこの扱い上の問題、たとえば接岸の問題とかあるいは塗料の問題とか、こういう問題については、やはりからだが大きくなればなるほど、いわゆる安全技術といいますか、そういうものが重要になりますから、そういうことについてなお十分にこまかい点に配慮をした造船が必要であろう、こういう五、六項目にわたっての点を十分に気をつけてやれば心配はない、こういう点の答申がありましたので、それに従ってこれを許可した。許可した以上は、今後これがりっぱな安全性のある船として就航できますように、造船所に対しましても注文を付してあるのみならず、運輸省としても、これが造船過程において十分監督をし、あるいは調査を進めつつやっていこう、今後、大型船の海難事故についての運輸省の中における特別調査会あるいは海難審判庁等で、船体構造等につきましてももちろん検討を加えておるわけでありますから、それらによってもし支障が出た場合には、それらは修正を加えるという前提、あるいは追加をすることという一応保留をつけまして、しかし構造上の心配はない、こういう前提に立って許可をいたしたわけであります。ただ、これが運航上になりますと、何せ二十万トンと五十万トン近いものではなかなか運航上の問題もあろうと思います。したがって、これを運航する場合において、いかに船体が完全なものであったにしても、その運航よろしきを得なければ間違いが起きやすいのでありますから、それらについては、これを使用する船会社に対しては、十分これを習得するようなことを事前に訓練をすべきである、また十分船長等の意見を聞いて、そしてこれを動かす場合においてのあやまちのないようにしなさい、こういう意味のことをもつけ加えておるわけであります。私は、いまの十万トン、二十万トンの船の海難がありましたが、それの調査と並行してこのようなことを決定いたしましても、何ら将来に対しての心配はない、かように考えております。
○和田(春)小委員 確かにいまの大臣の御発言のとおり、船の安全というものは、単に構造だけではなくて、船体の構造と運航上の問題、それから関連する事件を考えますと、万一事故が起こった場合の災害の問題と、三つの観点から少なくとも総合的に検討されなければならぬと思います。 まず第一の構造上の問題について、大臣は、従来研究をしてきて、十分その点については確かな見通しがあるというふうに判断をされたと言っているわけであります。もちろんアポロが月へ飛んで帰ってくる今日でございますから、あらゆる技術を駆使いたしまして、経済性というものを度外視してつくれば、安全に浮かんで走る船はできるかもしれませんけれども、商用の船舶である以上、商業ベースというものと関連をして、費用を惜しまずに船をつくるということは実際上なかなかむずかしいと思います。そういう点に、現在経済性と安全という問題のかね合いに、非常な不信感といいますか、不安が運航要員の間にも起こっているわけですけれども、いまの大臣の御説明はたいへんはっきりしているのですが、実は大臣の部下であるある検査官が、六月八日付の業界紙にこういうことを語っているわけでございまして、その語っている内容について、これは自分の真意でないから取り消せというようなことが言われた事実はございません。全部を読むのはわずらわしいので省略いたしますけれども、こういうことを言っているわけでございます。「もともと船の安全性は船主の保守いかんによって決まる性格のものである。また、鋼船規則は船の安全性を保障するほど完全なものではない。」鋼船規則は「よりどころにすべきではない。ルールは単なる“目安”であり、保険屋のためにあると考えた方がいいだろう。」こういうふうに言っているわけであります。さらに、船につきまして造船所とメーカーの責任をどう見るかということに対して、「運航者にとって、なるたけ心配のない船をつくるのがメーカーの信用であるが、責任とまではいえないだろう。裏返して、船主はメーカーに対する信頼度からメーカーの選択を自由に行なえる立場にあり、もし悪い船をつくるようであれば発注しなければいい」、こういうことを言っているわけでございまして、これは活字になっているわけなんです。しかも、船舶安全法に基づく検査を担当する運輸省の、大臣の忠実な部下がこういうことを言っていることと、いまの大臣の御発言の間には、たいへん大きな食い違いがあるわけなんです。こういう新聞の活字の記事になっていることが事実であるのかないのか。事実でないとするならば、これは運輸省の名誉にも関する問題ですから、当然取り消しその他の処置をとるべきだと思いますし、もしこういう考え方を検査官が持っているといたしますと、大臣が幾らそういう点をお考えになっておっても、安全という面について実際の行政レベルではいいかげんなことが行なわれるのではないか、こういうふうに思いますので、その点について所見を承りたいと思います。
○橋本国務大臣 内容のこまかい点につきましては、ほかの政府委員からお答えさせますが、ものの考え方として、そのしゃべった人はそのとおりしゃべったのか、あるいは十分に意を尽くしていないのか、それはちょっとわかりませんけれども、ただ、こういうことは言えると思うのです。経済性ということをよくいわれますけれども、経済性とは何だろう。安かろう、悪かろうということが経済性かというと、そういうことは経済性という意味ではないのです。それが、たとえば三年か五年でできた船が沈んでしまった場合は、ちっとも経済性があると言えない。ただ、それかといって、今度は逆に実際上、構造上その他から考えて、鉄板の厚さを一尺にする、あるいは一寸である——技術的には私よくわかりませんけれども、一尺にしたほうががんじょう堅牢かというと、必ずしもそうも言えないのではないか、浮力の関係もありますから。ですから、そこに工学上における造船技術というものがあるのだろうと思います。もちろん、これは材料の開発の問題もありましょう。いずれにせよ、ただ厚いからじょうぶだというだけではない。そういう場合にかえって沈みやすいかもしれない。そういういろいろなことを言っているのだろうと思うのです。 私は専門家でないからわかりませんが、しかし、あくまで船をつくる場合、これが大きな船になるに従っていろいろ構造上の技術開発は必要だろうと思うのですね。たとえば中の間仕切りの間隔におきましても、従来大体十二メートルくらいの間仕切りでありますが、日本は十六メートルくらいでありますが、多少の差があるようです。これがどれが適当であるか、いろいろな調査の上からいって意見があるところでありますが、その一つがやられても他が生き残るためにはどうすればよいか、こういう技術開発の問題はあろうと思います。ですから、いわゆる素朴な意味の堅牢な船ということが、ただめちゃめちゃにがんじょうであるというだけで堅牢とは言えない。同時に、安全性ということは、もちろん構造上において万遺憾、なきを期すると同時に、そのものを動かす意味における安全性、これは和田さんも専門家だから御承知だろうと思います。 私は建設大臣もやった経験から見まして、いわゆる地震の震度の試験に行ったこともあります。こういう場合に、たとえば関東大震災は震度七、それに対して九とかあるいは一〇という震度でいまの建築基準をやっておるわけです。しかし、天体ですから、一五度、二〇度、将来そういうのがないとも限らないわけです。だが、それに合わせてものをつくって、はたしてそれが違った意味での堅牢性があるかどうかということになると、必ずしもそうも言えない。昔の建築にもあるように、五重の塔はまん中に一本の柱を通して、それがある程度弾力的に動くことをもってあの木造建築が成り立っている。あるいはまた最近の鉄筋コンクリートでも、御存じのように、船底式といいますか、船がちょうど水の中に浮いているようなものによって震度をかわす、こういうような技術開発が行なわれているわけであります。船の場合におきましても、その安全性というものは、そういう素材それ自体がただむやみに大きいとか小さいとかいう問題ではなく、総合的な技術の上から見てその安全性が確保されなければならぬ。これは当然な技術開発の目的でもあります。私は、そういう意味においてその人が言っておるのではないかと思いますけれども、もちろん私自身に話をしたことではありませんから、いずれとも判定しがたいのでありますが、少なくとも私及び私が指導しておる局長以下は、私の考え方のもとに仕事をやっておる、かように御了解願いたいと思います。
○和田(春)小委員 大臣この内容を御存じないということでございますから、大臣に対してこの問題をこれ以上質問することは省略をいたしたいと思いますが、私はこういうふうに思うのです。 かつて予算委員会において大臣に質問いたしましたときにも、大臣は、これは非常に重要な問題であるから、政府としても十分責任を感じて善処をするように努力をしようということで、その後の大型船の安全点検等にいたしましても、かつてない速断で敏速な手段を大臣は打たれまして、私どももそういう熱意に対しては大いに敬意を表してきたわけであります。また、私の質問に対して前の船舶局長は、船舶の安全保持については、これに行政権力が介入をする、検査とか安全というものについての最終責任は、行政権力が介入する以上負うべきであると考える、私の質問に対してそういう答弁も得ているわけであります。 ところが、そういう中で、これはこの発言をした人個人を責めるわけではございませんが、新聞の見出しは、「鋼船規則は単なる目安 安全性保障せず」という大きな四段抜きの見出しになって、中が語られている。そういう発言が出ていく。しかもそれが運輸省当局に不問に付されているというところに、安全行政に対する姿勢というものに対して重大な疑問を抱かざるを得ない。そういう体制の中で検討しておいて、五十万トンタンカーは安全であるという。大臣は、おそらくそういう報告を聞かれて、よろしいというふうに判断をされたのでございましょうけれども、そういう大臣に対する報告ないしは研究の過程において、船舶安全法の実施について責任を持っている行政の中で、もしかりにこれが事実であるとするならば、こういう考え方が流れているということは、その出てきた結論そのものにも重大な不安があるということになると思うのです。そして事故が起これば、それはもともとそういうふうにできた船なんだから運航した船員の責任なんだ、そういう悪い船をつくらして運航している船主の責任なんだというところに転嫁をされることになりますと、たいへんな問題だと考えるわけです。 この問題についてなぜこういうことを申し上げているかといいますと、先ほども申し上げましたように、運航の問題があるわけでありますが、大型になると、船というものは、手で道具を動かすようなわけにはいきません。やはりいろいろな想像できないような条件に遭遇するわけであります。それが不安の原因になってくるわけで、長年の経験に基づく従来の在来型の船であるならば、その経験を受け継ぎまして、その上にいろいろ研究して、安全に運航する方法というものはわかりましょうけれども、どんどん急激に大型化していくと、たとえばその船を運航する場合に、波によって生ずる内部応力というようなものはどうなのかということについても、どの程度の波なら乗り切っていいのかどうかということについても、従来の経験には全くないわけです。そういたしますと、そういう不安な要素に対する安全度というものを十分に見込んでつくらなければならぬというのが、特に運航に命を預けている乗り組み員の立場だと思うのです。 そこで、そういうことを考えました場合に、大臣も先ほどおっしゃいましたけれども、大型化すれば、理論どおり、計算どおりでいけば経済的かもわかりません。しかし、二十万トンタンカーを四十万トン、五十万トンにして、はたして燃料エネルギーのコストがどれだけ経済的に節約されるのか、石油化学製品の原材料コストがどれだけ安くなるのか、そのことと、そういう船が一たん事故を起こした場合の船自体の損失、また、その船が事故を起こした場合、タンカーから流れ出る重油で、もし鹿児島の喜入沖で事故を起こしたとするならば、潮の流れや風のぐあいで鹿児島湾は全滅の危機に瀕するということは、火を見るよりも明らかだろうと思うのです。そういうような全体的な運航自体の問題や、神ではない人間がやっていることについて、タンカー自体が安全に運航しておっても、よその船から衝突されるということもあり得るわけです。そして事故が起きた場合に回復できない災害が起こる。これを総合して検討した場合に、私は、大きいことはいいことだというのは、そろばん勘定の上の経済という面では言えるかもわかりませんけれども、今後の海運、造船政策として一がいに言えないのではないか。世界一をもって自負する造船国としての日本の場合に、ただいたずらに技術的に大型を追うのではなくて、人間のしあわせと災害のもたらす結果というものを検討しながら、一体大型化はどこまで進めるべきかという政策的な判断があってしかるべきだと思うのですけれども、その点についてひとつ大臣の所見を、もう時間がございませんので、最後にお伺いをしたいと思うのです。
○橋本国務大臣 お話のように、これは、安全性の問題は何といっても最大の条件でなければなりませんので、したがって、設計書等につきましても、特に安全の問題をやかましく私のほうから指示をいたしております。同時にまた、いまお話がありましたように、技術革新によって大型化していく、あるいは精密化していく。おそらく五十万トンとか百万トンというような船になりますと、計器運航ということがかなり重要になってくると思います。そういう場合に、それを運航する人の技術の習得という問題もこれからは考えなければならぬ問題でありまして、さあできたから、いままで五万トンの船に乗っておったからすぐ乗れといったって、そうはいかぬだろうと思うのです。せんだって、サンフランシスコの飛行場の手前で水に着陸をした。一名のけが人もなかったから、当時新聞紙上で非常に沈着なる行動として称賛をされましたけれども、いろいろ調べてみますと、やはり計器を無視したといいますか、計器の扱い方が十分でなかったということのために、水中に目測でもっておりてしまった。こういうこともありますからして、したがって、これはもちろん構造自体の安全性の強化をはかっていくということは当然でありますからして、その点については、船舶局あるいは運輸技術懇談会等においては最善の努力をしてもらいたい、こういう意味で、強くその点を要望してあるわけであります。 同時にまた、いま言ったように、安全性というものは総合的な問題でありまして、よく、自動車は人を殺す武器だ、こういっておりますが、結果だけを見て、自動車は人を殺す武器だ、こういう言い方は自動車に対して少し気の毒だと思うのです。これまた、お互い運転する人も歩く人も、やはり総合的な安全に対する考え方、こういうものを持っておりませんと、どんな計器をつけてやりましても、それを無視してやれば追突も起きるだろうし、ぶつかることもあるのでありますからして、そういう意味で、安全性は、もちろん技術的に機械的に安全性を保たなければならぬと同時に、総合的ないわゆる安全性というものも考えていかなければならぬ時代に入ってきた。こういう意味で、おっしゃるように、これからの大型船の問題につきましては、十分最善の措置を講じて、まず第一に安全性を確保すべきだ、こういう立場からつくっていきたい、かように考えておるものであります。
○加藤小委員長 宮井君。
○宮井小委員 それでは先ほどに引き続きまして、まず最初に、先ほどの大臣のお話にも出てまいりましたが、この四十七万トンタンカーを許可されましたときに付帯条件をつけておる。条件付で石川島播磨重工に許可したということになっておるわけですが、その条件というのはどのような内容のものであるか、その点を具体的に御説明願いたいと思います。
○田坂説明員 この具体的な条件と申しますか、これは先ほどちょっと大臣のほうから御答弁がございましたように、運輸省におきまして、昭和四十年から引き続きまして今日まで、オイルタンカーの大型化につきまして検討を続けてきたわけでございますが、昭和四十三年三月に五十万トンタンカーの試設計が運輸省船舶局においてなされております。このときに、重要な問題点につきましてはほとんど摘出をいたしまして、その解決策も立てられております。今回グローブティックタンカーズの四十七万七千トンの臨時船舶建造調整法に基づきます建造許可の申請がございましたときに、提出されました図面その他を調査いたしましたところ、こういう点につきまして十分配慮がなされておることが確認されましたが、この配慮がなされておりますことがなお確実に実施が行なわれ、また当局といたしましてもその実施を監視いたしたいということで、条件を付したわけでございます。 さて、その条件でございますが、大体、船体構造、それから操縦、機関、試験及び運輸省の点検、監督、指示、そういった面についてなされております。一方、この運航をいたします東京タンカーにつきまして、主要港、運航上の方式を確立する、台風、火災等に対する対策を確立する、就航後におきましてその資料を今後のために十分提出する、それから乗り組み員に対しまして運航マニュアルを作成し、これを熟知させる、こういうようなことが付せられました条件であり、また指導でございます。
○宮井小委員 それでは、それに関連いたしましてちょっとお伺いいたしますが、完成後にはペルンア湾と鹿児島を結ぶ——これは日石グループのCTS、原油中継基地をピストン就航するということでございますが、ここだけなのか、それとも他の基地等も考えられるか、その場合、どの辺に当たるかということをお聞きしたいと思います。
○田坂説明員 ただいま申し上げましたように、現在では日本国内では喜入港のみを使うことを指導いたしておりますし、一方、この程度の大きさの船が適当に使われますところはペルシア湾の基地でございますので、ただいま先生から申されました航路のみが現在考えられておるものでございます。
○宮井小委員 それでは、ただ一隻のみが許可されたのか、それとも今後次の段階を考えられておるか、その点をお伺いします。
○田坂説明員 今回考えられておりますのはこの一隻のみでございます。
○宮井小委員 それでは、先ほどの大臣への質問とちょっと重複いたしますが、この大型タンカーの建造は、さきのぼりばあ丸をつくりました石川島播磨造船でございます。同船の沈没原因はいまだ決定的に解明されておらない。先ほどもお話ししたとおりでございますが、そういう状況の中にありまして、この造船所に建造を許可された、こういった点に私は問題があるのではないか、かように思いますが、局長の見解はいかがでございましょう。
○田坂説明員 ただいまの件でございますが、ぼりばあ丸の事故につきましては、ただいま海難審判庁におきまして事故の究明が行なわれております段階でございますが、その事故につきましての造船技術審議会からの建議の内容によりますと、船体の構造上の問題につきましてはほとんど問題がないということでございますし、先ほど来、大臣、私のほうから御答弁申し上げておりますように、この五十万トンタンカーにつきましては、安全上も含めまして十分な対策が講じられておりますので、私どもは確信を持っております。
○宮井小委員 それに関連いたしまして、一方ではこういう意見もあるわけでございます。確実に利益を確保できる二十万または二十五万トンタンカーの建造にいま力を入れていくべきではないか、専念すべきではないか、建造コストが予測難であり、わからないという点から、はたして利益があるかどうかも詳しく判明しないという四十万、さらには五十万トンタンカーはまだ早急ではないか、極端に言いますと、建造すべきではないというような意見もあるわけでございますが、そういったことに対してはどのようにお考えになっておりましょうか。
○田坂説明員 ただいまの御質問でございますが、海運政策上の問題につきましては私ども所管外でございますが、五十万トンタンカーを使うべきか、二十万トンないし二十五万トンタンカーを主体にいたすべきかにつきましては、現在の港のそれぞれの条件も違いますし、それぞれの港に合ったもの、そういう需要にこたえて安全な確実なものをつくっていくということが私ども船舶局の責務ではないかと考えております。
○宮井小委員 先月の二十二日に大型専用船海難特別調査委員会の中間報告が発表されておるようでございますが、その報告内容をお聞かせ願いたいと思います。
○見坊説明員 二十二日の特別委員会におきまして、当面措置すべき対策が発表されましたが、その内容は、第一に、波浪予報体制の整備。これは船長への情報提供が必要でありますが、海外でこういう例もございます。波浪予報体制の整備につきましては、技術的にむずかしい点もございますが、日本ではこれから着手をしたいと思います。 二番目に、パイロットチャート、波浪図等海図の整備。最近のデータに基づきまして、内容をさらに改善をいたしたいということでございます。 三番目に、運航マニュアルの作成。船長は相当の経験とその運航に関する知識を持っておるわけでありますが、荒天時等に適切な措置ができるように、極力科学的なマニュアルを作成して、その運航の資料に資したいということでございます。 次に、救命システムの整備。個々の救命施設のみならず、システムとしてアプローチを行ないまして、救命設備全体の見直しを行ないたい。 それから、波浪外力に対する船体強度の点でございますが、荒天時における船体強度の検討を行ない、船体強度基準の一そうの精密化をはかりたいということでございます。 それから、腐食対策と損傷、腐食の早期発見。かりふおるにあ丸の原因とは別個の問題でございますが、類似船の点検結果から見まして、防食工事の励行をより一そう徹底いたしますとともに、出航前の点検の実施を容易にして、点検の励行をはかりたい、項目としては以上のことでございます。
○宮井小委員 ただいまお伺いしてわかりましたが、全体的に見まして、海象、気象、運航問題等がクローズアップされまして、私の感じといたしましては、船体構造という問題が薄らいでおるのじゃないか、このように思うわけでございます。きょうの新聞等を見ましても、大型専用船海難特別調査委員会の調査によりますと、かりふおるにあ丸の沈没は法定喫水線を無視した無謀な航法にも事故原因があった、かように出ておったわけでございます。これまで船体強度等に集中いたしておりました調査が、ミス航法といった点に切りかわった調査になっていっておるのか。運航上無謀な航法という点をどの程度重要視しておるのか。また、先ほど申し上げましたような船体構造という面が薄らいでおるという二点。それから、次の結論はいつごろ出るのかということ。そして最後に、最終結論ははっきりといつ出るのか、この点をお伺いしたいと思います。
○見坊説明員 ただいま新聞のお話がございましたが、気象庁に入りました気象電報から見まして、ほぼ新聞に報道されたような航路で北緯三十五度以北の冬期帯域を航行していたということ。さらに、ロサンゼルス出航時の喫水量が特別委員会で説明が行なわれました。しかし、これらの点が海難にどのように科学的関連を持っているか、これはまだ今後の調査をまたなければならないわけでございます。 それから、特別委員会の今後の予定でございますが、六月二十二日に当面措置すべき対策が発表されましたので、それを含めまして今月中に委員会としての中間報告を取りまとめる予定でございます。それが終わりまして、ことしの秋、冬にかけまして荒天時における実船計測調査を行ないまして、来年の三月ごろまでには結論を最終的に取りまとめたいということで委員会にお願いしてございます。
○田坂説明員 残りました、船体構造について言及されておる方が少ないではないかというお話でございますが、この大型専用船海難特別調査委員会の中に、約二十人以上の専門家によります船体部会を設置、二月二十日以来現在まで部会を三回、ワーキンググループによります検討を四回開いてまいりまして、詳細に現在まで調査が進められ、また今後も進められます。また一方、次官通達によりまして、鉱石運搬船六十九隻の点検も現在六十二隻が点検され、その詳細報告は三十八はいのものが現在当局にまいっておる状態でございますが、現在の段階では、特に船体強度において問題点があるという点が見つかっておりません。こういう段階でございます。なお今後詳細に調査いたしたいと思っております。
○宮井小委員 時間があまりございませんのであれでございますが、次に私が質問したいと思っていたことなんですが、ただいま少しお話が出ましたけれども、かりふおるにあ丸と同型の鉱石船六十九隻の総点検が二月より行なわれておる。その結果がどうなっておるか。それからまた、続いて行なわれました二十次造船のタンカーの総点検も途中で始められたわけでございますが、その結果がまとまっているかどうか、その点をお伺いします。
○田坂説明員 まず第一に、鉱石運搬船六十九隻につきましての点検の進行状況でございますが、ただいままでに点検を完了いたしたもの六十二隻、点検結果の詳細報告のあったもの三十八隻でございます。これらの報告から、おおむね次の傾向と問題点が判明いたしております。 発見されました損傷は、接岸等による損傷を除けば、ほとんど軽度のクラックでございます。接岸損傷は外板の凹入が軽微でありましても、内部構造部材に相当な損傷を受けているものがございました。なお、これらの船舶につきましては、海難報告が提出されておりますが、内部の損傷の有無を確認するための点検はしているものがほとんどございませんでした。バラストタンク内の塗装されていない部分では、一部の衰耗の進行が非常に早いということが判明いたしております。一方、十四隻のオイルタンカーにつきましては、現在まで四隻の検査しか行なわれておりませんが、この傾向はおおむね鉱石運搬船の点検に準ずるものであるということが現在の傾向でございます。
○宮井小委員 それでは次にお伺いしたいことは——時間がございませんので、もっとあるのですが、これで最後にいたします。 かりふおるにあ丸と同型船で、七月から、先ほどもお話が出ました実船計測により、波浪が船体に与える影響、こういう検査を行なう予定であると伺っておるわけでございます。同船は日本郵船の船を使用するということを伺っておりますが、危険性の高い検査であるためにあまり乗り気ではない、そのために計画が予定よりおくれるのではないか、こういったことも聞いておるわけですが、運輸省としては今後どのように進めていかれるか、この点をお伺いいたしまして、終わりにいたします。
○田坂説明員 ただいまの実船計測でございますが、船体に加わります衝撃的な波浪外力を計測いたしまして、荷重の大きさ、形をいままでより以上に明確にいたしまして、構造基準を精密にする、こういう目的で計画中でございます。計測事項といたしまして、水圧計測、運動計測、波浪観測等でございますが、先生の御指摘の危険性につきまして、日本郵船の船ではないかという点につきましては、まず、日本郵船の船と現在きまっておりません。それから、ただいま気乗りでないという点につきましては、私どもまだこの点につきまして伺っておりません。
○加藤小委員長 和田君。
○和田(春)小委員 先ほど大臣に質問した続きと、それから海難特別調査委員会の経過について、二点にしぼって質問したいのですが、まず最初に、いまの宮井委員の質問に対しまして、五十万トンタンカーの建造許可については、当面考えているのは一隻のみである、こういうふうに田坂局長はお答えになりましたけれども、私たちが得ている情報によりますと、英国のグローブティックと石川島播磨との間の契約によるタンカーは四十八年竣工の見込みでございますが、それより先に、本年の十一月に起工いたしまして、明年四十六年の十一月竣工の予定で、四十万トンタンカーが船台をすでに予約をしているという話を聞いておるのですが、御存じですか、御存じありませんか。
○田坂説明員 ただいまのお話は国内船のことではないかと思いますが、それでございましたら、四十万トン程度の船の建造許可の申請は参っております。
○和田(春)小委員 そういたしますと、船をつくるという面について、片方は外国の会社でありますが、これは日本の会社が向こうにつくらして用船して運航する。それから多少小型ですが、四十万トンは日本の船主がつくる。結局一隻のみというのはことばのあやであって、実は五十万トンの建造許可という中は、それよりも先にでき上がって就航する、日本の従来の型よりも一回り、二回り大きい四十万トンの建造というものの伏線として進めているというふうに理解をするのが常識だと思うのですけれども、その点いかがですか。
○田坂説明員 先生のおことばを返すようでまことに申しわけございませんが、そういうことはございません。四十万トンといいますか、三十七万トンタンカーにつきましては、現在日本開発銀行におきまして資金面の審査が行なわれている段階でございまして、その審査の終了を待っておる段階でございます。それはそういう先生のおっしゃられるような理由によりまして前後いたしたわけではございません。
○和田(春)小委員 ところで、そういう答弁ですから、ここで水かけ論をやってもしかたがないと思って、私は事実を通じていろいろなことを考えているのですけれども、グローブティックの五十万トンタンカーの建造許可をしたのは、表向き六月二十九日ということになっております。その前に海員の代表が次官のところに行ってお会いいたしまして、こういう建造については慎重に扱ってほしいという申し入れをしておるのに対しまして、当時の次官の答弁として私たちが聞き及んでいるところは、決定をする前には海員組合に連絡をするというふうに言われたそうであります。しかし、事実関係は、すでにその前に内諾が与えられておる。そしてこの六月二十九日という日は、実はグローブティックとこれを請け負った日本の造船所のキャンセリング・デート、つまり、それは解約の期限である。こういう点を考えますと、二十九日に建造許可をしたというのは単なる形式的のものであって、事実上はすでに仕事を進めさせている。それも安全に対して十分な見通しが立ったから許可したというよりも、むしろこの造船の解約をおそれるという経済的理由が先に立って、二十九日に形式的な許可を発表したというふうに勘ぐられてもしかたがないような事実が符節をしているわけですけれども、その点いかがですか。
○田坂説明員 まことに事実がそういうふうになりまして、先生のおっしゃられるような想像がされるのもいたし方ないと思います。本件につきましては、五十万トンタンカー造船技術検討会におきまして審議が終わりましたのは十五日でございまして、その結果、建造許可の手続をそれ以来進めましたところ、最終的に皆さま方、いま先生のおっしゃられる全日海の方々のお話等を聞く機会をつくり、また大臣の御了解を得る、そういうために日がたちまして二十九日になったわけでございまして、どうかその点よろしく御推察願いたいと思います。
○和田(春)小委員 この点について、先ほど大臣もやはり安全ということを非常に重視しなければいけないとおっしゃったが、経済性といっても安全あっての経済性だと思うのです。特にそういう飛躍的な大型船がつくられていく。もしこれで四十万トン、五十万トンが建造されますと、あるいは勢いのおもむくところ、百万トンタンカーの建造というところまで急速にエスカレートしていくかもしれないというときには、やはりこの安全という問題を十分重視して、政府の姿勢というものもき然としたものがなければ、そのつど言いわけばかり繰り返していなければならぬことになるのではないかと思うのです。ここでいま局長が、そう思われてもしかたがないが、そうではない、こう言われますから、それはそのとおり答弁としてお聞きしておきますけれども、今後のこういう行政の、政府の姿勢というものについては、十分注意をされるように希望しておきたいと思います。 次に、大型専用船海難特別調査委員会の関係ですけれども、これは、この前出されたのは、中間報告といっても一種の経過報告のようなものであって、あと今月中に取りまとめて発表したいという御答弁でございましたから、内容の具体的なことにつきましては、そういうある程度整った報告が出た段階で質問したいと思うのです。 ただ、この前の発表に関連しまして、この問題の扱い方に対し、私は重大な疑問を持っているわけなのです。私どもは、この大型専用船海難特別調査委員会が設置された目的は、ああいうぼりばあ、かりふおるにあというような事故が続いて起きた。外国船も時期を同じくしていろいろ事故を起こしている。そこで、なぜ海難が起きたのか、その原因を追求するために設けられたと理解をしておったわけです。ところが、正規の中間報告ではないにしても、出てきたものを見ると、早急に着手すべき対策ということで、気象、海象の予報体制がどうだとか、パイロットチャートがどうだとか、運航マニュアルがどうだとか、海難救助体制がどうだとか、海難救助というものは事故が起きてから人を助けることなんですけれども、事故原因の究明とはおよそ関係のないものが出てきている。そして一方では、今回の事故は船体構造に原因があるのではなくて、運航に問題があるのではないかという——船長は不幸になくなられたわけですけれども、船員の運航責任のほうにもつばらすりかえようとする言論が、あるいは風評が政府のほうから盛んに流れているというようなことを総合的に見ると、一体これはどういう目的で作業しているのかということに重大な疑問を抱かざるを得ないわけなんです。そしてその運航者のほうの代表については、利害関係者は除くという口実のもとに、この委員会からはシャットアウトしているというのが現実である。したがって、一体何が行なわれているのか、その運航者を代表する海員組合なり、そういうもののほうの人たちの意見を代表する人はさっぱりわからぬという状況になっているわけです。一体この特別調査委員会がどういう方向で審議を進めているのか。私たちが受けているような印象でやっておられるのか、ほんとうに事故原因を究明するために真剣にやっているのか、その点をお伺いしたいと思うのです。
○見坊説明員 この委員会の目的といたしますところは、大型専用船の海難防止のための総合的な調査を行ない、その対策を検討するということでございます。したがいまして、総合的な調査、それからその対策の検討、二つに重点が置かれておるわけでございます。 いままでの委員会の経過を簡単に申し上げますと、四十五年二月二十日に第一回委員会を開催いたしまして、以来六月二十二日まで四回の会合を行ないました。その間、具体的な作業は、委員会の中に設けられました三つの部会、気象海象部会、運航部会、船体部会の三つの部会において作業が進められたわけでございますが、その内容は、まず総合的に調査すべき事項を摘出いたしまして、それらの調査の実施またはその準備を進めますとともに、早急に着手すべき対策の策定を行なったわけでございます。先ほどもお答えいたしましたが、現在までの段階で調査した結果につきましては、今月中に中間報告をまとめるということで、委員会のほうにお願いをしたいという予定にいたしております。 そこで、当面の対策でございますが、先ほど申し上げました当面の対策は、この特別委員会が総合的な調査を行なっている間に、今回の海難原因とは直接結びつかないものであっても、大型専用船の海上における人命安全を増進するために必要と思われる事項を委員会がまとめたものでございます。したがいまして、この委員会は、当初の目的でありますその総合的な調査の方向を変えておるものではございません。
○和田(春)小委員 どうもその総合的というところに、私はこういうことばを使うのはあまり好まぬのですけれども、非常に官僚的な逃げ口上といいますか、そういう臭気を感ずるわけなんです。というのは、なぜそういうふうに言うかといいますと、ともかく何度も私はこの質問のときに言っていることですけれども、あの事故が起きたのは、何万トンという船が岩にぶつかったのでもない、衝突したのでもない、エンジンが爆発したのでもない。波にぶつかって曲がって沈んだということが事実なんです。そこが一番大きな問題なんです。その原因を追及せずに対策が立つとは、われわれ専門的な立場から考えられない。その原因というものがあと回しになって、総合的という名目のもとに運航上のような問題が出てくることに重大な疑問を感ずる。これは国会の品位に関しますから、私は具体的な名前をあげません。しかし、あなた方の先輩になって、運輸省の中で関係の重要なポストにおった人が、これもまたある公式の政府も関係している会議の席上で、かりふおるにあ丸の事故については、満載喫水線条約の法規に違反をして、冬季満載喫水線、三十五度以北を走っておる、そういうことに違反して走っておる船について事故原因なんかを調査する必要がない、違反したことを摘発することが先だ、それが特別調査委員会の大勢であるという報告をしている。どこでだれが言ったかということを聞きたければ、委員会が済んだあとで申し上げてもよろしいけれども、国会の席上ですから名前は言いません。そういうことを言っている。そしてあの二十二日に中間報告が発表されました。これは正直に言って、たいへん評判がよくなかった。聞くところによると、運輸大臣は事務当局に注意を与えたそうであります。大体事故原因の追及とは見当はずれではないかというのがもっぱらの評判であった。そうすると、きょうの運輸委員会をねらったかのごとく、けさほども某新聞に「“航法ミス”も原因に浮かぶ」という形でいろいろこまかいことが書いてある。しかし、このかりふおるにあ丸がどういう位置で沈没をしたのか、どういうコースを走ってきたのかということは、いま初めてわかったことじゃない。これは初めからわかっていることなんです。みんな関係者は知っていることなんです。それがこの時期になぜことさらにこういう問題が出てくるのかというところに、運輸省の姿勢というものが、事故原因をうやむやにして、問題を死人に口なしで死んだ船長はじめ運航責任者におっかぶせてごまかすのではないか、こういう重大な不信感をわれわれは持っているのです。ですから、このことについて、そんなことはないならないということを、ひとつ船舶局長なり海運局長からはっきり明言してもらいたいと思うのです。
○見坊説明員 委員会で海難の原因が運航者側にあるかないかというような空気があるのではないかというようなことは、私、承知している限りでは、委員会の中ではそういうことはございません。というよりも、海難の原因が運航者側にあるという空気があるということではございません。委員会では調査中の段階でございますから、もちろん委員の先生方からはいろいろな見解が述べられます。しかし、委員会として正式にまとめた見解というのは、先日発表されました二十二日の「早急に着手すべき対策」というところまででございます。全体を含めましたその経過等につきましては、近く、先ほど申し上げましたように、中間報告として取りまとめるということに相なっております。
○和田(春)小委員 それでは、時間の関係であとの質問は次に譲りまして、一点だけお伺いしたいと思うのですが、けさの「“航法ミス”も原因に浮かぶ」という新聞の記事、一流紙でございまして、その前書きによると、大型専用船海難特別調査委員会の作業の中から出てきたという形で、かなりこまかい数字が喫水その他についてのぼっておりますが、これはそこからデータを持ってこないと、簡単にしろうとの書ける記事ではないと思う。非常に専門的に詳しく書いてある。だれかがおそらくこの資料を渡して説明したのに違いない。そこで、この内容はやめますけれども、ここでいわれていることは、この船がいわゆる三十五度ラインをパラレルに航海せずに、それより少し北側に入っている。確かにこのことは満載喫水線の規定に関して違反をしている点だと思うのです。そして、その場合に喫水が若干深いということが指摘をされて、そういうことが事故の原因ではないかというふうにいわれているわけですけれども、これはこの前国会の会期中に私が質問したのですが、かりふおるにあ丸は、いわゆる日本政府がリーダーシップをとって国際満載喫水線条約を改正して、多く積めるようにしたわけです。そういうふうに、簡単な費用、六千万円ほどをかけて改装工事をして、六千トン近い、いわゆる一割くらいの重量は積めるようにしたわけですけれども、それ以前における喫水は、夏季満載喫水は十二メートル〇九四であります。そして増トン工事をした結果が十三メートル〇五三と、約一メートル近く喫水がふえているわけです。もしこの工事をせずに、満載喫水線条約の改正をしないまま建造当時の本船のデータで走っておれば、夏季満載喫水線をもってしても、冬季満載喫水線、建造後のそれよりなおかつ六百八十八ミリ、七十センチ近く船足が軽いことになっているはずである。しかも一割も船の重量が大きくなれば、当然外部から力がかかってくる。船体の集中応力であるとかいろいろな面において、波に当たるとかいう点において問題が出てくるかもわからない。かてて加えて、この船の建造、計画造船によって政府が承認した速力というものは、保証スピード、満載時十五・五ノット、そしてシー・マージン一五%と見ているわけです。したがって、もし一五%ぎりぎりに食うとすれば約十三・一七五ノット、そうするとこの船の運航計画はほぼ達成されますけれども、一割近く増トンして船に荷物を積みますと、当然スピードが落ちるわけです。そうすると、スピードが落ちた船で、計画造船で償還しなくてはいけませんから、その場合の積み荷保証と当初に立てた計画というものは、経済的な条件としてかなり重く船主にも船員にも押しかかってくるわけです。かなり過酷な運航をやらなくてはならないわけです。もしあの船が三十五度の線をパラレルに航海すると、これは五千三百二十マイルありますから、計画の十六・五月という日数で航海しなければならぬとすると、約十三・五ノットの平均速度を出さないと走れない。相当無理な航海をしなければならぬことになるわけです。そういう条件がそこにあるわけです。もし調査特別委員会の委員の諸君がこういうデータを流して、わずか数センチか十センチ足らず満載喫水線が積み過ぎであるということが事故の原因であるというなら、日本政府がリーダーシップを握って、一メートルも深く船に荷物を積めるようにした。しかも二区画可浸を一区画可浸に変えた。そしてその補強工事はきわめて簡単なものであって、それをやった造船所自体がNKにデータを提供したけれども、インプット・データを提供しただけで、どういう判断をしたのかわからぬということをいっている。常識的に考えて、船が重くなり足が入ったということで、速度が落ちたということによって、運航スケジュールにかなり無理をしなければならぬという問題点がある。なぜそういう問題点を総合的に公平に発表するようなことをしなかったのか。これをだれが説明をして、だれがこういうデータを出したのか。こういう一方的なやり方をはっきりしてもらいたいと思うのです。
○見坊説明員 新聞に報道された内容がだれによって出されたのか、これは私存じません。
○田坂説明員 ただいまの喫水を一メートルほど深くした問題につきまして、そのときに、構造上必要な強度の補強はやっております。 それから、先生のおっしゃるように、船が重くなりスピードが落ちるということは、確かにそういうことかと思います。 それから、満載喫水線規定の違反ということはございますが、いまだそのことが特に船体の事故につながるということにつきましては検討いたしておりません。
○和田(春)小委員 時間が来ましたので、最後に強く要望しておきたいのですけれども、そういうゆがめた情報が外部に流れたり、特に命のかかっている船員の不安や不信をかき立てるような方法をやってほしくないと思うのです。やはり波にぶつかって船が曲がって沈んだんですから、なぜそういうことが起きたのか、曲がらぬような船はつくれるのか、つくれないのか。もし船自体の構造が経済性との関係で十分なものができないとするならば、そういう事前の情報を関係者に十分に与えて注意を喚起するとか、そういうことがあって初めて対策に発展していくわけですから、なぜ波と船体との関係で沈んだのか、その辺の原因究明に積極的に取り組んでもらうことを特に要望しておいて、きょうの私の質問を終わります。
○斉藤(正)小委員 関連して若干お尋ねをいたしたいと思いますけれども、相次ぐ海難事故に関連をして、新造船に対するいわゆる船体検査の問題であります。お答えいただける人がいるかどうか知りませんので、いなければこの次に回しますから、わかっている人でお答えを願いたい。 それは六月二十七日、大阪府警捜査二課は近畿海運局の関係者の取り調べをいたしました。これは、船舶検査官が造船会社からいわゆる収賄をした疑いがあるということであります。このことは今回が初めてではなくて、四十三年四月に兵庫県警は神戸海運局を摘発をし、やはり検査をめぐる汚職の問題を追及いたしております。このことで私がお尋ねしたいのは、実は新聞の記事でありますから、間違いがあったら御訂正をいただきたいというように思うわけでありますけれども、神戸のある造船所業者は「船が完成する前から、就航日程、荷役の仕事まで決っているほどだ。検査でひっかかるとすべてが狂い、大きな損害を受ける。それだけに検査担当官の顔色をうかがうのは当然だ」、こういうように言っております。また、これは大阪の大手の造船業者でありますけれども、「船の大型化に伴い検査内容が複雑になった。このため検査時間が長びく。早く検査をすませたいので、検査官の心証をよくしようと手厚いもてなしをする。また、検査官もそれを要求する。悪循環はつづきますよ」、こういうことを言っているのであります。一体、早く検査を済ませたいので、検査官の心証をよくしようと手厚いもてなしをするというようなことが常識になっているのかどうなのか。検査官もそれを要求するというようなことが常識になっているのかどうなのか。こういうことがもし許されているとするならば、いかに造船技術が発展しようと、いかに大型船舶がつくられようと、あるいはいかに乗り組み員の皆さんが周到な操作をしようと、検査に手抜かりがあって、検査がいいかげんに行なわれているというようなことが基本的にあるとするならば、これはもうもってのほかであって、このことから正していかない限り、続発する海難事故の抜本的な対策は不可能ではないかというように思うのですけれども、局長、こういう新聞記事、あるいは事実摘発を四十三年にも受けているし、今回また受けているということからかんがみて、どのようにお考えでありましょうか。
○田坂説明員 ただいま御指摘の近畿海運局におきます汚職につきましては、検査官というお話でございましたけれども、これはたいした問題ではございませんが、これは測度官でございます。 その測度官の問題でございますが、こういう重要な問題が起こりましたことにつきまして、私どもは今回まことに申しわけなく思っておる次第でございます。しかし、かかる問題につきましては、従来からも、また今後も十分注意いたしまして、絶滅を期したいと存じておりますので、どうかよろしくまた御指導願いたいと存じます。
○斉藤(正)小委員 たいした問題ではない……。
○田坂説明員 それは、検査官とおっしゃったのは間違いでございます。その間違いはたいした問題ではございませんがということでございます。
○斉藤(正)小委員 それでははっきり申し上げますよ。「大阪市港区築地四丁目、近畿海運局の登録測度課を収賄容疑で捜索、同課測度係長の船舶積量測度官」、私の言った検査官という間違いはたいしたことはないかもしれぬけれども、近畿海運局の役人であることは間違いないわけで、局長は今後よろしく御指導願いたい、こう言うのでありますけれども、造船業者が「早く検査をすませたいので、検査官の心証をよくしようと手厚いもてなしをする。また、検査官もそれを要求する。」、これが測度官であろうと何であろうと近畿海運局に籍を置く人である。また、別な捜査はNKの担当を捜査いたしておりますけれども、手厚いもてなしをする、そしてまた検査官もそれを要求する、こういうことが常識だということになってくると、これはもうたいへんなことではなかろうかというふうに思うわけでありますけれども、こういうことに対して一体どういう指導をし、配慮をしてきておられるのか、伺いたい。
○田坂説明員 造船所の工事が予定どおりいくということにつきまして、造船所が非常に関心を持っておることは事実でございますが、それにつきまして検査官の行動が制約されたり、またそれにつきましてその検査官の顔色を見たり、また検査官が待遇されることを要求いたしたり、そういうことは常識的には行なわれておらないと確信いたします。しかし、今回こういう事故もございましたし、なお一そう私どもは注意いたしまして、今後絶滅を期したいと思います。 また、先生の御質問の、いままでどういうことがなされてきたかということでございますが、私つい先ごろまで東北海運局におりましたが、本省からは逐次綱紀粛正につきまして十分なる指導が来ておりましたし、それを私といいますか、地方海運局長及び担当の船舶部長、これから常々ただ一人現場におもむきます検査官、測度官に十分注意をいたしておりました。いずれの局におきましてもこういうふうに行なわれているものと存じます。
○斉藤(正)小委員 四十二年当時も、兵庫県警が神戸海運局を摘発した際、「同海運局の検査官のほとんどが酒食のもてなしを受けている事実が明るみに出た。事件を担当した捜査員は「船舶検査のどこをたたいても、不祥事は出てくる」といい、大阪府警に贈賄容疑で摘発された新浪速船渠会社の幹部も「どの業者も船舶検査のときは酒食のもてなしはしている」」、これは調べた警察の調書に書いてあるのです。供述している。こういうことがあったのでは、どのような機構を設け、どのような研究をし、どのような技術を誇りましても、肝心かなめの検査に手抜かりがあるとか、あるいは甘い検査をするとか、あるいは不正、不適格な個所を見落とすとかいうことになれば、何のことはない、船の土手っ腹に穴があいたまま就航させることと同じことになる。今後十分注意をしていただきたいというように思っているわけであります。もう一度ひとつ決意のほどを伺いたい。
○田坂説明員 ただいま先生から御注意のありましたことにつきましては、もしそういうことがあるといたしますれば厳重に注意いたします。私は、現在そういうことはないと確信いたしておりますが、なおかつ十分に今後注意をいたしていく覚悟でありますので、よろしくお願いいたします。
○斉藤(正)小委員 そこで、日本海事協会と海運局の新造船に対する検査のセクションが分けられておるわけなんです。海運局はどことどこを検査をする、海事協会はどことどこを検査をする、こういうことになっておるようでありますけれども、一時、神戸海運局では、海運局の検査官を少しでも誘惑の場から遠ざけようと、日本海事協会の検査権限のワクを広げ、海運局の検査量を減らせば何とか汚職から逃げることができるではないか、要するに、検査の量が多いとどうしても汚職にひっかかりやすい。したがって、海事協会のほうになるべく検査のワクを広げて担当させて、海運局のほうは後退して、ほんの少しの検査で逃げようじゃないかというようなことすら考えた。これは事実でありましょう。こういううしろ向きの姿勢で安全が保たれるわけはないと思うわけであります。したがって、いまのお答えでわかりましたけれども、二度と再び、ささいな汚職でありましても、事海運に関し、事造船の検査に関しあったという場合には、私は徹底的に追及いたしますから、よくこの点は御理解をいただき、今後きびしく部下を督励、監督をしていただきたいと思います。 大臣がいらっしゃいませんので、またこの次の小委員会にでも大臣等にも伺ってみたいと思いますけれども、以上で私のお尋ねを終わります。
○加藤小委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十九分散会