運輸委員会 第31号
- 発言数
- 189 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1970/10/09
会議録
○福井委員長 これより会議を開きます。 陸運、航空及び日本国有鉄道の経営に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。砂田重民君。
○砂田委員 きょうは運輸省に、関西の新国際空港の問題について伺っておきたいと思います。時間があまりありませんので、関西に新国際空港を早急に建設しなければならないという必要性であるとか、伊丹空港がその満腹時期がこういうふうにくるからこうだ、そういったふうなことは、私どもも四十三年以来、歴代の大臣がこの委員会でもたびたび御発言になってよく承知をしておりますので、きょうは関西新国際空港の建設の準備を進めてきておられる運輸省に、今日の時点でその準備がどこまで来ているか、今後の進め方はどうなのかというふうな点を伺っておきたいと思うのです。 ごく最近までは、私どもはこういうふうに承知しておりました。別に運輸省がきめられた候補地ではないけれども、各方面でいわれるところの候補地というものが、島の上、湾内の埋め立て、内陸部あるいは内陸部にある湖水の埋め立て、岡山県から滋賀県に至る間にずいぶんたくさんの候補地と呼ばれる個所が何カ所かあったわけですね。これを今日の時点でどの程度まで運輸省としてはしぼってお考えになっておられるか、今日の段階で運輸省で候補地という名前で取り組んでおられるのは、世間でいわれるところの候補地と称する個所からどの程度にはしぼってこられたのか、できるだけ具体的にお答えをいただきたいと思います。
○内村説明員 新関西空港でございますけれども、ただいま先生からお話がございましたように、この必要性その他につきましては十分御存じでございますので、あえて御説明申し上げません。 そこで、その進捗状況でございますけれども、組織的には、九月九日に航空局の中に関西新空港調査計画室というものを設けまして、そこでもって準備を進めているという状況でございます。 そこで、空港の位置その他でございますけれども、まず考えます場合には、新関西空港というものは国内及び国際双方に使われるものであるということが一つであります。と申しますのは、現在大阪では伊丹空港がございますけれども、やはりこれが御存じのように遠からず国内線として限界に達すると思います。したがいまして、どうしても国内線用の空港というものが必要であるということが一つ、それから国際線もあわせて必要であるということでございます。なぜ国内線を申し上げたかと申しますと、そのために、したがって関西地区からそう遠いところでは役に立たないだろうということで、少なくとも京阪神地方から三十分ないし一時間くらいで到達できる距離内につくらなければいけないということが一つであります。 それからもう一つは、やはり騒音の問題でございます。将来航空機の騒音というものも、だんだん低下してくる傾向にはございます。すでにDC8やジャンボのほうが騒音が少のうございますし、今後出てまいりますエアバス等につきましては、さらに騒音が低いものが出てくるように考えております。と申しますのは、国際民間航空機関におきましても、あるいはアメリカのFAAにおきましても騒音基準をつくりまして、もっと低いものでなければ就航を認めないことになっておりますので、そういった関係から、騒音は逐次低くなってまいると考えております。しかし、依然として皆無にするわけにはまいりません。したがって、人家その他に迷惑をかけないような場所に飛行場をつくりませんと、いろいろな抵抗もございまして、しょせんこれは実現いたさないということから、そういった意味で、人家の上等をなるべく飛ばないように設定すべきであるというふうなことを考えております。 そういたしますと、やはり内陸方面に大きな場所を、そういった意味で一般の環境に影響を及ぼさない大きな場所を認めることは、実際問題といたしましてなかなか困難でございます。したがいまして、どういたしましても淡路方面からあるいは大阪湾内の方面にしぼってものを考えざるを得ないというふうなことかと存じます。 大阪湾内にも多々あるではないかというふうな御意見もございますけれども、それにつきましてはまだ調査が完了いたしませんので、どこどこにしぼるというところまでまだいってないのが現状でございます。
○砂田委員 新聞報道によりますと、もう少し具体的な報道がなされておるようであります。明石沖ですか、それから淡路島、神戸の沖合い、阪神間の沖合い、大阪の沖合い、泉南あるいは阪奈県境。しかし、いま航空局長のお答えいただきました御答弁と新聞報道とで、大体の見当がついてきたと思うのです。少なくとも内陸部は、もうすでに運輸省は考えておられない、こう承知をいたします。 そこで、それをさらにしぼられるわけですけれども、私が新聞で伝えられるようなところを、航空局長の御答弁の意図されるところを大体見当つけていま申し上げたわけですが、その中から一つを選ばれるについて、建設地決定のための資料として不可欠な調査をこれからなされるのだろうと思います。おも立った調査項目というものはどういうものがありますか。
○内村説明員 まず一つは、経済調査でございます。これはどこが起点でどこが終点になるか、そういうふうな旅客の実態をつかみまして、どういうふうなところにどのくらいの需要があるかということを考える。それから技術的な調査になりますと、気象条件がどうであろうか、これは航空では非常に重要な意味を持ちますので、気象条件の調査が必要でございます。それから実際に飛行計画をする際は、その辺の土質が一体どうであろうかとか、いろいろな技術的な調査がございます。そういった調査が必要でございます。 それから、航空交通管制というものがございますので、管制圏の関係が必要でございます。たとえば、いま伊丹におきまして空港がございますので、それに必要な航空交通管制圏がございますけれども、これとラップするようなものになると効率が落ちてまいりますということで、なるべくならばそれと独立的な管制圏を、エリアというものを設定して、そこで使えるような空港でなければならぬというふうなこともございます。そういうふうなことで、航空管制の問題も一つありますが、そういったようなことが大体おもな調査だというふうに考えております。 それから、特に問題は騒音でございます。こういうふうに位置が決定し、こういうふうに滑走路がきまると、この辺に飛行機が飛ぶ、そうするとそれがどうなるだろうか、その騒音ははたして人家その他にどういう影響を及ぼすだろうかというふうなことを十分調査いたしまして、特に騒音につきましては、先ほど申し上げたように、騒音の影響というものが極力一般人家に及ばないような方向で進めたいということから調査をいたしたい、こう考えます。
○砂田委員 大体おも立った調査項目をお述べになったのですが、私が気がつきますのは、伊丹空港とはやっぱり共存共栄をはからなければいけない、そういう性格も持っておるだろうと思うのです。そういうことも調査をなさると思います。 それから、民間あるいは関係地方公共団体の協力、こういったこともやはり大事な条件になってくるのではないかと思いますが、いかがでしょう。
○内村説明員 おっしゃるとおりでございまして、やはり伊丹空港との関係というものを十分調査をする必要があると思います。その意味で、先ほど申し上げました管制圏というものも、その間の調整の問題でございます。 それから、新空港ができましたならば、国際線をまず優先的に新空港に移す。それから逐次国内線につきましても移してまいるというようなことでございますけれども、やはりこれは一応共存するというふうなことを前提にしてものを考えてまいりたいというふうに考えております。 それからもう一つは、関係地元公共団体等との関係でございますが、これはおっしゃるとおり最も重要な問題でございまして、政府がここに決定したからこうすると言いましても、なかなかできるものではありません。したがいまして、その点につきましては地元の公共団体その他関係地元の住民の方々の御意見を十分伺いまして、そのすり合わせをしながら円滑に進めてまいりたいというふうに考えております。
○砂田委員 いま、大体その個所を一つにしぼるために不可欠の調査の内容を伺ったのですが、そういった調査をどういうテンポで、どういうスケジュールで進めていかれて、一カ所ここだというふうなことをいつまでにおきめになろうとしておられるのか。関西新国際空港というような必要性からして、伊丹の環境等も十分私たちも承知しておりますから、それだけに、いまおっしゃった調査をいつまでに仕上げて、いつまでに一つの建設地というものの決定を考えておられるか。
○内村説明員 この調査につきましては、なるべく早くいたしたいと思っておりますが、年度内には調査を完了いたしまして、大体の目安をつけたいというふうに考えております。
○砂田委員 年度内に調査を終わって目安ということは、年度内に候補地をきめてまいりたい、そうでなければ、伊丹はどうやってみても五十二年からあとはもうとてもだめだぞということで、それまでに完成しなければならない、そういう計算もあったはずですね。そうすると、年度内に目安ということでおっしゃったけれども、今度は候補地というよりは建設地をきめてしまう、そういうことですか。
○内村説明員 できればそういうふうにしたいと考えております。
○砂田委員 そういたしますと、いまおっしゃったようないろいろな、一応幾つかにしぼられた候補地に対するそれぞれの調査が全部終わらなければ、どこが有力だとかというふうなことは、運輸省にはそういうお気持ちは全くないと思うのです。それを明確にしておいていただきたいと思いますのは、新聞報道によって、ある新聞はどこそこが有力とか、どこそこが有力とか、全然違う場所を三つぐらいのところを有力視した報道がなされているわけです。やはりこういう調査は全部終わらなければ、どこが有力だということがおそらく言えないと思うのです。運輸省も、そういうことでいまは幾つかにしぼられたわけですけれども、その中では、全く白紙というふうにお考えになっておられると思いますが、念のために伺っておきたいと思います。
○内村説明員 おっしゃるとおりでございます。
○砂田委員 幾つかの調査項目をあげられたわけですけれども、それから運輸省で考えておられます候補地というものについては、その優劣は全く白紙である。しかし、その調査項目も、地元の協力というものを非常に重要視をしてお考えになったわけですね。そうであるとするならば、京阪神の自治体、各地方公共団体、地域社会住民、財界、こういうところが一致して、ここが一番望ましいというふうな、そういう思想統一ができるといいますか、希望する個所が一地点ということにしぼられてくれば、そういう地点があるとするならば、それはきわめてというよりは、最有力と考えてよろしゅうございますか。
○内村説明員 おっしゃるとおり、最有力であると思います。ただし、航空につきましては技術的な問題がございますので、そういう点においてもなおかつ十分であれば、最有力と考えてよろしいかと存じます。
○砂田委員 それぞれの調査のことは、内容を伺いましたので、技術的な調査が少なくとも同じ程度であれば、いま言ったような地方公共団体、地域社会住民、財界、そういうところが一致協力して、そこがいいというふうな考え方がまとまってくれば、それが最有力である、そういうふうに承知をしておきます。 それから、騒音の問題を先ほどお話しになりましたけれども、率直に申し上げて、成田空港の場合でも騒音対策というものが一番手薄であったように私どもも考えておりまして、残念なことだったと思っております。 そこで、候補地近くの住民の方々が騒音を心配されて、すでにもうその反対運動が起こっておるようなところがある。運輸省の調査も、特に騒音問題について、その建設地決定の最重点項目に取り上げられておると思うのですが、少なくとも内陸空港とは根本的に違うのだという条件だけは、しぼられた候補地については言えるんじゃないかと思う。そこで、地域社会住民が居住している海岸から、目と鼻の先に滑走路ができるんだという事態とは、いまの幾つかの候補地は全く違う。少なくともいまの段階では、調査を終わらなくても、運輸省のマスタープラン的に考えておられる場所というものが、相当キロ数海岸から離れたところの候補地じゃないかと思う。内陸面の空港とは、騒音の問題について全く事情が違う。そういうふうなことを、おわかりになっている範囲で御答弁をいただきたい。
○内村説明員 やはり日本の一番よろしいところは、海面を使えるということでございまして、飛行機の場合でちょっと申し上げますと、騒音の形というものは、滑走路の横のほう、これは騒音の範囲が比較的少のうございます。大体六、七百メートルぐらいがその幅でございます。それから、それに比べまして離陸する場合、着陸する場合、つまり滑走路の前後の方向、これは比較的長い区域にわたって騒音区域になります。したがいまして、目と鼻と申します場合にも、滑走路に並行している部分でございますと、それほど騒音の影響はございませんけれども、滑走路に直角になりますと、その影響がかなりあるということになります。したがいまして、位置の選定につきましても、滑走路の方向というものを、陸上との相関関係をどうとるかということ、それと、風向き等をどう考えるかというふうなことが問題点になっております。 そういうふうな点から申しまして、なるべく陸上のほうにはかからないように、飛ぶときにもなるべく海のほうに飛ぶようにということを考えて、候補地を考えておるというのが大まかな考え方でございます。
○砂田委員 公害防除の問題やら補償の問題など、むずかしい問題がこれからいろいろ出てくると思うのです。国と地方公共団体がお互いにその責任を押しつけ合われては困ってしまう。譲り合ってしまわれては困ってしまう。そういうことが、むしろ運輸省の側に若干見られるような気がする。それは運輸省の方の話を伺ってではなくて、これも各新聞社の報道によれば、ここへ国際新空港を持ってきてくれというふうな陳情だけではだめですよ、補償の問題、公害防除の問題、そういうものをはっきりさしてこいというふうな運輸省の態度で終始されるのは困るのであって、これはやはり国と地方公共団体が一体となって協力し合って、責任分担してやっていただかなければならない。関西での航空旅客数というもののこれからの伸びを考えますと、国と地方公共団体、当然双方に同様な責任がある問題だろうと思います。 新聞の報道が、心配をするような、運輸省が突っ放しぎみであるようなことがはたしてあるのかないのか。地方公共団体、地域社会住民も含めて、ほんとうに協力をしていこうという姿勢でなければならぬと思いますので、そこら辺の航空局長の御決意のほどをひとつ承っておきたい。
○内村説明員 おっしゃるとおりに、空港の建設というのは非常にむずかしい問題でございまして、これは公共団体だけでももちろんだめでありますし、国だけでもなかなかむずかしい問題でございます。したがいまして、先生の御指摘になりますように、国と公共団体と申しますか、国と地元住民を含めて公共団体が、こん然一体となって取り組まなければならないというふうに考えております。そういった意味で、責任を地方公共団体に押しつけるという意図は毛頭持っておりません。 ただ、先ほどおっしゃいましたように、地方公共団体が全部一致して、ここがいいというふうなことがきまれば、それが一番いいことでございまして、そういった意味からの御努力をお願いするとか、その他万般の点において、お互いに協力し合いながら進みたいというふうに考えております。
○砂田委員 変な念の押し方をしますけれども、内陸部の候補地と称するものがなくなって、幾つかの個所にある程度しぼられてきたということ、その残された候補地については、科学的な調査の結果決定をされていくのであって、それまでは全く白紙であって、どこが有力というようなことがないということ、これは運輸省の公式の考えでしょうね。ときどき大臣がこの委員会で、どこか一カ所が有力であるかのごとき発言をなさったことが間々あったわけなんです。ですからそこのところ、はっきりもう運輸省としての見解であって、どこか優劣が現在すでにあるなんということは全くない、これは大臣が出てこられても、同様な御答弁が大臣からもいただけるものと私は思いますが、その点については、航空局長は責任を持ってくれますね。
○内村説明員 先ほど申し上げましたように、ここ一カ所というふうにしぼっては毛頭ございません。したがいまして、先生おっしゃいますように、客観的な条件をいろいろ調査いたしながら、それと同時に現地の地方公共団体の意図というものも十分伺いながら、進めてまいりたいというふうに考えております。
○砂田委員 これで私の質問は終わりますけれども、飛行場の主人公が飛行機やターミナルビルではなくて、飛行場の主人公が人間だという新空港ですね、その新空港の利益還元が、広く地域社会の住民に渡るような、そういう新空港づくりに一段の御努力をお願いしたいと思います。私どももできる限りのお手伝いをすることに、当然やぶさかではございません。これをひとつがんばっていただきたいと思います。 委員長、ありがとうございました。
○福井委員長 次に井野正揮君。
○井野委員 月に一回の運輸委員会でありますから、当然この衆議院の運輸委員会に、主管大臣である橋本大臣が、十分の時間をとって出席されるような配慮が、委員長にあってしかるべきであろうと考えますが、理事でもございませんので、ちょうど私の時間が、大臣欠席の間の時間に割り当たっておるのでありますけれども、せっかく委員会でおきめになった日程でもございますので、これに従うことにはいたしますけれども、すべてが大臣に発しておる問題ばかりでございますので、まことにやりにくい質問になってしまったわけでございますが、そういうことを考慮しながら、後ほど大臣が来られてから重複することができるかもしれませんので、これはお許しを願いまして、質問をやらしていただきたいと思います。 最初に、国鉄総裁はおいでですか。——総裁広おいでにならないのですか。それじゃしかたがありませんので、過般御提出願いました資料について、数字の上から確かめてまいりたいと思います。 まず第一番に、再建計画の中にも指摘をされております、公共負担の適正化の問題についてメスを入れなければならぬことになっておるわけでありますが、現在ではまだ、この公共負担についての具体的なメスの入れ方をして、改善をしたというあとが見受けられませんので、まず第一番にお伺いをしたいのは、出していただいた資料の中で、通勤の割引が六十億となっておるのです。——私のほうにお出しくださった資料、お持ちでしょうね。
○長浜説明員 ちょっとお待ちください。
○井野委員 用意悪いじゃないですか。なかったら読み上げましょうか。——それでは言いますから、メモしてください。 まず、通勤の資料が六十億というふうに公共負担がなっておるわけですが、これは法律で定められた割引は五割、さらにこれに一カ月の場合で一四%ふやして六四ですか、三カ月の通勤の場合で五二%から六六%、六カ月の場合で六〇%から六八%、この法的に定めたものの上にさらに上置きした通勤の割引が六十億、こういうことになっておるわけですね。これは一般の旅客運賃よりも五〇%初めからまけておるわけですから、そうしますと、この五〇%の総額は幾らになるのですか。公共負担ですね、六十億プラスこの五割の割引のものが積み重なるわけですから、この数字は幾らになりますか。
○長浜説明員 申しわけございませんが、通勤の公共負担関係の資料をちょっと持ち合わせてきておりませんので、あとに回していただきたいと思います。はなはだ申しわけございません。
○井野委員 そうしますと、通学の場合も同じですか。
○長浜説明員 はい、申しわけございません。この方面の御質問の予定を、私ども承知いたしておりませんでしたので……。
○井野委員 それはおかしいじゃないですか。質問を簡潔にするために、わざわざおいでを願って打ち合わせをして、そしてお尋ねをしておるのですよ。私、突然意地悪く聞いておるのじゃないのです。何日も前に東京へ出てきて、国鉄当局と十分打ち合わせして、資料をもらった上で公式に確認しようとしているのですよ。しかも再建計画の中で、公共負担について適正を期さなければならぬときめておるじゃないですか。一体やる気があるのですか、ないのですか。これはあとでなければだめですか。——それでは、学割りについてもその他の割引についても、全然わからぬわけですね。
○長浜説明員 はい、実は担当がちょっと違いますので、申しわけございませんが……。
○井野委員 待っておりますよ。——これは突然やっているのじゃないのですよ。もう四日から来て、一度資料を出してもらって、再調整してもらって、お尋ねしますよということになっておるのです。大臣も来なければ総裁も来ない、出てきた説明員は答弁もできない、そんなばかな話どこにありますか。待っています。
○福井委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○福井委員長 速記を始めて。
○井野委員 残念だけれども、しかたがありませんから、では高架下敷地という問題についてお尋ねしたいと思います。 まず第一に、この高架下敷地については、国鉄の直接管理に非常に問題があるから間接管理にする、こういう御趣旨の説明があるわけですね。そして出していただいた資料によりますと、六つの会社がつくられているけれども、東京高架の会社だけ私もおととい現地を見せてもらいました。その契約書その他についても拝見をして、そして資料の提出を願ったわけなんです。 そこで、この間接管理の意味ですね。私から言わせれば、これは間接管理というものじゃなくて下請負だ、こう判断するわけです。間接管理の概念と、下請負に渡してしまったのだ、こういう観念に違いがあると思うのですが、間接管理の概念をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○長浜説明員 実は、高架下の管理につきましては、昭和三十一年か二年ごろだと思いますが、やはり国会でいろいろ御質問、御指摘がございまして、その当時までは、国鉄が個々のテナントと直接の契約をしてまいりました。戦前からずっとそういう経過をたどってきておったわけでございますが、何ぶんにもテナントの数が非常に多いものでございますので、その間に全部が同じような条件、状況で管理をすることが非常にむずかしいということと、国鉄側の要員の問題その他のこともありまして、国鉄だけで直接管理することは非常に問題があるということで、国会でも御指摘がございました。その結果、昭和三十三年の七月に、高架下の管理刷新委員会というものをつくりまして、その答申をいただきまして、そうして高架下管理刷新要綱ということで、高架下の管理の正常化、適正化ということにつとめております。これに基づきまして、この高架下を間接管理しなさい、こういう指示をいただきまして、それに基づいてやっておるわけでございます。 間接管理といいますか、それは国鉄がその管理会社に、空間といいますか、高架橋をつくりましてできました高架下をそのままの姿で、何ら措置せずにそのままその会社に貸す、要するに空間を制限された土地を貸す、こういうかっこうになっております。そうしますとその管理会社は、その土地を貸さないときには、それをみずからよい状況に管理をする義務があると同時に、それを第三者に、いわゆるテナントに貸す場合には、その空間にいわゆる建物をつくって建物としてそれを貸す、こういうかっこうにしております。 したがいまして、国鉄としては自分のところで高架下に建物をつくったり何かしませんで、いわゆる裸貸しと称しておりますが、土地を高架橋で区切られた部分として、その高架橋の下だけを貸すというかっこうになっております。その管理会社は、それを受けまして正常な管理をすると同時に、それを貸して利益をあげてそうして使用料を国鉄に払う、こういうかっこうになっておるのが、高架下の管理会社の形態でございます。
○井野委員 それでこの一つの会社、これは一番経理の収支のいい会社だそうですから、これをもって全体を推しはかるわけにはまいりませんけれども、基準としては見れるわけなんですが、創立して五年間で、資本金五千万円は全部鉄道弘済会の出資で、総事業量においても八億をこえる事業量になっており、その収支においても、他の一般民間会社に見られない収益があがっておるわけです。これは貸借対照表及び損益計算書の上からいくとそういうことになっておるわけなんです。 そこで、使っていないものについては、工事しないものについては無償で貸しておいて、その何とかということはわかりませんが、日本語でたな子だろうと思うのですが、そのたな子に貸して収益があるときから国鉄に料金が入ってくる結果になって、総収益を平米で割ってみますと、ざっと一平米当たり会社のほうは二千九百円、それから国鉄からこの会社に貸した金額は六百十五円になるようです。実は五倍です。これは単純に貸借対照表に出た、損益計算書に出た、営業費の中に占める国鉄への使用料金という形で計算した場合にこういうことになるわけですが、しかし、この貸借対照表のほうを詳しく調べてみますと、建物及び設備に七億九千百三十八万円、構築物に二千六十七万、合計八億一千二百五万円がこの借り方の資産になっておるわけです。そして負債のほうは、借り入れ金が一億、入居保証金が四億三千六百十七万円、敷金が一億九千八百五十万円、そして預金が七千四百九十二万円となっておるわけですから、長期借り入れ金と預金とを見合わせてみると、二千五百万ほどの差しかないわけです。したがって、長期借り入れ金と預金とは相殺されると思いますが、入居保証金と敷金を入れますと約六億。敷金のほうは利息も払わなくていいわけですし、契約期限三年が切れれば、おのずから会社の益金になってくる金だと思います。入居保証金については、契約更新ごとに繰り延べされる性格のものだろう、社会的常識からいえばそういうことになると思うのです。そのほかに減価償却が五年間で九千万いたしておりますから、大体これは年間二千万が、おそらく建物及び設備の七億九千万に対する減価償却費になってくるのだろうと思うわけなんです、あるいは備品その他のものもございますけれども。そして利益が約一千万で、これくらい豊かな、設立早々においてこれだけもうかる会社というのは、ちょっとわが国では、そう発見できないのじゃないかという気がするわけです。 そこで、私の聞きたいのはこれから先なんです。間接管理という形、概念をとろうとされるなら、高架下敷地あるいは未利用の土地等について、総裁が過般、九月の第三週の定例記者会見だと思いますけれども、国鉄の再建計画は、高架下敷地の利用あるいは未利用土地の利用で、倉庫、ターミナル等をやることによって補完していきたい、こういう発表を記者会見でされましたのを私、北海道のいなかで見まして、資料を出せと言うて出してもらったが、もうこれでやるのかと思うていささか驚いたわけですが、この方式では、幾らもうかっても、幾らもうかったのかということを監視するのは、これは国税庁を通じてやる以外にないのじゃないかと思う。これは、国鉄が管理する発言権をこの会社に留保しておりません。だれ一人国鉄職員の出向もなければ、あるいは出資金もない。 そうすると、法的にこの会社を管理する方法はないわけでありますから、したがって、間接管理ということばは、まことにことばのあやではないか。しかも、あそこで働いておられる職員の皆さんを見ますと、私どもが想像したように、あるいは鉄道から弘済会に入られた人、あるいは行政管理庁、そういうように役員の方は、ほとんど今日まで国鉄再建にメスを入れたり論議したり、そういうような関係のあった人があそこの重役になっておられるようにお見受けをするわけです。 そうすると、一体国鉄で、しかも都市の中にある——しかし、利用上はいろいろ問題はあります。新幹線等の下でありますから、なるほどあの事務所に入ってみますと、三分おきにがあがあいうので、仕事も何もできませんが、しかし、近代技術を使って施設をした有楽すし屋のところの建物あたりは、ここが高架下かと思うくらい全然音を感じません。すばらしいものです。あの付近の地価は、三平米一千万をこえるすごい地価の土地であり、あそこの下の喫茶店に入ると、外国へでも行ったようなきわめていい感じのすばらしいところです。すべてこれが六百円じゃないだろうと思うが、平均して六百十五円で土地が貸されておる。これでは、国鉄は本気になって、国鉄の財産から収益をあげようとしておられるのかどうか、間接管理というのはことばのあやじゃないか、こう思うわけですが、この点お答えを願いたいと思います。
○長浜説明員 ここで使っております間接管理といいますのは、実は高架下を管理するのに、国鉄が直接自分で管理をしないで、会社にまかせるという意味の間接管理でございます。したがいまして、この会社を管理するのは、いま先生御指摘のように、資本金も国鉄は出しておりませんし、確かにそういう意味では監査のしかたが非常にむずかしいというのは、おっしゃるとおりでございます。われわれとしては、実は国鉄の関連会社といいますか、こういう問題に対しまして、何か出資をするとかなんとかいうようなことで、せんだって総裁が発言しまして、先生どこかでごらんになったようなことをいま考えておりますけれども、いままでのようなやり方では、国鉄が直接出資をしておりませんので、御指摘のように、国鉄みずから十分これを管理していくことができない状況になっております。それにつきましては、前回の国会のときにも、われわれとしては直接出資をして、国鉄の指導監督が直接できるようにしたいというようなことを申し上げております。諸先生方からも、ぜひそうするようにというような御指示もございましたので、いま勉強しておりまして、近くそういうことのできるように、法律ないしは政令の改正をしていただきたい、こういうふうにいま申し上げておる段階でございます。そうなりました暁には、われわれとしては、こういう種類の会社には直接国鉄が出資をいたしまして、代表者を送り込みまして、それが中で直接監視をするというようなことにしたいと思います。 ただ、それでは現在この会社が非常に問題があるかといいますと、必ずしも私たちは——いまのところ全額弘済会の出資になっておりますので、その面から、いわゆる間接のまた間接というようなかっこうになるかもしれませんけれども、よく管理をしてもらっておるつもりでございます。 先生の御指摘のようないろいろな面はございますけれども、また、国鉄が取っております土地代と貸しております貸し料、この間に約五、六倍の開きがあると先生もおっしゃいましたが、確かにそのとおりでございます。これは、最初に申し上げましたように、国鉄が貸します場合には、建物等の造作は何もしておりません。いわゆる高架下を裸で貸しておりまして、それをこの会社が造作をいたしましてたな子に貸すわけでございます。したがいまして、一般の民地におきます土地代と、それからそこに家を建てましての借家料の一般世間相場を見ますと、平均しますと大体十倍前後のことが多いようでございます。しかし、それが十倍前後だからといって、われわれは十倍にする必要は毛頭ございませんが、できるだけ国鉄は土地の貸し料を高くして、われわれの収益を上げたいというふうに考えておりまして、三年ごとに土地代の更新をいたしまして、値上げをして収益を上げておる、こういう状況でございます。
○井野委員 先ほどわざわざ貸借対照表を読み上げましたのは、金をかけていると言うけれども、それはたな子が出しているのです。長期借り入れ金を一億しているけれども、預金を七千五百万持っておるわけですから、相殺してみますと二千五百万しか残らぬわけで、これと五千万円の出資金、七千五百万円しかこの会社は金を借り入れていないことになっておる。 したがって、問題なのは、こういうふうにして固定資産としてどんどん資本蓄積が行なわれていくだろうということが想像されるわけです。そういう形になってきた場合に、今度は三年ごとに更新して料金を変えるということになっておりますけれども、これは対等の立場で、地主と借り方の関係になるわけですから、間接ではなしに実は下請をさせたことになるわけで、たな子が言うことを聞かぬから、その仕事をやめろと言うわけにはいかぬわけです。この資本構成の中に国鉄が入っておって、初めて管理ができるわけです。これは資本主義の常道なんです。まさか国鉄は社会主義になったわけじゃないでしょう。そうだとすれば、世間からいわれるように天下りの人事をやって、抜けどころをつくって、国鉄の利益とは別に、国鉄一家だけが安穏な日を送るための隠れみのだといわれてもしかたがないじゃないですか。そういう形になって、真剣に国鉄職員に国鉄の使命を訴えて協力せいというようなことを言っても、うまくいかぬだろうということを言いたいわけです。もちろんこの点は検討されておるそうでありますから、すみやかに一般の官公庁で行なっておる、関連会社の形をとるべきだろうと思うのです。 これはまだ五年目ですから、それほど大きくなっておりませんけれども、他の大阪、名古屋その他の会社等では貸し付け面積が非常に大きいわけで、まだ四〇%、五〇%の使用開始しかしておらないそうですけれども、こういう形で発展していくことを考えますと、この間接管理方式はあやまちだろうということを指摘したいのです。 そこで、今度幾らに改正するのだというふうに聞きましたら、平均三五%、場所によっては七〇%の値上げをしたいということになっておりますけれども、七〇%上げてみても、六、七、四十二、一坪千円ですよ。東京のどまん中で一坪千円で借りられるとしたら、こんな安い土地は、幾ら裸でもないわけです。もちろん、高架下という特殊条件にはなっておりますけれども、また同時に、この高架下の場所が特殊のいい場所であることも間違いのない事実なんで、これは今後倉庫、ターミナル等を発想される場合には、十分考えていかなければならない問題だというふうに考えますので、この点、後ほど総裁にもただしておきたいと思いますけれども、まあ長浜理事は、これは検討中で、そういう方向に行くんだというお話ですから、それを信頼して、早急にこの点を改められるように、ひとつ期待をしたいと思うわけです。 そこで、資料のほう来ましたか。
○長浜説明員 資料は参りました。 四十五年度の収入見込みで申し上げますと、定期運賃で、通勤で九百八十六億でございます。通学が百六十七億で、合計千百五十三億の収入見込みでございますけれども、法定割引分、これが通勤で千二百四億、通学が四百八十億で、合計千六百八十四億に相なります。公共負担分といたしまして、法定割引以上の分が、通勤で六十二億、通学で二百七十三億、合計三百三十五億、こういうことになるわけでございます。
○井野委員 そうしますと、法定外の分が少しふえるわけですね。六十億が六十二億に、それから二百六十五億が二百七十三億に、したがって三百三十五億ですか。
○長浜説明員 そうです。四十五年度の見込みでございます。
○井野委員 それから五割引きのものが、通勤のほうが千二百四億ですか。
○長浜説明員 はい、そうです。
○井野委員 通学のほうが四百八十億で、通勤、通学で約千六百八十四億……。
○長浜説明員 そのとおりでございます。
○井野委員 これに三百三十五億が加わるわけですね。
○長浜説明員 そのとおりでございます。
○井野委員 そうしますと、国鉄の赤字がことしは償却前に八百二十数億ですか、償却費を加えると千三百五十億余といわれておるのですね。元来、公共負担というものが二千億をこえてあって、赤字が出るのが当然じゃないですか。赤字が出るのが当然なんで、この問題にメスを入れないで、すぐ線のほうに手をつけることはどういうことなのか。一体こういうふうな通勤、通学をまけなければならないという根拠は、これは一体国鉄のほうではなくて経済企画庁来ていますね。ひとつまけなければならぬという根拠を説明してください。割引の根拠ですね。
○山口説明員 私から……。通勤、通学の定期の割引でございますが、現在の割引率のつくり方といいますのは、普通運賃によりまして一日一往復使い、そうしてそれを一カ月使うという場合の運賃というものを合算をいたしまして、それに対しまして定期の一カ月の運賃を見まして、その差額が、その割合がここで申し上げておりまする割引率並びに割引額でございます。したがいまして、そういう前提で考えておりますから、ただいま申し上げましたその法定割引の一カ月の場合の例をとってみますと、法律に書いてございますが、五〇%の法定割引分と、それから公共割引分と申しますのは、その五〇%をこえるものの合計が、この割引をしているものだということでございます。 そこで、それではなぜその通勤定期なり通学定期なりの割引をするのかという点でございますが、この点は、若干沿革的な点も多分にあるわけでございますが、一つにはこういうことがあると思います。 それは第一に、通勤なり通学定期というのは、何といいますか、定型的な朝晩の通勤、通学の輸送である。そういうまとまった輸送である。しかも、毎日これを使うという意味で、非常に上得意的な性格を持っておるわけでございますから、そういう意味での若干の割引というものも、考えてしかるべきものではないかということが一つでございます。それから第二に、通勤、通学の場合におきましては、通常の普通旅客に対しまして、出札並びに改札の手数というものが非常に簡素化されるということが一つあろうかと思います。そういった面の鉄道側の利益というものがあろうかと思います七それから第三番目に、これは非常に若干のものでございますが、とにかく通勤、通学の定期券というものは、いわば先払いでございます。使用前にその定期の運賃をお払いする、払っていただくという形の先払いでございますので、その意味の若干利子なりあるいは便益というようなもの、あるいは資金運用上の利点というようなものがあろうかというふうに思うのでございまして、そういったような各般の事情、並びに通勤者や通学者に対する、ある意味では社会政策的なあるいは文教政策的な役割りというものを考慮いたしまして、五〇%なり六〇%なりというものを法律で定めておるわけでございます。 したがいまして、この問題につきましては、まず先ほど御指摘のように、問題は二つあると思うわけでございまして、一つは、法定の割引を越えておりますものがここで公共負担額といっておりますが、そういう法律以上の割引をすることの妥当性はどうか、国鉄が非常につらい事態に立ち至っておりますから、そういう場合には、せめても法定まであれしたらどうかという問題が一つございます。それから第二に、先ほど先生から御指摘がございましたが、法定割引自体が五〇%というふうに、国鉄自体を押えつけてしまうということがいいかどうかという点に、やはり若干問題があると思うわけでございまして、私どもとしては、その点は将来の検討問題だ、このように考えておるところでございます。
○井野委員 お話しのように、国鉄は収支大いに償って、その存立が問題でないときには、いまおっしゃられたように、定時であるし、出札その他の手数もかからないし、また、前払いで資金繰りにも寄与する、こういうような場合に五割と定めたのは、その当時の国鉄の経営の経済的根拠があった、こう考えるわけです。さらに加えて、戦後の幾多の社会不安、困難な時代に、産業育成のために、あるいは諸官庁の予算等のこともあり、この法律にない公共性を持った割引をやる。学生には、奨学の意味から、こういう文教政策の上からやった。しかしながら今日のように、逆に今度は国鉄それ自体が経営で追われており、その存立が危うくなり、国鉄の使命があらためて問われるときに、また、再建計画の中では大きな項目をあげて、公共負担について検討せい、こうなっておるのですが、一向検討された面もないようだし、特に、最近は乱暴な意見が出ておりまして、首を切れば済むんだというようなことがでかでかと報道されて、一つには、職員の中へ非常な不安を投げかけております。一つは、国鉄当局に対するものすごい不信が出ております。そして実際には、国鉄はそんなぜいたくな、親方日の丸のような経営をやっているのか。あるいはそんなになまけているのかということになりますと、決してそうではなくて、踏切番がちょっと小便に行ったのでも、駅長さんから戒告をされて、その駅長さんは今度組合から突き上げられて、えらいことになっているという事例を私も承知しておるわけなので、こういう公共負担の面は、何をさておいても国鉄再建の場合に取り上げられなければならぬし、あらためて検討されなければならぬ問題だと思うのです。 この公共割引ということばの意味は、いま少しく厳格に、これを実施をした経過というものを考え直してみる必要がある、こう思いますし、特に経済企画庁は、すぐ国鉄運賃と物価、国鉄運賃さえ押えていれば物価は上がらないなんて、それでインフレ政策をどんどんとっているわけですけれども、これは国鉄運賃に原因があるのじゃない。政府の財政政策の根本に問題があるのであって、それを国鉄だけにしょいかぶせて、運賃とくればすぐ国鉄とくる。値上がりの元凶は国鉄のようなことを言うけれども、国鉄の問題について、特に私が経済企画庁の意見を求めるのは、このあたりに問題があると思うからですが、大蔵のほうはどう考えているか、お聞かせ願いたいと思います。
○金子説明員 国鉄の通勤、通学割引の問題でございますが、法定を上回る割引につきましては、いろいろな考え方があるかと思います。一般会計から繰り入れをして、これを穴埋めするという考え方もございましょうし、あるいは利用者が負担すべきであって、一般の納税者が負担すべきものであるかどうか、はなはだ疑問であるというような考え方もあるかと思います。 いずれにいたしましても、これは非常にむずかしい問題でございますが、前者の立場をとります場合には、実は私鉄にも法定割引率を上回る割引をしているところが相当数ございまして、それを全額穴埋めいたすとすれば五、六百億の金が要る。こういうような問題もございますし、一般会計の現状などから考えましても、一般会計から入れることは適当ではないのではないか。でき得べくんば利用者負担という方向で、問題を解決していくことが望ましいのではないかというふうに考えておりますが、政府全体といたしましては、物価問題ということもございますので、それとのかね合いがむずかしいところでございまして、なお来年度以降の問題として検討してまいりたい。 なお、現在までのところは、法定率を上回る割引に対して補助をするという形をとらないで、そう大きな金額ではございませんが、国鉄に対する補助をする場合には、それ以外のもので補助をするというたてまえをとってきております。
○井野委員 通勤、通学の割引が、このようにもう国鉄の赤字を上回る高額なものであり、まことに重要な課題であるということは、御認識願っておることと思うわけですが、その場合、それらの一般会計からの繰り入れなりあるいは受益者の負担なりということが及ぼす各般の影響という御見解がいまあったわけです。しかし、それらを伏せておいて僻地の鉄道を放すという問題、これとのからみ合いは一体どういうふうに理解されますか。これは大臣にも後ほどただそうと思っておりますが、大臣の言われたように、鉄道があるからそこに住んだ人々があるわけです。マイカーができたから乗らなくなったといっても、マイカーのない低所得国民層が、すぐ都会に出ることもできずして取り残されておる。この人々の足を奪ってしまうということは、一体国民の平等の権利からいけばどういうことになるのか。しかもそういうやり方を、これは大蔵省も参加されておるのだろうと思いますが、今度は鉄道を二つの階層に分けて、もうからない、収益のあがらない線については、地方公共団体にその負担を押しつけようとしております。 こういうことになりますと、僻地の町村は、もう終戦後何度か地方財政の危機に見舞われて、地方財政再建の特別の臨時国会まで開いて対策をとった例すらあるわけですけれども、今日の都市集中の傾向の中で過疎化地帯の財政負担というものは、私が言うよりあなたのほうがよく知っているわけです。これに負担させようという真意は一体どこにあるのか。そういうようなことがどれだけ国民や地方公共団体を不安におとしいれておると考えておられるか。このあたり、ひとつ大蔵省の見解を伺いたいと思うのです。
○金子説明員 来年度の国鉄関係の予算概算要求につきましては、まだ正式のものをいただいておりませんので、したがいまして、一応構想として、三百七十五億円程度を地方交付税特別会計から国鉄にストレートにいただきたいというお話を承っている程度でございます。地方に負担させることがいいかどうか、こういう問題は、正式に概算要求がありました上で、自治省なり地方団体の方々とも十分検討してまいりたいと考えております。
○井野委員 そうすると、大蔵省のほうの考え方としては、積極的に赤字路線等について、地方公共団体に負わせるというような発想は、現在のところは持っていない、もし国鉄当局やあるいは経済企画庁等の発意として、予算要求の形の中であれば検討しなければならないけれども、現在のところはそういう発想は持っていない、こういうふうに理解していいですか。
○金子説明員 大蔵省といたしましては、まだ省内的に最終的な結論を出した段階ではございませんので、いわば白紙でございますが、自動車等に代替することが可能な地方の赤字線区について、国鉄が公共企業としてみずからの責任において運営を続けていくべきであるかどうか、また続けることが可能であるかどうかという問題は、やはり国家全体として考えていかなければならない問題ではなかろうか。その責任を国鉄だけに背負わせることはもちろんできないわけでございまして、かりにそれを存置しなければならないとすれば、国鉄以外の分野から出てくるニードに基づくものでございますから、そのニードの性質のいかんによって、その運営を続ける場合には、運営するに必要な費用をだれかが負担しなければならない。その負担のあり方は、どういうあり方が一番適正であるかということは、これから十分に相談していかなければならない問題だというふうに考えております。
○井野委員 長浜理事にお尋ねしますが、私は北海道の僻地で育ったものですから、国鉄自動車部の苦労と恩恵を身にしみて感じている一人なんです。私の育った郷里も、ほとんどが私鉄バスでなしに国鉄バスによって行なわれておりますし、現在住んでおります選挙区においても、この国鉄バスの努力には、平素から頭の下がる思いで感謝をしておるものの一人なんです。 そこで、最近私鉄バスが、過疎化に伴ってその経営を放棄して、中には非採算路線を放棄しながら営利路線だけは確保していこうという、きわめて横着な経営者も出ている中で、場合によっては、地方労働委員会等の勧告あるいはあっせんにも従わないというような傾向が出ておるわけで、まさに輸送の公共性が営利のために破壊されようとする現況が出ておるわけなんです。 こういう中で、国鉄が果たしてきたいままでの功績、またこれからもそういう場合の救済措置としての功績は、私はきわめて大きいと思うのです。これは金子主計官の言われるように、国鉄がやれないようなところを営利会社がやるわけはないのですから、そこに国鉄の使命があるわけなんです。国鉄の使命をあらためて問い直すという大臣の考え方は、ここにあると私は思うのです。これは後ほど確かめてみなければならぬと思いますが……。 したがって、市町村営にやらせようと私鉄にやらせようと、国鉄がやるようなことはできないということははっきり言えると思うのです。いま国民の低所得者の唯一の足を、公共的に守ってくれるものは国鉄だ、こういうふうに私は考えるわけなんです。この線を踏みはずして、国鉄の再建計画をつくるなんという考え方があるとすれば、それはもう低所得階層、僻地の国民に背を向ける政府だといわなければならぬと思うのです。いま公共負担とからみ合わせてその比重を考えてもらわなければならぬときがきている、こういうことが言いたいわけです。この点ひとつ、あとから大臣にお尋ねはしますが、事務当局としてはどう考えておられるか、はっきり返事を聞かしてもらいたい。
○山口説明員 お答えします。 公共負担としての運賃問題とただいまの問題は、私ども若干問題が違うのじゃないかと考えております。と申しますのは、公共負担の問題は、貨物なりあるいは通勤、通学の運賃、その運賃につきまして、その運賃が本来のあるべき価格というものに対しまして、公共的な性格のゆえに著しく割引をされているというところに問題があるのではないかと思うわけでございまして、そういう意味で、これは合理的な運賃体系に今後直していかなければならぬということにつきましては、先ほど先生の御指摘のとおりであろうかと思います。したがって、またそういうことによりまして、国鉄財政の悪化を若干でも食いとめることができるということになれば、まさにこの方策はひとつ進めなければならぬ性格のものじゃないか、このように考えております。 それから赤字線、特に過疎地帯における鉄道の問題でございますが、これはそういう問題とちょっと離れまして、現在の鉄道のやっておりまする仕事の分野等を考えてみますと、幹線におきましては輸送量も非常に多いわけでございますが、地方におきましては輸送量も少ないというようなところが相当にある。その差異が非常に極端になっておるというような現状にかんがみまして、鉄道でなくても十分に輸送できるというような地域、あるいはそういうような交通事情というものの場合には、これは鉄道でなくてもいいということが考えられる。と申しますのは、鉄道利用の性格、本質的な性格からいきまして、鉄道は非常に大きな資産を投下いたしまして、大きな施設、大きな輸送というものを行なうのに適しておるわけでございますが、比較的小さい輸送ということにつきましては、道路並びに自動車のほうが小回りがきいて都合がいいという場合もあるわけでございます。したがって、従来のような国鉄独占の時代と違いまして、現在のように自動車が相当発達をしてきたというような時代におきましては、その時代に対応して、その時代に即応した最もいい交通機関というものを選ぶべきであるということであろうかと思うわけでございまして、そういういわば国民経済的な観点に立ってみて、自動車のほうがいいんだというような場合には、それは自動車にすることがいいんだ、こういう意味でございます。国民経済的に鉄道のほうがいい場合に、これは鉄道をやめてしまうというようなことは非常に不適当である。また、その鉄道が地方の便益というものに非常に大きな貢献をしているというような場合に、これを簡単にやめてしまうということは、地方の便益を阻害し、特に過疎地帯における大きな負担を生ぜしめるということになるから、それは適当ではない、こういうことでございまして、国鉄の公共的な使命というものは、そういう観点に立って判断しなければならぬ。決して簡単に、赤字線であるからこれを廃止するとかいうようなことを言うべきものではない、このように考えております。
○井野委員 軌道がいつまでもいいかどうかの問題はあると思いますが、ただ、いま住民に与えている印象は、もうからぬところはバスも廃止する、こういう傾向がすでにとられておるのですね。バスも取られてしまうと、何もないのですよ。だから、いまの御答弁とはちょっと違います。私は何が何でも、一日に一回通る汽車の中に、人が一人も乗っておらぬのに鉄道を置いておけというようなことを言っておるのじゃない。それはあの斜里町の町長さんも、私どもの党におった人でありますが、これが、他の例にならぬようにという条件をつけて協力された例もありますので、ああいうような線まで残せというようなことを言っておるわけではありません。ただ国鉄バスもやめる、汽車もやめる、こういうやり方は当てはまりませんぞということを言っておるわけなんです。大体御理解いただいたように思いますので、この点、これ以上言うことをよしたいと思います。 それからもう一つ、今度所有地の調査を出していただいたのですが、これは六十五万六千八百四十ヘクタールですか、膨大な土地になって、そのうち未利用のものは十六万五千ヘクタールほどあるそうです。決算書もいろいろ見せていただきましたけれども、これの区分あるいは利用可能度等に対する調査は、国鉄当局はまだ十分掌握されておられぬという話なんですが、そうですか。
○長浜説明員 ただいま先生おっしゃいました数字のとおりでございまして、国鉄が持っております土地が六億五千六百万平方メートル、そのうちいまのところ未利用といいますか、未使用というのが百六十万平方メートル、約二%くらいに当たろうかと思います。これは全国にわたっておりますので、この数字が非常に大きいようでございますけれども、この面積の中には、たとえば、せんだって北海道で新得のところで線路をつけかえいたしましたが、そのとき残りました線路あるいはその周囲にございます防雪林、これらが非常に大きな面積を占めております。各地方で複線化をやったりなんかしておりますときに線路をつけかえますが、そういうものが相当たくさんございます。こういうもの全部を含めましての百六十万平方メートルでございます。 それを、各地方ごとにどうなんだというお話でございますが、これは私たちいまそれぞれ督促いたしまして十分調査をしております。大体のところはわかっておるのでございますが、このわかっておるのは、絶対にそういうことで要らないといいますか、もうほんとうに払い下げていいのだというようなところは、そのうち何がしかございますけれども、その残りはどうしようか。たとえば山陽新幹線をいま建設しておりますけれども、戦前に弾丸列車として用地を何がしか確保しております。この用地は、実はいまのところ確保してございますが、これを今後新しく買収するときの交換用地に使えるなら使おうというようなことで確保したところもございます。そういうように、将来改良計画でも起こり得るようなところはなるべく確保しておかないと、御承知のような用地買収の困難性がございますので、なるべく確保しておきたいというようなことで、個々別々にいろいろ問題がございまして仕分けに非常に難儀をしておりますけれども、これは絶対に要らないというようなものはなるべく早く売却していきたい、こういうように考えておる次第でございます。
○井野委員 時間の催促もあるようでございますから、国鉄のほうは、あとは大臣と総裁が来られてからに一したいと思います。 そこで、今度は自動車局のほう……。
○長浜説明員 ちょっと話の途中ですが、私いま数字をちょっと間違えて答弁いたしました。百六十万平方メートルと言いましたが、千六百万平方メートルでございます。それで二%になるわけでございますので、訂正いたします。
○井野委員 実は過般の委員会で、例の排気ガスの検査票について同僚の田中委員から御質問がありましたら、大臣えらい興奮されて、警察に調べさして処理するというような御答弁になっておりますが、あのステッカーの性格と発行について、警察で調べたらどういうことになりましたか、ちょっとお答え願いたい。
○寺尾説明員 ステッカーの性格としましては、自動車運送車両法に基づきます公的団体である整備振興会が、この八月一日から、使用過程にある自動車の排出基準がきめられましたのに伴いまして、使用過程にある車両の排出ガスの検査を一つの国民運動として大々的にやろうということで、国民運動の性格のものでございます。 それは運輸省のほうの、「使用過程車の排出ガス防止対策の徹底について」という自動車局長通達に基づきまして、国民運動として、整備事業者にまかせました検査の結果をステッカーとして、自動車の一定の場所に張るようにということで通達が出ております。その運動につきましては、運輸省も警察庁もそれぞれ後援をしてございますけれども、それを受けまして私どもも、確認済みのステッカーを張った車につきましては、今後膨大な車両の中から摘出して検査を行ないますので、すでに終わっているものについてはなるべくやらないで、張ってないものを中心に取り締まりをするという態度をとっておるわけでございます。
○井野委員 そうしますと、通達もここに持っておりますが、この通達だと思うのです。これは自動車整備振興会の、排気ガスの規制を越えた車をなくする国民運動として、検査をしたかしないへの仕分けを見やすくするために張った単なる標識なんであって、いわばあの赤い羽根運動とか、山を守る緑の羽根運動とか、あるいはその他黄色い羽根運動に、ちょっと行政が加わって形式づけたものにすぎない、こう考えていいのですか。
○野村説明員 この運動の趣旨につきましては、ただいま警察の交通指導課長が説明しましたと去りでございますが、ただ、先生御承知のように、排気ガスの規制をしなければならないということは、道路運送車両法に基づく政令で定められておりますけれども、それは、自動車所有者は必ず検査を受けなければならないという義務はございます。したがいまして、そういう意味で赤い羽根運動とかいうのとは違います。 ただ、なるべく多くの人にすみやかに検査を受けてもらいたいということと、それから、検査を受けた結果をチェックするのに便宜なようにという趣旨の指導でございまして、普通の国民運動と多少性格は違いますけれども、排気ガスの規制という重要な事項を国民に周知徹底させて、早くやるということに特に民間の一般の協力をお願いをする、こういう趣旨のものでございます。
○井野委員 そうすると、田中さんが何枚持っておられてもけしからぬこともないし、それが二十円であろうと二百円であろうと、印刷をしたときのかかった経費で皆さんがそれを受け取られるなら問題でもないわけで、この通達の中にも、適正に調整して渡すようにということが書いてあるわけですから、何ら拘束力も規制力もないし、あってふしぎもない。ただ結果として、検査も受けないで、だれでも持っていってべたべた張られたんでは運動の意味がなくなります。そういう意味で道義的な意味はありますけれども、まっこうから振りかざして、それはけしからぬというような性格のものでないことだけは間違いないでしょう。
○野村説明員 先生ごらんになりました、その通達に書いてあるとおりでございますが、ただ、私どもとしては、これは検査をしたという一つの証拠と申しますか、そういうものと考えておりますので、これの保管とか運用については、厳重に扱ってもらいたいという趣旨でこの運動をやってもらっておりますので、やはりその保管については、運用を十分注意してもらいたいという趣旨でございます。そういう意味で、これが不正に使用されるということは好ましくございませんので、整備振興会にはその保管、出納を厳重にするようにということを、あのあとでさらに強く申しております。
○井野委員 それはおかしいでしょう。これは意匠法で登録してあるわけでもありませんし、類似のものがつくられたからといったって、これは法律で定めて、これ以上つくってはならない、保管はこうだと、こうなっておって、行政事務として行なわれておるのだったら、局長の言うようなことが言えるかもしれないが、検査をしたかしないかということを証明して、検査したものについても、なお適時検査をしなければならぬのだぞと通達してあるのです。だから、同じようなものをつくって人が持っておったからといって、国会のこの席で大臣は、あなた自身が持っていることが問題なんだという無礼な発言をしていますが、そういう根拠はあるかと聞いているのです。ないじゃないですか。
○野村説明員 法的には、先生おっしゃった登録商標等ではございません。私ちょっとそのほうの専門家でございませんから、それは法的にどういうことになるかよくわかりませんが、街頭検査をする場合に、これを張ってある人は、検査が済んだという一応の証拠といいますかしるしになる、マークになるというものだと考えております。 ただ、これが張ってあるからといって、法的に検査を免れるものではございませんのは、先生のおっしゃるとおりでございます。そういう意味のものでございますが、やはりこれは、実際に検査を受けて、合格したものがそういうマークを付するわけでございますので、この運用についてはできるだけ慎重にやるという、道徳的といいますか、そういう責任が保管者にはあるというふうに私は考えております。
○井野委員 私のほうで疑いたいのは、こういう国民運動を自動車局がやっておるということを、大臣が知っておったかどうかということに疑問がある。あの頭のいい大臣がこれを一度読んでおられたら、あんなばかな答弁はしません。こういう任意の運動を指導しておきながら、このことがいかにも法的根拠があって、法の制裁に問われるかのごとき発言を大臣をしてさせたということは、たいへん責任があるんじゃないですか。何ら権限はないですよ。
○野村説明員 この運動をやります場合には、もちろん事前に大臣にお話し申し上げまして、そして、大いにけっこうだという大臣の御承認といいますか、御賛同を得てやったものでございます。あのときの大臣の答弁その他につきましては、私から申し上げるべきことではないと思いますけれども、要するに、その趣旨にかんがみて厳正に保管すべきものだという趣旨を、大臣はおっしゃったのだと私は考えております。
○井野委員 その点はその程度にしておきます。それでは今度は、大臣の責任のあるほうをどういうふうにやっておられるか、私はお尋ねしたいと思うのです。 四十四年の六月に車両法の改正がありましたときに、排気ガスについての車両検査を特に民間に委託した場合、従来よりもルーズになったり、検査をしたかのごとく不正をやったりしないようにするために、本運輸委員会は附帯決議を出しておるのですね。あわせて参議院でも附帯決議をしている。事務当局の考え方は、少なくとも一年間に三べんは整備工場について検査したい。それが本年の予算では、全国で十九人の検査官が認められただけである。五十二の陸運事務所には検査官はいない。明年五十二名の要求と本省五名の要求をするというふうに事務当局では考えておられるようですが、この見通しはどうですか。
○野村説明員 先生のお話のように、民間に車検を代行させておりますところの指定整備事業者に対する監督につきましては、私どもも昨年の当委員会の御決議の趣旨に沿っていろいろと努力をしているわけでございますが、残念ながら現状におきましては、この指定整備事業に対する監査を現場においてやるという回数は、平均いたしまして大体一年一・五回程度でございます。 それから、この指定整備事業の監督要員の人数につきましては、四十六年度の要求においては、いまお話しのとおり、本省五名、地方五十二名、合計五十七名の監督要員の要求をいたしておりますが、これがどの程度認められるかということは、これから大蔵省との予算折衝の結果にまたなければならないと思います。
○井野委員 実は私、昨日品川の検査場を見せてもらいました。たいへん環境整備には努力をしておられるようですけれども、なおあの混雑の中ではたいへんだと思うのです。東京陸運局の中では、定員と整備工場の数を勘定してみましても、一日に一工場やってみたとしても、一年に七〇%くらいしかできないという数字が出てくるわけです。これは一・五くらいやっておるとおっしゃっても、実際はそうなっていないというのが現状だと思います。ほんとうに政府がまじめに国会の審議、附帯決議というものを守っていこうとするのならば、大臣がああいう高い姿勢で、任意のことに対してすら、国会議員の質問にいたけだかに食ってかかるという姿勢があるならば、まず自分たちが附帯決議のほうを守って、きちっと整備工場等の定期検査が行なわれるようにすることこそ、院議尊重の趣旨だろうと私は思うのです。この点、これも大臣が来たらお尋ねしますが、時間が来ましたのでやめますけれども、ひとつこの要員の整備充実、これはもう百の答弁をするよりも実際に仕事をすることが大事なんですから、それをしないでおいて、欠陥車の検査ができておらぬで遺憾であったとか、あるいは青森のような事件が起こって申しわけないとか言ってみても、これは言いわけにしか過ぎない。ますます自動車の数はふえていく一方であります。検査をしないといろんな欠陥車が出てくるわけですから、排気ガスの問題等にしてもそういうことがあるんで、実際は検査のステッカーを張るんだったら制度化してやるべきなんです。そしてそのとき、持っておったらけしからぬと言えばいいわけなんです。民間運動にゆだねておいて、責任のがれをして、追及をされるとけしからぬというような姿勢は、まことにけしからぬと思うのです。これは後ほど大臣に言いますけれども、この点はくれぐれも予算の確保をしてもらわなければ、この次は言いわけさせませんよ。
○福井委員長 次に松本忠助君。
○松本(忠)委員 きょうはタクシー料金の値上げの問題、それから個人タクシーの問題、あと727の問題について質問をいたします。 先般、私鉄運賃がまことにどうも不明朗な状態で値上げになりました。この私鉄運賃の値上げの問題については、国民ひとしく非常に遺憾に思っているわけでございます。たまたま九月の三十日の朝刊は一斉に、東京のタクシー料金の値上げ、しかも、ことしの三月に二二・五%値上げになっておりますので再値上げ、この記事には、われわれはもうただあ然とするばかりでございます。無神経といいますか、ほんとうに強引といいますか、この問題に対して私たちは非常に遺憾に思うものでございます。前回の値上げのときにおきましても、乗車拒否をなくすとかあるいは体質改善をするとかというふうにいわれているわけでございますが、何らそれが実行に移されておりませんにもかかわらず、このような問題が出てまいりました。 試みに、この国会の裏通り、要するに議員会館との間の通路でございます。大体ここの午後の八時から九時くらいの間、ここには、この時間帯になりますと会社タクシーが防犯灯を消しましてずっと並んでおります。局長はごらんになったことがあるかどうかわかりませんが、ぜひ一ぺん見ておいたほうがいいと思うのです。それらの車に私たちが乗りたいと思って声をかけましても、もう窓ガラスを締めっぱなしで全然あけようともしない。見向きもしない。そうしてそのままの状態でおるわけです。私も参考になるかと思いまして、それらのタクシーの会社名あるいは車両番号、その日時、そういうものを一々全部記載して持っております。こういう状態がずっと一年じゅう続いていると言っても過言ではないと思います。これでは、この前の三月の値上げのときの八項目の大都市タクシー改善対策、これはついに空文ではないかと私は思うわけです。実現したのは値上げだけであって、他の問題については何ら改善はされていない、こう思うわけであります。このあり方というものは、まことに都民を愚弄するもので、まことに残念なことだと思うわけであります。 今回の値上げの要請決議、これは決議だと言っております。まだ現実に値上げの申請をしたわけではないのだ、こう言っておるようでございますけれども、申請が出た場合どのように対処するのか、これに対して聞かせてもらいたいわけであります。
○野村説明員 先般の新聞に、タクシーの再値上げと申しますか、そういう決議がなされたという趣旨の記事が出ましたことは、先生ただいま御指摘のとおりでございます。私どもさっそくタクシー協会の責任者の方を呼びまして、その真意をただしました。その結果、具体的に申請をする金額は幾らであるということをきめたものではなくて、一つの業界の今後の方向としてそういう決議をやったものであるという趣旨でございます。 また、私どもといたしましては、ただいま先生がおっしゃいましたように、タクシーの業務の適正化というものについて、前国会におきましていろいろと御論議がなされ、また私どもも御答弁を申し上げました趣旨に沿って努力をすべき問題でございますが、ただいま御指摘のように、特に東京におきましては、業務の適正実施ということがなかなかはかどっていない、また乗車拒否等も行なわれておるということは、残念ながら先生の御指摘のとおりでございます。したがいまして、私ども現在、特に東京におきましては、タクシー業界に対しまする指導の基本的な方針は、一日も早くサービスを改善して利用者の要請にこたえるということが、現在のタクシー業界に課せられた一番の任務であり、またそれを実現させるように指導するのが、私どもの責任であると考えております。 したがいまして、タクシー業者の経営がある程度苦しいということは、私どももある程度計数によってつかんでおりますけれども、現在の段階におきましては、仮定の問題といたしまして、基本料金の再値上げと申しますか、値上げの申請が行なわれましても、これを取り上げて検討するということはいたしませんから、この点につきましては、サービスの改善という宿題を果たすということが何よりもの大前提であるということを、はっきり申し上げることができると思います。
○松本(忠)委員 とにかくタクシー業界の姿勢に、民衆の怒りはもう頂点に達しておると私は思うのです。裏切り行為だ、絶対許せない、こういう声があがっておるわけです。業界を代表した方が十月一日のNHKの一〇二に出ましたが、その発言にあきれている人が大多数であります。料金を上げても乗ってくれるお客さんを相手にするのだ、こういうような感覚で都民の足、民衆の足というものを担当するところのタクシー業が成り立つのかどうか、これを私は非常に大きな疑問に思う。値上げをしただけではタクシーの改善というものは絶対できない、これはもう三月の値上げで証明済みです。少なくとも半年たったけれども、今日まで何ら改善されたという証拠はあがっていないわけです。タクシー業界自体がもっとみずから改善に取り組む熱意を示してもらいたい。また、監督官庁もそれに対して行政指導を十分に実行してもらいたい、こう思うのは私、一人ではないと思うのであります。 登録制の実施、共同食堂あるいは共同住宅等の福利厚生施設を整備することを目的といたしましたタクシー近代化センターは発足はしたけれども、タクシー業界が負担金を出ししぶっているために、何ら実行されていない。業界の近代化をはかるためにとうとい財政資金を投入しているのに、それに対して業界が協力しない、こういうことはまことに私ども理解できないわけでございます。これに対して局長はどのように思われるか。
○野村説明員 ただいま先生御指摘のように、タクシー近代化センターの実際の活動が非常におくれておりますし、動きが活発でないということは、御指摘のとおりでございます。その点につきましては、私ども非常に微力でございまして、責任を痛感いたしておるわけでございます。 ただ、私どもといたしましては、あのときにお約束いたしましたタクシー適正化業務ということを、一日も早く軌道に乗せたいということを考えておりまして、今日までいろいろと説得をして、またそういう行政指導をやってまいったわけでございますけれども、残念ながらまだ適正化業務のほうは、ほとんどその緒についていないという状況でございます。 しかしながら、最近いろいろと大臣からも強力な御指導があり、また私どももタクシー業界等再三呼びまして、その責任者に対して、すみやかに適正化業務をやるようにという指導をやったわけでございますが、現状におきましては、負担金の問題につきまして、あるいはその前提となります事業計画につきまして、私どもまだ正式な報告は受けておりませんが、いろいろと聞くところによりますと、きわめて不満足ではありますけれども、大体負担金の金額というものもきまりかけてきた、また事業計画もほぼきまりかけてきたということを聞いております。 そこで私ども、これは私どもとして十分だと考えるまでその発足を延ばすかどうかということについて、いろいろ検討を重ねてきたわけでございますが、とにかく今年度ももうあと半年足らずとなりましたので、一日も早くこれを発足して軌道に乗せるということから、非常に不満足ではございますけれども、今年度の事業計画及び負担金の額につきまして近代化センターから報告があれば——まあ、これは直接には地方の陸運局長の所管でございますが、私ども本省の立場におきましても、一刻も早く業務を開始するようにという方向でこれを処理したい、かように考えております。
○松本(忠)委員 われわれがこの際業界に望みたいことは、経営の改善と運賃値上げにたよらない増収策を立てること、それとサービスの向上、こういう問題だと思います。たとえば都内の盛り場、繁華街等における流しタクシーを全面的に禁止してはどうか。そして客待ち場所をつくる、これも数多くつくる、そういうふうにしてはどうか。ところがその客待ちの場所、いわゆるタクシーの待っている場所というものがありません、こういうようなことをしばしば言っております。しかし、それは都心部に違法駐車——と言ってはいかぬかもしれませんけれども、至るところに車がとめてあるわけです。とめっぱなし。ひどいのは一晩中とめてある。この状態はしばしばいわれているわけです。これが交通渋滞のもとになっているわけでありますから、盛り場などは運転者の乗っていない車というものは一切駐車してはならぬ、こういうふうにきめてはどうか。運転者が乗っている場合は駐車しておいてもよろしい。そうすれば渋滞等が起きた場合にも、じゃまのような場合でも、それを動かすことがすぐできるわけです。 そういうふうなきびしい駐車の規制と、盛り場等における流しを禁止して、そしてタクシーの乗り場といいますか、そういうものを新設をする。それを当局として考えているのかどうか、この点をひとつ簡単に……。
○野村説明員 ただいま先生の御質問の点でございますが、御承知のように、先般御承認いただきました適正化法の中にも、繁華街等におきまして一定の乗り場を定める、あるいは流しの禁止の地帯を設けるということができるような法律構成になっております。 したがいまして、適正化業務が発足いたしましたならば、私ども地元とそれから警察当局と十分連絡をとって、具体的にそういう措置を講じたい。それには、タクシーベーあるいはタクシー乗降場等の設備のための費用も要るかと思いますが、こういうものにつきましては、たとえば長期低利の融資あっせん、これは予算にも要求はしてございますが、そういうものの実現の状態等にらみ合わせながら逐次やっていきたい、かように考えます。
○松本(忠)委員 いまの乗車拒否、要するに盛り場における、新宿とかあるいは銀座だとか、そういうところの乗車拒否の状態は、局長も十分御存じだと思うわけです。どうしてもそれは、やはり流しタクシーを盛り場からは放逐して、いまのようなタクシー乗り場というものをきめる、そこへ行って待てば必ず順番に乗れる、こういう方向に進むように、ひとつ善処してもらいたいと思うわけです。 それから都心でないところ、言うならば繁華街でないようなところについては、流すことはやむを得ないと思いますけれども、いま一つの問題点になっているのが、道路の中央部を空車のタクシーが走っておる。 〔委員長退席、箕輪委員長代理着席〕 そして、これは目ぼしいお客さんだというようなのがあると、さあっと斜めに横切って歩道側につける。これはよくあることであります。それが非常に交通事故の原因になっているわけです。こういうものを私たちはやめさせたいと思うわけです。 そこで、その空車のタクシーは、道路の左側を通るように道交法で義務づけをしてはどうか。法律できめてはどうか。要するに、空車タクシーというものは歩道に一番近いところを必ず通るのだ。もちろん、歩車道の分離のないところは非常に危険な場合があるかもしれません。しかし、やはりタクシーが道路の中央部を走っておったのでは、手をあげてもなかなか来ないわけです。そしてまた、目ぼしい、いいお客さんだと思われるような人は、これは聞いてみると勘でわかるようであります。そうした場合にはさあっと道を横切ってくる。こういう方法をひとつやめるように、道路の左側を通るように、道交法で義務づける考えはあるかないか、この点をひとつ確かめておきたい。警察でないから、あなたの答弁はちょっとむずかしいかもしれません。
○野村説明員 道交法の所管は警察でございまして、私から申し上げるのはあれかと思いますが、先生のただいまの御提案、警察と常時密接に連絡をとっておりますので、よく警察に伝えたいと思います。
○松本(忠)委員 それから、現在一日の走行キロは三百六十五キロということになっております。これも最近、東京、大阪などにおきましては実情に合わない。これも検討し直すべき問題ではないかと思うわけです。現在の渋滞を緩和するのには、タクシー業界もあらゆる手を打っていく、そして交通事故の撲滅に取り組む姿勢がほしいと思うのです。時間があれば、タクシー行政の根本から洗い直したいのでございますけれども、機会を次回に譲ります。 次に、個人タクシーの問題に移りたいのであります。個人タクシーの免許の状況につきまして、数点お尋ねいたしたいと思うわけです。 例を東京にとってみますと、本年の六月十三日、七月三日、八月三日、これはごく最近でございますけれども、この三カ月間毎月処分をしております。しかしながら、九月にはついにその処分がなかったわけであります。それで、現在審査中のものは昭和四十三年に申請をしたものだ、このように聞いております。八月の三日に処分された分は四十三年のいつごろ申請された分か、この点をお答え願いたい。
○野村説明員 ただいまお尋ねの件でございますが、四十五年の八月三日に処分されたものの申請の年月日でございますね。——これは後ほど調べましてお答えしたいと思います。
○松本(忠)委員 それではけっこうです。あとで教えていただけばけっこうです。とにかくいま審査中のものは、大体四十三年ごろの分と私も承知しております。 それでは、現在申請されて審査済みのものがどれくらいあるのか、あるいはまた審査しないでロッカーの中に入っているようなものはどれくらいあるのか、この点はおわかりですか。
○野村説明員 正確な数字をいま記憶しておりませんけれども、いまたまっておると申しますか、未処理のものは約六千件ほどあるというふうに承知いたします。
○松本(忠)委員 では、その具体的な数字については、後ほどお知らせ願えればけっこうであります。 私のところにも、処分がおそいという問題につきまして、不安に思っておるところの個人タクシーの申請者から数多くの問い合わせがあります。たとえば、足立区の石田さんという方は四月の十五日に聴聞が終了しておる。板橋区の北村さんという人は四月の二十六日、荒川区の福田さんは五月の十五日にいずれも聴聞が終了しておるのです。これらの人はもう首を長くして待っておるわけです。これらの方々はいずれも昭和四十三年の申請、こういうことでございますので、車庫の確保につきましてはなみなみならぬ苦労を重ねていることと思うわけです。最近は、聴聞時におきましてその確保がなされておればいい、要するに申請時と大差のない距離のところに新規に確保して変更届けを出せば、それでもう認めてもらっているようでございますけれども、聴聞が終わりましてからはそうはいきません。聴聞の機会に際しては、権利金を払い、完全に車庫を確保して、そうして処分を待っているわけです。そういたしますと、使用しないのに車庫料を支払っている、この金額というものが膨大なものになると思うのです。 いま局長の答弁に、全体で六千件というふうに言われていますが、かりにその半分が聴聞が終わっているか、あるいは三分の一が聴聞を終わっているか、その辺のところはわかりませんが、かりに三分の一の二千件が聴聞が終わっているとしても、これは一カ月五千円の車庫料を払えば、一カ月一千万円になるわけです。そういう状態で、五月に聴聞が終わったものが、これはまあたいへんなことになるわけです。半年分はもう優に払って待っているというのが実情です。 そういう点から考えまして、このいままでの例からしても、聴聞の終わったものは大体四カ月くらいで結論が出て、いる、処分が出ている。私は、これを早急にいままでのとおり処分すべきだと、こう思うわけであります。全国的に個人タクシーの免許がストップされたという情報は入っておりませんのにもかかわらず、東京だけがストップしているというこの理由はどういうわけなのか。政府の方針が変わったのか、そのことも私は聞いておりません。運輸省も経済企画庁も、個人タクシーの増強については前向きに取り組んでおりました。急に変わったということは聞いておりません。何かその間に特別の事情があるのかどうか、この点を私は問いただしたいわけであります。 去る十月二日のサンケイ新聞の世論調査にも、個人タクシーをふやすことについてどう思うかという問いに対しまして、もっとふやすべきだというのが七二・三%あります。いまの程度でよいというのが一四・五%、もっと減らしたほうがいいというのが二・四%、わからないというのが一〇・八でございます。そういたしますと、もっとふやすべきだという意見が七二・三、圧倒的に多いわけであります。この事実からしても、大衆の要望、民の声というものは個人タクシーの増車を大いに歓迎しているというふうに受け取れるわけであります。政治の要諦は民の声をすなおに聞くことではないかと私は思うわけであります。したがいまして、当局でいま特に東京において個人タクシーの処分がおくれているのは、いかなる理由によるのであろうかという点をお伺いしたいわけです。
○野村説明員 ただいま先生のお話のように、個人タクシーの未処理件数と申しますか、約六千件ほどの未処理のものが停滞をいたしておりまして、私どもはこれのすみやかな処理ということをかねてから考えておるわけでございます。ただ、東京につきましては、その数が非常に多うございまして、聴聞等もいろいろとくふうをしてやっておりますけれども、なかなかはかばかしくないことは、ただいま先生のお話にございましたような実情でございます。 ただ、私どもといたしましては、実際にこれをやっております東京陸運局から話を聞いて、いろいろと相談に乗っておるわけでございますが、特に個人タクシーの免許といいますか、事務の処理をスローダウンしているとか、押えているというようなことはございません。ただ、審査に若干手間がかかっておるということは事実でございます。 その大きな原因と申しますのは、個人タクシーというのは非常にサービスがいい、優秀な運転者だという定評があることは御承知のとおりでございますので、私ども個人タクシーの量は、いまお話しのように輸送需要の伸びに応じましてふやすということでございますが、最近、一部ではございますけれども、個人タクシーに対する乗車拒否問題とかいろいろなことが出ておりますし、個人タクシーを免許いたします要件の中に、過去三年間無事故、無違反ということが一つの大きな要作になっております。ところが最近、いろいろ私ども調査しておりますけれども、その調査不十分のために、必ずしもこの点について完全な調査が行なわれなかった、あとでそのような事実がわかったというようなケースがややございますので、特にこの点、個人タクシーの質を維持するという意味から、そういう方面の無事故、無違反というような点の調査を相当たんねんにやっております。 こういうことのために、結果といたしまして事務処理が多少おくれているということで、ただいま御指摘のような申請者の方には非常に御迷惑をおかけしておると思いますけれども、これもできるだけ早くやるように、私どもも東京陸運局を督励してやっておりますので、そう遠くない将来に次の処分がなされるというふうに私どもは報告を受けております。
○松本(忠)委員 個人タクシーの免許につきましては、三月に橋本運輸大臣も、大量に免許するという方針を明らかにしている。そうして免許資格も、最高年齢を六十五歳に拡大したということは、私どもも歓迎するところでございます。いま局長、なかなか事務がはかばかしくいっていないと言いますけれども、東陸を例にとりましても、東陸ではそのための人員もそしてまた機構も増強して、毎月四百件程度の処分ができる体制になっている。そういう点からしまして、私は決してはかばかしくないとかいうようなことはない、十分に審査ができたものがそのまま処分されないでストップしている、これが実情だと思うのです。そういう点から、私はさらにこの処分を、いま局長もなるべく早くと言われましたけれども、少なくともいままで定例的に一カ月二百件なり百五十件なりのものが順次処分されてきている。また、決して個人タクシーのものがいまお話のあったような乗車拒否がある——それは中にはあるかもしれませんけれども、会社タクシーと比べてみたらば、これはほんとうに九牛の一毛ではないかと私は思うわけです。それからまた、無事故、無違反の問題についてはきびしくやっているとおっしゃいました。調べた中にあるいはそういうのがあって、そしてあとから気がついて、しまったというようなことがあるというお話がございましたけれども、この点は、私は確かめてみましたけれども、ほんとうにわずかな事故でも違反でも、これは見のがしておりません。そのために、三年間営々として待っていたのがだめになったという例が幾つかあります。この点については陸運局は実にきびしくやっている。私は最もこれがいいと思います。無事故、無違反ということが当然のことだと私は思うのでありますから、個人タクシーはそのような意味においてきびしく審査をする、そして迅速に審査をし、処分をしていくということが必要だと思うわけです。 そこで、私は一応諸外国の例も調べてみましたけれども、ヨーロッパの例を見ましても、ロンドンでは法人が千八百台、個人が六千四百台、イタリアのローマでは法人が三百八十台で個人が三千四百台、西ドイツのハンブルクでは法人が六百台、個人が二千八百台、こういう状況で、個人タクシーが圧倒的に多いわけです。ただ例外的に言うならば、パリは法人と個人がほとんど匹敵するように、法人が七千台、個人が七千八百台、こういう状態でございます。 私は、個人タクシーは適格なものは認可制にして増強すべきだ、こう思うわけです。そのかわり、いまもお話が出ましたように、申し上げましたように、徹底して取り締まりを強化する。もちろん、過去において違反があったりしたような者は絶対に認可はしない。そしてまた、かりに乗車拒否をするような者があったとしたならば、これは直ちに就業を停止せしめる、こういうふうにきびしく取り締まっていくべきだ。これは法人の場合も個人の場合でも同じでございますけれども、そうすべきだと私は思うのです。 そこにもう一点、個人タクシーの欠陥と申しますか、私もしばしばこの問題については提案をしておりますけれども、個人タクシーは自分の好む時間にしか稼働しない、こういう傾向が非常に強いわけです。これを是正するという考えがあるかないか。私は、法で是正すべきじゃないか、規制すべきじゃないかと思うのです。少なくとも三年に一ぺんの書きかえもあるわけですから、そういう時期に、昼の部とかあるいは夜の部とか、そういうふうな具体的なものをきめて、必ず昼間何時から何時までは稼働する、この車は夜は何時から何時まで稼働する、こういうふうに義務づけをするように、そうして、個人タクシーのかって気ままな時間の稼働というものを防ぐような対策を考えるべきではないかと思うのでありますけれども、この点について局長はどう思いますか。
○野村説明員 個人タクシーの運行の実態及びそれに対する指導の方法でございますが、先ほど申し上げました近代化センターの発足を私どもが非常に急いでおりますのは、実は先生の御指摘のように、個人タクシーの運転者は労働法上の労働者でございませんで、したがって労働時間の適用がない。そういうことから、非常に勤務が本人の自由な選択にゆだねられておる。したがって、深夜とか早朝とかに稼働しているものが少ないということは御指摘のとおりでございます。 したがいまして、私ども個人タクシーをできれば組織化いたしまして、そうして地域的にお互いに、今週はこのグループは夜おそくやる、来週は次のグループが夜おそくやるというようなことができれば、利用者の方にとっても非常に便利であると思いますので、行政指導といたしましては、そういう組織化の面を非常に進めておるわけでございますが、これも必ずしもはかばかしくまいっておりません。したがいまして、近代化センターにおきまする指導ということから——いままでは、東京で申しますと、タクシー協会とは別に個人タクシーの団体がございまして、それも必ずしも全部組織されておらないという点から、なかなか一元的な指導ができなかったわけでございますが、今度近代化センターに入れば、全面的にその傘下におきまして街頭指導というようなことも行なえるわけでございますから、そういう機構を通じて、あるいは個人タクシーの協同組合組織化というようなことを促進して、地域的及び時間帯別の有効な運行というようなことを勧奨したい、こういうふうに考えております。
○松本(忠)委員 それでは、もう自動車局長に対する質問は以上で終わりますが、とにかく個人タクシーの免許の状態が、東京の場合非常におくれている。これは可及的すみやかに免許をいままでのように出すということの確認、それから、タクシー運賃の値上げについては、まだ申請も出ていないわけでありますけれども、出ても、これに対しては考慮するとか検討するとか、そういうことは考えていない、こう確認していいわけですね。
○野村説明員 個人タクシーの事務の処理については、できるだけ早く処理をするように、さらに強力に指導をしたいと思います。 それから、基本料金の再値上げと申しますか、これにつきましては、冒頭申し上げましたように、大臣もはっきりと、これを審査して取り上げる意思はないということを申しておられますので、私どもその趣旨に沿って対処いたします。
○松本(忠)委員 次に、航空局長にかわっていただきまして、きょうは、昭和四十一年の二月四日に起きました全日空機の727の墜落事故の最終報告が九月二十九日発表されております。この点につきまして、若干の質問をいたしたいと思うわけであります。 あの報告書を私も読ませていただきましたけれども、何ともあと味の悪いものです。すっきりしない、こう思うわけであります。御承知のように昭和四十一年には、三月四日にカナダの航空機が羽田着陸に際して事故を発生した。五日にはB ○AC機が乱気流に突っ込んで墜落事故を起こした。この外国機二機は、いずれも事故原因が明らかにされました。その後、十一月十二日に松山空港で全日空機が事故を起こしましたが、これは原因不明と発表されて一応片がつきました。最初の、きょうお伺いするところの727の二月四日の事故につきましても、四年八カ月という長年月の調査でようやく結論を出したわけであります。 この報告を拝見しますと、簡単に言うと機体に欠陥なしとし、一方操縦のミスの可能性は考えられるが、明らかにする資料がない。言うならば原因不明、こういうことになったと思うわけであります。私はことしの五月十二日にも、この727の事故につきまして当委員会で質問をいたしました。そのときも申し上げたのでございますけれども、国民だれもが知りたいこと、これがどうもすっきりした結論が出ない。操縦のミスなのか、機体欠陥なのかどうなんだろう、 〔箕輪委員長代理退席、委員長着席〕 これは日本国民のだれもが知りたがっていることだと思うわけです。特に、この事故でとうといお命をなくされた百三十三人の御遺族の方々に対して、一そうその感が深いと私は思うわけであります。この事故で犠牲になられた方々の霊に対しても、原因不明ではまことに申しわけないのじゃなかろうか、こう私は思うわけであります。政府の機関が四年八カ月の歳月と千五百万円という調査費、延べ人員が一万七千名もの方々が調査に参加されてまとめられた最終報告について、いまさら言っても始まらないのでございますけれども、若干の疑問点を私はただしておきたいと思うわけでございます。 五月十二日に私が当委員会で質問いたしましたときに、山名教授の辞表を事務局で受理して、団長と相談して事務局で預かっている、そして団長をはじめ団員の有志の方並びに事務局で、慰留を続けているという答弁でございました。この結論はどうなったのか、報告書にも記載してありませんし、この席ではっきりとお伺いしておきたいわけでございます。
○内村説明員 ただいまお尋ねの山名団員の件でございますけれども、先般御報告を申し上げましたように、当時は極力慰留すべきであるということで努力したのでございます。しかし、その後どうしても山名先生の辞意がかたくて、やむを得ずその辞表を受理いたしまして、八月十四日に同団員の辞表を受理して、辞職されたというのが実情でございます。
○松本(忠)委員 辞職の理由を簡単に言ってください。
○内村説明員 山名先生は、その原因について、いわゆる山名説といわれておりますけれども、航空機の機体にふぐあいがあった、その結果事故が起こった、大まかに申し上げるとこのような説でございました。 そこで、この点につきまして、各団員の先生方にそういった意見を御披露いたしまして、いろいろ御検討をいただいたわけでございますけれども、大多数の先生方は、どうもあらゆる証拠から見て、いろいろ分析してみると、そういうふうな機体の事故によるものだという証拠がないということで賛意を表されなかったわけでございます。 そこで、その報告書を書いていただきます場合に、私どもといたしましては、多数説というもののほかに、山名先生の説も少数説としてあげていただきたいということで、山名先生にも再々お願いをいたしたわけでございます。しかし、少数説としてあげるのでは私はいやであるというふうな御説でございまして、どうしてもこれを少数説としてはあげたくない、団全体として受け入れるのでなければ、辞職するよりしょうがないというのが先生の御意見でございまして、残念ながらやめていただいたというのが実情でございます。
○松本(忠)委員 私は、本年の二月二十六日に山名教授を東大にたずねましてお話を伺ったのです。ただいまの答弁によりますと、断定するに足る証拠がない、可能性の少ない事象を組み合わせたものだと言われておりますけれども、山名教授は三年半の歳月を費やして独自の調査をした。たとえば、模型を使って墜落や接水の実験データをとった、あるいは千枚に及ぶところの残骸のスライド、あるいは三本の映画のフィルム、こういうものをとって、いろいろな角度から検討された模様だ。その結果が、学者としての良心から、いわゆる異常事態説といいますか、機体欠陥説といいますか、こういう説になったと私は思うのです。 私は、技術屋でもございませんし専門の分野でもございませんから、詳しいことは断定できませんけれども、巷間異常事態が空中で発生したことを裏づける材料が、いろいろあるということが言いふらされております。その一つの例としては、乗客が安全ベルトをはずして立ち上がっていたとか、ロザリオを首にかけていたとか、救命胴衣がふくらんでいたとか、いろいろ空中における異常事態が発生したということを裏づけることを言われております。調査団はこの意見を無視したことはないか、この点を私は伺っておきたい。
○内村説明員 その点につきまして、御指摘のように巷間いろいろな説がなされました。たとえば、安全ベルトをはずしていたのではないか、救命胴衣が浮かんでいたから、これはその準備をしてつけておったのではないか、あるいはロザリオの話とか、そういうことがございました。 そこで、そういった問題について、私ども調査団として逐一検討いたしたわけでございます。たとえば、安全ベルトにつきましては、座席に金具がついておりますけれども、ベルトをしていればそこに体重がかかるわけでございます。はずしていれば体重がかからないということから、全部調べました結果、根元の金具には荷重がかかっているということでございまして、これは必ずしも安全ベルトをはずして避難していたものとの証拠がないということでございます。それから救命胴衣につきましても、全体のうちの三十三個がふくらんでいたと聞いておりますけれども、これにつまましても、中には潜水夫が引っぱっていたからふくらんだというものもございましたし、そういった意味で、みずから身につけて脱出準備をしていたということの確定的な証拠には必ずしもならないということもございます。そういったようなことでございまして、一々そういうものについて詰めてみたわけでございますけれども、どうしてもこれはそういったものの裏づけとなる証拠とはならないのであるというふうなことになったわけでございます。 なお、本件につきましては、山名先生は第三発動機に異常が起きたということを主張しておられますけれども、こういった安全ベルトの点とか、ロザリオの点とか、そういったもので飛行機の事故が起こったということは仰せになっておらないわけであります。
○松本(忠)委員 若干お尋ねしたいと思うのですけれども、安全ベルトの取りつけ金具に荷重が加わったあとがあるという点に対して、山名教授はそれをどう判断されていたか。山名教授に判断を求めたことがあるのかないのか。
○内村説明員 山名教授は、この点については全然お触れになっておりませんでした。
○松本(忠)委員 山名教授も、その安全ベルトの金具に荷重がかかったということを知っているのですか。
○内村説明員 資料として出しておりますので、御存じのはずであります。
○松本(忠)委員 いろいろ言われていることがありますが、時間もそうございませんから、あともう一つ、二つ聞いてみたいと思うのです。 いま救命胴衣の問題が出ております。救命胴衣がふくらんでいた。このことについて、いま局長は引っぱったのがあるというお話ですね。私はそれはおかしいと思うのですよ。この事故の、いわゆるあの場合ですと海中に全部入ってしまった。その海中に入ってしまったものを捜査して引き揚げてくるというような場合に、その捜査に当たるに際して、それに対して何ら手を加えてはならないということを言うのは当然じゃないかと思うのです。それを作業員が守ってなかった。中には引いた者がある、こう言いますけれども、三十三個も引くということは私は考えられない。少なくとも、何の手もつけないままで海中から引き揚げてそのまま持ってくるというのが、調査に際しての当然とられる措置だと思うのです。もしそういうことを指示してなかったとすれば、これは重大な手落ちだと思うのです。三十三個もふくらんでいたという事実に対して、どのようにこれを判断したらいいのか、この点をひとつ答えていただきたい。
○内村説明員 ただいまの、原状のままで持ってこいということは指示してあったようでございますが、残念ながら徹底を欠いた面もあると思います。私、申し上げましたのは、たまたま引っぱっていたというような事実が若干あったかもしれませんが、全部それによって、膨張したというふうには考えておりません。ただ、何と申しますか、膨張している事実が、必ずしも脱出準備であるということのためになされたかどうか、そういうふうなことがわからない、そういうふうな証拠には必ずしもならないというふうな点から、証拠としてはずされたのじゃないかというふうに考えております。
○松本(忠)委員 いまの救命胴衣の点については、私どもは非常な疑問を持っているわけです。しかし、専門の方々が、先ほど申し上げましたように四年八カ月かかってやったわけですから、私は結果に対してとやかく言うものではございませんけれども、三十三個の救命胴衣がふくらんでいたという事実からしても、これは何か非常の事態が起き、それに備えて救命胴衣をつけ、しかも機内で自分たちが引っぱったのだ、このように私は解釈しているわけであります。いずれにいたしましてもこの問題については、いまもお話をしたように、はっきりした結論を科学的にいろいろ証明するものがあると思いますので、私は、その問題はそれにとどめておきます。 少なくとも四十三年四月二十六日発表の報告書第一次草案では、機体欠陥説を唱えていたのに、それが六週間ほどしかたっていない四十三年六月六日の第二次草案では、パイロットミス説をにおわせている。このように変更された理由は一体何なのか、これをひとつお伺いしてみたい。
○内村説明員 第一次草案では、あるいは安全ベルトの点、そういったものから、機体欠陥説らしい感じの第一次草案が出されたようであります。しかし、それを諸先生の前に出しました際に、先ほど申し上げましたように、具体的な証拠が不十分である、こういう点、こういう点、こういう点をもっと再検討してみなさいという御指示を、多数の先生から受けたわけでございます。 したがいまして、その指示によりましていろいろ再調査いたしましたところが、先ほど申し上げましたようなこと、あるいは、たとえて申し上げますと、第三発動機のスターターのレバーが閉近くにあった、こういう事実もございます。したがって、閉近くにあったのだから、おそらく操縦士が操作してエンジンを切ったのじゃないか、エンジンにトラブルがあったのじゃないか、こういうことが初めの推論の一つの根拠だったわけでありますが、それを調査いたしました結果、必ずしもそうではない、外部の力によってもスターターのレバーというものはこういうふうになって、事故当時の外力によっても成り立つものだということがわかってまいりましたし、それからエンジンにつきましても、さらに分解をいたしまして調査いたしました結果、ほかのエンジンと同様の状態で正常に動いておったということが明らかになりました。 そういったようなことがございまして、一々調査いたしました結果、前の推論は必ずしも当たっていない、しっかりした証拠に基づいたものではないということから、第二次草案を証拠に基づいて書き直したということでございます。
○松本(忠)委員 いま局長から、第三のエンジンの問題についてお話がありましたので、私も、時間の関係もありますが、その点をひとつお伺いしておきます。 先ほども申し上げましたけれども、四十一年には大きな航空機の事故が四件ございました。二件は国内機でございます。二件は外国機でございます。この外国機二機のうち、BOACのほうは乱気流に突っ込んだ、こういうことではっきりしている。カナダ航空機のほうは操縦ミス、こういうふうになりまして、結論がはっきり出たわけでございます。そしてまたカナダ航空機のほうは、操縦ミスという点から多額の補償金を払って、そうしてかえって信用を増した。 これに比べまして日本側の二機、この二機はいずれも原因不明、こういう結論でございます。事故原因が不明という発表は科学的であるようでございますが、実はだれも傷つけないきわめて政治的な結論である、こういうふうに言っている新聞もございます。またこの事故について、第一線パイロットが、パイロットたちの機関誌に反論を載せている新聞を私も拝見をいたしました。 とにかく原因不明という公式の結論が出たわけでございますが、調査団長であるところの木村秀政日大教授が、調査団の団員構成に最初から問題があった、こういう趣旨を述べている点もございます。これはエンジンの専門家が、永野石川島播磨重工の副社長一人だった、こういう点をさして言っているのじゃないかと思うのです。他の構造関係や機器の関係、操縦関係が複数あるいは複数以上、これであったのに比べまして、このエンジンの専門家は一人だった。この専門分野の片寄りということをさしているように私も思うのです。この点は私は同感なんです。もう一歩突っ込んで言わせてもらえば、あまりにも構成団員中に利益代表が多くて、それが公正な結論を述べるには大きな障害になったのではなかろうか、こう私は思う点もあります。たとえば木村団長自身が、このボーイング727の輸入にあたりまして、技術上の責任者であったというふうなことも言われております。このような点から、機体の欠陥説には同調できなかった、こういうふうに言っている者もありますが、この点はどうお考えになりますか。
○内村説明員 私どもといたしましては、調査団の構成というものは、やはり厳正中立な方々にお願いいたしまして、それぞれの自信とそれから能力によって公正にやっていただいたのではなかろうかというふうに思っております。 先ほど、木村先生が構成について疑義があるというふうなことをおっしゃったかに伺ったのでございますが、これは、おそらく構成メンバー全体について疑義があるという意味ではなくて、委員会のつくり方とか、部会のつくり方とか、そういう専門の分け方、こういう点に若干問題があったのではないかということを言われたというふうに聞いております。
○松本(忠)委員 私は、いかにしてその第三者的な調査団を編成するか、これが事故の技術調査を有効に進めるための決定的なきめ手であろうかと思うんです。こういう点も伺いたいわけでありますけれども、時間の関係もございますので続けて質問いたしますので、まとめて答えてもらいたい。 運営について妥当を欠いていた、この山名教授の異常事態説、これについても、総会で多数決によって否決されて全く取り上げられなかった、このために辞任された、このようなことも言われております。政治の世界におきまして多数決はやむを得ないと思いますけれども、学問の世界におきましては、少数の者の意見でも真実はあると思うわけです。その多数決で押し切ったということはまことに理解しにくいものであります。しかも山名教授の少数意見というものも、ついに報告書には、本人の希望もあったのでしょうけれども載らなかった。この点についても、私は非常に遺憾に思っているわけでございます。木村団長が最終報告書の発表前の記者会見で、内部の和がはかれなかったことは私の責任だ、こういうことを言われておりますけれども、このことばには、調査団の運営が妥当を欠いていたということの裏づけではなかろうか、こう私は受け取るわけです。調査団の運営あるいはその構成、こういうものについてほんとうにどうであったか。特に運営の面について——構成の面は先ほど伺いましたが、運営の面について簡単に一言述べてもらいたい。運営が妥当であったかどうか。
○内村説明員 運営の問題でございますが、もちろんこれは各人各様、いろいろな知識、経験を持った方でございますから、意見の差異というものは確かにございました。しかしこれは、そのしこりが残って感情的な対立になるというふうなことはなかったのではないかと思っております。 確かに先生がおっしゃいますように、こういうふうなものは何も多数決をもってきめるということではございませんで、あらゆる角度からの研究、あるいは客観的な状態をそれぞれ明らかに掲げるということが本来の使命であるかと存じます。その点、特に私どもといたしましても、山名先生に御了解願いまして、ぜひとも少数意見として報告させていただきたいということを再三お願いしたわけでございましたが、残念ながら御了解いただけませんで、報告書に載らなかったことはたいへん残念だと思っております。しかし、こういった研究も研究としては非常に価値ある研究でございますから、何らかの方法で山名先生が公表されるとか、そういうことをしていただけるならば、たいへんけっこうなことではないかと思います。
○松本(忠)委員 いずれにしましても、山名教授は一月三十一日に辞任届けを出し、八月十四日に委嘱が解かれている。この最終報告書は九月でございます。したがいまして、山名教授はこの報告書に対しては責任がない、こういうふうに理解していいわけですか。
○内村説明員 そのとおりであると思います。
○松本(忠)委員 それでは大臣にお伺いいたしますが、本年の三月七日にこの問題を予算委員会でも取り上げたことがございます。そのときに、わが党の相沢議員が大臣に質問しております。そのときに相沢の言うのに、「かなり関心を呼んで、山名説を究明し、公表してほしい、」ということをいま局長はそのことについても述べられましたけれども、そして「政府はこの航空機事故についての事故原因の解明に一そう徹底した姿勢で取り組んでほしい。そうすることが百三十三人にも及ぶとうとい犠牲者の霊に対するせめてもの慰め、償いになるんじゃないかと思いますので、この点についての大臣の見解を承りたい」と言ってこのとき質問をいたしました。このことに対しまして大臣は、前文を略しますけれども、「いろいろ誤解があってはなりませんので、おそらく、答申が行なわれる場合は、山名委員の提案にかかわるそれの研究等も十分に発表せられる、かように私は信じておる次第であります。」こう答弁されました。しかしながら、現実に山名さんの説というものは報告書には載らない。これで終わってしまったわけでございますけれども、山名さん自身の希望もあるでしょう、表現の自由もあるでしょうが、山名さんの説をむしろ発表したほうがいいのじゃないか、私はこう思うわけです。それについて大臣はどのようにお考えになっておられるか、一つだけお伺いしておきたいわけでございます。大臣、簡単にお願いします。
○橋本国務大臣 たいへんな事故でありますからして、できるだけ詳細をきわめて、少数意見といえども出してもらいたいと思います。その点、先ほど航空局長からお話がありましたように、再三再四山名教授にお願いしましたが、御本人はこれを拒否せられた、こういう事情を御了承願います。
○松本(忠)委員 それでは最後でございますが、一応この調査報告によりましてピリオドが打たれたわけでございます。今回の調査のあり方を振り返ってみまして、この事故調査のあり方というものに対して、確固たる体制の確立が望ましいと思うのです。こういう事故が再び起こることをわれわれは望むものでもありません。しかしながら、やはりこの航空機の事故というものに対して、何かしら日本の場合は、原因不明という状態で片づけられている点を私は非常に残念に思うわけであります。 そこで、引き続きこの体制の確立という面について、慎重に検討されるように希望したいわけでございますが、大臣はどのようにお考えになるか。
○橋本国務大臣 御意見のとおり、これはアメリカ等では、御承知のように五人委員会で常設機関が設置されております。そういう国々が二、三あるようであります。私しろうととして考えましても、また当時報告がありました際にも、木村団長から、何かやはり常設機関を設置することのほうが望ましいのじゃないかというような非公式の意見も述べられております。私もしろうとながら、ふだんの小さい事故の研究が行なわれて初めて、大きな研究についてある程度基礎ができるという意味からは、そういう機関が望ましいと考えておりますが、いろいろの点もありますので、目下事務当局において、その問題について前向きで検討をいたしております。
○松本(忠)委員 大臣がお見えになる前に、個人タクシーの免許の問題とタクシー運賃の再値上げの問題について、自動車局長に伺いました。その場合に野村局長は、個人タクシーの免許が特に東京がおくれているのは、別に理由はないのだ、可及的すみやかにこれは遂行するということで、いままでどおり個人タクシーの免許というものは、前向きで取り組んでいく姿勢を述べられたわけでございます。また、タクシー運賃の再値上げの問題に関しましても、現在それが申請されているわけではございませんけれども、申請された暁であっても、これに対して検討するとか、そういうふうな考えは持っていない、こういう旨の答弁がございました。大臣のお考えもこれと同様であろうとは思いますけれども、念のために確認をいたしておきたいわけであります。
○橋本国務大臣 先ほど局長からお答えがあったそうですが、もちろんまだ申請も出ておりませんし、新聞でわれわれは見ただけでありますが、おそらく業界も、現在の体制を十分に整えてでなければ、そのようなことを申し出るはずはないと思いますので、この点は、局長の答弁したとおりであります。 また、個人タクシーの認可につきましても、事務的には急がせております。しかし、問題は個人タクシーをふやすということと、全体のタクシー運転者がどうなるかという問題もあります。それらを含めて積極的にこれは処理していきたい、かように考えております。
○松本(忠)委員 終わります。
○福井委員長 井野正揮君。
○井野委員 実は大臣、去る九月十日の委員会で、たいへん私がびっくりするような答弁をなさったので、速記録をいろいろ調べてみまして、その後国鉄の再建案、それから昭和四十四年の五月九日の国鉄再建の特別措置法、これらをしさいに読みまして、いままでなかなかこの再建案が理解できなかったのですが、大臣の明快な御答弁があった点から考えてみて、初めてこの再建案が理解できるようになったことを、まず前提に申し上げて御質問申し上げたい、このように思います。 なぜこの再建案が理解できなかったかというと、二つの矛盾する側面を一つにして再建案を立てようとしておるところに、私は理解できない点があった。しかし、大臣はこの再建案について多くのあやまちを指摘されまして、これは速記録を読むまでもないが、赤線を引いてございますから二、三の例をあげますと、「君子豹変す」ということも言っておられますし、実はこの再建案を閣議に提出したときには、就任早々であって、自分の意見をいれることもできない、引き継ぎでこれは出したのだということもおっしゃっておられる。したがって答弁も歯切れが悪いのだ、こういうことになっております。「いろいろ勉強してみましたが、問題の根本を探ることをわれわれは忘れておるのではないだろうか。」こういう点もあります。また、「私は、赤字とか黒字とかいうことを議論することは根本の間違いだ、」こうも言っておられます。したがって、そういう過去のいきさつ等にとらわれないで、たな上げをして、いかにしたら日本の流通体系を整えるかというような問題について、国鉄の負うべき使命を問うていきたい、こう言われておるわけで、将来にわたっては右顧左べんすることなく、動かされないようなりっぱな案をつくりたい、こういうきわめて前向きな、建設的な御意見を述べられたので、実は正直な話、私の耳を疑ったのです。あまりにもこれは明快ないい答弁だが、ほんとうだろうかと速記録を読んで確認をいたしまして、たいへん頼もしく思っておるわけであります。 そこで、大臣が就任をされましたのが一月、この十一月には総裁公選があって四選になられるだろうという世間の大かたの見通しだから、そういうことになると閣僚の入れかえ、そうすると、次のりっぱな案をつくらないうちに、また橋本大臣はどこかに行ってしまうということになりますし、この再建計画案を確定をさせておる、この日本国有鉄道財政再建促進特別措置法に定められたねらいというのは、またどこかにいってしまうということになるわけですが、ひとつ、大臣の再就任の見通しはあるのかどうかお聞かせ願いたい。
○橋本国務大臣 これは、大臣任命権は総理大臣にありますから、どうも見通しを申し上げるわけにはまいりませんので、残念ながらお答えができません。 ただしかし、これは私が考えるだけじゃなく、井野さんも大体御同感のようでありますが、おそらく運輸省の幹部諸君あるいは国鉄の首脳部にしましても、従来の考え方ではだめだということは、もう一〇〇%認識しておると思います。基本的には、私が明らかにしました方向、多少の変更はありましょうにしましても、基本的にはあの方向を何とかして貫かなければいかぬ、こういう考え方、これはもう私の私見ではなく、今日では運輸省の幹部あるいは国鉄の幹部、幹部だけじゃなく、根本的には全体のものの考え方である。それも、こまかい点については多少の行ったり来たりがありましても、根本的にはもう従来のような考え方ではいけない。 そこで、私が赤字、黒字ということにとらわれるなということを言っておりますのは、姿勢の問題です。国鉄は何のために存在しておるのだ。国鉄という以上は、国の鉄道ですね、形式論は別にしましても。したがって、国土の総合開発を基本的な使命としなければならぬ。しかし、それにしても限度があります。いなかの地方のそうしたほんとうに部分的な開発まで、国鉄がやらなければいかぬのかという問題はある。ですからして、そういうようないろいろな点でのものの考え方はありましても、たとえば赤字、黒字だけで、言うなれば函館本線が一番赤字である。年間百十億から百二十億以上でしょう。あるいは山陰本線も、その次で九十億くらいあります。だが、これをやめるわけには実際上いかないですね。ですからして、それはそういう問題ではなくして、国鉄はどの範囲まで貨物及び旅客の輸送の責任を国家的に持たなければならぬか、これは根本的に必要だと私は思うのです。そこから出てくる赤字というものが、どうしても国鉄のいわゆる従来の考え方、独立採算制というだけでは競争原理に合わない、そうなれば、それは国なり地方公共団体なりがやはり手伝ってやる必要がありはしないか。これが一つです。 それからもう一つは、いわゆる汽車というものは中距離、長距離を輸送する責任が主たる目的です。近郊鉄道というものは、もちろんこれも責任がないとは言いません。大都市交通圏に協力もしてもらわなければならぬが、たとえば大阪付近のごときは、いわゆるその七割は国鉄以外の機関がこれをしょっておる。東京は、約四割は国鉄以外のものがしょっておる。最近ではもっとふえてきておると思う。そういう点から見ると、大都市交通圏についてはまた別な考え方がありますけれども、国全体の旅客あるいは貨物の輸送の責任は、原則として国鉄が持っていかなければならぬ。 そういう一つの基本的な姿勢に立って、しかしながら国鉄が赤字で、そうしてしまいには、つぶれるということはありますまいが、しかし、普通民間企業なら、いまの状態ではつぶれてしまう。つぶしてはいかぬのでありますから、そこで国鉄も考える、われわれも考える、また皆さんにも考えてもらう、こういうことでもって、やはり国鉄の使命を達成させるために、私は大ざっぱな意見ではありましたけれど舞いそのような考え方をもって目下関係当局と折衝を進めておる。 これはなかなかむずかしい問題です。皆さんにもお手伝いをしてもらわなければいかぬ、かように考えておりますので、私が去ろうが去るまいが、やはり基本的考え方には変わりはない、こう私は確信を持っておるわけであります。
○井野委員 実は、そうあるべきものでありますが、この再建計画案にしろ、この特別措置法にしろ、ある日突然できたのではなくして、衆知を集めて論議をされて出た結果であり、これを策定される過程の中に、大臣もまたその責任なしとはしないわけです。この中でも述べておられますように、国会議員としてそれは知らなかったということにはならぬわけですが、大臣になられてくるとあっさりと否定をされたので、少々驚いたというのは、こういう意味なんです。 それにも増して、磯崎総裁のほうはそうはまいらないわけです。私、実は先ほど時間の都合で当局の方にはいろいろお尋ねはしましたけれども、私は、あの委員会を終わって北海道に帰って遊説をしておるときに、北海道で新聞を開いてみますと、定例記者会見で、これは総裁が言われたのか言われないのかは別として、新聞にはこう載ったわけです。国鉄再建については、高架下敷地の利用とか、あるいは不用用地等の利用によって、ターミナルあるいは倉庫等をやって財政再建に寄与したい。あたかもこれで財政再建ができるような印象の記事になっておったのですよ。おっしゃったかどうか、それは別問題です。 そこで私は、それだけ総裁が言われるのだったら、高架下敷地の内容は一体どうなっておるのだろうか、この不用用地の利用はどうなっているのだろうといろいろお尋ねをしてみたところが、さっぱりそんな大きな数字になるような内容にはなっていない。それのみならず、実は先ほども確かめてみましたところが、東京の有楽町、新橋の付近ですら、平米が年間たった六百十五円という安い金で貸されておって、会社自体は五年間の間にものすごい資本蓄積になっておるが、国鉄にははね返ってくるような組織になっていない。それのみならず国鉄は貸しっぱなしであって、管理についても、法律的にこれができるような仕組みになってはいない。 こういうような現況を踏まえながら、かりに総裁がそういうことを言われたとしたら、思いつきもいいところだ。この計画も思いつきなら、この次に言われることも、大臣の発言を踏まえて言われたことも、また思いつきもいいところだ。そこへもってきて、佐藤さんの四選のお祝いに持っていく、それが安産のお祝いだなんて出てくると、総裁は、大臣がおやめになっても続けられるつもりだろうかなという心配が出てきますが、橋本大臣はやめてしまっても方針は継がれるだろうと思うし、またぞろこの亡霊が出てくるんじゃないか、こういう気がいたします。ここでは笑い話でございますけれども、地方では笑い話ではないんですよ。 私は、大臣のことばを信頼して、赤字線でも、今日生活が依拠している鉄道は、どうやら残してもらえるんじゃないだろうか、あるいは国の負担とか地方公共団体の負担とかいろんなことを言っても、これは地方財政の赤字で困っている団体なんですから、そこのところは、これらも含めて何らかの措置があるんじゃないだろうかと期待をしておる。橋本さんは大臣をやめて磯崎さんだけ残った、首切りが第一だということは新聞に出ているわけです。これは磯崎さんが言ったんじゃなくて、自民党内部の二段方式が出ておる。こういうようなことで、国鉄再建案をめぐって国民は非常な不安になっているのですよ。 だから、大臣が言われるように、おまえたちも力を貸せと言われるんだったら、この運輸委員会の中に特別の委員会でも設けて——私が資料要求しても、ろくすっぽな資料しか出てきません。たとえば高架下敷地のところの決算書を出せと言えば、貸借対照表だけではその明細がなかったらわかるもんじゃないのです。そういうものは一つも出してこない。聞いたら一つ一つぽつぽつ教える程度です。こういうようなことで、ほんとうに国民の合意を得た、そして国鉄の使命を問い直したところの再建計画はできると思うかできないと思うか、この点ひとつ大臣、たとえ大臣をやめられても、自民党内の構成員で与党の大ものなんですから、その辺はどういうふうに処理されるおつもりか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
○橋本国務大臣 国鉄企業というものはなくなるはずはないから、したがって、国鉄再建はしなければならぬ努力目標です。そのためには、従来考えておった、惰性的とは言いませんけれども、思い切った考え方を国鉄当局もしなければいかぬ。われわれも大蔵省にあまり遠慮したものの言い方をしないで、やはり国鉄の使命というものを十分に理解してもらおう。私はやはり運輸大臣でありますから、あるいは自分の所管に対して一種の愛情を持っておるから、大蔵当局から見れば、一方的な見解ととらえられがちになるかもしれません。所管大臣なんだから、それはあたりまえなんです。 たとえば、空港整備にしても港湾整備にしましても、実際国の金が入っているんです。国鉄だけが、幾らか入っているけれども、ことし四十五年度の予算で百十億か何か入れましたけれども、微々たるものなんです。しかも、やはり交通というものは、旅客輸送にしても貨物輸送にしても日本の生産基盤なんだ。これが渋滞すれば、日本がいかに港湾をたくさんつくっても、工場を幾らつくっても、全体の生産は発達してこないのですから、したがって、そういう同じ観点に立てとは言いません、従来の資本蓄積もあることでありますから。しかしながら、やはり国あるいは地方公共団体が協力してやるという体制、従来はその点があまり強く強調されなかったから、私の言ったことが青天のへきれきのように感じますけれども、理屈としては、だれも問題はないと思うのです。 ただ、日本の現在の財政状態で、一挙にやれるかどうかという問題はあります。たとえば、新幹線網の整備法案を皆さんの満場一致でおきめ願った中にも、新幹線をつくる場合においては、国鉄のいわゆる費用でなくして別の財源を考えるべきだ、どの程度考えるかは別にしても、やりいいように考えるべきだという意味のことが規定されております。こういうぐあいに、時代は変わってきたと言えば言えるのです。 ですから、私の言ったことは決して奇矯な言ではなくして、こういうような運輸事業といいますか、ことに国鉄を中心にした運輸事業についても、そういう考え方が大勢になりつつあるのではないか。そういう大勢になりつつあるもとで、一ぺんにはできないにしても、十年なり十二年という長期展望に立ってこれを達成していく、そういう考え方で処理していけば実現は可能である、かように私は信じておるわけであります。
○井野委員 これも先ほど確かめた数字で、法律で定められた通勤、通学の割引率を越えて、公共性からそれにつけ加えて割り引いておる運賃だけでも三百三十五億、さらに貨物を入れますと四百三十億ぐらいになるわけですね。こういうふうに、これらの公共性を持つ運賃を割引をしなかった時代と今日の時代と、これもまた大きく変わっておるわけであります。 たとえば石炭、鉄鉱石等については、一番もうかっておる電発事業あるいは新日鉄などの事業について、あるいはこれらに働く人の通勤バスにしても割り引いておるわけです。片一方はそれによって収益が上がって日本一、日本二となっておる。国鉄のほうは赤字になっていっている。こういうような問題があり、この再建計画の中にも明確に、公共負担については、社会的影響を考慮しながら適正な措置をとれとなっている。これはまだ一度もこういう具体案を示されたことがないのです。何か首切り、人員整理ということを言わないと、大蔵当局が納得してくれぬからかもしれませんが、そういう傾向を出しているのに、今度は末端では衝突を起こしている。これはまことに遺憾な点だと思うのです。しかし、そのことは議論は別として、この公共運賃の割引の問題については、明確な数字を出して世論に問うべき時期に来ている。もう一つ、不用地の使用については、いまの高架下敷地のようなやり方でなしに、その利益が国鉄にはね返ってくるような措置をとらなければならない。この二つは、私はどこにも迷惑をかけない、国鉄の当然要求すべき再建の基礎だと思います。 さらに、大臣が言われるように、国鉄に受け持ってもらわなければならない路線の中に、私は先ほども誤解があったので言い直しましたけれども、必ずしも鉄道でいけという意味じゃない。国鉄が運営してもらわなければならないトラック、バスの問題はあります。もうからないところを私鉄にやれといっても、私鉄はいまたいへんな問題になっているわけですから、あの中鉄のような場合、これはやめてもらって、国鉄が全部やったほうがはるかに公共性が維持できるという問題も出ます。国民の足ということを逆にたてにとって、ああいう争議を引き延ばしておるという線もあるわけですから、こういうような点から考えてみますと、国鉄の使命を問い直すという中には、この公共負担の問題が、逆な面からマイナスの面があることを大臣は言っておられるんだろうと思って、私はその点には非常に敬意を表しておる。国鉄でなければ国民の足を守ることができない分野というものが非常に多いわけです。この点が、どうもこの再建計画の柱の中から落ちている。この点はぜひ加えてもらいたいと思うのですが、総裁、大臣、両方にお伺いしたいと思います。
○磯崎説明員 先ほど来いろいろ貴重な御意見を承りましたが、この間新聞に出たと申しますのは、ただ付帯事業だけについてクローズアップされて書かれたことで、私はそのときにも、どうせこういうことをやったところで、せいぜい二けたの億がかせげればいい程度のものであって、国鉄全体の四けたの火消しにはならぬ、これははっきり申しております。しかし、国鉄の姿勢なりかまえとして、こういうことはぜひともやらなければいけないし、あるいは中高年齢層で余った人間で、そっちに行きたい者があればそっちへ行く、そういう意味だということをつけ加えておきましたので、その点は誤解のないように願いたいと思います。 したがって、この難局を打破するには、アメリカのペンセントラルの例もございますけれども、やはり大臣のお力を借りまして堂々といかなければいけないと私は思っております。小手先のやり方だけでは、いまの累積する赤字を救うことは、とてもできないという覚悟をきめております。 いままでは、この措置法は、どちらかと申しますれば、これから伸びていく線についての利子補給というふうな慣行で考えておりましたけれども、いわば、お気にさわるかも存じませんが、若干時代の趨勢から取り残されつつある鉄道の面をどうするかということが非常に大きな問題だと思います。伸びていくところは、伸ばしていけばどうやら伸びていけると思います。しかし、取り残されつつある面をどうするかということが一番大きな問題だと思います。そちらは、政府なり地方財政から援助をいただかなくちゃいけないものでもございますし、また、いままでずいぶん国のかわりにいろいろやってきた運賃上の施策その他について、肩がわりをしていただきたいということもございます。 たとえば、いまおっしゃった農林水産物の割引にいたしましても、すでに、累積いたしますれば約数百億になっております。単年度で申しますれば五、六十億でございますけれども、やはり積もり積もってもう千億近いものになっている。これは国鉄の犠牲において、農林政策なり通産政策に協力してきた。したがって、これはどうしても来年やめてほしいということで、農林、通産両省には強く運輸省を通してお話しいたしておりますが、農林、通産両省は、もうそんなことはあたりまえなんだという先入観がなかなか抜けないわけです。ということは、国民全体が、国鉄は税金でやっているのだという感じが非常に強いものでございますので、役所の人自身が、もうそんなことは国鉄がやるのはあたりまえなんだというふうな感覚を、それをまず払拭するのに非常に骨が折れておりますけれども、これはタイムリミットもございますので、ちょうど来年の国会中で、また農林水産委員会等で非常にしかられると思いますけれども、私は、もうどうしても国鉄はしょい切れないということをいまから言っておりますが、農林、通産両省は、予算要求する気配さえないというようなことでございまして、非常に次元が違っておりますので、その次元の食い違いを埋めるのは、私どもの役目だというふうに思っております。 私は、やはり大臣のお力によりまして、堂々と正面からこの問題を解決する以外には、小手先ではだめだということは、肝に銘じて考えておる次第でございます。
○井野委員 大臣がかわられましてもその線がくずれないように、まだ一カ月ありますので、要綱だけでもひとつお出しをいただきたいと思います。たばこをのみながらあごでそうだと言ったというのでは記録になりませんので、この点はひとつ記録に……。これは十一月の委員会前にはそういうことはないだろうと思いますので、ぜひひとつ素案でも、またそれがきまらなければ予算折衝もできないだろうと思いますので、これは当然できることだと思いますので、ぜひそういうふうにやっていただく責任があると思うのです。いいことだけ言ったというのでは話になりませんので、やっていただくということです。このことについては、もうこれでおきます。 その次に、これはあげ足をとる意味ではございませんので、誤解しないように聞いてもらいたいと思います。実はこの前の委員会で、例のステッカーの問題で非常にびっくりをいたしました。その後調べてみたら、大臣のほうが力み過ぎたということなんです。実はそういう権限のあるものではないということがわかりましたが、大臣のことばは非常に重いわけですから、ひとつ今後ともそういうふうな軽率な御発言はなさらないように、言や重し、いつでも信頼できるようにやっていただきたいということを御要請申し上げて、私の質問を終わります。先ほど十分自動車局のほうに言いまして、補佐が悪かったのか、大臣が振りかぶり過ぎたのか、いずれにしてもから振りだけ、その根拠はなかったということを確かめたことだけ申し上げて、御忠告申し上げておきます。
○福井委員長 次に横路孝弘君。
○横路委員 先ほど松本委員のほうから話がありました、ボーイング727の飛行機事故の最終報告について、若干お尋ねをしたいと思うのですが、時間が非常にございませんので、簡単に二、三の点だけお伺いをいたしまして、あと詳細な点は、実はこれから交通安全対策特別委員会のほうで議論することになっておりますので、二、三だけお尋ねをしたいと思うのです。 この四年八カ月をかけて事故報告書が提出されたわけですけれども、この事故から、直接この内容から、今後の空の安全という観点に立って、一体運輸省は監督官庁として何を学ばれたのか、それをお尋ねしたいと思います。
○橋本国務大臣 木村団長から報告書を受け取りまして、内容を詳しく、約一時間にわたって説明を聞きました。その報告書の説明を終わったあとで、約一時間にわたって、今度は非公式に懇談会を、事故調査団の諸君と私がやったのであります。異例の措置であったと思います。従来は、報告書を受け取ればそれでおしまいです。というのは、その報告書の説明を聞きながら、もちろん私は専門家でもありません、技術屋でもありませんけれども、どうも原因不明ということでは、なかなか一般の人は受け取りにくいんじゃないか、それに対して団長としてどうお考えになるだろうか、こういうようなことを中心にして、今後またどうすべきであろうかということを、非公式に懇談的に一時間余にわたっていろいろと話をしたのであります。 その中で、ただいま横路君からの御質問があるように、何を学び取ったかといえば、いままでの事故の内容あるいは調査を十分にでき得なかった事情、たとえばフライトレコーダーがなかったという、その後は全部つけたようでありますが、そういう問題は別にしまして、私は私なりに感じましたこと、これは木村団長もそれに近い意見を言っておったのですが、一つは、事故というものは不可抗力で起きる場合もありましょう。たとえば、BOACのように乱気流の中に巻き込まれたということもありましょうが、そうでないような場合の事故、ことに機械による事故とかあるいは本人の何か勘違いによる事故もありましょうからして、いろいろ問題を含んでおります。事故の中には、聞いてみるといろいろの原因があって、これといってきめかねる、こういうような団長の御意見でした。 そこで、その際に団長も言っておったのですが、やはり今後飛行機のフライトの数も非常に激増することであり、たとえこういう一流の専門家を集めても、臨時調査会というのでは、必ずしも十分にこまかい点まで行き届かない場合もあり得るのではないかと自分らも思う、そういう意味において、いまアメリカ等がやっておるように、事故調査委員会というものは常設機関であったほうがいいんじゃないだろうか、ある程度のスタッフを持った常設委員会、こういう意見であります。私は、それをもう少し広く理解しまして、たとえば航空局のほうに届け出に及ばぬような、エンジンその他の故障がある場合もありますね。これはしろうとですから、私の考え方が当たっておるかどうかは別にして、そういうこまかい事故、たとえば途中まで行ったがエンジンが片方がおかしくて戻ってきた、こういう例がありますね。そういうような、結果においては事故にはつながらなかったけれども、そういう機械あるいは視界が不十分であるとかいろいろな理由でもって、あるいは空の気流等から引き返す、こういういろいろな問題がありますが、そういう問題を一飛行機だけのものとしてしまっておかないで、常設機関があれば、そういうことについてもふだんから調べておく。調べておいて、そういうことからしてあるいは大きな事故が起きた場合に、一つの重要な参考資料になり得るのではないか。 そういう意味で、ただ大きな事故ができたから、そこでもって調査団が行って、そのスタッフが調べるというのではなくて、エンジンあるいは空の気流、あるいは滑走路等の状態、あるいは目に見えないスモッグの影響もありましょう。そうしたこまかい点までふだんから専門機関が調べておく。そういうことによって、一つには予防措置にもなるし、一つには大きな事故ができた場合における参考資料になるのではないか、こういう感じがいたします。いろいろ予算の点もありますから、いきなり来年から実行できるかできないか、そういう問題は別問題にいたしましても、そういう意味での常設機関というものを考えてみてはどうであろうか、こういうことで、航空局長以下にその点を前向きで検討してみろ、こういう気持ちを抱いておるわけでございます。
○横路委員 その常設機関も確かに必要なことで、事故ごとに調査団を編成するというやり方に対する批判というのが現在出てきておるわけですから、それはきちんと海難審判所のような形をとるなり、法律に基づいた制度として考えていただきたいと思うのです。 この事故の結論は、原因不明ということになっておりますけれども、一応この辺に問題があったのじゃないかというようなことは、このレポートを見てもいろいろわかるわけですね。原因は不明であるけれども、この辺が問題だということを、ボーイング社のほうに、この報告に基づいて何か通報されたような個所あるいは問題というようなものはございますか。そういうようなことをやっていますか。
○内村説明員 これは、国際機関であるICAOのほうには報告しておりますが、ボーイング社のほうにはやっておりません。
○横路委員 そうすると、ボーイング社のほうに報告するような特筆事項はなかった、こういうぐあいに理解してよろしいのですね。
○内村説明員 そのとおりでございます。
○横路委員 そこで、一つお尋ねしたいのですが、この報告書でもって、いまICAOに対する報告だということになりましたけれども、ICAOの条約できめられておる報告ですが、これは、それと同時に国民に対する調査報告書ということにもなるわけですか。それとも、ICAOに対するだけの報告書なんですか。
○内村説明員 それは両方の意味を持っております。まず第一に国民に対する報告でございます。ただし、ICAOにおきまして、報告する事故調査要領とか、その要領はきめておりますので、それに従いまして報告書をつくっておるわけでございます。
○横路委員 そこで、このICAOの場合、国際民間航空条約の第十三附属書に、ICAOに報告する場合の要約についての書式が規定されておるわけですね。この報告書は、そのICAOの条約の要約の書式そのとおりなんですね。そしてこのICAOの条約では、こういうぐあいにきちんと規定されているのです。つまりレポートがあって、その要約はICAOに出しなさい。ただしかしその要約を、この条約の中ではサマリーということばを使っておりますが、サマリーをその報告書そのものにリプレースしてはだめですよというようにきちんと規定されている。そうすると、このICAOに対する報告書をもってレポートにかえるということはだめだというように、条約でもって規定されているじゃないですか。
○内村説明員 ICAOでは、報告するより前に、事故の調査の要領を、どこをどういうふうにしなさいということをきめております。それに従って事故の調査の結果を報告するわけでございますけれども、その報告はサマリーでもいいし、その原文でもよろしいというようになっておるというように私は理解いたしております。
○横路委員 しかし、ここにICAOの第十二附属書を持っておるのですけれども、そこではそんなことは書いてないのですよ。ICAOに対する報告書は、便宜上あるいは型式を統一させるために、次の要領でやりなさいという要領が書いてあります。この報告書はその要領のとおりなんですね。一に何をやれ、二に何をやれ、そのとおりなんですね。しかし、この一番最初のところには、たとえばサマリーをレポートにかえてはだめだというように書いてあるじゃありませんか。
○内村説明員 技術部長から答弁いたします。
○金井説明員 わが国の出しておる事故報告書は、ICAOで規定してある項目を全部網羅しておりますし、その基準に合致しております。 ただ、先生のおっしゃったサマリーというのは、たとえばある報告書があります。その報告書を簡単にしてICAOに報告するという場合がサマリー・オブ・レポートですね。その場合に本報告書の書き方としては、いまのわが国の場合のようなこういう書き方もあるだろうし、もっと分厚く書くようなところもあるだろうし、それは各国の自由にまかされておりますが、いずれにしましても、わが国の場合は、この報告書はICAOの書式にきめられたとおりでございます。 したがいまして、わが国の場合にはこれがそれほど分厚くございませんので、本報告書というのを全部訳してもかまいませんし、これから抜粋して書いてもかまいません。とにかく項目ごとの抜粋をサマリーとして出して、それから本報告書については、これは全部基準に合致しておるということでございます。
○横路委員 この内容の非常に重要な点がいろいろ抜けておるんですよ。それはあとでやりますけれども、抜けておるので、これの土台になる報告書があるはずだというんです。このICAOの条約からいくと、便宜上あるいは型式を統一するために次のような書式でやりなさいといって規定されているわけですね。この書式のとおりに報告書はなっているわけですね。つまりこれはサマリーなんですね。それは、たとえば航空法務研究という木村団長が顧問をやっている本の中にも、やはり報告書というのがあって、その要約したのがICAOに報告されるんだ、こういうように書いてあるんですね。だから、私はその内容が不十分であるし、いわゆるレポートというのをきちんと出してもらいたいと思う。こんなサマリーじゃよくわれわれ議論できない。それをまずお尋ねしたいと思います。
○金井説明員 いま先生の御指摘になったのは、わが国の場合に採用しておるところのグループレポートに記載すべきものを、もっとこっちに載せたらどうかという御意見じゃないかと思いますけれども、そのグループレポート的なものを本報告書に載せる範囲については、各国の裁量にまかされております。 ただ、いま御指摘になりましたように、グループレポート自体については公表はしませんけれども、必要な場合にはお見せする、あるいは必要な部分は御説明するということですけれども、原則としては公表はしないことになっております。
○横路委員 航空法の一条には、「この法律は、国際民間航空条約の規定並びに同条約の附属書として採択された標準、方式及び手続に準拠して、」云々というように、明確に目的というのが書かれているわけですね。そしてその十三附属書のアペンデックス3、サマリー・オブ・アクシデント・レポートというところにはきちんと、レポートのサマリーの目的というのは、飛行機事故報告にかえてはならない、サマリーをもってかえてはならない、しかし、便宜上それからその統一した型式のために、ICAOに対する報告としてのみサマライズすることは許されるというように書いてあるんですね。そうすると、これは一体どういうぐあいに解釈するんですか。
○金井説明員 結局、話の焦点としましては、本報告書とグループレポートとの関係をいかに解釈するかというふうに理解しておりますけれども、それで……。
○横路委員 要するに、この条約の解釈はどうなんですか。
○金井説明員 ですからその条約の解釈は、わが国の場合はこれはICAO条約に合致するとしております。それからBOACあるいはカナダ航空の場合には、ICAOにこの報告書を出しまして、これが本報告書にもなるということについては、両方同程度という先生の御意見でありますけれども、これが本報告書であるというふうに説明しましたら、それでよいというような非公式な了解もとっておりますので、わが国の解釈は、特に基準からはずれておるということはないと確信しております。
○横路委員 結局私は、この報告書の内容がこれだけでは、いろいろな現象のうちから、しかも重大な部分をピックアップして、その証拠を各個撃破して、証拠隠滅して、そしてつなげたような報告書になっているわけですね。だから、まだまだ十分な記載があれば、あるいは報告があれば、まだ国民だって了解できるわけですよ。それがこれだけ見たって、一体何が何だかさっぱりわからぬですね。いろいろな現象をあげて、不明だ不明だとやって、最後に原因不明だ、こうやっているわけですね。その個々の現象を統一的にどうやって判断するかということも、ここでは判断されていないわけですね。 そこでいろいろ調べてみたら、これはサマリーなんだ、そしてサマリーをレポートにかえてはいけないんだというようにICAOの条約に規定されているから、その辺のところはどうなっているのか、これがサマリーで、またこのあと報告書がきちんと出るのか、それを私はお尋ねをしているんです。
○金井説明員 先ほどもお答えしましたように、これは本報告書であります。そしてこれが本報告書であるということは、ICAOの基準の解釈上おかしいではないかという御質問ですけれども、これはICAO当局とも確めました結果、別にわが国の解釈は間違っていないという答えを受けておりますので、これは本報告書であります。
○横路委員 それでは、交通安全のほうが一時半から始まる予定になっておりますので、そちらのほうで、場所を移してさらにこの内容についていろいろ議論をしたいと思うのです。やはりほかの方に迷惑をかけてもいけませんので、自分の委員会でないとなかなか落ちつかぬものですから、そういうことで……。
○福井委員長 次に田代文久君。
○田代委員 運輸省にお尋ねしますが、九月の十日付で国鉄の運転規則に大きな変更を加えられておるが、それは車両の検査、修繕などについて周期を延期するというふうな内容ですが、われわれ国民としては、現在運輸、鉄道関係の事故というものは、実際においてはわれわれが安心をするような状態までなっておらない。したがって、そういう状況の中でこういう運転規則を変えて、そうして車両の検査あるいは修繕の周期を延ばすというような方向をとられていくことは、国民としては非常に不安を感じるわけです。 ですから、それをそういうふうに改正をされた根拠ですね、これをまず御説明願いたいと思います。
○山口説明員 先生御指摘のように、この九月に、車両の検査規則に関しまする省令、これは日本国有鉄道運転規則という省令でございますが、その改正を行ないました。 この運転規則と申しますのは、日本国有鉄道の運転に関しまする各種の取り扱い等につきまして、それを定めているものでございまして、現行の運転規則は昭和三十年に制定されております。当時の車両の構造とか検修の技術というようなものからこれを定めたものでございまして、その後車両の設計だとか製作技術の向上というようなものがございまして、車両の信頼度が著しく向上しておりますので、したがって、こういったものに見合った保守の体制というようなものにする必要がございますので、電車、気動車につきましてその安全性を検討の上、今回の改正を実施したというわけでございます。
○田代委員 そういう点でわれわれとしては安心できないわけですよ。というのは、これは運輸省としては十分御理解でしょうが、国有鉄道が新しい車両検査方式というものをことしの九月に出しておりますね。これは十分御存じでしょう。この中に、たとえば新しい車両検査方式の考え方ということの中で、基本的に故障を少なくすること、車両の使用効率をあげることというような大きな二本の柱を第一番に出して、そしていままでの、かつての予防保守方式について、こういうものはあまり役に立っていないのだ、今後役に立たないのだ。ですから予防保守方式は何かまま子扱いされて、こんなものはすでに時代おくれのあれで、新しい機関車技術の発展があるのだから、非常にまま子扱いされるような形で、かつての原則が軽視されている形なんですね。つまり国鉄が出しておる、故障を少なくすること、あるいは車両の使用効率をあげること、あるいは予防保守方式についての考え方、これについては監督官庁である運輸省は、これは正当である、このようにお考えになるかどうか、これをまずお聞きしたいと思うのです。
○山口説明員 先生の御質問は、あるいは現在十二月をめどといたしまして、国鉄当局と並びに労働組合側が折衝の上採用をしようということを考えておりまする新検査体制のことではないかというふうに感ずるわけでございますが、その点につきましては、現在まだ十二月からの実施につきましては結論を出しておりません。 これにつきまして、それの基礎になっているものの考え方、それから現在の技術の状況、特に機器の対摩耗性、対裂罅性というような各種の問題等を十分検討の上、これをきめてまいるということになろうかと思います。
○田代委員 大体、運輸省としてはこういうものについての見解、たとえば故障を少なくするというような問題、これについては、いますぐでも回答を得られる問題だと思うのです。しかし、そんなふうに言われますから、今後これが問題になる場合にはっきり指導していただきたいのですが、私は原則的に正しくないと思うのですよ。いわゆる故障を少なくすること、これはわれわれ国民からいえば、故障を少なくするなどということは非常に相対的な内容で、いままで百あったのが八十になった、あるいは七十になった、少なくなったということですね。しかし、われわれ国民がほんとうに安全ということを考える場合に、これは少なくなるかどうかというようなことを指導監督の基準にするのではなくて、安全については絶対に保証する、絶対にそういう故障は起こさせないのだという原則に立ってやって、初めてその故障を少なくすることができるのですよ。初めから故障を少なくすることを原則にして、そうしてその発展として車両検査を延ばすとかあるいは手を省くというようなことをやったら、われわれ国民としては全く不安でならないのです。 ですから、こういうことがもし問題になって、こういう形で国鉄が先制してきた場合に、これははっきりチェックしてもらいたいと思うのです。こういうことではわれわれ国民としては安心ができない、こういう原則で車両検査の延長やあるいは指導をされるということですね。これをひとつはっきり申しておきます。 それから、次に特認という問題です。これが実は私は驚いたのですけれども、特認ということばは、抽象的に言って特別に認可する事項ですから、これは一般化してはいけない。したがって、たとえば百のうちに、特認という場合には二つとか三つとかいうことであればこれは特認ということになりますが、百のうちに五十も六十も七十も八十も特認されたら、特認の意味がないのですね。 そこで、現在政府としての特認についての基本的な考え方を私はただしたいと思うのですけれども、さっきおっしゃった日本国有鉄道運転規則の第二条に、「日本国有鉄道の鉄道における運転は、この規則の定めるところによってしなければならない。ただし、この規則により難い特別の事由がある場合には、運輸大臣の承認を受けてこれによらないことができる。」これが特認ですね。その第二項に、「前項ただし書の場合において、災害等のためその承認を受けるいとまがないときは、承認を受けないでこの規則によらないことができる。」こういうことになっておりますね。私の理解によれば、この条項というのは乗客にとって非常に危険だ、危険だから早く手を打たなければいかぬ、条項を改正する前に。そういうときに、危険ということが基礎になっておって、これを活用するということでしょう。こういう条項だと理解しておるのですが、その点どうでしょう。私が考えておるように、この特認事項を考えておられるかどうか。
○山口説明員 先ほどお話がございました車両検査に関する考え方というものの中で、故障を少なくするという問題等につきましては、これは、たとえば車両事故その他に関する調査統計等によりまして、どのような保守をすれば事故が減ってくるかというようなことを考える。それからもう一つ、これは事故の起こり方の問題でございまして、事故は検査周期、検査期間とは必ずしも比例をして起こるわけではないわけでございます。 具体的に申しますと、たとえば検査直後にしばらく事故が多いというような事情もあり、それから相当期間経過してからふえてくる事故というようなものもございます。そういうような事故のいろいろな性質を考えまして、そしてその事故のいわば周期的な性格の違いというものに着目して、相対的に見て事故を少なくしていくということが必要であろうというように考えるわけでございます。それと、現在の機器その他につきましても、昔のように一々それを検査をしてみるというよりも、むしろそれ自体を取りかえていくというようなやり方も、今後考えられるわけでございまして、そういった各般の面を考えて、いろいろ審査をしてまいるということに相なるかと思います。 それから、第二点の特認でございますが、いま特認は一応運転規則で定められておる事項についての特則みたいなものを随時に定めるということでございますが、運転規則は、いわば一般的な事故防止に関する運転のやり方というものを定めておるわけでございまして、具体的な場合によりましては、必ずしもそれによりがたい場合がございます。たとえば、線路の勾配だとかそういうような問題につきましても、一般的には一定の勾配をきめておりますけれども、特別の事情あるいは特別の地域というようなことによりまして、その勾配をゆるめる。その場合に、それについて特別に審査をして特認をするというようなことになろうかと思います。 それからいま一つ、その特認のやり方といたしまして、従来なかった新しいやり方というものを採用していきます場合に、若干これを試行的にやらなければならぬというような場合がございます。新幹線鉄道をつくるような場合にかなり試行的なものもいたしまして、そういったような場合に、それにつきまして個別的に審査をいたしまして、そしてそれについての特認を定めるというようなやり方もあろうかと思います。 大体、特認につきましてはそのような考え方で、一つは、非常に例外的ではあるけれども、一般的な基準にはちょっとなじまないような性格のものについて特別に審査をしてやっていく場合、それから、従来の一般的なやり方というものを若干越えた姿で、技術の進歩に対応するやり方というものをしばらく試行的にやっていくというような場合に、特認を認めるというようなことがございます。
○田代委員 時間の関係で、この点まだ深くやらなければなりませんけれども、これはあとで時間があればもう少しやりますけれども、しかし、少なくともこれは特認ですから、特認件数が、この省令の中で八十数%もあるとか一〇〇%近くまでいって、そしてその上で省令を変えるというようなことをやったのでは、これは特認の意味も何もないし、省令だって権威も何もないと思うのですよ。特認で全部どんどんやっていけばいいということになりますからね。そういう点を、監督官庁としてはっきり原則に立ってやってもらいたいということです。 次に、国鉄当局にお伺いしますけれども、やはり事故というものが依然としてとにかく非常に減らない。それは幾らか数が減っておるとかおっしゃるかもしれませんが、われわれは、ほんとうに汽車に乗って安心だという状態に十分なっているというふうに考えられないですよ。汽車に乗ってやはり不安を感ずる。そういう点で、車両の故障件数についてどういう内容の報告を受けておられるか、これは一カ月間でいいですから、電車に限って報告していただきたいと思うのです。
○一條説明員 車両故障も含めまして運転事故の件数は、輸送量が年々ふえておりますが、それにもかかわりませず減少の傾向にございます。それで車両故障につきましても、列車の運転に影響のありましたものは、もちろんその内容についてすべて報告をするようになっておりますし、それから、列車の運転に影響のございませんものでも、車両故障につきましてはすべて調査をいたしております。 それで、車両故障の数字が大体どういう状態かというのを御説明をいたしたいと思いますが、年々減ってきております。蒸気機関車はもちろん両数が減ってきておりますが、近代化車両につきましては両数が増加いたしましたにもかかわらず、ほとんど横ばいでございます。電気機関車につきましては、こまかい故障まで含めまして年間百三十六件ぐらいございます。それからディーゼル機関車につきましては百五十件ぐらい、ディーゼルカーにつきましては百九十件ほどでございます。電車につきましては、全体で三百件ぐらいの件数でございます。
○田代委員 これはA、B、Cの三つのあれに区別されていますね。いまあなたのおっしゃったのは……。
○一條説明員 A件数でございます。
○田代委員 これはAケースだけじゃわからぬじゃないですか。なぜBもCもはっきりさせないのですか。
○一條説明員 BもCもすべて明らかになっておりますが、ただいまBとCにつきましては資料を持ってまいりませんでしたので、別の機会に御説明いたします。
○田代委員 そういうことじゃ審議ははっきりできまんせんよ、Aだけのそういう大事故が一つ二つ起こったというような件数を持ってきても。むしろB、Cのほうがある意味においては重要な内容を持っておりますよ。そういうことは困るのです。 そうすると、いまおっしゃいましたCケースですね、これについても国鉄のほうではちゃんと報告を受けておる。これは間違いありませんか。
○一條説明員 それは間違いなくA件数、B件数、C件数、すべて報告を受けております。内容までわかっておりまして、内容を全部分析をいたしましてそれぞれ対策を講じております。
○田代委員 私どもは、この間大阪で起きたような事件とか、非常に危険な事件がいろいろ起こっておりますが、四十五年八月分の大阪の宮原電車区の故障のあれを聞きますと、A故障がゼロ、B故障が二、C故障が千二百九十九、それから大阪の向日町の電車区では、Aがゼロで、Bが六、Cが二千六百七十七というふうにCが非常に多いのですね。ところがCというのは、先ほどおっしゃったように、運転にあまり影響しないものというようなことで、非常に軽視されているように聞いておりますが、そういうことはありませんか。
○一條説明員 C故障というのは非常に小さな故障でございまして、運転には全く影響のないものでございます。検査の際に発見をいたしまして、部品を取りかえたようなものまで入っております。したがいまして、運転には影響はございませんが、その内容につきまして、全く軽視しているというようなことはございません。
○田代委員 これは運輸省自身も、A、B、Cの報告を正確に受けておられますか、運輸省からひとつ答弁願います。
○山口説明員 運輸省で報告を受けておりまする事故につきましては、若干重要な性格を持った事故につきまして御報告を受けておりまして、ただいまお話しのございましたようなこまかい点まで報告を受けておりません。
○田代委員 私はそこに問題があると思うのですよ。こまかいとか大きいとかおっしゃいますけれども、たとえばC故障なんか非常に軽視されておりますけれども、C故障がずっと重なってくれば、BにもなるしAにもなるという内容ですよ。ですから、もしそういう指導監督を運輸省のほうでされておるとすれば、これは全く国鉄の言いなりですよ。何かとにかく大きな事故が起こった、どういう原因だというようなことを言って、それで結局そこだけ追及して済ましてしまう。一方においては国鉄のほうでは合理化、合理化と言って、そしてそこをねらってきて検査の手抜きをやるとか、あるいはいま言ったように検査方式をどんどん変えていくという方向へ重点を持っていかれる。これでは私たちは安心して汽車に乗れない。 私ははっきり運輸省に質問しますが、今後そういう大きな事件だけの報告を受けるにとどまらず、いま言いましたA、B、Cの全部のランクについての報告書を正確にとって、それが安全に対してどういう関係になるのかということでやられるかどうか、いままでどおりやられるかどうか、御答弁願いたいと思うのです。
○山口説明員 国鉄に対しまする省としての報告の聴取並びに監督のしかたでございますが、国鉄というものの性格は、国が全額出資をしたいわば国民の財産でございまして、その意味では、国が直接やっているのと実体的にあまり変わりないというような性格のものであろうというように私ども考えるわけでございまして、したがいまして、その運営につきましては、なるべく国鉄総裁の自主的な運営というものを重視いたしまして、あまりこまかいところまで手をとり足をとって、これを指導しまた報告を求めるということはしないというたてまえをとっております。 私どもは、事故の問題につきましては非常に大切に考えておりまして、事、事故の問題は、できるだけ私どもといたしましても、深くかつこまかくこれにタッチをするということが必要であろうかと思うわけでございますが、ただいま申しましたように、現段階では、比較的重要な事故あるいは異例な事故というようなものを中心といたしましてこれを運輸省に報告を求め、あと具体的なといいますか、比較的常時起こるような事故につきましては、国鉄自体の適切な処置を期待するというたてまえでございます。したがいまして、いまのところ、この運転事故の報告のやり方を直ちに変えるという考え方はございませんが、これにつきましては、将来もう少し検討させていただきたいと思います。
○一條説明員 A、B、Cと分けましてこまかく車両故障を調べておりますのは、部内のいろいろな処置をしてまいります材料をとるためにこまかく調べておりまして、たとえばC故障の中には、窓ガラスが割れたというようなものまで入っておるわけでございます。それで列車の運転に影響をいたしますような故障は、これはAに上がってまいります。C故障にはいろいろなものが入ってきておりますが、全体としての安全を十分考えてまいりまして手落ちのないようにするために、こまかいものまでいろいろ調べております。特にC故障につきましては、これは国鉄の部内的な施策、処理の材料として実はとっておるわけでございます。それで、その結果としてあらわれましたものは、A故障というような形になりますし、あるいはそれよりも大きな事故になった場合は、これはもう運輸省に御報告をして見ていただかなければいかぬわけです。A、B、Cと分けておりますのは、あくまでも内部的な管理のために分けておるだけでございます。 ただ、いろいろな車両の検修のあり方等につきまして検討してまいります場合には、もちろん運輸省御当局に、必要がございますれば御説明はいたしております。
○田代委員 いま、運輸省と国鉄は一体的な関係にあるということ、それはわかりますよ。しかし、だから国鉄にまかしておれば、国鉄の言うとおりにやっていけば、安全はそれでいいのだというようなことでは、これは私たちは安心できないと言うのです、事実こういう事故が起こっておるわけですから。しかも、方向としてはできるだけ少なくする方向でいけばいいのだというようなことでなく、絶対にこれは起こさないのだ、そういう観点、原則からいってもらわなければ私は安心できないと言うのです。ですから、ことしの五月事故が起こったときも、北海道やあるいは関東や、最近は鹿児島なんかでも起こっておる。きのうかおとといか大阪でも起こっておりますね。そういう事故がひんぴんとして起きているというときに、とにかく国鉄がこう言ったから、じゃそれにまかしておこうというようなことをしてもらったのでは、私たちは実際安心ができいわけですよ。 ですからそういう点で、私は国民全体の生命あるいは財産を代表する国家が、はっきりした監督指導の立場に立って、投資は国家がしておるのだから、当然綿密にやるべきであると思う。ですから、これはどんなに金をかけても、A、B、Cの全体のそういう故障の内容を、やはり政府としてはとって、厳密にやらなければいけない。 それから、先ほど言いました予防方式を非常に軽視されるということ、こういうことは私は許されないと思うのですよ。それは新しい技術の導入によって、当然これは減らさなければならない。しかし、事故を予防するということは、あらゆる場合において絶対必要なんですよ。とにかく私たちのからだ、健康を守る場合には予防医学というもの、死にかけてから医者に行くのでは間に合わないので、事故が起こったあとから検査して、あそこが原因だ、そういうようなことを繰り返しておるから、幾らたってもほんとうの安全運転とか、実際に私たちが安心して乗れるようなことにならないのですよ。いろいろそういう問題が起こった場合に、そういう予防関係でやってきたことは、あまりにむだがあって金がかかったというようなことを説明されるそうですけれども、しかし、予防ということは当然金がかかりますよ。そして全体を完全に安全にするという姿勢にならなければいけないから、私は、もうちょっとほんとうに国民の立場に立って、あなたも汽車に乗るという立場に立ってもらいたいと思うのですよ。だから、そういう点でもう少し厳密にやってもらいたいということ。 それから、それとの関係で国鉄にお伺いしますけれども、ことしの十二月から大体六〇%、来年の十月から四〇%実施されようとしておる車両検査方式、これはどんなものかひとつ御説明願いたいと思うのです。 〔委員長退席、箕輪委員長代理着席〕
○山口説明員 ただいま申し上げましたように、国鉄に対する監督の基本的なあり方というのは、いわばなるべく国鉄総裁に自主的に腕をふるわせて、そして国民の便益というものの増進に資そうという趣旨でございますが、ただそうかといって、先生がおっしゃいますように、事安全に関しましては、国鉄に全部まかしてもうそれでよろしいとするような態度ではいけないわけでございまして、この点につきましては、実は国有鉄道運転規則というもの自体も、これは運輸省令できめておりまして、国としてそれだけの条件というものはぴちっと守ってもらわなければいかぬということで、あるいは設備の保全の問題あるいは車両の保全の問題、あるいは運行の問題、あるいは入れかえの問題、速度の問題、各種の問題につきまして、そういう基準に従ってやっていただくということをかたく要望というか、むしろ指示をいたしておるわけでございます。 そういう状況のもとで、事故の報告というものも国としてこれをとって、そして事故防止に役立てるということでございます。ただ、具体的な事故のどの程度までこれをとるかということにつきましては、現段階ではいま申し上げたようなことでございますが、今後事故防止という観点からその点はもっと検討してみたい、このように存じております。
○一條説明員 保安につきましての考え方は、ただいま鉄監局長から御説明のあったとおりでございます。 この新しい車両検査方式につきましては、信頼性の理論に基づきまして、各部品ごとに年月をかけて検討してまいりまして、車両の各部分の信頼性を上げる努力をしてまいりました。その結果が、最近の新しい車両につきましては、従来のような検査をする必要がなくなってきたわけでございます。そういう考え方から今度の新しい検査方式をとることにしたわけでございまして、その端的な例が新幹線の車両でございまして、新幹線の車両にとってまいりましたような検査方式を、在来線の車両につきましても、いま申し上げましたような検査の必要が少ないような新しい技術を取り入れた車にしてまいりましたので、いまお話がありましたような新しい検査方式を採用することができるようになったわけでございます。言いかえますと、従来よりもより合理的に、より保安を確保できる、安全を確保できるという検査方式でございます。
○箕輪委員長代理 田代君に申し上げますが、時間が過ぎておりますから、ひとつ簡単に……。
○田代委員 承知しております。 そうすると、ことしの十二月あるいは来年の十月から新しい方式をとられるということになりますと、これは省令の特認事項扱いにしなければならないと思うのですけれども、その申請はもうすでに運輸省にしておられますか。されるつもりですか。
○一條説明員 内容をただいま御説明をしております最中でございまして、形式的な申請はまだいたしておりません。実質的な申請はいたしております。
○田代委員 最後に一つ、これと関連して、山陽新幹線をずっと九州まで延ばしますね。あれが小倉からずっと福岡県の北部を通っていくので、いま問題が起きておるのは、北九州の八幡の木屋瀬付近で楠橋という地区を横断して直方に入っていくというこの路線が、もうとにかくいま筋が引かれておるわけですね。私、実際に調べに行きましたけれども、地元に行きますと、その地方は、御承知でしょうけれども大正の初めから、もう炭鉱で掘って掘って掘りまくっておる地域で、したがって、たとえば農家の庭先に穴がぽかんとあくとか、それから家が傾いたり、電柱が半分もへこむというようなことがずっと頻発している地帯ですね。地表の非常に近くまで通っておる。そしてまだ鉱害が非常にたくさん残っておるところですね。そういうあたりに線路が敷かれるわけですね。 ですから、この点については地域の住民の方が、ここでこういう二百数十キロも速度を出すやつがずっと通ってしまったらこれはたいへんだ、乗っておられる方もたいへんだろうが、地元もたまったものではないということで、この路線の説明があったときに、実はそういう調査はされたかどうかということを説明者側、したがって国鉄側に聞いたら、そういうことはかれこれ言う必要はない、これは国会できまったのだからこういうふうにいきます、こういうふうな答弁をしたというのですね。私はこれは全くけしからぬと思うのです。 ですから、実際においてそういう路線を敷かれたときに、また敷かれようとしておるのですけれども、そういう炭鉱との関係、鉱害との関係、それから地元の住民の方が持っておる不安、そういうものについても十分とくと考えて、そして事故は絶対に起こらないんだ、炭鉱の採掘やなんかがあっても、それについての心配は要らないというような調査を第一番にされたかどうか、もしされてない、不十分であるとしたら、今後その調査を十分されるかどうか、そしてまた、いま地元の方々が不安に思っておられるような安定性のないそういう土地になっておれば、その路線を変更するというようなことを柔軟的に考えておられるかどうか、そういう点の御答弁を願いたいと思うのです。
○長浜説明員 北九州地区は、ただいま先生おっしゃるとおりに炭鉱地区でございますので、いわゆる古洞がたくさんございます。この点は私たちも十分承知をしております。この路線を決定いたします前に、通産省、あるいは九州大学、あるいは各炭鉱の会社、それらからいろんな調査をいたしまして、一番古洞の影響のないルートということで選んでおります。ただ、これは図面で選んだだけでは不十分でございますので、われわれとしては十分なボーリングをいたしまして、あるいはまた現地を踏査をいたしまして、これの安全を期しておるわけでございます。なお今後とも一そう綿密なる調査もするつもりでございますけれども、現時点では一番安全と思われるルートを選んでおるつもりでございます。 もちろん、事前に十分調査はいたしておりますが、これは新幹線でございますので、なお一そう技術的な調査をしたい。そしてわれわれとしては、絶対安全な、安心して乗っていただける新幹線をつくる覚悟でございますし、またわれわれの技術を御信頼いただきまして、だいじょうぶなような処置をするつもりでございますから、その点御承知願いたいと思います。 なお、地元への御説明のときに、先生のお話のようなことがあったとするならば、これははなはだ申しわけないことでございますけれども、われわれとしましては、こういう場合には地元にできるだけ御納得いただくような御説明を申し上げるように指示し、また現地もそのつもりでおると思いますけれども、一部あるいはそういう御指摘のような点がございましたならば、これははなはだ申しわけなかったと思いますが、今後ともなお一そうそういう点については注意をしていきたい、こういうふうに思っております。
○田代委員 十分やってくださいよ。終わります。
○箕輪委員長代理 福井勇君。
○福井委員 もう時間がなくなってまいりましたので、委員各位の御了承を得まして、ほんとうに二、三分以内に国鉄当局に対しての質問をしたいと存じます。 愛知県の渥美郡田原町の地内から同郡渥美町の地内に至る国鉄の予定路線が、すでに数十年間そのまま放置されておりまして、私は十数年前から、これは敷設しないならば土地に払い下げたらいいじゃないかということで、前の総裁のころから、私、孤軍奮闘して、ずいぶん努力してまいりましたが、ようやく国鉄も敷設しないという方針に固まったらしく、それでは早く地元に対して要望に沿って払い下げをきめてもらいたい、そのように私が地元民とともに陳情しておりましたところ、大体この線に沿っておるように思いますが、とにかく十数年福井勇が難儀をしてここまでやってまいりましたので、年内に早く、あるいは私の気持ちとしてはあしたにもあさってにも、安くしてしかも地元民に喜ばれるような払い下げのしかたを期待しておるのでございますが、国鉄当局の現在の本問題に対する処理の進捗状況を伺いたいと思います。
○長浜説明員 ただいま先生御指摘の渥美線の旧路盤の払い下げの件でございますが、確かに先生おっしゃいますように、十数年前から、先生を中心としましていろいろわれわれのほうに御指示がございましたが、いまの時点までまだ払い下げの実があがってない状況でございます。この点についてははなはだ申しわけないと思っておる次第でございますけれども、全国的な用地の払い下げの問題あるいは将来この渥美線はもう建設しないというような事態がはっきりいたしましたので、せんだって来の先生の御指導によりまして、払い下げの事務を現地で進めさせている現状でございます。 われわれとしましては、現地に一括してこれを買い取っていただきたいということで、この点もいろいろ御了承をいただきまして、事務処理をいま進めておるのでございますけれども、いま先生の御指摘もございますので、なお一そう早急にこれの事務処理を完了して、地元の方々に喜んでいただけるようにしたい、こう考えております。 現状を御報告いたしました。
○福井委員 国鉄当局の確実なる御返事がようやくここでいただけましたので、不肖福井勇が骨を折ってきたかいがありました。つきましては、先ほどと重複いたしまするけれども、あしたにもあさってにも、地元住民が国鉄の方針は実にありがたかったというように御処理願いたいことを特に希望しまして、私の本日の質問を終わります。 再確認をしていただく意味で御答弁を願います。
○長浜説明員 ただいま先生の御指示もございましたので、われわれとしてはなるべくすみやかなる処置を進めることを御答弁申し上げます。
○箕輪委員長代理 本日は、これにて散会いたします。 午後二時二十二分散会