運輸委員会 第21号
- 発言数
- 216 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1970/04/27
会議録
○福井委員長 これより会議を開きます。 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 全国新幹線鉄道整備法案について、本日日本鉄道建設公団総裁篠原武司君を参考人として出席をお願いし、意見を聴取することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
○福井委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————◇—————
○福井委員長 全国新幹線鉄道整備法案を議題とし、質疑を行ないます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。金丸徳重君。
○金丸(徳)委員 わが国の国土計画に対して画期的とも申すべき重要法案が突然提案されました。突然というわけでもありますまい。今日まで慎重審議を重ねておられたことと思うのであります。しかし、いろいろと今日までの審議過程、質疑の内容を聞いてみますると、提案者のほうにおきましても、必ずしも建設計画なり路線の見通しなり計画のスケジュールなりというものが十分に固まっておらないように、実は先日の委員会の質疑の中において私は受け取ったのであります。したがいまして、国の改造、発展のための革命的とも申すべきこの計画遂行の重要法案につきまして、十分の資料を持ってお尋ね申したいのでありますが、私も不勉強な点がたくさんありまして、十分掘り下げてお尋ねいたすことができません。そこで、きょうは、提案者のほうに特に特別な問題をひっさげて、掘り下げて重箱のすみを突っつくようにまでお尋ねいたすことができませんので、私は、主として本法案に対して政府がどのような態度、方針、考え方を持っておられるかを承って、審議を進めていきたいと思うのであります。 きょうは関係各大臣にお出を願っておるのでありますが、各大臣ともたいへんお忙しいようであります。建設大臣は特にお忙しいようでありますから、当初に大臣にお伺いいたすのでありますが、この国土の大改造計画を目ざしての本法案が強力に推進されますると、今日まで大臣がおっしゃっておられます道路を主体といたすところの日本の輸送計画、輸送網の整備計画などに至大の影響を来たすのじゃないかと思われるのでありますが、これに対して、本法案が提出されない、あるいは実施されない場合の道路計画と、これが強力に施行体制に入った場合の道路計画との面に、どのような考え方の差異があられるのか、それとも従来の計画のままでいいのかどうか、その点につきまして大臣の基本的なるお考えを承りたいと思います。
○根本国務大臣 御承知のように、建設省が考えておりまする新しい道路計画は、いわゆる新全総に基づき、この路線が一応概定されております。これを受けて、今度はその一部として新五カ年計画を立てたわけです。これが七千六百キロ、これを高速自動車道路にしていこうということでございます。 これと鉄道新幹線網との関係は、現在のところ、実は御指摘のように、鉄道新幹線網については具体的にどこどこの路線というような案が一応あったようでありますが、これは閣議決定いたしておりません。閣議決定しておりませんので、御承知のように、議員立法として出てきたのでありますが、私のほうで聞いておる限りにおいて、新幹線網も、現在の新幹線と同様に大体貨車を中心としない、あまり貨物列車を走らせることでないとするならば、自動車道との関係はそう摩擦はない、こう思っております。 ただ、その新幹線網の構想と道路政策と調整をとるために、実は運輸大臣と私のほうと、それから経済企画庁等とも、この国会が終わった後にこれが交通体系を総合的に検討しようじゃないか。これは御承知のように空と、陸においては鉄道と道路、それから海上輸送、こういうものを総合的に体系づけていかないと、ある意味においては二重投資になる、あるいはまた競合した結果、国家並びに民間資本の活用からマイナスが出てくるということも、これは避けるべきだ、こういうことで、よりよりその準備をしておる段階でございます。 したがいまして、この鉄道新幹線網ができた場合において、これが道路にどう影響するかということももちろん検討しますが、その結果、修正すべき点があれば、われわれのほうでも、いま七千六百キロというのはおおよその路線をきめているだけでありまして、これはまだ完全に基本計画あるいは実施設計に入っておるわけではございませんから、そうしたものともあわせて修正していく余地はあると思いますけれども、大体のところ、この路線の基本ルートはあまり変えなくてもいいじゃないかというのが、現在のわれわれの見解でございます。
○金丸(徳)委員 本法案の提案理由には、当面問願となっておりまする過密過疎対策、さらにそれから進みまして、国土の普遍的な平均的な開発を題う、強力に進めるということになっておるのであります。したがって、もしか未開発地帯の開発をねらうというようなことに本法案が主力を注ぐということになりますと、いま建設省のほうで進んでおるところの、特に高速道路計画の上に大きな影響を来たすのじゃないかと思われるのであります。また、そうでなくて、たとえば東海道ベルト地帯というのに対する東海道新幹線であるとか、あるいは東名高速道路というようなものであるとしますれば、これはダブってしまいまして、国土の普遍的なる開発、未開発地帯の急速なる発展ということとはうらはらの結果を招来するというようなことになるのでありますから、これは相当に影響を来たすならばということでなくて、道路計画、特に高速道路計画の上には大きな影響を持つのではないかと思われます。それから中核都市の相互連絡というようなことが実現されてきますと、当然の結果として、それに伴うところの地方道というようなものの整備が要求されてまいるのであります。事前にそういうものに対する用意というものがないと、せっかく新幹線によって中核都市が連絡されましても、それを培養するところの、あるいはそれを利用するところの道路計画のおくれによって、これまた問題を残すということにならざるを得ないのであります。したがって、建設大臣といたしましては、本計画に見合うだけの道路計画の再検討というのが急速に行なわれなければならないと思ったのであります。これはまだよほどあとになるのでありますか、いかがでしょう。
○根本国務大臣 御承知のように、鉄道新幹線網は、どの路線路線というものが一応概定されたようでございますが、これとはわれわれのほうとしては、実は内々にあわせて見ていることがございます。したがいまして、いわゆる鉄道新幹線と、いわゆる建設省が計画する、もとは五道といいましたが、このごろは七道といわれますこれとの関係は、競合するために非常に投資のむだになるということは、現在のところはないと考えております。むしろ現在のところでは、たとえば先ほど御指摘になりましたように、東海道新幹線と東名道路との関係は、二重投資でどっちかが非常に影響を受けているかというと、たいした影響を受けてないで、むしろこの二つがいまの日本の重要なる産業経済の発展の大きなささえになっておる、こういうふうに見られるのでございます。鉄道新幹線だけできれば、しからば道路をやめたほうがいいかというと、そうじゃないようなのです。むしろ道路と鉄道が相伴っていかなければ、それだけの経済効果が削減されてくる。一方では人間の交通、一方では物の交通というものがどうも必要だ。したがいまして、現在続けておる山陽鉄道新幹線があったら道路は要らないかというと、そうではなくて、むしろそれに伴っていかないと、それだけの経済発展がさばき切れないというような状況もございますので、最初私らが考えた二つ並行したらむだじゃないかということは、むしろそうじゃないじゃないかという考えすら起こっている状況でございます。
○金丸(徳)委員 私は、東海道新幹線と東名高速道路が二重投資だ、ダブってむだだとは思っておりません。むしろそれはよかったように思うのです。ただしかし、それだけに、あの地帯に人口が集中し、産業が集中してしまって、ほかのほうに別な影響を来たしておるものですから、いずれにいたしましても、それじゃそれに対する国土の普遍的開発という意味における別の対策が必要じゃないかということになりますものですから、それに対する考え方をきめておいていただかぬといけない、こう思うのであります。 それから、本計画がまだ閣議で決定されておらぬというお話で、そうであろうと思いますけれども、本委員会におきましては、いろいろ審議の中におきまして、たとえば九千キロを目標にしておるとか、十五カ年を目標にしておるとかいうような話が出ておるのであります。したがって、私どもはそういう話を一応前提といたしまして、この計画が遂行されました場合の日本の経済産業、特に輸送計画の基本の問題などにどう影響してくるかということを、たいへん取り越し苦労になるかもしれませんけれども、心配いたしておるところでございます。 もう一点お伺いしておきますが、この計画がいずれ強力に進みますというと、これには相当なる労力、技術、それから資材、特に骨材を必要といたすと思われます。現段階におきましても、すでに骨材などにおいては建設大臣御苦労なさっておるようであります。よそから入れなければならぬような状況になってくる。いわんや、これがほかの道路計画その他骨材を必要とする計画の進行と伴って強力に進みますと、そういう資材関係、技術、労力の関係からいきましても、影響なしとしないように思うのであります。大臣はどういう対策を持っておられましょうか。
○根本国務大臣 これはどうも私もしろうとですから、やはり解決に持っていけないのですけれども、しかし、必要と日本人の能力からすれば、私は解決できると思うのです。実は私が十二年前に建設大臣のときに、道路特別会計を初めて設定したわけなんです。当時は御承知のように、ああいう道路というものはほとんど地建で直営工事でございました。ところが、そのときに、当時の行政管理庁長官が川島正次郎先生でございまして、条件がつきまして、人員は一切ふやしてはならないという条件のもとに、道路五カ年計画、当時一兆円と称しました。実質は九千億です。これをやるにあたって、設計並びに工事、大部分は民間に発注するということで、本来ならば二万五千人の人員を必要とするのを、一人もふやさずにこれをやって、今日まできておるのです。そのときには、技術当局はとても一人もふやさずにはできないといったことが、現実にはできている。それ以来建設省の人員は一人もふえておりません。むしろ減らしておる。それから、あの当時五カ年計画の一兆円、たいへんだったけれども、現在では五カ年計画が十兆三千五百億になっておる。こういう状況から見ましても、私は、日本の技術開発の能力という点から見て、決して不可能ではない。もう現在は民間の工事もぐんぐん伸びていっています。それでもなおかつみな消化し切って、もう少し仕事を出してくれということで、むしろ建設業界から要望されているような状況でございますから、私は、日本の技術陣営が、鉄道新幹線と道路計画が二重に一緒に出発したために消化能力がないというようなことまでは至らないという考えを持っている次第でございます。
○金丸(徳)委員 建設大臣お急ぎのようですからあれですけれども、やはり私は日本の技術を信頼いたします。それから確かに実績もあったでありましょう。ただしかし、そうはいいましても、みんな同じようにやっていかなければならぬ事態を生ずる。したがって、いままでとは違う。この法案の強力性、ねらうところがたいへんな日本の大改造ですから、したがって、いままでの考え方でいっては少し甘過ぎやしないか。金のほうは日本銀行のほうでどんどん札を出せばいいとは言いますけれども、砂、砂利に至ってはそうはいきませんし、ことに労力というものはそうはまいらないと思うのです。金を出せば幾らでも持ってくるとは言いながら、それがかえってまたとんだところへ影響を来たしやせぬか、こう思うものですから、そこで道路計画、鉄道計画、相ともにほかにあまり影響しないようにしてその効果を発揮するような計画というものが進めらるべきでないか。一つが進んで、それにみんなついていかなければならないというような事態を起こすことをいまから心配いたすのであります。そういう意味においてお伺いをいたしておるのでありまして、大臣のこれからの御検討と御善処をお願いして、時間がありませんから私はこれで……。
○福井委員長 関連で久保三郎君。
○久保委員 経済企画庁長官に二、三お伺いするのでありますが、時間の関係がありますので、まとめてお伺いいたします。 いま提案になっている新幹線鉄道網の問題でありますが、これは新全総の中でも御案内のとおり取り上げているわけでありますが、必ずしも規模とかいうものが同じだとは考えておりません。いずれにしても七千二百キロか何か取り上げている、そういうことが一つあります。 それからもう一つ、この新全総ではその他の輸送機関についても言及しておりますが、いま建設大臣からお話がありましたような道路整備の問題も、今年度からは第六次五カ年計画が十兆三千五百億円で、港湾整備も一兆円でございますが、近く改定されると思います。そのほかに、空港整備も、先般運輸大臣の諮問機関では、大体五年くらいの間に三兆円必要である、こういうようなことも出ている。ついては、こういう新しい輸送交通ネットワークというものをつくる場合において、従来学者あるいは政界においてもそうでありますが、総合交通体系の中でこれは処理されなければならぬというのが一つの前提になっておるのであります。しかし、いま議員立法として提案されておるものも、いわゆる新全総で言及されておるものも、必ずしも総合交通体系の中で一応の処理がされたというふうには考えていないのでありますが、これはそういうことで大体当面やっていったほうがいいのかどうか、これはどういうふうに考えておられるか、これが第一点であります。 それからもう一つ、この新しいいわゆる経済社会発展計画では、交通関係というか、国鉄及び地下鉄を含んで大体六年間ですか、四十五年から五十年までに五兆五千億、だからこの中には国鉄の投資としては幾らくらい見込んでおられるか。これは答申を受けて、これをまだオーソライズしたものではないというお話でありますけれども、大体政府がオーソライズするのでしょう。でありますから、これをどの程度見込んでいくべきであろうかということであります。 それからもう一つ、第三番目にお伺いしたいのは、先ほど金丸委員からもお話がありましたが、新幹線鉄道網を日本全体のいわゆる開発というものの戦略的手段として一応考えて、九千キロですか、そういうものが要るとするならば、これはそういう開発を中心に考えてくる場合に、言うならば経営の問題になってきた場合に、これは道路も含めてそうでありますが、ある特定の線区あるいは路線以外はやはりいまでいう独立採算のワク内にはおさまらぬものができやしないか。しかし、国土開発のためには必要であるということならば、これはつけていかなければならぬ、こういうことだと思うのですね。そういうもののかね合いについては、経済企画庁長官としてはどういうふうにお考えであるか。大体その辺のところをお伺いしたい。
○佐藤(一)国務大臣 御質問の趣旨が全部のみ込めておりませんでしたらまた御修正願いますが、第一点は、いわゆる道路あるいは国鉄、各種の総合計画の総合的な見通しが立てられておるわけでありますが、それらが総合的な見地でもって十分考えられておるか、こういう御質問であったと思うのであります。御存じのように、新全総というものは、新しい見地から全国的に国土の再編成を行なうということで、新交通ネットワークというものを全国の主軸的な都市を通じましてこれを行なう、そしてさらにそこにその地方、地方の中核的な都市を結んでまいる、こういうことでございます。その際に、一方において鉄道について新幹線その他の投資が行なわれますが、道路につきましては、これはまた新全総のさらに細部にわたりますが、新しい六カ年計画等ですでに大ワクもきまっております。そのほか海運につきましても同様で、全体としての交通機能が最大限に発揮できるように新全総の諸提案が行なわれております。ただ、それがまだ試算でございまして、いわゆる新全総というのが計画の課題が主題でありまして、それの前提となるフレームワークとしての試算が伴っておるわけでありますが、これは非常に長期にわたるものでありますから、金額的にも必ずしも固定的にはまだきめてはおりません。おりませんけれども、大体の見当をつけて考えておるのであります。そういう点からいいますと、一方において鉄道のネットワークもできますけれども、道路はさらに現在の新五カ年計画を基調にして伸ばしていくというようなことを考えてまいりますと、全体としての総合性を十分持つようにこれは書かれておるといっていいと思います。先ほども御議論がございましたけれども、道路等はさらに今後シェアが全体として伸びていく、こういう傾向を新全総でも示しておる。そういうこともございますから、御懸念のようなことはないだろうと私は思っておるのであります。 それから国鉄の五兆五千億の中身の問題でございますが、五十五兆のうちの五兆五千億というのはきまっているのですが、それの中身についてはまだこれから考えることでございます。いずれにしましても、新幹線を含めましてやはり全体としての効率を考えて、今後中身をきめていかなければいけない、こう思っております。 それから、今後だんだんとこういうふうな大がかりな投資が新しい法律等もできて行なわれる場合に、採算、不採算の問題が出てくるじゃないか、こういう関係は、これは私もそういう問題が長期にわたって長い目で見ると起こってくると思いますが、たとえば、これはいろいろの見方があると思いますが、、前の国鉄の総裁である石田さんが、三分の二くらいめんどう見てもらえば四千キロくらいまでは何とかなる、こういうようないろんな議論がされております。これなんか、やはり数字を詰めないとまだ何とも言えない問題であります。いずれにしても、これを一つ一つ具体化するのは、やはりそのときの財政の状況、経済の状況、そして他の交通体系との関係でもってきめていくわけでございますから、そうした時点に立ったときにやはりそれの処理を考えればよろしいのではないか、こういうふうに考えております。
○福井委員長 時間の関係が非常にございますので、質疑の方も並びに答弁のほうも簡潔にお願いいたします。久保君。
○久保委員 いまの経企庁長官のお話で、いわゆる総合交通体系というか、そういったものが一応きまったようなお話。特に言及されたのは、やはり輸送需要というものがどんどん伸びていくので、言うならば多々ますます弁ずであるから、あまり心配は要らないんだ、こういうお話でありますが、いま国鉄は御案内のとおり財政再建ということで始まっているのでありますが、その中で、御承知のように、鉄道の常識的シェアは何であるかといった場合、都市間の旅客輸送あるいは大都市における通勤輸送あるいは大量な中長距離の貨物輸送を主として分野にするんだ、こういうことで、その他の線区の合理化までいまやっている。これも御案内のとおり。そこで、それじゃ三つのあげられているシェアが将来に向かって国鉄の分野であるかどうかということになると、最近はこれは再検討の余地がありはしないかというふうに全体的にいま世間では見られているのではなかろうかと思う。たとえば、この新全総を中心にして展開される国土開発ということもありますが、大都市の通勤輸送一つとっても、これは単なる大都市だけの通勤輸送が国鉄のシェアでいくことがいいのかどうかというと、これはやや違ってきやしないか。道路交通との問題で、やはり鉄道輸送というものは、中都市においても通勤輸送には欠かせない輸送量になりはしないかということがあるし、それからもう一つは、道路輸送の面で、中長距離の大量貨物が鉄道の分野というが、短距離でも大量の貨物輸送は国鉄によらなければならぬかもしれぬ。こういうこともひとつ考えていかなければならぬと思う。そういう意味からいうと、かなり問題が出てくると思う。この辺はもう一つ新幹線鉄道網の問題とひっくるめて再検討していかなければならぬ。 同時に、三番目にお答えを願った将来の国鉄経営の問題でありますが、これは独立採算をいままで至上命令として受け取ってやってきてはおりますが、それはそれなりに一つの効能もあるし、またそうでなくちゃならない理屈もあると思う。しかし、それじゃこの自由主義経済の中で、公企業である国鉄の存在価値というものは何であろうかということですね。どういうふうなところにメリットというか、そういうものを見つけるべきかというふうに考えると、いまの独立採算制と国土総合開発、こういうものをひっくるめると、もう一ぺん独立採算というものは見直さなければ、これはできないだろうというふうに私どもは考えているのでありまして、一言これを御答弁いただくと同時に、時間がありませんから、大蔵大臣に一言だけお答えをいただきたいのですが、それは御承知のように議員提案でいま法案が——大蔵大臣、聞いていらっしゃらないようだから、一言だけお尋ねしたいのは、いま提案になっておる法案、御存じのとおりでありまして、特に目標は、六十年まで十五年間にできれば九千キロ新幹線をやりたい、こういうことでありまして、これは御案内のとおり多々ますます弁ずでありますから、けっこうな話であります。ただ、問題は財源ですね。資金の問題だと思うのです。この資金の問題についても、先般の当委員会で国鉄総裁からありましたが、大体当面最大四千キロをやるにしても、利子のつかない金をひとつちょうだいしてやれば何とかやっていけるだろう、これは当然だと思うのですね。そういうふうな答弁もあったのでありますが、この法案では必ずしもそういうことまではきちんと書いてありません。非常にゆるい表現で、これは議員立法としてそういうことになったのかどうかわかりませんが、道路関係の法律等は、御承知のとおり、調達すべき財源の基礎、それから付託のいわゆる責任、こういうものを明確に規定していますね。だから、そういう見合いにおいてもこれはある程度もっときっちりやるべきだと思うのでありますが、法案提案は議員立法でありますから、政府は別として、大蔵大臣として財源の調達についてどういうふうにお考えでありますか。 なお、これは大蔵大臣直接の関係ではあるいはないかもしれませんが、もう一つ、この法案は地方自治体のいわゆる財政援助について言及しているのであります。この点についてもお考えがございましたら、あわせてお答えをいただきたい、こう思うのです。
○佐藤(一)国務大臣 最初の御質問は、たとえば通勤輸送が国鉄の今後の投資の一つの優先目標になっているとしましても、もちろんこれは国鉄だけでやれるものではありません。そういうことで、各交通体系を総合的に見た上でやることでございますから、久保さんが御指摘のように、その経済情勢の移り変わりというものを見ながら具体化を進めていかなければならない。これは当然であろうと思います。現在、企画庁にも総合開発審議会というのがありまして、そこで交通全体の総合調整についていま検討をしております。そういうような場を通じて御懸念のないようにやってまいりたい、こういうふうに思っております。 それから採算の問題につきましては、これはむしろ現在の国鉄が長い間投資がずっと行なわれていなかったのを急激にやっておりますために、特に問題が多いのであって、今後ずっとこういう長い間の計画が立ってまいりますと、だいぶ国鉄の問題も違ってくるのではないかと私自身は思っておりますけれども、いずれにしましても、採算問題は、やはり今後の情勢を見まして、そのときに応じた対策というものを立ててまいる、こういうことになろうかと思っております。
○福田国務大臣 財源問題ですが、まだ財源について具体的なことは考えておりません。つい先日、議員立法でこういうものが行なわれるというお話を承りまして、私の受け取りは、これは基本法だ、こういうことです。これが逐次具体化されていくわけですが、基本法的な意味においては私も大賛成です。ぜひ何とかこの精神を実現いたしたいというふうに考えておりますが、まだこの基本法の精神に沿ってどういうふうにこれを実現していくかという実態も、政府といたしましては詰まっておりません。その実態と合わせまして財源をどうするかということを考えたい。財源は、何といってもこういう性格のものですから、投融資が主体をなすというふうに一応考えますが、それに対して国や地方団体も協力をしなければならぬ、そういう性格のものだろう、こういうふうに考えております。
○久保委員 これは提案者にお尋ねしますが、いま大蔵大臣から基本法的なものであるというお話がありまして、私も法案だけとればそういうふうにとらざるを得ないと思うのです。それでは、これはもしも的確にやるとするならば、計画的に、同時に年次計画はどうするか、資金の調達はどうするかというものを考えなければいかぬじゃないかというふうに思うわけであります。そのことを一言だけ申し上げておきます。
○細田議員 大蔵大臣や政府側としておっしゃっておりますことは、これはそのとおりだと思います。で、法律にございますように、今後基本計画を立て、整備計画を立てていこう、こういうことでございますので、あなたのおっしゃいまするように、これから鉄道建設審議会に諮問して、運輸大臣が基本計画をきめていく。法律ができ上がりますと、もう政府の仕事になるわけでございますから、その際には、はっきりと財源をどうするとか、利子のつかない金をどうする、国鉄の経営にはどういう影響になるのだということを詳細に検討して、計画は進められる、かように思っておるわけでございます。
○金丸(徳)委員 企画庁長官、お忙しいようですから、一言だけ端的にお伺いしておきたいと思うのであります。 いままでの久保先生のお話、御質疑の中にあらわれて受け取れますことは、どうも提案者と政府との間に必ずしも呼吸が一致しておるのでもなさそうに受け取れます。しかし、それを言っておりますと時間もかかりますものですから、それはそれといたしまして、結局、私どもはこの法案を審議するにあたりまして、やはりおたくのほうで出しております新経済社会発展計画だとか、あるいは特に新全総というようなものは、これを決してから念仏とは思っておりません。非常に重要な国民に対する指針だと思っておるのであります。したがって、これを土台としてこれに対する新しい風といいますか、新しい計画として今度の法案を受け取っておるのでありますし、その重要性もそのような意味において見ております。さらにそういう意味におきまして私は詳しく掘り下げたいと思うのですけれども、時間がありません。ただ一言だけお伺いいたしたいのは、これは非常に別の方面に大きな影響を来たす。といいますのは、経企庁長官が、これは総理大臣から特に重要指令を受けておると私どもは新聞で承知しておりますが、物価を引き下げるということであります。物価を刺激するような政策はこの際とるなということでありますが、本法案が実施に移りますと、どうしてもそこには一般物価の上にも影響を来たさざるを得ないほどのたくさんの金も使います。資材も使います。のみならず、一般物価の値上げの基本であるといわれているところの地価にも大きく響きます。実施に移す前に、すでにあの図面が発表されたり、この計画が実施に移るというようなことがうわさにでものぼりますと、業者はたちまちにしてその方面の地価なり土地なりに目をつけざるを得ないと思います。したがって、それは物価を刺激するなといういまの日本の至上命令に対しては逆の行き方をするのではないか、逆の心配を持たざるを得ないのじゃないかと思うのでありますが、長官はいかにこれをお考えになっておりますか、それを一言、ごく短くていいですからお答えをいただいて、また別の機会にお伺いをいたすことといたします。
○佐藤(一)国務大臣 確かに、私たちもそうしたお説のような点を今後の政策遂行にあたって注意していきたい、こう思っております。御存じのように、新しい六カ年の新経済社会発展計画というものをわれわれはつくりましたが、その中で、行政投資総額というものを五十五兆円と考えております。これは結局平均成長率一〇・六%という経済成長を前提にして、その中において公共投資というものが大体どのくらいになる、こういうことを考えてやっております。つまり、全体の計画の中における行政投資というものの役割りを全体の中において考える。でございますから、私は、その点の御心配は要らないのじゃないかと思っております。ここで主として新幹線をお取り上げになるのは、議題でございますからですが、新幹線に限らず、道路であろうが、港湾であろうが、おおよそすべての公共投資、これまたなお相当日本経済としては進めなければならない、そういうものを織り込んだ五十五兆円でございます。そして、そういうことをやることを前提にして、私たちは四・四%の物価を実現したい、こういうことを総合的に考えてのことでございますから、もちろんこれを実現するためには、現在以上にたとえば土地収用法の実行を厳格にやるとか、政策について考えなければならぬことはいろいろございます。しかし、いずれにしても、成長と、それからその成長がもたらしがちなところの物価という問題をいかにして両立させるかということが、すでに今日われわれに与えられた課題でございますから、そういうような観点から新しい計画も立案をしておるようなことでございまして、できるだけ心配のないように、これはわれわれの今後の政策遂行における最大の使命として、そういう御指摘のような方向でやってまいらなければいかぬ、こういうふうに考えておる次第であります。
○福井委員長 松本忠助君。
○松本(忠)委員 大蔵大臣に、時間もございませんし、一問だけお伺いしておきます。 大臣は提案者じゃございませんが、内閣の事実上の副総理としてやっていらっしゃる、ほんとうに財政担当の大臣でございますから、十分御承知だと思いますが、十三条の財政の処置について伺っておきたいわけでございますが、具体的にどのように国でやろうとしておるのか。大臣は、財源の確保の問題につきまして、今年三月十日の衆議院の予算委員会におきましても、同僚議員の質問に答えまして、話題の段階であるが、財源は遺憾なきを期す、このように大みえを切っておられます。このことは、三月十一日の業界紙で私も拝見いたしました。たいへん力強く思っておるわけでございます。その時点におきましては別表はついていたわけであります。しかし、現在では別表ははずされております。そしてまた新しい形の議員立法、自民党さんの単独提案ということになって出ておるわけでありますが、現在でも確信をお持ちでございますか、三月十日の発言を確信をもって実行すると言われますか。 それからもう一点は、大臣は別表を削除されたいきさつについて御存じと思うわけでございますけれども、別表は削除したほうがいいとお考えか、それともはっきりと示しておいたほうがよかったか、どちらをとられるか。自民党の幹部として、また財務担当の大蔵大臣として、両面からひとつ答えていただきたい。
○福田国務大臣 三月十日でしたか、四日でしたか。
○松本(忠)委員 予算委員会で言われましたのは、久保議員の質問に対して言われています。
○福田国務大臣 三月十日に久保議員に対しましてお答えをいたしました私の財源に対する見解、これはあのとおりに今日なお考えております。この法案が成立いたしますれば、さらに具体的に積極的にこの財源をどうするかということについて検討いたしたい、そういう心がまえでございます。 なお、別表をはずす過程につきましては、私は一切何事も存じておりません。したがってまた、その利害得失につきましても、いままで考えたこともございませんから、何とぞさように御了承願います。
○松本(忠)委員 それは大蔵大臣としてのお答えですか、自民党の幹部としてのお答えですか、どちらですか。
○福田国務大臣 大蔵大臣といたしてでございます。
○松本(忠)委員 もう一問聞きますが、いま大臣は、基本法というおことばが初めて出てきたわけであります。基本法という新しい考えが示されたわけでありますが、この考え方は内閣全般の考えでございましょうか、その点をお伺いしておきたい。
○福田国務大臣 基本的性格を持っておると思うのです。そういう意味において基本的なものである、こういうふうに申し上げておるわけですが、おそらくこの見方につきましては、内閣において違った見解を持たれる方はないのではないかと私は考えております。
○松本(忠)委員 いま久保議員の質問に対して、大臣は基本法ということばをはっきり言われたと思うのですが、基本的な考え方、こういう意味でありますか。それは自民党としては統一された見解であると解釈しておいてよろしいわけですね。
○福田国務大臣 これを基本法ですか、基本法じゃないのですかというふうに問われたことは別にありません。したがって、そういうことを議論をしたことはありませんけれども、おそらく自民党のほうでも、これは具体的措置をきめたものではないのだ、基本的な方針をきめたのだ、こういうことかと思います。そうすると、基本的な性格のものである、こういうことになろうかと思います。
○松本(忠)委員 大臣に対する質問は、もう時間もありませんし、あと和田さんも控えておりますから、やめておきます。それに関連しては、またあとで運輸大臣にお伺いしたいと思います。
○福井委員長 次に和田春生君。
○和田(春)委員 大蔵大臣にお伺いいたしたいと思いますが、先ほど来も質問がございましたけれども、先般のこの委員会で提案者側その他国鉄側等にお伺いいたしましたところ、所要資金として、新幹線の総キロ数九千キロ試算で十一兆三千億かかる、こういう一応の試算が答えとして出されました。これについて、試算の単価等は四十三年ベースであるというようにお伺いしたわけでありますが、いろいろ努力はされておりますけれども、物価は相当上がっております。特に土地の値段等は大都市の周辺で年間二〇%、二五%も上がっている。また、こういう大きな公共事業が計画されて発表されますと、その敷設予定地等において土地の値上がりをするということは、従来の関係から見て避けられないことである。特別の手段を持たない限り、そういうことが予想されるわけであります。そういたしますと、もし現状どおりの物価や土地上昇が続かないといたしましても、かなり上がっていきまするならば、この総資金は二十兆円をこすであろうというようなことも、一応の予測として立てられるわけでありますが、この膨大な財源について、これを受ける政府側の財政の担当責任者である大蔵大臣として、どういう御見解を持っているか、端的にお伺いしたいと思います。
○福田国務大臣 この計画は、和田さん御指摘のように、非常に多額の金を要する。しかもこれからの経済情勢、物価情勢、そういうものを考えますと、おそらくたいへんな金になってくるんじゃあるまいか、そういうふうに考えます。ですから、この際、具体的な計画として十五年も先のことをなかなかこれを見通しをつけることはむずかしかろう。まあ見当というか、試算というか、いろいろそういうことも試みなければならない。しかし、ほんとうに政治課題に乗っかってくる具体的な問題としては、やはり数年間、経済社会発展計画というものがありますから、その間においてどのくらいのことを構想するかということが当面の検討対象になってくる、こういうふうに思うわけであります。しかし、まだこの立法が成立したわけでもなし、またそういうことを考えますと、そういう法律案の成立を待ちまして、さあ、これからの、特に来年の財政事情はどういうふうになるか、また財政外の資金事情はどういうふうになるか、そういうものをよく見きわめまして、とにかく第一次的には五、六年間の展望を持ちながら、その展望に即して第一年度の措置をきめていく、こういうことが具体的な行き方になるのじゃないか、こういうふうに見ております。来年度の予算におきましては、道路計画もかなり問題なんです。いま道路五カ年計画といいますけれども、いまの経済の、いま長官が言いました一〇・六%成長、こういうのでいきますと、財政資金だけでもどうも三千億くらい、あるいはもっとなるかもしらぬ、足らない。それからいわゆる投融資資金におきましては、それよりはるかに巨額のものが新たに調達されなければならない、こういうことになるわけです。そういうものとのにらみ合わせもまた考えなければならない。まあいろいろ総合的に考えまして、新幹線にどのくらい回すべきかというような問題は、四十六年度予算編成とからめまして具体的な検討に入りたい、入る、そういう見通しを持っております。
○和田(春)委員 たてまえとして、これは議員立法でありますから、法律ができてから、政府としてそのつど具体的な計画をたてたいということは、一応たてまえとしてはそのとおりだと思います。しかし、現在の政党内閣のもとにおいて、与党、自民党と政府というものの間にはいろいろと調整も行なわれていることは隠れもない事実でございまして、大体こういう構想を立てるのには、政府側としてもいろいろ一緒に検討されていると思うわけでありますが、その点において、たとえば国鉄総裁は、国鉄経営の見地から考えて、大体三分の二程度利子のつかない金を使わしてもらうという前提で、精一ぱい四千キロ程度まではこの経営ないしは採算の見通しがつくけれども、それ以上についてはかいもくわからないということを答えているわけであります。この点について、所要資金の三分の二程度利子のつかない金を出すというようなことについて、ひとつ大蔵大臣としての見通しないしは見解を端的にお答えを願いたい。
○福田国務大臣 新幹線建設に三分の二の税収入を割り当てる、こういうことは、実際問題とするとかなりむずかかしい問題じゃないかというような感じがいたします。私は、この新幹線は、やはり国土の総合開発という大きな観点もにらみ合わせなければなりませんけれども、同時に、これの採算性ということも、独立企業体としての国鉄として考えなければならないと思うのです。そうすると、その着手順位というものは、その両面から検討されていくということになると思います。そういう際において、さあ大半を税財源でやっていくんだということは、これはなかなかそこまではいかないのじゃないかという感じがしますが、それらの問題につきましては、これからいかなる線を具体的にまず着手するかというようなものともからめまして、慎重にひとつ検討いたしていきたい、かように考えます。
○和田(春)委員 時間もございませんので、もう一点だけ大蔵大臣にお尋ねをしたいと思いますが、この財源にからんで、いわゆる自動車新税の構想が伝えられているわけであります。道路の改善とかあるいは公害の防止、そういうような点について、社会を敵とすることなく自動車交通が発展するように、受益者として、そういう方面に対する費用が要るから、自動車の関係から新しい税金を負担しろというような論議になりますと、実施方法については議論はあるといたしましても、論理としては筋が通っていると思うわけであります。しかし、この都市開発あるいは道路整備、これがおくれているために、自動車のほうもある意味においては被害者の面がある。その自動車から、しかも大衆化している自動車から相当の資金を取って、これを新幹線の建設に回す、鉄道に回すというような考え方が、かなり政府・与党の有力者の口からも伝えられて、新聞にも大々的に報ぜられているわけでありますが、国家財政の方針として、はたしてそういうことが妥当であるのかないのか。それは苦肉の策の、非常に論理的な筋の合わないことのようにもわれわれは思うわけですけれども、その点、大蔵大臣としての所感をお伺いしたいと思います。
○福田国務大臣 財政をどうするかという問題は、国鉄だけの角度から考えるわけにはいきません。また道路だけの角度から考えるわけにもいきません。その他港湾も、あるいは航空も、あるいは上水道、下水道、いろいろ問題があります。その上にさらに、いわゆる内政の七〇年代だといわれるので、公害の問題もあり、あるいは物価の問題もあります。あるいは社会保障という金のかかる問題もあるわけです。それらをひっくるめまして考える必要があるのですが、一つ私が考えておりますのは、いま日本の国民の租税負担は、先進諸国に比べますとはなはだしく負担が軽い形になっておるのです。しかし、それにもかかわらず、一般国民からは重税を訴えられる。なぜかというと、所得税に偏重している税になっているのです。その所得税減税というものを私はいま考えておるわけです、これからも。その財源は一体どうするかという問題と、ただいま申し上げましたもろもろの財政需要というものの新しい需要というものをどういうふうに充足していくか、こういうことになる。そうすると、所得税を減らすんだから、どうしてもその穴埋めと、それから新財源というものは間接税にいかなければならぬ。間接税といっても、あるいは付加価値税だとか売り上げ税だとか、そういう総合的なことをやりますと、非常に物価に影響がある。そこで、いま私の念頭にありますのは、個別消費税、あまり物価に直撃的な影響のない対象をとらえまして、消費税を強化する。物品税なんというものも一つの対象になりましょうし、あるいはいま御指摘のありました自動車税というようなものも、言う人もあるわけでありますが、とにかく物価ということを十分にとらえまして、これに大きな悪い影響がないようにということを旨として、今後のこれらの問題の財源対策を考えていきたい、こういう考えでございます。
○和田(春)委員 たいへん抽象的なお答えでありまして、税制一般の総論的なことでございますが、私の持ち時間もございませんので、問題に残しておきまして、納得をしていないということだけ申し上げておきたいと思います。
○福井委員長 次に金丸君。
○金丸(徳)委員 私のお尋ねいたすことが切れ切れになってしまいまして、少しやりにくくなったのですが、ひとつ総括的に、実施の責任を負われる運輸大臣でありますから、経企庁長官にお伺いいたしたいとも思ったようなことまで加えまして、大臣からお答えをいただきたいと思うのであります。 実は、この提案者の提案理由の御説明によりますと、「国土の総合的かつ普遍的開発を推進し国土利用の抜本的な再編成をはかる必要がありますが、その不可欠の基盤といたしまして、新全国総合開発計画においても述べられておりますように、将来の高度に発達した経済と豊かな国民生活にふさわしい高速高能率の新しい輸送体系」をこの際整備しておかなければならない、こういうたいへん高邁な理想の中で、したがってまた、本法案にはいろいろの意味において強力に推進するための態度が示されておるのであります。そこで、運輸大臣といたしましては、こういうものを受けまして、あるいはそれ以前に、基本的に新しい日本にふさわしい輸送計画というものが考えられなければならないのではないかと思うのであります。従来運輸省として取り上げておられて、特にこの新全総などに盛り上げてまいりましたところの計画と、これとにらみ合わせまして、たとえば道路計画においてはどうであろうか、空路輸送計画においてはどういう方針があらためて考えられなければならないか、また特に海上輸送関係などにつきましては、これに見合うだけもしくはそれに先行するような計画変更があるべきやにも思われるのであります。そういうことにつきまして、基本的にはどういうふうに対処なさっておられますか、お伺いいたします。
○橋本国務大臣 おっしゃるとおり、新幹線だけで日本の総合交通体系ができ上がるわけではありません。しかし、この新幹線網の議員立法がなされたということは、心強く思っております。先ほど大蔵大臣が基本的と申しましたが、国土総合開発の上において新幹線の持つ役割りは、基本的なものを一つ持っておる。同時にまた、この鉄道法によって国土総合開発が推進されるという意味で、われわれは非常に賛成であります。ただ、こういう促進的な法案ができるのでありますから、したがって、政府としては、いまおっしゃるように、内航海運との関係及び航空網との関係並びに高速道路網との関係、これらを総合的にひとつ統一をしたいということで、この法案が成立を見ました暁は、運輸省及び建設省、自治省等と十分協議を重ねて、総合的な交通体系を具体的に考える、かような手はずになっております。
○金丸(徳)委員 そこで、そういう考えに立ってまいりますと、新全総は新経済社会発展計画の参考資料としてあるのですが、われわれこれを非常に重要視しております。これによりますと、先ほども議論になってまいったのでありますが、鉄道にはこれだけ、道路にはこれだけの計画ということ——いま鉄道関係においてこのような画期的なる計画が進みますと、先ほど建設大臣は、それに見合うような道路計画も改定しなければなるまいということでありますが、抽象的なお答えでありますけれども、ねらいはわかります。運輸大臣といたしましても、今度は空路関係あるいは海上輸送関係において、この計画、この数字というものはある程度改定されてまいらなければならないのではないか。そうしないと、せっかくできたところの陸上の基本的な抜本的なる計画が進みましても、その他のものとのふつり合いが生じまして、総合的なあるいは普遍的なる国土の開発の上には不十分ではなかろうか、こうも思うのであります。それについてはどのような具体的な数字なり案なりを持って対処なさっておられましょうか、この際、ひとつお示しを願いたいと思います。
○橋本国務大臣 まだ閣議決定をしておりませんけれども、いまおっしゃったように、道路関係については十一兆円、これは積み立て方式でありますから、具体的にはフィックスしたものとは考えておりませんけれども、一応これを積み立てているわけでありますが、道路関係で十一兆円、鉄道及び航空、港湾等で五兆五千億円、その中で新幹線の一兆七千億円、国鉄関係が二兆四千億円、新線が約四千億円というような考え方のようであります。港湾関係と航空関係は、前の新経済社会発展計画に比べれば、港湾関係では一兆九千億円という計算をしているようであります。それから航空関係については四千億円という計算をしているようであります。この数字は、前の新経済社会発展計画に比べれば、かなり港湾及び航空は引き上げてはおりますけれども、いまお話があったように、はたしてこれがバランスがとれているかといいますと、私個人から見ましても、このような総合的な計画をする場合に、多少不足の点が出てきやしないか、しかし、その意味においては調整費一兆円が置いてありますから、それである程度の調整はできます。できれば相当長期間の計画、一つの見通しでありますから、ほんとうは調整費としては一兆円くらいではなくて、三兆円くらい調整費を置いたほうがその計画においてはいいわけですが、しかし、審議会の考え方もありますし、それといままでの関係もありますから、なかなかそうはいかないでしょうけれども、とりあえずは、閣議決定がどうなるかはわかりませんが、それらを考慮の上において、できるだけバランスをとった総合開発に持っていきたい。しかし、この際は新幹線がどうしても必要であるということは、皆さんが議員立法で行なうだけに非常に重要性がある。こういう意味で、私たちはこの新幹線の法案成立を心から希望しております。
○金丸(徳)委員 新幹線が基本的には重要であることは私も認めますが、問題は、これをどんな手順でどういう態度で進めるかということにあろうかと思うのであります。そこで、日本の輸送体系の基本といたしまして、海上輸送、特に内航関係の整備をいたしたいと思うのであります。航空関係につきましては、いまや航空時代に入ったなどということばさえありますように進められておりますし、ことに国際関係などがありまして、じっとしてはおれないようなはたからの刺激がありますから、どうしても力が入りやすいのであります。しかし、一たび内航関係、海上輸送のことになりますと、そうもまいらぬのではないかというような心配を持つものであります。現に港湾関係などにつぎ込んだ金は、その他の公共投資と比較いたしまして、海洋国日本、海運国日本、四面海をめぐる日本としては、あまりにもみすぼらしいものではなかろうかとさえ思われるのであります。それは戦後における特殊事情もありましょうけれども、また、海上といいますれば、いままでの沿革からいきまして、とかく外国航路、貿易というほうに主力が注がれてまいりまして、内航関係にはどうしても力が入りかねた点があろうかとも思われるのであります。しかし、それは海洋国日本、島嶼国日本としては残念なことのように思うわけであります。いわんや、いまやいろいろと船の形も変わり、スピードアップもされた。カーフェリーなどの発達に伴いまして、海上に目をつけなければならないときが参ったのではないかと思われるのであります。現に今国会におきましては、フェリー関係の特殊埠頭をつくるための法律措置が講じられておるような状況であります。あれもしかし外国貿易、外国航路をねらってのことでありますが、むしろもっと内航関係に力が注がれて、そしてフェリー化時代にふさわしいような港湾の整備が行なわれますというと、陸路にたよるものがこれほどひどくはなかろうじゃないかと思います。そのほうが長い将来の日本の海上交通には得策ではないかと思うのであります。私は、新幹線の計画について、これをチェックするとか延ばせとかいうわけではありません。ありませんが、その前に、むしろおくれたる海上輸送に対して目を注ぎ、力を入れて、そのほうを整備していきますと、そこから現に解決されなければならないところの交通難、交通地獄というようなものも相当救われてくるのじゃないか。むしろこれこそ大切なように思われるのでありますが、基本的にはどういうお考えでしょうか。
○橋本国務大臣 全く同感です。金丸さんのおっしゃるとおり、内航海運は重要視しなければなりません。これからコンテナ化、フェリーボート等が発達してまいりますから、今回の新経済社会発展計画のほうでも非常に重要視しております。数字で申し上げますのも恐縮ですが、前計画では八千四百億円にすぎなかった。それを今度近く決定されるであろうところの新発展計画では一兆九千億円でありますから、したがって倍以上なんですね。思い切ってやっている。平均は一五、六%の増なんですが、この海運に対して新発展計画では、前回八千四百億円が一兆九千億円、非常にこれを重視しているということは御理解願えるかと思います。これで十分かといえば必ずしも十分ではありませんが、しかしながら、思い切って重点的な配分を考えてくれた。こういう意味で、私は、もちろん外航港湾も国際港湾も重視するわけでありますが、同時に、国内内航海運に必要な港湾の整備というところにも必要な力点を置いておる、こう御理解願ってけっこうであります。
○金丸(徳)委員 時間がないということでありますから急がなければなりませんけれども、確かに一兆九千億の計画はここに示されております。それは今日までの状況からしますれば、画期的な数字ではあろうかと思いますが、何にせよ、大体いままでの計画の基本の数字というものはあまりにも少ないのではなかろうか。さしむき道路の整備ということで道路に金をかける、それから鉄道のほうがまた進んできたということに対して、あまりにも少ない。その少ない基本を二倍にした、三倍にしたといっても、結果においてはあまり画期的にならなかったやに思われてならないのであります。島嶼国日本、海洋国日本として、海洋に目を注がなければいけないという意味で、これを主張すると同時に、もう一つは、日本のように山国というものは、案外鉄道網は不便ではなかろうか。たいへんな金がかかる。穴を掘り、橋をかけていかなければならないところに、平面な平野な国家とは違ってたいへんな金がかかるのではないか。いわんや、これを高速化するということについては、よその国では見られないほどの多くの金がかかる。にもかかわらず、鉄道をやらなければならないわが国の発展の状況は認めますけれども、それに見合うだけの海洋政策がもし進められていきますならば、それはかなり緩和される状況が日本の上にも出てきやしないか、こう思うのであります。 そこで私は、運輸大臣に、あらためてほんとうに画期的なる力の入れ方を海運関係に入れるべきときが来たのではなかろうか。幸いにいたしまして新幹線計画が、まあ基本的とはいいながら、ここに世に出ることとなったのであります。それに見合うだけの新海洋計画、特に内航輸送計画というようなものについて、強力にして実のある計画をこの際お出しになっておくことが、本法案審議の上におきましても私ども非常に安心感をもって対することができるのでありますが、いかがでありますか。
○橋本国務大臣 私は、もう抜本的、そうして思い切って予算といいますか、この新計画の中で、八千四百億円が一兆九千億円——新幹線は彼らの試算によれば、これからどうするかは別として、一兆七千億円、港湾関係に対しては一兆九千億円というのは、抜本的な考え方に立ってきておる。 それからもう一つのお話でありますが、国の総合開発ということになりますと、奥地の開発というものをもしおろそかにしますと、海岸線だけが発展して、まん中は全くの過疎地帯になってしまう。これは総合開発でなくなってしまう。でありますからして、高速道路にしましても、新幹線にしましても、いわゆる内陸地帯の開発ということを考えていかなければ国の総合開発にはならない、こういう意味において、もちろん港湾、内航関係に対しては相当の力点を置いておりますけれども、同時にまた、内陸地帯の開発というものがないと、せっかくの四十三万平方キロメートルという日本の国の総合開発ができない。こういうように、大体新計画というものは、多少のなにはありましても、まあバランスのとれた計画のように私は考えるわけであります。
○金丸(徳)委員 時間はもう過ぎておりますが、一言お伺いしておきます。 いまのように普遍的なる国土の総合的開発ということをねらうのでありますが、ただしかし、実際問題といたしましては、二百キロを越すところのスピードがある新幹線というものは、その中間層においてうっかりすると空洞化される心配が出てくる。中間をも開発しようとすると、それに伴うところの在来線の整備、あるいはそれに伴うところの道路網というものが必要となってまいるのであります。いま私どもが非常に困っておりますのは、鉄道当局が合理化という必要性に迫られて、在来線の駅さえも廃止していこうというような方向に進んでおるようであります。そのかわり、道路輸送でもってかえるからということであるようでありますけれども、そういう傾向を来たしておるということになりますと、この新幹線の整備というものは、案外拠点拠点の地域の開発にはなっても、中間を空洞化していく。で、大臣が言われるところの内陸地帯における総合的な開発ということとはうらはらに、案外へんぱな開発方向に進みやしないか。それを避けるためには、道路計画なりあるいは在来線の整備計画なり利用計画なりというものを進めておかなければなるまいではなかろうか。それから同時に、私はなお主張したいのでありますけれども、港湾計画というものを進めておかなければなるまいではなかろうか、こう思うのです。さてそうなりますと、まさに百花斉放の観がある。百花斉放の観があって、一挙に進むことによって、物価は刺激され、地価は上がるということにならざるを得ないのでありますが、この点は私などの取り越し苦労であってほしいと思うし、どうかそうでないように期待いたしたいのであります。本法案が重要であればあるだけ、私は、この法案が、重要な使命を持ったこの子供が、りっぱに世間に役に立つように、月足らずの法案でないように願いたいのであります。未成熟のままで生まれて、そうして結局あまり役に立たなかった、基本法だというようなことで終わらないように、実施計画を進めていただきたいと思います。と同時に、またもう一つ、これも取り越し苦労であってほしいと思うのでありますが、もしかしてこれが非常に強く生まれて、だからこれが下に下にと他の計画をなで切っていってしまって、これのみが内ゲバ、外ゲバでもってあばれ回るということになると、せっかくこの法案に示された第一条の目的とうらはらな結果を来たすのではないかと心配するのであります。これらのことは、私は取り越し苦労であってほしいと思いながら、現段階におきましてはそういう取り越し苦労もしなければならないような状況であることを申し上げて、大臣からの所信を一言承って、私の質問を閉じることといたします。
○橋本国務大臣 この法案によりますれば、基本計画その他実施計画等はあらためて審議会等に出し、また皆さんの御審議を得ますからして、いま金丸さんのおっしゃるような、いろいろたいへん御親切な御忠告を十分聞いて、さような鬼っ子が出たり弱い子が出たりするようなことのないように努力いたしたいと思います。
○福井委員長 次に松本忠助君。
○松本(忠)委員 運輸大臣の退席の時間が迫っているようでございまして、大臣に関する質問だけを先に申し上げたいと思います。なお、質問の順序等につきまして、若干私もおぜん立てをしたけけでありますが、もう時間がないので、だいぶくずれております。しかしやむを得ません。 そこで、まず最初にお伺いしたいことは、先ほど大蔵大臣が述べられました基本法という考え方について、大蔵大臣は初めてこういう公開の席上で申されたわけであります。そこで、運輸大臣のお考えを聞いておきたいわけでございます。 鉄道建設につきましては、鉄道敷設法に基づいて、どういうぐあいに建設するかというプログラムがきめられております。今回の全国新幹線網につきましては、本法が成立いたしますと、そのプログラムがきめられる、こう考えておったわけでありますが、別表が削除されたという段階におきましては、大蔵大臣の言われました基本法という考え方も妥当かなというふうにも思うわけでございますが、担当大臣の運輸大臣としてはどのようにお考えであるか、伺いたいわけであります。
○橋本国務大臣 おそらく福田大蔵大臣の意味は、非常に簡単に言ったから、基本法であると言いっぱなしでありますけれども、具体的に言えば、国土総合開発の上における鉄道網の持つ意義というものにおいて基本的なものである、かような意味だろうと思います。したがって、この法律案は、基本的な性格を持つと同時に、またこの鉄道によってこれが推進される、こういう重要な役割りを持っておるというように理解してよろしいと思います。
○松本(忠)委員 そういたしますと、大蔵大臣の言われました基本法という考え方は、要するに、この法律は議員提案でありますから、内閣は直接関係はないと言われましても、いずれにしましても自民党の提案でありますから、自民党の現内閣としてそれに全然タッチしておらぬ、聞いておらぬというわけでもないと思います。そうなってまいりますと、その基本法という考え方は、閣内でそういうふうな意見が交換され、そのようになっているものでございましょうか、どうでしょうか、重ねてその点を伺っておきます。
○橋本国務大臣 ただいま説明しましたような意味で、閣内においては意見は統一されておる、かように御理解願います。
○松本(忠)委員 そこで、建設路線の問題でございますが、法律で固定的にきめない、これは総理が言われたことばでございます。この辺でひとつ伺いたいわけですが、別表を削除するということは、言うなればこの法案を骨抜きにした、こうも私は考えるわけでございます。この点につきまして大臣と提案者に伺いたいわけでありますが、まず先に、大臣から御見解を示していただきたい。
○橋本国務大臣 別表をはずしましたのは、私は、鉄道建設審議会というものを運輸大臣の諮問機関として持っておりますから、全然関係ないわけではありません。総理大臣もさように考えておったようですが、私自身も、いまから十五年か二十年かかる一つの将来性のある鉄道網に対して、いまからこことここを敷くのだということになると、社会発展というものは必ずしもそのとおりにいかない場合があります。たとえば鹿島港などは、十年前にはだれも考えておらない。それが数年にして、今日世界の三大港の一つといわれるような港ができる。こうなると、やはりそこには鉄道を持っていかざるを得ないですね。そういう意味において、やはり将来の発展性から考えても、いまから非常にこまかいいわゆる付表をつけるということは、必ずしも妥当ではないのではなかろうか。もちろんこれは基本的な線だけを入れるというなら別問題ですが、しかし、さような必要もなかろうし、いわゆる国土総合開発における新幹線の意味というものを何らか文章に盛ることができれば、そのほうがよりベターである、こういう考え方で、私自身も付表をつけることについては必ずしも賛成ではなかった。いろいろ関係者といいますか、提案者の各位とも相談しまして、将来もっと日本の発展の姿が変わる場合もあり得る、そういう場合になってまた付表を変えるということも好ましくないので、この際は付表をとるほうが、より将来の弾力ある発展のためによかろうという意見の一致を見て、そこで付表をはずしたわけであります。
○松本(忠)委員 その問題については、提案者からあとで聞きます。 大臣のほうを先に進めますが、従来の鉄道というものは、東海道にいたしましても、山陽新幹線を含めまして、鉄道敷設法という法律、すなわち国会の承認を得たところの法律に従って建設をされておるわけです。また敷設法の別表におきまして、わが国の必要とする予定路線というものが明確に示されておるわけだと思う。本案におきましては、当初明らかにされておりました別表が今度削除された。そうなりまして、第五条におきまして、建設を開始すべき路線を定める基本計画の作成にあたっては、運輸大臣はと、こうなっておるわけです。この点、鉄道新線の建設については、国会の制定する法律において路線を明示しておくべきか、それとも行政府に白紙委任するほうが妥当なのか、この点について大臣の御見解を伺っておきたいわけです。
○橋本国務大臣 まあ一理はあろうと思いますけれども、ただ、将来の国土総合開発、たとえば港湾とか、飛行場とか、あるいは海外との輸出入貿易の関係だとか、あるいは拠点都市の計画とかいうものは、やはり原則としては行政府で考えます。したがって、この法律は、いわゆる新幹線で拠点都市を大体つなぐのですから、一般軌道、一般鉄道の性格とは少しく違うと思います。そういう意味においては、いわゆる付表のないほうがよろしい。ただ、この法律の目的は、第一条に掲げてありますように、いわゆる幹線をつなぐものである、言うなれば、一種の拠点都市をつないでいくのだ、こういう一つの方向を示してあれば、それで基本計画をつくる場合も、あるいは実施計画、整備計画をつくる場合も、その線に沿うて、法律の趣旨に沿ってつくる、そういう意味では、何ら法律的にも疑義はない、私はこのように考えます。
○松本(忠)委員 そこで、今度の五条の二項の問題でありますけれども、五条の二項におきましては、基本計画の決定について書かれてあるわけでありますが、ここでは基本計画の決定は鉄建審の諮問が必要だということで、これが必須の条件になっておると思うわけです。そうなりますと、その鉄建審というものとの関係について、ちょっと私理解に苦しむ点が出てくるわけなんです。と申しますのは、先般の決議まで行ないましたあの鉄建審における審議、これは振り出しに戻ることになる。そして、あらためて本法の五条の二項の規定によりまして、審議を開始することになると思うわけであります。そのような点について、大臣は十分御承知と思うのでございますけれども、それをまず頭に置いていただいて、三月十一日の決議というものはどういう性格のものなのか。敷設法の第四条におきましても、「内閣総理大臣及関係各大臣ニ対シ新線建設ニ関シ建議スル」というふうにございます。当然、三月十一日の決議は、総理以下関係各大臣に対して行なわれたものであると私は考えておったわけです。 〔委員長退席、徳安委員長代理着席〕 ところが、先ほどからのお話のように、内閣総理大臣が四月の九日のお話になったそのことによりまして、決議はこっぱみじんにくだかれてしまった、こういうふうに私は考えるわけです。そういたしますと、三月十一日の決議には、御承知のように、「別紙要綱により全国新幹線鉄道整備法案の作成を早急に行ない、」その別紙要綱には明らかに別表が載っていたわけです。一番肝心なところを削除してしまっておりながら、鉄建審の委員に対して一言のお話もない。少なくとも鉄建審の総会を開くなりして、全委員の決議を踏みにじって別表をはずしてしまった、そのことについて御了承くださいというふうに言われるのが、私は筋じゃなかろうかと思うわけです。総理に言われたからすぐはずす、鉄建審の委員に対しては何の話もなかった、これでは少し筋違いではなかろうかと私は思うわけです。法律的にはその必要がない、まあそういうふうな意見があるいはあるかもしれません。しかし、私は、法律の問題について詳しくはわかりませんが、少なくとも道義の上からいっても、そうあるべきではないかと考えるわけです。運輸大臣は、大臣の諮問機関であるところの鉄建審に対してどのようにお考えになっているのか、伺いたいのであります。すなわち、鉄建審を尊敬する必要がない、信頼するに足らない人々の集まりとお考えなのかどうか、これが伺いたい点です。さらに、少なくとも私の申し上げたいのは、現在の鉄建審の二十八名という者の中には、国民の代表であるところの衆参両院の議員もいるわけであります。敷設法六条の七号、八号におきまして規定されておりますところの「運輸業、鉱工業、商業、農林水産業」等に関してすぐれた識見と経験を有する方々、そうきめられ、さらにまた「鉄道建設ニ関シ学識ト経験トヲ有スル」方々もおられるわけであります。それらの方々は、御承知のように内閣で任命され、またいま申し上げました七号、八号に該当する方々は、衆参両院において同意を与えられた方々でございます。それらの方々が参画してきめたところの、審議いたしましたところのあの決議というものを、何の連絡もなく、各委員の了承も得ず、総理の話にあわてふためいて別表をはずしてしまった、そうして法案をつくりかえて提出する、こういうふうなことに今回なっておるわけです。大臣は提案者ではございませんから、おれの関係することじゃないと言われたのでは、私どもも困るわけであります。それらの点につきまして、大臣のお考えと提案者のお考えを伺いたいわけでありますが、まず大臣から伺っておきたい。
○橋本国務大臣 どうも松本さんは、あとのほうでもって、政府が提案者でないからということで断わられては困るという前提がついておりまして、ちょっと私は答弁しにくいのですけれども、ただ手続論とかあるいは事務的なものの考え方からいえば、いわゆる私のこれから答弁するようなことになります。精神的にいえば、われわれのほうからもそういう了承を求めたほうがよかったと考えますけれども、ただ、手続上からいうならば、この鉄道建設審議会なるものは、政府の提案を受けてこれを審議して意見を出す、こういう機関です。ところが、今度の場合においては、政府が新幹線網という法律案、こういうものをつくってはどうかという提案をしたのではなくして、審議会のほうで、いわゆるこの際は予算も調査費等も組んであるから、したがって、一つの方向づけのためにこれをつくる、みずから一つの法案をひとつ考えるべきである、こういうような提案がありましたが——私はいま手続論を言っているのですよ。この場合、私のほうとしては、本年は調査費を組んでそうして十分調査した上で、政府提案ということも考えてはおります。しかし、直ちにこの国会に政府提案をする考えは持っておりません。こういう考え方です。これは事務的だからひとつ御了承願いたい。ところが、鉄道建設審議会では、相当の金額の調査費用をつけるのであるから、そこで、将来の調査をするためにも、どういう目的でそういう調査をするか、こういうことでひとつ早くこの新幹線網というものを考えるべきであろう、私はそういうような答えをしたわけです。 そこで、鉄道建設審議会は、いまおっしゃるように、各党の代表者及び事業者、学識経験者、こういう方々がおられまして、そこで、政府はそう考えるけれども、一つの大きな目標であり、政策であるから、鉄道建設審議会自身が、これはこうなくちゃならぬということで、いわゆる決議をしたわけであります。 かような事情で、まあ事情からいうとそういう事情なんです。したがって、法案が御承知のように政府提案ではなく、議員提案といいますか、今度は与党だけの提案になりましたが、与党側としてはぜひひとつ各党もこの提案に加わってもらいたい、かようなお願いをしたと聞いております。いろいろな事情があって与党だけということになったのですが、かような意味合いから出てまいりましたので、私どもが出しゃばって付表云々のことを言うのもどうかと考え、まあ提案者のほうから、ああいう審議会の決定であったがというのでお話をすべきであったろうし、ただ、聞くところによれば、個々別々にはある程度お話があったようにも聞いております。のみならず、この法案では、御承知のとおりに、第一条の中で、付表にかわるべきような考え方を明確に述べております。「この法律は、高速輸送体系の形成が国土の総合的かつ普遍的開発に果たす役割の重要性にかんがみ、新幹線鉄道による全国的な鉄道網の整備を図り、もつて国民経済の発展と国民生活領域の拡大に資することを目的とする。」同時にまた、第三条の中で今度ははっきりと「新幹線鉄道の路線は、全国的な幹線鉄道網を形成するに足るものであるとともに、全国の中核都市を有機的かつ効率的に連結するものであつて、第一条の目的を達成しうるものとする。」そうして、この別表にかえて、抽象的とはいいながら、必ず全国の中核都市、これを有機的かつ効率的に結ぶという、こういう意味において、なかなか皆さんが御相談なさっただけあって、まことにいい考え方があらわれておる。こういう意味において、われわれは、それに対して聞かれたときに、けっこうである、こう賛成の態度を示したのでありまして、まああとで議員立法の提案者側のほうから御説明がありましょうが、まあわれわれも、鉄道建設審議会はわれわれの諮問機関ですから、こういうぐあいに提案者のほうで考えておりますよという程度の親切心といいますか、そういうものがあってもいいとは思います。ただ、あまり出しゃばると、何か政府がうしろにおって、早くやれということになっても好ましくないということで、御遠慮申し上げたわけです。松本さんのおっしゃるとおり、もっと有機的に連絡をとって、こういうことのほうがいい、こういうことは、政治的なものの考え方からすればおっしゃるとおりでありますが、決してわれわれは責任を回避したり、あるいはこれらがどうでもいいということでないことだけは、いまの説明で御理解願えたと思います。
○細田議員 簡単にお答え申し上げます。 ざっくばらんに申し上げまして、松本委員は鉄道建設審議会の委員をしていらっしゃいますし、その間の事情については、いろいろな点を十分御存じでございます。また、おっしゃっております御趣旨、お気持ちというものは、私ども非常に同感するところがございまして、わかるのです。そこで、形式的なことをいまここでとやかく申し上げようとは思いません。ただ、鉄道建設審議会というものは、各党からお出になって、実は現在民社党、共産党はお出になっておりませんが、自民党、社会党、公明党、三党の衆参両院の方々がお入りになっておって、政府の諮問機関である各種委員会の中でも特別な委員会の形をしております。そこで御決議があったことでございまして、当初は共同提案、そして別表をつけるということでしておったということはそのとおりでございます。それがいろいろな点で、そのほうがいいという意見もわが党の中にありますが、またそうでないという意見もございまして、変わったわけでございます。しかし、いま御質問の中にありましたように、骨抜きになった、鉄道建設審議会の決議はどこかで雲散霧消した、何ということばでしたか、くちゃくちゃになってしまったというようなおことばがございましたが、それはさようではないのでございまして、別表そのものずばりを法律の条文に書くか、いま運輸大臣が言われたように、その別表を頭に置きながら抽象的な文句を書くか、しかも別表というものは、あくまでも鉄道建設審議会で各党の代表的な方々がお出になっておつくりになっておる権威ある御決議ですから、これは生きておるのだ、雲散霧消などはしておらない、ただ、法律の条文にずばり第一どこそこ、第二どこそこと書いてない、それだけでございます。われわれとしては、それでももとと違うじゃないかとおっしゃれば、前段申し上げたように違います。しかし、各党御了承いただいて共同提案いたしたいというのが、わが党の幹部はじめわれわれ提案者一同の要望だったわけでございますが、残念ながら時間的な関係もございまして、今度のような単独提案ということになったわけでございます。そういうわけでございますから、形はもとの案と非常に違っているようでございますけれども、精神は十分生かされておる、決議そのものも生きておる、かように考えております。ただ、ずばり出ておるかおらぬか、そこだけだという考え方であります。
○松本(忠)委員 ただいま大臣から、第二条の定義あるいは第三条の新幹線鉄道の路線という問題に対して、別表にはないけれども、具体的に明示されてないで非常に抽象的であるけれども、このような条文によって十分理解できる、こういうお話がありました。いままた細田さんからもお話がありましたが、この間から問題になっております第三条におきましても、中核都市というものがはっきりしていない。どうもいろいろ問題があるわけです。 〔徳安委員長代理退席、加藤(六)委員長代理着席〕 やはり何といっても、私は、別表できちっとすべきである、こういう意見はいまもって持っております。それが自民党さんのお考えによって、総理のお考えによって、一ぺんでけし飛んでしまった。その精神は生かされているというけれども、精神は生かされておっても、何ら文章にないものは、どのような形で生かされているという表現ができるのだろうか。細田さんは、精神は生きておりますと言うかもしれませんけれども、現実に、いままでは別表というものがあり、現在は別表というものがない。この点については、精神は生かされているというけれども、抽象的なことだけでは私どもは納得できないわけであります。いろいろの意見もございますけれども、今回の鉄建審に対する提案者あるいは大臣のお考えもお伺いいたしましたけれども、今後鉄建審というものが存続される、そしてまた五条の二項によって、今後建設すべき線についてはまた鉄建審の意見も聞く、こういうことになっておるわけでありますから、従来に増して引き続いて一そう審議を充実させていく意味からも、今回とられた措置についてはまことに遺憾である、こう私は申し上げるわけであります。それでは大臣、時間もないようでございますから、けっこうでございます。 そこで、先ほどに戻りまして、提案者に伺いたいわけでありますが、基本法という考え方が先ほど大蔵大臣から示されました。そのことについてどのようにお考えになっていらっしゃるのか。また法案の名前でございますが、全国新幹線鉄道整備法案、こういう名前であります。しかし、いま基本法という考えが出てきた。その辺で、整備法案という法律のこの名前と、大蔵大臣、いままた運輸大臣も、基本であるというお考えも漏らされておりました。したがいまして、この整備法案という名前はどうも少し疑問になってきたわけです。整備というのは一体どういうことなのか。むしろいっそ、ただいま言われました大蔵大臣あるいは運輸大臣のお考えのように、全国新幹線鉄道建設基本法と直してしまったらどうか。精神は生かされているといっても、別表ではっきりしたどこをつくるということもないし、また、財源の裏づけの問題についてはあとでまた触れたいと思いますけれども、そういう点からも、むしろ整備という名前でなく、建設基本法という名前にしてしまったほうがいいんじゃないか、こんなふうに私は思いますが、この点いかがでしょう。
○細田議員 大蔵大臣の言われた基本法ということばですが、基本法ということばの意味は、必ずしもはっきりしたものではないと思います。いろんな解釈があると思います。それで私は、この法案が通常使われておる基本法というものである、こう大蔵大臣は言われなかったというふうに了解しております。という意味は、私の解釈によりますと、これは基本法ではない、かように考えております。それはいろいろな基本法をごらんになるとわかりますように、大体大筋をうたいますと、あといろいろな法律でそれをさらに補完していくというかっこうになっております。親法みたいなものでありまして、あと法律でずっとやっていくというかっこうになっております。たとえば国土開発縦貫自動車道法というものが議員提案でできましたことがございますが、十数年前ですが、これなどは、審議会で決議をして法律で一線一線をきめる、こういうふうになっておりまして、これはまさしく基本法の性格を持った法律である、私はこういっていいと思います。しかし、この整備法案は、そういった意味では通常のことばの解釈にいう基本法ではない。このものによって新幹線の整備が進められるというずばりの法律になっておる、かように思っております。ただ、大蔵大臣がああおっしゃいましたのは、実はこれによっていま直ちに予算云々、建設費の予算をどうするかというところまでははっきりしておらぬから、もっといろいろな点できめていくことをきめてもらわなければ、予算の話にはまだ入ってこないんだ、そういう意味での基本的な考え方のものだ、こういう意味でおっしゃったものと私は解釈しておりまして、したがって私は、ことばの通常使われている意味の基本法ではない、これを基本法という名前にする必要はない、この法案の名前でよろしいんだ、かように考えておるわけでございます。
○松本(忠)委員 整備というのはどういう意味ですか。この線は新しく建設するわけですね。整備ということは、いままであったものを整え備える、建設ではないというふうに私ども思うわけでございますけれども、その点、整備ということばはどうなんですか。
○細田議員 整備ということばは、本来は鉄道網整備というふうに使われているのが普通でございまして、第一条にもございますように、「鉄道網の整備を図り、」こう書いてあるわけでございます。そこで、このことば、鉄道整備というのは、その網という字と、さらに個々の鉄道みんな合わせました意味で、鉄道整備ということばが使われている、こう解釈しておりますが、法制局のこの点についての見解をひとつ聞いていただきたいと思います。
○河村法制局参事 ただいま提案者の方が御説明になりましたとおりでございまして、全体的に見まして、個々の路線については建設というようなことばを使っておりますが、全国的なネットワークとして考えました場合に、それぞれの線が建設されまして、それらが全体として一つの新幹線全国ネットワークというものが整備される、そういう意味で整備ということばを使ったわけでございます。
○松本(忠)委員 たいへん御名答でございます。 そこで、私いろいろときょうおぜん立てをしておいたのですが、おぜん立てがすっかり狂ってまいりました。ここであらためて鉄監局長に——いなければ山口さんでもけっこうです。伺いたいわけでありますけれども、鉄建審の性格、所掌事務、内閣総理大臣の関係、この点について、ひとつあらためて聞いておきたい。
○山口(真)政府委員 鉄建審は、鉄道敷設法及び運輸省設置法によりまして定められている審議会でございます。この所掌事務につきましては、日本国有鉄道の鉄道新線の建設及び日本鉄道建設公団の鉄道施設の建設に関し必要な事項を調査審議するということがその所掌事務の基幹でございまして、そのやり方といたしまして、鉄建審に対する運輸大臣の諮問ということがございますし、さらに内閣総理大臣その他関係大臣に対して鉄建審の鉄道建設に関する建議を行なうということがそのおもな所掌事務でございます。
○松本(忠)委員 そこで、提案者に伺いたいわけでありますが、本案は、先ほども話がございました三月十一日の決議を十分に尊重して、これに基づいて提案されたのか、あるいはまたこれと全然別個のフリーな立場で立案されたものであるか、そのいずれなのか、伺いたい。
○細田議員 鉄道建設審議会というのは、運輸大臣の諮問機関であります。政府の関係機関であります。今回の提案は議員立法であります。したがって、形式的にはいろいろ問題があります。しかし、先ほど申し上げましたように、鉄道建設審議会は各党代表が、いまは三党でございますが、少なくとも国会の代表が参加をしておられるという、政府機関の中でも特殊な機関でございます。そこで、この三月十一日の御決議というものについては、これを十分尊重し、その線に沿って、ずばりその線に沿ってこれは出した、こういうことでございます。
○松本(忠)委員 三月十一日の決議を尊重するということになりますと、その決議をもう一ぺん細田さんに読んでみてもらいたいわけです。あらためて聞かなくてはなりません。
○細田議員 私が別に決議に関係したわけではありませんが、資料がありますから読みます。 「全国新幹線鉄道整備法案に関する決議 わが国陸上輸送の根幹をなす新幹線鉄道網の整備を図るため別紙要綱により全国新幹線鉄道整備法案の作成を早急に行ない、これを今国会に提出することを必要と認める。右決議する。昭和四十五年三月十一日 鉄道建設審議会」
○松本(忠)委員 そこで、「別紙要綱により」という別紙要綱には、別表はちゃんとくっついていたわけですね。そうですね。
○細田議員 そのとおりでございます。
○松本(忠)委員 そうなってまいりますと、別紙要綱を取り去ってしまった。これは骨抜きじゃないか、こう私はさっきから言うわけなんです。その骨抜き論についてのお答えが、大臣からは伺いましたけれども、提案者のほうから……。
○細田議員 骨抜きであるというお説は、それはあなたのお説はあると思うのです。しかし、私は骨抜きではないということをこの前も申し上げたわけでございます。ということは、もちろん守らなければならぬ必要があるわけではないですけれども、問題は、各党が出ておりますから、むしろ道義上の問題で、純粋に形式論的に言うと問題にならぬことですけれども、私たちは趣旨はそのまま生かしておる。別表も生きておるのです。決議も生きておるのですが、法案そのものにずばり条文の一字一句まで載せることがいいかどうかというところだけ議論しておる。したがって、先ほど申し上げるように、わが党の中にも、それは載せたほうがいいという議論も多数あるわけです。しかし、やめたほうがいい、これで精神は生きている、こういう議論もありまして、今度の提案した形になった、こういうことを申し上げておるのでございまして、あなたの骨抜きだとおっしゃる御見解、御意見についてはとやかく申し上げるものではありません。そういう御見解もあるだろうと思いますが、しかし、私どもは骨抜きになっておるものでも何でもない、かように考えておるわけでございます。
○松本(忠)委員 骨抜き論についてはいろいろあると思いますが、そこで、鉄建審は大臣の諮問機関である。そうなれば、当然国が法案の提出をするその際に、有識者から意見を聞く、また、そこには細田さんから言われたような各党代表も形は入っているわけですが、これは議員立法にするんだったら、最初から鉄建審にかけるべきではなかったのではなかろうか、こういうふうにも思うわけでありますが、この辺の見解はどうですか。
○山口(真)政府委員 鉄道建設審議会の事務局が運輸省でございますので、私のほうからお答えさせていただきますが、鉄建審の所掌事務は、先ほど先生からお話がございましたように、日本国有鉄道の鉄道新線の敷設及び日本鉄道建設公団の鉄道施設の建設に関し必要なる事項を調査審議するため、運輸省に置かれる審議会でございまして、したがいまして、その主たる職務というものは、運輸大臣の諮問に応じてこれに対する答申をするということがその主たる職務でございますが、先ほど申しました所掌事務の範囲の問題からいきまして、もちろんこれに限られるものではなくして、鉄建審自体として、鉄道建設に関し必要な事項について必要な建議をし、あるいは必要な意思の表明をするということが可能であろうと私ども考えるわけでございまして、その場合に、今回の決議というものは、鉄道審議会として、この種の新幹線建設の法案を立法されることが必要であるというふうに、鉄道建設審議会としての御意思を御決定なされまして、そしてそれを御発表になったということの性格であろうと思いますので、したがって、鉄道建設審議会の性格というものが、即政府による立法にのみ限定されるということではないわけでございます。以上でございます。
○松本(忠)委員 では次に、提案者の代表である大橋さんに伺いたいと思います。 本案の提案者の中には、鈴木善幸代議士、水田三喜男代議士、田中角榮代議士と、こう三人の鉄建審の委員の方が加わっておる。それからまた、賛成者の中には鉄建審の委員であるところの辻寛一代議士も加わっておるわけであります。そこで伺いたいことは、これらの方々がこの場所にいれば、ほんとうはその方々から直接聞きたいわけでありますけれども、いらっしゃらないので、かわりに大橋さんに伺うわけでございますが、先ほどから論議しております本法のかなめともいうべき別表を削除して、鉄建審の決議に違背する本案を提出されたことに対して、どのような重大な客観的な情勢の変化があったのか、また心境の変化があったのか。ほんとうはこの四人のお方から伺うのが一番いいわけでありますけれども、おられませんので、やむなく、同僚の自民党の所属議員として、提案者の代表から、その辺の事情を伺いたいわけでございます。
○大橋(武)議員 私どもの感じといたしましては、この第三条は、新しくできる新幹線網というものを説明したものだと思うのでございます。これは御指摘のとおり、鉄建審の決議におきましては、きわめて具体的に地名をあげておるのでございますが、大体あの鉄建審において決議された鉄道網というものは、わが国の現状並びに将来を考えますと、大体だれが考えてもああいう線に落ちつくという、きわめて妥当な適切な線が指摘せられてあるわけでございまして、問題は、その適切妥当なる鉄道網の各路線をいかなる形で法文の上に表現するかという点であろうかと思うのでございます。もちろん、鉄建審の決議そのままに一々の地名をあげてそのとおりやっておけば、これはもう照らし合わせてみて、なるほどあの鉄建審で決議した網がこのとおり入っておるということがいえるわけでございますが、しかし、表現といたしましては、そういうきわめて具体的な地名をあげて表現することも一つの方法であり、まただれが見てもああいう結論になるだろうという線を頭に置きながら、その線を地名を用いずして表現することも一つの方法じゃなかろうかと思うのでございますが、私どもはいろいろ勘案いたしました結果、今日地名をあげずに表現するという方法をとってはいかがなものであるか。したがって、私どもは、第三条が内容的に異なったとは思いませんので、内容は同一であるけれども、ただ表現のしかたが違っておるという程度に理解をいたしておる次第であります。
○松本(忠)委員 提案者のただいま申し上げました四人の方々がこの席にいらっしゃらないので、その方々のお考えをそのまま大橋さんが述べられたかどうか、これは疑問でもございますし、それ以上私も追及いたしません。 次に伺いたい点は、財政の問題でございます。新幹線網の建設は、一にかかってその資金の調達にあるであろうということは、私はもう当然のことだと思う。先般の審議におきましても重要な問題になっております。ところが、まことにその十三条だけではあいまいもことした春のかすみのようであります。なおまた、少しさかのぼって言いますと、三月五日に、「全国新幹線鉄道網の整備のための法律案の基本的な考え方」こういうものが審議会においても採決されました。ここにおきましても、四項におきまして「建設資金に関する助成その他の措置などについては国が特段の配慮をすること」こういうように、特段の配慮ということばをもって表現されてあります。ところが、その後、三月十一日になりまして出てまいりました法案要綱の中には、「新幹線鉄道に関し、国は、その建設資金についての助成その他必要な措置を講ずるよう配慮し、」と、ことばのあやだけでもございましょうけれども、少し後退しているのではなかろうかというふうに考えるわけでございます。しかし、そのことばの点を私は言うわけじゃございません。「必要な措置を講ずるよう」ということは、これはたいへんなことだと思うのです。ですけれども、今度はその十三条の二項におきまして、地方公共団体に対してその建設のために必要な資金を援助しろ、建設に要する土地の取得のあっせんをしろ、こういうことがいわれておるわけであります。ここにいわれておりますところの「その建設のため必要な資金についての援助」ということは、いかなることをいうのであろうか、この点が伺いたい。これが第一点。 それから第二点といたしまして、地方公共団体が資金や土地のあっせん等について協力することがきめられておりますが、その協力に対して何らかの形において国が配慮する必要があるのではなかろうか、このように思うわけでございます。そして地方財政の負担が過大にならないように措置すべきだと私は思うわけでございますが、どのような形によって配慮する考えがあるのか、またあるいは全然ないのか、その点についてお伺いしておきたいわけであります。
○細田議員 地方公共団体は、新幹線ができることによりまして地方が開発され、また発展をするわけでございますし、住民も非常によくなるわけでございますので、地方公共団体も国と別に、地方公共団体側から協力をしてもらおう、こういうことでございます。融資のあっせんあるいは債券の引き受けというようなものが、特に一番大きな問題になるのじゃなかろうか。在来の鉄道のいろいろな改良工事その他でも、そういうことはかなり大きなウエートを占めておるものでございますので、債券の引き受けが資金的には一番大きな問題であろうと思います。しかし、それに限定しておるわけではございません。 それから用地の取得のあっせん、これは鉄道に限りません。常時あらゆる公共事業で地方団体が特にやっておられることでございまして、むしろ地方団体の協力がなければ用地の取得は困難だといってもいいような実情になっておるわけでございます。これはもう非常にウエートが大きい、こういうことでございます。 それから税制上の措置あるいは都市計画遂行上の配慮、こういったようなものも十分考えられてしかるべきである、かように思っておりますが、具体的な内容につきましては、さらに今後この問題が進んでまいりますにつれて、十三条一項と同様に肉づけをしていく必要がある、これはあまりに抽象的でございますので、肉づけをしてまいる必要がある、こういうふうに考えております。
○松本(忠)委員 十三条二項にございます地方公共団体の問題に関しまして、いま細田さんから、具体的な肉づけを今後していくというお話がございますけれども、現実にその新幹線が敷かれたから、すぐその地方が開発され発展するということは、私はなかなか望めないと思う。地方公共団体にとりましては相当の負担をかぶらなければならないと思うわけでございます。いろいろと政府において地方公共団体のために善処されることは当然であろうと思うわけでございますけれども、一そうこの点については具体的な内容を何らかの形において発表していただければと思っております。
○細田議員 実は私も、地方財政の関係、いろいろよく承知しておるつもりでございます。この十三条の一項、二項ございますが、実際問題としてのウエートからいうと、圧倒的に一項なんです。それで、これはあまり地方に過大な負担をかけてはいけないと思うのです。ですから、第一項のほうが主体です。国はあくまでも大部分は持つつもりでやってもらわなければ困る、こう提案者としては思っております。しかし、地方の財政の状態もいまのとおりでいいかどうかといいますと、だいぶよくなったとかならぬとかといっていろいろ御議論がありますが、将来地方財政というものはもっとよくしていかなければならぬと思っております。そういう意味で当を得た——あまり地方の財政を極端に圧迫する云々というようなことでは絶対にいけないと思うのです。そういうことを配慮しながら、しかも新幹線に対しては協力をしてもらう、こういう趣旨でございますから、よろしくお願いいたします。
○松本(忠)委員 それでは国鉄総裁に伺うわけでありますが、現在国鉄といたしまして、地方公共団体に対しまして納付金が支出されておるわけでございます。国鉄財政が豊かな当時にきめられたこの制度も、現在の国鉄の財政状態から考えますと、たいへんな負担になっていると思います。そこで、昨年あたりから非常にこれを減少する方向に進んでいるわけでございます。この納付金は、在来線を対象にして算定されたものであると私は考えるわけでございますが、その在来線には東海道新幹線が含まれているわけです。東海道新幹線は、いわゆる在来線の改良工事、こういう形でやったわけですから、そうなると思うのでございます。それから山陽新幹線、こちらのほうもただいま建設中でございますけれども、これも改良工事でございますから、在来線に含まれる、私はこう解釈するわけです。しかし、この法案が成立いたしますと、この両新幹線も経過規定によりまして全国新幹線鉄道網の一環となるというわけでございます。そこで伺いたいのは、全国新幹線網が完成するに従って、納付金の問題はどうなるか。国鉄といたしまして、地方公共団体に納付されるお考えがあるか、伺っておきたいわけです。現在の東海道新幹線についてはもう納付しているわけですね。この法案が通ると、自動的に経過措置によって全国新幹線網になっていくということになります。その場合に、当然納められることになると思う。九千キロとしてどれくらい見込んでいるか、その金額をお示し願いたいわけでございます。
○磯崎説明員 現在の東海道新幹線は、在来線の線増という意味からだけでもなくて、やはり鉄道施設がふえたということによって納付しているわけでございます。それはちょうど私のほうが建設公団から引き継ぎます建設線、これにつきましても納付金を納めておりますので、それと同じ趣旨だと私は思っております。全国九千キロができましたときに納付金がどのくらいになるか、いまちょっと計算しておりませんが、ごく概算でよろしければ、四、五分、ちょっと余裕をいただきますれば、ごくラフな計算は——たとえば現在国鉄の資産が三兆であります。三兆で年間百億でございますから、そういう割合でいくとすれば、もし十一兆円といたしますと、それの大体三倍から四倍くらい。現在の法律でまいりますと、四、五百億くらいになると思いますが、これはいま申しましたように目の子で勘定しておりますから、必ずしも正確ではございません。
○松本(忠)委員 国鉄総裁としては、九千キロ案に必ずしも賛成しているわけじゃございませんから、その辺のそろばんが出ないのは当然だと思うのでございますけれども、それでは一応採算ベースに乗ると言われました四千キロの線では、一体幾らくらいになるのですか。
○磯崎説明員 大体四千キロのほうは都市部が多うございますから、半分よりちょっと多いのじゃないか。キロ数で申しますと、九千キロのうち四千キロでございますから、半分以下になりますけれども、都市部が多いので、構造物その他が多うございますから、いま申しました四、五百億の半分からちょっと上くらいというふうに考えております。
○松本(忠)委員 大体二、三百億……。
○磯崎説明員 大体そのくらいじゃないかと考えております。
○松本(忠)委員 そこで、山陽新幹線が最初岡山まで完成する。同時に営業が開始されることになると思います。その次に、岡山まで開業しましたあと、その先の工事が引き続いて継続されていく、こういう段階が来るわけです。経過規定によりますと、でき上がった時点、いわゆる大阪−福岡間が全面開通した時点において、全国新幹線網の一環となるのか、あるいはまたこの法律が公布された時点でそうなるのか。私は、建設中でございますけれども、この法律の施行と同時にそうなるというふうに解釈しているのでございますが、念のために伺いたいわけでございます。提案者と国鉄総裁、それから鉄建公団総裁にもこの問題について伺っておきたい。
○細田議員 この法律附則にございますように、この法案が通りますと、この法律に基づく新幹線になる、かように私ども考えております。
○磯崎説明員 私のほうも、法律の解釈権は正式に持っておりませんが、附則から申しますと、いま提案者から言われたようなことになるというふうに考えております。
○篠原参考人 同様に考えております。
○松本(忠)委員 もう少しで終わりますが、予算の関係について伺っておきたいわけであります。本年度は運輸省におきまして一千万円の調査費がつき、国鉄においては三億、鉄建公団においても二億の調査費が計上されておるわけでございますが、本法と国会の関係——予算措置を講ずる段階において、予算案なり税法等の審議においての関係を持つことになると思います。そうなったときのそれらの相関関係の生ずる時期、いつになるかということをあらかじめ明示していただきたいと思います。
○山口(真)政府委員 ただいま御審議になっていらっしゃるこの法律案が成立いたしますと、法律によりまして、基本計画を制定し、整備計画を制定するということに相なるわけでございます。したがいまして、基本計画が制定され、整備計画が制定されるということで、それから建設の段階に入るということになるわけでございまして、その時期との関係が一つございます。しかしながら、いずれにいたしましても、そういう計画が進められる段階までには、これに関する財政上の措置その他建設に関する基本的な方向というものが決定されなければならないということであろうと思いますので、そういった点は、政府部内におきまして早急に検討をしていくことになろうかと思います。
○松本(忠)委員 時期の点はおわかりになりませんか。
○山口(真)政府委員 具体的な財政措置あるいは財源措置をどうするか、いつ決定するかということにつきましては、政府全体としての態度の決定ということでございますので、ここで正確に申し上げることが、いまのところちょっとできない段階でございます。いずれにいたしましても、基本計画をきめ、整備計画をきめて、工事に入るということになりますと、やはり早急にきめていかなければいけない。少なくとも基本計画は早急にきめていかなければなりませんから、早急に決定しなければならぬ、こういうふうに考えております。
○松本(忠)委員 鉄監局長いらっしゃいますけれども、鉄監局長からのお答えは、いまの山口部長のお答えと同様と解してよろしゅうございますか。
○町田政府委員 同様に解していただいてけっこうであります。
○松本(忠)委員 それでは最後でございますが、提案者に伺いたいわけであります。三月十一日の小委員会におきまして、本法の提案者の一人であるところの水田三喜男代議士は、小委員長として会議を主宰されておりました。そのおりに財源について質問いたしました際に、責任をもって調達するというふうなことが言われております。具体的にはまだきまっていない、税体系を変えるということもあり得る、新税も考えている、こういうふうな答弁があったわけでございます。いずれにしましても、財源については責任をもって調達すると述べられておりましたので、私も賛成をしたわけでございますが、その答えられました水田代議士が提案者の一人でございますから、財政、財源問題については安心しておまかせする、こういたしたいわけでございます。しかし、だれもが納得のできる方法でないとまずいと私は思うわけでございます。 伺いたい点は、自動車新税の構想があります。この自動車新税の問題につきましては、金丸富夫氏を会長とするところの自動車新税の創設反対同盟というのがございまして、去る十七日に、全国総決起の第一次大会が開催された。この大会に参加いたしました団体は二十団体にも及びまして、事自動車に関するあらゆる団体、使用者、製造業者、部品業者、あるいは販売業者、あるいは整備業者、ほとんどを含んでおります。また、その大会には自民党の代議士さんもかなりお顔が見えておりましたことを聞き及んであります。そこで、そこの大会で決議されました文でございますが、こう書いてあるのです。「自動車新税創設の構想は今特別国会に提案される全国新幹線鉄道整備法案及び過般閣議決定をみた第六次道路整備五箇年計画等々に伴ない、その実現化が極めて濃厚となって来た。われわれ全国の自動車使用者並びに自動車業界は現在多岐に亘り高額なる関係諸税の重圧に苦しみ、予てよりこれ等諸税の根本的検討と合理的調整を要望しているが、このうえ更に屋上屋の新税を加重されることには絶対反対である。況んや今次予測される自動車新税が、公共投資充足の美名の下に自動車に偏する高額な課税を強制し、然もこれによる税収を他の財源にも充当する発想に至っては、到底理解しがたく、且又税本来の性格、課税公平の原則を乱すいわれなき過酷な税として只にわれわれのみならず何人と雖も容認し得ないところである。」こういう決議が採択されている。ところが、その二十団体の中に四団体、その会長が自民党の代議士さんであります。私は、自民党の代議士さんが会長になってはいけないというわけではございません。しかし、その四人の代議士の中に、二名は本案の提出者に名前を連ねております。一名は賛成者であります。もう一名は現職の大臣でございますから、今回の議員提案の本法には加わっていないのは当然でございます。これらの方は自動車新税に反対しておるわけでございますが、一体これはどういうことか。いかなる財源をもってこの十一兆三千億を調達するお考えなのか、伺ってみたいわけです。特にその中には細田先生のお名前もございますので、全国通運業連盟の会長としての細田さんの名前が乗っかっておる。特に提案者のお一人であるところの細田さん、いかなる財源をもって、自動車税をやらないでほかの構想でやられるとするのか、具体的にお答えを願いたい。
○細田議員 自動車新税につきましては、非常に強い反対があることはいまお述べになったとおりでございまして、いろいろな税金が自動車についてはかかっておるものでございますから、私どものほうの党の中にも強い反対がございます。また、一般に自動車メーカーあるいはユーザー、いろいろな面で反対が強いということも、これはうなずけないことではない。これはあろうと思います。そこで、そのいまの決議の中に、実現化が濃厚となってきた云々というのは、その御決議の中の判断ですから何ともいえませんが、私どもの党の中で、しいていえば政府の中で、自動車新税というものがいま具体化してやろうという話になっておるかといいますと、率直にいいまして、そこまでいっておるわけではございません。きわめて有力な方が御賛成になって、いろいろ提唱しておられるということは御承知のとおりでございますけれども、予算委員会で総理大臣あるいは大蔵大臣等もしばしば御答弁になっておりますように、政府としてこれが取り上げられておるということではございません。わが党としましても、正規の機関でどうこうというところまでいっておるものではございません。そのことをまず自動車新税について申し上げます。 それから、先般来、この財源の問題につきましては、十三条に関連していろいろ申し上げておるわけでございますが、なお本日も大蔵大臣からの御答弁もございました。いろいろな角度からやはり総合的に見てこれは判断せらるべきものであると思います。したがって、これは自動車新税によってこれがやられるということになったものでも何でもございません。ですから、この点については、今後新たな税を設けるかどうか。その場合にはどういうものがよろしいのか。あるいは公債によるものとすれば公債をどう考えていくか。いろいろな角度からこれを考え、また使うほうも、先ほど来いろいろ大臣との間にやりとりがございまして、公共投資全体、その中で新幹線というものはどういう立場に置くか、これはどういうシェアに置くか、予算の割合に置くかというようなこと、総合的に勘案してきめられるべきものである、かように思っておるわけであります。まだ残念ながらこれをもって財源に充てますというところまで提案者のほうでは至っておりませんし、また政府から先ほど来の御答弁もございましたようなわけでございまして、今後もそういう点は早急に見通しを立ててまいる必要がある、かように考えておる次第でございます。そんなたよりないことでは困るというおしかりを受けるかもしらぬと思いますが、まず法律がありまして、それから財源を考えるということでございます。
○松本(忠)委員 私が念押しをしようということをそちらで先に言われたから、言いようがありません。しかし、細田さん御自身が全国通運業連盟の会長としては自動車新税には反対であり、こういう決議に参加されておるわけでありますし、この問題についてはなかなか微妙な問題もあろうと思いますが、はたして自動車新税をやらないでできるならばたいへんけっこうなことであります。またそうあってほしいと私も思っております。いずれにいたしましても、十一兆三千億という財源をどうやって調達するかということは、これはたいへんな問題である。もちろん一度にいたすわけではございませんけれども、それにしましてもたいへんな問題でございますので、特にこの財源の問題、それからしばしば問題になっております別表の中、いわゆる路線の問題について、とくと私どもは今後あらゆる立場から十分これに対して検討を加え、そして日本の経済発展のためにこの全国新幹線網が必要であるということは、私も十分承知しておるわけでありますけれども、これらの二点について十分今後私も検討を加えてまいりたい、このように思っておるわけであります。 以上をもって質問を終わります。ありがとうございました。
○加藤(六)委員長代理 次に斉藤正男君。
○斉藤(正)委員 各位からそれぞれ広範な問題について、しかも掘り下げた質問が行なわれておりますので、私も簡単に二、三点さらに深めたいと思いますので、伺いたいと思うわけであります。 その第一は、この全国新幹線網を整備するという法案は、何といいましても、新経済社会発展計画、さらに新全国総合開発計画というものとの関連、さらに国鉄が指向しております輸送体系の強化というような問題から発生していることは間違いないというふうに考えております。したがって、この法律の目的を達成するためには、新全国総合開発計画における交通体系整備の構想に関連をして、この構想によりますれば、大規模開発プロジェクトを立て、そして幾つかのタイプを規定いたしております。すなわち、第一のタイプとしては新ネットワークの形成、第二のタイとプして産業規模の拡大、これには農業基地の整備だとか、あるいは工業基地の整備とか、あるいは流通、さらに観光開発の基地建設というところまで含めて、かなり突っ込んだ、しかも総合的な計画が盛られております。そして最も重要なことは、第三のタイプであります環境保全、特に自然、歴史の保護保存といったようなことまで触れて、従来の開発によってともすれば犠牲になっておりました問題にも広く思いをいたすということで、計画としてはある程度整備されたものだというように考えておりますけれども、これから総合的に交通体系を計画策定するという意味で、新全総の閣議決定が行なわれたというように考えるわけでありますけれども、しかし、この全国新幹線鉄道整備法案の目的を達成するためには、私は、理想と現実のアンバラというものを最も重要に考えていかなければならぬというように思うわけであります。なるほど今日完成をし、あるいは工事が進められております東海道あるいは山陽新幹線等、これは採算がとれる路線であります。過日の同僚議員の質問に答えて国鉄総裁は、国鉄が新幹線をこの次にやろうとする場合はしかじかかようの路線だ、これは採算の見込みもあるというようなことから、現実的な答弁をされておると思うわけでありますけれども、こういう観点に立ったときに、昭和六十年という一応の目標が設定をされているということから考えますと、新経済社会発展計画なりあるいは新全国総合開発計画なりにうたっているそのほんとうのねらいと、この全国新幹線鉄道整備というものの矛盾を私は感ぜざるを得ない。どうしてもやはりこの問題は基本的に掘り下げておかないと、とかく弱肉強食あるいは過疎過密あるいは政治、経済、教育、文化、社会等のアンバラは、ますます広く大きくなってしまうということを心配するわけであります。そういう点から考えますと、非常に基本的に根本的に問題が多いというように考えざるを得ないわけであります。 まずこの点から、経済企画庁として、新経済社会発展計画なりあるいは新全総なりというものの関連から、しかもこの新幹線網がどこから実施をされていくかということ等々から考えまして、新全総なり新経済社会発展計画なりがねらう方向と、この全国新幹線が最初に、あるいは二番目、三番目に取り上げられる路線というようなものとの関連において、おおよそ見当がつくと思いますけれども、どのようにお考えになっているのか、ひとつ基本的に考え方を伺いたいと思うわけであります。
○宮崎(仁)政府委員 ただいま御指摘のように、新全国総合開発計画は、昭和六十年を目ざしてわが国の国土をどういうふうに今後の経済社会に適応させていくかということを書こうとした計画でございます。 この内容といたしまして、従来から非常に高度に利用してきた東京とか大阪の大都市の地域、あるいは太平洋岸のベルト地帯といわれる地域、こういう地域の利用というものに相当限界が出たということから、国土全体を活用する方向に再編成しなければならない、そういう考え方のもとに各種の施策を展開しようというのが、この計画の考え方でございます。 いまおあげになりましたように、これを具体的に進めるための戦略手段として、新しい交通のネットワークということを提案しておるわけでございます。その内容はもちろん航空もありましょうし、道路、海運というようなものもありますが、この新幹線鉄道網という高速鉄道網というものは、非常に重要な一環をなす、こういう考え方でつくられております。 そこで、これをどういうふうに実現していくかということが非常に重要な問題でございますが、この計画といたしましては、そういった問題について、昭和六十年までにどれだけの資金をかけてどの範囲をやるというようなやり方をいたしませんで、具体的なプロジェクトを書いていく。もちろん、現段階で昭和六十年度までの全プロジェクトを予測して書いてしまうことはできません。したがって、ごらん願っておりますように、現段階である程度調査も済み、またいろいろの検討から見て実施することが必要であろうと思われるものは、計画というような形で書きますし、また今後かなりの調査なりあるいは効果判定なり、場合によっては技術開発が要るというようなものは、構想という形にいたしまして、そういうものもこの計画の中に書き込むということにしたわけでございます。 そういう形でございますから、これから後のわが国の経済なり社会の発展に応じて、そういった面を逐次固めていくということによって、いわばプロジェクトの積み上げによってこの計画の目的を達成しよう、こういう考え方でできておること、これは御承知のとおりでございます。 その中において、この新幹線鉄道網についてのプロジェクトは、第一部の大規模開発プロジェクトのところに書いてございますが、当面仙台−福岡間を建設し、逐次全国の網をつくるということが書いてございます。また第二部に各ブロック別の計画と構想が書いてございますが、この中においては、日本列島の主軸というような形で、いってみれば日本列島がバナナのようなかっこうをしておりますので、七大都市を結ぶ一つの軸というようなものを——これは必ずしも新幹線だけでというわけじゃございません。道路あるいは航空その他も含めまして、総合的に軸というものを先行的にやることが非常にいいのではないか。これは経済効率の問題もございますし、それからむしろ日本海側とか、いまそういう不便なところにつきましても、そういった主軸を肋骨状に結んでいくことによって、非常に短期間に効果を発揮し得る、こういう考え方で打ち出してあるわけでございます。 この考え方については、まだだいぶ議論もございますけれども、私どもとしては、そういった考え方で進めることが、今後の交通体系を最も効率よく進めていくためにいい、こういうような考え方で、いろいろ御議論をいただきまして、大体その線で計画の結論としてもできておる、こういうふうに考えておる次第でございます。
○斉藤(正)委員 新全総における特に鉄道網の整備につきまして、いまおっしゃったことを私もわかるわけであります。仙台−福岡間、これをまず早急に整備をする。しかし、そのことによって、今日調和のとれないアンバラな経済社会の実態になお拍車をかける結果にならないか。最低限そこをまずやっておいて、しかる後に、施策上の過疎過密の対策なりもろもろのアンバラの解消を次に構想として打ち出すのだということは、考えの上ではわかるわけです。しかし、現実には、そういうものをこの新幹線網で結ぶということが、より一そうこの不調和のきずを深くするということにならないだろうか、いわゆる太平洋ベルト地帯へ六割五分も七割も全人口が集中してくるというようなことに拍車をかけても、その解消にはならないというように私は考えるわけですけれども、その点はいかがでございましょうか。
○宮崎(仁)政府委員 いま御指摘の点が、まさにこの計画の作業段階で非常に議論になったところでございます。 〔加藤(六)委員長代理退席、委員長着席〕 この新しいネットワークというものを先行的、計画的に整備しようという考え方は、いってみれば、従来の交通施設の計画というようなものが東京を中心に放射状にやっている。しかも交通需要が非常にありまして、渋滞をしたところからだんだんにやるという考え方でございますが、これは今後の問題として考えますと、相当わが国の経済力もついた、また長期の構想も実施し得る段階にきておるということから見まして、その考え方をむしろ改め、そしていわばネットワークという形での整備をする。その配置をどうするか、こういう考え方でこの計画の内容を議論したわけでございます。したがって、その点につきましては、もちろん、これは具体的になりますと、高速道路にしても鉄道にしても、企業的採算ということが問題になりますから、それを無視して先行するということはできません。しかし、従来の考え方だけでそこを律することは必ずしも必要はないかもしれない。その点については、いわば国民経済的な採算というようなことがかなり議論されてもいいのではないか、こういう判断でいろいろ議論が展開されております。これは第三部のところにもそういうことが触れてあるわけでございます。もちろんそれを具体的にどういう順序できめていくのかということになりますと、非常にこれは大きな問題でございます。むずかしゅうございます。したがって、先ほど申しましたように、現段階でほぼ見通しがついたというものだけが書いてありますけれども、これでおしまいというわけではないのであって、全国網をつくるということを書いてあるわけですから、それをどういうプライオリティーなりあるいはどういう判定によってきめていくかということを至急検討して方向をきめなければならぬ。私どもの中でも、現在この計画の立案に当たっていただきました国土総合開発審議会の中に総合調整部会というものがつくられまして、そういった検討が進められております。これは運輸省あるいは建設省、場合によりましては大蔵省、いろいろの省でも当然御検討願わなければならぬことでありますが、そういった形を通じて、いわば総合交通体系といっておりますけれども、そういう形としての具体的な方針なりあるいは施策の方向というのとこれから取り組んでいこう、こういう心組みでいまやっておるところであります。
○斉藤(正)委員 そこまでは私もわかるのですよ。そこまではわかるのだけれども、要するに爆発する都市、過密の都市といったようなものに拍車をかけて、口では調和とか総合とかということばを使い、文字で表現はしているけれども、実質的には経済社会の流れを食いとめるだけの歯どめにならない。逆に採算は無視しても最高の国策としてこの地点に優先的に新幹線はやるべきだ、そして計画的な開発を進めるべきだというような配慮がもう第一段階として生まれてきていなければ、やはり大勢に流されていく。この自然の経済社会の流れはどうにもならぬのだというあきらめのようなものがにじみ出ているようにしか考えられない。もちろん新幹線網でなくとも、いまおっしゃいましたように、海、陸、空含めて、鉄道以外のことが併用されていくことも私は当然だと思いますし、国がやらなくても、民間も何とかそういうものに対して採算が合うと見ればやっていくと思う。しかし、やはり過度に膨張する特殊な地域に対する施策については、民間ベースといえども、企画庁の立場からいえば押えてもいかなければならぬという部面すらあり得ると思うのです。そういう基本的な考え方に立ったときに、私は、やはり仙台−福岡間の重要性は認めますけれども、それと並行して政策的、計画的なこのアンバラ解消のための路線といったようなもの、開発構想といったようなもの——二次、三次には出てきておりますけれども、これも非常に何か迫力のない、影の薄いものだというふうにしか考えられないのですけれども、私の意見と根本的に違うと言われればそれまでであります。 ここに資料が出ておりますけれども、人口を一つとってみましても、北東地帯においては二四%だ、中央地帯に六三・四%だ、西南地帯に一二・六%だ。それから工業出荷額につきましても、北東地帯は一一・五%だ、中央地帯が八三・六%、西南地帯についてはわずかに四・九%だ、こういうような数字が年次はいろいろでございますけれども出ておるわけなんですが、こういう実態を踏まえたときに、いまおっしゃったような構想を第一次として進めていくということになりますと、この傾向というものは、文章によれば、鈍化の傾向にはあるけれども、なおしかし、憂慮すべき問題だというようにいっておりますが、やはりそういう点では、私どもが願っている総合開発というものとは逆の方向にいってしまって、局地が開発をされ、局地は荒廃していくというようにしか考えられないわけであります。経済企画庁としては、仙台−福岡間が新幹線網で結ばれた次、国鉄の意向とかあるいは国会筋の意向とかということを無視して純粋に考えれば、これこれの路線は優先してやるべきだというようなことは、政治的な発言でなくて当然言えると思うのですよ。それをこの際言えないということは、私はおかしいと思うのですね。国民のためにつくる計画だし、国民のためにやっている仕事ですから、言えると思うのですけれども、遠慮なく言っていただきたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
○宮崎(仁)政府委員 いろいろ御指摘をいただいたわけでございますが、いまおあげになりました資料は、一二ページの数字をおっしゃったと思いますが、これは昭和四十年度における現状はこうです、こういう状況を直すんだということをこの計画はいっておるわけです。この結果どうなるだろうかという試算は四七ページに出ております。かなり数字は変わってまいるはずでございます。そういうことですが、確かにいま御指摘の点は非常に大きな問題でございます。こういった計画ができたからすぐそういう方向にどんどん進むかというように言われますと、これはたいへん困難なことにぶつからなければならぬということは、われわれも十分覚悟しておるつもりでございます。ただ、最近の事情で見ますと、たとえば工業の分散問題ということで、この中で相当大きくいいました遠隔地大規模工業基地、こういったものも、かなりまだ時間をかけてやらなければならないかと思っておったのですが、その後の状況を見ますと、そういったことに対しての民間の関心というものは非常に高まってきておりまして、具体的な動きも相当出てきております。そういうところから見ましても、あるいは東京における社会増加人口、これは御承知のように増加数で見ますと、三十九年ごろからだんだん減りだしてきた。こういう状況から見まして、この計画が考えておる方向というものは、必ずしもいま動いておる方向を全く変えようというようなことではなくて、すでにその端緒があらわれておるものをさらに促進するというような形によってできる。そのための施策としては、確かに制度的な問題その他いろいろまだ問題がございます。ですから、そういう点を整備しなければなりませんけれども、そういった形でとにかくそういう方向に持っていく以外にはないということが私どもの考え方でございます。 そこで、具体的に新幹線について、仙台以降どうだというお話でございますが、なかなかこれは明確にはお答えしにくいと思いますが、この計画の中で、一つは、その七大都市を結ぶ主軸ということに非常に計画的な重点が置かれておるということは申し上げられると思います。それ以外にもまた、今度の網として新幹線の整備をはかっていく、これはわれわれの考え方も同じでございまして、ただ一ぺんつくったらそれでよろしいということにはならないと思います。その網の形をどうやるかということは、私どもの考えておったことと今度提案をされておるこの法律の考え方とは、大体基本的に一致しておる、私どもその点では賛成である、こういう考え方をとっておる次第でございます。ただ、具体的な実施の順序なりあるいは個々の計画の決定については、十分な調査と効果判定をしてやっていただきたいということは考えておりますけれども、結局こういった形でのネットワークをつくらなければなるまいということは、この計画をつくった私どもとしても同じように考えておるわけでございます。
○斉藤(正)委員 どうも概論としては私もわかるわけなんで、具体的に仙台−福岡間を結んだあと、政策的に建設するいわゆる新全総の立場からいう路線はこういうものではないでしょうかくらいは伺いたいわけですし、また気持ちの上ではおわかりになっていると思うのですけれども、国の施策がよくて、たとえば東京都への社会増が減少の傾向をたどったということがいえるかどうか。これはもう国民的な感情からそういうことになった自然の流れだというように解釈すべきか。これはもろもろの施策の成果が徐々ではあるけれどもいまあらわれてきたからだと断言できるかどうか、きわめて疑問だと思うわけです。これは政治よりも何よりも経済が優先するというここ十数年来の方向がそういう結果を生んだし、また生もうとしておるというようにも私はとれると思うわけなんですけれども、そういう考え方からいきますと、国も地方も何回か総合開発計画を立てました。そうしてその年次が終わらないうちに次の計画を立てました。これはある面では計画以上に進んだ面があると同時に、ある面では計画にほど遠いという結果になっているというときに、ある面では計画以上になったものはさらにそれをふやすというような計画になることが往々にして多いのであります。目標まで到達しなかったものに対する施策については、これはやはり二の次、三の次に回して、ほっておいても計画以上になるところは、もう投げてしまってもいいのじゃないかと思うのに、さらにそれに力を入れていって、目標に達しないところについては、これはもうどうにもならないのだということから投げてしまうというような傾向も、少なくとも私はいままでの結果からいけばあったと思うのです。今回はそういうことも考慮してか、いろいろ総合的な施策が盛り込まれておりますから、わかるわけでありますけれども、その点は、やはり放任しておいてもすでに民間の力で、あるいは経済の動向で片づいていく。しかし、何としても政治が配慮しなければ、国が配慮しなければどうにもならぬという問題について、もっと重点的な施策をすべきだというように思って伺ったわけでありますけれども、もう一度ひとつ仙台−福岡間が新幹線で結ばれたあと——いろいろ別表もとれておりますけれども、別表もあったことは御承知のとおりだし、それから国鉄当局が採算ベースということを度外視してやれないような仕組みになっておりますから、これは非常に国鉄にはつらいことでありましょうけれども、経済企画庁として国土の再編成をし、もう一度国づくりをやり直すのだという、大所高所から基本的に考えた場合にどうでしょうか。こういうところ、こういうところと言わなくてもけっこうです。考え方としてこういう問題があるということは、私は明確にお答えいただけると思うのですけれども、いかがでございましょうか。
○宮崎(仁)政府委員 これはよく御理解を願えると思うのですが、こういった昭和四十年を基準にして、昭和六十年という非常な長期の計画でございます。こういう形のものをつくる場合に、一番何をねらっておるのかというと、結局五年とかあるいは三年の計画でございますと、どうしても現在の事情というものに非常に引っぱられます。むしろそういう制約を離れて、一種の未来学的な発想に近いのですけれども、将来の姿はこうなるであろうという昭和六十年のフレームというのが書いてございます。その姿を一応書いてみて、それから現状はどうだ、それにどう近づくかという、こういうのがこの計画の作業の方法でございます。そういう性格のものでございますから、これを実施していくといいましても、それを担保するためには、もう少し短期の、たとえば道路の五カ年計画とか、あるいは住宅とか、それぞれ五カ年程度の計画がつくられていく、またさらにそれを土台にして、毎年度の予算というような形でこれが確定されていく、こういう手続が当然必要でございます。したがいまして、こういう長期の計画は、大筋の考え方——できるだけ具体的なほうがいいのですが、それが書かれておればよろしいのであって、たとえばこの数年の間にはそのうちのこういうものが問題になるというようなことで、私はやっていくべきものであると思います。確かに、そういう意味でこの新幹線網というものを見ていただきますと、第二部のほうには、構想の形として約七千キロといわれるくらいの線がそれぞれ入っております。これについては、やはりこれからかなりいろいろの御検討が必要であろう。そういう意味で、今度の法案をながめておりましても、基本計画、整備計画という段階を経て、そういうことが逐次具体化されていく、こういう手続になっておりますし、私どものほうでも、そういう考え方でむしろ逐次固めていくことが最も時宜に適しておる。私どものほうの計画の内容として、この次はどうだということを言うことは、この計画の本来の考え方から見まして、私は、かえって時宜に適したものではない、こういうふうにも考えますので、先ほどの御答弁程度でひとつごかんべん願いたいと思います。
○斉藤(正)委員 考え方はよくわかるのです。しかし、たとえば北海道と東北圏を新たな大規模な食糧供給基地にする、さらに九州圏につきましても食糧供給基地だというような規定があります。今日食糧生産の実態がどうなっているか、またわが国の食糧政策がどういう経過をたどり、どういう結果を生んできたかということは、御承知のとおりだと思うのです。とにかく経営規模を拡大し、選択的拡大生産をし、省力化し、機械化し、農村はますます人を減らして、しかも必要な食糧だけは何としても生産しようという態度で一貫してきたことは御承知のとおりだと思う。こういう計画が現実に昭和六十年を目ざして進められていくということになりますれば、はたしてそういう地域にこの新幹線網なるものが一体絶対必要なのかどうなのか、経済ベースはそれでいいのかどうなのかということを考えますと、やはり私は問題であろう。また、それがなくては、いままでのそういう政策がなかったならば、今日のこの異常な工業生産はなかったと思うのです。私はそういう観点に立ちますと、やはり大規模な食糧供給基地をそういう方面に開発をしていくという構想が実現されていくというならば、だいぶ新幹線網との関連においては違ってくる。もちろん、ものによっては食糧を短時間で需要地へ運ばなければならないという問題はありますけれども、一体そういう基本的な構想がありとするならば、そういう地域にこうした新幹線網というものが必要なのかどうかということを考えざるを得ないのでありますけれども、いかがでございましょう。
○宮崎(仁)政府委員 確かにいわゆる食糧基地という考え方を出しております。これは昭和六十年までの食糧の需要構造の見通しから見まして、実際に相当ふえます。ただし、現在ある生産構造とは違ってくるかもしれないという問題はあると思いますけれども、たとばえ生鮮食料なんかについて見ましても、かなりの増加を考えなければならぬ。そういったものの供給基地として土地資源の問題その他考えますと、こういったところをうんと利用しなければいかぬという姿が出てまいります。これはまた一方からいきますと、ネットワークというものの整備、進歩によってそういったことが可能になるということでもございます。ただ、その場合において、新幹線というようなものと農業生産物の流通という問題との関係を見ますと、私どもは、新幹線網というようなものの今後の使命ということから見まして、農産物の輸送というものとの関係を考えていろいろのことを議論するということは、むしろ少ないんじゃないか。やはりこれは高速道路網なり、あるいは場合によっては海運というようなもの——高速の船が就航するようになるという見通しがありますが、そういったものが考えられるということだと思います。そういうことではございますけれども、全体としてはそういう流通の時間というものが非常に縮まるし、またコストも下がっていくという形が一方で出ませんと、ここでいっておるような形の食糧基地というものはなかなか成り立たないということでございます。その辺も、これから実際にやっていくとなりますと、いろいろ問題もあると思いますけれども、しかし、どちらかというと、従来の農政というものは、比較的日本全国一律に見てきたという考え方のほうが、むしろ今後では問題なのではないかというような意識を私ども持っております。この計画作成段階で、農林省とも十分打ち合わせて議論もいたしております。また、いろいろ研究会等もつくってやっておりますから、とにかくこういうような方向にだんだん持っていきたいと思っておる次第でございます。
○斉藤(正)委員 押し問答するつもりはありませんので、次に移りたいと思いますが、過日から問題になりましたけれども、第三条に「中核都市」ということばがございます。これは提案者の答弁によりますれば、固定した地方都市とか既成の都市のことばかりは考えていないで、新たな経済的な使命を帯びた新都市の建設というようなことも考えているんだというお答えがございました。先ほどもたまたま鹿島というようなことばも出ました。今後つくられるであろう、あるいはつくらなければならないと思っている、しかも地方中核都市といったような性格を持たさなければならないというような都市は、一体どこなのか。これは三十年、五十年先ではない、少なくも昭和六十年までという一つの目標を設定したときに、おのずから出てくるでありましょうし、また既成概念から離れた地方中核都市の構想といったものはなければならないと思うのですけれども、提案者にもう一度その点を伺っておきたいと思います。
○細田議員 先日お尋ねがありまして、私お答えいたしたのでございますが、この全国の中核都市を結ぶという際に、大部分のものは、現在すでに県庁の所在地であるとか、すでに都市を形成して、その地域、地域の中核をなしておる都市だと思います。ただ、先日さようにお答えをいたしまして、今後長い目で見てこの計画を立てることだから、新しいものは全然排除する意味かということになりますと、それはそうではなくて、日本の経済の事情というものが今後どのような変わり方をするか、われわれの想像を絶するものがあると思う。けさほど、たまたま運輸大臣から鹿島の港湾の話が出ました。また鹿島の工業地帯の話が出たわけでございますが、確かにこれは十年前には想像もしなかった、あんな場所に港ができるということは想像もしなかったわけでございます。苫小牧とかその他、さらにこれは港湾だけではございませんが、技術の革新もございますし、そういう点で、いまどこへそういうものができるんだ、こういうことについて具体的にどこがあるということを前提にしてお答えをしたつもりはございません。しかし、そういうものが起こってくる可能性はないのか、そういうことは考えなくていいのかというお尋ねでございましたが、それはそうではないのでございます。そういう意味で申し上げた、こういうふうに御了解をいただきたいと思います。
○斉藤(正)委員 時間がありませんので、確認程度にしておきますが、その次に伺いたいのは、行為の規制が十条、十一条に規定をされております。同時に、十六条、十七条、十八条になりますと罰則規定がございまして、特に十八条の罰則規定はどうも私はわからないのであります。ということは、「日本国有鉄道又は日本鉄道建設公団が第九条第一項の規定に違反して認可を受けなかつた場合には、その違反行為をした日本国有鉄道又は日本鉄道建設公団の役員は、十万円以下の罰金に処する。」と書いてある。こんなおそれが少しでもあるのかどうか。第九条第一項の規定というのは、条文を見ればわかりますように、当然なことが書いてあるわけであります。「日本国有鉄道又は日本鉄道建設公団は、前条の規定による指示により建設線の建設を行なおうとするときは、整備計画に基づいて、路線名、工事の区間、工事方法その他運輸省令で定める事項を記載した建設線の工事実施計画を作成し、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。」とあるが、この九条の仕事を怠るような国鉄や公団というのがあるんですか。公団の責任者と国鉄の責任者がいらっしゃいますが、こんなことを書かれて侮辱だとは思われませんか。これは全くほかの意図があって出したと思って、後ほど私はお尋ねしたいと思いますが、鉄建公団にしても国鉄にしても、人をばかにした条文だというようにお考えにならないかどうか、いかがでございましょうか。
○河村法制局参事 これを立案するとき、いろいろ検討したのでありますが、国鉄の役員あたりがそういう行為をすることはないと思いますけれども、現在の日本国有鉄道法におきまして、五十五条の罰則で、「この法律により、主務大臣の認可又は許可を受けるべき場合に受けなかつたとき。」には、「その行為をした役員は、十万円以下の罰金に処する。」という規定がありまして、この新しい法律の工事実施計画の認可にあたりましては、鉄道法五十三条で新線の建設とか電化工事の場合に認可を受けなければならないという規定がございまして、これに違反した場合には同じく十万円の罰金があるのでございますから、その規定との均衡上、新幹線鉄道におきましては、従来の在来線よりもより以上重要なものであるという趣旨から、それに合わせまして均衡上置いたわけでありまして、この規定を置いたからといって、鉄道総裁あるいはその他の役員の方がこれに違反されるということを考慮してやったものではないのであります。
○斉藤(正)委員 たぶん法制局ではそういう答弁をされるだろうと思って、私もそういう関係条文を調べてきたのですけれども、絶対あり得ないことですね。絶対あり得ないことです。またこれがあったらめちゃめちゃですよ。こういう手続を抜きにして鉄道建設工事が進められるということは絶対にない。絶対にないものを、他の関係法令にあるから法文のていさい上羅列をしたというようなことはやめたほうがいいと思う。だから、あやまちを改むるにはばかることなかれで、関連法律を直せばいいのです。こういうことを書くということは、日本人というものは、国鉄総裁も鉄建公団の総裁も悪いことをするという前提に立って法律をきめているというように思うのです。したがって、両総裁いらっしゃいますから、ひとつ見解を承りたい。こんなことを書かれて何と思っているのですか。
○磯崎説明員 現在の国鉄法の五十五条は、国会の御審議の結果きまったものでございまして、そういうことがやはりあり得るということを予見されてこういうものができたと思います。私どもは絶対にこういうことはないつもりでおりますけれども、これと似たような法律が今度つくられるわけでございますので、この五十五条をそのままお書きになったというように思いまして、私は侮辱されたというよりも、いまの五十五条をつくられたときのことが問題じゃないかと思いますが、私は、こういうことのないように全力をあげて法律に従って処置したいと思います。
○篠原参考人 私どものほうでも絶対にこういこことはないと信じております。
○斉藤(正)委員 提案者に伺いたいのですけれども、これは他意はない、ほかの関連法規がそうなっているから出したんだということだと思いますけれども、これはどうも私はわからないわけです。これに盛った趣旨はわかるのですけれども、基本的にどのようにお考えですか。
○細田議員 斉藤さんのおっしゃることは非常によくわかります。私どもも、こういう点ではもう一ぺん考え直してみる必要があるんじゃなかろうかと思います。ただ問題は、これだけを切り離して考えるわけにいかないのですよ。ここへ書いたのは、日本国有鉄道法にあるから書いてある。全体としてほかの公社、公団の法律にもそういうものがあると思うのです。ですから、これはそういうものとあわせて考えていかなければならぬ。しかし、書いたからどうこうというあれはありません。他意はないです。しかし、法律のていさい上、罰則というものはずっと各公団法に出ておりますから、それらをみんなあわせまして、おっしゃるような趣旨からもう一ぺん検討する。と同時に、公社、公団といっても、それは不正があったりいろいろすることもたくさんあります。決算委員会あたりでいろいろ摘発されていることもあります。ですから、そういう点も総合的に勘案して、御趣旨は私どもも率直に言って同感する面も非常に多いわけですから、そういうことで今後統一的に検討する。また立法府として、われわれお互いに与野党を通じて、こういう点はこの法律だけじゃだめなんです。日本国有鉄道法だけでもだめなんです。全体として再検討するということが必要じゃなかろうかと思います。
○斉藤(正)委員 もう時間がありませんのでやめますけれども、これは九条の工事実施計画を受けて規定している罰則なんで、工事実施計画をもぐってやるなんて、そんなことはどこをどう突っついたってあり得ないことなんで、細田議員もこの道のベテランでございますから、なるべく早い機会に関連法規の整備も含めて御検討をいただくことを約束いただいたようなものですから、これ以上追及はいたしません。 以上で私の質問を終わります。
○福井委員長 次に井野正揮君。
○井野委員 質問の予定にはなかったのでありますけれども、経企庁の宮崎局長に、斉藤委員の質問に関連してお尋ねをしたいと思います。 第一次の考え方が仙台−福岡はわかりました。そこで、その次にさしあたって考えることはないかということで、なかなかお話しになりませんけれども、それは少し隠し過ぎだと私は思うのです。というのは、一つは、この間、委員会で審議をして決定した本四の関係があります。本四の関係についてはいろいろ論議をして、特にどのルートを通るかは別として、四国を経て大分につないで、南九州のほうに突き抜ける道路、これは国策としてもきわめて重要に考えて、公団法も設定をされたわけですから、この架橋その他の問題は、これまた相当の日を要するものであり、しかも四国、九州等もきわめて生産性の高い地域であり、従来は山陽から通っていって、こちらは海運にたよっておった。こういうときに、本四までつくろうというわけですから、この完成と見合って新幹線を通すという構想は当然あってしかるべきだし、時間的にはまだそれは見通しはつかないとしても、当然考慮の中に入れなければならぬ問題だということは言えると思います。 もう一つ言えますのは、やはり青函トンネルの関係と、北海道へ、特に仙台と札幌間の問題になってくると思いますが、これはいま急ぐといっても、青函のいろいろな制約があるわけですから、これの完成がなければ何も言えないことだとは思いますけれども、一応具体的な行政の日程にのぼってくる問題であり、現に相当の国家投資をしておるわけですから、これらをはずして、あとのものは見当がつきませんなんという言い方は、御答弁としてはじょうずかもしらぬけれども、あまりにも国民の前には白々しいと思うのです。 私は第三に考えられる点が、最も問題であり、鉄道だけで解決のつかない裏日本、日本海側の、いわゆる積雪寒冷によって今日著しい過疎と地域格差の起こっておる問題、これにわが国の政治経済がどう取り組むかという問題が重大な課題だと思うのです。こういう意味で考えられる大きな要素として、今日新幹線をつくるという目的と意義の上に立って、さらにはわが国の経済構造の体質改善の上において政治が果たしていかなければならぬ要諦として、いま言った三つのことが一次、二次、三次というふうに考えられる。この点についてのお考えはどうですか。もう少し明らかに——時間的には延びるけれども、当然新幹線の計画の順位の中で考えられる問題だということは言えませんか。
○宮崎(仁)政府委員 御指摘がありましたように、このネットワークを考えます場合、特にそれを具体的な調査なりあるいはある程度の実際の仕事を始める場合に、海峡の部分についてはちょっと考え方を変えなければならないと思います。相当の工期を要しますので、やはりそういった面である程度先行的に仕事が始まる、調査が始まるということにならざるを得ない。そういう意味で、すでにこの青函隧道の調査も数年前から相当行なわれております。また本四架橋の問題についても、今度の国会で公団法をお願いしたわけであります。当然こういったものが実際につくられるという段階になりますと、新幹線が通り得るようなものを考える。特に青函についてはそういうことを私どもは想定いたしております。 ただ、ここで問題がございますのは、計画として確定するということが、いまのようにまだ相当技術的な開発の余地を残したものについてどう考えるかという点もございます。本四の架橋につきましても、よく御承知のとおりでございまして、現在の技術でできるというわけじゃございません。これからの開発という問題がございます。したがって、実際の調査なりそういった仕事は先行して始めたほうがいいと思うのですが、これをネットワークとして確定いたしていくかどうかということになれば、やはりその見通しとの関係で具体的にきめることが適当じゃないか、こういうふうに私どもはいま考えておるわけでございます。 それから裏日本地帯の問題、日本海側の地帯の問題について御指摘がございましたが、確かにこれは特に従来おくれておりましたので、非常に問題だと思います。私が先ほど申しました主軸構想というようなものも、いわばこれをどう早い期間に解決できるかという発想から出ておるわけでございまして、日本海側にたとえばもう一本主軸みたいなものを通してはどうかという構想も実は議論になりました。しかし、それをやっていくよりも、主軸を早くつくって、肋骨状に結んだほうが結局早い。そうしてまた能率的になるだろう。これは御説明するまでもなく、たとえば東海道新幹線ができて、北陸地方の交通は滋賀県を回って入ってくるというような形になりましたし、現在山陽新幹線との関係で伯備線の強化が非常に行なわれておる。いろいろ具体的にそういうことになってきておりますが、こういったような考え方で日本海側地帯の交通は非常に力を入れていかなければならぬ、こういうふうに私どもは考えております。
○井野委員 私は、別表をはずされたことは、きわめて賢明だと思っているのです。また、細田先生の御答弁を聞いて、さすがベテランだと思って感心をしておるのです。そういう意味で、まあ基本法か夢の法律か、いずれにしても、将来の輸送体系というものがこういう形になるという国民世論を喚起する呼び水的提案と理解をすれば、さしたる腹の立つこともありませんし、ただ、いま言ったように、現に法案を通し、現に多大の費用を投じて着工事をやっておる場所は、やはりそれらの調査結果がまとまれば日程にのぼる問題だという御答弁がなければ——先ほど斉藤さんも遺憾の意を示せということではなかったかと思います。いまの仙台−福岡の次に想定されるものは何かと言われても、現に調査費をつけてやっておるのに、宮崎さん御答弁にならないで、あえて言わずもがなのことを言ったわけですが、あなたへの私の質問はこれだけでありますので、御返事は要りませんから、どうぞお帰りください。 それで、鉄建のほうにお伺いしたいと思いますけれども、青函トンネルの問題は、技術的にもたいへんむずかしい問題であり、世界でも最大の海底トンネル、まさに世界に日本の土木技術を誇るすばらしいものになるであろうということですから、このパンフレットも——私も北海道から陳情したころからこれは関係しておるのですが、言うなれば、二十年来の夢がいまや実現しようとする時期なんで、そこで、当然、これにかかった当初の調査と現在の新幹線を予定しての調査となりますと、かなり構想が変わってくると思うのです。そういう意味で、新幹線を予定した場合のこの調査と、それから着工の時期の見通し、こういうものは大まかに言ってどういうことになるか。現在の調査は既存計画に沿ってどの程度、どういう——しろうとわかりのしやすい表現で御説明願いたいと思いますが、どういう段階にあるのか、この機会にひとつお聞かせ願いたいと思います。
○篠原参考人 お答えいたします。 青函トンネルは、いままでは在来の鉄道を通すという考えでいろいろと調査を進めておりましたが、しばらく前から新幹線を当然通すべきじゃないかという考えでいろいろ検討してまいりました。新幹線を通す場合の一番の問題点は、もちろん断面でございますけれども、断面のほかに、勾配というものが非常に問題になります。勾配をある程度緩和しないと、新幹線を所定の高速で通せないということになりますので、勾配をゆるやかにしなければならぬということになりますので、これは大体私どものほうの見通しとしましては、千分の十二ぐらいの勾配でいいのじゃないかというふうに考えておりますけれども、最終的には国鉄といま打ち合わせ中でございまして、近く結論が出るというふうに思っております。しかし、一応そのような構想で計画を進めておりまして、断面につきましては、先ほども申しましたように、複線断面にするか、単線の新幹線を二本にするかということもございます。しかし、実際工事の施行上、複線断面で掘さくが可能である、建設が可能であるという結論が一応出ましたので、私どものほうとしましては、一応複線断面を有力な考え方としまして、両方の問題を検討して、近く運輸省に報告を出したいというふうに考えております。
○井野委員 わかりました。そうしますと、もう一つお答えがなかったのは、従来は五十年でもって完成をするという計画であったわけですが、そういうふうに設計変更された場合、この調査が終わって本工事着工のめどは——大まかなめどでいいですよ。あのときああ言ったじゃないかということは言いませんから、大まかなめどとしては、全然責任がないというのでは困りますが、ある程度責任の持てる、ある程度あやふやなものでけっこうですから……。
○篠原参考人 完成は本工事着工後七、八年ということにしておりますけれども、大体そのような形で新幹線ができ上がるのじゃないかというふうに考えております。新幹線のトンネルの断面ができるのじゃないかというふうに考えております。 調査は、本年度中になるべく本工事着工というふうに切りかえていきたいと考えまして、これは運輸省に申請したいと思っております。
○井野委員 たいへん具体的な御返事でありがとうございました。本年度調査完了、あと七、八年後ということになりますと、まことに早い期間にできるわけでありまして、多くの人が生きているうちにと思っておったことができることになるわけでありますから、御努力に敬意を表したいと思います。 続いて、そういうことになりますと、これは当然、過般も細田先生お答えになりましたが、東北線から入ってくる線が東京につながるのか、上野につながるのか、いろいろ問題もあろうかと思います。聞くところによれば、何かお堀の下を通って東京駅につなぐことは、鉄道の効果としてはかなりいいのだそうですけれども、何かその筋の御了解を得られない話もあるやにうわさで聞いておりますが、これはまだいろいろ御検討の余地もあるし、幾つかの案のあることも承知をしております。 そこで、やはりこの線は何といっても札幌へつながなければ意味がありませんし、また東京へ、いわゆる東京から博多へつなぐ線につながなければ意味がないわけなのでありまして、私ども上野で汽車に乗って、東北からは偉い先生方もずいぶん出ておるのですが、東京と上野の駅の格差というものをしみじみと感じて、みじめさを感ずのは私だけではないだろうと思う。そして、鉄道の線路というものがまた地方開発に大きな役割りを果たしたということは、私の言うまでもないことで、この点、上野から東京につなぐ問題、そうして札幌への過程というものは、青函トンネルが完成すれば当然日程にのぼってくるどころじゃなくて、青函トンネルが巨大な費用を投じてでき上がったときに、この線路が完成していなければ全く意味のないことになりますので、これからいきますと、先ほどの御答弁とは別に、十年以内に札幌、仙台につながるという客観的な情勢が出てくるわけなのでありますが、そういうふうに受けとめてよろしいか。また、上野と東京の間の問題については、鋭意御努力を願って、一番理想の線で、上を通せというのじゃなくして、下を通すことになると思いますが、これはどうなのかということをひとつお答え願いたいと思います。
○篠原参考人 これは運輸省からお答えいただいたほうが適当じゃないかと思います。
○井野委員 いや、どちらでもいいです、国鉄でも運輸省でも。御答弁は、責任のあるところで答えてくださればけっこうですよ。
○町田政府委員 ただいま先生の御質問でございますが、鉄建公団総裁からお答えいたしましたのは、在来線で調査いたしております青函トンネルはどうなるか、こういうことでお答えをいただいたと私ども理解をいたしております。これを今度新幹線にするかどうかということにつきましては、先ほどからいろいろ御質問がございましたけれども、これはいま具体的には設計その他鉄建公団のほうで検討中でございますけれども、新幹線のほうは、現在御審議いただいております法律によりまして、基本計画というものができた場合には新幹線にする、こういうことになるのは当然のことであります。したがいまして、そのことは、念のため申し上げまして恐縮でございますけれども、本年度中にきまるかどうかということは、これは別問題であるというふうに御理解いただいてよろしいかと思います。 そして、上野と東京の問題は、青函トンネルが在来線で通るということになった場合にも当然必要になるだろう、こういう御質問の御趣旨だろうと思いますが、この点につきましては、上野−東京間の在来線の非常に技術的な問題でございますので、国鉄の長浜常務理事のほうからお答えさしていただきたいと思います。
○長浜説明員 東京のターミナルをどこにするかというのは、非常に問題がむずかしゅございまして、東海道新幹線の場合も、現在の東京駅にきまりますまでに、十カ所に余るターミナルの中で最終的にきまったような状況でございます。したがいまして、今後新しくこの法案が通りましてきまりました暁に、どこにターミナルをつくるかということを具体的に調査をして、勉強していかなければならぬと思いますが、現時点で、私たちはいろいろ東海道新幹線をつくりましたときのことを考え合わせまして勉強をしている段階でございます。いまどこにターミナルをつくるか、したがいまして、東京とどう結ぶかということは、まだなかなかむずかしい問題でございます。特に上野と東京駅を新幹線で結ぶということは、技術的に非常にむずかしゅうございますので、どういうかっこうになりますか、これから調査費を使いまして、勉強してきめていきたい、こういうふうに考えます。
○井野委員 そういうことだろうとは思いますが、そこで一言断わっておきたいと思いますのは、先ほどもインフレーションと経済投資の問題のお話が先輩の先生からもありましたが、おそらくこれは個人的な御意見だろうと思います。経済の成長を刺激する国内投資というもの、しかも平和産業、輸送産業の基幹でございますので、こういう平和的な、国民生活を向上させる投資というものは、インフレの要因はむしろ別のほうに求めるべきであって、この点は私ども懸念はいたしておらないわけであります。むしろいま新幹線についてひどく懸念をしました点は、第一には在来線との関係において、特に衰亡していく地域から赤子のミルクを取ってしまうようなやり方の在来線整理というものは、ひどく住民の抵抗もありますし、最近は国鉄再建計画の中で、政府もまた与党の皆さんもこの点にお気づきになられて、従来ほどきびしい振り上げたおのでなくなったという点は、やや安心はいたしておりますけれども、この点が第一点であります。 もう一つの点は、この「明日へのアプローチ」、よく読ませていただきました。この中で私は一つたいへんな問題があると思いますのは、これはそう他意あって言われているのじゃないと思いますけれども、元来、輸送の仕事というものは、経済構造上、過密になるところへ持っていけばもうかることになるので、おのずからそっちへつけるのは当然だということを書かれております。ページもちょっと言いますと、一〇九ページですね。ここをお読みになると、どなたがおっしゃったか、ちゃんとわかりますから。しかし、これは佐藤総理が本会議でも言われましたし、いろいろ述べられております地域格差の是正という問題にとって、非常に重要な問題であります。中国でも三差解消を政治の目標にしております。一つは肉体労働者と頭脳労働者の差、一つは農業と工業の差、もう一つ大きなのは都市と農村の所得格差、これをなくしようという大きな政治目標を掲げておりますが、国鉄が国鉄の営利採算と経済の均衡だけを考えられると、いま言ったような国家的目標、社会目標が見失われる危険性があります。これは私のひがみだと言われるかもしれませんが、短いことばで表現していますが、そういう方向で向かうとたいへんだと思うわけなんです。そういうことはないだろうとは思いますが、同時に、最初の「国鉄再建への道程」の中には、非常に社会公共、国家のやる仕事をやって、それが大きく赤字の要因になることを強調されてあります。前段と後段はおっしゃっている人も違うから、若干矛盾するとは思いますが、「明日へのアプローチ」の重要論文の中に入っております。特にこれを申し上げたいのは、社会党がこの提案の共同提案者にならなかった大きな根拠は、国鉄再建という面、そしてはなやかな新幹線という面だけで、いま言った国家で当然やらなければならぬ地域格差の問題であるとか、こういうような国鉄が従来開発のためにしょってきた使命というものが薄れることを懸念している点が第一点なんです。この点について、万々そういうことはないと考えていいかどうか、若干心配ですから、お尋ねしておきたいと思います。
○長浜説明員 国鉄の財政再建の今度の法律に基づきます再建計画では、一応新幹線は山陽新幹線までを含めて考えております。それ以外のは、今度の財政再建計画の長期計画の中にも入っておらないで、別の計画ということにしてございます。したがいまして、今度の財政再建計画によりまして、それぞれの地方の輸送対策ということをそれによって確保していきたい、こういうように考えております。一応われわれとしては別に考えておるわけでございますけれども、やはり何といいましても基本になります基幹輸送としての新幹線網が成立いたしまして、それの上をカバーするという在来線というかっこうに将来はなっていくのではないだろうか、こういうふうに考えております。全国のメーンパイプとしては新幹線ということでありまして、それを今度は面的にカバーしていくというのが在来線、あるいはまた中長距離の旅客輸送を新幹線にいたしまして、将来の大量的な貨物輸送は、それによって余裕のできました在来線をフルに利用していく。現に東海道新幹線ができましたおかげで、数十本の貨物輸送がそちらに移っている。こういうことでございます。
○井野委員 国民の非常に関心の深い不採算の赤字線を不採算を承知であえてつけられたのも、国民からの強い要望に基づいて、決して政治圧力だなんて言いませんが、そういう形ででき、いまなお建設にかかったばかりで、川の半分まで鉄橋をかけてやめたり、トンネルを掘って化けものの穴みたいになっておいてあるところが随所に見られるわけでありますが、これらも今日までかけた経費を考えてみますと、やはり完成しなければならない問題だろうと思います。新幹線のはなやかさの陰にこれらの不採算な赤字路線が放棄されるということについては、過般来、そういうことではなしに、能率化をして無人化にするとか、停留所的感覚という運輸大臣のしばしばの答弁をいただきましたが、新幹線の陰に隠れて在来線あるいは赤字線が放棄されるようなことはないと理解してよろしいですか。
○長浜説明員 さいぜんもお話し申し上げましたとおりに、一応われわれとしては財政再建の計画の中で考えておりまして、いまの地方ローカル線につきましては、できるだけ要員を減らして無人化その他の近代化、合理化をいたしまして、それを継続していく。それから、それ以外のいわゆる鉄道の使命の終わった線とみんなが考えられる線につきましては、道路だとかその他の総合的な交通体系を考えまして、その中で鉄道輸送ということの必要性その他も考えていきたい、そして使命が終わったとするならば、そういう処置をとりたいと思っておる次第でございます。この辺十分検討してまいりたいと思います。
○井野委員 次に、含んで聞くのではありませんから、ひとつすなおなお返事をいただきたいと思いますが、やはり「明日へのアプローチ」を読んでおりまして、ちょっとこういう気がするのです。それはおまえのひがみだと言わないで、これも聞いてほしいのです。 合理化、近代化、もちろんこれは新幹線のシステムが入ってくるわけですから、そういうものを含めて、いま雇用されておる職員の皆さんは、旧体制の中の職員であり、年齢的にも老齢化した人がかなりいるわけです。そこで、合理化計画の中で、やはり欠員不補充という表現はありますけれども、要員の削減ということばが二カ所ほど、ちょっと強過ぎる表現で出ているように思います。しかし、この「明日へのアプローチ」をよく読んでおりますと、必ずしもそうではなくして、職員の質の向上なり、新しい経営構造の中での配置転換等が徐々ににじみ出てはいるのですが、しかし、何といっても超近代的な技術が来る中で、きょうの若い頭脳は五年先ではもう若い頭脳ではなくなって、要らなくなる、こういうようなことが随所に出てまいりますと、何か国鉄では既存の職員に対してスクラップ処理というような感じがいたしますが、これを読んでこういう感じが出るわけですが、また反面、われわれの仲間といいますか、私も労働者の仲間ですが、その中で、私とは違う団体に所属される方で、いわゆる穏健——私どもはあまり穏健でないようにいわれておりますが、穏健、右派的政治労働団体、こういうところで出している雑誌をゆうべ一晩一生懸命読んでみました。これは国鉄新幹線あるいは国鉄の今日の企業に対して、誤解ではないかと思うくらい激しくマルクス論理でやっておる。私、わからないものだと思って、ゆうべ読みました。そして、もしほんとうに私が理解するような思想でこの合理化計画をお出しになっているのかどうか。言いかえれば、当然中年、老齢の人を近代化に即応するような再教育をしようと思えば時間がかかる。これは当然賃金を保証しなければならないし、配置転換をするのには住宅その他の問題もあります。しかし、そういうものがあたたかい心で、しかも国鉄の使命を理解して新しい職場に行ってもらうということになったら、喜んで行っても、この反対闘争の思想のようにはならないと私は思うのですが、どうもその辺が、私が受けた感じと、現在促進されておる労働団体と国鉄の仲はそういう関係にないのじゃないかという気がしますが、この点ひとつ総裁からお答えください。 〔委員長退席、加藤(六)委員長代理着席〕
○磯崎説明員 いまの先生のお話でございますが、実は私は、今度の合理化にあたっては、とにかくまず職員の首を切らないということを前提にいたしております。これは私自身昭和二十四年に十二万人の首切り措置の責任者でございました。自分でそういう経験もございますので、なおさらそういうことはいやだということで、首を切らないでもってどうして合理化できるかということでございます。いま先生のおっしゃったとおり、確かに国鉄の職員はほかの二公社に比べまして年齢が高うございます。いま平均大体四十歳前後でございます。したがいまして、これらの人たちを再教育するにしてもなかなかむずかしい点はございますけれども、私は、過般、職員局の中に能力開発課という課までつくりまして、そしてできるだけ能力を開発していきたい、これはどの企業でもやっておりますので、そういう組織をつくって、そしていままでの単なる転換教育でなしに、もっと能力を開発していくという立場から、新しい職場にアプライできるようにしたいということが一つと、それからいま先生のおっしゃったとおりに、配置転換するにいたしましても、相当な時間的なロスがございます。これを見なければ早急に配置転換はできませんし、無理をしてはかえって事故のもとになりますので、私どもは相当な配置転換のロスを時間的に見ております。そういう転換ロスを見た上で転換計画を立てる。しかし、どうしても自分の郷里を離れるのがいやだという者が率直に申しております。これはしかたがないというような角度で、いまの御注意のとおり、そういう合理化、近代化による犠牲のできるだけ少なくなるような方向で考えてまいりたいと思います。
○井野委員 ほんとうは、この質問は新幹線に関連しては適当でないと思っているのですが、過般同僚の加藤理事から質問があった例のベースアップと工事予算の流用という問題であります。これは総裁と竹内次長にお尋ねをしたいのですが、私も資料をとってみました。なるほど加藤さんの言われるとおり、四十四年は二百二億、それから四十三年は百五十九億、いずれも工事費から流用されておるようであります。それからもう一つは、いまのベースアップの団体交渉の中で、当局側からお出しになった案で、この再建計画案をのめば賃金交渉をやろう、のまなければやらぬ、端的に一言で言えば、そういう表現が用いられておりますが、この二つのことと関連して考えてみて、一つは国鉄の予算の組み方、大蔵省の予算をきめるときの一つのきめ方の中に問題があると思いますのは、国鉄だけが賃金アップするのなら、それはなるほどこういう予算の組み方で、工事予算から流用しても、あるいは流用やむを得なかったという言いわけも成り立つかもしれませんけれども、官公労の賃金アップというのは、民間給与と対比してみて、民間がすでに上がってしまって均衡を失うというときに、人事院が勧告して上げさせるようになっておりますが、公労協の場合は、団体交渉をやり、あるいは仲裁が行なわれる、こういう仕組みになっておりますから、趨勢として、ことしの春はどうなるか、ことしの秋はどうなるかということは、予算を立てるときにあらかじめそのファクターの中には入っておるわけなんです。しかも、それが何%になるかという点以下の問題ならこれはしかたないにしても、相当多くのウエートを持ったものが予算に組まれてないということ、またそういう予算でなかったら認めないという大蔵省もおかしいし、それで、はいそうですかといって引き下がる国鉄もおかしいと思う。ことさらにこういう決算の結果になるようなことは、たいへん国鉄労使間に対する誤解が生ずると思うのですね。そうして工事ができないのはベースアップしたからだ。国鉄は他の現業や他の官公労に比して飛躍的に上がったかというと、比べてみたら、どっちかというと低い程度か、ないしはまあまあというところである。これはどうですか、竹内次長、こういう予算の組み方をさせるということは、国鉄に対しても過酷じゃないか。何か国民と国鉄を離反するような結果を決算上あらわすようにしてあるのではないか、こういう気がするのですが、こういう予算の組み方以外に方法がないのかどうか、まず大蔵省のほうから教えてほしいと思います。
○竹内(道)政府委員 御承知のように、三公社につきましては、特別に給与ベースアップの関係の予算というのは組んでおらないというのが現状でございまして、おのおのその三公社の実情によって、お話しございましたように、たまたま四十三年並びに四十四年につきましては、結果として予備費を使用する、あるいはいろいろ国鉄内部で節約等のやりくりをやっていただくというようなことをやりまして、なおどうしても足りない分について一部工事費を削減したということになったわけでございまして、三公社につきましては、特に国鉄だけが特別な扱いを受けておるという予算ではないわけでございますけれども、三公社の事業の中身の結果といたしまして、国鉄につきましては、過去二カ年にわたりましては工事費がたまたま削減されたというようなことになっておるというのが実情でございます。
○井野委員 次長、実情を聞いたんでないですよ。こういうような国民と国鉄、これを切り離すような結果が決算にあらわれるような予算の組み方以外にはないのかと聞いておるのです。その結果は知っておるのですよ。これはきわめてまずいと思うのですね。ベースアップの闘争が起こって、このごろ国鉄はすなおに認めやしませんから、必ず仲裁になるか、ストライキをやるか、汽車の二、三本もとまったところでようやくきまるというのが実情なんです。決算を聞いてみたら工事予算を削ってあったという、あまりにも作為的な感じがするのです。労使というものは、それは主張しあって対等にやるのですから、とことんのところまでいったら双方理解をして、円満な解決をはかっていくことがやはり近代国家のあり方だと思う。そういうことからいうと、大蔵省はそういう予算の組み方、そういう決算のしかたにしないでも方法があるのではないか、こう聞いているのです。将来の改善の方向を聞いているのです。出たものはしかたないです。
○竹内(道)政府委員 ベースアップの結果がどのくらいになるかということを予算作成時にあらかじめ想定をいたして予算に組んでおくということは、将来の交渉の問題でもありますので、そこら辺はなかなかむずかしいのではないかと思っております。
○井野委員 ほかのことはわからなくても、人件費予算にそんなことをおっしゃっては、次長それはだめですよ。ごらんください。四十二年は百四十億に対して百六十五億ですよ。それから四十三年は二百億に対して百五十九億です。経費流用や予備費から出したものです。四十四年は二百九十五億に対して二百二億ですよ。これだけの高い比重のものが——五億や十億工事費を削ったというなら話はわかります。けれども、およそことしのベースアップは何%上げれば何ぼになるかというのは、もう大蔵省とっくに計算していますよ。だからあなた、年間総合予算でくずさないなんて言っておるじゃないですか。それを、これだけの人件費、ベースアップは必要な経費を四〇%も五〇%も工事費から流用したという形で決算にあらわすようなやり方というのは、これは改善の方法がないということは言えないと思います。しかたがないじゃ済まぬ問題で、将来はこういう方法をとらないようにすることが考えられないか、こう聞いているのですから、これは次長、もう少し考えてもらわなければ困ると思うのですが、もう一ぺん答弁してください。
○竹内(道)政府委員 お話のように、仲裁裁定の結果、工事費が流用されたという結果になったというのは、望ましい事態とは私ども考えておりません。いまお話しございましたように、総合予算主義のたてまえがございますので、歳入も歳出もともに最初の予算の範囲内で行なわれるということが一番望ましいのでございますが、最近の国鉄の事情から見まして、歳入のほうがなかなか予定よりもふえるというようなことがございませんものですから、そのために、仲裁裁定の結果、歳出のほうが一部工事費の部分が給与に回ったというようなことになっておるわけであります。今後とも国鉄の収入状況が、むしろ予算で組んだよりももっとふえるような状況に国鉄の事業が行なわれることが一番望ましいわけでございますけれども、私どもといたしましては、予備費も組んでおりますし、何とか収入もあがって、そうしてその範囲で仲裁裁定がまかなわれるということが一番望ましいことであると考えてはおるのでありますが、お話のような点につきましては、いろいろほかの二公社との関係もございますし、国家公務員との関係もございます。なかなかむずかしい問題を含んでおると思いますけれども、将来いろいろ検討さしていただきたいと思います。
○井野委員 時間がございませんから、もう最後でやめますが、これは次長、答弁は要りませんけれども、予算編成の技術、決算の技術として、結果的にそういう姿で表現をしないという方法は幾らでもあると思います。企業採算を合わせるために企業努力を続けさせたいとする大蔵省のきびしいむちはわかりますけれども、国民と国鉄とが離反する材料になるような決算のしかただけは避けてやらないと、せっかくの磯崎総裁の苦労が気の毒じゃないですか、私はそう思います。そういう意味で言っているのだということを理解しておいて、この次の決算がこういうようにならないような予算の組み方をぜひしていただきたいと思います。 それから、といって、国鉄側が全部いいとは思わないのです。団体交渉にあたって、この案をのまなければベースアップに応じないというような姿勢は、もういみじくも裁定で注意されておりますね、団体交渉不十分だという言い方で。そしてこのアプローチの中にありますように、国鉄の赤字のおもなる原因は、表現は人件費人件費といって、何で人件費といわなければならないのか知りませんけれども、それはもちろん民間の給与、それから他の官公庁との見合い、そして国鉄の経営採算の中から国鉄財政と見合わなければならないことは間違いないです。だが反面、国鉄にしょわされている多くの採算を度外視した公共負担、こういうものも突っ込んで、国鉄財政がつらいから、おまえたち賃金黙っておれということになると、現業あるいは公社、官公労とはえらい差ができてしまう。こういう結果になりますので、ここにあまり固執されることは、国鉄の体質の中にある、労働者、職員の責任によらない多くの負担、これを除いた国鉄経済というなら話はわかりますが、これをひっくるめての議論は私は当てはまらないと思う。これは必ず職員が反発してきます。そういう意味では、何か団交をやめるようにやめるように持っていっているのじゃないかという気がしますので、この出された報告書を読んでみて、ずいぶん人事管理が古い思想だなという気がするのです。やはり国民に対して一番忠実なのは、常に国鉄総裁以下首脳部の意のあるところよく職員に浸透し、また職員の主張をよく認めて、円満な妥結ができて、国鉄はもう済んだのかというようなことで、喜んで働らく体制でなければまずいと思うのです。この点についてはひとつ御所信を伺っておきたいと思います。
○磯崎説明員 私も国鉄の責任者として、いま先生のおっしゃったような事態になることを非常に望んでおります。しかし、昨年財政再建の臨時措置法ができましたときにも、いろいろその点に御議論があったわけでございますが、現時点におきましては、やはり単年度で人件費なり余裕を見るわけにいかない。どうしてもやはりロングランで見なければいけない。したがって、合理化ということがこれに関連いたしますが、合理化問題が目鼻がつかない限り、人件費としてのことしの問題あるいは来年以降の問題について見当もつかないということで、私どものほうは強く合理化を主張しておるわけでございます。組合が四月六日に調停委員会に提訴いたしましたが、この調停委員長勧告の中にもごらんのように、合理化問題については労使誠意を持って交渉を詰めろという非常に強いことばを使っておられますが、私どもも昨日も詰めるという角度でもってやっておるわけでございまして、やはり合理化問題について一つの目安をつけない限り、たちどころに賃金の問題に入るということは、国鉄の十年、十五年にわたる長い財政再建に非常に大きなひびを入れます。それがことしだけでなく、それじゃ一体来年は払えるのか払えないのかという問題になってくると思います。そういう問題を頭に置いた上で、合理化の問題を踏まえて今後の賃金問題に入っていきたい、そういうふうに考えております。
○井野委員 時間が参りましたので、最後に一言だけ申し上げておきたいと思います。 国鉄の職員が納得をしようとしまいと、国鉄の職員に払うべき給与は、世間一般の均衡を保った給与でなければならぬということだけは間違いないのです。そしてもしそれが行なわれなければ——それは国鉄が必要としておる労働力なんです。国鉄職員の意思によってすらきまるものじゃない、国鉄が必要だから確保しなければならぬ労働力です。最近わが国の経済、企業でいわれるのは、人手不足だといいながら、老齢の人間が余っておるという現象です。安上がりで若いエキスだけ使って、ふらふらになったらスクラップにしてしまおう、こういう感覚では、日本経済は常に国内で二つの階層が衝突してしまうことは避けることができない。こういう点、特に公共企業の場合、最も先進的な、労働者を納得させる企業態度であっていただきたいと思います。したがって、再建計画は再建計画、賃金交渉は賃金交渉という形で交渉妥結しても、それは必然的に結びつくものだ。それをこちらの主張を通さなければそちらはだめだということになっては、いつまでたっても職員団体の協力が得られないということは予言をしておきたいと思います。御反省を願います。
○加藤(六)委員長代理 田中昭二君。
○田中(昭)委員 私は、まず提案者の方にお尋ねしたいと思いますが、この新幹線法案が審議が始まりまして二日目でございますが、いろいろ質疑を通しましてこの法案の審議がなされておるわけでございますが、こういう段階で端的に申し上げますと、国民のためにはたいへん便利な、とにかくいいことがなされようとしておる。それが議員立法でつくられまして、その間別表を取り除いたとか、いろんな私たちには理解できないような問題を積み重ねてきて、いまもうしろのほうから、新幹線は脱線したのだというような話も出ておるようでございますが、私はもう一回、いままでのいろいろな審議があったことと重複しないようにして、端的に、この法案をこのように急いでつくらなければならない理由は何だ。法案の目的にはなかなかりっぱなことが第一条に掲げてありますが、このようなりっぱなことをやる、そしてその法案を作成しなければならない理由、目的を達成するための緊急性、こういうことについて、しぼってお答えを願いたいと思います。
○細田議員 今度の新幹線鉄道整備法案の先駆といいましょうか、前駆といいましょうか、新全総に大きく取り上げられているわけでございますね。そこで、新全総のいわゆる全国を通ずる新しいネットワークの一つの重大な柱として、新幹線鉄道網というものが登場してきたわけですね。その後、これについていろいろなところで研究が進められ、そしてその頂点になってきておるのが鉄道建設審議会の本年三月十一日の決議である、こう申していいだろうと思います。ところで、おっしゃっておる御趣旨に合うかどうかわかりませんけれども、相当長期を要しますし、相当膨大な金も要します。でございますから、ここまでまいりますと、一日も早く計画が立てられることが望ましい。そういう意味での緊急性を持っておると思います。おそらく、おっしゃいます御趣旨は、いやもっとゆっくりして、裏づけも何ももっとしてからということが考えられます。おそくてもいいということであれば、それしか考えられないわけでございます。その辺はかね合いの問題、政策の問題でございますから、われわれとしては財源措置その他についてはまだこれからで、先日来申し上げておるように、十三条だけで、きわめて抽象的で不十分だと思います。率直に、これは認める。しかし、そういう形のもとにおいてもなおかつ早急に法律として実現をさせておくことが、新しいネットワークをつくるのが少しでも早くなる。こういうことで考えているわけでございます。
○田中(昭)委員 一日も早いほうがいいということと、それから膨大な予算も要るということ。仕事ですから、金が要らないなんというはずはない。金があってから仕事をするのがたてまえだと私は思うのです。その膨大な予算ということは、また後ほどいろいろそれに関連してお話を伺いたいと思います。その膨大な予算が必要だからこそ、いまからでもその予算の裏づけというものについて何らかの検討がなされなければならないということ。これは繰り返しますとまたあれになりますから、そういうことを申し上げておきまして、実際の新幹線を建設なさる側の鉄建公団並びに営業をなさる国鉄等から見まして、この新幹線の法案を作成しなければならないという緊急必要度について、一言お聞きしておきたいと思います。
○磯崎説明員 いま提案者からお話がございましたとおり、昨年新全総ができまして、新しい角度から日本の国土の総合開発をやることがきめられまして、それの基礎として高速鉄道、あるいは高速道路、あるいは航空機、あるいは通信という各方面のことが、それの前提条件として出されたわけであります。私どもといたしましても、鉄道輸送という狭い分野からだけ見ましても、たとえば現在工事をいたしております山陽新幹線、これは山陽線がもう非常に行き詰まっている。同じような事態が方々にできつつございます。したがって、そういった問題を、国鉄という小さい面でなしに、政府あるいは国会という広い立場から、総合的にそれをきめていただきたいという意味で、緊急性はあると私は考えております。
○田中(昭)委員 次に第二条でございますが、「「新幹線鉄道」とは、その主たる区間を列車が二百キロメートル毎時以上の高速度で走行できる幹線鉄道をいう。」この毎時二百キロ以上の高速度というのは、どういうふうに理解したらいいのですか。
○細田議員 この二百キロ以上の速度というのは、現在の東海道新幹線の速度ということで考えたものでございまして、技術革新もございますし、もっと早くなるだろうとされておるわけでございます。山陽新幹線も現在の東海道新幹線よりかなりスピードアップになるということも、いろいろ研究の成果があがっておるわけでございますが、ここにはきわめて単純かつ明快に、現在の東海道新幹線がいま走っているそれを含めて、それより以上のものということで表現をしたということで、別に他意があるわけではございません。
○田中(昭)委員 他意がなかろうとあろうと、法律できめた以上はそれに沿わなければならぬ。実際営業を行なう国鉄側として、いまの答弁で間違いございませんか。ということは、いま東海道新幹線は、こういう法案にあげてある時速二百キロということを、実際には百六十キロか百七十キロくらいで走っておるということを聞いております。そうしますと、それはどういうふうに理解したらいいですか。
○磯崎説明員 私どものほうの専門的に申しますと、いわゆる平均時速と最高時速と両方あるわけでございます。平均時速と申しますと、停車時間その他を全部含めまして、東京を出てから大阪につくまでの所要時間で全体の距離を割る、これが平均時速であります。それから最高時速と申しますのは、あるおもな区間を、何もその区間全部ということでなしに、その区間のうちの一部分を最高時速何キロで走るかということで、これが現在二百十キロで押えられております。平均時速は、現在三時間十分で五百キロちょっとでございますから、百七十キロくらいです。したがって、ここの第二条は「高速度で走行できる」というふうに書いてございます。いわゆる物理的に可能なという意味だと思います。物理的に可能な面から申しますと、現在の新幹線は二百四十キロまで出せることになっております。出してはおりませんが、二百四十キロまでは走行できる性能を持っております。それを二百十キロで押えております。したがって、「走行する」と書かずに、「走行できる」と書かれてあるのは、そういう物理的性能をいわれたものだというふうに思っております。
○田中(昭)委員 そうしますと、ちょっとあいまいですね。最高時速は二百四十キロとおっしゃいましたけれども、その区間は二百十キロで走っておるとすれば、何かその辺書き方がどっちにもとれるのではないか。ただ宣伝用なのかといったような気持ちもするわけですが、それはまた後ほどにするといたしまして、この新幹線が世界の注目の的にもなりました、たいへんりっぱなものである。また、国鉄の財政収入の中にもたいへんな効果を示しておる。この世界に冠たる新幹線が現在のスピードよりも上げることはできないのですか。
○長浜説明員 東海道新幹線の場合には、いま総裁の説明しましたように、二百十キロで走っておりますが、これは線形とか勾配とか、そういう関係が非常に大きく影響しております。もちろん車両の性能も影響しております。したがいまして、現在建設しております山陽新幹線につきましては、常用速度の最高二百五十キロで運転し得るような線路状態をつくるように、いま工事を進めております。それに合わせまして車両ができ、あるいはメンテナンスがそれと合致するというようなことができました暁には、二百五十キロまで高速で走る、こういうことにいま技術の進歩をはかっておる次第であります。
○田中(昭)委員 そうしますと、いまここに法案に出ております二百キロというのが、二百五十キロというような速度アップですね。そういうふうに理解していいですね。
○長浜説明員 二百五十キロが可能なように技術開発をいま進めておるということでございまして、この法律では現在の東海道新幹線を含めておりますので、二百キロ以上ということになったのであろうと理解しております。
○田中(昭)委員 二百キロ以上ですから、こだわる必要はない、二百キロと二百五十キロとの幅、そういうふうにアップしたい、こういうことですね。そうしますと、山陽新幹線はそういういろいろな試験とか研究がなされておると思いますが、国鉄自身も、このスピードということについては、運営におきましてたいへん大事なことだと思うのです。聞くところによりますと、何か三S、スピードと何とか、三つあるそうでございますね。その中の一番にあがっているのがスピードですから、私は、山陽新幹線は当然二百五十キロで走らせてもらいたい、こう思うわけです。論点は、結論はそこにあるのです。それで、国鉄自身も、この二百五十キロのことにつきましては、相当前に発表もいろいろなさっております。こういう本を見てみますと、ほとんど十年ぐらい前に二百五十キロで走るということは考えておる。また最近でも、山陽新幹線の工事に入って、試験車もできて、軌道でも勾配や曲線をなるべく少なくして、直線をやってどうだこうだ、そういうことを考えれば、いますぐ山陽新幹線を二百五十キロで走らせるという自信はなくとも、山陽新幹線が博多まで完成する前には、私はそういう見通しがつくのではなかろうか。また、おそくとも博多まで開通になりますれば、二百五十キロで走らなければいけない。十年一日のごとく、三十九年に新幹線ができて、スピードを一番大事にする鉄道事業が、山陽新幹線の完成を五十年とすれば、三十九年から十二年目ですが、それでも同じく二百キロで走っておるということは、これはせっかくつくって、国民の皆さんがまたそういうことでおかしいと思うんじゃないか。ですから、二百五十キロで走るのは、いまはできないとおっしゃると思うのですが、その見通しはいつごろ立てたらいいのですか。
○長浜説明員 先生御指摘のように、われわれもできるだけ最高速度をあげていきたい、常用速度をあげていきたいと考えております。ただ、山陽新幹線の場合に、二百五十キロで走れるような構造物、線形をつくっておりますけれども、問題は、やはりどうしても第一に安全ということを考えなければいけない。それで、絶対安全確実であるという保証がつきませんと、われわれとしてはなかなか踏み切れませんので、いまその安全であるということ、そのためには保守も十分にできるあるいは集電が可能であるとか、いろいろな問題がございますので、鋭意私たちも二百五十キロの走行をできるように技術陣全力をあげて勉強しておる次第でございます。 いつまでに、こう言われますと、ちょっと日にちを答えるだけの資料をただいま持ち合わせございませんけれども、まだ確信はございませんが、博多開業時点までにはそういうことができるように勉強したい、こういうことで熱意を持って努力しております。
○田中(昭)委員 しつこいようですけれども、その意味はいまわかったようですが、現場の働いている人たちの意気込みは大したものなんですね。試験車も走らして、何べんも言うようですけれども、国鉄内部の方のいろいろな話し合いの中でもございますよ。一つ読んでみますと、この「アプローチ」の中でも、「いずれにしても将来を考えた場合、スピードのための投資というのは、技術的可能性があればやることを原則に考えていくべきもの」だ。技術的に可能なんです。実はもうつくってあるんです。また「二一世紀の国鉄を代表する新幹線については、多少犠牲が大きくても将来を考えて、技術的にやれるものは思いきってやるべきではないか。」今度のように新幹線網ができて、営業キロ数が伸びても、いままでと同じ二百キロ、こういうようなことじゃおもしろくない。私はそういうことを平気で国鉄がなさることはないと思う。何も私はいつからすると言いなさいと言ったんじゃない。いま言えないのならば、いつごろまでには、完成までにはやる、そうして、いきますという確信でやっておりますとか、そうなる見通しでありますとか、そういうお答えをいただきたい。まだずっとたくさんありますよ。本からとれば、二百五十キロの話なんかたくさんある。ですから、そういう点で、ひとつ提案者のほうも、いま法案に二百キロというようなことをお書きになっている。これもどうも二百キロとか二百五十キロということは、目標そのものは、大体国鉄自体もあいまいだそうですね。そういうきめ方と兼ね合わせて、この法案がほんとに国民のために、国民が希望を持てるような、また当然そうならざるを得ないいま、将来のことを考えれば、提案者のほうからも、こうしていきたい、また国鉄のほうとしては、実際もうやってあるわけですから——もう一つ読んでみましょうか。ここに書いてあるのは、二百五十キロを考えたというのは、三十九年の六月ごろから考えていた。その当時は、東海道新幹線が何年かたつと古くなる、こういうことを考えれば、当然第二のことを考えて、そういうときに二百五十キロというものがただばく然と浮かんできたのだ。こういうことを考えれば、山陽新幹線の完成と同時に、東海道新幹線と山陽新幹線を通じてそしてやらなければいけない、こういうこともいってある。そういう点をひとつ考えていただいて、提案者のほうからと、国鉄、実際業務に当たられる方からもう一回御答弁をいただきたい。
○細田議員 この法案の二百キロというのは、最小限度二百キロ、こういう意味でございます。それから、先ほど私答弁が少し足りなくてたいへん恐縮でしたが、最低二百キロを出し得るという意味の二百キロでございます。これはもう申し上げるまでもございません。しかし、このことと、それからスピードをもっと早くしていくという努力をするということとはおのずから別でございまして、この法案は最低限度のものを書いておる。技術革新はどんどん進めなければいかぬ、田中先生の御発言がございましたが、私も国有鉄道に長くおりましたが、国有鉄道の技術の諸君は、これはあなたと同様に、あなた以上に、スピードに対する熱情というものはみんな持っておりますよ。ですからそれはやっておりますので、私どもも今後大いに国鉄の技術陣に期待をいたしたい、こう思っておるわけでございます。あとは、長浜君はおそらく責任者だからなかなか慎重にものを言っているのだろうと思いますが、長浜君も国鉄の技術陣の最高峰の一人ですから、そういう意味で、確信のあるところをおっしゃっていただいたらいいのじゃないかと私ども思います。われわれとしても、あなた同様にそういう点強く希望したいと思っています。
○田中(昭)委員 それじゃ、何か建設政務次官のほうがお急ぎになっているようですから、そちらのほうに問題を変えましてまたお尋ねしたいと思います。 それに関連しまして、少し前置きが要るわけですが、新幹線の建設をいままでなさって、たいへん御苦労があったと思いますが、現在では東海道新幹線もできたし、山陽新幹線もおそらく間もなく完成という間近を控えております。こういう新幹線の建設にあたって、つくる側として一番困難な問題は何であったでしょうか。具体的に一番困難な問題を一つだけおっしゃっていただきたいと思います。
○長浜説明員 やはり何と申しましても、用地買収にまず第一段階として苦労をいたしました。何が一番苦労かと言われると、非常に問題があるわけでございますが、最初に用地の問題に取っかかるわけでございますので、用地の問題で苦労いたしました。性質は違いますけれども、やはり東海道新幹線の場合には、いままでとすっかり違ったスピードでございましたので、そのスピードを確保するための設備、車、電気関係あるいは信号、保安関係、こういうことの総合的な技術の開発というところに非常に大きな苦労をしております。ちょっと性格が違いますので、どれと言われても答弁に苦しむのでございますが、そういう点で苦労をいたしました。
○田中(昭)委員 いま用地買収という問題に困ったというお話でございました。この用地買収にあたっては、具体的にどのように事を進めてこられたでしょうか。
○長浜説明員 われわれのほうでルートを選定いたしまして、それについてできるだけ地元の方に御説明を申し上げて、用地提供者の方に、用地をその希望する区間を提供していただきますようにお願いをして、いろいろ御相談をしながら続けてまいった次第でございます。
○田中(昭)委員 具体的には関係市町村等を窓口としてやっておりますが、それがどうもこっそりと一部のものだけを利用したような形になって事が進められておる。だから用地買収についても、いろいろな問題が出てきておる。そこで、建設省も自治省も大蔵省も来てもらっておるわけですけれども、それはあらかじめあなたのほうはそういうものがあるはずです。そのやり方いかんによってはたいへん問題がこじれてくる、こう思いますから、一つ具体的に申し上げます、いま九州博多までの工事をなさっておりまして、博多に新幹線の操車場をつくろうとしておる。この操車場の土地を収得する上においてどういうことが——いま私が指摘したようないわゆる国鉄がこっそりと一部の人だけにそれを話して、そしてやっておるというような実情はございませんか。
○長浜説明員 ルートの選定をいたしましてから、運輸大臣の認可をとります。そのときには、ルートはこういうルートだということで地図の上に線を引きまして、それで認可をいただきましたならば、それを公表いたしまして、この地点に操車場ができるということを公表しております。そして地元の知事あるいは市町村長にこのルートでしたいからということでお願いをしておるような順序を踏んでおります。
○田中(昭)委員 市町村長が関係地域住民を代表する、それだけですか。というのは、時間がございませんから私から申し上げます。市町村長は去年、もうちょうど一年前にこの話を聞いておる、操車場の用地の問題を。ところが、ことしの二月まで、私は何も聞いておりません、知らぬ存ぜぬで通してきておる。こちらのほうでは、そういうばかなことはないといって、国鉄のほうにお願いして、それで調べたところが、もう去年の暮れからことしの二月までにかけて三回も説明会をやっておる。そういうところで、関係市町村長はたいへん立場が困っておる。どうもそのことを考えてみますと、具体的な話が市町村の議員なんかに知られると、かえって用地買収がうまいぐあいにいかぬ、そんな話が出てくるのですね。議員は市町村、地方議員だけじゃない。いままでの新幹線の建設にあたっても、国会議員なんか何もそういうことは知ってもらう必要はないんだ、しかし、与党の議員は除くということになっておるらしい。そこまで言いたくないのですけれども、現状はそうなんです。そういう点が、たいへん新線の建設にあたってかえって問題をこじらしておる。地域住民の代表といえば、市町村長もちろん代表でございます。しかし、やはりその地域の住民の代表として議員がおります。そういうふうに隠さなければならないような話に持っていくということはどういうことなんです。それをまとめてお答えいただきいたいのです。
○長浜説明員 ルートがきまりましたならば、なるべく早い機会に知事とか市町村の理事者の方にお話を申し上げて、それから、そうなりますと、知事さんなり地方公共団体の理事者の方が、適当な時期にそれぞれの議会にお話をするからということで、われわれが説明に呼ばれるというような場合もございます。今度の山陽新幹線のルートにつきましては、やはり正式に運輸大臣の認可をいただきましてから、その話を申し上げたのであります。知事さんその他の意向はできるだけわれわれも聞くように努力し、また市町村長さんの意見もできるだけマイクロに、いろいろわれわれにはわからないその土地の特殊事情その他がございますので、あるいはまた文化財とかいろいろなものがございますので、そういう話を承った上で、ルートの決定をするということでございまして、特別にこのルートをあれには話をし、その方には話をしないということではなく、筋を通すようにわれわれも心がけたつもりでございまして、そういうふうにできるだけ皆さん方の御協力を得たい、こういうふうに念願しておる次第でございます。
○田中(昭)委員 いま申し上げたことは、私は架空的にお話ししておるわけじゃないのです。そういう問題が、たとえば、山陽新幹線がいま岡山までできかかっております。このできかかっておるものが、実際は地方の都市計画、地域の発展等を阻害するような、都市計画の道路なんかをずたずたに切って、そして地方の発展なんかむちゃくちゃにするような線路がいま引かれて、それが着工されておる。聞くところによれば、国鉄は金がない、金がないというけれども、線路をひっぱると同時に、十何メートルの道路までつくって、側道までつくってやっておる。道路なんかは建設省がつくるものであって、国鉄が金が足りないなら、そんな道路をつくって建設省にただでやるというようなことも聞いておりますけれども、そんな不合理なことが行なわれないようにしなければいけないと私は思う。建設省のほうで、この新幹線についての道路をつくることについてどのようなお考えを持っておられるか、まず、そちらのほうからお聞きしておきましょう。
○蓑輪政府委員 ただいまの先生の御指摘のように、新幹線をつくるときに道路までつくらしておるということでございます。実はこういう問題は、地域の都市計画と非常に関係が多いと思います。やはり都市計画ではっきりきめ、その中で新幹線が通れるようにし、おのおのが分担してやるということが一番望ましいことだと思います。ただ、その新幹線をつくるときに、騒音その他で、いわゆる新幹線の両側に側道をつくるというようなことは、いままで補償工事としてある程度やられております。そういうような補償工事にするのか、新しい都市計画と一緒にやるのか、そういうことは今後問題になると思います。私のほうも全国の都市計画というものに合わして道路をつくる覚悟がございますので、今後新しいこういう新幹線計画、また私のほうでやっております幹線自動車道路、こういうものをつくります場合には、それに伴って地方の開発が阻害されないような一つの地域の道路計画をつくって、協力していきたいというように考えております。
○田中(昭)委員 こちらがいろいろ計画しておりましたのが、大臣の御都合や何かであやふやで、端々になってしまって、たいへん困っておるわけですが、運輸大臣来られたからすぐ質問してくれということでございますが、運輸大臣、これは最後でよかったわけですけれども、何か参議院の時間があるそうですから……。いま新幹線の建設にあたって、この新幹線法ができればまた全国的なネットワークができるわけですが、現在の山陽新幹線等の建設にあたっても、たいへん国鉄だけで苦労しておる。いろいろなむだな経費もかかっておる。いま申し上げたのは、いわゆる新線建設するために、十何メートルの道路をつくってやらなければならない。いろいろな人が言っておりますが、政治記者の方たちも、今度の新幹線法なんかは絵にかいたもちだ、こんなことはできるわけがない、そういうことまで言われておりますが、その一つの原因は、私は、いわゆる関係各省の強力なる連絡、緊密なる連携がなければできないじゃないか、そういうことを思うわけです。ある人も、ちょっと読んでみます。「山陽新幹線建設部だけが山陽新幹線をやっているのではなくて、国鉄部内の各局のご協力は当然のことでぜひお願いしたいのですが、国鉄だけが仕事をやるのではなくて、やはりこれは、運輸省さんをはじめ、建設省、大蔵省、自治省のご理解と、それから県市町村住民の理解をとらなくちや、こんごはできていかないと思うわけです。われわれはそういう方々の連絡係と考えておりまして、そういう仕事が非常に比重が高くなってきているということを、つくづくとこんどの岡山での問題で感じさせられたわけです。やはり鉄道計画、道路計画、都市計画などの全体がまとまっていって、初めていい新幹線ができるんじゃないかと、私は確信しております。」これが国鉄部内の方のつくる上でのほんとうのお話なんです。こういうことを取り上げればまだたくさんございますけれども、一つだけにとどめておきます。そういう意味において、特に運輸省が音頭をとって、自治省、建設省、大蔵省あたりにリーダーシップを握ってやってもらわなければならないと思いますが、運輸大臣、いかがでしょうか。
○橋本国務大臣 おっしゃるとおりでしょう。それは何といったところで、市町村を通り、あるいは道路等にも関係しますから、いまお読みになったように、関係各省の協力を仰がなければ非常に骨の折れる仕事である。まあ骨の折れる仕事だからやりがいがあると思うのですけれども。また考えようによっては、夢だとおっしゃったけれども、飛行機なども、いまから百年前は人間が空を飛ぶなんということは夢であったものが、いまではそのうちに千人くらいの人を乗っけて歩くのです。そういうような一つの夢といいますか、理想——国鉄新幹線網というものも、現在のところはいまだ夢だというかもしれませんが、何十年後はもっとまだ速いものをつくらなければならないというので、リニアモーターなんという説が出てくるのですから、私たちは、やはりこれに対しては勇敢に、しかも進歩を行なう場合においては総力をあげるという、いまおっしゃるような考え方のもとでやっていただかなければならぬ。この点については、運輸省が頭を下げても、建設省に、あるいは自治省に、あるいは地方公共団体にお願いをして、その目的を達成したい、かように考えております。
○田中(昭)委員 大臣もそのような前向きの御答弁でございましたから、この際、提案者に申し上げたいのですが、そういう協力体制をこの法案にきちっと——きちっとじゃなくてもいいのですが、きちっとというとどういうふうにおとりになるかわかりませんが、この法案の中に入れるべきじゃないか、こう私は思いますが、いかがですか。
○細田議員 たいへん御趣旨はそのとおりと思います。このごろの仕事は、この新幹線に限りませず、大きなプロジェクトであれば大きなプロジェクトであるだけ、これは実は各省との関係というものを緊密にとらなければできないのです。ですから、もう新幹線に限らないのです。それは程度が違いますけれども、入れなければならないということでございますが、条文はなくとも、いま運輸大臣からもお答えがございましたような気持ちでやっていただかなければならない。政府が一体になってやっていただく。特に地方自治体につきましては、これは一項目、十三条二項にうたってあるわけございます。そういうことで、御趣旨はもう私どもも非常にごもっともだと思いますが、条文にはうたわなかったという次第でございまして、決してその必要性がないなどといっておるものではなくて、そういう御協力がなければこれはできない、かように深く考えておる次第でございます。
○田中(昭)委員 考えてあれば、それをそうしなければ、結局こういうりっぱなものができることによって一番困るのはだれか。長年住んでおった自分の土地を去って、そして十分な補償もできないといってがたがた騒ぐその人たちなんです。ここではそういうことを言っているかもしれませんよ。前石田国鉄総裁のときにいろいろな話があっておる。こういう本にも出ております。大蔵省の政務次官が連絡会議にかけなければ意味がないというようなことも前総裁が言ってある。そういう意味で、これはどうしてもこういうことを考えなければ、いざ線路が引かれた場合に、国鉄は何千億という余分な費用をまかなわなければならない。どうですか。建設省としても大蔵省としても——大蔵省でも金の出し方にいろいろ問題がある。東海道新幹線ができるときに、当初は千九百億ですか、小出し過ぎておるのです。端数は忘れましたが、千九百億がまた九百億追加になっておる。そして追加額を決定したと同時に、今度は補正予算でまた八百億近い金を出さなければならない。結局、千九百億の工事費予算が三千八百億にもなった。今度の岡山までについても相当な金額です。東海道が五百十五キロですか、そうしてたしか一メートル七十万円ですか、そうすると、一キロ当たり七億円、そういう計算になります。今度の博多までを計算すれば一億二千万というばく大な予算で、またおそらくこれは二倍も三倍もふえていくということになれば、当然線路の決定、先ほどからありました用地買収が一番問題なんです。そういうことについて、まず各省の政務次官からと、それから国鉄側としてはそうしたいのですから、そうしたいとはっきり言ってもらいたいのです。いいかげんに、この法案があるから、議員提案だから遠慮しておくとか、そういうふうなことじゃ事が進まないと思うのです。政務次官がお見えになっておりますから、私いままでのおぜん立てが不足でございますけれども、率直な意見をお聞かせ願いたいと思います。
○中川政府委員 こういった大事な問題は、各省が協力してやらなければならぬことは御指摘のとおりだと存じます。特にこの新しい計画は規模が大きいものでありますから、今後ともより一そう各省緊密な連絡をとってまいりたい。また、過去の新幹線について二度、三度と予算の面で変更があったことは事実でございますが、これも物価の上昇あるいは土地の騰貴というような異常な事態もあったことでありまして、しかし、これは必ずしもいいことではありませんので、今後は計画の上において変更のないように、これまた最善を尽くしていくべきであろう、このように思います。
○大石政府委員 地方団体の立場でいえば、新幹線なり自動車高速道なり、非常に関係が深い。いい意味でもあるいはその他の意味でも、関連が非常に深いわけであります。先ほどお話に出たとおり、都市計画の問題と新しい道路、新幹線等あるわけでありますから、緊密な連絡をとっていただくように私どもももちろん期待をしますし、希望をするわけであります。また、私の感じでは、いままでの経過でいいますと、高速自動車道なりあるいは国鉄新幹線がその土地で買収している単価というものは、必ずしも府県なり市町村が買収する単価よりは安いということはないわけです。結果的に府県なり市町村が同じ地域でその公共事業をやろうとするときに、すでにそういう相場ができて、ある意味では、あとのことで非常に苦しんでいるという点もあると思うわけです。そういう意味では、用地の買収のあっせん等に実際として市町村も協力をいままでさせられているわけです。また、当然協力をしていくということが地方団体としての任務であろうと私は思います。しかし、そういう経過もありますから、あらゆる意味で協力をしていくというふうにやっていただきたいというふうに考えるわけであります。
○長浜説明員 ただいま先生御指摘の、建設省道路課あるいは市町村との御協力をいただいてということは、確かにおっしゃっていただいたとおりでございます。われわれ工事をやりますについて、そういう方々の御協力が得られませんとなかなか仕事が進まないわけでございます。東海道新幹線のときに比べまして、最近の山陽新幹線、特にいまやっております博多までの工事につきましては、道路側、建設側あるいは都市計画側あるいは市町村側の御協力をいただきまして、道路の上を新幹線に使わしてもらうとか、あるいは国鉄の新幹線の計画に合わせて都市計画を変更していただく、あるいは国鉄の新幹線と同時に都市計画を決定していく、こういういろいろな御協力をいただいております。また用地の取得に関しましても、できるだけ地元であっせんをしていただく、かわりに用地買収を進めていただく、あとで国鉄が支払うというような御協力をいただいております。今後ともそういう面をなお一そう御協力をいただくように、われわれとしてもいま打ち合わせをし、建設省、自治省あるいは市町村、都道府県、いろいろそういう御協力をいまいただいておりますが、今後ともそういうふうに御協力をいただくようにわれわれも努力をしていきたい、こう思っております。
○田中(昭)委員 大臣がお時間がないようでございますから、お聞きしておきたいと思いますが、この第五条で、今度基本計画を公示するようになりましたわけですが、私は、公示をするということは、その辺の路線が敷かれる住民にとってはあたりまえだと思うのです。それよりも、基本計画から整備計画、実施計画、こういうふうに立てられる段階においては、私は、住民にもまた関係の市町村にもそれを提出していただいたらどうだろうか。まあできれば、その線路が通ることによって自分の営業ができなくなったり、また将来のことを考えれば、十五年か二十年くらい——二十年は無理かもしれない。いままでの計画でいけば、十年か十五年くらい前には、私は、そういうことを関係住民、市町村にも知らせるべきではないか、こう思うのですが、その点はいかがなものでしょうか。できないでしょうか。
○橋本国務大臣 おっしゃるように、これは法律には明示してありませんが、行政措置として、そういう通過をする関係市町村には、事前に十分なる時間を置いてこれをお知らせするという方法は、これは当然とるべきであろうし、またとりたいと思っております。
○田中(昭)委員 それじゃ大臣、どうぞ。 次に、先ほどのスピードの問題ですけれども、先ほど読み上げましたように、スピードのアップについては、国鉄の相当な努力から見ましても、当然完成の目標が立つかと思いますが、もう一回その時期についてお伺いしたいと思います。
○長浜説明員 二百五十キロで走ります新幹線は、私は可能だと思っております。現に試験をしておりますが、二百五十キロまで走り得るわけでございますけれども、ただ問題は、それを常用速度にする場合にどんな問題があるかというような点を特に検討してきめたい。したがいまして、博多までの山陽新幹線の完成の時期までには私は可能である、こういうふうに自分でも考えておるわけでございますが、その時点までにそういうもろもろの問題を全部研究し尽くしてしまいたい、こういうふうに私は覚悟はしておるわけでございますが、なお予想外の問題があるのじゃないか、こういうふうに考えております。現在のようなレールの上を車輪が走ります速度というのは、もう二百七、八十キロから三百キロぐらいが技術的の限度じゃないかと思うわけでございまして、その上は、せんだって来総裁が申しますリニアモーター等を使う方式に変わっていくんじゃないかと思います。 〔加藤(六)委員長代理退席、委員長着席〕 そうしましたときに、二百五十キロぐらいが一番いいのか、あるいはどの辺がいいのかということで、私たちとしては、いつも列車のスピードというものに挑戦といいますか、それを上げるように技術開発を進めていかねばならぬ、こういうふうに考えておりますが、信号の問題あるいは自動制御の問題あるいは電気の集電の問題、いろいろございますけれども、できるだけ博多までの開通までに完成したい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○田中(昭)委員 大体博多までの完成の時期においては走らせていただくというような御答弁だと理解していいわけですね。 次は、こまかいことになると思いますが、先ほどから申し上げました博多の操車場の問題ですけれども、この問題でいまきめてあるその用地のところは、たいへん文化財の宝庫だともいわれております。こういうことに対して国鉄はどのように対処していかれるものか、お聞きしておきたいと思います。
○長浜説明員 山陽新幹線の通りますところは、文化財の埋蔵物が非常に多うございまして、われわれ事前にできるだけそれの調査をいたしまして、それへひっかからないように、あるいはひっかかるとしても、それを供用し得るような対策の立て得る地域というふうに考えて、線路を選定したつもりであります。 実は博多の操車場につきましても、いろいろな考えられる案はございましたけれども、いろいろな将来の問題あるいは輸送のオペレーションの問題その他を考えまして、あるいはまた民家になるべく当たらないようにといいますか、地元の人に御迷惑がなるべくかからないような点、いろいろな点を考慮いたしまして、ああいう点を定めたわけでございます。できるだけ地元の方々の御理解をいただいて、なるべくすみやかに解決させていただきたい、こういうふうにお願いしておる次第でございます。
○田中(昭)委員 実際もうあの用地から出ておるのですね。そういう点、文化庁も来ておられるようでございますが、文化庁としては、こういう埋蔵文化財についてどの程度調査しておられるか、おわかりになっておればお答え願いたいと思います。
○安達政府委員 国鉄等の建設事業をされますことは、国民生活にとってたいへん大事なことでございますけれども、そういう事業によりまして文化財が破壊されるおそれがあるとするならば、その破壊から守る。一度破壊されたならば永久に返ることのない文化財の保存ということにつきましては、これまたきわめて大事なことだと考えておるわけでございます。 そういう観点から、昭和三十九年に、文化庁の前身でございます文化財保護委員会の事務局長から日本国鉄の副総裁あてに、これらの国鉄等の事業の計画遂行にあたっての文化財との関連につきまして、御依頼を申し上げたわけでございます。原則といたしまして、史跡名勝、天然記念物及び埋蔵文化財包蔵地は当該事業計画から除外していただきたい。ただし、そのことによりまして計画に重大な変更を生ずる個所につきましては、この委員会——現在でございますと文化庁に対して御協議をいただきたいということを御依頼申し上げたわけでございます。 さらにまた、特に問題の多いところの埋蔵文化財の包蔵地というようなものにつきましては、その取り扱いを明瞭ならしめるということで、昭和四十二年に、日本国有鉄道の建設事業と工事施工に伴う埋蔵文化財の包蔵地の取り扱いに関する覚え書きを、国鉄の副総裁と当時の文化財保護委員会の事務局長との間で交換をして、この両者の調整をはかっておるところでございまして、現在、特に長大区間の新線の増設等大規模な国鉄の事業を施工される場合におきましては、国鉄は事前に経過予定地の埋蔵文化財包蔵地の分布調査について御協力を願いたい。そしてまた、その際にこの事業地区に含めない。これは埋蔵文化財のほうが大事だから事業地区に含めない。あるいは事業地区に含めるけれども、その保存も同時にはかっていく。あるいは第三点としましては、発掘調査を行なって記録保存にとどめる。こういうような三段階の方式をきめていただいておるわけでございます。ただいま御指摘になりましたところの博多駅の操車場建設予定地内には、古墳が十基、弥生時代遺物包含地が十二カ所、その他古墳時代から歴史時代にかけての遺物包含地等二十七カ所、計四十九カ所の遺跡があることが判明しておるのでございまして、福岡県の教育委員会と連絡をいたしまして、昭和四十五年度国庫補助金を得まして、同地域の詳細なる分布調査を実施するというように予定をいたしておるところでございまして、文化庁といたしましては、昨年の十二月に、山陽新幹線の建設に関連しまして一部遺憾なこともございましたので、国鉄のほうに、さらにこの従来の申し合わせを実行していただくように、また関係委員会に対してもその旨を十分連絡をいたしまして、文化財の保存とこういう新幹線の建設との間に十分な調整がとれ、両者の目的が十二分に達せられるように、円滑に事を運んでいきたい、かように考えておるところでございます。
○田中(昭)委員 そのとおりであればいいわけですけれども、現場では、なかなかこの操車場の工事も進められないというようなことで、私たちもやはり一日も早くこの新幹線ができることに賛成しておるわけですから、その場合に、いまの史跡、埋蔵文化財がこわれないように、こういうことから申し上げたわけでございます。 これは地元の要望をそのまま申し上げておきますと、あれだけの操車場の中には、自分の全耕地面積をとられる人もおる。中には、その予定地に対して故意に建築物をつくろうというような動きもある。それから、そこにつくることに反対の運動も起こっておる。こういうことを考えますと、たいへん問題は困難な問題もあろうかと思いますけれども、そういう中で、つくってもらいたい、もうできるんだというような住民感情もあるわけです。そうしますと、自分たちの郷土からそういう文化財が出たものは何とか保存したい。だから、操車場がどういうふうな形になるかしれませんが、できるならば、そこにいわゆる科学の最新の技術を集めた新幹線を見たい、操車場を有名な名所にしたい、そういうことを考えてくると、出てきた史跡等も当然そこに保管して歴史館みたいなものをつくってもらって、そしてりっぱなそういうものを残していただくことについては、特に強い要望があるようでございます。これは具体的な問題で要望までに終わっておきますが、そういうことについては見通しがどのようになっておるものか、お聞きしておきたいと思います。
○長浜説明員 さいぜんからの文化財につきましては、われわれできるだけ気をつけるつもりでございますが、何ぶんにも、さいぜんからのお話しの二百五十キロということになりますと、東海道のときは半径が二千五百メートルくらいであったものが、今度は四千メートルくらいということで、非常に融通のきかない路線にならざるを得ませんので、そういう点で路線選定で非常に苦慮しておるところでございますが、いま先生御指摘のような問題がいろいろございますので、われわれもできるだけそういう点を考慮していきたい。特に用地買収をします場合に、用地提供者につきましてはやはりいろいろな問題があろうかと思います。そういうことから、さいぜんからお話しのように、地方公共団体の方々のお力を借りて、都市計画の事業をやります場合、あるいは区画整理事業をやって生み出していただくとか、そういうこともあるいはやらなければなりません。あるいはまた、いま先生御指摘のような地域につきましては、その地域の特殊事情もあろうかと思います。それらをよく県あるいは市町村とも相談をいたしまして、できるだけ早い時期に山陽新幹線の開業を見たいとわれわれも努力するつもりでございますが、よろしくお願いします。
○田中(昭)委員 終わります。
○福井委員長 次に田代文久君。
○田代委員 時間の制限がありますので、四点ばかり質問いたします。 第一は、提案者に対してですけれども、この法案は最初、共産党を除いた野党、与党を含めての共同提案になるんだというようなことが発表されておりました。また、そういう形で進んでおったようでもあります。それから、その案の中には別表がついておったというようなことで進められておりました。ところが、これも取りはずされるというようなことになって、結局は自民党、与党の提案になった。そういう経過も関連すると思うのですが、どうもこの法案に対しては、われわれはいろいろの点で納得ができない。先ほどからも御質問が出ておりましたけれども、なぜ政府提案でない、そういう与党単独提案で急いでおるのかという点です。それにはいろいろ裏づけがあると思いますけれども、全体を包んでいる説明なりこの法案の雰囲気というものは、何か非常にめでたしめでたしの、うまいことずくめのような印象を与えるわけです。とにかく、全国の中核地帯に全部そういう高速鉄道が張りめぐらされ、日本の経済がどんどん発展をするんだ、そういうようなビジョン的なものが非常にうたわれている。そこだけが非常に強調されておる。しかし、実はそれが結局、先ほどの大臣の説明によりますと、これは単にそういう方向へ向かっての基本的な法案だというような形で一括されましたけれども、しかし、私は、こういう、一面においてはばく然としておりながら、実際には内容的に非常にこれはたいへんなものが含まれておるということは、運輸大臣あるいは鉄道建設審議会というものが非常に大きな姿でここに出てくるわけです。権限がそういう点で非常に大きく出てくるというような点がある。しかも全体のアウトラインというものは、非常にぼうばくとしたような内容を持っておるということは、実際にこれが具体化されるときに、ほんとうに国民が要求しておるような、そういう鉄道になるかならぬかという問題なんです。ですから、やはりこの法案が提出される際には、その内容としての予算措置はどうするんだ、それからまた、実際にその結ぶという路線はどういう計画になっているんだ、そういうようなことが少なくともここに説明されなければならないと私は思う。ところが、予算措置などにつきましては、まだそれははっきりしていないんだというような大臣の答弁であります。かと思うと、実は国鉄の総裁も説明いたしましたけれども、結局独立採算制、つまり採算の問題、採算に合わない路線との関係が出てくる。そうすると、大体四千キロまでは、その三分の二が無利子で資金ができるということになると、この四千キロ程度の路線は敷けるんじゃないか。そうすると、かりに九千キロといたしますと、七千キロでもそうですが、これをオーバーした部分については、当然これは赤字計算にならざるを得ないとなりますね。そうすると、そういうところからくる問題は大体どうなのか。それで結局、これは久保議員だったと思いますけれども、これは物価にはね返ってくるんじゃないかというような質問をされましたが、その点については経済企画庁の長官は、物価に直接影響することはないと確信するとおっしゃいました。しかし、現在、私たちも、こういう路線が非常に均整した形で交通網が発展する、それが日本のそういう均等した経済発展に役立つということに対しては、いささかも反対する理由がないし、われわれも歓迎するわけなんです。しかし、それは、内容的にこれがどのように国民にはね返ってくるかという、資金面なりあるいは路線そのものが具体的に出てくる過程におけるそういう面が明確にならないと、賛成できない。 なお、申しますと、これができるのはいいんだけれども、これによって税金が相当上がってくるんじゃないか。それからもう一つは、運賃が相当大幅に値上がりするんじゃないか、国民はこれを非常に心配しているわけですね。こういうのは敷くのがいいんだ、非常にめでたしめでたしという形で敷かれるんだけれども、とたんに、その過程において税金がどんどん上がってくるし、あるいは運賃が、それでなくとも二、三年ごとに値上げ値上げと続いているのに、また上がってくるんじゃないか、そういうことをやられたんではたまったものじゃないというのが国民の意見なんですよ。ところが、実際において政府の答弁あるいは提案者の答弁の中にも、その要因が明らかに含まれているわけですね。全体の財政内容というものはまだわからないと言われますけれども、しかし、少なくとも新しい自動車税、自動車新税は財源として最も有力なものだということは繰り返し言われております。また新聞でもこれは発表されました。そうすると、新しいそういう自動車新税ができるということは、当然国民の税負担となってはね返ってくるわけですね。ですから、この点は国民が非常に関心を持っておるし、それから同時に、そのことは大幅な運賃の値上げになってくるし、あるいは合理化ということといやおうなしに結びつかざるを得ないと思うのです。 ここで問題になるのは、自動車新税について、先ほどの答弁なり質問の中でも、大きな反対運動が起こっている。それに対して提案者が反対運動の中に大きく加わっておられる、全部じゃないですけれども。ということは、一体どういうことなのかということなんですよ。一方において、とにかくこういう新幹線を敷くことはあなたたちのためになりますということを言って、ためになる、ためになると言って、そして提案者になりながら、一方において、その内容をなす財源について絶対反対なんだ。しかも財源が単なる空漠たる財源ではなくて、政府あるいは大臣自身がそれを有力な財源として考えるんだ。じゃほかに有力なものとして何かあるかと言われれば、たとえば債券なんかいろいろありましょう。けれども、とにかく自動車新税が有力な形で大きくクローズアップされているというような中で、そういうことをしている。大体これはそれ自体が欺瞞性を持った——とにかく提案者がこんなにいいという提案なら、なぜ自動車新税の反対運動に対して自分も一枚加わるか。こっちを向いてもいい、こっちを向いてもいい、そういうやり方は全く国民を欺瞞するものじゃないか。 そういういろいろの意味において、私はこの法案自体が非常に特殊な意図を持っているんじゃないかという危惧を持つわけですよ。そういう点について御答弁願いたいと思うのです。
○細田議員 非常に広範な御質問のようでございまして、どういうふうにお答えしたらいいかあれですが、何か特別の意図があるようなことでこれを考えられるということは、私はたいへん誤解だと思います。 それから緊急性があるのかどうかということですけれども、先日来申し上げておりますが、新全国総合開発計画というものがございますことは御案内のとおりでございます。日本の国民総生産はどんどん伸びていくということになっておりまして、輸送の面で国鉄の持つ役割りというものも相当伴びていかなければならないということがございますから、新幹線というものは早くつくるということが望ましい、かように考えておりまして、そういう意味で緊急性があると私たちは考えておるわけでございます。 それから自動車新税云々というお話がございますが、これは私がたまたま会長をしております団体が反対をしているということですが、この法案は実は自動車新税が絶対的なものであるということを前提としておるものではございません。自動車新税といま伝えられておるような形態のものに反対であるということでございますので、その点は、この法案と直接の関係を云々と言われることは、実は私はいかがかと思っております。ですから、これは今後この財源をどうするかということについて、いろいろ反対もあるし、賛成もある、いろいろな角度から、政府において、あるいは与党でも最終の判断を下されるべきでございまして、私たちは大いに議論をして、そうして最終の結論を得たい、かように思っておるわけでございますから、矛盾を感じておるわけではございません。
○田代委員 どうもいまの説明、非常に納得できませんが、この自動車新税が今度財源として、もしあなたがおっしゃるようにこの法案が通った後にこれが出なければ、私はそれはそうだったかと思いますよ。しかし、もし自動車新税がこの財源として出た場合に、提案者は大体どう考えられますか、腹切りますか。 それからもう一つ、ついでに質問いたしますが、この法案が通ってこれが実行に移される、そういうような形でされた場合に、大幅な運賃の値上げあるいは税金の値上げということに結びつかないという、そういう確信があるかどうか、これを御答弁願いたいと思うのです。
○福井委員長 質問者も答弁者も、時間が非常に制約されておりますので、簡単に願います。
○細田議員 自動車新税がいまの形について反対運動がありますが、これは通運業連盟としての立場からの反対なんです。しかし、最終的にどうきめるかということは、それはたとえば私たちの党の中にもいろいろな意見の人があります。そうして最後にいろいろな利害得失を検討して決定される、その決定にはわれわれは党人として、政治家として服していく、こういうことでございますので、何ら矛盾をしておらないと思っております。自動車新税をいま提唱されている形でそのままやるということについては、これは強力な反対がある。その反対の理由もあると思っております。しかし、それに対して、またそれに対するさらに反論がある。そういう点で最終的にどうするかということがきまる、かように思っておりますので、その点では矛盾を感じておりません。 それから運賃と税金のことでございますが、それはこれだけの大きな金が要るわけでありますから、どこからか金が出なければできないわけでございます。そういう意味で金がかかる仕事でございます。ところが、金がかかっても、こういう公共投資をしても、それが国民経済を伸ばし、国民生活をよくしていくということにつながっておるということであればこそ、金をかけてやろうということですから、金がかかることはみんなやめたら、これはたいへんなことになってしまうわけですから、ある程度金が要るということは事実なんです。それは税金によるか、国の借金によるか、運賃によるか、そういうことに究極的にならざるを得ません。しかし、そういうものを出してもなおかつ余りがあるほど国民が利益を受けるんだ、国が発展するんだ、こういう考え方に立っておるわけでございます。具体的にこれによって税金がどうなるとか、あるいは運賃がどうなるとかいう性格のものではない、かように考えております。
○田代委員 いまの御説明は、非常に提案者に都合のいい説明ですが、これはあまりな税金の値上がりとか、それから運賃が次々に上がるということですね。いつもしわ寄せは特に利用者にかかってくるわけですよ。ですから、全体としてそういうことについて金が要るということに対して、これは全面的に否定するわけだけれども、具体的にそれが特に国民の零細企業とかあるいは一般の農民の人や労働者の人にどうはね返ってくるかということが施策ではっきりならないと、これはいけないんじゃないかということですよ。 時間の関係で次に参りますが、そうすると、この法案といわゆる十カ年再建計画との関係ですね。私どもは、現在再建十カ年計画が非常に難航している、これは当然なことだと思うんです。おそらくその十カ年計画を出しておられるのですから、それをずっと遂行されるんでしょうが、これがされつつ、同時にまた、新しい計画がここに出てくるということになれば、ますます過疎、過密の形が強化されるんじゃないか。私いま地方に参ってきたんですけれども、もし輸送だけのことを考えるならば、たとえば羽越線なんか、あそこを複線にすればどんどん輸送量を増すこともできるんだ。地元の人は、自分たちのところに鉄道を敷くときには、自分の土地にしろいろんな労力の奉仕という形で、全く犠牲的に身銭を切って、国のためだ、地方のためだということで、いままで鉄道を敷いてきている。ところが、いまになって、再建計画とかなんとかいって、とにかく無人駅をつくったり、あるいはローカル線を廃止するというようなことをやっておりながら、しかも一方においては、こういうのをやるのだ、こういう鉄道ができるとおためになりますよと言ったって、われわれは承知できないという意見が非常に強いわけです。いわゆるこういう再建計画と、それから新しい計画の新幹線との関係、これで過疎過密の問題が少なくとも解消される方向に向くのか。われわれは向かないのじゃないか、むしろ反対になるのじゃないか、このように考えますが、その点について御説明願いたいと思うのです。
○細田議員 現在工事中の山陽新幹線については、国鉄の財政再建計画に織り込まれております。しかし、それ以外のものは現在織り込まれておりません。この法案が法律になりまして、そして建設計画が立てられ、整備計画が立てられるということになりますと、その限りにおいては、国鉄の再建計画といいましょうか、長期の財政計画というものは、これは変更をせざるを得ないということになると思います。その際に、財源を一体どこから持ってくるか。まあ国鉄総裁が先日も言われたように、できるだけ多くのものを国家が無利子のお金で出資してやるというようなことをしてもらわなければ、再建計画がそういう改定をする場合に非常に困難になるのじゃないかということを言っておりますので、この趣旨も十三条に書いてございますが、今後新幹線をさらに山陽新幹線以上のものを進めるというようなことになりました時点においては、これはそういう考え方で再建計画を立て直すということだと思っております。 それから過密過疎の問題ですが、私のところは、あなたのほうもそうでしょうが、ずっと過疎地帯の代表的なところであります。それで、いまの国鉄の合理化計画については、非常に地方的には大問題になっておるわけです。おっしゃるように、国民感情として、また事実、過疎地域の住民が血の出るような感情をもって国鉄の合理化に反対しておる。これは事実です。ですから、国有鉄道の経営をどうしていくかということと、このような過疎に奉仕するといいますか、地域住民感情をどうしていくか、どこで調整するのかというのは、現在当面しておる非常に重大な問題です。かといって、国鉄の合理化問題は要らぬのだということにはならないと思います。ですから、その辺やはりどうすることが国民経済全体として一番いいかという点から、十分話し合いをして、そうして国鉄がわからぬ話をされては困る、よく話し合って合理化を進めていく、こういうことだと思っております。これをやったら過密過疎が云々というお話でございますけれども、全体としては、提案理由にございますように、この網ができますることは、日本の四つの島がずっと長くつながってまいりますので、そういう意味では、非常に、何と言いましょうか、コンパクトになるわけですから、そういう意味では、大きく言いますと、過密過疎を防ぐのに役に立つ、これは提案理由に書いてあるとおりでございます。
○田代委員 その点では、これはまだ十分論議しなければならないわけですけれども、時間がないわけですから先へ進みますが、いわゆる再建十カ年計画ですね、これはとにかく非常に無理がありますから、少なくともそういった手直しをするというくらいのことは考えて、そうしてこれを考えてもらわなければ困るということを要望として述べておいて、次の質問に入ります。 本法案の十条あるいは第十一条にいわゆる行為制限というものがございますね。これは大体土地収用法そのものがいろいろ問題になった法案で、非常に悪名高い法案だったわけですが、今度なぜその上にいわゆる行為制限ということを積み重ねるようなことにするのか。これは私は、国民の土地の所有権なりあるいはそういう基本的な権利に対する大きな侵害じゃないかと思う。国鉄の用地を確保することだけにこのような特権を認めさせようとするのかどうか。また、こういう行為制限を非常にきびしく罰則までつけてやるというような法的な根拠、それは大体どこから来ているか。そして、こういうことをやった場合に非常な大混乱が起こるのじゃないかということが考えられますが、その点はどうですか。
○細田議員 この行為制限につきましては、工事をやろうというときに、少しでもやりやすくするためにこういう規定を設けたということでございますが、これは河川法や道路法にその例がございます。それで、新幹線についても同様な規定を適用しようということでございます。まああなたのお立場からすると、これは人民の権利を侵害するとか、非常に不当にあれするというようなお立場からの御発言だと思います。そういう面からはあるいはそういうことでございましょうけれども、やはり公共のために、私権に対して制限というほどのきついものではないと思います。まあしかし、ある意味では制限になることは間違いないわけでありますが、ないというよりは制限があるということですけれども、この程度のことはごしんぼういただくことが全体のためになる、そしてまた、そういうふうに運用をしていかなければならない、不当な権利の侵害をしてはならない、かように考えておるわけでございます。 それ以上の詳しい法律的な点になりますと、私も至って苦手でございますから、法制当局からまたお答えさせていただきたいと思います。
○田代委員 これは私どもいま道路法とかその他の法のことをおっしゃいましたけれども、新しく今度のあれをするについて、これは積み重ねが来ているのだということ等も考えざるを得ませんし、この点はよほど注意をしてもらわないと困る、このように考えるわけです。 最後に、国鉄総裁にお尋ねいたしますけれども、四千キロ見当、それが三分の二が無利子で、そこに財源がある場合には、これは大体計画に乗るのだというお話でございましたね。これは九千キロあるいは七千数百キロのビジョンといいますか、それらとは非常に離れておりますが、そうなってきますと、大体四千キロならという、その四千キロの内わけですね。どことどこをすれば大体四千キロになるのだということの御説明を願いたいと思います。
○磯崎説明員 私の口からはちょっと四千キロの内容を具体的に申し上げるわけにはいきませんが、抽象的に申し上げますと、やはり輸送量の多いところということになると思います。客貨の輸送量が多いところですね。結局、先ほど御質問になられた運賃問題は別にいたしまして、いまの運賃計算でいきますと、やはりある程度の輸送量がなければ収支が償えない、これは当然でございます。したがいまして、私どもといたしましては、収支の償うようなある程度の輸送量がなければいけないということが第一でございます。したがいまして、現在いろいろ各地で新幹線を引け、新幹線を引けというお話がございますが、その輸送密度の高いところでありますから、大体四千キロぐらいが収支が償うのではないか。 もう一つ、私どもといたしましては、これができますれば、現在線がある程度すきます。すなわち、現在線から急行とか特急とかいうものをこちらに移しますので、その現在線は相当減収になってまいります。それも当然考えなければいけないわけであります。それらを総合いたしまして、四千キロぐらいならば、現在線の減もまたそこで十分償える。前回長谷川峻先生の御質問に私御答弁申し上げましたように、新幹線といたしますれば、ある程度の輸送量があれば、水揚げは現在線の約八倍、それから装置産業的に見ますと、現在線の約五・五倍の資本投下をいたします。したがいまして、新幹線だけから申しますれば、ある程度輸送量さえあればやっていけますけれども、現在線のあとを考えますれば、私は、四千キロにして三分の二ぐらいを——それから先は一体どうするのか。先ほど先生は、それから先は全部赤字じゃないかというふうにおっしゃいましたけれども、それは私この前のときも久保先生に申し上げましたように、それから先は、その時点における日本の国土の再開発の状況、すなわち、産業がどのくらい地方に分散したか、あるいは人口がどれくらい、過密過疎がバランスがとれたか、それがどうやって輸送量に響いてくるか、そういうその次の建設をやる時点における日本の国内の再開発の現状でもってその後の収支がきまってくる、こういうことを申したわけでございまして、四千キロ以外は全部赤だというふうにおとりくださったら、それは私のことばが足りなかったところで、その点はそういう意味であることを補足させていただきます。
○田代委員 いま大体四千キロというキロ数が出て、総裁の腹づもりでは大体こういうところだというあれはあると思うのですね。しかし、これは発表できない、国会においても発表できないという話で、これは私ははなはだけしからぬと思うのですけれども、とにかくそれは言えない。具体的な腹づもりはできておるということは間違いないのですね。事実四千キロというのは具体的に出ておりますし、いまのような御説明をするわけですから。 そこで、本法案の基礎となった鉄道建設審議会の議事録、それからもう一つ、運輸経済研究センターに所属しておられて、運賃料金に関する諸問題というのがありますね。この報告書をひとつ提出していただきたい。 最後に、この法案をつくる過程において運輸省はどういう発言をされ、あるいは関与をされたかという点を最後の質問として、私の質問を終わりたいと思います。
○町田政府委員 御要求になりました鉄建審議会の議事録はございますので、どういう個所がよろしいか、先生のところに持ってまいりまして御相談申し上げます。 それから運輸経済研究センターの点は、ちょっとはっきりいたしませんけれども、運賃の関係でございましょうか。——まだ実ははっきりいたしませんので、別途伺いまして御相談申し上げます。 それから最後の、この法案に対して運輸省がどういう関与をしたか、どういう発言をしたかという点ですが、公式、非公式の場所を通してでございますか。——大体原則的に、この法案自体の作成につきましては、すべて党並びに衆議院の法制局のほうでおやりになりました。運輸省としては関与いたしておりません。ただ、鉄道建設審議会は運輸大臣の諮問機関でございますので、その場では私どももいろいろ発言いたしましたし、また運輸事務次官、政務次官も、大臣も発言いたしております。その点は審議会の議事録をごらんいただけばおわかりいただけると思います。
○田代委員 終わります。
○福井委員長 ほかに質疑はありませんか。——なければ、本案に対する質疑はこれにて終了いたしました。 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十三分散会