運輸委員会 第15号
- 発言数
- 44 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1970/04/03
会議録
○福井委員長 これより会議を開きます。 この際、日航機乗っ取り事件で韓国に派遣されております橋本運輸大臣及び山村運輸政務次官に対し、激励の電報を打電することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
○福井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 電文等は委員長に御一任願います。 なお、日航機乗っ取り事件のその後の状況については、後刻報告を求めることといたします。 ————◇—————
○福井委員長 海上運送法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。金丸徳重君。
○金丸(徳)委員 議題となっております海上運送法一部改正案のねらうところは、人命尊重、輸送の安全確保ということでありまして、時節柄それが世間の最大緊急の要請とも思われまするので、基本的には、その趣旨からいいましても賛成であります。特に、いままで海上運送につきましては、これは海上輸送の歴史がしからしめているところかもしれませんけれども、なるべく自由に、国際的レベルにおいて、活発にその効果をあげようというところのもとで法制ができておるやに思われるのであります。したがって、ある点については若干ルーズであった点もあるでありましょう。この機会において、あらゆる角度から検討し、万遺漏なきを期すべきことは申すまでもありません。したがって、今回の改正が、その事故防止、安全確保、人命尊重というような重大観点に立ちまして、念には念を入れてその手続をきめていく、監督上の諸制度を設けていくとかいうことについては、ごもっともと思われるのであります。ただ、これはよけいな心配になるかもしれませんけれども、念には念を入れて規定してきておりますだけに、もしか念に念を入れ過ぎてしまって、せっかく活発に——自由奔放とも申しませんけれども、いままでの過程においてその輸送効率をあげようとか、運賃もなるべく経済的にしようとかいうようなねらいが若干後退してしまい、業者によけいな——と言ってもいけませんけれども、苦労をさせる、負担をかける、それがひいては海上輸送の活発化を妨げるというようなことがあってはいけないと思うのでありますが、この点は基本的にはどういうふうにお考えになって、この改正案をお出しになっておられるか、伺いたい。
○澤政府委員 先生の御懇篤な御注意ありがとうございました。先生の御趣旨に沿って従来も行政指導しているわけでございますが、今後ともその方向で指導いたしたいと思います。 さらに、御質問の、海上安全を励行、督励し過ぎて、業者の自由な活動を阻害することがないか、こういう御質問かと思いますが、この点につきましては、業者の自由な活動と申しますよりは、利用者の利便と安全の確保ということに重点を置いて行政指導いたしておりますので、御心配のような点はない、このように存じます。
○金丸(徳)委員 業者の保護よりも利用者の保護のほうを大切に考えなければならぬ、それは私も賛成であります。ただ、いままでの海上運送法その他これに関連する諸規定を見てみますと、海上輸送というものの特殊性に出発して、国はだいぶいろいろ助成金を出したり、助成措置を講じておるのです。それだけに、そう保護されなければならないほどの特殊性あるいは危険度を持った業であるかもしれません。したがって、それをあまり縛ることは、いままでの経過あるいは伝統、そういうものにかんがみていかがかとも思ったものですから、私は、利用者の安全を第一に考えなければならない、そのねらいはよくわかる。そうでなければならないと思いますが、それがもしかすると行き過ぎてはいけないのではないか、こう思ったから、念には念を入れる意味において、あらためてお尋ねをいたしたのであります。 今日までの本委員会における本改正案についての審議の過程におきましては、省令に譲られておる点もたくさんあるものですから、その内容を示すようにという要求があったようであります。その内容を示すようにという要求の気持ちの中には、行き過ぎがあってはいけないのではないか、こういう気持ちが動いておったと私は想像いたします。私もそれを心配いたすのでありますが、そこで、省令の内容をお示し願おうと思っておりましたら、いま配られました。これによって大体のところは見当がつくのでありますが、概略でいいですから、これを御説明願っておきたいと思います。
○澤政府委員 それでは配付申し上げました省令案の要綱について、簡単に御説明申し上げます。 これは省内で目下検討中のものでございます。まだ関係業界あるいは海上保安庁とも協議をいたしておりますので、最終案ではございません。大体こういう方向でまとめたいと思っております。 第一、運航管理規程でございますが、これは運航の安全に関する一種のマニュアル——マニュアルは必携と申しますか、必携を規則化したものでございまして、事実上昨年五月の事故がありましたあと、行政指導で各旅客運航事業者につくらせているものでございます。 ここで運航管理規程で運航管理者の選任の方法などをはっきり書かせます。 それから運航スケジュール、これをつくるときに、どういうふうな点を注意してっくるかというようなことを書いてございます。 それから運航を中止すべき気象、海象、いわゆる気象、海象のミニマムと申しておりますが、最低気象条件、これを規定してございます。 それから飛びまして七に参りますが、カーフェリーで一番危険なのは、旅客及び自動車の乗降の際の作業の方法でございますが、これについて詳細に規定をいたしたいと思います。たとえば船と陸上との間に踏切をつくって、船が出るときには踏切をおろしていろというようなことを規定させたいと思っております。 それから九ですが、輸送施設の整備点検、これは陸上の輸送施設でございますが、整備点検のマニュアルと申しますか、毎日こういう点を注意して見ろというようなことを書きたい、こう思っております。 それから2は、運航管理者は全部の業者に必ず置けというものではございませんで、これも業界とよく相談いたしまして、あまり小さな業者には運航管理者を置かなくともいいということにいたしたいと思っております。 それから運航管理者の条件を書いてございますが、やはりその使用している船と同等以上の船に甲板部の職員として何年以上乗り組んだという経験があるものということで、原則として海技免状の所有者、また実際の運航の経験者でなければいけないということにいたしたいと思っております。これも道路運送法その他あるいは航空法なども同様の考えをとっております。 それから飛ばしまして6でございますが、運航管理者の職務権限、はっきり規定いたしまして、ごらんになるとおわかりになりますように、主として可動橋を含んで陸上における一切の安全の責任者ということにいたしたいと考えております。 それから第二の「旅客の安全を害するおそれのある行為の禁止」、今度新しく改正をお願いしております第二点でございますが、これは最近の旅客船におきまして、旅客がいろいろないたずらをする事例が残念ながら非常にふえておりますので、ここに記載してございますように、船舶内の立ち入り禁止場所、これは船長が指揮をとっておりますブリッジに入ってくる人がずいぶん多いので、こういうものを立ち入り禁止をする。あるいはカーフェリーにおいては全部自動車にはガソリンが積んであって危険でございますので、自動車こういうものを厳禁する。それから非常用ベルを押すとか、あるいは船の前のランプゲートと申しますが、これをおろしたり締めたりする装置がございますが、このボタンを押したというような実例もございますので、そういうものを禁止したい。それから最後の九の石、ガラスびん、金属片その他のものを投げてはいけない。これも特殊の例でございますが、一部学生がこういうことをした例もございますので、それを禁止するというようなことで、禁止行為を列挙し、これを広く旅客に周知させまして、そしてその違反行為は国が罰金で処罰する、こういう体制にいたしたいと思います。 以上が省令の概要でございます。
○金丸(徳)委員 この案はまだ検討中であって、さらに変更される可能性もある、こういうふうに受け取れたのですが、いかがですか。
○澤政府委員 さようでございます。まだ大臣の決裁をいただいておりません。
○金丸(徳)委員 大臣の決裁を受けないということはよくわかるのです。ということは、基本の法律が未決でありますから、決裁のあるべきはずとも思いません。ただ、決裁はないけれども、事務当局としては大体こういうことで当面万全だとお考えになっておるものですか。それともさらにこれからつけ加えるものがあるのかどうか。といいますのは、いまのお話の中にも出てまいりましたように、そのときそのときの事象、事件などによって、これも大切だ、あれも大切だというふうにつけ加えられてきやしないか。考え方がまだ流動的であるという段階なのか、それともいろいろな角度からいろいろな例を勘案しながら、まあこの程度でいい、こうお考えになってきめられておるのかどうか、こういうことなんです。
○澤政府委員 事務当局といたしましては、この省令案の程度でいいのではないかと思っております。ただ、省令を制定いたしましたあとでも、いろんな予期しない事象が出てきましたときには、これをまた改正いたしたいと思っております。
○金丸(徳)委員 そこで、ちょっと立ち至ってのお伺いですけれども、省令の第一、「運航管理規程」の2、「総トン数 トン未満の旅客船」と、こうありますが、これはいま事務当局としてはどの程度のものを見込んでおられるのか。
○澤政府委員 この点は、旅客船協会のほうともいろいろ事務的に詰めておりますが、一応の原案としては、百総トン未満の旅客船二はい未満と考えております。しかし、この点は非常に流動的でございます。
○金丸(徳)委員 あの事件発生以来、というのは、本改正案の動因となったあの事件が起きて以来、行政指導において実行しつつある、こう言われましたが、そのトン数においてはいまの標準でいっておるのですか、それとももっと小さいのか、あるいはもっと大きなものに置いておるのか、いかがですか。
○澤政府委員 先ほど御説明が足りませんで申しわけございませんでしたが、現在行政指導でやっておりますのは、カーフェリーだけでございます。カーフェリーはほとんどのものについてやらせております。今度の改正法は、カーフェリー以外の旅客船にも及びますので、その点を目下検討している、こういう段階でございます。
○金丸(徳)委員 あとで少し私はこの点を問題にしなければならぬのですけれども、今度の改正のたいへん大事なねらいである新しい運航管理者の設定、そういう制度を置くということにつきまして、この船があまりに小さいのまでねらってくるというと、非常に繁雑化し、非常に複雑化して、業者に要らざる——と言ってはいけませんが、少し念の入り過ぎた指導をされるようなことになりはしないか、こう思うものですから、旅客船をねらう場合のトン数、船の大きさというようなものは、この際非常に大事に検討しておいてもらわぬといかぬと私は思う。百トンということでございますが、流動的であるといいますのは、業者側から別の意見が出ておるということなんですか、それとも純事務的に考えて、この辺が理想である、こうお考えになっているのか、その点はどうですか。
○澤政府委員 旅客船協会のほうもわれわれ事務当局の考えと大体において一致をいたしておりますが、旅客船協会の中に安全部会のようなものをつくって検討いたしております。その最終結論がまだ出ておりませんので、流動的と申し上げた次第でございます。
○金丸(徳)委員 それらの点をも含めまして十分検討されて、あつものにこりてなますを吹くというようなことのないようにはしておくべきであると思います。 次に、第二十三条の五の規定の中に、みだりに運航の妨害をしてはならないとある。あれには罰則が伴っておるのであります。そこで、いまお配りいただいたこの案を見ますと、すぐ目につくのでありますが、船舶内の禁煙の場所において喫煙すること、たばこをちょっと間違ってのんだら、それが三万円以下の罰金の対象になる、こういうことなんですね。それは私は、それくらい船中においてはたばこ一本といえども大事をとらなければならぬことはよくわかる。よくわかるのですが、こういう点はどうでありましょうか。日本のいままでの慣行上、それからいままでの船の中における利用者の気分といいますか、その他、そうした非常に事故を起こしやすいような場所における禁煙の期待、念頭と、それに対する禁煙励行の措置、それにもかかわらず、それをやはりみだりにといいますか、あるいはうっかり犯した者に対する刑罰のあり方というようなものについて、比較考量なさったことでもあるのでしょうか。これを適当と考えられた根拠がありましたらお示しを願いたい。
○澤政府委員 カーフェリーの自動車を積載しております甲板は非常に危険でございます。これはタンクローリーを乗せている場合もございますが、どの自動車にもガソリンが積んであるわけでございまして、喫煙することによりまして、特に吸いがらを捨てたりなんかして引火するというおそれが非常に強いわけでございます。それで、万一引火いたしますと、自動車の甲板の上の甲板が旅客の居住設備になっておりますので、下から火事になりまして、非常にカーフェリーというのは危険でございます。したがいまして、この禁煙の措置は厳重に禁止をし、また旅客の居住区には十分たばこを吸えるようにいたしておりますので、これはもう厳重に守ってもらいたいと思っております。 それから、同種のいろいろな他の安全法規におきましても、これと同じ規定がございまして、罰則その他も、他の法規との関係から法務省において検討の上、このように三万円以下の罰金ということに規定いたしたわけでございます。
○金丸(徳)委員 私は、禁煙を励行するというこのねらいは非常に大切だと思います。したがって、どこまでもそれは厳重に守ってもらわなければならぬということについてはいいけれども、ただ、三万円という罰金を科すということなものですから、それは三万円が適当なのか。いま局長が言われるように、それこそほかの場所とは断然違う、危険の度合いが違う、その危険の広がる程度も違うのだということであるならば、これは三万円がいいのか、五万円がいいのか、こう思って、何を標準に置いて、またどういう基本的な防止効果をねらって、こういう三万円ときめられたのか、こういうことなんです。まあ法務省のほうにおいて、いろいろの角度からその程度ということできめられたのだそうであります。しかし、海運局長として特にこれを重視するということであれば、意見が積極的にあってもいいように思うのですが、念のためにこの機会にひとつ承っておきたいと思います。ということは、非常に省令を今回の改正案においては重視いたすものですから、本委員会における記録としてとっておくべきじゃないか、こう思うものですから、あえてお伺いをいたしておきます。もう一度お答えをいただきたい。
○澤政府委員 この点は、われわれとして非常に重視をいたしておるわけでございますが、量刑は法務省の所管事項でございます。法務省ではいろいろな他の関係法規とのバランスをとりまして、特に道路運送法との関係などを見て量刑を定められましたので、政府としては、この三万円の罰金が適当であろう、このように考えております。
○金丸(徳)委員 それは押し問答になりますから、いろいろ効果を見てまた御検討、緩急よろしきを得なければなるまいとは思います。 そこで、今度の場合のたいへん大事な点だと私思うのでありますが、運航管理者制度を新設なさるということであります。これが先般来の本委員会における質疑を聞いておりましても、船長の権限との間がどうしてもあいまいもことしておりまして、私しろうとだからよけいそういう感じを持つのかもしれませんけれども、どうも気になるのです。船長の権限を陸上にまで及ぼしてはいけないのかどうかというようなことも一つです。それらをあわせて、権限はダブっておらぬ、あらためて船長とは別にこういうものを置かなければならない事情は何か、しろうとにわかりやすく御説明願えればありがたいのですが……。
○澤政府委員 船長権限は、船員法の体系で明確に規定をされてございます。船長の権限は、主として船内におけることに対する責任でございます。もちろん、若干陸上における綱取りあるいはタグボートの引き揚げとか船外に及ぶものもございますが、船員法で規定されておるところは非常に明確でございます。 ただ、海運におきます従来の慣例から、船がとかく実際に企業の指揮が通らないというとおかしいのでございますが、企業から離れて諸外国を回っております関係上、これは法律上の船長の責任ではございませんけれども、陸上のことにまで船長が実際上に責任を持つ、持たされるというようなことに歴史的に相なってきておったわけでございます。それが国内の旅客船のように、着いたらすぐまた離れる、非常にひんぱんに往復するような営業形態におきまして、船長が陸上のことにまで目を配るということを要求することは非常に無理でございます。これは瀬戸内海のカーフェリーなどごらんになりますと、まあ例が適当かどうかわかりませんが、ちょうどバスと同じように、着いたら離れる、また着くということでございます。したがいまして、陸上施設及び陸上の旅客その他の統制、こういうものについて明確に責任者をきめておく必要があるということで、こういう運航管理者をお願いしたわけでございます。したがいまして、船員法の船長権限とは全然法律的には重複するところはございません。
○金丸(徳)委員 そうしますと、純然たる陸上のことであるし、それから船長は、自分の船の運航については、若干必要なものについては陸上の仕事もいままでもやっておったということなんですね。としますと、もし陸上の事務でも運航に関係あるものについては、いままでやらしてはなかったんだが、これからも船員法を必要とあれば改正して、船長にやってもらったほうがいいのではないか、運航に関係ある場合。運航に関係ない場合には、これは船長がやらぬほうがよろしいと思うのです。その点がこう混乱するのです。運航に関係するところの陸上事務というもので、船長がやってはいけないというようなことがあるのですか。船長が関知しなくてよろしいというものがあるのですか。どうなんですか。
○澤政府委員 ただいま法律上の関係を御説明申し上げましたわけでございまして、船長はもちろん陸上のいろいろなことをやっても差しつかえないわけでございます。むしろ外国航路のような場合は、そういうふうに実施されてきているのが実情であると思います。ただ、この法律でお願いしておりますことは、旅客船につきまして非常に生命の安全、旅客の安全をはからなければならない。それで、可動橋を含めました陸上施設の維持管理、その他気象のミニマム、最低条件、それから旅客及び自動車の陸上における統制、こういうことがすべて人命に関係する重要なことでございますので、それらについての統轄責任を負うために、こういう運航管理者というものを置いたわけでございまして、もちろん船長とこの運航管理者は緊密に連絡をいたしております。ただ、両者の責任は明確に分かれているわけでございます。
○金丸(徳)委員 そうしますと、その仕事は運航には直接関係がないと理解していいのですか。可動橋を整備するほか、先ほどお話がありました踏切をつくるというようなことは、いうところの運航には直接関係ないように思われるのですが、どうなんでしょう。
○澤政府委員 この法律で運航管理と申しますのは、陸上施設も含めての一体的な旅客運航事業の安全ということを考えておるわけでございます。それで、陸上施設の維持管理、あるいはいろいろな情報を船長に提供すること、これはもちろん運航に非常に緊密に関係することでございます。それについての責任は運航管理者、それから船の発港前の検査事務から以降、船が出てからのことは船長の責任である、こういう関係に相なるわけでございます。
○金丸(徳)委員 そこで、どうもこんがらがってくるのですね。運航管理者という制度を設けた。そして船長の権限とはオーバーラップしない、さい然と船員法によってやっているんだ、こういいながら、一体となって運航管理者もこれに関与するということですね。そうすると、どうもその船長の権限を侵していくような心配が出てくるのであります。もしさい然と陸上とほんとうの船の操舵なり進行なり着船なりということと区別するならば、この運航ということばが非常にまぎらわしいのじゃないか。どうして運航管理者という、いかにも船長の上にあるようなことばをお使いになったのか。こういうことばを使わなければならなかった何か原因があるのかどうかということを、しろうとわかりするように教えてもらいたいと思うのです。
○澤政府委員 運航管理者は主として陸上における事務についての運航管理の責任と申し上げましたが、たとえば船のスケジュールを編成するという場合に、これはもう船の運航でございますから、このスケジュール作成について、運航管理者は、安全面からこういうスケジュールは無理であるかどうかというようなことを規定いたすわけでございます。したがいまして、運航管理ということばを使っているわけでございます。 それから、このことばは、実はほかの法律体系でも、道路運送法あるいは航空法等でも、やはりこういう法律体系でこういうことばを使っております。
○金丸(徳)委員 いま例としておあげになったところのダイヤ、スケジュールの研究、検討、実施というようなことについては、それは船長はその船についての運航の責任者です。ですから、運航に入る事前のスケジュール、ダイヤの検討というようなものは、それは船長でなくてもよろしいかもしれぬ。しかし、それを運航責任者というのかどうか、こう思うのです。何かそういうことによって、その運航責任者の権限によって、航行中の船長の権限が侵されるようなことがありはしないかということが何となしに心配になってくる、新しい制度ですから。もしこういう制度を設ける場合には、やはりはっきりしておく。基本的には、私は、この屋上屋を架するような制度というものは、海運関係においては、責任体制をはっきりする意味において、おとりにならぬほうがいいのではないか。したがって、もし陸上において船長の運航に直接関係するような事務がありとするならば、それは船長事務として船員法の改正によってこれを解決すべきである。それから、そうでない、直接運航に関係がないような事務について、総括的、全体的に何か仕事をするほうがよろしい、確かにこういう駅長みたいな仕事もあるかもしれない。それは別の名において、運航管理者という、船長の仕事とまぎらわしいような名称でないほうがよろしいのではないか、こう思うのであります。そういう点が問題になったのかどうか。これから、その点について問題を起こす心配がないかどうか、こういうことをお尋ねいたしておるのです。
○澤政府委員 ここで運航管理と申しておりますことは、船を操作するということだけではなくて、全体的に運航を安全に確保するに必要なものすべてを運航管理と申しているわけでありまして、このことばを使いましても、一般海運界ではあまり誤解はないのではないかというふうに考えます。 それから先ほど申し上げましたように、法律上船長の権限あるいは責任でないことまで、従来何らか船長の責任のように思われて、船長に過重な精神的負担をかけていることが非常に多かったわけであります。これは主として陸上のことに関して実質的に船長責任のようにいわれていたということが多いわけでございますが、これは船員法で別に要求していることでも何でもございません。そういう点を明確にこれは運航管理者の責任だということにいたしまして、船長は船の運航自体を一生懸命にやれるということにするほうが、むしろ全体的な安全のためによいのではないか、このように考えているわけでございます。
○金丸(徳)委員 運航管理者ということばに非常にこだわるのですが、これは私がしろうとであるので、ついそういうことになる。ただ、そういうようなことばにこだわり、名称にこだわって心配をしておる者もあるということをひとつ含んでおいていただいて、何かもっといい、まぎらわしくないような、そのものずばりわかるような名称、呼び方があるならば御検討願いたいということであります。これ以上はこの問題は押し問答になりますから、そういう要望だけを申して、次に移ります。 もう大臣もお見えになっておりますから、私が時間をあまりとりますことは恐縮ですが、ただこの際、一言申し上げておきます。 私は、今度港湾法の一部改正、また海上運送法の一部改正あるいは船員法の一部改正案、これらを引き続き勉強いたしまして、非常に感ずるところがあった。特にこの港湾法などそういう感じを受けたのでありますが、終戦後間もなく占領体制下において、あるいは私は想像するのでありますが、進駐軍、占領軍からの当時の必要に基づいての要望もあって、あの法案というものが議題となり、制定されたのではないか。海上運送法などについても、それほどではないにいたしましても、そのきらいがあるのではないか。そこで、もしそうであるとしますならば、いまの港湾法というものは、当時日本が敗戦直後で、港どころか、船もないというような状況の中で制定された。したがって、いまのように高度成長経済下において世界一流の海運国になった日本の港湾法としては、あるいは海上運送法としては、いかにも古いものになりました。もっともその間、必要なつどずいぶん手入れはいたしておるようでありますが、しかし、根本が根本であるだけに、何かもの足りない、あるいはもどかしさを感ずるのでありますが、海運当局、港湾当局といたしましては、こういうことについて今後どういう考えを持っておられるか。これからどういうふうな措置をとられようとするか。いままでのようにそのつど主義、こう薬張り方針でいかれるのか。この際、あらためて、先ほどからのお話の中に出ておりますように、カーフェリー、コンテナなどの新しい方法がとられるときにおいては、港湾法においても、海上運送法においても、根本的なる改正方針というものを早目にとっておかれる必要があるのじゃないかと思うのでありますが、両局長、どういうお考えの中でお仕事をなさっておられますか。
○澤政府委員 海上輸送につきましては、先生御指摘のコンテナ輸送あるいはカーフェリーというような新しい形態が出まして、いわゆる一貫輸送体制というものが非常に強く要求されておりますので、それに対するためには、現在の海上運送法では補い得ない点があることは御指摘のとおりでございます。これは海上運送法の改正でやるか、あるいは別の法律でやるかは別といたしまして、こういう一貫輸送体制を法的にどういうふうに取り上げるかということは、今日まだ検討中でございます。
○栗栖政府委員 御指摘のとおり、港湾法は昭和二十五年に制定されたのであります。ただ、その当時はいろいろとチェックは受けておりますけれども、従来、港湾というものは、法律がなくてやってまいったのでありまして、初めて法律ができたわけでございますが、いろいろと御指摘の点はあるわけでございます。二十年になっておりますから、その間にいろいろと情勢の変化に応じまして修正をいただいたわけでございます。ただ、二十年たちまして、基本的には地方公共団体を中心にしてやってきたのでございますが、今後問題がございましたら、私ども勉強してございますので、検討してまいりたいというふうに考えております。
○金丸(徳)委員 大臣、お忙しいところ恐縮ですが、もう一点だけ申し上げます。 大臣、こういうことなんですよ。これは二十五年ごろつくった法律でありますだけに、ちょっと例はおかしいのですけれども、ちょんまげに羽織はかまで一本たばさんだという形の中で、ちょんまげもおかしいからといってシルクハットをかぶったり、わらじもおかしいからくつをはいたというような改正をやってきたことは確かですけれども、現代としては、体質においても体格においても間に合わないという感じがするんです。港湾についても、従来の港湾という考え方でなくて、ことに海運国日本といたしましては、道路の延長としての港湾というものをこの際考える。だから、港湾という観念を改めて、新しい角度で見ていかなければならないのではないか、そのように海運関係についても思います。今回の改正案につきましては、一時こう薬を張ってみたものの、基本的には船舶の新しさ、スピード化、大型化というものを加え、さらに小型船舶のいろいろな新しい航法が考えられるでありましょうだけに、そうしたものを踏まえての新海上運送法というようなものを用意しておかれる時期に来ておるのではないかと思います。どうかそういう意味におきまして検討をお進めいただきたい。 きょう私がお尋ねいたしました点につきましては、なお若干の心配などを持つものもないわけではありませんが、いろいろやっている時間もありませんから、これで取りやめますけれども、願うところは、新時代の海運国日本にふさわしい法制を立て直しておいてもらいたい。そして同時に、それに見合うような予算措置を——きょうの通過後における大臣の決意の中にも出てくるだろうと思いますが、から念仏でないような政策、予算というものを組み込んでおいていただかないといけないのではないかと思う。いま陸上における交通地獄、交通難が激化している原因の一つには、ことばは過ぎるかもしれませんけれども、海運国日本としては、海運当局が少し甘く考えておったためではないかとさえ言いたいくらいに思うのですから、ひとつそういう意味において御決意のほどをお願いいたしたい。こういうことでありますが、時間が長くなるといけませんから、以上で私のお尋ねを終わります。
○福井委員長 ほかに質疑はありませんか。——なければ、本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○福井委員長 次に、本案を討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 海上運送法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
○福井委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 おはかりいたします。 ただいま議決されました本案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
○福井委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○福井委員長 この際、井出国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。井出国務大臣。
○井出国務大臣 ただいま海上運送法の一部を改正する法律案について、慎重御審議の結果、全会一致をもって御採決を得た次第で、まことにありがとうございました。 先ほど金丸さんからの御指摘もありましたが、おそらく他の委員各位からもいろいろと御論議が出たと思います。さような点を十分注意して運用に当たってまいる所存でございます。 ————◇—————
○福井委員長 航空に関する件について調査を進めます。 日航機乗っ取り事件のその後の状況について報告を求めます。井出国務大臣。
○井出国務大臣 御報告申し上げます。 国民各位からたいへん御心配を願い、かつまた当委員会においてはことのほか御関心をお持ちをいただきました日航機乗っ取り事件について、私の資料は時間的におくれておりますから、すでに十分御承知のこととは存じますが、ごくかいつまんで経過だけを申し上げたいと思います。 四月の二日十七時、山村運輸政務次官から、犯人に対し、全乗客をおろすことと引きかえに、みずからが搭乗して犯人とともに飛び立つことを申し入れられたわけであります。まさに犠牲的な行動でございます。 これに対して、十八時十分、犯人より、これを了承するが、社会党の阿部助哉代議士による山村氏本人の確認を求めたい、こういう旨の回答があったわけでございます。 次いで、昨晩二十二時三十五分、橋本運輸大臣は現地において記者会見をされて、山村政務次官の身がわり提案の経過を説明し、韓国政府の事前の了解は得ていなかったが、この点、最終的に快く韓国政府が了承された、こういう旨の発表がございました。 運輸省といたしましては、よど号が平壌まで航行するにあたり必要な技術上のデータ、すなわち、通信用電波の周波数でありますとか、管制用語、航空路及び航空路援助施設の状況、地上電源装置の有無及び空気始動装置の有無等の入手方につきまして、昨晩二十一時五十五分外務省に依頼をするとともに、外務省は駐韓大使館にあててこの旨の訓令を発したのでございます。 先ほど閣議の席上、私、愛知外務大臣にこの点を確かめましたところ、その線に沿って十分打ち合わせをし、進めておる、こういう回答がございました。 阿部代議士は政府の要請に快く応じられまして、四月二日二十二時四十九分羽田発日航特別機ひだ号でもって韓国へ向け出発をされました。今朝未明零時四十分金浦空港に到着をされました。 本日八時現在は、機中にある犯人との折衝はまだ始まっておりませんが、その後の経過は、着たと先方からの情報が伝わってまいりまして、皆さま御承知と思いますが、日本側は橋本大臣、山村次官、アジア局長、さらに駐韓日本大使、こういった日本側と、先方は韓国の国防部長官、内務部長官、交通部長官、これら最高首脳が相集まりまして、そうして機内にある犯人とどのような段取りで折衝をするかということを十分に協議をされました上で、すでにその折衝に入っておるはずでございます。したがいまして、うまく参りまするならば、もう乗客がおろされるという段階であろうかと思うのでございます。そうして乗客がおりました上は、山村政務次官がそこへ乗り込まれまして、さらに乗務員の交代もそこでしようというような段取りで運ばれるというふうに私は承知をしておるのでございます。 先ほどの閣議におきましても、話題は主としてこの問題でございました。いままで韓国政府は非常な御協力を払われてきたのでございますが、同時にまた、今後は北鮮というふうなことに相なりますれば、これまた慎重な折衝も続けなければなるまいかと思うのでございまして、そういう意味でなおひとつ慎重に誤りなきを期してまいりたい、こういう対処のしかたを考えておるのでございます。 さらにまた、運輸省といたしましては、これはまあ少し先のことではございますけれども、福岡の空港あるいは羽田の空港において、乗客が帰ってこられました場合を想定をして、日本航空とも十分打ち合わせをした上で、病院の手配、ホテルの手配、これらはもう手配を完了いたしました。そして検疫であるとか入国手続であるとか、こういうことはごく簡素にいたしまして、乗客をいたわりつつお迎えを申し上げる、こういう指令をそれぞれの空港事務所に発して、手配済みでございますことを、あわせて御報告を申し上げます。 たいへん御心配をかけましたが、まあやや愁眉を開いておるという状況でございます。厚く皆さま方の御支援を御礼申し上げる次第でございます。(拍手)
○福井委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十七分散会