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62回国会参議院1969/12/02

商工委員会 第1号

発言数
30
登壇者
10
会派数
4
開催日
1969/12/02

会議録

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について報告いたします。  十一月二十八日、鬼丸勝之君が委員を辞任され、その補欠として井川伊平君が選任されました。  十一月二十九日、原田立君が委員を辞任され、その補欠として塩出啓典君が選任されました。  十二月一日、片山武夫君、須藤五郎君が委員を辞任され、その補欠として瓜生清君、小笠原貞子君がそれぞれ選任されました。  十二月二日、柏原ヤス君が委員を辞任され、その補欠として矢追秀彦君が選任されました。     —————————————

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 調査承認要求に関する件を議題といたします。  本委員会といたしましては、今期国会開会中、産業貿易及び経済計画等に関する調査を行なうこととし、この旨の調査承認要求書を本院規則第七十四条の三により、議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  速記をとめて。   〔速記中止〕

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 速記を始めて。  諸般の事情により、次に継続調査要求についておはかりいたします。  産業貿易及び経済計画等に関する調査については、閉会の場合もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成及び提出の時期等については、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言を願います。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 私は、今年半ばごろから非常に問題になっておりまする繊維の自主規制問題について、いろいろと御質問を申し上げたいと思います。  そこで、十月にアメリカに繊維雑貨局長、前局長の高橋局長が行かれまして、アメリカ側といろいろ交渉されたわけなんです。このことは新聞紙上にも発表になってはおりまするけれども、いろいろとアメリカ側のきつい要求があり、これはアメリカの国会でも一つの大きな問題として取り上げて、そうして何としてもこの問題については日本側に自主規制をやってもらわなければ困る、こういうことで、いろいろと強い圧力が加わっておるやに私聞いております。したがいまして、アメリカに行かれましていろいろと交渉されましたその経過について私はお尋ねを申し上げまして、その経過の報告に対してさらにお尋ねを申し上げたいと思います。

植木光教自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(植木光教君) ただいま近藤先生からお話しございましたように、前繊維局長の高橋局長が団長となりまして、九月にアメリカに行きまして調査をしてきたことはお話のとおりでございます。  この調査の結果につきましては、すでに内部的に整理を済ましておりますが、これは外部に発表いたしますことは差し控えるべき性質のものであると考えまして、内部資料といたしましてこれをすでに整理したところでございます。少なくとも全体といたしましては、経済的な事実問題としてアメリカ側には被害がないというふうに考えておりますし、また、あの調査の限りでは、個々の品目につきましても被害があるかどうか疑問であるというのが私どもの考え方でございます。個々の品目の問題につきまして、アメリカ側が被害があるとさらに主張いたしますならば、それについてさらにあらためて調査の必要があるというふうに見ているのでございます。その後、十月に入りましてから、アメリカ側から毛及び化合繊製品のすべてを対象として二国間の取りきめをしたい。また、現在の日米綿製品の取りきめよりフレキシブルのものとしたいというようなことを正式に言ってまいりました。その提案に対しまして、十月の十日に、わが国のほうから、このような問題の解決はガットの原則に基づいて行なうべきものである。また、ガットのルールに従った多数国の討議であれば参加する用意があるけれども、その場合、被害の究明が第一である。被害の事実がないのにもかかわらず、アメリカが将来に不安があるというのならば、直ちに規制を行なうことを求めるべきではなく、そのような不安が現実の被害によって正当化される場合のためには、討議のための何らかの仕組みを考えればよいのではないか、  こういうような回答をしたのでございます。  その後は、御承知のようにジュネーブにおきまして、十一月の十七日から二十二日まで、繊維問題に関しまして日米協議が行なわれたのでございます。このジュネーブの会談におきましては、わが国の基本的な考え方は、かねてアメリカに伝えておったとおりでございまして、多国間の会議において討議されるべきであるという基本的な考え方を主張をいたしまして、これに対してアメリカ側からは規制についての交渉を行ないたい、こういうことでありました。当方としては、多数国間会議をいかなる形で行なうかの手続をおもな討議の目的としつつ、その他の事項については、その結果について何らのコミットメントもしない形での意見の交換をすることに応ずるということでこの会議に臨んだわけでございます。この模様につきましては、若干のアイデアを日米両方が出し合いまして、相互にその内容を明らかにしたのでございますが、本来、合意に到達することを目的としていない会談でもございましたので、双方の立場を明らかにしたにとどまりまして、アメリカ側からは、近い将来再度会合したいという希望が述べられて二十二日にこの会談が終わったというような状況でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 いま次官から経過について若干報告がございましたが、次官も御承知のように、日本の全繊維業者が、死活問題ということでこの問題につきましては真剣に反対運動に取り組んで、そうしていろいろな運動が続けられておることは御承知だと思います。そこで、やはりこの問題が日本側が期待しておるように、はたしてうまくアメリカ側との交渉がいくかどうか、この点についても大きな疑問があると私は思います。そういたしますると、やはりこの問題は巷間いろいろといままで問題がありましたいわゆる自動車の自由化の問題と関連をして、そうしてこれが沖繩問題ともまた関連して、いろいろと取引に使われるのではないか、こういう心配も持っておられることは事実でございますし、一体、今後の見通しとして、政府は、いまアメリカ側が言っておるようなことで了解されるのか、それとも、今後さらにこの問題が発展していく可能性は私は十分あると思うのですが、その点はどんな見通しを立てておられるのか、お聞きしたいと思います。

植木光教自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(植木光教君) わが国といたしましては、繊維の輸出規制を前提とした二国間の交渉はやらないということは基本的な態度として貫いてまいっておりますし、また、今後もその態度を堅持してまいります。アメリカ側の主張にはできる限り誠意を持って耳は傾けますけれども、本件をガットの精神にのっとって解決すべきであるという基本的な態度を堅持するということでございます。したがいまして、今後も粘り強く筋を通して対処してまいりたいと存じております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 いや、今後も粘り強くということはいいけれども、やはり一番心配しておるのは、いま日本の業界は板ばさみになっておる、これは御存じのとおりだと思うんです。発展途上国も、すべての国が繊維問題では相当進歩してきておりますし、また先進国は、それぞれの企業のたてまえからも相当優秀なものが出てくる。そこで、やはりその中間にはさまった日本のこの業界は、これを一体どうなるのだろうということの心配というものは非常に大きいし、やはり発展途上国とそれから先進国との間にはさまった日本の業界というものは、将来非常に苦しい道を歩いていかなければならない。これは覚悟しておられることではございまするけれども、ガットでこれを解決するといいましても、なかなかそう簡単にはこの問題は解決される問題ではないと私は思うんです。そこを一体どういうふうにあなたのほうは切り抜けていこうとされておるのか、この点はいかがですか。

植木光教自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(植木光教君) いまお話しのとおりの実情でございますので、政府といたしましては、日本とアメリカの主張の開きというものは非常に大きいという事実はございますが、しかし先ほど申し上げましたように、すでに出しました調査団の報告にもありますように、アメリカ側が主張いたしておりますような被害の事実はないというふうに私どもは考えております。したがって、われわれとしては規制を前提とした二国間の交渉はやらないと、ガットの場でこの問題については討議をし合うということで、この問題に臨んでいく以外にはない、また、そうすべきであるというふうに考えているのでございまして、したがって、先ほど申し上げましたように、こういう基本的な立場で粘り強く筋を通した交渉をしていく以外にないというふうな考えなのでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 アメリカの南部地方の出身の議員も、相当この問題については関心を持って、政府に対する圧力を加えておりますし、それからまた商務長官も——アメリカの商務長官ですけれども——この日本の自主規制の問題は、何としてもこれはやってもらわなければ困る、この点はアメリカ側としては強力にこの問題を進めていく、こういうふうなことを新聞でも私はしばしば拝見したわけでございまするから、やはりそう簡単にアメリカ側がこの問題で私は妥結するとは考えられないのでございますが、そういうところは一体どういうふうな方途をあなたのほうは考えておられるのか。やはりこの点は政府としても重大な考えを持っていなければ、また自動車の自由化のように、一歩譲り二歩譲りということになって、そうしてあれよあれよというふうな結果になってしまうのではないか、こういうふうな心配を私は持っておるのです。

植木光教自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(植木光教君) いま近藤委員がおっしゃるように、簡単にいかない問題であるということは十分認識をいたしております。それだけに、政府としては強い決意をもってこの問題に臨んでいるのでございます。いずれにしても、粘り強くやる以外にないということしかお答えできない状況でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 それで、日本の業界側の主張としては、一体政府に対してどのような問題を主張しておられるか。そしてまた日本の繊維業界に対するところの了解点というものをあなた方は持っておられるのかどうか、その点はいかがですか。

室谷文司通商産業大臣官房審議官

○説明員(室谷文司君) お答え申し上げます。私どもといたしましては、平生から先ほど先生のおっしゃいました日本の繊維業界が直面いたしております問題につきましては、私どもも全く同感でございます。そういう意味合いにおきましても、ふだんから業界と密接に連絡をとりながら、この問題に今日まで対処してまいったわけでございます。そういう意味で先ほど政務次官が申し上げましたわがほうの回答の骨子につきましては、業界も十分了承と申しますか、納得の上で米側にも回答いたしておりますし、ジュネーブ会談における対処ぶりにつきましても、その業界の意向を十分くみ取った上で対処してまいったつもりでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 特に化学繊維関係はアメリカ側の技術に負うところが大きいわけですね。その化学繊維に対するところの問題も私は一番大きな問題じゃないかと思うのです。さらにこの商工委員会でも、例の構造改善事業の法律の改正なんかして、いろいろ国内の体制というものは整いつつあるけれども、大きなところで、そういうふうな国際的な場でいろいろと圧力を加えられ、制約をされた場合には、私は国内の改善事業というものはふっ飛んでしまうのではないか、こういうふうにも考えられるわけなんです。やはり国内を幾ら整備しても、国際的なそういう大きな網をかぶせられた場合、一体日本の繊維業界というものがどうして今後その活路というものを見つけていくか、これについても私は大きな問題だと思うのです。ただ政府が粘り強い決意でいくんだという交渉の面だけで、はたして業界が納得されるかどうか。今日なお業界あげてこの問題については反対しておられることは、政府自身も御承知のとおりだと思うんですが、そういう重大な観点から、この問題は私はそう簡単にはアメリカ側も応ずることはないだろう。まあこれは国際的にガットの問題として解決する、ジュネーブで解決するといっても、なかなかこれは私は困難な問題だと思うんです。やはりこの問題については、政府自身ももっと真剣に取り組んで、ただ行って交渉して、まあ一応の見通しは立ったからということだけでは、私はこの問題は解決しない、こういうふうに思っておるんですが、将来政府としても私は重大な決意を持ってこの問題には臨まなければならぬと思うんですし、やはり具体的にいろいろなまたこまかい点も出てくるであろうから、そういう問題についての対策というものを一体どう立てておられるのか、この点はいかがですか。交渉面だけでなくてね。

室谷文司通商産業大臣官房審議官

○説明員(室谷文司君) 日本の繊維産業が直面いたしておりまする問題点は、いま先生がおっしゃいましたように、国内的には国の内外における非常にきびしい環境下におきまして、お話がございましたように、構造改善の対策を進めておるわけでございます。繊維産業が直面する問題と申しますのは、ある意味においては、単に日本の繊維産業のみならず、世界的にいまや繊維産業は変革期にあるというふうに申し上げてもいいのではないかと思います。それは天然繊維から化合繊維への転換、あるいは縫製衣料からニット衣料への転換、そのほか後進国の追い上げと、いろいろな面で世界的にいま繊維産業が変革期に直面しているというふうに申し上げていいかと思います。特に、そういう世界的な繊維産業の変革期の中において、その中で特に日本の繊維産業というものは、加えて国内的な人手不足あるいは賃金上昇という問題を特にかかえておりますだけに、非常に苦悩の大きいものがあろうかと思います。アメリカにおきますこの繊維業界の今度の問題も、ある意味において、先ほど申し上げました繊維産業の変革期のいわば一時的なフリクションというふうなとらえ方もできるかと思うのでございますが、われわれとしてはそういうフリクションというものは単にアメリカだけの問題ではなくて、世界的に、特にわが国においてもそういうフリクションは非常は問題になっておるということを常日ごろ主張をいたしておるわけでございます。したがって、せっかく国内的に構造改善というものを進めてまいる過程におきまして、この日米問題において安易な妥協がなされるということは、日本の繊維産業にとっては非常に致命的な問題のみならず、今後の日米のいろいろな貿易の問題においても非常に重要な影響を及ぼす問題であるということを私どもは考えておるわけでございます。それだけに、この問題は慎重の上にも慎重を期して、あくまでも先ほど申し上げたような筋を通しながら、粘り強く対処する必要があるというふうに考えている次第でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 時間がございませんから、私もまたこの問題は、解散になって特別国会でも開かれましたならば詳しくもっとお尋ねしたいと思うのですが、最後に、この自主規制の問題が出てきて、その後、繊維関係の貿易は、一体どういうふうな歩みを続けておるのか、この点、通商局長来ておられるので、ちょっとお尋ねしておきたいと思います。日本の繊維の輸出状況ですね。

原田明通商産業省通商局長

○政府委員(原田明君) いままでのところではまだアメリカが各国に自主規制をやらせようと思いましても、どの国もこれに応じてはおりません。したがいまして、そういう輸入制限的な抵抗、それ自体からきて、日本の対米繊維輸出が影響を受けるというところまではまだまいっておらないようでありますが、季節的その他の動向から見まして、日本の輸出がこのところ急増しているというような事実は見られないと存じております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それでは一問だけお聞きしたいと思うのでございます。  まあ先ほど近藤委員からいろいろ質問がありまして、この繊維問題については、政府は強い強い決意で臨むと、そういうわけでございますが、今度の佐藤・ニクソン会談の声明でも、貿易は非常に自由化の方向に、もう日本の国もそういう自由化のほうに持っていくと、そういうような話をしながら、一方においては、アメリカにおいては非常にそういう繊維の輸入制限というような不合理なやり方をしていると、そういうわけで、アメリカの中にも、そういうやり方に対してかなり非難の声があると、そういうことも聞いておるわけでございますが、実際にアメリカの繊維業界は、日本の輸出のためにそれほど打撃を受けているわけでもないし、比率も非常に少ないし、向こうは非常に好況である。にもかかわらずこのようなことを言っておるのは、非常に常識的に考えても何か一つの意図があるか、あるいは行き過ぎではないか、そういうような声が、やはり米国内にもあるということを聞いておるわけですが、そういう米国内における、一部のそういう団体じゃなくて、全般的な空気として、この輸入制限の問題をどう考えておるか、その点のところがわかりましたならばお願いしたいと思います。

原田明通商産業省通商局長

○政府委員(原田明君) アメリカが、かねがね自由貿易というものを推進するという政府の方針を繰り返し宣明しておりますことは事実でございます。ただ政府自体の姿勢の中でも、いままではフリー・トレードということばを使っておりましたが、最近はフリーア・トレード、より自由なという比較級を使った表現を使うことが多くなっているように考えられます。このことは、同じ自由貿易を推進しようという精神においては変わりはないかもしれませんが、若干姿勢ないしニュアンスにおいて比較的ということばを使わねばならないような変化が出てきたのではないかということを、私どもは感ずる次第でございます。また、アメリカの国内におきまして、自由貿易がアメリカ並びに世界の貿易、経済関係の発展のために望ましいという声はいまでも非常にたくさんございまして主流をなしておると考えられますが、しかし、繊維その他特定の商品を中心にいたしまして保護主義的な運動ないしは輸入制限的抵抗というものが次第に強くなっているような気配がございます。ことに繊維に関しましてだけは、これは特別である。したがって、この繊維の問題だけは自主規制をやるという形で輸出国側もアメリカの立場に協力をしてもらえないだろうかという非常に強い要望が出てまいっておるということが現在の状況ではないかと考えております。

瓜生清民社党

○瓜生清君 私、観点を変えて三点お伺いしたいと思います。時間の関係で一括して申し上げますから御答弁願います。  その一つは、数カ月前にスタンズ商務長官が日本へやってきて非常に強硬な態度で繊維の自主規制を、むしろ押しつけるかのごとき印象をわれわれに与えて帰国したわけですが、その後、佐藤・ニクソン会談、ないしはジュネーブにおける協議等々を通じて具体的なものはまだないと思いますけれども、スタンズが来日したときと今日とでは、アメリカの輸入制限に対する考え方というものに柔軟性が出てきたと政府は判断しておるのかどうか。確かに二国間協定というものを主張しておったのが、多数国との討議というガットの場に移そうという、そういう動きは見られますけれども、いわゆる観測として、通産省当局はどういうふうにその判断をしておられるか。それが第一点です。  その二つは、実は私も六月の初めにこの問題でアメリカに行きましてキッシンジャー大統領特別補佐官に会う機会を得たのですが、そこで直感的に感じたことは、通産省なりあるいはアメリカの商務省なりというものは、業界に突き上げられ、それから労働組合から圧力がかかる。そういうふうな面から、やはり自己の考えておることをある程度強硬ないわゆる路線で貫こうとする意欲はあるけれども、私は、これからは、この問題はジュネーブ会議というものは、あれはもうなくなってしまって、日米間の外交交渉に移ってくると思う。その場合に、国務省と日本の外務省との間におけるやりとりというものは、何といってもいまの政府の従来とってきたやり方から見て、国務省対外務省という相撲になると、押し切られる可能性というものがある。そのことをわれわれは非常に心配しておるわけです。商務省と日本の通産省との間は、そこはまあお互いが譲り合って納得するような線を見つけることに努力されるかもわからぬが、国務省と外務省との間においては、沖繩問題その他のことがいわゆる裏に関連して、どうしても向こうのペースの中に巻き込まれる危険性があるのじゃないかというふうにわれわれは見ておるわけです。そのことについて通産省としては、あくまでもいまのガットの場で解決をし、二国間協定には絶対に応じないという、そういう方針というものを押し通す確信を持って交渉される決意があるのかどうか。その点をお伺いしたいと思います。  それから最後は、いま室谷審議官は業界の方々も大かた了承されるように、いろいろコネクションをつけて話し合いをしておる、こういうお話でありましたが、私の知る限りでは絶対にそうではございません。化繊協会長の宮崎さんにも先日会いましたけれども、了解をしておりません。労働組合もまたしかりです。ですから、こういった問題については、たまたま日本においても国会あるいは産業界、労働組合、この三者がこん然一体となってアメリカの輸入制限に反対しておる。逆にアメリカ側に言わせれば、アメリカの政府、国会、労働組合、これが一致結束して日本の繊維製品というものを輸入制限すべきであるという、奇妙なことで両者の立場が逆の形において一致しているわけです。したがって、この問題を解決するためには、よほど腹を据えてかからないと私はだめなんじゃないかというふうにも判断するんです。一例をあげますと、羊毛の自主規制の問題にしましても、七、八年前からアメリカの上院にパストール委員会というものが設置されておりますが、執拗に今日もなおその委員会を通じて議会筋に圧力をかけ、日本の業界との接触というものを保ってきている。これほどアメリカ自体は自国の経済を守るためには、いわゆる強国意識というものを表面に押し出してきておる。それを強引に押しつけようとしておる。こういうことに対して私は自由貿易主義とか、あるいはガットの精神とか、そういうふうなきれいごとばかりではなしに、やはり日本の政府としても、いままでのようなへっぴり腰で私は交渉に当たったんでは、結局、当初は多数国の討議でも、韓国とか台湾とか香港とか、アメリカが右向けといえば右向くというような、そういうたよりない国々を一つ一つ陥落さしていって、最後には日本にどうだと、こういうふうなことで迫ってきて、日本はそれに応じざるを得なくなる。さらにそれが回を重ねるごとに徐々に二国間協定というものにすりかえられていく、そういうあぶなさというものが、この繊維製品の輸入制限の交渉の中に出てくると私は思いますが、その点について、私は通産当局の御意向というものを承りたい。  以上三点です。

原田明通商産業省通商局長

○政府委員(原田明君) 御質問の第一点、アメリカが最近態度に柔軟性を加えてきたと考うべきかどうかというような御趣旨ではないかと思います。この点につきましては、確かにスタンズ長官が来日されて、当方にアプローチをされましたときに比べますと、具体的な話の内容、細目といいますか、態度では若干柔軟性が出てきたと、少なくとも固くなったとは言えないというふうに考えられますけれども、先生御指摘のとおり、アメリカの繊維業界の利益というものを踏まえまして、何とか輸出国側の自主規制という形で問題の解決をはかりたいという基本的な姿勢においては、まだアメリカはやはり変わっておらないと、そういう希望を捨てておらないというふうに考うべきではないかと存じます。  第二の、こういう話し合いをします場合のチャンネルと申しますか、交渉のやり方でございますが、この点に関します限り、外務省、通産省は非常に緊密な連絡をとっております。意見が十分に一致した上で行動をとっております。したがいまして、私ども通産省の側といたしましても、外務省が外交機関であるという立場から前面に出ていらっしゃるということによって日本の態度が非常に困るというような事態は考えられないと存じます。ただ、御指摘のとおり、先方も業界の利益、アメリカという国自体の利益ということは非常に強く考えて、この繊維の問題については出てまいっているようであります。したがいまして、私ども先生御指摘の第三の、業界との関係という点にも関連をいたしまして、日本の繊維業界は、先ほどからもお話のございましたむずかしい内外の局面に対処して、構造改善というものを踏まえながら、貿易及び国内産業の面で発展をしていかなければならないという立場を十分に守るという考えで、この問題についてはあくまでも筋を通していくように努力をしたいというふうに考えております。したがいまして、私ども話はいたしておりますけれども、決して筋を曲げて話をするということではございませんで、アメリカの現在のような態度が、アメリカのためにもあまりならぬということをよくわかってもらうという意味もあって、話はしなければならぬ。話をしました結果、アメリカも全面規制でないと困ると言っておりましたのが、そこまでは言わないという程度に少なくとも若干の点でフレキシビリティーを加えてきたということもございますので、今後ともこういう粘り強い姿勢でこちらの立場を貫くように努力をしてまいりたいというのが私どもの現在の考えでございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 時間がありませんから、希望意見だけ一、二述べておきたいと思います。  いままで話がありましたとおりに、日米間における繊維の規制問題についてはいろいろと憶測をされ、かつ疑惑を持たれている部分が多いわけであります。この間の佐藤・ニクソン共同声明の中で直接的な繊維に関する表現はないとしても、どうも裏があるのではないかというような話もありますし、ジュネーブにおいての交渉もガットに準拠して行なわれたものであるという一般的な理解はいたしておりますが、どうもこれはかっこうだけはそこでつけるが、実際の内容はもっと別なところで話し合われるのではないかというようなことがあったりして、規制に関する話し合いなり交渉なりというものの主体がどこにおいてなされるのかということが非常に不明確なんですね。ですから、私はやはりこの際、ガットというものがあり、二十二条に準拠して行なうか、あるいはアメリカが十九条に準拠してしかるべき措置をとるか、これはこれからの大きな課題となるでありましょうが、いずれにしてもそういう国際的な協定に基づく機関を通して問題の解決をはかるべきであって、わが国がアメリカとの間に自主的にといいましょうか、そういう公的な機関を経ないで話し合いを持つということは、必ずわが国にとって不利を招くことになるので、その点についてはひとつきちっとした姿勢で臨んでもらいたいと思いますし、先ほど瓜生委員がおっしゃったとおりに、外務省と通産省の判断は、同じ政府の中にあってもかなり違うものがあるやに承るわけで、こういうことは非常に残念なことであって、あくまでも日本政府として交渉される限りにおいて、外務省と通産省との間に食い違いが生じ、それがわが国の国益をそこなうようなことにならないようにひとつ思いをいたして、これからの話し合いに臨んでもらいたい。この二点を希望意見として申し上げます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 公取委員長に、時間がありませんから、ほんとうは具体的に質問しとうございますが、二つ質問いたします。  一つは、独禁政策に対する公取委員長の抱負、もう一つは公取委員会の運営に対する決意、二つの問題を、時間がありませんから一括して問題点を述べまして抱負と決意をお聞きいたします。  八幡、富士の合併は非常に大きな問題を投げかけています。これは日本の産業政策としてもそうであるし、公正取引委員会の運営に対して、私どもはたいへん今後の問題を考えさせられておる。ちょうど国会閉会中に前委員長がおやめになりまして、新しい委員長が任命されまして、前の委員長からも実はいろいろお聞きしたかったのでありますが、ついにできなかったのであります。したがって、もうその審決に至りました事情についての質問はきょうは省略いたしますが、これからの資本自由化に伴いまして、国際的にも国内的にも産業政策が相当大きな変動があると思いますが その中で独禁法を運用される公正取引委員会の委員長として、この独禁政策に対してどういう抱負をもって対処されるか、日本の産業政策と関連して、独禁政策をどういうふうにお考えであるか、これが第一点であります。  第二は、まあ私どもが八幡、富士の合併の段階で、再三前委員長にここに来ていただいて御意見を聞きました。あるいは新聞紙上等でも公正取引委員会の中で、事務局対委員会あるいは委員の内部に非常に大きな問題点があったように承っております。それは仕事上当然かもしれませんが、またそれに対して政策なりあるいは財界なり産業界からの圧力なども加わったようにも聞いておる、たいへんな委員会でありますし、わずかな事務局で日本の公式な取引のために努力されておりますその苦労を伸ばしていかなければなりませんが、公正取引委員会及び公正取引委員会事務局など、今後の公正取引委員会の運営についてあるいは事務局の運用について、どのような御決意であるか、いろいろ具体的な問題はありますが、その抱負と御決意についてお述べいただきたいと思います。

谷村裕公正取引委員会委員長

○政府委員(谷村裕君) お答え申し上げます。  先月の十五日に公取委員長を拝命いたしまして、ごあいさつにそれぞれの向きに参りますべきところ、いろいろ行き違いましてまだごあいさつも十分できかねておるような状況でございましたが、かような機会に商工委員会の各位に対しましてごあいさつと申し上げますか、そういうことを申し上げられる機会が与えられましたことをたいへんありがたく存じます。  ところで、まずただいまの御質問でありますが、私はこの委員長の職務を受けましたときの決意といたしまして、やはり独占禁止政策と申しますか、前委員長のことばを借りれば、競争維持政策と申しますか、かような経済の中での一つの統制的な政策ではなくて、公正な立場の上に立ってみんなが一生懸命競争をやって、その結果、経済としての進歩発展があり、繁栄があるというそういう経済運営の基本的な考え方というものは、非常にわが国の経済にとって大事なものであると、さように考えたわけであります。そういう意味でいろいろな面で私はこれが日本の経済政策の一つの基幹をなすものであるという考え方を持ち、そういう立場において今後の私どもがおあずかりしております政策なり、あるいはまたその政策の執行なりについての責任を果たしてまいるということに私は全力をあげるというつもりでおります。もとより御指摘のとおり、日本の経済政策のいろいろな面というものは、独占禁止とか価格競争維持とかという面だけではございません、いろいろな面がございます。そういう面との調和と申しますか、あるいは協調をはかってまいりますということはございます。これは行政として当然のことであると思いますし、また政策として当然のことであると思いますが、基本的な考え方の上においてこれが重要な問題であるということを私は認識をし、また各方面の御支援を得まして、ひとつしっかりとやってまいりたい、こういう気持ちでございます。これが第一点でございます。  それから第二点でございますが、これは公正取引委員会は御承知のように経済政策の一環をになう行政官庁ではございますけれども、通常の行政官庁と違いまして行政委員会組織をとっております。また、その処分と申しますか、政策執行の手続におきましても、御承知のように通常の行政官庁がやるのとは違った形、俗に準司法的手続と申しておりますが、をやっております。さような結果、通例の非常に簡単な事案でありますと、それだけ内部的には準司法的な手続を場合によってとったような際でありましても、あまりその点についていわばやりとりというようなものが表面に出ないわけでございますが、先般のような非常に大きな問題になりますと、各方面から注目もされます。また御意見もいろいろ出てまいります。そうしてそういうものをやってまいります際に、いわゆる準司法的手続によって、一方ではこういうふうに言う、他方ではそれに対してこういうふうに答える、しかもそれを非常にオープンにしてやってまいります結果、しかも新聞紙上等にはそれを、何と申しますか、対立点を非常に大きく強調して書きますというふうなこともあって、いろいろと意見の対立のある姿が、まざまざとどうも浮かび出されるようなことになると存じます。もとより大事な問題でありますから、一つの答えが出るまでにはいろいろな考え方があることは御指摘のとおり当然だと思いますけれども、これがそういう特別の行政組織また行政手続を持っておりますだけに、非常に大きくクローズアップされたとふうに思います。したがって、ただいま御指摘のように内部的に非常な対立とかあるいは意見の食い違いというふうなものがあったということ、そうしてまたそれがいろいろとがたがたしておるというふうに表に伝えられておる面があるかと存じますが、通例の行政官庁でも、一つの答えを出すときにはいろいろな角度から検討しているのが当然でありまして、それが公取の場合には大きくクローズアップされておったということが非常にいま御指摘のような印象を与えておるかと思います。また、外部からの圧力云々というふうなおことばでございましたが、積極、消極いずれの面からもいろいろな御意見、お考え方、そういったものが公取に対して出ておったということはあるかと思います。これは圧力と申しますよりは、むしろいい意味での御意見であるというふうにおそらく受け取ったのであろうかと思いますが、公正取引委員会としては、当然のことではございますけれども、独立の立場に立って、十分考えていろいろ結論をお出しいただいたのだと私は思っております。  さようなことで、今後とも第一の独禁政策の運営のいわば基本的な考え方も、またそれを運営してまいります上でのいろいろな手続等の問題につきましても、私は各方面からの御理解と御支援を得まして、また御叱正、御教示もいただきまして、しっかりやってまいる、そういうつもりでおります。  どうも失礼いたしました。

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時十五分散会

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