予算委員会第四分科会 第1号
- 発言数
- 327 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1969/03/29
会議録
○小山邦太郎君 それでは、ただいまから予算委員会第四分科会を開会いたしたいと思います。 本院規則第七十五条によりまして、年長のゆえをもって、私が正副主査の選任につき、その議事を主宰いたしたいと思います。 これより正副主査の選任を行ないたいと思います。正副主査の選任は、主宰者にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山邦太郎君 御異議ないと認めます。 それでは、主査に矢追秀彦君を、副主査に鬼丸勝之君を指名いたします。どうぞ御了承をちょうだいいたします。 ――――――――――――― 〔矢追秀彦君主査席に着く〕
○主査(矢追秀彦君) ただいま皆さまの御推挙によりまして、主査の重責をになうことになりましたが、皆さま方の御協力を得て、その任務を果たしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○主査(矢追秀彦君) 速記を起こして。 審査に入ります前に、議事の進め方についておはかりいたします。 本分科会は、昭和四十四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、自治省、文部省、科学技術庁、労働省、厚生省所管を審査することになっております。 三十一日の午後、委員会において主査の報告を行なうことになっておりますので、議事を進める都合上、主査といたしましては、本日、自治省、文部省及び厚生省、三十一日、科学技術庁及び労働省という順序で進めていきたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(矢追秀彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○主査(矢追秀彦君) 昭和四十四年度総予算中、自治省所管を議題といたします。 慣例では、政府側から説明を求める順序でありますが、説明は、これを省略し、お手元に配付してある資料をごらん願うこととし、その説明資料は本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(矢追秀彦君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
○竹田現照君 時間がありませんから、簡単にお伺いいたします。 解散、総選挙もいろいろ流布されているときでありますから、投票権の問題ですが、さきに本院に出されております身体障害者等の在宅投票復活の問題について請願受理の際に将来検討するということで、一応預かりになっているわけですけれども、この点について御検討されてありましたらお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(野田武夫君) 身障者の投票につきましては、御承知のとおり、昨年五月の政令改正によりまして、身障者の各種施設に収容されている者については、病院等と同じように、その施設で不在者投票をすることができることになっております。これらの施設に収容されていない者のうち、在宅投票制度につきましては、投票の秘密保持、その他選挙の公正確保の保証がなかなか容易ではない、きわめてやはり問題が多いと考えるわけでございます。かつては認めていたわけでございますが、この制度は御承知のとおり昭和二十七年に廃止になった経緯もございます。いろいろ今日慎重に検討いたしておりますが、まだこれを改めて、どうするということまでには至っておりませんが、やはりこれは重要な検討すべき問題だと考えております。
○竹田現照君 さきに請願のありました、該当する者の人員というものは自治省で調べたことがありますか、大体どのくらいいると推定されていますか。
○政府委員(皆川迪夫君) 厚生省の統計でございますと、満十八歳以上の重度身障者が約二十六万というふうに見られております。そのうち二十歳未満の方がどれだけあるか、正確な資料がないのでございますが、大体二十数万――四、五万人のところじゃないだろうかというふうに思っております。
○竹田現照君 それはどの範囲ですか、たとえば重度――一級、二級の手帳を持っている者ですか。
○政府委員(皆川迪夫君) 大体一級、二級でございます。
○竹田現照君 二十何万ですか、おかしいじゃないかな。これは日本児童福祉協会で――これは財団法人ですが、四十一年に調べたのでは三十二万くらいおるのじゃないか、二十歳以上の者が。それはちょっと違うのではありませんか。
○政府委員(皆川迪夫君) 私のほうは資料がございませんので、厚生省のほうに照会をいたしたわけでございます。十八歳以上の者が約二十六万あまり、こういうふうなことになっております。
○竹田現照君 まあ二十万にしても三十万にしても、投票に行きたくて行けない者に対して、これはまあいろいろな理屈をつけていわゆる公民権を奪っているということは、いま大臣がお答えになりましたけれども、やはりたいへんなことだと思うのです。私が聞いているところによりますと、問題は選挙管理委員会の選挙管理能力と、それからまあ、いま選管というものには専従の者が少ないですからね。それにしても全国で三十何万、たとえば重度身体障害者だけを検討しましても三十何万を全国の市町村にばらまけば一ヵ町村にそういう人はほんとうに少ないと思うのですね。だからそれに二人ずつ選管の者が立ち会うために車で回ってみたところで、私はたいした繁雑なことにはならないと思う。一人平均千円の金が何とか措置できれば――私が推定したってやはり多くて三千万円、少なければ二千万円くらいの金があれば、私は問題は解決すると思うのですよ。ですから御検討になってから二年間ですから、あまりむつかしい問題でないような気がするのですがね、いかがなものですか。
○国務大臣(野田武夫君) 私は、やはり竹田さんがおっしゃるとおり二十万、まあ数字は前後になっておりますけれども、全く投票の権利をなくしている、これはもう非常に大きな問題だと思っております。ただまあ、これをよく御理解願いますには――まあこれは二十七年の政令でやめておりますが、その後逐年選挙人の意識がだんだん向上しているとわれわれはみております。ただ、先ほど申しましたとおり在宅投票というものは立ち会い人がいない。そこで秘密投票が侵される場合がある、これは多少考えなければならぬ――多少どころか相当大事なことでございます。それから投票用紙が売買の対象になったという事例があるわけですね、事実において。相当不正投票の行なわれる余地が残っておる。いわゆる選挙管理の適正確保の上からあまり好ましくない。この状態でございましてもそういう不正投票が行なわれる余地があるとすれば、好ましい状態でございません。また半面、いま御指摘のとおり、多数の人が投票の権利を持ちながらこれが執行できないということでございます。何かそこで対案ができますれば多少の費用は要ってもやるべきではないかという御意見、私は賛成でございます。しかし、現状におきましてはそういう欠陥はなかなか是正できないということのほうに考えが及んでおりまして、いま検討いたしておりますけれども、なかなかいわゆる名案が出ないというところを、何といいますか苦慮しておるところでございます。十分御意思のあるところは私どもにもよくわかりまするから、さらにひとつ請願その他の御趣旨に沿うような何か案ができれば、やったほうがいいと、こう考えております。
○竹田現照君 この請願が預かりになってから去年の参議院選、近く総選挙ということで、あのときの公選特別委員会のときもきわめて消極的な御意見だった。自治省では選挙に対して、これから消極的に取り組むか、積極的に取り組むかによって全然私は違うと思う。この間札幌の道議の補選にちょっと行って不在投票をしてきましたが、ああいうふうなかっこうで選挙管理の立ち会い人がいるとして、その場で投票用紙を請求、交付の措置をし、投票の行為をさせるということになれば、一人の選管がいるだけなら、これはつうつうでうまくない場合もありましょうけれども、手帳を持っておる、これだけははっきりしているわけです。ぼくならぼくが持っておるとすれば、やはり私の家に行けばいい。そこに二人なら二人の選管の者が行って立ち会って、その投票箱にかぎをかけたものを持って歩けばいいんですから。そういうようなかっこうでやれば――私は、金の問題だけだと聞いておる、実際には秘密保持その他の問題もあるが。ですから三十何万、これは私の調査、この資料によると三十二万であります。これは一、二級の手帳を持っておりますが、その問題と、それからそのほかに、このごろの交通事故で非常にふえておるということになれば、かなりの数が――三十万なり五十万なりのものが投票できないということになる。 この間の札幌の道議補選のときは約千七百万かかっておる。それであんなばかな選挙――話は脱線しますが、あれは二〇・何%、史上最低の投票率です、千七百万円で。私も札幌市民ですから不在投票をしてきた。ところが全国の、しかもこういう政治にいろいろのものを求めて、みずからの一票を投じて何かしたいという気持ち、これは私は、あまり消極的に検討するというのではなく、積極的に検討して、選挙のたびごとに少しでも漸進的にそういう人たちの希望というものをいれさせてやるという方向で検討していかないと、これは憲法上重大な公民権の制約だから憲法違反です、実際は。金の問題で解決するなら、たとえ一億かかっても解決してやるということが公民権の行使上たいへん重要なことだと思う。ですから、いまの大臣のお答えでしたら四十二年十二月二十二日に降矢選挙局長がお答えになったことより、あまり前進していないと思う。ですから近く行なわれる総選挙には間に合わないにしても、やはりことしの公選法改正なり何なりのときに、具体的な一つの成案を得て、改正案なり何なりを出されるというような前向きのひとつお答えを私は聞きたいと思っておりますが、いかがですか。
○国務大臣(野田武夫君) 私は、御趣旨にはほんとうに同感です。ただ、いま申しますとおり、これは逃げことばではなくて、実際不正投票ということが心配なものですから、事務当局もいろいろ検討してもまだなかなか案が出ない。そこで結論はお話のとおり金だけで――金だけで済むと言えばことばが過ぎるかもしれぬけれども、費用の問題でこういう正当な権利を執行できないということは、これは私も、費用問題でそういうことだということで、このままにしておくことは、私もいいことじゃないと、こうはっきり思っております。そこで、御趣旨はよくわかりましたから、ここでお尋ねにお答えしただけでなくて、私また事務当局を激励いたしましてひとつ検討いたします。費用が膨大にあまりかかるとまた問題になりますが、しかしいまお話しのとおり、ある程度の費用がかかるからといって、一番大事な国民の権利を奪うということでございますから、私これは必ずさらに検討するように激励いたしますから、御了承願いたいと思います。
○竹田現照君 では大臣のそのお答えで、私はこういう人たちの期待がぜひ実現できるように最善の努力をしていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
○和田静夫君 たいへん時間がないものですから、簡単に二、三質問をいたします。 まず一つは、四十三年度の自治省所管の一般会計歳出予算各日明細書と、四十四年度のとずっと読み比べてみたんです。その中で特徴的に出てきている二、三を質問しておきます。 一つは、電子計算機の導入に伴う諸費用であります。これは二千七百二十四万二千円実はふえているんです。ふえた内容について詳しく説明をいただきたいと思うんですが、そのことはいま説明を求めていますと時間がありませんから、電子計算機の利用計画を示す必要があるんじゃなかろうかと私は思う。これは後ほど資料としてひとつ利用計画を示してもらいたい、こういうふうに思います。そこでその前提の上に立って、けさも新聞は大きく防衛庁のPPBSの問題について報道していますが、電子計算機組織の利用というものをいろいろ考えてみるわけですが、大量単純計算事務の処理の場合であっても、あるいはPPBSといったような高度利用の場合であっても、そのメリットを決定的に左右するものは私はデータの精度であろうと思うのであります、あるいは情報の質であると思うのであります。自治省に電子計算機が導入され、データ集計が集中一元化するに及んで、都道府県市町村は、ともあれ従来よりも一そう強くその正確な調査機能の確保を求められることに私は必然的になろうと思う。そうすると都道府県市町村側の統計、行政組織の強化についてどのような配慮がなされているのですか、これが一つです。 二つ目は、日本の官庁統計というものが一定の正確度を持ってきた一つの大きな理由に、私は優秀な民間の調査員との関係というものがやはりあったと思うのであります。したがって民間統計調査員の確保の重要性という観点に立って、具体的にどのように措置をなされようとするのか、お答え願いたいと思います。
○政府委員(宮澤弘君) ただいま和田委員から御質問でございますが、自治省は電子計算機を本年の三月、始動を開始をいたしたわけでございまして、現実にこの四月から各種の統計事務を電子計算機に乗せてまいりますわけでございます。したがいまして、いまようやく準備段階を終えまして、これから仕事にかかるという段階でございまして、今後の必要な調査なり計画なりにつきまして検討を重ねております段階でございますが、おっしゃいますように、当初は自治省といたしましては単純計算――各種の課税状況の調査でございますとか、単純計算から始めてまいりまして、したがいまして、いままで各市町村なり府県なりで集めました資料、これを電子計算機に乗せてまいりますわけでございますので、直ちに格別に府県なり市町村なりの統計行政組織について、すぐにこれをどうこうということは出てこないとは思うのでございますけれども、おっしゃいますように、今後単純計算の事務量をさらにふやしてまいります。さらに単純計算以上の各種の統計改正でございますとか、あるいは予測計画といったようなものを立てます場合には、まさにデータの精度ということが必要になってまいりますわけでございます。私どものほうの仕事は、ただいま御指摘のように、自治省と各府県、市町村、自治団体、これが一致協力をしてやりませんと動かないものでございますので、おっしゃいますように、今後各自治体におきます統計行政組織の充実につきましては十分配慮をしてまいりたいと思っておりますが、まだ具体的にこうするという段階まで申し上げられないのはまことに遺憾でございますけれども、御指摘のことはまことにそのとおりだと思っております。 それから、さらに第二点に、優秀な民間の調査員、それとの提携の問題も御指摘になりましたわけでございますが、これもまことにそのとおりでございまして、今後私どものほうが中心になりまして府県、市町村の情報処理組織が円滑に動きますように万般の配慮をしていきたいというふうに考えております。
○和田静夫君 私は、電子計算機が導入されるイコール中央集権化だというような形の抽象的な論議をするつもりはございません。ただ、純粋に電子計算機の導入によるところのいわゆる政策決定上のメリットとでもいいますか、そういうものを考えてみると、多くを期待することができないのではないだろうかと実は思うのであります。何といっても私は、データの精度であれ、情報の質であれ、結果的にそのかぎを握るのは、いまも答弁がありましたように地方自治体であります。ところが、その自治体側に自治省の電子計算機組織体系といいますか、そういうものを主体的にかんでいこうという内的衝動は私はいまないと思うのです。従来から統計調査事務というものは多分にみずからの行政に益するところなく、負担のみ感じられる、これが私は率直なところだと思うのです、地方の。その傾向は私は電子計算機の導入によってますます深まると見ています。とすれば、電子計算機導入による効果として考えられることといえば、自治省が言われておるような府県段階で約二百二十名分の年間仕事量が浮くと、そういういわゆる人件費の削減、事務合理化の面だけでなかろうか。 そこでお伺いしたいのですが、自治省は電子計算機の導入によって自治体側には合理化をしいる、しからばみずからはそれに伴ってどのような合理化をしたのですか、また、しようとするのですか。それはこの予算書の中にどのような形で一体あらわれていますか。ものごとを単純化していってしまえば、電子計算機導入に伴う費用が二千七百二十四万二千円ふえた反面、どの経費が一体減ったのですか。各課ごとに行なっていた統計事務がどのような形で一体一元化をされ、合理化をされたのですか。
○政府委員(宮澤弘君) 先ほども申し上げましたように、ことしの四月から実際に動かし始めるわけでございます。それで、この電子計算機は、単に自治省ばかりでなくて、どこでもそのようでございますが、やはり初めの一、二年というものは試行錯誤の段階を通っていくもののようでございます。したがいまして、初めから非常に大きな行政の合理化ができるということは期待はできないと思うわけでございますが、何年かやってまいりますうちに軌道に乗ってくると思うのでございます。したがいまして、ことしは、先ほど申しましたように、単純計算を主にして始めるわけでございますが、そのうちの一部、従来統計局に委託をしておりましたようなものの経費は電子計算機に置きかえられていくわけでございます。しかし、電子計算機で計算をいたしますと同時に、やはり従前のようないわば人間の手を中心にいたしました計算というものも、やはり当初一、二年は補足的にやっていかなければならないというような次第でございます。ことし――四十四年度から電子計算機を導入いたしまして直ちにどこの人間がどう減ったというようなことは予算上出てきておりません。しかし私どものほうの将来の予測といたしましては、たとえば課税状況にいたしましても、あるいはさらに地方交付税を電子計算機に乗せるということになりますれば、関係課のいままで計算事務に携わっておりました人間というものはこれを電子計算機の力に置きかえることがかなりできると、こういうふうに考えます。
○和田静夫君 「自治日報」の三月二十一日号には、自治省の電子計算機始動に伴う記事が実は掲載されております。それはこういうことばで結ばれておるわけです。「しかし、事務の合理化、人件費の削減など目にみえる効果は副次的なもので、期待される本来の効果は「コンピューターの高度利用により、いかにトップマネジメントとしての管理データをつかむことができるか」という目にみえない効果にある。自治省では、 コンピューターの活用で、地方行財政の質的高度化が図られるとともに多面的、総合的な情報処理システムが確立され、タイムリーな政策の決定に役立てられるとしている。」、こういう記事が出ております。 そこで自治大臣にお伺いしたいのですが、このいわれるところのPPBSといったものの将来展望を一体どのようにお考えになっておるかという点であります。そういうものと、この国会における審議との関連というものをどういうふうにお考えになっておるかということであります。たとえば、最近行政の行き過ぎが御存じのとおりしばしば識者の間で問題になります。いまの政府、地方公共団体の行政は資本や企業擁護に偏向し過ぎている、一部の利益が優先して、国民一般の利益が無視され、かえってそこなわれてさえいると指摘されています。で、私は予見的に一定の行政方向に基づくデータと情報で電子計算機の組織を利用していく、その前提の上に立つと、特定グループの利益優先という方向がさらに決定的なものになるということを実はたいへん心配をするわけであります。つまり、私が言いたいのは、電子計算機の導入によって自治省はいま読み上げたように多面的、総合的情報処理システム、そしてタイムリーな政策決定なんということをいっておるのでありますが、私はあるいはほんとうにそういうことをお考えになっておるだろうと思うのでありますが、しかし何といっても行政というものの遂行の主体は人間である、そうすると、行政遂行の主体が人間である以上、そこにはおのずから限界があるはずであろうと思うのです。で、そこにこそ私は国会審議の政策決定上の意味もあると思うのであります。その辺の限界をどこらあたりに設定して地方行政における情報管理組織なんというものを考えておるかということは、三権分立という問題を実はずっと展望した場合にたいへん大きな問題が出ると思うのですね。その辺、大臣の御見解を承りたい。
○国務大臣(野田武夫君) この電子計算器を四月から動かすことになりますことについて官房長がお答えしましたが、これは現在のところ、単純計算といいますか、特別な使命を持っておりましても、まだつけただけでございますので、ちょっとこれをもってどのくらい影響があるかということは申し上げかねます。私もこの間、電子計算機ができたというので、その部屋に行ってみました。そのときにいろいろ話を聞いておりましたが、いま和田さんの御意見のような――実はちょっと率直に言いますと、これは、まとまった、どう運営して、どういうメリットがあるか、また、どこに目標を持っていくか、そこまではまだ実のところ、はっきりした計画書を持っておりません。これは、私はいま部屋に入ったばかりでございまして、いろいろ理論的に見ますと――聞いておりますと、はたしてそこまで電子計算機が働くかどうかということも、これは非常な疑問でありまして、私も最後の行政の主体は、電子計算機が主体になるということは毛頭考えておりませんし、これは人間がやらなければならないことである。ただひとつ、いまコンピューター時代と言いますか、また、いまPPBSの話もございましたが、まあ要するに行政でも、立法でも、やはりできるだけ資料を綿密に集めていく。しかも、それをスピーディーに集める。それを基礎としていろいろ立案をしたり、計画をする、これが私は必要だと思います。そこでただ、人を何人減らすとか減らさないとか、機械を入れてそうするというのは、これは目的が違うと私は思っております。その結果いろいろな人事にも関連がありますけれども、その目的はそれと全然違っておって、やはり最後は行政の計画性、またそれを踏まえて一つの政策の決定ということに役立ってくる。それから、これは非常におもしろい例ですが、電子計算機のまあ何といいますか、メリットといいますか、そういうものと、国会の審議は何といったって、これはもう政治的な基本のことをいろいろ論議するところでございまして、これが立法にあらわれる、行政にあらわれるということの基礎でございます。したがって、いま私が申しました電子計算機の機能というものは情報統計、これができるだけ正確に、しかもスピーディーに収集できる、これは私は認めてもいい。しかし最後の政策決定、行政の基本をきめるという、これはもう何といっても、いまやはり国会の審議とか、あるいは社会の趨勢とか、あるいは地域住民の声とかというものを、じかに行政に当たる者が触れて聞かなければ、最後の決定をするということはできないことでございますから、今日やっと三月に入ってきた機械が人を振り回したり、政策の決定がこれによって左右されるなんということは、私自身は全然考えていないことであります。また、あるべからざることである、こう考えております。
○和田静夫君 あるべからざることだということだけ、ひとつ信用しておきたいと思います。将来にわたって考えると、たいへんなことが起こるような気がしますが、これは別の機会に――時間がありませんからいたしますが、ただここでひとつ、ちょっと約束だけしておいていただきたいのは、私は電子計算機導入によって、一定の限界の設定というものがなされなければいかんということは、さっき述べたとおりであります。そうでないと、国会審議というものの重視というものが――大臣がいま述べられたような趣旨をお持ちになっておっても、機械は動いていきますから、なかなかたいへんなことが私は予想される、こう思うのです。そうした限界の設定の最低の条件というもの、それが電子計算機によって得られるならば――あるいはその政策に一点の秘密があってもならないのだと、こう思うのです。電子計算機にかけられたすべての情報及びその成果を必ず公表することが約束されなければならない、そういうふうに私は考えます。そうでなければさっきも言いましたが、どうも三権分立の原則そのものも、ついには侵される危険を持っておる、そういうふうに私は考えます。したがって公表をお約束していただきたいわけですが、よろしいですか。
○国務大臣(野田武夫君) これは私もちょっと触れました。また和田さんもちょっと御主張になっておりました電子計算機の機能の性格といいますか、そういうもの、また私どもがいま考えておる情報というものの収集とか統計とか、それから官房長が申しました地方行政における浸透ぶりとか、いろいろなことが出ていますが、これらを秘密にしましても――それを秘密にして、それじゃ秘密に基づいて行政の方向をきめるといいましても、必ずこれは国会でどういう理由でやるのだと出てきますから、これは全く私は同感ですよ。こんなことを秘密にすることはないのですから、それを基礎として行政面にあらわれてくると思うのです。またいろいろ計画をやりましても、その理由は、国会には特に御説明申し上げなければならぬことで、私は和田さんの御意見に全く同感で、秘密にする考えは毛頭ございません。
○和田静夫君 それじゃ時間の関係で、次に進みます。 各種委託費についてちょっと聞きたいと思います。まず第一に、国土計画協会に対する地方制度研究委託費ということで百八十六万円計上しておりますが、これは例の東京都の特別区の問題を調査してもらう、こういうふうに考えてよろしいですか。
○政府委員(長野士郎君) 国土計画協会に対しましては、御指摘のとおり地方制度調査会でこれから都市問題の研究、検討をしていただくということになっておりますが、そういうことに関連をいたしまして大都市関係の実態調査その他を少し委託したい、こう考えております。
○和田静夫君 去る二月二十五日の本院地方行政委員会で自治大臣は、私の質問に答えられて、なにも東京の二十三区を一本化するという結論をもってことに当たっているのではない、こういうふうに述べられました。そこでいま大都市問題の調査を経て、この二十三区を含めて、たとえば首都東京の場合ですが、首都の行政改革を考えたい、こういうことだろうと思います。ただ調査することだけじゃないと思うのです。かりにそうした調査を経て、自治省が一定の改革案をまとめたとします。そうして地方制度調査会にも諮問をされ、一定の結論が出たとします。さて、その案を実現に移せるかどうかということは、私はたいへん疑問に思うのであります。地方制度調査会委員の方々や、あるいはここにおられる自治省の方方がロブソン博士を囲んで「ロンドンの行政改革と東京の問題」ということで座談会をされております。大臣もお読みになっていると思いますが、それが雑誌「地方自治」四十二年七月号に載っておりましたので、私は実は読み上げたい、こう思うのですが、ロブソン博士はこう言っているのです。「しかしながら、この改革も相当執拗な抵抗、反対を伴って行なわれたわけで、たとえば、周辺のケント県であるとか、サリー県であるとか、エセックス県であるとか、こういう県もグレーダーロンドンの行政区域の中に組み込まれたわけです。エセックス県はそのためにコマ切れにされたわけです。このようなことはどこの地方といたしましても、反対なしにすむわけはないので、私はほかの国の事情も研究しておりますが、これはやはり、高いところからの強力なあと押しがなくては達成されなかったわけで、それぞれ地方自治体というものは、やはり、現状維持を貫きたくて、どれほど必要な改革であっても、これをなし遂げようとは思いませんし、ましてや、これを歓迎しないわけです。この点を申しますのは、結局、これは各国に共通した問題であろうと思われるからです。」こうロブソンは述べているわけです。にもかかわらず御存じのとおりロンドンではあれだけの大改革がやれました。その大改革は大ロンドンの地方行政に関する王室委員会の報告書に基づいてなされたと、私は理解をいたしておりますが、私はこの王室委員会が国民的に非常に権威があったこと、そしてこの委員会が七、八年かかってまとめた報告書であることがこの大改革に大いに私は力があったのだと、こう思うのです。そこで私は、二十三区に手をつけることだってたいへんなことだと、さっき述べたのですが、自治省はほんとうにこうした行政改革をやる気があるのなら、国民各層にその権威を十分承認されるようなしかるべき委員会をつくり、十分時間をかけて改革案を練るのが当然だと思いますが、これはどのようにお考えですか。この地方制度調査研究委託費、この百八十六万円こそ私はそういう意味からいって、まさに官庁的予算のための予算の典型だと、こういうふうに実はこの数字をながめながら思うのですが、いかがです。
○国務大臣(野田武夫君) まあこのロブソン博士のお話がありましたことは、ことにグレーダーロンドンの改革ということ、これは非常な日数をかけてやったことでございます。いまお話したとおり一朝一夕に地方行政の改革、その他地方政治のそういう改革といいますかは困難であります。ことにまあ東京都というお話でございましたが、東京都の行政というものは何とかメスを入れて、まあ大過密都市と申しますか、世界でもまれな都市になってまいりましたから、これはただ二十三区を一緒にするとか、私はそういうことではないと思います。私がこの前に和田さんにお答えしたのはそれなんです。ただ二十三区を一緒にして、それで都政がうまくいくなんという、そういう簡単なものではなく、しかしそうかといって思いつきでやりましても、これはうまくいくものじゃないと思っております。したがってこの委託しました事柄の内容、結論はまあいろいろこれも参考にする必要がある。私は、どこにでもこういう意見をこちらから排聴する、お聞きするということはいいことだと思っております。したがっていまこれをすぐ地方制度調査会に持っていく、これも地方制度調査会に諮問してもけっこうで、いまお話はひとつ大委員会をつくってやったらどうか、東京都のごときは大委員会かもしれませんが、私は相当これは綿密に、また各界各層のいろんな人の御意見を一応聞く必要がある、まあ世界まれなこういう大都会の行政改革でございますから、いままでいろいろ言われた意見も多数ありますが、これもまた参考にするし、また自治省は自治省としていろんな検討もいたしております。これも参考にする。同時に思い切ってやろうということは、私は念を入れて――まあ委員会をつくるかどうかは別といたしまして、あらゆる機関を通じてひとつ意見をお聞きしなければ――なかなか大胆率直にやるという結論が出ますれば、そのときは勇気をふるってやってもいいかもしれませんけれども、それまではこういう大都市の改革問題をそう簡単にやれるということは毛頭考えておりません。だからいろんな意見があること、また意見を聞くことは私はいいことだと、こういうふうに思っております。
○和田静夫君 何か薄っぺらな討論になってしまいますけれども、まあ引き続きましてロブソンさんが、同じ座談会の中で実は特別区の問題に触れておりますが、その発言も用意をしておりますが、時間の関係で省略します。言ってしまえば、いわゆる基礎的自治体の強化ということを軸に据えた論議だと私は思うのです。ですからロンドンの行政改革に匹敵するような東京都における行政改革をほんとうに展望してみるときに、どうしても基礎的自治体の強化ということを軸に据えたロブソン氏の方向というものは、私は支持されてよいと実は思っておるわけですが、長野行政局長は昭和四十二年の十月五日、練馬区民の会の代表者たちの前で、区長公選におけるいわゆる練馬方式の、言ってみれば区条例制定の都民投票方式といいますか、そういうものについて、だれの着眼だかしらないが、法の盲点をついた巧妙な考えだ。ただ自治省としては、昭和二十七年改正時の意図に反するから認めるわけにはいかない。練馬の方式は梅の木を桜の木株についでいこうとするので、それでは梅の花が咲いてしまうので、まずいということばで表現をされています。しかし私は、それは間違いだと、実はこう思うのであります。自治省が積極的に区長公選へ向かって、区条例制定等の行政指導をすべきである。そういうふうに思います。法の盲点だからというような形で逃げられる筋合いのものではない。法は、少なくとも区議会段階までの選任のしかたについて区条例を制定して、区民の投票により代表を選ぶことを許容する条件を持っているんですよ。その法に従って、あなたのほうでは指導をすべきであると私は思うのです。同時に、そういう論議よりも大切なことは、少なくとも住民の中から自治意識の目ざめによる運動が起こってきた。そういうものをつぶすことは、民主主義安定という公共性からいって許されないのではないだろうか。その意味で私は、自治省のメンツを乗り越えて、ロブソンの東京診断に示されているような基礎的自治体の強化、区長公選と大東京の広域的再編成というモデルが設定された場合、練馬における区長公選運動のようなものは、まさにそれへの自主的条件の形成を意味するものとして、積極的に支持されていいと思うのであります。これについてはいかがですか。
○政府委員(長野士郎君) 私は、練馬の方々にお目にかかったことは確かにございます。いまおあげになったような言い方をしたかどうか、ちょっと正確でございません。記憶しておりませんが、まあ要するに、現在の特別区の区長選任の方法といいますものは、これはやはり区の議会で選びましたものについて、都知事の承認を得て選任するということであります。つまり沿革的に見ましても、それは直接公選制のかわりに、そういうように間接的に選任する。議会を使って選任するという方法を選んだわけでございますから、条例によりまして住民投票的な――要するに一般投票と同じような形で選んだ候補者を、議会がその中からきめていくという形をとるということになりますと、やはり区長の選任手続に実質的には相当大きな変更を加えることになる。したがって、考えられる筋はいろいろあると思いますけれども、現行法としてはそういう区長選任の条例をつくるということは、これは難点があるのではないか。こういうことを申し上げたわけなんです。それだけでございます。将来の改革の方向をどう持っていくか、これは御指摘になりましたいろいろな考え方があると思います。
○和田静夫君 ちょっと政治的な問題ですよね。大臣に伺いますが、どうお考えになりますか、いまの問題。
○国務大臣(野田武夫君) これは和田さん、政治的とおっしゃるが、相当政治的な意味を持っております。要するに、いまの都政全体、区制も入りましょうが、どうしても東京都の都政は、みんながひとつ衆知を集めて、いい行政が運営できるようにする。たとえば、いま御承知のとおり、区の仕事は都の人がずいぶん入り込んでやっている。都と区の行政の区分が非常に複雑といいますか、配分問題なんかも一つの関連があると思います。それから財政上の問題があります。非常に複雑でございまして、私はどうすべきだという案を自分で考えておりませんから非常にあいまいな御答弁をいたすわけでございますが、そこで、いま一つお取り上げになりました区長公選、これはまあ区の条例によって云々ということでございましたが、やりますからにはひとつ思い切って……
○和田静夫君 公選にするか。
○国務大臣(野田武夫君) 公選にするかせぬか別です。これも一つの議題としてそうして改革案というものを思い切ってひとつ触れてみたらどうか、その上においていまのお話のようなことも出てくると思います。どっちがいいか悪いか私はいま判断に苦しんでおりますが、全体のことを考えませんと、一つの、いまの特別区を永遠に置くと、こうなってまいりますと、これはいろいろ政治的に考えられると思います。わかります。しかしながら、ここにやはり私がこの前一緒にしてどうするということを答えたように、そのとおりです、考えがないものですから。それだから公選問題も一つのやっぱりテーマとして考えるべきですが、もっと深く広く全体を総合的に考えてやらなければいかぬときが来ているのじゃないか。もっとことばをかえて言いますと、ちょっといま行き詰まっているような、何か打開しなければ……。これはしかし、われわれ決して中央集権的にどうしよう、そういうことでも何でもありません。それはそんな考え方で考えているのではございませんが、いまお示しのとおり、やはりこの自治意識を根底に置いてやる、これは当然でございます、ここまで自治が発達してまいりますと。しかし、それにはいまの東京都や全体をながめて、まあ大体行政の範囲なんというものは大体限度があるし、いろいろなことにおいての複雑さもあるから、もう少し都民の人のやはり生活につながる問題でありますから、行政を簡素化するとか合理化するとかまた近代化とか、ことばはいろいろありましょうが、そういうものにやっぱり近づくようなことでございます。一区長の公選問題をいまイエスかノーかということよりも、私はそういうふうに考えていくべきではないか。結論としては、反対賛成は別でございますが、そういう考えを私は持っております。
○和田静夫君 考えがないものだからと言われると論議のしかたがない。たいへん私は重要な問題だと思います。御存じのとおり十何区にわたって区長が長期間にわたって存在しない、そういう状態を何べんも経験してきているわけですから、その道を乗り切るためには、やはりもとの公選に戻したほうが、ちゃんと期日がきまって選挙で選ばれるわけですから、そうして区議会がそれを選任して報告すれば、いまの法律の中でも区条例さえつくっていけばいけるわけですから、大臣その辺のことは十分お考えになってあれしていただきたいと思います。 次に進みますが、地方公務員制度研究会への人事管理問題等調査委託費。こういう形で七百七十一万九千円が計上されています。この地方公務員制度研究会とはどのような人たちによるどのような研究会ですか。お聞きしたいことは、いままでいろいろお聞きしてきた中で、六団体が自主的にやっていることだというような形で自治省は言ってこられたきらいがありましたので、私は、予算がこういう形で支出されるということは一何体を意味しているかということを実は含んで御質問しているつもりで、それが第一。四十三年度は同じ費目で五百十一万五千円計上されていました。ところがこれも地方公務員制度研究会へのいわゆる委託費でしょう。確認をしておきたいのです。三つ目は、地方公務員制度研究会にはいつからどのくらいの委託費が払われてきたのか、年度ごとにその金額を明らかにしてもらいたいと思います。
○政府委員(長野士郎君) 地方公務員制度研究会は、いわゆる知事会あるいは市長会、町村会、それからそれぞれの議長会という組織がございますが、そういういわゆる地方六団体と申しますか、そういう六団体が会員になっております。近代的な人事管理なり、近代的な労使関係の確立というものにつきましての調査研究をいたしておる組織でございます。これに対しまして御指摘の七百七十一万九千円はそういう意味の地方公務員の関係でございますが、公務員関係の制度の運営の実態でありますとか、資料の収集でありますとか、そういう意味での情報の収集でありますとかというものの委託をして、委託いたしますために委託費として来年度予算ではそれだけのものを出したい、こういう予定にいたしておるのでございます。三十九年からこの地方公務員制度研究会に対しまして委託費を出しております。四十三年度は五百十一万五千円の委託費を出しております。
○和田静夫君 年度ごと。三十九年からのやつはいまわかりませんか。
○政府委員(長野士郎君) わかります。三十九年は百十九万円、四十年は百六十万円、四十一年は二百万円、四十二年は三百万円、四十三年は五百十一万五千円、四十四年度は七百七十一万九千円、こういうことになっております。
○和田静夫君 自治省が継続的にそれだけ多額の金額をこの地方公務員制度研究会に出してきたということは、この研究会はきわめて自治省とは密接な関係にあると考えていいと思います。ともあれ、これだけの金が税金の中からつぎ込まれているわけです。その研究成果は当然公表されてしかるべきだと、大臣、私は思います。地方公務員制度研究会が人事管理問題などで調査した結果としての、私は過去一切の資料を提出していただきたい。大臣はお約束をしていただきたいと思うのです。自治省が毎年何百万かのとにかく予算措置をして地方公務員制度研究会に人事管理問題の、いま言われたように調査委託をしております。地方公務員制度研究会はその研究成果としての資料を国会なりしかるべき機関に公表することなく各地方公共団体に送っております。とすると、それは自治省の指導という私は性格を帯びていると思いますので、私は公務員部の設置がきまって間もなく地方自治体に配られた地方公務員制度研究会編の「公開口頭審理の問題点」という名の資料をずっと前に手に入れております。それは堀家という弁護士の講演要旨でありますが、その内容たるや、かのドライヤー委員会の最終報告書が認めている職員団体の活動の最低限さえ認めないたいへんひどいものであります。しかし、私は地方公務員制度研究会が六団体のものであると実は聞いておりましたので、任命権者のやることならばまあ追及することの筋合いでもなかろうと、こう思っておったのでありますが、いま確認をしましたように、自治省が継続的に予算措置をしてこうしたものを出させているとなると、私は事情が変わってくると、こう思うのであります。地方公務員制度研究会は、いまや自治省公務員部の自治体指導上の隠れみのである、こう言ってさしつかえないほどだろうと思うのです。そこで、私は前の臨時国会で前の自治大臣にも確認したことで、くどいようでありますが、野田自治大臣に確認をしたいのであります。それは一々読み上げませんが、昭和四十二年八月十八日の衆議院地方行政委員会における藤枝自治大臣の確認事項はまだ生きている、前自治大臣もそのことは確認をされましたが、野田自治大臣もそのことをお認めになると思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(野田武夫君) 私の前任者の各自治大臣が確認したことでございますから、私ももちろんこれは引き継いでおりますから、確認することは当然だと思います。
○和田静夫君 地方公務員制度研究会が出されてきたそれらについて、提示をしていただけますね、先ほど申し上げた資料。
○国務大臣(野田武夫君) これはいまお話がありましたように、その資料について何か刊行物を出している、それは国会には出さないで各方面に出していると、当然そういう刊行物は国会にもお見せして、御参考にしていただく、それは当然だと思っております。
○和田静夫君 昨年の九月に、やはり地方公務員制度研究会の名で、各自治体に実は配られた対策資料というのがあるんです。ここにあるわけですが、このはしがきを読んでみますと、自治大臣に――実は藤枝自治大臣が確認あるいは前の自治大臣が確認をして――いま確認をしてもらいました四項目に、全くこれは違反しているんです。公務員部が設置をしたときの趣旨というものは全くそこなわれている一で、これは私はたいへんな問題だと実は思うのであります。そういう意味において、地方公務員制度研究会に予算が組まれるということには、反対をしなきゃならないぐらいの性格を実は持っています。まさに、たとえば地方自治団体の職員たちがつくっている労働組合の運動に対して、いわゆる弾圧対策の資料、そういう形のものになっているんですよ。私はこれ実は二時間ぐらいの時間をもらうつもりだったんですが、なくなりましたから、きょうはやりませんが、そのこと、大臣、頭に置いておいていただきたいと思うのです。 続けますけれども、地方公務員月報の発行費用として、昭和四十三年度は、諸謝金の中の、地方公務員月報執筆者等謝金という形で、二十五万二千円、庁費の中の、地方公務員月報及び情報発行費三百九十八万五千円、計四百二十三万七千円が計上されております。四十四年度には、それぞれ十九万九千円、そして三百九十八万五千円、計四百十八万四千円が計上されております。そこでお聞きしておきたいのですが、地方公務員月報には六十円の定価がついておりますが、月何部刷って、何部が有料で出ていますか。また、印刷屋に払う単価は平均幾らぐらいついていますか。さらに地方公務員月報の原稿料は一字につき幾ら支払われていますか。
○政府委員(長野士郎君) 地方公務員月報は昭和四十三年、四十四年度予算としては三百九十二万円でございます。明年度とも同じでございまして、そして毎月八千三百部を発行いたしておりまして、配布先は都道府県や市町村等に無償で配布をいたしております。御指摘のございました、月一冊六十円というお話がございましたが、それはこの八千三百部は予算もございますので、無償でいたしておりますけれども、それ以外に有償でいいからということで、版元から増し刷りをして購読希望者が買っているというもののお話だと思いますが、その有償部分というのは、四千八百部ぐらい、毎月大体四千八百部ぐらいあるというふうに聞いております。決算で申しますと、一部の単価が、大体無償の分でございますが、実費としては三十一円十二銭でございます。これは三十一円十二銭くらいの決算上の数字が出ております。諸謝金と申しますのは、いまの稿料等でございますが、その分は一字幾らというふうな計算をいたしておりませんが、予算の見積もりといたしましては、一ページに対しまして大体二百円、それがまた節約がかかったりなどいたしまして、ちょっと根っこのほうが少しややこしくなっておりますけれども、まあそういうことでございます。
○和田静夫君 この地方公務員月報の収支決算については、また後ほどひとつあれしますが、ともあれ、この雑誌には毎年四百万円という国費が投入をされているということは、私はこの雑誌はたとえば自治研究――たいへん私たちに勉強になりますからよく読ましてもらっていますが、自治研究などと違って、自治省の役人の私は同人雑誌ではないということをよく考えていただかなければならぬと思うのですよ。ほんとうに――時間を横から迫まられておりますからやめますが――たとえば十二月号――なんかひどいものですよ。森さんが書いているのですがね。ちょっとたいへんなことで、抜かすわけにはほんとうはいかぬのだけれども、雇われマダム的だというのですね。私は北海道の知事が雇われマダム的なのか、あるいは革新の東京都の知事が雇われマダム的なのか、あるいは鹿児島県と宮城県のように自治省の役人から知事になった人が雇われマダム的なのか、追及することを実はしたいところですが、きょうは残念ながら省略をいたします。同人雑誌ではない。自治省という正式機関の機関誌であって、自治体に対する指導的意味も大きい。そういうことを私は考えておかなければならないと思うのです。いわゆる一個人の主観的見解の発表は極力避けるべきだ、そういうふうに思います。そうでないと、こういうとんでもないことになるのだと思う。私はこの前、大臣は御存じないのですがね、臨時国会では九月号の、やはり森さんという人ですがね、たいへんな論文をつきましたがね、注意していただきたいと私は思うのです。特に自治省の何何局長、何々課長といった立場の人全体に、大臣、十分にあれしてもらわないと私はいけないと、こう思います。このくだりの内容の問題については、後ほどいつかの機会に譲りたいと、こう思いますが、いまのこと、約束していただけますか。
○国務大臣(野田武夫君) それは和田さんの御指摘になりました局長、課長、重要な自治省の職務を担当しておる職責を持っておるものでありますから、これは個人の感情とか個人の考え方を、局長とか課長の名前において発表するのはやはり十分考慮してもらわなくちゃならぬ、注意いたします。
○和田静夫君 私はこの九月号では公務員課長としての、当時第一課長としての性格、そういう立場にいらっしゃるのはたいへん不適格だ、こういうことで、前の自治大臣は善処をいたしますということを約束されて、結果的には何か行政課長に回されたようであります。どうも国会で約束をされておりながら、行政課長といえばまたある意味では栄転したのではないかと思われるくらいの、たいへんなことが私は行なわれていると思うのですが、行政課長としての適格性さえ私は問題にしたい、そう森清さんについて思うわけです。これは先ほど言ったとおり、後の機会に譲ります。 最後に、選挙常時啓発委託費が四十三年度に比して二千七百十七万五千円もふえていますが、これは衆議院解散をされる、そういうようなこともやっぱり含んででありますか。
○政府委員(長野士郎君) 選挙常時啓発につきましては、従来と少しやり方を変えまして、と申しますのは、従来はいわゆる零細補助金の一つの例にもしばしば上がったわけでございますが、そういうものを統合をいたしますと同時に、やはり重点的にやるべきことはやっていくというようなことがございまして、まあ予算の増額をしていただいておるわけでございまして、決して選挙があるから、みいからということではございません。これは常時啓発をするということでございます。選挙のときにはまた選挙に必要な臨時啓発費はいただかなきゃならないと、こう思っております。
○和田静夫君 実は私は選挙常時啓発委託費ということについては、かねてからたいへんに疑問に思っておるのであります。ということは、公明選挙連盟とかなんとかいうところに巨額な金がおりていくということについて疑問なんです。これも討議の継続を別の機会にしたいと、こう思います。 そこで、次に移りますが、昭和四十四年度の警察庁関係予算三百九十一億四千八百九十九万九千円計上されています。言うまでもなく、警察行政費は警察法の第三十七条でいう経費のすべてであります。そこで、お伺いを一つしておきたいのですが、大体でけっこうですが、警察法の第三十七条第一項でいう経費はどのくらい見積もられているか、第二項でいう経費の総額はどのくらいで、そのうち補助対象事業の割合はどのくらい占めているか、したがって、第三項でいう経費はどのくらい見積もられているのかという点について。
○政府委員(浅沼清太郎君) お答えいたします。 お尋ねの四十四年度につきましては、御承知のように、補助金等は各府県で予算を計上いたしまするので、いま御指摘のような意味での区分けが判然としておりません。四十三年度について申し上げますと、四十三年度は総額三百四十三億でございます。
○和田静夫君 いま答弁にあったように、こういうふうにはっきりしないわけです。これが私は実は問題だと、こう思うのであります。四十四年度はっきりしないと、こう言われた。私は三月二十五日の地方行政委員会において機動隊増員問題に触れて、この警察行政の費用の大部分が都道府県の支弁にかかる経費でまかなわれながら、それを管理運営する権限が都道府県にほとんどないという警察制度の非民主性について実は指摘をしたのでありますが、いまここで国会の予算審議の場において警察行政費のうち、ほんの一部しか審議の対象にならないという非民主性を実は指摘をしたいと、こう思うのであります。予算審議を通じて警察行政そのものを問題にし得るためには、どうしても警察行政の全般にわたる予算が爼上にのぼらなければならない、あたりまえのことだと実は思うのであります。 そこで私はお聞きしておきたいのですが、警察行政における地方財政計画に匹敵するものを作成をする、そして国会に提出をする。そういうおつもりはないですか、私はぜひその辺のことをそうしていただきたい、そう思うのです。
○政府委員(浅沼清太郎君) ただいまの御質問の趣旨を的確に把握しませんでのお答えになるかと思いますが、御承知のように、警察の予算の仕組みは、いま御指摘の三十七条で直接国費と、それからそれ以外は県費、それについて予算の範囲内で補助するというたてまえになっておりますが、したがいまして、警察費全体の予算、たとえば四十三年につきましては二千八百億くらいでございますか、そのうち警察庁で予算に組みますのが四十三年度にいたしますと三百四十億であるということでありまして、しかも、そのうちに直接国費の分は、たとえば装備と通信とか、あるいはその他国費の活動経費でありますとか、そういうものであります。したがいまして、警察予算の都道府県を通じての全予算につきましてのごく一部、まあ約一〇%足らずの金が国費としてその中に組まれている。したがいまして、しかもそのうちの相当部分は補助金で、実際には県費の中に組まれているということでありまして、御承知のように、都道府県の予算としてその大部分が組まれ、都道府県の議会の審議を経て各県で予算が成立をしておるという形になっております。 ただいま御指摘の地方財政計画でございますが、これはもう御承知のとおりでございまして、いまは主として人件費が中心でございますけれども、県費の分につきましては、地方財政計画あるいは単位費用の計算におきまして、標準団体の警察の経費が組まれているというふうに理解しておるわけでございます。
○和田静夫君 どうも意を満たせませんが、時間がきましたから続けます。 去る衆議院の予算委員会において社会党の北山愛郎議員の、機動隊の俗称危険手当は、地方自治法二百四条の二に違反するのではないかという質問に、荒木国家公安委員長は、しどろもどろになられて、しばらく時間を置いた後答弁をして次のように言っております。これもほんとうは全部読み上げたほうが意が通じると思いますが、もうすでにおわかりのことですから読みません。私は全く近年まれに見るところの迷える答弁だと思うのです。どうせここにいらっしゃる川島警備局長あたりが入れ知恵をされた答弁だと思いますが、お聞きをしておきたいのですが、俗称危険手当はいつから支払われておりますか。
○政府委員(浅沼清太郎君) お答えいたします。 いわゆる危険手当と伝えられるもの、これは羽田事件以後、負傷した者に対しまして見舞金として支出をしておるということでございます。
○和田静夫君 大臣は「石、角材、火炎びん等の凶器を多数所持する暴力集団に対する規制を行なった場合など、明らかに負傷することが予見されるような事案に出動した場合にこういうものを支払っている。」こう述べられております。そうしますと、デモ一般とでもいいますか、そういうものは、ここでいう「明らかに負傷することが予見されるような事案」には入りません。したがってこの場合には、いまも言われましたが、危険手当は支払われない、こういうふうに理解をしてよろしいですか。
○政府委員(浅沼清太郎君) ただいまの御指摘の大臣のお答えですが、これは私どもは、一応従来はいま申し上げたように負傷者を出しておるということを一応前提としまして、いま御指摘のような出動した場合には負傷者を中心に出そう、こうお答えしたと思いますが、ただいまのようないわゆる警備事件一般に出動した者にすべて出すという考えは毛頭ございません。まあ火炎びんが落っこってくる、あるいは石や角材で攻撃を受けるというような中で負傷をする者もありましょうし、あるいは負傷を免れてもたいへん御苦労願っている、功労も大きというような者につきまして、個個具体的に考えて報償費を支出しよう、こういう考えであります。
○和田静夫君 総理府の所管、一般会計歳出予算各日明細書の警察庁関係のところを見ますと、警察庁一般行政に必要な経費の中の報償費として、昭和四十三年度に四千九十九万九千円計上されていたものが、四十四年度は一億三千百九十九万九千円と、倍以上になっています。この報償費の中から俗称危険手当は支払われていると見ていいわけですか。
○政府委員(浅沼清太郎君) ただいまお示しのように四十三年度四千万、四十四年度要求が一億三千万でございますが、いわゆる危険手当とおっしゃられたそれに該当しますものは、この中から支払われるものでございます。
○和田静夫君 四十三年度中にどういうデモなどが行なわれ、そのつど何人ずつ機動隊が出動をし、俗称危険手当が支給された場合には、そのつど幾らぐらい支払われたのですか。
○政府委員(浅沼清太郎君) 警備出動の数字等は、いま手元にございませんが、先ほど一番最初に申し上げましたように、いわゆる危険手当というような形でいわれておりますものは、これは四十三年度は出しておりません。けが人だけに、負傷者だけに見舞い金を出しておりまして、いま御指摘の問題は四十四年度に新たに出したい、こういう考えでございます。
○和田静夫君 それじゃ四十四年度の報償費一億三千百九十九万九千円の積算内容をお聞かせください。
○政府委員(浅沼清太郎君) これはもう先生御承知のことでございましょうが、報償費は従来警察庁におきましては一般の表彰、部内者、部外者の表彰、それから殉死者とか、あるいは不具廃疾になった者に対する賞じゅつ金その他、いま申し上げたような部隊なり個人なりの慰労、あるいはけが人に対する見舞いというようなもので従来支出をいたしておるわけであります。ただ御承知のように、たとえば負傷者だけをとりましても四十一年中は警備に出動した負傷者が七百七十名である、四十二年におきましては千九百名に達しておる。さらに四十三年は七千二百名に及んでおるということで、わずか二、三年の間に警備に出動しますけが人が十倍近いというようなこと、四十二年と四十三年を比較しましても約四倍であるというようなことで、この四千万の大体の使途、いま申し上げた表彰とか賞じゅつとか慰労とか見舞いとか、いろいろありますけれども、その使途別にいろいろ考えまして、特に最近における治安行政から見まして、警備出動する場合のけが人もおるし、またけがをしなくても非常な苦労をする者がふえている。これらに対して表彰なり慰労をしていこうという計算のもとに、全体としましては約三倍になっているということであります。
○和田静夫君 人事院にお尋ねしますが、公務員に対して支払われる報償金の定義をお示しください。
○政府委員(浅沼清太郎君) 私ども承知しております限りにおきましては、報償費は各省各庁にございますが、各省各庁の長がその所管行政を円滑かつ効果的に遂行するために寄与した者があるという場合に、その寄与をした者に対しまして、部の内外を問わず予算の範囲内で機動的に執行する経費である。一応、抽象的な言い方でございますが、経費の性格としましては、われわれはそのように承知をいたしておるわけであります。
○和田静夫君 人事院に尋ねているんですけどね。
○政府委員(尾崎朝夷君) 私は実は給与担当でございまして、当面の問題は私の所管外でございますので、お答えを差し控えさしていただきたいというふうに思います。
○和田静夫君 事務との連絡に手違いがあったようでして、あれですが、私の調べた限りでは、人事院がいわゆる公務員に対して支払われる報償金の定義に照らしてみて、機動隊に支払われておるところの俗称危険手当は報償金に該当しない、そういうふうに私は考えています。しかしいま人事院から答弁がありませんから、後の機会にこれは譲りますが、長野行政局長、私はあなたの地方自治法の逐条解釈によって地方自治法を勉強しました。あなたは、あそこに書かれたように学問的な良心がおありになるからこそ、自治法の二百四条の二に対して過酷とも思われるほど、法律またはこれに基づく条例に基づかずに支払われるいかなる給与その他の給付を禁止する行政指導を地方自治体に対して行なってこられたのだと思うわけです。同様にあなたの良心に従って私の質問に答えていただきたいのでありますが、あなたは給与に関する条例を制定する場合に生ずる運用の問題を取り上げて幾つかの例をあげて説明をされていますが、ここで取り上げられている俗称危険手当などは、この説明によれば明らかに「給与その他の給付」に含まれてしまいますが、いかがですか。
○政府委員(長野士郎君) この自治法の二百三条、二百四条、その辺の条文だったと思いますけれども、給与とかその他の手当につきまして、法律または条例に基づかずにやっているのは御指摘のとおりでございます。そこで、さい、ぜんから、私初めて伺う話でございまして、内容がよくわかりませんが、少なくともこの自治法の条文にいうような手当等の意味でありますならば、法律なり条例なりの根拠が要る、これはもう当然のことでございます。したがいまして、そういうものが一体いかなる種類なり性質のものか、この中へはまるものであればそういう根拠が要ることは当然であります。だからはまらぬものだと――まあ、私はもし行なわれているとすれば、はまらぬものだということで行なわれておるんだろうというふうに思います。具体の内容はちょっと私ではわかりません。
○和田静夫君 どうも地方自治法の逐条解釈をあれぐらい丁寧に私たちに教えてくれた人の答弁としては、非常に心外な答弁なのであります。私は一々あなたがお書きになったことを読み上げませんがね、あなたは「法律に基づく条例」という場合の「法律」として、いわゆる地方公務員法、教育公務員特例法などとともに、警察法第五十六条をあげていらっしゃいますよ。ということは、地方公務員である警察官が他の地方公務員と給与その他の給付の面で特別扱いをされるものではないということを示されていると思うんですね。しかるに、機動隊には単なる予算措置のみで、危険手当などと称して、きわめてあいまいな給付がなされております。ということは、あなたの言われる給与体系の公明化という法第二百四条の二の趣旨に明らかに反する、こういうふうに私は考えています。答弁を求めません、何か苦しいようでありますから。私は職種としての危険度を加味した手当としては、特殊勤務手当がある。警察官のみが臨時の出動に報償費という名目で危険手当的なものが支払われるということになるのなら、消防職員の火事の場合の出動の際はどうなりますか。私は消防庁長官は当然同じような形のものを求めていいんだと、こう思うんですよ。また、一般職員の災害の際の緊急出動のときはどうしてくれるんですか。どうなりますか。むしろ、これらのほうの危険度が高いのではありませんか。明らかに不公平があると思います。私は警察官が職種として特別扱いをされている。そういうことについて、どうもがえんずることができませんが、その根拠は一体何なんでしょう。
○政府委員(佐久間彊君) 消防の出動に対する出動手当につきましては、条例で根拠を設けるように指導いたしております。
○和田静夫君 本質的な答弁じゃないわけだけれども、時間がありませんね。私はここに地方公務員災害補償基金が出した資料を実は持っているんです。それによりますと、地方公務員災害補償費の受理件数というのは、六カ月百人当たり警察職員が四・五人受理をしているのに対して、清掃事業職員は五・六人実は受け取っているんですよ。このように、職種としての危険度は清掃事業職員のほうが高いんです。警察職員が職種として特別扱いをされるという理由は何一つないと思うんです。しかもそれは違法な行為として行なわれている。国家公安委員長が、立てば、法と秩序という名前においていろいろのことを言われるけれども、まさにみずからが違法をおかしている。このことについて、十分なる反省をしていかなければ困る、こういうふうに思うのであります。 最後に警察庁にお尋ねをいたしますが、きわめて問題になっている機動隊の俗称危険手当が、報償金であるという非常識をまさに警察権力的に押しつけたとした場合、それは、さっきも言われたように、警察表彰規則(国家公安委員会規則第十四号)に基づいて支払われるはずです。それは一体何条のどういう名目で支払われるのですか。
○政府委員(浅沼清太郎君) お答えいたします。 私どもは手当といいますか、一律に支給するというような手当と伝えられておりますけれども、そういうものとしては全く考えておりません。先ほど来申し上げましたような考え方で、個々具体的に出すという考えでございますけれども、ただ、いまの根拠の問題でございますけれども、結局それは報償費の性格、本質論に戻るわけでございますけれども、先ほど申し上げましたような報償費の性格であるということ、したがいまして、表彰あるいは慰労、ねぎらい、見舞い、こういうふうな性格のものでございます、支出の目的がですね。それで、先ほどお話のように、表彰の分あるいは賞じゅつ金のもの、これらにつきましては、表彰規則、それに基づいて支出をいたしております。ただ、部外者に対する報償費の支出などもございますが、これらは特に根拠法規があって出しているわけではありません。 それから、いまの警備事案に出動しまして、非常に労苦の多大な者に対して出そうという考えのものにつきましても、報償費の性格上その支出がこの予算から出すのが適当である、見舞いなり慰労なりということで、適当であるという判断のもとにこれから支出をする考えであります。ただ、その支出そのものが何らの基準なしに恣意的に支出されるということは、これはきわめて適当でないという考えに立ちまして、現在は内規で見舞い金を出しておりますけれども、これらにつきまして警察庁の訓令を定めまして、その基準を定めて、これに基づいて支出をするという考えでございます。
○和田静夫君 やめますけれども、四条を持っているんですよ。いま言われるけれども、これでは慰労のために出されるという形のことはどこからも出てこないんじゃないですか。「危害または災害を受け、そのため不具廃疾となり、または死亡し、第二条第二項から第四項までに該当して警察功労章、警察功績章または賞詞を授与された場合においては、」だけでしょう。
○政府委員(浅沼清太郎君) いま先生の御指摘の第四条は、賞じゅつ金の付与でありまして、先ほどもちょっと申し上げましたように、危険を顧みることなく職務を遂行いたしまして、殉職をするあるいは不具廃疾になるというような者につきましては、おっしゃるように、四条によりまして賞じゅつ金の支出をいたしております。先ほど申し上げましたように、いま問題になっております報償費の支出は、この表彰規則に基づかずして、報償費の性格上、たとえば部隊などが非常に苦労をするという場合に、部隊に一括して報償費を出します。従来も出しております。あるいは最近のたとえば連続殺人事件の本部などに対しましても一括報償費を出しております。これらはこれらの規則に基づかずして、予算の性格に合っている支出であるということでこれを支出している、こういうことであります。
○和田静夫君 そういう出し方というものが一体許されるんですか、解釈上。行政局長どうですか。
○政府委員(長野士郎君) 報償費というものは給与でないということで考えられているものと思います。私どもも徴税職員等につきまして、地方などにおきまして、年末繁忙期等におきましては、やはりそういう意味での報償費と申しますか、元気づけでございましょうか、そういうものを自分たちも支出したこともございます。こういうものは、実態との関連において考えなければならないわけでございますが、そういうことがあるから、それがいいか悪いということじゃございませんけれども、やはりそれは手当とは違う範囲のものとして考えられ、扱われる。いまの自治法のいう、御指摘のございました給与の関係でないということがあれば、そういうこととして運用されているんだろう思います。いま申し上げましたのは、他にもそういう例があるのをいま思い出しましたので申し上げたわけでございますが、そういうことで区別できればそういうことになるだろう、こういうことでございます。
○和田静夫君 警察官等に対する特別ほう賞実施要領、三十六年六月十三日閣議決定だそうでありますが、この第一条、これ読んでみたって危険手当そのものに対するところの条項というものは出てこないでしょう、出ませんよね、該当しませんよね。
○政府委員(浅沼清太郎君) ただいまのお示しのは、主として法司警察職員、警察官だけじゃございませんけれども、先ほど賞じゅつ金のことを申し上げましたが、同じようなケースだと思いますけれども、そういう身の危険を顧みず職務を遂行して殉職したりあるいは不具廃失になるという非常に功労の顕著な者に対して、内閣総理大臣が「特別ほう賞」を出す、現に従来の例によりましても、大体たとえば殉職者の場合ですと、先ほど御指摘の警察の表彰規則によりまして賞じゅつ金を出しております。これは最高二百万円です。さらにこれを内閣に上申をいたしまして、そして総理大臣から「特別ほう賞金」、これは三百万円以内でございますけれども、これを上げておるという例が年に数件ずつございます。おっしゃるようにこれらは、先ほど来問題になっておりまする報償費の問題とは全く違う問題であると考えております。
○和田静夫君 危険手当でいろいろ言われますが、三百円でしょう、三百円という形の手当を負傷者だけに出される、ほんとうにそうですか。
○政府委員(浅沼清太郎君) 私どもの説明がやや不十分でございまして、いわゆる三百円一律に警備に出れば出すというように若干とられるようなお答えをしたことがあるわけですけれども、これはその後大臣がその間において御説明いたしておりますように、あくまでも予算額を見積もる場合のめどであるということにすぎません。現に先ほど申し上げましたように、私どもとしてはこの予算をお認めいただければ、訓令を定めまして、その基準によって支給しょう。たとえば重傷者の場合は三万円程度とか、入院などについては何万円とか、こういう基準をつくって支出したい。けがをいたしません者につきましても、たとえば東大の安田講堂の例に見ますように、火災ビンなり石なり放水なりの中でやる。幸いけがはしませんけれども、徹夜で、あるいは二日間にわたってやるという個々具体的な例、あの場合七千人ぐらい出動したと思いますけれども、そのうちの何百人かほんとうにそういう激しい現場で苦労したというような者について、平均的に千円を基準として支給をしたい、こういう考えであります。
○和田静夫君 ともあれ明らかになったことは、いままでは恣意的にとにかく出してきた。しかし、これからはしっかり訓令でも定めて明らかにしますと、こういう形の約束になりますか。
○政府委員(浅沼清太郎君) いや先ほど申し上げましたように、いままでも決してかってほうだいに出したわけではございませんで、内規で、たとえば重傷者が三万円、全治一ヵ月以上一万円、三週間以上一ヵ月未満五千円、全治二週間以上三週間未満三千円ということで内規を定めて、内規によって支給をいたしておりました。これをこの基準、負傷者につきましてはこの基準、さらに先ほど申し上げましたように、かりに負傷いたしませんでも、たいへん苦労しました者に個々具体的に千円を基準に出そう。これは新たに訓令で定めようというのでありまして、いままでも内規をきめてこの基準に従って支出をいたしております。
○和田静夫君 ともあれ地方自治法二百四条に違反をする、そういう支出関係が行なわれておったということは明確であります。いままでの答弁を踏まえながら、この問題についてはさらに別の機会に委員会でやりたいと思います。質問を終わります。 〔主査退席、副主査着席〕
○矢追秀彦君 時間がありませんので簡単に質問いたします。 大都市の税制についてお伺いしますが、都市税制についてでございますが、特に最近の大都市、すべて交付税の交付団体に成り下がってしまったわけでありますが、これは税制のひずみに起因していると考えられますが、その点どうお考えになりますか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(野田武夫君) 大都市におきましては、人口、産業の急激な集中に伴って都市再開発のための財政需要が非常に増高していることは御承知のとおりであります。一方、市町村等いろいろ関係がありますが、この成り下がったというか、大都市の財政需要が非常に増高した、これに追いつくように財政措置をする、それにはやはり地方交付税の交付も必要だ、こういうことでございます。
○矢追秀彦君 大都市は人口にしても生産にしても、あるいは消費にしても、すべてが集中しておるわけです。したがってその税負担の能力から見ても一番富裕であると、このように考えられるわけです。ところが実際は、現実には、その豊かでなければならない大都市が、国から交付税を受けなければならないその理由ですね、それからその現行市町村税制の仕組みにも原因があると、このように考えられますので、この点について自治省ではどのように理解をされておりますか、お伺いいたします。
○政府委員(松島五郎君) 一つは大都市の財政需要が、ただいま大臣が申し上げましたように急激に人口、産業の集中に伴いまして増加をしてきておるということにあると思います。一方収入の面では、市町村税は御承知のとおり収入の安定性ということを中心にして税制が組み立てられておりまして、できるだけ景気の変動にも影響を受けることの少ないような税種を市町村税とすることは適当であるという考え方でできておりますが、そのうちでも特に固定資産税のような税金は大きな割合を占めておりますが、御承知のとおり固定資産税の伸びがきわめて悪いというようなことから、一方においては財政需要の増加、一方においては税収入の停滞、ということが、交付税を受けるに至っている一つの大きな原因であろうというふうに考えております。
○矢追秀彦君 ただいま固定資産税の伸びがなかなか伸びないと言われましたが、大都市では企業とか会社も割合多いわけです。したがってその固定資産税も市町村よりは多く入るのではないかと思うのですが、その点いかがでしょう。
○政府委員(松島五郎君) 固定資産税の中でも償却資産に対します税は、大都市でもかなりの伸びを示しております。ところが土地に対する税は、地価はかなり上がっておりますけれども、評価がなかなかそれに追いつかないという問題と、三十九年に行ないました新評価に対しましても、税負担の急激な増高を避けますために、一挙に新評価によらずに、いわゆる負担調整措置というようなことで漸次税負担を引き上げていくというようなことで追いついていない一方、財政需要の増加が大都市ではたいへん激しい、そこの間にギャップが生じてきておると考えております。
○矢追秀彦君 都市税制について、税制調査会の長期答申の中にも、都道府県に比べて市町村の歳入中に占める税収入の構成比が年々低下している実情をあげまして、市町村、特に都市税制の充実を指摘しておりますが、これは政府は十分認識されていると、このように考えておりますが、改正法案を見ますと、住民税の減税が中心となっておりますけれども、結果的には減税の犠牲を市町村に多く負わせ、何ら市町村の税制の充実が考慮されていない、このようになっております。また四十四年度の地方財政計画を見ましても、市町村税の伸びが一七%であるのに比べまして、道府県税というものは二三・一%、結局その格差は続いておるわけです。したがって、いまこそ国、地方を通ずる税源の配分が必要と考えられますけれども、これに対して政府はどのようにお考えになっておりますか。
○政府委員(松島五郎君) 御指摘のとおり最近市町村税の歳入中に占めます割合が低下をしてまいっております。しかし一方県では、それでは上昇しておるかと申しますと、ここ十年ばかり歳入中に占めます府県税の割合が三〇%、一%程度の幅でもって上下している程度でございまして、特に府県税の割合が高まっているということはございませんが、市町村税はいま申しましたようにだんだん下がってきているという実情でございます。そこで私どもといたしましても、できるだけ市町村税の充実をはかっていきたいという気持ちを持っておるわけでございまして、本年度創設をさしていただきました自動車取得税等につきましても、その大部分を市町村に財源として交付するというようなことで、市町村財源の充実をはかっておるところでございます。ただいま御指摘になりました来年度の税収入の伸びも、御指摘のとおり、府県税は二三・一%、市町村税は一七%でございますけれども、いま申し上げました、自動車取得税等の市町村に交付されます分を、県で一たん取って市町村に交付いたしますので、形式上は県税になりますけれども、市町村に交付されます分を考慮して伸びを見ますと、県のほうは一二・二%で市町村のほうは一八・四%と、若干率が市町村の場合も上がってまいります。そういうようなことで、私どもとしては、市町村財源の充実ということに配慮をいたして努力をしていくつもりでございます。
○矢追秀彦君 五十八国会におきまして、地方税改正案の審議の場合に、大都市財政の「実態に鑑み、税源の充実を検討して明年度において具体化に努めること。」このように地方行政委員会において附帯決議がつけられましたけれども、この決議がどのように尊重されて法案に反映されておりますのか、またその反映は十分とお考えになっておるのか、その点をお伺いをしたいと思います。
○政府委員(松島五郎君) 大都市で一番財政需要の伸びておりますのは、何と申しましても、人口、産業の集中に伴いまして、都市の整備、特に道路の整備に多額の経費を要するという実情にございますことを考慮いたしまして、道路譲与税の配分方式を、大都市交通の事情が反映するように変えまして、それによって大都市の道路財源の充実をはかっていこう、かようなことを考えておるわけでございまして、附帯決議の趣旨に、そういった方向で沿うように努力をいたしておるのでございます。ただ、それで十分かという御指摘でございますけれども、今日の大都市の財政需要の実態から申しますと、まだまだ十分というふうにはいかないというふうに考えております。私どもは引き続き努力をしていかなければならないというふうに思っておるわけでございます。
○矢追秀彦君 いま言われた不十分に対しての対策でありますけれども、どういうようにお考えになっておりますか。
○政府委員(松島五郎君) 大都市の税源を充実していくという問題となりますと、結局道は二つ考えられるわけでございまして、一つは、もっと国民に負担をよけいしてもらって税源の充実をはかるということがあると思います。もう一つは、国、府県、市町村間における税源の再配分をして、国民の税負担をそうふやさない範囲で問題を考えていくというあり方があろうと思います。前段につきましては、やはり今日の国民負担の現状から申しまして、軽々に国民負担をふやしてやるということには慎重でなければならぬと思うのでございまして、残りますものは、結局後段の、国、府県、市町村を通ずる税源の再配分をどういうふうに実現していくかということにあるのではないかと考えておるのでございまして、しかしながらこの問題は、単に税源だけの問題ではなくて、行政事務の配分あるいは財源全体の配分とも関連をいたす問題でございますので、ただいま地方制度調査会等にも御審議をいただいておるわけでございます。それらの結論を待って、適切なる措置を講じてまいりたいと考えております。
○矢追秀彦君 次に、地方道路譲与税の譲与基準の改正は、道路実態からしても当然の措置と考えられますけれども、指定都市すべてが交付税の交付団体の現状から考えまして、当面は実質上の財源強化にはならないのじゃないかと、このように考えますが、その点いかがですか。
○政府委員(松島五郎君) 大都市が要望しておりますことは、財源の絶対額をふやすという問題と、もう一つは同じ財源の中でも交付税に依存する率をできるだけ少なくしていきたいという考え方と二通りあると思います。もちろん財源全体がふえることは望ましいわけでございますけれども、かりにそういかない場合でも、何か交付税というふうなものでなくて、いわゆる自主財源でもってできるだけまかないをつけていくような体制にしたいという要望を強く持っておるわけでございまして、地方道路譲与税の配分方式を変更いたしまして大都市に傾斜的に増額になりますことは、少なくとも交付税の依存度を少なくしていくという意味では、やはり自主財源の充実につながるものというふうに考えております。
○矢追秀彦君 この譲与税の譲与基準の合理化でありますけれども、この具体的な配分方法をどのようにされるか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(松島五郎君) 現在は、御承知のとおり、地方道路譲与税は国道、府県道の面積及び延長に対して単純に半分ずつを案分をいたしておりますけれども、今回考えております改正は、まず道路の面積分につきましては砂利道、舗装道あるいは国道、地方道の区分、道路、橋梁の区分というようなものを考えまして、それぞれウエートをつけて配分をしたいということでございます。 それから第二点は、道路の面積並びに道路の延長分両方を通じまして、道路面積なり道路延長なりに対します人口の割合というものを加味いたしまして、いわば道路面積に対する人口密度と申しますか、そういったものをとることによって、自動車交通等の実態を反映するようにしていきたいと、かように考えております。
○矢追秀彦君 次に、宅地開発税の創設につきまして、すでに負担金を課しておる都市におきましては、あまりこの宅地開発税の創設が財源の強化にはならないのじゃないか、このように考えますが、その点いかがですか。
○政府委員(松島五郎君) 宅地開発税を創設いたしますねらいは二つございます。 一つは、宅地開発に伴いまして市町村はいろいろな公共施設を整備していかなければならぬ、そのうちの最小限度必要な公共施設の整備の財源を得たいということが一つでございます。 もう一つは、ただいま御指摘のございましたように、いろいろな形で現に負担が課せられておる、その負担もきわめて酷であるという状態をできるだけ合理化をしていきたいということでございます。 すでに負担金等をかけておりますところでは、それが税に変わりましても、財源そのものがそれによって著しくふえるという事態は御指摘のとおりないと思いますけれども、しかし、少なくともあとに申し上げました負担の合理化をはかっていくということには十分資し得るのではないかというふうに考えております。
○矢追秀彦君 今回の改正法案は、結局大都市財政強化にはあまり効果があるようには考えない、このように思うのですが、今後大都市税財源の強化をはかるにはどのような方策、また、それをどのような時期から実施をされていかれるか、その点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(野田武夫君) 大都市の財政需要の増高対策、税の問題でどう考えているかというお尋ねでありますが、いま税務局長からお答えいたしたとおり、市町村税の充実につきましては、政府といたしましても非常な努力をいたしておる。そこで、やはり税務局長の答弁にありますからダブるのでございますが、たとえば市町村の道路財源のために自動車取得税の創設とか、来年度は地方道路譲与税の配分方法の合理化、特にこれはいまもお答えがありましたように、特に大都市の道路財源の充実をはかりたい。それから国、地方を通ずる税源の再配分、これは目的はやはり税源の再配分をどこに傾斜的にやるかといえば、大都市税源の充実を行なうことだ、そうしてやはりいま御指摘のとおり、大都市の財政というものがますます需要も増高するということを前提に、われわれもそういう認識を持っておりますから、これらの税源。しかしこれだけではまだなかなか需要を満たすことのできないことも承知しております。他に今後やはりいろいろな方策を考えまして、そのいわゆる財源を確立せねばならぬと、こう考えております。同時に、またその一つとしては、国、地方を通じます行政事務の配分ということが大きな問題でございます。今日非常に行政面において、国と地方の行政区分というものが複雑でございまして、したがってこれらにつきましてやはり相当な行政費がかさんでまいっておりますから、これらをひとつできるだけ明瞭にしまして、そして大都市はもとより地方団体のやはり行政面における財政の負担を軽くしたいと、これらにつきましていま検討いたしている次第でございます。
○矢追秀彦君 時間がありませんので、最後にお伺いしますが、私は特に農村といいますか、いなかのほうに行きましていつも感じるのでありますけれども、そういう地方の方というのは、都市の方と比べてすべてにおいて非常に負担が大きくなる、生活におきまして。というのは、地方の人は収入は都市の給料と比べて少ない。ところが物価はかえって地方のほうが、そういういなかのほうが高い。そこへもってきて、たとえばレクリエーションに行くにしてもあるいはどこに行くにしても、交通費はかなりかかります。またバス等もあまりありませんので、どうしても車をみんな買う。まずその自動車、ガソリン代は都市の人よりもむしろ多くかかる。そういった点で、結局そういったいなかの人は――いつもいなかのほうの電車に乗りましても、服装を見てもやはり貧乏といいますか、貧困ということを非常に感ずるわけです。したがって、私はそういう地方に対しまして、特に町村ですね、そういうものがもっともっとそういう負担を軽くしてあげる。そういう村民あるいは町民に対する負担を軽くするのはかなり福祉事業といいますか、そういうものをどんどんやっていかなければならない。そのためには町とか村が力を入れなければならない。しかしいまのところあまり金がない。やはりそれに対しては国が相当の援助をして、やはり都市の生活をしている人とそういういなかの生活をしている人と、物質面においてもかなり平等にしていかなければいけないと思う。そういった意味で、もっともっと私は政府の強力な施策をとっていかないと――そうでなくてもいなかのほうはだんだん人口が減ってきているわけです。たとえばダムが一つつくられるとなれば、もうそのダムができるときに移動しなくちゃならぬ。そうなりますと、もうたとえば千戸の村があった、そのうち五百戸はダムで水没する、その五百尺本来であればその土地に残るべく別のところに家を建てて住むわけですが、それを機会にみんな町のほうに出てしまう。そうすると学校にしても何にしてもたいへんだと、そういう心配もかなりある町村あたりも私事実聞いているわけです。そういった点で、私はいまの財源の問題から関連してお聞きするわけですけれども、そういった特にいなかに対する施策、これはもうどうしても国が住民福祉の点についてもっと力を入れる以外に私は道がないんじゃないか、そういう点を考えるわけです。そういった点で交付金の配分にしましても、またこういう税の問題にしても、私はかなりそういった点も勘案した上で、といって大都市から他の市民税を取るわけにはいかないと思います。といって、大都市はどんどんさっきからお話ししておりますようにお金が相当要っておる、そういう点で、非常に私はその基準というものを、やはりそこに住んでおる人、一個人の生活といいますか、幸福といいますか、そういうものを私は基準にして、その上でいろんな政策が打ち立てられなければならぬのじゃないか、このように思います。特にそういったいなかですね、町村に対する施策というものをお伺いして私の質問を終わります。
○国務大臣(野田武夫君) いまの御質問並びに御意見、私はごもっともだと思っております。自治省といたしましても、十分その点は心を配っておるつもりでおりまして、たとえば交付税の配分におきましてもやはり傾斜的な配分をするとか、あるいは辺地帯の取り扱いにつきましても、その点を十分考慮いたしております。ことにだんだん今日の、いまお示しのいなかということばからいたしますと、地方においては過疎地帯その他も非常に大きな問題でございまするから、これらもひとつ十分この実態をつかんで、そしてやはり地域住民の方に少しでも不安がないようにできるだけの力をしたい、こういう考えでおりますし、また御意見を十分尊重いたしまして、今後のいわゆる町村対策とか、あるいは辺地対策とか、過疎地帯というものに対して善処してまいりたいと、こう思っております。
○副主査(鬼丸勝之君) 別に御発言もなければ、以上をもちまして自治省所管に関する質疑は終了したものと認めます。 ―――――――――――――
○副主査(鬼丸勝之君) 次に、昭和四十四年度総予算中文部省所管を議題といたします。 〔副主査退席、主査着席〕
○主査(矢追秀彦君) 慣例では、政府側から説明を求める順序でありますが、説明はこれを省略し、お手元に配付してある資料をごらん願うこととし、その説明資料は、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(矢追秀彦君) 御異議ないものと認め、さよう取り計らいます。 これより質疑に入ります。質疑のある方は、順次御発言願います。
○松永忠二君 時間もありませんので簡単にお聞きをいたします。 日大の問題についてお聞かせいただきたい。日大は定款を改正をして昨年の末に文部省の承認を得た。新春早々にこれを実行するというようなことで認可を得ているわけなんです。これ一体どういうふうな経過になっておるのか、その運んでいる状況をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(坂田道太君) 政府委員からお答えさせることにいたします。
○政府委員(岩間英太郎君) ただいま御指摘のございましたように、昨年の十二月二十八日に寄付行為の認可をいたしまして、その後その寄付行為の認可に基づきまして評議員の選出を行なうということで大学のほうでも努力をしてこられたようでございますけれども、ただいまの現状を申し上げますと、約半数の学部におきまして評議員の選出が行なわれているようでございますが、なお授業再開に至らない学部等におきましては、評議員の選出はおくれております。それから校友会関係からの評議員の選出、これも各地方等からの校友から評議員を選出するというふうなことで、現在なお評議員の選出がおくれて最終的な決定まで至っておりません。現在のところそういう状況でございますが、私どものほうからはできるだけ早く評議員の選出並びに理事の選出が行なわれまして、正常な運営ができるようにということを申しております。
○松永忠二君 これは大臣に御答弁願いたいのですがね、この定款、寄付行為というのは私立の大学のいわゆる設立の基準になるわけです。これに基づいて設立をされ運営をされていくわけなんです。これが改める認可を得ていて、しかもその約束からいえば新春早々にこの定款に基づいて実施をするということであったのが、いま三月末になっても実施をしていない。これは単にそうした事務的な問題ではないと思うのです。これは設立そのものはこの定款によって規定づけられるわけなんですから、これを早期に実施をするのは、これは当然なことだと思うんです。これについて文部大臣はどういうようにお考えになって、またこれからそれをどうさせていこうとお考えになっているのかお聞かせをいただきたい。
○国務大臣(坂田道太君) ただいままでの経緯につきましては、管理局長から御説明申し上げたとおりでございます。私どもといたしましては、すみやかにその選出が行なわれてくるものだと思っておったわけでございますが、ただいままでのところまいっておらないことを非常に残念に思っております。ただ、御承知のように日本大学も紛争が実は続いておりまして、しかも目前に入学実施ということもございまして、しかも占拠をいたしておりまするものを排除をする、あるいは機動隊を入れて排除をするというような状況でございまして、なかなか新役員の選考というものがむずかしく時間がかかっておると、向こうの立場に立って考えればそういう事情もあるかと思うわけでございますが、私どもといたしましては、一日も早くこの選考を終わって、新しい執行委員のもとに日本大学が再建の道を歩いてもらいたいということを強く希望し、またそのように指導いたしておる次第でございます。
○松永忠二君 私は紛争の内容について、それをどういうふうに指導助言するかというようなことは、文部省としていろいろ問題はあるところだと思うけれども、定款の認可に基づいて大学ができているわけです。その定款が届けをされて認可をされている。しかもそれが定款を改めるときにもう外部にも、あるいはまた一般関係の人にも、新春早々にそれを実施すると、こういう約束をもって定款を改めたわけなんです。また文部省自身もそれを認めて定款を改めることを認可をしたわけなんです。だからこれは単にいろいろな事情があっておくれているということではなくて、この認可された定款に基づいて――もし新設の大学であるならば、これがそのまま完全に行なわれなければ発足できないわけなんです。そういうふうなやはり学校にも実施する責任があると思うんです。そういうふうな意味で、これは一体どういう形で今後早期に実施をさせていくという、そういうつもりなのか、大臣の考え方をひとつ聞かしてください。
○国務大臣(坂田道太君) 私といたしましては、最善の努力はいたしておるつもりでございますけれども、なかなか相手のあることでございまして、そしてまた私のほうでも、何といいますか、これを必ず早くという以外にきめ手というものが実はないわけなんで、その辺のところにつきましては、もう少し十分指導を強化してまいろうと思っております。
○松永忠二君 具体的に一体どういう指導をしたんですか。
○政府委員(岩間英太郎君) 現在臨時に役員になっております古田前会頭に対しまして、できるだけ早く寄付行為が実施できるように、まあさしあたりましては評議員の選出をできるだけ急ぐように注意をいたしております。
○松永忠二君 これは注意したのかするのか、どっちなんです。
○政府委員(岩間英太郎君) 再三注意をいたしております。
○松永忠二君 現在はそうするとどうなっているのですか、この関係。
○政府委員(岩間英太郎君) これは寄付行為の中にも規定がございますように、暫定的な執行部というのができております。これは寄付行為に人の名前を明らかにいたしまして、その方々が現在仮りの執行部、暫定的な執行部ということになります。
○松永忠二君 これはまあそういう形で暫定的にやっているけれども、外部的にもすでにもう早く実施をすることを約束をしているわけです。また文部省自身もそういうことを聞いて定款の改正を認めて認可をしているわけです。また改正した定款のほうが、前よりはとにかくよかったということで認可をしているわけなんだから、これは即時に実施をさせるように、ひとつこの点は単なる私は指導助言ではないと思う。これによって私立の大学というものが認められているわけなんだから、認められているその事柄を実施をしていないということならば取り消すということになると思う。だからやはりある程度期限を切ってこの定款に基づいての発足を強く要請をするということは当然なことだと思うのです。 そこで、日大はいろいろな問題が実は解決をされてないわけなんですけれども、これはまた四十三年の六月に改革案を発表し、九月に両国の講堂での全学集会で五つの重要事項を約束をしているのです。一体この五つの約束の中で何が実行をされているのか、この点をひとつお聞かせを願いたい。
○政府委員(岩間英太郎君) 日本大学が改革案を発表しましたのは、私どものところにまいっております資料では十九項目ございまして、その大部分はまあ新しい執行部によって改革をされるということで、とりあえず新しい執行部の選出を急ぐというふうなことが主眼ではないか、というふうに考えております。
○松永忠二君 そうすると、結局その新しい役員も定款によって選ばれていないし、またすべていままでの問題については新しい役員のもとによって実施をするということで、一つも事実上日大は懸案を解決をしてないというのが、いまの御答弁ですか。
○政府委員(岩間英太郎君) いま申し上げました十九項目の中には、まあ寄付行為の改正ということがあるわけでございますが、これはもちろん行なわれているわけでございますけれども、やはり新しい執行部によりまして全般的に教育の問題、それから経営の問題、そういうものを改善していくということでございますので、新しい役員が選出されましてからそういう問題に取り組んでいくというふうになるのじゃないかと考えております。
○松永忠二君 大臣にお聞きをしますがね。ずいぶん長い紛争の問題で、しかもまあその旧役員自身がこういうことを改革するのだということを発表し、そうしてまたその両国の講堂では全学集会で約束をしたわけだ。それらの約束した事柄が新しい役員が選ばれないから全部実施をされていないということは、大学の紛争を解決するという熱意においてやや欠けるのではないかというようなことを、われわれも感ずるわけですけれども、この点について大臣はどういうふうにお考えになっておられるのか。今後一体そういう点についてどういうふうな努力をされようとされておるのか、これをひとつお聞かせを願いたい。
○国務大臣(坂田道太君) まあ御承知のように全学集会が行なわれていろいろ約束をされたわけであります。で、そこが、まあ東大も同じことでございますけれども、なかなか複雑多岐であって、学生同士も意見が違う、あるいは理事者の間において、あるいは教授の間においてもいろいろ意思の疎通を欠くというような点が、実は日大の紛争の一つの原因にもなっておるわけなんで、もちろん大衆団交あるいは全学共闘会議がございまして、そして新しい理事者が新しい寄付行為によってやって、そしてその上で日大の再建を考えるということで、その寄付行為等についての改正は行なわれたわけでございますが、その実現がまだその途中にあるということは、御指摘のとおりだと思いますが、しかし、私たちが心配しておりました封鎖というものは解除になっておりますし、また実質的には大体半分くらいが授業再開をしておるというようなわけでございまして、全然進んでおらないというわけじゃなくて、かなりあの事態からは前進をしてきておると、要は、いま御指摘の新役員のもとに新しい出発をするということがかなめではなかろうかというふうに考えるわけでございます。どうしても新役員の決定ということが先行しなければ、本格的な大学改革というものは行なわれないと、かように考えるわけでございます。
○松永忠二君 そうなれば一そうその定款に基づく役員の選出が必要ですけれども、ただ、約束をしたことがその後前進しないだけじゃなくて、後退をしている面がたくさんあることは御承知だと思う。たとえば二十億円の問題です。全容を公開するということを約束をして、これは五つの中に二十億円のやみ給与の全容を公開いたしますと、こうあったが、その後になって、公開することは個人のプライバシーの侵害になると言って、一方的にその約束を破棄してしまった。それからこれらの五つの問題については、本見解は学園封鎖の一斉解除、授業再開を前提とするというような新しいものが加わってきてしまった。したがって、本部、経済学部、法学部に対して行なった仮処分執行の解除の申請をする、学生自治権を確立いたします、二十億円のやみ給与の全容を公開する、全理事が総退陣する、それから闘争に関する学生の処分はしない、この五つを約束をした。しかもこれは日大自身が改革案を発表して、それに基づいて学生側との間に約束をされたことを、一方的に大学のほうがこういうふうにあとになって破棄をして、そしてこの紛争そのものの解決の努力ということに、すべてこの役員が選ばれなければできない。その役員も、しかもなおかつ約束をして四カ月なってもいまだなお選ばれない。そういうことで日大の問題の紛争の解決ということは私はできないと思うのです。これはよくあなた方が国立大学については指導助言ということを強力にやるということをおっしゃるわけだけれども、私立大学についてだって指導助言ははっきりできる。一体、日大にこうした内容について指導助言をしたのはいつなんですか。どういう内容を指導助言したのですか。これを一つお聞かせをいただきたい。
○政府委員(岩間英太郎君) 国立大学の場合は、御承知のようにこれは設置者が国でございますので、国は設置者としての立場からいろいろ指導助言をするわけでございますが、私立学校の場合には、文部大臣は所轄の長ということになっておりまして、私学全般に共通な事柄、あるいは極端に違法あるいは不当なことが起こりました場合には、個々の大学に対しましても指導、助言をするということがあり得るわけでございますけれども、一般的に申しますと、私立学校に対しましては、全般的な問題について指導助言をして、なるべく個個の問題につきましては、やはり私学の自主性を尊重する、そういうふうな立場から指導をしてまいっておるわけでございまして、日大の場合につきましても、ただいまのような寄付行為の問題につきましては、これは認可は文部大臣の権限でございますから、その認可の内容等につきましては、いろいろと相談をいたしておりますけれども、それからまた実施につきましても、先ほど御指摘のございましたように、非常に役員等の選考がおくれておる。こういう点につきまして指導助言をいたしておりますが、その他の個々の問題につきましては、私どものほうは指導助言というのは差し控えておるような次第でございます。
○松永忠二君 これは差し控えるというのは、私はおかしいと思うのですね。しかもこの日大というのが多数の学生を教育をしている。まあ、私学振興会等で金もとにかく貸し出しに協力をしている。微少ではあるけれどもいろいろな研究についても補助等もやっている。そうしてまた大学そのものの教育という面にも大きな影響があるのであって、これをやはり大学紛争の中で、国立の東大、私立の日大というふうに言われるように、この私学紛争の一つの解決を導くために日大自身の紛争の解決、それからまた大学の中における改革の前進ということが、日本の大学の教育に大きな影響を及ぼすことは、これはあたりまえなことである。したがって、いまや一般的な問題でなければ、その指導、助言をしないなどという性格ではなくて、明らかに私はこの定款を認めるときにも、こういうことに関連をして話し合いもなされたであろうし、またそれを実施をしていくということについて、もっといわゆる積極的な文部省の態度というものがなければならないと思う。今後、大臣はこの問題について、どうした一体積極的な意欲を持っておられるのか、この点をひとつお聞かせをいただきたい。
○国務大臣(坂田道太君) やはり大学問題というのは、国立大学ももちろんそうでございますけれども、はなから文部省がある程度踏み入るということが、はたして紛争解決にプラスになるのかマイナスになるのか、つまり積極的な気持ちは持っておりましても、そのことをやはり判断しなければいけない。特に国立につきましては、非常な文部省に対する何と申しますか、アレルギーがございまして、これは私はそうであってはならないと思うのでございます。むしろ文部省と大学とが一体になって、相協力して、秩序の回復あるいはまた正常な授業というものが行なわれなければ、学問の自由もまた大学の自治も育たないし、また同時に今日の大衆社会における大学のあり方というもの、あるいは新しい大学像というものは生まれてこない、という基本的な考え方は持っております。そのことは同時に私立大学にも言える。特に御指摘のように日大は、全私学の十分の一、百万が私立の学生といたしますとその十分の一、約十万を擁しておるそういうマンモス大学で、それだけに管理、運営というものが非常にむずかしい。しかも単に管理、運営という場合におきましても、いろいろな理事同士の間の相反目、あるいはまた教授同士の不一致、あるいは理事者とそれから教授会とのコミュニケーションの欠除、あるいはそれでもっていわゆる管理者と学生との間の不信感というようないろいろ複雑多岐な問題が、あの紛争を激化させただろうと思うわけでございまして、ようやくそういう紛争を処理する過程においてお互い多少コミュニケーションもでき、また新しい寄付行為のもとに再建をはかりたい、かように考えてきておるだろうと思うのでございまして、私といたしましては、ある程度飛び込むことがいいのかどうなのか、ということをいろいろ考えたのでございますけれども、大体においては新しい寄付行為も認可されましたし、これでもって新春早々とにかく新しい役員を出すんだと、こういうことでございますので、しばらくこれを見守る、あるいは促進をするということが、私としては精一ぱいやれることじゃなかろうかというふうに考えたわけでございます。
○松永忠二君 この文部省設置法の大学の指導、助言というのは、一体これは私立には関係ないですか。
○国務大臣(坂田道太君) 当然私立にも及ぶものと考えております。
○松永忠二君 それならば、もう大学の指導、助言ということは、これは国立にも私立にも関係することなんだ、これを使って国立について指導、助言をやっているわけだ。だから私立の大学だから私たちはあまり関係を申し上げるというのは筋合いではない――権限はちゃんと認められているわけです。これはひとつそういう方向へ持っていってもらわなければいかぬし、またいまお話のあった、役員が選ばれてその新しい役員で早急にひとつ手をつけてもらいたいというのが、大臣のいままでの態度であったというならば、その約束が大幅に狂っている現在においては、それを推進するための具体的な行動をとってもらわなければ解決は私はできないと思う。この点はどうですか。
○国務大臣(坂田道太君) 権限としての指導、助言というものはある。しかし判断として、その指導、助言を使ってある程度踏み込むということが、はたしてプラスであるかマイナスであるかということを判断した場合に、私は、新たにこの寄付行為等もできたことであるし、新春早々何とか役員を新たに任命するとおっしゃるわけでございますから、しばらくそれを見守るということのほうがいいのではないかということで今日まで参ったということでございます。
○松永忠二君 これからもですか。
○国務大臣(坂田道太君) これからは、やはりいま申しましたように、早くこの定款に基づいて役員を選考し、そして新しい体制を一日も早くつくってもらいたいということを強く指導いたしたいというふうに思っております。
○松永忠二君 一つぐらい解決をされているなら、私はそれでもいいと思うんですが、あげてある改革が全部あとへおくれているわけだ。だからできるだけのことを自分たちで改革をしながら、しかもなおかつそういうことをやるというならいいけれども、そういう点についてやはりもっと大学紛争そのものを解決しようというそういう熱意を、私たちも日大の関係の人に持ってもらいたいということを強く感ずるわけです。私は、特に私立の大学に非常に警官が、われわれのことばから言うと、安易に要請をされている、私立自身が自分自身の紛争の解決に何も努力をしないし、具体的に一つも解決をされてないのに、入学試験はわれわれの社会に対しての責任だというようなことを言って、そうして直ちにそういうことを要請をする。警官の要請をするならば、自分の大学が大学の教育を行なうにふさわしい学校であるかどうかという努力をした上で、そうしてそういうことの実施をするというなら、まだそこにもあれがあるわけなんです。そういう点について非常にわれわれ矛盾を感じているし、警察がそこまで、大学の言うままにということをする必要もないのではないかというふうにすら感ずるわけです。私たちの聞いたところでは、日大に警官を導入するときに警視庁は、もっと自主的な解決の努力をしてもらいたいということを学校側に要請した、という事実を聞いているわけなんですけれども、こういう点については事実あったのかどうか。また、私立大学の警官要請にあたって紛争解決の努力に欠けるところがあるのではないかという、そう言うままにただ警官だけを要請するということは、どうもあまりに大学側としては安易なやり方ではないかという感じがするわけですけれども、この点について大臣はどういうふうなお考えを持っておられますか。
○国務大臣(坂田道太君) 私、一般的に申し上げますと御指摘のとおりでございまして、やはり私大の紛争解決の努力、あるいは大学の再建に対するビジョンというようなものを持った上で、あるいはそのスケジュールのもとに、現在どうしても自分たちの手によって封鎖が解除できない、あるいは不法状況というものが解除できない、したがって一般の学生や教授の研究が妨げられておるという場合においては、やむを得ず私は警察の力を借りるということもあり得るというふうに考えるわけでございますが、過去の歴史から考えてみましても、早稲田大学のああいうような紛争でも、最終的にはやはり警察の力を借りなければ解決ができなかった。また上智大学におきましても、そのようなビジョンを持ちつつ、そして警察の導入をはかったということで、やはりそういうふうな御指摘のような考え方でございます。ただ私は、日大当局に対しまして、警察側において、むしろそういうものを大学側が持ち合わせておらないということであったといたしますと、やはりそこには問題があったというふうに思いますが、その事実関係については、私は承知いたしておりません。
○政府委員(岩間英太郎君) 警察が日本大学に対して、もう少し自主的な努力をしたらどうかというふうなことは、私は耳にしておりません。
○松永忠二君 私たち、ここに日付を書いたものを持ってきませんでしたけれども、大学の要請があったときに警視庁のほうから、もっと自主的な解決もしてもらいたいと、そういうことを要請すると一緒に、その要請に応じて機動隊をやったと、こういうことがあるということも聞いておるわけです。そういう点について自主的な解決の努力というのが、少し私学において足らぬのではないかということを強く感じている、ということを申し上げたわけなんです。 日大の教職員の組合の委員長らを三人解雇をした問題、それからまた経済学部の会計課長の逃亡、事務局次長の横領容疑での出頭の問題、この問題については一体文部省ではどの程度の内容を承知しているんですか。
○政府委員(岩間英太郎君) 組合役員の解雇につきましては、日大のほうから事情を聴取いたしております。それによりますと、無断欠席が非常に著しいと、しかも上司をこれからは上司として認めないんだというふうな言動があった、その他大学の名誉を傷つけるような事実があったというような理由であるということを聞いております。それからその他の問題につきましては、これは一応警察当局の手に渡っておりますので、私ども報告は受けておりますが、先生方が新聞で御承知の程度しか報告は受けておりません。
○松永忠二君 委員長ら三人の解雇の問題についても、三人側のほうではそれぞれ主張を持っているわけです。届け出をせないで組合活動に従事したと言ってみたところで、大学紛争でしかるべき出頭する場所もないとか、あるいはそういうふうな点で自分の組合の活動に従事していたとか、いろいろ言っている問題があるわけです。したがって、この問題も実は解決はできないままに、いま紛争の一つの課題になっていることは事実なんです。 それからまた、その次の問題については、これについてはもう少しやはり文部省として積極的な関心を持ってもいいのじゃないかという気持ちを持つわけです。これと関連をして二十億円の問題については、どこまでの一体考え方を文部省としていま現在持っておられるのですか。
○政府委員(岩間英太郎君) この点については、もう弁明の余地は当然ないと思います。この点について二十億円がいわゆる使途不明金として本税、加算税約十億三百万円が返納されたということは報告を受けております。
○松永忠二君 あとの問題は。
○政府委員(岩間英太郎君) これは国税当局の問題でございますので、それ以上私どものほうで何かするということは考えておりません。
○松永忠二君 私は別に指導をしてどうこうしようということではなくて、こういう事実について明確な報告を求めたのですか、報告はあったのですか。
○政府委員(岩間英太郎君) 前管理局長のところに報告があったということを伺っております。
○松永忠二君 まあ述べていいような点――お話があるように、すでにそうした問題になっていることは事実でありますけれども、とにかく監督、監督と言ってはいかぬが、その指導、助言をする立場の文部省に報告された事項で明碓にここで言える内容について、ひとつ最小限のもし言えるものがあったら内容をお聞かせをしてもらいたい。またもう一つは、これは積極的に向こうから報告があったのですか。
○政府委員(岩間英太郎君) 私、詳細、新しく参りましたものですから、よくわかりませんが、ただ先ほど申し上げましたように二十億円のいわゆる使途不明金がございまして、それに対して本税、加算税約十億三百万円が自主的に返納されたというふうな報告があったようでございます。
○松永忠二君 私の聞いているのはそのことじゃなくて、この会計課長の逃亡とか次長の横領容疑、この問題についてどういう事柄で容疑を受け、どういう事柄で課長が逃亡しているのかという事実を、日大のほうからどういう報告があったのかと聞いているわけです。
○政府委員(岩間英太郎君) 経済学部の会計課長それから次長の問題につきましては、私どものほうは報告は受けておりません。
○松永忠二君 私はその点は報告を求むべきだと思うのですよ。しかもこれだけの紛争をしているところであり、土地の問題に関係しての事柄であるしですしね、特に私学の経営内容というものは公開をすべきではないかというようなことも言われている。一体私立大学の改革としてあなた方は何を考えておられるのか。私は改革そのものの内容について一体あなた方はどういうふうに考えておられるのか一度お聞きをしたいと思うのですが、中教審の答申を待って考えるというお話であれば議論もできないので、特に積極的にお聞きをしないわけでありますけれども、こうした問題等について明確にやはり報告を求めていくべき筋合いだと私は思うのです。またそういうことを怠っているということであるならば、それこそそういう点についてはっきりした報告を求めていく。もちろんその内容の是非を判断をするわけじゃないわけですから、これは当然なことだと思うのです。そういうことをまたやらずに、これだけ大きな問題を引き起こしているのに、そうしたことをさえ文部省にやってこないというところに、いわゆる大学の改革のおくれている一つの原因が私はあると思うのです。この点についてはそういう方向で解決をというか、そういう手続をとるようにいたしますか。
○国務大臣(坂田道太君) いまの点につきましては、やはりわれわれとしても十分熟知していなければならないことだと思いますので、これからひとつ報告を求めたいと思います。
○松永忠二君 それから、統計学科を廃止するという問題が出ている。相当これもまた現在父兄等に大きな打撃を与えていることは事実です。私はこれなどは、教育の内容といいますか、制度的に関連をした問題でもあるし、また、非常に人事とかそういう問題について干渉するとかそういう筋合いとは違っていて、この学科を廃止をし、また教授を罷免をするというのは、この問題についてやはり明碓に文部省は話し合いをされておるものだと、私たちは考えておるわけなんですが、その内容はどうなっているのですか。
○政府委員(村山松雄君) 御質問の件は、生産工学部統計学科の問題だと思いますが、この件につきまして、新聞に記事が出ましたので、大学当局を大学局のほうにおいでを願いまして事情を伺いましたところが、いろいろ御説明がありましたが、まだ検討中できまったわけではないということでありますので、善処方を要望しておる次第でございます。
○松永忠二君 その報告を受けた内容の上では、教育上そういうことをやることは妥当だとお考えになったのですか。それとも、問題はあるというふうな判断をされたのですか。
○政府委員(村山松雄君) 現在大学の学科の設置、廃止は、当該私学の判断によりまして届出事項で足りるわけであります。廃止の場合は、一般にその学科の設置目的が達成された、あるいは達成することが不能である、あるいは教職員がいなくなる、それから学生の志願者がいなくなる、こういう状況の場合に廃止されるわけでありますが、日大の統計学科の場合にも若干そういった事情があって、大学は廃止のことも考えたようでありますが、なお検討するということでございますので、その是非につきましては、さらに承った上で判断をいたしたいと、形式的に言えば学科の廃止の届出書を受理すれば足りる関係になっておりますが、なお検討いたしたいと思います。
○松永忠二君 たてまえはそうなっているがどうだというお話ですね。しかし、これは新聞にも出ていたように、すでに志望した生徒の数も少数ではあるがとにかくある。そういうような中でこれを取りやめる、しかも関係の教授についてもいろいろな問題がうわさもされておるわけです。したがって、こういうようなものについては、ある程度届出を、あるいは連絡を受けた場合に、教育的な見地から一つの考え方を持って話し合いを進めていくというのが、これは当然なことだと思うのです。したがって、これについては、今後もっとしっかり連絡をとって、そうしていたずらに学科をつくり、そうして学科を一年の状況ですぐそれを廃止をしていくというようなことについては、適当だというふうにわれわれはとうてい判断できないわけなのです。こういう点について、いま確定的なものでないというお話もあるわけでありますから、ひとつ十分に指導助言の点を意思の統一をはかっていただきたいと思うわけなのです。 それから、日本会の問題は、一体どういうふうなことであったのですか。
○政府委員(岩間英太郎君) 日本会はこれは文部省の社会教育局所管の法人として認可を受けているものでございますが、理事には古田重二良氏その他二十五名の方が理事として就任されておりますが、この法人は、「日本国民の総調和運動を推進し、公正・信義あふるる民族の甦生をはかるとともに、調和ある新世界を建設し、もって人類の尊厳と平和に貢献すること」を目的とするというふうに目的が定められております。この法人の目的を達成するために「日本における総調和運動の助成および援助」、「公開議座・講演会等の開催」、「会員相互の連絡提携および研修会の開催」、「機関誌「総調和」の発行」、「諸外国との交流事業の促進」、「その他目的を達成するに必要な事業」等を行なうことになっております。
○松永忠二君 古田会頭の激励会の問題については、文部省としては一体どの程度把握をされておりますか。
○政府委員(岩間英太郎君) 文部省といたしましては、全然関知をいたしておりません。
○松永忠二君 関知はなされていないけれども、一体この法人が、こういうふうなことを実施をするということを、しかもいま出ている役員の者が、いわゆる発起人として顔を並べているという問題、それからまたこの中にはさっき話の出た解雇者も中に入れてある、こういうふうな問題について特に紛争を持っている大学が、しかもその大学の古田会頭、しかも、これは極端なことを言えば、お話しのように定款で、暫定的にその職にあるこの人の激励会を実施をしていくという点について、やはり、文部省は全然関知をしないからということで、この内容について確実なものを承知をしていないでもいいという筋合いでは私はないと思うが、その点については大臣どうですか。
○国務大臣(坂田道太君) 日本会ですか、というその激励会がどういう激励会であったのか、よく、私たちも承知をいたしておりません。何かその中に荒木公安委員長やあるいはいまの警視総監の名が連ねられておったのだけれども、それはわれわれは承知をしないことであるから、それを断わったということを、私は聞いておる程度でございます。
○松永忠二君 私は趣旨は、文部省設置法に基づく文部省の権限は単に国立の大学だけを規定しているのではなくて、私学についてもそういう規定をしている。したがって、文部省はこれをやはり正しく生かして、いまの大学紛争の解決にあたって、これを正しく実施をしていく、何とかひとつ紛争の解決をしていこうということを一面努力をされておることは事実でしょう。同じような努力を私学のほうに示していくべき筋合いのものではないか、ということを言っているわけなんです。そういうふうな意味合いから言うと、私は日大に対する文部省のいろいろな考え方というものは、非常に消極的であり、むしろ積極的にこうした問題について、やはり具体的な内容を調べ、報告を求め、そうして積極的に問題の解決をはかるように要請をしていく、そういうことが、全般的な大学紛争の解決に役立つことになる。したがって、国立の大学だけを相手にして問題を解決していけば、それで問題の解決になるのではなくて、むしろ数において、あるいはその行動において、私立の大学のほうにこそ、むしろ問題があるのじゃないか。しかも、大学自身の持っている非常な改むべき内容というものも私立に相当持っていることは事実です。それもしかもいわゆる私立であるということからして、ほとんどこれを積極的な解決の方向を見出すということについての努力が少し少ないし、欠けているのではないかということをまず申し上げて、その一つの具体的な問題として日大の問題を取り上げたわけです。まだ幾多問題はあるわけでありますけれども、いま言った問題を今後また具体的にひとつお聞かせいただく。そのときには明確にそういうことが承知をされ、前にはこうであったけれども、積極的にこういう努力が行なわれているということを、ひとつぜひまた回答していただく機会を得たい、こういうふうに思うわけであります。 最後に一つだけ、私はこれは特にこの大学紛争に関連をして、勤労青年の教育というのが非常に重要視されるべきではないかと思うし、またこの点について、夜間の大学、それから短期大学というものが非常に、何というのですか、いろいろな面において充実をしていない面が非常にある。特に、もう時間もありませんので、一つ具体的にあげることは、短期大学の予算というものは、昼間の併設をされている大学に、基準を計算をして、その併設する大学に配分をされるわけである。それでその大学のいわゆる教授会でもって協議をして、短期大学の予算を決定をするわけである。要するに、幾ら併設した短期大学に予算をやるかということは、その一つの基準だけが明らかにされて、それで総括的な配分が行なわれていない。そのためにこの短期大学に十分の予算がいかない面もある。また私はその面だけを指摘をするのじゃなくて、逆に、非常に昼間の大学が熱意を持っているところは、基準以上に短期大学に予算を配分しているところもあることは事実である。しかし一体、定時制の高等学校が、昼間の高等学校と併設をしている場合でも、各府県は、定時制の高等学校の予算は明碓に定時制の高等学校として配分をしているわけです。それを短期大学である大学の予算を、併設をしている大学に、すべて基準の計算で配分をして、その配分がもう併設をしている大学の教授会に一任をしているというようなことは、これでは併設の大学のいわゆる予算の充実ができないのじゃないかということが強く考えられる。それからまた数字的なものも実は持っているのでありますけれども、事務職員のいわゆる職員の配分の基準、それからまた教授、助教授、これらの配分の基準というものも、実は非常に低いのであります。これはまあ一つの例をあげますと、昼間の先生の百分の六十の一〇%、これが配分の基準です。百分の六というわけです。それを今度はその百分の六十の一〇%でなしに三〇%にしていきたいというお話をちょっと聞いたのでありますけれども、百分の六十の一〇%ですから百分の六しかない、六%の配分しかないわけです。これじゃとてもいわゆる並設の短期大学の充実はできないじゃないか。だから、こういうふうな意味で私が申し上げて御答弁願いたいのは、いわゆる配分のしかたについて検討をする考え方を改めていく考え方はないのか。それから、もう一つは配分の基準についてですね。これは教官経費とか、学生経費については幾ぶん低いのですが、学生経費なんかは昼間と同じように一〇〇%出していることも事実であります。そういう点はあるのでありますけれども、特に教授、それから事務職員、職員と教官の配分基準というものが非常に低い。しかも、それはちょうど交付税の配分のように積算の基準だけきめて配分して、ひもつきでなしに自由に使わせるという、こういうやり方をしておるのでは、短期大学の充実は得られないのではないか。この点についてひとつ私の言ったことが間違っているならば間違っているとお話をしていただく。そしてまた、特に文部大臣にこの問題についてのひとつ善処を要望をして質問を終わりたいと思います。
○政府委員(安養寺重夫君) 国立の短期大学でございますが、二つを除きますあとの二十というものは、すべて夜間の短期大学部でございます。お話ございますように実態がいろいろでございまして、固有の専用の施設を持ち、短期大学部自身の組織、機構、教職員定数を持ち、かつ学部の施設を共用する、あるいは学部の教官、その他の教官の非常勤による授業の計画を推進するというように、いろいろ実態がまちまちでございます。 御指摘の点につきます予算の配分の方法でございますが、人件費あるいは物件費等につきましては、固有のものにつきましては、大学の学部と同じ方法によりまして、同じ積算をもちまして配分をいたすわけでございます。昼夜間共通のものにつきましては、昼間の部に含まれるというような形で措置をいたしているわけでございます。 なお、各大学における経費配分の方法は、いま御指摘のように、まず大学の評議会なりあるいは当該基礎になっております学部教授会において、夜昼あわせての上での御詮議がなされるという実態でございまして、われわれいろいろ大学とも話をしているわけでございますが、何せ大学からは、昼夜間部を通じて要求の順位がついてこちらのほうに個々別々の御要求がある、そういうことでもありますので、その順位を尊重してやっておるというような従来のさばき方をしております。お話しの点、いろいろまた今後検討さしていただきたいと思います。
○国務大臣(坂田道太君) 御指摘の昼間部、夜間部の問題でございますが、やはり働きながら大学に通うという勤労青年の向学心に報いるためには、いま少しわれわれといたしましても努力をいたさなければならないというふうに考えております。さらに将来におきましては、通信大学等も併用いたしまして、やはりその求めに応ずるような大学の組織運営、あるいは管理運営、またそれに対する経費をある程度の基準をつくりまして、配分をしなければならないというふうに考えておるわけでございます。 ―――――――――――――
○主査(矢追秀彦君) 分科会担当委員の異動について御報告いたします。 松永忠二君が委員を辞任され、その補欠として小野明君が選任されました。 ―――――――――――――
○小野明君 九州大学の問題を中心にお尋ねをいたしたいと思うのであります。 第一にお尋ねをいたしたいのは、こういった大学の教官の人事に対するいわゆる大学の拒否権を中心にいたしました大学の管理法あるいは秩序回復の特別措置法、こういった法律を御用意をなさっておられるのか、あるいはその上で提案をされる御用意があるのかどうか、お伺いをしておきます。
○国務大臣(坂田道太君) この点は、衆議院、参議院の委員会あるいは予算総会あるいは本会議等を通じて一貫して総理大臣も私も答弁いたしておりますとおりに、ただいま第二十四特別委員会で、それに関連して諮問をいたし、またその検討中でございます。おそらく四月の中旬あるいは少しぐらいおくれるかと思いますけれども、中間報告がなされるものと期待をいたしております。その中間報告を待ちまして、必要があるならば法制化を考えたいというふうに思っております。また行政的な指導、助言というものによって満たされることであれば、そういうようなことも考えたい。ただむしろ答申待ちで、その時点で考えたいという考え方は変わっておりません。
○小野明君 学長の人事の問題でありますが、最近の新聞を見ておりますと、どうも北大の教育学部長の人事についても大臣がいろいろクレームをつけておられる。それから九大の井上法学部長の学長事務取り扱いの問題は、先般来の結果である。あるいは加藤代行の場合についても閣議におはかりになっておられるわけですね。それで、その辺の一連の学部長人事あるいは学長事務取り扱いの人事、あるいは学長人事、この三つの問題があるのでありますが、この閣議了解事項という取り扱いをされておるように私は見ておるわけであります。これで、まあ非常に私はとんでもないことではないかというふうに考えるのでありますが、一体どういったことで閣議了解事項として取り扱うようになったのか、あるいはどういった人事については閣議了解事項としないのか、あるいはしていくのか、その辺の一応の基準といったものについてはどうですか。
○国務大臣(坂田道太君) この学長の任命につきましては、従来から閣議了解事項でございまして、そのように取り扱っておるわけでございます。
○小野明君 従来からといいますと、これはいつごろからになりますか。井上法学部長の場合は、これは当然総長ではないですね、学長ではありませんね。それでどうして閣議でおはかりになっておるのか、この辺が私は解せない。ある新聞には、これは率直に申し上げて、坂田ハムレットとかいうようなことをいわれて、あなたはやりたいのだけれども、閣議のいろいろな、何といいますか、右寄りの方がおられて、結局あなたを振り回しておる、文部大臣そこのけでほかの大臣の猛者連中が、あなたを振り回してこうやれ、こうやれと、文部大臣どこいるかというような印象を私は受けるのです。また、閣議がそういったいろいろな人事を左右する、こういったことが結局私は非常に閣議という力、一政党の力で学長人事、いわば大学自治の中核なんですが、これに介入をしているという印象を受けるわけです。こういった見解もあわせて伺いたい。
○国務大臣(坂田道太君) 学長は、ただいま申しましたように昭和二十四年新制大学が発足以来これは閣議の了解を得て、そうして文部大臣が任命するということになっておるわけでございます。それから事務取り扱いの問題については、私が決定をするわけでございます。しかしながら閣議におきましては、いろいろな御意見や質問がある、それには答えなければならない、私はそう思うわけでございます。それからまた、ある政党からの強圧というようなことによって文部大臣としての公正なる人事が左右されるということは断じてあり得ない、あってはならないというふうに私は思っておるわけでございます。したがいまして、私自身といたしまして公正な人事をはかりたいという考えを、一貫して予算総会等においても申し述べてきておるところでございます。
○小野明君 閣議了解事項というのは、読んで字のごとくあくまで了解事項である。これを承認するのも、任命するのもしないのも、文部大臣、主管大臣としての坂田文部大臣である。私はこの閣議了解事項に持っていったことによって、いま大臣がそういうことはさせないのだということを言われるから多少安心はいたしますものの、あなたの背後にある閣議というものから振り回されるような印象がしてならぬし、そういうことであってはならぬのじゃないか。やはり文部大臣が主管大臣としてきちんとこの問題に無断をし、そうして任命行為を行なっていくという主体性を持っていただきたいと思うのですが、再度お尋ねをいたします。
○国務大臣(坂田道太君) いや、実は井上さんのやつはまだ閣議に私が持ち出したり――私がですよ、いろいろ持ち出したりなんかしているわけではないので、了解事項ではございませんから、ですから私は私の独自の主体的な判断でこの決定をいたしたいというふうに思っておるわけでございます。
○小野明君 その他の……
○国務大臣(坂田道太君) したがいまして私はこのことによって大学の自治の中核である人事権、そういうものに介入をしようということは、いささかも実は思っておらないわけでございます。ただやはり教授として、管理者として、国家公務員として、どういうようなことなのかということについて真意をお聞きするということくらいは、当然やるべきものであるというふうに思っておるわけでございます。とにかく国会で皆さん方からも御質問ありますし、あるいは民社党の方も御質問ありますし、あるいは自民党さんからも御質問ありますし、国会でこの御質問があるということは、それは同時に国民の一部において疑いの目を持っておる、あるいは不安な気持ちを持っておるということだろうと思うのであります。やはり国会の議論としては私としては尊重しなければならない、かように思います。そういう意味合いにおいて、どういうことが真意であるかということは、私が熟知して任命権者が公正にやるということは正しいことだと思います。しかしながら、その方がいかなるイデオロギー、いかなる思想をお持ちになろうとも、そのことについて私がとやかく申し上げておるのではない、ということをはっきり申し上げておきたいというふうに思います。
○小野明君 後段の項ですがね、調査をなさり、報告を求める、これは簡単なことのですけれども、そういった形式的なことを通じて大学の自治に介入をしていくと、こういうふうに私は受け取らざるを得ぬわけです。 それから後段の項ですが、三月十五日に、予算委員会で大臣が答弁しておられるわけですね。これは何度も答弁をしておられるのですが、政治的な見解とかあるいは思想的な傾向というような問題については超越をするのだ、それを離れて非常に不適当である、こういった場合にはこれを拒否するという御答弁、これも非常に私はあいまいなことばではないか、そういう問題を離れて非常に不適当である、非常に不適当であるということについての具体的な基準、客観的な基準というものがなければ、そういうことは言えないと私は思うのです。この点についてはいかがですか。
○国務大臣(坂田道太君) その点が実を言いますと、長年来非常に議論になってきたところでありまして、そういう政治的な信条であるとかあるいは思想であるとか、イデオロギーであるとかいうようなことでもってそれを任命しないということはできない。しかしながら、その人がはなはだ不適当であり、かつそれが明確に、客観的に認められるような場合においては、任命しないこともあり得るということは法制上は言えるという見解を今日まで持ってきておるということを御了解願いたい、というお話を申し上げたわけでございます。
○小野明君 法制局長官は……
○主査(矢追秀彦君) 第一部長。
○小野明君 これは長官が言われておることですがね。あなたでどうかと思いますけれども、お尋ねをいたしますが、大学の目的に照らし、明らかに不適当であるといった場合、これはそうざらにはないと思いますけれども、そういう場合は任命権者は云々ということがあります。いま文部大臣はああいうお答えをされておる、法制局としては、こういった明らかに不適当であるといった場合には、やはり客観的な基準というものがなければ、私はそういった判断はできないと思うのですが、この問題についてはどういう基準をお持ちなんでしょうか。
○政府委員(真田秀夫君) お答え申し上げます。 ただいま御指摘のような趣旨の答弁を三月十五日の予算委員会で、私のほうの長官がお答えしたことは、そのとおりの事実でございます。で、実はそういう趣旨のお答えはことしに始まったのでなくて、すでに昭和三十八年にも一度問題になりまして、やはり予算委員会で当時の荒木文部大臣、それから私のほうの私の前任者であります法制局第一部長も同じような趣旨の御答弁をいたしております。その考えの基礎になっておりますのは、申し上げるまでもないと存じますが、この大学の自治の尊重ということでございまして、教育公務員特例法の第十条が、任命については「大学管理機関の申出に基いて、任命権者が行う。」と定められておるのも、もちろんそういう趣旨に基づくものだというふうに理解しておるわけであります。ただ、一方、国家公務員でございますので、その任命権が全く政府のほうで完全に遮断されておるというのも、国民主権の原理からいってやはり問題があるということが言えるわけでございまして、先ほどお述べになりましたような趣旨の、はなはだ歯切れの悪いような抽象的な基準を言っておりますのも、その基礎にはやたらには拒めないのだぞと、まず、原則としては尊重しなければいけないということを踏まえながら、ただ、国民主権の原理から、ぎりぎりのことを言えば、法律上拒否することができないわけのものではないというような気持ちで実は述べておる次第でございます。そこで、その申し出にかかる人を任命することが大学の目的に照らして著しく不適当であるということが明らかであるというような言い方も、実はそういう気持ちを吐露しておるわけでありますが、ただ、さらに具体的にどういう基準になればこれに該当するかということを的確に述べろと言われましても、これは事の性質上そう明快に言えるものではないということも御了解願えると思いますが、ただ、あまりにも抽象的であっては文部大臣としてもお困りになることもあろうかということもございまして、何らかもう少し具体的なことは言えないものだろうかということで、目下私のほうで検討しているところでございます。
○小野明君 目下検討されておるというのですが、明らかに不適当といった場合の客観的な基準といったものについて見解を出されるわけですか。
○政府委員(真田秀夫君) ただいま御指摘のような趣旨にぴたりと当たる検討の結果がうまく出るものかどうか、これは検討してみなければわからないことでございますが、何らかいままでの申していることではいかにも抽象的過ぎておるのではなかろうかという気もいたしますので、もう少しわかりいいようなことが言えないものだろうか、ということを検討している段階でございます。
○小野明君 はなはだ不満であります。大臣もお聞きのように、はなはだ明らかに不適当だという場合には客観的な基準はない。とすれば、大原の恣意によってこれはやれるのではないだろうか、あるいは、あなたの背後にある閣議の皆さまの恣意によってこれを拒否していく、そういうことにしか結果的にはならぬじゃないですか。それで私は、再度、部長に、法制局の見解をお尋ねしたいのだが、不適当だという判断ですね、明らかに不適当だ云々という判断は一体どこがするのですか。
○政府委員(真田秀夫君) それは、申し上げるまでもなく、第一次的には任命権者である文部大臣がなさるところでございます。それから、先ほど法制局が言っているようなことでは文部大臣が全く恣意的にやることができるのじゃないかというふうな御発言でございましたけれども、そういうふうになっては困るということでああいうむずかしい表現で、客観的に、かつ明らかに不適当であると認められる場合に限るのだという趣旨で述べているわけでございまして、決してそれが文部大臣の恣意におちいることになるもとだとは私たちはごうも考えておらない次第であります。
○国務大臣(坂田道太君) いま法制局からお答えのとおりに、私が申しましたような、はなはだしく不適当で、しかも、明らかに客観的に認められるような場合という意味は、つまり、先生が御指摘のとおりに、私の恣意によってやれないということをそういう表現でしたということに御了解をいただきたいと思うのでございます。
○小野明君 しかし、それは明らかに不適当というようなことばほどあいまいなものはないと思う。ですから、それにもかかわらず、客観的な基準がないから今日のような事態になっておる。これは私は非常に問題だと思うのです。この場合に、それじゃ井上法学部長の場合はこれに当たる、このように大臣はお考えですか。
○国務大臣(坂田道太君) その当たるか当たらないかを判断するのに、真意を聞かないで、ただ週刊誌やその他のことでの片言隻句をもって判断するということは、私としては公正を欠くということでございまして、その事実を、あるいはその真意をお聞きをしたい、こういうことを申し上げておるわけでございます。
○小野明君 これはちょっと参考までにお聞きをしますがね、法制局に。これは昭和三十七年にある新聞に出ておったのですが、法制局のマル秘の見解が出ておって、明らかに不適当な場合に限られ、適当かどうか疑わしいときは大学の申し出に拘束される、こういうのが二項にあるようですが、これは先ほど判断はどうかと御質問を申し上げた趣旨なんですが、再度御答弁をお願いしたい。
○政府委員(真田秀夫君) 客観的に見て著しく不適当であることが明らかである場合に限るということは、裏を返せば、疑わしいときには任命しなさいという趣旨でございますので、先ほど来私が、原則として申し出は尊重しなければならないのであって、これを拒否するのはよくよくの場合であろうというふうなことを申し述べましたが、それもいまおっしゃったような表現にそのままあらわれているのだろうというふうに考える次第であります。
○小野明君 さっぱりわけのわからぬような御答弁で困るのですが、大臣にお尋ねいたしますが、教育公務員特例法の提案理由、これは第四回衆議院文部委員会、昭和二十三年十二月九日、これによりますと、「第三は、学問の自由の保障と大学の自治の尊重に関する点であります。大学の教員の人事に関しましては、従来、慣例上、大学自治の原則が認められていたのでありまして、今後も大学の自治的運営にまつことを本体とし、その任免、分限等については、大学の自治機関の定める基準により、各大学で自主的に行うのが適当と考えるのであります。」、こういう提案理由になっておりまして、大学の自治機関が決定した者をそのまま大臣が任命すべきであるというのが、これが教育公務員特例法の趣旨であると思うのです。この点はいかがですか。
○国務大臣(坂田道太君) 私は、それによりまして、大学の管理機関の選考、その申し出によって私が任命をするということが定められておる、が、しかしながら、最終的にはやはり私が任命権者である。しかし、慣行としては、ただいまお述べになられたような意味において、それに基づいて、大学管理機関の選考に基づいて私が行なうということでございまして、その趣旨だと私は了承をいたしておるわけであります。
○小野明君 あなたの言われることはその趣旨でも何でもないんですよ。各大学で自主的に行なうのが適当である、だから、大学の自治機関の決定を、大学評議会の決定を尊重すべきである、このように、私は、これは解釈すべきである。これに大臣が拒否権を発動するなんということはこの教育公務員特例法の趣旨を曲げるもの、あるいは大学自治の本質を曲げるものではないか、このようにお尋ねをしておるわけです。
○国務大臣(坂田道太君) いや、その趣旨に従いまして、人事に関しましては、従来ともそれを尊重してやってきておるところでございます。しかし、さらばといって、先ほど法制局第一部長も申し、私も申し上げておるように、はなはだしく不適当であることが明らかになり、かつ、それが客観的に認められる場合においても、なおかつ、これをそのまま任命するというふうには法制上なっておらない。むしろその場合は、非常にまれな場合、ごくまれな場合ではあるけれども、いま申しましたような場合においては認めないこともあり得るということは、私はずっと一貫してあるというふうに思っております。
○小野明君 まあ戦前から大学の自治というものが守られてまいった。これは戦前は軍部の圧力に抗して守られてきた。これは大学の人事というものを中核にして守られてきたわけですね。それが今日になって、あなたのほうで、あなたの大臣のときにこれを拒否するというのは明らかなる私は大学自治の侵害だと思う。しかも、不適当というような基準がないままに不適当というレッテルを張ってというのは、どうもその点が納得がいかぬわけです。しかも法制局は、いま検討しておる、結論が出ていない。それを振りかざしてあなたが拒否権を発動するというのは、どうも私は納得がいかぬ。再度、この点をひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
○国務大臣(坂田道太君) ちょっと誤解のないように申し上げておきたいのですけれども、井上さんの場合に、具体的にまだそれを拒否するとかなんとかいうことを、まだ私は申しておりません。したがいまして、いま言うように、はたしてその真意がはなはだしく不適当である、しかも、客観的に明確にその不適当な状況にあるかどうかということについて真意をただしておるわけでございまして、一片の、ある週刊雑誌の片言隻句をもってこういうようなことをするということは、先生が御指摘のようなことにかかわりますので、むしろ、私は非常に慎重な立場でこれに臨んでおるというふうに御了解をいただきたい、かように思うわけでございます。
○小野明君 私は前提は、井上教授の場合は、あなたがもう拒否権を発動しておる。それは大学の評議会の決定にさかのぼって発令をするというのが、これはいままでの人事の慣例でしょう。少なくとも東大においてはそうだった。それにいままでじんぜんとして日を送ってる。これはすでに拒否されておるのだということを前提に私は質問を申し上げておるわけです。それがはたして違うのかどうか。あるいは調査しておる――調査がそれならない場合ですね、大学は明らかに拒否しておる、この場合はあなたは拒否するのかどうか。
○国務大臣(坂田道太君) そこはひとつよく御了承いただきたいと思うわけでございますけれども、従来でも多少その点について時間がかかった例は幾つもあるわけでございます。私といたしましては、まあ任命権者として国民に対して責任を持ってる者といたしまして、何らのことも知らないままにめくら判を押すというようなことはあってはならないというふうに思うわけでございます。と申しますのは、私から申しますと、法律に違反するとか違反しないとかいう問題と別に、やはり国家公務員としてあるいは教育公務員として、特に教育公務員は一般公務員よりももっと一そうその身分が保障されておることは、先生が御指摘のとおりでございます。で、それはどういう意味かというならば、最高学府に奉職しておるこの教授としてあるいは学長としては、最も良識のある、最も理性ある人であるという前提があるわけでございまして、法律にかからないからどういうことがあってもよろしいということであってはならないのであって、その人の言動というものはおのずと慎むべきものは慎むということが前提となってこのような法律というものがいわば立てられておると私は思うのでございます。自由社会におきましては、そのことについては、やはりきびしい一つの道徳的な規定、何といいますか、道徳的な規範というものが、おのずとその人、人々に対して求められておるということは、承知していただかなければならないことだというふうに考えるわけでございます。たとえば、それが任命する、任命しないの問題ではなくて、多くの人たちが疑問を持ち、あるいは不安の気持ちを持っておる場合において、その事実くらいは私が承知をしておる、任命するにいたしましても、しないにいたしましても、そういうようなことを果たさないことは、国民に対する責任を果たしたことにはならない、というのが私の考え方なんでございます。
○小野明君 あなたの話を聞いておりますと、九州大学の評議会というものを全然信用しておらぬ。少なくとも、あなたの言うように、百歩譲って考えてみましても、九州大学はそういった人を選んだと、そういうふうにあなたが任命をする立場にあるけれども、九州大学のいわば選考といいますか、そういった選考権というのですか、私に言わせれば選任権だけれども、そこまであなたが侵害をしておる、こういうふうにしか私は受け取られぬ。なお、これは九州大学の自治に対して、あなたがやっぱり侵害をしておるとしか私は受け取られぬですがね。
○国務大臣(坂田道太君) 私はやはり大学当局と、文部省あるいは文部大臣というものは、やはり信頼関係の間に成り立たなければならないと思うのでございます。したがいまして、私たちのほうがその真意を聞きたいということであれば、その真意について何らかのお答えがあってしかるべきものではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
○小野明君 私は、あらためてあなたがこの問題について調査をする、求めるという形式的なことは必要ないのじゃないか。実態は十分おわかりになっていらっしゃる。そうして井上教授の、警察は敵だというこの問題にしても、真意というものは、私はわかっておると思うのです。それをあらためてやるというところに私は問題があるように思います。 そこで、続いてお尋ねをいたしますが、東大のポポロ座事件について、最高裁大法廷の判決が出ております。これは三十八年の五月の二十二日ですね。これは要点だけ読みますが、「この自治は、とくに大学の教授その他の研究者の人事に関して認められ、大学の学長、教授その他の研究者が大学の自主的判断に基づいて選任される。」と、こういうところがありますね。この最高裁大法廷の判決については、どのようにお考えであるか。これは法制局にも、この点はお尋ねをしたいと思うのです。
○国務大臣(坂田道太君) 私が先ほど来申しておることは、このことだと思っております。
○小野明君 ちょっと法制局。
○政府委員(真田秀夫君) いわゆるポポロ事件についての最高裁判所の判決の要旨は、先生がただいまお述べになりましたような点が含まれていることは私も承知しております。で、実は先ほど来、私のほうでいろいろ検討しておるという際にも、この検討に際しましても、このポポロ事件に示された大学、学問の自由、大学の自治についての最高裁判所の考え方というのは、非常に指標になるというふうに思っております。
○小野明君 法制局の見解は――いま大臣はこのとおりであると、こういうふうに言われるのですが、学長任命について拒否するというようなことが、この判決から出てくるかどうかですね。
○政府委員(真田秀夫君) その点につきましては、この最高裁判所の判決の当該部分は、一体、法律論をいっているのか、あるいは現実に、伝統的にといいますか、慣行的にといいますか、そういうふうになっているという趣旨なのか、やや不明瞭な点があると思います。
○小野明君 私は、大臣に再度お尋ねをしたいのですが、あくまでもあなたが調査をする、調査がこなければ任命をしない――ですから私は、任命を拒否している、拒否権を発動しているという立場に立って私は質問を申し上げておる。その前提が、いや拒否しているのじゃないんだ、こういうことになれば大きな問題になるのですが、私は、あなたの言う国民大多数が見て明らかにこの事実というのは拒否している、こうとしか判断できぬじゃないですか。そこで、これは参考資料だというふうにおっしゃるかもしれませんが、憲法調査会の第一委員会第三十三回会議の議事録、昭和三十五年の十月二十日に稲田清助前文部次官、参考人の発言、真野委員長ですね、真野毅ですか。この人の質問で、「その問題で、評議会で選考して、文部大臣が任命をする場合に、文部大臣が現に任命をしなかったという事例はありましたか。」、こう質問しておる。稲田参考人が、「ございません。これは大学の選考通り任命いたしております。」という答弁があります。それから、真野委員長が、「大学の学長などの任命権ですね、それは現に選考したものを任命しなかったという事例は今までないというお話がありましたが、だけれども、教授会で選考したものを任命しないこともあり得るという立場はとっておるんですか。」、稲田参考人は、「文部大臣には選考権がないのですから大学から出てきた任命候補者についていいとか、悪いとか判断する権限は文部大臣は持っていない。」、「ですから任命という行為は文部大臣がするのですけれども、その行為をストップして何もしないということはあり得るけれども、」――これが、そうですね、いまあなたのおやりになっておることですけれども、「その行為をストップして何もしないということはあり得るけれども、これはしかしそういうことはやはり権限の濫用になるのではないでしょうか。」、こういう憲法調査会の会議録があるわけですね。稲田参考人が述べたところによりますと、あなたの行為自体はやはりこれは権限の乱用ということになるのですが、これはいかがですか。
○国務大臣(坂田道太君) 私はまだ乱用しているとは思っておりません。むしろ、学問の自由、それによって教授の地位というものが非常に固く保障されておるということをむしろ守るために、事実関係は承知をしておかなければいけないということで申し上げておるわけでございます。
○小野明君 たとえば、調査の報告が九大からきた。――かりにですよ。その場合に、非常に不適当だと判断をする基準がなくて――基準がないのですよ、あなたのほうは。だから、いま法制局の見解でもそうなんですが、基準がなくてそういった行為が判断できますか。政治的な立場、あるいは思想信条は別として、そういったことが予想されますか。
○国務大臣(坂田道太君) 私が申し上げておりますることは、えてして今日の非常にマスコミの発達した時代におきましては、それこそ人のことば、片言隻句を取り上げましていろいろ中傷したり、あるいはその真意を曲げたりというようなことも起こり得るわけでございます。したがって、そういうようなことでその人の事実関係をうやむやにしてはいけない。少なくとも私は、任命権者としてそういう事実関係だけは知っておかなければいけないという、その真意を求めておるわけでございまして、その人の政治的主張であるとか、あるいは信条であるとか、あるいはイデオロギーであるとか、あるいはまたどういう思想を持っておられるとかいうようなことをとやかく申し上げておるわけではないということをはっきり申し上げておきたいと思うのであります。
○小野明君 この井上さんは学長事務取り扱いですよね。ですから、学長でも何でもないわけなんです。こういった大学の一般教官の人事についても、そういうふうにおやりになるということは、すべての今後の大学教官人事についてもそうだ、こう見ていいのですか。
○国務大臣(坂田道太君) やはり事務取り扱いとなりますと、学長がいなさらぬのでございますから、やはり学長の代理をやっていただくわけでございます。したがいまして、一般教授とはおのずと違うと私は思っておるわけでございます。
○小野明君 一般の教授とは違うと言われるのですけれども、法律的な根拠をひとつお示し願いたい。
○政府委員(村山松雄君) 大学の教育公務員の任用の手続は、教育公務員特例法第十条が適用になりますが、学長事務取り扱いの場合は十条の適用はないというふうに考えられます。そういう意味で教官の任用とは全く次元を異にする問題だと思います。
○小野明君 法制局の見解をこの点で再度……。学長事務取り扱いについても、いまのような拒否という――私に言わせれば拒否なんですが、法的な根拠のない一般的な教官の人事についてもおやりになっておる、こういったことについてはいかがですか。
○政府委員(真田秀夫君) 私たちのほうは実情はつまびらかにいたしておりませんけれども、文部省の説明を聞きますと、国立大学の学長が欠けた場合に、従来、慣例としてしばしば学長事務取り扱いという発令がされておるようでございます。で、学長事務取り扱いは、いま申しましたように、学長が欠けた場合に行なわれておるようでございますが、学長が欠けておるわけですから、大学のほうで成規の学長の申し出をしようと思えばできる事態でございます。また、見方によっては、特段の事情がない限り、そういう法律的にはっきりしない職責といいますか、事務取り扱いの発令を申し出るということがむしろおかしいのであって、学長の発令の申し出をすべきものだろうというふうにも言えるわけでございます。それをなおしないで学長事務取り扱いという発令の申請と申しますか、申し出をしてきておるようでございます。しかも、その手続が、学長でございますと、先ほど村山さんが言われましたように、教育公務員特例法の十条に任命の手続がございまして、また、その基礎になりますもの、その選考の手続につきましては、同法の第四条に詳しく書いてございます。で、必ずしもその手続を踏まないできておるようでございますので、大学側のほうでも、先ほど来先生がお触れになりましたように、学長自体ではないというような意識のもとに手続を進めておるのじゃないかというふうに思わざるを得ないわけでございます。そうなりますと、実は教育公務員特例法の十条の適用もないわけでございまして、法律上、先ほど来問題になっておりますような任命の拘束性というものも、そのものずばりでは出てこないということになろうかと思います。あと問題は、十条がじかに適用がないにしても十条の精神はやはり押し及ぼして運用すべきではなかろうかということが問題になるかと思いますが、その辺につきまして、実は学長そのものでないわけでございますから、どの程度モディファイされていいものかという微妙な点がございますので、これまた、まことに恐縮でございますけれども、私どものほうで目下検討中でございます。
○小野明君 時間がありませんからあれですが、九大が学長を選んでくるのがあたりまえだ、そういうことをおっしゃるけれども、これはあなたは越権ですよ。九大には大学の事情があってこうやっておるのだから、これは学長を選んでこいというのは、あなた越権じゃないですか。
○政府委員(真田秀夫君) 私のことばが至りません点がございましたらおわび申し上げますが、私が申し上げようとした趣旨は、学長自体でないということの理由づけとして申し上げたわけでございます。 それから、なお念のためでございますけれども、私のほうは役所の性質上、九大がどうだ北大がどうだということを言っているわけじゃございませんで、ごく一般の法律論として検討しているわけでございます。
○小野明君 いま村山さんが言われたとおり、学長事務取り扱いというのは、いわば一般教官の人事である、法律的根拠はないのです。そうすると、すべての教官について、今後大臣はそういった措置をおとりになるのですか。
○国務大臣(坂田道太君) 先ほど村山君も申し上げましたように、一般教授とは違うということでございます。
○小野明君 一般教官とは違うという根拠は何もないじゃないですか。これは法律的に学校教育法も何も根拠がないじゃないですか、村山さん。これはいかがですか。
○政府委員(村山松雄君) 教官であれば選考につきまして、いま法制局から御説明ありましたように第四条の選考規定が働きますし、それから手続につきましては第十条の規定が働くわけでございます。ところが、学長事務取り扱いということになりますと、事柄の性質上、本官の教官であれば任命権者は便宜そのような職務命令を出し得るという関係もございまして、特例法の規定は観念上も実際上も全然ないわけでありますが、ほぼその精神に従って従来運用しておるわけであります。そういう意味で、学長事務取り扱いは学長そのものとは違いますし、また、一般教官とも全然違う。一般教官としてすでに任用された者に対しまして、学長が欠けたる場合に暫時その事務を取り扱わせる者として任命権者からいわば職務命令としてそのようなことがなされるものであります。したがいまして、形式的には一般教官とも学長とも違うということは、いまの御説明で御了解いただけたと思います。
○小野明君 最後に、大臣にお尋ねをしておきますが、九大が学長事務取り扱いの発令がないというようなことから、当然四月一日から学内人事というものも非常に混乱をしてくる。卒業証書にも名前が書けない。原さんを書けばいいということですけれども、すでにこれは辞任をしておる、三月十日にね。学内人事に非常に混乱がくる。こういった事態をどう文部省は、大臣は指導をされようとするのか。それをしも、あくまで九大は調査に応じない、従来の慣行あるいは法解釈から応じないと、こう言っておる。こういった事態を一体、大臣はどうされようとしておるのか。調査報告がこなければ、あくまでもこれはやらないと突っぱっていくお考えなのか。しかも、この学長事務取り扱いという、これはもう百歩譲っても、私は村山さんがいかに言おうと、学長自身とは明らかに違うことであるから、こういったことにクレームをつけて、事態混乱を大きくしようとされておるのですか、どう持っていくおつもりですか、これは。
○国務大臣(坂田道太君) まだ私は井上さんを事務取り扱いとして任命をいたしておりません。したがいまして、原さんがやはり事務取り扱いなのでございます。それからまた、こういうようなことで支障があるからこそ、むしろ真意をお聞かせいただいてもいいのではないかというふうに思うので、そのことは何も大学自治とかあるいは学問の自由を侵すというようにかたくなにお考えにならなくてもいいのではないだろうかという気がしてならないわけでございます。そうして私が繰り返し繰り返し申し上げておりまする意味は、ややもいたしますると、人の言動というものの片言隻句を取り上げて問題にすると、そのようなことが今後行なわれたならば、それはそれこそ学問の自由というものにかかわってくるから、そういうようなことがあってはならないという意味を込めて、むしろその真意を聞きたい。それは週刊誌でも私は読んでおります。論文も読んでおります。しかしながら、その外のいろいろのことから承知をするのでなくて、本人からでも、あるいは正式の機関を通じて、任命権者に対して真意をお話しいただくということは、私は当然なことではないだろうかというふうに思っているわけでございまして、非常にそれを実はこいねがい、また待っているわけでございます。
○小野明君 最後と思いましたけれども、最後のことばが出ましたからね、もう一つ尋ねにゃいかぬようになりましたがね。原さんはもう九大の評議会で辞任を決定をしているのです。そうすると大臣はね、この辞任は認められぬと、九大の評議会の運営自体にもあなたはくちばしをおいれになるつもりですか。
○国務大臣(坂田道太君) ですけれども、それはとにかく私が事務取り扱いの井上さんを任命しない以上は、原さんがやはりやられなければいけないと私は思うのです。
○小野明君 これはあなたがやはりそこで拒否権を発動している一番大きな事件ですがね。これはもうあなたはしておらぬのだと言われるけれども、やはりこれは発動しているのですよね。だから、今後起こります九大の混乱あるいは大学の自治に対する干渉と、こういったものがあなたのやはり時代に、あなたがこういった歴史的にやはり大きな事件といいますか、滝川事件とか平賀事件とか、これに匹敵するような事件だと思いますけれどもね、そういった事件を起こすのでなくて、やはり九大の自治を尊重して事をお運びになるように要望して、私の質問を終わりたいと思います。 〔主査退席、副主査着席〕
○矢追秀彦君 時間がだいぶおくれておりますので、簡単に質問いたします。 小学校、中学校には分校がありまして、これには校長もなくて、また生徒数に応じて予算配分をする現行の教育行政のために、本校の設備のほうは充実をしておりますが、分校はなかなか思うようにいかずに、本校との格差が開く一方になっております。こういった場合、教育効果の面におきましてもいろいろ問題が起こっていると思いますが、文部省はどのようなこれに対して見解をおとりになっているのですか。
○政府委員(宮地茂君) お尋ねの件でございますが、実はやはり形式論で恐縮でございますが、文部省といたしましては、職員の定数の計算につきましては、本校も分校も区別をいたしておりません。学級数に応じましていたしております。ただ、事実上学級が分校は少ない、本校は多うございますので、結果的には、事実問題としては数の差がございますが、文部省としまして都道府県に割り当てます教員の定数は、本校と分校と区別いたしておりません。ただ、府県では、その文部省から県単位で配当されました数を各市町村の学校に割り振る、こういうことになっている次第でございます。
○矢追秀彦君 学校教育法施行規則には、分校は特別の事情がある場合を除いて小学校は五学級以下、中学校は二学級以下となっておりますが、この特別な事情というのは、具体的に何を意味するのか、お答え願いたい。さらにまた学校統合によりまして、いままで本校であったのが分校になってしまう場合が多いわけでありますが、この分校にする場合、これを分校にするという判断をする基準の明確なものがあるのかどうか。もう一つは、こういう分校に対して、文部省はどういうふうに指導をしておられるか、この点をお伺いしたい。
○政府委員(宮地茂君) お尋ねの件でございますが、学校教育法施行規則の十八条ですか、「小学校の分校の学級数は、特別の事情のある場合を除き、五学級以下とし、前条の学級数に算入しない」、このお尋ねと存じますが、これはまあいろいろの場合があるわけでございまして、一律にこういう場合と申し上げにくうございますが、たとえて申しますと、新しくいわゆる社会増地域等で新しい学校ができます。その場合に一年生、あるいは二年生というふうに学年進行いたしていきますが、いわゆる小学校であれば、六学年の完成年度に達するまで、中学校ですと三年の完成年度に達するまで、その間はどこか近所の学校の分校といったようなことで便宜上やる場合もあるようでございます。そういうような場合には、必ずしも五学級以上になったから独立ということもいかがかというようなことは一つの例でございます。そのほか、学校統合をいたします場合等もそういう例が起ころうかと思います。 それから統合につきましての分校の基準でございますが、特に文部省といたしまして、こういう場合には分校にせよ、こういう場合には本校にせよといったような基準は特に示しておりません。ただ、僻地等におきましては、まあ複式の学校もございまして、全部、六年生までを一学級にするところもあります。それでもその村にあります場合、まあ本校といっておるところもございますが、実質的には四学級以下でも、五学級以下でも、それをだから分校にせよといったような指導はいたしておりません。基準もございませんし、そういった指導もいたしておりません。
○矢追秀彦君 具体的な例についてお伺いしますけれども、奈良県の吉野町におきまして、吉野中学の国栖分校が昭和三十七年の四月に町内五中学を統合して吉野中学校をつくりました。しかし、国栖地区の住民は学校が遠くなるために通学上の問題、交通費の父兄負担の増加から反対をして、そうして分校設置を強力に要求をしてきたわけです。で、これに対して町当局は分校を認めず、全員本校への通学を打ち出しましたけれども、地元の強い要望によりまして本校と格差のない教育施設、設備を充実する、こういう条件で国栖分校を認めたわけでありますけれども、どうしても生徒数の多い本校の設備は充実をしますけれども、分校のほうはほとんど充実はしなくて、その格差というものはだんだん開いてきたわけです。しかも、国栖分校の裏山はがけくずれがありまして、毎日のようにいまでも岩や土砂が落ちてきております。校舎が非常にこれに隣接をしておりますので、この落ちてくる石で窓ガラスがこわれるようなことも起こっております。で、放課後には三年生の男子が中心となって、この土砂を取り除く作業をやっておりますが、最近は非常に落石が激しくてあぶないので作業をやめております。こういうふうな状態になっており、分校に対しては対策がまあ全然いまも講じられていないわけです。それに対して本校のほうは鉄筋コンクリートの校舎で勉強している、こういうのでありまして、非常に地元としては問題になっておるわけですが、この町当局としては本校へ通うようにと、ところが、地元の、特に分校の育友会あたりでは、独立校に戻してもらいたい、そういうようなことを言っておりまして、非常に解決がむずかしいようになっておりますけれども、このことは御承知になっておると思いますけれども、これに対してどういうふうに文部省としては指導されるおつもりか伺っておきたいと思います。
○政府委員(宮地茂君) 一般に私どもは学校統合を推進いたします場合、これはやはり学校としては、先ほど申しました学校教育法施行規則にも、小学校の学級数は十二学級以上十八学級以下が標準である、こういったようなこともございますが、これは要するにその程度の規模が適正であろうと思われますのは、一応教員組織もこの程度の学級であると整いますし、いろいろな面で効率的に学校運営ができ、また、財政経済的にも施設、設備費等があまり小さい学校よりも割り安になって経済的である、こういうようなことと、その他児童、生徒数がある程度おります場合には、いろんな学校行事等も効果のある行事ができるといったようなことから、この標準学級数も考えておりますし、また、学校統合をいたします場合の校舎等を建てます場合、国がこれに補助をいたしておりますが、そのときの適正規模の学級というのもこういった考えから政令に規定いたしております。したがいまして、いま先生が例にあげられました奈良県の吉野町の吉野中学校国栖分校でございますか、実は先生のお尋ねがあるということで急遽、私存じておりませんでしたので、県に電話で照会いたしましたので、その程度であまり詳細に実態がわかっておりませんが、いろんな経緯を経て五つの学校が統合されておる。ただ、一部の方々の住民感情、その他統合地に子供を通わせるのが遠くなるという経済上の問題、いろいろな点から、いまお話しのような種々問題が起こっておるようでございます。ただ、御指摘の、そのために分校ががけくずれ等があって危険な状態になっておるが、ほっておるというようなことでございますれば、これは統合がどうである、こうであるということを離れましても、校舎ががけくずれ等で危険であれば、町当局においてこれは当然適切な措置をとる必要がございましょうし、まあそういったようなことで県にも実情を確かめ、また、そういうことであれば十分町当局を指導するようにということを電話でも申しましたし、もう少し詳細に調べまして、具体的な指導もしてまいりたいというふうに思います。ただ、きわめて校舎が危険でございますれば、国の補助もございますが、その校舎の地盤になっております土地のがけくずれ等といったようなことは、まあ災害等の場合は別といたしまして、一般に国の補助対象には考えておりません。ともかく、こういう統合をいたしました場合、先生御指摘になりますように、いろいろ住民感情あるいはその他いろんな点がございますが、私のほうとしましては、何が何でも統合せよということではなくして、先ほど申しましたような教育効果をあげるためには一応、適正規模があるであろう、そういうことで、あとは住民の感情なりあるいはその地域の生徒数の推移等を考えて町村が自主的に地方自治のたてまえから判断してやるべきである。ただ非常に間違ったことがございますれば、県当局を通して指導していく、このように考えております。
○矢追秀彦君 この場合、本校まで行くのには十一キロバスでかかるわけです。その場合、非常に父兄の負担が年間一万円くらいかかってたいへんである。いなかのことですからいろいろの関係がありまして、それくらいたいへんだということになるわけでありますが、もし、地元のほうが納得をして本校へ通うということがかりにありましたとしても、このバス代に対して何らかの補助というものもしなければならぬのじゃないか、このように考えるわけでありますけれども、この国栖分校の場合、一年生が全員本校に現在行っておりゼロです。二年、三年生が六十八人、四十四年度入学予定者が国栖地区では四十五名からいるわけです。この生徒数でいくならば、各学年は少なくとも一学級ずっとなって、学校教育法の分校基準よりは上になっているんじゃないかと、このように思うんですが、特に新入生の場合四十五名おりますが、やはりはっきりした線を出してあげないと、本校へ行きたい人もいるかもわかりませんし、その人に対しては行きたいけれどもバス代がたいへんだ、こういうことも出てくるかと思いますので、特にバス代に対する父兄負担の軽減という問題についてはどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(宮地茂君) いろいろこういう学校統合等をいたしまして、いままでの学校よりも統合された学校に通う距離が遠くなってきた、いわゆる遠距離通学費の問題、これは各地にございますので、文部省といたしましては、これにつきまして、市町村がそういうことで遠距離通学費の補助をいたします場合、その実績をとらえまして、大体小学校と中学校で多少違いますが、三千円、七千円、大体平均いたしまして五千円余りですが、その補助をいたしております。ただ、これを聞きますと、吉野町での通学費補助はいろいろ複雑になっておるようでございまして、たとえば本校まで十一キロメートルあるのだけれども、六キロメートルまでは父兄が負担して、残った五キロメートルをどうだといった式になっておるように漏れ聞いております。これは私どもの趣旨ではございませんで、一応中学校ですと、六キロ以上の場所から通う場合には、それに対して市町村が全部を補助をするといたしますと、それの二分の一を国がみるということで、吉町町が、あまり詳細存じませんが、先ほど申し上げましたようなことでやっておるとしますと、これは文部省の補助の趣旨とは多少違っておるようでございます。その点ももう少し確かめましていたしたいと思いますが、これはよけいなことかもしれませんが、一々の生徒に対する通学費の補助、それがよいか、あるいは一団となっている生徒であれば、町としてスクールバスを購入いたしましてやるのがよいか、いろいろ判断あろうと思いますが、スクールバスを購入するといたしますれば、これの補助も国としてはいたしておりますので、十分実態を調べまして、県とも相談して、御要望がございますれば、御趣旨に沿って適切な学校統合、しこりを残さない学校統合が行なえるよう文部省も協力したいと思っております。
○矢追秀彦君 ぜひ地元のいろいろな人の意見も調査していただきまして、子供たちが安心して勉強のできるように、しかも、充実した勉強のできるように御配慮を願いたいと思います。 最後に、時間がありませんので、文部大臣にお聞きしますけれども、今後、こういう過疎対策ということを政府でいわれておりますけれども、非常に小学校、中学校がやはり問題になってくると思うのです。というのは、たとえば、昼間、自治省にもお伺いしたことでありますけれども、ダムがつくられたりする場合、その村が全部水没する、あるいは半分ぐらい水没する。その場合、それに対するかわりの土地を提供しても、それを機会に町へ出る人が非常に多いわけです。そうして、ますますその村なり町は人口が減り、学校教育さえも支障を来たされるというケースが出てくるわけです。かなりダムの建設等も多いものですから。こういうことで、政府としてはこういう過疎、将来過疎になっていくものに対する義務教育、これに対してはやはりいまのスクールバスとか、国ないしは地方公共団体がかなり援助をしてやらないとたいへんなことになるのじゃないかと、このように思うのですが、その点の見解をお伺いして質問を終わります。
○国務大臣(坂田道太君) これから先、やはり過密が進みますと同時に、過疎地帯というものが発生をしていろいろな面におきまして支障が出てくるということは、御指摘のとおりでございます。特に教育の問題につきまして小規模学校等が、あるいはまた非常に僻地の場合におきまして統合等を行ないました場合には、通学が非常に困難になるというような事例も出てくるわけでございます。教員の配置というようなものも、従来はやはり一定の基準がございましたために、十分適切な人員配置ができなかったというところからもいろいろの支障があったかと思います。その面につきましては、ただいま提出をいたしております標準法がもし皆さま方の御協力によって成立いたしますと、かなり前向きの措置ができるということになるかと思います。また、遠距離通学の問題等につきましても、われわれといたしましては、やはり当該市町村が第一義的にお考えいただきますと同時に、それに対してわれわれはこれに対する補助等をいたすということは、前向きに考えていかなければならないというふうに思います。また、 スクールバス等につきましても、今後、予算の増額をいたしまして、万全を期したいと、かように考えておる次第でございます。
○副主査(鬼丸勝之君) 別に御発言もなければ、以上をもちまして文部省所管に関する質疑は終了したものと認めます。 ―――――――――――――
○副主査(鬼丸勝之君) 次に、昭和四十四年度総予算中厚生省所管を議題といたします。 〔副主査退席、主査着席〕
○主査(矢追秀彦君) 慣例では、政府側から説明を求める順序でありますが、説明はこれを省略し、お手元に配付してある資料をごらん願うこととし、その説明資料は、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(矢追秀彦君) 御異議ないものと認め、さよう取り計らいます。 これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
○中沢伊登子君 時間の関係がございまして、特に同僚議員の森中議員、矢追議員の非常に御支援をいただきまして、私が今度トップの質問をさしていただき、非常に感謝をしながら早く質問を片づけたい。時間をいただいておるのが二十分余りでございますので、的確簡潔に御答弁いただきたい、このように考えます。 まず初めに、原子爆弾の被爆者問題についてお伺いをいたしますが、政府は四十四年度の被爆者対策をどのように考えていらっしゃいますか。
○政府委員(村中俊明君) 御承知のとおり、原爆の被爆者に対する医療法が施行されましたのは約十年前の三十二年、昨年特別措置法が実施されまして、昨年の九月からでございましたが、四十四年度は平年度という形でそれを予算の上に計上いたしました。したがいまして、前年に比べて約十五億円増の六十億三千万円になっております。この中で、特に従来衆参両院の附帯決議あるいは関係団体からの要望などもございました葬祭料が新しくこの中に組まれております。この特別措置法の改正案は提出中で、御審議を願う予定になっております。そのほかに、やはりこれも従来懸案でございました認定患者の医療費が、被用者本人の場合、保険の一部負担が従来残っておりました。この負担を今回公費で肩がわりをする、こういうことが一点。もう一点は、特別手当が、従来一万七千二百円の所得額以下について月一万円の手当を出しておりましたが、これを二万二千七百円に伸ばしまして、言いかえますと、一万七千二百円と二万二千七百円の間については五千円のげたをはかせまして、支給をするというふうな対象の拡大。もう一点は、これも従来懸案となりました認定患者及び一般特定被爆者の医療保護の対象に白内障を新しく入れるというような問題を今回入れまして、最初にも申し上げました総額六十億三千万円の予算をただいま案として計上しておるわけでございます。
○中沢伊登子君 ただいまお話しの葬祭料でございますけれども、この葬祭料の支給制限の概要をお伺いいたします。この直接の原因が原爆症でなかった、たとえば不慮の死、それをさらにもう一つ詳しく申し上げれば、あるいは交通事故でなくなる、あるいはまた異常出産でなくなる、あるいは労働災害でなくなった、こういうときもその葬祭料がいただけるかどうか、その辺を伺いたい。
○政府委員(村中俊明君) 今回の予算案に計上してございます葬祭料の支給につきましては、先ほどもちょっと触れましたが、特別被爆者が被爆に起因すると否定できない、その間で死亡された場合に一件について一万円の葬祭料を支給する。これは原爆の医療法及び特別措置法にも共通する基本的な考え方でございますが、やはり法の持つ性格あるいは被爆者の特殊事情から判断いたしまして、原爆に全く起因しないと断定のできるもの以外については、否定のできないものについてはできるだけこの対象、特別措置法ももちろんそうでございますが、今回の葬祭料につきましても弾力的に支給するようなことを考えておりますが、明らかに否定のできないもの、こういうものを対象にいたしたいと思っております。
○中沢伊登子君 この葬祭料は今後死亡される方に、いま三千十何人とかここに書いてありますが、それだけ支給されるような予算が組まれておりますが、その法律が改正され、今度葬祭料が支給されるその人たちはこれから死亡される方ですね。いままで死亡された人、つまりその人のほうがたくさんの放射能を受けてそれで早くなくなった。これからなくなられる方はむしろ非常に軽症――軽症と申し上げてはいけないかもしれませんけれども、いままでになくなられた人よりも軽い人である。そうすると、いままで早くなくなった方々、そういう方々に対してはどのように措置をされるのか、あるいはその遺族ですね、遺族の人たちには何らかの弔意を表すべきである、このように思いますけれども、そこら辺が非常にむずかしいのではないかと思いますが、その辺をひとつ伺いたいと思います。
○政府委員(村中俊明君) ただいまも申し上げましたとおり、原爆の医療法の対象につきましても、昨年から実施しております特別措置法の対象にいたしましても、現に生存しておる方々が何らかの原爆の被爆に起因するというふうな原因で健康上に問題があるというふうな対象に対して、手当なりあるいは医療の特別の給付を行なうということになっておりまして、今回の特別措置法の一部改正の中に盛っております葬祭料につきましても、精神としては、現存しておる方が現に被爆を受けたということによって精神的な不安な状態にある、そういう方がなくなった場合何がしかのお見舞い金と申しますか、御香典と申しますか、そういう形で弔意を表するというのがこの葬祭料の性格であります。したがいまして、従来ございました軍人、軍属等のそういう方々の国家補償的な性格とは多少趣が違っておるというふうなことで、一応私どもは、現在生きている方がなくなったときに葬祭料を差し上げるというふうなことを考えておるわけでございます。
○中沢伊登子君 そうすると、いままでの方あるいは遺族、そういう方には何の恩典も与えられないということですね。それでなお、特別手当等の各種の手当がございますね。その各種の手当の支給状況はどのようになっているか、それをひとつ伺いたいと思う。現行制度では手当の受給者がきわめて限られているので、今後大幅に拡大すべきだと思いますが、せっかくいい法律ができておりますのに認定がきびし過ぎて、兵庫県の場合では手帳を持っている方が約三千名余りです。その中で、特別手当をいただける人はわずかに十九人。それから健康管理手当ですか、これをいただけるものが十三人。医療手当をいただけるのが十八人。介護手当というのは一日三百円ですか、それで一カ月つけば九千円、これだけ支給されるというような、こういういい法律をつくっていただいても、兵庫県の場合ではその介護手当をいただく方は一人もない。こういうふうな表を、これは原爆の副島さんという方が送ってこられたわけですが、京都の場合でも、介護手当をいただいておる方はたった一人しかない。こういうふうなことでせっかくのいい法律、特別措置法なんかがあるのに、きわめて恩典に浴する方が少な過ぎる。これはやっぱり認定があまりきびし過ぎるんではないか。せっかくのことであるならば、もう少し認定基準を下げることはできませんかどうですか、その辺を伺いたい。
○政府委員(村中俊明君) 特別措置法につきましては、先ほど申し上げましたように、昨年の九月一日から法の施行になっておりまして、現在まだ半年やっとたつかたたないかという実態でございます。私どももこの実施にあたりましては、極力、関係県の担当者を通じまして、被爆者に対する十分なPRにつとめてまいっておりますが、そういうことが一点ございまして、なかなかこの法の全面的な適用が十分理解されていないというふうなことが、先ほど御指摘のように不十分ではないかという御心配の原因に一つはなっておる。たとえて申し上げますと、特別手当につきましては千二百二件、これは昨年の十二月末でございますが、申請がございました。これを千六十八件の承認をいたしておりまして、約百数十件が承認、認定をされていないというふうな数字が出ておりますが、私どもも約三千名近くの一応推定をして予算を組んでおりまして、これが十分対象者に対して行き渡るような、そういう指導は今後も続けてまいりたいと考えます。 なお、御質問の中で、認定の基準が非常にきついのではないかという点についての御指摘でございますが、これは御承知のとおり原爆医療法の中に、認定のための審議会がございまして、この審議会を構成している方々はほとんど放射能関係の専門家、それから臨床医で構成されておりまして、これらの方々が学問的に、この疾病は被爆に起因しているかどうかの判定をいたします。起因しているという判定に対しては、これは一〇〇%認定をいたしておるわけでございます。これは学問的な、医学的な技術の面がほとんど全部を占めまして、私どもが行政的に配慮するという余地が実態としてはないわけでございますが、このような被爆者の方々の声あるいは団体の方々の声を、私どもも審議会の委員の皆さんには申し上げまして、認定の参考にしていただいているわけでございます。
○中沢伊登子君 そうしますと、非常にPRも足りないし、まだ九月からこの法律を施行したので申し出も少ない、こういうふうに言われますが、これもまた兵庫県のことばかり申し上げて恐縮ですが、昨日この資料を一つずつお渡ししておいたと思いますが、兵庫県の原爆の連絡協議会では、自分たちでこういうふうなPRのこと、あるいは調査、こういうものを自分たちでやっておられるわけですね。そうすると、こういうふうな費用は支給されるのですか。それはやはり自分たちが持つべきなんでしょうか。
○政府委員(村中俊明君) 法の施行及び実施につきましては、関係の都道府県の行政庁を通じまして若干の事務費等を計上いたしてPRいたしております。
○中沢伊登子君 厚生大臣にお伺いをいたしますが、私どもいままでこの原爆の問題について再三質問をさせていただいているわけですが、どうも私どもの考え方と政府の被爆者の実態調査の点では、多少の何かそこにギャップがあるような感じがするわけです。被爆者の健康と生活は、認定患者をのければ一般の人とは差がない、こういうふうに厚生省のほうではどうも考えていらっしゃるように思うわけですね。被爆者の健康と生活は認定患者を除けば一般人と差がない、このように厚生省ではしているようでございますけれども、被爆者の実態というものがこれでは十分把握されていない、このように私どもは思うわけです。その点で被爆者対策にはいろいろな不満や不備があるように考えます。その上、原爆症は現在の段階ではまだこれは完全になおらない、あるいは非常に悲惨である、医療ではまだ未解明の点が相当ある、こういうことですから、この実態を十分知るべきであろうと思います。そしてその対策を厚生省のほうでは社会保障施策の一環として行なっていると、このようにおっしゃいますけれども、国家補償として国が肩がわりをしてこの人たちをみてやるべきではないかと私どもは考えているわけです。言うならば、被爆者の人たちも何とか援護法をつくってほしい、このように言っておられますけれども、その点を厚生大臣はどのようにお考えでございますか。
○国務大臣(斎藤昇君) 原爆の被爆者の方はほんとうにお気の毒に思うわけでございますが、これを国家補償という形にするか、あるいは社会保障という形にするか、いろいろ議論のあるところだと、かように考えます。しかしながら、国家補償の考え方は、大体、その職務に尽くす義務があって、その職務のために被害を受けたという場合には国家補償という形をとっておりますが、やはり一般市民としての被害ということになりますと、社会保障というたてまえでいくより道がなかろう。どこまで国家補償ということでやるかということになりますと、そこらでけじめをつけなければならないであろうということで、原爆補償は社会保障のたてまえをとっておるわけでございます。 ただいまおっしゃいました原爆症かそうでないかという点は、これはいま局長が答えましたように、専門家の判断にまたなければならぬと思います。原爆手帳は御承知のように、あそこに、たとえば、原爆が落ちてから三日以内あそこにいた者は原爆手帳をやると、実は私も原爆手帳がもらえる資格があるらしいのでございますが、しかし、原爆症だという病気にかからない以上はこの法律の適用は受けられないという現状でございます。しかし、故意に事柄を制限をして、そしてこの法律の適用を少なくしようという意図は毛頭ございません。むしろ、できるだけこの法律に合う者はこれで救ってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○中沢伊登子君 いまの厚生大臣のお答えの前段の分ですね。それに対して私どもは多少不満を持っております。というのは、広島、長崎で原爆にあわれた方は確かに国からあそこへ行きなさいということで、あるいは戦争の最中にその人たちが負うべき責任ではないと、このようにいまおっしゃいましたけれども、それでも世界どこさがしても原子爆弾が突然落ちて被爆をしたというのはやっぱり長崎と広島ですから、一般の問題とは私はこれは多少区別をしてやっぱり国家で肩がわりして見てやるべきではないかと、このように思います。その点でやっぱり厚生大臣と私どもと少し考え方が違うのではないか、このように思いますが、その点で前向きに検討される用意はございませんでしょうか。
○国務大臣(斎藤昇君) 社会保障の考え方と申しますのもこれ国家でやるわけでありますから、したがって、社会保障だからある程度自己費負担させるとかいうことでなしに、全額国費でというたてまえはとっておるわけでございます。
○中沢伊登子君 それじゃもう一点だけ、今度は保有所の問題について伺いたいと考えます。 現在、保育所を一個所つくるのに収容定員が六十名のもので大体、それは地域にもよりますけれども、木造で約八百万円ぐらいかかる。ブロックで一千万円ぐらいかかると聞いておりますけれども、しかもこの中には土地代が含まれていない、このように伺っておりますが、そうでございますか。
○政府委員(渥美節夫君) 保育所の設置に関連いたしました土地の取得代につきましては、従来から他の設備の補助と同様にこれは認めておりません。なお、六十人未満の保育所を設置する場合には、先生のおっしゃるような大体の金額がやはり必要とされると、かように思います。
○中沢伊登子君 そうすると、厚生省の保育所の補助基本額が四十三年度で大体二百万円だったように思いますが、その中で国が二分の一持つということにきめられているので大体百万円ぐらいでぱっと分けてしまうわけですね。そうすると、百万円ということになりますと、県はその二分の一ですから五十万円。と、補助は百五十万円しかいただけない。ただし、いまも申し上げたように、木造で八百万円、ブロックで大体一千万円かかると、こういうような実態では現在の建築単価ではとっても焼け石に水で保育所をつくろうと思ってもつくれない。しかし、このごろは働くおかあさんが非常に多くなっていますから、保育所の要望は非常にたくさんあるわけですね。しかし、こんなに大きな自己負担ではとうてい保育所ができない、こうなってまいるわけです。そこでこの間、ある保育所を相当手広くやっている方ですが、来られて、新設にはそれくらいの金がかかるからとっても無理だろう、それでいま現在ある保育所をもう少し増設分に補助をいただけるならば、非常に申し込みが多いから、そこら辺でもう少し人数をとることができる、そういうことは考えてもらえないか、こういうふうに言ってこられたのですが、いかがですか。
○政府委員(渥美節夫君) 御指摘の国庫の補助の額の問題でございますが、確かに補助額が少な過ぎるではないかということはいえると思います。そういった問題意識を私たち十分持っております。したがいまして、毎年この国庫補助額の引き上げにつきましては努力しているところでございます。たとえば、昭和四十三年度におきましても、国庫補助額は一個所につきまして約三十万円ばかり引き上げたのでございますが、昭和四十四年度におきましても、実施の段階におきましてさらに、この百万円になりました、昭和四十三年に百万円になりました補助額をさらに引き上げよう、かようにいま検討しておるところでございます。 それから後段の御質問でございますが、改造の場合、あるいは増築の場合におきましてもそのように補助額の増額等につきまして検討させていただきたい、かように考えております。
○中沢伊登子君 厚生省が昭和四十二年から五カ年計画で百二十万人を収容するとして、ことしはその三年目になるわけですね。そこでことしは五百個所新設すると、こういうふうに伺っておりますが、五百個所のその適正配置ですね、このことを考えなくてはいけないのではないか。年々増加する保育所の入所の希望者が都市の勤労家庭ばかりではなくて、最近は農村の主婦農業が非常に高まってきておりますね。強まってきております。そこで入所の希望者も農村にも非常に多いわけですね。それで、五カ年計画でこれでよいと考えていらっしゃるかどうか、その辺のことも伺いたいと思います。
○政府委員(渥美節夫君) 私ども昭和三十九年に要保育児童の調査をいたしました。そのとき保育所に入所を必要とする子供たちの数が約百二十一万と推定されました。そのときの現有勢力が九十一万人でございましたので、御指摘のように三十万人の子供さんを早く保育所をつくって収容しなくてはいけないということで、昭和四十二年度から、おおむね五カ年計画で毎年毎年約七百五十カ所の保育所づくり、毎年六万人の新規に保育所に通う子供たちのために保育所施設づくりをするという計画を実施に移してまいりました。その結果、その作業は一応いわば順調といいますか、一応その線に従って進んでおると思います。しかしながら、実は昭和四十二年にもう一回要保育児童調査をやってみたのでございますが、その結果によりますと、さらにその百二十一万人を相当上回る数字が出ておるわけでございます。それは都市におきましても、農村におきましても、御指摘のように保育所づくりが必要であるということを示すものでございますので、さらに私どもこの保育所の整備計画につきましては、最大の努力を払って進んでまいりたい、かように思います。
○中沢伊登子君 最後にもう一つお伺いします。 そうしますと、先ほどのように農村でも都市でも非常に保育所がほしい、こういう要望が高まってきておる。自分で建てようとすると、相当の金額が要る。こういうことでだんだん企業内に保育所を設置されているようでございます。この指導と監督の責任はどこが持つのか。もしもそういうところでいろいろな事故が起こる、こういうことになりますと、その責任をどこが持つのか、こういうことでございます。 それともう一つお伺いしたいのは、そういう企業内の保育所と、それから公営の保育所、それから無認可の保育所、いろいろな保育所があるのですけれども、そういうところに入れられる子供たち、それが児童福祉法に照らしてみて、相当の差があり過ぎるのではないか、このように考えますと、児童福祉法のたてまえから、この問題をどう考えられるか、この辺をお伺いして質問を終わりたいと思います。
○政府委員(渥美節夫君) 先ほど御説明申し上げましたように、保育所の数が足りないというふうなことは大きな問題でございます。したがいまして、必要に応じまして、企業内におきまして保育所と言わないとは思いますが、保育施設あるいは託児施設というものが出てきていることも事実であるわけでございます。しかしながら、児童福祉法によりますところの保育所は、一定の設備と一定の職員の充足というものを要件としておりまして、その保育所が地域の子供たちに対しまして保育を行なうということになっておりますので、企業内の保育所につきましては、児童福祉法上では、公的な援助をしていけないわけであります。というのも、やはり保育所が足りないわけでございますので、先ほど申し上げましたように、保育所づくりをさらに徹底しなければならないと思っております。なお、法律上いわゆる企業内の保育託児施設あるいは無認可保育所に対しましては、都道府県あるいは市町村は権限を持っておりませんけれども、いろいろと無認可保育所を正規の保育所に引き直すような場合あるいは企業内の保育所につきましては、企業と市町村とが話し合いをするというふうなことにつきましても、事実上はいろいろと御相談に応じ、必要に応じましては、正規の保育所にしていただくというふうな事実上の御相談、御指導は申し上げておるかと思うのであります。
○主査(矢追秀彦君) 森中守義君から発言したい旨の申し出がございますが、これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(矢追秀彦君) 御異議ないと認め、発言を許します。森中君。
○担当委員外委員(森中守義君) ちょうど一年前ですが、例の特会法審議の際に、高松の療養所で薬品納入に関する汚職があった。それと相前後して理髪業の許認可に関するこれまた汚職があった。当時園田直さんが大臣でしたが、その審議に参加した際に、かなりその問題を私は提起した。そこで前大臣がまことに申しわけない、自今一切この種汚職の一掃のために全力を傾けて管理体制を強化したい、こういうお約束が国会で行なわれた、私はそれを信じておったのです。しかるに、最近またまた厚生省で汚職が発生した。どっか一本抜けちゃいませんか。厚生大臣どのくらい、そういうことが国家行政機関として国民の信を落としているか、はかり知れないものがあります。まことに私は遺憾だと思います。むろん、そういう問題については、大臣がかわろうと、だれになろうと、一体の責任は私はまぬがれないと思う。どういうふうに感じていますか。
○国務大臣(斎藤昇君) 国家公務員あるいは地方公務員等の汚職ということがいささかでもあって相ならぬことは、おっしゃるとおりであります。厚生省におきましても、歴代の厚生大臣以下監督の責任者は、この綱紀を引き締めるという面においては、十分配慮をいたしておったことと存じますが、それにかかわらず、こういう事柄の起こってまいりますことはまことに申しわけないということ以外にはございません。しかしながら、できるだけ汚職の発生するような要因をなくしていくと同時に、各職員の個人的な面における監督も目の届くようにいたしてまいらなければならない、かように思っておるわけでございます。まことに申しわけのない次第でございますが、その中で、そういうことがときどき起こりますので、これをさらに何といいますか、一つの警鐘といたしまして、一そう引き締めをやってまいりたい、かように思います。
○担当委員外委員(森中守義君) 本日の私のお尋ねの焦点はそこにないのであります。あえてそのことを中心に議論を発展しませんが、しかし、考えねばならぬのは現場段階がたくさんあるのですね。もう実に気の毒のような悪い労働条件のもとに働いておる。しかも、それを本省にいて指揮監督の立場にある者が汚職の花が咲いていたのでは引き締めにもならなければ、そういう者が指揮監督なんて、そういうばかな話はありませんよ。私はそういう点で非常に遺憾だと思う。したがって、汚職といえば厚生省、厚生省といえば汚職ということにならないように厳に厚生大臣の今後の対応策を希望しておきたい。 そこで、そういう状況の中にありながら、今日各新聞等が一斉に指摘している例の看護婦の問題、もう看護婦ということは、定員の問題ですよ。そこでごく最近三月二十七日、朝日新聞の天声人語によれば、これは単なる運動ではない、いまや人権闘争に発展をしておる、こういうことが天声人語に出ておるわけです。また朝日新聞の三月十六日によれば「まぼろしの完全看護」、ひとつお読みいただきたい。それからこれも朝日新聞ですが、去る三月十二日、「いつになったら解消されるの看護婦さん不足」、こういうことで朝日に限らないで、各紙が一斉にキャンペーンを行なっています。しかも、人権闘争というのは厚生省の担当課長の口からも出ておる。そのくらい深刻な状態に追い込まれているこの現状を理解していますか、どうですか。
○国務大臣(斎藤昇君) ただいまおあげになられました新聞記事等も私も読んでおります。捨てておけない、まことにそのとおりの問題だ、大いに改善をはからなければならない、かように考えております。
○担当委員外委員(森中守義君) そこでことばを詰めるようで悪いんですがね、こういう事態はことしになってから、去年の暮れから発生したという事件ではないと私は思う。まさに十幾星霜ですよこれは。そういう沿革と歴史の中に、今日こういう状態がある。いまや単なる定員不足とか、そういう表現でなくて、人権闘争という用語が用いられねばならぬということは、一体どういうことですか、これは。そこでここで何とか局面の転換をはからねばならぬと、こうおっしゃるのだけれども、十幾星霜の間に何をやってきたのですか。大臣は過去のそういうつまびらかなことまでは把握されていないから、担当の局長でけっこう。どういうことをやってきたか詳細にひとつ承りたい。
○政府委員(松尾正雄君) ただいま御指摘になりましたような問題の一番基本になりますことは、やはり看護婦の絶対数をふやさなきゃならないこういうことに究極的には尽きるかと存じます。したがいまして、従来から厚生省におきましても、看護婦の養成計画あるいは看護婦になる人の誘導というような意味での奨学金制度というようなことを中心にいたしまして、拡充をはかってまいりました。最近におきましては、四十三年におきましては入学定員も看護婦で約一万人に到達をいたしました。准看護婦の入学定員は、約三万三千人ということでございまして、過去十年間に看護婦及び准看護婦の入学定員の増加というものは、約二万四千六百人程度になっておるわけでございます。まあ、その程度に国をはじめといたしまして、あらゆる機関で御協力いただく、医師会その他におきましても御協力いただきまして、養成の拡充ということに努力してまいったわけでございます。ただいま看護婦の就業人口というものが、二十五万三千人というところまで到達をいたしたわけでございます。しかしながら、一方におきましては、きわめて大きな医療事情というものの伸びがございまして、たとえばそれが病院のベッドの増というようなものにはね返っておりまして、最近の伸び平均では、約四万ベッドをこす程度の病床が一年にふえておるわけでございます。それから外来患者等につきましても、御承知のとおり非常に増加をする。まあこういう関係がございまして、一方において、十分そういう医療行政の拡充ということは努力してまいったつもりでございますけれども、なおかつ従来の不足並びに新しい需要というものを完全にカバーし切れないというような面がございまして、ただいま大臣がお答え申し上げましたように、やはりここで大改善のための再検討をしなければならないという認識に立っておるような次第でございます。
○担当委員外委員(森中守義君) いま松尾さんの言われた、はしなくも言われた需要の問題、これは過去五年間の推移はどうなっていますか。医療需要はどういう上昇率ですか。
○政府委員(松尾正雄君) 病床数につきましては、ただいま申し上げましたように一番看護婦の数を基本的に要求いたします病院のベッドが約四万二千程度一年にふえてきているというのが、大体の端的にあらわれたものでございます。過去五年間と申しましたが、大体患者の数で申し上げますと、昭和三十年と四十年という十年間でまことに恐縮でございますが、患者数が大体二倍にふえておるというのが、患者調査等から出てきている厚生省の統計でございます。したがいまして、十年間にちょうど二倍程度のスピードで大体需要は年々伸びてきているというふうに申し上げていいかと存じます。
○担当委員外委員(森中守義君) そこで問題なのは、そういうその医療の需要が急激に上昇しつつあるということは私もよく知っておる。ところが、これに対応する看護婦の対策というのは全然手が打たれていない。これは去年も私は厚生大臣と大蔵大臣を並べまして、どっちの責任なんだ、厚生省は予算要求を出したのか、これを大蔵省が削ったのかどうかと、だいぶもんちゃくを起こした。しかも大蔵委員会との合同審査の際にも激しい論戦を展開しましたよ。そこでどういう意向であったのかわかりませんけれども、委員会の席上において、大蔵省何といったかといいますと、厚生省から概計の要求が出てこないのだと、こういうのだ。よろしいですか。当時の会議録お読みになったでしょう。どうしても私は理解できない。そこで厚生省にほんとうに新規増員の要求をしていないのか、どうなのか、たたみかけたけれども返事がなかった。あとで私に渡されたメモは何がしかの人間は要求している。速記録に載せなさい、その場で。それで大体事情はわかったんですけれどもね。昨年大蔵省が委員会で約束したことは、事情は百も承知しておる。したがって、厚生省から正規な要求があるならば、十二分にそのことについては検討するし、実現もしたい。こういう約束が行なわれておりますよ。おそらく医務局が、四十四年度の予算の概計をつくられる際に、むしろそのことを私は一つのポジションとしてとらえられていたと思う。ことし幾ら要求しましたか、幾ら削られたんですか。
○政府委員(松尾正雄君) 本年度の私どもが最終的にただいま御審議いただいております予算は一般会計分で三億一千七百万円、それに国立病院、国立療養所というところで直轄をいたしております養成所がございます。そういうものを加えまして、十四億一千六百万円という数字になっております。これは前年度に比べまして、約一億二千四百万円の増という形になっておるわけでございます。
○担当委員外委員(森中守義君) 人数で。
○政府委員(松尾正雄君) 人数ではちょっと計算ができがたいのでございますけれども、たとえば養成所の施設整備費の補助金のほうにおきましては、昨年十三カ所認められたものが、ことしは十五カ所というふうに伸ばして、さらに増改築という――増築のほうの部分を八カ所というふうな、昨年よりも拡充した予算を計上しているわけでございます。
○担当委員外委員(森中守義君) ちょっと松尾局長ね、私の質問くみ取れませんか。時間がないから要領よく受け取ってもらいませんと。私は、整備基盤の費用あたりも、こういうふうにして聞いておるんじゃないのですよ。問題は、看護婦機構というわけだから、ですから、その辺の話に限定をしておる。したがって、一定の積算を持ちながら、予算の概計を出されるわけだし、それに対して大蔵省が対応を示せば、看護婦で幾ら、医者で幾ら、職員で幾らという、こういう人数の根拠というものは、はっきりしているんじゃないですか。一億二千四百万円が、この増額の中に、人の数において何名ふえておりますか。
○政府委員(松尾正雄君) ただいま申し上げました養成所の増設の数というものについては、これは入学定員について約一千六百名程度の増加というふうに踏んでおりますが、ただ学年定員等が、ただつくる場合にきちっとつくるわけではございません。多少変動があるかと存じますが。
○担当委員外委員(森中守義君) ちょっと、こまかなお尋ねで恐縮ですがね、三年課程の場合、二年課程の場合、准看の場合、もしわかるならば種類別にちょっといまの数を当てはめてください、養成所の場合。
○政府委員(松尾正雄君) ただいま申し上げました数字の大体の内訳を申してみますと、三年課程が百七十五人くらいの増、准看が二百四十人、それから二年課程いわゆる進学コースが千百九十五、合わせまして大体千六百十名程度でございます。
○担当委員外委員(森中守義君) そこで厚生大臣、いままでの会議録等、ずっと整理してみますと、四十一年、鈴木善幸さんが、厚生大臣のときに、こう言っているのですね。これは、参議院の予算委員会で言っているわけですが、四十五年度の時点では、間違いなく看護婦は充足できる、こういう見解が一本出ているわけです。それから、その後も、いろいろな変遷をたどりながら、鈴木善幸さんが言った四十五年、もう来年ですよ、充足どころでなくて、大体十万人程度不足するということが厚生省の統計でも出ている。これは、大体、厚生省がいけないのか、あるいは大蔵省が要求された予算を切ったのか。去年のむし返しみたいになるんだけれども、どっちですか。主計官、来ていますか。
○国務大臣(斎藤昇君) どちらというわけではありませんが、しかし、しいて言えば、やはり、私は、厚生省に責任があるだろうと思います。最後まで大臣折衝に持ち込んでいって、そして取れるというところまでやはりいくべき問題であろうと、かように考えます。 で、歴代の厚生大臣もいろいろ答弁をしておられたようでありますが、基礎的な数字といいますか、そういうものの算定が必ずしも十分でなかったんじゃないか、かように考えまして、新しく看護婦の養成の数、あるいはその他、抜本的に一ぺん数字を洗い直してみて、それから実際にその養成能力として、まあ金だけあれば養成できるというわけではありませんから、実際に、その養成がこれならばできるという自信のある案を、いま、つくらしているわけであります。それに基づきまして、この看護婦不足に対処をいたしてまいりたい。で、私は、その案ができるなら、どこかの委員会でも申し上げましたが、次の予算査定まで、私はおるかおらぬかわかりませんけれども、おれば、もう最初から、この看護婦の問題は大臣折衝までいくと、それだけの自信のあるものを出せと、こういうようにいま命じまして、その準備をいたしておるわけであります。
○担当委員外委員(森中守義君) まことに遺憾なのは、洗い直すということですが、いまそれですか。困るんだな、それでは。冗談を言っちゃいけませんよ。いまからもう一回詰め直す、洗い直す、そんなばかな話はないですよ。去年の十二月の十九日、衆議院の社会労働委員会で、大臣、何と言っていますか。こう言っていますよ。看護婦の数が非常に足りないことは指摘されるまでもなく痛感している。来年度予算には相当の費用を計上を要求し、来年はこれを貫徹したい。これで前年より飛躍的な改善になる、こう言っている。結果においては、さっきの数字が示すように、ちっとも改善されていない。いわんや洗い直すと言われるけれども、実際の、その現場における状況というものはどういうように理解していますか。これは、局長でもけっこう。私は、御承知のように、熊本の出身。郷里に戸馳というところがある。行ったことがありますか。もう渡船で十分そこそこのところですが、離島ですよ。そこで十時まで勤務をして町に帰らなくちゃならぬ。船はない、渡船もないんですよ。しかも、夜勤手当はもらえない。十時で一応勤務は終了したわけだから、夜勤手当も、深夜手当も何にもないのに、みな病院に泊まるんですよ。もし何ごとかあって、どうしても帰らなくちゃならぬという場合には、特に渡船を相談する。その先は汽車も何もない。バスもない。車で帰る人、たくさんいますよ。この状況どう見ますか。それから四年前の人事院における看護婦の判定、どうとらえているか。むろん、これはあとで聞きますが、四年間もたなざらしになっている。しかも、あの中では一人制ではいかぬのだ、二人制で、しかも月に最高八日程度の夜勤をさせろと、こうなっておる。統計上九・四日ですよ、現在。どうして人事院の判定に手をつけないのか。もうひどいのは、十五日ぐらい泊りづくめの人がいますよ。その現場把握の状態、これはひとつ全国的にチェックしてみたらどうですか。だから、私は、斎藤大臣にたいへんことばを返すようで悪いけれども、いまさら洗い直すなんというのんきなことを言われたのじゃ、みんなおこりますよ。これはひとつ、もうすでに、私は、十幾星霜という、ややオーバーな表現を使ったのですが、長過ぎる。問題の解決に期間がたち過ぎている。それなのにいま洗い直すということは、これはいただけない。百も承知で、財政上難関がある、どうしても突き抜けができないという、そういう答えなら、それなりに私は受け取る必要があると思う。いまから洗い直してみるのだというのじゃ、これは話にならぬ。断じてそういうことは承服できませんよ。どうなんですか。実情を把握しているのですか。把握の上でいろいろやっていますか。
○政府委員(松尾正雄君) ただいま御指摘のような戸馳療養所のような場合、私どももたとえば最近における通勤率というようなものの数字も確保いたしておりますので、そういう従来のように看護婦宿舎におられる看護婦さんよりも通勤率というものが非常にふえてきておるということで、御指摘のような事態がいろいろと従来になく起こってきておるということも承知いたしております。それから夜勤日数、あるいは夜勤の状態というものにつきましても、私ども直接の国立病院、療養所等も持っておりますので、絶えずそれらの状況についての数字的な把握につとめておるわけでございます。
○担当委員外委員(森中守義君) それからいま局長の言われることに、通勤者がふえておるということも実情把握の一つですが、既婚者と未婚者の比率、どういうことになっていますか。把握していますか。
○政府委員(松尾正雄君) 四十三年二月一日現在の数字を申し上げますと、国立病院、国立療養所平均をいたしまして、既婚者が――夫のおられる方が約四二・四%という数字は承知いたしております。
○担当委員外委員(森中守義君) これは私の調査によれば――むろん、私なりに権威あるものだと自覚しているのですが、ちょっと御参考までに教えてあげよう。昭和三十年の未婚者が六五・二%、既婚者が三四・七%、それから五年経過した三十五年で未婚者が六三・一%、既婚者が三六・八、四十一年で未婚が五三・二、既婚四六・八というように変わっています。この推移を見ていけば、要するに既婚者がふえておる。すなわち家持ち通勤者がふえたということですよ。これは一つの大きな私は考えどころだと思う。そういう実情を完全に把握しなきゃ、概計をつくる、大蔵省に要求する、予算折衝においても、パンチききませんよ、あなた方のようなことでは。いわんや厚生大臣がいまから洗い直すなんという話に至っては、これは言語道断だ、話にならない。だから、もう少し詳細にほんとうに現場の状態というのを調べなさい。汚職や疑獄に花を咲かせる時代ではありませんよ。しかも、患者はどんどんどんどんふえている。先般、私はいつか申し上げたかわからぬけれども、岡山のある療養所では、ちゃんとおかわに患者用のベルを入れておいてくれ、それを入れなかった。そのためにそこで喀血をして死んだ人がおりますよ。そういう例が幾つもある。まさにこれは大きな人権問題と言わなければならない。各施設にそういうベルを入れるのに幾ら金がかかりますか。私は幾ら財政上窮迫状態にある、金に困るといっていても、国民の生命を守るために大蔵省といえども、そうそう頑迷であるとは思わない。これはやはり厚生省はこういう詳細なデータ、パンチをきかし得るような説得力がない、そういうことになるのじゃないですか。まあ御苦労されている皆さん方にこういう言い方をして、何を言うかというおしかりを受けるかわからぬけれども、やはりもう少し前向きの状態でものを見るならば、私はそういう表現用いざるを得ない。必ずしも私はこのことを得意になって言っているのじゃない。国民の健康を守ってくれるお医者さんであり看護婦さんですよ。それを掌握するあなた方ですよ。困るんだなあ、それでは。まだ厚生大臣は洗い直しますか、洗い直さなきゃいかぬですか。
○国務大臣(斎藤昇君) いまおっしゃいますとおり、大蔵省にパンチをきかせるだけの材料、それを持って臨まなきゃなりませんから、そういう意味で私は洗い直しをせい、こう言っているわけです。
○担当委員外委員(森中守義君) それはいままでそういうものはなかった、ありませんでしたということだろうが、それなりに受け取っておきましょう。それがきょうここでお目にかかった一つの収穫であるかもしれない。百万言費やしてみたり、ずいぶん激しい論調で責め上げてみても、いままではすべてが空であった、真空であった、ダイナミックなパンチのきくものがなかった。いまから洗い直すというのだからもう何をか言うことはない。やりますか、来年、責任持ちますか。
○国務大臣(斎藤昇君) ただいま申し上げたとおりでございます。
○担当委員外委員(森中守義君) 大蔵省主計官見えていますか。――昨年、特会法のときにあなたもいらっしゃったか、話聞いておられたか。――で、そのときにあれはちょうど大臣が来る前だったかな。政務次官が正確に私に答えたのだ、厚生省から出ておりません。出ていないものを大蔵省が理解できないし、わかるはずがないじゃないか。だから話を聞けば聞くほど無理もないしもっともだししなきゃならぬ。だから来年は厚生省から要求が出たらします、と約束をしている。何ならば当時の会議録を持ってきてもいい。そこでさっきの松尾局長のお話によれば、むろん概計の要求だし、査定の立場にあるわけだから一〇〇%とは言わない。言わないが、去年あれほど約束したのだから、しかも十万人不足しておるこの状態、幾ら洗い直すとかパンチをきかす、こう言われても、まあだいぶ私は斎藤大臣が謙遜しての話だと思う、それなりに予算の要求には、それぞれファクターが積み上げられているはずだから。それをどうしてあなた方は言うこときかない。去年の約束を破ったのはどうしてだ。
○説明員(辻敬一君) ただいま御指摘の問題は二つ問題があろうかと思います。 第一は、一般的な看護婦の確保対策でございますが、これにつきましては、先ほど厚生省からも一部お答え申し上げましたように、養成所の整備の補助でございますとかあるいは修学資金の補助でございますとか、そのほか国立病院、療養所におきまして直接看護婦の養成所を運営いたしております。そういうものの全部の経費を合わせまして、四十四年度におきましては十四億一千六百万、前年度に比べまして一億二千四百万円の増額ということになります。なお、そのほか養成施設の整備につきましては、四十三年度から特別地方債の対象にするというような措置をとっているわけでございます。 第二の問題といたしましては、国立病院、療養所の看護婦の定員の問題でございますが、これは従来から御指摘のございますように、勤務条件の改善という問題がございましたので、従来から勤務環境の改善のための設備でございますとかあるいはまた夜間の看護手当の支給でございますとか、そういう措置をとってまいりましたが、四十四年度におきましては、特にそういう夜間の勤務体制の改善のために二百六十一名の看護婦の増員をいたしております。そのほか新生児の看護等の増員を合わせまして、全部合わせまして四百四十一名という数の増員をいたしております。こういうことによりまして、実行上の問題もあろうかと思いますが、職員の適正配置その他の運用の改善と相まちまして、人事院判定の趣旨の実現に沿うように今後とも努力してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○担当委員外委員(森中守義君) せっかくのお答えですが、やっぱり厚生省が洗い直すのと同じように大蔵省もだめ、二百六十一名、しめて四百四十一名というが、施設が幾つあると思いますか、全国で。施設に二百六十一名ないしは四百四十一名をばらまいて一つの施設に何人ふえますか、一名しかふえない。それで人事院が言っている、月八日間ということ、しかもそれは二人制でなければならぬという、二人制が認められない、一人制でしかも九・四日ということと、距離があることはなはだしい、しかも一施設に一名ということで話にならぬじゃないですか、しかも、さっきの大蔵省の話だと、なるほど一億何千万か増額をした――減額よりもいいかもしれない、しかし、前年比幾らということじゃ話にならぬのだ、もっと実態をよく見ないと。だから私はそういう意味では前年比に対して五千万ふえた、二億ふえた、そういう大蔵省のよく言われる答えというのは必ずしも同意しがたい。第一物価指数がどうなっていますか、施設の状態どうなっていますか。だからあまり前年比に対して一億何千万ふえたということは言いわけにしてもらっちゃ困る、ちっともふえたと思っていない。しかも厚生省全体、あるいは医療行政全体、いわんや医者、看護婦という、こういう問題が一億何千万ふえたことによってどういう曙光を見出したのか全く話にならぬという一言に私は尽きると思います。したがって、去年の特会法のときに、大蔵省と私との間の約束ということはこれは守られていない。むろん私の意見に対する答弁であったけれども、少なくとも広義に解釈していくならば、立法府と行政府の約束であったと私は心得る、守られていませんよ。だからこれは洗い直す場合に、厚生省が独自の調査でもいかぬでしょう。それは大蔵省にああいう強いのがいるんだから、水増ししちゃいないのか、これはうそじゃないのかと言うにきまっている。だから一回合同で調査してやってみたらどうか、そのほうがより効率的であり、実態の把握ができるのじゃないですか、場合によれば行管も中に入れたほうがいい行管、大蔵省。ひとつ厚生大臣相談をして、三者でひとつ実態調査をやろうという、これは一つの提案ですがおやりになるほうが、洗い直すならば効果を期待しなければならぬから、さらにこれから五年も十年も待てる問題ではありませんからね。そういう意味で三者の合同調査ということをひとつ提案してみませんか。
○国務大臣(斎藤昇君) 先ほども申し上げましたように、本年は予算の要求の前からその計画をしっかりと定めてまいりたい。その間におきまして、大蔵省との折衝をしながらまいりますから、要すれば、あるいは合同の調査ということにもなろうかと思いますが、とにかく大蔵省にも十分納得してもらえるようなそういうものをつくり上げてまいりたいと考えております。
○担当委員外委員(森中守義君) ちょうど時間がきましたからこれで終わりますが、例の四年前の人事院の判定ですね、残念ながら人事院も来てもらっておりませんから、ゆっくりその辺の話が聞けないのですけれども、少なくとも国家公務員法あるいは人事院規則を基調として人事院の判定は出た。これが国家公務員の賃金の問題と同じように、人事院の勧告もしくは裁定、判定は忠実に関係の省庁は遵守すべき義務がありますよ。人事院はそれを実行させる権利がある。そういう権利義務というものがこの看護婦の判定については守られていない。四年間も放置されている。しかも、さっき主計官の話によれば、極力そういうものに近づける努力をしております、こういう答弁です。こんな人を食った話はありませんよ。人事院の存在、勧告、裁定、判定、こういうものを何と心得ていますか。本来ならば、佐藤達夫さんに、ここに来てもらわなければならぬはずでしたが、ちょっとうっかりして来てもらっておりませんから聞けないのだけれども、しかし、これはひとつ厚生大臣も大蔵省も少なくとも人事院の判定には当然拘束を私は受けるものだと思うのですが、どうですか。
○国務大臣(斎藤昇君) 人事院の勧告にはこれは忠実に従わなければならぬと、かように思っております。で、人事院の勧告も、計画的にこういうようになるように努力をせいという勧告でございますから、しかしながら、その計画はあまり長過ぎましては、これは忠実に従っていると、実際的と言えるかどうかという問題にもつながるかと思いますが、そういう意味も踏んまえまして、ひとつ大いに来年度は前進をいたしたいと、かように考えております。
○担当委員外委員(森中守義君) たいへんどうも少しきびしい言い方もしましたけれども、これはひとつ、国民もこれには非常に関心を持っている、二時間も三時間も待たされて聴診器を当てられ治療を受けるのは十分だったという例がある。これでは国民も困るのですよ。しかも、サービスを提出する施設においでになる皆さん方は、ずいぶんやはりつらい思いや、いやな思いをされる。場合によっては、そういうことで家庭生活の破壊なんという、そういうオーバーな言い方はこれはどうかと思うけれども、少なくともやはり楽しい生活じゃないかわかりませんね、奥さんが十日も何日も夜勤夜勤では。こういうことを考えると、私は、率直に申し上げて、いまから洗い直すということは、どうも肝に命ずるほどでは何にもなかったのかというふうに受け取ったわけですが、しかしこれはいまからでもおそくない。来年再びこういう論争をしないように、さすがは斎藤さんは名大臣であったということで、次の人から称賛が贈られるように大いにひとつ検討してもらいたいと思います。医務局長頼みますよ。そういうことで私の質問を終わります。 〔主査退席、副主査着席〕
○矢追秀彦君 時間もおそくなりましたので簡単にお伺いいたしますが、昨日ですか、発表になりました例のカドミウムの調査結果でありますが、この調査の発表はどのような意義があるのか。要するに、中間報告なのか、その点の位置づけといいますか、それをお伺いしたいと思います。
○政府委員(武藤琦一郎君) 富山の問題が起こりましてから、昨年の夏以降、カドミウムが排出されていると考えられておりました対馬、それから安中、宮城、それから途中で加わりました大分の奥嶽川、この四地域を厚生省としては昨年調査を始めまして、大分のほうは今度の調査の結果に間に合いませんでしたが、この三地域につきまして、カドミウムの調査結果がまとまりましたので、それのデータを発表すると同時に、これについての現段階におきます厚生省としての見解、それからそれに基づきます本年度並びに将来とるべき基本的な方針につきまして態度をきめたわけでございまして、しかしながら、今回の結果によりまして、さらにいろいろ調査を継続的に行なう必要もございますし、それから健康診断の結果等につきましてはまだ全部が終了しておりませんで、それを待ちまして、さらに詳細な対策あるいは将来の方向をきめたいと、かように考えております。
○矢追秀彦君 私も大体大ざっぱに見ただけでありますけれども、飲料水のほうにつきましては、特にそう問題はないのではないか、大体〇・〇一PPM以下に飲む水はなっておるようでございます。しかし、それでない、たとえばどろの場合あるいは土壌の場合かなり高い地域が見られます。たとえば碓氷川あたりで水田土壌が平均で二二・三ですか、対照水田土壌でも二・四〇、佐須川におきましても非常に高い、神通川よりも高いようなところが出てきております。これに対して特に分けまして安中のほうと対馬のほうと、土壌のカドミウムが高い原因はどこにあるとお考えになっておりますか。
○政府委員(武藤琦一郎君) その点、結果としては土壌のカドミウムの含有量が神通川よりも高いわけでございますが、この点につきましては、実はまだ神通川よりもどうして高いかということにつきましては、まだ厚生省としては解明ができておりません。
○矢追秀彦君 その点については当然おやりになるのですか。
○政府委員(武藤琦一郎君) 当然専門家の意見をさらに聞いてみたいと、かように考えております。
○矢追秀彦君 これと結局農作物との関係になってくるわけでありますけれども、特に佐須川のほう――対馬のほうではハクサイで平均で五・二七という高いのが出ております。これは現在の神通川の米よりも高い、カドミウムが多い。しかもまた安中のほうも、米の場合精白にして〇・四九という平均で出てきております。こういった点でむしろ神通川の現在の状態よりもやはり土壌にカドミウムが高いということが原因して、農作物が高いという結果が一つは出ているのじゃないか。安中のほうは、もう一つは煙ということも考えられますので、その点の関連性についても調査研究をされたのかどうか、されてなければ今後どうされるのか。
○政府委員(武藤琦一郎君) 土壌中の濃度が神通川よりも高くて、逆に米に含まれておりますカドミウムの濃度が富山よりずっと低いわけであります。この点が今回の調査の特徴であります。この点につきましては、一つの問題といいますか、一つの将来の重要な検討課題でございますので、この点につきまして専門家の検討を依頼したいと、かように考えております。
○矢追秀彦君 お米の場合、やはりオカボと水稲とかなり違うと思いますが、その点分けて検討されておるかどうかお伺いいたします。
○政府委員(武藤琦一郎君) これは水稲をやったというふうに私ども聞いております。
○矢追秀彦君 やはりオカボもできたら調査をしていただきたいと思います。やはりその点で神通川との差あたりが案外出てくるのじゃないか、というのは、ハクサイが多いですから、その点も何か糸口がつかめるかもわからぬわけです。 それから食料品中のカドミウムの量を〇・四PPM以下にしていきたいというふうなことが出ておりますけれども、この〇・四PPMにするということの意味が出ておりますけれども、この根拠ですね、これをお伺いしたい。
○政府委員(武藤琦一郎君) この三地域の米の濃度以外に、専門家のデータ別にやられておりましたいろいろなデータを検討したわけでございますが、それによりますと、非汚染地域の産米の中で最高濃度として〇・四PPMまでの報告が行なわれております。したがいまして、私どもとしては、非汚染地域でも〇一四の最高濃度が出るのだということで、これを越す場合には、やはりカドミウムの環境汚染についての一つの指標となり得るのではないか、こういうことで、この点を一つの指標として、専門家は厚生省のほうに報告されたと、かように考えております。
○矢追秀彦君 一応暫定基準ということなので、私はあまりやかましく申し上げませんが、今後これが恒久的な基準になる場合は、もっと詳細に検討をされたほうがいいのじゃないか。たとえば動物実験をやっていくとか、そういうことをしてやられないと、ちょっと私個人的に考えるのですが、ちょっと高いのではないか。もう少し低い時点で押さえるべきではないかと、このように考えます。その点はいかがですか。
○政府委員(武藤琦一郎君) これは、昨年度の調査結果に基づきましていろいろ専門家が検討されたものであります。カドミウムの問題は、まだわからない点が相当ありますし、先生おっしゃったように十分検討を進めるべき問題だと、かように考えております。
○矢追秀彦君 それで、私考えるのですが、神通川の場合と、こういう安中とか、あるいは対馬のような、イタイイタイ病があるかもしれない、それに疑似患者が出ているのではないかと、こういうふうにいわれるところのたとえば水のPPMの量とか、あるいは食品中のものと、そうでない地域のものとにあるいは分けないといけない。と言いますのは、やはりちょうどこれはメカニズムがわかっておりませんので、こういうことは言えないと思いますけれども、たとえば飽和溶液になっている場合に少しの量でも沈でんを起こす、そういうようなことで、かなり前々からカドミウムをとっておったところでは、少しのカドミウムをとっても、何か影響が出てくるのではないか。全然何もとってなかった自然量であった人には、少々のものを飲んでもどうにもならない。こういうことが考えられる。そういうようなことで、やはりこういう前からカドミウムがたくさん流出をしておったり、もとからあったようなところの地域のこういった基準と、そうでないところの基準とは、やはりある程度分けなければいけない。したがって、でき得ればそういうふうなところは相当低くする。その一番低い時点で、でき得れば全国を統一をして、とにかく一番低いところ、少々カドミウムをいままで飲んで体の中に蓄積しておった人がさらに飲んでもだいじょうぶなぐらいに、私は、低い時点で押さえて別に差しつかえないのではないか。それは自然界におけるカドミウムの量というものは、こういう地域を除いてはあまりない。中には少しはあるかもしれませんけれどもね。 それともう一つは、やはりこのデータですがね。ちょっと私いま場所を覚えておりませんが、魚ですね、ああいうものの内臓あたりでは、ほかと比べてかなり多いように思うのです。したがって、なまの魚を食べる場合もあるでしょうし、そういうようなことを考えますと、やはり相当低い基準で押さえていかなければならない。したがって、この基準の検討には相当広範囲にいろいろな実験をし、またあらゆるデータを集めた上できめていただきたいと思うのですが、その点はいかがですか。
○政府委員(武藤琦一郎君) 米の指標としての〇・四PPMといいますのは、これは米の許容限度として、私どもが専門家から結果を受け取ったのではございませんで、これは環境汚染の一つの指標でございます。したがいまして、厚生省の見解並びに対策の最後に、一部の新聞等では漏れておりましたけれども、やはり長期の視野のもとにおきまして、住民のカドミウム摂取量の漸減対策を合理的に検討する必要があるというふうに、私どもは考えておるわけでございまして、先生の御指摘のとおりでございます。 それから〇・四の問題につきましては、これは私どもは去年の秋にやはりわかったのでありますが、全国で約五十五のカドミウムが産出されると考えられる亜鉛鉱山等がございまして、こういう関連しております地域につきまして、やはり計画を立て、あるいは重点的に調べる必要がある、こういう点につきまして、やはり同時に米のカドミウム量等も調べる必要がある、こういうときの一つの指標になるのではないか、かように考えております。
○矢追秀彦君 次に、健康診断の問題ですが、この結果がまだ出ておりませんので何とも申し上げられませんが、「カドミウムによる環境汚染に対する暫定対策の考え方」というプリントの二-八のところに検査の方法が出ております。「右上腕部肩部X線撮影」というものが出ております。この間、公明党で安中のほうに萩野博士を招待いたしまして検診をやりまして、そのときのレントゲン写真を私ども一緒に見ておりましたけれども、萩野さん独特のとり方があるらしくて、そのとり方で写したものでないと、特にあの人の分類による第一期、第二期の症状は出てこない。そういうことを言われておりました。あそこの地域には富山のような病人はいないと、私ども前々から思っておりましたし、レントゲンでみましても、骨の脱灰があまり見られませんでした。ただ、第一期かもしれないという疑いがあるのが、非常にレアケースでありますけれども、少しありました。したがって、このX線の撮映のしかたも、ああいう人の考え方、意見も入れてもう少し精密にやって、これから後はああいう富山のようなことはおそらく二度と歴史の上には起こらないと、私は確信しておりますけれども、そうでなくても、第一期、第二期に当たるようなのが出てきた場合に、やはり問題でありますから、健康診断のあり方ですね、特にレントゲンのとり方等についても、ある程度厚生省も検討されたほうがいいんではないか、こう思うのですが、その点はいかがですか。
○政府委員(武藤琦一郎君) 健康診断の問題は、長崎県はもうすでに発表して御承知のとおりと思います。宮城県につきましては、まだ正式に発表しておりませんけれども、検討会の席上では、担当官から問題はなかったというふうに私どもは聞いております。群馬県は四月中にはすべてがまとまるような話を聞いておりますが、途中の段階で、いま先生お話しのようないろいろなニュースは私どもは承知しております。そうして四月、五月には全部出そろいますので、富山のその後のいろいろな調査、検診、そういうようなものも含めまして、四地域におきます合同的ないわゆる検討会を専門家の方々を含めましてやりたい、かように考えております。したがいまして、いまあげられました「暫定対策の考え方」等は、ひとつこの点を一応発表いたしまして、暫定対策をきめる場合に、各専門家の意見、関係者の意見を聞きたい、こう思って率直に発表したわけでありまして、そういう点は十分検討したい、かように考えております。
○矢追秀彦君 それから次に、これは群馬県の安中の場合ですが、胸部レントゲンも必要ですね。というのは、これは煙が非常に影響していますので、何人かの胸のレントゲン像の中で、結核でもない、また肺ガンでもないような、ちょっと胸がどうかなっているのじゃないかなという感じの像が見られましたので、ぜひ胸のほうも検討してもらいたい。それが亜硫酸ガスなのか、それともカドミウムを含んだ煙なのか、その点の識別が非常にむずかしいわけでありまして、最終的には、死体解剖をしてカドミウム定量分析をしないと出てこないのかもしれませんけれども、ぜひそちらの面にも頭を向けて、そうして最終的な結論を出していただきたい、このくらいに思います。 最後に厚生大臣にお伺いしますが、厚生省がこうやっていただくことはまことにけっこうでありますし、今後ともやっていただきたいと思いますが、まだまだ亜鉛鉱山は全国にたくさんありますし、まだ大分は今度は結果は間に合わなかったとおっしゃいますけれども、長野県の諏訪湖にもカドミウムがあるように言われております。またうちの党で調査したほうで、北海道とかあるいは淡路島とか、その他だいぶあります。そういった点の全国的なカドミウムの総点検をやっていただいて、いまの暫定基準ではなしに、水質基準あるいは環境基準、食品におけるカドミウムの分析量については、広く学者の意見、さらに西洋の学者の意見等も入れて、恒久的な基準をできるだけ早くきめ、そうしてそれを必ず強力に企業に実施させる、そういう方向でお願いしたいと思います。この間も安中の東邦亜鉛の所長さんのお話では、私たちが夜はっきりにおいがにおっていると感じているわけでありますけれども、そして何人かの人も間違いなくこれはくさいと言っているにもかかわらず、所長はあれは水蒸気でして、におうほうがおかしいですよとしらを切られるわけですが、そういう態度に出られると、われわれとしても何か追及したくなってきますし、これから富山のような悲劇は、一切起こらない程度のカドミウム量しかもうないと思いますので、早くやはりこういう基準をきめて、それに対して企業を指導し、環境汚染をしないように予防対策を強力にすることが、富山の悲劇をこうむった人々に対するはなむけであると思いまするし、厚生大臣にぜひとも大きな決意、方針をお願いしたい。この間、予算委員会ではカドミウムについてはまだはっきりきめていないような答弁がありましたけれども、私の受けた感じですけれども、何か熱意がないじゃないかという疑義をいただきましたので、その確認をいたしまして私の質問を終わります。
○国務大臣(斎藤昇君) あらゆる限りの努力をいたしまして、いまおっしゃいますように、関係地域の方々が安心していただけるように一日も早く進めてまいりたいと、かように思っております。
○副主査(鬼丸勝之君) 別に御発言もなければ、以上をもちまして厚生省所管に関する質疑は終了したものと認めます。 本日はこれにて散会いたします。 午後七時五十一分散会 ―――――・―――――