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61回国会参議院1969/03/29

予算委員会 第20号

発言数
176
登壇者
21
会派数
4
開催日
1969/03/29

会議録

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  昭和四十四年度一般会計予算、昭和四十四年度特別会計予算、昭和四十四年度政府関係機関予算。  以上三案を一括して議題といたします。  次に、今後の審議の日程について、昨日、理事会において協議を行ないましたので、その要旨について御報告申し上げます。  先般、一般質疑、分科会の日程等について御決定を願いましたが、諸般の事情により、お手元に配付をいたしましたとおり、刷りものの要領により取り運ぶことと相なりました。  次に、締めくくり総括質疑の各会派の割り当て時間、質疑順位につきましても、お手元に配付をいたしました刷りものの要領により取り運ぶことと相なりました。  以上報告いたしましたとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     —————————————

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) それでは、一般質疑を行ないます。  社会党の通告にありました竹田現照君が都合により質疑を撤回をされましたので、萩原幽香子君の質疑に入ります。  その前に、原田運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。

原田憲自由民主党運輸大臣

○国務大臣(原田憲君) 去る二十五日、本委員会において、竹田現照委員から私に対し質疑通告が出ていたにもかかわらず、御承知のごとき衆議院情勢のためついに出席することができず、竹田委員への御迷惑はもちろん、本委員会の審議に重大な支障を与えましたことはまことに申しわけありません。ここにつつしんでおわび申し上げます。

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 萩原君。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 まず最初に、社会教育につきまして若干御質問を申し上げたいと存じます。  大学紛争に端を発しまして、いまや教育正常化の声は全国にほうはいとして広がってまいりました。しかし、その声は、残念ながら社会教育抜き、学校教育一辺倒のようでございます。それでは基本的な正常化はなし得ないと考えます。学校以前に家庭の問題があり、家庭以前に社会の問題がございます。社会教育を通して学校教育の改善をはかっていく、この姿勢こそ大切なのではないでしょうか。私は教育の正常化は社会教育からと考える一人でございます。その点につきまして、まず大蔵大臣の御見解を承りたいと存じます。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私も教育は学校ばかりでどうなるものではない。学校教育も大事でございまするけれども、同時に、社会、それから家庭、三者が一体となって初めて完全な教育というものが行なわれるのじゃないか、かように考えます。さようなことから、財政当局といたしましても、社会教育施設、これには意を用いておるわけでございまして、そう急というわけにはまいりませんけれども、年々、成人の問題にいたしましても、あるいは青年の問題にいたしましても、あるいはその他婦人問題、その他の社会教育諸施設の逐次充実を見ておることは、私は欣快と思っておるのですが、この上とも社会教育の充実につきましては配意してまいりたい、かように考えております。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 続いて大蔵大臣にお伺いいたしますが、大臣は、去る三月七日の本委員会におきまして、昭和四十年代は特に人づくりが重要だ、ですから人間形成には十分の努力をしたいという御答弁がございましたが、そのお考えはただいまもお変わりございませんか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただいまも変わりないどころか、いよいよそう考えなければならぬと、かように考えております。つまり、戦後、四分の一世紀といいますか、二十五年の新しい日本の国づくりですね、これでは、経済の面は私は一応成功裏に進んでおると、こういうふうに見えるのであります。しかし、経済は成長したけれども、どうも国民の心の問題、つまり教育の問題ですね、これが非常に立ちおくれております。かたわになっております。経済問題は、これはもう国民におまかせして、政府のほうの役割りといえば、景気のかじ取りと、それからでこぼこのいわゆるひずみの是正と、こういうことだろうと思います。で、政府がほんとうに総力をあげて取り組む問題は、国民の魂の問題だ、教育の問題を主軸とした諸問題でありはしないかと、こういうふうに考え、政府もそういう方向にまっ正面に取り組んでいかなきゃならぬ時期に来ておる、そういう姿勢こそがこれからの問題だと、かようにいま考えておるわけであります。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 ありがとうございました。さすがは、次の自民党総裁に目される方として、まことに卓見に存じます。  さて、文部大臣にお尋ねを申し上げます。社会教育のあるべき姿と今日的指標について、大臣のうんちくを傾けられた御意見を承りたいと存じます。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) やはり社会教育というものは、その地域社会における住民の自発的な考え方というものを大切にしていかなきゃいかぬのじゃないかというふうに思いますが、われわれのほうといたしましては、その指標として、民主主義というものをひとつ身につけさせるということが大切じゃないだろうかというふうに考えております。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 文部大臣、私は社会教育のあるべき姿と申しましたのは、いわゆる社会教育における歴史的経過とそういったようなもの、そして今日的指標と申しましたのは、直面する課題の解明と、私はこういうふうに解釈をしておるわけでございますが、そういうことについてひとつ大臣のもう少しうんちくを傾けられた御意見をちょうだいいたしたいと、かように申し上げてお願いしたわけでございます。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) あんまりうんちくはないわけでございまして、私の考えといたしましては、従来は、むしろ国が権力的にひとつの基準や目標というものを定めて、そうして押しつけたというようなやり方だったんではなかろうか。そうじゃなくって、新しい今日の社会教育の目標というものは、その地方地方、地域社会におけるひとつのグループの意欲的な考え方というものを尊重していく。それに対して、やはり国として、ある程度予算措置が必要なものは予算をしていくというやり方を考えていかなきゃならないんじゃないかというふうに思います。先ほど大蔵大臣の申されたように、学校教育と社会教育と家庭教育と相まって初めて人間教育というものができるものであって、学校教育を終われば、いわばもう教育は終わるというのじゃなくて、これからは生涯教育の時代に入っていく、つまり死ぬまで国民は勉強をする、あるいは教養を身につける、あるいは技術を身につける、そういう時代に入ってきたと、かように考えるわけでございます。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 文部大臣のたいへん高邁な理想をお伺いしたわけでございますが、その理想実現のための予算はどうなっておりますのでございましょうか。学校教育関係予算とそれ以外の文部省予算の二つに分類して、過去五年のおのおのの予算額とその割合を承りたいと存じます。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) 過去五カ年のほうは社会教育局長からお答え申し上げたいと思いますが、四十四年度で申しますと、文教関係の予算額が七千四百二十二億円でございまして、そのうち学校教育経費としましては、義務教育費国庫負担金三千八百四十一億円、義務教育教科書費百四十一億、育英奨学費百五十一億、公立文教施設費三百六十億、私立学校助成費百二億円、国立学校運営費及び施設費として二千二百九十七億円、含めまして、合計いたしまして七千二百四十九億円。ところが学校教育費以外の経費といたしましては、文化庁が五十五億、それから文部本省所轄の研究所が十一億、あるいは国立青年の家十億を含めまして百五十億円を計上しております。そのうちで直接の社会教育関係は三十四、五億円ということになっております。

福原匡彦文部省社会教育局長

○政府委員(福原匡彦君) ちょっと過去五カ年の数字を、いま大臣が申し上げた形では持ってまいっておりませんので、別の形になりますけれども、国の教育費とそれから社会教育関係費と、こういうことで最近の数字を述べさしていただきたいと思います。  昭和四十年が国の教育費が四千四百六十九億でございまして、その中で社会教育関係費が十二億七千万ばかりでございます。四十一年度が国の教育費が五千八十七億円でございまして、社会教育関係経費は十五億六千六百万でございます。四十二年度が国の教育費が五千八百四十五億でございまして、社会教育関係費が十七億六千万でございます。四十三年度が国の教育費が六千五百二十四億でございまして、社会教育関係費が十八億五千万でございます。ちょっと別の数字でございましたので、大臣のにそのまま結びつかないかもしれません。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 ただいまの予算、関係費をこう考えてまいりますると、その割合というのは、お金はだんだんふえてきたようでございますけれども、割合というものを考えてみますというと、二九%、三一%、二八%、二八%、二七%と、だんだんその割合は減少の一途をたどっていると考えるわけでございますが、その点はいかがでございましょうか。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) 昨年度に比較いたしますと、一〇・七%の増加に実はなっておるわけでございます。これをもうちょっと詳しく申しますと、昭和四十一年度地方教育費調査によりますと、地方教育費のうち、社会教育費が五百十二億円となっております。また国におきましては、年々社会教育関係予算の増額に努力しておるところであり、昭和四十四年度の国の文教予算、これは国立学校特別会計を除くというわけでございますが、そのうち社会教育関係予算は三十四億六千六百万円であって、前年度に比較して一〇・七%の増加、これは国立学校特別会計を除く場合でございます。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 私が調べましたのと多少ズレがあるようでございますので、また後の機会にお伺いを申し上げたいと存じます。何にいたしましても社会教育予算はまことに少ないということは、もう皆さんお認めになっていらっしゃるところでございますね。  そこで、自治大臣にお伺いを申し上げます。過去五年間の地方財政が負担いたしました社会教育費を承りたいと存じます。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) お答えします。  いま数字が私の手元にございませんから政府委員から申し上げます。

細郷道一自治省財政局長

○政府委員(細郷道一君) ちょっと五年間全部を持っておりませんが、昭和四十二年度の決算について見ますと、地方の決算で四百三十六億になっております。その財源の内訳を見てまいりますと、国費が十六億、地方債が三十二億、その他三百八十八億、合計四百三十六億ということでございます。それから四十三年度につきましてはまだ決算が出ておりませんので、計画で申し上げますと、地方財政計画の計上額としましては四百七億円になっております。それから四十四年度、明年度の地方財政計画におきましては四百六十五億円と、こういう数字でございます。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 私はやはりこういったようなものを大体五年ぐらいを区切りにしながら考えていただいて、どのように地方財政におんぶしているかということをはっきり認識していただく必要があるのではなかろうかと、このように考えます。佐藤総理がよく申されます中央と地方とは持ちつ持たれつの姿だと、こういうことでございますが、いま承っておりますと、これでは全く社会教育については地方に持たれっぱなしの状態ではないか、こういう感じがするわけでございます。再度、大蔵大臣の御意見を承りたいと存じます。さきに文部大臣の御答弁にありましたように、大臣が査定をなさいました明年度の文教予算、これは一般会計が七千四百二十二億であるそうでございますが、その大半は学校教育費になっておるようでございます。私の考えから申しますというと、その予算も必ずしも満足すべきものではないと存じます。しかしながら、人間形成上、車の両輪とも言うべき社会教育、重要な役割りを持つ社会教育費は学校教育費の二けた下というのでは全く論外と言わざるを得ません。大臣はこの予算で、大臣の願っておられるような人間形成の成果を上げ得るとお考えでございましょうか、この点につきましてはっきり御答弁をちょうだいいたしたいと存じます。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 国の政治のかじのとり方につきましては、先ほど申し上げたような考え方をとるべきだと、かように思いますが、さあ財政的な立場からどういうふうにそれがなってきますか、こういうことになりますれば、これはやっぱり国の予算全体として、この教育予算に重きが置かれておるということでその気持ちがあらわれておる、さように思います。いま問題はもう少しそれを分析いたしまして、社会教育費のほうに少し薄いんじゃないか、こういうような御感触の御意見でございますが、やはりこれは、教育は学校ももとより大事でございますけれども、同時に、家庭も社会も三者協力して初めてこの実を結び得ると、こういうふうに思います。婦人の活動、また青年の活動ですね、また成人社会における活動、こういうものに対して、政府としましてはそれを助成する、盛り上がりを大いに刺激するという態度をとるべきだと、かように考えます。これは大体において地域社会の問題なものでございますから、地方財政に期待をするという面が勢い多くなっておりまするけれども、国といたしましても、そういう地域社会の中央団体、地方の中にいろいろの形でできると思います。そういう中央活動、そういうものにつきましては特に重点を置いてこの助成をしなきゃならぬ、かように考えるわけであります。今後とも鋭意努力いたしたい、かように考えます。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 ありがとうございました。不十分ということは大蔵大臣お認めでございますね。——それではたいへん私も満足をいたしました。では、次の社会教育予算の査定がどのようになされますか、私は非常に楽しみにいたしております。  いままでの御答弁ではっきりいたしましたように、社会教育の発展をはばんでおります一番重要なもの、最大の理由は、やっぱり私は何といっても施設の不備、それから人の不足ということだと存じます。そこで戦後、学校施設の復興につきましては計画的に進められてまいった経験がございますが、それと同じように、長期目標を明らかにしてその年次予算を計上すべきではないかと存じますが、文部大臣、この点はいかがでございましょう。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) お答えをいたします。  仰せのとおりに、社会教育というものの目標、指標というものもやはり社会の今日の変化に対応する計画というものがなければならないということでございまして、昨年七月、社会教育審議会に対しまして、急激な社会構造の変化に対処する社会教育のあり方という諮問をいたしております。それから社会教育の基本的なあり方につきましては、現在次のような観点から審議、検討をいたしておるわけでございます。一つは、都市化の進行、技術革新の進展などによりまして急激に変化する社会におきまして、社会教育の役割りをどう考えていったらいいか。第二番目といたしましては、わが国の社会教育の現状の問題点は何か。三番目には、今後の社会教育の振興の方策はどうしたらいいか。この答申は本年秋ごろ答申が得られるものだというふうに期待をいたしておるわけでございまして、それを踏まえまして今後の政策を考えていきたいというふうに思います。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 具体案があればお示しをいただきたいと考えたわけでございますが、どうも社会教育審議会のほうに話が移ってまいったようでございますが、その社会教育審議会は昭和二十四年の六月に発足していると承っております。そこで、以来どのような諮問があり、どのような答申がなされましたでございましょうか。そしてまたその答申の実施状況はどのようでございましょうか、承りたいと存じます。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) それは政府委員から正確に答弁をさせたいと思います。

福原匡彦文部省社会教育局長

○政府委員(福原匡彦君) 社会教育審議会の発足以来、相当の数の答申あるいは意見具申、建議等がございました。最近ではPTAのあり方につきまして、その他——実はきょうも社会教育審議会をやっているわけでございますが、そこで教育構想に関しまして答申をいただくことになっております。これらにつきまして、その実施につきましては予算を伴うものがございましたり、あるいは考え方につきまして関係者の共通理解を得るといったようないろいろの形のものがございまして、相当の成果をそれぞれあげてまいっております。ただ、予算につきましては、教育予算全体の問題、あるいは国家予算全体の中での位置づけがございますので、先生御指摘のように、必ずしも十分とはわれわれも考えておりませんが、その点につきましては、今後努力してまいりたい、こういうふうに考えております。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 この諮問は昭和二十九年の一月二十六日、三十二年の九月二十一日、三十三年の七月七日、三十四年の五月十一日、三十四年の九月四日、三十六年の一月二十一日といったように諮問がなされておるようでございます。そこで、その諮問の内容とその答申、そしてその答申の実施状況を承りたいと思ったわけでございますが、どうもまだ回答していただく段階に至っていないと申しますのか、もう少しお勉強していただくことが不十分ではないかと存じますので、これはまた別の機会に、文教ででもお尋ねをすることにいたしたいと存じます。  そこで、昨年の七月に前文部大臣が諮問をなされたと承っておりますが、その内容につきましてはただいま文部大臣のほうからお話があったわけでございますけれども、その後の経過、それからその答申は秋ごろということでございましたが、秋ごろに答申がなされますというと、来年度の予算にそれを組んでいただくことができるかどうか、その答申が再来年まで持ち越されるというような心配はございませんでしょうか、その点について文部大臣の御意見を承りたいと存じます。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) 社会教育審議会等におきまして審議をいたしまする経過につきましては、文部省の社会教育担当官が常時出席をしておりまして、その動向等をも見きわめまして、必要あるならばやはり予算に計上して、そしてその方向の予算がつけられるようにいたしたいと、かように考えておるわけでございます。まあいろいろ答申を待ってやるという方法もありますけれども、積極的に文部大臣として判断をいたしまして、やはり社会教育は先ほど御指摘のとおり非常におくれておる、予算も非常に少のうございます。したがいまして、もう少し大幅に、理解ある大蔵大臣でございますからよくお話を申し上げまして、そういう社会教育のためのいろいろな施設、設備あるいは運営その他、人の予算等もお願いをいたしたいと考えておるわけでございます。何もしてないかと申しますと、従来、考えてみますると、たとえば国立青年の家でございますね、これなんかも九州にできました。あるいは今度淡路島にももう完成いたします。あるいは広島の江田島にもできましたというわけで、各ブロックごとにできてまいりまして、しかもその利用率というのは非常にいい。それから青少年の健全育成のために役立っておる。したがいまして、各地方から非常な御要望があるということで、昨年度はちょっと戸惑いをいたしましたわけでございますが、本年度は二カ所国立青年の家をつくるということを決定いたしております。これも大蔵大臣の非常なお骨折りでございまして、私どもといたしましては非常にありがたく思っておるわけでございますが、こういうようなことも積極的にやっておるということをひとつ御了解をいただきたいというふうに思います。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 ありがとうございます。しかし、その答申の出される秋ごろというのは私も非常に気になるわけでございますので、先ほど文部大臣が、答申を待たずにやはり文部大臣の独自の考え方でやっていくんだというお話で、私はたいへんうれしく考えるわけでございますが、まずその答申が秋ごろでございますと、それが何かなしに再来年回しといったような感じもするわけでございますので、かりに中間報告がもっと早く出るといたしますならば、その中間報告というようなものの中からも、文部大臣のお考えの中にそうしたものを取り入れていただきまして、何と申しましてもいま一番教育の谷間に置かれております社会教育につきまして、もう少しあたたかい目を向けていただきますようにくれぐれもお願いを申し上げる次第でございます。あわせまして、また答申が出ましたところで再びその取り扱いにつきましては後日お伺いをすることにいたしまして、次の質問に移りたいと存じます。  次に、母性保護につきまして厚生大臣にお尋ねをいたしたいと存じます。  大臣は、母子保健対策の目標をどこに置いておられますのか、承りたいと存じます。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 母子保健対策といたしましては、まず母親の妊産婦の死亡率の低減——もっと減らすようにということが一つの大きなめどだと思っております。それを中心にいたしまして今後やってまいりたい。もう一つは、母子——子供を含むわけでございますが、死産を少なくする。それから生まれてきた子供が健康に生まれて健康に育つということが必要でありますから、妊娠中のそういった医学的な健康的な配慮をできるだけ加えてまいりまして、そうして、いわゆる心身障害児というような子供の生まれてこないように、また乳児の間にそういった障害を受けないようにという配慮が必要であろうと、かように考えております。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 ただいまの御答弁で大臣のお考えはよくわからせていただきました。  ところで、政府の明年度の予算の中で、本年九月より健保の分娩費は本人二万円、そうして家族一万円、国保は三年間計画で一万円に引き上げの計上をなされております。ところが昨年七月、園田前厚生大臣が、出産十割給付を言明されたと承わっております。このことから考えますと、これは大幅な後退ではなかろうかと考えるわけでございます。厚生大臣は、この件に対しまして、前厚生大臣との間にどのような引き継ぎがなされましたでございましょうか、承わりたいと存じます。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 特にこの点について引き継ぎということはございませんが、私が大臣を拝命をいたしましたとき、すでに大蔵省に予算要求をいたしておられたわけでありますが、これも分娩全面給付という形でないような考え方で予算要求をしておるわけであります。私はそれらの事情をよく事務当局にも聞いたわけでありますが、実際といたしまして、今日分娩料というものを保険の点数化をするというのにはまだ相当考えなければならぬ点が多々ございますので、したがいまして、とりあえずといたしましては、手当金の増額ということが緊急に要する事柄として妥当ではないか、こういう結果であったと思いまするし、私もさように思っております。これで分娩給付を、御承知のように現物給付にいたして、そうして保険点数にどう組み入れるか、これで半年も一年もかかっておった日には間尺に合いませんから、まず、さしあたって現金給付を上げるということを前提にいたして、さようにとりあえず実施をいたしたいというのが今日の現況でございます。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 漸進的にというお考えでございますね。  ところで、経済の優等生と自他ともに認められ、世界の第三位の工業国と言われます日本が——ただいま大臣は妊産婦の死亡率を中心にこの問題を考えていきたいという御答弁でございましたけれども、ただいまの日本の妊産婦の死亡率は先進国の二倍から二倍半といったような状態が出ておりますわけでございます。そういうことはまことに恥ずかしいことであり、そうして悲しいことではなかろうかと考えるわけでございます。しかも、それがずっとその状態であったというのではなく、二十年前まではイギリスと同率だったというのでございます。それが現在このように大幅に開いてまいりましたというのは一体何が原因でございましょうか、その原因について承りたいと存じます。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) おっしゃいますように、戦前はイギリスよりも日本のほうがまだ死亡率が少なかったのでありますが、その後、日本は今日三分の一程度減ってまいっております。イギリスは半分に減ってまいってイギリスのほうがずっと日本を抜いた。年々この死亡率も減少しつつあるわけでありますが、現在何が一番死亡の原因かと申しますと、妊婦中毒症が一番多いのであります、御承知のように。それから出血多量、いま一つは子宮外妊娠。したがって、こういった事柄に対する手当をやっていかなければなるまいというので、本年の予算におきましても特に妊娠中毒症、これに対する治療の方法、それから出血に対する手当というものをやっております。この子宮外妊娠が比較的多いということも、私は原因を究明いたしまして、各国との開き等も考えて、これに対しても検討していかなければなるまい。本年はそういうような意味合いにおきまして、妊娠の初期からの健康診断、ことに低所得者に対しましては公費で診断をするということもいたしまして、妊娠の初期からの注意を喚起をしてまいりたい、かように考えております。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 原因はいろいろとあると、こういうお話でございました。ところで、この原因はやはり私もいろいろあるといろいろ調べてみたわけでございます。しかし、経費の面も大いに関係があるのではございませんでしょうか。たとえば母子健康手帳、こういうものが出されておりましても、なかなかそれを完全に使いきっていないということも事実のようでございます。たとえば、私たちの場合でございますと、妊娠いたしますと、これは厚生大臣はじめ、ここにいらっしゃる皆さんにはほんとうにおわかりいただけないことでございますので、特に私から申し上げなければならないのじゃないか、こういう感じもするわけでございますが、妊娠しましても、たとえば足がはれるとか、あるいは少しどうきが高いとか、こういうことがございましても、これはまあ妊娠についた症状であろうということぐらいでお医者さんにかからない人が多いというのではなかろうかと思うのです。それがもし初めから健康保険でやっていただけるということでございますと、もっと妊産婦は安心してお医者さんにかかるのじゃないだろうか、こういうことも考えるわけでございます。また、出産費に対しましても、私はぜひ厚生大臣にお尋ねをしておかなければならないと思いますことは、まず第一に、戦争の前の日本のいわゆるお産はどういうことになっておったでございましょうか。まあいろいろ考えてみますというと、昭和二年に初めて健康保険法がドイツから取り入れられたときの状態を思い起こしてみますと、健康保険でもってお産ができていたやに私は読んだわけでございますが、その点は厚生大臣いかがでございましょうか。それからまた先進国のいわゆる出産に対する費用というのは、どの点まで国が責任を持っておるのでございましょうか、その点もあわせてお尋ねを申し上げたいと存じます。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) わが国では、戦前も健康保険で出産の現物給付ということはやっていなかったと私は承知をいたしております。諸国ではいろいろ違います。アメリカのごときはもう全部保険で、本人は一文も出費の必要がないという制度をとっております。ただいまおっしゃいました中で、足がむくむとか、あるいはつわりであるとかいうような場合には、これは保険の対象になるわけでございますが、いままでそういうのは保険の対象にならないというような誤解もあったようでありますが、そういうものは保険の対象になるということで保険治療を勧めているわけでございます。ただ、いま保険の対象になっていないのは出産そのもの、出産も異常分べんでありますれば、それは対象になるわけでありますが、正常分べんそのものは対象にならないというだけでありまして、この妊娠に伴ういろんな、普通の健康と違った症状を呈してきました場合、それに対する診断なり、あるいは処置というものは、これは保険の対象になるわけでございます。この点をもっと私のほうもPRしなければならないかと考えております。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 先ほど、現物給付は戦争前もなかった、こういうことでございますけれども、お産というものにつきましてのこの日本の状況はどうでございましたでしょうか、それをお伺いしているわけでございます。現物支給が全部あったかなかったかということについては、それはたぶんなかったと思うわけでございますけれども、そのお産というものそのものについては、日本は戦争前はどうでございましたでしょうか、その点をお伺いいたしたいと存じます。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) お産というものに対する戦前はどうであったかというのはどういう内容のことでございましょうか、あれでございますが、戦前は御承知のように分べんはほとんど自宅が多かったわけです。最近はだんだんと病院あるいはその他の施設で出産をするというのが非常に多くなりまして、都市部では九二%が病院その他の施設内の分べん、それから郡部でも約七五%が病院及び施設内の分べんということになってまいりまして、そういう意味からは、戦後、ことに最近は病院、施設内において、費用は、正常分べんは個人が出しますけれども、施設は以前よりも完備した状態において分べんができるという状態になってきていると御承知をいただきたいと存じます。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 いや、私が申し上げておりますのは、いわゆる戦前は自宅だと厚生大臣はおっしゃいましたですね、そのとおりでございました。しかし、自宅でございますと、自宅であるからといって一人で生んでいたわけではございません。やはりそこには助産婦というものがあったわけでございますね。その助産婦に取り上げてもらった場合に、一体その謝礼とか、そのほかのことがどのようになされておりましたか、そういうことを承りたいと考えておるわけでございます。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) この助産婦に対する謝礼というのも、地方地方で非常にまちまちでありまして、現在でもまちまち、戦前もまちまちでございました。これが先ほどおっしゃいます分べんの現物給付のむずかしい点で、助産婦の点数をどうはじくかという点も一つの問題で、地方、地域によって、習慣によって非常に違っておるのが今日の現状でございます。これは戦前からずっと変わりはございません。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 私が承っておりますところでは、その助産婦の謝礼というものの点数制で、これは都道府県でそれをまかなっていた、そういうところがたいへん多かったわけでございますが、そういうことについて、大臣はまちまちだと、こういうお話でございます。まちまちでございましても、やはり私はそのたてまえというものがあるのではなかろうかと、こういうふうに考えるわけでございますね、やはりこういうたてまえであるけれども、しかし、ここではこういったような状態で助産婦さんの費用が出されているということがあると思いますけれども、しかし、大もとになるたてまえというものはやはりあったのではございませんでしょうか、その点をお伺いいたしたいと存じます。そのまちまちのことはよろしゅうございます。それは私もよくわかっております。けれども、そのたてまえが問題だと思うわけなんですね。そのことについて承りたいと存じます。

梅本純正厚生省保険局長

○政府委員(梅本純正君) ちょっと質問の御趣旨を取り違えておるかも存じませんが、先生がおっしゃいます制度といたしまして、確かに昭和二年に健康保険法が発足、保険制度が発足いたしましたときに、法律の五十一条で、「保険者ハ被保険者ヲ産院二収容シ又ハ助産ノ手當ヲ爲スコトヲ得」、「産院二収容シ又ハ助産ノ手當ヲ爲シタル被保険者ニ對シ支給スヘキ分娩費ノ額八十圓トス」、一般は二十円とする、そういうふうな形で出発したんでございますが、この実際の運用にあたりまして、いわゆる健康保険産婆の制度というのを設けたのでございまして、その内容は、各都道府県知事と各都道府県の産婆会との契約でございまして、産婆が分べん時及び産前産後の介助等を現物給付の形で行なうというふうに契約したわけでございます。これは主といたしまして、自宅分べんを対象とするものでございまして、正常分べんの場合の病院等への入院を現物化したという趣旨のものではございません。なおこの助産の給付が行なわれました場合には、現金給付は半額に減額される。その後この制度は、各都道府県産婆会との契約が円滑に行なわれなくなったということの理由によりまして、次第に自然消滅といいますか、実際の運営としていろいろの支障も出てまいったようでございまして、衰退いたしまして、法律の規定も、昭和十七年の法律改正のときに削除をした、こういうような経過になっておる次第でございます。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 やはりそれでは戦前はそういったような法的なものがあったわけでございますね。ところが、ただいま補助一本やりの分べん給付というこの制度は、戦時中に改悪された遺物ではなかろうかというふうに考えるわけでございます。戦争前のほうがもっと守られていたということになるのではないかという感じがするわけでございます。しかし、それはだんだんとそういった時代の変化で、そういうふうに変わったということで、ついに削除されたということでございますが、   〔委員長退席、理事江藤智君着席〕 私はやはり補助一本やりのいまの分べん給付制度は、戦時中の改悪の遺物だと考えてまいりたいと存じます。そこで、世界の大勢についても、先ほど厚生大臣がお話しをくださったわけでございますが、もう少し詳しくお話を承りたいと、こう考えるわけでございます。

梅本純正厚生省保険局長

○政府委員(梅本純正君) ただいまの、戦前の制度でございますが、先ほども申しましたように、わが国におきましては、保険制度が発足の当初からの考え方といたしまして、異常分べんはこれは疾病でございますので、はっきりと健康保険の現物給付の対象にいたしてきております。ただし、当初からの考え方といたしまして、正常分べんは疾病でないという態度をとってきております。先ほど申しましたのは、いわゆる実際の運用といたしまして、そういうふうな都道府県知事との契約によりまして、実施をしてきた制度でございます。したがいまして、制度の当初から、正常分べんは疾病でない。したがって現物給付といいますのは、いわゆる点数化いたしまして、お医者さんの行為として診療行為がなされました場合に、点数によって支払うという制度でございますが、そういう制度に当初からのっておりませんでした。したがいまして、制度発足の当初から、いわゆるこの正常分べんにつきましては、お医者さんとの関係におきましては、自由診療になってございます。したがって、その料金におきましても、開業医でございましたらいわゆる協定料金、で助産婦さんのほうの料金としましては、いわゆる協定料金といいますか、慣行料金、そういう形でまかなわれてきたわけでございます。  先ほどそういうような現状におきまして、各国におきましては、たとえば主要な国で申しますと、フランスにおきましては、やはり助産につきまして現物給付、あるいはドイツにおきましても現物給付、それからイギリスにおきましても現物給付という形でございまして、さっき大臣がアメリカと申しましたのは、イギリスのことを申したわけでございます。そういうような状態でございまして、まあスエーデンその他、療養費払いという形で現金給付をやっているところもございますけれども、そういうような現状にかんがみまして、この前から大臣が御答弁いたしておりますように、四十年来そういう考えのもとに現金給付をやってまいりましたけれども、今後の問題といたしましては、できるだけ異常分べんと同じように、現物化の方向で検討してまいりたい。ただし現物化をいたします場合に、先ほど申しましたように、四十年来自由料金でございますので、その料金が各地域別にばらばらでございます。数千円のところから一万数千円の開きがございますし、また、自宅と病院とございまして、施設別にもいろいろ差がございますので、これを点数化する問題、そしてその点数化する場合に、その全国的に地域的にばらばらになっているそういう問題を、どういうふうに調整していくかという非常に問題がございますので、今後の方向として、もう少し研究してまいりたい、こういう趣旨でございます。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 よくわかりました。しかしその現物給付でなされておりますフランス、ドイツあるいはイギリス、そういったようなところ、あるいは社会保障で全額国費でやっておりますデンマークとかソ連とか、スエーデンとか、こういったような国にいたしましても、やはり日本と同じような、全国ばらばらであったということは言えるのではございませんでしょうか。ひとり日本だけがばらばらであったというわけではなかろうと存じます。しかしながら、そういうことをいち早くやっていただいて、大体世界の趨勢は、お産はただでするのがあたりまえだというようなかっこうになっておりますときに、まだ、ただいまのところ、日本でもたもたしておりますということは、何としても私は許せない状態ではなかろうかと、このように考えるわけでございます。  そして正常分べんは疾病ではないとおっしゃいました。確かに疾病ではございませんでしょうけれども、お産をいたします場合には、ほんとうは命がけでやるということなわけでございます。そういうことを、疾病ではないからというので、そういう取り扱いが受けられないということは、私はやはり日本は経済的には優等生であっても、その考え方は、少しまだ劣等生じゃないだろうかと、こういうことも考えるわけでございますが、いかがでございましょうか。そして、出産十割給付というのは、いまや日本女性の私は悲願だと考えるわけでございます。せめてこの世界水準並みにお産をさせてもらいたいというのが、これはもう日本女性の私は悲願だと思います。  そこで、これはなかなか、研究をするというお話でございますけれども、それでは、いつまで研究をなさるのか。私はやはりここらあたりでひとつ、どこらでやります、どこらで十割給付に踏み切りますという、その一応のめどというようなものがお聞かせいただきたいと考えるわけでございます。いつまでも研究中、研究中では、これはどうも納得いたしかねる。こういうわけでございますので、大体いつごろから実施するというその心がまえとでも申しますか、それをきょうはひとつはっきりとお伺いいたしたいと、このように考えるわけでございます。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) その方向で考えてまいりたいという気持ちは変わりがございません。いつからかということでございますが、いま御承知のように、医療保険の抜本改正をいろいろと審議をしているところでございますので、その機会に考えたい、かように思っております。この際には私は、報酬制度というものもやはり抜本的に考え直して、そして医師の技術料というものも高く評価するような診療制度に、診療報酬制度に変えなければならないのじゃないだろうか。それらとも直接関連するわけではありませんが、抜本改正の機会に、方向はその方向に打ち出してまいりたいと、かように思います。  女性の悲願だとおっしゃいましたが、そのとおりであろうと思いますが、今日、女性の方は、非常に高い分べん費を払ってでもいい病院でやりたいという方もございまするし、いろいろございますので、それらの点も十分調査をいたしまして、同じ病院で——東京における分べん費といいましても、病院によって非常に違っております。それらもよく検討をいたしまして、そして安心して分べん給付を受けられるような、そういう制度というものを考えてまいりたいと、かように思います。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 非常にうまいこと厚生大臣にいなされたような感じで、まことに不満でございます。私は、しかし、これは決していなされたとは考えておりませんので、十割給付になりますまで、全女性をひっさげて、やっぱり私は厚生大臣に食いついてまいりたいと、このように考えておりますので、どうぞひとつその点は御銘記をいただきたいと存じます。  先ほど私は女性の悲願と申しましたが、必ずしも女性だけでないことは、いまここにいらっしゃいます大半の男性の方も御承知のとおりでございます。妊娠、分べん、出産と、こういうものは、女がひとり責任は持ちますけれども、その半分は男性でございますし、特に費用という点になりますれば、これは男性のほうが痛い話ということにもなるわけでございますから、きょうこの場においでになります男性の諸君は、どうぞひとつただいまの厚生大臣の御答弁を御銘記いただきまして、まあ全女性プラス全男性をひっさげて、これからも厚生大臣に食いついてまいりたい、このようにお願いをしたいと思うわけでございます。  そこで出産問題でいま一つお尋ねをいたしたいと存じます。妊娠期間は約十カ月、これは厚生大臣も御存じでございましょうが、その間で最も母体の危険なのはいつでございましょうか、厚生大臣に承りたいと存じます。

渥美節夫厚生省児童家庭局長

○政府委員(渥美節夫君) いろいろと学会等でも述べられておりますように、初期の妊娠の時期と、それから晩期の妊娠の時期でございます。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 初期のと申しますのは、一体何カ月、何カ月ということでございましょうか。

渥美節夫厚生省児童家庭局長

○政府委員(渥美節夫君) 妊娠されましてから約三カ月までの期間と、晩期妊娠は八カ月以降でございます。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 たいへんよく御存じのようでございます。専門医のお話によりますと、妊娠二カ月から三カ月と、この間が一番危険と、こういうわけでございます。統計的に見ましても、流・死産の一番多いのは三カ月で、大体全体の四七%、二カ月は三三%、四カ月に入りますと七%と、激減をしてまいるわけでございます。また、この時期の健康管理の不備から奇形児の生まれるケースも多いと聞いておりますわけでございますが、この点から考えまして、私は、先ほど厚生大臣は、つわりとその治療、つわりの診療と治療は健保で、健保適用だとおっしゃいましたですね。その点はいかがでございましょうか。はっきりとお伺  いいたしたいと存じます。

梅本純正厚生省保険局長

○政府委員(梅本純正君) ただいまつわりの問題でございますけれども、御承知のように、悪性悪阻につきましては、当然に健保の適用になります。しかし、いわゆる正常な形のものでございました場合には、適用には現在のところなっておりません。その点はお医者さんの判断によるわけでございますけれども、そういう現在の——先ほどから申し上げましたのは、分べんの費用の問題でございまして、分べんの周辺期の問題につきましては、母子保健対策といたしまして、諸種の施策を講じておる、こういう事情でございます。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 非常につらい、非常に悪性のつわりかどうかということにつきましては、お医者さんが判断してくださるというわけでございますけれども、その判断のもとになるものは非常に私はむずかしいのじゃないか、こういうふうに考えるのです。そうしてそういうことは、外見的にながめましても案外わからないもので、一番それのよくわかるのは、私はやっぱり本人だと考えるわけなんですが、そういうことについてやっぱり、どの程度なら診療と治療は健保でやってあげましょう、どの程度ならそれはどうもぐあいが悪いという、その程度というところをひとつ明確にお示しをいただきたいと存じます。

梅本純正厚生省保険局長

○政府委員(梅本純正君) その点は個々の患者さんのケースでございまして、これこそお医者さんの判断によるわけでございます。それ以外に現在のところ方法ございません。で、やはりつわりにしましても、いろいろこれが悪性の悪阻であるか、あるいは単なる悪阻であるか、その辺がお医者さんの判断によりまして、制度としては動いております。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 私からはっきり概念を申し上げておきますが、医者が治療を要する、薬を飲まなければいかぬというような場合には、これは保険の対象にいたします。医者が治療を、これはもう普通だからなおりますよと、何にもしなくてもよろしいというのは、これは保険の対象にならないことは、治療が不必要でありますからいたさない。したがって、医者として治療を要するというので治療をしましたら、これは保険の対象になるわけでございます。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 それではお医者さんの薬をいただければ、そこからが対象になると、こういうことでございますね。はい、わかりました。それでは、これからもう一生懸命になって苦労をしたり、努力をしたり、しんぼうしたりすることをやめて、お医者さんに薬をもらって、そうして健保を適用してもらいなさいと、こういう私は教育をさせていただきたいと存じますが、よろしゅうございますね。——はい、ありがとうございました。それでは、ただいまの御答弁をどうぞ御銘記いただきますように。  そこで、労働大臣にお尋ねいたしたいと存じます。  私は、つわりというものにつきまして、つわりを妊娠による異常と考えれば、第六十五条の産前産後の項に該当するでしょうし、あるいはつわり休暇というものについて、労基法の第六十七条の生理休暇という法概念に入れるべきかと、どちらにすればよろしいでしょうかということも考えるわけでございますが、とにもかくにも、労働大臣は、この労基法適用で、つわり休暇というものを考える用意がおありでしょうか、いかがでしょうか、承りたいと存じます。

原健三郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(原健三郎君) 萩原先生にお答え申し上げます。  つわり休暇について、私は一般的なことをお答えしまして、つわりのことはよくわかりませんので、それは経験もある婦人少年局長がおりますから、詳しいところは婦人少年局長からお答えしていただきたいと思います。  一般的に申しまして、現在婦人、既婚婦人が労働に従事され、だんだん年々増加いたしております。そういうところでございますから、母体保護の重要性を私ども労働省としても痛感いたしております。それで、その妊娠の初期におけるつわりの問題につきましても、これが妊婦保護あるいは子供の発育等々、重大な医学的な時期であることを存じております。それで労働省といたしましても、従来からつわりの問題を含めて、母性保護の調査をいたしてまいりました。その調査の結果を見ますと、実態調査の結果、昭和四十一年の調査によりますと、全事業所の一%足らずがつわり休暇を設けておる、こういう実情でございます。さらに昨年八月に全国の六大都府県において、婦人労働者の妊娠・出産に関する調査を実施いたしまして、ただいまその結果を取りまとめておる最中でございます。で、近いうちにその結果が出ますが、その結果が出ますと、それに従って、広い見地から、いま御指摘の労働基準法とこのつわり休暇との関係をよく考察して、できれば前向きに善処いたしたいと、こういうところをいま考えておるところでございます。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 先ほど私は厚生大臣への御質問の中にも申し上げたわけでございますけれども、やはり、つわりの時期というのは非常につらい時期でもございますし、その時期のやり方を、処置を間違いますというと、流産、死産にも非常につながってまいるたいへん大事な問題でございますので、労働大臣におきましては、四十一年度につわり休暇をとっておる企業が一%足らずであったということでございますね。その一%というのは、どのような企業でございましょうか、承りたいと存じます。

原健三郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(原健三郎君) 政府委員から答弁させます。

高橋展子労働省婦人少年局長

○政府委員(高橋展子君) お答えいたします。  つわり休暇をとっておりました事業所でございますが、全体といたしますと一%足らずでございます。これを規模別に見ますと、やはり規模の大きいほうが割合としては高くなっておりますが、ただその差は有意的なものではございません、全体としてのケースが少ないものでございますから。また産業別等にはやはりかなりの差があるようでございますが、たとえば、多いものといたしまして、卸売り、小売り、あるいは不動産業、金融保険業等がございます。ただ、これらの産業におきましては女子が非常に多く働いており、また若い女子、妊娠・出産等のその年齢階層に属する女子が多いという、このような事情も反映しておるかとも思われますので、一がいにどのような産業がこのような配慮が大きいと言い切ることも無理ではないかと思われます。

萩原幽香子民主社会党

○萩原幽香子君 ただいまの御答弁でわかりますように、たとえば一つの企業に限ってつわり休暇をとるということになれば、その仕事の性格上ということになるかもしれません。しかしながら、ただいまの御答弁のように、どの企業とは言い切れないということになりますと、やはりつわり休暇というものは、みんなが必要を感じているのゃないかということを考えさせられるわけでございます。申し上げるまでもなく、生理日もつわりも、非常に個人差のあるものでございますから、そのとり方には、当事者が良心的であることはもちろん当然でございます。ですけれども、やはり私は、勤労女性の現状を考えますときに、法によって母性を守る姿勢に徹するということは、非常に大切なことではなかろうかと存じます。その点労働大臣に、ぜひ労基法の六十五条に入れるか、六十七条に入れるか、それは労働大臣のお考えにもよろうかと思いますが、ぜひ前向きの姿勢で御検討を賜りまして、法によって女性を守ると、このようにお願いを申し上げる次第でございます。  最後に、妻の座について、税制上から政府の御見解を承りたいと考えるわけでございます。  そこで大蔵大臣にお伺いをいたすわけでありますが、現行の相続税法では、結婚十五年をこえる妻に対しては配偶者控除が認められておりますが、それに満たない場合にはこの特例が適用されません。これは妻の協力が、相続税法ではまだ認められていないということを意味すると考えます。そこで、それについての大臣の御見解、それから配偶者控除の十五年というのは、何に基準を置かれて十五年というのがきめられたのでございましょうか。これは憲法の第二十四条の婚姻の条項にもとるものではないか。全く時代おくれだという感じがするわけでございます。そこで妻の協力は、単に期間の問題だけでなく、内容とか質にも考慮が必要だと考えるわけでございますが、その点はいかがでございましょうか。真に男女の平等ということで、この税法についても御確認をいただきたいと考えるわけでございますが、いかがでございましょうか。  さらに、法務大臣にお尋ねをいたしますが、離婚財産分与の制度は、離婚した妻の地位を保障する戦後民法の所産であり、一歩前進したものと考えますが、現行の法体系のもとでは、夫名義の資産に対して、妻はその分与を受けるにとどまっております。しかし妻が農業、沿岸漁業、小売り商業などの協力者という場合、夫妻で築いた財産は、明らかに実質的には共有財産だと考えるわけでございます。そこで私は、民法の第二百五十条の共有持ち分の観点に基づき、妻の持ち分を二分の一と判定すべきだと存じますが、大臣の御見解を承りたいと存じます。すでに東京地裁の判例には、妻の二分の一共有を認めた実例があると聞いておりますが、大臣は御存じでございましょうか。その内容について承りたいと存じます。こういったことで、ひとつ一括して大蔵大臣、法務大臣の御答弁をお願いいたしたいと存じます。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 相続税法におきまする妻の座と申しまするか、妻の扱いにつきましては、私は、これはこれからも少し検討してみたいというふうに考えておるのです。それで遺産相続ですね、この面においてはかなりの措置がとられておるわけでありまして、法定相続分ですね、これについては一定金額までは全額免税だと、こういうふうになっておりますが、生前贈与については、私は扱いがはなはだ薄いという感じを持っておるのです。夫婦間に生まれる財産、これは名義が夫の名義になっておりましょうが、あるいは妻の名義になっておりましょうが、なるほど、二人の協力によって生まれ出た、こういう要素が非常に多いのではなかろうか、そういうことを考えますときに、生前におきまする名義の移動、これについては、生前贈与、これは今日の扱いが非常に薄くできているように思います。それでこれは何とかして考えよう、こういうふうに思っています。また、遺産のほうにつきましては、これはかなりのほうへ行っておりまするけれども、それと関連して今後また検討してみたい。特に私がいま頭にありますのは、生前贈与の問題をひとつ前向きで取り組んでみたい、こういう考えでおります。

西郷吉之助自由民主党法務大臣

○国務大臣(西郷吉之助君) ただいまの妻の立場を考慮いたしまして保護していくべきだという御趣旨には、私もまことにごもっともな御趣旨と考えますが、実際の離婚の場合を考えましたときに、やはりその責任が夫にある場合もございますし、また、妻にある場合、その他いろいろの事情による場合があると考えますので、お話のとおり、離婚の際に夫婦の財産を清算いたしまして、一律に二分の一を妻に与えるということが、はたして公平を期し得るかどうか、疑問に考えまするが、そういう複雑な事情を考えますと、やはり手ぬるいようではございますが、家庭裁判所におきまして、そのときの実情を十分伺いまして、そうして実情に即した財産の分配をいたしたほうが、かえって安全であり、妥当ではないかと考えておりますが、せっかくのお尋ねでございますから、法務省としても今後検討してまいりたいと存じます。  なお、判例につきましては、政府委員からお答えいたします。

新谷正夫法務省民事局長

○政府委員(新谷正夫君) 離婚の場合におきまする財産分与の請求につきましては、いま大臣からお答えしましたとおりでございます。具体的な事案に即しまして、夫婦がその共同生活中に得ました財産、その他の諸般の事情を考慮して、具体的に妥当な結果を導き出せるように、家庭裁判所の最終的には審判によってきめるということになっているわけでございます。ただ、夫婦の財産と申しましても、これは特有財産として、夫なり妻の固有の名義で、その者の所有物としてはっきりしておるものもございますし、また、名実ともに夫婦の共有の名義になっている、実質も共有関係にあるものもございます。また、名義は夫なり妻、どちらかの名義になっておりましても、実質がやはり夫婦の共有になっているというふうなものもございます。財産分与の制度というものは、そういうものを踏まえまして、離婚の際に、その夫婦間の財産を清算する、あるいは慰謝料とか、扶養の趣旨を含めたものということもいわれておりますけれども、中心は何と申しましても財産の清算でございます。そこで、はっきりと夫婦の共有であるということが明らかな場合には、ただいま仰せのように、民法の共有の規定によって、これを持ち分に応じて分割するということになろうかと思うんでございますけれども、東京地方裁判所の判決も、その具体的な事案についての判断でございます。したがって、一般論としましてこれを推し進めて、すべての共有財産について二分の一ということは、法律的にはなかなかむずかしい問題であろうと思います。具体的な事案に即してそれぞれ妥当な解決をはかってまいるということになろうかと思います。

江藤智自由民主党

○理事(江藤智君) 以上をもちまして萩原君の質疑は終了いたしました。     —————————————

江藤智自由民主党

○理事(江藤智君) 次に、河田賢治君の質疑を行ないます。   〔理事江藤智君退席、委員長着席〕

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 河田賢治君。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 私は、二十六分という短い時間でありまするので、主として農政問題に限って質問したいと思います。  いま御承知のように、農林大臣もしばしば、日本の農業が曲がりかどにきておると言われております。それほどいま米の過剰問題とか、作付転換であるとか、あるいはまた自主流通米であるとか、あるいは少し余ったからといって韓国へは三十三万トンの米を無利子で長期にわたって貸すことをきめながら、沖繩に対しては、まだそれに対する何一つ考えられていない、米だけとってもこういう問題があります。  さらに、御承知のとおり、農産物はいま非常にいろんな問題で危機を起こしております。ここ数日来、政府に対し、あるいは関係各省に対する陳情がたくさん参っております。したがいまして、こういう状態の中で、政府は御承知のとおり、残存輸入の制限を撤廃するという方向で進めておりますし、外国の資本、特に食品加工業などではどんどんといま日本に流入して、そして日本の民族的な中小資本、これらを今日非常に困難な状態におとしいれている。したがって日本の国民もこういう中にあって、このような外国資本あるいはまた外国の農産物、こういうものが入っておる。のみならず、日本の資本家自身も、御承知のとおり開発輸入をやって、そうして日本にいろいろな競合する農産物などをやってきておりますので、非常に今日は重大な時期だと思います。したがって、いま総合農政であるとか、主産地形成であるというようなことばだけでこの問題を解決するわけにはいかぬと思います。私は、したがってもう一そう基本的な根本的な農政の考え方について大臣に質問したいと思います。  第一は、民族の独立を守るためには、食糧の確保が必要であります。したがって可能な限り日本で生産し得る農産物、食糧等々は、これを自給率を高め、国内でこれを自給していく、これが第一だと思うんです。  第二には、今日の農業の構造の中には、いろいろの問題があります。これは後にも触れますけれども、しかしそれであったからといって、今日この農業の構造問題を、ただ上層農家だけを援助するというような政策では、これはだめなんです。私はこういう点で農業のいろいろな構造、また農民の生活の安定、生産の繁栄、こういうことを願って今日の農業問題は解決していかなくちゃならぬ、こう考えます。  第三には、御承知のとおり、最近の、さっき申しました農産物の輸入あるいはまた加工食品などの資本の導入、こういうことによって今日脅かされておりますが、こういう問題について、政府当局はき然とした態度で、日本の産業と、また国民生活を守るために、適切な処置をとり、外国のいろんな農産物による日本への影響を排除していく、こういうき然たる態度をとる必要があると思います。  以上、三点について、大臣の所見を伺いたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) お説のとおりであろうと考えます。したがって、外国からの輸入という点につきましても、国内で生産をして、そしてそれがはたして、生産の上に立って、国の経済の上、また、それをつくるところの農民の経済の上、こういう国際的な上にも立ってみて、どうだろうというようなものについての輸入は、いまやっておるわけでございます。いつも申し上げるように、それらはトウモロコシだとか、あるいはマイロだとか、こういうようなものに限ってやり、また、さらに、いま小麦の問題もございますけれども、小麦の問題も、国内でできる限りこれらは生産に当たっていきたいということではやっておりますけれども、申し上げたような点について、国内で生産して引き合うものか、引き合わないものかというようなものを区分をして、それによった構造を立てておるわけでございます。  さらにまた、外国資本の導入の問題につきましても、国内の業界に過度の影響のあるというようなものは、極力これは避けて、そういうようなことには十分注意をして資本の導入も行なっていく考え方でありますし、行なっておるつもりでございます。したがって、さらに最近の米の需給の問題もございましたけれども、そういう上に立って考えるならば、結論として、やっぱり適地適産主義といいましょうか、そういうような線をとることが、主産地主義をとるということが、現在の農政というものに、いま河田さんがおっしゃるような点を履行していく点については、どうしてもその方向に沿っていくということがよろしいのではないか。それには何といっても、それを生かすのには、総合農政という結論づけられたそれを活用していくということが、いまお話のような点にマッチした今後の農政であろうと考えるわけでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 食管制の問題について次はお尋ねしたいと思うんです。  この問題は、一つは米の価格の問題、第二は自主流通の問題ですが、まず最初に、今度の予算でも御承知のとおり、価格は昨年並みに据え置きである、こういうふうに言われております。また、そういう予算措置もとられておるようであります。ところが、この米の価格を昨年並みにするという方針は一体どういう理由からでしょうか、この点をお尋ねしたいと思うんです。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 昨年並みにとめ置きたいという政府の考え方は、御承知でもございましょうけれども、現在の需給、こういう上に立ってまず一点考えられる、物価安定という上に立ってまず考えなければならぬ、こういうことで消費者価格の据え置きも考えなければならぬ。したがって、生産者価格においても、まず政府は来年度は据え置く方針を決定はしておりますけれども、まだ何と言っても、食管法にあるとおり、審議会がまだ開かれておりませんし、審議会で十分御検討を願いまして、その審議会の答申をわれわれは尊重して決定をする考えではございますけれども、政府は以上のような考え方の上に立って両米価の据え置きということを発表を申し上げたわけでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 物価はどんどん上がっております。毎年、指数を見ましても、農業生産に必要な指数は四%あるいは五%上がっておる。同時に、農民が労働をし、また生活するための消費物資も上がっております。これまた四、五%ずつ上がっております。こういうふうに、農業生産に必要な資材、また生活に必要な物資、これらが一方では上がる。ところが、米作農民の所得は押える。こういうのは、一体どういうふうにお考えになりますか。第一、政府自身、これはまあ農林省から発表された長期の例の見通しでございますけれども、この中にも、個人消費支出の伸びは今日の日本の経済の動向から見て年率七%または八%伸びると書かれておる——昨年出した。また、ことしの消費物価は大体五%上がると言われている。そうだとすると、農民だけは物価の影響の範囲外にあって、昨年と同じでいいと、こういうわけにはいかぬと思うんです。この点はいかがですか。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 御指摘のように、明年度も、物価あるいは賃金、これらは幾ぶんかの上昇は避けられないと考えられます。こういうような点も十分には考えておりますけれども、現在の米の需給の点、これはやはり一方考えなければならない面もございます。したがって、政府は、生産者米価も据え置きと、こういう方針を決定をしたわけでありますけれども、何と申し上げても、先ほど申し上げましたように、審議会の議を経ないうちにはしかたがありません。したがって、審議会の議を経て、その答申を得まして、その後によって初めて農林大臣がこれを決定することになっておりますので、十分それらの点を中心に御審議を願うつもりでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 米価審議会にかけられることはよく知っております。けれども、かけるときにはやはり原案をお持ちなんです。そうすると、やはり農林省あるいは政府自体が、この問題に対して確固たる方針を持って出さなきゃならぬ。それで修正される場合もあるでしょう。したがって、審議会を待ってでなくて、審議会がどういう方向をたどるのかということが問題だと思うのです。今日まで、昭和三十五年以来、例の生産費所得補償方式というものがとられてまいりました。農業白書では、これが相当非難されております。だんだんと農民の所得が上がって、もう五万人以下の都市の勤労者と大体同じ、あるいはその水準が上がったというように、ことしの白書の中にも書かれておる。それは確かに農業は、御承知のとおり、高いのは七町から八町歩、こういう大きな土地を持って、そして耕しておるものもあります。機械化されておるものもある。ところが、そうでないものもある。そうすると、どうしても平均をとれば、これは全体としてやはり今日の大多数の農民が低米価ということになる。毎年、御承知のとおり、農協やあるいは農民団体が、いろいろと彼らも試算して、政府の決定に対する反対の意思表示をやっております。また、政治問題になって、いろいろ政治的ないわば加算金がつけられて米価というものは決定するという状態になっております。だから、この生産費及び所得補償方式としましても、この生産費及び所得補償方式というのが、だんだんと日本の農業が生産力を高めるならば、これはどんどん下がっていくのです、ほっといても。というのは、土地の生産性が高まり、また労働生産性が機械化されるに従ってうんと高まるならば、それだけ所得が減るわけですから、そういう方式になっているのです。しかし、このような方式すらも、今度の農業白書では非難される、そして何とか変えなければならぬというものが暗に書かれておるのですが、一体、政府は米が余ったから需給関係だと言われますけれども、米の値段を決定するのは、自由な市場で、需給関係によって上がったり下がったりする原理ではないはずです。統制価格なんです。政府がいろんな諸般の事情を考えて、そして農民の生活も保障する、労働費も製造業とできるだけ均衡を保たせる、資材も上がれば上がったなりにはかると、こういう方向で大体これまではやってきておるのですから、したがって、こうなれば、この統制される管理価格というものは、普通の需給関係によって上下するような市場価格でないわけです。ここが私たちは一つの大きな原理だと思う。だから、食管法の中には、ちゃんとどのように米価を算定するかということは一つの項を設けて、生産費並びにいろいろな諸般の事情を考えてきめるということが言われておるのです。だから、この原理が違うのです。需給関係によってきまる市場価格でなくて、もっとほんとうの意味での生産費を補償し再生産をできるような労働報酬を持たすということが原理だと思うのです。一体この二つの問題について、今日需給関係によってきまるというようなお考えをこの食管法の規定からしても持つことはできないと私は思います。この点について所見を伺います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) これもまたお説のとおりで、需給関係によって米価を決定するというわけにはいかないのでございまして、御指摘のように、再生産を確保するために決定をしなければならないことはそのとおりでございまして、そういうようなものを基礎に置きまして、したがって米価審議会で十分御検討を願いたい、こういうことを申し上げておるわけでございます。ですから、おっしゃるとおりでございます。私のほうは、再生産を確保する、そして需給に基礎というばかりではなくて、すべてのいままでの生産費所得補償方式というものを基礎に置いて、そして米価の決定をして、そして御答申を願いたい、こういうことでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 次に、食管制の、一番いま農民やあるいは下部農協などの団体が反対しております自主流通米について、政府の考え方を聞きたいと思います。かなり本国会でもいろいろ議論されておりますけれども、私は一応所管大臣からこの問題に対する明確な御答弁を願いたい。今日、多くの反対者があるにもかかわらず、あえてこれをやられるわけです。そうしますと、この自主流通米というもの百七十万トン、工業や酒造米、これらにまず七十万トン回し、百万トンを普通米として市場に出す、こういうことが言われております。このような百万トンという数量は何に基づいて計算されておるのか、この点をお聞きします。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) お答え申し上げます。  一般消費用について百万トンの自主流通量を見込みましたのは、前回もお答え申し上げましたように、特にかくかくの客観的な計算基礎できめたということではございませんで、一応の流通見込み量でございます。ただ、百万トンを見込むにつきましては、現在の消費面におきます一般消費者の動向ということを一つは念頭に置き、また流通業界、また生産関係における有識者の意見等も徴しました上で、私どもはまず百万トン程度の流通量を見込むことが妥当であろうという判断をいたしたのでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 見込み数量だということでありますが、今後この自主米の数量というものは、計画で大臣がこれを制限するという、規制されるという内容に変わるそうでありますが、これは年々数量が変わっていくわけですか。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 農業白書でも御報告を申し上げたのでございますが、総理府の家計調査によりますと、全都市の消費者の購入いたします米のうち、約三〇%程度のものがいわゆる非配給米としての受配を受けているという記帳をいたしているのでございます。この数字は、近年それほど大きな動きはないようでございます。で、私どもとしましても、大体百万トン程度本年見込みをいたしているのでございますが、急速にこの自主流通量が拡大をする、膨大化するというような見込みはとうてい立たない。それは、現在の政府の管理米の価格の関係と自主流通で供給されます場合の価格関係を勘案いたしますと、おのずから消費面における規制というものがございますので、私どもは、今後百万トンということで固定するとは思いませんけれども、急速に大きくなるというようなことは期待できないというふうに考えております。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 これは、この自主流通米の生産者価格と、それから管理米の価格と、どういう差がありますか。今回、例のいろいろな銘柄によって、少々収量が減ってもいい米をつくりたいという人もある〇一方においては、少々まずい米でも多収穫をつくるということが昨年あたりだいぶ言われている。一つ、二つその例が出ておりましたが、この点の食糧庁のお考えはどういう考えですか。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 政府管理米価格と自主流通米の価格の関係につきましても、いままでお答えをしてまいったのでございますが、政府管理米につきましては、御案内のように、生産者につきまして政府は生産費所得補償方式に基づきます決定価格をもって購入をし、消費者につきましては、家計の安定を旨とするということで、多少可処分所得の伸びを勘案しつつ毎年度の消費者米価水準というものをきめているのでございます。したがいまして、その間に、現実には、政府が管理をいたします管理関係の経費、そういうものはすべて政府の負担というかっこうに相なっているのでございます。したがいまして、自主流通につきましては、政府の経費負担というものを伴わないということから、それだけその関係から政府管理米よりも自主流通米の末端価格が高くなるということは避けがたい。どのぐらいになるかという点につきましては、これは自主流通米の本質から申し上げまして、一律にこういう水準になるということはそもそも考えられないことでございます。消費者の動向に応じて、ある産地銘柄のものについてはどの程度というふうに、おのずから一定といいますか、何ほどかの格差を生じた形で実現をすると思うのでございますが、一般論で申せば、先日も申し上げましたように、政府管理米の価格水準というものを前提にし、政府の現在背負っております諸経費というものを自主流通米の実態に即して試算をいたしますと、十キロ当たり二百六十円ないし二百七十円程度のコストアップになる。その点は現実の試算の上でも大体そういうふうになるわけでございまして、これが一つの推測のめどになるのではなかろうかというふうに考えておるのでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 昨今の農業新聞あたりを見ますと、非常にやみ米が流れている。大阪あたりの業者に言わせますと、大体ことしは政府買い上げ米の約二〇%、すなわち二百万トンに達するだろうと言われている。また、つい先日の東京のほうでも、大体五〇%がやみで流れておる。しかも、このやみ米というのは、結局、農家から出すだけでなく、途中の卸売り業者あるいは小売り業者、こういう者や、あるいは仲買い人、これらが寄ってたかって、こういう膨大な今日やみ米が流れておるのです。二、三日前食糧関係で、どうも売れ行きが悪いというようなことで、予算を多少訂正しなくっちゃならぬということがちょっと新聞に載っておりましたが、食糧庁のほうでは、こういうやみ米が実際に下ではどうなっているかということをお調べになったことがありますか。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 御指摘のように、私ども、今日のような需給事情のもとで、厳密な意味での配給の秩序が完全に守られておるというふうには、遺憾ながら認めるわけにはいかない節があるのでございます。御指摘のやみ米についての実態について調査したことがあるかということでございますが、お話にもありますように、まさにやみでございますので、なかなか私どもの行政的な調査の対象にはならないのでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、総理府の家計調査の上では、これはそのこと自身をどの程度に理解をするかが問題はございましょうけれども、全都市において約三割の量がいわゆる非配給米の受配という形で記帳されておるということは、私は一応の全体的な姿の把握にも役立つ調査ではないかというふうに思うのでございます。なお、農家の保有米の中から農家の推定消費量を差し引いたものが、これが政府ルート以外に流れておるという推測は、毎年食糧需給表の作成の際にいたしておるのでございますが、その推定では、農家から正規ルート以外に販売をせられておる量というものは、最近は七十万トンないし八十万トンという数字が把握をされておるのでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 このやみ米については、もう大都市では数社、数十社が集まって席上取引が行なわれておる。多いときは八千俵から取引されておるというふうに、今日非常に大きな動きになっております。また、このやみ米と自主流通米が両方がありますと、大体において自主流通米はやみ米には勝てないだろうと、これは東京農大の鈴木直二教授が先日発表をしておりましたが、やみ米は六十キロ当たり流通コスト千七百五十円、自主流通米は約二千円、だから結局やみ業者のほうがだんだんと勢力を増して、自主流通米というようなものはこのほうで大きな破綻をするだろうとこの学者は述べております。こういう見通しについてはいかがですか。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 私どもも、先ほど申し上げましたように、いわゆるやみ米の流通実態については詳細を把握することはできないのでございますが、推測できますことは、いわゆるやみ米の中には、消費者の嗜好に適合する品質を備えておるという意味で不正規な流通をしておるというものと、それから何らかの理由で、経済的には理解しにくいのでございますが、政府売り渡し価格よりも安く農家が米を手放すという一部の傾向がある。その二つのものが流れておると理解をせざるを得ないのであります。したがって、現在のやみ流通の米の価格水準はこうだというのは、一がいにその水準をもって判断することに私は難点があるのではなかろうか。自主流通米の考え方は、何度も申し上げてまいりましたように、消費者の選択購入の道を正規に開くということでございます。したがって、これは消費者の嗜好をもとにした流通ということでございますから、いわゆる少量の取引でつながっているやみ米に、正規のルートで大量に秩序をもって流通するという自主流通米がそれに打ち負けるというようなことは、私は考えられない。むしろ、自主流通米ということで消費者の選択購入ということが正規に認められるということのために、いわゆるやみ米の跳梁というものを抑制をするということが実現できるであろうというふうに期待をいたしておるのでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 おそらく、今後この自主流通米が実施されるならば、日本の農民がいまこれに対して反対しておると同様に、今後これらの問題についても大きな私は政治問題を引き起こすに違いないと思うのです。かつて池田大蔵大臣が、貧乏人は麦を食えと言われ、悪名をはせられた。いま日本の長谷川大臣がやっておられることは、あるいは食糧庁のやっておられることは、つまり貧乏人はまずい米を食えということになる。おいしい米は、搗白度を上げるとかして白くついて、やみ米に業者は流している。あるいはまた、そのほかのいろいろな形で今日やみをはびこらせている。けれども、こういうことは、実際食糧庁は米のいわば倉庫番じゃないはずなんです。単に米ができたからそれを集めてどこかに売り渡すという倉庫番じゃないはずなんです。いやしくも食糧管理法に基づいて、そうして農民の再生産を補償し、消費者の生活を安定させる、このためにこそ、毎とし膨大な資料をつくられて、米の生産性がどこまで上がるか、どんな需給関係にあるかということを、これはちゃんと政府で統一して政策をきめなければならぬ。二、三年前にはずいぶん外国の食糧が入ってきた。いまあり余ったといって、今日では農民のいわば生産意欲を非常に失わせるような方向の農政をおやりになっている。こういう点は、私たちは許すわけにはいかないのです。しかも、このように米が余っておるといわれながら、たとえばモチ米がことしは二万トン足らぬといって、どこかの国に交渉をされておるとも聞いておる。膨大な普通米が余りながら、モチ米が足らぬという。大体モチ米が年にどのくらい消費されるだろうというような推定もできるわけです。国民生活の向上に伴って、どういう品種のもの、どういうものがよくなるかということはおわかりのはずなんだ。だから、食糧政策を一つとりましても、単に倉庫番ではなくして、そういう生産を誘導する、また消費のほうに対しても、十分国内で、外国の食糧を買わぬでも、日本の食糧で間に合うようないろいろな施策をとる必要があると思うのです。こういうことをやらずに、ただ、お百姓さんが米をつくったから、さあ買いましょうと、それで余ったと、なら作付転換をしなさいというようなやり方では、これは政治じゃないです。こういう点で、私は、責任ある大臣から、米の管理というものは単なる保管倉庫仕事じゃないということ、この点についての明確な御答弁を願いたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 先ほどお話しのように、いままではつくればいいのだ、量をつくればいいというようなことで、たくさん米をつくってもらおうということに懸命に指導をしてまいったわけでございますけれども、現在のような需給緩和の実態の上に立ちました以上、また食糧全体の上に立って、国民の食生活というものが非常な向上もしてきておる今日でありますので、やはり生産を行なうという上に立っては、その究極の目的であるところの、消費者が何を好み、何を選ぶであろう、これが第一の条件となって生産というものが行なわれていかなければならないと考えるのであります。いま御指摘のあったような点につきましては、たとえばモチ米が不足していた——米は余っているけれどもモチ米が不足したというような点、こういう点についての指導の足らなかったという面もまさにあったと私は言えるだろうと思います。しかしながら、価格形成の上に立って、農民が、いまの食管法でまいりますと、やはりどうしてもうるちをつくったほうが得策だという上にもあったと思うのでございますが、昭和四十四年度からはそういうような欠陥が出ないような方法をもって今後の生産の指導に当たっていく考え方でございます。したがって、今後は、いまお話にあったような、貧乏人はまずい米を食えというような考え方は毛頭持っておりませんが、お米全体の、つまり米の味というものを一段と高めていこうということで、こういう点についての指導の一端が自主流通米の奨励でもあり、また他の方法をもって奨励をして、そういうような、いま消費者は選択、選考できるわけですが、いつでもつくれば、どの米でなくても、お米屋さんが持っていけばそれでけっこうでございますというような、味のよい米をつくらせるような今後の指導に万全を期していかなければならないと、このように考えておるわけでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 とにかく、農業の生産については十分な行政的な指導を必要とすると思いますし、また食管会計が赤字だということは別におそれることはない。というのは、財政というものは、御承知のとおり、政府が所得の再分配をする——安い米を売れば国民の生活費がそれだけまた安くなっていくわけなんです。そうすれば、賃金もおそらくそれに応じて安いでしょうし、そうすれば、それがまた生産にはね返って生産物も安いであろう。どこで調整するかが財政のこつだろうと思います。大蔵大臣がおられますから、こんな説教は要らぬと思いますけれども、とにかく私たちは、こういう財政の単なる赤字だということでなく、生産的な消費に使われる財政と非生産的な消費に使われる財政とを区別して赤字問題なんかも考える必要がある。だから、この点では、農林関係では十分生産から消費に至るまで、私は政府の統一見解を絶えずそういう方向で責任を持って指導してもらいたいと思うのです。  次に、農地の問題、また農業の経営の問題についてお尋ねしますが、最近、御承知のとおり、大臣は主産地形成ということを言われている。そうしてまた白書でも、大体日本の自立農家というものが全農家の二二%、この程度の人々の農業が今後日本の農業を背負うものだと言われている。こういうようにして、一体主産地形成で単一的ないわば経営形態をとってこういうふうな方向へ指導されるのかどうか、この点をまずお聞きしたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 幾多きょう河田さんのお話の中にもあったような点について、今後の健全な農業を営まそう、そうして需要と生産のバランスをとろう、さらに対海外的からのこのように押し寄せてくる自由化の中に立った日本の農政、農民というものの健全な歩みを行なわしめようとするのには、どうしても主産地主義というような考え方をとっていかなければこれに対抗はできないだろう、こういうふうに私は考えます。しかし、といいましても、いま急に主産地主義だからこうやるんだ、これもなかなか困難でございますので、そういう点については、十分そういう点を、すべての社会的な実情、または農業経営の実態の上に立って、あらゆる角度から見た、その上に立った適地適産主義を今後奨励をしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 私は昨年秋八郎潟の農場をちょっと見てまいりました。あそこは、御承知のとおり、最高十ヘクタールが一人の所有面積になって、共同で大きな機械でやっております。ところが、昨年は田植えなんかにちょっと失敗して、近所からだいぶ人を集めたらしいのですけれども、取り入れたあと、もう仕事がない。早く米は取り入れを済まします。そのあとの冬、仕事がない。十ヘクタール持っておっても、労働力が余るわけです。だから、出かせぎに行きたいということを言いたしております。ところが、そうなれば、近村の人々は一ヘクタールあるいは二ヘクタール程度の農家ですから、一方では国の補助で十ヘクタールももらって、それで冬になったらまた出かせぎに行くというようなことでは、近所の農民が大きな不満を持つだろうから、まあことしは出ぬと、機械の手入れでもしておってくれというようなことを言われている。だから、いま自立農業、機械化大農制でああいう機械をつくりましても、そういう問題が出てくるのです。自然の条件によって、米は非常に短期間でできます。そうなれば、冬は仕事がない。そういうところで、ほかの畜産でも副次的にやれば——今度は畜産を本業にしておるということは、これは本業のほうが参ってしまいます、副次的にやれば安くなりますから。こういう問題も生じてくるのです。だから、日本の大きな今日の農業の中では、畜産は、零細業者から相当大きな大規模の農家までありますから、この問題について、今後われわれは真剣に解決しなくちゃならぬ問題だと思うのです。  そこでお伺いしますが、最近農業の一貫的な機械化ということがいわれて、そしてこれが、徐々にではあるが、昨年あたりから始まり出しております。政府はこの機械化体系、これは農業機械化研究所が、また白書でも書いておりますように、小型と中型と大型、こう三種類に分けておりますが、大体何年ぐらいで、どの種類のもので、日本は支配的な農業機械が使われるであろうか、あるいはこの中で中型あるいは大農をどういうふうに含めていくかというような問題についてひとつお聞きをしたいと思うんです。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 農業の機械化、非常に大事なことでございますけれども、日本国内を全部一つのもので行なっていこうというような考え方は持っておらないのでございまして、大農式——いまお話しの大農のところは大きな機械を入れなければならぬ。また小さな機械でなければ仕事のできないところも幾多あります。また、作物の種類によっても機械が違ってまいります。こういうような点を十分考慮しまして、その機械化の体系を整えなければならぬ、こういうような指導を現在では行なっておるのでございます。さらにまた長期的には、より効果の高い大型機械体系が漸次成立をしていっているというところもございますけれども、そういうようなところはこのような土地基盤が整った上でないとなかなかできませんので、本年からは、特にこれらの点に考えを置きまして、土地基盤の調整について十分に配慮をしていかなければならぬ、こういうような施策の面を本年度の予算の中にもあらわしておるようなわけでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 大農機械を入れて、そうして比較的大きな面積を持たして、最近農林省では干拓地などをそういう方向で指導されてきておりまして、八郎潟しかり、また琵琶湖の大中之湖、あそこでも大体一人が四ヘクタールもらっております。あるいはまた有明、このほうもやっております。ところが、こういうところを私つぶさに——つぶさではありませんけれども見まして、たとえば琵琶湖の農家がどろ地につくるときに、すぐに県のほうは指導して、二階建てのコンクリートの家でないとだめだと、農民は地盤がやわらかいからぜひとも木造で建てさせてくれと要求している。ところが、政府の方針や県指導方針では、二階建てのものをちゃんとつくらぬとだめだと言って、二階建てのものをつくれと、つくったあと一年もたたぬうちに家が傾いてきている。だから普通に寝ておってもこれは不安定になる。だから床を張りかえる、窓を入れかえるという事実もあるわけです。そういうように功をあせって、そうして大型機械化をする。そうしてまた、畜産なんかを近くでやりますから、農民との間に非常ないざこざが起きる。こんなくさいものは困ると言っている、こういう事態が起きております。だから、こういう点で、必ずしも大型機械を琵琶湖に入れて——そこの農民は、まさに観光農業だと言っている。こういうことは、私はもっと真剣に考えてやるべきだ。もっともっと限界農家、こういうところを早く機械化もし、協業もさして、そうして十分共同のもとで——土地を離れる人もあるでしょうし、中には専業的になる人もあるでしょう。そういう方向で大きなところばかりをつくって、構造改善をやろうといっても、失敗するに違いない、無理が出る。ほかの工業でもそうなんです。私は、こういう点は、農政上今後注意すべき、また解決すべき問題だと考えます。この点はいかがでしょう。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 画一的にどこでも同じだという、これはもうなかなか、お説の考え方をとりますと、いまのお話のような、琵琶湖のような欠陥も出てきております。やはり何といっても、国が、適切な農業機械を促進しようというのには、いろいろな補助、融資、助成、こういうような点を講じておりますので、今後も強制的に行なわしめようという考え方も持っておりませんので、これらは農業者の自発的な意思にやはりよらなければならない、機械の点にもこのように考えて現在は指導をしておるわけでございます。特に、いま御指摘のあったような琵琶湖の点についても、干拓地の建物が地盤沈下にあったというような点につきましては、今後十分これらについては考慮しなければならない問題だと思いますが、これらは調べてみますと、干拓地の入植者の住宅、飲用水の施設等の整備については、入植者の意思も尊重して、そうして宅地の地盤や水源の調査等に十分配慮していったようなことでありますが、御指摘の点があるところには、十分にその点で配慮が足らなかった点もございますので、今後十分こういう点を配慮さしてまいりたいと考えておる次第でございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 時間がございませんので。アメリカから小麦を買って、そうして輸入が再開されて、不良小麦混入率で譲歩したと新聞に出ております。また、この間もカナダとの間で問題を起こして、そうして交渉されたということがいわれておりますが、この事情をまず、カナダの小麦輸入について今日どうなっているかということをひとつお聞かせ願いたいと思います。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 昨年の十月の中旬から十二月にかけましてアメリカから輸入いたしました小麦の中に、外見上は何ら規格品と差異を認められないのでございますが、製粉いたしましたあと、いわゆる粘張度——ねばりけを試験するわけでございますが、そのアミノグラムの粘度調査をいたしました結果、二次加工品——パン、めん等に適さない小麦の輸入が行なわれたということを発見いたしたのでございます。で、その後慎重に調査をいたしまして、大体その数量が八万九千トンばかりあるということがわかりまして、これはわが国が小麦の輸入を始めまして以来いまだかつてなかった事例でございますので、非常にむずかしい問題になると考えられましたので、アメリカからの小麦の輸入を停止いたしたのでございます。その後アメリカ政府当局と数次にわたりまして折衝をいたしました結果、今後の輸出については規格についての改定もいたしますし、また、品質について十分な配慮を払って輸出をするという確約を取りつけましたことと、それから、いま申し上げました低アミロのために生じました日本側の損失についてはアメリカ側においてこれを補償するという約束を取りつけましたので、一月になりましてアメリカ小麦の輸入の再開をいたしたのでございます。  カナダのマニトバ小麦の一部にも若干低アミロの品質のものが出ておりまして、これにつきましても現在その善後措置について協議中でございますが、これはアメリカとの場合と異なりまして数量もわずかでございまして、特に政府間交渉という段階まで持ち上げる必要は、私はアメリカほどの問題ではないと思いますけれども、なお、政府としても、わが国の輸入業者の損失という問題については見のがすわけにまいりませんので、業界の折衝のバックアップをいたしまして円満な解決に持っていきたい。なお、カナダにつきましては、その後のマニトバ小麦の輸入につきましては品質の変わったものが入ってくるというような事例はございません。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 えらいきれいごとで答弁なさっておりますけれども、カナダが承服しないのは、アメリカの業者の圧力によって政府と日本側が当初不良小麦の混入率の限度として〇・二%をこえないということで一応きめたわけでしょう。ところが、その後アメリカ側の業者のほうは入札に応じない、品物は売らないと言って圧力をかけたんです。それであなたのほうではこれを〇・五%までたしか譲歩したんでしょう。そうでしょう。だからカナダのほうも、おれんところの小麦はどこへ出したってけちをつけられたことはないと言って今日がんばっているんじゃないですか。アメリカに対してぺこぺこ頭を下げて譲歩するからこういうことになるんでしょう。一体その点はどうですか。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) アメリカ側に対して私どもは強硬にわがほうの主張を貫き通したつもりでございます。カナダの場合には、確かに御案内のように、マニトバというのは世界の独占的な商品でございますから、そういう立場から、アメリカが日本側に対して解決策を出しましたと違った位置にある、困難性があるということは、私は理由はその点にあると思っております。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 この手続なんかについて私はたくさん質問したいんですが、一応この問題は大まかにもう一つ質問したいと思うんです。この食糧庁の輸入実務担当官というのは、アメリカの業者、政府等々でしょうが、旅費や滞在費みんなまるがかえで約一カ月ばかり回ってくるということがいわれているんです。何だったら名前をあげますが、昨年十月ごろも行かれた方があるわけです。そして、その方が帰ったあとに着いた小麦が、御承知のとおり日本にばく大な損害を与えるところのいわゆる不良小麦だったじゃないですか。一体、あなた方のほうでは、こういう輸入の実務を取り扱う人を送る場合に、向こうのまるがかえで送るようなことをさしておるのか。また、ときによれば、向こうからは指名で来るということがいわれているんです。こういう点はいかがですか。

檜垣徳太郎食糧庁長官

○政府委員(檜垣徳太郎君) 御案内のように、わが国は小麦の輸入市場としては世界でも有数のところであります。これは逆に言えば、わが国は小麦の買い付けについて、先方の事情も十分承知をした上で適正な買い付けを進めるということが重大であるということの意味になると思います。アメリカのみならず、カナダあるいは豪州等につきましても、日本の実務担当者に当該国の生産流通あるいは規格検査等の事情を知ってもらいたいという意味で、政府あるいは政府関係機関の招待によりまして、そういうことの調査のための派遣はいたしております。いたしておりますが、それについて、御指摘のような、先方から指名をして、こういう人間をよこしてくれという指名を受けたことは一回もございません。

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 河田君に申し上げます。時間が参りましたので。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 最後に一点だけ。こういうような、食糧庁でも問題が起こっているのです、事実。それから、たとえば農林省は、いま中央卸売市場などを非常にうまくやらして消費者と直結させなければならぬというわけ。ところが、京都でも卸売りの会社がつぶれて一億一千万円の損害を農民に与えている。あるいは先日、東京の中央市場でも、漁師さんが送るところの魚をうまくごまかして、つまり安い値段でこれを買いたたいておる。こういうことで刑事事件になっております。ですから、こういうふうな業界の中にも、また至るところの農協の中にも、こういう不正や腐敗が起こっております。農林省も通産省と同様に化学研究所あたりの方々がそういうことをやられておった。農薬なんかの会社でもずいぶんといかがわしいものを売っておるんです。だから、至るところで不正や腐敗というものが今日ずっと渦巻いてるんです。私は、こういうところの姿勢を、きびしく取り締まるところは取り締まり、処罰するところは処罰し、そうしてやっていかないならば、どこもここもこのような風潮になってしまうと思うんです。この点について、農林省関係は、省内はもとよりのこと、農林省の監督や指導を受ける機関、そういうものに対して徹底的に今後このような方向で指導や監督を強化されるかどうか、この点をひとつ最後にお聞きしておきたいと思います。

長谷川四郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(長谷川四郎君) 現今一番重大な問題でございまして、私が就任と同時に第一声は、いま御指摘のあったような点を職員一同に申し上げたわけでございまして、今後さらにその実をあげるように十分監督し指導いたしまして、もって間違いのないような方向に進んでおることを申し上げまして御答弁といたします。

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 以上をもちまして河田君の質疑は終了いたしました。     —————————————

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 次に、山高しげり君の質疑を行ないます。山高君。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 最初に大蔵大臣にお伺いしたいと思うんです。大蔵省では、四十四年度の予算編成にあたりまして地方交付税の税率の引き下げを考えておいでになったようでございますけれど、それが不調になりましたときに、支出を大幅に削減しなければならないであろうという段階におきまして、まあ私どもから考えますと、これも私ども漏れ聞いたわけでございますけれども、その各省の用意をされた削減案はたいへん弱いところにしわ寄せをされているというような印象がございました。たとえば、保育所の措置費の国庫補助の率を非常に少なくするとか、あるいはまた農林省の生活改善普及員の制度を大幅に削るとか、私どもたいへんひやひやいたしまして、こういうことは、その後地方から六百九十億円というお金を国が借りるというような方法によりまして、削減そのものは行なわれなかったわけでございますけれども、したがいまして、済んだことではございますけれど、当時は私どもずいぶんひやひやもいたしましたし、まあ婦人議員が超党派で佐藤総理に陳情を申し上げるといったような一幕もあったわけでございます。このことにつきまして、大蔵大臣としてはどんなふうにお考えでございましたろうか。それを承りとうございます。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただいまお尋ねの点は、これはいきさつがありまして、四十四年度では一兆二千億円の自然増収がまあ見込まれたわけであります。しかし、それを、そのうち減税もしなければならぬ、また大きな経済運営の立場からいたしますと、国債の発行額も減らさなければならぬ。そういたしますと、歳出の財源ですね。歳出はやはり公共事業、つまり社会資本ですね、それから社会保障、そういうことで、ずいぶん要るのです。まあ九千億しか残らない。ところが、一兆二千億円という自然増収の大部分が、これがいわゆる地方交付税の対象になりまする国税三税——所得税、法人税それから酒税——これだもんですから、したがって、地方交付税交付金ですね、この額が実は九千億円の歳出財源の中で三千百億にのぼるのです。三千百億円を天引きをするということになると、もうその残りは六千億円になる。そうなると、経費の支弁もまことに窮屈になり、いわゆる当然増加の道をはからんことにはいかない。しかも社会資本の充実だとかあるいは社会保障とかはとてもやっていけない。こういうことで、何とか三二%という交付税の率を引き下げて、そして三千百億円というこの額をまあ六、七百億円減らせまいか、こういう考え方がまず起こったわけでございます。ところが、交付税の率を引き下げるということは、これはなかなかむずかしいことでありまするし、そう軽々にいたすべきものじゃない。そこで、まあ地方自治の立場から言いますると、国から地方団体を経由いたしましていろいろの施設に金を出しておることは、いま御指摘の保育所なんかはそうでありますが、それは地方団体からすれば、地方自治が自治として中央の干渉なく進む、こういう性質のものでありますので、地方財政に財源をつけてそういう措置をせしむるということが、これがよりよい姿である。したがって、交付税率の引き下げはしないが、まあ、いままで中央から地方を通じて出しておった保育所などの補助金を地方持ちにしたらどうだろうという考え方がまた起こったわけなのですね。ところが、地方ではこれに対して非常に不安を感じたわけです。つまり、中央で補助金を出さないと、その施設が将来不安定になるのではないか。ことに人件費ですね。補助を受ける団体なんかにおきましては、どうも首につながってくる問題じゃないかという不安を呼び起こした。実際はそうではないのです。地方が国にかわって財源を持ってやるのですからそうではないのですけれども、そういう不安を抱く。そこで、そういう不安が普遍化するという形勢がありましたので、その行き方も取り上げまして、ただいまお話がありましたように、六百九十億円という額を区切りまして、これを四十四年度の三千百億円からこれを差し引くと、こういう措置をとったわけであります。どうも、広い範囲で政府がそういう社会保障の補助を減らして、そういう問題に非常に冷たい態度をとったというような印象がありますが、そうじゃないので、財源の振りかえを考えたのだと、こういうことで、他意はありません。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 まあ、いきさつは一応了承をいたしますけれども、まあ、地方団体が持てばよいという考え方の中には、たとえば先ほど萩原委員の母子保健に関する御質問の中なんかにも出てまいりましたように、ここ数年かかってようやく新しい社会福祉の芽を出したという内容のものにつきましても、もう数年やったからそろそろ地方でやれるだろうというような考え方で削減案の中に入っていたというような事実がどうも多々あるわけでございます。それを私どもは拝見いたしますと、たいへん政府は冷たい。冷たい風の中にようやくちょっと二葉とまでも言えないような芽を出したものを、もはや、もうそちらでやれないとおっしゃるように受け取ったのでございますが、その点はいかがでございますか。

福田赳夫自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただいま申し上げましたように、そうじゃないのです。振りかえです。施設としては中央、地方で相談をいたしましてやっていくんですけれども、それから経営にいたしましても、それを存置するばかりではなく、保育所なんかにつきましてはずいぶん人までふやすということをやるのです。財源だけを中央地方の財源調整ということで、地方持ちにしたらどうだろうかと、こういうことを考えた。これもしかし経過的な話でありまして、最終的にはそういうことはなかった。他意は全くなかったので、非常にあたたかい気持ちを持っておるというふうに御了承を願いたいと思います。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 他意はなかったと繰り返しておっしゃるのでございますから、おことばは信ずることにいたしますけれども、またあられては困るという不安はやはり非常に私どもに残っております。そういう意味で、ひとつこの問題はその当時の削減案で一番被害が強かろうと予知された厚生大臣の御感想を承っておきたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) ただいま大蔵大臣からお答えになりましたとおりと御了承いただきたいと思います。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 被害者側に立っていらっしゃる厚生大臣がたいへんのんびりとしたお答えでございますけれども、当時厚生省内は全くあらしのようでございまして、いま私が申した、ようやっと芽を出してきた社会福祉の仕事がみんな大なたをふるわれるのではないかというので、ずいぶん大騒ぎをされたのでございますけれども、まあ時間がございませんから先を急がしていただきます。どうぞ再びあのような不安がございませんように、他意があろうとなかろうと、結果におきましてああいうことが起こりませんようにお願いをしておきたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 保育所の問題は、私のほうも非常に重要に考えております。したがいまして、保育所建設の補助金の問題にいたしましても、あるいは保育所の従事員の待遇の問題にいたしましても、前向きで考えておりまして、その点はこのたび大蔵省の予算の査定の際にも取り入れられておるわけでございますので、御了承を願います。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 必ずしも保育所の問題だけではないのでございます。たいへんこまかい予算が並んでおりましたけれども、その性質は、本質はたいへんに大事な、これからの日本を育てていかなければならないような行政の内容でございましたのに、それが一度金が足りないからどこかで減らさなければならないときに、たとえば農林省の生活改善普及員などは、ちょうど人数がそれを削るとまあほしい金がそこから出てくるとか、文部省のこまごましたのは一応切ってしまえば何とか大蔵省のほしいだけの金額がそこに出てくるとか、少し極端に言えば、お役人がそろばんの上でつじつまをお合わせになった案のように私どもは受け取ったので冷たかったと申し上げたのでございまして、保育所のことだけ申したわけではございません。  厚生大臣の御答弁、非常に不満でございますが、先を急ぐことにいたしまして、次は、婦人少年室の問題を申し上げたいと思います。労働大臣にお伺いをいたしますけれども、今回の労働行政の機構改革の案の中で、婦人少年室というものは廃止をする、そうして、その事務は今後都道府県の知事に委任をする。そうして、それは具体的に申せば、今後新設されるところの地方の労働部の中に婦人少年行政に関する課か室を設けたい。そのことについては特段な配慮をする、という表現でたびたびおっしゃっておられるのでございますが、婦人少年室問題は現段階でどのようなところに逢着をしておりましょうか。「特段の配慮」の内容を伺いたいと思います。

原健三郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(原健三郎君) お答え申し上げます。格段の配慮でございますが、去年の十一月の二十六日に三大臣の間で申し合わせがありまして、自来自治大臣とも相談いたしまして、各都道府県に、現在八都道府県に労働部というのがございますが、あらゆる都道府県に労働部というのを新設する、新たに独立した部をこしらえる、これは話がもうまとまっております。それはただ口約束だけでどうも実現するのかしないのかという説がございますが、これは自治法の一部を改正して実現する考えでございます。その課を置いたり、婦人少年課ないしは婦人少年室ということになりますが、それは法律にはちょっとあらわせませんので、これは自治大臣との申し合わせで必ず労働部の中に婦人少年室ないしは課——これは大きな県は課になると思います——これを置くことにもう話がまとまっております。そういうふうにして婦人少年の勤労婦人及び勤労青少年あるいは一般婦人の地位の向上等のことをやっていきたい、こういうふうに思っておる次第でございます。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 自治大臣に伺いたいと思います。ただいまのことは、労働大臣が仰せになられたとおりにお話し合いが固まっておるのでございますか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) 婦人少年行政が県に委譲された場合の御意見でございますが、ただいま労働大臣がお答えしたとおりでございます。よく御承知のとおり、これは昨年の労働行政改革の一環としての覚え書きが出ております。これを受けまして、私どもも、この婦人少年の行政は、地方に委譲された場合は非常に重要な問題として取り上げなければならぬというので、いま労働大臣が申しましたとおり、各都道府県に労働部いま申したとおり現にできておるところもございますが、これを設置する。したがって、それは行政改革が成立しますと同時に、地方団体における事務機構についての法的な措置を含めましてこれは前向きで対処していく。そして婦人少年行政に、国の委譲された趣旨にかんがみまして、できるだけひとつ労働部内にそれを生かしていく、前向きの態度をとる、こういう考え方を持っております。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 地方自治法の一部改正はこの間も私どもも審議をしたところでございますが、それに加えてさらに地方自治法の改正でただいまのことを行なうということでございますか。労働大臣の先ほどのおことばではそんなふうに聞き取れましたから。自治大臣でも労働大臣でもけっこうでございます。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) いま労働大臣がお答えしましたときに地方自治法の一部改正の問題出ておりましたが、つまり、この婦人少年行政の改革案が、大体、案として出ておりますが、いまだ完全に成立はしてはおりませんから、その成立を見まして、それを受けて自治省といたしましては法的処置をとりたい、こう考えております。したがって、まだ改革問題が成案になっておりませんものですから、それを前提といたしまして自治省で善処したいと、こう考えております。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 それでは労働大臣に伺います。たいへんまとまったという御報告でございましたけれども、どうしてまだ成案になりませんのでございましょうか。このことにつきましては、毎日の参議院の公報にいたしましても、この行政機構改革に反対の請願も、ずいぶん量としても多数今日まで提出に相なっておりますけれども、ただいまのお話では、労働大臣のお話と自治大臣のお話とちょっとつながりが悪いようでございます。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) 山高先生のお説のごとく、各方面からいろいろ御意見が非常に続出していることは事実でございます。婦人少年行政だけでなくて、労働基準行政についても御意見をたくさんいただいておりますので、さらにまあ政府といたしましても、行政改革その他等のこともございますし、万般それらを勘案して、すみやかに成案ができ次第改正すべき法律は改正するしというわけでございまして、いま鋭意急いでおる最中でございます。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 お急ぎにもかかわらずはかどらないという、その辺を伺ったつもりでございます。

原健三郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(原健三郎君) 急いでおるのでございますが、さいぜんから申し上げるように、御意見が非常に多いので、それらも勘案して調整もするし、急いでおるわりにはおくれておるというお説ごもっともでございますが、いまその最中でございますので、成案を得たら法律提出もいたすというところで、諸般の情勢を考慮して善処をいたしておりますから、どうぞ。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 大臣の御答弁が少し抽象的でございますので、地方行政の機構改革の内容として労働行政の労働基準局に関係した部分、婦人少年室に関係した部分、それぞれございまして、私は婦人少年室の問題を取り上げておるのでございますが、はかどらない原因が労働基準局の問題にあると考えてよろしゅうございますか。

原健三郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(原健三郎君) 問題はさいぜんから申し上げますように、労働基準行政もあるし、婦人少年行政のことも機構改革に関連して両方ございますが、それらの全般をにらみ合わせて、皆さん方の御意見もしんしゃくして急いでおりますが、まだ、さいぜんからるる申し上げておるようなところでございますので、よろしく御了承のほどを。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 それでは自治大臣に伺いたいと思います。かりに地方に移りました場合のことでございますが、婦人の地位の向上といったような内容が、はたして労働部の所管事務の中に新設されることを希望しておられる婦人少年室あるいは課というものの中に含むことができるとお考えでございますか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) 婦人少年行政が地方団体に移る、この趣旨は、やはりいまお尋ねの婦人の地位の向上、こういうものがやはり目的に含まれなければ意味なさないと思います。ただ形だけの事務をとりましても、それは行政の本意に沿わない。したがって、先ほどお答えいたしましたとおり、労働省の機構改革ができますれば、これを受けましてやはり法的根拠をつくってそして労働部をつくる。その中には婦人少年室を設ける。設けるということは、いま御指摘の婦人の地位の向上、婦人の労働問題その他について、やはり適当な考慮を払って前向きでこれを処理すると、こういう考え方でございます。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 くどいようでございますが、そうすると、その労働省のほうでお固まりになって自治省が受け取られる段階で法的措置を講ずるというその中に、法の裏づけの中に、いまのような内容も具体的に織り込みがいただけるということでございますね。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) とにかく法的措置をしませんと労働部は確立いたしません。不安定なまま置いてはいけません。それと第二には、その結果、自治省といたしましては、いまの御指摘のような内容についてこまかいことは細則をつくります、さらに強力な指導をやりたい、こう考えております。したがって、その御趣旨に沿うように運用したい、こう思っております。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 婦人の地位の向上という内容は、そうこまかい細則に移されるような性質のものではなさそうに思いますけれども、いかがでございますか。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) 法律の改正にあたりまして、その細則といいますのは、つまり、婦人問題とか少年の問題というものを取り上げなければなりませんから、その取り上げますときに、それに基づいて指導しなくてはならない。その助言指導の場合には、当然また含まれるし、また、常識的に婦人の課とか室ができました場合に、婦人の地位の向上を避けてやる行政というものは考えられないし、当然のことだと思う。これはもう婦人の地位を向上し、また少年問題に対して真剣に取り組むと、これはもう当然の常識でございますから、そういう強力な指導をしますし、また受けるほうも、当然その心がまえで今後の行政に当たるということはもう明らかなことだと思っております。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 それでは、少し現実問題でこのことをお伺いしてみたいわけでございますが、少年の問題はしばらくおきまして、婦人の関係で、地方行政機構の現状について私少し承りたいと思いますが、上部の官庁として文部省、厚生省、労働省あるいは総理府というようなところに婦人関係の行政がそれぞれ分かれて入っております。そうして、それが都道府県庁に参りましたときにも、その本庁の事務を受けて、それぞれ部あるいはその下に課というものが設けられておるわけでございますが、かりに、厚生省の児童家庭局というところの所管の母子福祉というような事務につきまして、地方の県庁等では民生部、厚生部、部の名称はいろいろございますけれども、課の受けとめ方としては婦人児童課というような名称のところが過半数でございます。ところがまた、同じ仕事を所管いたしながら、児童課、児童家庭課、児童婦人課、福祉課、母子課、児童部あるいは青少年婦人課、婦人青少年課というように、地方におきましては名称がさまざまでございます。名称はさまざまでも内容は一つであるかというと、必ずしも、地方の事務分掌を多少調べてみますと、そうでもございません。厚生省では、自分のところの仕事は婦人児童課がやっておってくれると、こうお思いだし、お答えにもなるのでございますけれども、婦人児童課の所管の中に、同じく厚生省の社会局の生活課所管の婦人保護の問題を含んでいるところも相当ございます。それから青少年婦人課とか、婦人青少年課というようなところでは、総理府御所管の青少年対策本部のお仕事もそのまま流れ込んでおります。一口に申せば、頭が大きくてすそ細りというのが地方行政の実態でございまして、役人の数も少なく、予算も少なく、上のほうからの注文で仕事ばかりふえているという姿は何も婦人少年行政のみならずでございますが、私はいま自分にも関係のある婦人の行政で例を引いているわけでございます。こういう事例があまりにも多過ぎますと、婦人の地位の向上というようなやや抽象的な課題について、それは引き出しの中に入れてあることにはなっているけれども、一年じゅう、出して仕事をしたかしないかというような情けない結果になることは、この地方移管が是か非かというまだ決定前の今日の段階において、私は、自治大臣、労働大臣たちにもう一ぺん考えてみていただかなければならない問題があろうかと思いますので、この点を伺いたいわけでございます。だいじょうぶでございますか。

原健三郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(原健三郎君) お答え申し上げます。山高先生の、婦人少年、わけても勤労婦人並びに婦人の地位の向上、この二つに関し中央地方を通じてもう少し強力に行政をやるべきである、まことに賛成でございます。で、私どもも、婦人少年室を地方へ委譲するという精神は、この婦人少年行政をもっと強力に推進いたしたいというのがねらいでございまして、決して、他の厚生省関係の児童課と同じにするとか、その中に吸収するとか、そういうものではございません。現在でも多くの都道府県では労働部というのはございません。それに、新たに労働部というのを、法律によって、さいぜん申したように、新設する。全国的には私は非常に画期的なことだと思います。その中の中心となってくるものにやはり勤労青少年、勤労婦人が入っている。さらにもう一つは、婦人では、その婦人の社会的地位の向上というような婦人問題一般のものをこの労働部の中へ入れる。私は、これで、少なくとも中央においては労働省に婦人少年局がある、地方においては各都道府県に婦人少年室ないしは労働部の中の婦人少年課ないしは室を置くと、これでかなり強力になるものだと思っております。実は現在の各都道府県にあります、もう山高先生御承知でございます婦人少年室と申しますのは、私も調べてみてびっくりしたのでございますが、わずか五、六人程度より人員がございません。国家公務員でございまして、それが五、六人ですから、私なんかももっと強力にやっておるのだと思っておりましたところが、調べてみると五、六人、少ないところは四人。四人で婦人と少年の勤労者——勤労青少年と勤労婦人とをやっておるものですから、非常に弱いものである。もっと強力にいたしたいことはこれは何人も疑義がございません。しかも、予算を調べてみると、その婦人少年室、年間百万円ぐらい、月に直すと八万円くらいです。大体そういう見当でございます。はなはだどうも貧弱なので、私どもも恥ずかしいほどでございますが、今度都道府県へ移しましたらこれを強力にやりたい、そういう意向のもとでやっておりますので、よろしく御了承のほどをお願いいたします。

野田武夫自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(野田武夫君) いま労働大臣から詳しく御説明をいたしましたとおり、今日の地方団体における、いわゆる労働省の所管として婦人少年関係の仕事をやっておりますその内容が非常に貧弱であることも、そのとおりでございます。そして、いま御指摘になりました婦人の地位の向上ということが主としてのお尋ねでございますが、これは私、端的に申しますと、今日までの地方団体における婦人少年関係——労働関係だけでありません——は、一般的に行政が、お話の厚生省の関係とか、労働省の関係とかいろいろありまして、実は地方公共団体でも、できるだけひとつ整理して合理的な行政を進めたいというのが前から希望しておるところであります。ことにざっくばらんに申しますと、いま労働大臣が申しましたとおり、わずかの補助金を出して、そして中央からいろいろ指示を受けて、数人の方がやっておられて、やっておることも、なかなかわずかの方ですからそう手がとどかない。また地方団体といたしましては、たとえばいまの地位の向上につきましても、これは単に労働省の関係だけでなくて、一般的にいいますと社会教育とかいろんなもので、文部省、厚生省の関係も出てまいりますし、総合的に考えなければ、単に婦人の地位の向上と申しましても、婦人少年室だけでもってそれをどう持っていくか、これはなかなか大きな問題と思っております。私は、国全体から考えても、そういう点においては、いまの御指摘の婦人の地位の向上ということ、これはやはり総合的な行政を考えなければ目的が達成できない。しかし、今度婦人少年室が地方公共団体に移譲されて、実際の地方公共団体が責任を持った行政になりますと、各般の、いま申しました文部省や厚生省その他の、あるいは総理府とか、青少年問題の御指摘のとおりのものがございますから、そういうものが一緒になって総合的な一つの行政の推進ができやしないか。そこで、特に婦人少年室とか課ができますれば、やはり問題は婦人、少年ということになりますから、しかも、地方公共団体では各部との連絡も直接とれますし、指導も強くなってまいりますとすれば、私は、おのずから婦人の地位の向上なんというものはもう当然地方公共団体でも力を入れなくちゃならぬ行政の機構になってきはしないか。したがって、私はできますれば、労働部の中にはっきりと婦人少年課とか室ができて、また各ほかの部や課と連絡をとりまして、婦人の問題、少年の問題を進めていくというところに、私は非常な今後の婦人問題、少年問題の行政の進め方が強くなっていきはしないか、こう考えておりまするから、御指摘のような問題は、私は積極的な方向に進んで行くんじゃないかと、こう考えております。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 どうやら心配は要らぬとおっしゃるようでございます。まだまだ私どもは不安を感じておりますけれども、ただ労働大臣がおっしゃるように、いま、現在の婦人少年室がなくなるということは、人によりますと、本省の婦人少年局は外堀を埋められたようなものだと、こう批評する人さえございまして、私は、必ずしも出先機関がなくなることによって、現在の婦人少年局そのものが確立を見たというふうにも受け取りかねますけれども、時間の関係で、この問題はお二人の大臣が非常に熱意を持ってお答えいただきましたので、あとは成り行きを拝見したいと思います。結論的には、非常に私は不安を感じております。と同時に、例を引きましたように、現在の地方行政は、頭が大きくてすそ細りであって、末端の実際の行政を担当する人たちはほんとうに頭が痛いということを、私どもはたくさん実例を知っておりますので、その点はひとつ仰せになりましたとおり、責任をお持ちいただきたいと思います。  それでは、総理府の総務長官にお伺いをしたいと思います。  総理府の予算の中に、婦人問題連絡会議という、たいへんにささやかな予算があるようでございます。しかもこれが、四十四年度は前年度と同額で、一厘もふえておりません。この連絡会議は一体何をしているのでございましょうか、お伺いしたいと思います。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(床次徳二君) 婦人問題は各省でもってそれぞれ所管しておりますが、総理府におきましても、この一般的な連絡調整という意味におきまして、婦人問題の懇談会を持っている次第であります。今年は、婦人中高年層の職業問題という時下に適切な問題を御審議いただいたのであります。なお、この問題はすでに答申を終わりましたので、引き続き、婦人のいわゆる家庭教育という問題に対して、これを取り上げてまいりたいと考えているのでありまして、委員の間においてその話し合いが始まった次第であります。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 長官、婦人の家庭教育でございますか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(床次徳二君) 婦人が家庭においてどういう役割りを果すべきか、特に教育面を重視いたしまして、この点を検討しようじゃないかということが話し合いになったわけであります。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 意味が少しわかりましたけれども、予算が一文もふえません点の御説明がなかったようでございます。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(床次徳二君) お答え申し上げます。総理府は事業官庁でございません。いわゆる婦人問題を全体的な視野から見まして、そうしていろいろと、婦人問題に適切である、必要であるという問題を取り上げまして、そうしてその実施等につきましては、各関係省庁が一つづつ取り上げていくというふうにいたしているのであります。したがって総理府自体といたしましては、審議会だけの予算を持っている次第であります。  なお運動等につきましては、青少年関係とか、それぞれの連絡もありますので、絶えず連絡をとりまして、実績のあがるようにいたしたいと思っております。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 先ほど来、婦人の問題、婦人の行政について、労働大臣や自治大臣にいろいろ伺ったのでございますけれども、総理府でも婦人問題連絡会議を持っていらして、そこの四十三年度のお仕事が、中高年の婦人の職業問題、当然労働省の婦人少年局の所管の中でも似たようなものが行なわれておりまして、総理府では各省の連絡というふうな形で行なうのだというふうな御説明のようでございますが、やはり私どもから言えば、これは重複しており、むだな点もある、また他面能率があがらない点もあるんじゃないか、決して行政が整然と体系をとっている姿とは思えないのでございます。その点がありますから、くどいほど婦人少年室問題で地方におけるそのことを伺ったのでございますが、時間を惜しみまして、いまので、長官にもう一つ伺いたいことは、同じように、昨年までは家庭生活問題審議会がございまして、いろいろな御答申がございました。それは昨年度末で終わったわけでございますけれども、ただいまの婦人問題連絡会議で、この次は婦人の家庭教育を取り上げるとおっしゃる。これは、婦人の家庭教育という言い方は非常に間違われやすい点がございますので、長官が後段で御訂正になったような表現でお願いをしたいと思いますけれども、それは、昨年の家庭生活問題審議会の答申に基づいて、総理府としてそういうお仕事をなさろうという意味でお取り上げになったのでございましょうか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(床次徳二君) 総理府にありますところの、婦人問題、これは懇談会と申しておりますが、それぞれ委員の方々がお話し合いになりまして、そうして現在において必要であるという問題をそれぞれ話題とされまして、御意見を伺うという形になっております。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 婦人問題懇談会の委員は何名でございましょうか。どういう方々が、どういう選定によって、委員となっておられるのでございましょうか。そのあまり多数でない方々がお集まりになって、職業婦人の問題が済んだから、この次は家庭教育にしましょうよというような、安易な取り上げ方で行なわれているような印象を受けるのでございますが、私のこれが誤解でなければうれしいと思うんです。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(床次徳二君) ちょっと委員の顔ぶれ、私覚えておりませんのですが、各方面の婦人問題に関係しておられる方々が入られまして、そうしてそれぞれの立場から意見を述べておられるのであります。そうして、先ほど申し上げましたように最も適切と思います問題を取り上げておられる。それで実施等におきましては、関係各省と連絡をして実施するという形になっております。私は、必ずしも重複ではなくて、やはり十分連絡調整の意味を果たしておるというふうに考えております。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 連絡調整というお仕事はたいへんになさりにくい、あまり強い力を持っておできにならない点、御同情申し上げておりますので、この問題はこの辺で打ち切ります。  文部大臣に伺いたいと思います。いま家庭の問題が出てまいりましたので、ここで一言伺いたいのは、家庭教育関係の文部省予算も一向ふえておりませんけれども、これはいかがなものでございましょう。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) 家庭教育は非常に大事なわけでございますが、従来文部省といたしましては、婦人学級であるとか、あるいは家庭学級であるとかいうようなことにつきましては、施策を講じてまいっておることは御案内のとおりでございます。非常にこういう大事な問題でございますけれども、しかもまたじみな問題でございますけれども、私といたしましては、このような施策によりまして、家庭における主婦が子供をどのように教育していったらいいかというような単に教育の問題だけではなくて、さまざまな問題を取り上げていくということに対して指導をいたしてまいりたいというふうに考えておる次第であります。御指摘のとおりに、予算面におきましてはあまりふえたというふうに申し上げられないわけでございますが、今後とも努力をいたしてまいりたいと考えます。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 文部大臣にはまだ伺う部分を残しまして、次にまいります。  総理府総務長官にもう一度お立ちを願いとうございます。売春対策審議会の現状はいかがでございましょう。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(床次徳二君) 売春対策審議会におきましては、大体本年度におきまして、総会を三回開いております。幹事会は二カ月に一回ぐらい開いておるわけであります。今日におきましては、売春問題といたしまして、これを十分に徹底して法規を実施したいという意味におきまして、その方法論といたしましては、やはり問題のある地域に対しまして委員を派遣いたしまして実情を調査をすると同時に、地元の関係者に対しまして注意を喚起したい、そうしてこれの徹底をはかる、売春対策の強化をはかるという行き方をとっておる次第であります。なお、前回の総会等におきましては、売春対策に対する予算を検討いたしますと同時に、いわゆるトルコぶろと、それから婦人補導員、この問題を取り上げまして、徹底を期したいというふうに予定いたしておる次第であります。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 四十四年度の売春対策審議会に関する予算を拝見いたしますと、増加しております部分は海外実情調査旅費というものだけでございまして、これは新規の予算でございますけれども、ただいまの長官のお話では、何か国内を回って歩くお仕事もあるようでございますが、海外へは一体どこへ派遣をなさるのでございましょうか。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(床次徳二君) 売春問題は、海外を見ることも非常に参考になりますので、実は四十二年におきましては、ヨーロッパ、アメリカにおけるところの売春対策、これはもちろん性病対策も含んで、現況を視察いたしたのでありますが、四十四年度におきましては、比較的売春問題として現在注目を引いておりますところの東南アジアにおけるところの実情、問題点を検討いたしたい、かように考えておる次第で、具体的な問題、調査項目等につきましては、審議会において検討いたしておる次第であります。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 それでは、厚生大臣に、三悪追放協会の現状を承わりたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 三悪追放協会は、御承知のように性病の予防等を中心にいたしまして一あるいは麻薬禍の撲滅というような点を中心にいたしまして、各地方における講演会、あるいは三悪予防の必要なパンフレット等をつくって、そうして三悪予防に対する一般の関心を高めるという運動をいたしておりますことは御承知のとおりであります。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 去年は別な厚生大臣でおいでになったわけでございますけれども、毎年伺っておりますけれども、いつも同じような御回答でございまして、あまりお仕事が進んでいるようには思われません。三悪の中のどれに重点をおいているというようなことはございませんのですね。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) どれに重点をということではございませんが、やはり今日の段階では、性病の予防というのに一番重点をおいておるわけでございます。もちろん売春問題もそうでございます。常習売春容疑の方々に対するいわゆる転落防止という点も重要でございますが、この方面はだんだんと実情は減ってきておるというような状況でございます。したがって性病予防、これを重点において、麻薬にも関心は薄れてはおりませんが、いま申し上げましたような状況でございます。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 世の中にはマスコミというものがはなやかでございまして、マスコミは赤線復活というような問題をたいへん喜んで取り上げているようにも見えないこともございません。これにつきまして、総理府総務長官なり厚生大臣なりに御意見を伺いとうございます。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(床次徳二君) いわゆる話題といたしましては赤線の問題が取り上げられておりますが、しかし事柄といたしましては、その害悪を防止することが非常に大切なのでありまして、引き続きいわゆる三悪追放のひとつ重要な項目の問題といたしまして、対策を講じておる次第であります。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 赤線対策も、やはりこれは一般の広報ということと相まってまいらなければならぬと思って、その点をおろそかにいたしておるわけではございませんが、これは主として警察の取り締まりをよくやってもらうということに重点を置いておるわけでございます。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 まあ売春防止法は、制定されてすでに十二年でございます。そうして世の中の現状は、いわゆるざる法といわれましたその法律の目をくぐりまして、いわゆるもぐり売春、もぐり売春ただいま花盛りといったような実情でございます。そのざるの目の大きな法律に基づいて、警察も取り締まりはやっておいでになる。それぞれ厚生省御所管の婦人相談員もほんとうに苦闘を続けておられるようでございますけれども、関係者の方々のお話を聞きますと、ここにも縦割り行政の弊害というようなものがあらわれているとでも申しましょうか、それぞれのお仕事の横のつながり、横の連絡というものが非常に手薄なようでございます。お考えいただいておるのかもしれませんけれども、早い話が東京都なぞにおきましては、年少労働者として地方の娘さんたちが集団就職で多数入ってまいりますけれども、仕事に定着ができませんで、その理由はいろいろありますけれども、定着できなかった結果が、どろ沼のような、大都市の中で売春女性に転落をしておるという事実は多数ございます。それをそれぞれの関係方面で、転落未然防止ということにいま焦点を合わせてずいぶん御苦労していらっしゃいます。末端の事情は、私どもは常に接触をしておりまして、大臣各位よりは多少は知っておるのじゃないかと思います。その横の連絡の問題、それにつきまして総理府長官、どうお考えでしょう。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(床次徳二君) 売春対策等に関しまして関係いたしておりまする役所は、総理府、法務省、文部省、厚生省、労働省、警察庁、こういうのが多いところであります。これらの役所は、先ほど毛お答え申し上げました売春対策審議会にそれぞれ委員として次官が出ておる。絶えずその席上におきまして意見の交換、連絡等をいたしまして、なお委員が調査いたしました事柄等に対しましても、それぞれ持ち帰って対策を講ずるという連絡をいたしておる次第でございます。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 希望といたしまして、もう少し横の連絡を今後密接にお願いをしたいと思います。  厚生大臣に沖繩の売春のことで一言承りたいと思います。前厚生大臣の園田さんは、御自身沖繩に行かれまして、沖繩の売春の現状にがく然となすったようでございまして、何か本土としてもお考えがあるやに感じておりましたけれども、現厚生大臣は、沖繩の問題を本土と一体化という考え方でどんなふうに受けとめておいででございましょうか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) まあ沖繩の施政権返還という問題が進みますにつけまして、本土と一体化の必要があるということはもちろんでございますが、そうでありませんでも、やはりこれは一つの人道問題でもございますから、現在の沖繩の施政当局と連絡をしながら、必要に応じてこちらから職員も派遣をし、本土並みの売春取り締まりのできるような準備に対しまして、いろいろと協議に乗っているわけでございます。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 琉球政府では、四月中に売春防止法の立法勧告が行なわれるようでございますけれども、その内容、原案というものをたまたま見る機会を得ましたけれども、日本の現行売春防止法とほとんど同じでございます。違っているところをさがせば、罰金の円がドルというふうに換算されているぐらいなものではないかと思います。本土がお手本になるというその考え方にも批判の余地はありますけれども、早い話が、本土を手本にして動く沖繩に何かいじらしいものを感じ、本土の責任ということをもう一ぺん関係の皆さまにお考えが願いたいと、こう思うわけでございます。  この問題で最後に、法務大臣、先ほど売春の実情は、ざるの目をくぐって、ざるの目の大きな一つは、単純売春を罰しないということでございますけれども、したがいまして、現在のもぐり売春の実情は単純売春が罰せられないという、そこをめぐってたいへん巧妙に行なわれているようでございますが、制定十二カ年を経過いたしました現行法について、大臣としては改正の御意思ありやなしや、伺いたいと思います。

西郷吉之助自由民主党法務大臣

○国務大臣(西郷吉之助君) お尋ねの売春防止法でございまするが、この法律のたてまえなりまた規定の内容につきましては、刑事政策上から考えますとかなりよい点もあるかと考えますし、また外国の立法例に比べましてそう遜色もないと考えますが、いまお話しの改正の問題につきましては、慎重な態度を持してまいりたいと思うのでございます。しかし先生おっしゃるとおり、この法律の制定後年限も経過しており、またいろいろの批判なり御意見が世間に多数ございますことも承知いたしておりますので、私は、現在のこの法律の運用の状況、また規定の内容につきましても、さらに時世に合ったものにいたすために検討を事務当局にすでに命じておる次第でございます。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 文部大臣に残しておきました質問を申し上げたいと思います。  それは性教育の問題でございます。文部省では、純潔教育というような名称で予算化もしておいでになりますが、あまりその予算もふえないようでございますが、社会の現状におきまして、性の自由とかいろいろ問題がございますが、広く取り上げる時間がございません。ただ私は、小学校におきます性教育ということについてお考えでいらっしゃるかどうか。実情は、男女共学がもう相当年月が重なりまして、また日本の社会の諸事情が、子供たちの生活が向上するにつれて非常に子供の発育もよくなり、その場合には、男女共学におきまして、女の子のほうがずっと早く体が育ちますことにおいて、たいへんデリケートな問題が日常の生活の中に起こっており、現在の小学校の先生方では性教育をする力もないし、またその義務もないと申しましょうか、小学校高学年における性教育不在ということにつきまして承りとうございます。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) この問題は非常にデリケートな問題でございます。まあ昔でも女のほうが早かったわけですが、なお、今日は非常に男女平等ということで、女性の地位が高まったということ、それから同時に、終戦直後は非常に栄養等も悪うございましたけれども、だんだん生活水準も高まってきたということ、あるいはまた、先ほど御指摘のような、映画とか、あるいはまたテレビとかいうものの中で、あまり適当でないような映画、テレビ等もございますが、非常にセックスの問題を取り上げているということで、小学校、中学校の生徒に与える影響は非常に大きいかと思います。たとえばスチューゲント・パワーの問題を考えてみましても、精神年齢は非常に幼稚であって、からだの面はおとな並み、からだの欲望はおとな並みということ、それに加えていまのテレビ等の影響があって、これでもかこれでもかということで欲望をかきたてるのみにあれしておる。むしろ自己をコントロールするというようなことが行なわれなかったということで、文部省としても反省をいたしておるわけでございます。でございますが、この小学校の段階ももちろん必要でございますが、これはやはり家庭の中における教育と申しますか、しつけと申しますか、あるいは純潔教育に、母親や父親というものが影響するところも非常に大きいというふうに私は思うのです。これはやはり私たちといたしましても、純潔教育の手引きというものをかなり詳しく、そして具体的に領布をいたしまして、指導に当たっているわけでございますが、実際面といたしましては、その指導につかれる先生方個人個人の自覚と反省と意欲ということになるかと思うのでございます。で、ただいま御指摘のように、なかなかうまくいっているとは私たちも思っておりませんけれども、しかし私は、このやり方等をくふうするならば、ある程度の効果をあげ得るのではなかろうか。たとえば、単に性教育ということだけを取り上げるのではなくて、生物の時間等において、どういうような発達のしかたをするのか、人間はどうなのか、男女はどうなのかという方法等について、現場でもう少しごくふうが願いたいものだというふうに思うわけでございまして、その点は、民主主義の世の中になったとはいいながら、それがまだ定着をしておらないという意味におきまして、どうもやはり昔の風習、因習等が日本の社会にはあるんではなかろうかと思います。こういうことはむしろ科学的に冷静に教えるという方法があるものだと私は考えておるわけでございまして、今後とも純潔教育の問題につきましては、指導助言をいたしまして、それぞれの子供の発展段階に応じた教育をやっていただきたい、こう考えておる次第でございます。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 最後に一言、もう一ぺん文部大臣にお願いをしたいのですが、これは厚生大臣からもお答えいただきたい。  やはり子供に関係した問題ですが、さきごろ大分市で、中学二年生の男の子が自殺をいたしました。こまかい話は省きますが、その子供は、生活保護家庭であり、母子家庭でございました。買いものに行き、スーパー・マーケットでほしいものを買うだけの金の持ち合わせがなく、ある不正行為を働いたのですが、学校当局を店のほうは呼び出して、先生は子供を同道して校門まで帰りながら、それからあと、子供はうちに帰って自宅の物置きで総死をいたしましたが、家庭は二日たってからこれを発見しております。私が文部大臣に伺いたいのは、いわゆる母子家庭というような欠損家庭の子女に対しまして、いまのケースにいたしましても、せっかく学校の門まで同道されたら、なぜ家庭まで帰って母親と話し合っていただかれなかったのか。そのことを少し広げますと、総じて母子家庭の子女の進学とか就学の場合に、これは母子福祉という行政で、厚生省の御所管でありますけれども、教育は文部省の御所管で、学校の先生が、母子家庭の子供たちに対して少し御理解が足りない。おまえのところは片親だからそんなところを志望しても入れぬぞとか、もう上の学校へ行くのはあきらめろとか。厚生省では、母子福祉資金の貸し付けで、高校、大学へ行く道が開かれておりながら、学校の先生がこれを御存じない。この点についてお願いがございます。厚生大臣には、こういう家庭のいわゆる収入認定、このことは、例のこのごろいろいろの交通事故の遺児に対する奨学金等の収入に対する厚生省側の生活保護の認定に対する要望も、地方自治体からだんだん出ておるようでございますが、ただ冷たく、収入があったから引くというようなお考えがないようにという要望が強いようでございますから、この二点をお二人に伺いまして、私の質問は終わらしていただきます。

坂田道太自由民主党文部大臣

○国務大臣(坂田道太君) 母子家庭の子供さんが自殺をしたということはまことにお気の毒なことだと思っております。いまおっしゃいますように、先生がもう少し御指導になったならばそういうことがなかったであろうということを、先生のお話を伺いながら思った次第でございます。私は、学校の先生方が第一線に立って日常子供たちと接触をしておられる、特に小・中の段階におきましては、特に家庭の状況であるとか、あるいは本人の性向であるとか、そういうところまで踏み入って教育をしないと、ほんとうの意味における全人教育ということができないのじゃないかというふうに思うわけでございます。それがいたずらに——従来非常にすし詰め教室でございまして、先生方の労働時間も、あるいは労働量も非常に多うございまして、五十人、六十人という場合におきましては、一人一人の人たちの把握というものができなかったかと思いますけれども、しかし私は、民主主義のこの新しい制度のもとにおいては、むしろ戦前以上に子供さんに対して、その家庭なり環境なり、あるいはその人の性向なりというものを十分把握して教育をやるべきである。単に数学を教えるだけ、あるいはまた国語を教えるだけ、こういうようなことではほんとうの教育ではないのじゃないかというふうに思いますし、また先生の一挙手一投足というものが子供たちにどういう影響を与えるかというようなこともやはり考えて教壇に立ってもらわなければならぬと私は思うのでございます。この点につきましてば、文部省といたしましても十分指導をいたしたいと考えておる次第でございます。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 先ほどおあげになられました例は、まことに痛ましい例だと思います。厚生省関係といたしましては、保護家庭のいわゆる収入の控除というようなことにつきましても、できるだけ、法の許す限り最大限に認めて、そうして不自由のないようにという配慮をいたしておるわけでございます。おあげになられました少年は、新聞配達をしておられたようでありますが、こういった収入も、その収入として差し引くというようなことはしておらなかった。非常にまじめなお子さんで、母親のしつけもよかったということでありますから、まあ、ふとしたことから、まじめであっただけに思い詰められたのじゃなかろうか、かように思って、残念に思っております。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 交通事故の遺児に対する奨学金のような場合も、保護家庭の収入からお差し引きにならないでくださいということをお取り次ぎをしたつもりでございますが。

床次徳二自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(床次徳二君) 先ほどお尋ねになりました沖繩の立法の問題につきましては、厚生大臣からお話がありましたように立法準備中でありますので、将来の一体化の趣旨に従い、現地の特殊事情にかんがみてできるだけ努力をいたしたいと思いますが、なお売春対策審議会といたしましても、昨年の二月に審議会の副会長の田辺氏が調査をいたしておる次第であります。  それから婦人関係諸問題に関する懇談会の委員の名前ですが、名前だけ読み上げますと、木下正一、後藤俊子、塩月彌栄子、田辺繁子、武田喜代子、谷野せつ、中根千枝、波多野勤子、樋口弘其、平林たい子、福武直、古谷綱武、松山千恵子、横田整三。

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 山高君、もう時間がまいりましたので……。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 厚生大臣の御返事、それだけお願いいたします。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 交通遺児に対する教育費の補助的なものに対しましても、できるだけ収入認定をする必要のないような方法で出してもらうように、当該地方公共団体といろいろ話をいたしております。

山高しげり第二院クラブ

○山高しげり君 ありがとうございました。

塩見俊二自由民主党

○委員長(塩見俊二君) 以上で山高君の質疑は終了いたしました。  これにて一般質疑通告者の発言は全部終了をいたしました。一般質疑は終了したものと認めます。  午後は、それぞれの分科会で御審議を願うことといたしております。  次回の委員会は三十一日正午開会することとし、本日はこれにて散会をいたします。    午後一時三十一分散会

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